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2011年12月27日 第7回抗がん剤等による健康被害の救済に関する検討会 議事録

○日時

平成23年12月27日(火) 10時00分~12時00分


○場所

厚生労働省12階 専用第12会議室
東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館


○議題

○森嶌座長 ただいまから、第7回「抗がん剤等による健康被害の救済に関する検討会」を開催させていただきます。皆様には年末お忙しい中、ご出席いただきましてありがとうございます。本日は、残念ながら、中村委員がご都合がつかずにご欠席となっています。本日は、これまでの議論を踏まえて、「中間とりまとめ(案)」をご議論いただきたいと存じます。議事に入る前に、資料の確認をお願いいたします。
○牧野医薬品副作用被害対策室調整官 お手元の資料をご覧ください。議事次第、名簿、座席表、資料1として、事務局で中間とりまとめ(案)を用意しました。資料2は、検討会の構成員意見として、前回、前々回の委員のご意見、それから意見書でのご意見を整理したものを用意していますが、本日は説明を省略させていただきます。不足等がありましたら、お知らせください。
○森嶌座長 議事に入らせていただきます。先ほど申しましたように、本日「中間とりまとめ(案)」についてご議論をいただきますが、事務局で資料1の中間とりまとめ(案)を整理していただいています。
 まず、事務局から、資料1について簡単に説明をしていただいたあとで、資料1の項目に沿って、とりまとめ(案)として追加、修正すべきと思われる部分、全体としては議論を深める部分はたくさんあるわけですが、とりまとめ(案)に当たってもうちょっと議論していったほうがいいのではないかという部分について、皆さんからご意見をお願いしたいと思います。それに当たって、最初は資料1の1~4、その次に5、6、それ以降という形で分けてご議論いただくつもりです。そして、今後さらに議論を進めるための方法などについてご提案いただくつもりです。そういう予定ですので、よろしくご協力お願いいたします。
 事務局から資料の説明をお願いいたします。
○牧野医薬品副作用被害対策室調整官 委員の皆様方にはざっと読んでいただいているという前提で、かいつまんで説明させていただきます。
 まず1頁目の1.「はじめに」のところですが、この部分は、検討の経緯等について書いています。この点は省略させていただきます。
 2頁目の2.「現行の救済制度について」です。これも現行制度の説明です。3つ目の○のところで、現行制度に対して、医薬品の副作用により深刻な健康被害を被った患者への救済を行うという現行制度の趣旨に照らせば、理念的には抗がん剤のみ制度の適用外とするのは不公平との意見があるという問題提起、ご意見を記載させていただいています。
 3.「抗がん剤治療の現状について」も、ヒアリングや、検討会でのご意見で出てきた現状認識について記載をさせていただいていますので、説明を省略させていただきます。3頁の1つ目の白い○ですが、これらの現状認識のご意見を踏まえたまとめとして、「以上から、抗がん剤治療の状況は、医療技術の革新やがん治療の進歩に伴い、抗がん剤の種類、使用場面が多様化してきている部分はあるものの、有効性の限界や、重篤な副作用が一定程度発生する危険性については、現行制度創設当時の状況から、それほど大きく変化しているとは言えない」という形で記載させていただいています。
 4.「制度設計上の問題」以降で、皆様にご議論いただいた内容を記載しています。まず、(1)「制度適用の対象」のア「すべての抗がん剤を対象とする場合」で議論の内容を記載させていただきました。2つ目の○ですが、2段落目、「特に進行期のがん患者への給付については、補償対象としての損害は一般の医薬品に関して通常人が持つ生命身体に対する期待権と異なって」いるということで、現行制度そのままではなかなか正当性・納得性のある給付の根拠とするには十分ではないという考え方を記載しています。このことを踏まえ、4頁の次の○で、「給付内容を含め、制度全体を費用負担者だけでなく国民一般の目から見ても納得できるものとする必要がある」とまとめさせていただいています。
 次に、イ「一部の抗がん剤を対象とする場合」、これに対しては、2つ目の○の1行目、「適切な基準の設定が難しい」とか、あるいは3行目、「適用対象となる抗がん剤は非常に限定されるのではないか」というご意見。最後のほうに、「医療現場の混乱を招く」というご意見を記載させていただいています。その下の2つの○で、検討会でいくつかご提案がありましたので、それについても記載させていただいています。一つは、現行の除外薬品、126の医薬品について個別に検討するというご提案がありました。それから次の○ですが、抗がん剤で切るというのではなくて、一定頻度以下の重大な副作用のみを救済対象とするというご意見もありましたので、それを記載しています。最後の○で「これらの点を踏まえると、一部の抗がん剤等に限定する場合には、その判断基準等についての検討が必要」というまとめにしています。
 次に、ウ「抗がん剤の投与時期等によって救済する場合」です。5頁の2つ目の○ですが、「例えば、救済対象となる投与時期を、治癒の可能性が高いと予想される段階に限定する場合、どういう段階の患者を救済するか納得性のある基準を設けることが困難である」というご意見をいただきました。それから、公平性の観点から妥当かどうか、医療現場の混乱を招くのではないかというご意見も記載しています。その次の○では、投与時期で分けると、がんの種類や抗がん剤の種類でも分けざるを得なくなって、制度が過度に複雑になるのではないかというご意見を記載しました。最後の○では、「これらの指摘を踏まえると、国民が納得し、かつ現実的な基準を策定することが可能かどうかについて、なお検討が必要である」とまとめさせていただいています。
 次に、エ「死亡等重大な被害のみを対象とする場合」です。これについては、3つ目の○の2段落目ですが、「仮に制度の対象となる健康被害を死亡に限定した場合には、その給付金を受け取るのは遺族であり、・・・救済制度本来の性格とは別のものになる可能性がある」というご指摘を記載させていただいています。そういう制度本来の趣旨からかけ離れないかという点から、6頁に「なお検討する必要がある」と記載させていただいています。
 (2)「因果関係」は、副作用とほかの原因を識別する基準を設定することができるかという問題です。2つ目の○ですが、「抗がん剤の副作用については、がんによる症状や、放射線治療、手術に起因する副作用や合併症との区別が難しい」というご指摘がたくさんありました。3つ目の○ですが、「これに対しては、現行制度と同様に、専門家による判断を積み重ねれば、ある程度は判断可能となるのではないか」というご意見もありました。次の○では、「他方、判定業務の迅速化のため緩やかな判定をするならば、製薬企業に負担を求めることが困難」とか、あるいは「費用面でも相当膨大になりかねない」というご意見がありました。最後の○で、「これらの指摘を踏まえると、因果関係の判断基準については、・・・どの程度の確率で因果関係を判断できれば、制度として費用負担者に費用を求めることが正当化されるかという観点に立ち、さらに検討する必要がある」とさせていただいています。
 次に、イ「因果関係を判定できる体制を作れるか」についてです。7頁の1つ目の○ですが、抗がん剤と健康被害の因果関係の判定が難しいことや、2行目の専門知識を持った人材が多数必要となるということを考慮すると、現時点で判定体制の確立は容易ではないとしております。また、「判定体制の構築によって、がんの治療体制が手薄になるようなことは避けなければならない」と記載させていただいています。
 次に、(3)「適正使用」の問題です。3つ目の○です。いろいろな議論がありましたので、それを書きました。基準としては、学会のガイドラインが1つ出されたのですが、これについては、ストレートには使い難いということで、いろいろなご意見をいただいたので、それを記載させていただいています。いちばん下の○は、適正使用という判断要件を外してしまうというご意見もありましたが、これに対しては、いろいろ問題点もあって、何らかの使用条件を付すことは必要というのが多数意見であったかと思っています。
 これらの指摘を踏まえて、8頁で「なお検討が必要である」としています。
イ「適正使用を判定する体制を作れるか」については、因果関係と同様としています。
 5.「医療萎縮等の問題について」です。これについても、ヒアリングも含めて、かなり医療萎縮のご懸念が出されました。2つ目の○として、一部のヒアリングにおいては、一般医の方の場合などでは、抗がん剤の使用を促す場面もあるのではないか、というご意見もいただきました。3つ目の○は、意見書のご意見を記載させていただいていますが、こういう事態が起こるかどうかは、「「適正使用」基準の設定等の制度の設計及び運用の在り方や、インフォームド・コンセントの持ち方によっても異なる」というご意見がありました。次の○ですが、この制度ができると、医師主導治験等の臨床試験についても実施が難しくなるというご指摘もありました。こういう医療萎縮等が起こらない制度設計は可能かということについて、「今後とも十分見極める必要がある」とさせていただいています。
 8頁の6.「製薬企業による抗がん剤の開発・販売への影響について」です。抗がん剤の開発・販売に消極的になるという可能性は、ヒアリングも含め多く出されました。9頁の上から3行目以降は、意見書の記載です。ドラッグ・ラグが既に生じているということに十分注意すべきではないかというご意見がありましたので記載しています。2つ目の○、これも前回いただいた意見書のご意見から要約していますが、「実際に抗がん剤の開発等に影響を与えるかどうかは、救済の対象範囲や、因果関係・適正使用の判断基準の設定によって、企業に・・・負担がどれくらいかかってくるかにもよる」というご意見がありました。これらを踏まえて、「引き続き慎重な見極めが必要」としています。
 7.「その他」です。抗がん剤で健康被害を被った方以外の、手術や放射線治療など、あるいは治療を行わなかった方、緩和ケアを行った方との間で不公平感という問題があるのではないかという問題提起がありましたので、別立てで記載させていただきました。2つ目の○の最後の2行ですが、前半は制度の技術面の検討が中心でしたが、「一般社会が制度をどのように受け止めるかという観点も考慮する必要がある」ということを記載させていただいています。最後の○で、「この問題は、医療無過失補償制度の議論との関連の中で考えることも必要」というご意見もいただいていますので、これを記載しています。
 (2)「不服申立手続の整備」です。これも意見書の中でご意見をいただいていました。体制整備について必要ではないかと書いています。
 10頁の8.「現状におけるまとめ」は、この検討会としての現時点での見解になります。1つ目の○の2行目です。現時点では、「制度運用上の課題が多くあり、現行制度の延長で直ちに実施可能と断言できる段階にはないと認められる」としてよろしいかどうか、今日ご議論いただきたいと思います。2つ目の○で、本報告で掲げた課題について今後さらに検討を深めまして、「制度の実施可能性等について、引き続き議論を行うこととしたい」としております。これは事務局の案ですので、この辺りについては、ご意見をいただきたいと思います。
 9.「今後に向けての課題」です。1つ目の○は、事務局から十分な基礎データをお出しできなくて、大変申し訳なかったのですが、それに対するご意見もありましたので、それを記載しています。議論の前提となる基礎的な、あるいは実証的なデータ収集についても考えていくことが必要ではないかとしています。
2つ目の○として、「さらに検討に当たっては以下の点に・・・留意する必要がある」ということで、3つ掲げています。
1つ目は、この検討会の真の目的は、尊厳あるより良いがん治療の実現であると。救済制度はそれを阻害するものであってはいけないということです。
 2つ目は、そういう真の目的を達成するためには、救済制度にとどまらず、より広い観点からの検討も必要ではないかということです。2段落目、「特に抗がん剤の副作用については、事後的な救済より、まずは副作用の軽減に最大の努力が払われるべき」ということで、いろいろなご提案がありましたので記載しています。
 3点目、これも意見書のご意見ですが、我が国は非常に高齢化が進んでいるということで、がん患者の割合も今後増加することが考えられるという中で、救済制度が「我が国の経済社会の状況と調和のとれたものにしていくという視点も必要」と記載させていただいています。
 事務局案としては以上です。
○森嶌座長 それでは審議に入りたいと思います。前回申し上げましたように、一応今回で中間とりまとめたいと考えております。
事務局のシナリオは違うのですが、細かいことはともかくとして、8から始めて9をご議論いただきまして、それから今までかなり議論してきた1から4に戻ります。5、6はほとんど議論しておりませんので、先ほど事務局からも説明があったように、いままでの意見書から拾ってきたということですから、これを議論し始めたら、「いや、そんなことはない」とか、あるとか、「これをもっと議論しなければいけない」ということになりますので、5、6については現時点ではこの程度のまとめでいいかどうかの議論をしていただきたいと思います。
 仮に、8については、現状で、もう駄目だからやめてしまおうではないかということになると、中間とりまとめではなくて、これで終わりということになります。しかし、8で中間とりまとめということであれば、9は、今後とりまとめていくとすれば、このような態度でやっていこうではないかということを議論していただいたほうが、中間とりまとめとしてはいいのではないかと考えます。シナリオとしては頭からやっていくことになっておりますが、私としてはそのようにさせていただきたいと思います。議長の裁量で、本日はそのようにさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 まず、10頁の8.「現状におけるまとめ」ですが、現行制度をそのまま延長するというのは、いままでの議論の段階では無理ということにはなっております。そこで、いままで議論してきた課題について、さらに検討したいということですが、8の「現状におけるまとめ」でよろしいかどうか、この点についてご意見を賜りたいと思います。
○藤村委員 基本的にはこれでいいのではないかと思います。ただ、結論を出すには、あまりにも検討課題が多いといった状況だと思うのです。どこまでやったら明確な成果が出るかどうかの見通しが立たない、そのような検討委員会を、なお今後続けていくということになれば、会の趣旨、目的をもう少し細かく具体的に定めておかないと、何となく続けるのでは意味がないのではないか。
 1つ考えているのは、がん対策基本法に基づく「がん対策推進協議会」の報告を新聞等で見ているのですが、その中では薬害という問題をカットする、置き去りにすることはできないだろうということです。ただ、その会の中で薬害の問題を捉えるというのはなかなか難しい問題があるので、別の視点から、別の観点から、がん全体の医療を進める中で発生する不可避の病院臨床について、どのように国として対処すべきか、そうした検討会が存続することは意味があるのではないかと思います。そのような意味で、もっとグリグリと詰めて、いつも申し上げていることですが、何を救済の対象として、目指すところは何であるかという中で、仮に具体的に実現できるものがあるならば、小さくてもいいからそこからスタートしていく。このようなスタンスでやっていけばいいかなと。ちょっと雑駁な意見ですが、そのように考えております。
○森嶌座長 私もそのような関心がありまして、いま藤村先生からはっきりと指摘していただきましたけれども、むしろ今後に向けての課題というところになります。9では広げる形で書いてありますが、課題の一環として、ここに書いてあるように、がんのより良い治療という視点も入れると。逆に言うと、そのような視点から、いま言われたがん対策推進協議会において、薬害というものをどう位置づけるかという観点から救済制度を考え直す。「ために」と言うとあれですが、医薬品の副作用の救済制度の延長線上ではなくて、むしろこちらのほうから考えて、救済制度ががんの治療という点でどのように機能するか、そのような検討の仕方をするということでやってはどうか。8で現状をまとめて、9で課題としてそのような方向にドッキングというか、統合と言うか、そのようなことでやってはどうかと思います。いまの藤村委員のご提案や私の追加も含めて、8及び9も少し入りましたが、ご意見をお願いいたします。
○長谷川委員 藤村委員の意見に賛成です。最終的にこれで結論を出すためには、どのような情報というか、判断すべき情報が不足していると思います。きちっとした情報が必要であるかということを、本当本来は前向きに調べて情報を収集して、そのデータが出たときに結論が出せるかどうかという課題を整理する。そのためには前向きに情報を集める必要があるのではないかと思います。そのデータが計画的にある程度集まったところで、そのデータで結論が出せるかどうかといった問題設定をすることが必要であるとしないといけないかなと思います。
○森嶌座長 祖父江先生、いかがでしょうか。
○祖父江委員 抗がん剤の副作用による健康被害に対して何ができるかということのうち、救済ということに対してこの検討会は検討する役割があると認識しておりますが、救済以外の対応策はないのかというところがあります。例えば、 有害事象に関してきちっと調べる体制を整えるとか、あるいはその情報を患者さんやその家族がきちんと理解できるように伝える仕組みを考えるなど、救済以外の何らかの対策についても、今後は幅を広げて検討できるのであれば、この検討会を続ける意味があると思うのです。しかし、救済自体に関しては、これ以上情報が増えて、それを検討するということになっても、やはり難しいのではないかという結論はあまり変わらないのではないかという気がするのです。
○森嶌座長 ただいま医療の側からいろいろご意見が出ておりますので、檀委員もご意見をお願いいたします。
○檀委員 8と9に書かれていることは、まさにこのとおりだろうと思います。特に、8の「現行制度の延長」という言葉がどこまでを意味しているのかわかりませんが、現在の救済制度で対象外になっている抗がん剤を外してそのまま当てはめるというのは、それは無茶なことで、非常に難しいと思います。例えば、適正使用の項は、現行の救済制度のものを抗がん剤の場合にそのまま持ち込めるわけでは絶対ありませんし、その辺は現行の制度に当てはめるのは無理だろうと思います。
 また、9でいちばん大事なのは、以前も申し上げましたが、この制度を作ることで大きな欠点になってしまうようなことは避けなければいけないということです。そのうちの1つは、製薬会社による新薬の開発や販売などが消極的になるとか、ドラッグ・ラグが余計に大きくなってしまうなど、そうしたことは絶対に避けなければいけない、そのような主張がいくつか出ていましたが、それが本当かどうか。ここに書いてあるように、データに基づく議論が行えるよう、データをもう少し集める必要があるのではないかと思います。それから下に書いてあることで、いま祖父江先生も言われた、救済ということ以外にもできること、 やるべきことがあるのではないかというのは、当然すぎるほど当然だと思います。それは救済制度を作ることと一緒に考えていかなければいけないことであって、どちらを先にという議論ではないように思います。
○森嶌座長 遠藤先生、いかがですか。
○遠藤委員 前に述べた方と同じような意見になってしまうかもしれませんが、現状におけるまとめというのは、私もここに書かれていることでいいと思います。取りあえず、現行制度の中に抗がん剤を放り込んで一緒に救済するというのは、いままでの議論を聞いていると、たぶんそれは無理なことだろうと思いますし、仮に作るとすると、いままでの制度とは非常に違ったものを無理矢理作らなければいけないような形になるので、それよりも副作用が起きない医療とか、起きた副作用はできるだけ重篤化しないで、抗がん剤の治療が続けられるような制度などといったところにもっと力を注いだほうがいいのかなと思っております。今後も検討会を続けていくのであれば、9の今後の課題の所でその辺をしっかり検討していただきたい。この検討会がそのようなことを引き続きやるのが好ましいかどうかわかりませんが、そうしたことを何らかの形でもっと検討していき、医療のシステムとして副作用をしっかりコントロールできる、抗がん剤の副作用によって悲惨な状態にならないような、そのような医療の制度を作ることに力を入れたほうがいいと考えております。
○森嶌座長 座長がやや引っ張り回している嫌いがないわけではありませんが、医療側の委員のご意見を踏まえた上で、つまり副作用をどう少なくしていくか、より良いがん医療ということを視野に入れ、あるいはそれに資するような救済制度があり得るかどうか、それに向けて検討するといったようなことを、9でどのように書いていくかをこれから議論いたします。そうしたことを視野に入れた上で、現在の制度に抗がん剤をポンと、4にあるような課題を議論しながら、現行制度にはめ込んでいくのは無理だろうということが8に書いてあるわけです。それにもかかわらず、今後のより良い医療に向けてという視野を入れて検討を続けるという8の結論について、ほかの委員のご意見をお伺いしたいと思います。これからどのような議論をするかというのは置いておいて、一応そのようなことを9では議論いたしますが、8そのものはこれで良いかについてはいかがでしょうか。1人ひとり心情告白させるわけではありませんが、最後ですので、齋藤委員から順にお願いいたします。
○齋藤委員 いまの先生方の意見に同意いたします。
○倉田委員 私も同意いたします。
○北澤委員 私もこれでいいと思います。
○本田委員 私もこれで結構です。
○山口委員 私も異存ございません。より良い医療のためにということでは、是非、薬害防止などといった目的というものを、これに加えて入れていただきたいということで賛成したいと思います。
○森嶌座長 それでは9に移ります。8はこれで良いということで、9の書き方をきちっとしていけば、先生方の今のご意向は反映できると思います。いままでのご意向を踏まえた上で、改めて9についてのご意見を賜りたいと思います。どなたでも結構です。先ほどのご意見が重複しても構いませんし、医療側ではない方から医療の問題も含めて、あるいは本題について、いままでもいろいろなご意見がありましたが、9についてのご意見をいただければと思います。
○中田委員 最初のデータの関係ですが、基礎的なデータが不足しているというのは、ここに書かれているとおりだと思います。データを探すときに、既に集計されているデータのみを対象としないで、ある場合は調査結果を再集計するとか、どうしても必要ならば、新しい調査をするぐらいまで広げて考えていただきたいと思います。現存の調査については、最初のころに祖父江先生がもう少しいろいろ調べたらと言われていたのですが、いまの状況ではきちっとしたデータというのはなかなか難しいのではないかと思います。
 もちろん、そういうのがあれば結構ですが、難しい状態であれば、例えば社会医療の診療公費別調査、これは診療報酬明細書、いわゆるレセプトの中身を調査しているものですが、その中には患者1人ずつにどんな薬が使われたかというデータもありますので、そうしたものをもう一度集計してみるとか、これは厚生労働省の調査ですから可能だと思います。あるいはPMDAのほうで副作用に関する調査と言いますか、情報が挙がっていると思いますので、過去に遡ってretrospectiveと言いますか、そういった調査で追いかけてみるなど、ある程度の手間暇をかけないと、いまの状況では基礎的なデータというのはなかなか難しいのではないかと思うのです。そこまで考えて、データの収集をしていただきたいと思います。
○森嶌座長 いま改めて文章を見ましたら、最初の○に「データが不足している」とありまして、「海外事例の情報収集もさらに必要である」と書いてあるのですが、不足していると書いてあるのに、これから国内の情報を収集しろとか、データを作ろうというか、それをしろとは書いていないので、日本のデータがないままに、海外の情報だけを集めるように読んでしまう。法律家ですのですぐ反対に読んでしまうのですが、不足だからデータを収集することが必要だということを書き加えて、そして、「また」として、海外の情報も必要だと書く必要があるのではないでしょうか。もちろん、日本のデータは不足しているけれども要らないと書いたつもりはないと思います。この検討会で集めなければいけないと言うつもりはありませんが、厚生労働省としては、このようなデータも集めるよう努力しなさいという趣旨は、是非ここに入れておいてください。
○藤村委員 データの収集の関係で、海外事例の情報収集というのは、確かに参考資料としては重要だと思うのですが、対象となるのは日本人ですから、日本人との関係でどうなのかが重要だと思うのです。なぜ、そのようなことを言うかと言いますと、あまり詳しくはないのですが、例えばイレッサについて聞いたところによると、日本人に効果が高く、欧米ではあまり効かなかったということなのです。そうすると、同じデータを集めても、単純に数字上だけの問題で「ああだ、こうだ」という結論を出すことはできないのではないかという疑惑のがあるのです。今度は集めたデータをどう評価するかといった評価の仕方、そこにも大きな問題があるのではないかと思うのです。集めたものは医学専門家の方々に、これはこのように考えるのだというご示唆をいただかないと、門外漢の我々は、ただ数字を見て「ああじゃないか、こうじゃないか」ということになりがちなので、そこのところをお願いしたいなと思います。
○森嶌座長 ここにそこまで書き込みますと、私は環境関係なので、そんなことを言うと怒られますが、統計というのは怪しいものでして、ちょっといじれば、いくらでも操作できるわけです。いまの藤村先生のご懸念はよくわかるのですが、それを抑えていこうと思ったら、それだけで20頁か30頁ぐらい書かなくてはいけないので、一応ここではデータをきちんと集めて、信頼に足るデータを用意しろということになると思います。
○本田委員 9の今後に向けての課題の所で、2つあります。1つは、いま皆さんがご議論されているデータの件ですが、救済制度を将来に向けて考える際に、どのようなデータが必要かということも、素人の私どもにはわかりませんし、集められるものは一体何か、そもそも集めていく体制作りができるのかということもあるので、その辺を整理していくということが1つあると思います。
 もう1つは、皆さんがおっしゃっていたように救済以外にやるべきこと、例えばインフォームド・コンセントとか、副作用をいかに抑えていくかといったことをきっちり提言していくということがあってもいい。 救済制度について考える検討会かもしれませんが、その機能を持つのがこの検討会であるべきかどうかは何とも言えないですけれども、そのようなことを提言していくということは非常に重要ではないかと思います。と言いますのは、先ほど藤村委員からもあったように、がん対策推進協議会というのが動いていまして、今後5年間の第2期の計画というのをいま議論しているところではあるのですが、かなり佳境に入っております。それはがん対策すべてを網羅している計画ですから、薬害被害や副作用対策に特に注視して何かを書き込んでいるというわけではないと思っております。そのような中で、この検討会が扱っている分野について、ここできっちり整理して社会に提言していくというのは、あってもいいのかなと感じております。それでは基本計画に入れ込めばいいではないかという議論もあるかもしれませんが、時期的な問題もあって、急遽入れるのはどうなのか私にはよくわからないので、この検討会として社会に提言していくということがあってもいいかなと思いました。
○倉田委員 いま本田委員が言われたがん対策推進協議会の中に、がん情報の相談センターという所も含まれていると思うのですが、相談するというのはもちろんのこと、その前に、私ども一般社会の人たちは抗がん剤についてまだほとんど知らないと思うのです。そのようなことを知るツール、学べるようなツールというのも作っていただきたいのです。不勉強なもので知らないのですが、現在、抗がん剤について学べるようなものというのは、このがん情報の中にはあるのでしょうか。
○祖父江委員 がんに関する信頼のおける質の高い情報を提供するべし、というのが国立がん研究センターのミッションの1つでもありますので、そこでわかりやすい情報をまとめて、まずはウェブでホームページに出しているというのがあります。ただ、ホームページというのは限られた人と言いますか、アクセスできる人はいいですが、できない人もかなりいるので、そのような人に対しては紙の媒体で「患者必携」というものを用意して、がんと診断された方にはすべて提供できるような態勢を取ろうとしております。そのような中で、抗がん剤に関しての説明もある程度はされております。
○倉田委員 がん拠点病院では、先ほど言われた「患者必携」は購入できることになっているのでしょうか。一般書店でも扱っていますか。
○祖父江委員 有料ですが、販売しております。拠点病院については、まずは少なくとも医療関係者が理解しなければいけないということで、医療関係者分については無料で提供しております。また、拠点病院がそれをさらに細かく配布することに関しては、すべてをカバーするお金はないので、拠点病院のほうで工夫して配布していただくことになっております。
○齋藤委員 事務局案に基本的には賛成ですが、2番目の○の?は、救済制度を含めて今後の医療制度を考えていく上で、ここは強調しておいたほうがいいのではないかと思います。経済学者にも責任があるかもしれませんが、少子高齢化で経済成長も高く望めないという中では、公的制度としての救済制度でどこまで経済が持ち得るのか堪えられるのかという視点は、やはり今後は持っておかないといけない。こういう社会ですから、医師と患者の間である程度のリスクとコストは負担せざるを得ない。何もかも政府が吸収してくれる、あるいは公的制度が吸収してくれるといった期待感を和らげるような工夫というのも必要ではないかと思いました。
○北澤委員 順番がちょっと戻ってしまうのですが、海外事例の情報収集については、以前、この検討会でも事務局から外国の制度について報告がありまして、た。制度についてはわかったのですが、その制度の中では実質的に抗がん剤は救済の対象に入っていないというお話だったと思いますけれども、実際問題としてはどうなのか。前の資料を見ると、抗がん剤は例外と明記されているわけではないですが、実質的には救済はされていないということだったと思います。この辺りをもう少し追加で、実際に救済されているものはないのかどうか。もし、情報がさらにあれば、教えていただければと思います。ここの書きぶりですと、海外の抗がん剤使用者数・副作用頻度等の情報収集というように読めてしまいかねないのですが、ここで議論したのは海外の救済制度についての情報収集ではなかったかと思いましたので、追加いたしました。
○牧野医薬品副作用被害対策室調整官 ここは海外の救済制度についての情報収集という趣旨で書きましたので、表現については修正させていただきます。事務局としましては、第2回の検討会でのご指摘を踏まえまして、フランスでの運用について追跡して調べておりますので、年明け以降にご報告できればと思っております。
○森嶌座長 文章の流れから言うと、これは抗がん剤の使用者数、副作用の頻度の情報に見えます。
○牧野医薬品副作用被害対策室調整官 表現が不適切で申し訳ありませんでした。
○森嶌座長 誤解を受けますので。しかし、このようなものも分かったら、是非調べていただきたいと思います。データというものも、調べ始めますと無意味に集めてきてしまい、しかも、それが完全でない場合は、なまじデータを集めると統計的に比較可能かどうかがわからなくなってしまいます。集めるときには専門家の意見を聞いて集めないと、お金ばかりがかかってしまい、集めた意味がなくなってしまいますから、これも祖父江先生に伺って、無駄な国費を使わないようにしていただきたいと思います。
○中田委員 先ほど本田委員が言われたがん対策の推進計画の関係ですが、現在インターネットに推進計画の中間報告というのが出ております。私もそれを見たのですが、抗がん剤については腫瘍内科医を増やすといったことが書かれておりまして、推進計画の中の目玉の1つになっている気がしたのです。見方がしっかりしていなかったからかもしれませんが、その記述の中には「副作用」という言葉は全く出てこなかったと思います。そういうのはよろしくないと思いますので、少なくとも推進計画の中には副作用についての対策をきちっと行うといったような一文を入れていただいて、がんについては推進計画自体が全体的な対策だと思いますから、その中で副作用対策についての位置づけをはっきりさせていただきたい、そのようにしていくことが必要だと思います。
○森嶌座長 山口委員から何かあればお願いいたします。
○山口委員 先ほどフランスの話が出まして、最近はフォローしていないのですが、以前に勉強した経過がありますので若干お話いたします。ただ、おそらくきちんと調べても、フランスではやっているといったことは出てこないだろうと予測しているところではあるのです。と言いますのは、医薬品の副作用の救済制度という点については、おそらく日本がいちばん進んでいると思っております。データという点においては、むしろ現行制度がどのように役立ってきたかということについてのデータが必要ではないかと。いままでは救済という側面に限って議論されてきたという部分があると思うのですが、いままでの制度も、製薬企業等や医療にとっては何らかのメリットはあったのではないか。デメリットしかないものであれば、製薬企業等も負担しないということになると思うのです。これまでこういった点でメリットがあった、例えば訴訟等の訴訟リスクを減らすなどといったメリットを取り入れる形で、抗がん剤についても今後の制度構築ということができるのではないかと思いますので、現行制度の評価に関するデータといったものもある程度あってもいいかなと考えております。
○森嶌座長 その他何かあればお願いいたします。
○長谷川委員 9については非常によくまとめられていると思います。特に2つ目の?の、「真の目的は、尊厳あるより良いがん治療の実現」ということです。副作用ばかりに目が行くのではなくて、やはりがん治療全体の中でこの位置づけがあるということですから、これは非常にいい文章重要な視点だと思います。それから、その前の○の所の「実証的なデータに基づく議論」については、この会が今後継続するために必ず必要だろうと思います。データに関してですが、最近の新薬の販売においては、厚生労働省が全例調査を義務づけておりますので、1,000例なら1,000例という基準や、1年間なら1年間でどのような患者さんにという基準で患者さんに使用されて、情報が収集されます。どんな副作用が出てをはじめ、患者さんの病期など様々ないろいろなステージで使われていると思いますけれども、そのような情報が、おそらく新しい薬についてはきちっとちんとしているのではないかと思います。それを用いると、今回のとりまとめ(案)の前のほうにあるように、ステージで分ける、重症度で分ける、副作用で分けた場合、どのようなコストがかかるのか、一体どれぐらいの人にこの制度が成り立つかどうかなどのというのは、新しい薬について今後どれぐらいの制度設計が可能であろうと考えます。見込まれるかということが出てくるのだろうと思うのです。ですから、今後の実質的なデータということについて言いますと、そうしたデータをきちっと解析していくことが情報の集積に役立つのではないかと思います。
○森嶌座長 今日は最終回ですので、インスタントで文章を少しまとめてみました。9については、データについてご注文がありましたが、この中で書き込むというよりも、記録にとっておいてということにしまして、例えば山口委員などは、データが不足していると。さらに必要なデータを整えると。そして、海外事例の情報収集も、何を意味するかは、むしろ曖昧にしておいたほうがいいのではないですかね。そして、祖父江委員などに相談をして、適切なデータを収集したほうがいいのではないかと思われます。
 2番目の○ですが、「留意」ではなくて、「今後の検討にあたっては以下の視点から検討を進める必要がある」と。8の「引き続き議論を行うこととしたい」というのを受けて、今後検討を行う場合には次のような視点から検討を行うという趣旨にしてはいかがでしょうか。これは、いままでの皆さんの議論を踏まえてです。
 最初の?はそのままにしました。文章はあとで直すかもしれません。
 ?は、むしろ「より良い明日のがんの治療のために、救済制度にとどまらず」ではなくて、「より良い明日のがんの治療のために、より広い観点から救済制度の検討が必要である」と。「特に抗がん剤の副作用については、事後的な救済よりも」ではなくて、そこは消しまして、最後の2行を「・・・環境整備を行い、その中で事後的な救済制度が患者のクオリティー・オブ・ライフを高めるものとなる」、あるいは「患者の救済に役立つものとする制度とする必要がある」と。そして、その中に「がん対策推進協議会の検討を踏まえ」というのをどこかに入れるかどうか。つまり、?では、事後的な救済制度を検討するときに、ほかの制度も頭に入れろというのではなく、患者のいろいろなインフォームド・コンセントを充実していくとか、そういう中で、一環として救済制度も組み込んでいくという観点から、事後的な救済制度を考えて、患者全体のより良い救済、治療を考えていくと。?は、先ほど齋藤委員の意見にもありましたが、いずれにしても現在の国民経済全体の中で考えていかなければいけないということ。?を大幅に変えると。
 それから、○の頭書きのところに、単に「留意する」のではなくて、今後の検討は視点を、もちろん事後的な救済制度なのですが、より患者のための治療を頭に入れながらやるのではなくて、むしろその中に救済制度を組み込んでいくと。これは、非常に難しいのですが、その中で患者も治療を受けて事後的に安心感があって受けられるかどうかと。治療が萎縮するなどの不安感があっては困りますから、そのようなことのないような事後的な救済制度を作っていく観点から検討を進めていこうということです。
 8の現状で、一応いままでの制度の上にそのまま乗せるのは難しいが、検討は進めると。しかし、今後の検討は、むしろより良いがん治療の一環として、救済制度もその中で考えていこうというまとめでいかがでしょうか。
 皆さんの意見を聞きながら、前の文章を読みながら、文章をまとめていますので、千手観音ならぬ我が身では、文章としてはきちんとできていませんが、そういう趣旨で2番目の○の?を多少手を入れたいと思いますが、いかがでしょうか。趣旨としては、かなり変わりますが、意見がありましたらどうぞ。よろしいでしょうか。8、9はやや引っ張り回した気がしないではありませんが、本日はきちんと先生方の意向に沿ってまとめなければという意識です。
 戻っていただきまして、1~3はほぼ議論された中で、事実関係をまとめたものです。4については、議論をしたところをまとめたものであります。それぞれの議論の到達点は、制度の対象として、すべての抗がん剤を対象とした場合にはどう考えるかという点については、4頁の最初の○で、進行期のがん患者等も含めて広く救済するとした場合には、制度全体を費用負担者だけでなく、国民一般の目から見ても納得できるものとする必要があると。
 それから、一部の抗がん剤を対象とするときには、一部の抗がん剤に限定して現行救済制度の対象を拡大することについては、どのような抗がん剤に限定するかという判断基準を設けるのが難しいので、なお検討しなければならないと。5頁の真ん中辺りの抗がん剤の投与時期については、制度が非常に複雑となって誰も理解できないということになって、それをどう判断するかということになると、いろいろな事務処理手続などが大変になるので、そうすると国民が納得し、かつ現実的な基準を策定することが可能かどうかという点について、検討が必要だということです。
 それから、死亡等重大な被害のみを対象とする場合は、5頁のいちばん最後の○ですが、重大なというのはともかくとして、死亡だけだといったら一体誰を救済することになるのか。被侵害利益というのは何なのかというようなことで、一度考え直さなければいけないのではないかということです。
 6頁のいちばん下の○で、因果関係の判断基準については、これも非常に難しいので、ある程度緩めて判断しなければならないことは確かなのです。どの程度の確率があれば因果関係を認めるのかということは、制度として考えた場合に、他方で費用負担者がいるわけですから、それを正当化されるという観点で、どのような根拠で因果関係の判断基準をまとめるかは、さらに検討する必要がありますし、そのような制度、そのような判断をする体制を作るのは、7頁のいちばん上の○ですが、なかなか信頼のおける判定体制を確定することは容易ではありません。
 「適正使用」についても、これはまだ議論がいろいろ分かれていますが、適正使用という言葉は医学者が使う場合と、法律家が使う場合とでかなり違っていたりするのです。いずれにしても適正使用という言葉が持っているいろいろな問題があって、これを要件とすると非常に判断が難しいと。逆に、これを要件としないことになると、公的制度の下で制度は乱用されるということになりますので、要件を付けないわけにはいかないということで、現時点では検討しなければならないことになっています。
 というものが、いずれもなお検討を要するものです。これは、皆さんの議論をいただいたうえで、4まではかなり議論していますが、いままでの到達点としては大体こういうところです。具体的には、資料2に、あなたはこういうことを言ったでしょうという証拠が残っていますので、議論いただければと思います。こういうまとめでよろしいでしょうか。
○北澤委員 細かいところで1点よろしいですか。1頁の「はじめに」のところで、(注)として抗がん剤の定義があるのですが、「本検討会では、ホルモン療法剤、免疫療法剤を含むがんへの適応を持つ医薬品全般を指す」とあるのですが、私もうろ覚えなのですが、がんに使われていても対象になっている薬剤、ホルモン剤の一部などだったがあったのではないでしょうか。その辺りをはっきりさせて書いておいたほうがいいのかなよいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○森嶌座長 これは、事務局からお願いします。
○牧野医薬品副作用被害対策室調整官 おっしゃるとおり、ホルモン剤あるいは免疫療法剤もそうですが、一部救済対象になっているものがあります。ただ、現時点では雑駁に言いますと、副作用の頻度だけでみて一部救済対象にしているということなのですが、今回抗がん剤という捉え方をして、がん患者に使われる薬という視点から、改めて検討いただくという趣旨で記載しています。(注)に、一部救済対象になっているということを書いたほうがよろしいでしょうか。○北澤委員 どう書いたらいいのかは、ちょっとわからないのですが、いま救済対象になっているものも、結局外れてしまうのではないかという逆の懸念はないですか。
○牧野医薬品副作用被害対策室調整官 そこは、いま全体で議論いただいているので、もし逆の結論が出ればそれに合わせて検討ということはあるかもしれませんが、そこまではっきりした話はいま出ていません。
○森嶌座長 そういうつもりは全くないと思うのですが、いまのような提言があるとすれば、「なお」ぐらいのところで。どう書くかはわかりませんが、議論としては抗がん剤について一般的にあれしていますが、救済対象としてどうするかということになって、最後のギリギリのところにきたら、例えば一部の抗がん剤はどうするかなどの議論がありますね。どうするか最後はわかりませんが、そういう場合に、極端なことを言うと、抗がん剤の中にはもう既に対象になっているものもありますし、そうなっていないけれども、なっていないものの一部を入れたらどうかというような疑問も出てくるかもしれません。そういうこともありますので、書き方はあれですが、一応(注)としては一部のものは既に現行の中の対象になっているものもあるというようなことで、修文しておかれたらいかがでしょうか。
 何が入って何が抜けるのかという細かいことはまた別ですが、そうでないと、どちらに解釈するかは別として、いままで入っているものを抜くつもりかとか、いままで入っているものもあるのではないかという要らざる議論も起きるかもしれません。議論としては、抗がん剤一般の議論をしていますが、いざ今度このような制度を作るとしたら、既存のものに入れるにしろ、既存のものでないところに作るにしても、あるいは作らないにしても、そのときにいままで入っているものはそれとの関係でどうなるかということを別にしなければならないわけです。いま入っているものは入っていますということを書いておいたらいかがでしょうか。
○鳥井医薬品副作用被害対策室長 まさにおっしゃるとおりで、いま除外されているかどうかについては、一部の抗がん剤を対象とする場合のところで既に議論をしていて、その結論にもよると思います。(注)には、事実関係を書かせていただきたいと思います。
○森嶌座長 それは、そのようにしていただきたいと思います。ほかにいかがですか。
○中田委員 いまのところにも多少関係するのですが、1頁に「抗がん剤」という言葉と「抗がん剤等」という言葉が両方使われていまして、題が抗がん剤なのですが、検討会の中身は抗がん剤等なので、これは同じものか違うものなのかがよくわかりません。どちらでも構いませんが、文章が読みやすいだけだと思うのですが、整理していただいたほうがよろしいかと思います。
○鳥井医薬品副作用被害対策室長 ここは「等」は意味があって付けています。抗がん剤以外のものという意味で付けています。ただ、そこまで議論はいっていませんので、具体的な記載はしていないということです。
○中田委員 それは、(注)に書いてある抗がん剤のほかに、ここでの抗がん剤というのはホルモン療法剤、免疫療法剤を含むと書いてありますが、これ以外のものですか。
○鳥井医薬品副作用被害対策室長 それ以外のもので、免疫抑制剤が一部除外されているのですが、まだそこまでは議論が進んでいませんので、ここには明記はしていません。ただ、アジェンダの中には一応入れさせていただいています。
○森嶌座長 中田先生のように綿密な人もいるかもしれませんから、「抗がん剤とは」と書いたら、「等」とはそれ以外のものもあるというようなことを言ったほうが、こちらに定義しておいて「等」とは何だなどと誰かから言われたときに、困るかもしれませんね。なまじ(注)は入れないほうがこんがらなくていいと。世の中の人は、あまりそこまで中田先生のように厳密におっしゃらないかもしれません。
○中田委員 普通の人は、おそらく両方同じだと思って読むと思うのですが。
○山口委員 この検討会の任務としては、「等」と入っているということは、いちばん最後にということになるのかもしれませんが、抗がん剤の救済の在り方を考えることによって、それがほかのところに広げられるかというようなことになるのかもしれませんが、任務としてはやはり抗がん剤だけに絞ってはいけないと私は理解していました。少なくとも、名前が「等」ですので、逆に言うとそれをほかのものも入れることによって、多少議論が変わってくる可能性もあるのかなと思いました。ただ現在では、まだ抗がん剤しかやっていないということですので、私はこれでよろしいのではないかと思います。
○森嶌座長 何かほかのものをやった途端に、お前たちは権限を利用したなどということで怒られたりはしないから、いいのではないでしょうか。
○藤村委員 4頁のいちばん上の○なのですが、全体が議論の過程を示すということで、最終的に詰めてまとまっていなくても別に構わないとは思います。QOLを(生活の質)と書いてあって、一般的にこれは間違いではないと思うのですが、これだけでは何かよくわからないのですね。では、どう書けばいいかとなるととても難しいのですが、要は最終的に、この救済制度が公的負担に基づいて成り立っているわけですから、そこに応えられるだけの救済の対象が何であろうかということになるわけです。単に生命・身体に侵害がないことの期待や生活の質だけだとよくわからないのではないかと思うのですね。議論の過程でもいつもそう思っていました。この問題は、ここで明確にしなくてもいいですが、そういう問題はさらに議論の積み残しとして理解しておけばいいかなとは思うのですが、気になるものですから発言させていただきました。
○森嶌座長 私もクオリティー・オブ・ライフは何だというのがありまして、改めて整理したうえでというのが書いてあるのはそういうことです。そのうえで何が必要ということですので、現時点ではこれを書き直すとなると、現にそういう言葉で議論の過程で出ていますので、私としては現時点ではこれでこういう形で。ご指摘は、議事録として留めておきますが。
○齋藤委員 事務局にお尋ねしたいのですが、各項目の最後の文言なのですが、例えばさらに検討が必要である、なお検討が必要である、留意すべきである、十分留意すべきである。5、6に関しても、十分見極める必要がある、引き続き慎重な見極めが必要であるということで、言葉のニュアンスが少しずつ日本語としては違うことを入れているのですが、これはあえて何か事項の軽重を付けるつもりなのか、それとも単に文章の変化を付けるだけなのか。行政文書なので、ここのところもきちんと慎重な言い回しをしておいたほうがいいのではないかと思いました。
○鳥井医薬品副作用被害対策室長 見極めるというのは、5と6に共通して使ったつもりなのですが、形容詞までは十分精査できていませんので、揃えさせていただきたいと思います。「なお」や「今後」も同じ意味ですので、揃えさせていただきたいと思います。
○森嶌座長 私も事前にきちんと読ませていただいてはいますが、大臣に対する諮問書などですと、これとこれとは同じ意味かどうかをやるのですが、そこまでは見ませんでした。確かに、おっしゃるように「なお」や「さらに」はどう違うのだと言われると困りますから。私の印象では、事務局は違えたつもりはないはずですので、齋藤委員がおっしゃるように「必要」と「留意」というのは違うと思いますが、そうでない限りそこは少し統一できるものは統一すると。体言止めがあったり、体言止めでないというところなどは、なるべく整えていただきたいと思います。ほかにありますか。
○中田委員 2頁の2の現行の救済制度についてですが、ここに現行制度の評価といいますか、もちろん給付を受ける方にとっては非常にいい制度だと思いますが、それ以外に社会的にも非常に意味のある制度であるというようなことを書いていただけたらと思います。これは、ある種の宣伝ではありますが。
○森嶌座長 なかった場合に何が起きたかということはわからないのですが、少なくとも評価されていることは確かですので、それを数量的に示せとか、近頃の事業仕分けのように数量的にその効果を示してご覧なさいといわれるとちょっと困りますが、定性的に示すことはできるのでしょうから、特に異論がなければ、いまの中田委員の発言はどこに入れましょうか。まとめの段階ですので、単文ではなくて、文章のどこに入れろと言っていただいたほうがいいと思います。
○中田委員 そこまで考えていませんでしたが。
○森嶌座長 2の現行制度の最初の○のところで、拠出金を財源とし、社会的に一定の効用を果たしているというものでしょうか。これを入れることについて、そうではないという意見はありますか。厳密には、データを取ってやらなければならないと思いますが。私が最初の制度設計をしたのですが、そのときにはもっといろいろな請求があるだろうということであったり、費用の計算などで少し過度に負担金、拠出金などを取ったりして、そのあと研究機関をつくったりしました。当時としては、社会的にジャーナリズム等からも評価されたのです。しかし、実際にはスタートのときにはあまり認知度が高くなかったので使われなくて、その後何年か経ったぐらいから使われるようになりました。スタートのときはスモンでしたから、そちらは使われる前に調書で解決されていたというようなことですね。社会的に一定の効果を果たしてきたと書いて、関係会社にとって効果をもってきたと書いても、私は誤りではないと思います。十分であったかどうかは、人によって評価が違うと思いますが。よろしいですか。特に山口委員、いかがでしょうか。先ほどフランスよりはいいだろうとおっしゃいましたが。
○山口委員 私もそう思いますので、是非入れていただいたほうがよろしいかと思います。
○森嶌座長 それでは、2頁の2の最初の○の、入れる場所としては、「財源としている」で止めて、一文を起こすか、「財源とし、社会的に一定の効用を果たしている」とするかということでよろしいでしょうか。
ほかにいかがでしょうか。時間もありますので、次に進めてもよろしいでしょうか。
8頁の5から下です。7は少し議論しましたが、特に5、6はほとんど実質的な議論はいたしませんで、意見書が出てきたということで、先ほど事務局からも説明がありましたように、意見書で書かれているものを出しています。そこで、ここにもこういう可能性が指摘された、意見があったというような形で、議論としてこういう議論であるというようなことにはなっていないはずです。そこで、こういうことを見極める必要があるということで、いかがでしょうか。不服申立は、いままで全然議論したこともなかったのですが、これも意見書で出てきたのでしょうか。
○藤村委員 私が指摘したもので、やはり重要なことであるから、忘れないようにということです。
○森嶌座長 これは、当然です。これは議論はしなかったということです。これも含めて、8、9頁について意見を伺いたいと思います。
○檀委員 8頁の5の医療萎縮等の問題についての4つ目の○には、「このほか、この制度ができると、医師主導治験等の臨床試験について、公的補償制度がない中で、抗がん剤に係る試験についても高額な民間保険関与を余儀なくされ、実施が難しくなる可能性も指摘された」とありますが、こういう意見が出たかどうかはちょっと覚えていないのですが、今回の中間とりまとめの(案)に書くのに妥当なことなのかどうかちょっと疑問があります。この制度ができると、高額な民間保険加入を余儀なくされる、そこの因果関係が全くわかりません。それから、現在も医師主導治験等の臨床試験については、厚生労働省が出した臨床試験に関する倫理指針の中で、民間保険に入るようにという項目があります。そういう指導をされていますが、現在でも一般的には臨床試験をやる場合には、医師は民間保険会社に加入することになっているわけです。現行でもそうですから、この制度ができると実施が難しくなると。その辺りの因果関係がはっきりしませんので、これを入れるべきかという疑問があります。
○遠藤委員 たぶん、これは私が意見書の中に書いたのですが、確かに檀先生がおっしゃるように民間保険はあるにはあるのですが、抗がん剤に関してはの民間保険はほとんどありません。いまは抗がん剤以外のものの治験や医師主導臨床試験は保険制度があります。抗がん剤については特にはないので、私はわざわざこれを意見書の中に書かせていただきました。特に、抗がん剤の場合は併用薬などをやると使うと、すごくお金が高いかかる中でかなり苦労して、いまでも臨床試験などをやられているので、それにまた負荷がかかると負担が大きくなると、基本的に臨床試験などがいまよりもさらにできにくくなってしまうと思いましたので、今回意見書に書かせていただきました。
○檀委員 現在も臨床試験に使っている民間保険会社は4社ぐらいあると思いますが、そこでは抗がん剤を使った臨床試験は、現行でも保険料が高いのは確かなのです。この制度がもしできると余計難しくなって、そこの因果関係がどうなのかなと思ったのです。
○遠藤委員 たぶん、いまは抗がん剤の臨床試験は、ほとんど保険に入っていないと思うのですねいます。実際に副作用が起きた場合には、補償として治験を実施している医療機関で責任をもって治療をするとか、世論対策を十分な対策をするというような形になっていますので、ただ。しかし、抗がん剤の救済制度ができれば、基本的に必ず入らなければいけなくなってしまうので、そうすると費用負担がかかるという意味で、私は今回書かせてもらいました。
○宮田審査管理課長補佐 医師主導治験と臨床研究が混同されているので、整理させていただきます。臨床研究は、檀委員がおっしゃった臨床研究に関する倫理指針がありまして、医師主導治験は基本的に薬事法上のGCPあるいはその運用の話になってまいります。いずれにしても、臨床研究の指針も改正されまして、もちろん民間保険等を講じる必要があるわけですが、遠藤委員がおっしゃるように、抗がん剤は実質上民間保険は難しいということで、そこは倫理委員会あるいは患者さんへの同意等で十分な措置を講ずるといった形で、必ずしも民間保険が必須というわけではありません。そこのところは誤解されないようにお願いします。
 遠藤委員のおっしゃる趣旨としては、おそらく医師主導治験あるいは臨床研究も適用外の薬もだいぶ多いこともありまして、たぶんその部分について影響がはねていくところが懸念されているのかなと思います。
○佐藤監視指導室長 1点補足をさせていただきます。いま説明がありましたいわゆる治験や臨床研究の民間保険ですが、そういった保険商品を設定する際に、現状は現行の副作用被害救済制度をベースにそういった制度を設計していることによって、当然こちらのベースとなっている制度が抗がん剤をカバーするようになれば、その影響があるだろうという趣旨でここは書かれているだろうと思います。そのような趣旨ということで、遠藤委員、よろしいでしょうか。
○遠藤委員 すみません、私の言葉足らずで、いろいろ補足していただき、ありがとうございます。
○森嶌座長 先ほど申しましたように、あまり議論をしていないので、これで可能性があるから萎縮する、しないという結論を、中間とりまとめで下してしまうのでしたら、私はここで決着をつけておかなければならないと思いますが、指摘がありますので、いまの説明は今日の議事録に残るかとは思います。そういう影響はあるかどうかについて、今日の段階で勉強はしましたが、指摘があったということは確かですので、その指摘が正しかったか正しくなかったかは、これからまた検討をしたいと思います。これは遠藤委員の指摘でしたが、それ以外の指摘でも、私も、そういう根拠はどこから出てきたのだろうかというのが、ないわけではありません。これは、委員ではなくて、ヒアリングなどでもそうですが、だからといってそういう考え方も全くないわけではないと思います。 根拠が明確に示されていないけれども、指摘があった、あるいは意見があったという形で記載をすることについては、今後検討するということで、提起された事実そのものについて問題がある、あるいは記載の仕方について問題があるということでなければ、今日の記載でお認めいただければと思いますが、いかがでしょうか。
 不服申立手続は全然出てきていないのですが、きちんと藤村委員から出てきているのだろうということで念を押したのは、何もないのにこんなところに出てきたのはなぜかと言われると困るものですから、申し上げただけです。いままで議論していないではないかというのでない限り、全く矛盾ということでなければ、よろしいでしょうか。
 いずれにしても、普通の中間とりまとめですと、どこかまではまとまっているのですが、とりまとめをまとめたという意味でのまとめです。しかし、スタートしたときに比べますとだいぶいろいろなことが議論をされたという意味では、私はかなりの進歩だろうと思います。全体について、何か意見はありますか。
 それでは、改めて会合を開くとか、あるいはこの文章を入れて皆さんにもう一度見ていただくというようなことでなくて、先ほど申し上げたような趣旨で、文言の訂正をさせていただき、暦年今年中にとりまとめをいたしまして、公表をしたいと思います。その際、きちんと最後まで文章をまとめなかったところもありますが、先ほど申し上げたような趣旨でとりまとめさせていただきますので、私と事務局に一任させていただけますでしょうか。責任は、私のほうで負わせていただきますが、よろしいでしょうか。
(異議なし)
○森嶌座長 それでは、先の道のりも容易ではないと思いますが、今後も検討を続けさせていただきたいと思います。それでは、次回の日程等について、事務局からよろしくお願いします。
○牧野医薬品副作用被害対策室調整官 次回ですが、年明け以降また日程を調整させていただきまして、連絡をさせていただきます。
○森嶌座長 皆さんからいろいろ出てきて事務局は大変だと思いますが、いままでに出てきたいろいろなデータや情報、資料等をできる限り集めていただくように、よろしくお願いします。そして、事務局だけで集めるのも大変でしょうが、PMDAもそうでしょうが、できれば祖父江先生や長谷川先生や檀先生などもそうかもしれませんが、少し委員の先生にもご協力いただいて、できるだけピンポイントの必要な情報を相談しながら集めてください。およそ一般的にデータを集めても、こんなのは要らないよというのが割合多いものですから、是非そういう形で事務局と委員の先生方と相談して、いままでの議論の上に立って有効な資料を集めて提供していただければと思います。
○牧野医薬品副作用被害対策室調整官 既に祖父江先生にはいろいろ相談させていただいているところもありまして、また年明け以降整理して出させていただきます。
○森嶌座長 委員の先生方も、あるかないかはともかくとして、このようなものを集めたらどうだというのがありましたら、是非事務局に言っていただきたいと思います。しかし、事務局も人員や予算がありますから、そんなことを言われてもできませんと言うかもしれませんが、我々の議論もなるべく効果的に進むように、先生方からこんな情報を出してくれというのがありましたら、個別で結構ですので、申し出ていただきたいと思います。
 それから、これまでの検討における論点はこのように別紙でまとめてありますが、これまでの議論と今日の意見等も踏まえまして、また次回以降、より良いがん治療の中に組み込んでくる基本的な救済制度の在り方は、山口先生、藤村先生、私、それから齊藤先生に言うと止めておけと言われそうな感じがしないでもないのですが。法律ないしは経済からも少し考えたいと思いますので、暮れと正月に考えろとは言いませんが、少しずつお考えいただければと思いますので、これもよろしくお願いします。
 それでは、長時間にわたりまして、ありがとうございました。今年は、あまり良い年ではありませんでしたが、良い年をお迎えください。どうもありがとうございました。

(了)

<連絡先>
厚生労働省医薬食品局総務課
医薬品副作用被害対策室
TEL 03-5253-1111(内線2718)

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