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2012年1月11日 第24回新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム議事録

社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課

○日時

平成24年1月11日(水) 18:00〜20:00


○場所

厚生労働省 専用第15,16会議室(12階)


○出席者

新垣構成員、岡崎構成員、小川構成員、河崎構成員、佐久間構成員、田尾構成員、
中島構成員、長野構成員、西田構成員、野澤構成員、野村構成員、広田構成員、
福田構成員、堀江構成員
小杉構成員、山田構成員 (ピアスピーカー)
磯部構成員、久保野構成員、白石構成員、町野構成員 (法律等アドバイザー)

○議題

(1) 入院制度について
(2) 意見交換

○議事

○福田精神・障害保健課長 出席予定で、まだ遅れておいでにならない方がいらっしゃるようでございますけれども、定刻になりましたので、ただいまから第24回「新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム」を開催いたしたいと思います。
 構成員の皆様方におかれましては、御多忙のところ御参集をいただき、誠にありがとうございます。
 本検討チームは公開のため、チームでの審議内容は厚生労働省のホームページに議事録として掲載される予定です。あらかじめ御了解くださいますようお願いいたします。
 また、本日の出欠状況でございますが、高木構成員から御欠席との御連絡をいただいております。あと、名札が出ている方は御出席予定ということでお伺いしてございます。
 また、本日の資料には、参考といたしまして、平成24年度の予算案、障害保健福祉部関係の概要、昨年末にまとまりました「医療計画の見直し等に関する検討会」での精神疾患関係の骨子もお配りしてございますので、後ほどご覧いただければと思います。
 それでは、時間の関係もありますので、早速ですが、議事の方に入らせていただければと思います。
 本日の検討チームは、入院制度について検討していただくわけでございます。入院制度につきましては、昨年の11〜12月の間に3回、作業チームを開催いたしました。その中で、具体的な事例検討なども行い、論点をまとめさせていただいております。進め方ですけれども、これまでと同様、まず事務局から御説明させていただき、その後作業チームの座長でおられます町野構成員から補足をいただきたいと思っております。全ての説明をした後で、お2人のピアスピーカーにおいでいただいておりますので、御意見をいただいた上で、その後、構成員の皆様方の間で意見交換をさせていただくという形で進めさせていただければと思っております。
 それでは、まず資料の説明につきまして、事務局からお願いしたいと思います。

○本後課長補佐 事務局でございます。
 それでは、資料1「医療保護入院制度について」という資料に基づいて、御説明させていただきたいと思います。作業チームで3回検討いただいておりますので、その検討の状況も踏まえながら御説明させていただきたいと思います。
 1ページ目、医療保護入院の制度と現状というところで、医療保護入院の制度ですけれども、これは皆さん御承知のとおりですので、説明は省略させていただきたいと思います。
 2ページ目、医療保護入院の現状というところでございます。精神科の病院に入院している患者数は約31万人、そのうち医療保護入院によるものが約4割を占めているという状況でございます。一番下に、在院期間というものがございます。医療保護入院の在院期間で見ますと、1年未満の方が35%、1年以上5年未満が30%、5年以上が35%、こういった割合になってございます。任意入院の方とほぼ同じような割合になってございます。
 3ページ目、年齢構成別で見てみますと、65歳以上の占める割合が年々増加しており、現在では5割近くになっているということでございます。その後、(3)からは医療保護入院制度の変遷というところで、明治33年の精神病者監護法というところから、精神衛生法、昭和62年の制度発足当初は同意入院という名称だったものが医療保護入院という名前に改められたということですとか、精神医療審査会の制度が設けられた、そういった大きな改正が行われております。
 平成11年の改正で、医療保護入院の要件として、任意入院が行われる状態がないものということを明確にしたという改正も行われております。こういった改正の経緯を整理させていただきました。
 5ページ目、(4)のところで、医療保護入院の法的性格ということで整理いたしました。ここに関しましては、地裁の判例の中で幾つか整理されているものがございます。医療保護入院は、保護義務者、これは当時のままにしておりますので、保護義務者と精神病院の管理者が行う有償の準委任契約であり、精神障害者本人という第三者のためにする契約としての性質を有するという下級審の判例が出ております。
 これは、言わば生命保険の契約なんかと同じように、契約を行う当事者と受益を受ける人が違うというケースですけれども、判例上はそのような整理がされておりますが、学説から見ると、果たしてそういった整理でいいのかどうかというのは、やや疑義があるということで、全体的に法律の整理としては明確になっていないということが現状かと思います。
 その後、法的整理の関係、判例などを資料として載せております。
 8ページ目、併せて費用の負担についてというところで整理しております。医療保険制度に基づけば、療養の給付、これは医療の提供ということを法律用語でいうと療養の給付ということになりますけれども、療養の給付に伴う負担金は療養を受けた者が負担するということとされており、結果的に入院医療の行われた精神障害者本人が負担するということが、制度上は原則になっております。
 この点、精神保健福祉法第42条あるいは解説によりますと、保護者は支出した費用について、精神障害者又はその扶養義務者に費用償還の請求権をもつという形とされておりますので、費用の負担を保護者がするという形にはなっていない。制度上は本人あるいは民法の扶養義務に基づいて扶養義務者が支払うという形になっているということでございます。
 ここまでが制度の現状、変遷、法的整理といったところ、制度の概要に関わることをざっと整理させていただきました。
 作業チームの中では、9ページの2番目、医療保護入院が生じる事例ということで、19ページ目に事例1ということで載っております。こういった事例を6事例事務局の方で用意させていただきまして、医療保護入院に至るまでの経緯がどういうものであったか、入院の判断がどういうものであったか、入院後、退院、そういうことはどういう判断をされてきたかという事例を挙げまして、どこかで医療保護入院にならない可能性があったのではないか、どういう介入があれば医療保護入院にならなかったのか、この事例を前提にすると入院の判断というものがどうだったのか、あるいは退院に結びつけるために何か方法はなかったのか、そういったことを作業チームの中で具体的に議論をしていただきました。
 19ページ以降、事例1〜6までそれぞれこういった議論が行われたということをまとめております。
 9ページ目に戻っていただきまして、医療保護入院が生じる事例ということで、6事例について(マル1)どのような背景、判断で医療保護入院に至ったのか、(マル2)医療保護入院に至らないためには、どのような時点で、どのような支援が必要だったのか、(マル3)退院するためには、どういう状況になっていることが必要か、(マル4)どのような支援があれば、より早く退院に結びつくことが可能かということについて、検討を行っていただきました。
 そういった検討を行うに当たっての留意点ということで、作業チームの中でも事務局から整理させていただいたものでございます。
留意点1、医療保護入院の二面性ということでございます。医療保護入院は本人にとっては強制性を伴う入院である一方で、治療にアクセスすることができる。家族にとっては、本人の意思に反する入院の手続をとることが負担になる一方で、本人に治療を受けさせることができるという、本人、家族いずれにとっても利点と問題点がある。言わば二面性がある制度であるということでございます。
 留意点2、現在の医療保護入院の制度は、入院の必要性の判断を加え、保護者による同意という構成をとっているために、保護者の同意がなければ入院の必要性があったとしても入院はできないという状況が生じ得る。11ページ目ですけれども、本人が退院をしたいと思っていても、保護者の同意がなければ退院することができない状況もあり得るという制度的な課題。これは保護者の同意ということを要件としているために生じる制度的な課題を持っているということでございます。
 留意点3、治療へアクセスする方法という観点ですが、現在は、医療保護入院が治療へアクセスする権利を保障する唯一の制度ということになりますけれども、他に医療保護入院を代替する制度があるかどうかということでございます。これは、前回の検討チームの中でも精神障害者アウトリーチ推進事業ですとか、諸外国の継続通院処遇の仕組み、結核治療に関するDOTSという例を紹介させていただきました。
 留意点4、地域精神保健福祉における対応ということで、自傷他害のおそれはないとしても、精神疾患による症状のために本人は勿論のこと、家族や周囲、地域住民が何らかの負担を感じているということも多い。現実にこういう問題が生じ得るということに対して、地域精神保健医療福祉の観点から、医療保護入院以外でどのような解決方法が考えられるかということを挙げております。
 留意点5、「保護者の負担」という課題に対して、「保護者以外の者が同意する」という形で課題解決を図ることが可能かどうかという論点を挙げております。「特に」ということで、行政や司法が代替して行うべきという意見がありますが、現在の保護者の役割を行政や司法が行う場合、公的機関が関わるということで、性質上措置入院に近くなり、強制性が強まるおそれがある。この点については、「障がい者制度改革推進会議総合福祉部会」での当事者の委員から強い反発が示されているところでございます。
 財政的な問題ですとか、実務的な問題、そういった問題もありますので、単に行政、司法が代替すればよいという発想だけで検討を進めることは慎重にしなければいけないのではないかという留意点をお示ししております。
 留意点6、医療保護入院の継続期間ということも挙げております。入院時の手続だけではなく、入院後の医療保護入院の継続期間について、実際の状況や分析を踏まえながら着目できないかという留意点でございます。
 留意点7、「入院に同意できない」状況の分類ということで、統合失調症のように病識がないために入院を明確に拒んでいる場合と、再発を繰り返す統合失調症の方ですとか認知症の方のように、判断能力自体が減退しているために入院に対する意思表示が困難な場合を分けて考えることができるかどうかという留意点を挙げております。
 作業チームの中では、こういった留意点を先に事務局からお示ししまして、論点という形でまとめていただいております。それが12ページの4のところでありまして、入院時の手続だけではなくて、入院前から入院中あるいは退院に至るまで、トータルに考えていくという発想で論点を挙げて整理しております。
 1点目は、入院に至る前の対応、現行の医療保護入院の在り方、入院中、退院時、退院後の対応、最後は医療費負担の在り方ということでございます。
 13ページ目、入院に至る前の対応というところの論点でございます。精神疾患の症状が出て、生活上の問題が生じた場合に、治療へアクセスするという観点から医療保護入院以外に、地域精神保健医療福祉の面でどのような解決方法が考えられるかという論点を整理しております。
 作業チームの構成員の御意見としては、例えば一番上の○ですけれども、家族からの相談に応じて相談支援の介入をする機会を早目につくることが大切といった、相談支援の関わりに関する御意見。4番目の○、住宅、ピアサポート、ホームヘルパー、レスパイトの4本柱が重要といった、主に住まいに関する論点。その次の○、アウトリーチは保健所だけで行っていたが、今や患者数が増えたりして保健所だけでは対応し切れなくなっているといった、保健所に関わる御意見もかなりございました。
 14ページ目、下から4つの○ですが、本人、家族が困ったときに、入院以外の手段としてレスパイト機能をどこかに持たせるべき。また、ショートステイを利用しやすいようにできればするべきである。レスパイト的な機能という御指摘もございました。
 この論点に関しては、そういった御意見がございました。
 15ページ目、2番目の論点といたしまして、現行の医療保護入院の在り方についてということで整理いたしております。自傷他害のおそれはないが治療の必要があり、同意することが困難な人がいる以上、措置入院、任意入院以外の入院形態をなくすことは困難ではないか。その際、保護者の同意を要件とすることが適切かどうか。保護者の同意を要件としない場合、どのような手続が考えられるか。病識がなく入院に同意できない人と、判断能力が低下していて入院に同意できない人を分けて考えることは可能かどうか。こういった論点を整理しております。
 作業チームの中での御意見としては、1つ目の○、どうしても本人が同意できずに非自発的に入院する事態も起こる。そのような場合に、医療機関はどうすれば治療が許されるのか、法律にしっかり書いてほしいという御意見。医療保護入院がなくなっていいのかという議論が求められている。措置入院には該当しないが、医療が必要で任意入院にならない人に対する制度をどうするかという御意見。自分は保護者の役割を果たしたいという家族もいるのではないか。そのような家族の権利的な面についてまでなくすのかどうかという御意見。
 一番下の○、過去に強制入院に同意せざるを得ないと感じたのは、開放病棟では本人の人権が守れないと感じたとき。いい医療が提供できれば、入院して損する患者ばかりではなくなるのではないかという御意見。病識がない人、自分を守る機能が低下している人に適切な医療を提供することは人権を守ることにつながる。権利を守る入院であることをはっきりさせるために「人権擁護入院」という名称にしてはどうかという御意見。これからの議論は、家族の同意義務は必ず廃止するという方向で進めてほしいという御意見。これまでの家族に委ねるやり方が社会的入院を生み出してきたという歴史的経緯を忘れてはならないという御意見。入院を自己決定できない人について、真に医師が有効と判断する場合に、医療につなげる仕組みはあってもいいのではないか。その際には、次の点に留意すべき。(マル1)制度の目的・必要性、(マル2)任意入院を優先すべきこと、(マル3)強制入院は期間制限をすべきこと、(マル4)期間更新の際は、複数の医師の判断と透明な審査会の審査があること、(マル5)できれば退院の基準をつくること、(マル6)強制入院をしている人の不服申立の制度を確保すること。
入院の手続に関しましては、こういった御意見が出されております。
 続きまして、(3)入院中、退院時、退院後の対応ということですけれども、入院中の権利擁護の観点から、入院後の医療保護入院の継続期間についてどのように考えるかということが1点。家族関係や地域での受け皿の問題などで入院期間が延びる状況が生じないために、どのような対応が必要かという言わば退院に関する論点。この2点を整理いたしております。
 作業チームの御意見といたしましては、医療保護入院者であっても、治療を行って本人が治療の必要性を認識できるようになったら任意入院に変えるということは日常的に行っている。病院の中で2週間に一度、全ての病棟のスタッフを集めて医療保護入院の適正さについてコメントを集めている、こういった御意見。
一方で、1つ飛ばしまして、1人ひとりの権利を擁護するために入院させるのであれば、1か月ぐらいで医療が終わる人が多いのではないか。1か月ぐらいは医療保護入院としてきちっとやり、その後は任意入院にしていくという区切りがよいのではないか。
入院期間に関しては、こういった御意見がございました。
 退院に関しましては、家族との関係が問題なら世帯分離をすべきではないか。自宅に帰ることが困難だからといって、入院が続くのはよくない。家族関係がよくないと入院が長引いて本人の不利益になることもあるので、自宅以外の選択肢もつくるべきではないか、こういった御意見。
 地域移行のための退院パスや地域連携パスは、これからの精神科医療の中で最もキーワードとなる重要な取組みであるという御意見。強制的に入院させられる恐怖心は、拘束され外に出られないことに加え、いつ退院できるかわからないということ。入院したときにどういう人がどう関わるかを本人に伝えることが安心感につながる。そういったことを制度化してほしいといった御意見がございました。
 4つ目の論点ですけれども、医療費負担の在り方ということでございます。現行制度でも医療保護入院による入院医療費の自己負担は、本人または扶養義務者が負担する仕組みとなっているが、保護者の同意を要件としない制度とした場合、医療費負担をどのように考えるかということでございます。
 作業チームの中では、家族に費用を求めるのはあまりに過酷な負担だ。家族に求めることで、本人が入院したいと言っても親が入院費を負担しないために入院できないという問題も生じているという御意見がある一方で、費用負担は一般の医療と同じように考えるべき。公費負担にすると入院させたがる家族は幾らでもいるし、更に入院促進になる。誰が利益を受けるのか、受益の所在に注目すべき。本人が医療を受けてよくなるのであれば、本人に負担を求めることは公的制度としては適切であるという御意見。本人の健康の問題なので、基本的に本人が払うべき。障害年金や生活保護により、本人が生計を立てられるようにケースワークが行われており、本人が払えないということはない。本人に負担する能力がなければ、生活保護の申請ができる。公的に負担すれば、精神科の病気は特別という印象を植えつけることにならないか、こういった御意見がございました。
 以上、作業チームの中で整理いただきました論点、それに対して作業チームの中で出た御発言を整理させていただきました。
 あと、資料の中では御説明しませんでしたけれども、資料2として、これまで既に出ている資料ですが、参考資料で制度の概要、そういったものをつけさせていただいております。
 資料3ですけれども、今、精神・障害保健課の方で行っておりますが、この検討を行うに際しまして、医療保護入院患者に対する調査ということで、実際に入っている患者さんがどのような状況でおられるのかということを調査しているところでございます。12月に始めましたので、まとまり次第、作業チームあるいは検討チームでの検討の参考に供したいと考えております。
 事務局からの説明は以上でございます。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございました。
 続きまして、作業チームの座長の町野先生の方から、ただいまの事務局の説明について、補足をお願いいたしたいと思います。

○町野構成員 事務局からの説明にもありましたとおり、制度や課題をとにかく外観する。その過程で、事務局に提供いただきました事例に沿った具体的な検討を行うということにいたしました。その結果といってはなんですけれども、我々の一致しているところは、医療にアクセスするという観点から、医療保護入院のような入院形態、これは強制入院であることは間違いないのですが、それを存置することにはやはり意義があるということだろう。
 その一方で、各事例を検討した結果、精神障害者が医療保護入院に至る前にどのような対応が可能であったかということについても、幾つかの可能性というものはあったのではないかということもありました。
 このようなことから、入院形態を医療保護入院という名前かどうかは別といたしまして、このようなタイプの強制入院を存置する場合に検討すべきこととしては、おおむね2つあるだろうと。先ほどの御指摘にもありましたとおり、これは強制入院でございまして、強制入院させるときについては、どのように法的といいますか、実際上対応しなくてはいけないかという問題がある。
 2番目に、入院の必要性があっても入院の可否を保護者に委ねているというこの建前についてやはり問題があるので、これを何とか解決しなくてはいけない。この2点だろうと思います。
 その際には、入院手続についてだけの検討ということにとどまらずに、入院に至る前の対応では何があり得て、どうすべきなのか。入院手続の問題が次に来て、入院した後についても、何回か指摘がありましたとおり、だらだらと続けるということはあってはならない。しかし、そのためにどのような措置をとるべきなのだろうか。ある一定の期間で切ってしまうという考え方もあり得なくはないだろうと思いますけれども、これが適切かどうかということはあると。
 それから、退院の手続をどうするか、なるべく退院を促すということからすると、もう少し何かしなくてはいけないということがあるだろうと。退院したところで、精神医療は終わってしまうわけではないので、そこから先のことも考えないといけない。この一連のプロセスの中で、医療保護入院というものはそのうちの1コマなわけですから、その中で考えなくてはいけないということだろうと思います。
 事務局から説明された論点整理は、こういうことを踏まえた上でのものだという具合に御理解いただきたいと思います。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 今の事務局からの説明、町野作業チーム座長からの御説明も含めて、意見交換をこの後させていただきたいと思いますが、それに先立ちまして、ピアスピーカーの方、お2人御出席いただいております。まず、お2方から御自身の体験を踏まえて、今の論点整理などもお聞きになった上で、御発言、御意見をいただければ思います。
 時間の関係もありますので、御発言は大体7分前後でということでお願いしたいと思いますけれども、まずは小杉さんの方からお願いできれば思います。

○小杉氏 入院に至る前の対応ということで、私も少ない経験なので、論点からずれるかもしれないですけれども、発言させていただきます。
 私自身は、入院の経験もなく過ごしてきましたが、病休中はいっそ入院させてほしいと思ったこともありました。だらだら生活している自分や意欲がない自分を誰かに管理してほしい。休んで家にいる自分が嫌になったときにそう思いました。医師に入院を勧められたらきっと素直に自分は入院していたのかもしれないなと思います。
 しかし、これが自分の意思とは関係なく第三者が決めて、自分の承諾なしに入院となったら、自分の尊厳が傷つけられ、自信喪失になり、落ち込んでいたに違いありません。お隣の山田さんの経験は、何の説明もないまま気がついたら入院させられていたということで驚きました。
 どんな病気の人にも、症状に応じた働きかけ、本人を受けとめながらの丁寧な説明努力をすることが医療保護入院にも欠かしてはならないことだと思います。どんな病気になったとしても、人間としての対応をしてほしいと思います。
 私がうつ病になった弱みを隠さず知らせると、自分もそうだった、自分もこんな病気だ、精神科にかかっているなどと、何と多くの人たちが精神疾患にかかっているのかと思うほど、打ち明けてくれる人がたくさんいました。その中に、年下の近所の知り合いがいました。
 彼女にとって、生活の中で寄り添ってくれる人とのつながりが必要だと強く感じました。それは、家族でもなく私のような存在でもなく、精神疾患というものを理解した専門家のいる居場所、専門家が寄り添ってくれる生活の場があれば、異常な行動をする必要もなく、したとしても社会から疎外されることもなく、基本となる居場所があれば仕事だって続けられた、入院することもなかったのではないかと思います。入院しても退院後の心配もなかった、周りの人も遠ざかることもなく、安心して彼女と関わり、社会復帰の可能性が膨らんだのではないでしょうか。
 地方の地域によっては、精神疾患対象のグループホームが充実しているところもあると聞きましたが、本当にそのときはそういうところがあればなと思いました。本当に強くそのときは思いました。
 私は、専門的にどんな制度や精神疾患の人たちの施設がどんなものがどれだけあるのかほとんどわかりませんが、彼女を通して、自分が友人として手助けをするという無力感と同時に、切実にそのような居場所があればという必要性を痛感しました。その居場所と医療がつながり治療も可能になれば、病気の改善または病気を持ちながらも社会に出ていける。入院に至る前または入院後に、個々の生活を保障する、1人ぼっちにさせないような生活の居場所が確保されるような施策、制度の充実を望んで発言を終わらせていただきます。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございました。
 続いて、山田さん、お願いいたします。

○山田氏 よろしくお願いします。
 私にとって、今日のお話は入院制度、精神保健医療福祉、地域の問題等と全て密接に絡み合って、関係し合って、切り離してお話することができるものではないと思っております。私の話し手としての立場としては、名前はともあれ強制入院を2回経験してしまった者です。そこで、人権侵害の問題であるとか暴力の問題であるとか、例えば私が持ってしまう当事者の権力の問題ですとか、そういう重い話は一切しないで、最初の入院ですけれども、話せばわかるというところで問答無用、無理やり保護室に行って、はい注射、がくん、ぐったりというところでした。
 そこで思ったことは、やはり死ぬんだという恐怖、これは消せない記憶です。この消せない記憶からほど遠い方向へ話を持っていきたいと思っています。了解可能だった、病識なり病感もあるけれども、お話がちゃんとできるのに答えてくれなかったり、聞く耳も持たないで強制的に入院、興奮して入ったわけでもないのに興奮させられるような状況をつくられて興奮して、では注射。そこでの恐怖はなかなかぬぐえないものです。でも、そういうことがなるべくない方向に話はいってほしいなと思います。
 今にして思うということでの今日のお話です。今では、一応生活者としていろいろな体験者、経験者、実感者、感覚者としてお話することができるわけです。2回入院しているわけですが、振り返ってみれば2回目の入院は確実に防げた、不要だったと思っております。1回目も今にして思えば、いろんな制度なり社会資源を活用すれば回避できたという思いでおります。
 私もその具体的なことに関しては、骨子は、構成員の方々のお話の中で言う4本ないし5本の柱を立てる、その柱とは住宅、例えばグループホームとピアサポート、ホームヘルパー、レスパイトないしはショートステイ、この4〜5本の柱を立てるということです。でも、立てるといっても、言うのは簡単ですけれども、実際に立つホームベースが要るわけです。立たせる地域が要るわけです。しっかりとしたホームベース、しっかりとしたコミュニティ、しっかりとした共同体がない限り、そのような5本柱は言葉で言っても恐らく機能しないでしょう。
 そこで、体験を踏まえて、ケースの中にもありますが、徐々に悪くなる人のシグナルをキャッチできる場所、システム、人というものをつくる必要があるなと。実際、どこかにあると思います。それは教育によって行うこともできると思います。対処、コーピングですとか予防教育、本人に対する薬のアドヒアランスを含めて薬の大切さを教えるとか、通院だけではない対応があると思います。
 また、セルフヘルプグループというものは、今にして思えばとても有効であると思います。それはピアの力というのかもしれません。それが例えばお笑いの活動をやることだったり音楽バンドを組むことだったり、サッカー、フットサルをやるということだったりするかもしれません。そういうものがとても有効ではないかなと思っております。それは、ピアサポートに限られない精神だと思います。地域でお互い様でやっていくという心遣い、気持ち、そういうものとピアサポートとセルフヘルプグループというものは互いに支え合っていくと思います。
 もう一回ピアサポートの方に重点を戻しますと、例えば病院内で入院中にできたきずなというものもあります。助けてもらったら助けようとか、助けたいとか、助けようかなという気持ちというものは生まれます。互助とか共助、互酬性というような言葉ですけれども、こんな言葉は別にピアだとか精神疾患だとか病院に入ったからとかいうことは関係なく、地域で生活する人にとって大切なものだと思います。
 医療保護入院に関して、治療にアクセスする権利だといいますが、同時に様々な権利を剝奪してしまう措置でもあるということは、やはり体験した者としては感じます。今までの生活を思いっきり分断されて、人生が全く違ったものになってしまうという契機になってしまうわけですから、様々な生活のつながりを分断して病院に入れてしまうということは、なかなか大きな問題であると思います。
 保護者のお話ですけれども、保護者の義務、負担、大変さがあると思います。そういうものを家族とか家に押しつけたり、押し込めたりするのではなく、みんなで分かち合う、分散化したり共有化するということであると思います。それは地域においていいこともあれば悪いこともあると思います。特に、現状では当たり前だと思いますが、いいことも悪いこともみんなで分かち合っていくほかないということであります。
 大切なことは、孤立を防ぐということです。私自身もそうですし、他の病気の方もそうですし、家族そのものの孤立、地域からの孤立、家族が地域から孤立してしまう、ある個人が家族から孤立してしまう、そこから起きる問題というものはかなり大きな問題があると思います。
 やはりある程度のおせっかいなり、大きなお世話の場合もあると思いますけれども、ある程度の押しかけ的な側面、面倒くさい人間関係も引き受けていかないと、そういったものの方が、結果は強制入院よりましになるのではないかと思いますし、それが豊かな社会資源と社会関係資本を築くことになると思います。それは地域の質を高めるということだと思いますし、地域の質という問題においては、児童の問題なり介護の問題もそうですが、タイムリーなことを申せば、自殺の問題もここに関係すると思います。ACTの動きはできるところではやるということで、アウトリーチに関しては、可能な限りアクティブなラインをどこまで引くのか、おうちの中にいる患者の方と病気になっている方とレスパイトをどうつなげて、どう機能させるのかというところも検討する必要があるのかなと思います。
 また、医療の服薬なり治療の中断に関しては、約束事をしておいて、勿論ケースに応じてですが、重度さ軽度さにおいて電話で確認したり、場合によっては訪問をしてどういう状況なのかと働きかけていく必要があると思います。
 この検討会は、新たな地域精神保健医療体制の構築ということなので、精神医療体制というものは地域の上に立つと思うので、その地域がしっかり自立して自分たちでやっていくんだという自治の気持ち、自治の精神というものがいま一度、自分もそうですけれども、肝に銘じなくてはいけないのかなと思っております。
 地域地域に格差があると思うんですが、地域の強みに合った創意工夫をして、サバイバルしていくという状況にあると思います。絵に描いた餅ではなくて、実際にある動きや制度を活用してそれを組み合わせてやるしかないと、待ったなしだなという状況であります。
 最後になりますけれども、今日のニュースで、相馬での新垣先生の取組みとかというものを知りまして、そういうものに自分はかけたいというか、自分もできることがあれば、ちょっとでも自分の地元とか自分の友達とかに働きかけられることがあればいいと思います。
 1つだけ、1回目退院して2回目再発して入院してしまうに当たって何があればよかったかなといえば、話し相手がいれば済んだのかなと思います。すごく簡単なことかと思うんですが、話し相手がいてくれれば2回目の入院は確実になかったという実感があるので、話し相手というのはいろいろなところで、地域にできる友達ですとかいろんな方で全く構わないと思うんですが、そんなことだったと思います。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございました。
 ここから、意見交換に入りたいと思います。
作業チームの方での基本的な議論の方向性につきましては、先ほど町野作業チーム座長の方からお話があったとおりでございますので、そういった作業チームでの議論の方向性といいましょうか、そういったことに対する御意見などを中心にしていろいろと御意見をいただければありがたいと思います。
 では、御意見ある方はお願いします。
 佐久間構成員、お願いします。

○佐久間構成員 作業部会での御議論、大変御苦労様です。
 私は現場の立場で気づいたところでは、実際に1年間の新たな入院の医療保護入院以上というか、応急入院であるとか措置であるとか、そういう割合の中で、うちの場合、今、統合失調症が約4割程度で、様々な病気があるので、確かにこの議論に上っている認知症の問題とか疾患別に見ると、一番問題なのはこの医療保護入院の問題では子どもです。子どもの発達障害とか情緒障害の入院の9割は医療保護入院をしています。このお子さんの場合の在り方の議論もしていただきたいと思います。
 あとは多いのは薬物依存とかそういう場合の医療保護入院の率はむしろ高いので、そういう場合はむしろ意識障害の問題があって、常に告知の問題とかそういうものがありますが、それは現場での問題としてです。
 一番の議論としては、新たな入院のときと現在継続している医療保護入院を分けて考えるべきだろうと思うんです。現実的ではないかもしれませんが、この事例の中でフィンランドもありますが、例えばイタリアでもそうですが、最初に本当に状態が悪いときの3日間はファミリードクターでも入院を決められて、3日後に精神の専門医が判断すれば3週間の入院を決める。その後、それ以上になったら2人以上の医師とケースワーカーなりが判断するとか。
 例えばこの議論の中にもあったのですが、1か月ぐらいである程度の任意入院は抜けることが可能じゃないかという話もありましたが、急性期の場合、確かにある程度の期間を区切った治療と、現場での対応としては、今、福島県は特に、私のところは指定医の数もなかなか大変なのですが、そういう中で現実的な急性期対応ができる、御家族も地域ももし現実的に困ったときの対応ができる体制が必要だと思うので、医療保護入院にかわる制度として、今、私は疑問を感じるものは、保護者がいないときに首長同意をしますが、そのときに電話一本で入院が決まってしまうんです。誰も見に来られないし、御本人と会わないわけです。
 こういう現状の制度の矛盾もありますし、例えばアメリカのように裁判官というものは、私も現場で聞いていると、3週間ごとに裁判官が入院の是非を判断しますが、何曜日の裁判官は必ずOKと言ってくれるからそこに連れていこうと、そういうなれ合い的なものが現状にあったりするわけです。
 ですから、制度をつくる上で、本当に親身にその人の立場で考えていくことは非常に重要なので、保護者の位置づけというのはものすごく重要だと私は思います。
 あと、たしか議論の中に、いいときに先々の治療について意見を言っておくというお話があって、それはアドバンス・ディレクティブといって、海外でもそういう制度もあって、ですから、治療関係がよければ、具合が悪くなったときにどういう治療をするかというのは、今後のケアマネジメントが1対1でなされたときには、そういう御家族以外にもケアマネージャーとかがそういうことを相談して、医師と一緒に判断しておくことなんかは、すごく貴重な御意見だったと心の中で思いました。
 長期化した方の場合は、かなり長期的に認知機能が低下している場合があるので、この方々を定期的にといっても、1か月ごとに判断することは適切かどうかというのは非常に問題があって、現実的になかなか難しいし、病気の状態がわかる方がちゃんと来られるのかということはあります。現状で、私、一言だけ、地域のアウトリーチの議論でもありますけれども、うちでは120人ぐらいはグループホーム、ケアホームで24時間のNPOのスタッフと24時間の訪問看護と24時間の病院体制で対応していますが、この方たちが地域でケアできる後ろ盾は、いざ本当に具合が悪くなったときに入院という後ろ盾があるからできます。
 実際にグループホームといっても、アパートの1室もありますので、そこで大声を上げたらなるべく早く入院してもらわないと、そこで住んでいくことができなくなってしまうわけです。そういう現状の中では、私はまず急性期対応を数日間できるような体制はむしろ今、必要だと思いますし、その後、定期的な判断も必要。ただ、長期化したいわゆる慢性期の長期在院患者さん方の問題については、我々今、ケアホームでは1日3回の服薬確認が必要な人も退院させて見ています。そのぐらい、サービスによってある程度場所があれば見られるのは確かだと思います。その辺の議論は、急性期と非常に長期化した入院の方々というものは分けて考えるべきだと思います。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 その他御意見ございますでしょうか。
 小川構成員、お願いします。

○小川構成員 小杉さんと山田さん、ありがとうございました。また、こうして当事者の方々からヒアリングをいつも設定していただきまして、厚生労働省にも感謝いたします。原点は当事者の考え方、気持ちをきちっと政策に反映していくということだと思いますので、こういった流れは是非、継続していただきたいと思います。
 1つ、今回の検討からは外れますけれども、今後の入院制度の在り方について考えるときに、本人の同意が得られない入院あるいは入所というものは、精神病床に限ったことではないので、できればもう少し大きなところで一般病床への入院や介護施設等への入所についても別途考える必要性があるかと思います。そのときには恐らく基礎的自治体の在り方も含めて考えなければならないのかもしれませんが、今回はそういう議論ではないので、医療保護入院の問題についてお話したいと思います。
 ただ、前提としては精神病院だけの問題ではないということを押さえて、今後、そういう大きな全体の方向性をも見据えながらこの問題について考えていくというのが前提として押さえておかなければならないのかなと思います。精神科だけの問題にとどめておくと、問題も起きてくるのかなと思います。
 そこで、医療保護入院制度についてですけれども、本人の側からすれば、措置入院であれ医療保護入院であれ、強制入院であることには変わらないわけです。本人が同意しないということで、厳密に適正な手続の下で入院の決定が行われ、審査請求も含めて、あるいは厳密な基準もあった中で入院が行われていくということが望ましいと思います。
 適正手続とよく言われますが、そうすると措置入院の場合と比べて医療保護入院の場合はどうなのかというと、厚生労働大臣の定める基準というものが医療保護入院ではなかったり、あるいは定期報告も措置入院と比べて長くなっている。本人の側からすれば、措置も医療保護入院も同じ強制入院であるにもかかわらず、そういった手続の面でいうと違いがあるということについては、少し考え直す必要性があるのかなと思います。
 厳密な適正手続を踏んで、できれば入院するときに、あなたの入院はおおよそ1か月ぐらい入院することになりますよということだとかを含めて、一般病床に入院するときには入院治療計画書みたいなものを配付して、本人の署名も入れたりするわけですけれども、勿論非自発的な入院なわけですから、本人の署名はそのときは入れられないかもしれませんが、1晩経って、ぐっすり眠って、翌朝落ち着けばそういった署名もできるかもしれないわけです。
 入院するときあるいは1晩入院して落ち着いたときに、そういうものがきちっと本人に説明されて、あなたは大体このぐらいの入院期間で退院できますよということを入院当初にきちっとお知らせする。それができるような標準的な治療プログラムがある。岡崎先生は詳しいと思いますけれども、イギリスではNICEというところがそういう治療ガイドラインをつくって、やっていらっしゃるということもありますので、そういうことも含めて考え直す必要性があるかと思います。
 いずれにしても、これからの社会、例えば家族がいることを前提とした仕組みだとか、そこについては今後見直しをしていく必要性がある。社会全体でその方を支えていく仕組みに改めていく必要性があると思います。
 佐久間先生の、例えば72時間に限った入院の在り方、それも運用の仕方としてはいいかと思います。おおよそ多くの方々は1泊すれば精神運動興奮の状態は収まるのです。そういうことからいうと、本当に厳密に強制入院が必要な時期というものはそれほど長くはないのだと思います。特に、最近は短期入院になっているということです。
 次に、長期になって、なかなか退院できない方の問題ですが、例えば強制入院というものはあくまでも本人の意思に反して入院するけれども、それは本人に対して治療がきちっと提供できる、そういう利益があるということで入院を是とするということもありますので、そこで本人の状態がなかなかよくならないということについて、きちっと審査して、例えば現場ではよくあることですが、主治医が変わると状態がよくなったり、あるいは環境が変わる、病院を転院すると症状がよくなったりというケースがあるわけです。そこはマンパワーだとか薬の使い方とかいうことも勿論ありますから、一定期間長期になってしまう状態になる前に、主治医をかえるとかそういう取組みもしないと、それがもし本人の利益にならないのだったら、強制入院というものは前提としてあり得ないわけですので、そこは一般医療ではセカンドオピニオンということがありますけれども、もう少し審査の在り方も、定期報告が本当に1年でいいのかどうか、その方の治療が適切なのかどうかということについて、もう少し短い期間で考えていく必要性があるのではないかと思います。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 その他御意見ございますでしょうか。
 では、新垣構成員、お願いします。

○新垣構成員 他のことを言いたかったんですけれども、とりあえず今のお話を。
 一泊で収まる人が多いとか。多いかどうか怪しいですね。
 それから、入院計画書を出していますから。いちいちその日に受け取らなかったら次の日に渡していますから。今、現場ではやっていますので、いかにもやっていないようなことは言わないでください。
 措置入院と医療保護入院は明らかに扱いが違います。外泊できません。知事の命令がありますから、仮退院という形でないとできません。ですから、入院のときに今、措置入院と医療保護入院、確実に扱いが違いますので、そこが全く同じであるかのように。確かに私たちの方では医療保護入院であれば御家族に来てもらって、外泊しましょうかということも可能ですけれども、措置入院であればそういうことはまずないわけです。その辺もあります。いろいろ違いもあるので、同じような強制で自傷他害がない状態にあっても、医療が必要な場合の強制的な治療というものは、教育がそろっていろんなことがみんな理解できるようになれば要らないのかもしれないんですが、今日、明日、来年からの現状では、強制的に治療に対するものがある程度必要ではないかと考えています。
 本当に言いたかったことは、保護者制度とか医療保護のところなのですけれども、保護者、家族といえどもサポートが必要なこと。精神疾患についての理解もないし、そういうことについて家族だから全部お願いできるとか、全部任せるのではなくて、家族もサポートする。先ほど小川構成員がおっしゃったように、社会で見るというのはとても大事なコンセプトで、そこに是非結びついてほしいなと。
 実際になるためには、家族についても、保護者に手を挙げてなれる人もいるし、手を挙げてなれない人もいるのですが、そういう選択ができるような状態が1つ欲しい。家族であれば必ず保護者であるということではなくてですね。ただ、保護者となれる人がいて、その人がなれるだけの力があったらそれができる、それが不十分であれば社会がサポートする、いなければ社会が代わりにやるということで、幾つかの選択肢が要るのだと思うんです。
 今までのこのお話を聞いていると、私は病院をやっているのですが、暴れたら入院なのです。暴れなかったらおうちなのです。そこだけしかなくて、おうちで十分な治療になっているのかどうかというのは怪しいわけです。ただ薬が出ているだけだったり、暴れていないから入院しなかっただけであったり。今、長期になってきて私たちが見ている患者さんで、外来で入院したことのない患者さんは、要するにリハビリテーションをかけたいのですけれども、長い間おうちにいたのでもういいですということで、治療に結びつかない部分もあるんです。
 その辺についても、今の医学の力と今のリハビリのやり方でもう一回処方を見直して、もう一回リハビリをやるともっといいだろうなと思うところについての理解。そこまでは難しいのかもしれませんが、とりあえず強制的な医療というところのどうしてもというところの判断、それと今、できることについての私たちの力を生かしていただきたいというところ。選択肢が1個ではなくてたくさんの選択肢をそろえてほしいというところ。それが現場でスムーズに、あまりすごい手続ではなく適正にできるようなことになるように、私は期待しています。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 その他御意見はございますでしょうか。
 佐久間構成員、どうぞ。

○佐久間構成員 言い忘れたのですけれども、この議論の中でもいつも言われていますが、任意入院を優先すべきということが精神保健法が最初にスタートしたときに、とにかく任意入院にできるだけしろという話があって、これは逆に、非常に危険を伴うことだと思うんです。
 というのは、本人の判断能力の客観的な基準というものがなかなかない中で、これに誘導しようとすれば名前を書いてくる患者さんはたくさんいますし、診察の現場で入院に同意してくれる患者さんもいますが、例えば躁状態とかだったら、ちゃんと治療していれば入院に同意はしてくれるけれども、その後当然、自由に病院から出たりいろんなところで物を買ってしまったりしないためには、本人が同意しても御家族と話して医療保護入院を選択したりするということは私もよくあります。むしろその方が適正な保護が図れると思うからです。
 ですから、必ずしも拒否している人ばかりではないのですが、当然そういう予測ができる方には治療環境の提供のために必要。いわゆる任意入院と行政の強制的な入院の間に様々な状態がありますが、これを形だけ任意入院に増やしましょうというのはあまりいい方法ではなくて、認知症の場合も名前を書くということで同意をもらって、なるべく任意入院しましょうみたいなことは現実に起こっていたと思います。
 でも、私が驚愕したのは、実際に法的にもそうですが、長期在院の患者さんが面会室で知らない間にサインして、財産放棄のサインをさせられたけれども、これは結局その人の申し立てがないとそのまま有効になって財産放棄させられてしまった例とか、非常にびっくりした例もありますが、その場合も結局署名というものだけで一人歩きしてしまう場合もありますし、むしろ本当に本人が自由に、本来の任意入院でちゃんと治療できる方とそうではない方、法的な強制的な入院というものの間に非常に幅があるので、そこをきちんとカバーできるような制度にすべきだろうと思っています。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 その他御意見ございますでしょうか。
 野村構成員、お願いします。

○野村構成員 家族を支えるということにおいて、アウトリーチのチームが家族というか家庭を訪問した場合に、私はその中に地域の行政機関の職員が1人加わって、家族が同意しない場合には市長もしくは区長が同意するという形にできないものかと思います。それを職員が市長の代わりになって入院のニーズがある当事者を訪問するわけです。精神保健指定医と一緒に入院の必要があるかどうかをチェックして、家族が同意するのではなく、行政と精神保健指定医で基本的に入院が必要であるということの判断ができるようにならないかと思います。
 同意については、保護者の同意といいますけれども、先ほど新垣先生からお話がありましたように、どうしても保護者になりたいという家族がいた場合には、その方が本当に当事者の利益を守るための力を持っているかどうか。家族の中には保護者として当事者の人権を侵害するような方がある場合がよくありますから、そういったことがあるかないかをどこかが判断しなければなりませんが、そのときに行政が関わるべきでありまして、家族がそれにふさわしくないとなった場合には、今、家族がいない人に行われている首長同意ということを使えばいいのではないかと私は思います。
 ですから、家族支援では、能力がある家族の方、権利をちゃんと守る意識がある方については、御本人が保護者をやりたいと言えば、やっていただいた方がいいのではないかと思います。
 もう一つは、市長さんが本人の顔も見ないで判こを押すという話がありましたが、それは市の職員がそのチームと一緒に常々地域を回って、当事者が不安定になったときにそれに関わって、入院のときには立ち合って同意するという仕事ができないものであろうか。そうすると、御本人のことを知った人が入院に同意をするという形にならないであろうか。そのためには、お金がどれぐらいかかるか、人件費がかかるかわかりませんが、私はやれば可能ではないかと考えてしまいます。
 もう一つ、全然別に、医療費の負担につきましては、お金がないからかかることができないと思っている方がたくさんいらっしゃいます。生活保護費があるから大丈夫だ、病院の方のケースワーカーが何とかするとおっしゃいましても、生活保護は絶対に受けたくない、それは恥であると思っている家族、本人もいらっしゃるのです。そうすると、病気が悪くなってもいいからそのままにしておこうということになりかねない。先ほど小川構成員から、一般医療もそうなのだけれどもという話がありまして、私も、精神科医療に関してのみではなく、一般の医療に関しても、例えばがんとか何とかでお金がない場合でも、お金がない方については、安心してかかれる治療費の負担というものを社会全体で考える必要があるのではないか。
 なぜならば、精神疾患もそうですが、軽いうちに早く回復させておけば社会の労働力になるのに、それを直さないでいるとどんどん悪くなって、今度は反対にお金をたくさん必要とする障害がある人に変わっていってしまう。これは精神に限らず何でもそうです。体の病気もそうですが、早く対応して早く治して早く社会に復帰して、学問をやっていただくなり労働に就いていただくなりして、社会を支える人材としてきちんと自立して生きていけるように、それを医療費の制度で支える制度をつくらなければいけないのではないか。その中に、入院費も入ってくるのではないかと考えます。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 中島構成員、お願いします。

○中島構成員 この原案をまとめていただいた町野座長に深く感謝申し上げます。とにかく、ここまでよくまとめられたなと思います。これを読ませていただいて、磯部構成員、久保野構成員のおっしゃっていることは特に的確で、感心いたしました。16ページの下の2つ目の○、入院を自己決定できない人についてどういう手続で入院させるかが問題で、これはほぼ皆さん同意されているところだと思うんです。
 その場合に、制度の目的・必要性の後の括弧に書いている「医療の必要性」、これはちゃんとその病院が適切な医療を提供できるプログラムを持っているかどうかということがポイントになるわけです。そこの評価というものがきちんとできているかどうかです。
 もう一つは、任意入院の優先は、気持ちはいいのですけれども、確かに佐久間構成員がおっしゃったように、任意入院を優先し過ぎるとその後、退院したいと強くおっしゃったときに、72時間のホールドをかけて医療保護入院に変えてしまう。これは自分で入院したつもりが入院中に強制入院に変わったという、だまし討ちになるのです。これは社会に対する深い恨みを残すことになりますから、あまりよくないことだと私は思っています。
 一番大事なことは、強制入院は期間限定にすべきだということ、ここがポイントなのではないかと思います。いつ退院できるかわからないということぐらい怖いことはありません。やはり1か月あるいは3か月我慢すれば出られる、これは捕まった場合も同じですが、23日我慢すれば出られる、しかし、出たところで再逮捕というものはありますけれども、これが大事なのです。
 期間更新のときにはどうするか、これがまた、複数の医師の判断と透明な審査会の審査、これはとてもいいと思います。こういう形ができたらうまく運んでいくのではないかと思いました。
 もう一つ、別のことなのですが、認知症の人々について、認知機能が持続的に低下しているわけです。他の疾患では認知機能が揺れるわけですから、持続的に低下している人たちについては、別途法律をつくった方がいいのか、あるいはこの法律の中で別枠できちんと手続を定めるべきか、この点についての評価を今後議論していただきたいと思います。
 堀江構成員がおっしゃっている「人権擁護入院」、別の名前をつけるというのは大賛成です。けれども、これはちょっと硬いので、もうちょっと柔らかい、入院する人が聞いてもあまり驚かないような名前を考えていただければありがたいなと思います。
 また、河崎構成員がおっしゃっているレスパイト機能とか、ショートステイとかそういう機能をその周辺にきちんと整えていくということがあって初めて、この入院制度というものは生きてくるのではないかと思いました。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 その他。福田構成員、お願いします。

○福田構成員 入院制度については、たくさん議論すべき点があると思うんですけれども、それだけに本質的なところが何かということを議論の上で見失わない方がいいと思っているのです。強制入院あるいは非自発入院というものは、法律的にいうと基本的な人権を制限する、制約するということだろうと思うんです。それは勿論医療のためですが、自由権というのでしょうか、基本的人権を一時的に制約するということだろうと思いますので、精神科の医療に携わっていると割と日常になっていますけれども、これは法律の世界では大変なことをやっているということだろうと思うんです。精神科の医療以外ではあまりないことをやっている、やらされているのかもしれませんが、そこのところは大事に考えなくてはいけないと思うんです。
 そういう場合に、基本的人権を制限するわけですから、その場合には制限する立場の人間と制限させない立場の人間と両方いるということが大事だと思うんです。勿論医療関係者は気持ちとしては患者さんのためにやっていますけれども、ただ、基本的人権という観点からいけば制限する立場になっているわけです。ですから、もう一方で患者さんの基本的人権を守るという立場の別の方がいらっしゃらないと、医療者が両方を兼ねるというのは、心情的には勿論やっていますが、法律的にはそれはあり得ないだろうと思うんです。ですから、医療保護入院に当たっては、患者さんの人権を制約する立場、特に医療者でしょうけれども、それと守る立場の方、その両者が関与するということが必要だろうと思うんです。
 御家族も多くの場合には、心情的には患者さんの権利を守るという立場なのですが、法律行為としては患者さんの基本的人権を制限する方になってしまうわけですから、現在は医療者と患者さんの主に御家族が同意してやっているわけです。それは両方とも患者さんの人権を制約する方の立場の人が2人で決めているわけですから、それは法律的にはあり得ないことだと私は思っています。
 その上で、両者の立場を踏まえて決定するという立場がないと、恐らく法律的には成り立たないのだろうと思っています。
 今の制度では、精神医療審査会というものがありますけれども、これに対して退院の請求とかできますが、精神医療審査会も御存じだと思いますが、御本人の御意見をお聞きします。それから保護者の御意見をお聞きします。勿論主治医の御意見をお聞きしますけれども、今、話したとおり立場から言えば、法律的には主治医も保護者も患者さんの基本的人権を制限するという方向なわけですから、その2人から話を聞いただけでは不十分で、一方では患者さんの人権を守るという立場の方からの意見を聞くとか、あるいは精神医療審査会の中にそういう立場の方がいらっしゃって、そうでないと、きちんと審査するという役割が果たせないと思うんです。そういったような強制入院あるいは非自発入院の根本的なことというものを見失ってしまうと、議論が錯綜してしまうと思いますので、是非その辺りのことを基本に置いて議論を進めていただければと思います。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 西田構成員、お願いします。

○西田構成員 まず精神科入院の4割以上が医療保護入院という強制入院で占められているという我が国の現状については、参考資料で入っておりますヨーロッパ諸国の非任意入院の状況について出していただいている資料を見ても、著しく特異な状況にあると言わざるを得ないと思います。
 EU委員会が報告書で出しておりますけれども、EU加盟国で最も強制入院の割合が高いのはスウェーデンということになりますが、それでも30%ぐらいということで、その他のほとんどの国では10%前後という割合で報告されているという状況です。
 強制入院に関する数少ない国際的な共通認識は、他のあらゆる手段を尽くした後の最終手段とすべきだという共通認識でありまして、我が国ではその最終手段があまりにも頻繁に使われ過ぎているという状況ではないかと言わざるを得ない状況があるのではないかと思います。
 また、事務局の報告からも医療保護入院という強制入院の適用期間が1年以上5年未満が3割、5年以上が35%を占めるという報告がありましたけれども、これも各国との比較で見ますと、特異な状況と言わざるを得ない。現行の制度が長期入院の要因の1つになっている可能性はぬぐえないと思います。
 なぜ、これほどまでに強制入院が多いのか、そしてそれらが長期適用されているのかという問題については、特に当事者の権利擁護の観点からその原因をきちんと分析する必要があると思います。こうした現状を改善していくためには、最終手段であるべき強制入院の前の段階のサービスとか仕組みを計画的、段階的にしっかりと拡充していくということは勿論ですけれども、それと並行して、当事者の権利、人権擁護をする第三者機関の存在を担保して、その機能を強化することが不可欠かと思います。
 作業チームでの磯部構成員の御発言、先ほど中島構成員も引用されておりましたが、本当にあの部分は非常に重要だと私も思っておりまして、保護者同意が不要であるとの前提の下で、強制入院の期間を制限すべきことと、期間の更新については複数の医師の判断と透明性の高い審査会での審査があるべきというこの点について、私も非常に重要だと感じております。
 現在の精神医療審査会がどのような状況かということについては、これも参考資料を出していただいておりますけれども、27ページに、定期報告の審査件数は8万7,063件に対して、他の入院形態への移行が適当という判断は4件、0.005%という状況が報告されています。
 この現行の精神医療審査会というものが、先ほど福田構成員の話にもありましたが、当事者の立場から権利擁護する、そういう役割を持った人が入っているのかどうかということ。現状では医療の専門家2名、法律の有識者1名、その他1名という5人の構成と規定されておりますけれども、この構成も含めて、利害関係のない委員できちんと構成すべきであり、特に当事者の権利擁護の視点に基づいて審査していく人も非常に大事だろうと思います。審査会の構成がきちんとバランスを取るべきだと思います。
 あとは、精神医療審査会はどのようなガイドラインに基づいて各地域で行われているのか。どういう基準に基づいて医療保護入院の更新を認めているのか、こういうものが国の方から各自治体に出ているのかどうか。どういうガイドラインがあるのかないのか、そういうものをきちんと透明性の高い審査会においては国民に提示すべきであると思います。ないのであれば、それは権利擁護の観点からきちんとつくり直すということが必要ではないかと思います。
 ポイントは幾つかありますけれども、精神医療審査会をきちんと機能するものにするには、どのようにするのか。具体的なポイントの1つは、当事者の方をしっかりとそういう委員会に入れるべきではないかということが私の意見であります。
 EU委員会の報告書でも唯一強制入院を下げる有意差が出たものは、強制入院の手続に権利擁護をする第三者が関わるという手続を入れている国は有意に強制入院が低いということが唯一のファクターとして示されていますので、やはり入院手続における権利擁護を第三者、独立して行う人の関わりというものをどう担保していくのかということが国際的にも非常に重要だと思います。
 最後に、中島先生がおっしゃったように、認知症の方の強制医療の在り方というものは、今、国際的にも大問題になっておりまして、基本的には別の法律ではやるべきだという議論がかなり強くなってきています。今回、医療保護入院の問題、事務局の報告で認知症の方の医療保護入院が非常に増えているという報告がありましたけれども、これについても認知症の方の医療保護入院は、状態像で変化する疾患に対してのものと同様に考えていいのかどうかということについては、十分な議論と枠組みを検討すべきではないかと思いまして、可能であれば作業チームで是非御検討いただきたいと思っています。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 その他御意見ございますでしょうか。
 野村構成員、どうぞ。

○野村構成員 短くします。
 本人の権利擁護ということは非常に重要でして、先ほど私が申し上げた話の中に、家族に本人の権利を守る能力がある人がいれば家族が保護者になってもいいと申し上げましたが、その判断を誰が行うのかということがあります。その保護者に能力があるかないかを一体誰が判断するのであろう、そしてそれは非常に安易に行われては困る。なぜならば、それが通ってしまえば全ての保護者が能力があるとみなされて、今の制度がちっとも変わらなくなるというおそれが多分にあると思うからです。
 それであれば、最初から家族の保護者は認めないということにした方がよっぽどいいと私は思います。ですから、そこは厳密に保護者の能力があるかないかをどこかで審査しなければいかぬ。
 精神医療審査会に関しては、根本的に考え直す必要があると思いまして、その中には絶対に当事者の利益を代弁する方が入るべきであると思います。
 例えば退院を請求することとか処遇改善を請求する場合に、精神医療審査会に本人に代わって本人が最も信頼している人が代理人になって、本人の権利を守る活動ができるような体制をつくる必要があるのではないか。それは必ずしも弁護士でなくてもいいようにして、代理人が本人の権利を守るという体制も必要ではないかと思います。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 その他御意見ございますでしょうか。
 長野構成員、お願いします。

○長野構成員 とても重たい作業チームの記録をずっと見させていただいて、本当に細かく丁寧に議論されているのに逆にびっくりしていますけれども、それでも多分、やらなければいけないことはかなりあるんだろうなということと、実際に変えていくときにはかなりのプロセスを経ていかないとできないだろうなということを重く受けとめています。
 その中で、基本的には今の保護者の問題は全く一致するところだと思いますが、そこの問題もはらんだ医療保護入院については、基本変えるべきというスタンスの中で、気になっていることが何点かあります。
 私たちは、今の地域で私自身も15年やらせてもらう中で、スタッフとずっとやってきたことは、うそをつかない、だまさないということをひたすらやり続けてきました。家族が買い物に行こうとかということで連れていらっしゃった方も入院させない。ただ、その保護にはちゃんと出向くということでやり続けてきました。勿論その結果医療保護入院もたくさんありますが、意識障害のケースもありますが、そうしていくと、医療保護入院の制度の問題というのは、現実、現場では若干薄れてきているのかなという気がします。なので、10年前に検討するのか今、検討するのかで考え方は随分変わるだろうと。
 医療保護入院には、そもそも医療とか福祉とか保健が適切であるかという問題と制度そのものの問題が混在して議論されているような気がします。そもそも医療保健福祉が本人の立場で、先ほど山田さんがおっしゃっていたことがまさにそうですけれども、がちゃんと閉じ込められて、この前もありましたが、ある方が受診されました。医療保護入院で入院をしていた、だまされて連れていかれて、がちゃんと入ったんだけれども、私は病気だろうかという方がいらっしゃった。その方を1年フォローしていますが、どう考えても病気ではありません。私の見立てですから、それも間違えているかもしれませんが、全く病気ではありません。家族とのいざこざでありました。若干の知的障害があるかもしれませんが、そういうことが日常的に起きている。それは医者の能力の限界とか精神保健指定医というところに全てがかかっている問題とかあるとは思いますけれども、医療保健福祉が適切であれば問題の大部分は解決することもあるのかなと思いつつ、そのことと制度そのものの問題はしっかり分けて、制度そのものの問題のところをきちっと変えていけたらというのが今回の意見です。
 留意点ごとにいくと、先ほどの佐久間先生の町長同意の問題はとても深刻だと思うんですけれども、もう家族がみつからない方がほとんどになってきていて、そうすると医療現場がどうあるかということがひたすら問われているような状況もあって、逆にそのときに一生懸命に家族を探すことで協力者を得られるようなこともあったりして、保護者の方の中でも本当に熱心に、私たちはどうしても入院だと思うんだけれどもという方も、家で見るから、そこに私たちが出向くことで結果としてよくなる方もいらっしゃるので、この二面性に関しては、医療保護入院は問題ということでばっと変えてしまって、よさがなくなってしまうということは気をつけなければいけない。だから変えなきゃいけないという前提の下で話をしていますけれども、そのことを思います。
 3、4はやはり医療、福祉、保健がどう適切であるかということが問われているし、本当に真剣にやっていかなくては、先ほどの手続の問題もそうなんですが、この留意点5の問題だと思います。先ほど選択肢があればという話がありましたけれども、保護者の選択肢というところをかなり真剣に考えていかないと、現行制度の町長同意も現実的には本当に問題があると思いますので、御本人を守る立場と、先ほどの二面性が出てきてしまいますが、守る立場でいながらきちっと治療していただくという保護者の代替の可能性に関して更に突っ込んで議論していくべきではないかと。
継続期間のこともあるのですけれども、ここはまたいろいろ出てくるというか、一律で決めるのは勿論大変だろうと思いますが、目安は要るのだろうなと思います。
 認知症に関して分けるという課題、留意点7ですけれども、私自身は精神科医療の中だけで議論すべきでないと思っていまして、地域の中で高齢者のことも含めてやらせてもらっていると、精神科に関わっている認知症の方の問題は、認知症の方全員のことからいくとごくごく一部でありますので、精神保健福祉法の中だけでこれを議論することは、全体を見失ってしまうだろうと思います。
 判断力に関しても、実際に現場でやっていると、ありとあらゆるものが入り混じってきますから、私自身は、この方は認知症だからこうで、他の方はこうでと2つに分けることは現実的にできるような気がしません。認知症はずっと判断力が落ちているから、こちらはこうで、先ほど長期入院なんて問題も出ましたけれども、1つや2つの類型に分けるということは現場としては不可能かなと私自身は思います。
 あと気になっている点が、論点のところの医療費負担。家族が大変だということはとてもよくわかるのですが、医療費負担に関しては、私は通常どおりでやっていくべきだろうと思います。こんなこと言っていいかどうかわかりませんが、私が精神科医になったころに経済措置という話があって、措置入院は入院費が要らないことによる弊害ということもいろいろ出てきたこともたくさんあるのだろうと思うんです。御本人から払ってくださらない方も今まで何人も経験してきて、それは大変ですけれども、それは国民皆保険から生活保護制度から、そちらを充実させて全体として議論するべきことであって、御本人の同意を得ないで入院するから、ここだけ特別経済措置をしようという話は避けるべきではないかと私自身は思います。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 その他。河崎構成員、お願いします。

○河崎構成員 ワーキングのメンバーでもあるので、今日はあまり発言しない方がいいのかなと思って、皆さん方の御意見を聞いておりました。確かに、中島先生がおっしゃられた16ページの磯部構成員の御発言のところでございますが、やはりこういうシステムを実際的に現実的にどのような形で今の日本の精神科医療の現場に落とし込んでいくのか。それは確かにこういうことが患者さんの権利擁護であったりあるいは逆に退院促進であったりというところに大きな効果を及ぼしていくということは十分に想定できる話でございます。
 ただ、一番の大きな問題点は、こういうことを現実的にどこが担っていくのかというところなのです。今の制度の中では、精神医療審査会をもう少ししっかりとその機能を果たしていくようにその構成メンバーも含めてもう一度検討していくという必要性はやはりあるのだろうと思うんですが、これを入院患者さんの権利擁護という側面で考えていくときに、たしかワーキングでも事務局の方から御説明があったと思いますが、いわゆる国連の障害者権利条約との関係において、現状の精神保健福祉法あるいは現状の医療保護入院という制度そのものは今の障害者権利条約に抵触しないという解釈として事務局の方からの御説明もあったと記憶しているのです。そうなってきますと、あまり権利権利という部分だけに焦点を当てずに、実際的に患者さんの治療なりあるいは退院促進ということに非常に大きく貢献する、そういうシステムをどう考えていくのかというところの議論を深めていっていただく方が、より実際的な形の議論に結びついていくのではないかなという印象を持って、先ほどからの議論を聞いておりました。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 その他御意見ございますでしょうか。
 白石アドバイザーの方からお願いします。

○白石構成員 別にアドバイスをするつもりはないのですが、この前に検討チーム、私が出る会議のときに欠席をしまして、少し言わせていただきたいので、本来は伺っていたのですけれども、少しだけ発言させていただきます。
 医療保護入院を変えていくという話なのですが、その前段で保護者の在り方についてずっと検討してきたわけです。保護義務に関しては、今、保護者が担っているような形でやる必要がなく、他のいろいろな人なり機関なり、担うことができるだろうということを整理した上で、今、医療保護入院の問題に取組むという段階に来たと理解しているのです。そうすると、医療保護入院で保護者の同意が必要というところに、保護者というものがないそういう状況というのが、今までの到達点であると思うんです。
 そうすると、保護者が同意をしないで、もう一つ先ほど確認していただきましたけれども、自傷他害がないけれども入院が必要で、本人が入院を拒否しているという人が現に存在し、本人の利益のために入院が必要である、そういう人のための入院形態は必要であるということ、そこまで来ていると思うんです。
 その上で、障害者の権利条約であるとか治療の効率性であるとか、人権の擁護であるとか家族の負担であるとか、そういうことをみんな包み込んで、制度としてどういうものをつくればいいのかということがここでの具体的な検討の課題ではないかと私は思います。
 そこで、私はこの前出られなかったので、私が書いた論文を構成員の方に配らせていただいたのですけれども、私が考えているのは、医療保護入院の欠点を排することと、保護者がいない形で今の医療保護入院をどう持っていくかということで、欠点としては先ほど来議論になっている入院期間が無制限であるところです。これを何とかするということが必要だと思っています。
 中身について、審査会など外部が審査するという議論もありますが、中身についてきちんと検証されない中で、その中身をよくするための審査会機能の改善はともかくとして、私は具体的には、一定期間以上同じ病院に入れない、そういう制度としてつくるべきではないかと思っています。
 もう一つ、同意は、先ほど支払いのことも出ましたけれども、保護者が同意するのでなければどうなのか、家族の関与をどうするかというところでは、扶養義務者の同意というところはやはり残さざるを得ないのかなと私は思っております。ただ、そうすると保護をするという特別の役割を担ったものを制度的に外して、お金という観点で扶養義務、これは普通の入院のときの家族の役割ということでいいと思うんですが、そうなったときに本人を退院させるあるいは入院中の人権を擁護する、そこのところを誰が担うのか。それが保護者が扶養義務者になったときに欠けてくるわけですので、それをどうするかといった場合に、私は、病院の外にいる精神保健福祉士等の専門職が退院の支援をするという立場で必ず関わるという制度をつくるべきではないかと思います。
 現在、精神保健福祉士は病院に非常にたくさん勤務しておりまして、地域でいろいろ施設等に勤務している人を全部合わせても、病院に入院している人よりは大分少なくなっているのが現状だと思います。すぐに病院以外の精神保健福祉士等の専門職があらゆる医療保護入院の患者さんに入院したときから退院促進で関わるということを一体実現できるのか。そういうところの現実性に私も疑問は感じるのですけれども、ただ、今まで退院促進をやってきて、そこは長期化している入院ということでやってきたものを流れとしてはあらゆる非自発的な入院に広げていく、そのための人的資源として、地域に精神保健福祉士を増やしていく。そういう政策的な流れも当然あると思いまして、ここは苦しいけれども、何らかの形で地域の精神保健福祉士を増やして、医療保護入院になった場合には、その当日駆けつけることはできなくても、何日か置いて必ず駆けつけて、家族の相談に乗り、本人の退院支援を行い、いろいろ病院のケースワーカーやスタッフと協力して、地域に退院できる準備をする。病院の外にそういう人をつくり、病院と協力するという形を医療保護入院の代替形として提案したいと思っております。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 では、堀江構成員、お願いします。

○堀江構成員 言いたくなかったのですけれども、政策の方で、要はどこが担うのか、特に行政体のどこが担うのかというところが、今、白石さんから出たのですが、精神保健福祉職をとすぱっといくかどうか。その前があるのではないかと私は思っています。この議論の中でも、保健所、保健師の役割についてかなり点は厳しいけれども、現実にはそれが制度的にあったはずです。ところが、私はその辺りが問題だったのではないかと思うんですが、介護保険制度導入の辺りに、民活を地域で高齢者の保健医療活動に使っていくということになって、保健師たちがずっと行政職の方に移されたという感じがあります。私たちの地域なんかでも、よい保健師だった人が定年間近まであまり元気なく机に向かわされている、そういう実態がありまして、本当に無駄なことをしているなと思います。
 保健師というのは、もう少しちゃんと仕事ができたし訓練されてきたはずなのに、その人たちに対して、政策上そうさせられたのではないかと思っていまして、改めて今の段階から、急激にそれを転換しろと無茶なことを言っているわけではなくて、兼務辞令を発令するとかいう形で、徐々に地域型にもう一度保健師の活動を重視させていくということと、全く不適任な家族にまで負わせている制度を変えていくときに、一体どこが担うのか、行政としてはどういう責任を持つのかといったら、保健師の問題を私は抜きにしてはいけないと思っています。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 広田構成員、お願いします。

○広田構成員 私も作業チームに入っていますからなるべく発言しないと思ったんですけれど、小杉さんの話を伺って、23年前に自分が作業所のメンバーになっていた時代に、職員がすごく大きく見えた時代を思い出していたんです。今は、職員に対して批判できるぐらい自分もいろんな経験を積み、一流の仕事をしていた頃にリカバリーできたということと、山田君の話を聞いていて、話し相手がいればという話で、友達がいないということなんです。これは今、日本社会全体そうなんです。
 私は、生活保護とかけ込み寺一部屋分のカンパで、9万9,800円の家を借りて、昨夏、家の前の通りをお子様天国幸せ通りと名づけて、みんなで花火大会をやっていました。初めは怒鳴られましたが、いつの間にか大人も和んできて、それが根づいてきて、弘明寺商店街というところで世の中から嫌がられている人に声をかけていたら、いつの間にかその嫌がられている人、芹香病院の入院患者さんですが、その人が私を訪ねてきた。それから、御家族が電気屋さんに「広田さんのうちはどこですか」と聞いてきたり、警察に人が訪ねてきたり交番に行ったりということで、本当にその地域が、長野先生が愛南町でやっているように、広田和子が暮らしていることが社会資源です。
 そういうことで、今、日本はチャンスだと思います。日本はお金がないから、お金をかける話ではなくて、お金がない中で豊かな地域福祉をどうするかといったときに、野村さんにお願いしたいのは、作業チームで話をしないようなことをここであまりしないで、お話はどこに行っても整合性を持っていきたいと言いたいんだけれど、私もぼけ中年だから間違うときがありますし、西田構成員とか白石先生に、是非民間病院でも公立病院でもいいから、1か月間ぐらい病院を泊まり歩いて現場を見ていただきたいと思います。
 私は、全国の精神科病院に泊まらせていただいて、先日、岡山の中島先生のところに行って、4時間ぐらい中華料理をごちそうになりましたから、そのうち、岡崎先生のところに行って、2,000円ぐらいの洋食でもごちそうになろうかと思います。今日、ここに来てよかったと思うのは、作業チームは医者が河崎先生と千葉先生だけです。そこで決まっていってしまうと、結局、現場の本音はどうなんだということなのです。
 権利条約もいいし、いろんなものも大事だけれど、やはり本当に現場が困って、本来患者は地域で暮らすことがべストですが、入院が必要な人は必ずいます。私が行ったところでいわゆる医療保護入院、私が救急車とかで付き添っていって、そこで了解しているのは、入った中で本人の人権を守るために行動制限が伴うでしょう。その場合、私は2例医療保護入院を了承しているのです。
 そこで、多くの全国の精神科医に聞くと、長野先生がお話したように、「私は患者さんにうそをつきたくない。たたかれるかもしれないけれど、うそをつきたくないから医療保護入院が必要なんです」ということです。日本は言論の自由がなくて、何か集団主義の中で、誰かと一緒でなければ発言できなかったり、誰かと一緒でなければ行動できないような、自己決定能力が患者だけではない、認知症だけではない、判断能力をなくした日本国民がいて、ここの構成メンバーにもいると思います。
 そういう中で、山田君が孤立と自殺の話をしましたが、曽野綾子さんにお会いしたとき、2人だけだったのでこう言ったんです。「精神障害者の犯罪は所詮孤立している人が起こすんです」と。曽野さんはすごく怒って、「孤立してない人間なんかいません」と私に怒鳴ったのです。私が、「曽野さんも孤立されているんですか」と聞いたら、「私も立派な孤立です」と手を握り締めて言われて、そうだと。作家というのは自らの魂に向かって文章を書く。私もいろんな講演をしたり、こういうところでまさに孤立感を持ちながら発言することが、全国の多くの公立病院、民間病院の中にいて、医療保護入院という名の下の保護者がいるために、保護者以外面会に行けないという患者仲間の実態と一致しているんですよ。そういう原点が私の入院生活にもあるんです。
 そういうことも含めてきちんと論議しないと、今は幼稚園から義務教育に行って、高校、大学なのに、いきなり大学院の話をされたり英語を出されると、私は何度も言いますが定時制高校卒業ですから、お金のない時代の中で自分が、自分の最愛の子どもや身近な人がもし精神科を利用するときにどうなっていればいいのだろうかということで論議しないと、ただただ高いところに持っていってもだめで、精神科病院の中にいるスタッフを地域に持っていく、そういう考え方は知っているけれど、社会的入院の患者を出して、マンパワーをつけて、診療報酬を上げたり精神科特例を外して、精神医療をよくしておかなければ、地域で全部賄えるとは思えない。
 私のうちは、髪振り乱した家族の相談者がいっぱい来ます。私がフルコースをつくって3時間ぐらい食事しますと、「こんな団らんの食事は何年振り」だと。日本国じゅうが団らんの食事を忘れているのです。不安にあおり立てられているのです。今日は、野澤さんが珍しく見えたから大きい声を出したら、「大きい声出している」といって、そのぐらい日本が閉塞状態です。もっと大きい声で笑いながら生活したいものですね。
 今、明日、食べるお金がなくて死ぬという人はあまりいない。いろんな不安をあおり立てられてしまって、日本列島でやっていく中でみんな不安です。もっと先行きに明るい見通しを持って、医療保護入院の問題も論議しないと、ただただ観念論とか理想論とか、そればっかりでは。国連の権利条約、私はサバイバーとして勿論大事だと思いますが、そういうところに着目していかないと、難し過ぎる言い方では国民がわからない。国民がわかる話で。国民の法律ですから。
 それで、やたらと裏で政治家のところに行くけれど、地方自治体から国まで、裏で私は行きません。行くと政治家はよくわかりませんから、英語か何かで話をされるとそうなのだろうと思ってしまうかもしれないけれど、ここで論議をしてまとめて、次に上がっていくような、民主主義ですから、是非そういうやり方をとっていただきたい。最後に、何度も言いますが、西田構成員は若いから、佐久間先生の病院でもいい、長野先生の愛南町の病院でもいい、河崎先生のところでもいい、もう松沢は行かなくていいです、新垣先生のところでもいい、そういうところに行って修業をしてきてお話された方が、西田構成員個人のためにも、日本の精神障害者のためにも寄与すると思います。
 以上です。広田でした。

○福田精神・障害保健課長 その他御意見ございますか。
 8時までですので、最後に町野作業チーム座長から今までの御意見に対してまたコメントもいただきたいと思っています。ただ、挙手された方はなるべく多く御発言いただきたいと思いますので、要点を簡潔にということでお願いします。
 田尾構成員、お願いします。

○田尾構成員 簡潔に。
 最初、保護者の問題ということから出発して、医療保護入院全体のことに話が進展していますが、この問題を突き詰めていくと、本当に精神保健医療福祉全体の問題であり、全部が総合的にある方向性に向かっていかないと、解決は難しい。例えば入院患者数や入院期間にしても、当事者が守られる権利にしても、きちんとした形にはならないのだということがここへきて皆さんの意見の中からはっきりわかってきたということで、非常に大きな問題だと思います。ただ、そこまで問題を広げてしまうと、この会議はあと2回なのだそうです。作業部会は別ですが、本会議はあと2回、そんなことないですか。

○福田精神・障害保健課長 まだ、そこまで限定的ではありません。

○田尾構成員 そこまで限定的ではないそうですので、まだあるかもしれませんけれども、そう回数はないのです。その中で、何らかの結論を出していくときに、今日のお話を伺っていて、最初の町野先生の話からも、保護者が強制入院の同意者になっていくのはやはり問題ではなかろうかということについては、大体皆さんの合意は得られているのだと私は感じましたが、それはそれでよろしいでしょうかということの確認と、もう一つおっしゃったのは、強制入院の実際の在り方をどうしていこうかということで、今日、いろんな意見が出ているわけで、それを逐語しながら整理していただけるのだと思いますけれども、幾つかあまり整理できていないままで申し上げますと、今ある制度の中からということでは、福田先生とか西田さんがおっしゃったように、精神医療審査会の問題というものはあると思います。
 精神医療審査会が今はほとんど行政の中に置かれていますね。本来、本当に機能させるのであれば、あれは行政の外枠に置くべきなのだろうと思うのです。そういうことが可能なのかどうかということとか、入院期間の制限の問題もありましたが、では、措置はどうなのだろうかと。措置も5年以上が2割いるのです。その措置の2割というのは、東京の感覚でいうと、とても信じられません。医療観察法で、法律できてからずっと医療観察保護の人がいるのかというと、そんな人はごく僅かだろうと思うと、どの入院をとってしてもそういう不本意な長期入院の問題があると。では、任意だったら10年いても20いてもいいのかというと、それもやはりおかしな話だと思うので、また広がってしまいますので収束しますけれども、そういうことがありながら、今、確認できたところはそういう方向で進めていっていただくと。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 この会自体は、まさに今、田尾構成員がおっしゃられたように御意見の集約度を見ながら、新たな検討課題やもっと深めるべき検討課題というものをいただいて、また作業チームで更に深める、そういう形で繰り返していくということでございますので、今、おっしゃられたことも含めて、いろいろな御意見をいただければと思います。
 岡崎構成員の後で、野澤構成員、まずその2人から。

○岡崎構成員 あまり時間がないのに、こんな発言をしていいのかなと迷っていましたけれども、やはりこの医療保護入院制度の問題というものを考えると、今、田尾構成員も言われましたが、いろんなことが関わっているわけです。入院や退院の基本的な本来の在り方というものは、社会というかその人を取り巻く人々の中で、やはり専門家の力を借りないと一緒に生活できない状態となったときに入院の問題が生じ、また、そういったところが受け入れられるような状態になったときに退院、専門家の意見は勿論その前にあるわけですけれども、ということが起きるのだろうと思うんです。
 具体的には、浦河のべてるの人たちの振る舞いを見ていると、具合悪くなったときに興奮したり暴れたり、ものを壊したりしたときに、最初に来る人は仲間なのです。そこでどうしてそうなったのだろうとか声をかけたり、みんなで協議が始まって、そのうち御本人も引きずり込まれて、やはり入院した方がいいのではないかという話も出てきて、それで御本人も不承不承だったりあるいは拒否したりもありますが、その後専門家も加わって、それだった入院するかねという話になって入院をする。
 入院した人のところへしょっちゅう仲間の当事者が見舞っては、随分よくなったねという話をして、もうそろそろ退院してもいいのではないかという話をして、そういった状況を見て医師も御本人にそろそろ退院を考えるかという話になって、退院が決まっていく。こういったものがごく自然な社会における入院や退院なのだろうと思うんですが、全てのところでそうはできないので、制度や法律で決められているのですが、こういった当事者、取り巻く仲間や御家族、職場その他の関係者や専門家もそれに加わって、この事態をどうするかという解決策の1つとして病院における治療というものがあるんだろうと思うんです。
 東京都で最近、ホステルが変わってショートステイとして利用するようになって、アウトリーチ事業の一環として、地域で非常に困っている方をアウトリーチして、まずショートステイに退避入所していただいて、地域とのすごいあつれきがある方が今のところ対象なのですけれども、何日か宿泊してからの場合も多いのですが、入所の後で、眠れなかったら薬を飲みますかという話もして、その後受診をされるといった関わり方が始まっています。非常に医療との接点がやわらかくて、医療保護入院レベルの人がそういった形でショートステイを利用して、通院という形で医療に関わるということも可能のようです。
 こういったことを考えて、参考になるのではないかと思うんです。医療保護入院というのは、何も御家族だけがそういう場合に進めたりあるいは保証人になったりということではなくて、いろんな人が関わってやり得るわけなので、社会的にそういう方々が話をし、入院を進めるといったものが原初的な形態なのだろうと思うんです。そういった趣旨を現状で生かそうとすると、御家族あるいは当事者の方が入院や退院のプロセスに深く関わるべきだろうと思うんです。
 先ほど精神医療審査会というのがありましたが、具体的に現在ある機能をどうするか、それを広げるということの提案がありましたけれども、それも1つの方法だと思いますし、いろんなレベルで当事者、御家族が参加する、それから透明性を増すといったことを貫いて考えると、アイデアが法的な問題に限らず出てくるのではないかと感じて発言させていただきました。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 ちょうど時間になっていますので、あと野澤構成員、中島構成員に締めていただいて、それら今まで出てきた意見についての御意見ということで、町野作業チーム座長にお話を伺うという形で進めたいと思います。
 では、野澤構成員、お願いします。

○野澤構成員 今日は黙っていようかと思ったんですが、広田さんが珍しく出てきたと言われたので、つい言いたくなって。
 子どもにしても障害者にしてもお年寄りにしても、この国はもともと家族の責任で家族が面倒みなさいということでずっとやってきたわけです。そういう方たちの人権だとかなんて言われるようになったのは、まだほんの最近の話です。というのは、お年寄りの数がすごく多くなってしまって、家族がどんどん小さくなって、今、1家族の平均人数は2.46人ですから、こんな状況ではとてもじゃないけれども家族で見られないということになって、制度がいろいろ変わってきたわけです。介護保険とか支援福祉制度、自立支援法で、今度子ども・子育て新システムというものが論議されていますが、全部契約になってきて、ちょうどそのころから契約を対等な関係で結ぶ御本人たちはどうなのかという辺りから、いろんな権利擁護が取りざたされてきたんだと思います。
 そこで、認知症のお年寄りとか知的障害者とか、自己選択、自己決定が難しい人たちは一体どうするのかということが大きな問題で、成年後見法だとか地域福祉権利擁護事業とか、いろんな制度ができましたが、それでも現場を見てみれば、そんなに簡単にすぱっと解決するような問題ではなくて、成年後見法はそこそこ利用されていますけれども、多くは家族が判断しているんです。それを司法も行政も今、黙認しているという状況なんだろうと思います。
 だから、この問題も100点満点の解決方法というのはあまりあり得ないのではないかという気はしているのです。とはいえ、医療保護入院を何とかしなければいけないということで、皆さんの御意見を聞いたりしていると、家族の責任や負担から社会全体でそれを見ていきましょう、それと、御本人を治療の客体という存在だけから権利擁護の主体として見ていきましょうという方向は大体皆さん同じかなという感じで見ています。
 そうすると、入院するときの手続をより厳密化して、入院期間についても厳密化して、そこに第三者なり当事者性なりというものを入れていくという方向はあると思うんです。では一体誰が第三者なのかというところで、いろんな議論があると思うんです。とはいえ、なかなか難しいだろうと思うんです。私は、それでも進める価値が大いにあって、というのは、この問題の一番の本質の目的というのは、医療保護入院の制度をどうするかということよりも、入院そのものをどうやって減らしていくのかということにあるのではないかと思うんです。
 先ほどありましたが、4割占めている。厳密化すればするほど現場は相当苦しむだろうと思うんです。そういう矛盾は出てきます。だからグレーゾーンでやられていたわけで、厳密化することによって苦しみながら4割をいかに減らしていけるのかというところで、方向性をつくっていった方が断然いいのではないかと思います。
 先ほどから再三いろんな方がおっしゃっておりましたが、話し相手がいれば入院しなくても済んだというのは、やはりすごく重い発言で、他に例えば広田さんが嫌いな相談支援だとかあるいは居場所だとか、苦しみながらそういうものを増やしていく。入院に頼らないものをできるだけ増やしていって、4割をどのぐらい少なくできるかというところの方向に是非していただきたいと思います。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 それでは、最後、中島構成員、お願いします。

○中島構成員 今、野澤構成員が大体話してくださいましたので、それほど言うことないんですけれども、少なくともこの作業チームというのは、医療保護入院の二面性を何とかして解消しようという方向で考えていらっしゃったことは確かだと思うんです。その点については、今回の中間報告は大変よくまとまっている、そこをもう一度申し上げておきたいと思います。
 しかし、新たに医療保護入院で入られる方と既に入って長い方を完全に区分してしまうことは、日本の精神科医療にとってよくないのではないか。そこには何らかのタイムスケジュールというものは必要になると思いますが、やはりずっと入院されている方についても適用されていくということが必要だと思います。
 もう一点は老人の認知症の問題ですが、認知症の問題は一般医療における方がはるかに大きな問題で、一般医療の中で拘束されたりしていることがたくさんあります。ですから、ここについての法律を別建てでつくるということは、私は必要なのではないかと感じております。
 また、この医療保護入院についての議論を進めていく中で、必ず精神医療審査会というものは避けて通れない問題になると思いますけれども、この精神医療審査会を見ると、医療関係者2名以上となっています。法律関係者1名以上、その他の医療専門職1名以上です。そもそもこれはおかしい。医師は1名以上あるいは2名以内でいいのです。他の方は医療を知らない人たちですよ。この人を1人の医師が説得できないようでは困ります。私は医師1人で十分、対4人、5人相手にやれると思っておりますので、その辺は簡単に変えられると思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 今までいろいろと御意見を伺ってきたところでございますが、町野作業チーム座長の方からコメントございましたら、お願いできればと思います。

○町野構成員 総論はおおむね一致しているけれども各論のところが問題だと、結論はそういうことだろうと思います。医療保護入院的な強制入院制度を維持していくということは、皆さん一致している。その要件として保護者の承諾がなければだめだ、それもなくす。そこらについても一致している。
 他方で、もう一つ、そうだからといって家族がこれから精神医療の中において、これまでと同様にインボルブされていくということはやはり認めなければいけない。家族の負担は、今、全部を押しつけるということをしていた感がありますが、それは変えるけれども、家族はこれからも支援者としてやっていかなくてはいけないだろう。同時に、今日の議論ではあまり出ておりませんでしたが、作業チームの方では家族支援の重大性ということは当然のこととして言われておりましたから、それを忘れてはならないということだろうと思います。
 こう簡単にまとめますと、何も聞いてなかったのではないかということを言われますので、随分たくさんいろんなことをおっしゃってくださいまして、精神医療審査会の充実の問題、期間をどのようにして縮めることができるか、同意能力のことによって入院をかからせていいのか悪いのか、もう一つは認知症の問題、これは前からずっとあった問題ですが、これをどのようにするか。これは恐らく我々といいますか、この第3ラウンドを越える部分もかなりあるだろうと思いますけれども、それを頭の中に置きながら議論を続けていかなくてはいけないという具合に思います。
 短くて申し訳ございません。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 検討チームでいただいた意見を踏まえて、また作業チームの方で議論を深めさせていただければと思っておりますので、よろしくお願いします。
 最後に、今後のスケジュールについて、事務局からお願いします。

○本後課長補佐 ありがとうございました。
 今後につきましては、作業チームを今年度中、3月までに3回行う予定にしております。1月26日、2月8日、3月8日、これは作業チームでございます。
 その検討を踏まえまして、検討チーム、この会議を次回は3月29日水曜日の18時から、場所は未定ですので、これから御連絡いたしますけれども、3月29日の18時から開催を予定しておりますので、よろしくお願いいたします。

○福田精神・障害保健課長 それでは、大変長時間にわたり、熱心な御議論をありがとうございました。以上をもちまして、閉会といたします。
 どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

社会・援護局障害保健福祉部
精神・障害保健課企画法令係

電話: 03-5253-1111(3055)

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