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2012年3月29日 第2回医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に関する検討部会

医政局総務課医療安全推進室

○日時

平成24年3月29日(木)


○場所

厚生労働省 専用第15・16会議室


○出席者

会議メンバー(五十音順)

有賀徹 (昭和大学病院病院長)
鮎澤純子 (九州大学大学院医学研究院准教授)
飯田修平 (練馬総合病院病院長)
加藤良夫 (栄法律事務所弁護士)
里見進 (東北大学病院病院長)
高杉敬久 (日本医師会常任理事)
豊田郁子 (新葛飾病院セーフティーマネージャー)
中澤堅次 (秋田労災病院第二内科部長)
樋口範雄 (東京大学大学院法学政治学研究科教授)
本田麻由美 (読売新聞社会保障部記者)
松月みどり (日本看護協会常任理事)
山口育子 (NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長)
山口徹 (虎の門病院病院長)
山本和彦 (一橋大学大学院法学研究科教授)

参考人

伊藤伸一 (社団法人日本医療法人協会副会長)
木村壯介 (社団法人日本病院会常任理事)

オブザーバー

警察庁
法務省
文部科学省
消費者庁
一般社団法人日本医療安全調査機構

厚生労働省

大谷泰夫 (医政局長)
池永敏康 (医政局総務課長)
木村博承 (大臣官房総務課参事官(医療安全担当))
宮本哲也 (医政局総務課医療安全推進室長)
田原克志 (医政局医事課長)

○議題

(1)ヒアリング
(2)その他

○配布資料

資料1第1回医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に関する検討部会議事録
資料2−1医療事故調査制度の創設に向けた基本的提言について(社団法人日本医師会提出資料)
資料2−2日本医師会「医療事故調査に関する検討委員会」答申に関するアンケート調査集計結果(社団法人日本医師会提出資料)
資料3医療提供関連死等の自立的な原因分析と患者理解促進に向けた日本医療法人協会の提案(社団法人日本医療法人協会提出資料)
資料4−1診療行為に関わる死亡・事故の原因究明制度のあるべき姿を考える(社団法人日本病院会提出資料)
資料4−2診療行為に関わる死亡・事故の原因究明制度の在り方について【中間報告】(社団法人日本病院会提出資料)
資料5社団法人全日本病院協会「医療事故調査委員会・懲罰委員会に関する提言」(案)等について(社団法人全日本病院協会提出資料)
資料6全国医学部長病院長会議の考え方(全国医学部長病院長会議提出資料)
参考資料1構成員の医療事故に係る調査の目的等に関する御意見
参考資料2医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に関する検討部会開催要綱

○議事

○医療安全推進室長
 定刻になりましたので、ただいまから、第2回「医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に関する検討部会」を開催いたします。
 本日は、御多用の中、当検討部会に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。本日の出席ですが、岩井構成員及び宮澤構成員より御欠席との御連絡をいただいております。
また、本日は、参考人といたしまして、社団法人医療法人協会から伊藤副会長、社団法人日本病院会から木村常任理事に御出席いただいております。
藤田政務官でございますが、本日は国会対応のため欠席となっております。
それでは、以降の進行につきまして、山本座長にお願いいたします。よろしくお願いいたします。

○山本座長
 おはようございます。本日もお集まりをいただきまして、ありがとうございます。
 まず、お手元の資料の確認を事務局の方からお願いいたします。

○医療安全推進室長
 座席表及び議事次第。
 配付資料といたしまして、資料1、前回第1回の検討部会会議の議事録。
 資料2といたしまして、日本医師会より提出いただきました資料2−1「医療事故調査制度の創設に向けた基本的提言について」。
資料2−2「『医療事故調査に関する検討委員会』答申に関するアンケート調査集計結果」。
 資料3としまして、医療法人協会より提出いただきました「医療提供関連死等の自立的な原因分析と患者理解促進に向けた日本医療法人協会の提案」。
 資料4といたしまして、日本病院会より提出いただきました、資料4−1「診療行為に関わる死亡・事故の原因究明制度のあるべき姿を考える」。
資料4−2「診療行為に関わる死亡・事故の原因究明制度の在り方について【中間報告】」。
 資料5といたしまして、全日本病院協会より提出いただきたきました「社団法人全日本病院協会『医療事故調査委員会・懲罰委員会に関する提言』(案)等について」。
 資料6といたしまして、全国医学部長病院長会議より提出いただきました「全国医学部長病院長会議の考え方」。
 以上でございます。
また、参考資料といたしまして、参考資料1「構成員の医療事故に係る調査の目的等に関する御意見」。
参考資料2「医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に関する検討部会開催要綱」。
以上でございます。御確認お願いいたします。
また、資料1でございますが、前回の議事録となっておりまして、既に構成員の皆様には内容を御確認いただきまして、厚生労働省のホームページに掲載しているものでございますが、何か不都合がございましたら、お申しつけください。
 以上です。

○山本座長
 ありがとうございました。
 資料については、よろしゅうございましょうか。
 前回の議事録につきまして、もし何かありましたら、会議終了後事務局にお申し出をいただければと思います。
 それでは、議事に入りたいと思います。本日の主な議題はヒアリングということでございまして、5つの団体の代表の方から、それぞれおおむね15分程度の時間でお話を伺うということになっております。進め方といたしましては、まずは5つの団体それぞれから御意見をいただいて、その後で最後にまとめて御質問あるいは意見交換のお時間をとらせていただくという形で進めさせていただいてよろしゅうございますか。
 前回、事務局から御説明がありました医療安全調査委員会設置法案(仮称)大綱案、あるいは民主党が公表した、いわゆる医療の納得・安全促進法案というものがございますので、今日の各団体の御説明との違いなども御考慮いただきながら、御説明をお聞きいただければと思います。
 まず、第1の御報告ということで、資料2−1及び資料2−2に基づきまして、日本医師会の高杉常任理事から御説明をお願いしたいと思います。

○高杉構成員
 皆さんおはようございます。日本医師会の高杉でございます。
 資料2−1「医療事故調査制度の創設に向けた基本的提言について」でございます。政権交代で大綱案が立ち消えになった後、各界でいろいろ議論された医療事故調査に関する検討は、このままたなざらしにしてはいけないということで、執行部が変わってから改めてもう一度練り直しました。その提言集がこの資料2−1であります。
1.基本的考え方
2.全ての医療機関に院内医療事故調査委員会を設置する
3.医療界、医学界が一体的に組織・運営する「第三者的機関」による医療事故調査を行う
4.医師法21条の改正を行う
5.ADRの活用を推進する
6.患者救済制度を創設する
こういうことを柱に提案をしております。
 院内事故調査の委員会は改めて言うまでもなく、とにかくきちんと、今まで医療界がきちんとやっていなかったという批判への答え、真摯に素早く迅速に行動するということで、診療所といえどもすべての医療機関に医療安全事故調査委員会を設置するとうたっています。例えば無床診療所になりますと、とても不可能だということもありますけれども、地域の医師会あるいは基幹病院、大学病院の応援を受けながらきちんと解明しようということであります。
 第1段階の、日ごろからの医療安全の取組みもそうですけれども、何かあったときにはきちんと解決していくという、日ごろの取組みが物を言うのだろうし、起こったときには院内事故調査委員会を素早くその医療機関の規模に応じて設置して、疑問、不審に答えていくということが一番大切だろうと思っております。これをきちんとやらないと、予防にもつながらないし、患者さんたちの疑問にも答えられないということを強く訴えております。
医療は今、多くの人が関与してチーム医療で提供されております。チーム医療のシステムエラーに生じるものもきちんと解明していこうということであります。この段階を、場合によってはファーストステージあるいはセカンドステージ、更にアドバンスドステージもあるでしょう。大きな病院の場合には、ほとんどそこで解決する場合もありますけれども、中小病院の場合にどのように組み込んでいくかということが大きな課題となっていると思います。
そして、モデル事業が必ずしも効率的ではありませんでしたけれども、医療界を挙げてきちんとやっていたモデル事業のグレードアップといいますか、ステップアップといいますか、効率的にもっとやっていかなければいけないし、いわゆる疑問に答えられない、更に解明の必要な場合は第三者的機関に委ねて、第三者機関による医療事故調査を行い、結果を出していくということをうたっております。勿論、これには十分でない院内の病理解剖あるいはAi制度も含めて疑問を解明していくということであります。
更に、医師法21条、24時間に以内に異状死は届けるということでありますが、医療関連死に関して、果たして異状死であろうか、我々医療機関がきちんと調べることによって答えられる。それには24時間の制約はなかなか難しい。あるいは法医学会のガイドラインで出ました拡大解釈というのは果たしていかがなものか、その辺も含めて医療関連死は別枠で考えるべきだということをうたっております。
更に、ADRの活用を推進すると13ページに書いてあります。刑事罰に問うことが医療提供者、医療を受ける患者さん方に対して果たしていい解決なのか、もっと現代的な解決の方法はないものか思います。
日本医師会では医師賠償責任保険がありますけれども、これが果たして患者さんに敷居の低いものか、受けやすいものかというと、必ずしもそうではない。そういう意味では、茨城県の医師会が取り組んでいる、あるいは各県で取り組んでいるADRも視野に入れて、要するに話し合いで解決できることはできるだけそうしよう、疑問があることは双方が持ち寄ってその疑問に答えていく、あるいは当事者同士ではいがみ合うところを第三者の人に入ってもらって解決していくというやり方をうたっております。
そして、これは財源が問題でありますけれども、できれば患者救済制度をつくりたい、どの程度やるか、どうするかという課題は残りますけれども、患者救済制度があればもっと患者さんを救済できる。過失のない場合の医療事故というのはしばしばございます。それを救済することを考えなければ、大人の国とは言えないと思います。
以上、提言を述べましたけれども、これについて医療界各界を挙げてどのような考え方であるかということをアンケート調査しました。それが資料2−2であります。全国の地区医師会と各医学会にもそのアンケートを、これは医療機関のものをまとめたものでありますが、院内事故調査委員会の設置について、賛成あるいは下記の点を改良する必要がある、これを含めればほとんどが賛成でありますが、中には調査をどのように客観性を持たせるか、小規模医療機関、無床診療所ではとても無理ではないか、どのように支援していくか、いろいろな意見がありますけれども、総じて前向きな検討のお答えが多かったように思います。
第三者機関の設置については、改良すべき点が訴えられておりますけれども、是非やってくれという意見が強い。ただ、調査結果の報告書の取扱いについて、これが証拠にされるようでは困ると、それをどのように持っていくかということが疑問点として多く挙がっております。ですが、医療界が自律的に医療安全、第三者機関での回答を出せるというシステムをつくることが非常に大切だということでは意見が一致していると思います。
医師法21条の改正については、最高裁の判例は出ましたけれども、21条をきっかけにして捜査が始まるということもございます。刑事罰で解決する手段というのが果たしていいのか、どちらにしても決していいことではないということの意見が大多数でありますし、捜査で警察が介入する、あるいは刑事罰に問われるということが、今、非常に医療荒廃あるいはリスクの多い分野の医師の撤退、萎縮医療につながっております。この仕組みを何とかしない限りは医療の未来はないということで、何とか拡大解釈を直せ、法改正ができればしてくれという意見がございます。過去のいきさつの中で、医療界はここ20年随分変わってきました。過去の不幸な出来事は反省しながら、前に進めるものとしてつくり上げていかなければいけないと思っております。
ADRの活用について、民事事件が増えるのではないか、私はむしろ刑事事件よりも民事できちんと解決すべきだろうと思います。私自身は特定調停の経験もございますが、第三者が入ることによって、感情的なもつれは随分冷静に考えられる、そうだったのかということもしばしばございます。医療の不確実性の中で、不確実性を理解してもらっていく中で初めて解決が生まれるだろう。できた結果をどのように解決していくかというのは、医療が進歩した中で大昔の法律で云々ではない進化の仕方があるのだろう。その解決の仕方が、1つはADRであるのかもしれないと思います。
5番の患者救済制度の創設についてですが、これも大多数賛成であります。問題は財源だろうということであります。今回出た受診時定額負担100円、まさにこういう集め方で基金をつくるのがいいのかと、個人的な意見でございますが、何かそういう具体的なことで医療の安心・安全の仕組みを構築していき、なおかつ救済制度もやっていけば、新しい形の、混乱した医療がどこか突破口が開けるのだろう。医療界一丸となってこれまでの反省をしながら新しい仕組みをつくっていきたいと思っております。
以上、簡単ですが、日本医師会の提案とアンケートの結果を御紹介いたしました。ありがとうございました。

○山本座長
 高杉構成員、ありがとうございました。
 引き続きまして、資料3に基づいて、日本医療法人協会の伊藤副会長より御説明をお願いいたします。

○伊藤参考人
 それでは「医療提供関連死等の自立的な原因分析と患者理解促進に向けた日本医療法人協会提案」について御説明をさせていただきます。
 私ども日本医療法人協会は、医療提供関連死等の自律的な原因の分析と患者の理解促進に向けた基本的な理念といいますものは、当事者主義であるのではないかと考えておるわけでございます。特に、医療というものを一連の行為と考えましたときに、予期せぬ結果となった場合も、そこに至った原因をまず解明し、患者または遺族に理解をされて初めてその時点で医療が完結すると考えているところでございます。一連の医療行為を完結するには、自らがきちっとやっていくような体制づくりが基本であるということと、医療の自律、自浄作用を促進する仕組みの構築が求められている、必要であると考えているところであります。
 したがいまして、私どもが提案いたします案では、医療事故が発生した際には、遺族への説明及び理解の促進のために、直ちに院内事故調査委員会が記録を確保し、自律的に原因を調査分析することといたしました。
 お手元の資料の1ページを見ていただきまして「2 医療機関の対応」とございます。この中に医療機関として対応すべきことが4点書いてございます。
1番目に、医療提供関連死等の可能性がある場合、患者の家族からの請求があったときには、医療従事者の同意の下で院内に事故調査委員会を設置するように努める。これは診療所等では、中小病院も含めて単独で院内事故調査委員会を設けることは困難な場合がございますので、中小病院だとか診療所では、共同で設置することも考えておるわけでございます。
2番目に、遺族の了承を得た上で解剖や死亡時の画像診断を行い、できる限り死因の分析に努めるということでございます。
3番目にございますのは、医療対話仲介者、これは注でございますけれども、医療対話仲介者を配置し、患者や家族の理解促進と医療機関との対話の仲介に努める、相互理解を深めるために、医療対話仲介者を設置するということでございます。
4番目に、遺族に必要であれば解剖できること、あるいは院内での調査・説明に納得ができない場合に、医療法人協会とございますが、第三者機関とお考えいただきたいわけでございますけれども、調査検証チームへの依頼あるいは紛争解決機関への紹介をしてもらえることを告げなければならない。
この4点を医療機関の対応として、私どもは挙げているところでございます。
「3 院内事故調査委員会の調査・報告」でございます。これは、3点ございます。
 1番目に、院内の事故調査委員会は、死因、死亡等に至る臨床経過、診療行為の内容や背景、要因等について事実関係を調査報告書ににとりまとめ、医療機関はその報告書の結果報告部分に基づいて患者の遺族へ説明・報告をするということでございます。
 2番目には、院内事故調査委員会の調査中に、調査の経過について患者・家族から説明を求められた場合、医療機関は適切に応じるべく努める。
 3番目でございますが、院内事故調査委員会が調査に関して患者・家族や医療従事者から意見を受けた場合は、できるだけ尊重するべく努めるということでございます。
 患者または遺族は、院内事故調査委員会の説明に納得がいかないという場合もございます。そういうケースでは、日本医療法人協会あるいは各都道府県医療法人協会等の、これを第三者の委員会と受け、そこで依頼を受けて第三者機関として院内事故調の報告書の検証を行うということにしております。当事者以外の医療機関は公平性、透明性から見て第三者の医療専門家であるという認識に基づいておるわけであります。
 お手元の資料の4番をごらんください。医療法人協会と書いてございますが、これは医療法人協会並びに医師会等の医療団体を含んでおることでございますが、医療事故に関する科学的原因分析委員会、これは仮称でございますが、これを設置して、届出先を都道府県医療法人協会あるいはその医療団体とするということでございます。
 ○1でございます。患者の遺族が院内事故調査委員会の報告に納得ができない場合等に、都道府県医療法人協会、先ほど申し上げました原因分析委員会へ届け出て、調査報告書の検証を依頼することができるとございます。原因分析委員会が選任した調査員によりまして結成された調査検証チームが、院内の事故調査委員会が作成した報告書の検証を行うということと、検証結果を患者の遺族及び医療機関に説明・報告するということでございます。調査検証チームは、検証の経過について遺族から説明を求められた場合にはそれに応じて、意見を受けた場合はできる限り尊重するべく努力するということでございます。
 2番目にございますのが、患者の遺族または医療機関は都道府県医療法人協会、先ほど申し上げました原因分析委員会へ届け出て、第三者ADR機関の紹介を依頼することができるというものでございます。
 医療は患者と医療者が一体となって行う共同作業であるということは言うまでもないことでございますけれども、そのためにはお互いの信頼関係の存在が前提条件になっております。患者あるいは遺族が納得するまでの一連を医療行為とするならば、医療事故に対して院内事故調を主体とした医療機関自身が主役で、調査分析を行い、遺族が理解・納得できるシステムを構築することで、両者の信頼関係が確固たるものになると考えております。
 医療事故調査委員会は、事実関係を明白にして、患者・遺族との信頼関係を確立していく支援の手段でございます。自らの調査によって事故にいたった原因を明確にして医療安全につなげることで、医療機関の成長を促進し、医療に対する信頼性を向上させることが医療と国民との良好な関係を構築することになるわけでございます。
 ただ、その過程には課題がございます。「○喫緊の課題」としてここに書いてございますが、医師法第21条でございます。規定の〔死体等に異状がある場合の警察への届出義務〕は、医療法の改正により削除すべきではないかと考えております。
 中・長期の課題といたしまして、医療者による自律的処罰制度の進捗状況等を勘案し、刑法における故意罪と過失罪の在り方、業務上過失致死傷罪ということについて、諸外国の法制度などを参考に検討し、必要があれば見直さなければいけないのではないかと考えております。
 1番といたしまして、刑事法規の改正でございます。死因分析システムの創設後は、次の刑事法規の改正を検討すべきであるということで、医療事故調が終了しない間の警察の捜査権の制限、次のページにございますように、医療事故に特化した犯罪類型の創設ということが望まれるわけであります。
 2番目といたしまして、死因分析システムの創設と同時に、ADRあるいは無過失補償制度も創設すべきであるということは、医療の不確実性は明らかに存在しておりますし、過失がなくても有害事象が発生するという事実に基づいているわけであります。無過失補償制度は、できれば民事訴訟制限とセットにしていただくことが望ましいと考えております。
 医療事故の場合は、今、申し上げましたように、故意犯ではなく、あくまで過失であるということから、固有のシステムエラーに対する調査分析が主体でございまして、医療の専門家自らが公正な視点で行うべきであると考えております。医療事故は、医療界全体の意図的なモラルハザードによって起きているわけではないことから、医療以外の第三者による独立した事故調は医療事故にはそぐわないという考えでございます。
 これまでの医療事故では、事実の隠ぺいや医療者同士のかばい合いという事例が存在したことは否定をいたしません。しかし、それが医療に対する不信を植えつけて、すべての医療に疑いを持って受診をするような風潮といいますのは、患者と医療者にとって最も不幸な状況であると言えます。このたびの医療提供関連死の原因究明の議論に当たり、患者と医療者の相互理解のために自律的な原因究明と再発防止の試みを導入することを、日本医療法人協会の提案の核といたしました。
 以上でございます。

○山本座長
 伊藤副会長、ありがとうございました。
 更に引き続きまして、資料4−1及び4−2、スライドを使っていただきまして、日本病院会の木村常任理事より御説明をお願いいたします。

○木村参考人
 発言の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。
 資料はスライドとお手元のパワーポイントのプリント版が4−1、私どもが出しました中間報告としての原因究明制度のあり方についてという資料が4−2になっております。とりあえず、パワーポイントの方の資料をごらんになりながら、ときどきスライドの方を見ていただければと思います。
 診療行為に係わる死亡、及び事故の原因究明制度のあるべき姿を考えるということで、今までのいろいろな団体、あるいは行政の方から出された資料を分析することから始めておりまして、それに加え、日本病院会が以前から考えている基本の上で究明制度というものを考えてみました。
 経過等が書いてある資料がありますので、ちょっと飛ばさせていただいて、医師法21条がどんなものであったか、ガイドラインがどうだったかということが出ておりますが、スライドの10のところに行っていただければと思います。
 「『医療事故』に関連する、状況の変化」ということですが、ここに年代順に起きたことをまとめてみました。以前からあった医師法21条に加えて、1994年に法医学会のガイドラインが出ました。この当時、和田心臓移植に始まった「脳死・移植」が話題になったところであります。
 これに続いて、1999年に医療事故が多発し「医療不信」といわれた時代です。法医学会ガイドラインに対しては外科学会、日本医学会声明、中立的な機関として医療機能評価機構、内科学会モデル事業等が始まっております。この辺は中立的な機関に判断を任せるべきだという意見が多く出た時期といってよいかと思います。
 2006年からは診療報酬等で「医療崩壊」といわれましたが、ちょうど大野事件があったころです。このころから厚労省の第二次試案、第三次試案、大綱案、民主党案というものが行政の側から立て続けに出てきているところであります。
 その二次試案を私どもとしてどう考えたかということですが、次のスライドの11ページのところです。「異状死」から「診療関連死」と言い方を変えて、法医学会の言う異状死から少しずつやわらかい言い方に変えているということ、また医療事故調査委員会が設定され、届出に関しても大臣への届出をすれば、その判断の上で警察に行くという形になっております。
 12ページは第三次試案で、これが一番穏やかな表現になっているかと判断しますが「医療関係者の責任追及を目的としない」ということ、3部からなる調査委員会を設定したこと。3.の委員会の届出で「医療機関が委員会へ届出した場合、『異状死』の届出不要」ということで、その判断は医療機関が判断するのだということが大きかったと思います。
 大綱案はそれを法律案として大綱化したものですので、ちょっと飛ばさせていただきます。
 14ページの『民主党案』(足立案)が出たのが2009年ですが、これは実際には上程されなかったわけですけれども、こういう動きからすると、個人への懲罰、厳罰という形で死亡診断書を連名で書くこと、それから、書けない場合には「非自然死体」として所轄警察へ届けることになっています。
 仲介者を設けることも、提示しています。
 こういう「非自然死体」の死因究明としては、所轄警察署が行う。警察庁に「非自然死体死因究明局」を置くということが書いてありまして、流れからすると大分元に戻ったという印象で私どもはとらえております。
 15ページの表は私の個人的な感覚でまとめたものですが、医師法21条というものが厳然として明治時代から継がれてきているわけですが、適応基準というものがあって、それによって随分変わってきていると思います。
 適応を表す橙色の線が左の方にずれているのは厳しい適応、右側は緩やかな適応と考えると、この左右の中は感覚的なものですけれども、それまで医師法解というところで言われていたように、医師の司法警察への協力ということで行ってきたようなことが、1994年に法医学会のガイドラインで、24時間以内に必ず届けなさいということが出たわけです。
 国立大学病院長会議、その後の厚生省の通達で法制化されたと言ってもいいかと思います。2004年には都立広尾病院の最高裁での届出義務違反ということで有罪が確定しております。
 それに対して、学術会議とか二次試案、三次試案、大綱案等で、そういう警察への届出は不要であるという形で、ただ、これは案ですので、点線で表しています、民主党案で逆に戻された形です。
 それから、この当時、2008年に、皆さん御存じの事件、女子医大、大野事件はすべて無罪になっております。
 それから、医療団体からの提案が出されています。法律の適応を決める因子というのは右上の枠に書いてありますが、学会のガイドライン、声明、厚労省の通達、裁判判例、社会情勢等で動くということで、法律そのものを変えるということは非常に難しいと思われますので、こういう適応基準をきちんと決めていただければと考えたところです。
 次の16ページです。これは東京都のデータですけれども、実際の「医療事故等の警察への届出数」及び「立件送致数」がグラフになっております。棒グラフの方が届出数で、赤いところが医療者側から届出、下のブルーが患者側からです。
 こうやって見ますと2004年がピークで、だんだん減ってきているということです。2010年には何と、東京都で立件送致数がたったの8件しかありません。
 つまり、法医学会のガイドライン等に沿って警察に届け出た症例、事例が、警察側では全く立件送致には至っていないということです。
 その次の17ページですが、昨年の夏、7月に日医総研シンポジウムで、先ほど無罪になった杏林大学割箸事件、女子医大、大野事件の当事者の方が出てきて、シンポジウムが行われました。ここで言われたことはコメントに書いてありますとおり、「刑事裁判は医療事故には適さない」ということです。「警察に届けたところで、警察は専門知識を持っていない」という意見です。
 医療側としては、鑑定を行う医師は該当する特殊な領域の、本当に狭い場合にはその専門知識、経験が必要であるということです。このシンポジウムで、医療事故を刑事裁判で裁くことが限界であるということが浮き彫りになったということだと思います。
 問題点として私どもがまとめたのは、医療事故の特殊性といろいろ言われているところですが、基本的に不確定な複数の要素がある。それから、それが専門領域であればあるほど、その領域の医師でなければ判断が不可能であるということです。
 前にも言われたことですが、だれが判断するのかということに関しては、警察検事は第三者の医師の意見を求め、訴訟の場で弁護士は協力医の意見を求め、鑑定医の意見が裁判官の心証を左右するということは事実であると思われます。
 目指すところは何かということで、原因究明なのか、責任を糾明することなのか、その到達する先として、患者側の願いとしては現状復帰、謝罪反省、原因究明、再発防止、損害賠償ということが言われているわけです。
 次の日本医療機能評価機構で出されている医療事故に係わる患者影響度レベルを出してありますので、これは皆さん御存じだと思います。
 その次はスライドの方に移っていただいて、これは私どもの病院で起きた実際の事例を少し参考にさせていただきます。
 ヒャリ・ハットで起きたのですが、点滴ラインに気管支拡張剤をウォッシュアウトするときに誤って入れてしまった。これは広尾事件と全く同じことが起きました。看護師が3人交代の間際で忙しい最中に、伝達が不良で気管支拡張剤で置いてあったシリンジを使い、強い抗生物質が入った点滴ラインをウォッシュアウトしたということです。
 よかったことは、直ちにそれをそのまま患者に説明をし、謝罪をし、あらゆる努力をしたということです。起きたことは、気管支拡張剤ですので頻脈が少し起きて、120ぐらいの頻脈が30分ぐらい、徐々に安定して5時間後には全く落ち着いたということでした。
 これはどう考えるかということですけれども、下の赤いところに書いてありますとおり、都立広尾、消毒液の静注と酷似した状況であると、障害の程度としては問題ないけれども、今後の再発防止に資するということで報告をいたしました。
 こういう報告書をつくって、厚生省の記者クラブに投げ込みということをして、記事としてはほとんど取り上げられなかった。おそらく、起きたことが、30分ぐらい脈が速くなっただけだったということだからと思われます。
 お話ししたいことは、こういう診療行為に係わる死亡事故で検討すべきというファクターを並べてみますと、患者側には高齢者が多い、合併症のあるなし、救急の場で起きたこと、急性期、慢性期、医療側は高度急性期医療なのか小規模なのか地域なのか、設備の問題、医師、看護師、その他医療従事者、システムの問題といういろいろな条件の下で事故が起きるわけです。
 この表は上から下に向かって重く並べているつもりですが、加齢現象、自然経過とか、病気の後遺症とか、ヒューマンエラー、システムエラー等があり、最後には故意、犯罪というものが並んでいる。
 事故対応がどうであったか。
 この中で一番悪いのは、隠ぺいすることだと思います。
 結果としてヒヤリ・ハットから死亡の5まである。
 結果、どういう形で解決したか。これを見てみますと、私どもの経験でもヒューマンエラー、システムエラーがヒヤリ・ハットで終わっていたわけですけれども、広尾事件の場合には死亡で終わっているということで、この線を横につないでいくのはあらゆる可能性があるということだと思います。
 したがって、重篤な事故の原因だから、障害の程度が死亡であって、刑事・行政処分、民事等にいくという考えだけではいけない。あらゆる、ちょっとしたエラーもきちんと対応して、それを解析しなければいけない。そういう意味では、日本医療機能評価機構で行っているヒヤリ・ハットの登録なんかは非常に意味があると考えております。
 ここに対してスライドの方を見ていただきたいんですが、従来の、一番最初のころの警察に届け出て、警察が介入してこれをやるというのは責任追及であって、だれが犯人なのかという形で追求し、結果が出るとそれに対して罰を与えるという考えです。
 これに対して、中立的な第三者でこれをやったらどうかということが、その後続いた考え方ではないかと思います。
 刑事に係わるようなものは、当然別として扱わなければいけない。これに対して患者さんの願いを右側に5つ並べましたけれども、それに対しでどう考えたらいいかということです。
 特別なものは別として、院内ですぐに対応するという御意見が今日もありましたけれども、これに対して不満であれば、また次のステップにいく。それで不満であれば、また次のステップにいくという考えは、2009年に出ました日本救急医学会が、私なんかが理解したところではこういう形になっているということです。
 では、原因究明なのか、それとも解決をすることが目的なのかという辺りで、こういう考え方は少し私どもの考えとは違うところがあります。
 これは救急医学会で、不満・異議のある場合は次のステップ。更に不服であれば中央の不服審査機関にいくという考えだと思います。
 先ほども医師会のお話がありましたが、事故調査委員会を設けること、それから、日本医師法21条を改正すること、患者救済制度を設けることですが、内部処分等自立的体制の明示は非常に難しくて、医師会、あるいは、そのほかの団体もみんな任意加盟ですので、医師会から除名ということでも、現実には何の障害にもならない。医師会から除名されて立派に普通に開業を続けている先生も知っております。ですから、全員加盟の医師の団体というものをつくる。それと同じぐらい大変なことではないかと思っております。
 事故への協力ですが、これはWHO等でも、外国では盛んに言われていることで、免責の問題です。これに関連するのは医師だけではなくて看護師、医療従事者すべてを対象にしなければいけないのではないかと思いました。
 私どもの考えとしては、警察へ届けるべき事例は確かにあるし、残しておかなければいけない。ただ、それ以外は、むしろ医療者側が責任を持って原因を究明しなければいけないという、基本的な考えです。
 それに対して、これを判断して責任を追及、民事等でいろいろな解決をするということは、第三者に任せ、自分たちでそれをやることではないというふうに切り分けないといけないのではないかと思っています。それによって、患者側の願いである謝罪、反省、原因究明、再発防止という部分においては、医療側がきちんと責任を持ってやらなければいけない。
 それから、損害賠償の責任であるとか隠ぺいであるとか、そういうものは警察、第三者に任せたらどうかということです。
 これでまたプリントの方に戻っていただいていいんですが、私どものまとめですけれども、日本病院会としてこういう形の提言、中間報告をさせていただきました。
 まず、基本的な理念として「医療事故死等の原因を医学的に究明し、結果を教訓として、医療事故防止に努めることは医療者の社会的責務である」ということを理念にしないといけない。
 もう一つ、「原因究明と再発防止を本制度の趣旨として、司法の判断とか賠償の問題は別組織に委ねる」べきだということです。これらが混同するといろいろな問題が出てくるのではないかと考えています。
 原因究明に関する基本的な問題として、医療の本質とか限界があることは、この項目だけでおわかりいただけると思います。
 救命制度の所轄は、基本的には中立的な機関、例えば医療機能評価機構等に置いていただいて、そういう委員会を動かしていただければいいのではないか。
 問題は、こういう制度を維持する基金というのは、理念のところで医療者の社会的責務として原因を究明するということをうたっている以上、基本的に医療者側が、この原因究明の制度は維持すべきではないかということです。
 次の25ページですが、組織としては3つの組織です。これはほかの方もお話しになっていることと似ていますので簡単に言いますが、1)の「院内」は当該医療機関としての詳細な報告書を作成することも、時系列で非常に細かいことを出す。それから、外部の事故調査委員会では、先ほどお話ししたとおり、医療者でなければわからないという点を踏まえて、外部の医療専門家として分析をするということです。
 中央に行って、初めてここで医療者以外の、医療関係以外の方も加わって法曹会、患者側の代表というのも加わって最終的な分析、これが本当に中立性を持って調査されたかということも判断していただくということが必要なのではないかと思っています。
 最後のページに、届出に関しては、直ちに届けて状況を説明することが一番大事であって、医療事故と認識しながら隠ぺいしたり、説明を怠るということは非常に重いということです。
 それから、21条に縛られることはなく、本制度に届出をしておけば、21条による警察への届出は不要であるという適用の基準を考えたらいかがでしょうかということです。
 それから、医療機関、あるいは委員会の判断で、故意であるとか隠ぺいであるとか、悪質事例は警察へ届けるという道は残さなければいけないということです。
 以上です。ありがとうございました。

○山本座長
 ありがとうございました。
 それでは、続きまして資料5に基づき、全日本病院協会の飯田常任理事より御説明をお願いいたします。

○飯田構成員
 資料5、タイトルが「(案)」になっていますが、3月に機関決定しましたので、「(案)」が取れました。この資料は前の親委員会で報告したものが大部分で「医療事故調査委員会・懲罰委員会に関する提言」は新しくなっていますが、そのほかはすべて同じです。委員が親委員会と重複していますが、そうではない新しい委員もいらっしゃいますので、改めて病院団体はどうしているかということを書いてあります。
 基本的には、今まで医療側構成員の方がお話したのとほぼ同じです。医療とは重要な社会基盤であるということ。それから、複雑な社会システムであるという認識をもった上でやらないといけないということを改めて申し上げたいと思います。
 いろいろお話が出ましたが、診療所だけではなくて中小病院でも医療事故の分析・調査その他はかなり厳しい条件下にあります。実は厚生科研費をいただいて、医療事故の院内調査の在り方に関する検討をおこなっております。昨日も地方の病院を2つヒアリングしましたが、大きな病院でさえ、どうしたらうまくいくか非常に悩んでいらっしゃいまして、なかなか大きな問題があり、一朝一夕にできません。そのために研究しており、中間報告ができましたら、改めてここで時間をいただいて報告したいと思います。
 全国アンケート調査も昨年やっております。今日は、細かくなりますので、報告いたしませんが、改めて機会をいただければと思っております。
 まず、医療界がきちんとやらなければいけないということは当たり前ですが、それとともに社会、国民、患者さんたちにもきちんと御理解をいただくということが大事だと思います。
 併せて私たちは当然、皆さんと同じように医療団体として、医療界としてどうするかということ。医療界といっても行政もあれば、病院団体もあり、職能団体もあります。医療関連産業もありますので、どうその資源を有効に使ってやっていくかということが大事だと思います。
 それでは、早速ですが、1ページ。皆様方はそれぞれの団体のお話だったので、私は医療界がどうやってきたということを、もう一度お話したいと思います。
 日本病院団体協議会で、ここにありますようなテーマで検討会をやりまして、私も委員として参画していろいろ議論しました。当時の足立政務官をお呼びして質疑をしたりしております。
 2ページ、第4回の検討会で私がお願いをして、「航空機事故の過失理論【改定版】」という非常にすばらしい本があり、この著者である池内様にお越しいただいて、議論しました。細かい内容はこの本を調べていただければよろしいのですが、いかに苦労されているか、私は悪い意味だと思っていますけれども、いかに日本の状況が諸外国と比べて特異であるかということがわかると思います。非常に参考になります。
 WHOのガイドラインが5ページ、その日本語訳が6ページです。WHOがスタンダードというと言い過ぎかもしれませんが、日本の現状がいかにずれているかを御理解いただきたいと思います。先ほど来、診療関連死ということに関していろいろ書いてございますので、一字一句は今、お話しません。これに関してきちんと認識した上で議論したいと思っています。
 7ページが先ほどお話ししました、全日本病院協会としての提言です。これは機関決定しましたので、正式版です。基本的には同じですが、原因究明、再発防止、責任追及は別の枠組みで検討すべきである。同じ組織でやるのはよくないということを申し上げています。
 産科医療無過失補償制度の運営委員会でも私は委員として出ておりますが、そこでも申し上げております。そこでは、かなり問題が起こっております。当然、産科だけではなくて医療全体にそういうものができるだろうと、発言してまいりましたが、残念ながら少数意見でした。無過失補償制度の親委員会ができて、そこでも同じ発言をしております。議事録をごらんください。
 そして、8ページに図がありますが、ここでは懲罰があり得るという前提での枠組みです。ですから、ここでは医療事故が発生したら云々とありますが、医師法21条に関して本来は変える必要がなくて解釈が問題であると思いますが、最高裁判例も出ておりますので、なかなか難しかろうということがあります。医師法21条を改正するとか、ほかのものをつくるという意見があることは理解しますが、本来は、解釈の問題と考えております。
 予期せぬ死亡または重篤な後遺症、今まで死亡例だけに関して議論されていますが、重篤な後遺症に関してもこの枠組みでやったらどうかということです。当然、故意や悪質な事例は警察へ届け出るのが当たり前ですが、そうでないものが大部分です。それは院内での事故調査委員会を立ち上げて検討する。ここでも単独でできなければ、外部の応援を求めるということは構わないと思います。
 左の方へいきまして、1つの枠組みをつくるということで医療界でつくるべきだと思いますが、院外事故調査委員会を立ち上げて医学的調査をする。法的な問題は一切ここでは議論いたしません。医学的適切性があるか、ないか。適切性がなければ、先ほど強制力がないというお話がありましたが、医療界としても少なくともそういう枠組みでやっていく。資格制限、要するに、一定期間研修を受けるまでは特定の医療行為の制限をかける。それは団体としては強制できませんが、各医療機関の長にそういうことに御協力いただくということです。それから、教育研修も必要です。
 医学的適切性に関しては、きちんと議論した上で、いずれにしても関係者に結果報告をする。ここに関して警察は、少なくともこの枠組みの中では入ってこない。刑事、民事に関しては患者その他が訴追する道はあり、それは否定いたしませんが、そうすると、証拠もなかなか確保できなくなると分析ができませんので、これを優先していただくということです。
 目的に書いてありますが、全部読みませんけれども、今、お話したとおりです。
 事故調査委員会の概要ですが、調査委員会は、医療関係団体が設置する。
 調査委員会の構成は、臨床医、必要に応じて病理医、他の医療関連職種とする。必要に応じて、事故分析の専門家を加える。
 調査委員会では、医学的な事項に限定して検討を行う。
 調査にあたっては、基本的人権に配慮する。
 調査の概要と結果を関係者(患者または遺族・医療機関・行政)へ報告する。
 調査期間中は、警察捜査に対して時間的に優先する
 調査委員会の質の担保のために、一定期間は1〜2か所に事例を集約し、そこで検討を行う。その後、地域ごとに設置する。各地都道府県に設置できればいいのですが、多分、リソースが足りないと思いますので、できればブロック単位にできればいいだろうと考えています。
 調査委員会は、医学的適切性に問題があると判断した事例を懲罰委員会に送致する。
 懲罰委員会の概要ですが、責任追及に関する懲罰委員会の概要は下記のとおりである。
 医療団体の自律的な行動として、医療機関の管理者はこの決定に従う、大事なところはここです。
 再教育に関しては、各職能団体の協力を得る。
 再教育を受けるまでは、医療機関の管理者は、一定期間、臨床の制限(資格制限)を設ける。
 専門資格制限に関しては、行政に勧告する。
 これはもう最悪の場合です。行政は本委員会の決定に基づいた勧告を勘案して、処分を行う。行政に対して我々は何の力もありませんが、そういう案です。
 懲罰の内容は、患者または遺族等へ報告する。
 「5.医療事故調査委員会・懲罰委員会に関するその他の事項」。
 懲罰を受けた者は、委員会の決定に関して異議申し立てを行い、再調査を受けることができる。
 両委員会の業務は公益性が大であり、その財源は国及び医療関係団体が拠出する。これも希望ですが。
 「6.明示的に定義された重大事故の事例」。
 明示的に定義した診療項目別重大事故の事例は以下のとおりである。これは全部読みませんが、このようなものを考えています。
 巻末資料に誤った外科手術、ASAの基準がありますので、これを参考に書いてあります。
 ということで、全日病だけでやろうということではなくて、それぞれの医療団体だけではとても無理だと思いますので、医療界としてしかるべく枠組みでやってはどうか。例えば日病協、四病協、その他でいろいろ議論をしておりましたが、少なくともそのぐらいの枠組みでやらないと難しいだろうと考えています。
 どういうことをやってきたかということですが、我々もずっと前から努力しておりまして、13ページ、これは全日本病院協会と医療法人協会で協力して、医療安全管理者養成課程講習会をやっています。一番最初は私が企画をして、四病協で始めました。それぞれ各団体で始めることになりましたので、現在は全日病と医療法人協会と一緒にずっとやっています。
 14〜15ページにプログラムが書いてあります。一番大事なほかの団体と違うところは、品質管理、クオリティマネジメントの考え方、安全管理、分析の手法をきちんとやろうということです。法的なことも大事ですし、リスクマネジメントも大事でそういう講義も入っていますが、基本的にはセーフティマネジメントをどうするかという観点で実務を考えてやっています。
 講義は土日、土日4日間と演習、原因分析でRCA、未然防止でFMEAを1日、1日の計6日間のコースです。その後、フォローアップ研修を毎年1回ないし2回研修をしております。
 23ページ以降ですが、これは病院団体あるいは医療機関がどういうことをやってきているかということを書いています。全部説明しませんが、基本的には質の向上のためには、質管理が必要であるということです。それとマネジメントの重要性を書いています。医療とは何か。
 それから、医療は複雑であるということです。だから、何もしなくていいのではなくて、だからこそ、より慎重にかつ準備してやろう。それでもいろいろな問題が起こりうるということです。
 36ページに産科医療補償制度の問題点、これも私は委員として出ていまして、「全日病ニュース」に掲載したものですが、原因分析、再発防止の中に回避可能性の内容を報告書、家族への説明書に書いてしまう、それは法的な問題になりかねないので、それはまずいのではないかということを申し上げています。原因分析報告書も出ており、そこにはかなり厳しい書き方がありますので、訴訟が増えたかどうかはわかりませんけれども、少なくともそういうトラブルが出ているという話は聞いております。やはり心配したことが起こっていると思います。ですから、ここではきちんと分けて弊害が起こらないようにしていただきたいと思います。
 37ページ、この親委員会ができて検討会で構成員の方が医療従事者がたるんでいるという表現をされ、おかしいのではないかということを受けて、この資料をつくって報告をしたわけです。私たちもいろいろ問題点はありますけれども、きちんとやってもなかなか解決できない問題がある。そういうことを踏まえた議論をしていただかないと、なかなかうまくいかない。
 そうでなくても、今、医療従事者はいろいろな問題が起こって保守的というか、保身的になってきておりますので、このままではかえって国民、患者さんにいい医療を提供できない。それから、枠組みを混ぜてやると原因分析ができなくなりますから、結果として患者さんにそれを説明できなくなる。また再発が起こり得るということになりますので、その辺を理解した上で私たちも是々非々、いろいろな問題があれば、きちんと修正するという前提でやっております。総力を挙げて、患者さんもそうですが、医療従事者も働きやすい環境をつくりたいと思います。
 以上でございます。

○山本座長
 ありがとうございました。
 それでは、最後になりますけれども、資料6に基づきまして全国医学部長病院長会議を代表して、有賀昭和大学病院長より御説明をお願いいたします。

○有賀構成員
 全国医学部長病院長会議というものがあって、最初のページをめくっていただきますと、その中に「大学病院の医療事故対策に関する委員会」というものがあります。
 委員長は慈恵医科大学の病院長の森山先生です。耳鼻科の教授です。そのもとに委員が何人も並んでいまして、その中の1人が私ということになります。ですから、本来は森山先生がここでお話になるのが筋なのですけれども、お忙しいということで私が代わりに発言させていただきます。
 実は全国医学部長病院長会議は、昨年の11月に定例の記者会見の中で医療安全の推進、医療事故対策についてなどの記者発表をしております。記者発表そのもので2時間ぐらいの時間を使って説明する機会を得たのですけれども、今日は委員の1人として少し時間をいただいたということになりますので、スライドの1ページの上にありますように、当時使った資料を要約しながらご説明したいと思います。
 資料の説明のところにあるように、日本救急医学会の提案から随分取り入れていることになりますが、実は医学部長病院長会議の「大学病院の医療事故対策に関する委員会」の中で何回かの議論を経たのですが、とりあえず、日本救急学会の案をベースに考えていこうということになりました。当時の記者発表についても、日本救急学会の提案をベースにしております。
 日本救急学会は、先に言ってしまいますけれども、医師法21条に関しては提案の中で改正といっています。そこで、医学部長病院長会議の考え方そのものも提案という問題ではなくて、改正すべきであるということで当時、しゃべってございます。
 1ページの下にありますように、基本的なことについて1〜3とございます。
 1は医療事故の報告、死因究明だといろいろ言っていますけれども、基本的に安全の構築という問題と事故の調査。つまり、説明責任を目的とした報告の制度とは目的が違いますので、1つの制度に2つの目的を持たせることは結構難しいのではないか。例えば安全の構築というところで、先ほど飛行機の話が出ましたが、懲罰しないとか機密を保持する、監督官庁からの独立だとか、そういう話が主になりますので、2つの目的と両立させることはやはり難しいだろう。
 高杉先生も最初のときにおっしゃいましたけれども、病院にかかわらず医療そのものはシステムの改善をしていくことによって、安全の構築ができていくことになりますので、ヒューマンエラーも実はシステムエラーである。当直明けでなおかつ手術場に行くなどという話はヒューマンエラーのようであり、実はそういうシステムの中で働かざるを得ないということからすれば、システムの問題としてどう解決するかということがあります。
 ですから、医療という産業そのものは結構、密に連結した複雑型であるということが言われることになります。説明責任ということでいきますと、無過失補償などもこちらの分野になりますので、結構話は複雑なのだろうということでございます。
 2は、医師法21条の改正ということでございます。主旨は改正へということになりますが、少なくとも解釈の変更をしていかないと現場としては立ち行かないということがあります。
 2番にありますが、警察から見れば、私が悪うございましたと言って、お縄をちょうだいという感じで自首してきた。したがって、机をどんとたたいて捜査をする、ある意味でこういうお話なのです。司法解剖が始まって原因がという話になった途端にブラックボックスの中に入ってしまって、現場から見れば何のことかはわからない。そういうことでございます。
 3の事故調査のあり方、これは院内での調査がポイントで、その後、ステップアップしていくということです。木村先生が先ほど日本病院会の考え方をお話くださいましたけれども、日本救急学会の考え方そのものをより進化させた形で日本病院会がこういう考え方をしていますということも当時、医学部長病院長会議の記者発表ではしております。
 したがって、今日の説明は○2にあります「考え方の『基本』」、医学部長病院長会議の考え方についてメインにお話しますけれども、そもそもそう考える背景について少し解説させていただいて、それから、本題をしゃベって、最後に若干の考察ということで意見を述べたいと思います。
 2ページ、これはこの会議の親会の中で日本救急医学会の話をさせていただいたときに、やはり背景たるということで、これは病院の玄関にメッセージとして張ってございます。
 「今までの医療の発展の歴史や今後とも発展させて行かねばならないことを考えますと、現在も医療とは本質的に不確実なものであることを御理解ください。私たち医療に携わる者が不注意によって起こしてしまうような「過失」がなくても、重大な合併症や偶発症が起こり得ます。加齢に伴う、またはひそかに進行していた病気が診療行為の前や後に発症する可能性もあります。ですから、それらが起こった場合は、治療に最善を尽くすことは勿論ですが、最悪の事態もあり得ます。」
 基本的に、下から5行目にありますが、「極めてまれなものや予想のつかないものもあります。すべての可能性を説明することはできません。医療は必ずしも確実ではないということです。進歩によって説明できる範囲が増えていることは確かですが、すべてにわたって説明できるということは、これからも不可能と思わねばなりません。」
 一部ですが、こういうふうに最初にうたってございます。ですから、私たち医療者はきちんと説明して、それでも起こってしまう、そういう意味での不確実があるという現実があるわけです。
 その下は、日本医療機能評価機構のV6からの引用です。改定版がこれからつくられようとしていますが、そこの中の第2領域の中項目2.1.2という倫理に関する方針について判断するための下位項目があり、その次の項目で2.2.2に診療への患者参加を促進する仕組みがあるというのがございます。
 昭和大学病院では患者の図書室「健康の森」をつくって、眺望のいいところでそういうものを展開していますけれども、患者さんもチームの一員だという考え方が医療機能評価機構の背景にある考え方だと思います。
 3ページ、昭和大学病院だけではないですが、病院医療は基本的に安全と安心。安全というのは、どちらかというと、飛行機が何万回飛んで1回しか落ちないとか、何回落ちるとか、そういう意味ではサイエンティフィックな話です。安心というのは、どちらかというと、だから飛行機に乗らないとか乗りたいという心の問題になります。ですから、説明して納得をいただくということも含めて、要するに、理屈の世界と情の世界を組織の体制として一体的に運営する、それが病院医療であるということになります。
 ですから、医療安全。真ん中に大きな丸があり、その横に事故や紛争・苦情への対応とありますが、結局のところ、これらは一体として行われる。一次予防、二次予防とか三次予防、クライシスマネジメントがありますけれども、これらはすべて広義のクオリティマネジメントになるのだと思います。
 私は今、病院長をやっています。これをつくったときは副院長でしたけれども、結局のところ、財務の管理も労務の管理もそれらを含めて医療安全管理そのものが病院医療なのだという話でございます。
 3ページの下ですが、右側は日本医療機能評価機構に医療安全管理室から何かあったときはぱっと届け出る。ドクターが一生のうちに一度経験をするかしないかという、まれなものも全国で集まれば、それなりの数になりますから、それがフィードバックされる。つまり、病院から見れば、医療安全に関する学習ができるという仕組みでございます。
 左側は私たちの病院が学校法人の病院として、どういうふうに全体として対応していくかということで、これは病院の話ですが、恐らくこういうことが説明責任という意味では大事なのだと思います。
 4ページの上ですが、したがって、医療の実践というのは、チーム医療、患者を交えたチームがシステムを構成している。ですから、当初から責任追及だという話がぽんと出る話は、実は病院医療にはないわけで、基本的には「患者と医療者とは協働している」という話になのだと思います。
 システムエラーという理解になりますので、先ほど木村先生もお話しくださいましたけれども、どうやら個人の追及責任というものはなじまない。まじめな医療者たちがやっている状況においては、こうだということです。
 それから、先ほどからお話ししていますように、クライシスマネジメントがあることはあるのですけれども、これはもう日常診療、ペイシェントセーフティとかクラシックにはリスクマネジメントと言いますが、その延長線上にクライシスマネジメントもあるのだということであります。
 プロフェッショナルオートノミーとは、我々の自律として自らの責任できちんと説明できろということです。院内の事故調査委員会については、とりあえずは当事者主義といいますか、自分たちが医学的にわからないということも事実だったら、それもきちんと説明することを含めて医療者と患者さんたち、または亡くなってしまえば御家族の方たちとの協働作業ということになります。そこに外部から権威を持った人がぽんと入ってくるということは、多分、職権主義で、なじまないだろうということがあります。
 それが背景説明ですが、4ページの下から基本的な日本救急学会の案を使って、医学部長病院長会議が出したものでございます。要は、院内の事故調査委員会がメインであるということになります。小規模な病院は大学病院や地域の中核病院からの支援を受けて、院内の事故調査委員会をきちんとやりましょうということになります。
 その次に、特に死亡事故になった場合というのが5ページの上にあります。要するに、医師法21条の扱いは多分上げて立法府に依存するのだとは思います。しかし、私たち医学部長病院長会議の提案としては、要するに、自分たちで診断書、死体検案書が記載できないことになれば、場合によっては警察に届け出てもいいのですが、勿論、犯罪とかはまた別個ですが、そうでなければ、きちんと書いて、そして、それをもって事故調査委員会の説明をその御家族にしていこうということを基本にしてございます。
 別紙2参照とあります警察への届出の部分ですが、医師法21条における届出を要する異状死について、21条を改正して、以下のような骨子とする。
 届出範囲は診療行為関連死以外の異状死、これは従前からそのとおりなので、これは続ける。
 診療行為関連死(それが疑われる場合を含む)については、死因がわからない。したがって、死亡診断書も書けない、そういうときには警察に届け出るという道はあっていいだろうということになっております。どちらにしても21条を改正してということになりますけれども、改正できないのであれば、解釈を変えていくことは基本の改定前のプロセスだと考える次第です。
 ○2の診療行為関連死について、警察に届け出るということがもしあれば、それは医療機関の長の責任だとしてございます。
 別紙2の続きですが、6ページの上にありますように、警警察・検察ではなく、院内事故調査委員会において、自律的にやることを一義とする。
 故意による犯罪があった場合に警察に届け出るのは当たり前。
 ○3にありますけれども、隠ぺいとか診療録の隠滅、偽造、変造が行われた場合には、厳しく対応する必要があるだろう。これはこれからの議論になるのかもしれませんけれども、医療に携わる人たちがこんなことをするという話は、基本的に私たちの業界から去ってもらいたい、こういう話でございます。
 ○4は、真実を正確に説明して、院内事故調査の報告書を患者さんや関係者に渡す。その結果、説明を受けた御家族が刑事告発をする場合はあり得る。刑事司法が介入することはあるだろう。患者家族へ真実を正確に説明することで告発が誘発される可能性がある。しかし、自律性を維持するためには、これはもうしようがない。これはもうそういうものなのだということになります。
 6ページの下は、医師法21条の解釈を元に戻すというか、変えてということになるのでしょうが、これは警察が取り扱う死体についての議論で多分使われた資料だと思います。医療機関が取り扱う死体で継続中の診療に関わる傷病と関連した死亡については、死亡診断書などが書ければ死体はご家族へという話なのだと思います。
 7ページの上、これは院内でのパフォーマンスに引き続いて外へ出て、つまり、遺族ないし医療者に不服がある場合の提案ということです。地域の事故調査センター、中央のセンターということで、まずは基本的に地域の事故調査センター。各県にある患者支援センターを中核に考えてもいいのではないかと議論したものが、そのままここに残っておりますけれども、どうもそういうものではなくて、場合によっては医師会とか、そういう仕組みが必要なのではないかなと今は思っています。医学部長病院長会議の中で日本救急医学会のものをそのまま利用するという意味では、これがそのまま今も残ってございます。
 報告書そのものが刑事や民事の証拠資料とはならないということについては、法的な判断で自白のみでは有罪にできないとか、いろいろ法律の先生から教わるところが少なくないのですが、これもまたWHOのガイドラインなどに照らしながら議論していく必要があるのではないかなと思います。
 平成23年11月の記者会見の当時はこの考え方ですけれども、大学病院の医療事故対策に関する委員会が3月にございました。そこでは、日本医療安全調査機構へ医学部長病院長会議も参加して、そういう枠組みで日本国全体の問題を考えていく必要があるのはないかなということになりました。ですから、そうなった場合に第三者は日本医療安全調査機構の枠組みとも関連してきます。ここら辺は先ほど木村先生に日本病院会の大原則を述べていただきましたので、そのことと、現実的な話とをどう合わせていくかということが大きい問題だと思います。
 7ページの下は、WHOのドラフトガイドラインです。原因究明(真相究明)と予防ということであれば、後者は医療安全のことになりますので、分析、集積、報告ということで少し前者とニュアンスが違うのではないか。
 8ページの上はそれを日本語に訳したものでございます。へるす出版から出ています。阪大の中島和江先生と日本救急医学会の委員会で監訳しました。
 8ページの下はそれの非懲罰性とか、要するに、現場の安全で安心な医療を構築するという観点から考えれば、少なくとも懲罰をしてはいけないとか、独立的でなければいけないとか、分析をさっさとやって現場にちゃんとフィードバックしなさいということが書かれてございます。
 9ページの上は、それを言葉で書いた部分でございます。上から6行目にありますように、「これらの制度は目的が異なることから、1つの制度に2つの機能を持たせることは難しいと述べられています。」と書いてございます。
 つまるところ、医学部長病院長会議の考え方は9ページの下にありますように、ちょっと長くなって申し訳ないのですけれども、基本的には院内事故調査委員会がポイントです。規模が小さければ、周りから助けてもらう。それから、当事者間での話し合いがやはりポイント。将来は医療安全調査機構に参加していくということになるので、下の四角で囲ったことと、参加した後のことについては非常に大きなテーマになるだろうと考える次第です。
 あとは私の考察です。10ページの上はある雑誌に「医療事故調における発想の転換」ということで記事が載っていました。要するに、この方の書かれたものを見ますと、医療の“事後”の調査と説明は、事前の診察、説明と同意と同じように医療のプロセスそのものだ。そのものなのだから、当事者間でやるのがふさわしい。ここの考え方は、医療チームというのは患者を含めたチーム医療なのだということなのだと思います。
 いずれここの場で来ていただきたいと思うのですけれども、日本脳神経外科学会の医療安全管理委員会の委員長、北大の脳外科教授の宝金先生が日本医療安全調査機構に加入することに関する提案で委員会の基本的な見解を1月に示しておられます。
 「第三者の調査委員会の制度設計をしていくことは、医療者の自律とは矛盾するものではない。遺族の感情は十分に理解できる人の情の問題なのだ。日本救急学会や日本病院会の提案する二段階的な制度設計が望ましい。」どうなるかはわからないが、この機構に自分たちは参加していこうという、そういう「場を創設することが極めて重要」なので、そういうふうにしていきたいということであります。
 実は11ページの上にいろいろなものを比べてあります。これは宝金先生がお書きになったところからそのまま持ってきたものです。大綱案、モデル事業、日本医師会案、日本救急医学会案、日本病院会、医療安全調査機構についてそれぞれ並べて書かれております。
 結局、医療安全調査機構から見れば、恐らく院内の調査委員会は協働型として提案されておりました。それは第1回目のこの会議でお聞きしました。それがこの部分に該当するのだろうと思います。いずれ日本医療安全調査機構の活動についても、いろいろな形で考えていかなければいけないと思います。
 11ページの下は、日本医師会の医療事故調査に関する検討委員会、2011年なのでちょっと前なのですけれども、茨城県医師会の石渡先生が示したものです。24時間以内に警察へ届出、これに関しては医師法21条を元へ戻せ。そうではないものに関しては、第三者機関に届け出る。これで警察からの届出義務からは回避というのも変ですが、筋が違うので、医療安全調査機構など第三者機関に届け出る。
 第三者機関は、院内の事故調査委員会などに調査を委ねる、または大学や医師会に依頼する。場合によっては第三者機関で、この場合は医療安全調査機構なのでしょうが、要するに、仕分けをするということを既に言っておられました。犯罪性が明かになれば勿論、警察ですが、石渡先生は院内事故調査委員会の報告で患者さんや御遺族が納得するのであれば、それはそれでもう終了でいいだろう。
 納得がいかなければ、第三者機関に再付託ということで、病院の中がポイントですけれども、第三者的なものについても重要だということをおっしゃっています。全国医学部長病院長会議の考え方もまだ議論の途上ですので、引き続き検討していきたいと思います。
 以上、医学部長病院長会議の考え方を長くなりましたが、披露させていただきました。
 以上です。

○山本座長
 ありがとうございました。
 それでは、以上で5団体から御説明をいただいたわけでございますけれども、今までの御説明についての御質問あるいはそれを踏まえた各構成員の御意見の表明、いずれでも結構ですので、自由にお出しをいただければと思います。
 加藤構成員、どうぞ。

○加藤構成員
 御意見をいろいろとお聞かせいただきまして、ありがとうございました。
 各団体の御報告を受けていて、医療の質の向上とか医療の安全のためには、医療事故の調査が必要であるというところはほとんど共通のものではないかなと受け止めました。そのための制度をどうつくっていのか、こういう話なのですけれども、質問は、幾つかいろいろな提案も含めてお聞きしたわけですが、それぞれの団体で現に事故情報を集め、何がしか分析をしているということを組織体としてやっておられるのかどうかということと、そういう動きが現在、準備中であれば、その点を併せて紹介してほしいなということが1つ。
 それから、先ほどの有賀先生の報告、資料6の上に「別紙2(つづき)」と書いてある6ページ、○4のところですけれども、私は当然のことが書いてあると思っているのですが、今日、発表された構成員あるいは参考人の皆さんは、それぞれ別紙2の○4の記述については当たり前だという認識をお持ちなのかどうかということをお聞きしたいと思いました。

○山本座長
 ありがとうございました。
 それでは、今の2点、各団体への御質問ということですので、順次、お願いしたいと思います。
 まず、高杉構成員、お願いします。

○高杉構成員
 刑事告発される可能性は、やはり私たちもあると思います。ただ、その前段階としてきちんとやったことがあれば、それはそれでいいのだと思います。だから、刑事告発をする権利を取るものでは決してありません。
○山本座長
 それから、第1点、調査あるいは情報収集みたいなものについての具体的な動きはいかがですか。

○高杉構成員
 それに関してはやっておりませんけれども、これは医療安全調査機構でやっている我々医療界の事例集を参考に研究しています。

○山本座長
 ありがとうございました。
 それでは、日本医療法人協会の伊藤副会長、お願いします。

○伊藤参考人
 1番目の現状で情報収集、分析を行っているかということでございますが、私どもはまだこれを行っておりません。こういうものをつくる準備も具体的に入っているところではございません。
 2番目の有賀先生の資料の6ページ、○4の項目についてですけれども、個人的な意見ですが、当然こういうこともあるだろうと認識をしております。

○山本座長
 ありがとうございました。
 続きまして、日本病院会、木村常任理事、お願いします。

○木村参考人
 木村でございます。
 調査等を我々の団体で行っているかということですが、現在、日本病院会は2,500ぐらいの病院の団体ですので、病院の中に医療安全対策室、その他の機構がどうなっているかということを厚労省の規定もありますけれども、それがどのように設定されているか、どういう問題があるかというアンケートを行おうと計画して、ほぼでき上がっているのですが、これから実施するところです。
 6ページの有賀先生のお話ですが、こういう可能性は法律の専門ではないのでわからないのですけれども、公にする以上はそこで利用されるのではないかというのが正直な反応です。ただ、裁判というのは検事側が出した文面、その文面に対して争うわけですから、公開はするけれども、裁判には使わせないというのもあるのかなと考えております。でも、使われてもしようがない。そういう正直な内容は出すべきだと思います。

○山本座長
 ありがとうございました。
 それでは、全日本病院協会、飯田先生、お願いします。

○飯田構成員
 先ほど申し上げましたように、調査をしております。5〜6年前と昨年末にやってございます。
 正確には覚えていませんが、7〜8年前か、5〜6年前かもしれませんけれど、全国調査を1回やりました。それから、全病院に対するアンケート調査をしましたが、厚生科研費をいただいていますので、会員だけではなくて、非会員病院にも同じような数、全部で4,000近く出しまして、全部で2,000ぐらい返ってきております。それを今、分析しております。
 あと、ヒアリングをやっておりまして、昨日も2病院して、既に6病院のヒアリングをやりまして、その報告をまとめます。現状としては、それぞれ大小限らず非常に困っているというのが実態です。改めて報告させていただきます。
 報告書の扱いですが、どういう前提で事情聴取するかに関わっておりまして、ヒアリングに行ってもそれが裁判に使われるのであれば云々という、実際の生の声も聞いておりますので、基本的にはそれは証拠として扱わないという前提でないと、きちんとした正しい原因分析はできないと思います。そういう前提であれば、当然、公開すべきものだと思います。
 これをどう扱うか、どういう前提で医療従従事者から事実を集めるかということがあります。勿論、客観的なものはいずれにしても収集できますが、当事者でなければわからない情報を集めるためには、そういう一定の検討が必要だと思います。
 以上です。

○山本座長
 有賀構成員、どうぞ。

○有賀構成員
 全国医学部長病院長会議の中での議論でいきますと、基本的に1,000床とか大きな病院が多いので、その中では当然のことながら医療安全管理室があって、そこで病院の事例を月々集積しているというのが実態だと思います。だから、昭和大学でも月々400か500ぐらいのヒヤリ・ハット、アクシデントも入りますが、それらを分析する。同じようなことを各大学がやっているということになります。
 ほとんどの大学が医療機能評価機構の仕組みを使って、重大なものについては、そこへ集積していく。集積した結果が月々報告の機関紙がありますので、それに載せて私たちの方へフィードバックがきている。こういう現状です。事故の調査とそれに対する対応がどうなっているのかというと、そういうことです。
 では、国立大学全体がどうだとか、私立大学全体がどうだといった形でがさっと網をかけるような、そういうことについては知りません。話し合いをしていますけれども、医療機能調査機構のようなものをつくって、国立大学からの事故などを一気に集めろということは、国立大学の中で議論はしているかもしれませんが、現時点における仕組みそのものは医療機能調査機構を使ってやっているということで理解できます。

○山本座長
 飯田構成員、どうぞ。

○飯田構成員
 質問を聞き間違えたかもしれません。今の質問は具体的な事例を集めているかという質問でしたか。具体的な事例に関しては収集できっこないのでやっておりません。
 ただ、そういう事故があって、調査委員会を立ち上げたか、報告したかという意味では、すべての事故に関してはとても収集できないので、何件あったかとか、それに対してどうしたか。何が困ったかという意味では全国調査をしております。

○山本座長
 ありがとうございました。
 加藤構成員、いかがでしょうか。よろしゅうございますか。

○加藤構成員
 ありがとうございました。
 医療事故に遭って、御遺族の心情としては真実を知りたいとか、再発をしないでほしいとか、要するに、安全な医療を願う気持ちは強いと思うのです。それに応えるべく医療安全に真剣について取り組もうと考えておられれば、事故調査をしっかりきちんとされて、レポートとして被害を受けた人たちにはお返しをしていく。そういう営みは医療安全にとっても非常に大切なことだろうと思って御質問をさせていただいたところ、皆さん、そういう方向の大切さは認識されているなと受け止めました。ありがとうございました。

○山本座長
 ありがとうございました。
 それでは、ほかにございますか。
 どうぞ。

○中澤構成員
 幾つか御質問、御質問を先にしてよろしいでしょうか。
 これはすべての御発表いただいた先生方に通用することだと思うのですが、医療はすごく多職種になっていまして、医師の問題だけ取り上げても、看護師さんが実際にやっているところで起きるエラーもありますし、倫理的な問題も含めて介護の分野でも恐らく同じことが起きると思うのです。
 ただ、これはいろいろなお立場からお話をしていった場合に、そういうものが漏れるのではないかという気がちょっといたしまして、その辺をどのようにお考えいただくかということが1つあります。
 それから、考えをちょっと発展させていくと、今、お話を伺った内容は各病院団体から提言されている内容で共通した部分はあると思うのですけれども、微妙に違ったところがあって、微妙に違うところが容認できるところとそうではないものと、いろいろになるのですが、実は患者さんの方から見ると、事故が起きてだれが説明してくれるのか。それから、何か問題が起きたときに、どういうふうにもっていったら、どういう解決がなされるかという視点から考えた方がすんなりいくのではないかと思っています。
 それは、私のところでも書かせていただいたのですが、隠ぺいとか虚偽の説明というのは、事故が起きた場合に詳細な説明を受ける権利が患者さんの方にあると考えれば、それは患者さんの権利を無視したという形ですべての面で共通して問題が解決できると思います。日本では余りPatients rightsについては重視視されたお話はないのですけれども、Patient rightsが欧米の基本になっておりますので、こういった細かいことをやっていくよりは、患者さんの視点から見て、下から問題を構築していっていただくと、本当に刑事罰につながる問題解決すべきなのかどうかということは、明らかになってくるのではないかと思います。

○山本座長
 ありがとうございました。
 それでは、樋口構成員、どうぞ。

○樋口構成員
 今日は5つの病院側の御意見を伺っていて、今、中澤さんがおっしゃったように、それぞれいろいろ考えておられて、私も学ぶところがたくさんありましたが、それぞれに少しずつ違いがあって、それをどうとらえたらいいのかというのはなかなか難しい。
 とにかく、これは医療事故に係る調査の仕組みの在り方を検討するのだから、何らかの、できればこうやって会議を重ねていく中で共通の要素を取り出して、何らかのこういうものができたらいいなということで共通点に達したいと思っているわけです。そういう形で議論をしていく。
 多分、今日は病院関係者で、その中でも微妙な違いがある。それに病院関係者のすべてをこれで網羅しているのかどうかだって、本当はよくわからないのです。
 それで、今、中澤さんがおっしゃったように、勿論、多職種もある。病院の中にみんな働いているかもしれませんけれども、看護師であれ、医療と福祉の関係も非常に微妙になってきていて、そちらの事故ということもあります。だから、いろいろ考えていかないといけない。しかし、まず、今日、話を伺った中で共通点を詰めておきたいという気がするのです。長くなって済みません。
 まず第一に、言葉尻や何かで何だかんだというのは法律家の悪いくせで、山口さんとかはそういうことはないと思うけれども、だから、自分をやるような気がして申し訳ないのですが、前提として今日は当事者主義とか職権主義という、ある弁護士さんの言葉を使いながら、例えば説明される。法律家には、今日のような意味で当事者主義を使うことは絶対にありません。
 当事者主義というのはどういうことかというと、普通は裁判で、もう既に裁判が起きているのです。中立的なまさに裁判官が真ん中にいて、当事者がそれぞれ自分の主張、証拠をどんどん出しなさい、私が出すのではない、あなた方の事件ですからという、これが当事者主義なのです。
 職権主義はそうではなくて、裁判官自らいろいろな調査を命じたり何なりして、山本さんが専門なので、私が説明しているのもおかしいような感じがするけれども、つまり、中立的なものを既に第三者、この場合は裁判官ですが、第三者という存在がいて当事者主義と職権主義という話があるので、それを排除する意味ではない。中立的な判断者、そんなの関係ないです。外部の人は関係ない。それを当事者主義というのですよといわれると、物すごく抵抗があるのです。これは法律家の世界だけでそう言っているのだよと言われれば、それはそうなのですが。
 その上で、中立的あるいは外部的な第三者機関が必要だろうということについては、今日の5つの団体の方はすべてその範囲では共通点があったのだと思います。ただ、1点、名指しで申し訳ないのですが、医療法人協会だけはその第三者機関は医療法人協会の中で委員会をつくつて、そこでやるのですと。それとは別の独立した第三者機関には、聞き間違いであったら申し訳ないのですけれども、それは反対ですとおっしゃった気がします。それはそうなのでしょうか。
 ほかの団体のところは、微妙な違いはあるけれども、外側に何らかの公的な第三者機関もなくてもいけないというか、あってもいいとか、そこはニュアンスの違いがあったかもしれません。そこがまず1つクリアーされて、法人協会もそこまで否定する趣旨はありませんよという話になってくれると、そこで共通の地盤ができる。
 次は、第三者機関の目的はどうしましょうかという話と院内調査委員会との関係みたいな話にいけるのですけれども、法人協会はいかがでしょうか。私が名指しで質問するのもおかしいかもしれませんが。

○山本座長
 いかがでしょうか。

○有賀構成員
 職権主義と当事者主義の話が出ましたけれども、弁護士さんたちがそういう使い方をしているというのは、今、初めて知りました。私たちがこの言葉を議論したのは、医療者ではない普通の方たちと議論したときに、医療者と患者さんまたは患者さん御家族という意味では当事者なのだから、当事者主義という言葉を使いました。
 それに対する言葉として、例えば病院だと東京都の衛生局からいろいろな指導を受けたりすることがあるではないですか。そういう意味で自分たちとは違う別の権威が入って来るときを職権主義といっていいのではないかということを、その中には国会議員もいましたけれども、全く素人の方たちと話をしているときに、こういう言葉が出てきて、それがそのまま残っている。
 ですから、裁判所の中での景色について今、初めて聞いたので、そちら側がルーツなのかどうか知りませんが、言葉としてはそういう感覚で今までも使ってきたということだけであります。

○山本座長
 定義の問題だと思いますが、明確になったと思います。
 伊藤副会長、今の御質問に対していかがでしょうか。

○伊藤参考人
 誤解があってはいけませんので、もう一度お話を申し上げますが、私どもは1つの事例として上位といいますか、院内委員会に対して十分に納得ができなかった場合に医療機関あるいは患者家族から異議申し立てができる第三者機関として、県の医療法人協会なり日本医療法人会、あるいは医師会さん等のほかの機関でもって、そういうことをやることが望ましいとお話したわけで、決して医療法人協会とその中だけでやろうということではございません。
 それと同時に、意図するところは1つは権威主義といいますか、ある権威によって位置づけられたところが第三者機関になるということは、先ほど、私どもも間違って使っておりましたが、権威主義ということから考えると、避けたいという考えでそのようなお話を申し上げたわけであります。

○山本座長
 そういう意味では、樋口構成員が言われるプラットフォームは存在するということは確認されたのかと思います。
 では、松月構成員、お願いします。

○松月構成員
  先ほど医師だけの問題の意見交換だけでは、看護師や放射線技師等の医療従事者の問題が抜け落ちてしまうのではないかという御質問がありましたので、お答えさせて頂きます。
 基本的に医療は、他職種間でチームを組み連携して行うものであり、医師1人で成り立っているものではございません。先ほど御説明のありました事例は、看護師の事例でもございます。そして、看護師は事故の発生を一番に発見することも多くあります。医療事故に関しては病院全体の問題として、また、医療全体の問題として捉えられ、この調査は看護師をはじめとする医療従事者が参加して行われるものです。このように、医療事故の調査は医師だけではなく、様々な医療従事者によって議論が交わされているものであり、基本的には医師だけの問題ではなく、医療の問題として同じ考え方をとるものとお考えいただいていいのではないかと思います。

○山本座長
 ありがとうございました。
 それでは、鮎澤構成員、どうぞ。

○鮎澤構成員
 本当に貴重な御発表ありがとうございました。
 伊藤先生、木村先生、飯田先生に御質問させていただきたいと思っています。
 その前に、改めて、この事故調査に関して多くの皆さんがいろいろな知恵を出しながらどうあるべきかを考えておられるということを感じさせていただきました。
 その中で樋口構成員もおっしゃられたように、共通するところも見えてきたのですが、その先にある微妙な違いに向き合っていかないと、制度設計には進んで行かないのだとも思います。そこのところを議論していくことが恐らくこれまでの事故調の議論を経て、また改めてこういった場が設けられた意義だと思っています。
 そのためにも、実は先ほど、当事者主義とか職権主義とか、言葉1つとってもそれぞれのフィールドでとても違う意味で使っているということがわかった。多分、そうした整理もしないと、世の中に問うことができる制度設計に恐らくならないでしょうから、そういった疑問があるところは是非、これだけの皆さんがおられるわけですから、この場を使って修正をし合いながら進めていきたいと思ったところです。
 改めて質問なのですが、伊藤先生にお伺いしたいことが2点あります。お話の中で「第三者ADR機関」という言葉が出てきます。ADRという言葉も大変難しくて、それぞれがそれぞれの使い方をしているように思われる言葉の1つなのですが、先生がお使いになっている第三者ADR機関というのは、弁護士会がやっていらっしゃるADRとは異なる、いわゆる訴訟ではない方法で解決していこうとしておられる第三者機関という意味なのでしょうかということが1つです。
 もう一つ、スキームの中はあくまでも死亡事故を対象にしていらっしゃると思うのですが、これはここから先に何を対象にするかという議論と絡んでくるお話だと思いますけれども、死亡事故以外のものについてどういうふうに考えていかれるかについて、もう既に御提案があったら教えていただきたいと思います。
 以上の2点です。

○伊藤参考人
 御質問の1番の第三者ADR機関でございますが、これはまさに御指摘いただいたように、裁判外で話し合いをしながら、きちんと対応を考えていくという、お互いに納得ができる補償も含めて話し合う機関だととらえております。
 2番目の死亡事故だけだというお話でございますが、当然のことながら、死亡事故あるいはそれに類する重大な事故も含んでおります。本来であれば、ほかの委員からもお話をいただいておりますように、小さなヒヤリ・ハットに至るまでのところの分析が必要かと思われますが、まずは差し当たって対応しなければいけないのは重大な死亡につながる、あるいは死亡に類する重大な事故ととらえておるわけでございます。

○鮎澤構成員
 確認ですが、おっしゃっておられる第三者ADR機関というのは、弁護士会ADRも含むのかもしれませんけれども、もっと広い意味でとらえられていらっしゃるということですね。

○伊藤参考人
 そのように考えております。

○鮎澤構成員
 済みません、では、木村先生に。
 御自身の病院の公表のことについて、再発防止という観点から公表に踏み切られた。本当に敬意を表させていただきたいと思います。
 私たちは公表を考えるときに、いつも公表の先に何があるのか、本当に再発防止につながっていくのだろうかという思いをしながら、公表の判断をしていくわけですが、先生が今御紹介くださったような、幸いなことに患者さんに重大な障害が残らなかった事例についての公表にまで範囲を広げていくと、何をもってして公表とするのか、公表しないとするのか、何をもって再発防止につながっていくとするのか、それほどでもないとするのか、判断がいろいろとあるのではないかと思うのですが、具体的にはどなたがどんなふうにお決めになるのでしょうか。

○木村参考人
 今回は、結果的にヒヤリ・ハットだったわけですが、厚生省も定めている重大な事故に死亡あるいは死亡の原因がはっきりわからなかったもの、それに加えて、重大なほかの事例に資するような事例といいますか、そういうものが指定されているわけです。
 院内の事故調査委員会に外部委員もそこに普段から入っておりますが、いろいろ検討しまして、今回の例は都立広尾のものに非常に酷似している。我々も厳重に考えなければいけないということで最後のほかの事例にも資する症例として、公表すべきかと考えました。当然、ほかの事例でも公開していないものがそれぞれあるということですが、一例一例、そうやって考えていくということです。公開したことがマイナスになるかどうか、これは結果であって、マイナスになるものであれば、公開しなくてもいずれも公開されてしまうという観点で我々は考えていないといけない。
 今回も直ちに患者さんに間違ったことをしたと言ってくれたので、本当にほっとしているのですが、そのときに決めたというか、普段から言っているのは自分が一番言いたくないこと、嫌なことから先に言えと。いずれは明らかになるのだからということで、そういう点も今回も徹底したということになります。
 ですから、公開はしようがないと思います。それは隠ぺいにつながってはいけないということ、そのきっかけにつながってはいけないと考えております。

○鮎澤構成員
 ありがとうございます。
 最後になりましたが、もう一点だけ、飯田先生に。
 資料の8ページの医療事故調査委員会の原因究明、このチャートなのですが、こちらに「予期せぬ死亡または重篤な後遺症が残ったもの」とされておられます。先ほどの何を対象にするかの話ともまた重なってくるのですが、私たちが現場で仕事をしていると、死亡もしくは重篤な結果には終わっていないけれども、それでも事故の再発防止にとってはとても大事な事案があったり、結果はそれほどでもなく、こちらでもそれなりにいろいろな対応をしているのですが、患者さん御家族に御納得がいただけないという事案があったりして、このチャートのスキームから外れているけれども、事故調査委員会の力がほしいという場面が結構あります。その辺りの事案については、このスキームの中ではどういうふうにお考えになっておられますか。

○飯田構成員
 まず、懲罰を前提としておりますので、結果オーライだと懲罰にはつながらないだろうと思います。絵は同じに書いても結構です。ここでは院内事故調査委員会とありますが、そういうものも含めて、別の絵で描くべきなのですが、あります。病院団体としてはその件に関して、この枠組みの中では懲罰を前提にしていますから、話しておりません。
 例えば当院では結果としてOKであっても、つい最近もあったのですが、具体的な事例は言いませんが、結果オーライではあったのですが、正直に患者さん家族にお話して説明したら、逆によかったと言ってくれたこともあります。すべてヒヤリ・ハットを分析するかどうかというのはなかなか難しい。当院では事故分析をする仕組みとしては、院長が直接指示する場合と、医療安全推進委員会が自主的にRCAをやるものを決めています。また、定期的に重大ではないけれども、頻度が多いものをどうやってつぶすかということでRCAをやっています。
 今、私が申し上げたことは結果オーライだったのですが、すぐに私は患者家族に正直に言って謝りなさいと、ただ、併せて根本原因分析をしなさいという命令をしております。そういうことを全日本病院協会主催の医療安全管理者養成課程講習会でも推奨しておりますので、そういう動きになりつつあるのだと思います。
 では、すべてのヒヤリ・ハットがどうかというと、なかなかそれはとても難しいし、それを院外事故調査委員会にまでもっていくと、パンクしてしまいますので、有責判断が起こり得るという前提で話しております。再発防止だけであれば、もう少し別の枠組み(医療安全調査委員会)でできると考えます。
 絵としては右の方を踏まえて、それでもわからなければ、懲罰ということは前提ではなくて、院外の事故調査委員会に相談することもあり得ます。

○鮎澤構成員
 ありがとうございました。
 長くなって申し訳ありませんでした。

○山本座長
 ほかにございますか。
 それでは、中澤構成員、どうぞ。

○中澤構成員
 何度も申し訳ありません。
 先ほど樋口委員から皆さんの御発表の中で第三者機関が一致しているとおっしゃったのですが、私はそうではないと聞いたのです。
 一致しているところがあるとすると、それは院内調査をベースにしているというところが大きな共通点だと思います。あと、院内調査は患者さんと医療機関の調査との間でやりとりが行われる話になりますので、必要な第三者機関がもしあるとすると、全然別なものになる可能性があります。
 例えば、専門性の高いところで問題が起きた時には、専門家の話を聞きたいというのが第三者機関になると思いますし、訴訟にいきそうだということであれば、司法の判断が出来る弁護士が必要になる。院内調査をベースに考えると求められる第三者は異なったものになる可能性があるので、まだ第三者機関が必要かどうかについては、議論があるのではないかと思います。
 私の意見を言わせていただきますと、よくあり得ることなのですが、御臨終の席に遠くの親戚の方が来られて、当事者の間ではすごくうまくいっていることが突然、殴りかかるような話になる。第三者機関が医療機関の事故について非常に公正な判断が果たしてできるのかどうかということについては、かなり疑問を持っています。そこまでたどり着くまでに、院内調査を基本にするシステムをしっかり議論するべきだと思います。そこが積み重なってくると、第三者機関の性質がはっきりすると思いますので、まだそこまではいってほしくないなという感じです。

○山本座長
 それでは、山口構成員、どうぞ。

○山口(徹)構成員
 今のようなお話にも関わりますけれども、原因究明のモデル事業の中で一番苦労したのは、いかに解剖体制をつくるかということにあります。
 原因究明の中で解剖の占める位置は非常に大きいものがありますので、解剖がなくて議論をしているのと解剖の結果を踏まえて議論をしているのでは、大きな違いがあると思います。その意味で第三者機関に期待をするところには、解剖体制も非常に大きな要素だと思いますが、院内で解剖ができる施設は病院の中では非常に限られていると思いますので、その解剖の体制についてどう思われているか。
 そして、解剖について1つだけ問題があります。第三者機関で解剖ができれば、そこでお願いするという話には大きな異論はないのかと思いますけれども、民主党案と救急医学会が言われた、診断書が書けない原因が不明のときには警察に届け出て、司法解剖に回るというシステムは問題だと思います。そうすると、原因究明の一環として最終的には原因究明にはなるのですけれども、院内で検討して再発防止に役立てるということにはならない解剖体制をシステムの中に組み込むことになります。
 すなわち司法のところに解剖の一部をお願いするというのは、今後の原因究明制度の全体を考えていく上で明確に区別をする必要があるかと思うのです。また、解剖というのはいろいろもめてから改めて解剖というわけにはいかないので、最初の24時間ぐらいの間に判断をしなければいけません。それも含めて解剖体制については、御発表いただいた皆さん、どういうイメージでおられるのでしょうかということをお聞きしたいと思います。

○山本座長
 それでは、それぞれ高杉構成員から、お願いします。

○高杉構成員
 今、全国の医師会に呼びかけていますけれども、各県1大学ございます。いろいろな医師会と話をしていますと、解剖が必要な場合にどうするか。それは病理と法医学が協力をしてやるとか、具体的な考え方を出してくれる県もございます。
 したがって、解剖になることがそんなに多いとは思いませんけれども、どうしても必要なときにそれができる体制づくりは各県で組まなければならない。それは具体的なお話を進めて応えてくれる、あるいは1県に4つ大学があるような県もありますね。だから、楽な県と楽ではない県をいったら妙ですけれども、隣県で応援するとか具体的な話も出つつあります。

○山本座長
 ありがとうございました。
 ほかに、伊藤副会長、何か御発言があれば。

○伊藤参考人
 現実に疑義といいますか、死因がはっきりしない症例をすべて解剖するというのは相当に困難があるだろうと考えています。その中で少しお話を申し上げましたが、画像による死因究明も活用していく価値があるでしょうし、まだこれも十分に確立されたものではないのですけれども、解剖に代わったもう少し現実的な方法論を詰めていく必要があると考えています。

○山本座長
 木村常任理事、お願いします。

○木村参考人
 解剖と一言に言ってもいろいろあると思うのです。臨床解剖と司法解剖では全く異なります。警察等に渡して「司法解剖」となると、詳しい結果は私どもには現在全く戻ってこない。それから、いろいろなお話を聞くと、皆さんは御存じでしょうけれども、その司法解剖の内容は微に入り細にわたっていろいろなこと、医療事故に関する内容を解剖してくださるのではなくて、事件性があるものの何が原因か突詰められれば、もうそれでおしまいといった解剖です。司法がそれを補うことは、医療事故に関しては無理ではないかと思います。もしそれでやるのであれば、かなり専門性を持った、人数も設備もほとんど不可能な組織を考えないといけないのではないかと思っております。
 勿論、解剖した方がいろいろなことがわかりますので、全部お願いするわけですけれども、残された遺族の方の希望等もあって、事件性があって強制的に解剖するというのとは違い、話し合いの上でということになりますので、そういう時点でも現在は解剖の数が大分減ってきていると考えないといけない。その辺も1つの問題ではないかと思います。

○山本座長
 ありがとうございます。
 飯田構成員、どうぞ。

○飯田構成員
 私も今の意見に近いのですが、目的が違うわけですから、それをどうするか。診療関連死に関しては、死因究明の意味でも普通の病理解剖をするべきだと思います。
 事件性があれば、また次のステップへいけばいいので、最初から司法解剖をやると、わかるものがわからなくなる。その間は原因究明できませんし、もっといけないのは司法解剖の結果を当該病院には教えてくれないのです。これは最大の問題です。ですから、私は臨床解剖でやるべきだと思います。
 むしろ事件性あるいは異状事故があったから臨床解剖だけではなくて、私が現役のころから死亡例に関してはなるべく病理解剖のお願いをしていますが、臨床の方も画像診断が進んできたので、いいだろうと。あるいは外科だと手術したら大体わかっているということで余り積極的ではないのですが、それでも勧めています。それもだんだん減ってきております。
 それから、家族がなかなか承諾してくれません。昔は1時間も2時間もかけて説得して、やっとできたのですけれども、今はそこまでやる余裕もないのでしょうが、当院でも常勤病理医がいますけれども、非常に減っています。その中でどうやってこういう事件性があるものをやるか。まず、リソースからいって不可能だと思います。それでいいとは言いません。
 あと、今、Aiがありますが、Aiも私は余り効果がないと思います。調査に行った病院でも患者さんの家族に病理解剖をお願いしても断られる。Aiはやらせていただいたけれども、結局何もわからなかったという話で非常に困っているわけです。
 ですから、建前でこれをやればいいという話はよくわかりますが、それでは無理だと思います。きちんとした一般の診療関連死に関する病理解剖をどうするか、それに代わるものをどうするかということがまず第一義であって、司法解剖はその次です。司法解剖に回ったら原因究明はできません。これだけは言っておきます。

○山本座長
 有賀構成員、どうぞ。

○有賀構成員
 医師が死亡診断書が書ける、書けないという話は論理的に主治医でその患者さんの治療に当たっていたというプロセスがあれば、通常の死亡診断書は基本的には書ける。書けない人が何で主治医ができたのだという話に逆になりますので。
ですから、そういう意味では一般的な話でいうなら、これは書けるだろうというのが基本的な考え方です。
 救急の私たちからすれば、よくわからないのだけれども、道で倒れていた人を救急車が連れてきた。治療のかいなくその場で亡くなった。これは24時間以内の死亡でだれも診ていませんから、勿論、警察なのですけれども、本当に主治医として面倒を見始めて間もなく亡くなったという患者さんに関していえば、どうやら心不全らしいが、それでよければいいのかなというところであればそれで診断書は書ける。やはりそうではないのではないかということがあれば、それは何らかの第三者的な目で見てもらわないといけないということになるので、先ほどのような考え方なのです。
 解剖に関していえば、基本的には私は病理解剖だと思っていますので、すべての死亡に関しては必ず病理解剖のお話をしましょうということで、個人的には今までもやってきました。自分が主治医として1年目の最初の症例は、今でも覚えていますけれども、診断がつかなかった脊椎カリエスでした。そのような症例もありますので、何はともあれ病理解剖はするべきだというのが私の信念です。
 脳死臓器提供のプロセスにもし入った患者さんがいても、とにかく病理解剖はとろうという形に昭和大学はしてございます。ただ、脳死の状態から最後までの時間が2日ぐらいかかりますので、患者さん家族が疲れてしまって、やはり連れて帰りますということが多く、剖検をとることが非常に難しい。
 司法解剖は今の法律の範囲の中でいえば、該当する病院や該当する医療者に結果を教えてくれるというルールは全くないので、ブラックボックスです。ただ、それではどうにもならないということがあるので、東大の法医学教室の先生方と東京の大学病院の救急医の人たちが今、集まって、それでは違うのではないか。もうちょっと現実的なフィードバックがかかることを東京地検の方たちも入れて、議論し始めようとしているところです。
 以上です。

○山本座長
 ありがとうございました。
 では、里見構成員、どうぞ。

○里見構成員
 今までの意見を拝聴して、この委員会で、共通していることは少なくとも医療界が医療事故の原因を究明する組織を何かつくらなければいけないだろうということです。
 これまでモデル事業という形でやられてきた展開はモデル地区を決めて、その中で地域の先生方が集まって医療事故の原因を究明するということをやってきたわけです。
 その反省といいますか、十分にこれを全国に展開するには費用対効果も問題があるのではないかということで、、前回の会議で原先生が話されたと思いますけれども、協働型という院内事故調査委員会を活用する方向が現実的に全国展開するときにはいいのではないかという提示されたと思うのです。
 今日のお話を聞いていて、医療界といいますか、医師会は診療所のレベルを含めて実施可能としていますし、幾つかの病院団体も同様な話をしましたし、全国医学部長病院長会議も賛成という意味では大学病院等も含めていいと思いますし、少なくとも医療界は全体として院内事故調査委員会をまず基本にし、そこで十分に結論が出ないなと判断されたときには地域の委員会を開き、それでもだめだというときには全国の委員会で審議をする、こういう3段階の仕組みを作ることでは一意しているのではないかと考えれます。
 あとは、構成とかそういうものをどうするかということで若干、違いはあると思いますけども、少なくともこの院内事故調査委員会を活用していこうという流れだけは一致していると思いますので、もう一度お諮りをして異論がなければ、今後は院内事故調査委員会を活用する案を軸にして細部を詰めていって、医師法21条をどうするかということは後で決めればいいと思います。
 多分、警察に届け出るというのは、犯罪性があるものに対しては全く異論がないと思いますので、、調査の途中で犯罪性があると思われた時には届け出るということで一致できるのではないでしょうか。
 少なくとも、まずは院内事故調査委員会を基本にし、3段階の組織をつくり、それが医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に関する基本骨格だということで、一致できるのでしたら、次はその体制をどうするかというと話し合いに進めていかれることを提案したいと思います。


○山本座長
 ありがとうございました。
 では、豊田構成員、どうぞ。

○豊田構成員
 患者の立場としても聞かせていだきまして、今、里見委員がおっしゃってくだった案で、話し合いを進めていただきたいと思いました。患者の立場でお話を聞いていると、まとまっているのか、まとまっていないのか、私も正直わからないところがあります。
 でも、そうはいっても医療界が原因究明と事故調査をやっていかなければいけないと思ってくださっていることは、今日、すごく伝わってきました。その中でただ、院内の事故調査の方に比重を置くのか、第三者機関をしっかりつくるのかというところについては、まだまだ統一されていないと思いますので、今、里見委員がおっしゃってくださったように、何かしらつくっていかなくてはいけないということはわかっていますので、次回以降はそういう議論をお願いしたいと思っています。
 そのためには、先ほど中澤委員がおっしゃってくださっていましたけれども、患者さんたちが何を求めているかというところをもう少し取り入れていただかないと、仕組みをつくるときに方向性がずれてしまうといけないので、是非、患者側のヒアリングもお願いしたいと思っています。
 先ほど山口委員の方から出た解剖の件なのですけれども、日本人は解剖に抵抗があるとも言われていて、解剖率が上がっていかないという話がありますが、多くの患者さん、ご相談を受けた方々から解剖をしていなくて、後悔したということをたくさん聞いています。
 私は解剖を決断した経験があるのですが、5分ぐらいのごく短い説明の中でそれを決断しなければいけないという本当に苦しい選択でした。でも、後にやってよかったということになりました。そこに説明する立場の方がいるといないのとでは、全く違いますので、例えばモデル事業だったら、調整看護師さんがいることによって解剖の大切さを知ることもあると思いますから、ただ解剖率が低いとか、解剖する気持ちがない人が多いのだから無理だということでは、先に進めないと思いますので、そういった実情も是非、患者さん側から聞いていただければと思います。
 よろしくお願いいたします。
○山本座長
 ありがとうございました。
 では、山口構成員、お願いします。

○山口(育)構成員
 今の豊田委員と同じような意見ですけれども、私も今日、お話を伺ってこれだけ医療界の方たちが考え、それぞれ団体が独自に仕組みづくりを明確に考えていらっしゃるかを実感いたしました。しかし、このような動きはなかなか国民もまだ知らない現状で、こういう機運が上がってきているということをもっと私たちにも知らせていただきたいなと一番に感じました。これだけ医療界の中でそれぞれの団体が考えてくだっているということは、とても患者としても心強いことだと思います。
 その中で今日、日本病院会からの御発表があったように、原因究明と責任追及のあり方とは分けて考えないと、とてもややこしい話になってくるなと改めて感じました。
 いろいろな団体からの御提案があるわけですけれども、何とか共通項を見出していかないと、実際に患者が何かあったときにどこにどうアプローチすればいいのか分からず、非常に混乱するように思いました。
 そんな中で1つだけ申し上げておきたいのが私もたくさんの患者さんの声を聞いてきた中で、何か問題が生じたときは一番に自分の受けた医療機関でしっかりと説明を受けることを患者は望んでいるということ。そこで納得できれば、全く問題がないと思うのです。ところが、そこで納得いかないときに意見を聞ける機関が実際にはないという問題があります。
 まずは院内でのきちんとした説明、そして、その次の段階としての第三者機関のあり方を今、里見構成員がおっしゃっておられた内容で進めていくべきではないかなと思いました。

○山本座長
 ありがとうございました。
 高杉構成員、どうぞ。

○高杉構成員
 私が解剖といったのは、あくまでも病理解剖でありまして、司法解剖のことを指しているわけではありません。マンパワーが少ないときには、病理解剖に法医解剖が協力することも、人材が少ない県はそういうことも考えている、隣県の応援も考えているという話であります。
 それから、樋口先生がおっしゃいました病院団体の少しずつの微妙な違いは修正可能だろうと思うし、意見の一致を求められる。
 実は宿題にはなっているのですけれども、大学病院会議の会長の森山先生からも提案されて、各団体で少しずつ話を調整していこうと。実は昨日、四病院団体の連絡協議会が医師会であったのですけれども、そこにもこの話の進捗状況はお話してあります。
 したがって、医療団体にそんなに大きな違いはない。そこのところの調整は可能でしょうし、我々も話し合っていきますし、またここに提案を持ってきたいと思います。

○山本座長
 ありがとうございます。
 よろしいですか、ちょっと時間が。
 では、本田構成員、まだ御発言がないので。

○本田構成員
 発言していないので、一言だけ。
 私も皆さんの今日の御発表を聞いて、かなり真剣に前向きに検討していただいていることに、大変うれしく感じています。
 私は患者でもあるけれども、普通の一般国民として感じるのは、微妙な違いという、先ほど里見構成員からもお話がありましたが、ある程度の共通項はもうあるのだということが納得できるという立場に立って、微妙なところというのは何かというのをもう少し明確にして、整理をしていただく。
 これまでの各団体の考え方も現状になって少しずつ変わってきている部分もあるようにも感じますので、そういうものを見える形で1つずつ議論できるようにお願いしたいと思います。
 それと先ほど豊田構成員がおっしゃったように、患者さんがどう感じているのか。経験者の方からの御意見も是非、ヒアリングでお願いしたいと思っております。

○山本座長
 ありがとうございました。
 今後の進め方について幾つか御意見がありましたが、参事官の方から。

○大臣官房参事官(医療安全担当)
 本日は主に医療提供側の方々からのヒアリングということでさせていただきましたけれども、ただいまこの会議で御議論がございましたように、患者の方々の意見のヒアリングをという御意見がございました。次回以降、私ども事務局としては患者側の方々の意見や、法曹界の方々の意見など、もう少し幅広く関係者の御意見も賜りながら、その中で共通項を見つけていただきたい。そのような形での御議論を期待して開催させていただきたいと思います。

○山本座長
 まだ御発言はあろうかと思いますけれども、時間をかなり超過しておりますので、申し訳ありませんが今日は。勿論、これで方向性を今日でとりまとめるとか、そういう話では全然ありませんので、引き続き議論を続けていただければと思います。
 それでは、最後に事務局の方から。

○医療安全推進室長
 今後の開催ですけれども、日程の確保を既に構成員の皆様にはお願いをしておりますので、そのように進めてまいりたいと思います。
 正式には開催通知を後日、送付させていただきますので、よろしくお願いいたします。

○山本座長
 参考資料1の関係についての御説明はいいのでしょうか。

○医療安全推進室長
 前回の会議の中で御意見がありましたら、お寄せくださいということでいただいておりましたけれども、本日は時間がなかなかないと予想されましたので、参考資料としてだけお配りしております。こちらについての討論は次回以降でお願いしたいと思っております。

○山本座長
 各委員におかれましては、引き続き御意見等がおありであれば、事務局にお寄せいただきたいと思いますし、また、既に御意見を出していただいている方々も本日の討論などを踏まえて、更に追加の御意見等をお寄せいただくということも大変ありがたいと思いますので、どうかよろしくお願いをいたします。
 それでは、本日はこれで閉会をさせていただきます。長時間にわたる御議論、誠にありがとうございました。


(了)
<照会先>

医政局総務課医療安全推進室

室   長 宮本: 内線2570
室長補佐 川嵜: 内線4105

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