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2012年4月6日 歯科医師国家試験制度改善検討部会

医政局医事課試験免許室

○日時

平成24年4月6日(金) 14:00〜17:00


○場所

専用第23会議室(19階)


○出席者

委員

赤川委員・和泉委員・井上委員・植田委員・江藤委員(部会長)
高田委員・丹沢委員・野上委員・橋本委員
福田委員・三浦委員・宮村委員・安井委員・村田医学教育医事課長(文部科学省高等教育局)

事務局

大谷医政局長・上條歯科保健課長・小椋歯科保健課長補佐・岡田試験免許室長・
曽我試験免許室長補佐・大坪試験免許室試験専門官 他

○議題

歯科医師国家試験制度改善検討部会報告書(案)について

○議事

○曽我補佐 それでは、定刻となりましたので、歯科医師国家試験制度改善検討部会第2回を開催いたします。まず始めに、医政局長からご挨拶を申し上げます。

○医政局長 医政局長の大谷でございます。お忙しい中、ご参加いただきましてありがとうございます。先生方には、昨年8月からワーキンググループを含めまして、計7回にわたり現行の歯科医師国家試験のあり方についてご議論をいただいてまいりました。この試験は、ご承知のとおり、我が国の歯科医療の質を確保する上で大変重要な意味をもつものでございます。平成26年から実施いたします歯科医師国家試験は、本日ご提言いただく内容を踏まえたものになるということでございまして、その重要性に鑑みまして、本日も是非最後まで審議をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

○曽我補佐 続きまして、4月1日付で事務局に異動がありましたのでご紹介します。医事課試験免許室長の岡田です。

○試験免許室長 試験免許室長の岡田でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○曽我補佐 本日は、野上委員からご欠席とのご連絡をいただいています。それでは、江藤部会長に以後の議事進行をお願いします。

○江藤部会長 それでは、議事を進めてまいりたいと思います。本日は、最終回の予定です。先生方におかれましては、慎重にご審議をお願いします。それではまず、資料について補佐からお願いします。

○曽我補佐 <資料確認>

○江藤部会長 それでは議事に入りたいと思います。当部会の報告書について、これは案ですが、議論を進めたいと思います。これまでの部会での先生方のご議論を踏まえて報告書を取りまとめましたが、この内容について詳細にご確認をいただくというのが本日の作業です。それでは、事務局から説明をお願いします。

○大坪専門官 それでは、資料1「歯科医師国家試験制度改善検討部会報告書(案)」をご覧ください。項目ごとに読み上げます。まず1頁の「はじめに」からです。
 ?「はじめに」。歯科医師国家試験は、日本の歯科医療の質を担保するうえで極めて重要な試験であり、昭和22年に第1回が実施されて以降、歯科保健・歯科医療及び歯学教育の変化に合わせて概ね4年に1度改善を行い、質の向上に努めてきた。直近では、「歯科医師国家試験制度改善検討部会報告書(平成19年)」を踏まえ、平成22年(第103回)歯科医師国家試験から、受験者の知識・技能をより適切に評価することを目的として、必修問題を増加し、新しい形式の問題を採用する等の改善がなされた。歯科保健・歯科医療を取り巻く環境は大きな変革を迎えており、平成21年7月には「歯科保健と食育の在り方に関する検討会報告書」で、歯科保健分野からの食育の推進について提言がなされ、平成23年8月には、歯科口腔保健に関する施策を総合的に推進することを理念とした「歯科口腔保健の推進に関する法律」が制定される等、口腔・歯の健康の重要性がますます認知されるようになり、歯科医師はこれまで以上に重要な役割を果たすことが期待されている。こうした状況の中、医道審議会歯科医師分科会歯科医師国家試験制度改善検討部会が平成23年8月に設置された。ワーキンググループを含め計7回の会議で現行の歯科医師国家試験について議論を重ね、今般、基本的な方向性についての改善事項を取りまとめたので、ここに報告する。以上です。

○江藤部会長 項目ごとにご意見をいただくということにしたいと思います。まず、この「はじめに」の中で、文言等、内容等についてご意見をいただきたいと思います。
○丹沢委員 この「はじめに」というところですが、こういうものは本当は非常に大事なもので、この文章を見せていただき、非常に私としては手前味噌にもなってしまいますが、良く出来ているのではないかと思います。教育上とか社会変化の背景とか、それから国家試験、そしてそれによる歯科医師の質というものが非常にこれからも大事で、それを改善して向上を図るということが明記された非常に良い文ではないのかと私は考えます。どなたからもご発言がないので、異論がないということもあるのでしょうが、私は特にいい文章だなと思っています。以上です。

○江藤部会長 ありがとうございます。歯科医師国家試験の合格者の質の担保と、保障というのが国家試験の基本的な役割ですが、そういったことも十分盛り込まれているということです。よろしいですか。

○宮村委員 ちょっと1つよろしいですか。真ん中の段で、「『歯科の口腔保健の推進に関する法律』が制定される等」ということが出てきますが、その次には「口腔・歯の健康の重要性」と書いてあり、口腔と歯の健康の重要性とか、あるいは、「口腔・歯」とか、これは何らかの意識とか区別があるのですか。歯科医師会的なことを聞いているのですが、つまり、口腔と歯の健康と言うと、口腔が大変に存在感を増して、「口腔・歯」というほうがどうも穏やかだということだからこうしているのでしょうか。

○江藤部会長 先生がおっしゃりたいのは、逆にして、「歯・口腔」にしたらどうかということでしょうか。

○宮村委員 いや、私は「口腔と」にしてほしいです。

○江藤部会長 その前の段に、口腔保健法と言わないで「歯科口腔保健法」となっているというのがミソではないかと思うのですが。

○宮村委員 これに関連して、「口腔・歯」としておいたほうがいいという意識があるのでしょうか。

○歯科保健課長 ここは、あまり議論をされていないというのが正直なところだと思ういます。ただ、「歯科口腔保健法」というのは、歯が先にきていますので、これに合わせて「歯・口腔」としていただいても差し支えは全然なかろうかと考えます。

○江藤部会長 宮村先生、いかがですか。


○宮村委員 そうすると、「歯と・口腔」のほうがいいのではないかなと思います。


○江藤部会長 では、「歯・口腔」と改めることでよろしいですか。

○宮村委員 はい。

○江藤部会長 他にありますか。ないようでしたら、続いて、歯科医師国家試験問題について、まず出題方法と出題数についてお願いします。

○大坪専門官 ?「歯科医師国家試験問題について」(1)出題方法等、出題数。現行の歯科医師国家試験の出題総数は365題で、各領域の出題割合をブループリント(歯科医師国家試験設計表)で明示している。出題総数については現行の数を維持し、必修問題についても合格基準の安定性を確保し、問題の質を担保する観点から現行どおりとする。

○江藤部会長 出題数ですが、よろしいですか。
       (異義なし)
○江藤部会長 それでは続きまして、出題形式です。

○大坪専門官 出題形式。平成22年(第103回)試験から、従来のAタイプ(5つの選択肢から1つの正解肢を選ぶ形式)とX2タイプ(5つの選択肢から2つの正解肢を選ぶ形式)に加え、XXタイプ(正解肢数を指定せずに正解肢を選ぶ形式)が出題されるようになった。また、平成24年(第105回)試験からLAタイプ(6つ以上の選択肢から1つの正解肢を選ぶ形式)と計算問題(数値を解答させる非選択形式)が採用されている。XXタイプについては、正しい知識を有しているかをより的確に問うことができるという意見がある一方で、受験者に必要以上の過剰な負担を与えるという指摘もあることから、試験委員会で問題の質や出題数等について十分に検討する。また、LAタイプと計算問題についても問題の質を考慮した出題となるよう留意すべきである。

○江藤部会長 ありがとうございます。出題形式、特にXXタイプ等についての表現ですが、ご意見はありますでしょうか。

○宮村委員 前回の平成19年度の改善検討部会の時は、XXタイプを出題したらどうだ、出すべきだという書きぶりだったと思いますが、それから3回やってみた結果、今回の部会では両論があって、必要以上な過剰を与えるという指摘もあるので、十分検討しましょうという最後の4行に内容が変わったということですね、そう捉えていいのですよね。

○江藤部会長 はい。ご指摘のように、前回の報告書にあるように無条件で出題ということではありません。

○宮村委員 そういうことですよね。

○江藤部会長 ここにありますように、「試験委員会で問題の質や出題数について十分検討する」と。ですから、最終的には、試験委員会に裁量はありますが、下から3行目のことをも十分考慮に入れて出題をされたいと、そういう内容の議論であったと思います。

○宮村委員 了解しました。

○江藤部会長 よろしいですか。ありがとうございました。次は、臨床実地問題です。

○大坪専門官 臨床実地問題。臨床実地問題は、実技試験に代わって臨床能力を評価する目的で出題されている。近年、歯科医師国家試験に向けた講義に費やす時間の増加等により、臨床実習が十分に実施されておらず、臨床研修開始時における技術能力にばらつきがあるとの指摘があることから、「歯学教育モデル・コア・カリキュラム(平成22年度版)」の改訂にあたって「臨床実習の充実」が単独の目標として強調された。歯科医師国家試験における臨床実地問題においても、机上のいわゆる受験テクニックではなく、参加型の臨床実習で得た能力をより適切に評価できる出題を推進し、タクソノミーの?型からの出題を増加する。

○江藤部会長 臨床実地問題ですが、いかがですか。

○宮村委員 「増加する」という文言が気になります。


○江藤部会長 「増加する」というのは自動詞だから他動詞にしたらどうかという意味ですか。

○宮村委員 はい。それから、これは理屈なのですが、受験テクニックというのは認知されたものとしてあるのですか。

○江藤部会長 これは、2回目の会議で委員からそういう発言がありまして、「技術」よりも「テクニック」のほうが如実に実態を表現しているのではないかということでこの表現になったはずです。テクニックの存在云々については、もう議論が終わっているところだと理解をしていただいてよろしいですか。「出題を増加する」という点については、先生は何とおっしゃいましたか。

○宮村委員 「すべきである」でいいのではないですか。

○江藤部会長 出題形式のいちばん後ろが、「留意すべきである」と終わっていますので、「べきである」と終わってもこの報告書自体としては問題ないと。課長そういうことでよろしいですね。

○歯科保健課長 はい、それで結構です。

「増加すべきである」でよろしいですか。

○江藤部会長 「すべきである」と。それでは、次の基礎領域の位置付けです。

○大坪専門官 基礎領域の位置付け。共用試験との将来的な役割分担を見据え、歯科医師国家試験では、臨床と関連を持った基礎領域の出題がされるよう工夫すべきである。

○江藤部会長 この臨床実地問題の臨床実地の充実と、基礎領域の位置付けについては、前回の報告書とはかなり違っているところです。
○宮村委員 すごく深い意味がありますよね。

○江藤部会長 ここは非常に深い意味があります。よろしいですか、こういう表現で。かなり踏み込んだ表現になっていますが。
       (異義なし)

○江藤部会長 ありがとうございました。それでは次の、出題基準、社会的課題への対応です。

○大坪専門官 (2)出題基準、社会的課題への対応。時代の要請に応え得る歯科医師を確保できるよう、下記の出題について更なる充実を図り、資質向上を促進していく必要がある。歯科医師として必要な、高齢者や全身疾患を持つ者等への対応に関する出題(全身疾患、検査及び多職種連携等に関する出題)。歯科口腔保健の推進に関する法律の制定等を考慮した歯科疾患の予防管理に関する出題。医療保険・介護保険等を含む現行の社会保障制度に関する出題。歯科領域から推進する、口腔と全身疾患との関係に関する出題(禁煙指導と支援、食育と食の支援等)。救急災害時の歯科保健対策・法歯学に関する出題。その他、社会問題化している「小児虐待」、「医療安全・感染対策・薬害等」及び「放射線の人体に対する影響等」については継続して出題する。また、平成22年版出題基準に新規導入された「診療に必要な医学英語」についても、医療のグローバル化の進展状況を踏まえ、引き続き出題する。

○江藤部会長 ありがとうございました。社会的課題への対応です。かなり多くの項目が盛り込まれていますが、よろしいですか。それでは、次です。合格基準、改善の方針です。

○大坪専門官 (3)合格基準、改善の方針。現在の合格基準は、必修問題、一般問題及び臨床実地問題の出題区分に応じた得点、禁忌肢選択数及び領域別基準点という複数の基準から構成されており、必修問題は絶対基準で、一般問題と臨床実地問題は各々平均点と標準偏差を用いた相対基準を用いて評価している。相対基準での評価を採用するにあたっては、近年の歯科大学・歯学部入学状況の変化等を踏まえ、受験者の質の変動に左右されず、歯科医師として具有すべき知識・技能を有している者をより適切に評価できるよう改善すべきである。

○江藤部会長 合格基準、改善の方針です。ご意見ございますか。

○宮村委員 この後段の3行ですが、これはどういう意味ですか。近年の状況。受験者の質の変動に左右されず、歯科医師として具有すべき知識・技能をより適切に評価できるようというのは、そのように改善がされていないということですか。

○江藤部会長 「近年の歯科大学・歯学部入学状況の変化等を踏まえ」というところで議論があったと思います。合格基準における変動要因には、試験問題の難易度と受験者の質の変動がありますが、これまでは受験者の質の変動はないとしていたので、試験問題の難易度だけを補正する形で相対評価が導入されてきました。それを2つ変動要因があった場合に、より適切に評価できるよう改善すべきであるということで、どのように改善すべきか方向を示したものです。

○宮村委員 ですから、相対基準は基準としては今後も続けるということですね。

○江藤部会長 はい。

○宮村委員 続けるときに質の変動に左右されず、具有すべき知識・技能を有している者を適切に評価できるようにするということですよね。
 今日、資料を持ってきたのですが、今回の国家試験の合格基準は今までよりも百点満点にすると10点か10点以上点数が高い領域があります。3回ぐらい前の試験では、3つの領域ので大体54点か55点ぐらい以上取らなければ駄目だというものが、今度は65点とか67点以上取らないと駄目な形になったのです。つまり、いくら試験ができたグループが、ある年にいても、相対評価で落とされるということです。できないグループが、ある年に受験しても相対評価で基本的には同じパーセントが落とされるということになり、相対基準について今後、検討したらいいのではないかなと思います。良いときと駄目なときでも同じ数が落とされるというのはどうなのでしょうね。しょうがないのですかね。

○江藤部会長 良いときと悪いときというのは、何がいいときなのですか。

○宮村委員 グループの塊として、全体として平均的に80点取っても、あるいは50点でも入る人は入って、落とされる数というのは大体一定しているというのが相対基準の矛盾だと思うのですが。

○?田委員 私の記憶では、問題の難易度や受験者の質は当然変動しますが、一種の正規化といいますか、相対評価を導入することによって、例えば理論上、比較的易しい解きやすい問題が出たときには、当然平均点が上がるわけですが、それでも達しない者を相対的にそのクオリティーを評価できます。あるいは逆に非常に難しい問題が出た場合も、それをクリアしているものと、していない者が出てきますが、理論上は平行移動して正規化されていますから、年度による受験生の本質的な質のばらつき、あるいは問題の質のばらつき等をある程度ミニマイズすることができるという議論があったかと思います。これらの議論を踏まえてこの文書になったと私は記憶していますので、至極もっともな文言かなと理解しています。

○宮村委員 それもよくわかるのだけれども、ではその絶対評価というのは一体どういうものなのですか。つまり、世の常として、60点以上取ったら合格にしましょうとか、70点以上取ったら合格にしましょうというのがありますが、絶対評価というものは、質を正確に捉えていないということですか。

○?田委員 厳密に言うとまさにそのとおりで、全体の社会の評価として、例えばいまの若い人が言語表現能力が30年前、50年前と全く一緒かということを何となくは感じている。しかし、この国家試験は、何となくということを排除して、少なくとも理論的には相対的な年度ごとによるいろいろな格差のばらつきを再評価するという工夫をここでしましょうという議論でこの結論の文言になったはずです。
○宮村委員 違うのですよ。最終報告書を出すにあたって、合格基準の中の相対評価について、何らかのコメントをするかとか、このままでいいのかということを今日、検討するということではないのですか。その辺のところは何も考えなくていいのかということです。
 もう1つは、もし反論があるなら、?田先生にもおっしゃってほしいのだけれども、相対評価というのは別の言い方をすると、つまり世間で言っている言い方は、どんなにできたところで、必ず落とす人間を作るという評価でもあるわけでしょう。

○?田委員 先生のおっしゃっていることが世間で一般化されているかどうかは、私はちょっとわからないです。

○宮村委員 問題ができようが、必ず落とす者が何パーセントかはいますよ、ということを言っているわけですよね。別の言い方をすると。

○丹沢委員 いまおっしゃっていることは、非常に架空の議論としては成立する話だと思います。

○宮村委員 架空じゃないですよ、現実ですよ。

○丹沢委員 これを検討したときに、過去の問題の正解率とかそういうのがかなり安定しているということを確認した上で、問題の質の問題と、受験生の質の問題の両方を担保するにはどうしたらいいかということで相対評価を続けるべきだということでやったわけです。それで、今回10点ぐらい合格基準点が高いということがあっても、この次に10点ぐらい難しくなるかもしれない。ある程度の誤差の範囲にあって、安定な問題を作る努力を続けているわけです。それで、ここでは安定した問題を作れということは、ある意味要求しているわけです。もう1つは、より適切に評価されるように改善すべきだということであって、少しでも良くしようということで工夫をしていきましょうという表現なので、最終的にこれですべて黒白が分かれるということではないと思います。

○宮村委員 了解しました。いわゆる相対評価というのは、実は受験の判定で、比較的というか、かなり客観的なものを持っているので、続けていいのだけれども、相対評価の基準の取り方が医学部と歯学部が違うとか、薬学が違うというようなことは、本来は問題にならなければいけないのですが、そこは私は今回触れるべきではないと思いますので何も言いませんけ。

○江藤部会長 
 試験問題の難易度という変動要因は、要は前提だったわけです。それに加えて受験生の質の変動、この2変動要因を十分に考慮して適切に評価すべきということです。適切に評価できるよう改善すべきであるという指針、方向性をここで出したのです。その方向性に基づいて具体的に運用するのは試験委員会等、試験免許室等の任務でございます。その辺をご理解いただきたいと思います。よろしいですか。以上です。
 次は、一般問題と臨床実地問題の評価方法です。

○大坪専門官 一般問題と臨床実地問題の評価方法。臨床実地問題は、一般問題に比べ、臨床における問題解決能力をより必要とすることから、引き続き配点に重みを置く。合格率の乱高下を防ぐ観点から、従来どおり相対基準による評価を行い、その基準を、歯科医師として必ず具有すべき知識・技能を有することを重視したものにする。平成22年(第103回)試験から、一般問題と臨床実地問題を包括して、出題基準で定める内容が近接した領域を統合した新しい合格基準が採用されているが、この基準には一定の合理性があり変更する理由がないことから、現行を維持する。

○江藤部会長 これは、現行を維持するという結論になっているのですが、いかがでございますか。よろしいですか。

では、現行を維持するということです。次が必要最低点の設定です。

○大坪専門官 必要最低点の設定。合格者の中でも学力格差が広がりつつあるという指摘や、バランスの取れた知識・技能を持った歯科医師が求められていること等から、歯科医師国家試験の領域を構成するグループ別に必ず得点しなければならない最低点を設定すべきである。なお、必要最低点の設定にあたっては、問題数や総得点等に配慮する必要がある。

○江藤部会長 こういう1つの方向性を出してございます。最低点の設定です。ご意見をいただきたいと思います。歯科医師国家試験ならずとも、最初の2行は、いわゆるあらゆる試験に該当する一般性のあることを踏まえて、最低点を設定してはどうかという方向です。よろしいですか。
 続きまして、必修問題の評価方法です。

○大坪専門官 必修問題の評価方法。必修問題は、歯科医師として必ず具有すべき基本的な最低限度の知識・臨床能力を有する者を識別する目的で出題されており、絶対基準での評価を継続する。「必修の基本的事項」は、出題基準で小項目まで設定されているが、この項目に従った出題となるよう試験委員会で十分に精査し、一般問題との区別や必修問題としての妥当性に留意すべきである。

○江藤部会長 いかがですか。一般問題との区別、必修問題としての妥当性、これがキーワードなのですが。一般問題との区別や必修問題としての妥当性というのは、これは試験委員会の判断、裁量に任せるところです。その辺のところに気をつけてくださいということです。よろしいですか。
 次が禁忌肢の評価方法です。

○大坪専門官 禁忌肢の評価方法。禁忌肢を含む問題を出題することについては、受験者に必要以上の緊張を与えているとの指摘がある一方で、受験者が安心・安全な歯科医療についての知識を習得するようになり、ひいては歯科医師に対する国民の信頼性が高まるという意見があることから、その是非について過去の試験結果等を参考に慎重な審議を行った。その結果、禁忌肢は、患者に対して重大な障害を与える危険性のある誤った治療(診断)や法律に抵触する行為など誤った知識を持った受験者を識別するという一定の役割を果たしていること等から従来どおり運用することとした。なお、今後も、偶発的な要素で不合格とならないよう出題数や問題の質に配慮するとともに、禁忌肢としての妥当性を試験毎に検証する。

○江藤部会長 文言からいいますと、先ほど宮村先生からご指摘のあった「検証する」「すべきである」でしょうか。

○宮村委員 すごくいい言葉だと思います。する必要があるとか。「すべきである」でいいですよね。

○江藤部会長 必要最低点の設定のところは、「配慮する必要がある」となっていますがいかがでしょうか。

○?田委員 しっかり確認しておくほうがいいと思いましたのは、「検証する」という言い方は、shall beという感じだと思うのです。そういうことをしなさい、というように、暗黙のうちに強い方向性があると思います。する必要がある、というのはit’s necessaryということでto以下ですから、必要があるけれど、実際にどうするかという運用は、もう少し弱い表現になると思います。「検証する」という日本語は正しい表現ではあるのです。憲法の言葉と似ていると思うのですが、「すべし」というのは努力義務だけれども、「する」というのはもう少し強い暗黙のメッセージが日本語としてはあると思いますから、私は必要な議論の結果は、「する」ではないかなと思います。その辺りは最終確認をしたほうがいいと思います。

○江藤部会長 ?田先生のご意見は、例えば「すべきである」と言った場合には、こういう事情があってやむを得ずできないと言い訳できるけれども、「する」となったら、これは規制ですので、規則になるから、半強制的になるという、そういう表現であるということで、皆さん方よろしいかということなのですが。「検証する」とここに入っておりますと、これは検証しなければならないと。これは法律用語ではないのですが、その辺の文言上の表現として、事務局、よろしいですか。

○大坪専門官 いま?田先生がおっしゃられたようなニュアンスで、先生方の議論を踏まえて案を作らせていただいておりますがいかがでしょうか。こちらの最後の文章は「なお、今後も」とありまして、現在でも試験実施後に、試験の内容につきまして、禁忌肢が妥当であったかも含めて、検証をしておりますので、それを今後も続けていくということで「検証する」という文言にさせていただいております。

○江藤部会長 受験生に必要以上の緊張を与えていないかという指摘に対して、こういった姿勢で望むと。ですから「する」でよろしいですか。
 続きまして、公募問題とプール制です。

○大坪専門官 公募問題とプール制。良質で画一化されていない試験問題を一定数プールする目的で、平成14年度から、全国の歯科大学・歯学部に対し試験問題の公募を開始し、平成19年の歯科医師国家試験制度改善検討部会の報告書においても、問題の公募によるプール制の推進が提言された。しかし、試験問題と正解肢の開示請求に係る情報公開・個人情報保護審査会の答申を受けて、問題冊子の持ち帰りを認めることとなったため、事実上プール制を推進することが困難となった。また、良質な問題を収集することを目的として問題の公募を開始したものの、実際には出題に適するものが限られていることや、試験委員会での推敲に要する負担が大きいことなどから、現行制度を見直すべきとの声があったため、問題の公募システムやその活用方法について改善することとした。
○江藤部会長 この改善事項が含まれております。どういった改善の具体については、試験委員会等の事項です。この内容はいかがですか。よろしいですか。ありがとうございました。
 続きまして、歯科医師国家試験受験資格認定です。

○大坪専門官 ?歯科医師国家試験受験資格認定について。現行の制度では、一定の要件を満たす者については歯科医師国家試験の受験資格を認定しており、外国の歯科大学部(歯学部)を卒業した者、または歯科医師免許を取得した者が、我が国で歯科医業を行うためには、歯科医師法の規定に基づき、厚生労働大臣の認定が必要とされており、基準に基づく書類審査によって、「本試験認定見込み」、「予備試験認定」または「不認定」のいずれかとなる。医師国家試験受験資格認定においても歯科と同じ認定制度を採用しているが、近年、認定希望者が増加傾向にある等から、国際的動向を踏まえ、「本試験認定」の基準を見直すこととした。歯科医師国家試験受験資格認定においては、現状、認定申請を行う者は少数であるが、我が国で歯科医療に貢献しようとする者に対し、適切に受験機会を付与する必要があるとともに、患者に安心・安全な歯科医療が提供できる体制を確保するためには、医師と同様の基準を設けることが適切である。

○江藤部会長 ありがとうございました。資格認定ですが、よろしいですか。
 次が、今後検討すべき課題で、1番目の出題基準のあり方です。

○大坪専門官 ?今後検討すべき課題。(1)出題基準のあり方。出題基準の改定にあたっては、関係者の協力のもと、歯学教育モデル・コア・カリキュラム、共用試験及び卒後臨床研修の一連の整合性を考慮した総合的な検討が必要である。

○江藤部会長 これも今後の話です。よろしいでしょうか。今回の改善検討部会で1つの方向を出して、あと何回かの改善が必要になってくるだろうと思われますが、今後検討すべき課題の(1)がこの内容です。次が、(2)の試験問題の評価についてです。

○大坪専門官 (2)試験問題の評価。現行においても、正解率や識別指数等を用いて問題の評価を行っているが、更に詳細なデータ(例えば、大学別・問題別正解率等)を分析することにより、全国の歯科大学・歯学部における出題内容の教授の程度を把握する等、より精密な問題の評価を行っていく必要がある。

○江藤部会長 よろしいですか。こういったデータも付与していくということです。ありがとうございました。
 次に、多数回受験者への対応です。

○大坪専門官 (3)多数回受験者への対応。卒業から年月が経過するほど合格率が低下する傾向がみられ、歯科医師としての資質が欠落していくことが憂慮されるとの指摘があることから、受験回数制限の必要性について議論されたが、多数回受験者において歯科医師としての資質が欠落しているという明確な根拠がないことから、現状においては、受験回数制限は導入しないこととした。

○江藤部会長 よろしいですか。ありがとうございました。
 それでは、「おわりに」です。

○大坪専門官 ?おわりに。本検討部会で提言された改善すべき事項については、医道審議会歯科医師分科会の意見及び出題基準の改定状況を踏まえつつ、平成26年(第107回)試験からの運用を目指して改善すべきである。また、本検討部会では、歯科医師の資質向上に向けた試験のあり方について様々な専門分野の委員により活発な議論が行われたが、試験に合格した者が歯科医師としての第一歩を自信を持って踏み出し、良質な歯科医療を提供できるよう今後も議論を継続し、定期的に改善を行っていく必要がある。

○江藤部会長 「おわりに」ですが。「はじめに」のところと「おわりに」のところを読み合わせて、何か問題はございますか。

○赤川委員 今言われたように、最初の「はじめに」を読むと、最後のパラグラフの下から2行目には「改善事項」と書いてありますが、「おわりに」のほうは「改善すべき事項」とあるので、両者は統一したほうがいいと感じましたが。

○江藤部会長 これにつきましては、「はじめに」のところは改善事項というような投げかけでございます。改善すべきというのは、これをまとめた上での意思表明です。そのようにご理解いただけますでしょうか。事務局、それでよろしいですか。

○大坪専門官 はい。

○江藤部会長 他にございませんか。

○宮村委員 「はじめに」と「おわりに」が整合性がないということはないのですが、そう言われて読んでみた時に、「はじめに」の出だしは「歯科医師国家試験は」ということで、要するに歯科医療の質を担保する上で極めて重要だということで、全くそのとおりだと思います。「おわりに」は「歯科医師の資質向上に向けた」と入っていますが、これは整合していると思います。ただ、3行目に、「歯科医師国家試験は昭和22年に第1回が実施されて以降、概ね4年に一度の改善を行い、質の向上に努めてきたと」いうのは、この主語というのは、国家試験制度というものの質の向上という意味なのですよね。要するに医師の質の向上とか、医療の質の向上というものももちろんなければいけないけれども、この場合は国家試験が極めて重要だから、4年に1回こういう検討部会を開催して改善を行い、この制度の質の向上に努めてきたと読み取れる、この質の向上に努めてきたということですよね。

○江藤部会長 冒頭の文面は、「歯科医師国家試験は歯科医療の質の向上に努めてきた」と。そのように読むということです。

よろしいですか。それでは、全体を通して今までの議論に抜けがないか等、そういったご指摘を含めてご意見をいただきたいと思います。ないようでしたら、報告書に示されている改善事項の取扱いを分科会として答申をさせていただきます。かなりの回数でございましたが、ご議論をいただきましてありがとうございました。本日の会議は以上です。事務局から何かありますか。

○曽我補佐 ただいまお取りまとめをいただきました報告書は、本日のご議論を踏まえまして、必要な修正を加えた上で公表する予定です。また、4月18日に予定されております歯科医師分科会で部会長から内容についてご報告をいただくこととしております。最後に、歯科保健課長から御礼のご挨拶を申し上げます。

○歯科保健課長 本日は長時間にわたりまして、ご議論をいただき誠にありがとうございました。ご提言いただきました事項は、今年度、予定しております歯科医師国家試験の出題基準の改定作業に反映させていただく予定でございます。先生方には今後もご助言をいただくことがあるかとは存じますが、歯科医師国家試験の適正な実施のため、ご協力いただきますよう、お願いいたします。

○江藤部会長 それでは、ご出席いただきましてありがとうございました。これで閉会させていただきます。ありがとうございました。


(了)
<照会先>

医政局医事課試験免許室

国家試験係: 03(5253)1111 内線2574

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