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2012年4月26日 第11回原爆症認定制度の在り方に関する検討会議事録

健康局総務課

○日時

平成24年4月26日(金) 13:00~15:00


○場所

中央合同庁舎第5号館 厚生労働省 省議室(9階)


○議題

1.開会

2.議事

(1)論点に基づく議論
(2)その他

3.閉会

○議事

○榊原原子爆弾被爆者援護対策室長 開会に先立ちまして、傍聴者の方におかれましてはお手元にお配りしています「傍聴される皆様へ」の留意事項をお守りくださいますよう、お願い申し上げます。
 これ以降の進行は神野座長にお願いいたします。
○神野座長 それでは、ただいまから第11回になりますけれども「原爆症認定制度の在り方に関する検討会」を開催したいと存じます。
 委員の皆様方には、年度始めの大変お忙しいみぎり、御参集いただきまして、ありがとうございます。本日もよろしく御協力方をお願いする次第でございます。
 議事に入ります前に、委員の皆様方に御報告しておきたい議がございます。
 既に御存じかもしれませんが、4月1日、森前座長がよみの国に旅立たれました。死は必然ですけれども、私にとっては、森先生の死は突然でございました。というのも、確かにお病気になられ、私が座長の職務を引き継ぎましたけれども、先生々から御指導いただけるということで、前回もお話ししましたが、常に御指導いただけるようなペーパーを作成されていらっしゃいました。御家族のお話では、死の病の中でお書きになっていて、最後までこの検討会の行く末を案じておられたというお話でございます。
 この間、この検討会をずっとお導きいただきました森先生に感謝の意を込めるとともに、御冥福をお祈りして、黙祷を差し上げたいというふうに思っておりますので、御協力いただければと思います。
 それでは、1分間、黙祷に移りたいと思いますので、御協力いただければと思います。
 御起立いただければと思います。
(黙 祷)
○神野座長 お直りください。
 どうもありがとうございました。
 それでは、議事に入ります前に事務局の方から、委員の出欠状況と資料の確認をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いします。
○榊原原子爆弾被爆者援護対策室長 本日の出欠状況でございますが、草間委員、潮谷委員、高橋滋委員から欠席との連絡をいただいております。また、山崎委員からは所用により遅れるとの連絡をいただいております。
 次に、お手元の資料について御確認をさせていただきます。
 座席表、参集者の次に議事次第がございます。その下に2つ資料がございまして、1つ目が「論点整理(これまでの検討会での指摘)」、それから、もう一つが、「各疾病の一般論について」でございます。
 資料に不足、落丁がございましたら事務局までお願いいたします。
 それでは、プレスの方々はここで退席をお願いします。
(報道関係者退室)
○榊原原子爆弾被爆者援護対策室長 それでは、座長、お願いいたします。
○神野座長 議事に移りたいと思いますが、前回、議論すべき点を事務局の方から資料として出していただいて、それに基づいて、委員の皆様から議論をちょうだいいたしました。
 今回は、前回、委員の皆様方からいただいた御指摘、御意見を併せまして、新たにまとめた論点整理の資料を事務局の方から用意していただいております。これに基づいて、足りない論点の部分や方向性などを明確にしていくということを中心にして、御議論ちょうだいできればと思いますので、御協力をお願いいたします。
 それでは、事務局の方から資料について御説明いただければと思います。よろしくお願いします。
○榊原原子爆弾被爆者援護対策室長 それでは、事務局より、まず初めに論点整理の資料について御説明申し上げます。
 これは前回提出させていただいております論点整理に前回の各委員の御発言を加えたものでございます。簡潔に追加部分を中心に御紹介申し上げます。追加部分は下線の引いてある部分でございます。
 まず、1ページ目「ゼロから見直しというのではなく、確率的に放射線起因性の証明し難い部分は、新たな制度を付加して救済していくという方向性ではないか」という御意見。
 2ページ目「放射線による疾病に対する援護は科学的にこだわるのでなく、社会、経済、倫理、愛情、思いやりの幅広い見地に立った施策にすべき」という御意見。
 「高齢化した被爆者の公平化を図る意味でも、被爆者には何らかの形で放射線が関与していると見ることができる。現行の手当制度を総合的に見直すことが必要である」という御意見。
 「認定制度検討会が設置された経緯の確認、原爆症認定制度の改正に込める被爆者の思いを確認することが必要ではないか」という御意見。
 4ページ目「ベストでなくてもいいからベターで、相当の人がよくわかったという改正をして欲しい。放射線の問題でも疑わしいぐらいは拾って欲しい」という御意見。
 「放射線起因性と言うと科学的に判断する形になり、行政と司法の乖離が起こっているので、科学を超えたところ(原爆起因性)を考えるのではないか。ただ、放射線の影響を全く除くということではない」という御意見。
 「放射線起因性は離れるわけにはいかないが、科学だけでは限界がある。放射線起因性があるという認識に立ちながら、認定する要件としては、これまでの裁判あるいは医療分科会での積み重ねで、概ね否定はできない所での客観性が必要」という御意見。
 5ページ目「科学的に正確でないにもかかわらず放射線の影響だという形になった場合、福島なり世界に波及するのは非常に大きな問題である」という御意見。
 「原爆症の被爆者をトータルに見て援護されるべきかという時に、必ずしも放射線起因性だけで判断するのでは立ち行かないのではないか」という御意見。
 「被爆者が行政認定の厳しさから司法に訴えている。行政認定に携わった委員(医師)は、基準に基づいて判定をして結論を出したのに受け止められないので、むなしい気持ちではないか」という御意見。
 「放射線の影響について当時の客観的なデータがない中で、認定制度そのものを広げていくという考え方はよいのか、一方原爆に遭ったという事実をどう考えるのかの議論がある」という御意見。
 「裁判例での『高度な蓋然性』という考え方は、結論から言えば、科学的な厳密性や統計的な優位性を求めるものではなく、つまり、被爆実態に沿った事実認定をおこなうべきものであることを確認することが必要ではないか」という御意見。
 6ページ目「司法と行政の乖離が大きくて、埋まっていかないから、現在の原爆症認定制度というのは破綻している。裁判の判決では、放射性降下物や遠距離での影響について言及している。放射性降下物の内部被ばく、外部被ばくを認めると、現行の認定制度での基準作りは出来ないのではないか」という御意見。
 「放射線起因性に限界はあるにしても、そこを離れてしまえというのは飛躍がある」という御意見。
 7ページ目「放射線起因性についての解釈は、最高裁では1件しかなく、かつ、個別判断なので最高裁自身が明確な基準を示しているわけではない。下級審の判断が最高裁に是認されていないので、判決を受け止めてどう線引きするかという話になると思う」という御意見。
 8ページ目「放射線起因性の疾病とそれ以外が区別できない中で、高齢化した被爆者を救済する必要があれば、放射線起因性の疑いが捨て切れないという形での新しい考え方を設けて、実際上の疾病の救済の必要性の観点からランク付けをすることで、今までの判決と行政判断との折り合いをつけるのではないか」という御意見。
 「グレーゾーンを作った場合、法律論的に言うと、裁判での法律論争には直接の解決にはつながらないという心配をしている」という御意見。
 「必要に応じて法改正はやるべきだと思う。ルーズな運用はよくない」という御意見。
 9ページ目「国の財政が逼迫している中で財源をどうするか。税金を使って手当や制度を組み立てるので、国民全体の納得が得られることは大変重要」という御意見。
 「財源に限度があるから救済しないというニュアンスになってはいけない」という御意見。
 「援護制度全体として今の給付では足りないのかという説得力が、財政問題や国民の理解が得られるのかどうかという点に繋がってくる。手当として足りないという認識があるのか。また、『国に原爆被害だということを認めてほしい』という主張について、手帳や健康管理手当など被爆者援護制度は国の制度であるので、国が認めないというニュアンスがわからない」という御意見。
 10ページ目でございますが、「原爆症認定は法律上、大臣が認定するとあるため、限られた人しか国は認定しないという気持ちがある。被爆者に援護の手が届いてほしいが、全部が生活に窮しているかといったら、そうではない」という御意見。
 「健康管理手当と医療特別手当の格差が大きすぎ、実態に合っていない」という御意見。
 10ページの下、被団協の提言ということでございます。骨格をそのまま御紹介させていただいております。
 (1)ということで、原爆被害の特殊性から見て現行法は国家補償的配慮のある法律であることを大前提として、放射線被害を総合的に判断した新しい援護施策を行うものとする。
 (2)現行法10条、第11条にもとづく原爆症認定制度は見直し、被爆者の健康管理と治療・療養及び介護のすべてを国の責任で行う抜本的改善を行う。
 (3)何らかの放射線の影響を受けていることから、被爆者全員に被爆者手当を支給する。
 少し飛ばしまして、11ページの頭からでございますが、被爆者手当の基礎額は現行の健康管理手当相当額とする。
 (4)障害があるものについては度合いに応じた「加算」を行う。
 (5)手当の加算区分は3区分とする。そして、最高は現行の医療特別手当相当額とする。
 (6)日本被団協推薦の委員を含み、新たに設ける「被爆者援護審査会(仮称)」で行う。
 (7)認定は、都道府県知事、広島・長崎市長が行うものとする。
 (8)申請者の医師の診断書が尊重される。
 また、これに対する意見もございましたので、記載してございます。
 「手帳を持っている方を全部対象にするのは、原爆症の『症』が要するに疾病の類なので同意出来ない。被爆者全員に被爆者手当というのは納得できない。被爆者の9割が事実上、健康管理手当や医療特別手当などを受けている」という御意見。
 「ただし」ということで、「放射線起因性以外の要因を入れて、その中で例えば医療の程度とか介護の程度や生活の不自由度といったものに着目しながら手当をランク付けするのは1つのアイデア」という御意見、「段階的な手当については理解できる。一方、被爆者全員に手当を支給するのは、何らかの根拠がないと、国民の理解というのは得難いのではないか。例えば手当額に差をつけるための日常的なADLや医療の必要など何らかの客観性が担保されないと難しい」という御意見。
 12ページに進みまして、被団協推薦の委員を含めた審議会を設けることに関連しまして、委員の任命は中立性、客観性を担保しないと、国民の理解は得られないのではないかという御意見、それから、ランク付けについては、国が認定されたものなので、基本的には国で行うことになるのではないか。ただし、現場の力をかりることは必要なのではないかという御意見。
 「原爆という悲惨な経験をされたことに対して、精神的、心理的なケアを考えると、何らかの手当の支給をすることの意味合いはあるかもしれない」という御意見でございます。
 以上が論点整理表でございます。
 引き続きまして、各疾病の一般論について御紹介申し上げます。
 資料をおめくりいただきまして「新しい審査の方針」という資料でございます。現行の審査方針でございます。
 積極的に認定する範囲としまして、爆心地より3.5キロ以内で被爆した者、100時間以内に2キロ以内に入市した者、100時間経過後から2週間以内の期間に、2キロメートル以内の地点に1週間程度以上滞在した者について、7つの疾患に罹患した場合は積極的に認定となってございます。
 7つの疾患が表の左下、悪性腫瘍、白血病、副甲状腺機能亢進症、放射線白内障、放射線起因性が認められる心筋梗塞、放射線起因性が認められる甲状腺機能低下症、放射線起因性が認められる慢性肝炎・肝硬変、これ以外の方については、総合的に判断するということになってございます。
 次のページでございます。7疾病について、それぞれ一般的な病体についての資料でございます。
 悪性腫瘍の一般論ということで、【悪性腫瘍の疫学】という2つ目をごらんいただきたいのですが、男性、女性ともにおおよそ2人に1人が一生のうちにがんと診断されるということでございます。
 次の【悪性腫瘍の治療】ということで、手術、化学療法、放射線療法などから単独または組み合わせて治療を行う。早期の消化器がんは現在、内視鏡的に治療を行うことが可能。
 その次の【予後】でございますが、生存率は、がんの部位や種類、進行により異なり、乳がん、子宮がん、精巣がん、甲状腺がんは5年生存率が72%以上と高い。他方、食道がん、肝臓がん、肺がんは23~32%と低いということでございます。
 続きまして、5ページでございます。副甲状腺機能亢進症の一般論でございます。
 2つ目の【原発性副甲状腺機能亢進症とは】というところでございますが、副甲状腺機能の腺種などによって、ほかに原因がないのにホルモンの過剰な分泌が起こる状態を指す。筋力低下、倦怠感、腎結石などが起こる。また、進行すると骨塩量が減少し、骨折をすることもあるということでございます。
 それから、一番下の【治療】ということでございますが、症状が出現している症例では原則として手術により治療するということでございます。
 その次の白内障、放射線白内障でございます。
 白内障の一般論ということでございます。
 【危険因子】ということでございますが、加齢現象というのがございます。これ以外に喫煙、紫外線、アトピー性皮膚炎、代謝疾患、膠原病、薬物、アルコール、糖尿病、放射線、遺伝などが報告されております。
 その次の【疫学】でございますが、初期混濁も含めると60歳代で66~83%、70歳代で84~97%、80歳以上では100%に見られるということでございます。70歳以上の約30%が手術が必要かまたは既に手術を受けていると報告されてございます。
 【治療】というところでございますが、視力の低下、その他症状が日常生活に支障をきたす場合は手術を行うということでございます。そして、目や全身に障害がなければ、95%以上の症例で0.5以上の矯正視力を得ることが可能ということでございます。
 続きまして、心筋梗塞の一般論でございます。
 2つ目の【危険因子】というところでございますが、高脂血症、高血圧、糖尿病、喫煙が4大危険因子とされております。
 一番下の【予後】というところでございますが、急性心筋梗塞の致命率は30~50%と推計されるが、全死亡の半数以上が病院収容前あるいは到着時に既に死亡していると考えられると。慢性期では、心機能が低下している例や、高齢者が予後不良であるということでございます。
 続きまして、甲状腺機能低下症の一般論ということでございます。
 2つ目の【甲状腺機能低下症】というところでございますが、甲状腺ホルモンの分泌が低下した状態を指します。無気力、疲れやすい、眼瞼浮腫、寒がり、体重増加、動作緩慢、惰眠、記憶力低下、便秘などの症状が出現すると。
 最後の【治療】というところですが、甲状腺ホルモン剤の内服を行うということでございます。
 続きまして、慢性肝炎・肝硬変の一般論ということでございます。
 2つ目の【慢性肝炎・肝硬変の病因】ということで、ウイルス性、薬剤性、アルコール性、自己免疫性あるいは代謝性などに分類されます。
 最後の【予後】でございますが、B型慢性肝炎では、進行する前にウイルス量が減少して病気が寛解する場合と、ウイルス量が減少せずに病気が進展していく場合がある。C型慢性肝炎は、ウイルス感染後高率に慢性化することが特徴である。HCV感染から20年後に肝硬変に進展する頻度はおおよそ10~15%程度とされているということでございます。
 以上が資料の説明でございます。
○神野座長 どうもありがとうございました。
 ただいま事務局の方から資料について御説明いただきましたが、資料については、議論のポイントと、それに対する検討会の指摘が並べてございまして、前回、委員の皆様方から御指摘をいただいた点をつけ加える形で整理をしていただいたものでございます。
 本日は、先ほど冒頭で御説明いたしましたように、この資料をもとに更に議論を深めていただければというふうに思っております。前回議論ができなかった点について、中心的に議論を深めていただくことをお願いする次第でございます。
 特に、今回、参考資料にもつけてございますが、原爆症認定の要件の1つであります要医療性については、議論がほとんどないような状態でございますので、この点についても、御発言をちょうだいできればありがたいと思っております。
 それでは、議論に入りたいと思いますので、どの項目からでも結構でございます。御意見ちょうだいできればと思います。よろしくお願いいたします。
○田中委員 座長にお願いなのですけれども、今日は、もうこれから先もそんなに時間がないのですね。だから、議論するポイントを絞って議論していくということが大事ではないかと思います。前回もそうなのですけれども、前回までいろんな意見が出てきたのですね。いろんな意見をどういうふうにまとめていくかということが、つくる前に必要なのだろうと思うのですが、どういうふうにまとめていくかということが必要だと思うのですね。たがら、今日は、私どもは10条、11条というのは破綻しているのではないかというふうに申し上げているのですけれども、そもそも原爆症認定制度を決めている中身はどうなのかという議論をしていただいた方がいいような気もしますね。
○神野座長 中身というのは、もう少し説明していただければと思いますが、今、私が申し上げた点は、前回ちょっと私の発言は誤解されていらっしゃったようですが、そろそろ考える段階を引き上げていきたいというふうに思っておりますので、できるだけ、これまでいただいた御意見で欠けていると思われる点をそれぞれの委員の方々のお立場によって違うと思いますので、その点についてつけ加えていただくということを中心に議論を進めていきたいというふうに考えている次第でありますが。
○田中委員 これはほかの委員の先生方にお聞きしないとわからないことですけれども、もう11回目ですね。欠けている意見というのはありましょうかね。
○神野座長 というのが田中委員の御意見ということですね。
○田中委員 欠けている意見があるとすれば、何かを進めていこうとするときに、そこについては意見が出ていないなということになるのであって、一般的に何か言い残していることがあるかという議論になりますと、また議論が散漫になってしまうという状態なので。
○神野座長 わかりました。いずれにしても、今まで論点について、Aという意見、Bという意見、それぞれ出てきておりますので、ほぼこれで出そろっているということであるとすれば、次からはそういう整理の仕方をちょっとしながら、つくる段階に進んでいきたいというふうに考えているのです。つまり、これについては、こういう意見があり、こういう意見がありというようなことで整理しながら、それをもとにつくる段階に入っていこうというふうに考えています。
○田中委員 できたら、一番最後にでも、次回はどういうことを議論しましょうかという諮りがあって、それに必要な資料を事務方から用意していただく。
○神野座長 それは前回も、今、申し上げたようなことで進めさせていただきますが、よろしいですねということはお諮りして、御了解をとったというふうに私の方は認識しております。
○田中委員 そうしますと、疾病の一般論の資料が今日必要だということ、先ほどはその議論をされた方がいいというふうに御指摘になった。
○神野座長 一般論。
○田中委員 事務方が提案しましたそれぞれの疾病の説明ですね。既に認定の基準の中に入っている疾病の説明をされたのですけれども、今日の議論にそれがどうしても必要な資料だったのかどうか。

○神野座長 参考資料としてこれが必要かという御意見ですか。
○田中委員 はい、そうです。
○神野座長 必ずしもこれが必要不可欠かというと、そうでもないかもしれませんし、また、議論を進めていく上にほかの資料も必要だったのかもしれませんが、あくまでも参考ですので、こちらの資料の方で。
○田中委員 ですから、私が申し上げましたのは、この資料が必要かどうかというのは前回に議論して、次は何を話しましょうかということで、おおよその合意が出ていれば、この資料とこの資料を用意してもらいましょうということになるのだと思うのですけれども。
○外山健康局長 お手元の論点整理の表を見ますと、幾つかの論点について、検討会での御指摘というのをいただいております。その中で、論点整理の表の5ページを見ていただきますと、要医療についてというところにつきましては、検討会での御指摘をまだいただいていないところで、残っていたものですから、これはこれでまた重要な要素のものですから、今回、座長がおっしゃった論点で御指摘いただかない点の欠けている点だというふうに思いまして、参考までに資料を提示したということでございます。
○神野座長 主として、要医療性にかかわる治療をつけ加えているわけですけれども、そういう意味では、前回も要医療性についても御意見をちょうだいできればというふうに私、申し上げているのですが、余り議論が出なかったものですので、今回あえてまたここについても御議論ちょうだいできればということで出している資料でございます。
○田中委員 いいと思うのですけれども、これは認定の基準内に入っている疾病の要医療性だけを議論するということですか。
○神野座長 いやいや、疾病の要医療性についてのみ議論してくれということではありませんので、全体を議論していただいて構いませんが、要医療性についての御意見はないでしょうかということと、それに類する参考資料を御用意していただいている、それだけですね。
 つまり、おっしゃりたいことは、要医療性についても、意見を述べろと言われているのだけれども、一体何を述べるのかということが疑問だと、そういうことですかね。
○田中委員 そういうふうにとっていただいても。今日それを議論することになるのか。
○神野座長 いえいえ。だから、あくまでも議論は全体についてで構いません。
 議論をちょうだいできればと思いますが。
 荒井委員。
○荒井委員 今、座長の方から、あるいは先ほどの資料説明で、確かに要医療性の点については、全くなかったわけでもないですけれども、これまで余り議論されていないかもしれませんね。
 私、今の座長の御指摘で、勿論、医療の門外漢ではあるのですが、援護法の10条で原子爆弾の障害作用に起因して負傷し、または疾病にかかり、現に医療を要する状態にある被爆者に対しての必要な医療の給付を行うと、これがいわゆる要医療性という要件だと言われているわけですけれども、私、医療分科会で、とりわけ異議申し立てのケースの資料を幾らか目にした機会がございました。それを通じて感じておりますのが、法律で医療を要する状態にあるという要件が掲げられていて、それを医学あるいは医療の専門の方々が判断する仕組みになっているわけですけれども、一般の被爆者の人たちが原爆症認定の申し立てをする、あるいは却下された場合に、更に異議申し立てをする。その場合に、起因性で否定された場合ではなくて、いわゆる要医療性があると認められないということで却下される場合の被爆者の方々の受けとめ方が専門家とかなりギャップがあるように思われるのですね。
 つまり、例えば、がんなどで手術があって、その後、何年間か経過観察的に診てもらっていると、そういう場合に、一定年度が無事に経過すれば、もう治っているという判断が多分専門家の間ではあると思うのですけれども、しかし、治っているかどうかというのが、言わば患者の方からすれば、経過観察ということで定期的に診てもらって、何らかの投薬がされている場合が結構ございます。どの程度の予後の治療があった場合に法律で言うところの要医療性があるというのかどうなのか、これが必ずしも外からわかりにくいところがありますね。
 私、申し上げたいのが、要医療性について、今、例に挙げました、手術後どの程度無事に過ぎればとか、あるいは投薬があるとしても、どの程度の治療があれば法律で言うところの要医療性を満たすということになるのか、そこがもう少し申立側からわかるような何か手だてがとれないだろうかと。これは当然ながら専門家の御意見を最大限尊重して、こういう場合に要医療性があるのだ、ないのだということをある程度表示していく必要がありはしないかと。これは必ずしも法律の改正とかなんかの問題ではなくて、認定制度の運用上の問題であるかもしれませんが、それが1つ。
 それから、若干関連してくるのですけれども、治った場合に特別手当の13万幾らというのがたしか5万幾らぐらいに下がる仕組みになっておりますね。これも実は、治ったかどうかというのをどういう判断のもとに行っているのかということが、一般人といいますか、素人にはわかりにくい。これもある程度わかりやすいようにできないものだろうかと。今、後の方で申しました13万幾らが5万幾らに変わっていく場合の、これは質問が混じってくるのですが、どういう手続で治癒したという認定になるのか。御本人の方からの申し出を待つのか、あるいは認定側の方でフォローして、何か追いかけているのかどうか、治癒の手続的な流れが1つと、それから、結果において、医療特別手当を受けてこられた方々が特別手当月額5万550円と、これに切りかえられる比率と申しますか、どの程度の方々が治癒の認定を受けているのか、そのあたりをちょっと説明していただければありがたいのですけれども。
○高城原子爆弾被爆者援護対策室長補佐 今、荒井委員から御指摘のありました認定された後のフォローアップの件なのでございますけれども、現状におきましては、3年に一度、現況届というものを出していただくことになっております。その中で治療の必要性があるのかどうかというあたりをチェックしていただくような形で今は審査していただいているということでございます。
 実際に原爆症として認定を行う場合には、さまざまな資料をつけていただいて、かなり細かく見せていただいているのですが、現況届の際には、実際に負傷または疾病の状態にあるのかないのか、主治医の先生にチェックをいただいて、現状それがあるということであれば継続になるということになっております。ちょっと比率については、今、調べますので、ちょっとお待ちください。
○外山健康局長 ちょっと補足いたしますと、現況届の際には、原爆の認定のときに出すようないろんな検査データですとか、例えばがんであれば、病理の検査結果なんかをつけていただくのですけれども、そこまで詳しいものはつけていただかないで、主治医の意見を基に医療の必要性があるかないかだけチェックすることになっています。
○荒井委員 主治医のところで治癒についての意見を出してもらうと。それをどこかで審査をする仕組みになるのですか。
○高城原子爆弾被爆者援護対策室長補佐 そちらの方は都道府県に事務をお願いしていただいているという状況であります。
○荒井委員 審査をやっているのですか。
○高城原子爆弾被爆者援護対策室長補佐 審査をやっているのは都道府県です。
○黒木原子爆弾被爆者援護対策室長補佐 済みません。ちょっと答えが足りなくて申し訳ございません。現況届につきましては、先ほど申し上げましたように、届けが出て、医師の意見とかがありまして、特に要医療性がある、なしというような欄がございますので、それを行政の方で確認した上で、引き続き手当の支給をするか、それとも特別手当の方にするかということを御判断するわけでございまして、特に審査会を設けてやるということではございません。
○荒井委員 ちょっともう一度確認させていただくと、特別手当の方に切りかえるかどうかの判断はどこでされるわけでしょうか。
○黒木原子爆弾被爆者援護対策室長補佐 これは都道府県になります。
○荒井委員 ありがとうございました。引き続き発言してよろしいでしょうか。
○神野座長 どうぞ。
○荒井委員 私、申し上げたいのは、原爆症認定段階での要医療性の要件について、先ほどの繰り返しになりますが、もう少し外からもわかりやすいような検討ができないだろうかということが1点でございまして、それから、もう一つ、特別手当への切りかえのことに質問と併せて言及しましたのは、若干意見にわたるわけですけれども、今ここでしばし私は山の上の方という言い方をしてきておるのですが、原爆症の認定対象というものをこれまでのいろんな経験、あるいは司法とのギャップを考えながら、グレーゾーンという言い方をされた先生もいらっしゃいましたが、何らかの要件の見直しが必要ではないかと。これをランクづけと言うのか、若干広げるというのか、そこで私の意見も含めて、距離要件、時間要件、あるいはこれまでの分科会の積み重ね等々を考慮しての疾病要件ということに加えて、要医療性の問題をはっきりさせていくわけですけれども、やや広げていくという方にウエートがかかった議論をしてきておりまして、私もそれはある程度必要だろうと思うのですが、一方では、これまで認定対象になってきたものの中に、本当にそうだろうかという角度からの見直しといいますか、点検も必要ではないだろうか。その一つが、治癒しているかどうかの判断が適切に行われているかどうかを一度吟味していいのではないかと。むしろ本当に必要な方に限られた財源を回していくという発想も必要ではないだろうかという意味で、医療特別手当から特別手当の方に切りかえというのがどういうふうに行われているかをお尋ねしたわけでありまして、その点の検討ということも今後お考えいただいていいのではないかと思います。
○神野座長 ありがとうございます。
 では、事務局、どうぞ。
○高城原子爆弾被爆者援護対策室長補佐 先ほどの特別手当と医療特別手当の比率につきましての御質問でございますけれども、前回の参考資料の8ページ目に支給対象者というのをつけさせていただいておりまして、それによりますと、22年度末の数字でございますけれども、医療特別手当を受け取っている方は7,197人、一方で特別手当をもらっている方は936人という状況にございます。
 以上でございます。
○神野座長 わかりました。
 それでは、あと、御意見をちょうだいできればと思いますが、いかがでございましょうか。
 山崎委員、どうぞ。
○山崎委員 遅れてきて失礼いたします。
 私は、最初から問題をどう解決したらいいかということに非常に関心を持ってかかわってまいりましたが、かなり具体的な、つくる段階にもう事実上入りつつあるのではないかなという認識をしております。
 今、荒井委員からの御発言に関連することもありますので、今までの私の発言をもとに、更に具体的な新しい認定制度の方向について発言させていただきたいと思います。
 メモをつくってまいりましたので、そのメモをもとにお話しします。
 放射線起因性をベースにした現在の認定制度があるわけですが、それを基本に置いて、科学的に説明できるものについては、審査基準を拡大する。しかし、そうでない、今までグレーゾーンとかと言われておりましたが、十分に説明し切れないグレーゾーンについては、援護必要度に応じて一定の手当を支給する。これは何段階に分けるのかもわかりません。ただし、その場合でも放射線起因性から完全に離れることは、国民の理解を得る上で困難ではないかというふうに思っています。
 以下、新たな認定制度の仕組みについて提案させていただきます。
 現行制度を基本にして認定される者を仮に第1種被爆者、新たな基準に基づいて認定される者、従来、私、原爆症に準ずる状態の者とか言っておりましたが、その人を第2種被爆者とする。この場合の第2種被爆者の援護必要度というのは、既に確立している既存の各種の基準が大いに参考になるように思います。現に入院医療では、医療必要度とADLを組み合わせる。介護保険では要介護度、要支援度について、訪問調査をした上で、医師の意見書に基づいて保健、医療、福祉の関係者が合議で、かなり開かれた審査をして、市町村長が最終的に認定する、こういうことになっております。そのほか、年金制度や障害者福祉の分野では、障害認定というようなものも行っておりまして、既にこういった既存の各種の基準がありますので、そういったものを参考にすることができるのではないかなと思いますが、ただし、被爆者については、先ほど来の議論がありますように、医療必要度というものを基本にした上で、今、言いましたような関連する基準を参考にしつつ、個別総合的に認定するということになるのかなという気がいたします。
 それから、今、現況届は3年に一度と、しかも、かなりシンプルなものらしいという印象を受けたのですが、要援護性の認定というのは、有効期間を設けて、一定期間ごとに再審査して認定を更新する。例えば介護保険では、原則として有効期間は6か月だとか1年としているわけでございます。1年くらいの間隔は必要なのではないかなと、疾病というのはかなり動きますから、そういう感じがいたします。その場合、当然のことですけれども、重くなれば高いランクの手当、軽くなれば低いランクの手当に変更し、更に軽くなるとか治癒すれば、支給停止することもあり得るということだろうと思います。
 それから、手当の水準につきましては、社会保障制度全体の整備状況やこれまでの被爆者に対する援護措置の拡大を踏まえた制度設計が必要だと思います。
 かつて昭和20年代、30年代あるいは40年代あたりまでは、被爆者の多くが現役世代でもありましたが、しかし、被爆者であるといういろんなハンデを抱えていて、十分に働くことができなかった、そういう被爆者の方も多かったのではないかと思いますが、現在の被爆者は基本的に高齢者でございます。そして、多くの人が昭和20年代、30年代と違って、一定程度の安定した収入としての年金受給者でもあります。そして、ほとんどの人が健康管理手当を受けていて、被爆者全員が健康手帳を使って無料で医療を受けることができます。介護についても、介護保険が創設されて、医療と同様に利用者負担分が無料化されて、更に、被爆者の方には介護保険にはない介護手当も設けられています。そういう中では、既存の保健、医療、福祉のサービスや手当との総合的な調整が必要になってくるのではないかと。既存のこういったものをそのままにして、新たな手当をつくるというのは、どうも国民的な合意を得にくいというふうな感じがいたします。
 このような新たな認定制度は、原則として第1種被爆者についても適用し、第2種被爆者とのバランスを考慮した認定をする必要があるのではないかと。そうでなければ、被爆者同士の間で新たな不公平が生じるように思います。ただし、現行制度のもとで既に認定を受けた人については、一定の経過措置を置くこともあり得るのかもわかりません。むしろこの辺は法律家のお考えを参考にしたいというふうに思っております。
 今のところ、そんなことを考えております。
○神野座長 どうもありがとうございました。具体的に御提案をいただいて、生産的なお話をいただいて、ありがとうございます。
 ちょっと確認をさせていただきますので、現行制度からこれを1種、2種に分けた上でという理解でいいですね。
○山崎委員 現行の認定制度による認定を第1種被爆者と仮にネーミングしてみたいと。
○神野座長 この1種の方は、今おっしゃったように、科学的な基準でもって広げる場合もあり得るけれども。
○山崎委員 でも、科学を大きく逸脱することはやはり避けたいと。
○神野座長 後者の援護を支援するという必要性を基準にしたものを2種として、ここにつけ加えると。どういう形になるかわかりませんが、1種があって、その上に2種が乗っかって、そこについては、ランクづけとか、さまざまなお話の諸要因などを考慮しながら、手当などについてランクづけなども場合によっては考えた制度にしていくと、こういう理解でよろしいですか。
○山崎委員 新たな第2種被爆者については、要援護性というものをいろんな基準、判断材料を用意して総合的に考えるということを言ったのですが、そうすると、第1種被爆者は今までのとおりでいいのかということになって、被爆者の間で不公平が生じますから、原則として第2種被爆者に設けたような要援護度といったような基準は、第1種被爆者についても適用したいと。ただし、既に従来の制度で認定を受けているという、難しい問題がありますから、法律家の御判断も仰ぎながら、一定の経過措置を置くということもあり得るのではないかという気がいたします。
○神野座長 ありがとうございました。
 あと、ほかいかがでございましょうか。
○荒井委員 ちょっと質問させてください。
○神野座長 どうぞ。
○荒井委員 山崎先生の今の第1種と第2種の区別の要件の違いというのは、どういうことになるのでしょうか。起因性からは離れない。片や、援護の必要度を考慮すると。
○山崎委員 高度の蓋然性というのが今の基準になっておるようでございますから、それで認められた人を第1種として、それから外れていて、現に相当の援護を必要としているし、放射線起因性も一定程度考え得るという人を第2種被爆者と考えたらどうかということでございます。
○神野座長 よろしいでしょうか。
○荒井委員 わかりました。一方で、原爆手帳所持者についての給付の要件というのが、放射線との関係、否定し切れないといいますか、否定できないものという、割合緩やかな要件になっていますね。それと山崎委員のおっしゃる第1種との区別といいますか、そこは、手帳保持者は全体が第2種になるというイメージなのでしょうか。そうではなくて。
○山崎委員 最大限そうだと思っています。現実には要援護と私も申しましたから、医療必要性というものをやはり基本に置きながら、ADLだとか、その他現実に障害認定をお受けになっている方もいらっしゃるようでございますから、そういったものを参考にしつつ、個別総合的に判定すると。その場合には、例えば、私は深く介護保険にかかわっているので、ついついそういう例示をいたしますが、介護保険の審査会のような合議というやり方の方が開かれたやり方ではないかなという気がいたします。
○神野座長 よろしいですか。いわゆるグレーゾーンのうち、1種の方で拾えなかったと言っては変ですが、その人たちは2種で、今度は基準を変えて、要援護性で見てみると。それで2種の方は判断するのだけれども、その判断基準は、もう一度1種の方にもはね返らせると、そういう理解でよろしいですか。
○山崎委員 そういうことです。1種は全く今までどおりというわけにはいかないのではないかなという気がします。ただ、一定の経過措置等を置くこともあり得るかもわからない。
○神野座長 あと、田中委員、次にいきますので、高橋進委員、どうぞ。
○高橋進委員 大変いい御提案をちょうだいしたと思うのですが、ちょっと私も質問させていただきたいのですが、2種の分類される方についても、放射線起因性を離れることは不可能だということをおっしゃいました。援護必要度に応じてランクづけとおっしゃいましたけれども、放射線起因性を全く離れることは不可能だと思うのですが、しかし、疑わしさの度合いといいますか、あるいは考慮すべき度合いというのは、そのランクづけの中に反映されるのでしょうか。それとも、そこは白黒つけてしまうのでしょうか。
○山崎委員 むしろその場合には、現実に医療をどの程度必要としているか、あるいは日常生活でどの程度御不自由されているかというような要素で客観的には差がつくという要素が相当あるのではないかなと。放射線起因性では差はつかないと。恐らくそれがグレーゾーンだろうと思うのですがね。という気がいたします。
○神野座長 高橋進委員、それで今のところはよろしいですか。
○高橋進委員 もう一つ確認させていただきますと、繰り返しになりますけれども、手帳を持っていらっしゃるけれども、健康管理手当を受け取っていらっしゃらない方が数万人いらっしゃる、ここも問題だと思いますが、そこについても、援護度という基準でもって見ていくということでしょうか。
○山崎委員 私のイメージとしては、健康管理手当を受けておられる方が最大の第2種だろうと思いますが、現実には健康管理手当を受けておられる方で医療必要性だとか、ADLだとかという基準を入れてくると、健康管理手当を受けている人から相当絞られていく可能性があるのではないかなというふうに見ております。
○高橋進委員 その点ですが、一般的な医療の必要性ということだとそうかと思いますが、例えば年齢を重ねるにつれ、医療と介護の境目が非常にあいまいになってくると思いますが、ですから、例えば手帳を持っておられて、健康管理手当を受け取っておられなくても、介護の必要な方もいらっしゃるとは思うのですが、そこはどうお考えでしょうか。あくまでも確認ですけれども。
○山崎委員 単なる介護が必要というのは、ちょっとこちらでは対応できないのではないかなと。あくまでも放射線起因性というのがベースに必要なのではないかなというふうに思います。それから、具体的には、先ほど来議論にありますように、起因性ということになりますと、恐らく疾病の種類なんかでも枠がはめられるのかなという気がいたします。
○神野座長 ありがとうございます。
 田中委員、どうぞ。
○田中委員 私、御質問したかったのは、結果的に私どもが提案したのに非常に近いものになっていくのかなと思うのですけれども、今までの制度は、モザイクの組み合わせみたいな格好になっているので、見直した方がいいというのが私たちの考えだったのですね。山崎先生のは、今の制度は残したまま、認定制度も残して、医療特別手当も残して、医療の給付も残してという格好で今のお考えだということですか。
○山崎委員 そのとおりでございます。
○田中委員 そうすると、新たなモザイクができてしまうということになりやしないかという心配が私どもはあるのですけれども。
○山崎委員 新たな問題ということになりますと。
○田中委員 第2種というのは今、ないわけですね。あえて健康管理手当をもらっている人は第2種というのであれば、それはそれでいいのですけれども、今度、そこにいろんなランクだとかグレードをつけようということになるわけですね。それはまた新たなものですね。健康管理手当というのは、今、額は一定なのですね。疾病はいろいろあるのに、額は一定なのですね。疾病ごとに今度、健康管理手当の額を変えるということをお考えでいらっしゃるのですか。
○山崎委員 その場合には、健康管理手当にかわる新たな何段階かの手当がつくられるのかもわかりません。ですから、既存の手当との関係も含めた全体的な見直しが必要であろうと申し上げたのは、そのとおりでございます。
○田中委員 そうしますと、結果的には、似たようなことになってくるので。ただ、違うところは、この前も説明しましたけれども、まず基本を全員に何らかの手当、被爆者手当というふうに申し上げましたけれども、被爆者手当を支給して、その上でさまざまなランクをつくっていくのが一番現実的ではないかという提案をしたのですけれども。
○山崎委員 団体としての要望はよくわかりますが、現実に9割までの方が健康管理手当と一部は特別手当をお受けになっていて、残る1割の方についても、恐らく今は受けておられなくても、いずれは受ける可能性がかなり高くなるのではないかなというような感じがしておりまして、ですから、そこまでは私はどうかなという気がいたします。
○神野座長 では、田中委員。
○田中委員 説明をいたしましたけれども、被爆者手帳を持っている人たちは、何らかの形で放射線の影響を受けた人たちであるとまず考えるというところから出発して、その影響は一見何もないように見えても、精神的なものも含めてですけれども、何らかの形であるのだということからまず全員を基準にした方がよろしいというのが私どもの提案だったのですね。
○山崎委員 精神的なものと言われますと、確かにそのようになるのかもわかりませんが、現実には1割の人が受けていないといいましても、健康管理手当を受けていないだけでありまして、医療はほとんどの人が日常的に利用されている。介護保険も皆さん利用されるわけでございまして、決して何もないわけではないと思います。被爆者手帳を持っておられる方、何らかの形で、いろんな形で恩典は及んでいると思います。ただ、それが十分、精神的ななぐさめになっているかどうかということになると、これはかなり主観的なものがあるのではないかなと思います。要望としてはよくわかりますが、ただ、多くの方の理解を得るという上で、どうかなという気がいたします。
○神野座長 荒井委員、どうぞ。
○荒井委員 お二方の意見にそれぞれ関連してくると思うのですけれども、端的に言えば、今の手帳保持者の人たちに健康管理手当のレベルを上げるかどうかというような発想を私はここではとりにくいのではないかと。やはり被爆者の方々がそういう希望を持っておられるのかもしれません。私、前回ちょっとぶしつけな質問をさせていただいた、今の給付で全体として足りるのか、足りていないのかということを申し上げたのも、その辺につながるわけでして、しかし、ここの在り方検討会でのメインテーマではないのではないだろうか。つまり、原爆症認定対象なり認定の要件が今のままでいいだろうかというところの検証、検討がここでの一番メインテーマであると思うのですね。その結果において、健康管理手当を受けておられる方々への給付の在り方に何らかの形で影響が及んで、それは法律なり、厚生労働省の方の御検討の結果、何らかの変更がそちらにあらわれてくる可能性はあるかもしれませんが、我々の検討対象は、原爆症認定制度の在り方だろうと思うのですね。だから、田中先生のおっしゃった手帳保持者あるいは健康管理手当そのものの在り方をどうこうするというのは、少し外れてくるように思われるわけです。
 それから、山崎先生のイメージというのも、グレーゾーンもわからないではないですし、高度の蓋然性には届かないようなケースというのもわからないではないのですが、やはり現在の健康管理手当の要件そのものがかなり緩やかなのですね。それと高度の蓋然性との間に中間的なものが果たしてうまく要件設定ができるのかと。起因性を捨てないでいながら、起因性の濃度みたいな、高さのレベルの違いみたいなところを要件に取り込んでくるというのは、実は大変難しい結果になりやしないかと。だから、疾病名を少し緩やかに考えるとか、あるいは対象範囲を若干広げる方向で考えられないかということは結構ですし、それから、要件に要援護度というのでしょうか、疾病の治りにくさというような、そういうものを持ち込んでくるのは一つのアイデアだろうと思うのですけれども、放射線起因性のレベルの関連性の強さ、弱さで区別して、中間段階をつくるというのは、言うべくしてなかなか難しいところがあるように思われるのですね。
 ですから、今、私、山崎先生の御意見に直ちにいいですね、まずいですねいうことを申し上げることはなかなか難しいのですが、余り広げ過ぎると大変要件が難しいのではないかという感じはいたします。これが1つ。
 それから、もう一つは、また司法と行政とのギャップの問題に若干戻るかもしれないのですが、どういう広げ方をするか、あるいはどういうランクづけをするかにかかわらず、どう考えても、それから外れる部分というのは出てくることは避けられない。それをどうするかという問題がございます。そうすると、私、何回か客観的要件をなるべく並べてということを目指したいとは思うのですけれども、どうしても時間的、距離的、あるいは疾病名等々の要件で外れてきて、実はやはり起因性は否定できないとか、高度の蓋然性があるというような司法判断の裁判にまた持ち込まれれば、そういう結果になる余地がないとは言えない。それは、個別判断ではあるのですけれども、行政基準というのは、なるべく公平に、客観的にということを目指しながら、一方では、具体的には書き切れないものを今の新しい審査の方針ではいわゆる総合判断ということで扱っておりますね。そういう類型のものをやはり残さざるを得ないのではないかと。
 どんなにきめ細かくといいますか、いい要件を設定しても、そこにぴしっと当てはまらない場合にどう備えるか。それは裁判に行ってくださいというわけにはいかないので、行政は行政レベルで、例外的かもしれないけれども、それをしんしゃく、拾い上げられるような、いわゆる総合判断も可能なような仕組みというのは、どういう仕組みのもとでも残すべきではないだろうかと。つまり、新しい審査の方針は、医療分科会での方針でございますけれども、それをもう少し客観化して、法律では無理でしょうけれども、せめて省令レベルとか、そういうあたりに持ち込むことはひとつ考えていっていいのではないかという気がしております。
○山崎委員 私のような提案が検討に値するということであれば、次回あたり、現実、入院医療で使っております、それから、介護保険でも使っております、あるいは障害認定もあります。かなり客観的で幅広い観点から認定していると思いますので、そういったものがどのように行われているか、事務局の方で資料を整理していただいて説明いただけないだろうかと思います。
○神野座長 わかりました。これは確認ですが、現行の医療特別手当などについていうと、なるべく客観化しながらやっていこうというお話ですので、荒井先生の先ほどの客観的な基準を詰めていくというのは、それとしてやるわけですね。それはやらないのですか。つまり、新たな2種というのは、科学的基準というか、客観的な基準では割り切れない、残ってしまった人にのみ要支援とかを入れていこうよと、こういう話。
○山崎委員 一旦そうするわけですが、しかし、そうすると、第1種の人は今のままでいいのかということになりますから、第2種について新たな基準を設ければ、関連して第1種についても新たな基準を使う必要があってという気がします。ただ、既に認定しているわけでございますから、一定の経過措置は必要かもわからないという気がいたします。
○神野座長 わかりました。
 では、田中委員、どうぞ。
○田中委員 山崎先生も荒井先生もそうですけれども、今の認定制度を残すということを前提にしていらっしゃると思うのですね。そもそも裁判になったのは、今の認定制度ではうまくないということが司法から出て、行政と司法との乖離がずっとあったのだと思うのですね。だから、そういう意味で、今の制度、例えば10条で起因性を問うわけですね。起因性かどうかというのが一つ問題になったのですね。だから、そこのところをはっきりしないと、この問題は解決しないと思っておりまして、起因性でまず問うたときに、今までの行政の認定はもうほとんど、私どもから言わせると破綻している状況にあると。だから、そこをどう変えるかという議論もしないといけないのだろうと。認定制度を残した後で手当がつくのですね。前から何回も御説明がありましたけれども、認定制度というのは、最初、医療の給付から始まりますので、最初は手当はついておりませんので、医療が必要であるかどうかという判断をして出発しているわけですね。だから、そこのところでの行政と司法との乖離が出てきているわけですから、それがどう埋められるかということでないと、この問題はやはり解決しない。私どもは、もうそれは難しいだろうと。だから、10条、11条はやめて、別の法律にするか、あるいは別の制度にした方がいいという提案をしていたのです。
○神野座長 では、長瀧委員、先にお話しした上で。
○長瀧委員 今の非常にホットなディスカッションからちょっと離れるのですけれども、最初に荒井先生がおっしゃった要医療性のことについてですが、私も長い間関与していますので、昔はがんになったらほとんど亡くなったわけですね。ですから、そういう診断がつけば亡くなったと。亡くなるというふうな感覚で扱ってきた。だけれども、どんどん進歩してきて、がんであっても、手術して治る方がいっぱい出てくるということもあります。現実に病気の種類によりますが、ごく普通の甲状腺がんの場合は、9割以上の方が手術して30年ぐらい生きていかれるという統計があります。起因性とがんと診断はしたと、そうすると、起因性の疾患には入るけれども、要医療性というのはものすごく変わってくるのだというところもこの中で一応考えなければいけないのではないかなと。
 例えば白内障がありますけれども、白内障って、皆さんだれもがかかるわけで、大体手術してレンズを入れかえると見えるようになりますね。それでも起因する病気だから、ずっと何年も手当が要るのかという議論になってくると、普通の国民がまともに議論するときに納得しない部分が出てくるのではないか思うのですね。
 ですから、要医療性というのは、改めて今までとは少し違って、3年に1回、要医療性を見ればいいというのではなくて、現実に即したところも必要ではないかなと思ったものですから、それだけちょっと申し上げたいと思います。
○神野座長 ありがとうございます。
 では、荒井委員。
○荒井委員 さっきの田中委員のお話で、司法と行政のギャップを埋めようとする努力はここでずっとやっていると思うのですね。現在の原爆症認定制度の象徴みたいな、起因性を全く離れてしまわなければ、あるいは手帳保持者レベルにまで落とさなければ、ギャップが埋まらないと私は考えておりませんし、また、裁判判決での指摘も、原爆症認定制度そのものを否定した判決というのは、私はないと思っているのですよ。今の制度のもとで認定しなかったのはおかしいと。それは個別に結構積み重ねがございましたけれども、それを受けて、基準も新しい審査の方針というふうに切りかえてきて、司法を尊重するような格好である程度科学を離れたレベルにまで広げてきているのですね。
 ですから、まるっきり認定制度、現在の10条、11条を根本的に改めてしまわなければ、認定制度がうまく動かないというふうには考えないです。もしそういう御意見であるとすれば、平行線みたいなことになってしまうと思うのですよ。だから、起因性の判断がなかなか難しいし、科学の限界もある、もう少し別の要素も取り入れて考えていくべきだという方向で今、来ているわけですから、それでかなり埋まっていくものではないのでしょうか。
○神野座長 田中委員、どうぞ。
○田中委員 私はそうは考えていないので、埋めるために私たちは何回も努力してきたと思っているのですよ。私は、その努力の最大限のものは乖離している中身が何だということを事務方にちゃんと説明してほしいということを何回も申し上げました。その説明はまだないですよ。だから、私たちは努力したのですけれども、努力の成果は実っていないと私は思っているのです。
 端的に申しますと、乖離の一番最大の原因は、初期放射線ではない放射線の影響を見るべきであるという裁判所の判断が入っているのだと思うのです。確かに荒井先生おっしゃるように、裁判は今の法律の中で判断していくわけですから、私はそれを超えて、今の裁判のことを言っているわけではないのです。ですけれども、そういう法律の中での司法の判断を今の起因性の行政の判断では、もう超えることはできないと私は思っております。それは説明していただければいいと思うのですけれども、繰り返しになりますけれども、残留放射線を加味しないといけないというのは私たちの考え方です。それは、行政としては加味できないという判断があるのだと思うのですね。それはお答えいただければいい。もし加味するとしたら、どういうやり方でやっていけますということを説明があればいいのですけれども、今まで一回もないわけですから、難しいというのが私の意見なのです。
○神野座長 では、関連するので、荒井委員。
○荒井委員 残留放射線をどういうふうに見ているかというのは、厚生労働省は全く見ていないというふうに私は理解していないのですよ。だから、そこもやはり平行線になりかねないですね。
○神野座長 石委員、どうぞ。
○石委員 いろんな議論が出て、ホットなやりとりをしていますけれども、我々ここでやらなければいけないことは、早晩という、しばらく置いてというか、別にして、しかるべき中間報告なり最終報告なりを作成して、今ある問題についてのあるメッセージを送らなければいけないわけでしょう。あるいはそれをベースにして法律をつくると、あるいは新しい手当の制度をつくるというふうにいくのかどうかわからないけれども、かなり建設的な議論を積み重ねた上でやるのだという議論をする必要は僕はあると思いますよ。
 そういう点からいいますと、我々でやるべきことというのは、非常に難しいのですよ。難しいというのは、ここに10何人委員がいらっしゃるけれども、あらゆる背景にある、ベースの考え方が違う人がいっぱいいるわけですよ。経済学者も、財政学者も医療の人等々いますから、その中で何か共通項がくくれるかどうか、僕は前から非常に懐疑的で、難しかろうというイメージを持っているのですけれども、しかし、努力は積み重ねる必要があるでしょう。
 だから、アプローチの仕方としては、今日大分個別具体的になってきましたね。皆さんの御専門の知識をベースにして、詳細設計に役立つような議論をするというのも1つでしょうけれども、これは恐らくこの検討会の究極の式ではないと思っているのですよ。それより基本的な考え方を整理するというトータルの意味での議論の方が、これだけベースの違う人が集まってきたときの最大公約数的な議論として非常に重要だろうと思いますよ。詳細設計はまた詳細設計で、医学の人とか、現に放射線の専門家もいっぱいいる中でやられたらいいと思う。
 そこで、僕はトータルで見て、この検討会の最終的な在り方といいますか、何が求められるかというと、荒井さんと同じように、白紙にもう一回戻して根っこからやるというのは、ある意味で非生産的だし、過去の議論の積み重ねがどこかに飛んでしまうという意味において、そうなると、問題は、二通りの立場の人がいて、1つは、現行の制度では不十分だから、極力広げていきたいと。我々も山崎委員の言葉をかりれば、1種で無理だから、2種まで入れてという、こういう話だね。
 もう一つは、今日の検討会の論点整理、後半に出てきましたけれども、手当の問題にならざるを得なくなったときに、国民の視点とか、理解とかという、そういう議論というのは避けて通れない。それは具体的に言うと、恐らく税金を使って云々かんぬんとならざるを得ない、これは私、財政学者ですから、その辺非常にセンシティブに考えていますね。
 だから、そういう視点からいいますと、今、言った、トータルで見て、今後の検討会が現行制度よりかなり大幅に踏み出して救済の方に行くのか、それとも、現行の不備を指摘するという新たなところも少し入れて、トータルな面で見て、いろいろな面でどういうふうに改善するのかということだろうと思うのですが、プラスアルファを量的に見るか、質的に見るかという点はあるにしても、その辺の議論である集約点が見つかれば、まあまあ、万々歳とは言わないけれども、一つの成果があると思っていますので、皆さんのお立場から自由闊達に言いたいことを言うということを余りいつまでもやっていてもしようがないなと。
 そういう意味では、座長の手腕に任せますけれども、僕はこの論点整理はいいと思うのですよ。3点ポイントがあって、在り方と現認定基準と手当でしょう。これをベースにして、だんだんくっつけていけばいいと思っているのですよ。どうしても対立があってどうしようもないときには、僕は両論併記というのは嫌いなのだけれども、論点整理という意味においては、それなりの多数派意見的なことを趣旨に書き込むといったような形で、僕は建設的な意見は申し上げられませんけれども、いろんな視点を入れろという議論を皆さんが、特に行政の方もいらっしゃいますし、学者も要るし、実際に市の自治体の方もいらっしゃいますから、そういう点もどんどん入れて少し整理するしかないと思いますよ。僕は、プラスアルファというのは、質的な面でやるべきではないかと思いますけれどもね。
○神野座長 ありがとうございます。
 私がどれだけこたえられるかどうかは別としても、生産的な御意見をいただきました。ありがとうございました。
 どうぞ。
○佐々木委員 まず、高齢化している被爆者の方々がおられるという中で、これだけ11回、検討会をしていただいておりますので、できるだけ早く結論に持っていく審議を促進していただきたいということを1点として思っております。その中で、今日は山崎先生の方から一つ方向性について御提案がありました。この内容につきましては、本当に困っている被爆者、困っている程度が強いか弱いかというところに着目して、そこを支えていこうというお考えが入っているという点では、大変意味のある御提案ではないかと思っております。
 私、前回もちょっと言ったのですけれども、今まで皆さんの御意見を聞いておりまして、今後どういう方向へ持っていくかということについての大きな方向性の考え方で、1つは山崎先生おっしゃったような、起因性の範囲で認定していくというところは、なかなかさわるのが難しいというか、そういうことなので、より困っている方をきちっと支えるためにグレーというか、準起因性というか、そういう分野をつくって、少し支えていくというような形を考えたらどうかという御提案の部類があるのかなと思います。
 もう一つは、今の認定制度の起因性というところで裁判になっていますので、そこのところの積極的な認定基準というのが出たわけですから、先ほど別要素を入れるとか、そういうようなお話もありましたけれども、拡大できるような方向性があると言えるのかどうかということが1点と、もう一つは、田中委員の方がおっしゃっておられるような、そういうのは難しいので、起因性に基づく認定というのを離れるという方向性、私なりに理解しているところでは、そういう大きく3つの方向性での御意見が出ているのかなという気がしておりまして、今後そのあたりについて、その3つで整理してくれということではないですけれども、こういうふうにしていったら、こういう課題があり、こういうやり方があるということをもう少し整理していただいて、議論を前に進めていただくというようなことをしていただいたらありがたいなというふうに思っているところでございます。
 今の段階で私がこっちがいい、あっちがいいというところまでちょっと御意見を申し上げられる段階にないのですけれども、そういう形で前に進めていただいたらなというふうに思っております。
○高橋滋委員 済みません、遅れてきまして、新学期で演習が直前になってやめることができるとわかったので、事務局に連絡できなくて、申し訳なかったと思います。
 その上で、先生方の御意見をお聞きして、私の専門から言えることなのですけれども、行政上の認定制度を、石委員も税金からやっているということがありましたけれども、ある種の公金による支出をするという点では、基本的には積極的な何らかの明確な根拠が要るだろうという意味では、現行法上の放射性起因性と要医療性というものを前提とする制度というのは、ある程度の行政上の給付としては維持せざるを得ないのかなというふうにまず第一に思います。
 ただ、今、判決と司法と行政の乖離という話がありましたけれども、最高裁まで行ったのは1件でありまして、最高裁の判決はそれだけなのですね。その上で集団訴訟で下級審の段階で結局和解した例があって、それを前提にして制度設計をするということで、結局、下級審のばらつきをどう判断するのかというのは、別に裁判所はほかの判決を意識してどうかということは余り考えずに判決しますから、恐らくは全体の傾向でしか見ざるを得ないだろうと、こういうふうに思うわけです。
 私が受け取るところは、そこはよくこれまでの議論がありましたけれども、被爆者の方の高齢化の中で、さまざまな疾病が出てきて、そのときの救済の必要性ということと、現行の要件との乖離というところで、裁判所なりに個別の白黒の判断をつけたということになって、そこの部分をなるべく行政のところが受け取って、ある種の制度設計をするというのが必要なのだろうと。そういう意味で、先ほどの御提案というのは、ある種いいのではないか。つまり加齢に従って発症したことについては、因果関係について明確に区別できないので、因果関係の緩和の制度をつくって、そういう制度である以上は、医療手当と特別手当とは区別すると。こういう制度設計というのは十分あり得るのではないかと思います。
 ただ、その一方で、手帳の保持の方について、一定の類型の発症もない方についても、すべて手当をお話しするというのは、行政上の制度としてはなかなか難しいので、そういった意味では、中間的な制度をどうやって敷くのかなというところを、もう一回、我々としては議論すべきなのではないかなというふうに思っています。
 以上です。
○神野座長 どうもありがとうございました。
 それでは、副市長、お願いいたします。
○三藤委員 ちょっと大ざっぱな把握なのですけれども、私は放射線起因性と要医療性の判断につきまして、基本的に個別に判断していくというのが一番理想なのでしょうけれども、要医療性というのは、ある程度高い水準で個別には判断できると思うのです。
 ところが、一番問題になっているのは、放射線起因性が個別の判断は科学の限界がありますよと。だから、一定グループ化された部分に対して確率的に判断している部分と個人の部分との乖離が多分行政と司法判断の差だと思うのです。だから、そういう意味では、要医療性に関しては、現行制度の中で見直す余地は私は少ないのではなかろうかということをまず感じています。
 それから、放射線起因性の問題に関しては、先ほどもちょっと出ましたけれども、税を投入して一定の給付をするからには、現行制度の中で科学的な知見を求めている部分は生かすべきだろうと思います。ただ、先ほど申し上げたグループ化された確率性の問題と個人の問題にずれがあるところが、司法判断の中で救済がなされていっている部分だと思うのです。
 だから、例えば参考資料の1ページの例でちょっと説明させていただければ、積極的に認定する範囲として1~3までが示されています。これはある意味、先ほど言った確率論的な部分で非常に可能性の高いグループだということで、1~3の時間とか距離とかという考え方でこのラインが引かれているのだろうと思うのです。だから、この部分で確率の高い部分を原爆症として認定しますよという今の制度は、それはそれで構わないと。ただ、ここの部分が確率論で出てきていますから、例えばここの部分を外してしまうとか、右側の総合的判断というのは、もう少し明確だったらいいのですけれども、そこのところはまだ不明確な部分でありますので、端的な言い方をさせていただければ、1~3までを外して、特定疾病にかかった場合は原爆症に準ずる状態だというふうなやり方もとれるのではないかというふうなことを思っています。
 そういう形で、現行制度の中で新しい判断を組み込むのが一番現実性があるのではなかろうかというふうに私は思います。
○神野座長 ありがとうございます。
 高橋進委員、どうぞ。
○高橋進委員 決して田中委員を説得するために申し上げるわけではないのですけれども、委員の方の多くがグレーゾーンをつくるという発想をされているわけですが、その発想の中には、残留放射線をどう見るかということについての科学的知見が確立できていないということに議論があるということ、それから、残留放射線を浴びた度合いについても、今さらもう検証できないと、そういうこともあるので、グレーゾーンをつくろうということだと思うのですね。
 ですから、そこは一つ大きな、今までの行政と違うところだと思いますので、その上で要医療性といいますか、援護必要度に応じてランクづけしていくというのは、私は決して小さな進歩ではなくて、かなり大きな見直しだというふうに思います。
 ですから、問題は、あとはグレーゾーンをどう定義するかによって、それが本当に小さくなってしまうのか、かなり大きなものになるのかという、そこの制度設計にもかかると思うので、例えば当委員会でグレーゾーンに含めるべきものは何なのかというところを、後で行政が曲げることができないように、ある程度定義していくということが必要なのかなというふうに思います。そういうことまで含めて検討した上で、それではやはりだめだと、新制度でなければならないということであれば、そこはもう両論併記になってしまうのかもしれませんけれども、まだ私は歩み寄りの余地というのがあるのではないのかなというふうに思うのですが、いかがでしょうか。
○神野座長 どうぞ。
○田中委員 私、グレーゾーンとは言っていないのですけれども、かなりあいまいなものはいっぱいあるから、それを別の格好で、手当だけを見ると加算というやり方でやったらどうかということを提案していたのですけれども、先ほど申しましたのは、10条を変えないでいくということになりますと、10条は放射能の影響を受けてということがあるのですね。これを変えない限りは、科学的知見とグレーゾーンとの関係が区別できなくなってしまうのだと思うのです。これがあるから事務方は科学的知見で判断するということになっているわけでしょう。それは初期放射線に基づく科学的知見ですけれども、残留放射線降下物の放射性を10条で残せば認めなくてはいけないことになるのですよ。それができましょうかというのを私は何回も聞いていたのです。今、お答えしていただければ非常にありがたいのですけれどもね。10条を残しておいて、グレーゾーンをここに加味することが行政上できるかどうか。
○神野座長 何かもしも事務局の方からコメントがあれば。
○高橋進委員 この委員会の権限にもよると思うのですが、もしグレーゾーンという結論が出て、法律論的に10条を変えなくてはいけないということになったら、変えればいいのではないかと。あらかじめ変えることを前提に話をする必要はないのではないかと。そこまでは柔軟に考えてもいいのではないかと。事務局は違うかもしれませんが、私ども委員としては、制度を変えることが先ですから、そこでふぐあいが生じるのであれば、法律を変えてもいいのではないかと思うのですが、違いますでしょうか。
○田中委員 私はそれだったらよろしいのですけれども、法律を変える必要はない、現状制度でいっていいのだみたいな発言に受け取った部分がありましたので、申し上げました。
○神野座長 在り方を検討していって、問題解決はもう不可能だということに立ち至れば、それも考えられるというお話ですね。
 高橋委員。
○高橋進委員 それから、もう一点ですが、健康管理手当を受け取っておられない一部の方についてですけれども、ここについては、発症したら速やかに健康管理手当なり新制度を受けられるという補償にするということでは、被害を受けた方についての精神的な慰安ということも含めて、補償にならないのかどうかというところが一つ歩み寄りのところかなというふうに思うのですけれども、その点はいかがですか。
○田中委員 健康管理手当、11の疾病が決められていますので、11の疾病を医師が診断しないと、今、もらえないのですね。だから、もう一つ何か疾病をつけ加えるというようなことができるのであれば、かなりカバーできると思いますし、それから、ごくごく少数になっていますけれども、保健手当というのがあって、保健手当を受給している人もいるのですね。額が小さいから、健康管理手当でも変えてきているところがありますけれども、2キロ以内で被爆した人たちは、疾病のいかんにかかわらず、疾病がなくても、保健手当を支給するという制度だったのですね。これは放射線の影響を浴びているに違いないからなのですよ。だから、そういう考え方をもうちょっと広げてしまえば、手帳を持っている人たちは放射線の何らかの影響を受けているのだということを前提にすればできないことではないというのが私たちの考えです。
○神野座長 荒井委員、どうぞ。
○荒井委員 今日は大事な話がたくさん出て、頭の整理が十分できていないのですけれども、さっきの長瀧先生のお話というのは、白内障を例に挙げられまして、この認定制度が始まったころと比べれば、それぞれの疾病について、治療法なり改善が大分違ってきているというお話は大変大事な御指摘だろうと思うのですね。
 私、一旦、認定があって治った場合に、適切なる切りかえができているかどうかということを質問させていただいたのですが、その辺にも関連して、疾病について、医療分科会で放射線起因性のあるというまくら言葉のついたものが広がりました。それをどう扱うかというのは一つの問題点であろうとは思うのですが、もう一つは、先ほど長瀧先生の御指摘の、白内障に限らず、疾病によって治りやすいかどうかとか、あるいは最大限悪い状態にあるときに、まさに命にかかわるか、あるいは何らかの部分が不自由であるということで済むのか、その辺はまさに医療の専門家の先生方のお知恵で、今回ただ漠然と広げる、広げるというだけではなくて、治癒の程度とか治療の容易さあたりも勘案した基準づくりの知恵があっていいのではないだろうかという気が一つしますので、そこはいずれ具体的な制度設計になっていったときに、是非お知恵を集めてお出しいただければありがたいなと、これが一つと。
 それから、グレーゾーンという言葉を今日最初におっしゃったのは山崎先生でしたか。イメージはわからないでもないですし、私も13万幾らと3万幾らのギャップが大きいことが原爆症認定制度の問題点を拡大している面があるという意味で、何か中間段階ができないかというイメージは持っているのですけれども、さて、どういう要件を持ち込むかということを具体的に考えていきますと、大変難しいような気もするのですね。一つは、起因性の程度ということになると、一貫した設定がなかなか難しいのではないかと。常識的な高度の蓋然性と低度の蓋然性みたいなイメージはあるかもしれないですけれども、実は裁判上で言う高度の蓋然性というのは、ある事象との因果関係が、高度の蓋然性がなければ後はないということなのですよ。そうすると、それはどういう状態に対してどういう給付を行うかという場合の要件に必ずしもそのまま持ち込む必要はないのですけれども、起因性について高度ならこういう給付、中くらいならこういう給付というわけにいかないのではないかと。だから、いわゆるグレーゾーンということを考えるならば、別の要件を持ってくるしかないのかなと、これが一つと。
 それから、もう一つは、私、前々から申しております疾病とか時間要件、距離要件、そういう客観的な指標を持ち出してくるときに、これまでの基準より少し緩目に考えると。緩目に考えるばかりではなくて、繰り返しますけれども、打ち切るときには打ち切ると、そういう後の方の仕掛けも少し考えておけば、逆に言うと広げやすいという面もあろうかと思うのですね。
 だから、一旦認定してしまうと、それはずっと最後までいってしまうということは、検討の余地があるのではないか。それはどういう状態のときに打ち切ったり見直すということになるのか、それも勿論、議論しなければならないと思いますが、一言で申しますと、グレーゾーン的なことにどういう要件を持ってくるのかということがなかなか難しい面があるということで、ちょっと私、まだ具体的なことを申し上げられないという状況です。
○神野座長 どうもありがとうございました。
 長瀧委員の後、坪井委員。
○長瀧委員 まだつくるという知る段階のお話なのですけれども、起因性をどうするかというお話のもともとを言いますと、この間も東京大空襲の補償の問題がございましたね。東京大空襲は放っておいて、原爆だけということで放射線が出てきたというのは、もともとのあれなのですね。だから、もともとは原爆の被爆者を救済ということが社会的な観念にあって、区別するために放射線がそこで使われたということですから、放射線だけを起因性にして原爆被爆者全体を扱おうというのは、考え方の上でどこかで破綻するのですね。
 ですから、放射線の影響は影響としてどんどん進んできて、今、福島に対しても、放射線の影響は被爆者のデータからこういうものですということを科学的にお話ししているわけですけれども、それがもともとの原爆被爆者を救済しようというものと必ずしも一致しているものではない。起因性という言葉をどう考えるかと。だから、グレーゾーンをつくっても、起因性という科学を持ってきて、被爆者全部を扱うのかというと、それは扱えないですね。あるいは科学を全部捨ててしまって、科学的に認められたから救済するというような言い方をすれば別だけれども、そこまでいくと、今度は被爆国として、科学的にここまでやってきたデータを世界にどう発表するか。例えば、今ここに書いてありますけれども、ウイルスで肝炎になるということは世界じゅうでわかっていますし、がんの原因の25%は感染症だと書いてある。それを放射線の影響だといって、海外に被爆国として肝炎もすべて放射線のせいだというと、それは全く荒唐無稽な話と科学的には受け取られると思うのですね。ですから、落としどころを認めていく上で、初めからジレンマで始まったものが今、顕在化してきたというような感じがいたしますので、これはまだ知る権利のお話で、それをどうするかということで、私としては、皆さんに本当にお考えいただきたいなという気持ちがございます。
 それだけ言っておきます。
○神野座長 坪井委員、どうぞ。
○坪井委員 皆さん、いろいろなことを教えていただきまして、本当にありがたいと思っております。総合的あるいは一本化的な面が我々の団協を出したものの中にはあるでしょう。また、いや、そうでない、改革をするのにも、今のものではちょっと無理があるというので、いろいろ山崎先生のような話も出てくると。今のままでこうやるというのもあるのですが、しかし、我々が見てみると、さっきから言われているように、国民が理解すると。その前に被爆者が理解できないとだめなのですよ。私はそう思っている。私はこの年になっても、対応することが多いから、いろいろ悩みごとを聞きますが、被爆者に話をするときには、いろいろな知恵を絞って、我々がいろいろ問題をつくって、援護法もできているわけです。その話をしていても、仏をつくっても、魂が入っていなければ、被爆者は感心しないのですよ。だから、極端に言えば、手当なんか要りませんと、国家が認めてくれればいいのですという人すら出るわけですよ。その人は元気いっぱいだからそう言うかというと、そうではない。病気を持ちながら、そういうことを言ってくれる人もたくさんおるわけ。そのためには、やはり我々が考えていくのは、ちょっとおこがましい話をしますが、被爆者の理解ができて、援護ができて、解決できなければ、核問題は成功しないと思うのです。そこまでいく必要はないのですけれども、私はそういう思いを持ってこの委員会に出ているわけです。
 だから、私たちはもっともっと被爆者にも理解できるようにしなければいかぬと思いますね。被爆者が「ありがとう」と言ったときに、初めて核問題がだんだん解決の方向に行くのだと、こう思っております。
 ちょっとおこがましいことを言いました。
○神野座長 ありがとうございます。
 あとはいかがでございましょうか。
 高橋委員、どうぞ。
○高橋進委員 先ほどの長瀧委員のお話、ちょっと御質問させていただきます、全く医療がわからないものですから。例えば肝炎といった場合に、放射線によって発症する、しないという意味では、かなり明確な線引きができるかもしれませんが、一方で、例えばそういう病気にかかりやすいとか、治りにくいとかということで、放射線が影響しているのではないかと、そういうことについては、グレーの部分はないのでしょうか。
○長瀧委員 どういうお答えがいいかわかりませんが、さっきの坪井さんのお話も含めて、日本が被爆国であると、世界に対して放射線の影響、原爆の影響はこうだということをきちっと正しく声明することと、それから、被爆者を援護していくというものと気持ちの上ではきっちり分けないと、どうしてもそれを一緒にしてしまおうとすると大変だということがあります。ですから、今の肝炎なんかは、僕は、いきなり外に行って、日本では肝炎も放射線の影響だと言われているというと、どうしてそんなことになるのだという人は一般的な感覚としては非常に多いと思います。は感染症で、ウイルスが入って起こるんだということはわかっているし、感染症も針で刺してウイルスが入るということが原因なのですから、今度その病気が、放射線を浴びたことによってより進展しやすいとか何かということを科学的に調べるのは、限界を超えたレベルだと思うのですね。
 ですから、被爆国として、科学として外に対して明確に示すということ、それは非常に難しいと。
○高橋進委員 となると、結局、まさにおっしゃったように、肝炎を発症したり、症状が重くなったときに放射線が影響していないとは言い切れないと。
○長瀧委員 今、福島でも何度も繰り返していますけれども、ないとは言えないと。ですから、ないとは言えないということを社会が一体どうとるか。今、福島の方たちに対して科学者としてお話しするときには、ないとは言えないけれども、ないという範囲があるのですね。例えば我々が日常生活でたばことかなんかを持ってこなくたって、ただ野菜を食べないとか、運動をしないとか、あるいは県を移っただけとか、そういうことであるぐらいのリスクの範囲なのだということを説明しているわけですね。だから、わからないからすごい大きいということではなくて、逆に言えば、十分に小さいから科学的にはわからないと。ただ、それをいきなり被爆者の援護というものとどう結びつけるかという知恵を出すのをお願いしたいというような気持ちなので。
○神野座長 どうもありがとうございました。
 そろそろ時間でございますので、今日は生産的に御議論ちょうだいできましたことを深く感謝する次第でございます。冒頭にも、おおむね各委員からの意見は出たのではないかというお話があり、また、石委員からは、今後の進め方についての指針をお示しいただきました。森先生の言葉を使うと、「つくる段階」ですかね。つまり、そろそろ考える段階、これは繰り返すようで、行きつ戻りつですので、また戻っていただいても構わないのですが、そろそろつくる段階に入らせていただくということにさせていただいて、石先生からもちょっとお話がございましたが、今日出た御意見を踏まえて、論点別に、私たちが共通認識で持ち得る点、それから、どことどこがどう違っているか、それぞれに違った点などを整理して、最終的につくっていくのだけれども、最後、どういうまとめ方ができるかどうか、石先生、なかなか見通しが立たないというお話がありましたけれども、全部が共通は無理かもしれませんが、一応共通な部分はこんなものがあって、違う意見はこんなふうに出ているのだというような資料をつくっていただいて、それをもとに可能な限り共有できる認識を討論を通じてふやしていくということをして、つくる段階の第一歩を始めていきたいと。中間的なとりまとめみたいなものができればということを目指して、議事を進めさせていただきたいというふうに思いますが、そういう進め方をさせていただいてよろしいですか。
○田中委員 その際、まだやはりちゃんと議論できていないのは、本当に繰り返しますけれども、残留放射線の問題を放射線起因性の中にどう取り込んでいけるのかということがはっきりしないと、この問題は解決していかないですね。だから、高橋先生は、法律を変えることもあってもいいのではないかということであれば、私もそうした方がいいと思いますから、そうしないと区切ることはできないと思うのですけれども、その点を是非次回は集中して議論できるようにしていただければありがたいなと思います。
○神野座長 そこに集中するというわけにも、田中委員の意見だけをやるわけにいきませんので、全体を議論する中で、また田中委員からも御発言いただければ。
○田中委員 基本的にわからないことを被爆の援護にどういうふうに位置づけることができるのかという議論を是非していただきたいと思います。
○神野座長 わかりました。それもまた御提起いただければと思いますので。
 よろしいでしょうか。
 それでは、以上申し上げましたとおりに進めさせていただければというふうに思います。
 今日は本当にお忙しい中、御参集いただきまして、本当にありがとうございました。また多くの御意見をちょうだいしたことを深く感謝する次第でございます。
 どうもありがとうございました。
○榊原原子爆弾被爆者援護対策室長 済みません、事務的に1点だけ。
○神野座長 申し訳ありません。最後に事務局の方から日程その他について。
○榊原原子爆弾被爆者援護対策室長 次回の日程でございますが、調整の上、追って御連絡させていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。


(了)
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