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2012年1月23日 第32回厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会 議事録

健康局総務課生活習慣病対策室

○日時

平成23年1月23日(水)14:00~16:00


○場所

中央合同庁舎第5号館18階 厚生労働省 専用第22会議室


○議事

地域保健健康増進栄養部会
出席者
 委員
  磯部 哲(慶應義塾大学大学院法務研究科准教授)
  市原 健一(全国市長会理事・茨城県つくば市長)
  井部 俊子(聖路加看護大学学長)
  上谷 律子(財団法人日本食生活協会常務理事)
  大場 エミ(全国保健師長会会長)
  小澤 壯六(健康日本21推進全国連絡協議会会長)
  春日 雅人(独立行政法人国立国際医療研究センター研究所長)
  坂本 雅子(福岡市専門員(こども施策担当)・こども総合相談センター名誉館長)
  佐藤 保(社団法人日本歯科医師会常務理事)
  澁谷 いづみ(愛知県半田保健所長)
  高橋 滋(一橋大学大学院法学研究科教授)
  武見 ゆかり(女子栄養大学教授)
  多田羅 浩三(財団法人日本公衆衛生協会会長)
  田中 一哉(国民健康保険中央会常務理事)
  田畑 泉(立命館大学スポーツ健康科学部教授)
  辻 一郎(東北大学大学院医学系研究科教授)
  徳留 信寛(独立行政法人国立健康・栄養研究所理事長)
  永井 良三(東京大学大学院医学系研究科教授)
  中村 丁次(社団法人日本栄養士会会長)
  樋口 進(独立行政法人国立病院機構久里浜アルコール症センター院長)
  樋口 輝彦(独立行政法人国立精神・神経医療研究センター理事長)
  藤原 英憲(社団法人日本薬剤師会常務理事)
  古木 哲夫(全国町村会行政委員会副委員長・山口県和木町長)
  保坂 シゲリ(社団法人日本医師会常任理事)
  三浦 宏子(国立保健医療科学院統括研究官)
  宮下 暁(健康保険組合連合会常任理事)


 厚生労働省
 (政務)
  藤田厚生労働大臣政務官
 (健康局)
  外山健康局長
  野田生活習慣病対策室長
  尾田保健指導室長
  政田地域保健室長
  河野栄養・食育指導官
 (医政局)
  小椋歯科口腔保健推進室長




○河野栄養・食育指導官 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第32回「厚生科学審
議会地域保健健康増進栄養部会」を開催いたします。
 委員の皆様方には御多忙の折お集まりいただき、ありがとうございます。
 それでは、初めに藤田政務官よりごあいさつ申し上げます。
○厚生労働大臣政務官 皆様こんにちは。政務官の藤田一枝でございます。本日はお寒い中、こ
の会合に御出席をいただきまして、本当にありがとうございました。本年もどうぞよろしくお願
いを申し上げます。
 昨年10月以来、本部会において今後10年先を見据えた国民の健康づくり運動プランの方向性、
そして具体的な目標などについて熱心に御議論をいただいてまいりまして、本当にありがとうご
ざいました。
 本日の部会では、これまで皆様方から御意見等を踏まえまして、事務局の方から次期国民健康
づくり運動プランの骨子案をお示しさせていただきたいと考えております。
 併せて、今朝の新聞にも大きく報道されておりましたけれども、喫煙に関する目標項目と目標
値の考え方についても、事務局より御説明する場を設けさせていただいているところでございま
す。
 この喫煙に関しては、がん対策推進協議会で現在検討が進められておりまして、このがん対策
推進基本計画の見直しに向けた検討の進捗状況を踏まえて、特に健康づくりとがん対策推進基本
計画との間に密接な関連のある喫煙ということで、その目標について本部会でも御議論をいただ
くものでございます。是非ともよろしくお願いを申し上げます。
 生活習慣病対策を一層推進していくためにも、これまで重視をされておりました一次予防対策
にとどまらず、子どもや働く世代、そして高齢者など、それぞれのライフステージに応じたさま
ざまな観点から、政府として必要な方策を講じていく必要があると考えているところでございま
す。
 また、社会全体としてどのように健康を支え、守る環境を整備するか。こういった観点も踏ま
えながら各分野を代表される皆様方から、引き続き忌憚のない御意見を幅広く賜ることができれ
ばと思っておりますので、是非ともよろしくお願いを申し上げます。
 今日は本当にありがとうございました。
○河野栄養・食育指導官 藤田政務官は他の公務のため、退席となりますので御了承願います。
 なお、橋本委員、福田委員、松田委員の3名におかれましては、本日は欠席となっております。
磯部委員におかれましては、遅れての出席となります。
 続きまして、本日の出席状況について御報告させていただきます。委員定数は28名でございま
す。現在24名の委員の御出席を得ており、出席委員は過半数に達しておりますので、会議は成立
しておりますことを御報告いたします。
 次に、配付資料の確認をいたします。
 お手元に座席図、議事次第、委員名簿、配付資料一覧がございます。
 資料1「『国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針』改正案」。
 資料2「たばこに関する目標設定の考え方について」。
 参考資料1としまして、関係団体・関係学会への意見聴取について。
 先生方のお手元机上には、緑色のファイルを置かせていただいております。前回の部会でも置
かせていただきました健康日本21最終評価の概要と報告書、併せて基本方針についての平成15
年の告示と健康局長通知に加え、これまでの専門委員会における委員提出資料が入っております。
 もし不足、落丁等ございましたら事務局までお申し付けいただきますよう、お願いいたします。
 それでは、本日の議題ですが、次期国民健康づくり運動プランの骨子案について御審議いただ
き、その後、関係団体・関係学会への意見聴取について御報告させていただきたいと存じますの
で、よろしくお願いいたします。
 これ以降の進行につきましては、永井部会長にお願いいたします。
○永井部会長 では、最初の議題であります、次期国民健康づくり運動プランの骨子案について
の審議に入ります。
 次期国民健康づくり運動プランの骨子案につきましては、事務局より案を提出いただいており
ますので、まず事務局から御説明をお願いいたします。
○野田生活習慣病対策室長 それでは、御説明いたします。資料1、資料2を使って御説明いた
します。
 資料1は「国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針」改正案ということで、
まだ名称は決まっておりませんけれども、第二次健康日本21とさせていただいております。
 骨子案でございます。まずこの前文につきましては、これまでの2回の部会、3回の専門委員
会において御議論してきていただいたことを踏まえまして、総合的に前文として書かせていただ
いているものでございます。
 この方針は、我が国における高齢化の進展や疾病構造の変化が進む中で、生活習慣及び社環境
の改善を通じて、子どもから高齢者まですべての国民が共に支え合いながら希望や生きがいを持
ち、ライフステージに応じて、健やかで心豊かに生活できる活力ある社会を実現することができ
るよう、国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的事項を示すものということでござ
います。
 以下が第一から第七まで骨子案が書いてあります。各々の第一、第二となっています見出しに
つきましては、法律で定めることとされている事項でございます。これから基本的な方向と目標
に関することをまず御説明して、その後に第三以降を御説明するということでございますが、第
一と第二につきましてはまず図をごらんいただきたいと思います。資料1の最後に2つ、概念図
を付けてございます。
 まず、この骨子案の中で基本的な方向についてどのように考えているかということでございま
す。左側が現在実施中のものですが、健康日本21のことでございまして、右側が次期のプランで
ございます。
 現行のプランにつきましては、まず目的につきましては壮年期の死亡の減少、健康寿命の延伸、
生活の質の向上といったことを目的として推進しております。
 評価、委員の方々のこれまでの御議論等を踏まえまして、課題としましては非正規雇用の増加
などの雇用基盤の変化、家族形態の変化等がある中で、健康における地域格差の縮小の実現が重
要であるといった視点がございました。
 これを基に次期プランでは「健康寿命の延伸と健康格差の縮小」を一番に項立てしまして、「健
康寿命の延伸」に加えまして、あらゆる世代の健やかな暮らしを支える良好な社会環境を構築し
「健康格差の縮小」を実現することにしてございます。
 一次予防の重視ということを2番目に掲げておりましたが、これまでは決して重症化を軽視し
てきたということではございませんけれども、一次予防を重視するという考え方でございました。
 課題としましては、高齢化社会がますます進む中で重症化の観点、年代に応じた健康づくりを
するといったことで、社会生活機能を維持する観点が重要ということでございまして、次期プラ
ンにおきましてはこれを2つに分けまして「生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底」「社会
生活を営むために必要な機能の維持・向上」という立て方をしております。
 1点目につきましては合併症等の重症化予防でございますし、2点目につきましては高齢期に
おける日常生活の自立、子どものころからの健康づくり、働く世代のこころの健康対策といった
ことを重視して考えてはどうかということでございます。
 左側ですが、3点目といたまして健康増進支援のための環境整備ということでございまして、
これまでは健康づくりに取り組もうとする個人を社会全体で支援していくことを重視ということ
ではありましたが、健康の意識はありながら、生活に追われて健康が守れない方々、健康に関心
が持てないといった方々に幅広く対策を評価していかなければいけないのではないかといった御
意見が多数ございました。
 そこで、次期プランにおきましては「健康を支え、守るための社会環境の整備」ということで、
時間的にゆとりのない方々、健康づくりに無関心な方々を含めて、社会全体として相互に支え合
いながら健康を守る環境を整備していくということを重視するということでございます。
 一番下の「多様な分野における連携」については、全体の考え方を受けてということでござい
ますが、新たな視点として産業界との連携ですとか、住民活動といった組織等との連携を重視し
たポピュレーションアプローチが必要なのではないかということでございます。
 裏のページがこの基本的な方向に沿いまして、どのような目標を設定するかということの基本
的な考え方を示したものでございます。現行の健康日本21は9分野の79項目で設定しておりま
して、目標項目は局長通知で規定しております。これにつきまして5つの基本的な方向に対応さ
せる形での54項目。指標につきましても相互の関係が非常に複雑であるとか、わかりにくいとい
った御意見が多数ございましたので、そこを少し整理して54項目にしています。
 評価におきましては、必ずしも達成状況が十分ではないといったこともございまして、実効性
を持たせるために目標項目を大臣告示にするということでございます。
 具体的には健康リスク6つ、疾患3つということでありましたけれども、これを再構成して先
ほど御説明いたしました基本的な方向に沿って目標を立てていくということでございます。殊に
①の健康格差の縮小に関する目標というのは新しい要素でございます。
 ②につきましてはがん、循環器疾患、糖尿病、慢性閉塞性肺疾患(COPD)といったものを対象
に目標を立てる。このNCDとございますのは、近年ただいま申し上げました4疾患につきまして、
グローバルな視点でWHOですとか国連の場で健康のリスクを単に個人の行動変容という観点から
だけではなくて、社会環境全体を健康に寄与するものとしていくような形で社会環境整備を行っ
ていくことによって、疾病リスクを減らしていくという考え方が出てきておりまして、NCDの予防
という書き方をしております。
 ③は先ほどの社会環境の関係。
 ④は健康を支え、守るための社会環境の整備。
 ⑤は特にリスクの部分についてはいろんな疾患の予防に共通するものでございますので、先ほ
ど申し上げた視点でNCDリスクの低減といったことで、目標を掲げるような整理になっておりま
す。
 下に新しい目標の例としまして、(1)にロコモティブシンドローム、COPD。(2)に健康格
差の関係、住民組織活動の関係、週労働時間の関係を盛り込んだということでございます。
 具体的な基本的な方向なり基本的な目標についての説明は文章で書かれておりますけれども、
全体を図で示したものがA3横長の資料でございまして、今、御説明いたしました一番左側にござ
いますが、5つの基本的な方向に沿って目標を立てているということで、特に①の健康寿命の延
伸と健康格差の縮小につきましては、全体的な目標でございますので、全体目標として全部に係
るような形で整理させていただいています。
 ②のNCD関係につきましては、各々の疾患ごとに個別の指標を立てております。
 ③につきましてはこころの健康、次世代の健康、高齢者の健康ということで、各々に必要な、
例えばこころですと自殺者の減少、メンタルヘルスに関する措置、子どもの心の支援といった指
標になっておりますし、次世代の健康であれば低出生体重児の割合の減少といった項目を盛り込
んでおります。高齢者の健康でありますと要介護、認知機能低下、骨粗鬆症、ロコモティブシン
ドロームといった指標を盛り込んでおります。
 ④に対応する目標ですが、社会の絆の向上ということで、地域のつながりの強化や住民の活動
等についての指標を盛り込んでおります。
 右全体が先ほど申し上げましたこれらの疾患や状態に対する共通リスクということで、NCDの予
防のために必要なリスクを整理したものでございます。これにつきましてはこれまでのいろいろ
な個人の行動変容のための指標ですとか、主に下の方にございますけれども、栄養成分表示です
とか、運動しやすい環境づくりに関するもの、週労働時間に関するもの、受動喫煙に関するもの、
こういったもので構成されております。
 資料1の4ページが第三になります。第三以降につきましては都道府県、市町村の健康増進の
策定に関することですとか、調査のことですとか、健康増進事業実施者間における連携に関する
ことなどが並んでおります。
 第六につきましては正しい知識の普及、第七については全体に係ることですが、その他国民の
健康の増進の推進に関する重要事項ということで、骨子案としておるところでございます。
 第三の都道府県及び市町村の健康増進計画の策定に関する基本的な事項につきましては、目標
の設定と評価ということで、地域の実情を踏まえながらきちんとした統計データを使って定期的
に評価、改定を実施すべき。都道府県においては代表的なものについて住民にわかりやすい目標
を提示すべき。市町村においては国や都道府県が設定した目標を勘案して、具体的な事業等に関
する目標に重点を置いて設定すべきとなっております。
 計画策定の留意事項につきましては、連携強化の視点。第二番目としまして今回、地域格差の
関係がありますので、地域間の健康格差の是正といったことを盛り込んでおります。
 それ以下につきましては保健所、都道府県・市町村との関係、市町村における住民が主体的に
参加をして、意見を反映できるように留意するといったことを盛り込んでおります。
 第四につきましては国民健康・栄養調査その他の調査、研究に関する基本的な事項ということ
で、必要な研究について推進していく。1点目のところにありますが、生活習慣病の改善のほか、
社会環境の改善に関する調査研究ということを盛り込んでございます。
 2点目は積極的な情報の公表に努めるといったことが盛り込まれています。
 3点目は健康情報の個人の活用とともにICTを活用して、そういった仕組みを構築することを
盛り込んでおります。
 研究については必要な研究を行っていくということでございます。
 第五につきましては一般的な連携につきまして、地域・職域連携推進協議会等が中心になって
連携を促進するといったことを書いてございます。
 第六につきましては正しい知識の普及ということで、極めて一般的ではございますけれども、
情報提供に当たっての工夫なり注意を盛り込んでおります。
 普及月間につきまして2番目に書いておりまして、これは今でもそうですが、9月を普及月間
とすることとしております。
 第七につきましては、すべてこれまでの事項を踏まえまして、国民の健康の増進の推進体制の
整備、民間事業等との連携、健康増進を担う人材に関することを網羅的に盛り込んでございます。
○外山健康局長 補足しますけれども、これは骨子案となっておりますが、今日おいでいただい
ている辻先生の専門委員会の方で、そういう視点でもとりまとめていただいたということでござ
いまして、若干字句の修正は役所の方でいたしましたけれども、そういう性格の骨子案でござい
ます。
○野田生活習慣病対策室長 1つ申し上げるのを忘れていましたが、今、2ページの第二のとこ
ろで、目標の設定と評価というところについて御説明をするのを忘れまして、科学的根拠に基づ
いた実態把握が可能な目標を設定する必要があることと、10年間に対象期間を設定する。5年度
目をめどに中間評価を行って、最終年度に再び評価を行うこととしております。
 続けて資料2について御説明いたします。「たばこに関する目標設定の考え方について」とい
うことでございます。
 たばこにつきましては政務官がごあいさつで申し上げましたとおり、今、次期プランに基づい
て都道府県計画において調和が保たれなければいけないことになっております、がん対策基本法
に基づくがん対策推進基本計画の素案が、2月1日に示される予定になっております。その中で
がんと密接に関係するたばこにつきまして、具体的な目標値を提示することになっておりまして、
これについても御議論いただくという趣旨から資料2「たばこに関する目標設定の考え方につい
て」という資料を付けております。これについて御説明いたします。
 1ページ「1.成人の喫煙率の低下」でございます。
 「(1)目標設定の必要性」ですが、これらにつきましては本日、お手元にお配りしておりま
す、今、局長が申し上げました専門委員会でさまざまな御議論があったものに基づいて、事務局
が策定しているものでございます。お手元の資料のたばこの部分ですと、緑色のファイルの一番
最後のまとまりの中の37ページからが、その資料になってございます。
 目標設定の必要性ですが、喫煙は、がん、循環器疾患等、さまざまな疾病の原因となることが
科学的知見として確立されております。
 たばこ消費量は近年減少傾向にあるが、我が国の年間死亡者数約119万人のうち、喫煙者本人
の喫煙による年間の超過死亡数は12~13万人と推計されている。日本も批准しております「たば
この規制に関する世界保健機関枠組条約」の目的に「たばこの使用及びたばこの煙にさらされる
ことの広がりを減少させる」ということがございまして、国際的な責務もございます。
 したがいまして、成人の喫煙率低下に関する目標を設定し、必要な対策を推進することによっ
て、現在及び将来の健康被害を回避することが必要であるという考え方でございます。
 「(2)目標値の考え方」でございますが、現在の健康日本21におきましては、たばこに関し
まして「喫煙をやめたい人がやめる」ことを方針として掲げて、健康づくり運動を推進しており
ます。平成19年に策定された「がん対策推進基本計画」におきましては、個別目標としまして「喫
煙をやめたい人に対する禁煙支援を行っていくことを目標とする」ことが閣議決定されておりま
す。
 こうしたことから厚生労働省のみならず、政府全体として、喫煙をやめたい人が禁煙する環境
を整備することが求められていることを受けまして、目標値につきましては、現在の成人の喫煙
率から、禁煙希望者が全員禁煙した場合の割合を減じたものを数値として設定するという考えで
ございます。これがまず成人の喫煙率の低下に関する目標設定でございます。
 2ページは未成年者の喫煙をなくすという目標でございます。この必要性につきましては、未
成年からの喫煙は健康影響が大きく、成人期を通じた喫煙継続につながりやすいといったことで、
中・長期的な視点から指標として含めておくべきだということでございます。
 目標値の考え方につきましては、現行の健康日本21において「未成年者の喫煙をなくす」こと
が目標値となっております。今の目標としましては以下に並んでおりますような中学生、高校生、
男女の目標となっておりますけれども、これを保持するという考え方でございます。データソー
スはこの研究班の調査ということでございます。
 先ほど申し上げるのを忘れましたが、先ほどの目標値の考え方につきましては、国民健康・栄
養調査に基づいて設定をするという考えでございます。
 3ページは「3.受動喫煙の防止」でございます。目標設定の必要性でございますが、能動喫
煙と同様、受動喫煙につきましては短期間の少量暴露によっても健康被害が生じるということで、
具体的には虚血性心疾患、肺がん、乳幼児期の喘息、乳幼児突然死症候群といったものの原因と
なるということでございます。
 「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」の第8条において「たばこの煙にさらされる
ことからの保護」のための効果的な措置を講じることが規定されております。
 平成19年の「たばこ規制枠組条約第8条履行のためのガイドライン」におきましては、「すべ
ての屋内の職場、屋内の公共の場及び公共交通機関は禁煙とすべきである」ことが明記されてお
ります。
 国内の取組みといたしましては、平成15年に施行されました健康増進法において、多数の者が
利用する施設を管理する者に対して、受動喫煙防止のための措置を講じることを努力義務として
いるところでございます。また、平成22年に発出した健康局長通知におきましては「今後の受動
喫煙防止対策の基本的な方向性として、多数の者が利用する公共的な空間は、原則として全面禁
煙であるべき」ことを示しております。
 職場についてでございますが、平成22年に閣議決定されました「新成長戦略」において、2020
年までに「受動喫煙の無い職場の実現」が掲げられております。
 こうしたことに基づきまして、受動喫煙の防止に関する目標を設定することが必要でございま
す。
 目標値の考え方でございますが、まず行政機関・医療機関につきましては5ページに参照条文
が付いておりますけれども、健康局長通知において「少なくとも官公庁や医療施設においては、
全面禁煙とすることが望ましい」とされております。住民の健康を守るための公的責任を果たす
要請が特に強いという考え方でございまして、これら2つにつきましては「受動喫煙の機会を有
する者をなくす」ことを目標に掲げることが適当であるという考え方です。
 職場についてでございますけれども、職場につきましては、快適な職場環境を形成することが
事業主の努力義務として規定されているところでございますが、「新成長戦略」における「受動
喫煙の無い職場の実現」を目標に掲げることが適当という考え方でございます。
 4ページ、家庭・飲食店でございます。国民の健康被害を防止する観点からは、この2つにつ
きましても行政機関等と同様に、受動喫煙を完全になくす目標を設定することが望ましいと考え
られます。
 一方で20歳以上の者に喫煙が認められている中で、プライベートな空間である家庭において完
全な受動喫煙防止を求めることは、現時点では困難なのではないか。また、飲食店の場合は、平
成21年3月にとりまとめられました「受動喫煙防止対策のあり方に関する検討会報告書」の中で
も「中小規模の事業所が多数を占める飲食店や旅館等では、自発的な受動喫煙防止措置と営業を
両立させることが困難な場合があることに加え、利用者に公共的な空間という意識が薄いため、
受動喫煙防止対策の実効性が確保しがたい状況にある」と書かれております。顧客に対して禁煙
等とすることを一律に事業者に求めることは、現時点では困難なのではないかということを踏ま
えまして、受動喫煙の機会を有する者を半減することを目標としたいということです。
 喫煙率そのものが低下いたしますと、先ほど1ページ目のところで成人の喫煙率の低下につい
て御説明いたしましたが、喫煙率そのものが低下しますと受動喫煙の割合も自然に低下するとい
うことでございますので、半減させる基準となる値は現在、家庭、飲食店で受動喫煙の機会を有
する者の割合に、禁煙希望者が禁煙した場合の割合を減じた割合としたいという考え方でござい
ます。
 一方、育児期間中における乳幼児の健康の観点から、両親が家庭で喫煙することのないよう周
知・広報を徹底する。また、将来的には家庭・飲食店においても全面的に受動喫煙がなくなるよ
う、国民のコンセンサスを得ながら社会全体としての取組みを計画的に進めていくことが必要で
あるということを、留意点として書かせていただきました。
 この受動喫煙につきましても、データソースは国民健康・栄養調査に基づいて設定をしたいと
考えております。
 御説明につきましては以上でございます。
○外山健康局長 今のたばこの話も、緑色のファイルの先ほど申し上げた一番最後のところの専
門委員会における各委員提出資料の中の、例えば40ページのところに先ほど辻委員長のところの
専門委員会で今、室長が申し上げたような物の考え方を御提言されまして、それを踏まえた形の
今の事務局の説明になっておりまして、何の脈略もなく今ここで物を言っているのではなくて、
そういった専門委員会での専門家の知見を踏まえて、とりまとめを踏まえた形で言っていること
を強調しておきたいと思っています。
○永井部会長 ありがとうございました。
 それでは、御意見をお聞きいたしたいと思いますが、論点を最初の国民の健康の増進の推進に
関する基本的な方向あるいは増進の目標に関する事項と、たばこの目標設定の話を分けて議論し
たいと思います。
 最初に国民の健康の増進の推進に関する基本的考え方及び目標に関する事項について御意見を
いただきたいと思いますので、どなたからでもお願いいたします。
○井部委員 最初にちょっと教えていただきたいんですけれども、この次期国民健康づくり運動
プランの目標についての運動プランで、これまでは局長通知だったものが大臣告示に格上げされ
ると、どんな威力が発揮できるのでしょうか。
○外山健康局長 役所は位が上の方がいいに決まっておりまして、局長通知と言うと一省庁の一
局の通知となりますが、健康日本21は取り扱っている範囲が非常に大きいものですから、そう
した方がいいだろう。他省庁の計画に比べると位置づけが下位の計画に過ぎる。
 前の健康日本21というのは12年前に次官通知でできていたわけです。それが10年前に健康増
進法ができたときに法律のつくり方として重要な部分を基本方針、これは大臣告示として、これ
は都道府県が計画をつくるときに参照する。残った部分といいますか、前の次官通知が因数分解
されて、残った部分の説明的なところが局長通知に落ちたということなので、見方によると最初
の計画は次官通知だったものが、せっかく健康増進法ができたのに、いわゆる健康日本21という
ものが一健康局長通知になってしまったという変な形になっているわけです。
 一方、農水省やさまざまなところの計画を見ますと閣議決定になったりいろいろしているもの
ですから、だとすればもう少し今の基本方針というところの部分の大臣告示のところをもう少し
肉を付けて、それ自身が計画だというふうにすれば、いろいろこの健康日本21が持っている宣伝
性といいますか、もう少し人々に愛されてもいいような部分が、都道府県に行ってももう少し広
がりやすいのではないか。そういうことも踏まえて上位の大臣告示そのものを健康日本21という、
名前はどうかあれですけれども、国民健康づくりのプランにした方がいいという形でやりたいと
いうことで考えています。
○井部委員 この場合の大臣というのは、厚生労働大臣ですか。総理大臣ではないのでしょうか。
○外山健康局長 内閣は一体であり、また厚生労働大臣は厚生労働行政を分担していますから、
厚生労働大臣が総理大臣等と違うということはありません。ただ、総理大臣の名前でというので
はなくて、もう少し違ったやり方としては内閣は閣議で行うことがありますから、がん対策推進
基本計画のように閣議決定という方法もあるかもしれません。しかし、正直申し上げますけれど
も、そうしますと法律の構成から変えなければいけないものですから、まずは我が方としては今
の健康増進法の仕組みの中で、より実効性の高いものにやっていきたいと思っております。
○永井部会長 よろしいでしょうか。
 それでは、案の4ページの上まで「第一 国民の健康の増進の推進に関する基本的方向」及び
「第二 国民の健康の増進の目標に関する事項」について御意見をいただきたいと思います。
○三浦委員 細かいところになりますけれども、2ページの一番下のところ③の糖尿病のところ
でございます。合併症の中で括弧書きして、あえて特定なものを出されているのですが、糖尿病
の合併症は多数いろいろなものがありますので、何となく不自然な感じがいたしますので、ここ
に限局する必要はないのではないかと思います。目の問題、歯の問題、そのほか神経障害の問題
等多数あるので、特出しする必要はないのではないかということで、括弧のところを削除しても
いいのではないかと思いますけれども、いかがでございましょうか。
○永井部会長 いかがでしょうか。等を付けるとか、あるいは全部書き出すか。
○保坂委員 今の御意見もごもっともだと思うんですけれども、質問なんですが、この目標とい
うものが数値を入れるべきであるとすれば、ここに透析患者数を入れたことは非常に意味がある
のではないかと思います。でも、もし数値を入れなくて大ざっぱにこういうものを減少しましょ
うという書き方でいいのであれば、さまざまな合併症全部ということになるかと思うんですが、
例えば目の疾患ということになると総数をどうやって見て、それがどう減ったかということを、
どういうふうにカウントするのかというのは非常に難しいので、多分ここで透析患者数というの
は非常によくわかりやすいので書かれたのではないかと思うんですけれども、こういうはっきり
数字として表れるものだけを書いた方がいいということなんでしょうか。
○野田生活習慣病対策室長 辻専門委員長がおっしゃられるべきことだと思いますので、よろし
くお願いします。
○辻委員 それでは、お答えいたします。基本的な目標の設定の基準ですが、まずはきっちりと
信頼性のあるデータとして客観的な数値があるということ。そして、それを行政的な機構を通じ
まして、さまざまな調査を通じまして定期的にモニタリングできるという、その客観性と調査可
能性、把握可能性を基準として考えております。
 そういう意味で考えますと、今、委員がおっしゃられましたように糖尿病性の合併症につきま
して、一番数値としてわかりやすい、明確に定義できる、そして毎年データが出ているというの
が糖尿病性腎症による透析患者数ということになります。そのような患者さんの場合はQOL、生活
の質もかなり低下いたしますし、医療費的な負担も非常に強いということを考えますと、やはり
この糖尿病性腎症による透析患者数ということを、1つ指標として掲げていこうと考えたわけで
ございます。
○永井部会長 そのときに「等」と入れてはいけないのですか。
○辻委員 結構だと思います。特に透析だけを問題にするというわけではございませんので、代
表的なものしか挙げていませんので「等」を入れても結構だと思います。
○永井部会長 藤原委員、どうぞ。
○藤原委員 同じく先ほどの健康増進を推進するための目標の中の疾患の中に、COPDというもの
がありまして、COPDの知識の普及と早期発見の促進とあるんですが、COPDの早期発見はもとより、
実際にCOPDの悪化の抑制といいますか、悪化しないようにするための予防策というか、そういう
ものを入れておくべきではないか。というのは、治療だけではなくていわゆる呼吸リハビリだと
かそういうものをしっかり入れていって、悪化しない方策が必要ではないかと思うんですけれど
も、いかがでしょうか。
○辻委員 その議論は相当ありました。ただ、2つの点からお答えしたいと思います1つはCOPD
をめぐる現状で一番大きな問題は、国民の中でそれがほとんど認識されていないということです。
実際に推定有病率と実際の外来治療率を比べますと、本来治療を受けるべき人のうち、1割ぐら
いしか治療を受けていないという問題があるわけです。特にこの計画は健康づくりに関するもの
ですので、一次予防的なところと早期発見的なところを重視しております。まず皆さんにCOPDと
はどういうものなのかわかっていただいて、そして多くの方は呼吸器がおかしくなったときに、
それは歳のせいだとかあきらめてしまっているわけですけれども、それをあきらめないで、ちゃ
んと早期発見すれば治療できるということを伝えていこうということが、次期健康づくり運動の
ポイントとなります。COPD対策につきましては、そういった普及策に加えて、もう一つは先生の
おっしゃるような重症化の予防、リハビリテーションということになりますが、この2つのうち
で考えますと、今回の健康づくり部分では主に最初の方、その認識を高めて早期発見、早期治療
の割合を増やしていくことを重視しようという議論がありました。
○永井部会長 徳留委員、どうぞ。
○徳留委員 2つ字句のことなんですが、1つは1ページの健康格差という定義が個人の生活習
慣や社会環境の違いにより生じる健康の集団特異的な違いという定義なんですけれども、これで
は健康格差の説明としては足りないのではないかと思います。
 つまり、健康格差というのは保健、医療、介護、福祉のレベルとか水準とか、あるいはアクセ
スに関しまして社会経済的な階層による格差、もっと具体的に言うと所得格差とか教育格差、就
業格差辺りのことを意味する文言を工夫していただければありがたいと思います。
 下から7~8行目に、将来、生活習慣病に罹患することがないようにと書いてありますけれど
も、これは私ども人間は必ず生活習慣病等に罹患して亡くなるわけですので、生活習慣病への罹
患を遅延するとか、先延ばしするとか、そういう表現にしていただくといいのではないかと考え
ます。
 先生がおっしゃった4ページまでは、その2点でございます。

 先生がおっしゃった4ページまでは、その2点でございます。
○永井部会長 今の点はいかがでしょうか。健康格差の定義の問題と生活習慣病の罹患の問題、
言葉の使い方になるかと思いますが。
○外山健康局長 専門家の先生方の御見識をお伺いしたいです。
○永井部会長 では、健康格差という言葉の定義、生活習慣病の予防というよりも、罹患の遅延
という表現の方がよろしいのではないかという、その2点について御意見をいただきたいと思い
ますが、辻委員から御説明いただけますか。
○辻委員 わかりました。この健康格差の定義というのは確かに先生のおっしゃるような問題が
あります。
 少し直さなければいけないかなと思っているんですが、現時点でといいますか、これまで私ど
も委員会の方で多く議論させていただいたのは、さまざまな定義があるんですけれども、とりあ
えず対応可能なものから始めていこうという考えが多かったと思います。そこで地域格差の方を
かなり多く考えていました。
 と言いますのは、都道府県の間でも平均寿命や健康寿命には,最長と最短との間で数年規模の
差があるんです。あるいは健康日本の最終評価でも出ましたけれども、子どもの齲歯の数も多い
ところと少ないところで2倍以上の格差があるわけです。
 まずは都道府県格差あるいは県内の市町村格差というものをデータとして出せますので、その
実態を出すことを通じて、目指すところは格差をなくすとか、むしろ指標の優れているところは
ベストケースですので、我々が目指すべき1つの行政的な目標になる訳です。ですからベストケ
ースを目指して、数字が劣っているところがそれに向けて頑張っていく。そういったことを通じ
て集団全体としての底上げを目指そうというセンスで今まで議論しておりました。
 勿論、徳留先生がおっしゃるように貧困でありますとか、特に最近は大きな問題になっていま
す所得格差でありますとか、そういったことに伴う健康格差が多々あると思うんですが、なかな
か現時点ではデータを都道府県レベルあるいは市町村レベルで出していくのはなかなか難しいと
ころが1つありますので、そこまでいずれはたどり着きたいと思うんですが、現時点の当面の目
標としては地域格差を中心に考えていって、そこを埋める、底上げしていく戦略を考えていくと
いう議論がありました。ですので、まだこれも決まったわけではありませんので、もし本日の委
員の先生方の御意見を伺って、変えるべきであれば変えたいと思います。
 2番目の生活習慣病に罹患することがないようにという話は、まさに先生おっしゃるとおりで
す。生活習慣病の罹患を遅らせる、遅延ということをおっしゃったわけですが、これは実は健康
寿命を延ばすということそのものですので、私も全く同感ですので、直すようにさせていただき
たいと思います。
○武見委員 健康格差のことについて、今、辻先生の御説明で大体理解したと思うんですけれど
も、第一の基本的な方向の第1項目に挙がっている健康格差の説明の中の社会環境という言葉、
実は恐らくこれが下の方に出てくる健康を支え、守るための社会環境の整備と対応していくのだ
ろうと思うんです。
 恐らく、今、国際的にはこうした社会環境、いわゆるSocioeconomic status(SES)のような形
で表現されることが多いと思うんですが、もしこれが対応に余りこだわらなくていいのであれば、
やはり社会経済的な環境というふうな、今、徳留先生がおっしゃったような経済的なニュアンス
も入った方が、より今後のためには10年間ということを考えればいいような気もいたしますし、
下の方の社会環境の整備と対応していく、つまり底を変えていくんだということをはっきりさせ
ていくという意味での対応のある表現であるのならば、それも1つかなというふうに理解しまし
たけれども、その辺いかがですか。
○外山健康局長 質問していいですか。もしそういった所得の格差まで、それによって病気が多
いとか少ないとか、そういうことまで問題にするのであれば、そうするとそれをどう解決するか
ということまで御提案されるんでしょうか。
○徳留委員 大変クリティカルなコメントだと思うんですけれども、おっしゃるとおり今、健康
格差とか社会格差が即病気の発生あるいは医療受診のアクセス、人生のQuality of Lifeとどう
関わっているかという具体的なペーパーが日本にあるかというと、実はそんなにはないと思いま
す。私どもが属していた学術会議、パブリックヘルス分科会でもこれに関するレポートを出した
んですけれども、結論としてはそういうことでした。
 ですけれども、先ほど武見委員が御指摘になったとおり、今後は我が国においても必ずや大き
いシリアスな問題になるという方向性を、やはり私たちは認識しておく必要がある。今データを
出せと言われるとすぐは出ません。先ほど辻委員がおっしゃったような地域格差の観点のデータ
はございます。ですけれども、私が先ほど申し上げた社会経済階層による格差が即そういう病気
の罹患率とか医療アクセス、QOLのレベルに関したものがありますので、今後私たちはそれをしっ
かり研究なり調べて情報発信すべきではないかと思います。
○永井部会長 坂本委員、どうぞ。
○坂本委員 先回のこの委員会で児童相談所の一時保護所の齲歯の話をさせていただきました。
公衆衛生的には1人で多くの虫歯を持っている子どもは、やはりそういう困難な家庭に多くて、
そして、その子どもたちの虫歯の数が公衆衛生上のWHOの齲歯の罹患率を非常に上げていると、
御専門の先生から聞いております。
 そういう齲歯を早期発見し早期治療するというのは、健康格差と貧困の問題と関係した問題と
してあるんです。そして、早期発見して早期治療を促すということはできない公衆衛生活動では
ありません。社会経済的な部分を常に視点に置きながら、健康目標を定めていくということは、
これからの健康づくりをするときに、とても大事な視点なのではないかと思います。
 福岡市は幼稚園児と保育園児の歯科検診を長年続けておりまして、そこでも保育園児と幼稚園
児の齲歯の罹患率の差があります。ワーク・ライフ・バランスと言われながらも、多忙な家庭の
生活の状況が反映するわけです。較差という視点を持って健康のデータを見ていくということが
ないと、健康づくりそのものが核心に近づくということにならないと思います。
○永井部会長 今回の第二次健康日本21が社会経済環境を構築するというところまで踏み込む
わけではないということですね。それによって起こる問題については対応しましょうという理解
なのだろうと思いますが、どうでしょうか。
○外山健康局長 そうさせていただきたいというか、逆に最低限、社会経済的な環境格差があっ
たとしても、それによって影響を受けないような健康づくりの社会的インフラをつくっていくん
だという意味合いでとらまえさせていただければ、ありがたいと思います。
○永井部会長 今の点はよろしいでしょうか。
 生活習慣病の罹患防止ではなくて、早期の発症防止というか遅延ということですね。そういう
理解だということです。
 それでは、澁谷委員、どうぞ。
○澁谷委員 全体の内容には壮年期の保健についてちりばめられて書かれておりますが、壮年期
の死亡の減少は全体の目標というところからは全くなくなってしまっています。けれども、きわ
めて重要な問題を含んでいると思っています。
 1つは壮年期のがん対策が非常に重要だろうと考えています。2ページ目に推進するための目
標というところがありますが、例えば推進は各都道府県といった地方の推進体制が非常に重要で
すので、がんや循環器のところで、地域がん登録や地域の循環器疾患登録といったものの推進の
目標、あるいは産業保健分野の職域のがん検診率といった非常にとらえるのは難しい指標になる
と思いますが、こういったものも考慮していただけるとありがたいと思います。
 言葉の使い方で1ページ目の「時間のゆとりのない者」という言い方は、ワーク・ライフ・バ
ランスのことだろうと思いますが、漠然として少し言い方がわかりにくいかと思うのと、2ペー
ジ目の上から2行目に「対象セグメント別」という言い方がしてあるのですが、この言い方も少
しわかりにくいと思います。
 もう一つ、高齢者の健康というのも大事な視点だと思います。3ページ目の中ほどのところに
高齢者の健康とあるのですけれども、介護予防事業を評価していただくのがいいのではないかと
いうことで、介護予防事業の参加数とか、何らかの評価をここでしていただけたらと思います。
 以上です。
○永井部会長 大場委員、どうぞ。
○大場委員 今、澁谷先生の方から介護予防事業のお話がございましたけれども、高齢者の健康
問題、健康支援は介護予防事業とほとんど同じような状況の中で、地域の中では実際されている
のが実情でございます。
 そういう視点に立ちますと、この骨子案の6ページなんですけれども、推進体制の整備のとこ
ろでさまざまな機関が載っておりますが、地域包括支援センターが入ってきた方がいいのではな
いかと思っております。高齢者の第一義的な相談は介護予防は地域包括が中心的に行っておりま
して、高齢者の地域づくりの支援等も力を入れておりますので、是非入れていただければと思い
ます。
○永井部会長 樋口委員、どうぞ。
○樋口(輝)委員 私は3ページ目(3)なんですが、社会生活を営むために必要な機能の維持・
向上に関する目標というところに①~③までありまして、その中に①がこころの健康、②が次世
代の健康、③が高齢者の健康となっているんですけれども、中が同じカテゴリではないように見
えるんです。
 ②と③は確かに、要するにジェネレーションであるとかライフステージのことはそのままでこ
こは通るわけですが、こころの健康の中を見ますと自殺者数の減少、うつ病等の減少は疾患のこ
とを言っている。後段のところはむしろストレスを減少させたりメンタルヘルスに関するいろい
ろな職場での対応とか、子どもの支援のことがかかれていて、本来であればここは②、③を中心
にして、例えばですけれども、ここの中には児童期の問題、成人期の問題、老年期の問題という
ふうにして整理された方がきれいなのかなと。その分、①のところはどうするのかというと、こ
れはそういう項目立てができるかどうかわかりませんが、本来であれば前のページの2番の健康
増進を推進するというところの例えば(3)として、今(2)が生活習慣病に関するものである。
例えば(3)にして、そこに精神疾患の早期発見・早期治療に関する目標という項目立てをした
方がきれいではないか。
 なぜそういうことを申し上げるかというと、いわゆる5大疾病に精神疾患は位置づけられたこ
ともありますので、そうすると生活習慣病と並んで精神疾患に関する項目が入ってもいいのかと
いうふうに思いました。
○永井部会長 事務局いかがですか。
○野田生活習慣病対策室長 (2)につきましては先ほど御説明いたしましたとおり、とりあえ
ずNCDという考え方になっておりまして、確かに今、4疾病が5疾病になる。医療計画の方で予
定されている部分があるんですけれども、こころの問題はやはりNCDとは別の問題で、したが
って、あえてむしろ(3)の①でこころの健康を書かせていただいてございまして、健康づくり
対策そのものがこころの問題に対する総合対策という観点とはまた違う部分がありまして、いわ
ゆる健康づくりの中でこころの部分をどのように全体的な視点でとらえていくかといった観点か
ら、代表的な指標をここに置かせていただいているという考え方でございます。
○永井部会長 保坂委員、どうぞ。
○保坂委員 今の事務局の御説明はもっともなんですけれども、委員の方の御提案のこころの健
康については別立てというか、今の(3)のところから別立てで、むしろ今の事務局の説明を受
けますと(2)の次に(3)として、こころの健康に関したことを項目として立てていただいて、
今の(3)を(4)にして、以後も括弧の中の番号をずらしていく方が非常にわかりやすい。現
在の(3)は世代ごとの健康についての目標を立てていただいて、そこのところが次世代から高
齢者にすっ飛んでしまっているので、そこのところに壮年の方々のものを入れておけば、整理と
してはきれいなのではないかと感じました。
○永井部会長 上谷委員、どうぞ。
○上谷委員 4点だけお願いしたいんですけれども、まず骨子の中の3番ですが、若年期から高
齢者という形でトーンが違っているので、高齢期という形の表現でいかがなものかと思いました。
 一番最初の目的のところですが、この方針は我が国における高齢化の進展というところに少子
という形が入った方が、2行目の子どもから高齢者までという言葉につながるのではないかと思
った次第です。
 3ページのところの健康を支え、守るための社会環境の整備における目標の中で、ここに対象
者として健康づくりボランティア団体の支援という言葉を入れていただくとありがたい。
 下の(5)①栄養・食生活のところですが、栄養成分表示を行う食品数の増加と書いてござい
ますけれども、これは栄養成分表示を行う食品の増加という形で、「数」というところが入って
おりますが、どれだけの数という表現でこの「数」が入ったのかをお聞きしたいと思います。
 もう一つ、表の中で今回は果物と野菜の摂取量の増加ということで、今までは野菜だけの表現
でしたけれども、これに果物が加わっているんですが、この経過も教えていただければと思いま
す。
 以上です。
○永井部会長 事務局、お答えいただけますか。
○野田生活習慣病対策室長 表現につきましては、高齢者、高齢期といったことについては統一
も考えたいと思います。文脈に沿ってどのようにするか考えたいと思います。
 ボランティア関係の書き込みにつきましては、具体的に書いてもいいものかなと思います。
 食品数の増加ですが、これは指導官の方からお答えいたします。
○河野栄養・食育指導官 食品数の増加につきましては、専門委員会の方では義務化の話もござ
いましたので、これから消費者庁と協議をしていくことになりますので、その中でどういった指
標がいいかということは考慮されていくことになると思います。
 併せて、野菜と果物の果物の分につきましては、健康日本21におきましてもがんの中でこれま
で目標項目としてございましたので、それを合せた形の記述になっています。
○永井部会長 樋口委員、どうぞ。
○樋口(進)委員 専門委員会でも議論になったんですけれども、名前ですが、確かに第二次健
康日本21というのは理にかなった名前だと思いますが、健康日本21のアピール度みたいな、あ
るいは国民に対するわかりやすさみたいなことを考えたときに、第二次というのはどうなのかな
という感じが実はしていまして、この前は新健康日本21というものもあったんですけれども、確
かに名前の第二次は勿論間違いではなくて立派な名前だと思いますが、もう少しわかりやすく短
く国民にアピールができるような名前にしていただければと思います。
○永井部会長 これはまだ決まったわけではないですね。
○野田生活習慣病対策室長 申し訳ございません。全然ないです。白紙なので御議論いただけれ
ばと思います。
○永井部会長 御提案をいただいて、参考にさせていただくことにしたいと思います。
○外山健康局長 名前については、私が聞いている限りでは、まだ21世紀も始まったばかりだと
いうことで、アメリカのHealthy People 2000とか2010は10年ごとにやっていますけれども、
健康日本21という名前でいいのではないかというのは、今のところ大きな意見になっております。
○永井部会長 では、喫煙のことで御意見をじっくり伺いたいと思います。これは先ほど御説明
がありましたけれども、この資料に基づいて御意見をいただければと思います。
○多田羅委員 座長、4ページまでということではなかったんですか。
○永井部会長 4ページの上の中に喫煙の問題がございますので、これを含めて。第三以下はま
たこの後に御意見を伺いますので、まず一度喫煙について御意見いただきたいと思います。
○多田羅委員 資料2の目標設定の考え方についてでございますね。
○永井部会長 資料1の第三以下は、この後にまた御意見をいただきます。
 辻委員、どうぞ。
○辻委員 たばこの話なんですが、前回の最初の健康日本21でもかなり議論になったんですけれ
ども、たばこというのは基本的には個人の嗜好である一方、たばこによる健康影響のエビデンス
も十分ありますし、逆にたばこを吸う方というのは、医学的にはニコチン依存症として、やめた
いのにやめられない状況にある。そういう医学的な問題も抱えている。その辺のバランスをとら
なければいけないということで議論されていたわけです。そういった意味では、やめたい人に対
する禁煙支援をして、禁煙を100%成功という目標を設定することは、基本的には個人の自由ある
いは嗜好に基づく議論、たばこを吸うか吸わないかに関する個人の自由という議論とは全く抵触
しない訳ですので、バランスがとれていると私個人としては思っています。
 このような目標のつくり方というのは実は今回が初めてではありませんで、前回の健康日本21
のときは数値目標を出せなかったわけですけれども、それを受けて各都道府県で都道府県計画を
つくられた際に、例えば私どもの宮城県では、全くこのような考えで喫煙率といいますか、言葉
としては非喫煙率の増加という形で掲げたわけでありますが、これは宮城だけではなくて、ほか
にも数件あったと伺っていますので、このようなことが今回、改めて国レベルで上がってくると
いうことで非常に嬉しく思っています。
 この喫煙率の目標につきまして、諸外国と比べてどうなのかということですが、緑色のたばこ
関係の53ページに、望月先生がつくられたスライドがありまして、参考資料10、主要国の喫煙率
目標とその進捗状況というものが書いてございます。一番上に健康日本21ということで最初の第
1期のものが書いておりますが、その下をごらんいただきますとイギリスの話がありまして、イ
ギリスの目標としましては現状成人21%のところを、喫煙率の目標を2020年目標としては10%
以下にするということで、現状の半分以下にするという状況です。
 アメリカにおきましても成人の喫煙率現状20.6%を、2020年の目標は12%にするということで、
これは4割ぐらいです。
 フィンランドで言いますと成人男女20%なんですが、これは2040年に向けてたばこを吸い始め
る大人をゼロにしよう。大人になってたばこを吸うわけなんですが、たばこを吸い始めることを
ゼロにしようという目標を掲げておりまして、その辺から考えると今、資料2で出されている目
標というのは、むしろ国際的に見るとまだ少し弱いのかなということは認めざるを得ないんです
が、我が国における現状としては、ここをまず押さえていこうという考えであります。
 以上です。
○永井部会長 多田羅委員、どうぞ。
○多田羅委員 たばこの喫煙に関する目標値の設定というのは、今、辻先生もお話になりました
ように、今期計画設定の中でも当初非常に厳しく議論されました。しかし、健康日本21を国民が
全員一致できるという条件の上にスタートさせようということで、この目標値の設定ということ
は見送られたという経過があったと私は聞いております。そういうことで健康日本21はすべての
国民が参加できるという条件で始まりました。
 おかげで広く健康日本21運動は普及して、健康増進法も設定され、WHOの枠組み条約も批准さ
れたということで、非常に大きな健康日本21推進の効果があったと思われるわけですが、その結
果として今日の状況として言えることは、日本人はすべて今、禁煙の意義については健康日本21
の11年の成果として達成できたのではないかと思うんです。禁煙というものの意義についてはす
べての国民が理解している。たばこを吸っている人も理解している。しかし吸っているというこ
とがあって、この資料にもございますけれども、日本人の今の成人男性では38.2%もの人が喫煙
している。しかもこの人たちはすべて禁煙の意義ということは認識しているかと思います。にも
かかわらず、吸っているというところを今日どのように理解するかということが、今回の健康日
本21の1つの大きな課題ではないかと思います。
 前回においては希望する人がやめるということをそれとして認めていく、推進するということ
であり、そのことがこれまで大きな柱になってきたんですけれども、しかし、いまだに38%の人
が禁煙の意義を理解しながら吸っていることに対して、更にどのように取り組むかというのが私
は問われていると認識しなければならないと思います。
 その意味で前回に比べ、10年以上経って国民の喫煙に対する認識が非常に高くなっている中で、
今、吸っている人に1人でも多くたばこをやめてもらうということも大きな健康日本21の目標で
あることを再認識して、そのためにすべての国民が一致して努力していくことを担保するものと
して、そういう必要から喫煙率の目標値を今回は改めて提起する。やはり吸っている人に国民が
一致して呼びかけていくということを、今回は是非この喫煙率の目標値を設定して、進めて欲し
いと思います。しかし、これは一朝一夕に成り立つものではございません。ですから計画的に目
標値を漸次向上させながら、この社会の目標を達成していくんだということを、改めて前回の計
画に対して今回の新たな指標として認識していただく必要があるということを、この骨子の特に
必要性というところでもう一項目、記載いただきたいと思います。禁煙の意義を認識していなが
ら、38%の人が吸っているということ、これは非常に公衆衛生的に残念なことでございます。こ
れを放置しないよう、よろしくお願いしたいと思います。
○永井部会長 具体的には喫煙をやめたい人というのは、喫煙者のうちのどのくらいですか。
○多田羅委員 40%ぐらいです。
○野田生活習慣病対策室長 平成21年のデータで喫煙率23.4%ですが、このうちやめたいと思っ
ておられる方が34.2%でございます。
 1月末までには国民健康・栄養調査の新しいデータが出てまいります。
○永井部会長 藤原委員、どうぞ。
○藤原委員 その関係でありますが、たばこ=薬物ととらえていく考え方がまだ浸透していない
ように思われるんです。いわゆる健康に悪いといった感覚は持っていても、ニコチンの依存症で
やめられないという状況に、薬物依存の状況がなかなかやめられない状況をつくっていると思い
ます。学校教育法で中学校とか高校でこれから教育の中に薬健康教育が入れられていますので、
そういう中でも小さいときからたばこを一度吸ったらやめられなくなるんだという依存症の部分
を非常に強調していくべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○永井部会長 徳留委員、どうぞ。
○徳留委員 たばこに関する目標設定につきましてですが、基本的には野田室長あるいは辻委員
が御説明になったとおりでよろしいかと思います。
 それに対してたばこ税を上げるとか、値段を上げるとか、あるいは法規制を厳しくするといっ
たことだけではなくて、今、ディスカッションがありますように喫煙をどうしてもやめられない
方に対してカウンセリングあるいはケアとか、その辺りをもっと充実すべきであるということと、
たばこ依存症あるいはたばこ中毒であるという観点から医療の充実、拡充をしなければいけない。
単に健康日本21にうたうだけでは、なかなか実が上がらないのではないかと思います。
 もう一つは細かいことでございますが、たばこに関する目標設定の考え方についての中に、喫
煙はがん、循環器疾患、呼吸器疾患というものが書いてあるんですけれども、呼吸器疾患の中に
COPDが含まれるわけですが、この考え方の何かCOPDというものが出てまいりませんので、例えば
ここでもよろしいんですけれども、呼吸器疾患(COPDを含む)とか書いていただくと、健康日本
21全体目標の中のCOPDの認知度を高めるとか、COPDに注目しているということを、この文章の
中でもアピールすることではないかと思います。よろしくお願いいたします。
○永井部会長 古木委員、どうぞ。
○古木委員 私は7年ぐらい前に禁煙をした一人でありますが、今のこの目標値の考え方につい
てですけれども、禁煙希望者というのはどういう形で調べるのでしょうか。そして、禁煙したと
いうのはどういう形なら調べられるのでしょうか。その辺の基本的なところをお尋ねします。
○野田生活習慣病対策室長 これは国民健康・栄養調査というものがございまして、各自治体で
一定の地区を選んで、対象者を選んで調査するもので、これはアンケート方式で質問がありまし
て、喫煙をしていらっしゃるかしていらっしゃらないか、喫煙していらっしゃる場合は喫煙の今
後の意思についてやめたいと思っているとか、やめたいと思っていないとか、そういったことを
個別に聞いております。ですから、これを定期的にやっておりますので、それを続けていくと断
面ではありますけれども、同一人物ではありませんが、社会としてのパーセンテージは変動とし
ては追える形になっています。
○外山健康局長 厚生労働省の重要な統計として、国民健康・栄養調査というのを国の責任でや
っておりまして、その中でたばこの問題、どうやって政策に生かすかという観点から今、言った
指標についてもちゃんと政策に生かし得る指標ということで統計をとっておきまして、それを根
拠に立案していこうということでございます。
○古木委員 抽出調査ということになるんですか。
○野田生活習慣病対策室長 そうです。
○外山健康局長 抽出調査です。ただ、それが持つ数字の信頼性というか、代表性というか、そ
ういうものは十分疫学的に踏まえた上で制度設計した調査でございます。
○古木委員 わかりました。
 今、私が申し上げたのは、二十歳以降ということになれば、かれこれ40年余りはそういった調
査に当たっておりませんけれども、実はたばこを吸って、吸った方はどなたでも家庭内ではいろ
いろなお話が出てきている。なおかつ、やめようという意識は持つんですけれども、なかなかや
められない。先ほど藤原先生がおっしゃったように本当に薬みたいなもので、なかなかやめられ
ないのです。
 けれども、あるきっかけがあるとできるという部分もあります。人によって手法が違って、例
えば気持ちがあっていろいろな禁煙にも手法があります。ガム、パイポと、仁丹、最近はパッチ
で貼るものもありますが、それでもやはり一番大事なのは、その人がやめようという意識を強く
持つことです。
だから、そういう方向での目標値も意識を反映できるような何か言葉が入ると、もっとここが充
実していくのではないか。そんな気持ちがしておりますので、これは経験者として、私はやめる
前は60本以上吸っていました。それがあるきっかけで、私はパッチでやめることができたんです
けれども、そんな状態でしたが、そういうことがありましたので1つ体験談として話しておきま
す。
○永井部会長 ほかに御意見ございますか。
○樋口(進)委員 細かいところですけれども、未成年者の喫煙をなくすというところの目標設
定の必要性というのが書いてございますが、健康影響が大きく、成人期を通した喫煙継続につな
がりやすい。そのとおりだと思いますけれども、そもそもこれは法律で禁じられています。未成
年者喫煙禁止法という法律がございまして、その法律をこの中に書いておかないといけないので
はないか。後ろの参照のところにも、それを引用しておくべきではないかと思いました。
○永井部会長 市原委員、どうぞ。
○市原委員 喫煙のところで、禁煙ということだと例えば建物の中の禁煙なのか、敷地内全部禁
煙なのか、分煙なのか、それによって大分違うのではないかと思います。
 私どもの庁舎でも、当初から建物内禁煙は割とスムーズにできたんですが、どうしてもかなり
吸う者がおりますので、敷地の中の一部にそういうものをつくれということで、敷地の中の一部
にそういうものをつくらせているので、何とか敷地の中も全部禁煙にしたいなと思っているんで
すが、同じ禁煙と言っても今、言ったように敷地の中なのか建物の中なのか、その辺ももう少し
明確に言った方がいいのではないかということを感じました。
 飲食店はなかなか禁煙にできないということですが、各自治体ではできるだけ飲食店において
も禁煙を広めていこうということで、いろんな取組みをしているんです。例えば私どもの近くの
自治体では、禁煙協力の店だというシールなどをつくって、インセンティブをつけていくという
こともやっています。
 ただ、できればこれだけ国が禁煙というものをしっかり打ち出したのであれば、例えばテレビ
等で国はお店で禁煙に協力してくれるところには、こういうものを出しますよとか、何らかのイ
ンセンティブをつけますよというぐらいなことをやっていただくと、大変ありがたいのかなとい
うことを感じました。
○永井部会長 今の受動喫煙の敷地内か建物内か、そこは御説明いただけますか。
○望月医療技術参与 受動喫煙による健康被害を守るという観点からは、環境濃度の高いところ
から取り組むべきであって、それは条約の中でもまず屋内の空間について禁煙を求めています。
敷地内というのは次に暴露を受ける環境なので、順序としては屋内の規制をきちんとした上で、
次のステップとしては敷地内に行くべきだと思います。
 ただ、施設の対応といいますか、例えば医療機関とか学校というのは単なるリスクの点から考
えるでなしに、持っている社会的使命というものもありますし、そういうところから敷地内禁煙
の考え方が出ておりまして、実際に制度によってそれが進められていると思いますので、まず国
としてのステップとしては、順序としては屋内規制をどこまで完全にやっていくかという方向性
を、コンセンサスを得ながら達成する。
 並行して社会の認識を変えていくために先ほど来、申し上げたような特別な使命を持った空間
については、敷地内禁煙に拡大していくんだと思います。考え方としてはそういう方向になって
います。
○市原委員 達成率といいますか、そういうものはきちんと分けてしまった方がいいと思うんで
す。だから敷地内も含めて全面的に禁煙なのか、それとも建物内だけ禁煙なのか、それとも分煙
なのか、その辺をきちんと分けてどの程度達成しているのかというのを、ただ禁煙ということだ
けではなくて、ステップをきちんと分けて考えるということであれば、ステップごとにちゃんと
出すというのも必要なのかなと思うんです。
○望月医療技術参与 外国の例で言いますと、例えばカルフォルニア州は非常に厳しい規制をか
ねてからやっていますけれども、屋外の規制に対しての科学的な根拠というのは示しにくいんで
す。それは既に健康局の検討会の報告書にもありますけれども、有害大気汚染物質という指定の
観点から、大気中の汚染物質という新たなアプローチをかませているんですが、その前にはリス
クの高いところから順々に攻めていって、更に網をかぶせるという考え方になるんだろうと思い
ます。
○市原委員 エビデンスというものを優先的に考えてやるのであれば、なかなか先ほどのお話の
ように建物の中とか敷地とか、それだけではなくて施設ごとに全部図っていかないと、エビデン
スということは論じられないのではないかと思うんですが、私はもうそこまでのことではなくて
敷地の中なのか、建物の中なのか。そういうことでいいのではないかと思うんです。
○望月医療技術参与 それは施設の持つ特性というか、使命に応じた考え方の整理をやっていく
べきではないかと思います。
○永井部会長 保坂委員、どうぞ。
○保坂委員 まず参照条文等を拝見いたしますと、健康増進法では集会場や官公庁施設というの
が、受動喫煙防止のための室内またはこれに準ずる環境においてということで定められていると
ころだと思っておりますが、今、国の方で禁煙対策を進めるということを言いながら、実は厚生
労働省も敷地内禁煙にはなっていないと認識しています。
 申し上げにくいんですけれども、やはりその辺のところからやっていく必要が絶対にあろうか
と思っておりまして、多分抵抗勢力があってなかなか健康局としてはやりたくてもできないとい
うことだと思いますし、集会場というところの中に、もしかすると国会は入っていないのだろう
かと強く感じておりまして、やはりそれについても厚生労働省が幾ら一生懸命言っても抵抗勢力
が多くてなかなかできないところだと思いますが、今回の健康日本21の目標を決めるときにそう
いうことも含めて、やはり本当に国民の健康を守るために何が必要かということを皆さんに考え
ていただいて、是非この禁煙の目標は立てていただきたいと思います。
 新成長戦略で昨年6月に、2020年までに受動喫煙のない職場の実現ということを閣議決定され
ているわけでございますので、このたびの健康日本21の次の目標ということで、是非数値的な禁
煙の目標を立てていただいて、より具体的に政府としてどのように取り組むかということを、ま
ず政府そのものが是非やっていただきたいというのが、医療に携わっている者としての強い要望
でございますので、申し上げておきます。
○永井部会長 澁谷委員、どうぞ。
○澁谷委員 先ほど辻委員が御説明くださいましたが、確かに欧米に比べたらこの数値目標とい
うのは甘いのかもしれませんけれども、これまでの経緯を考えますと、大変画期的な第一歩を踏
み出せたのではないかという方向性を感じます。ですので、禁煙プログラムへのアクセスのしや
すさを評価するような指標も同時にここで考えていただかないと、恐らくただ喫煙率ということ
だけにしてしまうと、各方面のコンセンサスを得ることに難しい問題があるのではないかと思い
ます。そういったこともありますが、是非この目標数値が採用されますようにお願いしたいと思
います。
○永井部会長 今日は考え方というところで御了解いただきたいと思います。数値はこれからい
ろいろな統計調査が出てから、また出てまいりますので、よろしいでしょうか。とりあえずこの
考え方については御了解いただいたということで進めたいと思います。
 では、最初の資料に戻りまして、先ほどの案の第三から第七までについて御意見をいただきた
いと思います。
○多田羅委員 今回のこの骨子では特に、前回委員会において社会に対する働きかけという論点
が示されて、社会環境の整備というキーワードを立てていただいたことは非常に大きな特徴だと
思います。特に地域の絆に寄与した健康づくりの場ということで、今回の東北の大震災から学ん
だ最大のことは絆ということであったように思うんですけれども、そういうことも受けて、地域
の絆に寄与した健康づくりの場という形で環境の整備を具体的に方向を示していただいたことは、
非常に画期的なものであると思います。
 そういうことからしますと、環境の整備ということに対しては健康増進の推進体制が1つの柱
になってくると思うんです。それが6ページ第7として示されております。
 そういう意味で今回のこの環境の整備という観点から見て、この第七は非常に大事だと思うん
ですけれども、そのタイトルがその他となっているので、このその他というのは要らないのでは
ないか。これではちょっとついでにという感じがします。ですから健康増進の推進体制に関する
重要事項が、その他というのは大きな柱としてはつらいなと思いますので、何とかしていただき
たい。
 内容的に、私はそういう意味で地域の絆に寄与した健康づくりという観点からしますと、3の
自助グループの支援、自助グループがどのように活躍していくかということが、今後の日本の健
康日本21の非常に大事な点になってくるのではないかと思うんですけれども、それに対して自助
グループの支援等となっています。この点、できれば支援体制の構築というふうに進めていただ
けないか。
 この支援体制としては現在、全国健康日本21推進連絡協議会というものが国としては設置され
ております。そういうものが地方自治体等でも設置されるように、自助グループの支援体制の構
築というふうに具体的な項目を入れていただきたい。
 そして、その中で特にここには保健師、管理栄養士等の確保及び資質の向上、食生活改善推進
等のボランティアとなっておりますが、保健師、管理栄養士、食生活改善推進員に並んで健康運
動指導士なども非常に大きな役割を果たしていただいておりますので、そういう名称も加えてい
ただいたらどうかなと思います。特に自助グループの支援の強化について、少し具体的な方向、
方策を示していただければと思います。
 以上でございます。
○永井部会長 徳留委員、どうぞ。
○徳留委員 3点ございまして、1つは質問でございますが、第三に関しまして特定健診データ
を活用し、従来までは健診は1年ごとやりっぱなしということだったんですけれども、今後は縦
断的にデータを蓄積して、私どもの活動が本当に効果があるのかどうか評価する必要があると思
うんですが、これは医療保険者に対する、あるいは都道府県、市町村の担当者がデータを活用で
きるということではないかと思うんですけれども、是非ともこれを今後は研究者にも是非活用で
きるような門戸を開いていただきたいと考えています。個人情報をどうするかということは今後
の検討課題だと思いますが、データアーカイブ的なものにしていただくとありがたいと思います。
それが要望です。
 2つ目は5ページの第四でございます。先ほど来、国民健康・栄養調査ということがございま
して、健康づくりは科学的根拠に基づいてやるべきだということで大変結構なことでございます。
健康栄養に関しましては国民健康・栄養調査だけではなくて、食事摂取基準、運動基準、運動指
針等もございまして、こういうエビデンスに基づいて計画を策定する、あるいはそれに基づいて
評価をすることが必要ではないかと思いますので、それを是非明記していただきたいと思います。
 第三点は、先ほど多田羅先生が御指摘になったとおり、身体活動、運動に関する人材について
の記載がございませんので、それを是非明記していただきたいと思います。
 以上でございます。
○外山健康局長 多田羅先生と徳留先生から意義ある提言をいただきましたので検討しますけれ
ども、柱立てを健康増進法の方で、法律で決まっていますので、申し訳ないですが、第四の表題、
第七のその他とありますが、重要事項と書いてありますので、これは変えられません。ただ、下
のところで両先生がおっしゃったところにつきましては強調したいと思います。
○多田羅委員 その他は残るんですか。
○外山健康局長 ただ、その他はどうでもいいという意味ではなくて。
○多田羅委員 けれども、国民から見るとそういう印象はつくりますね。
○外山健康局長 国民に対するPRのときは、違ったPR版でその他はよけいな言葉ですからやめ
ますけれども、法律がそうなっておりますので。
○永井部会長 佐藤委員、どうぞ。
○佐藤委員 先ほど来、社会の絆の向上のところにもお話があるように、例えば健康格差対策の
自治体数の増加等がありますが、身体活動、運動についてはこれが具体的に盛り込まれていると
も拝見できます。
 例えばこれは歯の健康においても同様でございまして、例えば条例をつくっている都道府県の
数とか、市町村の数というのは既にわかっている調査の可能性が高くて、追跡の可能性も高いも
のだと思っていますので、できるだけ項目の中に具体に盛り込んでいくことが、この推進につな
がっていくのではないかと思っておりますので、それらの取組みを自治体に関しては、歯の健康
に関して1項目必要ではないかと思っております。
○永井部会長 澁谷委員、どうぞ。
○澁谷委員 4ページの下の計画策定の留意事項のところに「保健所は」というのがございます。
まさしくこれはこのとおりですが、市町村の計画支援を行うだけではなくて、現在の指針の中に
も書かれておりますけれども、地域の関係団体の連携を推進し、健康情報の収集、分析、提供を
行うというのが非常に保健所の重要な役割でして、保健所自身が運動の拠点としての役割を担う
必要がある、と現在の指針にも書かれております。今回、改定されるときにもここのところで書
かれるか、一番最後の推進の重要事項のところで入れていただくかを御配慮いただきたいと思い
ます。
○永井部会長 市原委員、どうぞ。
○市原委員 一番最後の6ページのその他の3番ですが、健康増進を担う人材というところで、
何回か地方公共団体という言葉が使われているんですけれども、これらの健康増進を担う人材の
資質の向上等が非常にうたわれているわけですが、資質の向上は当然だと思うんです。それだけ
ではなくて、今、各自治体で非常に困っているのは医師が非常に少ないという現状があるわけで
す。これは全国市長会からも国の方にも重点事項ということで医師確保を要望している状況の中
で、これらの活動を支えるための医療関係者が非常に少ないわけです。
 ということになりますと、資質の向上は当然でありますが、これらの人員をきちんと確保する。
これがまず先決だと思うんです。医療の現場においてさえも、これらの医療従事者が少ない中で、
更にこういう分野で人を確保することは非常に難しい状況にあるわけで、医師のみならず保健師
さんを市町村で確保すると言っても厳しい状況が、これは財政だけではなくて確保することが非
常に難しいんです。そういうことをまず考えていただいて、これらの人員の確保のために数を増
やす、いわゆる養成をすることも考えていただきたいと思います。
○永井部会長 井部委員、どうぞ。
○井部委員 私は看護職ですので、保健師のことに関しては一言申し上げたいんですけれども、
今、看護系の大学は看護師と保健師の受験資格はとれるんですが、保健師の国家試験を通った人
たちが保健師として働く場が極めて少ないわけです。それで保健師の養成そのものを見直そうと
いう動きもありまして、保健師確保という点では保健師がいるのに保健師として仕事をしていな
い。看護師として一般的に仕事をしているわけですけれども、そういう保健師問題というのは根
が深いものがあると思います。特に保健所から保健師がどんどん出て行かざるを得ない状況も、
地域保健法の改正なんかでありまして、保健師は今、改めて必要に迫られている状況があると思
います。
○外山健康局長 質問していいですか。地域保健法が平成6年に施行されてから、確かに都道府
県の保健所の保健師は分権の関係で、あるいは保健所の集約の関係で絶対量の伸びは少ないかも
しれませんけれども、地域における保健セクターにおける保健師の数は、市町村レベルで見ます
とその後の10年間で倍増したんです。最近の動きはどうかわかりませんけれども、私の認識とし
てはそれほど保健セクターの保健師が、地域保健の崩壊のように減少しているとは思わないんで
す。
○大場委員 私は全国保健師長会の会長をしておりますので、その辺りの状況を御説明させてい
ただきますと、都市部の方では非常に保健師になりたくてもなれない、要するに倍率がかなりあ
ります。ですけれども、村とか町といった寒村の方では、なかなか保健師を募集しても来ないと
いうのが今、全国の状況でございます。保健師の数に関しましては局長がおっしゃるような形で
微増している状況でございます。
○永井部会長 ほかにいかがですか。
○井部委員 細かい話で大変恐縮なんですけれども、6ページの健康増進を担う人材で、地方公
共団体においては医師、歯科医師、薬剤師。並び方なんですが、小さいことで大変恐縮ですけれ
ども、助産師はトップではなくて保健師、助産師、看護師、准看護師。これは保助看法の順番か
らすると、そのような並びになっておりますので、保健師を後回ししないようにお願いします。
○永井部会長 ほかにいかがでしょうか。
○武見委員 今日の、説明のところで使われましたこの資料について、多分こういうものという
のは全体を説明するときに結構出ていくと思うんですが、1か所だけ気になったことがあって、
表面一番下の多様な分野における連携。これは恐らく今日の6ページの推進体制とか、いろいろ
なところと関係していると思うんですけれども、この中に住民活動、NPO活動、産業界との連携な
ど、ポピュレーションアプローチの深化という、ここにポピュレーションアプローチという言葉
が出てくるのはいかがなものかなと思います。
 実際、今回の1つの大きな重点のポイントである社会環境の整備が、実はポピュレーションア
プローチの大事な部分だと思いますので、こうした言葉遣いについて更に御検討いただければと
思っております。
○永井部会長 田中委員、どうぞ。
○田中委員 医療保険者の宮下委員もおられますけれども、私もお願いしたいんですが、一番最
初4ページまでのところでも触れたかったんですけれども、特に目標の中に特定健診保健指導の
実施率向上に伴う数値目標が掲げられておるものですから、医療保険者として一言申し上げたい。
 健康増進の推進のためには必要な事業であることは重々承知しております。ただ、この数値設
定という場合に、我々与えられた環境の中で命がけでこの率の向上に向けて頑張っているんです
けれども、なぜ検診率、保健指導率がなかなか上がらないのか。
 その背景なんですが、健康局長さんは市町村レベルにおける保健師は十分充足しているという
御認識だと承りましたけれども、私が市町村めぐりをしていて受ける印象とは少し違います。確
かに絶対数という意味では10年間で増えていることは間違いないんですが、まず市町村現場にお
ける保健師対応という意味では、かつては地区担当で1人の保健師がいろんなことができた。と
ころが、今は制度別に非常に細分化されておりまして、制度対応の保健師という形になってくる。
そうすると、絶対数が足りない実態がそこに見え隠れしてきます。
 保健師だけの問題を申し上げますと、私はそこが健康局長さんの現場における充足問題の認識
とは違ったものを持っているということを、1つ申し上げたいわけですけれども、そこでなぜ検
診率が上がらないのかということなんですが、私は必要なマンパワー、保健師、医師も含めてで
すけれども、絶対数が不足しているという背景。特に医療保険の場合は被用者保険者以外の被扶
養者の方々に対する健診、保健指導というものの対応が非常に難しいという背景があります。
 この計画は都道府県なり市町村、行政が責任をもっておつくりになるということでありますけ
れども、いわゆるその策定に当たって保険者対応、どこまで行政が責任を持ってこの数字を書き
込まれるのか。お示しの中でいろいろ書き込みがございますが、例えば私は推進に関する重要事
項の中で、例えば推進体制の整備の中で医療保険者が入っている。ここは推進体制の整備だから、
そういった我々問題点に対して言及されているかと思ったら、計画策定のための問題なんです。
計画策定という技術的な話、そこは我々は関係ないなと思っています。
 健康増進を担う人材は先ほどつくば市長がおっしゃったので再度になりますけれども、結局、
今いる人材で十分だという認識で書き込まれたのでは、とても医療保険者としては自信を持って
目標設定には参加できないということであります。
 ですから、私は健康増進のこういった国家施策の中に特定健診保健指導の検診率、保健指導率
を書き込むこと自体否定はしませんけれども、結局、保険者はこのことについて積極的に対応で
きるような体制は都道府県、市町村で限界がある問題がたくさんあるんです。だから国がそこを
責任を持って対応するという含みを持って、これに目標数値に書き込むといったことであればと
思うんですが、辻先生どうですか。そういったところの御意見等はいかがですか。
○外山健康局長 私は今の保健師の数は十分なんて一言も言っていなくて、先ほど井部先生が、
保健師が卒業しても就職するのが大変だ、なかなか採用できないという状況を一般論としておっ
しゃったので、そういう状況ではない。一部都市部はそうだということがわかりましたけれども、
そういうことを申し上げたので、どういう政策を掲げて、それに対するどういうマンパワーがど
れだけ必要かということを、今もそれで十分だと言ったつもりはありません。
 健康増進法上、言うまでもないですけれども、例えば国民健康保険の規定により健康増進事業
を行う市町村であるとか、国民健康保険組合あるいは国保団体連合会も含めて、これは法律上、
健康増進事業実施者という形になっておりまして、勿論、検診のことも含めて一体となってやっ
ていきたいと思っております。まず姿勢だけ否定されないように、そんなこと否定されたら立っ
ていられませんので、よろしくお願いいたします。
○永井部会長 辻委員、どうぞ。
○辻委員 今、田中委員からお話がありましたので簡単に申し上げますけれども、今までの私ど
もの委員会の議論は、大臣告示に沿う形で目標の項目を決めて、今度は数値を決めていくという
議論が主でありまして、まずそこが次期の健康づくりの1つのステップになるわけですが、それ
だけで勿論足りないことはわかっておりまして、それをどういうふうに進めていくのか。そうい
った実施体制、そして実施体制について考えて、その自治体における体制の問題あるいは人員の
問題といったことも今後検討しながら、本当に幅の広い意味での健康づくり運動に広がっていく
ような議論をしていきたいと思います。どうもありがとうございました。
○永井部会長 まだ御意見おありだと思いますけれども、今日、御意見用紙をお配りしておりま
す。是非こちらに御記入いただいて、事務局あてにお送りいただきたいと思います。その結果を
踏まえまして、まず事務局で次期プランの素案を作成し、2月15日に第4回の専門委員会が予定
されております。そちらで素案を基に更に御議論をいただきたいと考えております。その結果は
次のこの部会に報告いただき、また、部会としての審議を更に行うという計画になっております。
 辻委員におかれましては、専門委員会における議論を引き続きよろしくお願いしたいと思いま
す。
 続きまして、その他の事項ですが、関係団体・関係学会への意見聴取につきまして、事務局よ
り御説明をお願いいたします。
○野田生活習慣病対策室長 参考資料1でございます。
 これは次期国民健康づくり運動プランにつきまして、関係団体・関係学会に御意見を依頼した
文書でございまして、御報告になりますけれども、昨年12月27日にこれまでの評価、専門委員
会及び部会での議論等を踏まえて御意見をいただくといった位置づけでの文書でございまして、
今月25日、あさってまでに御回答いただくことにしております。
 なお、繰り返しになりますけれども、この御依頼は専門委員長名でございますので、この部会
に属されている団体につきましては直接御意見をお聞きする位置づけになっておりまして、この
文書は発出いたしておりませんので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○永井部会長 何か今の御説明に御意見ありますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、今日の予定事項は以上でございます。次回の日程につきまして事務局より御説明を
お願いいたします。
○河野栄養・食育指導官 次回の部会は2月28日火曜日、午後3時から予定しておりますのでよ
ろしくお願いいたします。
 また、本日机上にございます緑のファイルにつきましては、そのまま置いてお帰りいただきま
すよう、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○永井部会長 それでは、本日の予定は以上でございます。どうもありがとうございました。


(了)

<照会先>
健康局総務課生活習慣病対策室
 室長補佐 三田 
 電話番号 03-5253-1111(内線2348)

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