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2011年11月24日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会放射性物質対策部会議事録

○日時

平成23年11月24日(木)10:00〜12:00


○場所

中央合同庁舎第5号館(厚生労働省) 19階専用第23会議室


○出席者

委員

山本委員(部会長)、明石委員、青野委員、浅見委員、阿南委員、角委員、高橋委員、山口委員、田上委員、松田委員

事務局

三浦食品安全部長、篠田大臣官房審議官、木村大臣官房参事官、吉岡企画情報課長、森口基準審査課長、滝本監視安全課長、道野輸入食品安全対策室長、温泉川食中毒情報管理室長、横田補佐、鈴木補佐、飯塚専門官


○議事

○横田補佐 それでは定刻となりましたので、ただ今から「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会放射性物質対策部会」を開催いたします。
 本日は御多忙のところ御参集いただき、厚く御礼申し上げます。本日は石川委員より御欠席の旨、御連絡をいただいております。現時点におきまして、放射性物質対策部会の委員11名中10名の御出席をいただいており、部会委員総数の過半数に達しておりますので、本日の部会が成立しておりますことを御報告申し上げます。
 それでは議事に入りますので、カメラ撮りはここまでとさせていただきますのでよろしくお願いいたします。
 それでは、以後の進行を山本部会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○山本部会長 おはようございます。
 それでは議事に入らせていただきたいと思います。初めに、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。
○横田補佐 資料の確認をさせていただきます。
 本日お配りいたしました資料は、まず議事次第、委員名簿と座席表がございます。その次に配付資料の記載がある一覧がございます。その後ろから、
 資料1 規制値を計算する際に考慮する年齢区分等について
 資料2−1 規制値設定対象核種について
 資料2−2 食品摂取による内部被ばく線量評価における放射性セシウムの寄与率の考え方(作業グループ(食品分類等)報告書)
 資料3 食品区分(案)について
その後ろ、
 参考資料1 食品安全委員会委員長談話
 参考資料2 評価書(食品中に含まれる放射性物質)
 参考資料3 主な論点と対応の方向(10月31日開催食品衛生分科会・放射性物質対策部会合同会議資料)
 参考資料4 コーデックス委員会ガイドライン
 参考資料5 ICRP2007年勧告の国内制度等への取り入れについて
 参考資料6 食品中の放射性銀の管理に関する考え方について
 参考資料7 WHO飲料水水質ガイドライン(抜粋)
 参考資料8 チェルノブイリフォーラムのレポート
以上でございます。
 資料の不足や落丁等ございましたら事務局までお申し付けいただきますようお願いいたします。
○山本部会長 どうもありがとうございました。皆さん、資料の方は揃っておられますか。
 それでは本日の最初の議題ですが、「規制値を計算する際に考慮する年齢区分等について」であります。事務局から資料の説明をお願いします。
○鈴木補佐 それでは資料1について説明をさせていただきます。
資料1は「規制値を計算する際に考慮する年齢区分等について」でございます。こちらにつきましては、本部会のワーキンググループの先生方等に御意見を伺いながら、事務局として案をまとめさせていただいたものになります。
 1の経緯及び現状でありますけれども、食品安全委員会の食品健康影響評価書においては、小児の期間は成人よりも放射線による健康への影響を受けやすい可能性が言及されております。現在の暫定規制値では年齢区分別、すなわち「成人」、「幼児」、「乳児」の平均的な年間食品摂取量と年齢区分別の線量係数を用いまして、介入線量に相当する食品中の放射能濃度の限度値を年齢区分別に算出し、最も厳しい限度値を全年齢に対する規制値として運用することによって、年齢区分への配慮を図っているところでございます。
こちらにつきまして、図1をごらんください。
図1の左端の真ん中の箱でございますけれども、こちらは放射性セシウムの暫定規制値の計算における年齢区分の考え方ですが、放射性セシウムにつきましては許容線量を5mSv/年としておりまして、こちらを暫定規制値で設けております5つの食品カテゴリーに1mSvずつ割り当てるということをしております。
右に食品カテゴリーの5つの区分がございますが、例えば「飲料水」であれば飲料水の限度を1mSvとしているというイメージでございます。これを右の矢印に進みまして、年齢区分別の摂取量と線量換算係数を考慮して限度値を年齢区分別に計算しております。
例えば穀類であれば、成人の限度値が1,100、乳児の値が2,940となっております。こちらは、線量係数としましては乳児の線量係数が成人の1.5倍ほど厳しいものになりますが、摂取量としましては成人が乳児よりも5倍以上多いということから、最も厳しい限度値は成人になるというようなメカニズムになっております。
他の区分についても、概ね成人の摂取量が多いことによって、成人の限度値が最も厳しくなる状況ですが、「牛乳・乳製品」のを見ていただきますと、「牛乳・乳製品」に関しては乳児が270Bqと最も厳しい限度値となっております。こちらは摂取量が乳児において成人の3倍ほどあることが効いているという形になっております。
このように計算したものが、最終的に年齢区分を考慮した規制値として、現在の暫定規制値として定めているところとなります。
この点を踏まえまして、2の新たな規制値における方針の提案でございますけれども、新たな規制値におきましても引き続きましてこうした方法で限度値の算定を行いまして、年齢区分への配慮を行ってはどうかというふうに考えております。また、これに加えまして、更によりきめ細やかな年齢区分等への配慮を行ってはどうかということを提案させていただくものでございます。
すなわち、下の囲みの①と②でございますけれども、1歳未満、1歳〜6歳、7歳〜12歳、13歳〜18歳、19歳以上の5つの年齢区分に分けて限度値の算出を行ってはどうかという考えであります。
それから②ですけれども、13歳〜18歳、19歳以上の年齢区分につきましては、男女差による摂取量の差が非常に大きくなってまいります。こうしたことを踏まえて、13歳〜18歳、19歳以上につきましては摂取量の男女差についても考慮してはどうかというのが提案でございます。すなわち、中高生の男性であるとか、成人の男性のような摂取量の多い年齢区分についても配慮をしてはどうかということでございます。
資料の説明は以上でございます。
○山本部会長 ありがとうございました。
 ただいまの説明に関連しまして何か御意見、御質問等ございましたらよろしくお願いいたします。
 特にございませんか。それでは「規制値を計算する際に考慮する年齢区分等について」は資料のとおりの方針とすることでよろしいでしょうか。
 御意見がないようですから、次の議題に移りたいと思います。
 次の議題は、「規制値設定対象核種」についてです。作業グループ(食品分類等)座長の高橋委員から御説明をお願いいたします。
○高橋委員 それでは説明をさせていただきます。
 まず資料2−1につきまして、こちらに、今回の資料の2−2が詳しい報告となりますけれども、そちらの中のエッセンスを取り出した形の資料になっております。詳しい中身につきましては、後ほど資料2−2を用いて説明させていただきます。
 まず1番といたしましては規制の対象とする核種、これは半減期が1年以上の放射性核種全体というふうに考えております。具体的にはセシウム134とセシウム137、ストロンチウム90、プルトニウム同位体が幾つかございます。それとルテニウム、こちらは後ほど御説明いたしますけれども、このような核種がここに含まれてまいります。
 2番、放射性セシウム以外の規制対象核種につきましては、前回の7月12日の部会の了承事項となっておりますけれども、放射性セシウムと一括的な規制値を用いて管理するということを考えております。
 続きまして3番の寄与率ですけれども、こちらにつきましては現在の計算におきましてはこのような計算結果になっております。なお、こちらにつきましては今後精査をして、具体的な規制値を出す際に使っていきたいと考えております。
 最後4番ですけれども、放射性ヨウ素・ウランにつきましては、規制値は設定しない。こちらにつきましても後ほど詳しく説明いたしますけれども、放射性ヨウ素は半減期が短いということで、既に現時点において検出が見られないということから、現時点で規制値を新たに設定する必要がないと考えております。また、ウランにつきましては、こちらも後ほど説明いたしますけれども、現在放出量が少ないと考えられるために、規制値は設定しないというふうに考えております。
 では、具体的な中身につきまして資料2−2に基づきまして御説明をさせていただきます。
 今回、この部会におきまして検討を進めております新しい食品中の放射性物質の規制値は、東京電力福島第一原子力発電所事故によって放出された放射性核種について食品、こちらは飲料水も含めますけれども、この経口摂取による内部被ばくを許容できる線量以下に管理するということを目的として設定いたします。
 そのために、今回は、例えば後ほどお話いたしますこの規制値のもとになります放射性核種の濃度の比率、土壌中の濃度比等は、現在の福島原子力発電所において測定された値、あるいは推定された値を使うということを前提としております。ただし、かなり安全側に評価するということを考えて実施しております。新しい食品の規制値につきましては、現時点において最も内部被ばく線量に対する影響が大きいと推定されて、かつ比較的容易に多数の食品について測定可能な放射性セシウムを対象として設定することが妥当である。これは、前々回の部会で了承されているところでございます。
 その他の核種の影響につきましては、放射性セシウムに対するその線量の比を推定することによりまして、放射性セシウムに対する規制を行うことで一括して管理するということも了承されております。
 本検討では、これらの方針に基づきまして放射性セシウム以外の放射性核種を管理する上で必要な、内部被ばく線量の全体に占めます放射性セシウムの線量の寄与率というものについて検討いたしました。
 この寄与率につきましては経時変化をいたしますので、事故後の各時点における放射性セシウムの寄与率と、各時点における放射性セシウムの線量係数の比を導出いたしまして、その中で一番厳しくなるものを使用するという考え方で行っております。
 先ほど若干申しましたけれども、この規制値といいますのは、福島原発事故を対象としておりますけれども、各々の前提につきましては、できるだけ安全側のものになるように配慮している、すなわち厳し目の規制値になるようにということを配慮してパラメータの設定等を行っております。
 万が一、この原発事故以外の新たな事故的な放出というものが発生した場合には、この規制値に対しては、様々な前提をおいて計算をしておりますけれども、その適合性を考慮した上で、新たな規制値が必要であるかどうか検討することが必要であろうと考えます。
 また、新たな規制値につきましては、福島原発事故直後に設けた暫定規制値に代わりまして、平成24年4月以降の長期的な状況に対応するものであるということになっております。そのため、規制値の設定におきましては、寄与率で管理を行う核種といいますのは比較的半減率が長く、その長期的な影響を考慮する必要がある核種であるというふうに考えております。
 この核種をピックアップするに当たりましては、保安院の試算値、こちらが資料の別添3のところにございます。こちらが、「原子力安全・保安院公表資料」というものになっておりますけれども、こちらの中から半減期が1年以上の核種、これを規制の対象というふうに考えております。その一覧表を、表1に示しております。表1にございますように、放射性セシウム、ストロンチウム90、ルテニウム106というものがここに加わっております。また、プルトニウム同位体238、239、240、241がそこに入ってまいります。また、保安院の試算値のリストに掲載された核種のうち、半減期が1年未満の核種についてですけれども、こちらにつきましては当該核種による被ばく線量の放射性セシウムによる被ばく線量に対する比を考慮する。その影響について確認するという形で考えています。すなわち、こちらについては半減期が短いこともありますので、すぐに減衰してしまいますけれども、とはいえかなりその影響が大きいようであれば、やはり何らかの考慮は必要だろうということを考えまして、この影響がどの程度であるかということを、試算を実施しております。
ただし、この新しい規制の施行予定としております24年4月につきましては、これは事故後1年以上が経過しております。そうしますと、このリストにはかなり短い、例えば数時間というような半減期の核種も書かれておりますけれども、こういうものはほとんど減衰しているであろうというふうに考えます。ですので、半減期が30日未満の核種につきましては、既にその初期量の4000分1未満になっている。またその後も急激に減少するということが考えられますので、この解析対象から除外しております。
 なお、放射性ヨウ素につきましては、先ほども申しましたように半減期が短いということがございます。現在、混合核種の代表核種としてヨウ素131が、暫定規制値が設定されておりますけれども、半減期が最も長いヨウ素131でも約8日間である。平成23年7月15日以降は検出された報告はないということもございますので、規制値を設定する対象とはしないというふうに考えています。
こうした確認を行う核種、すなわち半減期が30日以上1年未満の核種で、この別添3の保安院のリストに上がっている核種、プラス、ちょっと説明を飛ばしてしまいました、申し訳ございません。銀110mにつきましては、これは保安院の試算値のリストには掲載されておりませんけれども、文部科学省の放射線量等分布マップの測定におきまして、これは検出が報告されており、また、半減期が約250日ということがありますので、銀110mについては、この確認を行う対象核種として設定しております。これが、まず評価を行う対象核種についてです。
 続きまして2番、その規制対象核種のセシウム137濃度に対する比率というものを考慮しております。
 まず放射性核種の移行経路ですけれども、ここで考慮します食品の経口摂取経路につきまして、新しい規制値で考慮する放射性核種の主な移行経路を29ページにございます図1に示しております。
 具体的には、農作物、あるいは飼料作物につきましては、土壌から移行する経根吸収経路のみを考慮する。すなわち直接沈着につきましては事故初期においては重要な経路でありましたけれども、1年以上経過しているということもございますので、土壌から吸収された放射性核種による汚染が支配的であるということで、この経路について考慮する。すなわち移行係数を用いた評価を行うということを考えています。
 なお、樹木に生育する果実等につきましては、事故直後に樹皮あるいは葉に付着した放射性物質がまだ樹木内に残存しておりまして、次年度以降もこの核種の再転流によりまして、可食部に放射性核種が移行するという可能性がございます。ただし、この転流経路につきましては、ウェザリングと申します、降雨や風などによりまして植物表面から除去される現象がございます。そのために残存率は、多分かなり低くなるだろうということが考えられます。
また、カリウムの同族元素でありますセシウム同位体は、他の核種よりも動きやすい、すなわちたまりやすいということも考えられます。そうしますと、他の核種との寄与を考えるという場合には、この転流による寄与は考慮しない方が保守的であろうというふうに考えられます。ですから、ここでは評価から除外しております。
 また、畜産物につきましては、放射性核種の直接沈着した稲わら等を給餌したことによる牛肉の汚染というのが報告されています。今後はこのような経路は非常に考えにくい、直接沈着したものを食べるということは考えにくいということがありますので、農作物と同様に耕作土壌から飼料作物、これは牧草あるいは穀物ということになりますが、それに吸収された放射性核種が給餌されることによりまして畜産物に移行する経路、これが主と考えられています。
 なお、家畜の飲用水につきましては、ここでは考慮する必要はないと考えております。
 淡水産物は、福島原発事故直後は大気から河川等に沈着した放射性核種が淡水産物に移行するということが考えられます。今後は、周辺流域から流入する放射性核種、あるいは一度その河川等の堆積物に収着した核種が再度溶脱する、そういう経路によりまして淡水中に核種が存在するということが考えられます。ですので、そのような形での評価をするというふうに考えております。
 以上から、農産物及び畜産物につきましては、当該生産物が産出される地域における各核種の土壌中濃度比を推定するということがまず前提となります。また、淡水産物につきましては、湖沼や河川等の淡水中の濃度比を推定するということが最初の作業になります。
 これらの濃度の比率につきましては、まず文部科学省が実施しております放射線量等マップの作成のために測定されたモニタリングデータが存在する核種、これにつきましてはそれを用いる。また、核種そのものは測定されていないけれども当該核種の同位体が測定されている場合には、その同位体の比と、かつそこに先ほどの保安院の試算値の合計欄の比を用いて推定を行う。具体的には、先ほどのリストのうちストロンチウム90につきましてはモニタリングデータがございますので、そのままその比を用いるということをしております。プルトニウム238につきましても、データは少ないですが、比が求められておりますので、これを用いる。プルトニウム239、240、241につきましては、238とセシウム137の比率にそれぞれの核種の保安院試算値による比率を掛けるということをしております。ルテニウムにつきましては測定結果がございませんので、保安院試算値の比率を用いるという形になっております。
 また、文科省が公表していますデータでは、すべて土壌中濃度は6月14日時点に換算されておりますので、これは一度3月11日時点に戻しまして、そこから更に各年度の当初までまた崩壊を計算するというというようなやり方をしております。
 続きまして海産物につきましてです。
 海産物につきましては、放射性核種の移行経路といたしましては、大気中に放出された放射性核種のうち、海側に流れて海面に沈着した核種、あるいは発電所のサイトから直接海洋に放出された核種、こういうものが考えられます。このうち、特に発電所サイトからどの程度の量の核種がどの程度の組成で流れていたかというのは、いまだにはっきりしておりません。また、海水中におけます核種の移行挙動、これも元素によって大きく異なると考えられる。陸域のようにマップを書くような詳細なモニタリングによる評価というのを実施するのは困難ですし、また、この海水という形での測定をするのも、網羅的にするというのは非常に困難というふうに考えられますので、海産物に関する濃度比につきましては、海産物そのものの実測値によって行う必要があるというふうに考えております。
 ただし、これにつきましては現在実測値を得る作業を進めておりますけれども、十分なデータが揃うにはまだ時間を要するということでございますので、今回この新しい規制値の設定におきましては、海産物におけます放射性セシウムの影響につきましては、若干パラメータを振る形で想定して解析を行いまして、最終的に安全側と考えらえるパラメータを使って評価を行う、そういう方式をとっております。具体的には後ほど説明いたします。
 なお、この解析結果につきましては、今後実測値を確認して、そのようなレシオ、安全側というふうに考えておりますけれども、それが本当に妥当なのかどうかということにつきましては、十分に検証する必要があろうというふうに考えております。
 では、それぞれの核種の初期比率です。
 まず土壌ですが、セシウム134、137比につきましては、文科省が測定されていました土壌中の134/137比を使っています。こちらにつきましては図2にございますように、かなり相関が高く、その土壌中濃度比といたしましては9.2×10-1(平成23年6月14日時点)というのを用いるというふうに考えております。
 続きまして、ストロンチウム90とセシウム137の比です。こちらも文部科学省が測定を行いまして、こちらの測定結果の比につきましては図3に出ております。この図3におけますセシウム137に対するストロンチウム90の土壌中の比率といいますのは、1.6×10-4〜5.8×10-2、算術平均が2.6×10-3ということになっております。
 このストロンチウム90濃度の比につきましては、セシウム濃度が比較的高いという地点、つまり沈着が多かったと思われる地点では比較的低くなっており、また沈着が多くなかった、濃度が低い部分では比較的高くなっている傾向が見られます。これは、一つの原因といたしまして、過去の大気圏内核実験によって存在しているストロンチウム90ですね。このストロンチウム90/セシウム137比というのは、現在の事故による比率よりも高いということがあります。その影響が一つの原因として考えられます。
 ということで、本解析におきましてはその算術平均が2.6×10-3ということでありましたので、この高いところ、すなわち食品中濃度が高くなる可能性のある地域では、この比率が低くなる傾向がある。すなわち算術平均である2.6×10-3よりも十分低いということを考慮しまして、ただし、これを上側に丸めまして、つまり安全側に丸めまして、2.6×10-3を上に丸めました3×10-3というものをストロンチウム90、セシウム137の比として使いたいと考えております。
 続きましてプルトニウム同位体です。こちらにつきましてはプルトニウム238と239+240という形で測定されております。ただし、これは239+240という形の測定になっております。また、プルトニウム241については実測されていないということもございますので、ここではまずプルトニウム238の比率につきまして、文部科学省のモニタリングデータから推定いたしまして、他の核種につきましては、その比率に保安院試算値の比率を乗じるということで求めるということを考えております。このグラフは図4にございます。
 図4にございますように、この測定点は6点ということになっております。この比率は8.3×10-8〜1.1×10-6、算術平均は5.1×10-7ということになっております。これは、測定点が非常に少ないということがございますので、過小評価になることを避けるという目的から、これは平均値からではなく、この最大値を高い値に丸めて2×10-6というものを平成23年6月14日時点の値ということで考えています。その他につきましては、保安院試算値の比率を用いて考えています。
 ルテニウムにつきましては測定値がございませんので、そのまま保安院試算値の合計欄における比率を用いるということにしております。これは、1.4×10-7という非常に低い値が出ております。
 続きまして淡水です。淡水につきましては先ほど申しましたように、初期段階では直接降下してそのまま淡水の濃度になっているということが考えられますけれども、河川水の場合は非常に早く流出いたしますので、ある程度時間が経った後は土壌の表面に降下してとどまっている放射性核種が流れ込んだ、あるいは河川水の堆積物に収着した核種がまた溶脱したということが考えられます。
 そうしますと、淡水中の濃度といいますのは、放射性核種の土壌あるいは堆積物への収着程度に依存するということが考えられます。そうしますと、その収着の程度を使うKdというものもございますけれども、こちらにつきましてもストロンチウム90につきましては実測値がございますので、実測値を使うということを考えています。こちらにつきましては、図5にこの実測値のプロットがございます。
 このようなプロットがございまして、2回にわたって測定されておりまして、算術平均が8.4×10-3となっております。こちらにつきましては、このような時期による測定であることも考慮いたしまして、やはりこれは念のために安全側に0.02、すなわち2×10-2という最大値を上に丸めた形の数値を初期値として考えております。
 なお、この2回の測定値の真ん中をその測定時点としておりますけれども、御承知のようにストロンチウム90とセシウム137、半減期はほとんど変わりませんので、この補正をしても余り影響はございません。
 その他の核種につきましては、こちらモニタリングデータが得られておりませんので、こちらの式にありますように、放射性核種の固相中濃度と液相中濃度の分配係数というパラメータがございます。このパラメータを用いまして評価を行う。すなわち土壌中濃度比を、このKdの比で割ります。すなわち、セシウムの土壌へのくっつきやすさとその他の核種のくっつきやすさに差がございますので、それをこのKdの比で表現いたしまして、その比で除することによりまして淡水中濃度の比とするというというような考え方を用いております。
 続きまして2.3、こちらは内部被ばくを確認する比較的短半減期(1年未満、30日以上)の核種の考え方です。
こちらも考え方としては同様でして、モニタリングデータがあるものにつきましてはそれを使う。具体的にはストロンチウム89はモニタリングデータがございますので、これは平均値を用いております。
 また、テルル同位体につきましては、テルル129に関しまして平均値がございます。こちらのうち0.88という数字を使用しております。また、テルル127mにつきましては、これに保安院の試算値を乗じることによって求めております。
 銀110mにつきましては、モニタリングデータを用いております。
その他につきましては同位体も含めてモニタリングデータが得られておりませんので、保安院試算値の合計欄の比率を使うというような考え方をしております。
 淡水につきまして、ストロンチウム89につきましては、先ほどのストロンチウム90の淡水の比率が得られておりますので、それにストロンチウム89とストロンチウム90の比率をかけるという考え方をしております。
その他につきましては、Kdを使ってその比率を求めるという考え方をしております。
 2番が初期濃度、土壌中濃度及び淡水中濃度のセシウム137に対する比の考え方でございます。
 続きまして、環境移行パラメータの設定の考え方になります。
 こちら基本方針となります。前述したように、表1に示した規制の対象となる核種と、表2に示しました内部被ばく線量を確認する放射性核種につきましては、その放射性セシウムに対する被ばく線量の比を推定することによって、その影響を確認する。この環境移行パラメータにつきましては、我が国において取得されたデータと、IAEAのレポートに基づいて設定するということを基本方針としております。
 まず「土壌から農作物への移行係数」です。
こちらは、当然元素の種類によって大きく異なりますので、これを土壌中濃度と植物中濃度が比例するというモデルを一般的に使っています。この比例係数が移行係数と呼ばれるものでございます。
 規制の対象となる核種が放射性セシウムの規制値により、一括して管理されるということがありますので、本評価では、各核種の放射性セシウムに対する移行係数の比が他の核種による線量寄与を過小評価することのないようにということの考え方で選んでおります。
具体的には、独立行政法人放射線医学総合研究所及び財団法人環境科学技術研究所において示された移行係数データと国際原子力機関(IAEA)がとりまとめましたTRS No.472というもの、こういうものを参照いたしまして、複数のデータがある場合には幾何平均値を用いるというようなことを考えまして、それぞれ穀類、玄米、白米、芋類、葉菜、根菜、豆、果菜という分類ごとに分類をいたしまして、それぞれ幾何平均値を算出するという考え方をしております。
 なお、穀類、玄米、白米に分類したのは、我が国での消費を反映させるということにしております。
 各元素の移行係数をセシウムの移行係数で除することによりまして、この移行係数の比を算出しております。
こちらにつきまして、3機関のデータを比較しまして、最も高い値を示す値を選択するということを考えています。
なお、放射性テルルにつきましては、TRS No.472では一つの結果のみによる移行係数が示される。これにつきましては一つのデータであるということで妥当性の判断が困難でありますので、テルルの同族元素でありまして、かつ我が国でもデータが取得されているセレンのデータを使うということを行っております。
具体的なこの移行係数の比を表3に示しております。
表3につきまして、色分けされておりますのは、それぞれのデータの参照元を示しております。
続きまして、畜産物につきましては土壌から飼料への移行係数と、飼料から畜産物への移行係数ということになります。
まず、飼料作物につきましては、牛につきましては国内では牧草、トウモロコシ、ふすま、穀類等を与えるということが考えられますので、牧草、穀類がその飼料の対象となりますけれども、どちらを与えるということが確定しているわけではございませんので、こちらではその移行係数のうちセシウムに対する比が高い方を使うということを考えております。
また、豚、鶏につきましては、配合飼料に用いられています国産材料がふすま、糠及び飼料米ということでありますので、こちらにつきましては穀物の移行係数を用いることにしております。
牧草への移行係数は、財団法人環境科学技術研究所のデータがある場合にはそれを用い、それがない場合にはTRS No.472を用いるということを考えております。また、牧草へのデータがない核種につきましては、葉菜類のデータを用います。穀物への移行係数は、前述の農作物におきます穀物と同じになっております。
飼料から畜産物への移行係数です。
こちらにつきましてはTRS No.472とTRS No.364のうち、セシウムとの比が高いデータを用いるということをしております。ただし、幾つかのパラメータにつきましてはデータがございませんので、SS No.57を用いる、あるいはこちらに書かれているような方法を用いまして、同族元素等のデータから推定するという方法で設定しております。
この設定した値につきましては、表4に示されております。
表4におきまして、基本の推定の方法につきましては下の表に示した方法で推定をしております。
また、飼料から牛肉への移行係数のうち、一部の核種につきましては子牛のデータというのが記載されておりますけれども、子牛の量というのは非常に少ないということもございますので、子牛のデータは用いないということにいたしております。
続きまして「土壌における固液分配係数」です。
こちらにつきましては、独立行政法人放射線医学総合研究所におきまして取られました放射性核種のKdデータの幾何平均値と、TRS No.364、No.472に示された幾何平均値、もしくは期待値というものを参照しました。
こちらでKdが高いというのは土壌固相に収着されやすいということになりますので、逆に言いますと、水に溶存態として存在しにくいことがありますので、ここでは放射性セシウムの比に対しまして、水中で高くなるということを考慮いたしまして、その複数のKd値がある場合には最も低くなる値、すなわち淡水中濃度を高く評価する値を用いるということを考えています。
具体的な結果につきましては表5にございます。
表5でストロンチウムに関しまして斜線を引いていますのは、ストロンチウムは実測値を用いておりましてKdを用いておりませんので、このような表記になっております。
「淡水から淡水産物への移行係数」です。
こちらにつきましてはTRS No472に示されている値のうち、淡水魚の組織への比率を使っております。ただし、こちらキュリウムのデータはございませんでしたので、こちらにありますようにアメリシウムのデータを用いるということをいたしました。
こちらの移行係数比は表6に示されております。
また、それぞれの摂取量のデータを使いまして最終的な寄与率を求めますので、摂取量全体につきましては年齢区分ごとの摂取量データを農作物、これは先ほどの8分類に分けております。ただし、実は米というものは玄米、白米に分かれておりませんので、これはすべて白米を使っております。あるいは畜産物、淡水産物。淡水産物は非常に量が少なくて分かれておりませんので、これはもう1種類のままにしております。それと海産物に分類して、それぞれの分類の比を求めて使用するということをしております。
評価方法に移ります。
農作物は図1に示しましたように、放射性核種の農作物への移行経路は土壌からの経根吸収を考慮するということにしておりますので、各核種のセシウム137に対する平均濃度比につきましては、まず最初のモニタリングデータ等から計算いたしました初期土壌中の濃度比にそれぞれの評価を行う年度当初における放射性崩壊による減衰率の比を持っています。
また、この1年間の減衰による補正値の比は、半減期が短いものにつきましては、1年間の間でも当然減衰いたします。ですので、1年間での評価といった場合には、その減衰を考慮して平均して値を用いるということがございますので、この比率を乗じます。
土壌から農作物への移行係数、これは農作物分類ごとに与えていますけれども、ここでこの比を乗じるということをしております。1年間の減衰の補正値の比というのは、ここに書かせていただいておりますように、1年間でも放射性崩壊によって減衰いたしますので、それを考慮するというようなファクターになっております。
続きまして、こちらにつきまして、年齢区分ごとに核種ごとに農作物分類ごとの内部被ばく線量を推定して合計いたしまして、農作物摂取におきます内部被ばく線量のセシウム137に対する比というものを算出する。最終的には、そのトータルに対しまして、セシウム134とセシウム137がどの程度の寄与率であるかということを合計して算出すると、このような形で評価を行っております。
畜産物につきましては、移行係数が土壌から飼料作物への移行係数と、飼料作物から畜産物への移行係数という2つの移行係数がかかるということで、その他については一緒でございます。
淡水産物につきましては、初期濃度が淡水中の濃度比になることです。あとは移行係数につきましては、淡水から淡水産物への移行係数の比を使うということでまとめております。
 最終的にそれぞれの農作物、畜産物、淡水産物につきまして、セシウムの寄与率を求めます。その寄与率につきまして、それぞれの中での摂取量、農作物の中で先ほどの8分類の摂取量の比率をかけまして、加重平均をとります。ということによりまして、出てきた結果が表7,8,9に示されております。
 表7につきましては、農作物におけます放射性セシウムの寄与率の経時変化。表8が畜産物、表9が淡水産物ということになっております。
 このような結果が出ておりますので、あとは海産物につきましては先ほど感度解析という話をいたしましたけれども、これを用いる際にどの値を用いるかという御議論がございまして、この表7,8,9を見ますと、陸域産物におきまして寄与が一番低い、すなわち寄与率が一番低い数字を見ますと、1歳未満のところで74%という数字が出ております。すなわち全体のうちの74%がセシウムで、26%はそれ以外の核種ということになっております。
安全側にということを考えまして、この値を参考にいたしまして、放射性セシウムの海産物における寄与率は50%と今回は評価をしております。すなわち、放射性セシウムと他の核種の線量が同じであるという形での評価を行いました。
 本評価におきましては、核種沈着量比、あるいは環境移行パラメータの設定におきましては、保守的な値を用いているということですので、この評価結果につきましては50%を用いても十分安全側と考えられますけれども、やはり今後の実測値を確認してこの妥当性については十分に検証する必要があると考えます。
 続きまして「比較的短半減期の放射性核種の影響についての考察」でございます。
こちらにつきましては、先ほど申しましたテルルと一部の核種につきましては移行係数等が未整備ということがございます。そのためにより精度の高い影響評価のためには更なる研究が必要と考えられます。ただ、現時点の知見における評価ということを、今回行っています。そうしますと、これらの核種による影響をトータルいたしましても、放射性セシウムによる線量を超えない程度であるというような評価結果が得られております。
これまでの部会の推計結果から介入線量レベルが年間1mSvであれば、実際の被ばく線量はその10分の1程度に収まるだろうと推定されておりますので、これらの核種による線量が、放射性セシウムと同一であると想定した場合、すなわち放射性セシウムと同じくらいこういう短半減期核種の影響があると考えた場合にでも、十分に年間1mSvは下回ると考えられます。また、これらの核種は数年で減少して影響が無視し得るようになると考えられます。
 また、本作業グループが福島沖で採取した海産物中の放射性核種をゲルマニウム(Ge)半導体検出器を用いて測定した結果、現在その結果によりますと、放射性セシウム以外の核種としては、銀110mは38Bq/kgということで検出されておりますけれども、その他のガンマ線の放出核種というものは検出されていなかったということがございます。こういうことを考慮いたしますと、短半減期核種につきましては、この新しい規制値の導出においては特に寄与率評価という形での参入は必要ないと考えられます。
 最後にその他の核種の影響についての考察です。
 前述いたしましたように、今回の解析では表1、表2に掲げました放射性核種について検討を行っております。ただし、今回の事故におきましてはその他の核種についても放出された可能性があります。その他の核種につきまして、影響を考察した結果です。
 まずトリチウムや放射性炭素、こういうものが考えられます。ただし、これらの核種が、食品中濃度が問題となるくらい取り込まれるということは、環境中に大量に、かつ継続的に放出されて、それが光合成によりまして植物に取り込まれて有機物として蓄積すると、このような場合には影響がある可能性がございます。ただし、今回の事故においては、これらの核種については放出されて拡散している可能性というのはございますけれども、放射性プルームは比較的短期間で通過しております。これらの核種は拡散しやすいということでございますので、既に環境中において拡散、希釈されていると考えられます。よって、このトリチウムや放射性炭素が考慮しなければならないほどの線量になるということは考えがたいと思われます。
 また、保安院試算値のリストに掲載されていない放射化生成物等、例えばコバルト60などにつきましては、このリストには掲載されておりません。ただ、文科省が現在実施しているモニタリングデータでは、現時点では特にこういうものの検出というのはございません。また、こういう放射化学的な分離を行ってこういうものを測定したという研究が一部ございますけれども、それにつきましてもその量は放射性セシウムに比べてかなり低い量が出ております。そういうことがありますので、これらの核種につきましても、考慮をしなければならないほどの線量になるということは考えがたいと考えられます。
 続きまして、ウランです。
ウランにつきましては、別添の1と2のところに、ウランに関する測定結果というものがございます。別添1につきましては文科省の公表資料、別添2につきましては東京電力の公表資料ということで、それぞれ文部科学省につきましては敷地外、東京電力につきましては敷地の中で測定した結果ですけれども、いずれにしましても別添1につきましては一番右のところのウラン235と238の比を見ていただきますと、0.007幾つということで、自然の比と同一である。また、別添2の東京電力敷地内のデータにつきましてもこちらにありますように、天然に存在する比と同じものであるということから、この資料を見る限りでは、もし放出されていたとしてもこのような同位体比の変化が見られていないということから、放出量は極めて少ないのではないかと考えられます。そのため、現時点においてウランにつきまして別途規制値を設定する必要性は乏しいと考察しております。
 また、その他の長半減期核種、例えばヨウ素129、テクネシウム99というものが考えられます。これらにつきましても一部では測定等開始されておりますけれども、寄与はやはり十分小さいと考えられます。ただし、当然今後の測定等によってこれを確認するということは必要であろうと考えます。これらの核種の寄与につきましては、今後、食品中のモニタリング、あるいは土壌中の環境モニタリング、こういうものを監視する等によりましてその影響を把握して、この規制値が妥当であるかどうかということの確認を、随時実施するということが必要であろうと考えます。
 最後に結論ですけれども、この放射性セシウムを誘導する際に用いる寄与率について検討しております。これまでの解析から得られた結果から、放射性セシウムの寄与率の推定値の経年変化を表10に示しております。このような形で、経年変化をするように現在考えております。
こちらにつきましては、この式にありますように、寄与率そのものが経年変化いたしますけれども、同時にセシウムの線量係数、加重平均を取りますので、これも変わってまいります。そういうことを考えまして、最終的な規制値を求める比率ということを考えますと、最も厳しくなるような方法で規制値を設定することが必要になろうかと思います。そのため、現時点の解析におきましては、規制値の誘導につきましてはこの経過1年後の値を用いるということが妥当であると考えております。
ただし、こちらにつきましては、今後これを用いまして規制値を誘導するという作業がございますので、その作業の際に更に精査して、より適切な規制値、ファクターというものを考えていくと考えております。
 結論、以下の解析によりまして、まず規制の対象といたしましては保安院試算値に基づきまして、環境への放出が認められる核種のうち、半減期1年以上の核種全体としております。具体的にはストロンチウム90、プルトニウム同位体、ルテニウム106、これがセシウムに対するこの規制の対象と、比率として入れております。放射性セシウムには規制値を設定する。この放射性セシウム以外で規制対象とするこれらの核種につきましては、内部被ばく線量に占める放射性セシウムの寄与率を用いて管理する。この前提で、規制値を誘導する際、現時点での計算におきましては、事故から1年後のセシウムの寄与率であるこれらの数値を用いるということを結論づけております。
 あとは最後に参考文献を付けております。
こちらにつきましてはIAEAと文部科学省、あるいは原子力安全・保安院の参考文献のみを現在のところリストアップしておりますけれども、先ほど申しましたように放射線医学研究所あるいは環境科学技術研究所、そういうところの文献を参照してこの作業を行っておりますので、最終的にはそういう参照した文献をすべてリストアップして報告書としたいと考えております。
 以上でございます。
○山本部会長 どうもありがとうございました。
 膨大な資料の御説明でしたけれども、ただいまの御説明に関しまして、何か御意見、御質問等がありましたら、委員の先生方からコメントをお願いいたします。
○角委員 教えていただきたいのですけれども、最初の方にありました2.2.2の淡水のところで出てきましたストロンチウムのことなのですが、2回の測定が実施されている。その算術平均は8.4だったということなのですけれども、2回の測定の結果、6月と8月ですね。それ以降というのは実施されていないのか。また、この2回のデータで確からしいものなのでしょうか。
○高橋委員 現時点では、この2回のデータのみが公開されております。
河川水への移行につきましてはこういうモニタリングという形ではなくて、移行研究という形でまだ文科省さんの方で継続されていると聞いております。
この結果につきましては、先ほどの別添7のところに文部科学省さんからの報告書が付いております。
○山本部会長 よろしいでしょうか。他にございますか。
 山口委員、どうぞ。
○山口委員 今の議論と関係するのですけれども、この推計ではデータが足りないということでモデルデータをたくさん使っているのですが、できればモニタリングデータを使った方が正しいので、直近の値が手に入ればそれを使うようにする。
今の説明の中でも実測値の確認という話がございましたけれども、将来的な見直しをするスケジュールも考えて、測定値を基に見直していくといった思想があるとよいかなと思いました。
 あと、結果を示すときにわかりやすさが重要だと思いますので、例えば線量を計算したいと思った方がいらした場合には、セシウムがわかったときの線量を知りたいわけですので、今回、表10でまとめて示されていますけれども、主な食事、メニューごとのセシウムの寄与というのも示すと、一般の方が線量推計をする面ではいいのではないかと思いました。
○山本部会長 どうぞ。
○高橋委員 山口先生のおっしゃるとおり、今後のモニタリング等におきまして、今回使われているものが本当にいいのかどうかということは、パラメータを使ってかなり推定している部分がございますので、やはり妥当性検証というのは必要かと思っております。
 2番目のより詳しいデータですが、こちらにつきましても今回のこの報告書の形にしましてかなりはしょっているところがございますので、具体的にそういう部分がわかるような形でのアウトプットをしたいと考えております。
○山本部会長 ありがとうございました。
明石委員、どうぞ。
○明石委員 1点、資料の2‐2の別添の線量の係数ICRP Publication72より引用と書かれているのですが、これは問題が特にあると思っていませんが、原子力安全委員会が規制値を出したあの報告書のと、ほんの少し違うところがあるのですけれども、こちらを採用した理由というのは、特に何かあるのでしょうか。
○山口委員 済みません。よく把握をしておりません。更に検証したいと思います。
○明石委員 別にこれではいけないというのではなくて、こちらを採用した理由が何かあるのかという問いです。
○山口委員 ICRPの方で使えるデータは一番詳しいのはCD‐ROM版でございますので、そちらの方を使っています。
○明石委員 ほとんどないのですけれども、例えばセシウム137が少し違うところがあるので、ちょっとその理由を伺っただけで、別に方針・選択を問うておりません。
○山本部会長 今の明石委員の御質問ですと、違っている理由がまだ余りよく説明できてないのですけれども、どちらを使うと厳し目になるとか、どちらを使った方がいいというようなお考えがあっての御質問ですか。
○明石委員 といいますのは、今までは原子力安全委員会の公表された数字を多分使っていたと思いますので、今回ですからちょっと変わったと言ってもほとんど変わっていなくて、セシウム137のうち、19歳以上が多分1.3×10-8が、それが1.4とか、ほとんど数字的には余り差がないのですけれども、だから今回数字を変えていたので、その理由を聞きました。
○山本部会長 山口委員、どうぞ。
○山口委員 この換算係数は代謝ですとか体格で決定されるものですけれども、その条件が変わると当然値が変わってくる。今回の計算ではできるだけ詳しく示されているCD‐ROM版を使っているというところでございます。
○山本部会長 よろしいですか。
 田上委員、どうぞ。
○田上委員 先ほどの資料1で、「新たな規制値における方針」ということで書かれているところの②に、「男女差により摂取量に大きな違いがあるため男女別に評価を行う」というふうに書いてあるのですね。今回の資料2−2を拝見いたしますと、男女別というのは記載されていない。
勿論、男女差をここに取り入れたのは男の方の方がよほど食べるので、本来はそちらの方が線量は高くなりますから、確認のために必要ではあるのですが、女性をわざわざ計算しない理由はちょっと低くなる。ただ、一応このような検討をやっている限りは、こちらの資料2‐2でも女性があった方がより説得力があるのかなと思いました。
 ですので、女性に関して説明するような、やれるような資料というのはあるのでしょうかというのが質問です。
○山口委員 摂取量に関しては男女別データがあるのですけれども、では換算係数はどうかとなってまいりますと、例えば実効線量だと概念そのものが男と女を分けておりませんので、かなり仮想的な男性・女性を混合した概念ですので、男女別考慮すべきかどうかというのは、それが最も効いてくる部分かどうかというところの吟味になると思います。
○高橋委員 摂取量のそれぞれの区分ごとのデータというのは、男女ごとにございますか。
○山本部会長 それはありますね。ですから、今回は男女の線量係数のことを示すデータはないけれども、摂取量によって大きな差が出てくるので、その摂取量を考慮したということで男女差を考えると、そういう形で計算をするということなのですが、一応女性の方も示す必要があるかということで、それは、計算上はすぐできるということですね。
○高橋委員 そうですね。データをいただきましたらできますので、する方向で検討したいと思います。
○山本部会長 安全側を考慮すれば多い方を考えるのが普通なので、そちらを今回は示してあるということなので、それでいいと思うのですけれども、女性との比ということで、どれぐらい違いがあるのかというのを知るためには、そのデータも一応今後示すということをお願いしたいと思います。
では、浅見委員どうぞ。
○浅見委員 資料2−1の3番に関係するところなのですけれども、寄与率については事故から一、二年後の放射性セシウムの寄与率を用いるとございまして、結論的にはこういうことになるのかと思うのですが、寄与率が一番高いところとか、一番低いところのを用いているのかと最初思ったのですが、お話を伺いますと線量との比を使っておりまして、それからいきますと線量との比、表12のCの値が一番小さいところを用いることになるのではないかと思います。
 今後は、それに年間の食品摂取量を割った値で一番小さくなる値を恐らく導出していくことになるのかと思うのですが、ここが非常にわかりにくいのではないかと思いまして、この3番の寄与率が、寄与率の大小で単純に決まるものではないということを明らかにしていただいた方がいいのではないかと思います。
 あと、先ほどのお話にもちょっと関係するのですけれども、寄与率ですとか線量係数で妊婦ですとか授乳婦の値が、少なくとも妊婦についてはあったのかと思うのですが、その辺も一応計算をして十分考慮しているということを示していただけるとありがたいと思います。よろしくお願いします。
○高橋委員 了解いたしました。
具体的に最終的にどのような寄与率を用いるかということにつきましては、委員がおっしゃられたとおり、線量係数との関係、あるいは摂取量は経年変化しないという考え方をいたしますので、寄与率との関係がございます。
 また、実は資料3の方にございますように、今回の解析は一般のすべての食品を考慮してやっておりますけれども、牛乳を例えば切り出したときにどうするかとか、そういう考察もございますので、今回のこの結果につきましては、今回の考え方においてこういう形で出ておりますが、今後更に最終的に規制値を導出するに当たりましては、この考え方を精査いたしまして、おっしゃるようにわかりやすい形で、これを使ったことが正しいということがわかりやすいような形での記載に努めたいと思います。
 妊婦の方はありますので、こちらも先ほど女性というところのお話もありましたように、たしかに今回5つの区分でそれに合わせて計算をしておりますけれども、この寄与率につきましても、データがある部分につきましては確かに計算を行いまして、一番厳しい側のものを使うという方向で、更に計算をさせていただきます。
○山本部会長 それでは、その方向で計算をよろしくお願いいたします。
寄与率等も、考え方としては一番安全を見込んだ形、つまり規制値が低くなる方向に計算データを使っていくということになるかと思います。
 その他、ございますでしょうか。
 では、田上委員。
○田上委員 質問というよりむしろコメントなのですが、資料2−2−1の「規制対象核種の考え方について」というところの最初の部分で、何度も読んで気になっているのが「この部会で検討を進めている新しい食品の放射性物質の規制は、今回の事故によって放出された核種について管理するために設定するものである」と書かれてはいるのですが、食品安全委員会から出されているこの資料、かなり厚いものですけれども、参考資料2の方に書かれていますのは「食品からの放射性物質の検出状況は、日本人の食品摂取の実態を踏まえて管理を行うべきである」と書かれてあって、今回の福島原発を対象にしているわけではない。
つまり、今後の全体をできれば見通したものをということで要求されているのかという気がしたのですが、ただ言えますのは、現在の汚染の状況というのは、確かに福島第一原発というものを受けての状況ですのでいいとは思うのですが、我々がこれだけを念頭に考えているととられていること自体が少しおかしいと思うのです。要は、長期的なことを考えたときに、この規制値がまあまあ、ある程度有効である。ある程度というのは、今後新しい事故が起こったときにもその状況を評価してその新しい評価を入れるか入れないかというのは検討する必要があると、後の方には書いてあるのですが、その前にここに書いてないものですから、受け取り方を誤ってしまうのです。福島のことしか考えていないのかということになってしまうわけです。
 私としては、食品安全委員会としては、全体を考えた規制というものを考慮したここでの規制ということだと思っていますので、あくまでもここの書きぶりの問題なのですけれども、今回は考慮すべきことは今、現在放出の状況ということを考慮しなさいよと書かれてありますので、それを考慮してこれは決めますという書き方であればいいのですが、これだけ考えていますという書き方はちょっといけないかなと思います。
 長くなりましたけれども、意味はわかっていただけるかどうか。
○山本部会長 つまり、資料2−2の最初の規制値の核種の考え方の書き出しの部分ですね。この規制値というのは将来にわたって使うということになれば、全体のことというか一般的な考え方として規制を本来かけていくべき話なのですけれども、書きぶりとしては福島の事故によって起こったことを最大限考慮して今後の規制を考えていくという書きぶりになっているので、そうではなくて現状をベースにはするが、将来わたって使える基準であるから、一般的な放射性物質の規制という考え方が最初にあって、今回使ったデータの処理については福島原発のデータを使うと、そういう書きぶりに少し直した方がいいということでよろしいですね。
 では、その辺を整理して、規制対象核種の考え方の報告書を高橋委員の方で少しディバイスしていただければと思いますが、よろしいでしょうか。
○高橋委員 田上委員と相談しながら決めていきたいと思います。
○山本部会長 よろしくお願いいたします。
 他にございますでしょうか。
山口委員、どうぞ。
○山口委員 ちょっと戻ります。先ほどの浅見委員の御指摘の件ですけれども、妊産婦の配慮というのは、胎児や母乳で育っている乳児の安全確保に関わってきますので、その議論は摂取限度濃度の誘導のときの議論でカバーできると思います。
○浅見委員 今後計算をしていただくときに、この食品を食べたときに妊婦さん自体がその線量係数で受けられる被ばくと、胎児に関しての被ばく線量の係数を使って一応計算をしてみたらば、恐らく妊婦さんに関してはそれほど変わらないとか、そういうことが計算できるのかと思うのですけれども、その辺の値を出していただくことができるということでよろしいのでしょうか。
○山口委員 そうです。
○山本部会長 高橋委員、どうぞ。
○高橋委員 確認ですけれども、多分妊婦さんなどはここで言うと一般の成人と比べると多分食生活が違う、つまり食品分類の摂取量が違うことによって、寄与率が変わってくるのではないかと、そこを評価すべきではないかというお話だったかと思いますが、そういうわけではないのですか。
○浅見委員 妊婦さんの係数とか寄与率を試算されているものはできないことはないのかと思いますので、皆さん非常に心配をされているところかと思いますので、そこら辺は計算をしてあるよというのを示していただいた方が安心できるのではないかという観点です。
○高橋委員 了解いたしました。
○山本部会長 他にございますか。
 角委員、どうぞ。
○角委員 ひとつ教えていただいてよろしいでしょうか。
 今回の御報告とか、これまでのデータの扱いにもかなり何度も出てきているのですが、データがないところがあって、いわゆる推定をしたところとか、実測値を見て今後検討していくところというのはかなりあると思うのですけれども、モニタリングに関して、例えば我々の部会の方から、こういうポイントに非常に注目しているというか、データを知りたいのだということは伝わっているというか、十分コミュニケーションがとれているのでしょうか。
○山本部会長 明石委員、どうぞ。
○明石委員 今、おっしゃられたのは、要するにこういう計算をするのに文科省やいろいろなところがモニタリングをしているので、そことの関係はきちんと調整したり、助言ができたりすることができるかという意味でよろしいですか。事務局ですか。
○山本部会長 これは事務局が答えていただけますか。
○鈴木補佐 例えば文科省が出している土壌のモニタリングデータを今回用いる際には、こうした計算をするということを先方にも情報共有をさせていただいていますし、今回、結果をとりまとめていただければ、活用をしていただくということもしていきたいと思います。
○山本部会長 そういう観点ではなくて、多分測定されたデータソースがちゃんと正しく管理されているのかという心配をされているのだと思うのです。その測定結果がどの程度の信ぴょう性を持つかというのはなかなか難しいですが、測定しているデータとしては、これしかないということで行くしかないのですが。
 高橋委員、どうぞ。
○高橋委員 文部科学省のデータにつきましては、こちらは委員会を組織しておりまして、そこの委員会で検討した上ですべて公開されております。そういう意味では、今回使いましたマッピング等に関しますデータは、一応そういう委員会でオーソライズされたデータが出ていると考えていただければと思います。
○山本部会長 阿南委員、どうぞ。
○阿南委員 今の件ですけれども、おっしゃったのは先ほどのストロンチウムの測定の話とも似たようなところがあると思うのですが、今後はこういう角度でのモニタリングのデータが必要だということをちゃんと述べたらどうかという御提案だったと私は受け止めているのですが、そういうことをしっかり述べた方がいいのではないでしょうか。
○鈴木補佐 こちらの報告は作業グループA(食品分類等)の作業ということで、グループとして委員に議論いただき、まとめていただいたわけなのですけれども、その際に、必要となるデータを洗い出していただいて、足りないものは関係省庁等に提供の働きかけをし、またそれでもやはり得られなかった魚介類のデータのようなものは、作業グループの先生方に実測しいただいくということをしてきています。
○山本部会長 結局、公開されているデータに不足しているところについては、たとえ研究費を出したとしても、厚生労働省側で実際のデータ測定をやっているということが一つと、今後についても摂取量調査の部分をこの放射性物質に対して特化した形でやり直すとか、そういうことは実際の計画としてはあると認識していただいて、やるということです。
 更に働きかけといいますか、こういうデータが不足しているのだというメッセージというか、それは今、出すと逆に混乱するのではないかと思うのです。あるデータで今、考えたと。それで足りない部分は今後出てくるように、グループで考えてやっていただきながら、補正をかけていくといいますか、そういう方向で進めていかないと、現時点でやっていることが何か不安定なデータに基づいてやられたみたいなメッセージになってしまうとよろしくないと思いますので、現時点あるデータすべてを集めてこのメッセージを発したと。
今後足りない分についてはやっておられるということも聞いておりますし、今後ワーキンググループの方で作業を進めつつ、改善をしていくということにしていただければと思います。
 よろしいでしょうか。
 高橋委員、どうぞ。
○高橋委員 おっしゃるとおり、先ほどの報告でもさせていただきましたけれども、特に例えばウランですとか事故初期にあそこで取られて、これは天然のものですよ、他にありません、人工のものは見えませんよということが出ておりますが、本当に敷地外でそういうものは出ていないかどうかというのを確認する。もしないのであれば、ないというものを確認するという作業は、やはり信頼性を得るためには必要かと思います。
それを厚生労働省さんがされるか、あるいは各省庁さんの連絡体制の中で、例えば文部科学省さんのマップの中でやるのか。その部分はそれぞれの得意な部分がありますので、連絡を取り合って、 我々のところでは、今ここにありましたように、ウランのデータは本当に出ていないことを確認していただきたいし、あるいは放射化生成物につきましても、低いならば低いということを確認していただきたい。そういうものは、特に今回考慮しなくてもいいですよといった部分につきましては重要なことになろうかと思います。ヨウ素129もそうですし、テクニチウム99もそうです。できればトリチウムなどもそうです。
そういう部分につきましては、できるだけデータを取得して、今回の規制値がこういう考え方で間違いない。これを考慮する必要はないのですよという区分を明らかにしていっていただく。これは非常に重要なことだと思います。
○山本部会長 そうしますと、報告書の中に追加といいますか、そういう確認すべき事項ということを加えて報告を上げると。そういうことにしていただいて、厚生労働省としてはそういった関係省庁との協議の下で、そのデータを収集することに努めるという提言にしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 明石委員、どうぞ。
○明石委員 このデータソースなのですが、文部科学省その他省庁の実測データ、それから放医研とかいろいろなデータを勿論採用されているのですが、パブリケーションされているデータを採用するということについては、どういうふうにお考えになっていくのでしょうか。
つまり、多くの場合、ピアレビューのあった論文について、そこからのデータを取り入れて、そこからも評価データを入れていくのか。それとも、今まで文科省その他の実測値だけからこのデータを取っていくのかというと、やはりパブリケーションされたデータはある程度考慮して、採用できるものについては入れていくような方向にしていくことの方が客観性を保てるような気がするのですが、どうでしょうか。
○高橋委員 おっしゃるとおり、パブリケーションされたデータはできれば使っていきたいと思います。
ここには、先ほど申しましたリストには含まれておりませんけれども、放医研さん、あるいは環境研さんが使ったデータというのは、パブリケーションされたデータを使っているということになります。
今、この時点で今後規制値をつくっていくことになりまして、これもまたどんとパブリケーションされたデータが出てくるかと思います。
 先ほど申しました放射化学的分析によって行いましたコバルト60等のデータ、これもまだ予行の段階です。ピアレビューを受けておりませんので、ここにはまだ表に出しておりません。ただ、そういうものを聞いている。あるいは指針という形で測定はしているけれども、こういう状態だったというのは聞いています。それは、まだここには挙げられませんけれども、そういうものが出てきたならば、それを確認して、推定したデータをそごがないかどうか。もし万が一齟齬があるようであれば、ちょっと考えなければいけないというような扱いにしていかざるを得ないと思う。
ただし、一つ必要なのは、1点、2点、あるいはそういう部分で若干係数よりも高いものが出たとしても、全てがそうとは限らないので、もしそういうデータが出てきた場合には、やはり検討してそれが本当に変えていかなければいけない、あるいはそれは十分に織り込み済みなのかという部分は検討した上で評価していくということが重要になろうかと思います。
○山本部会長 そういう御懸念がいろいろあるのですけれども、そうは言いましても、現時点で集められるすべてのデータから考慮できる最大限安全値の方向へ向かってこの規制をかけていくということには変わりないわけなので、今後の検証はきちっとしていかなければいけないとは思いますが、その点を含めた部会報告書という形にしたいと思います。
 他にございませんか。
 それでは、御意見ないようでしたら、部会としましては、規制の対象は半減期1年以上の放射性核種全体として、放射性セシウム以外の規制対象核種は、内部被ばく線量に占める放射性セシウム(134及び137)の寄与率を用いて放射性セシウムと一括した管理を行う。その際に用いる放射性セシウムの寄与率としては、最も規制値が厳しくなる値を使う。
 また、放射性ヨウ素及びウランについての規制値は設定しないということにしたいと思います。ただ、ヨウ素、ウランのデータにつきましては、今後精査していくということを加えたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、次の議題に移りたいと思います。
 「食品区分について」です。事務局から、資料の説明をお願いいたします。
○鈴木補佐 資料3「食品区分(案)について」を御説明させていただきます。
 食品区分つきましては、前回10月31日の薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会及び放射性物質対策部会の合同会議の方で論点の一つと整理をいただいていたところでございますけれども、今回、作業グループの方で御検討いただき、議論いただいた内容を事務局のとりまとめ、案として整理をさせていただきました。
 まず、現在の暫定規制値における食品区分の状況です。
現在の暫定規制値では、全食品を5つの食品区分、すなわち「飲料水」「牛乳・乳製品」「野菜類」「穀物」「肉・卵・魚・その他」に分けまして、各食品区分に1mSvずつを割り当てまして、年代別の摂取量と感受性を考慮して規制値を設定しております。
 これに対しまして、今回、事務局の方から提案させていただいておりますのは「新たな規制値における考え方」の1としまして、新たな食品区分の設定に当たりましては、食品全体を1つの区分(一般食品)という形で管理してはどうかというものでございます。
 その理由ですけれども、まず1点目。個人の食習慣の違い、すなわち摂取する食品の偏りの影響を最小限にすることがこうした考え方で可能になることでございます。例えばパンとお米で、パンに厳しい1,000Bq/kgという規制があり、お米の方が500Bq/kgというより厳しい規制があったとしまして、そういった際にお米を食べずにパンばかりを食べるという方がいらっしゃれば、理屈の上ではパンを食べる方について被ばく線量が大きくなる、リスクが高まるということが考え得ますけれども、、全てを一つの区分とすることにより、すべての食品の規制値が同じになりますので、こういう問題がなくなるということが1点目の理由でございます。
 2点目の理由ですけれども、国民にとって単純でわかりやすい規制となることであります。例えば野菜と果物というような区分を仮に置いていたとすれば、イチゴの規制値はどちらになるのかとか、そういったことが国民の皆様にとって議論になってくる。実際に検査をしていく上でも、非常に難しい問題が出てきたりすることがある。こうしたことを考えまして、やはり国民の皆様にとってわかりやすい規制であることが大事であろうということで、提案理由とさせていただいております。
 3点目ですけれども、食品の国際規格を策定しておりますコーデックス委員会なども、こういった考え方を採用しているということを踏まえてという理由でございます。
 コーデックス委員会等の規制の状況につきましては、参考資料3の3ページ目に国際比較の表を載せさせていただいております。こちらでコーデックス委員会の放射性セシウムの規制値をごらんいただきますと、乳児用食品を除く食品を一般食品という形で一つの区分として、1,000Bq/kgという規制値を置いているという現状がございます。
 また、隣のEUにつきましても、乳児用、乳製品、飲用水といったものを除いた区分として、残りのものを一般食品という形で1,250Bq/kgという規制値を置いております。
 更に米国においては、全ての食品をひとくくりにしまして、一般食品という規制値を置いているところでございます。
 資料3の方にお戻りいただければと思いますけれども、こうした国際ガイドラインや、主要国との整合性ということも考えまして、食品区分を単一のものとしてはどうかということが、3点目の理由でございます。
 続きまして、提案の2番目です。こういった考え方を原則としながらも、次に掲げるような食品については特別な配慮が必要と考えられ、別の独立した区分としてはどうか。こうした独立区分を3つ設けることによりまして、先ほどの一般食品の区分と合わせて全体として4区分としてはどうかという御提案でございます。
 具体的に特別な区分としてはどうかと考えているところとしましては、まず1点目が「飲料水」でございます。
飲料水は、全ての人々が何らかの形で摂取をしますし、またこれを代替することはきかないというものがございます。また、摂取量が非常に大きい。WHOなどでも飲料水中の放射性物質の指標値が示されている。水道水中の放射性物質は厳格な管理が可能であるといったことを踏まえて、独立した区分としてはどうかという提案でございます。
 なお、この際に飲料水と定義づけるものとしましては、直接飲用する水、調理で付加するする水、飲料水の直接的な代わりに飲んだりするようなお茶であるとかコーヒーのようなもの。そういったものをこの飲料水の区分としてはどうかという提案でございます。
 「乳児用食品」ですが、こちらは粉ミルクなど子どもだけが食べる食品につきまして、食品安全委員会から「小児の期間については、感受性が成人より高い可能性がある」という御指摘があることを踏まえまして、独立した区分としてはどうかということであります。
 3つ目、「牛乳」ですけれども、牛乳などは子どもへの摂取量が非常に多いということがございますので、先ほどの食品安全委員会からの指摘を踏まえまして、独立した区分としてはどうかということでございます。
 参考としまして、牛乳の国民の一日平均摂取量のデータでございますが、19歳以上が83.2g、13〜18歳が179.1g、7〜12歳が279.7g、1〜6歳が146.9gとなっておりまして、例えば7〜12歳であれば、成人の3.36倍、13〜18歳であれば2.15倍と、食品摂取量の多い食品の中では顕著に子どもでの摂取量が多いといったことがございますので、こうした点を加味して、独立した区分としてはどうかという提案でございます。
 資料の説明は以上でございます。
○山本部会長 ありがとうございました。
ただいまの御説明に関連して、御意見、御質問がありましたらよろしくお願いいたします。
 山口委員、どうぞ。
○山口委員 放射線リスクに関してどういった目標を立てるかですとか、そのリスクの目標を達成するために食品にどういった戦略を立てるかですとか、更に食品の線量をどうやって食品に振っていくかというのも、最適化の議論になるかと思うのですけれども、特に理由がないのであれば、なるべく基準は単純な方がいいだろうと思うのですが、その一方で、もし被災地の側の方で生産者と消費者側が合意をして、ある種の食品で単価が高くて余り食べないものに関して少し高くしてほしいという要望があるのであれば、そういったことに対する配慮が必要になるのではないかと思いました。
○山本部会長 山口委員の御意見で、その地域で特出しするような規制値を設けるという考え方ですか。
○山口委員 そうですね。そういった場合、マーケットの影響があって難しいと思うのですけれども、もしそういった要望があるのであれば、それを無視せずに考慮したらどうかということです。
○山本部会長 ただ、考える段階では、日本全体で規制値というのは1つにしないと、なかなか難しいかなと思いますけれども、そういった場合、もう既に別のワーキンググループで実被ばく量を推計する上で、例えばほとんどが福島産であった場合の被ばく線量推計というのも実際にはやられていると私は理解しているのですが、そういうことからいって、そこだけ特出しして考えるというのはなかなか難しいのかなというのは、私だけの意見ではあれですが、他の委員の方々から御意見を聞かせていただきたいと思います。
 例えば阿南委員、どうですか。
○阿南委員 特出しするというのは、例えば福島において汚染度が比較的高いところでは、規制値を少し高くするというようなことしか考えられないのですが、でもそれではいけないのではないかと思います。今は、福島県に住んでいらっしゃる方でも、子どもを持っている場合などは、福島県産、地元のものは食べないという人が大勢いらっしゃると聞いています。それは一緒ではないかと思うのですが。
○山本部会長 山口委員、どうぞ。
○山口委員 発言した意味は、その摂取制限に関して地域差を設けるという意味ではなくて、国内共通なのですけれども、消費者側の御意見として、もしも少量摂取するもので単価が高いものに関して、制限を上げてもよいのではないかという意見があった場合に、それを排除すべきでないという意味です。そういった意見がないのであれば、配慮する必要はないと思います。
○山本部会長 阿南委員のおっしゃるのが普通の感覚かなという気はいたしますが、なかなかこれを高くしても大丈夫ということがわかっていたとしても、一つだけ規制値を緩めたような形で設けるというのは、難しいのかなと思います。
そのときの例としては、お茶がありましたけれども、荒茶の規制を乾燥すると5倍ぐらいになるということで、5倍高い規制値を設けるのかという議論のときに、やはりそれは考え方としては難しいだろうと。一つには、その荒茶が直接食品として使われるということもありますけれども、最終的な喫食形態をもって考えていくことも必要なことだと思います。
ですから、乾燥状態で上がっていくけれども、食べるときは水に戻してふやけるということになると、そこで考えなければいけないでしょうし、そういったことをすべて考慮した上でも、ばらばらに規制するというのは難しいかなと思っております。
山口委員、どうぞ。
○山口委員 それに関連した議論というのは、恐らく次の議論で、「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」に関して、どういう線量を割り当てるのかという議論になってくるだろうと思います。その議論と共通します。
○山本部会長 今、この4区分を設けてはどうかということですけれども、委員の先生方、他にこれと別の意見といいますか、これを賛成する意見でもいいのですが。
 高橋委員、どうぞ。
○高橋委員 乳児用食品につきまして、このような形で別途区分にする。これはコーデックスでもそのようになっておりますので、区分を設けるということは特に問題ないかと思います。
ただ、区分を設けてこれを低くした場合に、では、乳児は一般食品を食べてはいけないのではないかというメッセージにはならないようにしないといけないと思います。すなわち、一般食品の検査においては、この乳児についての検査も行い、それも考慮した上で一番厳しいものを取っているという考え方をした上で、なおかつ乳児用食品については、別の配慮によって下げる。
ですから、もし規制値で乳児用食品をこういう形で特出ししてこれを下げるということになると、恐らく消費者の方としては、乳児はこれを食べないと、一般の食品は食べられないのだと認識してしまう可能性があろうかと思いますので、そこの部分は是非きちんと説明をして、この一般食品は、乳児のことも考慮した上で検査しているのだというのをきちんと話をすべきだと思います。
○山本部会長 今の御意見は非常に重要な指摘だと思います。特出しするということは、その食品が逆に危険だから下げるのか、それともある年齢区分とか対象に対して、それだけが安全であるみたいなことにならないと。
つまり、この評価の段階では、既に全年齢区分について評価がされているという科学的な前提の下に、更に安心を求めるという意味も含めてでしょうか、そういうことで少し特出しの部分をつくってあるということだと理解しております。
 浅見委員、どうぞ。
○浅見委員 済みません、今のに関連いたしまして、「乳児用食品は粉ミルクなど」と書いてあるのですけれども、やはり粉ミルクですとかフォローアップミルクといったミルクに関するものは、小さいうちはそれをかなり集中して摂取するという特性があると思いますので、そういう非常に比率の高いものについては、特に注意をしてこういう値を設けるというのは理解できるのですが、離乳食ですとか、今、ペースト状のものですとかいろいろなものが売っているのですが、そういうものも全部押しなべてとなりますと、先ほどのような誤解が生じてしまうかもしれないなという感じもいたします。
 この「乳児用食品」というものの中身の表示の仕方ですとか、どういうものに実際かけていくかというときに、その辺も考慮して、比率の非常に高いものを対象としているということが明らかになるようにできた方がいいのではないかなという感じがいたします。
○山本部会長 大切な御指摘、ありがとうございました。
その点に関しては、今後きちんと事務局の方で精査して、どういう食品に対するということのメッセージというのは出していかれると理解していてよろしいでしょうか。
 他にございますか。特に御意見ございませんか。
それでは、これ以上御意見がないようでしたら、部会として食品区分は4区分として、「飲料水」「乳児用食品」「牛乳」「一般食品」としたいと思います。よろしいでしょうか。
阿南委員、どうぞ。
○阿南委員 この表現についてですが、現在は5mSvで設定されていて、それを1mSvずつ分けているのですよという説明になっていますが、新たな規制値における考え方のところは、今度は1mSvにするということが明確に書かれていません。これは、今のままで行くのではないかと誤解を受けると思いますので、表現を工夫していただきたいと思います。
○山本部会長 そうですね。全体として5倍厳しい形で規制するということですので、事務局、この資料3のところの書きぶりをもう少し変えていただいて、説明を皆さんにしていただくということだと思います。
 よろしいですか。
高橋委員、どうぞ。
○高橋委員 年間1mSvというのは、厚生労働大臣のお話にもありましたし、この前の分科会部会の合同会議のときもお話がありましたけれども、これはこの部会あるいは分科会了承事項という形でよろしいのでしょうか。
○基準審査課長 前回10月31日のときに、特に大きな意見はなかったと思っています。
ただ、最適化については、先ほど山口先生も言われましたように、そういった点でよく確認していただくようにという意見はありましたので、実際に規制値設定を今後導出する際に、それで本当に大丈夫かどうかを見た上で、最終的に決定していただくという形になろうかと思っております。
○高橋委員 了解いたしました。
○山本部会長 最終決定は次回以降になりますけれども、5mSvを適用するということで進んでいないということは了解していただきたいと思います。
 それでは、他にないようでしたら、以上で本日の議事はすべて終了いたしました。
 その他、事務局から何かございますでしょうか。
○横田補佐 特にございません。
次回の日程につきましては、改めて御連絡させていただきたいと思います。
○山本部会長 以上をもちまして、第5回の放射性物質対策部会を終了いたします。
長時間の御議論、どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

医薬食品局食品安全部基準審査課規格基準係
(03-5253-1111 内線4280)

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