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2012年3月29日 第25回新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム議事録

社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課

○日時

平成24年3月29日(木) 18:00〜20:00


○場所

厚生労働省 専用第18,19,20会議室(17階)


○出席者

新垣構成員、小川構成員、河崎構成員、佐久間構成員、田尾構成員、高木構成員、
中島構成員、長野構成員、西田構成員、野澤構成員、野村構成員、広田構成員、
福田構成員、堀江構成員
小杉構成員、山田構成員 (ピアスピーカー)
磯部構成員、久保野構成員、白石構成員、町野構成員 (法律等アドバイザー)

○議題

(1) 入院制度について
(2) 意見交換

○議事

○福田精神・障害保健課長
 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第25回「新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム」を開催いたします。
 構成員の皆様方におかれましては、御多忙のところを御参集いただき、誠にありがとうございます。
 本日は、津田政務官に御挨拶をいただく予定となっておりますが、別の会議に出席しておりまして、現在こちらの方に向かっているということですので、津田政務官からの御挨拶は、到着次第いただきたいと考えております。
 本検討チームでございますけれども、公開で行われております。検討チームでの審議内容は厚生労働省のホームページに議事録として掲載される予定ですので、あらかじめ御了解くださいますようお願いいたします。
 本日の構成員の出席状況でございますけれども、野村構成員から1時間ほど遅れるという御連絡をいただいております。また、本日は、岡崎構成員から御欠席との御連絡をいただいております。
 それでは、早速ですが、議事の方に入らせていただきたいと思います。
 本日の検討チームも入院制度について検討していただくわけでございます。入院制度につきましては、前回、1月11日の検討チームの際、措置入院、任意入院以外の入院形態をなくすことは困難ではあるが、保護者の同意を要件とすることについては課題が多く、保護者の同意を要件としない入院手続について具体的に検討すべき。本人にとっての「強制性」という観点から、入院の継続期間についても検討することが必要との御意見をいただきました。その後、1〜3月の間に3回作業チームを開催し、論点をまとめました。これまでと同様、まずは事務局から御説明をさせていただき、その後、作業チーム座長の町野構成員から補足をいただきたいと思っております。
 それでは、まず資料の説明を事務局からお願いいたします。

○本後課長補佐
 それでは、今日の資料という資料を御覧いただければと思います。
 資料のスライド2ページ目ですけれども、先ほど福田課長からの御説明にありました、前回1月11日の検討チームでの意見とその後の作業チームでの検討ということでまとめてございます。
 1月11日の検討チームで、まさに今御説明したように、保護者の同意を要件としない入院手続について具体的に検討すべきであるということ。入院の継続期間についても検討することが必要。更に審査会の機能についても検討すべきという考えが示されております。
 また、入院が既に長期にわたっている患者さんと短期の患者さんの取り扱いをどうするかということについても御意見がございました。1〜3月まで作業チームを3回やりまして、こうした点を踏まえて保護者の同意要件を見直す場合の具体的な制度について検討を行っております。
 なお、議論の中では、認知症の人への制度の適用という御意見が何名かの方からございました。この点につきましては、医療保護入院を判断するという観点で、例えば統合失調症と認知症をどう区別するか。これは大変根源的な議論になりますので、検討チームの中でも現場では認知症とその他を区別して考えるのは、精神科医療の現場としては不可能だという御意見もございました。
 課題として存在することは十分認識しつつも、作業チームの中でもまずは保護者の同意要件を外すと、これも大変大きなテーマなので、そのこともテーマを優先させようということになりました。このテーマについて具体的に検討をするのであれば、入院形態という場ではなくて別の場で検討することが適切であろうということで、今後の検討課題ということで認識しながら、今回は直接の検討のテーマには含めないということで整理させていただいております。
 続きまして、具体的な入院手続あるいは入院中の対応というところについての議論の整理でございます。3ページ目以降になります。
 保護者の同意要件を見直すに当たりまして、入院に至る前の過程、入院の手続、入院中の対応、退院時、退院後の対応ということで4つのフェーズに分けて、全体としてどういう在り方がふさわしいのかということを考えるべきということでありましたので、そういった形で整理いたしております。
 入院に至る前の対応というのは、地域精神保健医療福祉全体で検討するということになりますので、この場では直接は検討しない。具体的に1〜3月まで作業チームで論点をまとめましたのが、2の入院続きと3の入院中の対応というところでございます。退院時、退院後の検討までは至りませんでしたので、引き続きここは検討するということになろうかと思います。
 まず大きな論点の1つ目ですけれども、入院手続について考えられる考え方ということでございます。まずは入院の判断なので指定医の判断がベースになることは前提。その上で、保護者に代わる誰かの同意を必要とするかどうか。同意が必要ないとしても、関与を必要とするかどうか。同意または関与をする場合、入院時とするか、一定期間内でよいこととするか。だれが同意または関与を行うかといった論点で議論の検討を進めてまいりました。
 5ページ目以降は若干議論の過程を追っておりますので、そこを整理しました資料といたしまして15ページまで飛んでいただければと思います。15ページで作業チームの中で出ました先ほどの論点に関する御意見を整理させていただいております。この左側の点線の左側が現行の制度ということになりますので、現行は精神保健指定医1名+保護者の同意。入院届に対する審査会による審査ということで第三者性を担保しているという仕組みになっておりますけれども、作業チームの中での議論ですと、精神保健指定医1名による判断というのは維持しつつ、それ以外の誰かの同意または関与ということが考えられる。その際に、医師の同意または関与、地域支援関係者が関与する。それを入院時か一定期間内かということで4つの箱ができるということで整理いたしております。
 特に医師が同意をするという場合には、入院時の同意ということになりますと、まさに措置入院と似たような、入院時に2人の判断が要るということになります。
 一定期間内でよいとすると、一定期間内に医師が同意をするという形で判断の客観性を強化するという意義がございます。
 入院時に地域支援関係者が関与するという形になりますと、医師の判断以外に生活環境や障害福祉サービスの状況なども考慮して入院の必要性を判断するということで、少し別の観点から判断をしてはどうかという考え方がございます。
 一番右下ですけれども、一定期間内に地域支援関係者が関与するということになりますと、直接精神保健指定医による判断に影響を与えるということにはなりませんので、むしろこの場合は早期の退院につなげるといった意味合いが強くなるかと思います。そういった意味で最初の3つの箱とは少し意義が異なりますので二重囲いで囲ってあるということでございます。
 特に地域支援関係者の関わりということで、これを院外の方に行っていただくのか、病院の中で行うのかということに関しましては、少し意見の相違が作業チームの中ではございました。
 これに加えまして、本人の考えを代弁する人の関わりというのを設けてはどうかということが作業チームの中で御意見がございました。具体的には少し戻っていただきまして13ページ。こういった専門家による判断のほかに、本人が信頼して指名し、その考えを代弁する人を付けるという考え方も示されております。
 この代弁者は3つ目の○ですけれども、本人から考えを聞き、病院や相談支援事業者などに伝え、相談しながら問題解決を図る。専門的な観点から客観的に判断を下す職種とは性格を異にする。
 入院手続にできる限り本人の意思を反映させる観点からは、いずれの方法を取るにしても代弁者を付けるという仕組みを併せて設けることには一定の妥当性はあるのではないか。更に、当事者のほか、本人の家族もなり得るのではないか。入院中の審査の手続、入院後の対応にも参画させるということにもなるのではないか。
 こうした仕組みを実施するに当たっては、代弁者を選ぶ際に必要な手続について具体的に検討する必要があるのではないかということで、こういった代弁者という関わりについて必要ではないかという論点が示されております。

(津田政務官入室)

○福田精神・障害保健課長
 ただいま津田厚生労働大臣政務官が御到着されましたので、ここで早速ではございますけれども、政務官の方から御挨拶を申し上げたいと思います。

○津田政務官
 皆さん、こんにちは。第25回の「新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム」の開催に当たり、御挨拶申し上げます。
 この本検討チームは第1ラウンドでアウトリーチ、第2ラウンドで認知症と精神医療、第3ラウンドとして保護者制度と入院制度と、それぞれ分野別に検討いただいてきたわけでございます。皆様には平素より精神保健医療福祉施策の推進に対し、幅広い観点から御示唆をいただいていることに心より感謝を申し上げる次第でございます。
 第3ラウンドの会合に出席をするのが私は初めてになるわけでございますが、事務方から逐次報告を受けているわけでございます。長年の懸案でございました医療保護制度入院につきまして、まず保護者の同意を前提としない仕組みに改めるべきではないか。2つ目として、患者本人の意見を代弁する仕組みを導入すべきではないか。3つ目として、できるだけ本人の意思によらない入院の期間を短くすべきではないかなど、これまでの仕組みを大きく改善する検討を行っていただいていると認識いたしておるところでございます。
 厚生労働省では、これまでもアウトリーチ、訪問支援など地域生活支援の方策を検討してきており、更に精神病床の機能分化について新たな検討を始めているわけでございます。こうした検討と保護者制度、入院制度の検討と併せて、精神保健医療福祉全体の改革案をつくり、来年の通常国会への関係法案の提出を目指したいと考えているところでございます。是非引き続き熱心な御議論をお願いしたいと思っております。
 本日もよろしくお願い申し上げます。(拍手)

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございました。
 津田政務官は、この後、所用がございますので、ここで退席をさせていただきます。

(津田政務官退室)

○本後課長補佐
 では、引き続き、説明を続けさせていただきたいと思います。
 先ほど御説明申し上げた内容についての作業チームの意見ということで、16ページ以降にまとめてございます。
 まず磯部構成員より、判断の客観性が担保されているという観点からは、2人目の指定医の判断は考えたくなる。あるいは病院内のPSWなどが入るのは、社会生活上の要素について一緒に考えることなのだから、2人目の判断の議論とは異なり、両立はできるのではないか。
 入院時の手続としてではないが、第三者的な本人の権利を擁護する人を導入することは大事ではないか。あるいは福祉的なサポートとしては、サポートする人が名簿に登録されていて、その中から患者が自由に選べる仕組みがよいのではないか。
 17ページ、医療機関としては誰が同意するとかということではなく、実効性を持っていつでも対応できる担保が必要。指定医1名による診察に加え、病院のPSWなどの人たちが退院後のことも踏まえて入院の可否について意見を申し立てることは、実効性という意味では地域の支援関係者が関わるよりも可能性は大きいのではないか。
 専門職側と本人側だけではなく、入院の必要性自体に対する第三者の関与が忘れられないようにしないといけない。審査会による入院時の審査は、形式的だとしても重要であり、十分でないならどう改善するかを論点とするべき。
 夜間、救急の速やかな担保をするに当たり、指定医2名が必要になると、目の前の患者を医療につなげられなくなるのではないか。
 18ページ、行政職員、地域支援関係者に関与する役割を持たせ、それらの人を事前に登録するとか、一定の研修を行うといったシステムが考えられるのではないか。保護者を外すときに家族の役割を何らかの形で規定しておかないと、家族の個人情報を理由として本人に関われなくなってしまうのではないか。病院の中のPSWや看護の生活支援担当に外からの退院促進の支援を担う人たちが関わって、人権擁護の観点からも早く地域に戻るという仕組みにすべきではないか。
 19ページ、まれな措置入院でさえ処理が非常に困難な状況であり、何倍も発生している医療保護入院の現場で2名の指定医などが対応することはなかなか現実には考えられないのではないか。入院時の判断が正しかったかを判断するための時間のタイムラグは仕方ないのではないか。そういった御意見がございました。
 20ページ、地域支援関係者が同時に同意を与える。それでも関係者がそろわないときには、市町村長同意を行う。こういった仕組みが考えられるのではないか。
 期間を短くして入院してよかったと思える医療にすれば、入り口はそんなに問題ではないのではないか。
 現場では、指定医不足のため、指定医1人で入院させられるようにしないと対応できない。その上で院内のPSWをしっかりと付けて、病院の中は病院が自分で責任を持てるようにすべきではないか。
 やたらと外の人が入るのではなく、病院の中に信頼できる人がいてほしい。
 21ページ、できるだけ院外の人を入れるのが当然の選択肢ではないか。代弁者は地域の人に関心を持ってもらう意味で、単にプラスになるという以上に極めて重要な意味を持つのではないか。
 代弁者は、保護者を復活させるというわけでもなく、代理人というわけでもなく仲介者である。ICJの勧告でも指摘されていた「ペイシェント・アドボカシー」に当たる。きっと必要な仕組みだと思う。
 強制入院に関しては、2名の指定医なり医師の判断が必要。できればタイムラグがあったとしても、1人は別の医療機関の人であるべき。
 こういった御意見がございまして、さまざまな論点について少し異なる立場から御意見が示されている論点もあったということでございます。
 続きまして、入院中の対応、入院期間の在り方をどう考えるかという論点でございます。
 大きく考え方を4つお示ししております。
 考え方の1つ目としては、入院期間の制限は設けないという考え方。
 2番目として、入院期間の制限を設ける。この場合は、もう期間を過ぎたら退院させるか任意入院にするか。そういう意味での制限を設けるという考え方。
 考え方の3つ目としては、入院期間の制限は設けないが、入院継続の必要性をより頻繁に審査をするという考え方。
 4番目として、一定の入院期間の制限を設けつつ、審査の上、更新を可能とするという考え方。
 考え方の3と4は外形的には同じでも考え方、制限を設けるか設けないかということで大きく異なる考え方となっております。
 このいずれの考え方が適切かということを検討するに当たりまして、やはり精神医療審査会の在り方をどう考えるかということが大きな課題になってまいりました。したがいまして、24ページ以降になりますけれども、そういったことを大きな論点として検討して参りました。
 論点の1つ目としては、現在の定期病状報告に基づく精神医療審査会による審査のように形式的なものではなく、病院と相談支援事業所等が連携して、実際に退院に結び付けられるような形にする必要があるのではないか。
 その際の論点として25ページ以降の4つの論点を上げております。
 まず1つ目としては、どのように期間を設定するかということで、審査のタイムスパンという議論でございます。本来あるべき姿を考えつつも、具体的に現在の医療保護入院による入院の状況を踏まえながら検討する必要があるのではないか。具体的には、今、医療保護入院で入院された患者さんのうち、84%の方が1年未満で退院をされております。ただ、1年以上になる方がだんだんと出られない、長期化するにしたがって、今、医療機関の中で医療保護入院で入院している方のうち、入院期間が1年以上の患者さんの割合は64%おられるという状況になっております。こういった状況をどう踏まえるかということも論点の1つになろうかと考えております。
 その上で今の12か月という審査間隔を一律に短くする、あるいは入院当初を頻回にする。逆に、例えば1年までは今までと同じで、ある一定期間を越えたら短くするという考え方。
 (5)にありますとおり、一律に定めずに一定期間内で病院が例えばクリティカルパスの中で審査期間を設定して、病院、患者ごとに設定するといった考え方をお示ししております。この期間の議論については、作業チームの中では具体的な御議論はまだございませんでした。
 どのような機関、これは組織という意味の機関で言いますと、今までの仕組みの他に方法2といたしまして、医療機関内に設置した審査期間による審査。これは回数が増えるということも考慮に入れて、医療機関内で審査というやり方。
 方法の3つ目として、審査会が医療機関に出向いて審査をするという考え方、こういった方法をお示しております。
 論点の3、審査会で審査をする場合、退院に向けたより実効性・具体性のある助言を行うことができるようにすべきではないかという論点でございます。
 これは審査会における審査結果の出し方ということですけれども、現在はほとんどの場合が現在の入院形態での入院が適当という形になっておりまして、5入院継続が適当ではないという審査結果を出しますと、都道府県知事は退院命令を出すことになります。この命令は従わない場合には罰則がある強い効力の命令ということになります。実際にはこういった命令、こういった結果が出ることはほとんどないという形になってございます。
 そのような強い効力の退院命令を出さないまでも、地域支援関係者などの支援があれば退院可能な人も相当数おられるのではないか。そういう方々に対して病院あるいは本人を支援しつつ、実際に退院に結び付けることを目指すということで、審査会の審査結果として、例えば相談支援事業所に連絡をし、本人の意思を確認した上で退院に向けたプランを作成するといったような具体的な指示、助言を行えるようにする。そういったことで退院に向けた支援と結び付くような審査会、審査結果の出し方ということが考えられないかという論点でございます。
 4つ目がそれと関連いたしますが、「定期病状報告」についてどのように考えるかという論点でございます。退院命令を出さないまでも地域支援関係者の支援があれば退院可能な人について、実際に退院に結び付けるということを目指すのであれば、入院患者の病状を客観的に記載してある現在の「定期病状報告」の内容では不十分であり、退院に向けたプロセスを念頭に置き、どの段階にあるのかというのがわかる記載内容とすべきではないか。
 併せて、退院するために必要となる支援や環境調査などの内容、住まい、生計、家族との関係などについて、医師による報告とは別に報告を求めることも考えられるのではないかという論点を書いて議論をいただきました。
 29ページ目、作業チームの中では、精神医療審査会が出向いて審査をする方法は、精神医療審査会が入院時に一旦審査をして、後からそれを自分で見直す形であり、医療機関内で審査する方が客観性は高いのではないか。
 院内のPSWや地域支援室の人が入院時もそれ以後も関わることが本論である。医療機関で審査をする方法が位置づけられることがまず重要。審査会が出向いて審査する方法については、併用できるのではないか。
 精神医療審査会では、どれだけその人を地域で支えるシステムが準備されているのかほとんど考慮されない。精神医療審査会の機能として、地域のケアシステムや地域への助言というようなものも付与していかなければならない。
 医療機関内に審査会を設置すれば、今の医療が向上する誘因になると思う。精神医療審査会に出す書類は、その人がどういうサービスが必要なのかを記載する形にすべき。定期病状報告の記載は変えるべき。
 入院時から、院内の関わりを重要視すべき。まず院内の人が関わることで退院が進むのであり、院内であるから透明性が欠ける、進まないという議論から始めてほしくない。
 30ページ、実効性の観点で新しい機関をつくることは難しく、院内で審査をするというのは考えられるのではないかということ。
 漫然と入院が継続するのを防ぐのが一番大事。入院期間の制限を設けて、定期的に入院治療の必要性を審査した上で、治療の継続が必要であれば延長するといったやり方が考えられるのではないか。
 31ページ、入院期間の制限は法文上盛り込まざるを得ないだろう。更新を可能にした上で、地域、家族を含め、本人を交えたケア会議で退院に向けた取組みを必ず保証する。そういった御意見。
 精神医療審査会が医療機関に出向いて審査をする方法で可能なのかどうか。院内の審査で進めるべきであるが、精神医療審査会が出向いて審査をする方法との併用はあり得るのではないか。
 院内審査がしっかりしているかは毎年の実地調査で見ていくべきではないか。
 32ページ、精神医療審査会が医療機関に出向いて審査をする方法がいい。出向くと本人の意見を聞きやすい。当事者と家族の代表を審査員に加えてほしい。本人をきちんと見極めるためにも、医療機関内の審査で行うべき。その上で外からも審査に入るべき。実行は難しいかもしれないが、精神医療審査会が出向いた審査も合わせてやるべき。入院期間の制限を設けるべき。急性期では3か月を区切りとしてチェックすべき。一定の入院期間の制限を設けつつ、審査の上、方針を可能とする立場である。
 精神医療審査会の審査は、本人の代理人なり本人が出席できるものが必要。書類に退院に向けた計画を書くだけでは意味がない。病院に勤めるソーシャルワーカーが自立性、独立性を持って、入院時あるいは入院中に家族や患者に関わり、地域とのつながりもできるような環境づくりが必要ではないか。
 入院機関に関しては、作業チームの中でこのような御意見がございました。
 33ページ、退院時・退院後に関する論点につきましては、今後の検討ということになっております。
 私からの説明は以上でございます。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございました。
 続きまして作業チーム座長の町野先生より、ただいまの事務局の説明に対する補足をお願いできればと思います。

○町野法律等アドバイザー
 入院手続については、保護者の同意をなくすということを前提とした上で、精神保健医、指定医の1名の診察の他にどのような要件を課するかという具体的な問題でございます。
 いろいろ議論が出たということは今御紹介のとおりでございますが、私なりのやり方で若干の補足をさせていただきます。
 1つは、もう一人の精神保健指定医の診察を求める要件とするという考え方。措置入院的なものにするわけです。しかし、これは実際にこれが可能なのかということを考えた上で、入院時から時間的な感覚、これはタイムラグという言葉で表現されておりましたが、それを置いてもよいとする考え方がかなり有力に示されました。
 また2人目の診断をしてくれる人を、その精神病院ではなくて院外に求めるということも可能ではないかということも議論が出ておりました。
 更に、もう一人の診察というのが指定医である必要はなくて、精神保健指定医でなくても精神医療従事者とか、他の精神科にするとかそういうことも考えられなくはないのではないか。これは国連の準則というのが今のような考え方ですので、できればこうすべきだと言っていることに示唆を受けたものでございます。これも一部主張されました。
 以上のように、診断の適切さの問題、それを保障するという問題とは違いまして、地域精神医療の観点から、地域精神医療支援者の関与、これはあくまでも関与であって同意見ではないということでございます。それを必要とする考え方がかなり有力だったというぐらいに思いました。
 この考え方は、今のようにすることによって早期の退院に結び付くということも考え方があったといたします。現行法の市町村長同意を一般化するという意見もありました。すべての医療保護入院について、しかし、市町村長が同意しなければならないとすると、これは実行可能性の点、入院の適切性を確保するという意味での2つの観点からかなり難しいものが残るのではないか。ただ、これらのこれからの精神医療の福祉は、もう市町村のレベルで行わなければならないというのが現在の考え方にだんだんなっておりますから、今、申し上げました、先ほどのような地域精神医療の観点から同意見としてではなくて、市町村レベルでの関与はあってはいいのではないだろうかということもありました。
 代弁者ということについても先ほどありましたけれども、これは同意を代弁するということではなくて、昔の保護者制度というのはそういう考え方であったわけですけれども、そうではなくて、先ほど御紹介していただきましたけれども、新たな「ペイシェント・アドボカシー」の考え方であろうと。つまり、精神障害者の立場をある意味で理解して、その意思を伝えるとともに、医療との間の橋渡しをするということでございます。
 次に、入院機関や審査についてはいろいろな議論がありましたが、1つは別の機関を持ってきたらどうだろうか。精神医療審査会とは別。しかし、これはあまり現実的ではないのではないだろうか。例えば裁判所にするとか、行政が出てくるということになると、あまりにもフォーマルすぎるという点でも問題があるだろうということになって、精神医療審査会の審査をより実質的なものにしていく方法をむしろ取るべきではないだろうか。
 精神病院内での審査ということも1つのあれがあったわけですけれども、これも一部に勿論強い考え方がありますけれども、同時にこれからの精神医療は病院内でケースカンファレンスみたいな、それぞれやっていくという状態を取るので、それと精神医療審査会とを結合した方がむしろいいのではないか、これは私なりの意見ですけれども、こちらの方に少し流れてきたように思います。
 そういたしますと、それに沿った形で「定期病状報告」を変えていくということにすべきだろう。これもほぼ一致した考え方でございました。
 審査会の審査の方法についても、医療機関に出向いて審査をする方法を取るべきだという考え方と、実際の業務量もそうなってくると多すぎるので、これはケースセレクションしなければいけないのではないかと、またこうなると問題があるという話でございます。
 「定期病状報告」の期間を現在の12か月よりどの程度短くするかということについても、これはまだ十分な議論が尽くされていないということでございます。
 ついでに先ほど紹介がありました、認知症の患者の問題。精神障害者の入院の問題です。これは非常に難しい問題が実はあるというのが先ほど御紹介のとおりですが、医療保護入院というのはそもそも承諾の、言わばインフォームドコンセントを受けられない人間だけかこれによるべきかという立場が1つあります。
 そうだとすると、これでやって全部構わないという話になるのですけれども、それだけで足りるだろうかという議論がもう一つあって、いろいろな理解力とか精神障害者の判断能力がどの程度のときにこれを使うことができるかということが非常に難しい問題があるということでございます。
 それと同時にこの背景には、これらの患者さんたちを現在のような状態で精神病院に入れてそのままやっているという同じようなやり方でいいのかということについての基本的な問題がありますので、これは先ほど御紹介がありましたとおり、他の場所で大きな問題としては議論するのが筋道だろうということでございます。
 以上でございます。

○福田精神・障害保健課長
 どうもありがとうございました。
 今の事務局、町野座長からも補足をいただきましたが、この3ヶ月間で検討チームの方々からの議論をすべきという点につきまして御紹介をさせていただいたところであります。ある程度方向性が見えつつあるようなものと、まだいろいろな議論がいろいろな立場で混在しているというようなものといろんな状況にあるということであります。
 ここからは今事務局からの説明等に基づきまして、検討チームの構成員の皆様方から御意見をいただければと思っております。時間も限られておりますし、今、幾つかあった入院手続、その審査機関や審査のありようというものにつきましては、相互に関係している部分もありますので、皆様方からの御意見につきましては一括して御意見をいただければと思っております。
 メンバーの方々、それぞれ御意見をいただきたいわけですが、特に作業チームの方に入っていらっしゃらない先生方、構成員の皆様方には最低1回は御意見をいただきたいと思っておりますので、そういった観点からも御発言の時間、内容につきましては、できるだけ簡潔な形でお願いできればと思っておりますので、御協力をお願いいたします。
 それでは、ここから御意見をいただきたいと思いますけれども、よろしくお願いいたします。
 田尾構成員、お願いします。

○田尾構成員
 保護者問題も終盤になってきて、全体としては過度の責務を負わされていた保護者の責任が解除される方向に進んできたことは大変評価してうれしく思っております。最後の仕上げとして、その後の入院手続についてですが、ここへ到着するまでの議論でも、保護者問題を議論しているようでも、結局現在の精神医療全体がもっとよくならなければならないという議論が今までも何度も繰り返し出てきたと思います。
 新しい入院手続についての考え方は全く同じだと思うのです。今回、保護者の同意義務がなくなりますが、それでもやはり身近にいて、患者である身内のことを思い、治してほしいという家族の希望があって初めて入院が成立するということが基本的に変わらないと思います。でも、そこで少しでも家族が患者さんから理不尽に恨まれたりとか、利用者から過度な責任を負わされたりすることがなくなるというのが今回の改正点だと思っています。
 その上で、誰が同意をするかということは、家族を含めて客観的状況が入院を必要とし、指定医がそれを必要としていた場合、誰であってもよほどのことがない場合はそれを覆すことはまずできないと思うのです。ですから、入院時の同意とか関与は誰がやってもそれほど変わりはない。ただ、異なるのは、その後の経過だと思います。
 私は、長期入院の退院支援を30年以上やってきていますけれども、国の事業でもありました。さまざまな地域でこの事業の進捗状況を聞きましたけれども、どこでも声をそろえて言っていたのは、病院に入ることが難しいということでした。
 病院の中に入って我々が自ら退院できそうな人を探すことはできないのです。病院から推薦された人しか対象にできない。その結果、この事業を5年間行って非常に成果の出ないものとなって終了になりました。
 今回、この入院の同意あるいは関与について、地域関係者という選択肢があるのを見て、私は非常に胸が高鳴りました。強制入院の入院時に多少タイムラグがあったとしても、地域関係者として関与できれば、その人の退院に向けての支援も同時にそこから開始できるのではないかと思ったのです。ちょうどタイミングよくこの平成24年から、自立支援法で精神障害者地域移行、地域定着支援というものが個別給付の事業として始まります。
 地域の支援者が付けば、入院そのものに異議を唱えることができなくても、退院を早めることに非常に大きく貢献することが可能になる、そういう道が開かれると思います。入院の手続の厳格さや入院時の権利擁護も大切ですが、不必要に入院を延ばされて長期化することの方がもっと大きな人権侵害になると思います。
 入院時に法律の後押しで強制入院に関与し、その後、地域移行支援で関与し続ける。病院に入ることは非常に苦労した私たちにとってはこんなすばらしい退院者を増やせる機会がまたとないと私は感じました。
 院内のPSWという御意見もありますが、入院している人に関わるのに院内のPSWを無視して関わることはほとんど不可能です。協力し合って初めて成果が上がる。昨日、伺った病院では、PSWを含む数多くのPSWがいて、かなり活発に活動しており、入院時にも関わっているにもかかわらず、外から人が入ってくれると外圧になっていいと私たちの存在のことを言ってくれました。他にもやはり活発に活動している病院ですけれども、お医者さんに対して、外の人間から言ってもらう方がそのお医者さんは育つのでよろしくと耳元でささやかれたこともあります。やはり上下関係のある内部の人間では、医師に意見を言う、あるいは病棟内で意見を通すということでかなりの困難さを院内のPSWは抱えています。私自身の経験からもそうでした。
 繰り返しになりますけれども、外部からの地域関係者が入っても、院内の人を軽視することには決してならない。院内の人たちの力を借りないと、入院患者さんには何一つ私たちはできないのです。お小遣いが幾らあるだとか、家族との連絡だとかということはみんな院内の人の力を借りる。そういうことで非常によく連携を取るようになりますし、お互いに切磋琢磨するようになっていくと思います。
 入院の手続の問題から離れてしまったように聞こえますけれども、入院の手続の部分だけ切り離して考えることは無意味だと思うのです。入院する患者さんは、そこから入院生活が始まり、入院生活を送り、どのようにして退院になっていくのか、その経過の中で入り口を考えないと寸断された医療となり、入院期間は短縮されないですし、あるいは急性期の病棟が幾ら増えても入院を繰り返しますから、結局総合的な入院期間は長くなるということが出てくる。
 最初にお話ししたように、入院の手続、同意の問題でも全体の精神医療がよくなるために、どのように貢献できるかという観点から考えなければいけないと思います。地域にそんな地域関係者がいるのかという御心配があろうかと思いますけれども、今回、同時に自立支援法では、福祉サービスを受けている者にあまねく指定相談支援サービスがサービス利用計画を作成するということを3年以内に実行されるようになるということになっています。つまり、事業所の数が増えるのです。地域でいわゆるケアマネジャーの数がかなり増えていく見通しになります。入院時の同意、関与を相談支援事業所に限定する必要はないと思いますけれども、社会資源の数が増えていくことは確実ですので、地域関係者がいないという御心配はなさなくて大丈夫だと思います。
 長くなりましたけれども、お手元にあるかと思いますが、「リカバリー中心のメンタルヘルス・サービスへ」という冊子、イギリスからジュリー・レパーさんという方を招いて講演会をやったときの冊子なのですが、イギリスでは入院期間は2週間で、入院時から地域関係者がコンタクトを取り、リカバリープランを考えるとこの冊子の中で述べています。入院同意に限定せず、地域からの力を活用して、入院から即退院に向けた活動ができるようになるとすばらしいなと思っています。
 長くなりました、以上です。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございます。
 それでは、高木構成員、お願いします。

○高木構成員
 手短に意見を3点述べさせていただきたいと思います。
 1点目は、田尾さんの意見に私は全面的に賛成です。外から入れるのか、中の充実を図るかという議論が作業チームの中であったようですけれども、しかも外から入れずに内側を充実させるという方が現実論だというような意見になったようにお伺いしていますが、私は病院が充実するということこそ現実的ではないと思います。
 それは1番は経済的な問題で、これ以上、今医療費の削減の中で精神科の病院が医療費としてお金を取っていくことというのが今後無理な世相になってきていますから、その病院、しかも病院の方は病院の中を充実させるための資金というものがこれ以上ない状態の中で、経済的にも無理なのではないかと思うのです。むしろ田尾さんのおっしゃったように、今後福祉の制度を変えていくことで外から入るような仕組みをつくるということの方が本来よほど現実的だと思うのです。
 そういうことを特に行政が行われている今の救急医療の中で、試験的にでもどんどん積極的にやっていくというようなことから始めていくことで、地域と病院の関係というのができてくるし、また変わってくるのではないかと思っております。病院の充実を求めるというのはまず経済的に言って現実的に無理だろうというのが1つ。これまでの議論の中にありましたのが、よくあります医療保護入院という形をできにくくしてしまうと、必要な保護に実効性がなくなるのではないか。夜間とか休日の速やかな医療を受けさせにくくなるのではないかという話なのですけれども、私はこれを何の議論をしているのだろうと思うのです。
 というのは、夜間、休日に即効性を求める医療が必要な場合というのは、差し迫った自傷他害ですから、これは措置入院の問題なのです。どうも措置入院の問題と、ただ単に家族がその日ようやく連れてきたからまた連れて帰るのでは困るのではないかというようなレベルの問題が非常に混同されていると思います。
 24時間保護の有効性を求めるのであれば、むしろ休日とか夜間とかというようなときに、非常に家族との葛藤あるいは地域での葛藤が主になって、その時間にやって来ざるを得なくなった人を入院させるに当たっては、やはりもう一度地域で考えるような仕組みをつくる方が有効だと思うのです。
 ですから、医療保護入院に関して、夜間とか休日の実効性を求めるという類の議論というのは、措置入院との混同があるようで、この議論については私は認めることができないです。
 3点目、最後ですけれども、PSWとか指定医が同じ病院の中で指定医の最初の判断を補佐するかどうかということは、いわゆるこれは利益相反の問題でありまして、同じ病院の中で強制医療に関わる、しかも自分の病院に入院させるに当たって、院内の同じ利益をともにする者が判断を下すというのはおかしいので、実は皆さんの議論の中でこれまで余り出てきていなかったと思うのですけれども、私の考えでは病院の管理者である指定医が自分の病院に強制入院を行う判断をしているというのは、そもそも利益相反について大きな精神保健福祉法の中の傷だと思うのです。
 これは恐らく精神保健福祉法が変わるときに、こういう利益相反の問題が社会の中であまり出てきてなかったのです。まだ医療に対する信頼が一般市民の中にあった時代で、この10年、それは大きく変わってきていて、医療の判断とか薬物の使用とかということに関して、企業の利益というもの、病院の利益というものが無視できないということが一般社会の通念になってきつつある今、また更に同じ病院の中から同じ病院への強制入院を補佐するというような制度をつくるというのは、日本の精神保健制度を更に遅れたものにするようなものになるのではないかと思っております。屋上屋をかすようなことになる。泥棒に追い銭とは言いませんけれども、そういうことになってしまうのではないかと思っております。
 以上、3点です。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございました。
 佐久間構成員、お願いします。

○佐久間構成員
 ただいまの御発言に対しては大変憤慨、心外の至りであります。病院が利益誘導とかそういう問題ではなくて、まず医療保護入院の行動制限を伴うような入院の判断をするときに、本当に指定医はいろんな意味でできる限り任意入院を行おうとしてできない。そのときに実際に家庭内でのいろんな問題や地域での問題があって、保健師さんや御家族の同意の下にやっているわけですが、これはどんな治療でもいろんなリスクを伴う治療に関しては、検査1つでも同意を取ってやっているわけです。その同意なく全く御本人のために様々なそういうリスクのある判断をしてくださる方がきちんと同意してくださらないと、我々は同意してからの自傷や自殺であるとかいろんなリスク、治療に伴った副作用であるとか様々なものがあるのですから、その治療を行う上での同意をきちんとしていただきたい。その相手の方は御家族ではないのならば、きちんと責任を持って対応してくださる方にしていただきたいというのは一番の常識だと思うのです。
 ただ、その上で最終の医療保護入院の判断と治療というのはどうしても精神科の場合は切り離せないわけです。御本人が判断できない場合にどうしてもそういうことが必要になる。その意味で、きちんと病院の治療者としては別に入院させたくてさせているわけではなくて、本当に必要があってその判断をするわけですから、その上でむしろ治療契約という意味ではいろんなリスクは伴うかもしれないけれども、こういう治療をしてくださいということの同意を得ないととても治療はできないと思います。
 基本的には病院の中の力、要するに退院させる力も地域から是非それを支援する力も両方必要だと思いますので、現実には急性期、精神科救急の病棟であれば大体40日の平均在院日数でしていますので、ある意味では入院時に大体この方が過去に治療歴があれば、どのぐらい退院の際に何か障壁があるか、あるいは課題があるかというのはほぼわかりますので、いろんな意味で短期間のうちにそのためのケアマネジメントでできると思います。
 ですから、1か月以内に少なくともある程度の判断ができますので、その時点では私は病院のPSWなり、勿論、地域からの支援者の方はいらっしゃれば、一緒にそれは考えていくべきだと思うし、そういう形を取るべきだと思います。
 3か月経っても実際に退院できていない人は、何らかの退院に向けての病状はよくならないか、あるいは退院する上でのさまざまな地域での受け入れが難しいかという問題は当然残っているので、そういう時点ではきちんとそれは1か月でもいいのですが、2か月でも3か月でも、ケアマネジメントを義務づける。言ってみれば3か月以上の医療保護入院をするのならば、例えばきちんと何でそれが必要で、どういう対策で退院に結び付けられるかというきちんとした方針を立てるべきだと思うのです。
 そういうことをする上では、私は今病院がPSWでうちでも何十人もいますけれども、経済的な基盤は何もないのです。要するにそれだけの職員を雇って、病院で入院した方の退院の支援をするということに関して、私は今回の地域移行と同じような、あるいは相談支援と同じようなきちんとしたマネジメントというものに対しての費用を払って、そして退院に向けてのきちんとしたプランを立てる。その際に地域の方々の協力を得てきちんとプランを立てるということを形にすべきだと思うのです。そういう形で3か月を越えて入院する人はかなり減るのではないかなと思いますし、場合によったら医療保護入院は半分以上の人は1か月以内で任意入院に切り替えるか退院しているというのが現状です。
 一般の救急、認知症を除いた救急の場合、これは急性期でこれから先、早期の退院を支援するシステムということで1つ考えるべきですが、長期入院の方はまた問題が別ですので、やはりこれは短期間の中で何度も判断するというよりは、今のようなきちんとした、例えば田尾さんがおっしゃるようなシステムでの退院に向けてのプランを立てるということが重要だと思いますし、それは非常にいいことだと思います。
 ただ、いずれにせよ、議論の最初は病院が入院させたがっているような話があるけれども、我々は地域のニーズに応じて、あるいは御家族からの依頼でやっていることで、私たちが実際に入院してそういう同意者がいなければ、例えばどうしてもこの人は必要だという、例えば修正型電気痙攣療法とかやることはあるわけですけれども、本人の同意が得られないときに誰に同意を得るのか、あるいは隔離するときに誰に説明して隔離をするのか、指定医の1人の判断でいいのか、むしろきちんと入院時に関わってどういう治療を行うかということを理解して、それは基本的に同意ということになると思うのですが、そして協力していただく方が必要だと思います。
 私は、基本的に普通は家族であることが自然だと思うし、家族ができない場合は誰か他の方にきちんと担ってもらう必要はあると思うのです。いずれにせよ私は是非スムーズに実際に理解できないのは、夜間でも本当に措置にならなくても緊急性のある入院は幾らでもあって、応急入院もありますし、実際に入った後、特に初期は治療に非常なリスクを伴うのです。本人の病状がわからない場合、初めて診る患者さんの場合、隔離室に入る場合も、本当にいろんな看護が必要だし、それだけのスタッフも治療も必要だし、責任を持ってやるには本当にリスクを伴うわけで、それに対して治療をすることの同意というのはしていただきたい。それなしにはどの指定医もできないのではないかとは思います。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございます。
 そのほか御意見ございますか。
 野村構成員、お願いします。

○野村構成員
 家族の立場から申し上げます。地域支援者と要支援者とどのように関わらせるか。どのようにどちらが関わるかという問題がかなり話し合われていると思いますけれども、私は地域支援者がいいと思っております。というのは、本人の生活を地域の中で見ていく立場、これはとても重要だと思います。家族の中でどのようなことが起きていたのか、また、御本人が生活の中でどのようなことで行き詰って精神科の病気が悪くなっていったのかというようなことを、家族の話をよく聞きながら、地域の支援者が関わって入院するときにも同意する権限を持つ。その同意というのは法的責任を伴いますから、地域支援者には公的責任を負わせるべきであると私は思います。
 というのは、指定医が自分が入院したくない当事者の入院を御自分で判断して決めることができるような権限を持っていらっしゃるわけですから、地域の支援者にもあるレベルを超えてきちんとした資格を持っていらっしゃる方には公的責任を与えて、これまで家族が背負っていた責任を持っていただくのが必要ではないかと思います。
 家族はもうそれほど責任を負うべきではないと思っております。というのは、家族は年々疲弊していって、今、家庭崩壊、家族というものも崩壊しつつありますから、家族はこれ以上責任を持てないとなれば、社会の責任において地域支援者が家族の代わりに公的責任を持って、指定医とともに御本人の入院の可否について判断することが必要であると思います。
 地域の生活をよく感じとって、その方の立場に立って判断するという立場は、やはり地域の支援者が日ごろから関わって、御本人ともよく親しくお話をして事情を聞いておくことが必要であると思いますが、そういう関係がないとしても御本人に調子が悪かったときに訪問してそこでできる限りのことを察知して、家族のお話もよく聞いた上で同意をするかしないかを決めるというシステムは、今後の地域にどうしても必要ではないかと思います。これが病院の中だけですと、病院の中の医療の面からだけ判断されるおそれが非常に強い。地域の中でその方がどのようにして行き詰っていったか、どのように困っていらっしゃるか。家庭の中でどのような立場にいて、どのような苦しみをしていらっしゃるかというようなことを、やはり地域の支援者が日頃から把握して、御本人の立場に立って判断することには、私は賛成いたします。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございます。
 そのほか御意見ございますか。
 新垣構成員、お願いします。

○新垣構成員
 私の方からですと、どちらからというと病院の立場からすると、治療について勝手に患者さんだけと直接ではなくて、治療について説明をしながら同意をしてもらわないといけないと思うのです。そういうことで行くと、治療とか患者さんの生活についてサポーターというか、両用するサポーターが必要と思います。そうでないと、病院の中でなかなか治療が進まないので。それが家族であったり、家族でなくて信頼できる人であったり、もしそれができないのであれば公的なところに振るとか、それも白黒ではなくて、いないから1対1ではなくて、同意者、サポーターが不十分であればある程度公的なところから少しサポートしてもらうとか、それが全くいないときは公的なところがそれを担うというようなことが必要なことだと思います。
 そうでなければ、やはり病院の中でスムーズな治療、スムーズな退院ということがなかなか現実にならないと。そういう中でPSWに振ってみたのですけれども、今の市町村長同意というのは、全部がない場合は仕方がないから市町村が受けるのだというようなことが書いてあって、全てを満たす場合というのはやめてほしいと。要するに保護者が不十分なのだから、しょうがないからお願いしに行ったら、誰それがいないことを確認して、何とかがないことを確認して、延々とそれをやっていてとても大変なのだと。それよりも、それができないから受けてほしくて、それが満たされていく中でそういうサポーターに移っていくという方が現場としては非常に助かるということが言えます。
 保護者についてなので少し離れるのですけれども、施設入所であったりとか、地域について保護者、保証人がいなくなったら一体誰がやってくれるのだと。これがまたさんざんと手続が難しくなってくると非常に困るというようなことは言われていました。
 そういうことで、治療についてはサポーターというところで説明しながらできていく、それがその人本人の立場に立っていく、もしくはそれがない場合は公のところからやってくるというのが私たちのところとしては必要なのかなと。
 1点言わせてもらうと、利益相反というのは感情に触ったような言葉ではありました。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございます。
 長野構成員、お願いします。

○長野構成員
 治療の同意ということと入院の同意は別に分けるべきだろうと思うのですが、入院に、まずここの同意、関与をどう考えるかということで私の意見でいくと、まず精神保健指定医2名というのは、私としては反対というか、実効性としてもかなり厳しいと思うのですけれども、実際例えば中島先生が入院が要ると言っているものを私が例えば引っくり返せるかというと、医者同士の方が難しいのではないかと。実際かたくなっていったりとか、やはりうまくいかないのではないかと思っていて、これは違う立場のところで行くべきではないかとまず思います。
 というのは、医療保護入院は現場でやっていますと、実際、治療の絶対的な要因として医療保護入院が必要だと判断すべきことではあるのですけれども、実際現場は相対的に支援がないからとか、見る人がいないからとか、そういうことで判断せざるを得ないことが現場としては多いと思うのです。
 そう考えたときに、相対的判断でいくならば、では、私がきっちり見ますから入院させなくていいですと地域の関係者の方にきちっと言っていただければ、医者も、ではお任せするよと責任をシェアできるのかなと。
 というのは、私自身は弱気な精神保健指定医で、一度たりとも入院させたいと思ったことはありませんで、でき得ることならば入院させずに済ませたいと思い続けながらも、しょうがなくリスクを背負いながら入院をしていただかなければいけないことをずっと経験してきているわけで、そこに地域の関係者が実際に私たちがちゃんと見ますから、今回入院せずにやりましょうと責任を持って言ってくださるパートナーがいればいい意味で進むのかなと。
 制度的にどうかというときにずっと考えていたのですけれども、国家資格化十数年のPSWにここで踏ん張っていただけないかと個人的には思います。というのは、ソーシャルワーカー、これからこれが法改正になって施行されるまでまだ数年ありますので、田尾さんおっしゃっていたように、相談支援が基本的に義務化、利用計画が義務化された中で地域のソーシャルワーカーは増えていかざるを得ないはずです。そこの中に、これは例えばですけれども、精神保健指定医と同等の精神保健指定ソーシャルワーカーなるものが国家資格化を例えばされて、同意も責任持ってやるという体制でパートナーとして地域支援関係者と入院の可否についてしっかり責任をシェアできれば、かなりいろんな意味で地域に向いて進むのではないかと思ったりしています。
 院内か院外かということで議論が分かれていますが、理想的に勿論地域関係者だと思いますが、院内か外かということにこだわるというよりは、資格としてソーシャルワーカーは地域で精神障害を持った方を支える職種であるはずなので、ソーシャルワーカーの方がそこにきちっと責任を持って関わる。関与というよりはきちっと同意をして、責任を持って関わっていただくような仕組みにならないかなと思います。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございます。
 そのほか御意見はございますか。
 では、小川構成員からお願いします。

○小川構成員
 これからの病院地域をどのように考えていくのかというところでこの議論をしていくということだと思っております。御説明の中に、現実的には難しいという話も幾つか出てきましたけれども、現実が難しいからやらないということではなくて、今後どういうふうな病院、地域をつくっていくのかということの方向性を念頭に置いて考えていくべきかなと思っております。
 措置入院の場合ですと、自傷他害の要件があって、これはかなり明らかに自傷他害があるということで入院になっていくということでございますけれども、医療保護入院の場合、逆に自傷他害がないということでなかなか入院の判断というのも、先ほど長野先生もおっしゃっていましたけれども、いろんな相対的なものを考えて判断するという意味では、逆に難しい判断になっているのかなと思います。
 そういう意味からは、医療保護入院が自傷他害の要件がないから厳格な手続きが必要でないのだということではなくて、むしろなかなか難しい判断があるということですので、ここはきちっとした手続が必要になるのだと思います。
 また、同意ということですけれども、これは入院の必要性を判断することと同意とはまた別のことで、治療契約をすることについて同意するということだと思います。本人に代わる同意をする方というのは、私は現実的には見当たらないのではないかと思います。そうすると、いわゆる一般的な治療契約ということではなくて、あくまでも御本人にとっては非自発的入院について納得がいかないにしろ、一定期間お願いをするという公的な枠組みの中での入院にならざるを得ないのではないかと思います。
 そうしたことで言うと、できるだけ入院が長期にならないような形での仕組みを入れながら人権が配慮されていく、そしてこれからは地域でどう支えていくのかということですから、入院当初から地域の精神保健福祉士や訪問看護をやっている看護師だとか、さまざまな皆さんが全体で支えていくような仕組みを是非つくっていただきたいと思います。
 入院当初に地域の支援者が関わることができないにしろ、一定期間、例えば72時間以内とかそういうところで必ず関わっていき、入院当初から退院に向けたアクションが始まるということを是非やっていただきたいと思います。
 もう一つ、市町村がどう関わっていくのかということですけれども、私は市町村同意というのは全く行政が関与するから強制的になるとは思っておりませんで、市町村同意がいいとは言っているわけではないのですが、何らかの形で市町村にも責任を負っていただけるような役割を与えていかないと、これから孤立死とか孤独死の問題とか、そういった問題が現に起きています。地域住民を守っていく立場で、例えばそういう地域支援者の方々に対するところで何らか市町村が結び付いていくような、今も多分そういうふうに都道府県とか市町村が結び付いて地域移行とか定着をということでやっていっていくのだと思いますけれども、そこで市町村の役割も何らか持たせていかないと、これからの地域づくりというのはうまくいかないのかなと思っております。
 そういうことで、精神医療審査会も現状の中ではなかなか実効性が上がらないということでは、例えばピアサポーターも含めて考えてはいかがでしょうか。精神医療審査会でなくてもいいのですけれども、ピアサポーターが公的に認められるとか、そういうことも含めて実効性のある審査というかチェックというか、風通しのよさみたいなものも必要になるのかなと思っております。
 入り口のところの関与の仕方については、院内のPSWは勿論入院のところでも業務としては当然関わるわけですけれども、いわゆる入院の必要性の判断というのは指定医がするわけですので、それとはまた別に退院を進めていく、そういう役割の方が地域の中から関わっていくべきだと思っております。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございます。
 西田構成員、お願いします。

○西田構成員
 冒頭、町野先生の方から補足説明ということでお話いただきましたけれども、その中に国連の方での議論において2人の指定医というのが必ずしも必要ないけれども、指定医でなくとも、そのレベルを落としても独立した機関の人間がもう一人、2人目として関与する必要があるというお話がありましたけれども、その点についてなぜ独立して人として質を落とすというのはおかしいかもしれませんが、指定医2人でなくても、独立した2人、独立すればというのはどういう意味でしょうか。

○町野法律等アドバイザー
 正確に言いますと、独立してという書き方ではないです。要するに精神医療の従事者も1人だと。先ほども議論がありましたけれども、独立ということの意味ですが、それぞれのプロフェッショナルがそもそも独立しているのだというのが多くの考え方なのです。だから、勿論、先ほどの御議論の中にありましたけれども、1つの精神病院に所属している精神保健指定医が果たしてちゃんと客観的に判断できるかという疑問はいろいろ持ちますけれども、一応その点についてそれぞれのプロフェッショナルは自分の良心に基づいて判断するのだということで独立しているという前提で成り立っているのです。ピアレビューとかそういうものもそうだという具合に思います。
 勿論、それは危ういフィクションになっていく考え方もありますけれども、そのような考え方です。

○西田構成員
 ありがとうございます。ほかの国の制度の中で同じ機関の人たちで2人目の同意を取るということを私はあまり知らないのですけれども、そういうことは御存じでしょうか。

○町野法律等アドバイザー
 恐らく詳しいのは白石先生の方だと思いますけれども、1点国連の準則についても可能ならばという限定は付いておりまして、必ずしなければいけない、マストではないということなのです。だから、多くの国は必ずしもそうではないだろうと思います。

○西田構成員
 国際的にはそういう方向には向いていかなければいけないということだと理解してはおりますけれども、よろしいですか。

○町野法律等アドバイザー
 はい。

○西田構成員
 そういった前提で、医療の必要性の判断を指定医の先生がなされるということ、もう一方で、医療保護入院といっても強制入院であるということには変わりがありませんので、権利擁護をどういうふうに制度、システムとして保障するかということは、その後の入院後の退院支援ということも非常に重要ですけれども、権利擁護の仕組みをどうするかということは、きちんと考えて制度化していく必要があろうかと思います。
 性善説ですとか性悪説ということではなくて、権利擁護というものが何重にもチェックがかかるようになっているということは非常に重要なことだと思いますので、そういった観点で今後の医療保護入院の入院手続の在り方も検討を進めなければいけないのではないかと思います。
 その上で、基本的には海外の事例を1つ申しますと、イギリスなどでは先ほどお話がありましたが、2週間で退院をされていくというお話がありましたけれども、イギリスの現状では、医療保護入院も措置入院もなくて、強制入院というくくりで10%である。日本の現状では、医療保護入院を含めて40%ということで、かなり発動率というものは高いという状況があるかと思います。
 そういった意味で、そういった発動がなぜ諸外国に比べて高いのかということは分析をしなければいけませんけれども、やはりそれが最終手段になっているかどうかのチェックというものは必要でありまして、そういった確認をやはり権利擁護の観点から第三者的にきちんと評価する人が必要ではないかと思います。
 今、地域のソーシャルワーカーというのがその1つの有力な候補ではないかというお話がありましたけれども、医療の必要性という観点と権利擁護、アドボカシーをするというソーシャルワークの一番中核的な大事なところでありますが、そういったことのバランスを配慮しながら、そのプロセスに関与ないしは同意していくということがやはり必要になると思います。
 そういった手続に関与するソーシャルワーカーないしメンタルヘルスのプロフェッショナルというのは、私が知っている範囲では、多くの国が自治体、ローカルガバメントとかナショナルガバメントの承認を受ける、かなりの研修を受ける。6か月ぐらいの集中的な研修をある程度のキャリアの上に受けて、それでそういう人たちが入院の必要性判断ということを指定医とともに検討するという状況になっておりますけれども、そういった観点でやはりどこかでアプルーブドする必要、承認する必要があるだろうと思いますし、それなりの訓練といいますか、エデュケーションというか、そういう仕組みも同時につくって、その権利擁護をきちんと守れる、先ほど長野先生のお話にも責任も負うというお話がありましたが、きちんとある程度責任も負えるような仕組みも1つ必要なのではないかと思いました。
 そういう意味で、地域の精神医療審査会で例えばそういった入院手続に関わるPSWが何らかの任務を与えられて、そういう入院時から関わっていく、そういうことが必要ではないかと思います。精神医療審査会から何らかの形で当たられた立場で入院手続に関わって、もし関与したりした際にどうしても指定医との意見が合わないということに関しては、それを精神保健審査会に上げて、そこでもう一度議論していただくというような仕組みがもう一重権利擁護の担保として必要になってくるのではないかと、そのようなことも考えます。
 いずれにしましても、精神医療審査会の機能強化というのはここでも議論されてきておりますけれども、非常に重要でありまして、現行のメンバーではやはり不足すると、地域の支援の方ですとか、権利擁護の観点から専門家ないし当事者の方を一定数きちんと入れた仕組みに変えて、そういった権利擁護ができる機関として精神医療審査会を再構成しなければいけないと思います。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございます。もう一方ぐらい御発言いただいた後で、ピアスピーカーの小杉さんと山田さんから今までの御発言、構成員の御意見なども踏まえて少しコメントいただければと思っておりますので、御準備をお願いしますね。
 では、中島構成員、よろしくお願いします。

○中島構成員
 この問題は大変難しい、様々な問題が入り組んではいるのですけれども、大ざっぱに言えば、精神保健指定医1名が判断する。次に同意か関与かという問題が15番目のパワーポイントにあるのですけれども、ここはやはり同意にしておかないと、一応指定医の判断をよしとすると、これは万が一訴訟になった場合にそれを受け止められるだけの財力があるということで必要になります。個人ではできないということです。
 これは精神医療審査会に登録されているPSWあるいは市町村のPSW、何らかの身分が必要になってくるだろうと思います。これを院内にするか院外にするかという問題が1つあって、プロフェッショナルだからどちらでもいいだろうという考えもないことはないのでしょうけれども、まだそこまでPSWは育っていない、プロフェッショナルになりきっていないと思いますので、やはりここは院外のPSWと決めた方がいいのではないかと思います。院内で指定医、医者に反対の意見を述べることができるPSWは極めてまれで、むしろそれを求めることは、そのPSWに対して極めて過酷なことを要求することになりますから、これは現時点ではよくないと思います。
 ただ、院外の人の場合、どういうふうにして決めるかというのは先ほどから一生懸命考えたのですけれども、ある程度順序付けをするしかないのではないかなと思っていました。第1は審査会のPSWとか、その次は市町村のPSW、何らかのなれそうな人を挙げて順位付けをきちんとしておくということが必要であろうと。
 私はなぜ同意というかというと、関与は代弁者にしてもらうべきで、代弁者の方はあくまで当事者の味方になるべきです。権利を擁護する立場の人として登場しなければならないのであって、地域のPSW、この生活を支える人が出ていって入院に同意するということがあってはならない。これをやると、出てからの支え方が難しくなります。簡単にいく場合も勿論あるのです。だけれども、難しくなる場合が出てきます。ですから、できればここは峻別しておいた方がいいのではないかと考えております。
 審査会については、大体医者が2名おらないといけないと、どこでも言っていますけれども、こんなのはおかしいのです。1人で、相手が10人いても言い負かせられるぐらいの医者でなければ精神科医の名に恥じると思って、1人の精神科医でいいでしょう。そうすればもっと数が増やせるのではないかなと思っております。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございます。
 では、ここで今までの御議論、御意見をお聞きした感想でもよろしいですし、準備していただいた御発言でも結構でございますけれども、ピアの方から、まず小杉さんからお願いします。

○小杉ピアスピーカー
 私は長いこと通院を繰り返してきたものの、精神医療自体については全くの無知でした。このチームに参加させていただくことで始めて知ることばかりで、今日も聞いていてもわからないことが正直いっぱいですが、今回の検討資料案の説明を受けたときに、自分が定期的に通院していたときを思い出しました。前回もお話ししましたが、診療時間はほんの5〜8分程度で、診察後、自分のことをわかってもらえただろうか、これも伝えればよかった、私の後に続く待合室で待っているたくさんの患者さんを見て、自分ばかり時間を取ってはいけないと、自分も時間を気にしながらの診察で、もっと話を聞いてもらいたいという思いが常にありました。
 クリニックではデイケアも行っていたようで、楽しそうだな、あそこに行く人は話を聞いてもらったり、同じような病気の人と関われるのかなとうらやましいなと漠然と思っていました。それでも私は信頼できる医師から認知療法の場に参加させていただいたり、お年寄りのリハビリセンターのお手伝い、ボランティアなど、当時医療とは離れた場で自分の居場所を手に入れるきっかけをいただきました。
 私の病状回復に合った対応をしていただけたと思います。担当医の言うとおりにすれば間違いない、でもそれだけに医師に与えられた世界しか知ることはありませんでした。精神保健福祉士、作業療法士、臨床心理士という専門職の存在があることさえ知りませんでしたし、精神科救急センター、地域生活支援センター、デイケアなど、医療とのつながりで助けてくれる人たちや、施設や居場所があることを全く知らずに来ました。あったとしても、信頼する医師が勧めるものでなければ自分から希望できないという認識ですし、実際、そのような現状だったと思います。
 医療メニューという表現でよいのかわかりませんが、医師以外にも相談できる人がいるよ、病院の外にこんな地域支援者がいるよ、仕事復帰のためにこんな施設があるよ、急に具合が悪くなったら行ける病院があるよと、患者にオープンに伝わり、患者が自ら選べることができたら、自ら回復のために前向きになれたり、自分だけではないという孤独感から救われると思います。こんなときあなたも利用できる医療、専門家、施設などの紹介が身近にわかりやすく開示されればいいなと思いました。
 勿論、そういうことを知る意欲もない、判断もできない悪い状況のときもあります。患者以外の家族や家族以外の代弁者にも同様に知らせることで、身近な人から本人に勧めたり、信頼できる人と一緒に選べることができると思います。医師からの一方的な治療ではなくて、患者、家族、代弁者も一緒に参加して、受け身ではなく積極的に回復する力になるのではないでしょうか。
 また、検討資料に書かれていた家族の義務を解放する代わりに代弁者と関わり、それも本人が信頼して指名できる、それは私にも必要でした。夫はほとんど出張で不在であり、日常の悪い状態や落ち着くときなどの私の様子を知っていてくれたのは、職場の園長や友人でした。
 退院に向けたプラン、ケア会議、先ほど言葉が出ていましたけれども、そういうところに家族、代弁者の参加はとてもいいなと思いました。地域支援者というものの中に本人にとって身近な存在の人がそれに加わるといいなと思いました。
 最後にもう一つ発言させていただくことがあります。まだ退院後の検討は進行していないのですけれども、患者が退院後社会復帰して仕事を始めてからもつながる医療や地域支援、また専門家が必要だと強く思います。
 私の場合は仕事復帰をしながら元気を回復していきました。でも、どうしても仕事を始めてしまうと無理してしまうことも多く、職場の人たちに長い病休を取った上、これ以上迷惑をかけられないと無理せざるを得ない場面もあり、また苦しい状態に戻ってしまうのにとても恐怖に思うことが少なくありませんでした。心の隅っこで誰かに助けを求めたい気持ちはありながらも、助けてと言えない自分と闘っていた自分を思い出します。
 そんなとき、職場へ訪問して様子を伺ってくれたり、本人の代弁者として職場へのアドバイスをしてくれる専門家の継続的なケアがあれば、職場の理解も高まり、職場、本人、両者にとってどんなに安心かと思います。職場復帰後も安心して働き続けられて、入院を繰り返さないように、そんな先を見越した体制の充実の検討を望んで、私の発言を終わらせていただきます。ありがとうございます。

○福田精神・障害保健課長
 どうもありがとうございました。
 では、山田さん、お願いいたします。

○山田ピアスピーカー
 今までのお話と、自分の体験や知見を含めてお話をさせていただきます。
 まず最初に重要だなと自分で思っていますのは、医療にもしっかり関与できる地域の精神保健福祉士等のスタッフがいてくれると大変助かるということと、地域をわかり、患者さんが地域生活へとしっかりとつながれて、またそれが維持できる病院の精神保健福祉士等のスタッフ、勿論、それは診療所やクリニックでも構いません。その2つのグループが地域をオーバーラップするような形で、その2つの両輪があることが大変望ましいと思っております。
 例えばこの退院は医療保護からの退院の段階で地域生活支援室とその地域の生活支援センターが連携して、例えば訪問をいつから始めるとかという日取りを決めるなどという取組みがありました。逆に退院促進事業を請負ながら、患者さんを退院させることもできないような地域生活支援センターなどもあり、それは地域支援としてとても残念なことだと思っています。
 その点はスライドでの18ページ、白石構成員の地域支援を担う人が医療保護入院をしている人に関わるべき。病院の中の精神保健福祉や看護の生活支援担当に外からの退院促進の支援を担うような人たちが関わってという部分にも関連しますが、その内外でどこまで関与するか、その同意の問題も含めてはまだまだ議論の余地はあると思います。重要だと思っております。
 もう一つは、21ページの堀江構成員のできるだけ院外の人を入れるのが当然の選択肢。もっと地域の人が関わっていくということは極めて重要。これは3番目の意見です。前の白石構成員の18ページも3番目の意見でした。その部分は地域支援者の議論が今後まだ充実しなければいけないのではないかと思っております。
 スライドですと32ページ、吉田構成員の初回の入院の人はなかなか地域とつながっておらず、精神医療そのものの情報が全くないという発言や、また地域とのつながりもできるような環境づくりが必要ということでありますけれども、私の体験に即して言えば、初回入院した後、退院した後、悪く言えば放り出されるような退院で、どこともつながりもなく退院して、医師と家族だけということで、ほかに横の側面的なサポート、支援等もなく、家にいて結局新しいことを始めたのですけれども、それも1回目の入院から1年半近くしてから再燃してしまいまして、新しく始めたことは次につながらなかったという体験もあります。
 2回目、退院した後には、デイケアに行ってはどうかというような話もありまして、初めてそこでそういうものがあるのだということも知りましたし、チーム医療なのだという話も構成員の方からの御発言でもありましたけれども、実際、チーム医療という自分の体験ということは、余りチームとして関わられたなということは体験としては残っておりませんので、まだまだチーム医療として改善の余地があるのかなと思っております。
 スライド20ページの5番目の広田構成員の、外から引きはがすのではなく病院が患者さんを送り出していくモデルの話をされていますけれども、勿論、送り出していかなければいけないのですけれども、やはり受け手の方を受け止めて、受け皿の方も送り手としっかりとつながっていかないとうまくいかないというような思いは体験からもします。
 それは地域における医療と福祉の連携の話になるかもしれませんし、構成員の中のお話で医療的なサポートと福祉的なサポート、両面が必要だというお話にもつながってくると思います。
 実際、退院するに際しても、例えば病院と住まいの位置の関係にもよりますけれども、例えば横浜市の何々区だったらどこどこさんのところに行けばいいとか、東京の三鷹市だったらだれだれさんのところに行けばいいだとか、東京何々区だったらどこどこの何々さんのところに行けばいいだとか、ワンストップサービスみたいな形で地域支援がつながっていればよいのではないかという思いがいたします。
 前回、話し相手がいれば入院も防げているのではないかという話もありましたけれども、実際、地域支援センターなどを利用して、そこで友達を見つけたり、モデルとなる人、こういう人もいるのだとか、こういう生き方もあるのだというような人との出会いもありますし、それこそ相談相手を見つけることもできると思います。
 いろんな患者さんの状態によって差が生まれてしまうかとは思うのですけれども、今言ったようなことがより充実されるような形で今後お話が展開していった方がいいかなと思っております。
 以上です。ありがとうございました。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございました。
 それでは、あと野澤構成員と福田構成員、御発言いただければ。先に手を挙げられました野澤構成員、お願いします。

○野澤構成員
 保護者同意を外すというのは私も本当にいいことだなと思っていて、このままだと家族も不幸なままだし、本人も不幸だと思うのです。何らかの違う機能を用意するということはとても大事なことだと思います。
 いろいろ議論、論点はあるのでしょうけれども、私は代弁者というのは可能性と若干の懸念というか心配を含めた思いを持って熱く思っているのですけれども、一体どういう権限を代弁者に求めるのかなということで随分中身が変わってくると思うのです。どこまで権限とか責任を持たせるのか。あとどういう資格を持っている人なのかとか、どういう条件、本人の力量とか何とかを含めて、それとどういう立場というか、どういうバックボーンを持っている方なのか。権限をどこまで持たせるかによってそれぞれ違ってくるのでしょうけれども、これの制度設計次第ですごくいいものにもなりそうな気がするし、形だけのものに終わってしまいそうな気もして、ここが大事だなと思っております。
 それが成年後見の人だとか相談支援の人や家族あるいは市町村長とどのような関係性にあるのだという、この辺が気になります。町野先生の「ペイシェント・アドボカシー」というのはどういうものなのか是非詳しく教えていただきたいなと思って拝見していたのです。
 いろんな議論があると思うのですけれども、全部とりあえず置いておいて、私が勝手にイメージしたもので言わせていただくと、基本的に地域生活と権利擁護という2つを軸足に置いた人になってもらうといいのではないかなと思うのです。どういう場面で必要なのかなというと、入院するときよりもむしろある程度治療を受けて退院させようかどうしようかというときに一番必要性というか、存在感を発揮できるのではないかと思っていて、これまでいろんな意見を聞いていますと、退院するかどうかというときに、お医者様や病院の中で関わっている方々の目から見ると受け皿がない、支援がない、身辺自立ができていない、まだほかの人に迷惑をかけるおそれがある、家族の判断が必要とか、いろんな理由があってなかなか退院させられないということになって、それはそうなのでしょうけれども、地域でいろんな難しい障害を持った彼らを支援している側から見ると、受け皿がない、支援がないと病院の中から見ているものと随分地域の見方は全然違ったりするわけです。身辺自立できていない、人に迷惑をかけるおそれがある、相当の人でも地域でやっている。力量のあるコーディネーターや事業者というのは幾らでもやっているわけですね。そう思うとできるだけ、医療は医療でとても大事なのはわかりますけれども、こういう立場の代弁者の方というのは医療に負けないくらいの地域生活や権利擁護に非常に根を張っている力量のある人が必要だなと思うのです。
 では一体誰がこれをやるのかというと、自立支援法、相談支援というのは無理なような気がしているのです。むしろそういう事業をやっている方よりも、地域生活や権利擁護を考えるというより、専門性よりも当事者性を持っている方がいいのではないかなと思っていたりします。
 誰がやるのかということなのですけれども、突拍子もないかもしれませんけれども、例えば東京大学がやっていた市民後見人養成講座などを見にいきますと、お金にもなりそうにないことに人が来るのかというと、相当な人たちが来るのです。
 1回目、第1期生が350人、第2期生が600人、第3期生が300人とか、そのぐらいの単位でどっと来るのです。全部が全部いいわけではないのですけれども、中を見ていると本当に社会の一線でばりばりやってきた人たちで、それが年金をもらう世代なのか、あるいはその前ぐらいになるかぐらいの相当なキャリアを持っている人たちが結構います。これからのこの国の社会を考えていくときに、この方たちに何らかの社会的な役割を果たしてもらわないと、とてもではないけれども、つぶれてしまうような気がするのです。昔のこのぐらいの年齢の人たちと今の人たちと全然違うのです。
 昔は例えばサザエさんちの波平さんというのは54歳という設定なのです。あれは昔は54年定年で、定年1年前にひかれたおじいちゃんで、たらちゃんと遊ぶのが生きがいみたいなのです。今は54歳といったら郷ひろみさんなのです。昔は60歳は還暦で赤いちゃんちゃんこを着て孫たちに祝ってもらっているという感じですけれども、今年60歳になったのは誰かなと思ってこの前調べていたら、例えば三浦友和さんとか、中島みゆきさんとかです。全然この層のイメージというのは違って、この層こそ宝で、むしろそういう人たちにこういう問題に興味を持ってもらって全国的に社会を支えてもらうというのは私としてすごく明るい未来像が、高齢化は高齢化で大変なのですけれども、描けるのではないかなと思っていて、そのぐらいの、笑えるかもしれませんけれども、大胆な発想をこの際してほしいなと思っています。
 ただし、1つ条件があって、ちゃんとしたバックアップ機能だとか監督機関みたいなものが必要だと思います。私も地元で高齢者施設や障害者施設のオンブズマンをやっていたことが一時期あるのです。私は入所型の施設は批判的なので行ったのですけれども、やはり何度も通っているうちに、一生懸命やっている職員さんや経営者にどうしても感情が傾いていくのが自分でわかりました。相当難しいと思います。多分この場合でも慣れてきていろんな経験を積めば積むほど、やはりいい先生や医師、病院の方に心情が傾いていくと思いますので、その辺のダブルチェックというか、監督というか、そういうものがセットでこういう素人を育てていく。その人たちを地域で代弁者にしていくみたいなことを提案したいと思います。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございます。
 では、福田構成員、お願いします。

○福田構成員
 手元の資料を拝見しますと、作業チームの方でいろんな方がいろんな御意見をおっしゃっていたと思います。ただ、これは少し整理しないと私自身はよく理解できなかったものですから、整理したことについて3点申し上げます。
 まず1点目は、何を目的にして行っているかということについて整理しなければいけないことだと思うのです。私はこれは4点あると思います。
 第1点目は、医学的、医療的な判断が正しいかどうか担保するという目的だと思うのです。精神保健指定医を1名にするか、2名にするかというのは、非自発入院が医学的、医療的に妥当な判断なのかどうかをどう担保するかということに関わる。その手続だろうと思います。
 2点目は、今度は入院という形で一旦は自宅なりの地域社会を離れた方をいかに早く地域社会に戻っていただくかという視点だろうと思うのです。精神保健福祉士を関与あるいは同意とするかどうかということは、そこに関わっていることだと思いまして、それは先ほど申し上げたこととは別の視点だろうと思うのです。
 第3点目は、非自発入院ということで、御本人の意思に反したことを行っていることで、その権利擁護をどう行うかという視点だろうと思うのです。
 今出てきました代弁者というのは恐らくそうだと思いまして、御本人が同意はしていないというふうな、しかし、その方の権利をどう守るかということ、それが代弁者です。ですから、そういうふうにしまして、指定医を1人にするか、2人にするかとか、精神保健福祉士を関与させるかとか、代弁者をどうするかということはそれぞれ目的が違っていますので、ごっちゃにした議論をしてしまいますと外れてしまうかなと。
 更にもう一点は、先ほど佐久間構成員からございました個別の医療についてインフォームドコンセントをどう与えるかというのも、それはまた入院の同意とは別の話だと思うのです。ですから、そういったことをそれぞれ別途に考えないと、目的に応じて考えて制度設計をしないとうまくいかないだろうと思います。
 その上で、今のお話でも少し患者さんの権利擁護の視点が弱いというのは、先ほどの西田構成員から発言がありましたけれども、少しニュアンスが弱いような印象は持ちました。申し上げたこの3つの点については、精神医療審査会がある程度補える部分はあると思っています。現行の精神医療審査会はどちらかというと1点目の医療保護入院が医療的、医学的に妥当かどうかということに偏重した審査になっていますので、それだけではなくて社会に復帰するということについての審査、権利擁護という立場からの審査、それも含めるということが今後可能だと思うのです。
 そのためには、精神医療審査会のメンバーとして、福祉関係者であるとか、保健関係者であるとか、当事者であるとか、一般市民であるとか、そういった方を大幅に含めるということをすると、医療的、医学的な判断だけにとどまらないような機能を果たすことができるのではないかと思います。
 第2点目は、個別のケースの話と機関の話と分けなければいけないと思います。どちらかというと個別のケースについてどういうふうに同意するかとかという話になっていると思うのですけれども、当然入院するのは病院ですから、病院というと1つの組織、機関、これがどうするかということの視点が弱いような気がしています。
 先ほどからお話がありますように、病院という形で一旦は地域から離れるわけですから、そこから当然いずれは地域の生活に戻っていくわけですので、そういった意味から言いますと、機関、組織としては、そういう中に地域の方が入ってくるというのは望ましいだろうと思うのです。ですから、そういうふうな視点で個別のケースの同意云々ということと、機関としての問題と、それは少し分けて考えて、機関として組織として、病院として、そういったものについての運営の仕方ということを考えるべきだと思います。
 第3点ですけれども、第3点は、実効性という言葉が時々出てまいります。勿論、実効性は大事でありまして、実効性が伴わないことを幾つか定めても、まさしく実効性はないわけですけれども、一方で、実効性ということを突き詰めてしまいますと、最も条件の悪いところにそろえるという形にもなってしまうと思うのです。
 例えば休日の深夜で過疎地の病院でも実行できることとなってきますと限られてしまいますから、一方で実効性ということを突き詰めると、そういうふうにして条件の悪いところにそろえるというデメリットもあります。
 ただ、一方で実効性が伴わないことを定めても仕方がないということはありますから、それで取り得る方法としては、実効性がないというときに、最悪の条件では実効性がないという案について、だからといってプランから外してしまうのではなくて、そういうこともオプションとしては可能であるという形をとっておかないと、そういうふうな最も悪い条件にそろえるという形になってしまいますと、精神医療をよくするということにはなかなかつながりにくいと思いますので、そういった意味で、最も悪い条件で実効性がないということがあったとしても、それをだからといって制度から外してしまうとはしないでいただきたいと思います。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございました。
 皆さん方からいろいろ御協力いただいて、あと5分なのですけれども、各作業チームに入っていらっしゃらない方については一通り御発言をいただきました。ただ、最後、町野先生の方からもコメントをいただきたいと思っておりますので、大変申し訳ないのですけれども、要するにここは今議論を打ち消し合ってどうこうという話ではないので、また次の機会もございますので、お一人、最初に手を挙げていた人が広田さんなので、すごく短くお願いして。

○広田構成員
 今日のお話を伺っていてとても疲れて、いわゆる統合失調症、精神分裂病という時代の話ばかりしていて、国民の精神科医療にしたいのに業界の精神科医療で、泥棒に追い銭というのは確かにそういう時代あったかもしれませんけれど、クリニックも「診察室に家族や友達に話せばいい話をしに来ている」から、それは病院もクリニックも同じということと、私、1つ先生方がたくさんおいでになるところで言いたかったのは、いわゆる院内のPSWと私は申し上げました。それは精神科病院がきちっと自浄作用を果たして、地域と病院という構図ではなくて、病院も地域だと思います。今やどんどん外泊していますから。本当にこの一週間のスケジュールもほとんど精神科病院に行ったり、自殺未遂の人をおまわりさんから頼まれて部屋に入ったりとやっています。そういう中で、「先生が傲慢だからPSWに言えない」と言ったのです。高木先生などは最たる人で、ちょうど今日おいでになってよかったと思います。
 なぜこういうことを言ったかというと、私、去年、精神科医療で23年11か月ぶりに謝罪を受けたときに、それを聞いたクリニックの院長が、「謝罪は軽率だ、裁判をしてほしかった」と最初に言いました。その謝罪を受けた経緯をある委員会で発言しました。「共同通信の取材が入って」と。そうしたら、「広田、お前、二度とそういう発言はするな」という感じで物すごい勢いで騒いだのです。そこにほかのドクターがいてもそれに対して、「先生、それは広田さんに失礼だ」ということを言わない。
 不二家のケーキで食中毒が起きてそこの責任者が謝罪したときに、「お前」「広田」とは言われないのです。よくよく聞いてみると、その先生御自身も、患者さんに「ミスだった」と言っている。そういう意味で精神科医療の医者というのは、この間、負の財産を背負っている中でトラウマを抱えている。ですから、トラウマを取り払って、国民の精神科医療に次回から論議を変えていただきたい。いわゆる解離性障害、人格障害、アディクション、発達障害、いろんな新しい障害というか病気に対応する論議はない。もっと新しいところにも目を向けて。お二人のピアスピーカーの方は、私が最初にこういうところに出てきたらきっと同じ発言をしただろうと、非常に初々しさを感じました。
 私は今日も帰れば、疲れている体ですけれど、地元の警察署に夜中の2時までいると思います。現実を見て、時代を見て、そして国民の精神科医療の中の医療保護入院の議論を、14万人もいること自体がおかしいということです。現在の医療保護入院者そのものも減らなければいけないということです。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長
 河崎構成員、白石構成員、町野構成員でそれぞれ。
 では、河崎構成員と白石構成員、大変申し訳ないですけれども、1分程度くらいでまとめていただいて、あと町野構成員、総体的にお話をいただければと思います。
 では、河崎構成員から。

○河崎構成員
 簡単に済ませます。
 私は作業チームの中では院内の地域支援関係者、やはりこういう人たちをしっかりと活用していくということを発言しました。そのときに堀江構成員の方から、それは院外の地域支援者を排除するという意味ですかという質問を受けたので、一切そうではないと、まず院内の地域支援関係者がきっちりとした仕事をしていくということが必要であるのだという発言をしたということをまず確認しておきたいと思います。
 高木構成員の方から、もう精神科病院はそういう方向性のことは経済的には成り立っていかないというようなありがたい御忠告というのか、あるいはおせっかいというのか、それは別にしましても、しかし、そういうものをしっかりと評価していくという精神科医療をつくり上げていくということがみんなの共通課題として持たなければいけないということだけ発言したいと思います。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございます。
 白石構成員、どうぞ。

○白石構成員
 私は同意ということに関して、前にお配りしたものがあるのですけれども、保護者の義務を廃止するということと、誰かの同意をなしにして入院するかということは本来別だと思っていまして、同意をする人が家族も含めて誰か他の人に代替するのではなく、それを補充する形でいろんな人が同意できるような形にするというのが1つの在り方ではないかと思います。
 ですから、保護者というものはなくなるので、この前お配りした中には扶養義務者と書いてあるのですけれども、今日の議論を聞いていて、例えば後見人になるようなPSWもそうなるでしょうし、セーフティネットということで言えば、やはり市町村長というものも同意を担う人としてあってもいいのではないかという気がします。
 家族の負担というのは、保護者の制度がなくなったからといって何も変わらないということを確認しなければいけないと思います。そのために地域のPSWを何とかして増やすということで、私はその代弁者としてのPSW、場合によっては同意者としてのPSWと代弁者としてPSW、別々の人が付くというようなことがあっていいと思います。
 公的責任という言葉が何回か出ましたけれども、あくまでこれは医療保護入院の入院中の話をしているのであって、地域で引き受けたことに責任が発生するという議論は非常に難しいことだと思います。いつか誰かが何かするかもしれないということに対して、地域の誰かが責任を負うということは今後できないと私は考えております。
 だからこそPSWのような御本人の自己決定を支援する人を地域に増やさなければいけないと思っています。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長
 ありがとうございます。
 では、町野先生、感想も含めましてお願いします。

○町野法律等アドバイザー
 時間が超過しておりますけれども、いつもこういうときに座長の不手際だと言わなければいけないのですが、今日は言わなくて済むので。
 ごく短くですけれども、権利擁護の問題がいろいろ先ほど出て、同時に代弁者がこれを果たすべきだというのですけれども、権利擁護というのは強制入院させられない権利だけではないというのが我々の中での共通の理解です。
 つまり、適切に医療を受けるということも大切なので、そういうわけで、医療保護入院の名前に変えて権利擁護入院という名前にすべきだと発言をされたのが堀江構成員で、私はその考え方です。
 したがって、代弁者といっても、私の頭の中にあるのは、フォーマルなものではなくて、やはりその精神障害者あるいは患者さんに付き添ってずっと間を見てくれる人が必要なのだろうということです。これはすべての場合についてやはり問題なのですが、具体的に申しますと、例えばこちらでお呼びいただけるかどうかわかりませんが、相談弁護士の制度というのが昔ありました。そのときはリーガルアドボカシーが入ったわけですけれども、結局のところは医療関係全てについてそれをやらなければいけないということになってきた。そして、病院の側でもこれは非常にありがたかったということがあります。私の頭の中にそのようなものがあります。
 次に、先ほど同意の問題が何回か出てまいりまして、中島先生などもかなり強く言われましたけれども、中島先生とは非常に長い付き合いでございますから言わせていただきますと、やはり医療保護入院は昔から責任者は病院の管理者です。精神病院の管理者です。そして、そのときに決定を下すのは医療的決定ですから、精神科医です。そして、その責任を全部負わなければいけないのは、昔も今も変わりはありません。
 だから、先ほど30人でも何十人でも1人で対応できないのは精神科医ではないとおっしゃいましたけれども、同じ言葉を先生に申し上げたいです。

○中島構成員
 ありがとうございます。

○町野法律等アドバイザー
 そして、それとまた別の問題として、精神障害者について適切な医療を行い、権利を保護しなければいけない、地域精神医療も行わなければいけない責任というのは、義務的な責任は社会全体が負っているものであります。この問題というのはやはり混同しないでいただきたいと思います。
 チーム医療はこれからもやはりやらなければいけないだろうと思いますけれども、そのことは精神科医の法的責任を免れさせるものでは全然ないということでございます。100人でも相手にしなければいけないのは精神科医だというぐらいに私は思います。
 そしてもう一つは、同意がなければ話がなかなかやりにくいということがあるかもしれませんが、意見を聞くといったときに、恐らくこれからのやり方として、ある人の意見を聞いて決定するということを言ったとき、その人がOKを言わないときにそれを押しきるようなことは精神科医もしないだろうと思います。やはり話し合った末に、どちらが正しいかということをやった上で決めるということになるだろうと思いますから、今の日本のお医者さんというのはそれほど独善的ではないと思います。それも恐らく中島先生は御理解いただけるだろうと思います。
 3番目に、もう一つの重大な問題というのは、地域精神医療との関係、これは皆さん方に共有されている問題だということは非常にうれしく思いました。しかし、そのときに、どちらがやるかという話ではなくて、両方がやらなければいけない問題だろうと。発言がありましたけれども、地域の方から勝手に中に踏み込んでいって患者を引っ張り出すようなことは到底できる話ではない。それは明らかに非現実的です。そして、中の病院側においても、何もしないで自分のところだけ何かやろうということを恐らく考えてらっしゃらない。両方がそれぞれやらなければいけない、どちらが先だという問題ではないだろうと思います。
 恐らくこれから、私、独断と偏見で今のようにまとめましたけれども、中島先生はお許しいただきたいと思いますけれども、いろんな御意見が今日出ましたけれども、我々の方のところで議論した方向とあまり違ったものではないだろうと思います。そして同時に考えてらっしゃることは、あまり大きな違いはないだろうと。方法論としてどちらがやりやすいかという問題がかなりある。勿論、実効性という言葉ですべてをここで放り出してはいけないというのは、確かにそのとおりでございます。
 しかし、コストベネフィットの問題は考えなければいけない。そして、目の前の患者さんとか地域精神病院の移行をいかにスムーズにしていくかということも考えないといけないというようなことも考慮しなければ進んでいかなければいけないだろうと思います。
 大きな柱につきましては、1月から本日までのクールで検討を進めてきましたので、恐らく事務局から説明があると思いますけれども、次のクールというのは残された課題について議論を行うということになるだろうと思います。

○福田精神・障害保健課長
 どうもありがとうございました。簡潔に御意見も含めてまとめていただきました。大変私のいつもの不手際でありまして、ただ、あまり短く切ってしまってもいけないのでということでお許しいただければと思います。
 今後のスケジュールにつきましては、議論のこれからの進め方も合わせて事務局の方から御説明をいただければと思います。

○本後課長補佐
 ありがとうございました。本日は本当に議論の柱になる部分についてかなり突っ込んだ御議論をしていただいたと思っております。冒頭、津田政務官の方から御挨拶がございましたけれども、その中では今後のスケジュールということで、平成25年に通常国会での法改正、案を出すということを目指していくというお話がございました。もともと閣議決定で平成24年内にということが決められておりますのでそのスケジュールということになるわけですけれども、いずれにしても、そのスケジュールで考えますと、例えば地域生活支援ですとか、そういったものも含めた精神保健医療福祉の見直しの全体像というものをまとめた上で、国民の皆様に広く御議論いただくということが必要かと考えています。
 こういったスケジュールを考えますと、この検討チームでの議論、もしかしたら1つの案という形ですべて合意したような形にもしかしたらならないかもしれませんけれども、そういう幾つかの選択肢もあり得るという、そういった形も含めて6月中をめどに議論を整理していきたいと考えてございます。
 直近、今後のスケジュールということですけれども、これは事務局より御連絡をいたしておりますけれども、4月中に2回、作業チームと合同で、団体あるいは有識者の方のヒアリングを実施したいと考えております。
 この日程につきましては、まず1回目が4月11日の水曜日、18時からで、場所は専用第22会議室、18階の国会側でございます。2回目が4月27日の金曜日、これも18時から、場所は専用第15、16会議室、12階の国会側でございます。この2回を予定しております。
 更に5月以降に作業チームを3回程度行った後、検討チームの開催を予定しておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。

○福田精神・障害保健課長
 広田構成員、どうぞ。

○広田構成員
 ヒアリングというのはどのぐらいの人数がおいでになって何分ぐらいでやって、厚労省側の事前説明があるとか、時間配分を伺わないと、大体今日も足りないぐらいではないですか。

○本後課長補佐
 ヒアリングですけれども、2日間ともそれぞれ10程度の団体あるいは有識者の方に来ていただくということを予定しております。1団体につき7分程度プレゼンをしていただいた後、皆様から御質問あるいは意見交換という形になる。70分プレゼンをしていただいて50分が意見交換という形を考えております。

○広田構成員
 全体で何人になるのですか。

○中島構成員
 後で聞いてください。私も本当は言いたいけれども、我慢しているのだから。

○広田構成員
 ごめんなさいね。みんなを代表して質問したつもりですけれども、時間を延ばせるのならば延ばした方がいいのではないかと思ったので、いいのですね。了解です。

○福田精神・障害保健課長
 いずれにしても合同でのヒアリングを通じて、今日いろいろ御意見があった部分のところの更なる深化ということをやっていきたいと思っていますので、協力をよろしくお願いいたしたいと思います。
 本日も大変お忙しい中、長時間にわたり議論をありがとうございました。
 以上をもちまして閉会としたいと思います。


(了)
<照会先>

社会・援護局障害保健福祉部 精神・障害保健課企画法令係

電話: 03-5253-1111(3055)

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