ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 年金局が実施する検討会等 > 厚生年金基金等の資産運用・財政運営に関する有識者会議 > 第5回 厚生年金基金等の資産運用・財政運営に関する有識者会議




2012年6月7日 第5回 厚生年金基金等の資産運用・財政運営に関する有識者会議

年金局企業年金国民年金基金課

○日時

平成24年6月7日
17:00〜


○場所

厚生労働省 共用第8会議室


○出席者

委員

翁 百合 (日本総合研究所理事)
小野 正昭 (みずほ年金研究所研究理事)
鹿毛 雄二 (前・企業年金連合会常務理事)
蟹江 宣雄 (トヨタ自動車企業年金基金常務理事・運用執行理事)
近藤 憲二 (住友化学株式会社経理室(財務)部長)
玉木 伸介 (大妻女子大学短期大学部教授)
永山 善二 (東京乗用旅客自動車厚生年金基金常務理事・運用執行理事)
花井 圭子 (日本労働組合総連合会総合政策局長)
濱口 大輔 (企業年金連合会常務理事・運用執行理事)
森戸 英幸 (慶応義塾大学大学院法務研究科教授)
山口 修 (横浜国立大学経営学部教授・付属図書館長)
山本 御稔 (監査法人トーマツパートナー)

○議題

関係団体からのヒアリング

○議事

○山口座長
 それでは、ちょっと定刻の前でございますが、ただいまより、第5回「厚生年金基金等の資産運用・財政運営に関する有識者会議」を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、御多忙の折、お集まりをいただきましてありがとうございます。
 本日は辻副大臣に御臨席いただいております。藤田政務官は公務により欠席されます。
 それでは、まず最初に辻副大臣より、一言ごあいさつをお願いいたします。

○辻厚生労働副大臣
 第5回の有識者会議の開催に当たりまして、一言ごあいさつを申し述べる次第でございます。
 委員の皆様方におかれましては、本日も公私ともに御多用の中、この会議に御参加いただきまして、誠にありがとうございます。また、今日までの審議に御尽力・御協力賜りましたことを重ねて厚く御礼を申し上げる次第でございます。
 さて、前回の会議から、厚生年金基金等の財政運営並びに制度の在り方についての議論に入っていただいているところでございます。本日以降も引き続きまして、厚生年金基金等の財政運営及び制度の在り方についての御議論を賜れればと思っているところでございますけれども、本日は、まず全国総合厚生年金基金協議会、企業年金連絡協議会、企業年金連合会の3団体の方々においでいただきまして、お話をお伺いすることとしているところでございます。
 委員の皆様方におかれましては、本日も精力的な御議論を賜りますようにお願いを申し上げまして、冒頭のごあいさつとさせていただきます。よろしくお願いいたします。

○山口座長
 ありがとうございました。
 続きまして、本日の委員の皆様方の出欠の状況でございますが、臼杵委員は御欠席でございます。また、森戸委員は少し遅れて御出席と御連絡をいただいておるところでございます。
 それでは、カメラの皆様方はここで御退室をお願いできればと思いますので、御協力のほどよろしくお願いいたします。

(カメラ 退場)

○山口座長
 それでは、議事次第に沿って進めてまいります。
 本日は、全国総合厚生年金基金協議会、企業年連絡協議会、企業年金連合会の方々からのヒアリングを行いたいと思います。そして残りの時間で、本日のヒアリングも踏まえまして、前回に引き続きまして、前回資料でお配りしておりました「財政運営の在り方」あるいは「厚生年金基金等の在り方」に関しまして、御議論をいただきたいと思います。
 それでは、まず事務方から資料の確認をお願いいたします。

○渡辺企業年金国民年金基金課長
 それでは、本日お配りをしております資料の確認をさせていただきます。
 本日、資料1〜5までお配りしております。
 まず資料1は、本日、意見陳述をいただきます3団体と、それぞれの意見陳述をいただく方の名簿でございます。
 資料2−1、2−2、2−3の3種類の資料は、最初に意見陳述をいただきます全国総合厚生年金基金協議会からのプレゼンテーション資料でございます。
 資料3−1、3−2は、2番目にプレゼンテーションをいただきます企業年金連絡協議会の資料でございます。
 資料4は、最後にプレゼンテーションをいただきます企業年金連合会の資料でございます。
 また、本日は永山委員から資料が提出されておりますので、資料5としておつけしております。
 以上でございます。もし、落丁等ございましたら事務局の方にお申しつけください。

○山口座長
 ありがとうございました。
 それでは、次に関係者の方からヒアリングを行いたいと思います。
 まず、全国総合厚生年金基金協議会の山崎様にお願いをいたします。御説明の時間は20分以内でお願いいたします。それでは、よろしくお願いします。

○山崎様
 説明に入ります前に、このような機会をいただきまして、誠にありがとうございます。まず感謝を申し上げたいと思います。
 私は、全国総合厚生年金基金協議会の役員基金をしております東京実業厚生年金基金の山崎といいます。よろしくお願いいたします。座って御説明させていただきます。
 説明内容でございますけれども、先ほど課長からもありましたが、3点。1点目は基金の現状、2点目は論点整理メモについての意見、3点目としてその補足資料という3部作でお願いしたいと思います。
 説明の柱でございますけれども、特にこの基金制度は複雑でございます。その複雑な上で誤解があって、制度の廃止論とかに発展していると思います。こちらはそういうふうに考えておりますけれども、この誤解の解消に努めたいということでございます。
 現在、制度の廃止あるいは解散促進という意見があることから、加入事業所からは脱退の申し出が、また、加入員、受給権者からは不安の声が殺到し、現場は大変混乱しております。本日の説明が、これら不安の解消につながれば幸いということでございます。
 それでは、資料でございますが、最初は横表の厚生年金基金の現状につきまして、時間の関係で、ちょっと駆け足で説明したいと思います。
 1ページから順次でございますけれども、基金数・設立事業所数・加入員数。特に「加入員数 C」のところでございます。これは全国でございますが、年々減少はしております。しかし、それでも450万人という大変な数だということでございます。
 2ページ目は飛ばしまして、3ページ目をお願いいたします。
 一口に基金と言っても規模がさまざまであるけれども、8割弱は300億円未満ということで、比較的小規模の基金の方が多いということでございます。
 4ページ目は年金給付等の状況でございまして、代行分と加算分を合わせた受給者数でございます。右端、平成22年度283万8,000人ということで、ごらんのように毎年増加をしているところでございます。
 5ページ目でございます。よく言われます成熟度、加入員数に対する受給者の割合ということでございまして、A分のBでございますが、徐々に上昇しておりまして、平成22年度は63.6%でございます。
 次、6ページをお願いいたします。ここは設立年次別成熟度ということで3つに分けていますが、昭和53年度以前というのは、42年に制度ができたということもありまして、おおむねその10年間に設置された古い基金ということで表しております。ごらんのように古い基金ほど成熟度が高い。これは当然のことなんですが、そういう数字が出ているということでございます。
 次、7ページをお願いいたします。これも同じ成熟度でございます。掛金収入に対する給付費の割合。A分のB、これも年々上昇し、110.2ということでございます。
 次の8ページ、これも同じように古い53年度以前の方が圧倒的に高いということであります。
 9ページでございますが、これがよく代行割れということで注目されております財政検証でございまして、最低責任準備金ということなんですが、平成18年度のところをごらんになっていただきたいのですけれども、代行割れ基金は2つということでございます。これが20年度、例のリーマンショックの後で一気に152に増えているんですが、その後、改善しているということでございます。年によって変動する性格のものであって、決して代行割れが進んでいるということではないという検証でございます。
 次に10ページ下の表でございます。今のは非継続ということだったんですが、今度は継続基準ということで、非継続は基金を解散した場合の基準であって、継続基準は続けるということでございます。
 これは1.0が基準でありますけれども、ごらんのように18年度はほとんどが1.0以上、平均で1.31でした。22年度においても、悪いところが若干増えてはいるということなんですが、年度によって異なります。18年度ではほとんどがクリアーしていました。20年度で悪化しましたけれども、その後、改善中ということがわかっていただけると思います。
 11ページも非継続と同じなんですけれども、古いところほど悪いということを表しております。
 そして余り議論にならないんですが、最後の12ページなんですけれども、特別掛金。これは不足金対応で、その部分に対する掛金でございます。これは推測ということになるんですが、ここでごらんになっていただきたいのは平成13年度の9.48。これはちょうど簿価から時価に変更したときの不足対応だろうと思います。
 次に15年度、16年度、17年度と徐々に上がっていますが、これは100年に1回と言われました12、13、14年の3年連続の運用マイナスに対する不足金の対応。
 その後、20年度は更に運用が悪化したわけですけれども、ここで変わっていないのは行政からの掛金猶予措置があったということと、加えて中小企業の経営が悪化して掛金負担能力が落ちたということだろうと思います。
 最初のところは、そういうことで御説明を申し上げました。
 次に論点整理メモ、縦書きの方をごらんいただきたいと思います。
 有識者会議は月2回ということで、かなり議論が進んでいると思います。それを反映していない面もあると思いますが、御容赦をいただきたいと思います。
 当方の意見は、四角の中にまとめております。
 「1.資産運用規制の在り方」ということで、現行のガイドラインにつきましては、記載のとおり多くの基金が遵守している。行政の監査でもそうなっていると思うので、連合会の研修の充実で十分と考えております。今回、AIJ事件に関わらなかった基金の方がはるかに多かったということで、これは明らかだと考えております。
 補足いたしますと、この会のメンバーの中にも4名、5名いらっしゃるんですが、平成21年3月に連合会の検討会で財政中立化を踏まえた運用方法、5.5でなくていいんですよという運用方法、それと理事の専門性の向上、ガバナンス、意思の決定、理事の責任ということについてとりまとめております。これをしっかりと研修、実行すれば事足りるのではないかと考えております。
 なお、この部分で、今回の事件の責任の大部分が基金側にあるという論調が散見されました。私どもでは、当然加害者である投資顧問会社等は勿論、金融庁あるいは厚生労働省の行政、そして総幹事などの関係者の責任の方が大きいと考えております。
 次に、2ページをお願いいたします。運用体制、運用プロセスの方でございます。
 ここでごらんになっておわかりのように、安定的な収益向上策としてプロを配置すればよいという考えには無理があると考えております。株なら株、債券なら債券という人はいるかもしれませんが、そもそもすべてに通じた、ヘッジファンドまで通じたようなプロはそんなに存在してないのではないかと私どもは思っております。
 なお、AIJ事件の防止策であれば、プロでもコンサルタントでも信託でもだまされております。この問題は、プロの配置をしたからということで解消されないと考えております。
 また、だまされた中には指定基金というものがあります。AIJに高い割合、40%近く集中投資をしたことで指定が解除になっております。役所が十分チェックしても防げなかったというケースであります。基金側だけの問題でないことは明らかだと思います。
 2つ目の段落と3つ目の段落に記載のとおり、それよりもそれぞれが責任分担し、その部分の、基金で言えば善管注意、忠実義務のプロに専念する方が適切であると考えております。
 また、下から2つ目の段落のところに記載してございますが、アナリスト資格を持つ人の大幅採用は、例えば以前の勤務会社との利益相反事故が起きるのではないかという懸念もあると考えております。
 更に、基金の代議員の中には、資産運用に詳しい人はほとんどおりません。これはDBも同じだと思うんですが、だからみんなで勉強し、それぞれが研究する。資産運用委員会で意見交換するということでありますが、その中にプロが1人いて、勿論その人の性格にもよるんですが、持論を展開すればその人の選んだ商品に傾いてしまう。かえって危険ということがあるのではないかと思っております。資産運用委員会の形骸化につながるおそれがあると思っております。
 一番下、連合会への運用委託につきましては、記載のとおり多くの問題があると考えております。
 下の方の「基金のガバナンス・情報開示」から、次の3ページの「事後チェック」のところでございますが、これは、今の状況から考えて大変重要と認識しております。これにつきましては、個々の基金の裁量で行うということよりも、行政の関与等できちんとすべきと考えております。
 次に、3ページの「2.財政運営の在り方」でございます。この部分以降につきましては、5.5問題を初め、幾つかの誤解があったと思われますけれども、前回、行政からの再説明と、蟹江委員、小野委員、永山委員の資料あるいは他の委員からの意見によって、かなり理解が進んだと思っております。その部分については、簡単な説明にしたいと思います。
 「○予定利率の見直し」でございます。まず、現在の財政状況に至るまで基金側が何もしてこなかったからということを言われておりますけれども、私どもは、原因は別にあると考えております。記載のとおり、最大要因は時価評価への移行。これはやむを得ないということでありますが、これが同時期に導入された非継続基準が市場の乱高下にマッチしていない点につながっていると考えております。
 なお、基金サイドでも各種対策を講じてきたために、平成18年度まではほとんどの基金が代行割れではなかった。これは先ほど御説明いたしました。このことを是非認識していただきたいし、また、徐々に悪化しているわけでもないと説明したとおりでございます。
 次に、中ほどの括弧書きのように4割の基金が代行割れ、あるいはキャッシュアウトで基金の資産が10年以内で枯渇して、運営不能という報道があります。これは事実誤認があるということを補足させていただきたいと思います。
 まず、4割が代行割れということにつきましては、連合会の調べで特別掛金の手当分が2兆円あるとなっております。代行割れ部分が6,000億と言えば、それをはるかに超える額でございます。
 代行割れ部分を大きく上回っていることが未反映であるということにつきまして、補足資料をごらんいただきたいんですけれども、4ページをお願いいたします。「厚生年金基金の損益構造 2.代行割れの例(特別掛金設定)」でございます。
 代行部分の債務、最低責任準備金が右側にあります80億、運用資産が64億。今、これが代行割れと言われております。しかしながら、基金側では事業主からの特別掛金を何年かかけてということでの掛金を予定しております。これを加えますと、64億プラス31億ということで95億になりますので、代行部分、最低責任準備金の80億をはるかに上回っているということを申し上げたわけでございます。是非こういうものもカウントしていただきたいということでございます。
 資料に戻っていただきまして、掛金より給付が多いキャッシュアウトということにつきまして、そもそも基金は成熟度が高まればこういう形になる。キャッシュフローでの方が大きくなる。そういう制度なんです。そういう制度であるということを御承知いただきたいことと、後でごらんいただきたいんですが、先ほどの補足資料の2ページに記載のように、財政中立化に伴う給付現価負担金の補てんということがあれば、更に好転するということを申し添えておきます。
 次のところでございますが、予定利率5.5%が高過ぎる、このために財政が悪化し、今後が見通せないので廃止すべしという意見が各方面で言われておりますけれども、この点につきましては大きな誤解であり、5.5%というのは加算分だけの率でございます。したがいまして、トータルで見ると2%強、大丈夫と考えております。
 一番下、なお、この加算分の5.5%を引き下げたいと思っているわけでございますが、今の基準が大変厳しい。1年しか猶予がないとか厳しいことでありますので、従来からこの改善を要望しているところでございます。
 4ページをお願いいたします。「○積立不足への対応」。
 まず、指定基金の指定あるいは健全化計画の承認時、このときに既に掛金手当をしている部分でございますが、これを検証すべきと考えます。
 また、この問題の最大要因は時代に合っていないと思われる基準がいまだに使用されていることと考えております。この非継続基準を導入した15年前と現在では、金融市場が大きく変動しております。そのことは、この基準を導入した当時の年金局長が現在言っていることでございますが、当時は2けたのマイナスなどない時代で、現在から見ると誤った基準であったという旨のことを従来から発言し、最近でも講演等で幾度となくそういうことをおっしゃっております。そのことから見ても明らかに、今に合ってないということが言えるのではないかと思っております。
 基金側としては、その中でも解散時に使用する非継続基準は特に問題があることから、廃止または改善を求めたいと要望しております。今までも、何回も要望してきておるところでございます。そして継続基準につきましては、市場の乱高下に合致したものに改善してほしいと願っております。
 4ページ、下のところの「○解散基準等」でございます。解散を促進させる観点からではなくて、真に解散せざるを得ない基金に対しては規制緩和が必要であると考えます。その際の最低責任準備金の算定の際には、財政中立化に伴う国よりの補てん、すなわち0.875問題などを急ぎ措置すべきと考えます。
 ここに記載はありませんが、制度の廃止ということになれば、先ほど御説明いたしました加入員が450万人、受給者が280万人、ここに現在受給を待っている待機者も数百万おります。これらの人に家族を含めた1,000万人をはるかに超えると見込まれる、大変な数の人の財産権を奪うことになる。何とぞ、国民生活第一に考えてそのようなことにならないようにお願いしたいと思います。
 次に、5ページをお願いいたします。「3.厚生年金基金制度の在り方」。
 制度の意義につきましては、前回多くの委員から、その必要性について御発言がありました。関係者として深く感謝を申し上げたいと思います。
 「○代行制度の意義・役割」。この制度は中小企業で働く従業員の老後の大事な退職給付制度であり、大企業と同じ税制メリットを享受できる制度でございます。また、厚生年金の受給開始年齢のさらなる引上げにも、つなぎとして対応できると考えております。
 その他、記載はございませんが、本体と支給調整を行っていないもの、例えば高年齢雇用継続給付あるいは障害年金、遺族年金との調整がないなどのメリットがあります。更に、公的年金は25年加入しないと1円も出ません。しかしながら、基金では1か月でも支給になります。無年金者対策上も役割があると考えておりますが、いかがでしょうか。
 また、基金から支払われる代行給付年金額のことでございますが、現在、厚生年金保険料は約170‰でございます。これを報酬比例と基礎年金に区分し、粗くモデル年金の比率で見ますと報酬比例が120、基礎年金は50ぐらいになると思います。120のうち、基金には40しか来ておりません。しかという表現が正しいかはわかりませんが、3分の1でございます。しかしながら年金給付額は、逆に基金から支払われている給付が国からの給付より3〜4倍多い。制度の相違はあれ、制度の不満を言っているわけではございませんが、そういう役割があるということも補足させていただきたいと思います。
 次に、「○深刻化する代行割れ問題への対応」でございます。
 まず、指摘されております代行割れには、先ほども申し上げましたが、特別掛金分が認識されていない点に問題がある。それと、一時点をとらえての指摘は市場が大きく動いている中、適切とは言えないと考えております。そして、先ほど説明いたしましたが、設立の古い基金に財政悪化が集中している。これは基準に無理があるのではないかと考えております。
 そのために、現行基準の改善が必要であると思います。特に0.875の影響であります。在職老齢年金の支給開始は国が62.5歳、基金が60歳と割り切って、死亡年齢を80歳と設定しての措置ということで聞いておりますが、平均寿命の延びが反映されていないなど、財政圧迫要因の大きな1つとなっております。
 なお、ここに記載はございませんが、代行割れが進むと本体に迷惑がかかる、したがって、制度の廃止を急ぐべきという意見がございますが、代行割れをして解散を選んだ場合、将来分については免除料収入が国に入り、その分、国は積立金の取り崩しが減り、国の財政は好転します。過去の解散が多数の際はそうだったはずでございます。
 また、不足金のある過去分につきましては、任意解散につきまして連合会に不足金を全額支払う。基金側は、今まですべて支払ってきていると思っております。
 ただし、特例解散のことだろうと思いますが、国に戻りますけれども、これが極端に増えるということを想定し、かつ、不足金の納付が未収になる。それが120兆円の積立金に相当影響するのではないかということを危惧していらっしゃると思うんですが、通常だと国に迷惑が及ばないと考えます。いかがでしょうか。
 とにかく制度が大変複雑なこともあり、理解が不十分のまま報道等がなされているのではないかと思っております。行政には、さらなる説明をお願いしたいと思います。
 ちょっと長くなりまして恐縮ですが、6ページ、最後のページでございます。「○総合型厚生年金基金の在り方」でございます。
 中小企業の経営状況は大変厳しい。その中で健康保険、介護、それと毎年引き上げられております厚生年金の保険料が経営を圧迫しております。基金には1円も入ってきているわけではございませんが、厚生年金保険料は十数年で引き上げられております。このような状況下であっても、事業主サイドからは基金存続の要望が多数寄せられております。そういった観点から、今の経済状況を勘案した上で、基準緩和策を要望するものでございます。
 「中小企業の企業年金の在り方」ですが、公的年金が徐々に細っていくという中で、補完制度として厚生年金基金の役割はますます重要と信じております。
 あと1点、補足資料をつけてございますが、時間の関係上説明を省略いたします。後ほど御高覧いただければ幸いです。
 以上、簡単に御説明を申し上げました。脈絡のない説明であった点、あるいは制度への思いが強いためについつい失礼な物言いがあったと存じます。その点お詫びし、何とぞ御理解ちょうだいできれば幸いでございます。御清聴ありがとうございました。

○山口座長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明に対しまして、委員の皆様から御質問がございましたらよろしくお願いをいたします。
 近藤委員。

○近藤委員
 御説明ありがとうございます。3点ご質問したいと思います。
 代行制度の意義のところに関しまして、代行のメリットはもはや得られるような状況でないことかと思いますが、それでも有意義な制度で思い入れも強いというお話を伺いました。また、中小企業の企業年金を守るためにメリット大という御説明でありましたが、そうでありながらも基金の制度が広く中小企業への普及拡大まではつながっていないという御説明だったと思うんです。そういったところの原因というか、問題点はどのように考えておられるのかというのが1つです。

○山崎様
 なぜ増えていないかということは、当然経済の状況がこのような状況だということでございます。中小企業は、大変な倒産企業数が発生しております。そういう中で、今、経済が好調でもないときに、なぜ魅力ある制度の新設がないのか。今の状況は、そういう経済状況ではないということを申し上げたいと思います。

○近藤委員
 特例解散時の連帯保証については、厳し過ぎるということで廃止すべきだといった意見も聞かれますが、御協議会につきましてはどのように考えておられますか。ただ単に厳し過ぎるから廃止、厚年本体に穴が開くこともやむなしみたいな議論は、公平性、モラルハザードの観点からなかなか納得が得られにくいと考えますが、こういったことに関して、当該基金の加入者や受給者の代行部分の給付削減といった考え方もありうるのではないかと思いますが、この辺りはいかがお考えでしょうか。

○山崎様
 一口に特例解散と言っても、業種によってかなり違うところがあります。当基金の加入事業所は問屋さんということで、非常に小さい事業所が多いわけでございます。比較的そういう特定不況業種になって、もうこれからはなかなか伸びないという、例えば永山さんのところの乗用だとか、そういう場合は特例解散によって連帯債務になって、連帯倒産ですか、連鎖倒産。そういうことについては、やはり経済政策上の問題もあると考えておりますので、是非そういう観点から何か救済策があってしかるべきではないかと考えております。

○近藤委員
 最後ですけれども、公金であります代行部分を預かってスケールメリットを享受することがメリットの1つということだと思います。今後の基金の在り方として、更に国からの補助をお願いしたいといったことも言及しておられるが、年金制度としてそこまで必要なのかなという気がいたします。
 先ほどから御自身でも、制度が余りに複雑で誤解もというお話もありました。これは個人的な印象ですけれども、基金制度は、財政中立化などにより複雑過ぎて、公平性とか透明性といったものが本当に確保されているのかというのが専門家以外は本当にわかりにくい。基金制度は、これまで日々進化を遂げてきたんだという御意見もありましたが、制度をいろいろ継ぎはぎというか、パッチ当てというか、かなり複雑にしてきているといった印象がありますし、それなりに相当のコストがかかってきているのではないか。一般素人から見ますと、本当にここまでやる必要があるのかなということを率直に感じますけれども、この辺はいかがでしょう。

○山崎様
 先ほど説明をしなかったんですが、補足資料の1ページ目をごらんいただきたいと思います。
 私どもは、今、代行割れ、いろいろ言われておりますけれども、ほとんどの基金が運営可能であると認識しております。一部の基金だけのことを取り上げて、殊さら代行割れが進んでいるからこの制度は廃止だという動きがありますけれども、そういうことではないのではないか。
 ここの原点が1ページに書いてありますように、寄せ集まってやるしかない中小零細企業にとって、こういう制度は次につくろうとしてもつくれない制度であると考えております。是非そういう点を御理解いただいて、お願いしたいと思います。
 以上でございます。

○山口座長
 ほかに御質問。
 小野委員。

○小野委員
 1点だけ御質問を申し上げたいのですが、厚生年金基金のアセットミックスを拝見しますと、平均的なところで恐縮なのですが、GPIFのアセットミックス等と比べても、かなりハイリスク・ハイリターンの資産の組み入れ比率が高い。DB制度と比べても、かなり高いのではないかと思っています。
 私の質問は、なぜそういった運用になってしまっているのかということです。私が考える4点ほどを挙げさせていただきますと、ちょっと失礼かもしれませんが、そもそも多いとされています予定利率5.5%が制度全体にかかるものとの思い違いしたとか、あるいは発生した不足金を再計算までに回収しておきたかったとか、そういった理屈が1つあるかと思います。
 2つ目は、GPIFのリターンで中立化しているといっても、これは期ずれによって、基本的に運用のヘッジができないということだと思います。
 3つ目は、いわゆる0.875問題が基金財政の負荷になっているということで、そこに関してクリアーするということがあるかと思います。
 最後は、この間変わりましたけれども、非継続基準に抵触した場合に、資産が予定利率で増殖すれば掛金引上げが不要だという回復計画があったと思います。
 4点ほど挙げさせていただきましたが、こういったところが考えられる要素かと思います。そのどれが一番強いのか。全部かもしれませんが、その辺りを教えていただきたい。

○山崎様
 先ほど最初の方にお話したんですけれども、21年3月に、鹿毛さんとかがいらっしゃって連合会の検討会をやったんです。後ろにも何人かいらっしゃるんですが、そういうところで十分そういう議論をしている。
 なぜかというところは、1つには信託が標準型バランス運用ということを進めております。総幹事たる者がそういうことをしてはだめですよということをその本にも書いてあるんですが、もう財政中立化になったのだから総幹事から改めてもらいたいということが1つの原因として、そういうリスクを取っているということはあります。
 5.5ということについても、行政も国も17年改正の後のときにはかなり説明会をしておりますので、多分かなりわかってきているとは思います。ただ、おっしゃるように財政再計算に当たったときがちょうどサブプライム問題のときであれば、大変な負担になるわけです。今の制度は、運用のいいときに当たったときとそうでないときで、基金にとっては大変な負担になる部分があって、そういうことをあらかじめ避けようということで、例えばヘッジファンドで危ないものに手を出すことはあるのではないかと思います。
 それと、期ずれは確かにそのとおりなんです。したがいまして、非継続基準についても同じように期ずれを解消していただきたい。そうしないと国と同じような動きにならないわけでございます。
 0.875はおっしゃるとおり、この前の行政の資料でもありましたが、0.875を0.9にするだけで大変な最低責任準備金の減少になりますので、財政に相当な効果があると思います。
 そういうもろもろの点があるんだろうと思います。しかしながら、連合会のまとめ、そういうことをもっと強化していけば、そういう研究会、いろいろなところでつくったものもありますので、是非それを連合会側が研修強化してやっていただければ、このガイドラインを遵守することはできると私は考えております。
 そういうことで、いわゆるキャッシュフローでの部分とそうでない部分、総幹事によるALMでコンサルタントを入れて、新しいファンドをどうするかということは考えておりますし、大体の基金はそういうふうにしていると思います。
 以上です。

○山口座長
 ありがとうございました。

○窪田様
 30秒だけ補足させてください。今、委員からございましたけれども、直近の調査でも、総合の厚生年金といえども、年々、株式比率は大分落としておりまして、企業年金連合会調査でも明らかでございます。今、ようやく山崎が言いましたように、中立化に根ざしてリスクを余りとらない運用というのが相当浸透してきておりますので、現に年々、株式比率を落とした運用ということであります。
 それから、前回の29日のときの御質問がありましたけれども、どちらが効率的だっただろうかということですが、過去10年で、残念ながらGPIFには若干及んでいない。しかし、その差は1%程度になっております。かつてのリーマン級のことが来たときのような対応を常に心がけながら安全運用を徹底すれば、更にその差は限りなく縮まるものと思います。
 以上です。

○山口座長
 ありがとうございました。
 先に進めてまいりたいと思います。もし、ございましたら残っていただきますので、また後で御質問があるかもしれませんが、またそのときに改めてということにしていただきたい。今日は3つの団体に来ていただいていますので、順番にやりたいと思っております。また後でお願いします。ありがとうございました。
 これで、全国総合厚生年金基金協議会からのヒアリングを一旦終わりとさせていただきます。
 引き続きまして、企業年金連絡協議会の方から御説明を承りたいと思います。

(説明者 交代)

○山口座長
 それでは、企業年金連絡協議会の彭城会長の方から御説明いただくと聞いておりますので、大体20分ぐらいでよろしくお願いいたします。

○彭城様 本日は貴重なお時間をいただきまして、ありがとうございます。御紹介いただきました、企業年金連絡協議会の会長を務めております彭城でございます。
 本日は、ヒアリングに当たりまして当会の副会長の加藤と、矢本と、私と3名で参りましたので、よろしくお願い申し上げます。
 まず、発表に当たりまして、この委員の皆様の中にも企業年金連絡協議会がどういう団体なのかわからないという方もいらっしゃると思いますので、2ページ目でございますが、簡単に会の概要だけ御説明させていただきたいと思います。
 まず、真ん中の「沿革」というところでございますが、我々の団体は昭和48年に東京地区の単独連合の厚生年金基金連絡会として発足をした、年金実務者のボランティア集団でございます。
 平成9年には、東京地区だけでなくて全国からの会員も増え、名称も東京地区を取って単独連合、また、協議会という形で改称しております。また、平成14年には確定給付企業年金法施行に伴って、現在の企業年金連絡協議会という名称に変更した組織でございます。
 上にあります会員でございますが、直近で、正会員として全国で462の会員を抱えている、年金実務者が集う年金集団でございます。
 内訳を見ますとDB企業年金が408会員、全体の9割弱を占めている会でございます。そのほか厚生年金基金が50会員、11%程度でございます。あと、DCが4会員ということで、大体はDBとDCを共有して持っているところが多いので、これは全部DBの方にカウントされているところでございます。
 以上が当会の概要でございます。
 本日は、このヒアリングに当たりまして、私ども正会員に対してアンケートを実施してまいりました。募集期間が短かったものですから回収率は6割強でございますが、本日はその意見も参考に、主だったところについて意見表明をさせていただきたいと思っております。また、お時間の関係で、全体のアンケートは個々に紹介できないと思いますが、よろしくお願い申し上げます。
 アンケートの中で、まず最初に申し上げたいことが1点ございます。それは我々企年協、年金実務者がこの会に持つ印象でございますが、我々年金の実務者、日々年金をやっている者からすると、この有識者会議自体が、AIJ事件が起こったから発足、招集された会議であるという認識であります。当会の趣旨の文章の中にはAIJ事件という文言が一切入ってないわけでございますが、本来はこの事件がなぜ起こったのか、また、その原因の究明だとか、対応策だとか、あるいは今後の被害基金への対応策といったことを一番に議論していただきたいというのが実務者の声でございます。今までのこの会の議論を拝見してみますと、議論自体、結論が性急過ぎるのではないかという気がしてならないところでございます。
 本来、この事件の原因には、先ほどもありましたように関係省庁の横の連携を含む金融行政の在り方の問題とか、あるいは信託協会、生保協会、投資顧問、監査機関等の業務運営や監督、監視、チェック体制といった問題も多々含まれていると思います。
 例えば第2回目の会議で信託協会さんの方から、管理体制の強化という案が提案されている資料を拝見させていただいているわけですが、例えば外国籍の私募投信での信託銀行名義化案ですとか、本件の対策としては非常に有効なアイデアが多々提案されているとも感じておりまして、是非この会でもそういったことも議論をされて、検討をされて、提言も図っていただきたいと感じているところでございます。
 そういったことを前提に、この会議で示されている3つの論点に沿って発言させていただきたいと思います。
 まずは「1.資産運用規制の在り方(見直しの方向性を踏まえて)」でございますけれども、これについては既に論議が終了されて、今後の基本的方向性というのが示されておるところでありますので、今回その方向性の項目に沿って具体的に述べさせていただきたいと思います。また、その方向性の中の冒頭で、本件は厚生年金基金を対象とした見直し案としてうたわれておりますけれども、一方では、必要に応じてDB基金にも適用するという前提が書かれておりますので、DBを中心とする企年協でございますが、そういった観点からも意見を申し述べさせていただきたいと思っております。
 4ページ目でございますけれども、「◎見直しの基本的な考え方全般に対する意見」としては、1つは一律の資産配分規制に戻すのではなく、リスク管理等のガイドラインが、より実効性を持つようにする見直しには大賛成でございます。ただ、それが労使の自主性を妨げて、また、効率化を妨げる、また、コストアップにつながるような過度の見直し、チェック強化、義務化というものには大反対でございます。
 個々にいきますと、受託者責任の在り方については、まず分散投資の徹底。これは運用ポートフォリオの策定の義務化ということでございますけれども、我々の基金としては既に十分浸透、実施しておりまして、逆にこれを義務化とすることによって機動的な運用対応への阻害、あるいはこのポートフォリオ策定を形骸化される可能性、懸念も考えられて、義務化することには反対という意見が多々ございました。
 また、運用機関への委託の割合の上限設定(数値規制)については、昨今の複雑化する運用の手法には全くなじまないものでございまして、これについても反対をさせていただくということでございます。
 次に運用体制・運用プロセスの点でございますけれども、運用の基本方針等のものについては、先ほど申しましたとおりでございます。
 2点目の、オルタナティブ投資でのデュー・デリジェンスの徹底とガイドラインの追加の方向性は賛成するものでありますが、これについての具体的な内容がまだまだはっきりされてないものですから、アンケートの中では保留という意見が多々ございました。
 次に5ページ目でございます。運用受託機関の選定・評価については、リスク管理など運用機関に対する「確認すべき事項リスト」などのガイドラインへの追加は、ガイドラインをより実効性のあるものにするという方向性は賛成するものであります。ただ、これについても具体的な内容次第というところで、この辺が決まったところで改めて表明させていただきたいと思います。
 運用に携わる役職員の資質向上という点では、研修受講は言わずもがなのところで当然のことであり、どんどん研修をさせて資質の向上を図っているのが実態でございますけれども、その取組みの義務化とか代議員会等への報告の義務化については、逆に教育を受けさせること自体が目的になるという懸念もあって、義務化することには反対でございます。
 また、運用担当者に対する資格要件の設定等も、運用資格イコール運用がうまくできるかということはわからないわけでありまして、資格試験に合格した者が必ず運用がうまくいくとも限らないわけで、こういったことについては各労使の自治に基づいたそれなりの人材の登用を考えたいということで、この義務化にも反対でございます。
 更に、資産運用委員会、運用コンサルタントは、学識・実務経験者あるいは受給者の採用の義務化というのがうたわれておりますけれども、果たして学識・実務経験者はどなたを指すのか。各基金にこういった方が入られて本当に機能していくのか、甚だ疑問なところもございます。また、受給者の選定というのも、組織化されていない受給者の中でだれをどう選んでいくのか、責任体制をどうとるのか、こんなことはちょっとできないなということで義務化に反対をさせていただきたいと思っております。
 次の6ページ目でございます。基金のガバナンス・情報開示でありますけれども、この辺につきまして、ガイドラインの追加というのは、先ほど申しましたように実効性を上げるという点では結構なことだと思いますが、内容次第だというところでございます。
 また、運用業務報告書の記載事項の詳細化、原則開示については、各基金、既に決算報告書等の中で詳細な分散投資の状況等について報告書を毎年出しておりますし、この辺についてはさらなる記載詳細化も必要ないと思います。運用基本情報の開示という点では、変な意味で運用会社への機密の漏えいにも当たるかと思いますので、逆にそういった阻害要因の方が大きいということで反対をさせていただくものでございます。
 次に、監事や行政による事後チェックの強化。チェックを強化すること自体は賛成するものでありますが、これの代議員会への報告の義務化というのがうたってありますが、こういったものの監査報告というのは、当然ながら既に代議員会でやっていることでありまして、今さらながら義務化ということをあえて言うことはないということで、アンケートの結果としてはこれにも反対意見が多く出ておりました。
 その他、中小規模の基金の資産運用を例えば連合会で運用受託。例えばということで連合会という話が出ておりましたけれども、仮に連合会で受託ということが案として考えられているのであれば、我々企年協の立場として、連合会さんには中脱事業を実施していただいていたり、それぞれいろいろな業務をやっている中で連合会の負荷の問題、あるいは各基金の財政状況、予定利率等が全く違う中で一括運用ができるのかどうかという問題、あるいは不足金が発生したときの責任をどうとっていくのか、こういった観点から、現時点では連合会にという案があれば反対をさせていただきたいと思っております。
 一方で、厚生年金基金の合併の迅速化等、制度変更での今後の制度論の議論と併せての検討は大いにしていただきたいと思うところでございます。
 次に7ページ目でございます。「2.財政運営の在り方」ということでございます。
 財政運営につきましては、我々の9割を占めるDB年金も、財政運営等は代行部分を除けば、ほぼ厚生年金基金と同じような基準で動いておりますので、そういった観点から、従来から財政運営の見直しについては企年協として種々要望書、意見書を厚労省の方に提出しております。お手元の資料に別紙でつけてございますのは、過去に我々が出した財政要望、基準の見直しの要望事項でございます。後ほど御参考に見ていただければと思いますが、こういったことも含めて何点か説明をさせていただきたいと思います。
 まず全体像としては、昨今のボラタイルな経済・運用環境にあって積み立て水準の安定確保のため、景気のよいときなどに剰余を蓄積させて財政上のバッファーを構築させる財政運営の健全化促進策(一括・弾力償却での実施)等を、是非考えていただけないかという要望を前から出しているところでございます。
 基金の財政状況と母体の経営状況はリンクして動いているものでございますので、逆にいいときにはそれだけ積めるような措置ができないかということで、提案させていただいているところでございます。
 次に、以下の主な論点が書かれているものについて、若干触れさせていただきたいと思います。
 まず、予定利率の見直しを進めることに対しての考え方でございますが、当然、予定利率を引き下げると債務が増加するという図式になっているわけで、この引下げによって債務増加する分についてはあえて分離して、この部分については長期償却が可能になるような弾力化措置が考えられないだろうかということを、1点挙げさせていただきたいと思います。
 また、積み立て不足の早期対応あるいは財政上のバッファーの構築のため、一定水準までの一括・弾力拠出といったところも、意見として提出させていただいているところでございます。これらは税制上の問題とかいろいろな観点で複雑なところはあるかと思いますが、要望として出させていただいているところでございます。
 今、財政検証については継続基準・非継続基準の二本立てでの財政検証を行っているところでありますけれども、これがまた財政対応を非常に複雑にしているところがありまして、是非これらの一本化を検討願いたいということで、意見として出させていただいているところでございます。
 次に8ページ目でございますが、引き続いて掛金の引上げの際、利源分析上の利差損(実際利回りと予定利率との差)による不足分については制度による不足と分離して、この部分については早期・弾力償却も可とするような対応がとれないだろうかということです。
 給付水準の引下げについては、特に加入者分は労使合意を原則として、給付減額の基準・手続の明確化を図っていただきたいと考えているところでございます。
 次に、解散基準(理由要件、手続要件)の緩和についてどう思うかというところでございますが、必要とは思うわけですけれども、逆に安易な解散ということを防ぎ、継続努力を促進させるためにも、まずは給付減額基準との整合性を十分に考慮して対応すべきであるという意見でございます。さきにもありましたように、解散促進のための緩和には反対するものでございます。
 時間の関係もありますので先に進みます。9ページ目でございます。最後の項目で、「3.各制度(運営)の在り方」についてでございますが、我々企年協は主体がDB制度でございます。ですから、厚生年金基金、特に総合型基金の制度の在り方について、個々に意見を申し上げることは控えさせていただきたいと思いますが、我々企年協の中にも単連でございますけれども厚生年金基金も少なからずおりまして、公的年金が先細りしていく中で、公的年金を補完する重要な制度としての企業年金の仲間として、意見を申し述べたいと思います。
 1点目は◎でありますように、今までの会議の議論の中で、どうも厚生年金基金制度の将来的な廃止論というのが聞こえてくるわけでございますが、この一律の制度廃止の動きには反対するものでございます。
 特に極端な財政悪化に至っていない基金の加入員、受給者の受給権保護ということも重要な問題でありますし、昨年の適年の廃止の時と同様に、多くの基金が解散して、DB、DCにも移れない状態で企業年金がなくなってしまったという実態もあり、一層の企業年金離れというのが起こってしまうのではないか。ひいては、それがDB年金全体へ波及することを我々は懸念しているところであります。例えば大企業と中小企業との格差拡大の問題等が、まず第一に考えられるのではないかという懸念がございます。
 次に、代行部分につきましての今日的意義でありますけれども、これもあえて申し上げれば、先ほどもありましたが、いわゆる運用の代行メリット部分は薄れたと思いますけれども、設立後も一定の制度規模で維持・運営されている意味は大きく、また、特に中小企業では代行制度の意義・役割というのは、今日でも非常に大きな意味を持っていると感じているところでございます。
 アンケートの中で、その他の主立った意見として3点挙げております。
 1つ目は、厚生年金基金制度の一律廃止論は行き過ぎである。個々の財政状況や母体(業種)の将来見通しなどを個別に判断して、受給権保護を最優先すべきである。
 また、繰り返しになりますが、受給者減額は慎重にすべきとは思っておりますが、一方、これは加入者と受給権者との給付水準の比較や、解散・減額基準での難易度の違いからの安易な解散は防がなくてはならないということで、受給者減額自体の緩和も必要と考えているところでございます。
 3つ目には、中小企業の企業年金にはどうしても何らかの受け皿・選択肢が必要だということであります。年金受給権の保護という観点からも、財政的に可能ならば基金同士の業種を越えた統合あるいは地域連合等の考え方も、1つの案としては検討する必要があるのではないかということを提言させていただきたいと思います。
 10ページ目でございます。以上3点の論点について述べてまいったわけですが、最後に、我々企年協の年金実務者の声として、この会議あるいは厚労省の方に望むこととして、何点かをまとめさせていただいております。
 AIJ事件については、我々企年協のDBの仲間も若干被害に遭っているわけでありまして、事件発生から既に4か月近く経っている中で、いまだに刑事事件の究明ができてない状態で、被害基金は何の情報も得ていない。進捗しているのは、連合会の御努力で民事的な部分について若干進捗があるように聞いておりますけれども、まだまだ被害基金は悶々としている状態であります。そういう中で、AIJ事件の被害者の立場に立った視点での議論を是非お願いしたいということでございます。
 この有識者会議ですが、2か月の期間で結論を出すというのは、はたから見ていても非常に短いなという気がしておりまして、是非運用面での再発防止策に力点を置かれて、財政や制度の在り方については拙速に結論を求めずに、引き続き検討会を設置するなどの方向性を持っていただきたいと考えているところでございます。
 また、一律制度の廃止を求める前にその対応策とか出口論、この辺も明確に示す必要があるのではないかということを思っております。
 制度の存続・廃止ありきの議論ではなく、公的年金を補完する重要な役割を持つ企業年金制度の持続可能性をいかにして見出していくかという点も、是非御議論いただきたいと思っているところでございます。
 最後に、我々はDB、DCを扱う企業年金の団体でございますけれども、我々自身もDB、DC制度は労使の運用リスクをどちらが負うかという点で、縦割りの仕組みによる限界を感じているところでございます。制度運営に伴う諸リスクを労使間でどう分担していくのか、この問題の解決なくして、企業年金制度の持続可能性は図れないのではないかということを常に考えているところでありまして、特にDB、DC、確定給付と確定拠出と2つの企業年金制度の中で、この両者の制度のリスク分担、主には、運用リスクでございますが、運用リスクの分担と両者の制度のメリットを共有するような新しいハイブリッド型の制度、DBとDCの中間のような制度を新たに考えていく必要性を感じているところでございまして、我々企年協としては、今現在そういった方向性に基づいて検討を進めているところでございます。
 是非、そういったこともこれからの一方策として議論・御検討に加えていただいて、今後とも御支援・御指導賜りますことをお願い申し上げまして、時間が来ましたので終わらせていただきます。
 以上でございます。

○山口座長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明に対して、委員の方から御質問がありましたらよろしくお願いいたします。
 森戸委員。

○森戸委員
 2点ありまして、1点は御質問なんですけれども、もう一点はこの流れで事務局にお願いするような話かもしれません。
 1点目に申し上げたいことは、今、御説明いただいた資料の8ページの2の(5)ですが、給付水準の引下げについて、加入者分は労使合意を原則として、減額基準・手続の明確化を図るというふうに御説明いただいたのは、具体的に現行法とどういうふうに違うことを提案されたのか、もうちょっと御説明いただければというのが1点目です。
 2点目、ついでにみたいな感じで恐縮なんですけれども、前の総合型の基金の方のお話のときもあったんですが、割とこの会議では中小企業の労働者、非正規の方の企業年金の問題が重要だというのはよく出ていまして、それはわかるんですけれども、現状として、例えば総合型厚生年金基金で非正規の人とか中小企業の労働者がどのぐらい対象になっていて、例えば厚生年金基金制度がなくなったらどのぐらい困るのかとか、そういう数字上のデータとかがあるといいなと思っていまして、前に小野さんとかが、非正規の企業年金の研究とか論文を書かれているのを知っているので、もしかしたらそういうところにあるのかもしれないんですけれども、ついでにで恐縮ですが、そういうのがあればというのが事務局へのお願いです。
 質問は1点の方です。お願いします。

○彭城様
 8ページ目の(5)でございますけれども、「加入者分」というのは特に加入者と受給者の重みを区分けして考えてという注釈の意でございまして、給付減額についての手続の明確化というのは、一定のこういった場合、こういった条件で給付減額できるというのは書かれてあるわけですが、実際にそれをトータルして給付減額手続に入っても、例えばNTTの裁判のように、それがある論点から認められないというケースもあって、その辺の基準の明確化というものをきちんと提示していただきたいという意見でございます。

○森戸委員
 前回、厚労省の事務局の方からも説明があったんですけれども、要するに、赤字でないとだめとか、そういう意味では労使合意は明確だし基準は割と明確で、どっちかというと、それが画一的とか厳し過ぎるというのが割と意見であったような気がして、明確でないとおっしゃるのはどういう点か。実際上、窓口での対応が場所によって違うとか、そういうことをおっしゃっているのかどうかということを思ったのと、あとは、これは加入者の話で受給者の話ではない。明確化というのは、恐らく受給者でも加入者でも同じことかなと思ったんですけれども、ここを特に加入者についてだけ書かれたのは、何か意図があるんでしょうか。追加で申し訳ないです。

○加藤様
 副会長を務めております、加藤でございます。
 基本的には、加入者の場合はまだ現役でございますから、給付減額があった場合でも、将来にわたって、それがずっとデメリットになるかどうか見えて参りません。ですから、現職中に別の形での対応(処遇)もあるかもしれないという中で、現職として労働組合による労使合意の中で判断できるのではないかと思っております。
 一方で、受給者、既にOBとなった方々はそういう手だてがございませんので、そういった意味では、なかなか減額はできないということを認識しております。
 また、過去の高い利回りにより給付負担が大きいという問題や、現実の給付債務を財政上から見て、加入員部分で積み上がっている債務よりも、受給者部分の債務の方がずっと大きいという場合があります。
 そういった場合に、企業年金が存続できるか否かの問題になってまいりますと、債務の大きい受給者部分が大きな問題になってきます。そういう場合の配慮というか、現役の方が給付を大幅に下げざるを得ない状況の場合、OBの方の給付は高いままで維持していいのか、そういった比較、バランス論からの問題も絡んでまいります。
 ただ、財産権という問題がありますので慎重にしなければいけませんが、その辺を含めいろいろな対応をもう少し広い幅の中で考えていってもいいのではないか。これは先ほどのNTTの問題とか、過去のいろいろな裁判事件でも絡んできた話と思っております。
 以上です。

○森戸委員 
 ありがとうございました。

○山口座長
 花井委員。

○花井委員
 まず、4ページの資産運用規制の在り方のところで過度の見直し・チェック強化には反対、その下にも反対とたくさんあるんですが、私は企業年金であれば労使での運用だろうし自己責任の世界だと思うので、規制を強化することがいいかということはありますが、公的なものは違うと思っています。
 ただし、何度も発言しているんですが、基金の場合は公的年金を一緒に運用しているという意味で一定の規制は必要だろうと思っていまして、ここで言っているのは、基金ではなくて企業年金のことなのかどうかの確認です。
 次の5ページの1の3のところで、代議員会等への報告の義務化には反対とありまして、次のページのところにも監事や行政による事後チェックの強化とか、その前の情報化、要するに、原則開示には反対という項目が幾つか目につくんですが、代議員に対して反対という意図がよくわからない。今、情報開示というのは大きな流れで、先ほどの説明だと既にやっているので必要ないんだ、今さら義務化しなくてもいいんだとおっしゃいましたが、その辺の真意についてもう少し御説明いただければと思います。
 最後の方で、今、森戸先生もおっしゃったのですが、中小企業の年金につきまして、公的年金を補完するものだから重要だというのはそのとおりだと思っておりまして、私も事務局に質問しようと思っていたんですけれども、今、確定給付企業年金は1万ぐらいあったかと思うんですが、そこの中に中小企業というのはないのかあるのか。例えば企業年金基金の制度が廃止になった場合に、中小企業で働く労働者にとって企業年金というのは不可能なのかどうなのか。その辺の資料があれば、次回で結構ですので是非出していただきたいと思います。
 もう一つ、先ほどの山崎さんのヒアリングで言われたのですが、AIJ問題に絡んでプロがいたとしても発生は防げなかったんだ、プロがいても仕方ないんだと、共通してそういう御意見かと思うんですが、いつでもそういうことがあり得るというふうにお考えでしょうか。それは防ぐ方法がないということなのか。いつもそのリスクを抱えながらやっているのか。企業年金はいいんですが、公的年金の場合もいつもそのリスクにさらされるわけです。その辺りはどのようにお考えなのか、御意見があればお話しいただければと思います。
 以上です。

○彭城様
 まず、私の方からお答えさせていただきたいと思います。
 義務化に反対するものはいっぱいあるわけですが、1つには、我々企業年金としては先ほど申し上げましたように、既に代議員会等の活動には現在でも充分報告をしているところであります。また、先ほど情報の原則開示に反対と申し上げた部分は、運用業務報告書の詳細化の原則開示に対しての意見でありますので誤解のないようお願いいたします。更に言えば、その他のことにつきましても、これを義務化とした途端にいろいろな様式あるいは報告の内容・形式とか、それが形骸化してくる懸念があるということで反対としているわけで、決して代議員に対して開示しなくてもいい、ということを申し上げているわけではございません。 また、今回、資産運用の在り方について先ほどお答えさせていただきましたが、その冒頭で申しましたように、厚生年金基金を対象にということは、花井委員のお話でも十分承知しておるところでございますけれども、必要に応じてDBにも適用していくとことがうたわれている関係で、我々はアンケートの中で、こういったことがDBに持ちかけられたときにはどういう観点で考えるかということで皆さん回答されたと思います。そうした中で、反対という意見が出てきているものだと思っております。
 ほかの質問については、加藤の方からお答えさせていただきます。

○加藤様
 2点目の中小企業の年金がというお話は、事務局の方への質問ですね。
 3点目は、AIJは防ぐすべがなかったかということでございますね。
 我々、企業年金基金の場合は、運用執行理事がいると同時に、母体企業とも資産運用委員会等を設置している場合もございますし、ファンドの中身の精査をしながらも、基金のみの判断でというのは少なく、母体との資産運用委員会等の組織での判断が入ってまいります。そういった対応のため、運用のプロではなくても、運用の管理面において、いろいろ確認するすべ(術)があるという組織対応ができますので、そういった問題は発生しにくかったのではないかと思っております。
 ただ、確かに一部DB基金でもAIJ問題が発生したケースがありますが、後で被害をうけた基金にいろいろ話しを伺っておりますと、運用執行理事だけで判断してしまったケースもあります。基金の場合は常務理事、運用執行理事、事務長等、ある程度の規模の基金であれば複数の人間で対応できます。複数で対応していれば問題はなかったという被害基金の常務理事さんのお話しもありました。資産運用委員会や複数での対応などそういった組織対応により、ガバナンスなり管理体制が、恐らく、今回の事件を契機に一層強化されていくことになると思います。そういった組織対応で十分やっていけるのではないかと思っております。

○山口座長
 ありがとうございました。
 時間の関係もございます。事務局の方ですが、今、森戸委員、花井委員の方からも資料の要請がございましたので、次回、次々回になるんでしょうか、是非よろしくお願いいたします。
 それでは、また後で出てくるかもしれませんけれども、とりあえず先に進めさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

(説明者 交代)

○山口座長
 それでは、最後になりますけれども、企業年金連合会の皆川専務の方から御説明をよろしくお願いいたします。

○皆川様 
 企業年金連合会でございます。よろしくお願い申し上げます。座って御説明をさせていただきます。
 私どもの団体の性格としては、これまで御説明された2つの団体と多くの会員が重なっておりますので、基本的に同様の内容になろうかと思いますが、少し違った切り口からお話をさせていただきたいと思います。
 「有識者会議 説明資料」、絵がついております。これは19世紀末の混沌とした時代に描かれた絵で、タイトルが「我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこに行くのか」。企業年金がどこに行くのか、あるいは厚生年金基金がどこに行くのか、この会議にふさわしいテーマと思って表紙に使わせていただきました。
 厚生年金基金は、ちょうど団塊の世代が二十になったときに生まれました。46年が経つわけですけれども、その方たちが、今、ちょうど65を超えていますが、引き続く世代が、いよいよ厚生年金基金あるいは企業年金の受給者世代になっています。
 厚生年金基金は、数は少なくなったとはいえ、今でも足元、新規の受給者が大体20万人ぐらい出ております。私どもは、厚生年金基金からお預かりした中途脱退者の年金を支給するわけですが、毎年50万人ぐらいの新規の受給者が出ております。そういう意味では、いよいよ団塊の世代とともに生まれて発展してきた制度が、まさに機能を発揮する時代に来たのではないかという認識であります。
 その意味で、この有識者会議の御議論に相当左右されるわけですが、我々としてはこの絵の真ん中の女性にありますように、いよいよ企業年金の果実を何とかこういう世代に均てんしていきたいという気持ちでおります。よろしくお願い申し上げたいと思います。
 違った観点から幾つか御説明申し上げたいと思いますが、私自身はこの3か月半、AIJの被害者に寄り添うような形で活動してまいりました。そういう意味では、会員基金からも少し御批判があるのですが、被害者企業寄りの発言になるかもしれません。御容赦いただければと思います。
 1つは、今日の本題ではないので簡単に話したいと思います。AIJ被害会員に対するこれまでの対応であります。3か月強が経ったわけですけれども、最初の1か月は混乱のきわみでありました。その間はほとんど情報がなくて、我々の作業は情報の確認、整理、それから浅川氏、高橋氏がまだおりますから、二次被害が起きないように何とか資産の保全をしたいという1か月でありました。その結果、資産は一応保全された形になっております。
 ただ、保全された後にどうするかというのが今後の課題であります。具体的には、そうして確保した資産をいかに国内に持ってきて配分をするか。これについては、今、一生懸命に民・民の中で取組みをしておりますが、次第に民・民でやる限界も見えてまいりました。この間、渡辺課長様にも被害基金にお会いいただきました。その中でも、厚生労働省はできることはやるとおっしゃっていただきました。そろそろ私どもの限界もありますので、御相談をさせていただきたいと思います。
 現場は、今も戦っています。1つは資産の回復、それから風評被害、健全化に向けた努力も徐々に行われています。私自身も、この前1つの産業の基金の理事長の集まりに説明せよということで呼ばれました。3時間、4時間続いた議論ですが、何とか先代、先々代が築いた制度を守る、あるいは立て直す努力を今後ともしようではないか、そういう決意の産業の基金もあります。そういうところを是非お酌み取りいただければと思います。
 次に、現場、特に私どもの現場から有識者会議の議論に幾つかの強い期待があります。
 4つほどありますけれども、1つは資産運用のインフラをできるだけ信頼できるものに再構築していただきたいという期待であります。3月に、私はある基金の常務さんから、3つの「これって何だろう」という話を伺いました。これが、今も耳に残って消えません。
 第一は、信託のこれって一体何だろうということであります。信託から、基金は毎月毎月資産の報告書をもらいます。要すれば、資産の残高について証明をしていただきます。その証明に基づいて、あらゆる行動をとるということであります。また、それで監査を受けるということであります。ただ、この事件が起きてから、ある日突然、あの証明は間違っていました、違いますと言われる。これって一体何だろう。信ずるに足りると思って託した自分の金、毎月毎月証明書をもらっている、これがある日突然違いました。契約上も、信託としては責任がないんですよという話であります。やはりこれはそうかなと思います。午前中も、第2回に御説明された荒海様から私は説明を受けまして、そういう話もあるのかなと思いますが、やはりこれって一体何だろうということであります。
 第二のこれって一体何だろうというのは、その基金はたまたま東京にあるものですから、早い段階で金融庁のヒアリングを受けました。数時間のヒアリングの後、恐る恐る金融庁の担当者に聞きました。アイティーエム証券に検査が入って、AIJも変だといううわさがあるんだけれども、(AIJに)入っていただくことはできなかったものですかという話であります。それに対して割と淡々と、金融庁の検査はそんなもんなんですよということです。匿名で投書されても動かないものなんですよということでありました。しかし、我々の仲間としては、そういう金融行政を信じて託した資金であります。それをそう簡単にそんなものだと言われてもという感じであります。本当にこれって一体何だろうということであります。
 第三のこれって一体何だろうというのは、厚生労働省に対してであります。この事件が起きて以降、分散投資ということが盛んに当局から言われました。分散投資については、各基金ともそれなりの見識を持ってやってまいりました。また、各年度末には、その投資の状況を常に厚生局に報告をする。その報告をもとに次年度の活動をする。指定基金に至っては、指定の内容が運用の中身まで入っているということであります。そういう意味では、この問題は投資顧問の問題ですけれども、投資顧問を採用したのも多くの基金は分散投資したいという流れの中で行って、その報告をしてまいりました。その上で、この分散投資を更にやれ、分散投資をしてなかったという言われ方をずっとしてまいりました。当局はわかっているはずなのに、これって一体何だろうということであります。
 なぜこれが耳からなかなか消えないかというと、勿論運用規制も甘んじて受けなければなりません。ただ、その前の運用のインフラというものに対して、もう一度御議論を賜りたいということです。
 これまでのまとめの中で、3行ほど金融庁と厚生労働省の連携は大事だというお話があります。連携も大事ですけれども、その前にそれぞれの機関、組織が普通にこうだと思うことをやっていただく。それが、我々の琴線に触れるものではないだろうかと思います。そういう意味で、資産運用インフラの構築についての議論は勿論されていると承知していますが、是非大きく取り上げていただきたいというのが私どもの期待です。
 2つ目は、さまざまな議論がされて勇気づけられることも少なくありません。ただ、私どもがこの会議の場に期待したいのは、やはり基金の機能を維持する、あるいは強化を方向づける議論を是非お願いしたいということであります。
 先ほど申し上げましたが、連合会の厚生年金基金の新規受給だけでも毎年50万から70万出ておりますし、御案内のように、今、厚生年金基金においては450万の加入者あるいは300万の受給者がいて、毎年20万ずつ新規受給者が増えていきます。それらの人々の期待というか、希望の制度でもあります。そういう意味で、是非この制度の機能の強化、機能の強化のためなら、私どもは、さまざまな規制を受けることはやぶさかではありませんが、その方向で議論をしていただきたいと思います。
 時々、廃止という論議も出ます。やはり出口の道筋をつけるところも必要かもしれませんが、私どもとしてはその前にあらゆること、万策を尽くしたか、あるいは我々なりに万策を考えたり、変えたいという気持ちであります。例えば0.875の問題もあります。それから、指定基金の指定期間の中で、もう少し債務を減らす、あるいは給付を、受給者を含めて少し我慢をしていただく手だてはないんだろうか。それはいろいろな要件がありますが、厚生労働省の仕組みの中で指定基金あるいは指定機関という制度がありますので、特定の枠をはめた上で財政の健全化を強力に推進する仕組みはないんだろうか。あるいは、その中で合併・統合を考えている基金もあります。そういうところに支援はできないんだろうか。こうしたさまざまな手だてを打ってもなお出口を探る必要があるかもしれませんが、その前に私どもは万策を尽くしたか、手立てを是非御議論いただければと思います。
 次に、今までの2団体からもありましたが、やはりバランスのとれた議論を是非期待したいと思います。
 1つは基金間のバランスです。先ほどもありましたが、基金も多様です。前回の資料でも出ていましたけれども、そういう意味でのバランスを是非とっていただきたいと思います。
 それから、制度間。今も議論がありましたけれども、DBと厚生年金基金、運用についてはやはり共通するところもあります。これもバランスのとれた議論が必要ではないかと思います。
 今回の議論が厚生年金基金制度の在り方に波及するとすれば、やはり企業年金制度全体の問題にも波及すると思います。これは企年協の皆様が申し上げましたように、企業年金の全体の絵柄をどう見てこの議論をするんだということは重要になります。私どもは、一部のグループの企業年金だけであってはならないと思っており、そういう観点からも少しバランスのとれた議論をお願いしたいと思います。
 勿論、公的年金改革が進んでいますが、過去の改革の中で、いよいよ来年からは特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢が61になります。その後、段階的に引き上がってまいります。そういう中で、企業年金あるいは厚生年金基金の給付は、その間を埋める仕組みとしても有効に活用されています。基金の給付あるいはDCの給付、DBの給付をその中で利用して隙間を埋めるといった活用方法もされている。こういう実態も、是非御議論賜れればと思います。
 最後に、現場と一体になった制度管理を期待したいと思います。1,800あった厚生年金基金は、今、総合型だけで見ますと500近くまでの数になっております。そういう意味では、各厚生局の現場では、より身近な形で御指導いただける状況になりつつあるのではないかと思います。先ほどいろいろ申し上げましたけれども、さまざまな手だての中で厚生局を有効に活用していただく、あるいは厚生局が関わっていただく、こういう事務・事業の在り方もあるのではないかと思います。
 次に、私ども冒頭申し上げましたように各会員の団体であります。先ほど2団体の御意見がありましたけれども、我々も多くの活動を通じて会員の意見を吸い上げております。そうした中で、厚生年金基金とDBの意見を骨太にまとめたものがありますので、御紹介を申し上げたいと思います。
 まず、5ページは当有識者会議が始まった早い段階で厚生労働省にお願いをした提言でございます。細かくは申し上げませんが、「(本文)」の2にありますように、実務を行う担当者からヒアリングを行うなど、是非お願いしたい。今日あるいはこれからも、次回もこうした形でやっていただけるということでございます。この場をかりて御礼を申し上げたいと思います。
 昨日、私どもは会員の代表が集まりまして、こんな議論をしました。最終的にはこうした議論をとりまとめて、また7月に全体で提言という形でまとめたいと思います。重複するかもしれませんが、御紹介させていただきたいと思います。
 1.運用執行理事の職務である運用管理に最も重要なことは、基金のガバナンスや運用の基本方針に従い運用機関を良識を持って管理・選別することであり、運用のプロである必要はない。また、資産運用のプロと称するための現在の資格は、基金の運用管理を目的としたものではなく、資格取得者の設置義務は基金の運用管理を取り巻く事情とは相いれない。なお、現在も運用管理に関する体系だった知識、技能習得の場が提供されており、これらは積極的に活用されている。あるいは活用したいということであります。
 2は私の冒頭意見と重なりますが、再発防止策を議論していただいて、安心して資産運用することができる投資インフラ整備に向けた具体策を、是非お示しいただきたいということでございます。
 3は、廃止の議論に対してであります。
 公的年金を補完する企業年金全体の発展のためにも、厚生年金基金制度の廃止を前提とした議論には反対です。すでに風評被害が起きており、多くの受給者、加入者のためにも、年金を守る立場にある当局は、これを食い止めるメッセージを是非出していただきたいということであります。なお、先ほど総合型基金の実態がどうかというお話がありましたが、仕組みとしては正社員だけでなく非正規社員にも上乗せ給付をできている、あるいはしていくということであります。
 4.基金運営が自己責任で行われるものとすれば、労使合意による運営が基本であり、行き過ぎた規制強化はなじまない。なお、資産運用委員会の構成メンバーに学識経験者や実務経験者、受給者を入れることについても、労使自治の観点から判断するべきであるという意見です。
 5の合同運用については、その目的のみならず手段もあいまいであり、また基金制度の在り方からも検討すべきことが多く、現段階では、与することはできないということであります。
 次の7ページですが、確定給付企業年金関係者にも議論していただいています。
 この多くは、先ほどの彭城会長のお話にもありましたので、1番と7番だけ御紹介をさせていただきたいんです。
 1.確定給付企業年金においても、ガバナンスは事業運営の基本であり、こうした機能の強化は、労使の自治の中で促進できるようにする必要がある、ということです。
 7.厚生年金基金制度の廃止を前提としている議論については、反対であるという御意見でございました。
 最後に、私どもからもこの場をおかりして会員に対するメッセージを出したいということで、幾つかの資料を用意しております。御紹介させていただきたいと思います。
 先ほど来議論がありましたけれども、1つは5.5%の誤解であります。前回の当有識者会議の資料にも、予定利回りの分布がありました。図は、資産側から見た期待収益率の分布です。2004年と2010年ですが、まず右の方をごらんいただきますと、多くの厚生年金基金は、この6〜7年、毎年、資産運用方針の見直しを行っております。青い線でありますけれども、その中でも、目標リターン、リスクの引下げを常に行っている基金が一定程度ございます。それから、赤でありますが、アセットミックスを見直している基金も少なからずあるということであります。
 その結果でございますが、左にありますようにアセットミックスの期待収益率で見ても、5.5%以上というのはむしろ少数派で、4〜5%が多数、4%未満も5%以上を超えるという状況になっています。
 御案内のように、アセットミックスの期待収益率は、負債の側の利回りプラス、大体0.5〜1%のバッファーあるいは報酬を乗せていますので、かなり厳しく見て行動していることが見てとれます。勿論まだDBに比べて高い部分もありますけれども、こうした動きが着々と進んでいるということを御理解賜りたいと思います。
 それから、会議の中で私どもの研修について幾つか御指摘がありました。今、研修の資料も別に配付させていただいていますが、年間55回ほどの研修をやっています。大体2日ないし3日やっていますから、私どもの職員は営業日の半分以上でこういう研修をしています。その中でも、資産運用に関する研修というのはかなり充実をさせてきています。勿論当会の議論を踏まえて、この研修の充実をすることはやぶさかではありませんが、できれば私どもの実態をごらんいただいて、どこが足りないか、あるいはどうすればいいかということを具体的に御指摘いただければ、幾らでも柔軟に対応させていただきたいと思います。
 義務化という話がありましたが、今まで企業年金連合会のさまざまな事業に義務というものはありません。そういう意味で、別の枠組みなのかなと思いますが、私どもとしては義務化をしなくてもさまざまな手だてはとれると思います。
 1つの例が、今年度から地方厚生局が個人情報保護について、監査のときに各基金に対して、個人情報保護の研修を受けたかというチェック項目があります。そのチェック項目ができたことによって、私どもが実施する個人情報保護に関する研修には、毎回100人以上集まります。そういう意味で、勿論義務化ということも1つの手段ですが、当局は義務化に代わる手段も多くお持ちだと思います。まず、そういう手段を使っていただいて、検証していただければと思います。
 それから、私どもの前回のとりまとめの中で、今、申し上げましたように研修も55回もやって飽和状態なので、研修をもう少し体系化できないかとか、あるいは現場のモラールの向上に資することはできないかということで、10ページですけれども、以前よりボランタリーな認定スキームというのを考えております。今年度、またこの内容を深めて運用についてもこういった認定ができるかどうか検討し、実現に向けていきたいと思いますが、もし、この会議の中で、こういう方向で具体的にこういう活動をしたらいいのではないかということがあれば、私どもとしては対応したいと思っておりますので、情報として御提供させていただきたいと思います。
 最後ですが、先ほどの議論もありましたけれども、情報開示に関するものであります。今年度から最後の裏表紙にある新しい事業を開始いたしました。これは、受給者に対しても積極的に情報開示をしなくてはいけないのではないかということで、私どものサーバー余力を利用しながら個々の基金に対してこういうものをつくったらどうですかと言ったところ、11ページをごらんいただくとおわかりのように厚生年金基金は極めて積極的です。今でもホームページをかなりお持ちですが、更にこの1年でつくろうという基金が増えています。
 いろいろな義務化の話もありますけれども、こういった活用を促進するとか、あるいはここでどういう情報を提供するか、こういう具体的な御議論をいただければ、私どものサービスの内容の一環としてそれを促進することは十分できるかと思います。
 限られた時間で、私どもの説明は以上にさせていただきます。ありがとうございました。

○山口座長
 ありがとうございました。
 ただいまの御説明に関しまして、御質問等がございましたらよろしくお願いします。

○蟹江委員
 大変熱のこもったご説明をありがとうございました。
 今の皆川さんのご説明で、DB、厚年といった制度についてのお話がありましたが、連合会自身のお話もあると思います。
 前回の5月29日の会議で、小野委員の提出ペーパーの1ページ目に脚注がありまして、そこでは「連合会も厚年基金の一種である」「仮に、給付を削減する事態になった場合、その影響は、既に代行返上したかつての単独連合型厚年基金の過去の中途脱退者にも及ぶことになると思われる」とあります。このことについてどのように思われますかということと、今の連合会の責任分野として、加入者、受給者の状況はどうなのだろうか。恐らくその方たちの相当数に影響が及ぶと思いますが、その辺りをご説明いただきたいと思います。

○皆川様
 加算部分の話ですね。
 むしろ担当理事の濱口委員が出ていますので、後で御議論いただければと思います。私どもとしては、御案内のように追加拠出する事業主もおりません。そういう意味では、今の積み立て水準を意識した運用をしている、あるいは運用してきているという状況であります。
 残念ながら、今は加算部分を含めた給付の責任準備金に対しては、10%ぐらいを、割っている状況ですけれども、これは時代時代で大きな変動がある今、そのぐらいになっている。いわゆる代行部分に関しては120%ぐらいあろうかと思いますので、そこは大丈夫かと思いますけれども、加算部分については過去分の約束した利回りも決して低くありませんので、それなりの対応を運用執行理事以下がとっているという状況であります。

○濱口委員
 御質問の趣旨は、今後どのように改善していく可能性があるのかという意味ですか。

○蟹江委員
 運用の改善のことを聞いているのではなくて、仮に厚年基金制度が将来的に廃止されてしまうと、それが連合会にも及ぶわけです。代行返上するということになりますと、前の小野委員の説明によれば資産が10兆円と債務が11兆円、代行分が8兆円でしたので、10と11が8を差し引きして2と3になってしまうことになります。従来ですと積立不足分が債務11兆のうちの1兆ですから10%、債務3兆の場合には、3分の1が積立不足となるわけですね。そうしますと、下手をすると強制減額になりかねないという虞があるわけです。勿論運用はうまくいってほしいと思いますが、その辺りをどう考えますかというのが私の質問です。

○濱口委員
 おっしゃっている積み立て水準というのは、現在の瞬間風速で、いつも御報告していますように非常に大きな幅で動いており、現に過去にはプラスのときもあったわけです。
 別に廃止に賛成という訳ではないですが、仮にするとしても、民主党のペーパーにもあるように、加算部分の受給権の侵害にならないように十分な時間をとるということでしょうから、その十分に長期の時間軸の中ではいろいろな積み立てのレベルがあり得ると思います。従って今の足元で全部返上したらこの不足はどうするんですかというのは、いかにも短期的で余り適切な議論にはならないと思いますが。

○山口座長
 ほかに御質問等ございますでしょうか。
 近藤委員。

○近藤委員
 3つの何でだろうというお話をお伺いしたんですけれども、私もDBの運用の実務の責任者という立場で仕事もしているんですが、何でだまされてしまったんだろうなというのは思って、何でだまされてしまったのかというのは、説明がうまかったり、資料がよかったりとかいろいろあると思うんですけれども、それをリターンの源泉であるリスクがどこにあって、そこがこうなったからこういういい成績が出ていたんだとか、そういうのをどこかで説明しないと運用はできないもんだと思うんですけれども、何でだろうの中の、何でそんなのでだまされてしまったんだろうというのが非常に素朴な思いです。

○皆川様
 私も多くの基金とお話をしています。お答えになるかどうかはわかりませんが、だまされた多くの基金の経緯はこんな状況です。
 2000年〜2003年の極めて厳しい運用状況がありました。そうした中で、その当時は大体みんな、信託の合同口とかで運用していた。そういう中で、このままではだめだろう、もっと分散しないとだめだろう、それから、伝統的4資産は相関が高過ぎて、何とか別の資産を考えなくてはだめだろう、などとその2004年ぐらいから、議論をし始めた基金が多くなりました。
 その当時、オルタナという商品が出てきました。また、そういうものが推奨された。そうした中で、やはり大きな運用収益の谷間を埋める1つの仕組みとして、オルタナというのは非常に魅力的で、ちょうどその検討の中ではまっていったということです。別にAIJだけではなくて、オルタナティブ投資はそのころから増えてきています。
 また、オルタナティブ投資の中でも、より山谷を低くてもいいから増減を埋める商品というのは、余りなかった。平均でこういうパフォーマンスを出していたという方向がAIJにはあった。そういう商品特性が際立っていたんで、1つの有力商品だろうということで選ばれていったと思われます。
 これを話すとだまされてない基金の方からは、非難を受けるんですが、それなりにまじめに検討していった人たちが決して少なくないと思います。

○山口座長
 ありがとうございました。
 花井委員、どうぞ。

○花井委員
 少しきつい質問かもわかりませんが、中小企業労働者の企業年金が、公的年金が先細りしている中で補完するものとして重要だというのは、もう何回も言っているようにそのとおりだと思っております。ですから、中小企業労働者の企業年金を充実していくことは必要だし、やるべきだと思います。そのことと、なぜ公的年金を使わなければいけないのかということを、是非個人的お考えでも結構ですので、教えていただきたい。
 それから、今、組織を抱えていらっしゃるんで必要ないとは言えないのは十分わかっているんですが、そのことと、今、6,300億円の代行割れが出ていることについて、その保険料を払っているのも圧倒的多くの中小企業の労働者です。ちゅうしょ企業の労働者全員に企業年金があるわけではないという状況の中で、ある意味1円たりとも公的年金は赤字にしてはいけないと思っています。その中で、今、6,300億円が代行割れしています。そのことについてどのようにお考えなのか、責任者としてお話しいただければと思います。

○皆川様
 なぜ使わなければならないのかというよりも、それを利用してきてこの制度ができて、今日に至っているということだと思います。そして1980年代から1990年代にかけて厚生労働省は基金を全国的に展開してきたわけです。それで今日に至っているというのが、実情だと思います。
 その上で6,300億の話について申し上げれば、被害に遭われた基金も含めて、厚生年金基金の方々は、これを毀損してやめようなんて思っている人は全くいないと思います。具体的には、代行部分だけはできるだけ責任を持って返すということです。私どもの組織としては、この6,300億を放っておいて基金が行動することはないと信じています。それが1つです。
 もう一つは、今まではどちらかというと代行の損得ということに関して、個々の基金は代行があればメリットがあるということで今日に至っています。ただ、確かにそのメリットがなくなってきています。これはまた花井様と意見の相違があるかもしれませんが、代行部分があることによって、今日400ある総合型が機能している。それぞれの基金の損得だけではなくて、代行の6,300億はきちんとするとした上で、代行部分を利用して存続する基金の存在の損得というのもあるのではないかと思います。

○山口座長 
 ありがとうございました。
 それでは、企業年金連合会からのヒアリングは以上とさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 以上でヒアリングは終了したいと思います。私の時間調整の不手際で余り時間が残っておりませんが、引き続きまして冒頭に申し上げました、財政運営の在り方あるいは厚生年金基金制度等の在り方に関して、少し議論していただきたいと思います。
 永山委員から資料を出していただいていますので、簡単に御説明いただけますか。

○永山委員
 時間の関係で簡単に申し上げます。
 今の御議論の中でも大分焦点が見えてきたと思います。私ども現場といたしまして申し上げていることは、もう2つ3つしかないと思っておりますが、まず代行割れという言葉がひとり歩きしていまして、代行割れというのは我々に非常にマイナスのイメージを植えつけておりまして、厚生年金基金がやっていることに対して、我々厚生年金保険の方がよくわからない。そういうことを任せておいていいんだろうかという問い方が、今、あるかと思います。
 それが直近のところで合計6,000億強の積み立て不足ということになっておりますが、先ほどの基金の方からの御説明にありましたように、私も前に申し上げましたけれども、財政運営は一点フォーカスではありませんので、毎年毎年の財政運営が行われております。例えば最近のアメリカの資料を見てみますと、主要100の企業年金が積み立て不足に陥っていまして、直近のところが0.8を割って0.7の前半まで落ちているという状況があって、有名なカルパースも7.5%相当の予定利率を立てている基金ですけれども、とてもそういう状況にないということで厳しい状況になっている。
 それから、厚生年金基金の問題だけではなくて、先ほどから出ておりますDBもしくはDCのことは後でも申し上げたいと思ったんですけれども、時間がありませんので申し上げませんが、現行DCに行けばいいかということになりますと、DCの状況は今どうなのかということになりますと、なかなか厳しい状況にあります。
 戻りますが、代行割れというのはあくまでも単年度である。先ほどからありましたように、全体で見れば、2兆円だったですか1兆円だったですか、プラスになっていますよという状況があるわけですね。それが1点。
 仮に代行割れすれば、各基金が財政運営をする中で決算もしくは財政計算といたしますが、必ず掛金を上げて対応する。もしくは給付減額もあるんでしょうけれども、少なくとも掛金の手当をしていく。それは先ほどもありました、特別掛金収入現価という形で積み上がっていくわけです。国の方も、決算上の資産として認めていただいておりますので均衡できるようになっております。5年とか、いろいろありますけれども、各基金が選んだ体力の中で毎月毎月積み上げていく、掛金で徴収する、それが資産化されていくこととなっているわけです。
 1つの御提案なんですけれども、今、純資産でなければ代行割れを算定する基準がないわけですが、特別掛金収入現価というのは規約で定めて、厚生労働大臣の認可も得て、毎月各事業所が積み上げていくものですので、最低責任準備金を算出する際に、純資産プラス特別掛金収入現価という形で、比べていただければよろしいのではないかと思うわけです。
 ちなみに、私のところで申し訳ないんですけれども、通常であれば直近のところで0.9を割っている状況がありますが、特別掛金収入現価を入れますと1.1を上回るという積み立て水準になりますので、是非そこはお願いできないかと思っております。これは全国の基金さんも同じかなと思います。
 もう一つだけ。解散をするということですけれども、解散をしたいという基金はございます。解散をする基金につきましては、解散のしやすいスキームをお願いしたい。何度も申し上げておりますけれども、特例解散のときに、倒産した事業所さんの債務を負うということはとてもできませんので、自分のところだけは10年かかろうが20年かかろうが間違いなくお支払いをする。特にそこは、公的な資金は要りませんよという意思表示もされていますので、是非そこはお考えいただいてスキームをつくっていただいて、時間が経てばまた悪化するということもあるかもしれませんのでお願いしたい。
 残るところはやっていけますので、その区別をしっかりすればよろしいのかなと思っております。
 以上でございます。

○山口座長
 ありがとうございました。
 翁委員。

○翁委員
 事務局にデータをお願いしたいと思っているんですけれども、厚生年金の中で、いいところも深刻なところもあるということもお伺いしますし、また、瞬間風速でもはかれないというお話も何度も出てきておりますので、過去からの長期的なトレンドで見て、最低責任準備金に対する積み立て状況というのが、基金の分布としてどういうふうに変化してきているのか、そういうのがわかるようなデータを是非出していただければと思います。よろしくお願いいたします。

○山口座長
 ありがとうございます。
 小野委員。

○小野委員
 それに関連してですが、私は期ずれの問題は少しこだわりたいと思いまして、前回の資料の資料2−1で積み立て状態を何種類かお出しいただいていますが、仮に期ずれがなかったらどういう格好になっているか。これは簡便法でしか出ないとは思うのですが、そういった資料があると議論に役立つのではないかと思っています。
 加えて、総合型基金の場合には、資産評価で平滑化された数理的評価を使っているケースが結構あると思いますので、運用面から考えるという意味では、その影響も取り外した形になっていると非常にありがたいと思っております。
 以上です。

○山口座長
 ありがとうございました。
 ほかに何か、事務局への要望等も含めて御意見等がございましたら。
 山本委員。

○山本委員
 これが出るかどうかなんですけれども、今、企業年金基金になっているところが代行返上された理由と、代行返上される前と後で運用の許容リスクが変わっていて、ポートフォリオがどんなふうに変化しているのか。要は、国のお金を預かっているときの運用の仕方と、そうでないときの運用の仕方が変わっているかどうかというデータがあれば見せてください。

○山口座長
 ほかによろしゅうございますでしょうか。
 蟹江委員、最初に質問をはしょってしまったんですが、総合基金さんへの質問があったようでした。

○蟹江委員
 ちょうどとてもいい資料があったことがわかりまして、今日の資料の中に連合会の月刊誌があります。詳しく述べる時間はありませんけれども、この5ページに厚生労働省説明に係る質疑というのが載っていまして、多分これは連合会が、いくつかのDBとか厚年からヒアリングした内容の記事であると思いますが、例えば3段目の2番目の意見で、「解散を決めた厚年基金に対して、これまでの地方厚生局はかたくなに退け続けた経緯があったが、どう考えているのか」とあります。
 要は、私は前から行政には懇切丁寧な指導をお願いしたいと言っていますし、また、今日皆川さんの方からも同じような話がありました。やはり本省のご指導と地方厚生局の具体的な対応が、ばらばらになっているケースもあると思います。この辺りは、是非本省としてもばらばらにならないように、やるのであれば統一した見解をお示しいただきたい。
 ほかにもいくつかの意見が書いてありますので、委員の皆様方にこのページだけは、お読みをいただきたいと思います。
 以上でございます。

○山口座長
 それでは、本日はこれで終了としたいと思います。
 次回は個別の基金からの意見聴取を行って、今日は時間が余りありませんでしたので、引き続き財政運営の在り方及び厚生年金基金制度等の在り方について、御議論をいただきたいと思っております。
 事務局におかれましては、今日いろいろなデータの要請もございましたので、それについて御用意いただくことをお願いいたします。
 それでは、次回の日程についてお願いいたします。

○渡辺企業年金国民年金基金課長
 次回は来週でございますが、6月12日火曜日17時、午後5時からを予定しております。詳細は追って御連絡させていただきます。

○山口座長
 ありがとうございました。
 それでは、本日の審議はこれにて終了といたします。御多忙の折、お集まりいただきましてありがとうございました。


(了)
<厚生労働省年金局企業年金国民年金基金課>
代表: 03-5253-1111(内線3320)

ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 年金局が実施する検討会等 > 厚生年金基金等の資産運用・財政運営に関する有識者会議 > 第5回 厚生年金基金等の資産運用・財政運営に関する有識者会議

ページの先頭へ戻る