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2012年2月3日 第29回高度医療評価会議 議事録

医政局

○日時

平成24年2月3日(金)14:00〜15:00


○場所

経済産業省別館 827号会議室


○出席者

猿田座長、山口座長代理、金子構成員、川上構成員、佐藤構成員、
柴田構成員、関原構成員、田島構成員、葉梨構成員、林構成員、
藤原構成員、村上構成員、山中構成員、山本構成員、一色技術委員、珠玖技術委員
(事務局)
医政局研究開発振興課長
医政局研究開発振興課治験推進室長
医政局研究開発振興課再生医療研究推進室長
医政局研究開発振興課専門官
医政局研究開発振興課再生医療専門官
保険局医療課課長補佐
医薬食品局審査管理課課長補佐

○議題

1.新規申請技術の評価結果について
2.協力医療機関の追加について
3.先進医療専門家会議の審議結果等について
4.その他

○議事

○猿田座長
 「第29回高度医療評価会議」を始めさせていただきます。委員の先生方におかれましては、大変お寒いところ、また非常にお忙しいところをお集まりいただきまして、どうもありがとうございます。本日の委員の出欠状況ですが、本日は伊藤構成員、竹内構成員、永井構成員、堀田構成員からはご欠席との連絡をいただいております。
 なお、本日は、技術的な問題がありまして、技術委員といたしまして一色先生、珠玖先生においでいただいております。お忙しいところ、ありがとうございます。なお、堀田先生から案件に対するコメントの必要があったものですから、事前に意見書をご提出いただいております。それでは、配付資料の確認、審査案件、その他に関しまして、事務局からご説明をお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官
 配付資料につきまして、確認させていただきます。議事次第から始まりまして、座席表、開催要綱、構成員、技術委員名簿と続きます。次に、新規申請技術の評価結果として、資料1-1〜資料1-8、協力医療機関の追加として資料2、先進医療専門家会議の審議結果等として資料3-1、資料3-2、その他として資料4、最後に、参考資料として1〜5まで付けております。本日の資料は以上です。過不足等ございましたら、事務局までお知らせいただくようお願いいたします。
 次に利益相反についてです。対象となる医薬品および医療機器の企業等について、資料1-1に記載しております医薬品・医療機器情報をご覧ください。対象となる企業または競合企業に関して事前に確認させていただいておりますが、事前の届出以外に、もし何らかの利益相反がございましたら、この場にてご報告をお願いいたします。
(確認)
○医政局研究開発振興課専門官
 該当なしということでよろしいですね。
○猿田座長
 早速議事に入りたいと思いますが、お手元の議事次第に従いまして、最初ですが、新規申請技術の評価結果につきまして事務局から説明をお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官
 事務局よりご説明させていただきます。なお、撮影されている傍聴者の方はここまでとさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 資料1-1をご覧ください。新規申請技術の評価結果としまして、整理番号040、高度医療名は切除不能・再発胆道癌を対象としたゲムシタビン+CDDP+WT1ペプチドワクチン併用化学免疫療法とゲムシタビン+CDDP治療の第1/2相試験(高度医療は第2相パートについて申請)です。適応症は、切除不能・再発胆道癌が対象となっております。申請医療機関は、国立がん研究センター中央病院です。審査担当構成員としまして、主担当が山中構成員、副担当として堀田構成員、田島構成員となっております。また、珠玖技術委員にも評価をいただいております。なお、堀田構成員より意見書をいただいております。以上です。
○猿田座長
 早速ですが、まず担当されました各先生方のご意見を伺うということで、山中先生から総括的なことをお願いいたします。
○山中構成員
 主担当を仰せつかっております。この医療技術では、先ほど説明がございましたように、進行再発胆道癌を対象としまして、標準治療である抗癌剤治療にWT1ペプチドワクチンを上乗せします。WT1ペプチドワクチンの承認状況は、国内外ともに未承認です。すでに第1相試験は実施しておりまして、WT1ペプチドワクチンを計6例に投与、重篤な有害事象は特に認めずに推奨用量が決定されたという状況です。これを踏まえましてランダム化第2相試験を計画し、この第2相試験部分を第3項先進医療として実施したいという申請内容です。
 実施体制の評価は堀田先生と珠玖先生に、倫理面の評価は田島先生にしていただきました。プロトコールの評価は私が行っております。堀田先生からは、すべて「適」ですが、追加のコメントをいただいております。珠玖先生は、医療技術の有用性の部分で「不適」とされております。倫理面では、田島先生の評価はすべて「適」となっております。評価をしていただきました先生方にコメントをいただきまして、そのあと私から総括的なコメントを述べさせていただきたいと思います。
○猿田座長
 いまご説明いただきましたように堀田先生は、今日は出席できないということでコメントをいただいておりますが、技術的なことでいちばんよく面倒を見ていただきました珠玖先生から、ご説明をよろしくお願いいたします。
○珠玖技術委員
 本案件につきまして、実施責任医師等の体制、実施医療機関の体制等については、問題はないだろうと思います。非常に十分な臨床試験の経験と、体制を備えておられる複数の施設が加わっての臨床試験ということで、そこはきちっとされていると思います。医療技術の有用性等ということですが、ここで提起されていますのは特異的な癌免疫療法。この場合にはワクチンですが、それと標準化されている化学療法との組合せです。これは、免疫療法という観点から見ても、まさにこれから進まなくてはいけない方向ということで、先端的な方向を目指しているものだと理解します。また、言うまでもございませんが、難治性の胆道癌については、新しい治療法が一日も早く望まれることは、当然のことです。ただ、少し技術的・科学的な観点で問題があるのではないかと懸念がいたします。具体的には、胆道癌におきます今回の標的となっていますWT1の発現についての根拠が、十分であるかどうかということです。当然のことながら、癌ワクチンを含みます特異的な免疫療法というのは、ある抗原を目がけていろいろな免疫的な操作を行うわけです。この場合は当然WT1のペプチドを用いるわけですから、胆道癌にWT1が発現されていることが大前提になります。
 また、今回の実際のプロトコールは、すべて、もしくはほとんどの胆道癌がWT1を発現しているという前提に立っております。それ故に、個々の症例について、あらかじめWT1の発現を検討することはプロトコールには入っておりません。では、WT1の胆道癌における発現について、どこまで検証されているかということを見ますと、1つは提案者の方々から提案されてきました2006年の論文があります。この論文によりますと、2つのWT1に対する抗体を用いまして、1つの抗体では15例中12例、すなわち80%発現している。いま1つの抗体では、22例中15例発現しているということが報告されています。
 ところが、昨年の癌学会で別の国内のグループから報告がございまして、彼らの検討によりますと、先の報告に使われました抗体の1つ、これはモノクローナル抗体なのですが、それを用いた検討で、95例中0例と報告されています。これ以外の未発表のもの等、提案者の方々の中での資料等、あるいはデータ等について、もし提出ができるものがあれば提出していただきたいということは2度にわたって求めさせていただきましたが、昨日までの時点で何ら追加のデータはございません。そうしますと、現在はこの2つのデータを基にして、胆道癌におけるWT1の発現を考えなくてはいけない。しかも、そのデータの内容のギャップがあまりにも大き過ぎてしまって、これだけで実際に今回提案された臨床試験を進めることについては、少し科学的な根拠が弱いのではないかと感じます。
 では、今後どうするかという意味では、具体的に2つの選択肢が考えられるだろうと。1つは、個々の症例に関しまして、あらかじめWT1の発現を調べておいて、高発現をしている症例だけを対象として臨床試験を組むという方策。もしくは、この臨床試験を始める前に何らかの形で、胆道癌のほとんどもしくはすべての症例でWT1の発現が上昇しているのだという根拠を示して、今回のようなデザインの臨床試験を進められることが妥当ではないかと考えます。以上です。
○猿田座長
 いまご説明いただきましたように、最初提出された論文におきましては、かなり高い率で胆道系にはWT1ペプチドが発現しているということでありましたが、いま珠玖先生からお話がありましたように、いちばん最近のでは、同じような検討をして、ほとんど出ていなかったと。あまりにもギャップが大きいということでした。これに関して、また後ほど議論をさせていただきますが、山中先生、先に進めさせていただいていいですか。そのあとで、議論させていただきます。それでは、事務局のほうに堀田先生の意見書が届いているようなので、よろしくお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 資料1-5をご覧ください。こちらに堀田構成員からの意見が届いております。内容といたしましては、珠玖技術委員の評価とコメントを読ませていただきますと、「固形癌におけるWT1の発現が必ずしも高くない、もしくは否定的なデータもあるとも指摘されております。臨床試験の実施体制や試験計画書は適切であると考えますが、胆道癌症例におけるWT1の過剰発現の頻度について確認することが必要だと考えます」。以上となっております。概ね、珠玖技術委員の意見を支持する内容かと考えます。
○猿田座長
 堀田先生のコメントはいまお話いただいた状況ですが、さらに田島先生から、倫理的な問題を含めてお願いします。
○田島構成員
 同意文書の内容につきましては、被験者となられる患者に対して説明すべき所要項目が適切に網羅されており、その記載ぶりも適切と考えます。また、患者相談等の対応も整理されていると評価しております。したがいまして、倫理的観点からの評価につきましては、「適」とさせていただきました。以上です。
○猿田座長
 それでは、全体をまとめて、山中先生からもう1回お願いします。
○山中構成員
 プロトコールそのものに関しては、治療計画、検査スケジュールはよく記載されていると思います。全般的によくできたプロトコールかと思います。ただ、デザインの部分、特に得られた結果をどう解釈するかという点と、あと、症例数設計の部分に関して、あまり詰めができていないように感じますので、これについては生物統計の先生とよく議論する場を持っていただきたいと思います。デザインに関する議論は一般に短時間で終わるものではございませんので、今回は数日内の早急な対応などは求めませんでした。今後の再評価を行う際に、生物統計家を交えた検討に基づいたプロトコールを提出していただきたいと思っております。
 総合評価、総評です。総評は、資料1の最後にございますように、「継続審議」とさせていただきました。難治性である進行再発胆道癌におきまして、有効な治療選択肢を増やす上で本治療の開発が重要な意味を担っていることは、強く指摘しておきたいと思います。ただし、今回の申請では投与対象の設定に関して検討の余地があり、いまの計画をもって直ちに「適」と判定することは難しい状況だと思われます。珠玖技術委員のコメントどおりです。
 現行の計画で試験を行いますと、登録被験者の中に真の投与対象以外の被験者も含まれてしまって、そういう症例の割合が仮に多かったとすれば、本当はターゲットに対して効いている治療かもしれないのですが、効果が薄まってしまって差が出なくなってしまう可能性は十分にあると思います。今回は特に50対50のランダム化2相試験ですので、真のターゲットの割合が実はもっと少なければ、かなり少ない症例での検討になってしまうと思うのです。データ上、差がなかった場合に、本当に差がないのか、単に症例数が少ないのかという検討は、区別がしづらいと思いますので、そういう意味では「申請等につながる科学的評価可能なデータ収集の迅速化を図る」という高度医療の目的には、そぐわないという可能性もあるかと思いました。
 以上の検討に基づきまして、先ほど珠玖先生がおっしゃったいずれかの対応を求めまして、申請者の対応をお願いしたいと思います。その対応というのは、まず胆道癌症例においてあらかじめWT1抗原の発現を検討し、発現例のみを本試験への組入対象とする。発現症例にエンリッチした上で試験を行うということです。もしくは、すべて、またはほとんどすべての胆道癌症例でWT1の発現状況が認められることを独自に検討した上で、申請を再度行っていただく。いずれかの対応を求めたいと思います。以上です。
○猿田座長
 いまご説明いただきましたように、基本的な問題のところで、果たして胆道系にWT1の発現はどのぐらいあるかどうかということで、片方では約60〜80%ぐらいあるという報告だったのですが、それは2006年の報告です。しかし、今度の癌学会の報告ではほとんど0だったということで、あまりにもギャップがあり過ぎると思います。その他、探してみても、いま胆道系に関する報告はないということなので、山中先生からお話がありましたように、この点をはっきりさせるために「継続審議」でやっていったらどうだろうかということです。それでは、委員の先生方からご意見をいただきたいと思います。
○山口座長代理
 いま山中先生がまとめられたとおりだと思います。私も珠玖先生のリポートを読んで、全くそのとおりだと思います。私も昔こういう研究をしたことがありますが、組織化学は、手順とか時間とかが少し違うだけでも、非常に自分に都合のいい解釈ができる技術の1つだと私は思います。
 ですから、よほど測定方法を標準化して相互に間違いないということをやらないと、根本のところが押さえないでこのままやると、全く無駄なことになります。山中先生もおっしゃいましたように、むしろこういうものを大事にするからこそ、もう少しきちんとした対象でやってくれと、たぶん珠玖先生もそういうお気持だと思うのです。これほどにも違う、0と60〜80%というのは、ちょっと違うというには認めにくいので、是非やり方を標準化されて決着をつけられてから、山中先生のおっしゃったような方法で再スタートするのが、むしろこの研究のためにはいいと思います。
○藤原構成員
 がん研究センターの藤原です。同じ施設なので関与になるかもしれないのですが、過去のこういうペプチドワクチンの臨床試験で高度医療評価会議にかかったものを見てみると、これよりもずさんなデザインで通っているものもあります。そのときには、例えばランダム化比較試験をしてくださいと言いましたが、しませんと回答されたりとか、エンリッチメントしてくださいと言っても、しませんとか、過去の審査ではそういうのがあるのです。そうすると、今回の申請者側から見ると、向こうは通ってこちらは通らないというのは、不自然なような印象を与えてしまうのかと、少し懸念はあります。ロードマップを見ると、比較試験はきちんとやって、薬事申請、承認まで持っていくと書かれており、どこかの時点でWT1の陽性をきちっと判定しないといけないのは事実なので、WT1陽性に関する回答は聞きたいところです。いずれにせよ、過去の、ここでの審査との整合性をどこまで追い求めるかが、1つ懸念としてあります。
 もう1点は、このペプチドワクチンは、すでに多数のクリニックで樹状細胞療法として自由診療のもとでたくさん使われています。それを放置して、真面目に試験をやろうという人のほうが試験の実施が遅れるというのは、おかしいと思います。先にこれを進めて、例えば後解析で陽性の割合を見るというので良いのではないでしょうか。白・黒が出たところで、市中でやられている、自費診療でやっているペプチドワクチンを使った診療に対する警鐘を鳴らすことの方が大事だと思います。真面目にやっている人がいろいろなハードルを設けられて、適当にやって金を儲けている人たちには何もハードルがないというのは、少し変な気がいたしました。
 こういう免疫染色によってエンリッチメントする手法は非常にトリッキーで、たぶん永遠の課題だと思うのです。たとえば、抗EGFR抗体、いま大腸癌などの治療に使われていますが、EGFRの染色性には、用いる抗体や染色をする施設によってばらつきが大きいと聞きます。個別化医療を行う基本になる体外診断薬での診断は厳密な精度管理が必須なのですが、医療機関の検査現場で、そこまで厳密に精度管理が行われていないと思います。抗EGFR抗体薬も、世に出てきた頃はEGFRが免疫染色で陽性のものに効くと言われていたのに、歴史が経ってみたらEGFRが陽性ではないものにも効いていますとか、そういうデータがどんどん出てきていますので、免疫染色などにより症例のエンリッチメントを開発初期からやり過ぎるのは、どうかと思います。
○猿田座長
 いま先生がおっしゃられたことは非常に重要なことでして、現在は高度医療評価会議ですが、最初の頃の高度先進医療会議の時代とは事情がかなり違ってきています。その頃の会議の議論と今とはかなり違って比較的簡単に通っているのもあるのです。
 そのあと、高度医療評価会議になって、段々と体制がしっかりしてきました。これまで両方の座長をさせていただいてきたので流れがよくわかります。最初の頃は、藤原先生がおっしゃったように曖昧だった点があります。果たして、ファースト・イン・マンでこういうことをやるのはどうだろうか、本当にどこまで治療効果を証明してから認めるべきかなど、随分議論しました。現在のように技術委員の方に入っていただくような状況ではなかったのです。 もう1つは、これだけペプチドワクチンの研究が進んできて、いまのものはかなりしっかりとしたところに来ています。私どもとしては国民にきちんと届けなくてはいけない、しっかりとしたデータを出さないといけないということですから、やはり科学は進歩してきますから、いまの時点では、おっしゃられたようにしっかりとした形で、科学的な根拠に基づいた形でやることが高度医療評価会議ではないかと考えます。これは座長の言い過ぎかもしれませんが。
○山口座長代理
 藤原先生のお気持も立場もわかりますが、これは症例を見ても、95例やっているほうで0で、片方はわずかに22例です。これはひょっとして本当に全く発現していないことがあとでわかったら、この計画はいったい何だということになってしまって、非常に具合悪いと思うのです。世の中にいろいろな怪しい治療がありますが、この会議でそれを糾弾するかどうかはまた別な問題であって、それは別な仕組みでやってもらわないと、ここはそれを糾弾するためにあるわけではない。ここは学問的に考えて、前の我々の判定に至らない点があったのは御指摘のとおりかもしれませんが、我々も勉強して、よりよくしていくという意味で、前が悪かったからそのまま悪いのを続けるということは、むしろ、よろしくないのではないかと思います。
○猿田座長
 ほかにご意見はございませんか、いま大体議論していただいたことがいままでの経過ですが。
○珠玖技術委員
 大切な部分は、お二人がお答えになられたし、藤原先生もたぶん、だからこれを認めたらという立場でおっしゃったのではないというのは、もちろん分かっております。過去にどういうものがあったか、逐一存じ上げてはおりませんが、まさに座長のおっしゃったように、我々も科学も、そしてこういうソサエティーもだんだんと向上していくのだと。そういう中で改めて問いかけることができる、そういう基盤が作られてきているのだと思います。ただ、過去のものとの比較等はあり得ることなのですが、もともと癌の特異的な免疫療法はその標的とする抗原が癌にありきと、この大前提があります。それをどういう形で測定するかはともかくも、そこの部分が非常に脆弱だと、実際に何をやっているのかということになる。今回の場合は、たまたまそういう部分があるのではないかという疑問が大きいのだと思います。
 もう1つ、では、これは今回出されたのですが、もちろん出された方々がこれから改めて検証されるのは是非ともやっていただきたいと思いますが、実は多少のことを言いますと、突然出てきたわけではないのです。ここでの議題そのものに多少かかわるし、なぜという背景を少しご理解願うために2、3触れさせていただきたいと思います。WT1という抗原は、白血病を中心とした造血器腫瘍では、大阪大学の杉山先生たちのグループが非常に先駆的な研究をされました。そのことはある意味では世界中で追試をされ、臨床試験も走っていますし、治験にもなっています。そこは非常に確立されたところだと思っています。ただ、そこからどういうきっかけか分かりませんが、ほかの癌でもというふうに、どんどんと広がっていってしまっている部分が無きにしも非ずで、そこの根拠が多少脆弱なままで広がっているという現状が、日本だけではないのですが、あると思っています。
 もう1つ、それをさらに、ある意味では加速化してしまうことがありました。それは、2009年にNCIで世界にある75の抗原蛋白のスコアリングをやったのです。そうしましたら、そこでWT1がトップだったのです。そのトップはいろいろな理由を集めてのトップなのですが、広く発現されているということがその大きな理由の1つになっているのです。では、その根拠はどこにあるかと見ますと、正直言いまして、個々の文献等についてはかなり弱いものも含めて出てきてしまっている。ところが、結果的にはNCIがそれを論文に出したものですから、ある意味では、WT1がいろいろな所でという正当性を与える環境を作ってしまったということがあります。
 そういうことも相まって、造血器腫瘍とは別に、いろいろな癌にというところが少し安易に広がっていき、また、藤原先生のおっしゃったように、民間療法も含めてそれをやっておられるという、そういう環境ができてしまったという経緯があります。ですから、そういうことを踏まえて今回の提案者の方々、基本的には臨床の方々が、鵜呑みではないでしょうが、それを受けられたという、無理からぬ状況はあったと思います。
 繰り返して指摘しておきたいのは、白血病等の造血器腫瘍では非常に確固たる基盤を持っていますし、診断ということでは確立され、ある意味では、日本から発信する大切な治療のアプローチになっています。検出する方法論の問題ですが、それが1つ問題だろうと。免疫組織染色の持っている、ある意味での便利さと弱みというところがあって、そのことが、今回のこういうことを招いてしまっていると私は感じます。そういう意味で言いますと、免疫組織染色は、誰かが染めて、そうだと言えばそうなってしまうというところが無きにしも非ずです。
 今後科学的にするためには、それとは別に、例えばメッセンジャーRNAを定量的なリアルタイムPCRで測るとか、in situ hybridizationをやるとか、そういうものでやっている手技の担保をしながら、基本的な部分を作っていくべきであろうし、また、今回のものが、もし、継続という山中構成員が提唱されている形になるとすれば、提案者の方々に、是非ともそういうことで検討していただければと思います。
○猿田座長
 いまご説明いただきまして、そのとおりのことではないかと思います。山中先生、何かございませんか。私は継続審議ということはいいことだと思うのですが。
○山中構成員
 この試験は、結果がポジティブでもネガティブでもとても意味がある研究だと思うのです。ポジティブでしたら、治療選択肢の候補が増える可能性があるということで喜ばしいことですし、ネガティブでしたら、国民の目にもわかる形でこういった似たような治療も含めて結果をオープン、提示できる。そういう意味で意味のある申請だと思うのです。ですので、できる限り実施できる環境はつくってあげたいというのが本音なのですが、一方で、臨床試験ですから、科学的に評価できるということは担保しなければならない。それは高度医療の目的にも謳われています。
 いま求めたいことは、追加の発現例に関する検討を、他施設を含めてもう少し行ってもらって、それを追加のデータとして提出していただいて、改めて高度医療会議の場で検討する。そういう意味で「継続審議」とさせていただくのがいいのではないかと思いますが、先生方、いかがでしょうか。
○医薬食品局審査管理課課長補佐
 審査の観点から申しますと、以前、長妻元厚労大臣のころに、高度医療と治験のつなぎ方というところがまさに議論になったところで、その治験のプロトコールを作成するときには、高度医療のデータを活用してやることができるということで、当時、我々としては示したところなのですが、当然、治験のプロトコールを立てるに当たって、そのときに高度医療のデータでもって、どのようにして有効性なり安全性を図っていくのかというのは非常に重要なことだと思います。
 前のときにも、高度医療評価会議で、ペプチドワクチンは何件かたくさん出てきましたが、そのときにも柴田構成員が、バイオマーカーのところは非常に評価として大事であるというところで、かなり論点があったかと思います。結果としては、いまのところ、たしか久留米大学のものだけが通っている状況だと思いますが、いずれにしても、癌のワクチン療法をどういうふうに進めて、評価していくのかというのは非常に難しい問題です。ちょうどいま我々審査管理課も、レギュラトリーサイエンスの、いわゆる人材交流予算を新規に立てまして、PMDA、アカデミアと連携していきながら、そういったガイドラインも整備しつつ、こういったバイオマーカーの検討ももちろん併せていって、いかに国民に早く届けていくかと。そういった面でも非常に重要ですので、是非こういったところも高度医療評価会議で検討していただくことは、我々としても非常にありがたいと思います。
○猿田座長
 患者さんの状態は非常にクリティカルですから、少しでもいい治療があればというので、これは1つの面から本当に大切なのですが、一方では先ほどおっしゃったように、この会議としてはしっかりしたエビデンスに基づいた形で進めるべきであろうと思います。先生方、もしほかにご意見がなければ、「継続審議」という形で、いまご議論いただいた点を、施設のほうでも検討していただいてやっていただくということだと思いますが、どうですか。
○村上構成員
 ペプチドワクチンの領域は、アメリカでのプロベンジの話もあって、国際的に開発がし烈な競争となっています。そこで、できるだけ早く白・黒をつけて、いいものであれば治験、薬事承認に持っていくという前提で、この最終的な総評のコメントのところを、もう少し丁寧に申請者の方へお伝えしたほうがいいのではないかと思いました。「継続審議」と山中構成員が評価されていることに対しては、全く異論はないのですが、そのあとのほうに書いてある2つの選択肢から選びなさいという部分が少しに気なります。後者の選択肢である、独自の検討で、発現が全例に、あるいはほとんど全てに認めることができなければ、プロトコルそのものを一から変えないといけなくなるということと、前者の選択肢である、発現例だけでPOCの取得を評価するということを、横並びにする話ではないように感じました。もし、全例、あるいはほとんど全てに発現が強く認められないのであれば、発現例だけでも高度医療評価制度に基づいて臨床試験をやっていただいて、本当に効くのかどうか、臨床効果を見ていただくといったほうがいいと思いますので、コメントさせていただきます。
○猿田座長
 いまおっしゃるとおりだと思いますので、この返事の仕方を、事務局のほうも山中先生や私どもと相談して詰めていただいて、そこはもう少し文章をうまく書いていただく。いいですか。もしよろしければ「継続審議」という形でまとめさせていただいて施設のほうに戻させていただきます。それでは、そのようにお認めいただいたこととさせていただきます。どうもありがとうございました。
 続きまして、もう1つの新規の申請技術のほう、整理番号041ですか、事務局からよろしくお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官
 事務局より説明させていただきます。資料1-1をご覧ください。新規申請技術の評価結果として、整理番号041、高度医療名は標準治療抵抗性の抗心筋自己抗体を有する重症心不全患者に対する免疫吸着療法です。適応症は、心抑制性抗心筋自己抗体が陽性である重症心不全が対象となっています。申請医療機関は、北里大学北里研究所病院となっています。審査担当構成員として、主担当が柴田構成員、副担当として、山本構成員、佐藤構成員となっています。また、一色技術委員にも評価をしていただいています。以上です。
○猿田座長
 どうも、ありがとうございました。よろしいでしょうか。それでは、041に関して、主担当の柴田先生からよろしくお願いします。
○柴田構成員
 資料1-6をご覧ください。いま、事務局からご説明いただいたので、高度医療の名称を読み上げるのは省略させていただきます。山本先生、佐藤先生、一色先生に評価をご担当いただいていますが、まず、このものの経緯がありますので、簡単にご説明させていただきます。
 これは、もともと、第4回高度医療評価会議、平成20年11月に1回提出されて、審議されました。その時点では、試験デザインに問題があるなどということで、それを改訂していただいた上で、平成21年5月の第8回の高度医療評価会議で再度評価を行い、「適」となりました。その後、先進医療専門家会議にあがったのですが、高度医療評価会議のときには議論になっていなかった企業のほうが治験を進めるとか、そういう新しい情報が出てきましたので、一旦整理していただく必要があろうということになり、取り下げになっていたものです。それが今般、改めて申請になったものです。先ほどお話した、第4回高度医療評価会議時は、当初提出された試験デザインには問題がありましたので、Webに公開されています評価表には「不適」というマークがたくさん付いています。けれども、それについては、その後の申請者の先生方とのやり取りで試験デザインも変更になり、全て「適」になったということで、第8回評価会議で「適」として上に進められているものです。一応、念のためにご説明申し上げます。
 今回、それに対して対象が少し変わっています。また、企業の治験等の住み分けもなされていますので、次に説明します。
 資料1-8をご覧ください。拡張型心筋症の免疫吸着療法というシェーマがありまして、100頁に本邦の対象患者(治験vs高度医療)という表があります。
 NYHAとLVEFの値で治験の対象と今般申請のあった高度医療の対象とが記されていますが、企業が行っている治験ではカバーされない対象を高度医療で対象としようというものです。今回提出されているデザインの骨格は、100頁の下のシェーマになりまして、まず3回の治療をしていただいて、有効だった方にプラス2回の継続治療をするか、そこで治療を中止するかの無作為化をして、本治療法の有効性を評価するというものになっています。以上のような形で治験と高度医療との住み分けがなされた上で、再申請されているものになります。
 評価表の1-6に戻ります。こちらで、山本先生、一色先生からそれぞれいずれも「適」という評価をいただいています。プロトコールの評価を私が担当しましたが、先ほどのような経緯ですので、プロトコールの骨格自体は特に問題はありません。対象が少々入れ替わったところなどに伴う修正等はありますが、特に問題はないと考えています。ただし、この試験はちょっと特殊なデザインですので、解釈等について少しコメントをします。
 今回は、5回治療群での奏効率が90%となることを期待して計画されているのですが、この評価項目は、「左室駆出率が正常化する被験者が90%」出るというものではなくて、「左室駆出率が5%以上改善する被験者が90%」ということですので、結果の解釈のときに、有効率90%といっても、どういう意味で有効なのかということの解釈は注意が必要です。もう1つ、この実施計画書では、用量反応性を調べることとされていますが、この臨床試験デザインは厳密には3回治療が終わった時点で効果が見られた被験者において、追加2回を行うか、あるいは無治療とするかの比較を行うものなので、3回治療と5回治療の比較を行うものではありません。3回治療の時点で効果が見られなかった被験者が最終的な無作為化された群間比較の対象に入りませんので。ここのところでも、単純な用量反応関係を調べるものではないということにご注意ください。つぎに、これは細かいことですが、症例記録表等については基本的に問題ない形で作られているとは思いますが、書類の構成については、年余にわたる試験ですので、担当される先生方の負担も考えますと、少し整備していただいたほうがいいところがあるのではと考えます。最後の点は細かいところですので、省略します。
 以上、コメントはしましたが、本臨床試験実施計画の意義や科学的妥当性を損ねるものではないので、最終的な判断としては、主担当としては「適」としてよいのではないかと判断しました。
○猿田座長
 いま、柴田先生から最初の時からのお話がありましたとおり、1回この案件は出てきまして、まだそのときはいろいろな点での不備があったし、もう1つはプロトコールの点に問題があったということで、お返しして検討していただき、プロトコールを変えていただくとともに、施設からは治験にも出すと。治験でない形での症例でのことも考えて、高度医療にも出してくるという形で、今度出てきたということです。いま柴田先生からお話いただいたとおりなのですが、山本先生、ひとことないですか。あと、一色先生よろしくお願いします。
○山本構成員
 実施体制の評価を担当しまして、柴田構成員からも説明があったように、1度高度医療評価会議で「適」とされているもので、実施体制に関してはそのときと特に変わりはありませんし、主になってやっている先生も高度医療の制度がない時代から自主研究としてやっておられる先生で、この自己抗体の検査についても、インハウスでやっておられますし、そういう意味で特に問題はないと思います。ただ、これは特に実施体制の問題ではありませんが、治験と平行してやるということについては、治験のプロトコールも私、COIはないのですけれども、プロトコール作成の経緯には少し関わったことがありまして、ある程度継続的に行うことで、より効果が期待できるのではないかということは予想はされているのですけれども、治験のプロトコールを組むときに、そういう継続的な効果を調べるものにはなっていませんので、今回3回よりも5回が効くのかとか、治験では必ずしもはっきりしないところを、補完的にその効果を見るためにもよいプロトコールになっているのではないかと思います。
○一色技術委員
 いま、お話がありましたように、対象者の部分が若干変わったということ以外、前回検討されている内容とそれほど変わっていません。柴田委員が冒頭におっしゃいましたけれども、私は、対象を抗体陽性者に限定したほうが、エビデンスとしての有効性がはっきりできるのではないかということで、前回コメント差し上げて、プロトコールを変更していただいたという経緯があります。今回の高度医療での対象は、先行している治験の対象と異なり、陽性例に限定していただいているということですので、これであれば有効性の評価も十分可能であると考えて、「適」と判断させていただきました。
○猿田座長
 それでは続きまして、佐藤先生からお願いします。
○佐藤構成員
 第4回のときに前のバージョンの説明同意文書を見させていただいたのですが、そのときにはいくつか不備があって指摘させていただきました。ただ、その後、3年の間に事務局で説明同意文書に書くべきことをまとめていただいたので、今回の説明同意文書は必要な事項は全て網羅されていると思いましたし、患者相談の対応についても、適切に記載があったと判断しました。
○猿田座長
 それぞれの先生方、大変よろしいのではないかということで、柴田先生、もう1回総括をお願いします。
○柴田構成員
 先生方からコメントをいただいたとおりで、特に問題はなかろうということです。ちょっと抗体陽性例のところについて補足しますと、抗体陽性・陰性、両方を対象にした試験のほうがいい場合もありますし、絞ったほうがいい場合もあります。治験のほうが両方対象にしてあるので、絞り込むことの意義はそちらで確認できますし、先ほど山本先生からもコメントがありましたけれども、治験とは違うデータが得られる形のデザインになっていますので、これは、治験と違うことにもそれなりに意議があるデザインになっているのではないかと思います。以上です。
○猿田座長
 それから、症例数に関しては、この症例数で大体よろしいですね。
○柴田構成員
 かなり大きな群間差を見込んだものとなっています。ただし、これは実施する先生方が、どのぐらいを見込んでいらっしゃるかにも依存しますので、これはやむを得ないところではと思います。
○猿田座長
 以上のご説明をいただきましたけれども、委員の先生方からご質問はありますでしょうか。実際、私も前のときに担当しましたが、今回かなり詰めた形で、しっかりと的も絞られて、治験の場合と高度医療下でどういう違いがあるかも非常にクリアに示してくださったということかと思います。
○関原構成員
 私は、患者への説明文書を拝読しました。同意説明文書の9頁にこの治療についての説明、「ドイツの成績では、2年間に心臓移植を行わずに生存したのは80%という比較的良い結果が出ています」と書いてあります。80%も効果があるのは、比較的ではなくて、実はものすごく良い結果ではと思います。特に心臓の働きがよく改善する症例も60%であると定量的に説明されていますところが、17頁にこの治療上の効果と副作用の説明、要するに患者にはコアの説明なのですけれども、ドイツのことについて、ちょうど18頁の初めですが、「働きが改善するという報告があります」と随分トーンダウンしています。それから、その後でも「2年後までの予後が改善したという報告があります」となっているのです。僕は、この試験はリスクも低いし、相当深刻な状態の患者にとっても、それほどリスクは多くないから、大いにやればいいと思いますが、しかし、9頁に書いてある説明と後の説明のトーンが違い過ぎるのではないか。それから、18頁の更にその後に「日本ではこれまで20例の治療例」と記されています。さっき柴田先生からコメントがあったように、奏効率という意味ですが、奏効という日本語からは、すごくうまくいくと思うのです。日本の奏効率も5、6割とドイツと同等ですから相当高い。しかしこの辺りも否定的に書いてあって、やや逃げのようになっているという感じがします。、最初に9頁を見たのと18頁は違うというのが、私は気になったところです。
○山本構成員
 確かにこれは、免疫吸着療法なのですけれども、ドイツでやっているものと日本でやっているものは使っているカラムが違っていて、ドイツのほうは、ここの研究計画書にも書いてあるのですけれども、ドイツのグループは確かバクスターという会社のものを使っておられて、日本は旭化成クラレメディカルのものを使っていて、それぞれが少し性能が違うらしいのですね。それで、同じ免疫吸着療法で、原理として同じなのだけれども、ドイツのものよりも日本製のカラムを使ったほうが効果はいいのではと。ただ、残念なことに、ドイツでの症例数はたくさんやられているのですけれども、日本では適応外であることと、カラム自体がかなり高いということで、あまり症例数が稼げていないのですね。いま、まともにやっている治験も、まだ最中で終わっていないので、そういう日本のこの同じカラムを使って、ちゃんと論文化されて、データが確定したところをあまり数字で示せないというところで、こういう書き方になっているのではと思います。
 そこをあまり詳しく説明文書の中で書かれてないのだと思うのです。研究グループの先生方は、ずっとこれを何年もやっておられて、実感としてはいいと感じていらっしゃるようなのですけれども、残念ながらそれを客観的に説明するデータがあまり揃っていないというところで、こういう説明文書のところに、いいという気持ちはあるのだけれども、強く数字で言えないというところがあって、ドイツのものとは、ものが違うので、そちらのデータはあまり挙げたくないという心情が入っているのではと思います。
○関原構成員
 それなら、最初のところで80とか60とかを書かなくても良いような気もします。出足を読んで、後で何か、やや違うという感じがするのですけれども。
○猿田座長
 いま、山本先生がおっしゃるとおりですが、バクスターのとこちらのとはかなり違うのですね。私も随分調べましたが。このグループは長くやっているものですから、学会での報告をきいても、大体報告を聞いて、おっしゃるとおりなのですね。
○関原構成員
 それは、しょうがないですね。
○猿田座長
 いま、お話があったとおりです。ですから、筋をしっかり通してもらって、ドイツはこうだ、日本はこうだという形で、説明のところをしっかり書けば、テクニック自体はしっかりしていて、安全性も大きな問題はないようですから、そういう形でできるだけ多くの方に参加していただけるように書いていただければと思います。佐藤先生、それでよろしいですか。他に、ご意見ありますか。今度のは随分よくなりましたから、そういった点で申し分ないのではと思います。それでは、特にご意見がなければ、これはお認めいただくということにさせていただいて、事務局から説明文だけ、字の間違いも2、3、あったりしますから、そこのところも直していただくという形で、よろしくお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 承知いたしました。
○猿田座長
 よろしいですか。それでは、今日、審議していただく分は、この2つですけれども、お手元の議事次第に従って、2.は協力医療機関の追加ですけれども、事務局からよろしくお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 資料2をご覧ください。協力医療機関の追加として、大臣告示番号018、高度医療名は、パクリタキセル服腔内投与及び静脈内投与並びにS-1内服併用療法です。申請医療機関は、東京大学医学部附属病院です。今回追加を予定している医療機関は、徳島大学病院となっています。
 続きまして、大臣告示番号032、高度医療名は神経症状を呈する脳放射線壊死に対する核医学診断及びベバシズマブ静脈内投与療法です。申請医療機関は、大阪医科大学附属病院です。今回追加を予定している医療機関は、広島大学病院となっています。
 続きまして、大臣告示番号035、高度医療名は急性心筋梗塞に対するエポエチンベータ投与療法です。申請医療機関は、大阪大学医学部附属病院です。今回追加を予定している医療機関は、ご覧の3施設となっています。
 最後に、大臣告示番号039、高度医療名はペメトレキセド静脈内投与及びシスプラチン静脈内投与の併用療法です。申請医療機関は、静岡県立静岡がんセンターです。今回追加を予定している医療機関は、地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンターとなっています。
 事務局にて倫理審査委員会の構成、医療機関の実施体制等を事前に確認しています。特にご意見がなければ、追加の手続きを進めたいと思います。以上です。
○猿田座長
 いま、ご説明いただいたように、ついこの前通ったものにどんどん追加施設が出ているということで、発展してくれるということで、いいことではないかと思います。いまのご説明に対して、どなたかご質問ありますでしょうか。よろしいでしょうか。特にご意見がないようでしたら、先に進めさせていただきます。
 続きまして、議題の3番目、先進医療専門家会議での審議結果等について、事務局からお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 資料3-1および資料3-2をご覧ください。先進医療専門家会議の審査結果等ということで、高度医療整理番号036、非小細胞肺癌に対するNKT細胞を用いた免疫細胞治療、及び高度医療整理番号037、非扁平上皮非小細肺癌に対するペメトレキセドを用いた術後補助化学療法の技術を12月に先進医療専門家会議に提出し、保険との併用の観点から「適」として了承されています。また、中医協にもその旨報告されています。
○猿田座長
 ありがとうございました。ご案内いただきましたように、先進医療専門家会議でも審査で認めていただいたということで、中医協にも出されたということですが、よろしいでしょうか。いまの説明に関しては特にありませんか。ご意見がなければ、先に進めさせていただきます。その他について事務局からお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 資料4をご覧ください。ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針と高度医療評価制度について説明します。問題の所在について、高度医療評価会議に申請される技術で、ヒト幹細胞を用いる医療技術については、「高度医療に係る申請等の取り扱いや実施上の留意事項について」において、「ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針」に適合する実施体制を有することを要件として掲げています。
 そのような医療技術の第1例目として、名古屋大学医学部附属病院の「軟骨無形成症等骨系統疾患に伴う低身長症例および下肢長不等症例に対する培養骨髄細胞移植の併用による骨延長術併用療法」が、第25回高度医療評価会議において審議された際に、ヒト幹細胞臨床研究に関する審査委員会と高度医療評価会議での審査が、出来る限り重複しないようにするための検討を医政局研究開発振興課で行うこととなっていました。
 審査体制の現状として、現在の審査体制としては、ヒト幹審査委員会においては、技術の安全性に重きを置いて審査されていて、高度医療評価会議では有効性の実証に重きを置いて審査されております。委員の構成も、それに合わせたものとなっており、現状ではどちらか一方の会議の意見をもって承認することは困難であると考えます。ただし、ヒト幹細胞臨床研究においても、既に有効性を評価する段階と考えられる研究が出てきており、これに対応するため、第18回ヒト幹審査委員会において、生物統計の専門家を、委員として2名追加することが承認され、有効性の評価も行えるよう体制を整えつつあります。
 現在の対応です。以上の現状を受けて、対応を以下のように行っているというところを報告します。審査の効率化の推進として、今後、ヒト幹細胞を用いる技術が、高度医療評価会議に申請される件数が増加するに従い、両会議で必要とされる要件が類似してくることが考えられます。こういった状況に鑑み、高度医療評価会議において、ヒト幹細胞臨床研究に関する審査委員会での審査結果を十分に活用して、より迅速で効率的な審査体制を構築する必要があります。このため、ヒト幹細胞臨床研究に関する審査委員会では、申請様式について、高度医療評価会議に準じた様式に修正しているところです。報告事項としては以上です。
○猿田座長
 ありがとうございました。非常に重要なポイントで、どうしてもヒト幹にかけなければいけないものが多くなってきているものですから、少しでも無駄のないようにということです。実はこの前も少しお話が出ました、先進医療専門家会議と高度医療評価会議が一緒になるようなことも検討されていますけれども、少しでも時間を早く進められるような状況をということで、このヒト幹の問題は非常に重要ですので、いまの形でやっていただくと、高度医療評価のほうとしては、ありがたいところがあるかもしれないということです。どなたか、ご質問はありますでしょうか。
 要するに、少しでも効率よくやっていきたい。しかしながら、技術面、安全の面はしっかりとやっていきたいということで、今日藤原先生からお言葉をいただいたので、この委員会としては少しでもレベルアップしてやっていきたいということです。よろしいでしょうか。それでは、そういった形で進めさせていただきます。
 その他のことについて、事務局からお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 次回の日程等は、現在調整中です。詳細等決まりましたら、追って連絡申し上げます。また、本日の議事録については、作成次第、先生方にご確認をお願いし、その後、公開させていただきますので、併せてよろしくお願いします。以上です。
○猿田座長
 どうも、ありがとうございました。一応、本日設けてある議題は以上ですけれども、委員の先生方、どなたか、何かご質問ございますか。
○村上構成員
 少し時間があるようですので、1つコメントとお願いをさせていただきます。本日の案件の評価結果には関係しないので、そのときにはコメントしなかったのですが、データの信頼性保証に関る話です。今回の案件では、例えばWT1ペプチドワクチンの話は、NPO日本臨床研究支援ユニットが、そして免疫吸着療法については北里大学の臨床薬理研究所が関るということで、この機関、組織に関しては私のもっている情報でも間違いなくその任を担っていただけると理解はしています。
 しかし、これを客観的に評価するというプロセスが必要ではないかと思っているもので、コメントさせていただきます。これは、そもそもは臨床試験の実施体制の一部として評価すべきであると私は考えています。ただ、そのために構成員の皆様や、評価される皆様の作業、申請する方々の作業の負担になってはいけないということも考え併せ、もし可能であれば、データの信頼性保証にかかわる業務を担える団体、あるいは組織を事前に登録する、あるいはリストアップするといったことを考えていただきたい。ただ、これをしようと思うと、ある程度の指針、適合性評価の作業が新たに発生することにはなりますが、そういう事前に登録されている団体・組織に、データマネジメント等をはじめとしたデータの信頼性保証の業務を担っていただけるのであれば、その部分は安心してお任せできる、評価せずに「可」だということになりますので、少し事務局でご検討いただければと、お願いいたします。
○猿田座長
 ありがとうございます。非常に重要な点ですので、これから先のこととして、事務局とも相談させていただければと思います。いまお話がありましたところについては、私どもも実際に行って見てきまして、非常にしっかりしていますけれども、これから先のことを考えたときに、そこのところも非常に重要な点だと思います。ありがとうございました。ほかに、何かコメントがありますでしょうか。
○金子構成員
 私のところは、小児の医療センターですが、研究開発型独法という立場もあって、高度医療、先進医療を推進する方向で、検討をしています。しかし小児においては、高度医療、先進医療がなかなかそぐわないうことがあります。その理由としては、自費の負担をしていただくというのがか難しくて、この件は以前もお願いしましたが、ほとんどの患者さんは自立支援医療の対象となる患者さんで、高度医療、先進医療だけが実際にお支払いいただくような形になる。小児では、なかなかそういうことの説明が難しかったり、あるいは本当に生き死にに関わるようなものだと、なおさら難しいというところがあります。
 また、必ずしも患者さんが負担しなくてもいいのだということを、医師側もよくわかっていないみたいなのですね。製薬会社が薬を提供したりというやり方もあるのですが、それがあまり知られていないように思います。それから、小児関連の学会では、学会としてはあまり勧めない、各施設が勝手にやるのはよいという立場をとっている状況もあるようですので、小児にこの制度が適合できるような状況を作っていただければと思います。以上です。
○猿田座長
 ありがとうございました。成育医療センターとしては、どうしても症例はあるのですけれども、なかなか難しいのですね。よくわかりました。その点も検討させていただきます。これまでは、例えば循環器の問題が出てくると、循環器病センターにお願いして、いろいろな連携を取ってもらってやっているということですが、これから、確かに大切ですので、これも事務局で、また、一緒に検討させていただくということにさせていただきたいと思います。
  もし、ほかにないようでしたら、時間が早いですが、これで第29回高度医療評価会議を終わります。どうも、ご協力ありがとうございました。


(了)

照会先
厚生労働省医政局研究開発振興課
TEL 03−5253−1111
高度医療係 新美 内線2589

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