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2011年12月14日 第66回労働政策審議会職業能力開発分科会議事録

職業能力開発局

○日時

平成23年12月14日(水)17時00分〜19時00分



○場所

中央合同庁舎第5号館 厚生労働省専用第14会議室(12階)




○議題

○今野分科会長 ただいまから第66回労働政策審議会職業能力開発分科会を開催いたします。本日は、浅井委員、黒澤委員、水町委員、高倉委員、橋本委員がご欠席です。
 それでは本日の議事に入ります。お手元の議事次第にありますように、今日は3つの議題を用意してあります。(1)は「中央職業能力開発協会の在り方に関する専門委員会の報告について」、(2)は「キャリア形成促進助成金の拡充について」、(3)は「提言型政策仕分けについて」です。
 まず、1番目の議題は、先月30日に開催された「中央職業能力開発協会の在り方に関する専門委員会」において、報告がとりまとめられました。
 なお、私がその専門委員会の会長を兼ねていましたので、その中身については事務局から報告をしていただき議論したいと思います。それではお願いします。

○星能力評価課長 それでは私のほうからご説明申し上げます。お手元に資料1-2で「中央職業能力開発協会の在り方に関する専門委員会」報告書の本体を配っていますが、ご覧のように38頁と分量があることから、この概要をまとめたものとして資料1-1を作成していますので、この概要を用いて説明したいと思います。
 まず、1の検討の経緯では、厚生労働省の独法・公益法人等整理合理化委員会の場では、特別民間法人の代表例といたしまして、中央労働災害防止協会からヒアリングが行われ、同委員会の報告書においては、他のすべての特別民間法人についても、法の趣旨に見合う適切な運営形態にあるか等について、検討を始めることとされたところです。既にこの分科会においても、5月12日に開催された第62回の分科会で、この検討のための専門委員会の設置、さらには検討項目についてご了承を得て、2枚目の後ろに委員の名簿を入れていますが、本分科会から公労使それぞれ各々2名、そちらにございます委員の皆様、さらには公認会計士の梶川委員を加えた7名の委員によりまして、7月1日から11月30日まで、延べ4回にわたりましてご議論いただき、今般報告書として取りまとめをいただきましたので、その内容をご報告申し上げる次第です。
 資料の1頁に戻り、2の中央協会のこれまでの取組では、検討にあたり、この間の中央協会における改革の取組を検証いただいたところです。中央協会は、事業主等が幅広く連携し職業訓練、職業能力検定等を推進する認可法人として昭和54年に設立されたもので、その後、国の補助金等に依存しない「自立化」が求められ、平成10年には特別民間法人化されるとともに、その後も行革の流れの中で、補助金等の削減が図られ、21年には行政刷新会議事業仕分けの評価結果も踏まえまして、組織を6事業部から4事業部へ、併せて定員についても137名から93名へと44名の削減を行っている。また、22年には厚生労働省内の事業仕分けを受けまして、低廉な事務所への移転等も行われていることが確認されたところです。
 3は評価及び提言ということで、この報告書の中心の部分で、(1)基本的な考え方として、法人の形態について検討していただいたところです。事業主や事業主団体等が行う職業訓練や職業能力検定等の業務を円滑に実施していくためには、まず、国や都道府県の施策に呼応してきめ細かな浸透を図っていく必要があります。特に職業能力検定については公平性あるいは中立性を確保する必要があること。また、事業主等による職業訓練の振興を進めていく上で、事業主団体等を構成員として組織運営の自主性、柔軟性、機動性等を確保することが重要であること等から、こうした業務を担う法人形態としては、引き続き、法に基づく特別民間法人であることが適当との評価をいただいたところです。
 こうした基本的な考え方を前提とし、(2)の中央協会の組織や業務運営の在り方について、以下分科会で了承いただいた6つの項目について検討がなされ評価・提言が行われています。
1点目は業務の状況で、職業訓練振興事業あるいは技能検定等の事業、こうした中央協会の業務については、法律に基づいて実施されているということが前提として確認されたところです。中央協会は、蓄積された情報・ノウハウ、あるいは全都道府県協会等を会員とする全国ネットワーク、法に基づいて設立されている公共性、中立性、そして多くの業界団体が会員になっているが故に、例えば中央技能検定委員の派遣等の協力が得やすいという立場を活用いたしまして、事業を円滑に実施しているところです。
 評価として、各種技能評価試験については、合格者がより評価されるような試験とするべく、内容の精査・向上等を検討していくことが必要である。また、その技能検定については、人材育成の目標として、企業の競争力強化にも繋がっていること等の効果的な周知、広報が求められるとともに、技術革新や現場実態に対応し、試験内容の見直しを不断に進めていく必要がある。委託を受けて、職業能力評価基準を策定する際には、業種の選定、これは策定の段階から具体的な活用方策を考えるなど、策定と活用の有機的連携に取り組むべきである。技能競技大会等を運営する際には、人材育成の目標となるとともに、若い技能者に夢や希望を与えるという効果も大きいことから、その存在や役割を周知し、企業や選手の幅広い参加が得られるよう国の支援の在り方等も含めて工夫すべきというものです。
 2点目は、役員への官庁OBの在籍状況・給与等です。厚生労働省出身者は、常勤役員では3名中1名。また、非常勤役員では135名中1名であり、特別民間法人の運営に関する指導監督基準の「所管する官庁の出身者の占める割合は、役員現在数の3分の1以下となっていること」という基準を満たしている。また、給与については、指導監督基準に具体的な基準は示されていませんが、独立行政法人あるいは特例民法法人の長が国の事務次官の範囲内とするよう要請されていることに照らせば、中央協会の理事長の本俸月額が現在93万7,600円というようなことで、これは国の事務次官の俸給月額に対して78%と、その範囲内であるということが確認されたところです。
 3点目は、ガバナンス体制です。総会・理事会・参与会議における審議、監事・監査法人における監査、さらには厚生労働省の指導監督など、法律等に沿ったガバナンスの確保のほか、目標管理制度による事業の効率化、業種別団体や都道府県の職業能力開発協会との連携強化など、独自の取組もなされているところです。しかしながら、目標管理制度については、その検証を行う評価委員会及び幹部会議の構成員は協会内部の役職員に限られているというようなことから、外部有識者の視点を反映する仕組みを構築するべきと指摘されています。また、コスト削減のみならず、事業効果や収益性の向上にも着目した事業目標を設定し、その達成に取り組むべきとの指摘がなされています。
 4点目は、情報公開についてです。指導監督基準に定められた事項については、中央協会や厚生労働省における財務諸表等の閲覧、あるいはホームページの掲載など、一定の情報公開はなされているわけです。しかしながら、補助事業と自主事業に係る人件費や管理費の按分状況、さらには補助事業、自主事業ごとの採算状況、目標管理制度における各事業の目標、実績、評価などについては外部的には明らかになっていないと。中央協会は公的な団体であり、公益性の高い事業を実施していることを踏まえれば、法や指導監督基準等に定められた内容を超えた、より積極的な情報公開を検討すべきではないかとの指摘をいただいているところです。
 5点目は、コンプライアンス確保についてです。協会では、「検定秘文書取扱規程」等、各種規程を整備し、過去の不適正事案についても、適正に対応し再発防止策を講じているところですが、組織内の情報共有、あるいはチェック体制の整備、こういったこともさらに必要であるということから、コンプライアンスに関する独自の委員会の設置を検討すべきということが指摘されています。なお、都道府県協会は、中央協会とは組織的には上下関係にはない団体ですが、都道府県の職業能力開発協会の職員への研修等を通じて、そのコンプライアンスの働きかけを強めていくべきとの指摘も併せてなされているところです。
 最後に6点目は、自己収入を確保をするための枠組み等についてです。中央協会は自主事業収入の総事業収入に占める割合は、平成20年度の34.2%から、平成22年度では43.2%へと拡大しているとともに、経営企画室設置など、自己収入を確保するための枠組みについても整備を行っているところです。一方で、自己収入額については伸び悩んでいることを踏まえ、今後も、既存事業の改善、例えば、各種技能評価試験等の受検者の増加策、あるいは職業能力開発の促進を図るという中央協会の本来の設置目的に沿った新たな自主事業の開発によって、自主事業収入額およびその総事業収入に占める割合の拡大についても、採算性も考慮しつつ取り組んでいくべきである、というふうに指摘をされているところです。
 4は結語です。中央協会は今後、補助金等への依存を縮減するために、既存事業の改善や新たな自主事業の開発を行う必要があるが、その際には、事業主団体等や都道府県協会を会員とするネットワーク、法に基づく団体として、公共性、中立性等の特性を活かした事業展開を図るべきである。また、公共性を有するが故にこそ、目標管理制度の検証に外部有識者視点を反映する仕組みを構築する等のガバナンスの強化、法や指導監督基準等に定められた内容を超えた、より積極的な情報公開、コンプライアンスに関する独自の委員会の設置等、組織運営の改革を進めていくべきであるとされているところです。終わりに、これら提言に対する取組状況について、随時、本分科会に報告するということとされているところでございます。以上、専門委員会報告書についてご説明申し上げました。

○今野分科会長 ありがとうございました。それでは、ご意見、ご質問をお願いいたします。いかがでしょうか。

○諏訪委員 技能検定についてです。ここで公平性や中立性を確保する必要があると書いてあるのですけれども、中小企業の立場から言いますと、試験会場や受検者数の確保が厳しいため、なかなか中小企業の従業員は技能検定を受検できないという現状がありますので、これはさらなる工夫をしていただく必要があるかなと思います。試験内容についても、現場で役立つ実用性のあるものに変更していく必要があるのかなと思われます。また、職業訓練校について、当社も職業訓練生の卒業生を多く採用しているのですが、そういう社員や職業訓練校の先生方のお話を聞くと、やはり以前に比べて授業内容がかなり浅く広くという形になっていますので、現状の現場に合った教育をしていただきたいと思います。以上です。

○星能力評価課長 まず、試験の受検機会の確保という観点から申し上げます。確かに職種によりましては、試験会場の確保の観点から早い時期に受検枠がいっぱいになってしまうという実態もあります。こういった点につきましては、私どももそういう希望者が広く受検できるように改善策を講じていくこととしています。具体的な試験そのものは都道府県協会が実施することもありますし、試験問題の提供については中央職業能力開発協会が行うこともありますので、それぞれの団体とも協議しながら、できるだけ受検される方に公平に機会が提供できるように今後とも取り組んでいきたいと考えています。
 それから、現場の実態に合った実用性のある試験にというご指摘についてです。現在もそれぞれ業界団体から専門調査員、あるいは中央技能検定委員を選出いただき、業界の皆さんのご意見を頂戴しながら試験の範囲や試験問題を作成してきていますが、引き続き、中小企業の現場等での実用性の観点からも皆さんから広く意見を聞きながら、現場に合った実践的な試験の中身となっていくように努力していきたいと考えています。

○今野分科会長 いまのお話の3点目は、少し、JAVADAと関係ないですか。訓練校の話でしたよね、3点目は。

○諏訪委員 3点目は訓練校です。

○松本能力開発課企画官 能力開発課です。公共職業訓練の施設内訓練につきまして、常にカリキュラムの内容を見直さなければいけないのは全くご指摘のとおりです。修了生を採用していただいた企業さんや地元の企業さんに随時ご意見を伺って、そういったご希望も汲み取ったカリキュラムの設定に努めていきたい。また、民間に委託している訓練や求職者支援訓練につきましても就職実績を厳しく問うようにしています。就職支援責任者を置くことなどによって、地元の企業の要望に応じたカリキュラムの設定や就職支援に自ら努力するような仕組みとしています。ご指摘のとおり、しっかりと考えてまいりたいと思います。

○今野分科会長 ほかに、いかがでしょうか。

○林委員 技能検定についてです。指定試験機関制度という話を聞いていますが、その進捗状況はどうなのでしょうか。

○星能力評価課長 指定試験機関化に向けましては、昨年度、関係の業界団体に説明会等を催しまして、特にそういった方向で検討したいという団体につきましては個別の相談等も現在行っているところです。具体的には、6つの団体から具体的な検討を進めるということで情報提供を求められたり、我々がこれまで取り組んできたノウハウの提供を行うなどしています。現在はそれぞれ団体に持ち帰られまして、団体として今後、例えば全国一律に公正な試験を実施できなくてはいけないわけですから、そのための体制の整備等について検討している状況です。

○今野分科会長 よろしいですか。

○林委員 はい。

○今野分科会長 ほかに、いかがですか。

○大久保委員 確認をさせていただきたいのです。自己収入を確保するための枠組みについての観点ですが、中央協会が持っている経験とかノウハウのいちばん中核的なものは、技能検定をはじめとする職業能力検定制度ですね。試験の作成とか運営とか、そういうところがいちばん中核なのではないかと思うのです。自己収入の割合を確保するための枠組みの中にいくつかのことが書いてありますが、技能検定そのものの収益性や売上げを高めるということは現実的な計画として可能なのかどうかということです。この中には、業界団体が運営するような職業能力検定のオペレーションとか問題作成を請け負うようなことを書いてあるのか、ちょっとよく分からないのですが、そういうことを請け負いながら、その技術を活かして売上げ拡大を図ろうとしているということなのでしょうか。その辺りを少し詳しく教えていただけますか。
○星能力評価課長 現在中央協会では、ご指摘のように、技能検定試験に係る問題作成等を行っていますが、この部分で大きく収益を上げるということではありません。むしろ、大久保委員のご指摘のように、例えばビジネスキャリア検定試験など、技能検定とは違って事務系に重点を置いたような協会独自の評価試験制度、CADトレース技能審査、コンピューターサービス技能審査など、協会としてこれまで積み上げてきたノウハウを活用した独自の評価試験も現在も運営しているわけですが、新たな世の中のニーズに対応して、必要な試験がないのか、あるいはこれまで取り組んできている試験について、より世の中のニーズに合った形で見直しつつ収益を上げていく。検定試験の関係はそういった観点で考えています。

○大久保委員 ということは、それは自主的に新しい検定制度を作る話なのですか。いまほかの業界団体などで運営されようとしているものを、そのノウハウで請け負うということではなくて、自主でやるとおっしゃっていますか。

○星能力評価課長 自主的に新たな試験制度を作ることもあり得ますし、もう1つは、民間の企業などで行うような社内の検定制度などの試験問題の作成等を請け負って事業として展開していくことも考えられます。現在も指定試験機関制度の中で、一部の業界からは試験問題の作成等も請け負って協会が実施しているものもあります。

○大久保委員 分かりました。私自身の意見としては、新規、自主的に新しい検定制度を作ることよりも、職業能力評価検定的なものは多様なものが世の中にもう既に存在しているので、むしろノウハウを持って、それを請け負って集約していって効率化するようなことが、この会社としての自主収入の確保もそうですけれども、全体としての社会貢献という意味では非常に大きいかなと思いました。

○今野分科会長 ほかに、いかがでしょうか。

○三村委員 技能検定についてです。中央協会で作問し、実施主体は都道府県であるわけです。都道府県が都道府県の協会に委託するという道筋になっていると思いますが、その間にある都道府県についてはあまりここでも書かれていません。都道府県が技能検定に関して周知徹底をしていくのだと思うのですけれど、都道府県がどのように取り組んで中央協会に委託しているか、都道府県の役割というのは私もよく分からないので、どのような役割を果しているのか伺いたいのです。

○星能力評価課長 いま三村委員のご指摘のとおり、技能検定の実施主体につきましては、法律の上でも都道府県知事が実施するということです。その上で、その業務の一部について都道府県の協会に実施させることができる。そういった中で現実的には47都道府県の協会において技能検定の試験そのものが実施されています。都道府県は、試験が適正に実施されるように都道府県の協会を指導・監督するというような役割もありますし、地域で技能検定の試験について周知なり、あるいは合格者に対しての合格証書の交付であるとか、そういった業務が都道府県に任せられている部分です。

○三村委員 その技能検定に関する取組の強弱もあると思うのですけれども、その辺は都道府県に任されていると捉えてよろしいのですか。

○星能力評価課長 これは国の国家検定制度ですので、全般的には国としても、全国でニーズに合わせて国家検定が受検できる機会を設けられるように、都道府県に対して働きかけ、都道府県はそれを受けてその地域において適正に試験を実施していただく、そういった仕組みです。

○三村委員 主には、適正に実施するというところに重きが置かれているわけですね、普及・周知という部分よりも。

○星能力評価課長 周知については国及び都道府県で合わせて、お互い協力しながらやっているということです。

○三村委員 分かりました。

○今野分科会長 ほかに、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。ここの議論でいくつかご意見をいただきましたので、その意見については、中央協会にお伝えいただくことと、この報告書に挙げられた提言については、中央協会に真摯に取り組んでいただきたいです。それに対しては厚生労働省からも指導していただくことにいたしたいと思います。取組の進捗状況については、適宜この分科会で報告をしていただくことにさせていただきます。
 続いて、2番目の議題に入ります。「キャリア形成促進助成金の拡充について」です。

○山本育成支援課長 育成支援課長の山本です。私から、資料2の「キャリア形成促進助成金(訓練等支援給付金)の拡充」についてご説明したいと思います。
 今回の措置は、東日本大震災に伴う特例措置ということで、平成23年度第3次補正予算の関連として対応したものです。改正内容につきましては、背景にありますように、被災地における震災被害に加えまして、震災による風評被害、あるいは昨今の急速な円高等により、全国的な景気・経済・雇用への深刻な影響が懸念される状況にある。こういう状況を踏まえまして、被災地の復興や、震災等の影響を踏まえた新たな事業展開に必要な人材の育成を推進するために、本助成金についての特例措置を講じたものです。
 具体的な措置の内容につきましては、拡充内容にあるとおり、被災地につきましては、青森県など9県の災害救助法適用市町村内における事業主で、職業訓練を行われる方について、助成率の引き上げ等を行っています。例えば、正規労働者の職業訓練について、OFF-JTが中小企業で3分の1になっているものを2分の1に、大企業には3分の1の助成をするものです。また、非正規労働者、自発的職業能力への対応それぞれについても所要の引き上げを行っております。
 被災地以外の事業主についてですが、震災等の影響で事業活動の縮小を余儀なくされて生産量・売上高が減少したことを踏まえて、新たな事業展開、新分野への進出や多角化を図る、そういうことに必要な従業員への職業訓練を行う中小企業事業主に対して、助成率の引き上げを行いました。正規労働者のOFF-JTが中小企業で3分の1になっているものを2分の1に引き上げ、また、非正規労働者・自発的職業能力それぞれにつきまして所要の引き上げ措置を講じています。
 施行日につきましては、雇用保険法施行規則が11月24日に公布・施行されています。この措置が公布・施行次第、今回の特例措置の内容等につきまして、厚生労働省のホームページ、また、リーフレット、パンフレット等も作成して広く広報しており、この措置が活用されるよう引き続き努めてまいりたいと考えています。以上、簡単ですがご報告を終わります。

○今野分科会長 ご意見、ご質問をお願いします。よろしいでしょうか。
 では、3番目に入ります。提言型政策仕分けについて、お願いします。

○土屋総務課長 資料3をご覧ください。行政刷新会議の提言型政策仕分けにおきまして、大きなテーマとして「社会保障」という中で、雇用についても議論もあり、提言もいただきましたのでご報告申し上げます。これにつきましては11月23日に会合が開かれまして、約1時間半ほどだったと思いますが、議論が行われて、資料3の1頁にありますような提言が行われました。なお、議論の論点としては上記1〜3に掲げているもので、職業能力開発行政にかかわるものは論点1と2です。
 提言の1段落目にありますように大きく3点のご指摘がありました。まず、1点目としては、これまでの雇用対策について、効果が十分に発揮されておらず、その検証も不十分であったという認識の下で、今後は経済対策によるものも含め毎年度すべての施策について効果検証を定量的に実施して、予算に厳格に反映させるということです。2点目として、既存事業の大胆な統廃合や能力開発事業とハローワークとの一層の連携強化を図るなど、現に就職に繋がる改善を行うということです。3点目として、非正規労働者の増加や新卒者の就職難などの構造的な課題への対応については、制度的な改革にも取り組むべきとされています。
 2段落目は、雇用保険に関する提言です。こういった提言に対しましては、能力開発行政としても適切に対応していきたいと考えていまして、効果検証についてもさらに的確な実施を図る、あるいは類似の事業について一本化を図ることとしています。併せまして、能開事業とハローワークの一層の連携強化の点については、ご指摘のとおり就職に繋がる改善を行う観点から、ハローワークにおける的確な訓練への誘導や訓練修了後も含めたきめ細かな就職支援といったものを職業安定局とも十分に連携を取りながら効果的・効率的に進めていきたいと思っております。また、求職者支援制度が10月からスタートした関係で、各労働局には、職業安定部の中に訓練を担当する部局としての求職者支援課・室が新たに設置されました。私どももここを1つの拠点として職業訓練の効果的な実施に取り組んでまいりたいと思っています。以上です。

○今野分科会長 それでは、ご意見、ご質問お願いします。いかがでしょうか。

○高橋委員 提言取りまとめの最初の2行です。ご承知のようにわが国の雇用対策というのは、ほとんどが雇用保険二事業を財源として行われているのが実態だと思います。雇用保険二事業に関するものについては、ご承知のとおり、PDCAサイクルを回しながら適宜検証も行いながら事業の改善に努めてきていると私は認識しております。ここの、「これまでの雇用対策については、その効果が十分に発揮されておらず」というのもなぜなのかよく分かりませんが、「その検証も不十分であった」というのは何をもって不十分であったとおっしゃっていらっしゃるのか、分かる範囲で結構ですので教えていただきたい。また、その検証として、厚生労働省としては、この「検証が不十分」という指摘に対してどういう検証をしていこうと現時点においてお考えなのか教えていただきたいと思います。以上です。

○土屋総務課長 ご指摘の部分につきましては、仕分けとしての評価の部分なので、私どもとしても十分わからない点もあるわけです。私どもとしては、いまお話が出たような、二事業におけるPDCAサイクルのことはこの場でもたしかご説明をしたはずですし、それがここでズバリ言われているような意味では「不十分だ」とは私ども考えていない面もあります。ただ一方で、例えば、一般会計で実施している事業について、そういった検証を行っているかという点については、我々も考えるべきところがあると思っています。また、二事業について、PDCAの中で効果を見ていただいているやり方についても、随時改善をしていくといいますか、そういったところは使用者側の皆さんにもご意見を伺いながらやっていく必要があると思います。

○今野分科会長 ほかに、いかがでしょうか。

○新谷委員 指摘事項のですね、「提言内容」という中の3頁の下から8つ目のところに、「新しい時代の要請に対応できる人材の育成につき、文科省と協力して取り組むべき。旧来人材をいくら輩出しても雇用にはつながらない」と、これはたぶん雇用吸収力のある産業に人材を供給するため育成システムをですね、特に若年雇用だと思いますけれども、文科省と協力して、学校から職場への円滑な移行を進めるべきではないかと指摘されているのだと思います。それで、いま9次の計画がスタートしていて、この辺りも文科省との協力によって高度人材なり、いわゆる攻めの人材育成を関係省庁と連携してやると、たしかなっていたと思うのです。省庁の縦割りがあって、学校教育や専修学校等は文科省の領域となっていて、厚労省としてどこまで関与できるのかというのはあると思うのですが、協力して教え子から失業者を出さないという強い姿勢で取り組むべきだと思うのですが、その辺の文科省との連携はどのようにいまやられているのか、教えていただきたいと思います。

○土屋総務課長 この会合の中では、確かに各省との連携をもっと強化すべきだという意見が複数の方々から出されていまして、その点では、これまで以上にそういう対応を強めていく必要があると思っています。これまでやってきた具体的な対応という意味で申し上げれは、1つは職業訓練の場面で、例えばポリテクでやっているいろいろな訓練の内容に大学からも参画をしていただいて、共同で取り組んでいくような中身がある部分もありますし、また、キャリア教育の面で、これは文科省がやっていく中に私どもとしても議論に参加していくとか、そういった形での文科省との連携を図っている部分があります。いまお話がありましたように、大学教育の中にこちらから関わっていく部分と、我々がやっている職業訓練に文科省のサイドからも関わっていただく面と、両面から取り組んでいくことができればと思っています。加えて、専修学校や各種学校との関係では、委託訓練の中でかなりの数を学校で実習していただいています。求職者支援の訓練もそうです。そういった部分もありますので、そのような連携も深めていきたいと思っています。

○豊島委員 去年、まだ今年ですか、雇用保険特別会計の仕分けはいつでしたか。あのときにも議論になったとは思うのですが、ある意味、仕分けに少し違和感を持っています。そもそも、公労使三者構成のこの場で、様々な労働行政について報告がされたり、この場で検証して、この場で、何が求められていてどのように手を打っていくべきかが議論されるというのが一義的であると思っています。これ自体を否定するものではないのですが、やはりそのことは再確認を、念のためといいますか、しておく必要がやはりあるのではないか。特別会計のときは大変な指摘がされて、驚くと同時に、最終的にはそれなりの対応をしていただいたとは思っているのですが。ここに書いてあるように、私も先日、旧能開機構、雇用支援機構の多賀城の津波で流された施設を見学させていただいて、いま名取の代替施設でやっているところを見せていただきましたが、そこでお話を聞いたら、やはりハローワークからの送り込みについてもう少し連携が取れたらいいなということで、もっとこれから連携を強くしていかなければいけないというお話をされました。そういうことも含めて、この場で議論していくことであろうと思っています。そのことだけです。この場で誰かに要請するとか、意見ということではないのですが、仕分けに対する評価という意味で、再確認しておきたいと思っていますので、申し上げさせていただきました。

○今野分科会長 お伺いしておくということでよろしいですか。

○豊島委員 たぶん、使用者側の皆さんもうなずいていらっしゃるし、先生方もうなずいていらっしゃるようなので、そのことが確認できれば、それで私は結構だと思います。

○今野分科会長 よろしいでしょうか。それでは、この議題は終わりにします。もう1つ、その他として「有期実習型訓練の実績について」です。

○田中実習併用職業訓練推進室長 前回の分科会で宿題となっていました、有期実習型訓練の実績につきまして改めて整理しましたので、資料4でご説明します。
 まず1点目は、訓練受講者のうち修了者の割合がどれぐらいかということです。1の有期実習型訓練の実施状況の表をご覧ください。平成23年11月末現在の数字で、訓練開始年度ごとに受講者数を示し、内数として訓練修了時点の修了者数と訓練中止者数などについてまとめました。この表を見ますと、平成23年度はまだ年度途中なので分かりにくいのですが、平成20年度から22年度の数字で、受講者のうち訓練修了者数の割合は8割台になっています。
 2点目は、有期実習型訓練修了3か月後の就職状況の回収率です。2の表をご覧ください。これは訓練の修了者数をベースに数字を取っていまして、平成20年度から23年7月の修了者数が1万429人、うち、訓練修了3か月後の就職状況を回答した方の数が8,783人で、いわゆる回収率は84%となっていました。同じ表で、正社員に限らず就職した方の割合は96.5%で、うち、正社員就職率は前回もご紹介したとおり、7割を超えていまして、73%となっています。以上、ご説明させていただきました。

○今野分科会長 この数字に何かご質問ございますか。どなたが質問したのでしたか。これでいいですか。

○豊島委員 はい。ありがとうございます。

○今野分科会長 用意した議題はここまでですが、全体を通して何かご意見があれば。

○高橋委員 意見というか質問なのですけれども、求職者支援制度が10月1日から開始されまして、2か月半ぐらい経過した状況です。詳細な状況はまだ不明かもしれませんけれども、せっかくの分科会の機会ですので、現時点において判明している点などがありましたら、是非ご紹介いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○松本能力開発課企画官 能力開発課です。まず、訓練の認定状況です。当初の予算では、毎月2万1,000人が受講を開始できるようにというものでした。この10月から1月まで認定数が出ているので、それをご紹介します。10月は約1万人。いずれも開講予定ですが、11月が約1万6,000人、12月が約1万7,000人、1月が約2万2,000人の認定数となっています。これは認定した訓練定員数です。ということで、量の観点からは、ほぼ予定値に近づいてきている状況です。
 一方、内容を見ますと、訓練機関が多数ある大都市圏では予定数を満たしているのですけれども、そうではない地方の道府県においては、実践コースの数が足りていない状況です。これが訓練の設定についての状況です。
 訓練の受講についてです。現時点では10月開講分についてしか取りまとまっていません。まず、設定された訓練の3割が中止になっています。残り7割の訓練について定員の充足率は54%でした。この2つの数字が示すところを端的に言えば、設定された訓練数だけの受講希望者が集まらなかったということです。私どもとしては、9月末までは、まだ訓練が始まっていた基金訓練を選ばれた受講者もいらっしゃったのではないか、その影響が多分にあると考えています。言うまでもなく、質の高い訓練で、本当に必要な方に訓練を受けていただくという観点から、引き続き適正に執行してまいりたいと思っています。

○今野分科会長 よろしいですか。これは10月にスタートするのが1万人ですね。その中で3割が中止というのは、人数ベースではなくて、コースベースで3割中止ですね。

○松本能力開発課企画官 これは、コースです。3割のコースが中止になった。中止にならなかったのは7割のコースで、7割のコースの予定した定員の54%が受講者であるという関係です。

○今野分科会長 そうすると、1万人を分母にして充足人数を分子にすると、5割を割るのですか。

○松本能力開発課企画官 割ります。受講者数は4,314人です。

○今野分科会長 そういう感じですか。まだ、11月にならないと分からないですね、基金訓練との関係があるので。

○松本能力開発課企画官 はい。11月分、12月分と見ていかないと数字は安定しないかと思います。

○今野分科会長 分かりました。ほかに何かありますか。

○大久保委員 コースは10月分だけしかまだ出ていませんけれど、どういうコースに比較的受講者の希望が集まっているか、バラつきはあると思うのですけれど、その辺の状況について何かありますか。

○松本能力開発課企画官 全体的に、平均は54%で、ほとんど差がないのですが、比較的高いのは、介護の訓練が57%です。

○今野分科会長 高くて57%ですか。コース間であまり差がないということですね。

○松本能力開発課企画官 コース間はほとんど差がない。有意な差はないです。

○三村委員 先の新聞に、運営会社8社に改善指導を出し、ということで、規定を改訂したと書いてあるのですけれども、その規定の改訂内容をお教えいただきたいと思います。

○松本能力開発課企画官 前回の能力開発分科会でご説明申し上げたものですが、2点改訂しております。まず、派遣会社・職業紹介会社が訓練を実施している場合があるのですけれども、そういった場合はその登録者に自社の訓練だけを案内するのはやめてくださいということが1点です。もう1つは、広告を装って人を紹介してくださいというような事案が明確に駄目だと分かるように、表現ぶりの訂正を行ったものです。この2点です。

○三村委員 はい、分かりました。

○今野分科会長 ほかに、いかがでしょうか。

○伊東委員 求職者支援訓練の受講者の年齢分布を教えてください。それから、うろ覚えですけれども、この間、生活保護とこの求職者支援法で月10万円をいただくことの関係で、これを受けると減らされてしまうのでなかなか受ける人がいないという記事が載っていたと思いますが、うまく整合性を取るような施策というか、その辺はどのようにお考えになっているのか、参考までに教えてください。

○松本能力開発課企画官 まず1点目の、年齢分布については、4,000人ということもあって、資料の形で整理していませんので、次回の分科会では必ずそれもご提示申し上げます。また、4,000人を分母としたデータも後ほど各委員にお知らせしたいと思います。
 2点目の、生活保護の関係についてです。生活保護を受けていらっしゃる方でも、また受けようとされる方でも、訓練が必要であれば、かつ、就職に向けての意欲があれば、この制度を活用いただけるという整理にしています。生活保護を受けられている方については、こちらの給付金10万円は収入認定を生活保護上しています。その分、生活保護の給付金が減るという整理です。当該受給者にとってみれば、総収入は、出所は違いますけれども変わらない。ただ、訓練を無料で受講できる。訓練が終わった暁には就職に向けての支援をハローワークからも受けることができるという整理にしています。生活保護を受けられている方が、どれぐらいいるかの数字を取る形にはなっていません。生活保護のある無しにかかわらず、基本的に必要な人には受けていただくという制度の建て付けになっていますので、そのような扱いです。現時点で数字は把握していません。

○伊東委員 要は、生活保護を受けている方たちが労働市場に戻るというのは重要なことですから。労働市場に戻るに当たって、生活保護を受けている人はやはりマインドが非常に下がっているという話も聞くので、そこにたぶんひと工夫必要かなと、素人なので考えるのです。そうしたときに、ただ、ありますからどうぞでは、たぶんそういう方たちが受講するのはなかなか難しいところもあるかなと考えると、そこのプラスアルファの仕掛けも必要なのかなと感じたものですから、その辺について、もしお考えがあれば、あるいはそういう分析がされているのであれば、また教えていただきたいと思っています。

○松本能力開発課企画官 分かりました。福祉対策と労働対策との間をどう繋ぐかは常に問題になっています。たしか一昨日まで、生活保護についての国と地方との協議が行われていまして、そこでも論点になっていました。生活保護を受けていらっしゃる方でも、この方は働けるのではないかと思われる方には、まずは就職意欲の喚起を福祉サイドでもやっていただき、その上でこちらの労働施策としての職業訓練を受けていただくというような繋ぎ方をするために、ハローワークと福祉事務所の連携を運用改善によって速やかに実施するという取りまとめがされたところです。

○今野分科会長 いずれにしても、受講者が生活保護をもらっているかどうかは分からないのですね。

○松本能力開発課企画官 はい、そのとおりです。

○今野分科会長 データは取っていないということですね。

○松本能力開発課企画官 はい。

○今野分科会長 ほかに、いかがですか。

○大久保委員 先ほどの提言型政策仕分けの中にも、非正規労働者のいちばんの問題は能力開発がなされていないことだという指摘が書いてありました。ただ、この能開分科会の議論は随分、基金・生保の問題も含めて、非正規向けの対策については相当ここ何年かの間に充実させてきたという認識でいます。改めてこういう言葉が出てくるのですけれども、非正規労働者向けの職業能力開発に関して、まだうまく着手できていない、未着手の残された課題というのはあるのでしょうか。私は、だいぶ網羅的に一通りのことをやってきたという気がしているのですけれど、その辺りの認識はどういうことになっているのか、ちょっと教えていただけますか。

○土屋総務課長 いまご指摘がありましたように、求職者支援制度などを中心として、非正規の方への対応は能力開発の部分でもかなり強めてきているというのが、これまでの状況だろうと思っています。ただ、先ほど求職者支援制度の運用の状況をご説明しましたように、制度を作った中で、これからその受講が必要な方に、どうこの制度を活用していただくか、どのように適切に訓練に誘導していくかという面の課題は、先ほどの充足率との関係などを見ても、残っている面もあるかと思いますので、そういったところに力を入れていくということではないかと思います。今回の仕分けの中では、確かに個別の各委員のご指摘の中には能力開発に着目したものもありますが、大きな提言のところで出てくる構造的な課題への対応というのは、例えば非正規の面ですと、いま労働条件分科会でご議論いただいているような有期労働契約のルールにかかわる問題など、そういうものが意識されてこういう提言がまとめられたのではないかと私としては考えています。

○小野職業能力開発局長 提言型政策仕分けの能力開発関係については、私が出席をしましたので、先ほどのお話も含めて、お答えしたいと思います。実は、資料3の2、3頁の細かい提言内容については、「評価シートに記載された各評価者の提言内容」ということで、実際に仕分けの現場でやり取りをしたものではありません。時間が約1時間半ということで、能力開発というよりもむしろ雇用対策全般の効果検証や雇用の課題など、非常に幅広いテーマで議論されたこともありまして、実際の能力開発の部分についてのやり取りは非常に僅かでした。ハローワークと職業訓練の連携などの話は多少出ましたけれども、能力開発そのものについて、例えば、いまお尋ねの非正規雇用の能力開発についてなど、事業の検証そのものについて時間をかけて議論されたものではないのです。それぞれの仕分けの委員に最終的に評価シートに記載してくださいということで提出されたものが資料3に記載されている提言内容ですので、ここに出されたものについて我々とやり取りをされたということではない。ただ、委員のご意見ですので、ここに記載されているものです。もちろん重要なものであれば、我々としてはこれを受けてしっかりやっていく、こういうことですので、その点を踏まえてお考えいただければと思います。

○今野分科会長 ほかに、いかがですか。それでは、これで終わりにさせていただきます。次回の分科会の日程等については、また改めて事務局から連絡をしてもらいます。
 最後に、議事録の本日の署名委員は、労働者側委員は林委員、使用者側委員は諏訪委員にお願いいたします。今日はこれで終わりにします。ありがとうございました。

(了)

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