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2011年12月27日 第2回健診・保健指導の在り方に関する検討会 議事録

健康局総務課保健指導室・生活習慣病対策室

○日時

平成23年12月27日(火)10時〜12時


○場所

中央合同庁舎5号館17階 厚生労働省 専用第21会議室


○議事

出席者
 構成員
  荒木田 美香子 国際医療福祉大学大学院 保健医療学専攻看護学分野地域看護学領域教授)
  井伊 久美子  公益社団法人日本看護協会常任理事)
  大井田 隆   日本大学 医学部教授
  大江 和彦   東京大学大学院 医学系研究科医療情報経済学分野教授
  門脇 孝    東京大学大学院 医学系研究科糖尿病・代謝内科教授
  迫 和子    社団法人日本栄養士会専務理事
  佐藤 保    社団法人日本歯科医師会常任理事
  島本 和明   札幌医科大学長
  竹村 克二   医療法人寿慶会竹村クリニック院長
  津下 一代   あいち健康の森健康科学総合センター長
  鳥羽 研二   国立長寿医療研究センター病院長
  永井 良三   東京大学大学院 医学系研究科教授
  野口 緑    尼崎市環境市民局市民サービス室健康支援推進担当課長
  林 謙治    国立保健医療科学院長
  保坂 シゲリ  社団法人日本医師会常任理事
  松岡 幸代   国立病院機構京都医療センター・臨床研究センター予防医学研究室研究員
  三浦 宏子   国立保健医療科学院 地域医療システム研究分野統括研究官
  宮崎 美砂子  千葉大学大学院 看護学研究科地域看護学教育研究分野教授
  宮澤 幸久   帝京大学 医療技術学部教授
  吉池 信男   青森県立保健大学 健康科学部栄養学科教授

 厚生労働省
 (健康局)
  外山健康局長
  野田生活習慣病対策室長
  尾田保健指導室長
  畑農保健指導室保健指導専門官
  三田生活習慣病対策室長補佐
 (保険局)
  鈴木医療費適正化対策推進室長

 参考人
  磯 博康    大阪大学大学院 医学系研究科公衆衛生学教授)
  野田 光彦   国立国際医療研究センター 糖尿病・代謝症候群診療部長)



○尾田保健指導室長 本日は、受付が混み合いまして、大変御迷惑をおかけしました。開会の前
に私の方から本日の資料の確認をさせていただきます。
 その前に、第1回検討会の資料の訂正でございますが、構成員の皆様には御案内差し上げたと
おり、前回、津下構成員の方から御説明いただきました厚生労働科学研究の概要のうち、資料7
の4ページで御紹介いただきました研究番号1番の門脇構成員を代表とする研究につきまして、
記述に不十分な点がございまして、本日、構成員の皆様の卓上の資料につきましては、訂正事項
を反映させたものとなっております。
 また、議事録につきましても、他の構成員からいただいた指摘も踏まえまして、適切に訂正し
て確定したいと思っております。
 続きまして、本日の配付資料の確認でございます。
 議事次第の下に、座席表、構成員名簿、4枚目に配布資料一覧がございます。これをごらんい
ただきながら、確認いただけますでしょうか。
 資料1が現行制度の関連する部分の概要。
 資料2が今回の特定健診・保健指導の在り方に関する論点資料。
 資料3がHbA1cに関する資料。
 資料4が次期国民健康づくり運動プラン策定に関する資料。
 続きまして、本日御説明をいただきます参考人資料1としまして、野田先生の資料。
 参考人資料2といたしまして、磯先生の資料。
 最後に、参考資料1として、第1回検討会の議事概要。
 参考資料2といたしまして、各学会の治療ガイドラインについて。
 以上でございます。足りない部分等がございましたら、事務局の方に御指摘をいただけますで
しょうか。
○永井座長 それでは、第2回「健診・保健指導の在り方に関する検討会」を始めさせていただ
きます。
 まず、事務局より、出席者の確認をよろしくお願いいたします。
○尾田保健指導室長 初めに前回の検討会を御欠席されておりました構成員につきまして、御紹
介させていただきます。
 国立病院機構京都医療センター・臨床研究センター研究員の松岡幸代構成員です。
 千葉大学看護学部教授の宮崎美砂子構成員です。
 青森県立保健大学健康科学部栄養学科教授の吉池信男構成員です。
 また、本日、宮地構成員、山門構成員からは欠席の御連絡をいただいております。
 それから、本日は参考人として、お二方をお招きしておりますので、併せて紹介させていただ
きます。
 独立行政法人国立国際医療研究センター糖尿病・代謝症候群診療部長の野田光彦氏です。
 大阪大学大学院医学系研究科公衆衛生学教授の磯博康氏です。
 どうぞよろしくお願いいたします。
○永井座長 では、議事に入ります。
 議題「1 特定健診・保健指導における腹囲基準の在り方について」でございます。
 まず、事務局から関係資料と議題に関する論点の説明をお願いいたします。
○尾田保健指導室長 資料1の1ページをお開きください。こちらの資料は前回も御説明をいた
しましたが、現在の特定健診・保健指導の対象者を選定するための階層化の基準でございます。
 まず、腹囲、男性は85cm以上、女性は90cm以上。これに該当する方のうち、血糖、脂質、血
圧のいずれかのリスクに2つ以上該当する方。あるいは1つ該当して、喫煙歴がある方。これら
の方は積極的支援の対象となり、1つだけ該当する方で、喫煙歴のない方。それに加えまして、
65歳以上の方は、すべて動機付け支援の対象としております。
 腹囲基準が該当のなかった方のうち、BMIが25以上の方でリスクが3つ以上ある方。あるい
は2つあって、喫煙歴のある方。これらの方が積極的支援になりまして、それ以外の方が動機付
け支援。このような分け方になっております。
 5ページ、参考データでございますが、肥満者の推移といたしまして、左が男性、右が女性で
ございます。男性の20歳以上70歳未満、40歳以上70歳未満の方の経年推移、BMI25超の方の
経年推移でございますが、いずれのグラフも上昇傾向にあるということが見て取れるかと思いま
す。
 右は女性でございますが、同じくBMIが25超の方につきまして、20歳代、30歳代を加えた
グラフは下になりまして、40歳以上が上で、男性と比べますと、かなり乖離があるということが
見て取れるかと思います。傾向といたしましては、若干の減少傾向が見て取れるかと思います。
 以上でございます。
 続きまして、資料2でございます。
 1ページ、腹囲基準の在り方につきまして、私どもの方から、まず論点としてお示しさせてい
ただきます。
・国際糖尿病連合(IDF)の新たなメタボリックシンドロームの判定基準について、どう考える
か。
・腹囲を測定し、特定保健指導の対象者を判定する第一基準として用いること自体は、メタボリ
ックシンドロームに着目した健康診査を実施する以上は、国際的な動向を踏まえても、現実的な
対応と言えるか。
・肥満に着目して結果を出す保健指導を行う観点から、保健指導による介入の効果が出やすい対
象者を選定するため、内臓肥満に着目して腹囲を階層化の第一基準とする現在の仕組みは意義が
あると言えるか。
・腹囲の数値基準については、まずは特定健診・保健指導に関する研究成果の就籍を行いつつ、
検証していくべきではないか。
 以上でございます。
○永井座長 ありがとうございます。
 では、続いて、野田参考人から「メタボリックシンドロームの診断にかかる国際動向と腹囲基
準の在り方について」の御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○野田参考人 野田です。始めさせていただきます。
 1ページに記載させていただきましたように、本日は「1.歴史的背景」、「2.メタボリック
シンドロームとは」、「3.種々の診断基準とポイント」、「4.国際的動向(わが国を含む)」、「5.
私見」を述べさせていただければと思います。
 まず2ページ「歴史的背景」です。なぜメタボリックシンドロームという名前になったかにつ
いての説ですが、1973年に、狭心痛様の症状を来していても冠動脈造影が正常である場合を
syndrome Xと命名した人がいました。それから十数年経ちまして、Reavenが同じsyndrome X
という言葉を用いて、耐糖能異常、インスリン抵抗性、脂質異常症、高血圧、そして、冠動脈疾
患が集積する、これらによって性格づけられるものをsyndrome Xと呼びました。同じsyndrome
Xという名称のものが2つあることから、前者をcardiac syndrome X、後者をmetabolic
syndrome Xと呼ぶ人が表れまして、このXが取れてメタボリックシンドロームと言うようにな
ったということが、この文献に述べられています。
 メタボリックシンドロームは御承知のように、多様な側面を持つものでありまして、ある意味
ではMultiple Risk Factor Syndromeとも言えるものであります。その中には、中心性肥満、内
臓肥満といった肥満、それにインスリン抵抗性、心血管・脳血管疾患等を来しやすいこと、アデ
ィポサイトカインの異常や炎症反応といったものも含まれるわけであります。
 4ページです。その表現型としましては、高血糖、高血圧、脂質異常症、場合によって高尿酸
血症や脂肪肝を伴います。私自身も医師になって数年のころに、こういった所見を同時に来して
いる人がいるということに着目して、そういった方には痩せるよう指導をしていたことを思い出
しますが、その本質には、肥満、インスリン抵抗性、炎症反応、過食、運動不足、アディポサイ
トカインの異常等があり得るかと思います。そして、結果として、冠動脈疾患や脳卒中を来しま
す。
 右の方に3つの楕円がありますが、これは冠動脈疾患や脳卒中のリスクとして挙げさせていた
だいたもので、喫煙、高LDL-C血症、男性であることが、上位に存在する要因です。
 5ページ「Multiple Risk Factor Syndromeの系譜」ですが、1988年のReavenによるsyndrome
Xとほぼ時期を同じくして、いろいろな症候群が提唱されました。死の四重奏という、恐ろしい
名前ですけれども、Kaplanにより1989年に、インスリン抵抗性症候群がDeFronzoにより1991
年に、そして、大阪大学の松沢先生により内臓脂肪症候群が提唱されております。
 いずれも肥満やインスリン抵抗性ないし高インスリン血症を基盤に耐糖能異常あるいは糖尿病、
高血圧、脂質異常症を随伴するものを提唱しておりますが、その力点の置きどころは微妙に違う
と考えられます。
 6ページ、「メタボリックシンドロームとは」です。
 この図は厚生労働省のホームページから取ったもので、概念としては、“不健康な生活習慣”が
まずあります。先ほどの楕円の図で左下にあるのも厚生労働省のホームページのものですけれど
も、過食や運動不足により内臓脂肪型肥満が生じて、代謝の異常あるいはアディポサイトカイン
の分泌異常が来されて、血糖値が上がる、血圧が上がる、脂質代謝異常が生じる。これらを放置
し続けますと、脳卒中や心筋梗塞など、あるいは糖尿病を発症し、その合併症へと進展していく
可能性のあるいうことがここに示されています。
 なぜこれが重要かと言いますと、高血糖や高血圧、高脂血症に対して各々単独で対処するので
はなく、この氷山の図を非常によくご存じの方も多いかと思いますが、この氷山自身を小さくし
ていくことによって、上の突き出している部分が減っていくということを示した図であります。
 8ページ、「種々の診断基準とポイント」です。
 先ほどのような幾つかの症候群が提唱された後、その診断基準の提唱がなされました。
 1999年にWHOにより、1999年に欧州インスリン抵抗性研究会によりそれぞれ提唱がなされ、
2001年に米国のNational Cholesterol Education Program Adult Treatment Panel Ⅲ、これは
米国コレステロール教育プログラム成人治療委員会ですが、NIHの下のNHLBI、National
Heart,Lung,and Blood Instituteが招集している委員会であります。
 EGIRのものは1999年と2002年の間に固まってきたものですが、2003年にAmerican
Association of Clinical Endocrinologists、米国臨床内分泌医学会議による提唱も行われています。
 2003年にアメリカ糖尿病協会、(ADA)が空腹時血糖値の基準を110mg/dlから100mg/dlに下
げたことを受けた提案が、2004年のNCEP-ATPⅢのものでなされています。
 さらに、2005年にAmerican Heart AssociationとNHLBIが合同で診断基準を提唱していま
す。
 10ページ、診断基準の推移です。1999年のWHOのものは、2型糖尿病、耐糖能異常、イン
スリン抵抗性、つまりこの糖代謝異常の要素から一つを必須として、かつ、下に示してあります
高血圧、肥満、脂質異常症、微量アルブミン尿の中の少なくとも2つを持つことを掲げています。
 そして、NCEP-ATPⅢのものが内臓肥満と中性脂肪高値、HDL-Cの低値、血圧が高いこと、
血糖値が高いこと、これらの中から3つを持つということを提唱しています。血糖値の基準は、
2001年のもでは110mg/dlでしたが、2004年のものでは、2003年のアメリカ糖尿病学会の診断
基準の変更を受けて、100mg/dlとなっております。
 11ページ、EGIRのものは高インスリン血症を必須として、下に掲げます耐糖能異常(糖尿病
を除く)、高血圧、腹囲、脂質異常症の中から少なくとも2つという基準になっています。
 そして、右がAACEのものですが、この場合は糖尿病を除く耐糖能異常を必須として、内臓肥
満、中性脂肪が高くHDL-Cが低いこと、または血圧が高いことから少なくとも1つを有すると
いう基準を掲げています。
 このページで「糖尿病を除く」と赤で書いておりますが、これは、メタボリックシンドローム
は糖尿病への進展過程にある糖尿病の前段階、ある意味では糖尿病の高リスク群であるという観
点も含まれていることを示しているかと思います。
 12ページ、以上の基準は、いずれも肥満に関する項目、すなわち、ウエスト周囲長は必須条項
ではなくて、選択項目になっているということが注目されます。
 ポイントとしては、内臓肥満を拘束条件とするか独立の1項目とするか、糖尿病そのものを含
めるか否か、また、既にその糖尿病以外の疾患に関して薬物治療中の者を含めるか否か、そして、
HDL-Cとトリグリセライド(中性脂肪)を別に扱うか「又は」とするか、場合によると「及び」
にするというもありますが、これらの点がまずポイントです。LDL-Cに関しては、どの基準も
LDL-C以外のリスクを扱うという点で同じになっていまして、その理由として、LDL-Cは内臓脂
肪やインスリン抵抗性との関係が他の検査項目に比べて比較的少ないということがあろうかと思
います。
 もう一つは、HDL-Cの基準を男女で異なったものとするか否か、さらに、各検査項目の数値基
準をどうとるか、これは、身体指標ですと、例えばウエスト周囲長などの基準をどうとるかとい
うことで、これにはその測定部位をどこにするかといった点も含まれるかと思います。
 13ページ、「国際的動向(わが国を含む)」です。
 米国とヨーロッパについて、口頭で述べさせていただきます。これは2005年以降の動きにな
りますが、その当時このメタボリックシンドロームの定義づけに対して、米国糖尿病学会(ADA)
や欧州糖尿病学会(EASD)によって、いろいろな論争がございました。その中身は、診断基準
そのものや閾値に対する疑問、あるいはほかの疾患リスク、例えば喫煙等をどう考えるかという
こと、また、これらをまとめて症候群とすることに個々のリスクを超えた、それらの和を超えた
意義があるのかといったこと、そのような点が批判のポイントとして挙げられました。
 そのような中で、先ほども申し上げましたが、2005年に米国心臓協会(AHA)、国立心肺血液
研究所(NHLBI)がNCEP-ATPⅢの基準に各疾患で治療中のものを含め、空腹時血糖値を
100mg/dlに下げた基準を2005年に発表しております。
 一方、欧州では同じ2005年にIDF(国際糖尿病連合)が、基本的にNCEP-ATPⅢと同じ数値
基準で空腹時血糖値を100mg/dlにしたものとし、かつ国別に定めたウエスト周囲長を必須条件と
する診断基準を提唱しております。その中で日本の腹囲の基準は、男性85cm、女性90cmとなっ
ておりまして、その後の解析によって男性90cm、女性80cmというのが日本の住民に対して提唱
されており、また、より多くのデータが明らかになるまでは、この値を使うべきであるというこ
とが言われています。実際に2007年の春にIDFのホームページの日本人の腹囲の値が、男性で
90cm、女性で80cmに変更されたという経緯があります。その後、2008年にIDFのThe Metabolic
Syndrome: An Updateというミーティングがロンドンで2008年2月11日〜14日にかけて開か
れました。
 このようにIDFと米国のAHA、NHLBIの基準は、腹囲を拘束条件とするかどうかというとこ
ろに大きな違いがありまして、この2つの基準が言わば対立していたような形になります。
 15ページです。そこでこのCirculationという学術誌に共同暫定声明として、そのような状況
を脱する方向で、メタボリックシンドロームを調和させる(Harmonizing the Metabolic
Syndrome)というタイトルで、IDFやNHLBI、AHAといった団体による共同暫定声明が掲載
され、2009年に提唱されましたこれが最も直近の国際的な基準となっています。
 16ページです。その内容は表の5項目のうち、3項目が該当すればメタボリックシンドローム
と診断するということです。ウエストに関する記述といいますと、集団や国ごとに独自の基準を
採用するということで、これを除けばAHA、NHLBIの2005年のものと同じであります。
 表の下に記しましたように、腹囲については、データが集積されるまで暫定的に集団別・国別
の基準を用いるものとしております。そして、日本のウエストのカットオフ値については、日本
人を含むIDFの値(男性90cm以上、女性80cm以上)、日本肥満学会の値(男性85cm以上、女
性90cm以上)を併記して紹介しています。
 また、ウエスト周囲長をプライマリーケアの場における有用なスクリーニングツールとして用
いることを引き続き推奨するという記載が全体の締めの部分にございます。
 17ページです。では我が国はどうかと言いますと、時間は遡って、2005年4月に日本内科学
会を初めとする8学会による我が国の診断基準が設定されました。
 その基準は、18ページに示しますように、ウエストが男性で85㎠、女性で90㎠以上を必須と
して、その下に示してございます脂質、血圧、血糖値に関する基準のうち、2項目以上を満たす、
となっています。
 右に青く囲みましたように、CTスキャンなどで内臓脂肪量測定を行うことが望ましい、また、
その当時ウエスト径と言っていましたが、ウエスト径は原則的に立位、軽呼気時、臍レベルで測
定するということが記載されております。
 19ページです。どうしてこのような基準になったかと言いますと、この図は日本内科学会雑誌
の診断基準のところの図から取っておりますが、内臓脂肪面積(VFA)が100㎠を超すと有意に
保有するリスクファクター数が増える、男性でも女性でもそうである、そして、この内臓脂肪面
積100㎠に該当するウエスト径が、男性85cm、女性90cmであるということが、この内科学会雑
誌の診断基準のところで述べられています(20ページ)。
 これは21ページに示しております、日本肥満学会の肥満症についての腹囲基準の決定の方法と
ほぼ同じでありまして、これによりますとVFAが100㎠のときに、この場合はステップアップす
るということではなくて、リスク数が1になるということで、そこが違いますが、それに対する
腹囲がおのおの先ほど述べた85cmと90cm程度であるということが述べられています。
 ただ、当時これに対していろいろ問題点が指摘されたわけでして、内臓脂肪100㎠でのカット
オフの根拠が不十分なのではないか、内臓脂肪と腹囲との対応の統計上の信頼性、特に女性のサ
ンプル数が196人と少ないといった点、また、推定式の応答変数(y軸)、説明変数(x軸)が本
来は逆であるべきではないかといったような点が挙げられました。
 日本のメタボリックシンドロームの問題点として挙げられた点は、このようにあったわけです
が、23ページ、これは最近発表されましたVACATION-J studyという大阪大学内科と人間ドッ
ク学会のグループによる成績ですが、これが示すところは、老若男女を問わず内臓脂肪面積が100
㎠のところでリスク数がほぼ1になるということです。このページには男女それぞれの全体のグ
ラフしかお示ししておりませんが、男女それぞれを年代で区切った場合にも、ほぼ同じようにな
るということがみとめられています。
 この場合のリスクは我が国のメタボリックシンドロームの診断基準と同じものを用いており、
血糖値も110mg/dlとしております。リスク数1というのは肥満学会の方で提唱されているもので
すが、なぜ1かということにつきましては、肥満学会の一つの見識として尊重すべきかと思いま
す。
 先ほどサンプル数が少ないという話がございましたが、VFAと腹囲周径との関係はサンプル数
が増えてもほぼ同様でありまして、回帰の取り方の詳細はここでは述べられておりませんが、男
性85cm、女性でほぼ90cmに収斂することが示されています(24ページ))。
 26ページ以降、私見ということで述べさせていただきます。
 なぜメタボリックシンドロームという概念が出てきたかといいますと、これは私の個人的な考
えでありますが、世界的な肥満者の増加、あるいはそれに伴って推定されますインスリン抵抗性
が高い人の増加を一つの基盤として、もう一方では、高LDL-C血症あるいは高血圧の薬物療法、
特に高コレステロール血症の治療がスタチン系薬剤の普及によって、かなり容易になったことに
よって、一つには、糖尿病はインスリン分泌不全にインスリン抵抗性が伴って発症する疾患です
が、インスリン分泌不全に相対する糖尿病リスク軸としてのインスリン抵抗性という概念が一つ
の考え方であります。これは肥満者の増加によってクローズアップされてきた概念であります。
一方、高コレステロール血症の治療が容易になったことによって、心血管リスクを減らす方向で
は、それ以外の直交するリスク軸、すなわち、高LDL-C血症に対してそれ以外のリスク軸を示す
概念として、おのずと導き出されてきたのだろうと思います。
 特に脂質代謝や動脈硬化を中心とした循環器系を専門にする専門家は、高コレステロール血症
と直交する形で、一方で我々のように糖尿病を専門としております者は、インスリン抵抗性とい
うことを中心に概念形成をしてきておりますので、両者のこの症候群への契機や力点の置き方は
異なっていて、これが先ほど米国で起きました論争、つまり循環器医が提唱した概念への糖尿病
の専門家としての見方という形で、先ほどの論争が起こったのだろうと思います。
 高LDL-C血症以外のリスクで循環器病の危険因子ということでは、リスク因子の集積という考
え方になると思います。一方では、インスリン分泌不全に相対するリスクで、糖尿病や循環器合
併症の危険因子、すなわちその原因は内臓脂肪蓄積とそれに起因するインスリン抵抗性というこ
とになろうかと思いますし、実際に脂肪蓄積を減らすことによる効果を最も如実に見ているのは、
糖尿病を専門とする医療者だと思っております。現在2009年のCirculationによるものが国際的
にメタボリックシンドロームの暫定的診断基準となっていますが、これはウエスト値を始めとし
て、ある程度許容に富んだものになっています。
 27ページ、私どもは糖尿病の医師として、高血糖を診ておりますが、これは75gOGTTの結果
です。上のものが血糖値ですが、左と右とでそんなに印象は違わないと思いますが、下の赤い線
で示しましたインスリン分泌のラインを見ますと、非常にインスリン分泌が少ない人からインス
リン抵抗性の非常に強い人までいらっしゃることが見て取れるかと思います。お二人とも165cm
前後の方ですが、左の方は50kgを少し超えた程度、右は90kg台の人で、右の方が体重を落とせ
ば、多面的に改善していくということは、私どもが日々経験をしていることであります。例えば
非常に多量のインスリンを使っているような方でも、減量すれば食事と運動療法のみでインスリ
ンから離脱できるということも経験しているわけであります。
 28ページは、Zensharen Studyという、社会保険病院グループでBMI24以上の人を対象に施
行された、対照群では1年おきにコンサルテーションを行い、頻回介入群では3年間に9回以上
コンサルテーションをするということによる差を見たスタディです。平均BMIは、頻回介入群で
より多く減少して、糖尿病の発症も有意に抑制されたということが示されています。
 29ページ、これは、門脇先生の論文から例として引かせていただいております。往々にしてウ
エストの閾値は、リスク因子保有数を対象としたROCの感度+特異度が最大といったようなとこ
ろで決められておりますけれども、例えばこの表で、リスク因子2以上である人を有病と取った
場合、その有病率が低いと、ウエストが78cmという閾値以上である者全体を見たとき、この24
と56を足して80のところを見ますと、実際にはリスク因子の数は平均としてはそれほど多いわ
けではないということがありまして、スクリーニング効率は下がります。こういうことからも、
単に感度、特異度ではなくて、病態とそれへの介入手法に基づいた閾値であるべきであろうと思
います。
 30ページ、ベトナムにおける住民調査です。これは国際医療研究センターの国際医療研究開発
費の梶尾班で行われている研究の未公表データでありますが、ベトナムのハノイ、そしてハノイ
から100kmくらい離れたタイビン省との比較で、両地域は人種的には全く同一でありますけれど
も、いずれもご覧のように男性でもBMIが23とか21と低く、腹囲も79cmあるいは74〜75cm
といったところであります。
 31ページ、このリスク数の平均値のグラフを見ていただきますと、ハノイとタイビン省の同一
の腹囲に対するリスク数はほとんど変わらないです。ところがカットオフをROCで取りますと、
左側の下向き矢印がタイビン、右側の下向き矢印がハノイで、ハノイのROCから得られる値はも
ともと82cm、タイビンは75cmといずれも低い点はまず注目されますが、さらに、ほとんど腹囲
に対するリスク数が変わらないにもかかわらず両者のカットオフ値にこのように差が出るのは、
ポピュレーションの分布がハノイとタイビンで、下に示します山のグラフのように違うからです
ね。仮にハノイの人がこれからさらに腹囲を減らして、タイビン省の人と同じようになった場合、
このようにカットオフ値をさらに下げていかなければいけない。リスク因子数が腹囲と全く無相
関でない限り、そういうことが起こるというわけであります。
 実際に日本はどうかと言いますと、JPHC研究での私どもの結果ですが、32ページの図は1990
年初めから5年ごとのBMIを示しています。赤いラインが沖縄で、青いラインが沖縄以外の地域
です。
 そうすると、男性は左から右にいくに従って、もともとの線の上に行っている、つまりだんだ
ん太っている。女性はどちらかと言うと、少しずつ痩せているというように変わっているわけで
すし、女性は1970年以降、各年代で平均BMIが減少しておりますが、国民健康・栄養調査によ
る肥満者の割合は大きくは変動しておらず、つまり一方で、痩せの者の割合が増加しているとい
ます。ROCによる決め方では、時代とともに基準を変えることになるのみならず、仮に介入が成
功して全体の分布が変われば、新たな基準が必要になるということになります。1970年以降の女
性の体形変化は、言わば社会的介入であろうと思います。
 私見の最後です。腹部肥満はインスリン抵抗性の上流にあると考えられますし、内臓肥満は原
因であって、他の指標と同列に並べることには、私自身は違和感がございます。
 また、内臓脂肪面積もウエスト周囲長も連続変数でありますが、どこかでの線引きは必要であ
ろうと考えます。
 しかし、例えば日本肥満学会の次のステップとして、女性の内臓脂肪面積の閾値を感度・特異
度に基づいて100㎠から70㎠に下げることが検討されようとしていますが、先ほど述べたことか
らも個人的には賛同しません。現在、日本人男性の平均の内臓脂肪面積も100㎠を少し超えてい
るくらいであろうかと思います。
以上です。どうも長くなりました。
○永井座長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明に御質問、御意見をいただきたいと思います。
 野田先生、今、腹囲とBMIを交えて話されましたけれども、単なるBMIよりも腹囲の方が優
れた指標であるという根拠というのはあるのでしょうか。
○野田参考人 参考人資料のその次のページの参考1は私どものデータですが、いろいろな指標
を比べますと、統計上有意差があるかどうかはデータによりますが、大体はウエストのエリア・
アンダー・ザ・カーブが最も大きいという例はたくさんあると思います。また、身長を考えない
といけないという話がありますが、例えば身長でウエストを割ったものとか、そういうものと比
較しても、ウエストそのものの方がよりよく弁別できるということが言えるかと思います。
○永井座長 参考1は有意差はありますか。
○野田参考人 有意差はこの中ではありません。ただし、一般的にこのような結果になるデータ
は多いですので、メタ解析をすれば有意差は出るかと思います。
○永井座長 いかがでしょうか。
 島本構成員、どうぞ。
○島本構成員 わかりやすい御説明をありがとうございました。先生はリスクが1というところ
で、男女でどうかというお話がありましたが、例えば高血圧も糖尿病も高脂血症も女性は男性よ
りも少ないですね。ですから、リスクが1ということにこだわっていく考え方は、どちらかとい
うと絶対に危険性を見ている考え方。例えば女性の場合、リスクが低い中でどこから上がってい
くかが、どちらかと言えばROCの考えになると思います。
 ですから、相対危険度がこちらで、絶対危険度がどちらかと言えば、さっきのリスク1という
ように、ここはいい悪いというよりも、整理をして考えていった方がよろしいかと思います。
○野田参考人 そのとおりで、ROCは相対リスクで、日本の基準は絶対リスクを考えていてその
ほうがより妥当であるということを申し上げたかったわけであります。
○永井座長 門脇構成員、どうぞ。
○門脇構成員 今の点が一番大事な点だと思います。いろいろと論争があるように見えますけれ
ども、実際データについては違いはなくて、絶対リスクは、男性は85cm、女性は90cmという値
に、どんなデータも大体一致します。一方、ROCカーブで相対リスクを求めると、例えば内臓脂
肪のない人のリスクの大体3倍になるところを見ると、男性は変わらず85cm、女性は80cmにな
ります。これはすべてのデータが一致しています。すなわち、腹囲基準は絶対リスクによれば85cm、
90cm。それ以上の医療資源を投入できるのであれば、相対リスクにより女性は80cmのところま
で介入もし得るということで、大体これは意見がまとまっていると思います。
○永井座長 腹囲の基準をどこに置くかということと、メタボ健診における腹囲基準の位置づけ
についてどうするかという2つの問題があると思います。特にこれを第一選択的な位置づけにす
るかどうか。これについての御意見はいかがでしょうか。
○門脇構成員 前回も私は申し上げたのですけれども、この健診を考える上で、我が国の学術団
体、日本肥満学会あるいは日本内科学会を始めとする8学会は、腹囲を必須項目ということにつ
いては、これまで全く一致をしていると考えています。先ほどのいわゆる暫定国際基準ができた
後も、特にこれまでの基準の改定を提案しているわけではありません。
 しかし、女性の腹囲について、絶対リスクに基づいて90cmにするのか、それとも医療資源に
余裕があるならば、相対リスクに基づいて80cmにするのかという点で、論争はあるかもしれな
い。そこが問題になっていると思います。
 もう一つ、暫定国際基準を決めた会議には私も参加したのですけれども、日本あるいはアジア
各国の大部分が反対でした。しかしながら、アメリカとヨーロッパが参加した団体のみで、いわ
ゆる暫定国際合意をつくったので、日本やアジアが縛られるという理由は全くなく、彼らも縛ろ
うという意図はない。ただ、国際比較などをする場合には、あの基準は統一基準として使い得る
と考えています。
 先ほど野田参考人も強調されたように、あの中にはスクリーニングの手段として、5項目の中
では腹囲が重要であるということを述べています。それは私も非常に主張しましたし、腹囲の測
定が非常に重要な位置づけとして盛り込まれている。前回も申し上げましたけれども、特にアメ
リカ、ヨーロッパでも、我が国の特定健診・保健指導のような仕組みはありませんから、腹囲、
内臓脂肪に着目して、それを減らしていこうという生活習慣介入によって病態を改善するという
取組みは非常に遅れています。
 ですから、我が国はこのような健診があって、いわゆるメタボ対策先進国だから、日本ではそ
のようにやったらいいという意見も、暫定国際基準を決定した会議では出ていたわけですから、
そういうことを考えると、あの国際暫定基準に縛られる必要は全くないと思います。
○永井座長 内科学会の件は全く揺るぎないわけではなくて、ヨーロッパが基準を変えたときに
私は理事長だったのですが、やはりすぐに変えるのは問題がある、データを見て、今後更に検討
をしようということでした。最初に決めた基準に固執するということはないというスタンスを取
っています。
 どうぞ。
○津下構成員 その動脈硬化リスクとしての考え方と、保健指導、介入をするという前提での考
え方というのがあろうかと思います。健診・保健指導制度についてはまさに生活習慣を改善して
いただいて、結果がよくなる人たちに対して保健指導するというような基本的な考え方があるか
と思います。野田参考人のお示しいただいた27ページにありますように、日本人の場合は血糖が
高くても、必ずしも肥満をベースにしていない対象者もおりまして、このような方々に肥満者と
同じように保健指導をするということの危険性といいますか、肥満をベースにしていない方にも
っと食事制限を課してしまったりとか、行き過ぎた指導になってしまうという危険性が一つある
かと思います。ですので、生活習慣が問題でデータが異常になってきた人たちをきちんとスクリ
ーニングをして、介入をするということが重要だと思っています。
 アメリカのDPPの研究、IGTつまり糖尿病予備群の方に生活習慣を改善指導するという研究で
は、対象のほとんどが肥満者の集団でやっています。日本のJDPPの場合はIGTを基準に対象を
設定したのですけれども、非肥満の方も対象に入ってくるという状況で、予防介入効果は肥満者
ほどにはあがらないという結果があります。そういうことから考えますと、やはり保健指導で効
果が生み出せる人を上手にスクリーニングをする。そして、治療が必要な人はきちんとそちらへ
行っていただくと。その治療という選択肢をきちんと提示するという考え方の整理が必要だと思
います。何が原因かという上流側に着目した考え方は、保健指導の現場では非常に使いやすいも
のではないかと考えています。
 以上です。
○永井座長 保坂構成員、どうぞ。
○保坂構成員 メタボリックシンドロームというものの非常に狭い範囲のメタボリックシンドロ
ームということで、国民の健康を向上させようということであると、門脇先生のおっしゃったよ
うなことも理解できるのですが、もう少し広い、メタボリックシンドロームという非常に学問的
に狭いところではなくて、国民の健康を向上させるために保健指導を行うという視点に立ったと
きは、私は野田参考人の資料の16ページの「メタボリックシンドロームを調和させる」という
ところに書いてあるような基準の方がより適切ではないかと思います。
 ですから、学問的にこれはこうだと幾つかの学会がそういうふうに日本では言っているという
ことですが、そういうことと日本の健診・保健指導をどうしていこうということが余りにも学問
的なことに偏り過ぎて、そこのメタボリックシンドロームの非常に狭い範囲のことだけを見るよ
うになるのはどうか、学会で研究されるのはいいんですけれども、というふうにお話を聞いてい
て感じました。
 この16ページの基準というのは、私たちから見ると非常にリーズナブルな気がして、薬物治療
中の人も含んでメタボリックシンドロームと診断するということなので、それを基準にしていけ
ば、もう少し私たち一般の臨床医が考えるものに近いのではないかと感じました。
○永井座長 どうぞ。
○門脇構成員 私は原因に従って介入治療をするということが大事で、内臓脂肪がある場合には
内臓脂肪に介入する。内臓脂肪によるものでない場合には、他の生活習慣や必要において薬物で
というのが常識的な考え方だと思います。
 先ほどの暫定国際基準ですと、病態概念ではなくて、リスクの集積で判断をしますので、実際
に治療をするとなると、どういう治療がされるかというと、結局血糖が高ければ糖尿病の薬を使
う、血圧が高ければ血圧の薬を使う。脂質が高ければ脂質の薬を使うという薬物治療偏重になる
と一般的に考えられています。すなわち、一般臨床での活用において、先ほどの暫定国際基準で
は生活習慣介入が重視されずにすぐに薬が使われがちになるという危惧があります。
○永井座長 本当にその内臓脂肪が原因なのか、随伴現象なのか。これはまだ人の場合にはわか
らないと思いますけれども、そこはどこまで原因と言えるのでしょうか。
○門脇構成員 それはやはり内臓脂肪が原因と考えられています。実際、内臓脂肪を減らすとい
ろいろなリスクファクターが改善するというのが今回の特定健診・保健指導の中でも、示されて
いますし、それ以外の介入研究もたくさんあります。
○永井座長 それは肥満を減らしたということと内臓脂肪を特異的に減らしたという、その因果
関係はどこまで言えるのですか。
○門脇構成員 肥満を減らした場合に減るメインの脂肪は内臓脂肪だということが、通常の3〜
5kgくらいまでの体重の減少ではわかっていまして、そこの因果関係については、学術的にはほ
ぼ賛同する意見が多いと、私は判断しています。
○保坂構成員 鶏が先か、卵が先かという議論に近いものがあるのではないかと感じています。
例えば内臓脂肪が多いと高血圧になるのでしょうか。高血圧になることは非常に問題であるとい
うことは皆思っていると思いますが、内臓脂肪が増えると高血圧になるのでしょうか。
○島本構成員 私たちの端野・壮瞥町の疫学研究では、内臓肥満が強くなると男女ともに真っ直
ぐに高血圧が増えてまいります。ただし、問題はこれは全体で見たときの数字なんですね。全員
が内臓肥満だけで血圧が上がっているということでは勿論ありません。でも、内臓肥満が増えれ
ば、血圧が上がる。糖尿病も増えていくということは、これも間違いのない事実です。
○津下構成員 今回の特定健診のデータを分析して腹囲とかBMI別に血圧や脂質の異常率を見
たのですけれども、男性ではどの年代も内臓脂肪が増えるごとに有所見率が高まってくるのは間
違いなくて、女性でも50代まではかなりきれいに出るのですが、60代後半から70代になってき
ますと、加齢の影響だと考えられますけれども、痩せていても有所見者が出てくる。
 糖尿病についても血糖の基準を100としますと、60代後半くらいからは痩せていてもそのリス
クが重なってくる。これは内臓脂肪を背景としたものではなく、加齢によるものがそのリスクの
それぞれの理由になっているのではないかと考えられます。60代前半くらいまでのデータですと、
かなりきれいに肥満との関係は有意に出てきます。一つ考慮をしなければいけないのは、70代の
方に今の基準がそのまま当てはめうるかという問題です。そのような高齢者における判定基準の
問題は別にあるとしても、60代くらいまでは今の内臓脂肪とリスクの関係はきれいに出ていると、
今回の特定健診のデータからも読み取れるところでございます。
○永井座長 年齢によって、いわゆる重大なイベントが起こる背景は違うということですね。
○津下構成員 はい。60代後半くらいからは、肥満以外の要因もかなり影響しているのではない
かと思います。
○永井座長 竹村構成員、どうぞ。
○竹村構成員 今の意見の中で、痩せている人に栄養の指導をしてもしようがないみたいな意見
だったのですが、申し訳ないですが、減塩とか適切な栄養とか、これも非常に保健指導の根本で
すので、今は偏って肥満の方の話に行っていますけれども、やはり重要だと思います。
 我々が臨床で見ると、肥満以外の病気はかなり多いので、そちらの方を重要視だということも
前から言っていたのですけれども、市の方も保健指導が50%を達成しまして、来年からは肥満以
外の人の指導もマークを付けてくださいと変わってきています。その保健指導は恐らく、また違
った形でやられると思いますが、肥満以外のものは意味がないと言われてしまうと困ります。
○永井座長 時間が大分遅れてしまったので、引き続き議論を行いますので、次の議題に入りた
いと思います。
 議事「2 特定保健指導の対象とならない者への対応について」、今のまさに御議論ですので、
この中で併せて、腹囲基準の在り方についても御意見をいただければと思います。
 では、この議題の論点を事務局から御説明をお願いいたします。
○尾田保健指導室長 それでは、論点の前に先ほど資料で御説明をしていない点につきまして、
御説明をいたします。資料1の2ページをごらんください。
 先ほど階層化基準を御説明いたしましたが、階層化により積極的支援、動機づけ支援になった
人、ならなかった人をすべて含めまして、「情報提供」をすべきことがプログラムに定められてお
ります。この情報提供と申しますのは、生活習慣を見直すきっかけになるように、健診結果と併
せて、個人の生活習慣やその改善に関する情報提供を行うものでございまして、全員に年1回行
ういます。
 その内容は画一的なものではなくて、対象者個人個人の状況に合わせた情報を提供するという
ことで、生活習慣に関する基礎的な知識、あるいは具体的な改善の方法等、そういった内容を情
報提供せよということが定められております。
 3ページ、各健診検査項目ごとに保健指導判定値と受診勧奨判定値を参考で定めております。
保健指導判定値と受診勧奨判定値の間には、一定のブランクが設けられているところでございま
す。
 4ページ、特定保健指導の対象者以外の方への対応につきまして、現在、標準的な健診・保健
指導プログラムの中のところどころに定められている内容について集めたものでございますが、
医療保険者の判断により動機づけ支援、積極的支援の対象者以外の者に対しても保健指導等を実
施することができる。市町村の一般衛生部門においては、医療保険者と連携し、血糖値が受診勧
奨判定値を超えているなど、健診結果等から医療機関を受診する必要があるにもかかわらず、受
診していないものに対する対策、特定保健指導対象者以外の者に対する保健指導等を行うべきで
ある。
 保健指導を実施する際に直ちに医療機関を受診する必要があると判断をしているにもかかわら
ず、受診をしていない場合には、心血管病の進行予防のために治療が必要であることを指導する
ことが重要。受診勧奨判定値を超えた場合でも、軽度の高血圧等の状況であれば、服薬治療より
も生活習慣病の改善を優先して行うことが一般的であるということが定められております。
 最後のグラフで一つ御説明をいたしませんでしたが、右の女性の真ん中ほどに20歳代のBMI
が18.5未満の方の移動平均につきまして、1990年代から掲げております。若干減少、横ばいと
いうことで推移しているところでございます。
 続きまして、論点でございますが、2ページをごらんください。
 「特定保健指導の対象とならない者への対応について」。
・特定保健指導の非対象者のち糖尿病及び循環器疾患の発症リスクが高い者については、受診勧
奨レベルに達していなくても、リスクに応じた対応が必要か。
・リスク保有者で受診勧奨値に達していても受診していない者がおり、これへの働きかけが必要
ではないか。
・一般の健康づくり対策の中で行われるポピュレーションアプローチの中で、こうした方への対
応を行うべきではないか。
・特定保健指導非対象者のリスク保有者に対する個別の支援について、具体的に次について、ど
う考えるか。特定健診受診後の情報提供を充実させ、その個人が有するリスクに応じて標準的な
健康づくりパスの提示、受診勧奨、健康相談窓口・医療機関の紹介等を行うこと。必要に応じて、
保健指導、健康教育、健康相談等の対応を行うこと。
・各学会のガイドラインが整備されつつある中、非肥満者に対する受診勧奨や保健指導へのつな
ぎ方の適切な情報提供の在り方について、どのように考えるか。
 以上でございます。
○永井座長 ありがとうございます。
 では、続きまして、磯参考人から、現在の特定保健指導の対象となっていない方のうち、リス
クのある方への対応の在り方についての御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いしま
す。
○磯参考人 それでは、説明させていただきます。参考人資料2です。
 1ページ、この会議の出席者の皆さんはほとんど御存じと思いますが、最初に念頭に置くべき
点として、欧米人と日本人の肥満の状況が全く逆像であるという点です。すなわち、欧米人の7
〜8割がBMI25以上であるが、日本人の肥満は2〜3割である。
 この状況を反映して、欧米人と日本人の間で2つのタイプの動脈硬化の分布が大きく異なるこ
とを保険者の検討会議でも示しました。日本人の場合は、粥状動脈硬化という心臓病を起こしや
すい動脈硬化ではなくて、脳卒中、脳出血、ラクナ梗塞を起こしやすい細動脈硬化、いわゆる高
血圧が主な原因である動脈硬化がいまだ多い。
 3ページ、日本人は欧米人に比べて、脳卒中が多く、心筋梗塞が少ない。動脈硬化も細動脈が
主体である。その原因は高血圧である。しかしながら、日本人の中年期の男性、特に都市部の勤
務者や住民の男性で粥状動脈硬化が増えている可能性がある。そのために両方のタイプの動脈硬
化に対応する必要があります。
 4ページ、そういう意味で、日本人の心筋梗塞、虚血性心疾患はどうなっているかというと、
その死亡率は全体的には減っています。ただし、東京、大阪、都市部の若い年齢層で減り方が少
ない。発症の動向を見ても、都市の勤務者や住民の中年期の男性では虚血性心疾患の発症率が上
昇していることが認められています。これは血中の総コレステロール値の上昇が日本人全体で起
きていること、あとは男性のBMI上昇が、最大血圧値や喫煙率の低下を凌駕して、影響している
可能性があります。
 5ページ、これをシェーマにしたものです。細い動脈硬化が優位である日本人が最近ではメタ
ボリックシンドローム、糖代謝以上、脂質異常によって、都市の壮年・中年の男性を中心に、一
部欧米型の動脈硬化が増えている可能性がある。
 6ページ、そういう意味で、今回の特定保健指導の対象者として第一基準を腹囲にすることは、
ほとんどが肥満である欧米に比べて、2〜3割がの肥満者である日本人集団において、ディジー
ズマネジメントの観点から振り分けのための一つの方法と言えると考えます。
 ただし、これまで議論になっていますように、非肥満者のリスク保有者に関しては、先ほどの
厚生労働省の資料でもその問題が指摘されているように、制度的に対応が必要かと考えられます。
 7ページ、コホート研究から、どのようなところから過剰に循環器疾患の発症が起こっている
かということを見たものですが、一番右側がいわゆるメタボリックシンドロームで、そこからの
過剰発症割合は19%、左から3番目の20%は非肥満でリスクファクターを2個有する群からの過
剰発症割合でほぼ変わりありません。
 更にメタボリックシンドロームの予備群では4%、そして非肥満で一つリスクファクターを持
っている群ではものが13%ですので、予備群についてはむしろ非肥満の方が過剰発症が多くなっ
ています。
 8ページ、厚生労働科学研究門脇班での検討ですが、このように現在の情報提供レベルの内訳
を見ますと、非肥満でリスクを持っていない群に比べて、非肥満でリスクファクターが1もしく
は2個以上である群では、既に発症リスクが上がってきています。これは40〜74歳の男性の結果
です。
 9ページ、40〜64歳男性でも同様か、むしろより強い傾向が出ています。
 10ページが女性で、40〜74歳の女性も男性とほぼ同様です。
 11ページについても40〜64歳の女性絞ってみても、結果は変わりありません。
 12ページ、保健指導による介入効果が出やすい肥満を選定することについては、国民にわかり
やすい、短期的・中期的な腹囲減少、体重減少という介入効果を期待しやすい。それに伴ってリ
スクファクターの改善も期待しやすいのですが、集団全体の長期的な効果、例えば循環器疾患の
死亡、発症、あるいは医療の影響に関しては、エビデンスが不十分です。人口寄与危険度からの
推定では、高血圧、喫煙の影響がメタボリックシンドロームよりも大きいことから、非肥満者で
リスク保有者への保健指導は長期的な効果を期待する上でも重要であります。
 13ページ、同じように人口寄与危険度割合を見ますと、例えば日本人が非常に多い高血圧があ
る人は、ない人に比べて過剰発症が約50%です。一方、喫煙では、男性では20%、メタボリック
シンドロームに関しては、日本基準でもそうですが、IDF基準でも約10%。喫煙については、が
んに関してついては更に寄与危険度が更に大きくなります。
 14ページ、メタボと喫煙のみについて見ますと、男性においては喫煙の影響がメタボリックシ
ンドロームよりも大きいという研究結果も出ております。
 15ページ、医療費に関しましては、これは私が研究代表を務めている厚生労働科学研究ですが、
大洲市の医療費を見てみますと、40から64歳で積極的指導で終了した人の医療費が1年後に上
がっています。これは、この中の一部の人に医療機関への受診・治療開始があったものと考えら
れます。
 16ページ、国保医療費の全体の中の割合を見てみますと、40〜64歳の積極的支援、動機づけ
支援の医療費は全体の4%であり、この部分についての削減の影響を出すことは、特に短期的な
影響は難しいということが推察されます。
 17と18ページ、特定保健指導の非対象者で、糖尿病及び循環器の発症リスクが高いけれども、
受診勧奨レベルに達していない者についてはどうかということですが、これも門脇班の結果です
が、このように更に非肥満でリスク因子あり、かつ非受診勧奨、非肥満でリスク因子あり、かつ
受診勧奨に分けてみますと、男性では非受診勧奨のところでは、発症リスクの上昇は1.2と有意
には出てきておりません。
 19ページ、同様に40〜64歳でも、有意な発症リスクの上昇は認められません。
 しかしながら、20ページ、40〜74歳女性につきましては、ハザード比が1.7と有意に上昇し
ております。
 21ページの40〜64歳女性についても1.8と有意な上昇です。
 このように女性については、問題があります。
 22ページ、受診勧奨に達していても、受診していない者への対応については厚生労働省のガイ
ドラインでも強調されておりますが、このように3〜4倍の発症リスクになります。当然、保健
指導や医療が必要となる群であります。そういった方は全体の約2割に相当する。それを確認し
て追跡することが制度的に十分に確立されていない点が今後の課題と考えられます。
 23ページは、先ほど事務局から説明がありましたので、割愛させていただきます。
 24ページは、喫煙に関する階層化の問題点です。現行では、リスク因子がある場合に喫煙歴を
ポイントとして入れていくということですが、これにつきましては25ページ、公衆衛生学会から
平成19年に要望書が出されております。喫煙に関しては項ですが、メタボリックシンドローム有
無にかかわらず、禁煙指導を実施するという要望です。
 更に、先ほど申し上げました内臓蓄積の有無とは独立して、高血圧、糖尿病、高コレステロー
ル血症といった確立した危険因子に対する保健指導を行うということを要望しております。
 26ページは、禁煙推進学術ネットワークからの要望書ですが、これもメタボの有無にかかわら
ず、喫煙のアドバイス、特に、短時間のワンポイントアドバイスを求めております。
 27ページ、一般の健康づくり対策の中で行われる保健指導の非対象者への対応については、
我々の経験からハイリスクアプローチとして、各種ガイドラインに従って保健師の電話・訪問等
により強力に受診勧奨を進め、かつ数か月後にはそれを追跡する。我々の調査フィールドでもそ
れを実行しており、8割以上の受診を確認しています。要医療の人については、6割の受診を確
認しています。
 ポプレーションアプローチとして、肥満、非肥満にかかわらず、リスク保有者への健診受診の
重要性を各種メディア等を通じて啓発する必要があります。
 28ページ、日本人の脳卒中死亡率は、1960年代から大きく低下して、現在でも低下傾向があ
ります。それが日本人の平均寿命の3歳の延伸に貢献したことが昨年のLancetのジャパンシリー
ズ論文においても特記されています。
 更に下方に、私どもの研究結果ですが、地域における徹底した高血圧対策が脳卒中の発症を男
性で対象地域に比べてより大きく低下させることを証明しております。
 29ページ、このように脳卒中対策については各種の団体と協力をしながら非肥満、肥満にかか
わらず、高血圧対策を徹底して、食育から健診、そして、ハイリスクへのアプローチ、救急医療、
リハビリテーションといった一連の対策モデルを推進したところ、次の30ページですが、このよ
うに生活習慣の改善が見られ、多量飲酒者や喫煙者の低下、血圧値のコントロール、脳卒中の発
症率の4割の低下が認められました。
 31ページがそのときの医療費ですが、周辺の同一医療圏の地域と比べて、対策開始後10〜15
年で、上昇抑制が見られます。そして、最近では、国保加入者は約8,000人おりますが、年間1
億1,000万円の医療費上昇抑制が認められています。
 32ページは、その中でも何が大きく貢献をしたかといいますと、高血圧の治療費は、上昇抑制
は認められず、むしろ少し増加しています。しかしながら脳卒中、心疾患、循環器疾患に対して
は大きな上昇抑制が認められています。
 33ページ、リスク保有者に対する具体的な対応に関しては、非肥満、肥満にかかわらず、その
割合が多いリスク因子として、血圧高値、LDLコレステロール高値、血糖高値があり、先ほどの
日本人の特徴である痩せの糖尿病もありますので、これらについて、国民に啓発する必要があり
ます。リスク要因に対する保健指導に関しては各種のガイドラインの内容を包括して、非肥満者
に対しても情報提供を行う必要があると思います。
 34ページは、それぞれのガイドラインをまとめたものです。高血圧、脂質異常、高血糖、その
概要についてはスライドで示した通りです。
 35ページは我々の研究結果ですが、無作為化比較試験のサブ解析です。収縮期血圧値の低下は
非肥満者、肥満者の両群ともに、介入群が対照群に比べて大きいことが認められています。
 更にその中身を見ますと、36ページでは、尿中排泄量の低下は非肥満群で、大きく認められて
おり、37ページのアルコール摂取量の低下も非肥満群で見られています。このことは非肥満者で
もアルコール摂取量の低下や減塩により、血圧値が低下することを証明したものであります。
 38ページは、最近のin pressの論文データですが、JACC Study、という大規模なコホート研
究の結果ですが、ここにありますBMIが適正体重であるとか、非喫煙とか望ましい8つの生活習
慣をスコア化して、スコア区分別に、循環器疾患で死亡を免れた生存曲線を見ますと、このよう
に女性では非常に大きな差が出てきております。男性でも差がありますが、女性の場合、全体的
に生存曲線は男性に比べていいのですが、生活習慣によって、その差がより増強されるという結
果です。
 39ページ、これを非肥満者、肥満者で分けますと、むしろ非肥満者のところで生活習慣の生存
への影響が大きい。このことは非肥満者については、生活習慣の改善によって長期的な効果を期
待できることを示唆するデータでもあります。
 40ページは、公衆衛生学会の要望書、平成22年に出しておりますが、今後の課題として、が
ん検診と一体化したサービス。そして、複数年度の健診累積受診率、複数年度の保険指導の体制、
参加率等の評価も必要であると考えております。
 41ページ、そういう意味で、単年度の健診受診率、保健指導の参加・修了率を上昇することは
非常に重要ですが、より現実的な対応として、例えば3年間の未受診、未参加の対象者に対して、
データベースを構築して、電話訪問、魅力的な通知を用いて、強力に勧奨を行う、場合によって
は日程調整をして、対象全体のカバー率を上げることが重要であると考えます。欧米での生活習
慣の地域介入研究では、例えば受診に関して、5年間で対象集団60%をカバーすることを目標と
した例があります。
 以上です。
○永井座長 ありがとうございました。
 先ほどの野田先生と違う視点から、肥満、非肥満ということを論じていただきましたけれども、
評価の指標は違うということですね。野田先生はリスクファクターの数あるいは糖尿病の発症な
どで、磯先生は循環器病という視点からですので、その点をよく踏まえて御議論をいただきたい
と思います。いかがでしょうか。
 どうぞ。
○鳥羽構成員 大変わかりやすくありがとうございました。65〜74歳までの間が解析が抜けてい
るようでしたけれども、その辺も対象者に入っており、医療機関にかかっていない方においては、
非対象者となるような可能性もある方もいらっしゃると思いますが、その群でのリスクの今回の
データについて、教えていただければと思います。
○磯参考人 先ほどの資料の18〜21ページですが、例えば女性で20ページは40〜74歳、21ペ
ージは40〜64歳ですので、引き算をすれば出てくると思います。ハザードを見ますと、それぞれ
1.7と1.8ですので、65〜74歳に絞っても同じような結果と推察されます。
○永井座長 ほかにいかがでしょうか。どうぞ。
○吉池構成員 非肥満者についてもリソースの許す限り、できるだけ対応するということは異論
のないところと思います。特にたばこ、喫煙対策については、国全体として、健診とリンクをし
て、更に強力に国民に訴えかけるような対策が大事だと磯先生の話を聞いて思いました。
 肥満を健診の入り口としたのは、一つのディジーズマネジメントであるとおっしゃっておりま
した。私は、日本人では肥満が欧米よりも少ないということが、むしろ大事ではないかと思って
おります。米国ではBMI30以上の者が40%で、皆が肥満なので、あえてリスクとして取り上げ
なくてもよいが、日本あるいはアジアでは、BMIが低いレベルで、しかも内臓脂肪としった質的
なことを考慮して、リスクマネジメントをしていこうと。そして、そのことについて特定健診・
保健指導において、国民の中にも定着してきたは重視すべきではないかと思っております。
 その一方で、非肥満者、喫煙者やそれ以外のリスクのある方について、各現場で非常に時間の
限られている中で、努力をされ、非常にしんどい思いをして対応されている。それをもう少し制
度的にバックアップし、例えば受診勧奨、訪問、その他というところができるようと一番よいと
感じました。
○永井座長 島本構成員、どうぞ。
○島本構成員 今、磯先生が言われた、非肥満でもリスクが重なる、あるいは喫煙、高血圧が特
に心血管系に対しては非常に大きなリスクになっているということも間違のないことだと思いま
す。実は前回、この特定健診・保健指導が始まったときも、肥満がなくてもリスクが多い場合に
は、実は動機づけ支援や積極的支援に入っていこうというのが第一案には出ていたんです。それ
が途中で多分コストの問題があったと思いますが、カットせざるを得なくなっていったという事
情はあると思いますですから、前回のときから、そういう認識はあったと私は理解しております。
 問題はこの後、議論を進めていく上で、いわゆるメタボの中で日本の場合、狭い意味のメタボ
を基準として取っておりますから、頻度は少なくなります。でも、肥満の介入ということが大事
であるということについては、これは全く異論はないと思います。ですから、まずは今まで続け
てやっているものについて、ようやく3年目の結果も出てきているところですから、今のメタボ
の基準をベースにして、このまま続けていくことは、しっかりと確認をされなければいけないの
ではないかと思います。
 その上で、今、出ているように喫煙や血圧や減塩ですけれども、そういったものに対して、コ
ストも考慮して、どこまで拡大できるのか。あるいは特定保健指導の前に、健診でも当然ある程
度増やしていただきたい項目がありますから、そういったものがどこまで増やしていけるのか。
結局にして、ゼロから考え直すということではなくて、従来の考え方をしっかり確認し、それを
ベースにした上で、どういうふうにして、一つは受診率を上げるために、もう一つはほかのいろ
いろなリスクを取り入れるために検討できるか。そういった議論が重要なのではないかと思って
おります。
○永井座長 その場合に、非肥満者で何が一番リスクなのかということが問題になると思います
が、それは血圧と考えてよろしいのでしょうか。
○磯参考人 我々のデータや他の疫学研究を総括しますと、現在の日本人では血圧とたばこです。
○永井座長 門脇構成員、どうぞ。
○門脇構成員 磯先生が御紹介された門脇班の研究というのは、我が国の代表的なコホート12を
含むオールジャパンの研究で、初診時に腹囲を測ってあって、その後、5ないし長いものでは20
年間、心血管病をフォローしてある集団で、総計1,000以上のイベントが観察されています。参
加者数は男性、女性、合わせて3万数千人で、非常に重要なデータだと考えています。
 そのデータの中で、勿論メタボも心血管病のリスクがあるけれども、メタボでなくても、実際
に高血圧や喫煙があれば、心血管病のリスクが高いというのは非常に明確になってきたというこ
とで、これはこれまでのメタボに注目した健診の意義を決して否定するものではなくて、それは
メタボ健診のコンセプトや有用性は十分に肯定されるが、それだけでは不十分で、いわゆるメタ
ボでないハイリスク者に対する対応が必要だということを明確に示したものだと思います。
 その場合に、永井座長からありましたけれども、具体的にどういう保健指導を高血圧やたばこ
に対してするのかということも重要だと思いますし、もう一つは、特にやせ形の場合には、勿論、
生活習慣や減塩などの必要性はあるわけですが、メタボ型に比べると、より薬物治療の意義が高
い群ではないかと思います。そういう点で、保健指導と医療というものをもう少し有機的に結び
付けて、そういった対象者では、より低いところから受診勧奨で医療と連携してやっていくとい
うことが非常に重要ではないかと思います。
 今回のメタボ健診の仕組みの中で、要受診とされた方が本当に受診をしてどうなったのかとい
うデータは余りなくて、いろいろなデータだとかなり受診率が低いというデータもあって、そこ
に対する対応が重要なのと、特に非メタボ型の場合には、現在、受診勧奨値は比較的高く設定さ
れているので、それは前回の検討会のときにも、私と島本先生はもう少し低いところから受診さ
せた方がいいのではないかということを言ったのですが、特に非メタボ型の場合には、薬物治療
の重要性もありますので、もう少し低いところからしっかりと受診勧奨をして、医療と連携をし
ていく必要があるのではないかと思います。
○永井座長 保坂構成員、どうぞ。
○保坂構成員 まず、メタボ健診が国民に定着してきたということについて、やや疑問がありま
す。受診率があれだけ上がらないということは、定着してきてないのではないかという考えがあ
るということをまず一言申し上げておきます。
 ですから、この健診をもっと国民全体に浸透させるために、もう少し改善できる点があるので
はないかということを皆さんに是非考えていただきたいということと、さっき島本先生が最初の
導入のときには、もう少し違うアプローチというか、肥満のことについてもということがあった
のが、いろいろな事情で途中で消えてきたというお話もございました。
 私もこれはゼロに戻せと思っておりませんが、もうちょっとフリーな考えで、最初のときの議
論の原点に返って、今、健診・保健指導をすごく一生懸命にやっても、無駄ではないのですが、
前回、井伊構成員が保健指導で非常に大変なんだということをおっしゃっていましたが、非常に
エネルギーをかけても効果の上がらないようなエネルギーもあると思いますので、いかに資源を
有効に使って、いい効果を上げるか、国民にとって魅力のあるものにするかということを視点に
おいて、是非御議論をいただきたいと思います。
 腹囲基準について変える、変えないは、学会の先生によって意見がかなり違うというように、
非常に難しいところがあるのだろうと思いますが、腹囲を測ってもいいのですが、私の意見とし
ては、腹囲を一番前の基準に据えて実施するのは、国民にとって魅力があることなのかどうかわ
からないと日々思っておりますので、いろいろな健診項目のうちの一つに腹囲も入れるというこ
とは賛成でございますけれども、そういう意見も一応一緒に申し上げます。
○永井座長 どうぞ。
○竹村構成員 保坂先生の言われるように、現場としては国がああいう形で出していきますと、
どうしてもメタボ中心になると、健診をやっている医療側も実施する行政もかなり影響を受けま
す。大体7割の方が見捨てられたみたいな感じの入り方でした。制度的にうまくもっていくには、
但し書きではだめで、非肥満もメインに持っていくように今回は制度を変えていただきたい。勿
論、全文を変えるのではなくて、但し書きではなくて、もうちょっと非肥満者を表に持ってきて
いただくような制度として作っていただくと、現場も元気づくのではないかと思います。
○永井座長 ただ、今まで蓄積したものが無駄にならないようにしないといけないと思いますね。
いろいろと意見はあるにしても、データはちゃんと取らないといけないと思うので、門脇先生の
言われるように、ゼロにすることは確かに問題で、これはこれでデータが取れるようにしておく
というのは。
○竹村構成員 ですから、裏にあったものを少し表に持ってきていただくと、随分違うと思いま
す。
○永井座長 健診による予防というのは、勿論コストは幾らでもかければ、それなりの効果は上
がると思いますが、その辺のことも考えませんと、全く新しい制度でコストが5倍、10倍かかり
ますというのでは、多分現実性がないと思います。その辺をどう絡めていくかということも考え
ないといけないだろうと思います。
 津下構成員、どうぞ。
○津下構成員 特定保健指導制度では、実施者が医師、保健師、管理栄養士となっています。臨
床医療の場とは異なりますので、必ずしもすぐに検査をしたりとか、お薬が出せる体制でなく、
保健指導を実施しなければいけない。その辺をどう考えるかということを整理する必要があると
思います。先ほどから竹村先生がおっしゃいますように、非肥満の方の保健指導を私も医療ベー
スでずっとやってきましたので、その重要性は十分わかりますし、個別性とか、よりその病態を
考えたアプローチが必要で、そこについては全く異論がありません。しかし、保健指導制度とし
てどう組み立てるのだということになると、標準的なプログラムの中で個別性をどこまで入れ込
むことができるのか、難しい面があります。医療の中だけで考えれば、その人に合った検査を保
険診療で実施することができるのですが、そうでない環境の中で非肥満の方に保健指導を実施す
る難しさがあるということも、前回のときには議論になったかと思います。
 これからの課題として、磯先生が最後の41ページで述べられましたように、3年間受診勧奨域
でも未受診とか、そういうことが医療保険者がレセプトも確認することができるという環境で明
らかになります、これについては、せっかく個人が同定できて、健診や受療状況がわかるように
なりましたので、ここのところはもう少しきちんとやる必要がある。それも単年度ではなくて、
3年間の健診・受療状況を確認するとか、そういうことは非常に重要ではないかと思いますけ。
治療域なのに放置している人に対して受診勧奨をしっかりするような仕組みについては、もう少
し丁寧に「保健指導プログラム」に書き込んでもいい部分ではないかとは思います。
○永井座長 宮崎構成員、どうぞ。
○宮崎構成員 現場の保健師からいろいろな話を聞いている立場からお話ししたいと思います。
被保険者と言ってもいろいろな集団があると感じています。市町村で割と高齢化率が高いような
被保険者集団では、どちらかと言うとメタボ健診で狙っているような壮年期の男性の死亡率や重
症度を下げていく文脈には、なじみにくいものがあります。高齢者で高血圧などを抱えていて、
肥満ではない方の問題が依然として大きく、その方たちが受診勧奨域だったり、医療が必要な状
態だったりというところが問題としては大きくて、そこら辺の保健指導を現実にやっているんだ
けれども、このメタボの制度では制度的に評価されない。そこは何とかして制度上に乗せていき、
そこら辺で頑張っているところをちゃんと外から見えるようにしてあげないと、一番は国民の利
益にならないということと、現場側が頑張っているところがちゃんと外から見えないことがある
のではないかと思いますので、今回の制度として、やはりそこら辺は、今、お話に出ているよう
な非肥満者の方、あるいは受診勧奨域など、そういう人たちのところを何か救えるように持って
いけないかと感じています。
○永井座長 野口構成員、どうぞ。
○野口構成員 この制度の中にどこまで入れていくのかということが、今、議論になっているか
と思います。例えば喫煙のこともそうですけれども、今回のこの制度は医療保険者に義務づけら
れているところが非常に大きな特徴でありまして、自治体に対する一般衛生部門で内部委任でや
っているところが実態としてはあると思いますが、医療保険者で義務づけられる範囲をどこまで
にするのか。健康増進法に基づく健康日本21などで、喫煙対策をやりなさいということがきちん
と位置づけられていまして、それについては自治体の一般衛生部門できちんと推進している体制
があると思います。そのこととこのことを制度の枠組みの中でどう整理していくのか。非肥満の
問題も多分そうだと思います。どこまでを医療保険者の義務として、きちんと入れていくのか。
あるいは衛生部門でやることにするのか。もしくは多分その地域によって、非肥満によるリスク
集積者が多い地域と、尼崎などは肥満によるリスク集積者が多いのですが、そういう地域はまた
別で、特徴が違うところがあると思います。それはそれぞれ医療保険者がレセプトや健診データ
などの分析に基づいて、ターゲットを決めていくという作業も多分減っていっているはずですの
で、この制度の中にどこまで含めるのかも一つ、議論の中では大事な視点ではないかと思います。
○永井座長 松岡構成員、どうぞ。
○松岡構成員 現場で指導をしています管理栄養士の立場から言わせていただきます。磯参考人
が27ページでポピュレーションアプローチとして肥満、非肥満にかかわらず、リスク保有者への
受診の重要性を各種メディアを通じて啓発するということに対して、かなり賛同いたします。現
在、私もグループ支援という形で、先ほど野口先生がおっしゃられたように、非肥満であるが血
圧が高い、耐糖能異常、LDLも家族性ではなく、生活習慣が原因で上がってきているという住民
が多い地域を担当しているのですが、その地域の非肥満者、肥満をハイリスクアプローチとポピ
ュレーションアプローチを合わせた健康教育を実施しています。その結果、メタボ健診というと
ころから離れて、いかに自分の生活習慣としてとらえていくかというところで指導を行う住民運
動を行っているのですが、体重だけにこだわらずに、血圧や血糖、LDL−Cの改善を目標とし
生活習慣の改善に取り組んでいる市町村が多いことを感じております。
 その保健師さんたちがどうしても特定保健指導だけに注目されて評価されるので、そういうポ
ピュレーションアプローチについての評価が国からされていないことが残念に思っておられます。
もう少し今回のこういう会議、次の検討についても、できれば非肥満者と肥満をそういう形で啓
発していくということを是非述べてきてほしいということと、私も自らいつも感じておりますの
で、その辺のところを組み込んでいっていただければ、ありがたいと思っております。
○永井座長 この件について、最後に荒木田構成員、どうぞ。
○荒木田構成員 野田先生、磯先生のお話を聞いていて、エビデンスの重要性は本当によくわか
りました。ただ、感じていたのは、今の特定健診の基準でいくと、特定保健指導に入るものとし
ては、男性がほとんどになって、女性の該当者は非常に少なくなってまいります。ですから、女
性が保健指導を受ける機会が本当に限られたものになってくるということ自体は、一つ大きな問
題なのではないかと思っております。
 磯先生の肥満者、非肥満者のリスクが高いということとかも考えますと、今の現行の特定健診
の階層分けは、何らかの形で見直していく必要があるのではないかと思っております。それから、
磯先生がおっしゃるように、3年間未受診者、勧奨レベルなのだけれども、未受診をしている方
に対して受診勧奨をしていくことはすごく重要なことだとは思いますが、今回の特定健診の受診
率を見てみますと、まだかなり低くて50%には行っていないということを考えますと、ここでカ
バーできる人数はかなり少ないことになります。ですから、健診の魅力ある健診を考えていかな
いと、今の特定健診はやはりある程度は踏襲すべきだと思いますが、今のままではなくて、魅力
を上げるということも観点も必要になってくると思っております。
○永井座長 この点はまだまだ議論があるかと思いますが、今後も継続して議論をいたしますの
で、とりあえず今日はここまでとしたいと思います。
 議題「3 HbA1cの国際基準への対応について」でございます。事務局から説明をお願いいた
します。
○野田生活習慣病対策室長 それでは、お手元の資料3でございます。保健局の検討会で使われ
た資料でございます。表題が「HbA1c表記見直しへの対応について」ということになっておりま
す。
 御存じのとおり、HbA1cにつきましては、血糖に関する検査項目の判定値として、空腹時血糖
と並んで使われているものでございます。これが保健局の方で検討課題となりました背景でござ
いますが、1つは糖尿病の医療にかかる臨床の場で国際標準値への移行や切り替えへの必要性が
出てきたということ。それから、特定健診、特定保健指導システムの見直しスケジュールがござ
いますので、それとの整合を図るという観点から、どのように対応すべきかということで考え方
が示された上で、検討が行われているものでございます。
 これは10月の時点での資料であるわけですが、1ページの「基本方針」にございますように、
平成24年度の対応と平成25年度4月1日以降の対応に分けて考えているものでございます。こ
の資料については、後ほど戻って御説明をいたしますが、JDSにつきましては日本独自の測定法、
NGSPという言葉が出てまいりますが、これは欧米を中心に用いられている測定法のことでござ
います。
 2ページほどおはぐりいただきますと、パワーポイントの横の資料が出てまいります。これは
糖尿病学会の方で議論された際の資料でございます。1〜2ページをごらんいただきますと、
HbA1cにつきましては、国際的にはNGSP値が使われるという動向がございます。2ページにご
ざいますように、一番右になりますけれども、論文や学会発表の場では、2010年7月以降は、新
しい国際標準化された値を使っているということになっております。
 こうした中で、このNGSP値につきまして、どのように取り扱っていくかということで、議論
が行われたわけでございますが、この資料の5ページをごらんいただきたいと思います。この
NGSP値につきましては、当初ここで示していますように、1.019×JDS値+0.3という換算式に
基づいて、その下にございますJDS値+0.4という、ほぼ同一の考え方で概算した計算値に基づ
いて議論がなされていたわけでございますけれども、今年の10月に7ページ、8ページの資料に
なりますけれども、このNGSPを管理しております測定機関において、日本のJDSを管理してお
ります検査医学標準物質機構における測定とNGSP、JDSとNGSPの間に直接的な換算ができる
値として認証されたものとして標準化がなされ、それが8ページに式が書いておりますが、NGSP
=1.02×JDS+0.25というものが示されたために、これ以降につきましては保険局の議論におい
ても、当初は元の換算式+0.4で議論がなされてきましたが、この認証がなされた後につきまして
は、8ページに示された換算式に基づいて、どのように考えるかということで議論がされている
ところでございます。
 資料3の表紙に戻っていただきますと、平成24年度におきましては、受診者に対する検査通知、
各関係者におけるデータのやり取りにつきましては、JDS値のみで行う。一方で日常臨床におき
まして、JDS値とNGSP値の両方を併記して使う。25年4月以降につきましては、NGSP値で
行うということが前提で、今、議論が関係者の間で詳細についてなされているということでござ
います。この資料は10月13日につくられておりますので、まだNGSP相当値ということになっ
ておりまして、その後、10月1日に国際的な標準化により認証された結果が伝えられております
ので、現在では、このNGSP相当値ではなくて、NGSP値として議論がされているというところ
でございます。
 以上でございます。
○永井座長 ありがとうございます。
 ただいまの御説明につきまして、御意見はございますでしょうか。
 門脇構成員、何かこの辺の状況を御説明いただけますか。
○門脇構成員 今の説明のとおりかと思います。
○永井座長 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 では、この件については、そこまでといたします。
 議題「4 次期国民健康づくり運動プラン策定に関する検討状況について」ですが、事務局か
ら説明をお願いいたします。
○野田生活習慣病対策室長 資料4でございます。国民健康づくり運動プランの策定につきまし
ては、前回第1回の検討会のときに御紹介申し上げております。少し重複になりますけれども、
現在の策定状況について御説明いたします。
 1ページが流れでございまして、地域保健健康増進栄養部会と専門委員会との関係で議論がさ
れているところでございます。
 2〜3ページは参考までに、各会の名簿となっております。
 4ページ、専門委員会、部会におきましても、現在この左に書かれております国民の健康の増
進の総合的な推進を図るための基本的な方針という告示がございますが、これについてどのよう
に見直していくのかということで、空白の部分が多いのですが、右の欄に目指す姿、基本的な方
向、5ページに目標等に関する事項について、どのように考えていくかということで議論がなさ
れているところでございます。
 現在の論点が6〜7ページに書かれておりまして、10年後を目指す姿、基本的な目標について、
自治体の計画策定や市町村連携等についてなど、さまざまな観点から論点が出されております。
 8〜12ページ、13ページに細かい目標に関する事項が掲載されておりますけれども、これらに
つきましては、この論点の前提となった具体的な意見、事項について整理をした資料でございま
す。
 以上でございます。
○永井座長 ありがとうございます。
 では、ただいまの御説明に御質問、御意見はいかがでしょうか。
 特に御意見がございませんでしたら、本日の議論は以上ですが、何か一言。
○大井田構成員 次回以降に考えていただきたいのは、保険者の負担です。保険者が大変だと聞
きましたけれども、やればいいというわけではなくて、コストとベネフィットのバランスがある
と思いますので、そのことも伺いたい。保険局は大丈夫なのかなと思っております。
 もう一つは、格差がどんどん広がっている中で、所得の低い方、いわゆる健保連と共済の方々
は意識が高いですし、メタボリックシンドロームというものを理解してやっていらっしゃると思
いますけれども、低い方、野菜を食べない人も出てきているわけですね。これは保健師さんから
聞いたのですが、こういう人たちへのアプローチ。いわゆる国保です。こういうところに国民健
康づくり、健康増進法がいろいろと重なりますので、市町村で重点的にやる必要があるのではな
いかと、これは私の個人的な考えですけれども、格差問題、保険者の負担の問題。こういうのも
考えていただかなければいけないのではないかと思っております。
○永井座長 よろしいでしょうか。
 林構成員、どうぞ。
○林構成員 これも次回以降について、考えていただく機会があればありがたいのですけれども、
特定健診の中での喫煙の扱い方です。仮にリスクは一つもなく、喫煙のみという場合は、動機づ
け支援すらも外れる。つまり全く特定健診と無関係な感じになってしまうわけです。
 もう一つの問題は、結局この特定健診というのは、最終的なアウトカムをどのように考えてい
るのか。先ほど磯先生からも話が出たように、喫煙、高血圧のリスクはメタボのリスクよりは大
きいとすれば、特定健診というのはメタボのための健診に特化していいのかどうか。それはディ
ジーズオリエンテッドの健診であって、仮に死亡率を最終的なアウトカムにするとか、あるいは
医療費のことをアウトカムにするのであれば、喫煙の扱い方をもう少し今までと違う形で扱って
もいいのではないか。そのように感じるわけです。
○永井座長 いろいろと大事な御指摘をいただいたと思いますが、引き続きこの会でも検討を続
けるということで、本日はここまでとしたいと思います。
 事務局から連絡事項はございますでしょうか。
○尾田保健指導室長 次回は年明けになりますが、検討会の日程につきましては、また改めて構
成員の皆様には御連絡をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
○永井座長 それでは、これで終了いたします。どうもありがとうございました。


(了)

<照会先>
厚生労働省健康局総務課
・生活習慣病対策室
  室長補佐 三田(内線2348)
・保健指導室
  保健指導専門官 畑農(内線2398)
(代表電話)03-5253-1111

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