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2012年5月23日 第1回中央社会保険医療協議会費用対効果評価専門部会議事録

○日時

平成24年5月23日(水)10:40〜12:44


○場所

於 厚生労働省講堂(低層棟2階)


○出席者

関原健夫部会長 印南一路委員 西村万里子委員 森田朗委員
小林剛委員 白川修二委員 花井十伍委員 
石山惠司委員 田中伸一委員 伊藤文郎委員 
鈴木邦彦委員 安達秀樹委員 嘉山孝正委員 
万代恭嗣委員 堀憲郎委員 三浦洋嗣委員
加茂谷佳明専門委員 禰宜寛治専門委員 昌子久仁子専門委員 田村誠専門委員
福田敬参考人 池田俊也参考人 田倉智之参考人 
<事務局>
鈴木医療課長 迫井医療課企画官
屋敷保険医療企画調査室長 吉田薬剤管理官 鳥山歯科医療管理官 他

○議題

1 部会長の選出について
2 検討スケジュール等について
3 当面の論点・課題(案)について
4 医療技術の費用対効果の評価と活用について(概論)

○議事

○鈴木医療課長
 それでは、定刻になりましたので、ただいまより、第1回「中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会」を開催させていただきます。
 関連により、部会長が選任されるまでの間、私、医療課長が司会を進行させていただきたいと存じますけれども、いかがでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○鈴木医療課長
 ありがとうございます。それでは、部会長が決定するまでの間、議事進行について、私の方で行いたいと思います。
 まず、委員についてでございますけれども、お手元にあります委員の先生方の部会員の委員名簿のとおりでございます。
 また、専門委員の下に参考人と書いてございますが、福田先生、池田先生、田倉先生の3名に参考人として参加をしていただいております。
 委員の御出欠の状況でございますけれども、本日は全員が出席をされているということでございます。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 まず、部会長の選挙について議題としたいと思います。社会保険医療協議会令第1条第6項の規定によりまして、部会に部会長を置き、当該部会に属する公益を代表する委員のうちから、当該部会に属する委員が選挙するということとされております。
 部会長につきましては、総会の例によりますれば、1号側及び2号側から御意見を伺った上で御賛同があれば決めていくということになっておりますので、費用対効果評価専門部会の部会長につきましても、同様の方法を取りたいと考えておりますけれども、いかがでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○鈴木医療課長
 どうもありがとうございます。それでは、そのように進めさせていただきます。
 まずは、1号側から御推薦をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 白川委員、お願いします。
○白川委員
 関原委員を部会長に推薦したいと思います。
○鈴木医療課長
 ありがとうございます。続きまして、2号側の委員、お願いします。
 鈴木委員、お願いします。
○鈴木委員
 2号側も関原委員を推薦したいと思います。
○鈴木医療課長
 ありがとうございます。1号側、2号側とも関原委員の御推薦をいただきました。関原委員に部会長をお願いするということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○鈴木医療課長
 どうもありがとうございます。それでは、関原委員に部会長をお願いいたします。関原部会長より、一言ごあいさつをお願いいたします。
○関原部会長
 ただいま、部会長に選任いただきました関原です。この費用対効果の評価というのは、先ほど安達委員からのお話もございましたとおり、議論すべき問題、課題は非常に多くて、しかも、一つずつが大変難しい問題ということで、私には荷が重過ぎるということでございまして、ここにおられる委員の皆様、また、参考委員の先生の皆様の御協力、御支援によりまして、この会を中身の濃いものにして円滑に進めていきたいと考えておりますので、ひとつよろしくお願いいたします。
○鈴木医療課長
 どうもありがとうございました。それでは、以降の議事につきましては、関原部会長にお願い申し上げたいと思います。よろしくお願いいたします。
○関原部会長
 それでは、本日の議事に入ります。
 まず、検討スケジュール等について議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、事務局より説明をお願いいたします。
○迫井医療課企画官
 医療課企画官でございます。お手元に費用の費−1という資料を用意させていただいております。
 これは、先般、4月25日の総会で、この部会設置等につきまして、御審議、御了解をいただきましたときに、ある程度の内容はお示ししておりますけれども、改めまして、部会は今回初回でございますので、検討スケジュール等につきましてまとめてございます。
 1ページ目に、まず、1.でスケジュール、概略まとめてございます。
 先般の総会におきましても御審議いただきましたけれども、私ども事務局の認識といたしましては、この課題につきましては、少し中長期的な観点での御審議が必要だという理解でおります。
 したがいまして、(1)(2)(3)ということで、当面、次回改定までの24年度、25年度そして26年度以降も継続した審議をお願いするということを明記させていただいた上で、(1)に当面、今年度、平成24年度につきまして、もう少し具体的にスケジュールをまとめさせていただいております。
 1,2,3,4,と書いてございますけれども、現時点では、おおむね4回程度の部会開催をお願いしたいと考えております。
 1,2,3とございますけれども、今回、それから次回につきましては、初回2回目ということでございます。
 それから、後ほど、参考人からの御説明もお願いしておりますけれども、かなり技術的な内容も含まれておりますので、1回目、2回目につきましては、そういったテクニカルなことも含めました情報提供をお願いしておりまして、今回につきましては、○の2つ目に書いてございますけれども、概論といたしまして、評価と活用について、それから、次回2といたしまして、諸外国の活用事例等につきまして、情報提供をいただいて御議論をいただきたいと考えております。
 そういった1,2、2回を経まして3回目辺りに議論の論点でございますとか、あるいは関係分野、かなりさまざまな関係の分野あるいは製造メーカーさんとの業界の関係もございますので、御意見を聴取してはどうかということで記載させていただいております。
 それから、この審議の前提といたしまして、先般の総会での御説明の際にも含めさせていただいておりますけれども、実際に、26年度の診療報酬改定におきましても、一定の可能な限りの対応をするべきだという御指摘をいただいております。
 それを前提といたしますと、※印に書いてございますけれども、こういった費用対効果という対応の性質上、一定の範囲といいますか、具体的な対象の項目につきましては、あらかじめ設定していただく必要がありますので、念のためという趣旨でございますけれども、秋ごろまでには、もし、26年度改定で一定の対応をするということであれば、具体的な論点の整理についてもお願いする必要がありますということでございます。
 それを経まして、4で、第4回で今年度のまとめということをおおむね行っていただいてはどうかと、こういうスケジュールでございます。
 以上が1枚目のスケジュールでございます。
 次に、おめくりいただきまして、2つ目の整理といいますか、共通の認識で御議論いただく必要があるということでございまして、関係する組織、部会等につきます役割分担でございます。
 これも同様に先般の総会等で、これまでお示しをしてきている内容を改めまして整理をさせていただいておりますが、まず、3ページのポンチ絵と併せてごらんいただければと思っておりますけれども、関係する中医協、診療報酬の関係、もちろん、総会が¥最高決定機関でございますが、当部会を始めといたしまして、関連する基本問題小委、薬価専門部会、材料専門部会等の部会や小委員会、それから、実際に価格評価に関連する作業を行っております、医療技術評価分科会、薬価算定組織、保険医療材料専門組織等の3層構造になっております。
 これらにつきましては、2ページの(1)(2)(3)にまとめさせていただいておりますが、2ページの(1)でございますけれども、まず、当部会でございますが、この当部会は、制度上の取扱いあるいは評価の手法など、分野横断的に共通する論点、課題の検討を行っていただきまして、全体としての考え方、対応案を検討し、全体的な整理を行っていただくということでございます。
 (2)でございますが、それらの全体的な整理を踏まえまして、具体的な診療報酬でございますとか、薬価でございますとか、材料価格、それぞれにつきまして、どういったものを対象とするのか、どういった具体的な対応をするのかといったことを全体のルールを踏まえた上で、各分野ごとの特性に応じた、さらなる対応を検討していただくというのが、基本問題小委を始めといたしますさまざまな部会等でございます。
 (3)でございますが、この費用対効果評価部会、それから、今、御説明しました小委員会、部会等の基本的な各分野の具体的な取扱いのルールの決定を得まして、今度は、個別の評価でございますとか、薬価材料等の価格設定、これらについて、実際に費用対効果の観点での評価を導入するとすれば、実際の運用は、(3)の実際の作業を行う組織で行いますと、こういうことでございます。
 なお(3)のところに※印が書いてございますが、これは、今後の御議論の中でも御検討をいただくことになるんですけれども、実際に、価格評価あるいはさまざまな算定等について対応するとした場合は、この費用対効果という評価の性質からしまして、データの処理とかデータの収集あるいはそういった分析モデルの設定等につきまして、かなりテクニカルな作業が必要となります。
 これは、今後、議論いただく内容そのものでございますが、※印で書いておりますのは、現行の、例えば医療技術評価分科会でございますとか、薬価算定組織あるいは保険医療材料専門組織、これらの組織が現行の体制のままで、こういった作業を担うというのは、事実上、不可能でございますので、どういった体制で行うかというのは、今後、別途検討していただきますということは、あらかじめ明記をさせていただいておると、こういうことで※印を書いてございます。
 ここまでが、役割分担の話でございます。
 最後、3ページの3.に書いてございますけれども、基本的には、今、御説明したようなスケジュール、それから、各関係検討の部会等で御議論をいただくことになります。
 
 その上で、26年度対応をもし試行的に行うということであれば、可能な範囲において、具体的な選定をお願いしますということです。
 最後のページは、今、大体御説明させていただいたことを、具体的にフローチャートのような形で、流れを図にまとめさせていただいたものでございます。
 事務局としては、以上のようなスケジュール、役割分担等で御審議をお願いしたいと思っております。
 以上でございます。
○関原部会長
 どうもありがとうございました。それでは、ただいまの説明につきまして、何か御質問、御意見等がございましたら、お願いいたします。
 鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員
 今、スケジュールの話が出ましたが、この話しは、非常に大きな問題だと思いますので、26年、次回の改定に試行的な導入ありきという前提で話を進めるべきではないと思います。今日の話し合いの資料等を見ていますと、いきなり総論なしに各論に行くような感じ、あるいは理念なしに技術論に行くような、そういう気もいたします。この話は、命をお金に替える話にもなりかねないことでありますから、考え方の大転換というものも必要とされますので、ぜひ、慎重かつ十分な議論をしていただきたいと思います。このまま次回改定での試行的導入ありきという議論にならないように、拙速ということにならないようにしていただきたいと思います。
 また、この話は、エビデンスに基づいた医療、あるいは診療報酬という方向性は正しいと思いますが、全体の中での費用対効果の位置づけということをしっかり話し合うべきだと思います。さらに、費用対効果分析の手法の標準化、すなわちガイドラインの作成というものが前提になってくるのではないかと思いますが、そういったものが、果たして、なしで進めていいのかどうか。あるいは、医療技術評価というものは、費用対効果分析とイコールではなくて、その一部にすぎないわけですから、まず、その前に系統的レビューができるような体制をつくる必要があるのではないのかと思います。
 そのほか、費用対効果分析の質の担保の仕組みを設ける必要があるなど、まだ、この議論を行う前にする、いわゆる土台づくりというようなものが必要だと思いますので、そういったものを含めた、しっかりとした議論の上で行うということをぜひ、前提にして進めていただきたいと思います。
○関原部会長
 事務局の方、今の点、いかがですか。
 どうぞ。
○迫井医療課企画官
 医療課企画官でございます。御指摘のとおり、これは重要な課題だというのは、十分認識しておるつもりでございますので、今のような御指摘を十分踏まえて検討いただくようなことを事務局としても配慮したいと思っております。
○関原部会長
 嘉山委員、どうぞ。
○嘉山委員
 今のに付け加えさせていただきますが、私自身は、中医協でこういう問題を取り上げるようになったのは、いいことをやろうという前提なので、非常に進歩したというふうに評価をしたいと思いますが、今、鈴木委員の方から出ましたように、非常に大きな問題です。生存率というふうになりますけれども、実際、そこにファンクションで、一時でても、エンドポイントが変わらなくても機能がよくなって、生活が改善すればいいというようなファンクションの評価基準もあるわけですね。そういうような選定が、今回もまだ不十分だと思いますので、やはり鈴木先生がおっしゃるように拙速さは避けていただきたいと、適切な医療、お薬の値段にしても、前の総会でありました最後の、例えば50人しか患者さんがいない中で、医薬品を開発するときに、対費用効果だけではできないのは明らかで、あれを我々が認めているのは、やはり人道的な意義とか、そういうことがあるわけです。そういうこともファクターに入れなければいけませんので、拙速さは避けていただきたい。適切な医療ができるように、それで、医療に対して制限がかからないようにというようなことをお願いしたいと思います。
○関原部会長
 それでは、今の御意見は、もっともな点もございますので、いずれにしろ、この後、参考人の方から評価の方法等を含めて、説明を頂いて、最後にまた議論になるかと思いますので、今の嘉山先生のようなお話については、また、別途議論したいと思います。
 万代委員、どうぞ。
○万代委員
 今の嘉山委員とあるいは鈴木委員と同じような御意見を申し上げようと思いましたが、今、部会長がおっしゃったので、後で議論させていただきます。
○関原部会長
 堀委員、どうぞ。
○堀委員
 スケジュールのところで、要望ですけれども、第3回で、関係分野の有識者、関係者からもヒアリングとあり、ここでちょっと注目をしておりまして、これから資料を拝見すると、例えばQALYといったような指標が出てきまして、これを採否するのはこれからの議論だと思うのですが、中には価値観とか、意思決定を数値化するというようなプロセスが入ってきているのが見て取れます。
 この辺は、今、価値観も多様化しておりますし、日本の国民性、そもそも日本独自の保険医療制度の精神に関わるところだと思いますので、単なる経済的な話とか、そういったところとは違う要素があると思っております。前回の総会でも意見が出ましたが、そういったところの議論は、例えば、そういった価値観の数値化の是非を含めて一定の議論をするべきだろうと思いますので、そこが、多分、第3回の関係分野の有識者のヒアリングというところだと思いますから、ぜひ、ここは充実させていただいて、理解を深めるような対応をしていただきたいとお願いしたいと思います。
 以上です。
○関原部会長
 事務局の方、皆さんの御意見では、3回目でそれなりのまとめをするというのには、やや拙速ではないかというようなニュアンスです。その辺を含めて、もう少しスケジュールについては、これから相談をして進めていく。これでフィックスではないということですが、基本的には、こういう方向である程度の期間を区切って、その中でそれなりの結論を出していこうということで進めさせていただきたいと思います。その都度また皆さんに御意見をお伺いしまして、納得のいく形で、本件の重要性にかんがみて進めるということにさせていただきたいと思います。
 よろしゅうございますか。
 万代委員、どうぞ。
○万代委員
 そうしますと、先ほど来、余り事を性急に決めるべきではないということが議論に出ていると思いますけれども、やはり私も同じような意見でございまして、非常に重要な問題でございますし、我が国にこういったような費用対効果の評価基準を持ち込もうと、そういった制度をつくっていこうというところでございますので、一定程度の期限を決めて、そこに向かって結論をつくっていくというのは、やはりいろいろな問題があるのではないかと考えます。
 特に、企画官、るるというふうな言葉を使って説明されましたけれども、どうも26年改定を目指して、今年の秋を一つのめどとするということだとすれば、もう6か月あるか、ないかというのが秋の時期でございますので、その中で、特に3ページにありますような、それぞれの部会、委員会が順番に制度を決めて、個々の問題について評価していくというような大枠を決めるということ自体が、果たして本当にできるのか、あるいはそんなような短期間でしていいのかというふうに思いますので、その点については、部会長におかれましても、きちんとした議論ができるような方向づけを行っていただきたいと思いますし、3ページの3.の○の2つ目に、具体的な対象技術の選定を行うというような文言が書かれておりますし、これも繰り返し出てきていることでございますが、もし、そのときに、技術なり、そういったものの評価が、本当に正しく評価されたということであれば、それを演繹的に使ってもよろしいかと思いますけれども、こういう例示的なものから、それを全体に演繹していくという場合には、前提が間違っていれば、結論が間違うというのが演繹の欠点でございますので、そういったところも十分留意して議論を進めていっていただきたいと考えます。
 以上です。
○関原部会長
 それでは、このスケジュールも含めて、私と事務局の方で十分相談しまして、このままいいのか、あるいは少し変えてやっていくのかということを含めて、もう一度御提案するということにさせていただきたいと思います。
 よろしゅうございますか。
 それでは、スケジュールについては、いろいろ議論があるということなので、別に、これで決まったということではなくて、少し問題を抱えたまま検討するということにさせていただくということで、次に、肝心の当面の論点・課題について議題としたいと思います。
 事務局より、資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
 迫井企画官、どうぞ。
○迫井医療課企画官
 医療課企画官でございます。それでは、費−2の資料に基づきまして、当面、平成24年度の論点・課題、これは(案)と書いてございますけれども、課題についての御説明をさせていただきたいと思っております。
 なお、1.2.というふうに分けて、具体的な御説明をさせていただいておりますが、先ほど、御指摘もございましたとおり、まず、取扱い等を十分に御審議いただいた上での課題の整理ということが前提でございます。
 もう一点は、ここに書いてあるような論点とか課題を踏まえて、御検討いただいたという前提ではございますけれども、それだけで、例えば保険の適否とか、それだけで保険の価格を決めると、そういう前提の制度運用をありきとして御説明するつもりではないので、このことはあらかじめ申し上げさせていただきます。
 まず、1ページ目でございますけれども、当面御議論いただくべき課題といたしましては、大きく2つに分けて整理をいたしております。
 まず、1ページ目の1.でございますが、そもそも前提となります医療保険制度における取扱い、これがある程度共通の認識になりませんと、さまざまな制度の議論とか、制度設計に至りませんので、その医療保険制度における導入の在り方についての論点、課題がございます。
 (1)(2)と2つに大きく分けて整理させていただいております。
 まず(1)でございますけれども、実際に費用対効果という評価を仮に行ったとした場合に、それをどういうふうに医療保険制度において活用するのかということが非常に大きな論点であり、課題になります。
 幾つかの対応の考え方、オプションがございます。諸外国において参考となる事例もございますけれども、これは次回また情報提供をいただくといたしまして、今後、こういった具体的な対応の考え方、それぞれに長所、短所ございますので、それらを十分に踏まえながら考え方を整理していただいてはどうかということでございます。
 これは、あくまで例示的に記載しておりますので、最後に、その他というふうに、それ以外のものもありますよということでございますが、まず1の例でございますけれども、制度の対応や見直しの優先順位づけに活用すると、逆にいいますと、これは保険収載の可否とか、価格の設定とか、そういったものに直接的に活用するということではなく、優先順位づけの設定にとどめるというふうな活用の方法がございます。こういった方法につきまして、どのように考えるのか。
 2つ目の例といたしまして、2にございますが、価格評価への反映ということでございます。
 これは、現行の診療報酬の設定方式あるいは薬価、材料の価格設定の方式、一定のルールに基づいて行っておりますけれども、そういった現行の価格算定方式と、当然、整合性を図りつつ、配慮しつつ、例えば加算などの手法につきまして、一定の費用対効果の評価結果を反映させるということが考えられますが、これについてどのようにお考えになるかと、こういったことでございます。
 3番目の対応の考え方としまして、あり得る例としましては、保険収載の判断の基準として活用するというものでございます。
 まず、前提となります、当然、有効性、安全性が一定確保されているということでございますけれども、有効性、安全性に加えまして、従来の保険収載に係る判断の基準等の整合性に配慮しつつ、費用対効果の評価結果を保険収載の判断基準に反映させるということが対応としてあり得るということでございます。当然、長所、短所がございますので、これについてどのようにお考えになるのかというようなことでございます。
 最後、4は、先ほど申し上げましたとおり、それ以外の対応オプションも当然ございますので、こういったものも含めまして、全般的に活用方法をどのように考えていくのかというのが、1つ大きな論点・課題になるということでございます。
 次に(2)でございますけれども、評価の対象となる医療技術、技術というのは、この場合は、広い意味で診療報酬の点数あるいは薬価、材料すべてを含めるものでございますけれども、どういったものを対象とするのかということでございます。
 費用対効果評価、これは、全体的な実施を念頭に置きますと、相当なロジスティックスあるいは行政の対応も含めまして、相当なリソースを投入することになりますので、一定の対象を絞っていただくというのが前提になります。逆にいいますと、どういったものを対象にするのかというのをどう選定するのか、どう考えるのかということは非常に重要な論点になります。
 これらについて、具体的にどう対応するのかということを、先ほどと同様、長所と短所それぞれございますので、整理をしていただく必要がございます。
 1ページ目、一番下に書いてございますが、1から順番に例示がございます。これらは、どちらかといいますと、重複あるいは組み合わせによることが、当然考えられますので、個々の論点、必ずしも明確に整理できるものではないのですけれども、最初の1は、新規なのか、既存なのかと、つまり、技術の時間的な経過で分けてみるという考え方がございます。対象となる技術の数とか、あるいは新規の技術、既存の技術と、こういったものの違いを反映して選ぶということについてどう考えるか。
 おめくりいただきまして、2,3,4と同様に例示がございますが、2でございますけれども、そういった時間経過ではなくて、むしろ、財政的な影響の大きい技術、こういったものを優先的に選定してみるという考え方がございますので、これについてどのように考えるのか。
 あるいは3でございますが、革新性、いわゆるイノベーティブな技術というものを、最近、特に御議論になるケースがありますけれども、こういったイノベーティブだというふうな技術、医薬品あるいは材料につきまして、それぞれ優先して評価対象とするという考え方がございますけれども、これらについてどう考えるのか。
 あるいは4でございますが、ある技術が、もし、評価の対象となる場合に、別に類似というか、代替し得る技術、例えば手術でありますと、代替できる手術があるとか、あるいは医薬品につきまして、複数の選択肢があるとか、そういった代替される医療技術が既に保険適用されていると、そういう場合について、優先的に評価の対象としたらどうか。
 逆にいいますと、代替できるものがないものについて、どう取り扱うのか、こういったことも含めた論点になり得るということでございます。
 5、その他含めまして、さまざまな切り口での技術を対象とする場合の選定の方法がございますので、これらについてどう考えるのかというのが、今の(1)(2)制度上の取扱いについて非常に大きな論点になるというふうに考えております。
 次に(3)でございますが、少し赴きが違いますけれども、先ほどからの御説明にも、あるいは御議論の中にも出てまいりましたけれども、こういった費用対効果の評価を実際に制度上活用するとした場合には、実施体制が非常に大きな論点になります。
 12と書いてございますけれども、先ほどの資料で御説明しました、既存の、3層構造になっております中医協関連の評価の組織、既存の組織で、新たにこういった費用対効果の対応をしていただくというのは、事実上、現実的には不可能でございますので、新たな作業チームを設定する、あるいは創設する必要がございます。そういった場合にどう考えるのか。
 1のところに書いてございますのは、行政組織との関係も含めてですが、新しい作業チームを設けるとの対応、これらについて、既存の評価との関係も含めてどう考えるのかということと、2でございますが、諸外国の多くの事例でもそうですけれども、事実上、行政外の大学等の試験研究機関も含めてですが、一定の役割を担っていただく、評価・分析をお願いするということにならざるを得ない側面がございますので、こういった対応についてどう考えるのかということも併せて検討していただく必要がございます。
 ここまでが、制度の観点から整理をさせていただいた論点・課題でございます。
 次に、3ページ、4ページ、2.と称しまして、評価の手法における技術的な論点・課題というものがございます。
 こちらにつきましては、後ほど、福田参考人からのプレゼンテーションを含めまして情報提供をいただく内容でございますので、細かく御説明は省略させていただきますけれども、私どもの認識といたしましては、(1)(2)と2つの論点・課題があろうかと考えております。
 (1)でございますけれども、評価の手法でございます。これは、費用対効果ということで、制度における評価を行うという前提は、費用と効果を一定程度定量的に評価をして分析をしていくということが当然になります。
 したがいまして、技術的な側面で、幾つかの課題・論点があると。1,2,3と整理させていただいておりますけれども、1,2、それぞれ費用と効果、それぞれにつきましてどのように分析をするのか、どう指標を用いるのか、そういった整理が必要になります。
 3でございますけれども、一連のこういった費用対効果の評価の前提となる考え方としましては、ある技術があって、そことの比較というものが中心になろうと考えておりますけれども、そのそもそもの比較対象となる技術をどう選ぶのかについて重要な論点になるということでございます。これらにつきまして、後ほど御説明いただくことになると思いますけれども、こういったテクニカルな論点がございます。
 それから、4,5、これは割引率、それから評価の対象期間、これらは一定の定量化あるいは分析をする際の前提条件として、当然、確認をしておくべき事項でございますので、これらを含めまして、技術的な論点課題として整理をしていただく必要があろうと考えております。
 おめくりいただきまして、技術論点、もう一つ別の側面からロジスティックスのような側面もございまして、4ページの(2)でございますが、実際にこういった評価を行うという前提となるデータの取扱いでございます。
 すなわち、費用、効果それぞれのデータにつきまして、一定程度、御提供いただくか、収集をして、最終的に評価を行うわけですが、これらにつきまして、どう収集をするのか、あるいは特に海外のデータをどう取り扱うのかということが論点になりますので、1,2に書いてございますが、データの収集方法につきまして、具体的な技術を実際に実施している機関あるいは医療材料であれば、それを製造されておりますメーカーさんが一番そういったデータについて保持をされ、アクセスができるということでございますけれども、あらかじめこういった取扱いを決めて整理をしておきませんと、その後の評価に支障が生じますので、その取扱いの整理が必要だというのが1です。
 同様に、海外での実施事例、海外での経験、こういったものをあらかじめどう整理するのかということを決めておきませんと、実際には、国際的な枠組みで治験をされているようなケースあるいは海外で実際に開発されたものを国内に承認するケースもございます。医療技術についても同様のものがございますので、これらについて、あらかじめ取扱いを決めていただきたいということでございます。
 一応、以上まとめまして、1、2という大きな柱立てで整理をさせていただきまして、技術的な側面については、参考人からの情報提供も得ながら、今後も御審議を進めていただきたいと考えております。
 事務局からは、以上でございます。
○関原部会長
 どうもありがとうございました。それでは、ただいまの論点と課題の項目の整理につきまして、御意見、御質問を承りたいわけでございますが、ただし、この項目の中身は、後ほど別に時間を取っておりますので、初めは、項目の立て方等、検討の事項項目についてのみ議論をして、中身は後でするということにさせていただきたいと思います。
 嘉山委員、どうぞ。
○嘉山委員
 それがないと、そこが抜かされてしまうんですね。
 例えば、先ほどのニーマン・ピックの年間50人あるいはALKの肺がんの非小細胞がんの1,600人、これらはとても費用対効果では図れませんので、それをもし、この項目立てだけですと、やはり自然科学をやっている研究者にとっては、非常に抑制的な項目に見えるんですね。ですから、除外項目を立てておけば、自然科学の発展には抑制的にならないので、これは、ぜひとも委員としての意見ではなくて、これは入れてくださいということで提案です、お願いしたい。
○関原部会長
 では、それは、よろしいですね。では、よろしくお願いします。
 ほかに、白川委員、どうぞ。
○白川委員
 論点の立て方自体はよろしいと思いますが、私どもが一番よく理解できないのは、今の制度で何が問題かの整理がついていないことです。そうしたなかで突然、費用対効果という話になっているので、我々としては少し混乱しています。
 費−2の1ページに活用方法が4つ出ていますから、こういったことが、今問題なのだと多分、事務局は考えていて、その課題を解消するために費用対効果をやりたいと読めます。例えば、1ページの(1)の2に論点・課題として費用対効果の評価結果を価格評価に反映されることについてとありますが、これは今の価格評価は問題があるというふうに多分考えているから提案しているのだと思います。しかし、私どもには、具体的に何が問題なのかが、よくわからない。
 申し上げたいのは、具体的な技術論だけではないと思いますが、こういう方針を決める前に、少し現行制度の課題を整理していただいて、それについて、どう考えるのかということを、この場で議論した上で、それを解消する方法として、こういう手法があるという議論に進むべきではないか。最初のステップが、何か抜けているような気がしますので、ぜひ次回、事務局でそういった具体的な御提案をいただきたい。
○関原部会長
 では、事務局の方、結局、これは何のためにやるのかと、その問題意識がある程度共有されないと、議論もかみ合わないことになりますので、今の白川委員の御指摘を次回までに要点としてまとめていただいて、なぜやるのかという御説明をした上で議論を深めていきたいと思いますので、御準備の方、よろしくお願いします。
 ほかに、どうぞ。
○花井十伍委員
 
 それで、さっきの除外の件が出ていましたけれども、例えばQOLや延命率だけがパラメーターとして使用されるのであれば、例えば、希少疾病であるとか、抗がん剤等は当然パフォーマンスが低いから、これは同率に比較できないという、そういう理論になっていくと思うんですけれども、しかしながら、やはりそういうものに対しても医療の価値として、やはり患者にとってみればあるわけで、そういった指標を、もし、技術的には可能か、不可能わかりませんけれども、それにも価値があるんだというふうに見出せば、それが指標に入れば、除外する必要がなくなる可能性だってあるわけで、恐らく目的としては医療に何の価値を見出すかということを大体合意した上で、患者にとって価値のある医療行為に財源が使われ、そして、もし、患者にとって余り価値がないものに財源が配分されているとすれば、それは、問題があるだろうというところだろうというところだと思うので、先ほど白川委員から指摘がありましたけれども、現状がそうなっているのか、なっていないのかというのは、必ずしもわからないところがありますので、そういった点も踏まえまして、やはり医療の価値というものを、患者にとっての価値というものをちゃんと視点に入れた上で、項目というのを立てていただきたいと思います。確かに、卵か鶏かみたいな議論になりやすいですけれども、やはり基本的な理念というのも重要ではないかと思います。
 以上です。
○関原部会長
 それは、この後の参考人から、費用対効果の分析方法、何を入れる、どうするかということの説明もございますので、その辺りを含めて、最後に時間を取ってありますので、議論をして進めていくということで、花井委員の御意見を対応させていただきたいと思います。
 ほかに、ございませんか。
 それでは、一応、今の点につきましては、この辺りにしまして、この検討項目というのは、今、出していただいたような線で大体進めていきたいということにしまして、項目の中身につきましては、この後、資料費−3「医療技術の費用対効果の評価と活用」に基づき、費用対効果についての詳細な説明を伺った後で行うということにしたいと思います。
 それでよろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○関原部会長
 それでは、御異議もございませんので、そういうふうに進めたいと思います。
 では、次の議題といたしまして、医療技術の費用対効果の評価と活用についてというものを議題といたします。
 費用対効果の評価につきましては、専門的な観点からの議論も必要になるということで、この分野に詳しい、医療経済学の専門家3名の先生方に参考人として加わっていただいております。
 今日は、そのうち、福田参考人より資料が提出されております。費−3というものでございます。
 今日は、実は時間の関係もございまして、このうちの1の費用対効果の分析方法と、2番目の評価手法の技術的な論点・課題というものを御説明いただきまして、3番目の諸外国での活用方法につきましては、次回にお願いしたいということで考えております。
 それでは、先生、説明をよろしくお願いします。
○福田参考人
 国立保健医療科学院の福田でございます。よろしくお願いいたします。費−3の資料に沿って御説明させていただきたいと思います。
 内容につきましては、2ページ目にございますが、そのうちの1番の費用対効果の分析方法並びに2番の評価手法上の技術的な論点・課題についてのお話でございます。
 おめくりいただいて、3枚目のスライドになります。まず、1番の費用対効果の分析方法に関しましては、このような3つの観点のお話をさせていただきたいと思います。
 1番目に効率性を評価するために重要な2つの要素。
 2番目に費用効果比と増分費用効果比という指標について。
 3番目に分析方法の具体的なものということでございます。
 下に行きます。まず、1番目の効率性を評価するために重要な2つの要素ということですが、費用対効果を評価する際に、まず、押さえなければいけない2つのポイントがございます。
 1つ目は、効率性を評価するためには、投入と産出の両方を考慮する必要があるということです。費用対効果という言葉からも示されておりますが、費用と効果の両方を見なければ、効率性はわからないということであります。
 ときどき誤解がありますのは、医療を効率的にやろうというときに、費用をなるべくかけないようにしようというような発想があるかもしれませんが、一般に効率性というのは、どれだけの費用をかけて、どれだけの成果が得られるか、これが効率と考えますので、費用と効果の両方を考慮する必要があるということでございます。
 費用対効果の分析においては、投入はすべて費用、産出はすべて効果という用語を使って表現をしております。
 もう一つ重要な要素がありまして、適切な比較対照があることということです。一般に、これは、新しい技術、古い技術、さまざまな技術を評価されますけれども、その技術に対して、何と比べて費用対効果がどうなのだと、こういう議論をしております。そのために、2番目の要素としては、適切な比較対照があるということになります。
 これからお話しさせていただきます、費用対効果の分析に関しましては、この2つを満たしているものというのが前提となります。
 5枚目のスライドにまいります。この2つの要素を使って、費用対効果をどう考えるかということを仮想的な数字で御紹介をしたいと思います。
 5枚目にございますが、既存技術A、もう既にある疾患領域で使われている技術とお考えください。これに対して、新技術Bが出てきたときに、どちらが効率的かというのを考えてみたいと思います。
 仮に、患者100人当たりの費用と効果と書きましたけれども、Aという既存の技術は5,000万円、すなわち1人当たり医療費が50万円かかるというような技術を想定しております。
 効果は、これも仮でありますけれども、何年後かの生存数で見ます。これによって治癒できたりして、生存ができていた、これも100人当たりで見たときにAは50人ある期間の後に生存していたと仮定いたします。
 これに対して、新規技術Bは、費用が1人当たり200万円、100人で計算すると2億円かかるものだと仮定します。ただし、効果には優れていて、ある一定期間後、Aと同じ期間経った後の生存数が80人になっていると、つまり、Aより効果が高いというふうに設定いたします。
 では、この場合に、当然追加投資が必要になるのですが、費用対効果という観点からは、どのように考えるかということです。次の6枚目のスライドに行きます。
 費用と効果、これは、効果が生存数で書いてありますので、割り算をして指標化いたします。
 Aの方は、5,000万円のお金をかけて50人の生存数が得られるということですので、割り算すると、1人救命するのに当たってかかる費用は100万円という単純な計算ができます。
 これに対して、Bの方は2億円のお金をかけて80人生存していますので、1人救命するのに対しては、250万円のお金がかかるというような計算になります。
 この数字だけ見ると、同じ1人救命をするのに対して、A、即ち従来技術の方が100万円ということで安くあがっておりますので、BはAよりも効率が低い、つまり、従来技術の方が効率がいいのではないかというふうに考えられるかもしれません。
 ただし、我々一般的にこういう考え方はしておりません。なぜかといいますと、下の四角に書きましたけれども、医療としては、新しい治療技術、治療薬等、より効果の高い技術を求めるのは、むしろ当然だと思います。そのために、いろいろな研究あるいは開発がされていて、現場で使われるようになってきていると思います。
 既に、現時点で既存技術Aは使われているという前提で考えますので、より重要な視点としては、では、この既存の技術Aを新規技術Bに置き換えることによって、追加的にかかるお金、この例ですと、100人当たり、あと1億5,000万円でございます。このお金をかけることに価値があるかどうかを考えようということであります。
 そのために、我々一般的に使う指標が、7枚目のスライドにあります。単純にA、Bそれぞれについて費用を効果で割り算する、費用効果比、上にあります1のものCost Effectiveness Ratio、費用効果比というものよりも、むしろ下の指標、増分費用効果比、英語ではIncremental Cost Effectiveness Ratio、ICERと略しますが、この指標を専ら使うということをやっています。
 下の指標、どういうものかといいますと、費用の差分を効果の差分で割り算するという指標でございます。つまり、AをBに置き換えることによって、追加的に1単位多く効果を得るためには、幾らかかるかということになっております。
 繰り返しますが、既存のもの、Aは既に用いられておりますので、これをBに置き換えることによって、Bはしかも効果が高いということですので、この高い効果を得るのに幾らかかるかということでございます。
 これを出しますと、8枚目のスライドになります。問題としては、既存技術Aと新技術Bはどちらが効率的かという単純な質問ではなく、新技術Bの既存技術Aに対する増分費用効果比を勘案して効率性を評価するということが大事になってきます。
 実際の計算では、100万円とか250万円というのは、費用効果比ですけれども、増分費用効果比は、その下の式になります。AをBに置き換えることによって、100人当たり追加で1億5,000万円のお金がかかります。ただし、効果としては、あとプラス30人多くの命を救うことができるということになります。
 そうすると、増分費用効果比は一番下の500万円ということになりまして、AをBに置き換えることによって、追加的にあと一人多くの命を救うためには、500万円かかるという数字になってきます。
 これが、増分費用効果比と申しまして、これを一般的に用いて判断をしていくということをやっております。
 続きまして、分析方法、実際にどういうことが行われるかということなのですけれども、費用対効果の分析手法、主として2つ代表的なものがございます。費用効果分析と呼ばれる手法と費用便益分析であります。
 大きく違うのは、効果の指標のとらえ方でありまして、費用効果分析と一般的に申しますのは、対象とする疾患あるいは治療法に応じて臨床的な指標を用いるというものであります。健康状態の改善等を表わすような指標として、例えば生存が伸びたあるいは命が救えた、あるいは検査値等でも、例えば血圧値等の検査値を取ったり、その他、疾患に応じた検査値等を取るということもございます。
 その効果の指標の1つとして、QALYというような指標、後ほど御説明をさせていただきますが、そういうのもございます。
 この費用効果分析の特徴ですが、比較的、下の費用便益分析というのに比べると算出がしやすい、効果の指標が健康上の改善度等を表わすということですので、比較的算出が容易だと考えております。
 ただし、この分析を行ったときに、効果の指標が複数考えられる場合には、なかなか判断が困難になってまいります。例えば、効果の指標が幾つかある中で、A、1番目の指標で見ると、増分費用効果比が幾らですと、ただし、別の側面もあってBという指標で見ると幾らです、Cという指標で幾らですと、こういう数字が効果の指標の数だけ値として出てまいりますので、これを総合的に判断していくことが必要になってくるということでございます。
 下の費用便益分析ですが、費用便益分析は、医療以外の、いわゆる公共投資ですとか、そういうものにはよく用いられている方法でございまして、すべての効果を金銭単位で換算するというところが特徴でございます。
 これのメリットとしては、純便益と申しまして、両方金銭単位で表わしますので、便益から費用を引き算して、結果として純便益がプラスなのか、マイナスなのか、それによって、これを実施すべきかどうかの判断ができるというのが、1つのメリットであります。
 ただし、これには大きな課題がございまして、効果を金銭で表わす、すなわち人の命が救えるとか、長生きできるとかをお金に換算するという方法が課題になっております。
 ということで、これについては研究としても、上の費用効果分析に比べると、大分少ない、余り用いられていないという手法でございます。
 それから、1つ欄外に書かせていただきましたが、効果の指標として、後で御説明をさせていただきます、質調整生存年と日本語でいっている指標が、Quality Adjusted Life Year、QALYと呼ばせていただきますけれども、これを用いているもの、特に費用効用分析という名称を使う場合がございます。ただし、ここでの位置づけは、あくまでも効果の指標の1つとしてQALYを用いたという意味でございまして、費用効果分析の1つというふうに位置づけておきたいと思います。
 以上が、費用対効果の分析手法に関してであります。
 続いて、その下の11枚目にまいります。評価手法上の主な論点ということです。
 これは、先ほど、事務局からも御説明がありましたが、(1)(2)とございまして、(1)は評価手法の具体的な方法に関しまして、比較対照の設定、分析の立場と費用の範囲、効果指標、割引率、分析期間でございます。
 (2)として、データの取扱いに関して、データの収集方法と海外データの取扱いについてお話をさせていただきたいと思います。
 では、11枚目のスライドにまいります。評価手法に関しては、この5つの点が順次出てまいります。
 12枚目、1の比較対照の設定でございます。先ほど申し上げたとおり、増分費用効果比を考えますので、何と比べて追加的にどのくらいの効果があるか、追加的に幾らかかるという判断が必要です。
 この場合には、当然、何を比較対照にするか、何と比べるか、既存の治療の中でもどれを取り上げるか、あるいは、そういう有効な治療が現在ないのであれば、無治療を取り上げるのか、こういうところが課題になってきます。
 増分費用効果比の値自体は、比較対照の取り方によって、数字としては変わってくるというのが当然でございます。
 諸外国の、多くのガイドラインでは、その医療技術等が導入されることによって、最も代替され得る医療技術等を比較対照とすることを推奨している場合が多いです。これは、類似のものでなくても、一番代替されると考えられるものを用いるという場合が多いと思います。
 ただし、医薬品等のイメージを持ちますと、臨床試験の比較対照に設定されたものと最も代替されるものというのは、必ずしも一致しない場合もございます。そのときに、では比較対照としてはどうするかというと、やはりそこについては議論が必要になってくるということになります。
 実際に、直接比較しているデータがないと、評価上、なかなか困難になってくる場合というのもあるかもしれません。
 続きまして、13枚目のスライドにまいります。分析の立場と費用の範囲の考え方ということであります。
 費用対効果の分析に関しましては、費用を計算しますけれども、これは、だれの立場で、どういうような立場から分析をするかによって、どこまでの費用を含めるべきか、というのが変わってくるというのが一般的な考え方でございます。
 ここでは、幾つか例示として立場と費用の種類を考えてみました。一番上は、公的医療費のみを考える立場ということで、上にあります公的医療費のみを含んだものであります。ここでいっている、公的医療費というのは、用語が適切かどうかわかりませんが、イメージしているのは、我が国であれば国民医療費で考えている範囲でございます。保険診療ができる範囲ということです。
 それに加えて、例えば2段目の公的医療費と公的介護費を考える立場というのもあるかもしれないと思っています。我が国では、公的な介護保険制度もございますので、疾患によっては、介護保険の支出にも影響するものというのもあり得るかもしれないということであります。
 さらに、より広範に費用を考える立場というのもございます。この場合には、医療費、介護費以外に、例えば、一般には患者さんが自己負担している交通費とか、そういうものまで考える、これは、あくまでも機会費用を考えるためにということでございます。
 それから、家族による介護等、これは、インフォーマルケアのところで、特にお子様の看病をするとか、そういうことによる労働損失等も発生するかもしれません。あるいは本人が病気で生産活動に関与できないことによる生産性損失あるいは必ずしも生産性というカウントはできませんが、病気であることによって、治療のために時間がかかるといったような時間費用を考えるというようなこともございます。より広範に考えるような立場でございます。いずれにしても、これをどの立場でやって、どこまでの費用を含めるかということを議論する必要があると考えます。
 続きまして、14枚目で効果指標のポイントでございます。
 この中では、特に費用効果分析、代表的に用いられている手法の方を取り上げますけれども、費用効果分析では、先ほど御説明したとおり、効果にどのような指標を用いても構いません。健康状態を表わすような指標であれば構わないと考えております。
 ただし、複数の効果指標で分析を行うと、その解釈が困難になる。これは、先ほど、申し上げたとおりで、いろいろな効果指標ごとに値が出てきますので、最終的な判断が困難になるという意味でございます。
 そのために、一般的に推奨されている方法では、効果の指標を1つに定めて、主とする効果指標で基本的な分析をしていくということが、多く行われているアプローチでございます。
 効果指標の例としては、先ほども申し上げましたが、生存期間の延長とか、あるいは病気の治癒率、あるいはある程度の治療目的を決めて、その達成の割合であるとか、あるいは臨床検査の値であるとか、その1つとしてQALYというような指標があるということでございます。
 ここで、QALYにつきましては、きちんとした御説明なしで用語を使ってきてしまいましたので、少し図で御説明させていただければと思います。
 15枚目のスライドになります。QALYの特徴といたしましては、生存年数と生活の質あるいは生命の質と訳されますが、Quality Of Lifeの両方を考慮するということであります。
 下のグラフのところで、横軸に時間軸を取ります。縦軸に効用値と一般に呼ばれている値を取っています。ここでいう効用値というものは、健康状態に関するQuality Of Lifeを数字で表わしたものということになっていて、定義が決まってございます。定義としては、死亡、亡くなっている状態をゼロ、1を完全な健康状態というような表現をしております。
 そうすると、一般に状態が悪い、健康上の不安がある、健康を損なっている場合には、零コンマ幾つと、その状態を表わすということであります。これを効用値というふうに呼んでいます。
 ある患者さん、例えば、このグラフでいうと、もともと時間がゼロの時点では、少し効用値が下がっています。少し調子が悪いということで医療を受けています。医療を受けると、ある程度改善をします。そのまましばらく推移すると思いますが、どこかでは亡くなったというふうに考えます。
 このときに、一般にQALYというのは、斜線部分で表わされる面積で、この成果を表わそうというのがQALYというものでございます。
 ちょうど、効用値という値と、その状態でいる時間をかけ合せて計算するような、面積として出すような指標ということになっています。
 16枚目のスライドで、この特徴を御紹介したいと思いますが、効果指標としてQALYを用いること、利点と課題と両方ございます。
 利点といたしましては、健康関連QOL、Quality Of Lifeを考慮した分析ができるということで、確かに疾患によっては生死が最も重要と、これは当然ございますけれども、そこにQuality Of Lifeを加味できるというようなメリットがございます。
 それから、得られた結果の解釈が比較的容易であることということです。これは、諸外国でもしばしば用いている大きな理由でありますが、この指標を用いることによって、さまざまな疾患で同じ指標を使って結果を評価するということがされています。
 したがって、疾患を横断的に比較をするというような目的があれば、こういうものは適している部分があるかなと思います。
 それから、効果指標が疾患に依存しないため、疾患の間で比較が可能になることは、これは、今、御説明をしてしまいました。
 もう一つ、さまざまな効果を同時に考慮できることということであります。いろいろな効果があるときに、そういうものを併せて総合的に評価する。場合によっては、有効性の観点から、このくらいメリットがあるけれども、治療に伴って、有害事象が発生する可能性がある。それによって、Quality Of Lifeが一時的に低下する場合もあり得ると、こういうようなことも加味して算出することが可能な指標ということになっています。
 ただし、この指標を用いるには、課題もございます。1つは、Quality Of Lifeの評価をしなければいけないということになります。ここについては、幾つかの評価手法が提案あるいは実践されておりますけれども、いずれにしても、Quality Of Lifeの評価が必要になってきます。
 さらに、データが不足している状況では算出が困難な場合というのもございます。Quality Of Lifeの評価手法等は提案されておりますが、まだ、国内でこういうものを調査した研究は余り多くはない状況でございます。
 ただし、研究が行われていないわけではございませんで、例として、次の17枚目のものを御紹介させていただきます。これは、国内で直腸がんの患者さんを対象として、EQ-5D、EuroQol 5 Dimentionという、これは、もともとヨーロッパで開発されたQuality Of Lifeの評価尺度でありますが、これは、日本語版というのが正式なものができておりますので、これを使って調査をしたものでございます。
 効用値が、例えば、直腸がんの患者さんで、ストーマなしの場合には0.87、ありの場合には0.836というような調査結果が出ております。実際に、これは、ゼロが死亡、1が完全な健康状態というスケールで評価をしたものということです。このような研究が必要になってくると思います。
 18枚目で、割引率の説明をさせていただきます。費用対効果の分析においては、費用と効果を一定の割引率で割り引くということが一般的にされています。これは、将来的な費用、1年後、2年後あるいは10年後に発生する費用や効果は、現在価値に換算すると、価値が異なるという発想に基づいているものでございます。
 一般には、こういう割引を行うということになっておりますが、諸外国のガイドライン等を見ても、では、年率どの程度で割り引くのかというのは、一定したものはございません。諸外国によって違うということですので、日本でも、もし、こういうものの適用を考えるのであれば、それをどの程度の率にするかということは、設定をする必要があるというふうに考えます。
 それから、今のとも多少関連するのですけれども、19枚目のスライドで、分析期間に関してでございます
 費用対効果を考える場合に、当然、治療技術等に応じて影響評価するために、十分長い期間での効果を考える必要があるということであります。
 ですので、短期ですべてのものを数年で切ってという分析は、一般的には行われていないと思います。十分長期なものがわかるような分析手法を取る必要があると思います。
 ただし、長期間で分析を行うということになりますと、不確実性というのが発生します。つまり、ある程度長期のものを推測をするということがしばしば入ってまいります。
 それに対しては、感度分析といって、長期の推計で用いているパラメーターを変化させて、それによって結果がどのように変わるかということを検討するようなことが必要になってくると思います。
 実際に、これは一般的に行われていて、こういうものは必要だというふうに考えます。
 続きまして、20枚目のデータの取扱いに関してですけれども、収集方法と海外データの取扱いについてお話をしたいと思います。21枚目にまいります。
 まず、データの収集方法ですけれども、費用対効果を考えるためには、当然、費用データと効果のデータの収集が必要になってまいります。費用データに関しては、一般的に単価、診療行為1回当たりあるいは1薬剤当たり等の単価のところと、それをどの程度使ったか、資源消費量というのを別にデータを集めて費用を計算するということを行っています。
 日本国内でやられている研究ですと、単価は診療報酬点数あるいは薬価基準を用いている場合が多いというふうに思います。
 ただ、資源消費量に関しては、さまざまなデータソースがありますし、国内でも以下のようなものが考えられると思います。
 例えば、レセプトやDPCデータ等の、もう既に行われたものについて、実際に行われている診療から何がどのくらいされているかというのを集めるような方法。
 それから、もし、市販前のものとかを考えるのであれば、臨床試験等において、どのような治療がされているのか、こういうものを用いた症例報告等を用いて計算する方法、あるいは既にある技術であれば、標準的な診療経過、これは、診療ガイドライン等を参考にして、あるいは専門の臨床家の意見を参考にして、標準的にこの病気にはこんな治療がされますということから計算するような方法。あるいは医療機関レベルでの医事会計データというものもあるかもしれません。いずれにしても、こういうものをソースとする必要があると思います。
 それから、効果のデータに関しましては、臨床試験や疫学研究等のデータを用いることが一般的でございます。こういうものも整備されていく必要があると思います。
 ※で特段書かせていただきましたが、費用データ、効果データともに標準的なデータソースの確立が望まれると思います。これは、分析者によって違うデータソースを使うことによって結果も変わってきます。やはりこういう共通の場で議論をするのであれば、標準的には、これを使うべきだ、特殊な事情があって、ほかのデータを使うということはあるかもしれませんが、そういうものをなるべく確立していくということが望まれると考えます。
 最後に海外データの取扱いに関してでございます。海外データも、一応、費用と効果、2つに分けさせていただきましたが、費用データに関しましては、まず、海外の単価を用いて計算されたデータをそのまま用いることは適切ではないというふうに考えます。
 これは、御案内のとおり、諸外国と我が国とでは、1つの医療行為、1つの薬剤を使った場合の単価が違うということでございますので、やはり単価については日本のものを当てはめるべきだと思います。
 試験消費量に関しましては、なるべく日本のものかなとは思いますけれども、検討が必要かと思います。
 効果のデータに関しましては、費用対効果の評価に必要な国内データが十分には存在しない、上で挙げた、疫学研究等のデータあるいはQuality Of Lifeの評価データ等、ない場合というのも考慮する必要があるとは思います。なるべく国内でこういうデータが蓄積されて、こういうものが使えることは望ましいとは思いますが、十分に存在しない条件下では、海外のものの利用なども含めて検討が必要と考えております。
 長くなりましたが、以上でございます。
○関原部会長
 福田先生、どうもありがとうございました。それでは、質疑に入りたいと思いますが、質疑は2つに分けてやっていってはどうかということで、まず、最初は、ただいまの福田先生の御説明についての質疑、その後、先ほどの費−2というもので示されました検討項目の中身を含めて、全体に関わるさまざまな問題を議論するというふうに2つに分けてやりたいと考えておりますが、よろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○関原部会長
 ありがとうございました。それでは、そういうことで、まず、福田先生のただいまの御説明に対しての御質問なり、御疑問等がございましたら、よろしくお願いします。
 鈴木先生。
○鈴木委員
 まさに技術論のお話でして、いきなり初回から、こういった話をしていいのかどうかということ自体疑問だと思います。先生のお話に関して、ちょっと質問させていただきたいと思いますが、何度か先生のお話の中で、諸外国の多くのガイドラインとか、そういう言葉がありましたが、こういうことをやるには、ガイドラインが必要なのだろうと思うんですが、我が国には、そういったガイドラインはあるのかどうか、それを現時点でお聞かせいただきたいということ。
 それから、もう一つ、費用データ、効果データともに標準的なデータソースの確立が望まれるというふうにおっしゃっているということは、そういったものが現時点でないということだと思うのですが、こういったことがなしに、こういった費用対効果を分析するということができるのかどうか、あるいはガイドラインなしに、費用対効果分析ができるものかどうか、それが現時点で存在しているかどうかも含めて、お答えいただければと思います
○関原部会長
 では、福田先生、お願いします。
○福田参考人
 御質問ありがとうございます。まず、1点目のガイドラインに関しましては、やはり評価を標準的な方法で行って結果を比較するというためには、日本では、こういう議論をする場合に必要になってくるものであると考えております。
 諸外国の話は、次回にお話をさせていただこうと思いますが、諸外国でもつくられております。
 それで、我が国ではどうかということですけれども、私の承知している範囲では、研究者のレベルで、研究班等の提案として出されているものはございます。ただ、どちらかの機関でこれを使って標準的に実施しているというものは存じておりません。
 もう一つ、データソースに関しましてですが、これまでも、我が国でも経済評価研究は行われておりますので、データソースで標準的なものがなくても、いろいろなデータソースから計算することはできます。
 ただ、これも、先ほどのガイドラインの議論と同じで、やはり標準的な手法でやっていかないと、結果の比較可能性というのが保てませんので、なるべく標準なものをつくるべきだというふうに思っています。
 今のところ、例えば、費用については、レセプト等を挙げさせていただきましたが、今はレセプトのデータベース化等が進んでいると理解しておりますので、例えば、そういうものが利用できるようになっていくといいのではないか、これは、希望でございますけれども、そういうものとか、あるいは効果に関しましても、国内でもさまざまな疫学研究、例えば、コホート研究であるとか、そういうものも進みつつある状況でございますので、そういうものをなるべくこういう評価のために利用できるような仕組みができていくと良いのではないかと思っています。
 以上です。
○関原部会長
 ほかに、安達委員、どうぞ。
○安達委員
 先生、どうもありがとうございます。相当込み入った話を極めて簡略に、しかし、わかりやすく教えていただいたのでありがたい部分がございます。
 1点、スライドの12の比較対照の設定のポイント、この議論をするとき、多分、ここが一番大変で、3番目のポツに書いていただいておりますけれども、しばしば薬でもあるいは技術でも、臨床試験の比較対照として、その臨床試験が設定したものが、こういう計算をするときの、最も代替され得るものに該当しない、あるいはもっと幅広く対照を持っているということで、しばしば起こるということだろうと思うのです。
 先ほどのA、Bの話でいいますと、計算すれば、インクリースドの効果でいえば、ああいう計算になりますけれども、だけれども、臨床の現場ではどうやるのかというと、その疾患のうち、Aでは救命できないものと、Bでなければ救命できないもの、それと、Aでも救命できるものという新たな別の指標を設けて、それを適用として区別するという作業もしばしばやるわけで、そうすると、そういう区別ができる前の疾患群全体を適用すると、ああいう計算になるのだけれども、そういうようなことが出てくる。それが、結局、対照として何を選ぶかと、最も代替され得るものということにきちんとなる必要があるということだろうと思うのです
 そうすると、その観点からこういう検討をしていこうということが、先ほどから議論になっていますが、これをやるべきかどうかということの議論の中でやる必要があるのだ、やろうということになるとすれば、臨床試験あるいは、例えば、お薬の販売前の試験等々も、そのデザインそのものをそういう観点からもう少し厳密にする、あるいは変える必要があると、先生のお立場からすれば、御指摘あるいはお考えがあるのかどうか、その点をちょっと教えていただきたいと思います。
○関原部会長
 では、お願いします。
○福田参考人
 御指摘ありがとうございます。臨床試験の場面で最も代替されるものが比較対照になっていない場合というのは結構あると思います。適用として、例えばA、Bという治療法があったときに、Aのみの適用、Bのみの適用という場合ではなくて、やはりここで議論すべきなのは、AかBに置き換えるというような場合だと思いますので、それをやるためには、やはり代替されるものが比較対照になるべきであると思います。
 それをさかのぼって、臨床試験の段階で、必ずしもAとBを比較した試験を組めるかというと、それは制約がある場面が多いのではないかと思っています。
 それは、例えば、臨床試験でやっている段階と、その後、承認されて現場で使われるようになる段階で、時点が違いますので、例えば、臨床試験の段階では比較対照のものも承認されていないとか、もちろん、承認されていれば、そういうのを組むというのはあると思いますけれども、そういうことも生じるのではないかと思います。
 諸外国の、私の理解している範囲でも、必ずしも臨床試験の段階で、それができているとは限らないと思います。
 その場合には、例えば、市販後に臨床試験等をやったり、あるいは間接比較といういい方をしますけれども、直接、それを比較しているような臨床試験ではないけれども、複数の臨床試験を組み合わせる形で、その効果を推計すると、これは、ちょっと特別な手続が必要になってまいりますけれども、そういうようなアプローチが取られているというふうに思います。
 ですから、承認を受けるための、例えば臨床試験の段階で、適切な比較対照を設定できれば、一番望ましいことでありますか、すべてそういう形にするというようなことは難しいのではないかというふうに認識しております。
○安達委員
 ありがとうございます。そこには時間的そごが生じる場合があるんだろうなと、私は理解させていただきました。
 もし、価格決定にも影響させるということにするのであれば、そうすると、市販後調査等々の結果を見て、また、価格を設定し直すというようなことも考えなければならなくなるのではないかと。中医協の立場としては、そういうことが現実に起こるかどうかという話かと理解させていただきました。ありがとうございます。
○関原部会長
 嘉山先生、どうぞ。
○嘉山委員
 対費用効果をかなり経済的な面から絞ってお話になったので、非常に単純化されているのでわかりやすかったんですが、例えば、8ページの(2)の増分費用効果比等があるんですが、これは、中医協というか、国民の目線から見た場合には、1人当たりの救命で500万多くかかるけれども30人生きるということですね。その場合、確かにそういうふうな計算上はあるのですけれども、私がいつも気にしているのは、国家として、例えば30人生きれば、それが国民にとってはプラスになるわけで、その辺のことも勘案した対費用効果というのをやっていただきたいのですね。
 ということで見ると、13ページの分析の立場と費用の範囲の考え方ということでいうと、患者さんの立場からいうと、一番下のより広範に費用を考える立場を、まずは取っておいて、それで、それが必要ない場合は、一番上の公的医療費のみを考える立場等に絞っていくのが、一番安全なやり方ではないかと思うのでが、その辺は、いかかでしょうか。
○関原部会長
 先生、どうぞ。
○福田参考人
 どのような立場で、どこまで含めるかとか、増分費用効果比でどんな値を使うかは、私が判断するようなものではないと思いますので。
○嘉山委員
 ですから、やはり広い範囲から攻めていって、そういうのが公的医療費だけでいいよというようなことの方が、自然科学の発展も新技術のイノベーションも抑えないでいいのではないかというふうにお話ししたんですが、それで、先生の御意見を伺ったんですが、そこはいかがでしょうか。
○関原部会長
 どうぞ。
○福田参考人
 そういうことであれば、本人が、例えば、早く退院できることによって、活動できるというようなところをとらえるという考え方はあると思います。
 ただ、その際に、アウトカムの指標との関連も議論しなければいけないと思います。例えば、一例で、アウトカムでQALYを使うというようなことを、もし考えるのであれば、早く退院できると、QALYにも反映されますので、つまり、やはり入院している状態よりも、退院して生活できる方がQuality Of Lifeが上がりますので、そういうところにも反映されている部分があるということになります。
○関原部会長
 嘉山先生、どうぞ。
○嘉山委員
 私としては、ですから、そういうふうな方向で、事務局にも進めていっていただかないと、変な抑制だけが残って、国民にとってはいいことが何もなかったということになりかねないので、その辺をお願いしたいと思います。
 もう一つ、先生に質問させていただきますが、費−1で、事務局が用意していただきました3ページ目の、これは、非常によくまとまっている表だと思います。
 それが、やはり、国民に情報を出すという意味では一番大事なことではないかと思っているんですが、この横ぐしの評価の方法というのは、何かお考えですかね、今までのは、非常に部分品で、薬価であるとか、医療技術、横ぐしの方法論もお持ちでしたら、それを教えていただきたいと思っています。
○関原部会長
 福田先生、お願いします。
○福田参考人
 それは、もしかしたら、私の説明が不足しておりまして、失礼いたしました。
 費用対効果を考えるときには、例えば、新しい薬剤の費用対効果を考えるときにも、薬剤だけではなくて、関連する検査とか診察とか材料とかをすべて含んで計算をいたします。なので、先ほどの例示で、1人当たり医療費が50万円ですというときには、もちろん、薬代あるいは材料代だけではなくて、すべてのものを含んだ形での計算になっていくということでございます。
○嘉山委員
 すると、この診療報酬と書いてあるところに再診料ですと、診断の能力、例えば、先ほどの総会のところで認められたARTの融合遺伝子、あれなんて、わずか肺がんの2%くらいしかいないのですね。そこまで診断するということは、さっといけば、そういう効果が上がるのですけれども、そういうことも含めた診療報酬の費用をまとめて評価できる方法があるのですね。
○福田参考人
 ちょっと総会の方におりませんでしたので、わからないのですけれども。
○嘉山委員
 現場では、実はそういうことが非常に問題になるのですね単品ではなくてね。
○福田参考人
 でも、これは、必ずその治療法に伴う関連するものはすべて含めないと計算ができませんので。
○嘉山委員
 ちょっともし次回でも、今日は無理でしょうから、次回でも、そういう一例を使ってやっていただければと思うのですが、よろしくお願いします。ありがとうございます。
○関原部会長
 ほかに、それでは、石山委員、どうぞ。
○石山委員
 先生のお話は、非常に勉強にはなりました。先生の説明資料を拝見すると、費用対効果評価は、データ的にみて、学問の研究の途上にあるのかなと思います。私は、事務局が先ほど提案した論点・課題について、本当にこれだけの項目を検討しきれるのかなという印象をもっております。資料費−3には、いろいろな検討項目が挙げられておりますが、このような課題設定や活用方法は、良いとは思うのですけれども、先生がこれらの検討項目を直感的に見て、2年で結論を出すのは無理であるとか、いろいろと感想をお持ちだと思います。それを具体的に教えていただくと、今後、我々が課題をスクリーニングすることができると思うのですけれども、いかがですか。
○関原部会長
 今のお話は、先生への質問ですか。
○石山委員
 いや、先生のコメントをいただければと思います。
○関原部会長
 それでは、それは最後に、今までの項目の中身も含めて、いろんなことを議論するときにしていただいて、今は、先生のこのレジュメについての質問をお願いします。
○石山委員
 嘉山先生からご質問以外にもいろいろ資料の1に言及されたりしていたものですから、ちょっと今、コメントしたまでです。
○関原部会長
 済みません、ちょっと司会のやり方が悪くて、後でしていただいて結構です。
 それでは、花井委員、どうぞ。
○花井十伍委員
 済みません、ありがとうございます。12ページの比較対照の問題というのは、非常に重要だということは理解したのですが、例えば、先生、治験というか、医薬品というのは、かなり人数も期間を限定して評価していて、一般論とすると、医薬品というのは、治験時のデータよりも、上市されて以降は、どんどん有効性は、一般として下がってくるわけですね。ちょっと不公平感というか、難しい問題が出てくると思うんですけれども、この期間と対照の数、これについては、どのような整理がされるんですかね。
○関原部会長
 お願いします。
○福田参考人
 まず、どの時点で評価するかは、今後の議論だと思うのですけれども、確かに、薬に限らず新規導入時にあるデータというのは限られていますので、そこでできる評価は限界があるというふうに思います。ですから、それを実際に使われるようになってきて、データが集積されて、場合によっては、それを使って評価をし直すようなことも必要になってくることはあるかと思います。諸外国で出しているものでも、何年かで見直すということがされているというのは、一般的なやり方ですので、その時点で新しいデータが出てきたら評価をし直すということは、むしろやっていくべきではないかというふうに個人的には思っています。
 それから、たいしょうの数といいますのは、患者さんのという意味ですか、それでも評価対照ということでしょうか。
○花井十伍委員
 評価対照の数です。ボリュームで、1,000人と100万人のデータは、当然、同じように比較できないと思うけれども、そういった問題について、特に治験データというのは、ちゃんとしてといっては変ですけれども、かなり選抜された患者群をある程度限定した数で評価している話と、実際、医療現場でリリースする話は、相当環境が違うと思うのですけれども、そういう点も踏まえて、数が多いとか、ばっとふくれるときにどういうふうに考えたらいいのかなと、今、ちょっと素人的な疑問なんですけれども、教えていただきたい。
○福田参考人
 これは、むしろ経済的な観点というよりも、多分、有効性、安全性の評価の観点から十分な例数をということになるのかなと思います。特に、上市後、たくさんの患者さんに使われると、場合によっては安全性情報などがたくさん入ってきますので、そういうことを反映されるという考え方はあると思いますが、多分、費用対効果の観点よりも有効性、安全性の評価のために必要な例数ということになってくるかなと思います。
○花井十伍委員
 臨床の先生がたくさんおられるので聞いてほしいんですけれども、薬の評価というのは、20年使い慣れた薬と、それから、幾ら治験データがあっても、出たての薬では、多分、その評価というのは、若干違いがあると思うんですけれども、それは、経済的にも同様のものがあると考えるのか、考えないのかというところなんですけれども。
○関原部会長
 それは、ちょっと私が答えることではないのですが、さっきの評価対象とする技術の考え方の新規技術と既存技術というのがあって、それは、治験でやって承認された。しかし、それは数が限られているから、実際、それは試験どおりに、100人でやった結果が、では、1万人で実際に臨床で15年使ったら、そんなに有効性があったのか、あるいは場合によってはリスクが高まるということだってあるわけなので、そういう意味で、既存のものの評価も含めてどう考えるか、まさに今回の費用対効果の対象とする医療技術の考え方にも、私は及んでくるのかなという気がしました。先生への質問等はこれは途中で打ち切るという話ではないので、先生の話も念頭に置きつつ、さっきの費−2でお示ししました検討項目の中身を含めて議論に入りたいと。そこで、もし、質問があればまた、先生にも御意見を伺うということで、ちょっと時間の関係もあれするので、やらせていただきたいと思います。
 それでは、万代委員、お願いします。
○万代委員
 効果指標のところでございますけれども、例えば、14ページのスライドのところで、効果指標を複数定めるよりは、1つの効果指標を定めて分析を行うことは望ましいということですけれども、医療というものにつきましては、特に、いろんな効果指標を定めたくなるのではないかと。
 
 その際、いろんなものを入れては分析しにくいということでございますから、例えば1つずつ分析する、比較的定量性の高いもの、あるいは定量性の低いものを1つずつ指標としてある費用に対して効果を分析したときに、それを比較するような手法というのは存在するのかどうかということをお伺いしたいんです。あるいは重みづけができるような手法があるかということです。
○関原部会長
 先生に対する質問なので、お願いします。
○福田参考人
 複数の効果指標があるときに、それぞれの指標を使って、増分費用効果比なり値を出していくことは可能です。ただ、そのときに、どの効果指標にどれだけの重みを付けるかということに関して、一般的な手法はないというふうに思います。やはり、それを総合的にどこかで判断をしていくようなことが必要になると思います。
 それを、ある程度いろいろな要素を盛り込むということで、諸外国で使っているのがQALYという指標かなということでありまして、特段、幾つかある指標を、この手法で統一するという一般的な方法はないというふうに認識しています。
○関原部会長
 安達先生、どうぞ。
○安達委員
 
 そのときに、かかる費用はこれだけだ、それで、効果の方に、13ページのスライドでは費用を広く考えた場合は、一番右端から2番目に、本人の生産性の喪失というのがありますね。これは、治療中は、生産に関与しないんだから、生産性が損失する、それも費用だという考え方があるとすれば、救命されたときの増分費用効果を計算するときに、その効果の方は、それも広い、狭いがあるんですか、つまり、助かるだけが効果なのか、広く考えれば、それこそ、先ほど嘉山委員がいわれた、国家の財政的な見地からいえば、その方は救命されれば、生産労働力として稼働することが可能ですね、年齢にもよりますが、その分を効果に取るというような、費用の方に広く取るとすれば、効果の方もそういうところまで広く取るというような考え方も現実にはあるんでしょうか。
○関原部会長
 先生、お願いします。
○福田参考人
 それに関しましては、例えば、費用便益分析という、すべて効果をお金に換算する方法に関してはあり得ると思います。費用効果分析として、健康に関連する指標効果として取るときには、どの効果指標を取るかによって、その範囲が少し変わってきます。
 例えば、生存年数の延長を取るのに加えて、Quality Of Lifeを考慮したのがQALYということですので、その分、少し評価がされると思います。
 一般に、それに伴う、先ほどの分析の立場でお示しした費用をどこまで入れるかというのは、あくまでも効果の方ではなく、費用の方でカウントをするというのが一般的なやり方であります。
 そのときに、議論としてありますのは、例えば、生産性というのは効果としてのQALYの一部にも入っているという指摘はありまして、分子と分母、費用と効果と両方に生存が延びたことを入れると、二重に計上しているのではないかという指摘も研究者からはあることはあります。
○関原部会長
 ほかにございますか。どうぞ。
○堀委員
 
○福田参考人
 御質問は、ゼロが死亡、1が完全な健康という効用値というのを、どうやって測定するのかということでよろしいですか。
○堀委員
 例えば、0.7、0.6というふうな判断がありますね。それは、どういったことで、いろんな尺度があると思うんですけれども、それは、1とゼロはわかるんですけれども、0.5か0.6かというふうな判断ですね、そこはどんな考え方で。
○福田参考人
 これは、それを測定するためのツール、評価方法というのが幾つか提案されておりまして、大きく分けて直接法といって、直接患者さんに聞く方法、私らの領域では、タイム・トレードオフとかスタンダード・ギャンブルと呼んでいるような方法があるのですけれども、要は完全に元気に生きるのに対して、ある健康状態で長年生きるのと、完全に健康状態で短く生きるのと、どっちがいいかというような選択をしていくような方法とか、あるいは調査票を患者さんに行って、簡単な調査法から計算して出せるような仕組み、例えば、先ほど御紹介したEuroQol 5 Dimentionなどは、日本でそのような計算ができるようなツールとして確立しているというようなものもございます。この辺りは、評価の方法は幾つかございまして、それを使って評価をした値を使うというのが一般的に行われております。
 これについても、ある程度標準的にどんなものを使うべきかという議論は、今後、必要ではないかと思っております。
○関原部会長
 先程申し上げました通りに議論が上手く区切れず、全部福田先生に質問がいっているようですが、項目の中身ということについても、限られた時間の中でお願いしたく、先程石山委員の方から御質問がございましたが、その点につきまして、事務局の方からお話をお願いします。失礼しました。では、もう一度、石山委員、質問をお願いします。
○石山委員
 先ほど、事務局から説明があった論点項目がありますが、先生が方からごらんになって、このような研究課題や応用できる分野だと、経験をいろいろされていると思いますので、どのような項目が、本当に部会として、検討の対象になり得るのか、お考えを聞かせていただきたい。あるいは、検討をしても成果が出ないという意味がありませんので、将来、2年間なり4年間で成果が出し得るのは、どういう項目なのかというのをお聞きしたいと思います。
○関原部会長
 では、先生に、先生の立場から、さっきの項目についてのコメントをお願いしたいと思います。
 先に事務局の方に回答を振ってしまし、済みません。
○迫井医療課企画官
 事務局が答えるべき御質問なのかどうかも含めて、少し逡巡をしてはおるのですが、まず、全般に検討項目をお示しして、それから、スケジュールをそれにさかのぼりまして御説明をしましたけれども、幾つか委員の御指摘もございましたが、すべての課題を整理して、具体的な対応をするという前提になりますと、相当程度、当然時間がかかるということですから、1つ確認をしておきたいのは、すべての項目をきっちり整理して、制度設計をした後に何か評価をする。かつ、それを26年にやるつもりなのかと、もしかしたらミスリーディングな印象を与えたかもしれませんが、それは、決して事務局の意図するところではございません。ですから、あくまで検討すべき項目はこれですということと、仮に26年度で思考でいいから対応するとしたならということを、ある意味、ちょっと欲張りな御提案をしたものですから、少し混乱させてしまったかもしれませんというのが1点目です。
 その上で、石山委員の御指摘について、ちょっと事務局もどこまでかというのがあるのですが、我々の認識は、一定程度制度として運用するのであれば、少なくとも、こういったものについては、前提として整理をしていただく必要があると。決めていただくべきものが多いと思っておりますが、例えば、内容によってこれは変わるとか、時期によって変えるとか、その都度、議論しながら制度運用するということもありましょうし、あらかじめこれは決めなければいけないというものもありましょうし、それは、むしろ御議論をいただきながら整理をしていただきたいと、こういう趣旨です。
 
○関原部会長
 それでは、どうぞ。
○福田参考人
 私がお答えできることとしては、例えば、資料の費−2の最初にある、どうやって活用するか、諸外国の例も次回に御紹介させていただこうと思いますが、平成22年度に研究班で議論をいたしまして、ここに挙げてあるようなものは、議論すべきであるというふうに考えています。それぞれにともなって、やはりメリットと課題というものはあると思いますので、そういうものも、今後、議論が必要になってくるのではなかと思っています。現時点で、これを外すべきだというものはないと思っております。
○関原部会長
 どうもありがとうございました。では、三浦委員、どうぞ。
○三浦委員
 福田先生、どうもありがとうございます。この費用対効果の分析方法について、考え方として概略が大分わかってきました。
 
 それで、先ほどもお話が出ていましたけれども、医薬品、これは、治験とか、承認審査等の手順を踏んできているんですが、あるいは保険適用について一つひとつの医薬品に効能とか効果とかというのも複数あるんですけれども、そこら辺の考え方、判断基準の考え方というのは、どういうふうに考えて、どういうふうな方法を取ったらできるとお考えか、教えていただきたいと思います。
○関原部会長
 どうぞ。
○福田参考人
 これも、少し諸外国の例とかのお話の後の方がいいかもしれないのですけれども、例えば、費用対効果という観点からは、このくらいというのを目安に、このくらいまでは良いのではないかということを目安にするというのは、やっている国がございます。
 ただし、諸外国を見ても、この費用対効果だけで判断する、最終的に保険でやるかどうかを判断するということをやっている国はございませんので、どこの国でも、それは1つの見る視点であって、やはり有効性、安全性、そういうものを重視しながら、そこに費用対効果というものも加えて総合的に判断すると。その中で、どれを重視するかは、個別の事例によって違っているという印象がございます。
○関原部会長
 ほかにございますか、どうぞ。
○嘉山委員
 白川先生の疑問が一番大きな疑問だと思いますので、この対費用効果をやる一番のいいと思う考えは、やはり今までお薬の採用にしても、機械の採用にしても、我々自身も専門委員長に、部会長に、どういう基準でやっているのだと、先生もお聞きになりましたね。その辺のあいまいさが非常にある、今日も実は質問したかったのですが、それをもうちょっと別の角度からきちんと国民の前で説明できるような、これは保険収載しますよとか、この技術は、これだけの値段を付けますよということを別の角度からやる必要があると、私は考えたので、私は、これはそういう意味で、費用対効果という、全部は、先ほどから福田先生がおっしゃっているように、きれいにすぱっとはいかないでしょうけれども、別の角度からもう一度洗い直すことができるので、これをやった方がいいと思います。
 あと、項目については、例えば、新技術と既存技術等の、今後に関しては、我々は問題ないというふうに思っていますので、これは賛成でございますが、先ほどお話ししたように、これだけではできない、もちろん、さっき花井委員がおっしゃったようなことはやらなければいけない。全部、この費用対効果で俎上に上げなければいけないのですけれども、それをここで縛るかどうかというのは、除外項目にしますよという項目を1つ立ち上げてほしいということだけは、二号側の意見として、お願いしたい。
○関原部会長
 では、安達委員、どうぞ。
○安達委員
 基本的に、ほぼ同じことを多分申し上げようとしたと思いますが、より原則的にいうと、先ほど白川委員が御指摘のように、突然始まったという感じもあって、何でこれをやるのかということの委員間の基本認識はしっかり、次回までに固めた方がいいのだろうと思います。それは、皆保険制度の基本的な在り方のところの根幹に関わる部分の議論でもあるわけだろうと、私は思いますけれども、そういうことを議論するときの、先ほど福田先生もおっしゃいましたように、費用対効果がすべてではない、1つの手法であるという考え方の中で除外項目とか、そういうものが出てくるのだろうと、医療というのは何かということにも関わる話だろうと思います。
 そこのところの基本認識をきちんと決めてしまうと、この資料1、2にあるような中身が、何と何をやるかということが、おのずと大体見えてきて決まっていくのではないか。
 特に、限られた時間のスケジュールの中ではあるのですけれども、このスケジュールどおりでは、本当に結論なんて、私は出るわけがないと思いますので、もう少し柔軟に考えていただく必要があるし、来年度に持ち越してでも議論してもいい部分が多々あると思いますから、そういう柔軟性も含めて考えていただきたい。
 スタートのところで、そこを間違ってあいまいにだらだらと議論に入ると、何を議論しているかわからなくなるということがあると思いますので、その整理は必要ではないかと感じました。
○関原部会長
 ありがとうございました。鈴木先生、どうぞ。
○鈴木委員
 いろんな先生からお話が出たことも含めて、やはり私は、非常に議論の進め方が拙速だと思います。これは、非常に大事な議論なのにもかかわらず、いきなり技術論みたいな話から入っていくというのは、非常に危険なことだと思っております。
 例えば、ガイドラインの話にしても、外国では全部ガイドラインに基づいてやっているという話をしていながら、日本はそういうものをなしでやろうとしているということも非常に問題だと思うし、何でそんなに急ぐのか。2年後の改定でやらなければいけない話でもないので、じっくり議論して、もっと土台づくりをどうしたらいいかから始めるべきだと思います。そうした医療技術評価は、もともとの効果の系統的レビューとか、経済的評価の系統的レビューとか、そういったことをした上で、費用対効果の分析を行うかどうかを決めるというような一般的な手法があるということですが、そういうことをすっ飛ばして、いきなり費用対効果分析だけありきというようなことは、私は非常に危険だと思います。それはいわば海図なき航海、荒海に乗り出すようなもので、今まで診療報酬改定が、厚生労働省の勘と度胸でやってきたみたいなところもあるといわれてきたわけですが、そうではなくて、エビデンスに基づいてやろうという話をしていながら、一方では、また同じようなことを、名前だけ費用対効果という外国のものを導入するといいつつ、実際は勘と度胸でやるみたいな話になりかねないと思います。慎重に十分議論をして、私は、これは国民的な必要な話だと思いますけれども、そういうことをぜひ慎重に議論した上で進めるべきだと思います。
○関原部会長
 それでは、白川委員、お願いします。
○白川委員
 先ほど、問題提起をしたので、次回に申し上げようと思ったのですが、要は中医協ですから、我々が関心を持たなければいけないといいますか、審議しなければいけないことは、保険収載するかどうかということと、先進医療技術として適切かどうかということです。まず、そういう観点で、こういう手法が使えるかどうかの議論を次回から始めていただきたいと。
 いみじくも安達先生がおっしゃいましたが、いろいろな手法があるけれども、これは1つの経済的な側面から見た手法ということに限定した方が、話が進むのではないかと、私個人は思っています。
 冒頭、日本人の価値観や生命観まで広げて議論すべき内容ではないかという趣旨の御発言がありましたが、それをやりますと、医療そのものがどうだ、こうだという話まで進んでしまって、とても中医協では手に負えない議論までいってしまうと思っています。中医協であるからには、保険収載などでこの手法が使えるかどうかとの議論をまずスタートした方が正当ではないか。
○関原部会長
 ありがとうございました。それでは、どうぞ。
○田中委員
 私の方からも意見として、白川委員が冒頭御指摘のとおり、目的があいまいなまま各論を議論するのは非常に危険だと思います。
 鈴木先生が、チャート、海図のない航海のようだと仰いましたが、私は船乗りですけれども、まさしく寄港地がわからない中で、いろいろ航海の方法を議論しても何の意味もないと思います。
 ですから、そういう根本的なところをしっかり議論して、例えば、今の制度運用上、どういった問題があるのか、例えば限られた医療財源の配分が問題であるとするならば、どう効果的にやるのかを議論すべきだと思います。そういうことであれば、具体的に余り費用対効果のないことを議論しても何も結果は生まれないと思いますし、仮に、そういう目的がはっきり位置づけられているのであれば、具体的には「経済的な効果が大きく」、かつ、「現行の医療制度に支障を来さない」、そういったものに限って、トライアルすべきと考えてます。そういうふうにしていかないと、先ほど来いろいろ意見が出ているように、私のような素人が考えても、費用対効果ということだけでは、医療の制度がいづれ行き詰ってしまうんではないか、あるいは経済原則だけで事が進んでしまうのではないかという危惧も感じますので、やはり入口で、いろんな細かい議論をする前に、そもそも何のためにやるのか、今の制度上、どういった点が問題なのか。ということを浮き彫りにして、それから、この委員会の中で具体的に何を決めるべきかを議論した方がいいと、このように思います。
 以上、意見として出させていただきます。
○関原部会長
 どうもありがとうございました。それでは、田村委員どうぞ。
○田村専門委員
 医療技術をさまざまな観点から広く評価して、その中に、今、福田先生のお話にもありましたが、その1つとして経済評価なるものが入ることについては、基本的に進むべき方向だと考えます。一方で、次回、諸外国の例が紹介されると思いますけれども、いろんな意味で大きな問題を起こしている事例が見られます。それについては、慎重な御検討をいただきたいと考えております。
 特に、次回に論点の1つになると思いますが、新しい技術を患者さんにお届けする時期、すなわちアクセスが遅くなるというような事態が、海外で起こっていますので、そういうことについて、十分な議論をしていただきたいと考えます。
 以上です。
○関原部会長
 それでは、最後に、どうぞ。
○禰宜専門委員
 少し述べさせていただきますが、薬価制度を考えたときに、1つ、日本では類似薬効比較方式ということは、広義で見れば、本当にHTAであるというふうに見ておるわけでございまして、先ほど来、御議論いただいておりますように、今回の費用対効果というのは、本当に医療評価、その中の一部というようなことでございますので、いろいろ先生方からの御意見もございましたけれども、やはり医療技術の医学的、そして、社会的な評価などを含めた評価ということでしていただくということが、やはり必要ではないかと思っております。
 これから、新しい医療技術が生み出されるには、イノベーションの観点を十分考慮する必要もあるというようなことで、これから御議論いただくということであれば、費用対効果というのは経済的な評価のイメージが非常に強いのですが、それだけの評価ではなくて、少し広い目で見ていただきたいと思います。
 先ほど、材料の方からもございましたけれども、やはりドラッグ・ラグをなくすということで、基本的には患者のさまざまな医療オプションへのアクセスが引き続いて維持できるように、検討の中でやっていきたいと思っておりますし、また、医療オプションの価値の評価は、適切かつ包括的に行われるべきであると思っております。
 また、こういうことをすることによって、それぞれに余り負担がかからないようにというようなことで、それと併せてイノベーションもしっかりと評価できるものが必要ではないかと。
 先ほど来、これからまた、海外の実態なんかも御報告あるいは御説明をいただくわけでございますが、そういうところでの現在の課題、そういうものもやはり慎重に、また、的確に評価しながら先に進めていただくということもございますし、また、先ほど先生の方からもデータベースの問題も御指摘がございましたように、これから、本当に、これを検討していく上では、やはりデータベースというのは、非常に重要な位置づけでございますので、その辺も併せて検討をする必要があると思っておりますので、どうぞ、よろしくしお願いします。
○関原部会長
 ありがとうございました。それでは、森田先生。
○森田委員
 会長の立場を離れて、一人の委員として意見をいわせていただきたいと思います。何年か前に、私が発言して、こういう評価のようなことが必要ではないかというようなことを申し上げたところ、それ以来、新聞記者の方からも、おまえはそういう論者かというふうにいわれるのですけれども、それに対する答えは、そういう論者なのですというものです。けれども、なぜそう考えるかということ、それについて、少しお話をさせていただきたいと思います。
 個人的な見解ですけれども、要するに、保険財政が非常に厳しくなってきているということは、常にいわれているところでございまして、持続可能な形で、これから国民に対して質の高い医療を確実に提供していくためには、今のままでいくと、それが難しいのではないかと、そういう認識を持っております。もちろん、これは、自分の健康に関わることですから、患者さんなり、被保険者の方が、必要な費用について応分の負担を自らするとおっしゃるならば、これはいいわけです。それで、カバーできるならば、そもそも評価という、こういう難しい問題に取り組む必要もないのかもしれません。
 しかしながら、患者さん、国民の負担の方も相当厳しいところに来ていると思いますし、現状におきましては公費も、借金をしてかなり投入してきているわけですけれども、借金も相当厳しくなってきているという状態です。この辺のマクロ的なことにつきましては、むしろ印南先生の方が御専門と思います。
 そうしますと、これから医療を充実し、さらに技術の進歩と、高齢化によって医療サービスが拡大していくときに、限られた資源をどう配分していくのか、それに応じた形での資源投入が難しくなってくるというのが、そもそも前提になっているわけでして、そのために、何らかの形で資源投入の優先順位というものを考えざるを得ないのではないか。そこから評価の問題が出てきていると思います。
 したがいまして、限られた資源を優先的なものから適用していく。問題は、何を優先的と考えて、何を優先順位において劣るかということを判断する、それが評価の問題だと思います。
 ただ、この評価に関して申し上げますと、今日の御議論、御説明もそうですけれども、これは、技術的に大変難しい問題です。方法において、QALYがいいかどうかという議論もありましたけれども、これも物すごく大変な議論になると思いますし、今度は、もう一つ、仮にこの方法について合意ができたとしても、どのデータを使うかによって、かなり評価が変わってきます。さらにいいますと、方法とデータについて合意ができたとしても、出た結論について、これを保険収載するか否かということについて、これはまた非常に重要な価値判断が分かれます。
 何を申し上げたいかといいますと、そういう議論をこれからしていくというときに、多分、議論で疲れてしまって、もうこれはやめようと、諸外国を見ている限り、そういう状態も随分出てきているわけです。そうすると、そのままで医療はこれから持続可能なのかどうか。そういう問題が出てくると思います。
 議論はするのだけれども、いつまで経っても結論に達しないもちろん、時間を区切って拙速に結論を出すということは、非常によろしくないことだと思いますけれども、永遠に議論が続いてしまって、何もいいことが残らないということを危惧するわけです。
 実は、私自身、医療の方の評価は全く素人ですけれども、政策評価の方は、一応、専門としてやっておりますので、類似しているところがあると思っております。政策評価も、厚労省も苦労されていると思いますけれども、基本的に、何がよくて、何が必要であるかということの判断は非常に難しい。だから、乱暴な仕分けのようなやり方で、切ろうという声が出てくるのだと思います
 ただ、評価の技術的な話、これを詰めていくのは大変なのですけれども、施策の評価の方で、考えているのはどういうことかといいますと、例えば、福田先生の資料でいいますと、5ページ、6ページですけれども、5,000万円かけて50人の方が生存する。2億円かけて80人の方が生存、この例ですと、これをどう評価して、どちらが優れているか判断するというのは非常に難しいと思います。ただ、実際に行政のケースなんかを調べてみますと、5,000万円で50人助かるのですけれども、他方、イノベーションによって2,000万円で80人助かるという事例も結構ありうるわけです。この場合に、どちらを優先するかということについて、それほど異論はないと思います。
 私自身、その辺のことは、ときどき安達先生の御発言等々から、示唆を得ているのですけれども、現実に、我々日常生活において、今日は、嘉山先生は持っていらっしゃいませんけれども、パソコンが5年前と比べて性能が格段によくなかったにもかかわらず、価格が下がっているわけですね。両方に対して補助金を出すべきかどうか。特に古くて性能が悪くて高いものに対して補助金を出すことの合理性については十分議論する余地があると思います。
 そういう意味でいいますと、現実に何らかの形で優先順位を付けざるを得ないというマクロ的な状況の中で、現実に可能な評価をするという場合には、そういう、だれが見ても余り異論がないような部分、そうした部分をきちんと対応していくというのも1つの方法ではないかと思っています。
 たとえていえば、タイの群れの中でタイの優劣を付けるのは難しいのですけれども、タイの群れの中に紛れ込んだサバを見つけるのは、それほど難しくないのかもしれません。いい例かどうか知りませんけれども、いずれにしましても、そうした現実的に可能な形でどういう方法があり得るのか、そこは少し弾力的に考えていくという形で、これから議論していく方が生産的ではないかと思います。
○関原部会長
 どうもありがとうございました。私は最初に部会長あいさつで一言申し上げましたが、本件は、議論すべき問題、課題が非常に多くて、一つひとつは大変難しい問題であるということを、私自身認識しておりますし、今日の議論を聞いても、そういう感を深めたわけでございます。
 従いまして、まず、次回には、最初に本件の背景というか、問題意識みたいなことを整理した上で、事務局から御説明いただく。併せて、今度は諸外国の例をもう一度福田先生の方から説明をいただいて、その上で、今、森田先生がおっしゃった、日本としてどうするかということで、もう少し現実的な議論に入っていきたいと思います。
 繰り返しになりますが、非常に大事な話ですけれども、別に、いつまでに何を決めなければいかぬというふうに私自身も思っておりませんので、頻度を上げて、中身を濃くして議論を進めていきたいと思いますので、御協力のほど、よろしくお願いいたします。
 それでは、中途半端ですけれども、時間が大分過ぎましたので、今日は、これで終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。


(了)
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代表: 03−5253−1111(内線3288)

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