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2012年4月17日 第2回労災診療費のレセプト審査事務に関する検討会議事録

労働基準局労災補償部補償課

○日時

平成24年4月17日(火)17:30〜19:30


○場所

経済産業省別館1014号会議室(経済産業省別館10階)


○出席者

(参集者:五十音順、敬称略)

小西 康之、竹内 啓博、蜂谷 將史、松島 正浩、山口 浩一郎

(参考人 社会保険診療報酬支払基金:五十音順、敬称略)

足利 聖治、今井 明、阪本 勇三、梁瀬 博章

(厚生労働省:事務局)

鈴木 幸雄、若生 正之、倉持 清子、河西 直人、藤原 毅、栗尾 保和、松本 和之、岡村 圭介、倉重 潤一郎

○議題

(1)社会保険支診療報酬支払基金の業務の流れ等について
(2)その他

○議事

○松本職業病認定調査官 定刻になりましたので、ただいまから「第2回労災診療費のレセプト審査事務に関する検討会」を開催させていただきます。参集者の皆様におかれましては、ご多忙中のところご出席いただきまして誠にありがとうございます。
 会議を始めるに当たり、資料の確認をさせていただきます。本日配布しております資料ですが、次第のあとに資料No.1として社会保険診療報酬支払基金のパンフレットを配布しております。資料No.2として「社会保険診療報酬支払基金の概要」と題する資料を配布しております。その後ろに、参考資料1〜3として1枚ずつの資料をお配りしております。また、本日、追加資料としまして「レセプトとは」と題するカラーの1枚紙を配布させていただいております。資料の欠落等はありませんか。
 4月1日付けで事務局に人事異動がありましたのでご紹介させていただきます。補償課長の若生です。補償課長補佐の倉持です。中央職業病認定調査官の栗尾です。
 また、写真撮影は以上とさせていただきます。ご協力のほどお願いいたします。
 それでは、山口座長、よろしくお願いいたします。
○山口座長 それでは、議事に入ります。本日は、この検討会に社会保険診療報酬支払基金から足利専務理事ほか3名の方にお越しいただいております。こちらの席にお移りください。
○松本職業病認定調査官 社会保険診療報酬支払基金の皆様をご紹介します。専務理事の足利様です。経営企画部長の今井様です。審査企画部長の簗瀬様です。システム部長の阪本様です。
○山口座長 本日は、私どものためにご出席をいただきまして大変ありがとうございます。
 それでは、社会保険診療報酬支払基金の業務の流れ等についてご説明をお願いします。
○足利専務理事 先ほどご紹介をいただきましたように、私どものパンフレットと「社会保険診療報酬支払基金の概要」という2つの資料を用意しておりますので、これに沿って順にご説明します。基本的にこのスライド資料をご覧いただいて、適宜パンフレットに触れますので、よろしくお願いします。
 私どもの支払基金の組織ですが、平成23年度でこういった役員、職員、審査委員の数を有している組織です。どのような仕事をやっているかというと、パンフレットの2枚目ですが、「『適正な審査』と『迅速な支払』で医療保険制度を支えています」ということです。左上の小さな説明書きにありますように、私どもは被用者保険、民間の健康保険組合や中小企業の方が加入する全国健康保険協会の健康保険、国家公務員、地方公務員等が加入する共済組合、こういった被用者保険に加入する方々の医療保険の医療費の支払いの業務を行っております。
 この絵をご覧いただければと思いますが、被用者保険に加入している方ご本人、あるいはその家族、被扶養者が病気や怪我で医療機関で診療を受ける場合に、その医療費については自己負担は原則3割ですが、残りの7割について医療機関から私どもへ請求が行われるということになります。診療翌月10日まで、4月に診療を受けた分については5月10日までに請求を出していただき、それを私どもで審査して、各保険者へ請求をします。協会けんぽ、健康保険組合、共済組合、そして、地方公共団体等とあるのは、被用者保険だけではなくて、公費負担医療の生活保護とか、あるいはいろいろな地方独自の公費負担医療の分も受けているからです。生活保護については私どもが単独で委託を受けておりますが、公費負担医療については被用者保険と抱合せというか、そういった形でのレセプトが請求されますので、本体のほうについては被用者保険の各保険者、残りの公費の分については、それぞれを実施している地方公共団体に請求するといった形で請求をさせていただきます。保険者の数、請求先の数が全国で約1万3,000になっています。医療機関は、全国22万7,000、病院、診療所、薬局、訪問看護ステーションから、保険証1つで全国どこでも診療を受けた場合に、その医療機関の所在する私どもの支部へこのレセプトの請求がされ、それを実際に保険者が所在する都道府県の健康保険組合等に請求します。
 その請求が診療翌々月の10日です。3ですが、それを受けて、保険者等のほうで10日後の20日までに私どもに支払っていただき、翌日の21日に各医療機関に支払うという業務を行っております。
 この審査と支払いの業務に要する費用については、6ですが、レセプト1件当たりいくらという形で各保険者、あるいは公費負担医療の実施機関から手数料をいただいております。
 レセプトですが、左に「レセプトとは」と書いてあります。これが小さいので、拡大したものを用意しております。労災のレセプトとどういう違いがあるかをご覧いただけるかと思います。上に診療月分であるとか、被保険者の氏名、性別、生年月日、所属する保険者の番号、医療機関の名称といった基本的な事項が記載され、実際の傷病名、怪我や病気の名前が書かれます。あとは実際にその患者に対して行った診療行為の内容と点数が記載され、最後に請求点数が何点であると記載し、1点10円で計算され、これの原則7割分が私どもに請求される仕組みになっております。
 従来は、このようなレセプトについては紙でしたが、いま着々と電子化が進んでおり、医療機関からオンラインで請求される、あるいはDVD等の電子媒体で請求されるというのが基本的な大原則になっております。ただ、まだ紙も若干残っています。
 それを受けて、パンフレットの右側に「審査とは」と書いてありますが、診療行為が保険診療ルールに適合するかどうかを確認する、つまり、実際にこの患者にこういう病名でこういった診療行為を行うことが適切かどうか、例えば適切な投薬が行われているのか、あるいは適切な検査が適切な回数行われているのかどうかといったことが、保険診療ルール、基本的な療養担当規制、あるいは点数表、今年の4月に改定が行われておりますが、そういったルールに合致するかどうかをチェックします。ここに電子レセプトの審査の流れが書いてあります。電子レセプトについては、まずコンピューターで一義的なチェックをします。記載漏れ等の確認を行い、それを踏まえて保険診療ルールに適合しない可能性がある診療行為を抽出します。これもシステムでかけられるものはシステムでチェックをかけて、疑わしいものについては電子付せんが貼付されます。
 右ですが、その結果機械で一義的に弾き出したものが適切かどうかを職員がパソコンの画面でチェックして、審査事務を行います。これは適切ではないのではないかというものについては、医師・歯科医師なり薬剤師が審査委員になっておりますが、その審査委員が最終的にこれをチェックして、審査委員会で決定をするという流れになっております。
 先ほど言ったように紙レセプトの請求もありますので、資料2の「業務処理の流れ(東京支部の例)」をご覧ください。そこにありますように、電子レセプトが東京支部では平成23年10月診療分で見ると、電子で請求される分が89%、紙は11%、9対1の割合になっております。電子で請求されるものについては、コンピューターで事務点検チェックを行った上で、職員、審査委員がそれぞれパソコンの画面で審査をし、審査結果確認になります。紙はそういった電子的なチェックができないので、職員の目で審査事務を行います。その結果を踏まえて、審査委員がチェックをし、これは不適切なものであるから査定をするという審査結果を踏まえ、計数整理・増減入力を行います。ここで2つに分かれているのは、紙の入院のレセプトなどは何枚にもなるものですから、手作業で保険者ごとに分類を行うのが上の2%です。下は基本的に1枚のレセプト分です。1枚分については、もともと医療機関から請求される際に所定の約束事のコードが印字されており、それをそのまま受け付けて、査定があった分はもちろんそこを訂正する必要がありますが、査定がなかったものはそのまま紙のレセプトをOCRで読み、請求点数の入力や、最終的保険者ごとに分類することまで、OCRが活用できる1枚紙のレセプトについてはそういった処理を行っております。そうでないものについては、上にあるようにそれぞれ手作業で分類をして、保険者別のデータ入力を行います。査定があったもの等については、その入力データの確認・修正等を終えて最終的にレセプトを被用者保険ですので、例えば大きな会社の全国展開をしている組織ですと、東京に本社があります。東京に健保組合もあるわけですが、各支店の従業員や家族の皆さんについては各地で診療を受けられますから、診療を受けた支払基金支部へこういうレセプトが請求されますので、それを最終的に保険者に請求する段階になって、東京の保険者については東京に所在する私どもの支部に集めて、そこから健保組合に送る作業を行っています。紙レセプトの分については、全国47支部から集めて、それを保険者ごとに括り直しをして送るという大変な作業をこれまでしてきているわけですが、それが電子に変わって、電子ですとコードですぐに取りまとめができますので、それはかなりの効率化に寄与しているということです。
 そのような紙と電子レセプトの取扱いの違いをご説明したところですが、いまの資料の上のほうに全体の流れがあります。その中で東京支部の審査委員会の1月の例では、1月19日から25日に土日を含めて開かれ、基本的に審査委員の先生方は非常勤ですが、各都道府県単位に置かれている審査委員会に、本業である病院の仕事や診療所の仕事の傍ら集まっていただいて、レセプトの審査をしていただくのが審査委員の業務となっております。
 1枚戻りますが、支払基金の組織のところで審査委員の数が、全国で4,674、医科・歯科・調剤それぞれに委嘱しております。そのうち医療顧問が102人と書いてありますが、審査委員は非常勤であると申し上げましたが、常勤的な審査委員の先生方を医療顧問として、常日頃から支部内の審査委員間の調整や職員への指導といったことを常勤的な立場で指導いただくこととしています。
 組織としては、本部に理事会があって、支払基金の組織は保険者、これは先ほどから申し上げている健保組合や協会けんぽ、共済組合といったところの代表の方、被保険者、これは加入している方ですが、組合の代表の方と考えていただければよろしいと思います。また、診療担当者の代表、これは日本医師会、歯科医師会の代表の方、それから、公益代表です。私も公益代表という役割ですが、この四者構成で理事会が構成されており、この理事会で最終決定をしていくという運営になっております。
 右の特別審査委員会は、点数の高いものの審査については本部で一括して行うことになっており、例えば医科レセプトでいうと1件で40万点以上、400万円以上のレセプトについては、本部で集中的に審査をするといった体制がとられております。それ以外のものについては、各47支部でそれぞれ審査委員会が設けられており、この審査委員会の委員も診療担当者、保険者、学識経験者それぞれから出していただくという構成になっております。
 3頁です。支払基金における審査ですが、先ほど申し上げたように実際の診療行為が療養担当規則や点数表によって定められている、いわゆる保険診療ルールに適合しているかどうかを確認するということですが、そこにありますように、確認する必要のある項目が大変たくさんあります。こういったことを、電子レセプトに移行しつつある中で、機械でできるものはできるだけ機械でやっていく、人が目で見てやるものについては、極力人でなければできないものに集約していこうということで、いま進めているところです。
 4頁は、最近における私どもの業務の効率化の事例を挙げております。紙のレセプトは大体1割程度ですが、数が少なくなっているので、それを集約的に処理するといった取組みや、電子レセプトになったらどこでも審査事務ができるということで、専門的な診療科に属するようなものについては別の所で事務ができるような体制、あるいはこれまでは各47支部ごとにお金の出し入れの管理をやっていたわけですが、それを本部一元的にすることで集約化・効率化を図るといった取組みをしております。
 5頁です。レセプトの電子化ですが、平成24年の2月審査分で電子レセプトが90.1%になっています。オンラインで請求されるものと媒体で請求されるものがあり、これを保険者に請求するにあたっては、保険者もオンラインで受け取ることが原則とされているわけですが、なお紙でないと受け取れない保険者もあり、医療機関側からの提出よりは受け取る側のほうが電子の状況はまだ10%近く少なくなっている状況です。
 各医療機関の種別ごとの提出状況を見たものが6頁です。トータルでは90%になっていますが、特に歯科の状況はまだ紙のほうが多くなっております。これは、電子化の取組みは厚生労働省で請求省令等を定めて方向性を示してやってきておりますが、歯科は電子化の取組みが遅れたということで、少し紙の割合が高くなっているという状況です。
 7頁ですが、審査実績です。医科・歯科レセプトと調剤レセプトとそれぞれあって、平成22年度1年間、請求件数・金額はそこに書いているような件数・金額になっており、保険診療ルールに適応しないと判定されたものが件数にして約1.1%、金額にして0.2%といった状況になっております。調剤は、薬剤師の審査委員が最近導入されたこともあって、調剤単独の数字を取るにはまだ至っておりません。
 8頁です。再審査の実績ということで、要は審査のあと、それぞれ保険者、医療機関から不服があるということで申し出てこられるものが再審査です。保険者による申出は、査定になってしかるべきではないかという不服申立ですが、1年間で医科・歯科分で461万件、調剤の分で135万件と出ており、それぞれ右に書いているような査定の金額になっております。また、医療機関からもともとの審査委員会の査定がおかしいのではないかと、きちんとした医療をしているにもかかわらず、どうしてこれが査定になるのかといった医療機関側からの査定に対する不服申立で、それに対してそこに記載しているような件数・金額が再審査の結果認められており、こちらは増加をするわけです。一旦査定したものが不服申立で来ますので、査定戻しというか、元に戻すということで、増加分と記載されているのはそういう趣旨です。
 9頁です。私どものパフォーマンスですが、全査定点数に占める再審査の査定点数の割合です。私どもは見落し率という言葉を使っておりますが、最初の原審査段階での査定と、先ほど申し上げた再審査で不服申立で出てきて査定になった分、この両方を合計した分に対する再審査で出てきた査定の分の割合です。要は私どもの原審査段階で見落としがどれだけあったかの指標です。これまでいろいろな審査を充実させる計画を進めてきたこともあって、見落しの割合、不服申立で出てきて、再審査の結果やはり見落しであったと、もともと最初の段階で査定すべきだったというものの割合が下がっていることをお示ししています。
 10頁です。医科電子レセプトの査定に対する職員、審査委員の寄与度はどうかということです。一義的に事前に私どもがシステムを組み、こういうものについては疑わしいものとして付せんを貼るようなシステム作りをして、それに応じて出てきた分が、平成24年1月の審査分で全体の疑義付せん貼付箇所数の89.8%です。これを職員並びに審査委員が最終的に確認をするということで、最終的に査定につながるのが、査定となる箇所数のうち46.2%、点数にすると右側の46.3%になります。コンピューターに事前に仕組んだチェックにはかからなくて、職員が知識・経験に基づいておかしいのではないかと疑義付せんを貼るものが1割程度ということですが、これは最終的に職員から審査委員に上げて、査定につながります。33.3%がそういうものです。残りは職員も気がつかないで、審査委員が独自に見つけたものが20.4%という、それぞれの寄与度の割合になっております。これを見ると、審査委員の役割が小さいのではないかという誤解をされかねないかもしれませんが、実際のコンピュータチェックのかけ方、あるいは職員にこういうところに着目すべしといったことも、審査委員のアドバイス・指示によって行われているものが多数ありますので、審査委員全体の寄与度はもっと大きいということです。
 11〜14頁は、いま申し上げたコンピューターのチェックで最終的に審査委員の審査で査定に至った分がどういう推移を示しているかをお示ししたものです。11頁は医薬品の適応、病名にこの薬が合っていないのではないかといったものです。12頁は医薬品の用量ということで、用量が多すぎるのではないかといったものです。13頁は、診療行為、傷病名と処置、手術、検査が合致していないのではないかというものです。また、医科電子点数表と言っていますが、医科に関する算定ルールに適応しているかどうかをシステムでチェックするというのが14頁です。それぞれ最初にチェックをかけて、最終的に審査委員の判断を経て、こういう形になるということをお示ししております。
 15頁ですが、私どもが最近取り組んでいることをPRしております。「突合点検・縦覧点検」といって、最初に申し上げたように、私どもの点検はその月のレセプト単体をチェックするということでこれまで来ておりましたが、電子で請求されるものについて突き合わせることが可能になってきました。16頁の突合点検は、医療機関からこういう治療をしましたというレセプトと、処方せんをもらって町の薬局に行って薬をもらうという医薬分業で進んでおりますが、そういったときに調剤で出している薬ともともとの診療所や病院で診ていただいている病名とが合致するかどうかは、いままではそれぞれ別々で請求されており、特に紙ですから、最も膨大でそういう突合ができませんでした。いままではそれぞれが最終的に保険者に送られて、保険者のほうで患者ごとに、例えば、足利なら足利の分を突合して、この病名に薬局からこんな薬が出ているのはおかしいのではないかということを、調剤審査の形で保険者から申し出されていたわけですが、電子レセプトになってきますので、最初の段階でその内容を医療機関と薬局から出てきた分を突合し、その段階で疑いのあるものをチェックしていくことができるようになりました。これまで院外で薬をもらっているのではなくて、院内で処方している分については当然1枚のレセプトで薬も出てきますから、それはいままでやっていたのですが、別々に院外でいってしまう分については点検ができていなかったものが、これまでの院内処方と同じような点検ができるようになったということです。
 17頁です。もう1つは「縦覧点検」といって、これまでレセプトは受け付けましたら、翌月の10日までに保険者に請求することになっていたので、私どもの所には基本的に残らないという状況でした。例えば診療ルールの中でこういう診療行為は2カ月に1度というようなものがありますが、そういったものも間違って毎月請求されていても、私どもの段階ではチェックのしようがなかったのですが、電子レセプトになり、私どものほうで請求したレセプトの写しを保管をして、前月と見比べることで、2カ月に1度しか請求できないものが毎月請求されているというものもチェックができるようになったということです。今年の3月から始めており、最初の状況が間もなくまとまってくる段階ですが、そういった新しい取組みもしております。
 私どもの手数料はどうやって算定されて、各保険者からいただいているかをお示ししたものが18頁です。基本的に診療報酬支払基金の法律があって、その中で、かかる費用をレセプトの件数で除しなさいという原則が書かれております。平成24年度においては、本来手数料でいただいて賄うべき支出が773億円で、私どもの必要な支出が876億円、その中から手数料以外の収入が若干あります。また、積立預金があって、そういうものを差し引いて773億円を保険者の皆さんから負担していただくということで、見込みのレセプト件数で除して、1件当たり平均83円50銭という金額を平成24年度において各保険者からいただくことにしております。
 平均の手数料の金額は19頁ですが、かなり引き下げてきております。これは、電子化が進んで、かなり人件費を圧縮することができているということが大きな要因になっています。
 20頁にあるのが今年の1件当たりの手数料額で、毎年各保険者の代表である健康保険組合連合会あるいは協会けんぽと協議をし、私どもはこれだけ必要であるということをお願いして、向こうもこういう時代で厳しいのだから、もう少し下げてくれないかとか、そういう協議をして、このような金額に落ちついています。そういう民間団体としてのやり取りをした上で、毎年こういう手数料の設定をしているということです。以上です。
○山口座長 ただいま説明のありました、支払基金の業務の流れ等について、委員もご質問をお持ちだと思いますが、時間を適切に使うために、私のほうからまとめて基本的なことをお伺いいたします。その後、各委員からご質問をいただきます。
 お伺いしたい点がいくつかあるのですが、1点は審査の範囲です。皆様の支払基金の審査が、どういう範囲で、どういう基準で判断しているのか。保険診療のルール、療養担当規則とか、診療報酬の点数表、それに従って出ている重要な関連の通知等々がありましたら紹介してください。
○足利専務理事 座長からお話がありましたように、私どもは、社会保険診療ルールと言っておりますが、厚生労働省で定めております保険医療機関及び保険医療養担当規則、いわゆる療養担当規則です。先ほど点数表と申し上げましたが、健康保険法の規定による診療報酬の算定方法、医科、歯科、調剤それぞれ定められております点数表。薬の値段については薬価基準があります。これは、厚生労働省の告示だと思います。
 さらには諸々の通知として局長レベル、課長レベルといろいろあろうかと思います。厚生労働省から示されている諸々の諸規定、通知に基づいて、これは書面審査ですので、細かい個別の事情はカルテでないとわからない部分があるわけですが、カルテではありませんので、こういう病名に対して、こういう診療行為を行ったということについて、先ほど申し上げたようなルールがあります。そのルールも、例えばこの病気に対してこの薬は何錠以上投与してはいけないというように必ずしも明確になっていないところが多いですから、最終的には審査を担当する先生方の長年の知識・経験で判断されます。
 それも、個別個別、一個一個の判断もあるでしょうし、それから当該の診療機関の全体の状況といった諸事情を勘案して、審査委員の先生が最終的に決定されるということです。ルールの幅があるものですから、それが現在、保険者のほうから、同じような状況なのに、こちらでは査定になって、こちらでは査定になっていないのはおかしいのではないかということが寄せられるのも事実です。それは個別の患者さんの状況が全く異なっておりますので、そういう状況をできる限り保険者に説明をしてご理解をいただいております。中には、確かに私どもの査定漏れというのもあるわけですが、そういう個別の判断を最終的にはしているということです。
○山口座長 次に、審査担当職員についていくつかお伺いします。まず、審査担当職員というのは、一般にどういう経歴・経験の方でしょうか。2番目は、審査担当職員が審査をする分野は、専門分野別に審査がされているのかどうか。3番目は、審査日数は何日ぐらいなのか。4番目は、担当職員は大体月に何件のレセプトを審査するのか。5番目は、審査担当職員の査定割合がわかりましたら教えてください。この5つを審査担当職員についてお伺いいたします。
○足利専務理事 順を追ってお答えさせていただきます。職員に対して、特別な経歴・経験を採用の際に求めているということはありません。現に今年の新規採用者等の多くは、文系の大学卒の職員が圧倒的です。中には理科系の人もおります。したがって、特別に事前に経歴・経験を求めていることはありません。採用後に本部において、又はそれぞれの支部において各種の研修を行い、医学の知識を深める基礎的な研修から始まり、実際の診療内容についての研修を、各支部におります審査委員の先生方に講師になっていただいて、審査事務を行うに当たって注目・着眼しなければいけないところなのか、ということを先生方に研修をしていただく等、専門的な知識を深めていただいています。それから、審査事務に従事することで一種のOJTということで経験を深め知識・経験を高めることを行っております。
 その職員は、専門分野別に審査事務を行うのかということですが、職員の審査事務の能力に応じ、あなたは内科系の担当ですよ、あなたは外科系の担当ですよ、ということを診療科別に分担する、あるいは入院のレセプトと、外来のレセプトでは中身の密度が違いますので、中身の濃い入院のレセプトを中心に見る職員、あるいは外来のものを中心に見る職員といった分担を行っております。これは、レセプトの件数、あるいは職員の数といった支部の実情に応じ、審査事務の担当をしているところです。
 職員の審査事務の日数は、先ほどの資料の業務種類の流れ、東京支部の例の2頁を見ますと、10日に受け付けて、事務点検・審査事務が20日過ぎまでかかっております。大体当月の21日ぐらい、したがっておよそ11日間ぐらいが、標準的に事務職員が担当する審査事務期間としております。
 月何件のレセプトの審査を担当するのかということですが、実際に審査事務を担当している職員の数が約3,000人です。私ども職員の数は、全体で4,936人と申し上げましたが、そのうち審査事務を集中的に担当している者は3,000人という数になっております。実際に平成23年度に受け付けた数は年間6億件で、これを医科・歯科レセプトの件数で割ると、大体月に約1万7,000件を1人の職員が担当するという計算になります。
 職員の寄与度は、先ほどもご説明させていただきましたが資料の10頁です。この中でコンピューターのチェックによらず、職員が発見するのが貼付疑義付せんとして、疑わしいということで付せんを貼るのが全体の10%程度の数です。これが、実際に先生方の審査を経て査定になるのは、真ん中の小さいグラフにあるように27.9%の箇所数となります。その左に楕円で10.4%、55.1%と書いてあるのは、職員が付けた31.3万箇所のうち、審査委員の目まで通して査定につながるのは55.1%ということです。それだけ職員は怪しいと思うところを重点的に見ますので、このような割合になります。片やコンピューターは非常にたくさんの箇所をチェックしますので、実際に査定につながるものとしては10.4%という割合になります。したがって、全体の査定の点数の中に占める割合というのは、先ほど申し上げましたように、右側の割合としては33.3%となります。これが、職員の寄与度ということでご理解いただきたいと思います。
○山口座長 同じようなことを審査委員についてもお伺いします。1番目は、審査委員も専門分野別に審査をしているのかどうか。2番目は、審査委員の月当たりの審査日数は何日ぐらいか。3番目は、審査委員は大体月何件のレセプトを審査するのか。4番目は、審査委員の査定割合はどのぐらいか。先ほど10頁で示していただきましたけれども、審査委員についてもこの表のとおりでよいのかどうか。
○足利専務理事 審査委員は、当然各診療科ごとに委嘱しておりますので、当然その専門分野ごとに、その専門の先生が審査を担当しています。最終的には、審査委員会という委員会組織がありますので、その組織の合議により決定します。法令上もそういうことが規定されております。基本的には、審査委員それぞれが、診療分野専門の診療分野ごとに審査をするということです。
 審査委員の月当たりの審査日数は、東京支部の例は先ほど申し上げましたように、1月は19〜25日までの7日間になっております。東京のような件数の多い支部はこうなっておりますが、件数の少ない所は審査委員会は3日で終了という支部もあります。先ほど申し上げた職員の審査事務を終えて、毎月18日前後から26日ぐらいまでの間にマックス7日、短くて3日といったところです。
 月に何件のレセプトということですが、先ほどの件数を、審査委員の数4,600人強で除した数で申し上げますと、月に約1万1,000件という数字になります。
 審査委員の査定の割合は、先ほどの10頁のグラフの右側の査定の点数で見ますと20.4%という数字です。これは先ほど申し上げましたように、その下の部分について審査委員は何も寄与していないかというとそういうことではなくて、職員にあらかじめこういうところをチェックすべしという指示に基づいたり、あるいはコンピューターでこういうチェックをかけなさいということが、支部単位でもチェックできるようになっておりますので、そういう審査委員の指導・助言に基づいて、職員やコンピューターが見つけ出しているところがありますので、単純に審査委員の貢献度が2割ということではないということをご理解いただきたいと思います。
○山口座長 再審査請求についてお伺いします。再審査請求は先ほどの説明によると、査定したことによる不服と、査定しなかったことによる不服の両方があるという話でした。両方ある場合に、この割合みたいなものはわかりますか。再審査の結果について、さらに不服を申し立てる制度はあるのでしょうか。
○足利専務理事 先ほど申し上げました、資料2のスライドの8ですが、保険者の申出は基本的に私どもが原審査で見落としではないですかと、これは査定すべきではないですかということで査定しなかったことによる不服というものが保険者からの申出です。これが、平成22年度には461万件出ております。医科・歯科のトータルの請求に対する申出の割合を申し上げますと、医科・歯科の総体が約6億件と申し上げましたが、その6億件で割ると約0.76%という割合になります。
 片や医療機関による申出ですが、医療機関は私どもの審査委員会で査定したものについて、どうしてこんなものを査定するのだ、これはきちんとした診療ルールに合致した請求である、この査定は見直してほしいということで、査定したことによる不服の分です。この申出を出していただく際には、個別の患者さんの状況はこうなのです、こういう状況であったので、これだけの診療行為を行ったのだという説明が付いてくることが多くて、ここまで薬が大量すぎるのではないかということについて何も説明がない段階では、一般の水準からいくと多すぎではないかというのが、最初の私どもの審査委員の判断だったのです。そういう個別の事情の申出などもあり、そういう場合であれば、それは致し方ないというか、そういう診療行為は適切であろうということで、医療機関の申出、査定したことによる不服を入れて戻すというのが、ここにある8万件になります。この申出の23万件は、不服の割合でいうと、全体の医科・歯科のもともとのレセプトの数でこれを割ると約0.039%という非常に少ない割合になっています。
 これについてさらに不服であるという場合は、当然再々審査となります。8頁の図でご覧いただきますと保険者からの申し出が461万件、そのうち査定となるのが181万件です。したがって、残りの280万件については、もともとの医療機関からの請求どおりで構わないのだという判断だったわけです。それについて、いやいやそれはどうしてもおかしいのではないかということであれば、さらにもう一度再々審査という形で出てきます。あるいは医療機関のほうも、それは査定してしかるべきだということで行った、審査委員会の再審査結果に対して、さらに不服であるという場合は再々審査という形で、稀にはあります。
○山口座長 最後に手数料についてお伺いいたします。18頁に算定方法と実績が示されています。ここの算定方法は、全レセプトの平均手数料となっています。算定方法は、電子レセプトと紙レセプトで違うのでしょうか。これは、違った上での平均ということでしょうか。それから、手数料以外に必要な費用はありますか。質問は以上で終わりです。
○足利専務理事 18頁でお示ししておりますのは、全体としてこういう考え方ですということでお示ししております。20頁の平成24年度手数料負担の水準は83円50銭ということで、具体的に右側に、保険者がレセプト又は連名簿を受け取る形態別に単価が異なっているのがわかるかと思います。これは、基本的な価格は全平均で83円50銭なのですが、この中でレセプトの種別として医科・歯科分と調剤分と分けてあります。全部を平均すると83円50銭なのですが、調剤分の審査は事務負担が非常に軽いものですから、したがって実際にかかっている費用に応じた単価設定が望ましいであろうと。実際に調剤分にかかっている費用が、医科・歯科分の費用の半分ぐらいであるということで、医科・歯科と調剤とを2:1ぐらいの割合で設定しているということです。
 それを全平均すると83円50銭なのですが、右側のほうの電子媒体、電子レセプト、紙媒体と分かれているのは、実際に電子で請求が医療機関から請求された分を、そのまま保険者に電子で受け取っていただく場合は、左側の99円40銭なり49円60銭で結構なのですが、中にはオンラインだけではなくて、電子媒体としていただきたい、あるいは先ほど申し上げました、まだ十分受取り側のほうがオンラインで受け取る体制ができていないので、これを紙に打ち出してほしいという受取り側の要請もあります。そういう受取り側の要請に応じる場合、それだけ余分なエクストラコストがかかりますので、そのエクストラコストをそれぞれに上乗せさせていただいています。これが電子媒体分の1円30銭の差ですとか、あるいは紙で受け取る場合の111円40銭ですから12円の差というところが、実際に特別にかかるかかり増しの費用を上乗せさせていただいているということで、基本は83円50銭ということでご理解いただきたいと思います。
 ほかに費用があるかということですが、これ以外に私どもが保険者からいただいている費用は特にありません。ただ、何か新しい取組みを全く新たにするということでしたら、そういうシステムの初期開発費用も考えられますので、そういうものをどうしていくのか。実を申しますと、電子化を進めるに当たって、だいぶ大昔でありますけれども、厚生労働省のほうから、最初のシステム整備の補助金を貰ったりということは従前にありました。そういうものを、今後また新たな取組みをすることがありましたら、どのように取り組んでいくかということだと思っております。
○山口座長 私のほうからお伺いすることは以上です。もう少し立ち入った点、あるいは新しい問題がありましたら、委員の方からご自由にご質問をお願いいたします。
○松島先生 電子媒体と紙媒体の場合、審査委員の先生は紙媒体のほうが得意な先生だったらそちらにするとか、そうではなくて一律に、来たらこの半分は見なさいというふうになっているのですか。それとも、専門的に電子媒体係と言ったら変ですけれども、そういう委員と紙媒体のほうを専門にやる先生と分けているのでしょうか。
○築瀬審査企画部長 導入当初、電子の画面はという先生もおりましたが、いまお示しいたしましたように9割以上が電子化されていますので、ほとんどすべての先生が電子の画面で審査をやっております。
○松島先生 お年を取った先生でも大丈夫ですか。
○築瀬審査企画部長 はい。それで画面構成とか、どういう表示にするかについても、検討委員会を設けて先生方の意見をできるだけ反映しながら、それは色とかいろいろなご注文があるので、それは先生たちの意見をできるだけ聞きながら、やれるものはやっていくということで工夫しています。
○松島先生 高額で400万円以上のものもありますが、これは特別の審査委員を決めて、その先生方がチェックするようなルールになっているのでしょうか。
○築瀬審査企画部長 はい、そうです。
○松島先生 高額というのは、パーセンテージでいうとどのぐらいあるのでしょうか。全体の中でどのぐらいあるのか、おおよそで結構なので教えてください。
○築瀬審査企画部長 3月の直近の審査分では、医科・歯科合わせて1,758件です。
○松島先生 医科で40万点以上、歯科で20万点以上ということですね。
○築瀬審査企画部長 はい。
○蜂谷先生 高額というのは40万点と決められていて、30万点ではないのですね。
○築瀬審査企画部長 いまは40万点です。
○蜂谷先生 県によって違うことはないのですね。
○築瀬審査企画部長 はい、これは告示で決まっているもので、基金が独自で決められるものではないので、国のほうで決めていただいて、それに則ってやっているのが現状です。
○小西先生 審査委員会での、審査委員であるお医者さんの審査に関してですが、先ほどの説明では1人当たり平均すると大体1万1,000件だということでした。審査委員会が開催されるのが3〜7日間ぐらいだということでした。1人のお医者さんが、1日当たりに審査する件数はどのような感じでしょうか。1人頭平均1万1,000件というのは、3日間だけ従事している人も、又は7日間従事する人も含めて1万1,000件ということなのですが、1日当たりとなると、大体何件ぐらいになるのでしょうか。
○築瀬審査企画部長 先ほど言いましたように、支部の規模とか件数が違いますし、あとは診療科によっても眼科、耳鼻科、内科、外科とありますので、一概に何件というのをここでは言えません。ただ、全体の平均で割ると、およそそれぐらいということしかいまはわかりません。
○小西先生 審査委員会での審査の際にも、スライドの15・16・17頁に記載されている突合点検とか縦覧点検というのも、お医者さんが全対象のレセプトに対してしているということでしょうか。
○足利専務理事 突合点検というのは、病名と調剤のレセプトが合っているかどうかということですから、そういうシステムを組んでおき、それぞれでおかしいものを機械がチェックして出してきますので、その出てきたものをまずは職員が見て、それで最終的に審査委員が確認するということで、個々のレセプトと同じような形でチェックをすることになります。
○竹内先生 18頁の審査支払事務手数料の算定方法の説明をしていただきましたけれども、支出総額の876.3億円は、主に人件費なり物件費なりに分かれるかと思いますが、大まかにで結構ですけれども、その内訳を教えてください。
○足利専務理事 大雑把に申しますと、人件費、職員の給与諸費が約半分程度になっています。コンピューターの関連経費、経常経費といったものが3割程度。先ほどから出ております審査委員会の先生方に支給する手当が大体15%ぐらいという割合になっています。
○竹内先生 20頁のレセプト1件当たりの手数料の説明をしていただいて、種別ごとで医科・歯科分と調剤分で、調剤のほうは事務負担が軽ということで、2:1という考え方でこの単価の比較をされているということでした。厳密には医科・歯科分と調剤分という形で、コストを内部で色分けできるものなのでしょうか。
○足利専務理事 私どもでは、業務量調査を行っています。実際にかかるコストを割り出し、大体概ねこういう割合になっているということに基づいて積算をしています。
○蜂谷先生 1頁の審査委員会ですが、診療担当代表者と、保険者代表と、学識経験者と3者いますが、査定に関しては審査する医師によってだいぶ違いますよね。査定できる人とできない人と、わかる人とか見逃しとかありますよね。最終的な決定というのは、審査委員会の3者で査定するかどうかを決めるのですね。
○足利専務理事 委員会として決めます。
○鈴木労災補償部長 事務局からもよろしいでしょうか。確認ですけれども、最初に座長から質問していただいた審査の範囲といいますか基準についてですが、直近の状況を存じ上げないのですが、以前はレセプト上では傷病名と投薬で、禁忌投薬がときどき見られました。いまはコンピューターでのチェックの項目として、禁忌がチェックできるようなプログラムが入っているのでしょうか。
○築瀬審査企画部長 入っています。
○鈴木労災補償部長 それは、薬価収載のほとんどの禁忌項目は全部入力してあるということですか。
○築瀬審査企画部長 ほとんど入れています。ただ、実際は禁忌になってもレセプト上での判断もありますので、そこは禁忌も入れています。
○鈴木労災補償部長 各分野で、特に過剰診療となる場合に、それぞれの分野、病名によって傾向が一定程度あると思うのです。そういうものを、審査委員が見る前に何かラフにチェックする。例えば検査の回数とか、月2回というようなものではなくて、まさに癌の末期などで相当回数が多いと。以前は、ビタミン剤の安易な投与があったりしました。そういうノウハウみたいなものを、プログラム化するようなことはされているのでしょうか。
○築瀬審査企画部長 後者の医薬品の投与量については、ほぼすべて、要は異常値も含めて、基金の中での異常値も含めて、あるいは添付文書の中で最大量が決められているもの、あるいは決められていないものの中で異常値という形で、ある一定の線を引いて、医薬品の量についてはほとんどチェックしています。
 先生方もご存じのように、検査は非常に難しいです。具体的にいまの段階で、この検査はこの程度はチェックしようかというのは、いまの中ではまだできていません。
○鈴木労災補償部長 そういうプログラムについて、それは随時追加できるようなシステムになっていますか。
○築瀬審査企画部長 はい。先ほど専務理事から説明したように、いろいろとシステムでチェックをする方法にしています。そこは、コンピュータチェック検証委員会という、ドクターが中心になってやっている中で、随時入れたり、抜いたり、あるいは追加したりというのをいまはやっております。随時できます。
○鈴木労災補償部長 10頁のグラフで、コンピュータチェックで274.9万箇所あるのですが、実際の査定は真ん中の箇所数になるとグンと減るのですが、コンピュータチェックは相当幅広く、厳しめに付せんを付けることになっているのではないかと思うのです。
○築瀬審査企画部長 そうです。
○鈴木労災補償部長 チェックはされたけれども、査定する必要はないというのは、ほとんどが職員のチェックの段階で終わっているのか、審査委員まで行ってからなのか、この現状はいかがでしょうか。
○足利専務理事 11頁は医薬品の適応のチェック状況なのですが、そういうものをトータルしたものが先ほどのグラフになっているとご理解いただければと思います。これで見ますと、チェックをかけようとしている医薬品が1,810品目あります。その1,810品目がレセプトの中に出現しているものが555万9,000箇所ありましたと。この555万9,000箇所のうち、コンピュータチェックでこれは疑わしいというものが17万8,000箇所あります。
先ほどの当たりの分がこれだけあるわけですが、これを拡大して見たのが、この右側の四角です。この中で最終的に職員が点検をしたのが3万4,000箇所、これは疑わしいのではないかと、やはり査定すべきではないかということで、職員が審査委員に上げたものが3万4,000箇所あります。そのうち審査委員が、これは査定だということになったものが1万8,000箇所あるということです。ほかの一連の用量についても、診療行為についてもそのようなことで行われています。
○松島先生 ジェネリック薬品が出ています。私は医者ですけれども、自分でAという薬を出します。ところが、患者さんが調剤薬局へ行くと、Bという安いほうが出たとします。この連携はコンピューター上でわかるのですか。私のほうで処方箋を書きますが、調剤薬局へ行って何が出されているかわからないという現状が結構あります。患者さんが持ってくれば、こういう薬かということはわかるのですが、それが実際こちらの点数で出しています。調剤薬局で悪いことをしようと思ったら、安いのではなくてこちらの点数で請求するということもあり得るのかと思ったのです。
○築瀬審査企画部長 それは、実際の不正です。もともと薬剤師は処方箋に基づいて処方していますから、先ほど私どもが言った書面で出てきます。
○松島先生 だから、そこでジェネリックに変えることができるので、私が判こを押していれば向こうが変えるわけでしょう。
○築瀬審査企画部長 変えます。
○松島先生 そうしたときに、それは実際的には安いものになるわけです。
○築瀬審査企画部長 そうです。
○松島先生 でも、こちらが処方して書いているのは、高いのが書いてあるわけです。そこのところが、コンピューターで連動的に見えるようになっているのかと、ときどき思っていたのです。
○足利専務理事 それは、処方箋と私どもに請求されるものの連動は図れておりません。ですから、私どもは先生がおっしゃるジェネリックでの請求が来ていることになるでしょうから、それは薬価が適切かどうかを見ることになると思います。
○山口座長 それは、コンピューターでわからなくても、薬局のほうの不正給付です。処方箋に書かれているジェネリックでない医薬品を患者に渡したことにして、実際にはジェネリック医薬品を渡しているということでしょう。
○松島先生 そういうこともあり得るかなということです。
○築瀬審査企画部長 仮にそれが審査課程で、何か査定とかあれば。
○山口座長 そういう問題はそれとして対処しないといけないと思うのです。
○築瀬審査企画部長 そうです。それは、必ず医療機関の先生方にも通知します。これは、こういうので突合した結果、査定になりましたというのは通知する約束がありますので、そこでわかる部分も少しはあるのかと思います。
○松島先生 もう1つは副作用が起こった場合に、書いた医者のほうに責任が来るのです。ジェネリックを出したのは私ではないのだけれども、調剤薬局が出して、ときたまそれで不幸にも副作用が出たときには、処方箋を書いた医者の責任だということで来るのです。これも困った問題だと思っています。
○山口座長 それはちょっと筋違いの話ではないですか。誰が責任を負うのかということですね。
○松島先生 いや、ちょっとお聞きしようと思ったのです。
○若生補償課長 20頁のレセプトの手数料の関係です。実際に各保険者が支払う手数料というのは、平均の水準で一律に決めるのか、それとも実際に来たレセプトの調剤分とか、医科・歯科分で分けてそれに掛けていくのか。
○足利専務理事 この右側の、それぞれの保険者のほうで受け取る形態別に件数のカウントを掛け、その金額を請求させていただくということです。
○山口座長 ほかにはよろしいでしょうか。どうも長い時間にわたり、かつ詳しいご報告をいただき、また質問に答えていただきましてありがとうございました。元の席にお戻りください。基金の皆様ありがとうございました。
 議事の2番目に入ります。「労災保険指定医療機関以外の医療機関を受診した場合の流れ等について」、事務局から説明をお願いいたします。
○藤原労災医療専門官 参考資料1以降の部分についてご説明させていただきます。前回、労災指定医療機関制度があり、そちらの医療機関で受診した場合の流れについてご説明させていただきました。労災保険の指定を受けていない医療機関がありますが、そういうところでも労災の患者さんが受診することができますが、その場合をお示ししたのが参考資料1です。
 左の方ですが、労働者が労災事故に遭って被災した場合に、労災指定以外の医療機関を受診した場合には、まずその受診にかかる費用については、全額を一旦被災労働者本人に負担していただくことになります。被災労働者は、医療機関のほうに「療養補償給付たる療養の費用請求書」を提出し、それについて医療機関のほうから必要な証明をいただくことを依頼します。この証明の内容は、療養の事実を証明するとともに、通常の労災保険指定医療機関のほうでレセプト請求していただくような内容と同じことを、請求書の裏面に、診療内容の内訳とか金額を書いていただくことになります。
 この請求書に、被災労働者が必要な内容も記入した上で、所轄の労働基準監督署へ請求書を提出することになります。労働基準監督署においては、この括りの中の左の箱で業務上外に関する調査、その災害の発生状況等を確認し、その事実関係に関する調査、医学的な事項に関する調査、これは当該怪我又は傷病が、その労働災害に起因するものかどうかという調査をしていきます。ここについては、前回の流れの中でご説明した内容と、労働基準監督署が行う部分ということでご説明した内容に類似しているものです。
 その括りの中で右側のほうが、先ほどの請求書の中のレセプトと同様に、療養の内容等を書いてある部分についての確認を行う部分です。まずは、診療報酬点数表等に基づく基本的な審査点検を行います。続いて、この診療内容の中から、労災固有の部分の確認事項がないかということで、私傷病が混ざっていればそれを除きます。もしくは、診療の内容からして、そろそろ治癒の時期というものがあるのではないかという確認をいたします。
 この両方を、労働基準監督署において調査・確認をし、その下に矢印が2つ下りておりますが、業務上外の認定と、最終的に支払いをする内容の確定をいたします。実際に支払いをする金額がこれで決定いたしますが、現在はシステムで厚生労働本省のほうに繋がっていて、最終的に請求がありました被災労働者本人の口座には、システムを使って厚生労働本省のほうから支払いをしております。これが怪我をしてから、労災指定以外の医療機関を受診した場合の事務の流れとなっております。いちばん下に、過去3年間の支払いの件数と金額を参考で付けております。
 参考資料2は、労災保険指定医療機関からレセプト請求があった場合です。前回ご説明いたしましたが、平成23年度の途中までは外部に委託しておりました。その際に、委託業者が行うべき内容と、労働局もしくは労働基準監督署が行う事務は何かということです。これ全体を総括いたしますと、前回ご説明いたしました事務の流れになるのですが、委託していた時代の状況を今回ご説明させていただきます。
 被災労働者からは、労災保険指定医療機関に「療養の給付請求書」が提出されます。労災保険指定医療機関については、1カ月の単位で、実際にその被災労働者になされた療養行為をレセプトに記入し、複数の労働者の分を総括して請求書を頭に付けて、所轄の労働局に提出いたします。労働局では、この受け付けた書類を、委託業者と労働基準監督署に振り分けます。まずは、被災労働者から提出された療養の給付請求書は、労働基準監督署に送付いたします。その写しを取り、なお医療機関から上がってきた請求書、レセプトを委託業者へ持ち込みます。
 今度は左のほうでご説明させていただきます。委託業者には、審査点検の事務補助という委託をしておりますので、こちらの内容について全数見ていただきます。大きく分けて、診療報酬点数表等に基づく基本的な審査点検を行います。次に、労災固有部分の点検を行います。追加傷病について確認をいたしますというご説明を前回いたしましたが、これについては前月までのレセプトの内容から確認をすることにしております。すべての修正内容、疑義について疑義付箋に記入いたします。この疑義付箋とレセプトの情報について、一旦労働局にフィードバックしていただくところまでが、事前点検の内容となっております。
 労働局については、委託業者から受けた内容について、改めて全数の内容を確認いたします。特に、疑義付箋が付けられた事案については、重点的に確認をいたします。そうした中で、疑義内容の精査をしていくのですが、必要に応じて被災労働者や医療機関等に内容を確認後、労働局のほうで問題点を整理することもあれば、業務上外の判断に必要不可欠な情報については、労働基準監督署に対して調査の指示、情報提供をいたします。
 ここで、改めて労働基準監督署の確認ですが、まずは労働局から転送された療養給付請求書に基づき、必要な調査を行っております。それに加え、先ほどの労働局からの指示、情報提供を踏まえ、業務上外の判断をするために、主治医に対する意見照会、この場合は最終的な処分に結び付けるために、意見書の提出をお願いするのが一般的な手法です。ほかの方法としては、具体的なカルテ、レントゲン写真、手術記録の提供をお願いし、その内容から事実関係を確認いたします。このような形で労働局から提出されたレセプトを活用し、医学的な観点からの確認を行います。これらすべての調査確認をした上で、個々の労災請求事案について、業務上外の認定をいたします。
 改めて中ほどの労働局に戻ります。先ほど、労働局の職員が審査・点検事務を行い、労働基準監督署に情報提供するところまではご説明させていただきました。そのまま細い線で矢印が下に下がっております。「労災診療費審査委員会」のほうで、内容を審査確認をしていただき、ここで個々のレセプトについて査定内容が確定する運びになります。この先は、改めて委託業者に対して、審査済みの請求書、レセプトを回送いたします。委託業者において、これを支給するためのシステムのほうに入力していただきます。
 この入力結果と、労働基準監督署が業務上外をどのような判定をしているのかを労働局のほうで確認し、未だ労働基準監督署が調査中ということであれば、診療審査委員会を経たものであっても支払いは保留となります。業務外という判断をしたということであれば、審査内容にかかわらず、当該レセプトについては不支給となります。次に、業務上の認定がされたということになると、下に矢印が下がって、ここで支払いの決定という行政の行為をいたします。これについても、先ほどの費用請求書と同じように、システムで厚生労働本省のほうに繋がっておりますので、支払いのほうは一括して厚生労働省のほうで、各労災指定医療機関のほうに振込みの手続をさせていただいております。
 参考資料3ですが、前回の説明の際に事業仕分け等の経過を踏まえ、委託から行政のほうへ集約化いたしましたということで、金額についても平成22年度から平成24年度で大幅な減額をいたしましたというご説明をいたしました。今回の資料は、途中の平成23年度のプロセス及び平成21年度以前の委託時代の予算額も計上しております。今回この資料で申し上げたいのは、いままで外部委託をしておりましたときにも、予算額については必要な精査を行い、縮減を図ってきたところです。なお、今回の見直しを図り、だいぶ大きな金額の見直しを図ってまいりましたということのご説明です。
 資料は以上ですが、前回のご質問に対する宿題が残っています。労災の診療費審査委員会はどの程度のレセプトを見ているのかというご質問でした。効率的に審査委員会の際にレセプトを見ていただくために、職員がすべてのレセプトを確認し、問題のある事案については付箋を付しております。その付箋の中には、具体的にこういう内容に疑問があるということを付しております。労災診療費審査委員の先生方には、医学的な判断を要する事案やそれ自体に疑義がある事案を重点的に審査をしていただいております。
 平成22年度については、重点的に審査をしていただくということで、疑義付箋の対象となったのは、全体で20万弱という件数で、パーセンテージにすると5.5%です。以上です。
○山口座長 ただいま、参考資料に基づいて説明していただきました労災保険の指定医療機関以外の医療機関を受診した場合の事務の流れ、外部委託時の労災診療費審査点検業務の流れの追加説明、審査委員会がどの程度審査にタッチしてどういう点を見ているのかという質問に対する答えがありました。ご質問がありましたらお願いいたします。
○松島先生 労災指定以外の病院に行かれた場合、これが非常に軽傷だとした場合、面倒くさいから普通の保険医療でやってしまおうと。いうならば労災隠しみたいな事例は結構あるのでしょうね。会社にとっては、労災がいっぱい出た場合にはペナルティではないですけれども、いろいろレッテルを貼られるのでしょうか。いわゆる事業所が労災件数の多い会社であると、社会的にあそこはいつも労災が多い所であるというような、どこかマスメディアに報告するようなことはこのシステムの中にはないのですか。
○河西補償課長補佐 いわゆる労災隠しということになると、そもそも労働災害の場合には、労働基準監督署に報告をする義務が事業主にあります。労災隠しということになると、結果的には虚偽の報告をしたことになりますので、労働安全衛生法に基づいて刑事処分になります。刑事処分した場合には公表もしておりますので、そのような形でのペナルティということになります。
○松島先生 ただ、ものすごく軽傷であれば、普段自分がかかっている普通の医院へ行きます。ちょっと切ったぐらいだったら治ってしまうし、そういう書類を出すのは面倒くさいという人も出てくるのかと思ったのです。
○河西補償課長補佐 そういう場合には、医療機関において確認を問診等でやっていただいて、業務で怪我をしたのか、あるいは業務とは関係なく怪我をしたのかよくチェックしていただいております。診療所にもよく掲示されておりますが、労災隠しは駄目ですということになっています。そういう意味で我々のほうでも周知はしておりますが、医療機関のほうでもやっていただいております。さらに健康保険組合等でも、そのようなところはチェックしていて、もしそれが業務災害ということになれば、労働基準監督署のほうに請求をし直ししてもらうということで処理しております。
○山口座長 それは、我々医学の知識のない法律屋から見ると、わりと起こらないのではないかと思います。労災のほうが1件当たりの点数が高いですから。それは労災で扱ってもらったほうが得だから、まずそうなるのではないか。労災隠しというのはないわけではないと思いますけれども、隠したいのは誰かといったら医療機関ではなくて会社なのです。メリット制が利いてくるから、医療機関がリーダーシップを取ってそうするというのはあるのかなという気がいたします。
○松島先生 患者さん本人が労災であるという認識をしていなくて、近くの病院のほうが便利だから行って、いつもここにかかっていますと。「先生、ちょっと切っちゃったんだけれども縫ってよ」で、もしかしたら終わってしまうケースがあるのかと思ったのです。
○山口座長 それは、なきにしもあらずですかね。患者さんに労災だという自覚がなくて、いつも行っている医療機関へ「指を怪我しました」と行き、お医者さんも別に問いたださないということは、ないわけではないと思います。
○蜂谷先生 そのような件はあります。しかし、その後がよくないのです。例えば半年位経って症状が消失又は良くなっていたが、再発した場合、他の同僚に「あれは労災なのだからやってもらえ」と言われて、来院された場合にそれをどうするかというのが一番問題なのです。簡単だから近くに行って診てもらって治癒したからよかったけれども、そこのところがまた痛むということで受診され、これは労災だと言われて元に戻すというのがあります。これを再発として認めるのかどうか、困ってしまうのです。そういうことは時々あります。簡単なケースでは捻挫、打撲ぐらいだったらもう治っているだろうと見てしまいます。
○若生補償課長 企業に対しては、我々もいろいろな団体を通じて指導しておりますので、会社のほうもさすがに仕事中に起きれば、労災請求の指導が相当行われていますので、そういうケースもあるとは思いますが、だいぶ少なくなってきています。大きな企業では、座長がおっしゃったようにメリットにはね返って、会社が消極的になる余地はあるのですが、それで送検されている会社もあるので、送検されて大きな痛手を受けるよりもきちんと労災請求を出すということで、いまは法に則った形で進んでいる企業が世の中的には非常に多いのではないかと思います。
○山口座長 参考資料2の図ひとつを見ても、右側の業務上外の認定が必然的に関連していますから、そこのところが複雑になってきます。労災の場合、どうしてもこういう形になるわけです。ほかにご質問がないようでしたら、本日予定いたしました議題は以上ですので、会議はこれで終わらせていただき、事務局から次回の日程等について説明をお願いいたします。
○松本職業病認定調査官 本日はどうもありがとうございました。次回会議の日程ですが、スケジュールとしては4月下旬にお願いしたいと考えております。ゴールデンウイークも近い状況になっておりますので、後日調整をさせていただければと思っております。
○蜂谷先生 この4人の方がよければ日にちはどこでも構いません。私の方は、出られないものは出られないと言って、こちらに来ます。私のことであれば考え直します。決めていただいて結構です。
○河西補償課長補佐 事前に皆様の日程を伺ったところ、すべての先生が全部空いている日は4月下旬までにはないので、それで調整させていただいてと思っております。それぞれ、改めて日程調整をさせていただきたいと思います。本日この場でというのは難しい状況ですので、後ほど蜂谷先生のスケジュールを伺った上で調整させていただきます。
○松本職業病認定調査官 ありがとうございました。会議はこれで終了させていただいて、日程調整をこの後させていただきます。
○山口座長 どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

労働基準局労災補償部補償課

医療福祉班: 03(5253)1111(5564)

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