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2012年5月29日 第2回障害者職業能力開発推進会議議事要旨

職業能力開発局能力開発課

○日時

平成24年5月29日(火)15:30~18:00


○場所

厚生労働省 共用第9会議室(19階)


○議題

(1)障害者職業能力開発施策の事例発表について
(2)今後の施策のあり方に関する意見交換について
(3)その他

○議事

広島障害者職業能力開発校における取り組み

○障害者就業・生活支援センターで入校前に相談を行い、その後ハローワークで相談した上で、訓練が必要と判断されてから入校に至ることが望ましい。
訓練中、本人や家族と良好な関係を保つよう訓練校として努めているが、難しいケースもあるので、支援センターに関わっていただく必要もある。また、訓練修了後の就職はハローワークが支援するが、就職後の定着等のフォローは、人間関係が必要なものであり、地元の支援センターが関わることが重要である。
訓練前、訓練期間中、訓練修了後の各段階において、三者一体で取り組む体制が必要と考える。
○入校する精神障害者の3分の1程度は既に支援機関とつながりを持っている。その他の人に対して、訓練期間中から支援機関を紹介し、相談するよう助言している。
○全国就業支援ネットワークでは、訓練を受けるかどうかの更に前の段階から関わっている。社会生活等状況を把握し、支援に当たっている。その段階から訓練、更には就職と職場定着の段階まで一貫して支援できる体制を取れれば、効果的であると考える。

東京都の障害者訓練について

○委託訓練の関係で、受講者の掘り起こしに関連して訓練実施機関とのマッチングが重要である。コース選定の段階でミスマッチがあると、訓練受講が本人と訓練実施機関の双方にとって負担になり、更に、就職の段階でもずっと引きずる問題である。適切なマッチングは重要な問題である。
○マッチングに関連して、専門家の助力を得られるとトラブルを防ぐことができる。専門家を配置しやすい体制にしていただくよう考えてもらいたい。

東京労働局における就職支援の取り組み

○地域資源の活用は、地域の活性化にもなり、重要な点だと考える。東京都一口で言っても、多摩地区と23区では産業が異なり、求人状況が違う。障害者の通勤圏に配慮しながら就職支援を行うとなると、地域の特性や資源を勘案しながら進める必要がある。
○チーム支援が重要である。従来の職業訓練は、技能習得が主な目的だったと思うが、障害の特性に配慮しながら進める必要があり、一つの機関だけで対応するのは難しい。自立支援協議会等の場を通じて、地域の資源をなるべく活用しながら地域で取り組むようにすれば自ずと支援チームが構築され、支援が効果的に行える。

精神障害者に対する効果的な職業訓練に係る調査研究について

○精神障害者の訓練ニーズが高まる中で、訓練校がどう対応しているか、その現状を把握するため、訓練施設、訓練指導員だけでなく、障害当事者を対象とした調査を行った。調査から明らかになった課題は多岐に渡るが、それぞれ重要な課題であり、障害者校だけでなく、一般校における受入れをどう進めていくか本調査結果を踏まえて更に検討しなければならないと考える。
○訓練校によって訓練指導員の精神障害者に関する訓練ノウハウの蓄積に差があるのが現状である。今後、全国規模でノウハウを共有し、連携を図る必要がある。
○地域間の連携については、現状で十分かどうかはともかくとして、ハローワークの取り組みが重要であると考えている。
○地域によって連携の枠組みができているところとそうでないところがある。今回の調査研究に示されたような課題に対応するにあたっては、自治体が能力開発促進事業に取り組むことによってその枠組みが構築されていくと考える。

障害者校、一般校に関する課題と対応策について

○特別支援障害者の受入れを促進するためには、ノウハウの蓄積・普及だけでなく訓練機関へのインセンティブも必要である。特別支援障害者の受入れをどのように評価するか早期に検討する必要がある。
○特別支援障害者の範囲については、平成19年度の会議で検討し決定したところであるが、実際の訓練現場をみると、その範囲に含まれていないが訓練上特別な支援を必要とする障害、例えば重複障害等がある。特別支援障害者の範囲の見直しを就職率の評価と併せてセットで検討することが必要である。
○障害者の就職実績を評価する際は、長期のスパンでみて欲しいとの話があったが、とくに精神障害者の場合、訓練を受け直すなどのさまざまなプロセスを経て自分の障害を受け止め、職業への理解が深まるので就職に就くまでに時間を要する。その辺に配慮して欲しい。
○一般校での障害者受入れに関して、現場サイドからすると、ハード的な支援がないために健常者と一緒に訓練を行うことが難しいケースがある。
○一般校における障害のある訓練生への支援は、全体としてその必要性が高まっている。障害者専門のコースの指導員に対する研修が必要であることは言うまでもないが、一般のコースの指導員も含めて研修を行うことが効果的な訓練の実施につながる。
○一般校であれ障害者校であれ、また障害種類にかかわらず円滑な訓練のためにはコミュニケーションが重要である。技能面に着目するだけでなく、その辺を考慮する必要がある。
○障害者校、一般校における特別支援障害者の設置を推進するにあたり、機構営校による個々の施設の状況等を踏まえた指導技法等の提供や組織的なコーディネートの実施が重要であるが、これらを実施するためには機構営校の体制整備等を行う必要がある。

委託訓練に関する課題と対応策について

○委託訓練を受ける人は、直ちに就職することが難しい障害者が多い。障害特性、社会的背景等で困難を抱えている人が少なくない。そうした人たちの訓練機会を拡大するためにはその受入れに関して何らかのインセンティブが必要である。また、委託訓練修了後すぐに就職が決まるケースが少ない。修了後3ヶ月、6ヶ月の短期のスパンでなく、たとえば翌年度までといった長期間まで視野を広げて就職の実績を評価する方向で検討すべき。なお、委託訓練は、自立支援法の障害福祉サービスの中で、一般就労への移行を進める有効な手段であると考えている。そうした人たちの訓練機会を拡大するために配慮していただきたい。
○委託訓練終了後の就職実績を1年、2年の長い期間でみることに賛成である。
委託訓練が就職に結びつくか否かはコース選定によりかなり違ってくる。NPOや社会福祉法人での受講は直ちには就職につながりにくい傾向がある。更に次の段階で企業での実践コースを受けると就職につながりやすい。企業での訓練受入れを進める意味で委託費アップは歓迎だが、いずれにしても訓練コース選定に当たってマッチングを図るにはそれを担うスタッフにかなり専門性が要求される。
○委託訓練の訓練期間延長は、そうすることが望ましい障害者もいるので必要なことである。一方、長い訓練が負担になってしまう障害者もいるので、期間は弾力的に設定できることが重要である。
○訓練を更に広げていく上で、研修の拡充が大切であるのは言うまでもないが、現在、訓練支援員の研修は本省でやっているが、本省だけで担えるのかどうか。総合大も、これまでのノウハウなどの蓄積を基に、研修の拡充に当たる必要がある。
○中小企業の中には、障害者を積極的に雇用し、その力を社員の力や育成に活かしたいと考えているところがある。そうした企業の意欲を生かす工夫が何かないものかと思う。
○中小企業の取り組みは、地域活性化につながる可能性がある。企業側の意欲を生かさない手はない。現実可能性を秘めたアイディアだと思う。
○社会適応訓練に関する条項が精神保健福祉法から削除されたが、この制度は中小零細企業において健常者と障害者が一緒になって訓練を行ってきた実績がある。その資源を更に生かすための工夫がないものかと思う。

連携に関する課題と対応策について

○これまでモデル事業として行われていた能力開発促進事業は、そうした中小零細企業等で障害者訓練を行っている人への支援の糸口になり得るものだった。そこで蓄積されたノウハウやネットワークを事業化し、核になる支援者をつけられるような仕組みを設けることが大切である。モデル事業が終了すると、それまで培ってきたものが消えてしまいがちだが、そうならないようもう少し踏み込む必要がある。


<照会先>

職業能力開発局能力開発課

障害者企画係: 03(5253)1111内線(5962)

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