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2011年12月21日 第78回中央社会保険医療協議会薬価専門部会議事録

○日時

平成23年12月21日(水)8:58~9:23


○場所

厚生労働省講堂(低層棟2階)


○出席者

西村万里子部会長 印南一路部会長代理 牛丸聡委員
小林剛委員 白川修二委員 北村光一委員 花井圭子委員
安達秀樹委員 万代泰嗣委員 堀憲郎委員 三浦洋嗣委員
加茂谷佳明専門委員 禰宜寛治専門委員 吉村恭彰専門委員
<事務局>
鈴木医療課長 迫井医療課企画官
吉田薬剤管理官 他

○議題

○ 平成24年度薬価制度改革の骨子(案)について

○議事

○西村部会長
 では、皆さん、おそろいになっていらっしゃいますので、始めさせていただきます。
 ただいまより、第78回「中央社会保険医療協議会 薬価専門部会」を開催いたします。
 まず、委員の出欠状況について報告します。本日は、全員の方がお見えになっています。
 また、保険局長、審議官は公務のため、欠席との連絡を受けております。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 本日は、これまでの当部会での議論を踏まえて、平成24年度薬価制度改革の骨子(案)が事務局から提出されていますので、御議論をいただきたいと思います。
 それでは、事務局から説明をお願いします。
○吉田薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。それでは、私の方から中医協薬-1に基づきまして、御説明をさせていただきます。
 「平成24年度薬価制度改革の骨子(案)」というものでございます。これにつきましては、前回、12月16日に骨子(案)について御議論いただいたところでございますけれども、一部、御意見が出た部分につきまして、今回修正し、再度お諮りするというものでございます。
 まず、形式的な修正につきましては、前回、提案型、すなわち何とかしてはどうかというような提案型になっていたところにつきましては、今回、断定的な表現、すなわち何とかするという表現に改めさせていただいているという部分がございます。形式的な部分については、そういうことでございますが、内容的な変更の部分を中心に簡単に御説明させていただきます。
 前回の御意見を踏まえますと、今回、内容的に文言を修正した箇所、大きく2か所ございます。具体的には、6ページをお開きいただければと思います。
 まず、1点目でございます。6ページの第3のその他の(3)の部分でございます。これは、後発医薬品の使用促進の分と、あと、長期収載品等の薬価の一定程度引き下げするという、ここの部分に関してでございます。
 ここに関しましては、前回の議論の中で、後発品が進まないのは、製薬業界だけの責任ではなく、関係者全員に関連するということを確認する必要があるというようなことでありますとか、あるいは、前回のように後発品の使用が目標に達していないということと、使用促進が医療費の効率化に有益であるということを文章でつないだような表現にしておりますと、後発の目標に達しても医療費の効率化の観点から薬価を切り下げるというような危惧があると、そういったような御意見をいただいたところでございます。これを踏まえまして、その辺りを少し明文化したような形で修正しております。
 具体的には、1行目から3行目を修正しておるということでございますが、後発医薬品の使用促進は、医薬品業界はもとより、行政、医療関係者など、国全体で取り組むべき課題であるが、現在、その指標は政府目標相当に達していないと、ここで一旦区切る形にしております。
 一方で、使用促進は、医療費の効率化に有益であるということも考慮し、新薬創出等加算制度の議論とは別に、今回の特例的措置として製薬業界の負担分として長期収載品等の薬価を一定程度引き下げることとするというような形に修正させていただいているところでございます。これが、1点目の修正でございます。
 もう一点の修正でございますけれども、最後の9ページ目をお開きいただければと思います。
 これは、いわゆる新薬創出・適応外薬解消等促進加算の改正案の最後、仕組みの評価あるいは検証という中での分でございますが、この中の具体的には(2)の部分でございます。
 (2)の部分と申しますのは、ドラッグ・ラグ解消の指標としてどのようなものが適当か、あるいはその指標に基づく対応状況を検証するというようなことを盛り込んでいる部分でございますが、この部分に関しまして、前回の議論の中で、いわゆる開発要請を受けていなくても画期的な新薬をつくっているという企業をこの加算の中で評価するということも妥当ではないか。あるいは、この加算そのものが新薬の創薬ということも、この加算の趣旨、テーマでありますので、この検証の中で、例えば日本発の創薬を確認していくということを加えることができないか検討してほしいと、そういったような御意見をいただいたところでございます。それを受けまして(2)の表現を修正しております。
 具体的な修正は、最後の2行目の辺りに修正しております。内容的には、上から3行目から4行目にかけまして、ドラッグ・ラグの指標が適当かを検討し、その指標に基づく対応状況を前回の案文では、そのままただ単に検証するという表現になっていたところでございますが、ここに対応状況をという後に、真に医療の質の向上に貢献する医薬品を世界に先駆け国内開発したことに対する評価も含め検証するということで、ここの「真に」というところから「評価も含め」と、ここの部分を挿入したという形にしております。
 こういうことで、少し前向きな評価も含めて検証することとしてはどうかということでございます。
 また、この中で、前回提案いたしました案の中では、検証は26年度の薬価制度改革の議論の中でと限定した形で書いてございましたが、もちろん検証の中心は26年になるわけでございますが、必ずしもそれに縛られるものではないということから、時期的な縛りは外した形で書かせていただいております。
 あと、ここの中で、前回の中では、真に医療に貢献する医薬品という表現を取っておりましたが、お薬でございますので、医療に何らかの貢献をするだろうということでございますので、真に医療の質の向上に貢献するという表現に、1行目あるいは4行目辺りのところも修正しているということでございます。
 (2)の内容についての修正は、そういう内容でございます。
 このほか、この骨子の中での修正は、この2点でございますけれども、前回の議論の中で、後発品の使用促進の議論がなされたときに、後発品メーカーが品質の確保等に一層の努力が必要であると、そういったような御意見をいただいたところでございます。
 このことにつきましては、後ほど総会の方で、また御報告させていただく予定でございますが、この薬価についての骨子の中に盛り込むのではなく、後発品の使用促進のための環境整備の骨子の中に、そういう後発品メーカーによる品質確保、向上についての一層の取組みを促すという文言を加えさせていただいているということでございます。これは、後ほど総会の方で御報告させていただきたいと思っておりますが、そういう対応をしているということでございます。
 薬-1、この骨子(案)についての変更点については、以上でございます。よろしく御審議をお願いします。
 事務局からは、以上でございます。
○西村部会長
 ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明に関して、何か御質問、御意見がありましたら、お願いいたします。
 特によろしいでしょうか。前回もいろいろ御意見を出し尽くしていたということで、今回は、それを踏まえまして修正していただきましてありがとうございました。
 御意見は、本日はございませんということで、平成24年度の薬価制度改革の骨子(案)につきましては、本日、お示しした内容で御了解をいただけたということ、安達委員、どうぞ。
○安達委員
 済みません、1つだけ確認させてください。しつこいようですが、同じことを申し上げるんですけれども、6ページの(3)の最後ですね、2行目の「製薬業界の負担分として」というこの文言については、幾つかの異論を現状の検討との対応で、私は申し上げてきたのですが、この文章が残っていることの意味というのは、何なんでしょうか。
○西村部会長
 お願いします。
○吉田薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。ただいまの御指摘でございますが、確かに安達委員には前回も御指摘をいただいたところでございます。負担分という表現が、責任があるものに対しての負担という表現が強い表現ではないかと、責任論という問題が正しいのかどうかと御指摘をいただいたところでございますが、ここにつきましては、基本的には国全体として関係者がそれぞれ後発品の使用促進については関係しているんだろうという部分がございます。
 ここであえて負担分という言葉が適切かどうかはありますけれども、こういう表現を残させていただいた分については、いわゆる使用促進の効率化に、目標相当に達していない部分についての責任全部を製薬業界が負うわけではなく、あくまでもその一部を製薬業界が協力するんだという意味で、あえて全部ではなく一部なんだということを明確化する意味で、こういう負担分としてという表現を残させていただいたということでございますので、趣旨はそういうことでございます。負担分というのが責任論ということではなく、全部ではないという意味で残させていただいたということでございます。
○西村部会長
 今の御説明でよろしいでしょうか。どうぞ。
○安達委員
 この文章は、その前に新薬創出・適応外薬解消等促進加算制度の議論とは別にという前提で書かれておりますね。つまり、新薬創出加算で700億とかが積み上がる、それに対するある意味の財政緩和措置としてということではないといっておられるわけで、にもかかわらず、製薬業界の負担分としてというのは、一体何の意味かというのは、非常に理解し難くて、例えば、これを取ってしまったらどうなるんですかと、議論とは別に特例措置として、長期収載品の薬価を一定程度引き下げることとすると、つまり、これは後発医薬品の使用促進を併せてやりたいということで、長期収載品の薬価を一定程度引き上げることによって、先発品といえども、後発品の薬価に近づいていく、それが一番望ましい形だということは、前にも私が申し上げたとおりでありますが、そういうことなら、創出加算の議論とは別にしておいて、それで負担分としてというのはどういう意味かと、あえていえば、それを申し上げているわけで、製薬業界の皆さんには、私はずっと厳しいことを申し上げてきて、それも新薬創出加算については特に適正な運用をお願いしたいという気持ちは当然でありますけれども、負担分としてといわれると、製薬業の皆さんも相当じくじたる思いはおありではないかと思う。医療も製薬も保険組合もみんな協力して日本の医療制度をつくるというときに、ここに負担分としてという文言が残って、その意味が甚だ明らかでないように、私は思うんですけれども、いかがでしょう。
○西村部会長
 この点につきまして、ほかの委員の方、御意見はございますか。
 白川委員、どうぞ。
○白川委員
 安達委員の御意見、気持ちは私も似たところはあるんですが、ただ、御指摘の「製薬業界の負担分として」というところを取ってしまうと、その使用促進は、医療費の適正化に有益であることを考慮し、特例措置として長期収載品の薬価を一定程度引き下げるというところのつながりが、どうもうまくいかないと。確かに責任論ということになると、これは製薬業界だけの責任ではなく、患者側あるいは医療側を含めて、全国民の責任だということはそうだと思いますけれども、ここは長期収載品の薬価を一定程度引き下げる、我々は相当程度引き下げるという表現にしたらどうかという意見まで申し上げましたけれども、薬価を引き下げるということについては、ぜひともやっていただきたいと思っておりますので、そうすると、前の文と下のところのつながりからいうと、製薬業界の負担分としてという文言がないとつながらないというふうに、私はそういう感じがいたしますけれども。
○西村部会長
 安達委員、どうぞ。
○安達委員
 私が申し上げた言葉が足りなかったのかもしれないんですが、この(3)は、後発医薬品の使用促進はあるべき課題として取り組むべき課題だと書いてあるわけですね。そのことは、医療費の効率化に有益であると書いてあるわけですね。そのために、長期収載品の薬価をさらに追加で引き下げると、こう書いてあるわけですね。つまり、そのことで、今、申し上げたように、長期収載品も後発品の薬価に近づいていくという意味では、この文章の前段に書いてある医療費の効率化に有益であるということの目的に資するものだと、その方策が、というふうに文章としては読めるのではないか、だから、あえてここに負担分として書かなくても、その意味は通じるのではないのかなと思っておりますということで、先ほどのことを申し上げたということでありまして、そんなことをいったら乱暴な話なんですけれども、政府目標に到達しないというのは、簡単にいえば、政府か勝手に決めた目標で、以前から議論させていただいているように、それについての政府の御努力も足りないのではないですかということを私はずっと申し上げてきたわけですから、それをあえて負担分と書くのはどうなんだと、政府には、その反省はないんですかと、極論すれば、そういうこともございます。そういう意味も私の意見には入っているということで意見を申し上げました。
○西村部会長
 白川委員、どうぞ。
○白川委員
 結局、長期収載品の薬価を一定程度引き下げる理由は、安達委員の御指摘のとおり、長期収載品の薬価を下げて、ジェネリックの薬価に近づけるといいますか、そういう必要があるという問題意識と、事務局が考えているように、1つの目指す目標ではありますけれども、その根拠として、計画に達していないと、その責任の一端、責任というとあれですが、それを論拠にして計算をした額を下げましょうと、こういうつくりに実際にはなっているということです。そのため、これを入れないと2つの論拠のつじつまが合わないということではないかと考えられますけれども、冒頭申し上げたとおり、気持ちは安達委員と一緒なんですけれども、過去22年改定よりも前についても同じような考え方でジェネリックの使用促進のために薬価の引下げと、計画未達分で薬価を切り下げていくというやり方を踏襲してきました。結論からいうと、私どもはどういう理由だろうと薬価を下げていただければ問題ないんですけれども、正直申し上げると、それは国の施策としてやる以上は、それなりの論拠と計算式が必要ということでございましょうから、こういう書きぶりもやむを得ないのかなと思っております。
○西村部会長
 北村委員、どうぞ。
○北村委員
 前回、この件については、私も大分意見を述べさせていただきましたので、今の安達委員の御意見に自分としての意見を簡潔に述べさせていただきます。委員のおっしゃっていることは、非常によくわかります。ただ、2行目の国全体で取り組むべき課題という1行がなければ、委員のおっしゃるとおりだと思うのですが、この1行が入ることによって、前回の論議のときの負担分という意味が、随分変わってきているのではないかというふうに私は理解しております。ここは、この表現でよろしいのではないでしょうか。
○西村部会長
 安達委員、どうぞ。
○安達委員
 おっしゃることは、私もよくわかっておりまして、これでやっさもっさしてしていてもしようがないので、製薬業界の負担分ということをあえて書くとすれば、これは先発、後発併せて、製薬業界全体で御努力くださいという中での記載ですよというふうに理解をするということでよろしいかと思いますが、私の意見の骨子は、前回に申し上げました。この長期収載品の薬価を一定程度引き下げるということについて、これが後発医薬品の価格レベルまで下げられるのか、下げられないのか、下げられないとすれば、理由は何なのか、それを先発のメーカーの方々により新薬創出に注力をしていただくために、後発品の近くまで下げるべしというような中医協の議論を一度もしておりませんので、それをやる必要があるということを付け加えさせていただいて、これは一度ぜひやっていただきたいということを加えて、私も原文のままでよしといたします。
○西村部会長
 ほかの委員の先生方、御意見はございますか。
 禰宜専門委員。
○禰宜専門委員
 いろいろ御議論いただきまして、当然、業界としても、やはりこの医療の効率化に協力するということは当然のことだと認識もしております。
 我々も通常の薬価改定の中で、今回、5,000億くらいの原資があるというふうに思いますっておりますけれども、やはり市場実勢価格によらない引下げということ、すなわち予測できないようなもので引下げがあった場合については、やはり企業の戦略にも非常に影響してきますので、やはり安達委員の方からもお話がありましたように、本当に医療の効率化を図るためには、後発品をいかに効率的に伸ばしていくかというような観点もある。
 先ほど、後発品と先発品の価格差がある方が後発品が進むという考え方もございますし、また、先発品と後発品の薬価の在り方につきましても、やはりこれからまた御議論させていただく必要があると思いますけれども、何度も申しますように、やはり企業としても、こういうことで急に引下げが行われますと、非常に莫大な影響も起こってきますので、製薬業界としても、やはりこのような形での引下げにつきましては、現時点としてもやはり反対の意思表明を引き続いてさせていただきたいと思いますので、述べさせていただきました。
○西村部会長
 わかりました。ほかの先生方、御意見はないでしょうか。
 それでは、今、6ページの(3)について意見がいろいろ出されましたけれども、1号側、2号側も原文のままということで御了解いただいたということでよろしいでしょうか。それで、議事録に残ることになりますので、これから後発品とか先発品の薬価の在り方については、また、議論の対象にさせていただくことになっていくと思います。
 それでは、ほかの点は、よろしいでしょうか。
 それでは、ほかに御意見はないようですので、平成24年度薬価制度改革の骨子(案)については、本日、お示しした内容で御了解をいただけたものと思っております。
 現時点においては、政府全体の予算編成作業の途中でありますので、その中で多少の修正を求められる可能性も想定されるところでございます。
 このような点も含めて、この後に開催される総会に、平成24年度薬価制度改革の骨子(案)について報告をしたいと思いますが、御承認いただけますでしょうか。
(「はい」と声あり)
○西村部会長
 ありがとうございました。それでは、そのようにさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 本日の薬価専門部会は、これにて閉会といたします。
 どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省保険局医療課企画法令第2係

代表: 03-5253-1111(内線3276)

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