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2012年1月12日 第3回次期国民健康づくり運動プラン策定専門委員会 議事録

健康局総務課生活習慣病対策室

○日時

平成24年1月12日(木)13:00〜16:00


○場所

中央合同庁舎第5号館 厚生労働省専用第22会議室(18F)


○議題

(1)次期国民健康づくり運動プランの骨子(案)について
(2)その他

○議事

≪出席者≫
 岡村 智教(慶應義塾大学医学部教授)
 尾崎 哲則(日本大学歯学部教授)
 工藤 翔二(公益財団法人結核予防会複十字病院長)
 新開 省二(地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター研究部長(社会参加と地域保健研究チーム)
 鈴木 隆雄(独立行政法人国立長寿医療研究センター研究所長)
 津金 昌一郎(独立行政法人国立がん研究センターがん予防・検診研究センター予防研究部長)
 辻 一郎(東北大学大学院医学系研究科教授)
 十一 元三(国立大学法人京都大学大学院医学研究科教授)
 津下 一代(あいち健康の森健康科学総合センター長)
 戸山 芳昭(慶應義塾大学医学部教授)
 中村 正和((財)大阪府保健医療財団大阪府立健康科学センター健康生活推進部長)
 西 信雄(独立行政法人国立健康・栄養研究所国際産学連携センター長)
 野田 光彦(独立行政法人国立国際医療研究センター糖尿病・代謝症候群診療部長)
 羽鳥 裕(社団法人神奈川県医師会理事・医療法人社団はとりクリニック理事長)
 ?口  進(独立行政法人国立病院機構久里浜アルコール症センター院長)
 堀江 正知(産業医科大学産業生態科学研究所所長)
 三浦 宏子(国立保健医療科学院統括研究官(地域医療システム研究分野))
 宮地 元彦(独立行政法人国立健康・栄養研究所健康増進研究部長)
 村山 伸子(新潟医療福祉大学健康科学部健康栄養学科教授)
 山縣 然太朗(国立大学法人山梨大学大学院医学工学総合研究部社会医学講座教授)
 湯澤 直美(立教大学コミュニティ福祉学部教授)
 横山 徹爾(国立保健医療科学院生涯健康研究部長)
 吉水 由美子(伊藤忠ファッションシステム(株)ブランディング第1グループクリエーションビジネスユニットマネージャー)


厚生労働省
 (健康局)
  外山健康局長
  野田生活習慣病対策室長
  河野栄養・食育指導官
  三田生活習慣病対策室長補佐
  菊地生活習慣病対策室長補佐


○菊地室長補佐 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第3回「次期国民健康づくり運動プラン策定専門委員会」を開催いたします。
 新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。
 委員の皆様には御多忙の折、お集まりいただき、厚く御礼申し上げます。
 まず初めに、今回初めて御出席をいただいております委員の御紹介をいたしたいと思います。
 立教大学コミュニティ福祉学部教授の湯澤直美委員です。
 なお、池田委員、熊坂委員の2名におかれましては、本日は欠席となっており、また、吉水委員は他の用務のため若干遅れるという御連絡を受けております。したがいまして、現在、25名中22名の御出席をいただいております。
 次に、配付資料の確認をさせていただきます。
座席表、議事次第のほか、資料1「次期国民健康づくり運動に関する委員提出資料」。
資料2「地域保健健康増進栄養部会(第31回)、次期国民健康づくり運動プラン策定専門委員会(第1回、第2回)での主なご意見」。
資料3「国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針」改正案骨子(案)。
資料4「国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針」(案)対比表。
参考資料1としまして「国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針」の告示。
参考資料2としまして「国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針について」、通知の部分。
参考資料3「関係団体・関係学会への意見聴取について」。
以上の資料でございます。
また、本日、配付資料ではございませんが、委員の皆様にはこれまでの委員会で各課題についてそれぞれの委員から御提出いただいておりました資料を机上に置かせていただいております。
以上ですが、不足しております資料がございましたら、事務局までお申しつけいただきますようお願いいたします。よろしいでしょうか。
 それでは、ここからは辻委員長に議事の進行をお願いいたします。
○辻委員長 それでは、議事を始めたいと思います。本日の議題1としまして「次期国民健康づくり運動プランの骨子(案)について」、議題2として「その他」ということを用意しております。
 早速議題1に入るわけでありますけれども、その前に委員の先生方から資料の御提出をいただいております。短期間の中で資料を御提出いただきまして、本当にありがとうございました。
まずは新たに御提出いただきました「高齢者の健康」「『子どもの貧困』からみた健康をとりまく課題」「医療現場の視点からの健康づくり」ということに関しまして、概要、ポイントにつきましてそれぞれ御説明いただいた後、更に追加資料を提出いただいた方につきましても、それぞれ補足的に御説明をお願いしたいと思います。
資料に関しましては、資料1の方ですべてまとめてあります。
前回同様、説明は各5分程度でお願いできればと思いますので、どうぞ御協力をお願いいたします。
では、最初に新開先生、お願いいたします。
○新開委員 高齢者の健康をまとめました新開です。
 最初の1ページ目と2ページ目に要約をまとめましたので、そちらの方を見ていただきたいと思います。主に高齢者の健康を研究している老年学の立場から日本の高齢者の健康、現在、何が問題になるのかということをまとめさせていただきました。
 要約のところですが、わが国は世界最長寿国であるとともに少子化が同時に進行し、人口の急激な高齢化が進んでいます。この傾向は今後10年先も続くということで、そうした先を見据えたときに、高齢者の健康づくりの目標として、健康余命のさらなる延伸、QOLの向上、政策課題であります健康格差の縮小に加えて、プロダクティビティの増進というものも目標に挙げてもいいのではないか、このプロダクティビティというのは、高齢者の持っている潜在的な能力です。就業、無償労働、ボランティア、相互扶助、保健行動、こうしたものを社会の中でしっかり発揮できる環境を整えていくことが重要だろうと思います。
 健康余命のさらなる延伸に向けては、高齢者を一くくりにできません。前期高齢期というのは、日本の高齢者は若返っておりますし、今、健康課題が集中しますのは後期高齢期だと思います。その時期はさまざまなことが原因になりまして、虚弱化ということが生じるわけですけれども、これをどう先送りするかということが最大の課題であると思います。
 高齢者のプロダクティビティの増進に関しましては、就労とか社会参加を促進する環境を整えるということがキーポイントだと思います。両者を通じて生活の質の向上が図られる。健康格差の縮小に向けては、環境の整備ということだと思います。
そうした高齢期の健康づくりの枠組みを、左側に「個人の行動変容」、右側に「良好な社会環境の実現」ということでまとめさせていただきました。
一次予防を重視する、あるいはポピュレーションアプローチを重視するという観点からしますと、一番最初にライフスタイルがあろうかと思いますが、そのポイントは3点。
良好な食・栄養の確保、
身体活動・体力の増進、
社会参加・社会的紐帯(ソーシャルネットワーク)を重視する、
ということが基本的にあろうかと思います。
その上でに、後期高齢期に生じやすい虚弱化のあらわれとしての身体、心理、社会的機能の低下です。例えば大きな問題であります認知症の問題、ロコモティブ症候群の問題、そのほか、うつ、閉じこもり、低栄養などの老年症候群が先送りできるということが考えられるわけです。
トータルとして後期高齢期の虚弱化の先送り、プロダクティビティの増進、それをして目指してす目標に一歩でも近づくということが考えられるのではないかと思います。
2ページ目ですが、そうした一次予防の活動を地域で進めるときに、後期高齢期の一人ひとりの高齢者の方に働きかけるということのみではやはり不十分で、地域でそうした後期高齢期の虚弱化を支えるという視点がどうしても必要だろうと思います。
そこで、1点は、地域の絆きずなに依拠した健康づくりの場を地域社会の中に広めていくということが超高齢社会の中でどうしても必要ではないかと思います。「資料?」と書いておりますのは、私たちが地域の自治体と共同でそうした地域の中に高齢者のふだんからの健康づくりの場を広げていこうというような活動をしておりますが、この担い手というのは前期高齢者のボランティアさんです。そうした高齢人口の中で相互扶助的な機能を引き出しながら後期高齢期の虚弱化を先送りしていくという環境を整備するということは非常に重要なことではないかなと思います。
その下の「候補指標・取り組みの一覧」は、高齢者の健康を見る指標、個人の行動変容の指標、良好な社会環境の実現の指標ということで、いろいろまとめさせていただきました。この中にロコチェックなども今後、特に移動能力障害ということで、何か情報を収集するということがは考えられるのか。
それから、介護予防の方で基本チェックリストというのがユニバーサルに自治体で使用されて行われているのですが、こういう情報も収集しながら、後期高齢期の虚弱化の予防の方向に動いているかどうかというモニタリングができたり、健康格差の指標になったりということで、活用できるのではないかと思っております。
 5分ということですので、簡単ではございますが、そういうふうに考えたられるということの根拠となり得る資料を3ページ以降に用意させていただきました。
以上です。
○辻委員長 ありがとうございました。
 それでは、次に湯澤先生、お願いいたします。
○湯澤委員 27ページからごらんください。私は専門が社会福祉の領域でございまして、とりわけ子どもの福祉について社会経済的な背景から考えたいということで研究を進めております。
 今日、雑駁なのですけれども、資料を幾つか御提示させていただきましたものは、昨今、相対的貧困率ということで、貧困状況の把握が進められておりますが、とりわけ子どもの置かれている状況がどうなのかといったところで見ているものが最初のパワーポイントの資料になります。
28ページ、29ページのところでございますけれども、国民生活基礎調査を用いまして個票データから貧困率というものが公表されるようになっておりまして、一番新しい平成22年のものになりますが、そこでは子どもの貧困率というものは15.7%という数字が出されました。
29ページの下の方の図表でございますが、その貧困率が悪化しているという状況が2006年〜2009年、大規模調査の年の3年ごとにしか把握ができませんので、そこの3年で見たときにも、一番新しいものが2009年、15.7%ですが、2006年は14.2%でしたので、1.3%子どもの貧困率は上昇しているという状況がございます。全年齢層で見ても上昇傾向、悪化傾向はあるわけですが、そちらの方はまだ緩やかで、子どもがいる世帯、子どもたちの方が厳しい状況が見てとれるということがあります。
30ページ、31ページでございますけれども、国際的に比較してもOECD平均よりも厳しい状況にあり、とりわけひとり親世帯においては2人に1人以上の子どもたちが貧困線以下の状況に置かれているということで、これはOECDの比較可能な国の中でトップレベルの一番厳しい状況ということになっております。
子どもの貧困というのは、子ども期に貧困にさらされている状況を指すわけでございますが、30ページの下にございますように、貧困は貧困だけに終わらず、国連レベルでは子どもの権利条約に規定されている子どもの諸権利、それらがすべて否定される状況に置かれていくのだということが言われております。
31ページの上の図表でございますが、経済的な困難を中核としながらも、その状態が放置されれば次世代への連鎖にもなりますし、あるいは子どもを取り巻く環境として虐待的な状況や、学力や自己肯定感、さまざまな影響がもたらされるということになります。
 昨今どういう状況にあるかということで、31ページの下は2006年当時の数字ですけれども、経済的理由で去年1年間に食料が買えなかった経験です。一番厳しいひとり親世帯の2世代の世帯で「まれにあった」まで合わせると38.4%にも及びます。
32ページですが、衣料が買えなかった経験となると、これは半数に迫るようなところまで行くわけですけれども、高齢者も含めた全体の数値よりも、こういう経験をしている比率が子どもがいる世帯の方が高いというような状況になっているということです。
残りが少なくて飛ばさせていただいて申し訳ございませんが、とりわけ子どもの健康状況に与える影響というものは本当に甚大なものがございますので、社会経済階層と子どもの心身、とりわけ健康面の保障というものを是非この中でも御検討いただければと思っているところです。
33ページから34ページにかけての図表は東京都の23年の報告書でございますが、周産期母子医療センター等で妊婦健診を受けていない未受診の方の状況を指していますが、25歳未満が約半数、婚姻状況にない方が7割というところでしたが、34ページにありますように、未受診の理由、回答を把握できた50人中半分が「経済的理由」ということで挙がっております。これも単に知識がないとか、だらしがないという個人的な要因のみならず、例えば中卒、高校中退、厳しい経済環境の中で早いうちに自立している子どもたちが早くに妊娠に至るということがあるということも事実でございます。
その後、34ページから36ページにかけてのものは、阿部彩さんが国民生活基礎調査を基に、子どもの貧困状況と階層間の健康の格差があるかということで提示されている図表になります。イギリス、カナダなどの国民皆保険が達成されている国でも所得階層によって健康の格差があるということが立証されておりますが、日本の子どもたちの状況においても、所得階層によって格差が見られるということがいろんなデータから少しずつ把握されてきているところでございます。
ちょうど5分になったかと思いますので、この辺りで報告を終わらせていただきます。
○辻委員長 ありがとうございました。
 では、次に羽鳥先生、お願いします。
○羽鳥委員 医師会で実際に医療現場に携わるものの言葉として聞いてください。
 僕は地域医療のない科診療をしています。平日、午前中8時半から1時まで診療、そして午後の診療は夜7時まで、昼休みには往診・在宅医療、学校医活動、産業医活動、行政とのの委員会・審議会などの会議などがあります。医師会、行政との折衝がありますと在宅医療などは十分には時間がとれなくなります。論旨に沿って述べますが、今後日本経済の落ち込みに回復基調が期待できないとなると、次期健康作りにおいても費用対効果を考えて、皆が納得できる質の高いものでありながら、なおかつお金のかからないものをつくっていかなければいけないだろうと思います。
 39ページの上段に述べましたが、この策定専門委員会できめられる言葉の定義を明確にしていただきたいと思います。「高血圧、脂質異常、糖尿病」という言葉ですら、医療者が同じ概念と思っていることばも一般の国民と共有できていない言葉のこともあります。まして、今回から強調される「COPD」「ロコモ」「うつ」「自殺対策」などについて国民にわかりやすい説明をお願いしたいと思います。
次に、運動指導などについて、高血圧、脂質異常、糖尿病の生活習慣病では、集団指導では一日1万歩、300kcalの消費が基礎的な指導がほぼ一律にされ、実際若い世代を対象にしたときは効果を出しています。しかし、個々の症例では、腰痛、股関節疾患、変形性膝関節症などがあった場合、さらに糖尿、高血圧、肥満の合併している方に1万歩、300Kcalを勧めても関節を痛めずに行うことは難しいと思います。そうすると、プールでのウオーキングを何分勧める、あるいはプールが身近になかったらどうするかとか、そういう具体的な指導が必要ではないかと思います。また、全国の遊歩道やジョギングコース、ハイキングコースでここを全部歩き切ると何カロリーを消費できるのかとか、そういうことを示していただくのもわかりやすいのではないかと思います。集団的な指導と同時に個人へのきめの細かい指導をお願いしたいと思います。
次に、栄養指導ですが、栄養指導において特にお願いしたいのは、外食や何かの食品について、総カロリー、タンパク、炭水化物、脂肪量、特に不飽和脂肪酸などの量についても明示していただければ、意欲のある人でしたら、かなり栄養指導、食事指導もやりやすくなるのではないかと思いますので、厚労省を通じての指導の下に関係各省庁のイニシアティブをとって表示を義務づけてほしいと思います。コンビニ、ファストフードなどでもありますけれども、多くの食品の表示をおねがいしたいと存じます。
また、思春期の女子の過剰なやせ、中年男子の肥満傾向というのは、これからの栄養指導、食事指導、運動指導、メンタルサポートはとても重要だと思います。
それから、40ページの2、循環器疾患、心房細動・脳梗塞ということでありますが、前回の「健康日本21」では心房細動が余り取り上げられていないのでありますけれども、今、僕たちの実際の臨床の場では、やはり心房細動から脳梗塞を起こされている例があります。前回、岡村先生の御指摘にありましたように、発症は1%以下であるが危険度15倍という数字も出されております。現況の特定健診においては原則心電図検査実施不要になっています。つまり心電図検査を前年度に異常がなければ次年度は省略していい。これは特定健診を幅広く実施するために、心電図を持たないところでも実施できるように趣旨で、血圧、脂質、糖尿にターゲットを絞り、医療機関でなくても検査ができるようにという行政の意図だったと思います。それはそれで意味はあったと思いますが、心電図検査がない健康診断というのは受診者にとっても納得できないことだと思います。特に保健指導、生活指導ということで、運動指導を行う上で心電図の基礎資料がないのはちょっと無謀ではないかと思います。ところが、市町村レベルでは、前年度心電図に異常がなくても特定健診を市町村負担で自由にやってくださいという地区も実際にあるので、来年度からは厚労省としても心電図検査はかまわないといっていただきたいと考えます。
「プラン実効に向けて」に関しては、国がいくら旗を振っても、都道府県においても縦割りが多くほかの部署の動きがつかめていないことも多く、健康作りにおいてはできるだけ情報を共有化して、縦割りから横への連絡を小まめにやってほしいと思います。特に今回は、厚生労働省は労働省の仕事も一緒にできるようになったわけでありますので、産業分野に是非いろいろな力を与えていただきたいと思います。
まとめとしては、医師会の力を是非活用していただきたいことであります。
以上です。
○辻委員長 ありがとうございます。
 それでは、前回の委員会以降、資料を追加、御提出いただいた委員の先生方から補足説明をお願いしたいと思います。
 まず最初に中村先生、お願いします。
○中村委員 前回から新たに資料を追加させていただいたのは43ページから44ページにかけてなのですけれども、「6.指標と目標」のところは、前回、非常に簡単に項目だけ書いてあったのですが、今回詳しく書かせていただきました。また、49ページ以降の参考資料ですが、これは本文に関連するデータ等についてスライドにして示しております。既にこれまでの第1回、第2回で出させていただいた委員資料もこの中に含める形で整理をさせていただきました。
今日は時間が限られていますので、「6.指標と目標」について説明をさせていただきます。43ページです。
たばこ分野においては、結論から言いますと、最初に書いてありますように、「喫煙率の低下」と「受動喫煙への曝露状況の改善」にかかわる指標を設定するということにしました。
実際には44ページの下段にありますように、「成人の喫煙率の低下」と「未成年者の喫煙率の低下」、受動喫煙としては「日常生活で受動喫煙をする人の割合の低下」、この3つの指標を主要な指標として提案したいと思います。
これらの指標を選んだ理由は、まず、喫煙率の低下として、成人と未成年別に設定することにしていますが、43ページのところに書かせていただいたように、喫煙率の低下が喫煙による健康被害を確実に減少させる最善の解決策ということであります。特に成人の喫煙率の低下が喫煙関連疾患の発症ならびに死亡を短期間に減少させるので、特に重要な指標になります。
一方、未成年者の喫煙については、短期の健康改善にはつながらないのですけれども、そういう意味では中長期な指標として含めています。また、家庭、学校等での受動喫煙防止対策が進んだり、大人の喫煙が減っていくと、青少年の喫煙も減少するということが見られておりまして、この指標にはたばこ対策全般の効果を評価するという意味合いもありますので、今回、成人と合わせて入れさせていただきました。
次に受動喫煙についてです。受動喫煙についても、前述しておりますけれども、肺がんと虚血性心疾患に限っても年間5,000人以上の人が命を落としている、本人の喫煙は年間13万人も亡くなっているということなのですが、受動喫煙でも多くの方が亡くなっていて、健康への影響が大きいということと、受動喫煙の改善によって、例えば心筋梗塞の入院とか、ぜんそく等の呼吸器疾患の入院が短期に改善するということも見られておりまして、喫煙率の低下と併せて重要な指標であるということで選ばせていただきました。
受動喫煙についてはいろいろな場所で受動喫煙にさらされるということで、どういう場所を設定するかということですけれども、?のところに書かせていただきましたように、家庭、職場、飲食店、行政機関、医療機関の5つを選定しました。前3つにつきましては主要な曝露源で、しかも今後改善が特に望まれるということで選ばせていただきました。行政機関と医療機関については、一昨年の2月の健康局長通知で公共場所の原則全面禁煙化ということが示されたのですけれども、特に優先順位が高いものとして官公庁と医療機関が示されていました。そういう理由もありましてこの2つを選ばせていただいております。
 基本的に目標値はどうするかということについては、安全域がないということで、すべてゼロベースにすることがリスク低減ということから言うと望ましいのですけれども、ただ、実際にたばこの使用が社会的に認められているという現実を踏まえて、そこに書いてありますように、?成人の喫煙率の低下については、禁煙希望の喫煙者がすべて禁煙した場合の目標値とすることにしました。平成22年の調査結果はまだ公表されておりませんが、前年の結果では大体3割ぐらいの人が禁煙したいと答えておりますので、喫煙率にこのやめたい人の割合を掛けまして、その分を喫煙率から減じたものを数値目標として設定したいと思います。
?未成年者の喫煙については一応ゼロを目指します。これについては研究班で定期的に行われている調査結果を使います。
?の日常生活の受動喫煙については、家庭、飲食店の目標設定は成人の喫煙率低下相当の減少を考慮します。行政、医療機関についてはゼロベース。職場については、「新成長戦略」というのがありまして、2020年までに「受動喫煙の無い職場の実現」ということが掲げられておりますので、それに沿った目標値を設定することにしております。
以上です。
○辻委員長 ありがとうございました。
 たばこの指標につきましては、事務局から補足説明があるということですので、お願いいたします。
○生活習慣病対策室長 次の骨子(案)での議論が前提ではございますけれども、中村委員から御提示のございましたたばこに関する目標につきましては、都道府県計画において調和が健康増進計画との間に求められます「がん対策推進基本計画」がございますが、これはがん対策推進協議会で政府素案を検討しておりまして、この状況を踏まえて1月23日に予定しております次回の地域保健健康増進栄養部会までに目標設定の考え方を確定させていきたいと考えているところでございます。
 このために、本日委員から提出いただいた資料における目標設定の考え方に基づきまして、次期国民健康づくり運動プランに関する案として、今、申し上げましたように、事務局の案として栄養部会で提示をし、御了承いただいていくということとさせていただきたいと考えております。
以上でございます。
○辻委員長 今、事務局から御発言がございましたけれども、これにつきまして委員の先生方から御意見ございますか。よろしいでしょうか。
 それでは、そういった形で進めていくということで行きたいと思います。
では、次に樋口先生、お願いいたします。
○樋口委員 樋口でございます。
アルコールは、実は提出資料を今、改訂していまして、その改訂の作業の中で、昨今、アルコールの関連のエキスパートの先生方に集まっていただきまして、基本方針、指標等についてディスカッションいたしました。そこで、今日、実は最終的なものをここにお示ししたわけではなくて、途中経過をお示ししまして、今後の議論をしていく上で参考にしていただければと思いまして提出いたしました。
今日提出したのは「アルコール分野の基本方針と指標について」でございます。基本方針は全部で5項目を挙げております。
1つは「多量飲酒(大量飲酒)問題の早期発見と適切な対応」でございます。多量飲酒、大量飲酒の方々は、アルコールに関係した健康問題とか社会的な問題を多く引き起こしているという現実がありますので、この部分を減らすことによってアルコール関連問題も大きく減らせるだろうということです。
2番目に「未成年者の飲酒の防止」。前の「健康日本21」にもこの指標がございましたけれども、これは引き続き行うべきだろうということです。
3番目に、59ページの一番下ですけれども、「アルコールと健康についての知識の普及」。前回の「健康日本21」では「節度ある適度な飲酒」の概念を国民の方々に周知しようということだったのですが、もう少し広く知識を普及していく方がよろしいだろうということで、このようにいたしました。
60ページに行きまして、4番で「飲酒による他者への影響と社会的な問題の低減」。たばことアルコールの大きな違いは、アルコールは健康問題だけではなくて、社会的な問題を引き起こすということであります。特に飲酒している本人もそうですけれども、周囲の人たちに対する影響というのは非常に大きくて、例えば虐待とか家庭内暴力とか、一般の暴力、精神的な面でのストレス、そういうふうなことで非常に大きな影響があるということでして、それも今回の方針の中に入れるべきだろうということです。
最後に女性の話でございますが、前回、指標の中に女性を入れたらという考えもあったのですが、方針の中にとにかく女性の問題を減らしていこうと。女性は男性に比べるとアルコールの影響が強く出やすいということがございますし、それから妊娠とか授乳におけるアルコールの影響というのが次の世代まで行くということがありますので、ここにも注意を払った方がいいだろうということで、この5点を基本方針として現時点で入れたらいいだろうということでございます。
指標は現時点で3つ考えておりまして、今までは多量飲酒のパーセンテージを減らそうということでしたけれども、今回は名前を「ハイリスク飲酒」というふうに変えまして、前回よりもグラム数を減らしています。これは種々のエビデンスからこのようにすべきだろうというエキスパートの先生たちの意見がございまして、このようにいたしました。男性40g、女性20gということです。基準値、目標値については今のところ検討しているところでございます。
2番目の指標として「未成年者における飲酒者の割合」。これは先ほどのたばこと一緒ですけれども、ゼロが目標値として設定されるべきだろうということで、ゼロです。
3番目に「飲酒による他者への影響と社会的問題の低減」に指標を1つ入れるべきだろうということで、現在検討中でございまして、具体的な文言は今のところ検討しているところでございます。
以上でございます。
○辻委員長 ありがとうございます。
 それでは、岡村先生、お願いします。
○岡村委員 それでは、循環器分野の話なのですけれども、ほかの分野といろいろ絡んでおりますので、そこの整理をどうつけるかという問題が幾つかありまして、63ページには目標値の案だけザッと並んでおりますが、全部ということではなくて、このうちの重要なものを幾つかという話に恐らくなるだろうと思います。
1で一番大事なのは、「生活習慣の改善による循環器病の減少」ということは必ず必要ということになりますので、まず死亡の推計をして、発症や要介護はそこから推計するという形をとれるのではないか。要するにすべてほかの分野の目標値を見た上でどのぐらいの効果があるかを推計するということになるかと思います。
 また喫煙の方は独立したものとして考えておりまして、これはほかと独立して強力な因子であるということがありますので、ここではあえて触れずに、喫煙のところを見てくださいという形にしたいです。
それから、割合で見るか、平均値で見るかということがあるのですが、血圧のリスクについては循環器病との関連がほぼ線形であるという仮定ができるので、国民の血圧の平均値を低下させるという目標値で持っていきたいということ。こうした方がほかの分野のインパクトが非常に推計しやすいということがございます。
3、4につきましては、自分の血圧値を知っているとか、服薬をちゃんとしているという人の割合ということになりますが、特に3については受診率の目標とも絡んでくると思うので、恐らく健診を受けていると結果をもらうから、ある程度知っている人も増えるという仮定ができるということがあります。
5のコレステロールにつきましては、線形の仮定をするのはいろいろ問題があるだろうという話がありましたので、高コレステロール血症者の割合を減少させる形に持っていきたいと思っております。この値をどうするかということについて、今、動脈硬化学会のガイドラインが改訂中で、来年の7月に正式決定されることになっていますので、そちらを見ながらということになっていくかと思います。
6は、先ほど言ったようにアウェアネス、認識の問題なので受診率と関連していることになりますし、7、8は循環器特有のもので、ここで触れるのが適切かどうか不明なのですけれども、初期症状を知っていないと早期受診につながらない。特に脳梗塞などは3時間以内にt-PAを使わないと予後が劇的に変わってくるということと、医療機関側からだけの働きかけだけだとこれを上げるのが難しいいうことが我々の研究でわかっております。というのは、市民公開講座をやっても患者さんかその関係者しか来ないので、一般の人にはそれが全く伝わないということになりますので、他の手段で広めないといけないのではないかということで、ここに案としてとりあえず入れております。
8は院外心停止に対する対応の話になるのですけれども、ここは脳とのバランスで入れてはいるのですが、比率としては高くないので、入れるか入れないかはまたということになります。
次のところは、関連分野の目標値から実際に血圧の変化量を推計してどのぐらい循環器病が減るかというのを少し出してみたのですが、例えば栄養分野からは、現状値で食塩の2.7gの減少であるとか、野菜摂取量の50gの増加であるとか言われていますので、それに基づいてナトリウムとカリウムの動きを見ていきますと、大体どのぐらい血圧が動くかというのは既存の介入研究から算出できる。これはほかの分野と相談をしないといけないのですが、例えば野菜だけで足りないときに果物を入れたらどうなるかとかいうのもそこに入れております。
その下は運動分野で、運動分野の方にも目標値が幾つかありまして、運動量を増やしたらどのぐらい血圧が動くかということを推計できるわけですが、例えば栄養と運動の目標を達成するとどのぐらい血圧が動くかということを出すことができます。ですから例えば肥満の目標値を糖尿病分野で出していただけると、肥満の減少によりどのぐらい血圧が下がるかというのも出すことができますので、その辺を含めて入れ込む。あと飲酒につきましても、例えば多量飲酒の減少によってどのぐらい血圧が下がるかというのは推計できますので、それに合わせてどのぐらい血圧が下がって、結果的に循環器病がどのぐらい減るかという推計ができます。
65ページの下から推計方法について延々と書いてありますけれども、66ページの式のところは長くなるので今はふれません。何をやったかというと、実際の大きなコホート研究からポアソン回帰で血圧区分別の調整発症率というのを出してみて、それによるモデル集団をつくる。それから、コホートで出した死亡率というのは実際の死亡率とちょっと乖離しますので、それを実際の死亡率で調整して、それを合わせた仮想集団をつくっています。
67ページにその結果を示しておりますが、先ほどの栄養と運動で例えば3.6mmHg。これは男性、女性、年代別、すべて別々のエクセルシートをつくっていますので別々に全部推計することは可能なのですが、例えば収縮期血圧の平均が3.6mmHg減ったとすると、どのぐらい脳卒中患者が減るかというのを出しております。ここでは脳卒中死亡者数の減少が、男性が5,448人、女性が2,824人というふうに計算でき、死亡の減少はその下にパーセントで示しています。その下が全部の循環器病ということになっておりまして、こういう推計をすることができますので、血圧のシフト値みたいなのを入れていくと、集団全体でどのぐらい減るかということが計算できるので、こういうもので問題がなければ、国のホームページかどこかに置いておいて、市町村とかがこういうのを利用できるようにしたらどうかなと考えているところであります。あと、細かいところは次のページに幾つか示しています。
 それから、特定健診の受診率等について触れていないのは、保険局の方から参酌標準というのが出ていると思いますので、それと異なる目標を立てていいのかどうかという判断がつかなかったので、ここでは触れておりません。より現実的な目標を立てるということであれば、当然入れることは可能になってくるのですけれども、どういうふうにしていくかということについては私の一存では判断ができないということと、あと、肥満とメタボについては、一義的にまず糖尿病予防の方が先に影響してくるだろうと思いますので、こちらも私の独断では入れられないので、ここでは触れておりません。
以上です。
○辻委員長 ありがとうございました。
 これで一通り委員の先生方から御提出いただいた資料につきましては御説明いただきましたけれども、これにつきまして御質問、御議論があろうかと思いますが、これから次期国民健康づくり運動プランの骨子(案)のところでまとめて御議論いただければと思います。
それでは、次期国民健康づくり運動プランの骨子(案)に移りたいと思いますけれども、その前に前回の委員会あるいは昨年末に第31回厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会における御意見をいただきましたので、これにつきまして事務局から御説明をお願いします。
○生活習慣病対策室長 資料2、栄養部会、専門委員会における主な御意見ということです。・が専門委員会の御意見、○が部会での御意見ということでございます。これまでの議論のまとめですので、簡単に御説明させていただきます。
 「10年後を見据えた目指す姿について」ということで、国民が共に支え合い、健康で幸せに暮らせる社会。
 子どもたちが希望の持てる社会、子どもに対するサポートは重要、健康教育が重要だといった御意見がございました。
ワーク・ライフ・バランス。
世代間相互扶助といった視点が重要である。
著しく進む高齢社会を見据えることが必要である。
 労働も見据えた社会の構築を目指すべきである。
 高齢者のひとり暮らしが増えてくることを踏まえた施策が必要。
地域コミュニティの問題。
 ソーシャルキャピタルの活用。
 2ページ目に行っていただきまして、社会参加、健康づくり資源へのアクセス、こういった視点。
 社会環境の課題を明確にすべきということで、「健康日本21」にそういった視点が欠けていたと。
専門家や臨床家への普及もしていくべきであるといったような御意見がございました。
それから「基本的な方向について」でございます。
個人の健康は社会環境に大きな影響を受ける。
生活や労働環境などさまざまな要因を考慮すべきである。
「健康日本21」の反省として、目標が個人の目標が中心だったということがある。
ライフステージに応じた健康寿命の延伸への取組みが重要であるといったこと。
「健康格差の縮小、健康に関心のない人に対して」というところがございますけれども、健康の重要性の意識はありながら生活に追われて健康が守れない、関心が持てない。
健康政策や社会環境整備に取り組み、どこまで健康格差が縮小できるかが重要であるといった御意見。
済みません。先ほどの目指す方向のところで部会の御意見、最後を申し上げませんでしたが、地域保健医療を理解する医療従事者が地域の中で増えてくることが必要であるといった御意見がございました。
「基本的な方向について」の方に戻りますが、部会の御意見として、環境整備が健康格差の是正につながる。
ICTを活用した健康づくりが重要であるといった御意見がございました。
それから、「高齢化社会を踏まえて」という視点では、治療中、要介護者でも段階に応じた健康づくりが重要。
一次予防とともに重症化予防が重視されるべきである。
「その他」としまして、健康国家日本という形での発信が必要。これは部会の方の御意見になっております。
関係省庁の連携。
健康に関連するような環境が地域にどれくらいあるか開示をすることはどうか。
健康なまちづくりが進むような工夫が必要といった御意見がございました。
あと、名称の関係で部会の方で幾つか御意見がございました。
次に「目標について」でございます。これは基本的方向性とダブっている部分がございますけれども、個人で達成すべき目標、社会環境に関する目標、両方があるべきである。社会参加の機会の増加というのが社会生活機能低下の低減と関連している。
それから、地域社会、職場、学校が何を目指すのかを明らかすることが重要である。
この目標に関しましては、下の方にございますように、子ども、高齢者において特に重要であるといった指摘がございました。
それから、「運動の展開を視野に入れた目標の設定」ということで、わかりやすく、実施しやすい目標である。
エビデンスや優先順位を考えるべきである。
自治体、職域の事例から学んでいく必要がある。これは健康づくり自体についてでございます。
それから、健康施策に総合的に取り組んでいることを客観視できる目標設定をすべきである。
地域をサポートする体制が必要である。
 次のページに行きまして、部会の方の御意見として、分野横断的な取組みをした方がよいのではないかといったことがございました。
次に「目標設定の構造や考え方」という点ですが、目標設定については、実行可能性がある、重要なものに絞り込むということ。
指標が非常に多かったので、指標の相互関係もしっかり整理した上で設定すべきであるといったような御意見がございました。
それから、少し行って、特定の病気に偏らないような形にすべきであるということ。
都道府県、市町村がわかりやすい指標を設けるべきであるということが指摘されておりました。
それから、サイエンス、エビデンスといった面での整理をきちっとした上で設定すべきであるといった御意見がございました。
部会の御意見として、数値目標を設定する際は、数値が信頼でき、妥当であることが必要である。
その下の評価方法のところでは、平均値を用いるのか、割合を用いるのかということは個別に検討すべきである。
ハイリスク者の割合を減少させるのか、国民の平均のリスクを減少させるのかということは使い分ける必要があるのではないか。これは今の類似の指摘でございます。
個別目標につきましては、次の骨子(案)のところでまた出てまいりますので、個別に細かく御説明はいたしませんが、特に専門委員会の場で委員が重要だと強調されたものについて、さまざまな健康リスクの低減、リスク低減のターゲットとなる疾患、地域格差、家庭、ライフステージ、子ども、女性、高齢者の観点からなど、いろんな観点からの目標について御意見があったところでございます。
 6ページは「自治体の計画策定や調査、連携等」という項目なのですが、これは専門委員会の方での御議論はまだしておりませんけれども、部会の方で議論がされておりまして、国の役割と自治体の役割を明確にすべきである。
 住民の視点が重視されるべきである。これは計画策定に関してです。
調査については、10年間を見据えた調査、検証が必要である。評価の仕組みも組み込んだ形での計画を提示すべき。がん検診受診率の把握に関するシステムづくりをすべき。
 連携のところでは、栄養ケアステーションや薬局などの組織・機関連携が必要である。  
 保健所をもう一度見直し、システムの在り方を検討すべきといった御意見。最後に、一般市民との連携、NPO等との連携も図っていくべきではないか。
 こういった御意見でございました。
以上です。
○辻委員長 ありがとうございました。
 それでは、この間の厚生科学審議会の地域保健健康増進栄養部会でありますとか、第1回、第2回の本専門委員会につきまして、今、まとめていただきましたけれども、それを踏まえまして次期国民健康づくり運動プランの骨子(案)につきまして事務局から提示いただきましたので、引き続き御説明をお願いします。
○生活習慣病対策室長 資料は資料3と4に従って御説明いたします。資料3の文章の部分が骨子(案)本体でございます。そのほかに説明のために資料をつけているところでございます。
 資料4をごらんいただきたいのですが、これまでも専門委員会の方で御説明しておりますとおり、現状の告示でございます「基本的な方針」(案)を現行からどのように改正するかという視点でございまして、ここにあります第一から第七の項目につきましては法律で定めることとされている項目でございます。
 後ほどまた御説明しますが、現行から改正案で大きく違っておりますところは、現行の方にございます第一の「3.目標の設定と評価」という部分が、改正案の方では第二の方で「国民の健康の増進の目標に関する事項」というふうになっておりますが、こちらの方で具体的な目標として定めると。従来は、目標に関しましては、現行の第二のところに「目標に関する事項」というのがございますが、これは目標の設定の周知ですとか、調査・分析が必要ですとか、そういったことしか書かれておりませんで、目標自体は局長通知の方で定められているということから、骨子(案)の構造として、それらについて告示レベルに引き上げるというのが大きな点でございます。
 一応、骨子(案)の前文のところだけ御説明した上で御説明に入っていきたいと思うのですけれども、前文のところは、目指す姿、基本的方向性、こういったことを大くくりでして、基本的方針の趣旨を記述しております。「我が国における高齢化の進展や疾病構造の変化が進む中で、子どもから高齢者まで全ての国民が共に支え合いながら希望や生きがいを持ち、ライフステージに応じて、健やかで心豊かに生活できる活力ある社会を実現することができるよう、基本的事項を示すもの」ということでございます。
 以下、実際に文章になっておりますが、説明資料の方で御説明させていただきたいと思いますので、まず資料3の一番後ろについております裏表の横の概念図、ポンチ絵をごらんいただきまして、御説明させていただきたいと思います。
 「基本的な方向」につきましては、最終評価、これまでの部会、委員会における議論、これらを踏まえて現行のものをどのように次期の形にしていくのかということになるわけでございますが、「現行の『健康日本21』の課題」というところを見ていただきますと、目的につきましては、壮年期死亡の減少、健康寿命の延伸、生活の質の向上、こういったキーワードが入ってございます。課題としましては、現状、非正規雇用の増加、雇用基盤の変化、家族形態・地域の変化、こういったものがある中で、特に健康における地域格差の縮小の実現が重要ということです。
新しい方では、それらの点に対応して、「健康寿命の延伸」が一番重要なものであったわけですが、これに加えて、「あらゆる世代の健やかな暮らしを支える良好な社会環境を構築し、『健康格差の縮小』を実現するということを明記する」としております。
次の左側ですが、「一次予防の重視」と書かれておりましたけれども、これまでの御議論の中でも、一層進む高齢化社会の中で、重症化を予防する観点、年代に応じた健康づくりを行うことによって社会生活機能を維持する観点が重要ということで、新しいプランの方では、「生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底」「社会生活を営むために必要な機能の維持・向上」ということで、その意味合いとしては、前者については合併症の発症、重症化予防です。後者については高齢期における生活の自立、子どものころからの健康づくり、こころの健康対策といった観点で整理をするということでございます。
それから、一番下の方になりますが、「健康増進支援のための環境整備」といったことにつきましては、これまでは、「健康づくりに取り組もうとする個人を社会全体で支援することを重視」となっておりましたが、特に健康の意識はありながら生活に追われて健康が守れない者や、健康に関心が持てない者も含めた対策が必要だということで、新たなプランにおいては、「健康を支え、守るための社会環境の整備」ということで、個人の行動変容ということの前提となり、また、それだけではないわけですけれども、社会環境の面からの健康づくり環境の整備といったことを重視するということで、基本的な方向としております。
「多様な分野における連携」というのは全体に係る話で、目標であったり、運動の方法であったりということではあるわけですけれども、例えば住民活動、NPO活動、産業界との連携などのポピュレーションアプローチの新しい形なり、進化した形なり、そういったものが該当するかと考えております。
次のページが「基本的な方向」に従ってどのように目標を設定したかということであるわけでございます。現行の健康日本21は9分野79項目で、具体的な項目は局長通知で規定している。分野ごとの項目ということになっておりまして、?〜?、健康リスクと疾病というものを9分野立てて、それに沿った目標値が書かれているという構造になっております。
今回お示しします骨子(案)におきましては、基本的方向がまずあって、これに基づいた形で指標を立てるということで、個別の分野ごとの指標ではなくて、?〜?にありますように、健康寿命の延伸と健康格差の縮小、生活習慣病の発症予防と重症化予防、社会生活を営むために必要な機能の維持・向上に関する目標、健康を支え、守るための社会環境の整備、国民の健康の増進を推進するための生活習慣の改善及び社会環境の整備(NCDリスクの低減等)に関する目標ということでございます。
NCDリスクの件につきましては、後のA3の表でちょっと御説明をしたいと思います。
新規の目標項目、今度は分野的な発想に返ってしまう部分がありますが、どんなものがあるのかということで、ロコモティブシンドローム、COPDの知識の普及、健康格差の縮小、社会環境の整備といったものでは、地域別の健康寿命の差の縮小、住民活動の増加、週労働時間60時間以上の雇用者の減少といったようなものがあるということでございます。
A3の表をごらんいただきたいと思います。これは今、御説明いたしましたように、「基本的な方向」に沿ってどのように目標を設定しているかの資料でございます。今、申し上げました「基本的な方向」は、一番左側の青いところに順番に並んでおります。?、?、?、?、?ということで、それに沿って、オレンジ側、全体目標として?健康寿命、健康格差の縮小といった指標がございます。?は疾患という点から見た生活習慣病の予防という視点です。?については社会生活に必要な機能の維持・向上ということで、生活習慣病予防の方は、がん、循環器、糖尿病、社会生活の方は、こころ、次世代、高齢者ということで指標立てをしている。
更に、?のところには「健康を支え、守るための社会環境の整備」がありますが、これは社会のきずなの向上ということで、地域のつながり、住民活動、健康づくりの場等を指標として考えているところでございます。
目標としまして、右側に「生活習慣の改善・社会環境の改善(NCDリスクの低減等)」という部分がございますが、これはいろんな疾患や状態に共通するものをリスクの面から整理したという格好の指標になっております。個人の生活習慣の改善に係る行動だけではなくて、健康を支える社会環境に係る共通リスクということで、これを整理したものであります。特に「NCDリスクの低減等」と言っておりますのは、平成20年以降、グローバル戦略としてWHOですとか国連の場でNCD対策的な視点として、こういった個人の行動だけではなくて社会環境の面から健康づくりを支えていくといったことが重要視されているということから、これらを考慮した形で整理したものでございます。
食生活、運動、休養、喫煙、飲酒、歯の健康というのは、一方で、告示の法定事項で第六に「生活習慣」が列記をされているのですが、これとの整合も考慮して一応柱立てをしているということでございます。
告示の方は、今、お話し申し上げましたのは基本的な方向と第二、目標に関する事項まででございますが、資料3の4ページをごらんいただきますと、今、申し上げた第六は下の方にございますが、第三が都道府県、市町村の健康増進計画の策定に関する基本的な事項。第四が調査・研究といったことでの基本的な事項。第五が健康増進事業実施者間における連携、協力といったことで記述させていただいております。
基本的には第三から第六までは、前回の資料4にもあるわけですが、現行と改正案の内容を大きく変えたところはございません。
以上です。
○辻委員長 ありがとうございました。
 それでは、骨子(案)について議論に入りたいと思います。資料3に沿ってお話をお願いしたいと思うのですが、まずは第一の「国民の健康の増進の推進に関する基本的な方向」ということで、資料3の1ページ目と2ページの上5行がありますけれども、これにつきまして委員の先生方から御意見がありましたらば、いただきたいと思います。
 また、先ほど本委員会の冒頭にお願いいたしました委員の先生方からの御説明につきましても、御質問がありましたらば併せてお受けしたいと思いますので、どうぞ御意見、御質問をいただきたいと思います。いかがでしょうか。戸山先生。
○戸山委員 総論で今、お見せいただいて、各項目の横軸、縦軸が比較的よく整理されていると思います。ただ、総論になると、国民健康づくりの基本は食と運動であり、この運動と食が子どもから高齢者まで両輪だと思うのです。ですから、食と運動の大切さを、正確な情報を国民がいかに自覚し、それを実行してもらうかが極めて必要なこと、ポイントだと思うので、もし可能であれば、国民の健康増進の推進に、基本的なことであるので、食と運動の文言を入れることが大切。各論では書いてありますが、私はそんな感じがいたします。そのための教育であるとか広報であるとか、環境づくりが一番大切と思います。いかにそれを実行させるか。総論としてはそこのところが重要な点かと考えます。
以上です。
○辻委員長 ありがとうございます。
 ほかにどなたか御意見ありますか。十一先生。
○十一委員 資料3の2ページの一番下の部分、「第二、国民の健康の増進の目標に関する事項」の(3)社会生活を営むために必要な機能の維持・向上に関する目標の?こころの健康ですが、自殺者とかうつ病の減少というのは、主に成人が想定されていると思うのです。ところが、昨今の不況続きの中で子どものこころの健康は非常に危ぶまれ、また、東北の大災害の影響で今後PTSDの子どもさんとかも非常にあらわれてくると思います。
 例えばJR西日本の列車事故、あの規模の事故ですら多数のPTSDの方が何年間もその症状を患っているわけですけれども、今回の大災害はその比でない。恐らく2けた、3けた多いぐらいの数だと思います。そういう点も含めまして、子どものこころの健康というのをちょっと特出しできるような形で加えた方がいいのではないか。子どものメンタルヘルスというのは、結局、大人のCOPDとか虚血性心疾患とか依存症とか、すべてのリスクにかかわるということもわかっておりますので、それを追加する方が望ましいと考えております。
 以上です。
○辻委員長 先生、具体的に何か追加すべき指標というのはございますか。
○十一委員 精神障害とか疾患で難しいのは、体の病気と違って病識を持ちにくいのです。だから、どうしても周りの気づきという形で取組みが始まるのではないかと思うのですけれども、明確な案を私の方も考えている最中です。
○辻委員長 わかりました。
 まず、第一の「基本的な方向」について御意見をいただけばと思いますけれども、どなたかございますか。
 津下先生。
○津下委員 前回の「健康日本21」と比較しますと、健康格差の問題とか社会環境の役割がきちっと明示されたというのが大きな進展だと思いますが、健康格差をどう把握するかという視点が必要になってくるのではないかと思います。先ほど湯澤委員の方は、貧困という問題で社会経済階層という問題がありました。一方、地域格差という面では、例えば地域別、都道府県別または市町村別のさまざまな健康指標を分析することによって把握できるというようなことがあります。今回、「健康格差」と言った場合に、どこのセグメントをどうとらえるかということが課題です。つまり、どこまで健康日本21の範囲として踏み込むのかというのをもう少しわかりやすくする必要があるのかなと思います。これは後ほど出てきます都道府県、市町村の取組みの中で、個別の指標として考える可能性があるのかなと思っていますけれども、それだけでよいのかというところを確認したいと思います。
○辻委員長 ありがとうございます。
 局長、どうぞ。
○健康局長 どこをどうしたらいいのか、もうちょっとわかるように教えていただきたいのです。
○津下委員  「健康日本21」の進捗状態をどう把握するかということで、健康格差をとらえるというときに、例えば調査でとらえるというやり方があると思います。例えば肥満者の地域格差とか、または性・年代の分布とかということはこれまでもやれると思いますけれども、先ほど湯澤委員がおっしゃられた貧困層の問題についてどうアプローチするということまでこの中に含まれているのかどうなのかというような整理。
 もう一つ、健康格差の例として、健診の受診層と健診を受診しない層というふうに分けて、では、受診しない層に対してどんなアプローチができたかというようなことまで踏み込んで考える、そういうことも健康格差を考えているのかというところを整理する必要があるのかなと思っております。
○辻委員長 それでは、私の意見を申し上げたいと思います。ちょっと先走ってしまいますけれども、資料3をごらんいただきたいのですが、目標のところの一番上に?として「健康寿命の延伸と健康格差の縮小の実現」ということが書いてありまして、全体目標として2つあって、健康寿命を延ばすということと、もう一つは下の方に「健康格差の縮小(地域別の健康寿命の差の縮小)」ということで、今のところは、今、津下先生がおっしゃった社会階層の違いか、地域の違いかということで考えると、基本的には両方大事だと思うのですが、とりあえずは地域の格差を重点的に見ていこうと考えています。
それはどうしてかというと、目標指標に関する基本的な考え方は、モニタリングできるようなデータがきちんと存在するということ、そして、そのデータが通常の行政調査などの中で出せるようなものである、というふうにみんなで合意したと思うのですけれども、その点からすると、現時点では地域格差の方がデータとして整備されているだろうと思われます。社会階層の問題も、今の湯澤先生の話はすごく重要で、私も大変だなと思ったのですが、今はこれを全国津々浦々でデータをモニタリングできるような状況ではない。いずれそういうことを目指したいと思うのですけれども、現時点、2012年レベルでできることというのは、まず地域格差に関するデータをきっちり出して、そして、それをちゃんと伝えることによって、自治体あるいは地域住民にいろんなインセンティブを与えていくことが現実的かつ重要なことだと考えていますので、どちらかというと地域格差を中心に考えたいと思います。
 ほかにどなたかございますか。どうぞ。まず羽鳥先生から。
○羽鳥委員 都道府県、市町村の地域格差だけでなく、勤務先企業の比較も大事です。特定健診受診率、保健指導実施率を見ましても、公務員、大企業などでは受診率は70%を超えています。中小企業でもなんとか4割ぐらいを超えている。ところが、地域国保の特定健診受診率ですと、まだ2割を超えるか超えないかです。そういう意味で、健康尺度の評価に健診の受診率も1つの目安でしょうから、次の見直しの時でも結構ですけれども、企業集団別の比較も検討していただきたいと思います。
○辻委員長 どうぞ。
○堀江委員 ただいまの話と関連しますけれども、健康格差の目標の中に「地域別」という言葉が出ていますが、産業保健の分野の人が「地域別」というのを見ると、即座にこれは自分に関係ないなというふうに思ってしまいがちです。産業保健の分野で、いつも話題になるのは、職場の規模別です。国の制度上も、あるいは国の調査の結果を見ても、小規模事業場は、大規模に比べると相当な違いがあることが指摘されています。それがここに書いてあると、産業保健の方々も、自分たちの課題だというふうに認識するのではないかなと思いました。したがって、「地域別」のほかにも「職場別」とか「職域別」とか、そういった表現が入っていれば、主体感を持って取り組めるのではないかと思いました。
○辻委員長 どうぞ。
○生活習慣病対策室長 途中で恐縮でございます。先ほど健診の受診率の御質問といいますか、御指摘がございました。資料3のA3の表で申し上げますと、?の生活習慣病の予防、がんのところの「がん検診の受診率の向上」。
 それから、循環器、糖尿病、同じ欄になっていますが、「特定健診・特定保健指導の実施率の向上」ということで、そういった指標については一応盛り込まれているということをちょっと申し上げておきたいと思います。
以上です。
○辻委員長 よろしいでしょうか。
格差の話ですけれども、もうちょっと誤解のないように申し上げたいと思うのですが、地域別だけという話ではなくて、今のところ、アベーラブルなデータが一番そろっているのは地域なので、そこをきっちりやりたいということです。もう一つは、今の事業所の規模別でありますとか、あるいは保険者別というのもあり得ると思うのですが、そういったことについても、いずれやっていく中で可能性を追求していきたい。そういったことで、使えるデータ,モニタリングできるデータというのは広がっていきますし、評価の対象、評価の方法や技術も改善していきますので、その都度、それに応じて格差の議論を広げていきたいと思うのです。とりあえずは、まずは地域別についてはきっちりやりたい。産業、職場についてもできるところは何とか考えていきたいというようなところでやっていきたいと思います。
総論につきまして、ほかにどなたかありますか。新開先生。
○新開委員 この格差というのは、今、国民のが非常に関心が高いところで、辻委員長が言われた地域別が今、アベーラブルなデータだというのはよくわかるのですが、これ「格差の縮小」と書いていますね。これを上に挙げたときに、では、その方法論として、今、下に挙がっている方法論で、「格差の縮小」そういうところにアプローチできるのかということをもかなり危惧しているのです。むしろ今はモニタリングとかデータを整備して、そういう格差をなくすには次の戦略としてどういうものを用意するか、その準備期にあるのかなというふうな気がするのです。「縮小」というのはかなり難しい、困難な目標で、そこにアプローチする準備期として何かそういう目標を立てれば今はいいのかなと思うのですけれども、どうでしょうか。
○辻委員長 ありがとうございます。
 本当に全くそのとおりだと思います。実は後で申し上げようと思ったのですが、A3の横長でごらんいただきますと、目標項目を決めたらば、基本的には現状の数値を出し、10年後の目標値、その数値を出すということが原則になるわけですけれども、全体目標の2つにつきましては、現状数値は出せると思うのですが、10年後の目標値は出さないでおこうというか、出せないと考える方が自然だろうと思っておりました。ですので、これは健康寿命をできるだけ延ばしたいと思いますし、健康格差をできるだけ縮小したいと思いますが、10年後に何%ぐらい減っているかということまでは出さないで、むしろモニタリングをしっかりしていくことによってその格差があるということはまず認めた上で、それがこれから10年間健康づくりの中でどのように動いていくかということをきっちりモニタリングする。恐らくそういったプロセスの中で、先生がおっしゃるように、格差を是正していくための方法論ですとか、そういったこともこれから出てくると思いますので、そのステージに立ったらまた改良していくというような形で、先生がおっしゃるとおりで行きたいと思っております。
 はい。
○健康局長 ちょっと質問です。それは大事な話で、科学的に予測がつかないという意味なのか、それともこれからやる施策が余り有効でないという意味なのか、どちらですか。
○辻委員長 基本的には前者、予測がつかないのではないかなと思います。特に格差につきましては。
西先生、どうぞ。
○西委員 国立健康・栄養研究所で国民健康・栄養調査の集計を担当しております。国民健康・栄養調査では平成22年の調査票から世帯の収入というものが含まれるようになっておりまして、そういった結果も今後公表されていくと思います。健康格差を見る場合には地域別というのが一番見やすいとは思うのですけれども、どこの地域だったら良くないとかいうことではなくて、その地域に世帯の収入の低い方が多いとか、そういったことによる影響というものもあると思いますので、そのようなデータも見ながら今後の対策が検討できるのではないかと思います。
 ですから、社会経済状態として不利な状況にある方に対しては、生活習慣の改善についてどのようにアプローチすれば良いかというようなことを考えるとか、そういった対策というのが可能ではないかと考えます。
○辻委員長 津下先生、ありますか。
○津下委員 非常に大事なポイントは、セグメントに分けてきちっと健康課題を分析して対策をとるということです。今までの健康づくりの事業は、どちらかというと熱心な地域はどんどんやっていく、モデル事業も手を挙げるところはたくさん挙げていくということで、やっていないところがそのままになっているような状況もなきにしもあらずという状況です。例えば県の役割として、市町村の特に指標のよくないところに重点的に事業を展開することとか、そんなような方向づけができれば、アクションとして格差の縮小に向けて動いていけるのではないかなと思っています。
その点で言いますと、2ページの一番最後のところになるのですけれども、健康増進の取組みの推進のところで、自治体の役割を総論にも書き込んでおいた方がいいのではないかと思っていますが、いかがでしょうか。後で第三「基本的な事項」という欄はあるのですけれども、総論の部分に「自治体は課題を認識して、健康格差の縮小に向けた取組みを行うこと」と、「その際、こういう関連機関と連携をとって行うこと」ということが明記された方がいいかなということ。
連携については、国のレベルでも各関連機関としっかり連携を図っていただいて、地域でその担当者が出てきたときに、自分の役割を認識して出てきていただけるようにすることも考える必要があると思います。例えば過去の例でいきますと、「健康日本21」の会議にいろいろな団体が呼ばれても、自分の本来の仕事じゃないねという形でなかなか前向きな議論がされない場合もある。各省庁のラインでもってそういう健康増進の必要性、役割を伝えていただけると、地域でも動きやすいのではないかと考えております。
○辻委員長 はい。
○吉水委員 今の御意見とも関連するのですけれども、私も何となく「格差の縮小」という言葉に違和感がありまして、高いところと低いところがあるとすると、低いところを上げるというのが具体的な目標ではないかと思っています。「格差の縮小」というと、言葉じりをとらえると、両方が歩み寄るということも概念としてはあり得ますね。だとしたらば、低いところにもっと意識を持ってもらうためには、「底上げする」とか「上げる」といったような、もっとリアリティのある表現にできないものかなというのは少し感じたところです。
○辻委員長 どうぞ。
○健康局長 すごく大事なところなので。私どもとしては、これからの10年間というのは、日本がどういうふうな成長をしていくかわかりませんけれども、こう見てくると、縮んでいくかもしれませんが、健康に関してはできるだけ底上げ、おっしゃったようになっていくのだろうと思っておるのです。そうしますと、それは今の全体目標のところで「健康寿命の延伸」ということとセットで考えれば、当然「格差の縮小」というのは底上げだと思っております。今回の計画はどうなるかわかりませんけれども、先ほど室長が御説明しましたように、生活習慣病という個人の努力も大事だけれども、どういうふうな状況にありながらも健康を享受できるようなインフラを整備していくといった意味で、前の時代よりも全国津々浦々でその基盤が整備されるチャンスが広まるようなイメージを持っております。
 ですから、そういった意味で、事務局的には「健康寿命の延伸」とセットの意味での「格差の縮小」というのは重要だと思っております。しかし、総合目標、全体目標たる大事な目標は定性的で理念的なものだけだとすると、果たしてそんな意味があるのかなと思っておりまして、ここのところは委員長とちょっと見解が違いますけれども、私としては、大ざっぱでもいいから、今、これだけの格差があるのだけれども、10年後の、目指す健康の日本の社会はその格差がこれだけ縮まるのだということを目標に立てて、それに向けていろんな施策をやっていきたいと思っておりますが、この辺はまた有識者の先生方の意見をこれからよく聞かせてもらいたいと思っています。
○辻委員長 鈴木先生は2時半に御退席ということを伺っておりますので、これに限らずお願いします。
○鈴木委員 では、1点だけ。骨子(案)で申しますと、高齢者の健康のところで、認知機能低下のハイリスク高齢者の発見率の向上をするとか、骨粗鬆症の割合を減らすとか、ロコモティブシンドロームを認知していただくとか、あるいは就業率とか地域活動とかいうことなので、個別のこういった策定ということについては、私、全く異存ございません。
ただ、高齢者の健康と言ったときに、一番大きなくくりで最初に来るべきは、これは全体目標の「健康寿命の延伸」との裏腹ですけれども、要介護高齢者の割合を減少させるといったようなことが高齢期の健康での具体的な目標になるのではないかなと思います。
先ほど新開委員から高齢期の健康をどう考えるかということで、非常によくまとまったコメントというか、意見資料だと思うのですけれども、左側の水色の「社会生活を営むために必要な機能の維持・向上」、まさに高齢期における生活機能の維持・向上ということですので、この視点から見ますと、やはり高齢期の健康というのは最初にそういった生活機能の維持・向上の割合を高める。具体的に言えば、要介護状態にある者を減らしていくということがまず大きな枠組みとしてあって、それの具体的な対応策として、例えば認知機能であるとか、骨粗鬆症であるとか、ロコモティブシンドロームであるとかというふうな枠組みなのかなと理解しております。
是非その辺を御議論できればと思います。
○辻委員長 ありがとうございました。
 ほかにどなたか。先ほどの格差の話に戻ってもいいのですけれども、全体目標で格差をどうするかということにつきまして、皆さん、御意見をいただければと思います。中村先生。
○中村委員 先ほどからの健康格差なのですけれども、今の案では「地域別の健康寿命の差の縮小」ということになっていますが、実際健康寿命の格差を縮小するためには、健康寿命を縮める要因の格差を縮めないといけないわけです。しかし、日本では西先生から意見のあった収入別に喫煙などの健康寿命を縮める要因の実態について断片的に研究はありますが、きちんとしたデータベースが構築できていません。今後、健康寿命を縮める主な要因についてきちんとした実態把握を早いうちにして、10年後にそういったリスク要因の格差が縮まったのかについても併せて見ておく必要があると思います。そのための評価の仕組みを構築していくことが対策と合わせて重要と考えます。
 これらの結果として得られるのが例えば地域別の健康寿命の差の縮小であったり、所得別の健康寿命の差の縮小になるので、所得別のリスク要因の実態把握とモニタリングが必要と思います。
○辻委員長 ありがとうございます。
 ほかにどなたか。樋口先生、お願いします
○樋口委員 私、理解がよくできていないのかもしれませんけれども、A3の「健康格差の縮小」のところに「(地域)」と書いてあるのですが、これは何か意味があるのでしょうか。骨子(案)の第一のあらゆる世代の健康格差の縮小の方にはそういうふうな地域の話は出ていないのですけれども、ここに「(地域)」というのを特定して入れなければいけない理由があえてあるのかどうかということ。
○辻委員長 目標は、基本的には測定可能なもの、あるいは現実にデータセットして存在しているものということになるわけですけれども、健康寿命に関しましては、藤田保健衛生大学の橋本修二教授が研究班の中で計算をされているのですが、国民生活基礎調査を使って日常生活に支障がない自立期間、主観的に自分が健康であると自覚している期間、介護保険の認定率などの情報を使いまして、介護保険の認定を受けていない意味での自立期間というのを計算していらっしゃるのですが、これは日本全国のデータと都道府県のデータについて出しておられまして、その推定の精度を考えると、少なくとも50万人規模の人間がいなければなかなかできないということで、市町村はなかなか難しい。ただ、都道府県については十分な推定精度で比較できるということを出していらっしゃいますので、今、使えるデータというのは、健康寿命に関する限りは都道府県別というような形でしかないという事情です。
○生活習慣病対策室長 事務局から補足で御説明しますと、最終評価の際に健康寿命につきましては一応数値、資料として出させていただいておりまして、都道府県間差があるというところまでは評価の際に数値として出しているという状況がございます。辻委員長がチームの座長でいらっしゃったわけでございます。
以上です。
○河野栄養・食育指導官 それと、今、樋口委員から「基本的な方向」のところには「地域別」というふうに入っていないのではないかという御指摘については、「基本的な方向」については「健康格差の縮小」という理念的なものを書かせていただき、かつ、「目標に関する事項」のところについては、2ページ目の「2.健康増進を推進するための目標」の「(1)健康寿命の延伸と健康格差の縮小の実現に関する目標」として、具体的な指標として何が置けるかというときに、地域別、都道府県別の健康寿命の差の縮小があるということで、括弧書きで書かせていただいているという状況でございます。
○辻委員長 どうぞ。
○樋口委員 私が勘違いしたのかもしれませんけれども、「全体目標」と書いてあると、これはすべてを統括した目標なのだということになると、そこに個別の目標と全体を含んだものとが一緒になっているというのはちょっとわかりづらい感じがするのです。ですから、もしかしたら、健康格差の縮小で具体的な数値目標があってということだったら、大きなところに1つあって、もう一つ下に数値目標として新たにまた入れるとか、そういうようなことが必要なのかなと。
 もう一つ、話が全然違うのですけれども、第一の「3.社会生活を営むために必要な機能の維持・向上」のところにストレスの話が出ていますが、こういうすごく大きなときに何かが入っていないと、その部分は軽視されたというような感じになってしまうと思うのだけれども、こころのことを考えたとき、先ほどの御指摘もありましたけれども、働く世代に限らず、子どもとかいろいろなところも含むべきだろうということなので、例えばライフステージに沿ったこころの健康とか、そういうふうな形にもう少し広げていただいた方がいいのではないかと思いました。
○辻委員長 先生がおっしゃったのは1ページ目の骨子(案)の第一の「3.社会生活を営むために必要な機能の維持・向上」というところで、3つポツがあるうちの一番最後のところ、「働く世代」とだけ限定しないで、子どもから年寄りまでいろんなライフステージ別にこころの健康の課題があるからということですね。わかりました。
 ほかに御意見ございますか。宮地先生。
○宮地委員 今の格差の問題ではないのですけれども、全体的な話の中で、資料3の1ページ目の一番初めの前文に当たるところですが、ここの中に私たちの健康づくりに対する取組みの基礎である「生活習慣の改善」という言葉が1つも出てきていないのです。最初に戸山先生からも御指摘があったのですけれども、食事や身体活動あるいは禁煙、その他さまざまな私たちの生活習慣の改善を通して健康寿命の延伸等を図るというのがここのプランの大きな目標ですので、やはりその精神を前文の中に入れていくという意味では、「生活習慣の改善」という文言が入っていくことによって具現化できるのではないかと思います。そうすると、1〜5の条文に身体活動・運動・食事・栄養などの言葉が出ていないという御指摘もありましたが、前文にしっかり「生活習慣の改善」という言葉が示してあれば、それを踏まえて1〜5に記載されている内容を進めていくのだということが理解できると思います。
 もう一つ、多くの先生方から様々なご提案がある中で、こういうことを言うのは議論に逆行しているようで申し訳ない気がするのですが、そもそも「健康日本21」では、総花的で、何をやっていいのかわからない、目標が五十何項目あって困るということでした。実際ここに来てみると、四十何項目の目標がある。健康格差という観点から言えば、特に格差の低い方に入らざるをえない人々からすれば、あれもこれもできないというのも当然あると思いますし、できるだけ目標は少なくシンプルにしつつ、集中して達成するのだという意気込みを示すという方向性も1つ考えていただければと思いました。
○辻委員長 ありがとうございます。
 ほかによろしいですか。
 それでは、もう少し各論に入りまして、第二の「国民の健康の増進の目標に関する事項」ということで、主にA3の横長の紙に沿って、今、宮地先生からも「絞れるものは絞った方がいいのではないか」という御意見をいただいたのですが、逆にもっと欲しいという方もいらっしゃると思うのですけれども、それぞれのお立場あるいは全体を通してこれはどうなのだというようなお話をいただければと思います。どなたからでも結構です。
工藤先生からどうぞ。
○工藤委員 全体的にこの骨子(案)はよくできているのではないかなと思っておるのですが、COPDの部分ですが、現在COPDは予防という観点から見ますと、「喫煙」という中に「慢性閉塞性肺疾患(COPD)の知識と普及」、この位置づけで私はよろしいと思っております。
 ただ、この中身が「知識の普及」となっているわけですけれども、目標設定という観点からしますと、やはり「知識の普及と早期の発見の推進」というようなものをつけ加えていただいた方がいいのではないか。
 これはこの前も申し上げましたが、一昨年の12月に厚生労働省の方で「今後の慢性閉塞性肺疾患(COPD)の予防・早期発見のあり方について」というのを出して、それとの整合という問題もあります。
 もう一つは、早期発見の推進がありませんと、今、日本医師会を初め、いろんなところが早期発見に取り組んでいる真っ最中で、行動目標を与える必要があるのではないかということがあります。それから、国民の側でもスパイロメトリーとか、そういうCOPDに関する問診なども積極的に受けていただくということがありますので、やはり「早期発見の推進」ということを1つ加えていただきたいということです。
以上です。
○辻委員長 津金先生、どうぞ。
○津金委員 私が何を言いたいのか、皆さん、わかると思うのですけれども、がんのところなのですが、これは一生懸命検診受診率を上げることによって死亡率の減少を目指そうというようなことになります。「がんの罹患者の減少」というものを入れないと我々の存在自体がないというか、何を今までやってきたのという感じになるので、「がんの罹患者の減少」というのを入れていただきたいということ。そうすると、1つ増えますね。減らすには、「がん」の2つは要らなくて、結局、「がん対策推進基本計画」で出ている「75歳未満のがんの年齢調整死亡率の減少」だけを残すというようなことも1つです。
それに関連して、がんに関しては「75歳未満のがんの年齢調整死亡率」と書いているのですけれども、循環器に関しては、「早世の減少」と書いていて、言葉があいまいなのですが、同じにしたって構わないのではないかなというようなことです。
3つ目は循環器で、先ほどの岡村先生の資料について伺いたいのですけれども、先生は介入研究で血圧を下げるという観点のことを言われていたのですが、要するに、長年の生活習慣とかが高血圧の発症というか、罹患に与える影響という観点も必要ではないでしょうか。高血圧になって下げればいいというだけでは、がんになっても、早期発見すればいいというのと同じようなことで、要するに、高血圧者をつくらないという観点からどういう生活習慣、例えば食塩が何グラム上がると罹患率がどれだけ上がるとか、そういうふうなことの観点も必要なのではないかと思いました。勿論、これはオブザベーショナルスタディしかないということがあるのは承知していますけれども、がんなどは、逆に言えばオブザベーショナルスタディの知見をフルに活用しているわけで、循環器に関してはオブザベーショナルスタディを全く活用しないのもどうかなと思います。
○辻委員長 どうぞ。
○岡村委員 今の「早世の減少」というのは、私が出した案ではないので、今、年齢をどこの範囲にするかというのは、実は別途、事務局と相談しているところです。実は「早世の減少」だと、循環器病の患者さんの死亡数は全く減らない。高齢になればなるほど増える病気ですので。ですから、これについては、がんとそろえて75歳にするか、もうちょっと上にするかみたいなところで検討しております。
 生活習慣のところは、先生がおっしゃることは十分わかるのですけれども、2つの目標が並立して矛盾していると、目標としては非常に混乱するので、今回の整理点としては、先ほど言いましたように、栄養とか運動のところと血圧値の関連というのは介入研究で全部わかっているところがありますので、まず、そちらの方に集約すると。ただ、効果としてはもっとあるかもしれないということは文言として入れようと思っていますので、そこのところは、今回目標をたくさん作っていいのなら検討できるのですけれども、どちらを見るかというと、診療の現場とある程度相関の高いところで整理したいということでまとめさせていただいております。
 先生のことは十分わかっておりますので、よろしくお願いいたします。
○辻委員長 戸山先生、どうぞ。
○戸山委員 では、各論で少しお話しさせていただきたいと思います。高齢社会ということで、「高齢者の健康」が横軸で入ったことは非常に重要だと思いますし、この目標値に沿って10年後、いいデータになればなと思います。その中で鈴木委員からありました「要介護者の減少」については、確かに今、その原因から数値まで明らかになっていると思うのですが、今の認定法そのものが、10年後、今の基準で行くかどうかがちょっと不安です。ただし、「要介護者の減少」を入れることには、個人的に賛成です。
 もう一つは、縦軸の方の「身体活動・運動」のところですけれども、「日常生活における歩数の増加」や「運動習慣」、ないしは「歩行可能な高齢者の増加」などは非常に重要であるし、これらは生活習慣病の予防、こころの健康にも関係してくると思うので、非常に重要です。前回の「健康日本21」で歩数が減少しているということがありましたから、この目標に向かって進むべきと思います。ただ、ここで問題なのは、例えば2006年にできた「国民健康づくりのための運動指針」では、1日1万歩歩きましょう、ないしは1週間で23エクササイズしましょうとなりました。ただし、その原点は何かというと、運動器が健康であることが条件になるわけです。ひざの痛い方、ないしは腰の痛い方が非常に多い。そこに目を向けないと、絵にかいたもちになるという可能性もあると思うのです。ですから、運動機能の健診とか、チェック体制の構築を自治体の方で積極的に取り組むべきではないかなと強く思います。
もう一点は、骨粗鬆症というものも間違いなしに高血圧と同じぐらい、循環器専門の人に失礼かもしれませんけれども、高齢化でもっと重要視されるべきと思うのです。その場合には、食のところで前回の「健康日本21」に入っていたカルシウムが今、10年で十分なところに来ているのだったらいいのですが、そうでなければ、今回も「カルシウム摂取量の増加」を入れておくのもどうかと思います。お考えいただきたいと思います。
 最後ですけれども、「飲酒」項目の4つ目のところに「飲酒による他者への影響と社会的問題の低減」とありますけれども、「健康日本21」でこの領域まで踏み込んでいいのかなという感じがちょっといたします。「健康」が、「他者への影響と社会的問題の低減」というような言葉で入り込むことは、どうかなと個人的に思います。
 あともう一つ、身体活動と運動の項目は、その底辺にある「運動器の健康」が何よりインパクトある言葉だと思いますので、例えばここの「身体活動・運動」は、「身体活動・運動器の健康」とか、それと同じような文言を少しお考えいただけるといいかなと。それは広い、また大きなインパクトになるのではないかなと思います。
以上です。
○辻委員長 ありがとうございました。
 幾つか御質問がありましたので、担当の委員の先生からお答えいただきたい。村山先生、どうぞ。
○村山委員 今、コメントをいただきました「栄養・食生活」を担当させていただいております。その立場から「栄養・食生活」の目標について、2点コメントをさせていただきます。
 1点目は、生活習慣病の予防ということから、「塩分摂取量」「野菜の摂取量」が提案されていますが、社会生活に必要な機能の維持・向上ということを考えたときには、もう少し全体的な栄養バランスがよい食事をする人の増加と必要だと考えます。カルシウムにつきましても、その中に含まれてきますし、成長期や高齢者においてはたんぱく質も含める必要があります。個々の栄養素をあげるよりは、栄養バランスのよい食事をする人の増加を目標に入れることを提案します。具体的な指標としては、主食、主菜、副菜がそろった食事をする人の割合の増加ということが考えられます。
 2点目は、「栄養成分表示を行う食品数の増加」があります。これは「身体活動・運動」にもあります「環境づくり」の項目の1つです。「栄養・食生活」では「食環境づくり」と呼んでいますが、一人ひとりが望ましい食生活を営むための支援的な環境づくりという意味で、今回、栄養成分表示、これはエビデンスがあるということで挙げています。栄養成分表示は情報の提供ですけれども、食べ物自体を健康的なもの、健康によいものにしていくことも必要です。その1つとして、現在日本では、子どもから高齢者まで給食が提供されています。したがって給食施設で栄養管理が実施されるということは非常に重要です。健康増進という意味では、給食施設の中でも小学校、産業給食などの、どちらかというと疾病でない人が対象で一次予防的な役割が重要だと思います。そこで、「給食施設で適切な栄養管理が実施される施設数の増加」といった目標も重要だと思います。
 項目が増えることが問題でしたら、食環境づくりということで整理して、その中を「栄養成分表示」と「栄養管理が実施されている給食施設数」という整理の仕方でもよいと思います。
最後に、先ほどの全体の議論の格差のことについてコメントさせていただきたいと思います。全体目標の格差の縮小は、特に地域間格差に限らないというお話でした。それについては賛成です。先ほど中村委員からお話がありましたように、では具体的にどうやって格差の縮小をしていくのかといったときに、現段階では、必ずしも国全体として個々の生活習慣のレベルでどのような格差があるのか十分把握できているわけではありません。したがって、個々の生活習慣のレベルでの格差縮小の目標設定は難しいと思いますので、先ほど津下先生がおっしゃったように、自治体の健康づくり計画に健康格差対策が入っているまたは、実際に取り組んでいる自治体を増やすというような目標を、「?健康を支え、守るための社会環境の整備」に入れることも1つと考えております。
以上です。
○辻委員長 宮地先生、どうぞ。
○宮地委員 先ほどの戸山先生の御意見に対する回答ですけれども、運動器の健康という観点から運動・身体活動の中で何かないか、あるいはひざが痛い、腰が痛いという人が運動できない場合、どうしたらいいかという話があったのですが、「身体活動・運動」の項目で3番目に「安全に歩行可能な高齢者の増加」という項目があります。これをどのようなもので評価をしていくのかということは、まだ具体的に確定はしておりません。
 「健康日本21」では、開眼片足立ちが20秒できる人の割合というものを使っておりましたが、これに関しましては、戸山先生あるいは鈴木先生等の御意見等を拝聴しながら、より正確でよりよい指標があれば、そういったものを入れる。あるいは問診とか質問票でできるのであれば、そういうものをつくっていくということでモニタリングができるようになればよろしいのではないかなと考えておりますが、いかがでしょうか。
○辻委員長 ありがとうございます。
 では、樋口先生、お願いします。
○樋口委員 先ほどの戸山先生からのお話ですけれども、飲酒は、先ほど私、ちょっと申し上げましたけれども、本人の問題も非常に大きいのですが、周りに対する影響も非常に大きくて、周りに対する影響の中には、ここに「社会的な問題」と書いてあることに少し疑問を持たれたのかもしれませんが、勿論、健康的な問題も非常に大きくて、例えばこころに対するストレスとか、子どもの発育の不全とか、自殺が増えるとか、そういうふうなことにターゲットを絞った形でまたここで考えていけばよろしいのかなというふうなことを考えました。
あともう一点、今の話と全然違う話ですけれども、言葉じりをとらえて恐縮なのですが、喫煙のところと飲酒のところに「妊娠中の飲酒率をなくす」とか「喫煙率をなくす」とかというのがあるのですけれども、「飲酒をなくす」とか「喫煙率をゼロにする」とか、そういう言葉にすべきかなと思いました。
○辻委員長 中村先生。
○中村委員 喫煙のところ、よろしいですか。
○辻委員長 はい。
○中村委員 私が今日出させていただいた目標とちょっと違っているところがありまして、1つは、先ほど工藤先生から御意見がありましたけれども、「COPDの知識の普及」というのが入っているのですが、喫煙の目標の設定についての考え方は先ほど説明したとおりですけれども、論理的な構造から考えれば、大きな目標に「COPDの知識の普及」というのが入っているのはちょっと違和感を感じています。むしろWHOが進めているNCD対策ということで言えば、COPDは、今、ここに挙がっているがん、循環器、糖尿病と併せて位置づけられているわけなので、むしろ生活習慣病の予防の欄にCOPDを今回新たに入れることがよいと思います。そのことで、COPDへの関心が関係者だけでなく、また一般の国民の人にも広がると思うので、そちらの方に移して、複数の項目があるのであれば、複数の目標設定をする方が全体としてはいいように思います。
 もう一点は、「妊娠中の喫煙率」と「両親の自宅での喫煙率をなくす」というのが入っているのですけれども、これについては入れるのか、入れないのか、厚労省の方とすり合わせが必要と思います。
受動喫煙については、先ほど申し上げたように、行政機関とか医療機関を括弧書きの中に追加することが必要と考えます。
以上です。
○辻委員長 はい。
○工藤委員 工藤ですけれども、中村先生から大変力強い話をいただいたのですが、先ほど申し上げた厚労省が1年前に出したものは、半年にわたって5回ほど検討会を開いて、中村先生も委員で、私が座長でとりまとめをさせていただいたものです。
 COPDというのは、最終的には糖尿病や高血圧等と並んで一番前に置かないといけないのではないかというふうに思ってはいるのですけれども、ただ、10年間という目標で考えていったときに、現在、約500万人ぐらいの潜在患者がいて、実際国の方のデータで出ているのは、20数万人しか有病率を把握していないという現状があります。統計によってもいろいろありますが、いずれにしても相当程度潜在しているということで、知識の普及あるいは早期発見の推進が進んでくると逆に増えてくる。それから高齢化が進めば更に増えるというようなことがありますので、大体10年ぐらい前から喫煙率が減り始めていて、COPDリスクの減少にそれがつながってくるのは大体20年ぐらいのタイムラグがありますので、その次のステップにはど真ん中に来るかなと思いながら、「10年後に減らす」と掲げたときに、実際にその数値が、減らすどころか増えているという現状が起こりかねないかなというふうに思って、あえて予防との関係で喫煙のところに落ちつけるのが妥当かなということは申し上げたのですけれども、これは中村先生、非常に積極的におっしゃっていただいているのですが、全体の御議論に任せたいと思います。
○辻委員長 野田先生、どうぞ。
○野田委員 糖尿病のところで追加としてのコメントを述べさせていただきたいのですけれども、一番下の四角で「治療中断者の減少」とございまして、その4つ上のところに「特定健診・特定保健指導の実施率の向上」とございますが、糖尿病に関しては、受診すべき群といいますか、グループの人が必ずしも受診していないということは特定健診についても言えますし、特定健診に限らず、糖尿病という指摘を受けた人で未治療の人が多いということは、例えば国民健康・栄養調査のときの糖尿病の調査でも治療中断者と比較しても未治療者は多いですので、ここを例えば「治療中断者・未治療者の減少」と、そういうふうにしていただくといいかなと思います。
 もう一点ですけれども、最初の四角の「高血糖者の減少」の「高血糖者」という表現ですが、これは恐らく「高血圧者」から連動して出てきた言葉で、空腹時血糖値100mg/dl以上という意味であろうと思いますが、タームに関しては、例えば日本糖尿病学会などの御意見で検討していただくのもよいかなと思います。
○辻委員長 津下先生、どうぞ。
○津下委員 3点ぐらいありますけれども、1つは特定健診データの活用です。ナショナルデータベースは全国各層2,000万人以上のデータがありますので、そういうデータを活用しますと生活習慣問診、検査データから個々の指標についての地域格差を出すことができるかと思います。国民全体の実態把握という点では国民健康・栄養調査が重要ですが、地域別または市町村単位別で健康状態を確認する、健康格差を確認するためには特定健診のデータが活用できるとよいと思います。健康格差の縮小のためには、どこまでは達成可能なのかという目標値を考える上でも、自分の地域の立ち位置がどこかということを見ることは非常に大事だと思います。ナショナルデータベースを利活用すれば、これらのデータ、それぞれの指標について地域の状態を把握することができるだろうと思っています。
 3ページの「歯の健康」のところに「地域格差の縮小」ということが書かれておりますけれども、これからはかなり多くの指標にまたがって地域格差を確認していくということができるかと思います。
 それから、目標には「減少」と書かれていますが、これから高齢者が増えていくので、年齢調整というか、性・年代別にきちっと分析をして、人口動態を加味した解釈が必要なので、そのことについての注意は当然必要だろうと思っています。
「栄養・食生活」のところで「子どもと家族の共食の増加」と書いてあります。これは非常に重要なのですけれども、一方で、高齢者でおひとり暮らしの方が非常に増えてきておりまして、高齢者の孤食、ひきこもりのことがあります。なので、子どもに限らず、地域または家族で食事を楽しむ人が増加するということをもう少し幅広に表現していただくといいのではないかなと思います。
 環境整備の方では、格差対策や自治体としての取組みの評価を「絆」という言葉で書かれているので、自然発生的なイメージというのもにおってくるのですけれども、自治体として住民に健康環境を提供するという役割、責任もあるかと思いますので、そういう社会環境の評価も必要ではないかなと思います。
 よろしくお願いします。
○辻委員長 ありがとうございました。
 尾崎先生、まだ伺っていないのですけれども、何かありますか。
○尾崎委員 今、津下先生から歯の方の地域格差の減少というところを指摘されたのですけれども、実はここに書き込んだというのは、データが全国データベースで全部ありますので、県別は簡単に出ます。下手すると市町村別を出せるのですが、そうすると、学校格差がわかってしまうので出さないようにしているのですけれども、県別で全部、1歳半、3歳、それから学校歯科でむし歯の本数ですと12歳が出せるということになっています。なぜ上に書いていないかというと、実はお恥ずかしい話なのですが、歯周病については、ある県とない県があったり、成人の歯周病についても非常にばらばらな部分があって、先ほどのお話ではないですけれども、格差の縮小まで行かずに、格差がどのぐらいだという検証になるので、あえてそこは書かないで、今、書けるところに書いてしまったというところでございます。
 それから、ちょっと違和感があるかもわかりませんが、「歯の健康」の中の「歯科検診の受診者の増加」と言いますのは、決してむし歯を見据えて言っているわけではなくて、成人期の歯周病、あるいは前回、工藤先生から御指摘がありました高齢者の誤嚥性肺炎の予防も含めまして口腔機能も含めた検診を多くの年代にわたって受けていただきたいということで、こういう項目をちょっと立ててみました。
 それから、「口腔機能の低下の軽減」というのですと、口腔機能というのは、歯があればいいのかというわけではなく、決して歯だけで物を食べているわけではなくて、そしゃくして嚥下して、すべてが口腔機能ですので、そういうものも含めまして高齢者の健康を支援していこうということで、これを書かせていただいております。
以上でございます。
○辻委員長 山縣先生、どうぞ。
○山縣委員 この指標のところで、特に(3)の「?次世代の健康」のところにしっかり子どものことが書かれているというのは非常によかったと思うのですが、2点ほど。(3)の「?こころの健康」ですが、先ほど十一委員からもお話がありましたように、自殺とかうつの話というのは、思春期、特に平成22年から単独で10代後半の死因の第1位が自殺になったということもあって、明確にある程度「思春期」も括弧つきででも入るような表現の方法とか、それから、うつの患者に関しても、産後うつの問題というのは今、非常に大きな問題でありますし、そういうふうなことがどこかでわかるような形で入ればいいかなと思っております。
同様に、3ページの(5)の「?栄養・食生活」のところで、これも「適正体重を維持している人」となってくると、どうしても成人をイメージするのですが、やはり肥満児や思春期やせの問題もこの中に入るというような表現形がどこかにあるとわかりやすいかなと思いました。
以上です。
○辻委員長 ありがとうございます。
どうぞ。
○新開委員 骨子(案)の1ページ目の「社会生活を営むために必要な機能の維持・向上」というところなのですが、この「社会生活」というのは、子どもから高齢者まで広くカバーしている概念だと思うのです。その下の「若年期から年代に応じた身体機能の強化・維持に取り組む」のところの目的が、「高齢期における日常生活の自立を目指し」というのは、子どもなり成人期の身体機能の維持のモチベーションとしてはどうかなと思うのです。子どもの健全な社会生活というか、そういう意味で、その時々の身体機能の維持・増強というのはありますし、体の機能は学業ともかなり関係しているというデータもありますし、成人期は勿論、労働ということを支える健康ということもあります。高齢期が非常に長くなってきておりますが、これは子どもから大人までの結果としてあるという面もあると同時に、30年ぐらいの高齢期にすることもあるのです。そういう意味では、これは「高齢期の身体機能の維持・増進」というようなところでくくってもいいのか、そうではなく「全世代を通じてこころと体の機能の発達のために重要である」というような、そういうニュアンスにでこの表現を少し修正していただけないかなと思いました。
 それと、高齢期の20年、30年の期間の栄養・身体活動が、今度は成人期と同じのままの目標でいいのかというところが、むしろ最近のデータでは、やはり高齢期はバランスがとれたというよりも、もう少し積極的にしっかりとるというような表現の方が身体機能の維持とか、いろいろな健康関連のアウトカムとの関連が強いので、よりもう少し積極的に食の位置づけをしていただきたいなと思うのです。メタボがそのまま70代、80まで行きますと、皆さん、少食でもいいというようなことで、その弊害が大きいので、そこはを過剰と不足でいうと、高齢期は不足の問題がも大きいというような認識をこの際していただくということが重要だろうかなと思うのです。
○辻委員長 三浦先生、どうぞ。
○三浦委員 今の新開委員の意見に全面的に賛同するところで、やはり高齢期においては低栄養の問題というのは生命予後に非常に大きなインパクトを与えるので、ライフステージごとに目指すものはそれぞれ異なってくるのかなと思いますので、ちょっと表現を変えた方がいいのではないかなと思います。今の表現だと、ファイナルアウトカムが高齢期における日常生活の自立みたいなふうにもとらえられてしまうようなところもあるので、そこのところは、かなり多くの部分でライフステージごとのアプローチというのを考えて実際はやっていかなければいけないかなというふうに思うところでございます。
○辻委員長 どうぞ。
○堀江委員 産業保健の視点をどこに入れたら一番おさまりがよいのか、ずっと考えておりました。A3の紙に戻らせていただきますが、全体の構造、「生活習慣の改善・社会環境の改善」という表で、左側の列に記載されているがん、循環器疾患、糖尿病、こころの健康等が、右側の列で影響を与えている原因が書かれているという構造になっているようです。この中で見ると、休養のところに週労働時間の話が出てきていまして、ここに明確に産業保健の位置づけがあるように感じます。ここで、労働していなければ休養だと見えてしまうと、かなり短絡的な発想に陥っている可能性がありますので、ここのタイトルを「休養」だけではなくて、「就業・休養」などとして「働く」という言葉が入っていると、おさまりとしてここに週労働時間が出てくるというのがわかりやすいのかなと私は思いました。
そういう目で見ると、実は、左側の「社会生活に必要な機能の維持・向上」の中の「こころの健康」の中に「自殺者の減少」「ストレスを感じた人の割合の減少」となっていて、これらはそのままでよいのですけれども、その次に「メンタルヘルスに関する措置を受けられる職場の割合の増加」というのは、右側の列の原因側に移していただいて、これを「就業・休養」の項目の中に入れていただくのがいいのかなと私は感じました。わかりますでしょうか。
○辻委員長 わかりました。
○堀江委員 もう一つは、産業保健において休養と就業の分野で取り組むということであれば、個人の生活習慣にかかわる社会環境の指標として、職場における保健指導という取組みがあります。現在、これも労働安全衛生基本調査等において、保健指導を受けている人の割合が調査されていますので、健康診断が終わった後にきちんと保健指導を受ける人が増えてくれば、個人の生活習慣も改善されていくと考えますので、ここに指標として入れていただくのも1つの手ではないかと思いました。
 以上です。
○辻委員長 津金先生、どうぞ。
○津金委員 先ほどから出ているように性別といわゆるライフステージというのは、要するに、病気の側というか、エンドポイントの側もそうですし、要因の側もそうですし、やはり目標値とかそこら辺に違いが出てくるのは避けられないと思います。それこそ生活習慣病の人数を減少させることは、高齢人口の増加を考えれば、絶対不可能なわけですから、そういう観点での検討は必要なのだけれども、それをここに持ってくると数が多くなり過ぎてしまうので、そこはサブ目標みたいなところでライフステージ別に目標を設定していくということで、なるべく目標は減らすということを考えた方がいいと思います。
 それに関連にして各論なのですけれども、「栄養・食生活」も、先ほど言われたように、食生活でちゃんとしている人を増やすというような目標にして、その中の重要なポイントとしては塩分とかそういうことを挙げていくということ。ちょっと細かくなるのですが、野菜だけではなくて果物も大事だと思います。がんも循環器もです。それから、摂取量を増加するよりは、摂取不足の人を減らした方が恐らくいいのだろう。必ずしも摂れば摂るほどいいとは限らないので、摂取不足の人に対して増加した方がいいのではないかなと思います。
それから、「身体活動・運動」も、要するに、肉体労働で十分体を動かしている人に果たして「歩数を増加する」とか「運動習慣を持て」と言う必要があるのかということで、我々もがんとか病気の関係を見ると、身体活動量として見る方が、実際にどのぐらい余暇の運動をやっているかということで考えるよりはずっとそういうエンドポイントに結びつきやすいということを経験しているので、そこもまさに「指標を減らせ」と言った宮地先生が更にそこを集約するというような御提案をいただけるといいのではないかなと思います。
○辻委員長 はい。
○宮地委員 今の津金先生のコメントはもっともで、余暇の運動習慣でなくて、身体活動量の指標を歩数というもので評価をしているという考え方です。
○津金委員 歩数だけなのですね。
○宮地委員 歩数だけではないです。
○津金委員 動かないで体を動かしていれば身体活動量は上がりますね。
○宮地委員 あいにく今の日本は、今から10年前や20年前に比べると、一次産業就業者であっても肉体労働をやっている人はそんなに多くないです。トラクター、あるいは漁具の発達等があって、残念ながらそれほど十分な歩行以外の身体活動というのは認められていません。細かく調査をすれば、身体活動の要素を全部抽出することはできます。ただ、その調査がいかに大変かということは、津金先生はよく御存じだと思います。やはりシンプル、かつ客観的で、今、津金先生がおっしゃった肉体労働を含む身体活動をモニタリングできる指標として歩数というものを挙げておりますので、そこを理解いただけるとありがたいなと思います。
○辻委員長 横山先生、いかがですか。
○横山委員 指標が今、49でしたでしょうか、たくさんあって、前回と違って要因系と結果をかなり整理されて、わかりやすくなったと思うのですけれども、ただ、要因系と結果系の関係がこれだけだとまだわかりにくいところもあります。この骨子の中に事細かな説明を入れるというのは勿論、無理だとは思うのですが、どの生活習慣、要因の部分が病気の方に関係しているかということはちゃんと整理して、解説をつけるというようなことは必要だと思います。
あと、横串の方の中にも原因系と結果系がまざっているようなところがあって、せめて順序関係を工夫した方がいいかなと思うのです。例えばがんだったら、がんの年齢調整死亡率の減少というのが最終的な結果。循環器だと早世の減少。糖尿病は合併症なのかなと思うのですが、その順序が真ん中になっていたりとか、その辺りを一工夫した方がいいのではないかと思います。
○辻委員長 湯澤先生、いかがですか。
○湯澤委員 子どもに関するところなのですが、1つ、先ほど子どもと家族との共食の増加の点では、高齢者の方も踏まえて、また「地域、家族で」という表現でというお話が出たかと思うのですが、家族と一緒に食べられたり、健康な生活習慣を持つ子どもたちの割合が増えることは勿論、すごく重要で大事なことではあるのですけれども、最も困難な家庭の中では、なるべく時給が高い夜、働かなければいけないとか、そういう家庭が実際増えておりますので、「一緒に食べなさい」と言われること自体が親として責められている、かなりのストレスになるということもございます。一方で、実際家族の自助努力はもう超えているところを地域で、夜、トワイライトステイで食事を支えていくというような活動も出てきていますので、家族だけに努力を求めないような表現にしていっていただけたらなと思います。
以上です。
○辻委員長 ありがとうございます。
 はい。
○羽鳥委員 次期国民健康作り専門委員会の構成の問題ですが、眼科、耳鼻科など感覚器の話題が抜けていると思います。幼児期、小児期、成年期において耳からの情報、目からの情報、発声も大事です。高齢社会になってきて、難聴の方も増えているし、視力障害の方が増えているということもあるので、新たに委員に加えるのは今は難しいのかもしれませんが片手落ちだと思います。専門学会への問い合わせという方法でもよいですが、その部分の表記が抜けているということが気になります。
 別件ですが、情報制御が天文学的なスピードで進んでいくのでそれに対応したICT活用がこの委員会で議論されない、目標として提示されないのはちょっとさびしいなと思います。一つの方法として、個人情報に配慮しながら自分の最新の健康情報を保険証や今度出てくる共通番号カードなどに、心電図情報とか胸部レントゲン情報、血液尿所見、薬剤アレルギー、服薬中の薬をおさめて、大規模災害時、救急時には、救急病院、救急隊が、会話ができないときにカードリーダーで読めるようにするなどの活用は、医療消費の面からも有用な手段と思います。健康診断を受けたら、健康情報をさっと書き込めるようにするなどができる仕組みを作るのがよいと思います。
○辻委員長 ありがとうございました。
 どうぞ。
○岡村委員 循環器のところの補足なのですが、ここは今、事務局とも相談しているのですが、高血圧と脂質異常ですけれども、脂質異常は割合の減少でいいのですが、血圧は高血圧者の減少だけでは循環器病の患者さんの数は大きく減らないということがわかっているので、前の「健康日本21」のときも血圧については平均値の低下で入っていたと思うので、ここも多分その方がいいだろうなということが1点。
 早世のところは、先ほど言ったように年齢の定義をどうするか、これからまた考えます。
 栄養・食生活のところに「肥満・やせの減少」ということが入っているのですが、ここの目標値の設定というのは非常に重要なところなので、これを循環器のところだけでやるのは変ですので、栄養か運動のところで案が出てこないと、ほかのところにかなり影響いたしますのでというところが1点。
それから、メタボの予備軍とメタボ該当者はまた野田先生とご相談したいのですし、津下先生にもお聞きしたいのですが、むしろ糖尿病の発症がどれだけ減るかという観点が必要で、高血圧と脂質異常と糖尿病などの重症の危険因子を伴わない残りのメタボというのは、循環器病の発症に対してはほとんど影響は出てきませんので、糖尿病の発症というところを見ておいた方がいいかなというのが少し見て思ったところです。
以上です。
○辻委員長 よろしいでしょうか。
予定された時間になってきましたので、今、いただきました御意見をもとに私と事務局の方でまた検討させていただいて、そして、先生方に具体的にフィードバックをかけて、目標の最終案を次の委員会では出していく。次回は現状値と目標値も出すというところまでなりますので、またその節はよろしくお願いします。
続きまして、資料3の4ページになりますが、第三の都道府県及び市町村の健康増進計画の策定に関する基本的な事項。
第四の国民健康・栄養調査その他の健康の増進に関する調査及び研究に関する基本的な事項。
第五、健康増進事業実施者間における連携及び協力に関する基本的な事項。
第六、食生活、運動、休養、飲酒、喫煙、歯の健康の保持その他の生活習慣に関する正しい知識の普及に関する事項。
第七、その他国民の健康の増進の推進に関する重要事項についての議論に移らせていただきたいと思います。
これにつきましては、本専門委員会で初めて議論することとなりますけれども、厚生科学審議会の地域保健健康増進栄養部会での議論を踏まえまして骨子論を記載させていただいたということでありますので、これにつきまして御意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。
津金先生、お願いします。
○津金委員 第四の「研究の推進」のところなのですけれども、「国、地方公共団体」と。ここは「独立行政法人など」というのは入らないのかなというようなことで、ナショナルセンターがみんな独法化したというところもあるので、どうなのか。これは多分行政用語というか、法律の話なのだと思うのです。
それから、「国民の生活習慣と生活習慣病の相関関係等に関する研究を」というのは、健康増進法だと思うのですけれども、今回、生活習慣だけでなくて、いわゆる生活環境とか社会環境というようなこともいろいろ出てきているので、ほかのものとの整合性を図らなければいけないと思うのですが、そういうようなことも一度検討された方がいいのではないかなと思います。
○辻委員長 ありがとうございました。
 津下先生、どうぞ。
○津下委員 第三の都道府県及び市町村の健康増進計画は、実施主体として非常に重要だと思うのですけれども、これが国の計画をまねして県がつくり、県のまねをして市町村がつくことになると、地域としての特性を生かせないと感じています。県民健康・栄養調査をやってみえる県もありますが、やっていない県もあるし、それから、性・年代別に見ると客体数が非常に小さくて、結局、調査の労多くして、国の全体のコメント以上のものがなかなか出てこない状況もあるのかなと。これ、無駄と言っているわけではないのですけれども、かなり難しい状況もあるかなと思いますので、例えば既存の人口動態や死亡の状況、医療費、介護認定データ、特定健診のデータ等のデータセット、こういうものを見ていけば健康増進計画の地方計画が立てやすいというような例示を、ある程度示した方がよろしいのではないかなと思います。
 それから、第五のところですけれども、健康増進事業実施者間における連携でITの活用というのが非常に重要で、健康情報を活用してその人に合った運動メニューや食事についてサービスが受けられるとか、医療機関の中での情報だけではなく、それを翻訳して本人が健康行動をとるときに使いやすいような形をこれから推進していくといいのではないかなと思いますので、情報の利活用という点も触れていただくといいのではないかと思います。
○辻委員長 ありがとうございます。
 どうぞ。
○吉水委員 「第七、その他国民の健康の増進の推進に関する」というところに該当するのかどうかよくわからないのですけれども、先ほどの目標等々、どちらかというと先生方の知見をもとにした厚生労働省としてのある種大所高所に立った目標だと思うのですが、今までの議論の中でも社会的な目標と個人的な目標をどうするかというお話が出ていて、個人的な目標はどこかの段階で話されるのか、あるいは先ほど来セグメント別やライフステージ別に議論することが必要だ、というお話がありましたが、その辺で話されることなのでしょうか。半ば質問なのです。
質問の意図としては、つまり、これが国民一人ひとりの自覚的な知識なり能動的なアクションになるにはどうしたらいいかという観点なのです。例えば「知識の普及」と言うと大所高所の目標ですけれども、でも、「早期発見」と言うと個人のベネフィットになります。そういった一人ひとりの問題意識に落とし込むためにはどうすればいいのかと思うところであって、それはこの委員会の連続性の中でどこかで話し合われることなのか、あるいは今のうちに盛り込んでおくべきことなのか、こういう場になれていなくて、よくわからなかったものですから、お教えいただければと思うのです。
○健康局長 当然この健康増進計画あるいは健康増進法の求めるものは、国や地方公共団体がつくる計画で終わりではなくて、健康増進法にも定めがありますけれども、国民自身がそういったものを自覚して、国民の責務として自らの健康状態を自覚しながら健康の増進に努めなければならないというふうなのが根本にありますから、その手段としてこういうふうな計画をつくるわけでありますので、濃淡はあるかもしれませんけれども、そういったことが基本に据えられた計画だというふうに思っていますので、表現形としてもそういったところが随所にちりばめられることがあってもいいのではないかと思っています。ただ、どの程度そういうものをこの計画の中に出すかどうかということは、様式があるわけではありませんから、まさに有識者でおありの皆さんの御見解があれば、お聞きしたいと思っております。
○吉水委員 わかりました。
本当に例えば例なのですけれども、「健康寿命の延伸」でとまるよりも、「要介護者の減少」と言った方が、要介護にみんななりたくないと思っていますから、そういう気持ちに響くのではないかとか、先ほどの「知識の普及」ではなくて、「早期発見の推進」といった方が自分事化するのではないかとか、そういう観点でこの目標の言葉を吟味する必要もあると思います。
 あと、先ほどどなたか情報ということもおっしゃいましたけれども、それをどういうふうに広報していくかという問題も話し合われるべきなのではないかなと思いました。
○辻委員長 どうぞ。
○津下委員 今の観点は非常に大事な観点で、計画書をただ行政がつくるのではなくて、基本方針の中に今までも「住民参加」ということが書かれているわけですけれども、まず行政の中でもしっかりと部局を超えて市民の健康のためにどんなことが必要なのだということを議論し、そのうえで一般の方にもわかりやすく話をして、自分たちの町の計画として健康増進計画がつくられるということ、このことは前回の「健康日本21」でも目指した姿であって、この部分はしっかりと発展させていくことが大切です。第三の2の留意事項のところに、住民にわかりやすい言葉で伝え、住民が自分のこととして健康増進を考えるような仕組みをつくるということを丁寧に書き込むことが大事かなというふうに思います。
○辻委員長 戸山先生、どうぞ。
○戸山委員 これは総論のところでお話ししたことの繰り返しになるかもしれませんけれども、第六の項の自治体、市町村等々がその策定に沿って動くので、国民をその方向に引き込むとともに、国民の自覚と実行が一番成功のかぎと思います。「9月」はどうして9月かちょっとわからないのですが、「広報を推進する」ないしは「食生活の改善普及運動」、これも非常に重要だと思います。つまり国民にいかに自覚させ、実行させるか、ここがかぎだと思います。今後は知恵を絞って実行させることが10年後の本運動成功のかぎと思います。
○辻委員長 山縣先生。
○山縣委員 やはり第六の知識の普及に関する事項のことなのです。1の「基本的な考え方」で、「情報提供は多様な経路を活用し」という中に入るのかもしれないのですが、子どもたちの健康教育というのは非常に大きなかぎになるということは、部会からも意見として出ていますし、そういうことがわかるように、例えば学校教育との連携だとか、そういうふうなことがこの中に入ってくると、もう少しわかりやすく、子どものころから生活習慣病予防に対しての健康知識を得て体づくりをするというようなことがはっきりするのかなという気がいたします。
○辻委員長 樋口先生、どうぞ。
○樋口委員 たしか部会でもこの話が意見の中にもあるのですけれども、1つ、三のところに市町村とか都道府県の義務みたいな形で「目標を設定し、定期的に評価及び改定をすべき」というふうにありますが、前回の「健康日本21」でも都道府県は計画をすべて策定したのですが、市町村では策定できなかったところも随分あって、今回またこういうふうなことをやっても、向こう10年の間にできないこともあるかもしれないので、それを支援するような体制みたいなものが是非必要なのではないかと思うのです。それが第三の2の「計画策定の留意事項」の中に書き込まれていくのであればいいのですが、その辺りを是非お考えいただきたいなということが第1点。
 それから、名前ですけれども、また元へ戻ってしまうのですが、一番最初の骨子(案)のところに「新健康日本21」と書いてありますけれども、これは「新健康日本21」という名前。
○生活習慣病対策室長 名称に関しては全く白紙でございます。これは「健康日本21」の次ですねというだけの意味合いで書いてあります。
○樋口委員 そうですか。何かいいような感じがします。
○辻委員長 「次期国民健康づくり」とか、「次の健康日本21」とか、あいまいな言い方をみんなしているわけですけれども、樋口先生は「これがいい」とおっしゃっているのですが、せっかくの機会ですので、何か御提案とかありましたらいただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
 西先生。
○西委員 名称の話ではなくて、その前に1つ。第四の国民健康調査その他の「研究の推進」のところですけれども、「国民の生活習慣と生活習慣病の相関関係」というふうなことで書いてあるのですが、今回、次期プランの方で社会環境というのがかなり重視されておりますので、「国民の生活習慣と社会環境の相関関係」ですとか、「社会環境と生活習慣病の相関関係」ですとか、「社会環境」という言葉が入った方が良いように思いました。
○辻委員長 ほかにどなたかございますか。
 吉水委員にもう少しお聞きしたいのですけれども、「健康日本21」の10年間の反省として、国が計画をつくった後、都道府県とか市町村はそれぞれの計画をつくるのに精いっぱいで、つくったら何か終わったかなみたいな部分が結構あったこと。もう一つは、「国民健康づくり運動」とした割には知名度が非常に低かったこと。このような反省があります。「メタボ」なんかは、ほとんどの人が知っていることに比べると、「健康日本21」という言葉を知っている人は非常に少ないという現実があるのです。ですから、計画をつくった後、運動論をどういうふうに展開するかというのは非常に重要な話だと思うのです。そういった意味で先生に入っていただいたわけですけれども、今すぐでなくて、次回でも結構なのですが、そういう御提案をいただければと思うのですが、まず、今日はそのさわりでもお話しいただければと思います。
○吉水委員 ネーミングに対する御提案ですか。
○辻委員長 ネーミングに限らず、あらゆることで。
○吉水委員 今、何となく直感的に思っているのは、「ロコモ」とか、印象的な言葉3つくらいに絞って、10年間の計画ですので、今年はこれをやっていきましょう、来年はこれをやっていきましょうと重点目標を絞らないと、なかなか国民には伝わらないなということ。
 あと、国民というのはなかなか一枚岩ではないといいますか、ひとくくりにはできないので、やはりセグメントとかライフステージとか、ある種クラスターによって違う対応というのは考えていかねばいけないというふうには思っております。
ネーミングについてはのちのちの宿題として考えます。
○辻委員長 別にネーミングに限らず、運動論とか進め方ということで何か御意見があれば伺いたいのですけれども、いかがでしょうか。工藤先生、お願いします。
○工藤委員 言葉の問題は非常に大切だと先ほど出されていて、吉水委員の御意見も非常に重要だと思うのですけれども、私、少し斜めに物を考えるということで、いけないのかもしれないのですが、例えば「健康寿命の延伸」の裏側として「不健康寿命の短縮」というのがありますね。ただ、これを切り取って「不健康寿命の短縮」というのだけが独り歩きした場合には、病人ばかりをいかに長生きさせるかとやっている医者の立場からしてもこれをどうとったらいいのだろう。そういうことにもなる。
それから、今、お話のあった「要介護者の減少」という言葉がもし独り歩きしたときに、では、各自治体レベルで介護基準を厳しくすれば減るじゃないかという危険性もあるわけです。ですから、そういったことも含めて言葉を正確に使っておく必要があるのではないかな。そのことだけ申し上げたいと思います。
○辻委員長 堀江先生、どうぞ。
○堀江委員 4ページの第四の「国民健康・栄養調査その他の健康増進に関する調査」云々の中の1の「調査の実施及び活用」の「活用」のところです。
 今回、特徴として社会環境の話がかなり指標として入ってくると思うのですが、その中には県レベルあるいは市町村レベルで指標がとれるものがあれば、是非ともそれを公開していただきたいと考えます。公開するだけで活用になると思うのです。
 企業などですと、ソーシャル・レスポンシビリティという言葉があります。企業は特に経営に関することだけではなくて、社会における役割をいかに分担しているかということを積極的に公開していく。そうでないと社会から企業はその存在を認められない時代になっています。自治体も1つの重要な実施主体ですから、そのソーシャル・レスポンシビリティの1つとして、いかにその自治体が社会的な健康資源を改善しようとしているか、増やそうとしているかといったことを積極的に公表するというようなことで活用の話を展開していただければと思います。
○辻委員長 ありがとうございます。
 はい。
○羽鳥委員 基本的な事項及び調査のことに関してですが、津金先生のおっしゃることに関係するかもしれませんけれども、公衆衛生に資するものについては統計データをとらせてもらう。血圧、血液データ、がん登録、服薬している薬品名などがきちんととれれば、さらに死亡原因が確定できれば様々な分析ができます。今、韓国はそれが巻単位できるわけですがそれのできない日本はどんどんおくれていきます。特にがん登録は地区によっては個人情報保護法が市町村条例で優先されていて公的病院から全く情報が出てきません。本来は公衆衛生の目的であれば、これは個人情報に当たらないと言いながらも、地域によって登録できないところがあるわけです。そういうことを含めて、勿論、プライバシーに配慮することは大事ですけれども、新健康日本21を現場で活用できるものにするためには情報を十分に出していただくということをやらないと、客観的なデータがとれないのではないかと思うので、その辺を厚生労働省の力で工夫してデータをとれるようにしていただきたいと思います。
今、例えば神奈川の川崎市ですと、市議会で個人情報保護を優先する、患者情報病名を出すことはまかり成らぬという法律の方が優先しています。公衆衛生の方で「これは社会的貢献が高いので利用できる」とは言っていても、出せないという法律が地域の条例であると出せないということがあるので、そういうことのないように何か工夫していただきたいと思います。
○健康局長 今、「がん対策推進基本計画」というのも同じ見直しをやっていまして、最終的なとりまとめをやっていますけれども、それを5月か6月ごろに閣議決定して、政府全体でということで出すわけですが、その中でがん登録につきましては、個人情報保護法の例外だという趣旨はわかっているけれども、現実として地方のその条例が優先している状況もあることを踏まえて、それが法改正になるのかどうか、まだわかりませんが、もう少し前へ出るような形で基本計画の方でそちらはやりたいと思っております。ですから、こちらの方では余りやらない。
○羽鳥委員 その一方で、地域のがん登録はできないけれども、民間病院のがん登録は非常に精度が高い。なぜかと言えば、病院内がん登録を行うとDPCの基礎点数が上がり、病院収入に資するからという理由です。公的病院ががん登録できないというのは片手落ちです。
○健康局長 ですから、院内のがん登録も地域も含めて全体的に検討してまいります。
○辻委員長 はい。
○津金委員 研究においてそういう個人情報保護法というのはものすごく支障があって、諸外国で生活習慣と病気の相関関係が出てくるのは、基本的に国民背番号があって、それが保健医療情報に使われて、それを研究にどんどん使えるからあっという間にいろんな情報が出てくるのです。例えば処方薬のデータベースとがん登録をリンクして、糖尿病のこの薬を使っているとがんのリスクが上がるとか、そういうのはあっという間に出てくるのですけれども、日本だけはそういう仕組みがないので永遠に出てこなくて、ほかの国で出た情報に関して後追いせざるを得ないという状況なので、国民背番号というものが保健医療分野においてうまく活用されることと同時に、更にそれがこういう研究に活用できるようにならないと、日本はいつまでたっても諸外国のエビデンスに基づいてやらなければいけないという状態が続くと思います。あっという間に韓国とか台湾とかそういうところに日本は置いていかれて、アジア人のエビデンスは韓国、あるいは中国、あるいは台湾という話になってくると思います。
○辻委員長 津下先生、どうぞ。
○津下委員 2点。1つは運動論の話で、例えば厚生労働省の封筒を見ても「健康日本21」のロゴやメッセージが残念ながら書かれていません。市町村によっては、まち独自で21計画のロゴをつくったりとか、すべての健康事業について21を浸透させようという努力が地域ごとにされているという状況があります。次期計画の方では、例えば国全体で厚生労働省の印刷物に全部それが入っているとか、普及のためのちょっとした仕掛けというのをどんどやっていく。それから、「健康日本21」の関連推進団体のいろんなパンフレットとかに全部そういうマークをつけるとか、そういう仕掛けを戦略的にやっていくというのが非常に大事かなと思います。
それから、正しい知識の普及のほかに、国立健康・栄養研究所のホームページには掲載されているのですけれども、正しくない情報もいろいろ錯綜していて、何を信じていいかわからないというようなこともあるわけで、それについてもう少し国民にわかりやすく示す必要があるのではないかなと。なので、第六のところに「正しい情報」ということと、もう一つ、国民にとって余りよろしくない情報について規制なり何なりができないかというふうに思います。
○辻委員長 山縣先生。次に宮地先生。
○山縣委員 先ほど津金委員から情報の整備をするという意味で、ソーシャル・セキュリティ・ナンバーのようなものは非常に重要だということがあったのですが、同感です。それは研究とか、エビデンスをつくるというだけではなくて、個人がその情報をきちんと活用して、それをモチベーションにして健康づくりをしていくという仕組みにもつながっていくと思います。現在、日本のICTの技術というのはそれぐらいまで進んでいるわけで、例えばスマートフォーンにしても、そういったものを活用して個人がその情報をきちんと入手できると。それを経年的に見ていきながら自分の健康増進を図っていくというようなことも新たな手法として検討するとよいと思います。そのためにも情報をきちんとデータベース化する仕組みというものを国全体で考えていく必要があると思います。
○宮地委員 4ページの骨子なのですけれども、この中でステークホルダーとしてこれをやるべきということが明確に書いてあるのは、第三のところの、都道府県、市町村といった自治体についてのみ明記してあります。
ただ、こういった健康づくりの知識を普及し、アクションを国民に起こしてもらうためには、自治体以外にも、先ほどからご意見がありました職域がどんな活動をするかということが重要です。もう一つ言えば、資格を持っている医師、保健師、管理栄養士、あるいは健康運動指導士もそうかもしれませんけれども、専門職の人たちもステークホルダーになると思いますが、専門職の方々が何をすべきとまでは書けないかもしれないけれども、専門職がアドボカシー、唱道していくことによって国民が動くという、我が国の健康意識レベルはそういうフェーズだと思うのです。なので、さまざまなステークホルダーに頑張ってもらわなければいけないんだ的な内容を、第七の部分になるかもしれませんけれども、しっかりと明記していくうことは重要なのではないかなと考えます。
○辻委員長 そうですね。特に第七のところをもっと充実しろという話ですね。
○宮地委員 はい。今の話は第七になると思います。
○辻委員長 ありがとうございます。
 ほかにどなたかございますか。工藤委員、どうぞ。
○工藤委員 またネーミングの話に戻って申し訳ないのですが、「健康日本21」というネーミングはすばらしいと思っているのです。ですから、これは「新健康日本21」でもよろしいのですが、ただ、21世紀になってまだ11年しかたっていないのです。ですから、これ、21世紀、いつまでやるかわかりませんけれども、「新」と使ってしまうと、その次がもうないという感じで、そうすると、例えば「第2次健康日本21」とかそういうところで後ろもとっておいたような名前にしておいた方がいいと思います。
以上です。
○辻委員長 ありがとうございます。
 どうぞ。
○横山委員 第四の1の2つ目のポツのところですけれども、最後で「健康増進に関する施策の評価の際に十分活用する」とあるのですが、これは第三の1とのつながりで行くと、「施策の策定、評価及び改定の際に活用」という方が適切かなという気がします。
 地方計画を策定するに当たって、やりなさいだけだと、先ほど樋口委員もおっしゃっていましたけれども、また前回と同じように十分にできない可能性もあるので、国の役割として、国は策定とか評価のための方法論を提供するとか、その役割をここのどこかに入れておいたらどうかなというふうに思います。
○辻委員長 ほかによろしいですか。羽鳥先生、どうぞ。
○羽鳥委員 先ほどのICTのことに関してですけれども、例えば岡村先生とか津金先生とか樋口先生とか野田先生とか、専門の先生方に是非お願いしたいのは、例えば先ほどiPhoneを使ってという話もありましたけれども、幾つか自分のデータ、例えば身長、体重、年齢とか性別を入れて、昔ありましたが、コレステロールの数字がこのぐらいで、年齢がこうだったら、あと何年生きられますよとか、そんな極端なことでなくてもいいですけれども、自分の健康の状態が集団と比較してどの程度なのかということを自分自身で把握するための仕組みを厚生労働省のホームページとか、そういうところでつくっていただいてもいいでしょうし、あるいは携帯からとれるようにしてもいいでしょうけれども、そういう具体的なプログラムをこの委員会の中でつくることができたら、きっとすばらしいのではないかなと思うのです。
○辻委員長 どうぞ。
○津金委員 そのような形で例えばリスクファクターを入れることによって、あなたの10年後のがんの罹患確率は何%というのは、今、ホームページや何かで。
○樋口委員 たばこをやめるとこうなるとか。
○津金委員 はい。やめるとこのリスクは何%になるとか、そういうようなことを今、がんセンターの予防研究部のホームページにおいて公開しています。最近、大腸がんについて公開して、その後、更にいろんなものに対しても公開していこうと思っています。ただ、研究費が打ち切られてしまったので、今後研究が継続できない状況です。
○辻委員長 中村先生。
○中村委員 先ほど樋口委員から御指摘のあった支援体制についてなのですけれども、府県とか市町村の前回の「健康日本21」の地方計画の策定にかかわってきたのですが、まず、プランを立てるところで結構エネルギーを使ってしまって、プランの実施というdoのところが十分できていないという反省があります。まずプラン作成を支援するということであれば、国民健康・栄養調査もそうですけれども、府県別、将来的には大調査がされるのであれば、市町村別のプラン作成に使えるデータベースをきちんと提供して、それに基づいて自治体にプランを立ててもらうのがよいと思います。実態把握のためにデータをいろいろ収集したり、また新たに調査をやるというようなことで疲れてしまうところがありますから、それをまず支援するのが重要だと思います。
、次に目標達成のためにアクションをどうしていったらいいのか、どういう取組みが国が示した目標を達成するための効果的なアクションなのか、どういうことをやればいいのかというようなことも示していく必要があると思います。これはこの骨子(案)に盛り込むのか、別の形でマニュアル的なものとして整理するのか。また、その作業はこの委員会でできるのか。研究費の話がありましたけれども、研究班などを興して、そういう中で作業をするのが適切なのか。どういう手段であれ、地方計画の実行を支援する。前回、職域においても「健康日本21」のプランを立てていましたから、地域だけでなく職域も含めて支援するような体制を本当にきちんと考えておかないと、前回と同じようなことになってしまうのではないかと危惧しています。
○辻委員長 ありがとうございました。
 そろそろ時間になってきましたけれども、今、最後に中村先生がおっしゃった話は、本当に大事な話でありまして、本委員会のとりあえずの成果は大臣告示に盛り込むべき目標の設定ということで、言ってしまえば、1枚紙プラスアルファの文書になってしまうと思うのですけれども、それを見て自治体あるいは国民が、さあ、やるぞというふうには絶対ならないわけです。ですから、目標の背後にあるいろんなエビデンスですとか、あるいはこれをどういうふうにやっていくのかということについての補足的な文書、いろんな研修プログラムは当然必要になってくると思いますので、その辺の進め方、特に運動論のところは非常に重要になってくると思います。それにつきましても、次回の委員会などで目標設定に加えて運動論についてもまた御議論いただければと思いますので、また先生方におかれましては、いろいろお考えになって御提案いただければと思います。
 ということで、今、第三項から第七項につきましてさまざまな御意見をいただきましたけれども、専門委員会といたしましては、これらの意見を踏まえて告示の素案に反映させていただきたいと思いますので、事務局におかれましてはよろしくお願いしたいと思います。
何かありますか。
○健康局長 事務局から説明する前に、私も事務局みたいなものなのですけれども、1つだけ、「健康日本21」の名前が余り売れていなくて、「メタボ」の方が売れているという話がありましたが、メタボという話も結局、高齢者の医療の確保に関する法律の特定健診が前面に出ておりますけれども、概念的には健康増進法に基づく健康診査の標準の概念で、いいか悪いか、今、いろいろ評価がありますけれども、「メタボ」が前面に出ているという話であって、「健康日本21」の中に本来的には包含されている概念でありますので、余り悲しむべきことでもないと。一言。
 もう一つ、今、先生たちからいろいろ貴重な意見が出て、非常に参考になりましたけれども、何か抜けている、欠けているという御意見が多かったわけです。それにつきまして、あっ、ここを書けばいいのだなというイメージがわいたのもあるのですけれども、どう修文したらいいかわからないような御意見も多かったものですから、ここを修文せよということであれば、聞きっぱなしにならないようにいろいろやりたいと思いますので、できれば事務局の方にどんな形でも結構ですので、もしどうしてもこういうふうに書けということであれば、出してもらいたいと思っております。
○辻委員長 どうぞ。
○菊地室長補佐 それでは、私の方からは「その他」というところでちょっと御説明、御報告しようと思った件が1件あります。
 参考資料3をごらんいただきたいのですけれども、前回までの委員会の中でも御説明してきましたが、意見聴取ということで、関係団体あるいは関係学会に対して、12月27日付で事務連絡ということで、辻委員長名で意見照会をしてございます。その内容について御報告したいと思います。
 前回の委員会のときにも御意見をいただきましたが、一応、御依頼の文章につきましては、これまでの国民健康づくり運動の取組みの趣旨、あるいは今回の意見聴取の目的、内容、どういったことを聞きたいのかという辺りがわかるようにというお話がございましたので、その辺を踏まえまして、辻委員長と調整させていただきながらこういう文案で照会させていただいております。
 次の2ページ目に、それと併せてこれまでの告示あるいは通知、最終評価を、アドレスを表記してここからアクセスできるようにしておりますほか、これまでの健康増進栄養部会の資料、更には今回の専門委員会の資料なども見られるようにということで送っております。
3ページ目で御意見の聴取の様式ということでお示ししたものをつけております。1〜4まで項目に分けまして、それぞれ10年後を見据えた目指す姿あるいは基本的な方向、目標、こういったものについて、学会、団体の方に意見照会をしているという状況でございます。
これにつきましては、今月の1月25日期限でお送りしておりまして、もう既に幾つか回答が来ているところはございますけれども、この後でとりまとめまして次回の委員会のときまでにあらあら整理したものをまた御報告したいと考えております。
よろしくお願いします。
○生活習慣病対策室長 追加で1点でございますが、先ほど局長が申し上げました修文に係る御意見の提出につきましては、大変恐縮なのですが、部会が23日でございますので、17日火曜日までに御提出願いたいと思います。よろしくお願いいたします。
○辻委員長 どうぞよろしくお願いいたします。
 本日の議事は以上ということになりますけれども、最後に事務局から連絡事項、よろしくお願いします。
○菊地室長補佐 次回の専門委員会につきましては、2月15日水曜日、13時〜16時を予定してございます。場所等につきましては、決まり次第追って御連絡いたしますので、よろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
○辻委員長 それでは、本日は以上で終了いたします。
 どうもありがとうございました。


(了)
<健康局総務課生活習慣病対策室>

室長補佐 菊地 直樹

連絡先: 03-5253-1111(内線2349)

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