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2012年1月26日 第5回臨床研究・治験活性化に関する検討会 議事録

医政局

○日時

平成24年1月26日(木)10:00〜12:00


○場所

厚生労働省18階専用第22会議室


○議題

(1)平成24年度臨床研究関連事業について
(2)次期臨床研究・治験活性化計画(素案)について
(3)その他

○議事

○治験推進指導官(森下) 定刻となりましたので、第5回臨床研究・治験活性化に関する検討会を始めます。本日はご多忙中のところお集まりいただき、ありがとうございます。
 本日は、小林構成員、田代構成員の2名から、事前にご欠席の連絡を受けておりますが、17名の構成員の方々にご出席いただいております。「開催要綱4.運営」に基づき、構成員の2分の1以上が出席していますので、本検討会が成立していますことをご報告いたします。
 次に、配付資料の説明をいたします。議事次第、座席表、資料1-1、平成24年度臨床研究関連事業について(厚生労働省研究開発振興課)。資料1-2、同じく(文部科学省ライフサイエンス課)。資料1-3、同じく(文部科学省医学教育課)。資料2-1「次期臨床研究・治験活性化計画」を受けたアクションプランの策定について。資料2-2、次期臨床研究・治験活性化計画(仮称)(素案)。資料3、山本構成員意見。資料4、小原構成員意見。をそれぞれお付けしています。また、文部科学省の医学教育課より追加資料がございます。「国立大学法人運営費交付金予算額等の推移」として構成員にのみお配りしておりますので、ご了承ください。また、別綴じの参考資料も随時ご参照ください。なお、傍聴者のお手元には参考資料の配付はございませんので、ご了承ください。以上でございます。資料の過不足等がございましたら、お知らせいただくようにお願いいたします。
 では、写真等の頭撮りはここまでとさせていただきます。これからの進行は矢崎座長にお願いいたします。
○矢崎座長 おはようございます。ご多忙の中、朝からお集まりいただきまして、ありがとうございました。
 「次期臨床研究・治験活性化計画(素案)」が皆様方の大変ご熱心なご議論によりまして概要が大体まとまりまして、これからは最後の詰めをしていきたいと思っております。その議論に入る前に、前回、平成24年度の予算案についてどうなっているのかというご発言もございまして、これはやはり、計画案を考えるときに極めて大事なファクターだと思いますので、そのご説明をいただいたあとで、案の検討に入りたいと思います。最後に先生方、まとめる段階に入っておりますので、言い残すことのないように、言いたいことはしっかり述べていただければ、大変ありがたいと思いますので、よろしくお願いいたします。それでは予算を含めた関連事業につきましては、まず厚労省からご説明いただけますでしょうか。
○研究開発振興課長(佐原課長) おはようございます。研究開発振興課長です。お手元の資料1-1をご覧いただきたいと思います。「臨床研究・治験の推進について」という紙です。これは先週、1月20日の全国都道府県医政担当部局長会議のときに配付させていただいた資料を使わせていただいております。
 まず(1)臨床研究・治験の推進のための取組みについてでは、この検討会のことを書かせていただいております。そして、平成24年度予算案においても、関連する事業に必要な経費を計上しているということです。
 (2)平成24年度からの主な新規補助事業を記載しております。主に2つあります。1つ目の○ですが、臨床研究中核病院の整備、2つ目が日本主導型グローバル臨床研究体制の整備です。
 まず、1点目の臨床研究中核病院の整備についてご説明いたします。資料に書いてありますとおり、日本の豊富な基礎研究の成果から革新的な医薬品・医療機器を創出するために、質の高い臨床研究、ICH-GCP準拠の臨床研究あるいは医師主導治験として実施していただく、そして、その際の中心的な役割を担っていただく施設と位置づけております。また、市販後の医薬品等を活用しまして最適な治療法を見いだすための臨床研究を実施する基盤の役割も担っていただき、全国で5か所整備する予定としております。
 次に、四角の中ですが、臨床研究中核病院に必要となる機能です。これはまだ案の段階ですが、7つ考えております。1つ目は、出口戦略を見据えた適切な臨床計画を企画・立案し、ICH-GCPに準拠して臨床研究ができること。2つ目は、倫理性、科学性、安全性等の観点で高い審査ができること。3つ目がICH-GCPに準拠したデータの信頼性保証を行うことができること、4つ目が知財の管理や技術移転が適切にできること。5つ目が、病院が単独でやるのではなくて、質の高い多施設共同臨床研究を企画・立案し、他の医療機関の支援を十分行えること。6つ目が関係者への教育等が行えること。そして最後に、上記1〜6に必要となる体制を病院管理者等のもと病院全体として取り組んでいくこと、を考えております。
 次頁は、臨床研究中核病院整備事業のどのような分野を担っていただくのかということを記載しています。中ほどに基礎研究から始まりまして、右のほうに流れていく矢印があります。これが、基礎研究、治験・臨床研究、薬事承認、臨床研究(市販後)という流れです。いままでの治験中核病院等では、いちばん下の企業治験を中心に取り組んできていただいておりますが、臨床研究中核病院では、その上にあります医師主導治験や臨床研究についても、国際水準でご実施いただくことを考えております。また、いちばん右ですが、市販後に最適な治療法を見いだす臨床研究をご実施いただく施設として、平成24年度予算案として、整備事業費の26億円と、研究事業費として5億円を計上させていただいております。
 1枚目に戻りまして、下から2つ目の○ですが、日本主導型グローバル臨床研究体制の整備です。日本国内の医療機関と海外の医療機関が共同で研究する体制を日本が主導して構築し、かつ円滑に運営することを目的として、研究開始から終了までの過程において必要となる管理・支援体制等の整備が行える拠点の2か所について、整備したいと考えております。
 3枚目の資料をご覧ください。左側が現在のグローバル臨床研究の体制です。グローバル臨床研究を実施しているが、他国主導の研究の窓口的な役割が中心というものですが、今後、日本が国際臨床研究の中核的存在となるために、青字でありますが、国内外の研究機関との連絡・調整や戦略的プロトコールの企画・立案をご実施いただき、臨床研究を実施する病院を支援する。必ずしもこの拠点自体が臨床研究を積極的に実施する医療機関でなくてもよいような予算として、3.7億円、2か所分の予算を確保しております。
 1枚目に戻っていただきまして、いちばん最後の○のところですが、今後のスケジュールです。平成24年度予算が成立した場合には速やかに事業を開始できるよう、今後、この整備事業の実施要綱の検討等準備作業を進め、3月上旬頃を目処に公募を行いたいと思っております。以上でございます。
○矢崎座長 どうもありがとうございました。ご質問は文科省のご説明のあとにしたいと思いますので、続けて文科省からよろしくお願いいたします。
○文部科学省ライフサイエンス課長(板倉) 文部科学省ライフサイエンス課長の板倉でございます。それでは、資料1-2を使いまして文部科学省の事業についてご説明したいと思っております。
 文部科学省では、大学をはじめとするアカデミアのシーズを医療の実用化につなげていくことを目的としまして、橋渡し研究支援事業を行っております。これは経緯的には、平成16年度からがん研究で、この橋渡し研究の事業を開始しまして、そのときの経験から、拠点を設けてアカデミアの研究を支援していく体制をとらなければ成果が出ないであろうという教訓が得られまして、平成19年度から「橋渡し研究支援推進プログラム」を実施してまいりました。この事業は拠点を整備いたしまして、アカデミアの橋渡し研究を支援するということですが、具体的には拠点の支援機能を整備する。例えばGMP基準等に準拠した施設を整備する、あるいは、さまざまなシーズを実用化に結びつけるための開発戦略の策定、あるいは試験物の製造もこのルールに則って行っております。併せて、そういう戦略づくりあるいは試験物の製造などを行えるような人材の育成も図ってまいりました。
 その結果、昨年秋に、この事業が平成19年から5年目を迎えることで評価いたしまして、拠点として支援設備の構築とか、各支援拠点が目標としておりました人材の配置・育成も一定の成果が上がったという評価が出たところです。このプログラムでは各拠点に目標を設置しております。それは、この事業終了までに「各拠点2件の研究シーズを治験段階にまで移行していただく」という目標です。これは達成したところもありますし、年度内には何とかというところも含めまして、各拠点、この目標は何とか達成できるのではないかと考えているところです。
 現在、この評価結果に基づきまして、来年度予算では(2)にあります「橋渡し研究加速ネットワークプログラム」という事業を、これも平成24年度から平成28年度という事業期間で行うこととしております。今回の事業は、第1期の事業の評価を踏まえて、2点改善しております。
 1つ目は、拠点の整備はかなりの段階までいったところですが、拠点の大学等におけるシーズに加えて、その周辺の研究機関のシーズを各拠点が戦略的に推進していく。どれがものになりそうかとか、ニーズがあるのか、あるいは困難性はどうだということも、各拠点でしっかり評価をして戦略的に進めていただく。そのために、各拠点にシーズに対する補助をいくつか、各拠点の裁量で行うことも可能にする制度としております。また、この支援機能につきましては、各拠点のマネジメント能力を高めていただき、最終的には自立をしていただくことも目指しておりますので、この自立に向かった計画もしっかり立てていただくという事業内容となっております。
 このような事業ですが、今後のスケジュールとしましては、いま7拠点ありますが、この7拠点の継続審査を来月ごろに行います。また、現在、予算上は新規の募集も1拠点程度考えておりまして、新規の募集については、平成24年度に入ってから行おうと考えているところです。併せましてシーズにつきましても、先ほど申し上げました各拠点の責任で、この周辺のアカデミアのシーズも取りまとめていただいて、公募を行うこととしております。
 予算額ですが、裏側の頁に書いてありますが、平成23年度の予算より2億6,000万円増額いたしまして平成24年度の予算は、32億6,800万円ということで予算措置をしているところです。説明は以上でございます。
○矢崎座長 ありがとうございました。それでは続いて医学教育課。
○文部科学省医学教育課大学支援室長(玉上) 医学教育課大学病院支援室の玉上と申します。よろしくお願いいたします。資料1-3をご覧ください。
 まず入学定員ですが、ここに書いておりますように、入学定員の推移が資料1-3の下に出ております。平成20年度より医師不足に対応するために、政府全体の医師確保策に基づき増員を図ると。今年のものまでを含めまして、平成19年度比1,366人の増ということで、平成24年度までに8,991名まで増員する計画です。
 次の頁です。2.「基本的方針」です。枠組みとしましては、地域医療への従事を条件とした奨学金とか、選抜枠を行う大学の入学定員の増員を行う。これは自治医科大学の増員も含みます。もう1つは、研究医を養成する拠点を形成する大学の入学定員も増員するということで、今回は合わせて68名の増員を図るという計画です。これは臨時的な定員増で、一応増員期間は平成31年度までの8年間ということになっております。
 次の頁です。予算のご説明をいたします。概算要求のことで、まず、運営費交付金からご説明いたします。あとで全体のお話もさせていただきますが、病院関係ということでお話させていただきますと、今年の総額は346.0億円の確保で、昨年に比べて18億円の減です。
 1.病院運営費交付金ですが、これは建物を建て増したときの債務が発生し、その返済をするものの一部で、減っております。
 2番ですが、2.特別運営費交付金で、283.1億円ということです。これは大幅に増えております。私どもが今やっておりますのは、先ほどの運営費交付金が減っておりますので、まず債務負担の減を図るということを1つの目的としまして、同時に教育・研究・診療機能を強化するということで、高度医療拠点機能充実支援経費として入れております。コ・メディカルスタッフの充実支援経費、人材養成機能を充実するための強化機能予算がありますが、本委員会の関係で申しますと、2番目の未来型医療システム構築を担うということで、先進医療技術に関する研究や、治験とかそういう取組みに対して重点的に支援をすることで、臨床研究全体の強化を図るという目的で、させていただいております。
 そのことについての補足説明は、1枚もので用意させていただきました。ここに全体の運営費交付金の推移を書かせていただいています。最初の委員会で先生方から大変厳しいご指導もいただいております。ご案内のとおり、大変な削減です。法人化したのが平成16年ですが、そこから、オレンジ色の字で書いております運営費交付金は、平成16年から平成22年までの間に830億円の削減になっており、大変厳しいのですが。お蔭様をもちまして平成23年度で少し下げ止まったということです。平成24年度におきましては、色を変えたところがありますが、国立大学の改革強化推進事業という138億円というものがあります。お蔭様でこれを付けていただきましたので、平成24年度は、法人化後、初めてプラスになりました。19億円ではありますが、プラスに転じたということです。ただ、病院においては大変厳しいということです。先ほどの運営費交付金ですが、下の資料にありますように運営費交付金、これはいわゆる附属病院の運営交付金と申しまして、建物を建て増した際の債務が大変大きいところを中心に、出させていただいているものです。これが随分減っているということで問題です。
 一方、そのほかの、先ほどの2頁目にありました283.1億円があります。こういったものを入れまして、若干ですが、増えております。下の右側の資料ですが、ここに病院関係の制度とかが推移いたしますし、1期と2期で様相が若干異なっております。ここにご説明させていただいている平成24年度、283億円というのがこういう資料です。右側の教員の人件費とか設備費とかを全部入れれば、今年は一応942億円にはなります。ただ、ご説明しておりますように、全体では減っておりますし、かつ、例えば平成16年度の病院関係を、584と930を足しますと1,500億円にもなるわけですが、今年で言えば、1,300億円足らずということですので、全体としては削減の傾向がありますので、今後とも、この辺につきましてはご支援を賜りたいということです。
 次の頁です。今年までがんプロの1期をやっておりましたが、がんプロフェッショナルは、いわゆるがんの専門医を養成することを1つの目的にしておりまして、教育機関ですので養成基盤推進プランを持っております。ここで、第2期におきましては、3つのイメージでこのプランを構成しようかと検討させていただいております。1つ目は、そういう教育改革による専門医養成に重点を置くコース、2つ目は、特に地域がん医療に貢献する専門医、3つ目は、研究者養成に重点を置くコース。このようなイメージで、大学相互の連携・補完によって教育を活性化し、がん専門医養成のための拠点を構築する。このような計画で今回は、前回の予算よりも3億円増をいただき、21億円でこの予算を計上させていただいているところです。今後とも、ご支援かた、よろしくお願いいたします。以上でございます。
○矢崎座長 どうもありがとうございました。国の財源が少ない中、担当の3つの課必死に頑張っていますよというご報告ではないかと思いますが、何かご質問ございますか。よろしいでしょうか。
 それでは、このような状況の下で次期臨床研究・治験活性化計画をどう進めるか、言ってみればアクションプランをこれから立てていくわけですが、その内容について、また事務局からお願いいたします。
○治験推進指導官 次期臨床研究・治験活性化計画(素案)の説明に入る前に、いまご検討いただいております「次期臨床研究・治験活性化計画」のこれからの流れと、「次期臨床研究・治験活性化計画」を受けたアクションプランの策定について、お話いたします。
 資料2-1をご覧ください。次期臨床研究・治験活性計画の全体の流れをお示ししております。この次期臨床研究・治験活性化計画の実行期間については、いま臨床研究は、日進月歩で、移り変わっている状況もございますし、3年では少なすぎる、でも10年では長すぎるというところで、やはり現在の治験活性化5カ年計画と同様に、5カ年というのを1つの区切りとして全体の計画を組んだことをお示ししております。
 特に、1年目の平成24年度の4月には、「次期臨床研究・治験活性化計画」のアクションプランの策定に関するワーキンググループの設置を考えております。現在、治験活性化5カ年計画が実施されておりますが、平成23年度の「治験中核病院・拠点医療機関等治験・臨床研究基盤整備状況調査」も来年度早々に実施する予定としています。そこで、「現5カ年計画」の達成状況等の確認を行う。そして「次期臨床研究・治験活性化計画」の各項目、「短期的に目指すこと」、「中・長期的に目指すこと」について、より具体的な「アクションプラン」の策定を行うことを考えております。その上で、「臨床研究・治験活性化計画に関する検討会」、本検討会への報告を平成24年夏頃を目処として計画したいと思います。この5カ年のうちの3年目においては、「次期臨床研究・治験活性化計画」の中間評価を実施し、「アクションプラン」の実施状況等の評価と必要に応じた追加・修正も計画の中に入れています。5年目の平成28年度は、「次期臨床研究・治験活性化計画」の最終評価を行う予定です。以上、向こう5カ年間の流れとしてお示しさせていただきます。
○矢崎座長 これは、次期活性化計画を5年間にどういうふうにフォローアップするかという、実際の具体的なご提案です。これはこういう計画でチェックしていきますので、委員の先生方にはよろしくご了承いただきたいということですので、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、本題の活性化計画の(素案)についての議論を進めさせていただきたいと思います。では、よろしくお願いいたします。
○治験推進指導官 資料2-2をご覧ください。本書は、1.「臨床研究・治験活性化に関するこれまでの経緯と今後の方向性」、2.「臨床研究・治験活性化計画」に分けて構成しています。
 1.「臨床研究・治験活性化に関するこれまでの経緯と今後の方向性」では、これまでの治験活性化計画についての取組みの成果と今後の課題等について記載しています。
 続きまして、6頁目2.「臨床研究・治験活性化計画」をご覧ください。ここで記載している素案の各項目については、「国や国以外の関係者は互いに連携しながら、最終的には、具体的な数値目標を定めて実施していくこと」としています。また、本計画では、今後2〜3年以内に達成すべき事項を〈短期的に目指すこと〉、今後5年以内に達成、又は検討に着手すべき事項を〈中・長期的に目指すこと〉としています。
 では、次期計画について説明いたします。6頁目の1.「9年間の活性化計画を踏まえたさらなる飛躍と自立」(1)治験中核病院、拠点医療機関等における、継続的に自立可能な治験実施体制の構築のところは、この○の3つについては、前回と変更はありません。
 (2)新たな治験活性化5カ年計画で残った課題の解決に向けた取組み1症例集積性の向上(主に企業主導治験)2治験手続の効率化(主に企業主導治験)3医師等の人材育成および確保(企業主導治験、医師主導治験、臨床研究に共通)4国民・患者への普及啓発(企業主導治験、医師主導治験、臨床研究に共通)5コストの適正化(主に企業主導治験)6IT技術のさらなる活用等(主に企業主導治験)の各項目に書いている部分は、前回から大きな内容の変更はありませんが、少し整理をして記載しております。以上です。
○矢崎座長 素案の1頁から4頁までが、いままでの経緯と今後の方向性です。これについては、委員の皆様方の一応のご賛同を得たと思いますので、今日は6頁からの1番の1.9年間の活性化計画を踏まえたさらなる飛躍と自立というところで、ご質疑を得たいと思いますので、ご意見いかがでしょうか。小原構成員と山本構成員から参考資料をいただいています。それも一緒にご説明いただいてよろしいでしょうか。いかがでしょうか、小原構成員から。
○小原構成員 資料4になりますでしょうか。追加意見を、前回12月の素案に対して書かせていただきました。要点だけ申し上げたいと思います。
 1つは人材育成に関することです。CRCの研修などについて、この3の中にも今回入れていただいており、今日見せていただいたものですと、主に9頁のところになるかと思います。ここに、さまざまな各種の研修について「適切に見直し」というように今回書いていただいているわけですが、いまのところ、研修の有用性の評価については、若干課題があるのではないかと思っておりましたので、もう少し、どんな人材が初級者、上級者それぞれに求められているのかを議論した上で、研修内容の質、標準化を図り、実際CRCが現場で機能しているのかというところまで踏まえての評価もしながら、研修については行う必要があるのではないかということで書かせていただきました。
 資料4の私の追加意見に書かせていただいた、上級CRCの研修についてです。前回の検討会のときに、IRBの運営に関して支援スタッフが、臨床研究に精通している者がいれば、もう少し倫理審査委員会の質の向上も含めて、有用に機能できるのではないかという話があったと思います。上級CRCについては、臨床研究について経験を積むうちに、非常に知識も技術も蓄積されていきますので、そういった人材が、例えば倫理審査委員会の運営のサポートスタッフですとか、いろいろなところで、あとネットワークのことも議論がたくさん出たと思いますが、そのネットワークを有用に運営できるスキルなども、上級CRCは身につけていくことができます。あるいは、それができてこそ上級かと私は思っておりますので、そのような人材の活用などのことも、この素案の中に含めていく必要があるのではないかと思います。
 それから追加意見として書かせていただきましたのは、人事評価のことです。これはCRCのことだけではなく、医師の現場での臨床研究に関しての評価のことです。やはり現場の医師は、臨床研究をやることに関してまだまだ評価が低いというところがハードルに感じていると、常日頃聞いておりますので、そのことについて、しっかり素案の中に盛り込んでいく必要があると思いました。人事評価への反映について、非常に成功事例があれば、是非そのことをお聞かせいただきたいと思いますし、是非積極的に外部に発信をお願いしたいと思っております。
 裏面には研究費の運用などのこと、アカデミックCROのことなどについても書かせていただきました。研究費の運営については、CRCの雇用とも関係いたします。複数の研究費を組み合わせて使うことで、雇用の数がもう少し増えたりですとか、待遇の改善に活用できると思いますので、それには研究費を運用することに非常に慣れた、臨床研究のことにも精通した人が必要だと思います。専門の担当者ですね。そういった方を、例えば先ほど臨床研究中核病院の話もありましたが、そういった所に是非配置することで、研究費が、もっと有効に、人材の確保に使えるのではないかと思います。
 下のほうに書きましたアカデミックCROのことについては、現場の医師からも、研究をするときにサポートしてくれる、そういったデータセンターを非常に欲しいという声はよく聞いております。これを実現することで質の高い、それこそICH-GCPに準拠した研究も、もっとやりやすくなるのではないかと思いますので、これについても是非実現できる方向で、検討をお願いしたいところです。
 臨床研究中核病院については先ほどご説明もありましたが、いくつかの施設ではこういった国際水準の臨床研究をやっている実績があります。そういったことを踏まえますと、ICH-GCPに準拠することは当然必須と考えておりますので、先ほど5施設ほど候補選定するというお話がありましたが、その後の評価に、きちんとこういった水準で本当にできているのか、整備の状況などについて、評価するところまでも条件などに是非入れていただけるとよいかと思っております。以上です。
○矢崎座長 続いて、山本構成員からお願いします。
○山本構成員 山本です。資料3をご覧ください。これは、もともと前回の骨子案に対してコメント作成したので、このとき作成したことに関して、今回の計画では随分盛り込んでいただいているので、多くはもう既に入っていることなのですが、簡単に説明させていただきます。
 まず、活性化計画の指標についてということで、前回の骨子案では項目が若干羅列みたいになっていたので、その計画によって、何を目標とするのかというところを明確にすべきであると思いました。今回まとめさせていただきましたものは、アカデミアの方や製薬会社の方、いろいろな方にヒアリングを行ってまとめたものです。3つほどゴールを書かせていただきました。1)少なくとも日本発のシーズについてFirst in humam studyを日本で行える体制の整備、2)治験実施体制のグローバルとのハーモナイゼーションを行う、3)承認以降の有効性・安全性の確認を目的とした大規模な臨床試験の実施体制ということです。
 今回、先ほどの素案の5頁に3つの目標をきちんと書いていただき、これと同じことなのです。目標を立てて、先ほどアクションプランというお話がありましたが、それのメルクマールというか指標を作って、それを達成することにしていくことが具体的であると思いますので、そのようにしていただきたいと思います。
 前回の計画のときには、検討の中では臨床研究のことも随分検討したのですが、タイトルが「治験活性化」のままでしたので、そこも変えてくれと言ったのですが、いや、そこは変えられないという話だったのですが、今回は、ちゃんと「臨床研究」というのが入っているので、そこに重点を置くということが、世の中的にもわかると思いますので、そこが大事で、そこの部分を今回この5年間では特に注目というか、着目していただきたい。そのためには制度的な問題、例えば必要に応じてResearch INDのような届出制度を、すべてではなくとも作っていくことは必要だと思います。そういう制度面の整備も必要だと思います。
 2頁を見ていただくと、2.「治験実施体制の整備については資金面を含めて各医療機関で自立運営できる仕組みを作ることを検討いただきたい」と書きましたが、いつか自立するようにという掛け声だけでは、なかなか自立は難しいと思いますので、どのようにやっていくかということのアドバイスやノウハウも出していくことが必要ではないかと思います。
 3.企業治験活性化のための方策ということで、3番目に挙げさせていただきました。これは素案の中に入っている分もありますが、SMOの実態が平成14年に出された報告書の時代から随分変わってきているので、具体的には何をどう変えていくかは、この報告書を見直すことによって、検討を始めていただきたいということ。それからJ-GCPにおける契約書内の契約例数の撤廃や、医療機関でのデータ保証に対する方策の整備や、治験届出、治験終了届における届出項目の検討、と挙げさせていただきました。具体的にはそこに書いてありますので、後で読んでいただければと思います。例えば、データ保証に関しては、IT技術をそのものを導入することよりもデータ保証をしなければいけないのだという目的があって、それを理解して、そのための体制やシステムを作っていくことが大事で、まずそこを理解する必要があるということです。あと2.4.の臨床研究にも関係することですが、IRBの審議内容が必ずしも必要十分ではなく、必要でないことを審議したり、足りなかったりすることもあります。その中で、この契約例数のことなどをどう検討するのかをはっきり決めて、やっていただきたいと思っています。
 4番ですが、グローバルに通用する治験・臨床研究の実施体制確立のために、米国に多く見られる高い専門性を持ったACROあるいはAROの整備の検討をお願いしたい。先ほどの小原構成員の意見でも、もともとの素案にも入っていますが、臨床研究者だけでは十分にノウハウも蓄積できませんので、あるいは企業治験を引き受けるときにも、個々の研究機関だと契約したりすると手間も発生することもありますので、そこを仲介するような、臨床研究・治験をまとめるような、医療機関側の仲立ちになるような、ACROの整備がこれから重要になっていくと思います。
 5.グローバルでの存在価値ということで、アジア各国に負けないような症例集積性だとか、欧米に比肩し得るようなという話がありましたが、それだけではなくて、我が国も臨床試験・治験、特に治験はずっとやってきて、例えばデータの質が高いというような、データとして何かあるわけではないかもしれませんが、そういうところもありますので、何が日本にとっての良いところなのか、オリジナリティを出してアピールしていくことも必要ではないかと思います。
 次に6.治験と臨床研究と書きましたが、今回の検討の中でも、治験の話と臨床研究の話が併せて議論されていて、どちらに対してアプライできる話なのかが、ちょっと曖昧なところがありました。今回の素案では、主にどちらかと書いていただいているので、わかると思いますが、まだまだ皆さんの理解、コンセンサスが得られていないようなところがあると思います。例えば、医師主導治験に対しては、企業からの金銭的サポートはいけないというように、ここに書きましたが、平成15年7月の運用通知のパブリックコメントでは、不可であるという記載があるのですが、臨床研究に関しては、いろいろな形でサポートが行われていたり、その辺が混在していまして、やはりアカデミアだけで臨床研究・治験を行うのは、実際問題不可能なところがあります。そこに対して、何らか企業のサポートが得られるような仕組みというか取り決めを、具体的に考えていく必要があると思います。資金提供に関しては、ちょっと不明確というか曖昧な部分がありますので、そこは明らかにして、国民の皆様の理解も得られるような形でやっていくことが必要だと思います。結局、お金はどうしてもかかることなので、そこに対して具体的な方策を考えていくことは必要だと思います。
 7.治験と臨床研究の費用で、ネットワークの話を書きました。
 8.保険外併用療養費、ここも3つ挙げさせていただきました。ここについても運用が十分でないというか、治験あるいは医師主導治験に関しても問題がありますので、見直しをお願いしたいということです。
 9.医師などの人材育成に関してですが、先ほど小原構成員からも意見がありましたが、CRCさん、データマネージャさんとかが、臨床研究専門職の方がどのような業務ができるかということに関しては、まだまだ工夫の余地があると思います。例えば、先ほどの意見もありましたが、IRBの事務局をすると随分質が高くなるというのは、国立がんセンターでも実感しているところですので、そういうことをしていただくということです。
 それから臨床研究に関しては、CRCさんがついてないことが現実としてはたくさんあります。CRCさん、CRCさんと言っても、現実問題がなかなか難しいところがあって、結局、医局の秘書さんとかがやっているところがあるのです。その人たちはCRCさんとは違うので、CRCさんと同じことをするのではないのですが、やはりそういう人たちにも教育の機会を設けるといった、幅広い底上げが必要ではないかと思います。
 ここには書いてないですが、生物統計家を増やしてほしいという話はずっとあるのですが、臨床試験をリードしていくような病院においても、PHDの雇用は今後しないという話を聞いたりもしています。生物統計家というのは医療職の免許を持っていないので、病院で雇用しにくいところがあるのです。臨床試験研究を活性化する上では必要な人材だし、ポストがないと人も増えないところもありますので、是非、ポストを作っていく努力を続けるべきであると思います。
 10.国民・患者への普及啓発のところですが、臨床研究というのは創薬や医薬品開発だけではなくて、手術や医療機器などいろいろなものを含めて医療技術の開発だと思いますので、今後、国民にアピールしていく上で、新しい薬をという観点だけではなくて、より広い医療技術、手術も含めて開発していく観点から進める必要があると思います。そのためにはスポット的に行うだけではなくて、国民の皆様が、勉強しようと思えば勉強できるような環境を作ることも必要だと思います。臨床試験に関して登録されて、データが一応世の中的にはアベイラブルになっているのですが、例えば患者さんが何か自分が入りたい臨床試験をうまく探せるようなことにはなっていないので、ただ単にリストとして上げるだけではなく、目的に合わせた提示の仕方が必要であると思います。
 11.臨床研究・治験の実施体制の整備ということで、先ほど臨床研究中核病院のお話がありました。GCPとか薬事承認云々という話があって、5地点という話もあったのですが、中核になるところに関しては、それでいいのかもしれませんが、多施設で臨床研究をやる場合、特に、がんとかそうなのですが、すぐ数十、数百というところが必要になってきます。それに関しては、必ずしもその承認申請云々というレベルではないような、例えば手術の試験とか、そういうのもありますから、そういう所に対しても整備していく必要があるのです。特に、治験ではないので、研究費や公的補助がなければ運営していくことは難しく、自立ということはあり得ないと思います。やはり継続的なサポートの仕方を考えていく必要があると思います。
 12.倫理指針に関してですが、まもなく改定があると思います。GCPと違うところは、倫理指針のほうは被験者保護や研究倫理ということに重きを置いているのですが、その前提となる臨床研究をきっちり行うと。科学性が担保されないと、倫理性もないということですから、臨床研究に関する倫理指針の中に、臨床研究の質に関しての記述も入れ、できれば、その規定も入れることが重要だと思います。実際、我々の研究現場では、指針を作ると皆さん非常にそれを守るようになってきているので、そこに臨床研究の質の担保のような項目を入れることが、いちばん手っ取り早く質を上げる方法だと思います。中・長期的ではなく、次回改正の際には必ず入れていただきたいと思います。
 13番は、先ほど説明しました、継続的なサポートだと思っています。前回、前々回にもお話しましたが、臨床研究に対する研究費が随分出るようになったのですが、使い方が現場では必ずしもうまく使えていなくて、まだ人件費には使えないのだと思っている人も多々あります。どのように使えるのか周知をしていったり、あるいは募集の段階で何らかの規定といいますか、出し方が規定され、例えばデーターセンターへの委託費等、各施設に対してはCRCさんの雇用に使うようにとか、そういう規定を盛り込むというような研究費の募集の仕方ができれば、その臨床研究に対して効率的に資金を使っていけるということも、皆さんわかってくると思いますので、そういう工夫も必要ではないかと思います。長くなってすみませんが、以上です。
○矢崎座長 非常に全般的な、しかも体系づけて問題点を指摘いただきまして、大変ありがとうございました。このお二方のご意見に加えて、いままでの前半の部分についてどなたかご意見ございますか。
○川口構成員 いま山本構成員からご紹介あった部分に関して、多くのところで賛同させていただきます。我々の業界の中でも、先般いただいた骨子案について、いろいろ検討させていただきました。その中で、今回は厚生労働省のほうから先ほど説明があったように、目標設定が少し明確になってきたかなと。いままで9年間やってきたところは、現場の環境整備に力点が置かれていたかなと。では、この後の5年後、どんな環境になっていくのかという予測の下に、いよいよ考えていかなくてはいけないのではないかというような議論になっています。
 具体的には、先ほど厚生労働省のほうからもありましたように、ワーキンググループを設置する。設置した中で具体的な議論をされるということで、とても良いと思います。我々としては、そろそろ大きなビジョンを持って取り組まなければいけない状況になってきたかなということで、山本構成員がおっしゃった内容に賛同させていただきます。
○矢崎座長 そのほか、いかがでしょうか。
○楠岡構成員 文章の細かいところで、固定されてしまうと、後でまた大変なので、2点ほどお伺いしたいのです。7頁の2つ目の○のところで、「治験依頼者やネットワーク事務局は、治験ネットワーク内での治験実施に際し貢献度の高い医師に企業などの委託研究費の重点配分等を行うなど、インセンティブを持たせる工夫を行う」という所です。ここの主語の中に、ネットワーク事務局が入っているのですが、この文が主に企業治験を対象にしていることから考えると、将来的にネットワークでの契約とか、ネットワークに一定額の契約金額を渡して、その配分はネットワークの中で決めてください的な、そういう方向まで考えたことなのか、まだそこまでは考えてないというようなところなのかを、少し明確にしておく必要があるかと。
 基本的には、今後において、症例集積性を考える中でネットワークは非常に大事なところであり、そこにある程度パワーを持たさないと、なかなか進まないと思います。ネットワーク事務局と治験依頼者との契約も認めて、その中でネットワーク事務局にある程度、裁量を持たせることも必要なのではないかと思います。
 もう1点は、9頁のいちばん最後の、初級者CRCの養成についてというところで、「標準的なカリキュラムの策定を行い」となっているのですが、標準的カリキュラムは既に示されているという理解があったのですが、まだですか。たしか厚生科研で出しているものがありますが、それはあくまで班研究の結果であって、標準カリキュラムになっていないのか。もし現在行っているのは標準カリキュラムとするのであれば、策定と言うよりも、むしろ改定ということになるかと思うのです。いまある標準的カリキュラムの位置づけを明らかにしておかないと、混乱が出るのではないかということです。その2点に関して、内容的なことで特に異論はございませんが、表現的なところで少し確認をしておきたいということです。
○矢崎座長 いかがですか。
○治験推進指導官 楠岡構成員の1点目のご指摘につきましては、前回も構成員からネットワーク事務局の機能について、もう少し強化すべきというご意見をいただいています。
 参考資料の『治験等の効率化に関する報告書』をご覧ください。その中に、治験ネットワークの在り方やネットワーク事務局について、10頁辺りから記載があります。次期臨床研究・治験活性化計画でも、この治験ネットワークを活性化して、症例集積性を高められるように引き続き検討が必要と考えています。本日いただいたご意見も、その議論の中に入ってくるかと考えています。また、省内の関係課とも調整しながら、進めていくことになるかと思っています。
 2点目の初級者CRC研修の標準的カリキュラムの策定につきましては、確かに過去に厚生労働科学研究において初級者CRC研修の中に含むべき内容が提示されました。現在はそれに基づいて、各職能団体が初級者CRC研修のプログラムを作成しています。ただ、治験を取り巻く環境が年々変わっている状況を鑑みまして、例えば国際共同治験であるとか、治験ネットワーク機能、共同IRBの役割など、時代の要請を受けながら変わっているところもありますので、初級者CRC研修の標準的なカリキュラムについては見直す必要があるのではないかと考えています。ここに記載されている表記について、「策定」ではなく、いま既存のものが実際にあるという意味では、表現について再考したいと思います。ありがとうございました。
○矢崎座長 そのほかいかがでしょうか。
○楠岡構成員 いまのネットワークを重視するというところで、非常に心強い意見をいただいたと思うのです。この検討会からは外れるかもしれませんけれども、来年度の臨床研究中核病院の構想の中で、個々の病院としてはそれほど規模は大きくないけれども、ネットワークとして構成するとかなり力強いものになるという、まさにネットワークの一つの将来理想像と思うのですが、そういうようなものでの応募することも少し検討いただければ、そういう方向性と合致するところも出てくるのではないかと思います。それは検討事項としてまたお願いしたいと思います。
○矢崎座長 よろしくお願いいたします。そのほか、いかがでしょうか。
○塩村構成員 山本構成員のご説明の6頁の10番の「臨床試験実施状況の情報提供」と、素案の11頁に「情報提供」というところがあるのですが、山本構成員は「患者さんが自分が知りたい臨床試験を探すためなのか、それとも一般的に情報提供をするのが目的なのか、はっきりさせたらどうですか」というご提案をされている。今度基盤研も何かそういうふうなことを公表されることをやっておられますが、厚労省としてはどちらを目指されるおつもりでしょうか。
○治験推進指導官 どちらか一方ということは、特に考えてはおりません。治験や臨床研究をこれから普及啓発していくためには、広く国民を対象に、わかりやすい情報提供も必要ですし、その一方で、実際に今、治験に入りたいと願っている患者さんに対しても、どこでどのような治験をやっているか等の情報を、よりわかりやすくお伝えする必要があると考えています。
○山本構成員 いまご指摘いただいた点ですが、私もちょっと書き方が悪かったのですが、どちらかにしろと言うよりは、目的に合わせて出し方を変えるべきという意味で、治験推進指導官が言われたみたいに両方必要だと思います。
○矢崎座長 特に、後者の国民、患者さん側から参加しやすい、何か情報提供の仕組みを考えてほしいというような、この委員会で随分強い意見があったと思います。そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。本当に山本構成員にはいろいろなご意見をいただきまして、ありがとうございました。達成目標をこの活性案にご提示いただいたものをすべて入れることはなかなか難しいので、ワーキンググループなり、そういう検討で、達成目標を是非具体化して、この素案をサポートするようなアクションプランを作っていただければと思いますので、事務局には今後ともよろしくお願いいたします。
 先ほどの小原構成員からの、例えば上級CRCの研修など、初級はある程度標準化されたマニュアルがありますが、さらに高度な、グローバルな視点から見たものについての、どういう内容で研修するかというのを明文化してほしいというご意見がありました。これもアクションプランの過程の中で、具体的に立てていきたいと思います。後でもご意見あれば、事務局のほうに出していただいて、この案の中に入れるか、あるいはアクションプランのほうで具体化するかというのは、事務局と私どものほうで詰めさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 次の、「日本発の革新的な医薬品のイノベーション」について、事務局から説明してください。
○治験推進指導官 では、13頁の2.「日本発の革新的な医薬品・医療機器創出に向けた取組み(イノベーション)」をご覧ください。ここは、5つの項で構成しています。1つ目は、(1)臨床研究・治験の実施体制の整備としまして、検討会の最初に厚生労働省、文部科学省から平成24年度の予算事業の説明がありましたとおり、今後取り組むべき拠点の整備について記載しています。具体的には、橋渡し研究支援拠点、早期・探索的臨床試験拠点、臨床研究中核病院、日本主導型グローバル臨床研究拠点などが挙がっています。平成24年度以降については、これら事業の動向とも絡めながら考えていく必要があるのではないかと思っています。これらの事業を実施しつつ、また、それ以外の臨床研究も活性化していく。その意味で、1では、それぞれの拠点等の位置づけと質の高い臨床研究等の推進としまして、〈短期的に目指すこと〉として、(橋渡し研究を実施するための体制)、(初期段階の臨床研究を実施するための体制)、(ICH-GCP水準の臨床研究を実施するための体制)、さらに、(臨床研究の実施を支援するための体制)と分けて記載しています。これによって、シーズの段階から後期の市販後を用いた大規模臨床研究まで臨床研究を一連の流れで推進していくことを目指します。〈中・長期的に目指すこと〉としましては、いま多くの既存の臨床研究グループがありますが、それらをよりよい方向でさらに発展させていくために、臨床研究グループの体制についても、触れています。また、16頁では、(疾患レジストリーの構築)についても触れています。
 2は、必要な人材の育成についてです。1の項目と重なるところも多いと思いますが、特に臨床研究を推進するためにどのような人材が必要かについて、短期的に目指すところで記載しています。
 (2)臨床研究における倫理性および質の向上です。1で「臨床研究に関する倫理指針」の改正を平成25年を目途に予定していますので、その検討について、〈短期的に目指すこと〉、〈中・長期的に目指すこと〉のところに記載しています。2「質の高い臨床研究の実施促進と被験者保護の在り方」については、〈短期的に目指すこと〉として、倫理審査委員会の質の向上等に向けた具体的な計画案をお示しています。また、臨床研究における被験者の相談窓口に関することも挙げています。〈中・長期的に目指すこと〉としましては、倫理審査委員会の認定制度について記載しています。また、被験者への補償の問題についても記載しています。
 18頁です。(3)は、治験審査委員会の治験の高度化への対応等です。今後、治験がより高度化していくことを考えて、〈短期的に目指すこと〉、〈中・長期的に目指すこと〉の内容を入れています。
 (4)大規模災害が発生した際の迅速な対応では、前回では別項目として3「復興への取組み」として記載していたのですが、中川構成員からご意見をいただき、事務局で検討した結果、3の復興への取り組みを削除とし、次期臨床研究・治験活性化計画の中では、臨床研究・治験に関するリスク管理の在り方についてまとめるという観点から、項目2の中に(4)を新たに付け加えました。その中で、現在調査を行なってくださっている楠岡構成員の指定研究の結果を受けて議論することを予定しています。論点としましては、被験者の安全確保を行うこと。また、災害時の臨床研究・治験に関するデータの信頼性確保についてどう考えるかなども含めて、ご議論いただくことを予定しています。
 (5)その他の項目です。1「小児疾患、希少・難治性疾患等への取組み」として、〈短期的に目指すこと〉は、開発が進まない分野へのインセンティブ。これは1、2年ではなかなか解決が難しい項目だと考えていますので、〈中・長期的に目指すこと〉の中で、(開発が進まない分野へのインセンティブ)を継続して検討することとしています。また、(希少・難治性疾患等の治験に関する情報提供)についても、記載しています。2「医療機器・先端医療への取組み」では、〈短期的に目指すこと〉の中に、(医療機器に関する臨床研究・治験の実施体制)、(医療機器開発に携わる人材の育成)を挙げています。〈中・長期的に目指すこと〉としましては、(医療機器開発における評価方法の検討等)、(先端医療への取組み)を記載しています。3資金提供等では、〈短期的に目指すこと〉に、山本構成員の意見にもありましたが、臨床研究に対する研究費等の配分などを挙げています。〈中・長期的に目指すこと〉には、(臨床研究・医師主導治験に対する民間資金の充実)、(臨床研究に対する研究費配分機関の一本化の在り方)についても検討を行っていきたいとして、ここに組み入れています。最後に、4制度では、〈中・長期的に目指すこと〉として、(承認薬を用いた臨床研究における医療保険の取り扱い)について考えていきたいと思いまして、この素案の中に盛り込ませていただいています。以上です。
○矢崎座長 ご指摘によって、災害時に対する対応を大項目から中項目に落としてまとめさせていただきました。楠岡構成員から、ウェブ上でのアンケートの結果についてお話いただけますか。
○楠岡構成員 このアンケート調査は昨日が締切りの形でお願いしていましたので、まだ集計までは至っておりません。昨日現在で170件余り回答をいただいていまして、まだ回答保留中というところも20件近くありましたので、最終的に200件程度の回答がいただけるのではないかと考えています。
 調査の内容です。1番目が、今回の大震災に関連して、被験者の安否確認を行ったかどうか、行った場合にはどのような方法を使ったか、最終的に安否確認が終了するのにどのぐらいの時間がかかったかを聞いています。
 2番目は、震災の影響と、その後の計画停電等が治験の進行にどのような影響を与えたかです。具体的には、例えばモニタリングを行う際のモニターが移動、出張ができなくなったために、モニタリングが中止になったとか、IRBの委員が集まれずにIRBが開催できなかった、あるいは、検査試薬の配布や検体の収集ができないために検査ができなかった等の、具体的な影響に関してお伺いしています。
 3番目は、震災によりましてカルテ等が流されましたので、原資料の喪失が起こっていますが、それが実際にどの程度あったかを聞いています。
 4番目は、治験が再開に至った場合は、再開した時期と、それがどういう条件で行われたかについて。また、今後の対応としまして、防災マニュアルを作っておられるか、持っておられるかどうかを聞いています。医療機関としては、防災マニュアルはほとんどの所はあると思いますが、特に治験や臨床研究に関して特化したマニュアルを作っているかどうかを聞いている状況です。
 今回の調査は、被災地以外も、北海道から沖縄まで全国を対象にアンケートをいただいています。その理由は、被災地はもちろん直接的な影響がありましたけれども、先ほど申しましたように、計画停電等でモニターが移動できないとか、流通が止まることによりまして、西日本でもかなり影響が出たということがあります。また、安否確認に関しましても、西日本の被験者の方が、たまたま東北地方に旅行されていた可能性もなきにしもあらずということで、基本的に、すべての被験者に対しての安否確認を行う必要があるだろうとして、そのようなことも含めて、全国からアンケートをいただいている状況です。
 早急にデータをまとめまして、次回には、ある程度の方向性を出すような形でまとめさせていただきたいと思っています。以上です。
○矢崎座長 どうもありがとうございました。いまの、イノベーションへの取組みについての項目で何かご意見ございますでしょうか。先ほどの山本構成員からのご意見も、この部分にだいぶ入っていて、一応それにも対応していると思われますが。
○近藤構成員 従来の治験と比べて、イノベーションの、研究所とか大学が主導してなさるところの、いちばん大きな違いは、ご自分のところでお薬を作ったり、医療機器を作って、それを臨床研究に回すわけです。従来のお薬であると大抵、GLPとかGMPとかQMSとか、そのようなところがある程度保証された上で出てくるのですけれども、ご自分のところで作ったときの信頼性調査の中で、GLP、GMP、QMSに関しては、基本的に問題があるところから我々は整備しているところです。戦略的薬事相談というものがありまして、その辺で改めて、QMSとかGLPをしっかり指導するわけです。ですから、イノベーションにおいては、申し訳ないのですが、PMDAの戦略的薬事相談を使われると、その辺のハードルが、かなりうまく越せるのではないかなと思います。その仕組みを使われることが望ましいと思います。
○矢崎座長 その方面まで力を入れていただけると大変ありがたいのですけれども。
○近藤構成員 従来、PMDAというと基本的に受け身だったのですね。申請されたものに対して審査をするとか安全性を調査するとか。つまり、これで1保、2保前へ出て、積極的にその内容について指導できることを、今後していきます。
○矢崎座長 ありがとうございました。特に、First in humanをやろうとする施設には、是非、PMDAが専門性を発揮して、安全性、倫理性を担保するような働きをしていただくと、皆さん進みやすいのではないかと思います。是非よろしくお願いいたします。
○塩村構成員 近藤構成員のご発言に関係するのですが、20頁でも、公的研究費の採択にあたっては、プロトコルの審査を行った上で、実施すると書かれています。非常によろしいことではないかと思うのです。私どもは、結構、ユニークな臨床研究あるいは医薬品を作ることの相談をアカデミアから受けるのですが、その際にPMDAの戦略相談を活用することを必ず勧めるようにしています。そこでプロトコルをしっかり見ていただくと、先ほど山本構成員が言われたような、質の確保という意味では非常に正しい方向になると思います。
 あと1点。14頁の中ほどに、早期・探索的試験のことがあります。中核拠点を作られるということなのですが、新しければ新しいほど、早い時期にそのものが駄目になることがごく普通にあります。ネットワークで治験を広い範囲でやることだけではなくて、他の研究機関で見つけられたシーズを中に入れた形の拠点を選ばないと、例えば、ある特定の中核の施設、何とかセンターや何とか大学だけにシーズを求めると、5年ももたないと思います。ですから、選択にあたっては、その辺をよくご指導なさったらいかがかと思います。
○矢崎座長 その点も大切ですね。拠点病院だけではできないので、やはりシーズを生み出すところと、ある程度の体制の整った所との共同作業で、そこにPMDAがある程度の品質保証をするというような仕組みが、今後は必要かもしれませんね。
○塩村構成員 18頁で、費用について、あるいは(5)で、小児疾患や希少・難治性疾患への取組みとして、開発が進まない分野へのインセンティブと記載されています。結構、いまたくさん予算も付けていただいて大変やりやすくなっていますし、また今度、いわゆるウルトラオーファンについてもご検討いただいているということで、大変ありがたいことなのです。1点、結構、忘れられるのですが、治験が終わった後、申請した後に、通常、こういうものは多くの場合そこで投薬を打ち切ることができないので、引き続き薬剤を提供することを求められるのです。私どももよく求められて実際に提供します。提供を無償でするのは、まあいいかなと思うのですが、薬剤提供を治験でやるというシステムしかないのです。合法的に治験薬を提供するのは治験でしかできないのですね。そうすると、当該施設について再度治験の契約をして、お金を支払うことになります。直近の実例では、非常に稀な腫瘍で、患者さんは予後がよろしいので、引き続き治験薬を提供して欲しいということでした。もちろん、無償で提供するのは企業の義務だと思うのですが、大学病院と契約しましたけれども、18か月の治験期間で1例当たり80万円の請求が来ています。また、公的な市立の病院からは60万円の請求が来ています。事務局の方あるいは担当の先生方は、病院を挙げて何とか安くしましょうというご努力はいただいているのですが、システム上、ただでやるわけにはいかないのです。それもよく理解できますので、仕方なく、いわばお金を付けて薬剤を寄附するということをしています。これはいくら何でも不合理だと思うので、何とかして欲しいと思います。これは結構な期間がありまして、いま審査が早くなっていますからまだいいのですけれども、実際に保険に乗るまでは提供してあげないと命にかかわることですので、何とかここのシステムを変えていただけないかなと思います。それはある種、コンパッショネート・ユースにも繋がっていくと思います。その辺のことも是非ご考慮いただきたい。実は治験費よりもこちらのほうが高いというケースも過去には経験しています。
○矢崎座長 ありがとうございました。私もそういう経験がありますので切実な問題です。これは治験推進とは本質的には関わりがありませんが、次の段階で、先端医療との繋がりの間で問題になる課題ですので、この中に入れるかどうかは、また考えさせていただいて、結論を出させていただきたいと思います。そのほか、いかがでしょうか。
○楠岡構成員 先ほど塩村構成員から、早期・探索的臨床試験拠点で、自前のシーズだけではなくてよそのシーズも受け入れるべきというお話をいただきました。これは本来、事務局がお答えすべきかもしれませんが。いま、早期・探索的臨床試験拠点に関しては、プログラム・ディレクターに慶應大学の猿田先生、医療機関ごとにプログラム・オフィサーが定められて、そのワーキンググループで進めているところです。その中で共通の意見として、自前のシーズだけではやはり枯渇してしまうので、外のシーズを探す努力をしてくださいということは、PD-POの中でも申し合わせにしていますので、その方向で進んでいくものと思っています。
○中西構成員 文部科学省の橋渡し拠点支援事業で拠点医療機関もシーズ開発をやりますが、これもネットワークを構築して、地域あるいは同じような領域からシーズを集めてきて、それを開発に持っていくということは、これはもう基本的な方策になっています。
○矢崎座長 自分のところのシーズだけではなくて幅広くシーズに関する情報を集めて、積極的に関与して欲しいというご意見ですね。
○楠岡構成員 第2回のときに、臨床研究の推進に関して意見を述べさせていただいて、そのかなりの部分を取り入れていただいていますので、非常に感謝しています。1点だけ、21頁の最後の制度等に絡むことかと思います。やはり、生活保護者の治験の問題は、早急に何らかの方向付けをしないといけない問題だと思っています。今回、方向として難病や希少疾患のほうにさらに進んでいくとなりますと、特に難病の方の場合には、本当に自分で生活費を稼げるような状態、ADLにはないこともあるので、生活保護ということはありえます。その場合に、生活保護者が治験に入れないとなると、薬はできたけれど被験者がいないという、非常に矛盾した状態が、これは単に想定の上だけだと言われてしまえばそれまでかもしれませんが、あり得るのです。この問題はかなり長い間、解決されないままにうやむやになっているところがありますので、なるだけ早く、厚生労働省の中で方針をしっかり立てていただきたいと思います。いまの方向として、治験で使われる薬というのはまだ薬の候補であって、本当に効くか効かないかわからないものであるので、国あるいは地方自治体が給付する医療の内容が、そのような不確定要素が高いものではいけないことはよくわかるのですが、治験の中には違った側面もあるので、その点も勘案して、いろいろとご検討いただきたいと思います。
○小原構成員 生活保護の患者さんのことにつきましては、現場でもときどき、この患者さんはエリジビリティOKなのだけれども、生活保護を受けているので、といった状況は経験にありますので、是非検討していただけるとよろしいと思います。
○矢崎座長 そのほか、いかがでしょうか。
○井部構成員 説明をお願いしたいのです。16頁の(2)臨床研究における倫理性および質の向上のところで、1つ目の○の1つ目の黒ポツ、「臨床研究に関する倫理指針及び疫学研究に関する倫理指針の適用関係の明確化を図るためにそれらの一本化を検討する」とあるのが、ちょっとわかりにくいのです。解説をお願いします。
○治験推進指導官 臨床研究を実施するときには様々な指針があり、各研究に該当する指針に基づいて、研究者の方々は研究を行っています。その中でも特に臨床研究に関する倫理指針と疫学研究に関する倫理指針の適用関係は、観察研究において似通っている部分が多く、臨床研究に関する倫理指針が該当するのか、疫学研究に関する倫理指針が該当するのか、それぞれの指針を読んでも一目で分かりづらいというご意見を臨床医からいただいています。前回の臨床研究に関する倫理指針の改正は平成20年に行っていますが、その検討時から、次回の改正時には臨床研究に関する倫理指針と疫学研究に関する倫理指針の適用範囲について近似する部分の明確化を図ること、可能であれば一本化する方向で検討することを意見としていただいていたのです。今回はより臨床研究を実施しやすい環境を作り、指針も明確化することから、この点を記載しています。
○井部構成員 他の会でも、倫理指針が複数あって複雑だという意見があります。何とか統合できないのかという意見もあります。それを先駆けてやるということですか。第3の指針ができるということですか。そこの関係がわからないのです。
○治験推進室長補佐 第3の指針というか、どういう形になるかはわからないのですが、先ほど指導官から説明しましたように、特に観察研究について分かりづらいとの指摘をいただいています。疫学研究は、基本的に群間比較といいますか、2群に分けて診療情報を追っていくようなものになりますが、同じ診療情報を用いた観察研究でも、群間比較をしない場合には、基本的には臨床研究倫理指針の対応になっています。研究のデザインによって、疫学研究倫理指針と臨床研究倫理指針のどちらの適用になるのかわかりづらいという話があるので、それであれば、どちらであっても1つの指針を見ればわかる、それに沿って倫理審査等の必要な手続をすればいいという形で整理したほうが、各研究医療機関で、臨床研究、疫学研究どちらであってもやりやすくなるだろうという観点のものです。どちらに統合するのかとか、あるいは別の新しい名前で作るのかは今後の検討ですけれども、そういった形で一本化したほうが研究をしている現場の先生方からはやりやすいというご意見をいただいていますので、それについて検討するという趣旨です。
○井部構成員 私はそれには大変賛成です。それは、臨床研究・治験活性化計画の中の指針として使うのですか。それとも、もっと一般化して、いま2つある倫理指針を統合して使いやすいようにするという、そういう全体の中の考え方なのでしょうか。
○治験推進室長補佐 活性化計画の中で、臨床研究倫理指針とか疫学研究倫理指針の改正に言及している部分については、実際には厚生科学審議会でご意見をいただいて検討することになりますが、本検討会の議論を踏まえて今回新たな臨床研究・治験活性化計画ができましたら、それを踏まえて、指針関係の審議の主たる場である厚生科学審議会でご議論いただけるよう、厚労省の内部でも関係課に話をして調整していきたいという趣旨です。
○井部構成員 わかりました。是非その方向でお願いしたいと思います。
○山本構成員 いまの点です。いま、この臨床研究に関する倫理指針と、疫学研究に関する倫理指針と、もう1つヒトゲノムの倫理指針と、主に研究現場で関係するのはその3つです。ヒトゲノムのほうは現在改定してますよね。問題点は、まず、治験だったら薬事法で、そうでない場合に、ゲノムを使えばゲノム指針で、その次に疫学指針があって、それ以外が臨床指針というような、要は別々に作っているので、どれを適用するかというときに、網羅的排他的にやろうとしているところが問題なのです。ゲノム指針には臨床試験に関する記述はないので、とすると、ゲノムを使った臨床試験が起こったときに、臨床試験に関する部分の記述についてはゲノム指針では不十分ということになってしまうのです。ですから、ゲノム指針とも一本化がもちろんいいのですけれども、たぶんいまの段階では無理だと思うので、排他的にするよりも、臨床試験に関しては別にゲノムを使っていようが臨床指針を適用して、ゲノムの部分に関しては臨床指針で書いていない部分に関してそちらを使うというように、どちらをという形のフローになっているのがややこしいので、そのような作り方も検討して欲しいと思います。
○治験推進室長補佐 いまご指摘いただいたところは、まさに今回のヒトゲノム指針の改正の議論の中でも同様のご意見があったものです。例えば、どういう形で指針の適用関係、フローチャートなどを整理できるかということかと思いますので、ご意見も踏まえつつ、議論をさせていただきたいと思っています。おそらく、山本構成員がおっしゃったのは、例えば1つの指針があって、それで足りない部分はほかの指針のこの部分が上乗せで適用されるとか、そのような形をイメージされているとは思いますが、そういったことも含めて議論させていただきたいと思っています。
○矢崎座長 そうですね。だから、いまご指摘の「一本化を検討する」というのはちょっと誤解を招きますね。
○山本構成員 ただ、疫学研究と臨床研究に関しては、一本化でもいいと思います。ゲノム指針とは、ちょっと。結局、排他的にはできない問題だと思うので、ゲノムを使うときにはこの部分を使えという話なのです。疫学研究と臨床研究の倫理指針は現在ほとんど一緒ですよね。それが混乱を招いているところがあるので、この2つについては一本化もできるのではないかとは思います。すみません、コメントが中途半端でした。
○矢崎座長 ありがとうございました。ただ、臨床研究の倫理指針と疫学研究の倫理指針というのは、やはり研究の本質的な部分で両者は違うのです。いちばん問題になるのは、境界部分と言いますか、臨床研究でありながら疫学研究である、そこをどこに線を引いて、臨床研究指針でやるのか、疫学研究指針でやるのかという課題がどうしても起こってくるのです。いま山本構成員が言われるような、必ずしも一本化ということでなくても、リエゾンの部分をどのように対応するかを、明確にしていただくようなことをすれば、研究者はあまり迷わないのではないかと思います。そういうことも考慮に入れて検討していただきたいと思います。そのほか、いかがでしょうか。
○渡邉構成員 資料を見せていただくと、臨床研究・治験の活性化のために、医療機関側あるいは国側の体制整備に焦点が置かれていますが、もう1つの非常に重要なプレーヤーである製薬企業側への要望も積極的に取り上げていただくといいのではないかと思います。具体的には、例えば、本日の参考資料で山本構成員が非常に重要なことをいろいろとまとめて提言してくださっている中で、グローバルでの存在価値を高めること、が挙げられています。日本の治験の質が非常に高いことを、世界中の製薬企業の方々が集う例えばDIAのような場で、製薬企業の方々が英文でアナウンスして下さると有り難いと思います。また、市販後に行われる臨床研究で、そのスポンサーが製薬企業である場合、目的が非常に曖昧で、その薬の販売拡大が目的なのか、あるいは真のエビデンスを発信していくことが目的なのか、なかなかそれが明確ではありません。臨床試験の場合、きちんとしたエビデンスを発信出来るようなデザインやプロトコールで実施すべきなのに、オープンの試験で恣意性の入りやすい入院のようなソフトエンド・ポイントが組み込まれていて、結果が出たとしても、それが本当に何を物語っているかわからないような臨床試験が日本では多いと思うのです。このような状況が続くと日本の臨床試験の信頼性をおとしめる場合さえ危惧されます。また、製品の販売拡大が主目的となってしまっているような対照群を持たない特定使用成績調査のあり方などです。これらの点については、是非製薬企業の方々も、日本からエビデンスを発信するという目的を共有していただき、治験以外の臨床試験の質の向上についても、考慮していただければ、ありがたいと思います。プレーヤーの1人として製薬企業側の意識改革と言うのでしょうか、そのような点について、この計画書の中にも何かコメントしていただければありがたいと思います。
○矢崎座長 川口さんから、いかがですか。
○川口構成員 発表していく時機も問題なのですね。やはり、申請して承認を取って、初めて発表するという時機があるという問題があります。一方では、IFPMAの中で情報はちゃんと公開していきましょう、しかもその公開の仕方も、ピア・レビュー誌にきちっと公開するということになっていますので、今後はそういう形で発表の機会が出てくるのではないかと思います。ただ、時機が、どうしても販売した後になってしまうと思うのです。それが本当に活きてくればいいなとは思いますけれども。
○渡邉構成員 グローバルでの日本の存在価値を高める為には、信頼性の高い科学的なエビデンスをたゆまず発信していくことが非常に重要だと思います。もちろん、製薬企業側の事情は十分わかります。ただ、日本から質の高いエビデンスを発信していくためには、製薬企業側のご協力は欠かすことができないのです。
○川口構成員 ピア・レビュー誌に採択されるような試験を実施していかなければいけないのではないかと思いますし、それは臨床研究も同じことだと理解しています。
○渡邉構成員 そうですね。
○矢崎座長 そのほか、いかがでしょうか。この検討会は、開発を依頼する側から、実施する側、あるいは治験を受ける側と、厚労省は非常に目配りよく構成員を決められたと思います。この素案に関しても、それぞれ、山本構成員のような生物統計の専門家、あるいは、いままでは認可という規制側の機能が主であったPMDAが積極的に治験の推進に参加してくださる、そういう意味では、オール・ジャパンでこの素案を今日まで検討してきたと思いますし、その問題を組み込んで、一応、素案として今日出させていただきました。今日いただいたご意見を踏まえてある程度の最終版を作りまして、皆様方にそれをお送りしてコメントをいただいて、それを次回最終版としてお認めいただきたいと思います。いままでいただいたご意見はできるだけ網羅的に入るように、しかし、到達目標に関して一つひとつ入れると計画のプランが分厚くなって、誰にも読んでいただけない可能性があるので、到達目標については、先ほどご説明のありましたアクションプラン策定に関するワーキンググループで検討していただいて、具体的な形に明文化して欲しいなどのご希望もありましたので、そういうものを一つひとつ丁寧に文章にして、指針として出していきたいと思います。私自身はそう思っていますが、構成員の方々はそれでよろしいでしょうか。何かまだ言い足りないなど、ございますか。
○近藤構成員 日本が元気にならなければいけないというのは、こういう医薬品、医療機器を通して活性化していくという中では、私は、いちばん国民の信頼を得なければならないと常々思っています。しばしば言葉として「産・学・官」という3つの組合わせを言われていますが、必ず「国民」を入れていただかなければいけないだろうと思います。先ほど渡邉構成員がおっしゃられたように、日本の治験は実に丁寧で精度が高いものであることは外国の製薬企業の方々におっしゃっていただいています。本当にそれだけ精度が高いということを日本の国民にも十分理解していただくことが、せっかく治験に参加していても、いい加減にやられてはかなわないですから、そういう国であることもやはり改めて国民に対しても、また、国外に向かっても、しっかり喧伝していただきたい。少々治験の費用は高いのかもしれませんけれども、それは長い目で見れば健全な日本の産業の発展になるのかなと思うので、これは上手に表現していただくとありがたいなと思っています。感じたことです。
○楠岡構成員 先ほどの渡邉構成員のご発言や、いまの近藤構成員のお話の中、今日も資金提供のことが話題になっていると思います。いま気が付いたのですが、今回、コンフリクト・オブ・インタレストに関しては、ほとんどこの中に出てきていない。やはり、信頼性を得るためには透明性が非常に大事なので、臨床研究を進めるときに、先ほどの渡邉構成員のご発言ではありませんが、要は、メーカーから何かお金をもらっているのではないかとか、研究者の功名心だけでやっているのではないかと疑われれば、当然、患者さん、国民に参加していただけないので、透明性を高めること、特にいまいちばん問題になっているコンフリクト・オブ・インタレストに関して何も入っていないのは足りないのではないか。この点も少しご検討いただきたいと思います。
○矢崎座長 ありがとうございます。それは少し入っているのですけれど、もっと明確にしたいと思います。
○本田構成員 特に最近は勉強されている患者さんが多く、患者さんにとっては大変関心の高いところではありますが、一方で、私などが仕事の中でいろいろな方にお話を聞くと、やはりまだイメージとして、研究者のための研究のように思っている方々とか、実験台になるだけでしょうというような言葉も聞くことがあります。そういう意味では、前の議論のときには言えなかったのですが、11頁のところで、国民への情報提供を、サイトだけではなくていろいろな形でやっていくことがとても大事だと思っています。それと、1つ言い忘れてしまって、お願いしたいのです。11頁の、情報提供のところで、臨床研究・治験の情報提供について、国民のニーズ等々、「利用しやすいものにする」と書いてあるので、そこに含まれるとは思うのですが、実際に参加できる臨床試験・治験を探せるようなものを作るといった、具体的なものを目標にしていただければ大変ありがたいと思います。先ほど、両方必要だという議論がありましたが、同じサイトで、治験について詳しく知りたい方はまずこちら、治験に参加することを探す方はこちらと、同じサイトから両方に行けるような、そういうものが欲しいと思っています。というのは、治験に参加することを考えていらっしゃる方は、いますぐではなくても、もしかしたらという方もいっぱいいらっしゃいますので、両方が一緒に行けるように、それで、明確で使いやすくという方向のものを是非作っていただけるように、具体的にしていただきたいと感じています。
○矢崎座長 ありがとうございました。検索しやすいデータベースを作るということで、本田さんは文章家でいらっしゃいますので、何かうまい言葉で、事務局に教えていただければ大変ありがたいのですが。そのほかにありますか。
○川口構成員 私も先ほど言い忘れたのですが、12頁から13頁にかけて、IT技術のさらなる活用等という話がありました。現在、厚生労働省でも中心になって医療情報データベースの活用に関わるところを検討中だと思いますが、本当にこの医療情報データベースはとても大切なことだと思うのです。これを、当然、一定のルールを決めなければいけないのですが、やはり私たち産業界でも活用できるようなことを考えていただくと、安全性もさることながら、より新規性の高いいろいろなものを考えていく材料になるのではないかと思っています。このところの記載も、もう少し、医療情報データベースの活用について記述していただければありがたいと感じました。
○中西構成員 いまのことに関連したことです。いわゆるHISですね、電子カルテから直接データを取り込むシステム等は、ここには「主に企業主導治験」とあえて指摘されているのですが、これはあらゆる臨床研究にとって非常に重要なことだと思います。ついては、これをわざわざ、企業主導治験ではなく、ごく一般的なこととしていただいたほうがいいのではないかと思います。
○矢崎座長 ありがとうございます。そのほか、いかがでしょうか。大体、議論が煮詰まったようですので、今日いただいたご意見をさらに中に組み込んでいくように事務局と私とで努力します。その素案を事前に先生方にお送りしてコメントをいただいて、できれば次回にこれをまとめて、この検討会の結論とさせていただきたいと思います。何卒ご協力のほどをよろしくお願いしたいと思います。
 今後の予定はいかがでしょうか。
○治験推進指導官 本日はどうもありがとうございました。素案につきまして何かまた追加のご意見がございましたら、2月3日(金)を目処に事務局までお送りくださいますようお願いいたします。矢崎座長がおっしゃったように、本日のご議論と追加のご意見を踏まえまして、報告書にさらに近づける形で構成員の先生方に事前にお送りしたいと思います。
 次回、第6回検討会は平成24年2月29日(水)10時から12時を予定していますので、ご出席いただきますようにお願いいたします。以上です。
○矢崎座長 2月29日には最終的な文案を作って結論にしたいと思っていますので、是非よろしくご協力のほどをお願いします。時間が少ないのですが、お気付きの点あるいは是非これを盛り込んで欲しいという点がありましたら、できれば具体的な文言までご指示いただくと大変ありがたいと思います。今日は大変忙しいところを長時間にわたって熱心にご議論いただきましてありがとうございました。これで今日の検討会を終了させていただきます。
(了)


(了)

照会先
厚生労働省医政局研究開発振興課治験推進室
TEL 03−5253−1111
治験推進指導官 森下 内線4165

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