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2012年5月25日 第7回 障害者雇用促進制度における障害者の範囲等の在り方に関する研究会

職業安定局高齢・障害者雇用対策部障害者雇用対策課

○日時

平成24年5月25日(金)10:00〜12:00


○場所

中央合同庁舎第5号館専用第21会議室


○出席者

【委員】 今野座長、阿部委員、海東委員、川崎委員、杉山委員、田川委員、田中伸明委員、田中正博委員、丸物委員、八木原委員


【事務局】 中沖高齢・障害者雇用対策部長、山田障害者雇用対策課長、田窪主任障害者雇用専門官、鈴木障害者雇用専門官、秋場地域就労支援室長補佐、安達障害者雇用対策課長補佐、西川障害者雇用対策課長補佐


○議題

1.雇用率制度における障害者の範囲等について
2.雇用率制度に関するその他の論点
3.その他

○議事

○今野座長
 ちょっと声が変ですが、ご容赦いただきたいと思います。それでは時間ですので、ただいまから第7回「障害者雇用促進制度における障害者の範囲等の在り方に関する研究会」を開催いたします。本日は野中委員が欠席でございます。
 いつものことですが、発言をされるときは手を挙げて名前を言っていただき、それから発言をするということにさせていただきます。本日の議題は、お手元の議事次第にありますように、雇用制度における障害者の範囲等についてと、雇用率制度に関するその他の論点で、メインはこの2つです。それ以外に何かあれば、その他ということになっています。
 それでは議事に入ります。議題の1つ目ですが、前回までに雇用義務の考え方と精神障害者の雇用義務については議論をしていただきました。今回はその続きをしたいと考えています。それでは事務局から資料の説明をしてください。
○地域就労支援室長補佐
 お手元の資料1と2の説明をいたします。前回は雇用義務の趣旨・目的と精神障害者を雇用義務の対象とするかについて議論をしました。まず資料1の3頁ですが、雇用義務制度、義務の趣旨・目的について、第6回でいただいたご意見を追加しています。
 例えば、海東委員からは、「検討するに当たっては、目指すべき方向性と在るべき姿という観点と一方で、導入に当たってどんな影響、何が起こるかという観点の検討が必要になってくるのではないか」。2つ目の○の最初ですが、「企業が自らの意思で自主的に雇用を進めていく姿が、最終的に望ましい姿だと思う。」といったご意見がありました。
 田川委員からは、「法定雇用率は最終的な目的ではなく、過程の一つである。法定雇用率があるから企業が障害者を雇って、障害者と一緒に働く中で、「もっと一緒にやっていこう」といったように変わっていける一つの過程であるのではないか。」といったご意見がありました。
 また海東委員からは、企業経営の視点からのご意見として、「企業経営の観点から考えると、義務となると法定雇用率の上昇が想定されるが、現行の納付金のままであると企業経営に影響を及ぼす」といったご意見がありました。
 続いて、6頁ですが、前回主に議論となった「精神障害者を雇用義務の対象とするか」についてです。まず精神障害者の雇用を取り巻く状況はどのように変化したかという部分ですが、例えば、八木原委員から、「平成18年度に実雇用率のカウントができるようになってから、非常に企業はよくやってくれていて、いろいろとサポートをする専門家を配置するなどして、かなり変わってきているのではないか。」といったご意見がありました。
 海東委員からは、「それぞれの企業が自分の企業の在り様に応じて、障害者をきちんと位置付け、その中で雇用に繋がっていく姿が望ましい。障害者に対する考え方の理解を図っていくことが重要であるが、その部分については、まだ未整備な部分もあるのが実態ではないか。」一方で、「環境整備の施策のラインアップについては十分揃っていると思う。ただ、その理解、浸透、認識がまだ不十分なので、企業の理解促進が重要なのではないか」といったご意見をいただいています。
 田川委員からは、再掲になりますが、法定雇用率があって企業が障害者を雇って、障害者と一緒に働く中で、「もっと一緒にやっていこう」というように変わっていける一つの過程ではないか。事業所アンケートの結果を見ても、精神障害者を雇うことで理解が進んで、また雇っていこうといった方向になっている。」といったご意見がありました。
 7頁で2つ目の○ですが、八木原委員から、「事業所アンケートの結果を見ると、企業としてはどうやったら雇用できるのかと考えていると読み取れる」とのご意見をいただいています。
 まとめとして今野座長からは、「理解促進という主観的なことから、その環境整備、政府の助成金などの支援を全て含めた環境整備について、レベルの問題は別にして、精神障害者を雇うような状況が進んできたという傾向になっている。環境整備という点では、環境は改善されてきたが、問題はそのレベルが十分かどうかということだと思う」とのコメントがありました。
 それに対して田川委員からは、「環境が改善されてきたというレベルの問題で言うと、就職者数も非常に伸びていて、それだけの方が就職しているのだから、十分なレベルに達していると言えるのではないか。これでもレベルが足りないということであれば、どうなのだろうか」といったご意見がありました。
 資料2ですが、これは、これまでの資料の中から「精神障害者の雇用を取り巻く状況の変化」に関する主な部分をピックアップして表にしたものです。ハローワークなどにおける支援、助成金等の精神障害者の雇用促進のための施策のメニューは、裏面に以前に出した表がありますが、平成4年にはまだ5つだったものが、10年後の平成14年には12、平成24年には21と着実に充実しています。
 また、メニュー数は増加しているが、その実績はどうなっているだろうということで、それが下の表になります。まず、ハローワークにおける就職件数ですが、1,890件から平成23年度は18,845件と10倍近く増加しています。
 障害者就業・生活支援センターや地域障害者職業センターの利用者数も大幅に伸びており、特定求職者雇用開発助成金を始めとする助成金や、ハローワークに配置している雇用トータルサポーター、ジョブコーチ、地域障害者職業センターにおけるリワーク支援の支援対象者などについても、平成14年度や制度創設当時から比べて大幅に実績として伸びていることが窺われます。
 続いて3頁ですが、前回の研究会において企業への理解促進、周知・啓発というお話がありました。厚生労働省として行っている事業として、働く障害者からのメッセージ発信事業というものがあります。これは当事者の方や就労支援機関の方、企業の方に対して、実際に働いている精神障害者や企業の方などからその体験談などをいろいろお話をしていただくという機会をブロック別で設けていまして、平成23年度の実績としては5カ所で開催し、1,300人近い方の参加がありました。
 また、平成21〜22年度にかけては、精神障害者の雇用促進モデル事業というものを実施し、実際に企業で精神障害者を雇用してもらい、その環境整備をしていただき、そのノウハウを構築してもらって、それを普及・啓発していくといった事業を行いました。平成23年度からはその成果を周知・啓発する事業を行っています。
 お手元にお配りした青い冊子「精神障害者とともに働く」は、モデル事業に取り組んでいただいた10企業の事例、取り組んだことや経験から得た課題やノウハウなどをまとめたものになっています。
 平成23年度からは、ブロック別のセミナーとして開催して、モデル事業を実施した企業の方からお話をいただく機会を設けていまして、平成23年度の実績としては、6カ所で1,364人の参加がありました。
 また、高齢・障害・求職者雇用支援機構では、研究部門や事業所部門でさまざまな雇用管理に関するマニュアルや事例集を作っています。例えば、雇用管理マニュアルは何回も改訂を繰り返して、約3万部配布しています。また、9月に障害者の月間がありますが、表彰制度を設けていまして、平成21年度は精神障害者をテーマに職場改善好事例を募集して表彰を行いました。その入賞事例を集めた精神障害者のための職場改善好事例集を作成・配布しています。
 また、精神障害者の雇用に関して、わかり易いようにコミック版も作っていまして、初めて就職をする場合とリワークの話も入っています。また、企業に向けたものではありませんが、ハローワークやナカポツなどの相談窓口で、精神障害者の方が来たときにどう対応したらよいかといったガイドブックも、平成21年度に全面改訂し、お配りしており、非常に人気があって増版して配布しています。
 最新のものとしては、「精神障害者の雇用管理ガイドブック」と言って、企業の方が精神障害者を雇用する時、採用から雇用管理の場面でどのような点に気を付けたらよいかといったことや事例なども多く取り入れたガイドブックを作成し配布しています。
 4頁ですが、そういった施策や周知・啓発の結果として、企業の意識がどのように変化したかについて、事業所アンケートの結果から抜き出したものですが、精神障害者を雇用していると回答した事業所については、平成15年の結果と今回の結果を比較すると、10.8%から14.4%に増加しています。また、「積極的に精神障害者の雇用に取り組みたい」と回答した事業所は約3倍、また、「ある程度仕事のできそうな人が応募してくれば雇うかもしれない」と回答した事業所は約2倍に増加していました。
 参考として、これは今の話の裏側になりますが、今後の精神障害者の雇用方針として、「雇いたくない」と回答した事業所は前回の調査に比べて減少しています。さらに「支援制度や情報提供が充実しても雇いたいと思わない」と回答した事業所は14.6%ですので、裏返せば、支援制度や情報提供が充実すれば雇う事業所が多いということになります。全体的に施策も増え、就職件数も増え、実績も増え、また企業の意識についても前向きに変化しているといった結果になっています。
 資料1に戻りまして、8頁からは、精神障害者を雇用義務の対象とすることについて、どのように考えるかといった部分です。
 海東委員からは、「精神障害者の雇用義務化という部分について方向性としては、その方向だろう。その際、企業が自らの意思で自主的に雇用を進める姿が最終的には望ましい姿だと思う。」、「企業自身の在り様に応じて、障害者をきちんと位置付け、その中で雇用に繋がっていく姿が望ましい。障害者に対する考え方の理解を図っていくことが重要であるが、現状を踏まえると、その部分については、まだ未整備の部分もあるのではないか」。
 また2つ目の○ですが、「現下、どの企業も非常に厳しい経営環境にあって、義務の対象範囲の拡大によって、急激に雇用率が上昇するといったことは、負担増に繋がることになり、望ましくないと考える。」3つ目の○として、「環境整備の施策としてのラインアップは十分揃っていると思うが、それについての認識、理解というのが、まだ不十分ではないのか。精神障害者を雇うには、それなりにエネルギーがかかるが、雇っていこうという企業の前向きな姿勢をいかに醸成していくかが大事だと思う。」といったご意見がありました。
 今野座長からは、「皆さんの意見を聞くと原則としては、精神障害者を雇用義務の対象とすべきである。理解促進という主観的なことから、行政による支援などの全てを含めた環境整備について、精神障害者を雇うような状況が進んできたという傾向になっている。環境は改善されてきたが、問題はレベルが十分かどうかということだと思う。」といったご意見がありました。
 八木原委員からは、「環境整備は大切であり、環境を事前に全て整えてから雇用をするという考え方もある一方で、障害者を雇用するという体験を通じて、一緒になって学び、環境整備をしていくというやり方もあるのではないか。」、田中委員からは、「雇用義務の確保と併せて合理的配慮の具体策についても検討していくのがよいのではないか。そうすれば企業にとって義務は負担ではなくて、見通しが持てるということに変わっていくのではないか。」、最後の○ですが、田川委員からは、「環境が改善されてきたかというレベルの問題で言うと、就職者数も非常に伸びていて、既にこれだけの方が就職しているのだから、十分なレベルに達しているのではないか」といったご意見をいただいています。
 9頁の下ですが、支援策の充実については、まず川崎委員、八木原委員、田川委員から定着支援についてご意見をいただいています。「精神障害者の特性として、症状の波があるので、精神障害者の合理的配慮というのはマンパワーではないか。」「企業側が困ったときにそれを解決するための支援体制作り、定着支援の体制が必要ではないか。」「そういった定着支援をシステム化していくのが必要なのではないか。」また、「企業の中だけではなく、外部の支援機関と上手く波長を合わせてやっていくべきではないか。その辺が重要だと思う」といったご意見をいただいています。
 10頁で、1つ目の丸物委員のご意見ですが、「精神障害者は最初は企業にとっては扱いにくい部分もあるが、ステップアップでだんだん慣れていってもらうことが大切である。能力的には高い方が多いので、何らかの対策を考えていかなければならないと思う。」
 海東委員からは、「実際にモデル事業を実施したが、参画して1つは覚悟だということを感じた。きっかけがあって始めて、現場の中では苦労もあったが、外部の支援機関と上手く連携をとることによって軌道に乗せていくことができた。また、職場に刺激が出るなど、我々にとってもプラスの部分があったと感じた」といったご意見をいただいています。
 田川委員からは、「一般の方が働きやすい環境をいかに作るかが、精神障害者が長く働ける大きな要因になるのではないか」。野中委員からは、「職場のメンタルヘルスに関する体制や企業内の産業保健グループと一緒に、そういった支援を受ける体制というのも理想的ではないか」といったご意見をいただいています。
 二重四角囲みのところですが、そういった多くのご意見をいただき、前回、座長がまとめられた発言を中心に書いてあるのですが、「原則として、精神障害者を雇用義務の対象とすべきである。精神障害者に対する企業の理解や支援策の充実など、精神障害者の雇用環境は改善され、義務化に向けた条件整備は着実に進展してきたと考えられる。一方、企業の理解等に不十分な点もあるとの意見もあり、義務化に向けて充実させていくべき支援策はどのようなものがあるかを検討する必要がある」とまとめました。
 11頁ですが、「仮に精神障害者を雇用義務の対象とする場合に、その範囲及び確認方法についてどのようにすべきか」は、皆さまのご意見として手帳が妥当であろう。雇用義務の対象にすればメリットもあるだろうから、自分も手帳を取っていこうというインセンティブ、モチベーションになるのではないかといったご意見を多くいただいています。
 また、最近の傾向として、例えば八木原委員のご意見ですが、「手帳を取って障害をオープンにして雇用されていく方も最近増えてきた。一方で、手帳を持っていることや障害をオープンにすると言っても、プライバシーの配慮というのが必要だと思う」。12頁で丸物委員からは、「必要だと思ったときには手帳を取ってオープンにするということが、だいぶ広がっているのではないか」といったご意見をいただいています。
 それで、この議論のまとめとして、これは皆さまから合意を得られたところだと思いますが、「精神障害者を雇用義務の対象とする際に、手帳で判断することが適当である。手帳の取得や障害の開示は本人の意向によるものであるが、その際プライバシーの配慮に十分留意する必要がある」とまとめました。
○今野座長
 ありがとうございました。先ほども言いましたように、精神障害者の義務化に関する議論を続けていきたいと思いますが、いま説明していただいた資料の1の6頁〜12頁に当たります。論点としては、精神障害者の雇用を取り巻く状況はどのように変化したか。2番目は、精神障害者を雇用義務の対象とすることについてどう考えるのか。3番目は、仮に精神障害者を雇用義務の対象とする場合、その範囲、確認方法はどう考えるのか。この3つが論点になります。前回、この3つについて途中まで議論していただいて、事務局に整理していただいて、まとめも作ってもらいましたので、それを踏まえて続きの議論をしたいと考えております。
 その前に、今日は田川委員から関連の情報が提供されておりますので、それをお聞きしてから議論に入りたいと思います。それではお願いします。
○田川委員
 今日提出させていただいた資料は2つあります。1つは、JSNがちょうどこの5月で5周年を迎えまして、就職者も100名を超えました。5周年で就職者もそれだけになったので、JSNメンバーが就職した企業にアンケートを取りました。こちらの議論もお聞きしていて、これは興味深い資料であるので、一度こちらにお出しするのがいいのではないかと。自由記載部分は実はまだ整理できていないのですが、6月の中旬に総会があるので、それまでに完成させなければいけないので、ちょっと慌てています。一応、数字として表れたところだけお話をさせていただきたいと思います。
 資料は「田川提出資料」になっていると思います。一点間違っていまして、「JSNメンバーを雇用していただいた企業も70社余にのぼります」というのは実は「60数社」です。そのうちご本人が、もうJSNに関わっていただかなくて結構ですと言われたり、あるいは病気を伝えず就職された方もおられますので、そういうところを除いて59社にアンケートを出し、41社から回答がありました。
 55人以下の企業が49%です。いわゆる法定雇用率の対象外の企業です。ここがたくさん雇っていただいている。1,000人以上の大企業と言われている所は17%で、ほとんどが中小企業に雇っていただいています。日本の中小企業は、非常に経営的にしんどくて、7割ぐらいが実質的に赤字ではないかと言われているのですが、そこでもしっかり雇っていただける。現在の精神障害者の雇用人数は、1名が半分以上で51%です。初めて雇用したという所がたくさんあります。精神障害者をたくさん雇用するよと言っていただいている企業も4分の1強あります。
 次に、雇用をめぐる精神障害者の理解というスライドですが、「この10年間で、雇用面での精神障害者理解の変化はありましたか」という質問で、「大変進んだ」が15%、「進んだ」が77%で、90%以上の会社が、雇用という意味で精神障害者の理解は進んでいると答えておられます。雇用されたあと理解はどうなったかというのは、これも90%ぐらいの企業が進んだと。10年前に比べて随分進んだが、雇ってみてさらに進んだということが出ています。「精神障害者を雇用してどうだったか」という質問では「大変良かった」と「良かった」で約4分の3を占めています。「あまり良くなかった」という方が1割おられますが、これも我々はしっかり支援しなければいけないと思っております。雇用していただいてとても良かったと思っていただいているというのが現状だと思います。
 次に「精神障害者を雇用したことによる変化」では「戦力になった」というのが30です。41の回答のうち30ですから、約4分の3の方がまず戦力になると。これがとても大事です。我々JSNのトレーニングも、やはり企業の戦力になるようなトレーニングをしなければいけないということでやっております。もちろん「雰囲気が良くなった」「助け合うようになった」「マニュアルを作ってほかにも役に立つようになった」という所はあるのですが、まず戦力と。その上で、いろいろな要素で、ああ良かったなと思っていただいていると思います。それ以外に、やはり、小さい企業がとても多いので、しっかりした担当者や専任の担当者をなかなかつけられなかったりとか、あるいはその方が伸びていくまで、なかなか時間が取れなかったりという中でだと思いますが、「ミスが多くて」とか「指示の理解が悪くて、ほかの従業員がしんどくなった」という所も、1割前後ですがあります。やはり、こういう小さい所には、外からの支援です。外からの支援もとても大事ではないかと思っております。「今後も精神障害者を雇用するか」という質問では、具体的に考えていただいている所は7%あります。「いつというのはないけれども、考えている」というのが7%あります。これからの会社のいろいろな状況によるということですが、「可能性はある」と言っていただいた所は約4分の3弱あります。20%の所が「考えていない」という答えです。それ以外の所は、それなりに考えていただいています。
 次は「企業から見た就労支援者の必要性」です。JSNがいろいろな支援をしているのですが、いちばん多かったのは「就職して定着したあと、だいぶ経ってから調子を崩したときに支援に入ってほしい」というのが4分の3以上あります。これがいちばん多いです。その次に「実習中のjob」です。たぶん実習の指導まで手が回りにくいということだと思います。「三者面談」「仕事の個別面談」です。就労定着時のjobについては、これは会社のほうで、自分のほうで教えるよという所もあるのかもわかりません。「三者面談」や「仕事面の個別相談」、あとで急に調子を崩したときに、例えば1年経って急に調子を崩したときに、こちらのjobが飛んで行くということに保障はほとんどないのです。急にジョブコーチの手続きはできないですし、これは経済的保障なしでやっております。やっぱり仕事を継続していくという意味では、こういうところはとても大事なことだと思っております。
 まとめますと、中小企業を中心に雇っていただいているのですが、感じるのは人を育てていこうという企業がとても多いと思います。やはり、企業の姿勢だと思うのです。海東委員が実習を受けるときに、「覚悟」というふうに言われましたが、雇おうという、1歩踏み出す覚悟、雇おうかという姿勢がないと、前へ進まないというところがあります。
 法定雇用率の義務化というのは、基本的にそれを促すような1つの大きな力になっているのではないかと私は思っております。ノーマライゼーションとかインテグレーションとかダイバーシティとか、いろいろ言葉では言っても、実際にそこへ踏み出していくことがとても大事になっていくのではないかと思います。精神障害者の理解というのははっきり進んでいると思います。90%の企業が、雇用という面では進んでいると答えています。かつ、雇った中でさらに進むということが言えるのではないか。一人雇用が半分で、本当に初めての所が多くて、よかったというふうに言っていただいている所が4分の3ある。4分の3に言っていただくというのは、我々支援者としてはとても嬉しいことですが、こういう支援の中で、やはりよかったと言っていただける、そういうことが大事ではないか。
 姿勢と言いましたが、前にこちらで取られたアンケートでもそうですが、雇った所はまた雇おうかと思っているが、初めから雇わないという所は雇わないというスタンスを取っている。これをいかに変えていくかというのがとても大きいと思っております。戦力になっているということは、とても大事なことです。戦力にならないと、その方が仕事を続けていけない。お客さんとか、お情けで雇用してもらったら絶対に仕事は続かない。その方が戦力になっていくことが、企業にももちろんそうですし、ご本人にもとても大事なことだと思っております。戦力になるような支援をしなければいけないと思います。
 息の長い支援がとても必要だということを、前から強調しております。いろいろなバックアップをして、長く続けていただこうと思っているのですが、実際これは大変なことで、支援者のほうも本当に息切れしかかっているようなところがあります。
 もう1つ、ジョブメンターの記事で、芦田社長のアクテックという所のケースですが、これは50数名の企業です。ただ、非常に頑丈なアルミケースを作っておられて、精密機械を海外に運ぶときに、かなりよく使われている所です。ちなみに大リーグのイチロー選手のバットケースは、アクテック製です。どんな扱いをされても中のバットは歪まない、壊れないというもので、非常にレベルの高い製品を作っておられる企業です。ここでは精神障害者を何人も雇っておられて非常に尊敬している社長さんです。5頁目の真ん中に「目標数値化の具体的な成果はいかがでしたか」という質問に対して、嬉しいことに、昨年度の生産性コンペでは、製造部門5チーム中、障害のある社員と混成チームがトップになりましたと。生産性にハンディを持つ人が8人中3名もいるのに、チームワークというか、仕事に対する執着力の勝利としか思えないです。これは何年か続いているようです。前に野中委員が言っておられた、混成チームは強いのだと。本当にいろいろなマニュアルを変えられたそうで、その結果健常者の社員もミスが少なくなって、生産性が上がってきたということを、前にお話されていたことがあります。本当にダイバーシティそのものを具体化したような企業経営をされているので、参考ということで資料として出させていただきました。以上です。
○今野座長
 ありがとうございました。それではご質問、ご意見をお願いいたします。
○田中(正)委員
 本日は所用がありまして、途中で退席しますので、項目を分けずにお話させていただくようになるかもしれませんが、よろしくお願いいたします。
 今日のお話をめぐって、前回も雇用の義務化の対象に精神の方を対象とするのかどうかということで議論を進めて、その枠組みの対応について再確認ということですので、それについて意見を述べさせていただきたいと思います。
 雇用率の設置に関しては、この研究会でも、私自身のスタンスとしては雇用の義務化において、環境を整備するということが就労に向けての入口になるというお話をさせていただきました。そのような考え方をこの間の議論に照らし合わせますと、前回、この話題について検討した平成16年のころから、すでにこの内容については、議論が尽くされているということで、そろそろ滑走路を離陸してもいいのではないかと思っております。そのきっかけとしては、障害者自立支援法によって、3障害が一元化されたということも含めて、雇用義務の対象の部分だけが身体と知的だけで、精神障害だけが取り残されているということにおいては、流れ的にもさらに取り残され感があるかと思っておりますので、繰り返しになりますが、この検討会で結論づける時期が来たのではないかと思っております。
 次いで議論されている対象の範囲の枠組みの中での合理的配慮ということが、権利擁護の位置づけからも具体化されておりますので、きっかけを得て、就労のチャンスを得た方に、本人の特性を見立てて、適切な仕事環境に結び付けていくことが、いま田川委員からのご報告においても、実践としても実証されているということです。雇用率の義務化の対象に精神の方を取り込んで、より良い環境設定を、本人の特性に応じた対応として整えていくということで、今回、雇用率のアップも実現されたので、そのことも含めて、伸び代が少し増えたということにおいて、義務化によっての身体、知的の人が少し阻害されるのではないかという疑念に関しても、心配はあるかもしれませんが、やってみなければわからないということに対して、伸び代が若干あるということで、これもいい機会ではないかと思っております。
 トータルに考えても、結論としては、対象として精神の方も取り込むということに尽きるかと思っております。対象を決める際の処方としては、いまわかりやすい基準が手帳となっておりますので、雇用率が就労に向けてのきっかけになるチャンスをもたらすものであれば、手帳が少しネガティブな要素を持つ部分があるとしても、プラスの効果で普及して、機能を発揮するのではないかと思います。その点においても、まずは手帳で対象者を決め、法定雇用率の対象に精神の方を入れて、状況をより良くするために離陸をするということで結論としたいと思います。以上です。
○今野座長
 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。
○川崎委員
 今回ずっとこのように精神障害者の雇用について、いろいろと皆様のご意見を聞きながら、前向きに動いていることに対して、精神障害者の家族として大変にありがたく、嬉しく思っております。
 いま田中委員からお話がありましたように、私どもも3障害ということで、ここは是非とも精神障害者を雇用の中に入れていくべきではないかという考えでおりますが、どうしても企業側の方にとりまして、精神の人というのはどのように対応していいかわからないという声も聞きます。実は精神障害者はこういう特性だというような、マニュアル的なものはなかなか出せるものではなく、知的もそうだと思いますが、個別的な支援なのです。実は、一緒に働くことによってわかっていく。私は地域の生活支援センターで、食事支援に地域の町会の婦人部にお願いしに行きました。委託事業としてお願いに行きましたところ、やはり、そのときも第一声が、「精神障害者ってちょっとわからない、怖いんじゃないの」なんていう話がありましたが、どうぞ来てみてくださいということで、地域の町会婦人部が食事支援に関わってくれました。
 そのときの婦人部の話は、「なんだ、本当に普通の人じゃない。とってもやさしくて、私たち全然考えが変わった。土・日とか、センターがないときに道で会っても『おはようございます。いつもありがとうございます』と挨拶をしてくれるんだよね」というように、理解が一緒にいることによって進んでいった経過がありました。
 なかなか大企業での話は聞いておりませんが、先ほど田川委員からお話がありましたように、小さな企業では、みんなで支えていこう。1人の精神障害者をみんなが理解することによって、会社全体の雰囲気がものすごく良くなった。お互いを労り合えるというか、みんなで何か一緒にしていこうということで、ちょっと精神の人の調子が崩れたときにも「大丈夫」という声かけをしてくれたりしながら、精神の人がそこで何となく自信を持って働いていけているという話も聞いております。いろいろと今までのお話の中にもありましたが、一緒に何かしっかりとした体制づくりをしてから、精神の人が入るというのではなく、一緒にそこに参加することによって企業側の理解も進み、精神の就労に対する皆さんの理解も進むのではないかと思っております。以上です。
○今野座長
 ほかにいかがでしょうか。
○八木原委員
 先ほど田川委員からもお話がありましたように、混成チームについて、能力開発局の職業訓練校に関するアンケート調査が2年間にわたって行われました。その中で、障害のある訓練生を1つの課にして指導する場合と、混成、つまり、一般の訓練生に混じって訓練指導を受ける場合の比較です。結果は、混成チームも単独チームも大差はなかった。調査の前は、単独のほうが効果があるのではないかということを盛んにおっしゃっていたのですが、それが混成チームのほうもかなり効果があったというデータが残っています。
 また、一般企業の現場で働く障害のある方たちからの情報の一つとして従業員同士、つまり、障害があるからということで括られてしまうのではなくて、一緒に働くことによって、とてもサポートしてもらえている自分がいて、また、ちょっとしたことでお互いが「ありがとう」と声を掛け合う、とてもいい感じで仕事ができているという報告がありました。そこの企業では、「ありがとう」カードをお互いに出し合うことになっているらしいのですが、そのカードをたくさん入れることによって、自分が豊かになっていく。そのカードを書くということで、昼休みの時間帯を含めてその職場が和んでいるという話を障害のある方から聞きました。こういった障害のある方が、自立支援法でいうB型や移行支援といった訓練の場から、一緒に働く場が保障されていくことで、障害のある方もない方もお互いに認め合うことで相乗効果を生み出せるという証明になっているように思います。ですので、是非私もここは雇用率の中に精神の方たちも入れていただきたいと思います。
○海東委員
 私は前回いろいろ発言させていただきましたが、もう一度申し上げると、決して義務化そのものに反対をしているわけではないということは、まずもって申し上げておきたいと思います。
 皆さん方、各委員がいまおっしゃったことについても非常に共感を持ってお話を伺っていますし、本当にそのとおりだなと感じております。
 ただ1つ気になるのは、タイミングの部分で、田中委員からも、そろそろ離陸をするタイミングというお話もありましたが、そこは、慎重に結論を出すべきだという部分は持っております。
 義務化そのものについて決して反対をしているわけではない中で、義務化ということの意味合いは非常に大きい、重たいものであると思っております。法律でそれが義務化ということになれば、企業は当然それに従って、その義務を果たしていこう、果たしていきたいということになると思うのですが、そのためにはコストであったりとか、それは単に経済的なコストというだけではなくて、いろいろな負荷も含めてエネルギーをかけていくことになる。つまり、コストやエネルギーをかける優先順位が必然的に高くなるということだと思っております。その優先順位付けが高くなることそのものが、企業の中において、従業員も含めてどれだけ納得感が得られるのかという部分は、1つ視点として大事なことだと思っております。やはり、余裕がない、いまギリギリの中で各企業が経営している中において、その優先順位が妥当なのかどうなのか。それは企業によっても変わってくる部分はあるとは思うのですが、そこの納得感という部分が、会社全体、企業全体、従業員全体として得られるものでないと、従業員のモラルダウンであったりとか、私たちはそこまでケアされていないのに、どうしてという感情面の部分が出てくるということは決してあってはならないことだと思っています。そういったことも含めて、タイミングがいまなのか、どうなのかという部分は、議論があるのはもちろん承知していますが、よく見極めていく必要があるということは、視点としては申し上げておきたいということです。
 先ほどの田川委員が出されていた資料を拝見して感じた部分ですが、非常にうまくいっている成功要因として、個人個人をよく見る中で、個別のマッチングがすごくきっちりできていたのだろうなと思いますし、あるいは仕組みとしての支援体制がしっかりできていた、ということが成功要因だったのかと思っています。裏返しで、そういったことがきちんとできれば、雇用定着に確実につながっていくことだと思いますので、周知徹底の部分が当然義務化とはセットものになってくると思っております。企業の理解という部分で、先ほどのアンケートの結果で、事務局からは2倍、3倍と非常に増加しているというご説明もあったのですが、とはいうものの、この3.2%とか29.6%という数字の捉え方は、一方でまだ3.2%しかないという見方も、当然できると思いますので、そういったことも含めて検討すべきかとは思っております。以上です。
○今野座長
 いまおっしゃられた成功要因のマッチングと支援体制については、先ほど田川委員もおっしゃられたように、いろいろ成功していますが、やはり支援体制というのは、外部からの支援体制、特に中小企業の場合そうですが、それは非常に重要だというお話がありました。
 もう1つ、マッチングの問題は個々の仕事と、個々の労働者のマッチングの問題なので、サポートの仕掛けはできるけれども、実際にはその現場の人しかできないですよね。このマッチングを上手にさせようとすると、マッチングのためのノウハウみたいなものとか、あるいは経験みたいなことを積んでいただくことになりますかね。外部から支援しても、直接というのはなかなか難しいかもしれません。いずれにしても、そういう一種のマッチングのための支援体制と、もう少し広い意味の支援体制の整備が、いずれにしてもないと成功はしない。お聞きしていて、私のまとめが間違いかもしれませんが、特にマッチングはそうだと思いますが、やってノウハウが溜まるというのと、条件を整備しないとマッチングができないというのと、ウエイトの置き方の議論かと思います。あとはそれを算数でギャーッとやるのはなかなか難しいので、総合判断でエイヤーですかね。ほかにいかがでしょうか。いまのはあまりまとめになっていないのですが。
○田川委員
 海東委員の言われた企業がとても大変だというのはわかるのですが、ただ、タイミングという意味では、やはり今だろうと私は思うのです。というのは、この前、平成23年度のハローワークの就職者のデータが出まして、平成22年度を超えて伸びているわけです。電卓を叩いて計算したのですが、平成18年度と平成23年度を比較した新規の求職者の伸びが、全体で4万4,721件になっています。就職者数の伸びで1万5,380件になっています。しかし、精神の平成18年と平成23年のデータを比べてみると、新規求職者で2万9,859件伸びているのです。これは全体の伸びの66.8%です。就職者数は1万2,106件伸びています。これは全体の78.7%です。ここまできているときに、はっきり3障害なのだから、法定雇用率の義務化をやろうというタイミングは、来ているのではないかと。これでまた先に延ばして、いまの日本の経済を私はよくわからないですが、非常に苦しいというのはあるのですが、経済が良くなったらというのは、ちょっとあんまりだなという正直な気持ちがあります。
 私は30年以上精神科の診療をやって、地域に関わっているのですが、障害者基本法は平成7年にできて、そのときに3障害と言われていたのです。しかし、そのあとずっと自立支援法まで精神障害だけは支援費ではなかったのです。要は裁量的経費で、義務的経費から外されていたのです。3障害と言っても、精神障害は「付け足し」なのかという感じがあり、これに対してはずっと憤りを感じていたのですが、今回はそんなふうにしてほしくない。これだけ就職者が出て、働きたいという人が働いて、頑張っている。我々もJSNをつくったときに、やっぱり実績をはっきり示さなければいけない。精神障害者が義務化されることはとても大事なことだということで支援してきたわけです。やはりいまのタイミングになるのではないかと私は思います。
○今野座長
 私が海東委員の意見を解釈するのはなんですが、海東委員の言われたことは、私が思っているのはそういうことではないのです。つまり、いまおっしゃられたような意味では、もしかしたらいいタイミングだと思っていらっしゃるかもしれない。ただ、企業は何かをするときに資源は限られるので、いま高齢者の雇用延長をせいと言い、パートはどうにかせいと言われ等といろいろあったときに、この中で障害者の方たちの問題をどの程度の優先順位に置くかということの、社内的な合意を作るということが難しいという趣旨だと私は思うのです。
○海東委員
 そのとおりです。
○今野座長
 もしかしたら、それを除けば精神障害者の方たちの雇用義務化は、いまはタイミングだと思っていらっしゃるかもしれないのです。もし、優先順位のいろいろな問題があったとしたら、あとはそれを超えて踏み出せる何かいい支援策、あるいは企業の社員の人たちがやっぱりそうだよな、必要だよなと思わせる何かいい手が欲しいということだと。私の解釈はそういう意味だと思います。
○海東委員
 いま座長がおっしゃっていただいたとおりですが、政策を決めていくタイミングというのは、ある意味最後はエイヤーだと思います。いま、国の財政再建と消費税みたいな話と結局似たような話だと思って、お伺いしていたのですが、私も別に反対しているわけではないので、そのタイミングというのは最後はエイヤーで政策として決めていくものだと思っております。ただ、いろいろな予見がある中で、それが全体観の中でどうなのかということは常に付いて回る話なので押さえておきたいという趣旨です。
○丸物委員
 私は義務化については、即やるべきだと考えています。実際にいろいろなところで、モデル事業の結果の発表や講演をやった場合、精神障害の話題を出すと多数の人が集まるのです。ですから、企業にとってやらなければいけないもので、そろそろ自分たちも考えなければいけないという関心は非常に強くなっていると思います。
 実際に雇用をやってみて、思っていた以上に周りの社員の見る目が変わった。また、この間もある大学で講義をやったのですが、講義のあと学生たちが感想を書いてくれました。全体で300人ぐらいいたのですが、その半分ぐらいがコメントを書いてきてくれました。若い人たちも、以前は精神障害についてわからなかったけれども、実際に壇上で精神障害者の人を見たら、私たちと全く同じ人だったということで、非常に理解を示してくれて、それをストレートに感想として書いてくれている。ですから、おっしゃるとおりやってみる、やってみたら、変わるということはたぶんほとんどの企業が解り始めていると思うのです。ですから、やるべきだと思うのです。うちの会社は特例子会社なので、比較的障害に対しては理解のあるほうだと思うのですが、大企業、中小企業、特例子会社によって、優先順位が変わってくるので、その辺は精神障害者を雇用する切っ掛けを作るということは、非常に大切だと思います。ダブルカウントも1つ大きなファクターになると思います。
○今野座長
 私が海東委員の解釈ばかりしてもしょうがないのですが、やるべきというのは先ほど言われたように、そのとおり思っていらっしゃいます。かなり必要条件は整理されてきたということも思っておられる。だから、あとは先ほど海東委員が言われた企業内の優先順位の中で踏み出せる、いい手が何かないですか。それを考えてくださればいいのです。それとセットになったら、たぶん海東委員にも納得していただけると思います。
 皆さんはかなり意見が一致しています。そこが何かあると、いいかなという感じですかね。そのうち事務局にいいアイディアを出してもらいましょうか。折角ここまで企業側の方もずっと寄ってきたというか、皆さん認識はかなりの部分まで一致してきているので、最後のちょっとの部分なので、そこを踏み出せるような何かを。そのときに私はアイディアはありませんが、海東委員が言われた成功要因はマッチングと支援だと。たぶんこの周辺で何かいい手があるのかなということです。ただ、かなり必要条件は整理されてきたということを踏まえて考えなければいけないので大変だと思いますが、私が勝手にまとめをさせていただいて、また何かありましたら戻っていただきたいと思います。今日はまだほかに議論していただきたい点がありますので、次に行かせていただければと思います。次は資料1-(3)の説明をお願いします。
○地域就労支援室長補佐
 13頁をご覧ください。これまでは義務の対象について議論していましたが、(3)「その他、雇用義務の対象とする範囲、確認方法等についてどのように考えるか。また、雇用義務の対象にならない障害者の雇用促進のためにはどのような施策が必要か」について、ご議論いただきたいと思います。
 ヒアリングにおける主な意見としては、日身連からは「改正障害者基本法の障害者の定義に基づいて、高次脳機能障害者、難病、てんかん等のために職業生活を行う場合に継続的で相当な制限を受ける状態にある人に関する雇用義務化を検討すべきである。ただし、雇用義務化の対象範囲の拡大に関しては、雇用率上昇に関して明確な根拠を基に検討しなければならない」といったご意見をいただいています。
 また、発達障害者支援ネットワーク(JDDネット)からは、「手帳の有無だけで発達障害のある方の職業的困難を評価することは不十分で、発達障害者の特性に焦点を当てて、独自に判定するような仕組みを開発してほしい」。難病支援の全国組織であるJPAからは、「雇用義務における障害者の範囲も、難病や慢性疾患で社会的支援を必要とする障害者にも広げるべきであると考える。」
 4つ目の○は、「1つの理想としては、病気や障害を問わず支援を必要とする人を対象とすべきであると思うが、制度の上には基準を設ける必要がある。なかなか基準は難しいが、1つは診断ではないか。同じ病名でもさまざまな違いがあるので、病名指定は新たな差別を作らないという意味では不適切だと思う。特定の病名を入れる・入れないということは言うべきではなくて、あくまでもそういう理想に向かって制度設計されることを望む」といったご意見をいただいています。
 支援策については、JDDネットからは「雇用率の制度の対象にならず、職業的困難を抱える発達障害のある人は少なくないので、発達障害の診断のみで受けることができるような支援制度を充実してほしい」ということで、具体的に、例えば発達障害者雇用開発助成金、14頁にある地域障害者職業センターで行っている発達障害者の就労専門的支援の充実、といったご意見をいただいております。
 また、JPAからは「雇用率だけでは難病や長期慢性疾患を持つ人の雇用は解決しない。職場での病気の理解や受け入れる環境づくりが進むような施策が必要である。その際に特別に何か大きな仕掛けや整備が必要なわけではなく、人的な要素が大きく関わっているのではないか。JPAの3つ目の○ですが、患者は自分が病気や障害になることを想定して、普段から知識を得ているわけではないので、最初のきっかけである医療機関がそういったことをサポートすべきではないか」、また具体的な施策として、難治性疾患患者雇用開発助成金やその他、ステップアップ雇用奨励金などの充実、難病支援センターを地域のネットワークの中にしっかり位置づけていただきたいといった要望がありました。(3)の論点についての説明は以上です。
○今野座長
 それでは、ご意見をお願いします。
○阿部委員
 精神障害の方々に関しては、対象となる方を手帳でというのは、そのとおりだと思いました。ただし、その場合は現行では手帳しか活用できないのではないかということだと思います。難病の方、てんかんの方、高次脳機能障害の方で、すでに身体障害者手帳や精神障害者保健福祉手帳を持っている方は入っているのだと思います。大事なことは継続的に職業生活に相当な制限を受ける人はどういう人なのかということに関する研究を進めるとともに、以前も野中委員がお話しされましたが、そのような方に関わって、どのような職業生活の中での困難があるかということを判定というか、検討の上で、人の養成もすごく大事なことではないかと思いました。
 振り返りますと、先ほどの精神障害の方の義務化は委員の皆様のお話のとおりだと思います。ただし、いまは手帳しかないということで、その上で手帳を活用することを確認したいと思います。そして、そのほかの障害の方々に関しては手帳ということではないわけですから、職業生活における困難について、しっかり判定できる人、制度が作られることが望ましいと思います。検討は行わなければいけないと思いました。
○今野座長
 ほかにいかがでしょうか。
○川崎委員
 まさにいまおっしゃったとおりで、手帳保持者はいいのですが、実は私の娘は指定されない難病患者です。しかしながらドクターストップで仕事をすると、これ以上ひどくなるとか、年金ももらえないという娘を抱えています。仕事をするサポート的なものが必要ですが、いわゆる生活面のことと職業のことと、その辺をしっかり把握するような、今回推進会議でも言われておりましたが、こういう難病とか慢性疾患の人に対して、いわゆる医療サイドの診断書だけではなく、それに関わっている地域の生活の支援者などの意見も入れながら、こういう人の職業が可能であるという証明というか、そんなものが必要ではないか。精神障害者でも手帳を持っていない人もいっぱいいるわけですが、現行では手帳所持者になっていますが、これからはさまざまないわゆる職業的困難を持っている人が出てくるわけですので、その辺の認定の仕方というか、それはまた考えられていくべきではないかなと思っています。
○今野座長
 ほかにいかがですか。それでは、今日はもう一つ、大きな論点があるので、それに進んで、最後にまた時間を取りますので、もし意見があったら戻っていただくということにさせていただければと思います。
 次は論点3の「雇用率制度に関するその他の論点」です。まず資料の説明からお願いします。
○地域就労支援室長補佐
 資料3をご覧ください。本研究会の論点として大きく3つあり、参考資料7にありますが、1つ目は、障害者雇用促進制度における障害者の範囲について、2つ目は、雇用率制度における障害者の範囲等について、3つ目は、雇用率制度に関するその他の論点としております。大きな論点3に新しく入るわけですが、小問3つはそれぞれ共通する部分もありましたので、合わせて資料を作っています。
 1つ目は、重度障害者の範囲について、どのように考えるかです。「ダブルカウント制は積極的差別是正措置として、引き続き存続することとしてよいか。また存続させる場合に改善すべきことはあるか」。2つ目の特例子会社制度については、「積極的差別是正措置として、引き続き存続することとしてよいか。また、存続させる場合に改善すべきことはあるか」。3つ目は、「その他、派遣労働者の取扱い等の雇用率制度における取扱いの見直し等について、どのように考えるか」としております。
 ヒアリングにおいてご意見をいただいておりますので、ご紹介します。まず、ダブルカウント制と特例子会社について共通するご意見をいただいたものが、1頁の下からになります。日身連からは、「就労に困難度の高い重度障害者の雇用を促進するために機能している面があるという指摘がある一方で、雇用率の数合わせや障害者だけを集める雇用形態には問題があるとの指摘もある。」
 続いて日身連からですが、「社会モデルの考え方を基に、これまでの取組について、十分な検討を行う必要があるのではないか」。また育成会からも同じように、「特例子会社とかダブルカウント制度は社会モデルにそぐわないという意見もあるが、知的障害者の場合、雇用促進の現実策として効果を上げている点で評価すべきである」。
 JDDネットからは、「ダブルカウント制や特例子会社については、引き続き研究が必要と思われるが、知的障害の重い人をはじめ、さまざまな障害特性を持つ人が社会に出て働くことを可能とする制度であると評価している」というご意見をいただいています。
 ダブルカウントについてのご意見として、てんかん協会からは、「ダブルカウントについては生活面の障害と職業面の障害の程度にずれが生じている例もある。さらに短時間雇用というのは0.5ポイントになるなど、企業当事者双方に納得し難い状況もあるので、議論が必要だと思われる」。
 3つ目の○は、日盲連からも「ダブルカウント制度については、重度障害者の雇用を促進する利点があるものの、当事者からすると、半人前に扱われているように感じる」という意見がありました。
 2頁の最後ですが、JDDネットから「ダブルカウント制については、積極的是正策として容認できるが、重度の障害のある人が職場で安定して働くためには、ダブルカウントによって、そういった雇用機会を増やすことに加えて、専門性のある指導員の配置など、企業をサポートする制度を充実して、事業主負担をさらに軽減する策が必要ではないか」。
 3頁ですが、ハローワークからは、「ダブルカウント制は事業主の雇用に係るインセンティブとして機能しているため、現行制度を基本とすることが望ましいが、一部重度障害者の中でも就職が進みにくい障害の方もいるので、雇用管理面や職場定着などの面からも再点検が必要ではないか」。
 続いて、特例子会社についてですが、育成会ほうからは「特例子会社の役割は大きく、規制緩和により雇用率アップにも貢献している。より多くの重度知的障害者やさまざまな障害特性を持つ人が、会社の貴重な戦力として働けるよう、専門支援員の配置をより積極的に促すような仕組みの構築を期待する」。
 みんなねっとやてんかん協会からは、「特例子会社は知的障害者や精神障害者の雇用の場として一定の役割を果たしている。ただし、特に知的障害者に重きが置かれているように感じるため、もっと多くの障害のある人が活躍できるように、外部の支援機関や専門職員の配置などの充実が必要ではないか」といったご意見をいただいています。
 3頁の下のところですが、これまでの意見として、丸物委員から、「ダブルカウント制度については、精神障害者は短時間労働者のほうがより重くて、なかなか仕事を継続しにくいため、サポート体制を増やさなければならないが、そういう意味でダブルカウントの対象をもう少し考えるべきではないかと感じている」。
 4頁の上では、特例子会社については、「特例子会社としての使命、役割は障害を持った方々のさまざまな特性をどうやって活かしていくか試して、どんな仕事が合っているかを見極めて、それを社会に還元していくことが、特例子会社の使命だと思っている。その障害特性の活かし方をPRすることが、特例子会社の役割だと思っている」といったご意見をいただいています。
 参考6では、特例子会社の制度の概要をまとめた資料で、裏面が特例子会社における雇用状況になります。例えば、平成15年は特例子会社数は129社でしたが、平成23年6月1日現在で319社と2倍以上に増えています。雇用されている障害者数に関しては、一般的な障害者の雇用状況に比べると、知的障害者の割合が多いという状況になっています。資料の説明は以上です。
○今野座長
 それでは、ご意見をいただきたいと思います。これが最後の論点ですよね。
○地域就労支援室長補佐
 そうです。
○今野座長
 もう十分意見は出ているということであれば。
○丸物委員
 繰り返しになるかもしれませんが、社会の障害に対する理解がもっともっと進めば、特例子会社は本当は要らないと思います。ノーマライゼーションの考え方からすれば、多少問題はあると思っています。
 ただ、現実の問題として、障害者に対する理解が十分でない中で働いており、彼らはそれぞれの企業でどうしても受け入れられないことがある。あるいは仕事を続けられないという実態があるわけです。実際に私たちに応募してくる障害者の半分以上は、一般企業で働いているのです。一般企業で働けなくて特例子会社に来るのです。特例子会社が障害者雇用においてベストの組織だとは思っていませんが、いまの障害者をどうやって数多く継続的に雇用していくかという意味では、特例子会社は障害者雇用に非常に貢献していると思っています。
○今野座長
 質問ですが、先ほどいただいた資料3の最後の4頁の丸物委員の意見のいちばん上に「その特性をどうやって活かしていくか試し、どの障害の人たちに、どういう仕事が合っているかを見極める」という機能もあるのだと。これはいま言われたのとは違う機能ですよね。この点はいかがですか。
○丸物委員
 それとは違います。先ほどのいろいろなご意見の中で、混成チームを作ると非常に効率が良くなるという話が、田川さんの報告でありました。私どももそれぞれの障害の方の特性を活かした混成チームを作った場合に、非常に効率が上がる。「こういう仕事はほかの企業にもありますよね。障害者の特性に合った働き方をしてもらったら、それだけ力を発揮しますよ」というのを、ほかの企業に伝えていきたいということで、特例子会社の使命の話です。前の話は特例子会社の存在意義の話です。
○今野座長
 あまりいい例ではないかもしれませんが、健常者の場合で学生を採用します。でも、現場に付けるのは半年後で、その間は教育のために、言ってみれば現場から外して、違う研修や作業、あるいはここの言葉でいえばトライアル雇用的なことをやって、それから適性を見て現場に回すということは、健常者でも普通に行われていることですが、おっしゃられたのは、特例子会社というのは、障害者にとってはそういう役割もあるのだということを意図しているのかなと思ったのですが、それは違うのですか。
○丸物委員
 私たちはそれもやっていこうというつもりでいます。例えば、発達障害の方で、パッと見ただけでいろいろと判断できる能力を持った方がいます。例えば、書類を並び替える、番号順別に並べるというのは、普通の健常者よりも早く判断できる人がいるわけです。
 それから同じ書類をコピーというか、スキャンしていくときに、知的障害の中にはは覚えるのに時間はかかりますが、一度覚えたらマニュアルどおりにやります。健常者は慣れてくると、ちょっと手を抜いたりサボったりして、結局ミスが出るが、知的障害の人はミスはほとんど出ないとか。健常者だけのグループと障害者のそういう素晴らしい特性を持った人をうまくはめ込んだグループを比較すると、障害者の方が非常に作業効率が上がることがあるのです。
○今野座長
 そうすると、丸物さんの会社では、そうやって障害者の職業適性みたいなものを把握して、この方はこういう部分は強いということがわかると、その方を普通の職場に配置して、健常者と組ませて仕事をすると。
○丸物委員
 社内では障害者にいろいろ経験してもらいます。障害特性というのは、多数の障害者を抱えていると良く解ります。いくつか仕事を回し、これが強いということで、できるだけそれに付けようとします。あるいは仕事を切り刻んでいって、その障害者に合った仕事を、やってもらうとか。最初からこの人の特性はこうだという形で決められるものではないのですが、いくつか回していく中でそれは解ってきます。
○今野座長
 ありがとうございました。ほかにいかがですか。
○八木原委員
 特例子会社をイメージ化すると障害のある方たちを囲っているという思いがしていました。丸物委員や今野座長が言われたように、特例子会社の存続は利用の仕方だと思います。特例子会社も企業の1つで、そこで雇用されている障害のある方がステップアップしながら、そして何年か後には一般企業で働けるという形であってほしいとずっと思っております。
 もう1つ、特例子会社を障害のある方だけではなくて、リワークの方が、職場復帰の準備として利用できるのかなとも思います。障害のある方も私たちもそうですが、加齢とともに、労働力が低下したりしてきますし、特例子会社は多様に活用できる職場になれるのではないかと考えます。
 話は変わりますが、事務局にお聞きしたいのですが、企業の中で障害のある方たちを雇ったりするときに職業生活相談員が配置されていますが、いまも研修が行われているのでしょうか。もしそうであれば、その方たちが障害のある方たちを、いかにサポートして、第2号ジョブコーチ、あるいは支援機関からの第1号ジョブコーチたちとどのように連携をとりながらサポートしているのかという、その現実と、もう少し活用していく方法はあるのか否かをお聞きしたいと思っています。
○地域就労支援室長補佐
 職業生活相談員は、5人以上障害者を雇用している事業所が配置を義務づけられているものです。研修は高齢障害求職者雇用支援機構で現在もやっております。いま手元にデータがありませんが、年間かなりの数の方に研修を受けていただいています。
 サポートしている事例については、企業の方に聞いた話では、例えば担当になった方には積極的に職業生活相談員の研修を受けていただいて、異動もあるので複数配置を心がけ、障害者雇用について同じ用語で話せるように知識やスキルを共有化していくといった話を聞きます。その中で第2号ジョブコーチになる方や、それ以外の人的助成金の対象になる方もいますが、職業生活相談員の研修は、障害者雇用に関する一般的な基礎知識を身につけるための研修として活用している例を聞きます。
○八木原委員
 実は私もその研修を受けた者の1人です。そういう方たちが第2号ジョブコーチに移行するのかと思っていたのですが、それとはまた別で、もう少し専門性を持たせたジョブコーチであるという理解をいたしました。しかし、啓発という意味では、職業生活相談員が関わっていけば、もっとナチュラルサポーターが増えて、特例子会社と区別することなく、一般の企業、一般の業務の中に障害者が参加できるのではないかと思ったのです。
○障害者雇用対策課長
 山田です。職業生活相談員については、いま言われたような話もありますし、別の研究会で議論している合理的配慮の提供の問題に関しても、おそらく役割が増してくるだろうと思っています。研修の機会そのものも今年から枠を少し広げたりしています。障害者で働く人が増えれば増えるほど、当然職業生活相談員を置かなければいけない企業も増えてくるということもありますので、そういう工夫はしていますが、さらに次なる課題とも関係してくると思っています。
 それから、特例子会社については、基本的にいまは障害者が5人以上で、全従業員に占める割合は20%以上で、重度身体・知的・精神の方々の割合が30%以上という要件を置いていますが、実際の特例子会社の姿は、それよりもはるかに知的障害者が中心で、知的・精神の人たちの割合は、一般の企業で働く障害者の形からすると、非常に大きいということです。
 例えば知的障害者についていえば、全企業で見ると、知的障害者の障害者で働いている人の中の占める割合は2割弱ですが、特例子会社だけでいえば、半分近くが知的障害者で占められており、多くの企業は身体障害者中心に障害者雇用を構成している中で、知的障害者の雇用の拡大を非常に牽引した役割が、特例子会社にあったと思っています。
 それと、特に大企業で障害者を雇用するに当たっての大きな仕掛けになったということで、大企業が障害者雇用を牽引しているという日本の在り方は、国際的に見ても、極めて珍しい部類で、アジアの国々で、ある意味で大企業で雇用が進んでいないのを何とかするために特例子会社制度を新たに導入するような動きもあります。
 それから、先ほども申し上げた差別禁止に絡む合理的配慮の提供ということで言っても、特例子会社がある意味で合理的配慮の在り方が企業でどうあるべきかということのモデルケースであり、合理的配慮がどうあるべきかということのインキュベーター的な役割も結果として果たしているということからも、完全なインクルーシブな社会になったときには、特例子会社の存在も変わってくるかもしれませんが、いまはもともと行政が特例子会社に課している要件以上に力を発揮していただいているということは、やはり確認しておかなければいけないことかと思います。以上です。
○今野座長
 ほかにいかがでしょうか。
○阿部委員
 ただいま事務局からも、別の部会で合理的配慮ということの検討もあれば、障害者差別禁止法に関する検討会もあるというお話でしたので、そのような会に関わっている状況について報告いただくことと共に、可能であれば、そこに関わっている方にここに来ていただいて議論することも大事なことではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○障害者雇用対策課長
 1度研究会の前半で、ほかの研究会について若干ご紹介しましたが、この研究会がいちばん話が進んでいる状態です。どういうやり方でほかの研究会の状況についてフィードバックさせていただくか。逆にここで議論した話は合理的配慮の話とか、支援の在り方という意味では第三研究会にも絡んでいるので、そちらにどういう形でこの研究会の議論をご紹介するかは、各研究会の座長ともご相談してやり方を考えたいと思います。
○今野座長
 ほかにいかがですか。
○田中(伸)委員
 特例子会社については、事務局からも説明がありましたが、障害者の雇用を引っ張っていくという役割が十分あったのだろうと私も思っています。障害者の受け皿ということだけに機能をとどめておくのは、すごくもったいない感じがしています。
 いま各委員からいろいろ意見がありましたが、1つは、ほかの企業へノウハウを発信していく。普及啓発というか、そういった機能も十分に果たしていくのだという位置づけをしっかりさせることも必要かと思います。それから、蓄積した合理的配慮に関するノウハウなども発信していく。
 もう1つは、親会社と子会社の人事交流なども活発にしていくという視点があってもいいのかなと思います。これは丸物委員にも伺いたいのですが、例えば、親会社から特例子会社へ派遣されてくる人がいたり、あるいは特例子会社で働いていた障害者が親会社へ働きに出る機関があるのか。そういった人事交流はとても大事だと思いますが、その辺りは丸物委員の会社では実際にはいかがなのでしょうか。
○丸物委員
 私どもは障害を持った社員と、銀行からそれを指導しに来る出向者とOBの2つのグループに分かれており、給与体系はもちろん違います。銀行から来る人たちは、うちに出向で来てまた銀行に戻っていく場合と、この会社で終わりという形があります。親会社でも障害者を雇用していますので、障害者雇用の知識をどんどん親会社に持っていこうという努力を片方でしていますが、交流はしていません。給与体系が違うのですが。私達のような特例子会社は、働く人と管理する人と分けられているようなイメージでよく聞かれることがあるのですが、障害者の中から管理職に登用し始めました。出来れば障害者の社員と障害者の管理職で会社全体を回していけるような方向にいま進めています。したがって、特例子会社と親会社の障害者の人事交流は必要ないと考えています。
○今野座長
 海東委員にも、いまの点を聞いてみます。
○海東委員
 先ほどの丸物委員の話は、一人ひとりをよく見る中で適切な仕事を与えるという点であったり、管理職に登用していくという点で、まさに普通の人材マネジメントと同じことをやっておられるという部分が本当に素晴らしいなと思って、お話をずっと伺っていました。
 そうするとことによって企業としての障害者雇用のレベル感を高めていくことができる、上げていくことにつながっているのだろうなと思いました。それは特例子会社だからこそできることなのだろうと思っています。そういう意味では特例子会社が果たしてきた役割はものすごく大きな部分があるのだろうなと思いました。
 一方で、いわゆる親会社が任せっ放しになってしまうとか、関心がなくなる、こちらにやらせておけばいいのだ的な、どちらかというとデメリットの部分も一方であるというのは聞いております。そこについてはメスを入れる必要があるのかなと思いますが、役割という部分については非常に大きなものがあると私は考えています。
○今野座長
 田中委員のご質問は、特例子会社でずっと閉じ込めているのではないかという批判があるのに対して、特例子会社である程度訓練して適性を見極めたら、次のキャリアが親会社のほうに広がる。そうすると、一種の特例子会社は研修機関みたいなものになりますが、そういうキャリアを作るということができないのだろうか、というご質問かと私は思ったのです。
○丸物委員
 出向という形では将来はあり得るとは思いますが、人事交流が常時スムーズに行われるということは、会社が違う以上は難しいと思うのです。それだったら、親会社にも障害者はおりますので、親会社でそういう形で採用すればいいと思います。
○今野座長
 丸物さんの所で訓練して適性を見て、いい人が親会社が採用するということはないのですか。そうすると、いま言ったような機能になるわけですけれども。
○丸物委員
 いまのところはありません。それを同じようにノウハウを彼らが聞きに来ることはありますが、そこまでで終わりです。
○今野座長
 考えてみれば、親会社の人事は自分で採用するより、丸物さんの所で訓練された人を採用したほうがずっといいではないですかね。
○丸物委員
 親会社から新規の障害者雇用はすべて遣って欲しいとの話もありますし、親会社にいる障害者も私たちの会社に転勤というか、変わりたいという人は、実際にはいます。
○障害者雇用対策課長
 あまり話題になっていなかったのですが、特例子会社の多くは福祉施設などからの実習をかなり受け入れていただいているということで、親会社との関係でいえば、いまのような話だと思いますが、そういう意味では開かれた存在だという気はします。
 そのままその企業に存続で子会社に就職するケースもあれば、たまたまそこは実習の場だけで別の企業に1カ月後、2カ月後に就職するみたいなことはあるので、そういう意味では、ある意味で開かれた存在だという感じはしています。
 あと特例子会社自身が蓄積した雇用関連のノウハウの移転という話でいえば、特例子会社はわりと大都市圏に多いのですが、特に首都圏の特例子会社については、特例子会社同士の結束が非常に固いということ。それが特例子会社が爆発的に増えてきた理由でもありますが、例えばハローワークからも障害者の雇用義務で不足数がものすごくあるということで画期的に変わるためには特例子会社をつくるしかないと判断されて、新しく特例子会社をつくることになれば、既に先行して特例子会社をつくっている企業が手取り足取り教えて、最初は軽度の身体障害者を中心にしようかと思っていたのが、実際にやっている特例子会社を見て、知的障害の人も結構できるなということで知的障害者も結構採用する形での特例子会社の設立にこぎ着けるということで、雇用管理のノウハウが拡散しているところはあると思います。
○今野座長
 いまおっしゃられたことをちょっと嫌味っぽく言っていいですか。それが非常に結束すると、やはり親と分離ですね。つまり、その人たちだけで横で固まっているわけだから、なかなかいいアイディアがないのかもしれませんが、親と子がつながるような、先ほどの田中委員が、いろいろな形態とかあると思いますが、そういうのがあるといいかなと思うのです。
○障害者雇用対策課長
 おっしゃるとおり、私は別に親会社と子会社との関係を否定しているつもりはなくて、私が特例子会社について非常に評価していることは、もともと特例子会社制度というのは非常にシンプルな制度で、企業単位の障害者雇用制度、そのものの中の特例的なものではあるのですが、そこに政策的な含意でこういう雇用管理のノウハウを蓄積しろとか、そういったことを行政が強制したわけでもないのに、結果として先進的な雇用管理が、特に知的障害者については、おそらくヨーロッパ以上に日本は成功していると思います。そういったことがなされたということは、最初の特例子会社制度ができた当初に想定していた以上の成果が出てきたということはあると思います。ただ、現状に当然満足している必要もなくて、新たに出てきたそういった視点も含めて、特例子会社制度をバージョンアップしていくことは当然考えられることだとは思います。
○今野座長
 親のほうの本社は障害者を雇用するときには、すべて自社内の特例子会社から採用しますという会社はないのですか。そのほうが人事としてはリスクも少ないし、人材もわかっているし。本社で採らない、採るつもりはないというのだったら別ですが、どうですか。
○丸物委員
 そうですね、でも、聞いたことないですね。
○今野座長
 なぜそうなのですかね。親会社のほうにも障害者の方がいるわけですよね。個人的な興味でここまで、すみません。
○障害者雇用対策課長
 もともといま特例子会社制度で要求している重度比率以上に、いまの特例子会社は重度の障害者の割合が高いということがあって、逆に軽度の人であれば親会社が採ってしまって、ある程度重度の人でも何とか採用していこうと特例子会社でやっている。ある種の分担関係みたいなものができてしまっている部分はある。軽度の人が特例子会社に多ければ、確かにそういった人たちの中でどんどん親会社に行ってもらうことはあるのですが、特例子会社の場合、重度、軽度の比率は平均したら1対1で、一般の企業での障害者の軽度、重度の比率は2対1で、特例子会社は重度の比率が高い状態になっています。
○今野座長
 それであったとしても親会社は適性とか生活上の困難の内容とかいろいろ知りたいので、まずは特例子会社で採用する。そこから親会社で採用するということがあってもいいような気がするのです。人事的に見ると、極めて合理的かなと思うのですが。
○丸物委員
 おっしゃるとおりだと思います。ただ、身体の方で、例えば車椅子とか特別な設備を作らなければいけないという点をかんがえれば、親会社のどこでも作れるかというと、それは出来ません。ですから、一部の障害者に限られてくると思います。採用する時に私達も加わったら、たぶん親会社は喜ぶと思います。そういうことは今後検討していかなければいけない課題だとは思います。
○阿部委員
 簡単にですが、親会社と子会社の業務は必ずしも同じではない。子会社もできる。例えば、ある会社の中で営業の人がそのときクッキーなどを持っていく場合、クッキーの特例子会社をつくるとか、ある会社は園芸をするとか、本体業務と全然違う業務も行って選択肢を提供できるという特例子会社の例も聞くことがあるのですが、それはとても評価できることではないかと思います。
○川崎委員
 私が地域でいろいろ就労支援の担当から聞いている特例子会社は、実は佐川急便で大田区に特例子会社があって、そこに見学に行きました。そこへは地域の就労支援からそこの特例子会社に送り込んで、行く行くは本社につなげるという話を聞いているのですが、特例子会社というのはそういう方向性ではないのですか。
○丸物委員
 そういう会社もあるかもしれませんが、いまの特例子会社のほとんどはそこは断ち切っています。それは設備とか受入れのノウハウとか、いろいろなものがありますから。より専門的知識、あるいは特殊な設備を揃えているのが特例子会社であって、そういうものが親会社はないから、特例子会社にある一定の障害者を雇用してくれということになるのです。ですから、親会社で就労している障害者は限られています。でも、親会社でも雇用しているという会社は結構多いと思います。
○今野座長
 最近、企業の人事はシェアードサービスというのが流行っているから、障害者の訓練とか、障害者の適性発見のシェアードサービス機関として特例子会社を活用するというのはあってもいいような気がするのですが、人事の専門としてはどうですか。
○海東委員
 やはり各子会社をそれぞれの企業グループの中でどう位置づけるかということに尽きると思います。丸物さんの所などは、そこで働いている方のキャリアアップまで含めて、そこで育てて、働いている方のやりがいなどモチベーションを高めていこうという絵姿を描いておられると思うのです。そうであれば、そこからあえて親会社に行くということで、仕事が変わる、スキルや求められるものが変わるといったことは、あえてやる必要がないと思います。
 一方で、そういう形ではなくて、あくまでも養成機関的に位置づけるというのであれば、それはそこにシェアードサービスのような形で業務を集中させてやるという位置づけの仕方もあると思いますが、それは企業の在り様によって変わってくるのだろうと思います。どちらもありの話だとは思います。
○今野座長
 5分前ですから、そろそろやめたいと思っていますが。よろしいでしょうか。
○丸物委員
 来月で結構ですが、ダブルカウントのところは、ちょっと意見を言いたいので、よろしくお願いします。
○今野座長
 いま、どうぞ。
○丸物委員
 それでは、触わりだけ。ダブルカウントに対しては、かなりいろいろな意見が出ていると思います。身体の場合には正規の社員とパートの人で短時間しか働いてない人は2分の1というのはよくわかります。ところが精神の方は長い間就労することが難しい。私達は精神障害を持っている人にもフルで勤務してもらう為・定着してもらう為に、いろいろな施策を打っています。最初は短時間労働から入ってもらうように制度を変えてまで対応しています。短時間しか働けない精神の方に、会社も本人も大変な苦労をしているのです。ところが制度では、精神の方も短時間しか雇用できない人を0.5カウントにしています。精神は他の障害とは別に考えなくてはならないと思います。長時間勤務が難しい精神障害者を雇用する時、短時間勤務制度を導入することにより、勤務時間を変えられるようにすることを多くの会社は考えています。定着してもらう為にそうしているのです。本当の気持ちは短時間しか働けない人こそ重度であり、ダブルカウントにしていただきたいのですが、せめて0.5カウントではなくて、同じカウントにしていただきたいと思います。
○今野座長
 事務局からの反論もあるかもしれませんが、終わりにしたいと思います。急がせてしまって失礼しました。それでは今日はこれで終了いたします。
○地域就労支援室長補佐
 次回は第8回で、6月26日(火)の10時から12時の開催になります。次回は今日の議論のまとめと、8回、9回の2回でとりまとめになりますので、研究会の報告書の骨子(案)をご議論いただく予定になっております。会場は未定ですので、決まり次第ご連絡いたします。
○今野座長
 それでは、終わります。


(了)

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