ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 労働政策審議会(雇用均等分科会) > 第111回労働政策審議会雇用均等分科会 議事録




2012年1月24日 第111回労働政策審議会雇用均等分科会 議事録

○日時

平成24年1月24日(火) 14時00分〜16時00分


○場所

厚生労働省専用第15・16会議室(12階)


○出席者

公益代表委員

林分科会長、権丈委員、佐藤委員、田島委員、中窪委員、山川委員

労働者代表委員

齊藤委員、關委員、冨高委員、中島委員

使用者代表委員

川﨑委員、瀬戸委員、中西委員、布山委員、渡辺委員

厚生労働省

藤田政務官、髙井雇用均等・児童家庭局長、石井大臣官房審議官、
吉本雇用均等政策課長、成田職業家庭両立課長、吉永短時間・在宅労働課長、
大隈均衡待遇推進室長

○議題

1 パートタイム労働対策について
2 その他

○配布資料

配付資料 No.1 差別的取扱いの禁止、賃金に関する均衡、福利厚生等(論点)
No.2 通勤手当について
No.3 慶弔休暇について
No.4 平成19年パートタイム労働法改正時の雇用均等分科会での労使の意見
No.5 短時間労働者均等・均衡待遇推進事業
参考資料参考No.1 施行状況(厚生労働省「平成23年パートタイム労働者総合実態調査」)
参考No.2 諸外国のパートタイム労働の法制
参考No.3 職務分析・職務評価実施マニュアル
参考No.4 検討項目(案)

○議事

○林分科会長 ただいまから第111回労働政策審議会雇用均等分科会を開催いたします。本日は小林委員がご欠席です。なお、田島委員は途中でご退席の予定です。本日は藤田政務官にご出席いただくことになっておりますが、まだお見えになっておりません。それでは議事に入りたいと思います。議題は「パートタイム労働対策について」です。資料及び参考資料について事務局から説明をお願いします。

○大隈均衡待遇推進室長 それでは資料につきまして、ご説明いたします。まず、資料1です。前回のご議論などを踏まえまして、事務局で用意しました論点です。「差別的取扱いの禁止、賃金に関する均衡、福利厚生等(論点)」ということで、本日ご議論いただければと思います。まず1番「差別的取扱いの禁止」として、事業主はパートタイム労働者であることを理由として、合理的な理由なく不利益な取扱いをしてはならないとする法制とし、労使双方にとり予測可能性を確保するために、ガイドラインで「合理的な理由」を例示することについて、どのように考えるべきかということです。
 2つ目の論点として、有期労働契約に関するルールとして、有期労働契約の内容である労働条件については、職務の内容や配置の変更の範囲等を考慮して、期間の定めを理由とする不合理なものと認められるものであってはならない旨の規定が新たに法制化される場合に、3要件の在り方について、どのように考えるべきかということです。
 3つ目の論点は、パートタイム労働法第9条第2項において、事業主は職務の内容が通常の労働者と同一であって、人材活用の仕組み、運用等(職務の内容及び配置の変更の範囲)が通常の労働者と一定期間同一であるパートタイム労働者について、当該一定期間においては、通常の労働者と同一の方法により賃金を決定するように努めるものとされていますが、このパート法第9条2項の在り方について、どのように考えるべきかということです。以上が1番目の論点3つです。
 2番目の柱として、「賃金に関する均衡等」です。1つ目の論点は、パートタイム労働法第9条第1項において、事業主は、通常の労働者との均衡を考慮しつつ、パートタイム労働者の職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験等を勘案し、その賃金を決定するように努めるものとされているが、これを義務化することについてどのように考えるべきか。
 2つ目はパートタイム労働者の雇用管理の改善等のための措置(賃金に関する均衡の確保、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用機会の付与、通常の労働者への転換の推進等)に関し、事業主が、個々の事業所の実情に応じ、自主的に行動計画を策定し、これに対し国が一定のインセンティブを与えることにより取組を促進することについて、どのように考えるべきかという論点を挙げています。
 2頁のいちばん上ですが、パートタイム労働者の雇用管理の改善等のための措置に関し、事業主による取組を促進しつつ、パートタイム労働者の納得性を向上させるその他の方策について、どのように考えるべきかというのを3つ目の論点として挙げています。
 また、パートタイム労働者の納得性を向上させる観点から、事業所内の集団的労使関係においてパートタイム労働者の待遇等について協議する、例えば労使委員会のような枠組みを設けることについて、一般的な労使委員会の枠組みが存在していない中で、どのように考えるべきかというのが論点です。
 2番目の論点のいちばん最後ですが、通勤手当等は、職務の内容に密接に関連して支払われる賃金以外の賃金として、パートタイム労働法第9条第1項の均衡待遇確保の対象から除外されていますが、これについてどのように考えるべきかという論点を挙げています。
 3つ目の柱として、「福利厚生」です。パートタイム労働法第11条において、事業主は通常の労働者に対して利用の機会を与える一定の福利厚生施設については、パートタイム労働者に対しても利用の機会を与えるよう配慮することとされているが、慶弔休暇等の福利厚生制度についても利用機会の付与の対象とすることについて、事業所ごとに福利厚生制度の在り方が多様な中で、どのように考えるべきかという論点を挙げています。
 4つ目の柱として「職務評価及び能力評価」です。事業主が、事業所の実情に応じ、職務評価制度又は職業能力評価制度を導入し、これを踏まえ、パートタイム労働者の雇用管理の見直しを進めるよう促すことについて、どのように考えるべきかということです。以上の論点を挙げておりまして、本日はこれについてご議論いただければと思います。
 また、これも前回の議論を踏まえまして、資料2で通勤手当について少し細かい数字なども出させていただいています。1番として支給の実態です。正社員に対して通勤手当を採用している企業の割合ですが、1950年(昭和25年)の当時は19.3%が、1960年に55.3%、1970年に80.2%となってきて、直近の数字で2009年で86.3%の企業が通勤手当を採用しているということです。
 2番は、通勤手当の経緯です。我が国の給与制度のなかに通勤手当が取り入れられるようになったのは、戦後のことです。棒線を引いていますが、その背景には住宅事情のひっ迫が特に都会地において顕著で、多くの者が遠距離通勤を余儀なくされるようになったということで、通勤費が少なからざる負担になったということがある。また、昭和30年代以降の経済の高度成長期において、不足する労働力の誘致のための施策として、通勤手当が用いられたという面があるとされています。
 下のほうの段落になりますが、この通勤手当は、ほかの生活関連給与といわれるものと比べ、民間においても昭和30年代初頭頃から一般化するに至ったということです。
 こういった時期に一般化されたことは、主としてこの手当の両棲的性格に起因しているものと思われるということで、すなわち少なくとも当初は定期券などの現物支給を中心に、福利厚生の一環として実施されていたものが、通勤費用の値上がり、労働者の募集対策上の必要性といったものから給与上の措置へと移行したものと考えられるということで、下にある文献から経緯について少しご紹介させていただきました。
 また、この資料2の2頁に、3番として最近の支給の実態で、実施状況だけでなく、支給の在り方についての数字を挙げています。資料の出所は労務関係の雑誌です。全国証券市場の上場企業など、211社の回答です。(1)のいちばん上の段落にあるように、これは正社員に対する制度ですが、規模計で通勤手当の、「制度あり」としている事業所は99.1%です。そして、「金額の上限はない」という事業所が約6割、「金額の上限がある」という事業所は約4割という形です。規模別は、またその下にございますので、ご参考にと思います。また、金額の上限があると答えた企業について、その上限は(2)に掲げたような形になっています。
 資料2の3頁は、正社員とパートタイム労働者に対する通勤手当の実施状況です。平成23年パートタイム労働者総合実態調査は既に昨年の12月にご紹介したものですが、この中で、「正社員に実施」という事業所が全体で85.6%、「パートに実施」という事業所が65.1%、どちらにも実施していない事業所が4.1%あったところです。また規模別の数字も掲げていますので、議論のご参考にと思います。
 続いて資料3です。「慶弔休暇について」で、これも前回のご議論を踏まえ、用意させていただきました。1番は、「忌引休暇の付与状況」です。これは少し古いのですが、平成7年の労働省の調査です。本社の常用労働者が30人以上の民営企業で忌引休暇制度がある企業は96.1%、このうち1企業平均1回当たり最高付与日数ということで5.2日になっています。また、参考として挙げているのは、中央労働委員会事務局の平成16年の調査で、資本金5億円以上、労働者1,000人以上の企業を対象とした調査ですが、忌引休暇制度がある企業は99.7%、平均の休暇日数が6日ということです。
 また、2番「忌引休暇の付与区分」ということで、こちらは民間の労務関係の企業の調査ですが、左側にありますように配偶者、子供、本人の父母等それぞれについて忌引休暇が付与されている状況ということで、ご議論の参考にしていただければと思います。次に2頁ですが、これも平成23年パートタイム労働者総合実態調査です。「正社員に実施」として82.7%、「パートに実施」として42.2%、「どちらにも実施していない」として6.5%ということです。
 資料4です。前回のご議論を踏まえて、前回のパートタイム労働法改正時の雇用均等分科会での労使の意見ということで、平成19年の第69回雇用均等分科会の資料から抜粋したものです。通勤手当については、労働者代表の意見として「正社員と同じにすべきである」ということに対し、使用者代表の意見としては「実費弁償の通勤手当について均衡を図ることの検討はあり得る」という意見と、下にありますように、短時間労働者は職場近辺に居住し、徒歩、自転車通勤する方を念頭に募集していることとか、あるいはパートタイム労働者の働き方もさまざまであるということで、通勤手当の対応が異なる可能性もあるというようなご意見もあったところです。
 慶弔休暇についても、労働者代表の意見ということで、「慶弔休暇、慶弔見舞金、社員厚生施設は正社員と同じにすべきである」ということに対し、使用者代表の意見として、「法定外の福利厚生は、企業の自主的な取組によるものである」とか、それぞれ目的があるということで、企業の対応に任せてほしいというような意見があったところです。
 また、公益委員のコメントとしては、教育訓練・福利厚生については、長期雇用の維持のためであり、時間比例だけでは捉えられられない面があるというご意見もあったと承知しています。
 続いて資料5です。今回、資料1の論点の中に、職務評価と能力評価と入れていますが、職務評価について来年度予算事業を実施しています。背景にあるように、最近さまざまな閣議決定などでパートタイム労働者の均等・均衡対遇の確保ということが盛り込まれていますが、背景のいちばん下にありますように、改正パートタイム労働法可決時の付帯決議において、「職務分析の手法や比較を行うための指標の情報収集、事業主による情報提供等の取組支援」ということもあり、来年度職務分析・職務評価の導入・実施を希望する事業主の方に対し、取組を支援するのと併せて、パートタイム労働者の納得性向上にもつなげていくということで、具体的には赤い四角の中にあるように、都道府県労働局に専門家を配置することですとか、あるいは企業の具体的事例の収集及びガイドライン等の作成、また収集した企業の取組の好事例等を作成して、Webサイトで情報提供するということを考えています。
 参考の1は調査の結果ですので、ご議論の参考にと思います。また、参考資料2も諸外国の法制ということで、ご参考にと思います。参考資料3については平成22年度の事業で作成した職務分析・職務評価実施マニュアルです。参考4は「検討項目(案)」です。資料の説明は以上です。

○林分科会長 ただいまの事務局の説明につきまして、皆様からご質問、ご意見等がありましたらお願いします。

○關委員 第8条の差別的取扱いの禁止というところの観点でご意見させていただきます。第8条というのは、大多数の方が対象外となるといったことなど、労働現場の実態に合わないといった現状で、必ずしも実効性があるとは言えない現状にあるのではないかと認識しています。
 そんな現状の中で、この法律の実効性を確保していくといった観点では、第8条について、この3要件というものをすべてなくした上で、合理的な理由がない限り、パートタイム労働者であることを理由とする差別的取扱いを禁止するという法制を取るべきだと考えております。
 何が合理的理由に当たるかといった観点につきましては、あらかじめ何らかを明らかにしておかないと、後々の紛争等を考えた上でも必要だと思っておりますので、労使双方が予測できる予測可能性を確保する観点でのガイドラインを作成し、できる限りオープンに客観化を図る必要があるのではないかと思っております。また、ガイドラインは行政指導による履行確保といった観点でも資するものであり、さらにはその後の司法手続等でも参考になるといった観点で、策定することが適当だと考えます。

○川﨑委員 資料?1の「差別的取扱いの禁止」のところで、第8条の3要件が挙げられていると認識していますが、第8条の3要件に関しましては、前回の法改正のときにも、これまでの日本における労働慣行を踏まえた上で決めたものだと認識しています。その中で、この3要件を決めまして、今回のパート労働法が施行されて以降、企業はそれの規定に合うようにといったところで諸々の取組を進めてきている中で、現状大きな問題が発生しているかというと、その問題はないと認識しています。
 これまで3要件を適用したところの対象になる人数の割合がどのぐらいかというと、1.3パーセントという数字が上がっていますが、まずこの数値が多いか少ないかによって、問題があるかないかといったような議論は、そもそも法律を考えるときには馴染まないと考えていまして、通常の労働慣行からきた3要件に関しては、いまの状況の中では変える必要がないものと認識しています。それなので、この3要件について、見直しをして変えることについては反対という意見を述べさせていただきます。

○冨高委員 同じく第8条のところですが、第8条の中で「人材活用の仕組み、運用等が同一である」ということを要件にしているということですが、パートタイム労働者の人数で見てみますと、約7割が女性という状況です。その上で考えてみますと、多数を占める女性労働者にとっては間接差別というべきものではないかと考えます。
 また、期間の定めのない労働契約という要件も、パートタイム労働者であることを理由とする不利益取扱いを禁止し、そして均等・均衡待遇を進める法律の趣旨を考えますと、やはり要件とするのは妥当ではないのではないかということで、期間の定めの有無にかかわらず差別的取扱い禁止の対象とすべきではないかと考えます。
 いま割合の話もされていましたが、やはりこの3要件があることによって、大多数のパートタイム労働者を除外してしまっているので、この法律をしっかりと機能させるためには3要件をすべてなくして、合理的理由がない限りパートタイム労働者であることを理由とする差別的取扱いの禁止とする法制を取ることが望ましいのではないかと考えております。

○林分科会長 3要件撤廃のご意見が労働者代表から出ていますが、使用者代表から何かご意見はございますか。

○布山委員 いまの3要件に関しましては、川﨑委員と同様で、前回も同じ発言をさせていただきました。まず、このパート法に関しては、パートという雇用形態についてどのように考えるかということで議論をしていきたいと思っております。
 また、雇用契約期間につきましては、もともとこのパート法自体が、無期、有期にかかわらず、通常の労働者が短時間で働いている方という定義の中で、通常の労働者と同視するというときに、無期の方という案件が入ってきたと考えているところです。

○林分科会長 3要件のうちの労働契約期間については、有期雇用のほうの法制がどのようになるかというところもあると思うのですが、そこら辺について何かお考えはございますか。

○川﨑委員 有期か無期かといったところになりますが、企業の実態からすると、有期か無期かという期間の定めは人材活用の仕組みとかなりの部分で密接にかかわるところがあるというものだと認識しています。そういう意味合いにおいては、今回の3要件の中に、有期、無期という区分けを設定しているというのは、実際に働いている者にとって、人材活用の仕組みが違うかどうかといった判断基準の1つとしても有効に作用し得るものという意味では、わかりやすさを担保する部分もあり、引き続き存続するのがいいのではないかと考えています。

○林分科会長 ほかに何かご意見はございませんか。いま3要件の問題、第8条問題が中心になっておりますが、資料?1の差別的取扱い以外にも、ここに出された論点について、広い論点の中でご意見をどうぞおっしゃってください。

○齊藤委員 資料No.1の賃金に関する均等の部分なのですが、パートタイム労働者の賃金水準というのは、参考1の3頁に「賃金決定の際に考慮した内容別事業所割合」を見てもわかるように「職務の内容等についても考慮している」という事業所がだいぶ増えてはきているのですが、まだ「最低賃金」や「地域での賃金相場」を考慮している事業所が多いのが実態です。パートタイム労働者の賃金水準が依然として低いままなのは、現状のところの第9条が努力義務規定に留まっていることが一因であると考えられます。
 基本的には、先ほど労働側が発言していたように、合理的理由がない限り、パートタイム労働者であることを理由とする差別的取扱いを禁止する法制を取るべきでありますが、合理的な理由が認められた場合でも、均衡処遇を確保し処遇改善を進める必要がありますので、第9条は義務規定にする必要があると考えております。
 こうすることによって、紛争解決援助制度の対象ともなり、実効性の確保が可能となります。第9条の実効性を高めるためには、事業所ごとに雇用管理改善計画の策定を課し、一定基準を満たせば厚生労働大臣の認定を与え、表示できるようにすることも有効な手段であると考えております。
 認定企業では、意欲と能力のあるパートタイム労働者の活用が進み、有用な人材の確保も可能となります。また、法人税の税額控除など、税制上の一定のインセンティブを与えるといったことも検討していいのではないかと思っております。

○川﨑委員 前回この場でも発言したかと思いますが、地域に関する均衡等といったところで、現状を考慮しつつという内容になっていて、それを義務化するといった話かと思いますが、どのレベルに達したら均衡かということをきちんと線引きできるかどうかを、実際に即して考えてみますと、それは100%なのか90%なのか70%なのかといったところは、非常に線引きが難しいものだと思います。
 そういったところの実態面を考えますと、均衡を考慮しつつ努めるといった現行の内容が妥当だと考えていますので、これを義務化することによって、現場にあらぬ混乱をもたらさないといったようなことも考えても、義務化していくといったことには反対しておきたいと考えています。

○中島委員 第9条に関しては現状はいまお話がありましたように、努力義務となっていますので、なかなか実効性が伴わないという問題がございます。せめて措置義務に格上げをして、均等処遇の結果を義務づけるということで企業を拘束するのではなくて、そのための手段、プロセスのところを措置義務として義務づけるのが適当だと思っております。
 均等法の第11条、育児介護休業法第23条でも措置義務規定がございまして、それなりの役割を果たしていると思います。パート労働者だけが限りなく努力義務の対象というのは、この辺で改善すべきだと思っております。

○中西委員 ただいまの第9条第1項の努力義務規定の義務化についての意見を申し上げます。賃金決定につきましては、通常の労働者の多くが職能給や成果給等の組合せ、また一方パート労働者は基本的に職務給であることなど、各企業においてそれぞれ考慮要素が相当に異なっております。そういう中で、何をもって均衡が保たれているとするのか、判断基準が明確に作りにくく、かつ義務としたときに企業の現場に相当な混乱を引き起こすことになるであろうと、そのように考えられます。現行法の努力義務の中で、各企業の取組を促していくのが妥当ではないだろうかと考えます。

○佐藤委員 前半のことについて、労働者代表と使用者代表に少しずつ教えていただきたいのですが、まず、使用者代表に教えて頂きたいのですが、初めの○と2つ目の○というのは、初めの○を選べば2つ目の○が相当違ってくるので、3要件を残すという場合、前半のほうの有期法制で、ここに書いてあるように法制化されても同じものを書くということ。つまり、別の法律でも同じだと。ここは人材活用の仕組みのことが書いてあるわけです。有期、無期、あと人材活用の指針、たぶん労働契約法制が入るのだと思うのですが。それが向こうに入っても、パート労働法のほうでは、同じ規定を残せという趣旨なのかという確認です。
 労働者代表の方には、現状では3要件に当てはまる人が少ないといったときに、量の話だけではなくて、3要件に当てはまらない人にも差別的扱いがあるのだということですよね。3要件で全部カバーできていれば量は少ないほうがいいわけです。
 そうすると、そうした場合にガイドラインで合理的な理由を示すとなると、1つは、いま入っていない外側を書くものがある程度合意できるということと、あと現状のものも書かれるということだと思います。現状のものは当然入るし、それ以外にも差別的取扱いに該当するものはガイドラインに入るという理解でいいのかどうかを教えていただきたいと思います。

○布山委員 前段のご質問の件で、有期労働契約のルールで、ここにあるようなものが入るとしても、パート法の中に入れるべきと思っています。それはパート法で見たときにどうなのかということと、パート法自体は有期だけの方を対象にしているわけではないので、その際のということでも必要だと思っております。

○中島委員 例えば、人材活用の仕組みとその運用についてですが、私たちは遠隔地配転が運用の仕組みの条件になっている場合、そもそも家族的責任との両立や限定的な地域で働くことを志向しているパートの方にとって、そういう条件を作ってしまいますと、そもそも最初から要件を満たすのは困難です。結果としてほとんどの方を排除することになると思っております。
 本当にその業務にとって、遠隔地配転が必要なのかという相対的な判断も必要になります。ですから、客観的な相対指標が作れるといいと考えております。

○山川委員 私からも佐藤委員と同じように、それぞれへのご質問です。1つは、先ほど労働者代表の中島委員がおっしゃった措置義務というアイディアについて、具体的にはどういう措置が考えられるのかという点で、もしあればお伺いしたいと思います。
 それから有期労働契約のルールとの関係では、先ほど川﨑委員から、期間の定めというのは人材活用の仕組みの判断基準の1つという話がありました。そうすると、3要件のうち中核的なのは人材活用の仕組みということでしょうか。有期労働契約のルールは、職務の内容や配置の変更の範囲等を考慮して、期間の定めを理由とする不合理なものと認められるものであってはならないと。このまま条文化するかどうかはわかりませんが、言ってみれば、期間の定めを理由とする不合理なものであるかどうかの判断要素の1つに、配置の変更の範囲が入っていると表現上読めるのですが、それぞれ3つの関係のようなものが、有期労働契約法制の建議の中では問題意識として出てきているという感じがするので、その3要件の関係について、お伺いしたいと思います。

○中島委員 ご質問の件ですが、私たちが申し上げているのは、均等処遇の結果を義務づけてしまうと、確かに拘束性が高すぎると思いますので、そこに至る雇用管理改善計画のように、行動計画のようなものが必要だと思うのですが、そのための手段を講じるということを何らかの形で義務づけるという意味でございます。

○林分科会長 行動計画のための手段を講じると。

○中島委員 行動計画そのものが手段になるのか、行動計画を作るための何らかの手段になるのか、そこはちょっとわかりませんけれども。

○川﨑委員 私がお話をしましたところの期間の問題ですが、企業の実態から見ていきましたときに、それぞれ処遇や人材活用といったことを考えてまいりますと、例えば10年、20年を前提とした人材活用の在り方、3年といったものを前提とした人材活用の在り方というところは、大きく違っていると。そのように考えると、有期、無期を含めた人材活用の仕方の在り方は、期間とかなり連携する部分が大きい、そういうようなことの趣旨で発言をいたしました。

○佐藤委員 もう1度確認ですが、中島委員にご説明いただいた点で2つです。先ほどの均衡のところでいうと、取組のところの教育訓練とか、賃金制職務分析をやりますとか、取組を義務づけるというような趣旨なのか、確認です。これが1つです。
 もう1つは、3要件のところの現状の問題というのは、例えば人材活用の仕組みといったときに、全部転勤を入れているとは限りませんが、業務上必要ないのに入れているものは困るという話ですね。そうすると例えば、合理的な理由でガイドラインを書くときに、もしかしたら異動の範囲というようなものは入るけれども、それは合理的でなければいけない。もちろん合理的な理由ですからそうなるわけですが、その辺について現状の3要件についていうと、人材活用の仕組みというのが入っているけれども、業務上なり経営上合理性があるかどうかというのがないのは問題になっているという理解でよろしいでしょうか。

○中島委員 後者についてはそのとおりです。前者については、そこもおっしゃるとおりなのですが、具体的に手段、そこに至る手段を具体化したらどうかということです。

○山川委員 先ほどの川﨑委員からお答えいただいた期間の定めと人材活用の仕組みが連携しているというご趣旨は、言ってみれば、期間の定めがない場合は長期的に人材活用を考えて、いろいろ処遇をしているということなので、例えば有期の問題を考えるにしても、職務の配置の変更等を考えた結果、それは期間の定めを理由とする不合理なものとは言えないということで、有期の場合に当てはめればそういう位置づけになりそうだということでしょうか。配置の変更の範囲等を考慮して、不合理、期間の定めを理由とする不合理なものと認められるものであってはならないというのは、期間の定めがないということは、そこで長期的な人材活用を図っているという実質が伴うことが多いので、それは期間の定めを理由とする不合理なものとは言えないと、実質的に長期活用の仕組みを前提にして配置の変更等を行っているとすれば、というような理解で両者の関係づけが有期の場合もできるという理解でよろしいでしょうか。やはり長くなって、あまり変わらないかもしれませんが。

○川﨑委員 うまく理解できていないので、次回かどこかまた別の場で。

○林分科会長 基本的には無期と実質的に同じとか、無期の契約であるということと、人材活用の仕組みが長期の人と同じだということで。

○川﨑委員 全く同じだということではないのですが、かなり関連する部分が大きいと判断できると。そういう意味では、3要件の中に残しておくのが妥当ではないかというようなところが意見です。
 ただ、先ほどの山川委員からのご質問は、もう少しそこに対しての関連性のご質問だと認識していますので、もう1回そこは咀嚼した上で、何らかのお答えを出したいと思います。

○林分科会長 人材活用の仕組みが長期にわたって同一だということの方にほぼ関連性があるとした場合に、要件として残すときに重点性はどちらにあると。
○川﨑委員 どうでしょうか。

○佐藤委員 いまのことでもう少し一般的に、有期、無期に関係なく、有期無期の契約とは別に、企業が長期に人材活用を考えれば、長期に活用しようと思ったときの教育訓練とか、キャリア管理というのと、短期の場合というのは普通は違います。それと、普通は長期に活用と思えば、たぶん長期の契約で無期を結ぶのだと思うのですが、リンクはするのですが、山川先生のは、長期で活用しながらでも有期で回しているような場合に、合理性があるかどうか。ずれがあったときに、特に長期の活用をしながら短期で回しているような場合に問題になるのではないかという話だと思うのです。

○山川委員 特に具体的な事例を念頭に置いたのではなくて、有期との平仄の関係で、いわば抽象的な整理をしたに留まるのですが、有期の議論のときにも、使用者代表の委員の方からも「正社員とは何か」というお尋ねが始終ありまして、この問題と関わっていることがあるのではないかと。形式面で表れていることと、いわゆる正社員との、法律的にも定義されていない面がありますので、その辺りを整理の関係でお聞きしたかったという趣旨でした。

○林分科会長 それについてはご検討いただくということで。ほかに論点、例えば福利厚生の問題も含めまして、いかがでしょうか。

○中島委員 有期労働契約の建議が出されまして、労働契約法が改正されるということになると思うのですが、労働契約法の改正に含まれる予定の内容とパートタイム労働法との関係が、そもそもどのようになっていくのかというのがよくわからないのですが、これをどなたか教えていただけませんか。

○林分科会長 これは、法制化の案文はまだですので、事務局で、いまの段階で言えますでしょうか。

○吉永短時間・在宅労働課長 現時点で条文が固まっていない状況ですので、確たることを申し上げられる状況ではないわけですが、有期労働契約の内容である労働条件について、職務の内容、配置の変更の範囲を考慮しても不合理なものであってはならないという規定が新たに入った場合に、パートタイム労働者のうち、有期契約労働者の方については、当然にこの考え方が適用になるということだろうと思います。一方、パートタイム労働者でない有期契約労働者の方については、それしか適用にならないことになります。
 逆にパートタイム労働者に該当する方については、この有期労働契約の新たな規定と、現行のパートタイム労働法又は現在ご議論いただいているパートタイム労働法の改正が仮にできるとすれば、その両方が適用になるということになると思います。
 そういう意味で、この両者が整合するような法制になることが望ましいと思っておりますが、一義的には有期という観点ということと、短時間という観点で、整理はできなくはないと考えています。もちろん、ここで衝突するような形になってしまったら困るわけですが、現時点において有期労働契約についてのルールとして示されているものについて、直ちに現行のパートタイム労働法と概念が衝突するというものではないのではないかと考えています。
 また一方で、法律の適用の関係などを考えた場合に、同じような規定が複数の法律にあるということが適当かどうか、あるいは、一般法的な労働契約法というものの中にさらに大きな概念ができたときに、パートタイム労働法の書きぶりをどうするべきかということにつきましては、この分科会においてもご議論いただければという観点で、今回お示ししました資料?1の1の2番目の○について、有期労働契約に関するルールについて、不合理の法制が入ったときに、3要件の在り方についてどのように考えるのかという形でお示ししたものでございます。
 ただ、この有期労働契約の考え方について、3要件に限られるというわけではありませんので、そのほかさまざまなところに関わってくるだろうと思います。例えば第9条第2項の論点がその次に書いてありますが、これについても、一定期間について職務の内容、人材活用の仕組み、運用等が同じ方について取扱いが決まっておりますが、こういった問題について、有期労働契約の考え方の影響を受けるのか受けないのかということについてもご議論いただければと思っておりますし、そのほかの論点につきましても、こういう有期労働契約についての基本的なルールができたときに、直ちに衝突する部分はないにしても、法制的に整理したものがいいのではないかという点があればご議論いただければということでございます。

○佐藤委員 労働契約法制はどうなるかわかりませんが、これが出来てくると、布山委員が言うように、もともとパートタイム労働法は有期の人だけをカバーしているわけではないわけですが、無期の短時間の人、いま育介法では無期契約の短時間の人がメインで、そういう意味では無期の短時間の人が増えてくる可能性もある。育介法上はある一定期間短時間に戻るというのが基本的な考え方ですが、労働契約法で、5年以上は無期化ということになると、無期でずっと短時間という人が出てくる可能性は高いので、そこも当然、パートタイム労働法でカバーするという将来を見越して議論することが大事かなと思います。

○布山委員 これは審議会が始まった当初から申し上げているのですが、そういうことであれば、いま有期のところがどうなるかがわからずに、どこまで議論するかというのは非常に疑問に思うところです。本当はここがはっきりしてからでないと、この議論はできないのではないかというのは当初から申し上げているのですが、ずるずるここまできていて、今日改めて思いました。

○山川委員 いま佐藤委員がおっしゃられた問題意識と同じような感じで、先ほど課長も言われましたように、一応建議として方向はできて、あと条文をどう作るかということなので、これ以上分科会で同じようなことはやらないということで、結論は出ていると思います。条文の姿がまだわからないということです。
 課長が言われたように、直ちに有期労働契約の法律ができて、整備法というのですが、必然的に関連する法律として改正するような形ではなくて、まさにパートタイム労働法をどうするかをここで議論するという位置づけになると思います。先ほどの労働者代表の中島委員に対してのお答えでもあります。

○佐藤委員 ○の3つ目ですが、わかりやすくいうと5年以上の人はいなくなる、無期に変わって、有期のパートタイム労働者は5年までの方が多くなる。本人の選択ですから。ですから、いままではいろんなパートで、勤続年数が非常に長い人がいて、先の方は無期と見なし得る。ただ間のほうは、きちんと雇用管理が行われていて、有期で結果的に勤続8年、10年。ただ、無期と見なし得るということではなくてという人がいたのです。ここをカバーするのが○の3つ目のところなのですね。従来は、現状の有期の雇用関係の在り方に応じて、第9条があったわけです。ですから無期と見なし得る人と、無期ではないのだけれどもきちんと雇用管理を行って、有期なのだけれどもかなり長い人。ここを第9条第2項は想定していたのですが、たぶんここの部分が減るか、または5年ぐらいまでの有期の人と無期とに分かれる可能性が出てくると。ここをどうするかというのが議論の中身になるという趣旨かなと、私の理解が正しければです。

○林分科会長 本人の請求によるわけで、クーリング期間を置いて、また続くケースもあり得るとは思うのですね。そのほかの論点でも結構ですが、いかがでしょうか。

○布山委員 先ほど労働者代表の委員のどなたかから、賃金の均衡の部分で、国のインセンティブのお話があったかと思います。これにつきましても、国が一定のインセンティブを与えるということになると、付与するのか否かのために、やはり基準が必要になってくると思っております。この雇用管理自体は各企業それぞれ、業種業態も含めて各社各様である中で、それでまたそれでいいということの中で、その基準というのを一律的に決められるのかどうかということを疑問と思っているところであります。
 また、基準がある以上、ここにあるように個々の事業所の実情に応じたものにはならないと思っておりまして、企業それぞれが裁量で行う雇用管理について、インセンティブの付与という形で国が関与することについても、非常に違和感を持つところでございます。

○渡辺委員 いまのことに関連しますが、第9条のところですが、パートタイム労働者の賃金が通常のパートタイム労働者自身の成果、意欲、能力によって決定されるべきことであることは事実なのですが、もう1つ企業側とすれば、その労働によって得られる経済的な利益、あるいは経済環境にも影響される企業の業績によっても、決定されるわけです。
 そういう意味からすると、国のインセンティブ、これは国がどういう提供をしていただけるのかわかりませんが、国も国の財政をきちんと考えて、どういうインセンティブが提供できるのかを検討しないといけないという意味では現実的ではないのではないかと考えています。

○中島委員 インセンティブと言いましてもいろいろな手法があるわけで、一定の基準で認定をして、例えば法人税の税額控除というのでしたら、どうなのでしょうか。

○渡辺委員 可能かどうかわからないのは議論をしてもしようがないのではないでしょうか。

○林分科会長 例えば税制優遇のように、一定の基準そのものを決められるかという問題意識でいらっしゃるということなので。

○渡辺委員 一定の基準を決めなければいけないということも、そういう意味では行政のコストがかかることですよね。こういう審議会もやらなければいけないかもしれません。
 基本的に、賃金というのは人の財布から借りてきて出すわけにはいかないので、その認識を大前提に持たないと議論が浮いてしまうのではないかと感じます。

○冨高委員 前回この辺りでいろいろ言わせていただいたので、また意見させていただきます。まず、可能かどうかわからないというのはまさにそのとおりで、我々はここでいろいろなことについて話合いをして、本当に必要であれば、そこについてどれだけの予算を割くのかというのは、厚労省や国のほうで、いまある範囲の中で割り振りを考えることだと思うのです。それなので、そこはいま可能かどうかということではなくて、何が必要なのかというところから論議をしたほうがいいのかなと思います。
 また、税額控除の件はわからないのですが、前回この計画について話をしたときには、次世代育成のような行動計画というお話をしていたと思うのです。例えば、そういったもので認定が取れたところには、助成の仕組みや助成金を与えるといったやり方もあると思いますし、その中身の内容になりますと、今度はコストという話になりますので、そこについては、いまある予算をどうやって振り分けるかとか、そういったつながりになると思いますので、いま予算が余っているわけでは決してないので、いまあるものをどうやって考えるか、いま何をしなければいけないのかというのを、我々としてはここで論議をすればいいのではないかなと思っています。

○瀬戸委員 ここの賃金に関する均衡のところで、義務化云々ということが論点の中に記載されているわけです。賃金というのは事業所ごとに自主的に決められるものであるので、現在は、通常の労働者との均衡を考慮しつつという、努力義務規定になっているわけですが、この努力義務規定で足りるのではないか、義務化までということについては賛成しかねるということです。
 それに従いまして、2つ目の○の「自主的な行動計画」云々ということにおきましても、個々の事業所の中で判断されるものであって、それが義務化されるような、行動計画を策定するという義務化については賛成しかねるということは申し上げておきたいと思います。

○齊藤委員 義務化についてですが、これは紛争解決援助制度の対象に現在はなっていないということが問題であって、それを対象とする必要があるので、そこを義務化すると考えていただければいいのかなと思います。
 現在努力していただいているのであれば、それが義務化になっても、特に問題は起こらないのではないのかなと思っております。努力義務というので、何もしていないところについては、義務化になることは大変だとは思うのですが、パートタイム労働者が賃金について納得がいかないということで紛争が起こったときに、紛争解決制度の対象とするために、そこに「義務」という言葉を入れたいということでございますので、ご了承いただければと思います。

○布山委員 先ほどこちらの委員からも同じようなご意見があったかと思うのですが、ここの賃金に関する部分については、前回もちょっとお話したと思うのですが、賃金はさまざまな要素で決定されております。また、その内容はさまざまであっていいということから、そのうちのいくつかを取り上げて、賃金決定要素に入れなければいけないということまで強制することはできないと思っております。
 このため、いまの第9条の第1項でも、「職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験等を勘案し、その賃金を決定するように努める」とされています。つまり、努力義務に留まっていると私は理解をしております。そういう意味で、義務化することはできない、すべきではないのではないかと考えております。
 また、この中で「通常の労働者との均衡を考慮しつつ」という表現になっているのは、さまざまなパートタイム労働者の方がいる中で、通常の労働者との処遇の均衡具合を数値で示すこと、数値化することは実質できないということ、このためと理解をしております。ですから、均衡を考慮しつつなのだろうということで、一律的に基準を決められるものではないので、そうすると義務化というものもできないのではないか。つまり、努力義務のままでいいと思っております。

○瀬戸委員 裏の2頁の2つ目の○の「パートタイム労働者の納得性を向上」というのは、何を指すのかがよくわからないので教えていただければと思います。

○大隈均衡待遇推進室長 第9条の2番の柱「賃金に関する均衡等」で、第9条の賃金の均衡を含めたパートタイム労働者の雇用管理の改善につきましては、まず事業主による取組をどのように促進していくかという観点が1つあるだろうと。それから、その取組を促進しつつ、結果として労働者の納得性を向上させるといった観点から、第9条の義務化や、行動計画に代わるような、あるいは同じような措置がないか、事業主の措置を促進し併せて、その結果パートタイム労働者の納得性を向上させる、この両方を進められるような方策はないかということについて、ご議論いただければということで、3つ目の論点として挙げております。

○瀬戸委員 何を納得させるということなのかということです。

○大隈均衡待遇推進室長 パートタイム労働者の雇用管理を改善して、その結果パートタイム労働者の納得性を向上させていくことが非常に重要であるということです。例えばいま第13条で、一定の説明を求められたときに、事業主が説明を果たすという義務がございます。パートタイム労働法の中では雇用管理の改善によって、パートタイム労働者の納得性を向上させるということも、1つの大きな目的になってございますので、それも踏まえて、広く賃金も含めたパートタイム労働者の均衡を促進しつつ、その結果としてパートタイム労働者の納得性も向上させるというような、この2つを進められる方策があるかどうか、ご議論いただければということで、こういった論点を設定しているところでございます。

○林分科会長 2の中の1つ目の○、2つ目の○を受けて、その他のという形で検討できるかどうか。

○渡辺委員 いまの納得性のところで質問です。具体的に調査をなさって、パートタイム労働者の方がどれぐらい納得がいかないという調査結果があるのかどうかということです。
 それから、最初に法律を作るときに、どういう論点でパートタイム労働者の方の納得性を何パーセントぐらい得たいという見込みがあったのかどうか。お尋ねしたいと思います。

○大隈均衡待遇推進室長 パートタイム労働者の納得性に関する調査結果でございますが、いくつかございまして、お手元に「パートタイム労働対策に関する研究会の報告書」というのがありましたらご覧ください。前からいきますと、64頁をご覧ください。図表21ですが、これは同じ仕事を行っている正社員がいるかどうかということですが、この中で、「少なくとも業務は同じ」と答えているパートタイム労働者は54.8%おります。そのうち、「正社員より賃金水準は低いが納得している」が53.1%、「賃金水準が低くて納得していない」が28.1%、「わからない、考えたことがない」が14.9%という調査もございます。
 また、67頁の図表27をご覧ください。仕事が同じ正社員がいるというパートタイム労働者にお伺いしていますが、「正社員と取扱いが異なっており納得できないと考えているもの」という調査ですが、賞与、あるいは定期的な昇給、退職金・企業年金などについても不満を持っているということです。
 71頁の図表35をご覧ください。これはすべてのパートタイム労働者を対象に調査しております。「不満・不安がある」と回答しているパートタイム労働者は59.0%ということです。その中でも賃金が安い、雇用が不安定である、正社員になれない、有給休暇がとりにくい、仕事がきついといった、さまざまな不満・不安を、全体としてはパートタイム労働者の約6割がお持ちであるということです。
 それから、前回パートタイム労働法を改正して、先ほど申し上げましたような、説明義務でありますとか、パートタイム労働者の納得性を向上するための義務規定を入れておりますが、具体的に何パーセント向上させるというようなものではございません。そこはパートタイム労働者の方々のいろいろな感じ方があるであろうと。ただ、この第13条につきましては、自分の待遇に関して疑問・不満といったものがあったときに、パートタイム労働者は、まずは事業主に説明を求めることができると。そしてきちんと話合いをしていただいて、パートタイム労働者について納得性が少しずつでも上がっていくということで、全体として何パーセントの上昇の目標とかを挙げたものではございませんし、今回も何パーセント上げるということでの目標設定はないということでご理解いただければと思います。

○渡辺委員 人間誰しも不満とか不安というのは必ずあって、いま議論すべきは、この法律でその不満・不安をどうやって解消するかというようなところだと思うのです。
 そういう意味では、何パーセントと細かい数字を問い詰めているわけではないのですが、法律によってどのように不満・不安を解消していくのかということは、ターゲットとしていかないと、法律を作ったり改正したりという意味合いがわからなくなってしまうのではないかと、意見として述べさせていただきます。

○中島委員 ここは、第13条にかかわる課題ですよね。労働者から求めがあったときに、その説明をする義務ということで、限りなく手続として納得性の向上を図るということだと思うのですが、そういうことで理解をしてよろしいでしょうか。

○林分科会長 第13条も問題として取り上げていくということですか。

○大隈均衡待遇推進室長 第13条も含めまして、ほかに納得性を向上させるのに、何か考えられるのでありましたなら、第13条あるいはそれ以外も含めて、幅広くご議論いただければと思います。

○中島委員 当然、第6条とか、労働組合があるならば労使で合意を図りながらというのはもちろんだと思いますけれども、事業主から納得のいく説明を受けられるかどうかが現場で働いている方にとっては非常に大事なことだと思いますので、そこは当事者責任としてやっていただきたいということです。

○山川委員 いまの話で、1つが情報開示と言いますか、第13条との関係で、どのような考慮要素が含まれているのかということを、説明してもらえれば、一定程度納得する部分があるだろうというご趣旨かと思いました。
 もう1つは、もし不満ということになった場合には、いまちょっと条文が出てきませんが、その不満の解消ということも含めてということでしょうか。

○大隈均衡待遇推進室長 いま山川先生からご指摘がございましたように、さまざまな措置の内容を明らかにしていくという形での納得性の向上でありますとか、あるいは、いま山川先生は第19条の苦情の自主的解決を念頭にご発言いただいたかと思うのです。例えば、第19条には義務規定に関して、パートタイム労働者から苦情の申出を受けたときには、その事業所における苦情処理機関に対して苦情の処理を委ねるといった自主的な解決を図るように努めるという努力義務がございます。こういった規定もございますので、先生がおっしゃいましたように、まずはその情報を開示する、その結果、不満が出たときには、例えば、こういった苦情処理機関に委ねるということも含めまして、ご議論いただければと考えております。

○布山委員 いまの件に関してですが、納得性の向上に関して、納得するまで説明しなければいけないということは現状でも求められていないと思います。ただ、その中で先ほど労働者代表の委員からもご指摘があったように、パートタイム労働者の方が賃金の決定要素をどこまで話せるかというのはいろいろあると思いますが、どのような雇用管理を行うつもりなのか、行っていくのか、それを何らかの形で事業主のほうから明らかにするような工夫を考えるというのは、1つ考えるところとしてあると思います。
 また同時に、山川先生からご指摘のあった、苦情がある場合にどうするかということも含めて、どう考えるかということはあるかと思います。ただ、その結果、パートタイム労働者の方を納得するまでというところが、どこまでというのは求められても難しいかなと思っております。

○瀬戸委員 先ほどの研究会報告の70頁に、「パートタイム労働法の施行状況」で、「待遇についての説明(第13条関係)」というところがありまして、過去2年間に「説明を求められたことがある」の中で、「説明している」という回答が98.5%と、かなりの率で説明をしているという状況があると。こういう状況が現としてありますので、事業主側も、これに沿った処置をしているということであろうかと。これを100%にしろというのは、また話は別だと思いますが、100%を目標にするのでしょうけれども、現状の調査結果を見ても、98.5%が説明しているという状況だということなのだと思います。

○林分科会長 ほかに福利厚生等でも、何かご意見はございますか。

○中島委員 福利厚生のところについてです。「通勤手当について」ですが、正社員だけに支払われて、パートタイム労働者には支払われないという合理的な理由は考えにくいと思います。実費でいいと思いますので、必要経費として払う努力が必要だと思っております。
 それから慶弔休暇ですが、これも正社員にあってパートタイム労働者の方にないというのは、合理的理由が考えにくいということで、パートタイム労働者にも付与すべきだと思っております。というのは、特に弔のほうは、安心して、解雇されずにお葬式に出たいというのは、どなたも同じですので、ここについては格段の配慮が必要だと思っております。

○川﨑委員 福利厚生の件になります。まず福利厚生に関しましては、これはそれぞれの企業がそれぞれの判断でできるところの範囲で、従業員のモチベーションの向上等に資するものを実行していくというような類のものだと判断をしています。その中では、法律の中でこれはやるべき、これはその対象外とするといったようなものではなくて、まずは企業の自主判断に任せるものだと考えています。
 先ほど慶弔、特に弔といったところの話がありましたが、弔に関しては、個々人の人生の中でも、それほど何度も起きるものではない、一生涯の中でも数回といったレベルのものだと認識しています。その中では、期間がある程度限定されていて、ないしは働くとしても1週間の中で1日、2日といったような多様な働き方をするパートタイム労働者の人たちに対して、これを法律で付与を義務とするかといったところは馴染まないのではないかと。
 先ほどの議論の中で、弔の場合に、安心して解雇されないでというようなお話もありましたけれども、そこは福利厚生というところではないような判断の対処になるのではないかと思いますので、これを福利厚生に入れて義務づけるというのは馴染まないと考えております。

○布山委員 通勤手当に関してでございます。現在のパートタイム労働法の中の分け方として、職務の内容に密接に関連して支払われる賃金と、そうでないものという分け方をしていて、通勤手当につきましては、職務の内容に密接に関連して支払われる賃金ではないので、いま対象から外れていると理解をしております。この通勤手当の考え方が制定した当時から変わっているとは思えませんので、そのまま除外することでいいのではないかと考えるところでございます。

○林分科会長 住宅手当とか家族手当というのは、賃金にオンされるものなのですが、通勤手当というのは、もし交通費が必要なパートタイム労働者にとっては手取りの中から減ってしまうという要素があるので、直接賃金そのものに食い込んでくるという面があると、均衡というか、そういう意味で、よりそこら辺の均衡が、条件が悪くなっていくというような、実費という色彩があるだけに、そういうところがあるということなので、職務に関連するものでないという意味では確かにそうなのですが、実費がかかってくると職務に関連する賃金が減らされていく、実質の手取りが少なくなっていくという面は確かにあるのかなという印象は持つのですが。

○佐藤委員 質問で、先ほど労働者代表の方から、社員にも通勤手当を支給していれば、それと同じようなという意見がありました。具体的に言うと、先回もお話したのですが、社員でも通勤手当の支給のルールがありますよね。例えば歩いて来られる所は出さないとか、上限があったりとか。そうすると、例えばそれに合わせてというようなものをイメージされているのかということです。同じような仕事とするか、通勤手当の均等・均衡をどう考えるかだと思うのですが、社員に払っていなければ、それはそれで。だけれども、バスのいくつ分まで払っていればパートもというような趣旨なのかどうか。
 もう1つは、これがなかなか難しいのは、確かに通勤手当は広いところから募集したりとか、そういうことで入ってきたと思うのです。そういう意味で業務上関連する部分もあるのですが、他方で今度は難しいのは、社員ならば自分が住む場所を変えても通勤手当は出るのです。業務と関係なく出てしまうという側面もあるわけです。例えば、社員の運用で雇われたときは歩ける所だったが、家を建てて1時間かかるから通勤手当を出すというような。だから、ここで見ると、かなり福利厚生なのです。この考えでいくと、福利厚生的に出ている部分もあるのかなと。それなので、極端に言うと、会社の都合ではなくて本人の選択で出ているわけです。この辺の整理も、社員との均等・均衡で議論がよく整理をしないと難しい面もあると思います。パートタイム労働者で有期だけれども実際に長く働いているパートタイム労働者の方は多いので、住む場所が変わったときに社員と同じように考えるのかということもあるかなと。議論してそういうことも考えなければならないなということです。

○中島委員 正社員の方の場合はかなり融通が利く場合が多いと思いますが、いずれにしても、通勤手当には支給のルールがあると思います。もちろん実費がかからない人には払う必要はありませんし、、バスでいえばバス停いくつ以上とか、そういうルールは当然必要だと思います。それらを準用していただきたいということです。
 10万円もかけて通勤して来る人というのは、おそらくあり得ようがないので、そこは例えば適正な上限額を設けるということをしてもいいと思います。

○渡辺委員 いまの佐藤先生のご指摘はごもっともなのですが、会社側の立場からすれば、もしパートタイム労働者の通勤手当について議論をするのであれば、企業の財布からお金が出ているという意味では、総人件費管理という観点から言えば、正社員への待遇の変更も一緒に考えていかざるを得ないので、考えていっていただきたい。パートタイム労働者だけということは、企業側としては馴染みにくいということだけを申し述べさせていただきます。

○林分科会長 そのほかに何かご意見等はございますか。一応、均等・均衡の議論というのは、このぐらいで終わったということでよろしいでしょうか。

○齊藤委員 4の「職務評価及び能力評価」のところです。「雇用管理の見直しを進めることについて」と書いてありますが、これは、この促進策を推進するための費用というのは、国のほうで見るということなのですか。

○吉永短時間・在宅労働課長 冒頭にご説明いたしました来年度事業の詳細についてですが、「要素別点数法」による職務評価のマニュアルを作って、そういうものを必要とする事業主に対してお示しするという事業をやろうと考えております。
 すべての企業が職務評価あるいは能力評価を実施すべきだという形ではないと思いますが、お使いいただけるところについて、こういうやり方があるということでお示ししながら、促していくことを来年度予算事業として考えているという状況です。
 その上で、そういう職務評価の制度等を導入するときの経費等、いろいろなものがあるかと思いますが、そういったものを含めてこれを促していくということについて、どのように考えていくのかについて論点としてお示しさせていただいたというものです。

○瀬戸委員 細かい話で申し訳ないですが、これは雇用保険二事業で出すという想定なのですか。

○吉永短時間・在宅労働課長 来年度の予算につきましては、二事業の予算の中から、お願いしている状況です。

○瀬戸委員 雇用保険二事業も大変厳しい予算状況の中で、本当に必要なものに、これは事業主の負担によって成り立っている事業ということもありますので、本当に事業主にとっても必要であるということで、事業の精査をお願いしているところでありますし、今日もお配りいただいたような、このような資料等の普及ということも重要なことだと思いますので、予算措置についても慎重に検討していただければと思います。

○布山委員 いまの関連で私からも一言です。職務評価制度あるいは職業能力評価制度、これを導入したところで、雇用管理の中の処遇の中の賃金の1要素にしか寄与しないということも踏まえて、ごく限られたものについて、どれだけ推進するかということも、そういう観点でも考えていただきたいと思います。

○林分科会長 そのほかにご意見はございませんか。いま出たものはご意見として承るということで、本日の議事はこれで終了したいと思います。署名委員は、労働者代表は冨高委員、使用者代表は渡辺委員にお願いいたします。今日はご苦労さまでした。


(了)

ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 労働政策審議会(雇用均等分科会) > 第111回労働政策審議会雇用均等分科会 議事録

ページの先頭へ戻る