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2011年12月21日 薬事・食品衛生審議会薬事分科会議事録

医薬食品局

○日時

平成23年12月21日


○場所

厚生労働省専用第15・16会議室


○出席者

出席委員(15名):五十音順 敬省略

 五十嵐   隆、 井 部 俊 子、 笠 貫   宏、 木 津 純 子、

 倉 根 一 郎、 黒 木 由美子、 宗 林 さおり、 竹 内 正 弘、

 土 屋 文 人、 中 川 俊 男、 長 野 哲 雄、橋 田   充、

 松 井  陽、 ◎望 月 正 隆、 吉 田 茂 昭

(注)◎薬事分科会長 ○薬事分科会長代理

欠席委員(9名):五十音順 敬省略

 明 石 博 臣、 飯 島 正 文、 大 野 泰 雄、  小 幡 純 子、

 高 橋 孝 喜、 ○永 井 良 三、 西 島 正 弘  本 田 佳 子、、

 望 月 眞 弓

行政機関出席者

 木 倉 敬 之  (医薬食品局長)

 平 山 佳 伸  (大臣官房審議官)

 宮 本 真 司 (総務課長)

 赤 川 治 郎 (審査管理課長)

 俵 木 登美子 (安全対策課長)

 浅 沼 一 成 (医療機器審査管理室長)

 佐 藤 大 作 (監視指導室長)

○議事

○総務課長 定刻を過ぎましたので、ただ今から「薬事・食品衛生審議会薬事分科会」を開催いたします。本日は、お忙しい中御参集いただきまして、ありがとうございます。本日の委員の御出席ですが、明石委員、飯島委員、大野委員、小幡委員、高橋委員、永井委員、西島委員、本田委員、望月眞弓委員より御欠席との連絡をいただいています。現在、御出席の連絡をいただいております先生で、お一人お見えになっておりませんが、当分科会委員数24名のうち、15名の委員に御出席いただいています。現在こちらにいらっしゃる委員の皆様の数において、定足数に達していますことを御報告いたします。
 それでは、望月分科会長、以後の進行をよろしくお願いします。
○望月分科会長 本日の薬事分科会を始めたいと思います。最初に、事務局から配付資料の確認をお願いします。
○事務局 資料の確認をお願いします。報告事項については、資料1~資料19までとなっています。併せて当日配付資料ですが、議事次第、座席表、委員名簿をお配りしています。また、文書報告資料は既に先生方に事前送付していますが、お手元には参考までに文書報告一覧を配付しています。
○望月分科会長 資料はよろしいでしょうか。本日は審議事項はなく、報告事項のみとなっています。御担当の部会ごとに区切って報告をいただくこととします。まずは、副作用・感染等被害判定第一部会及び判定第二部会の関係の議題1から説明をお願いします。
○事務局 報告事項議題1、資料1「副作用・感染等被害判定結果について」です。
 資料1を御覧ください。平成23年9月~平成23年11月までに開催されました判定第一部会及び判定第二部会の結果について、御報告いたします。資料は、まず、3回分まとめたものをお示しし、その後ろに各部会の判定結果をお示ししております。それでは、資料の1ページ、判定結果(まとめ)に沿って御報告いたします。
 副作用被害判定については、新規237件、継続19件、現況20件、改定1件の計277件について御審議いただきました。結果は、支給決定することが適当と考えられるものが241件あり、その内訳は請求どおり支給決定するもの113件等でございます。また、不支給決定することが適当と考えられるものは31件あり、その内訳は疾病、障害又は死亡が医薬品の副作用により発現したと認められないため、不支給とすることが適当である12件等でございます。
 次に、感染被害判定については、1件御審議いただきました。結果は、疾病が生物由来製品の感染により発現したと認められないため、不支給決定するもの1件でございます。以上、副作用・感染等被害判定第一及び第二部会の結果の報告でございます。
○望月分科会長 ありがとうございます。委員の方々から御意見、御質問はありますか。特にないようですので、本件については御確認いただいたものとします。続いて、医薬品第一、第二部会の関係の議題2~15についての説明をお願いします。
○事務局 報告事項議題2、資料2「医薬品エムラクリームの生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」です。
 本剤は、アミド型局所麻酔薬であるリドカイン及びプロピトカインを等量ずつ配合したクリーム剤であり、「皮膚レーザー照射療法時の疼痛緩和」の効能・効果となっています。本剤については、本年11月7日に開催された医薬品第一部会において御審議いただき、承認して差し支えない旨の結論をいただいたものです。
 続いて報告事項議題3、資料3「医薬品ルネスタ錠1mg、同錠2mg及び同錠3mgの生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」です。
 本剤は、ラセミ体である既承認製剤のゾピクロンの(S)-エナンチオマーであり、「不眠症」の効能・効果となっています。本剤についても、本年11月7日に開催された医薬品第一部会において御審議いただき、承認して差し支えない旨の結論をいただいたものです。
 続いて報告事項議題4、資料4「医薬品レグナイト錠300mgの生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」です。
 本剤は、ガバペンチンのプロドラッグであり、「中等度から高度の特発性レストレスレッグス症候群(下肢静止不能症候群)」の効能・効果となっています。本剤については、本年12月2日に開催された医薬品第一部会において御審議いただき、承認して差し支えない旨の結論をいただいたものです。
 続いて報告事項議題5、資料5「医薬品アイファガン点眼液0.1%の生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」です。
 本剤は、アドレナリンのα2受容体作動薬で、「緑内障、高眼圧症で、他の緑内障治療薬が効果不十分又は使用できない場合」の効能・効果となっています。本剤についても、12月2日に開催された医薬品第一部会において御審議いただき、承認して差し支えない旨の結論をいただいたものです。
 続いて報告事項議題6、資料6「医薬品アジルバ錠20mg及び同錠40mgの生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」です。
 本剤は、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)で、「高血圧症」の効能・効果となっています。本剤についても、本年12月2日に開催された医薬品第一部会において御審議いただき、承認して差し支えない旨の結論をいただいたものです。
 続いて報告事項議題7、資料7「医薬品イグザレルト錠10mg及び同錠15mgの生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」です。
 本剤は、経口活性型血液凝固第X因子阻害薬であり、「非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制」の効能・効果となっています。本剤については、12月2日に開催された医薬品第一部会において御審議いただき、承認して差し支えない旨の結論をいただいたものです。なお、本剤の一般名については、部会後、申請者より、医療事故防止の観点から「リバーロキサバン」に変更する旨の申出があり、特に問題ないと判断しているところです。
 続いて報告事項議題8、資料8「医薬品ロタテック内用液の生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」です。
 本剤は、5種類のロタウイルスを含む経口生ワクチンであり、「ロタウイルスによる胃腸炎の予防」の効能・効果となっています。本剤については、本年10月31日に開催されました医薬品第二部会において御審議をいただき、承認して差し支えない旨の結論をいただいたものです。
 続いて報告事項議題9、資料9「医薬品サムチレール内用懸濁液15%の生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」です。
 本剤の適応菌種は「ニューモシスチス・イロベチー」、適応症は「ニューモシスチス肺炎、ニューモシスチス肺炎の発症抑制」となっています。本剤については本年10月31日に開催されました医薬品第二部会において御審議いただき、国内における薬物動態試験を速やかに実施するとともに、製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間、全症例を対象に使用成績調査を実施することを承認条件として付すことにより、承認して差し支えない旨の結論をいただいたものです。
 続いて報告事項議題10、資料10「医薬品ランマーク皮下注120mgの生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」です。
 本剤は、ヒトNF-κB活性化受容体のリガンドに対するヒト型モノクローナル抗体であり、「多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変」の効能・効果となっています。本剤について、12月1日に開催されました医薬品第二部会において御審議いただき、承認して差し支えない旨の結論をいただいたものです。
 続いて報告事項議題11、資料11「医薬品カンサイダス点滴静注用50mg及び同点滴静注用70mgの生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」です。
 本剤は、抗真菌剤であり、「1.真菌感染が疑われる発熱性好中球減少症、2.カンジダ属又はアスペルギルス属による下記の真菌感染症、食道カンジダ症、侵襲性カンジダ症、アスペルギルス症(侵襲性アスペルギルス症、慢性壊死性肺アスペルギルス症、肺アスペルギローマ)」の効能・効果となっています。本剤については、本年12月1日に開催されました医薬品第二部会において御審議いただき、承認して差し支えない旨の結論をいただいたものです。
 続いて報告事項議題12、資料12「医薬品リバロ錠4mgの毒薬又は劇薬の指定の要否について」です。
 今回の対象となる「リバロ錠4mg」については、現在の薬事法施行規則においては、原体及びその製剤は劇薬に指定され、ただし書きとして、「1錠中ピタバスタチン2mg以下を含有するもの」は劇薬から除外されています。即ち、今般申請がございました「リバロ錠4mg」は、現行の規定では劇薬に該当するところです。しかしながら、既承認製剤の毒性試験データによれば、イヌの経口投与の試験ですが、原薬での概略の致死量は50~100mg/kgで、原薬4mgは概略の致死量を十分下回る用量であることから、本剤についても劇薬の指定から除外することが適切と考えられ、改正案では本成分4mg以下を含有するものを劇薬から除外するよう変更する予定です。
 続いて報告事項議題13、資料13「医薬品パキシルCR錠25mgの毒薬又は劇薬の指定の要否について」です。
 今回の対象となる「パキシルCR錠25mg」については、現在の薬事法施行規則においては原体及びその製剤は毒薬に指定され、ただし書きにおいて「1錠中本成分20mg以下を含有するもの」は毒薬から除外され、劇薬に指定されています。即ち、今般申請がありました「パキシルCR錠25mg」は、1錠中に本成分を25mg含有するということで、現行の規定では毒薬に該当します。しかしながら、既に劇薬指定(毒薬指定から除外)されています既承認のパキシル錠(速放錠)20mgより曝露量が上回らないことから、本剤についても毒薬の指定から除外をし、既承認製剤と同様に劇薬に指定することが適切であると考えられ、改正案では徐放剤であっても25mg以下を含有するものを毒薬からは除外し、劇薬に指定するよう変更する予定です。
 続いて報告事項議題14、資料14「医薬品ロナセン錠2mg、同錠4mg、8mg及び同散2%の再審査期間延長の可否について」です。
 本剤については、小児の用法・用量の設定及び小児集団における有効性や安全性を把握する治験の実施が予定されているため、再審査期間の延長が申請されたものです。本件については、本年11月7日に開催された医薬品第一部会において御審議いただき、再審査期間を2年間延長して差し支えない旨の結論をいただいたものです。
 続いて報告事項議題15、資料15「希少疾病用医薬品の指定について(リルピビリン塩酸塩、ストレプトゾシン、パゾパニブ塩酸塩、エベロリムス、サリドマイド、tafamidis meglumine及びイマチニブメシル酸塩)」です。
 次のページに一覧があります。医薬品の名称は「リルピビリン塩酸塩」「ストレプトゾシン」「パゾパニブ塩酸塩」「エベロリムス」「サリドマイド」「tafamidis meglumine」及び「イマチニブメシル酸塩」です。予定される効能・効果は、それぞれ「HIV-1感染症」「膵・消化管神経内分泌腫瘍」「進行性悪性軟部腫瘍」「結節性硬化症」「らい性結節性紅斑」「トランスサイレチンアミロイドポリニューロパチー(家族性アミロイドポリニューロパチー)」及び「FIP1L1-PDGFRα陽性の下記の疾患:好酸球増多症候群、慢性好酸球性白血病」となっています。これらの品目については、本年10月~11月に開催されました医薬品第一部会または医薬品第二部会で御審議をいただき、希少疾病用医薬品として指定することで差し支えないとの答申をいただきまして、それぞれ一覧に記載の日付にて指定をさせていただいたところです。説明は以上です。
○望月分科会長 ありがとうございます。それでは、医薬品第一部会長の松井委員から追加の御発言はありますか。
○松井委員 特にありません。
○望月分科会長 医薬品第二部会長の吉田委員からは、追加の御発言はありますか。
○吉田委員 特にありません。
○望月分科会長 それでは、委員の方々から御意見、御質問はありますか。
○土屋委員 資料7のイグザレルトの一般名が変更になって、リバーロキサバンになったということですが、今は中医協などでも一般名処方云々という話が出てきますと、処方エラーを防止するための対策が必要になってきます。今回、リバロと一致するので、ということで変えられたことは大事なことだと思います。今後とも、そういった面も含めて検討していただければと思いますので、よろしくお願いします。
○望月分科会長 ありがとうございます。今後ともよろしくお願いします。ほかには御意見はありませんか。特にないようですので、本件について御確認いただいたこととしたいと思います。続いて、医療機器・体外診断薬部会の議題16~18について、説明をお願いします。
○事務局 医療機器・体外診断薬部会に係ります議題16、17、18について御説明いたします。報告事項議題16、資料16「医療機器『胎児シャント』の高度管理医療機器、管理医療機器又は一般医療機器の指定、特定保守管理医療機器の指定の要否、生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び再審査期間の指定について」です。
 資料16を御覧ください。こちらの機器については、一般的名称は「胎児胸水排出用シャント」でこちらを新設予定です。販売名が胎児シャントです。申請者名が、株式会社八光です。次ページに外観写真が載っています。こちらの機器、構成としては、シャントのチューブとデリバリーシステム、またイントロデューサの針からなります。4.構造・原理の概要ですが、原理として胎児の胸腔と羊水腔間にシャントのチューブを留置することによりまして、胎児の胸腔に貯留していた胸水がシャントチューブを通じて羊水腔へ持続的に排出される。それによって、溜まっている胎児の胸水を取り除くというものです。こちらは、胎児の胸水が溜まる先天性のものですが、胸水が溜まってしまいますと、発達する際に肺が形成されなかったり、心臓の発育に異常が出るということで、概ね7~8割の胎児が産まれてこずに流産になってしまうというものです。
 こちらは、臨床試験概要のところに、臨床試験を実施していないとありますが、本邦を含めまして、世界的に、現時点でこういったシャントに関して承認されたものの実績はありません。実際には、適応外使用等でこういった似たようなシャントを用いている事例や、本品と同様のものを用いたり、高度医療における成績等があります。そのような成績を見ますと、このシャントを用いることによって、通常7、8割の胎児が死亡するのに代わりまして、逆に7、8割の方が生後28日生存しているというデータが出ていますので、そのような結果をもって承認して差し支えないということで、本年11月の医療機器・体外診断薬部会で承認されたものです。なお、備考欄に承認条件が三つあります。本品を用いた治療に対して、知識・経験を有する医師に係るもの。胎児の胸腔に針を刺して行うということで、突発的な事態が起こったときに緊急時対応ができる医療機関で行うこと。また、こちらはオーファンの指定機器ですので、本品使用全例についてきちんと調査を行うこと。治験も行われていませんので、何か市販後に重大な問題が起こらないかどうかという点についても調査を行う、という三つの条件を付した上で承認して差し支えないということとなっています。なお、この胎児シャントについては、世界で本邦が初の承認となっています。
 続いて報告事項議題17、資料17「医療機器『マツダイト』の高度管理医療機器、管理医療機器又は一般医療機器の指定、特定保守管理医療機器の指定の要否、生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び再審査期間の指定について」です。
 こちらは、一般的名称は「中心循環系の非吸収性局所止血材」で、販売名はマツダイト、申請者名は三洋化成工業株式会社です。次ページに、品目の概要の写真が載っていますが、左側に外科用のシーラント、この中に粘稠な液が入っています。それを、右側の付属品のシートとヘラで塗るというものです。こちらは、このシリンジに入っていますシーラント液がイソシアネート基をもっていまして、こちらが水と反応しながら炭酸ガスを放出して、逐次高分子化します。また、その高分子化したものがゲル状の柔軟な重合物であって、心臓なりの拍動の動きにも耐え得るものです。
 こちらの機器に関しては、当初は硫酸プロタミンによるヘパリン中和前に適用できる止血材ということで、開発目的をもって進みましたが、本品の止血率に関してヘパリン中和前よりも中和後の方が高い傾向を示しています。また、患者に対して臨床的な有用性、術時間が短くなる、出血量が減少するといったものが、残念ながら見られなかったということがあります。また、この止血材に関して、通常は吸収性、使った後に血が止まったら生体内からなくなるというものが使われるのが常ですが、こちらは初めての非吸収性のものであるということで、止血効果は高いものの、ずっと体の中に残るということで、感染のリスクなどが高まるデメリットもあります。そういったことを踏まえまして、使用目的、効能・効果ですが、結紮を含む通常の外科的処置により止血が達成できない、胸部大動脈置換または弓部分岐動脈置換に伴う人工血管吻合部における補助的な止血という形で、非吸収性のもので、かなり性能がいいものを使わないとどうしても止血ができないという症例に限って、こちらを使うことを認めるという形で、11月の部会で御承認をいただいた品目です。
 続いて報告事項議題18、資料18「医療機器『アルコンエクスプレス緑内障フィルトレーションデバイス』の生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び再審査期間の指定について」です。
 こちらは、一般的名称は眼内ドレーン、販売名はアルコンエクスプレス緑内障フィルトレーションデバイス、申請者名は日本アルコン株式会社です。次ページに、本体の写真と、下にデリバリーシステムがあります。本体は、全長2.6mmですので、非常に小さいフィルトレーションデバイスとなっています。こちらの使い方ですが、緑内障の患者さんで眼圧がなかなか下がらない場合に、通常ですと線維柱帯切除術で虹彩等を切って、そこに水が抜ける穴をあける術式が既に保険適用されています。その術式とほぼ同様の所にこういったデバイスを置いて、より確実に房水が排出されるようにするというような機器です。よって、使用目的として、薬物治療やレーザー治療などの治療法によっても、十分な眼圧下降が得られない緑内障患者の眼圧下降に用いるとさせていただいています。資料の2ページ、左側の備考欄の下の方に、承認条件として二つあります。先ほど申し上げましたように、線維柱帯切除術や薬物治療が効かないものについて、慎重に適応患者について医学的な判断をしていただくことが必要であることなどを踏まえて、本品を用いた治療に関して十分な知識・経験を有する医師が、きちんと適応患者さんを選択できるような観点で、このような1番の承認条件、また2番として、本品を用いた長期予後について、まだ不明な点があるということで、線維柱帯切除術という既存の術式がありますので、それとの比較も含めて、プロスペクティブに症例を入れてやるものではないと思いますが、レトロスペクティブというか、そういったものについての解析結果を報告し、必要により適切な措置を講じることという二つの条件を付したうえで、承認して差し支えないと部会で御審議いただいたものです。以上です。
○望月分科会長 それでは、医療機器・体外診断薬部会長の笠貫委員から、追加の御発言がありますか。
○笠貫委員 特にありません。
○望月分科会長 委員の方々から御質問、御意見はありますか。
○宗林委員 教えていただきたいのですが、資料16の胎児シャントもそうですし、ほかのものもそうですが、承認条件のところに「本品を用いた治療に対する十分な知識・経験を有する医師が」、ここはいいと思うのですが、「適応を遵守し、講習の受講等により、本品の操作に関する十分な技能」云々と書いてあります。これは、具体的に発売される申請者がすると受け取っているのですが、実際に何か慣例があるのでしょうか。
○事務局 先生の御指摘のとおりでして、承認条件は医師に係るものではなく、あくまでもこちらの製品の承認を取得しました製造販売業者に課せられた義務です。実際上は、使われる先生がこのような承認条件が付く機器に関しては、どこの医療機関でも使われるものではなく、ある程度その分野に専門性を持たれた医療機関が使う形になりますので、企業でトレーニングのプログラムを策定し、それに従って医療機関ごとに巡回する、若しくは企業が自社で構えているトレーニングセンターに医師を招いて、そこで実際に手技をファントムといわれる人体模型のようなものでやってみるといった形で、的確に手技ができるかどうかについてもトレーニングをさせていただくとともに、ものの本質として、この治療が現代の日本における医療環境の中でどういう位置付けになるのか、またどういう点に留意して患者の選択等を行うかについても、座学なり資料なりで企業が実際に使われる先生に御教授させていただいて、その上で、そういったトレーニングを受けた医師がいる適切な施設に対して、企業が医療機器を販売するという形をもって、この承認条件が守られる体制を取っているところです。
○宗林委員 お答えは想定していたような感じだと思います。例えばシャントですと、「緊急時の対応を含めた十分な体制が整った医療機関で」という言葉もありますし、実際に医療事故が起こるときには、十分な経験をしてトレーニングを積んだ人だけが当たるわけではないときに、もっと上の人の管理下でということなのだろうと思いますが、もし事故が起こったときには医師への責任になると思いますので、これから先、医療事故が起こらないように、こういった新しく難しい手技のものについては、その辺りをそれぞれのメーカーさんでしっかりとやっていただければと思います。
○望月分科会長 ありがとうございます。
○笠貫委員 事務局のお答えに加えて、こういった施設基準をつけるときには、実施する医師、医療機関、適応といったものをきちんと承認条件に付けたいという機器です。その場合には、必ず学会が関係し、関連する学会で、どういう医師でどういう機関、どういう適応かというガイドラインを含めて、検討を進めていただいています。薬事法上は企業が対象ですが、実際は学会が必ず絡む形を取っていますので、そのように御理解いただけたらと思います。
○望月分科会長 ありがとうございます。ほかにいかがですか。よろしいですか。特にないようですので、この件に関しても御確認いただいたことにしたいと思います。続いて、医薬品等安全対策部会の関係の議題19について、説明をお願いします。
○事務局 報告事項議題19、資料19「一般用医薬品のリスク区分の見直しについて」御報告させていただきます。
 一般用医薬品については、リスクに応じて第1類~第3類の三つのリスク区分に分類し、販売規制が行われており、製造販売後調査の終了時等に見直しを行っています。今回、平成23年11月14日開催の医薬品等安全対策部会において、製造販売後調査が終了した表の2成分について、見直しを行いました。アンブロキソールは、同様の成分として気道粘膜分泌促進作用を有するブロムヘキシンが、第2類医薬品として流通していること、製造販売後調査の結果、重篤な副作用も少ないことから第2類医薬品とすることが適当とされ、イソコナゾールは膣カンジダの再発に使用する膣錠で、以前に医師から膣カンジダの診断、治療を受けたことのある人に使用が限られているなど、薬剤師により対面で確認したうえで慎重に使用する必要がある薬であることから、引き続き第1類医薬品とすることが適当であるとされました。
 また新販売制度が施行され、一定期間が経過したことから、リスク区分全体の見直しを昨年度から開始しています。生薬に引き続き、今般漢方製剤について見直しを行いました。検討の対象として、一般用漢方製剤の承認基準がある263処方について行い、その結果については3ページを御覧ください。漢方製剤については、服用時点で症状・体質等に応じて処方を選択することが必要であること。症状・体質に合っていない処方を選択した場合や不適切な薬剤との併用により、日常生活に支障を来す健康被害が生じるおそれがあることから、各漢方処方の配合されている生薬成分等のリスク区分の如何にかかわらず、第2類医薬品とすることが適当とされました。なお、現在告示の変更等、必要な手続きを行っているところです。以上です。
○望月分科会長 ありがとうございました。それでは、医薬品等安全対策部会長の五十嵐委員から追加の御発言はありますか。
○五十嵐委員 特にありません。
○望月分科会長 委員の方々から御意見、御質問等はありますか。特にないようですので、この件については御確認いただいたことにしたいと思います。本日の議題はすべて終了しました。事務局から何かありますか。
○事務局 特にありません。
○望月分科会長 委員の方々から、全体を通して何か御意見、御質問はありますか。
○土屋委員 今日の内容とは違いますが、医療用医薬品と広告について一言申し上げたいと思います。医療用医薬品は本来なら、原則、広告をすることは禁止されていると思うのですが、最近テレビや新聞等で、どう見ても医療用医薬品の宣伝としか見えないものが多数出ています。その中で、今般12月になりまして、肺炎球菌ワクチンが品薄になって、1月までできる限り予約を延期しろというのが、製薬会社から出てきています。あれだけCMで煽っておいて物がありませんというのは、社会的責任をきちんと果たしているのかということです。自分で煽っておいて自分で物が足りませんと言って、予約を遅らせろということを平気で出してくるという神経は考えられません。そもそも、医療用医薬品の広告を是とするか非とするかは、それはまた議論があっていいとは思いますが、少なくとも現状においてそういうことが禁止されているはずで、確かに当該製品の名前は言っていないかもしれませんが、例えば肺炎球菌ワクチンはどう見ても2社しかないわけです。等々、いろいろなことがあったときに、そこまで言っておいて品薄で供給ができないというものを出してくることについて、やはり何らかの注意が必要なのではないかという気がします。
○望月分科会長 ありがとうございます。ただ今の意見について、事務局からお願いします。
○監視指導室長 監視指導室長でございます。広告に関しては、基本的に販売名を明示することはできないといったルールの下でやっています。今御指摘いただいた肺炎球菌ワクチンが即ち薬事法違反にあたるかどうかにおいては、それは別に違法な広告をやっているわけではないというのが現状です。しかしながら、先生が御指摘のように、供給の方の影響をきちんと考えて、適正に供給することが、まさしくこれは企業側の安定供給の責務ですので、そういった点については、企業に対しても関係部局を通じて指導させていただきたいと思っています。
○望月分科会長 ほかに、どなたか追加の御意見はありますか。特にないようですので、事務局から何かありますか。
○事務局 次回の薬事分科会については、現在日程調整中ですので、決まり次第、事務局から御連絡をさせていただきます。以上です。
○望月分科会長 ありがとうございます。それでは、これで本日の薬事分科会は閉会させていただきます。本日は、どうもありがとうございました。


(了)

備考
この会議は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

連絡先:医薬食品局 総務課薬事審議会係 渡辺(内線2785)

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