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2012年1月13日 平成23年度第3回診療報酬調査専門組織医療技術評価分科会議事録

○日時

平成24年1月13日(水)15:00~16:15


○場所

中央合同庁舎5号館 専用第22会議室


○出席者

【委員】
吉田英機分科会長 小山信彌分科会長代理 渥美義仁委員 岩中督委員
北川雄光委員 熊本一朗委員 佐々木均委員 真田弘美委員 重藤えり子委員
須田英明委員 田中憲一委員 長瀬隆英委員 福田敬委員
本田浩委員 松野彰委員 松村秀雄委員 米山彰子委員
【事務局】
鈴木医療課長 迫井医療課企画官 他

○議題

○ 平成23年度 医療技術の評価(案)について
○ 胸腔鏡下・腹腔鏡下手術の取扱いについて

○議事

○吉田分科会長 お一方まだ来ていませんけれども、時間ですので、第3回診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会を始めます。
 最初に、ちょっと遅いんですけれども、あけましておめでとうございます。
 今日の委員の出欠状況ですけれども、大滝委員と中村委員が御欠席で、今日は過半数いますので、会は成立しております。
 まず最初に、事務局から資料の確認をお願いします。
○井原補佐 座席表をおめくりいただきまして、議事次第。
 技-1-1 医療技術の評価(案)について。A4の両面になります。
 技-1-2、技-1-3は、A4横の1枚紙になります。
 技-1-4-1 医療技術の評価(案)、A4縦の両面印刷。
 技-1-4-2、技-1-4-3、技-1-4-4、それぞれが両面印刷となっております。
 技-2-1 平成24年改定における胸腔鏡下・腹腔鏡下手術の保険導入検討に当たっての取扱いについて(案)。
 技-2-2、A4横の1枚紙になります。
 技-2-3 今回の議論の対象となる手術一覧、両面印刷A4横紙になります。
 参考資料として技-2-参-1、技-2-参-2は、それぞれ1枚紙になっております。
 また、机の上に平成23年度医療技術評価提案書というドッチファイル。
 それから、2つ目の議題になりますが、胸腔鏡下・腹腔鏡下手術の取扱いについての御議論の参考となるように、『外保連試案2012』を机の上に置かせていただいております。
 資料は以上です。過不足等ございましたら、事務局までお申しつけください。
○吉田分科会長 特に欠落はございませんか。もし、後で気がついたら、どうぞ言ってください。
 早速、議題に入りますが、今日は2週間後に中医協に持っていく大事な決定の分科会ですので、十分御審議いただいて、この結果を来年度の診療報酬改定の中枢にしようと思いますので、よろしくお願いします。
 今日は議題が2つございまして、最初が、先生方に御苦労いただいた平成23年度の医療技術評価案について御議論いただいて中医協に持っていくと。もう一つが、先ほど事務局から御説明がありましたが、胸腔鏡と腹腔鏡手術の取扱い、それから、施設基準がバラバラですので、それをこの会で統一してほしいということで、2つの議案を検討していただきます。
 議題の進め方はよろしいですか。特に異論はございませんね。
 では、最初に、今回先生方に大変御苦労いただきました医療技術は667件ございました。それらについての先生方の御判断結果について、事務局から???と続けて説明いただきます。それでは、事務局お願いします。
○井原補佐 それでは、技-1-1から技-1-4-4まで一通り御説明させていただきたいと思います。
 まず、技-1-1をごらんください。「医療技術の評価(案)について」ということで、これまで関係学会から御提案いただきました、重複を除きました合計793の技術のうち、1ページにございますのは、昨年11月16日にこの医療技術評価分科会で御検討いただいたものです。表の「?幅広い観点から評価が必要な技術」「?エビデンスが不十分と考えられる技術」、これらにつきまして先生方に御評価をいただきました。
 裏面に進んでいただきまして、2番でございます。11月16日の会議以降、先生方または専門委員からの御意見を踏まえまして、分野横断的な幅広い観点から御評価を行っていただきました。その結果を取りまとめたものが「医療技術の評価(案)」というところになります。今回、最終的には793件のうち、新規保険収載等の評価を行う優先度が高いと考えられる技術が、新規技術128件、既存技術150件の計278件とさせていただいております。
 また、今回の医療技術評価分科会として改定では対応を行わない技術が新規技術131件、既存技術209件の合計340件という形で整理させていただきました。
 なお、今回の医療技術評価分科会はあくまでも個々の医療技術の評価になりますので、そういった観点から対象外とさせていただいたものが175件ということになっております。なお、これらの中には、新たに保険収載するもの、既存の技術の再評価・廃止等といったものが含まれております。
 なお、これらの整理につきましては、今後、今日の分科会で取りまとめていただいたものを座長より中医協総会に御報告していただき、最終的には総会で御議論をいただきたいと思っております。
 ただいまの説明を1枚にまとめましたのが、技-2-1になります。793件それぞれ幅広い観点から評価が必要な技術、エビデンスが不十分と考えられる技術、評価対象外というものを昨年の第2回分科会で御提出させていただきました。その結果、上の2つについて委員による事前評価を受けまして、最終的には一番右側にあるとおり、新規保険収載等の評価を行う優先度が高い技術278件、医療技術評価分科会では対応を行わない技術340件、対象外175件という形に整理させていただいております。
 技-1-3につきましては、議論の進め方の1枚紙になります。今回は右側から2つ目の箱になります。第3回平成24年1月13日、本日の分科会でこの評価結果を取りまとめていただきたいと考えております。
 それでは、先生方に短時間で多数の提案書を評価いただきましたことを、この場をおかりして厚く御礼申し上げます。先生方の評価結果を踏まえまして、事務局で相対的に整理させていただきましたのが、技-1-4-2から技-1-4-4となります。それぞれ新規保険収載等の評価をする優先度が高い技術、今回の改定で対応を行う技術が技-1-4-2になります。今回の改定では対応を行わない技術が技-1-4-3になります。また、医療技術評価分科会では対象とならない技術が技-1-4-4になります。それぞれ受け付け番号順をベースとしつつ、類似する技術については並びで見えるような形で整理させていただきました。それぞれ技術名の隣、評価案のところに先生方からいただきましたコメントを事務局で総括的にまとめた形で記載させていただいております。それぞれ簡単ではございますが、紹介させていただきたいと思っております。
 まず、技-1-4-2をごらんください。例えば、今回保険で対応するものの1つとして、一番上の血漿交換療法ですが、これは対象疾患の拡大を希望している提案になります。これについては、有効性等の観点からエビデンスが示されているというコメントをいただいておりますので、評価すべき医学的な有用性が示されているという形で評価させていただきました。
 また、次の未収載のものにつきましても、放射線の治療用金属マーカーを埋め込むといったものについては、肝臓がんなどに対して有効だというデータがございますので、これについても同様の考え方で評価すべき医学的な有用性が示されているというコメントをつけさせていただいております。
 そういった何らかの形で先生方のコメントで有用性を示す記載があり、かつ、評価が4や5だったものが今回?の中に入っております。
 おめくりいただきまして、2ページでございますが、130番、未収載技術、日本外科学会(日本心臓血管外科学会)から提出されております心臓大血管再手術というものについては、コメントが「提案の一部について評価すべき医学的な有用性が示されている」という書き方をさせていただいております。これにつきましては、少し上に戻っていただきまして、112番の未収載、日本胸部外科学会から、人工弁の再置換術という提案が同じくなされております。この提案の一部につきまして、130番の提案書の中にも含まれていることから、提案書の中に複数の御提案があって、うち一部について評価できるようなものについては、こういった形のコメントをさせていただいております。
 以下同様の観点で、今回先生方に評価していただくコメントがあったものについては、一覧という形でこの中に記載させていただいております。
 資料技-1-4-2の最後の10ページをごらんください。52番以降です。日本核医学会から出されておりますシンチグラムなど以下914番までは、「医療上の必要性を踏まえ、評価の見直しを行う」というコメントになっておりますが、これらにつきましては、既に行われなくなってきている技術ということで廃止させていただくということから、こういった形のコメントを書かせていただきました。
 以上、技-1-4-2が今回、保険で対応したいと考えている技術の一覧です。
 続きまして、技-1-4-3をごらんください。提案書の内容等を踏まえまして、今回の改定では対応を行わない技術になります。コメントについては幾つかパターンがございますので、それぞれ簡単に御紹介させていただきます。
 まず、1つ目ですが、1番、日本アフェレシス学会から出されている血漿交換療法につきましては、技術料増点という御提案でございました。一方で、なぜ増点をする必要があるのか、患者さんの治療にどういったメリットがあるという変化があったので、増点する必要があるか、について再評価をするための根拠が十分に示されていなかったということで、評価案には「再評価すべき項目や根拠が十分に示されていない」というコメントをさせていただきました。
 また、似た技術名でございます次の血漿交換療法については、増点ではなくて対象疾患を広げてほしいという趣旨の御提案でございました。一方で、現在の対象疾患から拡大するための新たなエビデンスの記載が十分にはございませんでしたので、医学的な観点から有用性が十分に示されていないという形のコメントを書かせていただいております。
 また、10番、日本医学放射線学会から出されております先進画像加算:脳梗塞急性期MR診断というものでございます。こちらについては既にMRIの診療・診断という形の中で評価を行わせていただいております。これに対して新たにその評価を切り分けて脳梗塞の急性期に評価を行うという点に関して十分な記載がなかったということから、現在評価はされておりますが、別途評価を行う根拠が十分に示されていないという観点から、評価されたものについてはこういった形のコメントを書かせていただいております。
 また、2ページ目の下の方をごらんください。下から3つ目と2つ目になります、157番、類似技術で467番、日本外科学会等から出されております胸腔鏡下食道良性腫瘍切除術ということで未収載ということで提案がございましたが、実際には既に保険上告示で術式が立っておりますので、これについては提案の内容は既に保険適用されているということを書かせていただいております。
 こういった整理はもう一つ例として、3ページの213番、日本高血圧学会から出されております家庭血圧の測定指導と測定値の評価になりますが、これは生活習慣病管理料というものの様式の中に家庭での血圧測定という項目が既にございますので、こういったものについても既に評価は済んでいるというコメントを書かせていただいております。
 なお、1点この中で修正がございます。2ページの568番、日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会から出されておりますストーマ造設術前ケア診療加算です。これは「評価すべき医学的な有用性が十分に示されていない」という記載になっておりますが、3つの提案がございまして、うち1つが、ストーマサイトマーキングということで、ストーマの位置決めをする項目になります。これについては、技-1-4-2の2ページにある143番の技術と類似する部分がございますので、提案の一部について評価すべき点が示されているという形で、今回改定で対応を行う技術に変更させていただきたいと思っております。大変失礼いたしました。
 以上が技1-4-3に関しての御説明です。
 最後が技-1-4-4です。こちらは、医療技術評価分科会における評価の対象外になります。大きくはこれまで前回お示しいたしましたが、医薬品や医療機器が薬事法上の承認を得ていない、もしくは医療技術評価分科会で評価を行っていただくのは診療報酬の項目上、在宅から病理というものになっておりますので、基本診療料、それから、医学管理に係る評価は、ここでの議論の対象からは外させていただいております。
 また、特にリハビリや精神の入院医療については、どういった枠組みで制度を運用していくかという観点から、中医協総会で御議論をいただいておりますので、それに関連する技術については、個々の医療技術の評価に関することではないということで、評価対象外とさせていただきました。
 また、そもそもがスクリーニングや予防を目的としたものにつきましては、保険給付の対象とすべきかどうか議論が行われた上で検討を行っていただきたいということで、評価の対象外としております。
 また、先進医療で行われているものにつきましては、今回改定に向けて先進医療専門家会議で御議論いただきますので、そういった技術についても対象外とさせていただきました。
 前回、先生方に11月にごらんいただいてから、一部そういった技術、特に医薬品の関係でございますが、薬事法上の承認を確認できなかったものについては評価対象外という形で整理させていただいております。
 また、技-1-4-4の上から2つ目、13番、移植臓器あっせん管理料については、亡くなった方からの臓器提供に関しまして、日本臓器移植ネットワークで行っておりますあっせん業にかかわるようなものを診療報酬上管理料ということでございますが、こちらについては、他の事業との役割分担を整理した上で、個々の技術として評価を行うべきということで今回は対象外という形で整理させていただいております。
 なお、前回11月16日にお示しした資料の中で、事務局の整理が誤っていたものがございますので、併せてここで御報告させていただきます。技1-4-4の1ページの821番、日本放射線腫瘍学会から出されております放射性同位元素内用療法管理料に伴う薬剤料というものでございます。こちらは本来1つ上の技術と類似のものでしたが、先生方に幅広い観点から評価を起こっていただく技術に入れてしまっておりました。大変失礼いたしました。
 続きまして、2ページ553番、重症急性膵炎に対する膵局所持続動脈注射につきましても、使用する薬剤が薬事未承認でしたが、こちらも先生方に評価していただく技術に入れてしまっておりました。
 最後が、6ページの915番、日本臨床検査医学会から出されておりますグリコアルブミンの慢性維持透析患者外来医学管理料包括からの除外、こちらにつきましても本来、個々の医療技術の評価ではないため対象外でしたが、重複の番号を679と誤植しており、かつ先生方に評価いただく項目に入れてしまっておりました。大変失礼いたしました。
 以上ざっとではございますが、今回保険で対応すべきもの、それから、今回の改定では評価を見送ったもの、医療技術評価分科会としては評価を行わなかったもの、大きく3つにそれぞれ理由をつけて事務局としては整理させていただきました。これらにつきまして御審議をいただければと思っております。
 事務局からは以上でございます。
○吉田分科会長 御苦労様でした。膨大な資料で、先生方もさっと見てもわからないと思うので、実はここでちょっと時間を置こうと思います。分厚い資料がございますね。これが受付番号順に入っています。先生方の関係するところで、俺は4か5にしたんだけれども、何で外れているんだというものがあったら、この場で御意見をいただきたい。それから、?技-1-4-3が評価が低かったものです。?が先生方から4ないし5という高い評価を受けたもので、薬事法上も問題はないし、先進医療とも関係ないというもので選びました。
 今回は従来、技術は大体2桁くらいの数が保険収載されるのですけれども、今回は3けた以上選びましたので、相当詳しく説明しないと、2号側はわかるんですけれども、1号側が理解できないので、中医協に行ったときにもっと詳しい説明が必要です。ですので、先生方にはざっと見ていただいて、今回は臨床の先生方をたくさん当会議にご参加いただきましたので相当たくさん評価してもらいましたが、疑問がございましたら御意見いただけますか。これを全部理解しようといったって、この分厚い資料はなかなか見られませんので、先生方には前もって11月16日に送って評価いただいた中で、その中から見ていて、どうも自分の記憶と違うよというものがあったら遠慮なくおっしゃってください。10分ぐらい時間を置きますので、ごらんください。
○井原補佐 済みません、事務局から1点補足です。数といたしましては前回ベースで申し上げますと、前回はトータルで保険で対応したものが百九十数件、約200件弱という形でございますので、3けたというのはおおむね前回ベースかなとは思っております。
○吉田分科会長 失礼しました。
 ちょっと時間がありますので、?の一番最後、今、井原補佐が言ったみたいに、52番から10件ぐらいあります。こういう要らないよというものを出さないと、中医協で二百何件持っていくと「何だ」と言われてしまうので、この中から、うちは評価としては4・5で、削除して構わないというものを一覧として入れました。こ

(10分経過)

 まだ時間はございますので、この後もう一つ大事な議題がございます。説明している間でもごらんいただいて、最後にここはちょっとおかしいというところがあったらおっしゃってください。一応これで御了解いただいたということでよろしゅうございますね。
(「異議なし」と声あり)
○吉田分科会長 では、次の議題に移ります。2番目の胸腔鏡下・腹腔鏡下手術の取扱いについて。これも大事な懸案ですので、先に事務局から説明をよろしくお願いいたします。
○井原補佐 それでは、今回、これから御議論いただく胸腔鏡下・腹腔鏡下手術の中にも学会提案という形で入ってきた技術もございますので、それとこれまでに御説明させていただいた評価をトータルにで再度、最終的にこれでよろしいかというのを御判断いただければと思っております。技-2-1以降について御説明させていただきます。
 「平成24年改定における胸腔鏡下・腹腔鏡下手術の保険導入検討に当たっての取扱いについて(案)」でございます。
 まず「1.背景」でございますが、現在、新たな腹腔鏡下や胸腔鏡下の手術の保険上の取扱いを記載させていただいております。現状といたしましては、既に保険適用されている腹腔鏡下手術以外の手術で腹腔鏡を用いる場合には、その都度、当局に内儀いたしまして、準用通知が示されたもののみが保険給付の対象となっております。
 また、新しい手術を保険適用するというプロセスになりますと、現在御審議いただいております医療技術評価分科会または先進医療専門家会議で、個々の術式ごとに評価を行うというプロセスをとってまいりました。
 「(2)腹腔鏡手術等の現状について」でございます。近年、内視鏡外科手術の普及がございまして、その有効性や普及性を勘案した上でも成熟した技術として扱っても差し支えないという御意見も示されております。
 参考1でございますが、消化性潰瘍穿孔手術における鎮痛薬の使用量の比較の点におきましても、開腹手術と比べて有意に腹腔鏡下手術の方が少なくて済むというようなエビデンスも示されております。
 また、参考2ですが、鼠径または腹壁ヘルニア術後の入院期間につきましても、腹腔鏡を用いた場合の方が有意に短いというデータがございます。
 こういった有用性とともに、腹腔鏡下手術の内視鏡外科総手術数の推移でございますが、2003年以降2006年、2009年と比べて約倍近くという数に上ってきております。
 こういった状況を踏まえまして今回改定におきましては、これらの普及状況、有用性を踏まえまして、一方では安全性に配慮しつつ、技術度区分に応じまして以下のような対応を行ってはどうかというのが事務局の整理でございます。
 「(1)考え方」ですが、既に開腹または開胸手術として保険適用されている手術に腹腔鏡などを用いる場合のうち、一定の要件を満たす手術については保険適用を行ってはどうかというのが1つ目、対象の術式に関する考え方です。併せて、安全性の観点から腹腔鏡下や胸腔鏡を用いる手術の施設基準について、統一した取扱いを行ってはどうかと考えております。
 「(2)具体的な対応」の?検討対象につきましては、技-2-2「原則として保険適用する胸腔鏡下・腹腔鏡下手術について」をごらんください。今回、医療技術評価分科会や先進医療において、個々の技術評価をせずに保険導入を考えてはどうかというものは、開胸・開腹手術が既に保険適用されている、それから、外保連試案第8版に胸腔鏡下・腹腔鏡下手術として掲載されている、このいずれも満たすもののうち、技術度区分がC群またはD群のもの、そして、先進医療としては実施されていない技術、これらの技術について原則保険適用してはどうかということでございます。
 それを整理したものが下の表になっておりまして、技術度C群、D群、?、?の両方に該当する「○」部分について保険適用を考えております。
 その他の区分につきましては、基本的には個々の技術ごとに従来どおり検討を行っていただきたいと思っております。
 それぞれ具体的にどういった術式が当てはまるかというものは、技-2-3をごらんください。
 1ページ目は、外保連試案で難易度がE群にあるものということで、子宮悪性腫瘍手術でございます。こちらについては現在、先進医療でも行われていることから、先進医療専門家会議において検討を行いたいと思っております。
 2ページについては、現在、先進医療として実施されている技術になりますので、改定における対応としては先進医療専門家会議において御議論いただきたいと思っております。
 3ページ以降が、今回、原則保険適用としてはどうかと考えている技術で、外保連試案でC難度、D難度の手術の一覧です。このうち3ページの2番、腹腔鏡下・腹壁瘢痕ヘルニアといったものにつきましては、今回、医療技術評価分科会の提案もございますので、これにつきましては適否含めて御判断をいただきたいと思っております。
 以降、4~7ページまでが原則、一括して保険適用の対応をとってはどうかという手術になります。
 最後の8ページに関しましては、現在、開腹・開胸といった手術が保険上位置づけられていないことから、今回の一括した対応からは除外したいと思っております。
 なお、この中で一部訂正がございます。8ページの1番、精索静脈瘤手術(腹腔鏡下)は、精索静脈瘤手術というものが既に保険適用されております。かつ、外保連試案の難易度で申しましても難易度Dとなっておりますので、この8ページの1番の技術については、一括して保険適用する技術の一つとして追加させていただければと思っております。大変申し訳ございません。
 今、御説明させていただいた技術を対象とした上で、施設基準についてはどう考えるかというのが技-2-1の最後の4ページになります。これら術式をある程度一括して保険適用することに併せまして、今後の腹腔鏡下手術等の普及に合わせて安全に実施する観点から、既に保険適用されている腹腔鏡下手術のうち、特に施設基準を設けていないものにつきまして全般的に、基本的には枠の中に囲ってあるような施設基準を設けたいと思っております。
 具体的に申し上げますと、1つ目が、緊急事態に対応するための体制、その他当該医療を行うにつき必要な体制が整備されていること。2つ目が、当該保険医療機関内に当該療養を行うにつき必要な医師が配置されていること。3つ目が、当該手術の1年間の実施件数を当該保険医療機関の見やすい場所に掲示していること。最後が、手術を受けるすべての患者に対して、それぞれの患者が受ける手術の内容が文書により交付され、説明がなされていること。この4つにつきまして、条件を満たした上で、鏡視下手術を行っていただきたいと考えております。
 以上、具体的な術式の保険導入とともに施設基準の見直しについて御議論をいただきまたいと思っております。
 なお、参考といたしまして、技-2-参-1という形で、実際に今、幾つかの術式に関しまして、ただいま御説明させていただいたような施設基準を設けているものがございます。その参考でございます。
 また、技-2-参-2につきましては、外保連試案における手術の難易度でございます。今回、一括して保険という形にしてはどうかと言っているC群、D群というのは、基本領域の専門医、経験年数で言いますと10年程度、それから、D群というのがSubspecialty領域の専門医もしくは基本領域の専門医更新者や指導医取得者、経験年数で言いますと15年目程度の先生方で可能という形で位置づけられているものです。
 以上につきまして、御議論をいただければと思っております。事務局からは以上でございます。
○吉田分科会長 御苦労様でした。この議題2は、前回の改定のときに医療技術について外保連試案を参考にしろということが決まっていましたので、今回、腹腔鏡手術、要するに鏡視下手術についての評価を外保連試案にのっとって、C、Dという難易度のものから拾ってみて導入するかしないか決めてはいかがかという判断です。
 それから、施設基準につきましては、今まで各先進医療とか高度先進医療から来ていますのでバラバラなんですね。普及度を見ていても非常に厳しく腹腔鏡・内視鏡学会の認定とかいろいろな縛りがあるんです。それを少し緩めて、技-2-参-1ですけれども、統一した施設基準で緩やかにしてはいかがかということが今回の趣旨です。御意見はございませんか。
○井原補佐 済みません、事務局から。私の説明が少し足りていなかったと思われます。申し訳ございません。技-2-1の4ページ、あくまでも今回、施設基準を見直していただきたいというものは、現在、施設基準が明確につくられているものではございません。それにつきましては現行の取扱いを維持したいと思っております。一方で、今、腹腔鏡下手術として保険上位置づけられてはいますが、明確な施設基準がないものについても今回一括して保険に導入する手術と同様に、こういった施設基準を設けてはどうかというものになります。これにつきましては、安全に普及させるという観点と、少なくとも現状こういったことは守っていただいた上でやられているだろうということを想定した上で、こういった記載をさせていただいております。少なくとも現状、専門医という具体的な要件はかけておりませんが、各施設基準を設けているものについては、現行の取扱いは維持したいと考えております。
○吉田分科会長 そういうことでございますけれども、どうぞ。
○岩中委員 私は外保連の手術委員長をやっておりまして、今回、春の改定に向けまして、一昨年の中医協総会で外保連試案を技術料の参考にしなさいという御提案を会長からいただいて、この2年間、外保連91の加盟学会で、前回までの手術試案第7版にはかなり不備があるということで猛烈な作業を行いました。前回のこの分科会でも吉田座長から「いつできるんだい」というコメントをいただきまして、何とか間に合わせますという形で猛烈な作業を行いました。ようやく皆様のお手元に今日お配りできるようになりましたが、12月9日にようやく発刊されました。以前の試案に比べますと非常にわかりやすくなっておりますし、今回、腹腔鏡・胸腔鏡の一括導入に関しまして、この外保連試案を非常に高く御評価いただいたことに関しましては、行政の方にも、また、それを後押ししてくださいました関係各位に厚く御礼申し上げたいと思っております。
 この外保連試案はお手元にありますように、C群、D群というのは基本的にそれなりの技術力を持っている方がやればできるという標準化された手術という位置づけでございますので、その辺りを御勘案の上、本日の審議に臨んでいただけたらと思います。どうもありがとうございました。
○吉田分科会長 ありがとうございます。
 それ以外に御意見ございませんか。特に外科として、小山先生よろしいですか。
○小山分科会長代理 よろしいと思いますけれども、技-2-参-1が今、実際に動いているということなので、大きな問題はないと思うんですけれども、技-2-1の4ページ目の今回新しいもので同じような文章が書いてありますが、Aの必要な体制が整備されていること、あるいはBの必要な医師が配置されていることというのは、どの程度の意味を持つのかがちょっとあいまいなのかなと思うのと、それから、Cの見やすい場所に1年間の実施症例件数だけを出しておけばいいという考え方だと、1例でも2例でもいいということなのか、そのところはもう一個突き詰めてもいいのかなという感じがするんですけれども、その辺はいかがでしょうか。
○井原補佐 今、御指摘いただいた点、今回ここに掲げている文章は基本的には告示と呼ばれる部分に記載するものをイメージしております。更にもう少し踏み込んだ内容については通知という形でお示ししたいと思っております。
 そのうち、今、小山先生から御指摘いただきました点、例えば、緊急事態であるとか、当該療養を行うのに必要な体制につきましては、少なくとも腹腔鏡などを用いる場合には、速やかに開腹手術に移行できるような体制を想定しております。
 それから、当該療養を行うのに必要な体制というのは、術式というのは個々の患者さんの病態に応じて学術的に選択されるものだと考えておりますので、そういった選択が適切にできるような体制があることを念頭に置いております。
 それから、Bの必要な医師が配置されているということにつきましては、個別の技術によって、例えば、経験年数であるとか、症例数を一つひとつ明示していくのは正直難しいと思っております。ですので、総合的な考え方としては、基本的には腹腔鏡を使った手術をやろうとしている術式に類似した技術については、少なくとも経験を持っているということが条件になろうかと思っております。
 同様の整理で申し上げますと、1年間の実施件数を掲示するということにつきましても、例えば、一律に5例やっていなければいいのか悪いのかというのは個々の症例によっても異なりますので、目安を設けるのは難しいのかなとは考えております。ただ、実績としてそういった経験があるかどうかというのは、手術を受ける患者様に対してわかるように掲示していただきたいという趣旨でございます。
○小山分科会長代理 了承しました。
○吉田分科会長 実は、いろいろな施設基準が非常に厳しいものと緩いものといっぱいあったわけです。事務局でそれを整理しまして、必要な体制は具体的にどうなんだということ、それから、必要な医師は具体的にどうなんだという話をしたんですが、要するに腹腔鏡手術をやる医療機関というのは、必ずそういう経験を持っていらっしゃるんですね。だから、やる人は多分この文言でいいだろうと、体制についても、医師についても、こういう人がいないとだめだということを各学会で規定していますので、それにのっとって良心的にやっていただきたいという意味が含まれているんだそうです。こういう具合にしてあげないと、あちこちから施設基準が厳し過ぎてなかなか進まないとか、いろいろな意見が事務局に来ていますので、今回こういう形でA、B、C、Dという施設基準にしました。
 ただ、これは言っていいのかどうかわかりませんが、泌尿器のいくつかの手術に関してだけは事故があったので、この体制からちょっと外れるのかなと。あれは非常に厳しく施設基準をつくっていますので、あれに関してはある程度コンセンサスが得られるまでは従来の厳しい施設基準でいった方がいいのかなと。私は泌尿器科ですので、公的には泌尿器科学会に説明します。ただ、一般的には施設基準のA、B、C、Dという緩やかな表記でいかがですかという意味です。御意見ございませんか。
○北川委員 一般に本日挙げられました外保連試案のC、Dという難易度から見ますと、既に各学会である程度のガイドラインなどが作成されて、各学会で安全を担保しながら、患者さんの低侵襲性のためにある程度やられている術式がここでオーソライズされたという点では非常にありがたい、合理的な判断ではないかなと。おっしゃるように、個々の施設基準は個々の手技でかなり細かくやりますと複雑になりますし、明確で、かつ、ある程度の基準を担保するという意味では、非常にありがたい処置だと思います。
○吉田分科会長 ありがとうございます。これは実際、岩中先生は大変苦労されまして、学会によっては絶対にEからDにいかないというのが、頑としてあったんですね。それを岩中先生は理事長を呼びつけて、とにかく横一線でやらないと中医協では認めないというのがありましたので、私も1回行って、夜中、手術委員長の前で、とにかくエゴを張る学会が1個でもあったら絶対に持っていかないと強く言って出してもらったんですね。結果的に外保連試案にありますように、Eランクが300ぐらいあったんですよね。
○岩中委員 560ぐらいあったE群手術が、今は157件まで減ったと聞いています。
○吉田分科会長 3分の1ぐらいに削っていただいて、これは岩中委員長の理論的な説得を各学会が聞いて、基準は岩中委員長は専門医制度のときに、この手術をやってこいというものが結構Eにあるんですね。全専門医の申請のときに、Eにある手術をやってこいと言う学会はおかしいんじゃないかという非常に大きな議論で、専門医に申請するためにやってくる手術手技というのは、D、C、B、Aだという考えで強引にやってもらいました。
 結果的に、技-2-3の資料ですが、外保連試案にのっとったCとDとEの技術について、井原先生、今日はこれを見ていただいて、これでいいですかということですか。
○井原補佐 その点、御確認いただければと思っております。腹腔鏡・胸腔鏡につきましては、技-2-3の3~7ページまで、それに追加して8ページの1番の技術を今回の診療報酬改定で保険導入することについて、まず御審議いただきたいというのが1点目です。
 2つ目が、施設基準としては現在、胸腔鏡・腹腔鏡手術として施設基準があるものは現行の施設基準を基本的には維持させていただきます。一方で、そういった施設基準が明示されていないもの、それから、今回の診療報酬改定で対応するものについては、一括して技-2-1の4ページにあります施設基準を設けさせていただきたいと、この2点につきまして御確認をいただければと思っております。
○吉田分科会長 岩中委員どうぞ。
○岩中委員 少し説明させていただきますと、今回、技-2-2にありますように、まず最初に、腹腔鏡・胸腔鏡手術の何を対象手術とするかという最初の選択の中で、開胸・開腹手術が既に保険収載されていて、しかも、外保連試案に内視鏡手術が掲載されているものが対象になるというのが、まず前提でございました。この外保連試案、実は3,177術式ございますが、この中でこの2つの条件を満たしていて、かつ、E群手術というのが、婦人科領域の子宮がんの腹腔鏡下悪性腫瘍摘出術と、食道領域の胸腔鏡下食道がんの根治術系、1群のものがありますが、その2種類のみでございました。
 食道がんの方は、既に診療報酬表に胸腔鏡でやってもよろしいという形で開胸術の方に、個別の点数はついていないんですが、既に診療報酬に収載されているということで、これはE群であっても個別の収載で評価して点数を決めていただければよろしいのかなと。
 一方、子宮がんに関しましては、婦人科系の先生方とかなりE群の手術のときにディスカッションしましたが、まだ一部の施設でしか行われていなくて、技術度が非常に高い手術で、まだ標準化するには至っていないというはっきりとしたコメントがございましたので、それならE群に残しましょうと。そうすると、そういうものを保険診療に採用していいものかどうかということで、今回E群手術の中では子宮がん摘出手術だけは、通す、通さないではなくて個別に評価して、この分科会の御判断にお任せしたいという経緯があったことを一言追加させていただきます。
○吉田分科会長 田中先生、何か御意見ございませんか。
○田中委員 特にございません。
 子宮頸がん以外のことでもいいですか。これは立派なものだと思うんですが、C群とD群がかなりハードルが違うんですね。ですから、これを見ますとC難度及びD難度の手術となっていますが、いかにCとDを分けるかが将来的に難しいんじゃないかと思っております。
○岩中委員 1点、外保連の立場で御説明させていただきますと、実は第6版の手術試案までは技術度は13段階に分かれていました。C群の中もC-1、2、3と分かれていて、それなりにランクをつけてありました。D群も1、2、3と分かれていて、同じ専門医の中でも、専門医になりたての連中がいるD-1群と、かなり経験の豊富な専門医がやらなければいけない、あるいは領域の指導医クラスがやらなければいけないD-3群というのに分かれていたんですが、実はそれを個別に評価するのは結構難しくて、D-2とD-3の違いはどこだと、それを卒業年次で簡単に評価できるのかとかいろいろ評価基準を検討しました。その上で、前回の第7版から、現在は専門医制度というのが動いていますので、専門医制度にのっとって技術度を再評価しようと外保連全体の加盟学会で検討して、C群は基本領域の外科系の専門医を持っている、例えば、日本外科学会の専門医を持っている、あるいは、日本泌尿器学会の専門医を持っているという方々が、一般に独力でやれる手術をC群にしようと。もう一方、深めてSubspecialtyの領域でそれなりにトレーニングを何年も積んで、専門医として胸を張って生きる方々がやる手術を基本的にD群にしようと、その辺りの詳細な部分は分けないでおこうと。かえって逆にそれを分けることの意味があるかどうか、実際に分けられるのかという評価が非常に議論されまして、結果的には第7版から5段階に分けたという経緯がございます。
 したがいまして、D群の中には、消化器外科の専門医になったらすぐできるような手術から、相当経験を積まなければいけない、前回E群からD群に落としていただいた、標準化できているものはD群に落としましょうといったレベルの手術まで、かなり幅広い技術が含まれていることはそのとおりでございます。ただ、外保連試案というのは、基本的に医師の技術料も含めて、どのくらいの診療報酬が望ましい姿かを検討するための材料でございますので、その辺りはこことここの報酬の違いをどう考えるかではなくて、ざっくりと、これだけのプロならこれぐらいの経費がかかってもいいんじゃないかという試案だと御理解いただけたらと思います。
○吉田分科会長 よろしいですか。
 では、会を進めますが、技-2-3の3ページで、2番のヘルニア手術、4ページの11番、胸腔鏡下の食道憩室切除術、5ページの21番、胃上部血行遮断術(腹腔鏡下)、22番、重症筋無力症に対する拡大胸腺摘出術(胸腔鏡下)、6ページの27番、28番、29番、31番、32番、34番、そして、これは35番ですか、縦隔組織試験切除術、それから、8ページの1番は上に上がりますけれども、これらについて今回、保険導入の対象としていいかどうか御議論いただきたいと思いますが、いかがですか。
(「異議なし」と声あり)
○吉田分科会長 では、この技術は外保連試案第8版にのっとって、こちらで選ばせていただいた技術ですので、今回この分科会でも了解いただいて保険収載へ持っていくと判断します。ありがとうございました。
 次に、施設基準についてはいかがでしょうか。先ほど説明がございましたが、従来のものは従来の施設基準でとりあえずいくと。今回、新しく認められた技術については、施設基準がないものがいっぱいあるので、それについては一般的な手術ですので緩めにしておいて、技-2-1の4ページのA、B、C、Dのランクでつけたらどうかと。これは説明がありましたように、必要な体制というのも、必要な医師というのも、各学会が厳しく胸腔鏡下・腹腔鏡下の基準をつくっていますので、そういう良心に従ってやっていただこうという意味です。いかがですか。
○岩中委員 1点よろしいですか。何度も済みません。先ほど吉田座長から泌尿器に関しては従来の縛りがあった方がよろしかろうというお話でございましたが、実は、修正されているのかどうかわかりませんが、腹腔鏡下肝切除術の施設基準が微妙に難しい。復旧するには大変難しい手術基準だったと思いますが、それに関しましてはいかがでしょうか。
○井原補佐 繰り返しになりますが、今回御提案させていただいている施設基準については、現在保険で入っているもののうち施設基準が明示されていないもの、それから、今回の改定で一括して対応したいという手術に関する施設基準になります。従前から施設基準として一定の要件を課している部分につきましては、現行の取扱いを維持したいと思っております。先生から御指摘のありました肝臓切除術については、学会の提案などを踏まえまして、改定ごとに見直すという作業は別途行いたいと思っております。
○吉田分科会長 ですので、泌尿器科もそうですけれども、2年間で10例とか肝も結構厳しいですよね。今回は一応、学会としての提案書が上がっていないんですね。上がってきませんと、中医協に持っていくときに勝手にやったんじゃないかと言われてしまうので、平成26年改定のときまでに各学会によく見ていただいて、これは安全だというものは平成26年改定のときに提案書として出していただきたいという事務局の提案です。よろしゅうございますか。
○岩中委員 腹腔鏡下肝切除術に関しましては、一昨年のときにおかしいということで昨年既に提案書を提出させていただいておりますので、別途扱いにしていただければと思います。
○井原補佐 岩中先生御指摘のとおり、肝切除につきましては提案いただいておりますので、今回の考え方とは別の対応とさせていただきたいと思っております。
○吉田分科会長 よろしいですか。
 それ以外に御意見ございませんか。まだ時間がありますので、舞い戻って例の技術について、実は先生方から財源の問題があって、こちらで入れてあげたいけれどもどうしても財源がないというので外れたものも結構あるんです。それは十分御理解いただいて、中医協ではそういう説明をいたします。この中で結構たくさんの技術が今回いきますけれども、ただ、財源決定が0.004%と言っていますが、薬剤の薬価の問題がありますので多少財源はあるのかなと思いますが、それでもふんだんにあるわけではないので、事務局で整理させていただきました。
 これで技術の???、今回の腹腔鏡手術の対象となる手術拡大、施設基準は、この分科会で了解いただけますか。
○岩中委員 済みません、1点だけ確認させてください。この資料ですと837ページになりますが、医療技術評価分科会として今回対応を行わない手術の3ページの419番で質問させていただきます。非常にいい例だと思いますので。この分科会は技術を考える分科会ですから、当然、医療技術の在り方について皆様から御意見をいただいているわけですが、同時に、いろいろな学会から、いろいろな理由で増点の要望があったものの中には、当然材料費が含まれているわけです。この419番、837ページを見ていただきますと、全体の評価では評価すべき医学的な有用性が十分に示されていないと。確かに、この提案書には医学的な有用性に関してコメントはないんですが、その中に実際に使い捨ての材料、どうしても1万2,000円の材料を使わなければできない検査が1万円なので、この材料費を何とかしてほしいという提案書だと思うんです。そうしますと、この419番の下に書いてあります、再評価すべき根拠が十分に示されていないのではなくて、再評価してもいい根拠はちゃんと示されていると私は思うんですけれども、こういう材料のために少し増点してほしいというのは今回の提案書の中にもかなり含まれていたと思いますが、それに関して、この分科会としてはどういう基本的な考え方でいくのかというのが1点。
 それと、もう一つ申し上げたいのが、実は今回いろいろな提案書を出すに当たりまして、外保連としまして医療課の関係者の方々と、いろいろな意見交換を事前にしておりました。その中で、皆さんの学会が提案書を7つから8つぐらい出して、そのうち特に重要なものは個別の学会がヒアリングを受けて、それで特にうちの学会では大事なものですというのを提案していたと思うんですが、一方で、外保連は領域横断的に、特に外保連として強く押したい項目を保険局医療課の方々ともディスカッションしながら考えてもいいんじゃないかということで、事前に相談していました。実際に、外保連から370~380件の要望を出したんですが、そのうちおよそ4分の1の100件ぐらいに関しましては、領域横断と言いましても、例えば、目の手術と心臓の手術とではなかなか評価が難しいので、ある程度領域は大ざっぱに分けましたが、その中である程度関係のない学会も含めて4分の1ぐらいにとにかくディスカッションして絞ってみようじゃないかという試みを秋口にやっていたわけです。そういうものに関しまして、例えば419番、今確認をしてみましたら、胃食道内24時間PH測定というのは、外保連からも領域横断的にこの材料の考え方はおかしいということで強くお願いした項目であったと理解しています。その辺りの部分、外保連から一応こういう形で検討しましたというのは外保連の参考意見として厚生労働省にお届けしたんですが、材料の考え方も含めまして、行政では今回どういうふうにお考えになられたのか、その取扱いの辺りを御説明いただけたらと思います。
○井原補佐 基本的に診療報酬で評価する場合に、かかるもののコスト、それから、技術の難易度に応じた相対的な評価というのは必要だと思っております。一方で、もの代のみの観点から技術料をどんどん底上げ、底上げというのは正直難しいのだろうと。そういう意味で、既存の技術を再評価する場合には、単にかかるコストだけではなくて、患者さんに対する有効性、効果が示された上で再評価する土壌に上がってくるだろうと思っております。
 それから、外保連から事前にこういったものが重点項目ですといただいた点につきましては、事務局としても一定程度受け止めをした上で、この分科会においては先生方から評価をいただき、かつ、そこにはコメントもいろいろ記載していただいておりますので、そういったものを総合的に勘案いたしまして、今回はこういう形で評価をさせていただきました。
○小山分科会長代理 同じような観点で、今回私は初めてここに参加させていただいたんですけれども、技術評価をしているつもりなんですが、岩中先生がおっしゃったように、材料代になってしまっているのがほとんどなんですね。今回認めていただいた、例えば、下肢静脈瘤の焼灼にしても、創の吸引にしましても、逆にすると技術料として評価してもらったんだけれども、技術料をオーバーして材料に持っていかれてしまうんですよね。では、自分たちは何をやっていたのかとわからなくなってしまうんです。かといって、外出しにすればいいとは思っていませんけれども、どこかで材料、今、先生は1本1万幾らとおっしゃったけれども、その妥当性をどこかで評価していただかないと、ここの問題ではないと思うんですが、せっかく技術料で認められても、認められた分を全部材料に持っていってしまうというのが今のやり方なんですよね。どこかで改めていただきたいと思うんですけれども、その辺どうしたらいいか教えていただけますか。
○吉田分科会長 事務局いかがですか。企画官、何か意見ありませんか。
○企画官 御指名でございますので、医療課企画官でございます。今の点は、さまざまな場面で御指摘いただく非常に重要なポイントだろうと思っております。特に外科系の技術、手術が非常に典型的なんですが、実際問題、高額な機器とか医療材料もさまざまなものを使ってやっていただきますので、必要な費用については当然保険で償還するというのが大原則です。その際、例えば、ガーゼとか衛生材料のようなものから、人工関節とかペースメーカーのように非常に高額なものまで多岐にわたりますので、評価として大きく2つに分けて、個別に値段設定するものと、技術料に包括して評価するものとに分けていると。
 今回ここで評価していただくものは、そういう意味では高額なものを除いた個別的なものが入っております。ただ、例示されましたように、我々の整理としては技術として包括して評価させていただいていますが、決して低額ではないではないかという御趣旨の御指摘は多々いただいております。ここは両面ありまして、この場では基本的には技術に着目して評価していただく枠組みだと承知しておりますが、一方で、一体不可分の部分もありますので、そういった部分も基本的には勘案していただくということにならざるを得ないと思います。
 ただ、使用されております材料について、特に乖離が大きいというのはまた別の尺度でさまざまな調査で、最終的には勿論、中医協総会ですけれども、そこで判断していただく上で、例えば、特定保険医療材料に関する検討の枠組みか、あるいは包括されております、これは検査も含めましてですが、さまざまなデータを基に議論するいずれかの枠組みで拾わせていただくというのが基本です。
 ただ、ルーチンの作業にどうしても乗らないものもございますので、そういった意味で現場からこういう要望書を非常に大部にわたっていただいているんですが、事務局としてはそういったものを見させていただいて、すべてにお応えするのは基本的にはなかなか難しいんですが、余りにひどいじゃないかというものについては、何らかの形で対応すべく、こういう作業をさせていただいております。個別的なお答えは難しいんですが、幾つかのルートで何とか拾っていけるように努力させていただいているというのが今の運用の考え方でございます。
○吉田分科会長 よろしいですか。
 もう一個、岩中先生がさっきおっしゃった419番というのは、どこに入っていますか。技-1-4-3ですか。
○岩中委員 技-1-4-3です。3ページの上から4つ目になります。評価すべき医学的な有用性は示されていませんが、材料のことがあるので再評価すべき根拠は十分に示されているんじゃないかという意見を述べさせていただきました。
○吉田分科会長 今日そういう意見を?から?へ持っていくものがあるかどうかということで今聞いたので、事務局いかがですか。技-1-4-3の3ページの419番は、外保連の強い意向があって、評価すべき医学的有用性が十分に示されているという解釈で挙げたらどうかということですけれども、いかがですか。
○井原補佐 岩中先生からも御指摘がありましたが、有用性そのものに関してではなくて材料代だけという観点から言えば、今回は基本的には患者さんに対してどれだけの治療上のメリットがあるのかと、厳密な意味では費用対効果の議論ではございませんが、そういった要素を含めた上での総合的な判断という形をとらせていただきたいと思っておりますので、基本的には有用性が十分に示されていないということであれば、今回の改定では対応しないという取扱いを事務局としては考えております。
○吉田分科会長 とりあえず、よろしいですか。
○福田委員 よろしいですか。福田でございます、医療経済を専門にしております。
 先ほど、吉田分科会長から財源の問題で外した技術があるという御指摘がありましたけれども、財源は限られていますので、そういう判断自体は結構だと思いますが、もし差し支えなければ、そのときの判断する目安があるのかどうか教えていただきたいと思います。個別の個々の点数が高いから外すのか、あるいは患者数との関係でトータルの予算が大きくなるから外すのか、あるいは今、費用対効果という言葉もありましたけれども、有用性との比較で高過ぎると考えられたのか、明確な基準ではないかもしれませんが、おおよそどんなところで区分されたのか教えていただけますか。
○井原補佐 吉田先生の質問に対して事務局の回答が大変申し訳ございません。座長の御発言をどこまで私が理解できているかという点はございますが、基本的には改定を行うに当たってトータルの財源は当然決まっておりますので、それ見合いで相対的に技術としてはここぐらいまでのものが採用できるだろうという枠組みで考えておりますが、個々個別の技術でどれだけかかるから、それははじきますというような考え方ではないのではないかと。基本的には全体としてこれぐらいの改定財源があるので、今回技術としてはどのくらいのものまで、しかも、それは有用性が示されているものについて改定で対応を行うという考え方で、先生方には御評価を行っていただいていると考えております。
○福田委員 必ずしも個別の技術について4・5がついたので外されたということはないということでよろしいですか。
○井原補佐 事務局としては、先生方に4・5と評価していただいたものについて今回、改定で対応を行いたいというのが基本的な整理でございます。
○福田委員 了解しました、ありがとうございました。
○吉田分科会長 そのほかいかがですか。
 いつも早く終わってしまうと、遠方から来ているのに何だと怒られるんですけれども、今日は1時間ちょっとやっています。
 これは大事な分科会で、今日御決定いただいたことを再来週の中医協に持っていって、来年4月からの保険導入の根本になります。点数については財源がありますので、一応高い点数の希望がいっぱいありますけれども、財源のバランスというのは事務局で計算しますので、御一任いただきたいと思います。
 それから、2週間後の中医協に持っていくのにレジュメの文章は、部分的に1号側の人がいますので、もう少しわかりやすく追加するかもわかりませんけれども、文言については今日、分科会で御一任いただいた項目については足をはみ出しません。それに基づいてわかりやすく出すようなことにしたいと思いますが、よろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○吉田分科会長 では、これは会長と事務局に一任いただきます。
 これで今日の議題は終わりますけれども、実は前中医協会長の遠藤先生がいらっしゃっているので、一言お礼を言いたいと思います。外保連試案の発言をしていただいて、大変外保連が困ったんですが、とにかく汗水流して2年間号令をかけてやったと。それで、この第8版ができました。これも発端は遠藤前会長から一言、外保連試案というのを出していただいたからということですので、一言御発言いただけますか。
○遠藤氏 御指名でございますので。今日は重要な会議ということで傍聴させていただきました、前会長をさせていただきました、遠藤でございます。
 基本的には個々の学会の、言ってみればいかに公平にするかという、エゴをいかに抑えることが可能なのかということが、ある種プロフェッショナルオートノミーだと思っておりましたので、そういうこともあって、どのくらい可能なのかということも若干思っていたわけですけれども、今日のお話を聞きますと、まさにその辺がうまくできたということで、本当に関係の皆様方の御努力に対しては感謝したいと思います。どうもありがとうございました。
○吉田分科会長 突然の指名で済みません、ありがとうございました。
 では、今日は終わりますけれども、事務局から連絡がございます。
○井原補佐 最後になりますが、重ねて今回短い時間の間でたくさんの提案書をごらんいただきましたこと、この場をおかりして厚く御礼申し上げます。今回、先生方に御評価いただきました結果、最終的には中医協に報告して御検討いただきたいと思っております。また、今回この会議で岩中先生などから御指摘いただいた点も踏まえまして、今後引き続き医療技術の評価につきましては、この分科会などを活用いたしまして進めていきたいと考えておりますので、次回以降もまた是非よろしくお願いいたします。
 事務局からは以上でございます。
○吉田分科会長 これで3回目を終わりますけれども、中医協で多分直せというのはないと思いますが、これはおかしいと言われてしまうと変えざるを得ないことがございますので、4月まではまだ日にちがございますので、この分科会は消滅していません。もし何かあれば、先生方に直接事務局から連絡しますので、そのときは是非、逃げないで返答いただきたいと思います。よろしくお願いします。
 今回これだけ大変な量、何十件と行ったと思いますけれども、非常に短い期間で御判断いただいて、今日この分科会でまとめることができました。私からも厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。
 では、これで終了します。ありがとうございました。


(了)
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