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2012年5月21日 第31回高度医療評価会議 議事録

医政局

○日時

平成24年5月21日(水)16:30〜17:30


○場所

経済産業省別館 1014号会議室


○出席者

猿田座長、山口座長代理、一色構成員、伊藤構成員、金子構成員、
柴田構成員、関原構成員、竹内構成員、田島構成員、葉梨構成員、
林構成員、村上構成員、山中構成員、山本構成員、松山技術委員
(事務局)
医政局研究開発振興課長
医政局研究開発振興課治験推進室長
医政局研究開発振興課高度医療専門官
保険局医療課専門官
医薬食品局審査管理課課長補佐

○議題

1.新規申請技術の評価結果について
2.協力医療機関の追加について
3.その他

○議事

○猿田座長
 時間が参りましたので、第31回高度医療評価会議を始めます。本日は非常に暑いところ、また大変ご多忙のところをご出席いただきましてありがとうございました。
 本日から、これまで委員であられた永井先生と堀田先生が退かれまして、新しく帝京大学内科学講座教授であられます一色高明先生、それと本日はご欠席ですが、名古屋大学大学院医学系血液腫瘍内科学教授の直江知樹先生に加わっていただきました。一色先生は本日出席の予定ですがまだお見えになっていませんので、後ほど、いらっしゃいましたらご挨拶いただきたいと思います。
 本日の構成員の出欠状況ですが、先ほど言いました直江先生は、どうしても今日ご都合がつかないということでご欠席です。それから川上構成員、佐藤構成員、藤原構成員からご欠席との連絡をいただいております。本日は技術委員として、松山技術委員にもご出席いただいております。よろしくお願いいたします。
 竹内構成員、佐藤構成員からは、本日の審議案件につきまして、事前に検証していただいており、意見書をご提出いただいております。
 それでは、配布資料の確認を事務局のほうからお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 配布資料の確認をいたします。まず、議事次第から、座席表、開催要綱、評価会議構成員名簿と技術委員名簿と続きます。続いて、少々順番が前後いたしますが、参考資料1、参考資料2。続いて技術の評価結果として、1-1〜1-13までです。最後に、協力医療機関の追加として資料2です。本日の資料は以上です。過不足等がありましたら、事務局までお知らせください。
 利益相反について、対象となる医薬品、および医療機器の企業等については資料1-1に記載しています医薬品・医療機器情報をご覧ください。対象となる企業または競合企業に関して、事前に確認をさせていただいておりますが、事前の届出以外に、もし何らかの利益相反がありましたら、この場でご報告をお願いいたします。該当なしということでよろしいですか。
○猿田座長
 一色先生がお見えになりましたので、一言ご挨拶をいただきます。
○一色構成員
 今回から構成員にさせていただきました、一色でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○猿田座長
 どうもありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 ただいま資料の説明がありましたが、特に先生方のほうで問題がありませんでしたら、早速、審議のほうに入りたいと思います。「新規申請技術の評価結果」について、事務局からご説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 撮影されている傍聴者の方はここまでとさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 資料1-1、21頁です。新規申請技術の評価結果として、整理番号043、高度医療名は「コレステロール塞栓症に対する血液浄化療法」です。申請医療機関は、社団法人全国社会保険協会連合会仙台社会保険病院です。審査担当構成員として、主担当が山本構成員、副担当として一色構成員、林構成員、田島構成員となっております。以上です。
○猿田座長
 早速ですが、主担当の山本先生からご説明をよろしくお願いします。
○山本構成員
 高度医療の名称が「コレステロール塞栓症に対する血液浄化療法」です。医療技術の概要は資料1-2になりますが、動脈硬化性プラークの破綻により、コレステロール血漿が飛散し、末梢小動脈を塞栓し、多臓器に重篤な障害が発生するコレステロール塞栓症のうち、血管内操作および血管外科的手術が誘発因子となり、腎機能障害を示した患者を対象とし、リポソーバーLA-15を用いた血液浄化療法と薬物治療の併用により、腎機能を改善させられるかを検証するということです。私は実施体制の評価をしておりまして、実施医療機関の体制については治療経験も十分有していると思われまして、「適」とさせていただきました。実施体制の評価は一色先生にもしていただいております。倫理的観点については田島先生、プロトコールの評価を林先生にしていただいております。それぞれの先生にコメントをお願いします。
○猿田座長
 ご説明のとおりですが、まず技術として、一色先生からご説明いただきたいと思います。
○一色構成員
 コレステロール塞栓症自体が発症すると、非常に予後が悪いということで、なかなか治療方法で有効なものがないという中での一つの取組みだと思います。この施設のデータで可能性としてはちょっと期待できる部分もあるということで、この研究自体には体制としては問題ないというように私判断しております。
○猿田座長
 かなり効果的と考えて良いでしょうか。
○一色構成員
 探索的な部分もまだあるのかもしれないですけれども、リポソーバーを使用するということに技術的な問題はないと思われますので、ポジティブなデータが出れば、かなりこの治療に対するインパクトは出てくるのではないでしょうか。その意味で、期待される方法の一つかなというようには思います。
○猿田座長
 それでは次に、田島先生のほうから倫理的な観点からの評価を、よろしくお願いいたします。
○田島構成員
 当初、提出されました説明文書は患者さんに臨床試験の内容をわかりやすく正しく伝えるという観点からではなく、説明文書に挿入すべき項目をただ網羅的に潰していかれたような書きぶりで、非常にわかりにくく、また、必要なことが抜けていたり、ミスリーディングなところがあったり、不正確であったりという問題点が多々ありましたので、36頁から38頁のような質問をしました上、それを踏まえて39頁から41頁のような指摘をさせていただきました。これらの内容について、すべて修正がなされましたので、最終的に訂正されました説明文書については、「適」と評価しております。患者相談の体制についてはきちんと体制が取られていると評価しております。
 それから補償の点については、補償の契約を保険会社との間で結ぶということで、その内容を点検いたしまして、これであればよかろうということで、これも「適」の評価をいたしております。
○猿田座長
 いくつかやり取りをしていただいて、大体全部直していただいたということです。どうもありがとうございました。
 続きまして、林先生から、プロトコールに関してお願いします。
○林構成員
 プロトコールの内容を拝見させていただいて、コメントをいくつか出させていただきました。27頁、まず研究デザインについてお聞きしました。2番目がエンドポイントとしての死亡の取り扱いの方法。3番目として、LDLコレステロールの方法等々をいくつか細かな点も含めてお尋ねしました。多くは修正されてきたのですが、最終的にいちばん判断に悩んだところが研究デザインです。
 次の資料の5番目のロードマップをご覧いただくとわかりやすいかと思います。この研究はすでに後向きの調査ということで、当治療の成績が出て、まとめられております。コントロールは当然後向きということでないので、ヒストリカル・コントロールの形で、他の薬物治療の群と比較してというような形でまとめられております。この赤の高度医療というところで、いわゆる前向きでワンアームの試験デザインの形で35例を目標にする研究を今回申請されていると。これが終わって最終的には、治験にいきたいということだと思いますけれども、以前まであった後向きの調査と今回のワンアームでどれくらいエビデンスとしてより、いわゆる一般に使われるようになるという意味でのエビデンスとして、違いがあるのかということがいちばん悩んで、できればいままでに出ている成績に付加的に何か新たなことがわかるような形で、というのでいくつか代替案も出したのですが、返事としては、いまの研究デザインで進めたいということでした。そういうことが高度医療でいいのかということもあったのですが、それが許されるのであれば、研究デザインとしては認められる範囲なのかというように判断いたしました。
○猿田座長
 林先生からプロトコール問題の指摘もありましたけれども、総括的にもう一度山本先生のほうからお願いします。
○山本構成員
 総合評価としては、「適」とさせていただきました。申請者からの予定症例数は35例、予定試験期間は3年6カ月です。コメント欄に書いておりますけれども、研究デザインが結局、非対照の単群試験であるということになっておりまして、この治療方法の有効性を十分検証できるかというところで、特に林先生にかなりご検討をいただきまして、実はほかの統計の委員の方々にも少しご意見をいただいたりしました。それから申請者の考え方も確認をいたしましたが、結果的にはデザインの変更はなしということで「適」にさせていただきました。
 その判断の根拠というか、ベースになったのは、まず対象疾患が腎不全に至る可能性のある重篤な疾患であると、そういう患者を選ぶということです。それから、患者数がかなり少なくて、症例集積性がかなり低そうであるということ、ここの点を申請者の方もかなり主張しておられまして、実際これを2群の比較試験にもっていくと、何年あっても終わらないだろうということを主張されておりまして、この疾患の発生の疫学的な情報から考えてもそうであろうと思われます。
 それから現時点でこのロードマップのほうに書かれておりますけれども、治療ガイドラインもありませんし、欧米で確立したような治療もありませんし、現時点でどの治療もかなり探索的な治療であると。出されてきた申請者の施設では比較的経験症例数は多いのですが、それでも数十例というところで、ヒストリカル・コントロールとして使えるというほどの集積でもないということです。それから言えるのはある確立した既存治療の有効性がどのくらいかというデータすら存在していない状況であるということ、それと、これは医療機器に入りますので、医療機器の有効性を検討する、という目的になっていることを考え併せて、まだ探索的な性格を残した状況ではあると思いますが、シングルアームですけれども、トライアルをやっていただくことで、まあよかろうということで、最終的には評価させていただきました。
○猿田座長
 お話がありましたように、これはあまりやられていない治療法ですけれども、非常に緊急性を要する治療だということで、やり方としてはシングルアームでやむを得ないだろうと。とにかく緊急性を要する形の治療ですから、申請してきた施設のようにたくさんの症例をこなしているような、しかもこういった療法に慣れているところでないとなかなかやりにくいということがあります。そういったことがありますけれども、いま一色先生から技術的にはいいとのこと、そしてプロトコールに関しても、倫理的な面でも、随分やり取りをしていただき、直していただいたということで、総括的には山本先生にお話いただいたような形で認めて、これから先、検討してみる価値があるだろうということです。どなたかご意見がありますか。
○医政局研究開発振興課専門官
 本件のやり取りの中において、根本的な臨床研究に対する、いわゆる補償保険だったり、賠償責任保険といった考え方に対しての問題というものが浮かび上がってまいりましたので、反省も込めて、今回この場を借りて報告させていただきたいと思います。
 お手元の資料の42頁、43頁をお開きください。第31回高度医療評価会議の案件に関して、臨床研究賠償責任保険の保険料見積書差替え経緯という問題がありまして、これまでの経緯ということで述べさせていただいております。
 申請者が保険会社に対して、本臨床試験に対する臨床研究賠償責任保険の見積りの作成を依頼しましたところ、保険会社が最初に誤って、健康な被験者に対しての補償内容見積りを作成し提出してしまったという経緯がありました。申請者はこの見積書が正しく作成されているか否かというのはあまり確認しないまま申請書に添付していたという経緯です。
 こちらに関して、評価担当者から見積書の有効期限切れが指摘されております。いちばん最初に提出されました臨床研究賠償責任保険の見積りが45頁の資料になりますので、一度ご覧いただけたらと思います。45頁の「別表」の右のいちばん上に「健康人向けの臨床研究」と書いてあるところがわかるかと思います。要は被験者が患者様になっておらず、健常人対象の見積りになっていたということです。44頁に戻りまして、本見積りの有効期限、いちばん下の部分ですが、有効期限は「3カ月間」で、平成23年9月20日に取得された見積りであったために、本評価に当たってはすでに有効期限が切れているということで、まずは有効期限に関して差替えをお願いしたというところです。
 申請者はこちらの点に関して、見積りの取直しが必要と考えて、保険会社に依頼したところ、保険会社が当初提出した見積りの誤りに気付きまして、被験者を患者とする保険の見積りに変更して申請者に提出しました。その際、訂正内容を申請者に説明していなかったという経緯があります。この差し替わった内容が48頁の一覧に載っていますが、先ほどご指摘しました右段のいちばん上のところが「患者向けの臨床研究」と表記が変わっており、後遺障害1級、2級のみが補償の対象の設定になっています。こちらが本来取るべき見積書であったということで、最初のほうは本臨床試験に沿った見積りではなかったということが確認されております。
 経緯として、申請者は新たな見積書を差替え分として提出されてこられたわけですが、見積書の変更内容で額面がそれほど変わっていなかったということもありまして、あまり確認しないまま、こちらにご提出があったと。この点事務局も反省がありますが、事務局もその内容が明らかに変わっていることに気付かず、そのまま評価担当者に提出させていただいたということです。こちらに関しては評価担当者から補償内容が変更されているというご指摘がはっきりありまして、再度質問をしましたところ、申請者のほうも、保険会社に確認をして、1通目のものが本臨床試験に沿ったものではなかったと、2通目のほうが正しい、それだけの説明で、そうなった経緯等について、詳しい説明がなかったという問題がありました。
 以上の経緯から、問題点を整理させていただいているのが43頁の「2.問題点」になります。(1)申請者が申請時に見積書の補償内容が臨床試験に沿うものか否かを確認しないまま申請書に添付したこと。(2)申請者が差替えの見積書の内容を確認することなく、補償内容が変わっていることに気付かないまま差替え分として提出したこと。また、事務局もその内容変更に気付かず、評価者にそのまま提出してしまったこと。(3)申請者が見積書の補償内容が変わっていることを知った際に、その事実と当初誤った見積書を提出した経緯を明確には説明しなかったということがありました。
 この辺はやはり臨床試験の補償保険に対する臨床側の医療機関や事務局の考え方というものが問題の奥に潜んでいると思いますので、この場を借りて説明をさせていただきまして、今後の対応として、反省を踏まえまして、申請者、事務局は提出書類に誤りがないよう確認を徹底するということと、その際補償保険の見積書などの添付書類に関しても、実施計画書等と同様に、内容の確認を行っていくということ、また、資料の修正を行った場合は、修正理由を明確にするということ、この辺を徹底させていただきたいと考えております。以上です。
○猿田座長
 ご説明のように、考えられないようなことが起こっておりまして、田島先生が見ていただいて、気付かれたということです。実際、いま担当している会社というのはご存じのとおり、日本ではこういった医療賠償、そのほかではいちばんやっているところです。実は私は賠償審議会の委員をやっていまして、この会社はこれまで一緒に仕事をしてきてそんなにミスがなかったのですが、こういうことが起こったということです。高度医療に関しては特に安全性の問題は非常に大切ですので、これからは特にその辺を注意していこうということです。申請者の方も気をつけていただきたいですし、事務局のほうもどうかご注意ください。担当する先生方もそういったところも一応、考えて見ていただくことかと思います。そういうことでよろしいでしょうか。
○山口座長代理
 私はあまり詳しくないのですが、ちょっとお伺いします。研究概要の3頁の診断のことですが、対象患者は「a.〜c.を満たした者」という記載があって、そのa.のところに「数週間から数カ月の経過で急速に腎機能障害が進行している」という形になっていますけれども、「急速に」というのが、数週間なのか、数カ月なのかがよくわからないのと、こういう診断基準で紛れなくそういう患者がきちんとリクルートされるのでしょうか。あるいはもっと本物のほうには細かいことが記載されているのでしょうか。
○猿田座長
 要するにクレアチニンの急上昇ということですね。
○山本構成員
 実はコレステロール塞栓症は診断がわりと難しいのですね。一定の経過で、例えば数日以内に悪くなるというわけでもなく、この場合はきっかけとなる血管内操作、または血管外科的な手術を施行したあとに、ということがあるのですが、ただそれでも、例えば2週間以内とか3週間以内と決められるわけでもなく、数カ月で段階状に進行していく場合もありますし、実際は塞栓が一気にとぶのか、段階的にとぶのかも、人によって異なるので、その病状の進行度合いも違うということですので、ここはかなり緩やかな診断基準になっていると思います。一色先生、いかがですか。
○一色構成員
 この疾患自体がかなりバリエーションがあって、臨床経過に比較的急速に進む患者と、かなりゆっくり進む方があります。ただ、そのゆっくりと言っても、通常の方はクレアチニンが数カ月で上がるということはほとんどありませんので、やはり臨床の場で、こういう造影剤を用いた処置が行われたあと、ゆっくりとではあっても進行して進んでいるという場合にはコレステロール塞栓症と診断するものと理解しております。これ以上細かく決めるのは難しいかと思います。
○猿田座長
 私も一応、この書類の中の症例を見まして、やはり普通に考えられてくる増悪の経過とは違って、急速に悪くなっているのですね。これはちょっと異常な形だということです。このプロトコールでスタディーをやっていただいて、そういったところがわかってくるかと思いますが。
○山口座長代理
 多分、非常に希な疾患は、そんなに何でもかんでも対照を作らなければいけないというと確かに研究は進まないので、これはいいと思います。ただし、もしここで手応えがあるものが出た場合には複数の組織で、本当にきちんと対照をもったものをやるということを是非やっていただきたいと思います。
○猿田座長
 おっしゃるとおりだと思います。実は、ここの施設は私も昔からよく知っているのですが、こういった疾患をよくみておられる施設です。ここで通り、実施されますと他のこのようなことに詳しい施設に参加してやっていただければ症例も多くなり、早く方向性も出るのだと思います。先生、どうもありがとうございました。
 ほかにありませんでしょうか。
○関原構成員
 この同意書を患者として見たのですが、1点わからないのが、「3リットルの血漿を採る」という意味で、それを6回やるという、その「3リットル」というのはいったい何なのか。人間の血液ですから循環するわけですけれど、「3リットル」とはどういうことなのか、ちょっと教えてほしいと思います。
○山本構成員
 血液浄化療法ですので、「3リットル」というのは計3リットルになるということだと思いますけれども。血液を浄化装置に回して、それでカラムが入っていまして、そこで特定の物質だけを吸着して、あとは戻します。おそらく戻すその循環させる量が大体3リットルということで、3リットル全部出してしまうということではないということです。
○関原構成員
 それはわかるのですが、人間の血液はそんなに少なくはないわけですよね。つまり全血液にコレステロールはいっぱい含まれているわけですから、私の身体のように。それを全部浄化するという話で、3リットルというのは何となしに少ないですし。つまりそれを6回繰り返すということとの関係も含めて、どのように理解したらいいのかと。2時間で全血液3リットルを浄化する、そして6回繰り返せばより浄化されるなら理解は簡単です。「3リットル」というのは何なのかというのがわからない、そういうことです。
 ですから説明の意味が何か、「1回の治療で約3リットルの血漿を浄化する」というように書いてあるもので、要するに血漿というのは3リットルあるのかなと思ったりして、素人は、患者として見てこの意味が私はわからなかったということです。1回全部、血液をやるのですというのは非常に簡単ですが、そこがちょっと理解できなかったので質問したわけです。
○山本構成員
 表現をちょっと工夫していただいたほうがいいですか。
○田島構成員
 そこはちょっと説明を加えていただいたほうがいいと思います。
○猿田座長
 これは複雑な経路なので。透析ですから。先ほどの保険の問題もこれですっきりしました。あと、効果はかなりありそうだということと、いまお話がありました説明のところをもう少しわかりやすく書いていただくということにすれば、ほかは問題ないのではないかと思います。症例だけで、できるだけ早く集められればということです。
 ほかにご意見ありませんでしょうか。関原構成員のお話はきちんと、もう少しわかりやすくしていただくことにいたします。もしよろしければ、いまご質問いただいたことは訂正させていただきまして、その形でお認めいただいたということにさせていただきます。
 次の説明を事務局からお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 資料1-1、21頁をご覧ください。新規申請技術の評価結果として、整理番号044、高度医療名は「多血小板血漿を用いた難治性皮膚潰瘍治療」です。適応症は、褥瘡を含む難治性皮膚潰瘍となっています。申請医療機関は、聖マリアンナ医科大学病院です。審査担当構成員としまして、主担当が山中構成員、副担当として金子構成員、佐藤構成員となっています。また、松山技術委員にも評価をしていただいています。なお、本日ご欠席の佐藤構成員より意見書をいただいています。以上です。
○猿田座長
 それでは、まず山中構成員から全体的なご説明をお願いします。
○山中構成員
 国立がん研究センター東病院の山中です。高度医療技術の名称は、多血小板血漿(Platelet-Rich Plasma)、以降頭文字をとってPRPと呼びますが、PRPを用いた難治性皮膚潰瘍治療です。適応症は、褥瘡を含む難治性皮膚潰瘍のうち、一般的な創部の管理に対して抵抗を示す患者、または全身状態が悪く手術が不適応な患者などが対象となります。技術の概要については、お手元の1-8に図が示されていますので、ご覧ください。
 簡単に説明しますと、血小板には血液の凝固因子だけではなくて、さまざまな成長因子やサイトカインが含まれています。これが、難治性の潰瘍の治療に対して有効であり得ることは、経験的に知られていました。これを利用して、創傷治癒を行おうとする医療技術です。具体的には、まず患者本人から採血をしまして、遠心分離機にかけて、PRPを分取します。それを、潰瘍部位に塗布するというのが、医療技術です。PRPは、基本的に自己の血液を濃縮しただけですので、特に重篤な有害事象は考えにくい安全な治療法かと思われます。7日から10日おきに1回の割合で、PRPの塗布を行いまして、4回塗布をします。4回の治療後に、創部がどれだけ縮小したかをエンドポイントとして評価をするというのが、今回の実施計画の内容です。遠心分離にかけてPRPを分取する過程においては、国内未承認の遠心分離機、それから国内未承認のディスポーザブルキットを用いますので、これら国内未承認のものを用いる医療技術という点で、第3項に該当します。
 実は、既に同じ適応症に対して、同じようにPRPを塗布するという医療技術で、未承認のキットを用いないダブルスピン法と呼ばれる方法が、第2項先進医療として承認されています。こちらも、実施の医療機関は聖マリアンナ医大のみです。血小板の濃度がうまく調整できるという点では、第2項先進医療で用いられているダブルスピン法のほうが融通が効くようなのですが、ダブルスピン法には分離、分画に一定の技術水準が必要であること、また清潔な環境、設備が求められるという、ちょっと難しい点があるようですので、今回の第3項で未承認のものを用いて、改めて申請をしているという次第です。
 実施体制の審査は、金子先生、松山先生、倫理的観点からの審査は佐藤先生、研究実施計画については私が評価を行いました。最初に金子先生、松山先生から評価を述べていただいた後に、私から再度述べさせていただきたいと思います。
○猿田座長
 それでは、金子先生からお願いします。
○金子構成員
 それでは、評価を申し上げます。このPRPの慢性潰瘍に対する治療法、特に下肢の慢性潰瘍は、切断に至ると、その方の予後に悪影響があることは、よくわかっています。今後の高齢化社会に向けて非常に重要な技術になってくると思います。PRPは、かなり昔から形成外科の領域、あるいは整形外科の骨移植の併用でかなりやられていて、潰瘍に対しても相当有効なのではないかと言われていましたが、なかなか証拠というか、きちんとしたスタディーがないまま広範囲に、特に形成外科の領域では美容外科の皺取りなどにまで使われているということで、私たちはある意味苦々しく思っていたところがありました。今回、高度医療でこれを出していただいて、大変結構なことだと思います。ただ、こういう慢性潰瘍はコントロールスタディーを置くとか、対照試験といいましても、基礎疾患が皆さん違いますので、どうしても1人の方の有効でなかったという潰瘍に対して、これを使ってどうかというようにしなくてはいけないということです。
 72頁が私の質問事項だったと思うのですが、慢性潰瘍を対象とするが、即ち既存治療では有効ではなかったというようなこと、あるいはその治療を続けながらこれをやるのかといったことをきちんと出していただく必要があるというようなことを申し上げて、これはそれに沿った形に直していただいています。この技術自体は、言ってみればそう難しいことではありませんし、安全性も問題ないと思います。この医療機関は、これを随分長くやっている所ですので、問題ないと考えています。以上です。
○猿田座長
 松山先生、お願いします。
○松山技術委員
 PRPを使われる潰瘍ということで、非常に合理的な潰瘍の治療法であると思います。従前行われた第2項の先進医療と比較して、やはりプロセシングの部分が若干テクニカルなハードルが高くなるということで、いくつかコメントを書かせていただきました。私のコメントは、75頁からその答えも含めて87頁までですが、概ね先方から回答を得られたと思っています。特に、対象症例の部分やPRPの部分の長期保存でも、グロスファクターが減っていないことを示していただいているので、とにかく了としたところです。ただ、このグループの場合はPRPを患者に何回も使うためにフリーズストックしているので、凍結した血小板そのものが本当に機能しているのかどうかは若干わからず、血小板を壊すことによってもグロスファクターがそのまま液中に残っているものなのかもしれないと思います。今後、もしいろいろなスタディーなどを積み重ねて凍結したほうがいいのか、凍結しないほうがいいのかを含めてご議論していただけると、最もよいプロトコールが生まれてくるのではないかと思います。以上です。
○猿田座長
 先生のご指摘いただいたところは、大体この回答のとおりでよろしいですか。
○松山技術委員
 はい、納得しました。
○猿田座長
 佐藤先生は本日欠席ですが、何かコメントはきていますか。
○医政局研究開発振興課専門官
 資料1-7をご覧ください。91頁になります。佐藤雄一郎先生からのコメントがございます。説明・同意文書に関しては、リスクについて主な身体的リスクは採血と感染であろうと考えます。前者については説明がありましたが、後者について若干わかりにくかったように思いましたので、別添のようにご修正いただきました。また、リスクベネフィットについて、この比較は必ずしも明確ではないかもしれないのですが、対象患者に対する既存の治療法は下肢切断しかないことと、リスクは少ないことから、本治療法は優位性があることが説明され、理解されればよいと考えました。このことについては、本研究の説明の中で述べられていると考えますということと、補償内容に関しては適切であると判断しました、とご意見をいただいています。以上です。
○猿田座長
 山中先生、もう一度総括的にお願いします。
○山中構成員
 医療技術の有用性や倫理的観点については、「適」と判断しました。ただし、実施計画、プロトコールが全般的に未熟と思われます。特に、データ管理、モニタリング、統計解析など、セントラルの支援体制がこの試験において機能するのかが確認できませんでした。例えば、データセンターは申請者が所属する大学に関連したTLO(技術移転機関)がその役割を果たすことになっているのですが、通常TLOは知財関連の業務を扱う所です。実際TLOのホームページなども見てみたのですが、普通に知財関連の業務を扱う所のようでした。それからSOP(標準業務手順書)も提出していただいたのですが、データの管理業務に関して担保できていることが、今回のSOPでは確認できませんでした。
 デザイン自体はシングルアームでいいと思います。保存治療に対して無効、それから外科治療ができない症例が対象となって、最悪切断ということもあり得ますから、シングルアームでいいと思います。申請者自身も、治療の有効率に対応する指標が少しでもあればいいと、具体的には有効率が0%でなければいいとは言っているのですが、一方で症例数計算の際の閾値の値が60%に設定されていたりなど、科学的なデザインになっているのか、疑問点が十分に解決できませんでした。今回はプロトコールの評価に関しては一部不適とさせていただきまして、総合評価については継続審議とさせていただいています。以上です。
○猿田座長
 いま技術面、倫理面のことはご議論いただきましたが、プロトコールの面でデータの管理、モニタリング、解析などの体制もすっきりしていないということと、特に症例数の計算方法において設定根拠が不明確だというようなところをもう少しはっきりさせてもらいたいというのが、総括的に山中先生からのお話でした。どなたかご意見はありますか。
○金子構成員
 私は先進医療のほうも参加させていただいているものですから、これは先進医療になるときに、実は何かちょっと釈然としないところがあります。もともと私どもの発想では、PRPはすべて未承認の機械やキットを使っているものだと思っていたのですが、遠心分離機などが一応何らかの薬事承認は取れていると。院内製剤であれば、先進医療でよいというお話でした。しかも、適応が非常に限られているものですから、1つの施設で2つのプロトコールを走らせるのではなくて、どちらかいいほうに統一していただいたほうが本来ならよいのではないかと思います。数が分散されてしまうのではないかと。大体このようなことをやっている方は、どちらのほうがいいと思っているのかがあるものですから、その辺りがどうかなと思いました。患者をどちらに振り分けるか、そこもちょっと疑問に思いました。
○猿田座長
 今度の療法は、前よりもずっと簡略になったのですね。そうではないのですか。
○金子構成員
 簡略にはなっていますね。
○山中構成員
 ただ、そこは血小板の濃度の調整の融通が効かないということですよね。
○金子構成員
 そうですね。それと、これはシングルスピンなのですが、実はダブルスピンの機械も世の中にはあるのですね。ですから、人がダブルスピンでやっている操作を自動でやってしまうような機械もあるものですから、その辺りを含めていちばんいいもの1つに統一して、PRPはどうかという話になっていったほうがいいのか、あるいは範囲を広くやるのであればいろいろな施設を含めてやっていったほうがいいのか。これは、なかなか時間がかかってしまうのではないかと心配に思います。
○猿田座長
 山中先生、何かありますか。
○山中構成員
 第2項と第3項の2つが併存しているのですが、その点については事務局とも協議を重ねてまいりましたので、事務局からコメントをいただければと思います。
○医政局研究開発振興課専門官
 こちらに関して、まず第2項と第3項で類似したプロトコールが走っているという内容についてですが、第3項として走るにあたっての整理としては、本試験に関しては事前に本技術に使われる医療機器として、遠心分離機と遠心分離用のチューブがあります。医療機関が事前にPMDAに確認して、医療機器として承認を目指すという整理になったと聞いています。こちらに関して、海外での承認状況として、米国でIDE Studyとしてテニス肘に対する治療として、現在臨床試験が進んでいます。2011年でIDE Studyとしては完了したということです。こちらのデータをもって、開発会社も日本でもPMDAと協議して承認申請を行いたいというような流れで考えていますので、本医療機器は今回の臨床試験に関しては、その先にあります適応拡大としての難治性皮膚潰瘍に対するものを狙っていく整理になるかと考えています。そういった点も踏まえて考えますと、これは申請医療機関側とも相談という形になっていくと思われますが、第2項と第3項の両方が走っているプロトコールに関しては、おそらく第3項がより適切ではないかと思われますので、1本にして走らせていっていただいて、薬事承認等必要な承認を目指していただくのが、きれいな整理ではないかと考えています。
○猿田座長
 山中先生がおっしゃったように、ここのところのプロトコールをしっかりさせていただくということでよろしいでしょうか。
○山中構成員
 はい、それが承認の前提です。
○猿田座長
 いまお話がありましたような点を戻して、そこのところをもう1回クリアにしていただくということで、一応ここでは継続審議という形を取りたいと思うのですが、いかがでしょうか。委員の先生方から、ほかにご意見はありますか。
○山口座長代理
 金子先生からご指摘があったとおり、難治性潰瘍はいろいろなバックグラウンドのものがあります。例えば、栄養をよくするだけで治るものもあるわけですし、そんなものを20例だけやって、どういう結論が出るのかよく理解できなかったので、少し検討を要するのではないかという印象でした。
○猿田座長
 いま山口先生からもご指摘がありましたので、症例数のところをもう少し直していただくということですね。もしほかにご意見がなければ、いまご指摘いただいた事項を申請者にも出させていただいて、すっきりさせていただくということでよろしいでしょうか。それでは、継続審議という形で、そこを検討していただきたいと思います。どうもありがとうございました。
 それでは、次に移りたいと思います。次は、整理番号045、慢性心不全に対する和温療法ですが、これに関して事務局から説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 資料1-1、21頁をご覧ください。新規申請技術の評価結果として、整理番号045、高度医療名は「慢性心不全に対する和温療法」です。適応症は、慢性心不全となっています。申請医療機関は、鹿児島大学病院です。審査担当構成員として、主担当が伊藤構成員、副担当として一色構成員、佐藤構成員となっています。また、竹内構成員にも事前にご覧いただき、意見書をいただいています。なお、本日ご欠席の佐藤構成員より、意見書をいただいています。以上です。
○猿田座長
 それでは、まず伊藤先生から総括的にお願いします。
○伊藤構成員
 慢性心不全に対する和温療法です。和温療法というのは、遠赤外線均等乾式サウナ治療器を用いて、60℃の乾式サウナ浴を15分間施行した後に、出浴後30分間の安静保温を行うという治療です。遠赤外線は、熱透過性に優れて、効率よく深部体温を上昇させるということで、和温療法前後に体重を測定し発汗量に見合った量で、通常150〜300ml程度の飲水をしていただいて、脱水の予防をするという治療です。対象患者を心不全のNYHAの2度〜4度を対象にして、10回の治療を行って評価をするというプロトコールになっています。対象の患者が152人で、その患者を2群に分けまして、片方は通常の治療群、片方はサウナ治療をされた方ということで、検討するというプロトコールになっています。
 これに伴って行います評価項目として、メインの評価指標は血漿中のBNPの低下率で、副次的な評価指標として心機能の改善や6分間の歩行距離やCTRの改善や心収縮能の改善割合というプロトコールになっています。こういったプロトコールについて、一色先生に施設の評価をお願いしまして、倫理的な観点からは佐藤先生、統計的な観点からは竹内先生に評価をいただいたところです。
○猿田座長
 それでは、一色先生から技術面の説明をお願いします。
○一色構成員
 この研究は、第2項から第3項にもってこられたということですが、それはひとえにこの低温サウナの機械に心不全の適応がないということです。今回の参加施設は鹿児島大学を含め、大学病院が主体になっています。体制自体は、問題ない所ばかりだと思うのですが、101頁に別添で示しましたように、申請書に当初、看護配置不要、病床数不要と書いてありましたので、そこの修正をしていただきました。
 また、当該技術の実施症例数も不要とあったのですが、この機械を搬入して即心不全の患者を対象に治療を始めるということは適切ではないと考え、そこを指摘させていただいたところ、3例の経験との回答がありましたので、一応よろしいかと思いました。以上のように実施体制は、その修正をいただいて可能と判断をさせていただきました。体制としては以上です。
○猿田座長
 事務局に、佐藤先生のコメントはありますか。そのあと、竹内先生からお話いただきます。
○医政局研究開発振興課専門官
 佐藤構成員からの意見として、資料1-12の107頁をご覧ください。佐藤雄一郎先生からのコメントですが、まず説明・同意文書については、本申請にかかるサウナ治療器は、心筋梗塞、うっ血性心不全が禁忌とされている一方で、慢性心不全(NYHAの4度を含む)が対象となっています。そのため、禁忌とされている旨と、本申請における安全対策について記述が必要だと考えました。事務局を通じて指摘し、その旨が記載されたということです。また、補償内容に関しては、内容を確認し、適切であると判断しました、というコメントをいただいています。以上です。
○猿田座長
 それでは、竹内先生、統計的な説明をお願いします。
○竹内構成員
 私は、プロトコールの統計的なことを審査させていただきました。症例数設定については、設定根拠の統計の処理と、最終的な統計数が多少違っておりましたので、そこは申請者の方に問い合わせをいたしました。適宜修正していただきまして、それをすべてプロトコールに反映していただきましたので、私の意見としては「適」という判断をさせていただいています。
○猿田座長
 それでは、伊藤先生、もう一度総括的にお願いします。
○伊藤構成員
 99頁に書きましたとおり、この治療法は1995年に鹿児島大学で始まった比較的歴史のある治療で、いままでにも実は多くの患者が受けられているということで、安全性に関しては、ほぼ大きな問題がないという裏付けがあるのだろうと思いました。ただ、ここで考えたのは、10回の治療法で慢性心不全というものの治療の適応になるのかということが大変問題かなと思いました。長期の効果が持続しない、リバウンドがあるなど、生命予後を究極に悪くするのではないかという可能性についてはいかがかといった、ちょっとしつこい話を聞かせていただきました。その結果回答がまいりましたのは、現在別の臨床試験が進行中であることと合わせて、適切に同意・説明文書を検討していただいて直していただいたので、それはそれで了解をいたしました。
 それから、適切な温度設定になっているかどうかについて、記載がよくわかりませんでした。添付されている論文などを見ても、実はよくわからなかったのですが、回答を見せていただきますと、1995年当時のかなり古い時期に浸襲的な検査もされたようなニュアンスで検討されたということで、それを承知はいたしましたが、本来であれば何らかの形で論文化されてこうした形にしていただかないと、最終的に薬事承認をする段階では必要になる事項ではないかと思いました。
 それから、心不全の重症度に応じて温度設定なり何なりをすべきではないかということについては、今後の検討課題ということで、現段階でそれを求めるのは少し酷なのではないかということで、了解をしたような次第です。総じて、適切に回答され、文章が変更されていますので、「適」という判断をさせていただきました。
○猿田座長
 いまご指摘がありましたように、実はこれは先進医療のほうに出てまいりました。そのとき、私も慌てて循環器学会の心不全の専門家の意見を聞いてまいりました。もちろん自分は学会でも聞いていました。確かに、効果的であったと。しかしながら、どうもすっきりしない部分があります。それから、先ほど佐藤雄一郎先生がおっしゃいましたが、この方法は実際に機器としては禁忌になっていたのですね。そういったことで、これはやはりもう1回高度医療評価のほうに出して、機器としてしっかりしたものを取ったほうがいいだろうということで、これは東京大学の永井先生とも随分相談をさせていただいて、こちらにもう1回その形で出すほうが機器としての薬事承認を取るにはいいだろうという形で、ここへ持ってきていただいた経緯があります。全体的に経過を拝見させていただいて、私としては、先ほど伊藤先生がおっしゃった形で、まだいくつか問題点はあるかもしれませんが、これだけ長い間症例を重ねて一応効果が認められてきているものですから、しっかりした形で出せればいいのではないかと。今度の例数もかなりになっていますよね。そのように私は考えました。どなたかご意見をいただけませんでしょうか。
○一色構成員
 プロトコール上で意見を申し上げたことがありましたので、追加をさせていただきます。この和温療法の効果が、結局心機能を改善するということなのですが、そこにはおそらく内皮機能を改善したり基礎代謝を戻したりという、いわゆる循環をよくするということが入っているわけです。心臓リハビリテーションで行われている運動療法の効果と非常に類似した効果が出てくるわけですね。心不全に対する心臓リハビリテーションは既に保険適用にもなっていて、現実に行われている段階で、それとの棲み分けあるいは併用についてどう考えるのかという立ち位置をはっきりさせておいたほうがいいのではないかということで、意見を申し上げました。プロトコールの中に全くそのことが書いてありませんでしたので、運動療法を途中からであれ追加をされてしまうと、この効果がどちらの効果であるかわからなくなってしまうということで、少なくともこのプロトコールの31日間の間は、運動療法を併用しないという文言を追加していただくようにしました。
 それから、7日ぐらいで研究に組み込みをしますので、心不全の4度などになりますと、現実的には運動療法はできないような患者が対象になってくると思います。BNPも500ということで、かなり重症の方が対象ということですので、現実的に最初から運動療法をやっている方が入ってくることはたぶんないと思っています。
○猿田座長
 それと、10回というのは、一応効果判定には、大体いままでのところを見ていかがですか。
○一色構成員
 これは、彼らがそれで十分と、いままでの歴史の中から判断したと理解をしていますので、おそらく大丈夫なのだろうと思います。
○猿田座長
 ほかにご意見はありますか。かなり長い期間にわたって検討されてきた治療法であったのが、ここまでまとめていただいたということで、10回で効果を見ていただくということと、152例という例数であれば結論が出せるだろうということです。これまでこの施設ではたくさんの症例を検討してきましたので、結果が出せると思います。
○山口座長代理
 プライマリーエンドポイントが、血中のBNP濃度になっていますよね。終了して、翌日も測って、それで終わりということで理解してよろしいですか。では、そのあとはどうなるのかというところを見ないと、少なくとも2ポイントぐらい取っていただかないと、評価は難しいのではないでしょうか。
○伊藤構成員
 大変厳しいご指摘だろうと思います。2群に分けて、治療法を選択されなかった方に、できるだけ早くこちらの選択をしていただくことを前提にして、このようなプロトコールになっているのかなと理解はいたしました。安全性や長期のリバウンドなどに関しては、このプロトコールから引き続きというのは無理だと思いましたので、そこまで無理なことは指摘をせず、現行で動いている長期投与、長期間にやられる試験で判断をするということで了解をしたようなところです。先生がおっしゃるとおり、1回で本当に安定する代物かどうかと言われると、このサロゲートが厳しいのかもしれません。
○猿田座長
 一色先生、何かありますか。
○一色構成員
 慢性心不全の治療は一生続くわけで、これをやったからずっとその効果が期待できるかは、おそらく難しいと思うのです。現実に、病気自体も進行するかもしれません。対照群を設定した2群の比較になっていますので、入院されたときに改善させていくための初期治療という意味での評価は、とりあえずこれでよろしいのかなと思います。重要なのはおそらく強力な内科治療であり、先ほど申し上げた運動療法であり、何らかのいろいろな考えられる可能性のあるものを引き続きやっていくための入院中の治療法の1つと私は考えているのですが、いかがでしょうか。
○山口座長代理
 これは、1回だけの治療ですか。
○伊藤構成員
 たぶん、案に書いていることから言うと、継続的にやられると思っていますので、初期の1カ月だけでの評価でこのプロトコールとしては終わりで、それ以降はどういう形でおやりになるのかはわかりませんが、患者の状況を見ながら、複数回続いていくのではないかと。初回に通常治療群としてなられた方も、たぶんこの評価が終わったあとには患者のご希望に応じて入っていく可能性があるのではないかという気はしました。
○猿田座長
 実際、そのように断ってありますね。
○伊藤構成員
 止めるのは気の毒かなと思ったので、その点について触れていません。
○関原構成員
 直接関係ないのですが、時間があるのでお話します。この治療は、私が1985年にがんの温熱療法として受けたい、民間療法と全く同じなのです。99%がんは治るという本の広告が新聞に大きく出ました。それで、その病院に行ったわけです。そうすると、これと同じように15分サウナに入った後タオルで巻いて、汗をかいて、つまりがんは熱に弱いから、これはかなり深部まで温まるからというので、当時1回20万円でした。いまの説明と同じように何回か継続したほうががん細胞をやっつけられるということで、私は5回やったのですが、こんな治療でがんが治るなら、楽だと思いつつ、サウナだから汗をかいてすっきりして、何となしに気分はよくなったのです。それと、ある意味ではあまり原理は変わっていないなというのが私の印象です。
 昨日も確認したのですが、スポーツクラブに行ってサウナを見たら、高血圧、心臓何とかで医者から禁止されている人は絶対駄目だと書いてありますから、これが認められると何となしにビジネスとしては非常にサウナを売るのにいいビジネスになるなというのが、私の印象です。
○猿田座長
 そこのところを、きちんと証明していただこうということで、先進医療で許可されず、高度医療評価制度の方で検討してはどうかということで、こちらの方に再度申請されたということです。先進医療のときに問題になったところをはっきりさせることだと思います。
○伊藤構成員
 いまの点ですと、通常のサウナとは随分違っていまして、60℃15分というのは、通常のサウナよりも遥に低い温度ですし、そういった条件設定が1995年当時の患者を使ってかなりデータとして取られた結果、こういう設定がされたということで納得したところではあります。ですので、単に体温を上げて気持ちよくするとか、通常のサウナと同一のものという捉え方は、しないようにしないといけないことではないかと思います。
○関原構成員
 ただこれを見ますと、値段が比較的高いですよね。このサウナの機器が約500万円していますよね。随分これは高いですね。言っては悪いですが、簡単なサウナのボックスが。
○猿田座長
 あと、もう1つこの療法のいいところは、心不全患者において安全性が高いのですね。高度医療として、安全性と効果をもう1度しっかり証明していただくということです。もちろん値段の問題はありますが、いろいろ議論がありましたが、よろしいでしょうか。それでは、この形でお認めいただくということで、どうもありがとうございました。審議いただく議題は以上ですが、次に追加施設のことをお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 資料2をご覧ください。お配りしています資料のいちばん最後の頁になります。協力医療機関の追加として、番号018、高度医療名はパクリタキセル腹腔内投与及び静脈内投与並びにS-1内服併用療法です。申請医療機関は、東京大学医学部附属病院です。今回追加を予定をしている医療機関は、東京都立多摩総合医療センターとなっています。
 続いて、協力医療機関の追加として番号027、高度医療名は低出力体外衝撃波治療法です。申請医療機関は、東北大学病院です。今回追加を予定している医療機関は、石川県立中央病院となっています。
 続いて、告示番号033、高度医療名は術後のホルモン療法及びS-1内服投与の併用療法となっています。申請医療機関は、京都大学医学部附属病院です。今回追加を予定している医療機関は、ご覧の20病院となっています。
 続いて、告示番号035、高度医療名は急性心筋梗塞に対するエポエチンベータ投与療法です。申請医療機関は、大阪大学医学部附属病院です。今回追加を予定している医療機関は、ご覧の3病院となっています。
 最後に、大臣告示番号039、高度医療名はペメトレキセド静脈内投与及びシスプラチン静脈内投与の併用療法です。申請医療機関は、静岡県立静岡がんセンターです。今回追加を予定している医療機関は、ご覧の12病院となっています。事務局にて、倫理審査委員会の構成、医療機関の実施体制等を事前に確認しています。特にご意見がなければ、追加の手続を進めたいと思います。以上です。
○猿田座長
 いまご説明いただきましたように、技術によっても違いますが、かなりの追加施設が出てきています。私どもとすれば、それをいちばん希望するところですが、これをお認めいただくということでよろしいでしょうか。ありがとうございました。それでは、お認めいただいたことにさせていただきます。本日審議することは以上ですが、これから先の予定に関して事務局からお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 次回の日程ですが、現在調整中です。詳細等決まりましたら、追ってご連絡申し上げます。また、本日の議事録については、作成次第先生方にご確認をお願いし、その後公開させていただきますので、併せてよろしくお願いいたします。
○猿田座長
 少し時間が早いですが、先生方から何かご意見はありますか。本日いろいろご議論をいただきまして、1つだけ少し時間をいただくことになりましたが、あと2つは通していただいたということです。それでは、特にご意見がなければ、これで終わりたいと思います。ご協力ありがとうございました。


(了)

照会先
厚生労働省医政局研究開発振興課
TEL 03−5253−1111
高度医療係 新美 内線2589

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