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2012年3月16日 第4回 院内感染対策サーベイランス運営委員会 議事録

○議事

          第4回院内感染対策サーベイランス運営委員会


          日時 平成24年3月16日(金)
             14:30〜
          場所 中央合同庁舎5号館専用第23会議室

○田辺医療放射線管理専門官 定刻となりましたので、ただいまから「第4回院内感染対策サーベイランス運営委員会」を開催いたします。私は厚生労働省医政局指導課、医療放射線管理専門官の田辺でございます。よろしくお願いいたします。委員の皆様方には、大変お忙しい中ご出席を賜りまして誠にありがとうございます。委員会の開催に当たり、厚生労働省医政局指導課長の井上より一言ご挨拶申し上げます。

○井上指導課長 厚生労働省医政局指導課長の井上でございます。本日、ご出席いただきました先生方におかれましては、院内感染対策の推進につきまして、常日ごろよりご尽力を賜り厚く御礼を申し上げます。また、年度末のご多忙な時期にもかかわらずご参集いただき、本当にありがとうございます。
 院内感染対策につきましては、安全で安心できる医療を確保するための重要な対策でございます。そして、国民の関心も高い分野となっていると考えております。
 医療法上も医療安全確保の上で重要事項に位置づけられておりまして、医療機関には日常から自らの施設における院内感染の発生状況を正確に把握し、万が一発生した際には速やかに対応し、適切な感染拡大防止を行う体制を確保するため、医療機関の機能に応じたサーベイランスの適切な実施と運用を促すよう、行政としてなお一層の努力が求められているものと認識しております。
 院内感染対策サーベイランス事業は、国内医療機関における院内感染の発生の現況を国として把握し、適切な対策を講じる上で不可欠な事業と考えております。現在、参加医療機関は1,000を超えておりまして、貴重なデータが集積されているところでございます。
 今回は東日本大震災の関係もありまして、約2年ぶりの開催となります。JANIS事務局から近年の公開情報についてのご報告をしていただくとともに、本事業のさらなる発展のため、今後のJANIS事務局の運営体制のあり方、運営内容の検討につきまして委員の皆様方にご確認・ご協議をいただきたいと考えております。
 本日、お集まりいただきました構成員の皆様方による活発なご議論を通じまして、今後の院内感染対策、サーベイランス事業がますます充実していくことを期待申し上げて、簡単ではございますが開会の挨拶とさせていただきます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

○田辺医療放射線管理専門官 それでは、各委員のご紹介をいたします。お名前を五十音順にご紹介申し上げます。名古屋大学大学院医学系研究科教授、荒川宜親構成員でございます。

○荒川構成員 よろしくお願いいたします。

○田辺医療放射線管理専門官 慶應義塾大学医学部感染制御センター教授、岩田敏構成員でございます。

○岩田構成員 よろしくお願いします。

○田辺医療放射線管理専門官 東京医療保健大学/大学院教授、大久保憲構成員でございます。

○大久保構成員 よろしくお願いします。

○田辺医療放射線管理専門官 国立国際医療研究センター感染症内科科長、大曲貴夫構成員でございます。

○大曲構成員 よろしくお願いします。

○田辺医療放射線管理専門官 国立感染症研究所細菌第2部部長、柴山恵吾構成員でございます。

○柴山構成員 よろしくお願いいたします。

○田辺医療放射線管理専門官 NTT東日本関東病院手術部長、針原康構成員でございます。

○針原構成員 よろしくお願いいたします。

○田辺医療放射線管理専門官 岐阜大学医学部附属病院生体支援センター長、村上啓雄構成員でございます。

○村上構成員 どうぞよろしくお願いいたします。

○田辺医療放射線管理専門官 本日、東北大学病院臨床検査技師長、長沢光章構成員からはご欠席の連絡をいただいています。なお、写真撮影などはこれまでとさせていただきます。ご協力をお願いいたします。
              
○田辺医療放射線管理専門官 今回、第4回の開催となります。第3回まで荒川委員に座長をお務めいただいておりましたが、昨年度より国立感染症研究所、並びにJANIS事務局を退任されたことにより座長辞退の意向を受けております。改めて、座長の選任についてご議論いただければと思います。

○荒川構成員 私の後任に着任しました柴山部長にお願いされたらと思います。いかがでしょうか。

○田辺医療放射線管理専門官 ただいま、柴山構成員が座長としてよろしいのではないかというご意見がありました。皆様、いかがでしょうか。
                (異議なし)
○田辺医療放射線管理専門官 それでは、柴山構成員に座長をお願いしたいと思います。柴山構成員、座長席に移動の上、進行のほどよろしくお願いいたします。

○柴山座長 当運営委員会の座長を仰せつかりました柴山でございます。よろしくお願いいたします。委員の先生方のご協力をいただきながら、当委員会の円滑な運営に努めてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず議事に入る前に、通例のように当委員会の議事や資料の取扱いについてのルールを確認しておきたいと思います。事務局より説明をお願いいたします。

○田辺医療放射線管理専門官 ご説明いたします。運営に関しまして予めお断り申し上げますが、本委員会については公開で行い、議事録につきましても、事務局でまとめたものを各委員にお目通しいただいたのち、厚生労働省のホームページに公表することとしたいと思います。この点につきましてご了承をお願いいたします。
 引き続きまして、資料の確認をさせていただきます。本日ご用意いたしました資料の構成は議事次第に記載のとおりです。資料の欠落等がございましたらお申し出ください。

○柴山座長 よろしいでしょうか。それでは、議事に入りたいと思います。まず初めに資料1、「院内感染対策サーベイランス運営委員会設置要綱」についてでございます。田辺専門官より説明をお願いいたします。

○田辺医療放射線管理専門官 資料1をご覧ください。「院内感染対策サーベイランス運営委員会設置要綱」でございます。これ自体は以前からありますが、今回多くの委員に新しく就任していただき、その中でもう一度、この「設置要綱」を確認させていただきましたところ、「任期」という条項がございませんでした。
 裏をご覧いただきまして、(委員の任期等)ということで、第6条「委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。委員は、再任されることができる」といった条文を追加したいと思います。
 なお、前頁、第3条に「運営委員会は委員10人以内で組織し」となっていますので、10人の中で委員会を開いていただき、ただし、その任期は2年とする。そういった条文を加えたいと考えておりますのでご議論いただけたらと思います。
○柴山座長 ありがとうございました。それでは、この設置要綱の改正に関してご意見がありましたらお願いいたします。どなたか、ございますでしょうか。特段のご意見がございませんようでしたら、設置要綱の改正に関してご承認いただいたということでよろしくお願いしたいと思います。
 次の議題、資料2「院内感染対策サーベイランス(JANIS)事業の概要について」田辺専門官に説明をお願いいたします。

○田辺医療放射線管理専門官 資料2をご覧ください。今回、2年ぶりの開催ということと、委員の方もかなり代わられたということがありますので、JANIS事業とはどういうものであるか、概要についてまとめましたのでご紹介させていただきます。
 2頁、JANIS事業の目的ですが、全国の医療機関における院内感染症の発生状況、薬剤耐性菌の分離状況及び薬剤耐性菌による感染症の発生状況等を調査し、情報を提供することでございます。
 概要ですが、参加医療機関は本サーベイランスの趣意に賛同した原則200床以上の病院で、この事業は任意参加型の事業であり、感染症法に基づく届出とは異なります。
 JANIS事業は5部門で構成されております。検査部門、全入院患者部門、手術部位感染(SSI)部門、集中治療室(ICU)部門、新生児集中治療室(NICU)部門でございます。
 また、JANIS事業は公開情報と還元情報を提供しています。本サーベイランスの集計・解析評価情報をもとに、一般公開用の期報・年報をホームページ上で公開するとともに、参加医療機関の解析評価情報を、参加医療機関専用ページで還元しているといった特徴があります。
 下段に【JANISの主な経緯】がまとめられています。この事業は2000年(平成12年)、委員であります荒川先生が主体となった厚生科学研究をもとに事業化されています。そのときは、検査部門、全入院患者部門、ICU部門で開始されています。2年後、平成14年にSSI部門、NICU部門が追加となり、現行の5部門となっています。そのあと平成19年、(2007年)にシステムが更新され、このときに大きな変化を遂げている。そういった歴史がございます。
 3頁目はシステム更新をしたあとの参加医療機関数の推移でございます。5部門と参加医療機関全体の数の推移が示されています。いちばん上、オレンジ色で示されているのが参加医療機関数全体でして、2012年2月現在1,000となっています。
 なお、平成23年度に新規に参加した医療機関数は検査部門 58、全入院患者部門 36、SSI部門 50、ICU部門 12、NICU部門 9といったことでございます。
 4頁目、5部門各部門におけるサーベイランスの目的についてご説明いたします。検査部門ですが、医療機関における主要菌種・主要な薬剤耐性菌の分離状況を明らかにすること。全入院患者部門は全入院患者を対象とし、主要な薬剤耐性菌(MRSA,VRE,MDRP,PRSP,VRSA,MDRA)といった6薬剤耐性菌による感染症)の発生状況を明らかにする。手術部位感染(SSI)部門は医療機関における手術部位感染の発生状況を明らかにする。集中治療室(ICU)部門は集中治療室で発生する3種類の院内感染症(人工呼吸器関連肺炎、カテーテル関連血流感染症及び尿路感染症)の発生状況を明らかにする。新生児集中治療室(NICU)部門は新生児集中治療室で発生する院内感染症の発生状況を明らかにすることでございます。
 5頁をご覧ください。公開情報と還元情報の2種類ありますので、それぞれ説明させていただきます。なお、下に載せてありますが、公開情報は一般統計調査の承認を受けたものでございます。公開情報は一般向けの情報で、JANISのホームページで閲覧制限なく、誰でも閲覧可能となっています。こちらで公開している情報は全体の集計結果ということでございます。
 還元情報のほうは個々の参加医療機関向けでして、JANISのサイトの中の参加医療機関専用サイトで還元情報を見ることができます。閲覧制限がございまして、自施設のみ閲覧可能となっています。こちらで還元している情報は全体集計と自施設の集計となっています。
 6頁です。それぞれ公開・還元の周期が載っています。年報はそれぞれの部門で還元情報・公開情報が提供されています。公開について言いますと、検査部門と全入院患者部門が四半期報、SSIとICU部門は年報に加えて半期報を出している。そういった周期で情報を還元しています。なお月報、四半期報、半期報につきましては、精度管理前の暫定値ということですので、そのあと精度管理を行って年報として報告する際には数字が変わっていることがございます。年報は精度管理後の確定報となっております。
 続いてJANISの公開情報でございます。これも繰返しになりますので省略させていただきますが、それぞれ検査部門の概要、全入院部門の概要、手術部位感染(SSI)部門の概要、集中治療室(ICU)部門の概要、新生児集中治療室(NICU)部門の概要が載っていますので、またご覧いただけたらと思います。
 13頁です。まず、公開情報のほうですが、厚生労働省の院内感染対策サーベイランス事業、JANISのホームページの図でございます。こちらの公開情報において、各部門ごとに結果を公開しています。
 14頁、この場合は先ほどの頁の「検査部門」をクリックしたあとのホームページの図です。2010年までは年報ができておりまして、2011年も四半期報が12月分までできているという状況でございます。これも繰返しになりますが、四半期報は暫定報で、年報は精度管理を行ったあとの確定報という形になっています。
 続きまして15頁、JANISの公開情報の一例ということになります。これはMRSAを例に取った検査部門の紹介でございます。1年単位の単純集計である2010年の合計として、106万9,216検体提出患者数があり、そのうちMRSAが10万845(9.43%)、これが全国値ということでございます。
 JANISの特徴としてこういった単純集計だけではなく、医療機関の分離率の分布を表示するといった特徴があります。下に説明の図が載っていますので、これについて補足説明をさせていただきます。これは通称「箱髭図」と呼んでいるものです。いちばん左端が最小値になっています。MRSAですと1.16が最小値ということになります。その次、髭の端っこに当たる部分が10パーセンタイル、全体の10%に位置する分離率の少ない医療機関がこのあたりとなります。箱の部分が25%から75%、その間に中央値、50パーセンタイルのところに線が入っています。これは平均値ではなく、中央値となっています。MRSAの場合ですと9.13という数字が入っています。髭の右端のほうは90%の位置の医療機関です。そして最大値、この場合ですと45.59といった分離率を出している医療機関がある。このような箱髭図で見ることで全体的な概観もわかる。これがJANISの特徴になっています。
 17頁、JANIS参加医療機関への還元についてです。まず、JANISの目的は、これも繰返しになりますが全国の医療機関における院内感染症の発生状況、薬剤耐性菌の分離状況及び薬剤耐性菌による感染症の発生状況等を調査し、【公開情報】を提供すること、これが一義的な目的となっています。
 しかし、サーベイランスの精度を高めていくためには継続的に参加していただく医療機関を確保していく必要があります。そういった観点から、医療機関に対して参加することのメリットを提供することが重要ということで、2007年のシステム更新のときから大きく変わりました。参加医療機関への【還元情報】の提供は、いま、全5部門で行われています。
 また、これは検査部門のオプション機能ですが、2DCM機能の提供が2011年4月から行われています。また、参加医療機関のみで閲覧可能なものとしてJANISのニュースレターの発行が2011年5月からされております。
 18頁は「箱髭図の自施設表示について」です。【還元情報】という注釈が付いています。これは先ほどもご説明しました箱髭図でみた全体像です。全体の医療機関がこういった割合で分布しておりますが、それぞれの還元情報で、自施設のサイトから見ますと、それに赤い点が付く。ここの例ですと自施設の値は中央値よりもやや多いということで、それぞれ参加している医療機関が参加医療機関全体の中で、自分の施設というのは中央よりもやや多いことを理解していただくための情報を提供することができます。
 続きまして19頁「JANIS還元情報についての一例」です。全医療機関における自施設の位置づけ、並びに継続的に参加することで経年的な推移が把握でき、還元情報を「院内対策委員会」等の資料として活用できるといった特徴もございます。
 1つの例としてMRSAを例に挙げています。これは(年報の分離率)、2007年から2010年にかけてこの医療機関は14.38%、11.75%、9.89%、9.96%と経年的にMRSAの分布率が低下していることがわかります。こういったことを「院内感染対策委員会」の中で提供する。そういった形で使っていただくこともできます。
 下段も1つの例です。抗菌薬の感性率、この場合は緑膿菌のレボフロキサシンに対する感性率を1つの例として挙げています。この医療機関は箱髭図の赤いドットを見ていただくとわかりますように、2007年のほうはどちらかというと感性率が低く、70%ぐらいの感性率だったものが2010年には80%ぐらいと、数字自体の感性率も良くなっておりますし、箱髭図全体に占める割合の中でも良いほうに向かっている。この医療機関が3年間の間に何らかのアクションを取ったのであれば、感性率が改善しているといったことも読み取ることができます。
 20頁は「2DCM機能について」です。これは(検査部門)の中を見ていただき、その中のオプション機能として付いているものです。縦軸が空間軸、病棟別の空間を表しております。横軸が時間軸で、検体の提出日を表しています。それぞれ検査で出てくる株が同一であると、アルゴリズムで判定した場合には同じ色を付ける。そういった特徴をもった機能でございます。また、同一患者から分離した場合は線で結ばれる。それらを二次元で表示したものです。
 ブルーの字で示してある、同じ色の場合、同一株である可能性が高い。これは黄色ですけれどもB病棟、C病棟に渡っておりますが同じ色の株がある。C病棟、5つのオレンジ色で示されているものに関しては線で結ばれていますので、この患者は同じ株が継続的に検出されていることがわかります。D病棟、この場合は症例1、症例2、症例3、症例4という形で、1人の方が治まっても違う方が少しずつ出ているということで同時期、同一病棟で類似する感受性を持った細菌が4名の患者から検出されている。こういう図を見ると、もしかしたら院内で何か広がっているかもわからない。そういったことを把握するためのツールとして使うことも可能となっています。
 21頁「JANISニュースレターの発行」です。左側が第1回目の発行のものをサンプルとして持ってきました。2011年5月から年4回発行、「JANIS通信」を始めています。中には漫画などで紹介したりとか、例えば右側は「CSVファイルを活用しよう」などといった形で、JANISに参加していただいている施設にJANISをより有効に利用していただこう。そういったことも取り組んでいます。これは参加医療機関においてのみ閲覧可能となっています。概要についての説明は以上です。

○柴山座長 田辺専門官、どうもありがとうございました。ただいまの説明に関しまして、ご意見がありましたらお願いします。特によろしいでしょうか。それでは、次の議題に移りたいと思います。資料3「2009年、2010年の年報について」、こちらはJANIS事務局の私より説明させていただきます。2009年、2010年ともに、内容的にはほぼ同じ傾向ですので、2010年のものを用いて説明させていただきたいと思います。2009年と2010年とで特段異なる部分については、その箇所でその旨説明させていただきたいと思います。
 まず、検査部門の年報から説明させていただきます。資料3-2をご覧ください。最初の頁には、概要と目的及び図表のリストが記載されています。その次の頁とその次の頁には、解説として、全体的なサマリーが記載してあります。今日この場で説明するにあたりまして、このサマリーをずっと読み上げる形では、ちょっとわかりにくいと思いますので、次の頁以降の図表を見ながら、順に説明させていただきたいと思います。1頁目の図は、データを提出いただいた医療機関数を病床数別に示したものです。国内の医療機関で200床以上499床以下の医療機関では18%、500床以上899床以下の医療機関では44%、900床以上の医療機関では39%の医療機関がJANISに参加していただいて、データを提出いただいています。
 2頁目の表は、検査材料別に医療機関数、検体数、分離菌数をまとめたものです。合計の検体数は、291万4,083検体です。内訳は、呼吸器系検体、血液検体が非常に多くを占めている結果でした。3頁目の図は、血液検体からの分離菌の内訳です。次の4頁目の図は、髄液検体からの分離菌の内訳を示しています。血液、髄液ともに、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌などが上位を占めていることがわかりました。
 5頁目の表は、主要な菌の分離患者数、それから全医療機関の分離率の分布を示しています。例えば、S.aureus(黄色ブドウ球菌)では、全体の分離菌の16.38%を占めていましたが、分離率は医療機関によって、4.25%から47.93%までばらついていたことを示しています。6頁目の表は、特定の耐性菌が分離された患者数と、医療機関の分離率の分布を示しています。先ほどと同様に、例えばいちばん上にあるMRSAですと、全体の9.43%を占めていて、医療機関によっては分離率はいちばん低い所では1.16%から、高い所では45.59%までばらついていたことを示しています。7頁以降は、主要な菌種の主な抗菌薬の感受性結果を示しています。MSSA、以下MRSAなどについて、このように感性、中間、耐性という割合を示しています。2010年と2009年では、この傾向は概ね同じです。ただ、16頁にあります大腸菌については、特に第三世代セファロスポリンのセフォタキシム(CTX)に対する耐性が、2010年ですと13%、またフルオロキノロンのレボフロキサシン(LYFX)で30%なのですが、これが2009年では若干低く、それぞれ10%、27%という値でした。ここでは示していませんが、2008年以前はさらに低い値で、近年これらの耐性菌の割合がだんだん増加し続けることが、このJANISデータからもわかっています。検査部門の年報の説明は以上です。
 引き続き、全入院患者部門の年報の説明に移ります。こちらも、2010年の年報で説明させていただきたいと思います。資料3-4をご覧ください。同様に、最初の頁と次の頁は、概要と目的及び図表のリスト、それから解説として全体のサマリーがあります。先ほどと同様に、次の頁以降の図表を見ながら説明させていただきたいと思います。1頁目の図は、データを提出していただいた医療機関の数です。国内の200床以上499床以下の医療機関の14%、500床以上899床以下の医療機関では27%、900床以上の医療機関では18%の医療機関がJANISに参加いただきデータを提出していただいている状況です。
 2、3頁目の図表は、代表的な薬剤耐性菌による新規の感染症患者数と、罹患率を示しています。例えば、最初のMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)ですと、総入院患者数が265万5.911人で、罹患率は4.96‰という結果でした。また、医療機関によるばらつきも、以下の図のようにあることがわかります。その他、多剤耐性緑膿菌あるいはペニシリン耐性肺炎球菌、VREについても、結果をここに示しています。
 5頁目の図表ですが、薬剤耐性菌が分離された患者の性別を示しています。男性が若干多い傾向がありました。6頁目の図表は、年齢別の内訳を示しています。やはりこれを見ますと、60代以降の高齢者が非常に多い傾向があるのですが、ただペニシリン耐性肺炎球菌に関しては、小児が多い傾向がありました。
 7頁目の図表は、耐性菌の新規感染患者の検体の内訳を示したものです。MRSAあるいはペニシリン耐性肺炎球菌は、呼吸器系が非常に多いと。多剤耐性緑膿菌は、尿が多い。あるいは、VREは血液が多い傾向がありました。8頁目の図表は、耐性菌の新規感染症患者の感染症名の内訳を示しています。それぞれ分離された検体に、呼吸器系ですと呼吸器感染症といった感じで、分離された検体に対応した感染症が多い傾向がありました。
 9頁目の図表は、耐性菌新規感染症患者の診療科別の内訳を示しています。MRSA、多剤耐性緑膿菌は、内科系、外科系でともにみられますが、ペニシリン耐性肺炎球菌は、やはり小児科に多かったです。それから、VREに関しては、内科系に多いという結果でした。全入院部門の年報の説明は以上です。
 それから、SSI部門、ICU部門、NICU部門も、同様に年報を作成しています。時間の関係上、こちらについては概略のみを説明させていただきたいと思います。資料3-6が、2010年のSSIの年報です。SSI部門では、手術手技、別にどのような菌種による感染症が多かったのかという解析を行っています。食道や肝、胆、膵、あるいは直腸などの手術において、手術部位感染が非常に高い傾向がありました。原因菌としては、Enterococcus faecalis、緑膿菌、MRSA、大腸菌が非常に多い傾向がありました。
 続いて、ICU部門の年報に移ります。資料3-8が、2010年のICUの年報になります。ICU部門では、患者・日を分母として、人工呼吸器関連、カテーテル関連、尿路感染症の罹患率を算出しています。人工呼吸器関連肺炎では、MRSA、緑膿菌が多く、尿路感染症では大腸菌、緑膿菌、カテーテル関連ではMRSA、表皮ブドウ球菌などが主な原因菌でした。
 最後に、NICU部門についてです。資料3-10をご覧ください。NICU部門では、出生体重と感染症の罹患率、それから菌種の内訳などを集計しています。入院患者数は、合計で2010年ですと1万2,685名中、499人、3.9%が感染症を発症していました。出生体重が低いほど感染症の発症率が高い傾向がありました。原因菌の菌種別では、MRSA、MSSA、緑膿菌が上位を占めていました。感染症としては、敗血症が29.7%、肺炎が24.9%で、この2つで半数以上を占めていました。ざっと年報の説明をさせていただきましたが、以上です。年報の説明について、何かご意見がありましたらお願いします。

○大久保構成員 既に何度かこの運営委員会が開かれていて、その中でも意見を述べてきたことです。日頃感染研の細菌第2部の方々は、非常に頑張っていろいろ集計していただいているわけですが、いままでお願いしてきた中で検討されたのかどうかわからない点、いわゆる改善がない点を2点指摘したいと思います。最後のNICU部門の下の数字でいうと1頁目ですが、体重別の区分が、いわゆるアメリカのNHSNの体重別の分類と全く違うわけで、これは500g単位で3つに分けてありますが、NHSNの場合には750と、751から1,000、1,001から1,500、1,501から2,500、2,500以上の5部門に分かれているはずなのです。そういうものと比較するときに、全くこれは役に立ちません。そのようなお願いをしたときに、部会で検討すると言われたのですが、その後どうなったかおわかりになられる方がいらっしゃれば、教えていただければと思います。
 もう1つは、この図表の中の菌名がなかなかイタリックに変わらないことが気になります。

○荒川構成員 これまで事務局で、JANISの取りまとめをさせていただきました。大久保先生からいただいたご意見は、私もそのように感じています。ただ、現状はこのような形で集計していますので、次のシステム更新のときに大きく変える機会があったときに、集計の方法等を新たに加えて、これまで継続してきた方法と新たに海外と比較できるような体重の層別化をして、そのようなデータを還元するように検討はしていますが、実現するにはまだ至ってはいません。
 それから、イタリックについては、私も細菌学者ですので、ローマ字で書かれると非常に違和感があるのですが、どうもシステムのほうでイタリックにするためには、かなりプログラムを変えなければいけないというような技術的な問題があります。ちょっとみっともないのですが、ローマン表記で出させていただいています。これも、次回システムが更新されるときには、できるだけ直していきたいと考えています。

○柴山座長 大久保先生がご指摘になったところの最初の部分については、私も引き継ぎを受けています。これについては、今後この委員会でも議論をしていただいて、そのうえでいちばんいい方法に改善していければと思っています。ほかにご意見はいかがでしょうか。

○村上構成員 資料3-4の全入院患者部門ですが、8頁の耐性菌新規感染症患者の感染症名別内訳ですが、MRSAですと肺炎が36〜7%ぐらいを占めています。これは主治医が感染症の起因菌だと言ったものを計上しておられるのでしょうか。私も昔班会議に参加させていただいていまして、そのようなことだったかなと思うのですが、いかがでしょうか。

○荒川構成員 この感染症か否かの判定は、主治医ではなくてその病院の感染症の診断をしていただく担当の先生にしていただくということで、主治医に判断していただくということではないようにということを、各施設にお願いしています。現在使われているかどうかわかりませんが、判断に迷ったときには、感染症か否かの判断基準を最初に研究班で山口先生、一山先生に検討いただいて、それを参考資料として以前は用いていました。最近は、専門の先生に判定していただくことになっています。

○村上構成員 ありがとうございます。この辺りは、なかなか診断のコンセンサスが難しいと思うのですが、全くの印象で言うと、MRSA検出患者の3分の1が肺炎であるということは違和感を覚えますので、肺炎の起炎菌であるという報告の基準を明記するなど、誤解を招かないように、また結果の解釈には少し慎重を期したほうがいいような気がします。

○柴山座長 また、これも先ほどと同じように、こういったことも運営委員会で議論をいただきまして、今後こういったことに反映させていきたいと思います。ほかにいかがでしょうか。特によろしいようであれば、次の議題に移りたいと思います。「院内感染対策サーベイランス(JANIS)事業の運営に関して」、それから「実施マニュアル」について、資料4、資料5について、田辺専門官、説明をお願いします。

○田辺医療放射線管理専門官 資料4について説明させていただきます。3頁は、JANIS事業の運営体制についてです。(現行)の体制を模式図で表したものです。中央に、厚生労働省医政局指導課とありますように、このJANIS事業は指導課で行われている事業で、実務をJANIS事務局、国立感染症研究所の細菌第2部に委託して、行っていただいています。いままでの図ですと、右上にJANIS研究班がありまして、荒川構成員を主任とした研究班の中の研究班員の方々のサポートをいただきまして、データの解析や先ほどありました公開情報、還元情報の作成あるいはシステム改善等、事務局と研究班で相談しながら運営してきました。
 いま行われていますJANIS運営委員会は左上にあたりますが、事務局で作った案を委員会で確認していただいて、公開内容の承認をする、あるいはシステム改善等の助言をするといった構図でした。そうして承認を得られた情報について、?一般向けには公開情報、?参加医療機関については還元情報といった形で返していた体制でした。
 4頁は、議論いただきたい内容です。先ほど年報の説明が事務局よりありましたが、2007年のシステム改修後かなり参加医療機関も増えて、またレポートも安定して出せるようになってきたということで、JANIS事業の本体、情報を公開していくという事務局の運営自体は、かなり安定してきました。また、研究班はあくまで研究をするのが本来の目的で、研究は研究として、またJANISデータを使って研究をしていただくことは当然やっていただけたらと思います。ルーチンワークであるサーベイランスデータの解析、公開情報・還元情報の作成、精度管理は事務局を中心に行っていただきます。また、いままで研究班の中にはかなり技術的なサポートをいただいていた面もありますので、今回新たに入られた運営委員の先生方、いままでは5名でしたが8名という形で人数も増えまして、それぞれの専門、例えば手術部位感染を専門にされている先生、あるいは検査技師の先生など、それぞれ専門の方も運営委員会に入っていただきまして、技術的なサポートもいただくといった形で、?事務局で案を作ったものを公開内容の確認、あるいはサーベイランスデータに関する相談等を運営委員会の委員にしていただきまして、承認していただく、あるいはサーベイランスデータ、システム改善等の技術的な助言をしていただくことを委員の方にお願いしたいと考えております。
 先ほども、NICUの体重の分け方をこうしたほうがいいのではないかなど、サーベイランス全体を見ると、こういうところは本当はこちらがいいのに等、おそらくいろいろな意見があると思いますので、そういったところを運営委員会の先生方と事務局を中心に考えていって、今後の体制、運営をしていく方法はいかがかというのが、今回の提案です。事業に関しては、事務局にてデータの解析、公開情報・還元情報作成、精度管理等を行って、JANIS運営委員が公開内容の確認・承認並びに事務局からの相談に応じる体制としてはどうか。これを、1点目の論点とさせていただきたいと思います。
 続いて、5頁です。(手術部位感染部門)手術手技コードの変更等についてです。6頁の左側に米国の例が載っていまして、右側が日本という形で整理しています。1970年代、CDC(米国疾病予防管理センター)に、院内感染サーベイランスシステム、通称NNISと呼ばれているものですが、これが開始されました。これ自体は、手術部位に特化したものではなくて、全般的なサーベイランスのシステムなのですが、70年代から米国はされています。2000年からJANISが始まって、SSI部門が2002年に追加されました。当時、何かモデルにするとなると米国になりますので、手術手技を決める分類については、NNISを基本としました。日本と米国では疾病構造が違いますので、一部日本独自のコードもありますが、基本的にはNNISを基本として取り入れた経緯があります。
 2006年、米国のサーベイランスシステムが、NNISからNHSNに変更されました。これ自体は、感染症以外のものも含んだより大きなサーベイランスのシステムに変わったのですが、その際、手術部位部門の手術手技コードも変更されています。あとで出てきますが、「その他の」というちょっとわかりにくいコードもあったのですが、そういうものが廃止されています。また、ものによっては手術手技コードが細分化されるといった変更が、2006年に米国でされています。
 先ほど大久保構成員からもNHSNと、先ほどのものはNICUの話でしたが、例えばそのような海外のデータと日本のデータを比較するときに、やはりコードが合っていないと比較しにくいこともありまして、2012年1月収集分から、報告するのは半期報ですので夏以降になりますが、米国がNNISからNHSNへ変更したことに対応するため、NHSNに準じた形でコード変更をする。これは、以前同様、一部は日本独自のコードの追加もあります。
 今回変更される手術手技コードの一覧です。左側が、追加された手術手技コードで、1.がNHSNに準じて追加されたものの一覧です。2.が、日本独自の追加された手術手技コードです。真ん中は、名前が変わっただけで、コードのCOLNがCOLOという形で、NHSNに合わせた変更。下段が、日本独自で細分化されています。BILIは、-Lあるいは-PDあるいは-O、GASTは胃ですが、-D、-T、-Oという形で、例えば胃の手術にしても幽門側、あるいは胃全摘、あるいは胃手術の3つで、それぞれ感染率が異なることがありまして、それを一緒くたにするのではなく、細分化したほうがいいだろうということで、日本独自の細分化された手術手技コードがあります。右側は、主に「その他」で、こういった雑多なものを集めてもなかなか評価しにくいということで、海外のほうも削除されており、それに対応する形で今回削除されるということです。先ほど結果説明がありましたが、手術手技はこれ以外にもたくさんありまして、多くのコードがありますが、どの手術手技コードをサーベイランスの対象とするかについては、各医療機関の判断に任されています。
 8頁は、JANIS全般的にいえることですが、入力支援ソフトがありまして、そういったものを使って入力することができます。左側が、Ver.3.21で、いままで使っていたものです。基本的に、それぞれクリックして中に入れていくことになります。右側は、2012年の半期報から変更されるもので、Ver.4.01です。オレンジで示されている手術手技コードをクリックしたときに出てくるコードが変わったということです。このコード変更をするにあたって、いままで収集してきた項目についても、サーベイランスのデータを収集する中で不必要というか、あまり使われていないものもありまして、入力者の負担軽減の視点からも、?から?の項目、例えば転帰などに関しては今回落ちています。こういった変更をされているということを、ご承認いただけたらと思います。
 9頁は、(全入院患者部門)対象とする薬剤耐性菌についてです。全入院部門というのは、基本的に先ほどの質問にもありましたが、感染症だと医療従事者が判断したものを対象としています。感染症患者という視点で感染症法とJANISの関連性を整理したスライドです。上段が、感染症法(5類感染症)で掲げられた耐性菌です。いままでは5種類でしたが、多剤耐性のアシネトバクターの感染症が問題となった以降、2011年2月に名前としては、薬剤耐性アシネトバクター感染症として感染症法の5類の疾患として入れられています。この5類の感染症をどのように届出るかという視点で整理した場合ですが、上段の2つ、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌感染症は5類全数把握、バンコマイシン耐性腸球菌感染症も5類全数把握ということになっています。これは、すべての医療機関が対象で、JANISに入っていようが入っていまいが、すべての医療機関で、もしこういったものによる感染症と診断した場合は、感染症法に則って全数届出をするということで、7日以内の届出になっています。
 一方、下段のペニシリン耐性肺炎球菌以降の4つに関しては、ある程度の検出が見られていることもありまして、定点把握の疾患となっています。定点医療機関は、診療科名に内科、外科を含む300床以上の病院が対象で、1カ月単位の集計を取って、翌月に届出をするということで、全国約500医療機関があるといったサーベイランスです。下段が、JANISの全入院部門を整理したものです。同様に、VRSA、VRE、PRSP、MRSA、MDRP、あと多剤耐性アシネトバクター属といった名前になっていますが、MDRAも時期を同じくして2011年2月に追加となっています。もう一度、感染症法との相違を整理しますと、JANISは対象医療機関が原則200床以上で、ボランタリーに参加した医療機関です。感染症法とJANISでどう違うのかといったときに、感染症法は分母としては定点しか情報としてありませんので、定点あたりの感染者数しか出せません。一方JANISは、分母として入院患者数をもっていますので、感染率、罹患率を求めることができるといったところが特徴です。
 次に、全入院部門で集めている耐性菌と、検査部門の耐性菌はどう違うのかといった視点で見ますと、検査部門は基本的に検査室にあるデータを全部収集していますので、保菌も含めた検出状況がわかるということで、JANISの感染症と診断したものとの相違はあります。2年間委員会が開かれていなかった中で、多剤耐性アシネトバクター属が感染症法の5類が変更されたとともに追加されたことについて、承認いただけたらと思います。
 次の頁も、入力支援ソフトの図が載っています。こちらは、特に変更はありませんが、レイアウトは少し変わっています。必須情報という形で、入力しやすい形にレイアウトが変わっています。菌名を選ぶ所に、MDRAが追加されたことが変更点です。
 続いて、特殊な耐性を示す菌の報告への対応及びデータ精度管理について説明します。先ほど出てきましたが、例えば5類の全数把握である疾患が、もし医療機関からの報告でJANISにあった場合、いまはどういう形で対応しているのかという視点で整理した図です。上段が、時期として、データが提出されたときのアクション、その次は期報作成時、右端が年報作成時となっています。基本的に、年報作成時に、1年単位で外れ値のデータはないかといった視点で整理しているのですが、例えば特殊な耐性を示す菌のカテゴリー、これは後に一覧を示しますが、日本で出ていないような菌が出たときは、1年待っているのではなく、早めに次のアクションが必要ですよという形で警告する必要があるだろうという視点で、データ提出時に自動警告メール、これも後に示しますが、それを出しています。検査部門は、保菌も含めて、カテゴリーAの菌を認識した場合は、そういった自動のメールが出ます。
 また、全入院患者部門に関しては、入力する人は当然わかって入力しているわけですが、VRSA、VREといった5類全数が提出された時も、警告メールが出ます。また、期報作成時ですが、検査部門、全入院部門は四半期報でデータをチェックしています。その中で、VRSAは日本でまだ出ていませんので、こういったものが出たときには、そのデータは正しいですかという形で事務局から電話で確認を取るといった対応をしています。右端が年報の作成時です。先ほどのように、急いで対応すべきもののほか、例えば大腸菌が報告ゼロ、あるいは提出検体がゼロということになりますと、何か機械のアウトプットのときのエラーの可能性もありこういった異常値のデータが紛れ込んできますと、全体に対する影響もありますので、サーベイランスの制度を高めるために、いまのところ、掲げられているような項目について、年報作成時に事務局でチェックしています。罹患率が高く、逸脱といったものについて、どのように極値を決めているかといいますと、下に載っていますが、箱髭図の箱の部分が3倍ぐらいの高さを超えているといった定義で、カットオフを決めまして、それ以上超えている場合に関しては、確認を取って、精度を高めています。
 次の頁は、(検査部門)の特殊な耐性を示す菌についてです。先ほど説明しましたカテゴリーAは、国内で過去に報告がない薬剤耐性菌で、これは警告メール並びに精度管理の対象となっています。上の3つが、Streptococcusが通常効くべき抗菌薬に対して耐性を示した場合、Staphylococcus aureusのバンコマイシン耐性、いわゆるVRSAが出た場合は、カテゴリーAという形で挙げられています。
 15頁は、自動警告メールです。これは、実際にいま出しているメールを例として挙げています。左側は検査部門で、もしカテゴリーAの菌が検出された場合には、このようなメールが配信されます。差出人はJANIS問題菌の警告通知となっています。例えば、Staphylococcus aureus (MRSA)の薬剤耐性がバンコマイシン(VCM)に対してRです。これは、本法ではこれまでに分離のない菌です。「上記の菌をご確認の上、報告に間違いがないようでしたら、お問い合わせフォームよりご相談ください。」といった文言になっています。右側は、全入院部門、5類の全数把握ですが、VRSA、VREが出た場合について、この場合はVREが例として挙がっていますが、「上記の菌による感染症かご確認の上、報告に間違いがないようでしたら、お手数ですが、ご連絡ください。」という形になっています。こういった形で、担当の方に対しては警告をしているのが現状です。論点として、VRSA、VREによる感染症は、感染症法の5類全数把握に指定されているということで、当然JANISに参加している医療機関であっても、そういうものを把握した場合は届出をする必要があることになります。そのとき、すべての医療従事者が例えばVREなどが5類全数届出と知っているとは限りませんので、例えば届出基準を満たす場合は5類全数把握なので、7日以内に感染症法上の届出が必要といった形の文言まで書いたほうが、よりわかりやすいのではないかというのが論点です。
 16頁は、事務局で行っているデータの精度管理の結果です。例えば、右端の2列は「該当件数」「報告が正しかった件数」となっています。例えば検査部門の1番、大腸菌の報告ゼロが1件ヒットしましたと。これを確認したところ、実はそれは間違いでしたという形で、ゼロとなっています。先ほどから挙げています特殊な耐性を示す菌カテゴリーAは217ありましたが、実はゼロだったということで、もし、こういうものが混ざっている場合、データ自体にかなり混乱が生じます。また、全入院部門の2.VRSAとVREの報告ですが、VRSAに関しては、1例ヒットしたが、確認をしたら実はそれは間違いでした。VRAについては、13例あったが、7例は正しくて残りの6例は間違いだったという形で、データ精度管理は非常に大変ですが、事務局にこういう管理をやっていただく中で本物とエラーを分けています。先ほどの警告メールのことも含め、こういった特殊な耐性を示す菌への対応及び精度管理の方法を、このような形で警告メールを送ったり、電話で確認したり、年報のときに精度管理をしている方法、あるいは精度管理の対象について、いまの方法で良いのかどうかをご議論いただけたらというのが、次の論点です。以上です。

○柴山座長 田辺専門官どうもありがとうございました。これまでの説明を踏まえご意見をお出しいただければと思います。いくつかの変更点の報告、論点提示をしていただきました。まず変更点について、ご議論いただきたいと思います。
 変更点では、SSIの手技コード変更と、収集項目変更がありました。全入院部門では、多剤耐性アシネトバクターを追加する。この2点の変更点がありました。これらの点について委員の皆様からご質問、ご意見等はございますか。特によろしいですか。全入院部門に多剤耐性アシネトバクターを追加すること。SSIのコード変更等これらの変更点については、認めていただいたということでよろしくお願いいたします。
 次に提示をいただいた論点について議論をいただきたいと思います。最初は、JANISの運営体制。最初に出た論点です。運営体制について。JANISは先ほど田辺専門官からも説明がありましたが、これまで荒川構成員を初めとする研究班の先生方のご尽力で非常にJANIS事業は発展、整備されてきて非常に現在かなり完成度が高いシステム精度が出来上がっているということなのですが。もちろん今後も更に発展させていくためには研究的な要素が必要になってきますが。いわゆるルーチン的なワーク、一般公開情報・還元情報こういったものについては、JANISの我々事務局と、この委員会のメンバー先生方が主体となって運営していく方向でいいのではないか、そういう田辺専門官からの論点提示でしたが、この点について先生方からご意見はいかがでしょうか。

○荒川構成員 このJANIS事業については、当初研究班で取り敢えず検討を始め、平成9、10、11年の3年間で基礎的な検討をし、平成12年からスタートしましたが、そういう経緯もあり、この間、もう12年間、干支が一回りするぐらい長い期間、研究班でいろいろ皆さんにご協力いただき、細かい点も含めいろいろご支援いただき進めてまいりました。これについては研究班と当時の医薬食品局、最初は医政局ではありませんでしたが、その後は医政局の御担当官ともご相談させていただき十分に連携をしながら進めてまいりました。
 研究班もこれは期限付きのものであり、大体研究班としての目的もそろそろ終わりJANISも安定運用の段階に入りましたので、研究班での支援はこれ以上、この運用に関してはもう必要はない段階にきているのではないかと、私のほうでは個人的に考えております。先ほど田辺専門官から指摘がありましたが、今後はJANIS運営委員会のほうでその辺りのところを担っていただき、その後に実際細かい問題点で、もし何か多くの専門の方々からご意見いただくような必要があるようなものが生じたときは、また個別にそういう作業委員会を作って進めていただくのがよろしいのではないかと考えております。

○柴山座長 ほかにいかがでしょうか。

○大久保構成員 この3頁の図にはないのですが、例えばICU部門、NICU部門、そういう部門別の会議は組織されてないのですか。あるいは問題点が生じた場合に、実際にデータを送っている方、集めている方の専門家の集まりはないのですか。

○荒川構成員 これまでは例えばICUであれば、以前は竹澤先生、いまは愛媛大学の土手先生のグループでご支援いただいております。SSI部門については、小西先生、針原先生、大久保先生のグループで検討いただき、支援いただいております。NICUについては、大阪府立母子保健総合医療センターの北島先生のほうのグループで問題点が生じた場合は、検討をいただきいろいろサポートして頂いておりました。

○大久保構成員 そういう部会といいますか、検討会をこの図の中に入れる必要はないですか。

○荒川構成員 先ほど田辺先生のご説明ですと、この運営委員会の中に必要に応じてワーキンググループのなどを作ってそこで検討いただくことかなと私は個人的には理解をしましたが。

○柴山座長 この辺を田辺専門官のほうから説明していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○田辺医療放射線管理専門官 ご質問ありがとうございます。先ほどからも何度か出てきますが、このJANIS事業は10年経ってかなり安定してきたこと、また実際現場でサーベイランスをやっているのはICNの方が多いと思いますが、そういう方も育ってきていて皆さん大体どういうふうにサーベイランスを行ったら良いのか等ルーチン的なことに関しては概ね安定してきており、それほど突発的なことは起こらないのではないかというのが1つと。またいままでの質疑応答もかなり事務局に溜まっていると思いますので、事務局の運営としては概ね大丈夫ではないかと私は考えております。
 今回JANIS事務局のほうから最も懸念があったのは、SSI部門のコードが変わったことで、この手術はどのコードに入れたらいいのかといった質問が多いことを聞いており、そういった中で委員の中ですと針原構成員はSSI部門が専門ですので、そういった専門の方。あと判断が難しいのは検査部門になります。今日出席していらっしゃる委員の先生方はみなさんドクターで、本日欠席の長沢構成員が検査技師になります。医師の場合、いくら感染症が専門でも、やはり技師の目とは違いますので、委員の中に技師の方も入っていただき、サポートをしていただくということで委員の構成をしております。またJANIS事務局である感染研細菌第二部はそもそも細菌・耐性菌が専門ですので検査部門等は大丈夫だと思います。NICU、ICUあと全入院部門は、全般的な分野ですので、その辺り感染対策を主に現場をやられている委員の先生方に、今回も多く入っていただきましたので皆様からのアドバイスをいただくことでルーチンワークということに関しては概ね大丈夫ではないかと思います。その中で何か根本的問題があるようなことがあり、このメンバーだけで解決できないことがあれば、また先ほどありましたように特別の委員会を開くとか、そういったことも可能だと思います。
 また、5部門ありますので、それぞれの部門で、今後JANISとしてどういったところを、どういうふうに変えていくべきなのか、変えないべきなのかも含めて、やはり全部門を全般的にバランスよく見ていただきたいということもありますので、新しく入られた委員の方も多いためフレッシュな目で見ていただきたいと思います。先ほど柴山座長のほうから説明がありましたが、JANIS、それぞれの部門とも、一般的なサーベイランスと異なる点もございます。理想的なサーベイランスを行うことが望ましいですが、JANISは、たくさん集加していだくことが重要と考え、まず出来るものをやっているというところもあると思いますので、その辺はどういうところを目指すべきなのかということも含めて、この委員の先生方のご専門のそれぞれの見地から今後考えていただくのが良いのかと考えております。

○柴山座長 ありがとうございました。ほかにご意見はいかがですか。それでは田辺専門官のほうからご提示いただきました運営体制についてここにあります改正案ということで提示いただいておりますが、この運営体制で進めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に2つ目の論点VRSA、VRE等の特殊な菌が報告された場合の対応についてです。検査部問において、特殊な耐性を示す菌が検出された場合や、あるいは全入院部門でVRSA、VREが報告された場合等は、自動送信メールが送られるというシステムになっていますが、全入院部門のVRSA、VREについては感染症法のことがあって届出が必要になります。その旨をメールで書いたほうが、記載しておいたほうがいいのではないかとそういう論点提示です。この点についてはいかがですか。ご意見はございますか。

○大久保構成員 質問ですけど、感染症法は菌名ではなくて疾患名で書かれています。例えば、こちらのJANISのほうは、全入院部門は疾患で、検出菌のほうは菌名で保菌も報告が来るわけですから。その辺が混同しました。

○柴山座長 それは先ほど。田辺専門官のほうから。

○田辺医療放射線管理専門官 ご質問ありがとうございます。検査部門に関しては基本的にそれ自体は検出されたとしても直ぐに届出にはなりませんが、全入院部門の場合は、医療従事者が感染症と判断したものなので、先生のご質問のように感染症法に当たるものは全入院部門になります。検査部門はあくまでも微生物というレベルで見ているものでありますので、それが出ただけで届出にはなりませんが、それによる感染症であれは当然届出になりますので、その辺りのアドバイスを、こういう問合せをいただく中で、実際現場の方とやり取りをしていくということになります。

○大久保構成員 混同していました。

○柴山座長 ほかにいかがでしょうか。

○村上構成員 これメールで自動送信しますが、実際に非常に心配なVRSAの例のときに、結果的に報告が正しかった件数が出ていますが、どのくらい直接電話で対応され、確認されているシステムはどうなっていますか。

○柴山座長 VRSAの実際対応をどうやってしているかですか。これについては現場のほうと確認して、後日お返事さしあげます。

○村上構成員 ありがとうございます。おそらくVRSAが出たようなところは、ちゃんとしたICTであればこのデータを提出する前から動いたり、騒いだりしているとは思います。一方、最近データ収集・提出も電子化になってきており、提出するまでに送信データ内容を全部確認しているわけではないと思いますので、中にはデータの中にVRSAなどの重大な薬剤耐性菌検出データが潜んでいて、ICTが気づかぬまま提出しまっている可能性もありうるかと思います。そういったときにICTが、検出情報があることを気づけるようにお知らせしていただければまた対策に繋がるのではないかと思いますし。こういうところで網を張っていると拡大してしまってから分かるというよりは、事前に二次発生を防ぐきっかけになるのではないかと思いまして、メール配信はとても重要ですが、それだけでなく何か電話連絡などの確認体制があるといいのかなと思いました。

○柴山座長 これについては、持ち帰りまして検討させていただきます。必要であればこの委員会のほうにまた挙げさせていただいてご議論いただきまして、より良い方向を目指したいと思います。

○荒川構成員 参考までにこのVRSAについて問題を問いあわせるのは検査部門がほとんどで、全入院部門については、確かに村上先生がおっしゃったように報告される方がチェックされていますので、感染症か否かも含めて、問題になるのはやはり検査部門なのです。一応、年間のぶれがありますが、30とか40件、以前は多いときもあり、それについてはデータ提出時では間に合わないですが、期報の作成時点で担当者が個別に電話をかけて、それで本当にそうであったか確認しておりますが、ただその時点では菌株も廃棄されていて無いので確認できないままになってしまっているのが多いです。確認できないものについては、集計データには反映されておりません。ただもう少し早い時点で菌株の確認ができるような体制がもしJANISの中で必要であれば、それは検討いただき、そのような形で実現していただくのが必要かなと思います。

○柴山座長 はい、ありがとうございました。

○岩田構成員 確認してわからなかったケースは集計から除いているのですか。それとも集計に入れるのですか。

○荒川構成員 現在は集計から削除しています。

○岩田構成員 パニック値的なものとして、わからないものは除いているということですか。

○荒川構成員 そうです。

○岩田構成員 確認できたものだけを集計しているということですね。

○荒川構成員 そうです。そういう問題となるような菌については確認できたものについては、集計に反映していますが、できないものについては集計から削除している扱いになります。

○岩田構成員 はい、わかりました。もう1つよろしいですか。先ほどメールでの配信のお話がございましたが、例えば感染症法上届出が必要な感染症の原因菌が報告された場合にメールで送信したとして、届出が時間的に間に合いますか。報告が上がってきた時点で、すでに1月とか経っているとかそういうことはないのでしょうか。

○荒川構成員 報告ですか。

○岩田構成員 はい。1週間以内に届出をしてくださいとメールで配信した時点で、すでに報告期限の7日過ぎているような気がしますがいかがですか。

○荒川構成員 データの締切りが翌月になっていますので、そういう意味では時間的な差はありますが。JANIS事務局のほうでデータが入った時点ではオートで返っていることで、そういう意味では、相当早いリスポンスになります。それ以上早く対応するのは無理です。

○柴山座長 ほかにいかがですか。いまいくつかご意見、特に精度管理あるいは現場のためにはどういう方法がいいのか、いま問題提議もいただきました。今後現場の我々事務局のほうもより良い方向を目指して、何かこういう提案、問題点、提議等もしていきたいと思います。また、この委員会でご議論いただきより良い方向を目指せればと思っております。ほかに何かございますか。特段なければ、この運営に関して提案どおりで進めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 次に資料5の「院内感染対策サーベイランス実施マニュアルについて」をこれも田辺専門官のほうからお願いいたします。

○田辺医療放射線管理専門官 先ほどの資料4で説明しました変更点について反映したバージョンという形で説明させていただきます。次の2頁1-2-2で全入院患者部門の4行目、対象とする薬剤耐性菌の6行目、多剤耐性アシネトバクター属(MDRA)をこれを新しく追加させていただく。6頁の下のほう手術部位感染部門、4-3では手術手技の選定、提出データ、こういったところが先ほど説明した形で一部変更されております。次に9頁の通知の7-1で、いままで平成17年「医療施設における院内感染対策について」という通知が平成23年6月17日に「医療機関等における院内感染対策について」という形で、通知の改定がされておりますので、それに応じた形で変更されております。これでよろしければ、この形で新しいバージョンとしてマニュアルを改定したいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○柴山座長 特段何かご意見はございますか。特によろしければ、このマニュアルの改定についてご承認していただいたということでよろしくお願いいたします。議題のほうは以上になりますが、何かご質問はございますか。

○村上構成員 研究班のときからいろいろ自動収集とかデータ提出のほうで会議をさせていただきまして、自分自身の反省をこめて申しますと、還元データを十分活用できているとはまだ言えませんが、この目に見えない薬剤耐性菌のデータの可視化といいますか、これが交差感染の可能性があるとか、院内感染のリスクがあるということを現場の医師、看護師やそのほかのスタッフに目に見えるデータとして示すには例えば2DCMとかがとても有用で、そのことでNHK等にも報道していただいたこともあります。実際のいまの還元情報の利用率といいますか、そういったアンケートは前にあったような気がするのですが実際このデータを還元したものをどのようにICTが院内で用いているのか、実際用いているのか、いないのかそういったデータはお持ちなのですか。

○柴山座長 はい。

○荒川構成員 研究班としては一部のグループでそういうことを少し調べた経緯はあります。全体的に調べたことはありません。もし可能であれば、24年度以降の何らかの研究班で、その辺りの活用状況とか、実際に活用してどのように改善が進んだとか、そういうようなことを調査していただくのは必要かとは思います。

○柴山座長 はい、お願いいたします。

○一戸課長補佐 指導課の一戸と申します。院内感染対策についての診療報酬上の評価というのが今回の診療報酬の改定で行われまして、地域でのサーベイランスに参加していることといったことが点数化されたこともありまして、要するに還元情報そういった情報を医療課が活用するインセンティブというのが出てきたわけですので、実際活用しているかどうかは、なかなか義務づけしてこれ使いなさいというわけにはいかないので、そういった側面的も含め、このような情報が活用されていくということがあればいいかなと思っております。

○村上構成員 2DCMなんかはまだまだ宣伝不足といいますか、ICT活動を高精度化することにとても有用なデータになるにも関わらず、私もいろいろ学会等で発表させていただいていますが、まだまだ一般の医療機関ではご存じなくて、これを利用するためには院内の細菌検査システムそのものを大きく変えなきゃいけないんじゃないかと誤解されている方もいらっしゃいます。そういった宣伝も含めてもっと還元情報の積極的な利用というものをプロモーションしたらいいと思いますし、まさに補佐が言っていただいたように今度診療報酬改定で算定1、算定2以下の連携に2DCMを含めたJANIS還元情報をナショナルベンチマークとして用いるということの展開を地域でやろうかと思っております。参加施設がそれによって多くなるということも期待できます。また、いままで自施設の感染率をお互いに比べ合うことはなかったかと思いますが、こういったデータをもとに自分の施設の立ち位置がどこにあるのかというようなことを公平にいいますか、いままでは病院の規模が違うから感染率が違うということで、片付けられているところもあったと思いますが、こういう公平なデータを示して、より改善に向って目標ができるのではないかと大変期待しているところなので、是非この事業をもっと発展していただければありがたいなと希望しているところです。

○柴山座長 ほかにいかがでしょうか

○荒川構成員 この最後の16頁の田辺先生のほうからご指摘いただいた論点の精度管理についてはやはり、いまはJANISは基本的にはデータをもらって集計してお返ししていますので、この異常な菌については、一例目はどうしても破棄して捨ててしまうことが多いと思いますが、もし2例目が出るようでしたら、その株をどこかそういうことが解析できる、例えば感染研みたいなところに提供して詳しく調べてもらうということを合わせて、精度管理の中で実現したほうがいいのではないのかなと個人的には思います。

○柴山座長 はい。

○岩田構成員 先ほどのデータの利用の件ですが、私どもの施設では、毎月の感染防止対策委員会のときにJANISのデータも一緒に出して、うちの病院の耐性率はこのぐらいの位置付けですと報告しています。その際に、どうしても大学病院等の大規模施設では耐性菌の割合が多くなることが予想されますので、全施設のデータがまとめて提示されるだけでなく、病院の規模あるいは機能別に層別してデータを示していただくとか、そういう形の集計があると、自分たちの施設と比較する上でわかりやすいのかなと日頃思っています。なかなかそういうことをやるのは大変かもわかりませんが、今後は検討していただけると有り難いです。

○柴山座長 なかなか階層化は現状ではそうなってない。これもどうしたらいいのかと、なかなか直ぐには実現は難しいところだと。必要なことだと認識しております。

○岩田構成員 今後の課題ということで宜しくお願いいたします。

○柴山座長 はい。

○一戸課長補佐 先生方からいろいろなご意見とか、この委員会に限らずこうあったらいいのにというご意見もたくさんありますが。この事業自体は、予算事業でやっておりますので、システムの変更、そういったものをどこまで予算が取れるかということと多くの連動してくるところがありますので、そういうのをこういった委員会でいただいた意見で我々が予算要求の中で反映できるものはさせていただいて、こういう財政状況の中でできないものがあるとすれば、それは申し訳ないということでご理解いただければと思います。

○柴山座長 その他ご意見はよろしいですか。それでは、本日はたくさんのご意見をいただき、どうもありがとうございました。年度末のお忙しい折、お越しいただき活発なご議論いただきました先生方に非常に感謝申し上げます。厚生労働省、JANISの事務局では、この委員会でのご意見を踏まえJANIS事業の運営に今後も当っていきたいと思います。最後に事務局のほうから何かございますか。

○田辺医療放射線管理専門官 本日はご多忙の折、委員の皆様方に幅広い見地から大変貴重なご意見をいただきまことにありがとうございました。本日いただきましたご意見を参考に引き続きJANIS事業の運営に当たって参りたいと思います。本日はありがとうございました。これをもちまして本委員会を終了させていただきます。


(了)

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