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2012年3月23日 第7回臨床研究・治験活性化に関する検討会 議事録

医政局

○日時

平成24年3月23日(金)10:00〜12:00


○場所

厚生労働省 17階 専用第18−20会議室


○議題

(1)臨床研究・治験活性化5カ年計画2012(案)について
(2)その他



○議事

○厚生労働省研究開発振興課治験推進指導官 定刻となりましたので、「第7回臨床研究・治験活性化に関する検討会」を始めます。本日は、ご多忙中のところをお集まりいただきましてありがとうございます。本日は中川構成員、本田構成員、松島構成員の3名から事前にご欠席の連絡を受けておりますが、16名の構成員の方々にご出席いただいております。「開催要綱4.運営」に基づき、構成員の2分の1以上が出席していますので、本検討会が成立しておりますことをご報告いたします。
 次に配付資料について説明させていただきます。議事次第、座席表、資料1-1「臨床研究・治験活性化5か年計画2012(案)」、資料1-2「臨床研究・治験活性化5か年計画2012(案)見え消し版」、資料2として、パブリックコメントの結果要約をそれぞれお付けしております。また、別綴じの参考資料も随次ご参照ください。なお、傍聴者のお手元には参考資料の配付はございませんのでご了承ください。以上です。
資料の過不足等がございましたらお知らせいただきますようお願いいたします。
 では写真等の頭取りはここまでとさせていただきます。
これからの進行は矢崎座長にお願いいたします。
○矢崎座長 おはようございます。期末の大変お忙しい中を、構成員の先生方にはお集まりいただきましてありがとうございました。また、傍聴席にはたくさんの方々がご出席いただきましてありがとうございました。これはおそらくこの治験活性化、臨床研究の活性化が、我が国の将来の成長戦略の大きな柱の1つになるということで、ご参加いただいたというように思います。よろしくお願いしたいと思います。このポスト5か年計画のあとの、さらに5か年計画2012、これはもう今年度いっぱいでまとめるということで議論してまいりました。
 前回、大変多くの貴重なご意見をいただきましたので、それをなるべく最終案には取り入れるということで、事務局でご苦労いただきまして、さらにこの間、パブリックコメントを取りまして、その意見も加えて、今日、この最終案を提示申し上げたわけです。大体先生方にご意見いただいたものを、ほとんどフルにこの中に入れ込んだつもりです。私も一通り目を通して、前回先生方に指摘されたものがほとんど入っているのではないかと、ただ、この治験の推進の会では、極めて重たいご提言、この場でこの最終案に入れられるかどうかというのは非常に難しい点がございまして、その点は議論いたしまして、なかなかこの中には含まれない、次のアクションプランのときに意見として入れていただくという判断もさせていただきましたので、十分その辺を踏まえましてご議論いただければ大変ありがたいと思います。
 それでは最終案について詰めを行ってまいりたいと思いますので、よろしくご協力のほどをお願いいたします。何も最終案だから意見を述べるなということでは決してございませんので、柔軟に対応しますので、またご意見をいただきたいと思います。それでは事務局から説明をしてください。
○厚生労働省研究開発振興課治験推進指導官 それでは資料1-2「臨床研究・治験活性化5か年計画2012(案)見え消し版」を用いてご説明いたします。資料1-2をご覧ください。まず、2頁です。「新たな治験活性化5か年計画の進捗状況」のところで、文字が少しぼやけていたのと、配色ももっと見やすくした方が良いというご意見をいただきましたので、修正いたしました。
 4頁です。(1)「臨床研究・治験活性化5か年計画2012の検討」の部分で、一番下の段の「また」以下ですが、以前は「医師主導治験等」と記載していましたが、前回のご指摘を踏まえて、臨床研究を推進するという趣旨が明確になるよう「医師主導治験や臨床研究に対する更なる支援」と修正し、表記を元の形に戻しました。
 また、その下の(2)「さらに」以下ですが、前回の検討会でのご指摘が、今回の計画では臨床研究に関するゴールは医薬品や医療機器の承認ばかりではなく、もう少し手術であるとか放射線療法などを含めた医療技術の向上にも寄与するような臨床研究という意味合いであってほしいということでしたので、赤字でお示ししているとおり、「医療機器の改良のほか、手術や放射線療法等を含めた医療技術の向上のための臨床研究等についても、同様に推進すべきである」と記載しています。
 5頁です。一番下の「臨床研究・治験活性化5か年計画2012の目標」の表ですが、これも配色を考えるようにとのご指摘をいただきましたので、修正しました。
 6頁です。2章では、「臨床研究・治験活性化5か年計画2012」の具体的な方向性をお示ししています。当初よりこの計画全体について主語が少し曖昧ではないかという点と、その対応期間について短期的に目指すこと、中・長期的に目指すことの意味をもう少しはっきり示したほうがいいのではないかとのご意見をいただいていました。もう一度、ここで改めて、どこが主体となって実施するのかということについて、確認しておきたいと思います。2章の最初のところに「国や国以外の関係者は互いに連携しながら、以下の取組みについて具体的な数値目標を定め実施していく」と記載しています。国以外の関係者については、例えば治験依頼者であるとか、各医療機関というように記載していますが、それ以外のところについても、国の関係者が中心になって今後検討を重ねて実施していくとご理解いただきたいと思っております。
 また、期間についてですが、臨床研究には多くの課題があり、一度にすべて取り組むことは実質的に難しいと考えています。そこでまずは短期的に目指すことの範囲は、今後2、3年以内に達成したい、そして、中・長期的に目指すことに関しては、5年以内に達成、または検討に着手したいと考えています。もちろん、中・長期的に目指すことに関しても5年以内と申しましても、なるべく早い時期に着手して検討を開始することを、目指して行きたいと思います。主語と対応期間については、そのようにご理解いただきたいと考えております。
 内容については、1.「9年間の活性化計画を踏まえた更なる飛躍と自立」のところでは、3つの項目に分けて記載しています。それぞれに治験だけではなく、臨床研究という言葉を入れ込んだほうが良いとのご意見をいただきましたので、1つ目の項目と3つ目の項目には、「より良い治験環境、臨床研究・治験実施体制」に修正しました。2番目の項目については、医療機関と治験依頼者が過度に依存することなく互いに自立するという治験に重点を置いている趣旨ですので、臨床研究という言葉は記載しておりません。
 7頁です。2つ目の項目については、治験ネットワーク内での事項に治験依頼者がインセンティブを持たせることに違和感があるというご意見を川口構成員からいただいていました。インセンティブについては、決して治験ネットワーク内だけではなく、治験依頼者や治験ネットワーク事務局がそれぞれの立場で、医師に対してインセンティブを与えるような工夫を検討していきたいと思っています。
 3つ目の項目の「国等においては」という部分は、我々が検討して、今後、治験ネットワークに関して優良なネットワークの要件を定めた上で、厚生労働省等のウェブサイトで公表していきたいと思っています。
 8頁です。(2)「治験手続の効率化」です。「短期的に目指すこと」の「治験等の効率化に関する報告書の撤底」のところで、「サンプリングSDVの在り方の検討を含め、モニタリング業務を効率化する」という記載は、前回はサンプリングSDVの検討を「治験のIT化の検討」の項目に入れていましたが、サンプリングSDV自体はあくまで手法であって、ITの推進とは直接関係がないために、効率化のところに記載しています。
 9頁です。「統一書式の徹底」の1つ目の項目には、平成24年3月7日付けで研究開発振興課長通知として「統一書式」に関する新たな通知を発出しておりますので、追記しました。
 10頁です。「医師等の人材育成及び確保」ですが、「初級者CRC、上級者CRCについて、どのような人材が求められているのかを明確化した上で研修を計画し、実施する」と修正しました。
 また、10頁の一番下の「臨床研究・治験に携わる医療関係職種の育成」の2つ目の項目を修正しました。
 11頁です。「臨床研究・治験に携わる人材の確保」ですが、取り組む設置主体を「医療機関」から「国及び医療機関は」に修正しました。
 (4)「国民・患者への普及啓発」ですが、1つ目の項目の「臨床研究・治験の意義に関する普及啓発」で、製薬団体、医療機器団体だけでなく、医学等の関連学会なども含めるべきであるというご意見をいただきましたので、そのように修正しました。
 次の「患者を対象としたフォーラム、市民講座等の開催」についても、対象を「患者」から「国民・患者」に修正しました。
 12頁です。「実施中の臨床研究、治験に関する情報提供」の「臨床研究(試験)情報検索ポータルサイト」のところでは、単に「調査」と記載するだけではなく、「調査・検討し」に修正しました。
 「中・長期的に目指すこと」の1つ目の項目ですが、「治験の届出の情報」から「行われている治験の情報やGCPの遵守状況に関する情報等を一定のルールを定めて公開することを検討する」に修正しています。
 13頁です。ITのところは「サンプリングSDV」を削除して、効率化のところに移しました。IT化の「中・長期的に目指すこと」については、パブリックコメントからいただいたご意見を反映して、「SS-MIX」を「SS-MIX標準化ストレージやCDISC標準等の導入を検討する」に修正しています。
 この4つ目の項目については前回2月に、もう少し具体的にイメージができるような文章のほうがいいというご意見をいただきましたので、「国は、一定のルールを設けた上で、産業界も含めて広く活用できる、大規模医療情報データベース(例えば厚生労働省の「医療情報データベース基盤整備事業」等)の在り方を検討する」に修正しました。また注釈9のところではCDISCの内容を表記のように修正しております。
 2.「日本発の革新的な医薬品、医療機器等創出に向けた取組(イノベーション)」のところでは、「臨床研究・治験等の実施体制の整備」の3つ目、臨床研究中核病院を説明した表記がありますが、国際水準の臨床研究の箇所で、医薬品についてはICH-GCP、医療機器については「ISO14155:2011準拠」としました。
 15頁です。「自施設」という表現を、「医療機関等が各施設で」に修正しました。注釈12は医療機器に対応する表記を追記、注釈13は誤記の訂正です。
 16頁です。「グローバル臨床研究を実施するための体制」で、平成24年度から厚生労働省が目指す事業は、頭に「日本主導型」が付いていますので修正しました。臨床研究実施を支援するための体制について、「支援組織であるAROについても検討する」と記載していますが、これは厚生労働省が行う臨床研究中核病院や日本主導型グローバル臨床研究拠点だけではなくて、文部科学省が実施している「橋渡し研究支援拠点」を含めて、AROの在り方について、検討を進めていくとさせていただいております。
 18頁は、「『臨床研究に関する倫理指針』の改正における検討」のところの表現です。前回の会議の時には、指針改正の際に一本化を検討するという表記については、必ずしも一本化という表記にしなくても良いのではないかというご意見をいただきまして、「『臨床研究に関する倫理指針』及び『疫学研究に関する倫理指針』における指針間の関係を見直し、臨床研究を実施する際により活用しやすい指針となるよう検討する」と修正しました。
 また、その下の項目ですが、医薬品はINDは届出制度という表現をしますが、医療機器ではIDEは「承認制度」という表現がより正確なので、修正いたしました。また、「臨床研究における被験者の相談窓口」は文章をわかりやすくしています。内容は変えていません。
 20頁です。「開発が進まない分野へのインセンティブ」の項も修正しています。「患者数が特に少ない疾患を対象とし希少疾病用医薬品・医療機器において、治験の対象外となった患者や治験期間が終了した患者への治験薬等の提供のあり方については、継続的な安全性等の確認が必要となる現状があることから、現行制度の基本的な考え方を踏まえ、対応方法を検討する」ことを今後取り組んでいきたいと考えています。
 21頁です。この部分は新たに追記させていただいています。[2]「医療機器・先端医療等への取組」の「先端医療等への取組」の中で、前回の検討会で、大規模医療情報データベースと合わせてバイオバンク等の情報活用も行うことを検討したいというご意見がありました。ただその議論は、ITの推進の項目であり、バイオバンクを記載するには違和感がありましたので、「先端医療等への取組」という項目を新たに立て、「世界最先端レベルの個別化医療の実用化に向け、国立高度専門医療研究センターにバイオバンクを整備するなど、バイオリソースを活用した研究を推進する」にいたしました。それと併せてその下の項目も「先端医療等」ということで、「等」の追記をしております。
 22頁です。[3]「資金提供等」の項目で、「臨床研究に関する厚生労働科学研究費の対象となる研究課題の採択にあたっては、臨床研究実施計画書の内容を評価した上で、実施する」というところも、前回の議論を踏まえて修正しております。
 [4]「制度等」のところですが、「既承認医薬品・医療機器を用いた臨床研究における医療保険の取扱い」で、「既に承認されている複数の医薬品・医療機器を用いた臨床研究で、効果の比較や、組合せによる治療効果の検討を行う無作為化比較試験等における現行制度の課題について整理を行う」に修正しました。
 (4)「大規模災害が発生した際の迅速な対応」については、「治験機器」を追記しました。見え消し版の前回からの修正は以上です。
 また、2月に楠岡構成員から、生活保護の問題について、計画案に是非組み入れてほしいというご要望をいただいておりまして、担当部局ともさらに検討を進めてきたのですが、計画案に盛り込むことは難しいとの回答を、社会・援護局保護課よりいただきました。これについてはその理由を以下に、読ませていただきます。
 臨床研究・治験活性化5か年計画2012(案)において、生活保護受給者の医薬品の治験参加についての検討を記載することは、以下の理由から適当ではないので差し控えられたい。その理由としては4点あります。
1つ目、生活保護制度は国民の最低限度の生活の需要を満たすに十分なものであって、かつ、これをこえないものでなければならないということが原則である。
2つ目、治験等の保険外診療分及び保険外併用療養費に係る医療について認めることは、最低生活の保障としての生活保護の医療の給付を行うという本制度の趣旨を超え、当該部分に生活保護法に基づく公費を充当することに他ならない。
3つ目、難病等の医薬品の研究開発が進まない分野については、希少疾病用医薬品に係る治験の助成制度等の中で、開発企業への研究開発費支援、患者の自己負担額軽減支援等を総合的に検討することにより対応すべきものであって、研究開発を進めるために生活保護費の支給範囲を拡大することは、生活保護法の趣旨目的とは異なるものであり、適当ではないと考える。
4つ目、生活保護法においては、生活保護受給者の生命の維持に直接関係がある場合に限り、保険外分であっても特別基準の設定を行い、個別事案ごとに給付対象としているところである。
 以上ですので、申し訳ありませんが、ご理解いただきたいと思っております。
 検討結果については以上ですが、引き続きまして、3月1日から9日まで実施したパブリックコメントの結果要約についてご説明いたします。資料2をご覧ください。「臨床研究・治験活性化5か年計画2012(案)」に関する意見募集の結果とその対応(案)についてです。「臨床研究・治験活性化5か年計画2012(案)」について平成24年3月1日から3月9日まで意見募集を行い、全部で31件(個人19件、団体12件)のご意見をいただきました。いただいたご意見には、今後アクションプランを策定する際の参考とするもの、既に「臨床研究治験活性化5か年計画2012(案)」に記載のあるもの、今後の取組の参考にさせていただくものがございました。また「中・長期的に目指すこと」に記載している事項を、「短期的に目指すこと」に移すべきとのご意見もいくつかいただいておりましたが、この「中・長期的に目指すこと」に記載している事項については、可能な限り速やかに検討に着手する予定です。
 すべての回答を載せているわけではありませんが、いずれホームページで公表する予定としております。今日はそのうちの一部をご紹介するという形でまとめさせていただきました。いただいたご意見の中で計画案を修正したものは、IT化のSS-MIXと、CDISCの表記と注釈のところです。
 2頁です。既に計画案の項目としては記載があり、今後、アクションプランを策定する際の参考にさせていただくものとして、内容はそのままではありませんが、この内容も参考にしながらアクションプランを作っていきたいと思います。
 4頁のところは、既に計画案の項目としては記載があるもの、または今後の取組の参考とさせていただくものとして、まとめています。例えば、IRB及び倫理審査委員会は機能不全となっており、やはりIRBに対する教育の強化が必要だと感じているというご意見をいただきましたが、IRBの教育であるとか、質については既に計画案に盛り込んでおりますので、ご参同いただいたご意見として承り賜りました。
 2つ目についても、いただいたご意見は、エビデンスにつながる質の高いデータを求めることは必要不可欠であるが、参加する患者があってはじめて成り立つ臨床試験や治験である、被験者保護の観点から、医療機関が組織として、どのように責任を果たしていくのかを是非、明確にしていただきたいということでした。これも、直接的な回答ではありませんが、今後5か年計画2012を進めていくにあたって、いただいたご意見を踏まえて取り組んでいきます。簡単ですが要約の紹介は以上になります。
○矢崎座長 パブリックコメントは大変短い期間でしたが、31件のコメントをいただきまして、その一つひとつが大変貴重なご意見をいただきまして誠にありがとうございました。この委員会を代表して、御礼申し上げます。前回ご意見をいただいて、その前はどこをどう直したかがその場ではなかなかわかりにくかったので、今日は事務局にお願いして、見え消しの訂正した箇所が明確に先生方にわかるようなものと、それで整理した見え消しではない最終版としての案も資料1-1として一緒にお配りしておりますので、よろしくお願いします。前回、いろいろいただいた意見を最大限この中に取り入れたつもりですが、さらにもう少しこういうのを付け加えたらいいのではないかとか、そういうご意見がありましたらいただければと思います。
○楠岡構成員 生活保護に関しては、ご検討いただきましてありがとうございました。ただいまのご説明の中で、生命にかかわる場合には特例的な措置があるということは、生活保護法本体にもそのような記載はあったと思いますが、これに関して何か具体的な例示のようなものを既に出されているのかということと、その中には治験も含まれているのかに関して、わかりましたらご説明いただきたいです。
○厚生労働省研究開発振興課治験推進指導官 先ほど、保護課からの回答を紹介させていただいた中の、特別基準の設定というところのご質問かと思っておりますが、保護課としては特別な措置というところで、資料はありませんが、平成23年3月31日付けの社援保発0331第13号で、各都道府県、指定都市、中核市の民生主管部(局)長宛に社会・援護局保護課長通知として、「未承認薬・適応外薬に関する医療扶助特別基準の取扱いについて」という通知が出されているようです。また、平成22年3月30日付けでも社援保発0330第1号ということで、同じく保護課長通知として都道府県、指定都市、中核市の民生主管部(局)長宛に、「生活保護法による医療扶助の特別基準の取扱いについて」が出されていて、その中でも治験についての取扱いが書かれております。
○楠岡構成員 まずは、そのような通知を出されているということはいままで全く存じ上げなかったという点です。いまお伺いしますと、民生担当には通知が出ていますが、治験の現場に関連している健康部局のほうにはそれが伝わっていない。我々も、生活保護者を治験に入れてはいけないということを、現場を担当する医師やCRCに十分に注意していただきたいといろいろな機会を通じて、言うならば教育というか啓発活動を行ってきた経過があります。もしそういう例外的なものが認められているのであれば、ひょっとするといままでその中で治験に入ることができていた方を我々が逆に断ってしまっていた可能性もあり得ると思いますので、具体的なところが治験の現場に伝わるように、少しご配慮いただきたいと思います。
 また、3番目のお答えで、難病に関しては開発者支援をやっているので生活保護には適用しないというご意見だったと思いますが、開発者を支援して薬ができて、いざ治験というときに肝心の被験者がいないという、前回まで私が申し上げているような事態もあり得るので、いまの通知の中に難病対応、特にオーファンを対象にしているような薬に関しては、多少適用も認めていただけるような方向でご検討いただければありがたいと思います。今日のご回答は、治験に関する中で、生活保護でいままでアンクリアであって、逆に現場としては非常に困っていたことに関する進展の第1歩であるかと思いますので、今後ともよろしくお願いしたいと思います。
○厚生労働省研究開発振興課治験推進指導官 わかりました。先ほどの説明で少し言葉足らずのところがあったのですが、医薬品の治験は特別基準の対象となり、医療機器の治験は自治体から特別基準の申請があったときに、個別事案ごとに通知の基準に該当するかどうかを検討して、回答するという形になっているようです。以上です。
○楠岡構成員 もう1点確認ですが、12頁のいちばん最後の○の「保険外併用療養費制度」の点に関して、前回、中川構成員から「制度」という言葉は取ったほうがいいというご指摘があったのですが、いつも我々も療養費なのか療養費制度なのかを迷うところがあるので、一度正式見解というか、取ったほうがいいのか、このままでいいのかだけの確認をお願いします。
○厚生労働省研究開発振興課治験推進指導官 申し訳ありません。これは事務局のミスで落としておりました。ご指摘ありがとうございました。
○楠岡構成員 では、「制度」はないほうがいいということで。ありがとうございました。
○矢崎座長 治験と生活保護との関係はいろいろな課題があるので、徐々に検討していくということで、まだ現場には十分周知していない点で、今後もこのアクションプランの過程で、現在できる範囲のことは皆さんにお知らせできるようにしていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。そのほか、いかがでしょうか。
○渡邊構成員 現在の臨床研究・治験の非常に重要な課題について、よく整理してくださったと思いました。ただ、6頁の短期的、中期的な定義については、中・長期的に目指すことも、着手する時期は、いまから着手すべきことではないでしょうか。説明にある「今後5年以内に達成、又は検討に着手すべき事項」の中の「又は検討に着手」の文言は削ってもいいのではないかなと思います。つまり、定義を「今後5年以内に達成すべき事項を中・長期的に目指すこととした」へ変更する提案ですがいかがでしょうか。
○厚生労働省研究開発振興課治験推進室長 「中・長期的に目指すこと」に書かれていることについては、かなり意欲的な項目も入っておりまして、必ずしも5年後すべて達成できているかどうかというのは怪しい項目も入っておりますので、できるだけ早期に検討に着手するという趣旨は生かそうかと思いますが、5年以内に達成できるものだけをここに載せているわけではないということでご理解いただきたいと思います。
○渡邊構成員 せっかく非常に重要なこと、必要なことが網羅されているのですから、実現を促す文面が望ましいと思います。例えば8頁の「疾患に応じた治験ネットワークの構築」でも、上から2番目の項目の「希少・難治性疾患のレジストリー構築にあたっては、例えば厚生労働科学研究費補助金により組織されている研究班のデータを活用する等、具体的な方法を検討する」という文面です。検討するのは、いつでも始められることなので、このような逃げ道を残してしまう文面ではなく、本当にこれを構築するのだということがわかるような文面にしていただければありがたいと思います。
○厚生労働省研究開発振興課治験推進指導官 その点に関しても、可能な限りアクションプランでは着手すべき時期について考えていきたい。検討する項目が何十ほどありますので、それぞれ重要な課題であると考えていますけれども、すべて同時に検討をスタートすることは困難ですし、この5か年の中ですべて解決にまで持ち込んで行けることもなかなか厳しい部分もあるかと考えています。ですが、この計画では今まで臨床研究の様々な課題について検討することも行ってこなかった状況もございますので、きちんと問題点を明らかにして取り組みをはじめることで解決を目指していきたいと考えています。アクションプランでは、具体的な数値目標についても検討したいと考えています。
○山本構成員 16頁の上の○の2つ目の「臨床研究の実施を支援するための体制」で、「大学や研究機関における臨床研究の支援組織(ARO)」と書いてあります。私があまり知らないだけかもしれませんが、いろいろな人にお話を聞いていると、言葉の問題で、このAROというもののイメージするものが結構違うみたいです。例えばアカデミアにあるCROのことをAROと言っている場合もあるみたいだし、アカデミアの研究を支援する民間のものもアカデミックCROと言ったり、あるいは大学の中にあって専門や特徴を活かして治験を実施する組織自体をAROと言ったりもすると思うのです。前の部分に「支援組織については」という日本語の文章に対して、AROがその訳語としてパッと書いていいのかどうかがわからないので、ここに違和感を覚える人もいるみたいです。十分に検討していないのであれば、もう少しここの書きぶりを検討してみてはいかがかと。定義なので、こう書いたとすると、これで定義してしまうことになるような気がします。
○厚生労働省研究開発振興課治験推進指導官 ここに強いて注釈を付けていないのは、臨床研究の支援組織の側面があることには違いがないというところで、大きく捉えてAROと記載していますが、山本構成員のご指摘はごもっともだと思います。この5年の間に日本で臨床研究を活性化するためには、支援組織の存在は大きくクローズアップされてくるだろうと捉えております。
○山本構成員 それはそのとおりでいいのですが、こう書いてしまうと支援組織=実施するという定義になってしまうので、いいのかなと。例えば支援・実施組織とするとか。別にこのままでもいいのですが。
○厚生労働省研究開発振興課治験推進室長 AROという言葉の正確な定義というのは特になされていないと思いますので、言葉だけということであれば「いわゆるARO」とか、そういう形にしたいと思います。
○矢崎座長 広い意味で使っているわけですね。そのほか、いかがでしょうか。
○中西構成員 いまの件ですが、この春ぐらいに一般社団法人のARO協会というのが設立される準備がされていて、そうなると、ここがそれと同じかどうかという話が出てくると思いますので、「ARO等」として、少し含みを持たせられるようにしていただいたらいかがかと思います。
○矢崎座長 どうもありがとうございました。そのほか、いかがでしょうか。よろしいですか。そうすると、これを土台にして、実際にこれからアクションプランをもう少し細かに具体的に取り上げて作成していく方針できておりますので、今日はその元になる憲法みたいなものをここで定めさせていただいたということです。
 それでは、この見え消し版を資料1-1へと、それから今日いただいたご意見を資料1-1に加えて最終版にしていただき、次のステップに移っていくことにしたいと思います。一応、平成24年以降5年間、臨床研究・治験は、この方針に従って進めていきたいと思っておりますので、皆様方のご協力を是非よろしくお願いしたいと思っております。この計画2012を、臨床研究あるいは治験をやっている方々に今後も十分知っていただくために、厚生労働省、協力いただいた文部科学省のご協力を得て、啓発活動で、我が国の新成長戦略に資するような領域に、今後も発展していければと思っております。
 今日までの7回にわたって、大変ご熱心な、そして本当にこの領域の専門家でなければわからないような大変レベルの高いご意見もいただきまして、格式のあるというか、そういう計画案を作ることができましたので、本当にありがたく思っております。今日は最後ということで、ご出席いただいた構成員の皆様方に、いままでご尽力いただいた上で、この5か年計画への期待と申しますか、こうしてほしいと、今日は厚生労働省、文部科学省の担当の方々がいらっしゃっていますので、少し前向きなお話でもいただければと思いますがいかがでしょうか。端からと言うと恐縮ですが、渡邊先生から何か一言ずつお話いただけますか。
○渡邊構成員 この5か年計画には、今後の日本の臨床研究・治験活性化を促進するための多面的な方策が盛り込まれていると思います。治験より臨床研究を前面に出したことにより、そこに関わる対象者も大きく拡大しました。このように道筋は示されたので、あとはそれを具体化すること、1歩ずつ前進していくことが非常に重要だと思っています。
○矢崎座長 前は治験中心でしたが、今度は早期探索あるいはイノベーションということで、橋渡し研究も含めて臨床研究まで幅を広げていったので、今後はプロトコールの審査とか倫理的な問題も大きな問題になると思いますので、今日は倫理関係の先生方もいらっしゃるので、その点についてもお話を伺えればと思います。山本先生、いかがでしょうか。
○山本構成員 今回、いま矢崎先生がおっしゃったみたいに臨床研究というのが大きくクローズアップされるようになって、それに携わっている者としては非常に嬉しく思います。これを読むと、先ほど憲法というお話があったのですが、どうあるべきかということがある程度見えてくると思いますが、アクションプラン的な部分も含まれているので、できることを書こうみたいな部分がありますね。予算が付くかとか検討会を開けるかとか、そういうことと、あり方というか未来の絵というのは別の話なので、本当はこういうことも書きたかったみたいなこともまだあったと思うので、どういうふうに我が国の臨床研究・治験あるいは治療開発の絵がなっていくという将来像みたいなものに関しても、もう少しみんなが共有できる絵を描く部分と、現実にそれをアクションプランに落とし込んでいくところを分けて、夢は夢として書き込めるようなもの、つまり憲法のようになれば、行政の方ももっと書きたかったことはあると思うので、そういうふうに次はできれば。ここからみんなで議論して、そういうものを作っていけばいいと思いますが、そのように思いました。
○矢崎座長 中西先生、いかがでしょうか。
○中西構成員 私自身、臨床研究にも治験にもTRにも関わっておりますが、実際に現場に行って思うことが、医療者・研究者としてやりたいことと、連携する企業の方々のお考えと、行政の方々のお考え、被験者のお考え、しばしばお互いぶつかってみたり、お互いに望むところが違うと思われることが実際はよくあるような気がしています。しかしながら、最終的な目標というのはシンプルで、いちばんいい、又はより良い医療を提供するということです。私自身は、ここに盛り込まれた計画というのは、いろいろな立場からの具体的なプランが垣間見られるように作られていると思います。いま申し上げたそれぞれの立場のすべての方が絶妙なバランスをとって初めてこういう臨床研究とか治験が前に進むと思いますし、そのための非常に強い推進力になってくれるものと期待しております。この計画が1つの大きなきっかけになって、日本の臨床研究が基礎研究以上に発展すると期待しております。以上です。
○矢崎座長 田代先生。
○田代構成員 私自身は倫理の立場から、主に被験者保護や倫理指針絡みのことでいくつか発言させていただきました。今回の計画では、倫理審査の質の向上に向けて、これから5年間でいったい何を具体的にやっていくべきかがこれまで以上に明確になったと思います。もちろん、そのうちのいくつかはすでにこれまでに言われてきた内容ですが、初めて明確に書かれたこともあり、期待をしています。行政としての取組も重要だと思いますが、大学や研究機関で実際に倫理審査に関わっている人間が、現場でしっかりとやっていかなければいけない部分も大きいと思いますので、私自身もこの方向で実現できるように取り組んでいきたいと思っています。
 もう1点、個人的には今回何箇所かで触れられた教育の部分に期待しています。倫理も含めて臨床研究の教育を充実させることはとても重要だと思っています。今回の計画では、医師だけではなく、広く医療職に対する臨床研究教育を充実させることがしっかりと盛り込まれていると思うので、その部分にも期待をしていますし、私自身も今後積極的に取り組んでいきたいと考えています。どうもありがとうございました。
○塩村構成員 産業界から来ておりますので、お隣の倫理のお話ではなくてお金のお話になりますが、こういうものを実行するには人・物・金・箱の中で、お金の確保が非常に大事だと思います。それで予算の確保ですが、特に臨床研究に対する公的な補助というのをいろいろ調べると、米国と比べると我が国は桁が違って0が2つ少ないというデータがあります。いまは、いろいろと国家の予算が大変な時期ですが、これは国民のためになることをしておりますので、厚労省あるいは文科省におかれましては予算申請を遠慮なく、25年度の予算を頑張って取ってきてほしいと思います。何か応援できることがありましたらおっしゃっていただいて、一緒に頑張って臨床研究の予算を確保するようにお願いしたいと思います。
○近藤構成員 医療の世界から薬事の世界に移りまして4年が経ちます。強烈に感じることは、薬事の世界の特徴というのは、究極の倫理、医療倫理かなと思います。その1つは、有効性の評価をしっかりやる。もう1つは、安全性の評価をしっかりやる。脳外科医をずっとやっていて、いかに腕を上げるかというところにおいては、専ら個人的に有効性で勝負してきたつもりではありますが、安全性の評価というのも同様、個人的なものといえます。医療の世界では、そこら辺はこのように個人的なところがあります。このように治験・臨床研究の活性化、まさしくその医療の内容がより安全性も含めてクオリティを追求する格好になってきた。従来、やや軽く見られたというと申し訳ないですが、その部分が強化されるということは日本の医療そのものがものすごくクオリティが上がってくるのだろうなと。特に安全性のフォローアップをしていく事は、大変大きな変化が来るだろう。もちろん、新しい医薬品・医療機器が出てくるのは間違いないと思いますが、医療そのものの進化もかなり期待されるなと思います。そうすると、これだけ国を挙げてこういう体制を取っていくと、日本の医療というのは世界のトップレベルに行くことは間違いない気はします。薬事というのは、いろいろな影響を与えているなということを改めて感じて、私もこの世界に来て薬事のありがたさを感じているわけで、今後の発展を期待するところです。どうもありがとうございました。
○小林構成員 どうもありがとうございました。私は患者側ということで、全くの素人でこの席に来させていただいて、いろいろな資料を読みましたが、資料に出てくる言葉が次から次へとわからない言葉ばかりで、その意味を調べるのに一苦労というか三苦労ぐらいしました。
 少し古い話になりますが、私は患者会活動から今こういうふうになっていますが、もともと自分の子どもが難病で、いまはもう亡くなっていますが、そのことがきっかけで患者団体を作りました。随分古い話ですが、未だに治療法が開発されていない病気です。ある大阪の大学の先生が治療法を研究して、試験管の中ではとてもうまくいったみたいだから、動物実験をしようということでサルの実験をしたのですが、そこがうまくいかなくて進まなくなりました。そのとき、患者会もみんなで活動していたので、患者側はとてもその研究に関心を持って期待をしていたわけですが、研究が進まないということで、放っておけば子どもが死んでしまいますから、その先生に、まだかまだかということをしていたのです。そのうち、ある父親が「サルが駄目なら、自分の子どもを実験でいいからやってくれ」ということまで言い出したのです。それが良いか悪いかはまた別にして、そう思う患者の気持というのは私にはとてもよくわかります。うちの子どもも、そのときは同じように末期の状態でしたから、ずっと何人も仲間たちが亡くなっていくのを見ていきながら、こういう研究、薬を開発するということは患者にとってはとても重要なことで、誠に申し訳ないですが、もうこれは患者にとっては倫理とかそういう問題ではないのです。生きるか死ぬかということが1つあるのだということを皆さんにも覚えていただいて、治験や臨床研究がもっと進んでいって、命が救えていけるような仕組みが進んでいくことをこれからも期待をしていきたいです。この中に患者会との連携とか、そういうことが何箇所か出てきますが、いまちょうど、たまたまだと思いますが、製薬工業会でも患者側との連携を深めて、いろいろな意見交換をする場を作っていただいたりしていますから、今後そういう患者会と連携するというようなことがあれば、どんな形でやったらいいのか、是非協力をさせていただいて、こうしたことが進んでいけるように協力したいなと思っています。本当にありがとうございました。
○赤堀構成員 今回、医療機器のほうから参加させていただきました。過去のこういった検討会ですと、どうしても医薬品メインで医療機器がなかなか表に出てこないということでしたが、今回、佐原課長からも医療機器に関しては盛り込むよということだったので、いろいろお話をさせていただいて、結構我々の要望するところが盛り込まれたのだろうと考えております。特に医機連としては、新成長戦略のところで医療機器というものは改善・改良が多いということで、その臨床研究がどうしても重要だということで、この辺のことを提言として上げた以上、我々としても今回の2012に基づいて、今後できるアクションプランについても可能な限り協力をしていかなければいけないということもありまして、実は医機連の中の組織に変更があります。私は現在、医機連のGCP委員会ということで活動をしていますが、GCPですとどうしても治験だけに限定されてしまうということになります。現在、医機連の中では臨床研究を専門に扱う所がないということで、今後こういったことを統括してやろうということで、名称を「GCP委員会」から「臨床評価委員会」に変えて、4月からもっと幅広い臨床研究・治験の活性化も含めて検討していくという委員会になりましたので、今後その辺もアクションプランの作成等に協力していきたいと思っています。今後とも、よろしくお願いしたいと思っています。
○一木構成員 日本CRO協会から参加させていただいています。縁があって、この活性化に関してはずっと会議に参加してきまして、今回のは言葉はきれいに整理されています。というのは、いちばん最初のころはいろいろな言葉に、ある意味では1個1個瑣末なところに引っかかっていたような気がしますが、今回のはきれいなポリシーが流れていると思いますので、この次にアクションプランを作っていって目標を作っていくところが、いちばん大切だろうと思っています。ただ、昨日、一昨日と2回も3回も読んでみたのですが、読み物としては3か年、その次は5か年、これがいちばんきれいなものだと思いますので、これをいろいろな所で勉強をしていただいて、知ることになればと思っております。ありがとうございました。
○井部構成員 私は看護職です。改正GCPのときから治験コーディネーターの養成のしくみ作りに携わってきました。治験コーディネーターは、現在はCRCと名称を変えていますが、非常に多くのCRCが活躍しています。臨床での医薬品の開発、医療機器の開発などに、その質と被験者の保護という点では大きな貢献をしていると思います。CRCになっているのは、薬剤師と看護師が半々ぐらいを占めているわけですが、この報告書の中では臨床研究・治験に携わる医療関係職種の育成というところにも関連していて思いますことは、私はいま看護の基礎教育の機関におりますが、こうした臨床研究とか治験に関しては、一般に看護職は必ずしも関心が高くないのです。そこをどのように教育をしていくかについて、このプランでさらに充実していくことを期待したいと思います。
 私が注目している文章が1つあります。10頁のいちばん下です。「臨床研究・治験に携わる医療関係職種の育成」の○の2つ目に、「医療機関は、基本的な臨床研究・治験の知識を持ち」、これはいま私が申し上げたことです。「自らが臨床研究を実施するとともに、被験者の人権や安全を守る役割を担える医療人の育成に努める」とあります。この中の「自らが臨床研究を実施する」は、私が期待しているところです。つまり、医師だけが研究者ではなく、看護に関する臨床研究も盛んになってきています。その点ではコーディネーターという役割とともに、自らが看護の臨床研究を実施する研究者として、これから活躍していけるような体制も期待したいと思っています。以上です。ありがとうございました。
○景山構成員 日本の医学は、明治初頭のヨーロッパからの導入の歴史から、基礎研究を伝統的に得意としているわけです。したがって、現在でも臨床医であっても基礎研究に関するリテラシーは非常に高いと思います。臨床家と基礎研究者は、全く同じ言語で話せます。ところが臨床研究になりますと、臨床家でありながら臨床研究に関するリテラシーは低いと言わざるを得ないと思います。なかなか共通の言語で適切に話せないというのが現状だと思います。従来、国の施策というのは、臨床研究の中でも治験に特化してきたわけです。そういう状況ですと、アカデミアではなかなか十分な評価が得られない。あるいは一部には違和感を持って捉えられている側面があったと思います。しかし、今回は臨床研究・治験と、その両者を明記しておりますので、相当にアカデミアに対しても影響力があって、是非この施策が制度あるいはインフラの整備だけにとどまらないで、アカデミアの認識、価値観を変えるところまで行ってくれればと願っております。どうもありがとうございました。
○川口構成員 いま景山先生のおっしゃられたように、日本の臨床の場というのは大変優れていると思います。ところが、意外と臨床研究あるいは治験というものに対する理解が必ずしも高とは言えない。臨床研究に対する理解が低いということを治験活性化5か年計画の振り返りでも随分感じてきました。
 1つは、今回の活性化5か年計画も、5年後の目指すところについてもう少し議論をしてみたかったなと思いました。そのことによって、その目標に向けて、どう進めるのかということがもう少し明らかになってくるといいと思いました。5ヵ年の事業等に参加した先生方は臨床研究とか治験というものについて、いろいろと認識を正しく持っていただくようになったけれども、アカデミアが目指す臨床研究と、企業が目指す治験とか臨床研究が、まだまだ違うのではないかと思います。それと同時に、国民や患者へのいろいろな啓発活動も必要なのかなと思いました。5年後の目指すところをもう少し議論していただいて進められれば、さらに良いものができるのではないでしょうか。
 もう1点気になるのは、行政の機能でも活発にこういうことに目を向けていただいていますが、各省庁それぞれにいろいろな計画があって、その連携、医療イノベーション推進にかかるところ、そのあとの橋渡しの研究、そして研究開発振興課で取り組んでいるような計画が、省庁間どころではなく、厚生労働省の中でもうまく連携を取れるような仕組みというか、そういうものを考えていただければ、より良いものになっていくのではないかと感じております。どうもありがとうございました。
○北田構成員 私はほとんど発言する機会がなくて今日を迎えてしまいました。大学病院にいて治験の管理という部分で少し関わっていた薬剤師ですが、これまでの病院の現場の経験の中で、これまであった活性化計画が着実に現場を変えているというのは実感して、この会に出席させていただきました。着実に進歩して変わってきている現状ではありますが、この検討会で話題として出てきたいくつかの課題について、これから先どうするかという議論の中で非常にバランスよくまとめることができたなという印象を持っております。大学にいる人間として、先ほど景山委員もおっしゃっていましたが、我々は治験が主体でずっと来ていましたが、ここ2、3年、臨床研究に対しても治験と同等のレベルで、少しきちんと質的に保障できるような臨床研究をしていこうということで、かなりそこに労力を注いでいますが、今回まとめた次の5か年計画の2012については、治験だけではなくて、臨床研究というのも横並びで入れていただいて、これがまた1つの弾みになるかなという気がしております。これから具体的にアクションプランというのが時系列で出てくるというお話でしたが、そういったものを参考にしてというか、それに従って、治験のみならず、日本の臨床研究がさらに大きく展開・発展していってもらえることを期待しております。本当にありがとうございました。
○楠岡構成員 私自身は、治験に関わることを10年以上行っているわけで、その中で前回の新たな治験活性化5か年計画の策定にも関わらせていただきました。いままでの治験にかかる検討は、治験が薬の開発等に直結しているので、これをまずはなんとかしないと日本の現状としてドラッグ・ラグの問題、デバイス・ラグの問題が解決しないとか、新しい薬をなかなか患者のもとに届けられないということで、治験にかなり重点がありました。今回「臨床研究・治験」と臨床研究のほうが前へ出てきたということは、いままでも多くの方がおっしゃっていますが非常に画期的なことで、これで初めて日本の臨床研究の形態がグローバルスタンダードになった。従来、欧米においては、臨床研究があって、その上に治験が乗っかっている形だったのが、わが国ではいままでどうしてもまずは治験をなんとかしなければいけないということで来たわけですが、やっとここでグローバルスタンダードな形になってきたということで、大きな転換点であると思っております。ですから、この中に関わらせていただいたことは自分としても貴重な経験だと思っております。
 また、この5か年計画の治験の実施面に関する、あるいは臨床研究の実施面に関して、さまざまなバリアを取り除こうとかプロモートをしようということで非常に強い意思が感じられますし、今後その方向にいろいろなことが進んでいくと思います。その次の問題としては、臨床研究を始める基となる問題、シーズをどうやって見つけるかです。これは医療人がベッドサイドで問題を見つけて、それをどう解決するかを、場合によっては基礎医学に投げ、あるいは臨床医学の現場で直接捉えるというマインドが必要です。誰かがプロトコールを書いてくれるのをじっと待っているだけ、プロトコールができればやりますという姿勢では問題であると思う。そういう意味では、特に研究をする人材の育成というよりも、医療の現場で働いている人がそういう問題点を見つけて、それを研究側へ投げるようなマインドを持つという人材育成が大事である。フィジシャンサイエンティストとかクリニシャンサイエンティストということをいちばん最初のこの会で近藤先生がおっしゃいましたが、そういう人材というのは育てようというよりも自然に育つような教育環境が海外にはあるわけですが、それをいかにこれから日本で作っていくかが大きな問題である。こういった面では、卒前においては文部科学省ですし、卒後においては厚生労働省が担当されることになると思いますが、本当にこういう臨床研究・治験が進んでいく最大の推進力は研究者をいかに育てるかにあって、それがあって初めて研究が出来上がり、進んでいくことだと思います。次の5か年計画のそのさらに先にはというか、いまから人材育成しても、その方たちが一人前になるのは10年、15年先の話ですから、いまからそこを考えていく必要はあるのではないかと思っております。
 最後に、個人的には生活保護の問題に関しては、10年来いろいろ代々の研究開発振興課長にはお話をし、代々の課長は皆さんいろいろ交渉はしていただいたのですが、いままですべて、はっきりした成果はなかったのも事実です。その中で、生活保護のもともとの制度の問題というか、その制度の目的と治験がそぐわないのは重々承知の上ですが、それが逆にバリアになって、治験に参加基準に合致し、その中で多少ともメリットが得られるような方々が、そこに入れないというのは問題であると考えてきたわけです。今回、初めてそこに関して新しい方向性が出てきたということで、これは今後、別に生活保護者の治験を進めるとかいう話ではなくて、治験の中に生活保護者も入ることができる、例外的にそういう道もあるということが大事なことだと思います。先ほども申しましたが治験の現場にも、こういうことをフィードバックしていただきたいと思います。以上です。
○小原構成員 貴重な経験をさせていただきまして、ありがとうございました。現場でCRCとして働いている者としては、ようやく臨床研究にまで拡大した形でこのようなプランができたことに、非常に嬉しく思っております。CRCになった当初から、治験だけでは駄目で、きちんと最適な医療を患者に提供できるところまで見届ける、携わって、初めて一人前だと言われてきましたので、実際自分も少しずつ臨床研究に広げて携わる中で、課題がたくさん見えてくるようになりました。見えてくると同時に、CRCとして上級のCRCはどのような形であるべきかというところも、まだまだ議論が必要と思っておりますので、今回ここに書かれたことが本当に実現するように、この先努力をしていきたいと思っております。
 また、看護の基礎教育に携わる者としては、「医師から、こういった研究があるけれども、参加するかと勧められた。不安だけれども、どうしたらいいか」ということを患者に投げかけられたときに、看護師が「私はそれを知らないので、医師に聞いてください」というようなことを時々まだ見聞きいたします。それは看護職として残念なことですので、そういった状況を作らないように、看護の教育や医療に携わる者の教育の中で、このプランに書かれていることを実現すべく、またやっていかなければならないと思っております。ありがとうございました。
○矢崎座長 構成員全員の先生から、極めて前向きなご意見をいただきまして、これから事務局は頑張って、あとのアクションプランを作るのにエネルギーを注いでくれると思います。最後にお話をお聞きしようと思ったのですが、いま皆さんから熱意あるお話をいただいたので、厚生労働省と文部科学省から出席されている方から、ご挨拶をいただければと思っています。まず研究開発振興課長の佐原さんからよろしくお願いします。
○厚生労働省研究開発振興課長 先生方には、7回にわたりまして精力的にご議論をいただきまして、本当にありがとうございました。それからこの場をお借りして、本検討会を傍聴いただいた方とパブコメをいただいた方々にはお礼を申し上げたいと思います。いま、いろいろご指摘がありましたとおり、これまでの3か年計画、5か年計画は主に治験のところをやってきたわけですが、これからはもっと広い意味で日本の臨床研究を活性化するということで、軸足を少し移して、我々としてもしっかりやっていきたいと思っております。
 今後の道行きですが、今日は「憲法のようなもの」というふうに座長からおっしゃっていただきましたが、大切なことは、しっかり今後のアクションプラン、道行きをどうするかということはやっていきたいなと思っていることが1つです。もう1つは、川口構成員からもご指摘がありましたが、患者により良い医療技術をより早く届けていくためには、臨床研究のところだけが良くなっても駄目ですので、基礎研究から始まって臨床研究、そのあとの審査の話、さらにその経済的な評価とか、もっと広い視野でいろいろな議論をしていく必要があるわけです。この点については、いま内閣官房が中心になって「医療イノベーション推進会議」ということで、新たなもっと広い意味での5か年計画を作っておりますので、その中のパートとしてこの「臨床研究・治験」のところがあります。したがって、大きな計画の中の1章をこの計画が担っていく。さらに、細かいアクションプランもきちんと作っていく形で、最終的に政府を挙げて医療イノベーションに取り組んでいく形になると思っております。今日おまとめいただいたこの計画をしっかり遂行して、我々としては、より良い医療をより早く患者に届けることと、もう1つは日本発のイノベーションを世界に出していけるようなことがなるべく早く、少なくとも5年以内にできるように頑張っていきたいと思っております。7回にわたりましてご審議をいただきまして、ありがとうございました。
○矢崎座長 この会は厚労省と文科省の共同で開催しておりますので、続きまして、ライフサイエンス課長の板倉さんからお願いします。
○文部科学省ライフサイエンス課長 先生方には、7回にわたりまして大変貴重なご意見を、しかもさまざまな観点からいただきましてありがとうございます。文部科学省では、主に大学研究機関の成果を臨床まで持っていくところに力を入れておりまして、私どものその取組の最も中心的な政策として、橋渡し研究の支援というものを行ってまいりました。これは、まさに新しい5か年計画ができるタイミングで橋渡し研究支援事業も第2期に入りまして、名前も「橋渡し研究加速ネットワークプログラム」と、ネットワークというところに重点を置いていきたいと考えております。この報告書でも、あるいは皆様方からのご指摘で「連携」ということが非常に重要なポイントと考えていて、大学においても医学部、工学部、薬学部との連携というところもありますし、あるいは橋渡し支援の拠点となる機関と、シーズを出していただく機関との連携、また拠点間の連携というようなこともしっかり5年間で達成していきたいと思っておりますし、臨床中核拠点をはじめとして、厚労省との連携ということも考えていかなければいけないと考えています。今日おまとめいただいた5か年計画を踏まえまして、文科省としても、臨床研究・治験が進んでいくように厚労省と連携して取り組んでいきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○矢崎座長 医学教育課大学病院支援室長の玉上さん、お願いします。
○文部科学省医学教育課大学病院支援室長 医学教育課でございます。一言ご挨拶させていただきます。先生方には半年以上にわたりまして密度の濃い審議を行っていただき、先生方のご尽力により、この計画ができたと考えております。私どもは過去2回の3か年計画、5か年計画のときから、大学病院の教育、研究、診療を担当する立場から、厚生労働省とともに計画の策定に参画させていただいています。医師・看護師等をはじめとする医療人の教育や大学病院の機関に対する支援については、財政的なものや情報提供等さまざまな面があり、特に財政面においては、今日も塩村先生からご発言いただき、また、いつも中川先生からもご発言いただいておりますが、私どもとしましても、今後ともこの臨床研究や治験の発展に限らず、全力を挙げて支援をさせていただきたいと考えております。是非よろしくお願いいたします。
 先ほどもお話がありましたが、私どもはこの政策は厚労省との全面協力の下で進めたいと考えております。既にご案内かと思いますが、例えば人事面においても文部科学省と厚生労働省の間で交流を行っておりますし、この治験の事業を今後推進する上でも、このつながりをより強固にしたい、省内はもちろんですが、省を越えた形で私どもも尽力させていただきたいと考えております。先生方にはいろいろなお立場でご参加していただいておりますが、是非この5か年計画2012の実施をお見守りいただきまして、これから開催されるワーキンググループはもとより、臨床研究・治験の推進に関わる私ども、また両省の政策に関して、今後ともご指導、ご助言をいただければ幸いです。ありがとうございました。
○矢崎座長 大変心強いお話を省庁の方からお聞きして、力強く思っております。
 今後のスケジュールについて事務局からよろしくお願いします。
○厚生労働省研究開発振興課治験推進指導官 「臨床研究・治験活性化5か年計画2012」をご承認いただき、ありがとうございました。本日いただいたご意見を反映しまして、矢崎座長の承認が得られましたら正式な計画として、これに基づいて次年度からの計画に取り組んでいきます。年度内には、厚生労働省・文部科学省から正式に通知する予定です。また4月に入りましたら、アクションプランの策定を開始いたします。アクションプランの取りまとめと、本検討会への報告は夏頃を目処としておりますので、そのころには再度お集まりいただきたいと考えております。以上です。
○矢崎座長 このアクションプランの前の計画の「臨床研究・治療活性化5か年計画2012」が皆様のご協力で出来まして、本当に御礼申し上げます。我が国の新成長戦略として、従来の治験ばかりでなく、イノベーティブな早期探索的な、そして橋渡しを含む臨床研究にも触れさせていただきました。それに伴って、このような臨床研究をどう支援すべきか、あるいは倫理的な課題にどう対応すべきか、それにふさわしい人材をどう育成するか、教育していくかという課題がいま多く指摘されました。今後、それに対して対策をしっかり立てていくことが課題でありますし、最終的には日本主導の臨床研究あるいは国際治験が行われるようになる、そういう環境整備を進めていくための基本的な方針だと思いますので、今後ともアクションプランを作成する際には、先生方から貴重なご意見をいただきたいと思います。
 最後に、貴重なご意見をいただきました構成員の先生方、さらにはご多忙のところ、たくさんの傍聴の方々に来ていただきまして誠にありがとうございました。さらには、それを支える厚労省、文科省の方々が本当に真摯な対応で今日まで来ていただいたことに厚く御礼を申し上げまして、一応、7回にわたりました「臨床研究・治験活性化に関する検討会」を終了したいと思います。本当にありがとうございました。


(了)

照会先
厚生労働省医政局研究開発振興課治験推進室
TEL 03−5253−1111
治験推進指導官 森下 内線4165

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