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2012年3月30日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会乳肉水産食品部会議事録

○日時

平成24年3月30日(金)15:00~17:00


○場所

厚生労働省 専用第12会議室


○出席者

委員

山本委員(部会長)、阿南委員、甲斐委員、木村委員、寺嶋委員、中村委員、西渕委員、野田委員、林谷委員、堀江委員、松田委員、山下委員

参考人

品川参考人、小林参考人、関崎参考人、山崎参考人

農林水産省 佐々木リスク専門官


事務局

三浦食品安全部長、木村大臣官房参事官、吉岡企画情報課長、森口基準審査課長、滝本監視安全課長、道野輸入食品安全対策室長、温泉川食中毒被害情報管理室長、浦上専門官、松本専門官

○議事

○事務局 それでは、定刻となりましたので、ただいまから「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会乳肉水産食品部会」を開催させていただきます。
 本日は、お忙しい中をお集まりいただき、ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、石田委員、小西委員、鈴木委員より御欠席なさる旨の御連絡をいただいております。現時点で15名中12名の委員に御出席いただいておりますので、本日の部会が成立しておりますことを御報告いたします。
 また、本日の議題に関連いたしまして、4名の方に参考人として御出席いただいておりますので、御紹介させていただきます。
 岩手大学特任教授の品川先生です。品川先生には、牛レバー内部における腸管出血性大腸菌の汚染実態調査等の関係で引き続き御出席いただいております。
 続きまして、業界団体で実施されている試験に関しまして、前回の部会では東京大学大学院の局教授から御説明いただきましたが、今回は局先生に代わりまして、同じく東京大学食の安全研究センター長の関崎教授に御出席いただいており、後ほど追加の調査結果について御報告いただくこととしております。
更に、業界団体で新たに牛レバーの消毒実験に着手したとお伺いしており、この試験を担当されている大阪府立大学の山崎教授に御出席いただいております。
また、食肉関係の業界団体からは、全国食肉事業協同組合連合会の小林専務理事に御出席いただいています。
最後に、前回に引き続き、農林水産省の佐々木リスク管理専門官に出席をいただいております。
 関崎先生、山崎先生及び小林専務におかれましては、御説明をいただく際に座席の移動をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、山本部会長に議事の進行をお願いしたいと思います。
なお、報道の方の冒頭の頭撮りはここまでとさせていただきます。よろしくお願いいたします。
(報道関係者退室)
○山本部会長 それでは、議事に入らせていただきたいと思います。
 初めに、事務局から配付資料の確認をお願いします。
○事務局 資料の確認をさせていただきます。
本日、お配りしました資料は、議事次第、配付資料と委員名簿のホチキス留めのもの、次に座席表の1枚紙、その次に資料として資料1~5までございます。
参考資料といたしましては、1-10まで一まとめにしたものがございます。
また、参考資料8-2につきましては、先生方には事務局から御連絡差し上げましたが、前回の部会の御指摘を踏まえ、各機関で遺伝子検出に当たり、どの遺伝子の検出を目的としたかがわかるように記載を修正させていただいております。
なお、各資料におきまして、「牛レバー」と記載されているものと「牛肝臓」と記載されているものがございますけれども、今後は「牛肝臓」に記載を統一していきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
不足している資料等がございましたら、事務局までお申しつけください。
○山本部会長 資料は皆さんそろっていますか。
 それでは、議題1「生食用牛肝臓の取扱いについて」の議論に入りたいと思います。
 本件につきましては、昨年12月と本年2月の二度にわたり御議論いただいたところです。また、先日は全肉連さんの御提案、御協力を得て、と畜場及び食肉処理場における処理の現状を見せていただきまして、どうもありがとうございました。
本日は、前回の部会の時点では実施中であった農林水産省と関係業界団体の試験結果を御報告いただいた上で、これまでに得られた知見に基づき本件の取扱いについてとりまとめをしたいと思いますので、よろしくお願いします。
それでは、前回までに得られていた知見について事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、前回までの議論の内容につきまして、資料1に基づきまして簡単に御説明させていただきます。
今、部会長から御説明がありましたように、本件につきましては昨年12月20日、本年2月24日に御議論いただきまして、その結果を簡単に御説明させていただくこととしたいと思います。
まず「経緯」のところでございますが、経緯につきましては今、御説明したとおりでございます。最後の「今般」のところでございます。前回のとりまとめ、御議論を受けまして、これまでに得られている知見を基にとりまとめをするということでございますので、それに当たりまして3月23日付で厚生労働大臣から薬事・食品衛生審議会会長あてに諮問をさせていただいたところでございます。
これまで昨年、品川先生にとりまとめていただきましたレバー内部の汚染実態調査、それに併せまして汚染に関する文献調査、農林水産省で実施された農場等での汚染実態調査、更に関係業界団体で実施された調査研究につきまして、2月の部会までに得られた知見を2ページ目の4に簡単に記載をしており、それをまとめた部分は、3ページ目の一番下「(5)まとめ(案)」ですので、こちらを簡単に御説明させていただきます。
まず1つ目でございますが、こちらは食中毒の発生状況でございます。提供の自粛を昨年7月に要請しておりますが、それ以降も4件、患者数13名の食中毒事例が報告されているという状況でございます。
2つ目といたしまして、これは一般的な、これまでに得られている食中毒事例からの知見でございますが、牛の腸管内に腸管出血性大腸菌が存在しまして、10個未満、2~9個の菌の摂取で食中毒が発病した事例が報告されているということでございます。
3つ目といたしまして、厚生労働省が実施しました、品川先生にとりまとめいただいた調査でございますけれども、汚染実態調査におきまして牛レバーの内部から腸管出血性大腸菌及び大腸菌が検出をされている。また、併せて実施しました国内外の文献におきましても牛レバーの内部及び胆汁から腸管出血性大腸菌や大腸菌の検出事例が報告されているということでございます。
4つ目といたしまして、業界団体、農林水産省の方で試験を実施されておりますが、現時点におきまして、牛のレバーを安全に生食するための有効な予防対策は見出せていないというような状況かと思います。
今後のとりまとめの議論の参考にしていただければと思います。事務局からは以上でございます。
○山本部会長 ありがとうございました。
 前回までに得られた知見について説明いただきましたが、皆さんよろしいでしょうか。特に追加はございませんか。
よろしいようでしたら、農林水産省で実施されている試験について、前回の部会以降得られた結果等についての説明をお願いしたいと思います。
佐々木専門官、よろしくお願いします。
○佐々木リスク専門官 農林水産省商品安全政策課の佐々木と申します。よろしくお願いいたします。
 本日は、3つの追加情報について御紹介したいと思います。1つは、前回の部会において中村委員の方から質問のありましたO157の試験について定量試験を行ったかということに対する回答です。残りの2つは前回の調査以降に実施した調査結果を持ってまいりましたので、御紹介させていただきます。
 資料2を用いて説明いたします。
 1つ目として、O157の定量試験についてですが、こちらの調査では定性試験を実施した後に陽性となった検体については、あらかじめ冷蔵庫の方で保存してある肝臓及び消化管内容物を用いて定量試験をしております。
別添1の方に結果が出ておりますので、御覧ください。別添1の表の見方なのですけれども、前回の調査ではと畜場Bと記載があったところにおいて、合計で99頭の牛についての調査を実施しておりまして、一番左側に個体番号が記載してあります。左から順番に、肝臓、胆汁、第1胃内容物、第4胃内容物、十二指腸内容物、直腸内容物というように、個体ごとの結果がわかるように記載されています。定量試験の結果は菌量というところに書いてあります。例えば個体番号5番のところを見ていただくと、この検体については胆汁と十二指腸内容物と直腸内容物からO157がとれております。結果のところにstx1+stx2と記載があるのですけれども、これは分離されたO157についてPCR法で毒素のタイプを見ておりまして、2つの菌株がとれたということではなくて、分離された菌株についてはstx1とstx2の両方の遺伝子を持っていたことになります。その横に7.4×10と書いてあるのは、この検体100g中のコロニーの数になります。100g中に74個O157がありましたということになります。
この結果を見ていただくと、O157について毒素型が記載してあるにもかかわらず、右側の方の菌量というところなのですけれども、未検査となっているものが十二指腸内容物のところに4検体あります。これは前回、中村先生がおっしゃっていたように、十二指腸内容物は量が少ないことから、定性試験をした後に残品がないということから定量試験ができずに未検査という記載になっています。
 2つ目の追加情報なのですけれども、また1枚目に戻っていただいて、2というところに調査内容が書いてあります。前回の調査では96頭について肝臓を調査しているのですが、追加の調査として肉用牛30頭のうち、30頭の胆汁とその中の10頭について肝臓も採取して、O157とカンピロバクター、更に大腸菌と腸内細菌科菌群の有無についても調査を実施しております。
その結果が別添2に書いてあります。前回こちらが提出したデータは表面を含む肝臓の結果だったのですが、今回の調査については表面をアルコールで消毒し、更に火炎滅菌をして、その下からサンプルをとるということで、内部の結果になります。肝臓内部の結果を見ていただくと、10検体のうちカンピロバクターが2検体からとれておりまして、ほかの検体、個体番号でいうと10番になるのですが、10番については大腸菌と腸内細菌科菌群がそれぞれとれております。ここに記載のある数字が菌量になります。胆汁の結果を見ていただくと、先ほど個体番号10のところなのですが、大腸菌と腸内細菌科菌群が検出された個体については胆汁からも大腸菌と腸内細菌科菌群がとれております。カンピロバクターについては、個体番号でいうと8番と9番は肝臓内部からとれておりまして、これについても胆汁からもカンピロバクターがとれているという結果になっております。
4月以降なのですけれども、この調査については200頭以上の検体数を追加して、更に情報収集をしていきたいと考えております。
 最後に3番目なのですけれども、肝臓表面を次亜塩素酸ソーダで洗うことによって表面に付着したO157がどれくらいとれるのかということについて、前回は20ppmの1つの濃度で実施していたのですが、今回は蒸留水と50ppmと150ppm、更には250ppmの4段階の濃度で調査をしております。
別添3番を御覧ください。この調査については、物理的除去については1回のみの検査です。その他の濃度については4回繰り返し試験をしております。表の見方としてなのですが、まず1番目のO157のところを使って説明します。胆汁を塗布と書いてあるセルのところを見ていただくと、右側の方に数字が書いてありまして、これが1g中の菌量になっております。log、対数で表示されております。その左側、陽性検体数というのが、O157が検出された数になります。物理的除去は1回しかしておりませんので、胆汁の場合にはその1回の結果が記載されている。0ppm、50ppmについては4検体中3検体はO157が検出されておりまして、検出された検体の平均の菌量が1.2にということになります。
結果から申し上げますと、グラフの方が見やすいかと思いますのでグラフを見ていただきたいのですが、物理的除去と比べると蒸留水で洗うことで多くの菌が落ちます。ただし、その後、150ppmまで濃度を上げたとしても、胆汁を除けば菌を完全に除去することはできておりません。実際にと畜場で今、使用されている次亜塩素酸の濃度は150ppmぐらいまでだとこちらの方では考えておりますので、その範囲では蒸留水であっても150ppmの濃度であっても差がないということになります。更にO157だけではなくて、大腸菌についても洗浄効果を見ておりまして、下の表とグラフになりますが、傾向としてはO157と同様に、濃度を高くしていたとしても、一旦ついた大腸菌は完全に除去することはできないという結果が出ております。
 簡単ですけれども、説明を終わらせていただきます。
○山本部会長 ありがとうございました。
 確認をしたいのですけれども、まず別添1の中で菌量のところに30未満という表現がありますが、これは定量限界と見るのですか。
○佐々木リスク専門官 そのとおりです。検出はされたけれども定量限界以下だったということになります。
○山本部会長 検出はされていない、いるのですか。
○佐々木リスク専門官 されています。
○山本部会長 別添3ですが、物理的除去というのは何かふき取るような、かき取るような手技でやったということで、水で洗う作業は0ppmのところだということでよろしいですか。
○佐々木リスク専門官 イメージとしてはかみそりでひげをそるみたいな形で、表面をなぞるように金属の、実際にははさみの刃の部分でなぞることで物理的に除去したことになります。
○山本部会長 もう一つ、陽性検体数というのは、先ほどおっしゃっていたように物理的除去以外のところは4分の3とか、そういうふうに見るわけですね。
○佐々木リスク専門官 はい。
○山本部会長 わかりました。
それでは、ただいまの説明について御質問、御意見等ございますでしょうか。
 寺嶋先生。
○寺嶋委員 別添3になりますけれども、O157に対して大腸菌に対する洗浄効果が若干低いような気がするのですが、大腸菌はどういった種類の大腸菌なのでしょうか。
○佐々木リスク専門官 種類まではこちらの方で確認はしておりません。何か特別な大腸菌ではないと思います。
○寺嶋委員 特に接着性が高い大腸菌であるとか、そういうことではないですか。
○佐々木リスク専門官 そういうことも一切検討していない大腸菌です。もうちょっと詳しく説明しますと、消化管内容物ですので、本来ここには大腸菌も入っております。それを例えば加熱して除去するとかいうことはせずに、あるものをあるものとして更にこちらの方で用意した大腸菌を加えて菌を測っております。
○寺嶋委員 ありがとうございます。
○山本部会長 中村先生。 
○中村委員 どうもありがとうございました。
1で、胆汁から7.4×10で74個、これは胆汁でも100g中の74個ですね。だれかわかるといいのですけれども、これが例えば肝臓に入っていったときに食中毒を起こすような菌量になるのかどうかという話は、胆汁で調べるというのはプラス・マイナスで量がちょっと多いか少ないかはわかるのですが、実際可食部分ではこれがどうなるのかが、全部7個だったら食中毒になるのでしょうけれども、そんなには食べないような気もして、その辺は数字としてこう出ていたという話です。
2番とか3番は、特に2番ですけれども、胆汁が陽性になる確率はそんなに多くないですね。例えば10個やってなしだからなしとかいうのではない話で、ここに200個と書いてあるので、数を増やしてやっていただいた方がより信頼性があるデータが出ると思います。
3番は私もこんなものだと思います。色が変わるくらい次亜塩素酸ソーダをやっても、1回つけたものはなかなか、いろいろな菌でも0にはならないと思っています。ありがとうございました。
○山本部会長 胆汁からとれたというのは、胆汁100g当たり74個いたと。この場合は肝臓の表面を含む内部からはとれていないということですね。
 ほかに御質問はありますか。
○野田委員 データをありがとうございます。
すべての表なのですけれども、未検査は今後データが出てくるのですか。
○佐々木リスク専門官 未検査は採材しておりません。
○野田委員 データ的にはこれで終了ということでよろしいですか。
○佐々木リスク専門官 はい。ただし、4月以降に200頭の検査をするのですけれども、その中の一部については消化管内容物も採取はいたします。
○野田委員 それと別添3の検査した部位は肝臓のどの辺でしょうか。物理的に細菌が除去しやすい平坦な部位でやられたのか、あるいは胆管や血管等があり、菌が落ちにくい部位でやられたのでしょうか。
○佐々木リスク専門官 どちらかというと表面がつるつるしている方で行っております。
○山本部会長 ほかにございますか。
 西渕先生。
○西渕委員 別添1と別添3に示されているデータを見ると、1は集落を分離して検査されているのですね。シガ毒素のタイプなどを決められているので。
○佐々木リスク専門官 はい。
○西渕委員 そういう菌株があれば、将来もし余裕があればの話なのですが、例えば分離菌株のDNAフィンガープリンティングなどをやって、これは違う臓器から出たものだけれども同じものであるということを確認されるとよろしいかと思います。
○佐々木リスク専門官 済みません、もう一度お願いします。別添3と1の比較のことですか。
○西渕委員 失礼しました、別添1と2です。例えば別添2でカンピロバクターがとれているものが8番ですね。肝臓内部から陽性、胆汁から陽性ということで、このカンピロバクターは例えば胆管を通して肝臓を汚染したというようなことを確証するためには、分離菌が同じ種でも別の菌株ではなくて同じ菌株であることを確証するために、フィンガープリンティングをやれば更に強い証拠になるのではないかということです。
○佐々木リスク専門官 分離された菌株についてはすべて保存してありまして、今後、血清型の同定もやりますし、遺伝子学的にどこの由来なのかということも全部調査する予定です。
○山本部会長 よろしくお願いします。
 ほかに何か質問はありますか。
品川先生。
○品川参考人 先ほど中村先生が言われました別添1の中で腸管出血性大腸菌が7.4×10ですか、これはたまたまですけれども、むしろ別添2のところに大腸菌が胆汁の中に107といったら1,000万個くらい、たまたまそういうことがあるのかと思われますが、これが大腸菌でもこのくらいになるということは、腸管出血性大腸菌がもし入ればそういう可能性は同じ大腸菌だったらあるのかなと、今、見ていたのです。我々のデータでもそういう形ですから。だから腸管出血性大腸菌だけ見ると、そんなには論議にならないけれども、やはり大腸菌も併せて考慮していかないといけないかなと思います。
○山本部会長 かなり菌数が多くとれるときもある。
○品川参考人 そういうときには中にもっと入るだろうと。
○山本部会長 どうもありがとうございました。
 ほかにございませんか。
 それでは、続きまして、業界団体で実施されている試験について同様に前回の部会以降に得られた結果についての説明をお願いしたいと思います。
 関崎先生、よろしくお願いします。
○関崎参考人 では、御説明申し上げます。
 今回は、肝臓の中に生きたうちから菌が入っているのか、あるいはと殺後、胆管あるいは血管から汚染された菌が広がっていくのかをまず知りたいということで設計いたしました。胆嚢管を結紮した肝臓と、縛った肝臓と縛っていない肝臓を用意いたしまして、と殺後、3日目あるいは5日目に採材いたしました。今回は菌が汚染しているかどうかということですので、自然に存在する菌、その中で腸内細菌科がとれるかということに注目しました。
4番目の図です。ここに菌分離の方法があります。緩衝リン酸ペプトン水で選択性のない培地で増菌いたしました。次に選択性のあるEEブイヨンで増菌して、選択性のあるVRBG寒天培地に生やして、出てきたコロニーを純培養して腸内細菌科であるかどうかを見たということです。ですから、菌数は測っておりません。いたかいないかです。
次のページの5番目の図が採材した部位であります。肝臓からは全部で25か所、それぞれ10g、表面をそぎ取った中を無菌的に採材して行いました。胆嚢も26番目として試しにとりましたけれども、1~25番が肝臓のサンプルです。
7番目の表です。これが結果となります。採材部位1~25番が肝臓です。3日目、結紮したものについては、25検体中13検体から腸内細菌科が検出されました。同じ結紮ありでも、飛んで3番目のカラム、5日目では25検体中22検体、日数を経ますと陽性が多くなります。一方、結紮なしの場合には、3日目でも25検体中24検体からとられております。5日目ではすべての検体からとられました。ということは、結紮の効果はある程度あったと考えられますので、これは恐らく生きているうちには肝臓全体のほとんどには菌はいないけれども、と殺した後に胆管あるいは門脈の方から汚染された菌が肝臓の方に非常に早く広がっていくのだということがわかるかと思います。
1つここで申し上げておきたいのですけれども、今回は胆嚢がついたままのサンプルを使いました。実際、業界ではレバ刺しにする場合の肝臓は、と畜検査が終わりますとすぐに胆嚢、胆管、門脈の部分を切除いたしまして除きます。これは衛生的な面も勿論ですけれども、味の面でもこれをしないと商品にならないという話です。今回の試験は現場とはちょっとかけ離れた条件で、あえてどういうふうに汚染が広がっていくかを見るために行った試験であることを御承知おきいただきたいと思います。
それから、あくまで定性的な試験でございまして、定量はしておりません。どのような食べ物、すべての食べ物でゼロリスクはあり得ませんので、このレバーのリスクが果たしてどれくらいのものであるのかというのは定量もしないとわからないと思いますけれども、今回の成績からはそこまでは申し上げることはできないということです。
以上です。
○山本部会長 ありがとうございました。
 ただいまの御説明につきまして御質問、御意見はございますか。
 野田先生。
○野田委員 データをありがとうございます。
 御説明の中で肝臓が汚染されるのはと殺された後であり、生きている時には肝臓の汚染はないと御説明いただいたのですけれども、確かに結紮すれば肝臓実質への菌の移行は減っているというデータなのですが、だからといってこのデータをもって生体のときに肝臓の実質が汚染していないと言い切れるデータには思えないのですけれども、それ以外のエビデンスなどお持ちでしょうか。
○関崎参考人 あくまで推論で、言い切っておりません。おっしゃるとおりです。先生がおっしゃるように、生きているうちにいないというのを証明するためには、生きている状態のときに胆管も血管も結紮して採材していないというのを証明しないといけないと思います。ただ、医学、獣医学的には生きている場合には肝臓の中でつくられました胆汁が胆管を通って流れておりますし、胆管も血管も平滑筋として収縮がありますので、流れがかなり肝臓から外へ出る方に向かっているわけです。そういうところで菌がどういうふうになっているのかというと、今までの常識的な考えでは普通は入らないだろう。ところが、死んだ瞬間からこれらの平滑筋の収縮も止まりますし、胆汁の流れも止まります。そうするといきなり菌がばっと広がっていくだろうというような考え方になっていると思います。
○山本部会長 中村先生。
○中村委員 私は逆で、むしろ結紮してもこんなにあるのだというふうにとって、もともと食中毒が少ない菌数で起こる話で、だからちょっと減ったといっても半分くらいの減り方なので、やはりどうも幾ら結紮してもだめなのではないかと。だから検査が終わったら、例えば群馬などではアメリカへの輸出ではつけてはだめだということでとる話だし、今、おっしゃったみたいに刺身にするものはとるのですけれども、その前に生きている間に行ってしまった部分があって、それがあることの証明になっているような気がするのです。
○関崎参考人 お言葉を返すようですが、これはと殺から3日経っております。今回あいにく協力してくださると場と検査を行った東大との間の距離がありまして、できればと殺直後、遅くとも翌日くらいに採材したかったのですけれども、できなかったのです。
○中村委員 これはと殺・開腹25~30分。
○関崎参考人 結紮の効果がそれほどあるとは勿論思っていませんでしたけれども、結果的にはあるわけです。それほどはないですが。採材したのは3日後、あるいは5日後です。実際商品として食べるのは通常は3日後くらいまでが限界で、最悪の場合でも5日後だというのを伺ったものですから、最悪のケースも含めて3日後と5日後の採材をしました。
○中村委員 冷蔵しておくと、サルモネラなどと違って、カンピロバクターの検出数は減りませんか。今のお話でもやはりいろいろな操作をしても残ってはいるから、生体、生きているときに行った話には、いろいろやっても大変なのではないかなという気がします。
○関崎参考人 ですから、今回は定量でなく、定性しか行っておりませんので、リスクがどの程度なのかは測れないと申し上げました。
○中村委員 それはいいのではないですか。ただ、私は私でとり切れない部分があるという話をして、別に両方の話が矛盾しているとは思いません。
○山本部会長 結紮の操作自体はと殺後すぐと考えてよろしいですか。
○関崎参考人 そうです、30分くらいです。
○山本部会長 そうすると、結紮したものでも残っていると見ることができると思うのです。
○関崎参考人 恐らく結紮を余り十分に完全に密閉できていなかったということだと思います。縛るのではだめ。切って取り外してしまわなければだめだったろうと思います。
○山本部会長 ほかにございますか。
○松田委員 ありがとうございました。
 今の話ですと、と殺・開腹して25~30分で検査5分、それから結紮されているわけですけれども、先生のお考えですと、その間に胆嚢からじわじわと肝臓組織に流れ込んだみたいな、胆嚢自体にはどうでしょうか、生きている間にたまっているものなのでしょうか、あるいは。
○関崎参考人 私はサルモネラ等の保菌があるときには胆嚢に菌がいることがあるので、そこは必ず検査するようにと学生時代にも習いましたし、職場に来てからも先輩からそういうふうに教わったのですが、今回胆嚢からとれているものととれていないものがありまして、必ず胆嚢の中にいるのではないのだなというのが新しい認識です。
○松田委員 そうしますと、やはりと殺からいかに早く結紮するかというところになるのでしょうか。
○関崎参考人 切除するかだと思います。
○山本部会長 中村先生。
○中村委員 あと1つ、牛を係留して打額、スタニングをやって、スティッキングをやって体がごろっと回転して、懸垂して、そのたびに肝臓と胆嚢の位置関係が変わるわけです。あの短い間に。それで検査でつるされていって、検査員のところに行って、調べようがないのですが、ともかく天地がひっくり返るくらいの動きがあって、落ち着いて検査員の人が検査して、その後、とるならとる話ですけれども、これは調べられないですけれども、その間にも何か起こってもいいのではないかなと。胆嚢にあったものが実質の方に行く話があってもいいのではないかな。ただ、これは証明はできないと思います。
○関崎参考人 おっしゃるとおりです。もしそういうものがあるとしたらば、果たしてどれくらいの広範囲にまでどれくらいの量の菌が行くのかを調べるべきかと思います。
○中村委員 だからある意味準定量でも定量はした方が、評価的には定量的評価につながっていいのではないかなという気がします。
○関崎参考人 今回そこまでの時間的余裕がございませんでしたのでできませんでしたが、あれば是非やった方がいいと思います。
○山本部会長 寺嶋先生。
○寺嶋委員 関崎先生、データをどうもありがとうございます。
 2つお聞きしたいのですけれども、肝臓の検体を入手する途上の開腹のプロシージャというか、そういう施設ですけれども、懸架式のつり上げておいて肝臓を出してくるようなところなのですか、それとももう少し丁寧にというか、はっきり言って中の内臓が取り出すまでにごろごろ動き回っているような状態でとれてきたものなのか、それともそういうショックが余りないような状態でとれてきたかというのを1つお聞きしたかったのです。
○関崎参考人 私は直接存じ上げないのですけれども、小林専務は。
○山本部会長 わかればお答えいただきたいと思います。
○小林参考人 御存じだと思いますけれども、食肉センター、と畜場によって内臓の処理方法は違います。懸垂式でリフトで行くものと、パレットで行くもの、すぐシューターで降ろすものと分かれておりまして、このと畜場は恐らく懸垂してリフトで移動してということのようでございます。
○寺嶋委員 もう一つ、それと関連しているわけですけれども、と殺3日後という条件になると思うのですが、結紮のありなしにかかわらず分布された領域とそうでないところの肝臓の分布を見ると、特に門脈なり胆管から遠いところでそういう影響があったというわけではなくて、満遍なくどこからでも一応とれているように見えるのですが、5日目はほとんど全部ですけれども、3日目でも余り部位に関わらず、3日経ってしまうともうそうなっていると考えていいのですか。
○関崎参考人 そうではないと思います。遠い方、左葉の周りの辺りからはマイナスのものが多いです。遠いところからはマイナスのものが多いです。ただ、とれているものもありますけれども、満遍なくずっととっていますから。
○寺嶋委員 この方形葉の直後の真ん中の辺りは確かに両方ありなしはとれているものが多いかと思うのですけれども、あとのところは遠ければ非検出であるかというとそうでもないように見えるのですが、これは影響がないと読んだ方がよろしいのですか。
○関崎参考人 いや、私たちがやっている最中はやはり遠い方は少ないね、だけれども遠い方でもとれてしまうものもあるのだねというふうな印象でした。
○寺嶋委員 わかりました、ありがとうございます。
○山本部会長 木村委員。
○木村委員 今、大体理解できたのですけれども、結紮をするかしないかによって、しなければ死後、大腸菌、O157が肝臓を汚染してくるということがあるわけですです。ところが、結紮すればそれはある程度防げるというのはある程度予測されるデータ。ですから今回この数字が出たというのはある程度予測されるデータをお示しいただいたと思うのです。今回は結紮してもかなり出てくる。そうするとと殺直後に切断をすれば、先ほどの議論の生きているとき、あるいは死んだ後に入ってくるかという、それはもう科学的な議論になると思うのですが、あくまでもまだデータがない話であって、状況としてはこのデータだけをみると、ある程度予測されたデータが出たとしか印象は受けないのですが。今後それを切断して、実際出口としては肝臓の中に生きたときに汚染されているか、あるいはと殺後であっても、とにかく肝臓の中に入っていたらよろしくないということなので、実際それが出口として運用上肝臓の中に入らない方法がと殺直後に切断したらどれくらいできるかということは、今回のデータでは出ていないかなと私は思いました。これはコメントです。
○関崎参考人 ありがとうございます。先ほど申し上げましたように、もし時間をいただけるのであれば、すぐに切除して、そしてどれくらい行くのか、それとこの後、山崎先生から御紹介があると思いますけれども、消毒液を使って洗浄するといったものも組み合わせればどういうふうになるのかというようなことを是非検討してみるべきではないかと思います。
○山本部会長 ありがとうございます。
 林谷先生。
○林谷委員 2点ほど教えていただきたいのですけれども、一点は実際に結紮に使ったひもは、どのような形のものなのかということと、もう一点は今回のデータを見て、と殺直後に胆嚢を切断した場合、もし1か所だけの切断だと胆汁が外に出てしまうので、2か所結紮する必要があると思うのですが実務上、それが可能だと考えていらっしゃいますか。
○関崎参考人 切除する場合には縛らないで切ってしまえばいいのかなと思うのです。
○林谷委員 そのまま切り落としてしまうということですか。
○関崎参考人 はい。全部取り除いてしまうそうです。胆汁とかが残っていると味に影響するので商品にならないというお話を伺っています。
○林谷委員 でも、結紮しなかった場合には、中の胆汁が肝臓の表面などを汚染するという可能性はありませんか。
○関崎参考人 そうですね、切ってからしごくようにして出すのだというお話を伺っています。その後に消毒液、次に御紹介がありますけれども、そういったものと組み合わせたら果たしてどうなのかというのは検討に値するかなと思います。今回ひもはかなり太いひもです。ですからこれだったら多分相当力強く縛っても完全には難しいだろうなと、ひもを見て思いました。
○林谷委員 わかりました。
○山本部会長 前回見せていただいたところでは、勿論それを生食用に回すという考えではなく処理はされていましたが、レバーが出てきたときにすぐに胆嚢は取り除いておられたと見ています。そういう段階で調べることを、恐らく品川先生のデータはそれを調べられていると思うので、ちょっとお聞きしておきたいです。
○品川参考人 この写真を見ていただければいいと思います。胆嚢があって、胆嚢から次に、我々は大腸菌のときではなくてカンピロバクターのときにはこの太い、要するに総胆管のところにもう菌が出ています。だからどこをくくって、どこを結紮するのか。胆嚢からまず腸管につながっているのです。胆嚢から総胆管に入って、総胆管の中にまた小さい管が全部肝臓に入ってきています。この総胆管からも当然ながら非常に高率に出ます。だから結紮するといっても、どこを結紮するのか。総胆管のところにもう入っていますから、そういうことが本当にできるのか、どこをくくっているのか。取り除くとしても胆嚢と総胆管を全部取り除いても、総胆管から末端に行けば毛細胆管に入ってきていますから、そういう中でどこをどうするのかが私は、カンピロバクターのときは特にそういう形では非常に難しかった。
○山本部会長 もう一点、先生にお聞きしたいのは、先生が調べられた肝臓ですけれども、胆嚢がついていないものも調べて出てきたというのはありますか。
○品川参考人 基本的にはと体から外すときには肝臓と胆嚢は全部つけて外すのです。検査台のところで測ったときに、今度胆嚢と肝臓を切り離すという形なのです。検査台が終わったときに。それを受けて、今度は肝臓を検査するという形。
○山本部会長 では、先生が調べられたときの肝臓というのはみんな胆嚢がついていない状況だったのですか、それとも胆嚢は調べられていますから。
○品川参考人 いや、胆嚢は除けた段階で。
○山本部会長 胆嚢も胆汁も調べられていましたね。そのときは胆嚢は別に採材されたものを。
○品川参考人 そうです、胆嚢は袋になっているから、そこに注射器を刺して、注射器でとりました。
○山本部会長 とってもらって、それから、胆嚢を外したもので残りの肝臓を調べられたということで、その場合でも内部からもとれてしまっている。
○品川参考人 勿論。
○山本部会長 そのときの日数は何日くらい経って、かなりすぐ。
○品川参考人 この前のときもタイミングの時間が問題になりましたけれども、もうやってすぐなのです。とにかく獣医師の検査をやらなければいけないから、検査が終わって胆嚢を切り離してすぐ持ち帰り、注射器で無菌的に胆嚢から胆汁をとるという形です。
○山本部会長 要するに食肉検査場の方が調べられるから、その日のうちというか、その日、と殺されたものをすぐに調べたという話ですね。
○品川参考人 はい。ちなみにと体は1回降血のときにはベッド方式でベッドでやる、それを今度つり上げ方式でつり上げて流すタイプがそうなのですけれども、そういう形のものとベッドで直接処理して出してくるものがあるのです。
○山本部会長 ほかにありますか。よろしいですか。
 それでは、関崎先生、どうもありがとうございました。
 続きまして、業界団体で新たに着手された試験について、試験計画及び得られた結果についての説明をお願いしたいと思います。
 山崎先生、よろしくお願いします。
○山崎参考人 御報告させていただきます。皆様のお手元の方に「牛肝臓の消毒実験計画」がありまして、その次に「牛肝臓表面汚染対策検討」がございますけれども、多少順序を前後させていただいて説明させていただきます。
先ほど来、議論が出ておりますように、牛肝臓の腸管出血性大腸菌及びカンピロバクターの汚染につきましては表面汚染と内部汚染の両方が考えられます。まず、表面汚染の検討を行いましたので、お手元の資料の次の方を御覧ください。
ここに示しましたように、まず目的といたしまして、一定の腸管出血性大腸菌とカンピロバクターを牛肝臓表面に人為的に汚染させまして、塩素系消毒薬の殺菌効果を検討するということを行いました。
○山本部会長 済みません、資料4-2ですか。
○山崎参考人 失礼しました。資料4-2の方を御覧ください。
 まず、対数増殖期の腸管出血性大腸菌とカンピロバクターをそれぞれ1×104cfu/mlに調整しましたものを、牛肝臓の表面を70%エタノールで消毒した後、図1に示しましたように、約10?四方となるように切除いたしました。この切除いたしましたものをトレーの方に移しまして、4ページになるかと思いますが、図2に示しましたように、菌液を全体に塗布いたしまして、その後、コンラージ棒で牛肝臓表面に菌液が一様となるように広げました。その状態のものを30分間放置後、無処置、水洗浄、または塩素系消毒薬400ppmまたは800ppmを霧吹きで20回振りかけました。その液量は約10mlになりました。その後、30分間再び静置いたしまして、それぞれのブロックの表面をふきふきチェックツールと呼ばれるもの、これは5ページの図4の方に示しておりますけれども、このようなものを用いましてこの表面をふき取りまして、そのふき取ったものを滅菌PBSに懸濁いたしまして、その懸濁液を原液、10倍希釈、100倍希釈したものを100μlずつ、それぞれ腸管出血性大腸菌及びカンピロバクターの選択培地に広げまして、菌数を測定いたしました。
その結果が6ページに示してありますけれども、腸管出血性大腸菌、カンピロバクターとも104塗布いたしました場合に、無処置ですと大体2,000~3,000の菌数であることが確認できまして、蒸留水で処理をすることによりまして大体1オーダー菌数が減少いたしました。400ppm、800ppmの処理ですと、ここのグラフ上では一応0となっておりますが、このデータは厳密に言いますと100以下の菌数になったということになります。といいますのも、10mlに懸濁いたしまして、そのうちの100μlをまいてコロニーが形成されなかったということから、100以下になります。しかしながら、同様の実験を105、106塗布の場合も行っているのですけれども、400ppmの場合ですと2オーダー、800ppmの場合ですと3オーダー菌数が減少しております。それらのことを考え合わせますと、ここで100以下になっているものが400ppmでは2オーダー下がっているということで0になっているだろう、800ppmですと3オーダー下がっておりますのでもう確実に0になっているだろうということが言えると思います。
このような方法で一応表面汚染の腸管出血性大腸菌、カンピロバクターの消毒効果が確認できましたので、同様の方法論を内部汚染の方にも当てはめることができれば、内部汚染した腸管出血性大腸菌、カンピロバクターの殺菌ができると考えまして、今度は資料4-1の方を御覧ください。
これから行う予定の実験計画について述べさせていただきます。まず牛の肝臓の内部汚染といたしましては、先ほど来、御指摘がありましたように、胆管からの汚染と門脈からの汚染が考えられます。内部洗浄を行います場合には血液等の存在が考えられますので、まずどの程度温湯等で洗えばよいかということ、すなわちどの程度の血液が存在する、血液濃度をどの程度抑えてやれば塩素系消毒薬が有効になるかということで、血液存在下での塩素系消毒薬の腸管出血性大腸菌とカンピロバクターに対する殺菌効果に対する影響を検討するというのをまず第1番に持ってきております。この結果を踏まえまして、胆管及び門脈の洗浄をどの程度行えばいいかという条件を決めまして、門脈及び胆管から腸管出血性大腸菌、カンピロバクターを一定量注入いたしまして、その後、洗浄、塩素系消毒薬の殺菌効果を評価するということを目的としております。
具体的には「実験(1)方法」というところに記載しましたように、塩素系消毒薬に最終濃度が0.01%、0.1%、1%、あるいはそれ以上の場合も想定いたしまして血液を加え、10分間静置した後に、等量の腸管出血性大腸菌とカンピロバクターの菌液を加えまして、塩素系消毒薬の効果を評価する。
実験2は、この結果に基づきまして、腸管出血性大腸菌とカンピロバクターを含む溶液を門脈内から注入いたしまして、1時間静置しました後、一定量の温湯を注入いたしまして、少なくとも塩素系消毒薬が有効になるまで血液を洗い流し、その後、一定量の塩素系消毒薬を注入して消毒いたします。そして、とりあえず第1段階といたしましては、肝臓約50gを3か所から滅菌的に切除いたしまして、ストマッカー処理後、処理液を腸管出血性大腸菌とカンピロバクターの選択培地にそれぞれ接種する。
実験3の方では、実験2の方法と同様で、今度は門脈ではなく、胆管内にこれらの菌液を注入いたしまして、同様の処理をいたしまして消毒薬の効果を評価する。
実験の今後の予定ですけれども、4月初旬に血液の消毒薬に及ぼす影響を調べる、これが先ほど述べました実験1になります。そして4月末までに、門脈汚染、胆管汚染における消毒薬の及ぼす影響を調べる、これは実験2、3、先ほど述べさせていただいたものになります。そして5月までに、4月末までに得られました予備的な実験データを基に門脈汚染、胆管汚染における消毒薬の有効性を明らかにしていきたいと思っております。
以上です。
○山本部会長 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして御質問、御意見はございますでしょうか。
 西渕先生。
○西渕委員 大変貴重なデータをありがとうございます。
 質問なのですけれども、特に塩素系の消毒液について、まず使われた濃度、400ppm、800ppmを20回、それから、30分間静置したということを決められた根拠、何か予備実験でこの辺りだと効果があるとか、そういうことで決められたのか。
それから、これに関してこういう濃度、あるいは処理法の影響、例えば肝臓の色が変わったとか、においがついたとか、食感が変わったとか、そういうことは調べられてはいないのでしょうか。
○山崎参考人 今の御質問の第1点ですけれども、濃度に関しましては時間がありませんでしたので、予備実験等は余り行えておりません。ただ、まず殺菌効果が期待できるであろうということで、400、800というふうな高濃度を用いました。400ppmで一応殺菌効果が観察できましたので、今後は更に濃度を下げて評価をしていくことも必要かと考えております。
 2点目の御質問ですけれども、レバーそのものの色ですとか、あるいは消毒をした後のレバーのにおいはございませんでした。ただし、残念ながらといいますか、当然といいますか、食感は試しておりません。
○西渕委員 ついでにこれほど高濃度の次亜塩素酸系のものをスプレー、使った場合に、現場で作業した人には影響はないのですか。
○山崎参考人 一応作業した人間の話でいきますと、塩素のにおいは若干したけれども、特に問題ないであろうということです。ただ、先ほど御指摘がありましたように、あるいは先ほどのデータでもありましたように、今、現場で大体150ppmくらい使われているということですので、今後は、これをどの程度下げていけるかということも踏まえて検討したいと思います。
○山本部会長 ありがとうございます。
 ほかにございますか。
 野田先生。
○野田委員 貴重なデータをありがとうございます。
 実験についてなのですけれども、図1に示されたように、横隔膜面、いわゆる平坦な面の方を使われたということなのですね。実際に汚染のリスクが高いのは裏の臓側面で、胆管などが存在し表面が結構ざらざらしている部位だと思います。今回の横隔膜の面のデータは必ずしも反対側の部位には当てはまらないのではないかということが1点目の質問です。
 それと同じ方法が内部汚染にも有効ではないかということで、今後、内部についての消毒効果を検討されるということなのですけれども、胆管から消毒液を注入して肝の全体に同様に殺菌効果が得られるかというところに関してはちょっと疑問符がつくのではないかなと思うのですが、そこはいかがですか。
○山崎参考人 まず1点目の御質問ですけれども、実は裏面の粗い方も同じような実験を行いました。ほぼ同様の結果が得られましたので、きれいな実験データということで表の方で行った実験で最終のデータをまとめさせていただきました。ですから、粗い面でありましても大筋同様の結果が得られております。
 内部汚染の方に関しましては、今、おっしゃられましたように、表面汚染のようには簡単にいかないと思っております。ただ、予備的に実験いたしましたところ、胆管を通じまして、差し当たっては温湯ですけれども、注入いたしましたときに大体180mlくらい注入することができましたので、そういった温湯での洗浄を繰り返し、また塩素系消毒薬をどの程度の濃度でどれくらいの時間放置すれば殺菌効果が見られるかということを、表面汚染よりは難しいとは思うのですけれども、今後検討していきたいと思っております。
○野田委員 その条件で商品価値に影響はないのですか。
○山崎参考人 勿論商品価値に影響しないような条件で行っていきたいと思いますし、現在も一緒に仕事をさせていただいております南港臓器さんの方では既に塩素系消毒薬での洗浄も行われておりまして、そちらの方もやはり今、用いている濃度はもう少し低い150くらいだと思うのですけれども、それを使われていて、商品価値に影響が出ることはないと伺っております。
○野田委員 今後のデータを期待しておりますので、よろしくお願いします。
○山本部会長 中村先生。
○中村委員 横隔膜に接している裏も包膜はやはりそれなりに硬いというか、そういう感じであると思うのですけれども、注入すると実質と触れ合う話で、今、商品価値があるというのでちょっと安心というかあれですが、実際に生食はできないような話で、効果があっても商品価値がなくなったら実験自体があれなので心配はしていたのですが、そういう話ならいいと思います。早くデータが出ればいいなと思います。
○山本部会長 甲斐先生。
○甲斐委員 大変興味深いデータをいただいたのですが、今、中村先生の質問のときに、粗い面でも同じような結果が得られているとお答えになっておられましたけれども、粗い面であれば余計中の方に菌が入っていかないのかなという点が1つ。
 それから、このふきふきチェックで回収しようとしたときに、十分塗布した菌が回収できるのかなと思いました。ですから、例えば全体を増菌培養したらどうなるのかというようなことも考えておく必要があるのではないでしょうか。
○山崎参考人 ありがとうございます。おっしゃられるように、回収率は100%ではありません。ただ、今、申し上げましたように、今回一応100以下という結果で、更に高濃度の菌を添加した場合には2オーダー、3オーダー下がっているということから考え合わせてゼロになっているだろうと考えております。甲斐先生がおっしゃられましたように、増菌培養して検査していくことも必要だろうと思うのですが、ただ今度増菌してしまいますと、定量性というのですか、ゼロではないことを証明するために増菌せよということでよろしいのでしょうか。
○甲斐委員 方法論はいろいろあると思いますけれども、定量したければMPNでやれば出来るでしょうし、いるかいないかだったら全体を増菌培養してしまえばいいと思います。
○山崎参考人 それも検討させていただきたいと思います。
○山本部会長 内部の試験をされるときにはふき取りは無理だと思いますので、そこは普通に培養系に持っていかれるのだと思いますけれども、表面の汚染状況がふき取りでとれるものの減少率と、更に消毒薬の効果の2つが重なっているようなデータかなというのは感じております。そういうわけではないですか。
○山崎参考人 ふき取りはあくまでも菌数を計測するために行ったもので、水あるいは塩素系消毒薬での洗浄殺菌だけで評価しております。ただ、現場では実際は塩素系消毒薬を使われて、その後、更にふき取られているそうですので、このやり方よりも更に菌数は減っているだろうと考えられます。
○山本部会長 このデータを見ても104塗って2~3×103の回収ということですね。
○山崎参考人 回収といいますか、ですからこのデータはN、無処置というものを見ていただいたらいいのですけれども、104塗りまして3×103、ですから3割かその程度の回収率ということです。
○山本部会長 わかりました。
 松田先生。
○松田委員 2つ質問させてください。
 1つは、胆管に殺菌の消毒液を注入するのは180くらい入ったとおっしゃって、その場合、入れた180は100%出て回収できますでしょうか。
○山崎参考人 その検討はまだ行っておりませんけれども、100%回収は難しいと思います。
○松田委員 例えば残留してそれを順番に。
○山崎参考人 そうですね。
○松田委員 もう一点は、門脈の方は多分入口出口があって、貫流のような形になると思うのですけれども、血液凝固はと殺した後、どれくらいで凝固するものでしょうか。むしろ業者の方に。
○山崎参考人 あちらの方から答えていただいてよろしいですか。私はちょっと知識を持ち合わせておりませんので。
 血液凝固にかかる時間、と殺後、どれくらいで血液凝固が。要するに肝臓の中をこれから洗おうとするわけですけれども。
○(一般) と殺後、作業をする時間ですか。
○松田委員 肝臓を取り出したときに血液は既に固まっているのでしょうか、あるいはまだ流れていますか。
○(一般) まだ固まっていないです。私どもは2階が解体場であって、つり下げで、シュートで下りてくるのですけれども、と殺されて約30分後に下りてきます。そのときには血液は固まっていないです。
○中村委員 補足ですけれども、出血すれば固まりますけれども、実質臓器にあるものは出血はしていないわけです。だから固まる要因が何もない話で、温度が保たれていればずっと固まらないのだと思います。
○松田委員 貫流ができるという。
○中村委員 それは一気にやってしまえば。だからかえって都合がいいのではないか。
○山本部会長 ほかにございますか。
○山下委員 私は意見ですけれども、農水省でやられた消毒の処理では余り効果がなかったということですから、塩素の濃度によっては逆に汚染を広げてしまうようなことにならないかという懸念はあります。
○山本部会長 佐々木参考人から何か塩素濃度との関係みたいなものはございますか。
○野田委員 今の件は用いた菌量のオーダーが全然違うというところではないですか。104で、農林省は108くらいですね。
○佐々木リスク専門官 汚染を広げるというものの意味がわからないのですけれども、それは水を介して汚染が広がるという意味ですか。
○山下委員 はい、例えば魚の干物を処理するときとか、食塩の液を何回も使うと、それでどんどん汚染が広がっていくと言われているのです。ですから、もし門脈の血液を洗い流す処理をやるときに、外についていた菌が中に入り込む可能性はぬぐえない。ですから殺菌効果の弱い液で繰り返し洗うことで、逆に内部の方まで菌が入っていくことがあり得ないでしょうか。
○山崎参考人 今、御指摘いただいた点についてなのですけれども、先ほども申しましたように、塩素系消毒薬ですから、表面に例えば胆汁ですとか血液とかが付着しているようですと効果が落ちますので、やはり消毒を行う前にはまず温湯なりで洗浄する。きれいにした上で、まだそこに付着している可能性のある菌を塩素系消毒薬で消毒すると考えておりますので、汚染の拡散、拡大にはつながらないと考えております。内部汚染につきましてもそのような形でまず表面の洗浄、それから、塩素系消毒薬での消毒を行った後、内部の方も同時に洗浄と消毒を行うということで、トータルして汚染の拡散、拡大にはつながらないと考えています。今後、それを実験的に証明していきたいと思います。
○山本部会長 よろしいですか。
○西渕委員 いろいろ塩素の濃度とその効果について今後も実験されるということですけれども、やはり先ほどから話が出ましたように、生の肝臓の場合は商品価値がかなり重要なファクターになると思いますので、商品価値の判定はどうするかということをどこかで決められて、それでまずどこまでであれば商品価値がある、それ以上はだめだというその範囲内で作業されると無駄な努力にならないような結果が得られるかもしれないと思います。コメントです。
○山崎参考人 ありがとうございます。
○山本部会長 それに関連して佐々木参考人から。
○佐々木リスク専門官 こちらの方の調査方法を説明させていただきたいと思います。
 洗浄効果の試験の前に肝臓の調査自体についてなのですけれども、こちらで用いた肝臓の検査については全部肝臓を摘出した当日に調査をやっております。こちらが調査したと畜場はと殺後、白物と呼ばれる消化管内容物を取って、その後に肝臓を摘出して、つり下げて、胆管等を先に除いて、肝臓に胆嚢だけがぶら下がっている状況になります。そこで肝臓の検査が終了後、すぐにこちらは肝臓を採取して、その当日、検査室に持ち込んで調査をしている。その調査の結果、カンピロバクターと胆汁については大腸菌、O157が一部検出されているという状況です。
洗浄効果については、こちらの方でやっているのは実際に汚染するものとして消化管内容物と胆汁を用いて行っております。ですので、水に菌を入れたものを振りかけているものではありません。その意味でいうと、結果を見ていただければ、一番水に近い胆汁は、グラフを見ていただくとよくわかるのですけれども、ほかのものと比べると菌はよく落ちるという結果になっております。
 あと検査方法なのですけれども、こちらはふき取りではなくて、表面を含む深さ1センチのところから採材しております。
 以上です。
○山本部会長 ありがとうございました。
 中村先生。
○中村委員 乳剤にして。
○佐々木リスク専門官 はい。
○中村委員 では、全部菌数は数えられるわけですね。
○佐々木リスク専門官 はい。
○山本部会長 ほかに御質問。
○寺嶋委員 104塗布で400ppmと800ppmではほとんど検出限界に近いということなのだと思うのですけれども、先ほどの甲斐先生とちょっとダブるのですが、今後、塩素濃度を下げたものでやった場合に、調べるときにふきふきチェックですか、一応100㎠ですか、10cm×10cmのすべての表面をカバーしているような形でなさっているのだと思うのですけれども、やはり御存じのように、腸管出血性大腸菌は非常に感染濃度が低いですので、こういう調べ方で検出限界であってもいるということに関しては数個、10個というレベルでも十分危険因子になり得ると思うのです。そういう場合にふきふきチェックのようなあれではちょっと不十分なデータになると思うので、やはり表面全体、要するにまいたところ全体ですか、そういうところ全部がリカバーできるような方法の方が望ましいのではないかなと、先ほどの甲斐先生のコメントと同じですけれども、思います。
○山崎参考人 今、おっしゃられましたことは、今後、実験的には検討していきたいと思います。ただ、1つだけ申し添えますと、現場で肝臓の表面を104の腸管出血性大腸菌が汚染するということはちょっと考えにくい量だとは思って実験をやっております。ただ、今、寺嶋先生がおっしゃられた感染菌数が少ないということに関してより詳細な実験データをとっていきたいと思います。
○山本部会長 ほかにございませんか。
 それでは、山崎先生、どうもありがとうございました。実験データを期待しております。
 続きまして、全国食肉事業協同組合連合会の小林専務から御説明をお願いいたします。資料5ですか。
○小林参考人 資料5を御覧いただきたいと思います。
この前もお話ししたのですが、生食はリスクがありますよと私どもも考えておりますから、そのリスクをいかに減らすかというのがリスク評価だと思っております。どうぞ厚生労働省の方からきちんとしたそのためのデータを出していただきたい。1つは、品川先生が出された、とりまとめられた結果そのものも通常では発見できないので、少しバイアスがかかっていますよと。それを分析する段階での農林水産省の各試験場に対する連絡も、下に書いてあるように、腸管出血性大腸菌の保菌率が高いことが推定される個体を選定すると要領で書かれているのです。こういうバイアスがかかったデータでは客観的な正しい評価はできないのではないかなと私どもは思っています。ですから、厚生労働省の方からもう一度客観的なデータを出していただきたい。
 先ほど来、東京大学あるいは大阪府立大学の先生にお願いしていろいろな実験データをそろえておりますが、なかなか時間とコストがかかってしまう。言ってみれば、と畜場と実験先、培養する場所がかなり距離的にもありますので、その点は厚生労働省が今までデータを集めたのと同じように現場に指示すればたちまちにできる話なのです。ですから、しっかりしたデータ、今度はバイアスのかかっていないデータを是非集めていただいて、本当のリスクはどこにあるのかを示していただきたいと思います。今までの別のデータで牛のレバーの食中毒は多いよというデータもありますし、それこそ客観的なデータ、疫学的なデータです。先生方も言われているように、O157は一定の菌数があっただけで重篤な食中毒を引き起こしますよと盛んに言われているわけですけれども、レバーで重篤な食中毒になった方はないと私どもは思っております。それが1つの疫学的なデータになるのではないかなと思います。
 もう一つは、どうしてもレバーは汚染されるのです。食肉そのものも全くクリーンなものではないということは私どもも重々思っていますし、だからこそ先生方にと畜場の現場を見ていただいて、どういうところを改善していけばいいかというようなアドバイスをしていただきたくて、21日に神奈川の食肉センターを御覧いただいたということです。御覧いただいて、さまざまな汚染の原因がありますよと。これはもう御説明しなくてもいい話なのですが、2ページにありますように、いわゆる枝肉をつくるときに内臓を取り出す、それ以前に食道結紮、直腸結紮をする、その際に糞便が出てしまう、便が漏れる、あるいは腸管を損傷してレバーを汚染するというようなことも1つはありますし、内臓の処理の段階で、内臓そのものはきちんと糞便に汚染されないで出たにしても、赤物と白物に2つにきちんと分けなければいけないわけです。分けるというのはどこかで切断するわけでありますから、それは門脈なりの血液がそこに付着することはあるわけで、そういうことについては今はそうしていませんけれども、例えば事前に結紮をして、そして切断するというような方法もできなくはない。それから、今までも先生方のあれしたのは、なるべく早い時間帯に胆嚢をとり、洗浄するのがベストであるというようなことなのですが、その洗浄をするため、だからいわゆる食肉検査員はレバーの検査をするためレバーに切れ目を入れる、胆嚢を切り開く、それによってレバーそのものに胆汁液なりの汚染が広がるわけでありますから、それをなるべく早く洗浄する。これはまさに食肉の検査所の協力を得て、現場での、と畜場での管理者、作業員が一体となってやっていく話ではないかな、それをすればできるのではないかなと思っています。
前回お話ししましたように、O157食中毒については今回の富山で起きたものが最初ではありませんで、一番早かったのは例のカイワレダイコン騒ぎのときの二十数年前のことなのです。そのときにと畜場法をきちんと改正して、我々加工業者のところ、卸売業者のところでは設備投資をして、きちんとした直腸、食道あるいは肛門結紮というような設備、それから、1頭ごとの83度の熱湯による消毒とか、もろもろのことを改善してやってきたわけです。皆様の決められたことでやってきたわけですから、あとはどこをどういうふうに改善すればいいのかなということをお話しいただければ、まさに衛生的なレバーの提供ができるのではないかなと。
私ども業界で話しておりますと、私は業界の1つの卸小売の専務をやっておりますけれども、非常に突き上げが厳しい。私どもは食肉のと畜段階で厚生省管轄の食肉検査員さんに料金を払って検査してもらって、それをクリアーしたものだけしか手に入れていないわけでございまして、ですからもしもそういう厳しい基準をするならば、御協力いただくか、あるいは厚生労働省の管轄の中でそういう検査をきちんとしてものを流通していただくというようなことが必要ではないか。これは実は昨日そういう会合を開いたときに各幹部の方から出てきた意見でございますので、申し伝えておきます。
あとの面は今までお話したことを連ねておりますので、割愛いたします。
 今まで大学の先生方に本当に御協力いただいて、これは実験方法として皆様方から御質問がありましたように、方向性を間違ったのではないかというようなことも言われておるわけでございますけれども、私どもが実はお願いして、例えばレバーの中の総胆管の中に菌を入れるためにはやはり胆嚢をつけたままで、そして胆嚢の方から菌を注入して、その広がりを見ることが必要でしょうねというようなことから方向が違ったことをやってしまった部分がありますので、その辺は御理解いただきたいと思います。
 以上でございます。
○山本部会長 ありがとうございました。
 ただいまの御説明につきまして、御意見、御質問等ございますか。
 1つ私の方から、品川先生もそこにおられますけれども、品川先生のデータは肝臓の内部に菌がいるのかいないのかを確認するための作業であったと私は理解しております。ですから、ランダムには一応採取しますし、これまでもそういった農場で陽性に、要するに保菌をしている牛が見つかっている農場からのものも当然とらないと、いないものばかりを調べて、内部にいるかいないかを調べるわけにはいきませんので、それをバイアスと言うのはちょっとおかしな話かなと思います。つまり保菌率を調べたり、そういう話ではありません。そういう話ではなかったわけですね。ですから肝臓の中にあるかないかを見るだけの話ですので、それを調べたということだと私は理解しております。
 ほかに何か、阿南先生。
○阿南委員 私も毎回同じようなことを申し上げることになってしまうのですけれども、まず、品川先生が調べられたデータについて、山本部会長もおっしゃられましたけれども、それがなぜバイアスがかかっていると言えるのか聞きたいと思います。
 2点目は、レバーにより重篤な食中毒が出ていないとおっしゃいましたけれども、厚生労働省の資料によれば、重篤な症状は何件も出ています。どうしてそのようなことをおっしゃるのかということです。
 そしてまた、小林さんのところをはじめ、事業者の側で大変な努力をされてきたことはわかりますけれども、この間、この経過のところにまとめられているとおり、行政側からは、さまざまに注意喚起をされてきた、関係の事業者に対しても出荷しないように、控えるようにという自粛の呼びかけがずっと行われてきたわけなのです。しかし業界側はなぜそれをちゃんと守ってこなかったのかということをもう一回申し上げたいと思います。
○小林参考人 品川先生のとりまとめたデータを御説明するときに、こういう発言があったと私は記憶しております。ですから、ある意味ではなるべく出るような農場、そういうものを考えなければいけないというようなことを言われましたので、そのものをお話ししただけでございます。そうでなければ、厚生労働省が出した検査の要請になぜ保菌率が想定される個体を選定するという表現をされたのか、それはまさにそういう結果が出るような形でそうされたのであろうと思います。
いるかいないかということを調べられて、それはいるという結果でありました。それはそれでいいのですけれども、そうでなくてリスクがどれくらいあるのかということが、食品を食べる際の1つの基準を決める指標になると思うのです。1,000頭の中で1頭そういうものが発生するのか、5,000頭の中で1頭発生するのか、発表があった173頭の中で2頭くらい発生するのかというのはやはり大きなデータの違いだと思います。ですから、それはきちんとしたそういうものでリスクの評価をいただきたいなと思っています。
私どもは阿南さんにおしかりを常に受けておりますけれども、徹底的にこの業界は正しいことをやっていたということは断言いたしません。原因があってこういう結果になっているわけでございますから、その点はきちんと反省して、ただ、今、レバーを生食で食べるというような奨励は一切しておりません。日本畜産副産物協会もしかりです。そうであってもそういう料理を提供するところは幾つかあるようには聞いておりますけれども、それはもう大いにリスクがあるのだよというようなことで、私どもの小売卸の店頭では厚生労働省の担当官とも御相談して、そのようなポスターを掲げて販売しているということでございます。100%きちんとしたことをやっているとは思っておりませんので、阿南さんのおしかりはまさに正面から受け止めておきます。
○山本部会長 ありがとうございました。
 寺嶋先生。
○寺嶋委員 阿南委員の方からも御指摘がありましたけれども、生レバーによる食中毒で重篤なものはなかったというのはかなり誤ったことではないかと思うのです。散発事例ではあっても、生レバーを食べた患者さんから分離されたこの場合は腸管出血性大腸菌のO157ですけれども、こういうものとその患者さんが食べた生レバー、そこからもO157が時々分離されるわけです。それは感染研のいわゆるDNAの解析をしてわかっている結果ですが、そういう菌の一致が明らかになっている例が幾つもありまして、こういうものから考えると、その事例それぞれが内部汚染の肝臓なのか、表面汚染の肝臓なのかは勿論わかりませんけれども、そういう明らかな原因として生レバーがあったというのははっきりしたデータがございますので、生レバーの喫食による重篤な食中毒事例がないというのはかなり問題ではないかと思います。
 品川先生がお示しになっていますように、先ほどもちょっと言いましたけれども、非常に少数の菌量で発症するということがありますので、内部にそういう汚染があった場合にはやはり発症の原因になるという、非常にリスクの高い食品になり得るということは十分考えられると思います。品川先生がお示しになった頻度として低い可能性はありますけれども、内部にそういうものがあれば非常に重篤な食中毒事例、食中毒の事例として扱えるかどうかは別ですが、そういうことになり得る原因だということはかなりはっきりした事実ではないかと私は思います。コメントです。
○山本部会長 ありがとうございました。
 ほかにございますか。
 どうぞ。
○中村委員 小林さんが御説明されなかったところが気になっているのですけれども、3ページの上の方の3行目に「生理現象から、生きている間は、肝臓の細胞の中に腸管出血性大腸菌がいることはなく」とあって、私は先ほどスタニング以降のこういう話があって、そこはかなり入るのではないかという話はしたのですが、その前からあるのではないかなとも思っているわけで、下の方にそのデータを出していただきたいとありますが、なかなかデータをとるのは難しい話で、では逆に生体では肝臓の細胞の中にいないというデータがあるのかどうかということなのです。これも証明が難しい話で、私はと場にいた人にも聞いたけれども、やはり生体の間に行ってしまっている部分があって、それに追い打ちをかけるようにああいう懸垂までやるとちょっと割増されると漠然と思っているのです。お互いに何かデータとしてはとりにくい話ではないかなと。
○山本部会長 前に菌の消化管内での分布と肝臓の汚染というような論文も引用されていたかと思いますけれども、例えば第1胃にいたとして、それが腸管に満遍なくいるような状況は恐らく菌数がかなり影響してくるのです。高い菌数で保菌しているようなものは腸管に満遍なく出てくる可能性もありますけれども、ある程度以下のものについては腸管の部位によってはとれない部分も出てきます。それから、農林水産省から示していただいたデータの中に胆汁にあって糞便にないというか、とれないものもあったように記憶しています。逆もありましたか。
○佐々木リスク専門官 資料2の別添1を見ていたただきたいのですけれども、ここに個体ごとの結果、先ほども説明したのですが、胆汁から検出された個体、個体番号5なのですけれども、これについては胆汁と十二指腸内容物と直腸内容物から検出されております。第1胃と第4胃からはとれておりません。ほかにも例えば検体番号1でいえば、これは第1胃だけからとれております。そういうことで消化管のどこにいるか、これは検出感度の問題もあるのですけれども、直腸にいないからといってほかの消化管にいないことはないということになります。
○山本部会長 わかりました。
 そういうことですので、例えば直腸内容物を調べて、その牛が保菌していないとも言えないですし、なかなか一概にこれをどういう検査で除くのかということになると難しい部分が出てくるだろうとは考えております。
○小林参考人 1つ質問してよろしいでしょうか。農林水産省のデータなのですが、厚生労働省ならば食肉検査所で直、そういう資料をつくることができる。しかし、農林水産省の場合は、入手できるレバーが、入手できるタイムラグが、恐らく私どもと変わらないのではないかなと。牛については内臓はBSEの関係があって、1日おかないと今、いけないわけです。次の日から初めて入手できるということで我々は考えているのですけれども、農水省さんの資料はどういう時点のレバーをお使いなのですか。
○山本部会長 佐々木さん、お答えできますか。
○佐々木リスク専門官 こちらの調査では、と畜場に検査機関の方に出向いていただいて、と殺した当日、BSEの検査で陰性という結果が早いものでは午後すぐ出てきますので、出てきたものについてすぐに持ち帰って、当日に試験することになっております。特に今回提示している99頭のものについてはすべて肝臓は当日に試験をしております。あと洗浄効果試験なのですけれども、これも時間が経つと肝臓の表面の構造に変性が起きることが考えられますので、これについても摘出した当日に洗浄効果の試験をしております。
○山本部会長 ありがとうございました。
 検査は非常に早い段階で行っているということでありますけれども、実際食するときのことを考えますと、BSE検査が終わった次の日に出てくるものを食べるしかないわけなので、その時点で検査を行っても勿論構わないとは思いますし、その時点で内部にないということが確認されることが十分大事なことだと思います。
 ほかにございますか。
○野田委員 私はこの部会でレバーの生食の議論が始まって以来、できるだけ安全性を確保した上で生食を残す方法がないかという視点でずっと考えてきました。生食を提供するということは高度な衛生的な処理が求められますから、一般的な衛生基準が向上しますし、生食したい方もいますし、業界の方もそれぞれ努力されていることも十分理解しています。しかしながら、腸管出血性大腸菌やカンピロバクターが汚染して、しかも内部に汚染がある、それを検査で排除することは現状では難しい、また殺菌消毒でも現状では付着した菌を完全に殺菌することはできる状況にはない、という理解でいます。したがって、現状において、レバーを安全に生食するための取り得る対策は残念ながらないというのが個人的な意見です。しかし、今後現在取り組まれている対策や研究を進めていただいて、安全性の確保ができるデータや処理方法が見つかって、最終的には生食ができる状況をつくることが望ましいと考えていますので、その辺の努力は今後も進めていただければ幸いに思っています。
○山本部会長 ありがとうございました。
 特に小林参考人に御質問等がなければ、これで終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
 それでは、今後の取扱いといいますか、本件に係る問題については大分意見が出てきているかと思いますけれども、特に生食用の牛の肝臓についての御意見として、もう少し付加的におっしゃりたいことがありましたら、委員の先生方からお願いいたします。
 特にございませんか。
 これまでの先生方の御意見を伺っていますと、それから、これまで得られた知見を考えてみますと、これから食中毒がだんだん増えてくる時期に向かっていくわけなので、このまま肝臓の生食を放置するような状況は非常にリスクが高いだろうなということは考えられると思います。できましたら一旦生食用の牛レバーの提供を禁止する方向で手続を進めざるを得ないのではないか、つまり食品衛生法で規格基準を設定する必要があるのではないかということです。これまでに得られた知見については資料1で事務局から説明がありましたけれども、規格基準となりますと少し考えるところがあるわけなので、規定する内容につきまして私なりに考えてみたことがありますので、考えを整理して、それを事務局の方に伝えました。これから配付する資料を確認いただいて検討をしたいと思いますので、事務局から資料を配付していただけますか。
(事務局、資料配付)
○山本部会長 よろしいでしょうか。
 それでは、私から少し読み上げさせていただきたいと思います。
牛肝臓の取扱いについて(案)
1.これまでに得られた知見
 生食用牛肝臓の取扱いについて、昨年7月6日の食中毒・乳肉水産食品合同部会、同年12月20日、本年2月24日及び3月30日の本部会で議論した結果、現時点までに得られている知見は以下のとおり。
 1)腸管出血性大腸菌は牛の腸管内に存在し、2~9個の菌の摂取で食中毒が発病した事例が報告されている。
 2)生食用牛肝臓の提供の自粛を要請した昨年7月以降でも、4件(患者数13人)の食中毒事例が報告されている。
 3)厚生労働省が実施した牛肝臓の汚染実態調査で、牛肝臓内部から腸管出血性大腸菌及び大腸菌が検出されている。また、国内外の文献において、牛肝臓内部及び胆汁から腸管出血性大腸菌の検出事例が報告されている。
 4)牛肝臓を安全に生食するための有効な予防策は見い出せていない。
2.対応(案)
 上記を踏まえ、国民の健康保護の観点から、食中毒の危険性が高まる夏までの間に、牛肝臓の生食を禁止する方向で手続きを進めることが必要である。
このため、以下の内容を掲げた食品衛生法第11条第1項に基づく規格基準を設定する。
 1)牛肝臓を生食用として販売してはならない旨
 2)牛肝臓を使用して食品を製造、加工又は調理する場合には、中心部を63℃で30分間加熱又は同等以上の殺菌効果のある加熱殺菌※が必要である旨
 ※加熱食肉製品等の規格基準の加熱殺菌条件として規定されている条件と同一であり、既存の腸管出血性大腸菌O157:H7のD値(62.8℃で25.02秒)からも、当該条件で十分に安全性を確保できると考えられる。
 また、消費者等への注意喚起の観点から、消費者庁に表示基準の設定を含めた安全確保策の周知等について検討を依頼することが必要である。
 なお、関係団体が、引き続き牛肝臓内部の汚染除去試験等を実施していることから、今後、安全性を確保できる新たな知見が得られた場合には、手続きの途中であっても、本部会で改めて審議を行うこととする。
 以上ですが、御意見を伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。いかがでしょう。
 阿南委員。
○阿南委員 この提案に賛成いたします。そして先ほどお話していただきましたが、事業者の皆さん方もさまざまな努力を工夫されている、それはそれで引き続きやっていただく必要があると思います。加熱して食べるにしても、提供された以上はやはりそういうことは必要なのです。ですからそれは引き続き重視してやっていっていただきたいと思います。
 以上です。
○山本部会長 確かにそのとおりで、加熱するから衛生的に管理しなくていいというわけではないということですね。
 ほかにございますか。
○寺嶋委員 私もこの提案に賛成なのですけれども、具体的には夏までの間にというのはいつぐらいが想定されていますか。
○山本部会長 これは事務的な手続も含めてなるべく早く進めていただけることにならないと間に合いませんので、夏という言い方は変更することも可能かと思います。
 事務局からお答えいただけますか。
○寺嶋委員 と申しますのは、結構早い時期で事例は発生していますので、夏盛りに発効という事態では遅いように思うのです。それが大事なのかなというのが1つと、今、阿南委員の方から御意見が上がりましたように、加熱といっても焼肉と同じであぶっているような加熱は余り加熱ではないので、その辺も今後のそういう実際の具体的なデータも含めて、特に関係団体さんも御努力されているようですので必要かなと思いました。
○山本部会長 事務局、お願いします。
○事務局 まず手続でございますが、食品衛生法に基づく規格基準をつくるということになりますと、食品安全委員会の評価、消費者庁の協議、WTO通報とかパブリックコメント、こういった手続が必要になってございます。これらの手続につきましては速やかに進めていきたいと考えております。
それから、現状、今でも生食用のレバーの提供はしないでくださいということは周知をお願いしているところですけれども、こういった結論、とりまとめをいただけた場合には、更にその間、規制が適用される前であっても提供しないようにというような周知をしていきたいと考えてございます。
○山本部会長 できるだけ早くということですけれども、具体的にはなかなか答えにくいかと思いますが、そんな夏にかかるような話ではないと理解していただければいいかと思います。
○中村委員 中身的には賛成なのですけれども、1の(1)の文言なのですが、事務局の人がよろしいと言えばいいのですけれども、「2~9個の菌の摂取で食中毒が発病した」というのはこの表現でいいのですか。何となく耳ざわりな感じがするのです。中身ではなくて、意味はわかるのですが、そういうふうになっている文章がありますか。私たちは使わないです。
○山本部会長 「発生」とかそういうことですね。
○中村委員 「食中毒を」とか「発生」とか、そういう話になるのかなと思います。お任せします。
○事務局 「食中毒が発生」と修正をさせていただきたいと思います。
○山本部会長 ありがとうございます。
 ほかに。
 西渕先生。
○西渕委員 私も基本的にはこの内容で賛成です。2点ほど細かいことを確認させていただきたいのですけれども、関係団体がいろいろ努力されていることでありまして、今後新たな知見が得られた場合には審議の可能性があるということですけれども、規格基準では加熱ということが基本になっているのですが、今、やられているのは次亜塩素酸のような食品の消毒剤、そういうものが進行中ですけれども、そういうものも対象として入れられるのかということが第1点。
 もう一つは、消費者庁に関係の記述があるのですが、具体的にはどういうことが想定される、例えば健康のためにたばこの吸い過ぎには注意しましょうということを想定されているのかということです。
○山本部会長 事務局からお答えいただけますか。
○事務局 まず洗浄の効果の件でございますが、こちらの方は今の内容の案ではこういった形になっていますけれども、勿論そういった効果が認められて、安全性が確保できるということであれば、そういった内容に変更することは可能、こちらの部会で御審議いただいて修正していくことは可能だということでございます。
 それから、消費者庁の表示基準の設定を含めた安全確保策でございますけれども、内容につきましては消費者庁の方にこれから検討していただくようにお願いをするわけでございますが、例えば飲食店で焼き肉用の牛のレバーを提供された場合によく焼いていただく必要があるとか、そういった注意喚起をしていただくようなことを検討していただく、またお肉屋さんで焼き肉用のお肉を販売する場合に当たって注意喚起をしていただくといったことが考えられるのではないかと思います。
○山本部会長 よろしいでしょうか。
 現時点で加熱以外の方法がどうも手技的には見つかっていませんでしたので、これを一義的にリスク低減措置として記載したということです。
 ほかにございますか。
 御意見がほかにございませんでしたら、このような方向で今後の手続を進めることで本部会のとりまとめとさせていただきたいと思いますが、よろしいですか。
 ありがとうございました。
 それでは、事務局から今後の手続につきまして説明をお願いします。
○事務局 今後の手続につきましては先ほど事務局から申し上げたとおり、食品安全委員会のリスク評価と消費者庁との協議、WTO通報等の手続を進めていきたいと考えております。これらの手続を経た結果、本日、御審議、御了承いただきました方針に大きな変更を生じるものでなければ、本部会にて改めて御審議いただくことなく、部会長と御相談をさせていただきながら部会報告書をとりまとめの上、食品衛生分科会へ報告させていただきたいと考えております。
○山本部会長 ありがとうございました。
 今、事務局から今後の取扱いについて説明及び提案がありましたけれども、そのような方針でよろしいですか。
 それでは、私と事務局との相談の上で進めさせていただくことにしたいと思います。
 ほかに先生方から。
○甲斐委員 昨年来、この本部会でユッケを初めとした生食用の肉の話、そして今回レバーの取扱いについての話が検討されてまいりましたけれども、今、実際飲食店等を見てみますと、いわゆるレバー以外の内臓肉、例えばミノが第1胃ですか、それと第2胃のハチノスとか、第3胃のセンマイ、第4胃のギアラ、そういうものも生で提供されているような例も見受けられるかと思います。そして今回資料2、農水省の方から出された別添1を見てみますと、第1胃の内容物あるいは第4胃の内容物等からもO157が出ております。このようなことを考えますと、やはりレバーだけに終わらせることなく、これらの内臓肉に関してもこの部会で検討する必要があるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○山本部会長 御意見ありがとうございます。リスクを考えるとやっていく必要があるかと思いますが、事務局、いかがですか。
食中毒の対策室から。
○食中毒被害情報管理室長 食中毒の関係のお話ですので、食中毒の発生の状況だけ少しお話をさせていただきます。平成11年くらいからの統計を見ますと、大体牛の内臓、肝臓以外で起こっておりますのがセンマイによるもの、具体的な部位がわかりませんけれども、ホルモン、ミノ、ハツといったところを原因とするものが起きておりますが、10年で大体8件程度で、やはり内臓肉自体それほど生食はされていないのかなということで、検出自体はそれほど多くないのではないかと考えております。
○山本部会長 余り発生というか、報告例自体は多くないようですけれども、実際には起こっていることは起こっているということです。いかがですか、事務局として今後どういうふうに扱うか。
○事務局 甲斐先生から農林水産省の汚染実態調査結果についての言及がございましたけれども、今、それ以上の情報は持ち合わせてございませんので、それ以外の汚染実態調査とかを整理をした上で、またこの部会で取扱い等について御議論いただければと考えてございます。
○山本部会長 ありがとうございました。
 もう少しデータを整理して、足りない部分についてはまた集めるような作業もしながら本部会で検討することにしたいと思いますけれども、それでよろしいですか。
 では、事務局も情報整理等、よろしくお願いいたします。
 それでは、議題1はここまでにしたいと思いますけれども、その他、何かございますか。
○事務局 議題としては特にございません。
○山本部会長 それでは、以上をもちまして本日の部会を終了いたします。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

医薬食品局食品安全部基準審査課乳肉水産基準係 仲川
(03-5253-1111 内線2489)

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