ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 社会保障審議会(生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会) > 第1回社会保障審議会生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会議事録




2012年4月26日 第1回社会保障審議会生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会議事録

社会・援護局

○日時

平成24年4月26日


○場所

グランドアーク半蔵門 華の間


○出席者

委員

石操委員 岩田正美委員 岩村正彦委員 上田文雄委員 奥田知志委員
柏木克之委員 勝部麗子委員 櫛部武俊委員 小杉礼子委員 駒村康平委員
高杉敬久委員 武居敏委員 谷口仁史委員 野老真理子委員 長谷川正義委員
花井圭子委員 広田和子委員 藤田孝典委員 藤巻隆委員 宮本太郎委員
宮本みち子委員 山村睦委員

○議事

○古都総務課長
 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第1回「社会保障審議会生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会」を開催させていただきます。
 委員の皆様方におかれましては、大変御多忙の中、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 本日は、堀田委員、岡?委員の2名の委員が御都合により御欠席でございます。
 出席委員につきましては、22名になっておりまして、社会保障審議会令に定める定足数3分の1を満たしておりますので、本日、正式な開催の要件を満たしていることを御報告いたします。
 部会長を選出していただくまでの間、社会・援護局総務課長の古都が議事の進行を務めさせていただきたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日は西村厚生労働副大臣、津田厚生労働大臣政務官が御出席ですので、議事に入る前に、冒頭ごあいさつを申し上げます。

○西村厚生労働副大臣
 皆様、おはようございます。厚生労働副大臣、衆議院議員の西村智奈美でございます。
 本日は大変お忙しいところ、当特別部会のために時間を割いていただき、本当にありがとうございます。
 皆様も御存じのとおり、国会でも昨今いろいろ話題になっておりますけれども、生活困窮者の増加が言われておりまして、生活保護の受給者も200万人を超える状況が続いております。併せて孤立死など、社会的な孤立もいろいろ問題となっておりまして、こんな中で、今年2月に閣議決定されました社会保障と税の一体改革の大綱におきまして、生活困窮者対策と生活保護制度の見直しを一体的に本年秋を目途に行うということで記載をされております。
 総理が議長を務めております国家戦略会議というものがございますけれども、ここにおいて、今年5月までに生活支援戦略の骨格を提示し、6月までにその内容を報告することになっております。生活支援戦略は、国民一人ひとりが社会的な孤立や経済的な困難に陥ることがないように、社会的包摂という考え方を基にしてつくっていきたいと考えておりますけれども、皆様からは生活支援戦略の具体的な中身についていろいろと御議論いただきたいと思っております。
 総理指示に従いまして、生活支援戦略の骨格ですとか、枠組みの部分については、厚生労働省で検討させていただいておりますけれども、皆様がこれまで実践されてきた中での御経験や知見を是非当特別部会でいろいろ御議論いただければと思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

○津田厚生労働大臣政務官
 おはようございます。担当政務官の津田弥太郎でございます。
 生活保護制度につきましては、昨年7月に受給者数が過去最高を更新しました。以降、増加をする中で、本年1月の受給者数が約209万人という状況でございます。特に稼働能力を有する受給者を中心に、受給者数が増加しておるということが特徴でございます。就労、自立支援はより一層強化をしていかなければならないということが重要な観点でございます。
 また、保護費の適正な支給の確保も早急に取り組んでいかなければならないと考えております。
 いみじくも、本日、衆議院の本会議で、障害者総合支援法が可決される予定でございます。また、ホームレス自立支援法が満期を迎えようとしております。今日、委員で御参加の奥田委員を始め、ホームレス自立支援法の延長についても御努力をいただいているところでございます。
 私はこの1年、大阪のあいりん地区、横浜の寿町、つい最近は山谷地区も視察をさせていただき、NPOの皆様方が大変御活躍、御努力、御検討をいただいていることに、本当に感銘をいたしているところでございます。行政の果たす役割は大変重いものでございますけれども、行政がオールマイティではない。行政がある面では不得手な部分というのは、NPOの皆様が得意な部分があると思っておるわけでございます。行政とNPOの皆様のベストミックスをしっかり築いていくことが、今、我々に託された課題を解決していくために大変重要な課題ではないかと思っているところでございます。
 本部会では、学識経験者の皆様の知見に加え、現場での支援に携わってこられた方々の経験も踏まえて、こうした課題へ対応するための具体的な制度設計につきまして、活発な御議論、御検討をお願い申し上げたいと思っているところでございますので、よろしくお願い申し上げます。

○古都総務課長
 どうもありがとうございました。
 それでは、委員の方々の御紹介でございますが、大変恐縮ながら、お手元の資料1の委員名簿をもって御紹介とさせていただきます。お許しいただきたいと思います。
 なお、事務方からの出席者、オブザーバー参加につきましても、お手元の座席図のとおりとなっております。御参考にしていただければと思います。
 続きまして、お手元の資料を御確認いただきたいと思います。
 式次第の次に、資料1「委員名簿」。
 資料2「社会保障審議会関係法令・規則」。
 資料3−1「生活困窮者・孤立者の現状」。
 資料3−2「生活保護制度の状況等について」。
 資料3−3「生活困窮者対策と生活保護制度の見直しの方向性について」。
 資料4「生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会の今後の進め方(案)」。
 資料5「生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会について」。
 参考資料、その他席上配付の資料がございます。
 なお、一番下の封筒に入っておりますのは、委員のお一人であります谷口委員から、活動状況について、委員の皆さんにもお配りしたいということでございます。本日これについて議論するわけではございませんが、席上に置かせていただいております。
 以上でございますが、過不足等ございますでしょうか。ないようでございますので、よろしくお願いいたします。
 また、委員の皆様方の厚生労働大臣からの委嘱の辞令につきましては、お手元の封筒に入れさせていただいておりますので、後ほど御確認いただければと存じます。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 初めに本部会の部会長の選出についてでございます。
 先ほどの資料2をごらんください。資料2「社会保障審議会関係法令・規則」がございます。社会保障審議会令では、3ページの第6条の第3項で「部会に部会長を置き、当該部会に属する委員の互選により選任する」と規定されております。
 本部会には社会保障審議会の委員として、駒村委員、宮本太郎委員のお二方がいらっしゃいます。部会長はこの2人の委員の互選により選任する仕組みとなっております。あらかじめ両委員に御相談いただいたところ、宮本太郎委員に部会長をお願いすることになりました。互選により、宮本太郎委員が部会長に選任されたことを報告させていただきたいと思います。
 それでは、これからの議事運営につきましては、宮本部会長、よろしくお願いいたします。

(宮本太郎委員、部会長席に移動)

○宮本部会長
 部会長を仰せつかりました、北海道大学の宮本でございます。
 国の生活支援戦略、社会的包摂戦略と言ってもいいのかもしれませんけれども、これを議論していくという大変重大で、かつチャレンジングな課題を負った部会でございます。既存の確立した制度を扱う部会と違って、対象をそもそもどう設定するのか、何をどこまでやるのかということについても、委員の皆様のお知恵を拝借しなければいけないことになるかと思います。ただ、この部会に参集をいただいた委員の皆様の顔ぶれは、大変多才で、最前線からお見えになっている方も多く、この上なく強力でございます。これならば何か突破口が見出せるかもしれないと思っております。
 この部会の力を引き出すことを、まず自分の役割として努力したいと思います。何とぞよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、まず部会長代理を指名させていただきたいと思います。社会保障審議会令第6条第第5項に「部会長に事故があるときは、当該部会に属する委員又は臨時委員のうちから部会長があらかじめ指名する者が、その職務を代理する」と規定されております。私は北海道からの飛行機通勤でございますので、飛行機が落ちないまでも、飛ばなかったりすることもあるかもれません。そこで、部会長代理は岩村委員にお願いしたいと考えていますが、岩村委員、よろしいでしょうか。
 それでは、部会長代理の岩村委員には、お移りの上、一言ごあいさつをお願いします。

(岩村委員、部会長代理席に移動)

○岩村部会長代理
 ただいま部会長代理に御指名いただきました、岩村でございます。
 新しい生活困窮者の方を支える仕組みをつくるという大変重要な部会に、部会長代理ということで参画することになりまして、非常に責任の重さを感じております。皆様の助けをかりながら、もし部会長代理としてすることがある場合には、全力を尽くして務めさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○宮本部会長 それでは、カメラ撮影の方々はここまでということで、恐縮ですが、退室をお願いできますでしょうか。

(報道関係者退室)

○宮本部会長
 それでは、早速、議題に移りたいと思います。
 まず議題「(1)生活困窮者や孤立者の現状と改革の方向性について」。これは事務局から説明をお願いできますでしょうか。

○熊木生活困窮者自立支援室長
 それでは、説明をさせていただきます。生活困窮者自立支援室長の熊木と申します。よろしくお願いいたします。
 資料につきましては、資料3−1から資料3−3に沿って説明したいと思います。
 まずは資料3−1をごらんいただければと思います。資料3−1は「生活困窮者・孤立者の現状」という資料でございます。
 お開きいただければと思いますが、孤立という問題でございますけれども、最初は家庭、家族の細分化でございます。単身の世帯の方が増えている。2010年現在で3割を超える1,679万世帯でございますが、2030年には約4割に達するという見込みでございます。
 3ページでございますが、結婚の状況でございます。離婚については後ほど申し上げますけれども、ここは生涯未婚率の推移でございます。これも今後の単身世帯の増の一因になるものでございますけれども、生涯未婚率は徐々に上昇しておりまして、今後とも上昇する見込みです。2030年では男性で約3割、女性で約20%に達すると見込まれてございます。
 4ページでございますが、今度は社会的な孤立という状況、あるいは地域からの孤立という側面も含んでいるかと思いますが、ここは高齢者について見たものでございます。
 左側にグラフがございますが、毎日会話されている方というのが、全体では92.1%ある一方で、ひとり暮らしの世帯におきましては64.8%、約3分の2まで下がるということでございます。
 5ページでございますけれども、今度は国際比較をしたものでございます。家族以外の方との交流のない方が、日本では15.3%となっておりまして、OECD加盟国、データのありました20か国中で最も高い割合となってございます。
 6ページからは、学校の状況について3つほど見たいと思います。これは孤立という側面もございますし、あるいは生活困窮の面にもつながる問題と認識してございます。
 1つ目は、中途退学者ということで、高等学校での中途退学者、ここ5年は減少しておりますけれども、現在でも約5万5,000人の方がいらっしゃるということでございます。
 7ページは不登校の方で、先ほど5万5,000人と申し上げましたが、こちらは5万6,000人でございまして、前年度より約4,000人増加している状況でございます。
 8ページですが、大学進学の状況でございます。ここ20年間で大学進学率は上昇してございますが、青い線のグラフにございますように、卒業時に就職も進学もされていない方が20年間で約8万人増加しているという状況でございます。
 9ページ、次第に生活困窮に関連する状況を見ていきたいと思いますが、まず雇用の状況です。雇用が不安定化していると言われておりますけれども、正規雇用者数というのは近年減少傾向にある。どうしても賃金水準が低くなります非正規の職員の方、従業員の方の割合は、被災の3県を除くと35.2%に達しているという状況でございます。
 10ページは、性別・年齢別に見たものでございますが、省略させていただきます。
 11ページ、フリーター・ニートという存在が社会問題化していると言われて久しくありますが、フリーターの数につきましては、平成15年をピークに減少してきたものの、平成21年からは増加に転じ、直近では176万人に達してございます。
 ニートの数につきましては、60万人台で推移してございます。
 ニートの定義ですけれども、ここでは15歳から34歳で、非労働力人口のうち、家事も通学もされていない方でございます。
 こういう方は一体どういう状況にあるのかというのが、12ページでございます。ニートの状態にある若者のこれまでの生活経験を見たものですが、学校でいじめられたとか、職場でトラブルがあったとか、雇用の問題のみならず、対人関係あるいは精神的な問題を抱える層が少なくない。傷ついて不安を抱え、意欲が出てこないという状況がございます。こういう方への支援というのは、一体どういうものがあり得るのかということが課題となっていると考えています。
 14ページをお願いいたします。1ページ飛ばします。駆け足で恐縮ですが、次は生活困窮の1つの大きなリスクとなります、母子家庭の現状を見たものでございます。
 下にグラフがございますが、離婚件数は増加傾向でずっときましたけれども、ここのところはやや減少傾向でございます。しかしながら、低年齢での離婚が増えてございまして、約3割は、今、20歳代で母子家庭になっております。
 15ページに就労の状況を載せておりますけれども、上のところで、母子家庭の約85%は就労ということで、他の先進諸国から見ますと、この割合は非常に高いということでございます。
 しかしながら、真ん中にありますように、収入の状況で見ますと、母子家庭の平均年収は213万円ということで、全世帯の平均年収564万円と比べて、かなり低い水準でございます。
 なお、生活保護を受給されている方は、母子家庭の約1割でございます。
 16ページ、近年、多重債務という問題がクローズアップされておりますので、状況を見たものでございます。
 表の下のところが、5件以上の借り入れのある方の人数でございます。24年3月末で44万人こういう方がいらっしゃいます。22年に改正貸金業法が完全施行されておりまして、総量規制、いわゆる年収の3分の1以上は借りられないことになりました。こうしたことの中で、減少はしておりますけれども、だからといって、貧困問題が改善したとは言い難いということでありまして、むしろ、そういう中で、個人向けのセーフティネットの貸し付けの在り方はどうあるべきかということを考えていく必要があると思います。
 次は先日公表されたばかりの数字を報告申し上げますが、17ページ、平成24年の直近の調査で、ホームレスの方は9,576名でございました。近年、一定の施策の効果もあると思いますけれども、減少傾向にはございます。
 ただし、一方で、下の方にありますとおり、ホームレスの高齢化あるいは長期化が伺える状況でございます。やはり住まいの確保が自立の土台、第一歩と考えてございます。
 18ページは、孤立と生活困窮の両方に関係すると思いますけれども、自殺という問題です。我が国では年間3万人という高水準でずっと推移してございますが、この資料は自殺に至るプロセスを調査したものでございます。
 背景は非常に多岐、複雑にわたるということで、平均しますと、4つの要因が複合的に連鎖しているということでございました。
 19ページは飛ばします。
 20ページでございますけれども、この資料は、幾つかの問題が順々に発生していくという連鎖、プロセスの様子を示したものでございます。
 21ページ、こういう中で、自殺者が減少したというのが秋田県でございます。
 それでは一体どういうことをしたのかというのが、駆け足で恐縮ですが、22ページでございまして、市町村で対策の強化を行った、あるいは強力な啓発活動を行ったということでございます。この中身を見ますと、やはり地域、皆で一丸となって取り組んだという状況が一定程度伺えると考えております。
 次は、自殺にも関係し、これですべて解決できるものではございませんけれども、相談対応というのは大変重要だということで、23ページ、24ページに資料を載せております。
 23ページ、社会的包摂ワンストップ相談支援事業というものが、3月11日から本格的に実施されております。24時間365日つながる電話相談でございます。
 この相談者の年齢構成を見ますと、40代の方、30代、50代、20代といった順で多くなっている状況でございます。
 24ページ、自治体の取組みでございますけれども、これは千葉県の単独事業でございます。子ども、障害者、高齢者、だれもが利用できる福祉の総合相談を行ってございます。
 この中で統計をとりましたところ、相談ニーズが複数ある方が半数以上いらっしゃいます。それから、3つ以上のニーズを抱えていらっしゃる方が3割いらっしゃる。
 23ページのワンストップ相談もそうでございましたけれども、このように課題を複数抱えた方については、これまで縦割りの対応の中で、どうしてもこぼれ落ちてしまうという状況がございました。千葉県では、これに対して、総合相談で対応しているということでございます。
 資料3−1につきましては、以上でございます。

○古川保護課長
 続きまして、資料3−2でございます。「生活保護制度の状況等について」という資料につきましては、保護課長の古川から説明させていただきます。
 1ページですが、生活保護制度の目的は、最低生活の保障と自立の助長が大きな目的と書かれております。
 したがいまして、その下にありますけれども、最低生活の保障となれば、資産、能力等あらゆるものを活用することが保護の前提になりますし、下の?にありますけれども、最低生活費と、年金、児童扶養手当、就労なりで得た収入との差分を生活保護費として支給させていただくことになるという仕組みでございます。
 また、一番下に自立の助長と書いておりますけれども、さまざまな形で、現場でお取組みをいただいている状況でございます。
 2ページでございますが「○ 生活保護基準の内容」という資料でございます。
 生活保護基準につきましては、要保護者の年齢、性別、世帯構成、所在地域別などさまざまな状況に応じまして、配慮をした形で、最低限度の生活の需要を満たすに十分なものであって、かつ、これを超えないものという形で算定をした上で、支給をさせていただいております。
 内容といたしましては、下の表の真ん中にございますけれども、生活を支える生活扶助、住宅扶助、あとは教育、医療、介護など必要な扶助が定められているところでございます。
 3ページをごらんいただきたいと思いますが「○ 生活扶助額の例」ということで、世帯の状況または地域の状況によりまして、それぞれ金額が細かく決められているところでございます。
 4ページをごらんいただきたいと思います。先ほど政務官のお話にもございましたが、右上の平成24年1月(速報値)というところでございますけれども、209万人を超えている状況になっております。
 この数値は一番左の昭和26年度、現行制度がスタートして、戦後混乱が落ち着かない状況の中での人数を上回っているところでございまして、こうしたことから、生活保護制度の在り方というものは、このままで大丈夫なんだろうかという自治体の担当の方からもお声を聞くわけでございます。
 特に右側の方をごらんいただきますと、世界金融危機という辺りから傾きがぎゅっと上の方に伸びておりまして、こうした状況について、どう対応するかということでございます。
 5ページをごらんいただきたいと思いますけれども、昨今の状況を10年前と比較しております。10年前と下が現在(平成22年度)の数字でございます。右側に箱で囲っておりますけが、いわゆる稼働年齢層と考えられるその他世帯というものがございます。そうした方々が10年前は5万5,000人、全体に占める7.4%でございましたけれども、22年度の数字でございますと、22万世帯、全体としても16%ということで、大変高い比率になってきているのが大きな特徴だろうと思います。
 あと、左側の方をごらんいただきますと、それぞれ人数は勿論増えておりますけれども、例えば高齢者世帯を申し上げますと、34万世帯から60万世帯ということで、後ほど申し上げますが、就労などで直ちには経済的自立が難しい方もおられるということも、また1つ論点かと思っております。
 6ページでございます。「保護開始・廃止人員と失業率の推移」でございます。
 赤が保護開始人員、緑が保護廃止人員でございます。この差が増ということでございます。リーマン・ショック以降、その差が非常に広がっておりましたが昨今はある程度幅が狭まりつつあります。24年1月データですと、約5,000人弱になりますけれども、それでも毎月確実に生保を受給される方が増えているという状況にございます。
 これに併せまして、青の点線は完全失業率でございます。一般的に想像がつくところではございますけれども、社会経済情勢が厳しく、失業率が高いという状況にありましては、正の相関といいますか、保護を受ける方も増えているということでございます。
 7ページでございます。「年齢階層別被保護人員の年次推移」でございます。
 年齢別の被保護人員としては、60歳以上の高齢者の伸びが大きいと書かせていただいております。先ほど申し上げましたけれども、御高齢で生保を受給されている方が、絶対数として非常に多いということでございます。
 一番右をごらんいただきましても、比率として、70歳以上の方が29.3%、60代の方が22.6%ということで、2つの世代を合わせまして、50%を超えている状況にございます。
 8ページをごらんいただきたいと思います。「年齢階層別における人口構造と被保護人員の変化の比較」ということで、平成元年の水準を100とした場合の推移でございます。ここで丸をつけた世代が20代、60代、70代とございます。
 20代をごらんいただきますと、右のところで、ぴんとはねているわけでございます。やはり経済情勢などが厳しくて、なかなか就労に至らない、若者が厳しい状況にあるということが、こういったところから見てとれると思います。
 右下の70歳以上でございますけれども、高齢化に伴いまして、生保を受ける高齢者の方も増えている状況にあるところでございますし、高齢者世帯の9割は単身ということもあり、なかなか1人で対応し切れない結果として、生保に至るケースもあろうと思います。
 また、60代ですけれども、いろんな要素があろうと思います。中高年の方が頑張ってきたけれども、職を失ってしまった。そうした方が、こうした年代に至って新たに職を得て、自立していくというのはなかなか厳しい。そうした中で、結果として、生保に至っている方もおられるのではないかと見ているところでございます。
 9ページでございます。「都道府県・指定都市・中核市別保護率」でございます。保護率につきましては、地域差がございます。さまざまな事情があろうかと思いますけれども、都市部と、職がない厳しい経済情勢の地域が見てとれるのではないかと思っております。
 左上ですけれども、都道府県別に見てみますと、大阪府、北海道、高知県、福岡県という状況で、それぞれの地域でいろんなお取組みをされておりますけれども、このような格差があるということでございます。
 10ページでございます。生活保護費は全体として増加をしておりますけれども、その中で占めるものといたしまして、棒グラフをごらんいただきたいと思います。22年度のところですけれども、全体として47%、約半分が医療扶助になっているところでございます。そうした中で、今後、医療扶助の在り方も是非御議論いただければと思っているわけでございます。
 11ページ以降は、就労支援の取組みでありますとか、適正化の取組みですとか、既にいろいろ取り組んでいるわけでございますけれども、まだ結果を十分に得るには至っていないということでございます。引き続きやっていかなければいけないというところでございますので、参考として添付をさせていただいております。
 少し飛ばさせていただきまして、17ページでございます。「生活保護制度に関する国と地方の協議中間とりまとめにおける基本的な考え方」です。これは実際に生活保護に直接携わっておられます地方自治体の方に、いろんな現場の御意見をいただいている中で、去年12月に1つの考え方として、まとめさせていただいているものでございます。
 「基本的な考え方」というのは、アンダーラインを引いてありますけれども、支援が必要な方に適切に保護を実施していくという基本的な考え方は変わらないが、やはり就労による自立を促進すること、できる限り生活保護に至らないための仕組みや脱却につながる仕組みを拡充することが大事であるということ。
 また、就労による経済的自立が容易でない御高齢者等につきましても、個人の尊厳という観点から、より主体的に社会とのつながりを持っていただくことが必要ということ。
 3つ目の○ですけれども、電子レセプトを活用するなど、適正化の取組みをきちっとやっていくべきだという指摘を受けているわけでございます。
 1つの参考として、御紹介させていただきます。
 1ページ飛ばさせていただいて、最後19ページですけれども、冒頭で御紹介申し上げました、現在の生活保護の基準、水準というものは、どのようなものなのか、適切なのかということにつきましては、本日、御参加をいただいております、駒村先生、岩田先生に御参加いただきまして、現在、社会保障審議会の生活保護基準部会という場におきまして、専門的な見地から御議論いただいているところでございます。これにつきましても、年内にとりまとめをいただくということで、お願いしているところでございます。

○熊木生活困窮者自立支援室長
 続きまして、資料3−3、2枚紙がございます。これに沿って御説明させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 この資料は、去る4月9日、小宮山厚生労働大臣から国家戦略会議に御報告させていただいた資料の抜粋でございます。現時点での到達点、議論の土台と考えていただければと思います。
 右側にございますように、先ほど厚生労働副大臣から御説明がございましたが、生活支援戦略(仮称)を本年秋目途に策定をしていくということでございます。そのために法制化も含む措置を考えていくということでございます。
 一体何をするのかということでございますが、ポイントとなりますのは、新しいセーフティネットの構築と併せまして、生活保護の見直しを一体的に行っていこうということでございます。
 新しいセーフティネットの構築でございますけれども、先ほど私が説明申し上げましたとおり、今までは家庭ですとか、地域ですとか、会社に守られてきたという側面がございましたが、今や貧困あるいは地域からの孤立という問題に関するリスクがさまざまあって、1人では対処できない状況に襲われていると思っております。少しのきっかけで生活保護に至ってしまう。そこで、生活保護の手前に新しいセーフティネットを構築しようということでございます。そのポイントとなるのが、大きな方向性として、左側の?〜?に書いてございます。
 入り口となりますのは?と?、すなわち早期に生活困窮者・孤立者の方を把握すること。そして、複合的な問題を抱えていらっしゃいますので、横断的な総合相談体制を強化するということでございます。加えて、伴走型と書いてございますが、複合的な問題を抱え、特に不安感も強い方に対して、1人の担当の方が課題全体を受け止めて、寄り添って支援をしよう。その中で、御本人の自立に向けた意欲、努力を支援していこう、喚起していこうということでございます。
 具体的に支援することは?〜?です。?にございますように、居住の場の確保が第一にあり、?にありますとおり、債務、家計の再建を御支援する。単に貸し付けということでは対症療法でございますので、根本的な問題解決という意味で、家計の指導、これからはこういうこともきちっとやるべきではないかという問題提起でございます。そして、?にございますように、多様な就労の機会を確保する。その際には、当然訓練的な要素も必要になるのではないかと考えます。
 これらのことは、?にありますように、「新しい公共」ということがいわれてございます。政務官からも民間法人に対する御期待がございましたけれども、これまでの公的機関による支援だけではなくて、NPOや社会福祉法人といった民間機関との協働でこれらの事業を進めていくべきではないかということでございます。
 最後に?です。この問題はやはり厚生労働省だけで対応できるものではない。貧困の連鎖の防止ということで、中学・高校の生徒さんに対する支援の強化をきちっと図っていくことが重要だろうということでございます。
 新しいセーフティネットの構築に併せまして、2枚目にあります生活保護の見直しに取り組むということでございます。
 左側は当面の対応で、今、保護課長からも一部御説明がございました。やはり医療扶助というものが生活保護の半分を占めてございますので、これへの対応として、例えば電子レセプトを活用した重点的な点検、あるいはセカンド・オピニオン制度の推進、後発医薬品の使用促進といった適正化を図っていくほか、就労・自立支援を強化していくというのが、当面の対応です。
 制度的な対応として、右側でございますけれども、方向性として4つございます。
 1つ目は、生活保護基準の検証・見直し。これについては、一般低所得世帯の消費実態との比較検証によって、客観的に進めていくということでございます。
 2つ目として、指導をきちんと強化していく。
 3つ目として、脱却インセンティブの強化と書きましたけれども、例えば就労収入積立制度といったものの導入は考えられないか。これはどういうものかといえば、生活保護を受けながらも就労されている方に対して、その収入の一部を積み立てて、生活保護を廃止するときに一括してお渡しするという制度が導入できないかということでございます。
 4点目として、ハローワークと一体となりまして、就労支援の強化をきちんと図っていくことが重要だろうと思います。
 以上が、現時点で私どもで考えてございます、大まかな改革の方向性でございます。
 以上です。

○宮本部会長
 御説明ありがとうございました。
 大変重い現実と同時に、改革の方向性についての大まかな考え方が示されたわけでございます。こうした現実にどう取り組むか、方向性についてどう考えるか、次回以降きちっと時間をとって、十分に議論をしていただきたいと思っております。
 本日は、生活困窮者・孤立者の現状あるいは生活保護制度の現状に関わる課題、この辺りを中心に部会に御参加いただく問題意識など、自己紹介を兼ねて、簡単に3分程度でお話いただけるでしょうか。次回以降はなるべく自由な議論のスタイルを大事にしたいと思います。今日はちょっと形式的になりますけれども、順番で、駒村委員から時計回りで、繰り返しになりますが、3分程度ということで、お話をいただきたいと思います。
 駒村委員、よろしいでしょうか。

○駒村委員
 慶應義塾大学の駒村でございます。
 社会保障、所得保障を経済学のアプローチで研究しております。
 今まで政務官及び事務局からも御紹介がありましたように、生活保護受給者が非常に増えておりまして、それは高齢者のみならず、若い世代にも広がっている。この背景には、低調な経済状況あるいは家族を含めた社会構造の変化、雇用システムの変化、こういう大きな社会経済システムの変化があるかと思います。更に生活保護受給まではつながっていないと思いますけれども、多くの生活困窮者も出ているのではないかと思います。
 やるべき政策というのは、ある種、明確な方向性がわかっているわけでありまして、若い世代、働ける可能性のある世代に対してはその機会と能力の保障、子どもあるいは子育て世帯に対しては教育や良好な育成環境の保障、住宅不安定な方、失った方に関しては住宅保障、これを既存の関連施策と連携しながら進めていかなければいけない。求職者支援制度や保育制度、教育、公的住宅政策、これらとも連携しなければいけないかと思います。ただ、従来の既存の政策だと縦割りの部分があるかと思います。そういう意味では、方向は明確にわかっているものの、まだ足りない部分があると思います。
 そこで、今後、充実していかなければいけない、体系化していかなければいけないのは、さまざまな地域、NPOで行われている有効なプログラムの開発・普及があるかと思います。2つ目としては、当然それを支える人材の確保・育成があるかと思います。これらの施策というのは、すぐに効果が出るものとは思えないわけで、しつこく、継続的にやらなければいけないところがあるかと思います。時限的、短期間なものではいけないと思います。そういう意味では、体制、法的な整備、安定した財源を確保していただくことが必要ではないかと思います。
 こういう視点から、この議論に参加していきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○宮本部会長
 ありがとうございました。
 宮本みち子委員、お願いできますでしょうか。

○宮本みち子委員
 宮本でございます。
 10年間くらい若年層の問題をやってまいりまして、今日のテーマに関わって、特に日ごろから意識しておりますのは、労働市場に出て行っても、完全な労働者として自立することが困難な若者層が相当いるということでございまして、この問題に関しては、学校教育段階の支援と、社会に出てからの労働市場に入っていくための支援の両方を一貫して継続することが必要だと思われます。
 先ほど中退のグラフ、あるいは不登校生徒のグラフが出ておりまして、高校中退者に関しては、数からすると減っているように見えますけれども、中退の人たちの実態に関しましては、この間、内閣府を中心にして詳細な調査も行われましたが、高度化する社会の中では、この方たちの先行きに関しては、非常に大きな問題が凝縮しているという感じがいたします。
 また、高校中退でなく、専門学校、大学レベルの中退問題も年々大きな問題だと認識されるようになってきていると思いますけれども、高校段階は、不登校のままでも、ある意味では大学まで進学できる、専門学校まで進学できるという状況がありますが、本質的な問題を解決せず、引きずったまま行って、途中で経済的に困難を来す、あるいはその他社会関係、心身の何らかの疾患等で困難を来すことがかなり広がっているように思います。
 若者に関しましては、基本的には親が主要なサポーターであることが前提になって制度が組まれてまいりましたので、親に支援を期待できない若者に関しては、現在の制度では救済が非常に難しいということがございます。
 先ほども生活保護の受給者で30代が非常に伸びているというのは、20代までは何とかなる。30代辺りで、いよいよ親を頼ることができなくなる、ちょうどその年齢にありまして、そういう意味で、10代、20代、30代の辺りのところに、何が起こっているのかということは、大変重要なテーマではないかと思っております。
 以上でございます。

○宮本部会長
 ありがとうございました。
 石委員、お願いできますでしょうか。

○石委員
 鳥取県日吉村の石であります。
 私のところは、福祉事務所という業務を県から引き受けて3年目であります。そういう意味では、まだ蓄積が足りませんので、ここの席におらせていただいて、十分な役割が果たせるのかという懸念をしております。
 村の人口は3,400人で、平成8年から20%増えています。20%増えた地域というのは、恐らく想像ができると思いますけれども、地域の中ではさまざまな混乱した状況が出ております。
 福祉事務所を受けた理由でありますけれども、子どもたちの虐待防止ネットワークの中で議論をしたり、更に徴税チームを自分のところでやるわけでありますが、我が村は小さいですので、隣の家に職員が徴税に行くという、非常に厳しいものもあるわけでありますけれども、そこを突き詰めていきますと、どうしても生活困窮者のところに突き当たります。それを県に引き継いでおりましたけれども、そんなことをやるなら、自分のところでやった方がいいということで、2年前に引き受けたところであります。
 やってみますと、具体的な事例を申し上げますと、先ほど宮本委員からありましたように、親が子を支えないという意味では、3km離れた隣の市の親から独立して、我が村で単身生活をされるということであります。現実の問題として、3km先の親が支え切れないという状況が出ておりますし、一方では、偽装の離婚がございます。離婚をして、奥さんと子どもは隣の市に住む。でも、実態としては、我が村に住んでいます。ただ、エリアが小さいですので、すぐにわかります。そんな偽装離婚をしても、3か月ももたないということでありまして、そこは小さいところのよさだと思っています。
 件数としては、世帯が11件ほどですので、1人のケースワーカーでやっていますし、ある程度、民生委員さんとの活動も通じながら、細目にできております。
 課題ですが、やはり就労支援ということになりますと、ハローワークが隣の市にありますので、県との委託関係でやっていただいておりますけれども、そこの部分では十分な情報が取り切れないし、生活保護受給者に対しては、情報提供なり支える体制も不十分だと思っていますので、その辺は小さいところでやっておる課題だと思います。
 次回以降、もう少し具体的にお話をさせていただけたらと思います。
 以上であります。

○宮本部会長
 どうもありがとうございました。
 次に上田委員からお願いいたします。

○上田委員
 札幌市長の上田文雄といいます。よろしくお願いいたします。
 政令市市長会の副会長をやっておりまして、生活支援、都市問題に関する部会をつくっておりまして、そこの部会長も務めさせていただいております。
 政令市というのは、今、70万人以上の大都市、全国20市が指定都市になっておりますけれども、大都市であるがゆえに、経済的な成長戦略という意味合いで注目をされ、景気がよさそうに見えますが、社会のさまざまな矛盾といったものが、集中的に表われるという宿命的な課題を背負っているところでもあります。
 そんな意味におきまして、先ほどもデータの記載がございましたけれども、全国の都市の中で、生保の受給率というものは、大阪市が57‰、5.7%ということで、全国第1位でございました。札幌市がそれに続く37‰、3.7%ということでございます。札幌市は192万人の人口でありますので、7万人以上の方々が生活保護を受けておられるという計算になります。3番目が京都市でございます。4番目が神戸市であります。いずれも大都市に受給者が非常に多いということで、生活保護の担当者、ケースワーカー等の仕事が極めて厳しい状況にある。特にリーマン・ショック、世界金融恐慌が起こった後の急激な伸びに行政がついていけないという状況も見ることができます。通常1人のケースワーカーにつき受給者80世帯のお世話をさせていただくということでありますが、100世帯を超えるということは、ざらにございます。そういう中で、これからの生活保護の在り方といったものをしっかり考えていかなければならないと考えているところでございます。
 指定都市市長会からも、昨年来、政府に対して、生活保護制度の改革における指定都市の緊急要請といったものを何度か出しておりますけれども、そこでの問題意識は、今までも皆さんおっしゃっておりましたように、稼働可能層の自立支援といったことが、しっかり行われるということが一番大事なことであると考えております。お年寄りあるいは障害を持った方々、稼働ができない方に対する生活保護は勿論しっかりやらなければなりませんけれども、生活保護を受給するに至ってしまった方、働けるのに、それができないということが長く続きますと、本当にスポイルをされまして、自立することがなかなか困難になってくる。早ければ早いほど対策は必要だと考えております。
 今、我々のケースワーカー、職員がすべてを負うということは、到底不可能なことであります。やはり民間のNPO等にしっかりと担っていただける、そういう法的な基盤をつくっていくということ、また、NPOといいますと、安手に使うことができるみたいな誤った感覚を持つのではなく、民間の社会的事業を行おうという意欲のある方々に、しっかりとした財政的な基盤を提供して、行政と一緒にやりましょうという体制をつくっていくことが極めて重要な時期にきていると思いますし、今、余り時間を置かずに展開していかなければ、世代の断絶ができ、大変な社会不安といったものが起こるということを、大都市としても恐れているということでございます。
 そんな観点からお話をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。ありがとうございました。

○宮本部会長
 ありがとうございました。
 高杉委員、お願いできますでしょうか。

○高杉委員
 日本医師会の高杉です。
 資料を一昨晩見させてもらって、医師会として何ができるのか、何が提案できるのかと思いながら見させていただきました。
 日本は大変な高齢化で、これに対する手は次々と打たれて、介護保険もあり、いろいろな武器がそろってきました。これも爆発的に増えるので、勿論大変ですが、それに反して若者たちがこんなに大変だというのは、実際の数字を見てびっくりしました。この前の西陣の自動車事故、あるいはバスジャックの事件、無免許で走り回った若者達、この背景に何があるのかというと、多分これが今の顕在化した色々な出来事の問題の中の1つなんだろうと思います。一番大切な人と人とのつながりは、NPOを起点にして動かさなければいけないんですけれども、医師会は医療の部分でどのような応援ができるか、これは皆さんの議論の中で考えていきたいと思います。
 ただ、いろんな言葉の中に、見直しとか、適正化という言葉があるんですけれども、これが切り捨てとか打ち切りにならないような温かい制度にしていきたいし、もう一つ、今、大きな障害になっているのは、個人情報保護法というものです。いろんなことで、救援が遅れる、あるいはその実態がつかめない、SOSをキャッチできない、その辺は何かもっといい方法がないのかと思っています。
 いろいろと勉強させてください。ありがとうございます。

○宮本部会長
 ありがとうございました。
 武居委員、お願いできますでしょうか。

○武居委員
 武居と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 そこには全国社会福祉施設経営者協議会という長ったらしい名前が書いてございますけれども、社会福祉施設や福祉サービスを経営している社会福祉法人の経営者の集まりでございます。
 私自身は特別養護老人ホーム等を中心にした高齢者福祉をしている法人と、保育園等を経営している法人の理事長です。
 2年前までは、戦前に疾病と救貧活動を中心にした事業から出発した法人に務めていました。
 社会福祉法人は、制度の中の事業しか行っていないのではないかということを最近言われていますが、必ずしもそうではありません。制度上の問題、制度にない問題、地域における様々な問題に具体的な取組みをしている現状もあるのです。
 しかしながら、対象がはっきりと定められた制度の枠内におかれた現場から見ますと、生活困窮者の問題というのは、制度がどうなっていくのかということと、その制度がどのような形で現場の福祉サービスにつながっていくのかというところに、私自身としては非常に関心がありますし、具体的なサービスを社会福祉法人としてどのようにすべきかという問題意識を持って、この部会に参加させていただいています。どうぞよろしくお願いいたします。

○宮本部会長
 ありがとうございました。
 長谷川委員、お願いできますでしょうか。

○長谷川委員
 民生委員の立場で出席をさせていただいております、横浜市から参りました長谷川と申します。どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。
 横浜の生活保護世帯は、今、約5万世帯ほどありますが、そのうち単身者が約3万9,000ぐらいと承知しております。
 こうした中で、最近、我々民生委員を取り巻くいろんな情勢がありますけれども、孤立死、孤独死、こういった報道が相次いでいるわけでございますが、これは民生委員の立場からいいましても、非常に残念であります。しかし、こうした方々の情報はなかなか得にくくなっているということが実情であるわけでございまして、同時に個人情報についてお話もありましたけれども、地域社会の変化という面も大きいと思うんですが、とりわけ行政から民生委員への円滑な情報の提供というものが非常に重要ではないかと、率直にそのような思いがするところであります。
 今、生活困難家庭などが抱えております課題は、さまざまですけれども、支援するに当たりましても、広範かつ専門的な知識が必要となっているわけであります。こうした必要な支援をつなげていくためにも、地域のさまざまな関係者の方がお互いに連携をし合って、これまで以上に取り組んでいく必要があるだろうと思っております。
 特に、今日、就労可能な年齢層の生活保護受給者が非常に多くなってきている。先ほどの説明にもあったわけでありますけれども、こうしたことが受け止められてはおりますが、これには、何といっても、国の施策として就労支援をきちっとやってもらうということが、まず第一だろうと思います。就労を通して、やりがいとか、生きがいとか、あるいは自立心への道しるべといいますか、そうした喚起を促す必要があるのではないか、そのような思いがいたしました。
 これからいろいろと皆さん方の御意見等も拝聴しながら、私自身も勉強させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。

○宮本部会長
 ありがとうございました。
 花井委員、お願いできますか。

○花井委員
 労働組合の連合で総合政策局長を務めております、花井と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 私どもは労働組合ですので、ずっと非正規が増えてきていることに対しまして、良質な雇用、安定した雇用ということを政策的に求めてきております。同時に引退した方たちが中心になって、地域で就労支援ということもやってきました。
 しかし、リーマン・ショックのときに出てきた現象は、それだけでは済まないと私自身は思ったわけです。日比谷の派遣村で労働相談をしたときに、親がいなく1人です、あるいはおばあさんしかいないと言われました。そういう30代の若い人たちが職と住まいを失って、路上に出てきたということに大変ショックを受けました。求職者支援制度ができたことは、大きな前進だと思っておりますが、それだけでは救い切れない、そういう意味で、生活をどう支援していくのか、居場所をどうつくっていくのかということが、非常に重要ではないかと思っております。
 もう一つは、学校教育と労働の働く場をうまく接続できないことです。労働組合としても、学校に出前講座ですとか、いろんな形で連携をとろうとしておりますが、教育の中で、社会保障あるいは税、労働、さまざまな生活の場面で困ったときに、どこに行けばいいのかということを教えてあげるような、生き抜く力を養うような教育ができないだろうかと、今、連合として、何ができるのか検討しているところです。
 もう一つ、ここに示されているさまざまなことを実行していくためには、相当な人が必要だろうと思います。これを全部公務員で増やすことは不可能ですので、さまざまな方たちが集まって、力を出し合うような仕組みも必要なのではないかと思います。そういう意味で、引退された元気な高齢者は、いろんな知識とか能力、技術を持っておりますので、そういう力を引き出すような仕組みがつくられないかと思っております。
 ただ、私どもは労働組合ですので、この会に参加されているNPOの皆様のさまざまな実践を聞かせていただきながら、私たちに何ができるかということを考えていきたいと思います。そういう意味で、積極的に参加していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○宮本部会長
 ありがとうございました。
 藤巻委員、お願いいたします。

○藤巻委員
 渡辺パイプ株式会社の藤巻でございます。
 当社は、水と住まい、農業に関するビジネスを展開しており、北海道から沖縄まで全国300ぐらいのネットワーク、社員数約3,000名弱のいわゆる中堅企業でございます。
 資料にも出ておりましたが、学校を出たけれども、就職もしない、進学もしない。あるいは就職したいけれども、就職できないという方が増えておられます。
 先ほど日本医師会の高杉委員からも話がございましたけれども、私も高齢者については非常にいろんな制度が充実している反面、新卒者に採用等の現場でお会いして、話を伺っていると、今の若い人というのは、私が若いときに比べると、厳しい状況にあるという感じが正直いたします。
 私どもは、積極的に採用活動をしているものの、知名度もあまり高くないため、思うように学生も集まらない中で、若い人の就労機会の創出に少しでも貢献できたらと考え、昨年来、ジョブ・カード制度等を積極的に活用しております。
 いずれにしても、若い人の就労機会を増やすにはどうしたらいいのかという観点から、中堅・中小企業の現場を代表して、この場で意見を述べたり、また皆さん方の意見を拝聴しながら、勉強させていただきたいと思っております。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。

○宮本部会長
 ありがとうございました。
 山村委員、お願いできますか。

○山村委員
 日本社会福祉士会の会長を務めております、山村と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 社会福祉士といいますのは、現在時点で有資格者が全国16万人強いまして、会に加入している会員は3万6,000人という数字になっております。
 多くの社会福祉士という専門職は、恐らく今回の特別部会のこのテーマは、専門職として担うべき大変重要なテーマと思っていると思います。同時に多くの社会福祉士がさまざまな機関や施設で、実際に生活困難あるいは生活困窮にある状態の方々と対面して、どういう支援をするべきか判断をしながら、自立支援という流れをつくるべく努力をして、担っているところでありますけれども、実際に自立支援というのが大変難しいということも、さまざまな報告で聞いております。そのためには、更に高い実践力とスキルが必要なんだろうということで、会員の中でも、日々仕事をしながら、研鑽していくということを並列的に行っていきながら、より多くの人を自立に導いていくことにつなげたいと考えております。その意味で、社会福祉士という専門職をどのように活用していただけるかというところで、多くの実践例を御紹介できると思っています。
 いずれにしても、生活困窮者を始め、生活支援、自立支援というのは、人が人に対して直接対面しながら当たっていく仕事ですから、まさに人材確保というところが、本当に重要であると認識しております。そのためには、より有能な、能力の高い人たちを育てていくことが大切だろうと思うんですが、同時にその人材をどのように活用するかという仕組みをつくっていただかないと、有能であっても、なかなか生かされないということがありますので、活用する仕組みと、実際により優秀な方々を登用していくという両面にわたって、お考えいただければと思っております。
 もう一点、先ほどの報告を伺いまして、生活困窮にある方々が、重くなればなるほど、非常に複合的な課題を家族全体で抱える。これはある1人の担当者が担えるものではなくて、かなりいろんな分野にまたがって、複数の人たちが囲んで、チームワークで臨んでいくというスタイルになると思うんですが、そういう意味では、ネットワークとコーディネーションという部分を重視しなければいけない。同時に障害とか高齢とか、分野を切っていくという考え方ではなくて、包括的な対応を前提に置いた、1つは相談の窓口を置く必要があるんだろうと思っております。
そういう意味で、これからいろいろと報告させていただく事例があると思うんですが、現状抱える問題などを踏まえた上で、今後、具体的なスキルとしてどうやっていかなければいけないかということを、我々自身も学びながら、いろいろ御意見を伺いたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 以上です。

○宮本部会長
 よろしくお願いいたします。
 行政からの出席者の皆さんは飛ばす形になりますけれども、藤田委員、お願いできますでしょうか。

○藤田委員
 よろしくお願いいたします。NPO法人ほっとプラスの代表理事をしています、藤田と申します。
 私の団体は、年間約500名のいわゆる生活困窮状態にある方の相談支援を行っております。先ほど山村会長から御発言いただいたわけですけれども、私たちも基本的には社会福祉士という資格を持って、相談、援助を行っております。
 どのような相談が日々寄せられるかといいますと、今日、自殺したいんだという相談から、今、ホームレス状態にありますという方、あるいは虐待を受けて逃げてきていますという若者、女性の方であれば、売春を強要されている方とか、今日、刑務所から出てきましたというような、多様な相談支援を提供しております。
 私の立場としては、現場の感覚なり、当事者の方の代弁をしていかないといけないという立場で出席させていただけたらと思っております。この方たちに支援が一番必要なんだけれども、現状としてそこに何も支援が及んでいないということが、私の率直な意見、認識だと思います。
 私からは2点、この場で少し発言をしたいと思っていることがあります。
 1つ目は、既存の福祉事務所の方だけでは、現状を担い切れない。福祉ニーズが多様化しているのではないかと思っております。これはケースワーカーさんの力量不足ではなくて、一生懸命やられていても、どうにもならないんだというところが必要だと思っております。これは札幌市長さんの御発言とも同意するところでありまして、ここはNPOなり新しい人材をどう配置していくのかということが、早急に求められていることだろうと思っております。
 この点については、2つ目ともつながってくるんですが、2つ目は、今日、奥田さんも来られていますけれども、NPOなり専門職なりが蓄積してきた経験・知見があると思います。その辺りをどう既存の福祉関係とミックスしていけるのかということが、次の課題になってきているだろうと思っております。
 ここで、1つキーワードとなる言葉は、私が普段実践している中で感じていることは、ジェネラル・ソーシャルワークということです。ジェネラル、対象を選別しない総合的な支援をだれが担っていくんだろうかということが、日本でも問われてきていると思っています。先ほど山村会長がおっしゃったとおりですけれども、対象の方が生活保護受給者、あるいは引きこもり、ニート、さまざまな言葉で、問題のある人ということで定義されつつあるんですけれども、本当に問題のある人たちなのかという視点から見ないといけないと思っています。逆に、私は問題のある人ではなくて、その人たちを社会が包摂できないシステムなり、そこを支援する人が欠けているという状態だととらえています。なので、ここはケースワークなりソーシャルワークが、どのように、だれに、丁寧に支援なされてきたのかという検証がまず最初にやるべきことだろうということを認識しています。だれが、どのように支援しているのか、それを今後制度としてどう整備していくべきなのかということを、今後、私も皆さんの御意見を聞きながら、検討していきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

○宮本部会長
 よろしくお願いいたします。
 次に広田委員お願いできますでしょうか。

○広田委員
 広田和子です。
 皆さんのお話を伺っていて、格調高いから、あら、大変だというのが率直な感想です。
 精神医療サバイバーということで、聞き慣れない言葉かもしれませんけれども、精神医療からの生還者ということです。ニートという言葉ができる前、職なし、夫なし、子なし、金なしという状態で精神科に行ったら、5年後に医療ミスの注射を打たれてしまって、注射の副作用で精神科病棟に緊急入院しました。退院しても、現在も薬を飲まないと眠れないし、飲んでも音がすると眠れないということで、こういうところに出てきて、かなりきわどい発言をすると、たたかれるということなんですけれど、議事録をごらんの国民の皆さん、たたかないでください。たたかれると、いわゆる休息入院をしなければいけないということになるんです。日本は民主主義国ですから、誰がどう言っても言論の自由は保障しなければいけないと思います。
 私は自殺未遂の体験者です。現在も精神医療を使っていますから、精神障害者です。そして、近所の子どもには50歳、横浜スタジアムの開会式に行きますと、お母さんと同じぐらいということで、40歳ぐらいに見られますが、実は高齢者です。
 やっていることは、精神医療の被害を生かして、危機介入の相談等で、先日も救急、消防、警察が出て行ったいわゆる二酸化炭素中毒で、消防がガスボンベを背負っていましたけれど。そういうところに行って、その人の生活を幸せお手伝い相談員です。
 日本というのは、世界一暮らしいいのではないかと思うけれども、マスコミの報道ぶりは暗いし、ピンチはチャンスだという雰囲気はないということです。
 自殺未遂者の統計などを見ますと、人間関係が圧倒的に多いんです。その相手は家族なんです。何が欠けているかというと、ある意味で男女共同参画が行き過ぎてしまって、母性愛がなくなってしまっているということです。家庭の中が殺伐としてしまって、私のところに来る相談者は、若い子から、子どもからいっぱい来ますけれど、不登校とか中退生のための生き方探しみたいなこともやっています。昔、社会福祉協議会から依頼されて、実行委員長もやっていました。相談者が私に何を求めてくるか、愛です。妻に求める愛を求めてくるし、夫に求める愛を求めてくる、お母さんに求められない愛を求めてくるし、お父さんに求められない愛を求めてくる。家庭の愛が欠けている、地域の愛も欠けていると私はずっと感じています。
 そして、根本を解決できる相談員なら、相談支援も必要な時もあります。精神障害の業界でいいますと、ただ単にいじくり回してしまっています。何が課題なのかを見極められない専門家。悩ませてくれない社会、考えさせてくれない社会、待ってくれない社会、管理社会、すごい状態にしてしまっていると思います。
 好きな言葉は、ケネディが言った、「国が何をしてくれるかではなくて、国民が国に何をするか」です。これを言うと、たたかれてしまうけれど。私は横浜市民ですが、市民や国民が社会で生きていること、すなわち社会貢献です。社会にどのような社会貢献をできるか。自分がどんな境遇で生きても、どんな体験をして、今、どんな環境でといったときに、どんな社会貢献ができるかというと、なかなか社会貢献できない社会なんです。どこかに相談に行くと、やってもらう受け身の話ばかりが出てくるんです。
 あるアスペルガーの人が、横浜市にどなり込んでいた、区役所にもどなり込んでいた、地元警察にもどなっていた、。交番も困っていた、地域住民も困っていた。でも、私の引っ越しのごみを3時間かけて全部出してくれた。その事実を本人がみんなに言って歩いたら、彼がすごく変わった。人はどんな障害があっても、幾つになっても、社会に貢献したい、人の役に立ちたい、それがプライドなんです。そういうものが実るような社会であったほしいし、うちの近所の子どもたちにつけを残せない。1,000兆円の赤字をこれ以上増やしてはいけないという視点で、参画したいと思います。他の方とちょっと違うかもしれませんけれど、国民の皆さん、たたかないでください。たたかれてつぶれたら、私は休息入院しなければなりませんので、よろしくお願いします。
 それと、自殺、うつとすぐにいくんですけれど、うつだからといって、精神科に行っても治らない。3年毎の国の統計で見ても患者は増え続けていますから。温泉とか銭湯に行って、いわゆる寝て、食べて、本音を語って、明るく暮らして、日本を明るくしたいと思います。
 広田和子です。どうぞよろしくお願いいたします。

○宮本部会長
 ありがとうございました。だれもたたきようのない、本当に大事なお話をいただいたと思います。
 次に野老委員お願いいたします。

○野老委員
 皆さん、こんにちは。九十九里浜のちょうど真ん中にあります、大網白里町で、38年間、不動産業、建築業をやってきました、大里綜合管理の責任者の野老といいます。
 社員は30人ぐらいの会社なんですが、私どもの会社には1つ特徴がありまして、収益を伴う仕事、収益を伴わないけれども大事な仕事、これをできる限りバランスよく、社員が中心になってやっている会社です。大体4割ぐらいが、収益を伴わないけれども、地域の課題ですとか、大切なこととして、仕事として受け止めてやってきました。
 そんな中で、生活保護世帯の人たちに、税金をもらう側から、払う側になろうという呼びかけで、いろいろと努力してきて、社会復帰した幾つかの事例とか、1人になった人が、自分の会社との関わりの中で、そちらの側にいかないで済んでいるというのは、幾つかあるかと思います。
 常々私どもは、世の中のせいや、政治のせいや、行政のせいにしないで、自分たちでできることは何とかやっていこうということで、やってきたんですけれども、そんな中で、この制度がもう少しこうだったらいいのに、この制度があるからこんなふうになってしまうということを、現場の中で幾つか感じていることがあって、これをどんな形で届けたらいいのか、生かせたらいいと思っていたときに、この話をいただいて、これは本当に自分にとってもチャンスだし、勉強することで、更に地域の課題を解決する側に立てたらいいと思って参加しております。どうぞよろしくお願いいたします。

○宮本部会長
 どうもありがとうございます。
 谷口委員、お願いできますでしょうか。

○谷口委員
 皆さん、こんにちは。僭越ながら参画させていただくことになりました、NPOスチューデント・サポート・フェイス代表の谷口と申します。
 私が携わっている活動は、不登校、引きこもり、非行、ニート、いわゆる自立に際して困難を抱えている若者たちの支援であります。中心の活動は、訪問型の相談支援、社会的に孤立する若者たちへのアウトリーチになりますけれども、委託事業を含めると、約10年で8万5,000件を超える相談活動に関与してきました。
 我々が掲げているミッションの1つは、社会的な孤立、排除を生まない支援体制の構築ということで、実際の活動では、関係機関との協働を前提とした取組みを進めさせていただいております。
 現在、子ども・若者育成支援推進法に基づく県の子ども・若者総合相談センター並びに若年無業者の職業的な自立支援を行う地域若者サポートステーション事業等を受託させていただいて、入り口から出口に至るまでの総合的な支援を進めさせていただいているところであります。
 今回、現場で若者支援に携わる者として、生活保護の制度を見たときに、自立を支えられる仕組みでは到底ないと考えているところであります。いわゆるワーキングプアの問題、その一方で、不正受給の問題、医療費や保険料等、頑張って働いている人が損をしてしまう、報われないといった逆転、矛盾といったものも、若者たちの心に非常に影を落としているところでありますし、働く意思があっても、抜け出せない仕組みを考えると、もはやこれは制度疲労を起こしていると言うしかないと思っているところであります。
 そこで、改革の方向性としては、人材、規模、仕組み、これは関連分野の施策も含めて、根本的に見直していく時期に来ているんだろうと考えているところであります。とりわけ我々の立場としては、制度の陰に隠れがちな人材の問題に着眼をして、発言させていただきたいと考えております。
 山村委員、藤田委員のお話にもありましたように、複合的な問題を抱えて、それこそ困りに困って、そういった制度の対象となった方々に対して、それを支援するだけのノウハウ、専門性が、これまでのケースワーカーの制度で担保できていたんだろうか、しっかりと考えていく必要があるんだろうと思います。
 仮に自動車産業でたとえるならば、どんなに立派な機能を持った、性能のいい車をつくっても、ドライバー次第で、機能が発揮できないどころか、凶器にもなってしまう。厳しい言い方をすれば、そのように考えているところでありまして、仕組みだけでなく最前線で働くケースワーカーさん、その他支援者の在り方についても、しっかり考えていきたいと思っているところであります。どうぞよろしくお願いします。
 山村委員、藤田委員のお話にもありましたように、複合的な問題を抱えて、それこそ困りに困って、そういった制度の対象となった方々に対して、それを支援するだけのノウハウ、専門性が、これまでのケースワーカーの制度で担保できていたんだろうかというところを考えると、しっかりと考えていく必要があるんだろうと思います。
 仮に国を支える産業の1つである自動車産業でたとえるならば、どんなに立派な機能を持った、性能のいい国産車をつくっても、ドライバー次第で、機能が発揮できないどころか、更には凶器にもなってしまう。こういうことなんだろう。厳しい言い方をすれば、そういうふうに考えているところでありまして、最前線で働くケースワーカーさん、その他支援者の在り方についても、しっかり考えていきたいと思っているところであります。どうぞよろしくお願いします。

○宮本部会長
 ありがとうございました。
 櫛部委員、お願いできますか。

○櫛部委員
 北海道釧路市から来ました、櫛部武俊といいます。
 私は昨年まで釧路市に奉職をしておりまして、22年間ケースワーカーをしてまいりました。皆さんのお名前を拝見すると、ケースワーカーというのは、多分私1人だということで、最後までケースワーカーの応援団でいたいと思っております。
 22年間やっておりましたし、現職の福祉事務所長も30年ケースワーカーをやっているんですが、何十年やっているというベテランは、ほぼ絶滅危惧種でありまして、ほとんどいなくなってきている。非常に回転が速いという職場になっております。
 私の3分の2の福祉事務所生活というのは、非常に苦しいもので、褒められることが1つもないです。地域からもいろいろお話がありますし、役所の中からもいろいろお話があって、自尊感情を持って仕事をするということが非常に難しい現状にありました。
 後半、自立支援の釧路モデルという形で、中間的就労という言い方をしているんですけれども、公園、NPOから株式会社までいろいろお話をしまして、言わば社会的居場所論でもあるんですが、中にはお金の若干出るところもありますし、アンペイドワークのところもあるんですけれども、そういう場所をつくってきた取組みの中で、少し元気になってきました。
 とりわけ子どもの支援というのは、NPOと一緒になって始めたんですが、子どもから最初はうさん臭いおやじだと思われていたんですが、武ちゃんと言われたときに、今までの職場生活だけではわからない、自分のわくわく感というか、それがとてもたまらなくて、俺にも居場所が必要だったんだということがありました。そんな取組みをしながらきたわけです。
 受給者の方が、昼間は近所の目があるから、夜コンビニに買い物に行くというんですが、農園の作業とかいろいろ行くようになったら、団地のおばさんから、今日はお仕事ですかと言ったら、そうですと言って行くようになった。それから、公園の整備をしたら、何てぐっすり眠れるんだろう、朝起きたら、何て気持ちがいいんだろうという、介護のところに行って、似たような世代なんだけれども、ありがとうと言われたら、私だって役に立つんだと思ったとか、今まではワーカー主導みたいなところもあったんですけれども、自立支援というのは、そういうことで、大分受け入れられてきたと思って、全国を回っています。語り部みたいなものです。
 ワーカーは本当にみんなうつむいています。先ほどのお話のように、まさにNHK職場なんです。納税のN、保護のH、国保のK、これは市役所の不人気職場です。中でも公務員制度の問題で、国民の間にいろんな議論がある部分、生活保護にも更にいろいろあります。その2つを抱えているのは、福祉事務所の職員なわけです。だから、ずっとうちにこもっていなければいけないという形になっているかと思います。ですから、今、全国を回って、皆さんが私たちは一体どこまでやればいいんですか、何を期待されているんですか、そこら辺のところで非常に悩んでいる。これを1つは議論していただきたい。
 釧路の場合には、地域に可視化された福祉事務所づくりを相当意識していますので、その分いろんな味方の方がいまして、議会の議員の先生方も、空港などで会うと、どこへ行くんだ、こういう会議に行くと言うと、頑張れと言っていただける。そういう間柄があります。つまり危機感が各層で共有されている町の中での取組みだということで、逆転の方向でいきたい。
 それから、今、退職をしまして、中間的就労を一歩進めるのに、社会的企業づくりということで、この春から一般社団法人を立ち上げて、受けて、議論をしていこうということにしました。そうすると、情報がたくさん集まってきまして、網を編んでいるんだけれども、全然人が来ない。何とかならないのかということが、厚岸の漁師さんのところからきたり、いろんなものがあるんだ。それを一気に一般就労と考えると、ハードルが高いんだけれども、半就労と半福祉的なところからつくっていく、参加所得という言い方もありますが、そういう領域が考えられていいのではないかと思っております。
 もう一つ、寄り添いホットラインということで、被災地の電話相談を受けております。昨日も仙台の被災者の支援従事者の研修会などに行ってきたんですが、今まで届かなかったところに、ひょっとしたら、届いているかもしれないという実感があります。つまり反社会的な勢力からもいたずらの電話ががんがん来るという事態は、逆にいえば、今まで届かなかったところの層、底辺の人たちに、そういうものが届いているかもしれないという実感を持ちました。そういう意味で、被災地あるいは困っている人たちの当事者性を生かした制度をつくっていかないと、いっぱい制度をつくったけれども、魂が動かないというのは非常にまずいと思います。
 皆様方と向き合って、より一層、みんなにとっていい方向でやっていきたと思っています。どうぞよろしくお願いします。

○宮本部会長
 ありがとうございました。
 勝部委員、お願いできますでしょうか。

○勝部委員
 大阪府豊中市の社会福祉協議会から参りました、勝部といいます。よろしくお願いいたします。
 今、随分NPOのお話が出ておりますが、全国の津々浦々に社会福祉協議会という組織があって、この組織はかなりの部分で見守りや声かけということで、支援型のネットワークを構築できているという組織でもあります。
 大阪の豊中市というのは40万都市で、自治会の組織率は5割を切っておりますが、そういう中でも、自治会ということだけにこだわらないで、新しい助け合いの仕組みをたくさんつくりながら、今、見守りできる体制をかなり強化してまいりました。
 しかしながら、見守りというのは、大変難しい問題がありまして、ちょっと間違えると見張りになります。見守りと見張りはどう違うか。先ほどどなたか愛と言われましたが、そこに愛、本人に心を寄せる気持ちにもとづくことがあるかどうかという話もあるんですけれども、見守りにしていくためには、実際に適切な支援が結び付かなければ、何のために見守っているのかということが、よくあると思います。いろんな事件が起こったときに、実は昔から知ってしましたという話が出てくるというのは、早期に発見ができている地域であったとしても、それが適切な仕組み、支援につながっていかないと、なかなか解決ができない。
 大阪では、平成16年から、地域福祉支援計画の中で、制度のはざまの問題を主たる目的として支援するというコミュニティソーシャルワーカーを、中学校域に1人配置をするという先行的なモデル事業がスタートされました。私もコミュニティソーシャルワーカーという名前で呼ばれていますが、その1人として、地域の活動を基盤にしながら、そこでさまざまな問題を発見して、支援に結び付けていく、アウトリーチ型の取組みを始めるようになりました。
 この中で、引きこもりの問題、先ほどから皆さんがおっしゃっているような生活破綻につながって、食べることができなくなって、やせ細っている人たちの問題が、私たちのところにどんどん入ってくるようになりました。これは高齢でもない、障害でもない、生活困窮といっても稼働年齢の人であって、何度か市役所に相談に行っても、自分のプライドの問題で、もう一歩踏み出ることができなくてということで、引き下がってしまった人であったりとか、親が何とか子どもを育てたいと思っていながら、引きこもっている息子さんたちを、周りの目を気にして外に出せない状態で、育て方の問題ということで、発達障害という問題に目を向けることができないままこられた方々であったりとか、ごみ屋敷の問題もあります。私もこの5年ぐらいで180件位支援していまして、最近ではインターネットでごみ屋敷と引くと、勝部麗子と出てくるらしいです。なぜこれらの活動に注目したかというと、これは社会的孤立の象徴であると捉えたからです。当時は変わった人とか、困った人と言われていましたが、多くの方たちが社会的孤立の問題を抱えています。そういう孤立問題が生活困窮の中では大変大きな問題を占めていると思っています。
 例えばホームレスの方を、最近、在宅で生活するということも取り組んでおります。お家を与えても、その人にお友達ができる関係がなければ、元の公園に行った方が仲間がいるわけです。そういうところでいいますと、その人に住宅だけを与えていくとか、生活費を与えるということでは、決して生活が成り立っていかない。どんな社会関係、その人がそこで生きていくことで安心できたり、みんなに支持される関係をつくっていけるかということを、お一人お一人支援するという取組みをしていこうと思いますと、かなりのスキルと、周辺に対しての理解、社会的包摂という、いわゆる周りの方々が正しくそういう方々を理解して、一緒に支援してくれる側に立っていただくということが必要だということで、そういうコミュニティを変えていくということ、コミュニティからいろいろな問題を発見していくということ、それから、そこの地域づくりを通じて、いろんな問題点を社会に発信していくという役割を、今、担わせていただいています。
 大阪での取組みは、現在では、社会福祉士の世界やソーシャルワークの世界ではかなり先行的であるけれども、何かそこにヒントがあるのではないかということも言われていますので、今回のこの部会では、この間、私たちが取り組んできました内容につきましても、御報告をさせていただいて、新しいセーフティネットづくりに少しでも貢献できればと思っております。よろしくお願いいたします。

○宮本部会長
 ありがとうございました。
 柏木委員、お願いいたします。

○柏木委員
 和歌山県の一麦会から来ました、柏木でございます。
 私は民間の大手スーパーで22年間営業職に就きまして、店長とかスタッフをやっておりまして、そのときに福祉法人が施設の商品を売りに来たのをきっかけに転職いたしました。44歳のときです。兄が障害者であったということもあります。
 福祉施設に移りまして、障害者の方の仕事起こしを12年間やってきました。和歌山は仕事がありませんので、つくっていくしかありません。ただ、農林水産物がすごく豊富です。ですから、農産加工業、農業、農産直売所、一次、二次、三次の六次産業で障害者の方の仕事を起こしてきました。大体100人ぐらいの方の福祉的就労を実現したと思います。生活保護受給に陥るのをこれで防いだと思っております。
 初めは食品製造業が中心だったんです。農業というのはなかなか難しいし、つらい仕事です。楽しい仕事でないと続かないと、楽しい仕事をつくっていくのは、農業、農産加工業、直売所の3つ、福祉的な支援をうまくマッチングしていかなければいけないというのが現場の知恵でございます。なおかつ、この事業が一般市場の中で勝っていくには、そこには商業、経営の知恵も要ります。ここでスーパーにおったときのことが非常に役に立っております。
 昨年、農産直売所をつくりまして、精神障害の方々がそこで働き、地域の買い物弱者さんに配達するという業務をやり、地域の高齢者農家、農業がほとんどできないというところを支援し、こういうものをうまく組み立てた事業を起こして、その成功事例を配っていきたいと思っております。
 障害者の方及び生活困窮者の方々が、自分に合った仕事を見つけて、中間的就労でも福祉的就労でも生計を立て、地域社会に貢献をしていく。そういうものをつくっていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

○宮本部会長
 ありがとうございました。
 奥田委員、お願いいたします。

○奥田委員
 皆さん、こんにちは。奥田と申します。
 私は北九州から参りました。北九州でホームレス支援をしまして、かれこれ24年ぐらいになりますが、一方で、ホームレス支援全国ネットワークというところの代表もしておりまして、今、80団体ぐらいが加盟をしております。
 私が24年前にホームレス支援を北九州で始めたときから、主なテーマは、ハウスレス問題とホームレス問題だということをずっと言ってきました。今回の資料3−1は「生活困窮者・孤立者の現状」というタイトルがつけられていまして、まさにこのタイトルというか、この問題でありました。つまり経済的、物理的困窮ということのみならず、ホームと呼べるものがない。ハウスのみならず、ホームを失っている。これまでの困窮概念というのは、経済困窮と身体的困窮でした。しかし、今日においては、関係という困窮が非常に大きな問題になっていると思いまして、今回の資料等を見ていますと、まさに困窮・孤立という両建ての問題設定がされているということで、大きな一歩だと思っております。
 そもそもホームレス問題は、社会的排除の問題だと考えてきましたので、言い方を変えれば、いかに参加を確保するか。直截的に自立ということだけを議論するのではなくて、まず自立の前提としての参加ということをどう議論するかというのが、大きな方向性だろうと思います。
 今回の震災においても、語弊がありますが、現地のホームレス支援団体が非常にスムーズに動きました。というのは、もともとホームレス支援というのは、ホリスティック、人間全体に関わることで、御飯を食べることができないから始まって、どこに住むのか、就職はどうするのか。更に社会的孤立の中で、ホームというものを再構築していく。これは従来概念の家族ではなくて、新たな社会的関係をどう構築するか。そういうことでやっておりましたので、ある意味、震災というところにおいても、新たな枠組みをつくるまでもなく、そのままやったということであります。そういう意味で、この議論の中でも、ホームレス支援という立場で、いろいろ発言させていただければと思っています。
 2つ目として、私は参加というのが大前提だと思います。ホームレス支援においても、就労支援ということは非常に特化されてきたと思います。これはこれで意味があったんですが、就労することが参加することになっているという枠組みは、無理があり過ぎると思います。就労の前提が参加である。参加がなければ、就労はできない。これは極端な言い方かもしれませんが、私はそういう前提を持つべきだろうと思います。その点では、手前のところで、伴走支援ということが議論されているのは、必然だと思います。
 ただ、伴走支援も就労自立のための手段だけに終われば、同じだと思います。伴走そのものに意味があるということを、まず言い切らないとだめだろう。つまり困窮者支援の現場でさまざまな処遇を考えていくわけですけれども、処遇の支援の前提に、横にだれかがいるという存在の支援が確立されないと、処遇ということにいかないのではないか。この人に何が必要かということを議論するとともに、この人に今だれが必要かということを明確に打ち出していくことが、参加を前提とした支援の仕組みだと思っております。そういう意味においては、一般就労自立の手前で、社会的就労ということを是非議論していただきたい。それは参加ということに重きをおいた就労形態です。そこが確立されると、一般就労への道が当然開かれていくと考えています。
 最後に、実は、私は牧師なんです。今回のことを議論するためには、ある意味、哲学といいましょうか、人間観といいましょうか、先ほど愛という言葉が出ましたけれども、例えば私たちがつい最近まで見ていた若者世代というのは、ロスジェネ世代で、座りたくてもいすがない、どうするかという話を主に議論してきた。でも、ひょっとすると、座らないという若者、座りたくないという若者が出てきている時代なのではないか。ロスジェネ以降、例えば消費をしない、結婚をしない、そういう中で、いいんだと言ってしまう若者たちがいます。こういう中で、前提として、哲学的議論というか、ここで神学をやっても仕方がないかもしれませんが、人は何のために生きるかとか、社会は何のためにあるんだとか、何のために働くんだとか、人間とは何かとか、もう一度そこに戻らないと、制度設計だけでは乗り越えられないのではないかと思っています。現場でいつもそんなことを考えております。
 以上です。

○宮本部会長
 ありがとうございました。
 岩田委員、お願いします。

○岩田委員
 日本女子大学の岩田と申します。どうぞよろしくお願いします。
 私の専門は、貧困問題と社会福祉政策でございます。
 たまたま、今、仕事でやらなければならなくて、戦後の貧困のおさらいをやっていたんですけれども、生活困窮者対策とか、生活困窮者、低所得者というのは、この間、復活した言葉なんです。
 御存じかと思いますが、戦後の第1回目の『厚生白書』がございます。同じ年に出た『経済白書』はもはや戦後ではないという有名なフレーズがあるんですけれども、それに対して『厚生白書』は反論したわけです。翌年、反論したのではないと書いていますけれども、たくさんの低所得層がいる。1956年ですから、もう生活保護制度があります。生活保護基準ではかると、生活保護基準以下あるいはぎりぎりでありながら、生活保護の対象にはならないさまざまな世帯、社会階層がいるという認識があったわけです。
 私も調べて驚いたんですけれども、『厚生白書』がようやく戦後だと言ったのは、60年代の終わりなんです。私は結構見直しました。ただ、70年代、80年代は、それは死語になりまして、ようやく90年代半ば以降、ホームレス問題を発端として、何か違う社会問題のカテゴリー、あるいは厚生労働省自身がこういう言葉を使うようになったというのは、喜んでいいのか、悪いのかはわかりませんけれども、私としては感慨深いものがあります。そういう意味で、しっかりした在り方を考えていかなければならないという気持ちになります。
 生活困窮者とはだれかとか、だれが孤立しているかということは、皆さんここでいろんなお話をいただきましたように、大変難しい問題です。しかし、制度というのは、できますと、制度がカテゴリーをつくりますので、どうしても定義をし、対象を決めることになります。そうすると、それが固定化されていくといのは、やむを得ないんです。どうしてもそういうことになっていきます。
 30年近く前ですけれども、私はサラ金問題の初期のころに、調査を何回かしたことがありまして、子どもを児童相談所の前に置いて、夜逃げをするという事件が結構あったんです。児童相談所に行きまして、そういうものはどのぐらいあるんでしょうかと聞いたら、あるにはあるんですけれども、そういう統計をとっていないというわけです。とっていないというのは、ケース記録までいけば出てくるんでしょうけれども、児相の事業統計のコードにサラ金というコードがない。あるいは借金というコードがないと、あっても出てこないということなんです。確かにそうだと思いました。ですから、現場というのは、かなり問題をわかっていると思います。
 これもまた現場の方と一緒に昔やった研究会で、わかっていないのではないかと言ったら、わかっているということが、だんだんわかってきました。どうしてそれが新しい制度につながらないのかというと、先ほどおっしゃったように、資源がないものですから、資源開発に向かう前に、その問題は埋め戻すんですと言われたんです。なかったことにするといいますか、出てきたんだけれども、埋めてしまう。そんなことがあって、これは現場の苦悩だろうと思います。しかし、そこが出てこないと、だめだということです。
 例えば同じ孤立といいましても、ひとり暮らしの孤立というのは言われている。だけれども、私たちが最近ニュースで見るのは、2人いたり、障害を抱えていて、何かとかすかにつながっていたのになくなってしまったとか、いつも問題が先行している。ですから、そういうものを聞くと、非常に無力感を感じるわけです。
 そこで、支援自体とともに、支援の中で発見される問題を埋めないで、どうやって顕在化し、それを共有していくか。全国的なデータベースといいますか、私はそういうものを是非つくっていきたいと思っておりますので、また皆様のよい実践の話を伺いながら、考えていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○宮本部会長
 ありがとうございます。
 最後になりますけれども、小杉委員、お願いいたします。

○小杉委員
 労働政策研究・研修機構の小杉と申します。
 私はかなり場違いな研究をずっとやってきました。私が研究をやってきたことというのは、若者は若者なんですけれども、学校教育でフルに学んでいる若者たちが、一人前の職業人になるプロセスの研究をずっとやってきまして、国際比較とかそういうことをやっていると、日本というのは、それがとてもうまくいっている国だとみんなに言われてきたんです。学校に行って、親に食べさせてもらっている状態から、4月1日に就職すると、給料をちゃんともらえて、自分で食べていけるように間もなくなってしまうという、非常にうまくやっている国だと言われています。
 そういう制度の持つ課題などをいろいろ分析していたんですが、日本がいいと言われたのは、大体80年代から90年代にかけての話なんですが、そのころでも、よく見てみると、すんなりうまくいくという仕組みに乗れない人は、統計をとって見ると、若者の人口の中の2割ぐらいいるんです。それが2010年ぐらいの統計ですと、3割から4割で、最初からすんなりうまくいっていないという人が増えている。こうした変化の背景には、やはり産業構造とかグローバル化、企業の雇用が変わるとか、そういうことがあるんですが、2000年代の初めぐらいになって、政府も若者の雇用問題は大変だということで、いろいろ対策を打ち始めるわけです。それ以前から実はあった問題なんだけれども、見えていなかったので、政府としては何もしてこなかった。日本はうまくいっているんだと言われて、よかったみたいな感じだったんですが、そうではない人がいるんだ。その量が増えてきて、フリーター、ニート問題などと言われるようになって、非常に大きな対策になってきますが、実はそれ以前から、日本の持っている1つの課題は、最初のトランジションというんですが、一人前になるプロセスがなかなかうまくいかない人もいるんだ。そのことに対しての対策というのは、2000年代に入ってからいろいろ始まって、幾つかの制度が動いてきています。
 私の最近やっている研究は、前は学校中心の話が多かったんですが、新たな制度がやっと動いてきて、ほかの国だったら、そんなに日本みたいにうまくいっていなかったので、うまくいかない若者たちをどうしようかという、いろんな仕組みをつくってきていたんですが、それが日本はうまくいっていると思い込んでいたので、何もしてこなかった。2000年代に入って問題が見えてきて、いろいろ始めた。いろいろ始めた仕組みがどれだけうまく対象者を拾っていて、どれだけうまく効率的に動いているか。そういうことを分析するような調査をやってきました。
 例えば先ほどジョブ・カード制度の話が出ましたけれども、ジョブ・カード制度もその中の1つだと思っています。
 その中で1つやったのは、今はなくなってしまいましたが、自立塾とか、あるいは谷口さんのところでやっていらっしゃる地域若者サポートステーションです。自立に非常に大きな課題があって、一人前になって、労働市場に出て行くにはまだ能力が十分ではない層に対しての自立支援がどれぐらいうまくいくのか、うまくいっているのかという調査の1つとして、政府のやっている支援の後にちゃんと食べられるようになっているのかというと、そんなに簡単ではない。政府の仕事というのは、どうしても期限で切らなければならない。ほかの政策との並びがあるから、6か月で何とかしなさいとか、3か月で何とかしなさいと言わざるを得ないような仕組みになっています。3か月、6か月でうまくいかないという人はたくさんいるわけで、その後、一体どうなっているのかということを調べてみますと、そこで十分ではない人たちを一人前にするために年単位で働く、あるいは最初は支援対象者であった人たちが、次第でNPOの中で少しお手伝いするようになって、スタッフになって、更に数年後には、ひょっとしたら民間企業に就職するというプロセスがあることが明らかになってきました。ヨーロッパなどの研究では、そういう役割を果たしているものを、労働統合型社会的企業という表現をするんですが、労働を通じて社会に統合していく。そういう社会的な役割を持った企業です。こういう仕組みというのが、日本だけではなくて、ほかの地域でもできている。
 そういうことがうまくいっているところは、どういうことがあるのかというと、そういう仕組みをちゃんと制度化していっているということなんです。NPOの方とか、労協さんなどをいろいろ調べたんですが、そういう組織の存立基盤自体は非常に脆弱で、支援の持続可能性を考えると、毎年の入札が取れるかどうかで存続が決まるとか、非常に脆弱な組織である。これを何とかするというのは、制度的にきちんとしなければならない。韓国とかイギリス、イタリア、そういう制度を仕組みとして、社会的企業を位置づけているところを見ると、どうやっていわゆる貧困ビジネスとの境界をつけて、社会的目的を全うできるようにするか。全うするために、政策的にどういう支援を入れられるか。そういうことが設計されているんです。
 今回の話と私の研究が重なってくるのは多分その部分で、これまで日本になかった若者を自立させる、企業の中で一人前にするというもの以外のところで、社会的な仕組みで不足していたところが、今、いろいろ出てきた。その中の1つとして、最も就業能力が低い、あるいは自立するのにかなり時間のかかる若者に対しての支援の仕組みが動いていて、動いている仕組みの中の課題がどこか見えてきている。これが、今、私が発言できることなので、是非持続可能なものにするための制度化の方向みたいな話を、これから皆さんと考えられたと思います。
 どうもありがとうございました。

○宮本部会長
 ありがとうございました。
 思わず皆さんの御意見に聞きほれてしまいましたけれども、強力な顔ぶれであるばかりではなくて、皆さんは豊かな経験に裏づけられた語り部であり、かつ議事進行に大変協力的な皆さんであるということがわかって、大変うれしく思っております。おっしゃりたいことがたくさんあったと思うんですけれども、次回以降、時間を確保します。どうもありがとうございました。
 今のお話の中だけでも、問題の重さと広がりのようなもの、改革の方向性についてのヒントが随分浮き彫りになりました。行政がいっぱいいっぱいである、ケースワーカーの人たちは褒められることもなく、下を向いてしまっている。NPOを安上がりの手段として使い倒すのではなくて、強みを生かしていく。その場合、支援の中身としては、広田さんから愛を求めてくる人たち、あるいは関係の困窮という話もございました。そこにケネディばりに何ができるかということを問うんだ。何ができるかというときに、参加と就労ということの関係をちゃんと考えようというお話もございました。随分中身が見えてくるような御議論であったと思います。
 その中のキーワードとして、連携とかネットワークという言葉が委員の皆さんから出てきたわけですけれども、今、ここにおられる皆さんの世界が連携しネットワークになって、行政の各部局を含めて、地域でシステム化されると、これは相当なことができるという期待も抱いた次第でございます。
 おおむね時間は予定どおり進行しておりますけれども、この段階で、先ほど事務局からあった説明について、どうしても確認しておきたいことがございましたら、お願いします。よろしいですか。
 この議題については、次回以降、また時間を確保することにいたします。
 事務局からの説明においても言及されたと思いますけれども、本部会が扱うテーマについては、国家戦略会議でも議論となっているようでございます。国家戦略会議での議論とこの部会の関係はどうなるんだろうか、それに関わって本部会固有の課題は何なのかということ、今後の進め方についてなど、事務局から補足的にお話をいただけますでしょうか。

○熊木生活困窮者自立支援室長
 それでは、資料4でございます。横長の1枚がございますので、これに沿って申し上げたいと思います。よろしゅうございますでしょうか。
 これは先ほど副大臣、政務官から御説明がありましたものを紙にしたものでございます。先ほど私も申し上げましたけれども、資料右側にございますとおり、生活支援戦略(仮称)を秋を目途に策定していくということでございまして、これは2月に閣議決定された社会保障・税一体改革大綱に記載されていることでございます。
 その中で、政府の動きといたしまして、進んでおりまして、総理からも御指示がございまして、5月には国家戦略会議に生活支援戦略の骨格を報告してほしい。6月には中間まとめをまとめて、それは日本再生戦略というものに盛り込んでほしいということでございます。
 このように、総理からのトップダウンの御指示もあり、進めてございますので、中間まとめあるいは骨格につきましては、厚生労働省におきまして、とりまとめていきたいと考えております。
 一方、本部会の使命、ミッションでございますが、左側の一番下にありますとおり、秋の生活支援戦略の策定に向けて、生活困窮者対策に係る報告書をとりまとめていただくことになります。
 本日4月26日に第1回特別部会が開催されまして、5月は7日、30日と予定をしてございますので、今後、生活支援戦略の検討状況も参考にしながら、全般的な議論をいただきながら、各委員から御報告を順次いただきたいと思います。6月の中間まとめを踏まえまして、本格的な審議が7月以降行われて、その中では具体的な制度設計に向けた御議論をいただければと思います。
 なお、席上に「特別部会委員からのヒアリングの項目(案)」というものが配付されているかと思います。これは委員各位の今後の御発表におきまして、こういった項目も参考に、また委員各位の取組みを踏まえまして、御意見をいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。
○宮本部会長
 ありがとうございました。
 国家戦略会議での議論のタイムテーブルは大変スピーディなもので、関係が気になるわけです。
 今の御説明は明快だったと思いますけれども、皆さんから御質問、御意見があれば、是非お願いいたします。どうぞ。

○藤田委員
 藤田と申します。
 生活保護基準部会が行われていると思うんですけれども、基準部会でも生活保護を検討されますし、こちらで行われる生活保護の議論はどの程度なのか、教えていただけたらと思います。

○宮本部会長
 事務局、いかがでしょうか。

○古都総務課長
 先ほどの資料にもありましたが、生活保護基準部会で既に議論が始まっておりまして、そちらの方で客観的なデータに基づく検証を行っていただくということでありますので、基準の検証、見直しは他の部会でやっていただく。
 むしろ、この特別部会では、生活支援戦略全体の中で、サービスなり支援の方法の枠組みをつくっていただくということで、棲み分けをしているということでございます。

○宮本部会長
 藤田委員、よろしいでしょうか。

○藤田委員
 わかりました。

○宮本部会長
 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、今日、事務局からも説明のあった改革の方向性をたたき台に、次回以降、皆様から御意見をいただいて、ヒアリングを行っていきたいと思います。
 次回のヒアリングについてなんですけれども、あらかじめ櫛部委員、谷口委員、藤田委員の3名の委員にお願いをして、御快諾をいただいております。お忙しい中、大変恐縮ですが、3名の皆さん、よろしくお願いいたします。
 次回は3名の委員にお願いして、次々回以降は、本日、席上配付させていただいていますヒアリング項目を参考に、委員の皆さんの御専門やこれまでの御経験を踏まえて、お話を深めていただきたいと思ってございます。
 委員各自からのヒアリング、お話いただく日程等については、別途事務局から調整させていただくことになります。
 予定の時間より大分順調に進行しておりまして、お昼御飯を食べる時間が確保できそうな雲行きでございます。よろしいでしょうか。予定の時刻より早いですけれども、進行に御協力いただきまして、ありがとうございました。今日の審議はこれで終了させていただきます。
 最後に、次回の日程について、事務局から連絡をお願いいたします。

○古都総務課長
 どうもありがとうございました。
 次回は5月7日月曜日、15時から予定をしております。場所は厚生労働省2階の講堂でございますので、何とぞよろしくお願いいたします。

○宮本部会長
 本日の議論は以上とさせていただきます。どうもありがとうございました。

(了)


(了)

ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 社会保障審議会(生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会) > 第1回社会保障審議会生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会議事録

ページの先頭へ戻る