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2011年12月16日 第109回労働政策審議会雇用均等分科会 議事録

雇用均等・児童家庭局 短時間・在宅労働課

○日時

平成23年12月16日(金) 18時00分~20時00分


○場所

厚生労働省専用第21会議室(17階)


○出席者

公益代表委員

林分科会長、権丈委員、佐藤委員、田島委員、中窪委員、山川委員

労働者代表委員

小林委員、齊藤委員、關委員、冨高委員、中島委員

使用者代表委員

瀬戸委員、中西委員、布山委員、渡辺委員(松本委員代理)

厚生労働省

藤田政務官、髙井雇用均等・児童家庭局長、石井大臣官房審議官、吉本雇用均等政策課長、
成田職業家庭両立課長、吉永短時間・在宅労働課長、大隈均衡待遇推進室長

○議題

1. パートタイム労働対策について
2. その他

○配布資料

配付資料No.1 平成23年「パートタイム労働者総合実態調査」(事業所調査)結果について
No.2 「職業能力評価基準」について
参考資料参考No.1 平成23年「パートタイム労働者総合実態調査」(事業所調査)の結果(報道発表資料)
参考No.2 検討項目(案)

○議事

○林分科会長
 ただ今から「第109回労働政策審議会雇用均等分科会」を開催いたします。本日は川﨑委員、渡辺委員がご欠席です。なお、渡辺委員の代理として、日本商工会議所産業政策第二部担当部長の松本様にご出席いただいております。また、本日は藤田政務官にご出席いただいています。藤田政務官には、政務のために途中退出されるかもしれませんが、それまでの間、よろしくお願いします。
 それでは、議事に入りたいと思います。議題は「パートタイム労働対策について」です。資料No.1およびNo.2について、事務局から説明をお願いいたします。

○大隈均衡待遇推進室長
 それでは、事務局から資料を説明いたします。まず、資料No.1「平成23年『パートタイム労働者総合実態調査』(事業所調査)結果について」です。参考No.1の報道発表資料も適宜ご参照下さい。今週14日に公表された実態調査につきまして、ご説明します。
 資料No.1の34頁です。調査時点は、今年の6月1日、5人以上の民営事業所を対象として、5,909の事業所からの回答を得ています。また、東日本大震災の被災3県を除いて調査を実施・集計されています。また、この統計につきましては、抽出と復元という統計的な処理をしており、産業や事業所規模につきましては、日本全体の状況を反映しています。事業所の規模ですけれども、5~29人が84%ということで、小規模企業についてのウエートが高くなっています。一番左側にあります「平成18年パートタイム労働者総合実態調査」は、平成18年10月1日に実施されたもので、資料No.1の中で比較しています。資料No.1の中では、昨年実施されましたJILPTのアンケート調査につきましても、一部ご参考までに付けていますが、この調査につきましては、アンケート調査を単純に集計したということで、主な回答事業所の産業や事業所の規模などにつきまして、今回の調査とは分布の状況が違うということを念頭に置いていただきたいと思います。
 資料No.1の3頁のパートタイム労働者を雇用している事業所の割合です。平成18年と比較しますと、パートタイム労働者を雇用している事業所は少し増え、現在66.1%になっています。また、全体的な状況としまして3頁の左側の中ほどに、正社員、パート、その他の区分のウエートが書いてありますが、平成18年と比較しますと、全体に占める正社員の割合が69.1%から65.6%に若干下がっています。他方、パートについては、25.7%から27.0%に若干上がっています。また、3頁の右側ですが、性別でみますとパートタイム労働者に占める男性の割合が平成18年の26.0%から平成23年には29.8%と少し増えています。
 続きまして、4頁は、改正パートタイム労働法の施行に伴う雇用管理の見直しの状況です。改正法の施行を機に、何らかの措置を実施した事業所の割合は、48.8%です。その内容につきましては、左から2番目にありますように、「パートの労働条件通知書等で、特定事項(賞与、昇給、退職金)を明示するようにした」事業所が29.5%。それから、パートの賃金等処遇を改善したというものが約1割。「正社員とパートの職務内容の区分(違い)を明確にした」というのも1割。教育訓練の実施や正社員転換を設けた、福利厚生施設を利用できるようにしたというものも1割弱ずつくらいです。「特に実施した措置はない」は48.6%です。この中には既に措置済みであった事業所も含まれていると考えております。5頁には、JILPTの調査を参考までに付けています。
 6頁は、労働条件の明示等(第6条)の関係です。パートタイム労働法の第6条では、パートタイム労働者を雇い入れたときは、労働基準法の義務にさらに上乗せいたしまして、特定事項(昇給・賞与・退職金)の有無について、文書等で明示することを義務付けています。この施行状況ですが、「労働条件通知書の項目に含めて明示している」が52.5%。「労働条件通知書とは別途、何らかの書面で明示している」が10.3%ということで、何らかの書面による明示をしている事業所は62.8%となっています。他方、「口頭で説明して」が25.9%。「明示していない」も10.6%あります。
 7頁は、就業規則作成の意見聴取(第7条)の施行状況です。パートタイム労働法第7条では、パートタイム労働者に係る事項について就業規則を作成、変更する際には、パートタイム労働者の過半数代表の意見聴取をする努力義務があります。施行状況ですが、事業所に就業規則がある事業所86.2%のうち、「就業規則がパートに適用される」事業所は、85.1%。このうち、「何らかの方法でパートの意見を聞いている」割合が64.5%。平成18年にも同様の質問があり、事業所に就業規則がある割合が80.2%。そのうち就業規則がパートに適用される割合が78.7%。何らかの方法でパートの意見を聞いているというのが53.0%でして、平成23年の方が平成18年に比べて少し改善していると考えられます。8頁には、参考までに昨年のJILPTの調査結果を付けております。
 9頁は、差別的取扱いの禁止(第8条)関係です。パートタイム労働法第8条では、正社員と職務の内容が同じ、かつ、人材活用の仕組みや運用等が同じ、そして、無期労働契約を締結しているパートタイム労働者については、正社員と同視すべきパートタイム労働者ということで、待遇についての差別的取扱いを禁止しています。この対象者ですが、9頁の左上の図をご覧いただきますと、まず、職務の内容が同じパートタイム労働者は人数ベースですが、8.1%です。かつ、人材活用の仕組み・運用等も同じという2要件に該当するパートタイム労働者は2.1%。かつ、無期契約というパートタイム労働者が1.3%という結果になっています。ちなみに、今ご説明しましたのはパートタイム労働者の人数で見た割合ですが、そういったパートタイム労働者がいる事業所の割合で見たものが右側となっています。正社員と職務の内容が同じパートタイム労働者がいる事業所が16.7%。それから、人材活用の仕組み・運用等が同じという2要件に該当するパートタイム労働者がいる事業所は4.0%。さらに、無期という3要件に該当するパートタイム労働者がいる事業所が2.5%です。平成18年には全く同じ調査はありませんが、「職務が正社員とほとんど同じパートがいる」事業所は51.9%。いない事業所は47.1%でした。10頁は昨年調査いたしましたJILPTの調査結果です。ご参照いただければと思います。
 11頁は、パートタイム労働法第9条の施行状況です。パートタイム労働法第9条では、いわゆる均衡待遇の確保の努力義務を規定しています。まず、正社員と職務が同じパートタイム労働者について、基本給がどういった算定方法で支払われているかという状況です。一番左の水色の部分は、「正社員と同様の算定方法(制度・基準)に基づいている」事業所ですが、その割合が14.1%。隣の少し薄い緑色は「正社員と算定要素が全て共通している」事業所で9.4%。その隣の「正社員と算定要素が一部共通している」事業所が21.6%ということで、合計45.1%の事業所では何らかの要素を正社員と共通させて基本給を算定している状況にあると理解できます。その隣の濃い緑色、「正社員とは算定要素が全く異なる」事業所が33.9%になっています。
 また、真ん中の帯グラフですが、正社員と職務が同じパートタイム労働者の役職手当・賞与、この二つは職務関連賃金ということで、第9条の均衡待遇確保の対象となる給付です。そして、退職金は職務関連以外の給付です。職務が正社員と同じパートに対して、役職手当を「支払っている」事業所が17.4%。「支払っていない」事業所は64.2%です。また、賞与については、「支払っている」事業所が56.2%。「支払っていない」事業所が31.3%になっています。退職金は、「支払っている」事業所が26.6%、「支払っていない」事業所が61.9%となっています。
 一番下の帯グラフは、以上の役職手当・賞与・退職金の算定方法ですが、役職手当については、67.4%が正社員と何らかの要素を共通させて支給しています。それから、全く算定要素は異なっているところが32.5%です。賞与については、46.2%が何らかの要素を勘案しているということです。それから、算定要素が全く異なるというのが53.8%となっています。退職金については、左からの三つを合計すると57.1%ですが、そこまでが何らかの要素を共通させています。算定要素が異なる42.9%という状況です。
 12頁は、パートタイム労働者の賃金を決定する際に、考慮した要素です。平成23年の結果を見ますと、パートについても「能力・経験」を勘案するという事業所が52.5%。2番目に多くなっておりますのが、一番左の「職務の内容(業務の内容及び責任の重さ)が48.7%ということで、その次の「地域での賃金相場」37.3%ですとか、「最低賃金」21.2%を上回る結果となっています。また、「職務の成果」を勘案するという事業所が30.2%。パートについて「勤続年数」を勘案するという事業所が22.2%となっています。12頁の下は平成18年の結果ですが、パートを採用する際の賃金決定の際の考慮要素ということで、「同じ地域・職種のパートの賃金相場」71.7%でした。そして、「仕事の困難度」31.4%、「経験年数」26.1%ということで、平成18年から平成23年にかけましての変化が見てとれます。13頁は昨年のJILPTの調査で、ご参考です。
 14頁は、「正社員と職務が同じパートの正社員との賃金額の差」です。正社員と職務が同じパートタイム労働者と正社員の1時間当たりの基本賃金の差を質問したところ、「正社員より高い」とする事業所が6.4%。「正社員より低い」とする事業所が61.6%、「正社員と同じ」とする事業所が27.9%となっています。この「正社員より低い」という事業所の内訳ですが、「正社員の8割以上」を払っている事業所は45.1%。それから、「正社員の6割以上8割未満」というところが43.7%となっています。また、職務が同じ正社員よりもパートの1時間当たりの基本賃金が低い理由ですが、左から「パートは勤務時間の自由度が利くから」が58.6%。「正社員は企業への将来的な貢献度の期待が高いから」が36.5%。「そういった契約内容でパートが納得しているから」が35.2%などの理由が高くなっています。15頁は、平成18年の結果です。設問が少し違いますが、職務が正社員とほとんど同じパートタイム労働者の1時間当たりの賃金額の差ということで、差があると回答した事業所が81.7%。ない事業所が16.9%となっております。賃金額の差があるうち「パートの方が低い」が94.5%、「パートの方が高い」が6.2%になっています。理由については、「勤務時間の自由度が違うから」、「正社員には企業への貢献がより期待できるから」、「残業の時間数・回数が違うから」といった理由が多くなっています。16頁には昨年の調査を参考までに付けております。
 17頁は各種手当・制度の実施状況です。パートに実施されている実施率の高い順に左から並べております。「通勤手当」が65.1%、「更衣室の利用」が61.8%、「休憩室の利用」が60.3%となっています。正社員に実施されている割合を100とした場合のパートに実施されている割合ですが、9割を超えているものが左から2番目の「更衣室の利用」、「休憩室の利用」、それから、真ん中にあります「給食施設の利用」。この3施設については9割を超えています。また、一番左の通勤手当も正社員と比較した場合に7割を超える実施率になっています。他方、右側にあります住宅手当・家族手当・企業年金といったものは差が大きくなっています。また、退職金などについても2割を切っている状況で差が大きくなっています。17頁の下半分ですが、正社員と職務が同じパートについての実施率を見たものです。正社員と職務が同じパートに対する実施率の方が総じて高くなっている状況が見てとれます。18頁は、平成18年の結果です。各種給付ですとか制度につきまして、通勤手当、精勤手当、役職手当、この三つにつきましては、平成23年と比較できますが、平成23年とほぼ同様の実施率です。19頁はJILPTの平成22年の調査です。
 20頁は教育訓練(第10条)の関係です。パートタイム労働法では第10条第1項で、正社員と職務が同じパートに対しては、正社員と同様の教育訓練を行っていただく義務。第2項でキャリアアップのための訓練の努力義務が規定されています。平成23年の結果ですが、「日常的な業務を通じた、計画的な教育訓練(OJT)」をパートに実施している事業所が54.4%。「入職時のガイダンス(Off-JT)」32.1%、「職務の遂行に必要な能力を付与する教育訓練(Off-JT)」26.5%。一方で、「将来のためのキャリアアップのための(Off-JT)」9.2%、「自己啓発費用の補助」10.5%という状況です。下に平成18年の結果を載せております。選択肢が異なりますので、直接の比較は難しいですが、全体的に平成23年のパートに対する実施率の方が上回っていると考えられます。21頁は、平成22年のですので、参考です。
 22頁は、先ほどの第9条の関係でも載せておりました調査結果の再掲です。パートタイム労働法第11条ですが、更衣室・休憩室・給食施設の三つの施設については、パートタイム労働者にも利用の機会を付与するように配慮することという規定です。先ほども申し上げましたが、左から2番目の更衣室、3番目の休憩室、真ん中ほどにあります給食施設の利用について、正社員に対する実施率に比較しますと、パートに対しても9割以上実施されているということです。平成18年は参考です。
 23頁は正社員転換推進措置(第12条)の関係です。パートタイム労働法第12条では、正社員転換推進措置として、正社員を募集する場合に、その募集内容をパートに周知する。あるいは、正社員のポストを社内公募にする場合、パートにも応募機会を与える。あるいは、試験制度などの正社員転換制度の導入といったいずれかの措置を義務付けているところですが、実際に実施している企業は41.5%でした。その内訳ですが、募集内容の周知が58.7%。応募機会の付与が41.1%。試験制度が37.1%という状況でした。平成18年は、改正法施行の前ですので、転換制度の有無について聞いておりますが、「制度あり」とする事業所が45.8%。「制度なし」とする事業所が50.3%です。24頁は昨年のJILPTの調査、参考です。
 25頁は待遇の決定について(第13条)の関係です。パートタイム労働法の第13条は、パートタイム労働者が事業主に説明を求めた場合には、事業主はそのパートタイム労働者の待遇を決定するに当たって考慮した事項を説明する義務規定です。改正法施行から3年間に「説明を求められたことがある」事業所は15.6%でした。そのうち、「求められた内容について説明している」事業所の割合は99.0%です。26頁はご参考です。
 27頁、苦情の自主解決(第19条)の関係です。パートタイム労働者から苦情の申出を受けた場合には、事業主が自主的に解決する努力義務です。平成23年の調査結果ですが、「自主的に解決を図るよう努めている」事業所が87.2%。「特に何もしていない」という事業所が9.4%です。下の平成18年の調査ですが、「話し合い促進のための措置を講じている」事業所が85.4%。「パート労働者との話し合いは特に行っていない」とする事業所は12.3%という状況でした。28頁は参考です。
 29頁ですが、パートタイム労働者を雇用する理由です。平成23年は、「人件費が割安なため」というのが48.6%で一番高くなっております。続いて、「仕事内容が簡単なため」、「1日の忙しい時間帯に対処するため」、「人を集めやすいため」、「経験・知識・技能のある人を採用したいため」、「一定期間の繁忙に対処するため」、「定年退職者の再雇用のため」という理由になっています。「人件費が割安なため」という回答の割合が平成18年より下がっているのが特徴的かと思います。29頁の下半分は昨年の調査で、参考です。
 30頁は、事業所に対して、事業所で最も多いパートタイム労働者について期間の定めの有無を聞いたものです。「期間の定めあり」と回答した事業所が51.4%、「期間の定めがない」と回答した事業所が48.6%です。期間の定めありのうち1回当たりの雇用期間「1年」というのが58.4%で一番多く、「6か月」というのが26.6%となっています。また、パートの労働契約の更新方法ですが、「個々の労働者ごとに更新するかどうか判断する」が64.6%。「パートから終了を申し出なければ、自動的に更新する」が26.9%となっています。31頁は平成22年の調査です。
 32頁は、パートに対する人事異動の実施状況です。「正社員と同じ人事異動を行っている」事業所の割合は5.3%、「正社員とは異なる人事異動を行っている」が10.5%、この合計でいずれかの人事異動を行っているが15.8%。「人事異動を正社員に行っているが、パートには行っていない」ところが39.4%、「人事異動を正社員にもパートにも行っていない」ところが41.6%という状況です。
 33頁は、「パートの役職者の有無」です。「パートの役職者がいる」と回答した事業所は6.5%です。いると答えたうち、最も多いのが「所属グループのみの責任者等比較的一般従業員に近い役職(売場長、ライン長等)まで」が多くなっています。「所属組織の責任者等ハイレベルの役職まで」、「現場の責任者等中間レベルの役職まで」というのも若干ですが見られています。資料No.1は、以上です。
 資料No.2を説明いたします。「職業能力評価基準」です。前回の分科会でも説明いたしましたが、個別に事例などがあればというご要望がありましたので、提出いたしました。1頁目は、前回ご説明したものです。職業能力評価基準は現在64業種について定められております。  2頁は、職業能力評価基準をさらに活用するために、基準とキャリアマップ、職業能力評価シートの三つを連動させて人材育成に役立てることを目指しているということです。後ほどご説明します。2頁の下にありますように、四つの業種について、企業レベルでの活用促進のためのモデル事業が、今年度実施されており、基準の活用の促進が図られているところです。
 具体的な基準ですが、3頁をご覧下さい。今回はスーパーマーケット業を例として挙げました。3頁の左側にありますように、様式1ですが、スーパーマーケット業では、職種として、「販売」、「店舗運営」、「商品開発・仕入れ」、「営業企画」に分け、それをさらに職務に分けています。その職務ごとにどういったレベルかということを、業界団体などを通じて、実態をよくヒアリングして職務分析などした結果、レベルを付けています。そして、この職務を、さらに様式2にありますように、仕事として一つのまとまりとなる最小の単位ということで、能力ユニットにさらに細分化しています。例えば「販売」という職務であれば、対面販売、発注・在庫管理、陳列、販売促進といったような能力ユニットに分ける。さらに能力ユニットのレベルごとに3頁の右側にありますように、どういった能力が必要かということで、能力細目、例えば対面販売であれば、対面販売の理解、実行、商品等についての説明といったように、さらに分けまして、それぞれについてどういった能力が必要かという基準が立てられています。さらに下の方には、必要な知識が並べられています。
 さらに、こういった基準を基に、キャリアマップが作られております。キャリアマップは、4頁についていえば、スーパーマーケット業の代表的な職種における能力開発の標準的な道筋を示したものです。具体的には、スーパーマーケット業のキャリアマップは、レベル1の店舗の販売担当者をスタートとして、三つの大きなキャリアが設定されています。従業員に対してキャリア形成の道筋を示すということで、キャリアに関する目的意識を高めるということなどを目指しています。
 5貢は職業能力評価シートです。先ほどご紹介しました詳細な評価基準に記載されています項目を少し簡素化し、使いやすいチェックシートにしたものが職業能力評価シートです。各企業が自社に合わせた形で評価シートを作ることで労働者を評価する、そして、人材育成に役立てるということで、基準とキャリアマップと評価シートを連動させながら、人材育成に役立てていくものです。説明は、以上です。

○林分科会長
 当初出されましたJILPTのと若干基礎的なものが違っている点もありますので、ただ今の説明に対して、何か委員の皆さまからご質問・ご意見等がありましたら、お願いいたします。

○中西委員
 質問です。資料No.1の20頁、教育訓練(第10条)関係につきましてですが、パートタイム労働者に実施している教育訓練等の内容について、平成18年結果では、Off-JTは18.3%となっていますが、これは今回の調査で項目を分けて質問されている三つのOff-JT、「入職時のガイダンス」、「職務の遂行に必要な能力を付与する教育訓練」、「将来のためのキャリアアップのための教育訓練」の全てを含んだ数値という理解でよろしいのでしょうか。

○大隈均衡待遇推進室長
 平成18年の調査ですが、ここに書いてありますように「Off-JT」、「計画的なOJT」、「自己啓発費用の補助」という三つの選択肢ですので、この平成18年のOff-JTの中には、平成23年でいいます入職時のガイダンス(Off-JT)、職務の遂行に必要な能力を付与するOff-JT、キャリアアップのためのOff-JT、これらを全て含んだものと理解してよいのではないかと考えております。

○中西委員
 ご回答ありがとうございました。

○林分科会長
 他に、ご質問はありますか。ご意見でも結構です。

○中島委員
 質問です。資料No.1の11頁の賃金の決定方法(第9条)関係ですが、「正社員と同様の算定方法(制度基準)に基づいている」というのと、「二つ目の正社員と算定要素がすべて共通している」という説明わかりにくいのですが、これを具体的に説明いただけますでしょうか。

○大隈均衡待遇推進室長
 調査票上は、正社員と同様の算定方法(制度・基準)に基づいているという選択肢と、正社員の算定方法(制度・基準)とは異なると、まず二つに分けまして、後者のうち、正社員の算定方法とは違うけれども、要素がすべて共通している、あるいは、要素が一部共通している、要素は全く違うのいずれかで聞いております。算定方法が全く同じというのは、正社員とパートタイム労働者に同じ賃金表を用い、個々に格付けする制度というイメージで設問を作成しました。それ以外の選択肢は、例えば正社員については、勤続年数と職務の成果と年齢の三つを勘案しているというときに、賃金表は違うけれども、パートについても同じように勤続年数で算定する部分が何%かあって、それから、職務の成果で算定する部分が何%かある、年齢で算定する部分が何%かあるというところが算定要素は全て同じ。あるいは、例えば正社員は勤続年数や職務の成果、年齢といったもので賃金表を作っているけれども、パートについてはその中の勤続年数だけで賃金表を作っているのであれば、そこは算定要素が一部共通しているという回答を引き出せるよう、調査票は設計しているところです。


○佐藤委員
 資料No.1の17頁を見ると正社員についても役職手当、退職金や賞与がないところがあります。例えば退職金だと25%くらいがないので、そうすると、社員にそういう制度がないところというのは、11頁の真ん中の無回答が多いからなのかもしれませんが、ないところがかなりあります。つまり、何となくこの質問は正社員については全てあるような想定で聞いているので、どうなっているかを、後でご確認をお願いします。

○林分科会長
 他に、ご質問等はありますか。

○小林委員
 同じく11頁の表ですけれども、今、一番上の算定方法と算定要素についてはご説明いただいたのですが、それを踏まえて、今の正社員とパートタイム労働者の賃金のいろいろな資料をずっと思い起こしてみると、一番上の表は左側の方が賃金が高い。右側の方が低いと単純に考えてよいのかというのが一つ質問です。
 もう一つは、11頁の真ん中の表の「役職手当」ですけれども、今もご指摘があったのですが、正社員と職務が同じ役職をしていて支払っていないというのは、正社員にもパートにも支払っていないのか。あるいは、正社員には支払っているのだけれども、パートには支払っていないのか。どちらの方に読んだらよいのかを質問いたします。

○大隈均衡待遇推進室長
 まず、一つ目のご質問で、左側の方がより額が高いかどうかについては、あくまで制度で聞いておりますので、額に直接リンクするものではないと思います。例えば、賃金のテーブルが同じでも、格付けの仕方、人事評価などの結果による部分はあると思いますので、必ずしも制度と額はリンクしないと思いますし、調査票上でもそれがわかるような設問にはしていません。
 それから、正社員にも払っているかどうかというのは、あった方がより現状がわかるのではないかと思いますが、直接的には正社員に払っているかどうかというのは聞いておりません。

○小林委員
 役職については、いろいろな会社でいろいろな役職の取り方があるのでしょうけれども、この表を見た感じで受け取ったのが、正社員には手当が付いていて、パートタイム労働者は同じ役職をしているのに「支払っていない」という数字が64.2%もあるのかと思ったので、質問させていただきました。役職というのは職務を計るに当たっては、一つのわかりやすい指標なので、パートであっても役職手当が支払われるのがよいのではないかと思っております。

○林分科会長
 他に、ご質問等はありますか。

○山川委員
 先ほど、ご質問のあった11頁の賃金の決定方法(第9条)関係ですが、さらにお伺いしたいのは、青色の「正社員と同様の算定方法(制度・基準)に基づいている」という部分ですけれども、前回の正社員転換等の資料で、パートタイマーに職能資格制度が適用されているという資料があったと思います。その場合、パートタイマー用の職能資格等級ないしランクがあって、それと正社員のいわば別のランクがある場合は、どちらに入るのか。つまり、単に職能資格制度が適用されているということであれば、同様の算定方法になるのか。それとも職掌のようなことで、職能資格制度はあるけれども、別立てになっているというのはこちらに含まれるのか。もしご存じであれば、お伺いしたいと思います。

○大隈均衡待遇推進室長
 設問は、まさにここに書いたとおりで、「正社員と同様の算定方法(制度・基準)に基づいている」かどうかというものであり、パートにも職能資格制度が適用されていたとしても、そこが別立てになっているということであれば、それは同様の算定方法(制度・基準)というよりは、むしろ「正社員と算定要素がすべて共通している」であるとか、そちらの方に丸が付いているのではないかと思います。

○關委員
 単純な質問ですが、資料No.1の14頁の下の棒グラフで、それぞれ「パートは勤務時間の自由が利くから」等と書いてありますが、これは質問項目そのままということの理解でよろしいのですか。というのは、左から三つ目の「そういった契約内容でパートが納得しているから」というのは、若干質問の趣旨がよくわからないということと、いささか乱暴な気がします。低い理由をたずねているのに、納得しているからというだけで、何の質問なのかがよくわからなかったもので、これがそもそも質問項目一字一句そのままなのか否かを確認させていただきたいと思いました。

○大隈均衡待遇推進室長
 これは選択肢のままです。

○林分科会長
 他にご質問は。

○布山委員
 この調査で確認したいのですが、ここで比べているパートタイム労働の人は、正社員と職務が同じパートの人ということなので、9頁でいうパートタイム労働者が占める割合で見ると、8.1%に当たる人。この中には人材活用の仕組みが同じ人も入っていれば、契約期間が同じ人も入っていますが、あくまでもここで見ているのは職務が同じということなので、実際の4パターンのパートのうちの①②③が対象であるということでよろしいのですね。

○大隈均衡待遇推進室長
 はい。

○布山委員
 そうすると、先ほどの11頁の支払い、役職手当・賞与・退職金の部分は、パートタイム労働者のそれぞれのカテゴリーによって、変わってきてよいということでよろしいのですね。

○大隈均衡待遇推進室長
 はい。

○布山委員
 ありがとうございます。

○林分科会長
 他に、ご質問等はありますか。

○瀬戸委員
 資料No.1の29頁の上の方ですが、右から二つ目の「その他」で、前回に比べてここが増えているということで、「その他」というのは左側の選択肢以外のその他ということで選択されていると思いますが、例えば「その他」ということで、具体的な記載例といったものが何かあるのでしょうか。

○大隈均衡待遇推進室長
 これは「その他」ということで、特にそれ以上の回答は求めていません。

○林分科会長
 他に、ご質問等はありますか。

○佐藤委員
 資料No.1の34頁に、今回の調査は常用労働者5人以上で、パートタイム労働者は大体1か月雇用も全て入っているので、規模でいうとここで見ていると事業所規模が5~29人が84%です。そうすると、パートタイム労働者等も込みの規模なので、例えば小売業でいうと、いわゆる我々が思っている社員が3人くらいで、20人くらいがパートタイムというもので答えている状況だというのが84%です。そういうイメージをを置きながら読んでいただく方がよいと思います。とても大きなところが多い感じの結果です。常用ですから社員規模ではありません。

○中島委員
 二つ、質問させていただきます。資料No1の27頁の苦情の自主的解決(第19条)のところですけれども、「特に何もしていない」事業所が9.4%あるのですけれども、何もしていない事業所の規模別のデータなどはあるのでしょうか。
 それから、もう一つは29頁の「その他」のところですけれども、「人件費が割安なため」という理由が、平成18年と平成23年度の比較でかなり大きな差が出ているのですけれども、この理由が何か計れるような資料はありますでしょうか。

○大隈均衡待遇推進室長
 参考No.1の19頁に規模別に出ています。1,000人以上では自主的に解決を図るよう努めているとして98.7%、300~999人も同じく98.7%、100~299人も96.6%、30~99人規模が94.8%、5~29人規模が85.1%です。
 それから、資料No.1の29頁のパートを雇用する理由で「人件費が割安なため」が大きく減っているところですが、恐らくは景気の状況なども大きな要因の一つではないかと思います。調査しました平成23年6月というのは、震災からまだ3か月経っていないような非常に景気の厳しいときであった一方で、平成18年というのは景気が非常によいときでしたので、景気の状況の違いなどは一つの要因ではないかと考えております。

○林分科会長
 他に、ご質問等ありますか。特にないようでしたら、予定より早いのですが、本日の議事はこれで終了といたします。
 最後に、本日の署名委員は、労働者代表は關委員に、使用者代表は中西委員にお願いします。
 本日は大変遅い時間に、皆さまお忙しいところをご参集いただきましてありがとうございました。


(了)

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