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2012年3月27日 第1回労災診療費のレセプト審査事務に関する検討会議事録

労働基準局労災補償部補償課

○日時

平成24年3月27日(火)17:30〜19:30


○場所

厚生労働省共用第6会議室(中央合同庁舎第5号館2階)


○出席者

(参集者:五十音順、敬称略)

小西 康之、竹内 啓博、蜂谷 將史、松島 正浩、山口 浩一郎

(厚生労働省:事務局)

鈴木 幸雄、河合 智則、神保 裕臣、河西 直人、藤原 毅、松本 和之、岡村 圭介、倉重 潤一郎

○議題

(1)検討会の趣旨及びスケジュールについて
(2)労災診療費のレセプト審査事務について
(3)その他

○議事

○松本中央職業病認定調査官 定刻になりましたので、ただいまから「第1回 労災診療費のレセプト審査事務に関する検討会」を開催いたします。配布資料の確認をさせていただきます。お手元に「第1回 労災診療費レセプト審査事務に関する検討会座席表」を1枚目に置いた資料があるかと思います。その下に「検討会の次第」、もう1枚めくっていただきますと、そこからが資料となっています。下に通し頁を付けています。最後の頁は25頁となっています。
 それ以外に日程調整用の用紙を委員の皆様には置かせていただいています。これは最後に説明させていただきます。以上ですが、よろしいでしょうか。
 議事に入る前に、本検討会の参集者のご紹介をさせていただきます。資料の通し頁の2頁に「参集者名簿」を付けさせていただいています。50音順に紹介させていただきます。小西康之委員です。
○小西委員 明治大学の小西です。よろしくお願いいたします。
○松本中央職業病認定調査官 竹内啓博委員です。
○竹内委員 公認会計士の竹内です。よろしくお願いいたします。
○松本中央職業病認定調査官 蜂谷将史委員です。
○蜂谷委員 蜂谷です。よろしくお願いいたします。
○松本中央職業病認定調査官 松島正浩委員です。
○松島委員 松島です。よろしくお願いいたします。
○松本中央職業病認定調査官 山口浩一郎委員です。
○山口委員 山口です。よろしくお願いいたします。
○松本中央職業病認定調査官 では、検討会開催に当たって、事務局を代表して、労災補償部長の鈴木よりご挨拶を申し上げます。
○鈴木労災補償部長 労災補償部長の鈴木です。「労災診療費のレセプト審査事務に関する検討会」の開催に当たって、一言ご挨拶申し上げます。
 メンバーの皆様方には、大変お忙しい中この検討会の委員をお引き受けいただきまして、ありがとうございます。また、年度末のこの時間帯に、またお忙しい中にご参集いただきましてありがとうございます。日頃より労災補償行政の推進についてご理解とご協力をいただいておりますことに、改めて深く感謝申し上げます。
 労災レセプトの審査事務については、一般の社会保険あるいは国民健康保険の審査とは別に外部の機関に委託する形で行ってきましたが、事業仕分けについては、厚生労働省の場合は、行政刷新会議の事業仕分けのほかにも、省内で独自に事業仕分けの組織がありまして、そういった見直しなどが行われる中で、この審査事務については、保険者たる国が決定すべき行政処分と密接不可分であることなどから、よりコスト削減を図るという目的も達成しつつ、国が直接実施することとして、昨年7月から外部委託から順次、国の直括の業務として移行を開始して、昨年12月に国への集約化と言いますか、元に戻すということを完了させました。
 こうした流れがあったわけですが、それとは別に衆議院の決算行政監視委員会において、いわゆる国会事業仕分けと呼ばれておりますが、こちらのほうでもさまざまな見直しと言いますか、これが行われる中で、昨年12月8日付けで労災診療費のレセプト審査事務の支払基金等への委託についても検討を進めるべきであるという決議がなされて、その講じた措置を6カ月以内に当該委員会に報告するように求められています。そのため、労災診療費のレセプト審査事務のあり方について、今般、検討会を設置し開催することとしました。
 今後の具体的な検討事項、あるいは最近の状況等については、後ほど担当から説明させていただきますが、ご参集いただいた皆様方には、労災診療費のレセプト審査の特殊性を踏まえつつ、保険者の違いや審査事由の違い、費用対効果といったさまざまな視点から、この最適なあり方についてご検討いただければと考えています。
 一応、予定としては本年5月中旬には検討結果を取りまとめていただきたいと考えています。大変お忙しいところ恐縮ですが、短い期間で集中的にご議論いただきますようお願い申し上げます。簡単ですが、ご挨拶とさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○松本中央職業病認定調査官 続きまして、本会議の庶務を務めます事務局を紹介させていただきます。いまご挨拶を申し上げました労災補償部長の鈴木です。続いては、補償課長の河合です。
○河合補償課長 河合です。よろしくお願いいたします。
○松本中央職業病認定調査官 補償課長補佐の神保です。
○神保補償課長補佐 神保です。よろしくお願いいたします。
○松本中央職業病認定調査官 補償課長補佐の河西です。
○河西補償課長補佐 河西です。よろしくお願いいたします。
○松本中央職業病認定調査官 労災医療専門官の藤原です。
○藤原労災医療専門官 藤原です。よろしくお願いいたします。
○松本中央職業病認定調査官 私、中央職業病認定調査官を務めています松本です。どうぞよろしくお願いします。
 議事次第に基づいて、本検討会の座長の選出をお願いします。皆様の中から座長の推薦はございますか。
○松島委員 山口委員を推薦いたします。
○松本中央職業病認定調査官 ただいま、山口委員を推薦というご意見がありました。山口委員に座長をお願いすることとしてよろしいでしょうか。
      (異議なし)
○松本中央職業病認定調査官 ありがとうございました。皆様のご賛同を得ましたので、山口委員に座長をお願いいたします。山口委員におかれては、おそれいりますが座長席にお移りいただき、一言ご挨拶をいただいた上で、その後の議事進行をよろしくお願いいたします。
        (山口委員座長席に移動)
○山口座長 皆様のご賛同を得ましたので、甚だ僭越ですが、座長を務めさせていただきます。
 先ほど、労災補償部長のご挨拶にもありましたように、この検討会の課題は、労災診療費のレセプト審査業務について保険者、審査事由、費用対効果という点を検討するところにあると思います。皆様方各々の立場からこの点について忌憚のないご意見を賜りまして、報告をまとめていきたいと思います。どうか、よろしくご協力のほどお願いいたします。
○松本中央職業病認定調査官 写真撮影は以上とさせていただきます。ご協力のほどお願いいたします。また、労災補償部長の鈴木は国会業務がありまして、ここで退席とさせていただきます。
○鈴木労災補償部長 失礼します。よろしくお願いいたします。
       (鈴木労災補償部長退席)
○山口座長 本日は第1回目の会議ですので、この検討会の開催目的等を確認した上で、議題に入りたいと思います。事務局から説明をお願いいたします。
○松本中央職業病認定調査官 資料の1頁目をご覧ください。こちらに本検討会の開催要綱を付けています。労災レセプトの審査点検業務についてということですが、部長の挨拶の中にもありましたが、従前その一部を委託という形で行っていました。それを行政刷新会議、省内事業仕分けでの指摘を踏まえる中で、昨年12月1日にコスト削減を図った上で、国に集約化をしました。
 その一方で、同年同月の8日に衆議院の決算行政監視委員会で、労災診療費のレセプト審査事務の支払基金等への委託についても、検討を進めるべきであるという決議がなされました。
 この決議を受けて、労災診療費のレセプト審査事務の特殊性を踏まえつつ、保険者の違い、審査事由の違い、費用対効果等の視点から、労災診療費のレセプト審査事務のあり方について検討いただくために本検討会を設置、開催させていただいています。
 検討内容は、労災診療費のレセプト審査の特殊性を踏まえつつ、保険者の違い、審査事由の違い、費用対効果等の視点から労災診療費のレセプト審査事務のあり方を検討いただきたいというものです。以上です。
○山口座長 ただいまの説明を前提にして、議題に入りたいと思います。
 いまこの検討会の開催目的等についてご説明いただいたわけですが、検討すべきポイント、検討のスケジュールについて簡単にご説明をお願いいたします。
○松本中央職業病認定調査官 引き続き説明させていただきます。資料は4頁、5頁目になります。4頁目の「検討すべきポイント(案)」ですが、決算行政監視委員会の決議を踏まえてのことです。労災診療費のレセプト審査事務の支払基金等への委託について、具体的には、労災診療費のレセプト審査事務のあり方、特に労災診療費のレセプト審査の特殊性を踏まえつつ、保険者の違い、審査事由の違い、費用対効果等の視点から、支払基金等への委託の可否について検討いただきたいというものです。
 「検討のスケジュール」は5頁目になります。本日、大変お忙しい中お集まりいただきましてありがとうございます。3月27日に第1回目の会議を開かせていただきました。いまは全体で4回の会議を予定させていただいています。第2回目は、現状を把握するため、説明を受けることを考えています。対象としては、先ほどの決算行政監視委員会の決議の中でも例示されていました社会保険診療報酬支払基金について説明を受けることを行えないかと考えています。
 第3回目は、それらの説明等を踏まえた検討ということで、皆様にご検討いただき、第4回目も、それらの検討を踏まえて、報告内容の検討を進めさせていただければと考えています。この会議としては、先ほどの部長の挨拶にもありましたが、5月中旬ぐらいまでには、この第4回目の会議を開催、終了させたいと考えています。
○山口座長 これは、労災診療費のレセプトと関係がありますので、一応事務局から、労災診療費のレセプト審査事務はどういうふうになされているのか説明を伺ってから、皆様のご意見、ご質問をお受けしたいと思います。事務局で続いて、その点ご説明ください。
○藤原労災医療専門官 通し頁の6頁から説明させていただきます。「労災医療の仕組み」ということで、横表になっております。まずは左上をご覧ください。平成22年度は年間約57万5,000人の方が労働災害に遭い、療養を受けております。この方々は、労災保険指定医療機関と申しまして、労働局と契約をする医療機関に受診されます。この医療機関については、被災労働者が受診した場合に自己負担なしで診療を受けられるという仕組みになっており、全国で約3万9,000の医療機関が対象となっております。同様に院内処方をした場合については、薬局は約4万7,000の契約機関がありまして、こちらについても自己負担なしで、療養及び調剤を受けられるという仕組みとなっています。
 実際にここで発生した費用については、真ん中の線で、各医療機関が労働局に請求をします。実際に被災した労働者の方は、こちらの医療機関を経由して、各労働基準監督署に労災である旨の請求書を提出します。
 労働基準監督署では、その請求書に基づいて必要な調査を行います。一方で労働局においては、各医療機関から請求のあったレセプトの内容を審査します。後ほど詳細にご説明いたしますが、このレセプトの審査の中で、労災保険の認定をするのに必要な情報が入っています。そのために、労働局は労働基準監督署に対して調査の指示、必要な情報の提供を行い、労働基準監督署はその請求事案が真に労災の対象として給付をするのかどうかという判断をいたします。その結果が、改めて労働局に戻りまして、実際に業務上として判断されたものについて、労災診療費の支払いを行うこととなり、具体的には厚生労働省、本省で一括して各医療機関に支払いを行っています。
 もう一度整理をしますと、まずはこれにかかる費用です。いちばん下の箱に入っていますが、労災保険料は全額事業主が負担しております。被災労働者は労災保険指定医療機関で受診しますと、自己負担なしで診療、調剤を受けられます。実際に、労働局及び労働基準監督署で調査、点検を行うというのが流れです。
 引き続いて7頁、参考資料2です。労災保険指定医療機関については、レセプトと申しますが、被災労働者ごとに請求内容を1カ月単位でまとめて労働局に請求します。具体的な例をお持ちしました。この方は左上腕の骨折で手術を伴う療養を受けた方です。上段に、バックに色が少し着いているところの下に線が引いてあって、「259万円」という数字がありますが、259万円の請求があったものです。
 実際の内容ですが、診療行為が行われたものについては、この頁の左の欄から右の真ん中の辺りのところに、その診療行為別に点数が記載されており、具体的な内容は、右の下のほうからずっと次頁にわたって、細かに書かれています。
 労働局においては、こうした医科点数表、薬剤ですと薬効薬価リストといったものから、個々の請求がひとつひとつ正しいのかという審査を行っています。各行の端のほうに、鉛筆でチェックをしたような印が付いています。
 裏面をご覧ください。左側の中程に髄内釘(横止め型)というのと、髄内釘(横止めスクリュー・標準型)というのを四角で囲んでおります。この請求ですが、実は骨折をして、髄内釘という金属質のものを骨の間に入れまして、それを横からピンで止めて骨折部分を固定するという手術を行ったものです。この髄内釘29万8,000円というものを5個使用し、下のスクリューのほうは2万8,100円なのですが、これは1本使用したという請求になっていました。
 骨の中に髄内釘を入れる手術ですから5個はおかしいと考え、医療機関に確認を行ったところ医療機関で算定を誤り、5個は本来1個で、1本は本来5本と、上と下を間違えて請求してしまったということが分かりました。これは、請求のあった医療機関に内容確認をし、手術記録を確認してもらったことにより、その誤りを正したというものです。
 表面に戻りまして、先ほど259万円の請求があったという説明をしましたが、審査の結果、その他の査定事由と併せまして、結果として134万円に査定されています。
 続いて参考資料3ですが、労災のレセプト審査事務に関するこれまでの見直しの状況です。冒頭の部長の説明のおさらいになりますが、まずは平成22年度においては、外部に国の指示の下、レセプトの事前点検をする業務を委託していました。レセプトの全数を事前点検して、保険者である労働局に対して、疑問点を指摘する業務を実施しておりました。こうした受託業者からの報告を踏まえまして、国が最終的な審査をした結果、委託費を上回る査定の実績がありました。実際に点検をしたレセプトは労災請求の全数である351万件で、最終的な査定額は38億円ということで、金額ベースで1.7%の査定状況となっています。
 そうしたところ、平成22年度の行政刷新会議WG「事業仕分け」がありました。評価結果としては、実施機関を競争的に決定しなさい、事業規模は縮減しなさいという指摘でした。
 しかし、この事業仕分けの評価結果には、各委員の意見はさまざまでございまして、中には「外部委託は現実的ではない」「内部化を検討すべきだ」というご意見の委員もいらっしゃました。また、この事業仕分けに先立ちまして、前年に閣議決定されております政府関連公益法人の徹底的な見直しの中には、行政が直接実施することが真に必要なものについては、国の行政機関等が事務事業を実施できないかという視点で検討しなさいという項目もありました。
 これらの内容を検討した結果、レセプトの事前点検を保険者たる国に集約化するという結論を、厚生労働省として出しまして、これについては、平成22年6月の省内事業仕分けでこの改革案を提出し了承されました。
 それを受けまして、平成23年度に入りまして、各労働局ごとに、7月から12月にかけて、順次労働局に集約化を図り、昨年12月にすべての労働局の集約化が終わったという状況です。
 続いて10頁、参考資料4です。レセプト審査の事務について、徐々に詳しい説明をさせていただきます。まず先ほど申し上げました労災保険指定医療機関もしくは薬局からの請求ですが、前月分をまとめて、先ほどのレセプトに個別の請求内容を記しまして、毎月10日までに労働局に請求をいただくことになっております。これについて、労働局においては、労災認定と不可分なものとして、すべてのレセプトについて審査をして、最終的に適正なものについては支払いを行っているところです。レセプトを審査し、支払額を計算します。体制としては、定年退職後の行政OBの活用もしくは非常勤職員の活用ということで、体制を整えています。
 審査内容です。診療報酬点数表等に基づく形式的な審査点検に加え、労災非該当レセプトを除外します。これは労災事由ではないということで、業務外の判断をするということです。また、レセプトの中には労災事由とは関係のない私傷病が混ざっている場合があります。これについても除外します。あとは、療養が長くなったものの中には、そろそろ症状固定、治ゆの時期を検討すべきものがないかというようなチェックをいたします。この下の3点についてが、労災固有として審査が必要な部分です。
 先ほど申し上げましたとおり、こうした情報と労働基準監督署の調査を両方併せまして、労災保険の支給対象とするか否かの判断があります。労働基準監督署が決定した情報を労働局に戻しまして、最終的には翌月の15日、例えば2月分の診療行為であれば、3月10日までに労働局に請求し、いまのような審査を経て、4月15日頃にはお支払いするというような流れで処理をしています。
 続いて11頁です。もう少しそこのスケジュール観と内容を詳細にしたものです。毎月10日までに提出いただいた請求書を、まずは受付処理をします。その際に、新規のレセプトと継続のレセプト、ここは後ほど説明します審査事項が若干新規分と継続分とで異なるということで、区分けをいたします。
 真ん中の箱で具体的な審査事項をご説明いたします。診療報酬点数表等に基づく形式的な審査ということで、まずは記載事項の確認をいたします。レセプトの内容の記載漏れとか、お支払いをするのに各労災保険指定医療機関の番号が必要ですので、そういった形式的なものの確認です。続きまして、先ほど申し上げましたとおり、いろいろな点数表がありますが、それぞれで診療行為の確認ということで、その診療行為の名称、点数、その回数、あとは医学的な適否という内容を確認いたします。医薬品についても、その名称から、その療養に必要なものかどうかという確認とか、用法・用量が妥当か等の確認をいたします。
 続いて、その箱の点線以下が労災固有部分です。まずは、労災非該当のレセプトの除外ということです。被災された労働者は、先ほど申し上げたとおり、労災保険指定医療機関を経由して労働基準監督署に療養の給付の請求書を出しますが、先ほどの上段の形式的な項目に加えて、ここではその請求書と必要な情報の突合を行います。労災の場合は必ずしも診療費の支払いだけではありません。ほかに休業補償等の種々の給付がございます。そうしたものとシステム上データ管理をするということから、こういった労災固有の個人データを特定するための項目がございまして、これが適正に記入もしくはシステムの中で登録しておけるのかの確認等をしています。
 次に、被災労働者が書く請求書の中には、ご本人が労働災害に遭った発生状況が書いてあります。その発生状況と実際にレセプトに書いてある傷病の状況が、問題がないかという確認をします。こうしたことから、そもそもこれ自体が労災の非該当の事案ではないかというような確認をしています。
 続いて下の3の「混在する私傷病の除外」です。これまで請求がありました前月までのレセプトの中から、その月に突然に傷病名もしくは診療の内容が追加されていないかというような確認をします。後ほど詳しい説明をいたしますが、必要に応じて労働基準監督署に追加されたものについて調査指示を行います。
 4です。前月までの複数の診療内容から見て、対処療法が続いているというようなことで、そろそろ治ゆの判断をすべきではないかというような内容を確認いたします。
ここまで、受付からひとつひとつのレセプトの確認ということで、これは全数ですが、おおよそ各労働局では10日に受け付けたものを、その月の20日頃までにすべての確認を行っております。
 これを踏まえまして、右の箱にまいりますが、「労災診療費審査委員会でのチェック」ということで、専門医による確認をしていただいております。これが大体月の最終週ぐらいに行われるのですが、これを踏まえて診療内容を再度確認した上で、システムに入力いたします。
 また、労働基準監督署では、別途その調査を行っておりますので、これが労災認定されたということであれば、初めて支払いに回ります。そうでないものについては引き続き支払いは保留されます。この支払いが翌月の15日頃になります。
 続いて12頁、参考資料6です。「レセプト全数の審査が必要な理由」ということで、繰り返しになりますが、診療報酬点数表等に基づく形式的な審査・点検に留まらず、労災固有として、別に調査が必要なものがないかというようなことを見る必要がありますので、これはすべてのレセプトのすべての項目について、確認をする必要があります。これを踏まえて、「医学的な事項に関する調査」ということで、主治医から意見書を提出していただいたり、もしくはカルテ、手術記録、レントゲン写真もしくはそれまでに行われた検査の結果といった資料の提出を求めたりします。それで最終的に労働基準監督署が決定するために、どうしてもレセプトの中から、必要不可欠な情報を抽出し、それを労働基準監督署に情報提供する必要があるということです。次の頁からは、いくつか実例を基にした労災レセプトに関して、特殊性のある事象を挙げております。
 13頁で「療養期間中に新たな病名が追加された事例(1)」です。左のレセプトをご覧ください。上段は平成22年4月分のレセプトです。レセプトの真ん中ほどの右側に、「傷病の部位及び傷病名」ということで、「全身打撲・頸椎捻挫」という傷病が書いてあります。その下の平成22年5月のレセプトの同じ欄をご覧いただきますと、全身打撲・頸椎捻挫に加えて、「心的外傷後ストレス障害」ということで、いわゆるPTSDという傷病名が加わっている事案です。PTSDは、激しいショックから一定期間を置いて発症する病気ですが、一般的には6カ月以内に発症するものと言われていますが、遅延型ということで6カ月以上経ってから発症するものもあるということです。
 5月分のレセプトを見ていただきますと、上にいくつか数字が並んでいますが、3行目に7「傷病年月日」というものがあります。この方は、平成21年8月19日に被災をしているのですが、その下の欄の5月分のレセプトですので、5月1日から31日までという期間が書いてあります。その間にPTSDを発症したということで、9カ月経過後にPTSDだという診断が下っています。
 まず、当初の全身打撲・頸椎捻挫と因果関係があるのかということで、労働局において医療機関に対して照会をいたします。これはこの怪我に起因するものですかと。明らかに「違います」という答えがあれば、これは査定をいたしますが、医療機関とすれば、その可能性が高いもしくは医療機関とすれば判断できないという回答があれば査定というわけにはいきませんので、これを労働基準監督署に情報を伝え、労働基準監督署で必要な調査を行うということになります。
 こうした調査が必要なのは、労災として、当初の疾病にかかるものなのかどうかということをはっきりさせる必要があるからです。ここがはっきりしませんと、以降のものについては支給の対象にならないということになりますので、慎重な調査、決定が必要になるものです。
 次の頁で、同様に「新たな病名が追加された事例(2)」です。こちらについては、右大腿骨、頸部の骨折と全身打撲という傷病ですが、1カ月後のレセプトには「骨粗鬆症」というものが入っています。一般的に骨粗鬆症というのは私傷病の範疇に入るものですが、骨折の治療を行うために、骨粗鬆症の診断、診察もしくは骨粗鬆症の治療剤の投与が必要という場合については、最終的にこの骨折に伴うものとして、その療養が認められる場合があります。そういった内容かどうかということについて、医療機関に対して確認を行う必要があります。これも先ほどの話と同様に、私傷病について、途中から入ってきたものは、レセプト審査の段階できちんと確認をするという趣旨です。
 次の頁で「療養の経過から治療の効果が疑わしい事例」です。まず、この方は平成21年5月に怪我をされていますが、もともとは骨折です。このレセプトの例でいきますと、骨折が5月から約半年になりまして、骨折そのものは癒合したようなのですが、いまだ痛みが残るということで、経過観察になっています。少し先ほどの例とは違いまして、その下の欄の「摘要欄」に、ロキソニン錠という痛み止め、その他湿布剤が処方されています。怪我から6カ月後ですので、この時点とすれば、特に問題ない事案ですが、さらにその治療が続きまして、平成22年5月分のレセプトでも、同様の療養内容になっています。
 当初の療養開始から1年以上が経過していて、いわゆる対処療法の範疇になっているものが半年程度続いているという状態ですので、これについては、労働局においてその医療の効果を確認いたします。
 労災保険においては、現在の医学的に、その症状の改善がこれ以上よくならないといった段階で、症状固定として取り扱っていますので、今回の事案についても、そういった説明をして、治療効果があるのかどうかという確認をいたします。その段階で、必ずしもこれは査定というわけにはいきませんので、改めてその情報を労働基準監督署に提供し、労働基準監督署が医療機関またはこういった場合については、被災労働者本人に対して確認を行い、もうこれ以上治療効果が認められないということであれば、症状固定、治ゆと取り扱うものであります。これはレセプトの診療行為をきちんと見ておかないと、全体の給付が長引きますということで、保険財政に悪影響を与えるものについて、きちんと適正なタイミングでレセプトの確認を行っているというものです。
 次に16頁で「災害の発生状況と発症した傷病との間に疑問がある事例」です。ここについては、左の下に先ほどから申し上げている被災労働者の方が医療機関を経由して労働基準監督署に提出する療養の給付の請求書というものがあります。これによりますと、「得意先に向かうため、支店の玄関の階段を降りる際に、雨で濡れていたことから階段の踏み面が滑り、尻もちをついた」という発生状況です。
 実際に怪我をされたというのが平成22年3月25日というものです。これについて、診療費の請求が上の欄でレセプトが上がってきましたが、まずは傷病の部位が頸椎の捻挫と右膝の打撲という内容です。この方は、この医療機関に4月27日に初診という状態で、実際の怪我から1カ月経ってから行っているというものです。
 災害の発生状況から、直接頸椎の捻挫につながる可能性、あとは右の膝が打撲する可能性というのは、なかなか伺い知れない内容となっております。また、1カ月程度療養していないということから、必ずしもこの3月25日の尻もちが原因かどうかは疑しい事案です。こうした内容を労働局は医療機関に確認した上で、労働基準監督署に情報を提供し、労働基準監督署では医療機関はもちろん、被災労働者に対して、この間の経過を確認した上で、業務上かどうかの判断を行うこととなります。
○松本中央職業病認定調査官 いままで労災のレセプトとはどのようなもので、どのような取扱いをさせていただいているのかという点について、説明をさせていただきました。やはり今回の委託の検討において、経費の面の部分も大きなポイントになってくるかと思います。その点で、コストの関係について少しご説明させていただきます。
 資料は18頁で、参考資料7です。国への集約化によるコスト縮減の内訳としてまとめています。従前の委託をしていましたときの状況が左側の欄となります。委託事業として32億5,100万円という委託をしておりました。その内訳は、人件費、事業費ということで、ここにあるとおりです。多くは先ほどからご説明しているように、レセプトを1枚1枚目で見ていただくということから、人件費に使われております。
 そして、先ほど経緯の中でご説明させていただきましたが、コスト削減を図った上で、国への集約化を図っています。右側の欄になります。これは来年度の平成24年度の見込み額です。国へ集約化した形で、額としては22億8,700万円になっています。やはり国に集約化された後についても、人件費が16億3,100万円であり、多くが人件費となっています。がしかし、委託の段階から国への集約化の段階で9億6,400万円ほど、効率化を図って削減をして、今後進めていこうという形で取り組んでいます。
 19頁です。これは平成24年度の経費、22億8,700万円の内訳です。やはり人件費の部分で、先ほど説明いたしました再任用職員の給与、非常勤職員の給与が大きく占めています。560人程度の人を雇用して行っていくということになります。
 事業費では、すべて合同庁舎に入れば、土地建物の借料はゼロになるのですが、そういう合同庁舎に入れない、合同庁舎もいま非常に狭くなっているところです。外に場所を借りるということから、土地建物の借料も生じているところです。それが3億5,700万円となっています。より国の建物に集約化をすることによって、借料の削減も図れるものと考え、いま進めているところです。
 また、もう1つの視点で、労災診療費の審査の状況ですが、次の20頁になります。実際請求された内容からレセプトの中身を適正な形にしていくことを査定と言います。先ほどもレセプトを見ていただきまして、髄内釘というところで、これは違うという形で査定を行っておりましたが、その状況をまとめたものが、こちらの表になります。件数と金額ということで分けています。過去3年間ということで、平成20年度から平成22年度のものを出させていただいております。
 レセプトの件数自体は、大体平成20年度で369万件から、平成22年度で350万件となっていまして、平均で356万件ほどの請求があるというところです。先ほどのように、それをひとつひとつ見て、ここはおかしいのではないかといって審査をし、見直しを図っていったものが、それぞれ26万、24万という件数が挙がっています。平均すると25万件ぐらいになります。率としますと、全体の中で7.1%ほど査定をしていることになります。
 それを金額ベースで見ますと、その下になります。平成22年度だけを見ていただきますと、請求金額としては2,214億8,391万円ですが、上で見ていただいたように査定をした結果、38億76万円が査定をしたという額になっています。全体の率として、1.72%ということで、先ほどの頁に戻りますが、「国への集約化」ということで、委託の関係で32億円の委託をしていたわけですが、その結果、査定をしているのが38億円で、その実際の委託をしている金額よりも査定の金額のほうが大きくなっており、非常に大きな効果が出ているところです。
 また、健保の関係ですと、そのようなレセプトの請求というものが電子化されていて、オンラインで請求ができる形になっているところです。平成19年からそのようなシステムが稼働しているのですが、労災診療費については、そちらの対応のほうが若干遅れておりまして、いま労災レセプトの電算システムの開発を進めているところです。こちらについては、23頁をご覧ください。全国稼働としては平成25年9月を予定しているところです。それまでは労災レセプトについては、紙の状態であるということです。
 実際にオンラインでの請求がなされたらということを前提にして、コスト的なものの比較を24頁に作ってみました。24頁の参考資料10を見ていただきたいと思います。1にあるのが、まず国への完全移行後の形ということで、先ほど18頁で見ていただいたコストは22.9億円かかるというものです。これがその右側に2つ枠がありますが、合同庁舎に入居することにより、事務所の借料の削減を進めていくということで、これがゼロになったとすると、人件費等で19.5億円という額になっていくと考えています。
 それから、レセプトオンラインが稼働することによって、そこの一定程度の事務処理を機械で審査することが可能になるということを考えますと、さらに人件費は3.2億円程度削減できるのではないかと考えています。
 いちばん右側にありますが、こういう費用をかけて実際の審査をした上での査定減についてです。当然適切な審査を引き続き行っていきますので、38億円の査定が得られるものと考えています。
 そして、2には、これはあくまでも厚生労働省労働基準局で積算をしているものであり、そういうものとして見ていただきたいと思いますが、支払基金に委託し、かつ労災固有の審査ということで、我々としては、もう一度労災固有の部分について審査をしなければいけないということを考えているところです。ですので、委託をし、労災固有の部分の審査を行うということで、コストの面を積算したものが2になります。
 コスト25.3億円の下に、基金に委託ということで3.5億円という額があります。これは別に支払基金にこのような額を聞いたわけではありません。いま支払基金のほうで、紙レセプトの委託を受ける場合に、いろいろ単価があるわけですが、大体平均をして、それを紙レセプト1件100円という単価で置いています。そして、先ほどから見ていただきました労災レセプトは年間で351万件というものですので、これを単純に掛けて、その額を委託の金額として置いただけのものです。
 そして、3.5億円の下に「国実施分」ということで21.8億円という額が書かれています。上の22.9億円から、支払基金で一定程度審査していただくということで、若干軽減される部分はあると考えています。そういうことから1.1億円分を削減した21.8億円を積み重ねまして、委託をした場合にはコストとしては25.3億円という額になるのではないかと考えているところです。
 いちばん右側に「査定減」ということで、38億円としています。これは支払基金のホームページなどで公表されている査定率を見させていただきまして、支払基金の査定率0.22%として、労災の請求額の2,215億円の0.22%に当たるものが査定されると考えまして、支払基金での査定額が4.9億円としました。ただし、もう一度すべてのレセプトについて国で見るという形から、査定額全体としては1と同じ38億円得られるものと考えています。支払基金のほうで査定をいただいた残りの部分の33.1億円は国のほうで査定ができる部分と考えています。
 また、3の部分については、労災固有の審査を含めて、民間に完全に委託した場合ということで積算しているものです。すべてを委託ということですので、やはりその体制として、一定程度の知識をお持ちの方々がやれるということで、例えば社会保険労務士のような方と、審査事務として医療事務の方、こういう方々の人件費を積算しますと18.1億円となります。それから、事務所の借料、事務経費については1の国のほうの事務経費、事務所借料の考え方と同じに積算をしています。ただ、全体を民間にお願いしたという場合には、コストとしては25.8億円ぐらいかかるのではないかと積算しているところです。
 いちばん右側の審査状況については、これは実際にそこまでやった経験がありませんので、不明という考えです。
 このように、実際の労災レセプト審査について、国のほうでやっていくのか、支払基金に委託してというものであるのか、また完全に民間に委託してということで、非常に粗い数値ではありますが、コスト比較をさせていただきました。
 もう1点説明をさせていただきます。労災診療費の中身、経費をご説明させていただいたのですが、そもそも労災保険と健康保険について、制度的な違いというものがあります。それを取りまとめたものが、25頁の参考資料11になります。こちらをご覧ください。
 この資料は労災保険と健康保険を対比するような形での作りとなっています。労災保険のほうは、保険者としては国1つです。健康保険については、保険者として健康保険組合とか協会健保ということで、全国に1,500弱の組合がございます。また、労災保険については、保険料が全額事業主負担になっていますが、健康保険では、事業主と被保険者との折半の形になっています。
 労災保険にあっては、全額が事業主負担の経費に基づいて、唯一の国の保険者という中で、業務上外の判断から、レセプトの審査、支払いまで、一元的に取組をしているところです。
 健康保険の関係については、ここの中段ぐらいになりますが、審査機関ということで支払基金にその業務を委託しているところです。
 それともう1点、一元的に処理をしているという視点でのお話なのですが、17頁をご覧ください。これは労災診療費の不正請求ということで、労災保険指定医療機関の指定の取消しを行い、刑事告発をした例です。決して刑事告発を行うものが多いという話ではありませんが、先ほどの業務上外、それからレセプトの審査支払いを一体的に行う中で、こういう労災保険指定医療機関の不正も、取締りをしているところです。
 この事例については、労災診療費を不正に請求したものということですが、それが何で分かったのかは、17頁の枠囲いの下になりますが、交通事故ということで、被災労働者以外に第三者の加害者がおり、その加害者の損害保険会社に対する調査を定期的に行っておりました。
 そういう中で、被災労働者のCさんと加害者の間に示談が成立しているということを把握し、そういう事実の中から示談が成立したあとも、B医療機関については、引き続きCさんの労災診療費を継続的に請求してきたということで、架空請求が疑われ、速やかに医療機関に対する立ち入り検査を行うとともに、他の受給者の調査等を行い、実際にCさんが初診をしてから1年経過以降は、その病院を受診していなかったという状況を把握し、病院側はその後数年間にわたって、継続的に「状況が変わりません」ということでの請求をしていた事案です。このようにレセプト審査のみではなく一体的に処理を行っていることから、労働局の調査の中でわかったというものです。
 最後に説明させていただいたものは、労災保険指定医療機関の不正ということで、これは正直レセプト審査だけをしていてもわからないものです。実際に労働基準監督署に指示をして調査をしたり、またはそういう医療機関に再度調査をかけるという処理を一体的に行う中で、不正が発覚したという事案です。
以上、大変長くなりましたが、労災レセプトの審査、コスト、審査の水準等についてご説明させていただきました。
○山口座長 事務局から審査の事務がどのように行われているかということが重要ですので、詳しくご説明いただきました。最後に説明された刑事告発は、審査業務の手続とは関係ないのではないですか。
○松本中央職業病認定調査官 審査業務をしていただけでは見つからず、処理を一体的に行っていることから発覚した事例としてご紹介をさせていただきました。
○山口座長 審査業務と別にやっているわけだから、審査業務をどのようなやり方をしていても、わかってくるのではないですか。そういう意味ではあまり関係のない資料かと思いますが。
○蜂谷委員 それについては、症状がほぼ固定されていて、その状態が何カ月も何年も続いているときは、局の方からこの件についてはどうしましょうか。どのような点について聞きましょうかということを言ってくれますので、この病気はこうだから、これを聞きましょうということで、意見書を出します。それを調査したり、意見書を見ると殆ど症状固定しているものが結構あります。それでも、診療を継続しているものが多くあります。
○山口座長 それは先生のところでそういう状況を把握されている場合があるということはわかりますが。
○蜂谷委員 審査上のレセプトはあまり関係ないです。
○山口座長 普通は、これは裁判でよく問題になるのですが、示談しても当事者が出さないのです。だから、病院にわからないということが多いのです。
○蜂谷委員 はい。患者さんは症状を訴えてきますので、それに医者は対応するだけです。なかなか分からないです。局のほうから言っていただかないと。
○山口座長 これがおかしいと言うよりも、議論の本筋に議論を集中したいので、こういう脇道の資料はどうかなと。
○蜂谷委員 そうですね、今回はレセプト審査ですので。
○山口座長 先生のご経験はよくわかりますが。ほかに何かありますか。
○松島委員 労災認定の症状の固定は大体6カ月で、普通はその辺でもって固定している場合に決めるのではなかったでしょうか。
○蜂谷委員 私は大体3カ月間同じような症状が続けば、症状固定ということで早めに話をします。特に交通事故の場合には、随分長引きますので、最初のうちにほぼこういう状態になれば、症状固定として切りますと、患者さんに言わなければ駄目ですね。
○山口座長 ほかの先生方いかがですか。結局今までの説明を伺っていますと、片方が健康保険で、片方が労災保険ですから、健康保険は業務上外ということは全くないわけですね。労災保険のほうはどういうやり方をするにしろ業務上外の判断というものが関連をしてきて、それと離し難く結び付いているというところに、この審査業務の特殊性があると思われます。それをよく認識した上で議論していかなければいけないということかなと思います。どうでしょうか。
○松島委員 労災でかかっていまして、年を取っていればいろいろなことを言います。こういう症状があるのですといったときに、診ている先生のほうは、普通の保険診療をしていれば病名を付けて、どんどんいろいろな薬を出しますが、労災の場合も同じ人ですから、いろいろな病気が生じますが、そうしたときにはレセプトをちゃんと2つに分けていますか。一般と労災と。
○蜂谷委員 病院側としては分けています。ただ、問題は最初に来られたときに、本当に労災と関係があるかどうかです。例えば、お昼休み、外で食事をしているときに転んだとか、これは話になりませんが、業務の遂行性とかいろいろなことを考えてしまいます。そのようなことは、受付の事務の人はあまり聞かないで、患者さんに労災だと言われると最初から労災にしてしまいます。そうしますと、後が大変です。
 それからたいした傷害ではないときに、患者さんは受診しますが、労災にしない方もいます。しかし、症状が長引き、同僚などと相談し、後から労災に切り替える場合があります。
○山口座長 大変ですね、それは。
○蜂谷委員 ですから、初診時に発症・症状についてよく問診をして、それが労災に当たるかどうかを判断し、診断します。レセプト審査ではまず診断名を見て、該当しないもの・私病を整理します。例えば糖尿病の診断があるならば同時に治療もされていますので労災に関係あるかどうかを診断名および治療内容から判断します。
○松本中央職業病認定調査官 いま蜂谷先生にご指摘いただいた糖尿が出てきたというのは私病だと思いますが、いまそういうものは省いていくという趣旨でよろしいでしょうか。
○松島委員 労災の中に私病も入っていて、査定をするケースはどのくらいのパーセンテージですか。
○松本中央職業病認定調査官 査定をしている中の6割が私病です。
○松島委員 そうすると、やはり全部1枚ずつ丁寧に見ないと、労災の場合には、特に必要と思います。
○山口座長 そうですね、全数チェックしなければいけないというのも大変でしょうね。
○蜂谷委員 大変だと思います。基金と同じように、レセプトを1枚ずつ綴り、審査することが大事です。それを疑義付箋のついたものだけを審査していますと、どうしても見逃しがでます。
○山口座長 先ほどレセプトの例で骨粗鬆症が出てきているのでと説明を伺っていると、業務と相当因果関係があると説明していましたが、骨粗鬆症だから、たまたま労災で診療を受けているから、ついでに治してもらおうということもあり得ますよね。そこはやはりひとつひとつのチェックをしないと、なかなかわからないということでしょうね。
 それではよろしいですか、今日は審査業務の手続、内容がどのようになっているかというご説明を伺いました。
 それから、検討のスケジュールに出ているヒアリングの点ですが、これはどうですか。
○松本中央職業病認定調査官 ヒアリングにつきましては、今後支払基金とも調整させていただきながら、取り組んでいきたいと思います。委託ということですので、支払基金の体制等を伺うのかと思いますが、その内容につきましても委員の皆様と調整をさせていただきたいと思います。
○山口座長 わかりました。
○蜂谷委員 「皆様」というのは、我々が聴くのですか。
○松本中央職業病認定調査官 はい。
○蜂谷委員 基金のほうに、事務局から何か話がいっているというわけではないのですか。
○松本中央職業病認定調査官 我々事務局から、支払基金のほうにお話をさせていただき、この会議の場に来ていただいて、いま検討中ではありますが、そのような体制の関係などについて、資料などを踏まえて、ご説明をいただこうという形を考えております。
○山口座長 基金のほうは健康保険ですから、健康保険の診療報酬の特殊性などを十分に伺えたらと思います。それを比較して、どのように違うか考えていけばいいかと。
○竹内委員 コスト比較などの話は後ほどのテーマになるかもしれませんが、次回のヒアリングに当たって、コスト比較の資料の10を拝見しますと、審査を支払基金に委託した場合と比較して、圧倒的に国でやられたほうがコストは長期的に見ても非常によいという数字になっていますが、委託をした場合に、こちらの想定では41名分の削減となっている仮説がありまして、要するにどの程度の業務を委託できるのか、労災レセプトの審査の特殊性をもって、この程度なら委託できるけれども、ここは特殊性があるので委託できないのだというところ、基金の側ではこれは受けられない、それを受けるに当たっては手立てが必要だとか、そういったことについて、ヒアリングのときに聴きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○松本中央職業病認定調査官 わかりました。
○蜂谷委員 審査体制で、再任用職員数と非常勤職員数で、この2つの職種でもってこれを査定するわけですか。これは先ほど言われたように、社会保険労務士とか、そういう人たちが査定して、医者は入らないのかどうか、その辺がちょっとわからないのですが。
○松本中央職業病認定調査官 資料でいいますと11頁になります。いま蜂谷先生がご指摘の部分は10頁になるかと思います。実際に審査の流れということで、11頁に流れを書かせていただいております。
 ここの真ん中にある基本的な審査事務、労災固有の審査という部分が、前の頁の10頁の再任用職員、非常勤職員の方々の審査になっています。
 そして、蜂谷先生ご指摘の医師がということについては、11頁でいいますと、その大きな枠の右側に、「労災診療費審査委員会でのチェック」がございます。こちらには専門の医師を非常勤で委嘱させていただいています。
○蜂谷委員 ここでの人件費はどうなっているのでしょうか。
○松本中央職業病認定調査官 この人数に1日の日当額となります。
○蜂谷委員 そうしますと、これを全部見ることになると、かなりの時間を要しますよね。それは考えられていますか。
○藤原労災医療専門官 現状においても、診療費審査委員会へのかけ方、医学的な判断が必要なものという形で整理を行っておりますので、全数を見ると申し上げましたのは、すべての職員で全数を見ているというものであり、審査委員会で100%、1件1件を見ていただくということではありません。
○蜂谷委員 わかりました。
○松島委員 実際にここに上がってくる件数というのは、おおよそどのぐらいのパーセンテージなのですか。この審査体制で見て、振り分けて、医学的判断が必要だから医者に見てもらえというものは、おおよそどのくらい出るのですか。
○河西課長補佐 後ほどお出しします。
○松島委員 というのは、一般の国保や社保は医者が全部見ていますからね、大変ですよ、あの委員になると。
○山口座長 それは健康保険の診療報酬の支払いですか。
○松島委員 はい。
○山口座長 私は健康保険の知識が全然ないのですが、医師会でチェックしているといっておられますが。
○蜂谷委員 医師会と病院と両方でチェックしています。
○山口座長 どのようにしているのですかね。支払基金のほうも見ているのですよね。
○蜂谷委員 そうです。1件ずつ見ています。例えば消毒液が15ccと書いてあれば、全部5ccに直すとか、その辺から直していきますので、労災とはかなり違いますが。
○松島委員 印象的に、労災のほうが件数は。
○蜂谷委員 少ないです。少ないですから助かります。労災のほうは各科で審査するのではなく、一括して患者さん単位でします。循環器、外科、整形外科と分けて審査はしません。審査委員1人で審査しますので、多臓器に傷害がまたがると、かなり知っていないと難しいと思います。審査委員は外科、整形外科、脳外科、眼科の医師はいますので相談は可能です。
○山口座長 骨折で例が出ていますが、障害などが残ったときの障害等級の認定などは、このレセプトとは関係ないのですか。
○蜂谷委員 関係ないです。
○河西課長補佐 あとでデータを出させていただいて、ご報告させていただきます。
○山口座長 ほかに何かございませんか。特段ないようでしたら、今日は前提になる労災診療費のレセプト審査事務の内容について、ご説明を伺ったので、次回からはこれを前提にして議論をしたいと思います。次回の日程等を含めて、事務局から何かありましたら。
○松本中央職業病認定調査官 本日はどうもありがとうございます。先ほどご指摘いただいた割合については、また後ほどご連絡をさせていただきます。
 第2回目は4月13日ないしは17日の方向で、支払基金を含めまして、調整させていただきたいと思います。
○山口座長 今日は長時間にわたってご説明をいただき、またご質問等をいただきありがとうございました。次回から検討ということになりますので、よろしくお願いいたします。ご苦労さまでした。


(了)
<照会先>

労働基準局労災補償部補償課

医療福祉班: 03(5253)1111(5564)

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