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2012年5月28日 社会保障制度の低所得者対策の在り方に関する研究会(第1回) 議事録

○日時

平成24年5月28日(月) 10:00〜11:30


○場所

中央合同庁舎5号館 厚生労働省12階 専用第13階会議室
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号)


○出席者

駒村 康平(座長) (慶應義塾大学経済学部教授)
白波瀬 佐和子 (東京大学大学院人文社会系研究科教授)
土居 丈朗 (慶應義塾大学経済学部教授)
山田 篤裕 (慶應義塾大学経済学部教授)

○議事

○参事官(社会保障担当)
おはようございます。
 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第1回「社会保障制度の低所得者対策の在り方に関する研究会」を開会いたします。
 本日はお忙しい中、御出席をいただきまして誠にありがとうございます。私、社会保障担当参事官の武田でございます。よろしくお願いいたします。
 本日は、小宮山厚生労働大臣、西村副大臣、藤田政務官に御出席いただいております。
 それでは、初めに小宮山大臣からごあいさつをお願いいたします。

○小宮山大臣 
おはようございます。お忙しいところ、お集まりいただきましてありがとうございます。
 今日は、社会保障制度の低所得者対策の在り方に関する研究会初会合ということになります。
 御承知のように、現在、国会では社会保障・税の一体改革の特別委員会での審議が連日進んでおりますけれども、この中で特に日本で非常に今、問題になっている貧困・格差対策、これを総合的な所得の再分配の在り方を含めてどうするかということが大きな課題になっています。
 ここで御議論いただきます総合合算制度、これは低所得者対策を総合的にということですけれども、これも今回の社会保障改革の大変重要な項目になっています。今までにない新しい仕組みですので、一から皆様に御議論をいただきまして結論を出していただきたいと思っています。
 また、制度の縦割や、この総合合算制度もいろいろのそれぞれの仕組みの中での低所得者対策を合算しようということですけれども、もっと広く、生活保護と年金の在り方はどうなのかということですとか、それから社会保障での年金と現物給付、医療・介護などとの関係はどうするのかといったような議論もございますし、私としては、できれば生活保護と年金、更に生活保護を受けていらっしゃる皆様にもなるべく働いていただきたいので、最低賃金まで、もし含められればということですけれども、その全体的な、今までの仕組みの縦割や、部署も縦割になっていたものを、個人の立場から総合的に検討することまで幅広く、低所得者対策、そして高齢期の所得保障の在り方全般について、新しい考え方をここから出していただきたいと思っていますので、是非、自由に活発に御議論をいただいて結論を出していただくように心からお願い申し上げます。
 よろしくお願いいたします。

○参事官(社会保障担当)
ありがとうございます。
 それでは、続いて委員に御就任いただいた方を御紹介申し上げます。
 まず、慶應義塾大学経済学部教授の駒村康平委員でございます。駒村委員には、この研究会の座長をお願いしております。
 続きまして、東京大学大学院人文社会系研究科教授の白波瀬佐和子委員でございます。

○白波瀬委員
 よろしくお願いします。

○参事官(社会保障担当)
 続きまして、慶應義塾大学経済学部教授の土居丈朗委員でございます。

○土居委員
 おはようございます。よろしくお願いいたします。

○参事官(社会保障担当)
 続きまして、慶應義塾大学経済学部教授の山田篤裕委員でございます。

○山田委員
 山田です。どうぞよろしくお願いいたします。

○参事官(社会保障担当)
 このほか、日本女子大学人間社会学部教授の岩田正美委員、東京大学法学部・大学院法学政治学研究科教授の岩村正彦委員にも御就任をいただいておりますが、今日は所用のため御欠席となっております。
 なお、小宮山大臣、藤田政務官におかれましては、公務のため後ほど退席となってございます。
 それから、土居委員におかれましても、所用のため後ほど退席と伺っております。
 恐れ入りますが、カメラはここまでとさせていただきたいと思います。

(カメラ退室)
(小宮山大臣退室)

○参事官(社会保障担当)
 それでは、議事に入りたいと思います。今後の議事進行につきましては、駒村座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○駒村座長
 それでは、議事に移ります。
 この研究会の発足経緯と今日の配付資料について、事務局から説明をお願いいたします。

○参事官(社会保障担当)
 それでは、まずお手元の資料をごらんいただきたいと思います。
 配付した資料は、議事次第のほか、資料1については研究会と研究会の設置要綱、それから資料2につきましては今後のスケジュール、資料3につきましては低所得者制度に関する概要資料ということで、資料1、2、3は非常に薄い資料になっておりますが、参考資料として関連資料集、少し厚い資料の束をお手元に置かせていただいております。御確認をいただきたいと思います。
 それでは、まずお手元の資料1をごらんいただきたいと思います。
 当研究会の設置趣旨でございますけれども、当研究会は、ここに書いてございますように、少子高齢化の進展等に伴い税・社会保障の負担が増加する中で、きめ細かな対応を求められる低所得者対策全般について幅広く御議論いただくこととしております。
 大きな課題の一つが、一体改革大綱等に記載されております総合合算制度の制度設計となっております。
 この資料1の2枚目に付いておりますが、参考1として一体改革大綱が付いております。今年の2月17日に閣議決定された社会保障・税一体改革大綱の中におきましても、ここに抜粋を付けておりますように、「3.医療・介護等?」のところで(11)として総合合算制度の創設が閣議決定をされているところでございます。星のマークがありますが、制度実現には、番号制度等の情報連携基盤の導入が前提であるため、平成27年度以降の導入に向け、引き続き検討ということになっているところでございます。
 その後、資料1に戻っていただきますと、この一体改革大綱の後、3月30日に今後の対応の方向性が閣議決定されておりますけれども、この3月30日の閣議決定の中でも、平成27年度以降の番号制度の本格稼動・定着後速やかに実施できるよう、今後具体的に検討を進めるということにされているところでございます。
 これにつきましては、参考2といたしまして4ページ目に閣議決定の抜粋を付けておりますので、参考にしていただければと思います。
 なお、参考2に付いている閣議決定の抜粋、表の形になっておりますが、事項といたしましては、総合合算制度や給付付き税額控除等の再分配に関する総合的な施策という事項の中で、この総合合算制度を今後具体的に検討を進めるということが記載をされているところでございます。
 また1ページ目に戻っていただきますが、今、大臣のごあいさつの中にもありましたが、社会保障制度の低所得者対策として、生活保護制度、年金制度との関係についての指摘を始め、さまざまな問題提起もされているので、ここも併せて議論を深めていただきたいということでございます。
 まず、この研究会の設置の経緯につきまして、前に行ったり後ろに行ったりで恐縮ですが、参考3、3枚目をごらんいただきたいと思います。この3月30日の閣議決定を受けまして、政府におきましてはこの総合合算制度、それから給付付き税額控除などの総合的な施策についての検討体制が決められたところでございまして、副総理の下での関係5大臣会合、その下での副大臣・政務官レベルでの検討チーム、更に税制上の論点につきましては政府税制調査会、それから社会保障制度の論点につきましては社会保障審議会というような役割分担が決められております。
 この社会保障審議会の4月25日の総会におきまして、私どもから、まずこの研究会を設置し、有識者による学術的な見地からの検討を進めることについて御説明をし、総会の御了解をいただいたということで、本日、この研究会を開催するに至った経緯でございます。
 もう一度、1ページに戻っていただきまして、この検討課題でございますが、設置趣旨のところにありますように、この総合合算制度につきましての具体的な検討ということに併せまして、社会保障制度の低所得者対策といたしましては、生活保護制度や年金制度との関係についてさまざま御指摘がございますし、更に国会での議論などで、これも大臣からの御指摘がございました、社会保障制度における年金などの現金給付と医療・介護サービスといった現物給付との関係といった論点、それから、社会保障制度における所得区分の判断基準といたしまして、資産の位置づけや資産の活用方策といった論点も指摘をされているところでございます。
 大臣からは最低賃金といった話も、提起をされましたが、いずれにいたしましても、制度ごとの考え方で行われております低所得者対策について、個人または家計の立場で幅広く御議論をいただければということで考えておるところでございます。
 主な課題といたしましては、ここに3点記載をしております。具体的な制度設計に入る前に、まずお集まりの先生方にこういった点について、考え方の整理をしていただければと思っている次第でございます。
 主なスケジュールですが、本日第1回でございますけれども、今後2か月に1回程度、研究会を適宜開催をし、議論を深めていきたいと思っております。
 以上が資料1についての御説明でございます。
 それから、資料2として当面のスケジュールということをお配りしております。
 ごらんいただきますように、まず本日は、私どもが提出した資料に基づきまして、先生方の間で自由に討議をしていただければと思います。
 それから、第2回につきましては、各制度の低所得者対策の考え方、低所得者の範囲でありますとか、負担上限の考え方について御議論いただければと思っております。
 それから、第3回以降でございますが、総合合算制度の制度設計上の諸論点、それから高齢期の所得保障の在り方、こういった点について議論を進めていければと思っている次第でございます。
 それから資料3は、1枚だけお配りしておりますが、「社会保障制度における低所得者対策について」という表題を付けております。
 現在の社会保障制度の基本的な考え方、これは今、国会でも議論になっておりますが、現在の社会保障制度の基本的考え方は、まず自ら働いて自らの生活を支え、自らの健康は自ら維持するという自助を基本とし、これを生活のリスクを相互に分散する共助が補完し、その上で自助、共助で対応できない状況に対して公助として公的補助、社会福祉を行う、こういった考え方が昭和25年の社会保障制度審議会勧告以降、基本的な考え方として取り入れられてきたところでございます。中でも、社会保険方式が基本だという位置づけになってきているところでございます。
 今回の一体改革におきましても、昨年6月30日の成案におきましては、ここにありますように、自助・共助・公助の最適なバランスに留意する。それから、自立・自助を国民相互の共助・連帯の仕組みを通じて支援していくことを基本に、格差・貧困の拡大や社会的排除を回避し、国民一人一人がその能力を最大限発揮し、積極的に社会に参加して、居場所と出番を持ち、社会経済を支えることもできる制度を構築する、こういうことが成案の中にも書き込まれているということでございます。自助・共助・公助といった言葉に加えまして、自立・連帯という言葉も併せて成案の中では記載をされているということであります。
 後ろのページ、裏側を見ていただきますと、以上のような考え方に立って具体的な制度ではどういう低所得者対策を講じているかということでありますが、大きく分けて2つのパターンがございます。
 社会保険制度につきましては、制度の中で低所得者対策が講じられておりますが、基本的に皆保険・皆年金をベースといたしまして、保険料については応能負担を原則、そしてそれを修正をしていく。それから、利用者負担については受益に応じた負担、定率負担を原則とし、応能的要素を加味している。そして、生活保護制度を始めとする公助の仕組みがこれを補完する、支えるということでできております。
 現在の制度は、こうした考え方で組み立てられておりますけれども、個別に低所得者対策が講じられ、更に修正をされ、累次の改正により、ある意味精緻化しているということも言えるかと思いますが、複雑化をしておりまして、制度と制度との関係につきましても、一部で合算をし、一部は合算していないという考え方、制度になっておりますので、これを一貫した考え方に基づく仕組みになっていない現状をどういうふうに考えていくのか。整合性の取れた考え方としてどういうふうに考え方を整理していったらよいのか、こういう点について御議論いただきたいと思っているところでございます。
 関連資料として参考資料をお配りしていますが、大部にわたりますので全部は御説明いたしませんが、ちょっとページを開けていただきますと、まず目次が付いております。1〜15までの項目について資料を整理しております。
 1は社会保障制度の基本的な考え方でありまして、今、御説明をいたしましたような内容について少し詳しく書いてあります。この点については省略いたします。
 右下にあるページで7ページまで飛びますと、貧困・格差についての現状の資料が付いております。
 8ページ目が相対的貧困率の推移について、年次的に見ても相対的貧困率がここ数年、上昇傾向にあるという現状を見ていただけると思いますし、次の9ページでは国際比較ということで、我が国の相対的貧困率、更に子どもがいる現役世帯の貧困率につきましては各国の中でも非常に高い水準になっているということ。
 それから、10ページに相対的貧困率の計算式でありますが、可処分所得ということで、現金給付は入っておりますが、資産とか現物給付を含まない収入で判定をされているといったこと。それから、世帯員数の差を調整した等価可処分所得で計算されていることなど、具体的な計算式を書いてありますので、参考にしていただければと思います。
 それから、11ページ、12ページにつきましては、社会保障全体の所得再分配機能の現状について。更に13ページにつきましては、我が国の社会保障の所得再分配機能、平成8年〜平成20年までの状況を付けておりますけれども、基本的に当初所得の格差は広まっておりますけれども、再分配後の改善度、再分配後の所得格差といったところは一定水準を維持しているといったことが見ていただけるかと思います。
 それから、今後御議論いただく総合合算制度のイメージにつきましては15ページに「例えば」ということでイメージが記載をされております。御参照いただければと思います。
 それから、16ページ以降は社会保障制度の低所得者対策の現状について整理をしたものであります。具体的なものは各制度ごとに後ろの方で整理をしておりますが、ざっと見ていただきますと、まず17ページが保険料負担についてであります。17ページの医療ですが、健康保険、いわゆる被用者保険は賃金に一定率をかける応能負担原則、それから国保、後期高齢者については応能負担に加えて応益負担ということで、かつ応益割部分につきましては3段階に区分をし、2割軽減、5割軽減、7割軽減といった軽減措置が加えられております。
 それから、18ページが介護・年金でありますが、定額負担である国民年金につきましては累次の改正を経て、現在は4分の1、4分の2、4分の3、それから全額4分の4の免除といったきめ細かな法定免除が記載されております。
 それから、利用者負担につきましては19ページ、20ページでありますが、基本的に応益負担ではありますけれども、年齢によって応益負担の割合に差をつけているといったこと。それから高額療養費制度を導入しておりまして、高額療養費制度につきましては所得に応じて差をつけているといったことがここに記載をされているとおりであります。
 それから、20ページが食費・居住費でありまして、食費・居住費につきましては、定率ではなくて定額負担を課した上で、所得に応じた負担限度額を別途設定しているということ。
 それから21ページ、障害者自立支援制度・保育サービスにつきましては、全額税による負担となっていることも反映をし、応能負担原則に応じて利用者負担が設定されていること。
 それから、22ページにつきましては高額医療、高額介護といった合算療養費制度が導入されていることなど、社会保障全般にわたる低所得者対策を整理したものでございます。
 23ページ以降は、それぞれ国保についての軽減割合、対象者要件、それから対象者数といったことで、国保で言いますと全被保険者3,600万人のうち、例えば7割軽減770万人、5割軽減230万人といった数字を記載し、24ページは後期高齢者制度、25ページについては介護保険、それから26ページにつきましては国民年金の免除につきまして、それぞれの要件、軽減割合、対象者数といったことを記載をされております。
 それから、これで最後にいたしますが、27ページにつきましては、こういった各制度における低所得者対策でよく使われております住民税非課税世帯という考え方でありますけれども、単身世帯の場合はおおむね100万円程度、例えば夫婦・子ども2人になりますと、1級地で言いますと260万円〜270万円くらいのところで非課税のラインが引かれているといったこと。更に全体といたしまして、日本全体では住民税世帯非課税となっている対象者は約3,000万人程度と推計をされていったことなどにつきまして参考資料でお配りをしておりますので、参考にしていただきたいと思います。
 長くなりましたが、本日の配付資料につきましての説明は以上でございます。

○駒村座長
 ありがとうございました。
 それでは、今、御説明いただきました資料1と資料2について御質問ありましたらお願いいたします。
 いかがでしょうか。
 特段なければ、続きまして資料3と参考資料についても加えて御質問ありましたらお願いします。この後、今日は最初ですので、皆さんの考え方についての議論をしたいと思います。最初に資料のことについての何か質問や、あるいは補足の資料請求があればお願いいたします。
 先ほど大臣が自助の絡みでおっしゃった最低賃金の話も関わる部分はあると思いますし、そのほか、先ほど自助・共助・公助と、資料の読み方としては、先ほどの資料3では自助・共助・公助というのが、自助というのはまさに下支えする最低の部分としては最低賃金があるわけでして、共助の部分が、これはリスクと書いてある以上、年金・医療・介護・雇用保険も含めた社会保険である。最後の公助は、今、議論になっている生活保護を中心にした制度になっているということだと思います。
 こういう整理に基づいて3点、この研究会ではテーマを与えられておりまして、制度ごとでやや違いが出てきているような低所得者対策、これについて、キーワードとしては先ほど総合的整合性の在り方をと、複雑になっていますので、その整理をしていく。併せて、低所得者のある種、保険料の軽減などによく使われるのが住民税非課税基準というのは先ほど資料の中でも紹介されたわけであると思います。また、資産の活用もどうするのかという問題提起もあったと思います。窓口負担だけなのか、それとも保険料負担等々を含めるのか、総合合算制度というものを具体的なツールとして考えていく。更に、年金と生活保護のバランスというか、在り方についても議論していく、この3つでございますが、どうぞ。
 では、白波瀬委員お願いいたします。

○白波瀬委員
 詳しい説明ありがとうございました。
 初めの枠組みのところについての質問なのですけれども、これは参考3にある図について、我々のこの検討会というか、研究会の位置づけを確認させてください。総合的な負担ということからすると、若干越境にもなるのですが、給付付き税額控除の話と総合合算制度の議論というのは、勿論、一応検討する部隊というのが役割的には分かれているのですけれども、この辺りの調整というか、整合性というか、枠組み上の区別というのはどのように考えればよろしいのでしょうか。つまり、総合合算制度ということと、給付付き税額控除の検討との間の期待される役割分担というところを伺いたいと思います。

○駒村座長
 事務局から御説明をお願いします。

○参事官(社会保障担当)
 お配りした、今、御指摘のありました資料1の参考3にございますように、制度全体の整理といたしましては、給付付き税額控除といいますのは基本的に税制上の制度ということになりますし、総合合算制度というのは社会保障制度の中で検討されることになりますので、それぞれ検討の場としてはこのように分かれるということが想定をされているわけですが、真ん中に「必要に応じて連携」とありますように、そうは言っても多少関係する部分も出てくる可能性があるということで、必要に応じてそれぞれの議論についての連携ということが必要になってくるということも考えられております。
 ちなみに、この研究会の位置づけといたしましては、この社会保障審議会の下に書いてありますように、具体的な総合合算制度の制度設計ということになりますと、その法案化も目指して社会保障審議会でいずれ本格的に議論をしていかなければならないということになると思いますが、その前に、まずはさまざまな観点、それからそもそも低所得者対策というものの必要性、対象者をどう考えるのか、ほかの制度との関係性、こういった点を総合的に御議論いただければと思っておりますので、この研究会では、むしろ事務局といたしましては余り議論を限定せずに低所得者対策を、特に社会保障の見地から考えてどういうふうに考えたらよいのかというふうに、幅広の議論をいただければよいのではないかと思います。
 そういう意味で申しますと、私ども想定している総合合算といいますのは、基本的に資料にありましたように、医療と介護、それから障害と保育といったことを念頭に置きつつ、それの合算性をどう考えたらどうかということでありますけれども、今日の資料にもありますように、例えば、では最低賃金の制度がどう関係するのかとか、生活保護につきましても資料を付けてありますが、それがどう関係するのでしょうかとか、そういうやや個人という観点から見たときに、少し制度のはみ出す部分も含めて考え方の整理ができればと思っております。
 そういった点もよいでしょうか。

○政策統括官(社会保障担当)
 ちょっと補足をいたします。
 この参考3の絵ですけれども、そもそもこの議論がどういう経緯で出てきたかということでお話をしますと、今回の一体改革では消費税の引上げを行うわけですが、消費税の逆進性対策をどのように考えるのかという議論があります。実は逆進性の議論をするときに、これがまたいろいろな議論があって、税理論上は、消費に対して一定の率をかけているものなので、消費との関係で言うとフラットで、消費をもって担税力と考える考え方からすれば逆進性はないという説明もあれば、他方で、基礎的消費支出の存在により、所得によって限界消費性向が異なってくるので、所得との関係で言うと逆進性がある、という説明もあります。後者のような議論があるので、それを何らかの格好で補てんをする必要があるというのが政治的な要請ということになりますと、所得水準と負担との関係で調整をするということになるので、一定、低所得者対策という視点が出てくる。一体改革大綱では、給付付き税額控除の導入によって低所得者対策、再分配施策と言っていますが、その手当てをするということが必要なのではないかという議論になりました。
 御案内のように、給付付き税額控除というのは、実はいろいろなやり方がありまして、これ自体がいろいろな政策的なインプリケーションを入れて組み立てることができる。例えば勤労税額控除みたいな形を考えることや、少子化対策として実施することもできる。あるいはそもそも給付で戻すことをするかしないかという問題もありますし、給付の部分を社会保障に任せて控除のところだけで組み立てるという考え方もあるので、実はさまざま考え方があって、それはそれで1つの大きな税体系上の議論になります。当然、給付付き税額控除を導入するときは、各種人的控除、所得控除の見直しがセットになりますので、その意味でも非常に大きな議論になる。
 他方で、消費税の逆進性の議論をするときに、負担面だけで議論するというのもおかしい。今回は社会保障目的化をして、歳出面で社会保障に集中的にお金を入れることになるので、集めたお金によってさまざま効果が期待されます。特に社会保障はそれ自体が再分配効果を持っていますので、普通に返せば低所得者に多く給付が返ることになります。更に言えば、今度の一体改革の中では、保険料の軽減であるとか、今回のいわゆる総合合算とか、さまざまな低所得者対策を講じますので、歳出面で見れば、実はかなりのものが低所得者に返るのではないか。セットで考えれば、実は別の評価もあるのではないか、こういう議論になりました。
 ただ、税の体系では税の体系で、歳出は歳出で、それぞれ政策目的が違うので、一緒にして議論することはむしろ低所得者政策を税の面では講じないというメッセージにもなりかねないので、そこは整理して議論をするというのが最終的な与党の議論になって、では税は税の体系として税調で考え、社会保障の今の一体改革の中で行われている低所得者対策、その中での総合合算については社会保障制度審議会で制度的な詰めをきちんとやりましょうということで、実は2つ立ったという経緯です。
 ちょっと時間が長くなりますが、更に社会保障のサイドで総合合算を議論するとなったときに、これも実は一体改革の中で議論されてきたことなのですけれども、社会保障制度の中での低所得者対策というのをそもそもどういうふうに考えるのだというそもそもの議論がありまして、これはそもそも自助・公助・共助でどう考えるかという点もある。今の国会の中の議論を聞いていると、野党はより自助に力点を置いた、自助のベースの上の共助みたいなことを言っていますし、野党から見ると与党は割と公助に少し偏った、彼らの言葉を使えば若干ばらまき的なことがあるのではないか。
 実際の今の案は、見ていただければわかるように、それほど公助寄りではないのですけれども、実はそこの論点があって、やはり社会保障の中での低所得者対策をどういうふうに考えるのだという議論があって、総合合算を考えるときに、そもそも総合合算はどういうふうに上限を考えるのだというのを整理しないといけない。
 更に言うと、最近話題になっていますけれども、例えば生活保護と年金の関係とか、生活保護の水準と各社会保障制度の低所得者対策の関係とか、実はそういう社会保障制度の中での低所得者対策の在り方というのをどう考えるかというのを、一度交通整理をする必要があるのではないか。総合合算は一種哲学的な整理が必要なのではないか、と考えています。大きな枠の中では税の逆進性対策の流れから出てきているわけですけれども、税は税でかなり固有の問題を抱えているので、整理をしないといけない。
 社会保障の側も、そういう意味ではさまざまな固有の問題を、総合合算をめぐって出てきますので、それを整理しないといけないということで、ミッションはそういうものだったわけですけれども、議論を整理する上ではかなり広範な議論をしないとちょっと着地点が見出せないということで、実は大変小人数の会議で申し訳ないのですけれども、テーマはかなり稀有壮大なテーマになっていまして、ちょっとそこら辺の頭の整理をきちんとすることが必要だと考えています。
 逆に言うと、それをしておかないと、例えば部会なんかで制度論の議論に入っても結局手戻しになってしまうので、そこの頭の整理をきちんとする。幸か不幸か、番号が入らないと制度ができないので、若干のリードタイムがある。給付付き税額控除は余り時間がないのですけれども、我が方は若干のリードタイムがあるので、きっちり頭の整理をしようかということでこの会議をお願いした、そういう経緯でございます。

○駒村座長
 白波瀬委員、よろしいですか。
 では、土居委員と山田委員の順番で、先に土居委員お願いします。

○土居委員
 御説明ありがとうございました。
 質問があるのですが、先に私の意見にわたるところを少し申し上げたいと思います。
この会議の対象になっている低所得者というのはどういう範囲にするかというのは次回の会合でということが資料2に載っているので、私はそこは非常に重要なところだろうと思っています。
 ざっくり私がイメージする低所得者というのは、大別すると4分類できるのではないか。つまり、まず大きく2つには勤労世代と高齢世代ですね。要は年金を受給している世代、といっても、どちらかというとなかなか就労は難しいとか、余り望んでいらっしゃらないという意味の高齢ですが、勤労世代と高齢世代というところで低所得に該当する人がいるだろう。
 更に、低所得といっても、生活保護受給者とそうでない人たちというのがあって、だからツーバイツーのマトリックスで4ということで、4分類ということに私の頭の中ではあって、勿論、それは生活保護受給者とそうでない人たちの間の対応の差が制度的にはあるので、勤労世代にはできるだけ就労していただくように促すということがありながらの低所得者対策という話になる。
 勿論、生活保護を受けていない低所得者というのは、どこまでが低所得者と言える所得水準なのかという定義がよりきちんと議論されなければいけないという、もう一つ悩ましい問題があるのですけれども、余り範囲を広げ過ぎると、給付を与えなければいけない対象者が増えてしまうので、それだけより多くの保険料財源なり税財源が必要になってしまう。そういうことですので、どこまでの範囲で低所得者と呼ぶかという議論はきちんとしておく必要があるだろうと思います。
 これは私の意見ですけれども、そうすると、先ほど大臣もおっしゃったような最低賃金という話も、当然ながら生活保護受給者が自立して自ら就労しようとするという、このところでどれぐらいの就労インセンティブがあるかというのはいろいろ経済学でも研究が既になされていますけれども、その点と、あとは生活保護受給者といっても、勤労世代の生活保護受給者と高齢の生活保護受給者との間では、私の印象で言うと、余り分けて議論されていないようなきらいがある。人々は無意識のうちに分けてはいるのだけれども、表立って議論するときには、もう働けるか働けないかということにかかわらず生活保護受給者という扱いになっているきらいがあるので、私はそこは今後の議論で生活保護を議論するときには、働くことができる生活保護受給者とそうでない受給者との間を分けて議論するという必要が出てくるのではないかと思います。
 それから、あえて生活保護受給者とそうでないというのを分ける意味があるのではないかと私が思ったのは、例えば参考資料の32ページにあるように、先ほど香取政策統括官からも話がありましたけれども、今般の社会保障・税一体改革の中での議論で、消費税にまつわるいわゆる逆進性という議論は、確かに生活保護受給者ではない勤労世代の低所得者には消費税の追加的な負担というのは及ぶのですけれども、生活保護は基本的には物価スライドするということが想定されている。
 そうすると、極端に言えば生活保護受給者は直接消費税が、税率が引き上げられても、それだけ身銭を切らなければいけないというわけではなくて、給付が連動するということが想定されているので、そこはむしろ、いわゆる低所得者対策という話としては、ちゃんと給付を連動させれば相当部分はもう解決できるということになります。そうすると、いわゆる逆進性対策ということで言うならば、生活保護受給者ではない低所得者の人たちに対してどういう対応ができるのかという話を議論するということが必要になってくる。そこが恐らくは、余り表立って世の中ではそういう考え方が流布していないので、何かあたかも生活保護受給者に匹敵するぐらいの低所得な人も消費税の負担を負わされて大変だというような過剰な反応になっている面があるのではないかという気もいたします。
 さはさりながら、勿論、生活保護受給者ではない低所得者の方々に対する対応をどうするのだということは、これはこれとして重要で、先ほどらい、総合合算制度という話が出てきているように、総合合算制度の話でどういうふうに議論すればよいかという局面になってくるのだろうと思います。
 最後に1つ、質問を兼ねてということなのですが、生活保護なのですけれども、確かにいわゆる最低賃金との比較という話が出てくるわけですけれども、これはいわゆる生活扶助のところでの話。ところが生活保護は、御承知のように、半分近くが医療扶助になっている。医療扶助の話は、これをどこまで低所得者対策という話の中に入れるのかというところは、私は入れるべきだと思っているのですが、事務局がどう思っていらっしゃるかちょっとわからないので、その辺りも含めて御議論いただきたいのですが、生活保護では御承知のように、介護保険は保険に入る形で生活保護受給者は対応しているのに対して、歴史的経緯から、生活保護受給者は医療に対しては医療扶助という形で対応されている。つまり、保険から一旦出るという形で医療扶助は対応されているという、制度的にも医療と介護の取扱いが違うという状態になっているということです。これはなかなか急には変えられないという話なのかもしれませんけれども、私はできれば介護保険と同じような対応を医療でもするべきだというふうには思っているのですが、それはタイムスパンが長い話なので、今の段階ではこれぐらいにとどめます。
 医療扶助で、参考資料でも40ページに当面の対応ということで出てきていますけれども、電子レセプトの活用という話で、今年から始まるというふうに聞いているのですが、これはどういう状況になっているかということです。医療扶助は、まずは私が言ったような大胆な案が受け入れられるか否か以前の問題として、やはり適正化をきちんとやっていただかないと、低所得者対策だということにしている割には随分多くの給付費がかかってしまうという形になりかねないということですので、適正化は大事だということで、実際にも取り組まれているということは承知しているのですけれども、これはうまくレセプトの電子化が生活保護においてちゃんとできるように移行したという状況になっているのでしょうか。ちょっと事務局にお伺いしたいと思います。

○駒村座長
 事務局、お願いいたします。

○社会・援護局保護課長補佐
 生活保護の医療扶助の関係でございますが、おっしゃるとおり、医療扶助が半分を占めておりますので、適正化は大事な論点だと思っております。
 電子レセプトについては、平成23年度から電子化が進みまして、ほとんどの自治体で導入されております。ただ、導入したばかりですので、自治体がどれだけそれをうまく使えるのかというのは、これから使えるようにしていかなければいけないということでして、平成24年の1月にまずマニュアルをつくりまして、こういうふうにしたら電子レセプトで疑わしいところを抽出できるのだということを、使い方をまずお示しをしております。
 この40ページのところで「電子レセプトを活用した重点的な点検指導」と書いておりますけれども、ここに書いておりますのは、電子レセプトの使い方はわかったとしても、ではどういう観点であぶり出せば疑わしい医療機関もしくは疑わしい受給者をあぶり出せるのかというのを厚生労働省の方で、こういう観点で見つけていけば一つ検討の当たりをつけられるのではないかということであるとか、あとは電子レセプトのシステムを改修しまして、そういうところを簡単に見つけられるようにシステム上も改修するということでございます。これについては、現在、まだその改修の途中ですので、まだ改修が済んだわけではないのですけれども、マニュアルはまずお配りをして、それで改修作業は今年中にはやるということで現在進めているところでございます。

○駒村座長
 土居さん、よろしいですか。11時に出られるので、もしあればまとめて。

○土居委員
 とりあえず、結構です。

○駒村座長
 わかりました。では、山田さんお願いします。

○山田委員
 1つは質問で、1つは私の意見を申し上げたいと思うのですが、質問は、キーワードとして年金と現物給付の関係というふうなキーワードを先ほどお伺いしたのですけれども、これが何を具体的に想定されているのかということが質問です。
 私の意見の部分なのですけれども、最低所得保障をどう考えるのかというもので国際比較をしたことがあるのですけれども、最低所得保障というのは、自助の場合には最低賃金、そして公助・共助の場合には、例えば最低保障年金とか、それから生活保護を含めた社会扶助という、最低賃金、それから最低保障年金、それから社会扶助といった3つのものが考えられると思うのですけれども、日本の場合にはその水準というのがOECD加盟国の中で非常に近接しているという珍しい特徴を持っています。その場合に、そうすると最低賃金が低過ぎるのか、もしくは社会扶助がどうなのかという話になりますけれども、社会扶助のレベル、これは平均賃金比で見たものですけれども、大体OECD加盟国の中間にある。そうすると、何が近接しているのかというと、最低賃金、そして日本の場合には基礎年金ですけれども、その部分が非常に社会扶助の水準に接近しているどころか、日本の場合には逆転している、そういった非常に珍しい特徴を持っています。
 この特徴がどこから来ているのかというのをつらつら考えてみますと、先進国の多くでは、まず政策的に合意できる消費水準に基づいたミニマム・インカム・スタンダードというものがまずあって、それに対して最低賃金もしくは最低保障年金、基礎年金というものが投影されて、各制度間の給付水準がバランスを保つように、例えば0.8掛けとか0.9掛けとかいう形で離しているというような実態があります。ですから、制度間のそういった適当な差のつけ方というか、基準・水準の置き方というものが非常によく考えられているのですけれども、日本の場合にはそういったものは明示的には考慮されていないということになります。
 そうしますと、そもそもの問題の出発点として考えていかなくてはならないのは、その最低限度ではなくて、国民が自助として、最低限ではなくて、基礎的な生活として必要な消費水準というのは一体何かということですね。ここまでさかのぼらないと、実は最低所得とは、要するに低所得とは何かと定められない。各国はそういった基準というものを一応持っていて、それを投影しているのですけれども、日本の場合には最低限の生活の方は、生活保護というのがありますけれども、いわゆる政策的に合意できるような形での、いわゆる自助が目標を置くべき消費水準とは一体何かというのがまだ政策的に合意されていないというか、きちんと把握されていないように考えます。ここがきちっと把握できれば、あとは制度的にどういうふうに各制度間で開きを置くか、という話になります。
 そして、あともう一つ重要なのは、それがきちんと合意できれば、今度は基準の引上げというのが将来的には非常に重要な問題になっていきます。要するに1回基準を定めたとしても、先ほどの消費税の引上げとかいろいろとあった場合に、どういうふうにその基準を引き上げていくのか。それはインデクセーションといいますけれども、更に重要なのは、人々のライフスタイルというのは長期的には変わってきます。インデクセーション以外にもう一つ考えなくてはいけないのはリベーシングという、要するに我々が自助の形で考える必要な基礎的生活の中に何を含めるかということを長期的には考えなくてはいけない。そういった基準はどういうふうに定めるのかというのを決めておけばそういったことも議論できるようになるということで、まずはそこが出発点として、これはそもそも論の意見になりますけれども、必要なのではないかというのが、まず私の意見です。
 それ以外についてはまた話していきたいと思いますけれども、とりあえずは以上です。

○駒村座長
 1番目は御質問ですか。

○山田委員
 はい。

○駒村座長
 現物給付と年金ですか。

○山田委員
 そういう、何かキーワードをおっしゃった。

○駒村座長
 現金給付とおっしゃったのかな。

○山田委員
 現金給付とおっしゃったのですね。それは失礼しました。

○駒村座長
 では、質問ではなくてもよいですね。
 今の山田先生のお話は、生活保護と基礎年金と最低賃金というのは、かつて余りバランスなが意識されてこなかったのは、役割も違うのだということもありましたし、それで済んだ社会経済状況だったのかと思いますけれども、現在ではかなり、このバランスが意識した議論が重要になってきているのではないか。また、この話では手取りベースということなのでしょうね。先ほど現物とおっしゃったのも、現物の給付の負担に伴う、手取りベースでこの3つがどういう対応関係になっているのか。それによって、就労インセンティブや公的年金への拠出インセンティブも大きく変わってきてしまうという話だと思います。
 ただ一方では、基礎年金や最低賃金というのは個人単位で、生活保護は御存じのとおり、モデルは世帯単位で設定されているというところで、この整合性のある水準をどうとるのかということもあるでしょうし、更には決定の主体や財源が随分違うというところがあって、最低賃金は、労使というのは非常に重要な役割を果たしていますし、年金では財政問題が重要です。生活保護というのは、山田さんたちが今やっている基準部会のような、科学的に健康で、文化的な水準というものと、国民の生活水準の一定割合というものを常に検証していく。
 このように決定プロセスというかエンジンが違った部分で決まっているというところが、これはどの国でもなかなか実は議論が難しいようで、フランスなんかは割と明瞭に最低賃金の位置づけというのは、やはり働いて得られるものの収入というのは一定水準のものでなければならない。生活保護、公的扶助との関係なんかも明瞭にされているようですけれども、今の山田さんの問題提起があったように、この三者の関係を一度きちんと整理をしていく。それかインデクセーションというか、引下げ、引上げも両方なのでしょうか。デフレのこともこれからあるわけですから、引上げ一方ではなくて引下げの話もあるかもしれませんけれども、このインデックスをどういうふうに整合性があるように設定するのか。あと、物価なのか、賃金上昇率なのか、消費増加率でインデックスするのかというのも一度きちんと頭の整理をした方がよいのではないでしょうか、こういう整理だったと思います。
 ほかはいかがでしょうか。
 では、土居先生。

○土居委員
 先ほど言い漏らした論点が幾つかありますので、追加してお話しさせていただきたいと思います。
 まず、順不同ですけれども、負担能力に関連して資産の把握という話が先ほど来、出ていたと思うのですけれども、確かに資産の把握となると、自治体ができるのはいわゆる固定資産の把握、固定資産税を課税するということにまつわる情報を市町村は持っているということで、中には国民健康保険の保険料の設定の際に資産割というのを設けているところが、少ないですが、あるということであるけれども、全国的には必ずしもそれは幅広く使われているというほど使われてはいない。
 当然ながら、特に高齢の方には多くありがちなわけですが、低所得でありながら多くの資産を持っておられる方というのがいらっしゃって、本当は若い人から見ると、そういう方々はもう少し御負担をお願いできるのではないかと思われるのだけれども、把握しているとしても、その情報を活用しないということだったりする結果、基本的には社会保険料負担などでは、多く資産を持っているということは余り考慮されていないという状況があるというのは事実なのだろうと思います。
 勿論いろいろな形で、私も社会保障審議会の介護保険部会で、介護保険料にもっと資産割をきちんと活用したらどうだというような趣旨のことを申し上げたりしたのですが、やはり事務手続上、大変だということと、あともう一つは金融資産が把握されていないというのがかなり大きな問題で、固定資産、実物資産を持っているということだと、極端に言えば大きなお屋敷に住んでおられる低所得の高齢者ということだと、確かにそれは御負担をお願いしようと思えばできなくはないけれども、そんなに大きな屋敷ではないけれどもたくさん金融資産を持っておられるという、そういう方に対しては、同じような資産価値を持っておられても、今のシステムでは市町村はそういう方々により多くの負担を求めるというのは難しい。
 そういうことがあるので、どこまでマイナンバー制度がいくのか、今のところそこまで行かないというようなことであるのかもしれませんが、金融所得に関しては、はっきり言えば金融機関にある特定口座でいわゆる金融資産の譲渡損益の把握をして、それを課税に利用しているということがあるので、こういう場面でしかなかなか言う機会がないので、極めて長期的な課題にはなるということを承知の上で申し上げるのですが、決してあきらめるべきではない。金融資産の把握というのも、今ある金融機関における特定口座の制度があったりするので、そんなに遠くない将来において金融資産の把握ということも制度的には可能なところにあるのではないか。そうすると、実物資産と金融資産を把握して、かつ所得が把握できれば、どういう形で負担を求められるのかということについては、もう少し今の状況よりもリーズナブルな形での負担を求めるということは可能になってくるのではないかと思います。
 超長期の話をしましたけれども、短期的な話では、少なくとも市町村が把握している固定資産にまつわる情報の活用というのは、社会保障の負担の面でも活用が更に可能な状況ではないかと思います。
 もう一点は、資料3の裏側に「社会保障制度における低所得者対策については、大別して2つの方式がある」という、ここの部分で?のところなのですけれども、応能負担を原則としながらも、負担能力に応じてその負担を軽減するという話が書いてあって、確かに保険料と利用者負担についてはこういう話なのですが、そこに陰に陽に税への財源が投じられている。だからこそ社会保険制度と言うのだと思うのですけれども、というところはもう少し、この研究会でも意識した方がよいのではないか。つまり、公助の部分にしか税が入っていないというわけではなくて、共助と言っている部分にも何がしかの理由で税財源が投入されているというところはある程度意識をしなければいけないのではないかと思います。
 どうして私がそういうことを申し上げるかというと、どの保険料でもよいのですが、わかりやすいのは介護保険料なんかではそうだと思うのですが、第一号被保険者の65歳以上の方と第二号被保険者の40歳〜64歳の方がいらっしゃるという中で、確かに応能負担を原則とするということなのだろうけれども、第一号被保険者の方の中で保険料負担に耐えられないということになったときには、確かにある程度保険の中で保険料の増額と減額というのをやっているということではあるのだけれども、いわゆる財政調整が働いているというところがあるので、そこの部分は税で調整が賄われているという面があって、すべてが保険料で、共助と言われている部分で負担の増減というのを保険料財源でやっているというわけではないかもしれない。
 そこでもう一つ思うのは、むしろ税と保険料の役割を意識的にもう少しはっきりさせた方がよいのではないか。別に税をまぜてはいけないと言っているわけではなくて、というのはどういうことかというと、税財源を投じずに保険料だけで賄うとこれだけの保険料にしなければならないというところが余り表立って示していないので、どれぐらい負担が減免されているかということについて国民が余りありがたみを感じていない面がある。本当は税も投じずに保険料だけでやるとなると、これだけ保険料を払ってもらわなければいけないのですけれども、しかし税も財源として使っているので、これぐらい保険料の負担が軽減されています。その代わり、保険料の金額が減免されていることにまつわって投じられた税というのはこれぐらいの税が投じられていますという、そういう税と保険料の役割をもう少しわかりやすく国民に示すと、ありがたみを感じるというか、保険料がこれぐらい税によって軽減されているのだということが理解され、確かに保険料負担は余り多くしたくはないけれども、これぐらいの軽減があるということだったらある程度の負担はやむを得ないというふうに思ってもらえるという面はあるのではないかというふうに私は思いました。
 そういう意味で、この議論の中でも低所得者に対する対策として、保険料でどれぐらいやっているのか、税でどれぐらいやっているのかということはある程度意識的に議論した方がよいのではないかと思いました。
 以上です。

○駒村座長
 ありがとうございました。
 土居さん、今、2つあって、資産の利用あるいは資産の制限に関する御質問と、あとは公費財源の使い方についてのお話があったと思います。資産についてはどういう制限や利用を求めているのか、これは今、制度上どうなっているのか、ちょっと全体的にいろいろな各制度を御紹介、整理していただければと思います。
 それから、低所得でありながらも多くの資産を持っている。これは年齢や職業によって随分違うのかもしれませんけれども、これをもしデータで、本当にそういう方が多いのか、ごくわずかな話なのか、象徴的な話なのか。これもデータがあれば、これは研究者の方も調べていかなければいけないと思うのですけれども、これも次回までに御紹介できれば、事務局にもお願いできればと思います。
 何かありますか。ないですか。
 あとは、保険における公費財源の使い方で、保険料、それから給付、窓口負担にどういう形で公費が入っているのか明瞭にしなさいという話と、それから公費の使い方をもっと具体的に、低所得者に重点化するということなのでしょうか。

○土居委員
 というか、低所得者ではなくてもよいのですけれども、少なくとも国民はどれだけ保険料負担が税によって軽減されているかということを知らないまま保険料を払わされていて、前より今年の方が保険料が値上がりすると負担増だ、大変だ、こういうふうに言うものですから、いや、そうではなくて、これだけ負担軽減を講じた上での保険料なのですということがわかれば多少はありがたみを感じるかなという、それだけです。

○駒村座長
 わかりました。
 では、この辺も資料がもし用意できれば。
 あとは、今、土居さんが触れられた資料3の1の方でも、保険料応能負担でありながら、給付の方は応益に応能負担を加味している。これは国保の例が出ていますけれども、ほかにもどういう、介護保険でも類似のものや、介護保険のホテルコストに関してもいろいろなやり方をやっていると思うので、この辺もどういうふうなことを今、やられているか、整理をしていただければと思います。
 ほかはいかがでしょうか。
 白波瀬委員、お願いします。

○白波瀬委員
 ありがとうございます。
 実はそもそも論の話で、土居先生の方からも御意見があったこととも関連するのですけれども、低所得者とはだれかという定義についてです。もっと言うと、この点は低所得者対策そのものの意味とも関連してくることです。つまり、今現在、低所得層をある特定ラインで定義したとして、そこにあたる人たちをどう上に引き上げてあげるかということを中心にするのか、現時点で実態として低所得層にある人たちに対する生活保障機能というのをどの程度提示するのか、これらの点はお互い関連していますが必ずしも同じではありません。
 もっと言うと、土居先生の方からは高齢者か、現役層かという、ライフステージが異なる人を別建てとして定義付けてはどうかということだったと思うのですけれども、この点については少し検討の余地があると思います。この点をもっと簡単に言うと、低所得者を定義する一定のラインの中で多様なライフステージの人がいるということですね。それは生活保護もそうなのですけれども、生活保護者自体も、今、受給している人たちの過半数は高齢者であり、それでやはり障害者、疾病という方々が多くを占めるのですけれども、増加率ということであると、勿論、母子家庭といった比較的若い人たちの間で大きいことが確認されています。ただ、全体のパイから考えると、現在増加が著しい者たちのサイズは比較的小さいというのも事実です。
ということになると、就労支援を低所得者対策の中心に据えることの難しさが出てくると思うのです。つまり、消費水準ということが、今、山田委員からもあったのですけれども、消費の形や程度が個々人のライフステージや世帯形態によってかなり異なってきますので、その辺りをどう考慮するかというのがこれからの検討にあたってかなり重要なポイントになるのではないかと感じています。
 以上です。

○駒村座長
 この研究会の設置のポイントに関わる御質問だと思うのですけれども、これは私の理解は、白波瀬さんも委員の社会保障審議会で、一番直近会合のときに、特別部会とこの研究会が置かれるときに、特別部会の方で生活支援戦略に関わる方で、多様な生き方をどう支えるかという方はそちらの守備範囲だったのかと私は思ったのですけれども、これは事務局の方からもしありましたら解説をお願いいたします。

○参事官(社会保障担当)
 基本的にはそういうことかと思います。

○駒村座長
 したがって、どちらかというと窓口負担みたいなところに着目した議論かと思っています。
 どうぞ、今日は最初ですから。

○白波瀬委員
 基礎的知識を教えていただくのはとても助かります。ありがとうございます。
 ただ、生活が苦しいとか負担感という意識調査の結果については少し注意が必要です。別の研究プロジェクトで分析した結果の一つに、負担感がある、つまり生活が苦しいと言っている世帯主の割合を単純に年齢階層別に見ると、OECDとかが使っているいわゆる貧困率というのは逆相関する形で、現役層の生活の負担感というのが出てくるわけです。ですから、幸福感とか幸せの話もそうなのですけれども、実態の貧困率と生活の大変さという意識のレベルの議論は必ずしも整合的ではありません。
 もっと申し上げると、政策を議論する場合、全体としての意識結果に対する対応ということと、あるいは特定の問題ケースが表面化したところでの対応というのは区別しなければならないわけで、特定ケースへの対応を全体対応として制度改正まで持っていくことの危険性はあると思うのです。ですから、個別対応にするのか、総体的な全体制度の見直しにするのかについての立ち位置は、政策を作る政府の側としても余りぶれないでいただきたいと考えます。
 それと、やはり低所得層の負担程度ということになるとライフステージが関連してくるので、その辺りの考慮をどうするかは考えどこだと思います。

○駒村座長
 では、山田委員、今のことに関係することですね。お願いします。

○山田委員
 今、白波瀬先生の御意見でなるほどと前から思っているのは、やはり日本の場合の社会保障制度で、ほかの先進国との大きな相違が2つあって、1つはライフサイクルに応じて、我々というのは必ずしも稼げる賃金というのが消費水準に合わせて推移するわけではないですね。例えば子どもがいて教育費が多いときにとか、あと、住宅の賃料がものすごくかかるときに、必ずしも賃金がそれに応じて動かない。ほかの国がどうしてやっているかというと、それは1つは家族手当みたいなものを入れて、子どもを育てるコストというのも入れている。勿論、さまざまな奨学金とかを入れた上でそれを入れている。
 あともう一点としては、OECDの3分の2以上の国が持っている、いわゆる一般向けの住宅補助、住宅手当みたいなのが入っている。そういうのでライフサイクル上の消費支出パターンと、それから賃金のパターンのずれというものを社会保障がうまく埋めるような形になっている。多分、白波瀬委員がおっしゃっているのは、そのパターンが日本の場合にはうまく合っていないところがあって、非常に生活の負担感が出てきているというお話ではないかと思います。
 実際、それは制度的にはそうした住宅手当ですが、日本の場合には事実上、それにアクセスできるのは、今、新しい制度がいろいろと入りましたけれども、ついこの間までは住宅扶助、生活保護を通じてしかそこにアクセスできないという問題と、それから家族手当というのも、いろいろと充実した面はありますけれども、諸外国のレベルから比べるとまだまだそれほど高くない。勿論、現物給付の保育サービスについてもアクセスが難しい。子ども向けのさまざまな教育・保育、それから支出に関してカバーされていないという問題が大いに関係しているのだと思います。これは低所得というものをどう考えるかというときに、非常に支出レベルの話というのは、消費レベルの話というのは重要だと私も考えます。
 以上です。

○駒村座長
 最初ですから、いろいろな切り口から議論してよろしいかと思います。
 低所得という話と、今、お話で出た生活の負担感のような議論、どこまで加えていくのか。一方、戦線を広げてしまって、教育システム、税制、社会保障、労働システムと広げていくとなかなか発散してしまうわけで、これはスケジュールが6月以降に2か月に一遍、これはいつまでにどういうふうにまとめなければいけないのかということも意識しなければいけないだろうと思います。
 この辺、何か事務局からはあるのでしょうか。どの辺で収れんするという、時間的な感覚というのは。

○参事官(社会保障担当)
 現時点ではっきりしたスケジュール感を持っているわけではございませんけれども、総合合算制度の導入をにらみますと、この番号制度の導入、それから、それを踏まえた総合合算制度ということで、数年にわたる準備期間を視野に入れながらやっていかなければならないということだろうと思っております。
 したがって、当面のスケジュールとして、第4回くらいまでしかお示しをしておりませんけれども、例えば今年、少し重点的にこの概念的な整理を御議論いただいていくというのも1つの考え方かと思っておりますが、そこも少し柔軟に考えてまいりたいと思っております。

○駒村座長
 わかりました。
 では、一応、切り口としては、この切り口だけではだめですよというわけではなくて、今まで頭の中で掲げていた住宅の問題みたいなものも一応、視野には入れていくということもよいのではないかと思います。
 ほかにいかがでしょうか。資料なんかでどうでしょうか。今の白波瀬委員のお話でも、だれをもって低所得者というのかというところで、27ページでしょうか、住民税非課税対象者が出ているわけです。これはまさに高齢世代と現役世代で随分、基準の水準に差があるように見えていますけれども、こういうのももしかしたら現役世代の方にこの負担感に差が出てくる原因なのかもしれません。高齢世代が高いのは多分、年金等の控除の影響なのかとも思いますけれども、この辺はまた明らかにしてもらいたいわけですけれども、ただ、社会保障の方も、この住民税非課税基準を使ってさまざまな保険料や窓口負担の軽減をやっているのではないかと思うのですけれども、この辺は何かどこかに整理されていますでしょうか。

○参事官(社会保障担当)
 本日お配りした資料にも各制度の考え方を書いてございますけれども、次回、各制度での考え方、どういうふうに線を切っているのかとか、負担上限は一体、何で何十万円になっているのかとか、これは詳しく御説明するべく準備をしたいと思っております。
 基本的には、住民税非課税のような税における基準を使いつつ、今、座長から御指摘のありましたように、控除については、例えば公的年金等控除をそのまま使えるのかどうか。また、基礎年金の水準と公的年金等控除の金額は結構ずれていますので、年金については公的年金等控除ではなくて、例えば80万円といった基準を幾つかの制度で使っていますが、これは基礎年金の水準を意識した水準になっていたりとか、そういう各制度ごとに悩みながら、かつ、必ずしも統一されずにやっているところもあるようですが、是非そういった点も御議論いただきたいと思います。

○駒村座長
 では、次回にそういう資料も用意していただいて、それぞれの軽減基準がどういう考え方なのか、どういう思想で統一できるのかできないのか、一度整理した議論ができればと思います。住民税非課税世帯を本当に貧困ラインとして設定してしまうと、3,000万人以上の方が貧困ラインということになってしまいますので、この辺もちょっと悩ましいところで、では代わりに何があるのか、番号制度が入ったときにもう少しきめ細かい軽減が考えられるのか。
 それからもう一つ、これも資料についてですけれども、先ほども土居さんの方から32ページについて、物価の上昇で、今回は消費税上昇が反映されるのでしょうけれども、これは「など」と書いてありますけれども、これはほかに、つまりあえて工夫をしなくても、消費税増税によって上がる物価の部分を制度として自動的に吸収すると想定されているもの、例えばこれは年金も現行では想定されていると思うのですけれども、ほかにどういうのがあるのか。例えば、今日は出ていませんけれども、ほかの労働系の給付、障害手当金とか、そういうものは全くこういう発想はないのか。ちょっとその辺も、スライド制によって自動対応が入っているものとそうでないものというのはどういうものがあるのか、これも整理していただければと思います。
 どうぞ。

○参事官(社会保障担当)
 今、御指摘がありましたように、自動的に物価スライドするもの、しないものというのがございまして、実は生活保護水準に関しては年金のように、まず当年度、例えば消費税導入によって物価が上昇した分を翌年度に調整をするという仕組みのものもあれば、生活保護制度のように当年度に上がるだろうという一定幅を見込んで、その年度から上げてしまうものもございますので、過去における消費税導入時、それから引上げのときの逆進性緩和措置といったもの、そういうことを踏まえて、生活保護の対象者は1万円の給付から除くとか、きめ細かな措置をやっておりますので、そういったことも少し資料を整理をいたしまして御説明できるように準備したいと思います。

○駒村座長
 でも、最低賃金なんかはどう考えるか。これは物の値段が上がれば勝手に、急に上がるというふうに考えるのでしょうか。どういう発想で目減りしてしまうという発想があるのでしょうか。
 とんでもない質問かもしれませんけれども。社会保障の方はよくわかるのですけれどもね。
 どうぞ。

○労働基準局労働条件政策課長補佐
 労働基準局でございます。最低賃金については、制度上は労働者の生計費と使用者の支払能力などを勘案して決定されることになっておるのですが、物価水準などの変動に応じて個別具体的に額を改定するといった仕組みがビルトインされておるわけではございません。

○駒村座長
 ただ、平成19年の改正で一応、最低賃金も生活保護の動向を考慮しなければいけないという一文が入っているので、自動ではないのですけれども、交渉の中で考慮されるという理解なのでしょうか。

○労働基準局労働条件政策課長補佐
 はい。生活保護の水準を毎年毎年把握しながら、そのデータを参考に公労使が御議論いただいて最低賃金の引上げ幅を決めるという仕組みになっております。

○駒村座長
 ほかにいかがでしょうか。この際ですから、2か月ありますので、事務局にこういう切り口の資料はどうなのかというのがございましたら、委員の皆様から言っていただければと思います。
 白波瀬委員、お願いします。

○白波瀬委員
 済みません、基礎的なところなのですけれども、やはりこの番号制度について、もう少し教えていただけるとすごくありがたいです。特に低所得者対策ということで、具体的にどういうようなことを想定されているのでしょうか。つまり、番号制度自体が低所得者対策の前提条件として位置づけているようにも思うので確認できればと思います。私としては、低所得者対策を考えるにあたって、番号制度の導入に依存することの是非をどこかで検討しておいてもよいのではないかとも感じております。
 以上です。

○駒村座長
 この辺の番号についての検討状況と機能については、事務局からお願いできますでしょうか。

○参事官(社会保障担当)
 番号については、本日も少しだけ資料は付けておりますけれども、もう少し具体的に、特にこの所得との関係で、どの程度資料がお出しできるかどうか、少し研究してみたいと思います。
 ただ、共通番号を導入して、各制度間で情報のやりとりをするということではありますけれども、これによって所得の補足がある程度進歩するとは言われておりますが、ではどこまで一部の方が期待されるほど所得の補足が画期的に進むかどうかというのは、先ほど少し資産の話もありましたが、必ずしも万能という、ちょっと法案審議中ですので余りあれですが、その点も踏まえてちょっと御説明できるようにしたいと思います。

○駒村座長
 山田委員、どうでしょうか。
 ちょっと私の方からも、今日の議論は専ら(1)が多くて、次回は今日の議論の資料を踏まえて、(2)の総合合算の話にも広がっていかなければいけないと思うのですけれども、(3)の高齢期の所得保障については、ちょっとこれをやるとかなり重い話になってきて、年金の議論が当然出てくるわけですけれども、98ページの方には、この3月に厚生労働省の方から示された保険料水準の見通しが出されていまして、ここで介護については1号、それから医療については、後期高齢者は今後どうなるかわからないとはいうものの、一応負担というのは大体こういう傾向が続くのではないか、こういう振れ幅になるのではないかとも思われるわけですけれども、これはあくまでも平均的な額が出ているということですので、例えば基礎年金程度しかもらっていない方のこういう社会保険料負担が今後どうなっていくのかというのは試算ができれば
というのも、この議論、総合合算なり低所得の議論をどこまで視野に入れるかというのが、2015年というのはほとんどすぐの話ですから、2020年というのはそれから5年後、2025年はまさに13年後ですけれども、これは後期高齢者、75歳以上の方が急増する時期だと思いますので、ともかくそのくらいまでは視野に入れておかなければいけないだろうと思うのですが、一方では物価上昇局面に入ってくればマクロ経済スライドが動き始めますので、基礎年金の実質給付額はかなり今、抑えられる。そういった中で、この保険料負担や窓口負担、低所得者のこれがどのくらい増えていくのか、手取りの年金がどのようになっていくのかという議論は、この(3)については少し議論しておかなければいけないのかと思いますので、もし次回、こういう低所得層の保険料負担、窓口負担を、このままでいくとどうなっていくのか、一度考え方なり数字なりが出たら大変議論が深まるかと思います。
 ほかにいかがでしょうか。
 特段、いいでしょうか。
 そうしましたら、時間も近づいてきていますので、本日は充実した議論をどうもありがとうございました。
 それでは、時間がまいりましたので、本日はこれで閉会したいと思います。
 最後に、西村副大臣からごあいさついただけますでしょうか。

○西村副大臣
 今日は先生方、大変お忙しいところをお集まりいただき、また大変中身の濃い議論をしていただきましてありがとうございました。
 冒頭、事務局の方から御説明ありましたように、非常に幅広く、稀有壮大な思いだけは持っておりまして、今日の第1回目の会合もそういった立場から本当にたくさんの御意見をいただきましたけれども、やはりできるところは着実に一歩ずつというところかと思いますので、次回以降は要求のありました資料についてきっちりとそろえていただいて、また少し議論を前に、つまり、次は低所得層とはだれかという根本的な議論をすることになってまいりますので、また次回以降もどうぞよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。

○駒村座長
 ありがとうございました。
 今日は、これで閉会いたします。次回の日程につきましては、事務局からまた御連絡させていただきます。
 本日は、お忙しい中、お集まりいただきまして大変ありがとうございました。


(了)
<照会先>

政策統括官付社会保障担当参事官室 政策第1係

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