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2012年4月25日 第8回抗がん剤等による健康被害の救済に関する検討会 議事録

○日時

平成24年4月25日(水) 18時00分〜20時00分


○場所

厚生労働省17階 専用第21会議室
東京都千代田区霞が関1−2−2 中央合同庁舎5号館


○議題

○鳥井医薬品副作用被害対策室長 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第8回「抗がん剤投与による健康被害の救済に関する検討会」を開催いたします。
 皆様にはお忙しい中、御出席いただきありがとうございます。
 本日は森嶌座長から、腰痛のため残念ながら欠席せざるを得ないとの連絡を今朝いただきました。このため、本日は事務局の方で急遽、遠藤委員に議事進行をお願いさせていただいておりますことを、御了承願いたいと思います。
 なお、森嶌座長ほか齊藤委員と本田委員が所用により御欠席となっておりますことを御報告させていただきます。
 それでは、ここから遠藤委員に議事進行をお願いいたします。
○遠藤委員 遠藤です。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
 本日の議題に入ります前に、昨年度まで本検討会の構成員でありました中村祐輔先生から、渡米のため本検討会への参加の御辞退がありましたので、御報告いたします。
 それでは、事務局から資料の確認をお願いします。
○牧野医薬品副作用被害対策室調整官 それでは、お手元にクリップどめになっている資料を御確認いただきたいと思います。
 まず議事次第がございまして、資料1「予防接種健康被害救済制度について」。
 資料2「産科医療補償制度の概要」ということで、表裏1枚の資料です。
 資料3「医療の質の向上に資する無過失補償制度の在り方に関する検討会」。
 資料4「諸外国における無過失補償制度等について」。
 資料5「諸外国の医薬品副作用補償制度の概要」。
 参考資料1で、昨年とりまとめていただきました本検討会の中間とりまとめを付けております。
 参考資料2は、第1回目の検討会の資料として現行制度の概要をお付けしたんですけれども、データなどをリバイスしたものを今回は付けております。
 更に3ページ、5ページ、7ページ辺りで少し補足する情報も盛り込んでおりますので、適宜御参照いただければと思います。
 以上でございます。
○遠藤委員 それでは、議事に入ります。
 昨年末に本検討会として中間とりまとめを行いましたが、本日は残された課題について検討を深めるために、医薬品副作用被害救済制度以外の各種の健康被害補償制度と、海外における医薬品副作用の補償制度について報告を受け、その後、我が国の医薬品副作用被害救済制度の在り方について、御自由に御議論いただきたいと考えています。
 それでは、まず健康被害の補償に関する各種の制度として、予防接種健康被害救済制度、産科医療補償制度、医療無過失補償制度に関する我が国の検討状況及び海外の状況について御説明をいただき、その後、質疑を行いたいと思います。
 それでは、予防接種健康被害救済制度について、健康局結核感染症課から説明をお願いします。
○飯野結核感染症課長補佐 健康局結核感染症課予防接種室の飯野と申します。
 予防接種健康被害救済制度について御説明いたします。
 1ページ、予防接種法の目的と対象疾病になります。目的は伝染のおそれがある疾病の発生及び蔓延を予防するために予防接種を行い、公衆衛生の向上及び増進に寄与する。予防接種による健康被害の迅速な救済を図るとされております。
 対象疾病は一類疾病。集団予防に重点を置いてジフテリア、百日咳、急性灰白髄炎(ポリオ)、麻疹、風疹、日本脳炎、破傷風、結核、痘そう。二類疾病は個人予防に重点を置きまして、高齢者に対するインフルエンザとなっております。
 2ページ、救済制度の概要となります。予防接種法に基づく予防接種を受けた者に健康被害が生じた場合、その健康被害が接種を受けたことによるものであると厚生労働大臣が認定したときは、市町村により給付が行われることになっております。申請から決定までの流れにつきましては、フロー図のとおりとなりまして、被害を受けた方から市町村に対し健康被害救済申請を提出し、厚生労働省において疾病・障害認定審査会の意見を聞いた上で認定、否定を決定することになります。
 この健康被害救済制度につきましては、昭和51年に法律に位置づけられまして、健康被害救済制度がスタートしております。
 救済制度の意義につきましては、予防接種の副反応による健康被害は極めて稀ではあるが、不可避的に生ずるものであることを踏まえ、接種に係る過失の有無に関わらず、予防接種と健康被害との因果関係が疾病・障害認定審査会で審査され、認定された者を迅速に救済することになります。
 3ページ、給付額の比較になります。縦軸に医療費、医療手当、障害児養育年金、障害年金、死亡した場合の補償、葬祭料、介護加算がありまして、それぞれ臨時接種及び一類疾病の定期接種と二類疾病の定期接種、新たな臨時接種に分かれております。具体的な給付額につきましては記載のとおりとなりますが、予防接種法の政令により規定されております。
 4ページ、平成6年8月の「予防接種法及び結核予防法の一部を改正する法律等の施行について」におきまして、予防接種を行う医師については、市町村長または都道府県知事の行う予防接種に協力する医師は、個別接種、集団接種のいずれの実施形態であるにもかかわらず、当該市町村長または都道府県知事の補助者の立場で予防接種の業務を行うものであるので、予防接種により万一健康被害が発生した場合においても、その当事者は当該市町村長または都道府県知事であり、当該健康被害への対応はこれらの者においてなされるものであること。したがって、健康被害について賠償責任が生じた場合であっても、その責任は市町村、都道府県または国が負うものであり、当該医師は故意または重大な過失がない限り、責任を問われるものではないこととされております。
 5ページ、損害賠償責任の有無についてです。国、都道府県、市町村については、国家賠償法に基づく損害賠償請求の対象となり得る。医師については予防接種法に基づく予防接種に起因する健康被害について、国家賠償法上の賠償責任が生じた場合であっても、当該接種を行った医師は損害賠償責任を負わない。しかし、医師に故意または重過失がある場合には、国または公共団体から求償される可能性があるということになっております。
 簡単ではありますが、以上で説明を終わらせていただきます。
○遠藤委員 ありがとうございます。
 続けて産科医療補償制度、我が国における医療無過失補償制度の検討状況、海外の医療無過失補償制度などについて、医政局総務課医療安全推進室から説明をお願いします。
○平賀医療安全推進室長補佐 医療安全推進室でございます。
 では、資料2、資料3及び資料4に関しまして説明をさせていただきます。
 まず産科医療補償制度に関してでございます。これは資料2でございます。
 産科医療補償制度につきましては、平成21年1月から創設されたものでございます。分娩時の医療事故では、過失の有無の判断が非常に困難な場合が多く、裁判で争われる傾向がございます。このような紛争が多いことが産科医不足の理由の1つであると言えます。安心して産科医療を受けられる環境整備の一環として、まず1つとしましては、分娩に係る医療事故により障害等が生じた患者に対しまして救済を行うということ。
 2番目といたしましては、紛争の早期解決を図るということ。
 3番目としまして、事故原因の分析を通して産科医療の質の向上を図る。この3つを目的としまして、平成21年1月より医療機能評価機構におきまして、産科医療補償制度の運営を開始したところでございます。
 その補償対象でございます。本制度は産科医療提供体制の確保を図ることを目的としてスタートしたものでございます。そういったことを踏まえまして、その基準につきましては発足に当たって調査専門委員会をつくりまして、その審議の結果を踏まえまして、まず分娩に関連して発症した脳性麻痺児を対象とした形で、出生体重2,000g以上かつ在胎週数33週以上を対象とするところでございます。
 また看護、介護の必要性が高い重症者を対象としまして、身体障害者等級1級または2級に相当するところを対象とするところでございます。分娩に際し、所定の要件に該当した状態で出生した児ということであれば、在胎週数28週以上も対象とするところでございます。
 補償金額でございます。トータルとしては3,000万円の補償金となっております。内訳といたしましては看護、介護を行う基盤整備のための準備一時金で600万円。これは住宅改造費等々に充てる基盤整備を目的としているところでございます。その他、二十歳まで定期的に毎年120万円給付して、総額2,400万円を補償分割金として補償するところでございます。掛金は補償の仕組みという言い方もできますけれども、分娩機関が妊産婦に対して補償対象となった場合に、補償金を支払うことを約束するといったところでございますので、それを実行するためにこの制度に加入をしてもらうことになります。1分娩当たり3万円の掛金を運営組織、言わばこれは医療機能評価機構でございますけれども、そこを通して保険会社へ支払います。実際に補償対象となった場合に、保険会社から補償金が支払われるという仕組みでございます。
 これに関しましては加入促進策を医療安全推進室としても検討しました。具体的には2つでございます。診療報酬上の算定要件に本制度加入を追加したところでございます。具体的にはハイリスク妊娠・分娩管理加算の施設基準の中に組み込んでございます。加入機関での分娩に出産育児一時金を3万円追加といったこともさせていただきました。
 その他でございますけれども、保険金の支払額の確定後、当該剰余金が生じている場合には運営組織へ返還された上で、本制度のために使用することを1つ約束させていただいております。また、遅くとも5年後をめどに制度内容について検証し、適宜必要な見直しを行うといったところも、この産科医療補償制度の1つの取組みとさせていただいているところでございます。
 裏に移っていただきたいと思います。この産科補償制度の仕組みの中で、1つ分娩に関連して発症した重度脳性麻痺児とその家族の経済的負担を速やかに補償する。これが1つの大きな目標でございますけれども、当然ながらこれは原因分析を行い、将来の同じような事例への再発防止に役立つ情報を提供する。これも紛争防止、早期解決、産科医療の質の向上を目的とするところでございます。
 先ほどの補償の流れに関しましては簡単に図で示しているところでございますので、説明は割愛させていただきます。説明をさせていただきたいのは原因分析。これは下の方の図の真ん中のところでございます。原因分析は十分な情報収集に基づいた形で、医学的な観点で事例を検証、分析いたしまして、その結果を児や家族、分娩機関へフィードバックすることを目的とします。こういったことを通じまして紛争の防止、早期解決を図ります。このような原因分析を行うに当たっては、分娩機関や家族の御理解と協力、そして実際の分析に当たられる専門医や委員の先生方の協力をいただきながら、進めているところでございます。
 再発防止につきましては、それぞれの個々の事例について分析を行うわけでございますが、個々の事例情報を体系的に整理・蓄積、分析をいたしまして、再発防止策を広く社会に情報公開するということで、将来の脳性麻痺の再発防止、産科医療の質の向上、国民の産科医療に対する信頼を高めるといった観点で進めているところでございます。具体的には定期的に報告書を発行するといった形でございます。また必要に応じて随時産科事例情報等を発行する。そのような報告書などを踏まえながら、関係団体や行政機関との連携、協力を図るといったところで、産科医療の質の向上、再発防止に対し取組んでいるところでございます。
 資料2に関する説明は以上でございます。
 次に、資料3に移らせていただきます。現在、医療の質の向上に資する無過失補償制度等の在り方に関する検討会におきまして無過失補償制度等に関する検討を行っているところでございます。
 趣旨といたしましては、患者・家族(遺族)の救済及び医療関係者の負担軽減の観点から、医療の質の向上に資する無過失補償制度等の在り方や課題について、幅広い検討を行うといったところでございます。
 検討の内容につきましては、補償水準、範囲、申請、審査、支払、管理及び負担等の仕組みの在り方や医療事故の原因究明及び再発防止の仕組みの在り方、訴訟との関係等について検討を行うということでございます。
 現在、行っている経緯につきましては、めくっていただきまして4.に記載がございます。4回までの検討を行っているところでございます。
 3ページ、医療事故に係る調査の仕組みをもう少し踏み込んで検討した方がいいのではないかということで、医療事故に係る調査の仕組み等に関する検討部会を、先ほど申し上げました無過失補償制度の検討会にぶら下げるという形で発足いたしました。現在、この場におきまして医療事故に係る調査の仕組みに関する検討を行っているところでございます。
 資料3に関する説明は以上でございます。
 資料4は先ほど簡単に説明させていただきましたが、資料3の医療の質の向上に資する無過失補償制度等の在り方に関する検討会の、第2回の検討会におきます資料4と同じものでございます。
 2ページ、現在、諸外国におきまして、幾つかの国におきまして既に無過失補償制度を導入して運営している国々がございます。今回その中で私どもが情報をある程度文献等から読取りましたフランス、スウェーデン、デンマーク、ニュージーランドの4か国を例として挙げさせていただきました。なお、本資料につきましては記述が資料によって若干異なっているものもございます。具体的には根拠法令や運営組織の名称等でございますけれども、今回、私どもが参考にした文献に沿った記述をさせていただいております。したがって、あいまいな部分も若干ありますことを、あらかじめ御容赦いただけたらと考えております。
 まずフランスに関しましてごらんいただきたいと思います。根拠法令でございます。患者の権利及び保健衛生システムの質に関する法律でございます。制定は2002年でございます。運営組織は国立医療事故補償公社でございます。財源は疾病保険金庫からの一般交付金でございます。補償対象範囲は一時的労働不能が少なくとも6か月以上等々、このような形で状態として規定されてございます。
 ここで1つ特筆すべきは、国立医療事故補償公社が補償するところとしましては、過失がない場合といったところが補償対象でございます。過失がある場合には医療機関が加入する民間の保険で対応するところでございます。
 補償内容に関しましては表のとおりでございます。医療事故の治療に関する費用や所得補償、恒久的身体障害への補償、苦痛に対する慰謝料等でございます。訴訟の制限はなしでございます。
 次にスウェーデンでございます。スウェーデンに関しましては医療障害補償法が根拠法令でございます。制定に関しては1997年。運営組織は、スウェーデンに関しましては自治体が非常に大きな権限を持っておりますので、自治体の医療事故保険会社が中心となっておるところでございます。財源も地方自治体からの拠出でございます。補償対象の範囲に関しましては、状態に関しましては十分な経験を積んだ医師であれば回避することができた障害を対象としてございます。医師・医療機関の過失に関しましては、特に問うところはないというところでございます。
 補償内容は医療事故の治療に要する費用だとか、苦痛及び後遺障害に対する慰謝料、逸失利益等々でございます。訴訟の制限は特にないところでございます。
 次に、デンマークに移らせていただきます。患者保証法が根拠法令でございます。制定といたしましては1991年、運営組織といたしましては患者保証協会でございます。財源といたしましては病院団体による強制保険制度でございます。補償対象の範囲でございますけれども、当該分野の経験の長い専門家が、被害を避けることができた診察・治療とは異なる行為をしたことによる損害。これを状態として補償対象とするところでございます。過失の有無に関しては問わないところでございます。
 補償内容に関しましては、医療事故の治療に要する費用、所得補償、苦痛に対する慰謝料、恒久的な身体障害への補償等でございます。訴訟の制限はありますけれども、申請が却下された場合や不服請求後に裁判所に訴えることは可能でございます。
 最後にニュージーランドでございます。根拠法令は侵害防止、リハビリテーション及び補償法でございます。制定に関しましては1972年、運営組織は事故補償公団でございます。財源は主に政府特別拠出金でございます。補償対象の状態といたしましては、登録医療専門職の医療行為によってもたらされた傷害であること。治療によってもたらされる不測の結果であるといったことでございます。過失の有無は問わないところでございます。
 補償内容は医療事故の治療に要する費用、所得補償、恒久的身体障害への補償等でございます。訴訟の制限はございます。申請が却下された場合や不服請求の後に、裁判所に訴えることは可能でございます。
 というような形でいろいろございますけれども、各国全体を見渡しますと、それぞれおおよそ1970年代ぐらいから2000年にかけて、このような制度が欧米諸国あるいはニュージーランドでつくられてきております。財源に関しましてはいろいろと差異がございます。主に疾病保険や地方自治体からの地方税またはデンマークのような病院団体による強制保険制度による財源確保、ニュージーランドの政府拠出といったさまざまな財源のとり方でございます。
 補償対象の範囲につきましては、フランスのように明確に無過失のみに補償するといったものから、スウェーデン、デンマーク、ニュージーランドといった無過失、過失を問わず補償していくといったものまでございます。
 訴訟についてもフランス、スウェーデンについては制限はなく、デンマークは一部、ニュージーランドのように制限があるものもございます。
 原因究明に関して説明を割愛しましたが、原因究明の取組みにつきましても合議制の中で鑑定人が行うものから、各医療機関がそれぞれ自発的にやっていくものまで、さまざまな制度の形態がございます。
 3〜6ページにつきましては、各国の制度を参考文献からシェーマ化したものでございます。御参照いただけたらと思います。
 説明は以上でございます。
○遠藤委員 ありがとうございました。
 それでは、ここまでの説明について、御質問などございましたらお願いします。
○藤村委員 少し気になった点ですが、予防接種の関係の4ページの医師の責任についての部分ですけれども、5ページの医師の責任は正確に記載されていると思います。ただ、4ページを見ると当該医師は故意または重大な過失がない限り責任を問われるものではないとだけ書いてありまして、そうすると、この場合には故意または重大な過失がある場合には責任を問われることになるわけですが、その責任の内容が次のページだと求償される場合があるという形になっており,4ページ記載の責任との関係はどうなるのかという疑問です。ですから、4ページのところは「当該医師は故意又は重大な過失がある場合に限り国又は公共団体から求償される可能性があるにとどまり,損害賠償責任を問われるものではない」というように、そこは明記した方がよろしいのではないかと思うんです。
○遠藤委員 いかがでしょうか。
○飯野結核感染症課長補佐 平成6年の通知をそのまま引用しているので、今、先生御指摘の求償の部分を追加するのが正しいのかなと思います。
○遠藤委員 藤村先生、よろしいですか。
○藤村委員 はい。そうしていただければ、これが独り歩きしたときに、お医者さんが見たときに混乱してはいけないかなと思ったものですから。
○遠藤委員 まだほかにございますか。
○藤村委員 済みません、続けてですが、産科医療補償制度の仕組みのところで、これもぱっと見ただけの感じなんですけれども、法的責任あるいは訴訟との関係とか、支払われた金額がもし訴訟ができるとなった場合に損害の中に充当されるのかどうかとか、その辺の法的責任との関係はどうなっているんだろうかという疑問です。
○平賀医療安全推進室長補佐 まず産科補償制度は、特に原因分析の中で責任追及を目的とするものではございません。どうしても公的なものも含め責任を追及するというのであるならば、それは警察への届出が必要であれば届け出を行なった上で、その中で責任追及といった形になるのではないでしょうか。それは要するに別途検討するものでございます。
 慰謝料への充当があるかどうか、それは充当の対象となるかと思います。
○遠藤委員 檀委員、どうぞ。
○檀委員 日本医科大学の檀ですが、1つは産科医療補償制度ですけれども、掛金と書いてあるのは医療機関、分娩機関が保険料を支払うわけですね。どのくらいの医療機関が参加をしているのでしょうか。
○平賀医療安全推進室長補佐 済みません、今、細かな数字は持ち合わせていないんですが、加入率は99.8%になっております。おおよそ入っております。
○檀委員 それから、審査以外には原因分析や再発の防止というのが重要な目的のようですが、こういうものの分析や防止のための会議の費用とか、この費用は掛金から出ているのでしょうか。
○平賀医療安全推進室長補佐 そのように理解しております。
○檀委員 別途、国が出しているとか、そういうことではないわけですね。
 もう一つよろしいですか。無過失補償制度等の在り方に関する検討会ですが、昨年4回ぐらいやられているようですけれども、この制度の実現性は今のところどうなんでしょうか。
○平賀医療安全推進室長補佐 大綱案までできたところでございますけれども、その後、多くの議論が必要になったということで、平成23年12月22日で一度、医療事故に係る調査の仕組みをもう少し掘り下げるべきだというところで、現在の議論がございます。我々としてもしっかり推進していきたいと考えておりますが、これは多くの方々の議論を見据えていきたいと思っております。
○檀委員 対象として考えているのは、医療事故を対象としているわけで、医薬品の検討会のように、医薬品の副作用という場合の補償は含んでいないんでしょうか。
○平賀医療安全推進室長補佐 医薬品の補償を含まないというのは、なかなかその線引きというのは難しい部分があるかとは思うんですけれども、事故補償の対象となるかどうか、多くの枠組みを考えないといけないですが、副作用の被害といったことも議論の対象としてはあり得るのではないかと考えます。
○檀委員 それは含めて検討しているということですね。
○平賀医療安全推進室長補佐 議論の対象として含めることも重要な視点だと考えます。
○遠藤委員 よろしいですか。では、中田委員。
○中田委員 無過失補償制度等の在り方に関する検討会の関係でお伺いしたいと思うんですが、今日2つ制度と1つの検討会のお話をいただいたんですが、抗がん剤の救済に関する検討会で検討する場合の無過失の医療補償制度の関係で頭に入れておくべきものとしては、今日お話いただいたものぐらいを入れておけば大体いいということでしょうか。
 もう一つ、無過失補償制度ができた場合、そうするとほかの制度は基本的に吸収されると考えてよろしいのか、あるいは今までのものはそのままある程度は残るものもあると考えた方がいいのか、その2点をお願いいたします。
○平賀医療安全推進室長補佐 最初の御指摘ですが、抗がん剤の健康被害の救済に関する検討会といった中では、医療安全推進室としてこういった無過失の補償制度に関しても説明をしてほしいといったことで説明させていただきました。ですので、御要望等あれば当然資料等をお持ちいたしますが、これで十分なのではないかと考えます。
 2点目のところ、ほかの補償制度といったところは何とも表現し難いんですけれども、多く関連する部分もあるかと思います。それはいろいろ話し合いさせていただきながら考えていかなければいけないと思いますが、無過失補償制度がすべてを包含するとは言えない部分もあるかと思いますので、それは1つの事例事例で検討していかないといけないのではないかと考えております。
○遠藤委員 では、今後この在り方の検討会で、そういうところもお話を進めていくことになるのでしょうか。
○平賀医療安全推進室長補佐 いろいろと検討会の中で今、関係者からヒアリング等行っております。その中でどういったところを対象にするのか等々、検討しなければいけない事項だと思っています。
○遠藤委員 ヒアリングをしている中に、製薬企業とか医薬品関係者が入っているというのは、現在はあるのでしょうか。
○平賀医療安全推進室長補佐 現在では入ってないと理解しております。
○遠藤委員 ほかにどなたか御質問ございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、御質問がないようですので、後ほど意見交換の時間もありますので、1つ目の議題については、ここで一旦終了とさせていただきます。
 次に、海外における医薬品の副作用の補償制度について事務局が追加調査をしたとのことですので、これについて事務局から説明をお願いします。
○牧野医薬品副作用被害対策室調整官 資料5の説明の前に、今の医療無過失補償制度検討会の話で、私は傍聴しておりますので補足をさせていただきますと、今までの検討会では、要は補償の部分と再発防止の部分の2つの大きなテーマが検討されておりまして、補償よりもまず再発防止に重点を置くべきではないかという意見が大勢であったことから、今、分科会を設けて検討しているということでございまして、なかなか補償については議論が進んでいないというか、医薬品も含めた具体的な議論がされていない状況でございますので、その辺りを念頭に入れていただきたいなということで、今日ちょっと紹介をお願いしたいということでございます。
そういう意味で、医薬品については今ある問題の検討を進めていただきたいなということで、紹介させていただいたということです。その点補足をさせていただきます。
資料5の説明に入りたいと思います。2回目の検討会の際にスウェーデンとフランス、ドイツにつきまして概略を御説明させていただいたんですけれども、今回、少し国も内容的にも若干追加をさせていただきました。具体的には、実は北欧には4か国すべてに医薬品の補償制度があるということがわかりまして、それ以外にも先ほど紹介がありましたが、ニュージーランドでも医薬品の補償をやっているということでしたので、その辺りを追加調査いたしました。
各国の説明に入る前に、一番最後のページですけれども、まとめとして概略を、どういうことを話したいのかというのを先に御説明した方がわかりやすいかなと思いますので、16ページを先に御説明させていただきたいと思います。
まず1点目は、不法行為法及び製造物責任法という民事の一般法以外に、保険や公的制度を通じた医薬品副作用の補償システムが存在している国というのは、世界的には少ないということですけれども、北欧諸国やフランス、ニュージーランド等に存在してございます。アメリカ、イギリス、オーストラリアといった国にはないということは、以前御紹介したかと思います。
下の*ですけれども、補償制度の中身は若干違っておりまして、北欧諸国は医薬品の副作用に着目した補償制度ですが、フランスは医療事故に着目した補償制度。ニュージーランドは医療のみならず交通事故、労災事故など、事故全般に着目した補償制度という形になっております。
2点目として、北欧諸国やフランスの制度につきましては、民事訴訟を代替する紛争解決手段というような性格が強い。その補償額は民事上の損害補償として事案ごとに個別に算定されるという特徴がございます。何を言いたいかというと、要は民事訴訟をしたのと同じような補償額の算定がされますので、1つは訴訟抑制的なシステムであるということもあるんですけれども、もう一つは非常に実損額の補償ということできちんと計算されるということでございます。
1つ目の*で、例えば北欧諸国の制度では年齢や就業の有無等により補償額が大きく異なってくる。公的給付相当額が補償額から控除されるということがございまして、例えば抗がん剤を投与されるケースなどを考えますと、高齢の方が多かったりということもありまして、例えば医薬品の副作用ですぐ亡くなってしまったというケースだと、葬祭料ぐらいしか支給されないという仕組みになっております。要は訴えるメリットが非常に少なくなってしまう。
対しまして2つ目の*、日本の制度について書いておりますけれども、訴訟提起が自由にできるということと、給付額が法令上一律に定められている。要は健康で働ける方が薬を飲んで急に健康被害を受けられたケースも合わせて一緒の補償額になっているというところが、諸外国と違うということになっております。
3つ目の○ですけれども、北欧諸国、フランス、ニュージーランドいずれの制度も、抗がん剤の副作用が一律に補償対象外とされているわけではないことがわかりました。しかし、患者の原疾患の状態、健康被害の程度・頻度・予見可能性といった周辺事情をいろいろ考慮しまして、患者が受容すべき健康被害については、補償対象外と判断する仕組みとなっているということでございます。そうしますと抗がん剤のケースでは結構はねられるケースもある。なお、補償対象となるか否かは、いずれの国でも事案ごとに専門家の意見を踏まえて個別に判断されている。要は基準がないということでございまして、昨年の検討会でがんのステージによって線引きするかとか、そういう議論があったんですけれども、そういう線引き基準というのは世界中どこを探してもなかったということでございました。
一方、日本では抗がん剤という薬剤でくくって、この薬は健康被害を受忍すべきという考え方で原則、制度の対象外としているところが違うというところでございます。
結局この2つ目と3つ目の○の結果なんですけれども、4つ目の○として、抗がん剤の副作用の補償については上記いずれの国においても申請実績も少ないし、補償実績も少ないということになっております。
最後の○ですけれども、これらの国におきましては医薬品の不適正使用による健康被害というものが、何らかの形で補償されているということがございます。全部が全部補償されているわけではなくて、いろいろ要件はあるんですけれども、一定の不適正使用が補償される仕組みがあるというところが、日本と大きく違うということになっています。
これを前提とした上で個別の説明をさせていただきたいと思います。ちょっと時間がかかるかもしれませんけれども、説明させていただきます。
1ページ目に戻りまして、まず北欧諸国の制度について御紹介したいと思います。北欧諸国につきましては、いわゆる医療事故補償制度というものがどの国にもございまして、その補償制度というのは先ほど医政局の方から説明があったように、要は医療ミス的なものを補償する制度ですけれども、それとは別立てで必ず医薬品の補償制度というものが存在しております。医薬品に限定した補償制度があるという意味では、日本に似ているということになります。
まず制度の対象範囲ですけれども、4か国まとめて説明いたしますと、基本的には医薬品を原因とする傷害。傷害というのはInjuryの直訳でございまして、健康被害と思っていただいて結構だと思います。日本と治験薬を含むというところが違っておりますが、医薬品に限定されている。
表の2段目で、医薬品による制限というのは各国それぞれあるんですけれども、ごらんいただければわかるかと思いますが、抗がん剤というような除外はされていないということでございます。
3段目は、先ほど説明しました、健康被害の種類や程度による制限というのがそれぞれあるということでございます。個別の説明は後で詳しく御説明させていただきたいと思います。
4段目ですが、軽微な損害を除いている国もある。これは日本も除いているんですけれども、あるところとないところがある。
適正使用の判断ですけれども、これも北欧4か国共通でございまして、基本的に適正使用でないものは医薬品の補償制度の対象外ですが、医療事故の補償制度で救われるケースがあるということでございます。
給付内容は、すべて民事の損害賠償の法律、損害賠償額を定めた法律というものがありまして、それによって算定することになっております。
財源につきましては、デンマーク以外は製薬企業や治験実施者からの保険料となっております。
損害賠償請求権は、補償を受けるまでは自由にできるということですけれども、補償を受けた時点で消滅するというのがスウェーデン、デンマーク。ノルウェーは不可となっております。フィンランドは制限されないと違っております。
申請件数はそれぞれでございますけれども、認容率というのはいわゆる救済率なんですが、後ろの方に出てくるんですけれども、日本は9割ぐらいなんですが、北欧諸国は4分の1から4割ぐらいの間でかなり低くなってございます。
2ページ目では北欧以外の国ということで、フランスとニュージーランドを載せております。ドイツは前回も載せたんですけれども、前回も御説明したように既知の副作用、添付文書に載っているような副作用が全部除外されているというのと、要は訴訟手続の特例みたいな形で定めておりますので、若干違う制度ですので今日は説明を省略させていただきます。
フランスとニュージーランドですけれども、これは実は先ほど医政局から説明があった制度と同じ制度を書いているんですが、医政局はいろんな文献から引っ張ってきた用語を使っておりまして、こちらはいろいろ大使館経由で調べたり、実際に調査に行ってもらってきたりして、原文資料を直訳しておりますので若干用語が違っておりますが、全く同じ制度についての説明ですけれども、おさらい的にもう一度説明したいと思います。
制度の対象範囲なんですが、フランスは医療事故一般を補償しておりまして、具体的には医療事故、医原性疾患、院内感染による損害を補償する。医薬品の副作用は医原性疾患というところでカバーされるようでございます。ニュージーランドは先ほども言いましたけれども、事故全般を補償しておりまして、この中には医薬品副作用が含まれるということでございます。
医薬品による制限なんですけれども、医療行為なり事故というところに着目している制度ですので、医薬品による制限はないことになっております。
健康被害の種類・程度による制限というのは、これは実はどちらの国にもございまして、フランスもニュージーランドも似ているんですけれども、患者の健康状態などを考慮しまして、フランスだと「異常な結果でないもの」となっています。ニュージーランドは「治療の結果、必然的にまたは通常起こるものは対象外」ということで、要は事故の頻度に着目しておりまして、頻度の高いものについては除外しているということになっております。
その次の段は説明を省略させていただきます。
適正使用の判断ですけれども、ここは過失の有無は問わず補償ということになっております。医政局の説明とフランスが若干違うんですが、要は過失があるかないかでフランスは財源が違ってくるということで、過失がある場合には財源の欄で国の疾病保険からの交付金からお金が出る。過失がある場合は医療者が保険会社に加入していて、そこからお金が出るという財源の違いはあるんですけれども、制度としては過失の有無は問わず補償する仕組みになっております。
ニュージーランドは過失の有無にかかわらず税金で補償します。
給付内容ですけれども、フランスは先ほど紹介したとおり、損害補償という考え方です。ニュージーランドは若干社会保障的な考え方もあって、医療は現物給付とか、所得補償とか障害遺族一時金も、扶養家族が何人かというところで少し金額が変わってきたりというところがあります。
財源については先ほど御説明したとおりです。
損害賠償請求権ですが、フランスは給付を受諾した時点で消滅。ニュージーランドはそもそもなしということのようでございます。ただし、懲罰的損害賠償を提起することは可能ということでございます。
認容率につきましては、フランスは半分弱、ニュージーランドは66%ですが、抗がん剤関連については若干低くなってございます。
この一覧表の3段目の健康被害の種類・程度による制限というものが、実際に抗がん剤による健康被害をどういうふうに救済しているかというところにつながってきますので、その点に着目して各国の運用の実情と事例について集めてきましたので、駆け足で説明していきたいと思います。資料は4ページからごらんください。
スウェーデンは2回目の検討会でも御説明しましたけれども、「補償対象の考え方」のところをごらんいただきたいんですが、「補償対象となる障害は、当該障害が予想される治療効果に比して不均衡であり、かつ、当該障害の種類や程度が当然には予見されないものに限られる」ということで、保険約款に定められているということでございます。いろいろ基準はあるんですけれども、2つ目のポツをごらんいただきたいんですが、実際にどういうふうに運用しているかということを、保険を運用している保険会社から聞いたところ、「もとの疾病に比して健康被害が重い場合に認められる」。このため、がんのように治療しなければ死亡する疾病は、一般的に補償は困難ということで回答をもらっております。
抗がん剤の投与に関する判断例ですけれども、補償が認められたケースが1件だけございまして、乳がん治療のためのタモキシフェン投与により、脳卒中となり後遺症が残ったケースでございます。要は乳がんという疾病と脳卒中で後遺症が残ったというところの比較考量がされて、救済されたということでございます。
次にデンマークを御紹介したいと思います。6ページに飛びたいと思います。補償対象の考え方ですが、「副作用の結果として生じた医薬品の傷害の性質や程度が、傷害を被った者が合理的に受容すべき程度を超える場合に補償対象となる」というふうにデンマークでは定められているんですけれども、その場合に原疾患の特性や重篤性、患者の健康状態とか健康被害の程度やリスクが勘案される。
具体的にどういうことかと言うと、2つ目のポツですけれども、当該障害が予期しないもので、かつ、重篤であり、患者が受容することが合理的な範囲を超えると考えられる場合に補償される。予期しないものというのは頻度のことを言っていると思うんですが、運用上、おおむね2%以下という回答をもらっております。
具体的な評価は、被った傷害の重篤さと原疾患の重篤さの比較考量。これはスウェーデンと同様に行っているということでございます。
最後のポツですけれども、抗がん剤も上記基準に沿って判断され、補償された実績もあるということですが、件数全体に占める割合としては非常に小さい。制度創設以降の15年間の実績で、抗がん剤の副作用に限定して見ると、補償申請は152件、うち認容38件という状況でございます。がんの種類では乳がん、前立腺がん、一部大腸がん等に認容事例が多いが、がんの進行度にもよるという回答をいただきました。
実際にどういう判断がされているかということを、7ページに御紹介させていただいております。タキソテールの例ということで2例いただいたんですけれども、補償された例ですが、浸潤性乳管がんをすべて切除した後、補助化学療法としてタキソテールを投与した結果、足の麻痺やしびれが起きまして、歩行困難となってしまったという事例につきまして、こういう症状が明白かつ継続することは比較的まれであり、要は受容すべき水準を超えるということで210万円を補償された。デンマークは社会保障制度が非常に発達しているので、社会保障分を除くと非常に補償額は少ないんですけれども、そういうことになっております。
補償されなかった例でございますが、これも乳がんによって腋下のリンパ節切除を伴う乳房温存施術を行った後、リンパ節の増殖など危険な兆候が見られたということで、先ほどの完全切除とは大分違う状況なんですけれども、その状況の中でタキソテールを投与した結果、間質性肺炎となって非常に危ない状態となって集中治療室に1週間、一般病院に1週間入院して、退院後も酸素を使用して生活することとなった事例につきまして、原疾患の治療の一部として受容することが合理的な水準を超える傷害とは言えないということで、補償されなかったという例がございます。
ちなみに、日本のタキソテールの添付文書を見たんですけれども、間質性肺炎の発生率は0.6%でございました。
次にノルウェーの例について御紹介したいと思います。9ページですが、ノルウェーも補償対象の考え方は大体同じような感じなんですけれども、申請者の状況に関して結果を受容することが合理的である場合に補償対象外になるんですが、やはり健康状態とか被害の程度とか、同じような要素を判断材料に入れている。
2ポツ目ですけれども、ここも原疾患が重篤であればあるほど、患者が受容すべき副作用の程度は大きくなるということで、原疾患と健康被害の比較考量がされている。
3ポツ目ですけれども、抗がん剤は治療の必要性が高く、治療を受けなければ死の危険があることから、通常は補償対象とならないということで、過去10年間で16件の申請があったが、すべて却下となっております。
判断例として、却下例を1例いただいたんですけれども、結腸がん患者がオキサリプラチンの投与によって治癒はしたのですが、手足に神経障害が生じて、失業した事例についてお支払いが認められなかった。理由としては薬物療法が致死的な疾病を治癒させたという理由で、認めなかったというものでございます。
フィンランドの方は事例がまだもらえておりませんが、10ページに下線を引いてあるところをごらんいただきたいと思うんですが、治療しなければ重大な身体的傷害につながるおそれのある傷病の治療において、医療上必要な危険性を冒した結果生じたものや、原疾患の特性や傷害の程度などを見て受容が合理的なものは対象外。抗がん剤も一応実績はあるみたいなんですけれども、非常に件数としては少ないという回答をいただいております。
引き続きフランスに行きたいと思いますが、12ページをごらんください。フランスは直接聞いたというのではなくて、手紙のやりとりで聞いておりまして、フランス語の回答を直訳しているので非常に読みにくくて申し訳ないんですけれども、補償対象の考え方につきまして回答をもらった範囲で御説明しますと、「当初の健康状態から見て異常な結果」について補償しているんですが、下線部を見ていただきたいんですけれども、要は医原性疾患の発生頻度について評価を行っている。具体的にどういう基準なんですかと聞いたんですけれども、基準はないが、一般的に1,000分の1という頻度はリスクを異常と考えさせるのに十分だろう。一方、10%という頻度は異常性の基準を満たさない、つまり異常とは考えられないという回答でございました。
それから、抗がん剤としては非常にいろんな副作用が出て、高頻度のリスクがあるという場合であっても、突発した別のリスクがまれなものである場合、異常かどうかは突発したリスクの頻度を考慮して評価する必要があるということでございました。要は症状ごとに見て、例えば神経障害がたくさん出るような抗がん剤であっても、肝障害とか腎障害が非常に発生率が低いということであれば、肝障害とか腎障害の方はひょっとしたら補償される可能性があるということを言っているんだと思うんですけれども、症状別に見て異常かどうか判断しているということでございました。
抗がん剤投与の事例がどれぐらいあるかというのは、それはとっていないということでしたが、担当者の感触としては、余り件数は多くないということでございました。
抗がん剤の投与に関する判断例ですけれども、例外的事例ということで2例補償された事例を紹介いただきました。
1つは、急性白血病患者が、薬剤名はいただけなかったんですけれども、抗がん剤を予定より多く注入した結果、馬尾症候群になった事例について救済されたことがある。
もう一つ、これも急性骨髄性白血病の患者さんが、抗がん剤の髄腔内注入の後に肛門括約筋障害に伴う弛緩麻痺、脊柱側彎症というものになった事例について、稀有な合併症ということで認められて、補償が行われたということでございます。
最後にニュージーランドについて御説明したいと思います。補償対象の考え方を聞きましたところ、医薬品に関しては、一般的に予想されますような医薬品の副作用というのは、治療の結果、必然的にまたは通常起こるものということで補償対象にならないということで、頻度を考慮しているようでございます。
抗がん剤の投与に関する判断例ですけれども、補償された例につきまして2例、補償されなかった例を1例御紹介させていただきたいと思います。
1つ目は補償された例ですけれども、乳がん治療のためアドリアマイシンというものを投与した結果、拡張型心筋症になった例ということでございます。日本の添付文書を見たんですが、重大な副作用として心筋障害というものはあるんですけれども、頻度は載っていなかったということでございます。
2つ目は、70歳の患者がシスプラチンとペメトレキセドを使用した結果、顔面腫脹や喉の圧迫感、皮膚発疹などを生じた事例について、非常にまれなものであるとして補償対象となるとされた。一応こちらも日本の添付文書を確認したんですけれども、頻度については載っていなかったということでございます。
補償されなかった例でございますが、ニュージーランドでは非常に多い申請例ということですが、シスプラチンを投与した結果、聴力低下を生じた事例ということで紹介いただいております。理由としては、この事例ですと幼少時にシスプラチンを投与すると、しばしば聴力障害を引き起こすということなんですけれども、年齢に関わらず、結構これは却下されているようでございます。
参考で今日日本のシスプラチンの添付文書を確認したら、シスプラチンの聴力障害の発生率が変わっておりまして、1.4%だったんですけれども、そういうような事例についてもしばしば起こると判断されて、救済されていないということでございます。
説明が長くなりましたけれども、以上でございます。
○遠藤委員 ありがとうございました。
 それでは、この後は委員間の意見交換の時間とさせていただきます。まず先ほどの事務局の説明について、御質問があれば御自由にお願いします。また、本日の説明全体を踏まえて抗がん剤の副作用の救済は勿論のことですが、我が国の医薬品副作用の救済制度全体についても、お考えになることがあれば御自由に御意見をいただきたいと思います。
 それでは、山口委員、どうぞ。
○山口委員 今、補償対象になるもの、どういったものがどの程度の頻度というところに重点を置かれて説明をしてくださいましたけれども、ここで補償対象になったということの意味としては、無過失の部分での補償対象になったという理解でよろしいでしょうか。
○牧野医薬品副作用被害対策室調整官 北欧についてはそうです。そもそも無過失のものだけが補償される仕組みになっておりますので、過失があるかないかの判断は別途されておりまして、無過失のものについて補償されております。
 フランスとニュージーランドは制度上、過失があるものも一応補償されると先ほど紹介したんですけれども、今、御紹介した事例は、少なくともフランスについては過失がないと認定されて、国の疾病保険から支払われた例でございます。
 ニュージーランドは、資料が雑駁過ぎてよくわからないところがあるんですけれども。
○山口委員 ニュージーランドはそもそも過失、無過失にかかわらずということだから、それはわからないという理解でよろしいですか。
○牧野医薬品副作用被害対策室調整官 そうですね。過失がある場合も補償されます。
○山口委員 わかりました。ありがとうございます。
○鳥井医薬品副作用被害対策室長 補足ですけれども、北欧についてはそもそも過失、無過失の判断を医薬品の保険についてはやっておりませんで、単純に要件を満たさない場合は対象とならないし、満たす場合は対象になる。それだけの制度でございます。
 ただ、医薬品の処方自体が適正か不適正かという問題は別途あって、それについては別途の制度で対応がなされる仕組みになってございます。
○遠藤委員 ほかにございますか。
○中田委員 2点ほどお伺いしたいと思います。
 1つは、今いただいた資料の中でいろんな例を御紹介いただいたんですが、この中で死亡事例がなかったと思うんですけれども、これはたまたま向こうから言ってきた例でそういうものがなかったということなのか。日本ですと後遺症が残るよりは、死亡の方がより重大なような気がするんですが、向こうの方では死亡よりも後遺症が残る方がより大変だと考えているのか、あるいは例が少ないですから、たまたま言ってきたのがそういう事例だったということなのか。
 それから、いろんな国を御紹介いただいたんですが、制度がいろいろ違ってなかなかどうなっているのかわからないのですけれども、こういう関係者の間で、この国の制度がいいというモデルとすべきような国があるのかないのか、その2点ほど教えていただければと思います。
○牧野医薬品副作用被害対策室調整官 1点目の死亡事例がなぜないのか。確かに事務局も気になったんですけれども、これは各国に事例をお願いしますと言ってお願いしたら、たまたま出てきた事例に死亡事例がなかったということなんですが、先ほど冒頭に御紹介したとおり、要は実損損額の補償ということで、特にヨーロッパは慰謝料も非常に低いかないかどちらかでございまして、死亡した場合に受け取れる補償額がすごく少ないこともあって、ここから先は推測なんですけれども、そもそも申請も少ないのではないかと思われます。障害があっていろいろ費用がかかる方が申請されているのではないかというのが、ここは推測になりますけれども。
○鳥井医薬品副作用被害対策室長 どこがモデルになるかというのは特にありませんが、いろんな海外のものも含めた文献を見てみますと、おおよそ北欧、ニュージーランド、フランスが並列で議論されているといったことになっております。
○中田委員 前の方の死亡事例の関係なんですが、昨年の議論の中で死亡補償の場合は本人でなくて遺族に対する給付となるので、趣旨が違うのではないかという議論があったんですが、ヨーロッパでそのような議論があって余り死亡事例が重視されていないということでもないんですか。そういうことは特にないんですか。
○鳥井医薬品副作用被害対策室長 例えば北欧の制度で申し上げますと、そもそも給付額が民事上の一般的な損害賠償のルールになっておりますので、それに従って給付を行うということでございます。もともと損害賠償の考え方自体が、失われた損失の補填を基本的な考え方としているそうでございまして、それに沿って一般的な民事上のルールが定められていると理解いただければと思います。
○中田委員 それは本人に対する補填ですね。
○鳥井医薬品副作用被害対策室長 基本的にそうです。
○遠藤委員 よろしいでしようか。では、藤村委員、お願いします。
○藤村委員 アメリカとかイギリスとか、ああいう国はそもそもこういう制度がないという報告なんですが、それがなぜないのか、あるいはつくろうとして検討したけれども、問題がこういうところにあるからできなかったのかとか、そういった背景事情はわかるんでしょうか。もしちょっとでもお聞きになっているならお聞きしたい。
○鳥井医薬品副作用被害対策室長 アメリカにつきましては済みません、必ずしもちゃんと調べているわけではございませんけれども、州レベルで幾つかあると思います。それから、連邦レベルにおいてはワクチンの補償制度が公的なものとしてございます。これはワクチンを進めていくという政策的な理由によるもので、不可避的に健康被害が生じるものは連邦レベルでの仕組みが必要だという経緯であったと聞いております。
 イギリスにつきましては、これはどこかに文献があるので後で必要であればお渡ししたいと思うんですけれども、導入すべきだという議論がここ最近行われております。なぜ実現していないかという1つの理由といたしましては、例えばですけれども、社会政策全体を見渡した場合に、北欧のように公的制度以外のところを補償するという仕組みがなかなかとれずに、非常に補償額が多額になるということから、持続可能性という点におきまして問題があるということで、導入に至らなかったとされております。
○遠藤委員 よろしいですか。ほかにどなたかございますか。
○祖父江委員 資料5の1ページ、2ページ目に認容率というものがあって、これが日本では割と高い数字ですけれども、諸外国では5割を切るような値になっていますね。基本的な思想が違うのか、日本では補償の対象になるという時点で全部認めていくという考え方が基本で諸外国とは違うのか。更に、個々の事例について検討する際の仕組みが日本と諸外国で異なるのか、その辺りはどのような感じになっていますでしょうか。
○牧野医薬品副作用被害対策室調整官 認容率が大きく違うんですが、ここも事務局の推測ではあるんですけれども、先ほど長々と説明した健康被害の種類や程度による制限というものが各国ございまして、要は入口では医薬品としては補償対象になっているが、いろんな個別の状況を見てはねられると言っているケースが、どこの国の制度にもあって、これがかなり効いているのではないかと考えられます。この先も推測なんですけれども、抗がん剤に限らず、かなり原疾患との比較考量などをされまして、はねられているケースがあるのではないかと思います。
 対しまして日本につきましては、救済対象の医薬品であれば、因果関係が証明されると、適正使用も必要ですけれども、大体救済されるというところがございまして、そういう意味では除外医薬品を設けたことによって、適用対象か適用対象外かというのが非常にわかりやすくなっている部分があると思います。それ以外の要因もあるかもしれないんですが、1つにはそれがあるのではないかと思われます。
○鳥井医薬品副作用被害対策室長 補足ですけれども、これも推測でしかありませんが、今の健康被害の種類、程度による制限を見てみますと、北欧諸国はいろんな状況を考慮した受忍という考え方が入っておるわけでございますが、フランス、ニュージーランドは基本的にはそれよりも緩くて、リスクだけで切っているというのがおわかりになると思うんですけれども、そのために北欧に比べるとかなり認められているということもあろうかと思います。北欧の場合はリスクも考えますけれども、受容するかどうかということでも見ているためにかなり低くなっているのではないか。しかし、これは検証できませんが、1つの参考にはなるかと思います。
○遠藤委員 これは国によっては副作用の発生頻度を見ているといって、頻度が非常に低くないと認めてもらえないというイメージなんでしょうか。
○牧野医薬品副作用被害対策室調整官 そうですね。国によってはフランスとかニュージーランドは頻度を見ているところがあると思います。ですから、事例を見ているだけではわからないんですけれども、頻度が高くて亡くなってしまうような副作用が補償されなくて、頻度がたまたま低くて出てきた、死亡よりも重篤でない副作用が補償されているということも、ひょっとしたらあるかもしれないと思います。
○遠藤委員 逆に頻度が低いと因果関係を判断するのは逆にすごく難しいですね。
○牧野医薬品副作用被害対策室調整官 そうですね。ただ、添付文書にあるような副作用も基本的にはここは補償していますので。
○遠藤委員 あと、デンマークの認容率が2010年で25%と書いてあって、その下の抗がん剤は1996年から2011年まで25%というのは、これは全体の救済の認容されている中で、そのうちの4分の1ぐらいは抗がん剤だという意味なんでしょうか。これはどう読めばいいですか。
○牧野医薬品副作用被害対策室調整官 デンマークの上の25%は、5ページにデンマークの制度の詳細が書いてありますけれども、一番下に実績として処理件数、認容106件、却下319件というものをパーセンテージで表すと、25%が認容されているということでございます。抗がん剤につきましては6ページの下から2行目に、先ほど御紹介しましたけれども、補償申請が152件、うち認容38件という15年間の累積の結果を計算すると大体25%だったということでございます。わかりにくくて申し訳ありません。
○遠藤委員 ありがとうございます。
 山口委員、どうぞ。
○山口委員 たびたび申し訳ないです。4か月ぐらい本当にこれだけのことをよく調べてくださったなと思うんですけれども、そういった中で無責任に何でもかんでも聞いてというのはあれなんですが、先ほどの諸外国の無過失補償制度の概要という、薬でない部分について、原因究明についてはそれぞれ一応そのシステムがあるということだったと思うんです。ですので、この中でもフランスとニュージーランドについては、医薬品についての副作用事故といった部分についても原因究明、そして、それを報告するというものが入っているという理解でよろしいのかなと理解したんですが、ほかのところの医薬品のみを対象としている補償制度について、何かそういったものがあるのかどうなのかといったことについて、わかれば教えていただきたいと思います。
○鳥井医薬品副作用被害対策室長 おっしゃるとおり、フランス及びニュージーランドについては、医療の改善のためのいろんな調査ですとか分析が、かなり人手を割いてやっているのは事実のようですが、医薬品の副作用についてまでそのようなことをしているかどうかは手元にございません。
 北欧につきましては患者保険制度、即ち医療一般の補償制度については事例を利用可能な形で公表していて、それについては研究がなされているということは、どの国でも共通しております。
ただし、医薬品の副作用につきましては、データとしては出しているけれども、副作用を出さないためにどうするかといった研究については、そこまでは行っていないということでございました。これは聞き取りの中でそういうことを先方の担当は言っていたということでございます。
○山口委員 情報がないということではなくて、ないという情報があるということで、医薬品についてはその取組みはしていないということの確認です。
○鳥井医薬品副作用被害対策室長 データとか、個別のサマリーをまとめて出すということはやっているということでしたけれども、それについての分析とか政策的なインプリケーションみたいな分析までは、残念ながらそこまでは行っていないという回答でした。
○山口委員 わかりました。ありがとうございます。
○遠藤委員 ほかにどなたか御意見ございませんでしょうか。
○北澤委員 遅刻して済みませんでした。今日は外国の制度について本当によく調べていただいて、大変勉強になりました。ありがとうございました。
 感想みたいなものですけれども、私たちはこの検討会でこれまで抗がん剤という薬の種類で切って、抗がん剤を入れるか入れないかということでやってきたんですが、今日の御報告を聞いて、そういう切り方ではないんだなということがわかったというのが、自分にとっては非常に勉強になったところでした。だから、抗がん剤だからだめという理屈はなくてもいいのかなと思いました。
 一方で、今日御紹介があった、特に北欧の国々では、結局リスクとベネフィットのバランスでもって決めているわけです。だけれども、日本の制度はどちらかと言うと結果だけを見て、その人の障害や死亡などを見て決めているということで、考え方としては根本的に違うんだなということも感じました。
 なので、日本の制度にそのまま抗がん剤をオンすることというのは、考えなければいけないことが多くあると思います。発想を変えて北欧のような形でいくのか、あるいはあくまでも薬の種類別で切って、今の制度のままでいくのかというのは、再度考えなければいけないのかなと思いました。
 もう一つ、今日のお話の中でも副作用の頻度ということを非常に判断の基準にしておられると自分なりに理解したんですけれども、では日本の場合に、今日も添付文書に載っている頻度のことを言われましたが、これは抗がん剤に限らないのかもしれませんけれども、薬による副作用の頻度というのが実臨床において本当にどれだけわかっているのかということについて、私自身はちょっと疑問に思っています。だから頻度で持って切ることが実際に日本でやってみたときにできるのかという、そこのところも考察しないといけないのではないかと感じました。
○遠藤委員 ありがとうございます。
事務局の方から何かコメントはありますか。
○鳥井医薬品副作用被害対策室長 そのことに関しては、全く御指摘のとおりかと思います。
 1点、先ほどの遠藤先生の御質問の答えを若干補足しますと、北欧の場合は大きく分けると2つのことを考えていて、1つはリスクとベネフィットによる受忍できるものなのかということと、もう一つは頻度と関連すると思うんですけれども、その障害が予測できたのかということについての、2つのことについて大きくは両方見ているということだと思います。フランスとニュージーランドについては、主に頻度で見ているということであります。
○遠藤委員 ありがとうございます。中田委員、どうぞ。
○中田委員 2点ほどお願いしたいと思うんですが、1点は日本も含めてお答え願えればと思うんですけれども、外国人が対象になるのかどうか。
 もう一つは、スウェーデン、ノルウェー、フィンランドは保険方式でやられていると思うんですが、保険料の賦課方式はどういうふうになっているのか、わかれば教えていただければと思います。
○牧野医薬品副作用被害対策室調整官 外国人が対象かどうかということなんですけれども、全部の国は調べ切れていないんですが、北欧については、資料に載っているものもありますけれども、要は国内で流通している医薬品に対して補償されるということでございますので、国内で流通しておれば外国人が使っても補償されるということかと思います。
○中田委員 日本はどうなんでしょうか。日本も同じですか。
○宮田審査管理課長補佐 日本も基本的には外国人でも対象にはなり得ます。
○鳥井医薬品副作用被害対策室長 それから、保険料に関してですけれども、これは基本的には一般の保険と同じで、若干違いはありますが、保険料を保険者に対して払うということでございます。例外はデンマークで税でありますけれども、ここもいろいろ議論があったそうなんですが、いろんな歴史的経緯から税になったということでございます。この背景にはもともと医療保険自体が税方式だというのもございます。
○遠藤委員 中田委員、よろしいでしょうか。
 ほかに、海外の状況の質問だけではなくて、我が国の救済全体の御意見でもよろしいですし、抗がん剤の副作用の救済について中間まとめをした以降の今回のいろいろお話を聞いた後での御意見でも構いませんので、どなたかございませんでしょうか。
 長谷川先生と檀先生にお聞きしたいんですけれども、先ほどの救済された事例と救済されなかった事例が幾つか載っていたんですが、あれを先生方読まれて、確かにこれは救済されるべきだ、こちらは救済されないのはそうだとか、その辺の御理解はどうなんでしょう。
○檀委員 制度そのものと関係があって救済されるかされないか、それぞれ個別に判断されているんだろうと思いますけれども、先ほどから出ているように抗がん剤は一般的には諸外国、ここで出てきているのは特に対象外にはしていない。だけれども、頻度を重要視している。それは確かにそのとおりで、抗がん剤は一般医薬品と明らかに違うのは副作用の頻度の多さですね。ですから、昨年までの検討会で何回か申し上げましたが、抗がん剤が持っている副作用すべてを対象にしたりしていたら、この制度自体はどんなものをつくろうとしても、それは不可能に決まっていますので、システムを可能とするためにも頻度というのはそういう考え方もあるというのではなくて、頻度を組み込まないと新しい制度自体は絶対できないと思います。
 先ほど出ていた事例も、幾つかは極めてまれな事例、副作用ということで、頻度も少ないということで対象になっているんだろうと思います。抗がん剤を入れてつくるのであれば、今の医薬品副作用被害救済制度に入れることは全く不可能。これは前に申し上げましたけれども、そう思います。抗がん剤は一般医薬品とは適正使用という考え方が全く違うので、今のそういう適正使用ということを基にしてでき上がっている医薬品副作用被害救済制度に抗がん剤を入れ込むというのは、それは全く無理なので、もしつくるのであれば全く別な制度をつくる。そのときには頻度というのを是非とも入れ込まないと、システム自体は絶対に不可能であろうと思います。
○遠藤委員 ありがとうございます。長谷川先生、どうですか。
○長谷川委員 どのようにコメントするのがいいのかと考えておりましたが、最初に御説明がありましたように基準がないというように考えます。16ページですが、事案ごとに専門家の意見を踏まえて個別に判断されているということで基準がはっきりしません。どのケースを見てもなかなか難しい判断だなと感じます。例えばタキソテールのしびれがございますが、これは非常に頻度が高く発症します。ただ、足の麻痺はきわめてまれな副作用であるのか、本当に因果関係があるのかどうかは判断が困難であると思います。こういうことが救済されて、逆に頻度は少ないが重大な副作用である間質性肺炎、むしろこちらの方が救済されるべきではないかと思います。
 14ページにアドリアシンの話が出ておりましたが、拡張型心筋症と書いてありますが、アドリアマイシンで心筋障害というのはよく知られた副作用で予測される副作用であるわけですが、補償対象となっているということです。だから、全体を見て基準がないという印象ですし、これを判断するところがどのような組織であり、そこの組織にかなり負担がかかるという印象を受けました。
 もう一つは先ほど御議論がありますように、認容率が非常に低いということから考えますと、疾患に対する国民の受容という問題があると思います。だから、このまま北欧の状況を我が国に当てはめることは難しいだろうと思います。
○遠藤委員 ありがとうございます。
 私もこれを読んでいて、これは判断する人によって補償するのかしないのか、これだけの情報では実際上かなり難しいのかなと思います。
○鳥井医薬品副作用被害対策室長 今の長谷川先生のコメントに2つほど補足させていただきたいんですけれども、デンマークの事例は、御説明しましたように頻度だけで見ておるわけではなくて、そこに書いているようないろんな判断ポイントがございまして、その抗がん剤を投与しなければどれほど進行したかとか、そういうことが考えられた結果こういう結果になっていると考えられます。
 2つ目のだれが判断するのか、もしくは体制をどうするのかという問題でございますが、これについては必ずしも十分に調べられているわけではありませんけれども、1つの例として申し上げると、少なくともデンマークとノルウェーにつきましては医薬品の補償制度と医療一般の補償制度と判断の機関が同じで、インフラを共通に使っているということがございまして、その意味では効率的にやれている部分があるのかなと思っております。
○遠藤委員 ありがとうございます。檀委員、どうぞ。
○檀委員 今の話ですけれども、デンマークの被った傷害の重篤さと治療を受けていた原疾患の重篤さの比較考量により行われるとありましたが、こんな比較考量では実際問題としてはとても無理だと思います。結局はこのまとめのところのどこかに書いていただいたように、事例ごとに専門家の意見を踏まえて個別に判断する。それ以外にはなくて、それをやる必要があると思います。ただ、それにはいろいろ時間がかかるとか、本当によくわかっている専門家を集めないといけないとか、そういう困難さはあるでしょう。
○遠藤委員 そうですね。非常にここの判断が難しいのかなと思います。
 ほかにどなたか。倉田委員、何かございますでしょうか。
○倉田委員 私はやはり頻度ということがとても気になって今日伺っていました。一般の人にとっては想定内で考えられる副作用というのは仕方がないかなと思えるんですが、滅多に起きない頻度となってくれば、仕方がないかなと思えるかもしれないと思って聞いていました。
 もう一つ気になったのは、先ほど高齢者の場合は副作用で亡くなったとしても、葬儀代ぐらいで安いのだという話を聞いて、超高齢社会の日本にとっては、そういうこともひょっとしたら考えなければいけないのかもしれないなと思いました。例えばがん保険なんかでも、入院費なんかを見ていても65歳になると急に半額になってしまうんです。そのようなこともあるので、こういうものはあり得るかもしれないなと思ってお聞きしました。
 以上です。
○遠藤委員 ありがとうございます。長谷川委員、どうぞ。
○長谷川委員 頻度の問題は大変重要だと思います。例えば私たちは気管支鏡というカメラで肺の中を検査しますが、日本全体で見ると1万人に1例ぐらい亡くなられます。例えば胃カメラでも6万人に1人ぐらい亡くなられます。医療というのはある一定の確率で発生する不測の事態の上に成り立っているということを考えなければいけないと思います。そういう一定の確率で発生する不測の事例を受容するのか、それを救うのかという議論が必要かと思います。
○遠藤委員 中田委員、どうぞ。
○中田委員 長谷川先生にお伺いしたいんですが、抗がん剤の副作用かどうかというのはカルテを見ればわかるものなんでしょうか。と言いますのは、直接のヒアリングをしなければ、恐らくカルテの情報が一番細かい情報で、これ以上細かいものは恐らくないんだと思うんです。だから文章上の情報で判断しようとした場合には、カルテでわからなければ絶対わかりませんね。カルテだったらある程度推測がつくと考えてよろしいですか。
○長谷川委員 今、御指摘の内容というのは、1人の患者さんに起こった副作用がどの程度のものであるかという判断は、基本的にはカルテ上で医師や看護師さんの記載で判断していくということになると思います。
○中田委員 それである程度わかりますか。
○長谷川委員 はい。それはわかると思います。
○中田委員 そうすると、レセプトというものがありますね。今、厚生労働省の方でレセプトの電子化とか電子情報を集めてデータベースをつくられているようなんですが、実際にレセプト情報でもある程度わかると考えてよろしいですか。というのは、レセプトですとカルテに比べれば最初の症状の関係の記述が少ない。治療した後の結果のデータが出ていないんです。どんな治療をしたかというのはある程度わかるようになって、抗がん剤であれば何という薬をいつ何錠、日にち単位ですと何錠投与したとか、何錠どれだけ投与したというのは全部わかるようになっている。カルテは毎月ですのでそれをつなげれば、ある程度それを見れば判断できると考えてもよろしいでしょうか。
○長谷川委員 恐らくレセプトの情報では、副作用の状況というのはつかまらないだろうと思います。つかまるものもありますけれども、正確な情報は得られないと考えた方がいいと思います。
○遠藤委員 よろしいですか。藤村委員、どうぞ。
○藤村委員 事務局に質問なんですけれども、今日御報告いただいた中で公的な保険制度の適用を受ける人たちには、年齢制限というのはないんですか。
○牧野医薬品副作用被害対策室調整官 公的な保険制度というのは。
○藤村委員 例えば医薬品に限らず、一般的に救済されるというのと、それに加えて重畳的に医薬品についての救済制度を設けている国とか、必ずしも皆同じではないように思うんですけれども、いずれにしましても公的な保険制度で税金が財源になっているような保険制度の中で、その救済対象になる人たちに年齢制限というものはないんですねということです。
○牧野医薬品副作用被害対策室調整官 少なくとも医薬品については年齢制限はないです。社会保障制度は当然老齢年金とか、それはいろんな基準がありますけれども、少なくとも医薬品についてはないということです。
○藤村委員 それは救済の額についても差等はないわけですね。
○牧野医薬品副作用被害対策室調整官 実際にどういう算定がされているかというのは十分わかっていないところもあるんですけれども、年齢によって補償額が減額される国というのがわかったところもありまして、具体的にはスウェーデンとかデンマークについては年齢による減額があるようでございます。
○藤村委員 具体的にはどんなものですか。
○牧野医薬品副作用被害対策室調整官 デンマークが一番わかりやすいと思うんですけれども、資料5の5ページ、給付水準の欄をごらんいただきたいと思うんですけれども、恒久的障害の場合の一時金とか、稼得能力喪失補償、あと、遺族所得補償というものがあるんですが、これは算定された後、被害を受けた方の年齢によって減額される仕組みになっていまして、1歳上がるごとに何%という形で減額されていくという仕組みがございます。ただ、これは損害責任法にこういうことが書いてございまして、医薬品に限らず、損害額の算定はみんなこういうふうにされるということでございます。
○遠藤委員 ほかにコメントや御質問はございませんでしょうか。
○北澤委員 今日はいらっしゃらないんですけれども、以前この検討会で齊藤先生が逸失利益ということを言われたことがあったと思うんです。でも、日本の今の制度は逸失利益の話ではない。そういう制度ではない。要するにお見舞金とかそういう性格も含むものであるという整理でした。
だけれども、今日ご報告のあった外国の制度では、先ほどもリスクとベネフィットのバランスと言いましたが、個別のケースを検討した上で、それに合った補償をしているというので、コンセプトとしては全然違うのかなと。もし抗がん剤について制度化していくのであれば、こういう観点というのを、先ほどの頻度という話もありましたけれども、入れざるを得ないのかもしれないなと思いました。ですが、まだちょっとよくわかりません。
○藤村委員 時々出ていますけれども、損害額の算定という方法あるいは損害の考え方は国によって随分違っていて、日本の場合の賠償額の算定の仕方はかなり特殊で、例えば、逸失利益というものは生涯稼働年数を通じて計算して、それを現価計算して幾らということになる。慰謝料についても平等性の要請からなのか、死亡だったらみんな同じような慰謝料になるという発想は、むしろ特異なのではないでしょうか。だから先ほどちょっとおっしゃったように、損害賠償は現に有する法益のうち削り取られて穴を空けられた部分を埋め戻させるだけなんだということになると随分違ってくると思うんです。ですから、単純に給付額だけで比較してどうのこうのというのも、ちょっと危険かなという気はしております。
○遠藤委員 多分、国によってかなり考え方が違うということですね。
○藤村委員 先ほどおっしゃったように、物の考え方が根本的に全然違うところがあるんですね。
○遠藤委員 日本の場合は先ほど最初にいろいろ説明されましたけれども、給付額は制度が違っていても、かなり同じような形でつくられていることがわかりましたが、今回外国の制度はそういうのとは違うという感じですね。
 ほかにございませんでしょうか。
○渡邊安全使用推進室長 頻度について補足説明させていただきます。先ほどから副作用の頻度についてご発言いただき、北澤委員からも実医療の頻度という話がありました。この検討会の第2回の資料で副作用の頻度などのデータも出させていただいていますが、臨床試験では、母数、すなわち、全体で何人に投与されているのかが分かるので何%という数字が出てきます。北澤委員がおっしゃったように実医療で何%という数字を出すのは、難しいです。私どもは、安全対策上、副作用報告を企業からいただいていますけれども、実際それでは分母が何人の中で副作用が何例報告されているのかということは、現在、把握するのが難しい状況です。
コントロールされた臨床試験で何例出てきました、あるいは、調査において、これだけの分母の中で何例出てきたというような条件であれば頻度というのはわかります。頻度が分かる情報となると、今の日本で利用できるのは、臨床試験などの試験の中でのデータに限られます。先ほどから、個別に判断するといったご発言がありますが、医師の先生方が治療していく中で、自分の経験の中でこれは多く経験しているな、あるいはまれにしか経験していないなという形で、頻度の高い、低いを判断することにならざるを得ないのかなという感じがいたします。
○遠藤委員 ありがとうございます。檀委員、どうぞ。
○檀委員 今おっしゃったとおりだと思います。医師もそれぞれの副作用のパーセントは全く知りませんけれども、ただ、自分の領域の治療をやっている医師は使っている医薬品で、その副作用がしばしば見られる副作用なのか、極めて極めて珍しい副作用なのか、そのくらいはみんなわかっていますが、数字自体はわかっていませんので、数字で切ってというのはなかなか難しいかもしれないです。その辺も実際にその事例を判断するというときになったら、専門家たちが集まって見れば珍しい副作用かそうでないか、よく見られるものか、それはわかりますので、数字ではなくて、そういう感覚で切ることになるのではないかと思います。
○中田委員 先ほどから出現率あるいはデータの話がいろいろ出ているわけですが、先ほど申しましたように、今、厚生労働省の方でレセプトを集めた総合的なデータベースをつくられているようですし、そういったものとか、あるいは祖父江先生がやられているみたいなんですけれども、院内のがん登録とかデータが幾つか、少なくともこの検討会が始まったときよりは、半年ちょっとですが、短い間に随分様子も変わってきたような感じもいたしますので、その辺のどんなデータがあるか、所在といいますか、その中身と併せて次回でも御説明いただければと思います。
○遠藤委員 事務局でそういうものは用意できますか。
○牧野医薬品副作用被害対策室調整官 また検討させていただきたいと思います。
○宮田審査管理課長補佐 今の件で補足しますと、基本的に日本の場合には一番最初にある医薬品を除外するかどうかに関しては、治験の副作用の率とか、それで判断するわけですけれども、一旦、除外医薬品とならなかった、医薬品の救済制度の対象となったとなれば、基本的には添付文書に書いてある副作用の確率がどうあろうと、副作用のリストを見て、それに該当して、特に不適正でなければ基本的には一律救済していくような運用になっています。ですので、例えば今の日本の多数の救済事例が、この北欧等もそれに当てはめてみたときに、恐らくこれは相当数救済されなくなると考えます。ですので、基本的な前提としては現状あるいはそれこそ数年後とか、5年後とかでもなかなか難しいと思うんですけれども、なかなかそういった副作用の確率でどうこうというのは、どちらかと言うと日本ではやっていなくて、どちらかと言うと副作用救済制度の対象になるものについては、手厚く救済していくというのが日本の今までの運用です。
○山口委員 そうすると、財源の部分としては北欧については、薬の補償制度の部分については製薬企業とか治験実施者ということで、ある意味日本と同じようになっているかなと思うんですけれども、その保険料というか、日本で言えば拠出金というような、そのレベルといったものは日本に比べると低い感じになっているんですか。
○牧野医薬品副作用被害対策室調整官 これも資料が集まっているところとそうでないところがあるんですけれども、スウェーデンにつきましては資料の3ページ、給付財源のところに現在は売上高の0.2%ということで、保険料を徴取しているということでございます。日本も基本的に売上高に比例してという形で徴取しているんですけれども、薬剤によって少し違うので、参考資料2に計算方法が書いてありますが、済みません、すぐ比較はできないです。
○中田委員 0.2%というのは、日本よりは少し高いのではないですか。そうでもないですか。
○牧野医薬品副作用被害対策室調整官 少し高いかもしれません。
○山口委員 導入の経緯としては、北欧なんかについては医薬品メーカーなどはそれを望んでという経緯なのか。これも本当に無責任で何でも聞いているんですけれども、そういう経緯があったのかどうか、そういう情報はございますか。
○鳥井医薬品副作用被害対策室長 もともとは北欧の場合一番早いのがスウェーデンで、順次そのほかの国に広がってきたという経緯がございます。いずれも初期のころはサリドマイドによる被害に対応するに当たって、旧来の民事上の損害賠償制度では必ずしも迅速な対応という面で問題があるのではないかというところから始まっております。そのときにいろんな議論があって、基本的には保険制度で対応しようということになったのがスウェーデン、ノルウェー、フィンランドであります。デンマークは同じような議論があって、ただ、ここは立法のときの議論で税制制度になったということがございます。
 ちなみに、ほぼこれらの国では同時に、もしくは先行して医療一般のいわゆる無過失補償制度が導入されていたという経緯がございます。
○山口委員 何度も済みません。損害賠償請求権との関係で言うと、これは先ほどの諸外国の無過失補償制度の場合と少しずれていたりはしていないのですか。
○牧野医薬品副作用被害対策室調整官 若干ずれている部分もあるんですけれども。
○山口委員 何でそんなことをお聞きしたかと言うと、やはり損害賠償請求権とかをなくするということであれば、製薬会社にとってもメリットが出てくることになるのかなと思ったりしたものですので、そこら辺のところが、これも基本的には補償を得た時点で消滅とか、訴訟が不可というのは、法律で制限しているということですか。
○牧野医薬品副作用被害対策室調整官 資料5ですが、基本的に北欧については、要は担当している組織に聞いた結果で書いております。デンマークは法律に書いてありましたので、それを引用しております。フランスは資料4と違うんですけれども、医政局は制限されないということで、こちらの資料では給付を受諾した時点で消滅となっているんですが、これもフランスのONIAMというところに聞いたときに出てきた回答を基に書いておりまして、多分、医政局さんは別の資料を調べられたと思うんですけれども。
○鳥井医薬品副作用被害対策室長 また必要があれば確認しますけれども、少なくともスウェーデンとフィンランドについては法令上の制度でございませんで、フィンランドについては制限されないと資料にはありますけれども、スウェーデンと同じ、補償を得た時点で放棄している可能性がなきにしもあらずでございます。ただ、保険約款にそのことが明記されていなかったので、ここでは制限されないという書き方をしています。ここは調査が必ずしも十分ではございません。
 ノルウェーにつきましては、ノルウェーはEU加盟国ではなくて、EU加盟国であれば訴訟の権利を制限できないそうですので、ノルウェーは制限しているということではないかと思います。
 いずれにいたしましても、すべての国共通して訴訟は非常にコストが高いですし、そもそも給付額が民事法上のルールにのっとっているので、裁判が起こされることはほとんどないということでございました。
○長谷川委員 少し違う御質問ですが、医療安全推進室から無過失補償制度の説明をしていただきました。知識がないのでお聞きしますが、予防接種被害救済制度とか産科医療制度などありますが、概念的には無過失補償制度ができれば、全部包括して考えるということはできるものなのでしょうか。予防接種被害救済制度や産科医療制度は横に置いておいて、概念的には無過失補償制度ですべて包括できるのかどうかということはいかがでしょうか。
○鳥井医薬品副作用被害対策室長 一般論で申し上げますと、フランスとスウェーデンが医薬品とそれ以外の医療行為の共通の枠組みとなっておりますので、どちらもあり得るというのが答えだと思います。ただ、補償対象範囲をどうするかとか、財源とか、そういうものは共通になってくるということであれば、同じ方が素直ではあると思います。
○長谷川委員 というのは、先ほど少しお話しましたけれども、例えば検査による障害とか、手術による障害というのは、抗がん剤とは別なレベルであるわけですが、恐らくそういうものも、無過失補償制度ですべて包括するのかどうかということは、今後制度を考える上で考慮してもいいことかと思いましたので、質問させていただきました。
○鳥井医薬品副作用被害対策室長 おっしゃるとおりだと思います。基本的には別立ての制度になっているか、1つの制度になっているか、そこだけが違うという御理解でいいと思います。
○遠藤委員 予定の終了時間になりましたが、まだ御質問などございますでしょうか。
○藤村委員 感想なんですけれども、外国の制度調査をした場合に、それを日本の国である制度を立ち上げようとするときに、どういうふうにそれを参考にし、利用するのかという視点も重要ではないかという気がするんです。今日の説明を聞き、資料を見まして、北欧は北欧なりに社会保障制度の先進国として長い歴史を持って、フランスはフランスでそれなりの国の歴史の中で成り立っているんだろうと思うんです。つまり、それぞれがその国に似合ったバランスをとって、救済制度なり補償制度なりを設けていると思うんです。ですから、基本的には日本も、日本の国としてどういうふうにしたいのか、それがどう可能なのかという視点を持っていかなければいけないのではないかという感想を持ちました。
 では、具体的にどうするかというのは、これから考えることにしまして、要は前回までよりももっとより高い、難しい問題を背負い込んだなという気がします。考えさせていただきます。
○遠藤委員 藤村先生に非常によくまとめていただきましたが、ほかに特にございませんでしょうか。
○平賀医療安全推進室長補佐 医療安全推進室からですが、私の説明で1点訂正、2点補足説明をさせていただきたいと思います。
 1点訂正と言いましたところは、産科補償に関しましては掛金3万円から補償部分を賄うといったところ。それ以外の再発防止、原因究明に関しましては、医政局からの補助事業として補助を行っているところでございます。それが訂正でございます。
 補足ですが、分娩機関に損害賠償責任がある場合、例えば具体的に5,000万損害賠償を負った場合には、まず御家族、子どもに対しまして、例えば産科補償制度の中で3,000万円の支払いがあった場合には、残りの部分をこの医療機関からの2,000万で充当します。残りは、医療機能評価機構を通じた形で、3,000万の支払いを行った保険会社に返還されるという手続が踏まれます。
 最後にもう一点補足です。制度の加入状況に関してより具体的な数字です。分娩機関数は23年8月のところでは3,336機関ございました。加入している機関数は3,328、その割合でもって99.8%でございます。
 以上です。
○遠藤委員 よろしいでしょうか。
○長谷川委員 御質問してよろしいですか。この制度の1分娩当たり3万円という掛金で、制度自体の収支のバランスというのは現在どうなんでしょうか。
○平賀医療安全推進室長補佐 この対象自体が5年間の期間にわたっての補償対象期間となっております。厳密なところでの収支はまだ正確には出ていないところですが、短期的に見たところでは現時点では十分収支に見合っているといったところではないかと考えられます。
○遠藤委員 よろしいですか。それでは、この辺りでこの検討会を終了したいと思います。
 次回の日程について、事務局から説明をお願いします。
○牧野医薬品副作用被害対策室調整官 次回の日程につきましては、また調整させていただきまして、御連絡させていただきます。
○遠藤委員 それでは、本日の検討会を終了します。長時間にわたりお疲れ様でした。

(了)

<連絡先>
厚生労働省医薬食品局総務課
医薬品副作用被害対策室
TEL 03-5253-1111(内線2718)

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