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2012年3月6日 薬事・食品衛生審議会血液事業部会議事録

医薬食品局

○日時

平成24年3月6日(火)14時~


○場所

厚生労働省専用第15・16会議室


○出席者

出席委員(18名):五十音順 敬省略

稲 田 英 一、  ○大 石 了 三、 大 平 勝 美、  岡 田 義 昭、

 小 幡 純 子、  嶋   緑 倫、 佐 川 公 矯、◎高 橋 孝 喜、

花 井 十 伍、 半 田   誠、  前 野 一 雄、 幕 内 雅 敏、

 三 谷 絹 子、 三 村 優美子、 山 口 一 成、 山 口 照 英、

  吉 澤 浩 司、 渡 邉 治 雄

   (注) ◎部会長  ○部会長代理

 他参考人6名

欠席委員(3名):五十音順 敬省略

 朝 倉 正 博、 大 戸   斉、  鈴 木 邦 彦

行政機関出席者

 平 山 佳 伸 (大臣官房審議官)

 三 宅   智 (血液対策課長)

 丈 達 泰 史 (血液対策企画官)

○議事

○丈達血液対策企画官 それでは定刻となりましたので、ただ今から平成23年度第2回薬事・食品衛生審議会血液事業部会を開催いたします
なお、本日は、公開で行うこととなっておりますので、よろしくお願いいたします。カメラ撮り等は議事に入る前までとさせていただきたいと思いますので、御協力のほどよろしくお願いいたします。
 始めに本日の部会委員の出欠状況ですが、朝倉委員、大戸委員、鈴木委員から、それぞれ御欠席との御連絡をいただいております。委員21名中18名の出席をいただき、定足数に達しましたので、薬事・食品衛生審議会令第9条により、本部会が成立しましたことを御報告申し上げます。
 本日は参考人といたしまして、血漿分画製剤の供給のあり方に関する検討会の座長をしていただきました、東京女子医科大学名誉教授の溝口秀昭先生にお越しいただいております。どうぞ、よろしくお願いいたします。
 それから、本日、日本赤十字社血液事業本部からも血液事業の担い手として御参加をいただいております。御紹介をさせていただきます。田所経営会議委員でございます。俵総括副本部長でございます。石井副本部長でございます。新畑財務課長でございます。菅原献血推進課長でございます。よろしくお願いいたします。
 議事に入らせていただく前に、本日の部会におきましては、個別品目の承認の可否や個別品目の安全対策措置の要否の審議はございませんが、「薬事分科会審議参加規程」に基づいて利益相反の確認を行いましたところ、審議及び議決への参加につきましては、退室委員及び議決に参加しない委員は、共に無しとなっておりますことを申し上げます。
 それでは、カメラ撮り等はここまでとさせていただきたいと思います。この後の進行につきましては、高橋部会長よろしくお願いいたします。
○高橋部会長 まず、資料の確認を事務局よりお願いいたします。
○丈達血液対策企画官 お手元に配付しております資料の確認をさせていただきます。本日の議事次第の1ページに、本日の資料の一覧をつけております。2ページは座席表、3ページが委員名簿となっております。
 それでは議事次第の1ページを見ながら、確認をお願いしたいと思います。まず、議題1ですが、資料1-1「平成24年度の献血の推進に関する計画(案)について」、資料1-2「平成24年度の献血の推進に関する計画(案)に対するパブリック・コメントについて」です。
議題2は、資料2「平成24年度の献血の受入れに関する計画(案)の認可について」、これは日本赤十字社の方から提出いただいているものです。
議題3は、資料3「血漿分画製剤の供給のあり方に関する検討会最終報告書」です。
議題4は、資料4「平成24年度の血液製剤の安定供給に関する計画(需給計画)(案)について」です。
その他といたしまして、資料5「『血液製剤の輸出承認について』の一部改正について」です。
資料6「『輸血療法の実施に関する指針』の一部改正について」です。
資料7「『血液製剤の使用指針』の一部改正について」です。
資料8「『遡及調査ガイドライン』の一部改正について」です。資料については以上です。
○高橋部会長 議事に早速入りたいと思います。
まず、議題1「平成24年度の献血の推進に関する計画(案)について」です。
これは、血液法の規定により、この計画の策定に当たっては、厚生労働大臣の諮問を受けて当部会で審議し、答申することとされているものです。
委員の皆様には、昨年12月の前回の部会において、「平成24年度の献血の推進に関する計画(案)」について御議論いただいたところですが、その後パブリック・コメントの募集が行われ、意見が提出されております。これらを参考に、既に事務局で修正案が用意されておりますので、本日、改めてこの場で皆様の御意見を伺い、部会としての意見をまとめ、答申したいと思います。
それでは、事務局から、資料1について説明をお願いします。
○伯野補佐 議題1、資料1-1、1-2「平成24年度の献血の推進に関する計画(案)について」御説明いたします。
お手元の資料1-1を御覧ください。1ページに、献血者の推移のグラフを添付しております。平成23年の値がまとまり、平成23年の延べ献血者数は525万人ということで、平成22年に比べて約7万人減少しております。年代別で見ますと、10代、20代については引き続き減少傾向にあります。また30代についても、ここ2年減少しております。一方で、40代、50代、60代が伸びております。年代別の献血率については、本年4月以降に総務省より公表される予定の年代別の全人口のデータが得られた段階で把握できる予定です。年代別の献血率が出ましたら、来年度の献血推進調査会において詳細な御審議を行っていただければと考えております。
 2ページが諮問書です。3ページ以降に来年度の献血推進計画(案)を添付しております。中身については、昨年12月に御審議いただいたものと比較し、若干の文言の修正等がありますが、内容について大きな変更は無いものとなっております。
 お手元の資料1-2が、本献血推進計画(案)に対するパブリック・コメントです。本年1月16日~2月14日まで募集したものです。いただいた御意見等、厚生労働省の考え方をまとめたものを付けております。次ページを御覧ください。コメントと御意見と考え方を示しております。今回、7名の方より御意見をいただきました。まず、一番上、1点目です。献血制限について分かりやすく整理をして、広報などを通じて十分に説明することで、誤った献血が行われないように配慮するべきという御意見です。考え方ですが、現在、日本赤十字社において献血や血液製剤について国民に正確な情報を伝えることの一環として、献血制限についてもホームページやメディアを活用した広報を適宜行っております。また、献血受入れの際には採血前に医師の問診を行って、感染症等に関する既往歴や、海外滞在歴、現在の健康状態を確認し、血液を介して感染する病原体に感染している可能性のある方や血液製剤の安全性・有効性に支障をきたす医薬品を服用していると思われる方からの採血をお断りしております。御意見は貴重な御意見として承り、今後の参考にさせていただくこととしております。
 2点目は、200回以上献血をしていただいている方からの御意見です。献血ルームの営業時間について、ルームがおおむね午後5時半で受付が終了してしまう。利便性の向上を図るべきではないかという御意見です。こちらについては、日本赤十字社において献血者の確保状況に応じて受付時間を延長するなどの対応を行っているケースもありますが、血液製剤の種類によっては有効期間が短いものがあることから、検査・製剤化して医療機関に供給するには一定程度の時間がかかるため、なるべく早く検査に回す必要があるために、基本的には受付時間内での御協力をお願いしておりますが、御意見は貴重な御提案として承り、今後の参考にさせていただくこととしております。
 3ページ、3番の方です。若者だけではなくて、幅広く献血推進をすべきであり、そのためには、例えば子育て世代が献血しやすい環境整備や、献血受入れに関する広報を適切にすべき。また、先ほどもありましたが、献血時間の配慮をしてほしい。そして献血ルームに勤務している職員について、接遇についてもっと学んでほしいという御意見です。こちらについても日本赤十字社に対する要望に近いものですが、献血していただく方にとってより安全、かつ快適な環境を整備するために、既存の献血ルームの改修などを計画的に行っており、その中でキッズスペースを設置するなど、子育て世代が献血しやすい環境を整備している。そして献血受入れ時間の配慮については、先ほどの御意見と重複しますので省略しておりますが、献血受入れの広報については御意見を踏まえて、必要とする情報を適切に提供できるように努力していくということです。また、職員の接遇については現在でも定期的に接遇に関する研修を行っておりますが、いただいた御意見を参考にして一層の技術向上に努めていくこととしております。
 4番の方ですが、医療系の大学生の体験実習の一環として、入学早期1年生に希望者の献血を体験させれば、医療従事者となってからも血液製剤の有効利用を考えることができるのではないかという御意見です。こちらは、今後、献血推進の取組を検討する上で非常に重要な御意見かと思いますので、今後の取組を検討する際の参考にさせていただくこととしております。
 4ページ、5番の方からです。献血回数について、優先的に本人あるいは家族に血液製剤を供給するようなことが良いのではないか。献血の表彰に何らかの効力を持たせることにより、献血にインセンティブを与えてはいかがかという御意見です。こちらについて、前段については預血制度のことをおっしゃっているのかと思います。過去に日本でも預血制度はあったわけですが、この制度はやむを得ない事情で献血ができない方々が不利益を被るなど、様々な倫理的な問題が生じていて、廃止された経緯がありますので、御理解いただきたいということです。また表彰、こちらは日赤が行っている表彰のことですが、この表彰は継続的に献血の御協力をいただいている方々への感謝の意を表するという趣旨で行っておりますので、引き続き御理解いただきたいとしております。
 6番ですが、リアルタイムで血液不足の情報を発信できるよう考えた方が良いという御意見です。現時点においても、各血液センターで日々の在庫管理に基づいて献血者への呼び掛けを行っておりますが、御提案については今後の献血推進の取組を検討する際の参考にさせていただくとしております。
 最後、7番の方からは複数の御意見をいただいております。まず1点目ですが、中長期的な需要予測に基づいて年度別の具体的な献血推進計画を立てるべきという御意見です。こちらについては、平成22年度に献血推進に係る中長期的な目標を掲げた「献血推進2014」というものを策定しております。この度、来年度の献血推進計画(案)を策定する上では、「献血推進2014」で掲げられた中長期的な施策の方向性も当然鑑みて、献血推進調査会等で審議されたものですので、引き続き中長期的な計画、毎年度の献血推進計画に基づいて日々の献血推進に努めていくこととしております。
2点目ですが、現在の献血制度で将来の血漿分画製剤の需要に対応できるか、早急に検証して公表すべきという御意見です。
 3点目ですが、国民から見ると血液製剤という言葉からは、輸血用血液製剤を連想させるため、血液製剤という単語ではなくて、輸血用血液製剤と血漿分画製剤を分けて、国民・献血者に情報発信して、共有すべきという御意見です。
4点目ですが、血漿分画製剤の一部は現在の国内献血制度では製造できないことや国内に製造技術が無いことなどから、海外製剤を輸入していることを正しく伝えるべきという御意見です。
5点目ですが、日本人の献血意識の向上のためにも、外国人が日本で献血している人数だとか、血液量について公表すべきという御意見です。これらの御意見は、今後の献血推進の取組を検討する上で参考にさせていただくこととしております。
 6点目ですが、献血の定義に関する御意見です。日本でも健康管理サービスを無料で献血者に提供しているが、これ自体が高額であるのに、これらのサービスの提供を受けた献血者が、献血と定義されるのはおかしいのではないかという御意見です。また、欧米では献血のために要した交通費だとか、拘束時間に対して少額の金銭が支払われている。将来の需要に応じた原料血漿確保のために、これらについても国民、献血者に対して情報提供して、日本でも導入することについて国民的議論を行うべきという御意見です。
 まず、健康管理サービスについては献血者の健康管理に役立てていただき、健康な献血者の確保を図る施策でして、金銭の代替とするサービスではないという考えです。また、交通費の支給については日本においても稀な血液型を持つ献血者に対して緊急的に献血の協力を要請した場合には、その交通に要した実費の支払いを行うことがあります。なお、日本においては血液法第16条において、有料での採血等は禁止されておりますので、引き続き無償の献血に御理解、御協力いただけるよう、献血の意義を正しく伝えて、献血者が安心して献血できる環境の整備・充実を継続的に実施していくとしております。以上、パブリック・コメントと平成24年度の献血推進計画(案)です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○高橋部会長 ただ今の御説明について御意見、御質問などありましたらお願いいたします。
○小幡委員 今寄せられた意見募集についての考え方というのを御披露いただきましたが、私も常々考えていたのは、番号で言うと2の時間のところです。確かに5時半で受付が終了するというのはやはり短いので、もう少し延ばせばもっと増やせるのではないでしょうか。そういう考え方が当然あると思うのですが、それに対するお答え、考え方のところで、「献血者確保の状況に応じて受付時間を延長するなどの対応を行っているケースもございますが」となっていて、しかし基本的には・・・という答えなのです。かかり方がよく分かりませんが、基本的に後の処理もあるので、その時間内にということをおっしゃりたいのだろうと思うのですが、ただ、もう少し延長してやるというケースもあるということです。それでは、その場合はどうしてできるのかということがありますので、本当にどのような障害があって、全くできないのか、あるいはもう少しできるものか、その辺りをしっかり検討なさっているのかということをお伺いしたいのです。
○高橋部会長 献血後のスクリーニング検査のそれからNATに持っていくまでの時間との関係だと思うのですが。
○伯野補佐 なるべく早く検査に回してというのは、有効期間が短い血小板が特にその製剤に該当します。御指摘のとおり、必ずしもそうではない製剤もございますので、どういった対応ができるのかということは日赤とも相談して、検討させていただきたいと思います。日赤の方から追加でコメントがございましたら、おっしゃっていただければと思います。
○小幡委員 例えば5時半ではなくて、6時半とか、あるいは30分でもどの辺りまで可能かということをもう少しシミュレーションできないかということです。
○田所経営会議委員 血液がどれだけ不足しているかということのバランスで考えることにはなると思いますが、先ほど言われた製剤を検査する、調製してその日に全部間に合わせるということのための問題が一つ。そのことによって次の日の供給をスムーズにするというのが一つですね。もう一つは、職員の確保の問題もありまして、看護師さんや医師の確保が夜遅くまで継続的にできるか。一時的には今不足しているので、冬場やりましょうということで看護師さんたちにもお願いすることがあるわけです。それを継続してやるという場合には、いろいろ人の雇用条件の問題とか検討しなくてはいけないと思います。どこまででき得るのか、医師・職員の確保と血液の不足状況等、その辺を勘案しながら対応していきたい。御指摘のように、まるきりできないというわけではないと思いますが、全体のバランスが必要かと思います。
○小幡委員 もちろん、職員さんの確保等いろいろな要件があると思うのです。すべてについてやらなければいけないと言っているわけではないのですが、例えば場所としてここは延長した方が有効ではないかというような所を選んで、重点的にやるとか、できるだけ一律な扱いではないような運営をしていった方がよろしいのではないかという提案です。
○高橋部会長 山口委員、どうぞ。
○山口(一)委員 先週ですが、韓国の血液センターのパク先生が来られて、いろいろ話をしたのです。韓国では、献血者の病原体の陽性率というのは私が想像していたよりも非常に低いのです。その原因として、献血者の平均年齢が25歳ということで、非常に若いのです。今計算をしたのですが、日本では献血者が530万人で、20代、30代合わせても220万人ぐらいです。20~40歳までで半分いかないぐらいです。何を言いたいかというと、非常に高齢者の献血にだんだん日本は頼らざるを得ないというのはわかるのですが、病原体の陽性率の問題から、やはりここは若い人の献血を強力に進めるべきではないかというのを感じたところです。
○高橋部会長 いわゆる献血構造改革というのがどのように進捗しているかということも大事かと思います。
○稲田委員 4番の御意見に少し興味がありまして、私、外科系の輸血の講義をしておる時に、学生さんに献血をしたことがあるかという質問をしますと、恐らく医学部の学生でも10%に満たないような献血率だろうというような気がいたします。やはり医学部教育の中で、輸血学あるいは血液学という中で、きちっとしたこうした献血についての広報も必要というか、教育も必要だろうと思います。そういったことで献血をするということは、将来また献血するというだけではなくて、恐らく自分が血液を使う時に、このようにやって血液が集められて、こうして製剤となって使われるということ、恐らく適正使用につながっていくと考えられます。輸血学の教育というものをもう少し見直す必要があるのではないかという気がしております。
○半田委員 今の稲田委員の御意見と非常に似ているのですが、実は私どもの医学部では、6年のうちの5年生の時に、もう14年になるのですが、東京都赤十字血液センターで午前と午後、実習をやっています。ポリクリと言いまして、臨床実習の一環です。午前中は医学部の学生に献血の体験も一緒にさせます。献血現場を見学させまして、その取組をやりまして、そのような意味で医学部の学生としましては、今まで知らなかった、血液が非常に貴重で、これは大切に扱いたい、それから、こういうボランティアの方々で医療が支えられていることが分かったという感想を常にもらっています。これは私どもの大学だけではなく、全国すべてではないのですが、東京大学も恐らく同じようなカリキュラムを取っていらっしゃる、既に取組が行われているということですね。まだ全国的ではないのですが。ですから、是非この部分というのは何とか将来、多分日本赤十字社は大変だと思うのですが、是非このポイントに関しては今後もいろいろな推進で、例えば標準カリキュラムの中に入れるということも含めて、考慮していただければと思います。
○大平委員 1番の献血制限の問題なのですが、献血を御遠慮していただくケースというのを、もしいろいろと分かりにくいような点がありましたら、逆に、献血を遠慮してもらうケースについて類型化し、類型的にケースを拾って、恐らく集計はされているのだろうと思うのですが、そういった問題を広く広報して、そして自分がどのようなものに当てはまるのかどうかがもう少しいろいろなソースを使って分かりやすくできるようにしていくことも、一つの方法ではないかと思うのです。無駄と言ったら語弊があるかもしれませんが、行ってできなかったということで、残念で帰ってくるケースがあるとしましたら、なるべくそのようなことを避けるような形というのを考えていただくことがいいのではないかなと思います。日赤の方で、もしそういったケースを類型的に集計されているのでしたら、またそれをお知らせしていただきたいと思います。
 最後の7番の6のところです。質問、パブリック・コメントで寄せられた中に、欧米のシステム導入についてということで、少額の交通費ですとか、そういうものについて触れられておりましたが、やはり献血という制度をきちっと守っていくということで、この血液法ができた経緯というのは、衆参両方で、会派が全員揃って賛同して、国民の合意で作られた法律です。そういった問題をやはり踏まえて、日本独自の献血のあり方というのを大切にしていくことも、一つ大きな私たちの意義ではあると思うのです。そこを大事にしていただきたいということと、逆にこうした疑われるような過度の接遇がもしあるとしましたら、そのようなことを慎んでいくことも、やはりそれを制度として守っていく一つの私たちの義務でもあるのではないかと思いますので、十分その辺は気をつけていただきたいと思いました。
○高橋部会長 そのほかよろしいでしょうか。今回の平成24年度推進計画でなくて、献血に関する広報とか、献血に関する接遇、あるいは献血制限の考え方とか、そのような基本的なことをきちっと整理して、こういう問合わせなり、疑問があることに対してしっかり答えるような体制を作っていくべきだろうと思います。この推進計画そのものはこういう形でよろしいかと、私は感じております。
 それでは、これは議決に移りたいと思います。よろしいでしょうか。ほかによろしければ承認可、として報告とさせていただきます。
それでは、今後告示するに当たって、厚生労働省で法令的な観点から形式的な文言修正などありました場合、部会長に御一任いただきたいと思います。
 それでは、議題2「平成24年度の献血の受入れに関する計画(案)の認可について」です。
これは、血液法の規定により、厚生労働大臣の認可を受けなければならないこととなっており、これに当たっては審議会で審議して答申することとされております。本計画は、採血事業者である日本赤十字社から提出されたものでありますので、この場で委員の皆さまの意見を伺いたいと思います。
まず、日本赤十字社から御説明をお願いいたします。
○菅原献血推進課長 日本赤十字社の菅原です。議題2、資料2「平成24年度の献血の受入れに関する計画(案)の許可について」概要を説明させていただきます。
3ページをお開きください。「1.平成24年度に献血により受け入れる血液の目標量」について御説明いたします。平成24年度に献血により受け入れる血液の目標量については、平成19年以降3~4%程度の増加傾向にありました輸血用血液製剤の供給量が、平成23年度については平成22年度とほぼ横ばいで推移していることを踏まえまして、全血献血では145万L、血漿成分献血で28万L、血小板成分献血で35万L、合わせて208万Lを受け入れることとしています。これを献血者数に換算しますと、約531万人を受け入れる計画となります。
 次に、「2.前項の目標量を確保するために必要な措置に関する事項」です。「(1)献血受入の基本方針」、「1.目標量の確保」については、各都道府県の需要に見合った血液を確保するために、400mL献血及び成分献血を中心とした献血者の受入れを行い、平成24年度の目標量208万Lを確保する計画です。「2.献血受入体制の整備」です。献血者の安全性と利便性に配慮して、立地条件等を考慮した採血所の設置など、体制を充実させていくと共に、採血所における休憩スペースの十分な確保や地域の特性に合わせたイメージ作りなどの環境整備に努め、一層のイメージアップを図ってまいります。
 「3.献血者の処遇等の充実」です。献血者が安心して献血できるように、これまでも献血者に対して感謝の気持ちをもって丁寧な接遇を心がけてはきましたが、引き続き職員の教育訓練を充実、強化しまして、さらなる改善に努めてまいります。
「4.初回献血者への対応」です。初めて献血をされる方の不安を払拭するために、献血の手順や献血後の過ごし方などについて事前説明を十分に行うことと、特に初回献血者の多い学校献血会場などにおいては、採血後の献血者をケアする者を配置しまして、採血副作用の防止に努めてまいりたいと思います。
 「5.検査サービス等の実施」です。献血者の健康管理に役立てていただくことを目的として、引き続き生化学検査成績、あるいは血球計数検査成績などをお知らせすると共に、ヘモグロビン濃度の低いことによって献血に御協力いただけなかった方、いわゆる低比重の方々に対して、次回の献血につなげていただけるような健康相談等を実施してまいります。
 次に、「(2)献血者の確保対策」です。将来にわたっての自給に見合った安定供給確保のために、若年層あるいは企業や団体、それと複数回献血協力者の募集を重点的に行うと共に、健康な高年齢者層の献血の受入れも積極的に推進してまいります。また、病気や怪我のために輸血を受けた患者さんやその御家族の声を伝えるなどにより、血液製剤がこれを必要とする患者さんにとって、医療に欠くことのできない有限なものであることを含めた献血思想の普及啓発を図ってまいります。「1.若年層を対象とした対策」です。まず、若年層全体に対する広報等を実施すると共に、ターゲットとする年代を明確にした対策を展開してまいります。将来の献血者となってもらうべく小学生、中学生を対象として、学校へ出向いての献血セミナーや血液センターなどでの体験学習を積極的に行い、正しい知識の普及啓発に努めます。高校生については、高等学校学習指導要領解説の保健体育編に、既に献血に関する内容が盛り込まれたことから、献血のみならず、赤十字活動全体も含めた命の大切さなどについての献血セミナーを学校へ出向いて実施をしてまいります。大学生については、先ほども出ていましたが、特に将来の医療の担い手となる学生等に対して、国民の献血によって医療が支えられている事実や血液製剤の適正使用の重要性への理解を深めてもらうための取組を行ってまいります。
 「2.献血者の年齢層に応じた献血推進対策」です。20代の後半~30代の女性を対象とした対策としては、出産、あるいは子育てに忙しいという理由により、献血への機会が減少しているものと考えられますので、その方たちに安心して献血をしていただけるように、献血ルームにキッズスペースを整備するなど、その受入体制を整えて、親子が献血に触れ合う機会を設けるよう努めてまいります。40~50代を対象とした対策は、企業や団体の中心的な存在ですので、この年代に対しては、相互扶助の観点からの啓発を行い、献血の推進を図ってまいります。
 60歳以上の方々を対象とした対策としては、この年代から献血者数の割合が急激に減少している状況があります。その理由としては、定年退職をすることによって、その機会が減ってしまうことが要因として考えられますから、定年退職後も引き続き献血に御協力をしていただけるよう、その情報伝達の方法も工夫するなど、その増加を促進するよう努めてまいります。「3.企業等における献血の推進対策」及び「4.複数回献血協力者の確保」についても、引き続き積極的に取組んでまいります。
 5.は、以上の確保対策の効果を上げるために、献血推進キャンペーン等を実施してまいります。平成24年度については、平成21年10月から継続的に通年で展開しています全国統一のキャンペーン「LOVE in Action プロジェクト」がありまして、これを基軸として、各種キャンペーンを連動させながら、積極的に広報展開をしてまいります。
 なお、6ページの下の3番目にありますその他献血の受入れに関する重要事項についてですが、7ページの「(3)200mL全血献血のあり方について」です。これは、将来の献血推進の基盤となる若年層への取組として、400mLの献血の受入れを基本としつつも、その400mL献血ができない若年層に対しては、国、都道府県及び学校と協力しながら、献血セミナーを実施するなどの啓発活動を行うと共に、初回献血者を中心とした献血推進を図ってまいります。
 また、(5)にあります「災害時等における危機管理」としては、昨年3月の東日本大震災により、東北の一部地域、特に岩手、宮城、福島3県ですが、献血の受入れができない状況となりました。全国の非被災地において、この被災地域への需要分を加えた献血者の確保をすることによって、結果的に血液製剤を安定的に供給することができたところです。今後も、災害時における献血血液の確保に支障を来さないよう、平成24年度から導入する広域的な需給管理体制の下、国、都道府県及び市町村と協力して継続的に全国的な献血の推進を図り、円滑な血液の供給に努めてまいります。加えて、災害時における通信手段や燃料の確保等についても、国、都道府県、市町村及び企業等と協力して、対策を講じるよう努めてまいります。以上が、平成24年度献血受入計画の概要です。今後とも、引き続き御指導のほどよろしくお願いいたします。
○高橋部会長 ただ今の御説明について、御意見、御質問があればお願いします。
○嶋委員 若年者の献血者確保対策についてですが、先日、本学の学生に「献血をしたことがあるか」と聞いてみたところ、「したことがない」という学生がかなりいました。「どうしてしないのか」と聞きましたら、「重要性は分かっているが、やはり痛い、怖い」と言って、現実に重要性は分かっていても、なかなか踏み込みにくいところがあるようです。この対策の中で、確かに意義は大切ですが、気軽にできるという、そのようなイメージのアピールも必要だと思いました。「怖い」というイメージの人が予想外にまだ多かったことに、少し驚きましたので、その辺の対策が出ればいいと思いましたので、一言コメントします。
○高橋部会長 そのほか、いかがでしょうか。
○三谷委員 災害時における危機管理に関してなのですが、昨年の東日本大震災の際には、確かに大きな災害ではあったのですが、輸血をされるような、いわゆる怪我をされた方は余り多くなくて、むしろ津波で多くの人命が損なわれたという現状だと思うのです。大きな災害にもいろいろな種類があり、恐らく神戸の大震災の時は怪我をされた方が沢山いて、輸血の需要が増えたのだと思います。比較的、昨年の災害に関していえば、輸血の需要がそうは増えなかった災害ではないかと推測します。やはり、輸血の需要が増えるような大災害も想定して、危機管理をしておく必要があるのかと思います。
○高橋部会長 そのほか、いかがでしょうか。私も、総花的にいろいろな対策を練って、各年齢層に応じてこうすると、しかし、40、50、60歳代以上の人に対しての働きかけ、あるいは企業に対する働きかけは非常に大事で、現実の比較的短いスパンでやらないと厳しいと思います。先ほど、山口委員が指摘されたように、やはり若年層に対する働きかけは、かなり重点的にやらなければいけませんし、このような施策の効果を検証して、それが上手くいっているのか、上手くいっていなければ、どのような形が必要なのかを検討することが必要かと感じています。
○大平委員 献血の受入れによる血液の目標量を確保するための対策という形で、各赤十字血液センターの取組の表が添付されています。いろいろな試みをされていて、それぞれ特徴的なところがあると思います。それについての効果的な成果が、平成24年度目標の問題だと思います。平成23年も恐らく取り組まれてきて、それについての成果で、こういう点が強調されるとか、こういう点が足りなかったという点があったと思うのですね。その成果が、どのように各センターで評価されて、それが確保量につながっているのかどうかが、もう少し見えるように、今後成果として示していただければと思います。いつも、目標の数値や目標の課題が掲げられているのですが、それに対してどのような成果があったかが、こういう場にはなかなか公表されてこないので、是非知りたいというところはありますので、お願いします。
○高橋部会長 そのほか、よろしいでしょうか。それでは、議決に移りたいと思います。いかがでしょうか。
それでは、本計画案が承認可として承認されたということで、部会の今までの意見も踏まえて、本計画の認可の手続を進めていただきたいと思います。
日本赤十字社におかれましては、受入計画に基づいて献血の受入れの円滑な実施に努めていただくようお願いいたします。
 それでは、次に議題3「血漿分画製剤の供給のあり方に関する検討会報告書について」です。事務局より、資料の御説明をお願いします。
○丈達血液対策企画官 議題3、資料3「血漿分画製剤の供給のあり方に関する検討会報告書について」お手元の資料を御覧ください。
この検討会においては、昨年の3月に中間報告をまとめています。その続きで、6回にわたって検討しまして、これまで計10回にわたって検討を行ったわけですが、最終報告という形でまとめたものです。経緯については、お手元の資料の12ページを御覧ください。これまで第1~10回まで、いつ、どのようなことを検討してきたかを分かりやすく1ページにまとめています。
 それから、この検討会において御尽力いただきました先生方の名簿を、13ページに付けています。14ページ以降は、これまでの検討会において検討する際に使用した関係する資料をまとめたものです。最終報告書の文章は、1~11ページとなっていますので、ざっと内容について御説明させていただきたいと思います。
 1ページの「第1はじめに」の「(1)検討の経緯」は、血漿分画製剤の検討を始めた当時、血漿分画製剤であるアルブミン製剤の国内自給率の低下の問題があったり、遺伝子組換え製剤の第VIII因子製剤などのシェアがだんだん伸びてきた問題がいろいろありました。この検討会で、今後の課題についていろいろ検討するという目的で、開催に至った経緯があります。また、輸血用血液製剤のコストについても、やはり一部の製剤については、価格が高いのではないかというコストの構造について問題提起をいただいたこともありまして、併せてこの検討会で御検討いただきました。
 (2)は、これまでの血液事業の経緯と議論の必要性ということで、まとめさせていただいています。皆様御存じのように、血液事業においては、非加熱製剤によるHIV感染問題の過去の経緯がありまして、それを踏まえて平成15年7月から、新たな血液法が施行されています。この法律の中で、基本理念の一つとして、国内自給の確保を基本とすることが明記されています。また、第4条では、国の責務としても、国内自給の確保策を講じることになっています。それから、この法律を審議いただいた国会においては、委員会の決議で「国内自給を達成できるよう、全力を傾注すること」という決議が付された経緯があります。このようなところから、国内自給をこれまで取り組んできています。
 2ページを御覧ください。「第2血液製剤をとりまく現状」についてまとめたものです。(1)では、血漿分画製剤についてまとめています。「1.血漿分画製剤の特徴」です。これは御存じのとおり、タンパク質を抽出・精製したもので、連産品構造をとっている特徴があります。それから、製造時には数千人分以上の血漿をまとめて製造するということで、過去このような製造工程の特徴から、ウイルスに関する問題があったわけですが、現在では製剤の安全性は飛躍的に高まっています。
 価格については、薬価制度を基に原則2年に一度の頻度で市場実勢価格により決められていまして、経年的にはその価格は下がってきている現状です。「2.一般の医療用製剤との違い」です。人の血液中のタンパクから精製される製剤ということで、なかなかケミカルな新薬とは異なる特徴をもっていることを書いています。そのことから、薬価が下がり続けますと、必ず不採算になるというリスクを抱えている特徴があります。
 3.は、国内自給の必要性についてまとめています。これは、いくつかの切り口からまとめているものです。「ア)倫理性の問題」、血液製剤は、臓器と同じように人体の組織である貴重な血液からできていますので、供給や使用にあたっては、高い倫理性が求められています。WHOにおいても、国内自給を達成するように加盟国に必要な措置を取ること、という勧告をしている現状があります。
「イ)国際的公平性の問題」、過去に、日本では世界の生産量の3分の1ぐらいのアルブミンを使用していた時代もありまして、やはり国際的公平性の観点から、使い過ぎは大きな問題があるという御指摘をいただいたところです。
「ウ)安定的確保の面での問題」、過去に、輸入に依存していた製剤が一部止まったというような事象もあったことから、製剤の供給の大部分を輸入に頼る体制は、危機管理的な観点から問題があるという御指摘をいただきました。引き続き、国内自給に向けた取組が必要だという御指摘がありました。
 「エ)血漿分画製剤の安全性について」、現在、国内の献血由来製剤と輸入製剤の二つが混在している状況ですが、既知の感染症については、安全性に明確な差は無いと考えています。しかしながら、プリオン病や未知の感染症については、現時点で言及することは非常に困難な状況であるというまとめをいただいたところです。
 その次に、「4.血漿分画製剤の国内自給の現在の状況」をまとめたものです。ア)は、アルブミン製剤についてです。先ほど触れましたように、一時期は世界生産量の3分の1を使用していましたが、適正使用を進めたことにより、大幅に使用量は減少してきています。平成19年度に、自給率は62.8%まで上昇しましたが、翌年度以降は低下に転じまして、平成22年度時点においては、58.2%まで低下しています。国内自給率が低下している可能性の一つとしては、DPC制度を含む包括評価制度の導入が進められていることが指摘されています。その他の要因としては、海外と比べ、まだまだ国内でアルブミン製剤の使用量が多すぎるというような御指摘もありました。
 4ページを御覧ください。ア)の最後では、海外の状況について触れています。欧米においては、このところ免疫グロブリン製剤の使用量が大きく増えている特徴があります。それから考えますと、海外ではアルブミン製剤の原料となるものに余剰が発生していることが推察されます。イ)では、グロブリンについてまとめています。先ほど触れましたように、欧米では使用量が増えてきている現状がありますが、我が国においては、使用量は、ほぼ横ばいであるということで、平成22年度では95.1%と高い自給率を示している状況です。
 ウ)は、血液凝固第VIII因子製剤についてまとめたものです。輸入の遺伝子組換え製剤と国内の血漿由来製剤の二つが現在流通しているわけですが、平成22年度の血漿由来製剤の自給率は21.8%となっています。過去を省みますと、輸入の遺伝子組換え製剤が国内で販売が開始されたのが平成5年で、それ以降血漿由来製剤の自給率は減り続けていました。平成13年に、一度海外から来ているものが輸入をストップする事態になりまして、一旦足りなくなった分を血漿由来製剤で増産することで対応したという過去の経緯があります。一時は、自給率が60%弱まで回復しました。しかし、止まっていた製剤の輸入が再開されますと、再び血漿由来製剤の自給率は下がり続けて、現在に至っています。
 ここまでが、主な血漿分画製剤の現状です。前回の中間報告の時に、それらを含めた全体を六つのグループに分けています。それが、国内自給100%若しくは極めて高い自給率を達成しているグループ、逆に国内自給率が低下してきているもの、それから遺伝子組換え製剤の伸長によって、国内自給率が低下しているようなもの、特殊免疫グロブリンを代表とするような自給率が低いもの、その他全く国内で開発が進められていないような海外に100%供給を頼っているもの、それからその他です。
 5.は、コスト構造も含めて、国内と海外では何が違うのかということで、この検討会においては、国内外の事業者からヒアリングを行っています。次に、その内容をまとめました。国内事業者の特徴ですが、原料血漿の採漿は、輸血用血液製剤と共通の施設、設備で行っています。実際の採血所の立地は、日本の場合はかなり好立地ですし、普及啓発にも相当の経費がかかっている特徴があります。製造工程から供給までについては、製造原価の割合が高いことが各事業者の共通事項です。国内では4社が供給しているわけですが、合計が120万Lとなっています。各事業者とも供給している製品が異なっている現状がありますので、連産ギャップという状況で、なかなか効率的な製造が難しい状況であることが特徴です。
 一方、その下は海外事業者についてまとめています。原料血漿の採漿センターは、専用のものを持っている所です。それから、日本では一律に行っています白血球除去や初流血除去は行っていません。ドナー一人1回あたりの採漿量が、日本に比べると多いという特徴があり、1回の採漿当たり20~30ドル程度のお金が支払われています。海外事業者1社で、我が国全体の5倍程度の年間処理能力をもっているということで、非常にスケールメリットが得られて、連産ギャップも世界規模で調整を行うことが可能となっていまして、非常に高効率な状況です。ここまでが、血漿分画製剤についての現状のまとめです。
 (2)は、輸血用血液製剤の価格を取り巻く現状です。日赤は、血液事業を開始以降、昭和49年に国内自給を達成しています。それ以降、逐次、新たな検査法の導入等を実施しています。具体的に、代表的な例としては、核酸増幅検査などがあります。こういった新たな検査法を導入しようと思いますと、高額な経費がかかることがあります。コストが増大することにより、輸血用血液製剤が不採算となることがあります。こうなった場合には、薬価再算定(引き上げ)が実施されて、結果的に血液事業の安定的運営が図られてきた経緯があります。
 一方、これまで日赤においては、検査業務、製剤業務の集約化ということで、コスト削減に努めてはきているのですが、それが国民に分かるような形で反映はされてきていない現状があります。日本赤十字社が唯一の事業体となっていますので、なかなか競争がなく、効率性を求めるインセンティブが働きにくい状況であるという御意見をいただいたところです。
 「第3論点」としては、9つのポイントを挙げていただきました。(1)国内製剤の価格はどうして高いのかということで、コスト構造について検討すべきという御指摘をいただきました。(2)国内製剤の競争力強化のために、何をすべきかを検討すべきだという御意見です。(3)アルブミン製剤の適正な使用を一層進めるべきだということの問題意識が示されました。(4)が、後半の主な論点になります輸血用を含めたコスト構造のあり方について検討すべき。(5)インフォームド・コンセントのあり方についても検討すべき。(6)血漿分画製剤の輸出について検討すべき。(7)特殊免疫グロブリンなどの国内自給化の取組について検討すべき。(8)血漿由来製剤と遺伝子組換え製剤のシェアは、遺伝子組換え製剤のシェアが大きくなってきていることもありますので、そのあり方について検討すべき。(9)残りの血漿分画製剤がいろいろありますので、それをカテゴリーごとに分けて今後どのように国内自給を進めていくかを検討すべきだという論点をいただきました。
 8ページですが、「第4提言」は、各論点に対する提言という形で、資料がまとまっています。「(1)血漿分画製剤の製造効率と向上」ということで、提言をいただいています。最初は、先ほどの現状を少し簡単にまとめたもので、国内では非常にコストがかかるような状況になっていることが書いてあります。一方で、海外では高い製造効率の下、製造が行われていることが書いてあります。結論としては、ただちに欧米の採漿システムに倣うことは妥当ではないものの、引き続いて国内の採血・採漿システムの検証を行って、改善点等があるのであれば、費用対効果も踏まえて積極的に見直しをしていくことが望まれるという御指摘でした。
 製造工程から供給までということで、先ほども出ていましたが、海外事業者の生産規模とはかなり違いますが、国内においてさらに製造効率を向上させるための努力が望まれるのではないかという御指摘がありました。
 「(2)事業規模の拡大・事業基盤の強化」です。ここでは、4業者のうち、複数の事業を事業者が統合して、よりスケールメリットを活かせるような体制を組むべきではないかという御指摘をいただきました。
9ページの(3)コスト構造のあり方です。「1.輸血用の製剤の価格等について」まとめていただいています。日本赤十字社は、昭和49年に輸血用血液製剤の国内自給を達成したということで、それ以降は継続して安全な血液製剤を安定的に供給してきた功績は非常に大きいと。しかしながら、時代の流れもあり、血液事業の安定的な運営と血液製剤の安全確保を推進することを前提として、今後もより一層のコスト削減に向けた努力を行うと共に、高い透明性の下、その成果を国民に対して還元していくことが必要だという御指摘をいただきました。
 その下には、どこからコストを削減していくべきかの内容を具体的に書いたものとなっています。輸血用血液製剤の価格については、日本においては、新鮮凍結血漿の価格が海外に比べて高く、一方で赤血球製剤については海外より安いというような現状になっていること。それから、新鮮凍結血漿の価格と原料血漿の価格を比べてみても、その差はかなり大きくなっているという現状がありますので、今後コスト削減やコスト配分の見直し等を通じて、これらの製剤の実勢価格が適正なものとなるように、国及び日本赤十字社が努力すべきだという御指摘をいただきました。
 2.は、アルブミン製剤などの血漿分画製剤の価格についての御提言です。アルブミン製剤の国内自給率の低下の原因としては、原料血漿価格を含む製造コストが高いことが考えられるということで、一つの案としては、原料血漿価格について適正な価格にしていくべきだと。特に、これを引き下げるという方策については、いかに効率よく採血を行うかを考える必要があるという御指摘でした。もう一つは、先ほども出ていましたが、国内事業者の統合等によって、スケールメリットを活かして製造効率を高めるというような方法もあるだろうと。さらに、アルブミンについては、適正使用を進めるべきだという御意見がありました。
 (4)は、インフォームド・コンセントのあり方についてです。これは、血液法において、国内自給が原則とされていて、そのような現状が大前提としてあります。その中で、医療関係者の観点からは、国内外のもので安全性に差が無いのであれば、余り国内外のものどちらがいいかはこだわる必要は無いのではないかという意見がありました。実際に、医療現場ではインフォームド・コンセントを行うことが困難な場面が往々にしてあるのだという意見がありました。一方、患者の観点からは、治療の選択ができることが患者にとっては非常に重要なのだという意見をいただいています。この血漿分画製剤を取り巻く歴史的な経緯や倫理的な観点から、その由来を知りたいと考えている患者は多いので、その選択ができる環境を整備しておくことが望ましいという御指摘をいただきました。例えば、医薬品たる血漿分画製剤の説明に薬剤師を活用するというような方法もあるだろうという御指摘がありました。
 (5)輸出についてです。これは、現時点では国内自給が達成されていませんので、今後国内自給の達成等の状況の変化を待って、改めて議論を行うことが適当だというまとめをいただいたところです。
(6)国内自給化が困難な製剤の供給のあり方です。この辺りについては、今後日赤が中心となって、できる限り努力をすべきであるという御意見がありました。一方で、国においてもそれをサポートするようなガイドライン等を策定するなど、必要な取組を行うべきだという御意見をいただいたところです。
 (7)血漿由来製剤と遺伝子組換え製剤のあり方についてです。ここは、危機管理の観点から、血漿由来製剤の安定供給に支障が出ないように、国内の製造能力の維持に努める必要があるという御指摘をいただいています。また、国内事業者においては、患者が使用しやすい新製剤や国産の遺伝子組換え製剤の迅速な開発・製造供給に期待しているという意見がありました。
 (8)国内自給を推進するための方策です。11ページを御覧ください。ここについても、やはり日赤で開発を進めることが望ましいと。それから、国においてもオーファンドラッグ制度だけではなく、それ以外の施策でも支援する方法を考えていく必要があるという御指摘をいただきました。
(9)製剤の使用環境の改善です。血液法が施行されてから間もなく10年経ちますので、関係者が今一度、血漿分画製剤の国内自給の必要性を認識すべきだということで、そこをきちんと訴えていく必要があるのだろうという御指摘をいただいたところです。
 「第5おわりに」、これはまとめです。これまで、血液製剤については、患者を救う重要な手段となる一方で、その安全性が大きな問題となることが多く、これまで必要な安全性確保対策の実施に努めてまいりました。その甲斐がありまして、世界と比べましても、安全性については最高レベルまで到達していると考えられます。一方で、これまで血液事業においてコスト構造が議論されたことはほとんどなく、本検討会で初めてその方向性について提言を行っています。将来にわたって、安全な血液製剤を安定的に供給できる体制を確保し続けるためには、やはり国民の善意の献血によって得られた血液を原料とした貴重な製剤であることを国民全体で共有することが必要である。その上で、今後この血液事業がいろいろ展開していくわけですが、必要な検討を適宜、適切に行うことが望まれ、引き続き国をはじめとする関係者の努力を期待する、というまとめになっています。資料3については、以上です。
○高橋部会長 御説明いただきました。この報告をまとめていただいた溝口先生が参考人として来られていますが、何か追加、補足はございますか。
○溝口参考人 検討会の提言に関しましては、今、企画官の話されたとおりで特に付け加えることはありません。一言申し上げるとすれば、これまで血液事業部会、あるいはこれまでの血漿分画製剤の製造体制の検討会というのがありまして、その両方に関係した者として考えますと、先ほど企画官が申しておりましたが、この検討会が初めての血液事業の費用あるいはその効果を論じた唯一の検討会ではなかったかと思っております。
 今回の提言に関しまして委員が多く申しておりましたのは、このまま棚ざらしというか、放置しないで、ぜひ今後、血液事業部会などで血液の安全対策、血液の安定供給の施策を検討される際に、その有効性をエビデンスに基づいて検討されて、併せてその費用対効果を論じるきっかけになれば、みんな喜んでくれると思っております。私もそう思っております。以上です。
○高橋部会長 それでは今の溝口先生の補足説明も含めて御意見、御質問などあれば御願いします。
 非常に多面的に要因分析から現状解析、課題を乗り越えるために考えられる方策、非常に決定版というような報告書だと思いますけれども、いかがでしょうか。
○嶋委員 凝固因子製剤につきましてですが、血液由来製剤のシェアは平成22年で21.8%ということで、現状では血漿由来製剤と遺伝子組換え型製剤を比較しましても、利便性・有用性という点では余り差は無いと思うのですが、それでもシェアにはこれだけの差があるのです。現在、各社がしのぎを削って長時間作用型の製剤を開発しており、日本でも臨床試験が行なわれています。例えば、第VIII因子製剤に関し、3社が新たに参入して臨床試験を行っているとします。そして、もし長時間作用型の製剤も日本で使用されるとなりますと、今までは両者の利便性に差が無かったけれども、血友病Aの定期補充で今まで週3回投与が必要だったものが、長時間作用型製剤では週2回でも可能になり、血友病Bでは週2回が2週間に1回でも効果がある等、明らかに差が出てくるかもしれません。そうすると、さらに血漿由来製剤のシェアが減るかもしれません。血漿由来製剤のシェアをどのように安定化させるかというのは、さらに緊急的な問題になるかと思い、我々医療サイドも非常に危惧しています。
 血漿由来製剤にはメリットもあります。例えば今、血友病治療でインヒビターの治療は非常に重要ですが、なかなか治療効果に乏しく、免疫寛容療法という、製剤を大量、頻回投与することによってインヒビターを消失させるという治療法のみが、有効であると言われています。このためには、血漿由来製剤あるいはフォンヴィレブランド因子の含有する血漿由来製剤の方が有効であるという知見も出ています。更に、止血療法においても、一部のインヒビターの患者さんはフォンヴィレブランド因子含有製剤の方が治療成績が良かったり、成人の定期補充では血漿由来製剤でもいいのではないかと言われたりしています。したがって、これらのような治療ストラテジーでの展開がないと、シェアを増やすのはなかなか難しいのかと思います。
 また、価格の問題も看過できません。定期補充療法は漸増していますので、全般的に製剤の使用量が増えているのは間違いないのですが、いろいろな製剤を一つの病院で保持しておくのが厳しくなり、遺伝子組換えか血漿由来製剤かのどちらか一つにしてくださいと、病院から指示される場合も出てきています。その際、各製剤の競争力も重要です。
 医療サービスの面でも何か展開できるものがあるのではないかと思います。例えば、ほとんどの血友病の患者さんの製剤の使用は、先ほど言いましたように定期補充なので、在宅で投与しています。ほかのグロブリン製剤等はほとんど病院で投与されているとは思いますが、血友病の治療製剤は在宅投与が基本です。その際に、多量の製剤を持って帰るのは非常に不便です。例えば、何らかの形でデリバリングシステムを開発するといったこと等で、医療サービスの方で何か展開はできないのでしょうか。新しいアイディアが必要ではないかと少し日頃感じています。
○高橋部会長 分かりました。細部の話はつきないと思いますけれども、基本的な大きな整理はここでできて、溝口参考人が言われたようにこれを基にして、今後課題を乗り越えるための方策が進められればよろしいかと思います。
○吉澤委員 10ページの提言(6)ですが、国内自給が難しいとされてきた特殊免疫グロブリンの原料についてここで初めて公式に方針が示されたことは、大変な進歩だと思っています。ここでは日赤が中心になって努力することになっていますが日赤の努力はもちろんですが、国のバックアップが必要なのではないかと思います。
 わざわざワクチネーションをしなくても、例えば医療系学部の学生は全員、B型のワクチンを打っているわけです。ですから、献血者にわざわざワクチンを打たなくても、そういう人たちを囲い込むことによって、特殊免疫グロブリンの供給源として、登録制ができるのではないかと思います。
 もう一つは、さらに自給率が低い破傷風がありますが、公費の負担で破傷風のワクチンを打っている集団がこの国にはいっぱいいるはずなのです。ですから、ワクチンを打った人たちの抗体の力価を調べ、力価の高い人たちには進んで登録に協力してもらえるように働きかける、そういうシステムをつくることを考えていただくと具体的になるのではないかと思います。
○高橋部会長 ありがとうございます。だいぶ時間が押していますので、さらにいろいろな御意見があるかもしれませんが、今までの御意見やそのような建設的な意見も取り入れて、この供給のあり方についてより適切になるように血液事業の推進に努めていただくように事務局にお願い申し上げます。
 それでは議題4「平成24年度の血液製剤の安定供給に関する計画(需給計画)(案)について」です。
これは、血液法の規定により、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて策定されるものです。
昨年12月の前回の部会において、本計画案について御議論をいただいて、原料血漿の確保目標量と需要見込み、製造目標量等については、事務局案を暫定的に了承していただいたところですけれども、今回は、原料血漿の配分価格も含めて最終的に部会で審議し、答申したいと思います。まず、事務局から説明をお願いします。
○新村需給専門官 議題4、資料4「平成24年度の血液製剤の安定供給に関する計画(需給計画)(案)について」御説明いたします。
資料4となります。平成24年度の需給計画案に関しましては、血液法第25条第5項の規定により、本日の部会で御審議いただくものであります。既に昨年12月の血液事業部会において、原料血漿の確保目標量と日本赤十字社から国内事業者への原料血漿の配分量について御検討をいただき、暫定的に御了承いただいておりますが、今回はそれに原料血漿の標準価格を加えた案となっております。1ページが諮問書、2~7ページが需給計画案の本体でございます。なお、3ページの「第3平成24年度に確保されるべき原料血漿の量の目標」につきましては、昨年12月の部会で御了解いただきました、95万Lとしております。なお、5~7ページまでの別表第1~3は、昨年12月以降、企業側の製造計画等に一部見直しがありました関係で、需要見込量や製造・輸入目標量にわずかな変更がありましたが、原料血漿確保目標量に影響はなく、また、医療事業に対しても安定的に供給されるよう算出しております。
 それでは、平成24年度に配分される原料血漿の標準価格の考え方について、9ページを御覧ください。標準価格の算定の基本的な考え方については、昨年までの考え方と同様でございます。日本赤十字社では輸血用血液の確保と原料血漿の確保が並行して行われており、人員や装置等は兼用されているため、明確に切り分けることが困難である中で、原料血漿の確保のために必要と考えられる部分について費用を積算し、価格を計算しております。
 血漿成分採血については、昨年までと同様に献血全般に共通する事項とサービスに係る経費は除き、必要経費を積算しております。また、全血採血及び血小板成分採血については、輸血用血液製剤の製造が主たる目的であることから、原料血漿の確保に係る費用は一部に限定して積算しております。ただし、平成19年度より、赤血球製剤の白血球除去の導入に伴い、原料血漿の製造に生じた費用は含まれております。
 積算はこれまでの年度と同様に、まず、凝固因子製剤用の原料血漿について経費の積算を行っております。配分量は、確保目標量の合計を95万Lとし、原料血漿の確保から供給までに必要な経費を積み上げ、1L当りの単価を算出しております。この積み上げに用いる経費には直近の実績である日本赤十字社の平成21年度及び平成22年度決算の平均の数値を使用しております。積算する費用の内訳は10ページの表を御覧ください。費用は、採血から原料血漿を製造・確保するまでに必要な材料費、人件費、経費、及び日赤の管理センター等への原料血漿の輸送・貯留保管経費である管理供給・調査研究費で構成されております。
 採血種別毎に積算する費用ですが、全血採血と血小板成分採血については、材料費としてシングルバック代相当分と製品表示ラベル代。人件費としては、原料血漿の凍結・一時保管費にかかる製剤職員費。経費としては、凍結・保管費にかかる経費に加え、全血採血には白血球除去の導入に伴い生じた経費を一部加算しております。管理供給・調査研究費については、従来どおり原料血漿輸送・貯留保管経費を積算しております。血漿成分採血については、従来どおり材料費は全額、人件費は原料血漿の凍結・一時保管費にかかる製剤職員費、及び検診や検査にかかる医師、看護師、検査職員、事務職員の必要経費。経費は、凍結・保管費の他に、成分献血登録者に対する依頼経費、処遇費の一部、検査機器等の保守関連経費などです。そして管理供給・調査研究費については、原料血漿輸送・貯留保管経費を積算しております。
 採血方法別の原料血漿の配分量については、13ページにありますように、献血推進計画に則り、日本赤十社が策定した平成24年度の事業計画に基づいて設定しております。以上の内容を一覧表にしたものが11ページになりますが、今申し上げた方法により、積算された1L当たりの単価1.に、それぞれ採血別に原料血漿確保見込量2.を掛けて採血別の確保費用を算出した上で、その総額3.を95万Lで除し、消費税を掛けて1L当たりの原料血漿標準価格11,570円を算出しております。この結果、凝固因子製剤用については平成23年度単価の11,150円より420円増となっています。
 その他の原料血漿については12ページにありますように、昨年までと同様に、今回の凝固因子製剤用の価格改定率を用いてそれぞれ比例計算で算出しております。その結果、その他の分画製剤用が10,570円。中間原料はII+IIIが44,530円、IV-1が13,400円。IV-4が14,020円となります。以上が従来どおりの基本的な考え方に基づき算出した結果となります。
 しかしながら14ページに、平成24年度原料血漿標準価格(案)としてお示ししているところですが、議題3の中で事務局より報告させていただきました血漿分画製剤の供給のあり方に関する検討会最終報告書の提言として、アルブミン製剤など血漿分画製剤の価格等について、「アルブミン製剤の国内自給率が低下している要因として、原料血漿価格を含む製造コストが高いことなどが考えられる。今後、国は、血液事業の運営に支障を来さないように配慮しつつ、原料血漿価格についても適正な価格の調整を考えていくべきである。」とされているところです。そのため、平成24年度の原料血漿標準価格は、平成23年度の価格を上限とし、かつ血液事業の運営に支障を来さないような価格で調整を行うこととさせていただきました。その結果、従来の算定方法により算出した価格から5%減として凝固因子製剤用につきましては平成23年度と比較すると150円減の11,000円、その他の分画製剤用は平成23年度と比較し130円減の10,050円、中間原料II+IIIについては600円減の42,310円、IV-1は180円減の12,730円、IV-4は190円減の13,320円とさせていただきました。
 また、参考として記載しておりますが、平成22年の米国の原料血漿価格は1L当たり10,975円となっており、凝固因子製剤用価格11,000円に近い価格となっています。
 15~17ページまでの平成22年度の需給計画の実施状況ですが、昨年12月の部会で報告させていただいたところですが、その後17ページの製造・輸入量の1.と2.の列、供給量の3.の列の赤字の部分について、データの一部に誤りが判明しました。その結果、一番右列の自給率が、アルブミン58.2%、組織接着剤45.7%、血液凝固第VIII因子製剤21.8%、人免疫グロブリン95.1%となります。訂正となることをこの場で御報告させていただきます。
 なお、18ページは平成24年度需要見込関連表、19~26ページまでは毎回付けさせていただいております血漿分画製剤の自給率の推移等、各種統計関係の資料となっております。統計資料については、また後ほど御参照いただければと思います。以上が資料の御説明です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○高橋部会長 只今の御説明について、御意見、御質問などございませんでしょうか。よろしいでしょうか。御意見が無ければ、資料4の需給計画案の議決に移りたいと思います。参考人の先生方は、議決に参加できませんので御了承ください。
 資料4の需給計画案について議決いたします。よろしいでしょうか。それでは承認されたということで、今後この計画を告示するに当たり、厚生労働省で法令的な観点から、形式的な文言に修正がありました場合は、内容的には変えないように部会長に御一任いただきたいとそのように思います。
 次に、議題5「その他の報告事項」について、事務局から御説明をお願いします。
○新村需給専門官 議題5、資料5「その他の報告事項」について御報告いたします。
その他の報告事項として、血液製剤の輸出承認についての一部改正について御報告させていただきます。資料は5となります。まず、血液製剤の輸出について、外国為替及び外国貿易法、いわゆる外為法の下部政令であります輸出貿易管理令において、輸出ごとに経済産業大臣の輸出承認が必要な貨物として位置付けられております。この承認についての詳細な手続きについては経済産業省で定められており、今回一部改正を予定しております血液製剤の輸出承認についての運用通達となります。この運用通達では、一部例外品を除きまして、昭和41年から当時ベトナム戦争の最中、日本の売血による血漿が東南アジア方面に輸出されているとする疑惑が発生し、国民の血液が軍事上の目的に使用されていることに対する倫理上の問題が国会で追及されまして、厚生省と通産省で協議の結果、輸出貿易管理令において、血液製剤は当分の間承認を停止することとされております。
 このようなことから、現状におきまして、外国の政府機関から血液製剤について人道的支援の要請があっても、例外規定において自衛隊派遣時に血液製剤を海外に持っていくことを除き、本邦に輸入されたものでない限り輸出の承認をすることはできないことになっております。今回のベトナム総領事館からの要請を一つのきっかけとしまして、国内献血由来製剤であっても、国内において安定供給に支障が無いと判断できる場合、例えば在庫が十分にある場合などにつきましては、人道的精神に基づき、即座に対応できるよう通達の改正を行うものであります。
 現在、経済産業省において、パブリック・コメントの募集を実施中となっております。なお、今回のベトナム総領事館からの要請への対応については、海外メーカーに要請をし、調達の手はずを取ったところであります。以上、御報告とさせていただきます。
○高橋部会長 ただ今の御説明について、御意見、御質問などございませんでしょうか。人道支援もなかなかできないというような過去の状況がありまして、今回、それをしっかり整理しようということです。よろしいでしょうか。
 それでは資料6~8まで、報告事項ですが、事務局から御説明をお願いします。
○伯野補佐 その他事項、資料6「『輸血療法の実施に関する指針』の一部改正について」、資料7「『血液製剤の使用指針』の一部改正について」、資料8「『遡及調査ガイドライン』の一部改正について」です。
これらの改正案について昨年12月の第1回の血液事業部会で既に案を提示させていただき、御議論をいただいて御了承いただいておりましたが、事務局の方で文言等の修正を行いまして、本日付けで改定版を発出させていただきましたので、御報告ということで本日お示しさせていただいた次第です。私からは以上でございます。
○高橋部会長 既に前回の御議論で内容について御了承をいただいておりますので、より整合性をもたせるとか、文言修正をして発出したということですので、特に問題無いと思いますが、よろしいでしょうか。
 それでは本日の議題は以上です。
次回の日程等については、後日、事務局から御連絡を申し上げます。本日はどうもありがとうございました。


(了)

備考
この会議は、公開で開催された。

連絡先:医薬食品局 血液対策課 課長補佐 伯野(内線2905)

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