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2012年1月30日 第23回社会保障審議会議事録

○日時

平成24年1月30日(月)17:00〜19:10


○場所

厚生労働省 省議室(9階)


○出席者

委員

伊豫雅臣委員 遠藤久夫委員 大日向雅美委員
大森彌会長 河村小百合委員 見城美枝子委員
木間昭子委員 駒村康平委員 西郷浩委員
斎藤勝利委員 齋藤英彦委員 榊原智子委員
庄司洋子委員 白波瀬佐和子委員 神野直彦委員
菅家功委員 津谷典子委員 寺谷隆子委員
本田勝彦委員 山崎泰彦委員 横倉義武委員
米澤康博委員

事務局

香取政策統括官(社会保障担当) 高井雇用均等・児童家庭局長
宮島老健局長 唐澤保険局審議官
武田参事官(社会保障担当) 鈴木大臣官房会計課長
酒光参事官(労働政策担当) 三石参事官(総務担当)
池永医政局総務課長 古都社会・援護局総務課長
藤原年金局総務課長

○議題

1.社会保障と税の一体改革について
2.分科会・部会の動向等について
3.将来推計人口について
4.平成24年度厚生労働省関係予算案の概要について
5.通常国会提出予定法案について

○配布資料

資料1−1 「一体改革素案」のポイント
資料1−2 社会保障・税一体改革素案の概要
資料1−3社会保障・税一体改革素案(1月6日取りまとめ)
資料1−4社会保障・税一体改革で目指す将来像
資料1−5参考資料
資料1−6社会保障・税番号制度の法律事項に関する概要の要点
資料2−1厚生労働省の各審議会等の検討状況について
資料3−1日本の将来推計人口(平成24年1月推計)
資料3−2日本の将来推計人口(平成24年1月推計)推計手法と仮定設定に関する説明資料
資料4−1平成24年度 国の一般歳出と社会保障関係費
資料4−2平成24年度予算案の概要
資料4−3平成24年度予算案の主要事項
資料4−4平成24年度税制改正について(厚生労働省関係の主な事項)
資料4−5平成24年度税制改正大綱(厚生労働省関係の主要事項)
資料4−6平成24年度税制改正大綱(厚生労働省関係)
資料5−1第180回国会提出予定法案
資料5−2第180回国会提出(予定)法案の概要

○議事

〇大森会長
 それでは、定刻になりましたので、ただいまから、「第23回社会保障審議会」を開会させていただきます。
 本日、当初、小宮山大臣が御出席されて、ごあいさつの予定でございましたけれども、あいにく公務のために欠席という御連絡をいただいていまして、皆様方によろしくという御伝言でございますので、御紹介申し上げます。
 まず、前回の総会以来、新たに委員に御就任いただきました方を御紹介申し上げます。
 昨年の11月1日に御就任いただきました日本労働組合総連合会副事務局長の菅家功委員でございます。

〇菅家委員
 菅家でございます。どうぞよろしくお願いします。

〇大森会長
 それでは、事務方から、今日の出席状況の御報告をいただきます。

〇参事官(社会保障担当)
 本日の出席状況でございます。本日は、櫻井委員、福田委員、藤原委員、森委員及び吉川委員、以上の5名が欠席という御連絡をいただいております。
 以上でございます。

〇大森会長
 ちょっと遅れておいでくださる先生がおいででございますけれども、現在出席の委員数は委員総数の28名中の3分の1を超えていますので、会議は有効に成立いたしております。
 本日、皆様方のお手元に議事次第がございまして、議事が5つございます。まず最初に、議事1「社会保障・税一体改革」と、議事2「分科会・部会の動向等」につきまして、一括して御説明をいただきます。
 それでは、お願いいたします。

〇政策統括官(社会保障担当)
 政策統括官でございます。
 資料1及び資料2に基づきまして、「社会保障・税一体改革」の関係、それから、これに関連しますが、審議会の各部会・分科会の検討状況等について御説明をいたしたいと思います。お手元、資料を確認いたしますが、資料1−1「一体改革素案」のポイントがございます。資料1−2が素案の概要でございます。それから、資料1−3が、「一体改革素案」の現物になります。1月6日に政府与党の本部で決定いたしまして、閣議に御報告したものでございます。資料4は、資料3に併せまして、「一体改革素案」の中で、社会保障関連部分について説明をするということで、厚生労働省で作成した資料でございます。資料1−5は関連する参考資料、資料1−6は、社会保障・税番号制度に関する概要の要点でございます。
 本日は、「一体改革素案」のポイント(資料1−1)と資料1−4、社会保障部分の一体改革の概要についてとりまとめたものを中心に御説明いたしたいと思います。税・社会保障一体改革は、税・社会保障全般にわたる非常に広範な改革でございますので、全体を説明しますと、時間も限られてございますので、社会保障部分を中心に、要点について御説明いたしたいと思います。
 資料1−1「一体改革素案」のポイントに沿って、御説明をまずいたします。
 これは昨年の6月に、「社会保障・税一体改革成案」を今回の素案と同様、政府与党で決めてございます。これは7月の社会保障審議会でも御報告いたしたものですが、今回の一体改革素案は、成案で示された改革の基本的な考え方、あるいは具体的内容に従いまして、それを具体化するということで、それぞれの制度内容について、関係府省、政府部内あるいは与党において御議論いただいた成果をとりまとめたという性格のものでございます。
 まず、社会保障関連部分については、これまで1960年代につくられた現行制度、現在の社会保障制度が半世紀の間に、その客観条件が大きく変化する中で様々な課題を抱えてきたということで、少子高齢化あるいは雇用基盤の変化、家族形態あるいは地域の変化といった様々な社会経済情勢の変化に対応して、機能の強化を図っていくことが必要であるということで、特に全世代対応型の制度に切りかえて、現役あるいは子育て世代に対する支援を強化していくことを中心に、社会保障制度の見直しを図っていくということでございます。
 改革の各分野の様々な改革については、6月の成案の中で、それぞれ各分野ごとに改革の内容が示されております。6月の段階でも、改革の工程表が示されておりまして、言わば今回はそれをより具体化するという形で中身を詰めたものになります。改革の方向性としては、これは、後で資料1−4で御説明いたしますが、6つの方向性が示されております。1つは、社会保障改革を未来への投資と位置づけ、子ども・子育て支援対策の強化を行うということでございます。2点目は、医療・介護のサービス提供体制の強化を図っていく。併せて、社会保険制度のセーフティネット機能を強化していく。介護保険・皆保険の実を上げていくということでございます。3点目は、この間の貧困の問題あるいは格差の拡大に対応して、貧困格差対策を強化するための重層的なセーフティネットをつくっていくことでございます。4点目は、社会保障を支える、あるいは社会保障によって支えられる人々の多様な働き方を支える社会保障制度、医療あるいは年金の分野での言わば多様な働き方をきちんとカバーできる社会保障制度をつくっていくこと。5点目は、少子化が進む中で、できるだけ多くの人が社会参加や就労を通じて社会に参加していくという全員参加型の社会をつくっていく。そのために労働の質を確保するということで、ディーセント・ワークを実現する。そして、こういった一連の改革を支えるための社会保障の安定財源を確保するということでございます。
 社会保障の機能強化については、これは夏の成案の段階でもお示ししておりますが、必要な社会保障の充実と医療や介護、その他の分野におけるサービスの効率化・重点化を同時に実施することで、充実化3.8兆、効率化1.2兆という数字が示されておりますが、これを同時に実施することで、2.7兆円程度の機能強化を行う。これが成案に示されたフレームですが、これを堅持する形で社会保障の改革を行うものでございます。
 税制改革については、社会保障改革に必要な安定財源を確保することと、危殆に瀕しております我が国の財政の健全化を同時に達成する。そのための第一歩となる税制改革を行うという位置づけを明確にした上で、2014年4月から8%、2015年10月から10%ということで、消費税を段階的に引き上げることが定められたところでございます。消費税の引き上げについては、党内でも、あるいは政府部内でも、国民に大きな御負担増をお願いすることもあって、様々な議論がございました。議論の中では、引き上げに当たって、経済状況の判断をきちんと行うことで、引き上げの直前の段階で、様々リーマンショック等のような経済情勢の激変があった場合には、それに対応できるような一種のトリガー条項を入れることで、そういった仕組みを設けることが定められております。社会保障は、公費については、国と地方がそれぞれ役割を担って、費用を負担して成り立っているわけですが、国と地方の配分については、後ほどお話ししますが、今回、消費税の充当先を社会保障4経費に拡充することを踏まえ、この社会障4経費に則った範囲で、国と地方がそれぞれ社会保障給付について果たしている役割、それに応じた形で配分を実現することで、消費税換算では、地方には2014年の4月8%段階では0.92%、2015年10月段階からは1.54%で、国と地方に配分を行うということでございます。
 更に、素案の中では、これは成案の中でも書かれていたことですが、社会保障制度の持続可能性の確保、あるいは2020年度以降の財政健全化を達成するためには、今後、更なる取組が必要であるということで、これは先ほどの今回の改革は一体改革の第一歩であることと併せて、今後の取組の必要性についても言及されているところでございます。
 消費税については、現在の消費税は、国分について高齢者医療・年金・介護といういわゆる高齢者3経費に充当することが予測総則上書かれていますが、今回の一体改革を通じて、消費税の充当先は、医療・年金・介護と、少子化対策分野も含めた4分野に消費税の充当先を拡充することで、これを成案でも素案でも「社会保障4経費」と呼んでおりますが、こういった形にしていくということでございます。
 その上で、現行消費税のうちで1%分地方消費税になっている部分を除いて、現行4%、そして、引き上げの5%を足して、9%全体について、その使途を明確にし、社会保障を財源化することを明らかにするということが言われております。
 その他、税制関係では、所得税の累進制の強化、資産課税の見直し、相続税の控除部分の見直しといった様々な見直しが同時に行われていまして、税制全体としては、所得再分配機能の強化・回復を図ることが進められております。
 更に、素案のとりまとめの過程で、政治改革あるいは行政改革も同時に取り組んでいくことが必要であることが、特に、これは与党の議論の中で強く出されまして、素案の中では、議員定数削減あるいは公務員総人件費の削減といった自ら身を切るための改革も同時に実施する。その上で、この消費税の引き上げを実施すべきであるという旨の記述がされたところでございます。
 今後の改革の取組は、1つは、社会保障の充実化・安定化の財源確保で、今年度中に税制改革法案、それから、当然ながら、これに関連する社会保障の改革の法案をこの国会に提出する。特に税法については、現行税法改正法104条で、23年度中の法案提出が政府に義務づけられておりますので、この法案を提出するということ。それから、本素案については、総理も国会等で何度も繰り返し述べておりますように、だれが政権を取っても直面する課題であるということで、野党各党にも協議を呼びかけて、与野党協議を踏まえて法案化する作業を行うということが書かれているところでございます。
 社会保障関係部分について、資料1−4に基づいて少し詳細に御説明をいたしたいと思います。資料1−4をごらんいただきたいと思います。この資料は、一体改革素案のとりまとめに併せて、社会保障部分についての解説資料、説明資料ということで、厚生労働省でとりまとめたものでございます。政府与党本部にも、閣議にも御報告をしたものでございます。
 1ページ目は、先ほど申し上げました社会保障改革についての基本的なバックグラウンドが記載されてございます。先ほど、雇用あるいは家族形態・人口といった問題が書かれていますが、雇用基盤が非正規雇用の増加等で非常に変わっている。あるいは、家族形態・地域の形態が変わっていること。あるいは、人口の高齢化と現役世代の減少。そして、高齢化に伴う社会保障給付の急速な増大と、こういった背景の中で、現行の社会保障制度が、これは歴史的な経緯もあって、高齢者中心の給付になっている。現役の様々な生活リスクに十分対応できていない。あるいは、貧困とか格差拡大への対応が十分ではない。更には、社会保障費用、公費部分のかなりの部分が赤字国債で賄われる形で将来世代へ先送りされている。こういった現状を踏まえて、現役世代も含めたすべての人が受益を実感できる、そういった社会保障制度の再構築をしていく必要があるということでございます。
 改革のポイントを幾つか書いてございますが、これは、成案あるいは素案の中で、様々な改革を行っていく上での前提となる方向性が示されているものです。
 1つは、共助・連帯を基礎として国民の自立を支援していく。今回、消費税の引き上げを行うわけですけれども、社会保障制度の基本は、共助・連帯・支え合いであると、そこをまず置いて、そういったものの上に自立を支援する。その上で必要な公費を投入するという考え方に立つということでございます。2つ目は、機能強化と重点化・効率化を同時に実施する。必要な充実と思い切った効率化を同時に実施するということでございます。3つ目は、社会保障制度は、世代間の所得移転という基本構造を持っているわけですけれども、少子高齢化が進む中では、世代内、特に高齢者世代の中での公平も重視をして、年齢による負担ではなく、所得あるいは現実の負担能力に応じた負担をするということで、世代間だけでなく、世代内の公平も図っていく。こういった中で、優先順位としては、まず、子ども・若者、そして、医療・介護、年金、そして、貧困格差といったことで優先的に取り組んでいこうということでございます。5つ目は、消費税の充当先の拡充の問題。6つ目は、今回の一体改革の一体たるゆえんですが、社会保障の安定財源の確保、社会保障の機能強化のための財源確保と財政健全化を同時に達成していくことで、8%、10%の段階的な引き上げを図っていく。そして、社会保障の基盤を支える、あるいは社会保障を通じた就労促進をきちんと図っていくものでございます。
 ということで、先ほど申し上げた6つの方向性がそこに示され、その下に具体的な施策が書いてございますけれども、そういった具体的な施策をそれぞれ取り組むことで一体改革の実を上げていくものでございます。
 1ページ開けていただきますと、「改革の方向性マル1」少子化対策。「少子化対策」という言葉は法律上の用語ですが、「子ども・子育て支援」ときちんと表現をするようにということで、この資料でも、法律上の用語以外のところは、すべて「子ども・子育て支援」としてございます。これは、今国会に提出を予定しております「子ども・子育て支援システム」を創設していくことで、待機児童の解消を中心とした幼保の一体化、あるいは市町村・基礎自治体が責任を持って地域の子育て支援を行っていく。それをサポートしていくことを通じて、子どもを産み、育てやすい社会をつくっていこうということで、新システムの創設を図るものでございます。
主な改革項目は、1つは待機児童の解消で、保育サービス、特に3歳未満の保育サービスの充実を図ること。それから、放課後児童クラブ等の充実を図ること。こういったことでサービスを充実していくということでございます。これについては、量の拡充と質の確保を図っていく。こういった過程の中では、今回の改革では、保育所以外の様々な小規模な保育、あるいは保育ママといった多様なサービスを充実していくこと。あるいは、放課後児童クラブの充実をしていくことが挙げられております。
 2つ目は、幼保一体化で、学校教育・保育を一体的に提供する仕組みを構築していくことで、総合こども園を創設していこうというものでございます。これを通じて、施設体系の一元化、それから、行政の所管とか、行政の体制の一元化、二重行政の解消を図っていくものでございます。
 3つ目は、全児童に対する支援で、地域における様々な子育て支援を行っていくことで、地域子育て支援拠点、一時預かり、あるいはファミリーサポートセンターといったものの拡充を図っていくものでございます。併せて、妊産婦検診等々の拡充も図っていくもので、こういったものを市町村が責任を持って計画的に支援していくような新しい制度をつくっていくというものでございます。
 次の3ページは、「医療・介護サービス保障の強化」です。医療・介護については、サービス提供面での改革と、医療保険制度・介護保険制度のセーフティネット機能の強化という大きな2つの柱がございます。ここにお示ししておりますのは、医療提供体制・介護提供体制というサービス提供面での充実強化でございます。医療については、これは、国民会議以来、類似にわたって指摘されております病院・病床機能の機能分化、選択と集中で、高度急性期への医療資源の集中を行うことによって、早期に治療を行い、早期に退院するという体制を敷き、病院から在宅、あるいは施設から地域といった流れをつくっていくということで、急性期病院について、集中的な資源投入を行い、それを支える亜急性回復病院を地域に整備して、早期に治療し、早期に退院する体制をつくっていくということでございます。併せて、地域においては、地域包括ケアシステムの創設で、地域の生活継続を支える様々な医療・介護のサービスを、それぞれの生活圏域の中で整備をしていくことで、そこに書かれてありますような、様々な地域生活を支える医療・介護サービスの量的拡充を図っていくものでございます。そして、こういった全体をマネジメントを通じて切れ目なくサービスを提供する体制をつくっていくものでございます。
 次に4ページ。社会保険制度、医療・介護の保険制度の側のセーフティネット機能の強化でございます。医療保険制度・介護保険制度それぞれ高齢化に伴ってサービスが増えているわけですが、昨今、貧困の問題、格差の問題、あるいは非正規労働者の増大といった中で、十分な保障が受けられない。サラリーマンであるにもかかわらず、厚生年金や健康保険の適用が受けられない。あるいは一部負担、あるいは保険料が十分払うことができないために、医療保険制度から落層していくという方が出ているということで、そういった人たちをきちんと支えて、助け合いの輪、共助の輪の中にきちんと取り込むことで、セーフティネット機能を強化していくということでございます。働き方にかかわらず保障を提供すること。それから、長期にわたって高額な医療を受ける。在宅で患者の治療を継続することができるようになりましたので、在宅で長期にわたって高額な医療を受ける患者さんが増えている。こういった方々の負担を軽減すること。それから、各医療保険制度の分立した制度間の財政力の格差、そういったものによって様々保険制度ごとに財政負担、財政基盤が弱くなるところもあるわけで、そういった所得格差を踏まえた財政基盤の強化を行って、それぞれの保険者機能を強化していくこと。そして、世代間・世代内の負担の公平化を図る。こういった観点から改革を行うものでございます。
 1つは、短時間労働者への厚生年金・健康保険の適用の拡大でございます。これも、年来指摘されてきた課題で、今回、厚生年金・国年については、短期労働者、パートタイム労働者の適用の拡大を図るということで取り組んでいるところでございます。これについては、個別に委員会で議論しておりますけれども、一方で企業の負担が増大するといったこともございますので、段階的な実施ということで議論をしておりますが、基本的には、パート労働者への適用の拡大を図っていくという方向性が示されております。
 2つ目は年金について、低所得者に対する給付の加算を考えております。それから、受給資格期間については、現在25年となっておりますけれども、これを10年程度に短縮して、無年金者の解消を図る。それから、今回、引下げを行わないで特例的な水準を維持してまいりました年金給付については、現役世代の負担あるいは将来の年金給付の財源をきちんと確保するという観点から、本来水準の年金水準に段階的に落としていくことで、特例水準の解消を図ることを行おうと思っております。
 それから、産前・産後の休業期間中についての厚生年金の保険料の免除。これは、先ほどの子ども・子育て支援の一環でもありますが、対応いたしたいと思っております。
 医療については、高額医療費制度の見直し。これは様々御議論があって、今回、見直しの規模については少し縮小されましたが、基本的には、高額医療費制度の見直しをして、年間負担上限等を付すという改革をいたしたいと思っております。それから、高齢者医療制度については、これは民主党のマニフェスト事項ということもございまして、一昨年の改革会議のとりまとめを踏まえて、必要な法案を提出することを考えてございます。
 それから、国保と介護保険については、そこに書いてございますような、低所得者の保険料負担軽減、あるいは市町村国保への財政支援の強化と財政基盤の安定化の措置を講ずることといたしております。
 それから、5ページ。「マル3 貧困・格差対策の強化」でございます。今申し上げたように医療保険制度あるいは介護保険制度での低所得者対策と併せて、ここにお示ししますような雇用対策の面あるいは生活保護の面で改革を行うことをいたしております。まず、第1のセーフティネットでは、先ほど申し上げた医療・介護での保険料の軽減措置と併せて、番号制度の導入を前提に総合合算制度を創設したいと思っております。これは、医療や介護、保育あるいは障害者自立支援制度といった個々の制度で発生をいたしますサービス利用時の一部負担について、制度横断的に、そして、家計全体への負担に着目して、一定の合算上限を打つというものでございます。これは番号導入なので、しばらく時間がかかるわけですけれども、こういった制度横断的な負担の上限措置を図ろうと思っておるところでございます。併せて、先ほど申し上げた社会保険の短時間労働者への適用拡大、あるいは低所得者対策の強化を行うものといたします。
 第2のセーフティネットとしては、求職者支援制度。これは実施されておりますけれども、雇用保険の受給が切れた後の方について、給付を受けながら職業訓練を受けるという制度を創設するものでございます。
 第3のセーフティネットとしては、生活保護です。生活保護については、その右側にございますように、新たに「生活支援戦略」を策定して、就労支援を中心とした生活困窮者対策と生活保護制度本体の見直しを総合的に推進していくことといたしております。
 次に、6ページは「マル4 多様な働き方を支える社会保障制度へ」で、これは既に御説明したものと重複するものも幾つかございますけれども、非正規化が進んで多様な働き方をする方がいらっしゃる。その働き方によって社会保障の適用の内容や制度の適用関係に格差が生じる。働き方によって、途中でそういったサービスが中断するとか、不利益が生じることがないように、パートの適用の拡大、あるいは産休期間の保険料負担の免除、被用者年金の一元化、3号の見直し、在老の見直しを一体的に進めようというものでございます。特に、産休期間の保険料免除とか、短時間労働者への適用拡大は、若年層、特に、今、子ども・子育て時期にある方々に対して、就労あるいは就労を通じた社会保障の適用をきちんとすることによって、こういった方々が安心して子育てができるといったような観点での取組をするものでございます。主な改革項目は、パートの適用拡大、産前・産後期間中の厚生年金の保険料免除、そして、被用者年金の一元化、併せて、3号の見直し、在老の見直し、こういったことを進め、更には、民主党のマニフェスト事項でもあります新しい年金制度の創設に向けて、平成25年の法案の提出を予定しているものでございます。
 次に、雇用労働政策関係の改革です。「全員参加型社会、ディーセント・ワークの実現」で、若年層を中心とした雇用対策の強化、非正規労働者の雇用の安定、処遇の改善で、すべての人が社会に参加し、安定した生活を営む。それを支える雇用をきちんと支えていくというものでございます。
 主な改革項目としては、非正規労働者の総合的ビジョンの策定を行おうと思っております。有期労働契約については、その利用ルールを明確化するための法的な措置を考えてございます。パート労働者の均等・均衡待遇についても、これを更に推進していくための法的整備を考えてございます。高齢者については、希望者全員の65歳までの雇用確保策で、これも法的措置を考えてございます。更に、新卒・フリーターの就労支援、あるいは求職者支援制度の中での早期の就労支援といった総合的な対策を講じていきたいと思っているところでございます。
 最後に、こういった一連の改革を支える安定財源の確保ということで、消費税の引き上げを行うわけですが、まず、消費税の使途、使い道を、現行の高齢者3経費から、子育てを含めた4経費に拡充し、子ども・子育て世代に確実に財源が回るというような形で手当てをいたしたいと思っております。基礎年金の国庫負担の2分の1については、この消費税の引き上げによって安定財源を確保いたしたいと思っております。それから、医療・介護の保険料軽減等の財源も、消費税の引き上げをもって賄うことを考えております。こういった社会保障の費用を賄うためということで、先ほどの8%、10%の段階的な引き上げを行うことになります。こういった改革を通じて、子ども・子育てに関する支出を拡大していくということで、現役世代を含めたすべての世代に、負担に対する納得感を持っていただきたいということ。社会保障制度について、安定財源を確保していくことで、あるいは機能を強化することで、社会の安心を実現していきたい。更には、負担の先送りをできるだけ回避することで、将来世代に負担をしないで、できるだけあらゆる世代で負担が分かち合えるような、そういった体制をつくっていくというものでございます。
 9ページは、消費税5%の引き上げに伴う安定財源確保。具体的に消費税を何にどう使っていくかということでございます。まず、今回は4経費に拡充をするわけですが、基本的には、消費税は社会保障財源化をする。特に、国の分については、法律上も明確に目的税化をするという措置を考えてございますので、言わばその全額を社会保障を通じて国民にお返しすることを考えてございまして、これは素案でも成案でも、官の肥大化には使わず、すべて国民に還元することが書かれているところでございます。
 下に絵を書いておりますけれども、いわゆる社会保障の充実の分野に2.7兆。3.8兆の充実と、1.2兆の重点化・効率化で、差し引き2.7兆円、約1%を使う。この内訳は、子ども・子育て対策で約0.7兆、医療・介護(サービス提供の部分と医療保険制度のセーフティネット機能)に約1.6兆、年金制度の改善に0.6兆で、貧困格差対策は再掲になりますが、約1.4兆になります。ちなみに、子ども・子育て対策は、現在、子ども手当を含めて約4兆ぐらいの規模でございますので、子ども手当を除きますと2兆数千億の規模ですので、0.7兆はかなりの額の配分を子ども・子育て対策に行うことになるということでございます。残り4%の部分は、今の社会保障制度の安定財源。今の社会保障制度の様々な施策を確実に実施していくための安定財源の確保に用いるということで、これが約4%相当10.8兆でございます。基礎年金2分の1。これは消費税引き上げまでの間の2分の1実現のための交付国債の償還費用も含めてですが、約2.9兆円。それから、高齢化に伴う増、いわゆる自然増の手当て。それから、今ある社会保障に対する公費負担のかなりの部分が、安定財源が確保されないで、赤字公債で賄われている。その部分をきちんと手当てをしていくことで、全体として、後代負担のつけ回しの軽減に用いる財源が7.0兆。そして、年金、診療報酬あるいは各種の福祉手当等、消費税の引き上げに伴って、物価スライド措置等で給付が拡充する分がございますが、こういったものに約0.8兆ということで、その全体を社会保障の財源に充当することといたしたところでございます。
 10ページは、「社会保障の充実と重点化と効率化」。先ほど、機能強化と効率化を同時に実施すると申し上げましたが、医療・介護・子育て・年金それぞれについて、充実項目と重点・効率化項目をセットでお示ししたものでございます。全体としては、3.8兆の機能強化と1.2兆の重点化・効率化という組み合わせで、言わば、こういったものを同時に実施していくものでございます。
 11ページは、数量面で見たときに、どういった拡充が行われるかをお示ししたものでございます。特に、医療・介護については、基本的には、現行の病床数を維持しながら病床の機能分化を図り、急性期病院等に重点的に資源を投入していくことで、医師数・看護職員数、そうしたマンパワーについても拡充を図っていくことで、サービスと供給の拡充を数量的にお示ししたものでございます。
 恐縮ですが、資料1−2の素案9〜10ページに、抜本改革のスケジュールがお示ししてございます。社会保障関係は8ページ、税制関係は9〜10ページになりますが、ここにありますように、それぞれ必要な法案を今国会あるいは次の25年の国会に提出いたしまして、消費税引き上げまでの間に、こういった形で主要な法案を提出し、逐次その施行を図っていくことを考えているところでございます。
 一体改革に関しては、以上でございます。
 次に、資料2−1をごらんいただきたいと思います。これは、7月、前回の当審議会以降の各部会、分科会の検討状況をお示ししたものでございます。7月以降、各審議会の部会・分科会は、先ほどとりまとめました一体改革素案の策定に向けて、まさに成案に書かれていた改革の内容を具体化するというプロセスをずっと経て、議論をしてきたところでございます。例えば一番上、「子ども・子育て新システム」は、内閣府に置かれたワーキングなので、この審議会の外でございますけれども、こちらは明日の直近の開催予定日がございますけれども、この間、約35回、7月以降は6回開催いたしまして、とりまとめを行うことになっておりますし、ここにお示ししましたように、それぞれの部会は、7月以降精力的に議論いたしまして、12月ないしは1月に、それぞれ今回の一体改革に併せて改革の内容のとりまとめを行ったところでございます。それぞれの部会・分科会のとりまとめについては、その後にすべてつけてございますけれども、こういった成果を踏まえて、先ほどの一体改革素案をとりまとめたことになってございます。詳細については、時間がないので、ちょっと省略いたしますが、後ほど、質疑等の中で、必要があれば、関係部局から御説明を申し上げたいと思います。
 ちょっと時間をちょうだいいたしましたが、私からの説明は以上でございます。

〇大森会長
 どうもありがとうございました。
 それでは、20〜30分、皆さん方から、御質問なりあるいは御意見がございましたら、出していただく時間を持ちたいと思います。どなたからでも結構でございます。御随意に御発言いただければと思います。どうぞ。

〇斎藤(勝)委員
 私から、2点課題の提起をしたいと存じます。
 まず第1は、全体最適の必要性でございます。各部会などでの合意形成は部分最適、つまり、給付の歯止めのない積み増しになりがちでございます。この結果、社会保障全体として、持続可能かどうかという視点から見て、最適な結果となっているかについては、疑問が生じてまいります。社会保障制度の持続可能性を高めるためには、制度の支え手の活力を維持する必要がございます。社会保険料負担を際限なく増やすという改革は、経済成長や雇用の創出に悪影響を及ぼし、支え手の活力を大いに損なうこととなります。この点を経済界としては危惧しております。ついては、全体最適の観点から、当審議会自らが、まずは、負担構造の自助・共助・公助のベストミックスの在り方を検討する必要があると考えます。これをもとに、各分野における適正な給付と負担の規模や財源の在り方など、改革のフレームワークを提示した上で、各部会に各論の議論を委ねるべきと考えます。
 2点目は、効率化・重点化への取組の強化でございます。今回の改革案のうち、年金の特例水準の解消については、評価できることと思いますが、例えば医療費について、70歳代前半の窓口負担の在り方、診療報酬・介護報酬の引き上げを、経済界としては、大いに危惧しているところでございます。今回のように、給付の拡大に傾注した改革を繰り返せば、社会保険料や税の負担は際限のないものとなって、経済成長と財政の健全化の両立を図ることは到底なし得ないと心配いたします。こうしたことを原因として、我が国の財政に対する国内外の市場の信認が低下すれば、結局のところ、社会保障給付の大幅カットなどの大きな痛みを負うのは国民となります。こうした危機感を共有した上で、財政の健全化に向けた社会保障給付の効率化・重点化への一層の取組の強化を行うべきと考えます。
 以上でございます。

〇大森会長
 ありがとうございました。
 今、御発言の第1点目が、私どものこの社会保障審議会の在り方に若干関係しておられまして、社会保障審議会が全体として、全体最適のある種の考え方、方針みたいなものを何か議論して、それで、各部会にそれをある程度お示しして、その中で何か議論してもらったらどうかという御趣旨だと思います。そうすると、今、国の予算編成でやっているあるシーリングみたいな発想になるのでしょうかね。どういうイメージでしょうか。もし、何かアイディアがあれば。

〇斎藤(勝)委員
 それを含めて、ベターな方法をお互いに考えていければという問題提起でございます。

〇大森会長
 これは私は不案内ですけれども、社会保障審議会は、全体として、何か大臣から御諮問みたいなのがあればお答えするというような話になっているのでしょうか。私どもから、何かそういうことをできるような仕掛けでしょうか。

〇政策統括官
 ちょっと確認をいたしますが、社会保障審議会は、勿論、大臣の諮問に対する答申もございますけれども、当然ながら、審議会が主体的にテーマを設定して議論する、あるいは建議を行うこともできることになっていると思っております。

〇大森会長
 もし、この件について何か御意見があれば。今日は何か決められることは難しいですけれども、もし、御意見があれば寄せていただきたいと思います。
 これはなかなか難しゅうございまして。斎藤さん、今日はそういう問題提起があったと承っておけばよろしゅうございますか。

〇斎藤(勝)委員
 そういうことで結構でございます。

〇参事官(社会保障担当)
 ちょっと数字の御紹介だけ。せっかくの御指摘でもございますので、私ども、社会保障の全体像について、勿論、公費もございますが、保険料も大変大きな財源でございますので、昨年の6月の成案がまとまりましたときに、社会保障全体の給付と負担の推計をやってございます。今の議論と多少関係いたしますので、御紹介だけさせていただきたいと思います。今日の資料1−5で、関係する参考資料をおつけしております。ページをめくっていただいて2ページ目、右下に2と書いてあるところは、社会保障の給付費になっておりまして。全体として約108兆円、5割年金、3割医療で、2割がその他という数字になっておりますが、今の一体改革との関係で整理をし直しておりますのが3ページになります。
 3ページを見ていただきますと、従来、年金・医療・福祉・その他という分け方をしておりましたが、今回の社会保障一体改革が、子ども・子育てを始めとした年金・医療改革でございますので、子ども・子育て、介護についても、現在の108兆円の内訳として示しているところでございます。例えば、子ども・子育ては、2011年ベースで5.2兆円という数字もお示しをしております。
 それから、更に、今回、改革が進めばどうなるのかということでありますが、これは、4ページ以降に、昨年出した将来推計の数字をお示ししているところでありまして。例えば、グラフで言いますと、6ページ目に、今回の一体改革すべてではございませんが、子ども・子育て、それから、医療改革の充実をやった結果として、2025年で151兆円という数字をお示ししております。一体改革の中でも、御指摘ありましたように、例えば医療保険とか介護保険とか、年金もそうですが、今後、議論の詳細が決まっていかないと内容が明らかにならないもの、数字が固まらないものがございます。そういったものは推計には含まれておりませんが、全体像としては、こういうものをお示しして、議論の一助となるようにお示しをしているところでございます。
 ちなみに、あえてつけ加えればということですが、更に、9ページ目には、かつての改革が社会保障給付費全体にどれくらい影響を及ぼしたのかということで、平成16年、17年、18年の一連の改革によって、2025年ベースで、給付費が約20兆円近い削減効果があったことも併せてつけ加わっておりまして。私どもは、こういうことで社会保障の給付と負担の全体像については、折々に触れて計算をし、お示しをしてきているということで、これも踏まえて、それぞれの部会において御議論が進められていたものというふうには承知をしております。
以上でございます。

〇菅家委員
 連合の菅家と申します。改めまして、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 今ほど、社会保障と税の一体改革の素案の内容について、説明がありましたが、私どもとしては、今回の方向性については、基本的には、連合の目指す方向性と一致していると評価をしています。その上で、幾つか指摘をさせていただきたいと思います。
 1つは、社会保障の全体像について、今回の改革は、2015年を一応の射程に置いた議論になっているということであり、したがって、改革の一里塚の途上であるということについて、私どもとしてもきちんと認識し、その後の改革の論議もしていきたいと考えているところでございます。
 更に今後の工程表にもありましたが、今回の素案の中で、「法案をきちんと提出する」と明言をされている改革課題と、「引き続き法案提出に向けて検討する」という検討課題が混在しているということです。私どもとしては、例えば短時間労働者に対する社会保険適用の拡大などについて、きちんと議論をして、法案を必ずや出していただきたいと思っております。そういう意味では素案の中でまだ検討課題とされていることについても、鋭意、関係審議会で議論をして、早急に結論を出し、今通常国会に法案を提出していただきたいと考えていることを指摘したいと思います。
 以上です。

〇横倉委員
 一体改革の素案については、高齢社会のための社会保障をしっかり確保しながら、サービスをある程度効率よくしていこうという方向性はそのとおりだと思います。今、参事官から御説明のありました参考資料(資料1−5)の3ページの負担のところですね。保険料と税、それと、積立金の運用収入等になっていますが、このうち、いわゆる自己負担といいますか、個人が負担する部分は、被保険者拠出の31兆8,000億だけと理解をしていいのですか。

〇参事官(社会保障担当)
 今、御質問がありました「社会保障の給付と負担の現状」のページは、社会保障給付費として、給付の数字だけを挙げておりますので、患者自己負担分については、ここに計上されておりませんということで、御理解を賜りたいと思います。

〇大森会長
 よろしいですか。

〇横倉委員
 はい。

〇大森会長
 ほかにございますか。
 私から1つお聞きしたいのです。さっき統括官がおっしゃった資料1−1のポイントの「税制抜本改革」との絡みで、「政治改革・行政改革への取組」がございまして。これの御説明だと、「身を切る改革を実施した上で」と書いてありますので、これをやらないとその後が続かないというか、できないと読めるような文章ですけれども、そうすると、これはそちらの方がまずやっていただかないと進まないのではないかと、至って心配になるのですけれども、そういう読み方でよろしいのでしょうか。

〇政策統括官
 本文を見ていただいた方がよろしいかと思うので、資料1−3の31ページ、「第2章 政治改革・行政改革への取組」で、「はじめに」とありまして。「議員定数削減や公務員総人件費削減など自ら身を切る改革を実施した上で、税制抜本改革による消費税引き上げを実施すべきである。」とありまして。「具体的には、」とありまして、「消費税引き上げまでに、」「以下の通り、政治改革・行政改革を期す。」とありますので、消費税引き上げまでの間に、以下のような改革を実施をすると、そういう趣旨で書かれていると。
ですから、法案提出の関係で言いますと、例えば消費税引上げの法案は、104条で、この3月までに提出をするわけですが、それまでの間に、例えば議員定数80減らすとかということで実施するというところまで書いているわけではなく、読み方としては、実際の消費税の引上げまでの間に、これこれの改革をきちんと行っておくことをするというのが、この文章の趣旨であると理解しております。

〇大森会長
 わかりました。
 ほかに何かお気づきの点はございますか。
 よろしゅうございますか。
 何となく漠然として、本当に改革が行ってくれるのかどうかと、雰囲気として、何か物を言いにくいのですよ。その意味で言うと、どなたに言ったらいいかわかりませんけれども、「ちゃんと頑張ってやってください」ということを何か言いたい気分になるものですけれども、これ以上、ここで議論をしても仕方ないかもしれません。
 どうぞ。

〇白波瀬委員
 社会学者なので、「機能」と言われると反応してしまうのですけれども、機能強化という点が強調されているのですけれども、実際にこの機能が強化したかどうか、機能そのものがどうかという、足元のところを含め、どういう形で評価体制を盛り込むべきとお考えなのか、何かお考えがあれば、示していただきたいと思います。

〇政策統括官
 済みません。質問の趣旨がよくわからなかったのですけれども、評価というのは。

〇白波瀬委員
 つまり、「機能を強化する」と書いてあるのですけれども、実際に機能を強化するには、現時点でどれぐらいの機能があり、どのような機能をめざして取り組むべきか、ということを明らかにしなくてはなりません。どのような基準で、機能の程度が不足しているとか、十分であるとかを評価しないといけないのではないかと思うのですが、その点どういうふうにお考えなのかということです。

〇政策統括官
 そこは、各論でそれぞれ一つひとつ議論をすることになるのであれですが、基本的な問題意識は、今の社会保障制度が前提としてきた日本の経済情勢や雇用情勢や地域の様々な機能との関係で、言わばそういった前提が崩れることによって、社会保障制度が本来期待されていた機能が十分果たされていないという問題意識が一つあります。例えば、国民皆保険・皆年金という制度があるわけですけれども、非正規労働者の拡充が非常に増えたことで、本来、厚生年金や健康保険が適用されるべき人が、制度上そこから排除されていく。したがって、そういった方々に、例えば年金なんかについて言えば、被用者として本来保障されるべき二階の年金が十分保障されないと、そういう制度の仕組みが現実の社会に対して少しミスマッチを起こしている。そういう部分をきちんと適用することで、本来の社会保障制度の実を上げると、そういったのが1つあります。
 もう一つは、これも説明するとちょっと長くなりますが、例えば子ども・子育て対策にしても医療についても、社会全体の実態的なニーズに対して十分なサービスが供給できていない。あるいは、そのサービスをきちんと賄うだけのファイナンスができていないという観点があって、そういったものをきちんと対応をしていく。それを機能強化と。
 したがって、先ほど、医療・介護のところで少し数字をお示ししましたが、ニーズに見合った量的なサービスを拡充するのは一つ、そういう意味で言えば機能強化の中に入ります。更には、今回も議論になりましたが、例えば低所得者対策で、保険料が十分払えない、あるいは一部負担ができないことで、例えばサービスの利用から排除される。あるいは、制度から排除されるといった形で、セーフティネットの網の目からこぼれていく人がいる。社会保障制度は、確実にそういった人々を救うことで、制度としての言わば付加価値が生まれているわけですから、肝心なときにそういったネットからこぼれ落ちることが起こっていくことになりますと、言わば、制度それ自体の社会的価値にかかわるので、そういったことがないように、そういったセーフティネットを重層的に張ることで、こぼれ落ちていく人を救う。
 機能強化と言いますと、基本的にはそういったようなことを視野に置いています。勿論、その前提となる、例えば子ども・子育てについて言えば、保育のニーズがこれからどれだけ増えていくのか。それに対して、今の供給体制あるいはサービスのメニューがどうなっているのか。医療については、介護については、高齢化が進む中で、地域でどういう要介護者が発生し、どの程度のサービスが要って、それに対して現状がどこまで行っていて、これから、どれだけサービスをしなければいけないかといったのは、今回ちょっとお示ししていませんが、夏の成案の段階で、詳細なシミュレーションを行って、数字をお見せしておりますので、それとの関係で、15年、25年、実際に改革が進んだ段階で、どこまで達成できたかは、事後的に評価をすることができると思っております。

〇大森会長
 もう一言何かございますか。

〇白波瀬委員
 御説明ありがとうございました。
 多分そういうことではないかとは思うのですけれども、効率化・重点化が同時進行と書かれるところについて、私としては消化不良のとことがあります。今おっしゃったことは、まさしく重点化だとは思うのですけれども、効率化を同時進行で進めるということは果たして可能なのでしょうか。効率化と重点化のどちらに優先順位があるのかも明らかにすべきと考えますが、その点はどうお考えですか。

〇政策統括官
 先ほど、全体最適のお話がありましたが、素案は、少し個別の改革を具体的に書き込むことを、そのステージに入っているので、各論の束のような感じになっているので見にくいのですが、実は、成案段階では、社会保障改革全体について、何を優先順位でやるのかとか、どういう哲学をメインに据えてやるのかということをかなりきちんと書いてあります。そういった考え方の上で、分野について言えば、子ども・子育て対策、若年対策を優先順位の1番に置く。それから、医療・介護の供給体制の話、そして、年金があって、最後に、制度横断的テーマとしての貧困格差対策。こういった分野を優先的に行う。若干キャッチーに言えば、子どもの対策を頭に出しているのが今回の優先順位です。
 それから、機能強化と効率化に関しては、先ほどの資料の1−4、1−2にも右左で表をお示ししていますけれども、当然、国民に御負担をお願いするという観点からすれば、あるいは、公費の増を見合わせて、例えば各医療保険や年金制度では、保険料負担の増も当然、並行でついてくるわけですし、保険料については、いわゆる自然増に相当する部分は税金にも保険料にもあるわけですから、負担増が生じることがありますと、先ほど、斎藤(勝)委員からもお話がありましたように、現実の経済との関係、あるいは企業負担との関係で、当然、合理的かつ効率的な負担が必ず問題になることになりますと、充実すべき部分は充実するわけですけれども、適正化部分・効率化部分は併せて行っていくということで、同時に行うことをしませんと、合意形成も難しいですし、制度としての持続可能性もないことになりますので、そこはそういう意味では同時実施になります。同時実施は物によっていろいろありまして。例えば、医療・介護の提供体制について言えば、全体として量的に拡充することもありますが、社会的入院の問題とか、あるいは重複受診等々、今の制度の中で、言わばサービス供給が最適に行われていないことによって、言わば無駄が生じている。あるいは、効率化の余地がある部分があるわけで、それは当然拡充するプロセスの中で放置をすれば、そういった無駄が全体のサービスの拡充と併せて、言わばアンプリファイされることになりますので、その部分は同時に、ちょっと昔の言葉で言えば、選択と集中をきちんと行いながら、重点的に投入するべき部分には投入していくという、そういう一種めり張りが効いた財源投入を行うことが恐らく必要であろうと。
 ちょっと時間がないので、細かく言いませんが、実は、特にサービス供給体制の話については、そういったことがかなり細かく、それこそ薬の問題とか、そういったことも含めて書き込まれているということでございます。

〇大森会長
 とりあえずよろしいですか。

〇白波瀬委員
 はい。

〇大森会長
 ほかにどうぞ。

〇津谷委員
 議論をまた元に戻すようで恐縮ですが、これは社会保障審議会のミッションではないのかもしれませんが、先ほど会長が御指摘になりました、資料1−3「改革素案」の31ページの「政治改革・行政改革への取組」について、ちょっとここで言いにくい雰囲気があるとのことですが、私も少しそれは感じておりました。ここを見ますと、一番最初の「はじめに」の最後で、「実施する」とは言ってない。「実施すべきである」と言っております。これはちょっと深読みかもしれませんが、4点ほどあると思います。そのうちの最初の3点は、これは法案の成立を図るということですので、読み方によっては、法案が成立しなかったらどうするのか。これは政治のお話です。
 4点目は、徹底的な歳出の無駄の削減ですが、これはできると思いますので、是非、果敢に取り組んでいただきたいと思うのですけれども、もし法案が成立しなかった場合はどうするのか、消費税のさらなる増税はあるのかということで、この点が世論調査の結果など、ニュースを見ておりましても、大変国民の関心事のようです。この審議会で決定できることではないのはよく承知をしておりますけれども、やはりこの点をきちんとしなくてはならないのではないかと私は思います。
 そして、この後御紹介があるかと思うのですが、最新の将来人口推計の結果が、本日、公表されております。前回の推計よりも人口の高齢化と人口の減少のスピードが若干緩まったという結果が出ておりますけれども、大勢には変化はございません。我が国は現在もう既に世界で最も人口が高齢化した国です。2010年で人口の23%が65歳以上の老年人口ですが、50年後には、恐らく人口の4割が老年人口になると予想されます。そして、その中で、今回の公表されたものには出ておりませんけれども、確実に、老年人口が更に高齢化をしていくことになるかと思います。そして、今後、人口減少のスピードも加速していきます。その中で、当然人間が生産し、消費をし、負担をし、いろいろな便益を得ていくわけですけれども、この基本的な人口の変動を考えたときに、社会サービスを手厚くするということを言えば、政策的にも政治的にも受けはいいわけですけれども、やはりないそでは振れないということになるのではないでしょうか。
 そして、先ほどから何度も言われております負担の公平化についても、今後の人口高齢化と現象を考えると、なかなかこれは難しい。なぜなら、恐らく高負担・高福祉、もしくは低負担・低福祉ではなく、これからの今現役世代も含め若者世代にとっては、高負担・低福祉にならざるを得ないからであります。これを言うことは、政治的に大変な意志を必要とするとは思いますけれども、やはりこの審議会としても、そういうことを踏まえていろいろな審議・提言をしていかなくてはならないのではないかと思います。

〇伊豫委員
 あるべき医療提供体制の実現に向けてということでの各論になってしまうのですが、社会構造の変化に伴って、急速にインターネットなどの情報技術は伸びてきていると思います。安心と効率性を両立させていくことは、情報技術を医療イノベーションと組み合わせていくことによって、医療の一部ではかなり実現できるのではないかと考えております。その際には、法制度の問題も出てくると思うのですが、その辺も組み合わせて、医療提供体制の強化とともに安心と効率性も求めていっていただければと考えております。

〇大森会長
 ありがとうございます。
 よろしゅうございますか。
 よろしければ、今、話題に出ました将来推計人口について、今日御紹介がございますけれども、そちらの方に移ってよろしゅうございますか。
 それでは、将来推計人口について御説明いただきましょうか。

〇参事官(社会保障担当)
 それでは、社会保障担当参事官でございますが、お手元の資料の3−1と3−2、この2種類の資料を、本日午前中10時から12時まで開催されました人口部会に提出され、本日、公表された資料でございますので、この資料に沿って簡略に御説明をさせていただきたいと思います。
 まず、資料3−1は「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」で、表紙をめくっていただきますと、1ページ目から、「日本の将来推計人口」についての御説明がございます。この推計は、人口問題研究所の時代も含めて、今回が14回目の公表になるわけですが、5年に一度の国勢調査の結果を踏まえて、将来人口推計を行いますので、5年に一度将来人口推計を行うこととしております。今回の将来推計人口については、先般まとめられました平成22年(2010年)の国勢調査を出発点として、その50年後、すなわち、平成72年(2060年)までの人口について推計をしたものでございます。これは毎回そうですが、50年間の推計ではありますけれども、参考推計として、51年目から100年目までの長期推計も、参考としてつけています。文章編で説明がついておりますが、時間の関係もありますので、《結果および仮定の要約》というページがございます。この資料3−1の冊子の11ページをお開けいただきたいのです。将来推計人口については、出生率の仮定として、中位・高位・低位、それから、死亡についても中位・高位・低位の3パターンで、3×3の9とおりの推計を行うわけですけれども、出生中位、死亡中位が、通常使われております将来推計人口になります。
 今回の推計の結果を見ていただきますと、一番右の欄が前回の中位推計、一番左の欄が今回の中位推計になります。この2つを比較をしていただきますと、まず、上からまいりますと、出生率の仮定については、前回1.26という出生率を仮定いたしておりましたが、足元の出生率が向上していることを踏まえて、今回は1.35という合計特殊出生率の仮定としております。それから、死亡率については、長期的に平均寿命が延びている傾向を踏まえて、男性84.19歳、女性90.93歳まで死亡率の減少が続くという前提になっております。これを踏まえて、50年先、2060年までの推計を行っておりますが、前回の推計の最終年が2055年ですので、前回推計との比較をするため、2055年の数字も併せて掲げているところですので、2055年を見ますと、前回推計と今回推計の差がわかります。例えば、総人口で見ていただきますと、足元の総人口、国勢調査の結果が1億2,806万人ですが、前回推計では、2055年に8,993万人で、50年後に日本の人口は9,000万人を割るというような推計になってございました。今回の推計によりますと、総人口では、2055年9,9193万人ですので、前回推計から見ますと、約200万人増加しておりまして、9,000万人の大台は割らないということでございます。
 ところが、それでは、その後どうなるかということですが、ここで、後ろの数字を見ていただければと思います。15ページを見ていただきますと、15ページの中位推計、出生中位・死亡中位ですが、一番左の欄が人口トータルでありまして。2055年のところが今見ていただいた9,193万人、2056年が9,090万人、2057年が8,986万人で、今回の出生率の見直しにより、同じ年で比較をするとプラス200万人ですけれども、2年後には、やはり9,000万人を割るということで、先ほど、部会長からもお話がありましたように、多少緩んではいるけれども、長期的なトレンドとして、少子高齢化が世界に例を見ないスピードとレベルで進んでいることは変わらないというのは、こういった点からも確認をできるのではないかと思います。
 そして、それぞれの年齢3区分別の人口についても、11ページに戻りまして、見ていただきますと、年少人口については、2055年の状況を見ますと、前回推計752万人で8.4%、今回推計が861万人で9.4%で、約1%人口構成としては年少人口が増える見込になります。それから、生産年齢人口についても、次第に出生が増えていきますと、生産年齢に移行してまいりますので、4,595万人から4,706万人、それから、老年人口については、3,646万人が3,626万人と、老年人口自体は余り変わらないけれども、年少人口が増えて、それが生産年齢人口の増加に波及しているという要素が、今回の将来推計人口の結果の概要になります。
 これを、更に、グラフで見ていただきますと、同じ冊子の20ページを見ていただきたいと思います。20ページを見ていただきますと、年齢3区分別人口の実数の推移が上のグラフ、それから、パーセンテージの推移が下のグラフになります。点線が前回推計、実線が今回推計と実績になります。上のグラフを見ていただきますと、最終的には、今申し上げたように、老年人口はほぼ同じ、年少人口が増えて、生産年齢人口も増えるということではありますけれども、2010年〜2020年、更に、2030年辺りまでのところでは、生産年齢人口も、点線と実線がほぼかぶっておりまして、年少人口だけが点線より実線が上に行くという形になっております。したがいまして、足元2025年くらいまでを視野に入れますと、生産年齢人口と老年人口は、前回推計とほぼ同じでありまして、年少人口が増えていることになります。こういう全体像でございます。
 今回のこういった推計をするに当たっての前提条件を、また戻って恐縮ですが、12ページに要約がつけてございます。これを見ていただきますと、特に今回変動の大きかった出生の仮定ですけれども、平均初婚年齢、生涯未婚率、夫婦完結出生児数、離死別再婚効果、こういった内数を踏まえて1.39という実績から、将来的に1.35というような計算をしたということで、前提条件についての説明がございます。それから、死亡の仮定、国際人口移動の仮定については、下に記載がございます。
 少し詳しい説明が、資料3−2になります。資料3−2の一部だけ御紹介をしたいと思います。
 資料3−2の表紙を開けていただきますと、まず、基準人口が、2010年の国勢調査で、基準人口の人口ピラミッドが3ページに記してあるところでございます。そして、その次のページの4ページに、仮定値として、今申し上げた出生・死亡・国際移動の3つの仮定値を置いていることが、説明として書いてございます。
 そして、今回推計でどういう仮定を得たかについては、5ページに、出生・死亡・国際人口移動について、それぞれの解説がついてございます。特に出生の関係では、ただいま見ていただきましたものを多少詳しくしたものが8ページになります。8ページを見ていただきますと、出生の仮定について、前回推計とどこがどのぐらい変わったのかがわかりますけれども、結婚年齢については、前回の推計と今回の推計では、参照コーホートが5年ずれておりますけれども、参照コーホートでは、28.2歳という初婚年齢については変更がございません。一方で、生涯未婚率については23.5%から20.1%の減少を見込んでいる。それから、夫婦完結出生力という欄がございますけれども、前回推計では1.70人だったものが、1.74人を見込んでいること。こういった推計の全体の変動によりまして、最終的な合計特殊出生率を1.35と見込んだということであります。
 それから、少し後ろの方にまいりますが、16ページを開けていただきますと、今回の合計特殊出生率の推移について、実績値と仮定値を一つのグラフにあらわしたものになります。実績値が黒であらわされております。2005年に一番底を打ちましてから回復をしている。2005年に1.26に下がりましてから、直近の1.39まで、傾向的に増大して上昇しておりますけれども、今回の中位推計は青のラインですので、今1.39まで来ておりますが、将来的には少し低いレベルで安定をすると見込んでいるところでございます。
 なお、一瞬出生率が下がっているところがございますが、これは震災の影響でありまして、16ページの下の欄にありますように、月々のデータも見ておりますと、また、阪神淡路のときのデータも見ておりますと、一時的に出生が下がることが知られておりますので、今回では、一時的影響として織り込んでいることになります。
 それから、死亡の仮定について詳しい数字が並んでおります。20ページと21ページに大変詳しい、私も必ずしも十分御説明できませんが、全体的な死亡率の改善のみならず、年齢シフトと言って、相対的に死亡率の変遷が高年齢層にシフトしていくことも、今回踏まえて推計を行っているということで、死亡率の詳しい数字については、24ページに今回の仮定についての考え方を書いているところでございます。
 なお、25ページに、同じく死亡率のグラフがありますが、これも2010年をベースに延ばしていくのですけれども、2011年の震災がございましたので、これについては単年度の数字として織り込んでいることになります。
 それから、3番目の国際移動については、28ページをごらんいただきますと、外国人の入国超過の数を推計に織り込まなければいけませんけれども、外国人の入国超過数については、近年、非常に大きく振幅しております。2009年のリーマンショック、2011年の震災の影響で大きく下がっておりますけれども、傾向的には、このブルーのラインで推移するとして、今回見込んだものでございます。
 こういう条件を加味いたしまして、先ほどのような人口推計結果になったということで、簡単ではございますが、御報告をさせていただきます。
 それから、先ほどの議題1で、統括官から御説明を申し上げませんでしたが、資料1−6として、1枚、番号制度についての資料が配付されております。これを詳しく御説明いたしませんが、資料1−6の表紙で見ていただきたいのは、「個人番号」が設定されるとともに、「法人番号」も設定されます。個人番号は、市町村長が番号を定めて、書面で通知をするということですが、番号カードについては、6の「雑則」にあるように、本人が申請すれば、番号カードが交付されるということです。それから、個人番号については、むやみに「番号を見せろ」と言えないことになっておりまして、法律で認められた主体だけが、その業務に係る者に限って個人番号を求めることができる。こういうことになります。それから、法人番号については、国税庁長官が指定して、これはオープンになるというようなことになります。
 それから、裏にスケジュールが書いてありますけれども、番号の通知は2014年度から始まりまして、2015年度から番号の利用がスタートするといった点、それから、利用開始に当たって、まず先行する分野、年金に関する相談、税金に係る申告書への記載といったところが想定をされているといった点、それから、医療などの機微性の高いところについては、特別立法が別途予定をされているといった点について、御注意いただければと思います。
 長くなりましたが、私からは以上でございます。

〇大森会長
 ありがとうございました。
 人口推計について、何かお気づきの点ございますか。

〇津谷委員
 参事官の先ほどの御説明に、少し付け加えさせていただきたいと思います。
 ここには非常に細かい数値が示されております。将来人口推計は非常にテクニカルなものでございまして、これをできる限りかみ砕いて皆様に正しくご理解いただけるように努力をいたす所存ではございますけれども、推計結果が示す大きな姿を申し上げますと、今後予想される人口の超高齢化と人口減少という大勢に変わりはありません。具体的に申し上げますと、人口高齢化のタイミングは今回の推計によると若干遅れまして、先ほどご説明がありましたように、今回の死亡中位・出生中位の推計では、我が国の人口が1億を切るのは2048年となっているかと思うのですが、前回の推計では2046年となっており、わずか2年の差であります。ですので、超高齢化と人口の減少が今後進行していくという姿には全く変化はないと思っております。
 ただ、この将来人口推計を読んでいただくときにお願いしたいことが2〜3ございます。1つは、将来人口推計は英語で、Population projectionと申します。ですので、projectionは「投影」ですね。プロジェクターは皆様も御存じかと思うのですけれども、光を出しますと像が映ります。このプロジェクターは何を投影していくかといいますと、今回の場合は、2010年に実施された国勢調査により得られた男女別、そして、年齢各歳別人口の確定値をもとに、将来の人口の規模と構造を投影をしたわけです。ですので、将来推計はprojectionですから、predictionつまり予言ではないということです。ですので、将来人口推計の結果には、推計はすべてそうですけれども、不確実性があります。そして、時間の経過とともに不確実性の幅は大きくなっていきます。推計には、中位を中心に高位と低位があり、死亡と出生両方にこのような幅が設定されていますので、3×3=9通りの推計結果が出ております。この幅が時間の経過とともに大きくなっていく。つまり、推計の誤差も大きくなることをお含みいただきたいと思います。とは言え、全体としての姿に大きな変わりはないことは再度申し上げたいと思います。
 そして、資料3−1の12ページに、いろいろな仮定が出されております。人口の変動、これは人口規模の変動と人口の性・年齢構造の変動ですが、それらを推計するために、コーホート出生率と死亡率、そして国際人口移動率つまり国際的な人の出入りの差を設定しています。つまり人口規模と構造の変化はこれら3つの人口動態で基本的に決まってくるわけですが、そのベースになっている仮定がここに要約されております。ただ、この仮定はどこかから取ってきたものではなく、今までの実績値に基づき、人口動態統計や各種全国調査の結果などを使って推計をいたしております。
このような将来人口推計の方法の概要と意味を御理解をいただければと思います。以上でございます。

〇大森会長
 ありがとうございました。
それでは、どうぞ。

〇横倉委員
 人口推計を見させてもらうと、非常に老年人口が将来増えてくるので大変だというのは当然でありますけれども、考え方によっては、寿命がそれだけ10年以上延びていますね。そうなると、生産年齢人口も少しずつ上がるような社会づくりができないか。いわゆる高齢になってもまだ仕事が可能な人はたくさんおられるわけですね。私は今67歳ですが、私の同級生はみんなリタイアして、毎日何をしようかということの相談をして、結構体は動くのですね。いろいろ頭も動く人もまだたくさんおられるし、社会保障全体を考えれば、そういうことも考えていけば、少しずつ負担の問題も解決する道もあるのではなかろうかなという思いがしたものですから。

〇津谷委員
 実は、老年人口は今後しばらくは増え続けると予想されておりますが、その後ピークを打ち、その後は少し減少するとされております。ただ、老年人口が総人口に占める割合は、そのほかの生産年齢人口と年少人口が減少を続けますので、増え続けると推計されております。つまり、皆様御存じの高齢化率は上がり続けるということであります。
 ただ、先ほど御指摘をいただきましたように、老年人口が65歳以上という定義を変えたらいいのではないかということですが、老年人口は国際的に65歳以上という定義がなされ、戦前からこの定義が使われております。ただ、恐らく先ほどの御指摘の点は、定義の問題ではなく、65歳になったらいきなり今度は支えられる側、つまり扶養される側に回ることではなく、まだまだ元気で、社会活動も社会貢献もできる65〜74歳の前期高齢者層をもっと活用、貢献をしていただく方策をとるべきであるということではないかと思います。これについては、私も賛成でございます。今の65〜69歳の方は、50年前の65〜69歳とは全く違って、お元気な方がたくさんおられます。将来人口推計には平均余命、平均寿命が用いられておりますが、それとは別に健康寿命というものもあります。つまり健康で生きていることが期待される年数ですね。それも我が国では延びてきております。ですので、そういう意味での高齢者層の人的資源の活用は今後考えていくべきだと思います。とは言え、65歳以上の老年人口の中で、後期高齢者人口の割合が急激に増えていることもまた事実です。更に、85歳以上人口、これはオールデスト・オールド(超高齢者)ということもできますが、この年齢層の人口も急激に増加をしています。そうすると、人間は永遠に健康で活動できるわけではありませんので、そうした方々が、今後、数の上でも、割合の上でも増えてくるときに、社会保障、そして、社会全体がどのように支援をしていくのかということを考えておかなくてはならない。恐らく今後起こる確率が高い人口変動を我々は理解して、それに対応していくしかないと思っています。

〇大森会長
 ほかにございますか。

〇斎藤(勝)委員
 個人的な意見として申し上げます。今回、子ども・子育てが大きな位置づけを得たことは、意義のあることだと思っており、将来の人口の減少ピッチを緩和していきたいという、強い意思がここに込められていると考えています。先程、御説明がありましたが、今回の推計は前回推計よりも幾分改善したということで、これはこれで大変結構なことだと思います。
 前回推計をもとにしてちょっと考えたことがございます。たしか前回推計では2055年時点で、人口は9,000万人を切るということでした。一方で、結婚適齢期の男女を対象とした「結婚したいかどうか」「結婚した場合の子どもは何人ぐらい欲しいか」というアンケート調査をもとにした厚労省の試算によりますと、結婚・出生に関する希望がすべて叶えられれば、2055年の人口は約1億400万人になるという結果がございました。
 そこで思いましたのは、国として、人口減少のピッチを緩和するのは大変大事なことですから、例えばですけれども、2055年に人口1億人キープというようなことをもっと前面に打ち出していったら良いのではないかと思います。子どもを産む産まないは個人の選択の自由にかかわることですから、国として余り前面に出して言うのは難しいのかもわかりませんが。ちなみに、私の理解では、2055年に8,900万人台になりますと、世界の人口ランキングで、日本は第22位になってしまいます。したがって、活力を維持するという観点から、人口1億人キープということを、いろいろな関係者がもう少し発信をしていったらどうだろうかと思っています。
 今、日本の平均年齢は45歳と言われています。これが、前回推計によると、2055年には平均年齢が55歳になります。一時の定年年齢が平均年齢になるという、大変な数字になるわけですけれども、先ほどの厚労省の試算どおりに、2055年で1.76という出生率になると、平均年齢が49.9歳となると計算されます。
 それぞれここにおられる方々が、そういう形で外部に向けて、人口1億キープというような形で発信をしていけば、いろいろな機運が高まるのではないかということで、紹介させていただきました。

〇大森会長
 御発言はございますか。
 この合計特殊出生率が、実績でちょっと上がったのは、どういう解釈になっているのですか。

〇津谷委員
 私でよろしければお答えいたします。実は、実績で上がったということではなく、資料3−2をごらんいただくと、一番わかりやすいのは15ページかと思います。先ほどご説明しましたように、死亡と出生と国際人口移動という3つの変動、これを「人口の三大動態要因」と呼んでおりますが、それを使って行う将来人口推計と申しますものは、今までの実績値をベースにして、三大人口動態についていろいろな仮定を設けて、つまり今後の変動についてのシナリオを描いて、将来に投影しているわけです。これら3つの人口動態のなかで一番影響力がある、テクニカルな言葉で申しますと、センシティビティーの最も高い要因は出生力です。
 ただ、ここでおことわりしておきたいことは、皆様がよくニュースなどでお聞きになる出生率は、ピリオドTFR(Total Fertility Rate)、日本語で期間合計特殊出生率と呼ばれるものです。ピリオドTFRは毎年その年次の女性の年齢別出生率を合計して算出されるものです。一方、将来人口推計で使っている出生率はコーホートTFR、つまり、ある年次に生まれたある世代の女性が、これからどういうふうなライフコースでどういうふうなタイミングで何人ぐらい子どもを産んでいくかを示す指標です。そして、死亡率もコーホートについてのもので、ある年次・世代に生まれた集団がこれからどういうふうに死んでいくのかを示すものです。そして、同様に国際人口移動も今後どういうふうに人が出入りするのかということを、コーホートの視点から投影をしています。そして、その投影したものを、今度は、更にもう一度時間を横切りにして切り分けていって、毎年の将来推計値を出しております。
 その際に、先ほどご質問のありました結果がどうして変わったのかについての私の解釈でございますが、15ページの左をちょっと見ていただきますと、実績値(日本人女性)が、2005年、つまり前回の将来推計に際して最も直近の時点であった2005年のピリオドTFRは1.26とあります。これは記録のある限りの平時の最低値であり、この2005年のピリオドTFRだけがぼこんと落ち込んでいるのがおわかりになりますでしょうか。前回の将来人口推計時には、2006年以降の実績値はありませんでしたので、2005年までの低下傾向をベースに将来投影をした結果、出生率の将来推計値が下がったわけです。将来推計というものは、そういうものであります。
 ところが、その後、2005年のピリオドTFRは例外的に低かったことがわかりました。これにはいろいろな理由があると思うのですけれども、とにかくその後我が国の出生率は緩やかではありますが回復傾向にあります。ピリオド出生率は出生のタイミングと出生の水準により決定されます。つまり、女性がいつ子どもを産むか、そして最終的に何人くらい産むのかによってピリオド率は変動します。我が国のピリオドTFRは2005年に底を打った後上昇しているとは言え、水準自体はまだ低いのですが、回復基調が若干出てきましたので、その底を打った後上がってきた部分をベースに将来投影したため、今回の推計では、これが大きな要因となって、若干の人口高齢化及び減少のスピードが緩和されたという結果が出てきたと考えております。
 ただ、何度も申すようですけれども、合計特殊出生率(TFR)は女性1人当たり1.5を大きく下回っております。合計特殊出生率が1.5という水準は、死亡率にもよりますけれども、およそ50〜60年で人口が4分の1ぐらい減るという水準です。1.3〜1.4ですと、大体3分の1ぐらい減るという水準であり、近年の我が国のTFRがこのような低水準であることには変わりはないわけですので、今後わが国の人口は相当なスピードで減少を続けることになります。では、人口の減少はどうなればおさまるのか。死亡率にもよりますが、女性1人当たりのTFRでいうとおよそ2強という水準が必要です。2.1まで行く必要はないのですけれども、2よりももう少し高い水準が必要です。我が国の歴史で、TFRが最後に2を上回っていたのは1974年です。ですので、1975年以降、36年間我が国では俗に言う少子化が続いている、つまり、出生率が人口再生産が全うされる水準を割り込んでいるわけです。ですので、そのインプリケーションは長期的なものです。少子化は現在大変な注目を集めておりますけれども、これは急に始まったことではなく、もう長い間、我が国が戦後経てきた社会経済変動の結果起こってきていることであります。
 ついでに申し上げますと、我が国の寿命も大きく延びております。これ自体は大変すばらしいことで、歴史上非常に長い間、人間はいつ死ぬかわからない時代が続いていました。たくさん子どもは生まれるけれども、たくさん人が死ぬという、非常に不安かつ不安定な時期が長い間続いて、もう明日死ぬかもしれないとほとんどの人が思わなくていい時代が来たのは、もうここ数百年のことです。長い間高死亡率と高出生率の時代が続いた後、最初に死亡率が下がりました。そうすると、出生率はまだ高いままですから、人口は急激に増加します。急激な人口増加は開発や経済成長にとっては、そのままですと、阻害要因になります。急激な人口の増加は経済発展にとって望ましいものではありません。ですので、今度は出生率を下げようとして、多くの国で出生率が下がりました。ただ、出生率の低下は止まらなくて、その結果人口高齢化が起こり、最終的には人口の減少が起こってくるということです。このようなマクロの現象が何故起こっているのかを考えると、これは社会変動の結果ですので、俗に言う「是正」をすることは非常に困難です。人口の変動は非可逆的な変化であり、それへの対応は非常に難しいことであると思います。
 人口高齢化と現象の「是正」のためには、基本的には、とにかく若い女性にたくさんお子さんを産んでいただく、もしくは、外からたくさんの人に来ていただくしかないわけですが、それを政策的に訴えていくことについては、私は非常にちゅうちょするものがございます。一般国民の皆さんから見たときに、先ほどからTFRが1.3、1.5という話をしておりますが、子どもは端数では産めないわけです。0.5人の子どもは産めません。子どもは0か1人か2人か3人です。そして、多くの人々が日々働いて、家庭と仕事の両立に奮闘していらっしゃるわけですから、私の考えといたしましては、少子高齢化と人口減少に対しては、ワーク・ライフ・バランス、子ども・子育て支援、そして、市場に介入することは難しゅうございますが、雇用・労働政策的な視点から対応していくのが正しいのではないかなと思っております。
 長くなりました。

〇大森会長
 全く素人ですけれども、ある種の社会的な意識がどこかで投影するというか、影響が出てきているのではないかと。だから、結婚して子どもを産もうという若い世代の中で、依然として、自分は結婚もしないし、子どもをつくらないという女性たちが相当比率で間違いなくおいでになるのですよ。でも、ちょっと、このところ、何歳ぐらいの人かわかりませんけれども、初婚が28歳ぐらいですから、20代から30代ぐらいのその若い世代が、どうも、結婚して子どもをつくろうという、そういう若干の兆しというか動きが出始めたような、そういう社会意識がどこかにないものかなと、解釈なんです。依然として低いのですけれども、みんなが何も言ったわけではないのですね。結婚しないでおけとか、子どもを産むなと言った覚えはないのですけれども、社会意識の変化の兆しはないものかなとちらっと思ったのです。

〇米澤委員
 それとは関係が若干あるのかないのか、もう一回人口のことで1つだけコメントさせていただきます。
 特に生産年齢人口ですね。本文の20ページです。多くピークを打って下がっていっているわけですし、この話題で随分売れた本もございますので、皆さん知っているかと思いますが、私、経済学者ですけれども、こうなるとどうなるかというと、もう、日本の成長を規定するのは人口です。生産年齢人口で、ここがネックになって成長ができないという格好で低成長にならざるを得ない。裏を返すと賃金は上がっていかざるを得ないと思うのです。ところが、足元は、大学生はなかなか就職できないし、正規でない社員がたくさん増えていることで、違ったところで問題になっていましたね。
 これはいろいろ理由はあるのでしょうけれども、一番簡単に考えると、空洞化です。日本企業ないしは企業の一部が、日本だとやっていけなくて、アジアを含めて海外へ出て行ってしまうということなので、人口が足りないと思っていたのですけれども、それ以上に企業の一部が逃げる率が早くて、結局、足元余っているとは言いませんけれども、とても足りないというような印象はないわけで。これはどういうことかというと、そうでなくても、全員が働いていても、社会保障はピンチだというのに、しかも、働いてない人が増えているということなので、騎馬戦の騎馬がもうなくなってしまうぐらいのところなので、これを何とかして止めなければ、社会保障どころでなく、日本の経済が立ち行かなくなってしまうことなので、もっと端的に言うと、何らかの方法でいいですから、日本企業が出て行かないようにする。ないしは、外国から日本へ企業が来ていただくというようにして、そうでなくても、人口が少ないのですから、それを少しでも補正するような格好でいろいろ政策を打っていただきたいし、企業の方も、何と言っても日本の企業ですから、日本のことを考えていろいろ行動していただくといいかなという感じがしております。
 違った側面ですけれども、感想めいたことで発言させていただきました。

〇津谷委員
 先ほどの会長のご発言にあったもう少し意識の変化を何とか反映することができないものかということについて、一言申し上げます。将来人口推計は人間の集団の行動をベースにしたビヘイビア・モデルであり、意識の変化を全く参考にしないわけではないのですが、出生や死亡や移動といった客観的な行動をもとに行うのが普通です。主観的な意識、つまり人間の考え方を計量することは大変難しいのです。「子どもさんをいつ、何人産みましたか」「その子が今生きていますか」ということを聞くのは簡単にできるわけですし、「結婚されていますか」、「最初に結婚されたのはいつですか」ということも聞けるわけですが、意識は聞き方によってその答えが非常に大きく変わります。
 ただ、先ほど会長がおっしゃった、家族をめぐる意識が少し伝統的な方向に戻ってきているということについてですが、これは、我が国の伝統的な家族及び結婚に関する意識を支持する、つまり「そう思う」という割合が近年若干増えているのではないかということかと思います。例えば、「出生動向基本調査」という国立社会保障人口問題研究所が5年ごとに実施している全国調査があります。これが我が国の最も基本的な出生力と結婚に関する調査ですけれども、この結果によると、必ずしも結婚や家族をめぐる伝統的な考え方に賛成する割合が増えているわけではなく、質問項目によって傾向が違ってきております。そして、「一般的にどう思う」ということと、「自分がどうしたい、どうするつもりだ」ということは別なように思います。ただ、20〜34歳の未婚の男女に「あなたは結婚したいですか」と聞きますと、「一生結婚するつもりはない」という若い未婚の男女の割合は非常に少ないです。結婚したくない人に、とにかく結婚して子どもを産みなさいと言うことは到底無理ですし、そんなことをしたら逆効果です。ただ、多くの未婚の若者男女は結婚意欲をもっています。そして、彼らに「子ども欲しいですか」「何人欲しいですか」と聞きますと、「1人も欲しくない」と答える割合も少ないのです。
 なお、これからどういうふうになっていくかと考えられるかといいますと、資料3−2の12ページをごらんいただきますと、その下の方に、「コーホート合計特殊出生率、および出生児数分布」が出ております。これは、1995年生まれ、つまり2010年国勢調査実施時点で15歳であった女性のコーホートについての値ですが、この出生コーホートの女性が、今後35年間、つまり彼女たちが50歳になるまで子どもを産んでいくわけですが、そこで「無子」、つまり子どもがいない割合の将来推計値は、死亡・出生中位の仮定によると35.6%です。つまり、3人に1人強ということになります。このように高い無子割合の将来推計値が出された最大の理由は、結婚が減少していることです。生涯未婚率の将来推計値がちょっと上に示されているかと思うのですが、生涯未婚率とは50歳時の未婚者割合のことですが、中位の仮定によると、生涯未婚率は約2割です。我が国では、結婚をしないと子どもを持たないという傾向が強く、1960年以降、婚外出生率は約1〜2%で推移をしています。これは欧米の先進国の状況とは全く違いますが、ほかのアジア諸国では似たような傾向が見られます。結婚によって子どもを産むことが規定されている以上、本人が望むと望まないとにかかわらず、意図するしないにかかわらず、結婚が遅れまた減少を続けているかぎり子どもを持たない女性の割合は上がります。その結果、1995年生まれの女性のおよそ3人に1人の女性が子どもを持たないであろうという推計結果が出ているわけです。むしろ、結婚して子どもをもつ意図や意欲があるのに、それが実現できないのであるならば、その障壁になっているものは何かを考える必要があります。先ほどから、非正規雇用が非常に増えているというお話が出ていますが、若者の就業機会が減っています。なぜ我が国で若者の雇用機会が失われているのかということも含めて、雇用と家族形成の関係について今後検証をしていかなければならないと思います。そして、でき得ることならば、その検討の結果が適切に政策に反映されればと願っております。

〇大森会長
 議論は、社会保障の機能の強化に落ち着く話を含んでいます。
 時間が押してきまして、この後、ざっとですけれども、厚労省の予算関係の御説明が若干ございますので、それをお伺いしましょうか。
 それでは、よろしくお願いします。

〇大臣官房会計課長
 会計課長でございます。24年度の予算案のポイントについて御説明申し上げます。先生方のお手元に、資料4−1から4−3までを用意してございますけれども、4−1でポイントを御説明申し上げます。
 まず、1ページです。24年度の国の一般会計の歳出全体が、左の円グラフにございますように、全体で90兆3,000億余りです。この中で、国債費とか地方交付税交付金を除く一般歳出が51兆2,400億でございまして、そのうち社会保障費が約52%、約26兆4,000億でございます。この割合は、一番下の表にございますけれども、当然、高齢化等に従って年々高くなっておりまして、2000年で35%であったものが、今や過半を占めているという状況です。
 1枚おめくりいただきまして、社会保障関係費を中心といたします厚労省の予算の概要でございます。厚労省の予算は、年金・医療等を中心として、制度的に支出が義務づけられております裁量性のないいわゆる義務的経費がそのほとんどで、約98%を占めております。勢い、この中での最大の課題が、自然に増えていく自然増でございまして。右側の表にございますように、これも経年的にどんどん増えているという状況です。この自然増をいかにして財源を確保していくかが、政府全体の予算上の課題になってきたのは御案内のとおりでございます。
 そうした中で、24年度予算ですけれども、3ページです。全体的には、26兆6,873億、上の(B)の欄です。昨年23年度の予算が約29兆でございましたので、これと比べますと、数字の見かけ上は、一番右にございますように、△7.9%ですけれども、年金の国庫負担割合2分の1を確保するために、年金交付国債と併せて措置を講じておりますので、これを足しますと、当然、対前年を上回ることになります。
 そうしたことなどもございまして、24年度予算は△7.9%で、何か切って減らしたのではないかという誤解があってはいけませんので、4ページですけれども、正確な比較の一助とするために資料をつくってみました。まず、比較のもとになります23年度、今年度の予算です。これは約29兆円、一番左の四角ですけれども、実は、この額は、子どものための手当の額、これは今年度の途中に、民主党・自民党・公明党の3党合意によりまして、額の引下げが行われましたけれども、引下げを行う前の高い水準の予算になっております。したがいまして、実際に実力ベースで予算を比較しようといたしますと、この部分を修正して、真ん中の四角ですけれども、28兆3,767億円をもとに比較するのが正しいやり方だと思っています。
 一方で、24年度ですけれども、右の四角、予算額自体は、一番下の26兆6,800億ですけれども、特殊事情として、先ほど御説明いたしました年金交付国債2兆4,879億円がございます。そのほかに、特別会計で復興特会ができまして、従来であれば、厚労省予算として計上していた1,276億円が特会に移ること。それから、一番上の点線で四角を囲っておりますけれども、子どものための手当について制度改正が行われまして、従来と違って、国と地方の子どものための手当の負担割合を2:1にしようということで、国が2、地方が1持っていただく。勢い地方の負担が増えるものですから、その分、国の負担が減ります。これは国民の皆さんからしますと、国が持とうが、地方が持とうが、水準には変わりはありませんけれども、見かけ上、国の予算が減るということで、こういったものを全部足し合わせまして、真ん中の四角と比較いたしますと、+1兆2,000億でありますので、ここ何年かずっと確保している予算を引き続き確保できているという構造ではないかと思っております。
 5ページは、今御説明したものの中で、厚労省予算の社会保障関係費だけ抜き出したものでございますので、右上の図は、今、御説明した図と構造的には同じと御理解をいただいていいと思います。
 下の各経費別については、ご欄をいただければと思います。
 6ページは特別会計です。特別会計については、厚労省の関係は、労働保険特会と年金特会と、それぞれございます。これもご欄置きを賜ればと思っております。
 最後7ページは、24年度の予算案を組むに当たりまして、夏の段階から大きな課題が3つございました。1つは、基礎年金の国庫負担割合2分の1をいかにして確保していくかということ。それから、24年度以降の子どものための手当をどのように制度設計をしていくのかということ。それから、6年に一度やってまいりますけれども、3報酬の同時改定の年でございまして、この辺りをいかに政策的に決着をしていくか。この大きな3つの課題がございました。
 これらについては、まず、基礎年金の国庫負担割合2分1の確保について、従来、いわゆる埋蔵金でこれに充てておりました。もう埋蔵金がないということで、これを確保いたしませんと、年金財政の安定性が確保できないということでありますが、一方で、これを安易に赤字国債となりますと、国の財政規律、国債の信認といった問題がございます。この2つの要請を満たすものとして、年金交付国債で、消費税が上がった場合に、それを財源として、後で返していただくということで、2分の1を予算上あるいは法律上確保するというような決着が見られたところでございます。
 2点目の子どものための現金給付については、額については、現在の額と同様の額ですけれども、3つ目のマル、所得制限について、一定の基準を超える所得をお持ちの方については、1人につき5,000円を支給するといったようなことで案を提出させていただいております。
 それから、一番下の3報酬同時改定は、診療報酬については、既に報道等で御案内のように、全体改定率が0.004%、いわゆるプラスの改定が維持できたということです。介護報酬と障害の報酬については、従来から基金事業でやっておりました職員の処遇改善分をどうするかも併せて課題でございましたけれども、この処遇改善を報酬の中で飲み込むということで、それぞれ、介護については1.2%、障害については2.0%の改定が行われるということでございます。
 大きな課題は以上ですけれども、このほか、個別の項目については、お手元の資料4−2・4−3にまとめてございますので、また、ご欄置きをいただければと思います。
 簡単でございますが、以上でございます。

〇参事官(社会保障担当)
 続きまして、税制改正についてですが、お手元に、資料4−4、4−5、4−6までが税制改正の関係資料になります。資料4−4の3ページ物をごらんいただきたいと思います。
 まず1つ目、子ども・子育てに関しては、新システム構築のための税制上の措置が認められているところでございます。
 それから、2つ目、医療・介護については、社会保険診療報酬に係る非課税措置の存続、「4段階税制」の問題などについて様々議論されましたが、引き続き検討をするということになってございます。
 それから、次の2ページ目、研究開発税制(増加型・高水準型)については、医薬品・医療機器の試験研究に大変影響が大きい税制でありますけれども、2年間の延長が認められております。
 それから、たばこ税については、将来に向かって税率を引き上げていく必要があると書かれている一方で、今後の税率引上げについては、種々影響を見ながら判断ということになっております。
 それから、配偶者控除については、様々ございましたけれども、引き続き抜本的に見直す方向で検討をするという形で決着をしているところでございます。
 その他、関係資料については、資料4−5に、国際的なたばこ価格、配偶者税制の概要、その他参考をつけてございますので、参考にしていただければと思います。
 税制は、以上でございます。

〇大臣官房参事官(総務担当)
 続きまして、資料5−1に基づきまして、「次期通常国会提出予定法案」について御説明させていただきます。官房総務課参事官でございます。
 まさに今開催されている通常国会提出予定法案ですが、厚生労働省関係で全部で9件ございます。うち4件がいわゆる予算関連法案で、左の欄に※のついているものになります。予算非関連が残り5件でございます。順番に御説明させていただきます。
 まず上からですが、雇用保険法等の改正法案は、リーマンショック以降に実施をしております失業給付あるいは雇用安定事業費の財源に係る暫定措置が、今年の3月末までで切れるということで、これを2年間25年度まで延長するというものでございます。
 続いて、児童手当法の一部を改正する法律案ですが、現行の手当が23年度の特別措置となっておりますけれども、これを24年度以降の恒久的な子どものための金銭給付にするということで、所要の措置を講ずることとしております。手当額については、基本的に現行23年度と同様ですが、新たに所得制限を課しまして、所得制限を超える世帯については、一律5,000円、それから、国と地方の費用負担については2:1にするなどの措置を講じているものでございます。
 3番目は、国民健康保険法の一部改正法案です。国民健康保険の財政基盤を強化するということで、現在、暫定措置になっております財政基盤強化策を恒久化することと、それから、市町村単位の財政運営について、都道府県単位化を推進する、広域化を図るということです。それから、現在、市町村国保の財政調整で都道府県調整交付金がございますが、この割合を7%から9%に引き上げる。逆に、定率の国庫負担については、34%から2%引き下げるといったような所要の措置を講ずるものでございます。
 最後の予算関連法案としては、国民年金法等の一部改正法案ですけれども、先ほど会計課からもお話がございましたように、24年度以降の基礎年金国庫負担割合を2分の1とする。そして、24年度については、国庫は交付国債によりまして、2分の1と36.5%の差額を負担することとしております。また、年金額について、本来水準よりも高くなっている2.5%の特例水準に関して、3年間かけて解消するなどの所要の措置を講ずることとしております。
 ここまでが予算関連法案でございます。
 以下、予算非関連法案ですけれども、一つ目が高齢者の雇用安定法の改正法案です。公的年金の支給開始年齢が65歳まで引き上げられることになっておりますけれども、それに伴い、65歳まで継続して、希望される方々が雇用されるようにということで、現在は、高年齢者に係る基準が労使協定により定められたときには、希望者全員を対象とする継続雇用制度が導入されたと見なす制度となっておりますけれども、この特例的な制度を廃止する。これによりまして、高年齢者の雇用確保を図るというような所要の措置を講ずるものでございます。
 続いて、労働契約法の一部を改正する法律案です。期間の定めのある労働契約については、一定の要件を満たす場合、具体的には、5年を超えて契約が反復更新されたような場合に、労働者の請求により、期間の定めのない労働契約に転換させる仕組みを設けるなどの措置を講ずるものでございます。
 続いて、厚生年金保険法の改正法案ですけれども、現在の年金制度について、低所得者の年金額の加算、受給資格期間の短縮、高所得者の年金額の調整、あるいは、厚生年金と共済年金の一元化、更には、短時間労働者、いわゆるパート労働者に対する適用拡大、これは年金のほかにも、健康保険なども入りますけれども、これらについて所要の措置を講ずるものでございます。
 続いて、医療保険制度の安定的な運営を図るための健康保険法等の一部改正法案ですけれども、高齢者医療制度について、平成22年12月の改革会議のとりまとめなどを踏まえ、所要の見直しを行う。更には、所得水準の高い国保組合に対する国庫補助の見直しを行う等の措置を講ずるものでございます。
 最後に、障害者自立支援法の一部改正法案ですけれども、すべての国民が、障害の有無にかかわらず共生する社会の実現を図るということで、障害者の方の自立した日常生活あるいは社会生活のための支援の充実、そして、障害者の範囲の見直し、それから、地域で生活するためのサービス体系の整備といったものについての所要の措置を講ずるものでございます。
 更には、一体改革の関係では、子ども・子育ての新システムの関係がございますが、こちらは内閣府で提出予定法案として登録されておりますので、こちらでは記載しておりませんけれども、この関係では3本の法律、すなわち、子ども・子育ての支援法案、幼保一体化施設に関する総合こども園法案、それから、関連法を一体的に整備する必要がございますので、整備法案と、3本の法案を予算非関連という形で内閣府から提出することを予定しているということでございます。
 その次のページについては、検討中の法案で、5本記載をさせていただいております。先ほども、菅家委員からコメントがございました、パート労働者の法案でございますけれども、現在、労政審の雇用均等分科会で検討をしているところでございまして、他の法案についても、関係の審議会等で、現在、鋭意、検討作業中であるということでございます。
 以上でございます。

〇大森会長
 ありがとうございました。

〇見城委員
 このような場で申し上げるべきか考えておりましたが、子ども・子育て支援の基本的な部分と言うのでしょうか、スタートもスタート、スタート以前のようなところかもしれませんが、若い年齢で人工中絶をしてしまう、このような状況が変わらずあります。手厚くいろいろ考えて子ども・子育て支援が動き出すと言う事への期待感がありますが、果たしてこの施策の中に、子育て以前の問題が入っているのでしょうか。どのような状況でも子どもを産みなさい、間違いがあった時でも何でも産みなさいと言うのはおかしいですが、子育て支援以前に命が亡くなっていく、それから体を壊していく若い子がいる、エイズのように、自分が気付いた時には健康な子どもを作って普通にやろうと思ったときには遅かったとか、このような問題に対しての支援は盛り込まれているのでしょうか。ここは社会保障の部分として、それから文部科学省とも、教育とも関係するのですが、ぜひきちんと拾い上げて頂きたい、子ども・子育て支援としてしっかりフォローしていただきたいと思います。
ありがとうございます。

〇大森会長
 今のことで、何かありますか。大事な御発言でした。

〇雇用均等・児童家庭局長
 きっちり答えられるということではございませんけれども、おっしゃるとおり、妊娠に関するいろいろな相談体制とか、あるいは、生まれた後の訪問指導とか、こういうものは、虐待という視点もありますけれども、おっしゃるように人工中絶が減少傾向とはいえ年間20万件もあるという中で、大変重要な課題であって、ビジョンの中でも相談体制整備などの施策を進めるようにしてはありますけれども、地道にやっていくべきものだということで進めていると、こんな状況でございます。

〇政策統括官
 1点だけ、今の話に補足します。今回、妊婦健診を、新システムに位置づけます。そういう意味で言うと、出産前に、必ず新制度の中でコンタクトするという体制をとるようにいたしますので、御指摘の点については、妊婦健診の確実な実施を通じて少しは前に進むこともあるかと思っております。
 本来ですと、政務、大臣がごあいさつすべきところでございますが、今日は参議院の本会議、それから、四次補正の関係の国会審議がございまして、大臣参れませんので、私の方から代わりにごあいさつ申し上げます。
 今日は、遅い時間までお集まりいただきまして、熱心に御議論いただきまして、ありがとうございます。
 冒頭、斎藤(勝)委員からあったお話もありますように、社会保障全体について、概括的な、包括的な議論をするのがますます必要になってきていると私ども認識をいたしております。今回の一体改革は、そういった意味では社会保障全般について、同時並行的に改革を行うものでございますので、こういった議論を更に今後詰めていく中で、こういった形で議論を進めていきたい、そういう場を用意したいと思っております。
 それから、最後に法案の御説明をいたしましたが、一体改革の法案は、6日の素案の中では、提出する、あるいは提出を検討するとなっているものも含めて、全体として9本、内閣府の法案も含めて10本ということで、可能な限り、この国会に法案を提出するということで準備をいたしております。まだ、各審議会で議論をしている部分もございますけれども、できるだけ早急にとりまとめて、国会に法案を提出いたしたいと思っているところでございます。
 それから、これは最後、私といいますか、政務からのお願いでございますが、実は、一体改革については、やはり国民にかなりの負担増をお願いする法案であるということもありまして、負担増の部分の議論がどうしても先行いたします。社会保障の改革の中身、各論に多岐にわたるし、言わば様々な改革を同時並行的に行うということで、我々も国民に十分広報ができているという状況にはないということでございます。ただ、一体改革については、大きな改革ですし、国民に御負担をお願いしなければいけないということで、できる限り、いろいろな機会を通じて国民の皆様に御理解をいただけるような広報をきちんとやっていきたい。これは、折に触れて総理からも御指示をいただいているところでございますので、これは政府全体として、厚労省だけではなく、内閣官房、財務省も含めて取り組んでいきたいと思っているところでございますし、できるだけわかりやすく、丁寧な情報発信をということで、昨今もちょっと年金でもめていますけれども、発信をということで、これも繰り返し御審議いただいているところでございます。
 こういった審議会あるいは審議会の委員の皆様方におかれましても、私どもとしてもそういった努力をしていきたいと思っておりますので、様々な機会をとらえて、一体改革について、様々なそれぞれの御専門のお立場から、情報発信あるいは言及をしていただけることがあれば、大変ありがたいと思っております。一体改革については、本日提出しました資料のほかに、様々な形で、様々な方々、国民の各界・各層、それぞれに合った形での広報資料も、現在内閣官房を中心に準備をしておりますので、御用命いただければ、資料の御提示もできると思いますので、是非、その点、よろしくお願いいたしたいと思います。
 ということで、最後、お願いになってしまいましたけれども、本日は、長時間誠にありがとうございました。以上です。

〇大森会長
 では、ありがとうございました。終わりにいたします。


(了)
<照会先>

厚生労働省政策統括官付社会保障担当参事官室

代): 03−5253−1111(7707、7708)
ダ): 03−3595−2159

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