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2012年4月20日 第115回労働政策審議会雇用均等分科会 議事録

雇用均等・児童家庭局短時間・在宅労働課

○日時

平成24年4月20日(金)10時00分〜12時00分


○場所

厚生労働省専用第18〜20会議室(17階)


○出席者

公益代表委員

林分科会長、権丈委員、佐藤委員、田島委員、中窪委員、山川委員

労働者代表委員

小林委員、齊藤委員、關委員、冨高委員、中島委員

使用者代表委員

川﨑委員、瀬戸委員、中西委員、布山委員、渡辺委員

厚生労働省

西村副大臣、藤田政務官、髙井雇用均等・児童家庭局長、
石井大臣官房審議官、伊藤総務課長、吉本雇用均等政策課長、
成田職業家庭両立課長、吉永短時間・在宅労働課長、大隈均衡待遇推進室長

○議題

1 パートタイム労働対策について
2 その他

○配布資料

配布資料No.1 関係する審議会等の状況
No.2 今後のパートタイム労働対策に関する論点
No.3 論点及び関連する主な意見
参考資料 参考No.1 両立支援助成金 均衡待遇・正社員化推奨励金のご案内
参考No.2 望ましい働き方ビジョン

○議事

○林会長 これから第115回労働政策審議会雇用均等分科会を開催します。本日は全委員が出席されています。なお、本日は、4月6日付で厚生労働副大臣に就任した西村副大臣と藤田政務官が、少し遅れて出席をいたします。
 それでは、議事に入りたいと思います。議題は、パートタイム労働対策についてです。まず資料1について、事務局から説明をお願いします。

○大隈均衡待遇推進室長 それでは、資料1を説明します。まず、関係する審議会等の状況です。上の半分ですが、労働政策審議会・労働条件分科会で有期労働契約法制について議論がされてきたところですが、「労働契約法の一部を改正する法律案要綱」が2月29日に、厚生労働大臣から労働政策審議会長に対し諮問され、3月16日に、おおむね妥当という内容で労働政策審議会長から厚生労働大臣に答申がなされたところです。こうしたことから、「労働契約法の一部を改正する法律案」が3月23日に閣議決定され、同日に衆議院に提出されて、現在ご審議を待っている状況です。
 下の半分は、社会保障審議会・短時間労働者への社会保険適用等に関する特別部会です。こちらは、3月19日が最終回でした。また、この特別部会と並行して民主党でもご議論がされていたところですが、議論を踏まえ、「公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案」の中にパートタイム労働者に対する社会保険の適用拡大も盛り込まれて3月30日に閣議決定をされ、同日、衆議院に提出され、こちらも今後の国会でのご審議を待っている状況です。
 資料1-2です。これは、労働契約法の一部を改正する法律案の概要です。これまでもたびたびご説明してきましたが、労働契約法の一部を改正する法律案は、内容としては大きく3つあります。1つは、「有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換」ということで、有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合に、労働者の申込みにより無期労働契約に転換させる仕組みが導入されます。また、「有期労働契約の更新等」ということで、雇止め法理(判例法理)が制定法化されるということが2つ目。それから、3つ目は、「期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止」ということです。内容としては、有期契約労働者の労働条件が、期間の定めがあることにより無期契約労働者の労働条件と相違する場合、その相違は、職務の内容や配置の変更等を考慮して、不合理と認められるものであってはならないという規定が盛り込まれるということです。
 その後ろに綴じておりますのは、労働契約法の一部を改正する法律案要綱です。いまご説明したことが 第一、第二、第三にそれぞれ条文として書かれています。今後パートの議論をするに当たりまして、適宜ご参考にしていただければと思います。
 また、資料1-3は、短時間労働者に対する厚生年金・健康保険の適用拡大の具体的な内容です。中ほどにありますように、現行は週30時間以上という基準がありますが、これが拡大されるということで、平成28年4月1日の施行日以降、週20時間以上、月額賃金が7万8,000円以上、年収として94万円以上、勤務期間1年以上、学生は適用除外、従業員が501人以上の規模の企業に対してということですが、こういったパートタイム労働者が今後新たに被保険者になるということです。また、3年以内に対象を拡大するための検討をしていくという規定も法律案に盛り込まれています。また、下のほうにありますように、影響緩和措置として、医療保険制度の方での緩和措置等も合わせて措置されています。
 後ろにお付けしているものは、この適用拡大が盛り込まれた法案の要綱です。第三の一というところに、短時間労働者への適用拡大が盛り込まれています。資料1に関しての説明は以上です。

○林会長 ただいまの資料1の事務局の説明につきまして、委員の皆様からご質問、ご意見等がありましたら、お願いします。

○佐藤委員 資料1-3のパートへの年金の適用拡大のところですが、中島委員と私は参加していたので、この資料だけではわかりにくいところもあるので、説明します。ここの部分は、我々がパート労働のあり方を考えるときにいちばん影響すると思いますので。このとおりになればということなのですが、1つは、月例賃金7万8,000円のところは、パートの場合は時間給なので、どう月例賃金を出すかというのはこれからだと思うのですが、年収を割ると900円弱で、地域によっては最賃と比較すると割合高いです。そこに張り付く可能性もあるかもしれない。
 それから、もう1つ、30時間以上の人については総合報酬でボーナス等が入りますよね。ただ、説明だと、20〜29時間のところはボーナスは入らないそうです。そうすると、ここには書いていないのですが、もしかすると30時間以上と29時間以下で処遇の式が変わる可能性がある。つまり、20〜29時間はボーナスに次ぐ等ということが起きかねない。ですから、ここは少し考えないといけないところで、ちょっとそこで変わるそうです。30時間以上は総合報酬だけれども、20〜29時間は月例賃金で見るという話を私は聞きました。その辺は考えなければいけないということです。
 あと、5番目の従業員規模ですが、これは、注にありますように、我々が普通に考える従業員規模ではないのです。被保険者数なので、これは基本的には30時間以上で、保険に入っている人の人数なのです。ですから、求人するときに何人以上と書いているのと違うのです。そこは少しわかりにくいなということです。
 もう1つ、いま既に25時間で働いていて、この基準で501人以上で適用対象になる企業は入れるわけですが、そうでない場合、25時間働いていても501人以下の場合だと、基本的に適用対象の事業所になりませんから入れないのです。そうすると、国民健康保険とか国民年金に入っている人からすると、501人以上の適用する企業に移るという行動をとる可能性も出てくる。つまり、自己負担分が減りますから。そうすると、企業からすると、例えば300人ぐらいの企業で、うちは適用したいという企業があっても、適用できないのです。任意加入はないそうです。ですから、うちはその人に定着してほしいのに、年金に入れますよと言っても、その会社は入れないのです。本人が適用する企業に移りたいと言ったときに、止めようがないという問題も起こりかねない。その辺は、501人の規模で止まってしまうと、それよりも小さいところについて言うと、国民年金や国保に入っている人からすると、当然厚生年金適用の事業所に移ったほうが本人にとってプラスになるわけですが、そのときに事業主としては、その人に留まってくださいと言うことができない。任意加入がないのでということのようです。その辺が、パートの政策を考えるときに、あるいは企業の人事管理を考えるときに、どうするかという課題が出てくる可能性があるということです。

○林会長 ありがとうございました。中島委員、特によろしいですか。そのほかに、ご意見、ご質問等ありますか。それでは、次に資料2について事務局から説明をお願いします。

○大隈均衡待遇推進室長 それでは、資料2について説明します。「今後のパートタイム労働対策に関する論点」です。これまでの分科会のご意見を踏まえて作成したものです。まず柱の1つ目として、均等・均衡待遇です。1つ目の○ですが、「有期労働契約法制の動きを踏まえ、第8条の3要件から無期労働契約要件を削除することとしてはどうか。また、有期労働契約法制のような不合理な相違が認められないとする法制を採ることとしてはどうか。」という論点を、まず挙げています。
 2つ目の○です。「職務の内容が通常の労働者と同一であって、人材活用の仕組みが通常の労働者と少なくとも一定期間同一であるパートタイム労働者について、当該一定期間においては、通常の労働者と同一の方法により賃金を決定するように努めるものとしている第9条第2項について、有期労働契約法制の動きを踏まえ、削除することとしてはどうか。」という論点です。
 3つ目です。「通勤手当は、第9条第1項の均衡確保の努力義務の対象外として例示されている一方、指針において、パートタイム労働者の就業の実態、通常の労働者との均衡等を考慮して定めるように努めるものとされている。有期労働契約法制の動きを踏まえ、第9条第1項の対象外の例示から通勤手当を削除することとしてはどうか。」という論点を挙げています。
 2つ目の柱、雇用管理です。1つ目の○ですが、「パートタイム労働者の雇用管理の改善等のための措置(賃金に関する均衡、教育訓練、福利厚生施設の利用、通常の労働者への転換といった措置等)に関し、事業主が、パートタイム労働者の雇入れ時等に、当該事業所で講ずる措置の内容について、パートタイム労働者に説明することとしてはどうか。」という論点です。
 その次の論点ですが、「事業主はパートタイム労働者からの苦情への対応のために担当者等を定めるとともに、パートタイム労働者の雇入れ時等に周知を図ることとしてはどうか。」という論点です。
 裏ですが、「事業主は、パートタイム労働者が第13条に定める待遇の決定に当たって考慮した事項の説明を求めたことを理由として解雇、契約更新の拒否等不利益な取扱いをしてはならない旨、指針に規定されているが、これを法律上位置づけることとしてはどうか。」という論点です。
 その次の論点ですが、「厚生労働大臣が行う調査、研究及び資料の整備の対象として、パートタイム労働者に関する評価制度(職務評価及び職業能力評価)を規定することとしてはどうか。」という論点です。
 3つ目の柱として、その他です。1つ目の○ですが、事業主は、親族の葬儀を理由に勤務しなかったパートタイム労働者に対し、解雇、契約更新の拒否等不利益な取扱いをしてはならないとする考え方を指針上規定することとしてはどうか。」という論点です。
 また、その次ですが、「勧告に従わなかった事業主の公表、虚偽の報告又は報告を拒否した事業主に対する過料、勧告を行う場合であって必要と認められるときに措置計画の作成を求めることとしてはどうか。」という論点です。
 最後の○は、「短時間労働援助センターの廃止」というものです。
 資料2の論点は以上です。また、資料3は、「論点及び関連する主な意見」ということで、これまでの論点と各側のご意見について取りまとめたものです。議論に当たり、資料3もご参照いただければと思います。資料の説明は以上です。

○林会長 いよいよ本題について論点をまとめる段階に入ってきましたが、いまの事務局の説明について委員の皆様からご質問、ご意見等がありましたらお願いします。順番にやっていきたいと思います。

○瀬戸委員 1の「均等・均衡待遇」の1つ目の○の「また」以下なのですが、「有期労働契約法制のような不合理な相違が認められないとする法制」というのは、どういう意味なのか、基本的なことですが、教えていただければと思います。

○吉永短時間・在宅労働課長 先ほどご説明した資料1-2の中で、むしろ要綱をご覧いただいたほうがいいかと思いますが、「労働契約法の一部を改正する法律案要綱」という縦書きのものが付けてあるかと思います。3頁の第三ですが、労働契約法の中でいま案の段階でまとめられているものとして、期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止という規定が設けられております。読み上げますと、「有期労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件が、期間の定めがあることにより同一の使用者と期間の定めのない労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件と相違する場合においては、当該労働条件の相違は、労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して、不合理と認められるものはあってはならないものとすること」ということです。わかりにくいので平たく説明しますと、有期の方の労働条件が無期の方の労働条件と違いがある場合に、その違いが職務の内容、あるいは人材活用の仕組みその他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならない、という書きぶりになっております。こういった考え方をパート法に持ってくるというか、考え方として採ることはどうかということを論点として掲げております。
 もとよりパート法と労働契約法は少し性格が異なっております。パート法は事業主が講ずべき措置について規定しているものですので、ほかの条文にも事業主は何々をしなくてはならないという書きぶりになっております。労働契約法は、労働契約の当事者である事業主と労働者の契約の中身になりますので、法律の構成が異なっております。また、労働契約法については民法の特例法的な形で、まさに契約の規範を定めるという性格ですが、パート法はむしろ事業主に雇用管理の改善を進めていただくという観点で異なっており、法律の構成は若干違います。その中で、いまのパート法で3要件の形で、職務、人材活用の仕組み、無期かどうかについての考え方を、1つは無期については契約法で規定されているということで、パート法の要件の話ではない形にしてはどうかということを論点として掲げるとともに、併せて現行の要件で絞り込む考え方から、労働契約法案のように考慮要素と考えていく、その差についての合理性を考えていくという考え方を取ってはどうかという論点を掲げております。

○川﨑委員 関連しての確認ですが、そうすると、有期の方とそうでない方の労働契約の中身に相違がある場合は、最初に労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度が違っている、または当該職務の内容及び配置の変更の範囲が違っている、またはその他の条件が違っていると。どこかが違っていれば合理的なものだと判断してよいという読み方でいいわけでしょうか。

○吉永短時間・在宅労働課長 基本的な考慮要素として、ご指摘のような形で、まず労働者の業務の内容及び当該業務の責任の程度、いわゆるパート法で言う職務です。その次に、当該職務の内容及び配置の変更の範囲、パート法で言うと、人材活用の仕組みです。それに加えて、有期労働法制の考え方としては「その他の事情」を考慮してということで、その他の事情が入ってきます。
 労働契約法でも、その他の事情について具体的にこれがその他の事情に入るというものは、現時点で明らかなものはないと聞いておりますが、こういったものを考慮要素として労働条件の差を考えていく。パート法で言えば、「労働条件」というよりは「処遇」という言い方になるかもしれませんが、処遇の差を考えていく。基本的には、職務が全く違うような場合に相違があることが不合理と言えるかというと、不合理とは言えないと思いますし、人材活用の仕組みが違う人に対して労働条件が違う場合に、それが不合理にはならないだろうと思っております。

○齊藤委員 ただいまのところに関連して、「その他の事情」を考慮してということが非常にわかりにくくて、「その他の事情」というのはどのようなものが想定されるのか、事務局と公益委員の方にもお伺いしたいと思います。

○吉永短時間・在宅労働課長 現時点において、「その他の事情」に何が入るのかについて想定されているものはないと担当部局からは聞いておりますが、具体的に何かあるというよりは、むしろ合理的に説明できるかどうか、それは個人個人ではなくて、全体としてその差がある意味客観的に合理性があるものがあれば、そういうものが考えられるということではないかと思っております。これは全くこうだという形ではありませんが、例えばいろいろな裁判例などを見ていても、労使の合意があるような場合に契約の内容について合意性が認められるケースはかなりあると思いますが、そのような当事者も含めた労使合意のようなものがあれば、それが「その他の事情」という形で合理化する考慮要素となり得るという考え方もあるのだろうと思っております。ここで必ずそうだということでもありませんし、もう少し労使間の中でこれが合理的であるというものが仮にあれば、それが考慮要素として入ってくるものだと思っております。基本的には、大きな要素としては職務なり、人材活用の仕組みという要素がこれまでのパート法の考え方でもあり、それがパート法では要件になっておりますが、それが労働契約法の中で考慮要素として用いられるということからすると、そのほかに具体的に何かあるというよりは、むしろその他について労使の話合いの中で合理的なものが結果的に定められるのであれば、それについては考えられるという性格のものではないかと思っております。

○山川委員 補足しますと、労働条件分科会においては、特にこの「その他」が具体的に何を指すかを明示的に議論したわけではありません。前に課長がおっしゃったように、労働契約法とパート労働法は若干性格の異なる行政において、より施行の責任が強く出てくることがありますので、ここからは私見になりますが、行政としてこれを施行していく際には「その他」にはどういうことがあるかを今後検討していく必要があると。労使の合意やそういった状況を含めて、もし行政としての対応が今後そういう方向で進むとすれば、考慮していくことかなと思います。

○布山委員 本日提示していただいた資料について、これら論点については、基本的には持ち帰って検討したいと思っておりますが、検討するにあたって何点か確認させていただきます。
 1つ目は、いまの「有期労働契約法制の動きを踏まえ」というのは、公益の先生方からご指摘があったように、有期法制、つまり労働契約法制との整合性という意味合いで、それを踏まえてどうするかとする論点だと受け止めておりますが、その場合、整合性を取ることは必要だと思っております。そうすると、その中での要件の削除なり何なりは理解ができるのですが、その上で、契約法の法案は、いまご説明があったとおり、いわゆるパート法で言う職務の内容・責任、人材活用の仕組みの2要件のほか、「その他の事情」という考慮要素が入っております。整合性という意味からは、同様にこれが盛り込まれるという内容のご趣旨でよいのかどうかを確認したいと思います。

○吉永短時間・在宅労働課長 基本的にはこの場でのご議論等々を踏まえて、最終的な形にはなっていくと思いますが、労働契約法改正案を作成するに当たって、基本的にパート法の考え方を職務と人材活用の仕組みという形で盛り込んで、その内容についても基本的にはパート法の考え方を踏襲する形で作られております。その上で、法文上「その他の事情」がパート法と別に加わる形になっております。
 この中身がどうなのかというところは先ほどご説明したとおりで、具体的に明確になっているものではありませんが、職務と人材活用の仕組みという、ある意味かなりリジットな考え方に加えて、労使の議論等で、労使関係の中で客観的に合理的であろうというものを盛り込むことについては差し支えないのではないかと思っております。ただ、これはあくまでも恣意的に決まるものではありませんので、一般的な裁判例等々の中で一定程度合意が得られていくものですし、先ほど山川先生からご指摘がありましたが、パート法は行政が誘導していくという性格を持っておりますので、そういう意味でかなり明らかになっていく中でこの辺りの考え方を整理しないと、施行が難しくなるということがありますので、基本的には有期労働契約法のフレームワークをそのままパート法に移管すべきではないかという論点提示になっておりますが、具体的な施行にあたってはいろいろな形で整理をしていく必要があるのではないかと思っております。

○小林委員 第8条について、3要件から無期労働契約条件を削除することは妥当であると考えております。ただし、例えば職務1つについても、これまで働く人の立場と使用者側の立場によって、同じ仕事をしているかどうかを客観的に見るのは難しい現状があったと思いますので、原則的には3要件はすべてなくして、合理的理由がない限りパートタイム労働者であることを理由とする差別的取扱いを禁止する法制を取ることが望ましいということは、改めて申し添えたいと思っております。

○布山委員 均等・均衡待遇の3つ目の9条1項のところで質問があります。通勤手当の部分なのですが、いまの論点の中では、9条1項の対象外としている通勤手当を除外するという内容になっているかと思います。私どもがこれまで申し上げたとおり、通勤手当自体の位置づけをどのように捉えるかについては、各企業はそれぞれどういう考え方でやっているかに基づいたものでよろしいと思っております。
 現行では、この9条の仕組みが職務関連なのか非関連なのかという分け方になっております。これまで公益の先生のご意見も、職務関連とも非関連ともどちらとも言えるのではないかということで、これは各企業がどのように考えているかということなのだと思っておりました。そうすると、現行の枠組みで9条1項の対象外の例示から単純に外してしまうと、通勤手当を職務関連と位置づけることになるので、このままの単純な削除であれば私どものこれまでの主張とは違うので、いまの段階では反対かなと思っております。それがどのように解釈されるのかを伺いたいと思います。

○吉永短時間・在宅労働課長 通勤手当については、この分科会においても、特に佐藤先生からいろいろな形でご指摘いただいていたと思います。非常に多様な性格を持っていて、いろいろな角度から各企業によって個別の事由に応じて支払われていると思っております。
 これ自体が職務関連かどうかと言うと、中には一律で通勤手当を支給している会社もないわけではないので、そういう会社の支給の通勤手当が職務関連ではないという切分けは難しいものがあろうかと思います。ただ、職務関連であって、家との距離に応じて金額が違うのは、職務関連とは言いがたいものがあるのではないかと考えております。今回、通勤手当の例外規定の例示化を削除するということを論点として掲げておりますが、この考え方は、1つには有期労働契約法制の中の議論として、先ほどの不合理法制のところで具体的に職務や人材活用の仕組みを考慮した上でなお不合理なものとしてはならないというものの例示として、通勤手当があるのではないかという考え方があります。
 労働契約法については、最終的には裁判所の中での判断になるものですので、それが直ちにそういう形になるかどうかについては、現時点では明らかでない部分がありますが、基本的な労働契約法制の中での不合理になるのではないかという基本的な考え方と、一方でパート法においては、いまの整理ですと8条で差別的禁止の対象でない場合については、均衡すら考慮する必要はないという整理は、同じような方を対象として、性格は若干違うとは言っても、基本的には雇用管理をどういう形で進めていくかという同一の観点の法制であることからして、うまく整合性が取れないのではないかと考えております。そういう意味で、「通勤手当」という言葉で直ちに均衡から除外することは、少なくとも適当ではないだろうというのが出発点です。
 例えば、店舗間異動がある方に通勤手当が支給されていて店舗間異動のない方には支給されていないという構成が取られている所で、支給の有無が決まっているということであれば、そこでの差は不合理とは言えないのではないかと思っております。また、実際には住居の移動を伴うような転勤がある方とない方で明確に分かれている場合。いま申し上げたような事例は、人材活用の仕組みと密接に関連した通勤手当です。こういうものについては、そこの支給の差が仮にあったとしても、それ自体が不合理という性格ではないのではないか。ただ、通勤手当についてはさまざまな性格がある中で、そのような形できちんと整理できないものもあります。そういうものについては、少なくとも均衡を考慮するというフレームワークで考えるということで、有期法制との整合性を図っていくことが適当ではないかと考えています。
 そういう中で、通勤手当が均衡の対象となるという考え方を取った場合に、それが職務関連かと言うと、若干性格づけは変わってくるのかなと思っております。現行の9条1項の規定の対象になりますが、9条1項の中にはそれが職務関連であるという条文は一切入っておりません。むしろ、そこが職務関連と整理されている由縁は、除外規定の中で通勤手当、その他厚生労働省令で定める手当の規定があり、厚生労働省令の中で家族手当や就業教育手当など、諸々の手当の最後にその他職務に密接に関連して支払われる給料という形になっています。そこで職務関連以外のものが入っているので、その他のところに諸々のものが職務関連以外、逆に言うと9条1項本体は職務関連だという整理になっているということです。
 そういう観点で整理すると、仮にこういう形で整理をするとすれば、省令の最後のバスケットクローズの部分の書き方は自ずから変わってこざるを得ないと思っております。そうすることで、9条1項の考え方の整理が必ずしも職務関連という単純な整理ではないという考え方になるのではないかと考えております。そういう意味で、通常大雑把な職務関連、非関連という整理で説明している部分がありますが、そこは自ずから変わってくるだろうと思っております。

○冨高委員 いまの通勤手当のところですが、いまご説明いただいたように、パート則の第3条の職務内容については整理が必要なのかなと思います。9条1項の対象外の例示から削除することは、労働側としては妥当だと思っております。
 加えて、労働者側はいままでも一時金、退職金などの分割可能な金銭的価値を有する給付については、労働時間や在職期間に比例して支払うように言ってきておりますので、9条1項の部分から、退職手当についても例示から除外するのが望ましいのではないかと思っております。

○中島委員 1つ目の○に戻って、意見と質問をしたいと思います。まず、有期労働法制との整合性を図る観点から、少なくとも8条の3要件から無期労働契約要件を削除するのはしごく妥当なことだと思っております。また、職務内容と配置の変更の範囲を残すのであれば、整合性という観点から要件ではなくて考慮要素としたほうがいいと思っております。
 法文でどう書くかということになるのですが、「当該職務の内容及び配置の変更の範囲、その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならない」となっておりますが、「契約法制との整合性やわかりやすさという観点から、合理的であると認められるものでなければならない」としたほうが、論理としては筋が通るのではないかと思っております。
 8条の3要件から期間の定めのない労働契約という要件を外すとした場合、人材活用の仕組みの中で、あらかじめ全雇用期間という、期間の定めが人材活用の仕組みにも被っていて、雇用期間終了までの全期間を対象として人材活用の仕組みを判断するとなっているかと思いますが、ここの調整が必要になるかと思います。具体的には、期間の考え方がどうなるのかということですが、現行法どおり雇用関係が終了するまでの全期間なのか、9条2項のように期間のうちの少なくとも一定期間なのか、あるいは特に期間に関する基準はそもそも設定しないということにするのか、その辺の整理が必要ではないかと思います。

○林会長 いまのは、ご意見として伺います。

○中窪委員 1つ目の「また」以下ですが、いまの中島委員のお考えは、不合理な相違が認められるというよりも合理的でなければならないとするということと、かつ要件ではなく要素とするということだと思います。先ほど、労働側の小林委員が差別的取扱いの禁止は維持すべきだとおっしゃったような気がしますが、そこは見解の相違があるということでしょうか。

○小林委員 中島委員がおっしゃったように、3要件から無期労働条件を削除することが妥当であるということは全く同じ意見です。ただし、私たちがこれまで申し上げてきた主張としては、3要件すべてを外すのが大前提になっていることは変わりはないけれども、ということで中島委員の意見だと理解していただいていいかと思います。

○中窪委員 法律の仕組みが、8条は差別的取扱いをしてはならないという非常に厳しい、それだけに要件ががっちり書かれているのだと思いますが、今回期間の定めについては別の法律ができたので、そちらに動かして、要件を削るというのは自然に出てくることだと思います。それと併せて、有期労働のほうが不合理と認められる相違であってはいけないという書き方をしているものですから、差別的取扱いというのは、もう1つそこまで合わせるかというのが別の論点としてあるので、また以下があると思うのです。そこについて、先ほど小林委員は差別的取扱いを維持すべきだとおっしゃったような気がしたのですが、そうではないと、不合理な取扱い、格差を禁止する、あるいはむしろ積極的に合理的にしなければいけないという方向で変えることは賛成だということでよろしいでしょうか。

○小林委員 本当の気持ちは全部削除してほしいけれど、そういうことであれば中島委員が言われたように、少し妥協点を見つけたいという気持は持ってはいます。

○山川委員 中島委員が言われたもう1つの点で、「要素」か「要件」かということですが、これは先ほどの「その他」が入るということと関連しています。労働契約法の改正法案要綱では「考慮して」とありますので、これは「要件」ではなくて「要素」であると。そこでそれだけで留まるものではないので、その他の要素も加わるという整理になるのではないかと思います。

○關委員 均等・均衡待遇の2つ目の○の9条第2項に関してです。9条2項は、実際には第8条がどのようになるかによって若干変わってくるのかなとも思いますが、論点に記載されている「職務の内容が通常の労働者と同一であって、人材活用の仕組みが通常の労働者と少なくとも一定期間同一であるパートタイム労働者」についての差別的取扱いの禁止が第8条に含まれるのだということが明確なのであれば、9条2項を削除することは問題ないのかなと思っております。
 一方で、一定期間仮に同一であっても、雇用関係終了までの全期間を通じて同一でなければ、労働条件の相違が不合理ではないと解釈される余地があるということであれば、一定期間同一のパートタイム労働者についてどのように一定にするのかは、慎重に検討しなければいけないと思います。

○布山委員 いまの点について、8条に契約期間という要件、要素かもしれませんが、それがなくなるのであれば、そもそも一定期間という概念自体なくなると思っています。8条の要件から削除するのであれば、当然一定期間という概念もなくなるので、削除になると思っています。

○吉永短時間・在宅労働課長 9条2項についてお尋ねがありましたが、特に9条全体はパートタイム労働法の中でも有期の方を念頭に置いた規定になっております。すなわち、パート法の現行の8条は職務、人材活用の仕組み、無期の3つの要件が揃った場合についてのみ差別的取扱いを禁止するという法制になっております。実質無期の方も無期に含まれるという整理になっておりますが、一方、有期契約のままで更新をされていて、職務と人材活用の仕組みが同様の方が実際に存在するのではないかと考えられます。
 9条2項では「少なくとも一定期間」という書き方をしております。一定期間ではなくて、少なくとも一定期間。要するに、基本的には人材活用の仕組みも同じだけれど、将来にわたってすべて同じかというと、有期という特殊性からするとなかなか言い切れない。そういう方々に対して、現行の3つの要件という立て方をした場合について、差別的取扱いを禁止するというものについてはなかなか馴染まないという整理の中で、一方でそういう方についてたまたま契約が有期であるということを前提として、全く差別的取扱いが何もかからないというのはいかがなものかという考え方、少なくとも賃金の決定の方法について同じような形に揃えるという取組みになっているという整理だろうと思っております。
 そういう意味で、ここで主な対象となっている方は有期であるがゆえに8条に行けなかった方々だろうと思います。今回ご提案している論点の中で、有期の議論が先ほど布山委員がおっしゃったように除かれるとすると、そこは自ずから整理がつくと思っております。少なくとも9条2項が基本的に想定している部分については、契約期間という考え方が仮になくなるとすれば、8条に移行するのが太宗だろうと思っております。

○齊藤委員 いまの件ですが、第8条の条文を見ると「当該事業主との雇用関係が終了するまでの全期間において」と書かれております。通常の方は、パートタイムは最初は通常の労働者とは別の形でされて、途中から通常の労働者と同じような人材活用の仕組みに入る形が多いのです。その仕組みに入ってからあとが同じであれば同一にしなければならないということだと思いますが、この条文からすると、最初が違うのだから、最初から違うのだという解釈にされやすいのではないかと思うのです。

○吉永短時間・在宅労働課長 この辺りは、もともと指針で書いてあったものを法律化するときの整理で、このような記載になっているということです。基本的な考え方は、当時の議論としてパートタイム労働者と正社員とで人材活用の仕組みが違う中で措置をどう考えていくのかという考え方で、「人材活用の仕組み」という言葉を使いながらそこについての関係性を整理するという形でした。ただ、「人材活用の仕組み」という言葉が法令の用語としてなかなか使えない中で、いまの「職務と配置の変更」になって、それを長期的に表現する形で「雇用期間が終了するまでの全期間」という書きぶりになっております。
 ただ、基本的には人材活用の仕組みですので、例えば最初パートの方が見習いで入って、職場長のようなものになって、そこから先は正社員と同じような人事管理に入っていくのであれば、それは当然人材活用の仕組みが同じになるわけですので、そういう方については現行でも8条の対象になります。その辺りは若干法文の書き方と現状の運用と齟齬がある部分ですが、基本的な考え方はそういったものです。

○林会長 ほかにご意見等はありますか。いままでは均等・均衡待遇についての議論を主にしてきましたが、次に雇用管理の論点についてご質問、ご意見等がありましたらお願いします。

○瀬戸委員 この雇用管理の最後の○の厚労大臣が行う調査・研究云々で、この42条に規定してあるもので十分賄えるような気がしているのですが、あえてこの評価制度を規定する意図は何かをお聞きしたいと思います。

○吉永短時間・在宅労働課長 ご指摘のとおり、現行のパートタイム労働法の中で「厚生労働大臣は、短時間労働者が有する能力を有効に発揮することができるようにするため、短時間労働者のその職域の拡大に応じた雇用管理の改善等に関する措置、その他短時間労働者の雇用管理の改善等に関し必要な事項について調査・研究及び資料の整備に努めるものとする」という規定が入っております。そういう意味で、ここに論点として掲げている内容についても、この条文の中で読めないわけではないだろうと思っております。
 また、今年度の予算事業ですが、職務評価のマニュアルの改定をやっております。これは、従来いわゆる単純比較法の職務評価のマニュアルを作成していましたが、それを要素別点数法というもう少し精緻なものを作成する形で、予算事業で進めております。こういったものはすべての企業に必要なものでもありませんし、すべての企業に導入していただくような性格のものではありませんが、基本的な考え方としてパートの方の働きと貢献に見合った処遇を実現していただきたいというパート法の考え方からすると、職業能力評価、あるいは職務評価といったものがあるということについて、資料の整備を厚生労働省として積極的にやっていくということと、それを必要とする事業主に提供するということを法文上も明確にしたほうがいいのではないかという考え方で、論点として掲げております。これを法文上書かないとできないという性格のものではありませんが、評価制度に関する厚生労働省の姿勢を少し明らかにしたいという考え方です。

○渡辺委員 いまのお話ですが、どのぐらいの必要性があるかどうかが定かでない段階で、厚生労働省のやるべきこととしてここに掲げるのは時期尚早のような気がします。世の中に必要なものをいかに提供するかが経済活動ですし、労働もその一環ですので、必要のないものを、しかもこの緊縮財政の中やるというのは、費用についても考慮しなければなりません。したがって、必要性をきちんと数値化して、あるいは論理化して見出した段階でやっていただいたほうがよろしいのではないかと思います。

○吉永短時間・在宅労働課長 全体的に財政状況が非常に悪いという状況がありますし、実際に職務評価を企業で実施する場合もそれなりのコストがかかる中で、そういったものを企業でどういう形で進めていくのか、企業によって必要性がある所とない所とさまざまにあるだろうと思っております。ただ、先ほど申し上げたとおり、パート法の基本的な考え方はパートの方に働きと貢献に見合った処遇をしていただく形にできないかという考え方に立っているという意味で、働きと貢献をどういう形で考えていくかについて、いろいろな形で情報提供をしていくことが、最終的にはその法律の目的にも資するのではないかという考え方からなのではないかと思っております。
 また、平成19年にいまのパート法が改正された時点において、国会の付帯決議の中でもこういったものについて重点的に対応するようなものが付いております。そのような中で、私どもはやりたいからやるというよりは、もう少し広い考え方で必要性はなくはないのではないかと思っております。もとより財政状況の厳しい中で、必要な事業は精査していくべきだというのはご指摘のとおりだと思っておりますし、その中でこういうものについてどういう形で対応していくのかは検討していく必要があるだろうと思っております。

○冨高委員 職務評価とか職業能力評価というのは、パートタイム労働者の均等・均衡待遇に資するものだと思っていますので、先ほど財政状況というお話もありましたし、いままでもその話は出ておりましたが、大体財政状況を考えていくと、企業の中でいちばん最初にしわ寄せが来るのが非正規の労働者だと思っています。この件については、社会的な問題に日本としてどう立ち向かっていくのかという意味もありますので、今回ご提案していただいたところは重要な部分なのかなということで、我々としては賛成の方向では考えております。
 ただ、財政の面ももちろん重要ですから、何が必要な施策で、そうでないものはどうなのかということで、財政を見て必要なものはきちんとやっていく、社会的に問題なところはやっていく。これは企業ということではなく、国の財政を含めてですが、そうでないところはカットしていく感じでやっていっていただくのがいいかなと思っております。ここは無駄なものではなくて、社会的な意味合いとして重要な取組みだと思っておりますので、是非やっていただくのがいいのではないかと思っております。

○川﨑委員 私も先ほどの評価制度に関する意見です。法文の42条自体は雇用管理の改善等のために研究をしていきたいということで、もっと広い枠組みでの書きぶりになっていると思っていますが、今回これを評価制度に特化したような形で規定することはどうかというのがご提案の趣旨だと思います。
 そこで、職務評価とか職業能力評価を調査していただいて、細かい詳細な内容のものを提示いただいた場合に、それが企業としてすぐ使えるものかどうかというと、企業の実態からすると自分たちの企業に合わせた形でカスタマイズしていくことが必要になると思います。つまり、直接使えるものがすぐ出てくるかというと、そこは難しいのではないでしょうか。一方、ある程度汎用性が高いもの、どこの企業にでも適用できるものが出てきた場合に、実際働いている人たちの職務評価や能力評価をきちんと図る尺度になり得るかというと、そこも企業の実態に合わせたパートの方たちの業務の内容及びその能力にカスタマイズしていく必要があって、どのような形のものが出てきても、かなりその企業の実態に合わせたカスタマイズが必要になってくるのではないでしょうか。
 そういうことを踏まえると、必要性を今一度詳細に検討した上で慎重にご判断をいただきたいと思っています。

○吉永短時間・在宅労働課長 職務評価についても職業能力評価についても、カスタマイズが必要だというのはご指摘のとおりだと思っております。そういう意味で、すべての企業がすべて使えるようなものをお示しするという性格のものではないのだろうと思います。カスタマイズする前提となるような素材について情報提供していく。少なくとも一定規模以上の企業においては人事部で一定の評価をしていて、正社員の方についてこのような取組がなされていると思います。まさにそこが人事部のノウハウの塊みたいなところなのだろうと思いますが、パートタイム労働者に対して利用できるようなものが実際どこまで作られているのかという問題は一方であるのだろうと思っております。そういう中でパートの方だけのものというよりも、もう少し幅広いものが作れないか。そういうものは、いままであまり作られたことがなくて、そういう意味で企業固有のものではなくて、もう少し汎用性があって、企業にこういうものがありますよと情報提供するということはいままで行われていなかったという意味では、意味がないわけではないのではないかと思っております。
 先ほどパートタイム労働法42条についてご説明して、雇用管理について幅広く調査・研究をという部分について付け加えるとご説明をしましたが、評価に特化させるという趣旨ではなくて、現行の雇用管理に関するいろいろな調査・研究事業の中の例示として、重点を持ってやっていくということを少し記載できないかという論点のご提案です。

○佐藤委員 現状の第42条については、パートタイマーを雇用している企業、あるいは働いている企業としては中規模が、人数的にも多いので、そういう意味では能力開発とかキャリア形成支援、あるいは賃金の均等・均衡をどうするかについての情報提供はすごく大事だと思いますので、こういう取組みは大事だと思います。ただ、雇用管理を改善のときに、現状でも当然評価の仕組みは入るわけです。パートの評価制度だけを取り出すわけではなくて、いま例示というお話がありましたので、そうすると、たぶん1個だけ例示するものを入れるかどうかということもあって、例えば今回で言うと従来から通常労働者の転換という仕組みをどうするかとか、今回変わりますから、均等・均衡もかなり重視度が高くなると思うので、現状に追加した書き方は結構難しいのではないかという心配はあるのですが、すでに評価の制度は入っているわけです。それを例示的に書いたときに、1個だけ取り出して例示というのが馴染むのかなという気もしなくて、今回の法改正を踏まえると正社員の転換制度は結構大事になっているかと。労働契約法制の改正もありますので、あるいは均等・均衡も大事になるかもしれないので、そうすると、何でパートの評価だけ取り出すのかと言われたときに説明しにくいかなという気がします。入れることがいけないという意味ではありません。ただ、なぜそれを例示するのかについて強い説明をと言われると、私も難しいと。雇用管理の中でなぜそれだけ取り出すのかと言われると、よくわからないという気がします。

○林会長 この点に関してご意見はありますか。

○冨高委員 確かに1つだけと言うと、入れ方も含めて難しいのかもしれませんが、均等・均衡とか大切なものがある中でなぜこれをと言ったときに、私個人として考えるのは、キャリアラダーがなくて評価の尺度があまり明確ではないので、結果的にそういったところが賃金に反映されずに、低賃金になっているという状況は結構大きいのかなと思っているのです。そういうところが明確になれば、結果的に賃金にも反映されていくのではないかと考えると、この評価制度は結構大きなものなのではないかと思うので、そこについて重要なものとして、ある意味均等・均衡につながる最初の一歩という形では重要なのではないかと思っています。

○渡辺委員 現行法の中で読み取って、こういうことができると私としては思われるのですが、それであれば法律の条文を変えるよりは、いろいろな要件の中でこの必要性の優先順位が高いと論理的に判断できるのであれば、おやりになればいいだけの話で、いまの議論は法律の文章を変えることが目的になっているように聞こえるのですが、いかがですか。

○吉永短時間・在宅労働課長 現行法上読み得るということはそのとおりですし、実際に現行法の中でも、私どもとして例えば職務評価についての基本的なマニュアルのようなものをお示しして、企業の方にお配りしているという実態もあります。そういう中で、法改正をしないとできないという性格ではないし、先ほどご議論がありましたが、例示をしてこれだけ取り出すのはどうかということもあるのだろうと思っていますが、パートの処遇改善、雇用管理をどうしていくかという中で、評価制度が1つのキーワードになるとすれば、それについて積極的に位置づけていくという意味で、できるかできないかというよりは、方向性的に位置づけていくことが重要ではないかという観点で論点に加えたということです。

○瀬戸委員 これに関連して、現行の調査・研究のテーマとか、どういった資料を整備していこうかとか、そういったことはどういうところでというか、厚生労働省の中で、例えば調査研究委員会か何かを立ち上げてやっているのか、研究委員会を立ち上げるとするならば、その委員構成はどういう方々がなっているのか、現行で結構ですので教えていただければと思います。

○吉永短時間・在宅労働課長 現行で何か委員会があるというよりは、この条文だと厚生労働大臣が必要な調査・研究、資料の整備に努めるという規定になっておりますので、その中で私どもとして例えば先ほどから繰り返しご説明しておりますが、単純比較法による職務評価のマニュアルを作ってみたり、雇用管理について私どもの持っているパートタイム労働法以外の税法とか健康診断とか、さまざまなものを含んだ資料を用意して、パートの雇用一般にかかわるようなものについて提供しております。また、さまざまな企業の取組について関係のシンクタンクに依頼をして資料を作成したり、私どもで言う好事例の企業の実務の中でパートの雇用管理が進んでいる企業についての情報収集をやって、それを提供したり、あるいはそういったものをインターネット上で普及させたりといったことをやっております。
 そういうものの中で、1つ評価制度について現状でやっているものを今年度も新たな事業としてやっておりますので、そういうものについて少し位置づけをしてはどうかというご提案です。

○瀬戸委員 大臣から、これが必要だからこの調査をすべしという指示があって、厚生労働省の各部局、担当局がそれに取りかかるというシステムですか。

○吉永短時間・在宅労働課長 法文上厚生労働大臣となっていますが、もちろん大臣の指示があればやるわけですが、厚生労働大臣は執行機関の長を指しているだけですので、私どもの必要に応じて取組を指示、もちろん審議会の場等々でご意見を頂戴しながらということは前提にはなりますが、そういう中で必要な事業について実施をし、それで得られた成果物を事業主あるいは労働者に提供していくという考え方です。

○渡辺委員 前回作った法律でやれることを、厚生労働大臣なり厚生労働省がやってこなくて、ここに来て必要だと思ったので、法律にしないとできないと、法律にしてやりたいとおっしゃっているように聞こえるのですが、現行法もしっかりと議論されたうえで作られた法律だと思うので、それを遵守してやるべきことを厚生労働大臣なり厚生労働省がやるということで、条文を変えなくても済むのではないでしょうか。

○吉永短時間・在宅労働課長 今回論点でお示ししているものがすべて法律に入るかどうかはまた別の話だろうと思いますが、論点という形で提示し、必要な部分についてはご説明した部分ですが、労使のご意見を頂戴しながら最終的な形として、どのようなものがあるべき姿かということについて描いていくべきではないかと考えております。

○中西委員 大変単純な内容の質問かもしれませんが、本件について規定することについて、労使双方にとってどのような利益が考えられるのでしょうか。具体的にどのような利益があるのか、それについてお答えいただければありがたいと思います。

○吉永短時間・在宅労働課長 具体的な内容としては、渡辺委員から累次ご指摘がありましたように、現行の予算等でもできる事業ですし、逆に言うとこの条文がなくてもできないわけではない内容ではあります。ただ、現状のパート法の施行の状況を考えていく中で、評価制度が1つ重要ではないかという観点でそれを位置づけ、さらにそういうものを厚生労働省としてもきちんとした成果物を作って労使双方に提供する形で、その中で具体的な質の高い成果物を作る動きが出てくるのではないかというのがメリットになるのではないかと考えております。いずれにしても、渡辺委員が繰り返しご指摘のとおり、それが条文化されなければ絶対できないという性格ではないことはご指摘のとおりだと思っております。

○林会長 西村副大臣が到着されましたので、一言ご挨拶をお願いいたします。

○西村副大臣 どうも皆さん、こんにちは。会の途中からで失礼をいたします。4月6日に厚生労働副大臣に就任いたしました衆議院議員の西村智奈美と申します。各委員の皆さんには本当にお忙しいところ、ありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。今日も藤田政務官がご出席していただいておりますが、もう既にご案内かと思いますが、藤田政務官、小宮山大臣、そして私、この3人で民主党、野党時代に議員修正でパート労働法のことについてはいろいろと取り組んでまいりました。是非、雇用均等分科会の皆さんからのインプットをいただいて、より良い方向で今後の法改正ができますように、また引き続きお願いを申し上げます。どうぞよろしくお願いいたします。

○林会長 それでは、議論に戻りたいと思います。小林委員どうぞ。

○小林委員 いまの話の続きにもなるのですが、評価制度について着目するというのは非常に有効だと思っております。なぜかと申しますと、いま非正規社員というのは日本の経済界にとっても、労働者の側にとっても、なくてはならないといいますか、現実問題で非常に大きなウエイトを占める存在になっております。ずっと調査の中からありますように、非正規で働く方たちは、賃金に対して、どうして長い間働いて自分が評価されないのだろうかというのは、やる気とかモチベーションに大きくつながるところになっていると思います。一企業の中で、パートの評価制度についてどんどん規定をしていって、評価を積極的にできればいいのですが、使用者側の皆さんからもありましたように、いま経済状況が非常に良くないので、パート社員の評価を積極的にするということは、いま企業の中ではそんなに多くは行われていないように思っておりますので、そこを行政のほうから、こういった形で少し研究の対象にするというのは有効だと思っております。
 加えて、もう1点、「雇用管理」の○の1番目に戻りたいのですが、パートタイムの労働者の雇入れ時などに、雇用管理の改善のために説明をするということも、非常に妥当だと思います。この説明をする際に、働く労働者の方たちが、納得して気持良く説明を受けるためには、文書でということが望ましいのではないかと思っております。文書の中身については、どういった形で賃金を決定したのか、あるいは通常の労働者、正社員との賃金格差の程度やその理由も含めて、ちゃんとした文書で説明をして差し上げるのがよいのだと思っております。また、諸外国の例になりますが、フランスやドイツのように、こういった内容については労働組合、あるいは過半数代表への説明や協議などを行うようにしてはどうかとも思っておりますので、意見として申し上げたいと思います。以上です。

○布山委員 先ほどからの調査研究については、たぶん要はいまでも読める条文をわざわざ例示するのはなぜなのかという素朴な疑問で、皆さんおっしゃっていただけなのだと思うので、その辺を整理していただければと思います。
 それから、いま小林委員からあった雇用管理の説明の部分です。短時間労働者へのその内容の周知という観点から、事業主がどのような労務管理を行うつもりなのか、あるいは行っていくのかということを説明することについては、1つの方策としてはあり得るのではないかと思っているところです。ただ、ここの論点にあるような、例えば賃金に関する均衡ですが、賃金に関する均衡といいましても、通常、短時間労働者の賃金、特に雇入れ時の賃金については、その地域、地場の賃金に大きく左右されます。そういった内容の説明も、説明をしたということになるのかどうかということをちょっと確認させていただければと思います。

○吉永短時間・在宅労働課長 ここに記載のあります賃金に関する均衡については、パートタイム労働法第9条の中で、賃金の均衡について努力義務をとの規定がありますが、この努力義務の内容として、どういう取組をやっているか、やってらっしゃることがあれば、それをご説明いただくという内容だろうと思っております。ただ、一方で賃金の均衡というのは非常に難しくて、具体的にどういう考慮要素でどういう形になっているのかということを、抽象的に説明するのも難しいし、仮に抽象的に説明したところで、その賃金からどういう形でパートタイム労働者の方の賃金を決定しているのかということの説明をするのも、さらに難しい部分があります。そういう意味で、賃金の決定の中で仮にパートの方が職能的な働き方をしていて、職能に応じた形で賃金はこう上がっているという企業であれば、そのようなフレームワークをご説明いただくという形に該当すると思います。それ以外の方の場合でも、どういう形で賃金が決まっているかといいますか、変わっていくかということについての情報提供があれば、それについて当然に、この考え方にふさわしいだろうと思っております。
 一方で、ご指摘のとおりに雇入れ時の賃金の決定の仕方は、労働市場外の賃金の影響を当然受ける。要するに例えば時給800円でも働きたいという人がたくさんいるような所で1,000円払う企業があるかどうか。そこで800円の雇用をすることが不合理かどうかというと、そこは労働市場で決定される賃金は合理性があるのだろうと思っております。
 企業外の労働市場との関連でいえば、おっしゃるとおり企業外の労働市場の賃金が一定程度合理性がある。ただ、企業内の労働市場に移ったときの賃金がどうなるのかというところについて、むしろパートの方は情報が少ないし、そういう意味での納得性を向上するということからすると、雇入れ時の賃金について、もしそういう実態があれば、そういう形のご説明で足りると思いますが、ここで考えておりますのは、企業内労働市場に移ったときの賃金の決定の仕方について、もし説明できるような中身があればご説明いただくという整理ではないかと思っております。それ以上のものでもないし、逆に非常に細かい精緻なものをご説明されても、なかなかパートの方がご理解いただくのは難しい部分があるのだろうと思っております。

○川﨑委員 違う項目になりますが、第13条の「待遇の決定に当たって考慮した事項の説明を求めたことを理由に不利益な取扱いをしてはならない」といったところの記載があって、確かに説明を求めたことで不利益な取扱いはしてはならないでしょうというところの趣旨はそのとおりだと思います。そこの中での不利益な取扱いの例示として、解雇と契約更新の拒否などという項目があります。契約更新の拒否ということも、不利益な取扱いの中の1つだという認識なのかどうかを確認させていただければと思います。

○吉永短時間・在宅労働課長 雇用管理に当たっての不利益取扱いの法文の事例は、かなりいろいろなものがあります。例えば労働基準法でも、労働基準監督官に申告したことを理由として不利益取扱いをしてはいけないという形で、条文に既に入っているものです。そこでの不利益取扱いが何かとなると、例えば解雇であるとか、配置転換であるとか、減給であるとか、昇給停止であるとか、出勤停止であるとか、それに加えてここに記載してあるような雇止めのようなものも入っているということもあります。そこは、ここでこの解釈が新たに出てくるというよりは、このような形の何らかの対応をしたことに対する不利益取扱いの一般的な考え方を例示しただけで、パートについて処遇を説明したときに、それを理由にして不利益取扱いをしてはいけないときだけに入っているものではなくて、一般的な規定の中で入っているものについての考え方を例示したという形です。

○川﨑委員 趣旨はそうだろうなというところなのですが、少し懸念しているところがあります。このように記載されると、契約更新は必ずしなければならないものだと、捉えられる可能性があります。当然、契約というのは期間があるものなので、契約更新をする、しないという両方の場合があります。もし、契約更新しなければ、その判断自体がどのようになるのかといったところも含めて、不利益な取扱いをどのように検討していくのかというのは、少し議論があってもいいのかと思っています。

○吉永短時間・在宅労働課長 ここでは少し理解を進める形で、例示を増やして記載しておりますが、解雇その他の不利益な取扱いをしてはいけないというのが、法文上の通常の書き方です。ですから、不利益取扱いの代表例が解雇であるというもので、先ほど申しましたような降格であるとか、配置転換だとかいう諸々のものが含まれているという形だろうと思っています。これはあくまでも例示ですので、基本的な形では解雇を代表するような一般的な不利益取扱い、他の法令であるような不利益取扱いについて同じような考え方を整理したものです。

○布山委員 いまの第13条に関連してです。これは説明を求めたことをもってのみの不利益取扱いの禁止というように理解をしております。考え方としては理解ができるのですが、その際に、川?委員もおっしゃっていたように、その不利益取扱いの内容とか、その内容と説明を求めたこと、あるいはさらに、ほかの事象との関係も含めて、少し議論が必要ではないかと思うところですので、議論していただければと思います。
 併せて、不利益取扱いの関係では、「その他」の1つ目、「親族の葬儀の理由をもって」というところです。まず、この内容は、パートタイム労働者が親族の葬儀で勤務しなかったことという理由のみをもって、不利益取扱いの禁止という意味でよろしいのでしょうか。

○吉永短時間・在宅労働課長 この部分については、ご指摘のとおりを念頭に置いて記載したものです。

○布山委員 そうでありますと、文章の趣旨は理解していますがそのような形できちんとわかるように書き直していただければと思います。このいまの文章だと、必ずしもそれだけに読めないような気がするので、お願いいたします。
 それを踏まえて、先ほどの第13条、それから今回のこの所にも、「不利益取扱いをしてはならない」という同じ表現があります。これらの不利益取扱いというのは、おのずと中身が違ってくる可能性もありますので、先ほど同様、ここも議論をさせていただければと思います。

○佐藤委員 現行の第13条の解釈なのですが、ちょっと教えていただきたいところです。パートタイマーの方が自分の待遇の決定について説明しなければならないですから、説明するときの中身は例えば職務等級制度か何かあって、質問してきた方、「Aさんは3等級なのでいくらで、今回はB評価だったので20円、上がりました」と説明すればいいのか、つまり仕組みですよね。さらに、でも何で私はBだったのかということまで説明するのか、これはどこまで説明するのかというのは、何か現行の解釈であるのですか。

○吉永短時間・在宅労働課長 具体的には待遇の決定に当たって考慮した事項という形で、第6条から第11条まで、あるいは第12条の第1項で、法律に書いてある内容について考え方を説明していただくという中身です。それによって、個別具体的なところで最終的に納得していただくということまで求める規定ではありませんので、具体的にいまご指摘のようなかなり細かいところについて、そこまで詳細にご説明していただくところまでは必ずしも必要はないと考えております。ただ、具体的な制度などについて説明を求められたところについては、きちんと説明していただくということではないかと考えております。

○關委員 第13条に関してですが、我々労側といたしましては、できるのであれば、待遇の決定に当たって考慮した事項は、すべてのパートタイム労働者にきちんと説明するということを義務づけてほしいのだというスタンスにはありますが、論点ペーパーに記載されております、少なくとも説明を求めたことを理由とする不利益な取扱いの禁止を、明確に法律上位置づけることは是非お願いをしたいと。先ほど布山委員からもお話がありましたが、そもそも不利益取扱いというのはどういう位置づけなのか。それと説明を求めたことを理由とすることの相関関係のところの問題。いろいろ論議の必要はあるのかもしれませんが、条文化するということで、その方向性で検討を進めていただきたいと思うところです。
 さらに言うとというところなのですが、指針の第三の三-2に説明を求めたことを理由にする不利益取扱いの禁止ということがありますが、併せて三-三-1にあります過半数代表制、代表者についての不利益取扱いの禁止も条文化するというのも検討の余地があるのではないかということで、これは意見として述べさせていただきます。以上です。

○齊藤委員 「雇用管理」の1頁の2つ目の○なのですが、苦情対応担当者の選定ということが書いてあるのですが、いまの第15条に「短時間雇用管理者を専任するよう努めるものとする」ということがあるのですが、これを努力義務規定から義務規定とするのか、それとも別途、苦情対応担当者を選出するのか、あるいは対象とする事業主の事業規模はどのように考えているのか、教えてほしいということです。あと、周知については賛成ですが、これは文書で行うことが望ましいと考えております。

○吉永短時間・在宅労働課長 現行法の中でも短時間雇用管理者という規定があります。これは身近なところで具体的に雇用管理を行うという観点で、10人以上のパートタイム労働者を雇用している企業について、選任の努力義務がかかっているものです。ですので、これは日常的な雇用管理についての前提のものです。今回のものについては、実際には短時間雇用管理者が行っても構わないわけですが、身近な方というよりは、むしろ制度にわたる話であれば、例えば企業の実態においてですが、人事部のようなところでやっていただくということもあると思います。そういう意味で、必ずしも同じ方がやる必要はないと、別の制度として考えているというものです。
 また、文書かどうかということを必ずしも求めているものではありませんが、例えば雇入れ通知書の中でのモデル事業様式みたいなものがありますので、そのようなものに盛り込むというのは、1つの考え方としたらいいのではないかと思っております。いずれにしても、こういう形でのきちんとした説明がなされて、それについてのパートの方についての制度、あるいは苦情処理体制を含めた体制整備についてご理解いただけるようなフレームワークということが重要ではないかと考えております。

○中窪委員 「雇用管理」の最初の○ですが、いままで第6条について詳しく議論した記憶があまりなかったのですが、今回こういう形で法に従う措置の内容について説明するということで、イメージがいまひとつ掴みにくいのです。いま労基法の労働条件プラス特定事項を書面で示すということですが、それと同じような並びで考えておられるのか、それとももうちょっと違う、口頭でもいいのか、その辺りはどのようにお考えなのでしょうか。

○吉永短時間・在宅労働課長 この辺りの細かい整理について、十分検討が進んでいるという状況ではありませんが、基本的な雇入れ時における賃金であるとか、教育訓練であるとか、福利厚生についての説明については、第13条並びではないかと考えております。一方で、苦情処理の担当者などについては第6条第1項並びになるのではないかという形です。その辺りについては、内容の性格に応じて、どういう形で進めていくのか考えると、あるいは内容の親和性を考えると、そういう整理が1つの考え方としてあるのではないかと思っております。

○中窪委員 いままで議論してきた中で、先ほど盛んに議論になっていましたが、パートタイム労働者に対する評価制度ですか。職務評価とか職業能力をどう評価するかというのは議論になっていましたし、それを見据えて、さらにキャリアラダーといいますか、将来的にどのように自分がやっていくのか、そういうイメージを持たせるのは大変重要だというのは、ここでもいろいろ議論されたと思うのです。ですから、もしあるのであれば、採用時にそういうものについても何か説明を最初にさせておくというのも1つ考えられることかと思ったのです。この法律の内容の措置よりは、むしろそういうほうが何か有益かという気がいたします。これは私の意見としてです。

○瀬戸委員 「雇用管理」の1つ目の○、2つ目の○もそうなのですが、「雇入れ時等」となっているのですが、「等」というのはどういうものを指すのですか。

○吉永短時間・在宅労働課長 基本的には更新のときのことを考えております。

○齊藤委員 2頁目の「その他」の2つ目の○の履行確保の所ですが、法違反については直ちに是正するのが大前提で、指導等の徹底を図ってもらいたいと思います。その上で、必要な場合には措置計画の作成を課すことは一定の効果が期待できるものであり、賛成したいと思っています。また、勧告に従わなかった事業主の公表、虚偽報告または報告拒否をした事業主に過料を課すことも当然行うべきであると考えております。なお、作成を求める措置計画については、労働組合や過半数代表への説明協議または労働組合もしくは過半数代表の意見聴取と意見書の添付を義務づけるのも妥当ではないかと考えております。

○山川委員 先ほどの中窪委員のご発言との関連で、職務評価の役立たせ方みたいなお話にもつながってくるのかと思います。つまり、第9条第1項の努力義務がありますので、企業において、うちの企業ではこういう形でいま評価を考えていますと。これが企業として努力しているということになって、それが説明されることによって、いわば納得性の向上につながると。努力義務なものですから、常にそうすべきだということではないのですが、そういう形で評価制度を各企業で工夫して役立たせるという活用も、1つの例としてはあり得るのかと、いまのお話を聞いて思いました。

○中島委員 先ほどから議論になっております第13条の趣旨は、そもそも労働者の納得性と将来に対する可能性への理解をどれだけ高めていくかということだと思いますので、おのずと説明の限界はあると思いますが、やはり説明や自分の可能性を追求するということで、求めたことに対して不利益取扱いをしてはならないということで、不利益取扱いを法に格上げをするというところが趣旨だと思っております。

○川﨑委員 法に格上げと言ったことのご発言もありましたが、今回、法律上、格上げしなければならないような何か重大な問題が発生しているとか、事例としてこんなものがあるとかといったところは、いまの状況はどのようなところのご判断があって、今回のこの論点になっているのかというのがあれば、ご紹介していただけないでしょうか。

○吉永短時間・在宅労働課長 これまでデータ等々で説明している中で、企業の中で一定程度の不満を持ってらっしゃるパートの方がいらっしゃるという中で、実際に企業にご相談している方の割合がそれほど多くないという状況があります。こういう形で、相談に行くほどでないような不満であれば、それはそれで問題はないのだろうと思っていますが、そういう中できちんとした労使のコミュニケーションが図られていることが望ましいという考え方はあるのだろうと思っております。そういう中で、指針に書いてありますが、ある意味、不利益取扱いを恐れて、仮に説明を求めることを躊躇しているということであれば、そういうものについて法律を位置づける形で、そういう懸念をさらに払拭していくということは、コミュニケーションを促進する中で意味があるのではないかと考えているところで、そういう意味で論点に掲げさせていただいたところです。

○中西委員 事業主側から一言、意見を申し上げたいと思います。調査によると、パートタイム労働者から処遇にかかわる説明を求められたことがある事業主のうち、98%が説明しているという状況があります。説明を求められた場合の義務は履行されていると、そのように考えております。要は、職場の労使のコミュニケーションをいかに円滑にしていくかでありまして、実際、企業はいま現在それに取り組んでおります。それについて、以前に申し上げたと思いますが、またこの場においても申し上げます。以上です。

○小林委員 いまのご意見ですが、説明を求めたパート労働者などに対して、企業側が説明をしているというのはデータで実際にありました。ただ、一方で、こちらの労働側のほうから問題に思っているのは、説明を求めたくてもやはり立場が弱い、もしかしたらそれで不利益があるのではないかというように、言いたくても、聞きたくても聞けない、あるいは質問しにくいという状況を少し改善する必要があると労働側のほうは思っております。
 もう1点、「その他」の1番目の○の葬儀の件なのですが、これまで私たちのほうで忌引き休暇をパートタイム労働者にも付与したほうが望ましいと申し上げてきました。ただし、論点に示されておりますように、親族の葬儀を理由に勤務しなかったパートタイム労働者に不利益取扱いをしてはならない旨を指針に規定することは妥当であると、私たちは考えております。以上です。

○渡辺委員 いまのお話をちょっとお聞きしたいのですが、使用者側に聞きたくても聞けないというパートさんたちはどのぐらいいらっしゃるかというデータはあるのでしょうか。

○吉永短時間・在宅労働課長 過去に提出した資料の中に入っておりますが、確認させていただきます。ちょっとお時間を頂戴できればと思います。

○大隈均衡待遇推進室長 事業主に聞きたくても聞けないパート労働者に関するデータですが、今後、不満・不安が生じた際の相談先として、「事業主や職場の上司等に相談しない」というパート労働者が2割あり、そのうち、「相談しても聞いてもらえない」という方が24.9%、「不利益な取扱いをされるのが怖い」という方が17.2%、「周りに配慮して相談できない」という方も19.2%いるという状況になっています。第107回の資料3の3頁です。第107回で第13条の関係を議論いたしましたときに、いま説明したようなデータを添付しております。

○布山委員 ここで議論しなければいけないのは、いまそういう状態なのでどうするかという議論だと思うのです。このデータは、確かに事業主、職場に相談しないのが20.3%、この2割の理由のうちの不利益取扱いを気にしているのが17.2%です。ただ、これは今後、不満・不安が生じた場合なので、いまこういう状態だというわけではないので、これをもって何か議論しても、正確な議論にならないのではないかという気がします。それと、実際に将来的にどこを相談先にするのかというところを見ても、圧倒的に事業主、職場なので、ここのところでどれだけ問題があるかということも含めて議論をする必要があるのかと思います。

○渡辺委員 質問した意味合いを意見として申し述べさせていただきますと、現場の実態は、私のような立場でもパートさんたちから厳しくご質問をいただくことがあります。いま聞きたくても聞けないという人よりは、皆さん生活のために真剣ですので、それをどんどん聞いていらっしゃる方のほうが多いのが実態です。逆に言えば、お聞きにならない方たちが聞けるようにするのに、ここで法律の条文にして、それで成果が上がるのかというと、そういう職場の実感はないということを申し述べさせていただきます。

○中島委員 それは大変良好な職場の例だと思うのですが、実際には不満を持っていながら言い出せないという方がたくさんいらっしゃるというように、データでも一定数出ております。ただ、データの問題ではないと思うのです。明らかに力関係が違いますので、その力関係の違いにおいて、言い出せない、聞き出せない、言いたくても言えないという方が、たくさんいらっしゃいます。労働組合があれば、それを代表して意見を調整することができますが、残念ながら一人ひとりは現状において非常に弱い立場にあるというのが実態だと思います。

○渡辺委員 やはり数値上で、きちんと議論をしたほうがいいと思います。いま経済界は、労働者の方が立場が弱いといういままでの概念からは、だいぶ変わってきていると思います。使用者のほうが弱いところがたくさんあります。先ほどの職業能力の評価や職務評価の調査をするということは、最終的には雇用管理の改善につながります。その雇用管理の改善というのは、つまり最終的には労働者の方たちの待遇改善です。ところが、待遇改善をするためには、企業の収益が上がらないと、やりたくてもできません。ない財布の中からお金を拠出できないわけです。ない財布の中からお金を出せというようなことを求められるのは、使用者には大変厳しく、非常に弱い立場となります。その辺をご考慮いただいて、議論をしていただきたいと思います。

○冨高委員 渡辺委員も、おそらくいまデータに基づいたことではなくて、個人的な、ご自分が見られているところの一部の話でされているのかと思います。それは我々のほうも、やはり個別に聞いたりとか、データではないのだけれども、個別に聞く情報がかなり多いので、データでは出せないところも、もちろんあるのです。
 もう1点、いま金銭の部分のお話をされておりましたが、いまお話しているのは待遇の決定に当たって考慮した事項の説明をするということと、受入れ時等に、きちんとパートタイム労働者の方に当該事業所で講ずる措置の内容について説明をしてくださいということの話なので、金銭のほうはあまり関係ないのではないかと思います。そもそも説明を求められたことがない方が75%いるというところをどうにかするということで、それはきちんと義務づければ、きちんと説明せざるを得ないことになると思いますので、そこは75%をできる限り少なくしていくという意味で言えば、やはり法律できちんと位置づけることが意味のあるものだとは思っております。
 そういったことをすると、必然的にトラブルの部分も、これは想定でしかありませんので何とも言えませんが、おそらくいろいろなものが出てくるのではないかと。ですので、3つ目で言っているように、不利益な取扱いをしてはならないということで担保するということでの今回の論点だと思っておりますので、是非その点については金銭の問題とは関係ないのだということで整理していただきたいと思います。

○布山委員 まず、説明を求められたことがない事業主が75.2%。これは確かに説明を求められたことがないのだと思いますが、パートの方に説明を求める気がなければ、当然「求められたことがない」に入るのではないか。また、将来的にどうしたいかというときに、少なくとも将来的にも事業主には相談したくありませんというのは、2割だということも加味して考えなければいけないのかと思っています。この第13条のところで問題にしたいのは、考え方としては不利益取扱いということの部分で理解ができます。ただ、いま指針でも書いてあるもので、指針で差し支えがある理由が何なのかというのをもう少し伺いたい。本当に指針のままだと何か問題が起こっているのか。それで、法律上に位置づけなければいけない理由が何なのかというのが、なかなか明確ではないので、その結果どうしたらいいのか、どう検討したらいいのかというのが戸惑うところです。

○瀬戸委員 別の所で恐縮なのですが、1頁の最後の○の「苦情への対応のために担当者等を定めて」、先ほど課長のほうからこれは短時間雇用管理者と同一人でもいいし、別人でもいいというご説明だったかと思うのです。短時間雇用管理者というのは、常時、短時間労働者の方を10人以上雇っている場合には設置するような、努力義務自体だと思うのです。この苦情対応の担当者を短時間雇用管理者と別にというか、短時間雇用管理者という者がありながら、別に定める理由・意図は何でしょうか。

○吉永短時間・在宅労働課長 短時間雇用管理者の方が具体的にどういう仕事をしていらっしゃるのかというのは、企業の実情に応じて異なってくるのだと思っております。ですから、この方々が苦情処理も含めた形で、実際の制度設計を含めて担当されているような場合については、その制度の内容についても当然ご説明いただけるし、そういう方であれば、こういう方々が苦情処理についてすべてこなしていただくということはあるのだろうと思っております。
 一方で、実際に賃金の決定がどういう形になっているのかとか、福利厚生等どうするか、わりと制度にわたる問題について短時間雇用管理者に選任されていらっしゃるような方がいた場合について、現場の方になるかと思いますので、そういう方がかなり詳細に説明できるかどうかということは、それは場面場面によって異なってくると思っております。むしろ制度面であれば、人事部など、その制度を所管している方のほうが説明できる場面もあるだろうと思っております。
 そういう意味で、あともう1つあるとすれば、本当に身近な方よりは少し離れた方のほうが説明を求めやすいということもあるのかもしれませんが、いずれにしても制度にわたるような話、待遇の決定に当たって考慮されているような事項について、説明を求めるに当たって、ふさわしい方について企業の中でご選任いただくということと、日常的な雇用管理について、パートタイム労働法とか諸法令との関係なども見ていただくような、まさに現場作業に密着した形の短時間雇用管理者というものが、企業の実情に応じて同じ方でも構わないし、あるいは違ったほうがいい会社においては違えていただいて構わないという考え方です。

○中窪委員 「その他」の3番目の「短時間労働援助センターの廃止」というのが、いままで何も出てこなかったところで、突然論点に出てきているのは、ちょっとご説明いただければと思うのですが。

○吉永短時間・在宅労働課長 パート法については、雇用管理改善法という形で、いろいろなアドバイスをするとか、助成金を支給する特有な形のものとして、平成5年にパートタイム労働法ができたときからのものとして制度づけられております。その中で、そういう事業について指定法人制度をとっており、具体的には財団法人の21世紀職業財団に委託をする形で、そういった事業を行ってまいりました。先般、事業仕分けの中で、指定法人の活用を廃止するという形になりました。そういう中で、これまで21世紀職業財団で行っておりました助成金の支給業務であるとか、相談援助の事業については、労働局で実際に実施するという形で、昨年度で委託を打ち切ったということです。実際の事務自体は、助成金の支給も含めて行われておりますが、指定法人であります短時間労働援助センターを活用した業務は、いまパート法上、空文になっているというものです。今後、また新たに指定法人を指定して、業務を行う予定もありませんので、空文になっている事業について廃止をするという形で条文上整理をしたいと、論点に掲げているところです。

○齊藤委員 戻ってしまって、1の均衡・均等待遇の2つ目の○なのですが、一定期間同一と全雇用期間ということについて、有期の法制の中の配置の変更の範囲が、全雇用期間まで考えて議論しているのかどうか、その辺を教えていただければありがたいと思うのです。

○山川委員 そもそも構造が現在のパート法第8条のようにきっちりとした厳格な要件ではなくて、要素という、ある意味ではかなりふわっとした書き方のものでもありますので、私の記憶では一定期間について同一だった場合を特定して、この場合はどうかというように有期のほうの議論で取り上げた記憶は、現在のところないということで、そのような厳格な区切りという発想ではたぶんないのではないかと思っております。記憶が曖昧な部分もあるかもしれませんけれども。

○林会長 特になければ、これで本日の議事は終了いたします。署名委員は、労働者代表は冨高委員、使用者代表は渡辺委員にお願いいたします。これで本日の分科会は終了いたします。どうもご苦労さまでした。


(了)

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