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2012年2月21日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会議事録

○日時

平成24年2月21日(火)14:00~15:20


○場所

厚生労働省 専用第23会議室


○出席者

委員

大野委員(部会長)、石井委員、斉藤委員、佐藤委員、高橋委員、松田委員、宮井委員、山内委員、吉成委員

事務局

森口基準審査課長、茂野課長補佐、小川専門官

関係省庁

農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課農薬対策室 池田専門官

○議事

○事務局 それでは、定刻となりましたので、ただいまから薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会を開催させて頂きます。
 本日はお忙しい中をお集まりいただき、ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、尾崎委員、永山委員、廣野委員、由田委員及び鰐渕委員より御欠席なさる旨の御連絡を頂いておりますが、現時点におきまして農薬・動物用医薬品部会の委員14名中9名の御出席を頂いており、部会委員総数の過半数に達しておりますので、本日の部会が成立しておりますことを御報告いたします。
 それでは、以降の進行につきまして大野部会長にお願いいたします。
○大野部会長 それでは、議事に入らせて頂きたいと思います。
 初めに、事務局から配付資料の説明をお願いいたします。
○事務局 資料の確認をさせて頂きます。
 まず、本日お配りいたしました資料は、議事次第が1枚、その裏に配付資料が記載してございます。
 2枚目に、委員名簿と関係省庁の方の出席者の名簿をつけてございます。
 その裏に座席表がございます。
 その後に、本日御審議頂きます6剤につきまして、それぞれ農薬・動物用医薬品部会報告書案と食品安全委員会における食品健康影響評価結果を1-1、1-2というようにセットで配付させて頂いております。
 更に、委員の先生、事務局のみにお配りしております資料といたしまして、食品衛生分科会における確認事項の横1枚紙がございます。
 不足している資料等がございましたら、事務局までお願いいたします。
○大野部会長 よろしいでしょうか。
 それでは審議に入りたいと思います。本日は、農薬について3剤、動物用医薬品について2剤、動物用医薬品及び飼料添加物について1剤を御審議頂くことになっております。報告書案の作成にあたりましては、先生方にあらかじめ資料をお送りしまして見て頂いているところでございます。どうもありがとうございます。
 それでは、議題1の食品中の残留農薬の基準値設定でございますけれども、まず最初に、農薬フラメトピルの審議に入りたいと思います。事務局から資料の説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、農薬1剤目のフラメトピルでございます。資料1-1を御覧下さい。
 今般の残留基準の検討につきましては、適用拡大申請に伴う基準値設定、魚介類への基準値設定、また、暫定基準の見直しについて御審議を頂くものでございます。
 本剤は、カルボキシアミド系の殺菌剤です。作用機構としては、呼吸系のコハク酸脱水素酵素の阻害と考えられています。
 化学式、構造式等については記載のとおりでございます。
 2.適用の範囲及び使用方法についてです。今回、適用拡大申請がなされたてんさいについて四角で囲んで示しています。
 3.作物残留試験です。分析対象の化合物としてフラメトピル代謝物C、代謝物Jについて分析が行われています。これら分析の方法については記載のとおりでございます。また、結果につきましては別紙1に記載してございます。
 4.魚介類への推定残留量でございます。
 (1)本剤が水田及び水田以外のいずれの場合においても使用されますことから、水田PECを算出いたしまして、水田PECtier2の1.5ppbを採用いたしました。
 (2)BCFは実測値が得られていないことから、相関式を用いまして23と算出いたしました。
 (3)これらの結果から、魚介類における推定残留量は0.17ppmと算出されました。
 食品安全委員会における5.ADIの評価でございます。ラットの慢性毒性/発がん性併合試験の無毒性量0.7mg/kg体重/dayを根拠とし、安全係数100で除しまして、ADIは0.007mg/kg体重/dayとなってございます。
 また、遺伝毒性についてはゴシック体で記載のとおりでございまして、生体にとって問題となる遺伝毒性はないと考えられたとされています。
 食品安全委員会の評価につきまして鰐渕委員から、in vivoの変異原性試験の小核試験の一部で陽性ですが、90日までの混餌投与の小核試験では陰性ですので、生体にとって問題となる変異原性はないと判断できますとのコメントを頂いております。
 6.諸外国における状況でございます。JMPRにおける評価はなされておらず、国際基準は設定されていません。また、記載の諸外国においても基準値は設定されておりません。
 これらを踏まえました7.基準値案といたしまして、本剤につきましては現行の取扱いを変更いたしまして、残留の規制対象をフラメトピルと設定する案としております。食品安全委員会におきましても、農産物及び魚介類中の暴露評価対象物質をフラメトピル親化合物のみと設定しております。
 基準値案でございますが、8~9ページの別紙2を御覧下さい。今回申請のありましたてんさい、魚介類について基準値を設定しますとともに、その他の暫定基準などにつきまして見直しを行いました。
 これらの基準値案によりまして暴露評価を行いましたものが10ページの別紙3でございます。TMDI試算によりまして一番高い幼小児で52.6%のADI占有率となっております。
 最後のページが答申案となります。
 事務局からの説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○大野部会長 どうもありがとうございました。これは適用拡大ということで以前に御審議頂いたものですが、一応確認のためということでお願いいたします。
 まず、化学名、構造についてですけれども、よろしいでしょうか。
○吉成委員 非常に細かいところなのですけれども、CAS名の2行目の「-」と「pyrazole」の間にスペースが入っていると思うので、それを除いて頂きたいと思います。
 あと、この剤だけではないんですけれども、化学名が1~2行にわたるとき「-」で切って頂いた方が多分見やすいと思いますので、今のように「1H」の後で改行されるよりは、その前の「-」か、「1H」の後の「-」で改行された方がよいのかなと思います。
○事務局 わかりました、訂正いたします。
○大野部会長 お願いいたします。
 適用方法、用量についてはいかがでしょうか。佐藤先生、よろしいですか。
○佐藤委員 はい。
○大野部会長 ありがとうございます。
 薬理作用についてですけれども、高橋先生何かございますか。
○高橋委員 結構です。
○大野部会長 ありがとうございます。
 体内動態はいかがでしょうか。
○吉成委員 CとJの評価が行われて、実際に検出されているんですけれども、5ページの案にありますように、出てくる量が親化合物に比べて非常に少ないということで、規制対象はフラメトピル親化合物のみとする案でよいのではないかと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。私も同様に考えました。
 毒性のところで鰐渕先生のコメントがございましたけれども、私はちょっと同意できないところがございました。それは、小核試験でin vitroでは陽性もあると。in vivoでも陽性のところがあると。でも、混餌投与したら小核が出なかったので問題にならないんだというような言い方で、混餌と普通の強制経口投与とどこが違うのだろうかというのが納得できなくて、読んでみたら、食品安全委員会の報告の中にラットがありまして、資料1-2の33ページを見て頂きたいんですけれども、第2パラグラフに「陽性対象物質である紡錘糸形成阻害剤ビンクリスチンによる小核及びセントロメア含有小核の誘発率との類似性からフラメトピル原体による小核誘発はDNAに直接傷害を与える遺伝毒性でないことを支持するデータと考えられる」ということで、このときに現れる小核の性質が非常に大きいということと、セントロメアがついているものが結構あるということで、ビンクリスチンと似たようなものであると。それから、その前の方に、DNAに直接傷害を与えるものはもっと小さいものが多いということですので、こういう根拠だと生体に特に問題になるような遺伝毒性はないという結論に結びついていいと思うんですけれども、単に混餌投与で小核が誘発されなかったから大丈夫なんだというのは、ちょっとまずいなと思ったんですけれども、その辺いかがですか。
 吉成先生、その辺何か御意見ございますか。
○吉成委員 先生が言われるように、明確な根拠としてはそちらの方がいいかと思います。この小核試験の実験1と2を比較しますと、混餌の方は3,000ppmということですので、単回投与では勿論ないんですけれども、投与量としては経口投与にすると300mg/kgぐらいに相当します。1の方で陽性が出ているのは600mg/kgということですので、この1と2の試験ですと、そもそも投与量が違うということで、2の方で出なかったのは投与量が少なかった可能性もありますから、ここを根拠にするよりは今、大野先生が言われたように、作用メカニズムを根拠にした方がよいのではないかと思います。
○大野部会長 そこを長々と書くのもどうかなと思って、「混餌投与試験(小核試験2)においては、小核は誘発されなかったことから」までを削除したらいいんじゃないかと思います。そこをカットすれば、食品安全委員会の報告全体として見れば、生体にとって問題となる遺伝毒性はないものと考えられると判断してよろしいのではないかと思うんです。
 もし、先生方に御異存がなければ鰐渕先生に確認して、鰐渕先生の同意が得られればそのように修正したいと思いますが、よろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。では、そのようにさせて頂きます。
 毒性学的なADIについては特に問題はないと思いました。
 分析対象物質についても、先ほど吉成先生が言われたようにフラメトピルでよろしいのではないかと思います。
 分析法、分析結果の辺りはいかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、基準値の設定、魚介類への値も含めて国際的整合性、その辺りでいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 では、全体を通して、それ以外にコメントはございますか。
 それでは、私がコメントさせて頂いたところについて鰐渕先生に確認して頂くということで、その結果を見て最終案にさせて頂くということでよろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせて頂きます。
 それでは、次の品目です。クロルフェナピルについて御審議をお願いします。事務局から説明をお願いします。
○事務局 それでは、2剤目クロルフェナピルでございます。資料2-1を御覧下さい。
 今般の残留基準の検討につきましては、適用拡大申請がなされたことに伴う基準値設定でございます。なお、暫定基準の見直しについては平成20年1月の部会において審議が行われました。
 本剤の用途は、ピロール環を有する殺虫剤です。
 化学名、構造式名等につきましては記載のとおりでございます。
 2.適用の範囲及び使用方法でございます。適用拡大申請があるものにつきまして四角で囲んで示しております。
 3.作物残留試験でございます。分析対象の化合物として、クロルフェナピル代謝物D、代謝物Fについて分析が行われております。分析方法の詳細につきましては記載のとおりでございます。結果につきましては別紙1に記載してございます。
 4.乳牛における残留試験及び5.産卵鶏における残留試験につきましては、前回の部会から変更はございません。
 食品安全委員会における6.ADIの評価でございます。ADIは前回と同様0.026mg/kg体重/dayとなってございます。
 7.諸外国における状況でございます。JMPRで毒性評価は行われておらず、ADIは設定されておりません。また、諸外国については記載のとおりでございます。
 これらを踏まえました8.基準値案といたしまして、前回と同様、残留の規制対象をクロルフェナピルと設定する案としております。食品安全委員会におきましても前回と同様の結論でございます。
 基準値案でございますが、16ページの別紙2を御覧下さい。適用拡大申請があった食品について基準値を設定する案とさせて頂いております。
 これらの基準値案により暴露評価を行いましたものが18ページの別紙3でございます。EDI試算によりまして一番高い幼小児で42.9%のADI占有率となってございます。
 最後のページが答申案となります。
 事務局からの説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○大野部会長 どうもありがとうございます。これについても適用拡大ということでございます。前に審議して頂きましたけれども、確認ということで御審議をお願いいたします。
 まず、化学名、構造について吉成先生、いかがでしょうか。
○吉成委員 問題ないと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
 適用方法、用量については、いかがでしょうか。宮井先生、よろしいですか。
○宮井委員 結構です。
○大野部会長 佐藤先生もよろしいですか。
○佐藤委員 はい。
○大野部会長 ありがとうございます。
 薬理作用は、高橋先生よろしいでしょうか。
○高橋委員 結構です。
○大野部会長 ありがとうございます。
 体内動態のところでは吉成先生、いかがでしょうか。
○吉成委員 先ほどと一緒なんですけれども、代謝物が幾つかできて実際に測定しているんですが、出てきているものの毒性が低く、検出量も低いということで問題ないと思いますし、規制対象物質も親化合物だけということでいいかと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。私も同じように考えました。特に代謝物については測定していますけれども、実際のところ親化合物に比べて少ないということで親化合物だけをフォローするということでよろしいと思いました。
 今までのところで先生方、ほかに御意見ございますか。よろしいですか。
 安全性の面で鰐渕先生から何かコメントございましたか。
○事務局 特にコメントは頂いておりません。
○大野部会長 ありがとうございます。
 神経毒性が出るんですけれども、そこがちょっと気になったんですが、回復性がある毒性であるということで、用量的に無毒性量と比べると高いところで出てくるということで、よろしいかなと思いました。
 分析対象物質としては親化合物のみということです。
 分析法と分析結果の辺りについてはいかがでしょうか。
○斉藤委員 9ページの5.産卵鶏における残留試験なんですけれども、直接分析法というわけではなくて文言だけの問題ですが、4~5行目「筋肉、脂肪、肝臓及び腎臓に含まれる総残留放射能濃度及び液体クロマトグラフ(MSD)を用いてクロルフェナピルについて測定を行った」となっていますが、これですと「及び」で放射能濃度を用いて行ったと読めてしまうので、例えば、放射能濃度は何々を用いて、それから、クロルフェナピルの方は液体クロマトグラフを用いてとか、そういう文章なのか、はたまた放射能濃度も実際のC14のクロルフェナピルもどちらもMSDを用いて測定したのかが、ここでは明確でないので、まず、どちらを意味しているのかを確定した上で、それに適合するような文章にした方がよろしいかと思います。それが第1点。
 それから、更に下の方に「詳細については表2参照」となっているんですけれども、表2はクロルフェナピル濃度しか出ていないので、結局これはMSDの結果だと思うんですけれども、総残留放射能濃度の記載がないんですね。要するに、総残留放射能濃度の方はどこまでC14でラベル化しているかわかりませんけれども、切れた断片もあるかと思うので、そうなるとクロルフェナピルの濃度とは別の表があってしかるべきだと思うので、それが示されていないので、そこを明確化していただいた方がよろしいかと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。事務局よろしいですか、おわかりになりましたでしょうか。総残留放射能濃度を測ってということだから、実際に測って、また分離して放射活性でクロルフェナピルを測ったのか、その辺がわからないですね。
○佐藤委員 よろしいでしょうか。推定なんですけれども、総残留放射能濃度は燃焼なりあるいは抽出法で抽出液と残渣を測定していると思います。ですから、この文章を変えるなら「総残留放射能濃度を測定し、更に液体クロマトグラフを用いてクロルフェナピルについて測定を行った」ということでいいと思うんですけれども、そもそも総残留放射能濃度は基準値設定にはあまり関係がないと言いますか、親化合物自体の濃度を測っていますので、逆に言うと、総残留放射能濃度を測定したという一文はいらないかもしれないですね。つまり、全体として放射能を使った実験を行っているんですけれども、抽出を行って親化合物を測定していると。それに基づいて基準値を設定していますので、先ほど言いましたように、この文章を生かすなら「総残留放射能濃度を測定し、更に液体クロマトグラフ」ということでいいと思うんですけれども、削除してもいいかなと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
 斉藤先生いかがでしょうか。
○斉藤委員 それで結構だと思います。ただ、残す場合には表2が放射能濃度を示していないので、「詳細については」という文言がある以上、詳細が示されていないと詳細にならないので、削除するかしないかはそこにもかかってくるので、そこも両方御検討いただけたらよろしいかと思います。
○大野部会長 この「詳細については」というところを「組織中のクロルフェナピルについては」と書いたらどうですか。
○斉藤委員 限定してもらえれば、よろしいかと思います。
○大野部会長 詳細というと、もっと詳しくたくさん載っているという感じですから、おかしいですね。測定方法のところは、今、佐藤先生がおっしゃったような形で修正して、詳細についてもクロルフェナピルに限定したものについて記載するということでよろしいですか。
○斉藤委員 それで結構だと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
 ほかの先生いかがでしょうか、よろしいでしょうか。それでは、そのように修正したいと思います。
 基準値、国際的整合性についてはいかがでしょうか。EDI試算で幼小児で45.3%ということで基準を満たしているということですけれども、よろしいでしょうか。
 それでは、全体を通してほかに御意見ございますか。
 それでは、斉藤先生のコメントに基づいて佐藤先生が修正してくださったところ、それから、「詳細について」というところを若干修正するということで、この部会の報告とさせて頂いてよろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせて頂きます。
 次の品目でございます。テブコナゾールについて御審議をお願いいたします。それでは、事務局から説明をよろしくお願いします。
○事務局 それでは、3剤目のテブコナゾールでございます。資料3-1を御覧下さい。
 まず初めに、資料の修正をお願いします。1ページ目の化学名についてですけれども、CAS名の記載に「=」が入っておりますので、こちらを削除して頂きますようお願いいたします。
○大野部会長 これは詰めるんですか、それとも空白をつけるんですか。
○事務局 削除してスペースはなしということでお願いいたします。
 今般の残留基準の検討につきましては、農薬取締法に基づく適用拡大申請及び関連企業からインポートトレランス申請がなされたことに伴う基準値設定でございます。なお、前回は平成19年11月の部会で審議が行われております。
 1.概要でございますが、本剤はトリアゾール系の殺菌剤であり、脂質生合成経路中の24-メチレンジヒドロラノステロールのC14位の脱メチル化を阻害することにより、ステロールの生合成を抑制し、作用するものと考えられております。
 化学名及び構造式等につきましては、記載のとおりでございます。
 2.適用の範囲及び使用方法でございます。今回、適用拡大申請がなされたウメ、カキ、茶について四角で囲んで示しております。また、インポートトレランス申請がなされました米国のライチ、ブラジルのバレイショの使用方法につきましても、4~5ページに記載しております。
 3.作物残留試験でございます。分析対象の化合物としてテブコナゾールの分析が行われております。国内の作物残留試験結果については、9ページの別紙1-1に記載してございます。海外の結果につきましては、11ページの別紙1-2に記載してございます。
 4.畜産物への推定残留量についてですけれども、前回の部会で御審議頂いたときと変更はございません。
 食品安全委員会による5.ADIの評価でございます。ADI=0.029mg/kg体重/dayという評価となってございます。この値は前回の部会で御審議いただいたときと変更はございません。
 6.諸外国における状況ですが、1994年にJMPRにおける毒性評価が行われており、ADIが設定されております。国際基準は、小麦、トマト等に基準値が設定されておりまして、諸外国につきましても記載のとおり基準値が設定されております。
 これらを踏まえまして7.基準値案でございます。まず、残留の規制対象についてですが、テブコナゾール親化合物のみと設定する案としております。食品安全委員会におきましても、食品中の暴露評価対象物質をテブコナゾール親化合物のみと設定しております。
 次に、基準値案でございます。14ページの別紙2を御覧下さい。国内作物残留試験成績に基づき、ウメ、カキ、茶について基準値を設定しております。また、バレイショとその他の果実については、海外の基準を参照しております。リンゴ、菜種、唐辛子(乾燥させたもの)、コーヒー豆(焙煎したもの)につきましては、国際基準を参照しております。
 また、16ページですけれども、干しブドウにつきましてはJMPRにおける評価において、加工係数が1.2とされております。国内のブドウの基準値が10ppmでございまして、こちらに加工係数を乗じた12ppmを干しブドウの基準値とする案としております。
 これらの基準値案により暴露評価を行いましたのが別紙3でございます。EDI試算によりまして一番高い幼小児で39.8%のADI占有率となってございます。
 最後のページが答申案でございます。
 事務局からの説明は以上です。御審議のほどお願いいたします。
○大野部会長 ありがとうございました。これについても適用拡大ということで以前に御審議頂きましたけれども、一応確認をお願いいたします。
 化学名、構造についてはいかがでしょうか。先ほど化学名が修正されましたけれども、それ以外にございますか。
○吉成委員 1点、細かいんですけれども、IUPACの方の「1,2,4-triazole」というのが1行目にあるんですけれども、その前に「-」がありまして「1H」となっているんですが、その「1H」と「-」の間にも余計なスペースが入っていると思いますので、除いていただければと思います。
○事務局 そのように修正させて頂きます。
○大野部会長 ありがとうございます。
 それでは、適用方法、用量についてはいかがでしょうか。新しい適用がされましたけれども、何かございますか。よろしいですか。
 薬理作用のところは以前と同じだと思いますけれども、何か御意見ございますか。
 体内動態、代謝物、その辺はいかがでしょうか。
○吉成委員 植物でちょっと高いM1という代謝物が出るんですけれども、親化合物に比べて残留量は低いですし、構造的にも毒性が高くなるような構造ではないと思いますので、原案のとおりで問題ないと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。M24とかM26も多くなっていますね。私が見たところではM24とM26が大きく、小麦などだと80%ぐらい出ているとか、M26が13%と結構多いものがあるんですけれども、M24はトリアゾールの抱合体ですので、M26もその抱合体が更に代謝されて酢酸になったもので、毒性学的には問題にならないと思います。そういうことで、代謝物の中には親化合物より多いものもあるけれども、毒性学的な面から見て問題ないということで、親化合物だけをフォローすればいいのではないかと私も思いました。
 これまでのところで先生方、何か御意見ございますか。よろしいですか。
 では、毒性の面で鰐渕先生からコメントございましたか。
○事務局 特にコメントはいただいておりません。
○大野部会長 ありがとうございます。私も特にコメントはございません。
 分析法、分析結果の辺りではいかがでしょうか。
○斉藤委員 細かいことで恐縮なんですが、5ページの下から4行目に「スチレンジビニルベンゼン共重合体カラム(GPC)」となっているんですけれども、この場合のカラムでGPCという略語を使うのは今までもあったのでしょうか。ちょっと記憶にないのですけれども。
○事務局 部会の前に委員の先生に御確認頂き、カラムの説明ではなくて分離方法として、こういう記載をさせていただいております。前例として過去にあったかについて今はわかりません。
○斉藤委員 あったならいいんですけれども、ほかが全部ものの略語なのに、ここだけ方法論の略語、GPCというのはゲルパーミエーション・クロマトグラフィーですから、ここだけ方法論の略語というのはちょっと違和感があったんですけれども、以前も使っていたならそれで結構です。
○大野部会長 そういうことなんですか。これで見るとカラムのスチレンジビニルベンゼン共重合体カラムのことをGPCと略しているのだと思ったんですけれども、そういうことではないんですか。
○斉藤委員 GPCはあくまで方法論ですので、このスチレンジビニルベンゼン共重合体カラムの固相抽出カラムなどもありますから、必ずしもこれを略すのが適当ではないと思うんですけれども、この部会でそれで通っているのなら、それでよろしいかなということです。
○佐藤委員 すっきりさせるなら「共重合体カラムを用いたGPC及び」とした方がいいかもしれないですね。
○松田委員 例えば「凝固法で精製」と書いてあるぐらいだから「GPC(○○)カラムで精製し」の方がすっきりすると思います。
○大野部会長 GPCというのは、分析上は皆さん知っている方法だということですね。私は知らなかったんですけれども。
○松田委員 やはりちゃんと書き下ろして、ゲルパーミエーションとか書いた方がいいんですかね。
○大野部会長 皆さんが常識として知っていることだったらいいのではないかと思います。
○斉藤委員 どうなんでしょうかね、ゲルパーミエーションだと有機溶媒系のものと水系のものと2種類あって、GPCとかGFCとかあるので、今、松田先生が言われたとおり書くなら正式名を書いた方がよろしいかもしれません。
○大野部会長 そういうふうにしていただけますか。ゲルパーミエーション・クロマトグラフィーを括弧してGPC。
○石井委員 ここの部分は、今回の部会の前に質問させていただいていたんですけれども、元の資料を見ると「ゲル浸透クロマトグラフィー」となっているんですね。スチレンジビニルベンゼン共重合体カラムを本来の固相としては使っていないという手法で行っていますので、この部分をもし書くとすると「ゲル浸透クロマトグラフィー」と書くと多分、親水性の部分はなくなってくるかと思いますので、括弧してGPCと手法を表した方が妥当ではないかと思います。
○大野部会長 そうすると「ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)」その後は何ていう表現を使ったらいいですか。スチレンジビニルベンゼン共重合体カラムとかカラムの名前は入れますか。
○石井委員 それは必要ないのではないかと思います。
○大野部会長 皆さん、よろしいでしょうか。それでは、スチレンから始まるところで下のカラムまでを消して、その代わりに「ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で精製する」というふうに修正をお願いいたします。
○事務局 かしこまりました。
○大野部会長 ありがとうございます。
 測定結果については、よろしいですか。
○松田委員 もう一つよろしいですか。これは、こうだからしようがないということですけれども、定量限界が0.005~0.1ppmと非常に幅がありまして、分析法を見ると全部ガスクロマトグラフ(NPD)で同じなんですね。何でこんなに違うのかなというので後ろを見ると、全部ブラジルのデータですよね。そのブラジルのデータで何ができてきたかというと、コーヒー豆の基準になっているんです。これが0.1以下であるものとして、0.2という基準が置かれているんですけれども、これは今回の申請でもないのでしようがないんですが、やはり作残試験の定量限界が0.1でやられているようなものは採用すべきではないと思います。
○大野部会長 今後の問題としての提起ということでよろしいですか。
 では、基準値、国際的整合性のところはいかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、分析法のところについて御意見をいただいて修正されました。それから、化学名のところも若干修正をしていただきました。その修正したものをこの部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。
○石井委員 先ほどのところは勘違いしまして、「ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)」でスチレンジビニルベンゼン共重合体カラムという固相は必要ないという意味で、その後に「及びアミノプロピルシリル化シリカゲル(NH2)カラム」というのは必要だと思います。済みません。
○大野部会長 では、皆さん、そういった修正でよろしいですか。
(「はい」と声あり)
○大野部会長 では、そのように修正をお願いいたします。
 それでは、次に動物用医薬品のチアンフェニコールについての御審議をお願いいたします。では、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、本日4剤目、チアンフェニコールについて御説明します。資料4-1を御覧下さい。
 今般の残留基準の検討については、食品中の動物用医薬品等のポジティブリスト制度導入時に新たに設定された基準値、いわゆる暫定基準の見直しについて御審議をいただくものです。
 1.概要です。当剤は、合成抗菌剤です。国内では牛、豚、鶏の細菌性呼吸器感染症並びに魚病に使用されています。海外でも牛、豚、鶏、羊及び魚類に対して使用が認められています。また、人の臨床にも使用されています。
 化学名と構造式等は記載のとおりでございます。
 適用方法及び用量は、御覧のとおりでございます。
 2.対象動物における残留試験です。チアンフェニコール親化合物について分析が行われております。分析法の概要は記載のとおりでございます。
 残留試験の結果は御覧のとおりでございます。
 食品安全委員会による3.ADIの評価です。毒性学的データから導かれるADIと微生物学的データから導かれるADIを比較しております。微生物学的データから導かれた値がより小さくなることから、チアンフェニコールの残留基準を設定するに際してのADIとしては0.005mg/kg体重/dayと設定することが適当であると考えられます。
 4.諸外国における状況でございます。JECFAにおいて評価されており、ADIとして0~5μg/kg体重/dayが設定されています。諸外国においてですが、EUにおいて基準値が設定されています。
 5.基準値案です。残留の規制対象をチアンフェニコールと設定する案としております。基準値案は別紙1のとおりでございます。
 これらの基準値案より暴露評価を行いましたものが別紙2でございます。TMDI試算によって一番小さい幼小児でも6.6%の占有率となっております。
 本剤については、平成17年11月29日付の厚労省告示第499号により、食品一般の成分規格7の食品に残留する量の限度の暫定基準が定められていますが、今般、残留基準の見直しを行うことに伴い、暫定基準は削除されます。なお、本剤については、基準値を設定しない食品に関して、食品・添加物等の規格基準(告示第370号)第1食品の部A食品一般の成分規格の項1に示す「食品は、抗生物質又は化学的合成品たる抗菌性物質を含有してはならない」が適用されることになります。
 最後のページが答申案です。
 事務局からの説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○大野部会長 ありがとうございました。それでは、御審議をお願いいたします。
 まず、化学名、構造について、いかがでしょうか。
○吉成委員 また細かいんですけれども、IUPACしかないんですが「acetamide」の前のスペースがいらないと思いますので、削除をお願いいたします。
 あと、CAS名を載せる、載せないというルールはあるんですか。
○事務局 CASの名前を探し出すことができませんでした。
○吉成委員 わかりました。
○大野部会長 ありがとうございます。
 適用方法、用量についてはいかがでしょうか。抗菌剤ということですけれども、宮井先生よろしいでしょうか。
○宮井委員 特にありません。
○大野部会長 ありがとうございます。佐藤先生、よろしいですか。
○佐藤委員 はい。
○大野部会長 ありがとうございます。
 薬理作用は前と同じではないかと思いますけれども、高橋先生いかがでしょうか。
○高橋委員 結構です。
○大野部会長 ありがとうございます。
 では、体内動態、代謝物についてはいかがでしょうか。
○吉成委員 チアンフェニコールはほとんど代謝されず、親化合物が排泄されますし、残留性も特に問題ないと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。高橋先生もよろしいですか。
○高橋委員 はい。
○大野部会長 ありがとうございます。私も同じようなところです。ほとんどがそのまま出てくるか、抱合体で出てくるかということで、特に問題ないかと思います。
 毒性的なところについては、鰐渕先生から何かコメントございましたか。
○事務局 特に頂いておりません。
○大野部会長 VICHの計算とJECFAの計算の仕方が若干考え方が違うようで、どうして違うのかよくわからなかったです。
VICHの方は、調べた細菌の中で平均的なところでは95%信頼限界で計算しているようなんですね。JECFAの方は最も感度が高いものを基準にして計算しているということで、読んでみたらそうなっていたんですけれども、そうすると、細かい計算も若干違いますけれども、低い方を採用するとなるとJECFAの方がほとんど採用されてしまうのではないかと思いました。安全サイドから見ればよろしいんですが、VICHの担当者から見ると、ちょっと困るんじゃないかと思いますが、こういう判断についてはコメントを求めるんですか。特に外国に公示して、それでおしまいですか。国内でのパブコメとかそういった意味でのコメントはないですよね。
○事務局 食品安全委員会でパブコメは行っていると聞いております。
○大野部会長 その段階でやっているわけですね。わかりました。では、VICHにかかわってきた先生も随分多いかと思いますけれども、そういう先生がこういう考え方に関してコメントを出したとしても、食品安全委員会は最終的にJECFAを採用したということでいきたいと思います。
 今までのところで御意見ございますか。よろしいですか。
 それでは、分析法と分析結果のところはいかがでしょうか。よろしいですか。
 基準値と国際的整合性の辺りについていかがでしょうか。
○松田委員 よろしいでしょうか。基準値の中で鶏の脂肪だけ高い0.2という基準が置かれていて、残留試験を見ますと鶏の脂肪というのは0.04以下という値になっているんですね。付近を見ると脂肪つき皮膚というのがあって、これが0.12とか0.16という値があるので0.2になったのかと思うんですけれども、実際に検査をする場合、脂肪というと脂肪になるわけで、脂肪つき皮膚というのは皮ですよね。皮は、検査する場合は、もしかしたら鶏の食用部分になるのではないかと思うんです。この辺の分類について伺いたいなと思ったんですが。
○大野部会長 いかがでしょうか。
○事務局 過去の農林水産省等との会議においては、分離不可能な場合は鶏の皮の基準を適用するということになっていたかと思います。この辺につきましても、最近VICHが改正されたので、農林水産省と調整を行う予定でございます。
○事務局 補足させて頂きますと、平成20年4月11日の部会の議事録に、やはりこのような質問がございまして、事務局といたしまして「皮膚の部分について皮膚に脂肪がついているため、皮膚については脂肪としてとらえているので、基準値案も皮膚のデータを脂肪として基準値案を設定しています」ということで御説明をさせて頂いているところです。
○松田委員 基準値案はそういうふうに設定されたのは理解できるんですけれども、では、検査をするときに、鶏皮というものがちゃんと売っているんですよ。そういうものは脂肪がついていないか、ついているかはわかりませんけれども、そういうときに0.12とかそういう値が出る可能性はあるんですよね。そのときにこの基準値案ですと、食用部分は0.05ですから違反になってしまうということですよね。検査するときは、皮であると脂肪の基準は適用しないと思うんですが。
○事務局 分離困難なものについては、脂肪の方が適用されるという取り決めになっているようです。
○大野部会長 食用に使う皮膚もそこで分離できるのだったら、この検査のときも分離できるんじゃないかという気はするんですけれども、できないので、売っているのも分離していないのかなと。想像ですけれども、どうですか。
○松田委員 頑張ればとれるんです。永山先生がいたら、どうしていますかと伺ってみたかったんですけれども。
○事務局 補足させて頂きます。以前にパブコメを頂いたときの回答といたしまして「皮膚に脂肪等が付着している場合については、脂肪等の残留基準が適用されるものと考えます」ということで、こちらで公式に回答しているところですので、検査部位としてもそのように考えていくものと考えております。
○松田委員 でも、データを見ると実際は脂肪の方が低いですよね。0.04以下となっているので、その辺がちょっと不安だなという気はします。
○大野部会長 TMDI比で幼小児6.6%ということで、そういうことがあってもオーバーすることはないような気がしますけれども。ただ、そういうところははっきりしておかないと。通常どうやっているかというところですね。そこを永山先生に問い合わせてみるということでいかがですか。
○事務局 では、確認させて頂きます。
○大野部会長 それを皆さんに流して頂けますか。その結果に基づいて、この表現をどうするかを検討させて頂ければと思います。
 それでは、全体を通してほかに御意見ございますか。
 それでは、化学構造のところも若干修正。それから、今の扱いについて実際のところどうしているかを永山先生にお伺いして、それに基づいて修正するところがあったら修正すると。こちらの全体的な方針にもかかわってきますね。どうしましょうか。
○事務局 方針にもかかわってきますので、永山先生と御相談させて頂いて、また、検査をする部門とも相談させて頂いて、脂肪つき皮膚で基準値を置いているんだけれども実際に検査をする現場ではどうしているか、どういう基準値がその他の食用部位で望ましいかについて、こちらとして案をつくらせて頂いて、また御相談させて頂ければと思っております。
○大野部会長 それでは、相談した結果を皆さんにお回しして確認して頂いて、それでよければ最終的な報告にしますし、更に検討しなくてはいけないような内容だったら検討して頂くということにしたいと思います。そういうことでよろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。では、そのようにさせて頂きます。
 では、次の品目ですけれども、動物用医薬品及び飼料添加物であるアビラマイシンについて御審議をお願いいたします。では、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、5剤目のアビラマイシンでございます。資料5-1を御覧下さい。
 本剤につきましては、昨年12月に開催されました本部会におきまして、暫定基準の見直しについて御審議を頂いたところです。その際、規制対象物質に代謝物を含めるかどうか、併せて基準値を設定しない食品区分の規制対象物質の取扱いについて御議論を頂きました。その御審議の際には、多くの委員から安全性、毒性の面で問題となる物質を対象物質とするように御意見があったことを踏まえまして、事務局では規制対象物質をアビラマイシンの親化合物とする案で整理いたしました。
 部会報告書につきまして、主に前回からの変更部分について御説明いたします。
 1.概要です。アビラマイシンは抗生物質でございまして、A、B等から成る混合物です。
 化学名等につきまして、前回の部会で御指摘頂いた点につきましては修正してございます。
 2.対象物質における残留試験です。微生物学的定量法によりまして、アビラマイシンについて分析が行われています。結果につきましては(2)の表に記載してございます。
 食品安全委員会における3.ADIの評価ですが、ADIは1.5mg/kg体重/dayとなってございます。前回の御審議で御指摘いただき、一部記載を整理してございます。
 4につきましては記載のとおりで変更はございません。
 5.基準値案でございますが、これまでの御審議を踏まえまして残留の規制対象はアビラマイシンAとする案としております。この理由といたしまして、代謝物については毒性の面から問題となる情報が得られていないことから、代謝物は規制対象物質には含めないこととし、したがいまして、JECFAや諸外国のようにジクロロイソエバニニック酸を測定するのではなく、日本におきましては直接親化合物のみを測定する案といたしました。
 また、親化合物のアビラマイシンはA、Bなどから構成されます混合物でございますが、このうちAが主要な構成成分であること、また、実際の管理で用いられる試験法におきましては、Aについて測定が可能になる状況を考慮いたしました。
 基準値案でございますが、6ページの別紙1を御覧下さい。国内で実施されました残留試験の結果から、豚、鶏について基準値案を設定しています。なお、国際基準につきましては、規制対象物質の取扱いが異なることから参照しない案としております。
 これらの基準値案によりまして、暴露評価を行いましたものが別紙2でございます。アビラマイシンAの残留をすべてのアビラマイシンの残留があると仮定して計算しております。TMDI試算によりまして一番高い幼小児で0.01%のADI占有率となっております。四捨五入をしており非常に小さい値ですので、表記上は0.0となっております。
 最後のページが答申案となります。
 事務局からの説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○大野部会長 ありがとうございました。
 これは前回御審議頂いたということで、今回修正があったところ以外は大体終わっていますので個別の確認はしなくてもよいかなと思いますが、今、見直しまして先生方から御意見ございますか。全体を通してお願いしたいと思います。規制対象物質はアビラマイシンAとするということで、諸外国とはかなり違うことになったということでございますが、アビラマイシンそのものの測定方法は今、日本で開発中と。特にこうしても問題はないということだったと思います。
 では、私から1つだけ。4ページの「4微生物学的ADIについて」の第3パラグラフ「また、アビラマイシンは、速やかに、大部分が、不可逆的に、結腸中で、糞便内容物と結合することが示され、微生物学的活性はさらに低下すると考えられた」ということなんですけれども、食品安全委員会の報告で見ると「不可逆的に」というところが結合しているという証拠が書いていないんですね。更に元の文献は届かなかったんですけれども、ここが確認できないので「不可逆的に」というところは削除した方がよろしいかなと思いました。ほかのところだと量は少ないですけれども糞から親化合物が抽出できるということもありますので、薬物代謝の面から見ると不可逆的と言うとcovalent bindingということなので抽出されないはずなんです。そういうことで、「不可逆的に」を除いて頂ければありがたいと思います。よろしいでしょうか。
 ほかのところはいかがでしょうか。7ページの別紙2に書いてあるのは、基準値案割る60%、基準値案を0.6で割ったものがアビラマイシン全体としての総投与量であるということですね。よろしいでしょうか。
 それでは、私が若干修正させて頂きましたけれども、その修正したものをこの部会の報告とさせて頂いてよろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございました。では、そのようにさせて頂きます。
 それでは、今日の最後の品目ですけれども、カルプロフェンについて御審議をお願いいたします。では、事務局から説明をよろしくお願いいたします。
○事務局 それでは、6剤目カルプロフェンでございます。資料6-1を御覧下さい。
 今般の残留基準の検討につきましては、ポジティブリスト制度導入時に新たに設定された基準値、いわゆる暫定基準値の見直しについて御審議頂くものです。
 本剤につきましては、平成22年5月の部会においても暫定基準の見直しについて御審議して頂いております。このときには、残留試験成績が確認できなかったことから、すべての基準値を削除することになりました。しかし、その後にEU及びニュージーランドの基準値設定の際に用いられたデータが企業より提出されましたことから、再度部会で御審議頂くものです。
 まず1.概要でございます。本剤は、アリルプロピオン酸に分類される非ステロイド系抗炎症薬でございまして、作用機序等は記載のとおりでございます。国内におきましては、イヌを対象動物とする動物用医薬品として承認されており、家畜への適用はございません。海外におきましては、牛及び馬を対象動物とする動物用医薬品として承認されております。
 こちらの記載ですけれども誤記がございまして、「対象動物とする動物用医薬品」ということで、「とする」という3文字を追記して頂きますよう、お願いいたします。
 次に、化学名及び構造式等につきましては記載のとおりでございます。
 EU及びニュージーランドにおける適用及び使用方法につきましても、記載のとおりでございます。
 2.対象動物における残留試験でございますけれども、グルクロン酸抱合体を含むカルプロフェンについて分析されております。分析方法の概要及び測定結果につきましては、記載のとおりでございます。
 3.ADIの評価です。ADI=0.01mg/kg体重/dayという評価となってございます。こちらの値は前回の部会で御審議頂いたときと変更はございません。
 4.諸外国における状況ですけれども、JECFAにおける評価はなされておらず、国際基準も設定されておりません。諸外国につきましては、EU及びニュージーランドで基準値が設定されております。
 ここで資料の修正をお願いいたします。4ページの別紙1ですけれども、ニュージーランドの記載が抜けております。ニュージーランドにつきましてもEUと同じように基準値が設定されております。各食品における基準値はEUと全く同じものでございます。
 次に5.基準値案でございます。まず、残留の規制対象についてですが、グルクロン酸抱合体を含むカルプロフェンと設定する案としております。
 なお、グルクロン酸抱合体は、抽出及びHPLCでの分析の過程で加水分解され、親化合物になることから、EUにおいてもカルプロフェン及びグルクロン酸抱合体が規制対象とされております。
 次に、別紙1の基準値案を御覧下さい。牛については、家畜残留試験に基づきEU及びニュージーランドと同じ基準値を設定する案としております。その他の陸棲哺乳類に属する動物につきましては、家畜残留試験が確認できなかったことから基準値を削除する案としております。
 これらの基準値案により暴露評価を行いましたのが別紙2でございます。TMDI試算によりまして一番高い幼小児で6.0%のADI占有率となっております。
 最後のページが答申案となります。
 事務局からの説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○大野部会長 ありがとうございました。
 これについては、前回EUで設定したときのデータ提供がなかったということで、すべて基準値案を削除したということで、それ以上の審議はやらなかったんですかね。
○事務局 審議の結果、基準値をすべて削除することになりましたが、今回新たにデータが提出されたのでということでございます。
○大野部会長 細かい化学構造だとかほかの審議もやりましたか。
○事務局 御審議頂いております。
○大野部会長 そうすると、今回はEUの設定のときに使ったデータが提出されたので、それに基づく審議だけに絞ってよろしいということですね。皆さんに了解していただければ。よろしいでしょうか。それでは、全体を通して御意見があればお伺いしたいんですけれども。
 グルクロン酸抱合体を含むという規制で問題ないですか。抽出の段階で切れると考えてよろしいですか。
○松田委員 水酸化ナトリウム溶液で抽出したので切れているのだと思いますが、HPLC分析の過程で加水分解されるという分析法はあり得ないと思うので、そういうことは分析するときに避けると思うんですね。なので、このHPLC分析の過程は削除して頂いた方がいいと思います。もし、グルクロン酸抱合体を含むのであれば、HPLCにいく前に抱合体を全部切ってカルプロフェンにすればいいので、分析法がこうだからグルクロン酸抱合体を含むというのは理屈としておかしいと思います。
○大野部会長 そうすると、これをどうしたらよろしいですか。
○松田委員 残留の規制対象は大抵、国外でそうなっているとか、ADIはそういうふうにして決めたというのが理由になるので、分析法でそうなるからという理由は余り規制対象を決める理由としてふさわしくないと思います。
○基準審査課長 「EUにおいても」を変えて「なお~親化合物になる」で切っておけばいいんじゃないでしょうか。
○松田委員 「EUにおいては、これが規制対象となっている」で十分ではないでしょうか。規制対象が決められれば、そのように分析法を策定するということになります。
○大野部会長 わかりました、ありがとうございます。そうすると、「なお」の後をずっと削除して「EUにおいても」につなげればいいということですね。
○松田委員 それで十分だと思います。
○大野部会長 よろしいでしょうか。
○事務局 では、そのように修正させて頂きます。
○大野部会長 ありがとうございます。ほかに御意見ございますか。
 それでは、これについては事務局の説明で幾つか修正されたところがございますけれども、それに加えて松田先生からの御意見に基づいて修正するということでございます。その修正されたものをこの部会の報告としてよろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせて頂きます。
 これで本日予定しておりました残留基準の設定についての議題は終了いたしました。ありがとうございました。
 それでは、本日の審議結果の食品衛生分科会での取扱いについて、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 平成22年3月3日に了解されました食品衛生分科会における確認事項に基づき、本日の部会で御審議いただいた農薬3剤、動物用医薬品2剤並びに動物用医薬品及び飼料添加物1剤の食品衛生分科会での審議または報告の取扱い案につきましては、僣越ながら事務局より原案を用意させて頂きました。
 農薬フラメトピル、動物用医薬品チアンフェニコール並びに動物用医薬品及び飼料添加物アビラマイシンにつきましては、いずれも暫定基準等を既に設定されている残留基準の一部改正で区分4または5に該当しないことから、区分3として分科会での取扱いは「報告」でいかがでしょうか。いずれも「ただし、その用途、毒性等から見て慎重に審議する必要がある」ということではないと思われます。
 また、農薬クロルフェナピル及び農薬テブコナゾールにつきましては、いずれも食品安全委員会での評価の結果に変更がないことから、区分4として分科会での取扱いは「文書配付による報告」でいかがでしょうか。いずれも「ただし、その用途、毒性等から見て慎重に審議する必要がある」ということではないと思われます。
 なお、動物用医薬品カルプロフェンにつきましては、平成22年6月2日の食品衛生分科会の報告後にパブコメ等により基準値設定が要請された案件であることから、分科会長に御了解を頂いた上で区分4として、分科会での取扱いは「文書配付による報告」でいかがでしょうか。
○大野部会長 ありがとうございました。ただいま御説明がございましたような分科会での取扱いについては、いかがでしょうか。御意見ございますか。
○事務局 それから、チアンフェニコールにつきましては、場合によりましてもう一度御審議頂ければと思っております。
○大野部会長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。では、そのように取り扱わせて頂きたいと思います。それについては一応、分科会長の承認を得ることが必要ですので、分科会長の承認が得られたらそうするということでいきたいと思います。
 それでは、事務局から今後の手続について説明をお願いいたします。
○事務局 本日御審議頂きました農薬3剤、動物用医薬品2剤並びに動物用医薬品及び飼料添加物1剤につきましては、食品安全委員会の通知を受けていることから、部会長に御確認を頂くものもございますが、修正・御確認の上、本案をもって部会報告書とさせて頂きたいと思います。なお、今後の手続につきましては、パブリックコメント、WTO通報、消費者庁協議等の必要な手続を進める予定といたしております。
○大野部会長 ありがとうございます。
 それでは、次回の予定について説明をお願いいたします。
○事務局 次回の本部会の開催日程につきましては、平成24年3月19日月曜日、午後を予定しております。後日、委員の皆様につきましては御確認をさせて頂きたいと存じます。詳細につきましては、追って御連絡申し上げます。
○大野部会長 ありがとうございます。
 事務局、そのほかにございますか。
○事務局 ほかにはございません。
○大野部会長 先生方もよろしいでしょうか。
 それでは、以上をもちまして本日の部会を終了いたします。御協力どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

医薬食品局食品安全部基準審査課残留農薬係
(03-5253-1111 内線4281,2487)

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