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2012年4月25日 第3回労災診療費のレセプト審査事務に関する検討会議事録

労働基準局労災補償部補償課

○日時

平成24年4月25日(水)17:30〜19:30


○場所

厚生労働省専用第17会議室(中央合同庁舎第5号館16階)


○出席者

(参集者:五十音順、敬称略)

小西 康之、竹内 啓博、蜂谷 將史、山口 浩一郎

(厚生労働省:事務局)

鈴木 幸雄、若生 正之、倉持 清子、河西 直人、藤原 毅、栗尾 保和、松本 和之、岡村 圭介、倉重 潤一郎

○議題

(1)労災診療費のレセプト審査事務の在り方等について
(2)その他

○議事

○松本職業病認定調査官 定刻になりましたので、ただいまから「第3回労災診療費のレセプト審査事務に関する検討会」を開催します。本日は、松島委員は所用でご欠席です。
 会議を始めるに当たり、資料の確認をさせていただきます。本日の資料は次第の次からとなります。下に通し頁を付けています。1頁から最後の頁は12頁となります。資料の欠落等はありませんか。よろしいでしょうか。
 また、写真撮影は以上とさせていただきます。ご協力のほどお願いいたします。
 それでは、山口座長、よろしくお願いいたします。
○山口座長 それでは、議事に入ります。前回の会議で、社会保険診療報酬支払基金から業務の流れ等についてご説明をいただきました。この検討会の中心的な課題は、労災レセプトの審査を外部に委託できるかどうかですので、この支払基金の業務の流れ等をよく理解した上で、どのような点でどういうことが可能なのかを検討していくことが、今回のいちばん大事な仕事だと思います。今回からその点の実質的な検討に入ることになります。事務局から先ほど配布資料の説明がありましたが、その中にいくつか関係の資料が用意されておりますので、まずご説明をお願いします。
○栗尾職業病認定調査官 それでは、資料についてご説明いたします。資料1と資料2がありますが、まず2頁目の資料2「社会保険診療報酬支払基金の説明概要」として、前回の検討会において確認いただいた支払基金の業務等の内容をまとめております。資料に沿って順次説明します。
 まず「保険者等」については、支払基金の場合は、健康保険等の被用者保険や公費負担医療の審査支払業務を受託しているという状況です。「受託数等」については、受託者数約1万3,000箇所。病院、診療所等は22万7,000箇所から請求が上がってくるということです。「審査支払に要する期間等」については、医療機関等からの請求は、診療翌月の10日。保険者等から毎月20日までに基金に診療費等を支払っていただき、21日までに支払基金から各医療機関に支払うという仕組みになっています。
 「手数料等」については、紙媒体や電子レセプト等を平均すると、レセプト1件当たり83円50銭です。医療機関等から提出される「レセプトの媒体」については、現在は主に電子レセプトということで、平成23年10月の東京支部で見ると、電子レセプト89%、紙媒体11%で、9対1の割合になっています。
 「審査内容等」については、療養担当規則、診療報酬点数表、関連通知等の保険診療ルールに基づく審査を実施しています。「審査担当職員等」については、全体として4,936人のうち、審査事務を集中的に担当している者は約3,000人です。また、専門性の観点からは、採用時に特別な経歴・経験を求めてはいないが、採用後、各種研修等を通じて保険診療ルール等の専門性を高めているということです。「審査委員等」については、審査委員4,674人を委嘱しているという状況で、月当たりの審査日数は東京支部で7日間、少ない支部で3日程度です。1人当たり毎月約1万1,000件を審査している計算になります。
 裏面は「再審査請求」の状況です。保険者側からの再審査件数は461万件、医療機関等からの再審査請求件数は23万件という状況です。「支出総額(経費)」について、人件費、職員の給与諸費が約半分程度。コンピューター関連の経費がそのうち3割程度。審査委員会の先生方に支給する手当等は15%程度です。
 参考資料を説明します。4頁の参考資料1は「医療機関等と保険者・支払基金との関係」を絵にしたものです。健康保険の場合、医療機関等と支払基金、保険者の三者の中で、支払基金は審査支払機関としての役割を担っています。労災保険の場合ですと、医療機関等と保険者の中で、保険者たる国が審査支払いを行うとともに、業務上外等保険給付の可否の判断も併せて行っています。
 5頁の参考資料2は、労災保険と健康保険における保険給付等について整理したペーパーです。労災保険においては、療養(補償)給付、休業(補償)給付、遺族(補償)給付等、被災労働者等に対する各種の給付があります。給付に当たっては、労災であるか否かの業務上外の判断という行政処分が前提となります。また、治ゆ後の給付等として障害(補償)給付やアフターケア等があります。これらについても症状固定の判断という行政処分が前提となります。
 労災保険と健康保険の右側の点線で囲んだ中ですが、保険料負担として、労災保険は事業主負担、健康保険は被用者と事業主の双方の負担です。受診者の負担は労災保険においては自己負担なし、健康保険は原則3割であるという相違点もあります。こちらについても表に明記しています。
 6頁の参考資料3は、労働基準法における事業主の災害補償責任の部分と、労災保険法の保険給付の部分に関係する条文を参考として添付しています。この中の下線部分が直接関連する部分ということで、参照していただければと思います。
 7頁の参考資料4は、最初に説明した資料2に支払基金だけの概要をまとめておりますが、こちらは労働局と支払基金の比較で整理しております。順次ご説明します。まず「保険者」は労災では国、基金の場合は被用者保険の保険者、公費負担医療の実施機関です。なお、社会保険診療報酬支払基金法第1条及び第15条において、基金の目的及び業務の範囲が規定されています。
 職員の規模は、労働局においては審査担当職員数561人、審査委員数543人。支払基金においては審査担当職員数は3,000人、審査委員数4,674人です。職員の専門性という観点ではどのような対応かということですが、労働局においては労災保険制度や医療事務の知識・経験を有する再任用職員及び非常勤職員を採用して、採用後、研修等を通じて専門性を高めるという形です。支払基金においては、採用後に各種研修を通じて、保険診療ルールの知識を高めるという対応を採っています。
 「審査内容」です。労働局においては、診療報酬点数表等に基づく審査点検は業務上外の審査と併行して実施しており、及び労災固有部分(私傷病や治ゆ等)の審査点検を行っています。支払基金においては、療養担当規則、診療報酬点数表等の保険診療ルールに適合しているかどうかを確認しています。
 続いて「取扱実績」です。最初に労災は、請求件数351万件、査定件数24万6,000件、請求金額2,215億円、査定金額38億円となります。支払基金は請求件数6億1,226万件、査定件数663万件、請求金額11兆3,496億円、査定金額247億円です。
 その下に「取扱推計」を付けてあります。取扱件数等の推計ですが、取扱実績や職員数を使って単純計算ですが、一応推計をしておりますのでご説明いたします。まず、労働局のほうでは、審査担当職員1人当たりの審査件数は1カ月当たりでは521件、1日当たり52件です。審査委員1人当たりの審査件数は1カ月当たり539件、1日当たり539件です。請求金額と件数を割り戻しますと、レセプト1件当たりの平均請求金額は6万3,105円になります。支払基金の場合は、審査担当職員1人当たりの審査件数は1カ月当たりで1万7,07件、1日当たりに換算して1,546件です。審査委員の審査件数は、1カ月当たり1万916件、1日当たりに換算して1,559件です。レセプト1件当たりの平均請求金額は1万8,537円という数字が試算されます。
 8頁の参考資料5は、支払基金に委託した場合の手数料として、どのぐらいかかるかを試算したものです。労災の請求件数351万件を、医科等、調剤に分けて積算しています。平成22年度労災レセプト件数に支払基金の手数料単価、医科・歯科99円40銭、調剤49円60銭を乗じて積算したものです。手数料額は3億1,600万円と積算されます。
○松本職業病認定調査官 9頁からは、日本の医療保険制度の関係について若干ご説明します。9頁ですが、日本の医療保険制度は原則として「現物給付」となっています。保険医療機関・保険薬局が、診療後に保険者に診療報酬を請求する仕組みとなっています。
 次の○印ですが、保険医療機関は被保険者が疾病にかかったとき、容易かつ速やかに診療を受けることができるよう、公法上の契約に基づき、保険者を区別することなく、すべての被保険者に療養の給付を行っているということです。この公法上の契約ですが、保険医療機関は保険診療ルールに従って被保険者に対し療養の給付を行い、保険者はその対価として診療報酬の支払いを行うという双務契約という位置づけになっています。これが保険者と保険医療機関の関係となります。
 次頁もいままでの説明の中で出てきているものですが、確認のためにもう一度ご説明します。「医療保険におけるレセプトの審査」です。レセプトの審査は、診療報酬の支払いを行うに当たって、診療行為が療養担当規則、診療報酬点数表等の保険診療ルールに適合するかどうかを確認する行為です。
 2つ目の○印ですが、多様な患者に適切な医療を提供するという保険医療の性格上、現在の保険診療ルールは、診療する医師等に一定の裁量を認めています。ですから、すべて機械的に判断することは不可能となっています。そのため、最終的には医師等の専門家の目による医学的妥当性の判断が不可欠となっています。このやり方が診療側、保険者側双方の信頼と納得を得られる公正な仕組みということで位置づけられています。
 しかしながら、そういう中でもそれに納得できないものがあります。11頁をご覧ください。1つ目の○印は、保険者と医療機関との間で意見の相違があった場合、民事裁判による手法によらず、お互いが納得する形で請求・支払額を効率的かつ迅速に確定する「紛争処理の仕組み」ということで、保険者の代表、診療担当者の代表、公益の代表の三者構成の審査委員会の中で審査を行っています。このような仕組みによって、専門的見地から中立的な審査が担保されています。この辺の部分については、これまでの説明の中でも出てきたものを確認ということで資料を提出させていただきました。
 参考資料は以上ですが、ここで資料1に戻っていただきたいと思います。1頁です。先ほど座長からも、本日は実質的な検討をというお話がありました。その主な論点を事務局で案を作成しましたので、その内容について、ご説明したいと思います。
 まず1つ目は「検討の対象」ということで、論点1「レセプト審査事務の委託等として検討する対象は何か」です。こちらはここ2回の会議の中で、レセプト審査事務の対象として、労災診療費、薬剤等の関係についてご説明してまいりました。また、第2回目の会議に、労災保険指定医療機関ではない医療機関を受診した場合、費用請求の仕方という事務処理もご説明しました。ですから、今回の検討の対象として、どこまでを対象とするべきかが1つ論点になるかと思います。
 2点目は「労災診療費の労働基準法・労災保険法の位置づけ」ということで、論点2は「労災保険制度の特徴」についてです。労災保険制度についてご説明してまいりましたが、業務上の災害によるものを補償の対象としています。そういう中で私傷病を排除するという話だったり、治ゆの時期を判断するといったこともご説明してきましたが、そのような労災保険制度の特徴などについて、ご議論をいただきたいというところです。
 3番目は「審査」ということで、ここには3つの論点があるかと考えております。論点3は、労働局と支払基金との審査目的・内容の違い。それから論点4は審査体制の違い、論点5は取扱実績、査定の実績などをどのように捉えるのかという点があるかと思います。
 4番目は「支払基金に委託するとした場合」ということで、ここには4つの論点があるかと思います。論点6は、委託するとした場合、対象業務はどこまでになるのかという点です。論点7は、労働局と支払基金で判断が異なった場合、どのように考えるのかという点です。これについては支払基金が労災固有の事由なども査定するとした場合、労働基準監督署長の不支給・治ゆなどの認定の行政処分とその判断が異なった場合、何らかの整理が必要になるのかどうかといったポイントもあるのではないかと思います。論点8は、委託するとした場合、審査期間をどのように考えればよいのかという点です。最後の論点9は、委託するとした場合、費用対効果をどのように考えればいいのかという点です。こちらについては、本日も手数料の積算という資料しか提示できておりませんので、後ほどご議論いただいて、このような資料をというご指示があれば対応したいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。事務局からの説明は以上です。
○山口座長 ありがとうございました。それでは、論点がこれでよろしいかどうか、何か付け加えたほうがいいものがありましたらご指摘いただきたいと思います。その前に、事務局から資料の説明がありましたが、その説明についてもご質問、ご意見がありましたら、それも併せてお願いいたします。
 論点で見ますと6から9までが、「支払基金に委託するとした場合」にどういう問題点があるのかということですが、その前に論点1は委託する場合にはレセプト審査事務全体を委託するという考えです。ここはレセプト審査事務がどういうものかと、どこまでがレセプト審査事務として行われているかということを見ればいいのですか。
○松本職業病認定調査官 2回目の会議のときに、実際レセプトでの請求ではないのですが費用請求というような形で、一旦労働者の方が全額を負担した上で、その請求を労働基準監督署のほうに出してきます。それも、実は請求書の裏面がレセプトと同じ内容になっています。その内容もやはり審査をしているものですので、それも対象にすべきかどうかという点です。
○山口座長 そうするとここは、費用請求はレセプト審査業務そのものではないけれども、同じような手続でやっているので併せて考えたほうがいいと、こういうことですね。
○松本職業病認定調査官 そうです。
○山口座長 健康保険の場合は、そういう費用請求というのはないのでしょうね。保険医療機関でないお医者さんに行って診てもらって請求するということは、健康保険の場合はないのでしょうね。
○河西課長補佐 健康保険の場合にも、一旦立て替えておいてあとで精算するというような仕組みはあります。
○山口座長 それは費用請求とはものすごく違うのですか。労災の費用請求とは。
○河西課長補佐 いいえ、基本的には同じものです。
○山口座長 そうするとこの費用請求は、お互いに似ているから、審査業務そのものではないけれども一緒に考えたほうがいいということですね。
○河西課長補佐 はい。
○山口座長 先生方、いかがですか。別に順番でなくても結構です。意見が言いやすいという点から、4のところのほうがご意見をいただきやすいのかもしれませんからご遠慮なく。
○蜂谷先生 今の立替えということですが、労災の場合は病院に払って、あと労働基準監督署でもらうということですか。でも、社保の場合には、病院で一旦立替払いをする場合とは、例えば、当院では夜間来たときには計算できませんので一時立て替えて、大体の費用を見て、1万円位あるいは5万円位だと預ります。いわゆる預り金ですよね。そういう場合はその翌日かに来てもらって計算し支払ってもらいます。そうしたら交通事故と一緒ですか一遍払っておいて、事故のときにまたどこかでもらいますよね。
○松本職業病認定調査官 労災保険指定医療機関であると、レセプトでの請求になるのですが。
○蜂谷先生 指定医療機関以外の場合ですね。
○松本職業病認定調査官 そうです。
○山口座長 労災保険の場合には、参考資料9にも付いていますように、法律上、健康保険にない業務上外の認定というのがあって、それが行政処分で、この認定があって支給決定がなされたものについてだけ診療報酬の審査をやるわけですね。先ほど費用請求もありましたが、それと併せてやるということになりますね。そこのところ、先ほどの説明では併行審査ということになっていると。これは、労働局の中でやっておられるから併行審査が可能なのでしょうけれども、外へ出したらこういう併行審査というのはあり得ますかね、できるのですかね。
○河西課長補佐 併行審査ということになると、それはなかなか。同じ労働局の中でやっている分には、それは両方できると思うのですが、例えば労働局のほうで一旦業務上外の判断をしたものを基金のほうで審査していただくのか、あるいは、いま労働局がやっているのと同じように、業務上か否かまだ判断のつかないものも全部含めて基金のほうに審査をしていただいて、労働局の判断がつくまで支払いのほうを止めて、審査だけをしておいていただいて、その回答をいただくのかという、そこが論点になるかなと思っているのですが。
○山口座長 論点だと思います。論点だと思いますが、今の併行審査のように業務上外の認定の判断が出る前に委託するということは、事実上可能ですか。委託していて業務外だという判断が出て審査業務が終わっていれば、それは手数料を払わなければいけないですよね。しかし、払う義務のなかったものを見てもらって手数料を払うというのは、いかにも変な気がする。そういうことは、外部に委託した場合あり得るのかと。
 それともう1つやっかいなのは、これは保険者の中でやっているからいいですが、さっきの支払基金の説明を見たら、参考資料1ですが、保険者のほうが再審査の請求ができるようになっているでしょう。もしどこかにレセプトの審査支払を委託したら、国にはやはりその業務は残ります。これは外へ出せないのではないだろうか、どうですかね。
○鈴木労災補償部長 今の点については、たとえ基金なりどこかの団体に審査を委託しても、労災保険の保険者たる国がそれを100パーセント信じてやるということは、やはりないのかなと。上の健康保険の場合と同様、保険者としてのチェックというのはやっておかないと責任を果たせないのではないかと思います。やはり、二重手間といいますか、そういうことにはなるのかなと思います。あと、業務上外の判断は、労働局内でやっている分にはそれは本来業務ですが、その一部を外部にスクリーニング的に委託できるのかという問題とかも。
○山口座長 いや、業務上外の判断は行政処分だから、これは外に出せないでしょう。
○鈴木労災補償部長 いや、ですからスクリーニングです。判断は、当然労働局がやるのですが。審査のスクリーニングと同様に、何というか、当然、整理が必要になってきます。
○山口座長 たまたま労働局でやっていて、労働局の中の仕事だから業務外ということになっても、空打ちだということが響かないのですよ。だから、中でやっているからうまくいくので、これを外に出したらそこのところの接合をどうするかという問題になります。空打ちをしないようにするためには、業務上の認定、その支給決定ができたものについて、外部に委託するということになるのではないかと。そうしたら併行審査でなくなるから、むしろ、審査期間が長くなってしまうのではないかと。そういう問題が起こりはしないでしょうか。
○鈴木労災補償部長 国会の事業仕分けの際に、基本的な議論は基金と国保連の統合で、後半にこの話が急に出てきて。関連業務との密接性といいますか、一体性の必要性を十分に説明する時間がほとんどありませんでしたので、そこはかなりご理解いただけないまま、同じような審査だから外部委託できるのではないかという意見につながっているという可能性はあります。ですから、制度上はなかなか難しい。あるいは、一旦業務上外を判定してから出す、支払いはまたこっちに戻ってくる、という非常に煩雑な仕組みになりかねないということだと思います。あるいは、一旦払っていただいて、あとで保険者としての再審査請求をするとなると、これはまたより難しい。
○山口座長 そうなると、かえって問題が出てきますね。
○鈴木労災補償部長 時間もかかりますし、非常に硬直したシステムに乗ってしまうことになりかねないと。
○山口座長 先生方、いかがですか。効率の話が出ていますから、竹内先生からご覧になって、いかがですか。
○竹内先生 私も制度のほうの理解が十分達していないですが、併行審査というか、いまおっしゃった業務上外の判断が前提にあって審査するという。だから、素人的な考えですが、空打ちと先ほどおっしゃっていた、そういうものがない仕組みというものはそもそも出来ないのでしょうかねというのが、素人的な発想なのですが。
○蜂谷先生 それをするのでしたら、先に傷病名だけを見てしまえば、私病かどうかは大体わかりますよね。
○山口座長 それは、仕組みとしてはありうると思います。しかし、長い間、医療機関にはお金を払ってもらえないですよ。
○竹内先生 そうですね、そういう弊害がありますね。
○蜂谷先生 そうしますと、支払いは1カ月遅れということになりますか。
○山口座長 労災の業務上外の判断は難しいし、支払いのことを考えると、併行審査というものがどうしても必要なのです。
○蜂谷先生 これは業務上だとか業務外だとか、私は決めてしまいます。一緒にやっていますから。だから、その傷病名だけを見てパッとはねてしまうかどうかです。ところが、最近非常に厳しいのは、結局、骨粗鬆症が出てきますね。例えば年配の人で、50代、60代で骨折したりした。もう骨粗鬆症を付けてきますからね。そうしたら、それが本当に業務かどうかは分からないです。
○山口座長 いろいろなところにそういう影響が出てくるのではないかと思います。確かにレセプトの件数は350万件で少ないですが、単純に計算された1件当たり労災では6万円でかなり違いがあるから、実務的にはなかなかやっかいかもしれないですね。
○若生補償課長 350万件請求があるのですが、結局、新規のレセプト請求と既に業務上外が決まっていて、そのあとに継続して請求されるレセプトとがあります。新規の労災事故は、年間50数万件の療養補償給付が請求され、業務上外を決めないと先生がおっしゃる空打ちの出る可能性のあるものがあります。また、既に業務上と決まってその後に継続して請求されるレセプトがあります。分けるのなら、業務上外が決定されていないレセプトを外して2回目以降のものだけ併行審査をすることは可能なのかなと。それが1つとそれから、費用払いの請求については額を含めて行政処分となってしまうので、業務上外が決まったものだけを審査対象にするとした場合には、費用払いのレセプト審査は出来ないこととなります。
○山口座長 そうすると、一旦業務上の認定がなされた場合には、あとは要するに、継続で治ゆしているかどうかというチェックを入れていく、そういうことですかね。
○若生補償課長 そうですね。そのあとは、業務上外の判断とは別に私病を区分するとか、療養効果があるかとか、そういう労災固有の問題が別途残ります。
○山口座長 療養のルールですね。
○若生補償課長 はい。それで、その辺のところをどこまで見られるのか。業務上外の決定も、署長の行政処分になりますし、治ゆのほうもまた行政処分に絡んできます。私病を区分するやり方とか治ゆの問題をどこまで委託できるのだろうかというところが1つ難しい問題だと思います。
○山口座長 その辺のところは、この前、時間の関係で支払基金のほうに詳しく伺えなかったのですが、支払基金のほうは大体、職員で1日当たり1,500件ぐらい見ておられるのです。仮にこれが8時間ではなくて10時間働いたとしても、1時間で150件ですから、労災のあれを見ると、審査といっても密度がかなり違うのではないかという気がします。蜂谷先生、その辺、何かご意見はありますか。
○蜂谷先生 私は、大体1万1,000件ぐらいを1週間でします。大体40時間弱ぐらいかかります。しかし、継続のレセプトは内容は少し薄くなります。また、病院により傾向があり、その点だけを審査すればよいのです。労災の場合は、最初の段階で私病か労災かを調べて労災があれば、一旦診療所に返し、労災と私病のレセプトに分けて再提出してもらえば1ヶ月遅れで審査することになります。
○山口座長 そうすると、これは片方が電子レセプト90何パーセントになっていて、片方はまだ紙レセプトだということ以外に、そういう審査の状況も相違があるということでいいですね。
○蜂谷先生 そうですね、電子レセプトになると、疑義あるものは簡単に引っかけられます。薬などでも適応外であれば簡単に抽出できます。
○山口座長 その辺のやり方は審査件数とか審査率にかなり影響がありますから、どういうやり方をするのかというのは、実際にはかなり大きな問題になってくる。
○蜂谷先生 審査するときに、大体1年から2年ぐらいその診療所を見ますので、大体の傾向は分かります。徹底的に返戻し、そして、もし直して頂けないときは事務の方からその診療所に話してもらい、訂正してもらいます。すなわち査定をするのではなく、いい診療をして頂くということです。
○山口座長 先生の実際のご経験からいって、業務上外の判断ですね。パッと見てこれは私傷病であるというような判断は割と簡単にできるものですか。
○蜂谷先生 内科というよりも、整形外科とか外科系のほうが多いので割に簡単です。しかし、内科の病気がついてきますと簡単にはいきません。糖尿病とか高脂血症とかありますと、種々の検査をします。また、ショックになりますと血糖値が変動したりしますから、治療する過程を見て業務によるものか判断します。大体病名から分かります。医療機関によっては初診時に、1度に30位病名を付けてくることもあります。状態より検査のために病名をつけるため、治療も過剰になります。そこを見分けることは非常に難しいと思います。
○山口座長 健康保険との違いは、労災のほうはそこを離れられないのですよね。
○蜂谷先生 そうですね、どうもこれは労災かなという感じのものがあったりします。
○鈴木労災補償部長 今の話に関連しますと、国会の事業仕分けで「基金に委託することを検討すべき」という1つの根拠といいますか、向こう側の考えの論拠としては、やはり行政内部でやっている審査が基金、基金というのは非常に多く見てノウハウも蓄積されているので、行政内部の審査のレベルはそれに比べれば低いのではないかというのがちょっとあるのかなと思うのです。そうでなければ、同じ審査の先生をお願いして、むしろこちら側には今のような労災のノウハウの蓄積があるわけですから、わざわざ外に出さなくてもいいというように自然にご理解いただけるのかと思うのです。そういうご指摘があるということは、逆に裏返せば、基金のほうはいろいろな分野をたくさん見ているからノウハウが幅広く、かつ、たくさん蓄積されているのではないかというイメージがあるのかなと。
 ただ、この前の基金のデータにもありましたが、コンピューターである程度やっても結局は人の作業というのがありますので、こちらがあまり電子レセプト化してそういうノウハウをいただいてやっても、結局は今やっている作業で相当チェックされますので、それほどメリットがないのではないかということを感じたわけです。
○山口座長 細かく検討していけば、皆さんそういう感じをお持ちではないかと思うのですが、たぶん国会の発想は、大きなJRの本線が走っているのに何か私鉄の支線がちょっと出ているのはおかしいではないか、これもJRにしてしまえばどうか、という話ではないかと思います。
○鈴木労災補償部長 あと、費用対効果というか、効率性がどうかというのも観点としてはありますので。我々はむしろ、1人当たりあまりにも多いところにさらにお願いすれば、査定率はむしろどうなのだろうというのもあるわけです。小規模でやっているということについては、効率性が低いのではないかというのもあるのかなと思っています。向こう側の確認したい事項としてはあるのかなと思っています。
○山口座長 しかし、先ほども意見が出ましたが、いま支払基金でやっている審査業務に価するものを全部出すということは不可能ですよね。先ほどおっしゃったように、保険者として審査の業務というのはどうしても残ってしまいますから。だから、費用対効果ということを見れば、むしろ全体としてはどうかなということではないかと思うのですが、どうですか。
○小西先生 私も大体そのように思っています。結局、厚生労働省として行政処分をするなり、そういうところでのチェックはまず必要だということがあるので、ほかの基金等に出したとしても、また同じようなチェックは少なくともしなければいけないという、ダブルで判断しなければいけないという観点があります。
 また、私、よくわからないのですが、健康保険などでの審査が1日当たり1,500件とか1,600件というところで、どの程度きちんとできているかというのは、逆にこちらのほうもよくわからないのではないかと。ある程度の個人負担もあるしというところで、金額が比較的低くなればなるほどスムーズに通すような傾向があるのであれば、それと同じようなチェックのシステムをこの労災に持ってくることはできないと思うのです。そうしたら、労災の担当部署がしっかりチェックするということはますます重要になると思うのです。なかなかダブルでやるというのは、費用的なことは私よく分からないのですが、費用的にも制度的にもちょっと厳しいのかなというような印象があるのです。
○山口座長 審査件数とか審査率まで費用対効果に考えれば、支払基金のほうの査定率は数字的には低いです。
○鈴木労災補償部長 私も過去の業務で審査ではないですが、直接レセプトを扱う仕事をしていました。先ほど蜂谷先生が言われたように、点数の高くないレセプトについては、特に小規模の医療機関では、事前にチェックしていただくと査定するような対象はあまりないのです。ですから、この件数がある程度の精度で実施可能だと思うのです。そういう意味では、同じような入院で、例えば手術を伴うようなものについての査定率やそれにかかる時間などを比較できればいいのですが、なかなかそういうデータが双方にありませんので、逆にいうとそれを知らずに委託するリスクがあるということになるのではないかと思います。
○竹内先生 よろしいでしょうか。
○山口座長 どうぞ。
○竹内先生 費用対効果の話が出ているので、私もちょっと。労災診療費のレセプト審査というこの行政の目的というか、ここの効果のほうなのですが。この査定金額38億円というものは、これは下回ってはいけないという数字なのか、それともこれを下回ったとしてもコストがそれ以上下がれば、それはいろいろなことの検討の余地があるのか。そこの辺りが結構議論の前提になるのかなと思ったので、最初にお伺いすればよかったのですが、その辺りはどうお考えでしょうか。私としては、精度の信頼性を担保するためには、この程度の査定金額というものは維持するんだという考えでいらっしゃるのかなと理解しているのですが、いかがでしょうか。
○山口座長 つまり、支払基金に委託する場合に、支払基金が現有の勢力でやれるかということですね。
○竹内先生 そうですね。多少その査定率が下がる、その率というか金額が下がるとしても、委託して純粋なコスト自体が下がるのであれば、それは意味があるのではないかという考えを持っておられる方はいらっしゃると思うので。その辺はやはり効果のほうを先に設定しないと、前提がふらついてしまうかなと思いましたので確認したかったのです。
○河西課長補佐 第1回目の資料で参考資料8の20頁になりますが、過去3年間の査定の、これは労災保険の査定の実積ですが、過去3年間、少なくとも36億円以上は査定の実績があったので、この程度は出ないと、査定がきちんとできているとはいえないのではないかと私どもは感じております。例えばこれが極端に10億円だとかということになると。少なくとも実績として今まで36億円以上の査定をしてきておりますので。
○若生補償課長 おそらくどこまで委託できるかという問題に絡むと思うのです。要するに、業務上と業務外の私傷病を区別するということは、今の健保ではおそらくやっていない。また、やる必要もない。そういう診療ルールでやるものの中には、いま言った私傷病を区分するとか、治ゆの問題ということは出てこないですね。
○山口座長 ええ。
○若生補償課長 だから我々の査定の、なかなか一律には比較しにくいというのは、いま部長がお話しましたように、外科とか内科とかそういう問題とか、健保にはない労災固有の査定も入ってきていて、その中身がどこまでどうかというのはなかなかわかりませんが、それを今やっている、健保準拠のところだけをお願いするという世界なのか、それとも本当に労災固有の部分までできるのかと。そこのところによって必然的に査定の問題も絡んでくるので、その辺のところが今日のご議論の中でどこまで委託できるかの中で、まず労災の健保準拠の部分と労災固有の部分をどうするのかによって査定率の考え方もだいぶ変わってくるのかなと思いますので、そこをご議論いただければと思います。
○山口座長 どうでしょうか。
○小西先生 私、健康保険法の条文がわからないのですが、まずお医者さんのところに病人が来たというようなときは、お医者さん自身は、本人からの申し出がなければ特に労災というルートを選択する必要はないのですか。最初の時点では。
○蜂谷先生 これは、最初のときに窓口で事務の方が労災か交通事故かどうか聞きます。それからレセプトを作ります。本人の申し出で決めます。
○小西先生 例えば指を怪我したというようなときに、お医者さんがそういう話を全然しなかったら。
○蜂谷先生 医者は必ず現症を聞きますので分かりますが、事務のところで話を聞いてカルテを作ってしまいます。例えば、労災のカルテが作られ、ほかの症状があるときに医者はその治療もしてしまいます。そうすると、事務のほうで最後に会計するときに、これは労災ではないのではと、事務が教えてくれます。そこで「カルテを2つ作りましょう」ということになります。普通はそうです。ところが問題は、最初、健保でかかっていて、半年ぐらいして治ってからまた痛くなり再発だと受診され、実は、前回のも労災ではないかと言ってくると困ってしまいます。一度治っていますのでそれは病院としては受け付けられません。神奈川県では、いま社保と労災に精通している先生を中心に労災と社保と国保と、勉強会を年に何回か開いて、こういう時はこのようにしようと決めております。その先生に聞くと、労災特掲がありますのでやはり難しいと言っていました。私は長年やっていますので、労災の中の精度が上がるのでいいのではないかという気がします。精度が上がれば、かなり査定効果がでるものと思います。
○山口座長 その辺の実態は分かりませんが、そういうことなのでしょうね。
○鈴木労災補償部長 よろしいでしょうか。
○山口座長 はい。
○鈴木労災補償部長 先ほどの竹内先生のご質問に戻るのですが、査定率なり査定金額についてはこれまでの実績として、大きく医療機関の診療の態度が変わらない限り、このぐらいはあるのだろうということになりますと、これは少し下がっても委託費用が少なくなれば、要するに、費用対効果としてよしというようにするわけにはいかないのかなと。やはり労災保険を扱う行政としては、可能性があるものについて、この査定率は維持するというスタンスはとらざるを得ないと思います。ただ、基金も国保も競争原理などでコストを下げるというような議論がされていますので、今よりもさらに安い費用で何か一部を委託することによって、費用は若干プラスアルファになるけれどもむしろ査定金額が上がる可能性が期待できるとか、そういうことを議論すべきではないかと思っています。単純に、今よりプラスになれば選択すべきではないということではないと思っております。ただ、基金がどのぐらいコストを下げてくれるかというのは、あるいは我々のノウハウも提供することによって、どのぐらいさらに行うべき査定がなされるかということは、予測は難しいと思います。
○山口座長 それと、小西先生も法律の方だからそうお感じなのではないかと思いますが、診療報酬の算定のところだけ一部委託したことによって、労災保険制度の運営自体がぎくしゃくしてくるというのは本末転倒ですから、やはりそこは基本としてきちんと確保されていないといけないのではないかと思うのです。それがまず第一ではないかと。
 それから、先ほど課長がおっしゃった費用対効果の計算ですが、もしこのデータをごく単純に考えると、基金のほうに審査業務を出したら、査定率とか何とかを見ると、その数字で当てはめたものの査定がなされるということになりますね。職員の数は増えるかもしれないけれども、職員の経験とか知識とかは今と別のものとは考えられないですから。
 ところが、それを出した場合に、支払基金のほうで現有の職員でやるなら、これは相当の研修が要るし、あるいは現有の職員で足りなければ、そこの人員を新しく増やさなければいけないですから、人件費というものが当然変わってくると思います。そういう新しい体制に投資をした場合には査定率が維持されるから、その部分のコストはいままでどおり維持されて低く済みますが、審査の計算とか算定自体は、現状のまま支払基金に出したら、そこのところは安くなりますが、結局、査定のほうでコストが高くなってしまって、差引きしたらどっちがコストが高いのかなということになる可能性もありますね。
 国会の言っておられるのは、支払基金であれだけたくさんの人数を抱えて、組織もきっちりやっておられるのだから、労災は件数も少ないのだから、そこだけをきちんと見てもらったらそれで済むのではないですかという、何か部分的で単純な想定ではないかという気がするのですが。
○蜂谷先生 査定だけをしてもらい、二重構造になりますが、それで戻して計算はこちらでするというのなら割と簡単です。すなわち、病名に対する査定をしてもらう。労災特掲などを覚えていくとなると、かなり難しいですよね。そこで査定だけをしていただく、それも、ある程度高額のところだけ10万点あるいは7万点を超えるものを審査する。そうすれば、傷病名と内容はすでに審査されていますのでかなり手間が省けます。
○若生補償課長 健保に準ずる部分という意味の査定ですね。
○蜂谷先生 そうです。労災は別にこちら側でするとなれば、それも金額の高いものだけを出して、少ないものはこちらで。いずれこっちで審査しなければ、たぶん計算はできないのではないでしょうか。
○小西先生 そういうところについても、将来的には労災についても電子レセプト化というか、新しいシステムを導入していくということになってくると、ますます支払基金にお願いするという必要性は少なくなるのですね。
○蜂谷先生 そうですね。
○鈴木労災補償部長 私、先ほどそれを言いました。電子レセプト化でかなり審査委員のノウハウがプログラムに入っているのか、診療科別にはこの前基金に質問しました。やはりそれはかなり定型的な、診療報酬点数表で何回とか、禁忌薬剤とか、そういうものに限られるので、画面上でまさに医学的知識を持ってやるというのは、電子化したところで単純にはできないと。
○蜂谷先生 やはり医者の裁量権がありますので。状態を診てこれはこうだとなったら、そのとおりになってしまいますし、薬などでも、適宜増減可というのがありますから、ぴったりとはいかないです。
○山口座長 それはレセプトの媒体の性質からきているのではないのではないですか。紙レセプトから電子レセプトになってもかなり違いが残るのではないですかね。
○蜂谷先生 ですから、今は疑義のあるものを選定するため、適用がないものが選定されます。それともう1つは、高額医療のものを、例えば高額の薬、検査など高いものは色つきで選定されます。そして職員の人が1つずつ見て理由を記載した疑義付箋をつけます。やはり人はたぶん要ると思います。
○竹内先生 電子レセプトの導入が進んでいく中で、査定件数は減るのだけれども査定金額は維持できるというようなチェックの流れは。要するに、チェックする件数は少なくて見つける件数を増やすということは。
○蜂谷先生 それは診療側としては、もしそれが電子レセプトで引っかかりますと、それに対して病名を付けます。逆にいうと、その治療した行為に対しての傷病名を付けてしまいますので、社保の場合には本当かどうかわからないということになります。しかし、労災の場合は傷病名は決まっていますので、そうはならないと思います。
○竹内先生 なかなかそういう単純な話ではないと。
○蜂谷先生 ただ、検査・治療に対しての傷病名を付けたりすることはあります。例えば「何とか痛」と付ければ保険は通ってしまいます。しかし、労災の場合はそれは難しいですね。
○山口座長 いろいろ意見をいただいておりますが、次回、事務局のほうには今日出た議論をたたき台風にまとめていただかなければいけませんので、少しずつ論点を確認していきます。論点の検討の対象、法律上の位置づけ、審査も途中までですかね。一応制度的な仕組みですから。いちばん重要なのは4の委託するとした場合にどんな問題が考えられるかということだと思います。ここのところで少しご意見をいただけたらと思います。
 先ほどからの議論を伺っていますと、「支払基金に委託するとした場合、対象業務はどこまでとなるのか」と。はっきりしているのは、とにかく業務上外の認定はこれは行政処分で、これはとても無理と。それからレセプトの審査。ここは、善し悪しは別として委託しようと思ったらできるかもしれないという議論ですね。もう1つ、保険者としての再審査がある。これは残さざるを得ないでしょう。だから、委託するとした場合に、いま支払基金でやっているすべてのことが委託できるわけではないということになるのではないかと思います。
 それから「労働局と支払基金で判断が異なった場合、どのように考えるか」ということですが、この判断というのは何の判断ですか。
○松本職業病認定調査官 支払基金は特に問題なくこれを支払っていいという判断になっているものの、労働基準監督署のほうではこれは治ゆの時期になっていると。いまですと、それはもう治ゆなのだからということで、休業なりはそれで終了させて障害補償給付等に移っていくのですが、その労働基準監督署長の判断と支払基金の判断が異なった場合にどのように考えていったらいいのかという点です。
○山口座長 そもそも、その業務は支払基金に出せるのですか、法律上出せないのですか。
○蜂谷先生 社保は病院や診療所に来られる以上は全部支払っており、切ることはできないと思います。
○山口座長 労働基準監督署は治ゆだと判断して、だからアフターケアでこういうことをするという判断になっているのに、支払基金はその判断をしないで継続を。
○蜂谷先生 といいますのは、最初に発生したときの傷病年月日は全然支払基金は関係ありませんので、何年かかっても病気であれば見ています。
○若生補償課長 治ゆの判断は、おそらく労働基準法に治ったという条文があるので。
○蜂谷先生 治っているか、症状が固定しているかということですね。
○若生補償課長 それが治ったら治ゆで。
○蜂谷先生 普通は6カ月で症状が同じなら固定ということになっていますので、私などは早目に症状固定の日を言います。
○若生補償課長 健康保険法で治ゆという概念は、おそらく法律上どこにもないですね。
○鈴木労災補償部長 ありません。
○蜂谷先生 良くなれば患者は来院しませんので。
○山口座長 治ゆの認定をして所定のアフターケアか何かをするというのは、労働基準監督署長、行政官庁の判断になりますね。支払基金がまだ病気が続いているということで給付している場合に、その衝突はどう解決するかということですが、いまはそういう仕組みになっていないから、どう解決するかについては規定も何もないわけです。だけど、委託したらそういう問題が出てくるということですね。解決の仕組みができていないと、そこで行き詰まってしまうということですね。
○蜂谷先生 社保では、例えば風邪で、5日間の投薬があり、何箇月も来院せず、再度同じ薬が処方された時には、1度返戻して、傷病名をつけていただくことになります。長期の傷病名で投薬されたときにも、同様の判断を仰ぐことになります。治ゆというのは、患者と病院で確認して治ゆとします。
○山口座長 治ゆそのものは、負傷が多かった時代の定義でしょう。急に変えるわけにいかないですが、難しいことは難しいですね。
○蜂谷先生 労災と違い、社保の方は沢山の薬が出ていますので、傷病名があれば認めざるを得ません。そこで実際に治ゆしているかどうか確認するために、20も30も傷病名のあるレセプトは1度傷病名の整理をするため返戻します。ビタミン剤など、長年にわたって出ているものも1度返戻して整理してもらいます。
○若生補償課長 健保でその後障害に移るといった制度がないので、労災の場合、治ゆとなると障害にいきます。
○蜂谷先生 打切りですね、後遺症診断を書いてどうなるかですね。
○鈴木労災補償部長 健保の場合、治ゆが重要になってくるのは、一旦治ゆすると、次のときに初診料が取れるのです。傾向的に治ゆにしてしまう医師がたまにいるのです。初診料が再診料より高くなるので。そういうことぐらいに影響するだけで、実際は慢性疾患で治ゆに○を付ける方はほとんどいないです。
○蜂谷先生 そうですね。
○山口座長 健康保険は治ゆしたらあとは何も残らないのですか。労災だと治ゆしても障害が残ったら障害等級の認定をして。
○蜂谷先生 残りません。しかし、身体に障害が残りますと、身体障害者の認定をすることはあります。
○河西課長補佐 障害になると、今度は厚生年金で障害を補償することになりますね。
○山口座長 根拠法規も変わってしまうのですね。委託したらそういう新しい問題が生じるから、それに対するきちんとした対応がないと、委託はできないということですね。ものすごく大きな混乱になる。
○鈴木労災補償部長 新しい法律の条文を規定しないといけなくなるのではないかと思います。例えば、じん肺について管理区分を地方じん肺審査医の意見を元に決定するわけですが、ですから判断に資する予備的なものは基金がやるけれど、それで支払いまでしてしまうけれど、疑義が生じた場合の処理をどうするかとか、その辺りの整理を事務局として次回提示しないと難しいかなと思います。
○若生補償課長 委託のときに、行政処分に結び付くもののほかに、本当に純粋に点数の分だけの委託は可能なのでしょうか。委託するにしても、労災固有の分は国が見て、先ほど蜂谷先生がおっしゃったように健保の分だけ。
○蜂谷先生 それは専門家がたくさんいますので、例えば整形のレセプトで、内科的なものがあれば内科の先生に審査をしていただきます。それはすぐできると思います。要するに、レセプトの審査だけですね。それが大きいのではないかと思います。
○山口座長 病名が決まって疾病の療養ルールなどがはっきりしていれば、点数の計算はできるかもしれませんが、そこで確定的な判断ができないということだったら、なかなか支払基金でもできないのではないでしょうか。
○若生補償課長 療養効果があるかないかということは委託の範疇に入れないとか、健保の点数だけをお願いすると。私病かどうかのチェックも、さらにまた問題としてあると。その辺をどのように整理するか。
○山口座長 それはできるかもしれないけれど、それは健康保険で支払基金がやっておられる審査の業務よりも狭くなってしまうのではないですか。健康保険でも、乱診療ではないのかとか、必要な診療かどうかを一応見ることになっているわけでしょう。
○若生補償課長 そこはおそらくうちも同じで、健保の観点からチェックしていると思うのです。可能かどうかというだけの議論をすると、検討の対象になるのかなと思います。ただ、労災固有の部分が相当残ってしまうので、それをどう考えるか。
○山口座長 そうすると、非常に機械的で、裁量の余地がないところだけ出すと。だけど、それは出したものの、全然楽にならないということになる。
 それと、8の論点が審査期間をどのように考えればいいかということですが、先ほどから併行審査をどう考えるか。このようなことが支払基金に委託した場合に可能なのかどうか、可能でないとしたら、結局、業務上外の認定、支給・不支給の決定が出てからしか実際には出せないのではないかと。そうしたら、審査期間からいえば今よりずっと延びてしまうのではないかということになりますね。
○若生補償課長 国もレセプト請求があっても業務上外を決めるまでの間は払えないので、それはある意味では同じことなのかなと思うのです。業務上外の決定をしていない1回目のレセプトは、国でも払えないし、併行してやっても結局払えない。
○山口座長 そこはいいかもしれませんが、例えば業務上外の判断に時間がかかるものがありますね。そうすると、そういうケースはそこが解決してから委託した審査業務に入ることになったら、時間が延びてしまいますね。
 この前の説明では大体2カ月ぐらいということでしたが、実際いま立替払いがなされたところを見たら、それより長いのではないですか。
○若生補償課長 立替払いというのは。
○山口座長 労災の場合にも、今月分の請求が医療機関から出てきますね。それで審査したって翌月の給付で、大体2カ月目にはということでしたが、それは実際にはもう少し長くはなっていないのですか。この前の1回目の説明であったのかもしれないのですが。
○藤原労災医療専門官 ご指摘のとおり、その間に業務上外を決定できないものについては引き続き調査をしておりますので、平均すればもう少し審査期間は延びています。前回ご説明したのは、特に業務上外の判断に支障がなくて、その間までに決定をしたものというスキームです。ただ、現在はレセプト個々の審査自体はあのスキームでやっていますので、残りは業務上の判断ということで、支払いまでに要する時間ということであれば、もう少し延びるという説明になります。
○山口座長 そうすると、審査期間はそういうものについては延びるけれど、そんなに大きな件数ではないということになりますかね。どちらかといえばネグリジブルだと。
○若生補償課長 350万件のレセプトのうち、新規の分は50数万件ぐらいあって、その中ではどのぐらいかかるかという話になるかと思います。
○山口座長 そうなった場合に、折角いろいろな努力をして労災保険の医療機関として指定を受けているのに、なかなか支払ってもらえないということにはならないのですか。
○若生補償課長 実際、業務上外を決めるまでにはどのような場合でもその間は支払えなくて、終わったあともう1回レセプトの審査をするのか、それとも併行審査をして業務上外が決まったときに一緒に払えるかという差は出てくるのではないかと思います。
○山口座長 全体でどれだけの比重を占めているのかということですね。その辺の推測が多少つけば。
○河西課長補佐 今日提出している資料2の基金の説明概要ですが、支払いに要する審査の期間については、もしレセプトの通常の点数表のチェック部分を委託に出した場合、基金のほうでは診療翌月の10日までに請求があって、そのあと審査をされて、20日まで基金のほうでチェックされて保険者に請求する形になるかと思うのですが、ここはやり方の部分はあるかと思いますが、労働基準監督署等に請求をしていただいて、さらに保険者としてチェックをしていかなければいけないので、通常のものでもここの部分でさらに日数がかかる可能性はあると思います。
○山口座長 そうですね。
○河西課長補佐 再審査の請求も、基金の場合だとあるという話が出ていましたが。
○山口座長 支払いのときに、もう一遍やらなければいけないという感じですね。
○河西課長補佐 それに加えて、業務上外の部分も判断していかなければいけないので、いまの日数よりも延びてしまう結果にはなるかと思われます。
○蜂谷先生 再審査というのは前々月分以前のレセプトですね。いま4月だとすると、2月分以前のものですね。
○山口座長 いまの問題は大問題で、再審査だけではなくて、被保険者として保険運営の観点から責任があるから、それをもう一遍チェックしないといけないということです。
○蜂谷先生 そうすると、基金では審査の最終日の午後2時から審査できます。しかし、再審査も5日ぐらいの期間があります。
○山口座長 そこは審査の期間だけではなくて、業務全体の合理化という観点からいっても大問題ですね。あとは論点9の「委託するとした場合、費用対効果をどのように考えればいいか」ということですが、これは先ほどからいろいろ意見が出ているように、何を費用と考えて何を効果と考えるかの組合せによっていくつか違ってくるかと思います。
 論点3に戻って、労働局と支払基金の審査の目的・内容の違いはあるのかということですが、ここはどのように考えたらよろしいでしょうか。
○蜂谷先生 レセプトに関しては全くないと思います。労災特掲があるから、そこが違うだけですね。傷病日および受診日はしっかり確認することで内容は全く同じだと思います。ただ、特掲があるため、点数上で変わるということだと思います。
○山口座長 現行の仕組みで労働局がやっている労災レセプトの審査と、支払基金でやっている健康保険のレセプト審査の目的・内容は変わらないということですね。
○蜂谷先生 そうですね、傷病に対して治療をされていますから。
○鈴木労災補償部長 この目的・内容の違いで表せる思いとしては、審査はいま言われたとおり同じなのですが、併行してやっている業務があって、それが単に査定という目的ではないという違いはあるだろうと。それをここで再確認というか、きちんとしておくべきではないかということです。それがあって、まさに仮に委託する場合、そういう関係からどれが委託対象になるのかという順番で書いております。
○山口座長 わかりました。
○若生補償課長 蜂谷先生がおっしゃったように、健保の部分はおそらく労災特掲を除けば一緒の話で、問題は労災固有をどう考えるかという、目的や範囲でどう考えるかということが論点なのかなと思います。
○山口座長 それは同じ保険といっても、健康保険も社会保険だし、労災保険も社会保険で、お互いに被用者保険でありながら、労災保険は業務に関係があるということで非常に範囲が狭くなっていると同時に、業務との関係が重要な要素になっていて、保険料は事業主だけが負担していると。その代わり、給付の範囲も業務上のものに限られているという特殊性はあります。
 お互いに融通し合って、レセプト審査などは1カ所でやるというのは1つのアイディアでしょうけれど、そういうことをすることによって本来の両方の保険の運営がぎくしゃくしてきて、目的が阻害されることになったら全く意味がないわけです。どうしても労災の場合には業務上外の認定が的確かつ迅速になされて、それが給付につながっていくという仕組みになっていないと、レセプトの計算だけ合理化されていても、保険制度の運営としては大きな問題を新しく惹起してしまうのではないかという気がします。
○蜂谷先生 審査側から言うと、私病も業務外もほぼ一度に見れますのでそのほうが時間的にはあまりかかりません。しかし、基金から戻ってきたレセプトでもまた全部見ますので審査だけしていただいても、また再度特掲を見るのでしたら、審査する側としては一度に見たほうが早いですね。
○若生補償課長 それは国がという意味ですか。労災保険は、国のほうで一括して見たほうがということですか。
○蜂谷先生 審査する側でみるとそうです。基金でも労災のできる人が審査すれば、それも一度で出来てしまいます。何人かは双方で審査をしている人がいますので。
○鈴木労災補償部長 確認したかったのですが、業務上外に悩むようなもの、時間がかかるようなものについては、結局病名と診療内容は相当見て。
○蜂谷先生 業務上外の判断で難しいものは日常生活でも起こりえるものかどうかです。この判断は時間がかかります。また、審査に時間がかかるものは病名と診療内容であり、レセプトに記載されていますので、審査としては妥当であれば問題ありません。しかし、診療の内容が私病を含んでいるものか、過剰かどうかということだけだと思います。
○鈴木労災補償部長 相当見て、合わせて判断するということですので、業務上外の判断をしたあと委託しても、あまり意味がないと。悩ましいものほど詳細に見てしまうので、もう完結してしまうのではないかという気がしたのですが。
○蜂谷先生 そうです。全部同じ時間をかけるのではなくて、簡単なものはすぐできます。そうしないととてもできません。
○鈴木労災補償部長 そうすると、診療内容が相当高度なもの、あるいは点数が高いものに限ってするというのは、それなりに意味があるかもしれませんが。
○蜂谷先生 そこで、審査をするのであれば職員の精度を上げたほうが効率的かと思います。
○山口座長 それは委託といっても部分的委託という制度になりますね。
○蜂谷先生 業務上外と私病は、どこかで誰かが見なければいけないですね。
○山口座長 難しいものは、いま認定基準が出ている脳心や精神障害などでしょうけれど。ほかに昔からある有害物質とか化学物質とか、古くからある潜水病とか、ああいうものは割と判断しやすいのですか。
○若生補償課長 そういうのは、一般の先生方が見る機会は少ないと思います。
○蜂谷先生 一般診療では殆ど見ません。私病は分かりますが、業務上外は労働基準監督署で調査をしてくれますので、それを基に、例えば腕でしたら1日何回動かして、何回持運びしているかなど聞いて、現場の写真を見て、医師として業務上か業務外を決めます。調査していただかなければ分かりません。
○山口座長 労災の場合は原因が何かを見なければいけないから、私はすべてそう簡単なものではない気がするのです。
○蜂谷先生 最初の問診のとき、原因を聞きます。それは必ずカルテに記載しますので、殆どの場合仕事上かどうか確認できます。
○若生補償課長 ご本人がどのぐらい認識というか、わからないうちにいろいろと気がつかないものは。
○蜂谷先生 あとは会社から受傷原因を記載した書類を受けとりますので。それを見て。
○若生補償課長 会社の原因を書いたものとは。
○蜂谷先生 5号又は6号様式の書類です。それを必ず見ますので。
○若生補償課長 それは労災だから見られるのですね。
○蜂谷先生 そうです。受付では最初に事務の人が労災かどうか聞きます。そうしないとカルテが作れません。診察中に私病があれば、その場で2つのカルテを作ります。
○若生補償課長 最初に受けるときは、会社からは聞けるのですか。
○蜂谷先生 聞けません。本人からだけです。本人が傷害について話してくれますので、「どうしましたか」と聞いて。
○河西課長補佐 蜂谷先生に伺いたいのですが、支払基金の説明だと、診療行為は個別のものなので、最終的には医者である審査委員に見ていただいてチェックをしなければいけないというお話だったと思うのです。そうすると、労災保険の委託をするとなると、基金でやっておられる審査委員会までの部分を委託して、その結果私どものところへ戻ってきたときに、治ゆや症状の経過だということでまた医者の判断も必要になってくるかと思うのですが、そうすると審査委員会がダブルで必要になるような形で、そこをどう考えたらいいのかなと思うのです。
○蜂谷先生 そうすると、私病かどうかをどこで見るかですね。傷病名に対しての治療に関しては基金でしてくれますので、それは審査しなくていいですね。特掲のところをどうするかですね。労災で1度に審査しているところは、必ず受傷をした日を確認しますので、1年経っても2年経っても同じ内容の治療又は症状に変化なければ症状固定ではないかということでそろそろ打切りとコメントします。次の時は「2カ月後に打ち切ります。」と書いてきます。そうしないと、いつ打ち切るか分からないし、なくなってしまいますね。それを見なければいけないですね。
○河西課長補佐 2回、支払基金の審査委員会と労働局の審査委員会の両方にかけなければいけないと。
○蜂谷先生 私病、症状固定、特掲などありますので2回かけることになります。症状固定とか打ち切りと言わなければ、そのままずっといきます。症状が軽くても休業する場合も結構あります。そうしますと、休業補償を出すことになります。そういう人は割と1年や2年位休業することは結構あります。だから、どこかで打切りとか症状固定をしなければならないと思います。
○若生補償課長 そうすると、症状固定とか打切りとか、結果として不支給につながってしまうことになるわけですね。そうすると、行政処分につながるような話になるわけですね。
○蜂谷先生 そうですね。だから、診療所などで痛いと言われれば困ってしまい、ずっとそのまま継続するケースも多いです。ある程度後遺症と書いて労災を打ち切って、あとはアフターケア等に変えてしまう方が良いのではないでしょうか。
○山口座長 だいぶ時間が押してきています。いろいろ意見が出ましたが、最後の論点9については先ほど事務局からの説明もありましたが、手数料の積算についての資料が提出されていないので、ここの費用対効果は大きな論点ですから、必要な資料を次回に用意していただければと思います。
○鈴木労災補償部長 仮に療担規則や薬剤の適用などに絞った部分だけ出すとすれば、どのぐらいかかるかと。逆にその部分は審査の時間が労災側には減るわけですので、削減効果があるので、そんなシミュレーションをやれるかどうかというところ。また、もちろん一般健保の査定率は単純に平均で比べれば低いですが、労災のレセプトの単価が高ければ上がるという仮定を置いて、どのぐらいの査定額が出るかということも可能かと思います。若干そういう具体的な区分けをして、推計することはできると思います。
○山口座長 先ほどの議論から言うと、レセプトの審査業務を全部外に出すとしても、残らざるを得ないものがありますね。それは費用対効果の中で、是非合理化できない部分としてカウントしておかないといけないと思います。
 骨折か何かで、原因はすぐわかる、大して検討をしないで業務上と判断ができる、そういうものを出せばいいというのが先ほどの意見で、これが部分委託ということではないかと私は思っていたのですが、そういうものは多いのですか。私は原因を追及しなければいけないから、それほど簡単ではないと思っていたのですが、そういうものが多ければ部分委託というものもあるのかもしれません。
○若生補償課長 外傷は確かに多いですが、昼休みにちょっと出て怪我をしたとか、調べないと時間と場所がわからないのではないかと思うのです。
○蜂谷先生 会社にいて怪我をすれば全部労災だと思っている人が結構いますので、それは調べないとわからないですね。昼休みにちょっと社外などに出て怪我をしたとか、そういうものもありますので。
○山口座長 逆に労働者などが通勤災害をあまりよく知らなくて、駅でひっくり返ったから、労災と関係ないと思ったりするから。
○若生補償課長 保険者は、基金の審査結果を確認して不服のある時は基金に再審査しますが、健保の保険者は一通り全部見直すのでしょうか。
○蜂谷先生 徹底的に見ます、細かいところまで。
○若生補償課長 それでは時間がかかるでしょうね。
○蜂谷先生 かかると思います。本当に細かいところまで見て、漏れているところもありますので。傷の大きさから言ってきますから。これでいいのでしょうかとか、いろいろなことを言っていきます。
○若生補償課長 再審査のための審査も、保険者としては考えなければいけないと。
○蜂谷先生 再審査率も下げなければいけないですね。再審査が多いようであれば審査自体に問題がありますので。そこは随分気にしています。運営委員会で報告があり、全国で何番目とか言われていますので。
 いま1.2%でしたか。再審査は0.1%。やはり審査委員によって違います。審査委員は医師会の先生もいます。医師会の先生はあまり手術をされないので、手術については分からない。分からないことは相談しながら審査しています。それでも漏れることはあります。そこは保険者側もしっかり審査されますので、もし労災が委託した場合には、かなり査定されると思います。逆にいいのかもしれませんね。でも、社保では、査定率の上ではいろいろ問題になります。
○山口座長 いかがでしょうか。大体一通り意見が出たように思いますが、何か特にこれだけ強調しておきたいということはありますか。もしないようでしたら、今日の議論を事務局で取りまとめ、たたき台風に整理をしていただけたらと思います。今日は松島委員がご欠席でしたので、松島委員にも見ていただき、ご意見を伺い、小西先生も途中で出かけられたので、同じようにお願いします。
 次回はそういうことになりますが、それでよろしいですか。
○蜂谷先生 前もっていただければ助かります。いままで言ったことがどうかということもありますので、前もって送っていただければと思います。
○山口座長 私はイメージがよくわからないのですが、外部に委託するのを検討しろというのがこの検討会の目的のようですが、検討会の結論としてはどのような形でこの課題にお応えすればいいのでしょうか。委託するとしたらこれこれという問題点があるということでいいのか、それは現実的に考えたら無理ですよという話になるのか、これはこういう措置をして実現しろということになるのか、どういう付帯決議を要求しておられるのでしょうか。
○鈴木労災補償部長 1つのパターンとしては、例えば支払基金に委託するとすればこの部分ということですが、条件としてはこういうことがあると、こういう課題があって、それを乗り越える条件としてはこういうものが必要だという書きぶりがあるのかなと思います。
○山口座長 付帯決議の趣旨などは役所にちゃんとした通知が来ていると思いますので、いちばんそれに適した格好でたたき台をまとめていただいたらいいと思いますので、それはお任せします。
 それでは、日程関係について説明をお願いします。
○松本職業病認定調査官 本日はどうもありがとうございました。次回の会議の日程についてですが、スケジュールとしては5月中旬までに開催をしたいと考えております。具体的には、5月10〜16日ぐらいまでの中でいかがかと思っておりますが、10日とか11日とか、いままでの会議は火曜日も多かったので、15日とか。先ほど小西先生がお帰りになる前に日程を聞いたところ、スケジュールを持ってきていないので、ただ15日は何かがあったかなということをおっしゃっていましたが、10日、11日、15日ぐらいのご都合はいかがでしょうか。
○若生補償課長 会議が終わってから、事務局で先生方にお伺いしたいと思います。
○松本職業病認定調査官 それでは会議を終了して、その後ご相談させていただきます。
 それでは、本当にありがとうございました。以上で本日の会議を終了させていただきます。
○山口座長 長時間にわたってありがとうございました。


(了)
<照会先>

労働基準局労災補償部補償課

医療福祉班: 03(5253)1111(5564)

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