ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医政局が実施する検討会等> 臨床研究・治験活性化に関する検討会> 第6回臨床研究・治験活性化に関する検討会議事録




2012年2月29日 第6回臨床研究・治験活性化に関する検討会 議事録

医政局

○日時

平成24年2月29日(水)10:00~12:00


○場所

厚生労働省 17階 専用第18-20会議室


○議題

(1)臨床研究・治験活性化5カ年計画2012(案)について
(2)その他



○議事

○森下治験推進指導官 それでは、定刻になりましたので、第6回「臨床研究・治験活性化に関する検討会」を始めます。
 本日は、御多忙中のところ、お集まりいただきありがとうございます
 北田構成員、渡邉構成員の2名から事前に御欠席の連絡を受けておりますが、17名の構成員の方々に御出席いただいております。
 「開催要項4.運営」に基づき、構成員の2分の1以上が出席していますので、本検討会が成立しておりますことを御報告いたします。
 なお、本日は大谷医政局長が遅れて出席する予定です。
 次に配付資料につきまして、説明させていただきます。
 議事次第、座席表、資料1「臨床研究・治験活性化5か年計画2012(案)」。
 資料2「平成23年度構成労働科学研究費補助金(医療技術実用化総合研究事業)『東日本大震災が治験等に及ぼした影響の調査と今後の対策に関する研究』アンケート結果 概要」をそれぞれお付けしてします。
 また、別とじの参考資料も随時御参照ください。
 なお、当日資料として、川口構成員より「次期臨床研究・治験活性化計画(仮称)(素案)に対する意見」をいただいております。
 また、構成員のお手元には「臨床研究・治験活性化5か年計画2012(案)」の20ページと23ページの差し替えをお渡ししておりますので、ご覧ください。
 傍聴者のお手元には参考資料の配付はございませんので、あらかじめ御了承ください。
 以上でございます。資料の過不足等がございましたらお知らせいただきますよう、お願いいたします。
 また、御発言の際には、構成員の先生方のお手元のマイクのボタンを押してからの御発言をお願いいたします。
 それでは、写真等の頭撮りはここまでとさせていただきます。
 これからの進行は矢崎座長にお願いいたします。
○矢崎座長 本日は雪の中、足元のお悪いところ、また年度末でお忙しいところ、各構成員の先生方にはお集まりいただきまして、ありがとうございました。
 この会ももう5回議論を重ねて、今日は6回目でございます。本日は皆様の御意見を最終的にお聞きして、新たな5か年計画をどう進めるかという議論をまとめさせていただきたいと思います。
 これまで「次期臨床研究・治験活性化計画」という仮称でまいりましたが、構成員の方々から大変ナウい表題をいただきまして、このように「臨床研究・治験活性化5か年計画2012」という名称に変えさせていただきたいと思います。
 それでは、これまでの議論を踏まえて、これから5か年計画をどう進めたらいいかということで、最終的に先生方からまとめの意見をお聞きできればと思いますので、是非活発な御意見をよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、事務局から5か年計画2012をよろしくお願いいたします。
○森下治験推進指導官 それでは、説明いたします。
 構成員の先生方には事前に御意見もいただきまして、今、矢崎座長から御紹介もありましたが「次期臨床研究・治験活性化計画」の名称を「臨床研究・治験活性化5か年計画2012(案)」とさせていただきました。
 1ページ「1.臨床研究・治験活性化に関するこれまでの経緯と今後の方向性」からご覧いただきたいと思っております。ここでは1月の第5回の検討会のときに提示させていただいた素案からの変更点を中心に御説明させていただきます。
 「1.臨床研究・治験活性化に関するこれまでの経緯」のところは、前回と変わっているところはございません。
 3ページにつきましても、少し「てにをは」の修正を行いたが、内容自体に変更はございません。
 4ページ「2.今後の臨床研究・治験活性化の方向性」の項目の(1)のところは、1月のときには「次期臨床研究・治験活性化計画の検討」でしたが、今回、名称を「臨床研究・治験活性化5か年計画2012」(案)にいたしましたので、その名前を記載しています。それ以降の内容には、大きな変更はございません。
 5ページをご覧いただけますでしょうか。2でも説明いたしますが、これまで「1.9年間の活性化計画を踏まえた更なる飛躍と自立」のところは2つの柱を立てておりました。1つ目が「(1)治験中核病院、拠点医療機関等における、継続的に自立可能な治験実施体制の構築」、2つ目が「(2)現5カ年計画で残った課題の解決に向けた取組み」です。今回、1つ目の「(1)治験中核病院、拠点医療機関等における、継続的に自立可能な治験実施体制の構築」のところは「1.9年間の活性化計画を踏まえた更なる飛躍と自立」の中に含めることとし、治験を活性化するための残された課題解決として(1)~(6)の構成に変えています。
 「2.日本発の革新的な医薬品、医療機器等創出に向けた取組(イノベーション)」は、これまで(1)~(5)の柱を立てておりました。
 1つ目は「(1)臨床研究・治験の実施体制の整備」。
 2つ目は「(2)臨床研究等における倫理性及び質の向上」。
 3点目を今回変更しています。「(3)治験審査委員会の治験の高度化への対応等」という内容を、「(2)臨床研究等における倫理性及び質の向上」のところに組み込むこととしています。
 また、1月のときには「(4)大規模災害が発生した際の迅速な対応」「(5)その他」という柱でしたが、今回は「(3)開発が進みにくい分野への取組の強化等」「(4)大規模災害が発生した際の迅速な対応」という4つの柱といたしました。
 第5回の検討会以降、構成員の先生方には、次期活性化計画の名称について御意見を伺うとともに、臨床研究・治験活性化5か年計画の今後の方向性、目標についても御意見をいただいておりましたが、図のところは、前回と変わっておりません。最終的な目標として「日本の医療水準の向上」と「日本発のイノベーションを世界に発信」することを目指していきたいと思っております。
 「1.臨床研究・治験活性化に関するこれまでの経緯と今後の方向性」につきましては、以上です。
○矢崎座長 どうもありがとうございました。
 ただいまの案の前文について、皆様の御意見をお聞きしながら、修正を加えてまいりましたが、いかがでしょうか。
 どうぞ。
○山本構成員 山本です。
 最後にお話いただきました5ページの下の色のところですけれども「3.市販後の医薬品等の組み合わせにより、最適な治療法等を見出すためのエビデンスの構築を進める」と下の「日本の医療水準の向上」を考えたときに、医療というのは医薬品と医療機器だけではないので、そういう意味で、医療技術全体ということからすれば、例えばがんの分野であれば放射線であるとか手術であるとか、そういうものも当然重要になってくる。国民への啓発といった場合にも、医薬品とか医療機器だけではなくて、医療技術全体を革新していく、よくしていくという観点の方が伝えやすいと思います。その方が重要だと思います。
 それから、臨床試験を行うということを考えたとき、あるいは我々が実際に行っているときに、医薬品とそれ以外、例えば手術や放射線の臨床試験で、重要度はどちらも同じですし、質としてもどちらが高かったり、低かったりということがあってはいけないということですから、やはりそういうニュアンスがもうちょっと伝わるような形で記載があればいいと思っています。
 例えば4ページの「(2)今後の臨床研究・治験活性化の方向性」の最初の行に「新規の医薬品・医療機器、再生医療、遺伝子治療等」と書いてありますけれども、ここにそういう医療技術全般のことを入れるのか、もしくは4ページの一番下の「さらに、開発段階の治験等のみならず、市販後のエビデンスの創出や適応拡大、医療機器の改良のための臨床研究等について」というところに、医療技術全体あるいは手術や放射線等も含めた医療技術全体とか、そういう記述があれば、より包括的な日本の医療水準の向上につながるような、今後の方向性になるのではないかと思います。
 以上です。
○矢崎座長 ありがとうございました。
 ただいまの意見でいかがですか。恐らく山本先生のおっしゃられた方向は、臨床研究のくくりの中で、広くとらえていると思います。何々等ということで、恐らく事務局はそこを含めてニュアンスは入れていると思いますが、もう少し明確に伝えるような文言を加えることができれば、検討していきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 そのほかにいかがですか。どうぞ。
○楠岡構成員 前回から変わった点で、2か所ほど変わった理由をお伺いいたします。1つは4ページの「(1)臨床研究・治験活性化5か年計画2012の検討」の最後のところから2つ上「また、早期・探索的な段階の臨床研究・治験の実施体制の整備、企業主導治験以外の医師主導治験等に対する」となっています。前回は「治験以外の臨床研究」という言葉が明示されていたのですが、今回「等」に含められてしまいました。今回治験から臨床研究へシフトするという姿勢を出している中で、せっかく治験以外の臨床研究という言葉が出ていたのが消えてしまうのは、少し考慮していただけたらいいと思います。
 2番目は、5ページの最後の図でありますけれども、黄色のところの「1.日本国民に医療上必要な最先端の医薬品、医療機器を迅速に届ける」というところですが、前回は「最先端の」というのが入っていなかったんですが、今回「最先端の」と入って、すごく限定された感じがします。最先端ではなくても、医薬品、医療機器を迅速に届けるというのは、ドラッグ・ラグ、デバイス・ラグの問題にも関わるので「最先端の」を入れない方がかえっていいのではないかというのが1つの意見です。
 以上です。
○矢崎座長 いかがですか。
○森下治験推進指導官 ありがとうございました。
 課内でも議論をしてまとめましたが、おっしゃるように、医師指導治験等の「等」の中に臨床研究も含めています。確かにそうですね。医師指導治験だけが前面に出ているところがあるということでしたら、記述は前に戻しまして、治験以外の臨床研究、要は臨床研究全体という表記を望まれている山本構成員の御指摘もありましたので、それを踏まえて、医療技術のところが、もう少しわかるような形で反映させたいと思います。
 2つ目の5ページ目の目標のところですが、イノベーションと併せて、革新的な最先端の医薬品・医療機器の創出という下りがこの前文でも何か所が出てまいりますので、少し加えさせていただいたのですが、これも楠岡構成員の御意見を反映させる方向で、事務局として検討させていただきたいと思います。
○矢崎座長 よろしいですか。
○楠岡構成員 はい。
○矢崎座長 2番目にイノベーションがありますから、ダブる可能性もあるので「最先端」というよりは「最適な」とか、そういう言葉に変えた方がいいかもしれませんね。
○楠岡構成員 現行の5か年計画の残った問題を解決するということも1つの課題に挙がっています。そうしますと、最先端がないものも入っていることになりますので、そこは少し御検討いただきたいと思います。
○矢崎座長 どうぞ。
○森下治験推進指導官 そうしましたら「最先端」の部分は外すということで、ほかの先生方もよろしいでしょうか。
○矢崎座長 イノベーションではなくても、一番いい治療法を提供するという意味では、必要でかつ最適というか、最も適した医療という感じです。せっかくですから、そういう言葉に変えて入れさせていただければと思います。
 どうぞ。
○川口構成員 今日、当日配付させていただきましたけれども、私たちもどうあるべきかということを検討いたしまして、その折に、5ページ目にあります目標、これはこの場では十分議論できなかったんですが、やはり5年後の姿とはどういうものかということをよく議論した上で、構築したかったという思いがございましたので、提出したこの意見についてちょっと参考にしていただいて、今後ワーキンググループもできることでしょうから、そこの中で十分議論していただければ、ありがたいと思います。
○森下治験推進指導官 ありがとうございます。ここは理念というか、方向性を示させていただいていますので、アクションプランをつくりながら、考えさせていただければと思います。
○矢崎座長 どうもありがとうございました。
 確かに5ページは漠とした目標を掲げていますので、前にお話しましたように、これからアクションプラン的なもの、具体的な方向性というか方策をそこで打ち出すときに、このような大変貴重な御意見をいただいて、ありがとうございます。是非これはその方向で生かさせていただきたいと思います。
 どうぞ。
○塩村構成員 ちょっと重複になるかもしれませんけれども、5ページの色付きの3番です。1番、2番については、後の部分でも随分具体的な表現があって、よくできていると思うんですが、3番は余り議論された記憶がないし、今、皆さんがおっしゃったとおり、後々でも結構ですから「エビデンスの構築を、一体どうやって実行すのだ」ということを議論していただければと思います。
○森下治験推進指導官 ありがとうございます。
○矢崎座長 先ほど私は「最適な」と言いましたけれども、3番目のところがエビデンスを創出ということで、これについては、今の御指摘のように、今まで余り議論してこなかったということで、山本先生のお話とも関連すると思いますので、検討させていただきたいと思います。
 そのほかにいかがでしょうか。どうぞ。
○井部構成員 本質的な意見ではなくて恐縮ですけれども、この報告書の2ページはグリーンと黒と白の文字が入り、5ページは赤やらピンクやら、色が余りにも多過ぎてちょっと品がよくないので、色を減らすかあるいは黒の文字でするか、デザインを工夫していただくといいと思います。
○森下治験推進指導官 ありがとうございます。
○矢崎座長 カラーコーディネートがよくないということです。ありがとうございます。
 そのほかにいかがですか。よろしいでしょうか。
 それでは、次の課題に移りたいと思います。6ページからよろしくお願いします。
○森下治験推進指導官 6ページの「2.臨床研究・治験活性化5か年計画2012」をご覧ください。
 文章は変わっておりませんが、一番最初の記載部分を、この文章全体の前提として改めて読ませていただきます。「国や国以外の関係者は互いに連携しながら、以下の取組について具体的な数値目標を定め実施していく。
 なお、本計画では、今後2~3年以内に達成すべき事項を『短期的に目指すこと』、今後5年以内に達成、又は検討に着手すべき事項を『中・長期的に目指すことと』とした」としております。
 2のところは長いですので、まず1のところを御説明させていただきます。「1.9年間の活性化計画を踏まえた更なる飛躍と自立」のところです。これは先ほど前文のところでもお話いたしましたが、前回は「(1)治験中核病院、拠点医療機関等における、継続的に自立可能な治験実施体制の構築」「(2)現5カ年計画で残った課題の解決に向けた取組み」と分けておりましたが、そこはなくして「1.9年間の活性化計画を踏まえた更なる飛躍と自立」の中に○で3点お示ししております。これは前回(1)のところに残っていた文章でございます。
 ここでの変更点としましては、3つ目の○のところでございますが「○ 以下の(1)~(6)に積極的に取り組むことにより、より良い治験環境・治験実施体制を構築し、特に国際共同治験を実施できる体制整備を進める」ということを追記しております。
 次に「(1)症例集積性の向上(主に企業主導治験)」ですが、7ページをご覧ください。
 1つ目「○ 治験ネットワークは、治験ネットワーク参加医療機関が共同で臨床研究・治験を実施するのみならず、共同IRB等や患者紹介システムの構築等により、治験の効率化、症例集積性、IRBの質の向上を図るように努める。また、治験ネットワークは、各医療機関間の情報共有を図るとともに、各医療機関において教育を行う」という部分の前回からの変更点として、「IRBの質の向上を図る」という文言を入れております。「また、治験ネットワークは、各医療機関間の情報共有を図る」を追記させていただいております。
 次の○も内容を少し加えました。「○ 治験依頼者や治験ネットワーク事務局は、治験ネットワーク内で医師に治験を実施するインセンティブを持たせる工夫について検討を行う。(例えば、治験依頼者は学会発表、論文掲載等の機会を与える、治験ネットワーク事務局は参加医療機関に働きかけて、医師等にインセンティブを持たせる方法等について検討する。また、治験に協力する開業医へのインセンティブについても検討を行う。)」としております。前回は治験依頼者とネットワーク事務局がインセンティブを持たせる工夫の中で「治験実施に際し貢献度の高い医師に企業等の委託研究費の重点配分等を行う」と書いていましたが、現状ではまだ難しいのではないかという議論に至りまして、ここの部分を削除し、代わって、論文や学会発表の機会を与える、ネットワーク事務局が参加医療機関に働きかけて、医師にインセンティブを持たせる工夫を行うと書きぶりに変えております。
 以上のところは「短期的に目指すこと」の項目でございます。
 8ページをめくっていただきまして「中・長期的に目指すこと」の中の1つ目「疾患に応じた治験ネットワークの構築」です。
 1つ目の○のところですが、1月の検討会では「○ 治験ネットワークについては、対象疾患の特性に応じて疾患別ネットワークと地域ネットワークを使い分け、疾患レジストリー注3等を活用した十分な症例集積性を示せるように取り組む」としていましたが、今回は「○ 治験ネットワークについては、対象疾患の特性に応じて疾患別ネットワークと地域ネットワークを使い分け、疾患レジストリー等を活用した十分な症例集積に取り組む」という表現に変えております。
 2つ目の「○ 希少・難治性疾患のレジストリー構築」というところは、前回「○ 希少疾患のレジストリー構築」と書いておりましたが「難治性疾患」を加えております。
 9ページを見ていただけますでしょうか。「(2)治験手続の効率化(主に企業主導治験)」の「短期的に目指すこと」の目標ですけれども、ここのところでは「共同IRBの活用」とございます。上から2つ目の○になりますけれども、前回は「○ 地域・疾患別ネットワークを問わず、治験ネットワークに参加している医療機関は、効率化の観点から積極的に共同IRB等を活用し」としておりましたが、今回は「○ 地域・疾患別ネットワークを問わず、治験ネットワークに参加している医療機関は、審査の効率化及び質の向上の観点から」に、文言を変更しております。
 「共同IRB等の活用」の下に「医師主導治験の運用の改善」という項目がありますが、新たに「(2)治験手続の効率化(主に企業主導治験)」のところに加えさせていただきました。「○ 医師主導治験において、多施設共同治験の場合に、治験調整医師を活用して、治験の届出や副作用等の報告・施設間の情報共有を効率的に進めるとともに、更なる運用改善を検討する」と追記しております。
 「(3)医師等の人材育成及び確保(企業主導治験、医師主導治験、臨床研究に共通)」のところでございます。
 「短期的に目指すこと」の1つ目「臨床研究・治験に関する教育、研修」のところです。10ページをご覧ください。10ページ目の1つ目の○ですが、1月のときには「○ 初級者CRCの養成について、どの団体が実施しても質が適切に保たれるよう、標準的なカリキュラムの策定を行い、研修内容の標準化を図る」としておりました。今回は「初級者CRC、上級者CRCについて、どのような人材が求められているのかを明確化した上で、特に初級者CRCの養成においては、どの団体が実施しても質が適切に保たれるよう、標準的なカリキュラムの整備を行い、研修内容の標準化を図る」に変更しております。
 「中・長期的に目指すこと」の部分ですが、内容は特に大きく変わっておりませんが、幾つか追記と文言の並びを変えております。
 2つ目の○のところは「○ また、医師主導の多施設共同治験において重要な役割を担う治験調整医師の育成や、国際社会において我が国が臨床試験・治験をリードしていくために必要な研究者を育成する方策について検討する」とございます。前回は、国際社会において、我が国が臨床研究・治験をリードしていくための研究者の育成のところだけ書いていましたが、今回は調整医師の育成の必要性を追記しております。
 次の○ですが「○ 国や関係学会は、臨床研究・治験の質を高められるような研究者を育成するために、例えば日本医学会等において臨床試験・治験に関する認定医制度等の導入を検討する」と変えております。前回は「臨床研究の専門医・認定医制度の導入を検討する」と書いていましたが、研究者の育成で、専門医という言葉の意味合いは少し違うのではないかと構成員の先生方からも御意見をいただきまして、認定医制度の導入としました。
 文言の変更はまた幾つかあります。その次の「○ 臨床研究・治験に関する情報を臨床医(特に開業医)に発信する機会を持てるような仕組みを作る。例えば、関係学会に、年次学術集会の開催に合わせて臨床研究・治験に関する教育、研修等の実施を働きかける」。内容は変わっておりません。少し文章を整理しました。
 「臨床研究・治験に携わる医療関係職種の育成」の2つ目の○になります。1月の検討会では「○ 特に、臨床研究・治験を実施する医療機関においては、『2.1.(2)[3]『医師等の人材育成および確保』(臨床研究・治験に関する教育、研修)』に記載されている研修への積極的な参加を促すことを含め、医療人として基本的な臨床研究・治験の知識を持つことができる教育を継続的に実施する」としておりましたのを、今回はもう少し踏み込んで「○ 医療機関は、医療人として基本的な臨床研究・治験の知識を持ち、自らが臨床研究を実施する場合のみならず、被験者の人権や安全を守る役割を担える人材の育成に努める。特に、臨床研究・治験を実施する医療機関においては、『2.1.(3)『医師等の人材育成及び確保』』に記載されている研修への積極的な参加を促すことを含め、各職種の専門性に応じた人材育成のための教育・研修内容を検討し、継続的に実施し、適切に見直す」と記載しました。
 11ページ目。「臨床研究・治験に携わる人材の確保」では「○ 各医療機関は、臨床研究・治験の実施に必要な医師や研究を支援する人材の安定雇用と適正な配置、キャリアアップの取組みを積極的に行う。また、臨床研究・治験を支援する部門では、薬剤、看護等の部門や、事務部門等との連携を密にして、人事交流が積極的に図れるように取り組むことや、研究者の業績評価においては、基礎研究のみならず臨床研究・治験にかける研究者・専門職としての評価を行える制度を確立する等により、臨床研究・治験に関する人事考課の一層の推進等に取り組む」の部分は前回と同様です。
 「(4)国民・患者への普及啓発(企業主導治験、医師主導治験、臨床研究に共通)」のところは、1つ目の○のところで3点挙げています。「○ 臨床研究・治験の意義に関する普及啓発については、国民・患者の視点からよりわかりやすい内容とし積極的に取り組む。また、治験依頼者、医療機関側と国民・患者側との双方向の対話を推進する。例えば、国も含めた関係者が相互に協力して以下の取組を行うことが考えられる」また、例示も挙げています。
 1月のときには「製薬企業と患者会との意見交換の場を設ける」と書いていましたが、今回は「製薬団体、医療機器団体等は患者会との意見交換の場を設けることなどにより、患者の臨床研究・治験に関する理解が進むように努める。その際は利益相反等に配慮する」としております。
 2点目につきましても、前回は「患者会のウェブサイトを活用して、治験の情報を企業とも連携を図りながら提供する」と記載しておりましたが、今回は「臨床研究・治験の意義に関する普及啓発については、厚生労働省の治験に関するウェブサイトを充実させるとともに、患者会のウェブサイトにおいても本サイトが活用されるよう検討する」に変更しております。
 そのほかは変更がございません。
 「実施中の臨床研究・治験に関する情報提供」のところも前回から文書を少し変えております。内容は変わっておりません。「○ 臨床研究・治験の情報提供については、国立保健医療科学院の『臨床研究(試験)情報検索ポータルサイト』で実施しているが、さらに、国民・患者が求めている情報を調査し、我が国からのイノベーション発信の観点も踏まえて、利用しやすいものとする」。ここの部分を追記しております。「また、厚生労働省の『治験ウェブサイト』や医療機関や患者会等のウェブサイトを通じて、本ポータルサイトが広く周知されるように取り組む」と記載しております。
 「中・長期的に目指すこと」は、1つ目の○の後半部分を追記しました。「○ 我が国における治験の実施状況を明らかにするために、治験の届出の情報やGCPの遵守状況に関する情報等を一定のルールを定めて公開することを検討する。治験の状況に関する情報は、希少・難治性疾患、小児領域等において特に求められているが、他方、公開に当たっては企業の開発戦略や知的財産権等にも配慮する」。
 「(5)コストの適正化(主に企業主導治験)」の1つ目の○ですが、前回は「○ 治験依頼者、実施医療機関は、治験依頼者からの治験費用の支払い方法について、前納返還なしの支払い方式をやめて『治験等の効率化に関する報告書』にある出来高払い方式を採用する」としておりましたが、今回は「○ 治験依頼者、医療機関は、治験依頼者からの治験費用の支払い方法について、前納返還なしの支払い方式ではなく、『治験等の効率化に関する報告書』にある出来高払い方式を採用する」としております。
 以降の変更は特にございません。
 「(6)IT技術の更なる活用等(企業主導治験、医師主導治験、臨床研究に共通)」でございます。13ページをご覧ください。「短期的に目指すこと」では、1月のときには「○ 治験業務の効率化・迅速化を目的として、IT技術を更に活用するために以下の項目を推進する」としておりましたが「○ 治験業務の効率化・迅速化を推進することにより、高品質なデータを作ることを目的として、以下の項目を推進する」としております。その下の項目の3点につきましては、前回と変更はございません。
 「中・長期的に目指すこと」の1月からの追記部分は○の3つ目と4つ目です。
 3つ目は「○ 治験依頼者、医療機関は、費用対効果を勘案しながらクラウドコンピューティングの活用等について検討する」。
 4つ目は「○ 一定のルールを設けた上で、産業界も活用できる医療情報データベースのあり方について検討する」というところです。
 長い説明になり恐縮ですが、1のところは以上です。
○矢崎座長 どうもありがとうございました。
 具体的な内容をここでまとめさせていただきましたが、構成員の皆様からいろいろ御意見があって、このように事務局で訂正させていただいたところでございますが、何か御意見ございますでしょうか。
 どうぞ。
○楠岡構成員 3点ほどですが、まず10ページの最後の「臨床研究・治験に携わる医療関係職種の育成」の2つ目の○ですが「○ 医療機関は、医療人として基本的な臨床研究・治験の知識を持ち、自らが臨床研究を実施する場合のみならず、被験者の人権や安全を守る役割を担える人材の育成に努める」という文章です。何を意味しているのかわからないというか、医療機関は人材の育成に努めるということが目的で、その中でどういう人材かということを記載しているのだと思うんですが、文章が整理されていないような感じがいたします。例えば「○ 医療機関は、基本的な臨床研究・治験の知識を持ち、自らが臨床研究を実施し、被験者の人権や安全を守る役割を担える医療人の育成に努める」という意味かと思うのですが、少し文章を検討していただければと思います。
 2点目は、11ページの(4)の「短期的に目指すこと」の「臨床研究・治験の意義に関する普及啓発」の最初の○の最後のポツで「患者を対象としたフォーラム、市民講座等を開催する」です。これは前回見落としていたのですが、フォーラム、市民講座の対象は必ずしも患者だけではなくて、国民全体に働きかけないと、なかなか意義が浸透しない。患者さんはその気になっても、家族とか周りの人がやめておけということで、治験をやめられる方も実際にいらっしゃいますので、ここの対象は患者だけではなくて、国民のように、もう少し広げていただいた方がいいのではないかと思います。
 最後は13ページで、ITに関して「中・長期的に目指すこと」で追加されました最後の4番目に「○ 一定のルールを設けた上で、産業界も活用できる医療情報データベースのあり方について検討する」とあるんですが、産業界も活用できる医療情報データベースとは一体何のことか。具体的なことがもうちょっとないと、医療情報データベースというとすごく広い情報になってしまうと思います。しかも、産業界となると、必ずしも製薬ばかりの話ではなくなってきますので、ここはもう少し具体化しておかないと、何を検討していいのかわからないということになるのではないかと思います。
 この3点だけコメントさせていただきたいと思います。
○矢崎座長 ありがとうございました。
 1番目の御意見も楠岡先生がおっしゃるとおりで、そのように訂正させていただきたいと思います。
 2番目の御指摘もおっしゃるとおりで、患者だけではございませんので、市民といいますか、一般国民を対象としてという意味がわかるような文言に変えさせていただきます。
 最後のことはどうですか。事務局いかがですか。
○森下治験推進指導官 産業界も活用できる医療情報データベースというのは、どこの施設にどのような疾患を有している患者さんがいるか等のデータベースと事務局は考えているのですが、これにつきましては、赤堀構成員や川口構成員から、他にもし具体的に御意見をいただけたらありがたいです。
○矢崎座長 いかがでしょうか。
○川口構成員 今、厚生労働省でも医療情報データベースの構築を進めています。構築しても、それが医療機関ばかりだけではなくて、企業でも使えるようなデータベースにしてほしいという気持ちで、大規模医療情報データベースといったものを進めておられますので、その内容をお書きになれば、もうちょっと明確になるのではないでしょうか。
 先生、いかがですか。
○楠岡構成員 確かに今つくっておられる大規模医療情報データベースは、副作用の検出を目的にしてつくっているわけですけれども、その中に入ってくる情報には、企業あるいは企業ならずとも、臨床研究を新たに進める、いわゆる疾患レジストリーよりももっと広い情報が入っていると思いますので、そういうものが念頭にあって、それを例示するということがあれば、もうちょっと具体化するのではないかと思います。
○矢崎座長 いかがですか。
○赤堀構成員 医療機器の方からいいますと、この辺のところまで進んでいませんので、多分状況を見ながらということになると思うんですけれども、先生がおっしゃったようなところも、将来的には当然我々の方でも必要になってくる情報となりますので、その辺が明確になるような形で書いていただければよろしいかと思います。
○矢崎座長 例えば「産業界も含めて広く活用できる医療情報データベースの在り方を検討する」ということで、よろしいでしょうか。これからの問題ですからね。
 どうぞ。
○楠岡構成員 1つの例としては、今、川口構成員がおっしゃった、厚生労働省で進めている大規模医療情報データベースのようなものが想定されるかと思うので、もしあれば、今のようなものを加えた方がイメージは明確化かもしれないと思います。
○矢崎座長 それでは、今のお話を例示でお願いします。ただ、余り詳しく書いていきますと、膨大なものになってしまいますので、具体的なところはアクションプランをつくっていただいて、その中で例示を示していきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。
 そのほかにいかがでしょうか。どうぞ。
○中西構成員 今の件についてですけれども、特にがんの領域辺りでは、新しいバイオマーカーがどんどん見つかり始めています。ところが、新しい非常にいいバイオマーカーは頻度が少ないこともあって、新しい薬で効果が期待できる患者さん方をどうやって見つけ出して、どうやって実際の臨床研究や治験にもっていくかというのは、今、悩ましいところなんです。5カ年計画の中にそこまで書き込むのは簡単ではないと思いますけれども、例えばバイオバンクをどうするかとか、あるいは患者さんのゲノム情報をどうやって臨床研究・治験に生かすかということは大きな議論になっていると思っておりますし、私自身は医療情報データベースに関する記載はそれも含んでいるのではないかと思って、非常に期待して見たところでございます。内容を余り限定せずに、そういった議論にもつながるような文面であれば、ありがたいと思っております。
 あと、2点よろしゅうございますでしょうか。
 今日御指摘のことなんですが、1つは11ページの一番上の「臨床研究・治験に携わる人材の確保」のところで、医療機関がキャリアアップの取組みを積極的に行うと書いてあるんですが、現在、すべての医療機関はキャリアアップのためにどうにかしたいという枠組みを考えながら、うまくいっていないのが現状です。と申しますのも、特に定員枠が非常に厳しい状況になっておりまして、どうしてもそれができない。これは是非とも「国としても」という言葉が入って、つまり定員化するべきだという形の強いメッセージを出していただければ、医療機関サイドとしても弾みがつくのではないかと思います。
 もう一つは、12ページの「(5)コストの適正化(主に企業主導治験)」のところで、出来高払いのことを書いてございますけれども、これも製薬企業の方がおっしゃるとおりで、治験依頼者はこれについて一切権限がございませんので、あくまでも医療機関側が内部努力でするところだと思います。のここは「医療機関は」でいいのではないかと思います。
 また、出来高払いを実際にどういうふうに運用していくかについても、医療機関同士で非常に議論が錯綜しておりまして、ひな形みたいなものが次のステップでできれば、医療機関としては、むしろその方が早く適用できるのではないかという気がしております。
 以上です。
○矢崎座長 どうもありがとうございました。非常に貴重な意見をいただきまして、是非そのように組み込んでいきたいと思います。
 最初の御意見で、13ページの最後のところは、医療情報データベースだけではなくて、先生のバイオバンクみたいなものを整備して、治験の基盤を整えるということですね。
○中西構成員 そのとおりです。しかも、バイオバンクというのは、例えばこういうところに箱をつくる、バイオバンクを設置するということではなくて、倫理的な問題を含めて、いわゆる指針あるいは規制で整備が進まない状況があります。ですから、バイオバンクをつくって、それを活用しましょうというよりも、バイオバンクをつくるための一定の基準あるいは倫理的な課題についての一定の水準を定めていただくことが一番重要なことで、それさえあれば、医療機関も企業も安心してバイオバンクの適正な活用ができるのではないかと思います。是非そういう基準を決めるという方向で、話が進めばと思っております。
○矢崎座長 ありがとうございます。
 大変重要な御指摘でございますが、そこまでこの中に入れると大変なので、申し訳ありませんが、アクションプランでそういう具体的な方策について検討するということで、やはり皆が活用できるバイオバンクの在り方ということで、ここはまとめさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 どうぞ。
○本田構成員 言わずもがなの質問というか、確認を2点させていただきたいと思います。
 私がこの分野のところの議論の際に参加できていなかったからだと思うんですけれども、10ページの「中・長期的に目指すこと」の「臨床研究・治験に精通する医師の育成」と「臨床研究・治験に携わる医療関係職種の連携」のところで、一番上の「医学教育の中」もしくは「薬学・看護学教育等において」というところなんですけれども、これは医学部の医師を養成する教育とか、看護師とか薬剤師さんを養成する学校での教育の中という意味合い、理解でよろしいんですかということを確認したかったんです。というのは、いろんな段階で実践的に病院に入られて、そこから実践的に活躍できる方の教育というのは必要なんですけれども、そもそも治験とか臨床研究に携わっていない、普段患者が接している医療者の方がそういう知識をちゃんと持っているというのは、とても大切ではないかと思います。そういう意味では、医学部教育とか看護師、薬剤師さんの教育、薬学部教育などの中でもきっちりそういう教育をしていくという視点を、ここで担保しているんだとすれば、それで私は結構なんですけれども、そういうふうに読んでいいのかというのが1つです。
 もう一つは、11ページの一番下の「実施中の臨床研究・治験に関する情報提供」の国民への情報提供の部分ですけれども、ここは議論に参加して発言もさせていただいたと思いますが、国立保健医療科学院の検索ポータルサイトは、患者、国民にはとてもわかりにくい、使いにくいというお話を受けて書いていただいたところだと思います。これも言わずもがなかもしれませんけれども「国民・患者が求めている情報を調査し」とありますけれども、何がほしいのかもわからない患者さん、国民は多いと思います。臨床試験とか治験などがわからないわけですから、どういう情報があったらいいのかもわからない中で「調査し」というところは、単に患者団体とか一般の患者さんに意見を聞くだけで、それで調査したとされてしまうと、本当に必要なものを担保できない、今後必要になっていくものを担保できないので、そこら辺は「調査、検討し」ぐらいにして、きっちりアクションプランで検討いただきたいという意見です。
○森下治験推進指導官 ありがとうございます。
 今、本田構成員から御質問のあった10ページの「臨床研究・治験に携わる医療関係職種の育成」のところですが、文部科学省と共同で計画を策定させていただいておりまして、その中の協議で了解しておりますのでよろしいかと思います。
○矢崎座長 治験あるいは臨床研究に関する教育研修については、9ページから述べていまして、下のところは、やはり医学教育とか基礎教育で、すべての医師にそれを教育していただくということで、これは文科省の方々によろしくお願いしたいと思います。
○玉上大学病院支援室長(文部科学省) 文科省でございますけれども、1回目のときに御説明いたしましたが、昨年3月につくりましたモデルコアカリキュラムの中でも研究マインドの涵養でございますとか、臨床実習の系統的・体系的な充実も加えておりますので、当然こういう方向のことを記載させていただいておるということでございます。
○矢崎座長 教育だけではなくて、例えば実習といいますか、本当にやっている現場を学生のときから見ていただくことも必要だと思いますが、そこも含めてのお話だと思いますので、よろしくお願いいたします。
 どうぞ。
○小原構成員 10ページの今のお話にあった看護学とか教育に関することなんですが、できればもう少し踏み込んで書いていただけないかと思っております。といいますのは、今も看護学ですと、臨床薬理学の科目の中で、治験や臨床研究の概要については触れられることが多くなってきているんですが、看護学生が実際に自分の役割のところまで結び付けて、被験者の倫理性の確保ですとか、現実的な自分の役割まで学べているかというと、そこまでのカリキュラムには現在なっておりませんし、ましてや実習ということになりますと、私の知っている範囲で、それに関してきちっとした実習が位置づけられているのは、大学の中で1校だけです。ですので、ここはもう少し現実的な役割、例えば看護学なら看護学の中で学生がしっかり学べるように、もう少し踏み込んだ記載をお願いしたいと思います。
○矢崎座長 ありがとうございます。
 これは医学教育と看護教育共通のものですので、細かいカリキュラムのことについては、アクションプランに是非組み込んでいただきたいと思います。実際、教育は座学と実習がありますので、実習についても充実するようにということで、そういう文言を加えて、まとめさせていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 どうぞ。
○山本構成員 先ほどの医療情報データベースのところですけれども「産業界も活用できる」という表現は、してもよいという許可の意味と、したいと思う、利用価値があるという2つの意味があります。それが混在しているので、わかりにくいと思います。産業界の人たちも使っていいという話と、臨床研究や治験に資するという、先ほど中西先生がおっしゃったような、その2つがわかるような文言にすればいいのではないかと思いました。
 1点、11ページの「臨床研究・治験の意義に関する普及啓発」の1つの目のポツ「製薬団体、医療機器団体等は」というところですが、当然医療関係者というか、医学系の学会も患者会との意見交換の場を設けるべきだと思いますので、むしろここに書かれた団体がメインであるわけでもないというか、そういうメッセージが伝わるのもよろしくないと思いますので、ここに「医療関係者あるいは医学関係学会は」という文言が入った方がいいと思います。「等」ではなくて、そこまで書いてしまった方がいいと思います。
 以上です。
○矢崎座長 どうもありがとうございました。
 その文言を加えさせていただくということで、先ほど産業界ということだったんですけれども、広く活用できるか、されるか、そういう文言にまとめさせていただきたいと思います。
 そのほかにいかがですか。どうぞ。
○景山構成員 2~3つお聞きしたいのですけれども、7ページですが、治験依頼者が医師に治験を実施するインセンティブを持たせるというところで、依頼者は学会発表、論文掲載等の機会を与えるということで、大変よいことだと思いますが、実態はむしろ逆行しているのではないかいと思います。と申しますのは、10年前までは承認申請の段階で治験の成績は論文化することを求められていましたが、その制度は10年ほど前に廃止されて、以後メーカーは論文化することに余り熱心ではありません。ですから、また制度を改めていただくよう、検討していただければと思います。
 それから、9ページの共同IRBですけれども、これについては議論がされて久しいと思いますが、例えば平成17年から19年、厚生労働省が設置した治験のあり方に関する検討会でも相当議論されて、実施施設ごとに1の治験審査委員会を設置するという条項は削除されたわけです。それ以来、それなりに共同IRBというのは進んでいると思いますが、具体的にゴールはどの辺と見ておられて、まだ実態は不満足なのか、それとも相当程度に進んでいると認識しておられるのか、その辺を確認させていただきたいです。
 以上です。
○矢崎座長 それはいかがでしょうか。事務局の感じではどうですか。
○森下治験推進指導官 共同IRBは、まだ積極的に活用できていないと認識しておりまして、治験の効率化の観点と、臨床研究あるいは治験の質向上の両方の観点から、活用がないならどこが問題点なのかや、推進していくためにはどうしていけば良いかという点について、「治験等の効率化に関する報告書」でも問題提起されていますが、引き続き検討課題だと考えています。
○矢崎座長 よろしいでしょうか。
 これから我が国の治験を活性化するには、治験のネットワークはエッセンシャルだと思いますが、そのときにもうちょっと共同IRBの普及といいますか、設立が今後課題になってくると思いますけれども、まだ一般的に設置されている状況ではないように思います。
○楠岡構成員 共同IRBに関しては、SMOが関わっているような診療所レベルでの治験に関しては、各診療所ごとではとてもIRBを持てませんので、これはどちらかいうと、ほとんど共同IRBで行われている現実があると思います。むしろ進んでいないのは、かなり大きな病院でないとできないような複雑な治験に関しては、各病院ごとで既にIRBを持っているので、そこでの審査になってしまって、ある意味効率が悪いところが出てくるということは現実にあります。そういうところは、むしろ共同IRBを進めていくべきで、全く進んでいないという現状ではないと思います。
○矢崎座長 ありがとうございます。
 どうぞ。
○中西構成員 共同IRBを設置した者として、依頼者側からの依頼があればどんどん動くということで、製薬業界でもそういうものを設置しているところに、ここに治験を持っていくのはどうかということをお考えいただければ、そこからIRBの設置も進むと思いますし、質も向上すると思っております。
○矢崎座長 どうもありがとうございました。
 どうぞ。
○赤堀構成員 共同IRBに関しては、医療機器関係が特に注目しておりまして、医療機器関係は各施設で専属のIRBを持った場合、多分実施する医療機器の種類に応じて、かなりの審査員を確保しなければいけないところがありますので、そうであれば、逆にどんな機器がきてもIRBに審議をお願いすればできるというシステムの方が効率的だと思いますので、医療機器業界としては、この辺の活性化をもう一度検討したいと考えております。
○矢崎座長 ありがとうございました。
 どうぞ。
○塩村構成員 先ほど景山先生が御指摘の論文化の件なんですけれども、論文掲載を申請の条件にされると、いわゆる低俗な論文になってしまうんです。いわゆる商業誌に出さないと時間的に間に合わないんです。やはり一流誌になると審査期間が長いので、もしもなさるのであれば、審査が終わった後で、英文誌のピアレビューの付いたところに出しなさいとしていただきたいと思います。
○景山構成員 私も先生の意見に賛成ですが、せめてピボタルスタディぐらいは、しかるべき英文誌にパブリッシュすることを義務づけていただけたらと思います。
○川口構成員 その関連ですけれども、先般もお話しましたように、今、情報公開という観点でちゃんと実施しましょうという話にはなっています。しかも、ピアレビュー誌に出しましょうということになっていますので、今後はそういう形になっていくんだろうと思います。
 先生、何点かお話してもよろしいでしょうか。
○矢崎座長 どうぞ。
○川口構成員 気になっていますのは、6ページの一番最初のところに、今後2~3年以内に短期的に目指すこと、5年以内に中・長期的に目指すことがございますが、ここの辺はまだ十分に議論が尽くせていないような気がするんです。ここは短期でお願いしたいという内容も幾つかあるかと思います。先ほどからお話が出ましたように、アクションプラン策定に向けたワーキンググループができる中で、もうちょっとここを議論していただきたい。要するにここで中・長期、短期というものをリジットに考えられては困る。話し合いの中で、もうちょっとフレキシビリティをもって、御検討いただければというのが希望でございます。
 あと何点かお話させていただきたいんですけれども、先ほど景山先生からインセンティブの話が出ましたが、7ページの治験ネットワーク内でというところでは、治験依頼者がインセンティブを持たせる工夫をつくる必要はないのではないかと思っていて「治験依頼者」というのは要らないのではないかと思います。ちょっと細かいことです。
 それから、10ページ目です。これは御意見をいただきたいんですけれども、10ページ目の「臨床研究・治験に精通する医師の育成」の3つ目の○です。「臨床研究・治験に関する認定医制度の導入を検討する」というのがたとえとして出ていますが、ここで治験と言っているのは、医師主導治験という意味なのか。どういう認定制度を考えているかわかりませんが、企業にとっては実施する治験の自由度が失われてしまうのではないか。私たちは治験のできるところにお願いしたいということでございますので、とかく認定制度と言ってしまうんですが、もしかすると、この治験は医師主導治験のことを意味しているという感じがしたので、意見です申し上げました。
 12ページ目の情報提供の話で「中・長期的に目指すこと」の中の1つ目の○ですが、治験の届出というのが出ているんですが、いつもこれが気になります。治験の届出というのは趣旨目的が違うんですので、。だから、治験の届出というよりも、情報提供の在り方や何々を公開することを検討するという表現の方がいいのではないかと思います。治験の届出と言ってしまうところが気になります。
 「(5)コストの適正化(主に企業主導治験)」の「短期的に目指すこと」の中に、先ほど前納返還なしとありましたけれども、これは中西先生と同じ意見でございまして、治験依頼者は要らないでしょうということと、その次の○にある保険外併用療養費制度の適用範囲も含めて、コストの適正化については、ワーキンググループの中でもう一度議論していただければありがたいと思っております。
 細かい話なんですが、13ページ目の「(6)IT技術の更なる活用等(企業主導治験、医師主導治験、臨床研究に共通)」の「短期的に目指すこと」の1つ目の○の3つ目のポツですが、ここにサンプリングSVDと入っているんですが、これはIT技術の話ではなくて、効率化の話なので、ここに書くのは変だと思います。御確認いただければと思います。
 もう一点、その下の「中・長期的に目指すこと」の2つ目の○のSS-MIX、CDISCの話ですが、14ページに注8と注9があります。この表現は正確性を欠いているのではないかということで、SS-MIXの方は、どちらかというと、記録方式というよりも仕組みなので「標準形式のデータ交換を可能にする仕組み」としていただきたいと思います。
 CDISCの方も単なる標準フォーマットというよりも、臨床データの記録交換の形式を定めたデータ標準、CDISC標準です。CDISCというのは、この作成、管理、普及を行っているコンソーシアムのことなんです。この辺の注釈に関しては、ちょっと御検討いただければと思います。
 細々としたことまで言いましたが、以上でございます。
○矢崎座長 ありがとうございます。
 一番気になったのは、12ページの「中・長期的に目指すこと」の1つ目の○の治験の届出の情報とおっしゃられたのは、これは何も届出ではなくて、行われている治験の情報という意味だと思います。
○川口構成員 その方がいいと思います。
○矢崎座長 ちょっと言葉が問題ですね。
○川口構成員 届出と書いてあるから、治験届出だと思ってもらっては困るということです。
○矢崎座長 わかりました。
 そのほかは、今の御指摘のとおりに修正をさせていただきたいと思います。事務局、よろしくお願いします。
 そのほかにいかがですか。どうぞ。
○中川構成員 細かいことで恐縮ですが、12ページの(5)に「保険外併用療養費制度の適用範囲」という表現がありますけれども、こういう制度はないです。「保険外併用療養費の適用範囲」です。役所の紙ですから、そういうふうに直さないとね。ほかのところにも「制度」と付いていますけれども、これは気をつけた方がいいと思います。
○森下治験推進指導官 ありがとうございます。
○矢崎座長 そうですね。
 そのほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 大分多くの御指摘をいただきまして、それに沿ってまた修正を進めていきたいと思います。
 それでは、14ページ以降、よろしくお願いします。
○森下治験推進指導官 14ページ以降は、簡単に御紹介させていただきます。
 14ページ「2.日本発の革新的な医薬品、医療機器等創出に向けた取組(イノベーション)」です。
 「(1)臨床研究・治験等の実施体制の整備」で、前文の3行は前回と変わりませんが「なお、臨床研究・治験等の活性化については、医療機関の体制整備のみでなく」以下を今回に新たに追記しました。これは渡邉構成員からの御意見を踏まえまして、実施医療機関だけではなく、企業も活性化の大切な主役であるという観点から、両者共同して取り組んでいきたいという意味を含めて、追記しています。
 15ページは、特に前回と変わったところはございません。
 文部科学省と共同で、この研究を活性化させるために、橋渡し研究、早期探索、臨床研究中核病院、日本主導型グローバル臨床研究拠点といった整備事業を中心に、書かせていただいております。それが15ページから16ページのところでございます。
 16ページ「[1]それぞれの拠点等の位置づけの明確化と質の高い臨床研究等の推進」の中の「中・長期的に目指すこと」の1つ目「臨床研究グループの体制」ですが、1つ目の○「がん等の領域では」の「また」以下のところです。前回は「がん等の領域以外においても同様の臨床研究の統合・調整組織の必要性について検討する」と書きましたが、今回は「統合」を削除して「臨床研究の調整組織の必要性について検討する」としました
 2つ目の○「○ 希少・難治性疾患の領域では、厚生労働科学研究補助金により組織されている研究班があるが、これらの研究班間での連携の在り方について検討を進める」。ここは前回同様です。「また」以降が前回からの追記になっておりまして「文部科学省、厚生労働省との協働で実施する『疾患特異的iPS細胞を用いた難病研究』において、これらの研究班及び文部科学省での実施機関が共同して創薬、臨床研究に向けた取組を進める」と記載しております。
 1つ飛ばしまして、16ページ、最後の○です。文言を次ように修正しております。「○ 開発段階の厳格に管理され、制限された臨床試験では見い出し得なかった結果が、市販後において合併症や併用薬の相互作用等により、高頻度に出現することがある。従って、実際の臨床における医薬品・医療機器の適正な評価のためには、適切な評価項目を定めた上で臨床データを広範囲に収集し解析するシステムが必要である」。以下同様です。
 「疾患レジストリーの構築」ですが、ここも前回同様です。「具体的には」のところで「各領域別に個人情報の取扱いに十分配慮しつつ」を入れました。
 18ページです。「(2)臨床研究等における倫理性及び質の向上」。
 「[1]『臨床研究に関する倫理指針』の改正(平成25年目途)における検討」の小さな項目のところですが「『臨床研究に関する倫理指針』及び『疫学研究に関する倫理指針』の境界部分を明確化し」としています。前回は「一本化を検討する」となっておりましたが「境界部分を明確化し、臨床研究を実施する際により活用しやすい指針となるよう検討する」と変更しました。
 次の「被験者保護の在り方について」では「米国におけるINDのような臨床研究の届出制度について参考にする」でしたが、医療機器ではINDではなくIDEと表現するということで、「IND、IEDのような臨床研究の届出制度について参考にする」と追記しております。
 「[2] 質の高い臨床研究の実施促進と被験者保護の在り方」の「短期的に目指すこと」の「倫理審査委員会の質の向上」ですが、2つ目の○のところを新たに追記しております。「○ 共同倫理審査委員会の設置にあたっては、多様な専門性を有する委員(臨床研究の方法論や法律・倫理の専門家等)を確保し、質の高い審査が実施されるよう配慮する」。
 19ページをご覧ください。新たに項目分けになっていまして「[3] 治験審査委員会の治験の高度化への対応等」を前回の独立した項目から分野の[3]にしています。
 「短期的に目指すこと」として「○ 早期・探索的な治験を推進していく上で、治験審査委員会の委員も、後期治験では求められなかった非臨床試験等の知識が求められている。『医薬品開発におけるヒト初回投与試験の安全性を確保するためのガイダンス』を発出し、特に、ファースト・イン・ヒューマン試験等を実施する施設に周知する」を加えました。
 20ページをおめくりください。「(3)開発が進みにくい分野への取組の強化等」「[1] 小児疾患、希少・難治性疾患等への取組」と記載しております。本日、構成員の先生方のお手元には20ページの差し替えをお配りしていますので、そちらをご覧ください。
 「開発が進まない分野へのインセンティブ」の○の3つ目ですが「○ 再生医療や遺伝子治療の実用化の、より一層の加速化をはかるため、関係省との協働のもと、切れ目なく再生医療等の実現化に向けたシーズを発掘し、当該分野を田結使用とした臨床研究・治験をはじめとした実用化につなげていくための研究開発の重点的な支援を行う」とさせていただいています。
 次の「○ 臨床研究中核病院、早期・探索的臨床試験拠点等の整備事業の成果を評価する際に」では「早期・探索的臨床試験拠点等」を追記しています。
 次の○ですが「○ 患者数が特に少ない疾患を対象とした希少疾病用医薬品・医療機器における治験期間終了後の治験薬・治験機器の提供のあり方については、人道的な観点から継続提供が必要となる現状があることから、高度医療評価制度の活用を含めた現状の制度を効果的に活用すること等を積極的に行う」としております。
 21ページをご覧ください。ここでは「[2] 医療機器・先端医療への取組」の「短期的に目指すこと」として「医療機器に関する臨床研究・治験の実施体制」がございます。ここは「○ 医療機器(特に植込み型医療機器等)の臨床研究・治験の質を向上させるために、医療機器の臨床研究・治験を実施する臨床研究中核病院等の体制を整備する」と追記しています。
 「医療機器開発における有効性の評価等」のところは、少し順番を入れ替えておりまして、短期的なところに組み入れています。「○ 医療機器の治験における有効性の評価については、治験機器自体の機能・使い勝手、利便性等を考慮した評価が可能かどうかケース・バイ・ケースで判断する必要がある。このため、有効性の評価にあたっては、必要に応じてPMDAの薬事戦略相談や対面助言を活用するよう周知する」としております。
 以下は変わっておりません。
 21ページの一番最後「先端医療への取組」では、ゲノム医学に関連するヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針、ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針、遺伝子治療臨床研究に関する指針等の整備についての検討を文言の中に入れております。
 22ページをおめくりください。「[3] 資金提供等」の「中・長期的に目指すこと」の「臨床研究・医師主導治験に対する民間資金の充実」として、2つ目の小さな項目のところですが「企業からの資金提供の方策を検討する。その際には、透明性の確保を広く保証するために、利益相反の管理や被験者への説明と同意を徹底する」としております。
 23ページをご覧ください。構成員の先生には、お手元の本日追加資料をご覧ください。 「[4] 制度等」の「中・長期的に目指すこと」として「既承認医薬品・医療機器を用いた臨床研究における医療保険の取り扱い」。「○ 保険診療と臨床研究の整合性が図れるように、既に承認されている複数の医薬品・医療機器を用いた臨床研究で効果の比較や組み合わせによる治療効果の検討を行う無作為化比較試験の保険診療下での実施可能性について検討する。過去の事例を集めてQ&Aを出すこと等を検討する」としています。
 以上になります。
○矢崎座長 (4)も一緒にお願いします。
○森下治験推進指導官 「(4)大規模災害が発生した際の迅速な対応」として、これまでは項目は挙げておりませんでしたが「短期的に目指すこと」の内容を記載しております。「[1] 被験者の安全確保等」「短期的に目指すこと」として「○ 臨床研究・治験に関する災害時の対応マニュアル等の在り方について検討し、災害時対応マニュアルのひな形を作成する。各医療機関、SMO、治験依頼者は、災害対応マニュアルを作成し、有事に対し備えるように努める。(例えば、災害対応マニュアルには被験者との連絡方法、医療機関・治験依頼者間の連絡方法、治験薬のり供給・代替方法等を盛り込むようにする。)」。
 「[2] データの信頼性確保等」の「短期的に目指すこと」では「○ 医療機関は災害時のデータの信頼性確保のための方策を検討する。例えば、電子カルテのデータバックアップや自家発電等の停電に対する対応等の在り方について、現状の見直しと検討を行う」としています。
○矢崎座長 どうもありがとうございました。
 この部分でどなたかコメントはございますでしょうか。どうぞ。
○山本構成員 4点コメントさせていただきます。
 14ページの「○ 臨床研究中核病院」の事業のところですけれども、早期・探索的臨床試験と市販後の大規模臨床研究、ないし医師主導治験と3つあるんですが、それぞれ必要となる役割や組織、体制が異なりますので、これをオールマイティに全部備えるというのは、実際問題かなり難しいと思います。その前に早期・探索的臨床試験の拠点があるわけですから、それ以上のことをやれということは、必然的にそれ以上の研究費を出すということにもなりかねません。そういうことがありますので、早期・探索が前にあるわけですから、こちらはむしろ市販後の大規模臨床研究とか、そちらの方に重きを置くようなことにした方がわかりやすいのではないかと思います。勿論そういうところが早期・探索的臨床試験や医師主導治験をやってもいいわけですから、焦点がぼけるようなことではなくて、役割分担をした方が応募する側も、採択する側も、実施する側もわかりやすいのではないかと思います。
 2つ目は18ページです。「[1]『臨床研究に関する倫理指針』の改正(平成25年目途)における検討」の部分ですけれども、前回、疫学指針と臨床指針で一本化ということに関して、必ずしもそうではなくてはいいのではないかということで、境界部分を明確化と書いてありますが、一本化することは非常にいい話だと思っていたので、短期的にではなくて、長期的には今の記述だと一本化はしないという記述になっていますので、例えば長期的には指針の在り方をよりわかりやすくというか、統合するということも含めたことが読み込めるようにした方がいいのではないか。短期的にはこれでいいのかもしれませんが、そのように思います。
 それから、前回も言ったんですけれども、中・長期的なところに、臨床研究の質に関しても規定すると書いていますが、ここにこう書いてしまうと、25年めどに行う方では、臨床研究に関する質の規定はしないということになるかと思いますので、規定まではできなくても、それに関する記述を例えば前文に入れることは可能だと思います。
 今の2点は、短期的、中・長期的両方に関することだと思いますので、それぞれ書くなり、工夫していただきたいと思いました。
 それから、22ページです。「臨床研究に対する研究費等の配分」の3つの目の○「○ 臨床研究に関する厚生労働科学研究費の採択に当たっては、臨床研究実施計画書の審査を行った上で、実施する」。これは今回のことではなくて、前からあったことなんですけれども、前回も言おうかどうか迷って言わなかったんですけれども、必ずしもこれに反対ではないんですが、採択の際に計画書の審査を行うというのはかなり厳しいというか、1つの厳格なやり方だと思います。
 例えば米国のナショナル・キャンサー・インスティチュートおきましては、採択に当たっては研究計画自体、計画書自体は別の形で審査するということも行っていますし、この辺りは、実際にアクションプランの中で、どういうふうに研究計画書の審査を行うかということを検討するような形がいいと思います。
 例えば採択時に研究計画書を審査するとしてしまえば、その時期に合わせて日本中が研究計画書を作成してしまって、研究が始まるのは4月からしかできないということにもなりますし、それより前にできた研究も待ってしまうことにもなりますので、例えば厚労科研費において、臨床研究課題の採択を実施するには、研究計画書の審査を行うとか、具体的にどういうやり方がいいかというのは、アクションプランの中でもうちょっと検討できるような記述にした方がいいのではないかと思います。
 以上です。
○矢崎座長 どうもありがとうございました。
 最初の御指摘は、前文のときにもお話を伺ったので、その中で少し調整していきたいと思いますが、事務局の方はどうですか。一応対応していただけますか。
 最後は厚労科研費の採択を言っているので、先生のおっしゃるような臨床研究の実施をする上で、どのような方法が一番効率的かということとはちょっと違うのではないか。研究費の配分という題目ですので、これはやむを得ないという感じがします。
 どうぞ。
○山本構成員 多分ここはそういう意味ではなくて、プロトコールの審査を科研費の申請とは別に、例えば別添のような形で付けてするということだと思います。そういう意味ではないんですか。例えばIRBを通した後でないと出せないとか、あるいはその時期で採択されたものから変更してはいけないとか、実際に今も採択に関して計画書を出しているわけですから、そこと違うことを書いている以上、より実施計画書自体の審査をするという意味だと受け取ったので、それは決め打ちし過ぎではないかというのが、先ほどのコメントです。
○矢崎座長 どうでしょうか。
○田宮研究開発振興課課長補佐 ここのところはどういう趣旨かといいますと、現在、厚労科研費の申請の場合、科研費の申請書というのは、研究計画のところは漠然とした記述しかないので、実際の詳細なプロトコールを見ないと、いろいろな問題点が科研費の採択の際にわからない。実際に始まってからいろいろ問題が生じるといったことが起きているので、そういう意味で、治験実施プロトコールも科研費の申請の際に提出していただいて、その中を見た上で審査するような体制にもっていきたい。ですから、現在の評価委員会の体制でやれるかとか、いろんな問題はあると思います。外部の有識者からいろいろな助言などもいただきながら、審査体制はつくりたいと思っているんですけれども、中身としてはプロトコールを採択の際に出していただく。
 ただ、先ほど山本構成員がおっしゃったように、1回プロトコールで固まったものについて、倫理審査委員会などを通っていないとだめだとか、必ずしもそこに主眼があるのではなくて、実際の中身、計画がどの程度詰まっているのかという趣旨ですので、記載上はこの書き方でも問題ないと思いますけれども、アクションプランの中で、どういうやり方が適切かというのは議論しなければいけないので、また表現ぶりについて検討させていただきたいと思います。
○矢崎座長 あと、倫理指針の一本化は非常に大きな問題ですので、これは改めて検討させていただきたいと思います。
 どうぞ。
○田代構成員 2点あります。先ほどの山本構成員の話と少し重なりますが、「(2)臨床研究等における倫理性及び質の向上」の指針関係のところです。もちろん、指針間の境界部分や適用範囲の明確化についてはすぐに実施した方が良いと思いますが、一体化まで書かなくても良いのですが、やはりより大きな視点から指針間の関係を調整することは重要だと思います。ですので、もう少し幅のある書き方をして頂きたい。
 例えば、「臨床研究に関する倫理指針」と「疫学指針に関する倫理指針」の関係を見直すとか、そういう書き方にしてもらった方が良いと思います。このままでは余りにも限定的なことしかできなくなってしまうのではないでしょうか。一体化以外にも、介入研究に関しては主に臨床指針で規定し、観察研究に関しては疫学指針で検討するといった役割分担もあると思いますので、一体化にこだわらなくても良いとは思いますが、やはり研究者が読んでわかりやすい形で、指針間の役割分担について再度考えて頂ければと思います。その点で、もう少し抽象度が高い、例えば「関係を見直す」といったような表現を入れて頂ければ、いうのが1点目です。
 2点目は、今日お話を伺っていて、川口構成員の資料の中にも、「医療情報の電子的データの二次利用を推進するために個人情報保護法の個別法を制定する」というご提案がありました。あと、先ほど中西構成員からバンクの話も出ていましたが、それとの絡みでいいますと、やはり倫理指針と個人情報保護法の関係を見直していくことが必要だと考えます。もともと個人情報保護法をつくったときに、学術研究を適用除外にしたにもかかわらず、例えば現時点ではゲノム指針改正の際にも個人情報保護法の枠組みがゲノム指針を規定してしまう、といったことが起きています。そのため、個人情報の保護とはまた別に、個人情報といいますか、医療情報を活用していくための体制整備が必要だと考えます。その点で、これは中・長期的でも構わないので、「臨床研究に関する倫理指針」と個人情報保護法の関係を多少検討するといったことも挙げていただくとよいと個人的には思いました。
 以上です。
○矢崎座長 ありがとうございました。
 どうぞ。
○楠岡構成員 再々お願いしている件ですが、23ページの「[4] 制度等」に関わるところになると思いますが、生活保護者の治験産業に関する問題には、はっきりした方針をそろそろ出さないといけない。10年近くこの問題で現場がいつも困っているので、何らかの検討事項の中にそれを入れていただきたいというのが要望であります。
○矢崎座長 よろしくお願いします。
○森下治験推進指導官 楠岡構成員がおっしゃった、生活保護受給者の治験参加に関することですけれども、5回のときにも御意見をいただきまして、省内で関係課ともいろいろ協議を重ねまして、今回また構成員の御期待に応えるような形ではないのですが、その理由を社会・援護局保護課から文書をいただいていますので、読ませていただきます。
 生活保護制度は国民の最低限度の生活の需要を満たすに十分なものであって、かつこれを超えないものでなければならないということが原則である。
 2つ目、治験等の保険外診療分及び保険外併用療養費に係る医療について認めることは、最低生活の保障としての生活保護の医療の給付を行うという本制度の趣旨を超えるところ、当該部分に生活保護法に基づく公費を充当することは適当ではない。
 3点目、難病等の医薬品の研究開発が進まない分野については、希少疾病用医薬品に係る治験の助成制度等の中で、開発企業への研究開発費支援、患者の自己負担額軽減支援等を総合的に検討すべきものである、以上です。
○楠岡構成員 もともとの生活保護者に対する保険外併用療養費の問題の趣旨はわかるのですが、前回からも申し上げているように、希少疾患とか難病の場合で新薬ができたときに、その患者さんが生活保護に入っている場合、実際の治験が実施できないという問題があります。あるいは現に起こっている問題としては、治験参加時には生活保護者ではなかったのですが、病気の進行とともに生活保護を受けざるを得なくなると、途中から生活保護者であるということだけで治験から脱落せざるを得ない。もしその薬がオープンな試験で効いていたりすると、その患者さんにとっては不利益になるという問題が幾つかあるので、検討する余地は残していただいてもいいのではないか。全面的に適用せよと言っているわけではありませんので、それはだれが判断するかという問題も含めて、少し検討の余地があってもいいのではないかと思うところです。
○矢崎座長 極めて大きな課題ですので、ここで結論を出すわけにいきません。アクションプランの方で、具体的にどういうふうに対応するか検討していきたいと思います。
○森下治験推進指導官 事務局としても、引き続き検討させていただきます。
○矢崎座長 あと、楠岡先生が資料2にございますアンケートをまとめられましたので、かいつまんで御説明いただけますでしょうか。
○楠岡構成員時間がありませんので、詳細な内容は御説明いたしません。まだ最終検討する班会議が開かれておりませんので、検討後に報告書をまとめさせていただきます。それをまた構成員にお送りする、あるいはどこかに公表するなりさせていただきたいと思っております。
 今回は厚生労働科学研究費をいただきまして、1にあるような班構成におきまして、アンケート調査を行いました。
 アンケート調査の内容に関しましては、事前に行われていたアンケート等も参考にしております。
 協力機関としては、日本医師会治験促進センター等に入っていただきまして、全国的にアンケートを実施する形にしております。
 結果としましては、184件の回答をいただきましたが、中には治験を実施していないところでお答えいただいたところもありましたので、それは除外して171件を解析対象にしております。
 残念ながら、被災地であるところからの回答は5件しかございませんでした。それ以外に計画停電の地域から37件、それ以外の地域93件、SMO協会にも御協力いただきまして、SMOとしてとりまとめて御回答いただいたものが36件ございます。
 主な結果はその後の円グラフを見ていただいたらいいかと思います。被災地、計画停電地域、その他、SMOという4つに分けて回答をまとめております。
 治験業務への影響は、大変影響があったもしくは影響があったというところがかなり多いです。詳細につきましては、その後で訊いております。
 2)IRB業務への影響もありました。この理由としては、委員が会議に来られなくて開催ができなかったとか、あるいは物流の関係で書類等が間に合わなくて開催ができなかったという答えがきております。
 治験業務の中でどういうことが影響を受けたかということでありますが、検査関係では影響があったというところが全国的にあります。その理由としましては、停電等で機器が使えなかったという直接的な影響と、全国的に検体の集荷ができないところがありまして、遠隔地でも影響が出ているような状況になっております。
 治験薬・治験機器管理に関しては、やはり物流の関係で搬入が遅れたために影響があったという形が出ております。
 スタッフ間との連携では、被災地では特にスタッフが来られないとか、連絡がとれないということがありました。SMOで影響があったという答えの中では、医師と連絡がとれなかったというのが大きく出ています。
 被験者への対応としましては、被験者と連絡がとれないとか、交通機関が麻痺していて来院できず、そのために影響が出たという形になっております。
 今回の震災の影響によりプロトコールの逸脱があったというのは、来院日に来られなかったために逸脱になったものが一番多かったようであります。
 震災の影響によりやむなく治験中止になった事例は、ごくわずかですが、ありました。理由としては、被験者が遠隔地に避難したために病院等に通えなくなったため、脱落になったというものでございます。
 治験依頼者に関することは、連絡がとれなくなったとか、直接閲覧に来る方が来られなくなったようなことに関する影響という形になっております。
 原資料の滅失に関してかなり心配はあったのですが、結果としては、ほとんどなかったという状況になっております。
 3ページ、被験者の安否確認でありますが、これは被災地であっても、そうでなくても、安否確認を半数以上のところで実施している状況がございます。
 計画停電の治験業務への影響でありますが、これはさすがに計画停電地域で非常に多くて、勤務が制限されたため依頼者の担当者が来られなくなったという形の影響が出ております。
 5番目の防災対策についてでありますが、ほとんど医療機関はさすがに防災マニュアルを持っておられます。しかしながら、その中で治験業務に特化したマニュアルというのは持っておられないところが多いのと、今回新たにつくる予定もないところがほとんどなので、これに関しては、少し対策が必要かもしれないと思います。
 もしマニュアルをつくるとしたら、どういうことを入れるべきかということに関しましては、自家発電等停電に対する対応、被験者とどう連絡をとるか、治験依頼者とどう連絡をとるかという点に関して、必要であろうという意見でございました。
 震災後の節電対策に関してもやはり影響が出ておりまして、通勤に関する制限があったり、依頼者と連絡がとれなかったところがあります。
 ここにはまとめておりませんが、それ以外に自由記載いただいた中で多かったのは、治験薬の備蓄ができなかったために、足りなくなったとか、あるいはなくなった場合にどう代替薬を使えばいいかということがわからないということ、連絡の方法について、被験者あるいは依頼者等に対しても、何らかの連絡方法を明示しておくべきであるという意見でございました。
 そういうことを踏まえまして、結論としては、1枚目の裏側でありますけれども、治験・臨床研究に関する災害時の対応マニュアルを作成済み・作成中・作成予定の施設は2割程度であって、今後ひな形を示して、各施設・SMOでの対応を整える必要があるということ。
 2番目は、災害対応マニュアルには、被験者との連絡方法、治験依頼者との連絡方法、自家発電等の停電に対する対応、ここには載せておりませんけれども、治験薬の確保の問題を入れる必要があるかと思います。
 データの信頼性確保に関しては、今回の震災では大きな影響はありませんでしたけれども、電子カルテに関して聞いておりますが、やはりデータのバックアップを十分にとっている施設は余りありませんでしたので、これに関しても、今後検討が必要かと思います。
 以上でございます。 
○矢崎座長 どうもありがとうございました。
 大震災が治験に及ぼす実際の影響は、これで随分具体的に明らかになったと思いますが、何か御意見ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 どうぞ。
○塩村構成員 全体を通じて項目が非常に具体的で、実現性があると感じて、事務局の方々の御努力に感謝する次第なんですけれども、1点、主語が書かれていないものが多くて、このままいくと全部研究開発振興課がやることになるのではないかと心配しております。国というのではなくて、できれば厚労省とか医政局とか、せめて局ぐらいまでは書いていただくとか、あるいはワーキンググループでとか、主語を明確にするようにお願いしたいと思います。
 以上です。
○森下治験推進指導官 ありがとうございます。
○矢崎座長 なかなか難しいところがありますね。
 どうぞ。
○山本構成員 楠岡先生から御報告いただいた点ですけれども、被災地のところから5件ということで、頻度としてどのぐらいだったという考察よりも、実際に被害を受けたところではこういう事例があったというまとめ方の方がいいと思います。大丈夫だったみたいな話になると、結局そういうところからは返ってこなかったみたいなこともありますので、被災地に関しては、こういう問題がよくわかったというまとめ方がいいのではないかと思います。
○楠岡構成員 ありがとうございます。
 被災地に関しましては、今年1月の調査ですが、そのころに機能が回復できているところが答えられていて、機能が回復していない、あるいはこれを契機に治験をやめてしまったところの回答が得られていない状況であります。これに関しましては、SMO協会からそれを支援していたところに関してデータをいただいたり、実は製薬協でも類似の調査をされていて、製薬協側から、治験中止にいたった医療機関の数というのもある程度お聞きしていますので、それを含めて最終的な報告にしたいと思っております。
○矢崎座長 どうぞ。
○小林構成員 2点ほどお願いしたいんですけれども、1つは患者の保護のことについて、19ページにガイドラインをつくるということでよかったと思っています。具体的に18ページの上の方にあるINDとかIDEの中身について、よく知らないわけなんですけれども、そういったことの例や相談窓口をつくっていただけるというのは、よかったと思うんですが、このガイドラインの内容については、きめ細かく臨床現場で患者に接してもらえるような配慮を加えたガイドラインをつくっていってほしいということをお願いしたいという点が1つあります。
 もう一点なんですけれども、20ページ「[1] 小児疾患、希少・難治性疾患等への取組」ですが、例えば子どもの希少疾患というと、本当に数が少なくて、例えば小児慢性特定疾患に指定されている病気が514あるんですけれども、少ない病気は需給者が十数人しかいないというのが実情なんです。こういう病気が非常に多くて、患者さんたちは治療薬だとか治療法について相談を寄せてくれるわけですけれども、ここを見ていくと、製薬会社や開発企業や研究者にインセンティブということなんですが、そういうものは、どのぐらい限度があるのかわかりません。本当の希少というか、数少ない患者たちにも日の当たるような研究開発に積極的に取り組めるようなことを、ここのところで是非盛り込んでいっていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○矢崎座長 そろそろ時間がまいりましたけれども、本日はたくさんの御意見、また新しい切り口からの御質問もいただきましたので、今日のお話を伺った限りでは、修正について座長一任というのはちょっと重い感じがしますので、大変恐縮ですけれども、もう一度指針に修正を加えて、それを見た上で判断したいと思います。構成員の皆様の十分な御理解、納得の上でこれをつくりたいと思いますので、お忙しいところ恐縮ですが、もしかすると、3月にもう一度お集まりいただくことになるかもしれませんが、是非その辺はよろしくお願いしたいと思います。
 本日は大谷医政局長がいらっしゃっておりますので、大谷局長から一言ごあいさついただけますでしょうか。
○大谷医政局長 医政局長の大谷でございます。
 本日は雪も降って、大変足元が悪い中、御参加いただきまして、ありがとうございます。
 今、座長の発言のように、本日が最終回かどうかははっきりしないわけでありましたが、一応一区切りということで、ごあいさつを申し上げたいと思います。
 この検討会は、平成15年度から開始されました、全国治験活性化3か年計画、及び平成19年度から開始されました、新たな治験活性化5か年計画を引き継ぐポスト5か年計画を策定するための検討会として、昨年8月25日に第1回を開催しました。それ以来、本日は6回にわたって御議論を賜ってまいりました。
 構成員の皆様方におかれましては、業務も多忙の中、毎回熱心に御検討、御議論いただきまして、誠にありがとうございました。
 また、矢崎座長にはもう一仕事お願いするかもしれませんが、大変御苦労いただきまして、この場をかりて、厚く御礼を申し上げます。
 平成24年度からの5年間は、臨床研究・治験活性化5か年計画2012に基づきまして、これまでも取り組んでまいりました開発後期の治験の推進は勿論でありますが、医師主導治験を含めて、早期の臨床研究や市販後の大規模臨床研究、グローバル臨床研究においても、我が国がリーダーシップをもって進めていけるような体制整備と環境整備を行い、イノベーションのさらなる推進を目指していきたいと考えております。
 余談になりますけれども、折しも本日は2月29日、4年に一度の閏日に当たっておりますが、Rare Disease Dayといいまして、希少・難治性疾患のことを考える日にも当たっているということでございます。先ほどコメントがありましたが、臨床研究・治験活性化計画2012の中にも希少・難治性疾患への取組みも盛り込まれているところであります。
 5年後、我が国の臨床研究の実力が確実に上がっているように、また国民、患者の皆様が臨床研究や治験の意義をより深く御理解、御協力いただけるように努めますとともに、病気で困っている方々により早く革新的な医薬品・医療機器をお届けできるように、我々も鋭意取り組んでまいる所存であります。
 構成員の先生方には、5か年間の経緯を引き続き見守っていただきまして、臨床研究・治験の方向性について、今後とも御指導を賜りますように、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 また、本日までこの検討会に御関心をいただきまして、熱心に傍聴いただきました大勢の方々にも厚く御礼を申し上げたいと思います。
 今後とも、医療機関、研究機関、企業、国民、患者、国が連携しながら、質の高い臨床研究を推進していきたいと思います。
 以上をもちまして、一区切りのごあいさつとさせていただきます。どうもありがとうございました。
○矢崎座長 どうもありがとうございました。
 これからの医療の進め方に臨床研究・治験の活性化というのは欠かせないキーワードになっておりますので、その基本的な指針となる5か年計画2012はできるだけ完成度の高い、そして、充実したものにしたいと思っておりますので、今後とも御協力のほどをよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、事務局から今後の予定をよろしくお願いします。
○森下治験推進指導官 計画案について、多くの御意見ありがとうございました。
 本日いただいた意見を早速反映させる作業にとりかかり、本計画案につきましては、任意でパブリック・コメントに出したいと考えております。
 構成員の皆様には、座長のお話にもありましたが、年度末のお忙しいところで恐縮ですが、3月に開催するとなれば、3月23日金曜日の10時から12時を予定しておりますので、日程の御確保をお願いしたいと考えております。
 また、この検討会で反映した意見は、構成員の先生方、座長にも確認させていただいて、今後の進め方については、早目に構成員の先生方に御連絡いたしたいと考えております。
○矢崎座長 よろしいですか。どうもありがとうございました。
 第6回の検討会はこれで終了いたしますが、先ほど申し上げましたように、皆様方の意見をできるだけ反映して、5か年計画は充実した、そして、格調の高いものにもっていきたいと思いますので、今後とも御指導をよろしくお願いいたします。
 それでは、本日の検討会はこれで終了させていただきます。どうもありがとうございました。


(了)

照会先
厚生労働省医政局研究開発振興課治験推進室
TEL 03-5253-1111
治験推進指導官 森下 内線4165

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