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2011年12月22日 第4回医療の質の向上に資する無過失補償制度等のあり方に関する検討会

医政局総務課医療安全推進室

○日時

平成23年12月22日(木)


○場所

省議室


○出席者

会議メンバー(五十音順)

有賀徹 (昭和大学病院病院長)
飯田修平 (練馬総合病院病院長)
岩井宜子 (専修大学法科大学院教授)
貝谷伸 (全国健康保険協会理事)
加藤良夫 (栄法律事務所弁護士)
里見進 (東北大学病院病院長)
椎名正樹 (健康保険組合連合会参与)
高杉敬久 (日本医師会常任理事)
豊田郁子 (新葛飾病院セーフティーマネージャー)
宮澤潤 (宮澤潤法律事務所弁護士)
吉川和夫 (東京都副知事)

参考人

小林宏之 (日本航空操縦士協会)
小松満 (茨城県医療問題中立処理委員会)

オブザーバー

警察庁
法務省
文部科学省
消費者庁
公益財団法人日本医療機能評価機構
一般社団法人日本医療安全調査機構

厚生労働省

藤田一枝 (厚生労働大臣政務官)
大谷泰夫 (医政局長)
池永敏康 (医政局総務課長)
木村博承 (大臣官房総務課参事官(医療安全担当))
宮本哲也 (医政局総務課医療安全推進室長)
田原克志 (医政局医事課長)
鈴木建一 (保険局総務課医療費適正化対策推進室長)

○議題

(1)関係者からのヒアリング
(2)今後の進め方について
(3)その他

○配布資料

資料1第3回医療の質の向上に資する無過失補償制度等のあり方に関する検討会議事録
資料2航空界における報告制度と事故調査(小林参考人提出資料)
資料3茨城県医療問題中立処理委員会の活動(小松参考人提出資料)
資料4消費者事故等の調査体制(「消費者安全調査委員会」(仮称))の整備(消費者庁)
資料5医療事故の発生件数の推計に関する研究について
資料6第1〜3回 医療の質の向上に資する無過失補償制度等のあり方に関する検討会 発言要旨
資料7今後検討の必要な論点(案)
資料8今後の検討会の進め方について(案)
参考資料1厚生労働科学研究費補助金医療技術評価総合研究事業 主任研究者;堺秀人『医療事故の全国的発生頻度に関する研究』平成15年度〜17年度総合研究報告書 平成18(2006)年3月
参考資料2厚生労働科学研究補助金地域医療基盤開発推進研究事業 研究代表者;堀口裕正『診療行為に関連した死亡の届出様式及び医療事故の情報処理システムの開発に関する研究』総括・分担研究報告書 平成21年3月(抜粋)
分担研究報告書「医療事故事例の発生件数に関する全国調査に関する研究(野本亀久雄、池田俊也、堀口裕正、後信)

○議事

○医療安全推進室長
 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第4回「医療の質の向上に資する無過失補償制度等のあり方に関する検討会」を開催させていただきます。
 本日は、御多用の中、当検討会に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 本日の御出席ですけれども、印南構成員、遠藤構成員、岡?構成員、松月構成員及び山本構成員から御欠席との連絡をいただいております。
 次に、事務局で出席者に変更がございましたので、紹介させていただきます。
 厚生労働大臣政務官の藤田一枝でございます。9月5日付で就任しております。
 それでは、以降の進行につきましては、里見座長にお願いいたします。里見座長、よろしくお願いいたします。

○里見座長
 第4回になりますけれども、この会議、年末のお忙しい中、御出席いただきまして誠にありがとうございます。今朝、出てくるときに仙台は久しぶりといいますか、最初だと思いますが、10cmほど雪が積もりまして、かなり出てくるのに苦労いたしましたけれども、非常にきれいな真っ白でしたので、今日の会議は多分いい会が開かれるのではないかと大変期待しておりますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、早速ですけれども、初めに、藤田大臣政務官の方からごあいさつをお願いいたします。

○藤田大臣政務官
 座ったままで失礼いたします。皆様、こんにちは。ごあいさつの機会が大変遅くなりまして申し訳ございませんでした。政務官を務めております衆議院の藤田一枝でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 本日は本当に年末のお忙しい中に、皆様方には当検討会、御出席をいただきまして本当にありがとうございました。そして、8月末の第1回の検討会以来、大変熱心な、また充実した御議論を重ねていただきましたことに心から感謝を申し上げます。
 医療の安全というものは、医療を提供する側と医療を受ける側の相互の信頼というものが不可欠でございます。この検討会では、医療事故が発生した場合の原因究明やその再発防止の仕組みなどの検討とともに、診療行為全般を対象とする無過失補償制度のあり方を多角的に検討して、医療の質の向上に資する仕組みを構築することを目指しているところでございます。当検討会の結果は、今後の医療の安全にとって非常に重要なものになってくるものと認識をいたしております。
 皆様方には、引き続き是非とも大所高所の視点から格別のお力添えをいただきますように、よろしくお願いを申し上げる次第でございます。
 また、本日は、前半は関係者の方々からのヒアリング、後半は当検討会の今後の進め方について御議論いただくこととなっております。どうぞ活発な御議論を重ねてお願いを申し上げまして、ごあいさつとさせていただきます。
 ありがとうございました。

○里見座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、会を始めるに当たりまして、本日の資料について事務局から確認をお願いいたします。

○医療安全推進室長
 それでは、配付資料につきまして確認させていただきます。
 まず議事次第と座席表をお配りしております。
 配付資料といたしまして、資料1、第3回検討会の議事録。
 資料2、小林参考人から御提出いただきました資料ですが、「航空界における報告制度と事故調査」。
 資料3、小松参考人より御提供いただきました資料ですが、「茨城県医療問題中立処理委員会の活動」。
 資料4、消費者庁より御提供いただいたものですが、「消費者事故等の調査体制(「消費者安全調査委員会」(仮称))の整備」。
 資料5「医療事故の発生件数の推計に関する研究について」。
 資料6、第1〜3回までの構成員等の発言要旨。
 資料7「今後の検討の必要な論点(案)」。
 資料8「今後の検討会の進め方について(案)」。
 参考資料1、医療事故の全国的発生頻度に関する研究の報告書でございます。
 参考資料2、診療行為に関連した死亡の届出様式及び医療事故の情報処理システムの開発に関する研究の報告書の抜粋でございます。
 最後に、当検討会の開催要綱を配付しております。
 以上でございます。不足等ございましたら、お知らせください。
 また、資料1でございますけれども、前回の議事録ですが、既に構成員の皆様には内容を御確認いただきまして、厚生労働省のホームページに掲載しておりますが、何かございましたら事務局までお知らせください。
 以上です。

○里見座長
 ありがとうございました。
 それでは、皆さん、資料に関してはよろしいでしょうか。また、議事録につきましては、もう既に配付はされていると思いますけれども、何かお気づきの点がありましたら、お申し出いただきたいと思います。
 カメラは入っていませんけれども、冒頭のカメラ撮りはこれで終わりにさせていただきたいと思います。
 それでは、早速、議事に入りますけれども、前回は有賀構成員、岩井構成員、豊田構成員、山本副座長等からそれぞれの立場でいろいろ提出資料に基づきまして説明をいただきまして、その後、ディスカッションを行ったところでございます。
 本日は、更にヒアリングを進めまして、皆さんから要望がありました航空界における報告制度と事故調査についてが1人目、次に茨城県の医療問題の中立処理委員会の活動についてということで2人目の方、次が3人目で消費者事故等の調査体制。消費者安全調査委員会(仮称)の整備などについての説明をいただきまして、次にその後に当検討会の今後の進め方について御議論いただくことになっております。
 それでは、まず議題1でございます。3名の方からそれぞれ提出いただいた資料に基づきまして、事務局の資料についてそれぞれ説明をしていただきます。その後、質問や御意見の交換の時間を設けさせていただきたいと思っていますので、どうぞそのようによろしくお願いいたします。
 最初に議題1の関係者からのヒアリングの関係で、航空界における報告制度と事故調査の説明を日本航空機操縦士協会、小林副会長からお願いいたします。
 どうぞお願いいたします。

○小林参考人
 御紹介いただきました日本航空機操縦士協会の小林でございます。昨年までに日本航空でずっと機長をやっておりまして、今はパイロットの協会の副会長をやっております。
 私もいろんなところで医療機関あるいは病院でお話しさせていただきますけれども、今日、こういった場で機会を与えていただきましてありがとうございます。
 1ページ、私どもが考えています安全の根っこの部分をここで最初に触れさせていただきたいと思いますが、安全というのはどこにもないのですけれども、ただ、この4本の柱、ハード、ソフト、ヒューマン、ソーシャル、いわゆる情報のネットワーク、この4つで何とか安全というのは支えられています。その中でも特にハード、ソフトあるいは情報のネットワーク、こういったものは日進月歩でかなり進んできて整備されていますけれども、我々の人間の行動あるいは習慣というのは、ほとんど昔と今と変わっていない。むしろ、昔の人の方が感性は研ぎ澄まされていたのではないかと思う。今の我々の非常に忙しい複雑な社会においては、かなりヒューマンエラー、ヒューマンファクターとか影響してきます。これは私ども航空界だけではなく、どの産業界でもほとんどの事故の要因の70〜80%はヒューマンファクターが関与している。そのヒューマンファクターのうちの更に80%というのがだれでもできる簡単なこと、基本的なこと、あるいはあそこでちょっと確認しておけばあんなことにならなかったというのがほとんどだと思います。
 そうしますと、事故の要因の80%にヒューマンファクター、更にその80%が難しいことや高度なことができなくて事故やインシデントになっているのではなくて、だれでもできる当たり前のこと、あるいはあそこでちょっと確認してということですので、80×80、8×8は64ということですから、どんなに少なく見ても半分以上が基本確認を徹底しておればあんな事故あるいはインシデントは起こらないはずなのですけれども、だれだって一生懸命仕事をしてもそこは事故が起こってしまうということで、私どもはやはり安全対策というのはヒューマンファクターから対策をとっていくのが一番効果的ではないかと、そのように考えています。
 ただ、この4本の柱が幾らしっかりしていても、その土壌が不安定だったらやはり安全というのは支えられないということで、これが安全文化です。これはもう大きな事故が起こるたびにどこでも安全文化の欠如あるいは安全文化の構築が必要ということが言われています。
 2ページ、安全文化にはいろいろあるのですけれども、その中で一番手っ取り早くて、かつ具体的に取り組みやすいというのは報告の文化です。
 3ページ、都合の悪い情報あるいは悪い情報というのはある性質を持っていまして、放っておけば隠れたがるあるいは隠したがるといった性質を持っていますので、もしそれを公開しないあるいは共有しないと、ここで起こったことがまたほかのところで同じようなことが起こってしまうということで、特に悪い情報、マイナス情報というのは公開して、あるいはみんなで共有することによって再発防止が防げる、そのように考えております。
 4ページ、報告には2種類、一般的にはあるかと思います。1つは義務報告、もう一つは自発的な報告。義務報告というのは事故あるいはインシデントということでなるべく生かさなければいけない。もう一つは、自発的に生かす方向ということがあって、2つともそれぞれ意味を持っていますけれども、特にヒューマンエラー、ヒューマンファクターからの取組みというのは、自発的報告制度がかなり有効ではないかと思います。
 5ページと6ページはほぼ重なっていますので6ページを見ていただきたいと思いますが、自発的な報告制度はなぜ事故防止に有効かというのですと、まず報告の義務、ひいては安全の一番土壌であります根っこの部分であります安全文化の土壌をつくってくれるということです。事故とかインシデントというのはそんなにしょっちゅうあるわけはないですけれども、事故に近づいた、あるいはひやっとした、はっとしたというのはほとんどどの職場でもほぼ毎日のようにあるはずです。ですから、自発的な報告をみんなが積極的に出すことによって、リスクマネジメントの視点から言っても、そうか、ここの場合だったらみんながエラー、失敗、間違えやすい、だからここで手を打とうといった対策にも出ますし、先ほど申し上げました、みんなでその情報を共有することによって、その現場あるいは組織のリスク感性が高まってくるという利点があります。勿論、義務報告にはそれなりの利点もあると思いますが、やはりヒューマンエラー、ヒューマンファクターからの視点を見ますと、自発的な報告制度というのは非常に有効ではないかと思っています。私もいろんな病院に行ってお話しさせていただきますと、看護師さんの皆さんは非常によく自発的報告制度によく取り組んでおられるのではないかと思っています。
 7ページ、私たちの仕事というのは、ある意味ではもうヒューマンエラーとの戦いではないかと思います。どんなに優秀な人、どんなに一生懸命仕事をしても、やはり人間というのはどうしてもどこかでエラーというものを起こしてしまうことがあると思います。このエラーというのは、絶対ゼロにはできません。ゼロにはできないのですけれども、いろんな工夫をして少なくすることができる。あるいはたとえエラーがあったとしても、誰かが気がついてカバーすれば事故が起こらないということで、これがチームマネジメントです。医療界でも最近チーム医療ということで取り組んでおられると思うのですけれども、私ども航空界でも1980年ぐらいからリソースマネジメント、いわゆるチームとして安全を確保していこうといった取組みをしております。そのお陰かもわかりませんけれども、日本における航空機事故、1985年の御巣鷹山事故以来、いわゆる死亡事故というのは起こっておりません。私も実際、機長としてずっと飛んできましたけれども、いろいろ助けられて何とか無事故でここまでやってこられました。
 ですから、個人で完璧に安全を確保しろというのは無理だと思います。やはりチームとして安全あるいは質の高い作業をしていく、こういった取組みが今後ともどの産業界においても必要ではないかと思います。
 もう一つ、日本の場合は何かありますと、あってはならないといった論調があると思いますけれども、あってはならないでは絶対リスクマネジメント、危機管理、安全対策というのは成り立たないので、あり得るということから前提していろんなものの対策を立てていかないと同じことが起こってしまう。
 もう一つ、日本は何かありますとだれがという観点でいろんな議論をされますけれども、だれがではなくて、そのバックグラウンドにあります何がという視点でいろんな対策を立てていかない限りは、また同じことが起こってくるのではないかと感じております。
 8ページ、この報告制度に関しまして、航空界で国際的な条約を見てみますと、ICAO、国際民間航空条約第13の附属書というのがあるのですけれども、これを見ますと妥結国については、義務的なインシデントの報告制度によっては収集できないいろんな情報を自発的な報告制度によって収集するような制度を設定しなければならないといったことがあります。
 この自発的なインシデント報告制度については、非懲罰的であり、情報提供者を保護するものでなければならないということがうたわれています。まとめますと、あくまでも事故の再発防止のために原因の探求主義、非懲罰、この理念を示しているのではないかと思います。責任追及が優先されてしまうと、どうしても再発防止にはなかなかうまくいかないということです。
 9ページ、ではこの報告制度に対して、日本における我々航空界における規定はどうなっているかというと、義務報告に関しましても自発的報告は特に非懲罰に関しては何も規定は特にありません。ただし、この自発的な報告制度については、情報提供者はだれが出したかわからないように秘匿することによって懲罰されたこともありません。私も自発的報告制度の委員長を何年かやっていましたけれども、実際に一度も報告した人を特定しませんでしたし、懲罰も受けたことも、不利益が起きたことも一度もありませんでした。
 10ページ、組織立った航空界での自発的な情報の制度、ネットワークというのを御紹介させていただきましたが、航空安全情報ネットワークというのがありまして、航空機の運航において体験した事故あるいは重大インシデントにはならなかったのですけれども、その直前まで行ったひやっとしたといったものを自発的に報告して、広く関係者で協力することによって再発防止あるいは予防対策を取っております。この運用は航空運輸技術センターというところが行っていまして、このホームページあるいは私どもの操縦士協会のホームページ、だれでもこの報告はアクセスできるようになっています。
 11ページ、もし事故あるいは重大インシデントが起こってしまったらどうなるのかということが、それを扱うことが国土交通大臣の下にあります運輸安全委員会であります。これは航空だけではなくて鉄道あるいは船舶の事故、重大インシデントを扱っております。この委員会の目的もあくまでも再発防止ということで、徹底した原因の究明を行って再発防止の対策を講じています。そしてその報告書は国土交通大臣に提出するとともに、ホームページでも公表していますので、だれでもアクセスできます。また、必要となった場合は、この委員会から各国あるいはいろんな機関に勧告を出すことができます。
 12ページ、続きまして、この運輸安全委員会なのですが、日本も条約加盟国ですので、この目的はあくまでも事故防止、インシデントの防止あるいは再発防止であって、罪あるいは責任を課すのは目的ではありません。ただし、日本では若干調査と警察による捜査の選定があいまいというか明確ではありません。この基になっているのは1972年に航空事故調査委員会ができたときに、警察庁長官と運輸事務次官とで結ばれました、いわゆる覚書が依然として生きていまして、どうしても場合によっては捜査が優先してしまうといったことがあります。
 その一例といたしましては、2001年におきました日本航空機同士の管制官の言い間違いが起因になった、いわゆるニアミスがありまして、そこでかなりのけが人が出ております。その裁判で最高裁が事故調査報告書を嘱託の鑑定として使われたということで、そうしますと、今後の調査に相当影響を及ぼすのではないかと思って、私ども航空界では心配しております。あくまでも事故調査報告書というのは再発防止のための報告書ですので、再発防止のためにはこういったことも考えられる、こういったことも推定できる、再発防止ですのでいろんなことも推定して考えておっていきましょうといった報告書になりますので、それはやはり犯罪捜査あるいは裁判に使われるとなりますと、どうしても再発防止あるいは事故防止から少し外れていくのではないかと思っております。
 最後に、私どもが考えています、安全で安心できる社会というのは、やはりヒューマンエラーと犯罪は別なものとして考えて対策を取っていくことが大事だと思いますし、事故調査というのはあくまでも再発防止あるいは今後起こるであるかもわからない事故インシデントを防止するためのものでなければならないと考えておりまして、先ほど申し上げましたように事故の多くというのは、少なくとも半分以上はヒューマンファクターが関与している。したがって、安全対策、事故防止というものはヒューマンファクターの視点から取り組んでいくことが一番の重要課題ではないかと思います。そのためには、自発的報告書というのが非常に有効になってくるのではないかと考えております。
 以上でございます。

○里見座長
 小林さん、本当にありがとうございました。大変幾つかの示唆に富む話題を提供していただきましたけれども、討論は3人の方々にお話ししていただいた後に総合でやりたいと思いますので、次に移らせていただきます。
 続きまして、資料3の茨城県医療問題中立処理委員会の活動の説明を、茨城県医師会の小松副会長からお願いいたします。
 どうぞよろしくお願いいたします。

○小松参考人
 茨城県の医師会の活動を御報告いたします。
 1ページ、茨城県医師会には1964年に医事紛争処理委員会というものができております。これは日本医師会と連動した組織でございまして、1つのADRの形であると言われております。ただ、ここの組織は医療事故の医療側に責任があるかどうか、その有無を判定する場所でありまして、医療側の委員だけで構成されているのです。委員会にその事故に対して医療機関に責任があるかないかどうか判定してもらうための申請は医療機関側からだけしかできない、患者さん側からはできないという制度なものですから、患者さんが不満でも医療機関がここに出さないとその判定はできないわけです。患者さん側は、やはり事実の究明等、真相を知りたいということが主な希望なのですけれども、ここには当事者同士は出てこられませんし、解決も金銭的な賠償の問題で金銭的な解決だけになる。要するに患者さんが医療機関側にもし責任があれば謝罪してほしいとか説明してほしいという問題、心の内面的な解決にはなっていないということが以前から言われておりました。
 弁護士会に言わせると、これは医療側の組織であるということなのです。そういうような見方をされています。決してそうではないのですけれども、構成上そうなっています。
 3ページ、委員の構成ですけれども、茨城県の場合は、勤務医9名と開業医9名、それに弁護士が2名入って1つの委員会が構成されます。人数はたまたま勤務医9名、開業医9名ということになっております。
 4ページ、これが平成21年、22年での処理件数なのですけれども、21年度は有責、医療機関側に責任ありが23件、無責14件。22年度は有責が13件、無責7件です。過去5年間を見ると平均30件毎年処理しているのですけれども、大体6割ぐらいは有責になります。決して医療機関寄りの判断が出るというところではなくて、かなり厳しくやられて公平にやられていると思っております。ただ、組織上、医師会側の選んだメンバーですので、どうしても不公平ではないかと見られているおそれがあります。
 そういうこともございまして、もっと医療機関と患者さんと真相究明というか誤解を解くために話し合える場を持ってはどうかということが考えられました。平成17年3月に弁護士と学識経験者、市民代表、マスコミ、私たちの医師会からのメンバーで中立委員会設置検討委員会をつくったのです。
 6ページ、そのときに医師会が中立的な組織をつくって患者さんと医療機関側との医療事故に関する話し合いをして何とか解決したいというようなことを言ったのですけれども、最初は全く相手にされませんでした。医師会が自分たちに不利になるような組織をつくるはずがないという意見でした。本当に医師会はこんなに信用されていないのかと非常にがっかりしたこともございましたけれども、3回ほど委員会を開いているうちにやっと納得していただいて、委員会をつくってみましょうということになったのです。
 問題は中立的というときに、お金の出し方、設立母体をどうするかという問題になりました。結局、お金を出す人はだれもいないであろうと、医療事故のそういう話し合う場に費用を出してくれる人はいないということになってしまって、どうしようもなくなってしまって、運営資金は茨城県医師会が年間400万円出すと。設立母体も茨城県医師会にすると。そして弁護士さんから中立性を担保するには自分たちの実績を上げていけば理解されるのではないかという提案がございましたものですから、6ページのように設立母体を茨城県医師会、運営資金を医師会が出す。また委員も茨城県医師会長が任命することとなりました。ただし、弁護士は茨城県弁護士会に決めてもらうというようなことで始めようということになったのです。
 ところが、今度は会員が反対したのです。こういう組織をつくれば、患者側ばかりが有利になるのではないか。私たち医療機関には全くメリットがないだろうし、医事紛争委員会が既にあるのになぜ屋上屋をかさねるようなものをつくるのだと反対されました。しかし、これは当事者同士が話し合うということが非常に大事であって、普通は患者さんが医療機関に来て抗議をするわけですが、そうすると、診療時間の間でないと会えませんから、診療時間内に来て話し合うことになる。当事者同士ですから、非常に感情的な議論になってしまって解決の糸口がつかなくなるのです。その点、第三者を交えることでお互い冷静になって話し合えるのではないかということで何とか会員を説得することができてつくるようになったのです。
 8ページ、以前に一度理事会に提案したのですが認められず、今の日本医師会長の原中先生が茨城県の医師会長になったときに、再度提案してつくることになりました。この茨城県医療問題中立処理委員会の目的でございますけれども、患者側と医療側が話し合える場を提供して、中立の立場で問題処理への支援を行うということです。基本的にこれが第1の目標です。
 そして、これは医療機関の責任の有無を判定する機関ではありません。結局、それだけの能力がないということです。賠償額を決定する機関でもありません。これは後で問題が出てくるのですけれども、一応この3つを基本的な目的としてやっております。
 9ページは、中立処理委員会の構成メンバーです。弁護士は茨城県の弁護士会から選んでもらった3人、学識経験者として大学の教授、この人は被害者支援センターの所長をしておりました。地方新聞の社長。市民代表としては国際交流協会の会長と、女性を1人ということで地域活動連絡協議会の会長さんにお願いしました。医師会からは3人が出ております。
 10ページ、このあっせん・調停会議というのを行うわけですけれども、患者側は本人か家族。ただ、亡くなってしまった場合は家族あるいは親戚の方とかおりますし、代理人の方でも構わないということにしました。医療機関側は基本的に担当医、関係した医者が必ず出てくるということで、院長とか上司あるいは管理者。原則的には担当の医者です。これを基本にしております。今まで医師が出てこなかったのは2例しかございません。後でこれも説明いたします。
 あっせん・調停会議の委員の構成ですけれども、弁護士1名、学識経験者と市民代表から1名、医師会の役員1名と、3名の構成で行うようにしております。
 12ページ、委員長は弁護士か学識経験者です。医師の立場は、委員長がリードして話し合いを始めるわけですけれども、医療問題に関してどうしても助言が必要なときに頼まれたら発言するというのを基本的にしております。決して医師側の委員が積極的に自分から何でもかんでも話してしまうというようなことがないようにしております。
 13ページ、申立件数ですけれども、今まで5年間、平成18年〜22年まで61件申し込まれました。その中で医療機関がこの委員会に出てくる、出席すると答えたのは55件です。6件は拒否されました。
 14ページに拒否した6件がどういう理由で拒否されたかというのが出ております。
 1は代理人を立てて私たちでやりますというものです。
 2は話し合いが進んでいるので自分たちで解決したいと。
 3は、勤務医であったので、もう茨城県にいなくなって異動してしまったのです。私は勤務医であるので、使用者側に申し立てていただきたいということでした。
 4、指摘を受けるような誤った医療はしていないと、説明しているので、出ないとのことでした。このような問題が一番この委員会で扱えるものだと私たちは思っているのです。これは出てほしかったなという感じを持っています。
 5は精神疾患の患者さんで、この委員会に出ても同じであるということです。
 6は十分すぎるほど説明して、これは受けられませんよと返事をしたとのことです。
 この6件が医療機関が出なかった事例です。だから、ほとんどの医療機関は出てくれるということになっています。弁護士会でやっているADRには医療機関が出てこないということが非常に問題になっておりまして、その点に関しては茨城県の場合はよく出てきてくれるのかなという感じを受けています。
 事例の問題です。15ページ、平成18年度受入事案。14例ありますけれども、患者さん側の要求というのは、これを見てわかるように、ほとんどが損害賠償です。普通は真相究明、謝罪、説明ということを要望していると言われております。だけれども、この場合、損害賠償というのは非常に多くなっているのですけれども、始めた年でありまして、問題が非常にこじれてしまっている事例が多かったということと、弁護士さんもなれていなくて、あっせん・調停だから、まず賠償額を幾らかでまとめてしまいましょうというやり方をしたものですから、患者さん側の要求は損害賠償という答えになってしまったのです。全部が全部、損害賠償だけではなくて、やはり説明ということが基本的に出てくるのです。この年は合意になったのはわずか2例でした。
 16ページ、19年度になると、この委員会は基本的に損害賠償の問題ではないのだということ、お互いの誤解があるところを話し合いによって補う委員会なのですということを話し合って、会議を進めるように意志を統一しました。そうすると、患者さん側はやはり説明、謝罪ということが多くなってきたのです。基本的には説明、謝罪が主であり、賠償はその後になるということです。この年は8例のうち合意は1例しかありませんでした。合意が多くなってくるのは20年度からなのです。
 20年度からは、今度は最初に申し立てるときに何を望みますかということで、説明と謝罪と賠償と丸を付けてくださいというような説明にしたのです。そうすると、やはり説明を聞きたいというのが最初に出てきて、これが一番多くなります。ただ、それと一緒に賠償してほしいという意見も当然のことですけれども、出てくるわけです。そのようなことになっております。
 18ページ、これも同じですが、21年になりますと、合意する件数が急激に増えております。13件のうち10例があっせん・調停会議で合意に達しています。お互いに話し合うことによって妥協しようとなってきたと思います。22年度もやはり合意の例が結構増えております。
 20ページ、あっせん・調停会議の開催回数ですけれども、1回のみで終わったのは16件です。これはその中でも合意に達したのは4件ございます。そのほかの12件は余りにもお互いの言い分が違い過ぎていて、これ以上やっても無理であろうということで終わりになっています。あとは多いのだと5回開催している。この5回開催しているのは何とか合意ができそうだなということがあって会議が多くなったということです。
 21ページ、第1回会議から終了までの期間、目安は6か月以内にしているのですけれども、1件だけ2年以上かかっています。これは申し立てた患者さん側がなかなか会に出てこられなかったり、セカンドオピニオンを求めたりしたので長くなってしまった。ただ、これは解決に至っています。合意に至っています。
 22ページ、合意件数です。5年間で54件。これは受け入れたのは55件なのですけれども、医療機関側で受け入れたけれども、申し立てた患者さん側で取り下げてしまった、1回も会議を開かなかったというのが1例あったものですから、会議を開いたのは54件です。そのうちの24件が合意に達しております。
 茨城県の医療問題中立処理委員会の費用ですけれども、これは申込み費用は一切ありません。これはお金がなくて委員会に申し入れられないと、患者さん側がそういうことがないようにと費用はないようにしております。成立手数料なし。これは弁護士の先生方の意見で、もし成功報酬を取るようになると、無理やり合意させようという意識が働くのではないか。それは中立的ではないだろうという意見で、成功報酬は取りませんというようなことで、一切お金はかからないようにしております。
 24ページ、昨年、茨城県の医療機関にアンケートを取りました。よかった点、第三者が入り、公平・公正な立場で双方の主張、見方を訴えられた。第三者の立場で調停するので患者との感情的会話が回避できた。お互い、対面での話し合いでなかったのでよかった。このお医者さんは患者さん側と直接話し合えなかったのがよかったと言っている人なのです。また、苦情により相当追い詰められていたが、調停会議に出席したことで解決し、精神的にも救われた。
 次に悪かった点なのですけれども、調停委員が間に入るために1対1の対応ができずもどかしかった。直接話し合いたかったという意見です。病院側に過失があったため、すぐにお金の話になってしまった。これは最初の年のころの問題です。患者側は委員会が完全な中立の立場と考えていないようであるというようなこともありました。
 26ページ、改善点として挙げられたのは、患者側と直接話し合うことができなかった。結局、医療機関が患者さんと直接話し合いたいという希望が非常に強いのです。それで説明したいと、そういうことが誤解されて弁護士会の先生方は医療機関が出てこないからいつまでも解決しないというような言い方をされていることが多いかと思います。医療機関側でも話し合いたいというのは常にあるわけです。患者側と医療機関側が話し合う時間を多くしてほしい。最初に患者側、医療機関側と面会した方がいいのではないか。慰謝料等を提示してほしい。これはやらないと言っていますからこれは難しいのですけれども、それを言ってほしいということです。
 この後に不成立だった事案はどういうことがあるかということを調査しました。直接医療機関に電話してその後どうなったかということを聞いたのです。30件の不成立事案に対して、その後に交渉、解決したのが4件です。裁判が3件で、1件は医療機関側が訴えて医療機関が勝訴しています。証拠保全が3件、調停その他が1件です。
 真ん中のほぼ動きなしの19件が問題なのです。果たしてこれがどうして動きがないのかということなのです。今まで医療機関側に苦情を言ってきた患者さん側が全くこの会議の後には動かくなってしまった。だから、この会議に出たために、不満だけどあきらめてしまう。裁判をすると言っていながら裁判にも行けなかった。そういう不満があるのではないか。これは医療機関にとっては大変ありがたいことなのですけれども、ただ、そこにはこの会議が患者さん側にとっては問題があるのではないかということを私たちは考えました。また、合意した中にも、やはり不満ながらしようがないやといって合意に達したものもあるのではないかということを考えました。
 そこで今日呼ばれることが決まったのがきっかけに、患者さん側にアンケートを出しました。15件今まで回答が来ているのです。資料にできなかったのですけれども、そこではやはり私たちが思ったとおりの結果でございます。
 合意した4件、これらの中には、これからも継続してほしい、そして患者さんの話をよく聞いてほしいという意見1件、これに出て合意したら話をよく聞いてもらって納得して合意したというのが1件です。あとは話を聞いてはもらえたけれども、この委員会は医療機関寄りであると。もう一つも同じです。中立というが医師側に偏っているという意見でございました。
 不調と合意に至らなかった例が6件です。その中ではやはり医療機関寄りに感じたというのが3件です。もう一つは非常に残念なのですけれども、医療ミスを隠ぺいする機関だ、やめてしまえというのがありました。決して隠ぺいするような機関ではないのですけれども、そのようにとらえたということが非常に私たちにとって考えさせられる問題です。あと2件が、よく話を聞いてくれてありがたかったと。そして、この調停委員会に出席してくれたことに感謝しているという話も1件ございました。これで少しほっとしたことがあるのですけれども、医療機関寄りだと思われているところに、私たちのまだまだこれからやらなければいけない改善点があるかなと思っています。
 不明、合意したか合意しなかったかわからない、印が付いていなかったのが4件ございました。書いている内容からいくと不調だったのではないか、合意していないのではないかなと思いますけれども、この4件はいずれも医療機関寄りの委員会であるというような意見でございます。
 私たちは医療機関寄りでやっているわけではなくてみんな中立的なことで言うのですけれども、医療の問題、細かい話になってくると、患者さん側の訴えだけがすべて正しいわけではございませんので、医療の問題はこういう問題ですよという言い方をするわけです。それが医療機関側だととらえられてしまうのかもしれません。ただ、これはこれから私たちも考えて研究していかなければならないことだと思っています。
 そこで先ほどの解決、合意したときに非常に問題があるのですけれども、お金が絡んでくる、賠償の問題なのです。ここで24件のうちに全くお金が絡まないで合意に達したのは3件ございました。話し合いだけで納得してくれたのが3件です。あとは10万円から1,000万円以上かかったのもございます。ただし、私たちは100万円以上の場合は、医事紛争処理委員会にかけてそちらで、これは医療機関に責任があるから賠償をしなければいけないというように一緒にやっています。医事紛争委員会と中立処理委員会と一緒になってやるようなことにしております。
 このお金の問題は非常に反対する意見もあるのですけれども、この医療事故があったときにどうしても亡くなってしまったり障害が残る、後遺症が残った場合にやはりお金が絡まざるを得ないのではないかなという感じを持っています。自分の経験した例なのですが、骨折した患者さんが手術を受けたわけです。その時に、非常に残念なことにMRSAという菌に感染してしまった。これが2年かかって治らなくて、結局足を切断しなければいけなくなったという事例がございました。この人は中小企業の社長さんでしたけれども、非常に羽振りがよかった人だったのです。商売がうまくいっていた。ただ、この2年間の治療のために生活保護になってしまったのです。手術をしなかったらそうならなかった。これは医療機関に責任あるなしにかかわらず、その人の後遺症のお陰でそういう状態になってしまうということがやはり問題と思います。医療機関が無責になれば全くどこからもお金は出ません。生活保護になってしまった。この問題は非常に問題ではないかなと思います。
 そこで私は、これを解決するためには無責になったときでも無過失補償制度というのが必要ではないかなと考えております。
 最後の29ページですけれども、結局医療というのは不確実性を伴うものでありますから、不測の事態が起こるということは先ほど小林先生が言われたようにゼロにはできないのです。少なくしなければいけないけれども、ゼロにはできない。しかし、医者というか医療従事者はどうしても結果が思わしくなかった患者さんしか見ないのです。そこのところでその患者さんにも家族がいて取引先の相手がいて、会社の職員がいてと、いろいろ後ろにいる人たちのことも考えて医療問題というか紛争、医療事故というものに対峙していかなければいけないのではないかと思っております。
 もっと申し立てた患者さん側に本当に中立であると言われるようなことを考えていきたいと思っています。
 以上です。長くなって済みません。

○里見座長
 ありがとうございました。本当にこれまでの間、大変な努力をされているなという気がいたします。大変参考になったと思います。ありがとうございます。
 それでは、続きまして、資料4の消費者事故等の調査体制の整備ということで、消費者安全調査委員会(仮称)の説明を消費者庁の方からお願いいたします。
○黒木課長補佐(消費者庁)
 消費者事故等の調査体制の整備について御説明させていただく機会をいただきましてありがとうございます。
 資料4でございますけれども、もともとA3の資料だったものですから、縮小して細かくなっておりまして恐縮ですが、この資料に沿って御説明をさせていただければと思います。
 まず消費者事故についてですけれども、これは消費者庁、平成21年6月に発足したわけですが、その発足以前からいろいろな事故というものがありまして、例えばガス瞬間湯沸かし器の事故であるとか、エレベーターの事故であるとか、あるいはこんにゃく入りゼリーの窒息の事故等々が発生しておりました。そのようなものも1つの契機となって消費者庁は発足したわけでございますけれども、消費者庁ができた段階では、まずは消費者事故の情報を消費者庁に一元化するというところまでは消費者安全法という法律をつくって整理をされたのですけれども、その集まった情報を基に消費者事故の原因を究明し、更に被害の再発拡大防止に資するための知見を得るというような仕組みについては、なかなか不十分なままになっておりまして、設立当初から宿題として残されていたところということになります。
 その辺りは参議院の附帯決議等でも御指摘をいただいておりまして、その後、消費者基本計画というものでも消費者事故の独立・公正・網羅的な調査体制のあり方について検討することということで決定をされていたところです。
 そのような経緯を踏まえまして、消費者庁では平成22年8月から今年の5月にかけまして、消費者事故等のあり方に関する検討会というものを開きまして、そちらで法律あるいは医学、法学、心理学等幅広い専門家の方々、あるいは被害者の御遺族の方、消費者団体の方等からなる委員の皆様に御検討をいただいておりました。
 また、こちらの厚生労働省を始め、関係省庁にも御協力をいただいてとりまとめをしたということになります。とりまとめの内容は39ページにわたるかなり大部なものですので、私どものホームページで御確認いただいたらと思いますが、本日はこの資料の2枚目の下のところに簡単に概要を載せておりますので、これを見ていただきながら若干かいつまんで御紹介をさせていただきたいと思います。
 まず、この検討会では事故調査の必要性という点について確認をいただいたということで、特に私どもは消費者庁でございますので、消費者事故等というものを対象に、消費者の使用実態等も踏まえた事故調査というものが重要ではないかという御指摘をいただきました。特にその中でも事故の調査をする体制が全くない分野の事故であるとか、何らかの体制はあるけれども、その目的や権限との関係で消費者保護の観点から十分な調査を進めることがなかなか難しい分野、あるいはいろんな分野にまたがっているために、消費者保護という統一的な視点で調査を進めることが困難な事故、こういうものについて機動的に対応できる事故調査体制の整備というものが特に必要ではないかというような御指摘をいただいたということがございます。
 そのような事故調査を進めるに当たってそれに求められる属性ということについては、独立性・公正性・網羅性あるいは専門性というものが重要である。ここで言う特に独立性というのは、事故調査というものは事故の原因を究明する、再発拡大防止につなげるという目的のものですから、それ以外の目的のものに影響されない、例えば責任の追及であるとか、それは刑事責任だけではなくて、民事責任の追及であるとか、行政的な責任追及等も含まれますけれども、そのようなものに影響されない独立性を持って取り組むというようなことが重要ではないかなというような御指摘をいただきました。
 更に消費者事故等というのはかなり幅広い分野を想定しておりますので、そのような関係で網羅性というものと専門性というものを両立させるためには、幾つかいろんな分野の方に集まっていただいて人材バンクというような発想で取り組んではどうかとか、あるいは連携機関でネットワークをつくってというようなことも工夫が必要ではないかというような御指摘をいただきました。
 この検討会でもかなり活発な御議論をいただいたテーマの1つに、事故調査と刑事手続との関係というものがございました。検討会では勿論、事故調査と刑事手続というのは全く違う目的のものであるということで、どちらがどちらに優先するということではなく、双方がちゃんと進められるように、例えば刑事手続が進んでいるために事故調査が行えないということがないようにということで、双方の関係調整が必要ではないかというような御指摘をいただいたところでございます。
 その事故調査の方ですけれども、再発を防止するためという視点が重要だということで、そのような事故調査を進めるに当たっては、特にシステム性の事故あるいは組織的な事故については、複合的な要因も含めて調査をするというような視点が重要であるというような御指摘をいただいたり、あるいは調査の端緒として、被害者の方あるいは被害者の御家族や御遺族の方の視点を十分に生かしていくということも重要なのではないかというような御指摘をいただいたところでございます。
 被害者等に向き合う事故調査ということが書いておりますけれども、この検討会でかなり新しい御指摘をいただいて、被害者に向き合うという姿勢が極めて重要である。それは損害賠償するとかそういうことというよりは、むしろ被害者の方にちゃんと適時適切に情報を提供していくというようなことを押さえておくというようなことであるとか、先ほども少し触れましたけれども、被害者の方や御家族の方しか気づき得ないような視点、問題意識というものをくみ取っていくというような姿勢が重要なのではないかという御指摘をいただきました。
 そのような御指摘、御検討を踏まえて、事故調査のための機関、制度に関する機能としては、1つには専門分野ごとの事故調査をするというような機能が必要であろうということと、2つ目に上の方で述べました3つほど、いろいろな事故調査をする体制が必ずしも十分でない分野についての事故調査を進めるような機能。3つ目にこれらの事故調査に対して、評価、チェックを行うような機能が必要ではないかというような御指摘をいただきまして、特に2つ目と3つ目についてがないということですので、そのようなものについて体制を整備するべきであるというようなとりまとめをいただいたということになります。
 あと機関、制度のあり方以外では、国として消費者事故等の事故調査に関する基本的な考え方を確立するべきではないかというようなこと、あるいは刑事手続との関係の整理、調整をして必要な環境整備をするべきではないかというような御指摘をいただいたということになります。
 それを踏まえまして、1枚目に戻っていただきますけれども、更に消費者基本計画の見直しを今年の7月に行いまして、生命・身体被害分野に関する消費者事故等の調査を行う体制を整備するということ、消費者事故等の調査の公正・独立についての評価等の機能を果たすための体制を整備するというような施策を新たにより具体的な施策として基本計画に盛り込まれたということになります。
 現在は、そのような経緯を踏まえてこの平成24年度の概算要求で必要な機構・定員あるいは予算の要求をさせていただき、更に次期通常国会に向けて必要な法整備の準備を今進めているというところにあります。
 今の考えている体制の概要ということですが、1枚目の下の「新たな消費者事故等調査体制の概要」というところになりますが、まず事故の原因を究明し、あるいは再発拡大防止のための提言をするという機能を持った消費者安全調査委員会(仮称)というものを消費者庁に設置するということを考えております。これはいわゆる審議会等ということになりますが、自ら調査の権限を持ち、あるいは提言の権限を持つ、これを実行していくというタイプの審議会ということになります。
 委員は非常勤の委員の方々ということで考えておりますけれども、余りたくさんの方ですとなかなかお集まりいただくのも難しいということになっては困りますので、比較的少数の方々でお願いをし、独立して職権を行使していただく。
 事務局機能につきましては、消費者庁の消費者安全課の下に事故調査室というものを設けまして、こちらで対応していくというようなことで考えております。調査対象は生命・身体被害に関する消費者事故等に網羅的に対応するということでございますけれども、既存の事故調査機能があるというようなところについては、それを生かすという意味で、例えば運輸安全委員会のような事故調査機関があるようなところについては対象にしないということも考えております。
 その他、事故調査機関ではなくても相応の調査をしておられるような体制や機能があるというところについては、それも十分連携をし生かしていくということを考え、なるべく無駄のない、二重にならないような体制にならないかということで現在工夫をしております。そういう意味で、この調査機関が自ら調査をする対象というのは、消費者安全の確保のために必要な事故調査が十分なされているとは言えない消費者事故等ということで、先ほどとりまとめのときに御紹介しました3つの分野というものを想定して考えております。
 その他、他の関連する機関なり制度なりの調査の結果についても、これを消費者安全の確保という観点から評価し、必要に応じて意見を述べるというような形で活用していくということを検討しております。
 あと調査手法等につきましては、またごらんいただければと思いますけれども、とりまとめでも御指摘をいただきました有識者の方々の人材バンクのようなものというものも考えて、なるべく幅広い分野の、消費者事故はかなり幅広くございますので、そのような分野のそれぞれの個別の分野の専門家の方にいつでも御協力いただけるような体制というものを考えていきたいと思っております。
 新しい大きな研究所を立ち上げるということはなかなか難しゅうございますので、いろんな機関、大学や民間団体も含めて、そういうところの御協力を得られるように、ネットワークというものを構築していきたいと考えております。
 被害者等に向き合うという視点では勿論事故調査に関する情報を十分提供し御説明するということは当然でございますけれども、もう一つ、新しい取組みとして被害者の方あるいはその御家族の方、もう少し広くてもよろしいのかもしれませんけれども、このような事故調査をするべきだというような申し出を受け付けるような何か仕組みをつくれないかというようなことを考えているということになります。
 私からは以上です。ありがとうございました。

○里見座長
 ありがとうございました。
 それでは、ちょっと追加になりますけれども、資料5につきまして事務局より説明をお願いいたします。

○大臣官房参事官
 それでは、資料5をごらんいただきたいと思います。これにつきましては、前回の検討会で私どもの方から医療事故情報収集等事業における医療事故報告についてという形で御報告させていただきましたけれども、この報告の内容については全数調査ではございませんので、医療事故が全国でどの程度起こっているかということについて、研究ベースではどのようなものがあるかということについての構成員の方々からの宿題に対する回答をさせていただきたいと思います。
 これにつきましては2点ございまして、1ページ目のものにつきましては、医療事故の全国的な発生頻度に関する研究でございます。平成17年度の報告がございますけれども、平成15〜17年度にかけての3か年の研究報告のまとめという形になってございまして、医療事故の全国的発生頻度に関する研究で、主任研究者である堺神奈川県病院事業庁長の研究報告となってございます。
 何分、非常に専門的な研究内容でございますので、細かな内容につきましては省略させていただきますけれども、結論から申しますと、研究要旨の真ん中の中段からやや下のところ、「その結果」の更に後段のところですが、18病院4,389件のデータを集計したところ、調査対象入院前の有害事象の発生率は4.1%、入院中の有害事象の発生率は6%であり、その中で予防可能性が高い、いわゆる50%以上のものと判定された有害事象の発生率は、調査対象入院前では26.4%、入院中では23.2%であったという研究結果があります。
 2ページ目、もう一つの方は、発生件数そのものずばりの方で研究されたものでございまして、平成20年度の診療行為に関連した死亡の届等に関する研究の中の分担研究の1つとして、医療事故事例の発生件数に関する全国調査に関する研究ということで、現在は公益財団法人になっております日本医療機能評価機構の方を中心とした研究チームで研究されているものでございます。
 現在のシステムとしましては、医療法に基づきまして医療事故についての報告義務が課せられている病院あるいは任意でやっているものが平成22年では850ほどございますが、この研究した時点の平成16年のときには、約500病院があった中で御協力をいただいたもので、仮にこの500病院のものを全国のすべての病院から報告を求めたとしたときに、どの程度医療事故報告が上がってくるかという研究でございます。
 方法のところにも書いてございますように、全国8,951施設の病院の中で4,111施設、いわゆる5割弱の施設に対して調査をして、有効回答数が結果のところにもございますように41%でありましたけれども、これによる結論が【考察】の上から2〜3行目辺りに書いてございますが、発生確率を使用した日本全国における1年間の医療事故事例予測発生件数は、退院患者を利用した推計で約38,800件、病床数を利用した推計では約53,000件であったという研究報告でございます。
 これらに関する研究についての事務方の説明は以上でございます。

○里見座長
 ありがとうございました。それでは、2〜5までの資料の説明が終わりましたので討論に移りたいと思いますけれども、御発言はありますか。
 どうぞ。

○加藤構成員
 いろいろとありがとうございました。加藤です。
 小林さんと消費者庁の黒木さんにお尋ねがあるのですけれども、最初に小林さんの方にお聞きしたいのは、ヒヤリハット等のケースを抽出力といいましょうか、本来報告されるべきものが今ほぼ100%上がってきている状況かどうかということを小林さんの感想でいいと思いますけれども、お聞きしたいということと、あとそれぞれについては医療の世界ではなかなかヒヤリハットが集められても十分に分析等に手が回っていなくて、生かし切れていないという面があるのですが、航空業界の関係では分析力といいましょうか、主に運輸安全委員会等がマンパワー的に大丈夫なのかということも含めてお聞きしたいなと思いました。
 併せてもう一人、聞いてしまってもいいですか。

○里見座長
 まずは小林さんに。

○小林参考人
 お答えしたいと思います。ヒヤリハットは100%というのは無理だと思います。ひやっとしても、はっとしても、結果的には事故になっていませんのでまあいいやということになってしまいます。どうしても私どもいろいろできるだけたくさん出すために、まず情宣活動をして、このヒヤリハット報告、自主的報告がいかに事故対策に有効だという情宣活動をいろんな手を使ってやっています。
 あと文書も、いわゆる形式的な文書とか決まったフォーマットですと皆さん出しませんので、何でもいい、メモでもいい、イーメールでもいい、電話でもいいという。電話も勿論、事務局によってすぐ声をかえてしまって活字にして全部だれが出したかわからないように処理しています。
 そういったことでかなり以前に比べたら出るようになってきていることは事実ですけれども、どうしてもひやっとした、はっとしたけれども、事故になっていない、無事に終わったからいいやということで終わってしまうということはありますから、まだまだパーセンテージで言ったらどれだけ出るか把握できませんけれども、情宣活動、あとフィードバックです。皆様方のヒヤリハット報告がこれだけ役に立っていますということもフィードバックすることによって、皆さんが少しずつ理解してくれて、徐々には上がってきております。ただ、ヒヤリハットですので、実際にどれだけ起こっているかもわかりませんし、何パーセント上がってきているかというのはつかめていませんけれども、ただし、言えることは徐々に皆さんが理解してきていただいて件数は上がっているというのは入れております。
 分析に関しましては、事故、重大インシデントは運輸安全委員会が処理していますけれども、ヒヤリハットはまた別の組織でやっていますので、分析に関しましてはいろんな人間、いわゆるパイロットに要因があるのか、気象に要因があるのか、あるいはハード、ソフト、ヒューマン、そういった分け方。ヒューマンに関してもどういったケースか、どういったフェーズかということで、全部分析いたしまして、それを数字とグラフで出しております。冒頭で申し上げましたように、ここはこんなに毎年多いのだ、ではここで手を打とうというといった対策には役立っております。
 ですから、分析はしておりますし、その数によって、あるいは数は少なくてもこれはひょっとして実際にリスクが本当に発生した場合は重大な事故につながるという場合は、件数が少なくても手を打つといった対策を取っております。

○里見座長
 よろしいですか。どうぞ。

○加藤構成員
 消費者庁の黒木さんの方へのお尋ねの中身というのは、消費者事故という言葉が出てくるのですけれども、この事故調査機関のあり方に関する検討会の14回ほど開催された議論の中で、消費者事故というのをどう定義するのかというような、あるいはそこで問題にする事故というのはどう定義するのかについてのディスカッションがもしなされた経過があれば教えていただけますでしょうか。

○黒木課長補佐(消費者庁)
 お答えいたします。今、ここで書いてある消費者事故等と言いますのは、消費者安全法で既に定義があります消費者事故等というものを前提にしておりますので、私どもの検討会の方でその内容を改めて定義をしたということはございません。ただ、勿論、検討会の中では、必ずしも消費者事故等に限らず、いろんな事故調査に該当し得るのではないかというような大変貴重な御検討をいただいたと思いますけれども、前提としては消費者安全法による消費者事故等の事故調査をどうするかというようなことを御検討いただいたということになります。

○里見座長
 よろしいですか。
 それでは、ほかにありますか。
 有賀構成員、どうぞ。

○有賀構成員
 昭和大学の有賀と申します。
 消費者庁からの御発表に関連して、とりまとめ概要の真ん中、2つ目に独立性・効率性・網羅性・専門性という言葉が出てきますね。その独立性というのは今の御説明によると、行政処分なのでしょうか。行政や民事や刑事などから独立しているという議論だということなのですけれども、その下に丸があって、刑事手続への利用等のこのところに今後の問題がまだまだありそうだということや、最後の行に基本的な考え方の確立と事故調査と刑事手続の整理、調整と出てきますね。これはどういうような状況があらまほしいというか、飛行機事故の小林様からのお話だと、日本における非懲罰に関する特別規定はないけれども、自分たちの中できちっとそれが補償されるような仕組みを何とか維持しているという御発表だったと思います。消費者庁でのディスカッションではその辺りについてはどういう状況が今後考えられるのかということについて、少し具体的にわかれば教えていただきたいなと思いました。

○黒木課長補佐(消費者庁)
 正確なお答えになっているかどうかわからないのですが、検討会では確かに事故調査と刑事手続との関係というものがかなり時間を割いて検討いただきました。目的はそれぞれ違うわけですけれども、そのどちらかの目的を優先するというような関係に立つのかどうかとか、そのようなことについては、基本的にはどちらが優先するということではないであろうというようなことで、大体検討会でもそのようなとりまとめであったかと思っております。
 実際には手続面で、時間的にどちらを優先するのかとか、どういう調整が必要なのかとか、それぞれの資料をお互いに使うのか、使わないのかということなども検討する必要があるというような御指摘をさまざまな角度からいただきましたけれども、まず私どもの検討会の場では今すぐに例えば刑事の法制度を変えるとかそういうことを検討するというのはなかなか時間もかかることであるし難しいことでもあろうから、それよりはまずは事故調査をする体制というのが今はないものを整備して、それが十分機能するように運用面から刑事との関係でも調整して、十分な事故調査ができてそういうものを発信していくということが大事ではないかというようなとりまとめをいただいていたかと思っております。

○有賀構成員
 追加でいいですか。もう一回確認させていただきますと、事故調査体制そのものは何のためにあるかというと、消費者の安全が将来にわたってより向上するということでいいのですね。8ページの話はもうここで多くの方がおわかりになったと思いますけれども、先ほどの小林様からの発表でいくと、だれがというところにポイントがありますので、その件で情報を共有するとか、または刑事で進行中の情報がこちらに流れるという話は恐らくあり得ないので、そういうことでも微妙だと思うのです。この事故調査体制の概要で書かれていることは、いずれも将来にわたって消費者の方たち、私たちもそうですけれども、安全な状況に置かれることを一義としているという理解でいいのですね。情報の共有とかというと、一体何をしようとしているのかということが非常に微妙で、かつ、危うい話になって、独立性とか書いてありますけれども、うそではないかということにもなり得るわけで、それは一義的にはそういうものだということでいいのですね。

○黒木課長補佐(消費者庁)
 はい、勿論。別に共有するべきとかそういうことを言っているわけではなくて、事故調査というものは消費者の安全を確保するためにだれに責任があるのかということではなくて、どういう対策が有効なのかとか、どういうところが改善し得るのかということを見出すためにするものであるということが大前提だと思います。

○有賀構成員
 ですから、無理くり毒まんじゅうを作って人を殺めてしまおうというまんじゅう屋さんがもしいたら、それはこの範疇ではなくて警察だと思うのですけれども、そういうような理解でいいわけですね。たまたま一生懸命作ったおまんじゅうがちょっぴりあんばいが悪いと、それはどういうことなのだろうということが事故調査の対象になる。それは将来の消費者にとって安全なおまんじゅうが食べられるという話と理解していいのですね。

○黒木課長補佐(消費者庁)
 はい、勿論、故意のそういうものは刑事の手続でされることだと思っています。

○有賀構成員
 これはあり方に関する検討会も概ねそういうような議論でいいのですね。

○黒木課長補佐(消費者庁)
 対象範囲ということについてですか。

○有賀構成員
 はい。

○黒木課長補佐(消費者庁)
 はい、勿論そうだと思います。

○有賀構成員
 ありがとうございます。

○里見座長
 どうぞ。

○飯田構成員
 小林様と黒木様と両方に。もう一回、念のために確認しますが、同じことを聞きたかったのですが、どちらを優先するものではないとおっしゃるけれど、事実、警察が入ってしまうと証拠を押さえてしまうのです。事故原因は分析できないのです。それはどういうふうに検討されましたか。それが一番のポイントなのです。

○黒木課長補佐(消費者庁)
 ですから、例えば刑事の手続が動いている間はずっと刑事で押さえられたものを事故調査のために見られないとか使えないというようなことがないようにということは十分調整をしていく必要があるのではないかということだったと思っております。

○飯田構成員
 本当に可能だと思いますか。

○黒木課長補佐(消費者庁)
 別に今そのような状況でやっておられる例もありますので、可能ではないかと思っております。

○飯田構成員
 証拠を差し押さえられたら医療では原因を分析するための資料は出てこないのです。なぜ消費者庁で出てくるのか。もしできるのであればそこを教えてください。

○黒木課長補佐(消費者庁)
 済みません、医療でできない事情というのがよくわからないのであれですけれども、例えば運輸安全委員会でも覚書を結んでおられたり、あるいは経産省の所管の機関でNITEというところがございますけれども、そういうところも警察との関係での調整をされていたり、昇降機の調査をしておられる国交省の組織もございますけれども、そういうところも刑事手続が進んでいても調査ができるようにということで、相応に調整をしておられると伺っておりますので、そのようなことも参照させていただきながら調整をしていけると思っております。

○飯田構成員
 では、小林様に伺ってよろしいですか。私、2年前に日本病院団体協議会で『航空事故の過失理論【改訂版】』、非常にすばらしい本だと思って著者の池内様に説明をお願いしました。今回も小林様に来ていただいて、本当にありがとうございます。
 多分、お考えは同じだと思いますけれども、過失理論の本が出てずっと苦労なさっているにもかかわらず今日のお話では、ほとんど変わっていないですね。私たちも航空機事故のいろいろな問題点、ICAOでは原因分析の資料は責任追及には使わないにもかかわらず、なぜ日本ではこういうことになるか、覚書で動くこと自体が問題なのです。それが日本の世の中だからしようがないといっても、我々医療界としては非常に必死にやっている中でどんどん状況は悪くなっているのです。航空業界でこれに対してどういう努力をなさって、それにもかかわらず変わらなかったのか。その辺を一番教えていただきたかったのです。

○小林参考人
 私どもはやはりなかなか努力していろんなことを働きかけているのですけれども、覚書というのはなくなっていないと思います。今、私たちいろいろ考えているのですけれども、航空界だけあるいは医療界だけでこういった運動をしていますと、一般の人たちあるいはメディアの人たちは、自分たちの身を守るためにそういうことをやっているのだと、そういったとらえ方をしてしまいますので、これはもう1つの業界ではなくて全体でいろんな業界、特に人の命を預かっています我々航空界あるいは医療界と一緒になって国民にとって本当に安全で安心ができるためにはどうしたらいいのでしょうかといった視点からまずメディアあるいは国民の皆さんに説明していって、国民のコンセンサスを取っていくことが時間がかかるけれども、それが一番の方法だと思いますので、是非一緒にやっていきたいと思います。
 まずメディアの方に事故調査と犯罪調査とか、事故調査と捜査は別だという、本当に安全で安心できる、あるいは再発防止、安全を確保するためにはどちらがいいでしょうかといった問いかけをしていくことが必要だと思いますし、是非一緒にやっていきたいと思います。時間はかかりますけれども、これが一番いい方法だと思いますし、国民の世論を動かしていくためにはメディアと国会議員に理解していただかないとなかなか自分たちの身を守るためととられてしまいますので、是非御一緒にやっていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○飯田構成員
 今の点を政務官がいらっしゃったら一言お話ししたかったのですが、いなくなってしまったので議事録だけ残しておいてほしいのです。まさにそのことで今日、冒頭の政務官の発言で原因分析、再発防止と無過失補償制度を一緒にやるという話だったのですが、私は、それは同じ枠内で無理だということをずっと主張しているのです。それを今日冒頭にお話があったので、それは違うのではないかということを政治家として御理解いただきたかったのですが、いらっしゃらないので後でよく御理解いただきたいと思います。
 先ほど事故報告書を匿名化するから大丈夫だという話なのですが、医療では医師法21条、私から言わせれば拡大解釈で報告義務が医師に求められているのですが、そのときになかなか匿名化することが困難なことがあるので、その辺は苦労しているのです。いい考えはございますか。覚書であればまだいいのです。我々は法律に基づいて、拡大解釈といってもそれは動いていますので、それに対しての対応に苦労しています。

○小林参考人
 匿名というのは自発的報告であって、義務の方は個人名が出てしまいます。

○飯田構成員
 それは義務の報告というのは。

○小林参考人
 事故と重大インシデントです。それ以外は報告は自発的になりますので、匿名で出すあるいは実際に名前を書いたものを事務局によって秘匿措置が取られてしまいますので、事務局以外はわかりません。

○飯田構成員
 では、戻りますが、事故に関して義務化の場合は法で義務化されているのですが、懲罰にも使うわけですか。

○小林参考人
 懲罰に使われた記憶はほとんどありません。ただし、事故を起こした例えばパイロットにつきましては、当然教育訓練と再試験をやってクリアーになって初めてまた業務に就きますので、ある意味ではそれが懲罰みたいに取られますけれども、いわゆる法律で言う懲罰を加えられたことはありません。

○飯田構成員
 我々の求めているのは、義務化するのであれば非懲罰にしてほしいということを言っているのですが、それが皆さんになかなかわかっていただけないのです。

○小林参考人
 私どもは義務報告であっても懲罰というのは今まで経験したことはありません。

○飯田構成員
 わかりました。

○里見座長
 想定どおり大分白熱してまいりましたけれども、これは後でもう一回立ち返って話をしなければならないことだと思います。消費者にしろ、医療に関連しても、とにかく我々にとりまして安全な社会をつくるためにはどういう仕組みをつくっていけばよりいい対策が取れるかということも組織づくりの話になると思いました。その辺はもう一回どこかの時点で話をしなければいけないと思います。
 豊田さん、何か話はありますか。これで最後にして討論は終わりたいと思いますけれども、いかがですか。

○豊田構成員
 前回の会議で椎名委員から御質問がありましたので、それについて回答させていただきます。前回、私が発言させていただいた際に、患者の視点で医療安全を考える連絡協議会の資料を提出しておりますが、その中で医療版事故調の早期設立を求めて活動していきますという記載がありました。そこを指されて、原因究明の場としてこの医療版事故調を考えているのですかという御質問がありました。
 これに関しましては、現在も患医連は同じ考えでございます。ここで言う医療版事故調は死亡事故に限定されてはおりますが、今も早期設立を求め、毎月街頭での署名活動を続けておりますし、先月末にも各政党に医療事故調査制度の法制化を求める要望書を提出したばかりでございます。
 概略はどういうものですかという御質問もあったのですが、私自身、平成19年から厚労省で開催されました「診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在り方に関する検討会」に委員として参加しておりましたが、患医連はこのときに出された第三次試案に概ね賛同しております。この試案が出てから議論が分かれています、警察への通知や届出の範囲などに関しましては、今後更に議論を重ねていく必要があると思っております。
 以上です。

○里見座長
 よろしいですね。これまで4回にわたりましてさまざまな組織、機関の方にいらしていただいて意見発表をいただき、お互いに共通認識をしましょうということで討論もしていただきましたけれども、次回からはそろそろ論点を絞って道筋を立てていきたいと思いますので、その今後の進め方につきまして、第2の議題になりますけれども、資料6〜8の説明を事務局の方からお願いいたします。

○大臣官房参事官
 承知いたしました。今後の進め方について、資料6〜8まで御説明申し上げたいと思います。
 まず資料6をご覧いただきたいと思います。資料6は第1〜3回までの当検討会における各構成者の方々の御発言を、私ども事務局の方で幾つかの項目立てをしながらまとめさせていただいたものでございます。中身がいろんなところにまたがっている御発言もございますので、必ずしも1つのまとめ方の項目の中に納まりきってなく、他の項目のところにも入る場合もあろうかと思いますが、そのような目でこのまとめ方を見ていただければと思います。
 大きく分けまして「1.本検討会の進め方について」の御発言でございます。
 1つ目の丸にございますように、無過失補償の実務的な検討課題が当検討会の設置要綱に記載されておりますが、その2点目に原因究明及び再発防止の仕組みに関する項目が挙げられており、この項目についても1点目の項目と同様、非常に大きな問題であり、これからの検討の順番についてどうあるべきかという御発言がございました。
 また、2つ目の丸も同様の趣旨の御発言で、無過失補償制度を設計していく上では医療事故の原因究明やその後の対策というものを基盤に考えないと制度設計が難しいという、いわゆる2つ大きな検討課題の順番についての進め方に関する御発言等もございました。
 2つ目の柱としまして、「無過失補償制度のあり方」ですが、これを更に分けますと3つ、すなわち、制度の仕組みについて、補償の対象、制度設計に当たっての注意すべき事項といった3つに分けさせていただきました。まず1つ目の「(1)制度の仕組みについて」でございますが、例えば下から2つ目の丸にありますように、経済的補償のみでは救済されず、原因究明と再発防止を一番に望んでいるといった、制度設計の際の考え方について配慮すべきこと。
 最後の丸にございますように、医療安全のための事例収集・分析・対応といったことについては、大きく2つの形に分かれており、これらの目的が違うのでそれぞれ整理して議論すべきではないかといった御意見。
 2ページ目、補償の対象につきましては、2つ目の丸、過失の有無にかかわらず補償するのか、あるいは過失がないものを救うのか、この制度で何を対象にするかについていずれ議論になるといった、いわゆる補償の対象をどうするかといった御意見。
 また、(3)のところでは、制度設計に当たっての注意すべき観点の御意見がございました。
 次の3つ目の柱としましては、事故の調査に関することで、これにつきましても「調査の仕組み」と3ページの下段にあります「事故の責任」、大きく2つに分けて意見を挙げさせていただいております。2ページ目の「(1)調査の仕組み」の丸のところにつきましては、第1段階としてすべての医療機関に院内事故調査委員会を設置、第2段階として院内外の外部委員を混ぜたセカンドステージの院内事故調査委員会、第3段として「第三者的機関」による医療事故調査といった、事故の調査の仕組みの方法論に関する御発言がございました。
 3ページの3つ目の丸のところでは、ここにおきましても同様に院内の調査を先行させることを1つの提案として出されている御意見。
 また、(2)の上2つ目、運用のためには公正で中立な第三者機関の設置の必要性についての御意見などもございました。
 もう一つの大きな議論になりましたのが、事故の責任についてに関する御発言でございました。1つ目の丸のところにもございますように、再発防止のための安全調査と責任追及のための事故調査は分けてほしいといった御意見。
 下から2つ目ぐらいのところから4ページにかけては、医師法21条の関連の御発言でございます。医師法21条の解釈の話、届出義務の観点のこととか、立法趣旨に基づいた運用についてとか、そのような医師法21条関連のことでございました。
 上から5つ目の丸のところは、医療の独占性と公益性に鑑み、国民が望む医療の透明性などを勘案すれば、届出義務は解除されるべきものではないとの逆の御意見。
 下から2つ目では、医療事故については、何が何でも一切刑事免責だということには多分国民は賛同しないと思うといった御意見もこの辺りで見受けられます。あとその他として、教育の問題という観点の御発言もございました。
 最後に5ページ、前政務官から、上から3つ目の丸でございますが、原因究明、再発防止の議論なしに救済制度だけができるとは考えていないという御発言を賜っております。
 また、下から2つ目のところにつきましても議論が2つございます。まずは医療事故の原因究明、再発防止について、論点を整理する必要があり、過去にも相当な蓄積があるため、例えばワーキンググループみたいなものをこの検討会の下に設置をして、そこで議論を詰めたらどうかといった事務方の提案もございました。
 このような流れの議論を踏まえまして、資料7をご覧いただきたいと思います。ここで今後検討が必要な論点(案)というのを今回粗々でございますけれども、提示させていただいてございます。何分、論点が非常に多岐にわたってございますので、ここに書いてある以外の論点もかなりあるとは思っておりますが、それにつきましては本日ここで御意見を賜り、また今日でなくても後日にでも御意見があればいただければと思ってございますけれども、まずは私どもの事務局案の論点を提示させていただいて御説明させていただきたいと思います。
 まず大きく分けて2つ、すなわち、医療事故に係る調査の仕組み等についてと、診療行為に係る無過失補償の仕組みについてです。1の調査の仕組み等でございますけれども、これにもやはり2つございまして、医療事故に係る調査の仕組みのあり方と、その後の再発防止のあり方についてそれぞれ検討していく必要があると考えております。
 調査の仕組みのあり方についてでございますけれども、調査を行う対象やその範囲、その調査を行う組織について。また、その調査に必要な権限をどの程度付与していけばいいのかといったこと。そして、行った調査結果の取り扱いをどうしていくのか。また調査に必要な費用の負担のあり方や、調査の実務のもろもろのこともあると思います。また現在、私どもの方で診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業を行っておりますが、これとの関係についてはどうあるべきかといったようなこと。また、医療法に基づき、現在、全国の都道府県に医療安全支援センターを設置してございますが、これとの関係をどうしていったらいいのか。また捜査機関との関係についてもどうしていったらいいのかといったことなどがあると思います。
 また再発防止のあり方につきましても、先ほど申しました医療事故の調査結果の再発防止のための活用方策。また、現在行われております医療事故情報収集等事業と調査の仕組みとの連携のあり方はどうあるべきか、といったようなことについて論点があると思います。
 2の無過失補償の仕組みにつきましても、その補償の対象、その補償水準、先ほど申しました医療事故での調査結果の活用方策、補償に必要な費用の負担のあり方、補償の実務といったようなものがあろうかと思います。今申し上げた論点は、まだ一部と思ってございますけれども、追加すべき論点などがございましたらお申し出いただければと思います。
 更にそういうことを踏まえまして、資料8をお開きいただきたいと思います。
 先ほど申しましたように、論点がここで挙げただけでも非常に多岐にわたる、また数多く出てきてございます。特に、医療事故につきましては過去からいろいろと検討がされており、御議論もたくさんある分野でもございますし、また今回の検討会の中におきましても、医療側の構成員の方々からは、医療事故の原因究明、再発防止の仕組みについて優先して議論していきたいと、また患者側の構成員の方々からも医療事故の被害者は事故の原因究明と再発防止を求めているといった御意見などもございました。また消費者基本計画におきましても、先ほど消費者庁の方からのお話にもございましたように、医療分野における事故の原因究明及び再発防止の仕組みのあり方についても検討を開始するように閣議決定がされたという状況にございまして、私どもとしましてはこの医療事故の原因究明を行う仕組みについて早急に検討を進めていく必要があると考えているところでございます。
 そこで、今後より迅速に検討を進めていくために、今回、私どもの事務局から、当検討会の下に「医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に関する検討部会」なるものを新たに設置させていただきまして、検討の迅速化を図らせていただければということで御提案させていただきたいと思います。
 検討の趣旨のところにも書いてございますように、一言で申しますと、先ほど申しました大きな論点、無過失補償と医療事故に係る調査の仕組みという大きな論点の中の1つである医療事故に係る調査の仕組みに特化した検討をこの部会で行っていくということでございまして、具体的には検討課題にございますように、医療事故に係る調査の仕組みのあり方、再発防止のための仕組みのあり方などについて検討を行っていくということを考えてございます。
 また、検討部会の構成員につきましては、この部会というものをお認めいただきました後でしっかり考えていきたいと思ってございますが、この検討部会の座長につきましては、やはり今ある親会とこの部会との間で議論の方向性で齟齬、ずれがあってはならないと思ってございますので、当検討会の座長であられる里見座長にこの検討部会の座長も兼ねていただければと私ども事務局としては考えているところでございます。
 なお、この検討部会のメンバーにつきましては、やはり集中的にやっていくということもございますので、本検討会の構成員の方々の中から医療保険者の方や医療経済の方々を除いた方々に加えて、更により幅広く検討していくための医療安全の造詣の深い有識者の方を若干更に加えさせていただきまして、医療事故関係の議論がより円滑に、かつ、スピーディにやっていけるように配慮させていただきたいと考えているところでございます。
 事務局の方からは説明は以上でございます。

○里見座長
 ありがとうございました。資料6〜8までを説明いただきましたけれども、資料6はこれまでの第3回までの検討会での発言の要旨を抜き書きしたといいますか、皆さんの主たる発言をまとめたものであります。その結果として、無過失補償制度をつくっていくためには、最初に医療事故に係る調査等のもの抜きには語れないだろうというのが大半の意見でございました。そのため、一緒に議論していますと議論が行きつ戻りになりますので、今回は論点を2つの項目に分けて整理してもらったということです。医療事故に関わる調査の仕組み等についてということと、無過失補償の仕組みについてということで、この2つに分けなければならないだろうと。
 その医療事故に関わる調査の中でも、医療事故による調査の仕組みと再発防止、一応2つに分けましたけれども、これは恐らく両者を便宜的に分けただけでありまして、共通で話をしなければいけないと思います。
 ただ、この医療事故に関わる調査と無過失補償というものを一緒に話をしていますとなかなか前に進まないということで、まずは医療事故に関わる調査の仕組み等についてのお話合いをするという部会を立ち上げたらどうかというのが厚労省側の提案になります。
 ここの場には支払い側の方々とかいろいろな方々がたくさん入っておりまして、そういう方々にまた同じように集まっていただくのは大変なので、そういう方々を多分ここから除いて、更に医療事故に関わる専門家を少し加えた形での部会構成をつくってスピードアップしたらどうかというのが厚労省側の提案だと思います。
 それでは、6〜8までの資料について少し御討議をいただきたいと思います。
 どうぞ。

○椎名構成員
 質問を1つ、意見が1つ、要望が1つございます。
 まず先ほど消費者事故の定義という話がありましたけれども、そもそも医療事故というのは何を意味するのか。先ほどの調査研究の結果ですと、医療事故のほかに有害事象とか、参考資料の本体を見ますと、医療過誤という言葉も出ているのです。まずその辺の言葉をきっちり教えていただきたいと思います。それが質問です。
 続けてよろしいですか。

○里見座長
 どうしましょうか。厚労省の方からお答えはありますか。まず医療事故の定義というのはなかなか難しいのですね。

○大臣官房参事官
 座長の話にございましたように、これについてはなかなか難しく、議論のテーマに応じて、そのときそのときで検討の概念が少しずつ変わっていくと思います。議論をするときに、医療事故という言葉を使うときお互いに齟齬があってはいけませんので、どういう範囲で検討していくかということを今後私どもとしては検討する際に意図的に明示をして、その範囲の中で御検討いただけるように、その辺のぶれがないように配慮させていただきたいと思ってございます。

○里見座長
 どうぞ。

○飯田構成員
 今の御質問ですが、この検討に私は最初入っていましたので説明します。患者に対して予定外によくないことが起ること、すなわち、予定外の有害事象が起こるとを医療事故と定義します。医療事故の中には医療過誤もあればそうではないもの両方あります。望ましくない結果が起こる、簡単に言うと不具合事象なのですが、それを医療事故と定義しています。

○里見座長
 続けてどうぞ。

○椎名構成員
 次が資料7についての意見なのですが、論点に過失の有無やその程度の判定を加えていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
 更に資料8、部会についてなのですが、これは要望です。基本的に部会の設置について異存ございません。ただし、構成員について、先ほど事務局の方から保険者及び医療経済関係者は除いてというようなお話がありましたけれども、私ども保険者としては、被保険者とその家族という視点の立場から是非とも患者・家族の意見が反映されるような構成をお願いしたいと、これは要望です。
 以上です。

○里見座長
 最初の御意見は過失の有無と程度ですか。これはここに載っていない論点ではありますけれども、当然入ってくるのではないかと思います。よろしいですか。
 どうぞ。

○宮澤構成員
 過失の有無と程度というのは非常に難しい判断です。これは調査をどこまでやるかということと関わるわけですけれども、裁判でも当事者に聞いて調査をしていろんな資料を出してもらってようやく本当に過失があるかどうかが出てくるということなので、本件というのはそもそもだれがどう悪いかという問題ではなくて、こういう有害事象が起こることをどうやったら阻止できるだろうかと、わかる範囲のところでやっていくということなので、裁判的なものが入ってくるというのはかなり難しいのではないかなと思っております。むしろ制度としては再発の防止とか原因がどこにあるのか、今後の医療にどう役立てられるのかということを中心にすべきではないかなと思っております。

○里見座長
 何か意見はありますか。

○大臣官房参事官
 今、ここで入れる、入れないを私ども事務局の判断はせずに、なるべく構成員の御意見をいただきまして、後日どうするかについてお知らせさせていただきたいと思います。

○里見座長
 部会の中でそういう話題になったときには入れるかもしれませんし、入れないかもしれないということになると思います。
 どうですか。どうぞ。

○椎名構成員
 原因究明と再発防止というのは、以前申し上げたように確かに非常に大切な項目だと思います。しかし、やはり過失についての議論を避けて通ることは国民の理解を得られないと思うのですけれども、いかがでしょうか。

○飯田構成員
 枠組みを別にしてほしいと言っているのです。過失を問うのであれば、再発防止のための原因究明はできない。航空業界の話も消費者庁も同じことをおっしゃっているのです。同じことをまた繰り返してもしようがないので、故意のものとか犯罪は明らかに初めから警察でいいのです。そうではないものに関してまず原因究明して再発防止をすることが第一であって、それと別の枠組みで過失の有無があるかないかを検討することは結構です。そうであればまた別の議論をしましょうということです。ですから、反対しているわけではないのです。同じ枠組みは困るということを最初から言っいます。それは私たち医療者のためではなくて、結果として原因究明できなければ国民、患者が困るわけです。それは航空機事故でも同じなのです。それを言っているわけです。

○里見座長
 どうぞ。

○椎名構成員
 枠組みをつくるかどうかは新たな部会とかの議論なのかも知れませんが、少なくとも論点として過失についての議論は避けて通れないと思います。ですから、その辺もきちんと議論してもらわないといけないと思います。

○里見座長
 どうぞ。

○宮澤構成員
 過失に関する議論を避けるというのではなくて、原因究明していってこれは過失だとわかる場合もあるでしょうし、わからない場合もある。それはすべて過失の有無とか程度を判断しましょうというのはそもそもこの制度の目的ではないのではないかという意見です。

○里見座長
 よろしいですか。
 どうぞ。

○有賀構成員
 議論はしないなどということはだれも思っていなくて、しなくてはいけないのです。ただ、例えば昭和大学病院の中で起こる有害事象で、例のスイスチーズの話でいくと、あなたはチーズの穴の一角を担ったということはあり得るわけで、そうすると、その人が悪いとかいいとかという話は場合によってはあり得るのですが、基本的には昭和大学病院で起こったさまざまな有害事象であれ、医療事故であれ、システムそのものとして見るという意味において見れば、過失は病院長にあると考えて今はやっている。
 ですから、今言った過失を問えという話のときには、何を目的にどういうふうなことのためにそれを問うのかということが同時進行で起こりますので、今、宮澤先生がおっしゃったように、ある意味では難しい。だけれども、全く知らない、関係ないよということはだれも言っていないです。その部分をしいてどこかに入れろということであれば、これは座長が上手に入れてくださると信じております。

○岩井構成員
この資料6の発言要旨のところで4ページに私の発言といたしまして、医師法21条の届出義務は解除されるべきものではないということが書かれていて、私は医師法21条を堅持しろという意見のように書かれているのですが、そうではなくて、私は学術会議の異状死に関する報告書の内容を報告しただけで、その中にそういう趣旨のことは書いてあったのだというにすぎません。今は届出する機関が警察なのです。警察には司法警察と行政警察の機能がありますから、結局は行政警察の機能の部分に報告義務が課せられているのだと解されるわけですね。ドイツなども異状死の届出は警察に行うということになっていて、国の死因調査制度の在り方の問題なのです。そのときにイギリスの制度もちょっと御紹介しましたけれども、イギリスでは死因究明というのは別の中立的な機関がやるというシステムになっているわけで、私自身はやはり死因等は中立的な機関で究明するべきではないかと思っているわけです。医師法21条を堅持しろと言っているわけではないということを付言させていただきます。

○里見座長
 ありがとうございました。
 どうぞ

○貝谷構成員
 今日御提案の特別の部会をつくって検討を進めていくということについては賛成です。是非こういった原因究明と再発防止のあり方を集中的に議論する場が必要だと思っています。本会議のテーマである無過失補償ということを考える上では、むしろそれが先行することが必要ではないかというのが私自身の考えです。
 先ほど、その関連で過失の取扱いのお話がありました。どちらの部会なのかは別にして、個々人の過失の問題ということはまた別途の議論があるのかもしれませんが、どういう形で過失を考えていくのかという考え方の整理が椎名構成員がおっしゃるように是非とも必要であると私も思いますので、その点は座長に御配慮をお願いしたいと思います。
 以上です。

○里見座長
 どうぞ。

○高杉構成員
 医療はまず不確実性のものだということをよく御承知おきください。結果が100%いいことは絶対ない。その場合にどうするか。それは過失があるか、無過失かは、無過失の場合にはこの次の補償制度に入るでしょうけれども、過失のところをどのように認めるか、あるいはこの仕組みがあった場合にどうするかというのは今日の茨城県の小松先生の御発表にありましたように、いわゆる医療の解決の仕方を私たちは提案していきたいし、罪があるかないかで論議するのではなしに、医療というのは非常に不確実なものだと。その中でどういう社会の仕組みを持っていくか、認めていくか。不幸な患者さんたちをなくそうというのがこの委員会の本来の目的のはずです。そこを取り違えないように、勿論、過失、無過失の論議も当然入ってくるだろうと思います。

○里見座長
 もうそろそろ。
 どうぞ。

○加藤構成員
 医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に関する検討部会を設置することに特に異論があるわけではないですけれども、この全体の医療の質の向上に資する無過失補償制度等のあり方に検討会との認識の差というのがだんだんディスカッションにかけた時間の中で差が出てきているというのを私自身若干の危惧を持つわけです。その意味で事務局の方からは、この検討会の座長が検討部会の座長にすると。それは1つの継続という意味で必要ですが、そのほかに事務局の方で考えられている連携の取り方みたいなことがあればこの機会に御発言いただきたいと思います。

○里見座長
 どうぞ。

○大臣官房参事官
 連携のあり方についての御質問でありますけれども、私どももこの検討部会を設置して、この検討部会で結論が出るまでは本体の検討会を開かないという考えではなく、ある程度検討部会の方で検討をされて一定の方向性のまとまりが出てきたりする状況をとらえて、この親の検討会の方も適宜開催させていただきまして、その中で更に大所高所から御議論いただくということで、そういう形での連携も図っていきたいと考えているところでございます。

○里見座長
 よろしいですか。
 私の不手際でもう時間が超過しておりますけれども、今後は医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に関する部会でもって、医療事故に関することは審議をしていきたいと思います。
 その中で多分医療事故の個別の過失の有無等についてのことを審議するということが本当に医療安全を進める上で必要なことかどうか。それ以外の別の場所でそれは審議するべきではないかというこの辺の意見が分かれるところだと思いますので、その辺も含めて検討して、どういう仕組みをつくったら一番いいかという最終的な結論をどこかで出したいと思いますけれども、そのような議論の進め方になろうかと思います。
 ただ、聞いておりますと、これからも難航しそうな感じです。いずれまた新たな構成も含めてお知らせいたしますので、かなりスピードアップを望まれていると思いますので、またお忙しい時間に持ち帰り出していただくことになろうと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 何もなければこれで第4回を終わりたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。どうも御苦労様でした。これで終わります。

○医療安全推進室長
 ありがとうございました。1点申し上げます。
 今、座長より御連絡いただきましたとおり、第1回の検討部会、こちらの方は来年1月か2月にも開催したいと考えております。各委員にはそれぞれ日程をお知らせいたしたいと思います。
 また第5回の本検討会につきましては、また後日、日程の調整をさせていただきますのでよろしくお願いいたします。
 論点に関しまして追加の御意見等ございましたら、こちらの方も私どもにお知らせいただきたいと思います。できれば本年中にいただけますと大変ありがたいと思っております。
 以上でございます。


(了)
<照会先>

医政局総務課医療安全推進室

室   長 宮本哲也: 内線2570
室長補佐 今川正三: 内線4105

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