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2012年3月19日 第5回 次期国民健康づくり運動プラン策定専門委員会 議事録

健康局総務課生活習慣病対策室

○日時

平成24年3月19日(月)13:00~16:00


○場所

厚生労働省専用第15・16会議室


○出席者

出席委員(50音順・敬称略)

池田 俊也 (国際医療福祉大学大学院教授)
岡村 智教 (慶應義塾大学医学部教授)
尾崎 哲則 (日本大学歯学部教授)
新開 省二 (独立行政法人東京都健康長寿医療センター研究部長)
鈴木 隆雄 (独立行政法人国立長寿医療研究センター研究所長)
津金 昌一郎 (独立行政法人国立がん研究センターがん予防・検診研究センター予防研究部長)
辻  一郎 (東北大学大学院医学系研究科教授)
津下 一代 (あいち健康の森健康科学総合センター長)
戸山 芳昭 (慶應義塾大学医学部教授)
中村 正和 (財団法人大阪府保健医療財団大阪府立健康科学センター健康生活推進部長)
西  信雄 (独立行政法人国立健康・栄養研究所国際産学連携センター長)
野田 光彦 (独立行政法人国立国際医療研究センター糖尿病・代謝症候群診療部長)
羽鳥  裕 (社団法人神奈川県医師会理事)
樋口  進 (独立行政法人国立病院機構久里浜アルコール症センター院長)
堀江 正知 (産業医科大学産業生態科学研究所長)
三浦 宏子 (国立保健医療科学院統括研究官)
宮地 元彦 (独立行政法人国立健康・栄養研究所健康増進研究部長)
村山 伸子 (新潟医療福祉大学健康科学部健康栄養学科教授)
山縣 然太朗 (国立大学法人山梨大学大学院医学工学総合研究部社会医学講座教授)
湯澤 直美 (立教大学コミュニティ福祉学部教授)
横山 徹爾 (国立保健医療科学院生涯健康研究部長)
吉水 由美子 (伊藤忠ファッションシステム(株)ブランディング第1グループクリエーションビジネスユニットマネージャー)

事務局

外山 健康局長
野田 生活習慣病対策室長
河野 栄養・食育指導官
三田 生活習慣病対策室長補佐
菊地 生活習慣病対策室長補佐

○議題

(1)次期国民健康づくり運動プランの素案について
(2)その他

○配布資料

資料1「国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針」(素案)
資料2目標設定等に係る地方自治体からの主な意見

○議事

○菊地室長補佐 定刻になりましたので、ただいまから、「第5回次期国民健康づくり運動プラン策定専門委員会」を開催いたします。
 委員の皆様方には、御多忙の折お集まりいただきまして、厚く御礼申し上げます。
 まず、本日の出席状況について御報告させていただきます。本日は、工藤委員、熊坂委員、十一委員におかれましては、欠席となっております。また、3、4名程度の方が、お昼時ということもありまして遅くなっておりますが、現状で19名の御出席をいただいております。
 次に、配付資料の確認をさせていただきます。
 座席表、議事次第のほか、資料1、「国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針(素案)」。資料2、「目標設定等に係る地方自治体からの主な意見」を配付しております。
 先生方のお手元、机上には赤いファイルを置かせていただいております。こちらは、前回の委員会の際にも置かせていただきました、「健康日本21」最終評価の概要と報告書。基本的な方針などについての平成15年告示、健康局長通知。これに加えまして、これまでの専門委員会における委員の先生方からの提出資料が入っております。更に、未定稿資料ということで、事務局で作成しております個別の健康増進の目標に関する補足資料を、前回に引き続きまして机上に置かせていただいております。本日の目標に関する御議論の際の参考にしていただければと思います。
 資料は以上ですが、もし不足、落丁等がございましたら、事務局までお申しつけいただきますよう、お願いいたします。よろしいでしょうか。
 なお、本日、外山健康局長は、国会用務のため途中退席させていただく予定でございます。あらかじめ御了承いただきたいと思います。
 それでは、次期国民健康づくり運動プランの素案につきまして、審議に移りたいと思います。今後の議事の進行につきましては、辻委員長にお願いいたします。
○辻委員長 それでは、議題であります「次期国民健康づくり運動プランの素案について」ということの審議に入りたいと思います。よろしくお願いいたします。
 次期国民健康づくり運動プランの素案につきまして、事務局から御提出いただきましたので、地方自治体からの主な意見の資料と合わせまして、最初に説明をお願いします。
○野田生活習慣病対策室長 御説明いたします。
 まず、資料1でございます。これが基本的な方針の素案でございます。前回、2月15日の専門委員会以降に変わった点を主として御説明していきたいと考えております。
 まず、前文につきましては、趣旨と平成25年度から34年度までの運動の期間について、記述を加えております。これは「健康日本21(第2次)」と称するということでございます。
 次からが全体の構成で、資料2の前に、A3の参考資料がついております。15日の段階では、基本的な方向として、青いところ、1、2、3、4とございまして、「健康を支え、守るための社会環境の整備」の後に「多様な関係者による連携のとれた効果的な健康増進の取り組みの推進」というものを設けておりましたが、これをほかの部分に移動いたしまして、5番目の基本的な方向といたしまして、食生活、運動、休養、喫煙、飲酒、歯・口腔の健康に関する生活習慣及び社会環境の改善といったものを、第5番目の柱にするという構成で基本的方向を整理させていただいております。
 これが主な変更点でございまして、第一のうち、5の部分に、今、申し上げたところが出てまいります。5については、NCDの予防にかかるような生活習慣の改善と社会環境の整備の関係で、さまざまなリスクを列挙しているという構成になっております。
 次に第二でございます。本文の2ページにお戻りください。「目標の設定と評価」のところでございます。ここは、全体としましては、目標設定の考え方を記述するということをいたしておりまして、一の達成時期と評価の時期の次に、3ページの二の部分ですが、「健康の増進を推進するための目標設定の考え方」を設けまして、基本的な方向に沿った1から5に対応した目標の趣旨、その目標達成に向けた基本的な対策や取り組みの方向性を事項ごとに記述しております。
 例えば「健康寿命の延伸と健康格差の縮小」でございますと、趣旨と、設けた指標を記述した上で、最後の2行に「また、目標達成に向けて、国は、生活習慣病対策の総合的な推進を図るほか、医療や介護などの様々な分野における支援などの取り組みを進める」といった記述になっておりまして、2の次のNCDの部分につきましても、3ページの最後のところをごらんいただきますと、「目標達成に向けて、適切な食事、運動、禁煙などの実践に向けた」といったような記述をさせていただいているところでございます。
 以下、3、4は同様でございまして、5についても、新しい項目でございますけれども、これにつきましても、その目標の趣旨について記述をした上でやはり対策や取り組みの方向性について記述したということでございます。
 その上で、6ページの第三の前のところに三がございますが、ここで、第二の一と二を踏まえて別表があるという形の構成になっています。先に別表の方に御説明がいってしまいますが、12ページからが別表になっております。これまで、数値、目標等について、記述がなかったものがございますが、一部を除いてほぼ記入をしているところでございます。ただし、24年度の調査で把握しないとできないものについては記載がございませんし、今後、行政的に見直しが必要な医療費適正化計画等に応じて、変更するものについては、文章でその趣旨が書いてあります。
 別表の12ページ、「健康寿命の延伸と健康格差の縮小の実現に関する目標」でございます。これは、前回と考え方は特に変わっておりません。2番目のNCD関係でございますが、がんにつきましては、がんの対策推進基本計画が現在、3月1日に変更案が答申されまして、パブリックコメント中でございますが、それに盛り込まれた目標を記述しております。
 13ページの循環器疾患につきましては、4のメタボ予備群・メタボ該当者の減少のところが、平成20年度と比べて、25%減少ということで数値を入れているところでございます。
 糖尿病関係は、後ほど野田先生から設定の考え方について御説明いただきたいと思いますけれども、合併症の減少については、率で考えていたものを数にしております。近年、横ばいになっておりますものが更に減少するようにという目標でございます。
 2が治療継続者の割合ということで、糖尿病の予防の戦略研究を国がやっておりますが、これの成果をもとに、受診中断率を75%にできるだろうというような目標でございます。
 3が血糖コントロール指標におけるコントロール不良者の割合の減少でございます。これはHbA1cをもとに算出するということでございまして、検討中ということでございます。
 4が糖尿病の有病者の増加の抑制ということで、過去10年を見ますと、推計値よりも、各年代ごとに有病率が増加しております。こういったことを踏まえて、今後も増加すると考えられますが、増加がとどまる、上昇させない、という考え方に基づいて、1,000万という数値を設けております。
 5、6は、再掲でございます。
 COPDは変化はございません。
 3の社会生活の関係でございます。ここに、スクールカウンセラーを配置している中学校の割合という項目がありましたが、これについては削除をしているところでございます。多少、文言、指標の名称は変わっておりますけれども、ここについては変更はございません。多少数値が古いものから新しいものに変わっております。
 次は、次世代の健康でございます。これにつきましては、イのところで、国民健康・栄養調査と文科省の調査を並列して書いてございましたが、文科省とも調整しまして、あちらの方がサンプル数が多いということもございまして、そちらの統計を使って評価をしたらどうかということで調整中でございます。
 次に、高齢者の健康でございます。4の低栄養傾向の高齢者の割合の減少につきまして、前回の専門委員会の御意見がありまして、その関係で目標を追加しているところでございます。
 5は、足腰に痛みのある高齢者の割合の減少ということで、前回は、身体活動、運動のところに、安全に歩行が可能な高齢者の増加という指標で設定しておりましたものですが、高齢者のところで整理した上で、趣旨としては安全に歩行が可能なということではございますが、明確にするために「足腰に痛みのある高齢者の割合の減少」といたしました。
 15ページの一番下の4です。1~5につきましては、2のところで「健康づくりを目的とした活動に主体的に関わっている国民」というところが、住民活動という言葉から変わっている程度で、特に変更はございません。
 5につきましては変更はございません。2のウで、野菜と果物の摂取量の増加というところがございますが、これは多数の指標が並んでおりましたが、野菜については、摂取量の平均値、果物については、100g未満の摂取者の割合を減少させるという指標に、30%ですが、変えております。
 5のところは、書きぶりがちょっと変わっておりますが、「利用者に応じた食事の計画、調理、栄養の評価、改善を実施している特定給食施設の割合の増加」ということになっております。
 身体活動・運動については、特に変更はございません。
 休養も、変更はございません。
 18ページの喫煙でございます。これも特に変更はございませんが、「妊娠中の喫煙をなくす」というものについて、前回、資料としてはないということでございましたが、設けております。
 (5)の飲酒につきましては、後で樋口先生に御説明をいただきますけれども、もともと目標の項目といたしまして、ハイリスク飲酒者の割合の低減としておりましたが、国際的な基準の考え方等も総合的に勘案いたしまして、「生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者」といたしまして、摂取量が、男性40g以上、女性が20g以上の割合の低減ということで、現状、男性16.4%、女性7.4%を、目標、男性14.0%、女性6.3%とする。15%の減の目標になっております。
 2、3は、変更はございませんが、4の「他者の飲酒が原因で困った経験のない人の割合の増加」ということが盛り込まれております。WHOの方では、アルコールに関する健康問題を広くとらえまして、他者への悪影響の低減といった観点を重視していることから、こういったことを一つの重要な事項としているわけでございます。男性で73.3%、女性で76.6%の現状でございますが、これを100%に近づけるという指標でございます。
 歯・口腔の健康につきましては特に大きな変更はございませんが、最初の「咀嚼良好者の増加」というものが、以前は支障者の割合だったものをポジティブな方向に変更して目標としたということで、いずれも過去のデータの回帰分析によって将来推計をして、現状から考えた実現可能性で数値を整理しているというものでございます。
 目標につきましては、A3の先ほどの資料に戻りますが、合計で54に数としてはなっております。前回の委員会では51でございましたので、若干指標数としては増加しているものでございます。
 6ページに戻りまして、第三以降は特に大きな変更はございません。第三、第四、第五も、特にございませんが、9ページの第六の、「食生活、運動、休養、飲酒、喫煙、歯の健康の保持その他の生活習慣に関する正しい知識の普及に関する事項」ということで、基本的な考え方のところでございますが、「健康増進は、最終的には、国民の一人一人の意識と行動の変容にかかっていることから~情報提供となるよう工夫する」といったところは、先ほど申し上げました、第一の多様な主体による連携といったことをなくしたことによって、こちらに文書を移しているものでございます。
 二の「健康増進普及月間等」でございますが、これにつきましては、少し具体的な記述を追加してはどうかといったような御意見があったものですから、追加しております。10ページの上のところでございますが、これにつきましては、今後目指す全国大会の姿も、ある程度視野に入れて、国、地方公共団体、企業、民間団体等が相互に協力して中核的なイベント等を実施するという記載にしております。
 第七でございます。一、二につきましては大きな変更はありませんが、二の後半部分が、先ほどと同様ですが、「多様な主体による連携」として記述されていた部分を、社会環境の整備等も含めたものでございますが、ここをつけ加えております。健康増進を担う人材については特に変更はございません。
 以上が資料1の説明でございます。
 次に、資料2でございます。各自治体に対して御意見を文書でお伺いしたものと、2月16日に健康づくりの施策の担当者に集まっていただきまして、そこで御意見をお伺いした内容を、主なものとして事項別に整理したものでございます。
 まず、「目標について」でございますが、目標項目といたしましては、必要最小限にする。定期的に把握可能なものをとり入れる。そういった値を確認・検証できるシステムづくりが必要。重点項目をガイドラインで示してほしい。目標の根拠については算出方法等を明確にしてほしい。目標値は、増加傾向、減少傾向といったものではなくて、数値化されている方がよいといったような趣旨のものがございました。あとは、達成期間10年間というのは長すぎないかという御意見です。
 個別のものでございますが、がんにつきましては、受診率について正確に把握できるようなスキームを検討してほしい。ロコモティブシンドロームにつきましては、認知している人を把握するのではなくて、シンドロームを減らすという目標を立てるべき。併せて実態把握を行うべきという御意見でした。
 こころの健康につきましては、PTSDについて、高齢者のメンタル支援といったようなものを入れるべきという御意見がありました。
 次世代の健康は、低出生体重児、極低出生体重児を指標とすることについてはどうか、ということが御意見としてありました。
 次のページで、高齢者の健康でございます。お手元の資料には明確に書いてあるわけですけれども、認知機能低下ハイリスク高齢者の発見率の向上の定義を明確にすべき。食塩の摂取量につきましては、食事摂取基準との関係について考慮すべきといったことがございました。
 たばこにつきましては、数値目標の必要性、健康教育の受講の有無を設けるべきである。行政機関、医療機関、教育施設はすべて禁煙の環境にすべきということがございました。
 飲酒につきましては、職域へのアルコール問題の啓発についても考慮してほしいということでございました。
 歯の健康は、かかりつけ歯科医について追加すべきであるといった御意見でございました。
 その他は、CKDについて、目標項目とすべきなのではないかという御意見でございました。
 あとは、調査研究の関係でございます。特定健診のデータの活用を容易にするような体制づくりにしてほしい。次の点も同様でございます。
 国民健康・栄養調査につきましては、県単位の活用がしがたい部分があるために、客体数等を増やすべきであるといった御意見でございました。あとは、都道府県別のデータを公表できるようにしてほしいといったことがございました。
 ICTの関係では、健康情報の提供の在り方に関して、早急に研究を進めるべきという御意見がございました。
 以上、資料1と資料2の御説明でございました。
○外山健康局長 今の説明で、別表で、現状は今後把握予定、目標については現状を踏まえ設定」という項目がやたらと多くて、これについてデータが出次第、追加して目標値を入れるという説明でしたけれども、国の行政のやり方として、何遍も大臣告示をし直すわけにいきません。これは、公示までにできる限り近似値でもいいから入れるのかと思っておりましたけれども、今後、国の基本方針として、大臣告示した後に数次にわたって、「健康日本21」の期間内に告示し直すということは考えておりません。できる限りそれに近い値の目標を置いて、場合によって解説的に、新しいデータが出ればそういう形で通知をし直すことがあるかもしれませんけれども、都道府県の計画をつくる規範として、標準的な指標という性格を持つものを、今の説明のように何遍も追加するということはありませんので、その辺は事務の方できちんといたします。
○辻委員長 それでは、議論を始めていきたいと思います。
 順番を立ててやった方がいいかと思いますので、資料1の第一、「国民の健康の増進の推進に関する基本的な方向」ということでまず御意見をいただいて、次に、第二の「国民の健康の増進の目標に関する事項」ということで、また御意見をいただいて、そして、別表の個別目標項目ということについて順次御議論いただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 最初に、資料1の第一、「国民の健康の増進の推進に関する基本的な方向」ということにつきまして、本文に盛られた内容について、何か直した方がいいとか、どうだろうかというような御意見がありましたら、いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○池田委員 前回も申し上げたことでありますけれども、NCD(非感染性疾患)の予防というものが載っておりますが、生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底(NCD)となっておりますけれども、この中で、がんの一部のものについては非感染性と考えられないものが含まれておりますので、ここはこのように言いかえていいかどうかということは、再度、検討していただきたいと思います。
 A3の表でも、基本的な方向の2のタイトルに書いてありますが、その横の全体目標はNCDの予防となっていて、その中にがんが入っていて、がん検診に関しては、子宮がんとか胃がんというのが具体的な数値の目標として入っているわけですから、その辺りは、国民に対して誤ったメッセージを伝えるのではないかと懸念しております。御検討いただければと思います。
○辻委員長 最後の話がよくわからないのですが、受診率ですか。
○池田委員 具体的な臓器の名前としても入っているわけでありますし、ここでNCDというふうに括っていいのか、NCDという言葉を使っていいのかどうかということについて、検討いただければと思います。
○野田生活習慣病対策室長 前回も同様の質問をいただいておりまして、一度お答えはしておりますけれども、WHO等がNCD対策といった場合には、確かにがんの一部がウイルス性の疾患で、ウイルスが原因で発症したといったようなものもあるわけでございますけれども、基本的にがん、循環器、糖尿病、COPDがNCDの主要疾患である。NCD対策として位置づけられているということから、個別に見ればおのおの原因というものがあるとは思いますけれども、事務局の割り切りといたしましては、NCDと言った場合には、各カテゴリーの疾患全体を指すといった考え方で一応整理させていただいているところでございます。
○池田委員 生活習慣病とNCDが、ここでは完全に同義語として使われているわけです。例えば全く1対1に対応する用語というふうに読めるので、そこが適切かどうかということで、もし両方同じであれば、片方に統一したらいいと思っています。例えば「国際的にも」というところ、「これらの疾患は重要なNCDとして対策が講じられている」とありますが、「これらの疾患の多くは」とかであれば同義でないことはわかりますけれども、ここだと全部ぴったりの言いかえになっている。表を見るとますますそのように見えるので、これでよいかどうかというふうに思いました。
○野田生活習慣病対策室長 そこは専門家のお立場からも御議論をいただきたいと思います。
○津金委員 NCDという言葉が、国際的に使われているということですけれども、国際的には、特に先進国では非常にマイナーな原因ですけれども、発展途上国とか、あるいは日本では、感染性が、我々の推計では男性では大体23%で、たばこに次いで2番目のがんの原因。女性においては18%で、最大のがんの原因であるというふうに推計されているので、ここで非感染性疾患と言ってしまうのは確かにどうかなと思います。
 勿論、感染性疾患でも、逆に生活習慣病との絡みで言えば、感染性疾患も全く生活習慣病ではないということではない、生活習慣に関係して感染性疾患が起こるという部分もあるので、そういう意味でミクスチャーな用語の使い方なので、これはやはりちょっと誤解を招くような気がします。
○辻委員長 岡村先生、何かありますか。
○岡村委員 これは用語の定義の問題なので、逆に事務局的にこれで行くか、行かないかということをある程度決めていただけないといけないところだろうと思います。生活習慣病とすることは問題ありませんが、翻訳してどこかに出すとき、外国に紹介するときにどういう名前で書くかということになるとNCDの方が通りがいいのではないか、そのようなところも恐らく絡んでいると思うので、用語の定義についてはいろいろな意見があるので、これは通りのいい方で決めていただいた方がいいかなという気がします。
○野田生活習慣病対策室 WHOの定義というものがございますので、その考え方について、日本政府としてどのように考えるかということになります。今、いろいろ御意見をいただいておりますけれども、用語、ワードの問題であるといったことでございますので、そこは今の段階では、事務局としましてはNCD対策という形でとらえているということでございます。
○外山健康局長 JICAの研修等をやっていて思うのですが、生活習慣病を直接訳したLSRD(Life-style Related Disease)という言葉は、なかなか外国の人になじみがないということがあって、NCD対策と言った方が訳したときには非常に通じやすい。ただ、日本の中では生活習慣病ということで定着してきているということがありますので、日本では生活習慣病という言葉を使うけれども、訳すときにはNCD対策として、「健康日本21」の活動を紹介していくというような使い方をするのが、一番動きやすいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○野田生活習慣病対策室長 Non-Communicable Diseaseという言葉自体は、公的に広く世界で共有されているものであります。それは、ウイルスが原因のものであってもNon-Communicable Diseaseといった置かれ方がされているといったことも踏まえつつ、外国の会議等でNCDの問題が話し合われることに関しては、厚生労働省としては、非感染性疾患というふうに用語を日本語で使った上で対応しているということでございますので、行政としては非感染性疾患でいいのではないかと考えております。
○外山健康局長 行政的に使うけれども、先生方の実態的な御懸念がないような形で、ここではこういうことを包含して、原因として感染もあるかもしれないけれども、こういう形で言う、ということを注か何かをつけた方がいいですか。
○辻委員長 いいですか。
○池田委員 誤解のないように、入れていただきたいと思います。
○津下委員 JICAの研修等をやっていて思うのですが、生活習慣病を直接訳したLSRD(Life-style Related Disease)というのは、なかなか外国の人になじみがないということがあって、NCD対策と言った方が訳したときには非常に通じやすい。ただ、日本の中では生活習慣病ということで定着してきているということがありますので、日本では生活習慣病という言葉を使うけれども、訳すときにはNCD対策として、「健康日本21」の活動を紹介していくというような使われ方をするのが、一番動きやすいのではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○辻委員長 ありがとうございました。
 そういった理解でよろしいでしょうか。少し詳しく注釈をつけるということも含めた上で、国際的に考えるとNCD対策というのがあって、その中にHealth Promotionも包含した概念の中で出ていますので、それに沿ったものをやっているというところも含めて、ただ、その一方で、厳密に言うとそうではない部分、感染の部分もあるのではないかということがありますので、その辺を少し詳しく注をつけるということで対処したいと思います。
 ほかに御意見はありませんでしょうか。
 それでは、第一はこれくらいにしまして、第二の、「国民の健康の増進の目標に関する事項」ということで、目標の設定と評価についての総論が書かれているわけです。一が目標の設定と評価ということで総論が書いてありまして、二になりますと、個別に最初に趣旨があって、目標となる指標が明示されて、そして目標達成に向けてどういうことをするべきだというようなことが書いてあります。これにつきまして、何か御意見はございますでしょうか。
○津金委員 最初の方に出てくるがんの話ですけれども、ここの書き方で、「がんは、予防、診断、治療などを総合的に推進する観点から」という言葉が入ったので、次に年齢調整死亡率が出てきても違和感はないのですけれども、ただ、ほかのところが診断、治療というところを全面的に出していないのに、がんだけ、これが唐突に出てくるという面がある。基本的にはがん対策推進基本計画という大事な国の基本計画があるから、そことの連携を図る意味でという言葉を一言ぐらい入れておかないと、ここだけ突出して違和感を感じます。
○辻委員長 そうですね。そのようにお願いいたします。
 ほかに、御意見ありますでしょうか。
○津下委員 新たに加えていただいた対策に関することで、目標達成に向けて「国は」という言葉がすべてに入っていますけれども、「国は」と言ったときに、いわゆる「政府は」というふうにとらえられないかという心配がありまして、取り組みを進めるものの主語は、「国は」ということで本当によろしいのかということです。これは国民の健康増進の目標に関する事項で、いろいろな自治体とか多彩な関係者とともに進めていく、その施策をつくるのは国の責務であるということだろうと思いますが、「国は」が主語に挙がってくることに少し違和感を感じますけれども、いかがでしょうか。
○外山健康局長 これは「健康日本21」ということになっていますけれども、一方の性格として、都道府県が法律に基づいて仰ぎ見るというか、基本方針ですね。それを踏まえて都道府県の計画の下に市町村がつくるという形になっていますから、県がつくるときは、県として読みかえるような概念なのだろうと思います。それを一々、国及び都道府県及び市町村はと書かないというだけの問題ではないかと思います。
○辻委員長 よろしいですか。
 ほかに、御意見はありますでしょうか。
 それぞれの御担当のところで、目標設定の考え方は大体こんなところでいいのではないかという感じをごらんいただきたいのですが、いかがでしょうか。
 よろしいですか。特にないようでしたら、別表の方に入りたいと思います。
 資料1の12ページをごらんください。別表でそれぞれ書いてありますので、順番にやっていきたいと思います。「健康寿命の延伸と健康格差の縮小の実現に関する目標」、これは前回も御議論いただきましたけれども、国民生活基礎調査で日常生活に制限があるかないかを聞いていますし、「自分が健康であると思いますか」ということで聞いていますので、これをもとにして現状値を出しまして、3年ごとに大規模調査で出る質問ですので、それを今後モニタニングしていく。
 目標としては、あえて具体的な数値を掲げないで、平均寿命の増加分を上回る健康寿命、要するに、これから10年かけて、平均寿命が延びていくわけですけれども、それ以上に健康寿命を延ばそうということで、具体的な数字ではないのですけれども、それによりまして、今後、延びる寿命はすべて健康な期間である。あるいは、この運動の期間を通じて、不健康なあるいは日常生活に制限を必要とするような期間の短縮を図る、というところを目指したいと考えております。
 健康格差の縮小については、都道府県格差の縮小ということにまとめ上げておりますが、これは平均化するのではなくて、むしろ高いところに向けてほかの都道府県が頑張っていくということで、全体の底上げを図ろうということでやっているわけですが、これはよろしいでしょうか。
 それでは、2の、「主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防に関する目標」ということで、がんの方はよろしいですか。
○津金委員 がん対策の指標であって、発症予防という指標が全く入っていないというか、間接的に、最終的には年齢調整死亡率でいいのですけれども、何かそこは発症予防のための直接的な指標入れてほしいということを、最後の抵抗としてひとこと言っておきます。例えばCOPDと同様にがん予防の知識の普及、今後把握予定、現状を踏まえ設定というようなことも、ありではないかというふうに考えました。
 がん罹患率に関しても、最近、がん登録などが整備されてきているので、昔からがん登録をやっている精度の高い地域で、ある程度罹患の推移というものも把握できなくはないという現状があるので、がん罹患率に関する指標に関しても御検討いただけないかということを、最後に言っておきたいと思います。
○辻委員長 先生としては、御検討いただけないかというか、罹患率を入れるべきだというお考えですか。
○津金委員 研究班の推計というものが、国の施策の目標値でいいのかという面においては、多分、現実的に入れるのは難しい。ただ、がん予防の知識の普及に関しては、COPDの知識の普及が入るのであれば、入れられなくはないし、これからいろいろな調査さえすれば、ある程度がん予防の知識の普及を入れられるのではないかと思います。入れていただきたいと思います。
○辻委員長 後になりますけれども、第四の「国民健康・栄養調査その他の健康の増進に関する調査及び研究に関する基本的な事項」ということで、この辺に少しがん登録などを書き込んでもらうということも必要ですね。
 ほかに何かありますか。
○池田委員 前回も申し上げましたが、有効数字というのをどういうふうに考えるかということですが、例えば現状の数字は、胃がんの受診率というのは34.3%で、目標が50%ございますが、普通50%と書いたときには、四捨五入して49.5~50.4であれば四捨五入すると50になるわけです。ところが有効数値として50.0と書いてあったときには、49.95%を超えていないと達成になっていないというので、微妙に達成したかどうかの解釈が変わってくるような気もしないではないですが、ここは、49.5で合格だということでこういう数字が出ているのなら、ここに書いてあるのは50%という目標数値でいいと思いますが、そうではなくて、49.95達成していれば合格だということであればここは50.0と書くべきなので、そこがすべて「.0」が抜けているというか、書いていないので、そういう理解でいいのかどうかということが一つ。確認です。
 もう一つは、これはあえて区別して書いてあれば問題ないのですが、例えば目標値が、平成27年というときには、平成27年のどこかの時点ではかった数字であればいいのか。それとも、1月~12月の数字で目標値が決めてあるのか。年のところと年度のところがあって、データの期間をあえてずらしてあるのか、そうであれば結構ですが、そういったところ2点を、確認させていただければと思いました。
○野田生活習慣病対策室長 まず、有効数字でございますけれども、ものによって確かにそろえていないものがございますので、完全に詰めきれていない部分がございます。そこは今後検討したいと思います。ただ、既存の目標等でも、割り切りでわかりやすい数値で丸めてあるものについてはどうしようもございませんので、それを評価する際にどうするかというのは、丸められたものに基づいて、その指標をどう考えるかということで、改めて評価をするということになりますので、ある意味、最初から予定として50と書いてあっても50.0で評価する、しないといったようなことを前提に、事前に決めているというものでもないと思います。特に閣議決定レベルの数値等については、そうであろうかと思います。
 目標期間につきましては、年度で書いてあるもの、年で書いてあるものがございます。年で書いてある場合には、統計の集計の仕方が、例えば人口動態統計などは、年度で集計するのではなくて、1~12月といったような年で評価するものもございます。統計の数値を使ってという観点からいった場合に、年で評価するというような場合と、ある調査が、ある年に行われるという場合について、調査を行う月というのは、普通は行政的な調査の場合には、通例は決まっているわけです。当然、調査が行われる月を含む年ということでございます。年度は、もともと行政計画の場合は年度で設定されているようなものもございますので、それは年度で書かれていたり、さまざまなものがございますので、体系的に整理をしてみないといけないのですけれども、基本的にはその辺を踏まえて整理をしているものでございます。
○辻委員長 最後のところは、数値のベースになる調査がどういうものかで大体決まってくる話ですので、それが後で一覧表として出てくれば、だんだんクリアになってくると思いますので、よろしくお願いします。
 ほかに、がんで何かありますか。
 では、循環器疾患で何か御意見は。
○岡村委員 まず3ページのところですけれども、「循環器疾患は脳血管、虚血性心疾患の発症の危険因子となる高血圧の改善及び脂質異常症の減少と」と記載されていますけれども、推計するときに、ほかの分野の目標ですが、喫煙率の低下と糖尿病の有病率の低下という4つで推計しています。危険度で言うと、脂質異常と高血圧と喫煙と糖尿病でほとんど占めていて、あとは誤差のような危険因子しかないので、推計はそこでやっています。したがって高血圧の改善、脂質異常症、喫煙率、糖尿病のそれぞれの減少を記載しないと、循環器疾患による死亡率の減少を高血圧と脂質異常だけで目指すように見えてしまうというところがありますので、本文はそこの部分の修正が必要かなと思いました。
 表の方は、もともと出したとおりでありますので、特に意見等はございません。
○辻委員長 先生に一つお聞きしていいですか。13ページの循環器疾患の「4メタボ予備群、メタボ該当者の減少」ということで、25%減と書いていますけれども、これの根拠は?
○岡村委員 4と5のところは糖尿病担当の野田先生のところともかぶっていて、要するに譲り合いしていて決まっていないところが若干ありますけれども、一つの問題点は、保険局とか、メタボ健診、今の特定健診の制度設定のところとかかわっているので、ここのところをこちらで数字を書けないという事情があります。ここで目標をつくってもあちらでは違う目標が出てきたら、整合性はどうかという話があるのと、現在の診断基準のリスクファクターとしての意義をどう科学的に検証するかとか、幾つかの問題点が若干ありますので、ここのところは今の行政目標をそのまま入れているという形で流している状態です。
○津金委員 今、循環器の話ではまさに階層化の話が出てきました。この中では、階層化という話がずっと出てきましたけれども、基本的に階層化は全くとり入れないという方向で、このまま進める。要するに同じ1、2、3という、同列に扱う方向で進められるということですか?今、循環器予防のための4つの要因の話が出ましたが、がんについても、寄与危険度の高い要因を階層化して入れてほしいという気になります。
○辻委員長 もう一回、岡村先生にお聞きしたいのですけれども、考えとしては、表の中に、例えばたばことか糖尿病とかということを、前の計画では再掲という形で入れていましたけれども、そういった形で入れた方がいいというお考えですか。
○岡村委員 見る方の立場からはどちらがシンプルかということになりますけれども、循環器と糖尿病の並びを見ている限り、私としては余り違和感は感じていないのですが、たばこは別格みたいなところがあって、そこはどうしようかと。しかしそうすると全部の分野の冒頭にたばこを持ってこなければいけなくなったりするので、今みたいに独立していて目立っている方がいいのかという気がして、どちらかというと見せ方の問題かなという気はします。
○辻委員長 そうすると、表としての再掲は求めないことにして、この形にしておいて、むしろ本文の書きぶりの中で、少しがんの方もそういうことを盛り込んでいくというような感じになりますかね。
 どうぞ、羽鳥先生。
○羽鳥委員 脂質異常の減少というところで、“総コレステロール240mg/dl以上の割合の減少”ということでありますが、特定健診の場合、総コレステロールは用いられず、LDLで示されますので、LDLとの換算とLDLを採用できない理由を示してほしいと思います。先生の補足資料の11ページに詳しく書かれているので、これを見れば岡村先生の主張は一般医家も理解していますが、特定健診の判定基準ではLDLの目標値は120mg/dl以下になっています。神奈川県内科医学会で調査したときには、LDLをはかり総コレステロールは測らない先生の割合は半分以上いますので、脂質4項目(TC,TG,HDL,LDL)すべて測るべきですが、診療報酬上は4つ算定しますと3項目に査定になるので、総コレステロールをとるかLDLをとることになります。そういう意味で国の方針がぐらついている印象を与えてしまいますので、現場の先生にわかりやすいような説明も必要かと思います。例えば、TC240と書くなら、LDL160を括弧書きで書いていただくなどはいかがでしょうか。
○岡村委員 特に現場の方が混乱しなければ、先生のおっしゃるとおりだと思っています。総コレステロール240だとLDLコレステロール160に相当しますので、これは御存じのように、ガイドラインのリスクのない人のカットオフポイントがLDL160になっているのと、今、改定中のガイドラインともおおむね整合性がとれると思いますので、総コレステロールが240、括弧してLDLなら160とやるのが、複雑でなくて、事務局的にそれで問題ないのならばそうしていただけた方がありがたいと思います。
○羽鳥委員 もう一点、踏み込んでいいますと、160mg/dlという数値が示されてしまうと、160までは何も努力しなくていいと思われてしまうようなところもあるので、血圧の目標と比べるとLDLは特定健診と同じように120mg/dlを目標にするとしていただけるといいのですが。特定健診の書き方が、受診者への説得として、食事、運動で目標とすべき数字がでているので、整合性という観点からもこの目標値があってもいいのかという気もします。
○岡村委員 その辺、文章で中に入れ込むことはできます。表出しすると更に混乱するというのが1点と、動脈硬化学会のガイドラインが改定中で4月末に出ます。今度は絶対リスクに基づいて算定するので、今のカットオフ値、すなわち特定健診に走っているもの自体が前世代バージョンになってしまいますので、そこを踏まえた上での書きぶりにしたいと思います。
○辻委員長 ありがとうございました。
 それでは、糖尿病に移ってよろしいでしょうか。野田先生、お願いします。
○野田委員 糖尿病に関しては、4つの目標を挙げさせていただいております。おのおのについて御説明いたしますと、最初の合併症の減少ということにつきましては、糖尿病性腎症による年間新規透析導入患者数を指標として挙げております。
 現状はどうかと申しますと、平成20年から21年、最も新しいデータである22年の糖尿病性腎症による年間新規透析導入患者数は約1万6,500人で、横ばいという状況になっております。糖尿病の患者さんは、増加しているとともに高齢化が進んでおりまして、高齢の患者さんのほど元来腎機能が低いということがございますので、実際には、本来はここで増加することがあってもおかしくないのですが、それが横ばいになっているということは、糖尿病の治療または疾病管理の向上によると思われます。
 今後、更に糖尿病の患者さんの増加と高齢化が進んでいきますので、その中で目標として減少傾向へ、そして、それを維持するということを目標にしております。高血圧の目標のところで、血圧を4mmHg下げるということがございます。そして、慢性腎臓病による透析導入は、仮に正常域からの軽度な血圧の上昇であっても、大きく左右されるということがございますので、これを加味しますと、先ほど述べた状況であっても血圧の目標が達成されれば、これを減少傾向に転じさせて、その減少傾向を維持するということは妥当な目標ではないかと思っております。
 2番目の治療継続者の割合の増加、これは基本的に「糖尿病予防のための戦略研究課題2」というものがございまして、略称J-DOIT2と申しますが、その「大規模研究」という研究におきまして掲げておりました、治療を継続していない方のパーセンテージを半減させるという目標が達成されておりますので、それを基本に置いております。平成21年の国民健康・栄養調査で治療を受けている方が53.5%ですので、この状況下で治療中断者が半減するとしますと、計算上70%程度になります。ただし、平成22年の概要版で30歳以上のデータが速報値として出ておりまして、それでは治療継続者がやや増加しておりますので、それを考慮しますと、大体75%ということになります。これまでの国民健康・栄養調査での糖尿病の治療継続者の割合の外挿値としても70%強になりますので、ここで治療継続者75%という目標を置かせていただきました。
 3番目は、血糖コントロール指標におけるコントロール不良者の割合の減少です。HbA1c(JDS)が8.0%以上の方の割合の減少ということです。特定健康診査の現場で、特定保健指導をしていただくとHbA1c(JDS)が8.0%以上の方を半分強にまで減らすことができた、ということを報告されている方がいらっしゃいます。ただし、特定健診から特定保健指導までについての目標としては、平成27年度以降は、健診受診率は8割、保健指導実施率6割ということを目標にしています。すなわち、大体半分の人に特定保健指導を実施していただくということになっておりますので、このような意味合いを加味しますと、半分強に減らすという効果の対象が更に約半数ということになりますので、現状値は今後把握予定、これに対する目標値を現状を踏まえて設定ということになっておりますが、臨床現場での介入も含め大体20%程度の減少を目標としていけるのではないかと思っております。
 最後に、糖尿病有病者の増加の抑制です。これについての現状値は、平成19年の国民健康・栄養調査における890万人です。国民健康・栄養調査と同時に糖尿病の調査が平成9年、14年、19年と過去3回行われておりますが、平成9年から19年の10年間で、その中で10年間の有病率の増加が多かったのが、男性の60歳代や70歳代以上、女性の60歳代でも上昇しております。このままの傾向が続くと増加していくのですが、各年代ごとに、現状の糖尿病有病率を維持しようということを目標にしまして、そうしますと1,000万人というふうに計算されますので、これを目標値として置いております。
 以上です。
○辻委員長 ありがとうございました。
 何か御質問、御意見はありますか。
○津下委員 数々の項目について御検討いただきまして、ありがとうございます。
 1点は、治療継続者の割合が、前回は目標値100%となっていましたけれども、J-DOIT2のデータをもとにより具体的な数字になったのはいい方向だと思いますが、J-DOIT2では、かかりつけ医のほかに、受診を中断しないように促すような保健指導という試みがあって初めて達成された数字でありますので、これを75%に上げていくためには、やはり治療中断者への拾い上げという対策をとらないと実現が難しい数字であるというふうにとらえています。入れていただくことで、そういう対策が進むことを推進できればいいというふうに感じています。
 3ですけれども、特定健診等のデータを用いまして、重症化防止の指標を加えてくださいという話を、前回、提案させていただきました。御検討いただきまして、ありがとうございます。愛知県のデータで、約73万人のデータでいきますと、男性で1.7%、女性でその半分ぐらい、0.8%ぐらいの方が、HbA1cが8%以上という状況になっておりますので、これらの方を、20%をまずは減らすという目標で、これは保健指導だけではなく、医療と市町村や保険者との連携の下に達成される目標でありますので、「健康日本21」の目標達成に、医療と保健機関が共同で取り組む目標になり得るのではないかと期待しております。
○辻委員長 ありがとうございました。
 どうぞ。
○吉水委員 素人なので見当違いのことを申し上げてしまうかもしれないのですけれども、4番目、糖尿病有病者の増加の抑制ということで、今、先生の御説明を伺ったら、なるほどと思ったのですけれども、目標値として単純に見ると、現状が890万人で目標が1,000万人というと、一体どれぐらいが抑制されたのかわからないですね。ですから、技術的に可能なのかどうかはわからないまま申し上げますけれども、例えば現状の増加率何%、平成34年度の増加率何%というような形で、パーセントの数字が減っているとか、自然増何万人に対して目標値何万人という言い方でないと、どれくらい減らすのかがこの数字の設定だけでは読めないと思うので、御検討いただけたらと思います。
○野田委員 過去に3つの時期の調査がありますが、それらから推計によっていろいろな値が出うるわけですが、報告書の方では、参考データとして1,410万人が予想値で、それを1,000万人に持っていくという形にさせていただければと思っています。基礎データが3つの時期の分しかないところで正確な予測をして公式データとして記載していくのはやや大変かなと思っています。
○辻委員長 そういったところで、少し工夫をお願いします。
 1の合併症のところですが、減少傾向へということですが、何か数字がないと目標としてはどうかという御意見が自治体から出ていますけれども、いかがでしょうか。
○野田委員 それも検討してみたいと思います。血圧の効果を加味するということが可能かと思っています。
○池田委員 教えていただきたいのですが、HbA1cの値はJDSだと思いますが、これはJDSだけでよろしいですか。
○野田委員 JDS値であることを明記する必要はあるでしょうね。今年度まではJDS値で、来年度以降は基本的にNGSP値に移行しますが、来年度の特定健診はJDS値で行われ、また、平成25年度以降の方針はまだ決まっておりませんので、現状でのJDSでいいのではないか。少なくともここしばらくはよろしいかと思います。
○池田委員 これを10年使うとしたら、JDSで書いておくと、後でわからない人が出てきてしまうかもしれないので、併記するのもどうかなと。
○野田委員 併記が一番いいかもしれませんね。
○辻委員長 津金先生。
○津金委員 糖尿病は、年齢依存性に有病率は上がると思いますけれども、例えばがんとか循環器みたいな、年齢調整的な概念というのは導入できないのでしょうか。
○野田委員 確かに年齢調整の概念は必要だと思いますが、仮に昭和60年(1985年)のデータに戻れば、今、糖尿病は相当高齢化が進んでいますので高年齢層の寄与度が大きいのですが、そこのところのインパクトが過少に評価されるのではないかと思います。今回は平成19年の最新の調査をベースに有病者数の目標を出すなどして進めさせていただきました。
○辻委員長 よろしいでしょうか。
 それでは、COPDは、工藤先生が本日御欠席なので、次に、こころの健康というところはいかがでしょうか。
 特にありませんか。よろしいですか。
 この辺も増加傾向というところを、何か数字はないのかということと、私はわかっていないのですが、自殺総合対策大綱の見直しというのはいつごろ決まるのですか。近いうちに決まるという理解でよろしいですか。
○野田生活習慣病対策室長 今のところ、まだ明確に時期が示されていません。ただ、かなり最終段階にはなってきているということで、夏ぐらいというような情報がございます。
○辻委員長 よろしいでしょうか。
 それでは、次世代の健康というところで、何かありますか。
 山縣先生。
○山縣委員 低出生体重児のことが自治体からの主な意見の中にあったと思いますが、結論からして、やはりこれは今回入れておくということには意味があると思います。それは、生活習慣病発症説のようなこういった概念をここに明確にするという意味で、これは象徴的な指標かなというふうに思います。これで若い人、特に女性ですが、健康やせの防止だとか、喫煙といったものの対策の結果としてこういうものを掲げるという意味で、御意見はありますが、妥当だというふうに思っております。
○辻委員長 減少傾向というところで、何か数字がありましたら。
○山縣委員 エビデンスとして、例えば日本人の2,500というのはどうなのかというのは、いろいろあると思いますし、逆に言うと、2,500より小さいと問題があるというエビデンスはたくさんあるわけですから、これはキープということになります。だから、これは減らしていくということは重要な指標だと思います。
○辻委員長 何%まで減らすかというのは。
○山縣委員 数値は難しいです。検討はする必要はあると思います。
○辻委員長 中村先生。
○中村委員 前回、指摘させていただいたことですが、次世代の健康の、健康な生活習慣を有する子どもの割合の増加で、栄養と食生活と運動が挙げてありまして、喫煙しない、飲酒しないということも入れておいたらどうかというのを発言させていただきました。確かにたばこと飲酒のところで、未成年者の喫煙とか飲酒をなくすということが書いてあるので、そこでカバーされていると言えばそうですが、ここではより積極的な意味で、喫煙、飲酒をそれぞれしないというのを入れた方がよいと思います。
○野田生活習慣病対策室長 全体が生活習慣ですので、基本的には生活習慣の目標を決めているということです。アルコールと喫煙につきましてはある意味類似性がございますので、これについて整理として、喫煙とアルコールに分けて、子どもの問題ではございますけれども、指標として位置づけているという考え方でございます。
○野田生活習慣病対策室長 全体が生活習慣ですので、基本的には生活習慣の目標を決めているということです。アルコールと喫煙につきましてはある意味類似性がございますので、これについて整理として、喫煙とアルコールに分けて、子どもの問題ではございますけれども、指標として位置づけているという考え方でございます。
○辻委員長 先ほどのがんとか循環器疾患にもあった議論ですけれども、たばこというのはいろんなものに効いてきますね。ですから、全部再掲として載せるのかという議論に対して、前回は載せていましたけれども、載せないですっきりやった方がいいのではないかというのが今回の議論にもありますが、そういったことがありますか。
○中村委員 そういうことであれば了解です。ただ、前回か前々回の委員会で、A3の表を議論する中で、縦軸にある病気と横軸の生活習慣の相互の関連を表にして示しておいた方がいいのではないかという意見がありました。それを示していただくという形で再掲をやめるということにすれば、比較的すっきりしたまとめになるのではないかと思います。
 実際、WHOのNCDにおいても、NCDで取り上げられている循環器を、脳卒中と虚血性心疾患に分ければ5疾病になるわけですけれども、それと、WHOのNCDで取り上げている生活習慣は、食事と運動と喫煙と飲酒の4つです。そのマトリックスは示されていますので、それぞれの食事の中の要因まで示すようなマトリックスは複雑なので、それは別の形で示すことにして、とりあえずこの報告書の中では簡易なサマリー的なマトリックスを示すということについて、御検討いただければありがたいと思います。
○野田生活習慣病対策室長 設定の考え方を整理した報告書を、今、作業していただいているわけでございますけれども、そういった中で整理をすることが可能であろうかと今のところ考えております。告示そのものには、考え方としてマトリックスのようなものをつけるとか、そういった考えはないのですけれども、各自治体等で計画をつくられる際に、どういったことに着目して、指標を考えて優先度を考えていったらいいのかといったようなことがございますので、そこは当然、先生がおっしゃるような頭の整理というか、そこは必要だと思いますので、そういった方向で検討したいと思います。
○辻委員長 ほかに、ありますでしょうか。
 それでは、高齢者の健康はいかがでしょうか。
○鈴木委員 質問というわけではなくて、コメントと、地方自治体からの意見に対する回答と、1点、要望があります。今回、高齢者の健康ということで、一番最初に掲げた要介護状態の高齢者の割合を減少させる、これはまさに今回の健康寿命の延伸そのものに直結する、裏腹の関係にある重要な課題ですので、よろしいかと思います。
 各論として、認知機能低下ですとか、ロコモティブシンドローム、低栄養、足腰の痛み、就業、社会活動といったような項目が並ぶという配置にしていただいたことも結構だと思っております。地方自治体から、認知機能の低下についてはハイリスク高齢者の発見率の向上の定義を明確にしてほしいということですが、現在、国が進めている認知機能低下のハイリスク高齢者のスクリーニングに関しては、唯一、介護予防健診における基本チェックリストを用いて認知症関連質問項目で3項目で1項目でも該当した人ということになっています。実際には現時点では、受診率が低いということもあって、1%程度しか抽出されておりませんけれども、今後、非常に著しい勢いで認知症の高齢者は増えていくというふうに推定されますので、やはりこれは10%ぐらいまで引き上げて、とにかくハイリスクの方に対する何らかの取り組みは必要になることは確実です。そういう形で我々は定義として考えたいと思っております。
 要望が1点ございます。戸山委員からも前に御発言があったかと思いますけれども、ロコモティブシンドロームと並んで骨粗鬆症、中でも大腿骨頸部骨折が、5年ごとの全国サーベイでも着実に増えてきております。またこの骨折が要介護状態の非常に大きな要因となるということから、できればそれに歯止めをきかせるような形で何らかの指標として必要ではないかと考えておりますので、その辺のコメントをいただければと思います。
○野田生活習慣病対策室長 最後の大腿骨頸部骨折の件ですけれども、5年ごとの調査というのが、長時間研究でこれまで行われてきているという状況がございます。そのサイクルのことから考えますと、24年度中に調査が行われるような研究は、現在、行われていないという状況がございます。もう一つは、全国のデータではありますけれども、各都道府県で使える数字としての調査が行われなければならないと考えるわけですけれども、そういった規模でも、現在のものが、都道府県表章ができないというふうなことをお聞きしております。
 したがって、骨粗鬆症も含まれていいとは思いますけれども、その辺の問題を解決できるような全体的な適切な調査計画をつくって、その上で調査をして指標にしていくということがいいのでないか。先ほどのがんの登録のデータなどもそうだと思いますけれども、都道府県が計画をつくるといったことがございますので、重要な指標なのであれば、そこまでやらないと事務局としてはいけないのかなと思います。不要だからとか、必要性が低いからとか、そういうことで今回盛り込まれていないというわけではないと御理解いただきたいと思います。
○辻委員長 よろしいでしょうか。
○戸山委員 私のところは、ロコモを少し検討するようにという御指示があって、一応、事務局には私が調べたところのデータを出しております。検討していただいているようですが、こんな状況であるということを少しお話しさせていただきたいと思います。
 このロコモは、今、鈴木委員からお話しがありましたように、要介護状態を減らすことは非常に重要なことですが、その手前の段階で認識していただいて、運動器の重要性の啓発ということが非常に大事だと思います。
 現在のところ3つデータがあります。ただし、これは公的にこれを取り上げていいかどうかというのが事務局でお考えいただいているところだと思いますが、参考までにお話ししますと、一つは、厚労省の研究費でやっている研究班のデータで、長野県の40歳以上の住民調査です。サンプルは少なくて3,000名を切りますが、回答率は85%で、これは19%という結果が出ています。もう一つ、ロコモチャレンジ協議会というのがございまして、これはインターネット調査で昨年やったもので、13%という結果が出ています。もう一つ、日本整形外科学会が、この2月にもう一回これを調べようということで、これも残念ながら期間の関係上、インターネット調査ですが、8,000~9,000名のサンプルで、20歳~70歳代、これによりますと17.3%というのが出ています。要しますと、13~19%ということで、現状としては、10~20%ぐらいでまず間違いないのではないかという感じがいたします。
 目標値ですけれども、前回の「健康日本21」で、メタボが現状値は表示されずに、目標値が20歳以上は80%以上というものが提示されて、それが最終的に92.7%と。すばらしい結果が出たと思うので、目標に関しては、もしよろしければメタボと同様でもよろしいのではないか。それが結果的に90、95%になればと思います。
○津下委員 今回、国の目標にするのは難しいと思いますけれども、要介護認定の主治医の意見書等で、原因疾患をつかんでいくことがこの対策には非常に重要ではないかと思います。要介護認定のときの原因疾患を、これは市町村ごとで検討したデータはあるわけで、市町村ベースではできる可能性はあります。数百名の原因疾患を検索すれば、性、年代別にどういう疾患で要介護状態になっているのかというのは調べることができまして、それを対策に使っている自治体もあります。
 ただ、国のレベルでは電子的にデータベース化されていないので、現段階では使えないということになると思いますけれども、先ほど、がんの、より理想的には罹患率という話もありましたけれども、要介護状態の原因を、脳血管疾患と認知症と骨関節系、その3つが非常に多いというのはわかっておりますので、それを市町村レベルでは、きちっと把握をした上で目標を設定するということが可能である自治体は、それを是非やっていただくといいのかなというふうに思います。
○辻委員長 ありがとうございます。
 今回のことを通じて、本当は必要なのにデータがないということがたくさん出ています。がん登録もそうですし、今、先生がおっしゃったこともそうですし、たくさんほかにもありますので、そういったところも含めて後で盛り込んでいくような形にしたいと思います。
 新開先生、どうぞ。
○新開委員 私の方は、前回、リストアップされておりませんでしたが、低栄養傾向の高齢者の割合の減少という事項をあげました。これからの高齢者の健康づくりの課題として重要ではないか考え、この間、事務局とデータ等のやりとりをしまして、低栄養傾向をどういう指標で把握できるのかを考えますと、BMIとアルブミン、この2つが国レベルでは国民健康・栄養調査で把握されています。過去10年ぐらい、このトレンドも追えるということで、将来ともこの2つのデータでモニタリングなり目標数値を立てていったらいいのではないかと考え、試算させていただきました。
 現在は、BMI20以下の者の割合は17.1%、血清アルブミン4.0以下の者の割合は15.2%です。高齢者の中の人口割合は、後期高齢者が増えてまいりますので、現状のまま追認してもBMI20以下のパーセントが増加しますし、血清アルブミンの数値も低値を示すものが増えるということですが、それを10年後、何とか高齢者平均で現状維持を目標とすることを掲げたらどうだろうかということで挙げております。
 アルブミンを挙げることについて、今日も直前に委員長の方から御指摘がございましたが、現在、老健局でアルブミンの測定を生活機能評価でもやっていないという中で、果たして健康づくりの目標にアルブミンの数値を入れられるのかという疑問がございました。低栄養は、やせのみで評価するというのはやはり難しい。複数の指標で評価するときに、やせ、あるいは血液のバイオマーカーで、高齢者の低栄養を最も反映する指標としてのアルブミン、この2つを組み合わせてモニタリングをしていくということが妥当なのではないかと思っております。
 もう一つ、アルブミンを4.0、あるいはBMIを20以下に設定した根拠ということについては、最近、かなり日本人の高齢者でデータが。
○辻委員長 先生、少し手短にしていただけますか。
○新開委員 はい。この辺は文献を検索して、このレベルが下がってくるとリスクが有意に上がってくるということで、健康づくりの一つのカットオフポイントとして妥当な線であると考え提案させていただきました。
○辻委員長 これについて、低栄養というのは介護予防事業の中できっちりある事業ですね。それとの基準が、介護予防事業ではBMI18.5以下でアルブミンも3.8以下となっていて、今回のものと基準値が違うために整合性がとれないというのが一つと、かなり具体的に介護予防の事業そのものですので、健康づくり国民運動のなかに載せる必要があるのか。この並びで考えると、介護予防の具体的な指標としてあるのは、ほかにはないですね。その辺がどうなのかということを感じます。
本計画では、ほかにも血液データが目標値に掲げられているものがあります。コレステロールとかHbA1cですが、これは基本的に糖尿病とか脂質代謝異常という明確な疾患概念の中で測るということになっています。ですから、血清アルブミン値3.8g未満というのが低アルブミン血症、低蛋白血症として治療の対象となるような疾患であるかどうかという疑問があります。かつまた、HbA1cとか、血圧とか、コレステロールに関しては、基本的に健診で定期的に一定の年齢層の国民は受診する権利を持っているわけですが、アルブミンについてはそういうわけではない。このような問題がいくつかあります。
 ただ、これを議論するとかなり長引くと思いますので、後で老健局との調整の中で、先生と私とか、鈴木先生の御意見をいただきながら、後で調整してよろしいですか。
 岡村先生、どうぞ。
○岡村委員 済みません。所用で退出しなければいけませんので、いる間に一言。たばこのところですけれども、アルコールとかほかのところは男女別の目標値になっています。喫煙の目標値は勿論これですっきりしていますが、男女別にどうかというのが出ていないと、喫煙率が男女でかなり違いますので、そこは併記されるか、どこかで示した方がいいかなと思っています。
○辻委員長 それでは、時間の関係もありますので、次の「健康を支え、守るための社会環境の整備に関する目標」ということで、これはまだ把握予定となっていますが、この辺をどのように把握できるのか、事務局から御意見をいただけますか。
○河野栄養・食育指導官 今の4の指標のところで、項目1につきましては、既に平成23年の国民健康・栄養調査、昨年の11月の調査で把握しております。
 2については、平成24年の国民健康・栄養調査で、調査が可能かどうかをこれから検討していくという段階になります。
 3については、現行のスマートライフプロジェクトの事業で登録している企業数を検討することになります。
 4については、今、部会の方で御意見をいただいていますのは、日本栄養士会の栄養ケア・ステーションですとか、あるいは日本薬剤師会の健康支援相談を行っている薬局のようなものが該当するのではないかということで、これらについては、各民間団体の方で活動拠点数を把握したものを報告いただくような仕組みを考えております。
 5につきましては、自治体の増加ということになっておりますので、別途、自治体調査を行う形で想定しております。
 以上でございます。
○辻委員長 よろしいでしょうか。これにつきまして、こういうふうな考え方があるのではないかとか、何かありましたら。
 それでは5に移りまして、栄養・食生活について、いかがでしょうか。
○池田委員 野菜と果物の摂取量の増加というところですが、全体を通して増加とか減少とか、どちらがいいのか悪いのかということが、よく読まないとわからないものもありますが、これでは、野菜の方は摂取が増えるというのが目標、果物の方は食べない人が減るという、二重否定的なもので、タイトルが「増加」でありますので、もし可能であれば、果物の方を100g以上のものの割合という、裏返した数字で増やしていった方が間違いが起きにくいのではないかと感じました。
 もう一つは、3の食事を1人で食べる子どもの割合。これは、先ほどの次世代の健康のところに、3食必ず食べる子どもの割合というのがあって、素人の人が見ると、似たようなものがなぜ分かれて書いてあるのだろうかと思うかもしれません。勿論、二重に載せる必要はありませんけれども、これは離れた場所にあっていいのかどうかということは御検討いただければと思います。
○辻委員長 どうぞ。
○村山委員 今、御指摘いただいた点と、自治体からのコメント・意見に対して、まず一つは、1人で食べる子どもの割合の減少について、これは、指標の説明を読んでいただくとおわかりいただけると思いますが、生活習慣病の予防という観点から、栄養・食生活に記載しています。次世代の健康のところに記載するかどうかについては、検討させていただきたいと思います。
 もう一点、自治体の意見の中に、特定給食施設の割合の増加の目標は、栄養士の配置数の増加とすべきではないかということがありますけれども、目標は栄養士の配置ではありませんので、栄養管理がきちんとできる給食施設を増やしていくという目標でいいと思っております。
 食塩と果物につきましては、西先生の方からコメントの追加をお願いいたします。
○西委員 果物の方ですけれども、摂取量100g未満の者の割合を減少させるということで、裏返せば、100g以上の方の割合を増やすという言い方でも良いのですけれども、わざわざこのようにしておりますのは、果物の場合、摂取量が少ない場合はがんのリスクが上がるというふうなエビデンスがありますが、どれぐらい多く摂れば良いかという辺りのエビデンスが、しっかりしたものがないということで、ここではあえて100g未満の者の割合を減少させるという表現にしております。
 食塩については。
○村山委員 自治体の意見の中に、食塩の食事摂取基準との整合性についてがありました。
○西委員 食塩につきましては、食事摂取基準2010年版の目標量で、男性が9g未満、女性が7.5g未満とあります。ここでは、平均としまして8gとかなり現実的な目標設定をさせていただきまして、男女平均での数値でシンプルに示すということにしております。
○戸山委員 栄養・食は非常に重要だと思いますし、前回の「健康日本21」で、目標値に大きく達していない、すなわちCとかDというものは、必要であれば継続も私は大事だと思います。適正体重は、たしか最後の評価がCです。食塩摂取がBで、野菜もCということで、これは非常に重要なので、継続は当然だと思いますし、今後、これをどういうふうに目標を達成させるかが大切なことだと思います。
 前々回でしょうか、私が指摘した、カルシウム摂取が評価Dでした。Dということは、全然よろしくないという状態で今回の設定から外れるというのは、どうしてかという感じがちょっとして、前にも御指摘したと思いますけれども、Aであれば当然、外していいと思います。メタボもA、それ以外もAが20%ぐらいあったと思いますけれども、Dで外れるというと、どうしてかという感じがするので、もしよろしければコメントをいただきたいと思います。
○村山委員 カルシウム摂取量だけを取り上げると、他の個々の栄養素についても取り上げなければいけなくなりますので、項目としては2の「適切な量と質の食事をとる人の増加」というところに、個々の栄養素を含めて、過不足ない栄養素摂取をすることを包括することとしました。その中で、食塩と野菜に関しましては、特に次期計画の中の主要な生活習慣病の3つ、がんと循環器疾患、糖尿病と関連する根拠があるので、特に取り上げることとしました。
○津金委員 適正体重のところは前にも聞きましたが、20~60歳代の男性の肥満、40~60歳代の女性の肥満、20代の女性のやせ、というふうに年代で区切っている理由。例えば20代の男性の肥満も悪いと思いますし、やせも悪いと思うし、60歳を越したらもういいのかというようなこととか、その辺は、ほかのところは余り年齢がない。それこそ男女の差さえもないというところで、ここだけ非常に細かいですけれども、何か理由があるのでしょうか。
○西委員 男性の肥満者につきましては、20~60歳代ということで、男性と女性で年齢階級別で肥満者の割合の分布が異なっております。男性の場合は20~60歳代をまとめて指標を出せると思いますけれども、女性の場合は、20歳代と40~60歳代というふうな分け方で、肥満とやせと、それぞれ強調してという形になると理解しております。
○津金委員 結局、生活習慣病の発症予防とか、重症化予防という観点から設定されている根拠ではなくて、単なる分布で算出しやすいという理由でこういう設定をしているのでしょうか。
○西委員 確かに分布で決めているというところはありますけれども、生活習慣病の予防という観点では、男性の場合は20歳代から肥満にならないように気をつけていただきたいというところがありますので、20歳代から含める。女性の場合は、20歳代から肥満のことを目標にしてしまうと、やせの方が強調されなくなりますので、女性については40~60歳代というふうに分けているというふうに理解しております。
○辻委員長 その辺はわかりやすい解説を、つくるときにお願いしたいと思います。
○津下委員 同じような話ですが、男性の場合は20~40代頃までに体重が増えて、そのまま肥満が継続するという傾向がある。女性の肥満者は40歳後半ぐらいからグッと増えてくるという、肥満者増加の立ち上がりの年齢がずれているということを反映したものではないかと解釈しております。
○辻委員長 そうだと思いますけれども、その意味では男性を20~60歳代と幅広くするよりは、20~30歳代とか、20~40歳代とか、ターゲットエージをかなり絞った方がいいかなという気もしますが、どうですか。
○津下委員 実際男性では20代~40代の間に体重が増える人が多い。その後は、それ以上どんどん増えるという人は男性の場合は少ないという傾向があって、肥満のまま安定してメタボのリスクを増やしていくという感じで、20代~40代に増やしたツケを40代以降に払っているみたいなものです。そこのところを踏まえて、男性の場合はもう少しメッセージが加わればインパクトがあるのではないか。40代以上はメタボの対策に入るので、20代~40代までの間に体重を増やさないというのは男性にとって重要な目標になるのではないかと思います。
○津金委員 実際問題としては、20代の体重に比べて40代に到達したときに増えた人が、本当にその後、いろんな病気のリスクが上がるかという意味においては、必ずしもそうではない。確かに糖尿病とかそういうものに関してはあるかもしれないけれども、幾つかのペーパーのレベルでも、あるという状況もあるので、ここは根拠をもう少し明白に書き込んでいただいた方がいいと思います。
○辻委員長 その辺はまた御検討いただきたいと思いますので、お願いします。
 ほかにどなたか、栄養・食生活について、ありますか。
 それでは、身体活動・運動、いかがでしょうか。
○宮地委員 身体活動・運動ですけれども、次世代の方に、「子どもの運動やスポーツを習慣的にしている子どもの割合の増加」が挙げられています。こちらは、文部科学省のデータを使って評価をするか、あるいは国民健康・栄養調査で把握して評価をするかということですが、先ほどから、身体活動、栄養、喫煙といったものを次世代や高齢者といったところに再掲するか、あるいは疾患のところに再掲するかという議論が出ておりましたけれども、運動、身体活動は、あえてこちらの方にまず載せて独立させています。
 高齢者に関しては、15ページの(3)の5に、足腰に痛みのある高齢者の割合の減少というのが、そもそも安全に歩行可能な高齢者の割合の増加という項目で挙がっておりました。しかし、それを評価する指標がない。介護予防の基本チェックリストでそれにスクリーニングできる項目があるのですが、先ほど鈴木委員から御指摘があったように、調査が不十分だということで、なかなかデータがきちっと把握できない。そこで痛みのある高齢者が、痛みがあって外出できないので、これを代替指標にしようということになりましたが、安全に歩行可能か否かと、痛みの有無の関係は、ダイレクトではないので、安全に歩行可能という項目を捨てて、足腰に痛みのある高齢者の割合の減少という形で独立させていただきました。
 痛みのある高齢者を把握する意義は、一つは、国民生活基礎調査において腰痛及び手足の関節が痛むという両項目が有訴の上位5番の中に男女とも入っている。特に高齢者でその割合が非常に多く、高齢者の生活の質にもかかわっているだろうということで、これは減らすことに意義があるだろうということです。もう一つは、腰痛や膝痛の予防が、安全な歩行や外出を可能にするというエビデンスが複数あるということで、これを挙げております。
 もう一度、17ページの身体活動・運動のところに戻っていただきまして、運動習慣者の割合を20~50歳代まで、60歳以上と分けて提示させていただいております。見ていただくとわかりますけれども、50歳代よりも下と60歳代よりも上では明らかに運動習慣者の割合が違う。また、性差も大きいということで、性、年代別の目標を明確に定めて、この世代はここを目指しましょう、この性はここを目指しましょう、ということを明確にしました。
 以上です。
○辻委員長 何か御質問とかありますでしょうか。
 鈴木先生。
○鈴木委員 先ほどの足腰の痛みがある高齢者ですけれども、高齢者の場合は、これがQOLそのものですので、よくわかるので、ありがたく思っております。ただ、これは人口千対の数ですが、今後、高齢者割合が著しく増加します。このような高齢者の自然増を考えますと、目標値が、現状で例えば男性が265を、200にするというのは難しい。本当に大きな改善なので、この数字はちょっと厳しいという気がしますが、いかがでしょうか。
○宮地委員 回収予定になっています資料の30ページに、足腰に痛みのある高齢者の割合の減少ということで、目標値の考え方を私なりに書いています。「目標の設定に当たってのエビデンスは不十分であるため、実現可能性を考慮した目標値として設定する」と書いてあるとおり、どこまでが実現可能かということについてはエビデンスがないので、それもなかなか難しくて、おおむね20%ほど男性も女性も65歳以上で減らしましょうというのも根拠が不十分な目安です。鈴木先生が現場で今まで御経験されてきた中で、どれが実現可能なラインなのか、もしアイデアがあれば、御提案いただけるとありがたいと思っております。
○戸山委員 今、宮地委員が話したように、なかなかこの設定は難しいところだと思います。これは、いろいろな項目に関係しているのではないかと思います。例えば身体活動・運動のところで、日常生活動作における歩数の増加、これは前回の「健康日本21」でCランクでしたし、運動習慣者の割合というのもCかDで、非常に厳しい。それをマイナスにしている要因は、足腰の痛みにより運動が出来ないというのは十分可能性があると思います。
 また、栄養・食生活の中で、適正体重という項目がございます。それが、大体10%減らせるような目標になるように見えますけれども、肥満が、腰痛ないしは足の痛み、機能障害に非常に強く関係しているというエビデンスがあるので、その辺と絡めると妥当かなと思います。ただし、鈴木委員が話しましたように、これから高齢化が進みますから、その中で、この目標値が妥当か否かをもう一度検討する余地はあるかなと思います。
○新開委員 歩数ですが、前回、1,000歩減少していますね。この背景要因はどういうふうに分析されているのでしょうか。働き盛りの問題もありますし、人口の高齢化の影響もあるのではないかと思います。それを考慮されていなくて、全年代1,500歩というのは、大変難しいのではないか。少なくとも世代別の目標値の設定が必要ではないかと思っています。
○宮地委員 御指摘、ありがとうございます。この原因に関して、ここ10年間の日本の歩数はほぼ1,000歩減少ということに関して、その原因が何なのかということについて、十分研究したものは、現在、まだありません。
 ただ、我々のように運動基準や運動指針を考える人間が、過去の諸外国の文献を検討すると、3つのことが考えられます。1つは、IT等が発達したことによって、身体活動をしなくても仕事ができるようになったということです。
 2つ目は、都会と田舎とどちらかということになりますと、東京とか大阪に住んでいる人たちは、就労のときに通勤で公共交通機関を使う機会が多いのですが、田舎に行けば行くほど公共交通機関がどんどん廃れていますので、自家用車を使う割合が増える。先ほど議論になっています、地域格差が増えているということもありますけれども、歩数も減っている、そういうところが非常に大きく関係しています。
 3つ目は、国民健康・栄養調査のデータは平日に測っているのでほとんど関係ないですけれども、国民健康・栄養調査から出ますと、週休2日制がここ20年くらいで定着するようになって、平日は仕事などで歩きますけれども、土・日はなかなかそういう機会がないということで、土曜の半ドンがなくなった分、身体活動が減っている。ただ、国民健康・栄養調査は平日で測っていますから、このデータには反映されていない。主にこの3つのことが要因として考えられています。
 年代別に目標を定めるということももっともだと思いますけれども、あいにく、すべての世代で減っている。どの世代もやはり歩数は1,000歩減っているのを取り戻す、できればエビデンス上、有効だと思われる1,500歩まで上げるということを目標にする必要があると考えています。実際には60歳以上と60歳未満では歩数は1,000歩から1,500歩ほど違いがあるわけですが、高齢者であっても、目指すところは男性8,500歩、女性は8,000歩ぐらいあってほしい。そういう気持ちを持って、あえて低めの歩数を設定せずに全体をここに持ってきたいというふうに書いているということです。ですから、高齢者がこれを目指すのは本当に難しいと思います。
○辻委員長 ただ、高齢者の方が歩数が多いので。
○宮地委員 いえ、歩数は高齢者の方が少ないです。60歳代まではそれほどではないですけれども、明らかに70歳を過ぎると落ちます。ですから、70歳代が男性8,500歩、女性8,000歩までいくのは、確かに難しいことですけれども。
○辻委員長 現実に年齢によって違う中で、7,000歩とか8,500歩と言われても、個人個人にフィードバックしづらいのではないですか。先生のおっしゃりたいメッセージとしては、今の歩いている歩数よりもすべての人が1,500歩増やすべきだという御議論だと思いますけれども、そういう形で言っていただくとわかりやすいと思います。これだと、新開先生がおっしゃったみたいに、年齢にかかわらずみんな同じように歩いている。先ほど私がはしなくも、高齢者も増えているのではないかと誤解するぐらいですから、恐らく多くの方々は誤解していらっしゃる。ですから、その辺きめ細かにした方がいいかなと思います。
○宮地委員 基本的に報告書などでは、歩数の目標のところの記述としては、各世代で、例えば43ページを見ていただければいいと思います。
○辻委員長 プレゼンテーションの問題で、17ページを見ると、歩数は全員まとめて書いていて、2の運動習慣になると年齢別に書いてあります。基本は10%増やせということで共通しているみたいな感じがするのです。ですから、その辺は統一した方がいいと思います。
 もう一つ、3ですが、住民が運動しやすいまちづくり・環境整備に取り組む自治体数ということですが、そういうことをやっていますかと実際に質問を投げたら、市民のための公園をつくっています、運動場を持っています、体育館をつくりました、プールがありますということで、みんな「はい」と答えると思います。ですから、何を求めているのかということを、少し具体的に。恐らく先生たちのお考えとしては、プールを持っている、体育館を持っているというだけではなくて、何かあると思いますが、その辺をわかりやすく出せればと思いますので、よろしくお願いします。
○津下委員 今、辻委員長のおっしゃったことを発言しようと思ったのですけれども、3は、すでに運動習慣のある者に運動の場を提供するというのはこれまでもやっていたと思いますけれども、運動の習慣のない人たちに、運動の機会を提供することをやっている自治体をつかんでほしいなと思います。例えば、運動施設を何人利用したかだけではなく、住民に対するカバー率とか、今まで運動習慣のない人たちを積極的に呼び込むような仕組みとか、体育の部門と保健衛生の部門が一緒になって運動を考えるような協議会をやったり、そういうことをカウントしてほしいと思います。
○辻委員長 ありがとうございます。
○宮地委員 今のことですけれども、どこまでこの表に書けるかという問題がありますけれども、45ページを見ていただきたいと思います。目標の必要性のところの、「運動習慣や身体活動の多寡は、近隣の公園や道路など、住環境の影響を受ける。今後、健康づくり対策を進める上で、個人の行動を引き出す社会環境の整備として、地方自治体が、住民が運動しやすいまちづくり・環境整備に積極的に取り組んでいくことが重要である」とあって、目標値の考え方の具体例として、「具体的には、住民の健康増進のためのウォーキングロードやサイクリングロードなど、住民の運動・身体活動の向上に密接に関係のあると思われる施設の整備等の取り組みが行われている自治体をカウントする」ということなので、今までの単純な、運動施設を持っているとか持っていないとかということではなくて、身体活動を増やす取り組みを含めてやっていると定義すべきと考えています。
○津下委員 積極的に、運動習慣のない人に運動習慣をつけてもらう取り組みというふうに書いていただいた方がよいのではないでしょうか。ウォーキングロードとか、そういうものは自治体では整備されていることの方が多くなってきているので、「健康日本21」で環境づくりということを考えた場合に、運動習慣者を増やす環境づくりをやっていることを、幾つか定義をしていただくことが必要ではないかと思います。
○辻委員長 ありがとうございます。私も全く賛成なので、そういうところを加味していただきたいということと、17ページの3の四角に入っている言葉は、割とあいまいというか、どうにでも解釈できてしまう話なので、かといって、この項をみんが読むかというと全く読まない現状もありますので、もう少し表現ぶりとして何か御検討いただければと思います。
 時間の関係で、休養につきまして、睡眠と労働時間の話がありますけれども、これにつきまして、何か御意見はありますでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 それでは、喫煙について、中村先生、何かありますか。
○中村委員 前回の資料と特に大きな変更はありませんが、一点、前回、私自身が指摘して修正案を送りましたが、それは3の「妊娠中の喫煙をなくす」です。これは正確に言いますと、妊婦の喫煙率をゼロにするということです。ただ、妊婦を取り巻く周囲の喫煙の影響もいろいろありますので、それについてもこの中で掲げてはどうかという提案をさせていただいて、修正案を送りましたが、結果として、反映されていません。
 これについて別の見方をすれば、妊婦への受動喫煙については、4の受動喫煙の機会を有する者の低下の割合で、例えば家庭、職場など、同様に妊婦についても低下が図られるということなのかもしれませんけれども、妊婦への受動喫煙の影響は、ほかの対象者に比べて胎児を含めてより深刻な影響が考えられるので、例えば職場、家庭については、目標をゼロにするというようなことがあってもいいのかなということで提案させていただきました。それについては、事務局の考えを聞かせていただきたいのですが。
 案としては、「妊娠中の喫煙をなくす」というのは、表現を「妊婦の喫煙をなくす」に変更して意味を明確にして、妊婦への受動喫煙については、4の受動喫煙の機会を有する者の割合の低下のところの目標のところで、妊婦の場合は0%という但し書きをつけるということではいかがでしょうか?
 もう一点、これは最初のころに確認したと思いますけれども、今回、自治体からの意見の中で、「教育施設はすべて禁煙の環境にすべき」というのがあります。実際に健康局長通知においても、学校現場については所管が違うということで対象外になっていますけれども、今回、所管の違い、文部科学省管轄であるという考え方の下で入れないということでいいのかどうか、もう一度確認したいと思います。
 岡村先生から意見があった成人の喫煙率の低下の男女別については、入れても勿論いいと思いますけれども、経過からして、男女計で一本でわかりやすくしているというのもいいのかなと思って、私自身はこのままでもいいかなと考えております。
○野田生活習慣病対策室長 まず、家庭の方で、妊娠中の喫煙をなくすということでございます。現在、パブリックコメント中のがんの基本計画の中では、「家庭における受動喫煙の機会を低下させるに当たっては、妊産婦の喫煙をなくすことを含め受動喫煙を推進するための、普及啓発活動を進める」。これは目標ではなくて、取り組むべき施策の方にそのように書かれております。したがって、中身的には家庭の3%の目標になっているわけでございますけれども、そういった環境がある場合には、妊産婦の喫煙をなくすことを含めて、普及啓発活動を進めるというような書かれ方をしているところでございます。
 教育機関につきましては、これまで議論してきておりませんけれども、健康局長の平成22年の通知に基づいて、喫煙についての考え方は整理をしておりますので、それの枠を越えるというようなことで、目標を設定しているものではございません。たばこの目標全体的にそうですけれども、がん基本計画との整合性を含めて検討をしてきております。ただ、妊娠中の喫煙をなくすことに関しては、がんの発症そのものというよりは、胎児の発育遅延ですとか、胎児に与える影響ということで、健康づくりの方に盛り込む。がんの対策の方には、取り組むべき施策の方に盛り込むということで、目標の方には設定されていないという考え方になっております。
○中村委員 つまり、教育機関については今回入れない方針でいくということでよろしいのでしょうか。本当は入れた方がいいと思いますけれども、学校の敷地内禁煙はかなり進みまして、更に「健康日本21」として、未成年者の喫煙をなくす目標を設定していることでもあるので、環境としての教育現場の禁煙環境を更に推進するというメッセージはあってもいいと思います。文部科学省との調整とか、その辺りの取り決めで難しいということであれば、やむを得ないですけれども、入れたらよいと思います。まず、それを確認させてください。
○野田生活習慣病対策室長 まさに今、先生がおっしゃられたところでありまして、未成年の喫煙をなくすという目標について、学童についての調査を行って減少させてきているという究極の目標がございますので、そこを基本に考えた場合に、教育機関について、これまで行政的な通知等で明確に表現してきていないものについて盛り込むということはどうかという点もございますので、とりあえず、がん対策推進基本計画との整合も考えて、ここは同等の表現目標にしたいと考えています。
○中村委員 もう一点、妊娠中の喫煙をなくすについては、山縣先生からも同様の発言が、前回か前々回にありました。山縣先生の御意見もお伺いしたいと思います。
○山縣委員 妊娠中というよりも、未成年の子どものいる家庭の喫煙率という視点でこれを出した方がいいのではないかと思うのは、高齢化率が進んでいけば、何もしなくても家庭内の喫煙率は下がるのではないですか。だから、余り意味がないような気がする。国民健康・栄養調査で、未成年や子どものいる家庭の喫煙率というのは把握できると思うのですが、そういうものにした方が趣旨が明確になるような気がします。
○野田生活習慣病対策室長 家庭の目標につきましては、受動喫煙の目標がございますので、これ以上の目標を立てる考えは今のところございません。あとは、妊娠中の喫煙につきましては「健やか親子21」との関係がございますけれども、これとの整合も含めて、ある程度代表性のあるものとして妊娠中の喫煙をなくすということで、目標として設定させていただいているところでございます。
○辻委員長 まだあるかと思いますけれども、時間もありますので、飲酒の方に移りたいと思います。
 樋口先生、お願いしてもよろしいですか。
○樋口委員 飲酒ですけれども、今回新しく4項目のうちの、最初の生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者の割合の低減は、新しく数値が示された。前はハイリスク飲酒と言ったのですけれども、名前が変わったということです。
 量として、男性40g以上、女性20g以上という数値が示されていますけれども、これについては、我が国で行われているたくさんのコーホート研究、津金先生なども随分データを出されていますけれども、そういうもので、例えば高血圧とか、がんの多くのデータ、脳出血とか、そういうたぐいのものは、飲酒量が高くなればリスクもそれに比例して直線的に高くなるような関係が多く示されています。そういう面では、一番少ない、ゼロが一番いいということになってしまいますけれども、それも余り現実的ではない。それ以外に、飲酒量がゼロから直線的に上がらないような関係を示す、例えば循環器の中の脳梗塞とか、冠動脈疾患とか、そういうたぐいのものもありますけれども、そういうものを見てみても、男性で大体40g、女性で20g、男性の場合は40g以上でリスクが高くなってくることを示す研究が多いと思います。女性でもそういうことを示す研究がございます。
 あと、諸外国の飲酒ガイドラインや、WHOのリスクに関するガイドラインを見ても、大体このような数値が示されているところがありまして、男性40、女性20。女性が少ないのは、例えば肝臓障害をとってみても、男性と同等な飲酒をした場合には肝臓障害がより強く出るという研究がたくさんございます。アルコール依存症も、女性の方が男性に比べてかなり早期に発症する。早期というのは、習慣飲酒を開始してから依存症になるまでの期間が男性の半分ぐらいだということもありまして、多くの国で、女性の方が男性よりも飲酒ガイドラインで量を少なくしているという現状がございます。そういうことを踏まえて、このようになっています。
 現状値が、国民健康・栄養調査で15%減らす。数字が妙な数字だということをお考えかもしれませんけれども、現在、平均飲酒量は下がっていまして、下がってきているということを念頭に入れて、自然減を若干見込めるのではないか。一方で、前回の「健康日本21」で、多量飲酒を減らそうということが目標にありましたけれども、実際は余り減ってはいなかったということがございます。前回は20%の減を見込んだのですけれども、余り減っていなかった。そういうことを踏まえて15%という数字を掲げています。
 未成年者の飲酒について、現状値が少し変わりまして、今まで4年に1回、最近は2年に1回行われている厚労科研の中の、調査前30日で1回以上飲酒した人の割合をとってきています。これはたばこと同じようなとり方をしています。それで基準値が少し変わっているということです。
 妊娠中の飲酒については、前からございましたが、アルコールの場合も胎児に対する影響が非常に重要視されていますし、胎児に関する影響を起こさない閾値はないと言われていますので、そういう点ではやはり目標値としてはゼロにするのがいいだろうと。
 もう一つ、「他者の飲酒が原因で困った経験のない人の割合が増加」ということですけれども、先ほど事務局の方からも話がありましたけれども、とても大きな問題である。これは、健康問題も勿論含まれますし、社会的な問題も含まれる。WHOが他者への影響ということをとても重要視しまして、2010年の「Global Status Report」でも1項を設けて、その重要性を強調しているということがございました。そういう内容も踏まえて、現状値は70%の真ん中ぐらいですけれども、男女とも100%に近づけるのがよろしいだろうということで、このようにしてあります。
○辻委員長 津金先生、どうぞ。
○津金委員 40g、20gというのは妥当だと思いますけれども、これを生活習慣病のリスクを高める量という閾値的なイメージで、それ以下では高めないという形で、先ほど先生が言われたように、がんとか脳出血に関しては当然高まるわけで、心筋梗塞、脳梗塞に関しては逆に低めるという効果もあると思います。前のハイリスク因子の方が、何となくすっきりはしていたのですが、今回はエッという感じで違和感を抱いて、ハイリスクの裏返しであればローリスクとか、高くはないとかいう意味で、リスクはまだ存在しているというふうにはとれますけれども、これだと閾値みたいな感じというふうになって、適切ではないのではないかと私は感じました。
○津下委員 喫煙とも共通することですけれども、高校3年生までは親の庇護の下にいるわけですけれども、大学生になると急に飲酒・喫煙の機会が増えて、大学生、または20歳になったら飲酒・喫煙オーケーみたいな形です。そこの世代で急に飲酒、喫煙者が増えるにもかかわらず、ここの世代がきちっととらえられていないような気がします。
 先ほどの教育機関の禁煙ということも、大学が本当に敷地内禁煙に踏み切っていただければかなり進むと思いますし、大学生の喫煙・飲酒問題というのを表現しなくていいのだろうかという心配はありますけれども、いかがでしょうか。
○樋口委員 未成年の場合は、高校を卒業してから成年になるまでの間、1年何か月ありますけれども、この辺りに関する調査は比較的少なくて、2009年に内閣府がインターネットを使った調査をやりまして、確かに先生がおっしゃるように、高校生よりも高くなります。ですから、その辺りはやはり注意をしていかないといけないだろうということだと思います。それを過ぎると、今度は飲酒可能な年齢になってきますので、そこでだいぶ質的に変わってくるということがございます。ただし、若年者の飲酒に関する啓発というのはとても大事だと思いますので、できれば文章の中のどこかに、未成年に限らず若年者の方々の飲酒についても減らしていかなければいけないとか、そういうことが入ってもいいかなと思います。
 それから、津金先生の御意見ですけれども、私も、できればハイリスクの方がわかりやすい、あるいは、例えば世界にこれを発信するときに何と翻訳するのだろうと思ってしまうこともありますので、その辺り再考が必要かなという感じもします。
○野田生活習慣病対策室長 事務局から追加で申し上げます。WHOの出典は、樋口先生の方からいただいた、「International Guide for Monitoring Alcohol Consumption and Related Harm」というものがありまして、これによると、ローリスクが男性で40まで、女性で20まで。ミディアムリスクが、男性で40~60、女性で20~40。それ以上をハイリスクという言い方をしている、というようなことがございました。
 ほかの国のものを網羅的に承知しているわけではありませんが、このレベルの飲酒量をインクリージングリスクという言い方をしているものがございました。したがって、完全に閾値的な表現ではないのですけれども、高まるリスクが少し閾値レベルよりも上の方でグッと上がってくるところだというようなところで、特別なレベルでものを考えるというようなところがございます。ここは先生方の御議論であろうかと思いますけれども、参考として情報提供いたします。
○辻委員長 樋口先生。
○樋口委員 名前を何とするかということ、そのほか、さまざまなところに考慮しなければいけないこともあると思いますので、引き続き検討していくのがよろしいと思います。
○辻委員長 吉水委員、こういうような目標を出すときに、わかりやすい方がいいですね。そういう観点から何か御意見はありますか。
○吉水委員 やはりハイリスクと言った方がわかりやすいかなという感じは、今の御議論を聞いていて思いました。
 それと、同じ飲酒の4ですけれども、「他者の飲酒が原因で困った経験のない人の割合の増加」とあります。調査結果が出ているということは、「経験がありますか」と聞いて、ノーと答えた人の割合ではないかと勝手に推測しますが、別添資料の58ページを見ますと、家庭内暴力や虐待、飲酒運転等々、深刻な社会問題ということが挙げられていて、他者の飲酒が原因で困ったことの中には、他人を介抱したとか、絡まれたとか、それくらいのことも答える側としては入っているように思うのですけれども、どこまでを困った経験とするのかという御見解を伺いたいと思ったのですが。
○樋口委員 幾つかの項目があって、それについて、そういう経験がありますか、ないですかという、本人の自己申告によるものです。
○吉水委員 質問項目の選択肢の中で答えていると思いますけれども、その場合に、深刻な社会問題に当たることだけが入っているのか、それとも、日常起こりがちな飲酒をめぐるちょっとしたトラブルまで入っているのか。
○樋口委員 一定の範囲で入っています。日常の飲酒にまつわるさまざまな問題が入っています。
○吉水 ちょっとまだ具体的にイメージしきれていないのですが、日常にかかわるさまざまな問題までというのは、どちらかというと社会的なマナーとかそういう問題であって、健康問題との切り分けが難しいとも思ったのですが。
○野田生活習慣病対策室長 今、樋口先生がおっしゃられている研究ですけれども、項目といたしましては、困った経験の原因になっている、迷惑側の項目は、暴言、暴力、絡まれた、飲酒の強要、セクシュアルハラスメント、問題行動の後始末、飲酒による身体問題の世話、外部からの注意や連絡、他人に対して恥をかいた、このようにいろいろなものが入っています。これ自体は調査項目が、ある年のものを見ておりますので、どういう形で他の年をやっているかどうかにつきましては、承知いたしておりませんけれども、ある意味、幅広い調査の仕方になっております。
○吉水委員 それは是とするということで、よろしいわけですね。
○野田生活習慣病対策室長 これが困った経験側の要素ということで、これがなかった方が増えた方がいい、というような指標で考えてはいかがかと。
○吉水委員 表現自体がわかりにくかったという観点での質問なので、もし少し補っていただけると、よりわかりやすくなるのではないかというのがお聞きしたポイントです。
○津下委員 今の指標は、厚生労働科学研究の調査ということで、この調査は10年間続く調査なのかという心配があります。ですから、国民健康・栄養調査等で聞いていくとか、調査項目も、研究者ですから新しいことを知りたいということで、変わっていくと比較ができなくなるのではないかという心配があります。調査方法についてはどうされるのかということをお伺いしたいのですが。
○野田生活習慣病対策室長 現在のところは調査研究の方で考えております。ただ、国民健康・栄養調査におきましても、平成22年度に飲酒に関してのいわゆる有害的な経験について調査をしております。それは、自分と他人について両方聞いてしまっておりまして、これをどのように使うかという観点があったものですから、とりあえず研究の方を優先して検討して今に至っているということでございます。ただ、国民健康・栄養調査の方で、今後もずっと調査できないということまでを申し上げていることではございません。ベースラインとして現状はこれであるということです。
○樋口委員 こういうことに関する調査というのはほとんどなくて、一番最初に2003年に厚労科研でこの質問項目をつくった後に、モニタリングをしていかないといけないだろうということで、同じようなものを2008年も使っていますし、今年やった別の調査でも同じ形のものを使っています。ですから、今後、そういうふうなことを目標にしてモニターをしていくという意味も含めて、同じ質問項目を使って調査していくということは可能だろうと思いますし、それは、しなければいけないことなのではないかと思っております。
○辻委員長 すごく大事な問題だと思いますので、これは是非入れて、調査し続けるような体制もつくっていただきたいと思います。
 一点だけ申し上げたいのは、目標を100%に近づけるというのは、ほかにもありますけれども、増加させるとか減らすとか、かなり漠とした言い方ですが、80%になったということでも近づいたと言えるし、99%になっても近づいたと言える。でも、80%と99%では、やはりキャンペーンとかいろいろ違ってきますね。樋口先生のお話だけではなく、ほかにも幾つかありましたが、増やすとか近づけるとかではなくて、もう少し具体的な数字を次回までに出していただきたいというお願いですので、どうぞよろしくお願いします。
 時間を過ぎていますので、歯と口腔の話に移らせていただきたいのですが、いかがでしょうか。
 どうぞ、三浦先生。
○三浦委員 歯科口腔保健法の基本的事項との書きぶりと整合性をとっていただきまして、どうもありがとうございます。ほぼ同じような書き方になっているので、混乱なく両プランとも調和を図りながら実行できるような体制になったかなと考えています。
 それと併せまして、自治体からの御意見で、歯の健康では、かかりつけ歯科医を決めている者の割合の増加を追加してはどうかということですけれども、一番大きい問題といたしまして、データソースが全国レベルのものとしてはないということが、まず一点、大きな問題として挙げられるかと思います。一部の都道府県におきましては、こういう調査をされているようですけれども、全国バージョンでのステイブルなデータを得る手段が、今のところ、ないということでございます。
 かかりつけ歯科医の持っている意味合いとして、特に歯科の場合は、予防関係、口腔衛生の管理等でかかりつけ医を決めているケースが考えられますが、そういった事柄に関しましては、最後の5の「過去1年間に歯科検診を受診した者の割合の増加」のところである程度カバーできるのではないかと考えております。国民健康・栄養調査におきましては、我が国の国民の場合、20歳以上の場合に限りますけれども、検診の受診場所がほとんどの割合が歯科診療所というところでございますので、かかりつけ医に期待する予防行動というのは、5の項目である程度捕捉できるのではないかと考えております。
○尾崎委員 かかりつけ歯科医という定義自体が非常にあいまいで、行きつけと言うとおかしいですが、痛くなったら行きつけで、定期的管理をかかりつけ医と言いますが、一般の市民の方は行きつけ医を選ばれてしまいます。その辺の普及啓発をしてから、かかりつけ医という言葉で質問しませんと、相手の体調を見ながらすべてアドバイスするかかりつけ医、痛いときに行って治してもらう行きつけ歯医者、という言い方はおかしいですが、そういう方が一般の市民の方にわかるのです。「歯医者さんをお持ちですか」「痛かったら行くところでしょう?」ではなくて、予防管理や口の問題が起きたときにいつでも診ていただける。あるいは、寝たきりになっても行ってあげるのがかかりつけ医と。
 そういう観点からいくと、確かに言えなければいけないのですけれども、かかりつけ歯科医に関する基盤整備の部分が、東京とか特別の地域はやっていますが、47都道府県と言ってしまうと難しいです。国民健康・栄養調査だけではなくて、いろんな調査からみても、基本的には高校を終わりますと、大学では学校保健安全法から歯科が外れてしまいまして、18歳以降は、歯科保健サービスは基本的にないのです。そうしますと、どうしても街の先生のところへ行って、自分で予防管理をしていただくしかない。そのことを含めて、自治体の言うことはよくわかりますが、どうやって統計をとるのかと。そんなことがありまして、今、三浦先生とも相談してこういう形にさせていただきました。
○辻委員長 歯科・口腔の健康について、何かございますか。
 よろしいでしょうか。それでは、時間も過ぎていますので、これぐらいにいたしまして、足りないところは、事務局あるいは私の方におっしゃっていただければと思います。よろしくお願いします。
 次の項目でありますが、資料1に戻っていただきまして、6ページ、「第三 都道府県健康増進計画及び市町村健康増進計画の策定に関する基本的な事項」から、10ページの「第七 その他国民の健康の増進の推進に関する重要事項」までにつきまして、委員の皆様から御意見をいただきたいと思います。これは順不同で結構ですので、思いついたところから、こういったことを書き込んだ方がいいのではないか、これはどうなんだろうかとか、何か出していただければと思います。いかがでしょうか。
○羽鳥委員 8ページにあります第五のところで、「各保健事業は、健康診断の徹底を図るとともに、転居、転職、退職等にも適切に対応し得るよう」と。これはとても大事だと思います。臨床の場で見ていると、会社に勤めているときは定期健診や人間ドックの費用補助があって受けるのですが、定年を迎えると検診を受けなくなる人がいます。 特定健診・地域がん検診もあるので健診データがスムーズに連続してみられる工夫をしていただきたい。マイナンバーなどの活用を含めて、個人の健康管理を統合するシステムを構築するという大きな視点があってもいいのではないかと思います。要するに個人を同定してきちんとデータ管理をしていく、企業で事業者健診を受けた人たちが、地域に帰ってもそのデータが有効利用できるようなシステムを構築するということです。
○辻委員長 ありがとうございます。
 ほかに、御意見はありますか。
 一つだけ私から。皆さんが考えていらっしゃる間に申し上げますが、先ほど津下委員のお話で、大学に入ってからが問題だという話がありました。10ページの下から2行目に学校保健対策と書いてあります。小中高というのは法律的な義務があって相当うまくいきますが、そういった義務を大学は負っていなくて、一方、親元から離れたところで一人で暮らして、それで生活が乱れて、ご飯を食べなくなってしまうとか、酒・たばこの誘惑が入ってくる。大学に入って1、2年のころは、その後の生活習慣にすごく大きな影響を持っているわけです。その辺を大学できちっとやってほしいということを、ここで期待する気持ちを述べてもいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○津下委員 先ほど飲酒とたばこの話はしましたけれども、やはり食事の乱れ方もすごくて、朝御飯を食べていない学生が多く、1日3食といっても昼・夜・夜中というふうで、夜はコンビニで1,000キロカロリーくらいお菓子を買ってきて食べているというような学生の調査の結果がありました。是非、一人暮らしになったらどう食べるかとか、自分の健康を自分で守るような応援を、今の大学生はちょっと未熟かもしれないので、学校も周りも協力して考えていく必要があるのではないかと思います。
○辻委員長 そうですね。例えばキャパス全面禁煙とか、私どもの大学は生協も頑張ってくれて、朝御飯を出してくれています。朝7時半からやってくれていますが、ちゃんと朝御飯を食べて学校に間に合うような時間、そういった環境調査がすごく必要ですね。
○池田委員 先生のおっしゃったことと関連しますが、実は先ほど喫煙のところでそれを申し上げようと思ったのですが、大学に入ってみんなたばこを吸い始めます。そこを防ぐような対策も重要なので、こちらに書き込んでいただくことも大事だし、あえて先ほど喫煙の項目では、成人の喫煙率の低下のところに、「喫煙をやめたい人がやめる」というのがわざわざ括弧書きで書いてあって、これは大事だとは思いますが、吸い始めないような対策も大事です。括弧書きをどうしても入れる必要があるのでなければ、「喫煙をやめたい人がやめる」を外しておいていただくと、吸い始めることに対する対策もやりやすくなるので、是非お願いしたいと思います。
○辻委員長 ありがとうございました。
 中村先生。
○中村委員 大学生、特に新入生に対しての対策というのも非常に重要ですけれども、一方で、就職して親元を離れて生活習慣が乱れるというのもあるので、新入社員に対しての取り組みというのも並列で書いておいた方がバランスがとれるかなと思います。
 それから御指摘のあった、成人の喫煙率の低下の「喫煙をやめたい人がやめる」、これについては、未成年者の喫煙防止については2の方でカバーしていまして、こちらの方はあくまで、当面の喫煙による健康被害をできるだけ短期間に減少するために、既に喫煙を開始した成人についての喫煙率を下げる、そういう趣旨になっています。
○池田委員 先ほどの先生の説明は大変よくわかりますが、数字への影響は、吸っている人をやめさせる方が数字としてのインパクトも大きいかもしれませんが、今から吸い始める人への対策。例えば私は薬学部で6年間、学生を教えていますが、その間にたばこの害についてよく啓蒙して、それでも吸いたい人は勿論吸ってもいいのですが、入り口のところの対策について、これは排除しているような形になっているので、最終的な指標は成人の喫煙率で数字を測るわけですが、今、吸っている人をやめさせるということをわざわざここに追加的に、限定的に書く必要は必ずしもないのではないかという気がしました。
○中村委員 たばこ対策の3本柱がありまして、喫煙防止と受動喫煙の防止と、既に吸ってしまった人に対する禁煙、この3つがコアの要素で、そのための効果のある具体的な対策が条約で示されているわけです。今回の目標設定においても、そういう考え方に基づいて禁煙と喫煙防止と受動喫煙の防止が入っていまして、先生に御指摘いただいたのは喫煙防止のことですけれども、それは2番でカバーしているという考え方です。
 更に言えば、具体的にどんな取り組みをしていったらいいのかという、前々回ぐらいから私も含めて発言のあるアクションプランの提示が重要です。これについては、今回、報告書の中には詳しくは書き込めないようなタイムスケジュールですが、実際、国の目標を都道府県とか市町村とか職域とかに示して、それぞれの計画を立てていただくときに、計画を一生懸命立てるというよりは、むしろ、今後どんなアクションをできるのかということを考えてもらって、そこにエネルギーを注いでいただくことが実効性を高めることになります。そのためには効果的なアクションプランを示すことが大切ですが、アクションプランについてはどんな取り扱いに最終的になるのか、イメージを持っておきたいと思うのですけれども、それについて何かコメントというか、考え方をお示しいただけるでしょうか。
○野田生活習慣病対策室長 まず、喫煙のところの括弧書きですが、18ページ、4の方の括弧書きが、括弧閉じの部分がありませんけれども、1と4については、2つとも非常に重要な指標でございます。新しい観点から数値として盛り込まれているということで、趣旨を明確にするためにあえて括弧書きで記述しているところでございまして、これは算出過程にも関係するというようなことで、そういった意味からも明確化するために書いているものでございます。
 今、御発言があった点につきましては、今後どのように対策をしていくかということで、禁煙支援なり、教育啓発なり、健診等の場における禁煙指導なり、そういったもので対策を講じていくわけでございますけれども、方針でございますので、どこまで詳細に書き込むかといった点については、この程度ということでございまして、取り組むべき施策の基本的な考え方等については、先ほど御説明いたしましたように、今回、盛り込んでいるところでございます。
 中村委員が言われたアクションプランにつきましては、地方のものまで含めて全網羅的にアクションプランといった形は、若干困難があるのではないかと考えています。ただ、都道府県計画をそれぞれつくるわけでございますから、どういった点が重要であるかといったことを、作業中でやっていただいております報告の方にこれからきちっと書き込んでいただくとともに、国の方では、方針に取り組むべき施策の基本的な部分を書いていますけれども、どういった形で施策を考えていくのかといったことは、別途、主要事業なり予算事業の場で御説明をするといったような表現ぶりになってくると思います。
 10年先までのものでございますから、予算をどれだけ投入して、どのように実施をしていくかといったことで、Implementation Plan(実施計画)みたいなものは、最初の時点では、前提がかなり多数に項目がわたりますから、困難だと思います。主要な考え方につきましては、ある程度盛り込める部分は盛り込んでいきたいとは思っています。ただ、先生がイメージされているようなアクションプランとは、若干、私が申し上げているのは違うものかもしれません。
○中村委員 確認です。先週末の締切りで依頼のありました分野ごとの報告書の分担執筆ですが、その最後のところに、アクションプランの要約みたいなものを書く項目がありますけれども、それぞれの委員がそこに書き込みをするというイメージで、とりあえず考えたらいいでしょうか。それとは別に、都道府県向けとかのような、細かなアクションプランを全部つくることは難しいと思いますけれども、別途、何かアクションプラン的なものを示すようなことを考えておられるのか、その辺りを知りたかったのです。
○野田生活習慣病対策室長 現行では、今、おっしゃられたとおりであります。いろんな形で御意見をいただいておりまして、今後、整理が必要だと思いますけれども、そういった想定できる事業の内容等について、もともと専門委員会の基本的な文章をつくっていただくときにも書いてはいただいておりますけれども、そのエッセンスのようなことについては触れていただくということだと思っております。
○津下委員 自治体の方からの意見にもありますけれども、県や市町村の方々が利用できる指標の明示というのは、非常に大事なことではないかと思います。
 もう一つは、特定健診のデータも国保のデータは市町村国保にはありますけれども、企業健保のデータはないということで、保健者協議会で十分議論してデータを統合できた自治体はやれますけれども、なかなかそういう自治体ばかりではない。そうなると、国のレベルで、ナショナルデータベースから自治体ごとに割り戻して数値を出していただくことが可能であれば自治体の指標として役立つのではないでしょうか。今回、健康格差が目玉とはいえ、最初の健康寿命のところしか健康格差の話が出てこなくて、それぞれが自分の自治体がどうなっているのか、運動習慣者がどうなのか、糖尿病が多いのか少ないのかということについて、一つの自治体では判断ができないということがあります。
 特定健診のデータで、例えば生活習慣の問診23項目、必須ではないにしても、かなりのデータ数があります。あの項目をできるだけ必須にして客体数を多くして、こういうことに使うということが可能になれば、市町村は、目標値を立てるところではなくて、アクションにエネルギーを割けると思います。国として、どこまでデータを市町村別や県別に出すことが可能なのかというのを確認させていただければと思います。
○野田生活習慣病対策室長 国のデータの特定健診につきましては、御要望がございますし、実際になかなか使いにくいということを聞いております。一方で、他局の所管する事項でございますので、これは健康づくりの観点からどこまで実現が可能なのかどうか、調整をして検討していきたいと考えます。
 その他の一般的な調査等につきましては、国が基本的には都道府県計画の方は義務になっておりますので、そこまでは自治体が言っておられますようなことを踏まえて、基本的に対応しなければいけない。調査によってはなかなか難しいものもあろうかと思います。市町村レベルになりますと、各都道府県でどこまでやるのかといったことを、地域の実情を踏まえながらやっていただくべきものと考えております。
○津下委員 そうしますと、県レベルのさまざまな指標については国が出されて、どこの県がどういう疾患が多いとか、どういう生活習慣者が多いというようなことが公表されるけれども、市町村については県の方で別途調査するなりして、指標を整理していくというような考え方でよろしいですか。
○野田生活習慣病対策室長 可能な限りということでございまして、今回も栄養調査を都道府県別に分析する際に、5年間分、生活習慣を寄せてさまざまな因子の分析をしたということをやっています。調査客体をどれだけ増やせばどこのレベルまで表章できるのかという数字上の意味合いもございますので、可能な限りそういったことでやっていかなければいけないと。市町村、都道府県の御意見がある限りやっていかなければいけないと思いますけれども、全部ということで、前提ということでは必ずしもございません。できる限り、そういった形でのデータの整理をしていかなければいけないとは感じております。
○新開委員 ちょっと教えてほしいのですが、以前、各都道府県が栄養調査のようなものを独自にやっておりましたね。あれは、任意に行われていたということなのでしょうか。
○河野栄養・食育指導官 現在も含めて、継続的に、一定の周期を持って、県の健康・栄養調査が行われているのは、任意で行われているものです。今ご意見をいただきました都道府県間、市町村間の格差を、国、都道府県、市町村のレベルでどこでどう把握するかということについては、実際にどこまでできるかはこれからになりますが、素案の記述としましては、国レベルでは、2ページから続きまして3ページの上から4行目になりますが、「都道府県における健康状態や生活習慣の状況の差の把握に努めるものとする」。すなわち、国では、都道府県間の格差、そこに疾患の状態まで含められるかは検討が必要ですが、健康状態や生活習慣の状況の差の把握に努めることとされています。
 更に、市町村間の格差につきましては、6ページになりますが、「第三 都道府県健康増進計画」の一のところの、下から8行目辺りになりますが、「市町村における健康状態や生活習慣の状況の差の把握に努めるものとする」ということで、都道府県では市町村間の格差の把握に努める記述になっております。ただ、これらについては、パブリックコメント等で、自治体の御意見も聞きながらという形になるかと思います。
○津下委員 それと同時に、非常に重要なことが一の「健康増進計画の目標設定と評価」のところですけれども、「地方公共団体は、人口動態、医療・介護に関する統計、特定健診データ等の地域住民の健康に関する各種指標を活用しつつ」と。ここは非常に重要で、部局横断的に、死亡のデータ、介護のデータ、医療費のデータを持ち寄って、どういうふうに健康づくりを進めていかなければいけないのかというのを、是非、自治体でデータの活用をしていだたきたいと思います。「健康日本21」は、アンケート調査をするのが21というふうに前の計画では何となく思われて、調査をしないと21が進まないというふうに思われていたかもしれませんけれども、既存のデータでかなりやれるものがありますので、ここを自治体には強く発信していただくといいのかなと思います。
○辻委員長 ありがとうございます。全くそのとおりですね。全体の反省としては、データをとるのに一生懸命時間がかかり過ぎてという問題がありましたので、既存のデータを使って定期的に、それほどエネルギーやお金を使わなくてもモニタリングできるようなスキームをつくっていきましょうと。そこには2つあると思いますが、一つは、先ほど津下委員がおっしゃったように、特定健診のデータを使えるようになると非常にいいというところがあります。そこのところは国としても御対応をいただきたいと思います。
 もう一つは、都道府県がそういった仕事をどれくらいできるのかというと、データを分析したり、持っているデータを比較して各市町村に伝えていったり、そういうデータの分析能力は都道府県の間でも格差があると思います。その辺も、いろいろな形で我々を含めてバックアップできるようなこともしたいと思います。その節はよろしくお願いいたします。
 ほかに、どなたか。
○羽鳥委員 資料2になりますけれども、その他で、COPDだけでなくて、「CKDも生活習慣の関連が深く」とあります。特定健診におきまして、検尿を入れる代わりにクレアチニンが必須項目から外されてしまったのですが、各自治体、健保では、追加項目としてやっています。日本医師会の調査でも、かなりの市町村では追加検査項目でやっていることがあるので、CKDについてもテーマとして取り上げていただきたい。厚労省はデータを持っていると思うので、それについても検討してほしいと思います。これは全体の流れとしては少し違いますけれども、大事なことではないかと思います。要するに特定健診で外されてはいたのですが、多くのところでクレアチニンの数字を追加検査しているので、CKDの予後調査結果も出てくるはずです。健康日本21の観点からはCKDは、重要な視点ではないでしょうか?
○野田生活習慣病対策室長 CKDにつきましては、現在、健診保健指導に関する検討会をやっております。これは健康局の方です。保健局は保健者によるものをやっておりますけれども、健康局の方では健診項目の是非も含めて検討しておりまして、クレアチニンにつきましては1回議論をされておりまして、検討会の方では必要性について共有をされているところでございます。ただ、検討の中間的なとりまとめが今月末に予定をされている段階でございます。
 クレアチニンの導入の意味につきましては、CKDという観点と、心血管疾患の将来の発生の予防という観点と両方ございます。純粋に腎臓病対策といった観点のみで検討されているということではございませんので、そうした意味から、今回、プランの検討過程においては、そういった点、十分に議論されてきておりませんので、現段階で、すぐにCKDを疾患目標とすることは考えておりません。ただ、今後の課題ではあろうかと思います。
○羽鳥委員 わかりますが、特定健診導入のときに、尿検査をとるか、クレアチニンをとるかということで、天秤にかけられてクレアチニンが落とされたという経緯がありますので、腎機能のフォローは大事なことだと思うので御検討をお願いしたいということです。
○野田生活習慣病対策室長 ですから、標準的な特定健診のプログラムがございまして、それを昨年の12月から健康局で見直しをしておりまして、クレアチニンにつきまして、平成20年度の導入の際に項目として落ちていることをどのように考えるかということで検討されて、まだその結論が出ておりませんが、検討会の方では、やはりこれは重要な項目ではないかということで、構成員によって共有されているところでございます。
○辻委員長 あと10分になりましたので、あと一人か、二人。
○吉水委員 9ページの「第六 食生活、運動、休養、飲酒、喫煙、歯の健康の保持その他の生活習慣に関する正しい知識の普及に関する事項」という辺りですが、正しい知識の普及ですとか、情報提供という言葉が前に出ていて少し気になるのですけれども、奇しくも1行目に、最終的には、国民一人ひとりの意識の行動の変容ということが書いてあります。この部分、実際に正しいということは前提となりますけれども、情報提供するだけではなく、行動喚起を促進するような意識変革ですとか、モチベーション喚起といったことが情報にも必要ではないかと考えておりまして、もう少しそのニュアンスを、この段落がいいのか、ほかがいいのかわかりませんけれども、盛り込んでいただくことは必要ではないでしょうか。
○山縣委員 目標設定、そのほかのところに学校保健担当者という言葉が出てきて、この連携はとても大切だと思います。先ほどから大学生の話とか出ていますが、例えば大学の場合に、全国保健管理協会だとか、国立大学法人保健管理施設協議会のようなところがあって、そういうところからちゃんと情報が得られながら、こういう目標値なりを設定できたり、各自治体でも、子どもたちの目標値を設定するときに、学校との連携がうまくできるような形で文部科学省等々の連携をもっと強めていただきたい。学校保健の情報をとるときにちょっとハードルが高かったりするので、その辺りのところを是非お願いしたいと思います。
○辻委員長 ありがとうございました。
 大体時間ですが、どうしてもという方が、もしいらっしゃったら。
 よろしいですか。それでは、まとめさせていただきますけれども、今、多くの御意見をいただきましたので、まだ調整しなければいけないところがたくさんあるような感じがします。これにつきまして、事務局の方で本日の意見を踏まえまして、その辺の内容について修正をお願いしたいと思います。その際は、各委員の方々とも緊密に連携をとっていただきたいと思います。それにつきましては、次回の専門委員会で確定ということを目指したいと思います。どうぞよろしくお願いします。
 もう一つ、先般、事務局から皆様にお知らせしておりますけれども、先の厚生科学審議会の地域保健健康増進栄養部会における永井部会長の御発言がありまして、次期の国民健康づくり運動プランを一層推進していくために、個別目標のより詳細な必要性ですとか、設定の考えを整理した目標を、報告書を別途作成して、本委員会と健康増進栄養部会でとりまとめることとしたということで、先生方から先週、先々週辺りにお願いしているところです。これにつきまして、先ほど中村委員と事務局とのやりとりがありましたように、そういった中で、解説的な要素ですとか、アクションプランといいますか、具体的にどういった対策行動があり得るのかということを含めて、市町村を始め、いろんな関係向けに出すことになる非常に重要な文章になりますので、よろしくお願いします。
 既に報告書を御執筆いただいた先生はいらっしゃいます。どうもありがとうございました。ただ、今日の御議論を踏まえまして、修正したいということも出てきていると思いますので、改めて出し直していただければ大丈夫だと思いますし、その報告書につきましても、次回の専門委員会で総論と併せて確定させまして、部会に報告するというふうにしたいと思います。事務局におかれましても、素案、そして報告書につきまして、引き続き委員の先生方と御調整いただきますように、どうぞよろしくお願いいたします。
 その他、何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 ないようでしたら、次回の日程につきまして、事務局から説明をお願いしたいと思います。
○菊地室長補佐 次回の専門委員会ですけれども、4月13日(金曜日)14時~17時までを予定しております。場所につきましては、追って御連絡いたしますので、よろしくお願いします。
 更に、本日、机上にお配りしております赤いファイルと、目標に関する補足資料につきましては、机上に置いてお帰りいただきますよう、よろしくお願いします。
○辻委員長 それでは、本日はこれで閉会といたします。どうもありがとうございました。



(了)

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