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2012年2月28日 第89回社会保障審議会介護給付費分科会議事録

○議事

24/2/28 第89回社会保障審議会介護給付費分科会議事録

1 日時及び場所 平成24年2月28日(火)
10時00分から12時00分
如水会館スターホール(2階)

2 出席委員:池田、伊藤、大西、大森、勝田、木村、久保田(藤原参考人)、高智、木間、小林、齋藤(訓)、齊藤(秀)、佐藤、武久、田中(雅)、馬袋、三上、村上、村川、山田(敬称略)

○宇都宮老人保健課長 定刻より少し早いですけれども全員お揃いのようですので、第89回「社会保障審議会介護給付費分科会」を開催させていただきます。
 本日の委員の出席状況でございますが、大島委員、志賀委員、田中滋委員、福田委員、藤原委員から御欠席の連絡をいただいております。また、久保田委員に代わり藤原参考人に御出席いただいております。
 以上より、本日は20名の委員に御出席いただいておりますので、社会保障審議会介護給付費分科会として成立することを御報告いたします。
 では、以降の進行は大森分科会長にお願いいたします。

○大森分科会長 おはようございます。前回、諮問・答申をして、しばらく休憩かなと思っていたのですけれども、今日、東日本大震災絡みの特例措置についてお諮り申し上げて、できれば本日、諮問・答申の運びにさせていただきたい案件が出てきております。
 そのほかに若干、この関係でも幾つか御報告かたがた、皆様方の御意見を伺うことと、前回の宿題になっていました検証研究委員会の立ち上げについても御報告して御了承いただければと思っています。よろしくお願いいたします。
 それでは、資料の確認からお願いします。

○宇都宮老人保健課長 はい。では、資料の確認をさせていただきます。
 座席表、議事次第に続きまして、
資料1−1 東日本大震災に係る訪問看護サービスの特例措置について
資料1−2 諮問書
資料2   東日本大震災復興特別区域法における介護分野の対応について
資料3   東日本大震災に対処するための要介護認定有効期間の特例措置の延長に
ついて
資料4   介護老人福祉施設等の耐火基準の見直しについて
資料5   介護報酬改定検証・研究委員会(仮称)の設置について(案)
名簿
 資料の不足等ございましたら、事務局にお申し付けいただければと思います。よろしくお願いします。

○大森分科会長 よろしいでしょうか。
 まず、最初に「東日本大震災に係る訪問看護サービスの特例措置」を私どももお認めしたことがございます。この特例措置の扱い方について本日、諮問がございますので、まずこれについて説明していただいた後、議論をいたしまして、皆様方の了承が得られれば、本日答申の運びにいたしたいと思います。
 それでは説明をお願いします。

○宇都宮老人保健課長 それでは資料1−1をごらんいただきたいと思います。1枚おめくりいただきまして、横長でございますが「東日本大震災に係る訪問看護サービスの特例措置について」です。
特例省令の内容でございますけれども、この大震災の対応として、基準該当居宅サービスに該当する訪問看護サービスを実施する場合に、事業者が配置すべき保健師、看護師または准看護士の員数を常勤で1以上に緩和するという特例措置につきまして、平成24年2月29日までということで実施しているところでございます。
なお、この特例措置の対象区域は、東京都を除く災害救助法が適用された市町村ということになっているところでございます。
次の実施状況等でございますが、実はこの1月に福島市におきまして、1事業所について申請が受理されて、この2月からサービスを提供することになってございます。
この延長につきまして、一部の市町村あるいは広域連合の方から、この特例措置の期間を延長する要望があるところでございます。
対応案としましては、後ほどお話する認定などもそうなのですけれども、ほかの特例措置と並びで平成24年9月30日まで延長してはどうか。そして、その対象区域につきましては、まだ被害の状況の悪い岩手、宮城、福島県内の被災3県の市町村とするということにしてはどうかということでございます。
また、「東日本大震災に対処するための特例措置であり、この限りの取扱いとするべきである」というのは、1枚おめくりいただきまして参考資料としてございますが、昨年の4月13日にこの件につきまして、この分科会で諮問・答申、報告をいただいたときに、一番下に2行、これを付け加えて最終決定したわけでございます。
つまり、ここに書いてございますように、「なお、今回制定する基準は、東日本大震災に対処するための特例措置であり、この限りの取扱いとするべきである」という一文が入ったということでございます。
そういったことを踏まえまして、また1枚前にお戻りいただきたいのですが、(マル1)としまして、特例看護サービスを提供している事業者が訪問看護ステーションの人員基準を満たした場合、(マル2)としまして、特例看護サービスを提供している事業者の近隣に訪問看護事業所が新設され、他の事業所において利用者の受け入れが可能な場合、は特例措置を廃止することとする。
さらに、市町村においては訪問看護サービスの実施状況の把握、事業所間のサービス調整やサテライト事業所の設置促進による必要な訪問看護サービスの確保、看護職員確保のための必要な支援などの対策を実施することということでございます。
資料1−2でございます。
こちらの方に諮問書としてございます。今回の特例措置につきまして、別紙のとおり改正することについて意見を求めますということで、1枚おめくりいただきまして、こちらに書いてございますが、現在その区域として定められているところを、岩手、宮城、福島県の区域に限るということ、それから、2月29日までというのを9月30日までにするというようなことでございます。
以上でございます。

○大森分科会長 ありがとうございました。
 こういう諮問というか提案になっていまして、少しこれについて皆さん方の御意見を伺いたいと思います。勝田さん、どうぞ。

○勝田委員 利用者の観点から、実は東日本大震災に係るこの件については、関連支部に問い合わせをしてみました。
その中でわかったことは、後からの要介護認定のことにも関わってくることですが、今、それぞれ福島や岩手、宮城では家族の会で関連の仮設住宅内の集会所で「つどい」を開いて、皆さんの声を聴いています。
 今回の中で、やはり認知症の本人の症状がとても進行している。かなり悪化して入所したけれども亡くなったとか、身体的機能が低下している現実がはっきりと出ているという報告がありました。
 そして、本人にとって環境が悪化したことによって症状がとても進んでいるということなのですが、もうすぐ被災後1年になりますが、認知症の本人の症状悪化に加えて、環境の激変によって、介護家族もまた肉体的にも精神的にも、介護うつ状態になっている方がとても多いと報告にありました。これからは心のケアが本当に必要になってくる。ほとんど訪問介護も受けていないという状態もわかっています。
 今回の特例の訪問看護サービスについては是非、9月30日と言わず、復興するまで当然必要だろうと思います。勿論、従来のものも必要なのですが、ますますきめ細かい対応が望まれるます。
 1人開業の看護師さんは、モチベーションがとても高い。認知症の方本人や介護家族の心に添っていけるという期待感も私たちは持っています。勿論、1人で何ができるかという問題もあるかもしれませんが、近隣の医療機関との連携、それから、応援に入っておられるお医者さん方からも、そういう方々と連携をして助かっているというお話も聞いていります。
 今のところは、福島市で1か所しか認定されていませんが、2月10日には、飯館でも既に認可されていると聞きますし、一関や気仙沼、石巻、浪江、南相馬のところも今回、延長が決まれば認めたいとのことです。とり入れて少しでも認知症の本人や介護家族の気持ちに寄り添うケアをやっていきたいとおっしゃっています。
 そういうことなので、私たち利用者のサイドからも、これは9月30日という一定の期間があったとしても、それまでに本当に復興するのかなという懸念もありますので、これはやはりもっと長いスパンで考えていただきたいと思います。
 事務方にお尋ねしたいのですが、被災地の訪問看護ステーションの設置状況はどうなのか、看護師さんは何人いらっしゃるのか、そして、実際的に訪問件数はどうなっているのか、この1年間の状況をお知らせいただきたい。。
 以上です。

○大森分科会長 今の質問のことで何かお答えできることがあれば。

○宇都宮老人保健課長 具体的なステーションの設置状況あるいは訪問の状況については、それぞれの自治体の御負担もあるので、余りそちらの方について我々も把握していないところでございます。
 ただ、聞きとりの中では、先ほど申しましたように一部の市町村はこういった措置の継続を要望してございますけれども、それ以外のほとんどのところは、大体訪問看護ステーションについては現状のもので足りているという御回答はいただいているところでございます。

○大森分科会長 どうぞ。

○勝田委員 それにつきまして、把握されていないのに、聞きとりでは現状で間に合っているとおっしゃるのですが、私たち、実際に介護家族に聞いたところでは、ほとんどそういうことは受けていないと聞いています。勿論、範囲は私たち全体をカバーはできませんが、実際把握していない、逆に現状では足りているという判断というのは、一定の根拠が示されないと、私たちにはわかりません、どうなのでしょうか。

○宇都宮老人保健課長 それについては、先ほど申しましたように自治体の負担もあるので、どこまで細かくお聞きするかということもございますし、むしろ、看護協会の方である程度把握しているかのように伺ったのですけれども、いかがでしょうか。

○齋藤(訓)委員 私は、実はこの特例措置の必要が本当にあったのかどうか、はなはだ疑問に思っているところでございます。
 といいますのは、被災県の訪問看護ステーションの状況を調べていきますと、確かに建物が半分壊れた、壁にひびが入った等々の御連絡もいただいておりますし、訪問看護に従事している人が被災してしまったという状況も伺っていますが、少しずつ落ち着きを取り戻すにしたがいまして、よくよくヒアリング等で伺ってまいりますと、利用者さんが病院に入院されてしまった、あるいは亡くなってしまった、あるいは県外へ避難されてしまったということで、とかく被災地につきましては医師不足あるいは看護師不足、福島市に至っては保健師がなかなかいないということは非常にクローズアップされていますが、事、訪問看護については、今、申し上げましたように利用者が激減しており、事業経営そのものが苦しいという状況に陥っているのが現状でございます。
ですので、この特例措置で事業所をつくるというよりは、今、訪問看護ステーションは実は体制に余力がある、しかし利用者がいないために看護師が自宅待機を命ぜられたり、あるいは常勤雇用を非常勤にしたり、あるいはほかの県からも応援要員を受け入れたのだけれども、利用者がいなくて一旦お帰りいただくといったような、非常に事業経営が苦しい状況になっております。
ニーズが被災地の仮設住宅等にあるということが市町村でわかっているのであれば、そのことを地域の訪問看護ステーションに、こういうところに訪問に行ってほしいと情報を流してさえくれれば、いつでも行ける体制になっています。
私はこの措置が本当に必要だったのかどうか、そして延長する必要があるのかについても疑問ですが、9月30日までという延長期限についてもほかとの並びでいたしかたないということであるのであれば、この特例措置については再延長をしないということを是非、給付費分科会の意見として出していただきたいなと思っているところでございます。

○大森分科会長 私どもがここで議論して、緩和措置を認めたでしょう。認めた後、今回福島市が出てきた。それまでのところ実際にはなかったのでしょう。

○宇都宮老人保健課長 受理したところはございません。

○大森分科会長 私どもは多分、緊急の出てくるニーズがあって、どこかそういう事態になるのではないかと思っていたのですが、なかったのではないかということですよね。
 しかし、今回出てきたものですから、これは現場の実情に応じて、これはお認めせざるを得ないのではないかという御趣旨の提案だったと思うのです。だから、漠然とありそうに見えるのですけれども、なかなかこれは難しい事態なのではないかと。しかし、今回はこの御提案になっているのではないかと思っています。
 事務局からもちょっと確かめておきたいのですけれども、今までどうだったのですか。なぜ、今回これをわざわざ延長しなくてはいけないのかということが、もうちょっと説明がほしいのですが。

○宇都宮老人保健課長 今、一言申し上げましたが、それぞれの市町村について受理したケースはこれまでなかったということで、その理由としては、先ほども聞き取りだと申し上げましたけれども、自治体の判断として訪問看護については既存のもので充足しているというような御判断があったと伺っております。それが、今回、初めて福島市の方で受理をしたというようなことでございます。
 それも、この2月に入ってから活動するということで受理されたということですので、そういったニーズがあって受理したということだと思いますけれども、それがこの1か月だけでよいのかということと、その他の復興措置につきましても、大体あるものについては、被災3県について9月30日ぐらいまで延期という措置がございますので、そういったものとの横並びも考えて、今回、御提案させていただいたような形にしてはどうかという趣旨でございます。

○大森分科会長 ほかに御意見ございますか。三上さん、どうぞ。

○三上委員 齋藤委員の意見を支持します。
昨年の4月にこの諮問を受けたときもかなり反対の意見が多くて、大森座長も、期間は限定する、この限りにするのだということで明記をしていただいたと思います。
その間、ずっと2月まで認可が下りず、2月に入って1件だけの認可が下りたということなのですが、メディアでも放送されておりますけれども、1人開業の場合にはやはり365日24時間きちんとサービスを提供できるという担保はなかなか難しいと思いますし、実際行われているのは保健師による保健相談などで、いわゆる介護保険による訪問看護という実態とは少し違うのではないかという気もいたします。
仮に、この経過措置をどんどん延ばすことになりますと、こういうのが前例になりますと、今まで経過措置で期間を延長するということがありましたけれども、例えば療養病床なども延長されているわけですが、この間、もし延長したところでは新しい新規のものを認めることになりますと、全然、今までのことと齟齬が生じるのではないか。
だから、現在、2月にスタートした1人開業の訪問看護ステーションについては期間を延長しながら様子を見るということは必要かもしれませんけれども、3月以降について、新規のものを1人開業で認めるということは、やはりすべきでないと私は思っています。

○大森分科会長 山田さん、どうぞ。

○山田委員 基本的には齋藤委員、三上委員と同じ考えであります。
 4月の時点でも、この委員に就任して早々で、説明が足りなかったかもしれませんが、私は、訪問看護ステーションをもう少し冷静に考えるべきであって、基本的に2.5人の配置も現実は24時間365日サービスを提供するには若干足りないと理解しています。
 そういう意味では、今、訪問看護ステーションに与えられた使命は当然、保健活動もありますが、やはり実際の医療サービスをきちんと提供するということだろうと思います。そういう意味では、そのときも申しましたが、訪問看護ステーションが本当に足りなければ、1人開業ではなくて、病院、診療所の看護師さんを活用した上で、医療系の訪問看護もできるわけですので、やはりきちんとした連携の下に24時間365日サービスを提供するということを基本にすべきだと思います。
 あのときもやむを得ず、例外措置として期間限定でということでしたので、今回、こういう形で、表現は適切ではないかもしれませんが、なし崩し的に延長していくことには反対であります。
そういう意味では、福島県で1件スタートしておりますので、この実態をしっかり見るということで、福島のこのケースに関してはやむを得ないと思いますが、新たな指定はいかがかなと思います。
今後、こういうことが次から次へ出てくると、我々が議論して決めたことが、新しい状況が発生していれば別でありますが、特に発生していないし、予想以上に申請も少なかったということも踏まえますと新しい状況ではないと判断しますので、こういう形での延長あるいは拡大というのは反対であります。
以上です。

○大森分科会長 ほかに御意見、ございますか。どうぞ。

○武久委員 被災地の状況は1回や2回行ったぐらいではわからないと思うのですけれども、まず、勝田委員がおっしゃったように仮設住宅でいる方は訪問看護のニーズが高まっていると思うのですが、残念ながらケアプランの中に入れるときに訪問看護をファーストチョイスにしていないのではないかと思うのです。ホームヘルプを第1に考えて、訪問看護を第2、第3に考えているということ自体が問題で、非常にいろいろなストレスがあって、医学的、看護的にも非常に必要な方に必要な訪問看護のニーズが出てきていないということが問題で、その結果として、齋藤委員が言ったように訪問看護の件数が激減しているということで、ニーズと実際に行われていることのアンバランスが起こっているわけですね。
 そういうことは結局、供給の訪問看護の数は十分あるにもかかわらず、現場での問題だと。福島市の場合も、1件あるわけですけれども、ちょっと地域的に少し離れているのだろうと思うのですけれども、その周辺の訪問看護ステーションなり病院なり診療所にお願いをすれば多分、行ってくれると思うのです。
 今、三上委員、山田委員も言ったように、私は、29日になっていますから、明日までに許可された分は9月30日まで延長するけれども、それ以降の新規を認めるということは現状から言って、もうちょっと現場分析をしてみると、2人の委員がおっしゃったような方向が正しいのではないかと思います。

○大森分科会長 ちょっと確かめておきたいのですけれども、今のように2月29日を非常に厳格に考えて、これ以降、申請が出てきたものは認めないということは、だれが認めないことになるのですか。だれがどうやって、そういう判断をして決めることになるのでしょうか。

○宇都宮老人保健課長 判断というか、現在の話としては特例省令としてそういう省令にするかどうかということだと思いますけれども。

○大森分科会長 今回出てきている諮問のような形では、今のことは対応できない。29日以降はだめですよというのを書かなければいけない。

○宇都宮老人保健課長 そうですね、文章を。そういうことになると思います。

○大森分科会長 それではほかに。田中さん。

○田中(雅)委員 介護の立場からというのがあったのですが、この問題に関しては、確かにおっしゃるように採算の面だとか、全体組織とかあるけれども、一方では実際に、申請を受理されたケースも少ないかもしれないけれども、ここに実施状況等という資料があるように一部の市町村から、あるいは広域連合団体からもそういった期間延長するという要望、すなわち地元のニーズが上がっているということを無視してはいけないのではないかと思うのです。
 特に伺うところによれば、やはり福島県の場合は、そこに人はいるけれども実は働く人たちがいない。でも、一方ではそのことに対して熱意がある看護の人たちが、1人でもいいから支えたいという現状があるとも聞いています。
 だから、その辺りのことを全く見過ごして、単なる採算だといったことだけの議論は、私はすべきではないのではないかと思っています。

○大森分科会長 ほかに。どうぞ。

○木間委員 利用者の声なき声が聞こえてこない状況で、どう判断していいのかわからないのですが、今、田中委員がおっしゃいましたように、一部の市町村及び広域連合から延長の要望があるということですから、ここで延長しないということはできないのではないか、延長すべきではないかと思います。

○大森分科会長 ありがとうございます。
ほかによろしいですか。

○勝田委員 事務方に確認したいのですが、2月10日に飯館村に認可していると聞き及んでいるのですが、それはどうなのかということ。
 既に幾つかの市町村が前から申請は出ているのだが、状況がいろいろなことの中でなかなか判断できずに今まできた経緯がある。だけど、延長が決まれば是非やりたいという市町村が既に名乗っているわけですので、今、何人かの委員からこれ以降は認めないということはやはりおかしいのではないか、私たちにそこまでの権限があるのかなと、正直思います。
 本当に今、復興に際して私たちが何ができるかと言ったときに、現実にそこで困っている本人や介護家族がいますし、逆に1年経過した今だからこそ本当に需要があるのだろうと。
 齋藤さんがおっしゃる、今、あるところが採算がとれないから、そこを締め出そうという考え方は、私は逆におかしいのではないかと思います。特例措置でありますので、是非、今日以降は認めないとか、新規と実際は出ているのですが、それが受理されなかった経緯は、必要とか必要ではないというのではなくて、それぞれ市町村がほかのことも含めてなかなか判断できなかったということも聞き及んでいます。
 そういう点では、余り限定的に何月何日以降は認めないというのは、私はおかしいのではないかなと、利用者サイドから思います。
 以上です。

○大森分科会長 伊藤さん、どうぞ。

○伊藤委員 私はやはり1人開業で365日24時間のサービスが十分提供できるのかということについては非常に疑問を持っております。だから、この基本の考え方は絶対動かしてはいけないと思っています。
 一方で被災地ではだんだん避難先から、元の居住地に戻ってくるという動きもある中で、サービスの需要が出てくるのかどうかという実態がよくわかっていないので、もっと本当は今日、事務局から報告をいただきたかったのです。
 1つの考え方としては、対応案の(マル1)、(マル2)として、近隣に訪問看護事業所が新設され、他の事業所において利用者の受け入れが可能な場合は特例措置を廃止することにするのだとあるわけですが、先ほど看護協会の齋藤委員から、受け入れが今でもできますよ、提供できますよというお話もあったので、そこは新施設に限らず、既設のステーションからの提供が行われるのであれば、特段の措置が必要ではないということになると思うので、そういったところは個別にもっと丁寧に見ていく必要があると思います。

○大森分科会長 ほかに御意見等ございますか。どうぞ。

○池田委員 今の伊藤委員の御意見に賛成です。これはもともと政策仕分けで出てきた話でして、たしか政策仕分けの準備・打ち合わせには看護協会の齋藤委員と私が参考人で出ておりまして、実際の仕分けの会議については私が参考人に出たという経緯がございます。
 私が非常に危惧するのは、これはきわめて情緒的に出されているのであって、例えば経営的にペイするのかどうかを検証していきますと、そこに出ているデータは残念ながら到底信頼できるものではない。極めて低い収入しかないということはわかりますし、その仕分け会議に出てきた某政治家などの発言は、そのまま議事録にも映像にも残っていますけれども、そもそも訪問看護と訪問介護の区別がついていない。つまり、やさしくおむつを替えてくれればいいという発言も出てくるわけです。
 実はこの問題は情緒的に議論をしていくと大変なことにつながっていく恐れがあります。つまり、1人開業の看護師が認められれば、リハも当然そうなります。その次ホームヘルパーもそうなる。それは制度をめちゃくちゃにすることにつながっていくわけです。
 だから、きちんと冷静な議論の上でどうするかということを考えなければいけないし、実は前回の諮問答申の最後の2行はそういうところで出てきたわけだから、これを無視してはいけない。
 私としてはぎりぎり、今日、提案されたこの内容は、先ほどの伊藤委員の意見をひっくるめて認めざるを得ないと思いますけれども、これ以上広げるということに関しては、極めて危険だと思います。
 そもそも2.5人というのは実は最大の規制緩和なのです。2.5人の根拠と言われたときもかなり難しい。もっと多い方がいいに決まっているのですけれども、そういった議論を抜きにして情緒的にお話しされるのは、ちょっといかがかと思います。
 なお、先ほど勝田委員が齋藤委員の発言について、利用者が減って事業経営が大変だから1人看護師を締め出そうとするという発言がありましたが、これはちょっといかがなものかと思います。

○大森分科会長 1つは、2月29日まで実施していまして、しかし、今回、このスキームで言えば9月30日まで延長する、特例措置期間を認めるということになれば、現地のいろいろニーズや希望、主張があって、それはそれとして認めざるを得ないのではないかと思うのです。
 私としては、御意見があることは承知の上ですけれども、今回は限定しないで事務局が出している案でお認めしていただいたらどうかと思っているのですが、そういう方向でまとめさせていただいていいものか、ちょっと強い御意見もございましたので、もう一度、何か御発言があれば伺って、その上で。
 村川さん、どうぞ。

○村川委員 今、会長がおっしゃいましたように現実に1か所とはいえ出ているということや、私の基本的な意見は木間委員さんとほぼ同じであります。
 しかし、これでいきなりぶった切ったようなことをやりますと、冷たい厚生労働省、冷たい社会保障審議会になってしまうので、今日の御提案のとおり、半年程度のみ認めて、後は様子を見るというか、最終的にその時点で決着の議論をしていただくということで、この程度は認めて差し上げてよろしいのではないかと思います。
 以上であります。

○大森分科会長 どうぞ。

○齋藤(訓)委員 仮に延長ということであれば、対応案の最後に書いてございますように、市町村が地域のニーズや事業所の状況をきちんと把握した上で、判断するようにしていただきたいと思います。既存のステーションはいつでもサービスを提供することができますので、今の状況はちゃんと基準を満たしたステーションが力を発揮し切れていないという状況です。市町村には、この新規の申請の準備をされているところもあるかもしれませんけれども、まずは今の既設のステーションの余力を十分活用できるように配慮していただきたいと思います。
 それから、やはり訪問看護は継続性が非常に大事です。365日24時間、ケアがいつ、何時も継続することが非常に重要でございますので、やはり私は、なかなか訪問看護サービスの手が届かないという地域については、やはり本体事業所がサテライトを設置し、サテライトからサービス提供できるというような政策整理をきっちりやっていかなければといけないと思っています。
 市町村には、今、サービス提供が既存のステーションで可能なのかどうなのかを十分に判断した上で決定していただきたい。そのことが十分伝わるような通知等を配慮していただければと思います。

○大森分科会長 三上さん、何か。

○三上委員 9月30日までの延長を認めよということであれば、そういうことなのでしょうけれども、私は、1人訪問看護の議論は情緒的とおっしゃいましたが、基本的には提供者側の論理であると。利用者側からすると、やはり365日24時間継続していつでもサービスを受けられるようなシステムをつくってもらいたいと願っているわけです。
 1人開業の場合は、逆に言えば訪問看護師さんが行けるときだけ行くという形になりますので、サービスの欲しいときにちゃんと提供できるのではなくて、サービスを提供できるときにだけサービスを提供するという形になりますから、私は、基本的にはサテライト事業所で現状のニーズに対応すべきではないか、できる限り、そちらに市町村の方もシフトしていただきたいと思っています。

○大森分科会長 御意見ありますか。

○藤原参考人 意見というよりもちょっと質問なのですが、今、齋藤委員がおっしゃったように、他の事業所が受け入れ可能だという状況が普遍的であるとすると、この資料の対応案の3ポツ目の(マル2)のところが、既に条件が満たされているということになってしまって、今、延長を認めても、即廃止をすることが現状であるとなってしまうのですが、これはどう考えたらよろしいのでしょうか。

○大森分科会長 この関係、齋藤さん、もしよろしければ。

○齋藤(訓)委員 私どもが被災3県の訪問看護ステーションにお伺いした状況では、先ほど申し上げましたように利用者が少なくなっているので、せっかく看護師が常勤でいるのに、自宅待機をしてくださいというのが現実です。
 ですので、市町村から例えば仮設住宅に訪問看護に入ってほしいということがステーション側に伝われば、既存のステーションが対応することが十分可能です。当然、特例で1人でやりますというところはなかなか難しくなるのではないかと思っているところでございます。

○大森分科会長 はい。

○勝田委員 先ほども事務方に、実際、被災地に訪問看護ステーションが何か所あるのか。ない町もあるわけです。
 そういう中で、一定の数を満たさなければできないという条件で、逆にやれないところもあるわけですし、現実に市町村が、延長が認められれば認可したいというところもあるわけです。
私がわからないのは、手を上げて待っているのにニーズがないとおっしゃる、それが逆にどうしてかなと。正直言いまして、電話を待っておられるのかなと思いますが、私たちは、現場でそういうふうに御本人や御家族が集まっていると、そういうのが全然受けていないと声が出ています。
声を上げて来てくださいと。おっしゃいますが、それがなかなか言い出せない部分もあるのかもしれません。逆に手をこまねいて、いつでもどうぞとおっしゃっている。今、被災地ではこれだけ大変ですし、県外からもたくさん応援部隊が入っているにもかかわらず、どうしてニーズがないと言い切られるのかと逆に疑問に感じます。そういう点では、被災地に訪問看護サービスのないところもあるわけですから、1人だったらできるという状況があり、それをやりたいという市町村があれば認めるべきではないかと思います。

○大森分科会長 山田さん、どうぞ。

○山田委員 ちょっと議論が混乱しているような気がするのですが、訪問看護というのは、あくまでも医療系サービスですので医師の指示書が必要ですし、介護保険サービスですので、ケアプランに位置づけなければなりません。それは皆さん、御存じのとおりだと思います。
 そういう意味で、医師が指示したのに訪問看護が出動できなかった、あるいはケアプランに位置づけたのに訪問看護ステーションが人員が足りずにサービス提供できなかったという事例があるとすれば、もっと別のところから大きい声で聞こえてくると私は理解します。
 その辺を含めて考えると、基本的には足りているのだろうと思います。ですので、利用者の方が訪問看護を受けたいとおっしゃれば、これはあくまでもケアマネジャーとケアマネジメントの中で相談されますし、当然、そこには医師の指示が必要なわけですので、やはりそこはもう少し冷静に考えて、本当に足りないのかどうか。場合によっては、訪問看護ステーションがなければ、その先生のところの看護師が訪問看護サービスができるわけです。これは医療系サービスでありますから。
 そういう意味で、もう少し冷静に考えるべきだろうと思いますので、情緒的というのは言い過ぎかもしれませんが、本当に訪問看護なのか、ヘルパーではだめなのか、他のサービスではだめなのか。場合によっては通所系のサービスを使えないのかというところまで考えた上で判断するべきだと思いますので、やはり余り情緒的な問題で広げることに対しては反対であります。

○大森分科会長 では、馬袋さん。

○馬袋委員 今、議論されている中で、1人の看護の運営問題の議論もありますが、本日の分科会に提示されています特例措置の内容とは整理して議論する必要があります。また議論の中であったケアマネジメントの問題については、看護のニーズがあるかないかというのは、実は決して被災地でなくても、都市部でもケアマネジメントとして看護の人に入っていただかないといけないのではないかというケアプランがうまく組み立てられているかという問題は、ケアマネジメントとしてあります。
 ケアマネジメントとして、しっかり看護が入っていただく、サービスを提供するというのは技術論の問題であるし、ケアマネジャーまたはそういったところの関係者の課題としてしっかり捉えて克服しないといけない問題です。
 今回、ここにあります特例措置の内容は、そういったことを踏まえてどういったサービス、ニーズが必要かということを一番把握されているのは市町村の保険者だとすれば、介護保険の制度上ではそういったニーズ、内容、状態を把握し、計画をつくり、事業者の育成をするというのは、市町村の皆様が主体としていろいろ計画、実施される立場にありますので、そこから期間を延長する必要があるというのは、それなりの根拠性があって要望されているのであるならば、この期間だけということで、提示されている内容を理解すべきではないかと思います。

○大森分科会長 それではひとわたり御意見が出ましたので、次のようにさせていただくことでだめでしょうか。
 私どもとしては、この問題についてはちょっと慎重に、参考資料にございますように、4月13日、なお書きでちゃんと意思を明確にしてございまして、今回制定する基準、つまり緩和基準は、東日本大震災に対処する特別措置であり、この限りの扱いにすべきであると。これは結構強い、皆さん方の合意だったと思いますので、もう一度、私どものこのスタンスは全く崩さなない上で、今回、2月に出てまいりましたので、被災地の実情もございますのから、今日、御提案のような形で30日まで延長を認めると。だから、このスタンスを崩さない上でこれを延長するということでお認めいただくと。
 延長しますので、その間はそれぞれの市町村の御都合、事業所の御都合で対応していただくという形で、それ以上の限定はしないということでいかがかと。
したがって、結論的に言えば、今日の諮問内容で私どもとしては答申の運びにさせていただいたらどうかということなのでございますけれども、どうでしょうか。

○三上委員 全員の総意がそういうことであれば仕方ないのですけれども、昨年の4月のとき、井部委員が看護協会から出ておられて、かなり期間のことについて限定しているかどうかということを再確認されているのですが、このときの事務局からのお話では、最大限、平成24年2月29日までと解釈すると。
 最大限ということで確認をされているのですが、この分科会の中で確認した事項をどんどん崩していくということが、本当にこれからもどんどんできるのでしょうか。
 大森座長にちょっとお伺いしたいのですけれども、こういうことなら、確認事項は余り意味を持たないということになっていますが、よろしいですか。

○大森分科会長 先ほど言いましたようにスタンスは変えていませんので、これはあくまでも東日本大震災絡みの特別措置でありますので、その特別措置を有効にすべき期間について、前回のときは今、御指摘のとおり、最大限のこととしてお認めしているのですけれども、たまたま2月に出てきまして、2月29日で終わるというのは、実情は実効性を持ちにくいものですから、そこの期間についてだけは今回これでお認めするということ以上のことは、私としては言っていません。そういうつもりでございます。
 そういうことで御了解いただければと思うのです。なし崩し的にするということは、少なくとも今回について考えていませんので。それがこの前の私どものなお書きの趣旨ではないかと思っています。
 したがって、今回の私の理解の仕方は、仮にこの段階で期間延長を認めたからといって、これをなし崩しに変えていくということではないと思っています。そういう理解でよろしいでしょうか。
 私はそう思っている、なし崩しにしていないつもりでございます。
山田さん。

○山田委員 済みません、しつこいようで申し訳ないのですが、2月29日までの期間限定というのは、被災県、被災市町村すべておわかりだったと思います。そういう意味では、もしそれまでニーズがあれば、それなりの判断がなされたのではないかと思います。
 もう一回、しつこいようで申し訳ないのですが、福島の既設のところだけを認めるという案は通らない話なのでしょうか。ちょっと事務方にお伺いしたいのです。

○大森分科会長 では、事務方の方から。

○宇都宮老人保健課長 それは、こちらの総意ということであればそういうこともあり得ることかと思います。
 ですからそこのところはもうちょっと御議論いただけないかなと思います。

○大森分科会長 大西さん。

○大西委員 この中で一部の市町村、広域連合から延長する要望があるというのですが、先ほど厚生労働省の方に実態をつかんでいるのかと言ったら、十分つかまえられていないとうことなのですね。
 今、現場で最も足りないのは、多分、専門性の高い市町村の職員だと思います。これにつきましては、市町村職員自体も被災をしておりますし、災害によってあれだけの大災害ですから、行政ニーズが圧倒的に増えているわけです。
 今までは、どうにか猫の手も借りたいということで、いろいろなところから短期の応援でどんどん入っていたのですけれども、これからは中長期の専門職員の応援が必要だということで、市長会辺りもその辺をとりまとめて入ろうとはしているのですが、全国の市町村もかなり定数を削ってきて、人も足りない状態でやっておりますので、そんな中長期に専門性の高い職員を派遣できるような状況ではなくて、それが十分に満たされていない状況でございます。
 したがいまして、その辺は市町村がニーズをきちんと把握して発信できない状況にあるということを、是非とも厚生労働省の方もつかんでいただいて、あるいは県を通じてもう少しきちんと指導していただくとか、あるいは厚生労働省が直接問い合わせなどしていただいて、現場の状況を把握していただく。
 そこでニーズをきちんと確定した上で、本当にこういう特例が必要なのかどうなのかを判断していただきたいなと思っております。

○大森分科会長 非常に形式的に言うと、仮に9月30日までに延長を認めて、現場の市町村の御都合があって、だんだん9月30日に近づく段階になってきて、それでもやはり申請したいということが出てくると、9月に申請して9月30日までだと実効性ないではないか、また延ばせということがあり得るのです。
 でも、それをやると今度は事実上なし崩しに変わっていくということになりますので、いろいろ現場の事情もありますが、そのことの御懸念が私としてはあり得ると思うのです。
 そうすると、これはたまたま特例措置でやったのではなくて、多分、その段階になると一般的な基準そのものの事実上の変更になるのです。それはそう簡単な話ではございません。
 この前は最大限29日ですけれども、今回は9月30日まで延長するですから、最大限とも何とも言っていませんで、ここはちょっと私も懸念するのですが、今回は9月30日まで延長すると。それ以降の延長がない含みなのか、それともそれは事情を見てまた判断するのかという場合になると、この基準そのものの変更に事実上なっていきますので、それは今の段階でその可能性があるということは言いにくうございます。
 事務局の考え方ですけれども、9月30日で今の形式的な事態が想定されるのですけれども。

○宇都宮老人保健課長 今回の特例というのは、あくまで東日本大震災という異常な事態に対する特別な措置ということですので、今後、当然復興が進んできて通常の状態になってくれば、こういった措置は不要になると思われるということだと思います。
 ただ、例えば福島県のようにまだ放射線関係で動いているところもあるので、そういったところが9月30日ごろにどういう状況になっているのかということについては、まだ現時点では何とも言えないということなのかなと思います。
 ですからあくまで、繰り返しになりますが、大震災のこういう事態に対する特例だという趣旨に基づいて、それをもってその時点でまた判断するということになるのかなと思いますけれども、いかがでしょうか。

○大森分科会長 したがって、この対応策の下に書いてあることで頑張ってもらう以外ないのです。私どもとしては、9月30日で特例が廃止できる事態をつくっていただくということが何よりも現場にとっても大事ですので、これで頑張っていただくということなのです。
 それまでの2月29日以降、申請を出したものはだめだとはなかなか言い切れませんで、9月30日まで延長するという形で、現場で頑張ってもらうということ以外ないのではないか。くどいようですが、私どものスタンスは変えていないということで御了解いただけないでしょうか。
 いかがでございましょうか。

○池田委員 それでまとめる方向で私はいいと思います。
一つだけ気にかかるので付け加えておきたいのは、先ほど武久委員がおっしゃったことにつながるのですが、実際の訪問看護のニーズと現実の訪問看護サービスの提供のミスマッチがあるということは否定できないと思うのです。だから、完全に足りているという言い方は、恐らく現実に現場でも余り納得できないのだろうと思います。
なぜ訪問看護のニーズがサービスにつながっていないのかということが一番重要な問題になるわけです。それがどうやら看護師の数が少ないからということではないようだというところがわかるのです。
実は、これはある自治体が調べたものがあるのですが、希望したサービスが受けられなかった理由を聞いているのがあるのです。これはすべてのサービスについてずらっと聞いているのですが、希望したサービスがすぐ使えたというのが、訪問介護と通所介護が多いのですけれども、非常に使われていないのが訪問看護なのです。
その理由も書いてあるのです。その理由はいろいろありまして、訪問看護については「負担が重い」という理由は11.6%ですが、「ケアマネジャーが不要だと判断した」からというのが多く29.1%なのです。「事業者が空いていなかったから」は0%です。
そこのところで現実の医療ニーズみたいなものが、なかなかケアマネジャーの方も医療知識の薄いのとちょっとお医者さんが怖いということもあるのでしょうけれども、そこのところでミスマッチが起きているみたいで、それをきちんと解決していけばかなり事態は改善できる。私は、そういう方向に向けて進んでいくことを求めたいと思います。当面、これは既に起きてしまったものですから、これで認めざるを得ないということでまとめていくことでやむを得ないのではないかと思うのですが、三上委員、いかがですか。

○大森分科会長 それではお諮りすることにいたします。
 諮問文を読み上げていただいて、それでよろしいかどうかということで御意見を伺います。ちょっと諮問文を。
 お読みいただいたとおりでございますので、諮問のあった表記の内容は、対応策のうち、上の2つのポツですね。この特別措置を平成24年9月30日まで延長する。特別措置の対象区域は岩手県、宮城県及び福島県内の市町村とする。それで、これ以下のことについて頑張ってもらうということですね。

○宇都宮老人保健課長 諮問文については、先ほど御説明しました資料1−2で書いてあるとおりでございまして、具体的には別紙にあるものでございます。
 それに対する答申、これは社会保障審議会への報告という形になりますが、それは今、配らせていただいたものでございまして、読み上げさせていただきます。
 「東日本大震災に対処するための基準該当訪問看護の事業の人員、設備及び運営に関する基準の改正について(報告)」「平成24年2月28日厚生労働省発老0228第1号をもって社会保障審議会に諮問のあった標記について、当分科会は審議の結果、諮問のとおり制定することを了承するとの結論を得たので報告する。」ということでございます。

○大森分科会長 ということでございます。
 なお、くどいようですけれども、もう一回言います。
 私どもが認めた4月13日のなお書きを前提にしているということでございます。もう一度、申し上げておきます。
 では、これで報告をしてよろしゅうございましょうか。

(「異議なし」との声あり)

○大森分科会長 そうしたら、そうさせていただきます。ありがとうございました。
 それでは、次の問題にいきましょう。次は報告事項に入っていきます。
 では、事務方、よろしくお願いします。

○宇都宮老人保健課長 それでは資料2をごらんいただきたいと思います。「東日本大震災復興特別区域法における介護分野の対応について」でございます。
 1ページのところにポンチ絵がございます。
 東日本大震災復興特別区域法は、昨年12月7日に可決成立いたしまして、12月14日公布、26日施行というものでございます。
 この中で、介護分野で3点ほど対応がございます。
 (マル1)「介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準」の特例として、外部の医療機関との連携を条件に、医師の配置を緩和するというものでございます。
 (マル2)特別養護老人ホームにつきまして、同様に医師の配置を緩和するというものでございます。
 (マル3)「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」等の特例として、病院、診療所等以外であっても、訪問リハビリを行う事業所の設置を可能とするということでございます。
 1枚おめくりいただきました後ろに参考として、東日本大震災復興特別区域法の枠組みと、全体像が書いてございます。
 真ん中やや下のところの四角の左から2つ目「復興推進計画の作成」の下に、「内閣総理大臣の認定」として、「住宅、産業、まちづくり、医療・福祉等の各分野にわたる規制、手続きの特例」と。ここに当てはまるものとして、今回の特例を制定したということでございます。
 以上でございます。

○大森分科会長 ということだそうですけれども、これについて御意見を。山田さん、どうぞ。

○山田委員 ただいま御説明がありました、「介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準」の特例で、ここに書いてあります、外部の医療機関との連携を条件に医師の配置を緩和する。この緩和するというのはどこまで緩和するのかという問題がありますが、端的に言いますと、医師なし老健を特区で認めるというようなお話が聞こえています。
 ただ、御承知のように老人保健施設の場合は、医療と介護を一体的に提供しておりますし、ある意味では医療提供施設という位置づけもございます。そこで、医師を配置せずして医療が提供できるということは想像されないわけですが、具体的にどういうことを考えてこういうことになったのか、是非御説明いただきたいと思います。
 今、現場は利用者の重度化あるいは高齢化で、複数疾患を有する利用者が激増しているという状況でありまして、医師を中心とした医療の充実は待ったなしの状況にあります。
 被災地の特区と百歩譲りましても、そういう状況で医師がいない老健があり得るのかどうか私は非常に疑問に思っております。今回の介護報酬改定でも所定疾患療養費加算をつくっていただきまして、肺炎、尿路感染症あるいは帯状疱疹等は老健で治療ができるという状況にしていただきました。
 具体的に医師がいない老健でそういうことが可能なのかどうか。私はこれは不可能だと思っています。そういう意味では今、併設の老健の定義がございます。病院・診療所に併設して、道を挟んだところまでは認めるということでありますが、それ以上離れて、医師が管理できない状況下にある、あるいはすぐ対応できない状況にあるところで、老人保健施設の開設があり得るのかどうか、私は非常に疑問に思っております。
 そういう意味では、こういう特区の構想が、先ほどの1人訪問看護ステーションの話ではありませんが、非常に限定的に、そして短期間であれば、百歩譲ってわからないこともありませんが、これを前例として広がっていくとなりますと、老人保健施設そのものの設置の内容あるいは役割、機能にも影響する。
 そういう意味では、老健の現場を扱う団体としては、医師なし老健がもし想定されているのであれば、是非そこは考え直していただきたい。きちんとした医師が配置されるべきだと私は理解しております。
 以上です。

○大森分科会長 今、若干、御質問の内容を含んでいたのですけれども、何か事務局からありますか。

○宇都宮老人保健課長 今回の措置はあくまでこういった災害被災地における医師の確保が非常に難しいというところに対しての特例的な措置だということでございます。
 今日は細かい規定の文書についてお付けしていないので、ちょっとわかりにくかったかもしれませんが、現在の老健についての医師の配置基準は御存じのとおり、常勤換算方法で入所者の数を100で除して得た数以上ということになってございますが、今回の措置によって、これを介護老人保健施設の実情に応じた適当数ということに緩和をすることが可能という措置にしたということでございます。
 これにつきましては、介護保険法において、「介護老人保健施設は厚生労働省令で定める員数の医師、看護師、介護支援専門員及び介護その他の業務に従事する従業者を有しなければならない」とされているところでございます。
 今回の省令においても、今、申し上げたように適当数は必要とするということでございますので、これは医師の人員配置基準をゼロにするという意味ではございません。そういう意味では、今、山田委員がおっしゃったようにさまざまな医療行為、リハビリへの指示とかも含めていろいろなことがございますけれども、それについてはゼロではないということで確保できるのではないかと考えてございます。

○大森分科会長 よろしいですか。

○山田委員 ありがとうございます。是非、医師を配置から外すということはないようにお願いしたい。

○大森分科会長 私も、もし仮に老健で医師がゼロになったら、老健の施設そのものの根本問題になってしまうので、そんなことはあり得ないと。適当数という形ですから、そこが若干の緩和になるという趣旨ではないか。この件はよろしいでしょうか。
 武久さん、お手が挙がっていますか。どうぞ。

○武久委員 まず、特養の場合ですけれども、配置医師というのは実態としてほとんど稼働していないのが現状であります。老健との違いは非常にはっきりしておりますね。
 これは被災地関係なく、特養の配置医師というのは4月からの改定で特養に外からのお医者さんがターミナルのところへ行くということができるように緩和措置もありますし、訪問医なり嘱託医なりが週3回程度行っておりますので、これは、私は全国的に外してもいいと思っているぐらいで、聞くところによると、被災地で急性期病院の医師も非常に足りないと。そういう状態の非常時は当然、特養の配置医師はいなくていいと思います。
 だから、老健の場合も現実問題として、急性期の公的な病院の医師すら足りないという状況にかんがみると、やはり特に山田さんもおっしゃったように併設の老健の場合は、すぐ横に当直医師もいますから、離れたところで常勤の老健の医師がいても、週4日なら4日であとの日はいないし、夜間もいないわけですから、そういうことを考えると併設老健と単独老健はやはりかなり異なった体制を組まないといけないと思いますから、この際、私は併設老健に関してはということを入れてはどうかと思います。
 一昨年の6月の横断調査でも、老健は特養よりも在宅復帰施設ということで軽い患者さんが入っている。在宅よりも軽い患者さんが入っているというのが出ています。この4月から在宅復帰型ということに関してはインセンティブがついているわけですから、老健の施設としての理念というのは、厚労省の考え方は、先ほど言った重症の人が増えているということと逆方向のベクトルで進んでいると思うのです。
 ここのところの整合性を持っていただきたいと思うのですが、そういう調査の実態から見ると、今回の場合は併設老健に関しては医師の配置は半分なりに見直すということもやむを得ないのではないかと思います。
 これが山田委員が御心配しているように、普遍的にそういうことになるのとはまた別の問題だと思います。ただし、特養に関しては現実に実態がほとんどないと思いますので、それについては、今回は特に東北3県でやってみて、その結果、両方とも出していただいて、実態はどうだったかということを参考にして、次の介護報酬改定のときにはいろいろこういう会で検討をしたらいいと思います。
 以上です。

○大森分科会長 はい、ありがとうございました。
どうぞ。

○三上委員 訪問リハビリ事業所についてお伺いしたいのですが、被災地ということで医師がいない、あるいは診療所がなくなってしまったということから、病院、診療所以外でも訪問リハビリの事業所を設置できると書かれていますが、リハビリ自体は医師の指示があってできるわけですけれども、診療所や医療機関がなくて医師がいないところでの訪問リハビリ事業所についての医師の指示の担保はどのように考えておられるのか。条件が何かついていたら教えていただきたいと思います。

○宇都宮老人保健課長 今回につきましては、そういった病院、診療所等と、具体的にはちょっと今、忘れてしまいましたけれども、近くに存在するというような、近隣というような条項を設けているところでございます。それによって指示、連携がスムーズに進むと考えてございます。

○大森分科会長 どうぞ。

○三上委員 今のお話ですと、近くになければならない、近くに診療所があることを条件に訪問リハビリ事業所を病院、診療所以外が開設できるということですから、これは被災地のための特別な条件ということではなくて、本来であればその近くにある医療機関が訪問リハビリをやればいいのに、被災地特区というのは医師や医療機関がないために特別な措置をするのだということと少し矛盾しているように思います。
 そういうことであれば、ちゃんと医師の指示があるかどうかについての担保の仕方というか、調査の仕方といったことについても少しお伺いしておきたいと思います。

○宇都宮老人保健課長 今回はリハビリステーションについては初めての試みということもあるので、実際にそういったいきなり非常に離れたところでどうなるのかというところについては、ちょっとまだわからない部分がございます。
 老健などについても、サテライトの場合には20分以内という規定もございますので、そういったものと並びで考えて、特に、むしろ三上委員が懸念されている、医師の指示のないリハビリが起きるのかというところを検討して、このような提案になっているところでございます。
 実際にそういったリハビリステーションについての事例が出てくれば、そういった実態についても見ていきたいと思ってございます。

○三上委員 近くにあるということである程度担保ができるということだろうと思いますが、そうなれば被災地での特徴は意味合いが少し違ってくると思いますし、我々としてはこういった必要性という、いわゆる状況をいろいろ現場の方々からも聞いておりませんので、また特区法案が決まった経緯についてもよくわからない間に出てきたということなのですけれども、その辺の事情について、これは局長にお伺いする方がいいかもしれませんが、教えていただきたいなと思います。

○大森分科会長 局長、お名前が出ましたが。

○宇都宮老人保健課長 済みません、局長でなくて申し訳ございません。
 特区法については当然、災害地の復興に資する、また、こちらの医療、介護の分野においてはこういった医師等の職種の確保が難しい中で何とかしなければいけないということで、国会の方で議論されて、ちょうど可決成立したのがまさに改定の作業の真っただ中ということで、こちらの方でもこちらの分科会に対する御報告が遅れてしまって、そこは大変申し訳なかったです。
 そういう中で、例えばリハビリの事業所などについては、やはり現地の方からもそういったものをつくりたいという声もあったということを伺っております。そういう中でのこういう措置だということでございます。

○大森分科会長 よろしいでしょうか。
 この件でございますか。どうぞ。

○高智委員 この資料のポンチ絵の内容につきましては、おおむね理解いたしました。
 その上で、先ほど武久委員から特養における医師配置の要否、と同時にその実態等について述べられたわけでございますが、私どもも同様の関心を持っております。
 重点的あるいは効率的な制度運営をこれからも十分に担っていかなければいけない。そういう視点からも是非、この議論を27年度改定に向けて深めていきたいと思います。余りにも中途半端な議論で終わっている感じを否めません。

○大森分科会長 ありがとうございました。
それでは、この件はよろしゅうございましょうか。
 では、次のもう一つの特例措置の話をお願いします。

○宇都宮老人保健課長 では、資料3をごらんいただきたいと思います。「東日本大震災に対処するための要介護認定有効期間の特例措置の延長について」でございます。
 1枚おめくりいただきまして「基本的な考え方」でございます。
 認定の更新に係る事務について、被災によって市町村が非常に困難になっている状況が継続しているということから、有効期間を延長したいということでございます。
 具体的内容としましては、現在3月31日までの措置となっております、要介護認定等の有効期間を12か月間延長可能とする特例省令につきまして、これは先ほどの訪問看護と同様でございますが、9月30日まで期間を延長すると。対象については、岩手、宮城、福島の3県内の市町村に限るということでございます。
 こういった省令を改正するということでございます。以上でございます。

○大森分科会長 この件はよろしいですか。どうぞ。

○勝田委員 先ほども言いましたが、現地の方々に聞いてみますと、被災地の方々の認知症が極端に進んでいると。市町村の事務負担を軽減するということで延長するということはそれはそれでいいのですが、逆に今、再認定がなかなかやっていただけないというような現状があるようです。
 ですから、そういうことを、要介護認定の延長は勿論、それはそれでいいのですが、それと同時に今、受けておられる方たちが重度化した場合に、再認定の処理が進まなくて、その方に必要なサービスが十分に受けられていない。それでますます悪化しているという現場からの報告がありましたので、そのことに関して何とかしてほしいというのが関連の支部から出てきています。
 以上です。

○大森分科会長 この要介護認定の有効期間の特例措置の延長につきましては、よろしゅうございましょうか。特段に問題はないのではないかと思っておりますので、これをお認めいただければと思います。
 もう一つございます。よろしくお願いします。

○深澤高齢者支援課長 資料4をごらんいただきたいと思います。
 介護老人福祉施設等の耐火基準の見直しの関係でございます。これは直接、東日本大震災の関係ではございません。
 1ページ目をごらんいただきたいと思います。
 経緯のところをごらんいただきますと、特養等の建物につきましては、原則として耐火建築物、鉄筋コンクリート造ということでございます。
 括弧にございますように、2階及び地階に居室等を設けていない場合のみ準耐火建築物、木造も可としているところでございます。
 耐火建築物、準耐火建築物の差でございますけれども、出火後、倒壊ですとか延焼を防止する耐火時間がそれぞれ、耐火建築物ですと1時間、準耐火ですと45分というような差ということで、性能で差を規定しているところでございます。
 こちらにつきまして、構造改革特区という制度がございます。これは規制改革を行う場合に、最初から全国でやるのではなくて、特区としてモデル的に実施してみて、それを評価、検証した上で、その後、全国展開していくという制度でございます。
 その制度の下で、一定の要件の下で準耐火建築物とするというところも認めているところでございます。
 参考と書いてあるところの下の※のところをごらんいただければと思います。
 その事業を構造特区で実施しておりますのは、高知県で施設がございましたけれども、それを含みます全国で10施設。そこの所轄の消防署、都道府県に調査した結果を踏まえまして、総務省の消防庁とも協議をして、また、特区の制度で置かれております評価・調査委員会という、検証を行う委員会がございます。そこで平成20年度〜22年度、3年間かけて検証いたしまして、昨年3月、これは政府の組織でございますが、構造改革特区推進本部で全国展開をするという決定がされたところでございます。
 安全性に係る一定の要件につきましては2ページで御説明いたしますけれども、2階に居室がある場合等も準耐火建築物とすることを可能とするという改正を行うということでございます。
 2ページをごらんいただきたいと思います。
 改正内容でございますけれども、対象となりますのは特養、老健、介護予防も含みますけれども、短期入所生活介護事業所ということでございます。
 真ん中辺をごらんいただきますと、現行制度は先ほど御説明しましたけれども、耐火建築物、2階及び地階に居室を設けていない場合は準耐火建築物でも可としているところでございます。
 今回、改正をいたしますのは、その場合に加えまして、改正後の3つ目の○をごらんいただければと思いますけれども、2階または地階に居室を設ける場合であって、以下の要件すべてを満たす場合、準耐火建築物でも可能とするという基準の改正を行うということでございます。
 その要件といいますのは3点ございます。各市町村等の消防本部の消防長または消防署長と相談した上で避難マニュアルをきちんと消防計画で位置づける。
 日中及び夜間を想定した避難訓練を行う。
 3つ目といたしまして地域住民、地元の消防団等との連携体制をきちんと整備すること。
この3条件をきちんと満たす場合、指定権者である都道府県知事、市町村長さんがきちんと確認した場合には、準耐火建築物でも可能とするという改正を行うということでございます。
簡単ですが、説明は以上でございます。

○大森分科会長 これについて御意見を伺います。
どうぞ。

○村川委員 介護老人福祉施設の耐火基準で、改正後、原則は耐火建築物という位置づけでありますので、私もこの変化の動きについて反対までは申しませんが、やはり、この耐火といいますか、リスクマネジメントの観点からの注意喚起ということはあえて申し上げておきたいと思います。
 もう二十四、五年前でありますから、我々の記憶からも少し離れつつありますが、東京都内の特養で火災事故がありまして、死傷した高齢者が四十数名、あるいは職員も大勢被災するというような教訓もあったわけで、以来、耐火建築物あるいは避難誘導その他がむしろ厳格に取り組まれてきたのであります。
 震災、原発問題ではありませんが、やはり失敗から学ぶ、リスクから学ぶということはやはり繰り返し必要なことでありますので、この準耐火の扱いというのは極めて例外的な、部分的なものとしなければなりません。
 地域によっては木材を活用したいという思いはあるのでしょうが、私個人の意見を言わせていただくと、日中通所のような施設とか、あるいは入所施設であっても、室内の素材として使われるということはわからないわけではありませんが、やはり構造的な問題ということについては、かなり慎重に考えるべきではなかろうか。
 それからまた、こういった施設基準については、地域主権改革の流れの中で、今後は各都道府県が定める側面もあるわけですから、地方自治体、関係住民の方々に対して誤ったメッセージを発信することなく、リスクの観点も併せて言うべきでありまして、単純な規制緩和論からのみ言っていくということには重大な問題を感じます。
 原則は堅持されておりますが、これはやはり注意深く対処していただきたいというのが私の意見でございます。

○大森分科会長 ありがとうございます。

○伊藤委員 今回の耐火基準の見直しについては、目的が何なのかというのを改めて確認させてもらいたいと思います。
 情緒的な話は余りよくないとは思うのですけれども、先週、学校舎の木造3階建てを認めるかどうかということで、国交省の研究所の方で火をつけて燃やす実験をやっていましたけれども、10分で3階まで燃え広がって、25分で全体が炎に包まれた、75分で崩壊したと報道もされていました。
 あれは木材需要を高めるという目的だそうですけれども、こちらの方はどういった目的なのかということを、まずお聞きしたいのです。

○大森分科会長 はい、どうぞ。

○深澤高齢者支援課長 構造改革特区として上がってきた経緯としましてはおっしゃるとおりで、愛媛県が要望を出されたものでございます。
 内容としましては、やはり木材県ということでございますので、木材を活用した施設を広めたいということで出てきたということでございます。
 なお、今回の特区の全国展開に当たっては、先ほど申し上げましたとおり、安全性については評価委員会で3か年チェックをいたしましたし、当然、スプリンクラー等の設備等を前提としたもので安全を確認しているということかと思います。
 先ほど、木造3階建ての校舎の話が出ましたけれども、特養等の社会福祉施設の場合は3階建て以上についてはきちんと耐火建築物でなければいけないというところは、もう前提として崩すものではございません。
 また、村川先生のお話がございましたところについては、基準の省令を通知させていただく際には、よくその辺の留意点をきちんと通知させていただきたいと考えているところでございます。
 以上です。

○伊藤委員 施設基準としては、スプリンクラーの設置等は確保されるということでしょうけれども、極めて短い時間で延焼していくことは明らかなわけですから、避難マニュアルというようなソフト面の対応だけでなく、きちんと避難対応できるように、こういうところは特に人員配置がさらに必要になるかもしれませんので、そういった検討も必要ではないかと私は思います。

○深澤高齢者支援課長 この特区を展開いたしました例えば高知県の施設などですと、より留意すべき点として、例えば要介護度の高い方ですとか、認知症の方ですとか、自力避難が困難と想定される方については、きちんと1階に入所していただくというようなこともとっておりますので、通知を流す際には、きちんと人員配置については留意するということも書いていきたいと思っております。
 以上です。

○大森分科会長 どうぞ。

○田中(雅)委員 とても単純な質問をします。
 下の参考のところで絵が描いてあるのですが、右側の方を見ますと「2階又は地階に居室等を設ける場合」ということで、静養室等が地下に入っているのですね。
 申し上げたいのは、自力で歩けるとか動ける人ではなくて、重度の人たちが地下の静養室で過ごす際に、その3つの条件を満たしたからといって、本当の意味での安全というのがこの状態で図れるのかどうか。素人考えですけれども、非常にリスクが高いといわざるを得ない。そういう意味において、ここに静養室を確保されたことについて御説明いただければと思います。

○深澤高齢者支援課長 居室につきましては、やはり過ごす期間が長いということもございますので、あるいは採光の関係もございますので、地下には設けられないということでございます。
 「居室等」と書いてございますのは食堂等でございますけれども、そのほかについては地階にあっても大丈夫だろうということで、この3点を満たしている場合には準耐火建築物でも可能だということで考えているところでございます。

○大森分科会長 済みません、私も素人でわかりませんけれども、これは実際にこうやって規制緩和をしたときに、右側のようになったことを想定して、何か実際に火をつけて燃やしてみたとか、あるいはシミュレーションをやった結果、この程度は大丈夫だというような実験の結果みたいなのがあって、この規制緩和の話が出てきたのでしょうか。ちょっと私もそこのところがはっきりわからないのですけれども、先ほど言ったのはたった15分でしょう。
 何が一番違って問題なのかというのがまだよくわからないものですから、今の田中さんの御意見と合わせて。どうしてこうなることになったのか。

○深澤高齢者支援課長 今回、今、分科会長もおっしゃったような火をつけてみるというような実験は行ってはおりませんが、特区を受けてつくりました高知県の施設、それも含めます全国の10施設で所轄の消防署、都道府県を含めて調査をした結果で全国展開していこうということでございます。
 木造と申しましても単純な木造ということではございませんで、水分を含みます石膏ボードを壁、床、天井等にきちんと貼ることによりまして耐火時間をきちんと確保できるということで、耐火の場合は1時間でございますけれども、準耐火ですと耐火時間が壁とか柱の場合ですと45分ということできちんと担保ができるということでございます。

○大森分科会長 本当はこういうときは、例えば高知県で実際にやっているのでしょう、その写真ぐらい出してくれるとわかりやすいのです。実際の現場がどうなっているかということは、私たちはなかなか想像しにくいものですから。実際にはもう行われていますので、行われたことを前提にして、十分、消防庁等も検討した上で、これならば3つの基準を満たせばOKではないかと、全国展開になるものですから、そういう話ではないかと思っています。

○勝田委員 私が懸念するのは、改正後のところの日中及び夜間を想定した避難訓練ということが出ているのですね。夜間を想定した訓練となっているのですが、実は第3者評価でグループホームとかに行くのですが、日中の避難訓練はされているのですが、夜間を想定はしているが、夜間に実際にやったというところが残念ながらなかったのです。
 それと、近隣の協力というのが最近、得にくくて、実際に本当に夜間1人か2人しかいない場合、第一次に御近所のところに行く場合も必要です。
 避難訓練は火災ばかりを想定しますが、水害とか地震のときは全然入っていなかったのです。そういうこともこの中では実際に想定されたのでしょうか。

○深澤高齢者支援課長 水害ですとか地震を想定したかは確認はしておりませんけれども、きちんと夜間も想定した訓練を実施したと聞いております。水害、地震その他については確認してございません。

○勝田委員 想定ではなくて、夜間に実際やったかどうかなのです。ほとんどのところは、日中に夜間を想定してやるのですが、夜間の訓練はやらないのです。どうなのでしょうか。

○深澤高齢者支援課長 そこはきちんと通知の中で徹底していくようにしたいと考えております。

○大森分科会長 若干心配、御懸念もありますので、そのことを十分、念頭に置いてくださって、実際の運用をしていただくことをお願いいたしまして、これは御報告を受けて、一応全体としてはこれで進めていただいたらどうかということでよろしゅうございましょうか。
 それではもう一つ、お諮り申し上げなければいけないことがあります。
 前回、なるべく早くに立ち上げたいということを申し上げておりまして、介護報酬改定検証・研究委員会(仮称)ですが、できれば今日、この仮称を取りたいということで、まず事務局にお願いして校正していただいていますので、それを御報告いただきます。

○宇都宮老人保健課長 それでは資料5をごらんいただきたいと思います。
 資料5の1番、2番については、前回の御報告と同じものでございますが、3番目の委員のところでございます。
 今回、給付費分科会の大島委員、池田委員、田中委員、村川委員にお入りいただき、また3人加わっていただくことにしてはどうかということでございます。
 椿原委員、松田委員は両方とも医師でございまして、そういった医療関係との連携等についてお詳しいと。
椿原先生は特に地域リハや予防等について長くやっていらっしゃる方。松田先生につきましては、公衆衛生的な観点、それからデータ分析また予防も含めて幅広くやっていらっしゃる先生です。松原先生につきましては、専門は医療・介護経営あるいは医療・介護政策ということで、やはり医療も含めた介護の関係について、経済学の観点が主だと思うのですけれども、そういうことについて研究を進めていらっしゃる方ということでございます。
 以上でございます。

○大森分科会長 以上のようなことで開始させていただきたいのです。
 大島先生は大変お忙しいことを重々承知の上ですが、私としては大島先生に全体の取りまとめ役をお願い申し上げたい。特に大島先生は、臨床についてもほかのところでもおやりになっておりますので、全体としてはいろいろな方々の、この委員会そのものでもいろいろなことが可能になると同時に、この前もお話申し上げましたけれども、この委員会で議論をさせていただきますが、できるだけいろいろな方々からもヒアリングをしていただいて、さまざまな宿題を持っているものですから、その宿題を次の改定までめがけて精力的に御検討いただきたい。適宜、この給付費分科会の方にも御報告をお願いできればと思っている提案でございます。
 よろしゅうございましょうか。
 なお、公益委員の先生方は、お忙しくて恐縮ですがけれども、引き続きお願い申し上げたいということでございます。
 では、この件はこういう形で開始させていただきます。
 その他、ございますか。どうぞ。

○木村委員 昨年の最初の審議の中で、馬袋委員からと池田委員から、ケアマネジャーがケアプランニングに訪問看護をきちんと入れていっていない、そこのマッチングが問題であるということをおっしゃいました。
 日本介護支援専門員協会としては2年間にわたり日本医師会の代表であります三上委員初め、訪問看護振興財団、訪問看護事業協会、日本ヘルパー協会、日本介護福祉士会の代表の方に入っていただいて、具体的にどういう状態像のときにどういうタイミングで訪問看護を入れるかという調査研究をやってきておりまして、やっとケアマネジャーが使えるようなマニュアルができつつあります。
 それをもって春から研修会を重ねて、訪問看護が必要な人にしっかり入っていく形のケアマネジメントを前に進めていきたいと思っておりますので、御報告させていただきます。

○大森分科会長 ありがとうございました。
 では、その他。お2人から。

○村上委員 ありがとうございます。
 先ほどの前に戻りますけれども、耐火基準については、私も確かに木造についてはいろいろなことがあるとは思いますが、私たちは特養をやっていて、木造の建物の温かい感じ、これを何とか特養に導入できないかと思っておりました。
 今回、そういう意味では一歩進んだと思います。ここにあります図面については、地下に静養室等がありますけれど、一般的に余り地下には静養室はつくらないと思いますが、たまたま例として出したと思っております。
 実際につくるときには、またいろいろな配置の仕方があるのかなと思います。これは1つの例として考えていただくといいのではないかと思います。
 それから、先ほど特養の医師の配置の議論についてこれまでも中途半端だったというお話がございました。確かに私もそのように思っております。
 医務室の在り方とか、医師の加算、単価の問題の辺りのことについても、これまでも給付費分科会で、この場で発言させていただきましたけれども、これについても結論は得ていないと私は思います。
 そういうことでは、これまでもお話ししましたように、特養には、要介護4を超える重度の方々がいますので、そういう中での介護とか看護体制の在り方とか医療の在り方とかいうものについては、しっかりと議論しなければいけないと思っております。
 また、看護師さんについても、相変わらず健康管理だけです。ですから、こういう相対的なことについて改めて議論するということは私も必要だと思いますので、是非、よろしくお願いしたいと思います。
 以上です。

○大森分科会長 では、山田さん。

○山田委員 ちょっと消費税の取り扱いについて御質問しておきたいと思います。
 消費税が8%に上がる段階で、医療保険の分野では診療報酬で見ると。それはそれで今までと同じ流れで、介護報酬もそうだろうと思います。
 もう一つ、報道等によりますと、医療保険の分野で高額な投資が発生した場合、医療機械あるいは建築等と理解しますか、これは診療報酬から還付するという報道がありました。
 医療保険は診療報酬で、そういう整理の中で進んでいくだろうと理解させていただきましたが、介護保険の分野で介護報酬上の取り扱いをどうするのか、是非、お聞きしておきたい。
 実は、医療機関と違いまして、確かにCT、MRI等の高額な医療機器を入れるケースは、現時点ではまだ想定できませんが、将来的には医療の充実を図るときにはそういうことも可能でしょう。
 もう一つ問題なのは、老人保健施設は設立して二十数年経ちまして、そろそろ改築あるいは建て直しの時期に来ております。我々のところは、非常に語弊があるかもしれませんが、借入金でやっと返してきて、また借り入れしてつくり直さなければならない。補助金もほとんどありませんし、内部留保もないという状況で、消費税の取り扱いは非常に大きい問題であります。
 もし、医療保険並びで高額な投資をしたときは介護報酬で還付するということであれば、それはそれで結構なのですが、ここで取り扱いに差が出るということは非常に問題意識を持っていますので、それについて現時点でどうなのか教えていただきたい。

○宇都宮老人保健課長 今、山田委員がおっしゃったように、2月17日に社会保障と税の一体改革大綱が閣議決定されて、消費税について段階的に引き上げを行うこととされたところでございます。
 消費税が引き上げられますと、当然、介護サービス事業者の仕入れに要する費用が消費税分上がるということで、介護報酬についても対応について検討を行うことが必要だということは考えてございます。
 今、おっしゃったところでございますが、社会保険診療に関する医療機関の消費税負担について、高額の投資に係る消費税について別に区分して医療保険財政から支払うことを検討することとされているというようなことでございます。
 介護保険については、今もお話がございましたけれども、必ずしも医療保険とは同じではないというところではあるのですが、やはり対応について、診療報酬の対応状況について、そちらの方を見ながら、こちらについてもそういった対応の必要については検討させていただきたいと思います。

○山田委員 とりあえず、ありがとうございました。
 ただ、常に老人保健施設は、あるときには医療側に立ち、あるときには介護保険側に立って、都合がいい方に振り分けられますので、老人保健施設をお忘れないように、あるいは介護保険の分野を忘れないように、是非、お願いしたいと思います。
 以上です。

○大森分科会長 消費税は本当に増税になるのですか。そちらの方が問題。仮になった場合に、この扱いは大きいですので、今のような御意見がございますから、十分、中でも検討を進めていただきたいなと思っています。
 どうぞ。

○三上委員 この問題は何度も申し上げて申し訳ないのですが、訪問介護に関する同一建物、事業所の取り扱いについてです。
 審議報告に準じて諮問・答申がされたということなのですけれども、審議報告の中では併設事業所という取り扱いで議論をしていたわけですが、答申の方には同一建物内の事業所と文言が書き換えられていたということでございます。
 これについて振興課の方に伺いますと、併設ということについては、人員の一体的な活用、設備の共用、運営の一体性が含まれるということで、距離的な近接だけを取り上げるためにそういう書きぶりにしたという御返事だったのですけれども、距離的な近接性ということであれば、同一建物だけではなくて、隣接している場合も当然そうですし、それによってサービスの効率性があるということで、利用者の方にも負担がかからないように減算規定があるのだと思っています。
 しかし医療保険の訪問看護・訪問診療、介護保険での居宅療養管理指導等については、利用者側が集住化している、同一建物にいることによって効率的にサービスが提供できるために減算をして利用者負担も少なくなるという書きぶりなのですが、訪問介護についてだけは、事業所側の条件ということで、同一建物内にあるという書きぶりになっていることについては、極めて違和感を感じております。
 今回、改定の検証・研究委員会ができて、集合住宅における訪問系、通所系サービスの提供状況を調べるということなのですけれども、是非、いわゆる集合住宅の場合とそうでない場合のいわゆる経費のサービス提供に関する原価の違いといったものについても調べていただいて、どちらの方がどのぐらい効率的になるのかを検証していただきたいと思います。

○大森分科会長 文言の違いについての御了解というか御理解はよろしいですか。わかりました。
 ほかに何かございますか。よろしゅうございましょうか。
 次回について、何かございますか。

○宇都宮老人保健課長 次回の日程については、また決まり次第、御連絡させていただきたいと思います。

○大森分科会長 本日は以上でございます。ありがとうございました。


(了)

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