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2012年5月29日 第4回 厚生年金基金等の資産運用・財政運営に関する有識者会議

年金局企業年金国民年金基金課

○日時

平成24年5月29日
17:00〜


○場所

厚生労働省 専用第23会議室


○出席者

委員

臼杵 政治 (名古屋市立大学経済学研究科教授)
翁 百合 (日本総合研究所理事)
小野 正昭 (みずほ年金研究所研究理事)
鹿毛 雄二 (前・企業年金連合会常務理事)
蟹江 宣雄 (トヨタ自動車企業年金基金常務理事・運用執行理事)
近藤 憲二 (住友化学株式会社経理室(財務)部長)
玉木 伸介 (大妻女子大学短期大学部教授)
永山 善二 (東京乗用旅客自動車厚生年金基金常務理事・運用執行理事)
花井 圭子 (日本労働組合総連合会総合政策局長)
濱口 大輔 (企業年金連合会常務理事・運用執行理事)
森戸 英幸 (慶応義塾大学大学院法務研究科教授)
山口 修 (横浜国立大学経営学部教授・付属図書館長)
山本 御稔 (監査法人トーマツパートナー)

○議題

(1)「財政運営の在り方」について
(2)「厚生年金基金制度等の在り方」について

○議事

○山口座長
 それでは、ほぼ定刻になりましたので、ただいまより、第4回「厚生年金基金等の資産運用・財政運営に関する有識者会議」を開催したいと思います。
 委員の皆様におかれましては、御多忙の折、お集まりをいただきまして、ありがとうございます。
 本日は、辻副大臣に御臨席いただいております。
 それから、藤田政務官は、少し遅れられるというふうに伺っております。
 それでは、まず、最初に辻副大臣より一言ごあいさついただければと思います。よろしくお願いいたします。

○辻厚生労働副大臣
 委員の皆様、本日も御多用の中、御参加をいただきましてありがとうございます。第4回「厚生年金基金等の資産運用・財政運営に関する有識者会議」の開催に当たりまして、一言、ごあいさつを申し上げたいと存じます。
 前回の5月16日のこの会議におきましては、厚生年金基金等の資産運用規制の在り方について、事務局より御提案をさせていただきました、たたき台に基づき、精力的に御議論をいただき、大きな方向性については、おおむね皆様方の御了承をいただくことができ、1つの区切りを付けることができたのではないかと考えているところでございます。
 そこで、本日からは、厚生年金基金等の財政運営及び制度の在り方について御審議をいただければと考えているところでございます。
 前回の会議でも御紹介申し上げましたけれども、去る4月24日、民主党の財政金融部門のワーキングチームのAIJ問題再発防止のための昼間報告が、同チームによってとりまとめられまして、5月14日には、同チームの蓮舫座長から小宮山厚生労働大臣に対して直接の申入れをいただいたところでございます。
 この民主党の昼間報告の中では、厚生年金基金制度の将来的な廃止などの大きな論点を始めとして、さまざまな提言がなされているところでございます。
 本日からの厚生年金基金等の財政運営及び制度の在り方についての御審議におきましては、この昼間報告の提言内容に対する御意見、御指摘も含めて、積極的な御議論を賜ればと存ずるところでございます。
 また、初回の、この会議の冒頭におきまして、大臣から申し上げましたとおり、この会議では、6月をめどに一定の結論をいただきたいと考えている次第でございます。そのような時間的な制約の関係上、本日以降、会議の回数を少し増やしていただいて、精力的な御議論を賜ればと考えているところでございます。
 委員の皆様方には、御多用の中、誠に恐縮でございますけれども、何とぞ、今後とも変わらざる、御指導、御協力を賜りますようお願い申し上げまして、冒頭のごあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。

○山口座長
 ありがとうございました。それでは、続きまして、本日の委員の皆様方の出欠状況でございます。
 委員の皆様、全員が御出席でございます。
 それでは、恐縮でございますが、カメラの方々、ここで御退室をお願いできればと思いますので、よろしく御協力のほど、お願いいたします。
(報道関係者退室)

○山口座長
 それでは、議事次第に沿って進めてまいりたいと思います。本日より、厚生年金基金等の財政運営や制度の在り方についての議論に移りたいと思います。
 事務局の方で、資料を用意していただいておりますので、それを基に議論をいただきたいと思います。
 それでは、まず、事務局の方から資料の説明をお願いいたします。

○渡辺課長
 それでは、まず、資料の確認をさせていただきます。
 本日、まず、資料1としまして、これは、第1回の委員会に出しました、主な論点でございます。
 資料2−1としまして、論点2「財政運営の在り方」関係資料。
 資料2−2としまして、論点3「厚生年金基金制度等の在り方」関係資料。
 資料3といたしまして、民主党ワーキングチーム昼間報告における主な指摘事項。
 また、本日は、3人の委員の方から意見書を提出いただいております。
 資料4が、小野委員の意見書。
 資料5が、蟹江委員の意見書。
 資料6が、永山委員の意見書となっております。
 もし、落丁等ございましたら、事務局の方にお申し付けください。
 それでは、続きまして、資料の御説明をさせていただきます。
 本日から、先ほど副大臣のごあいさつにもございましたように、資料1の論点で申し上げますと、財政運営の在り方、厚生年金基金制度等の在り方の議論に入ってまいります。それぞれの論点に関連した資料ということで、資料2−1、2−2ということで御用意させていただいておりますので、それに沿って御説明をさせていただきます。
 まず、資料2−1でございます。まず、論点2の財政運営の在り方のところでは、大きく予定利率の見直し、それから、積立不足への対応、更に解散基準等ということで挙げてございます。それぞれこの順番に沿って関連資料を用意してございますので、御説明をさせていただきます。
 まず、1ページ目をごらんいただければと思います。
 まず、予定利率の関係の資料でございますが、この予定利率につきましては、第1回の会議のときにも、簡単な資料を付けておりますが、その後、委員の方から、現在の仕組みについて丁寧な説明が必要ではないかという御指摘もいただきましたので、今回、少し詳しく、今の予定利率というのがどうなっているかということを紹介させていただいております。
 まず、1ページ目でございますが、厚生年金基金の給付の型には、そこにございますように、大きく2つの型がございまして、代行型、加算型と呼んでおります。
 代行型といいますのは、そこにございますように、代行部分と、それに乗っかる基本プラスα部分と言っておりますが、ここが基本的に老齢厚生年金と同様の制度設計となっているものでございまして、これは、今、全体の9%ということで、非常に少なくなっております。
 全体の9割を占めますのが、右の加算型でございまして、これは、大きく基本部分と加算部分というふうに分かれております。基本部分は、そこにございますように、代行部分と、それに上乗せされる基本プラスα部分です。また、加算部分につきましては、これは、基金独自のさまざまな設計、例えばポイント制ですとか、あるいはキャッシュバランスプランとか、こういったものを組み合せているということで、今、大半のところが、この右側の加算型でございます。
 次の2ページでございますが、今、申し上げましたように、加算型の給付設計では、先ほどの図にもございましたように、大きくは、代行部分、基本プラスα部分、加算部分という3つのパートから構成されるわけですが、それぞれの給付に必要な債務、給付債務を計算する方法と、そのときに用いる運用利回りというのは、大きく2つ分かれております。
 まず、代行部分の債務でございますが、これは、また、後ほど、資料2−2でも詳しく御説明をいたしますが、これは、平成12年から大きな見直しを行っておりまして、今の債務の計算の仕方というのは、そこにございますように、前の期の最低責任準備金、すなわち代行部分の債務でございますが、これに代行部分の収支を加えまして、そして、それに厚生年金本体の実績運用利回りを加味した運用利回りで計算するということで、基本的に用いる運用利回りは、厚生年金本体の実績ということになっております。
 一方、基本プラスα部分、それから加算部分につきましては、これは、以前、代行部分もこういった方法で計算をしておりましたが、将来の給付の見込みを立てまして、それを現在価値に割り引く、その割り引くときに用いるのが、各基金の予定運用利回り、これが、いわゆる予定利率でございます。
 この2と3の計算に用いられる予定利率につきましては、かつては5.5%ということで、一律に決められておりましたが、平成9年に改正を行いまして、現在は、各基金がそれぞれの資産の期待収益率に基づいて合理的に定めるとされております。
 なお、この予定利率が余り恣意的に低くされますと、税金の損金算入との関係で問題が生じますので、ここは一定の線が引かれておりまして、下限が税金との関係で設定されており、これは毎年改定をしております。
 次の3ページでございますが、こちらが、今のようなそれぞれの給付の仕組みを理解した上での予定利率の分布ということでございます。基本部分、加算部分と分かれておりますが、ここでいう予定利率を使うのは、先ほど御説明しましたように、基本プラスαの部分でございますが、基本部分におきましては、約87%、また、加算部分におきましても、6割のところが、5.5%となっております。
 この予定利率を下げますと、結局、運用利回りの見込みが少なくなるわけですので、その分、不足が生じます。そこの不足の掛金負担がなかなかできないということで、この5.5%が続いているということも指摘されております。
 次の4ページでございますが、これは、今年1月に行った見直しです。できるだけ予定利率を引下げやすくするという観点から、予定利率の引下げに伴う不足金処理の特例ということで、簡単に申しますと、そこにございますように、予定利率の引下げということを決めた場合には、その不足金を埋めるために、掛金を引き上げるのを1年間猶予するという特例措置を取っております。
 ただ、これ自体は、あくまでも猶予でございまして、この不足金が埋まるわけではございませんので、そういう意味では、財政健全化という観点から見れば、ある種、緊急避難的な措置ではございますが、ただ、予定利率を下げて、不足金が出て、掛金をすぐ上げなければいけないということで、なかなか引下げに踏み切れないというところに対しては、1つのインセンティブになるのではないかということで、今年の1月からこういうことをやっております。論点にもございますように、こうしたことも含めて、予定利率をできるだけ実態に近いものにし、恒常的に不足金が発生するような状況を防ぐということにはどうしたらいいかということが論点でございます。
 5ページ目以降は、これは、現在の財政運営ルールです。これは、第1回にも説明しましたので簡単に申し上げます。5年に1回、長期計画を作成する財政再計算を実施しております、また、毎年度の財政決算というものをチェックしております。
 チェックは、大きく2つの物差しで行っています。積立てが5年ごとに立てる長期計画どおり進んでいるかというチェック、これを継続基準と呼んでおりますが、これと、仮に、今基金を解散した場合に、これまでの加入期間に見合った給付ができるか、過去を振り返って、そこの期間の給付をちゃんとできるかと、これを非継続基準と呼んでおりますが、大きく分けると、この2つの物差しでチェックをしております。
 その大きな違いは、次の6ページ、7ページにございますが、それぞれの債務の考え方の違いでございまして、継続基準の方は、名前のとおり、基本的には基金が継続していくということを前提に積立てが長期計画どおり進んでいるかどうかを検証しますので、将来期間も含めた給付の見込みを立てまして、それを現価に割引きまして、そして、将来収入も入ってくるわけですので、その掛金の収入も現価計算をしまして、その差引き、これを責任準備金といっていますが、これが、基金が積み立てておかなければならない債務と、そういう債務の計算をしております。
 これが、積立て不足ということになりますと、特別掛金ということで、これは、大半が事業主全額負担でございますが、不足を償却していくという仕組みになっております。
 一方で、次の7ページの非継続基準でございますが、これは、先ほど申しましたように、今、基金を解散した場合に、きちんと、これまでの期間に見合った給付ができるかということですので、これは、当然、詳細の掛金収入というようなことは見込まずに計算をしております。また、これの割引率についても、国の方で一定の考え方を決めているということで、これにつきましては、右にございますように、代行部分と上乗せ部分を合わせた全体を最低積立基準額といっております。
 一方で、代行部分に関係します債務は、最低責任準備金ということで、ちょっと名前が似ていてややこしいですが、要は3階部分までも含めた債務を最低積立基準額、それから、代行部分について最低責任準備金ということで、こういった物差しでのチェックということも毎年の決算でやっているということでございます。
 次の8ページでございますが、これが、今、申し上げました3つの物差しで、大きくは2つでございますが、非継続基準には、最低積立基準額と最低責任準備金がございますので、それで見て、全体としての積立水準かということでございます。
 これは、マクロで見たものですので、当然、個別基金によって大分違いますけれども、ごらんいただきますように、一番低くなっておりますのが、平成20年度、ちょうどリーマンショックのときでございまして、直近の22年度で見ますと、それよりは若干回復しておりますけれども、基本的には平成19年度くらい、ちょうどサブプライムのころでございますが、このころの水準というのが全体的な傾向でございます。
 9ページから11ページまでは、それぞれの物差しごとに積立水準別に基金の割合がどれくらいかというのを示したものでございます。
 少し飛びまして、12ページでございます。厚生年金基金を中途で脱退した方、あるいは解散した基金の年金の給付を行っております企業年金連合会の積立状況ということを12ページ、13ページに載せております。
 12ページの方は、先ほどの基金でいいますと、いわゆる継続基準、責任準備金との比較ということで、これは3階部分も含めた債務との関係でございますが、年により変動はございますが、折れ線グラフの方でございますが、直近の22年度では積立比率、91.2%となっております。
 一方、次の13ページでございますが、こちらの方は、いわゆる代行部分に相当します、最低責任準備金との対比で見たものでございまして、これも年によりかなり変動はございますけれども、直近では122.3%ということで、企年連は代行部分はもっているという状況でございます。
 次の14ページ、15ページ、16ページ、これは、以前、臼杵委員の方から諸外国の積立基準について資料を出してほしいということで、これは、具体的には16ページの下にございますOECDの2010年のレポートから取ったものでございます。そこにございますような国々につきまして、債務の考え方、そして、割引率はどういうものを用いているか、それから、積立基準としてターゲットにしているものはどういうものか、不足が生じた場合の償却期間はどうなっているか等々を整理したものでございます。
 総じて申しますと、責任準備金なり技術的準備金と言われるものの考え方、国によって、勿論、制度が違いますので、単純比較は難しいとは思いますが、どちらかというと、日本の非継続基準に近いような考え方であると思います。そのため、割引率につきましても、優良社債の比率を用いていたり、あるいはリスクフリーレートを用いていたり、いろいろなものがございますけれども、一定の割引率の基準を決めています。また、積立基準につきましては、基本的に責任準備金なり、技術的準備金といわれるものの100%あるいは若干それに上乗せをしているところもございますけれども、そういうものを目指しています。
 不足が生じた場合には、これも国々によっていろいろでございますが、短いところでいいますと、3年というようなところから、長いところでは15年というような形で償却しています。
 続きまして、17ページでございますが、こちらの方は、積立不足への対応と関連しまして、給付減額のルールを載せております。
 17ページは、第1回目のときにも御説明いたしました。今のルールとしましては、法令上のルールに加えまして、通達で、事前の手続として理由要件、手続要件があるということでございます。
 特に、理由要件のところで、2、3で母体企業の経営状況が著しく悪化している場合とか、あるいは給付減額をしないと掛金が大幅に上昇する場合とか、通知では非常に抽象的な文言になっております。次の18ページにございますように、これは、今、実務的にどういうふうにしているかといいますと、例えば経営状況の著しい悪化ということであれば、そこにありますような書類を提出いただいて、大まかな目安としては、総合型の場合であれば、赤字事業所が全事業所の5割以上であるというようなことでみているということでございます。こういう理由要件についても、もう少し簡素化できないのかという指摘もあるということは、第1回の時にもご紹介いたしました。
 19ページは、これまでの給付減額の推移でございます。
 20ページは、NTTの企業年金の給付減額について訴訟の概要でございます。
 簡単に申しますと、NTTの場合は、母体企業が、いわゆる黒字経営であったということで、給付の減額を認めなかったわけですが、最高裁の最終的な判例としましては、今、申し上げましたような、法令上の要件というのは、妥当であるというような結果であったということでございます。
 続きまして、22ページでございますが、これは、財政運営の在り方の3つ目の論点、解散手続のところとの関連でございます。
 22ページは、第1回のときに御紹介をしました。これも給付減額と同じように、法律上の要件に加えまして、通知上の理由要件、手続要件が定められております。
 この理由要件のところで1、例えば、経営状況が非常に悪化しているとか、先ほどの給付水準と似ておりますが、掛金が著しく上昇するとか、あるいは加入員数が著しく減少したということで、通知上は非常に抽象的な表現になっておりますが、これも23ページにありますように、先ほどの給付水準と同様でございますが、こういった資料を出していただきながら、一定の目安を持って判断しているということでございますが、ここにつきましても、もう少し簡素化なり緩和ができないのかという議論が出ていることはご紹介いたしました。与党の報告の中でも解散要件の大幅な緩和はできないかというような御提言をいただいているところでございます。
 24ページは、これまでの解散あるいは代行返上の推移でございます。
 続きまして、資料2−2をごらんいただければと思います。こちらの方は、厚生年金基金制度等の在り方の関係資料ということで、論点の中では、代行制度の意義・役割、それから、深刻化する代行割れ問題への対応、それから、総合型厚生年金基金の在り方、更に、中小企業の企業年金の在り方と、大変広範な論点が挙がっておりますが、そこにつきまして、関係資料として用意させていただきました。
 まず、1ページ目でございますが、代行制度の意義・役割というところでございますが、ここにつきましては、第1回目のときも少し資料を出しております。代行制度が、そもそも昭和40年の厚年法の改正のときのさまざまな調整の結果として生まれた制度であるということは申し上げましたが、改めて、その性格・意義あるいはこれまでの制度の変遷ということを整理してみました。
 まず、1ページ目でございますが、代行制度の性格というところでございますが、ここは、そこにもございますように、代行制度というのは、あくまでも厚生年金の一部でございまして、これを基金という国以外の者が管理をする仕組みであるということでございます。
 イギリスにも適用除外という制度はございますが、イギリスの適用除外とは異なりまして、代行の場合は、基金が運営している間も公的年金としての性格を持ち続けるということになりますので、そこにございますように、給付設計は、基本的には厚年本体と同じで、代行部分についての給付減額はできない。また、免除保険料は、これも厚年本体と同様に労使折半であります。
 解散した場合、通常に代行部分の積立金を持って解散しますと、給付責任は企業年金連合会の方に移ることになっておりますが、法律上は、仮に企業年金連合会が解散した場合は給付責任は厚年本体に移るということで、法律上は、最終的な給付責任は、厚年本体が負うという仕組みになっています。
 この代行制度の意義ということでございますが、2ページでございます。これは、平成8年に当時の厚生省の年金局長の研究会の報告で、この代行制度についてもいろいろ議論されまして、そのときに整理されている報告書から少し抜粋をさせていただいております。
 その報告書で、大きく3つくらいに、この意義というものを整理されております。
 まず、1点目は、企業年金制度の普及ということで、代行は、厚生年金、先ほど申しました、代行ベースとするということで、基金自体の給付の厚みを増すということです。
 また、厚生年金基金の場合は、代行は勿論、終身でございますが、上乗せ部分も2分の1以上終身となっておりますので、そういう意味では、老後の所得保障としての実質を備えた企業年金の普及に大きな役割を果たしたと、ここでは整理されております。
 また、2つ目としまして、資産運用における、いわゆるスケールメリットということで、これは、プラスα部分と代行部分の積立金を併せて運用することによって得られるメリットということでございます。
 また、平成12年度までは、厚年本体は、いわゆる財投預託でございまして、市場運用は限定的でございましたので、そういう意味では、当時、昭和41年のころからでございますが、基金が一部を市場で運用するということで、運用の多様化が図られるという側面もあったということもあるかと思います。
 また、前回、代議員会の仕組みについて資料をお出ししましたけれども、代行制度が準公的性格を有するということで、基金という特別の法人がつくられまして、労使参加による運営が行われているということで、こういう点が基金に対する信頼も得られていたというふうに、このときの報告書ではまとめております。
 こういった代行を支えた制度的な枠組みというのが、次の3ページでございまして、ここでは大きく3つくらいに整理をさせていただいております。
 まず、1点目は、免除保険料率というものが、これは、当初は一律に設定をされていたということがございます。したがいまして、従業員の年齢構成が若くて、比較的代行コストが低い、代行給付を免除保険料率以下で賄える基金というのは、掛金がある種積み上がって、そして、それを運用するということでの代行メリットというものがあったということでございます。
 また、同時に2のところでございますが、当初、予定利率は全基金一律に設定されておりましたが、日本の経済成長が著しい時期でもございましたので、これをはるかに上回る運用収益があったということで、この利差益を3階部分の給付改善に当てると、そういう意味での代行メリットというものもあったということでございます。
 また、代行という公的な部分を持つということで、当時、唯一の企業年金でございました、適格退職年金よりも、更にこの基金制度の方が優遇された税制上の措置があるということで、具体的には、特別法人税などのメリットがあったわけでございます。そういう枠組みが代行の普及を支えてきたということでございます。
 次の4ページでございますが、ちょうど制度創設が41年でございますが、それから、約30年後、平成バブルの崩壊、平成4年ごろから、21世紀に変わるまでの間でございますが、こういった代行制度の普及を支えた枠組みが、いろいろと変化をしてまいりました。
 まず、1点目の免除保険料率でございますが、これは、基金の数の増加に伴いまして、冒頭、最初のころは、従業員の年齢構成の若いところが代行メリットがあったといいましたが、こういった年齢構成というのも基金によって、多様化してきたということで、中には、一律の免除保険料率では、代行コストが賄えないという基金が現れてきて、代行コストに見合った免除料率にしてほしいという要望が基金の側からございました。
 一方で、逆の立場からは、そういう代行メリットを基金が享受することについては、そもそも企業年金を持たない厚生年金被保険者との公平性の観点から問題ではないかという批判もありまして、こういった双方のいろいろな議論があった中で、免除保険料率については、一律というやり方から、それぞれの基金の代行コストに応じて、きめ細かく設定していくという個別化の方法が打ち出されまして、これが、平成8年度から実施されております。
 一方で、先ほど2のところで申し上げました運用収益のところでございますが、平成バブルの崩壊後、金融経済情勢は相当悪化しまして、むしろ、運用実績が5.5を下回るということで、利差損が発生するようになったということがございます。
 それで、従来、代行部分というのは、債務を計算するときに、基本的には厚生年金本体と同じものを使うということですので、5年に1回の財政再計算で、厚生年金の、例えば死亡率の見直しなどがございますと、これは、通常、平均寿命が伸びる方向にありますので、給付は増加をするわけでございますが、この増加したもののうち、将来分については、これから入る免除保険料に反映されますが、過去の期間分については反映をされません。
 これについて、従来は、運用の利差益があったので、それが、ちょうどその部分を賄うという形になっておったわけですが、運用環境が悪化して利差益が利差損に転じるというような中で、ここの代行部分についての積立て不足という問題が顕在化し始めたのが、この時期でございます。
 また、一方、企業経営への影響ということで、同じような時期でございますが、企業会計基準の見直しという動きがありました。代行部分も含めた年金債務を母体企業のバランスシートで認識をするということで、こういった会計基準の影響を受ける大企業を中心にいわゆる代行返上が進んで、現在では、大半が総合型となっています。その多くは、構造不況業種で、積立不足に伴う事業主の追加拠出が難しいということで、企業経営にもこの年金債務というものが影響を与えるようになってきています。
 次の5ページでございますが、代行制度、それから厚生年金本体についても、この間、いろいろな改革が行われてきています。
 まず、代行制度については、先ほど免除保険料率の個別化をしてきたと申し上げましたが、併せて、代行部分全体についての財政運営の在り方ということが課題になりまして、大きくは、そこにございます、平成11年と16年の改革でございますが、この中で、最低責任準備金という代行部分の債務の計算方法と、それから、これも後で御説明いたしますが、給付現価負担金制度という新しい制度が導入されております。
 ここで、最低責任準備金、2−1のところでも少し申しましたが、申し訳ございませんが、資料の22ページを開いていただければと思います。
 この最低責任準備金の計算方法につきましては、11年、16年の改正で、大きく計算方法が変わっております。
 そこにございますように、最低責任準備金の計算方法には大きく2つの方法がございまして、将来法、過去法という、大きく分けると2つの方法がございます。
 将来法というのは、先ほど2−1のところで、加算部分の予定利率のところで御説明をしましたが、基本的には、これまでの加入期間に対して、まず、将来発生する代行給付というものを出しまして、それを一定の前提の下に、現在価値に割り引くというやり方でございます。
 一方で、過去法の方は、そういった将来の給付を割り引くという方法ではなくて、先ほども御説明しましたように、前期の債務に代行部分の収支と、それから、厚年本体の利回りの実績をベースにした利息を付利していくということで、言わば、過去法の考え方というのは、仮に基金がなかったとしたら、厚年本体の資産がどれだけ増えていたか、あるいは基金が厚年本体に、もし、あったとしたらどうだったかという、厚年本体との比較において、できるだけ中立的にしていこうという、そういう考え方の下に立っているということでございます。
 現在の最低責任準備金は、実は、この2つの方法を組み合わせた形になっておりまして、平成11年9月の時点までは、この将来法で計算した最低責任準備金を使っておりまして、それをベースに、平成11年の10月以降は、過去法、俗称、転がし方式と言っておりますが、これで計算をしていくという方法になっております。
 ですので、ある意味、ここの部分というのは、厚生年金本体の運用利回りとの比較というところがポイントになってくるわけです。厚年本体と全く同じ運用をしていれば、代行部分の債務というものは確保されるわけですが、ただ、基金の場合は、当然、代行部分の給付だけではなくて、プラスαの給付をしておりますので、厚年本体よりも、ある意味、運用を勝たなければいけない。そのためには一定のリスクは取らなければいけないということになってまいりまして、厚生年金本体の運用に近づけつつ、しかし、それよりも勝ってプラスαの資金をかせがなければいけないという、そういうところが鮮明になってきたというところがございます。
 お戻りいただきまして、5ページのところですが、今、申し上げましたように、免除保険料率の個別化等の改革によりまして、代行を持つことによる損得は基本的にはなくなりましたが、代行部分が公的年金であるという性格には変化はなく、今、申し上げましたように、基金による運用結果が、厚年本体の運用結果を上回ることができるかどうかということ、これが、厚年本体との財政との関係においても、より顕在化をしてきたということでございます。
 一方で、現実はどうかというのが、2でございまして、これは、昨今の経済金融環境の変化もございますし、あるいは母体企業の状況もございますが、代行割れ問題というのが、後で申し上げますが、非常に深刻化をしておりまして、そういう意味では、ここの運用のリスクというのは、現在の局面では非常に高まっている状況にあるということでございます。
 また、総合型基金ということで申しますと、これは、ある種競争相手である複数事業主が、同業種あるいは同地域ということで、一種の連帯の考え方でこの基金をつくるということでやってきたわけでございまして、こういうことが制度創設時にはある意味プラスに働いていたわけですが、今のように、財政悪化による局面になりますと、例えば基金からの事業所の脱退あるいは解散といったところで、むしろ、マイナスに影響するような場面も出てきているというのが実態でございます。
 次の6ページでございますが、一方、厚生年金制度の方の改革も特に平成16年では大きな財政運営の見直しがございまして、いわゆる有限均衡方式ということで、より賦課方式としての性格が強まっております。
 また、運用ということにつきましても、こちらは、御案内のとおり、13年度から財投改革によりまして、自主運用ということで、今はGPIFによる市場運用をしているという状況でございます。
 また、企業年金自体の選択肢の多様化ということも進みまして、平成13年に成立をしました企業年金2法によりまして、代行部分のない、3階部分のDB、DCという新しい仕組みができまして、特に、規約型のDBとかDCは、開始に当たっての人数要件がないので、小規模の企業でも企業年金をつくることができるようになっております。
 また、適格退職年金につきましては、10年の経過期間後廃止されるということになりまして、これは、今年の3月に廃止をされたというところでございます。
 次に7ページから、こちらの方はデータですので、簡単にごらんいただければと思います。
 まず、7ページは、基金の設立事業所数等の推移でございまして、先ほど申しましたように、代行返上、解散等で全体的には減少傾向でございます。
 8ページでございますが、こちらの方は、フローで見た掛金収入と給付費でございまして、掛金収入は給付費を下回る、逆にいいますと、給付費が掛金収入を上回る基金は、現在、半分くらい、54.3%になっております。
 勿論、厚生年金基金は積立方式を取っておりますので、こういう、いわゆる成熟度といっておりますが、これがちゃんと積立の計画どおりであれば問題ないわけですが、ただ、実際には、基金によっては、既に単年度の掛金収入では給付が賄えず、いわゆる積立金の取り崩しが始まっているところもありまして、そうなりますと、やはり積立金の流動性ということも重要になってきますので、ある程度、運用のやり方というものにも制限がかかってくるということでございます。
 次の9ページは、これは、免除保険料率の現在の分布でございまして、現在、平均38.8‰、パーセントでいいますと、3.9%でございます。
 昭和41年にこれが開始されましたときは、まだ一律でございましたが、このときは、まだ男女別でございましたが、男子2.4%、女子2.0%ということでございましたので、平均ということから申せば、この50年弱の間に倍くらいになっているということでございます。
 10ページは、代行割れ基金数と、実際の代行割れの総額の推移ということで、これは、第1回のときにもお示しをしております。
 22年度末では、約4割、代行割れ額、6,300億ということでございます。
 また、その次の11ページ、12ページは、もう少しこれを段階別に見たものでございまして、11ページは、代行割れの比率ごとにどれくらい代行割れ額があるかということでございますが、ごらんいただいてもわかりますように、右上の方、特に代行割れが大きくなりますと、額も当然ですが、大きくなるということで、現在、50億以上というところが4基金くらいあるということでございます。
 そういったところの母体企業の状況が12ページでございますが、これは、特に右下の積立比率80%未満というところで、ごらんいただきますと、ここの大半は指定基金でございますけれども、ごらんいただきますように、運輸、これは、具体的にはタクシーとかトラックというところが多うございます。それから、繊維ですとか、あるいは機械・金属、石油というのは、ガソリンスタンドでございますが、建設とか、そういったところが、業種としてもかなり特定業種に偏っているということでございます。
 これにつきましては、次の13ページでございますが、これも第1回のときに御説明しました、現在、指定基金制度というのがございまして、14ページにもございますように、現在、23年度末で81基金ということになっております。平均の代行割れ額は、そこにございますように、50億を超えておりまして、業種としては、先ほど申し上げたようなところが多いということでございます。
 また、指定基金の状況としましては、次の15ページにありますように、厚生年金基金全体と比較しますと、一番下のところですが、給付費総額が掛金総額を上回っているところが9割を超えているという状況でございます。
 なお、16ページは、参考まででございますけれども、米国で企業年金保護法というのが2006年に成立しまして、この中で、いろいろな見直しを行っておりますが、積立不足の大きいリスクプランというものについて、できるだけ債務の増大を防ぐという観点から、積立率に応じて、一定の給付制限をしているというような事例もございます。
 2にございますような積立率が6割を下回りますと、給付改善は原則禁止、それから一時金の支払いは禁止されています。また、給付の発生、その資料では受給権の付与となっていますが、より正確には給付の発生ですが、これが停止されます。
 17ページでございますが、厚生年金基金について、代行割れについても、一定の分割納付あるいは額の特例を設けて解散できる、特例解散というのがあるということは、第1回目も申し上げました。
 これは、実は、平成17年から3年間、同様の措置を取っておりまして、その適用を受けたのが、次の18ページでございまして、11基金ございます。
 表の一番左の減額というところに○が付いておりますのは、減額の特例を受けた基金。それから、納付猶予というのは、言わば分割払いを受けたところで、分割払いの特例を受けたのは、全部で5基金でございまして、このうち、既に2基金は完済をしておりまして、3基金が返済中です。
 特に、上から4つ目のD基金というところは、今回の措置で分割期間を10年から15年に延ばしましたが、こちらの方も使いながら返済をしているということでございます。
 ただ、その次の19ページでございますが、このD基金は、解散当時は50社あって、国へ返さなければいけない返還額74億ありましたが、そのうち、一括に納付したのが19社、残りの52億を31社で分割納付しておりましたが、ここの基金では、一括納付をした日以降は、仮にその後、倒産事業所があっても、一括納付したところは負わないという規約になっておりましたので、現状としましては、分割納付をしていた31社のうち13社が一括納付をして抜けまして、16社が倒産しているということで、現在、分割納付中のところ2社でございますが、ここが返済残額13.5億を抱えているということで、これの大半が倒産事業処分ということで、非常に厳しい状況にあるということでございます。
 こうしたこともありまして、次の20ページにありますように、今回、昨年の法改正で5年間、また、同じ時限措置を取りましたが、ここでは、倒産事業所が出た場合には、分割事業所に一方的に負わせるのではなくて、一括で返済をしたところも含めて連帯をするということにしたわけでございますけれども、ただ、逆にいいますと、この連帯が足かせになって、なかなか特例解散に踏み切れていないという状況がございます。
 一方で、基金というのは、あくまでも基金として、厚年本体に対して債務を負っていますので、倒産事業所が1社出たとしても、そこの基金の債務は変わらないということで、現行法の下では、何らかの形で、ここの負担は基金がしていかなければいけないということになっております。
 次の21、22は、これは、先ほど御説明しました最低責任準備金のところで飛ばします。
 ちょっと細かい話ですが、23ページ、24ページのところで、最低責任準備金を計算するときに、23ページにございますが、先ほど、前期の最低責任準備金に代行部分の収支を加減するといいましたが、このときに一定の係数をかけるということをしておりまして、これは、0.875という係数を用いています。
 これは、かつて昭和60年に厚生年金に国庫負担が入らなくなったときに、政府からの負担金が出たときに用いていた係数というのを、そのまま用いておりますが、これが、今、代行給付を計算するときに、多くの基金では、簡便法として、これを用いております。
 これをもう少し実態に合わせたものにできないかという御要望もいろいろ受けておりまして、次の24ページで、ある一つの基金を例に、粗々これが仮にもう少し係数を上げた場合にどのくらいの影響、すなわち最低責任準備金という債務が減るかということを試算しております。勿論、ここは、基金によって効き方はいろいろ違うかと思いますが、このケースでは、仮に0.9にした場合、大体債務を減らせる効果というのが3%弱くらいという結果になっております。
 次の25ページ、26ページ、これが先ほどちょっと飛ばしました、過去期間代行給付現価負担金のことでございます。
 先ほども申しましたように、平成11年、16年の改正で、この代行部分の債務は、最低責任準備金の計算の仕方が大きく変わったということを申し上げました。
 基本的には、最低責任準備金は厚年本体の運用実績を基に計算していくということで、将来の給付債務とはリンクしない形になりました。
 一方で、将来の給付に必要な債務というのは、厚年本体の予定利率とか、あるいは死亡率などが見直されると、そこは、影響を受けます。こちらの方が変わったときに、過去期間について給付が変わるという、その債務が、そこの図で申しますと、Pと書いてあります、過去期間代行給付現価というものでございます。
 基金は、代行部分については、右の最低責任準備金、Mというところを目指して積み立てていけばいいということになっておりますので、将来に必要な債務であります、PとMという、この2つの債務のギャップの部分を事後的に調整するという仕組みが、これが平成16年に導入されております。
 この図では、Pの方が大きくなっておりますが、実際は、こういうところが大半でございますが、中には、まれにではございますが、Mの方が大きいというところもありまして、その場合には、基金の方から厚年本体の方に資金が流れると、逆にPの方がMよりも大きい場合には、厚年本体の方から一定のルールの下にお金が流れると、そういう事後調整の仕組みが入っております。
 ただ、これを一気に埋めますと、巨額になりますので、そこにいろいろ細々と書いておりますが、一定のギャップが大きくなった場合に、これを発動するという形になっております。
 そういう意味では、キャッシュフローをサポートする仕組みというのが、厚年本体からのこういう負担金によってできているわけでございますが、ただ、別の見方をしますと、こういう厚年本体からのサポートなしには、資金繰りが回らないという基金が出てきているというところも現実でございまして、そういう意味では、代行を土台にして、事前積立で実質的な運営をしていくという制度創設時の代行制度と比べますと、この16年を境に、大きく代行制度は変わっているということでございます。
 なお、ここで御留意いただきたいのは、これは、あくまでも代行部分の債務であります、最低責任準備金との差額を埋めるということですので、この債務に満たない、代行割れの状態に対して、この負担金が出るというものではありませんので、これは、そういう意味では、先ほど申しましたのは、代行割れに対しての対策というものとは全く別物であるということでございます。
 26ページは、その交付実績でございます。
 27ページ、28ページ、これは、花井委員から、こういった中立化に係る議論の経緯がどうであったかということの宿題がございましたので、それぞれのポイントでの審議会での意見を整理させていただいております。
 29ページ以降は、現在のその他の企業年金ということでございまして、30ページはDB年金、これは、既に1万を超えております。
 31ページはDC、これは、事業所数でいいますと、1万5,000弱となっています。
 それから、規模別に見たのが32ページということでございます。
 以上、大変時間を超過して申し訳ございませんが、資料説明とさせていただきます。

○山口座長
 ありがとうございました。それでは、順番に議論をしていきたいと思います。
 資料1にあります2番、財政運営の在り方ということで、これは、本日の資料の2−1に対応しておるものですけれども、まず、こちらの予定利率の見直し、それから、積立不足への対応、解散基準等といったようなところにつきまして、御意見をいただきたいと思います。
 小野委員、どうぞ。

○小野委員
 今の座長のお話もあるのですが、意見を提出させていただいておりまして、御説明の機会をいただきたいということですが、意見が本日の論点の両方にまたがっているということで、一とおり御説明させていただくということで、お許しいただけるかどうかということです。

○山口座長
 もし、うまく切り分けていただけるならば、2番の財政運営の在り方を先にお話しいただく方がいいんですが、どうしても切り分けるのが難しければ、まとめてお話しいただいても構いませんので。

○小野委員
 ちょっと難しいと思いますので、申し訳ございませんが、資料4が私の資料です。ほかの発言機会に関しては、簡潔にさせていただきたいと思いますが、今回のこの資料の御説明は、それなりにやらせていただきたいと思っています。御了承をいただきたいと思います。
 この資料は、結果的には民主党のワーキングチームでつくられた中間報告に対する資料という形になっていますが、大変恐縮ですが、かなり批判的です。
 1から8まであります。まず、厚生年金基金の存続に関して、お話をしたいということで、1から3までです。
 まず、将来的にであっても廃止した場合ですが、私は、厚生年金が給付を抑制していくということで、企業年金、私的年金制度は、早晩重要性を認識せざるを得なくなると考えています。各党のマニフェストには企業年金とか私的年金には、一切言及がなかったと思いますが、これは、早晩認識せざるを得なくなると思います。
 その場合、企業年金の1つの柱であります厚生年金基金を廃止するということになると、その根拠となる廃止後の展望が必要だろうと思いますが、それが見えてこないということです。展望を示さずに制度を継続するという権利を剥奪することは、立法論として可能かどうか、疑問です。
 2つ目が、廃止ないし代行返上ということですが、総合型基金は、先ほどの説明でもありましたとおり、上乗せ部分の給付というのは非常に低い、月七千円ちょっとというレベルです。代行を廃止した後、制度を継続できるかといったら、この低い水準では非常に厳しいものがあると思います。
 3つ目ですが、厚生年金基金の廃止は、企業年金から非正規の厚生年金被保険者を結果的に締め出すことになりかねません。これは、DB制度が基本的には、企業の正社員の制度というような側面がありますので、こういう結果になってしまうということです。
 それから、総合型基金がなくなるということは、中小零細企業の年金が減少するということにもなると思います。
 その結果、厚生年金基金がなくなった場合、DB、DC制度の立法の基盤が緩みかねないのではないかと思います。
 あとは、廃止するためにはいろいろ整理しなければいけませんが、4つ目にございますとおり、黒ポツで説明してありますが、例えば、中途脱退者の上乗せ年金の整理です。これは、連合会の話ですが、先ほどの御説明にもありましたとおり、中途脱退者の給付は、債務が11兆円に対して、資産が10兆円です。このうち、最低責任準備金が8兆円です。連合会も厚生年金基金の1つですので、代行の廃止とともに、これを返上した場合、債務3兆に対して、資産が2兆しかないということになります。
 この結果、給付削減という話になりますと、これは、今の厚生年金基金の加入者、受給者のみならず、過去に代行返上した単連基金の中途脱退者についても影響が出ます。
 こういうことも含めて、いろいろ整理すべき問題があるということです。
 第2点、代行制度の本体との関係です。課長から御説明いただきましたので、改めての確認ですが、よく言われるように、厚生年金基金は3人の息子のうち、1人が仕送りを拒否したようなものだという議論が昔あったわけですが、先ほどの御説明のとおり、基本的には誤りです。代行部分の財政は、本体に組み込まれています。
 それと、御留意いただきたいのは、御説明の中にもありましたが、代行部分は、免除保険料を事前積立てのような手法で算出している関係で、一見、事前積立てのように見えますが、既に、御説明いただいた変更のとおり、事前積立てではなくなっています。給付現価負担金は、最低責任準備金がなくなるのを回避するための交付金ですので預託のような形になりますし、損失補填ではないということが言えると思います。
 それから、前回も申し上げましたが、分権的な資産管理というのは、政治リスクを緩和する効果があると思っています。
 以上のことを考えますと、やはりいきなり廃止ということではなくて、存続のために理屈のつく施策を検討しても良いということです。
 第3点の最初の○の2つの黒ポツは、完全な中立化を確保すべきということです。
 1つ目は、最低責任準備金の定義の統一ということです。今、継続基準と非継続基準がありますが、非継続基準に関しては、1年9か月の厚年本体の利回りの適用の遅れという問題があります。この1年9か月のずれは、運用ではカバーし切れないというか、ヘッジできません。この結果、各基金はハイリスクなものに投資するという面もあろうかと思います。
 2つ目は、先ほどの資料の中でも出ました、0.875の問題です。先ほどの資料では、これを見直して調整した場合の話がありました。しかし、0.875をかけるのは8号方法といいますが、これを7号方法の適用を緩和する、つまり、在職老齢年金の支給停止の確認ができた段階で、7号方法を適用できるようにするということです。この2つが実現すれば、基金の代行部分と国とは完全に中立ができますので、これで資産運用の方でヘッジできる。パフォーマンスがパラレルに動くということになろうかと思います。
 2つ目の○は、特例解散に関する部分です。破産法制との均衡の観点ということを書きましたが、更生会社が特例解散といった自体になった場合、将来の資金支出が確定できないと困るだろうと思います。そのような観点からいうと、将来を見通せないのが加算金と連帯債務です。加算金は、GPIFのリターン相当分を付利するという仕組みです。これは、リターンが決まらないと、決まらないということなので、付利の廃止ないしは低利の固定利率で対応した方が良いということです。
 それから、連帯債務に関しましては、全部返済するまで基金は結了しないという話ですが、事業者の納付義務が確定した時点で結了させて国に移管することをすれば、個々の事業所と国との間の納付関係になりますので、不納欠損が出たとしても、他の事業所には及びません。このくらいは、理屈のつく救済策ではあろうかと思います。
 第4点ですが、財政運営の在り方です。今日の資料にもありましたが、問題は総合型基金の財政運営です。ですが、諸外国における総合型の財政運営に関する資料は非常に少ないです。今日出てきた資料は、単独企業の確定給付制度の財政運営に関するものです。アメリカに関する先ほどの話も、単独事業主の確定給付制度に関するものです。
 総合型の財政運営の問題は、実は日本に限ったものではなく、言うのは簡単ですが、実行に移すのは、ハードルが非常に高いと思います。
 例えば、企業年金ではありませんが、有名なカリフォルニア州の公務員年金は、現在、予定利率7.5%です。アメリカの10年債の利回りは、今、2%を切っていると思いますが、かなり高い予定利率です。それから、アメリカの多数事業主制度も、大体7.5%が予定利率としての中央値だということが言われております。アメリカの制度は、非継続基準が多数事業主制度には適用されない等、様々な違いがあり、その点は認識していく必要があるということです。
 2つ目は、御説明の中にあったと思いますが、全体が5.5%必要ではありませんということです。8割の部分はGPIFの運用収益でOKなので、残りの2割が5.5%、その5.5%という予定利率を加算部分に適用しているのは6割だというような話です。その点は誤解のないようにした方が良いということです。
 それから、代行割れの基金の場合は、逆に予定利率を引き下げると、掛金が減少する場合があります。原因は、予定利率が変動しても、最低責任準備金は変動しないことです。そうすると、入ってくる特別保険料は予定利率が高いほど増えるということです。
 目的は予定利率を下げることではなくて、いかに掛金を積み上げるかということですので、綿密に財政計画を立てた方が良いということです。
 第5点が、給付減額の基準の見直しです。これに関しては、私は、認可をもって規約変更の有効性が担保されるわけではないと認識していまして、この前提を踏まえた上で、現在の給付減額基準が慎重に設定されたと思っています。
 そもそも月7,000円程度の総合型の加算部分について、これを引き下げることが、今回の一連の問題の解決策になるかどうかというと、これは、大企業のDB年金の給付水準を意識したような議論で、いささかずれているという気がします。
 第6点、解散要件の見直しですが、既に事業主や被保険者が公的年金の保険料以上のものを払っているにもかかわらず、代行割れを理由にして、公的年金が削減されるというのは、説得力がないのではないかと思います。
 第7点に、日本版エリサ法と書いてあります。これは、民主党の中間報告の中にあります。日本版エリサ法で何を想定しているかは不明ですが、私も少し勉強したことがあります。そもそも日本版エリサ法というのは、10年以上前からあった話ですが、それを踏まえて検討した結果、現在の企業年金法制が個別法になっていと理解しています。
 エリサ法は、非常に強い法律です。エリサ法に関係する部分は、他の法律の適用を排除します。それに対して日本は、DB法等の年金法も適用されますが、民法や業法等の他の法律の適用を排除しません。どちらかが良いかは、議論があると思います。
 第8点は、最初の回に申し上げたことです。規制の企画機能と監督機能、これは分離して十分な資源を提供すべきだということです。
 以上、長くなりまして恐縮ですが、私の意見の御説明とさせていただきます。
 どうもありがとうございました。

○山口座長
 ありがとうございました。あと、1時間しかございませんし、いろんな方の御意見をいただきたいので、資料を出していただいていますから、説明はしていただきますけれども、できるだけ皆さんから御意見を賜る形で運営していきたいと思っております。
 何か、御意見はございますでしょうか。
 では、永山さん、申し訳ないんですけれども、全体の時間を考えて御発言いただきたいと思います。

○永山委員
 今、私の方から申し上げるべきことを、小野委員さんの方がほとんど網羅されておるところがありますので、はしょって申し上げさせていただきますけれども、現場としまして申し上げたいことは、今日の議題にもあります、2つございます。財政運営のことと、もう一つは制度論なんですけれども、制度論と財政は関係しているとは思いますが、大きくなりますので、私としましては、現状の基金制度、これからどうするではなくて、現状の基金制度がどうなっているかということを御理解いただいて、そして、その中で、例えば一部手直しをするという余地が残されておりますので、それをしっかりしていただければ、基金の制度の風景といいますか、今、基金制度の風景が厳しい風景に取られていると思うんですけれども、少し変わった状況が見えてくるんではないかと思いますので、申し上げさせていただきたいと思います。
 まず、予定利率についてでございますけれども、これは、先ほどからありますけれども、厚生年金基金の予定利率、2つ、3つございますが、何度も申し上げておりますけれども、基本部分、代行部分につきましては、一応、予定利率というのは、財政規定がありますので、各基金は、そこで決めておりますけれども、その書いたまま、5.5%とまだ書いてあるわけですね。その基金さんが多いので、統計を取ると5.5%と出てしまうと。
 しかしながら、実際は、先ほど課長の方からも御説明がございましたけれども、実際は、GPIFの運用利回りを目標にすればよろしいということで、5.5%ではなくなっているということが、まず、ございます。そういう高いものではないということです。
 しかしながら、加算部分については、その基金独自の給付になりますので、例えば5.5%であるとか、4.5であるとかということはございます。
 しかし、運用を実際にしていくときに、合同で基本と加算と、低いものと5.5の高いものを累計して、例えば4%とか3%という運用目標になるかと思いますけれども、そういう運用をした中で、最近の運用状況から見ますと、高い部分、加算部分については、例えば5.5であれば、その運用実績をクリアーできないということで、不足金が発生しているということがございます。
 もう一つは、GPIFさんにも、10年間最近のところを見ても、基金の方が負けているということがございます。その負けているところは、ポートフォリオが違っておりますので、国の方が債券が約7割以上ありますと、それで、かなりのリスクが低いところで、収益を取っておりますけれども、基金の場合は、総合的に見ますと、4割から5割くらいが株式に投資しておりますので、ここがやられている大きな問題であるということが言えるかと思います。
 そうなってまいりますと、今後につきましては、財政の健全化を図るために、加算部分の、先ほど申し上げた5.5%というようなところが、その基金さんで考えて予定利率を下げるということをしていきませんと、不足金を、今後発生する可能性がまた残ってくるということが言えるかと思います
 ですから、最終的に申し上げますと、国の運用利回りを目標にするわけですけれども、そこをしっかり、もう一度中立化しているというところを、私どもは認識して、目標収益率、リスクを考えた運用をする、アセットミックスをつくるということが、大きなところかなと思っております。
 それから、予定利率を下げる場合の給付減額につきましては、先ほど説明がありましたように、かなり厳しい、もしくは業界全体の過半数以上が、過去5年間で赤字でなければ、給付減額は難しいですよ、もしくは掛金を引上げなさいということはありますけれども、これは非常に難しいといいますか、中小企業の場合、金融機関等の関係もありまして、すべて赤字というわけにはいかない。それを出せと言われて、そろったもので見たら黒字が多いですねと言われて、だめですよとなりますと、現場としては、いかがなものかということがありますので、その辺の中小企業の経営の実態をよく考えていただいて、お願いをしたいということがございます。
 積立不足への対応ということで、3つほどございますけれども、積立不足は、先ほど申し上げましたように、運用の関係で、過去のリーマンショックもしくはサブプライムローン関係の市場の荒れた中で、19年、20年度で株価が大きく下がりましたので、その影響で積立水準が下がっていると、代行割れしたということがあります。
 資料をごらんいただきますと、過去の10年間の積立水準の表がございますけれども、横にずっとながめていきますと、19年、20年度のところで、かなりの資産を棄損しております。ですから、これは先ほど申し上げたような、株式が下落したので、基金の資産が棄損したということで、ここでGPIFの方は、比較的そこのやられ方が軽微だったということで、相対的に基金の方が負けているということでございますので、何度も申し上げますけれども、基金と国の方との運用の基準となりますと、GPIFさんの実績に負けない、もしくは若干勝つというところが目標になってくるのかなと思っております。
 2点目は、制度面でございまして。

○山口座長
 ちょっとはしょってお願いします。

○永山委員
 最低責任準備金のことで、1つ、0.875は是非やっていただきたいと思います。これをやりますと、私の試算をしますと、10%くらい、0.875が上がっていきまして、最低責任準備金が小さくなりますので、解散する基金さん、現状、今、運営されている基金さん、すべてがそうとは思いませんけれども、かなりの改善がされるということで、公平化というか、中立化が図られるということがありますので、是非、ここはお願いをしたいと思っております。

○山口座長
 ありがとうございました。それでは、ほかの委員の方、是非、御意見をいただきたいと思います。
 森戸委員、どうぞ。

○森戸委員
 基金制度の在り方については、後でまた一言いわせていただければと思いますので、前半の方の財政運営、給付減額要件の話について、一応、法律家として一言だけ。
 小野さんがおっしゃったことと同じかもしれませんが、給付減額要件が厳しいからAIJ問題が起きたのかというと、恐らく違うと思いますので、給付減額の要件が、他方で厳しいとか、規制を緩和せよという意見は前からあったわけです。それでは、厚年基金のみではなくて、DBも含めてあったわけで、厚年基金について議論するこの場でDBも含めて全体に関わる大きな話に、早急に結論を出していいのかという疑問はあります。
 厚年基金の会議ですから、今、永山委員からもお話があったと思いますが、具体的に基金の現場で、給付減額要件について、どう困っていて、それがどこで、どう障害になっているかということを具体的にもう少し知りたいと思います。
 それを頭に置いた上で、そもそも給付減額の要件、実際には、受給者減額の要件が問題になるんだろうと思いますが、受給者減額だけではなくて、そもそも厚生年金基金の場合は、法令上は、一切減額できる根拠はないので、全部通知のレベルですね。DB法は施行規則まで書き込みましたけれども、本来、法律を見る限りは減額はあり得ない前提でできているということは、まず、認識する必要があると思います。つまり、減額は例外という位置づけなので、その原則を大きく変えるかという話にもつながると思います。
 それで、基金も実質は、加算部分については労働条件だと思いますので、労働法理との比較からすれば、理由とか手続要件という2つの異なる要件で、組み合わせで考えるというのは、妥当なんだろうと思います。
 理由要件、今、永山委員がおっしゃったことも配慮すべき点、あると思いますが、確かに数字で機械的に線を引く問題ではないという経営判断に関わることなので、そういう配慮は必要かなと思いますが、他方で、行政の認可承認基準なので、一定の明確性も要るだろうというところはあります。
 手続要件は、主として労使合意でしょうが、一時金精算要件とのバランスを考える必要はあるかと思います。つまり、3分の2合意を取らせて、かつ、一時金でも出せるというのは、もしかしたら、確かにちょっと厳しいかもしれません。どっちかにする、例えば3分の2合意が取れれば、一時金精算を認めなくていいとか、一時金を認めるから3分の2は要求しないとか、そういう考えは、私がそうしろと思うわけではありませんが、そういう考え方はあるかもしれないと思います。
 あと、一時金精算の金額の割戻しの利率についても、果たして妥当かどうかの検討も必要かと思います。
 あとは、解散要件ですが、減額要件とのバランスというか、それは、ちょっと考えなければいけないかなと思います。つまり、解散させないためには、減額要件を余り厳しくしないというバランスというか、配慮はあるのかもしれないというふうには思います。
 以上です。

○山口座長
 ありがとうございました。今は、財政運営の在り方の方を先にやっておりますけれども、これについて、御意見がございましたら、お願いしたいと思います。
 臼杵委員。

○臼杵委員
 今日いただいた2−1の7ページのところで、非継続基準で、最低積立基準額の100%または最低責任準備金の105%を下回った場合の回復計画なんですが、1つは、今日いただいた諸外国の資料、先ほど小野委員がおっしゃったように、どちらかというと、単独型を念頭に置いたものだということはそうかもしれないんですけれども、ただ、積立不足を回復する期間がこの7か年で果たしていいのかどうか、逆にいうと、なぜ7か年なのかということ。
 それから、このときの回復計画の中での想定される運用利回りといいますか、予定利率ということになるのかもしれませんが、これは、どういう計算になっているのかということを事務局の方にお伺いしたいんですけれども。

○五十里室長
 回復計画は、下にも書いてありますけれども、5年後に廃止をするとしておるんですけれども、今やっている回復計画につきまして、何で7年かというのは、正直定かではないんですけれども、大体7年くらい、継続基準が3年から20年ということで回復していいということなので、大体その間くらいで7年というふうに、当時決めたんではないかと思うわけです。
 それで、回復計画、どういう利率を使うかということなんですけれども、従来、各基金の予定利率で資産が回復すると、こういうふうに見込んでおりました。したがいまして、多くの基金が5.5%で回復すると。
 それが、結果的に、回復しないものを回復させているんではないか、回復しないような計画をつくっているんではないかという批判もあり、この前の見直しのときに、基金の実際の運用利回りであるとか、非継続のリスクフリーレートであるとか、そういったものを基に回復させると、そういうふうに見直しているというところでございます。

○臼杵委員
 そうすると、今までは、代行部分についても、例えば、5.5%が上乗せ部分の予定利率であれば、5.5%を使っていたけれども、そこを、今、改めたということでよろしいんですか。

○五十里室長
 絵に描いた餅になっていたので、それは改めてちゃんとやるというふうに、この4月から変えているということでございます。

○臼杵委員
 わかりました。後者については、ある意味仕方がないかなというか、妥当ではないかと思います。けれども、7か年が本当に、今のお話でいくと、余りしっかりとした根拠がないということかと思います。
 それから、先ほど、事務局からの説明もありましたように、ある意味、厚生年金本体の方に一体化されていることを考えると、
確かに、年金というのは、長期のものなので、長期的に見なくてはいけないけれども、ただ、長期で、ある平均的な水準に収斂するとしても、その平均的な水準がどのくらいであるかというのは、リスクであるわけです。それが、本当に5.5%なのか、2.0%なのか、場合によってはゼロなのか、そのリスクが、今のままだと、厚年本体の方に移転されているというか、負わされているという問題はあるのかなと。そういう意味でいくと、回復の期間はもう少し短くてもいいのかなという気が、私はしています。
 以上です。

○山口座長
 では、花井さん。

○花井委員
 まず、今日出された資料を見させていただきまして、例えば、リーマンショックとかサブプライムローンとか、さまざまな国際金融の動向によって、これだけ大きな変化が出ているということは、やはり制度の安定という点で、大変信頼を持つことはできないなというのが感想です。
 先ほど、歴史を説明いただきましたが、そういう意味でいうと、厚生年金基金の歴史的な役割というのは、もう終わりではないかと思っております。
 直ちに代行制度の廃止とはいかないことは、十分承知しておりますので、年月をかけて廃止することを検討すべき時期ではないかということを、まず、述べておきたいと思います。
 その上で、給付減額ですが、これは賃金の一部です。退職金という意味で、私どもは、この減額のルールを緩和する、それから廃止という意見もあるようですが、そういうことは、容認することはできません。
 それから、解散手続のところで、質問になりますが、給付減額の場合は、受給者の同意要件が付いているんですが、解散のところでは、受給者への解散説明、解散理由等に係る説明であり、受給者の同意要件が全く付いていない。受給減額とのバランスを欠いている。そして、受給者の発言権は一体どこで担保されるのか、なぜ、こうなっているのかが質問です。
 それから、先に戻るんですが、4ページのところです、私は運用は素人ですので、教えていただきたいのですが、この掛金引上げは1年と決まっているのですか、今年の1月からということですが。それから、猶予した分は、一体どういうふうになるのか、その辺りを教えていただければと思います。
 以上です。

○山口座長
 事務局、どうぞ。

○渡辺課長
 簡単に申し上げます。まず、後者の方ですが、この猶予というのは、今年の4月から本来上げなければいけないものを、25年の4月から上げるということを規約に書いた場合に限って1年間猶予するという仕組みになっています。
 猶予した不足分というのは、勿論、なくなるわけではございませんので、それは1年後からまた償却していくということですので、言ってみれば、償却を少し平準化するということで、免除ではないということでございます。
 それから、解散のところですが、ここは、ちょうど平成9年の給付水準の引下げの基準をつくったときに、併せて解散の基準ということもつくったわけですが、当時、受給者について、どれくらい細かい議論があったかということは、調べてみる必要があると思いますが、基本的には、解散というのは基金そのものの存廃に係るということで、また、手続面でのスピード感ということも必要だということもあり、基本的には、ここにありますような、現在、基金を運営している加入者と、それから事業主の同意ということを基本につくったと思います。受給者に対しても、きちんと丁寧な説明をするようにということは、ここの中に加えたということかと思っております。

○山口座長
 どうぞ。

○翁委員
 今、花井さんが、リーマンショックとか、そういうことで非常にボラティリティーが上がったというお話をされたんですけれども、年金を巡る環境というのは、やはり少子高齢化というのが、非常に私は大きな影響を与えていると思います。 と申しますのも、やはり少子化が進んでいくということは、労働人口が減少していくということですので、そうすると、労働と資本の相対関係で考えれば、マクロ的には資本の限界生産力が減っていって、実質利子率で見ていくと、長期的には低下していくということになっていきます。いろいろな内外の予測なども出ていますが、ほかのいろいろな危機とか、そういうことで、金利がはねるとか、そういうことはありますけれども、普通のマクロ経済学的な考え方によれば、やはり実質利子率は低下していくということだろうと思います。
 その意味で、特に先進国、日本のような少子高齢化を迎えている国にとっては、どのような年金でも、難しい局面というのは、今後も続いていくんだろうと思います。年金にとって厳しい環境というのは、一時的なものだけではないんではないかというのが、私の認識でございます。
 あと、解散に関しましては、やはり、特に総合型について、連帯責任を負うような形になっているのは、非常に大きな問題であると思っています。 それで、先ほども詳しいお話がございましたけれども、やはり総合型基金が、こういった制度であると、どんどん中小企業の連帯倒産というような方向になってしまいます。そういたしますと、非常に経済全体にも大きな影響を与えますので、少なくとも特例解散のときに、企業が連帯責任を負うような形は、基金との契約になっているがゆえだと思うんですけれども、やめていき、それぞれの企業の債務を確定するとか、そういうような形にしていく必要があるのではないかと思います。そこの制度の工夫が必要ではないかと思います。
 それから、総合型の基金について、この解散手続で本当にいいかどうか、もう少し基金の事態が悪化する前に柔軟に考えていくべきではないかというような印象を持っております。この辺についても議論が必要ではないかと思います。
 ただ、いずれにせよ、どういう受け皿を中小企業の方たちに用意していくかという議論なしに、やはり解散とか、そういったことは簡単には議論できないので、中小企業の人たちにとってどのような企業年金制度を用意していくかということと並行して、この問題は議論していかなければならないんではないかというふうに思います。

○山口座長
 ありがとうございました。濱口委員。

○濱口委員
 給付減額のルール、特に受給者減額のルールについては、緩和の方向で検討すべきと思います。日本の場合には、デフレの長期化や現役の給与水準の下落という状況があり、受給者の給付水準を据置くということは、実質的な給付水準の引上げになっているケースもあるわけで、その辺も考慮する必要がある。
 国の制度でも、スライド調整率の削減で実質的な引下げをするルールがあり、欧米でも積立水準が悪化した場合には、やはり調整率を削って実質引下げをルール化しているケースがある。給付減額ルールがきついことで、日本の企業年金では実質引上げになっているとすれば、やはり是正する必要がある。
 具体的には、理由要件の中の経営状況の悪化と、手続要件の中の減額前年金額相当の一時金支給を見直すべきでは。経営の悪化が続いて、結局基金が解散してしまえば、結果として受給者の権利が減額以上に侵害されるケースも十分あり得るわけで、これは不合理。一時金支給の条件は、減額とは矛盾するわけで、特に今の低金利で割り引くと非常に負担が大きい。
 受給者減額の条件が厳しいので、受給者の同意を得る必要がない解散の条件の方が実質的に容易ということになって、かえって解散の方に流れて、結果として受給者の損害が大きくなっているというケースもあるのではないかと思うので、その辺の整合性も含めて、再検討が必要と思います。

○山口座長
 ありがとうございました。ちょっと時間の関係もありまして、また、この2番について御意見をいただくことは構いませんけれども、一応、ちょっと先に進ませていただきたいと思います。
 3番の厚生年金基金制度等の在り方ということで、ここでは、事務局の資料では○が5つくらいありますけれども、代行制度の意義・役割、深刻化する代行割れ問題への対応、総合型厚生年金基金の在り方、中小企業の企業年金の在り方、その他といったようなことが、ここに出ております。
 資料は、先ほど御説明いただきました資料2−2というものが対応しておりますので、こちらの方に少し入っていきたいと思います。御意見をいただければと思います。
 どうぞ。

○蟹江委員
 私も今日、資料5のペーパーを出していますので、すべては述べませんが、在り方について触れます。そもそも厚生年金基金制度について、もっと丁寧に議論を進めてほしいと思っています。この厚年基金制度は、40年以上も生きてきている制度であるということ、これを、まずは十分に認識すべきだろうと思います。
 それで、厚労省の会議資料のことですが、丁寧な説明もありますけれども、私の所感として4点、予定利率の問題、それから、代行割れ基金の問題について、これは、小野委員とか永山委員からも詳しく話がありましたけれども、この問題。それから、金商法上の投資家区分の問題。それから、運用に携わる役職員の問題。この4点は、もう少し丁寧に説明をしていただいた方がよいだろうと思います。
 その次のページですけれども、3点申し上げたいとしています。厚年基金制度について、将来的に廃止と言われていますけれども、とにかく現実的に生きている制度の強制終了によって、一番被害を受けるのは、加入者と受給者であることは、まず、間違いがないと思います。廃止という措置につきましても、これは、受給権保護の観点から見れば、どうなのだろうかと思いますし、また、その減額以上にダメージが大きいのではないかと思います。
 代行部分があるからこそ、これは、中小企業の年金であり、そのほかの年金にも絡むわけですけれども、厚生年金基金は、中小企業の事業主や従業員にとってメリットのある制度であると思うわけです。要は、私としては、厚生年金基金という制度は、終身保証も伴う日本特有の優れた制度であると思います。やはり、代行部分を取り去りますと、資産規模が著しく少なくなりまして、資産運用の効率性が減ってくるという中で、DBやDCといった企業年金の形態での存続は極めて困難であると思います。
 また、よく言われているDCにつきまして、DCもつい直近の年金情報という業界誌によりますと、150万人が対象者のユニバースですけれども、この3月末での平均運用利回りは0.7%くらいになっているということで、こちらも運用の影響を大きく受けているわけです。恐らく、このDCについて、企業が想定している利回りは2%から3%の間でございますので、これは、言うならば、将来得るべき退職金が減ってしまうということにもなりかねないということでございます。
 それから、確かに大手企業につきましては、厚年基金から代行返上しまして、DBやDCに移行したところもありますけれども、しかし、大手の企業を支える多くの企業群、中小企業群につきましては、なかなか移行がままならないというのが現状でございます。我々はもっと共感を寄せるべきではないでしょうか。
 先ほど小野委員からもありましたけれども、厚年基金の廃止につきましては、企業年金が大企業の正社員のみの制度であるという構図を結果としてつくり上げてしまうのではないかと思います。AIJ問題に端を発する昨今の議論につきましては、とにかく年金制度の運営に必須な連帯意識が欠けているのではないかと思えてなりません。
 ご存じのように、適年がこの3月で終焉を迎えましたけれども、企業年金に移行できましたのは半分にも満たないと聞いておりますので、その半分の方々は、結果として企業年金のメリットを失ってしまったということでございます。
 ということで、制度存続に関しましては、労使双方へのインセンティブを考えていただきたいと思います。特に、制度存続に向けまして、本当に改革努力をしている基金は多いと思います。そういった基金、やる気のある労使は多く存在しますので、その辺りにつきましては、是非、労使自治、労使合意の尊重と、適切、懇切な指導をお願いしたいと思っております。
 残りの2点、予定利率と今後の経済見通しについては、省かせていただきます。

○山口座長
 よろしいですか、どうぞ。

○山本委員
 1番目の○の代行制度の意義、役割というところに、ちょっと関連するんですけれども、私のいるような業界というのは、日本の少子高齢化と一緒で、かなり年寄りが多いような形になってきているんですけれども、例えば、日本の中でも、わかりやすい例でいうと、ITであるとか、情報であるとか、ああいった産業というのは、非常にまだまだ日本全体の少子高齢化よりも、もっと若年層の人たちが入ってきて働いている。
 そういった産業の厚生年金基金制度を1つ例に取りますと、非常に成熟度もまだまだ若くて、財政運営もきっちりしている。
 先ほど、事務局からの説明にしましても、厚生年金基金制度というのは、日々進化を遂げているような印象を受けまして、中立化をしていったり、いろんな工夫を重ねて、よりよき制度にしているように見受けられます。
 一方で、この細かい議論、今日の議論全体に、私は特に反対というところではないんですけれども、代行割れをしているとか、指定基金とか、極めて悪い状態に陥ったところばっかり聞かされた感じがしておりまして、そうではないところ、そういったところを議論せず、あるいは注目せずに一律に悪いところを基準としてやっていくというのは、自分の中では腑に落ちません。何とか、悪いところは悪いところ、そういうセグメントは致し方ないものだと思いますけれども、ちゃんとうまくいっているところというのは、うまくいっているというふうにして、セグメントを分けて議論をしていくことが、私自身にとっては、非常にすっきりするなという感じでおります。
 以上です。

○山口座長
 永山委員、さっき済みません、時間で、はしょってもらったこともありまして、ここで、総合型厚生年金の在り方等がありますので、ちょっと、また、御発言いただきたいと思います。

○永山委員
 今、おっしゃったことでよろしいと思いますけれども、まず、中小企業、99%が我が国は中小企業であるわけですし、二千何百万、三千万近くの方々がおられるわけで、今、大企業の方々、DCとか、13年、14年に移行されましたけれども、総合厚生年金基金の中小企業400万人、500万人といわれる方々が、退職の制度とか、そういうところは、非常に弱い、もしくはないというような状況にあります。
 それで、日本の国ですから、現役のころには、大企業、小企業、いろいろございまして、賃金差異があるのは仕方がないとしましても、老齢になれば、だれでも老齢になって死ぬわけですので、何十年間の間、退職していく中で何もないということは、ちょっといかがなものか。要するに、日本人の公平性からいけば、ちょっといかがなものかということで、やはりその制度は、今、必死に守っていこうということで、厚生年金制度をやっているわけですし、今、山本さんからお話がありましたように、64%の基金が何もなく、問題なくやっておられるわけですね。大多数が問題ないわけです。ですから、そういう方々が、ここの議論を、何でそうなっているんだろうなという、逆にけげんなことを思われているんではないかと思います。
 ですから、何度も申し上げますけれども、制度は存続をさせる、それで、やっていけないところ、例えば、過去からの積立不足が対応できなくて、とてもこれから掛金対応ができないというので、代議員会でも解散をしたいという議決をしているというところがあったり、もしくはこれから議決をしたいというところにつきましては、これは労使の自治でございますので、認めてあげて、なかなかいけないということは、先ほどからありますように、連座制ということですね。昨年8月に行われた、倒産したところが、最後までいらっしゃいということで負わされると、これは中小企業からすれば、リスクの何ものでもありませんので、踏み出しようがありません。ですから、制度そのものが企業を殺しているということにもなりかねませんので、厚生年金基金の事務局は、もうあそこは足を向けたくないという事業主も結構おられますけれども、今、そういう状況にあるということですね。
 ですから、本当は、そういうことではないわけですね。厚生年金基金というのは、年金を差し上げて、いい老後をという形でやっているはずなんですが、どうも風潮が、最初の入り口が間違っていたものですから、報道を含めて、ちょっと違った風景になっているかなと思います。
 もう一点ですけれども、先ほどからありますように、厚生年金基金が、運用が厳しいと、労働省さんの方のものに書いてあるんですけれども、それは、そうではないんではないかと、そういう言い方はないと私は認識しておりまして、運用が厳しいから任せられない、要するに制度をやめるということではないと思います。厳しい年もあります。また、いいときもあります。そういうある程度長期のスパンの中で年金制度は運営されますので、当然、積立水準も、先ほどありましたように、リーマンショックのときは8割方、どかんとみんなやられました。しかし、翌年からは、また戻ったり、今も少しやられていますけれども、それは株式とか、先ほど申し上げたポートフォリオの中で資産構成の中で特性がありますので、そこはこれから修正していけば、絶対にやっていける制度であるということで、そんなリスクはないというふうに思っております。
 以上でございます。

○山口座長
 ありがとうございました。玉木委員。

○玉木委員
 今日の話を伺っていて、いろいろ思うところがございますが、この厚生年金基金という制度は、約半世紀前に始まって、その後、いろんな環境変更に遭遇していると思います。
 その結果、一部の基金においては、非常に厳しいことになっている、特に地域あるいは業種が長期低落傾向にあるような場合には、大変厳しいことになっているという点はあるんだろうと思います。
 厚生年金基金という大変大きな制度、あるいは何人かの委員の方々から御指摘があったように、ちゃんとした歴史があって、それで、うまく動いている部分もたくさんある、そういう制度でございますので、これについて、その制度全体の先行きを議論するのは、幾らでも時間やエネルギーをかけばいいと思いますけれども、ただ、目の前にあることについては、なるべく早く処理をしていくということも必要だろうかと思います。
 その意味で、例えば、非常に厳しい状態にある基金が、これから、どのように扱われていくことが、勤労者の権利を守り、あるいは人々の年金制度の信認の維持あるいは増進に資するのかということを考えた場合には、非常に困ったことが起きたときに、人々が直面するような不確実なことを、なるべくルールを一生懸命つくって減らしていくというのが建設的なことではないかと思います。
 この点については、厚生労働省を始め、各御当局の皆様の格段の御努力を是非期待したいところでございます。
 もう一つ、不確実性という点では、加盟している企業の方々にとりまして、この基金の解散といったことが、連帯債務という仕組みを通じまして、自分の企業の財務にどういう影響が、どれほど生じるのかという点について、定量的になかなか把握しにくいとなると、これは、企業経営上、大変大きなことではないかと思います。
 この点についても、制度の趣旨あるいは年金制度の枠を少しは超えた経済全体あるいは産業というものに対する考え方も含めた、少し幅広い議論をした上で、妥協するところは、妥協していくといったようなやり方を取っていきませんと、いたずらに余り力のない主体の上に、非常に大きな不確実性が乗っかり続けるというふうなことになってしまい、これは、いろんな意味でよろしくないと思います。そのような不確実性をある程度払った上で、厚生年金本体といいますか、全体の議論をまた新しい方法でやるといったことは十分に可能なんではないかと思ってございます。
 以上でございます。

○山口座長
 鹿毛委員。

○鹿毛委員
 全体の議論の立て方として、いささか乱暴かなという感じがします。要は、私もサラリーマンを何十年もやっておりまして、給与明細表を見ると厚生年金基金と厚生年金保険というのが、何万円かずつずっと取られていましたけれども、その2つの違いについては、実は年金の仕事をやるまで全然理解していませんでした。
 総合型基金の450万の加入者、280万の受給者の中で、ここで議論しているような、例えば、そのうちの8割は代行だとか、代行とは何か、といったことはほとんど理解されていないのではないかと思います。
 そういう状態で、加入者、受給者の方が突然、年金制度を廃止するかどうかということを、聞くとどう思うのか?恐らく、もう自分は年金がもらえなくなってしまうんだなと、受け止められるかもしれません。廃止という言葉のインパクトは物すごく大きいだろうと思います。
 一方でかなりわかった人は、今まで払った分は、一時金で返ってくるが年金給付はなくなるのかなとか、8割が代行だったとしたら、その部分は基金の代わりに公的年金から支払われるのかといった将来のイメージが浮かぶと思います。今日の事務局のお話を伺っても分かる通り年金制度は極めて複雑です。ですから廃止ということを議論されている方も、730万の方の既得権といいましょうか、今まで積み上げてきたものは、何らかの形で維持するという大前提があると思いますが、そういうところがこれまでの議論では余りはっきりしていない。確かに総合型基金には問題はたくさんあるし、このままでいけるかどうかという懸念はあるでしょうが、その際に、議論の立て方としてその先をどうするかということも含めた議論が必要だと思います。逆にいいますと、今日も事務局からお話がありましたように、産業自体の盛衰もあり、環境は大いに変わってきた、事業主にとって確定給付年金を維持するとのは非常に負担が重いわけですね。だから、アメリカでもイギリスでも、どっちかというと、確定給付をやめて401kにしようという動きがあるわけです。
 それを日本の企業は、いい意味の日本的な労使慣行の中で、大企業も中小企業も本当に歯をくいしばって続けてきているという面があると思います。特に総合型に関しては、730万人の関係者がいて、放って置けば受給ができなくなるケースが出てくるかもしれないものを、どうやったら救っていけるかという議論が必要でしょう。
 制度の是非の議論の前に、加入者、受給者の論点が明確になっていくと、より建設的な議論になると思います。
 それから、今、申し上げましたように、事業主にとっても非常に負担が重いにも拘らず、日本の企業は非常に頑張ってやっている、と考えれば、今日伺った財政運営基準についてももう少しスポンサー、フレンドリーに出来ないか、という方向性が見えてきます。基準の中で、今日も何点か関係者から要望がありましたけれども、どちらかといえば、厳しくというよりは、むしろ制度を支援する観点で整理していくという考え方も必要ではないのかと思いました。
 個別の議論はこれから出てくると思いますが、総論としては、この2点をもう少し、皆さんと一緒に議論したいと思います。
 以上です。

○山口座長
 ありがとうございます。では、花井委員、お願いします。

○花井委員
 私は、廃止すべきだということを言っていますが、かといって中小企業の労働者の皆さんの企業年金がなくなってもいいということではありません。明日から解散というわけにはいかない。やはり中小企業で働く人たちの企業年金の在り方どうあるべきか、ということは考えていかなければいけないことだと思っております。
 その上で、なぜ解散すべきかと、これが公的年金を使っているからです。確かに自分が加入している基金なのか、企業年金なのかわからない、そのとおりだと思います。私も周りの方に聞いたら、自分が何に入っているのかわからないという人がほとんどですから。それと同時に、6,300億円の公的年金が、代行割れしていることも知られていない。ということで、そこの問題をどう考えるかということを強く主張したいと思います。
 少子高齢化の中で、公的年金の財源確保のため、給付削減の措置がずっと取られてきているわけです。その上で、公的年金の百年安心かどうかはわかりませんが。中小企業の労働者も保険料も払っているわけですが、そこが更に減っていく要因の制度というのはどうなのかということです。企業年金もない労働者もいるわけです。そこを私はやはり強く考えていただきたい。企業年金だったら、ある意味規制が緩やかでもいいでしょうし。しかし、公的年金をこれ以上減らす要因というのは、やはりやるべきではないということを主張したいと思います。
 以上です。

○山口座長
 永山委員。

○永山委員
 今、花井委員さんがおっしゃったことなんですけれども、もう一回お願いしたいんですけれども、例えば、今の資料の論点2の11ページをごらんいただきますと、今、平成22年度の基金の不足金が6,100億円くらいと一番下にございます。剰余は700億と大分小さいんですけれども、例えば、左にずっといきますと、例えば18年度とかになっていきますと、不足金、例えば19年度から20年度というのは、もっと大きかったということがあります。動きが毎年、毎年不足金というのは動いておりますので、単年度だけで、そこにフォーカスを当てて、ですから、こうですということは、済みません、恐らく、財政運営、例えば年金の運営というのは、ちょっと違うんではないかと、私は思っておりますので、年金基金の財政運営というのは、5年ごとの財政再計算をやるという御説明がございましたけれども、5年間のプラスマイナスを5年目で清算をして、将来の掛金率を決めるというようなことをきちんとやっておりますので、そのときに、この6,000億の不足金はどうするのか、仮にこれがすべての基金が財政再計算であれば、これはどこか消さなければいけないと、そうすれば、当然掛金を上げるとか、そういった対応をしなければいけないわけなので、そういう基金全部がそろいませんので、ばらばら残っておりますけれども、そういう個々の基金にとっては、対応しているということは御理解いただいて、お願いしたいと思います。
 以上でございます。

○山口座長
 森戸委員。

○森戸委員
 これは、事務局への要望かもしれませんが、財政中立化が議論された審議会の資料とかがありましたけれども、見ていると、最初に財政中立化ありきというか、中立化しなければいけないんだ、だから、こういうことをするという、割とそういうトーンが多かった気がするんですけれども、何でそもそも財政中立化を図らなければいけないという話になったのかを、当時の議論、建前でいいので、それがちょっと知りたいと思いました。
 それで、確かに、財政中立化で、それから小野委員がおっしゃったような、もし、完全に中立化をすれば、更に言われているほど代行は負担ではないし、要するに国からの預かり金みたいな話になるのかなと思うんですけれども、そうすると、そもそも何で国から、公的年金からわざわざそのお金を預けて、もしかしたら棄損してしまうかもしれないリスクにさらす必要があるのかということは、ちゃんと説明ができないといけないと思います。
 それは、運用のスケールメリットを与えて、上乗せだけだと薄くて、金融機関としても商売にならないし、運用していけないから、公的年金部分も上げて、預けて一緒に運用するメリットを与えてと、それが中小企業の労働者の人の企業年金なんかに結果的につながるんですよという説明は、一応、わかるといえば、わかります。
 それで、非正規の人が、どのくらいのボリュームで、今、入っているかどうかぴんとは来ないですが、少なくとも中小企業労働者のためというのは、一応納得できる理屈ではあるかと思います。
 問題は、その目的と、公的年金のお金を預けて、外に出すリスクと、この比較衡量で、今後も前者が上回るといえるかどうかという話だと思います。
 それで、これは、ちょっと刺激的な言い方かもしれませんけれども、もし、なおメリットが、厚生年金基金の代行のメリットが上回るというんだったら、何で、今からもっと新しく厚生年金基金を、みんなにつくらせないんだという話になるんじゃないかと思います。
 少なくとも、今の基金は、これまでやってきて、ちゃんとやっているから、やらなければいけないんだという意見はあるけれども、もっと中小企業の労働者のためには、みんなもっと総合型基金をつくりましょうという話にはなっていないわけで、それは現実としては、なかなか日本のおよそすべての中小企業労働者のために、総合型が、これからも主力の制度としてやっていけるものではないということは、残念ながら言えるのではないかと、私は思います。
 それで、その後の姿が見えないという小野委員の意見なんかもありましたけれども、それは、そのとおりで、ですので、臼杵先生とか、私の同僚の租税法佐藤先生とか、いろいろ日本版のIRAとか、個人アカウントのプランとか、いろんな提言がなされていますので、そういうことも含めて、企業年金ということにとらわれずに、中小企業の労働者とか非正規の人の老後に向けての自助努力をサポートする、新しい枠組みみたいなもの、それに公的にどういうようなサポートが必要かということは、議論は並行してしなければいけないと思います。
 ただ、現状、厚生年金基金をうまくやっているところ、やっていきたいところがあるのは事実なので、何か一律廃止というのは、やはり乱暴かなと、私は思います。
 私の考えでは、これもちょっと乱暴な意見かもしれませんが、厚労省の方で積極的に解散命令みたいなものを行使すればいいんじゃないかと思います。現行法上、すぐ可能かどうかは疑問ですけれども、労使合意でつくっているそういう制度で、何でそういう強権を発動するのかというと、その根拠は、公的年金財政を棄損しないためです。やはり国の金を預けているので、これ以上預けていたら、国の方の財政が、悪い影響を与えてしまうと国が判断したら、その基金はやらせないと、代行はやらせないというのが、1つの根拠になるかなと思います。
 この観点から、今後、やっていけそうもない厚年基金は、何とか解散なりで、手仕舞いさせて、しかし、やりたい、やれるところは、別にずっと制度として、これまでもやってきたわけだし、別に全体の厚生年金基金制度を廃止する必要はないのかなと思います。
 もう一言だけ、ちょっと前のテーマに戻ってしまうかもしれませんが、例の特例解散で連帯責任を負ってしまって、最後、中小企業がかわいそうだなというのは、そのとおりで、私も今の枠組みだとちょっときついなと思うんですが、ただ、一応、その前提は、最終的に特例解散でも、最後、企業が払えずに負担しなければ、それは結局は公的年金の方に負担に跳ね返るというか、つまり、中小企業の人がかわいそうだねというのは簡単ですけれども、では、その分、みんなで公的年金の財政でその分は負担するんだよというのとセットなので、そこを理解した上でこの仕組みも議論しなければいけないんではないかと思います。
 私からは、以上です。

○山口座長
 前段は御質問がありましたね。

○森戸委員
 別に今日じゃなくてもいいですけれども。

○山口座長
 小野さんは、今、言及されましたけれども、何か御意見はありますか。
 よろしいですか、ほかに、臼杵さん。

○臼杵委員
 3点申し上げたいと思います。
 1つは、これは、民主党ワーキングチームの中間報告とも関係して、それから、さっき小野委員がおっしゃったことと関係するんですが、例えば、ワーキングチームの中で、中小企業の影響緩和措置ということを一方でおっしゃっていながら、例えば、2の総括の方では、公的資金で新たな負担を伴うことなくというようなことをおっしゃって、そうすると、結局、中小企業の影響緩和措置をして、公的資金も出さないということだから、一体これは、どこから緩和措置のお金が出てくるんだろうという感じがしないこともないということであります。結局、掛金の負担ができないから、今、こういう状況に陥っているわけで、どこからかお金が出てくるのかどうか。
 それで、資料2−1の10ページで、先ほども永山委員からも言及がございましたけれども、今、不足額が6,000億円くらいですので、これは、勿論、いろんな方法で、例えばさっきの0.875の問題とかを緩和すれば、もう少し小さくなるでしょうし、実際、本当に困っている基金というのは、非常に少ないということで言えば、仮に公的資金で救ったとしても、厚生年金本体の財政から見れば、非常に少ない額であります。
 勿論、いたずらに救うとことは、モラル・ハザードとかの問題がありますから、かなり条件としては、厳しくする必要はあると思いますけれども、これ以上事態を悪化させないための1回限りということであれば、公的資金で救うとことも選択肢としてはありうるのではないかと思います。
 2つ目は、確かに、今の2−1の10ページの最後のところ、今、6,289億円積立不足があっても、最低責任準備金以上の基金さんも382あるということで、しっかりとした基金さんも、勿論、たくさんあるわけですね。ただ、例えば、今の困っている基金さんも、10年、20年前は、かなり隆々とした基金であったという可能性もあるわけでして、もし、基金制度を更に維持していくということであれば、その維持することが、逆に厚年本体にリスクを負わせないような方法も考えていく必要があるのではないか。
 それは、先ほど出ておりますけれども、積立基準でありますとか、場合によっては、厚年基金の中で、支払保証制度をつくって、隆々としている基金が、環境の悪化によって厳しい状況になった基金を救うとか、そういうことも連帯という面では考えられるのかなと思います。
 3点目は森戸先生からも御指摘がありましたけれども、それから、永山委員からも御指摘がありましたけれども、果たして、基金の運用が本体と比べて効率的であったのかどうか、1年で確かに見るということは難しい、余り適当でないということであれば、例えば、13年度から22年度にかけての10年間で、GPIFと厚年基金の運用がどの程度、単に利回りが高いとか、低いだけではなくて、リスクも含めて、どちらが効率的だったのだろうかということは、本来は検証されてしかるべきだと思います。

○山口座長
 ありがとうございました。濱口委員。

○濱口委員
 制度に関連して、効率的な運営をするために、同一地域とか、同一業種で基金が合併し、規模の拡大を図ることも大事です。現在、どういう点が障害になって合併が進まないのか調査して、法令とか通達で改善すべきところがあれば検討する必要がある。更に一歩進んで、市町村の合併のときの様な何らかのインセンティブを政策的に与えることも考えていいと思います。

○山口座長
 ありがとうございました。あと、近藤委員、よろしいでしょうか。
 では、ほかに御意見はございますでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、本日は、これで終了いたします。次回からは、2回にわたりまして、関係団体でありますとか、個別の基金などからのヒアリングを行いたいと考えております。次回は、企業年金連合会、全国総合厚生年金基金協議会、企業年金連絡協議会の3団体からの御意見をいただきたいと思っております。
 事務局の方から、次回の日程について、お願いいたします。

○渡辺課長
 次回は、来週でございますが、6月7日の木曜日の午後5時からでございます。詳細については、また、追って御連絡いたします。

○山口座長
 ありがとうございました。それでは、本日の審議は、これにて終了といたします。御多忙の折、お集まりいただきましてありがとうございました。


(了)
<厚生労働省年金局企業年金国民年金基金課>
代表: 03-5253-1111(内線3320)

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