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2012年5月28日 第5回治療と職業生活の両立等の支援に関する検討会議事録

労働基準局労災補償部労災管理課

○日時

平成24年5月28日(月)15時00分から


○場所

厚生労働省中央合同庁舎第5号館専用第23会議室(19階)
(東京都千代田区霞が関1−2−2)


○出席者

委員<五十音順、敬称略>

井伊 久美子 (社団法人日本看護協会 常任理事)
今野 浩一郎 (学習院大学経済学部経営学科 教授)
今村 聡 (社団法人日本医師会 副会長)
岩崎 明夫 (ソニー株式会社人事部門産業保健部 産業医)
塩山 あけみ (日立製作所労働組合日立支部 執行委員)
砂原 和仁 (東京海上日動メディカルサービス株式会社健康プロモーション事業部 部長)

事務局

鈴木 幸雄 (労災補償部長)
木暮 康二 (労災管理課長)
高渕 憲一 (労災補償訟務分析官)
飯田 剛 (労災管理課長補佐)
松本 篤人 (労災管理課企画調整係長)
小島 敬二 (労働条件政策課長補佐)
木内 哲平 (安全衛生部労働衛生課中央労働衛生専門官)

○議題

(1)論点・課題の整理
(2)その他

○議事

○今野座長 それでは、お揃いですので、ただいまから第5回治療と職業生活の両立等の支援に関する検討会を開催いたします。本日は、門山委員と本田委員が欠席です。
 それでは早速、議題に入らせていただきます。今日は「論点・課題の整理」ということです。そこに入る前に、まず事務局から資料を説明していただいて議論をしたいと思います。
○労災管理課企画調整係長 お手元の資料1をご覧ください。資料1は、これまでの検討会の開催実績と今後の予定をまとめたものです。本日は、第5回目、5月28日「とりまとめに向けた論点整理?」ということで、当初は6月中にとりまとめるという予定でしたが、1回だけ増やして6月に第6回目、7月上旬に第7回目ということで、本日を含めて残り3回ぐらいでとりまとめをさせていただければと思っておりますので、よろしくお願いします。
 資料2は、第1回検討会のときに事務局から「検討すべきポイント」ということで、議論のご参考にと提示した項目に従って、これまで委員の方やヒアリングをさせていただいた有識者からのご意見や、事務局も含めて資料の形で提出したものを箇条書というか発言ベースでまとめたものです。中身は両立支援をとりまく現状・課題から、最終的な今後の関係者の在り方や行政の役割という順番でまとめております。最後の行政の役割の部分は、これまでご発言の内容が多かったため、項目だけを抜き出しました。
 資料3は、これまでいただいたご意見を、ご発言ベースでまとめたものを付けましたので、こちらも本日の議論のご参考にしていただければと思っています。
 資料4は、本日は門山先生はお休みですが、第2回検討会で門山先生からヒアリングをさせていただいたときに、提出された資料です。そのとき資料のデータの整理が完成していない部分があって、後ほど整理でき次第ご提出していただくということでしたが、本日は門山委員がお休みですので、事務局から簡単に修正点についてご説明したいと思います。
 修正があったのは、19頁と25頁が主な部分です。まず19頁ですが、もともと専業主婦を除いた係数を全体数として述べていましたが、25頁の表と総数が合わないということで、若干資料の見比べができませんでしたが、専業主婦も加えた形で総数がそれぞれ合うような形で整理していただきました。また当時は聞き取り調査時の部分だけのデータだったのですが、乳がんの診断時から聞き取り調査時の変化をわかりやすくまとめていただきました。
 25頁は、当初はもう少し分類が少ない形になっており、同じ会社の職場で仕事をしているのか、そのあと異なる職場で仕事をしていたかといった細かい差がわからなかったので、そこのところを再整理していただきました。こちらも資料の中身は特段問題ないと思いますが、この点について疑問等がありましたら、検討会が終わってからでもご連絡いただきましたら、事務局を通じて先生に確認をして、回答させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 検討会当日に指摘はなかったのですが、9頁と11頁で、データの全体数自体は変わりがないのですが、注書きで、産業医へのアンケートについて、専属なのか嘱託なのかという内訳を改めて記載していただきました。資料の修正は以上です。資料の説明を終わります。
○今野座長 資料2はこれまでの意見の整理ですね。これは皆さん読んでおられますか。大丈夫ですかね。それでは、これを全部やると長いので「両立支援策をとりまく現状と課題」で1回切りましょうか。特に今日は、これまで議論していただいた内容について、さらに追加をするというご意見をお聞きして、もう一度議論の内容を事務局に整理をしていただき、報告書まで持っていこうという趣旨ですので、資料2に提示された内容以外に、もっとこういうことがあるということを、自由にお話をいただいて、資料2を豊富にしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。それでは、最初に1の「両立支援をとりまく現状と課題」について、いかがでしょうか。今日の予定では、追加議論がないとすぐ解散ということです。
○塩山委員 私は労働組合の者ですが、労働環境の変化というところで、最近の傾向を見ていますと、雇用形態という点で所員イコール組合員ではないという視点が必要であると感じます。会社の制度が整えばある程度の組合員は救えるということがありますが、実は組合員というのは、同所で働いている人たちの何パーセントにしかすぎず、割合が少なくなってきており、雇用形態がさまざまになっていると感じています。パートの方、アルバイト、派遣、請負の方々が働いているということを考えますと、そういった雇用形態も配慮した考え方も必要かなと感じました。
○今野座長 ほかにいかがですか。
○岩崎委員 現状と課題というところで何度か委員会の議論でも出ていたかもしれませんが、問題の大きさをどう把握するかということに、もう少しボリュームを上げたいという感じがしています。例えば、労働環境の変化などは、有所見率や不安を感じている人の厚生労働省の調査などを聞いており、定量データまで行くかどかわかりませんが、実際に病気に罹患しながら仕事をしている方のボリュームがどのぐらいか。これはわりと数値として入ってきやすいデータだろうと思います。
 その中でどのレベルの両立支援を今後構築していくかという議論をする上では、どのぐらいが本当にサポートが必要なボリュームゾーンなのか、そのヒントとなるような部分を少し入れていきたいという感じがしております。
○今野座長 それはできるのですか。なかなか難しいという話でしたね。
○労災管理課企画調整係長 疾病別のいろいろな調査やアンケートやデータを並べるという形にはできますが、いままでも議論があったとおり、全体数がこれだけという形で出すというのは現実には難しいかなと思います。
○今野座長 そうすると、そういうことが非常に重要であるにもかかわらず把握できていないので、今後はどうにかしなければいけないというのは課題になるのですね。
○労災管理課企画調整係長 そうですね。
○今野座長 ほかにいかがでしょうか。
○井伊委員 相談体制に関することで、あちらこちらに散りばめられているということかもしれませんが、2枚目の上から8個目ぐらいに「治療と職業生活の両立について、労働者が相談先が少ない」とあり、このぐらいではちょっと足りないのではないかなという気がしました。プレゼンテーションしていただいたのは、相談につながっていないとか、相談を聞いていないとか、相談をしても十分な体制がないということが、だいぶ課題として上げられていたと思いますので、相談体制については、項目出しをしたほうがいいのではないかと思います。
○今野座長 これはまだ報告書の目次はイメージしていないのですよね。
○労災管理課企画調整係長 いただいたご意見を踏まえて、とりあえずこちらから最初に出した資料に沿って並べたという形です。
○井伊委員 そういうことがはっきり確認されたかどうかを確認したいのですが、メンタルヘルスとがんと、高血圧とか心臓病などの生活習慣病のここで扱う範囲は大きい項目が上げられていますが、まずはこの項目、この疾患を想定して考えるということでよろしかったのでしょうか。
○労災管理課企画調整係長 第1回の検討会で資料の全体を説明したときに、事務局から少しお話をしたのですが、障害者雇用対策というのは、現に存在しますので、そちらに乗ってこないようなものを主に念頭に置いてご議論いただければという形でお話しました。そういったものを念頭に置いたときに、がん、生活習慣病みたいなものが主に挙がってくるのではないかという形で、有識者を呼んでヒアリングをするときも、そういった方を代表して呼んだということですので、必ずしもここに限定するわけではありませんが、主にこういった疾患を念頭に置いてご議論いただければという形で提示したものです。
○井伊委員 ありがとうございました。
○今野座長 そうすると、いずれにしても報告書のときには、この疾患はどうして取り上げたかはちゃんと書かなければいけませんね。いまおっしゃられたような説明の仕方もあるし、現場を見たら、それがいちばん多いというのもあるかもしれませんし、それはきちんと書いてもらうことにしたいと思います。
○今村委員 いまの話に関係して、あとの対策とか、そういうところにもつながってきてしまうと思います。ここに挙がっている疾病はたまたま国がいま医療計画を作るような5疾病みたいなものが主になっていると思いますが、あれはあくまで医療の話で、今回は職業と医療の両立という話なので、今回の検討会の中でも、医療機関と職域の連携という話は当然出てくるわけです。都道府県として、医療の計画と、県としてその中にある職域との連携もどこかでリンクさせないとおかしなことになってしまうかなという思いもちょっとあったので、その疾病として象徴的にこの病気が挙がっているのかなという、何となく大事だから、国でも5疾病になっているのでしょうが、そのような意味合いも感じましたので、あとで厚生労働省からもその対策について聞かせていただければと思います。
○今野座長 ほかにいかがですか。いずれにしても先ほどの岩崎さんの質問にもあったように、職場から見たというデータはないのですね。先ほど岩崎さんは、事の重大性という言葉を使っていましたが、おっしゃっていることは職場とか労働とか、そういう点から見た事の重大性をちゃんと把握したほうがいいということだと思いますが、それから見た、例えば、こういう疾病がこのぐらいの重要度だとかというデータはないということですね。
○労災管理課企画調整係長 重要度だとそうですね。メンタルヘルスに関しては、ここ1年で「休職・退職した労働者がどのぐらいいらっしゃいますか」というデータ把握は定期的にやっていますが、それ以外の私傷病という観点ですと、まだ十分な実態把握はできていないかなと。こちらで最初に集計したものも患者調査で、医療機関側の調査を基に、少し推計したものですので、いまのところはなかなかいいものはないかなと思います。
○岩崎委員 メンタルヘルスというと、疾患というか、分野みたいなところが広くありますので、そういう質問項目を入れた調査もあったりするのですが、企業側の視点からは、個々の疾病でどのぐらいという以上に、例えば1カ月を超えた休業者、そういうのは休業というのか休職というのかわかりませんが、ある期間休んだ方がどのぐらいいるかという切り口では、例えば国家公務員の調査では、5年に1度人事院のほうであるかと思いますし、地方でもそういうのを行っていると思いますので、そういうデータ、もしくは労務的なというか、そういう情報がないかなという気がします。
○労災管理課企画調整係長 公務員のほうも含めまして探してみます。
○今野座長 民間の休職制度の問題については、サンプルが小さいから全体をどれだけ表現しているかわかりませんが、定期的に労務行政研究所がやっていますよね。でも非常にサンプルが小さいので、どれだけ全体を表現できているのかわかりませんが、一部あるということで、必要であればそういうのも拾っていただいて。
○井伊委員 これまでの議論の中で、産業領域にいる保健師については、あまり材料がありませんでしたので、私は日本看護協会ですが、保健師に関して、少し情報提供をしたいと思って、事例を持ってきました。
 いまのどのぐらいかというので、800人の事業所に1人の専任の常勤の保健師がいて、産業医は嘱託という場合に、1年間の新規の休職者が33人、メンタルヘルスが15人、その他の身体疾患が18人。身体疾患の中身は、がん、腰椎疾患、心疾患、脳血管障害ということです。
 もう1つは、3,600人の営業職の事業所で、常勤の保健師が3名、嘱託の産業医が1名いらっしゃる所ですが、年間1,000人ほどに対応をして、メンタルヘルスと過重労働と身体的な疾患が3対4対3という情報があります。保健師に関しては基準がありませんので、聞いたところでは、会社の中には従業員500人に1人の保健師を配置している所もあれば、全然という所もあります。私どもで把握しているのは、1,000人に1人ぐらいの常勤の保健師がいると、年間約1,000件ほどの休職を伴うような相談の対応をしているという事例がありますので、ご紹介します。
○今野座長 1,000人というのは従業員1,000人の場合で、年間1,000件ほどという意味ですか。
○井伊委員 いいえ、そういうことでしたら、従業員が800人で、休職などを伴う相談は実数で年間33件です。保健師の場合は、自分が診断するわけでもありませんし、治療もしませんので、必要なことは主治医につなぐとか、産業医との必要なことに関する連絡をするとか、人事担当者の相談にも比較的乗りやすいということで、800〜1,000人に1人保健師がいる所で取り組んだ結果としては休職者の平均休職日数が減ってくるとか、人数が減ってくる効果というか、改善する実感を担当の保健師は認識しているという状況があります。
○今野座長 それは公開されている情報ですか。
○井伊委員 これは私どもでヒアリングをしているものですので、特に研究として調査をしたとか、そういうことではありません。
○今野座長 いまのケースだと800人で休業が33件。この休業は期間を問うていないのですね。
○井伊委員 それはわかりません。新規休職者がそうだったということです。
○今野座長 5%ぐらいですか。
○井伊委員 0.42%です。約5%ですね。
○今野座長 実感としてそんなものですか。
○井伊委員 ちょっとわかりません。1つの例です。
○岩崎委員 ……とかも含めると。
○今野座長 いま言われたのは休業ですよ。ソニーはいま従業員は何人ですか。1万人として5%だと500人、2万人だったら1,000人ということになりますが。
○岩崎委員 そこまで多くないと思います。
○今野座長 そういうサイズ感というのはわかりませんよね。
○岩崎委員 いちばんサイズ感が出やすいのはメンタルヘルスだと思います。メンタルヘルスは学会等でもだいぶ報告が上がっていまして、例えば休業期間が1カ月で区切ると、0.5からというパーセンテージだと思います。国内の地域での疫学研究では、、例えばうつ病の罹患率は1年間に何パーセントぐらいかというと、2、3%という所が多いようですので、何となく合致するのかなというレベルだと思います。
○今野座長 考えてみると、厚生労働省はこういうプロジェクトを始めたにもかかわらず、事の重大性を把握してないということですね。重大ではないかもしれないし、重大かもしれないし、これが非常に重要だったらそれを把握する必要がある。先ほど課題で上がりましたが必要ですよね。ほかにいかがですか。
○今村委員 いまのに関連しますが、例えば過去にいろいろな学会で就労者の糖尿病の罹患率とか未治療者とか治療中断者のデータは結構出ています。私はいますぐには出せないのですが、労災病院なども出していたり、いろいろな企業の例なども出ていたりするので、全部を把握することはできませんが、集めれば推計値とか、大規模の企業と小規模の企業でどのぐらい違うかというのは出ていると思います。データの集め方によっては、おおよその数は出てくるのではないでしょうか。
○今野座長 会社に聴取すればいちばん簡単です。でも、そういうのは一生懸命集めたのですよね。
○労災管理課企画調整係長 疾患別のものはヒアリングでも発表していただいたものもありました。わりとボリューム感が出たのは糖尿病やメンタルヘルスがあったのですが、なかなかすべてという形で、両立支援の対象というのはすぐになかったということです。
○砂原委員 いまの話にもありましたが、例えばメンタルヘルスに絞ってみると、3割の企業で心の健康対策に取り組んでいると書いてありますが、もう少し取り組んでいるような気がしますので、データはもう一回見直しをしていただいたほうがいいのかなと思います。
 特に心の対策などは、心理テストをやったり、セルフケアなども含めたメンタルヘルス対策に取り組んでいる企業なども増えています。もともと従業員には健康維持義務があるということも踏まえた現状課題の整理をしていただくとよろしいのではないかと感じました。
○今野座長 ほかにいかがですか。それでは、後半に行きます。後半は2頁の2の「両立支援の在り方」以降になります。
○今村委員 ちょっと大きな話になってしまって恐縮ですが、前段なのか後段なのかわからなくて、あえて申し上げなかったのですけれども、ここに挙がっている疾病というのは、例えば国のほかの部分でかなり議論されているものが多いですよね。例えば、メンタルヘルス対策だと、いま法律が通るかどうかは別として、労働安全衛生法の改正の話があります。がんのほうでは、がん対策の中で、例えば就業との両立という話が出ていて、こちらで決まったことが、向こうの案になるのか、別途議論されていくのかというのがよく見えないのです。例えば、がん登録も議論になっていて、がん登録をそういうことで活用できるのかどうかという話もありますよね。
 糖尿病については、いま内閣府がITの活用で、患者自身がITのデータを持って、いろいろ医療連携とか、活用の中に産業保健との連携というのが書き込まれて報告書が出ています。私はたまたまそのことを知っているのですが、今後、こちらの検討会で、ほかの先生たちにそういう報告書を見ていただいて、最後にこちらでもそれを利用するのかどうかについて、他の所で議論されていると、うまくリンクさせないといろいろな所で同じようなことを議論していくことになるのではないかと思います。そこは事務局として何かお考えがありますか。
○労災管理課企画調整係長 がん対策、肝炎対策、生活習慣病対策を含めて、厚生労働省の健康局が主としてやっております。がん対策ですと、ちょうど基本計画の見直しの議論をやっています。この検討会自体がまだ完全に終わっていませんので、検討会で決まった個別のことを書くという形にはなっていませんが、両立支援の関係で取組を進めていくというのは、そちらにも盛り込まれる形で、いま見直しが進んでおります。
 具体的にこちらの検討会で決まったことは、一語一句がそちらに入るとか、そういう細かいところまでは時期的なものもありますので、なかなか難しいところもあるかと思いますが、今後は対策をいろいろやっていくということに関しては、他の行政というか、厚生労働省内ですと、もちろん連携して進めていきたいということは、この検討会の場には健康局がいませんが、普段から連絡をとってやっております。一体的にやっているということで、全く無関係にただばらばらとやっているという形ではありません。
○今村委員 糖尿病のほうのITの活用は、内閣官房がやっているわけですよね。内閣府がやっておられ、そこに厚生労働省の方も出ています。そこに職域と連携して活用すると書かれています。いわゆる糖尿病の未治療者、治療中断者、就業の話にまで発展すると思いますが、そういうところでうまくデータを活用すると書かれているので、そこをちゃんと反映しないと、すごく大事なことが抜けてしまうのではないかと思います。
○労災管理課長 私ども労働行政の側では、いま盛んに議論されていますように、疾病ごとというよりも、企業の労務管理あるいは産業保健の施策といった観点を中心に施策をやっているわけですが、そもそも両立支援の検討を始めたということは、そういう縦割りだけでは十分うまくいけないということで、新たにこういう枠組みで始めたという経緯があります。むしろ今回の検討の中で、100%全部片づくというよりも、ある程度宿題は残ると思いますので、その辺を含めて、ご指摘をいただければと思っています。
 私どもはメンタルヘルスなどについては、実は結構やっているわけですが、逆にそこの部分をこの検討会でご説明をしていないというのは、先生は十分ご案内だと思いますが、そういう個別の疾病というよりは、ある程度労働施策の全体の中から、こういう問題にどうアプローチしていくのか、課題をどう整理するのか、連携はどうするのかという意識がありますので、もう目の前のことだから、これとこれは確実にこうやってということは個々の疾病に関するものでもご指摘いただくことはいいと思います。ご指摘いただいた糖尿病などについて、非常に具体的になっているのであれば、それは産業保健との連携ということなので、ここに盛り込むという判断もあるかもしれませんし、まだそこまで熟していないものについては、では、どうするのかという、ある程度の色分けをして、取りまとめに向かっていくのかなと考えています。
○今村委員 ありがとうございました。全くおっしゃるとおりで、国としても報告書が出てしまっているので、書き込まれている文言があるのに、こちらで触れないというのは、多少違和感があるかと思ったものですから、そういうものについて、再度事務局で資料を取っていただいて、次回でもお出しいただき、それを入れたらいいということであれば、この会でご議論いただければいいかと思います。他の取組との連携も大事だと思います。
○今野座長 いいですかね。何か良いアイディアがあったら、いただけばいいわけですから。では、いずれにしてもそういう点について、各委員に情報提供することは必要でしょうから、よろしくお願いします。後半戦に入りましたので、何かありませんか。
○岩崎委員 両立支援の在り方にも対応すると思いますし、1の現在の取組にも少し関わるかもしれませんが、例えば「現在の取組」の企業のところで、労働安全衛生法に基づく何々の実施の次に「一部企業においては、以下のような取組を進めている」という例示がありますが、本当はもっと把握していない取組があるように感じますので、ここはもう少し厚くしたいと思います。
 代表例としては、専任で看護職を置いていたり、産業医も専属でいるような所を中心に、復職時の支援はおそらく多くの所でやっているのではないか。それが産業医がいるような所で産業医が改めて医学的な面も含めて、あるいは働き方の面も含めて判断を行うという復職面談のようなものから、主治医からのオーケーですよという診断書があるので復帰はして、その後はサポートという形で看護職が追いかけているとか、いろいろな形があるかと思います。その辺がもう少し可視化できるような、ヒアリングの中でそういうことが出てなかったという点はありますが、その辺があるのかなと思います。それが両立支援の在り方を考える上でも大きなヒントになるだろうと思います。
○砂原委員 当然企業としても業務に慣れて、長期間働いてくださっている方が病気で退職をするのが本意ではないはずで、病気、である期間、労働力が8割に低下したとしても、それがまた復活して100%になって、そのまま働き続けてくれるのであれば、その間、どうサポートしようかということを合理的に判断できるのではないかと思います。そういう観点も踏まえながら、いろいろこういう対策を考えていくべきなのだろうというのは、この検討会を通じて感じたところです。
 いま岩崎委員がおっしゃった柔軟な雇用管理という部分でも、企業の中には半日休暇制度などを入れて、半日病院に行ったりするのをサポートするとか、そんなことを既にやっている所もあると思いますので、そういう制度もうまく活用しながら、対策を考えていくといいのかなと感じました。
○井伊委員 同じ意見です。もう1例私が聞いてきた例です。従業員が1,000人の製造業ですが、常勤保健師1名、常勤産業医1名です。ここではがんを患いながら治療をして勤務をしている例は珍しいことではないという話をしています。約1,000人で、40歳以上の9割ががん検診を年に1回受けています。胃がん、大腸がんが多いのですが、ほとんど早期がんで見つかり、治療後は交代勤務を外すなどの対応で職場復帰をしています。年に1名か2名重篤な例もありますが、抗がん剤治療をしながら勤務を続けている例は珍しいことではないということです。これは保健師からのヒアリングです。このようにやっている所は当たり前にそういう対応をしていて、やっていない所は何もやっていないのかどうかわからないのですが、支援の在り方の好事例はたぶんいっぱいあって、それが示されることが大事だと思います。すごくいい所と、そうではない所の差がすごくあるのではないかと思いました。
○塩山委員 私は第4回の検討会の中で参考人から伺った話で、印象的だったのですが、カミングアウトできるような社会の実現が理想だと思いました。これについて行政の果たす役割が大きいと感じています。
 例えば労働者が自分の職場の中で「自分は病気です。治療しています」と言うことと、病院に通院しなければいけない、入院しなければいけないというのは、入院後無収入になってしまうという現実があって、なかなかそういった治療が受けられないというのは、私も医療の現場にいて非常に痛切に感じていました。
 そういった場合に、労働者本人が入院費用に困らないような負担の助成制度だったり、相談窓口となるMSWの方々に対するもう少し手厚い支援だったり、教育とか育成に加えて、そういったところへのある一定の資格を持って相談に乗って情報提供をしている方に対しての支援策を行政として打ち出していただければ、病院にかかる方、窓口におられる方が役割を十分に果たせるようになっていくのではないかと感じております。
 もう1つはちょっと離れるのですが、私の同僚で、今年の2月に糖尿病で脳内出血を起こして倒れてしまった方がおります。つい先日も「私はこの検討会に行ってきます」という話をしたときに、自分はすごく反省している、後悔しているということを上長が申しておりました。自分は糖尿病だということをドックの結果で言っていたにもかかわらず、自分の中で「じゃあ、仕事はいいから、病院に行きなさい」と言ってあげられなかったことを非常に後悔しており、そういった辺りは産業医がいても、実際は職場の中で、どういう意識を上長が持っているかというところに、いまは委ねられていると思いますので、上長が個人を責めるようなことにならないような制度を作る必要があるなということを、改めて感じました。以上です。
○今村委員 いまおっしゃったことはとても大事で、例えば昔だとインフルエンザで熱を出したときに、会社では「この程度の熱で会社を休むな」と言っていましたが、いまはインフルエンザになって出てくると「移すから出てくるな」と言うのがだんだん増えてきて、皆さんの意識が変わってきているということがあると思います。会社の中で糖尿病で医療が必要な人について、仕事に出てくるのではなくて、ちゃんと病院に行ってこい、という風土というか、経営者にそういうことを考えていただく必要があるのかと思います。会社の風土をどう変えるかという話だと思います。
 もう一点は、いろいろな労働者が、我々の医療機関に来たときに、情報をどう提供するかという話です。先ほど井伊先生からもお話がありましたが、ものすごい差があって、すべての医療機関が同等の質でそういうことができるというのは現実的に無理だと思っています。そういうことがきちんとできる医療機関があって、例えば、がん診療拠点病院みたいな病院は、いまはがん治療を専門的に行うということで位置づけられているわけです。
 私は不勉強でわからないのですが、そういった情報提供を企業にした場合に、きちんとさまざまな対価ということが、この中に書かれていますが、そういうことが拠点病院の要件として入っているかどうかだと思います。つまり、ここでそんなことを決めても、たぶん別の所で議論する話ではあるが、この検討会として、そういう医療機関がちゃんと情報提供できる仕組みにしていなければいけないという要件があって、その代わりその要件を果たせば、ちゃんとそれに対して診療報酬が出てくるという位置づけにしてあげて、労働者がここに行けば、そういうことがきちんと情報として得られるのだということがわかるようにしていくのが現実的ではないかと思います。私も正直言って、自分の医療機関でこれをやれと言われても、なかなか難しいのです。そんなことも考えていただければと思います。
○今野座長 いまは診療報酬の点数に入っていませんよね。
○労災管理課企画調整係長 ないです。
○今野座長 がんなどを見ると、拠点病院はそういう相談機能を持っていますよね。
○労災管理課企画調整係長 相談支援センターを作るという形になっています。
○井伊委員 おっしゃるとおりだと思います。誰が教育をするかはいろいろ次の仕組みの問題だと思いますが、とにかく教育が大事だということです。
 先ほどの1,000人の所の例ですが、予防も含めて、教育の大事さと職場対応と言ったときに、従業員の皆さんが、がんという疾病について、どのぐらい理解できるかということです。そういうことで先ほど紹介した保健師は、1,000人いれば全員面接をする時間を取るわけですので、それも含めて社内教育などの必要性ということを言っております。ですから、両立支援の在り方のところで、教育ということについては、先ほど塩山委員からもご意見がありましたが、項目出しをしたほうがいいかと思いました。
○今野座長 いまおっしゃられたことは、行政の役割の企業向けではないか。企業のやることも行政が支援するとしたら行政の役割の中に入るということですかね。
○井伊委員 教育をしろと言うという役割ですか。
○今野座長 少なくとも企業にとってみると、企業がそういうことをすることは非常に重要だということですよね。
○井伊委員 それができるようにする。
○今野座長 できるように行政は何をするのという話ですかね。
○井伊委員 いま今村先生がおっしゃったような医療機関の役割もあると思います。
○岩崎委員 教育に関しては前もちょっとお話したかもしれませんが、難しい面も結構あって、個別の疾病のような方向に行ってしまうと、現場のマネージャーがパンクするという話もあったかと思いますが、病気からのアプローチという形なのか、現場のマネージャーが部下の方に対応するときに、マネージメントサイドからの話なのかとか、そういう工夫をしないとなかなか難しいところがあるのだろうという感じがします。
○今野座長 それこそマネージャーのところにはいろいろな疾患が降ってくるわけですね。そのときにそういうことを前提に上手に教育をやっている会社というのはないですかね。そうすると好事例ですね。マネージャーに対して個別について詳しく教育してもしょうがないですよね。
○砂原委員 そういう意味では今村委員、井伊委員もおっしゃっているような医師、産業医もしくは産業保健師、産業看護師が連携をして、このようなアドバイスをしていける体制がうまく構築できる仕組みになるといいのかなと感じます。企業としても100%で働いてもらうというのが一番で、労働能力が低下したまま働き続けてもらうことは本意ではないと思います。しっかり治療を受けて早く労働能力を回復させるよう、産業医・産業保健師等の医療職の方々からのサポートを、人事・上司等がきっちり受け止めて、治療と職業生活が両立できる施策を考えていくという形になるといいのかなと感じました。
○今野座長 そういう連携でここの会社はいい会社ですねというのがあるといいですよね。こういうところに好事例とかいうのが。どこかにないですかね。
○塩山委員 それで思ったのは、そういった取組で何か表彰とか認定されるとか、そういったものが与えられると企業は頑張るのかなと思ったのですが。
○今野座長 ほかにはいかがですか。
○今村委員 企業は、ホームページみたいな所で産業医の名前を出されているのですか。
○岩崎委員 それはないと思います。
○今村委員 私どもが日常に診療していて、患者さんを診るときに、患者さん個人を診ていて、その人の職域とか背景まではなかなか及ばないのですけれども、こういう仕事をしているので、最近は、例えば不眠で来られたら、「会社に何か問題はないのですか」みたいなことを聞くわけです。初めて聞かれると、本人も初めていろいろなことをお話になって、実は職場でこんなことがあってみたいな話があったときに、産業医にそういうことを情報提供しようと思っても、全然どこの誰だかわからない。医療機関同士というのは、まだ外来担当の先生とか何とか書けるのですが、さすがに何々株式会社産業医殿と出してもちょっと失礼かなみたいなことがあります。そういうときに、ホームページでも、産業保健というのをどのような仕組みでやっておられるのかというのが、我々のほうには全く情報がないので、そういうのも企業にちょっと考えていただけると多少連携しやすくなるのかと思いました。
○今野座長 広い意味で言うと、医療機関と企業の医療のプロの産業医の人たちの連携をどうしたらいいかということですよね。
○今村委員 はい。復帰のときに、一度そういう連携が取れると、どんな職種でもそうだと思うのですけれども、全くそういう交流がないうちは何かわからない人でも、やり出すと。たぶん企業側もこの先生はこういうことに理解があって、この地域だったらこの患者さんはこの先生の所で診てもらえばいいのではないですかという、逆の案内もしやすくなることがあると思うのです。そういう情報が医療機関側にわかるようにしていただくことも1つの手段かと思います。
○今野座長 多くの場合、現状で医療機関と産業医の関係はどうなのですか。
○岩崎委員 必要な場合には、連携をレターや電話などでやることはあります。その多くは産業医からの発信というか、ちょっと情報をくださいというお願いをレターなりで出して、それを社員というか患者さんが主治医の所に持っていって、返信が来てというパターンが8割ぐらいです。ときどき主治医のほうから、産業医がいるだろうからという形で、それこそ産業医宛というように、個人名が出ていなくても、診断書以上のちょっと細かい情報をいただくこともあります。その辺は産業医制度の浸透とともに、少しそういう認識もされてきているのかというところはあります。
○今野座長 どっちにしても個人ベースだと。何か仕掛けというのがあるわけではないですね。
○今村委員 やはりシステムとして。だから、熱心な先生同士が細い線で繋がることはあるけれども、社会全体がそれで動くのはなかなか難しいので、ある程度の仕組みは必要だろうと思います。
○岩崎委員 ただ、手紙を出すときには、先方の先生のことを詳しく知っているわけではなかったりすることは多いのですけれども、ただ制度として、一言で言ってしまうと、例えば産業医を会社が選任するというのは、労働安全衛生法に基づいているわけです。その中の産業医の業務の1つとして、復職時の支援のようなものが明文化されていない、ということが制度としては指摘できるかもわからないです。主には健康診断で、健康診断も重要な健康状態の把握ではありますので、そこから派生する業務というのが、どうしても産業医の業務としてあったり、職場を見て健康に影響するという、労災防止の観点の業務、これらはもちろん非常に重要なことなわけですが、そういう観点で言えば、復職時の支援は、制度としては出てきていないということです。
 ただ、専属の産業医がいるような所に対して、学会発表などの調査を見ると、産業医に対しては専属産業医がいる9割ぐらいの所では、復職時に会っているというのです。ただ、学会に出てくるような先生方の集団は、その中でセレクションがかかっていると思いますので、やはりこれは制度の問題ということがありそうだと思います。
○今野座長 私は知らなかったのですが、産業医は復職支援は業務に入っていないのですか。ルール上はそうであっても、結構みんなやっているのではないかと思うのです。
○労働衛生課中央労働衛生専門官 制度上は「健康に関すること」とフワッと書いてあるので、そこで読めるというかどうか、というのは少しグレーなところだと思います。意欲のある方はやられているけれども、意欲のない所ではやられていないというのが実情だと思います。
○労災補償部長 以前、今村委員から診療報酬での評価みたいなご意見があったときから結構考えています。医療機関側の要件としては、例えば開業医の方であっても産業医の資格を持っているとか、あるいは病院全体として拠点病院であると。それは、医療法なり何かでオーソライズされたものということで、わりと要件としては簡単に定義できるかと思うのです。その情報を受け取る側の企業については、まずは産業医が居る、居ないという問題もあります。
 そもそも、いまありましたシステムというか、制度としてそういうことをきちんとやっているかどうかというのがなければ、無駄な情報提供になります。産業医、産業保健師、あるいはMSWの活動を評価するにしても、どんなシステムなり制度を念頭に置くかによって難しいというか、それが確立しないと評価のしようがないことがあるのかと思います。そこはまたご相談しながら、どんなパターンがあり得るのか。やはり、当初は限られた、真に必要とされた場合に提供されたものをどう評価するかということになるのかとは思っています。
○今野座長 いずれにしても医療機関があって、本人がいて、会社がいて、この三者構成の中で病気を治したり、復職したりするわけですけれども、この全体をどこでコーディネートすることになるのですか。そういうコーディネートがあるとしたら、いまは産業医がしているのですか。
○岩崎委員 これはいくつか関連があると思いますけれども、例えばそういう書類にしても、誰が何のために必要かということが基本だと思うのです。現状の制度の中でも、適宜診断書等が出てくることがあるかと思います。これは、本人が会社に提出する目的があって、主治医に対して依頼をかけてそこから出てくるということです。
 同じように、産業医が主治医にレターを書くときには、本人からなのか、あるいは職場なり人事からなのか、会ってくださいなり、状況確認をしてほしいというリクエストがあります。その中で本人と話すのだけれども、医者同士の医学的な、専門的な情報がないと、本当のジャッジなり判断が難しいというときに、ちょっと主治医へレターを書くので持っていってくださいと。それで本人が了解をして動くことがあります。
 医学情報的な、個人情報の部分が入ってきてしまうと、専門職がというキーなのでしょうけれども、本来それがなぜ必要かという議論だと、会社で働き続けるという、まさに両立のためにということですから、そのキーは人事とか、上司とかそういう所だろうと思います。
○今野座長 そうなるのですか。そうすると、例えば患者が両立するために、休職制度とかいろいろあると思いますが、そういうのをどうやって使おうかとか、あるいは仕事の内容を少しこのように変えたほうがいい、というようなことを相談するというのは、この前の企業の事例では、かなり人事が受けているのですけれども、一般的にはどうなのですか、人事がそういう相談を受けるのか。
○井伊委員 人事が受けていく例は多いです。先ほどの800人の所の保健師ですが、休職中、役職時の対応は人事任せで人事がやっていた場合には、主治医の意見書のみで、職場復帰させていたということで、本人と直接話をしていないので、どうすればいいかよくわからないという声があったと。ここの産業医のドクターは嘱託です。
 それで本人との面接をして、本人の状態、職場に関する不安点、それから産業医、職場の上司、人事との間で復職会議をセッティングする。それはこの保健師がやっているわけですけれども、それで産業医の医師が主治医と連絡を取れるようにはからって、短時間勤務等の意見書を出してもらって、人事は最終的な復職命令を動かしていくということを、2005年から積極的に進めて、2008年には復職満了時点で退職となる人はゼロ人、休職者の平均休職日数が2007年の400日から、2011年では150日に減ったと。これが、すごく効果があったのかどうか、基準がわかりませんのでよくわかりません。でも、人事が直接担う例が多いようです。
○今野座長 そうすると、復職のプロセスの中では、人事が一種のコーディネーター役を果たすということですね。
○井伊委員 これは保健師がいましたので、保健師がやっています。多くは人事です。
○砂原委員 人事が産業医や産業保健師等に意見を聞いて、それをもとに自分たちの会社でどのような形で就労させられるかと考えるのが一般的です。
○今野座長 そうすると、人事がしっかりしていない小さい会社はどうなるのですか。
○砂原委員 そこは難しいところだと思います。
○今野座長 大きい会社は人事がしっかりしているからいいとして、どうするのでしょうか。
○塩山委員 職場に直接相談したりして、結局メンタルヘルスなどは職場の問題で休む方も多いので、そうなったときには復職がうまくいかないことがあります。
○今野座長 小さい会社の場合は、専属の産業医もいないし。
○砂原委員 一般的には、先ほど岩崎委員がおっしゃったように、復職時には主治医の診断書で「就労可能」というようなものが出てくるのだと思います。出てきたときに、人事がそれですぐに「通常就労可」と判断してもといた職場に復職させるということは少ないと思います。特に、産業医の先生がいれば、通常は産業医にご相談されて、そのまま復職させるのか、それともどのようなステップで回復状況を確認して復職させられるか、それをどのように確認するのかということを考えるのだろうと思います。その中で職場を変更して復職するというケースも当然あるでしょうし、いろいろな形があると思います。
○今野座長 いままで持っている一般的な情報では、大企業の場合には、いまおっしゃられたようなネットワークの中で、人事が一種のコーディネーター役を果たして復職を支援していく、という仕掛けになっているということでいいわけですね。もしそうだとすると、人事がキーパーソンになっているから、ここをどうやって強化するかという話になるのではないですか。
○労災管理課企画調整係長 こちらが用意した資料ではなかったのですけれども、第2回で桜井氏からご説明いただいた資料では、職場で最初に報告したのは、直属の上司で、人事担当者やそういう方が全然上がってこないということでした。これは企業規模まではわかりませんということと、事務局で用意したものではなかったのですけれども、必ずしも人事がやっている所がいいかどうかというのは、いますぐには言えないかと思います。
 逆に前回クレディセゾンの武田氏がいらっしゃったときには、人事が回してうまくいっているという例でお話をいただきました。人事が強力な所は、それで回していけばうまくいくというのも1つの例としてはあるのかとは思います。
○今野座長 いずれにしても中小企業は駄目ですね。
○労災管理課企画調整係長 駄目と言ってしまうのは。
○今野座長 駄目というか、やりにくいというか、そんな専属の人事などいないですよ。
○砂原委員 私どもの会社は産業医業務を受託している会社なのですが、ご契約いただいている企業は、専属の産業医を配置する規模になる前、おおくは規模的に従業員数50人で選任義務が発生してから、500人ぐらいまでの企業です。そういう所で同じようなケースが起きた場合には、やはり人事から産業医面談をしてくださいという形で診断書が上がってきて、産業医面談を行ったり、リハビリ出社的なものをどうするとか、この部分は開業医の先生に確認しましょうという相談をしたりするというような形で流れているケースが多いようです。
 その際、先ほど出ていましたように、小さい企業になればなるほど、人事はそんなのを面倒をみている余裕がないから、むしろ現場がいいと言ったらいいのだという形になりがちなのだと思います。ただ、それだとなかなかうまくいかなくて、大企業のように人事が産業医・産業保健師等と相談して、この会社、この職場だったらどこまでの能力ダウンでも就労可能だとか、別の部署に異動させて復職させれば大丈夫だとかという形でのコントロールができないと、たぶん難しいと思います。
○今野座長 どうすればいいのですか。いまおっしゃられたように、片方では人事は忙しくてそんな時間がないという条件もあるので。
○砂原委員 そういう意味で先ほどもちょっと申しましたように、産業医の先生や産業保健師等とうまく連携して、人事が休職に入ったときから復職するまで、医療職の協力・アドバイスを受けながら工程管理をしていくような仕組みがうまくできればだいぶ変わるのかなと感じているところです。
○今野座長 言ってみれば、大企業の人事まではいかないけれども、外に一種のコーディネーターの人を持つ。
○砂原委員 そうです。そういう機能を外部にアドバイザリー的に持つということです。
○今野座長 いまだと、どこがそういうのをできますか。
○砂原委員 そこは、まさに産業医の先生であったり、産業保健師等の看護職なのだと思います。特に、産業保健師等がいれば、産業医の先生にはなかなか聞きにくいようなことも含めて、看護職で対応しているケースもあるのではないかと感じます。
○今野座長 ちょっといじわるな質問ですけれども、看護師さんとか産業医は職場のことまでわかるのですか。つまり、この状態だったらこっちの職場で、この程度はさせたほうがいいという情報というのは。
○砂原委員 そこは基本的にはわからないと思います。
○今野座長 わからないですよね。
○砂原委員 はい。そういう意味では、むしろ人事ときっちり共同してそこにアドバイスをするという立場だと思います。
○今野座長 ほかにはいかがでしょうか。
○今村委員 全然違う視点なのですけれども、先ほどITの活用のお話を申し上げたのですが、いまは医療機関同士でも、情報は基本的にこの職域と同じで、患者さん個人がメッセンジャーになるみたいな形で、病院から情報を貰って、それを地域の診療所に持ってくるとか、逆という形なのです。さすがにいまの時代なので、電子的にやり取りしましょうということが結構進んできて、認証をちゃんとした上で、情報を直接診療所から病院に送るとか、病院から診療所へというのは、全国的にいろいろなモデルでやり始めています。
 例えば、医療機関から産業医という個人の医師の資格を持っている人であれば、そういう医療情報、これはあくまで個人の同意があった上で、そういうデータは電子的にやり取りしても大丈夫なのでしょうか。
○労災管理課長 基準はないと思います。
○今村委員 先ほどの内閣府の話にもちょっとかかわってくるのですが、あの仕組みはいまのところどういうツールかは別として、電子化したものをやり取りすると言っているだけなので、個人が持った上で、会社に行って産業医に渡す、というのがいちばんいいとは思うのですが、直にやり取りできるかどうかは、将来的な話で、まだまだそんなに現実的な話ではないとは思うのですけれども。
○労災管理課長 いまの産業医の制度の中で、それを禁止するような規制はもちろんないわけですから。
○今村委員 別に本人の同意があればいいと。
○労災管理課長 あとはITの基盤としての接合がどうかとか、テクニカルな話はあるにしても、あとは制度としてどう仕組むかということかと思います。
○今村委員 がんかどうかとか、そういう話は究極の個人情報ですよね。そうであっても、いまは病院同士はインターネットを使ってやってしまおうという時代にだんだんなってきているので、そういう情報をどうやって守るかということは当然ありながらも、そういう方向で進んでいくのかなとは思っているのでちょっとお伺いしました。それは可能だということですね。
○今野座長 想定していないという。
○労災管理課長 特段、産業保健の世界ではそれを禁止してはいないはずです。
○今村委員 単なる道具の話なのです。
○労災管理課長 そうですね。
○今村委員 本質的な話ではないのだけれども、そういう手段があると、忙しい医療機関の側も、いちいち手で書いてなんとかしなくても、いまは病院では電子化されているので、そのままボーンと送れてしまうのでとても楽かなという話があります。
○井伊委員 質問なのですが、連携は先ほど申しました事例でも、主治医と産業医と人事とどう連携するかというのは大変大きな課題だと思うのです。この資料は、ときどき地域保健と職域保健の連携とか連携強化という言葉が出てきます。この地域保健というのは何を指しているのですか。保健所とか、市町村保健センターは、あまりこれまでに情報を提供されたものの中には出てきていないと思うのです。
○労災管理課企画調整係長 こちらは、主に今村委員からいただいたご意見をそのまま書いたところなのです。
○今村委員 地域保健のほうで言うと、行政のいろいろな会があります。それで行政からすると、その住民のいろいろなデータをしっかり持っておかなければいけないので、例えばどのぐらいががん健診を受けているのだとか、通常の健康診断を受けているのだとか、ところが職域のデータが全然ありませんと。だから、一部の人たちのデータだけ見て何か取組みをやっているということで、地域と職域の連携は大事だという理念はみんな持っているのだけれども、どうするのというと、地域・職域連携推進協議会みたいな名前は仕組み上あっても、どこまで機能しているのかという話になる。どっちの側もそれは大事だと言っているのだけれども具体的に進まないので、あえていつもいつもどっちの場でも私は申し上げているのです。部長も地域保健にいらっしゃったので、その辺はよくわかっておられると思うのです。なかなかいまは良い方法がないのが現状です。
○今野座長 地域保健からすると、職域保健のデータが欲しいけれども、職域保健からすると地域保健のデータは別にあってもしようがないという気もするのですが、そんなことはないですか。
○今村委員 そうなのではないですか。もう、地域のほうはいろいろなデータが出ていますから。
○労災補償部長 健診の結果などは、職域のデータは地域保健側からするとわからないです。死亡率などというのは人口動態統計で出るのですが、死亡してからのデータを貰ってもしようがないので、やはり罹患率、発生状況を知りたい、あるいは予防のためには健診で何が引っかかるというのを知りたいわけです。大部分の壮年期の、特に男性のデータが全くわからないと予防の立てようがないというのは、昔から地域保健の課題なのです。せめてその傾向だけでもわかれば相当使えるというのはあります。
 職域からすれば、地域にどんな傾向があっても、その個人個人の労働者が実際どうだというのは手に取るようにわかるのです。私傷病の場合はもちろん知らないうちにかかっていますけれども、個別に相談があれば、先ほど言ったように、必要があれば主治医と相談することができるので、そんなに必要性は高くない。相対的に言えばそんな関係にあるのかと思います。
○今村委員 たぶん大きな企業はそうなのです。ただ、本当に小規模の企業になると、企業そのものの産業保健などはほとんどないので、結局労働者本人や家族で家内工業をやっている人たちは、みんな地域の保健でみている。だから、クロスしている部分は間違なくあります。
○労災補償部長 中小の所は、いちいち個別に疾病別の予防の啓発をするというのも非効率ですから、いろいろな市町村でやっている健康フェアとか何とか相談に相乗りというか、行ってもらったほうが非常に効果的でもありますし、効率的でもあります。
○岩崎委員 連携の在り方の部分で、現状取り組まれている1つの具体例としては、正式妊婦の方が妊娠悪阻とかで配慮が必要なときに、母性健康管理指導事項連絡カードみたいな名称があったと思います。そういうのが産科の主治医の先生の所から発信されて、それが会社のほうでお休みなり何なりを具体的に配慮してくださいというカードがあったりします。それをそのままということでは全然ないのですけれども、実際に動いている1つの事例としてはあるのかと思います。
○今村委員 母子手帳に書いています。いま先生がおっしゃった情報を、母子手帳に入れるという話です。
○今野座長 ほかにはいかがでしょうか。大体言いたいことは言ったということでよろしいですか。これを基にして、報告書の形式で出てきますので、そのときにまた意見を言うことも可能ですね。
○労災管理課企画調整係長 まだ回数を設けておりますので。
○井伊委員 例えば、両立支援で取り組んでいるような好事例とか、そういうことが明らかにされるといいのではないかと思うのですが、それを今後この取りまとめの中に入れていくことは可能だということでしょうか。
○労災管理課企画調整係長 そうですね、総数も含めてその実態把握というところの中で、個別の企業の取組みというところも、これからの把握という意味で必要なところかと思っておりますので、ご意見をいただいたところについては入れていきたいと考えております。
○今野座長 どういう形になるかは考えてくれると思いますけれども、どこかの項目で、こういう意味で好事例があったとサッと書いて、後ろの資料に詳しく載せる方法もあるでしょうし、本文の中に入れてしまう方法もあるでしょうし、いろいろあると思います。いずれにしても、そういう好事例があったら、そういうのはここでわかるようにしておくことが必要ですねというご意見ですので。
○労災管理課企画調整係長 はい、あるものについては。
○塩山委員 いちばん最初の検討会の中でも発言させていただいたのですが、いままでの話合いは、外来診療とかの、就業しながら治療を継続するということに主眼が置かれていると思うのです。私は病棟で働いていたものですから、抗がん剤治療とか、一時的に入院して、その方が退院して、すぐにでも職場復帰したいというように、働くことに強い生きがいを持って退院される方を見送ることが多くあります。そのときに、どうしても自分たちは、職場復帰ではなくて社会復帰に頑張りましょうね、という気持で患者さんを送り出していた経緯がありました。せっかくこういう機会がありましたので、是非とも入院している患者さんも対象にして制度を考えていきたいという思いがあります。
○岩崎委員 例えば、最後のほうに病気の性質や治療段階の相違に基づく留意点みたいな形で、重症化予防モデル、あるいは職場復帰モデル、両立モデル等々みたいなまとめ方というのは、議論する上ではやりやすいというか、わかりやすい形だと思うのです。
 これは、企業の規模でいろいろ状況は変わりますけれども、いまは企業の規模をあまり問わずに進んでいる状況としては、一部どこかで議論があったかと思いますけれども、いわゆる正規雇用、非正規雇用と呼ばれているような、労働力人口の変化だけではなくて、労働者の状況の変化というのは現場でもよく感じる部分ではあります。その議論は非常に難しいところもあるでしょうけれども、論点的にはどこかに入れたいような感じがします。何でもかんでも正規主体だったころの仕組みに取り込んで、企業が負うというわけにもいかないでしょうし、そこが議論からすっぽり抜け落ちてしまうのもどうかという感じがしております。
○今野座長 先ほどおっしゃられたことと一緒ですね。
○岩崎委員 はい。
○今野座長 実態はどうなのですか。私傷病で休業制度があるという場合に、適用対象は正社員だけですか。
○労働条件政策課長補佐 はっきりとしたものはデータとして取っておりませんけれども、実態はそこはよくわからないということが正直なところです。
○今野座長 塩山委員がおっしゃられたことと、いま岩崎委員がおっしゃられたことというのは、結局そこにつながるということになります。
○今村委員 この中でも、先ほどの人事の方の話だとか、マネージャーだとか、いろいろな方たちが、その医学的な知識では各疾病を全部はわからないという話もありました。この資料の中に行政のほうの取組みで、推進センターのことが書かれています。推進センターはそういう相談にも乗っていただける役割なのですよね。もともと職場復帰について。ただ、そういう個別の事例ということはあまり扱わないで、単にこういう仕組みを作ったらいいのではないですか、というようなアドバイスになってしまっているのだと思うのです。本来どこか、ここに聞いたら、そういうアドバイスをきちんと貰えるような外部的な組織として、推進センターなら推進センターにそういう機能を持たせるという考え方は行政にはないのでしょうか。
○労働衛生課中央労働衛生専門官 推進センターは、もともと産業保健スタッフに対する助言をするということで始まっていると思うのです。その関連で個別の相談にも応じているのが実態ではあると思います。ですから、個別の相談をやっていないというわけではないと思います。
○今村委員 もしそうであれば、せっかくですからこういう会で、実際にどのぐらい全国の推進センターが、どんな事例を、どれだけ受けているのかと。そもそも国がこういう仕組みを作っているわけですから、国というかいまは機構がやっているわけですけれども、そういう今あるものをどうやってちゃんと機能させるか、という視点も大事なのではないかと思ったのです。その数がどのぐらいあって、どんな事例があるのかをお示しいただけるとありがたいと思います。職場復帰に関してです。
○今野座長 いまの点は、先ほど議論があった、外部的なアドバイスをするというのは必要ですねという話と同じですね。
○今村委員 そういうことです。
○今野座長 誰がどうやるのという話になる。
○今村委員 はい。
○今野座長 先ほどの私傷病の休業制度について非正社員がもし適用除外になっていたとすると、非正社員はどうするのですか。辞める以外にないのですか。
○労働条件政策課長補佐 休暇制度がない限り休むことができないのですが、それで辞めるかどうかというのは別の話なのかもしれません。基本的に休暇としては取れないということになると思います。
○今野座長 確かに正社員と非正規社員の均等処遇とか均衡処遇といっていろいろ調べられているけれども、そういうところまで調べたデータはないですよね。
○労働条件政策課長補佐 ないです。
○今野座長 事務局で、こういうことを議論してほしいということがあったら言ってください。まとめるに当たって、こういう点が気になるのだということがあれば言ってください。
○労災管理課長 事務局では、ずっとヒアリングなどをしてきましたので、いろいろな素材そのものは出てきております。むしろ、研究会としての哲学なり、考え方なり、そういう骨太のところがどういうことなのかというのは、なかなか事務局からは提示しにくい面がありますので、物事の捉え方をある程度わかると非常にありがたいと思います。冒頭で若干議論がありましたように、いわゆる旧厚生部局から見る見方と違うのではないかというのがありましたけれども、労働部局の中でこれを捉えるときに、例えば、いままで産業保健という視点もありますし、あるいは労働条件という視点もあります。そのさまざまな観点があろうかと思いますので、そういう中でこれを一体的に捉えるときにどう捉えるのがいいのかというような考え方がありましたらご示唆をいただければと思っております。
○今野座長 なかなか難しい質問ですね。
○労災管理課長 端的に申しますと、これは「治療と職業生活の両立支援」という長い読み方でずっと言っていますけれども、やはり施策が定着するためには、頭にスーッと入ってくる言葉はないのかと思っています。これを5年も10年もずうっと「治療と職業生活の両立支援」という言い方でいいのかもしれないのですが、その辺は私どもも自信がないわけです。両立支援というと、むしろ別の両立支援で、育児とか介護の両立支援を思い浮かべる方が多いので、こういう位置づけでいいのか。あるいは、もっと別の言葉で、職場復帰という言葉は職場復帰ということでいったほうがいいかとか、その辺はいろいろあるのではないかと思います。
○今野座長 この問題というのは、企業側にしても働いている人にしても、最終ターゲットは職場復帰でしょう。職場復帰をするプロセスの中で両立を考えるということですかね。ずうっと病気の人にはずうっと両立支援をするということも得るのだけれども。
○労災管理課長 したがって、わりと病気がだらだら続く場合もありましょうし、そうすると職場復帰というのは、むしろ両立支援よりも狭い概念かもしれませんので、その辺の概念整理をどうしたらいいのかと思っております。
○今野座長 それも、職場復帰と言ったときに、どういう状態を復帰と考えるかという問題があります。
○労災管理課長 そうです。
○今野座長 例えば元気なときの80%の力でしか働けなくても、それは職場復帰であり得るということはあるわけです。労働行政としては病気、疾患という、働くという意味での障害を抱えた人が、先ほどもお話がありましたように、それで労働能力が8割まで落ちてしまったとすれば、何かのプロセスを経てまた100%まで持っていくにはどうしたらいいか、ということが最大の目標です。いずれにしても、いまおっしゃられた理念とか骨太というさいに何を考えているのかがまだよく伝わらない。
○労災管理課長 いまおっしゃられたように、治療と職業生活が自動的に予定調和的に両立するのかというのがあります。場合によっては、確かに医療のほうがメインになる場合もあるし、その場合には治療に重点が置かれることもあるでしょうから、そもそも本当に労働政策の枠の中に入るかという問題もあるわけです。その辺の位置づけがです。
○今野座長 私が皆さんのお話を聞いていると、両立支援をしっかりやらないと、重要な労働力を失ってしまう心配があるということでは合意をしているのではないかと思うのです。
○労災管理課長 そういうことであれば、そういう哲学で一応この施策が成り立っていると報告書に書かせていただきます。
○今野座長 そうでないと、治療に行けばいいという話だから、そこは皆さんそう思っているのではないですか。
○労災管理課長 そうでしたら結構でございます。
○今野座長 いやいやそれはいいのだけれども、それよりもさらに何か違う骨太があるのかと思ったのです。
○労災管理課長 いやっ。
○岩崎委員 両立支援と言ったときに、育児であるとか、介護であるとかというのを確かにイメージしやすくて、ある時期の問題です。治療と職業生活の両立支援というと、イメージとしては復帰するタイミングとか、復帰してしばらく80%なのか100%に戻るかはそれぞれによって違いますので、十分戻らないけれども職業生活を続ける方もいるという中では、急性期とは言わないのですけれども、ある時期限定のというイメージの議論なのかと思っていたのです。
 いまの話だと、もう1つはもう少し大きく捉えると、最近の言葉では厚生労働省が熱心にされているワーク・ライフ・バランスであるとか、それは一時的な話ではなくて、あれは働き方なのでしょうか、そういう要素はあまり議論してきていないですね。そうすると、まさに医療の現場と企業の現場としての産業保健という枠組みだけではなくて、例えば仕事を辞める方が一定数いたときに、雇用保険をどうするかといった視点はここまでのところで特に意識はしていなかったというのがあるかと思います。骨太と言われると、そういうもう少し大きな枠組みも想定されているのかという印象をいま聞いていて思いました。
○今野座長 病気という制約を持った人に、いかにしたら労働力を発揮してもらえるか、という政策を考えるということなのでしょう。ここは労働政策だからそうだと思っているのです。病気を治すのはこっちの問題ではないから、病気である、疾患をもっているが原因で、働くことについての一種の制約を持っている人を長期・短期にわたって労働能力を発揮してもらうためにはどうするか。それを少しやらないと、いまの状況を考えると、その人たちの労働能力を企業は失うことになるし、日本経済全体としても失うことになる。ですから、病気という制約を考えながら労働能力を最大限に発揮していただくための仕掛けを作らないと、企業全体、経済全体の労働力の有効活用力が落ちてしまう。したがって、こういう政策が必要だ、ということで始めたのではないかと思っています。それを骨太だと言ったら、別にそれはそれでいいですけれども。
○労災管理課長 ありがとうございます。
○今野座長 その制約の状況が短期の場合も、長期の場合もあるのは、別に育児とか介護だって一緒です。育児は非常に短期だと思われるのだけれども、子どもを何人か産んでいけば長期になるし、だからその辺は一緒かと思っています。極端なことを言うと、会社にとっては同じ。どういう意味で同じかというと、働くという意味での制約を持っている人という意味では同じ。ただし制約の種類が違うということかなと思います。そういう点で、言葉としては「両立」でもいいかなと思っていたのです。
 大体意見を伺ったので、これをもう一度整理をしていただいて、報告書の形にしていただいて、それからもう一度議論したほうがイメージができやすいのでそうさせていただきます。それで、お帰りになって思いついた意見があったら、またメールか何かで事務局に言っていただいても結構だと思いますので、そういう対応をさせていただければと思います。本日は少し早いようですけれどもこれで終わりにして、次回のスケジュールの確認をお願いいたします。
○労災補償訟務分析官 次回は6月14日(木)の13時からの開催を予定しておりますのでよろしくお願いいたします。次回は整理した資料を準備させていただきます。本日はありがとうございました。
○今野座長 それでは終わりにいたします。ありがとうございました。


(了)

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