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2011年12月14日 第96回労働政策審議会労働条件分科会 議事録

労働基準局労働条件政策課

○日時

平成23年12月14日(水)
9:30〜12:30


○場所

中央合同庁舎5号館19階 専用第23会議室
(東京都千代田区霞が関1−2−2)


○出席者

【公益代表委員】

荒木委員、岩村委員、権丈委員、田島委員、村中委員、守島委員、山川委員

【労働者代表委員】

工藤委員、島田委員、新谷委員、?松委員、中島委員、宮本委員、安永委員

【使用者代表委員】

池田委員、伊丹委員、伊藤委員、田中委員、三浦委員、宮地委員、輪島委員

【事務局】

金子労働基準局長、熊谷審議官、前田総務課長、田中労働条件政策課長、青山労働条件政策課調査官

○議題

1 有期労働契約について
2 その他

○議事

○岩村分科会長 それでは、定刻でございますので、ただいまから第96回「労働政策審議会 労働条件分科会」を開催することにいたします。
 本日は、労働者代表の安永委員が少々遅れるということでございます。また、公益の守島委員も間もなく参られると伺っております。
 それから、公益代表の守島委員、山川委員、労働者代表の工藤委員、使用者代表の池田委員、田中委員はそれぞれ所用がおありということで、途中退席される予定でいらっしゃいます。
 なお、池田委員が御退席になられた後は、日本商工会議所・東京商工会議所産業政策第2部担当の松本部長が代理出席されるということでございます。御了承いただければと思います。
 議事に入ります前に、定足数につきまして事務局の方から御報告をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○青山調査官 定足数について御報告いたします。労働政策審議会令第9条により、委員全体の3分の2以上の出席、または公労使各側委員の3分の1以上の出席が必要とされておりますが、定足数は満たされておりますことを御報告申し上げます。
 以上です。
○岩村分科会長 冒頭のカメラ撮りは、ここまでとさせていただきます。
(カメラ退室)
○岩村分科会長 それでは、早速議事に入りたいと存じます。お手元の議事次第にあるとおりでございまして、今日の議題は「有期労働契約について」ということでございます。
 前回の分科会におきましては、先月にお示ししました論点(案)と、その後、労使双方から追加の御意見がありました論点に関しての議論が一巡したところでございました。
 また、私の方からは、今後のとりまとめに向けまして、これまでの議論を通じてそれぞれの委員から示された御意見というものを踏まえて、改めて論点を整理しまして御議論をいただきたいということを申し上げたところでございます。
 そこで、本日の資料といたしまして、資料1ということで「有期労働契約の在り方に関する論点(改訂)」というものを事務局に用意していただいております。
 まず、事務局に資料1について説明をいただき、その後、議論に入りたいと思います。
 それでは、資料の説明をお願いいたします。
○田中労働条件政策課長 それでは、資料1を御説明いたします。
 資料1は「有期労働契約の在り方に関する論点(改訂)」でございます。11月8日の本分科会で示させていただいた論点(案)につきましては、参考1で付けさせていただいております。この参考1の1〜5に対応するものが、新たな論点(改訂)におきましても1〜5に対応します。
 この間、労使からの追加の論点がございます。それについても、この1〜5の中で整理し、ただ、6として「1回の契約期間の上限」については、別段の整理をさせていただいているという構成でございます。
 内容について御説明いたします。
 まず「1 有期労働契約の締結への対応」でございます。
 有期労働契約は、合理的な理由がない場合(例外事由に該当しない場合)には締結できないような仕組みとすることについては、例外業務の範囲をめぐる紛争多発への懸念や、雇用機会の減少の懸念等を踏まえると、慎重な検討が必要なのではないか。
 というふうに整理させていただきました。
 次に「2 有期労働契約の長期にわたる反復・継続への対応」でございます。
 有期労働契約が一定年数を超えて反復更新された場合には、労働者からの申出により、期間の定めのない労働契約に転換させる仕組み(転換に際し期間の定めを除く労働条件は従前と同一とする。)を導入することについては、雇用の安定や有期労働契約の濫用的利用の抑制という観点から、評価できるのではないか。
 この場合、次のような論点について、更に検討を深める必要があるのではないか。
 ということで、6点ほど整理しております。
 ・利用可能期間は何年とするか。
 ・同一の労働者と無期転換の対象とならない有期労働契約を再度締結することができるようになるまでの期間(クーリング期間)を設けるとすれば、どのぐらいの期間とするか。
 ・適用除外を設けることとするか。
 ・利用可能期間到達前の懸念について、どのように対応するか。
 ・制度導入後に締結又は更新された有期労働契約から、利用可能期間の算定を行うことでよいか。
 といった論点を示させていただいております。
 次に「3 不合理な『雇止め』への対応」でございます。
 確立した判例ルールである「雇止め法理」については、より認識可能性の高いルールとすることにより紛争を予防するため、東芝柳町工事事件と日立メディコ事件の二つの最高裁判決に基づき、法律に明文化してはどうか。
 この場合、パナソニックプラズマディスプレイ事件の最高裁判決が参考になるのではないか。
 というふうに整理をさせていただきました。
 「4 『期間の定め』を理由とする不合理な処遇の解消」でございます。
 有期契約労働者の公正な処遇の実現に資するため、有期労働契約の内容である労働条件については、「期間の定め」を理由とする差別的な(不利益な)取扱いと認められるものであってはならないものとしてはどうか。
 その場合、差別的な(不利益な)取扱いと認められるか否かの判断にあたり、職務の内容、配置の変更の範囲等を考慮するものとしてはどうか。
 ということで整理させていただいています。
 「5 その他必要な手続的ルールの明確化」でございます。
 労働契約の契約期間に関する変更については、労使の個別合意によるべきことを明確化してはどうか。
 契約更新の判断基準を労働契約の内容として明確化するよう使用者に求めることとしてはどうか。
 「雇止め予告」を法律上の義務とすること及び有期労働契約締結時に「有期労働契約を締結することの理由」を明示させることについては、その必要性が相当程度高いとまではいえないのではないか。
 このように整理しました。
 最後に「6 1回の契約期間の上限」でございます。
 労働基準法第14条の1回の契約期間の上限については、現行の規制の見直しの必要性の有無について引き続き検討する必要があるのではないか。
 以上でございます。
○岩村分科会長 ありがとうございました。
 それでは、この資料1について、これから議論を進めてまいりたいと思いますが、議論の進め方としましては、今日は一応長く時間をとってございますけれども、やはり限られた時間の中で効率的に議論を進めたいと考えます。そこで、各論点ごとに順番に取り上げて御意見をいただきたいと思います。ただ、勿論各論点がそれぞれ独立しているものというわけでもございませんので、他の論点に関わることもあります。そういうものにつきましては、また適宜御発言をいただければと思います。
 また、今日お示しした資料1に記載のない論点というものもあるようでありましたら、関連する箇所で御発言をいただければと存じます。
 それでは、早速、今日の改訂版の論点1であります有期労働契約の締結への対応ということにつきまして、御意見あるいは御質問があれば御発言いただきたいと思います。
 工藤委員、どうぞ。
○工藤委員 ありがとうございます。
 それでは、意見ということで、まず1点目の有期労働契約締結への対応ですが、慎重な検討が必要ではないかとされたことに関しましては、率直に言いまして残念だと思っております。
 これまでも申し上げているところではございますが、日本の原動力である中間層の厚みを増すためには、やはり労働者の雇用の安定と公正な処遇の実現が不可欠だと考えております。
 非正規の労働者が全体の労働者の中の3分の1ぐらいに達してしまった日本の現状を考えますと、この総数の削減に向けた政策を打ち出す必要があると考えております。そのためには締結事由を規制して、利用範囲を制限することが必要だということは、これまでもずっと申し上げてきたところです。
 そういった観点から、安心・安定した社会をつくっていくためにも、有期労働契約の締結事由の規制につきましては、引き続きの検討課題とするべきだろうと考えております。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。御意見ということでございました。
 ほかにいかがでしょうか。輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 ありがとうございます。
 事務局へ質問ですけれども、3行目の「雇用機会の減少の懸念」というのは、具体的にどういうことが懸念されるのかということを教えていただきたいと思います。
○岩村分科会長 では、事務局への御質問ということですので、事務局でお願いをいたします。
○田中労働条件政策課長 この内容につきましては、いろいろ御意見があると思いますけれども、本分科会において御指摘されたものでございます。その内容としては、特に無業から就業へと円滑につなげていくために、有期労働契約の機会活用というものが考えられ、それが規制されますと、雇用機会の減少につながるのではないかというような指摘があったと承知しております。そういったものを含めながら、雇用機会の減少の懸念というふうに表現をさせていただいております。
 以上です。
○岩村分科会長 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 ありがとうございます。
 まさに私ども論点1については、その懸念が強いのではないかということで、これまでも第1ラウンドからずっと主張してきたというふうに考えておりますので、その点については穏当な状況ではないかと考えております。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 そのほかにいかがでございましょうか。よろしゅうございましょうか。
 それでは、引き続きまして論点2に移ります。「有期労働契約の長期にわたる反復・継続への対応」ということでございます。この論点につきましては、もしこれを導入するとした場合には、具体的な制度設計についても議論を詰めておく必要があると考えました。そこで、この論点2につきましては、細目というものも示しております。
 それから、当然のことでありますけれども、この論点は他の論点とも深く関連いたします。ですので、先ほども申し上げましたが、もし関連するような論点があるということであれば、そちらについても適宜論点2のところで触れていただいて結構でございます。
 ここについては、一番最初の前段のところが、どちらかというと言わば総論的であり、後段、細目のところがより具体的な制度設計に関わるところでございますので、どちらも完全に切り離して議論できるわけではありませんけれども、まず前段について御意見あるいは御質問などをお願いし、その後、後段について御意見・御質問などをお願いするという順序で進めさせていただければと思います。勿論、前段について御意見あるいは御質問をいただく際に、後段について触れる必要があるということであれば、それでも結構でございます。
 それでは、御意見あるいは御質問などがありましたらお願いしたいと思います。まず前段の方、いかがでございましょう。
 それでは、島田委員の手が先に挙がりましたので島田委員、次いで宮地委員ということでお願いいたします。
○島田委員 まず、前段の部分について、事務局に質問ですが、「労働者の申し出により無期へ転換させる」と書かれていますが、逆に言えば労働者から申し出がなければ利用可能期間を過ぎても、継続して有期で雇用をしても良い、という意味での書き方なのか、まずお聞きしたいと思います。
 もう一つは、公益の先生方にお伺いしたいのですが、有期労働契約研究会報告では、この部分について、?無期とみなす、?無期への変更申し込みとみなす、?無期への変更申し込みを義務づけるという選択肢が挙げられていたように思います。これについては、研究会で、どのような検討が行われたのかをわかれば教えていただきたいし、「労働者の申し出により無期へ転換させる」というのは、この研究会報告の3つの分類で言ったらどれに該当するのかというのを、まずお聞きしたいと思います。
○岩村分科会長 承知しました。それでは、まず1つ目と2つ目の質問について、併せて事務局の方からお答えいただいて、その上で、もし公益の先生で補足があればということでお願いしたいと思います。
 では、事務局、お願いいたします。
○田中労働条件政策課長 まず、改訂のペーパーの1行目に、労働者からの申し出によりということを書かせていただきました。これは制度の仕組みとして、一定年数を経過した場合に、労使の意思によらずに自動的に無期契約に転換したことにするような制度設計と、労働者の意思に係らしめて無期に変更するという制度設計、両方があると思います。
 有期と無期を、労働者が最終的に選択する必要があるかどうかについては、極めて現実的な判断をしないといけないと思っております。理念的に有期と無期で、期間の定めしか変わらないんだというふうに考えますと、必ずしも申し出が必要かどうかという議論があると思いますが、現実の場面では、まま有期の雇用管理と無期の雇用管理が契約上あるいは事実上違う場面もそれ相応に想定されます。
 したがって、やはり最終的には契約の非常に重要な要素である契約期間については、少なくとも労働者の意思に係らしめる必要があるのではないかということで、ここには労働者からの申し出によりと書かせていただいております。
 したがって、少し制度設計といったところに立ち入りますけれども、もし一定年数を超えても労働者の申し出がなければ、引き続き有期雇用を続けるということも正当な範囲であり得ますので、そういうことを前提に御意見等を頂戴いただければと思います。
 研究会報告の関係は、青山から申し上げます。
○青山調査官 有期研の話、御質問がありましたが、まず事務局の方から、有期研の事務局をしていた立場から御紹介できる範囲で御紹介します。
 今、話がありましたとおり、有期労働契約研究会のときには、このような一定の区切りを超えた場合に、無期にするという場合の法的効果のあり方につきましては、無期労働契約とみなすとか、無期労働契約への変更の申込みがあったものとみなす、無期労働契約への変更の申込みを使用者に義務づけること等の選択肢が掲げられて議論されました。
 これについては報告書にも言及がありますけれども、有期労働契約の多様性や労働者の意思の取扱いや法的効果がもたらす影響、副作用への対処等を踏まえつつ検討が必要というふうに、この選択肢についても議論されております。
 ちなみに、この選択肢はモデルとしましたのが労働者派遣法の改正の議論において検討された、違法の場合の直接雇用申込みの法的効果の方法で、この労働者派遣法の議論の過程でも、こういういろいろな法的効果の選択肢を検討したということはありまして、それも参考に有期研でも議論されたという経緯がございます。
 今回の申出につきましては、そういう意味で、有期研報告で言及されている選択肢と全く同一というのはないかと思うのですが、労働者の意思に係らしめて、かつ、効果が民事的なものであるという点では、無期労働契約への変更の申込みがあったものとみなすという選択肢が近いのかなと思いますが、公益の先生の方から補足があればお願いいたします。
○岩村分科会長 有期研のメンバーであられた公益の先生で、どなたか。
 それでは、山川委員、お願いします。
○山川委員 今、青山調査官がおっしゃられたことの補足ということになりますけれども、議論の詳細は必ずしも記憶が十分でないことはあるのですけれども、先ほどお話された労働者派遣法の改正との関係について申しますと、確かにその議論の影響を受けたということがあろうかと思います。
 ただ、研究会報告では必ずしも、派遣法研究会で問題になったようなことのどれかに限るということではなくて、さまざまな選択肢が考えられるという形で検討結果を述べておりますので、必ずしも限定的なものではなかったと思います。
 それから、派遣法との違いで恐らく重要になると思われるのは、労働者派遣法の場合は派遣先との間に労働契約関係はないという前提で立法されているわけでして、そうすると契約の成立ということを構成するには、申し込みと承諾によって契約が成立するということを踏まえる必要がある。
 ところが、ここでの有期労働契約の場合はもともと契約関係があるという前提で、言わば有期という契約の定めが無期という契約の定めになるという点が違う要素として挙げられるのではないかと思います。
 以上です。
○岩村分科会長 島田委員、いかがでございましょうか。
○島田委員 そうすると、やはりこの文章でいく限りは、この効力を争おうとしたら、意思がなければ無期転換がされたとみなされないということだとお聞きしました。労働側から言えば、今回のこの部分というのは、先ほど工藤委員も言ったように、もともと有期労働者の無原則な増加を抑えましょうという意味で、無期へ転換させる制度を入れたらどうか、ということだったと思っております。
 しかし、今回は、これでいくと自己申告制という話ですから、結局自分が申告しなければ権利はもらえないということになります。原則は全員を無期にすることとし、例外的に申し出によって有期雇用が継続できるという書き方にするのが本筋ではないかと思います。
 そういう意味で、やはりこの辺をもうちょっと御議論させていただければありがたいし、御理解をいただきたいと思います。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。御意見ということです。
 先ほど宮地委員がお手を挙げておられました。どうぞ、宮地委員。
○宮地委員 事務局に確認事項ですけれども、期間の定めのない労働契約に転換させる仕組みの括弧書きの部分「(転換に際し期間の定めを除く労働条件は従前と同一とする。)」という考え方についてですが、有期労働契約では、現在、職種、勤務時間、勤務地などを限定して労働契約を結んでいる場合もあります。その中で、反復更新時に労使合意の上で勤務時間や職種を変更するということも生じています。
 このような対応は、無期になっても可能という考え方でよろしいのでしょうか。
○岩村分科会長 事務局への御質問ですので、お願いいたします。
○田中労働条件政策課長 ここで労働条件は従前と同一とするということの趣旨としては、労働条件の中で期間の定めが有期になっているものを無期にする。ほかの条件は、ここでは当然には変えないということですので、そういう前提で労働条件を決めて、あるいは雇用管理をされているという状況を、無期になっても続けるということであれば、それは十分可能であるということだと思います。
 ただし、例えば就業規則などの適用範囲の問題とかが生じるおそれがありますので、そこはあらかじめ無期になったときにどうするのかということは、十分労使で話し合いをして、基本的には労働条件の決め方という枠組みを決め、その上でそれに従って個別の契約を結んだり、内容の変更をしていくということが重要なのではないかと思います。
 ここの趣旨は、無期に転換するときに、期間の定めを変えるという法律効果を目指す制度であり、それ以外はあくまで労使合意の世界が有期の際も、無期の際も維持されるということを意味しております。
○岩村分科会長 宮地委員、よろしいでしょうか。
 それでは、先に輪島委員のお手が挙がりましたので、その後に?松委員ということでお願いしたいと思います。では、輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 ありがとうございます。
 まず、論点2でありますけれども、前々から申し上げておりますように、雇用機会の減少につながるのではないかという大きな懸念を感じておりますし、結局いろいろな規制を入れても、それだけでは、今の状況を改善するということではないと思っておりますので、基本的に反対だという立場は変わりません。
 まずはそれを前段に申し上げた上で、私どもはさまざまにわからない点がたくさんあります。その点を私としてはお聞きをして、大変恐縮ながら今日は持ち帰らせていただいて、相談をしなくてはなりませんので、その観点でさまざまにいろいろ聞かせていただきたいと思っています。
 そこで、前段のリードというか総論の部分ですけれども、先ほどの島田委員の御質問と類似なのですが、もう少しお話を聞きたいのは、この申し出によるというのは法制的にするとどういうことを考えているのかということです。そこがよくわからないということです。
 第2に期間の定めのない労働契約に転換をさせる。これは前々回申し上げた点ですが、企業としては、雇用管理区分を更に詳細にしなくてはならないという意味では非常に対応が難しいのですが、ここについてはどういうふうなイメージを持っているのか。
 第3に、今、宮地委員が御質問されたところの従前と同一にするというところ、今、伺って多少わかったところです。
 第4に、濫用的利用の抑制というようなことは何を意味しているのかという点について、それぞれ解説をいただきたいと思っています。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 ?松委員の御発言は、今のものと何か関係するところはございますか。
○?松委員 先ほどの宮地委員と関係しています。
○岩村分科会長 そうですか。それでしたら合わせて。伊丹委員も同じように。
○伊丹委員 同じようにしていただければ。
○岩村分科会長 そうですか。関係するのであればまとめてということで、まず?松委員にお願いをし、その後に伊丹委員、それで事務局の方でお答えをいただくということにさせていただきたいと思います。
○?松委員 先ほど宮地委員から御質問のあった括弧書きの部分ですが、再度確認をしておきたいと思っています。ここで書かれている部分については、要は有期から無期に転換する際の労働条件の取扱いだけのことを、特に期間をめぐって書かれているという受けとめでいいのかどうなのか。
 言い替えれば、無期雇用転換以降は、それぞれ労使が自主的に労働条件決定の協議をされると思っていますから、そちらの方には影響を与えるものではないという受けとめでいいのかどうなのかだけ確認したいと思っています。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 それでは、伊丹委員、どうぞ。
○伊丹委員 先ほどの輪島委員の質問に関わるのですが、この論点2の中に予測可能性に関する観点みたいなものが一切触れられてないのですけれども、今までの議論の中では意見が出ていたと思うんですね。この濫用的利用の抑制の中に、その問題が入っているのかどうかも含めて、併せてお聞きしたいと思います。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 それでは、事務局への御質問ということでしたので、お願いをいたします。
○田中労働条件政策課長 まず、輪島委員の御質問です。申し出によるというところの法制的意味につきましては、先ほど山川委員がおっしゃったように、既にここのルールが適用される際には同じ使用者と労働者の間で労働契約が締結をされているという状況でございます。そういう状況を前提に一定の法的効果を与えるということで、この契約を無期に転換するということであります。
 これについては、新たに無期契約が締結をされるという形なんですけれども、現在の有期契約を申し出によって直ちに無期契約に転換するということではなくて、有期契約は一定期間決まっているわけですから、有期契約が契約終了した時点で無期に転換させるというふうなイメージを持っております。
 法的に言いますと、今の有期契約が終わった後で新たに無期契約を締結するということを、本来ならば労使の意思の合致で行うことが民法の原則ですけれども、それを修正して、労働者の申し出という行為によって契約が締結されたことになるという、法的には形成的効果を与える仕組みにすることが必要ではないかというふうに考えております。ただ、ここら辺の法制的な構成については、更に十分な検討・議論が必要だというふうに思っております。
 それから、無期への転換というものについては、これも再三議論があったように、無期と正社員とは異なるということで、無期転換をしたからといって、必ず正社員と同じ処遇を与えなければならない、正社員のキャリア形成のラインに乗せないといけないということではなく、まずは期間の定めだけを無期にするということでありまして、そういう前提で、この規制の在り方を考えていただきたいということでございます。
 したがって、従前と同一というのは、期間の定めだけをルールを適用する時点では変更するということで考えていただきたいというふうに思います。
 濫用的利用の抑制という観点でございますけれども、これにつきましては、不合理・不適正な利用形態について、総論的に御議論いただいたときにもありましたけれども、いわゆる雇止め法理で取り扱われているような反復更新が続いて、実質的に無期契約になっているような場合、あるいは合理的な継続雇用の期待が生じているような場合に、単に契約期間の終了をもって雇止めをするというものを中核として、濫用的利用を抑制することを念頭に置いております。
 先ほどの伊丹委員の関係ですけれども、同じようなルールとして、論点3に関わります雇止め法理がございます。雇止め法理につきましては、有期労働契約研究会でも、同様の場合への適用の予測可能性というものは問題があるというふうに、指摘をされている点でございます。
 その点は、従来御議論がありましたように、2について、ここで御提案させていただいておりますのは、一定年数を超えてという部分で年数を明確化するということでございます。これによって予測可能性というものも対処できる部分もあると考えます。
 それに関しては、いろいろ御議論があるということは認識した上で提案をさせていただいているところでございます。
 それから、?松委員の同一の労働条件については、転換に際してのことであるかという御質問でございます。勿論、転換に際して特段の合意がなければ、期間の定めを除いては同一の労働条件が引き続くという考え方でございます。
 したがって、あくまで労働条件については労使合意が原則でございますので、その後、労使合意によって変更をすることは、当然ながら可能ということは確認させていただきたいと思います。
○岩村分科会長 それでは、池田委員のお手が挙がりましたので池田委員、その後、輪島委員のお手が挙がりましたので輪島委員ということでお願いします。
○池田委員 基本的に私どもは、この改正に反対しているわけですが、今日のこの1、2を見ましても非常に矛盾しているところがあるんですね。私どもが有期契約をしているのは、すべて経済性とか地域性とか、基本的には経済の生産性ということがありますから、すべて合理的な理由によってこういうものを採用して、今、非常に労使の間で、これは1つの雇用の方法としては長年活用されている1つの形態としてマッチしているという認識があるわけですけれども、これを変えることによって1にあります雇用機会の減少というのは、まさにそのままでありましょうから、今、会社のアンケートでも規制が強化されれば7割の企業が雇用は考えるというデータが出ているわけですから、まさに雇用の減少ということは検討の必要があると1で言っているにもかかわらず、2の方だけこういうふうに規制をかけていくということは、内容的に矛盾があるのではないかと思います。
 当然、皆さんは1の合理的な理由によってやっているわけですから、今、バランスをとっているという認識の中では、雇用機会の減少も紛争多発も出てくるわけでありまして、この辺が非常に矛盾しているのではないかということで、やはり余り規制を変えることはよくないのではないかということが私どもの主張だと思うのですが、労働者の申し出と言いましても、では、経営者側が申し出たらどうなるんですか。経営者側は長くやっている人で社員にしたい人もいるわけですね。そうすると、ほとんどの人が、私たちは短時間で責任を持つのが嫌だから、今のままでいいですと言う。では、本当に労働者側にそれだけの権利があるんだったら経営者側に権利がなければおかしいわけで、平等な権利がないと、単に労働者側の申し入れというのはどうなんですか。経営者側にはそういう権利がないんですか。
 労働者側からの申し出ができるんであれば、今の正社員の扱いをどうするかということを考えないと。
 これは1つ聞きたいんですけれども、外国の場合は余り有期がなく、ほとんど無期だけれども、解雇がしやすいということで、正社員も非常に解雇しやすい。日本の場合は正社員を非常に解雇しにくいので、逆に経済性と合理的な理由によって有期契約をしている場合が多いんだと思うのですが、この場合は有期だけではなくて、無期の社員に対してもどういう扱いをしていくのかということを考えていただかないと、一方的に有期の方だけの条件をよくしていって、ただ長くいたら無期にしろよと、私は無期になりたいと言ったら無期にするんだということは、全く不公平な扱いだと思いますね。
 ですから、労働条件はみんな一緒にしなくていいんだと言われても、期間だけ何しろ無期にしろと言われたときに、本当にそれで労使の話し合いができるんですか。それこそ労働者側が、期間だけでないよと。待遇もよくしろと。最終的には賃金も同じにしろと。当然そういう話になってくるのではないですか。
 そうすると、有期も無期もみんな一緒になってしまいますから、それだったら無期の方もどうするかということを考えていただかないと、一方的に無期の方だけ、長い間やっていたら無期に転換しろとか、その規制だけどんどん変えていくというのは非常に一方的であり、不公平な規制の変更ではないかと思います。
○岩村分科会長 ただいまのは、御質問というか、御意見ということでよろしいでしょうか。
○池田委員 質問をしたんです。外国と日本がどう違うのか。それから、経営者側から申し出ればどうなのか。経営者側からのあなたはやって欲しいとかに、労働者側は拒絶できるのか。双方の権利にならないのですかということです。
○岩村分科会長 わかりました。それでは、事務局の方でお願いをいたします。
○田中労働条件政策課長 御指摘のとおり、諸外国のそれぞれの国ごとに状況は違いますけれども、無期の場合の解雇のルールあるいは無期に対する雇用管理の在り方、特に賃金の決め方、こういったものの前提条件が違いますと、有期から無期への転換の仕組みを考えるにしても、考え方を異ならせていく必要があるというふうには考えております。
 ちなみに、諸外国の例でいきますと、特にEUですと、出口の規制が一般化をしておりますけれども、一定年数あるいは一定回数を超えますと、ほぼ自動的に無期になるという取扱いをしているところが多いように思います。
 それは有期と無期の違いを念頭に置きながら制度設計されたものというふうに思いますが、先ほど申しましたように、我が国においてはむしろ労働者からの申し出によって、意思に係らしめて無期になるかどうかを決定するという方式が妥当ではないかというふうに考えております。
 一方で、経営者側が有期の労働者に対して無期への転換を請求する制度が可能かどうかということでありますけれども、これにつきましては規制ということではなくて、恐らく労働者と使用者の間の話し合いで、円滑に無期に転換するという枠組みで、今後も行っていただくことにならざるを得ないのかなと私としては思っておりますが、これは御議論いただきたいと思います。
○岩村分科会長 それでは、お手が挙がりましたので、先に輪島委員がお手を挙げておられましたので、まず輪島委員にお願いをしたいと思います。
○輪島委員 ありがとうございます。
 先ほどの質問の関係でもう少し確認ですけれども、申し出の行為ということと、形成的効果というところの意味がよくわからないのですが、池田委員がおっしゃったように、何となく労働者の権利というふうにも聞こえるのですけれども、その点についてもう少し説明をしていただきたいと思います。その後、意見を言いたいです。
○岩村分科会長 それでは、事務局の方でお答えをお願いします。
○田中労働条件政策課長 これもどういうふうに表現するかはわかりませんけれども、一定の法律状態を一方当事者の意思で形成できるということでありまして、普通でありますと契約というのは両者の意思の合致によるのが原則で、民法でも、労働契約法でも勿論そういうことは原則であります。そういったものを原則として、大前提に置くというのが契約自由の原則だろうと思いますけれども、それを維持することで、例えば労使関係の交渉力の格差であるとか、さまざまな格差によって実質的な対等性が失われている場合にその修正を行うわけです。そういった修正の1つとして、労働者の申し出によって新たに無期の労働契約を締結するという効果を例外的に認めるという考え方でございます。
 一方的にそういう状態をつくり出すことができるという意味では、労働者側の権利というふうに呼ぶこともできると思います。
○岩村分科会長 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 そういうふうなことであると、いわゆる申し出ですね。申し出をする権利があるというふうに解釈をする。
 それは、すごく強い権利になるのではないかと思うのですが、先ほど島田委員がおっしゃった点の反対で、申し出をする権利というのは、島田委員の御主張自体はよくわかるんですけれども、こちら側で今、聞いたところからすると、労働者に与えられる権利としては非常に大きな権利なのかなという気がするので、非常に戸惑いを隠せないなというふうな感じです。
 それから、1ポツに入りますけれども、例えば利用可能期間というのが設定されると、それを超えたときに申し出をする権利というのは、どの程度まで、ずっと権利があることになるわけですか。
○岩村分科会長 お願いします。
○田中労働条件政策課長 これも設計上いろいろな考え方があると思いますけれども、一定年数を超えるという状態を、勿論、契約が反復更新してという状況を前提としますけれども、反復更新して一定年数を超えたという場合に、労働者がその契約を無期に転換させるように申し出る権利ということになります。
 したがって、一定年数を超えている状態というのが継続している限りは権利が存続するのではないかと思います。勿論、実務上、その権利の行使をいつでも可能にするのか、ある時点のみに限定するのかといったことは、恐らく技術的な話として、更に論点としてあるのではないかと思いますけれども、基本的な権利という意味では、一定年数を超えた状態では続いていくというイメージを持っております。
○岩村分科会長 輪島委員、よろしいですか。どうぞ。
○輪島委員 その一定年数続いて、それを超えたときの権利で、その権利はある意味で消滅しないわけですね。というのは、経営側として人事管理上、いつまでもそういう状態が宙ぶらりんであることがいいことなのかどうなのかということは非常に懸念があって、そういう管理ができるのかどうかという気が直感的にいたします。
 以上です。
○岩村分科会長 御意見ということだと思います。
 それでは、先ほどお手が挙がっていたのは伊藤委員と新谷委員だと思います。では、まず伊藤委員、お願いいたします。
○伊藤委員 ありがとうございます。
 本日改めての提案ということで、具体的な質問をさせていただきたいと思うのですが、今までの議論と非常に大きくかけ離れた感じがいたします。実際に実態調査でも現在の勤務先で、有期労働契約で働きたいという方が6割以上いらっしゃって、正社員でという方々が1割程度という中で、果たして、今までの論議を踏まえているのかなということを、まず感じました。
 あと、意見でございますが、一定年数ということがありますが、年数はわかりませんけれども、わざわざ一定年数契約をされて継続をされているわけですから、わざわざ無期に、そこの必要性というのがどれだけのものがあるのかということを思います。
 それから、先ほど労働条件は従前と同一とするという話がありましたが、これは恐らく細部に行くと大きな矛盾をどんどん来すことになってくるだろうと思います。ですから、そういうことを法律で、大きな枠組みで縛ることが果たしてあるべき姿なのかというのを、私は素朴に感じます。
 意見でございますが、以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございました。
 それでは、新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 今の論議になっているところでございますけれども、労働者からの申し出によりというところ、事務局の説明を聞いていて大分わかってきましたが、私どもとしては、やはり中身をもう少し精査していきたいと思っておりますので、これは持ち越しにさせていただきたいと思います。その中でも労働者の意思表示というのを絡ませるということは重要な要件だと思っておりますので、これは尊重して検討したいと思っております。
 ただ、その法的な効果としてどういうものがいいのか。先ほど派遣法のみなし規定との違い、確かに山川先生から御指摘いただいたような内容もございますので、どういう効果を持たせるのがいいのかということを、私どもも研究をさせていただきたいと思っております。
 それと、先ほど?松委員から確認をさせていただいたところの、無期に転換する仕組みの括弧書きのところで、やはりこれを書かれてしまうと、後の論点4の部分とも関係するのですが、要するに、転換における法的な効果というのは、雇用契約、労働契約の期間が従来の有期から無期に転換するということのみが法的な効果であって、そのほか、労働契約の内容に対しては何ら効果を持たないということの理解でいいのかというのを再度確認させていただきたいと思っています。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 それでは、事務局の方でお答えをお願いいたします。
○田中労働条件政策課長 繰り返しになりますけれども、この論点2で御提案させていただいている内容につきましては、あくまで労働契約期間に関する効果を念頭に置いておりまして、それ以外については念頭に置いておりません。
○岩村分科会長 新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 ありがとうございます。わかりました。
 その上で、先ほど使用者側委員のご発言で、日本においては欧米に比べて正社員が解雇しにくいという御発言があったと思います。
 前に申し上げたかもしれませんけれども、最近新聞で「6重苦」という言葉が出てきていて、もともと日本の成長の阻害要因として5つあって、その中に労働の規制があるという報道が出ていて、非常に気になっております。
 日本の労働規制が本当に厳しいのかどうかを考えたときに、例えば正社員の雇用に関する規制、有期の雇用の規制を考えたときにどこが厳しいのだろう、何か事実誤認しているのではないかといつも思っていまして、今日の本題ではないですけれども、使用者側委員も御質問されていたので、ここで正確なところを認識しておいた方がいいと思います。
 どこの国でも正社員ですから無期雇用だと思いますけれども、無期雇用を契約解除をしようと思ったら、ある程度の合理的な理由なり、日本で言うところの社会的な相当性なりというのは、どこの国でも必要とされていると思います。
 まさしく日本でいくと、解雇権濫用法理のようなものです。日本は判例法理で、かつ、それが労働契約法の方に入りましたけれども、それが日本だけにあるという認識が、ちょっと違うのではないかと思います。
 最初の質問の際、事務局が答弁されてないように思いますので、その辺を公益の先生なり事務局の方で再び答弁をいただければと思っております。
○岩村分科会長 多分、公益の方のどなたかにお答えいただくことがいいと思います。
 では、荒木委員、お願いします。
○荒木委員 解雇の規制の強さの比較は非常に難しいことでありまして、OECDでもいろいろ数値化して比較することをやっておりますが、法律家から見ると本当にそうかなとしっくり来ないところがございます。したがって、外国と比べて日本の解雇規制が厳しいかどうか、一概に言うことはできません。
 その上で、恐らく経営側が気にされておられるのは、経済的な解雇、整理解雇が外国と比べて厳しいかどうかということだと思います。日本の整理解雇法理、整理解雇の4要素とか4要件とかと言われておりますけれども、この2つ目の要素が解雇回避努力義務です。
 人員削減の必要性があっても、解雇という手段を取らずに対応できる場合、例えば定年による自然減を待つとか、希望退職者がいるとか、あるいは配転、出向によって解雇という措置を取らずに人員削減の必要性に対応できる場合には、そうした解雇回避努力義務を尽くさずに解雇すると解雇権濫用という評価を受けやすいということです。
 このような規制の効果は、実は一概に議論することはできません。大企業の場合は、解雇回避努力義務というのは多様にあるわけですね。その結果、多様な解雇回避措置を取らないと簡単には解雇は難しいということになります。けれども、他方、小さな企業の場合では余剰人員を他の部署に配転してこれを吸収するという解雇回避措置を取ること自体が非常に困難ということになりますと、大企業では難しいような整理解雇の4要素を適用しても、中小企業の場合には容易に適法な解雇ができ得るということにもなるわけです。したがって、日本の整理解雇の4要素、4要件が厳しい、あるいは緩やかだということを一概に議論することはできない。
 逆に言いますと、日本の整理解雇法理というのは、企業規模によって解雇回避努力義務ができるところはやってください。できないところについては、解雇はできないということではなくて、整理解雇を認めるという柔軟性のある法理だろうというふうに考えます。
 そこで、日本でも中小企業では非常に頻繁に解雇が行われているという指摘もありますし、他方、大企業の事業の方から聞きますと、我が社の雇用管理の中には解雇という文字はありませんというふうなことにもなる。そういうように企業の規模によっても効果が異なる。しかし、そういう柔軟な対応を許容しているのが日本の整理解雇法理ではないかと思います。
○岩村分科会長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。
 前段の論議はそろそろこのぐらいにさせていただいて、もし後でお気付きのところがあれば触れていただくということでお願いしたいと思います。
 次に、後段の、今日、黒ポツで5つほど論点を挙げさせていただいておりますが、これについて御意見あるいは御質問を伺いたいと思います。
 では、新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 利用可能期間を何年にするかというのは、論点2の出口規制の在り方を決定する非常に重要な組み立ての1つだと思います。
 この論点2の規制については、前回私どもが申し上げましたように、もともと一定の反復更新をした後に、こうした無期転換の仕組みを導入するということはメリットもデメリットもあって、我々としては、直前での雇止めの副作用というデメリットの点をずっと懸念してきたわけであります。
 そういった意味では、この利用可能期間を何年にするのかというのは非常に難しいし、例えば韓国のように先行している事例でいくと、勿論、韓国と日本では労働の環境が違いますけれども、2年ということでの数字が1つあるなということであります。
 また、我が国で初めてこういう制度を導入するわけでありますので、何年か、というのはなかなか決めにくいところがあるのですけれども、例えば現在労働基準法の14条に1回当たりの利用可能期間として、3年という数字が出ており、制度のなじみやすさ、親和性ということから言えば、1つ参考になるのではないかと思っております。
 仮に、これがこの審議会の中で建議としてまとめられて一定の年数が決定されるとなったとしても、冒頭に言いましたように、どのような作用・副作用が出るかがよくわからないというところがありまして、法律が施行された後の状況、これは雇止めがどうなっていくのか、無期に転換される比率がどうなっていくのか。韓国では随分詳細に調べられておりますけれども、こういった状況を見ながら、法律施行後に見直しの条項といいますか、仕組みを入れておく必要があると思います。制度をつくるときから見直しを組み込んだ制度としていくことが必要ではないかと考えております。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 それでは、輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 ありがとうございます。
 この利用可能期間を何年にするかというのは、私どもも非常に関心があるところでございます。
 私どもの感覚だけ申し上げておきますけれども、この年数の設定ということについては、雇止めの懸念が少ないということが非常に重要だろう。それから、できるだけ無期に転換ができる、無期に転換がつながりやすいというような時間軸が必要だろうということから、相当程度余裕を持った設定が不可欠だというふうに考えております。
 実際上、無期へのハードルが私どもとしては非常に高いというふうに思いますので、試用期間的な短い期間の設定ということには非常に違和感を覚えるということでございます。円滑な無期転換ができるだけの十分な人材育成、またはそれを評価する仕組み、時間というものが必要なのではないかというふうに思っております。
 それから、かなり産業別の実態が異なっているということがあると思いますので、これも含めて相当程度時間的な余裕、十分な余裕が必要だろうというふうに思っています。
 それは新谷委員がおっしゃったように、親和性から言うと、私どもも14条が何となく気にはなりますけれども、その点で言えば、3年、5年でありますから、5年の契約の人が1回更新をすると10年でありますから、基本的には10年だろうというふうにも思いますし、あと、私どものイメージですけれども、企業の基本的な平均勤続年数から無理な労働市場の混乱を招かないという観点から言えば、少なくとも7年という期間が必要だろうというふうに思っているところです。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。それぞれ御意見ということだと思います。
 では、田中委員、どうぞ。
○田中委員 ありがとございます。
 事務局にお尋ねしたいのですが、今、新谷委員、輪島委員のお二方から利用可能期間についての御意見がありましたけれども、そもそも有期労働契約はかなり幅が広く、勿論、派遣の方も派遣元との関係では労働契約が存在するかと思います。
 この何年という考え方に、例えば派遣の方あるいはパートタイムの方、こういう方たちをすべて含んだ有期労働契約としての今回の論点提示なのかというところを確認させていただきたいと思います。
 なぜならば、これが全部にかかってくるとなると、今、いろいろ議論されています派遣法あるいはパートタイム労働法であるとか、このすべてに影響が出る話ですし、ある意味では、今、日本が持っている契約の在り方そのものを全部見直さなければいけないという考え方にもつながるのではないかと思います。どこまでをカバーする範囲とお考えになり、今回、論点提示いただいたのかをまず教えていただきたいと思います。その上で意見を言わせていただきたいと思います。
○岩村分科会長 では、事務局、お願いいたします。
○田中労働条件政策課長 有期労働契約という契約期間の定めというのは、いわゆる非正規の多様な形態に対して横断的に見られる要素というふうに、これまでも説明させていただきまして、そういう人数を考える際にも、派遣もパートも含めて、あるいは契約社員、期間工も含めて何人であるかという議論をさせていただいてきたと思います。
 今回の際にも、そういう意味で各非正規の労働契約を含めて、我が国の有期労働契約全般についてこういうルールを考えてはどうかという考え方として示させていただいております。
 特殊な形態として派遣労働というものがございますけれども、派遣労働については実際に労働者と派遣元、派遣先という三者がございますが、あくまで労働契約のルールでありまして、労働契約は派遣においては派遣元と労働者で締結されております。したがって、派遣元と労働者の関係において、どのようなルールを適用するかということについて、今回の議論の中に含まれるというふうに考えております。
○岩村分科会長 田中委員、どうぞ。
○田中委員 ありがとうございます。
 今の御説明を受けますと、派遣の方の人数というのは、今までも多かったと思いますが、派遣社員で考えると、派遣元、派遣会社にとっては、ある一定期間登録なり、あるいは労働契約を結んでいた社員の方は、その期間を過ぎると、その派遣会社の無期契約の社員となるという御提案をいただいていると、今、私は理解したのですが、今の派遣法の議論の中でも常用労働の議論があったと思いますが、この提案は、派遣労働というものをかなり根源からもう一回議論しなければいけないような、派遣元の会社にとっては大きな議論ではないかなという意見を持っております。
 今、たまたま派遣のことをお話しましたが、人と会社の関係というのは間に仕事が介在していると思います。雇用期間の無期と有期の一番大きな違いは、確かにまず期間が違うことですが、それ故に、その仕事の設計や、その人への期待値を考えるとき、どのぐらいのスパンで見て考えるか、どのスパンで人と仕事のマッチングを見るかということが、多分労働者側にとっても会社側にとっても大事になってきます。つまり、有期と無期では、そのマッチングのスパンが違うと理解しています。
 具体的にいうと、無期の方の場合は、例えば60歳までは間に転勤があったり、いろいろなことが変わるのが通常で、今、こういう仕事をしていて、次はこういう仕事をするとか、仕事が変わって気持ちも変わったり、期待や役割が変わったりしていきます。
 有期は、そのマッチングのスパンが短いのだと思います。今、こういう働き方をしたい、今、こういう仕事に人が欲しいというようにマッチングのスパンが短いため、双方のその時のニーズに合う形態ではないかと思っております。ですから有期から無期に契約形態を移行するときには、単に期間を長くするだけではなくて、先ほど池田委員からもお話がありましたけれども、解雇のところだけではなくて、無期にあった処遇カーブとか、あるいは無期を前提とした仕事と人のマッチングの仕組みとか、これそのものも変えていかないといけないのではないでしょうか。
 以前に意見を言わせていただいたのですが、昔の雇用機会均等法施行以前は、いわゆるトラック別、コース別といわれる形態をとっている会社が多くあり、別々の処遇が1つの会社の中にありました。これは、差別感を誘発するケースもありましたし、あるいは濫用が起こるというようなデメリットもありました。それをもう一度再現してしまうのではないかと危惧します。
 したがって、この有期を無期にという論点2については、併せて、マッチングスパンが非常に長い無期の働き方と、短い有期の働き方を仕組みとしてどう設計していくかという議論していかないと、少しいびつな問題が出てくるのではないかという意見を持っております。
○岩村分科会長 ありがとうございます。御意見ということで承るということにいたしたいと思います。
 それでは、ほかにいかがでございましょう。宮本委員、どうぞ。
○宮本委員 クーリング期間のことですけれども、意見を申し上げたいと思います。事務局の論点の中に、クーリング期間を設けるとすれば、どのぐらいの期間とするかという記載が2ポツのところにあります。
 労側としては、クーリング期間というのは基本的には設けるべきではないと思っています。
 有期契約で同一の労働者を再度改めて有期労働契約を締結する際に、ごく短期間のクーリング期間を設定するだけで同一の使用者がまた同じ労働契約、有期契約で同じ労働者が使用できるということになれば、規制は余り意味がないのではないかと思います。
 例えばドイツでは、有期あるいは無期を問わずに、以前に雇用契約を締結した者とは有期雇用契約を締結することはできないという規定になっていると聞いております。また、例えば労働者派遣の場合でもクーリング期間として3か月というのがありましたけれども、このときも3か月にプラス1日の間を空けて、また同じ労働者を派遣で受け入れたというような事案や、同じ労働者を派遣と、請負と、一定期間ずつ繰り返して使っていたという事案も過去にあったと思っています。
 そういうような脱法的な行為が相次いでいたということも考えてみますと、クーリング期間を設けるということが、有期労働契約を例外的なものとして位置づけようとしている今回の規制に当たっては、潜脱となりかねないような気がするわけであります。改めて、このクーリング期間について反対という意見を申し上げたいと思います。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 先ほどお手が挙がったのは宮地委員、三浦委員でしたか。あとは池田委員ですか。輪島委員、今の関連でしょうか。それでは、まず輪島委員にお願いをしたいと思います。
○輪島委員 ありがとうございます。
 宮本委員に御質問ですけれども、もし利用可能期間を制度的に入れると、そこでリミットが来るわけですね。クーリング期間を入れないとなると、おっしゃったように翌日から契約、今、言っているのは雇止めなので、その利用可能期間の上限で雇止めをして、極端なことを言えば翌日からもう一回、それを新しい契約と呼ぶのか、更新と呼ぶのか、またいろいろあるのかもしれません。一応新しい契約を結ぶということになると、むしろそれの方が非常に危険な状態になるわけで、いわゆる利用可能期間を設けるのであれば、クーリング期間というのは設けるということが私どもは必然ではないかと思うんです。
 それで、またすぐ新しい契約として、前の契約の利用可能期間上限までいって、またすぐ期間を置かずに新しい契約の方が望ましいとおっしゃるのであればそうだと思うんですけれども、その点はいかがなんですか。
○岩村分科会長 御質問だったのですが、新谷委員の方でお答えになりますか。では、新谷委員、お願いします。
○新谷委員 今、御質問をいただきましたけれども、輪島委員の御質問はクーリング期間といったものをどういうものとしてとらえるかによると思います。
 例えば有期の契約のとらえ方として、私どもとして前から申し上げているように、雇用の原則は無期雇用とするべきであるという観点に立てば、有期の労働契約を利用するに際しては、この一定年限を過ぎれば利用期間は終わり、次はもうないということになります。まさしくドイツの法制のように1回利用すれば次の利用はないというものを考えている。そういった意味ではクーリング期間というのはあり得ないという立場で申し上げているということであります。
 もし、公益の先生の方でドイツの法制の組み立て、あるいは現状がおわかりになれば、御紹介をいただければと思っております。
○岩村分科会長 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 中島委員にお伺いしますけれども、期間労働者、今、2年11か月で運用されていますけれども、その点でリピーターの方がかなりいらっしゃると思いますが、基本的にそれでクーリング期間を設けなくてドイツのようになしということになりますと、二度と職場に戻れないということも起こり得ますけれども、その点は大丈夫なんですか。
 私の方としては、少なくともそれは対応としては、非常に現実としては無理な御主張なのではないかと思います。
○岩村分科会長 中島委員への御質問ですが、新谷委員の方でお答えいただこうと思います。
○新谷委員 私どもは原則論として申し上げているわけでありまして、クーリング期間の在り方について、今後論議することには全然やぶさかではありません。雇用の原則は無期であるという私どもの立場から言えば、一旦利用可能期間まで利用すれば基本的には次の有期はあり得ないのだということを、まず申し上げておきたいと思います。
 勿論、現実的な産業の動きの中で、このクーリング期間の在り方をどう設定するかというのは十分検討させていただきたいと思います。
 ただ、先ほど言いましたように、派遣法の潜脱的な利用、今、3か月という派遣法でのクーリング期間がありますけれども、1日を超えればいいんだねというような利用の実態もありますので、余りに短いということでありますと、私どもが申し上げた原則からは遠く離れていってしまいます。そこで、そのあるべき姿というのは、これから十分論議させていただきたいと思っています。
○岩村分科会長 それでは、関連して安永委員、どうぞ。
○安永委員 クーリング期間の議論に関連して、クーリング期間の設定などで懸念している点について申し上げたいと思います。
 仮に上限期間ぎりぎりまで有期で活用して契約を終了ということになって、その後、雇用保険を受給させておいて、雇用保険が切れたタイミングで、再度有期で活用するというような無期に転換することを逃れるための脱法行為といったこと、安易な雇用止めを誘発するモラルハザードを引き起こすことにもなることを懸念いたしております。
 それから、仮にこういうことが起こりますと、使用者都合の雇止めの責任を雇用保険、雇用保険は労使及び国の三者で負担をしているわけですが、そこで肩代わりをさせていくということにもなります。
 それから、雇止めを多く発生させた使用者についても、別にペナルティーがあるわけでもございません。仮に百歩譲ってクーリング期間を設定するとしても、雇用保険の基本手当ての受給可能期間よりも長い期間で設定すべきだというふうに思っております。
 例えば賃金台帳の保存期間は3年となっておりますし、雇用保険の被保険者に関する書類は4年間保管するということにもなっておりますので、それらの規定も参考にしながら議論すればいいのではないかなというふうに思います。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 先ほどドイツについてということで、公益の方のどなたかという御質問があったのですが、村中委員にお願いします。
○村中委員 規制の内容自体は、基本的にドイツのものの考え方ということを少し御紹介しますと、ドイツ法はとにかくルールをつくりますと、ルールを強く守らせる、守っていただくという考え方が非常に強いです。
 ですから、例えば雇止めの法理というのは、我が国では日立メディコの判決なんかで、理由は雇用継続に対する信頼の保護から導いておりますけれども、ドイツでは雇止めの連鎖労働契約についての規制は、解雇保護法の潜脱を防止するということが理由で、そういう法理が発達をしております。
 そうすると、今、クーリング期間の話というのは、ドイツ法的な考え方からすると、やはり法のルールをせっかくつくっても潜脱につながるのではないかということは強く懸念するのではなかろうか。その考え方が強いということですね。それはドイツにおける物事の考え方、法というものに対する我が国における考え方、その違いから来ているんだろうというふうに思います。
 それを我が国で、ドイツの考え方をそのまま法思想といいますか、規範意識というか、そういうものを入れないといけないというものでもないだろうし、やはり両国の違いというのを考えながら判断していけばいいのではないかというふうに思います。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 では、荒木委員。
○荒木委員 ドイツの考え方は、今、村中先生に御紹介いただいたとおりですが、少し技術的な点の御質問もあったと思いますので、私の知っている限りでお答えいたします。ドイツの1985年法は、初めて雇う場合に客観的な理由なく使ってよろしいということでありましたけれども、1996年法は、まさにこのクーリング期間を入れまして、以前に雇っていても4ヶ月以上の間隔を置けば客観的理由なく有期契約を使ってよろしい。しかし、従来の有期契約との間に4か月以上の期間を置かなければ、そのまま継続した連鎖契約とみなすという形で、4か月のクーリング期間規制を入れました。
 しかし、これが濫用されているというような指摘もありまして、現行の2000年法では客観的な理由なく締結していい有期労働契約は新規雇用に限るというふうに、また規制を強化しました。
 日本で紹介されているのは現行法がそういうものだということだと思うのですが、実は今年、労働裁判所の最高裁に当たる連邦労働裁判所の判決が出まして、立法はそうなっているけれども、3年間のクーリング期間を置けば新規雇用でなくても有期契約を利用してよろしいという新たな判断が示されました。
 クーリング期間を、一旦2000年に廃止したことについてはさまざまな議論がありまして、それだと結局、無業・失業状態から何とか失業対策という趣旨もあって、有期契約を利用するということができない。失業状態と雇用がある有期契約とどちらがいいんだという議論をすると、やはり有期契約の雇用があった方がいい。かつ、ドイツのように上限規制をしておりますと、いつまでも有期で使われている展望のないものではありませんで、上限が来れば、無期に転換し、安定雇用に移る。そういう有期契約であれば、むしろ無業・失業から有期雇用を経て安定雇用へと移るステップとして、むしろこれを活用するという発想もあってもいいのではないかということになります。そこで、クーリング期間を入れつつ有期契約の締結を認め、そして安定雇用に移動させるべきだという議論は、常に現行法の改正案として出ていたところです。
 そういう中で、裁判所が立法の改正を待つことなく、新規雇用でなくてもよいという判断を下したところでありまして、この点もよく研究しなければいけないと考えているところです。
○岩村分科会長 ありがとうございました。
 輪島委員のお手が挙がっているんで、先ほど来、御発言をお待ちの方がいらっしゃるので、宮地委員、三浦委員、池田委員だと思います。レディーファーストで宮地委員からということでお願いします。
○宮地委員 意見ですけれども、さきのところの利用可能期間に関してですが、この利用期間をどう設定するかで、クーリング期間に関しての考え方も変わってくると思います。
 利用期間設定に関して、デメリットである雇止めの発生をいかに少なくしていくかというのは、企業としてもとても大切なことだと思います。
 私どもの百貨店業界では、反復更新をしている企業が大半でございます。
 その中で、業界の有期契約労働者の平均勤続年数は、7年でございます。
 働く方たちも、その企業とのマッチングをはかる期間があると思います。無期転換に際して、平均勤続年数の7年は考慮される期間として有用だと思われます。
 この期間を、最低限死守するということによって、百貨店業界の企業として雇止めがある程度抑えられるというように感じております。平均勤続年数は企業によって違うと思いますけれども、7年より長い期間の設定をしていただきたいというのが私の意見でございます。
○岩村分科会長 ありがとうございます。御意見ということで承りたいと思います。
 では、三浦委員、どうぞ。
○三浦委員 今までの方の意見と若干重なるところもあるんですけれども、この中にある利用可能期間と、雇止めの懸念というものを考えながら利用期間というものを考えなければいけない。余り短くしてしまうと、やはり経営側としては雇止めということに走らざるを得ないような局面が出てくるのではないかというのが、1つの懸念であります。
 特に最初の方にあったんですけれども、労働者から申し出が一定年数を超えてなされると無期になる。申し出しなかった場合でも、申し出権というのはそのまま続いていて、いつでも申し入れられるような状態が続くという、ある面で不安定な状態が続くということも考えますと、そういったことをなくすために雇止めということが発生する懸念というのは十分あるというふうに思いますので、利用可能期間というのは、そういったことを考えながら現実的なものを考えていく必要があるだろうというふうに思います。
 もう一つはクーリング期間ですけれども、基本的に地域の人たちを有期で雇用しているというような中小企業が多いわけですけれども、そういったところでクーリング期間を余り長くする、あるいはクーリング期間がないという形になるとすれば、雇止めによって次の雇用ができなくなる。あるいはクーリング期間が長いことによって、その地域の雇用が一時的に失われるということも十分注意しなければいけないということがあると思います。
 そういったことを十分考えながら、原則論でなくて、現実的な対応をする必要があるというふうに考えます。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 では、池田委員、お待たせいたしました。
○池田委員 1、2質問があるんですけれども、この問題で有期雇用というのは雇用の安定には十分つながっていると思うんですけれども、濫用的利用の抑制というのがありますけれども、本当にこれ、かえってこういう規制をすると濫用する人が増えてしまうのではないかということは、一方で当然考えられるので、その辺も十分考えていただかないといけないと思うんです。
 もう一つは、期間の問題で時間軸というのはどうなっているのかなということなんですけれども、ただ何年、5年いればいいのか、週何時間でもいいのかというところの内容は、例えばこれからの少子化時代でしたい仕事、する仕事というのは多様性があって出てくると思うのが当然で、この会社に週に3日行って、この会社に週に3日行くというのがあり得るかもしれないんですね。
 そうすると、そこに5年いたらこっちの会社でも正社員、こっちでも正社員になれるのかと。今、基本的には正社員には1つしかなれないですね。そうすると、そういう正規社員でもそういうことを認めてしまうのかなということで、時間をどうするのか。
 だから、一方で正社員になるにはどこの企業でも幾つものハードルがあると思うんですね。何時間働くとか、試験もあるでしょうし、そういうハードルを越えていかないと会社も安心して正社員にできない。正社員になる方もそれだけの自覚を持ってやっていくという中で正社員にしていくんだとかですね。
 よく募集の中に「正社員への道あり」と書いてあるのが、今でもありますね。だから、今、それぞれはそれぞれの企業がそれぞれの道を通っているんだと思うので、そこにかえってこういう期間を一方的に設けてやっていくというのは、非常にナンセンスではないかなと。
 一方では雇用の機会を減らしていくことは濫用されることも十分あり得るんです。
 私の1つの質問は、時間をどう考えるのかなということと、もう一つは、派遣会社はどうなるのか。派遣会社というのはいろいろなスタッフを抱えていて、必要なところに派遣される方はいいけれども、派遣する会社は適用除外になるのか。
 そうすると、やはりいろいろな優秀なスタッフを自分のマーケットとして抱えていて、必要なところに割り当てて、季節性もあるし、時間もあるわけですから、派遣会社もそういう人たちを、3年がかかって全部正社員にしていかなければいけないといったら、派遣会社の業務自体ができ得ませんね。だから、派遣会社は適用除外にしてしまうのかということもあると思います。
 例えばこういう質問が出ているんですけれども、有期から無期に変えた後に派遣会社、求職事業をしている会社で、そこに契約を切られてしまったというときに、一般的な有期から無期に変えたときに、一般的な解雇事由としていいのか、例えばそうなったときにできるのかという質問も出ていますから、こういういろいろな問題がまだまだ解決しなければならないものが、単に年数だけいたら一方的にしろということは、現在としてはまだ乱暴なのではないかということがあります。
 それから、先ほど御質問した1つは、本当に有期から無期になった社員は、期間以外は正社員と条件が違っていいんだということが、労使協定で本当にそういう歯どめができるんですか。ほかの条件は違う、正社員が2種類あるということが権利として認められるのかなということが、今度はこれをやった場合にそれをはっきりしておかないと、2種類の正社員をどう扱うのかということ、労働者側としてエスカレートしてくるところが出てくると思うんで、非常にその辺が難しいのではないかなと思うんです。
 以上です。
○岩村分科会長 伊藤委員、お手が挙がりました。関連してということでございましょうか。あるいは別途ということでございましょうか。
○伊藤委員 ありがとうございます。
 先ほど期間の話がございました、当然ながら雇止めということを考えれば長期間であろうということが考え方として出てくるわけでございますが、輪島委員の方からも10年とか7年とかいう話がございまして、私どもも実は長時間のパートタイマーは、この会議でも申し上げましたけれども、7年が平均でございます。
 ただ、そう考えますと、不合理・不適正・不安定ということがそのことなのかと疑問に思います。本来一体何を対象に目的を定めて論議してきたのかという話があるわけでございまして、例えば2年11か月社会保険に入って、その後、国民年金、国民健康保険に入って、未納が発生するのかどうかはわかりませんけれども。私どもも学生がおり、短時間の本当に短い2時間、3時間の方がおり、長時間の方がおり、当然ながらそれぞれで勤続は全部違います。
 先ほどマッチングという話がございましたが、業種、業態でも、それぞれ違うというふうに思っています。
 事務局に伺いたいのは、そこの一律的な対応は、本当に実際に働いている方を見て可能なことなのかということです。無期というのは1つの労働条件になります。
 労働条件というのは能力であったり、成果であったり、そういったこともかんがみて設定されるというのが本来であって、1つ違う視点が入るということになるわけですけれども、そのことが日本という中において適正に運用されるんだろうかということを素朴に思います。その辺を事務局としては、今までのアンケート結果等も踏まえてどういうふうにお考えかなと思います。
○岩村分科会長 それでは、事務局にお二方から御質問でしたので、お願いをしたいと思います。
○田中労働条件政策課長 まず、池田委員の御質問でございます。
 労働時間の点ですけれども、有期契約労働者の所定労働時間あるいは残業があるかどうかといった実際の労働時間は、多種多様でございまして、私どもとしては、労働時間の設定につきましては、今回の御提案の中では、例えば短い人についての適用除外は必ずしも適当ではないのではないかと。労働時間も同様な形で無期の短時間の労働者になっていただくというルールを念頭に置いております。
 それから、多重就労のような場合を例に挙げられたと思います。A会社とB会社でそれぞれ週に何日かずつ雇用されている。しかも、両方とも有期契約であるというような事例で、仮にどちらかの会社の有期労働契約が一定年数に達したということを考える必要があると思います。
 その際に、今、御提示している案ですと、その労働者とA会社との関係で、先ほど説明しています申出権といったものが発生するわけでございます。勿論その労働者の方はB会社とも雇用契約を結んでおります。そういった状況の中で、A会社との間で無期に労働契約を転換するかどうかというものは、労働者の選択の問題だと思いますけれども、まさに申し出をするかどうかという労働者の選択に係らしめて判断してはどうかというふうに考えております。
 それから、派遣の関係でございます。これも先ほど御質問がありましたけれども、私どもの整理は、派遣元と派遣労働者の関係でのルールについては、派遣形態も含めてルールの在り方を考えてはどうかというふうに思っております。
 派遣労働につきましても、無期あるいは常用型で派遣される労働者も存在をいたしております。一方で、いわゆる登録型の方も存在しておりますけれども、派遣元との関係では等しく労働契約であることは間違いありません。そういう前提の下で御議論いただきたいというふうに思います。
 それから、有期から無期に転換した後で、当該仕事がなくなったり,事業所がなくなったり、あるいはその他事情の変更があって契約を続けられないということでありますと、勿論期間の定めがないわけですから、当然には契約は終了しません。したがいまして、今で言いますと労働契約法第16条の解雇の相当理由があるかどうかということで判断をされるということでありますけれども、判断の状況につきましては、先ほど荒木先生がおっしゃったような状況ではないかと思っております。
 伊藤委員に御質問いただいた部分でございますけれども、学生、短時間あるいは長時間、それぞれ社員の区分があるということでございます。今は、先ほど池田委員からも御指摘されておりますけれども、有期から正社員に変えるというイメージと、有期から無期社員に変えるというイメージが重なって議論されているように思います。それは勿論、我が国においては、無期イコール正社員というふうに、現実的に雇用管理をされているところがあり、かつ、正社員についても雇用管理が単一的な会社も非常に多いということではございます。
 しかしながら、この分科会で昨年御紹介した事例でもありますけれども、無期の中でも正社員の下に準社員を設けたりしながら、さまざまな区分を設けて多様なニーズに応えている企業も増えてきております。
 そういった状況を踏まえますと、無期の世界の中でいろいろな雇用管理を多様なニーズに合わせて行っていくということは、1つの考え方ではないか。そういう状況の中で有期から無期に転換をしていく。
 無期から正社員への転換というのは、勿論、政策的にはいろいろと助成金も出させていただいて、有期から正社員に向けた転換については御支援申し上げ、また、御協力いただいているところですけれども、今回は、ルールとしては有期から無期への転換です。それから、正社員に転換するのか、あるいは無期でも正社員まで行かずにキャリアを別の形で積んでいっていただくのかということについては、まさに経営判断であり、労働者の選択の問題ということがあり、それは非常に多様なものがあるというふうに理解しておりますので、先ほどから申し上げていますように、本件の中でも多様な雇用管理が一定進んできている部分があり、そういう状況の下で対応可能性というものが一定程度あるのかなと事務局としては思っております。そういう視点で御議論いただければと思います。
○岩村分科会長 それでは、輪島委員のお手が挙がっています。その後に新谷委員ということで、お願いします。
○輪島委員 ありがとうございます。
 クーリングに戻って、まず事務局にお伺いしたいと思います。クーリング期間というふうに俗に言われているものですけれども、もう一度錯綜しないように定義を教えていただきたいということ。
 宮本委員と中島委員にお伺いをしますけれども、失礼ながら個人的な考えをお聞きしたいなと思うんです。全部新谷さんが引き取ってお答えになるので、先ほど引き取っておっしゃった新谷委員の考え方をサポートして、YESなのかNOなのかということだけ、短くお答えをいただきたいというふうに思います。
 例えばトヨタの期間従業員の求人チラシがございますけれども、私がそれを見る限り、先ほど申しましたようにリピーターを歓迎している。例えば2年11か月のことを1回やった経験者にはインセンティブ、つまり基本日給で差がついているんですね。9,000〜9,800円、2年満了経験者にはそもそも1万円、2年11か月の満了経験者1万300円というふうに、そもそもリピーターを歓迎してインセンティブを付けている。
 求人票によれば平成8年以降、6か月以上の契約満了者を1回というふうにカウントして、更に細かく日給の差別化をしているということが、この求人票からは見てとれます。
 ということは、やはりもし論点2の利用可能期間上限ということを設けるということだとすれば、やはりクーリング期間というものをしっかり設けて、それできちんとリピーターであるということを整理する必要があるのではないかというふうに思います。
 クーリング期間を設けないという考え方は、そういう観点から労働者にとっても厳しいことになるのではないか。満了してしまうと、その会社の有期の雇用の機会の応募すらできないということになると、結果としてそこで経験したもの、例えば優れた技能を持っていたとしても応募ができないということは、ある一定程度の職業選択の自由を制限することにもつながるのではないかというふうに思っています。
 また、地域的な問題ですけれども、それほど多く雇用機会がないところというのもかなり想定をされますので、そういうところでの雇用を継続させるというような意味合いからも、利用可能期間とのセットの問題なのではないかというふうに思っているところです。
 先ほど荒木先生からドイツのことを御紹介いただきましたが、私どもは基本的に年単位というのは非常に強いなと思っているところでございます。先ほど申しましたように、当該企業での継続的な就業を希望するというような人たちに、年単位でその会社に再度雇用される機会を奪うというようなことはかなり厳しいのではないかというふうに思っておりまして、不合理・不適正な反復更新を防止するという意味合いからは、やはり月単位ということが想定されるべきことだと思っておりまして、私どもとしては、基本的には現行の派遣の制度が3か月ということもあり、そのことを強く参考にすると、3か月が適切ではないかなと思っているところです。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。御意見と、それから事務局の方で、まずお答えいただいて、あと、労側の方で、もし可能であればお答えいただくということにしたいと思います。では、お願いします。
○田中労働条件政策課長 輪島委員からクーリング期間の定義についての御質問でございます。
 実は、資料1の2の黒ポツの2つ目に定義として書いたつもりでございますが、非常にわかりにくい定義になっているかもしれません。
 有期労働契約をいつ結ぶか結ばないかというのは、先ほど申し上げましたように、あくまで労使の合意によるということでございまして、このクーリング期間を、有期労働契約を締結できない期間と考えるのはよくないというふうには、一応思っています。これも御異論があるかもしれません。
 そういう視点からいきますと、この上の制度設計との関係だけで定義をしてみたんですけれども、同じ労働者と同じ使用者が無期転換の権利が発生しないような状態で有期契約を締結できるというような状態になるまでの期間ということです。勿論その前に何回か有期契約が更新されていて、一旦契約終了になって、再度有期契約を結ぶという時点の話なんですけれども、そういう場合に新たに結ぶ有期労働契約について、上の制度による無期の転換権が行使されないような状態での契約が結べるには、前の契約とどれぐらい期間を空けるということになるのかという視点からの定義にしております。
 これについてもクーリング期間をどのような視点から議論するかによって微妙に差があるものと考えておりますので、一応の定義ということでごらんいただきたいと思います。
○岩村分科会長 労側はいかがでございますか。では、お願いいたします。宮本委員、どうぞ。
○宮本委員 先ほど申し上げた内容については、私の個人的意見も含めて言ったつもりでありますが、新谷委員がお答えをした内容であります。
 雇用の原則が無期ということと、先ほど御紹介いただいたドイツの例を参考にすればクーリング期間は要らないと思いますし、これまでの派遣などで過去起きたような脱法的な事案も勘案すると、それが妥当だというふうに考えたわけであります。
○岩村分科会長 中島委員、どうぞ。
○中島委員 輪島委員から、私の声をお聞きになりたいとのご要望をいただきましたので、発言をさせていただきますけれども、自動車産業なんかにおきましてもさまざまな各社の事情がありまして、やり方もさまざまでございますので、1つの企業を取り上げてこういう場でそれをベースに話すということがありますので、そこについて余り個別の事情を持ち込むということはしたくないと思っておりますし、先ほど新谷委員の中からもそれぞれの産業があるので少しここの部分を検討することもあるような御発言もありましたので、やはり個別の事情があるということも理解しつつ、やはり検討はされていくというふうに思っておりますので、新谷委員の発言の内容でいいのではないかと思っております。
○岩村分科会長 島田委員、新谷委員といって大分長くなってきましたので、1回この辺で休憩を入れたいものですから、新谷委員のところまでご発言いただいて、一度休憩をさせていただくということにしたいと思います。
○島田委員 クーリング期間の関係でいろいろもめているのですが、私もこの内容がわからないのは、今の事務局が出された最初の前提からスタートして、この制度だったらクーリング期間が要るのかということです。
 私が最初に提案した内容のように、原則は無期に行くんだけれども、このまま有期のままで行きたいという人は自己申告によって有期雇用になるとしたら、その場合は、多分クーリング期間は要らないんだと思います。自己申告で、自分の意思で有期を選択したわけだから、そこでクーリング期間を空ける必要はないという感覚を持っています。
 申し出によって無期に転換するという事務局の提案からいくとその部分は、要するに、意思表示をしていない人をそのまま雇い続けるのが本当にいいかという意味で、クーリング期間というのが出たのかなという気がしているんですね。
 だから、そこの議論がないと、クーリング期間を設けるか設けないかの話もまたややこしくなってくると思います。
先ほど質問いたしましたが、上限期間到来後も、何もしなかったら有期のまま続けていても法律的に違反ではないということであれば、クーリング期間はなしでやっていけると思います。
 要するに、クーリング期間は、雇止めをした人に対してどうするかの話だと思います。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 それでは、新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 論点2の2つ目まで来ておりますので、今まで使用者側の発言が続きましたので、それに対する感想も含めて申し上げたいと思っています。
 使用者側委員からの御発言の中で、有期雇用が雇用の安定につながるという発言がありましたが、これは私どもは、有期契約労働に雇用の不安定があるから、今回この検討をしていると思ってございますので、そこのところの認識が全く違うということを、まず申し上げておきたいと思います。
 それと、派遣についての言及がお二方からあったと思いますが、何かお聞きしていますと派遣労働者は契約原則があたかもないように聞こえたのですが、派遣元と派遣労働者の間には当然契約原則があって、有期労働契約を締結されているわけでありますから、それは派遣先の派遣契約によって何ら影響を与えるものではないと思っています。当然その期間中の解約については、労働契約法の17条の適用によって解雇がかなり制限をされるわけでありますから、無原則に派遣労働ということだけで、労働者の権利が阻害されるかのような発言については非常に心外だと思っております。
 派遣法はいまだ、国会では継続審議の状況が続いておりますが、特に登録型派遣については、あのような形態が日本の雇用社会の中で本当にふさわしいのかについては、改めて論議をしたいと思っております。
 それと、利用可能期間に関連して、使用者側委員から、先ほど来、平均勤続7年というご発言もありましたが、それは委員の出身企業での平均年数だと思います。この論議を始める際に定量的にとられたアンケートから実際の勤続年数をとらえると、3年以内、3〜5年、5年超という区分で分けますと、ちょうど、3対3対3になっております。実際の勤続年数が一体どうなっているのか、この辺の実態をどう見るかというところを、やはり検討の中に入れておくべきではないかと思います。
冒頭に申し上げたように、これは我が国で初めて入れる制度でありますから、この期間の長さがどのように作用するか、どんな副作用が出るかというのはよくわからない部分があると思います。これについては、大量観察といいますか、実際の定量的なデータの中で、勤続年数との関係でとらえていくということが重要な視点ではないかと思います。
 それと、先ほど使用者側委員が7年とか10年という根拠の中で、今の基準法14条の60歳以上と、高度専門職について認められている5年というものを根拠にして、1回更新すれば10年ということをおっしゃったんですけれども、これも実際の1回の契約が3年を超えている契約というのが、実は4.4%しかないわけでありまして、5年については、ほとんどないと思うのです。そういう実態がある中で、これをどう評価するかは、十分検討する必要があるのではないかと思っております。
○岩村分科会長 ありがとうございます。それでは、ここで5分ほど休憩に入りたいと思いますが、池田委員、簡潔にお願いできますでしょうか。御退席だと思いますので。
○池田委員 今、お話にあった見解の違いは大きいと思うんですね。雇用の安定というのは、私どもはある部分についてはすごく安定しているのではないかという考えを持っている。若い人は別ですよと。それを十把一からげにしてこういう規制をするのはおかしいのではないかと私は思っているわけです。
 だから、雇用の安定をどこの部分が安定して、どこの部分が安定してないか、これは今回の大きな問題だと思うんで、これは労使の見解を十分に、もう一回、また日を変えてもお話し合いをする機会を設けた方がいいと思います。
○岩村分科会長 ありがとうございました。
 それでは、5分間休憩ということにさせていただいて、11時半ごろから再開というふうにしたいと思います。
(休 憩)
○岩村分科会長 それでは、再開いたしたいと思います。
 個人的には論点3に移りたいのですが、まだ論点2の後段について言い足りないというお感じかもしれませんので、もう少しだけ論点2の後段について、議論を続けたいと思います。
 では、伊丹委員と安永委員のお手が挙がっていますので、伊丹委員からどうぞ。
○伊丹委員 ありがとうございます。
 今日は本当にニュートラルに、特に論点2について何が問題なのかということをクリアーにしたいので、できれば事務局なり、どなたかに御意見をいただければと思うのですが、企業は経済合理性で考えていかなければいけない。また一方で、労働者の雇用の安定を何とか図っていかなければいけない。
 今の論点2の出口規制については、島田委員もおっしゃっていましたが、だれを対象に議論するのかを考えて、期間の長さやクーリング期間の長さ、有無などを考えなければいけないと思います。その際、有期では鼻からできないとするのではなく、有期でも職業能力開発ができ、高い処遇を得られるようにしていくということが、社会全体で促進されないといけない。そのときに仕事が自分に合うかどうかということも含めて考えないといけない。
 つまり、有期で雇われた人材はそこで一定の研修やOJTを受けながら、一方で会社もその人材が、どれほど有用に活躍していただけるのかということを見極めなければならず、その意味では、法的に規制して有期を無期にするというよりも、やはり労使双方が納得し見極められる期間があるべきだろうということで、基本的には一定程度の長さの期間が必要だろうと思います。
 この事務局の提案にあるような、労働条件が同じでも無期にするということを、労働者の申し出だけで行うことに関しては、企業にとっては非常に抵抗感があります。企業は例えば7年でも6年でも有期の期間を定めたときに、3年目、4年目、5年目から、見極められた人から先に無期の方に転換させる試験をするだろうし、労働者はそれに向けて、早く無期、正社員になろうとして一生懸命に勉強する。
 ただ、最後に残ってしまった人を経営者はどうするかというと、仮に上限が7年だとすると6年11か月で雇止めをして、一旦その仕事においては申し訳ないけれども、我が社には縁がなかったということになるのではないか。
 一方、会社側の判断ではなくて、本人の事情によって無期社員への道を断念した場合には、事情が変わり同じ会社の同じ仕事でまた働きたいとなった時に、そのことを法的に制約してしまったらいけないのではないか。クーリング期間を設けてでもまた雇える仕組みをつくっておいた方が、そういう人たちにとってはいいのではないか。意思を持って職業能力開発をしながら一生仕事をしていきたい、有期だけではなくて無期で働きたいという人への道と、いろいろな事情があってなかなかそこまでいかない人たちをうまく救う道と、いろいろ考えながらこの期間を設定していくべきではないかと思います。
 事務局あるいは委員の皆さんのご意見を伺いたいと思います。
○岩村分科会長 ありがとうございます。論点2の制度設計の在り方のイメージということだと思うのですが、事務局の方でお願いします。
○田中労働条件政策課長 各期間をどの程度の期間として想定するかによって、そういう議論の様相が変わるというのは、おっしゃるとおりだと思います。
 今、伊丹委員からおっしゃった流れに乗って少し考えてみますと、ある企業で、有期でそれなりの期間を雇用されるということは、その方の職業人生にとって、あるいはキャリア開発にとって非常に重要な成果が、そこに生まれているということだと思いますし、それを的確に評価して、そのキャリアが十分生かされるように、労働政策全体で促していくということは、非常に重要なことだというふうに思っております。
 そういう意味で、今、おっしゃられたことは労働政策あるいは労働市場政策と言うのか、それ全体の視点で見ていかないと、整合的な方向性は出ないのかなとは思っておりますけれども、その中で、やはり有期労働契約が長く反復更新しているという状態をどう整理していくか、どう規律していくかというものは、1つの重要な要素としてあるのではないかというふうに思っております。
 おっしゃるとおり、その際には有期労働者の能力開発とか評価の問題、そういったものも十分意識しながら考えていくという側面があるのかなというふうに私も思います。
○岩村分科会長 伊丹委員、どうぞ。
○伊丹委員 私が申し上げたことは若干不明瞭だったかもしれませんが、結局無期への転換を促すにしても、自動的に行われることは世の中の道理として考えられないと思います。
 私も人事担当者として、無期でもいろいろあるというのは非常に扱いにくい。逆にトラブルを起こしかねないという懸念もあるので、企業としてはそれを回避する行動をするのではないかと思います。
 そういう意味で企業は早めの雇止めをする可能性があると思うのですが、そうすると、今度はまた有能な人材まで雇止めしてしまうとか、社会的な大きな問題を惹起しますので、やはりそれは本意ではない。ぎりぎりのところをねらわないといけないだろうという意味で、期間を少し長くすることによって、そのような問題を解決し、単純に労働条件が同一の無期といったジャンルを多くつくることなく、円滑に正社員への転換ができるのではないかと思うわけです。
○岩村分科会長 ありがとうございました。
 安永委員、どうぞ。
○安永委員 これまでも労側として発言をさせていただいておりますし、今日、使側もあったのですが、利用可能期間の上限ぎりぎりのところで雇止めをされてしまう副作用の可能性について、否定できないのでもう一歩踏み込めないような気がいたしております。そこで事務局にお尋ねしたいのは、雇止め防止策について、何かアイデアはないのかというところでございます。
 無期転用の転換促進に関して、支援措置というようなことを導入することも必要ではないか。例えば正社員などの期間の定めのない労働契約への転換措置を講ずることを、何らかの形で支援をするというようなことについても検討に値するのではないか。ドイツや韓国でも同様の趣旨の規定がされているというふうに聞いておりますので、この制度を導入するのであれば、我が国でもそのようなことについて盛り込むべきではないかというふうに思っております。
 お尋ねの点、よろしくお願いいたします。
○岩村分科会長 では、事務局の方でお願いします。
○田中労働条件政策課長 雇止めの懸念への対応につきましては、先ほど来、議論もあったかと思いますけれども、どれか1つということではなくて、この制度設計をどうするか、あるいは期間の設定をどうするかという、いろいろなバランスの上で最適な解を考えていくことが1つのアプローチだろうというふうに思います。
 もう一つは、上限手前だけに限るわけではないんですけれども、有期の労働契約というものを続けていく、あるいは無期に転換するというのは契約の内容の更新であったり転換でございますし、そういうものを既に労働契約関係に入っている労使で考えていくという意味では、どういう場合に継続されるのか、あるいはどういう場合に転換されるのかといったことを法律のルール以前の問題として、労使の合意によって明確化していくということが非常に必要だと思います。
 そういった労使の自主的な合意の中には、先ほど伊丹委員がおっしゃったような能力開発の問題とか処遇の問題も、十分含まれ得るのではないかとは思っております。そういう意味で、この後の論点になりますけれども、例えば更新の判断基準などといったものを労使でしっかり共有して、充実改善させていくというものも、1つの雇止めの懸念への対応のアプローチではないかと考えています。
 また、政策論として、有期から無期へ、正社員へという大きな流れを後押しするということは重要だと思っております。雇用政策として行われている、正社員転換助成の仕組みというのも既にあります。そういったものも参考になるのではないかと思いますが、労働契約ルールの中で取り扱うのは、やや難しい部分があるかなとも思っております。
○岩村分科会長 輪島委員のお手が挙がっておりましたが、今日はほかの論点もやりたいので、できれば論点2については、一応ここで切らせていただいて、後でまた時間がありましたら、論点2を続けてというふうにさせていただければと思います。
 では、輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 論点2の残りのところを総括的に。
 今の事務局の御回答もそうですし、その前段での伊丹委員の御発言もそうで、私どもは資料1の2の2行目の「期間の定めのない労働契約に転換させる仕組み」ということを理解するのかというのは、かなりハードではないかと思います。企業としては、有期ということと正社員というカテゴリーしかイメージが湧かないのです。
その点で、今、安永委員が御指摘になった副作用の防止というのが非常に重要なのですが、何か決定的な、企業側にもそれだったらなというような知恵を出さないとなかなか難しいのではないかというのが、今の事務局の回答の感想だということです。
 その点でもう一つだけ、副作用の関係で事務局に質問ですけれども、この期間の定めのない労働契約に転換した後の状況における、いわゆる労働契約法16条の解雇のところの整理がどういうふうになるのかということだけ、お聞きをしておきたいと思います。
 その他の論点ですが、適用除外でございますけれども、適用除外は是非設けていただきたいというふうに思っています。まだ私どもでイメージがよくわかないので、もう少し精査をしたいと思いますが、少なくともイメージするのは2点で高齢者のところです。
 考えれば、利用可能期間の上限後に正社員だった人たちが高齢者雇用で上限になって、また無期に変わるというのは、企業の人事管理上、かなり戸惑いが大きいのではないかというふうに思います。
 それから、主たるものが学生で、アルバイト的に、例えば高校の3年間と大学の4年間を同じところでアルバイトで働いていました。では、無期ですねと言われると、そこで申し出ますというのはなかなか厳しい。この点も適用除外という観点で議論をしていただきたいと思います。
 もう一つ、この間、申し上げた点から言うと、私どもは最後の点を経過措置というふうに読んでいるわけですけれども、この点についてもかなり戸惑いが多くて、現状の既に有期で契約している人たちが、法施行後にどのようなことになるのかということについて、基本的な考えをお示しいただきたいというふうに思っているところです。
 とりあえず以上です。
○岩村分科会長 今、輪島委員から特に適用除外とかということでお話がありましたけれども、この段階で、この点について労側で何かお話をされることはございますでしょうか。
 では、新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 これはまさしく組み合わせの問題だと思っていまして、利用可能期間を何年にするのかによって適用除外の範囲も変わってくると思いますので、ここの部分については、利用可能期間の論議と一緒に論議をさせていただきたいと思っております。以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございました。
 事務局、お願いします。
○田中労働条件政策課長 輪島委員からの3点ほどでございます。
 無期になった後の解雇の問題ですけれども、無期になった場合は労働契約法の16条が適用になります。労働契約法16条は、解雇権濫用法理を法制化したものでございます。
 先ほどから申し上げておりましたように、労働条件は有期のときと同じ内容で無期になるということでございまして、労働条件とか雇用管理は、その時点では正社員と非常に違いがある場合が多いというふうに思います。そういった正社員との相違が相当あるという前提の下では、16条を適用して社会的相当性があるかというふうに判断する場合に、正社員と有期から無期に変わった時点の方々が、当然に同じ考え方で判断されることにはならないというふうに考えております。
 適用除外の問題ですけれども、確かに政策的に労働契約に関するルールを除外する必要性があるかなしかという議論が、理論的にはあり得るというふうには思っておりますけれども、今のところ、私どもはそういう具体的なイメージがなかったものですから、今日はそういった御意見があったということでお聞きをしておきたいと思います。
 年齢などは比較的明確なんですけれども、学生かどうかというと、最近はまともに働きながら学生をされる方もおり、そういった方で法律要件を確定するときに労働契約外の事情を考慮する際に、考慮できやすいものと考慮できにくいものがあるということで、この部分は法技術的な困難性を少し感じるということでございます。
 経過措置とおっしゃられた部分は、黒ポツの5点目になります。「制度導入後に締結又は更新された有期労働契約から」ということでございます。ですから、例えばある日にこの制度が導入されたとすると、それまでに締結されていた有期労働契約は、この一定年数のカウントには入らない。その後に新たに締結されたもの、あるいは新たに更新された契約からゼロカウントにしまして、そこから適用開始をして利用可能期間の算定を行うという制度が、法制度導入において通常とられるものではないかと思います。
 現状の中でどういう不都合があるかにつきましては、更にいろいろとお聞きしながら、今後仮に制度を導入するということであれば、その点についても十分検討していきたいと思っております。
○岩村分科会長 よろしいでしょうか。
 それでは、できればまた後ほど、論点2に戻っていただく時間をとりたいと思います。
 では、論点3でございます。論点3は「不合理な『雇止め』への対応」ということでございます。これについて、また御意見あるいは御質問をいただきたいと思います。
 新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 この論点3について、確立した判例ルールである雇止め法理を制定法として明文化するという意義は、非常に大きいと思っております。その際に、最高裁で確定した東芝柳町工場事件と日立メディコ事件の2つの判例をベースに、制定法化を進めるということについては異論ございません。
 ただ、この東芝柳町工場事件の読み方については再三申し上げておりますように、特に日立メディコ事件との対比において、どうも手続のずさんさのみが世の中にイメージとして伝わっておりまして、更新手続さえきちんと踏んでおれば実質無期にはならないんだろうということが、いろいろなセミナー等で喧伝されている事実もございますので、私どもとしては、今後の制定に当たっては、そこの懸念を払拭していただくような形で制定法の作業を進めるべきだと思っております。
 それと、実はこの雇止めの法理を制定するということと、先ほどの論点2の出口の規制の利用可能期間との関係というのは、非常に密接につながっているのではないかと思っておりますが、その利用可能期間を何年にするかということにも関わるんですけれども、雇止め法理について、特に日立メディコ事件の労働者の合理的期待の保護ということですと、前回もこの分科会の中で資料を示されましたように、龍神タクシーの事件のように、1回も更新をしなくても、使用者の言動によって合理的な期待があったという裁判例もあるわけでありまして、それは利用可能期間がどうなるかということとは別に、独立の内容として制定法化の作業を進めるべきではないか。やはり雇止め法理の機能は重要であると考えておりますので、意見として申し上げておきたいと思います。
○岩村分科会長 御意見ということでございます。
 そのほかにいかがでございましょうか。輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 ありがとうございます。
 事務局に質問ですが、先ほど新谷委員の御指摘は私もよくわかって、利用可能期間の年限によるというのは、確かにそうだなというふうには思います。
 ただし、これも再三申し上げておきましたけれども、労働側はずっと1と2をセットというふうにおっしゃっていましたけれども、私どものイメージは、2と3はセットということを考えたときに、2が非常に予測可能性を高めるということからすると、3が必ずしも本当に要るのかどうかということを考えております。
 そこで、利用可能期間にもよるわけですけれども、期間が想定できないので何とも言えませんが、その期間を想定したときに雇止め法理を制定法化したときに、2と3をセットで導入したときに、今、新谷委員がおっしゃった龍神タクシーのような事件が起きると、利用可能期間内でも雇止め法理が効くということになるのでしょうかという質問です。
○岩村分科会長 では、まず事務局の方でお願いします。
○田中労働条件政策課長 私どもの論点3に関しての御提案は、現在の判例ルールをできるだけ制定法にするということを目標にやってはどうかというふうに考えております。
 現在の法理について、制定法化の際に念頭に置くのは最高裁判決である2判例、また、それを要約したパナソニックなんですけれども、この判例法理においては何年目からというのは勿論ございませんので、少なくとも現在は、この法理自体は年数で分けられるようなものではなく、継続年数とか、反復回数とか、あるいはその他の使用者の言動、業務内容、こういったものを総合して判断する法理になっているというふうに考えております。
 2との関係になりますと、例えば2で一定年数を明確化し、それ以上で有期か無期かということを労働者の意思によって選択されるとすることになりますと、それ以上で雇止めとか雇止めでないとか、そういう争いが減ることは明らかでありまして、そういった意味では従来から輪島委員がおっしゃっている、予測可能性の高まることによる紛争の予防という効果も出てくるのかなと思います。
 逆に、一定年数前においても実質的に無期になる場合とか、あるいは合理的期待が生じる場合というのは当然あり得るということですし、一定年数が長くなればそういう頻度は高まる、短くなれば頻度は少なくなるという関係はあるというふうに思います。
○岩村分科会長 論理的には、龍神タクシーのようなケースというのも、仮に論点2のようなルールを入れたとしても適用はあり得るということだと思います。しかし、更新前から、まだ1回も更新してないのに、その期待が発生するということ自体がどの程度あるかという問題がありますが、万が一、使用者側の言動によってそういう期待が発生していて、1回目で雇止めされたというときには、従来のルールの在り方からすれば適用はあるんでしょうということになるんだろうと思います。
 では、輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 ありがとうございます。
 仮定の議論なので、荒木先生なりの御見解をいただければと思いますが、例えば利用可能期間の何年というのが入って3もセットで入ったときに、今のような状況からすると、今、田中課長が件数も減ってくるのではないかというようなこともおっしゃいましたけれども、そのところで言うと、今後セットで2と3が入ったときに、今の雇止め法理ということについての判決の考え方が、多少なりとも変わってくる可能性というのはあるのでしょうかということ。
 2つ目の質問は、ここは余りリンクしないのかもしれませんが、先ほどの副作用の防止の観点から言うと、利用可能期間の間は雇止め法理がむしろ適用されない。今、分科会長は適用されるとおっしゃったんですけれども、されないというのは、副作用防止には、企業側には安心感が与えられるかなというふうにも、ふと思ったりはするのですけれども、そういうことは想定されるのでしょうか。
○荒木委員 雇止めの法理の適用については、裁判所がどう判断するかということで、確定的なことは言えませんが、一般論として言いますと、先ほど事務局の方からお答えがあったように、上限をある期間設定して、それまでに多数回反復更新するということになってくれば、雇止め法理の適用可能性はそれだけ高まるだろうと思います。
 そういうことでありますと、上限が決まれば、企業としては不必要に短期の契約を設定して更新を繰り返すという行動は、避けるようになると思われます。これは現在、労契法17条2項で、継続するのにいたずらに短期の契約を設定して更新することのないように配慮しなければならないとありますが、上限と雇止め法理の関係は、具体的にはこの規定の趣旨に沿う形で現れることになると思います。そのこと自体、私はよい方向だろうというふうに考えております。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 伊藤委員、どうぞ。
○伊藤委員 ありがとうございます。
 私どもは、先ほども発言がありましたけれども1年契約だということであって、1年で評価をして更新の有無ということをやっているわけです。その設定をしたからといって、そのこと自体が労務管理上あるいは人事管理上、雇用管理上なしになるかというと、決してそうではないと思います。
 ですから、上限年数までの間の管理の問題、上限を超えたときの管理の問題、労働条件は一緒でいいと言われますが、無期・有期というのは1つの労働条件ですので、どのような納得性というものをとらすかということは、企業における大きな課題だと思っておりますので、申し上げたいと思います。
○岩村分科会長 ありがとうございます。論点3はよろしゅうございましょうか。
 それでは、次に論点4に参りたいと思います。「『期間の定め』を理由とする不合理な処遇の解消」という論点になります。今日はこれについても、ペーパーでこちら側の一定の考え方というものを示させていただいておりますけれども、御意見あるいは御質問があれば伺いたいと思います。
 では、新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 今日、このペーパーが出てきましたので、我々も十分にそしゃくし切れてない部分がありますが、事務局にお聞きをしたい点がございます。
 私どもは、従来から、期間の定めを理由とする不利益取扱いについて、禁止をする法律を労働契約法の中に盛り込むべきだということを申し上げておりました。
 今回、出てきたペーパーでは、「差別的な(不利益な)取扱いと認められるものであってはならない」という書き方になっています。これをどう読めばいいのかということなのですが、まさしく労働者の権利と使用者の義務を規律する、労働契約法の中に、民事効を持った書きぶりとなって入るのかどうか、まずそこをお聞かせいただきたいと思っております。
○岩村分科会長 では、事務局の方でお願いいたします。
○田中労働条件政策課長 御指摘のとおり、私どもは、不合理な処遇の解消はここに書いてありますとおり、有期契約労働者が無期の労働者との間で、公正な処遇を受けるということはどういうことかということを、これまでも議論してきたわけですけれども、それを実現するための手段として、まさに労働契約法に民事的効力を持った規定として入れることを目指していきたいと思っております。その表現については、まだまだ議論の余地があるというふうに思っておりますけれども、少なくとも労働契約の観点からすると、労働契約の内容である処遇というものは労使の合意によって決まるものであり、使用者が一方的に決めるものではないということが原則であります。勿論、白紙委任によって使用者がいろいろ決めていく部分も実際の労働契約の運用の部分で存在しますけれども、一番初めの建前は労使合意ということでございます。
 そういうことから考えますと、だれだれがこういう差別をしてはならないという表現よりも、労働契約を結ぶに当たっての考え方として、そういう労働契約の内容は、仮に労使合意であっても、期間の定めを理由とする差別的な取扱いと認められるような性質、性格、内容のものではあってはならない。現在のところは、こういうふうに視点を定めて表現するのが適当ではないかと思っているところでございます。
 そういう趣旨で、何々をしてはならないというふうに書いてない部分はありますけれども、まず労働契約の視点に立って書いてみたということでございます。
○岩村分科会長 新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 再度確認させてほしいと思います。
 今後の制定法化をにらんで、立法技術理論的なことも含めて、こういう書きぶりになっているという趣旨の御説明だったのかなと思いましたが、民事的効果、効力としては不利益な取扱いをしてはならないという内容と、ここに書いてある内容というのは、基本的に同じ民事的な効力を持っているというふうに理解してよろしいんですか。
○岩村分科会長 では、事務局、お願いします。
○田中労働条件政策課長 法技術的な問題はありますけれども、実質的に同じだと御理解いただいて結構です。
○岩村分科会長 そのほかにいかがでございましょうか。
 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 簡単に。
 私どもとしては、判断要素の明確化というような意味合いで、職務の内容、配置の変更の範囲等を考慮するということについては、穏当な表現ではないかなというふうに思っているところです。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 では、松本委員代理、お願いいたします。
○松本委員代理 この後段の部分が、企業の実務について非常に大きな影響があると思うんです。「職務の内容、配置の変更の範囲等」というふうに書いてあるんですけれども、実際にこれを導入する場合に、考慮要素をどの程度まで書かれるというイメージを持てばよいのかという辺りを質問させてもらえればと思います。
○岩村分科会長 では、事務局の方、お願いいたします。
○田中労働条件政策課長 考慮要素についても余り具体的な書き方をすると、いろいろ漏れることもあるかなというふうに思いまして、一定の抽象度で、しかも判断要素としては十分なものという考え方で書かせていただいております。
 職務の内容、配置の変更の範囲を考慮するというのは、パート労働法8条がパート法の均等取扱いの規定なんですけれども、ここでは通常労働者と比較可能なパートタイム労働者をとらえるときに用いている文言を使わせていただいておりまして、こういう抽象度のレベルで考慮要素を書くということを中心に、検討してはどうかという御提案でございます。
○岩村分科会長 松本委員代理、よろしいでしょうか。
 中島委員、どうぞ。
○中島委員 ありがとうございます。
 私からも、もう少し事務局に御確認したいんですけれども、判断要素の部分ですが、職務の内容、配置の変更の範囲等というのを取り上げている理由が何かということと、先ほどの御説明にあったとおり、パート労働法8条を参考にしたということになっていますけれども、パート労働法と異なる点はどんなふうに考えてらっしゃるのかということ。また、今、取り上げている2つの考慮要素というのは、あくまで例示的に示したものというふうに理解していいのかということ。
 もう一点、最後に範囲等の「等」というふうにありますけれども、等というところには、ほかにどのような考慮要素が想定されていると考えていいのかということについて、お聞きしたいと思います。
○岩村分科会長 では、事務局への質問ということですので、事務局の方でお願いいたします。
○田中労働条件政策課長 まず、この要素を取り上げた理由というのは、パート労働法のこれまでの経過を考えても、要はパートと通常労働者に違いがあれば、違いがある前提で雇用管理してよいということ。同じであれば同じように雇用管理しなければならないということの重要な要素であり、かつ、労使がこれまで十分議論して合意してきた要素という性格もありますので、こういった要素をとらえて御議論いただくのがよろしいのではないかというふうに思っております。
 ただ、パート法のところは、ほかのパートタイム労働者の中から抽出して正社員と比べる対象にするという非常に限定的な意味での要素の使い方をしておりますけれども、ここは有期契約労働者一般について、無期の契約労働者と比べる際に考慮する要素ということでありまして、ルールの適用対象である有期労働者を限定する趣旨ではございません。そういう意味で、職務の内容、配置の変更の範囲という要素の機能は、考慮要素としての機能だということでございます。
 したがって、これに類似するものもいろいろあるだろうということで、この文章では等というものを書かせていただいておりますけれども、合理的な労使の慣行とか、そういったものがあるのではないかというふうには思っております。これについては、なお十分検討していきたいと思っております。
○岩村分科会長 よろしいでしょうか。
 新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 ここの部分については、前々から申し上げておりますように、パート法の8条は厳格な3つの要件を課していて、実はパート労働者の0.1%しか8条が適用されてないという実態もありまして、そこの部分は非常に懸念をしております。今回、この考慮要素というものが出てきましたが、そこはパート労働法のような厳格な要件とは違い、あくまで例示で書かれてあるということで理解をさせていただきたいと思っております。
 それで、もう一つ私の方でお聞きしたいのは、例えば先ほどの2と4の組み合わせで考えたときに、一定利用期間経過後に無期に転換をしたときの4の均等の規定というのは、「期間の定めを理由とする」ということになっておりますので、無期同士の均等ではどのように扱えばいいのかというところを、教えていただきたいと思っています。
○岩村分科会長 まず、事務局の方でお願いします。
○田中労働条件政策課長 論点4については、ここに書いてありますように、有期契約労働者である間の処遇について、無期の労働者と比べて公正な処遇を実現するという観点でございます。したがって、無期の労働者の間での処遇の在り方というものについて、何らかのルールを定めようとするものではありません。
○岩村分科会長 無期に転換した後は、今、検討されている、例えばパート法であるとか、現在存在するもので、それに係ればそちらの方で考えるという整理になるんだろうと思います。
 では、新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 そうすると、無期同士の比較ということになったときに、努力義務でありますけれども、今あるのは労働契約法の3条2項の均衡考慮義務というのが、1つ現実の制定法としてあると思います。
 あとは裁判所がどう判断するか。例えば無期同士の処遇格差について、そこが合理的に説明できるものがあるのかないのかという、まさしく判例の蓄積で導き出すということ、あるいは公序良俗違反みたいな形で結論を出すということになるのか、その辺のロジックなり、私どもで参考になるものを教えていただければと思っております。
○岩村分科会長 荒木委員、お願いします。
○荒木委員 今、御質問を聞いて考えたのですけれども、事務局からお答えがあったように、有期であることを理由とする不合理な処遇の解消というのが、今、提案されている規範だと思います。それが、先ほどの2のところで議論したように、一定期間後、有期の方が無期に転換してしまえば、もうこの規制の対象からは外れてしまいます。無期の方になりますと有期であるからということにはなりませんので、この規制は働きません。
 そうしますと、現在無期契約で働いている正社員の方の処遇が、やっている仕事が同じでも勤続年数によって違うという年功的な運用をしていることは大いにあるわけです。その一般の問題に関わってきまして、それが違法かというと、現在違法という議論をしておりません。この無期契約同士の格差はそういう問題だろうと思います。
 関連して、今回「差別的な(不利益な)取扱い」について規制を加えようというので両方の言葉が使われています。ここは今後、議論を詰めていくときにお願いしておきたいんですけれども、例えば労働基準法4条など、男女同一賃金原則のところでは「使用者は、労働者が女性であることを理由として、 賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない」という文言があります。この差別的取扱いをしてはならないというのは、単に不利に扱ってはいけないのではなくて、性別を理由として有利にも不利にも異なる取扱いをしてはいけないということです。
 ここで言われているのは、括弧で「(不利益な)」と書いてありますので、むしろ有期の方を不安定雇用であるのでというので、高い労働条件を与えるということは十分にあってよいはずでありますので、そういう趣旨だということを事務局に確認させていただければと思います。
○岩村分科会長 では、事務局、お願いします。
○田中労働条件政策課長 現在、我が国の法制上で、いろいろこういう場面場面で均等扱いを考えるときに、「差別的」というワーディングを使ったり、「不利益」というワーディングを使ったりしております。そういう意味で両方を書いていますけれども、今回考えていることは、有期契約労働者を期間の定めを理由として、有利に取り扱うことまでも規制するようなことは、当方としても考えていないということで確認させていただきたいと思います。
○岩村分科会長 ありがとうございました。
 そのほか、論点4でいかがでしょう。輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 先ほど言ったんですけれども、とりあえず懸念事項が1個だけあるので。
 前回示していただいたときに、資料の中に通勤手当、教育訓練、その他退職金等がありましたけれども、通勤手当のところで、今の人事管理上の取扱いで、特徴的にはフルタイムの有期の人とフルタイムの無期の人を比べるとき、特にフルタイムの無期でも長くなっているというよりは、むしろ本当に年末年始というような限定的に雇用する場合のことを想定すると、よく1日の通勤手当を全額払っている場合であるとか、例えば上限を設けて1日1,000円までというようなことも多いのではないかというふうに考えると、フルタイムの有期と無期との不利益取扱いのところで、前回からすると、通勤手当が対象になるというような形のように考えられているわけですけれども、そういう意味でフルタイマーの雇用管理の実態も期間限定といえどもさまざまな実態があるので、通勤手当といえども、ある程度除外対象にするということを考えると思っている点が、懸念事項として申し上げておきたいというふうに思います。
 以上です。
○岩村分科会長 そういう御意見があったということだと思います。
 そのほか、論点4はいかがでございましょうか。では、伊藤委員、どうぞ。
○伊藤委員 だんだん混乱してわからなくなってきました。
 4の問題は、通常の労働者と比較をした場合というとらえ方で先ほどのお話がございましたが、そうではなく有期と無期というとらえ方ですか。無期というふうになったときに、先ほど、転換に際し、期間の定めを除く労働条件は従前と同一とするということがございましたね。そこでは、基本的には職務の内容が変わるとか、あるいは配置が変わるとかいう基準に基づいた変化は、理解できるだろうというとらえ方でいいわけですか。
○田中労働条件政策課長 はい。
○伊藤委員 わかりました。
○岩村分科会長 よろしゅうございましょうか。では、論点4はよろしいでしょうか。
 それでは、次に論点5でございます。「その他必要な手続ルールの明確化」として、○で3つ挙がっておりますが、これについて御意見あるいは御質問はいかがでございましょうか。
 新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 最初の○のところは非常に短い文章でよくわからないところがあります。確かに、前回お示しをいただいたような東武スポーツ事件のように、就業規則の変更によって使用者の一方的な不利益変更で、契約期間が無期から有期に書きかえられたという事案に対処するという御説明であったかと思います。
 ただ、これだけの文章で読んだときに、これはこれで非常にいいことだと思いますが、「労使の個別合意」と書いてあるのですが、それは就業規則との関係で言われているのか、集団的な関係、まさしく労働組合法上の労働契約の規範的効力との関係はどうなるのかとか、我々にとっては非常に気になるところもございまして、今、お考えのところがあれば、もう少し教えていただきたいと思っております。
○岩村分科会長 では、事務局、お願いいたします。
○田中労働条件政策課長 今回の措置は、労働契約法の中での考え方の整理というふうに考えておりまして、東武スポーツ事件にありましたような、就業規則で個別の労働契約の期間を変えるというものを規制するという考え方です。したがって、この文章は就業規則の変更法理ではなくて、労使の個別合意によらなければならないという趣旨で書いているつもりでおります。
 したがって、今、おっしゃったような集団的な労使法理である労働協約による契約期間に関する変更の可否の問題について、今回の措置において変更あるいは影響を及ぼすものではございません。
○岩村分科会長 よろしいでしょうか。では、輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 まず、分科会長に1点だけお伺いしたいんですけれども、中間まとめのところまでは、ここの論点は、ほとんど議論していない点だったのではないかというふうに思うんですけれども、それをあえてここに取り上げる必要性があるのかどうかということ。
 先ほどの新谷委員の発言でもよくわからないということは、審議会でお互いに議論していない点であることは、お互いに共有できるのかなというふうに思います。ゆえにこのタイミングで、今、ここまでやる必要があるのかどうかという点からすると、それほど、ねばならないような論点ではないのではないかというふうに思いますので、引き続き検討していくとかいうようなことも含めて、議論が必要なのではないかというふうには思っています。
○岩村分科会長 御意見として伺っておきたいと思います。
 新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 ここに書いてある3つ目の論点「雇止め予告」の法律上の義務とすることと「有期労働契約を締結することの理由」の明示について、ですが、これは私どもから前回お示しをいただいた5つの論点に加えて、労働側として追加の論点として提起を申し上げたところです。
 ただ、これの結論が、「必要性が相当程度高いとまでは言えないのではないか」となっておりまして、これについては、私どもとしては、納得しているわけではございません。
 この分科会での論議をする際に行われた調査の、個人調査結果によっても雇止め時にとられた手続として、30日以上前に雇止めの予告があったというのが6〜7割しかなく、1日前から29日前というのが2〜3割ぐらいあり、その契約満了日の当日に言われたというのも数パーセントあるという実態でありまして、現在の告示の内容が機能しているとは、なかなか言いにくいのではないかと思っております。
 ここについては前回申し上げたように、労働基準法の2003年の改正の際に衆参両院での附帯決議で、適切な措置及び特段の配慮を行うべき事項として採択された内容でもございますので、引き続き検討をするというニュアンスを、是非入れていただくことが必要があると思いますので、意見として申し上げたいと思います。
 もう一点です。労働者派遣法がこの前の臨時国会でまた継続審議扱いになって、来年の通常国会に送られました。また、今検討中の有期労働契約の規制がうまくいけば来年の通常国会に法案として出ていくという中で、使用者側からもいろいろな規制は入れたくないというお話がありましたけれども、規制の緩いところにどんどん落ちていく可能性がある。
 これは私どもとしても懸念申し上げたように、労働契約から個人請負といったような、いわゆる契約労働に落ちていく可能性があるという懸念を持っておりまして、これはどのように防止をすればいいのかというところが、非常に難しいところではありますけれども、こういった有期労働に対する規制あるいは派遣法に対する規制をかけると、規制の弱いところを探して逃げていく、ここへの手当てというところも、是非検討していく必要があるのではないかと思います。
 今は、こうするべきだという妙案がございませんけれども、ここも重要な視点として盛り込んでおく必要があるということを申し上げたいと思います。
 以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。
 個人請負のところについては、少なくとも労働組合法上の労働者制に関しては既に研究会が行われて、その報告書が出ている。最高裁判決も出たことでありますので、それが今後の対応の方向ということで1つあるんだと思います。
 労契法、労基法については、昭和60年の労基法上の労働者制に関する報告書があって、実際上、それに基づいて実務、判例が運用されているというふうに思いますので、今後それについての見直しの必要があるのかどうかということは、検討の余地はあろうかと思いますけれども、今回のところは、特別そこについて直接的に触れるというところまではいかないのかなというように思っているところでございます。
 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 論点2に戻って。
○岩村分科会長 論点2に戻る前に、できれば論点5はこれでよろしゅうございますかという確認をとらせていただいて、それでよろしければ論点6についても御意見などを伺わせていただいて、その上で論点2に戻るということにさせていただきたいと思っているのですが、いかがでございましょうか。
○輪島委員 予定時刻を過ぎていますが、何時までやるんですか。
○岩村分科会長 皆さんも御予定があろうかと思いますので、延長できるとしてもそんなに長くはできないと思いますが、今日、できれば論点2についても可能な限り御意見等は出しておいていただければと思いますので、できる限りのことはさせていただきたいと思います。
○輪島委員 では、論点2なので、後で。
○岩村分科会長 それでは、?松委員、お願いいたします。
○?松委員 論点6の関係で、労基法第14条の見直しの必要性がここで記載をされているわけですが、直接ここには記載されていませんけれども、労側として前回も申し上げております附則137条の取扱いについて、それも含めて検討するということで受けとめていいのかどうなのかということだけ、確認させてもらいたいと思います。
○岩村分科会長 では、事務局、お願いをいたします。
○田中労働条件政策課長 平成15年の基準法改正の附則によりまして、14条については、見直しの必要性の有無について引き続き検討というふうにされております。また、附則第137条については、その14条についての検討が引き続いている間は、その効力を有するということになっております。137条も14条の検討が引き続くという前提で引き続き効力を有し、維持されるということでございます。
○岩村分科会長 ?松委員、よろしいでしょうか。論点6のところはこれでよろしいでしょうか。
 それでは、あと若干ということになろうかと思いますけれども、論点2に戻らせていただいて、先ほど輪島委員の方から発言の求めがありましたので、お願いをしたいと思います。
○輪島委員 ありがとうございます。
 それでは、論点2のところで、事務局への質問と意見なのかもしれませんが、今、利用可能期間を超える話ばかりしたのですが、その間に1回契約が途切れるとしたときに通算をするとか、クーリングとの関係とか、そこら辺のことがどうなるのかということがお聞きしたいところです。
 2点目は、その経過措置ですけれども、先ほどの点で、多くのところはそれでかなり対応ができるのではないかと思うのですが、もう一つ特徴的には、例えば今日は12月14日ですけれども、今日雇い入れると基本的に3月31日まで契約をして、その次からは4月1日から6か月ずつ契約をしていくということで、4月1日と10月1日が契約の当初日というふうにして更新をしていくというケースが、かなり大きな企業のところであると、割と寄せているという観点からはあるというふうに聞いています。
 そのときに経過措置のところでぶつかると、結局は4月1日と、例えば10月1日というようなところで、大きなハードランディング的な状況が起こるのではないかというふうな懸念を持っていますので、その点を含めて経過措置についての制度設計については、考えていただきたいというふうに思っています。
○岩村分科会長 では、事務局への御質問もございましたので、お願いいたします。
○田中労働条件政策課長 クーリング期間のお話ですけれども、5年経過前に、例えば2回繰り返して、その間に期間が空いていたというときも、このクーリング期間の考え方を当てはめて、それを一連のつながった反復・継続の有期雇用契約と見るか、一旦切れて、改めて利用可能期間を算定すべき状態と見るかという問題は同じように起こりますので、一定期間の前あるいは後ろの両方で問題があるということで御議論いただきたいと思います。
 経過措置の点については、そういう実態もあるということで理解をして、検討したいと思います。
○岩村分科会長 ほかにいかがでございましょう。松本委員代理。
○松本委員代理 雇用止めへの懸念というところでありますけれども、やはり無期化するということについて、特に中小企業なんかはイメージもなかなかつくれないし、その受け皿づくりと言うんですか。社内で対応するのに相当時間がかかると思いますので、これはなかなか大変だろうなと思っています。やむなく雇止めという事例もあるかなと思います。
 もう一点、「可能期間到達前の雇止め」という字があるんですけれども、恐らく企業は、雇止めの期間の手前まで待たないだろうと思うんですよ。もっと前の段階で早めの見極めをして、雇止めするならする。勿論その期間を長くしてもらえれば、よくわからない状態の方は様子見をして、しばらく持つ。今はその状態なので、比較的長い契約期間を、更新に更新を重ねていくという方々も見ますけれども、もしこの可能期間が短くなった場合には、企業はもっとかなり手前で早め早めの判断をしていくだろうと思うんですよ。なまじ長くすると、やはりややトラブる可能性もあるだろうなと思います。
 そういう意味では長い目であることがいいし、今のようになければ、判断がつきかねるような方についてはしばらく様子を見てみようと、そのうちの職場になじむとか、仕事を覚えるということは個人差がありますからね。ですので、やはり可能期間の設定については、本当に1と同じですけれども、本当に慎重にしてほしいと思います。
 これは労使ともに失うものは大きいなと思っているので、これは意見でありますが、以上です。
○岩村分科会長 ありがとうございます。御意見ということで承りたいと思います。
 ほかにいかがでございましょうか。論点2はよろしゅうございましょうか。
 それでは、本日、この論点の改訂版につきまして、論点1〜6までのところ、皆様に大変精力的に御議論をいただいて、一通り議論はできたのかなというように思います。本日の議論は、もう予定時間を過ぎておりますので、このぐらいというふうにさせていただきたいと思います。
 次回以降でございますが、今日までの議論を踏まえまして、この分科会としての報告書の素案というのを事務局に作成していただき、それをベースに更に議論をさせていただきたいと考えておりますが、よろしゅうございましょうか。
(「はい」という声あり)
○岩村分科会長 ありがとうございます。では、そのように用意をさせていただきたいと思います。
 では、最後に事務局の方から何かございますでしょうか。
○青山調査官 次回の労働条件分科会につきましては、12月19日月曜日17時、午後5時から本庁舎の17階、第21会議室で開催いたしますのでよろしくお願いいたします。
 以上です。
○岩村分科会長 そういうことで、次回は12月19日の月曜日17時からということでございます。お忙しいとは思いますけれども、よろしくお願いいたします。
 最後に、議事録の署名でございますけれども、労働者代表につきましては?松委員に、使用者代表につきましては伊丹委員にお願いをいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、今日は長時間にわたり、お忙しい中、ありがとうございました。これで終了といたします。


(了)

労働条件政策課
企画係(内線5353)

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