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2012年2月24日 第9回原爆症認定制度の在り方に関する検討会議事録

健康局総務課

○日時

平成24年2月24日(金) 14:00~16:00


○場所

中央合同庁舎第5号館 厚生労働省 省議室(9階)


○議題

1.開会

2.議事

(1)今後検討すべき点について
(2)その他

3.閉会

○議事

○和田原子爆弾被爆者援護対策室長 開会に先立ちまして、傍聴者の方におかれましては、お手元にお配りしております「傍聴される皆様への留意事項」をお守りくださいますようよろしくお願いいたします。
 これ以降の進行は神野座長にお願いいたします。
○神野座長 それでは、これから第9回を数えますけれども、「原爆症認定制度の在り方に関する検討会」を開催させていただきます。
 委員の皆様方には、年度末に向けて大変お忙しいみぎりに御参集いただきましたことに深く感謝を申し上げる次第でございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入ります前に、初めに事務局の方から委員の出席状況及び資料の確認をお願いできますでしょうか。
○和田原子爆弾被爆者援護対策室長 本日の出席状況でございますが、草間委員、佐々木委員、高橋進委員、森委員から欠席との連絡をいただいております。また、石委員からは、所用により遅れるとの連絡をいただいております。
 次にお手元の資料について御確認をさせていただきたいと思います。
 議事次第、資料一覧に続きまして。
 資料1 第8回検討会における主な発言
 資料2 被爆者援護施策及び原爆症認定に関する経緯と現状
 資料3 当面の議論のポイント
 資料4 田中委員提出資料
でございます。資料に不足、落丁がございましたら、事務局までお願いいたします。
 それと冒頭、カメラの頭撮りはここまででお願いいたします。
(報道関係者退室)
○神野座長 どうもありがとうございました。
 それでは、これまで私どもは原爆症認定制度の置かれている現状ですとか、行政認定と司法判断の乖離について議論を重ねてまいりましたけれども、前回お話をいたしましたように、森委員の言葉を使わせていただきますと、つくる段階に向けて論点を少し整理しながら議論を進めていくことが必要ではないかと考えております。
 本日は、これから議論すべき論点を整理するという作業を事務局の方にしていただき、資料を準備していただきました。第8回の検討会での宿題となっていた資料とともに事務局の方から説明をしていただいた後に、それに基づいて議論をしていきたいと考えております。
 それでは、事務局の方から御説明をお願いいたします。
○和田原子爆弾被爆者援護対策室長 それでは、御説明をさせていただきます。まず資料1をごらんください。「第8回検討会における主な発言」でございます。前回は行政認定と司法判断との乖離についてを議題に議論いただきました。その中で出てきました主な発言につきまして、事務局の責任でまとめたものでございます。3枚紙になっていますが、説明は省略させていただきますが、お目通しをいただきまして、ここは違うのではないかといったような御指摘がございましたら、後ほど事務局まで御連絡をちょうだいできればと思っております。
 資料2「被爆者援護施策及び原爆症認定に関する経緯と現状」をごらんいただきたいと思います。資料のつくりですが、前半は被爆者援護施策、後半は原爆症認定制度についてまとめたものでございます。
 まず被爆者援護施策について、2ページをお開きいただきたいと思います。
 2ページ、被爆者援護施策の歴史について概観を示したものでございます。原爆医療法ができたのが昭和32年でございます。認定疾病に対する医療の給付ということで、これは原爆症という形での医療を給付したということでございます。
 昭和35年には認定疾病の被爆者の方を対象といたしました医療手当を創設いたしました。その後、各種手当の創設拡充という時期に入ってまいりまして、昭和43年に原爆特措法、いわゆる手当法が制定されました。特別手当につきましては、医療手当と同様に認定被爆者を対象としたものでございます。医療と同時に生活面の安定を図るという趣旨で創設されたものでございます。
 その後、昭和55年、これは平成6年に被爆者援護法を制定する、まさに淵源となった報告書でございますが、基本問題懇談会の報告をとりまとめていただいております。
 昭和56年に医療特別手当を創設いたしまして、平成6年には2つの法律を統合した被爆者援護法が制定された、このような歴史となっております。
 3ページは援護の仕組みについてまとめたものです。被爆者援護施策につきましては、放射能による健康被害という、他の戦争犠牲者には見られない「特別の犠牲」に着目して、国の責任において、総合的な保健・医療・福祉施策を講じているものでございます。
 被爆者健康手帳をお持ちになっている方、被爆者の方が21万9,000人いらっしゃいますけれども、これらの方につきまして、一番下の囲みにあります援護措置が行われております。
 4ページは主な援護措置をお示ししたものでございます。被爆者の方には健康診断の実施、医療の給付、福祉サービスなどのほか、一定の支給要件に該当する方には手当が支給されるというような仕組みとなっております。
 5ページは、今、申し上げた施策を体系化したものでして、手当につきましては現在ここに掲げております7つの手当と葬祭料がございます。
 6ページは現行の手当等の趣旨、設定の考え方をまとめたものでございます。主なものといたしましては、原爆症と認定された方に支給されます医療特別手当、月額13万6,890円。それと最も支給者の多い手当ということで、健康管理手当、月額3万3,670円などがございます。
 7ページは、その続きになりますが、そのほかに介護手当、家族介護手当、葬祭料といったものがございます。
 8ページは医療特別手当と健康管理手当について整理したものでございます。医療特別手当は原爆症認定を受けた方、すなわち原爆の放射線を原因とする負傷または疾病の状態にあるという厚生労働大臣の認定を受けた被爆者で、現に負傷、疾病の状態にある方が対象となっております。
 手当の趣旨といたしましては、栄養補給等の特別な出費を補うとともに、精神を慰安し、医療効果の向上を図ることにより、生活の安定に資するということになっております。
 一方、健康管理手当でございますが、支給対象者は循環器機能障害等に始まる11障害のいずれかを伴う病気にかかっている被爆者の方が対象になります。趣旨といたしましては、日常十分に健康上の注意を行う必要があり、そのために必要な出費に充てるということになっております。
 9ページは医療特別手当と健康管理手当の根拠と変遷について示したものになります。先ほどの説明と重なりますが、医療特別手当は、昭和56年に従来支給されておりました医療手当と特別手当を統合して創設されたものになります。
 額の考え方ですが、もともと健康管理手当がベースにありまして、健康管理手当の4倍プラス2,000円ということで当初設定されたものです。現在は物価スライド方式によりまして、毎年改定をしております。
 健康管理手当につきましては、昭和43年に創設されたものでして、もともとの手当設定の考え方といたしましては、老齢福祉年金をベースに行っております。これも現在は物価スライド方式を導入しております。
 10ページは医療費についてお示ししたものです。2つございますが、1の認定疾病につきましては、医療費を全額国費で支給しております。また、2の被爆者の疾病を対象とした一般疾病につきましては、保険の自己負担分を国費で支給しております。いずれにいたしましても、被爆者の医療費につきましては、窓口負担なしということでの運用になっております。
 11ページは一般の高齢者に対する社会保障給付と被爆者援護施策の関係について示したものでございます。被爆者の方には一般の高齢者に対する社会保障給付、これは公的年金の支給、医療給付、介護保険サービスといったものに上乗せして、各種の手当の支給、医療費無料等の施策が講じられております。なお、被爆者援護施策の予算額、平成23年度ですが、約1,478億円、被爆者一人当たり平均で年間約67万円となっております。
 12ページからは原爆症認定制度についてになります。
 13ページは、被爆者援護法における原爆症認定の規定でございます。第10条と第11条の規定がございます。若干難しい規定の仕方になっておりますけれども、要するに疾病が原爆の放射線に起因するということと、現に医療を要する状態にあるということを厚生労働大臣が認定する仕組みになっています。また、被爆者援護法の理念につきまして、前文の中で整理がされております。読み上げませんけれども、こちらに書いてあるとおりでございます。
 14ページは、原爆症認定制度に関する経緯を示したものになります。こちらは平成20年に現在の新しい審査の方針による審査が開始されましたけれども、これにつきましては、集団訴訟におきます国の敗訴判決を受けまして、与党PTからの提言を踏まえた形で策定されたというものでございます。
 15ページは新しい審査の方針の内容でございます。こちらは何度か御説明しておりますけれども、放射性起因性の判断につきましては、積極的に認定する範囲を設定しております。
 1つは爆心地から3.5km以内とか、100時間以内に2km以内に入市したといった要件を満たすということと、更にここに掲げました7つの疾病に罹患している場合に積極的に認定するというような仕組みとなっております。
 16ページは原爆症の認定件数及び却下件数でございます。平成20年度から新しい審査の方針となりまして、認定件数が急増しております。一方で、申請の件数も非常に多くなりまして、結果として却下となっているものも相当生じてきているということでございます。
 17ページは集団訴訟の経緯と現在の状況ということです。こちらも何度か御説明をさせていただいていますのでかいつまんで申し上げますと、平成21年8月6日に集団訴訟の終結に関する確認書に署名がされました。平成23年12月の大阪地裁判決をもちまして、集団訴訟は事実上終結いたしました。しかしながら、集団訴訟終結後も原爆症認定申請を却下された被爆者から新たな取消訴訟が提起されているという状況でございます。
 18ページは放射線起因性に関する行政認定と司法判断の比較でございます。こちらも何度か御説明している資料ですが、司法判断につきましては個別の事情に基づいて救済するということを旨としておりまして、その判断も個々の事案によって様々でございます。また、放射線起因性については、否定できなければ放射線起因性ありという論理で認定されるという傾向も見られるところでございます。
 19ページ、原爆症認定に関する裁判例の分析でございます。これまでの検討会の中で裁判所で判断された事例を挙げまして、どういう判決であったかというところをお示ししてまいりました。それを一定の傾向として整理したというものでございます。
 ここに挙げてありますけれども、傾向といたしましては、第1に、新しい審査の方針にある3.5km以内の直爆、100時間以内の入市、積極的に認定する被爆状況をある程度念頭に置いているということ。第2として、対象疾患については様々な申請疾病について認容されているということ。第3として、本人の被爆時の状況、被爆後の身体状況、疾病の状況や既往歴、生活歴などを総合的に勘案するという中で判断がされているということが見られるところでございます。
 最後の20ページです。原爆症認定制度を取り巻く問題を整理したものでございます。4つほど挙げておりますが、まず第1に、被爆者の高齢化の進展によりまして、多くの被爆者が様々な疾患を抱える年齢となっておりますが、放射線の影響による健康被害、加齢や生活習慣病等が主たる原因かを厳密に切り分けるということは非常に難しくなっているということでございます。
 第2として、このような状況の中で、現行の原爆症認定、こちらは集団訴訟における敗訴判決等を踏まえまして、与党PTから提案された基準を基にして、科学者等からなる原子爆弾被爆者医療分科会において行われております。結果として、原爆症として認められない例というのが少なからず存在するということがございます。
 第3に、裁判でございますが、裁判の中ではこれまで現行の審査の方針において認定できないものについても行政処分を取り消す判断が行われる例が見られるということがございます。
 第4として、裁判において判決が下るまでには、長い期間が必要であり、高齢化した被爆者の迅速な認定の要請には応えられない状況が生じるおそれがあるといったことを挙げております。
 以上が経緯と現状の説明になります。
 資料3をお開きいただきたいと思います。「当面の議論のポイント」を挙げた整理ペーパーでございます。
 まず大きく分けまして、「1 基本的な制度の在り方について」「2 原爆症認定制度を前提とした場合の認定基準について」「3 原爆症認定制度における手当について」という形でまとめております。
 3枚紙になりますけれども、本日の議論のポイントとなるペーパーですので、少し読ませていただきたいと思います。
 「1 基本的な制度の在り方について」でございます。
 被爆者に対して講じられている様々な施策は、被爆者の健康の保持及び増進並びに福祉を図るために行われているが、そのような各種施策の中で、原爆症認定及び医療特別手当の給付には手厚い援護を行うだけの理由が必要ではないか。
 さらに手厚い援護を行うだけの理由として、放射線による疾病の発生の蓋然性の高さに着目した判断を引き続き行うことが合理的ではないか。
 原爆症について国が認定するという考え方を基本にすることが妥当ではないか。
 被爆者に対する援護施策は、認定疾病に対する医療の給付に始まり、各種手当の支給、福祉サービスへと拡充されていることを念頭に置く必要があるのではないか。
 「2 原爆症認定制度を前提とした場合の認定基準について」。
 (1)現行の制度の枠組みに係る検討。
 1放射線による疾病の発生の蓋然性の程度に着目した判断を前提とした場合の放射線起因性のとらえ方について。
 科学的知見をベースに置いて判断していくという考え方を基本にすることが妥当ではないか。
原爆症認定については、厳密な科学的知見のみではなく、放射線による健康被害を受けた被爆者救済の視点や被爆者の実態も踏まえ、国民が納得できる形で行われるよう、認定範囲を見直していくことが可能ではないか。
 仮に厳密な科学的知見のみではなく、放射線による健康被害を受けた被爆者救済の視点や被爆者の実態を踏まえた場合、放射線起因性があるということと科学とはどう整合性をつけることが可能か。放射線起因性のもととなる事実をどうとらえるか。
 2要医療性について。
 原爆症認定及び医療特別手当の要件としての「現に医療を要する状態」とはどの程度の医療を要する状態と考えるか。積極的な医療を必要とすると考えることが妥当ではないか。
 (2)司法判断を踏まえた認定基準の検討。
 行政認定では被爆要件(被爆距離、入市までの時間等)、疾病要件(がん、白血病等)を基に、積極的に放射線起因性を認める範囲を設定しているが、原爆の特殊性としての放射線による健康被害にも着目しつつ、司法判断を踏まえた認定基準を考えることができるのではないか。
 司法判断については、個々の判断は個別事例として存在しており、判決相互間でも判断が分かれているが、個別事例として出された判例を行政認定の基準として一般化する場合、放射線起因性の判断に取り入れ得るものをどのように峻別することが考えられるか。
 裁判では、放射線起因性に係る「高度の蓋然性」を必要として判断しているが、実際には、個別事情を考慮した上で、科学的に否定しきれないことをもって広く救済を行っているのが実態である。裁判所のこうした判断をベースに認定疾病を拡大すれば、健康管理手当並みの判断となり、高齢者が罹患しやすい大半の疾病に広がってしまうのではないか。
 裁判例を基準に取り入れたものとする場合、現行制度とどう整合性をつけることが可能か。
裁判例には、提訴され、既に判決が確定しているものしか参照できないという限界があるが、裁判例以外に、適切に放射線起因性を判断する指標が考えられるのではないか。国民が納得できる形での認定範囲をどのような判断指標で引くことが考えられるか。
 「3 原爆症認定制度における手当について」。
 本来、原爆症認定制度は、がん等の重篤な疾病に罹患した限られた認定被爆者に対し、医療の給付や医療特別手当の支給を行うものであったが、現在は対象疾病が拡大したり、医療技術の進歩に伴う治療成績の向上などに伴い、対象者が変わってきているのではないか。
 戦後65年を経過し、大多数の被爆者が年金受給者となった中で、医療特別手当における生活の安定に資するとの趣旨は異なってきているのではないか。一般の高齢者の現状との均衡も踏まえ、原爆症認定制度における手当の趣旨や水準についてどう考えるか。
 以上、読み上げさせていただきましたが、こちらが議論のポイントとなるペーパーでございます。長くなりましたけれども、資料の説明は以上でございます。
○神野座長 どうもありがとうございました。ただいま事務局から説明をしていただきましたけれども、資料2では現在の制度の経緯、現状がどうなっていて、どういう課題があり、どういう問題が存在しているのかということを説明していただいたと思っております。
 それを受けまして、資料3の方では「当面の論点のポイント」として、これまで積み重ねてきましたことをベースに、これからどういう論点を設定して検討していかなければならないかということを指摘していただいたと考えております。
 本日は資料3「当面の議論のポイント」のペーパーを基にして、さまざまな観点から御意見をちょうだいし、できればざっと全体について議論をしていただければと考えております。これは次回以降、更に今日お出しいただいた論点を踏まえてそれを深めていきたいと考えておりますので、できるだけ御自由に御発言いただければと考えております。
 今、申し上げましたように、本日の議論の中心は資料3「当面の議論のポイント」ということにさせていただきますが、制度の現状について整理をしていただきました資料2について御質問がございましたら、これについても御質問、御意見をちょうだいできればと考えております。
 それでは、どこからでも結構でございますので、御意見、御質問をちょうだいできればと思います。
 田中委員、どうぞ。
○田中委員 冒頭から申し上げるのは大変申し訳ないのですけれども、今、御提案のありました「当面の議論のポイント」というのは、これから議論していく上で、これまで8回私どもがいろいろ議論してきたことをちゃんと踏まえて先に進むポイントとして提案されているかどうかというのに多少疑問を感じます。
 ですから、今、座長がおっしゃいましたように、現在の制度については何回も同様の資料を出されまして、大方は御理解いただいているのだろうと思うのです。そういう制度であって、なおかつ今まで裁判でも争われたようないろんな問題が起こってきたわけで、そのことについてどう考えるかということ、新しい制度をつくっていかないといけないのではないかということ等を踏まえての議論を私どもはしてきたのではないかと思うのです。
 そういう観点から見ましても、前回の8回の私どもの議論はかなりそういうことで新しいことを考えていかないといけないのではないかという御提案を多くの委員の先生方から出されていたように思うのです。それを踏まえてこれを見ますと、まだ古いところから戻っていくような感じがしてなりません。
 そういうことも私ども心配でありましたので、私どもでいろいろ検討しました。特に集団訴訟の弁護団をやってくださった先生方は大変お世話になりましたので、今までの8回の議論についての論点を整理するのに力を出していただきました。その中で明確にされているのは、この検討会がまず何をきっかけにして何を検討すべきかということを踏まえるということが大事だということを言っております。それは最初の議論のとき、2回、3回のころに私も何回か発言したと思うのです。
 そういう議論を踏まえた上で、司法と行政との乖離の問題があって、そこの乖離のところについて行政がどう考えるかということを私どもは明らかにしてほしいということを申し上げていたのですけれども、それは必ずしも十分納得できるように説明されていない。そういうことを踏まえて、先ほど申しましたように、第8回の議論でも新しい制度に入っていかないといけないのではないかという流れができているというふうに考えましたので、被団協の名前でありますけれども、私どもの新しい提言というのを今回資料として出させていただいているわけです。
 ですから、今日、厚労省から提案されましたものを議論する場合に、私どもの提案あるいは今回はここで資料として出していただいておりませんけれども、委員の皆さんにはあらかじめ郵送で、石先生だけは住所がわかりませんでしたので今日差し上げているわけですけれども、あらかじめお送りさせていただきました論点整理、そういうものも一緒に踏まえた上での議論をしていただきたいと思っております。
○神野座長 むしろ具体的に内容を御発言いただいた方がありがたいと思います。
 どうぞ。
○田中委員 どうしましょうか。私がどういう考え方で提言をしているかということを提案してよろしゅうございますか。
○神野座長 それでも構いませんし、今ブレイクダウンしていただいている個々の論点についてお立場から御説明いただいても構いません。こういうふうにまとめているけれども、これは田中委員の視点から立つとこうなのではないかと、この論点ごとに御指摘いただいても構いません。
○田中委員 この論点ごとにいきますと、今までの議論でもあったと思いましたが、私どもが主張してきたのは法の性格について、裁判の中で司法はどういうふうに言っているかということが非常に大事だということは強調してきたのです。というのは、現在の法律は、国家補償的側面を持っている。原爆被爆者を広く救済しなければいけないという考え方からできているのだということがまず前提にあっていたと思うのです。そういうことを主張しました。
 集団訴訟の裁判所もそういうことをほとんどの裁判所が繰り返し言って、そして自分たちの認定はこうあるべきだと言ってきたわけです。そのことがやはり会議の問題で一番大事だったのですけれども、ここで論点、論議のポイントとして全く出ていないわけです。この法の性格は何かということが議論されたことが全く出ていない。これは立法のときに政府が説明している性格だけなのです。この検討会として議論してきた法の性格、内容、そういうことが出ていない。そこから議論していかなければいけないのではないかという気がしております。
 とりあえず一番最初です。
○神野座長 何か事務局の方からコメントはありますか。いいですか。
 どうぞ。
○松岡総務課長 私どものこの検討会は、先ほど御説明させていただきましたけれども、現状と経緯のところで平成6年の被爆者援護法の制定されております従来の二法を統合いたしまして制定しております。そういったことをベースにこの現行の制度が成り立っているわけでございますけれども、まさにここの13ページの資料にございますように、平成6年の法律を制定するときも、相当の議論がなされた上でこういう被爆者援護法の考え方などを整理されておるわけであります。13ページの援護法の前文にありますように、下線を引いておりますが、国の責任において、原子爆弾の投下の結果として生じた放射能に起因する健康被害が他の戦争被害とは異なる特殊の被害であることにかんがみ、高齢化の進行している被爆者に対する保健、医療、福祉にわたる総合的な援護対策を講じ、制定する。こういったことがこの法律として当時立法されて、それがずっと施策の基本になっておりますので、当然考え方というのを踏襲していくということが大事であろうと考えておるところでございます。
○神野座長 田中委員、どうぞ。
○田中委員 そのことはわかるのですけれども、裁判所が現在の法律を超えた判断をしているわけではないと思います。これは荒井先生に伺っても間違いないと思うのですけれども、現行法の中でどう考えるかということを考えた上でいろいろ判断されて、そして高橋先生もおっしゃいましたように、多くの裁判所が1つの傾向、行政の認定の在り方は間違っているのではないかという傾向を示しているわけです。その傾向がなぜそういう傾向になるかということについては、国家補償的配慮がある、基本的にそこのところを押さえないと、ただ、法の条文に書かれている理念だけでは外れるのではないかということがあったのではないかと思うのです。
 そもそも典型的なところが認定の基準を決めるときに、科学的でなければいけないということで、しかもそれを初期の放射線だけに限定してしまうという誤りに陥ってしまっているのではないかと思えるのです。そのことに対する行政側の反省といいますか、認識が依然としてないように思うのです。それをやったら、では、これからの認定の在り方あるいは制度をどうしなければいけないかという議論ができるのですけれども、それが全くないということが大変残念。全くないままで在り方の論点が出されてきているから、もうちょっと考え直していただきたい。これはほかの委員の先生方の御意見も伺いたいと思うのです。
○神野座長 今のお話はいずれにしても、田中委員御提出の最初のところにずっと掲げられているお考えを、意見として述べられているということで理解してよろしいでしょうか。
○田中委員 はい。
○神野座長 では、荒井委員、どうぞ。
○荒井委員 議論の進め方として今日事務局の方で論点整理のペーパーをつくってくださっているので、これまでの議論を大づかみに整理して、今後向かうべき論点のポイントはここだという意味では、方向性が必ずしもこれは出ていないのですけれども、私は問題点の整理はこれでおおむねできているのではないかと。田中委員のおっしゃる話は、理解はできるのですけれども、この在り方検討会の場というのは、被爆者の方々あるいは被団協の方々の御意見というのは非常に貴重ではありますけれども、その御意見についていいかどうかということを真正面から議論する場ではないと、私はそういう理解なのです。裁判の流れをどういうふうに受け止めるかというのは、第1回目から前回まで毎回毎回ある程度議論をしてきて、私の個人の意見を言わせていただくとすれば、裁判というのは、一個一個の事件についての結論を見出すのが役割であって、今、御指摘のありました国家補償的見地云々ということは裁判のメインテーマではないのです。この場というのは、被爆者の援護とかの在り方について国家補償的な見地から議論すべきかどうかを議論する場ではないと思うのです。やはりこれまで積み上げてきた制度の中にどういう問題があるのか。その問題点に気がつく1つのきっかけとしては裁判でこういう経過をたどってきたということが確かに大きな経過でありますし、それをきっかけにし、また政治の方でも見直しがあっていいのではないかということでここの検討会がスタートしてきていると思うのです。
 ですから、言わば各論に入って、制度の在り方というものはかなり大きな問題ではありますけれども、今日整理が出てきた論点に従って一つひとつを積み上げていくというのが私として取るべき方向ではないか。田中委員の御提出のペーパーも私は読ませていただいたのですが、総論的な部分、そこの在り方をここで議論しても余り実りはないのではないか。後半の方である程度各論的な御指摘といいますか御提言がありますね。それを今回出た検討会の論点整理の中の柱に、言わば取り込んでいく。その一つひとつの柱に田中委員の御指摘の点をみんなでどう考えるかを議論していけばよろしいのではないかということでありまして、国が向き合わないということを余りおっしゃっても、これは見方がそれぞれありまして、私は経過からずっと見ていましたら、随分被団協の方々の指摘、活躍というのがバックにあったということは想定できるのですけれども、それに対応して随分国も努力してきているではないかという見方もできると思うのです。
 ですから、総論的な議論というよりも各論でいきませんか。
○神野座長 どうぞ。
○田中委員 私、総論を議論しましょうと申し上げたわけでもないし、まず国家補償の問題を議論しないとこの議論は進まないということを申し上げたつもりではないのです。裁判所が考えている、裁判所と行政が大分違ったわけです。その違いを埋める制度をつくっていかなければいけないと私どもは考えているわけです。
 その違いをつくった根拠になっているのが、そういう配慮がこの法律の中にはあるんだと言っているその部分を私たちは大事に、行政は大事にしてくださいという趣旨のことを言ったのです。それを議論して、それを認めないとこれから話を進めないということでもないわけです。
 ですから、提言を配らせていただいて、提言も後半の第4から具体的にこうやっていきたいという提言のところをこちらで議論していただきたいと思って書いてあるので、前半はなぜそういう考え方になったかということの説明ですので、その辺は荒井先生のおっしゃるとおりでございますので、言い方が少しまずかったかなという気はしました。
○神野座長 高橋委員、お名前が出ましたが、御発言はいいですか。
○高橋滋委員 特にありません。
○神野座長 いずれにしても、今のはどこの論点に関わるかというと、基本的な制度の在り方に対する解釈ということになるのでしょうか。そのところでまた御発言なりしていただいたことを拾っていきたいと思っておりますので、また御自由に個々に御指摘いただければと考えております。
 どうぞ。
○坪井委員 私は国民に理解されるというところを中心に持っておるのです。そうすることは、普通の空襲とか戦争の被害とは違うのだと、もう御承知のとおりです。頭が悪いからいろいろなことを思いながらここへ臨んでおるわけですけれども、国民に理解されなかったら意味ないですから、悪法になるわけですから。
 そこで、国民に理解させるということになると、今の行政と司法の乖離があるのが国民としては納得できない。私が知っている範囲では、どちらが正しいかとかというようなことばかりを国民は感じているのです。そういうことを思いながら私が考えるのは、やはり行政の方は、言葉はいろいろ悪い言葉を使うかもわかりませんが、行政の方は硬すぎるのではないか。だから、科学的所見をうんと突っ張ろうとするわけです。しかし、いろいろ病気にしても、いわゆる放射線から問題が出ているのですから、これを国民に徹底させなければいけないです。そうしないと被爆者はエゴではないかと、何でもくれくれと言っているではないかとなるのです。
 そこで行政の方が科学所見と言いますけれども、それだけであったら私はいけないと思っているのです。それは病気でも確定的な病気もあります。これは全く放射線に起因するんだと、そうではない確率的な病気もあるわけです。それを今ひっくるめてやるわけですね。だから、どちらかというと行政の方は科学的な方へ行っておかないと突っ込まれたときに困るからというような感じを持っておられるのではないか。
 ところが、裁判の方は一人ひとりについてのいろいろな問題を飲み込んでいる。ファクターがいっぱいあるのを整理して、これはあなたは原爆症認定に値するぞと、こういう決断をするわけです。そういう意味では幅広いという意味ではなしに、思いのはからいが裁判にはあると思うのです。だから、どちらかというと柔らかいです。いかにも裁判所の記録が、私は広島ですけれども、広島の裁判もこれだけあります。頭が痛くなる量なのです。そのぐらい厳しいようであって中身はいろいろなことを考えてくれているようにとっておるのです。だから、どちらかというとその辺が乖離になっていくわけです。
 しかし、今、いろいろなことを聞いている間に、それが少しずつこういって新しい審査の方針が出るわけですね。だんだんいろいろこうなってきている。今までの時点ではそうであったかもわからぬが、これからの時点ではもっと行政の方は広げてもらいたい。被爆者を助けるということで、それは有史以来初めての原爆による被害だからと、それは常に頭に入れておいてもらいたいのです。ただ私たちは苦しいから言っているのではないのです。二度と被爆者はつくりたくないという悲願があるわけですから、その中の一つだと思ってもらわなければいけない。そうしたら、司法の方も条文がそのようにだんだんなっていくと一緒になっていくのではないかと思っております。
 だから、その点を、私は田中さんと一緒のところにおるわけですからちょっと付け加えるのですけれども、今出しているのも、我々被爆者の団体が寄ってたかって検討してああいうことに持っていったのです。それはもうちょっと言えば制度のやり方の大きな改革のように聞こえると問題になるから、それを押し付けるという意味でなしに、そういうことまで考えてみましたというのです。これはただ日本被団協の代表理事会だけがやったのではないのです。総会にもちゃんとかけてやっているわけです。何遍も字句を直してみたりやっているわけです。簡単に田中さんがばっと言っているように聞こえるでしょうが、被爆者の声が入っています。
 しかし、それをここで押し通そうとするではなしに、今、少し開きつつあるのですから、行政の方もその辺をしっかり考えてもらう、ちょっと言葉は悪いですが、血や涙があるようなところが見えないというのが田中さんなのです。それがありさえすれば別にどうということはない。
 以上、声を大きくしまして申し訳ありませんでした。
○神野座長 ありがとうございます。ほかに御発言いただければと思いますが、いかがでございましょうか。
 どうぞ。
○田中委員 荒井先生、各論でとおっしゃいましたので、在り方の1番のポイントで、放射線による疾病の発生の蓋然性の高さに注目した判断を引き続き行うことが合理的ではないか、ここでおっしゃっているのではないか。何回も蓋然性というのは議論になってきたのですけれども、ここで皆さんの確認を得るための議論は、蓋然の高さというのは、厚労省でどういうふうに考えてらっしゃるのか。今までずっと原因確率、ああいうものが蓋然性が高いと主張されていたのですが、それが正しかったかどうかということは、私はもう間違っていたと考えているのです。それでもなおかつそういう言葉は使わないで蓋然の高さに着目した判断とおっしゃっているのはどういう根拠であるかを御質問したいと思っております。
○神野座長 これは事務局に振っていただいていいですか。
○和田原子爆弾被爆者援護対策室長 御承知のとおり、今、御説明で申し上げましたけれども、原爆症の認定に当たっての法律上の要件ということで申請疾病が放射線に起因しているということと、更に現に医療を要する状態であるというところが法律上の要件。これは現在そういう要件になっているということでございます。
 そのときに、放射線起因性の判断というところにつきまして、これまでの説明でもさせていただいていますけれども、最高裁判決の中でも高度の蓋然性が必要であるという基本的な考え方が確立していると承知しています。そうした高度の蓋然性が必要であるというところで放射線起因性の判断をしているというところについて、そういう形で今まで最高裁判決で出ていて、法律上の条件はそうなっているという中で、今回の原爆症の認定制度の在り方についてこれからどう考えていくかという議論をしていただく際に、その高度の蓋然性というところに着目した判断を行っていただくということについてどう考えるべきなのかというところはこの中で御議論いただければという趣旨で書かせていただいております。
○神野座長 よろしいですか。
 田中委員、どうぞ。
○田中委員 そのことを議論してきたのだと思うのです。最高裁が高度な蓋然性が必要であるということを言ったことを受けて、旧の認定基準ができたわけですね。その基準の中で原因確率というのを採用するという方針をとられたわけです。それが最高裁の判決前の基準よりも更に厳しかった。そして、結局集団訴訟になって、たくさんの裁判所がその高度な蓋然性に基づいてたくさんの認定をしろという判断を下してきたわけです。だとすれば、最初の松谷裁判のときの最高裁が高度な蓋然性と言ったことと、そのとき厚労省が受け止めた中身というのは現在は違っているということなのです。
 だから、どこがどう違っているかということを今厚労省に出していただかなければいけないと思うのです。そういうことをここで議論してきたはずなのです。長瀧さんなどもいろいろおっしゃったと思うのです。議論されたことが生きていないという感じを持つ。
○神野座長 どうぞ。
○外山健康局長 総論で申し上げますけれども、この検討会は第1回を昨年12月に開催する趣旨を申し上げましたけれども、直接的には平成21年の基金法ができたときの附則で、政府は被爆者援護法の第11条の認定にかかる制度の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとするというのを根拠に、当時の内閣総理大臣が平成22年8月にこの原爆症認定制度見直しを進めるということを表明されたので、我が方としては厚生大臣より有識者の方々に検討をお願いしているということでございまして、先ほどの論点も荒井委員がおっしゃったように、我が方の色は付けておりませんで、まさにこの論点の項目を示したということであって、有識者の方々において論点の方向性について議論していただきたいということが主眼でございまして、その一つひとつに見解を求めるという形では、私どもが求めている委員会の検討方式と違いますので、その辺、よろしくお願いしたいと思っています。
○神野座長 どうぞ。
○荒井委員 先ほど来、田中委員のおっしゃっていることを1ページの論議のポイントで言えば、基本的な制度の在り方として4点整理がされている。この考え方をめぐってこういうまとめ方で我々の基本的な考え方は整理されている、これでいいのか、あるいはここで1つの案として議論のポイントとして掲げられている、こういうとらえ方でいいかどうか。それを意見交換するべきだろうと思うのです。
 私のこの点についての意見を申し上げますと、1で掲げられている点は、それぞれこれで結構だというのが基本なのですが、1つ最初の○で掲げられているのは、当たり前と言えば当たり前なのでしょうけれども、昭和55年の基本問題懇談会で指摘があって、今の法律の前書きにも出ているように、原爆被害というものの特徴、特質はどこにあるのだろうか。ほかの戦争被害などと比べてどこが違うかというと、やはり放射線の傷害作用というところがポイントであろうということをここでもう一度確認をしようという指摘ではないかと思うのです。特別手当の給付には手厚い援護を行うだけの理由が必要ではないか。これは私の意見としては、やはり放射線の傷害作用というものを中心に据えていくしかないのではないかと、ほかとは違うのだということを強調していくためには、放射線との関係を無視することはできない。ほかに特別の理由を求めるというのは多分無理だろうと思います。
 それと同じように、この2つ目の○、更に手厚い援護というのがどういう意味かというのは不明瞭なところがあるわけですけれども、現在の被爆者援護制度で足りないところを手厚くしていくという発想、前提があるのだとすれば、それにどういうことを考えなければいけないか。
 蓋然性の高さに着目したというのは、これは最初の○と同じことでありまして、やはり放射線の傷害作用との関係というものを意識して今後ともいくのが合理的ではないかと、これは私は賛成でございます。高度の発生の蓋然性の高さというのは、特別の意味をそんなに持たせることはないと思っています。つまり、最高裁判決、松谷判決でたまたま高度な蓋然性が必要だということは言いましたね。あれは実は民事裁判では当たり前のことなのです。1つの原因と結果というものがあって、その原因を推認する、推定するというようなときに、ある原因から結果が出てくることについては、かなり高い高度の蓋然性がなければいけない。高度の蓋然性をどうとらえるかというところで科学的知見なるものが原爆症認定においては大変大事な判断基準になってくる。その科学的な知見というものが、しかし、一方では確定的なものではなくて、日進月歩といいますか、変更の可能性もあるし、この法律の趣旨からすれば100%科学だけでは解決できない部分もあるという、言わば幅はあるものなのですけれども、高度の蓋然性そのものというのは、特別の伝家の宝刀でも何でもないのでありまして、事実認定を裁判で行っていく上に必ず踏まえなければいけない。これは原爆症認定に限らないレベルでの民事裁判における大原則という問題だと思うのです。
 そういう意味で2つ目の○につきましても、言葉を変えて言えば、やはり放射線の傷害作用が疾病の発生の原因になっているのだと、それがほかの援護制度と違って原爆症の認定制度の根幹になければいけないのではないか、そういう御指摘だろうと思いますので、ここの検討会での見直しといいますか、今後の在り方を考える上においても、それを基本路線といいますか、そこは変える必要はないのではないか。問題は、起因性をどうとらえるかというところが難しいので何かほかに方法はないかという科学的知見そのものがなかなか難しいわけだし、何かほかにいい手だてがないだろうかというのが問題点ではないでしょうか。
 私ばかりしゃべって、もうやめますけれども、そういう意味で1つずつ点検にしていけば、ここの在り方についての4つの○については基本的にはこういう確認をみんなでしていけば一歩前進、次のステップに進めるのではないかという気がいたしますが、いかがでしょうか。
○神野座長 高橋先生、ありますか。
○高橋滋委員 現行の手当、制度、要するに行政上の救済措置ということだと思うのですけれども、いわゆる税金を投入して救済の制度をつくっているわけですが、その際にある意味では特別な救済制度にするという点での線をきちんと要件として引くという点では、ある種の合理的な基準というのは必要ではないかと。
 そういう場合に、今おっしゃっていただいたように、高度な蓋然性というのは前にも言いましたけれども、全く同じことを言っていただきましたけれども、裁判所の判断の基本的な枠組みでありまして、それをこの制度の中でどういうふうに考えていくのかということが極めて重要なものだと思っています。
 そういう意味では、現行の手当を前提とする限りについては、やはり要件としてはある種法律に従った要件をきちんと満たしているかどうかを考えるという考え方は動かすわけにはいかないのではないかなというのが私の考え方です。医療特別手当についてはそんなことを思っています。
○神野座長 あといかがでございますか。
 どうぞ。
○三藤委員 私も科学的知見に基づく認定制度ということであれば、ここに掲げられている論点の整理というのは、論点としてはおかしくないというのは感じています。ただ、前回も申し上げたのですけれども、科学的な知見とか認定制度そのものを譲ってくださいとか、そういうふうな議論に行くのではなくて、認定制度そのものはやはりそれなりの根拠を持ってやらなければいけないけれども、司法判断との差がいまだにできている。この部分を埋めるための手法がないかということを是非議論していただきたいということは前回も申し上げたのですけれども、できればそういうふうな方向に議論が移っていただければ、いろんなアイデアというか意見が出てくるような形になるのではないかと考えています。
○神野座長 どうもありがとうございます。今おっしゃっていただいたことを含めて、少し具体的なフェーズで、アイデアがあると大変助かるのです。
 では、初めてなので山崎委員、後に高橋委員。
○山崎委員 医療で言いますと原爆症と認定してすべて国費で費用を負担しておりますし、医療特別手当は非常に高い手当が出ているわけでございますが、それについて原爆症という判断が必要だと現状なっているのだろうと思うのですが、現実には裁判例でも否定しきれないことをもって原爆症としている場合もあってということが2枚目に書いてあって、そういった個別事情を考慮した上で否定しきれないものまで原爆症と認定している裁判例もあるけれども、そこまで全部原爆症の範囲を広げていいかどうかという疑問を2枚目では投げかけているわけで、私も何となくそこまでいきなり広げるのは難しいなという気がいたしております。
 ただ、現実にそこがグレーなゾーンで、このペーパーにもありましたが、放射線の影響による健康被害か、加齢か生活習慣等が主たる原因かを厳密には切り分けることが現実に無理になっているということになると、科学的知見では原爆症とは認定しきれないけれども、しかし、このまま放っておいていいかどうか。裁判例ではそういった場合についても認めるケースがあるということになると、例えば原爆症とは言わないけれども、準ずるような状態という概念で拾えないだろうかという感じがしておりまして、その辺で折り合いをつける以外ないのではないかという気がするのです。原爆症か、ないかという争いをいつまでもするのはしんどいという感じでございます。それはもう現実に高齢化されておられて、せっぱつまっているような状況の方もおられるわけで、この段階で一定の判断をするとすれば、グレーのゾーンはグレーのゾーンとして認めて、それなりの援護措置を講ずる。そのグレーのゾーンについては、従来型の科学的知見とはもう少し異なった視点を設ける。その異なった新たな視点というのは、できるだけ多くの国民にも納得していただけるような視点なのかなという感じがしております。
 以上です。
○神野座長 どうぞ。
○荒井委員 山崎委員が最初のときからランク付けをもう少しきめ細かく見たらどうかという御指摘をされていたのを覚えているのですが、私も今の13万幾らということと健康管理手当とのギャップが大きいということが原爆症認定の難しさを増加させている、あるいは争い方を熾烈にさせている面がある。そういう意味でランク付けをもう少し増やすということは向かうべき方向の1つだとは思うのですが、その場合に、前回私の発言が少し舌足らずだったかとは思うのですけれども、健康管理手当を含めてもろもろの給付の体系が今できておりますね。今日の御説明とちょっと脱線しますけれども、葬祭料まで原爆手帳の対象者に考えられてきているという全体を見ると、大変手厚い援護制度になっていると認識しているわけです。そうすると、原爆症というある要件の下に一番重い方々、そこへの給付の在り方を考えていくときに、やはり健康管理手当を含めてほかの仕組みを頭に置きながら、言わば上の方をどの程度の要件でどの程度の給付にすべきかを検討しなければならない。
 私が申し上げたのは、健康管理手当も含めて全部見直そうということをすべきだという意見では全くありませんで、上の方を検討するときに全体を視野に入れて、そことのバランスの中で考えなければいけないのではないかということを申し上げたので、そこを1つ。
 もう一つは、別のランクをつくるというときに、今の山崎委員の話ですと、放射線との関係をもう少し別の視点からという、何となくわからないでもないのですが、やはり健康管理手当とは別の趣旨で給付が考えられている。今の法律の基本の枠組みというのは変える必要はないし、それは適当ではない。そうすると、放射線起因性というものとのつながりを次のランクの場合にはなくしていいとはなかなか踏み切れないのではないか。それはこれまでの基本は原爆症認定という大きな枠組みの中で考えていっていいのではないか。そこで難しいのは、今日のペーパー、論点整理で指摘いただいたので言いますと、2ページの○の1つ目、2つ目、ここがポイントで一番難しいところだろうと思うのです。
 私の今の大ざっぱな意見として申し上げると、起因性は捨てるべきではない。その起因性を前回もちょっと申し上げたのですが、抽象的な形で起因性というと確かになかなか裁判所も頭が痛いでしょうし、争いといいますか、客観的な認定というのが科学的知見に頼るとしてもなかなか難しい。そこで裁判の積み重ねもあるし、行政の積み重ねもあるわけですから、放射線起因性を単に健康管理手当レベルの起因性ではなくて、もう少し高いところで考えていく。それをこれまでの新しい審査の基準に至るまでの医療分科会の積み重ねというのを尊重すべきだと思いますし、そこで広がってきている一番かたいところをベースにすべきではないか。
 もっと突き詰めて言うと、裁判例の考え方をも視野に入れて言いましたら、病名に関しては、それこそ科学とのつながりの一番強いところだろうと思うのです。ですから、基本は病名については医療分科会での積み重ねを大いに尊重すべきではないか。そこで裁判例とのギャップが出るのではないかということがあるのですけれども、裁判例は個別案件の取扱いにすぎないので、裁判例で認められた例があるからといって病名を全部拾うというのは説明がつかないのではないか。
 時間的とか場所的な要件になっていきますと、既に新しい審査の基準がつくられたときに、3.5kmというのは専門の先生方から言わせるともう科学を捨てたみたいな悲痛な気持ちだったという話を聞くわけですけれども、その点については少し幅を持った考え方もあり得るのかなという感じはいたしました。
 だから、ランク付けというときに、やはり起因性というものを離れてつくるということは問題ではないかというのが私の今の結論でございます。
○神野座長 かつ、因果関連が病名についてはこれまでの分科会で調整し、画一というか、そこを少し弱めていくという御意見ですね。
○荒井委員 そういうことです。
○神野座長 高橋先生、どうぞ。
○高橋滋委員 大分似たようなことをいろいろ御指摘いただいたのですが、この資料2の20ページのところがかなり田中委員から御批判があったようなのですが、私自身も行政としていろいろと考えて悩まれた結果がここに出てきているのではないかと思っています。
 そういう意味では、裁判例そのものも皆様方が高齢化される中でいろんな疾病が発症される中で一体どうなのかと。それをやはり救済するのに現行制度に当てはめてみたらどうなのかということで、割合と制度の認定が広めになっているということの原因なのではないかなと思っているわけです。
 そういう意味では、現行制度の基本的なものは維持しながら、このような状態に対応した新しい何らかの枠組みを考えるということが必要だと思いますが、その際に確かに客観的な基準というのは同じような制度として行政上の制度の一環として設けるわけですから、そこは何らかの基準というのは必要だろうと。ただ、それを例えば地域でいろんな客観的な尺度で推定という形で要件を盛り込むかどうかというようなことは、これからの細かな制度設計だろうと思います。
 病名についてなのですが、気になったのが、事務局にお聞きしたいのですが、10条の要件の中で放射線起因性の話と別に後段で治癒能力の影響によって、現に医療を要する状態にある場合についても給付するというようなものがあるようなのですけれども、これで拾った裁判例は何ですか。
○赤羽原子爆弾被爆者援護対策室長補佐 裁判例というか、これは集団訴訟の前の話なのですけれども、何度か出てきていまして、松谷さんなのですが、この方はまさに瓦が頭に当たってその後、治癒能力の障害があるというような、簡単に申しますとそういうような御判断の判例ではなかったかと思っております。
○高橋滋委員 そうすると、比較的いろんな病名で認めているという場合について、放射線起因性そのものを認めているのか、それとも治癒能力が落ちているから現に医療を要する状態になっているということで認定しているのか、その辺はどうなのですか。
○高城原子爆弾被爆者援護対策室長補佐 そちらにつきましては、両者認めております。放射線起因性という観点からも、それによる治癒能力の低下についても、両者認めているという状況になります。
○高橋滋委員 両方で認めているということですか。
○高城原子爆弾被爆者援護対策室長補佐 はい。
○高橋滋委員 わかりました。ただ、そういう意味でもある意味裁判例もそこら辺がはっきりしていないところがあるので、そこは病名でも場合によっては治癒能力との関係で認める場合もあるかもしれないということは考えておいた方がいいかもしれません。
○神野座長 あといかがでしょうか。追加ですか。
○高城原子爆弾被爆者援護対策室長補佐 済みません、資料の13ページの方に被爆者援護法の原爆症の認定の規定というのがございまして、こちらにいわゆる10条で言うところの原爆症認定の規定というところで書いてございます。こちらで原子爆弾の傷害作用に起因して負傷または疾病にかかり、現に医療を要する状態にある被爆者に対し、必要な医療の給付を行う。ただし、当該負傷または疾病が原子爆弾の放射能に起因するものでない場合は、その者の治癒能力が原子爆弾の放射能の影響を受けているため、現に医療を要する状態にある場合に限る。こういう形での認定を行っているということでございます。
○外山健康局長 つまり、起因がスタート段階からどうであるか、途中から加わったかどうかだけの差でしかなくて、本質的には放射能による影響だということを言っているといいうことを御理解願いたいということでございます。
○神野座長 田中委員、どうぞ。
○田中委員 被爆者として体験している人間として言いますと、初期にはケロイドの被爆者がたくさんいたのです。それはふつうのやけどと違う、なかなか治らないわけです。それは恐らく放射線の影響があったに違いないという判断があって、ケロイドの認定が結構あったわけです。最近はなかなかないようです。
 今度の裁判の中では、たしか神奈川の原告だったと思いますけれども、指全部治療がなかなかうまくいかなくて、やけどだったのですけれども、指が全部なくなってしまったという原告がいます。多分彼女は認定されたと記憶していますので、そういうケースです。一見外傷なのですけれども、放射線の影響を受けてなかなか治りが悪かったためにそれが後遺症として残っている場合を認定する、そういうのがありますね。たしか今度の裁判はちょっと記憶ははっきりしていないのですけれども、1人いらしたと思います。
 ガラスの傷の場合、なかなか治りにくいということがあって、ガラスの傷の場合も認定されるというケースが今も多分あると思います。高橋先生、そういうことです。
○神野座長 あといかがでございましょう。
 どうぞ。
○長瀧委員 病名についての考え方なのですが、先ほどのケロイドも含めて皮膚の症状は急性の症状というのは別に置いて、晩発性影響といいますか、何年も経って起こって、現在でも起こっている放射線の影響ということから言いますと、簡単に言いますと1人の人を見て、例えば肺がんの患者さんがいる。この人が原爆によるかどうかということは現在どんな医学的な方法を見ても決して確定はできない。ですから、それはこの人は原爆、放射線による病気だということは医学的には言えない。では、放射線の影響は何かというときに、たくさんの人をフォローして疫学的に見ていった場合に、どうもこの放射線に被曝したということと、病気のなる方との比率は関係がある、そういう言い方なのです。
 例えば今がんが問題になりますが、がんの発がんというのは、あるいはがんで亡くなる死亡率というのは、放射線を浴びれば浴びるほど増えていくというのは確実に科学的なデータとしているのですが、では被爆者で広島、長崎にいる方で亡くなった人のどなたが放射線によってがんになったのか、あるいは放射線に当たらなくてもがんになったのか。それは区別ができない。それは鉄則なわけです。その中で病名、被曝。
 だから、病名は科学的に放射線と関係のある病気だと言える。しかし、一人ひとりをとっていったときに、この人は放射線によってなったのかということの判断は現在、医学的にはできない。ですから、医学的に一人ひとりできないのにどうして裁判でこの人がという言い方ができるのかという、そこ自体で科学と認定というものとの間に大きなギャップがある。そのギャップをずっと初めから持ってきたということは、今、御理解いただいた上で議論していただけると。
○神野座長 石委員、どうぞ。
○石委員 8回やってきて皆さんの御意見を聞いて、率直な感想は事務局のペーパーも含めて堂々めぐりしているわけです。毎回少しずつは進んでいるかもしれないけれども、しかし、一刀両断的な方向で皆さん合意に達するということはまずできないだろうと。悲観的なことを言ったら田中さんに怒られてしまったのだけれども、なかなかまとめにくいなという印象は皆さんお持ちだと思います。
 結果的に聞いていますと、今、私は当惑しているということだけを言おうと思っているのですが、結局司法と行政のギャップが出てきたときに、要するに間のグレーゾーンをどうやって埋めるかというときに司法で考えるか、あるいは行政で考えるかというところのスタンスの問題だと思うのです。行政で考えるということは、結局科学的知見というものについてどれだけそれをベースに出発点にするか。科学的知見ができないから司法判断に任せるという、それのやりとりなのです。私はあくまで科学が今結局最後のよりどころになるような時代ですから、ここはいろんな幅のある科学的判断だけれども、そこをベースにして、そこに出てきた司法とのギャップをどうやって科学的判断からスタートにして考えるかというのは基本だと思うのです。
 今日の当面の議論のポイントは、私はそれなりによくまとまっていると思いますけれども、1ページ目の一番下の○のところで、「国民が納得できる形で行われるよう」という、この文句が入っている意味合いが皆さんおのおのの取り方が違うと思う。要するに原爆症というのはまさに国民として責任を持つべきだという意味で、できるだけそういうことで支援したいというのも国民的な納得できる形になるだろうし、もう一つは、財政負担というのがあるならば、それは国民の責任で国民が負担しなければいけないわけですから、これを国民が納得できる、つまり他の人のフェアですとかいろんな形の公平な問題もあるでしょうから、その辺の具体的な詰めがかなり重要で、私は財政学者ですから、やはり野放図に財政負担をしていいというような書き方は無理だと思います。今は少子高齢化だし、どんどん社会保障の費用もかさむ中で、そういう意味では私の個人的な見解は、科学的な知見で物事を整理して、その後で裁判事例を見ながらケース、ケースでいく。これはたしか荒井さんがおっしゃったと思いますので、そんなような形で行くかしかないのではないですか。それ以上また何回やっても同じような結論しか出てこないような気もするのですけれどもね。
○神野座長 ありがとうございました。
 潮谷委員、どうぞ。
○潮谷委員 率直に申し上げて、大変悩ましいものを感じています。それは現実に行政判断と司法判断の中に乖離があるという現実があります。それを埋めていく方法論として、私たちは一方で科学的知見というようなことで何とか埋められないものかという模索をずっと繰り返して論議したような気がいたします。
 しかし、その一方、現実論として、既に被爆者の皆様たちが高齢化をしていっているという現実をどのように加味していくのかという、大変制度を設計していくときの折り合わせ方の難しさが出てきているのではないかと思います。しかも科学的知見をよりどころにするということは大変大事ですが、その科学的知見の幅や検証のあり方、その科学的知見そのものも一体どこをベースとして考えていくのかという悩ましさがある。これは私の感想です。
 今回、改正を考えていくという中で、私が福祉の立場の中で考えなければならないのではないかなと思うことがこのたびの資料2の5ページのところです。介護手当、福祉施策の実施、こういったところは今後の被爆者援護の中でもう少し考えていくということが必要になってくるのではないか。
 それは1つは、一般論として高齢社会の中で高齢者の夫婦世帯、高齢者の一人世帯等の状況が広がってきています。恐らく被爆者の中でもそういう傾向は出てきていると思います。そんな中で在宅で見ていくというときに、家族介護手当の部分がどうなのかなという思いをちょっと抱いたところです。もし費用的に何かプラスをしていくという可能性を考える必要があるかもしれないなという思いがいたしました。
 この福祉施策の実施ですが、やはり被爆者の方たちがお一人になられたときにデイサービスを利用したり、あるいは原爆ホームに入居されることもありましょう。このホーム入所の利用というのは、ある意味では、医療も、食べるということも、健康の管理も広がりを持っていくわけでありますので、そういったことでは、ここ辺りの充実ということが今後の施策体系の中では少し広がっていってもいいのではないのかという思いを抱いたところであります。
 以上です。
○神野座長 あといかがでございましょうか。
 山崎委員、どうぞ。
○山崎委員 私、先ほど申し上げたことの一番のポイントは、原爆症かどうかということを超えて、原爆症と認定はできないけれども、しかし、それに準ずる状態であるという新たな範疇をつくることができれば、今の制度の中で要医療性というのがありますが、それに加えて今潮谷委員がおっしゃったようなその他の援護の必要性ということで現実の置かれた状況に対して一定の救済的な措置が講じられるのかなという気がいたします。
 以上です。
○神野座長 どうぞ。
○荒井委員 今の山崎委員のお考えからすると、健康管理手当の対象者とのつながりというのはどういうイメージなのでしょうか。
○山崎委員 ですから、原爆症と認定しない人たちという新しい範疇をつくるということですから、したがって、健康管理手当を受けている方々の中で医療のほかに更に介護だとかその他日常生活支援等の必要性のある方とその状況に応じてということになるのではないかなと思います。これが恐らく広島、長崎にもたくさんまだ被爆者の方がおられますが、御近所さんが被爆者の方々の生活を見て何となくそういった物差しで少し健康管理手当に加えて一定の支援措置を講じることについて理解されるのではないかなと思いますが、潮谷委員がおっしゃったように、既存の手当は既に相当ありますから、それとの関係整理も必要なのではないかなという気はいたしております。
○神野座長 どうぞ。
○荒井委員 いろいろ援護なり給付のやり方というのは考えられると思うのですけれども、今ここで検討対象になっているのは、いわゆる原爆症、つまり放射線起因性というものを要件のベースにしている対象の人たち、その人に要件が認定できるかどうか、それをどういうふうに変えていくことができるかというのがテーマですね。ですから、1つ言えることは、病気ではない、田中委員の御提案の中にも関係してくるかと思うのですけれども、全く病気がない人に原爆手帳を持っておられるからというので何らかの手厚い方向で考えていくというのは趣旨が違ってくるのではないかと、これが1つ言えると思うのです。
 言わば、私が申し上げている原爆症認定対象者といいますか、そういう人たちでこれまでの要件を基本に考えていくと、必ずしも当てはまらない。1つ次のランクという、呼び方は別として、どちらかというと下からどう積み上げていくかというよりも、やはり上の要件にどこまで該当するのか、それからどの程度外れればどういう対応ができるかという発想の方が多分正解ではないかと思う。
 だから、潮谷さんから御指摘になった問題はこれまでの検討の流れから言うとメインテーマでは率直に言ってないかもしれないという気がするわけです。
○神野座長 どうぞ。
○潮谷委員 私が申し上げたことは、第10条そのものを否定する発想の中で申し上げたということでは決してありません。現行の5ページのところに見られる体系の中で、今後被爆者の方々に対して高齢という現実論を踏まえていったときに制度の施策体系を充実させていくという方向性もあり得るのではないかということで申し上げました。
 前段で申し上げましたように、この科学的知見、言わば行政の判断と司法の判断の乖離、これを今のところ科学的知見ということでどのように埋めていくのか。その埋めるということに対して方法論を見つけていくということの悩ましさが個人的にはありますという前提条件の中で申し上げましたので、よろしくどうぞお願いいたします。
○神野座長 荒井委員がおっしゃっているのは多分2つ議論があって、ここの問題はあくまでも原爆症の認定制度ですので、ここに焦点を当てるわけですね。そのときにここでかなりグレーゾーンがあるので、そのグレーゾーンについては、他の制度を充実させるということによって、グレーゾーンの問題をクリアーできるのではないかという御趣旨ですか。
○潮谷委員 はい。
○神野座長 それと山崎委員はそういう言い方と、もう一つ荒井先生のお言葉を使えば、重い方のグレーゾーンの話を新たな視点から入れることによって、グレーゾーンの設定が可能ではないかと、つまり重い方のA、Bというような提案と多分2つあるのではないかと思います。
○山崎委員 最初はそのような意味で言いましたが、潮谷委員のおっしゃったことも踏まえて両方からアプローチできると思います。
○神野座長 どうぞ。
○荒井委員 長瀧先生に先ほど話に関連して教えていただきたいのは、ある病名について、例えばがんというのは放射線を浴びれば浴びるほど発症率が高いところは言えると。しかし、ある特定の人について、ある病気が放射線の影響によるものか、ほかの原因によるものかというのはわからない部分があると。
 それはある程度理解できるのですけれども、そうは言いながら、前回私が例として挙げさせていただいた糖尿病とかその辺になってくると、厳密な意味で放射線の影響を否定できないということは言えるのかもしれませんけれども、ある程度関係が薄いよとか、そういうことは言える部分があるのではなかろうかと。それが議論はあるにしましても、長い間の医療分科会の積み重ねの中である程度ここまでは間違いがないというところが出てきているのではあるまいか。それ以外の、まさに御指摘のような個別ケースについて、放射線との関係が認められるかどうかというのはまさに単に科学的知見だけではなくて、ほかの要素も含めて裁判所が言わば個別的に判断して認めてきたという例があるという言い方が仮にできるとすれば、今後の要件を考えていく場合に、ある程度これまでの経験を基礎にして病名を限定していくということは考えてもいいのではないかと思うのですけれども、その辺はいかがでしょうか。
○長瀧委員 純粋に放射線の影響の科学ということから言いますと、先ほどの個人はわからないと思いました。がんを取り上げますと、被曝線量が多ければ多いほどということになりますので、そうなると、可能性を具体的な数字で表すとすると、例えば1,000mSv浴びた方は1.5倍になるとか、100mSvであれば1.05倍になるという数は数の上で出てくるのです。そうすると、その方は1.5倍になる。1.5倍に増えたのだけれども、少なくとも1に相当する人たちは被曝しなくてもなる方です。それは50%増えたというときに、1.5倍のがんの患者さんの認定をどうするかという、純粋に数の上から言えばそういう考え方を定量的にどこで持ってくるかというということになるわけです。
 例えば被曝線量がわかっても、少なくなればその100人がんで亡くなった方の中で5人被曝によるがんの方が入っている。それでは、ほかの5人はだれだかわからないと。だけれども、100人を認定するのかしないのか。そういう純粋に数の上から言うと、それを今までやってきていて、全部従来はもうまさに今おっしゃったようにグレーゾーンが全部入っているわけです。可能性がある程度あるものは原爆症として認められてきたわけですから、科学的には言えない、だけれども、可能性としてあるものはそこに入ってきた。
 では、その可能性を定量化するか、どこまで定量するかというところで、実際の行政の認定のリスクのパーセントで判定をやっていたこともありますので、それは定量化したときのお話なのです。
 ですから、従来もともと今までに十分グレーゾーンを含めて議論がされてきたといいますか、そういう歴史があるということになります。
○神野座長 どうぞ。
○田中委員 大変難しいと思うのです。長瀧先生がおっしゃったように、パーセンテージでもその人を特定できませんね。1%は100人のうち1人ですね。その100人のうちそれがどの人かというのは特定できないわけですね。だから、そういう悩ましさがあるので、危険率、確率でどうやった確率を使えるのかというのは、もう確率が使えないのではないかという気持ちを持っております。ですから、病気の種類と、あるいは症状等で判断するしかないのでないかというような気持ちもわかります。
 もう一つは、長瀧先生にそれも申し上げるのですけれども、ずっと放影研がABCC時代から研究してきたのは、初期の放射線、爆発時の放射線だけなんです。多少残留放射線、3日間ぐらいの誘導放射線は考えているようですけれども、降下物の放射線はもうちゃんとしたデータが多分ないのだと思うのです。だから、データがないからそれを考慮できなというのが直接的な原因ではないかと個人的に思っているのですけれども、放射性降下物による残留放射線の影響をこの認定の中に生かすあるいは入れるということはできないできている。ですから、何回も矛盾、乖離の問題を申し上げましたけれども、乖離のかなりの部分は入市した人だとか遠距離にいた人だとかという人を認定すべきだと言っているわけです。
 どうして認定すべきかというのは、その人のずっと病状等を見ていけば、この人は放射線を浴びているとしか考えられないという言い方をしたりしているわけです。それはわからないです。本当に一人ひとり見ていけばわかるのかもしれないですけれども、行政でぱっとまとめてこの人はというときにはもう放射性降下物の影響は多分わからないのだと思うのです。それを切り捨てるというのが今までのやり方だったのでそれはやめてほしいというのが私たちの意見です。
 では、やめるためにはどうしたらいいかというのが私たちにもそんないい知恵はないです。ですから、提言というのはまさにそういうものを含んで考えるとしたら、先生方に今日差し上げています提言のようなやり方で行くのが一番ベターではないかという提案なのです。これが絶対であると私どもは思っていないです。先生方の御意見もちゃんと伺って採用していただきたいと思っているのです。
 そういうことなのです。まず残留放射線の影響を数字で判断できない、後遺症は確率でしか見えないから特定の人を判断できないという2つの大きなグレーゾーンという悩ましさがある。これを解決する以外にないのだと思っているのです。そのときに今の原爆症認定の制度、やり方が使えるかというと、もう難しいのではないかというのが提言の中身でもあるわけです。
○神野座長 では、潮谷委員、どうぞ。
○潮谷委員 田中委員に確認させていただいてよろしゅうございますか。
 提言なさいました3ページの下2行なのですが、ただいまのお話と兼ね合わせて考えてまいりましたときに、ストレートな言い方をしますと、被爆者の範囲を見直すべきだという思いの中で今の発言をなさったということでありましょうか。残留放射線の問題というのは、既に現時点からではなかなかそれを立証していく根拠性が乏しいと。しかし、残留放射線の影響は必ずあったはずだと。そうすると、今の援護の仕組みの中で、被爆者の範囲が定められているけれども、それでは矛盾が生じるような形になってきているので、残留放射線のことを踏まえて被爆者の範囲を見直した方がいいのではないかと、そういう理解をしてよろしいのでしょうか。
○神野座長 どうぞ。
○田中委員 なかなか申し上げにくいのですけれども、当面は、私どもは一応健康手帳を持っておりますので、健康手帳の交付そのものが行政の区画で交付されたという歴史的な事実がありますから、放射線の範囲だとか放射性降下物の範囲だとかというのが今の手帳で確認はできないのですけれども、更に拡大するということについては検討すべきだと私ども思っていますけれども、ここで要求しているのはそれをまずやれということでは、少なくとも健康管理手帳を交付されている人たちは、いろんな格好で放射線の影響を受けていると考えるべきであるということなのです。
 手帳を交付したこと自体もそういうものがあったと、多少行政的なものがあったとしましても、例えば長崎は12kmまで行政区に入っていたものですから手帳は交付されています。そういう問題はありますけれども、広島で言えば4km以内をほぼカバーしています。その辺は放射性降下物があったと見た方がよろしいと私は思っております。黒い雨だけではない。厚労省は今検討しておりますけれども、放射性降下物は黒い雨だけではない、白い雨にも含まれますし、雨ではなくても小さなものは降ってくるわけです。実際に私が体験しました。当日いろんなものが降ってきていたわけです。私は3kmのところにいたのですけれども、3kmの中に大きなものも小さなものも含めていろんなものが降ってきていた。そういう意味でそのことを考えざるを得ない。考えるとしたらどうしたらいいかというのをこの原爆症認定の在り方では御判断いただきたいなということです。
○神野座長 荒井委員、どうぞ。
○荒井委員 今日のまとめの議論のポイントの中に1ページで原爆症について国が認定するという考え方を基本にするというところは私もそれが必要だろうという、いろんなどこでどういう要件をだれが判断していくかというのは、なかなかいろんな考え方はあり得るとは思うのですが、やはり厚生労働大臣、国が認定するという基本の仕組みはいいのではないかと思います。
 ただ、また起因性の問題に戻るのですけれども、やはり科学的知見というものをベースに置くとすれば、現在の医療分科会の原爆症認定の基本線が残っていくことになると思うのですが、やはり専門の先生方の審査の基準が新しい審査の方針になって以降の科学からかなり離れていこうとしていることに対しての大変苦衷を感じておられる様子を拝見しておりますと、前回申し上げたことの趣旨は、国が認定していくほかはない。しかし、医療分科会の専門の先生方の苦衷みたいなものを幾らかでも解放してあげると言うと、大変僭越なことなのですけれども、どちらかというとこれまでの要件に引き付けて言えば、要医療性の問題を中心に判断してもらうという方向がいいのかなと。言い換えると起因性はまた前回申し上げたようになるべく客観的な指標を並べて、多少科学的な水準から言うとアバウトになるかもしれませんけれども、まず確実なところを客観的な指標を並べて、そこの認定はそんなに苦労せずに当てはまればそこで認定していくというような在り方が方向としてはいいのかなという気がするわけです。
 そうすると、先ほどの山崎先生の御意見とどういう調整ができるかの問題になるのですが、つまり、次のグレードを1つか2つ考えるとすると、何をもって一番上なのか、次の順なのかという、そこの要件の違いをどこに求めていくか。片や健康管理手当というのは私の言葉で言えば皆さんに行き渡っている、放射線起因性が否定できないというのはほとんど入ってしまっているのです。それと新しく考えるかもしれない1つ、2つのレベルとの違いをどこに求めるか。
 そうすると、これまでの御意見の中にも、あるいは田中委員の御提言の中にも症状の重さというのがありますね。これは確かに1つの大事な指標になるかもしれない。だから、症状の重さだけを持ってくると、これはまた放射線に関係なしに重い病気にかかる方はいっぱいいらっしゃるわけです。そこにまた元に戻って放射線との関係をある程度意識しないとまずいのではないか。
 片や健康管理手当というのはほとんど病気も余り制限のない状態にまで来ている。そこの違いをどう求めているか。そこで私が申し上げた、長瀧先生のおっしゃる厳密とかというのと少し違うのかもしれませんけれども、ある程度上の方の病名基準というのは限定せざるを得ないのではないか。そこではぐれていった場合に健康管理手当との違いは意識しながら、何かの指標、確かに症状が重いかどうかとか、治る可能性が今の医療水準でもって見通しがかなりあるのかないのかとか、その辺が1つの基準になり得るのかなという気がいたします。
○神野座長 生産的な御提案で、どうもありがとうございました。
 あといかがでございますか。一当たりよろしいですか。
 どうぞ。
○田中委員 長瀧先生にお伺いしたいのですが、残留放射線、放射性降下物が福島などは関連してくるのですけれども、そういう影響を認定の問題に取り組めることができるのか、できないのか。できるとしたらどういう形でそれを取り組むというのが科学者、専門家の人にとっても納得してもらえるか。先生の御意見を伺えればと思います。
○長瀧委員 客観的にアメリカ、ネバダでさんざん原爆実験をやったわけですから、そのネバダで原爆実験を始める前のフォールアウトと、ネバダの実験が終わったときのアメリカのフォールアウト、これは今日本の地図で言うと1万Bq/m2を一番少ない量として計算していますけれども、アメリカのその当時の地図は300 Bq/m2という地図がアメリカ全土でできています。そのときのネバダの周辺が多少濃いのですけれども、ネバダの実験が終わったときに、アメリカ全土が汚染されています。ところが、その後、中国とソ連との原爆実験が多くなって何年か経ったときには、ネバダで汚染したよりも10倍ぐらいアメリカ全土が中国、ソ連の原爆で汚染した。
 ですから、今、その地図を日本でつくったらどうかという、一生懸命せっかく東日本ができましたから、全部西日本まで広げるようにと文科省に頼んではいて、これからやると言ってはいるのですが、国連科学委員会の報告では、北緯40度から50度の範囲では、平均して現在でも1,500~2,000 Bq/m2ぐらいのものがある。そうすると、日本全部をずっと調べたときに、広島、長崎の黒い雨はそこで本当に出てくるかどうかというのはすごく問題になってくる、あるいは非常にでない可能性がある。
 その地域の人も東京の人も同じ原爆実験のフォールアウトでという可能性も十分残されていますし、現在幾つか調べた、広島地区で最近調べたものでも、2,000Bq、それぐらいのものがあるということですから、そうなるとその中から1発の分のフォールアウトを見つけて云々ということ、もしそのときにセシウムが入っているとすれば、今でもかなり残っているはずですから、そうすると、一部言われているような臨床症状がそれで起きたかというと、かなり今までの発表されているアメリカのネバダの実験、ソ連、中国の実験のために汚染した地域の具合と、日本の地図ができてしまったときに今の臨床症状は本当にそのせいかということは非常に難しくなってくる。
 ですから、もしそうだとすれば、東京の人も同じぐらいフォールアウトがあるんだという議論も、あるいはボストンの人も同じような被曝になるというような議論にまで広がってしまうかもしれないので、まだ今フォールアウトの問題は非常に発言が難しいところ。
○田中委員 もう一つ質問。現在のフォールアウトの量はそうなのですけれども、今、広島、長崎の量を測定してスクリーニングしてもう隠れてしまっているのかもしれないのですけれども、それは66年前にずっと伸ばしていっても隠れるぐらいの量だと見られたのですか。
○長瀧委員 むしろ66年前の原爆のせいか、それとも後での中国、ソ連から来たフォールアウトか、それの区別がつかないのではないか。例えば広島の原爆はプルトニウムが入っておりませんので、後から来たのはプルトニウムが入っていますから、そうすると広島でプルトニウムが出てこれぐらいあったということは、もう原爆ではないフォールアウトが来たということに広島の場合はなってしまうわけです。
 ですから、そこら辺がもう少しすると日本全国の地図ができるので、現在のところのデータからフォールアウトと性状的に扱うのは非常に難しい段階。臨床症状から線量を推定するのも方法として悪くはないのですが、それは1つの方法であって、それを肯定してみんな納得するかどうかというのは問題。
○田中委員 やるとしたら裁判の場合のように、一人ひとりの被曝前の健康状態、被曝後の健康状態、その後の病状の推移、そういうのを方法。
○長瀧委員 そういう方向で蓋然性を見つけるという可能性はあると思いますけれども、一般論としてグローバルフォールアウト、世界の放射性物質ということとの関連で何かというと非常に難しい。それはアメリカのデータから言って、ネバダで日本の原爆の何倍も実験しているわけですから。
○神野座長 どうもありがとうございました。
 それでは、熱心に御議論いただきまして、そろそろ時間でございますので、一応一区切りさせていただきたいと思います。当面は私というか事務局の方で準備していただいた議論のポイントをベースに今日御議論をいただきました。私としては、一応論点は適切にまとめていただいたのではないかと思っておりますが、今日出していただいた御議論をまたもう一度事務局の方に整理していただいて、組み直しあるいは追加その他を整理した上で、もう一度また次回、委員の皆様方の御議論をお願いしたいと思っております。
 これは石先生も御指摘になりましたけれども、かなり難しい問題ですので、どうしても行きつ戻りつみたいな議論になってしまう点は否めないのですけれども、更に石先生御指摘になったように、科学を検証可能な事実の相互連関だと広くとらえるとどうしても一応最終的にはそれを基本原則としてよりどころにせざるを得ないかなと思っておりますが、具体的なフェーズで今日の議論でももう少し具体的なフェーズでもって指標について、あるいは視点についての御議論は出てきておりますので、少し整理をしていただいて、もっと深められる点を深めていくということをしながら、難しい問題で行きつ戻りつなのですが、一応私どもとしてはまとめる方向で必ずまとめられるということを少し確信しながら進めていきたいと思っております。
 次回、そのように今日お出しいただいた御議論を踏まえて事務局の方に論点整理していただいた上で、それを皆様にお配りしてもう一回議論していただくということで進めていきたいと思いますので、いかがでございましょうか。よろしいですか。
 どうぞ。
○田中委員 最後に申し訳ないのですけれども、委員の先生方には郵送で配らせていただきました私どもの論点整理を次回、正式の文書としてお配りいただいて、名前は別の名前で結構なので、議論の中で私も発言したいと思いますので、御承認いただきたいと思います。
○神野座長 よろしいですか。勿論、ここに出していただくのは委員の責任で委員の発言という形でよろしいですか。
○田中委員 よろしければそうさせていただければと思います。
○神野座長 どうぞ。
○荒井委員 今の田中委員のお話に関連して発言させていただきますと、多分私も郵送していただいたものではないかと思うのですが、それの説明をいただくのは私自身も結構だと思うのですが、せっかく今日、論点のポイントみたいな議論の柱が立ってきています。ですから、それとのつながりを意識しながら説明をいただく方が、ただ被団協の方々のこれまでの御意見のまとめだというよりは、柱に則してこう考えているのだということをお出しいただく方が入りやすいと思うのです。お願いいたします。
○神野座長 より生産的な方向でプレゼンテーションをお願いしたいと思います。
○田中委員 はい。発言をしますときにそういうふうに発言させていただきます。
○神野座長 では、そのようにお認めいただいたということで、本日の議論はこの辺で終了させていただきますが、事務局の方から連絡事項あるいは補足する点がございましたらお願いします。
○和田原子爆弾被爆者援護対策室長 次回の日程につきましては、また調整の上、追って御連絡をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○神野座長 それでは、本日の検討会はこれにて終了させていただきます。
 どうもありがとうございました。重ねて御礼申し上げます。


(了)
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