ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 健康局が実施する検討会等> 原爆症認定制度の在り方に関する検討会> 第10回原爆症認定制度の在り方に関する検討会議事録




2012年3月28日 第10回原爆症認定制度の在り方に関する検討会議事録

健康局総務課

○日時

平成24年3月28日(水) 13:00~15:00


○場所

中央合同庁舎第5号館 厚生労働省 専用第18~20会議室(17階)


○議題

1.開会

2.議事

(1)論点に基づく議論
(2)その他

3.閉会

○議事

○和田原子爆弾被爆者援護対策室長 開会に先立ちまして、傍聴者の方におかれましてはお手元にお配りしております「傍聴される皆様への留意事項」をお守りくださいますよう、お願い申し上げます。
 これ以降の進行は神野座長にお願いいたします。
○神野座長 それでは、ただいまから第10回「原爆症認定制度の在り方に関する検討会」を開催させていただきます。
 皆様方には年度末の大変お忙しい中を御参集いただきまして、本当にありがとうございます。心より御礼申し上げる次第でございます。
 それでは、議事に入ります前に事務局の方から、委員の出席状況と資料の確認をお願いできますでしょうか。よろしくお願いします。
○和田原子爆弾被爆者援護対策室長 本日の出席状況ですが、森委員から欠席との連絡をいただいております。また、石委員、高橋滋委員からは所用により遅れるとの連絡をいただいております。
 事務局の方ですが、健康局長が国会用務のため、途中で退席をさせていただきます。
 次に、お手元の資料について御確認をさせていただきたいと思います。
 議事次第、資料一覧に続きまして、資料1「第9回検討会における主な発言」。
 資料2「論点整理(これまでの検討会での指摘)」。
 資料3は「田中委員提出資料」でございます。
 参考資料「原爆症認定及び手当支給の現状」でございます。
 資料に不足、落丁がございましたら事務局までお願いいたします。
 カメラの頭撮りは恐縮ですが、ここまででお願いをいたします。
(カメラ退室)
○神野座長 どうもありがとうございました。
 前回のこの検討会では、これから議論すべき論点について事務局に提示していただいた上で、委員の皆様方から御議論をちょうだいしたところでございます。
 今回は前回いただきました委員の皆様方からの御指摘と併せて、論点を整理した資料を事務局の方から用意をしていただいております。これに基づいて本日も議論をしていただければと考えております。
 それでは、事務局から御説明をいただければと思いますので、よろしくお願いします。
○和田原子爆弾被爆者援護対策室長 それでは、資料1、資料2について御説明させていただきます。
 資料1は前回、第9回検討会における主な発言をまとめたものでございます。説明は省略させていただきますが、お目通しいただきまして何か御指摘がありましたら、後ほど事務局まで御連絡をちょうだいできればと思っております。
 続きまして資料2「論点整理(これまでの検討会での指摘)」をごらんください。
 表の左側は前回、事務局から提示いたしました当面の議論のポイントをほぼ踏襲して挙げております。
 表の右側ですが、これに対応した形で前回あるいはここ数回の検討会での指摘を整理したものを挙げております。
 大きな柱の1が基本的な制度の在り方について。
 2が原爆症認定制度を前提とした場合の認定基準について。
 3が原爆症認定制度における手当についてとなっております。
 本日の議論のポイントとなるペーパーですので、表の右側を中心に少しお時間をいただいて説明させていただきたいと思います。
 まず「1 基本的な制度の在り方について」でございます。右側の検討会での指摘の欄ですが、原爆症認定及び医療特別手当の給付に手厚い援護を行う理由については、手厚い援護を行う理由として、放射線との関係を無視することはできないのではないか。全く病気のない人に被爆者健康手帳を持っているから手厚い手当を支給するのでは、手当の趣旨が違ってくるのではないかといった指摘がございました。
 次に、国が認定することについて、いろいろな考え方はあり得るが、国が認定することが基本ではないかといった指摘がございました。
 被爆者援護施策が拡充されていることについて、全体的に手厚い援護制度になっている。健康管理手当を含めてほかの仕組みを視野に入れ、バランスを考える中で原爆症と認定された者への給付の在り方を検討しなければならないのではないか。今の認定制度はパッチワークの積み重ねでできており、見直すのであればスクラップ・アンド・ビルドをしないといけないのではないかといった指摘がございました。
 2ページ「2 原爆症認定制度を前提とした場合の認定基準について」でございます。こちらにつきましては、まず科学的知見をベースに置くことについて、科学的知見をベースに考えることが基本ではないかという御指摘があった一方、科学的知見だけで判断するのでは認定の姿勢として硬過ぎるのではないかといった御指摘もございました。
 被爆者救済の視点等も踏まえることについて、「国民が納得できる形で行われるよう」ということについて、各委員でその取り方が違うと思う。野放図に財政負担をしていいという書き方は無理ではないか。司法と行政の乖離というが、被爆者に寄り添う姿勢が根底にあるべきではないか。仮に放射線でがんによる死亡が1.5倍に増えたとしても、その結果からある特定の個人にがんが発生した原因が放射線かどうかはわからない。科学的には不確実なところがある。科学に限界がある中で科学を曲げないで援護をどうするか考える必要がある。科学的知見と高齢化した被爆者の救済の両面で、制度の折り合わせの難しさが現実に出ているのではないか。
 3ページ、科学的知見では原爆症と認定できないが、放射線の影響による健康影響か、加齢や生活習慣等が主たる原因かを厳密には切り分けることは現実にはできないこと、被爆者が高齢化していることを踏まえると、科学的知見では原爆症と認定できないが、準ずる状態をグレーのゾーンとして認めるべきではないかといった指摘がございました。
 放射線起因性があることと科学との整合性について、放射線起因性の判断について科学的な知見を離れるのはまずいが、科学的知見を尊重することと、要件としてストレートに起因性を持ち込むかということは、切り離して考える余地がある。放射線起因性という以上は科学的であることが必要であるが、原爆の被爆による健康被害を受けたというような、科学だけにとらわれないようなニュアンスがあってもいいのではないかといった指摘がございました。
 要医療性についてですけれども、こちらも論点の一つかとは思いますが、本日御議論いただければと思いますけれども、これまでの検討会の中で議論がなかったので、ここは空欄にしてございます。
 司法判断を踏まえた認定基準について、行政認定と司法判断が乖離しているのは適当ではない。司法は色々なファクターを整理して、原爆症認定に値すると判断をしているといった御意見ですとか、4ページ目になりますが、現行制度の基本的なものは維持しながら、裁判例で認定が広めになっていることに対応した新しい何らかの枠組みを考える必要ではないかといった指摘がございました。
 個別事例として出された判例を取り入れることについてです。ここも様々な御意見をいただいているところです。裁判例では、現実には否定し切れないことをもって原爆症としている場合もあるが、そこまですべて認定を拡大すべきではない。下級審判決はばらつきがあり、是認できる下級審判決と、ややどうかという問題点を含んでいる下級審判決もある。総合的な判断でどこまでを救えるかを考える必要がある。司法では急性症状を加味して認めるところがあるが、嘔吐、下痢などが起きたからと言って強い放射線を浴びたとは必ずしもならない。行政判断の基準として持ち込むべきではないのではないか。医療分科会には要医療性の問題を中心に判断していただき、放射線起因性はなるべく客観的な基準を並べて、当てはめて判断できるようにするのがよいのではないか。科学的というところは議論があるにしても、個別の事情を勘案して判断していくところについては、歩み寄りの余地があるのではないかといった指摘がございました。
 5ページ、裁判例と現行制度との整合性、国民が納得できる判断指標について、司法判断をどういう形で取り入れるか、あるいは新しい仕組みを組み合わせることによって救済できないか。医療分科会の積み重ねや個別ケースで裁判所が個別的に判断して認めてきた例がある。ある程度これまでの経験を基礎にして、距離要件、時間の要件、疾病などから認定の要件に取り込んでいくことは考えられるのではないかといった指摘がございました。
 原爆症認定の考え方、これは枠組みといったところについてですけれども、科学的知見では原爆症と認定できないが、準ずる状態をグレーのゾーンとして認めるべきではないか。新たなランクには援護の必要性など、従来型の科学的知見とは少し異なった新しい視点を設けて判断することはできないか。ランク付けは一つの方向ではあるが、基本の枠組みである放射線起因性とのつながりを新たなランクでなくしていいとは踏み切れない。単に健康管理手当レベルではなくて、もう少し高いレベルで放射線との関係が認められるべきではないかといった指摘がございました。
 6ページ「3 原爆症認定制度における手当について」でございます。こちらにつきましては原爆症認定制度における手当の趣旨や水準について、手当だけでなく、被爆者にさまざまな現物給付がされている。その上に手当が必要かという意味合いを考えるべきではないか。被爆者であっても一般の人と全く変わりない生活をしている方もいる。一律に医療特別手当を支給するのは理解が得られない。原爆症という一番重い方々への給付については健康管理手当を含めてほかの仕組みを視野に入れ、バランスを考える中で、在り方を検討しなければならないのではないかといった指摘がございました。
 医療特別手当と健康管理手当の差について、手当が二極化していることが難しさを増加させている要因。手当のランク付けも1つの方向ではないかといった指摘がございました。
 原爆症認定制度をめぐる問題解決のための方策について、原爆症と認定はできないけれども、準ずる段階(新たなランク)を設ける場合、医療のほかに介護や日常生活支援等の必要性のある方と、その状況に応じて一定の支援措置を講じてはどうか。被爆者の高齢化という現実を踏まえていったときに、制度の施策体系、福祉サービスなどを充実させていくという方向性もあり得るのではないかといった御指摘がございました。
 事務局から資料1、資料2について説明をさせていただきました。
 以上でございます。
○神野座長 どうもありがとうございました。
 事務局の方からは御説明がありましたように資料2で、これまでこの検討会での蓄積を基に、議論のポイントと対比しながら検討会での指摘をまとめていただいております。本日は先ほど申しましたように、繰り返しになりますが、この資料を基に議論を深めていっていただければ。議論がまだ出ていないところや、深掘りしていく点について御議論ちょうだいできればと思っております。
 議論に先立ちまして、前回の検討会で田中委員から資料に基づいて意見を述べたいという旨の御発言がございましたので、初めに田中委員から時間の都合上申し訳ありません、10分程度で、かつ、今日の検討会を生産的に進める意味でも、論点の整理のポイントなどを念頭に置かれて御説明していただけるとありがたいと思っております。
 それでは、お願いいたします。
○田中委員 10分では無理かと思いますが、一応御提案をしたいと思うんですけれども、その前に1つ。
 実は第4回だったかと思うんですが、森座長あてに私が要望書を出したことがございます。これは資料にはなっておりませんけれども、委員の皆さんのところにはお送りして、こういうものを座長にお願いしたということを申し上げました。それをちょっと読み上げさせていただきます。
 具体的に申しますと、提案がいつも事務局から出てきて、それに従って議論をするということになっているんですけれども、何を議論するかということは、まず委員に諮ってやっていただきたいという趣旨のことを申し上げたものです。
 今までの会議の進行に関して、事務方と座長との相談はあるかもしれませんが、事務方の一方的な理由で会議が進められるおそれを抱きました。このおそれは検討会発足前にもありましたので、第1回の検討会に当たり、私から検討会の運営の在り方について文章に基づき発言をさせていただきました。そこでは検討会が自主的で民主的で運営されることを求めました。このことは会の運営は座長の提案を委員の了解を得ながら進めることが前提であることを含んでいました。しかし、このことが既に壊されていることを強く感じます。
 そこで改めて第3回の検討会の冒頭で、委員の1人として座長に次のことを提案したいと思います。この提案については他の委員の方々にもあらかじめお知らせしておきたいと考えております。
 ということで提案の内容は次のとおりです。
 1つ、検討会の目的が司法判断と乖離のある原爆症認定行政の現状を改め、原爆症認定制度の抜本的な改革の指針を打ち出すことにあることを確認していただきたい。
 2つ目が、検討会の報告のめどを昨年になりますが、8月とし、会合の日程について委員の合意を得ておいていただきたい。
 3つ目が会議の運営。ここが大事なんですが、会議の運営、会議の進め方については検討会が自主的に、かつ、民主的に行い、事務方は庶務に徹していただきたい。
 4つ目が、会議の進行については今回あるいは次々回の検討内容を座長から提示し、全委員の了承を得て進めていただきたい。
 こういうお願いを森座長に出しまして、その後、森座長が病気になられましたので直接の回答はいただけなかったんですけれども、一度こちらに御出席になったときに、私あてということではなかったが、委員の皆さんにお話があるというお話をされて、自分の進め方の考えを出されたと理解しています。
 そのことをもう一度確認していただきたい。特に座長は委員が自由に議論をして、これからつくっていく段階になりますので、つくる中身を議論していだきたいと思っています。
 そういうことからしますと、前回出されました議論のポイントというのが、やはり私どもから見ると事務局が考えているポイントと受け取れられますので、本来であれば前回、このポイントで議論を進めていいかということで諮っていただきたかったと思っております。
○神野座長 私としては一応皆さんにお計らいして、ほぼ了承を得たということで運営させていただいていると承知しております。私の認識としては、議論のポイントについては最初に田中委員からもいかがという御意見が出ましたが、片一方でそれに対する意見も出て、私としてはそれを踏まえた上で、こういう形で進めさせていただいてよろしいかと了解をとった上で。
○田中委員 私は報告と理解していたんです。
○神野座長 ポイントについてこういう形でもって進めていこうという、論点の整理ですね。こういう論点でもって議論を進めていこうということについては、前回了解を得たと思っておりますし、最後に当たっても今回の進め方については、私の方からこれを深掘りするようなことで進めさせていただきますからということは、了解を得ながら進めさせていただいておりますので、委員の皆様方の御意見を踏みにじるような形で運営しているという認識は私は持っておりません。
○田中委員 踏みにじっているというふうに申し上げておりませんで、ちゃんと確認をしていただいていたかということを申し上げたんです。
○神野座長 確認をとりつつ進めているつもりであります。
○田中委員 私はいろいろ発言しましたけれども、報告に対する私の疑義という格好で発言しておりましたので、つくることにおいての議論をもってしていくと私は理解していなかった。
○神野座長 つくる段階ということではなくてですね。
○田中委員 被団協、私が提案しましたね。提案したのも諮るかどうかということを提案していただきたかったと思うんです。
○神野座長 議論をこれからつくる段階にはまだ行っていないんだけれども、つくる段階に向けて考える段階で議論を進めていく上で、こういう論点に基づいて議論をしていっていいか。これは賛否その他を言っているわけでは、方向性を出しているわけではありませんので、論点がこういうふうにあるということについてはいいですねというとは、御理解をいただいたと思います。
次回の説明のときも、この論点については一応ここで合意をいただいたので、今回田中委員から最初に御発言いただく際にも、多分、荒井委員だったと思いますが、なるべくこの論点に沿うような形で御発言いただいた方が、この検討会では生産的なのではないかという御指摘があったものですので、それを踏まえて今日、冒頭に申し上げた次第でございます。そういうふうに認識して進めておりました。
○田中委員 わかりました。後半は私もそういうふうに申し上げましたけれども、論の立て方が一番私どもが納得できなかったのは、原爆症認定制度を残すという前提で議論を進めようとしているところが、一番納得できなかったんです。というのは今日、申し上げますけれども、これまで8回までの議論は今の制度では司法と行政との乖離を埋めるのは難しいのではないかと議論が進んできたと思っているんです。だとすると、今の制度を残したまま何ができるかという議論ではなくて、どういうふうに新しいものをつくっていくかという議論を本来検討会は委ねられていたと思いますし、そういう方向で私どもは発言してきましたし、これからつくる段階に入ったら、そういう議論をするのではないかと思っておりました。
 ですから、この前、残すとしたらというのが前提になった2つのポイントがありましたけれども、それでいいのかどうかというのは座長はお諮りにならなかった。一番最初の第一点だけは。
○神野座長 そこは検討会の諮問事項が、私どもの認識と違っているところがございまして、一応認定制度の在り方と了解をしておりますので、認定制度そのものを否定するということについては入っていない。
 荒井委員、何か御発言があったらどうぞ。
○荒井委員 この段階で私が発言するのが適当かどうか迷いがあるんですけれども、田中委員が事前にお出しになっているペーパーを読ませていただきました。それで今、御指摘になっている資料2の論点整理の中で、2ページ以降に原爆症認定制度を前提した場合の認定基準についてという、その柱の下で議論のポイントと検討会での指摘が左右の欄に書き分けられてある。この取り上げ方について、田中委員があたかも原爆症認定制度を今後も前提にするんだというような御理解の下に御意見を出しておられるのではないかと私は読ませていただいたんです。
 ただ、この資料は原爆症認定制度を今後もそのまま維持するとか維持しないということについては、多分色付けはない資料だと思うんです。現在の認定制度をどういうふうに見直していくかということを議論するについて、どういう議論のポイントがあるのか。それに対してどういう考え方があるのかということを整理したわけであって、現在の原爆症認定制度を根本的に改める、やめてしまうのかどうかということは、これまでもそうですけれども、これからの議論の中で中身の議論をしていけばよろしいのではないでしょうか。
 ただ、言えることは、冒頭第1回目から私も意見を言わせていただいたことがあると思いますが、まずは現在の制度の中にどういう問題があって、それをどういうふうに改めることができるかという現状の認識なり、問題点の洗い出しから始まるのではないかということで、ここまで議論を重ねてきたのではないでしょうか。
 ですから、田中委員が今日お出しになっているペーパーの中のその点は、これから中身について御指摘があり、我々も意見を出していけばよろしいので、何もお役所の方が現在の原爆症認定制度を前提として今後の制度を構築すべきであるなんていうことは、色付けは全くないという理解でいいのではないでしょうか。私はそう思います。
○田中委員 そのことに関して私どもは10条、11条に基づいて行う現在の原爆症認定制度というのは破綻している。もうやれないのではないかと考えているんです。なぜそうかというのは司法と行政の乖離が大きくて、それが埋まっていかないということから来ていると私どもは思っているものですから、なぜ埋まらないかということを事務局に私は何回も御質問をしたんです。しかし、形だけの説明はあるんですけれども、なぜ埋まらないものがあるかということについての背景は御説明にならない。だとすれば、今の原爆症認定制度というのは成り立たないのではないかと思うんです。
 端的に申しますと、今までの認定の行政を見ていきますと、初期放射線以外の放射性物質による放射線の影響は認定の中に入っていないということを思います。それは草間先生なんかも話をしていただければいいと思うんですが、ほとんど、多少入っていますから全くとは言いませんが、降下物の影響がほとんどない。高須地区と西山地区以外のことは全くないんです。実際はそうでないと裁判所はずっとそういう判断をしているから、行政との乖離が解けないんです。
 この前の大阪の地裁判決も、結局そこのところで認定すべきだと言っているわけです。だから心筋梗塞の2人でありますけれども、認定をした。しかも厚労省は確定されましたね。ですから、今の認定制度で確定されたのかどいうかというのが私は多少首をひねるところがありますけれども、そうであるとすれば、この問題はかなり大きな問題をこれから引き起こしてくると思うんです。
 時間が長くなりますから、そういうことからして私どもは論点整理の出発点は、今までの認定制度ではやっていけないのではないか。そのことを確認していただきたいと思ったんです。ではどういう制度をやれるかということを議論していくというふうに、これからの議論の組立て方を提案していただきたいと思っていたんです。
○神野座長 私は森先生からも、また、今日に当たっても御指示を幾つかいただいておりますが、森先生の考え方は、そもそも対立を超えて納得という方向でこの会議を進めていこうというのが基本的なお考えです。私もそれを引き継いでおりまして、正しく問題を整理すれば、そこには既に答えの半分が含まれているんだという言葉がありますように、今、荒井委員がおっしゃっていただいたように、現行の原爆症認定制度をめぐって起きているさまざまな問題を正しく整理して、そして在り方を求めていこうというのがこの検討会の目的だと了解をしておりますので、最初から現在の認定制度というか、どこまでかという範囲がいろいろあるのかもしれませんが、認定制度そのものの存在を否定するような形から議論に入るという進め方では、森先生はおやりになっていなかったと思いますし、私もそれを引き継いでいくような運営をさせていただいておりますので、最終的にここでの検討会での議論で、全くこれは存在するに値しないということに到達するのであれば、またそれは1つの答えかもしれませんが、どういう将来像を模索するのかということで、現状の問題点その他を議論してきたと認識している次第でございます。
 その点が主なポイントで御説明いただいたと了解していいのか、まだあるのであれば御発言いただければと思います。
○田中委員 森先生は知って、考えて、つくるというふうにおっしゃっていました。森先生がタッチされたのは、知って考えるところだったんです。だから知って考えることはいろんな今の制度の問題点をみんなで出し合うわけですから、私もいろんな意見を出し合いました。その8回までの皆さんの御意見を伺っていると、新しい何かをつくらないとやっていけないのではないかという流れになってきていると私どもは理解していたんです。今度お出ししました論点整理の中にも書いてあります。第8回の先生方の発言の大部分は、どうやって新しい制度をつくるかという趣旨の御発言だったと私は理解しているんです。
そういう理解からすると、前回事務局が出してきた認定制度を前提とした議論となりますと、全部吹っ飛んでしまう。流れと違う論点を出してきたと私は理解しました。
○神野座長 それも1つの論点として、委員の皆様方から御意見を伺うということでよろしいですか。委員の皆様方から、私はそのように認識していなかったものですので、後で1つのアジェンダとして取り上げさせていただければと思います。
○田中委員 かいつまんでというのが、話が下手なものですから急いで読み上げさせていただきます。
 意見と提言ということで書いてあるんですけれども、1の「論点整理」の提出については省略いたします。
 2.「論点整理」から見えるもの、「当面の議論のポイント」の問題点には私が発言したことが入っていますけれども、この「論点整理」から明らかなように、前回事務局から提案された「当面の議論のポイント」は、これまでの検討会の議論の流れを踏まえたものになっていません。むしろ検討会の設置の趣旨に反する議論のポイントが冒頭に提起されるなど、検討会のこれらの議論の流れに掉さす意図的な方向性が盛り込まれることを感じざるを得ません。
 まず「当面の議論のポイント」の1に挙げられている「基本的な制度の在り方について」は、まず検討会が設置された経過を踏まえた議論を確認するところから始めるべきです。次いで司法と行政の乖離の意味するところの議論をするべきでしょう。このことは論点整理を見れば明らかです。
 更に「当面の議論のポイント」の2と3は「原爆症認定制度を前提とした場合の」との限定条件が入っていて、現行認定制度の存続を前提とした議論のポイントになっています。前にも述べたように本検討会は現行の原爆症認定制度では、最高裁や一連の集団訴訟の司法の破断が示す法の趣旨に沿った援護施策にならないから、見直しをすることを目的として設置されたのではないでしょうか。そうだとすると「当面の議論のポイント」は全くの見当違いな提起になっています。
 そこで、これまでの議論の流れに沿った「論点整理」を簡潔に説明し、幾つかの点について「議論を深めるためのポイント」提示して、次いで、既にこれまでの議論の中で明らかになっている原爆症認定制度に代わる新しい援護制度のたたき台として、前回文書で提案した「原爆症認定制度の在り方に関する日本被団協の提言」の骨格について説明いたします。
 ここからが説明なんですが、3.「論点整理」から提起される議論のポイント。
 まず、論点整理から提起される議論のポイントを挙げます。
 (1)認定制度検討会が設置された経過の確認、原爆症認定制度の改正に込める被爆者の思いを確認すること。
 (2)長崎松谷原爆裁判の最高裁判決と孫振斗裁判の最高裁判決が示した現行法の援護施策には「特殊な戦争被害についての戦争遂行主体であった国が自らの責任により救済を図る一面を有するもので・・実質的に国家補償的配慮が制度の根底にある」ということを確認すること。また「高度な蓋然性」という考え方は、結論から言えば科学的な厳密性や統計学的な優位性を求めるものではなく、つまり、被爆実態に沿った事実認定を行うべきものであることを確認すること。
 (3)最高裁が指摘する現行法の施策の在り方から見て、現行法の第10条、第11条によって特定の疾病に対する「放射性起因性」「要医療性」を科学的知見のみで立証し、認定することは困難であることを確認すること。
 (4)最高裁判決をよりどころとする集団訴訟の司法の判断と行政の判断の乖離の解決は、現行の認定制度ではもはや不可能であり、新しい認定制度の制度設計が必要であることを確認すること。集団訴訟以降の提訴に対する3月9日の大阪地裁の判決も、行政の誤りを指摘しています。この確認のためには幾つかの論点の議論と確認が必要かもしれません。
 1)高度な蓋然性のとらえ方について厚生労働省は最高裁判決に従い、原告の認定を確定したが、納得していない(認めていない)のではないでしょうか。
 2)集団訴訟での司法の一連の判断も認めていないのではないでしょうか。確認書がなければ最高裁まで争うつもりでいたのではないでしょうか。
 (5)放射線の健康に及ぼす影響として低線量放射線、放射性降下物による内部被爆、外部被爆の影響を認めること。
 (6)放射性降下物の内部被爆、外部被爆を認めると、現行の認定制度の基準づくりはできないのではないか。
 (7)第8回検討会までに出された現行認定制度に代わる援護の在り方、制度改善の方向については下記のように多くの意見が出されました。論点整理では10委員、4参考人からの改正の方向性に関する22件の発言を議事録から紹介します。ここからも議論のポイントが引き出せます。その幾つかを列挙しておきます。
 1)積木細工のような制度を総合的に見直すべきではないか。
 2)健康管理手当と医療特別手当の格差が大き過ぎ、実態に合っていない。
 3)放射線による疾病に対する援護は科学的にこだわるのでなく、社会、経済、倫理、愛情、思いやりの幅広い見地に立った施策にもなるよう。
 4)高齢化した被爆者の公平化を図る意味でも、被爆者には何らかの形で放射線が関与していると見ることができる。現行の手当制度を総合的に見直すことが必要である。
 この論点で議論をしていただきたいという提案がここに書いてあります。
 時間をいただいて、提言の簡単な骨格だけを御提案させていただきます。
 4.「原爆症認定制度の在り方に関する日本被団協の提言」の骨格について。
 (1)原爆被害の特殊性から見て、現行法は国家補償的配慮のある法律であることを大前提として、放射線被害を総合的に判断した新しい援護施策を行うものとする。
 (2)現行法第10条、第11条に基づく原爆症認定制度は見直し、被爆者の健康管理と治療・療養及び介護のすべてを国の責任で行う抜本的改善を行うこと。
 (3)何らかの放射線の影響を受けていることから、被爆者全員に被爆者手当を支給する。医療特別手当、特別手当、健康管理手当、保健手当は廃止する。被爆者手当の基礎額は現行の健康管理手当相当額とする。
 (4)障害がある者には、その総合的障害の度合いに応じた手当の「加算」を行う。
 (5)手当の加算区分は3区分とする。加算額の最高は被爆者手当の基礎額に加算された総額が現行の医療特別手当相当額とする。
 (6)3区分の内容は法律の改正と同時に定める。それぞれに該当する疾病と、その重篤度に応じた生活の質に対する判断は、日本被団協推薦の委員を含み、新たに設ける「被爆者援護審議会(仮称)」で行う。
 (7)区分に対する認定は都道府県知事、広島・長崎市長が行うものとする。
 (8)認定に当たって、申請者の医師の診断書が尊重されるという提言を前回出してあります。これは長い文章が付いておりますけれども、ですから、この議論はどういうふうにしていただけるかということを、座長に諮っていただきたいと思います。
 以上です。
○神野座長 それでは、今日は草間委員が途中退席されるという話なので、よろしければ草間委員に最初の口火を切っていただければと思います。
○草間委員 特に資料を用意してこなかったので、ばらばらになってしまうかもしれませんけれども、先ほど田中委員がまずこの検討会の持ち方がどうかというお話だったと思うんですが、先ほど荒井先生が言われたように、私も現行制度がいいか悪いかをまず検討してというお話だったと思います。森先生が最初に言われたように知る、考える、つくる段階を経てやりましょうという形で、今は知る、あるいは考える段階で、それぞれ現行制度にどういう問題があるかということを含めて議論することだと思います。現行制度がいいとはだれも思っていないのでこういう検討会が設けられたわけですので、今の制度に対する問題点をしっかり洗い出し、さまざまな視点から意見を出しましょうという形でやっていますので、私も今の制度を前提として議論するという立場では話をしておりません。
たまたま事務局が出したものが今の制度が前提でとあるので、そうとらえられたかと思いますけれども、私は委員の1人として参加しているときに、今の制度がそのままいいか悪いかというよりも、どういう問題点があって、それで改善するということでいくのか、あるいは全く新たな仕組みをつくる必要があるのかというところは、次のつくる段階で議論する。さまざまな論点整理が行われたところで次の段階に行くのではないかと思っています。
 知る、考える、つくるというのは、それぞれバウンダリがはっきりするわけではなくオーバーラップしながらですけれども、今、例えば考えるで議論しているのか、つくるで議論しているのかというので大分発言の状況が違うので、とりあえず今は私どもは考える段階で議論している。
 そこで是非事務局の方でこういった論点整理、結構もう大方意見が出し尽くされたのではないかと思いますので、次にどこの段階でつくるという視点で、みんながそこに焦点を合せながら発言をしてほしいというような、タイムスケジュールをつくっていただくといいかなと思います。だから、つくるという段階にそろそろ。今日田中委員から御提案いただいたのは、まさにつくる段階のかなり具体的なものが入ってきていると思うんです。
そういう意味ではつくる段階に焦点を合せて議論していきましょうというのは、例えば次回とかどこかの段階で、最終的にはどういう形で報告書をまとめるにしても、中間答申みたいな形だとしたら、それをいつごろの時期にしましょうというタイムスケジュールがあって、その中で考えていくということで了解させていただくといいかなと思いました。
 まずそれで、最初の検討会の在り方については、決して今のものがそのまま行くとは思っていないし、場合によっては改善で済むのかもしれないし、全く新たな枠組みをつくらなければいけないかというのは、この次のつくる段階で皆さんで議論していくことではないかと思っていますし、そういうつもりで私も参加しております。
 今日いただいた論点整理の中で、前々回も発言させていただいたんですが、いずれにしましても原爆症の認定である、その原爆症というのは絶対外すことはできないのではないかと思うんです。なぜかと言うと、今日の田中先生のペーパーにもありますように、国家補償あるいは戦争責任という形になりますと、東京大空襲はどうなるのとか、沖縄はどうなるのという問題に拡大していってしまうので、あくまでもここは原爆症の認定という、その原爆症であるということは外さないようにしておかないといけないのではないかと1つ思います。
 そのときに現在の認定制度の中で原爆症と言ったときに、医学的に原爆症というのはこれこれだという定義はないと思います。そこで、今の認定制度の中では、原爆症に関しては放射線起因性で判断しましょうという形になっていると思うんです。
それで私は前々回も発言させていただいたように、被爆者も高齢化してきておるわけですし、一応、私も放射線防護の専門家としてやってきておりますので、放射線起因性と言うと原爆だけでは収まらないです。福島にも関係する。あるいは今、私も関係しておりますけれども、職業病認定にも関係するという形で、放射線起因性と言うとあくまでも科学的に判断しましょうという形で広がっていってしまうので、どちらかと言うと原爆起因性という形で規定したほうがよいと思います。原爆症は原爆投下に起因してという形になります。放射線起因性と言うと科学であることが前提になってしまうので、行政と司法の乖離が起こってきてしまっているので、だからそういう意味では少し幅広くサポートするという形で考えると、科学だけでやるというのではなくて、原爆起因性という形で原爆症を定義する必要があるのではないかと思います。
今は放射線に起因して発生した疾病あるいは、放射線によって疾病の治癒が遅れたという形で原爆症を定義しておりますので、その定義を変えるというか、原爆に起因して云々という形でやると、科学の枠を超えたところで考えていけるのではないかと思いますので、是非そういったことをお願いしたらどうかなと思います。
 今日、田中先生の提案いただいたつくり方の案ですけれども、なかなか面白いし、1つの案だなと思いつつ見せていただいたんですが、ただ、提案の中の幾つかで、最初に原爆手帳を持っておられる方たちについては、全部対象にしましょうという御提案は納得がいきません。認定は原爆症ですので、症というのは要するにシンドロームというか疾病ですので、だから原爆手帳を持っているからすべての方たちにまず手当をというのはアグリーできないです。
原爆症の認定でランク付けをするというのは1つのアイデアではないかと思います。新たに放射線起因性以外の要因を入れて例えば医療の程度とか介護の程度といったものに着目しながらランク付けをしていって、手当を出すことも1つのアイデアではないかと思って拝聴させていただきました。
 被爆者の皆様が、高齢化してきているので本当に手厚くというのはそのとおりですけれども、一方、これだけ医療というか国の財政が逼迫している中で財源をどうするか。これも要するにいずれにしても税金を使ってこういった手当あるいは制度を組み立てるわけですので、国民全体の納得が得られることも大変重要なことではないかと思います。そういう意味では原爆にかけられる財政負担というのは、大体どのくらいかということを念頭に置きながらやらないといけないのではないかと思いますので、そういったことも念頭に置きながらランク付けをしていくのが、1つのアイデアではないかということで読ませていただきました。
 論点整理と今日、田中先生からいただいた提案を基にそんな印象を持ちましたので、発言させていただきました。
○神野座長 ありがとうございます。
 それでは、どうぞ委員の皆様方から御意見ちょうだいできればと思います。
○潮谷委員 田中委員から出されたただいまの問題についてですが、草間先生おっしゃいましたように、認識といたしましては、まず実態がどのようになっているかということを司法の判断、行政の判断等々含めて知る。その中から私たちは何が問題点なのかということをしっかりと考えていく。
そして、更に制度をそういった判断に基づいて今後どのように制度設計を考えていくのかという、認識論としてお示しをさせていただきたいと思います。
 1つ、草間先生に伺いたいと思いますのは、原爆症の認定に関わる中身として「放射線による健康被害という」というフレーズが法律の中に掲げられているんですが、草間先生の今の御意見、それから、前々回のときの御意見でも少し引っかかりがあったのは、先生のお気持ちとしてはこの放射線起因性ということになると、今日では福島の問題含めて非常に影響が大きいといった意味で、原爆症認定ということを考えていくときに、文言フレーズ含めて考え直しをしていくことが必要ではないか。そういう前提の中での御発言でございましょうか。
○草間委員 そうです。まさにそうで、今の原爆症の認定は、要するに原爆症というのは医学的にこれこれこうという定義は多分ないと思うんです。だからこの認定制度の中では症という言葉が使われているわけですけれども、その中で放射線に起因した、あるいは放射線に被爆したことによって疾病の回復能力が遅れた。それについて保障しますよという形であるんです。
だから、いずれにしても放射線を受けたことによって、それがかなり疾病の発生に関係しているんだということと、治癒が遅れたというのは実はかつて今はもうなくなったんですけれども、ケロイドを保障するときに、要するに火傷で皮膚の、過形成が起こった状態ですけれども、そのケロイドを保障するときに、ケロイドそのものは放射線起因性ではないんです。そこでケロイドの方たちを保障するためにつくったと思います。要するにケロイドが起こるということは、放射線を受けたことによって治癒能力に損傷を受けたんだろうという形でつくったと私は認識しているんです。そういうことでかなり科学的に判断していると考えています。
 今、たまたま私が関係している職業病認定では、放射線作業者はきっちり線量評価が行われておりますので、だから線量との因果関係をしっかり考えながら、かなり科学的に業務上外の判断をしておりまので、そういう意味では放射線起因性と言うとかなり科学的になります。今の法律の中の放射線起因性という言葉が残る限りは、私たち科学者としては、科学的にこだわってしまうんです。
 私自身は自民党のPTができ新しい認定基準ができた段階で科学を外れたと思っています。あれはまさにポリティカルな判断でああいう形になったので、だから既に科学を外れてしまっているわけですので、だから文言も最初から放射線起因性というのは除いたらどうですかというのが私の思いです。
○潮谷委員 ありがとうございました。
 やはりつくる段階というところでは、ただいまの先生の御発言等々論議としては私どもも考えていかなければならないのではないかと思います。
 そういったことを含めながら、科学的知見に基づく認定というのは今、草間先生もお触れでございますけれども、現状ではやはり私たち委員として難しい。非常に難しい。そこに司法的な判断というところでも必ずしも科学的に厳密に基づいてということより総合的な判断、個別的な判断の中で判例が出されてきているという状況があります。ですから、本当にこの中で私たちは認定の範囲を広く国の責任においてとらえるということは、必要ではないかという思いが1つあります。
 手当の問題についてですけれども、特に被団協から出されている6の問題についてなんですが、段階的な手当を考える必要があるという点は私も理解できるところです。
しかし、その一方で被爆者全員に手当を支給するというときに、何らかの根拠性が出されてこないと、国民の理解というのはなかなか得難いところが出てくるのではないか。例えば手当額に差をつけるというような意味で日常的なADLを1つの考えにしていくとか、医療の必要性がどのぐらいあるのかとか、何らかの客観性が担保されないと難しいかなという印象を持ったところです。
 以上です。
○神野座長 どうもありがとうございました。
 山崎委員、どうぞ。
○山崎委員 まさに今日は田中委員の御発言を論点として今、議論が進んでいるんだろうと思いますけれども、私自身は科学的な知見は、つまり現在の認定制度がしている科学的な知見というのは、基本的に尊重するという立場でございます。
 ただ、科学的な知見では今、生じているいろんなもろもろの問題、まさに司法の判断でも提起されていることですが、それに十分に対応できない限界も感じております。
 その部分を原爆症の認定を緩める、ルーズにするということではなくて、科学的な知見には十分に耐えられない部分はグレーなゾーンとして、原爆症に準ずる状態として実質的な援護をするという方が、弾力的な対応ができるのではないかと考えております。
 今日のこのペーパーの4で具体的な提案をされているわけですが、私自身も被爆者全員に被爆者手当、基本は現在の健康管理手当とするということなんですけれども、これはちょっと納得できないという感じがいたします。というのは、額は基本は健康管理手当程度と言うんですが、被爆者の方の9割が事実上、医療特別手当も含めて多くは健康管理手当ですが、それを受けておられるわけで、残る1割の方々から何か積極的な要請があるのかどうか。
それから、今、残る1割の人が健康管理手当を受けておられないにしても、生涯受けないということでは必ずしもなくて、私も広島に住んでいた実感からすると、年をとるにしたがって60のときは受けられなかったけれども、80、90になれば受けているということも多いわけでございまして、永遠に受けられないということでもありませんし、したがって、被爆者全員というのは要求する側としてはわからなくもございませんが、それこそ国民のというよりも地域の方々の、広島、長崎の地域の方の理解も必ずしも得られないのではないかという気がいたしております。
 4の障害がある者には、その総合的障害の度合いに応じたというのは、まさに私も言っていますように科学的な知見に耐えられる原爆症とは言えないけれども、現実に被爆して高度な蓋然性はないにしろ、一定の蓋然性があって放射線の影響を受けている可能性がある。その上に現実に医療を必要としている、看護を必要としている、介護を必要としている、そのほか日常生活もろもろの不自由をされているかもしれません。そういったものの度合いに応じて幾つかのランクを付けてはどうか。まさにここに書いてあるとおりだろうと思います。
 新たに日本被団協推薦の委員を含む被爆者援護審議会を設けるというわけでございますが、今の国の審議会は基本的に学識経験者の中から大臣が任命するという形をとっていると思いますけれども、中医協や労働委員会のように三者構成のものもあります。ただ、その三者構成であっても例えば日本医師会が推薦すれば、自動的にそれを委員にするだとか、日本労働組合総連合会が推薦すれば、自動的に委員にするということでは必ずしもないのではないかという気がいたしておりまして、仮にこういう審議会を設ける場合も、被団協の方に事務局は内々に相談を申し上げることがあってもいいかもわかりませんが、実際には学識経験者として大臣が任命するということで、やはり中立性、客観性は担保しないと、それこそ国民の理解は得られないのではないかと思います。
 区分に対する認定は都道府県知事、広島、長崎市長が行うということでございますが、先ほど来の御発言にもありますように、これは援護の措置ですべて国が認定されたものについては財源を工面しているわけでございまして、これはやはり基本的には国に置くことになるのではないかと思います。ただ、その場合でも現在と同様に支給事務は当然知事なり市長にお願いすることがあってもいいし、私が提案しておりますようないろんな援護を必要とする基準を設けるに当たっては、まさに今、要介護認定を市町村でやっていますように、現場の力を借りるということは当然必要になるのではないかという感じがしております。
 以上、私の意見でございます。
○神野座長 荒井委員、どうぞ。
○荒井委員 冒頭、田中委員からの今日いただいたペーパーの御説明があって、それをめぐっての意見交換ということで、何かあたかも田中委員の御提言の是非をめぐっての議論に集中してしまっているような感じで、若干私は違和感を覚えているんですが、今日の予定は事務局で整理された資料2に基づいて、つくる段階よりも一歩手前ぐらいの、前回以来ややいわゆるつくる段階に入りかけているようには思うんですけれども、まだ具体的にどうこうと言う段階ではないと思っていたんです。
 田中委員の御提案というのか問題提起がかなり具体的なところがあるものですから、私も意見は考えているところはあるんですけれども、今日申し上げるのはさて置いて、もう少し前回以来、整理されている論点についての大づかみの議論をもう少しやってもいいのかなと。更に事務局の方にお願いするとすれば、今日、田中委員の御提案に含まれている具体的な論点も意識しながら、つくる段階にぽつぽつ入ろうかというその準備作業としての論点整理といいますか、そういう運びにしていただけたらと思うんです。
 今日はもう少し大きいところで、先ほど草間委員の御指摘でしたか、原爆起因性という言い方でどうだろうかと。私もこれまでの議論の中で、確かに放射線起因性という非常にとらえにくい科学にも限界があるという、そういう要件をめぐって医療分科会も苦労する、あるいは裁判になって大変大きな時間なりエネルギーを要している。そこは別の何かとらえ方ができないだろうかということで1~2度発言をさせていただいたんですけれども、原爆をきっかけにした病気、疾病を理由にしての医療特別手当であるわけですから、原爆を経験したと言えば健康手帳を持っていれば一応それの関係は肯定できるわけですが、それだけで医療特別手当の給付につなぐことができるのだろうか。
いわゆる原爆症認定制度がつくられた経過で言えば、やはり放射線とのつながりだろうと思うんです。一方、法律では放射線起因性ということも言っていますけれども、原爆の障害作用に起因してという言い方もあるので、そこは若干幅が私はあるのではないかという気はしているんです。
 言いたいことは、放射線起因性はやはり離れるわけにはいかないのではないか。しかし、そのとらえ方を科学だけで追求していくのは限界があるのではないか。だからなるべくベースには放射線起因性があるという認識に立ちながら、しかし、行政認定なり給付の要件としてとらえるのは、もう少し客観的な要件。客観的な要件をどうつかむかというのはこれまでのまさに裁判あるいは医療分科会での積み重ねでいろんな要件が、この辺までであればおおむね否定はできないでしょうという起因性は肯定できるのではありませんかというところが、ある程度はつかめるんだろうと思うんです。
どういう線引きをするとしてもボーダーラインのところでいろいろ問題が起こってくるということは、これは認めざるを得ない。だからなるべくそれを争いがなく、現状よりは幾らか広くとらえられるような客観的な物差しを見つけていくことができないだろうかという辺りを目指したいなという気がするんです。したがって、先ほどの草間先生のお話が放射線を切り離しての原爆起因性というものであれば、ちょっと広過ぎるのではないかという気がするんです。
○草間委員 決して私は放射線起因性をやめて原爆起因性にしたからといって、放射線を全く除いてしまっているというのはないです。原爆起因性とした方が広くとらえられるのではないかと思っています。
 いずれにしても原爆ということは入れておかないと、最初にも申し上げたように国家補償的な制度に近いので、ほかの戦争被害なんかも入ってきてしまうと思うんです。そういう意味では原爆起因性というのは絶対外せないと思っています。原爆起因性と言って放射線をやめたから放射線が全く入らないかというとそうではありません。今は放射線起因性で原爆症を定義しているので、もう少し広く放射線起因性だけではなくて、原爆症というものを広い形の定義にしたらどうでしょうかというのが私の提案です。
 これから原爆症をどう定義するかというのは、本当にまさに新しい枠組みではないかと思っています。いずれにしても症、病気ですので、先ほど山崎先生が言われたように、病気であることから手当が始まらないと、被爆者手帳を持っているからだれでもいいよということはないと思っています。私は原爆起因性にした方が、放射線起因性よりもう少し広いのではないかというイメージを持って発言させていただいています。
○神野座長 長瀧委員、どうぞ。
○長瀧委員 昔に戻りますけれども、まず最初に原爆と放射線の関係なんですが、最近私が言いますのは、原爆で20万人の方が亡くなっている。福島は原爆の200倍であるということが巷で言われていますけれども、200倍と言うと4,000万人の人が亡くなるんです。ですから、原爆をいきなり200倍が福島だという言い方、放射線だけ取り上げているということが非常に現状、実際から離れた感覚になっているような気がするんです。
 もともとでき上がったときは、原爆の被爆者は大変だ。これは国で援護しましょうということは基本にあって、それではほかの被災者はなぜ援助しないで原爆の被爆者だけ援助するんだという議論のときに、全くそういうところから放射線というものが出てきたんです。ですから東京大空襲では放射線はない。だけれども、原爆は放射線がある。だから原爆症は放射線起因性だということを言われたんですが、原爆の被害で20万人亡くなった中でどれだけが放射線で亡くなったか。それはわからない。その当時の記録はないわけですから熱風もあり、爆風もあり、そういうものが原爆なんだけれども、その中で放射線だけが非常に特異的に取り上げられているのは、ほかの戦災者と区別するためにという全く人為的なもののために出てきたので、それのために放射線起因性ということをずっと議論してきたわけですけれども、現実に今になってトータルに見てこの方は保障されるべきだろうか、援護されるべきだろうかという議論になったときに、必ずしも放射線起因性ということだけでは立ち行かないというのが現状ではないかと思うんです。
 一方では、その当時は放射線で何が起こるかわからないからよかったんですけれども、科学的に放射線の影響がどんどんわかってきた。そして科学的に放射線の影響というのはこういうものだというのがだんだん範囲がわかってきたものですから、その科学的にわかった範囲だけで議論すると、原爆に被爆した方を救おうという本来の気持ちとずれるところができてきて、それが今、表面化してきたのではないかという感じでおります。
○神野座長 荒井委員、どうぞ。
○荒井委員 長瀧先生のお話を聞いておりまして、御趣旨はかなりわかるんですけれども、放射線起因性という要件だけでは、立ち行かないというのは少しオーバーではないかという印象を持つんです。
つまり、ほかの戦争被害と比べてなぜ原爆についての手厚い施策が行われ、また、必要であるかと言えば、御指摘のとおり放射線というのがほかにはない特徴だ。しかし、前々から教えていただいているように、科学的知見だけに依拠するというのは無理があるというのもよくわかるんです。しかし、一方でほかの戦争被害と区別していくということになれば、やはり放射線起因性ということを捨てるわけにはいかないんだろうと思うんです。
そこでおっしゃる御指摘のようなギャップというのか、それでは拾いにくい、あるいは大変な手間がかかる、エネルギーがかかってしまう。その部分をどういうふうにすくい上げると言うと語弊があるかもしれませんが、そこにどう手当てが向けられるかという問題だろうと思うんです。余り長瀧先生と認識の違いがなければいいんですけれども、放射線起因性を要件にしたのでは立ち行かないというお言葉には多少引っかかったものですから、済みません。
○長瀧委員 立ち行かないといいますのは、行政の認定と司法の認定のギャップのところが、放射線に起因するという解釈が非常に従来我々がわかっている放射線の起因性、わかってきた科学的な起因性の定義と、その手法でここまで援護しようというものとの間のギャップが出てきたのではないか。ですから、私は放射性起因性を捨てろというのではなくて、援護に関する起因性の定義。
例えば放射線による病気はこういうものがあって、この方が放射線によるということを司法的に否定できない、疑わしきは罰せずというような感覚で物事が処理できるのかどうか。そこら辺をむしろこれは我々よりは、委員の先生方に議論していただけるのではないかと思ってお話しました。
○神野座長 田中委員、どうぞ。
○田中委員 荒井委員の御発言に関わるんですけれども、私は何回も言ってきましたのは、今の放射線起因性の科学的知見というのは、原爆の爆発時の放射線から得られてきている被爆者たちの健康被害への疫学調査から来ているわけです。だから何回も言いますように、その後、放射性降下物が降っているわけです。長崎も広島も。それはどれくらい降ったか、どこに降ったかという詳しい調査もやられていないし、その後どういう影響が出たかということも詳しく調査されていない。科学的にやるべきことがやられていなかったというのが70年経った現実なんです。でも、それは放射線の影響を受けたと見ざるを得ないとすれば、それをどう見るかということを私たちは考えないといけないと言っているわけです。
ということで、恐らく長瀧先生もそういうものを思っていらっしゃって、裁判所が認めているのは、放射性降下物だとか遠距離での影響をもう少し見なさいということを言っているわけです。それは今の法律で放射線起因性がというのが付いているために、厚労省はそういうあいまいなところを認定に多分入れられないと思っていらっしゃるんだと思うんです。だとすればそこは変えてしまうしかないというのが私たちの考えです。
○神野座長 荒井委員、どうぞ。
○荒井委員 田中委員が今おっしゃったことに私は反対というわけではないんです。恐らく田中委員のお話を延長線伸ばしていったとしても、だから原爆症認定制度の中から放射線起因性というものを全く外していいという理屈にはならないと思うんです。そこに限界があるということを我々は頭に置いた上で、そこをどうカバーしていくかということの制度設計を考えていけばよろしいのではないでしょうか。裁判所の判断とか残留放射線の問題を幾ら考慮に入れるとしても、放射線起因性ということに限界はあるにしても、そこを離れてしまえというのは飛躍がありませんか。
○田中委員 どうでしょうか。私は厚労省の事務方に離れないでどういう認定のことが考えられるか。恐らく今まで10年にわたって原爆症認定の裁判をやってきたわけです。一定の改善もしたけれども、それでもなおかつ却下して、新たに裁判で負けるという状況が起こっているわけです。ですから、考えられるのでしたらこの10年間の間に考えられたはずです。私どもは厚労省に対して改めてくれと言ってきたわけですから、それでもなおかつ改められないということは、法律があるということがかせになってしまっているのではないかと思って言っているんです。
○荒井委員 今、私の発言とかみ合っていないところがあると思うんですけれども、放射線起因性というものを限界があるにしても、原爆症認定の中に要件として残していいかどうかというのが1つのテーマだと思うんです。だからそれだけではなかなか大変だということはよくわかるんですけれども、全くそこを外した形で原爆被害者に対しての援護策というのか、医療特別手当の在り方を考えるというのは飛躍するのではないかということを私は申し上げたいんです。だから裁判でどうだという議論とは必ずしもかみ合わないと思います。
○神野座長 高橋委員、どうぞ。
○高橋進委員 今の議論と関連しますが、やはり放射線起因性をベースにした認定には限界がある。科学的知見には限界があるという全体の上でグレーゾーンをつくって新たな認定をしていく。そこに新しい線引きの場所をつくる。大体皆さんの御意見はこういうことかなと、私もそういう感じが過去の議論の積み重ねでいたします。
 ただ、その先なんですけれども、ではそうやって広げてグレーゾーンをつくったときに、今度はそこで新たにランク付けをしなければいけないといったときには、放射線起因性ということを言っている限り、放射線起因性の度合いでもってランク付けすることは多分できないだろう。したがって、新たな基準を何かつくらなければいけないのではないかと思います。
ですから、私は科学的知見の限界云々、そこに放射線あるいは残留物、降下物を入れる云々というそこの議論も大事ですけれども、その次のステップとして、どういう基準でランク付けするかというところについても考えなくてはいけない。そのときにはひょっとすると放射線起因性という考えを一旦外して、要医療性とか要介護性ということで考えなくてはいけないことになるのかもしれないなという気がいたします。
 その結果として当然のことながら財政が膨らんでいきますが、先ほど私は細かいことで恐縮ですけれども、草間委員の御発言の中で財源をどうするかということを念頭に置きながらという御発言があったんですが、私は今の福島の状況も考えたときに、財源に限度があるから、だから救済しないというニュアンスになったらいけないんだろうと思います。救済すべきは救済する。そして結果的にこれだけの財源になりますということになる。だからそれをどう調達するかというお話なんだろうと思いますので、そこは少しだけ順序が違うかなという気がいたします。
 以上でございます。
○神野座長 ありがとうございます。
 高橋委員、何かございますか。
○高橋滋委員 途中で参加したものですから多少ずれたことを申し上げるかもしれません。その辺はお許しいただきたいんですが、今までずっと議論に参加してきて、放射線起因性の話が基本的にありますが、基本的にこれだけの御手当をお払いする上で、やはり放射線起因性という要件は、この制度自体の前提としては維持せざるを得ないのではないかと思っております。
 ただ、放射線起因性についての解釈について、まだ最高裁は1件しか出ていないわけで、かつ、それは個別判断ですから最高裁自身が明確な基準を示しているわけではなくて、下級審判決がばらけている中で政治的な合意ができて取り下げたという話ですが、その上で結局、その下級審判決のいろいろなものを見ながら、現在の新しい指針というものができていると思うわけです。
そういう意味では、放射線起因性の解釈として現行の基準というものがあるというのは、これはある程度合理的な運用なのではないかと思うんです。その上で実際更に敗訴判決も出ていて、新しく要するに認定しようという判決が出てきているわけで、それをどう受け止めるべきかという話なんですけれども、そこはやはり司法の場というのは二者択一ですから、認定するかしないかという判断のときに救済を本意にさまざまな考え方を示して救済するという考え方もあるわけですけれども、そのときに本当にそういう司法の判断、最高裁に是認されていないわけですから、それを受け止めてどう線引きするかという話になると思います。
 そのときに私自身は、現在の被爆者の方の高年齢化の中で、放射線起因性の疾病とそれ以外がなかなかよく区別できないという状態があって、そこを救済することが必要であれば、要するに推定できる。放射線起因性の疑いが捨て切れないという形での新しい考え方を設けて、ある種そこは今、高橋委員がおっしゃいましたけれども、等級づけはもはや推定のレベルで、起因性の科学的な確率論でいくわけにはいかないので、実際上の疾病の救済の必要性の観点から、ランク付けをしていくというのが1つの考え方ではないかと思っていて、それが1つ今までの判決と行政の判断の折り合いをつける考え方なのではないかと思っています。
○神野座長 ありがとうございます。
 ほかに御発言ございますか。
○三藤委員 田中委員の発言に対する回答も含めた形で、私が今まで意見申し上げてきた内容を、繰り返しの部分もあるかもしれませんけれども、言わせていただきますと、まず基本的な立場としては被爆者が高齢化してきている。早期の救済を決定していく必要があるということで、裁判を繰り返することなく救済案を私たちはつくっていくべきだという基本的な立場に立ったときに、私がこの議論に参加させていただいて、科学的な知見を間に置いて押し問答しているような状態では、多分、新しい救済策というのは出てこないだろう。だから決して税を使ってやるわけですから、一定の根拠を持った給付を行っていくということは、これは否定するものではない。ということで現行制度そのものも決して否定するつもりはありませんけれども、ただ、科学的根拠で認定していく現行制度の範囲内だけでは救済ができない。
だからそのまま現行制度はありながらも、科学的知見というのは一定確率の問題だろうと思うんですけれども、非常に確率の高い部分は現行制度で救済がなされていく。確率的に被爆起因性という部分が薄いといいますか、証明し難い部分というのは新たな制度を付加して救済していくという方向性しかないのではなかろうかということで意見を過去も言わせていただきましたので、だから決してゼロからつくり直しましょうという結論の立場に立って発言をしてきたつもりはありませんので、繰り返しになりますけれども、そういうふうな立場だということで意見を言わせていただきたいと思います。
○神野座長 佐々木委員、どうぞ。
○佐々木委員 2回ほど欠席をしておりましたので、この間の資料も読ませていただいておりまして、基本的な私どもの考え方としては今の話にありましたように、裁判で非常に時間がかかるというのがどうしても被爆者が高齢化している現状の中で、でき得れば行政の中で解決ができるような形が、現実の被爆者の方々には大変望ましいことであると思っておりますし、その際に一方で科学的知見を基本にするというのは離れられないにしても、できるだけ被爆者の実態も踏まえていただきたいということは、前提として考えていただきたいということでございます。
 その上でずっとお話を聞いておりまして、次の段階にはまだ行っておりませんので余り早いことを言ってもあれなんですが、1つ今、お話があった認定をするときに荒井先生がおっしゃったような物差しとか、高橋滋先生がおっしゃったような推定できるという認定制度の範囲内で、どれだけそういう物差しを更に考えていけるか。それがある意味司法判断でいろいろ出てきているものをできるだけ少しでも行政判断の中に取り込める。それによって裁判が少しでも少なくできる、あるいは救済につながるという方法が考えられるのかどうかということが、1つの方向かなと思っています。
 もう一つは山崎先生もおっしゃったんですけれども、グレーゾーンについて実質的に援護をしていく。これは認定の上でランクを付けるというのもあるかもしれませんが、認定と外れて認定の中でしようとするとどうしても限界があるので、グレーゾーンとして実質的な援護の必要性という観点について、手当にかなり格差があるということがありましたので、そういう点で弾力的なものをつくっていったらどうか。
 もう一つは、認定制度そのものを根っこから見直すべきではないか。大きくはそんな方向性があるのかなという印象をいただいています。
それはそれでまた今後つくる過程でよく議論をしていただきたいと思いますけれども、若干その過程で気になりましたのは、現在の裁判でいろんな判決が出ているというのは、あくまでも現行法を前提として認定という制度がある中で、これは法律上の認定に該当するという判決になっておりますので、そうしたときに仮に今の認定のところをそのままにして、グレーゾーンのところを実質的につくっていくというのは非常に魅力的な解決方法のような気がするんですが、そうした場合に法律論的に言うと、今の裁判の法律論争には直接の解決にはつながらないのかなという心配もしております。
つまり、今の法律の中で法律に該当するしないという考え方が行政と司法で食い違っているときに、法律の外でいろいろ実際に救済しようとしても、法律的な解決につながるのかなということがどうなのかなということでございます。ただ、実際にそういうことがあれば、裁判の中でも考慮されていくものかなとも思っておりまして、これは私のつぶやきも含めての問題提起ということでございますので、またその辺りも議論をしていただければありがたいなと思っております。
 以上です。
○神野座長 高橋委員、どうぞ。
○高橋進委員 1つちょっと引っかかるところがありまして、先ほど被災者全員に被爆者手当を支給するという御提案に対して、2~3人反対論を述べられたと思うんですが、私もそうかなと思う反面、例えばもしそういう1割の方が何らかの障害を発症したという場合に、スムーズにほかの方と同じアクセスが保障されるのかどうかとか、そういうところはチェックする必要があるのではないか。
 もう一つは原爆という極めて一般とは違う悲惨な経験をされたということに対して、もし精神的なとか心理的なとか心のケアを考えるとすると、ひょっとすると支給をすることの意味はあるかもしれないという気はするんですが、そこは多分皆様お考えが違うのかなという気もしますので、問題提起だけさせていただきたいと思います。
○神野座長 ありがとうございます。
 ほかいかがですか。坪井委員、どうぞ。
○坪井委員 毎日被爆者の中で生きている私なんです。毎日出勤しております。被爆者と常に会っている。だから被爆者の気持ちが私にはわかり過ぎるぐらいわかっていますが、被爆者は11年経ってやっと手帳の問題ができたんです。あるいは援護法できて、それからまた10年ぐらい経って特措法ができた。そのたびに少しでもよくなったと喜んだんです。だから感謝はしておるんです。
 だけれども、総まとめになったのは慰霊事業か何か全部入れてしまうとなったら、50年経って初めて援護法がなったわけですから、被爆者はそこまで我慢できるんです。できるんですが、結論から先に言うと、我々が考えたようなランク付けとか、皆さんもそういう気持ちはあると思います。だから被爆者は原爆認定証なんか見ていないです。認定証でなくても何でもいい。我々を被爆者として扱ってもらえれば、だから病気のひどい者にはこうしてくれる、ああしてくれるということになれば、被爆者は感謝するんです。
しかし、それはそうはいかない。法的な立法上の問題でやらなくては世の中ではいけない。法治国家だからと言われれば、それが理解できないことはないんです。理解できないことはないが、耐えるに耐えてきて、もうこれ以上積木はやめてくれというところまで行っているんです。もう先も短いです。
だからここで、ベストでなくてもいいからベターで、相当の人がよくわかったというところへ行ってほしい。原爆症認定の問題だったらわずかです。1割、2割ではないですか。私は認定を受けているから言いにくいのですが、被爆者の気持ちというのはそうではないんです。それはやがて福島県の人たちにも通ずるんです。我々がやることが。
 更に、こういうような大騒動を起こす放射線を持つ核兵器をなくそうということになっていくんです。そういうことが一平民に近い被爆者でもそれはわかってくれる。感性的に、理論的でなくてもわかってくれている。そういうこともありますので、だんだん具体的になってきたし、皆さんのいい知恵をどんどん出していただいて、私はここにおって感謝しております。
しかし、被爆者の気持ちはもうこの辺でばしっと、早く言えば在外被爆者がやっぱりあのときでもですよ。憲法その他がありますが、その問題でも皆、政治的なあれをやったでしょう。在外被爆者にも手帳を渡すというのを。あの人たちは税金を払っていないという社会的な問題は別なんです。そういうような大きなところへ持っていってもらいたい。だから余り今、放射線の問題でも疑わしいぐらいは拾っていただきたいと思うんです。
 以上、ちょっと言わせてもらいました。
○神野座長 どうもありがとうございました。
 長瀧委員、どうぞ。
○長瀧委員 同じことの繰り返しになりますけれども、今の坪井さんのお話も、本当に原爆の影響はこうだったということを日本から発信する。それは今、これだけ福島のもあるしチェルノブイリもあるし、そういうときにすべての世界の基準は、放射線の影響の科学的な基準は被爆者のデータなんです。それ以上に詳しいものはない。そういうものを日本で発信している。ところが、今度は救済ということのためにその科学をどんどん曲げていったら、それは困る。それが1つあります。せっかくここまででき上がったものを。
 考えてみると、その放射性起因性というものは、もともと行政的に区別するために原爆症というものにくっ付けたんで、起因性を取れとは言いませんけれども、科学は残して、今もう老齢になった被爆者の方を援護する。そのためにどういう知恵が出せるのかということを、今の被爆者と科学者以外の方に是非考えていただきたいというのが正直な気持ちです。
 ただ、これは今の議論が今後福島の将来に対して、あるいは正確でない知識あるいは援護というための感覚で議論されたものが、すべて本当に放射線の影響だという形になって福島なり世界に流れるというのも非常に怖い大きな問題だと思いますので、そこは私としては問題を本当に上手に切り分けて、援護はできる。だけれども、国民も納得するし法律的にも、そんな知恵を出していただけたらありがたい。
○神野座長 山崎委員、どうぞ。
○山崎委員 長瀧委員のおっしゃっていることと、私が先ほど申しましたことはほぼ同じような感じがするんでございますが、それで今の法律ではという議論がしばしば行われてきたわけですが、必要に応じて法律を曲げる、あるいは行政の世界は法改正という煩わしいことはやめて、運用で事を運ぶという感じですが、必要に応じて法改正はやるべきだと思っております。余りルーズな運用というのはよくないと思っております。ですから、今の法律そのものの制約の範囲内で無理な解決をするよりは、もう少し自然体で必要に応じて法律を改正することを考えざるを得ないのではないかという気がします。
○神野座長 ありがとうございます。
 荒井委員、どうぞ。
○荒井委員 余りこれまで議論になっていない角度からで、若干物を言いにくいのですが、先ほど高橋進先生から財政問題との関係をどう考えるか。財政状況を考えるべきだというのは逆ではないかというところは、私もよくわかるところがあるんですけれども、恐らくそれは国民の理解がどうだという観点から考えなければいけないのではないかと私は理解しているんですけれども、一方で援護ということが非常に大事であることはよくわかるんですが、気を付けなければならないのは手帳を保持をしておられる人たちに、原爆症認定がないからと言って何もしていないわけではないんです。そこが非常に議論の大前提としてこれが十分かどうかという議論は大いにあると思いますけれども、いろんな形の手当なり現物給付というものが積み重ねられてきている。
これは被爆者の方々の努力のおかげというのか、結果であるということはよくわかるんですけれども、今ので足りないのかという議論が余り私はできていないのではないか。たまたま一番山の頂上に当たるような原爆症認定制度で13万幾らというものがあるがために、それに該当してしかるべきなのに外れているのがおかしいという議論はわかるんです。だけれども、全体として今の給付で足りないのかというそこの説得力が、言葉を変えて言えば財政問題ということに表れてくるかもしれないし、国民の理解が得られるかという問題点にもつながってくるだろうと思うんです。
 1回目か2回目か、かねがね被団協の方々あるいは田中委員から、国に我々は原爆被害だということを認めてほしいんだ、むしろお金の問題ではないという言い方をされたことも記憶にあるんですが、もし今日お話いただければと思いますのは、原爆手帳なり、あるいは今の健康管理手当を含めて国の制度のはずなんです。県の方で認定するという仕組みはあるかもしれませんけれども、すべて原爆被爆者対応というのは国の制度でやっているわけなので、私に言わせれば国が認めないというのがどういうニュアンスなのかというのがもう一つわからない。すべてこれは国の仕組みではありませんかということが1つ。
 私のいじわる質問で恐縮なんですけれども、これで足りていないかというような問題提起に対してどういう御説明になるのか。何と言いますか、それぞれの手当の趣旨からすると、やはり疾病に対しての栄養補給なんていうことも含めてのもろもろの趣旨が入っていますけれども、そういう角度から考えて、今のそれぞれのグレードの人たちに対するものが医療特別手当の域にまで達しない、手当として足りないという感覚というか認識があるかどうか。余りこれは議論しにくい意味合いもあるので、これまで話題にならなかったのかもしれないんですけれども、直接ほかの委員の先生方でも結構なんですが、いかがでしょうか。
○神野座長 田中委員、ありますか。
○田中委員 指名をされましたので。
 いろんな被爆者がおりますので、全部足りているとか足りていないという言い方は私どもからはしにくい、できにくいんです。原爆のせいだと認めてほしいという気持ちというのは、今の法律が認定のところで大臣が認定するというふうになっているんです。先生がおっしゃいましたように県知事がやっているんだけれども、実際は国がやっているんだから国の制度としてやっているのではないかということなんですが、法律上、大臣が認定すると書いてありますと、それしか国はきちんと認定しないんだという気持ちがあります。それは私たちもむげにはそんなことはないとは言いにくいところがあります。
 それと、特にここ厳しくなってきたのは裁判の中であなたの病気は原爆のせいではない、原爆の放射線ではないと国の代議員が絶えず言い続けたわけです。これに対する被爆者の怒りがあって、それぞれ認めてもらおうではないかというのが大量に申請をしていくというところにあった。それは1つは国の姿勢があったかなと思います。
 だから足りるか足りないかというのは私自身も難しいところで、本当は大変原爆のせいで苦しんでいる人がいるんです。その人たちにはちゃんと手が届いてほしいなというのがあって、それは私たち自身も努力して、そういう人たちをきちんとフォローしなければいけないとうことをやっております。ただ、全部生活に窮しているかといったら、それはそうではないと申し上げてもいいと思います。
○神野座長 山崎委員は何かありますか。
○山崎委員 もういいです。
○神野座長 私の運営の不手際かもしれませんが、森先生のあれですと、まだ考える段階におりますので。
○田中委員 前回、先生がこれからそろそろつくる段階ですねとおっしゃいましたものですから。
○神野座長 そんなことはありません。次回まだそれほどつくる段階にというふうには考えてはおりません。
当然のことながら考える段階というのは、知る段階とつくる段階のつなぎ目ですから、つくる段階でどんなものをつくっていくのかということを想定することは、やらざるを得ないと思いますけれども、あくまでも考える段階なので自由に御議論をというふうに前回も申し上げたはずです。
今回もそういう意味では申し上げますが、一方で草間委員その他の方々から考える段階なんだけれども、もしも考えている段階ということであれば、もう既にほかの委員の方々には御発言を聞いていて伝わっているかなと。私は考える段階だとまだ言っておりますので、次回もそういう意味では考える段階なんですが、今、草間委員あるいは高橋委員などからも、そろそろ考える段階での包括的な意見は出ているので、次のステップへ進む少なくとも準備はというお話もありましたので、くさび型で進まざるを得ないのですけれども、今まで知る段階を基礎に議論をし、徐々につくる段階へフェーズを上げてきたわけですけれども、もう少しフェーズを上げるために今日、田中委員から提起していだいた問題についても、委員の皆様方から議論をいただいておりますので、その議論を含めて事務局の方でまとめていただいて、その資料を基に、まだ考える段階なんだけれども、徐々にそういう意味ではつくる段階にステップを進めるという言い方を私は申し上げているつもりですので、少し進めるべく、つまり今日いただいた議論を踏まえて、またもう少しつくる段階にめがけてステップアップをしていければと思っております。
というのは、ややつくる段階を想定して議論しないとという御意見も出ているので、そのようなつもりで運営させていただければと思っておりますが、御異論がなければそのようにさせていただければと思います。
○坪井委員 厚生労働大臣の小宮山さんは急がしていますね。
○神野座長 もっと早く次の段階に進めということですか。それはそうなんですが、ここはなかなか行きつ戻りつ難しいところなんですけれども、繰り返すようなんですが、森委員長はここは対立の場ではないので、可能な限り納得をし、共通の認識をというようなお気持ちがございまして、私も専門家ではないので、えいやと私の独断で切るわけにもいかないので、可能な限りおっしゃるようなタイムプレッシャーで早めろということと、この検討会としてできるだけコンセンサスを形成したいという両方を、巧みなバランスをとりながら進めさせていただければと思っておりますので、御提案はすぐにでも提案を出せということでしょうか。少しステップアップするための提案も含めてというお話もありましたけれども、基本は今日いただいた議論を踏まえてもう一回ステップアップして、つくる段階に進めようというふうに考えて準備をさせていただければと思っております。
○田中委員 そのとおりでいいと思うんですけれども、事務方が今までの発言を整理されるときには、客観的に整理をしていただきたいと思います。前回のように認定制度を前提としたポイントとなると、前提としていないポイントもあり得るわけです。そういうものはもう出てこない。前提としたポイントだけで議論しますと必要であるということでしか皆さんの意見が出せないわけですから、そうではない議論もあったわけですから、前向きな議論もあったわけですから、そういうものも客観的にきちんと整理した格好で出していただきたい。もしそれができないのであれば、事務方がまとめたものをあらかじめ例えば1週間ぐらい私どもが見て、ここはそうではないのではないですかということのコメントができるような提案の仕方をしていただきたいと思います。
○神野座長 現行制度の前提という意味がとらえる方によって濃淡がありました。いずれにしても次回についてはそういうことで、ややステップアップするけれども、つくる段階への移行過程としての考える段階という位置づけで進めさせていただいてよろしいでしょうか。
○高橋進委員 ちょっと1点よろしゅうございますか。
今のお話に関連してですけれども、もしできればでいいんですが、議事録を次回の会議までにいただけると、この会議の全体の流れが何だったかというのを委員一人ひとりが全員確認できると思うので、そういう意味ではペーパーが出てきたときに、より有益かなと思うんですけれども。
○神野座長 私のやっている委員会では早い方だと思うんですが、まだなお事務方でいわゆる粗々というか、速記録というか、それの起こしと、それを粗々にまとめたものの起こしを今よりも急いで事前に準備できますか。正直申し上げて早い方だと思います。
○潮谷委員 よろしいですか。訂正がそれぞれに言われているときの原稿の来方というのは、私も今、座長がおっしゃったように非常にスムーズに来ている。あとは自分たちの中身の点検をきちんとやっていくという、そこで読取りはできるのではないかと思います。
 それと、私はやはり行政認定の厳しさ、このことを感じた方たちが司法に持っていくという形になっている。ですから非常に行政で認定をしたドクターの方たちも、これは初回のときにも申し上げたのですけれども、とても空しいのではないか。自分たちがきちんと基準に基づいて判定をした、結論を出した。しかし、そのことを受け止めるということのなさといいますか、受け止められないというような思いの中で、司法に持っていかれているという現状が物すごくあるわけです。
 もう一つは、先ほど坪井さんがおっしゃっていらっしゃいましたけれども、自分は一体この疾病何なのか。原爆に自分は被爆した。こういう事実はある。しかし、今の自分の症状というのは原爆の症状とは認定制度の中では見られていないという思いだとか、あるいはそれであれば一体何なのかというような思いがあると思うんです。ですから、これは認定基準をどのように考えていくのかというふうになったときに、堂々めぐりですけれども、先ほどの放射線の影響というようなことを、今日科学的に被爆当時よりも更に知見が高まってきている。そういった中から当時のことを客観的なデータはないかもしれないが、推測だとか、あるいは残留放射線の問題を考えて、これはもしかしたら認定制度そのものを広げていくという考え方をやっていくのか、あるいは大きく網をかける形の中で原爆に遭ったという事実の中から、私どもが考えを進めていくのかという、そこら辺の論議があるのではないかということを、ただいままでのことを聞きながら持ったところです。
 以上です。
○神野座長 ありがとうございます。
 それでは、いずれにしても事務方の作業量にもよりますけれども、私としては出して今日でいけば資料2のようなものを出していただいたときには、これに自分の意見が反映されていないとか、これが抜けているのではないかということは、この場で出していただければいい話ですので、その前のもっと粗々の議事録その他については事務局等いますけれども、かなり限度があるのではないかと思いますので、おっしゃっている意味はあれですね。一応出てくる資料ということだと思いますので、それについては委員の方々であればこの場で御発言いただくし、また、御欠席なさるような場合であれば、文章を持ってこの点はおかしいのではないかというふうに思います。
 なので、ちょっと事務局とのボリュームのこともありますので、そのように取り計らせていただきます。事務局から何かありますか。
○和田原子爆弾被爆者援護対策室長 議事録については当然作成に一定期間かかるわけですけれども、作業については可能な限り急がせたいと思っています。
 今回の資料でも資料1ということで、前回の検討会における主な発言ということでつけさせていただいていますので、こういう形で少し要約した形になると思いますけれども、そちらは事務局の方で作成をさせていただいて、やはり資料として次回も付けたいと思っています。
○神野座長 よろしいでしょうか。いずれにしても次回少し現状よりもステップアップ。ただ、いずれにしても、つくる段階につなげるような今回の御議論いただいた資料などをまとめて作成させていただいて、それを土台に御議論ちょうだいできればと思っております。
 そのように運営させていただくということで、私の運営その他については至らない点が多いかと思いますが、何分にもこの問題について識見があるわけではございませんので、お許しいただければと思います。
 それでは、本日の議論はこの辺で終了させていただきますが、事務局の方から何か補足すべき点ございましたらお願いいたします。
○和田原子爆弾被爆者援護対策室長 次回の日程につきましては、また調整の上、追って御連絡をさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○神野座長 それでは、本日の検討会はこれで終了させていただきます。どうもお忙しい中、また、かなり積極的に御議論していただきまして、ありがとうございます。感謝申し上げて、これで閉会とさせていただきます。


(了)
<照会先>

健康局総務課原子爆弾被爆者援護対策室

代表: 03-5253-1111
内線: 2317・2963

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 健康局が実施する検討会等> 原爆症認定制度の在り方に関する検討会> 第10回原爆症認定制度の在り方に関する検討会議事録

ページの先頭へ戻る