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2011年12月14日 新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム(第3R)「保護者制度・入院制度の検討」に係る第9回作業チーム議事録

社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課

○日時

平成23年12月14日(水) 18:00〜20:00


○場所

厚生労働省 専用第23会議室(19階)


○出席者

磯部構成員、岩上構成員、上原構成員、河崎構成員、久保野構成員、笹井構成員、
白石構成員、千葉構成員、野村構成員、広田構成員、堀江構成員、町野構成員、
良田構成員

○議題

(1) 入院制度について
(2) その他

○議事

○福田精神・障害保健課長 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第9回「保護者制度・入院制度の検討」に係る作業チームを開催いたします。構成員の皆様方におかれましては、御多忙のところ御参集いただきまして誠にありがとうございます。
 本日は鴻巣構成員から御欠席との御連絡をいただいております。
 それでは、ここから町野座長に進行をお願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○町野座長 本日は前々回及び前回の第7回、第8回作業チームにおいて、各構成員からいただいた御意見を踏まえ、事務局に論点案を整理していただいた資料を用意していただきました。それについて御議論いただく予定でございます。
 その議論に入る前に、障害者権利条約、国連人権B規約、精神疾患を有する者の保護及びメンタルヘルスケアの改善のための諸原則をまとめた参考資料を、事務局の方に用意していただきましたので、簡単にその説明をお願いしたいと思います。これは前回の会議で何人かの方から、障害者の権利保護の観点からの議論が必要ではないかとの御指摘をいただきましたので、これからの議論を更に深めるためのものでございます。
 それでは、事務局の方から説明をお願いいたします。

○本後課長補佐 それでは、参考資料と大きく書きました資料をご覧ください。
 今、座長からお話がございましたとおり、前回あるいは前々回のときに御指摘がありましたので、座長の指示を受けまして権利条約、国連人権B規約、国連の決議であります精神疾患を有する者の保護及びメンタルヘルスケアの改善のための諸原則を資料として用意をさせていただきました。
 説明は今、推進会議との関係でございます障害者権利条約の関係について御説明をさせていただきます。
 障がい者制度改革推進会議との関係、それから、精神科医療との関係でいきますと、様々な規定がございますけれども、5ページの第14条との関係が指摘されています。身体の自由及び安全というところで、第1条「締約国は、障害者に対し、他の者と平等に次のことを確保する」ということで(b)ですけれども「不法に又は恣意的に自由を奪われないこと、いかなる自由のはく奪も法律に従って行われること及びいかなる場合においても自由のはく奪が障害の存在によって正当化されないこと」。こういった規定がございます。
 推進会議の方からは精神保健福祉法上の非同意入院、措置入院、医療保護入院が、この自由のはく奪に該当するのではないかという指摘がなされております。
 この点に関しては、しばらく前になりますが、昨年5月に当時の足立政務官が出席をいたしまして、障がい者制度改革推進会議の場でヒアリングを行いました。その場で当時の足立政務官から、これは精神保健福祉法上の措置入院あるいは医療保護入院については、医療の必要性を考えてそういった手続が定められていること、それから、形としては非同意の入院になりますので、それに関する手続については法律上に様々な規定が用意されていること。そういったことをもって、ここの権利条約に言う自由のはく奪には該当しないのではないかという説明をしていただいております。
 その他いろいろな規定がございますけれども、精神医療に関わることですと推進会議の方から意見をいただいているのは、14条の第1項の(b)といったところになると考えております。
 なお、国連人権B規約については31ページから規定がございます。これは既に昭和54年に批准、発効されているものでありますので、随分前に批准されているものでありますけれども、精神保健福祉法との関係でいきますと32ページの第9条で、もう一枚めくっていただきまして第9条第4項が、従来から課題とされてきております。「逮捕又は抑留によって自由を奪われた者は、裁判所がその抑留が合法的であるかどうかを遅滞なく決定すること及びその抑留が合法的でない場合にはその釈放を命ずることができるように、裁判所において手続をとる権利を有する」ということで、この逮捕、拘留は日本語で言うとこういう形になりますけれども、解釈上は非同意の入院というものも含まれると解釈されております。
 この規定と現在の法律、精神保健福祉法がどういう関係にあるのかというのは従来から課題になっておりましたが、この点については精神医療審査会の中で基本的に審査を行っていること。その審査の内容については、都道府県は従わなければいけないことになっている。全ての場合において審査を行っていること。そういったことを理由としまして、ここの規定に違反するものではないという理解で、政府としては進めてきているということでございます。
 説明については以上でございます。

○町野座長 ありがとうございました。
 若干補足させていただきますと、まず障害者権利条約の14条1項の関係ですが、外務省の仮訳では少々わかりにくいんですけれども、意味としては締約国は障害者に対し、他の人々と平等の基盤において次のことを保障しなければいけない。そして(a)と(b)があって、(b)の方で不法にあるいは恣意的に自由を奪われないこと、また、いかなる自由のはく奪も法律に従って行わなければならないこと。後段で更にいかなる場合においても障害の存在が自由のはく奪を正当化するものではないことを保障しなければならない。そういう趣旨でございます。
 したがいまして、b項の前段では精神障害者の強制入院が行われる場合には、法律の定める手続によって行われなければならないとして、後段では精神障害による理由以外の正当な理由もないのに強制入院させるのは差別であって、許されないという趣旨のものです。自傷他害のおそれによる措置入院、医療及び保護の必要性のための医療保護入院は、この禁止に触れることがないのは明らかでございます。その前の方の説明で、自由のはく奪にこれが当たらないというのは若干意味が私はわからなくて、恐らくこの条項に反しないという趣旨であろうという具合に思います。
 宇都宮病院事件が契機となりまして、1987年に精神衛生法が精神保健法へと改正されたときに、最も問題になったのは国連人権B規約9条でした。これは今、御紹介がありましたとおり、3つ紹介されました規範の中で、唯一日本において法律的な効力があるバインディングなものであります。しかも国際法の通説によりますと、法律に優位する効力を持つという具合に解されております。そして、その9条の4項は後の精神障害者権利条約12条bの後段に対応するという関係にあります。自由のはく奪の適正手続に関する規定です。
 精神医療審査会の導入によりまして今、御指摘がありましたとおり、医療保護入院を含む日本の強制入院制度は、初めて人権B規約9条をクリアーできるものと考えられるようになったわけでございます。この改正がなかったら恐らくは国際法違反として精神衛生法は立ち行かなかったということになります。
 その後、日本の法改正を見ながら国連準則がその後につくられ、国連準則というのは先ほどの長い名前の決議でございますけれども、これはバインディングなものではないんですが、日本法の改正を見ながらこれがつくられ、アジアにおいては台湾、韓国でも精神保健法がつくられたという経緯があったものでございます。
 このように見ますと、日本法は精神障害者権利条約を含む国際人権法に違反していると言うことはできないのですけれども、精神障害者の権利の保障について更に進めるべき点があるのではないかということは、当然議論されてしかるべきことであります。
 それでは、以上の点につきまして若干時間がありますので、御議論をいただけたらと思いますけれども、何かございますでしょうか。

○広田構成員 済みません、私は定時制高校卒業で、口が早過ぎてしまって、話している内容が難しくて、もう少し口語体でわかりやすく言っていただけませんか。議事録が出てきたときに専門家だけがわかって、国民がわからないと困りますから、わかりやすくお願いします。普通の速度でよろしくお願いします。

○町野座長 済みません、常に指摘されているところでございまして、肝に銘じます。

○野村構成員 精神医療審査会はありますが、裁判所と比べると精神科の医療の専門家の方の意見が強過ぎて、当事者、家族あるいは一般社会の人権感覚とは少しずれているように思いますので、これは少し精神医療審査会というものを改革するとかしないと、私は今のままでは人権が確実に守られるとは限らないと考えております。
 以上です。

○町野座長 他にございますでしょうか。
 これは後の話になりますけれども、医療保護入院を含めた権利保護の手続につきまして精神医療審査会をどのようにするかということは、次に必ず議論しなければいけない問題だろうと思います。
 それでは、続きまして論点案につきまして事務局より御説明をいただいて、その後、テーマごとに御議論をいただきたいと思います。
 事務局の方から御説明をお願いいたします。

○本後課長補佐 それでは、今度は縦置きの資料「医療保護入院に関する論点(案)」をご覧いただければと思います。
 これは前回、前々回の意見を整理して、論点案として次回、検討チームに御提案をするという前提の下で作成したものでございます。
 全体4つに分かれておりまして、まず1つ目でございます。(1)地域精神保健医療福祉における対応となります。
 構成員の御意見をまとめさせていただいております。最初が家族からの相談に応じて相談支援の介入をする機会を早めにすることが大切。
 本人の不信感が出てきたときに解決に取り組むのは医療か家族であったが、相談支援が入ってくるべき。(岩上構成員)
 アウトリーチは保健所だけで行っていたが、今や保健所だけでは対応し切れなくなっている。優先順位をつけて対応しなければならず、そのため、保健所の対応が悪いと言われてしまうこともあるかもしれない。(鴻巣構成員)
 保健所が近隣からの苦情を受けたときに、訪問して医療機関への受診につながるケースもある。ただ、訪問しても家の中に入れてもらえず、結局、警察が介入するというケースもある。相談支援につなげるという啓発が大事。(笹井構成員)
 本人が薬の必要性を理解できないのであれば、アウトリーチなどで補完する支援が必要。地域の精神障害者を支えるサービスは現在、身体、知的がメインなので、十分に提供されていないのではないか。(千葉構成員)
 医療保護入院になるのは、本人の認識低下と治療を受けることに対して積極的に理解できないケース。本人が精神疾患に対する理解を持っていれば、最初の受診のタイミングなど対応できるのではないか。(千葉構成員)
 トラブルが発生した際に、訪問して本人を説得し、医療につなげる努力をすべき。解決しない場合、強制入院は本人への損害が大きいので、生活施設にしばらくの間、強制的にでも連れて行って医療を提供しつつ落ち着かせることができないか。疾患にかかる前あるいは症状が出ていないときに、あらかじめ入院をどうするかなどの意思を伝えておく制度があればよい。(野村構成員)
 メンタルヘルス・リテラシーが重要。小中学校のころから疾病について最低限知ってほしい。(堀江構成員)
 こういったものも踏まえまして、論点案を次のようにまとめております。
 精神疾患の症状が出て、生活上の問題が生じた場合に「治療へアクセスする」という観点から、医療保護入院以外に地域精神保健医療福祉の面でどのような解決方法が考えられるかということで、この点は入院ということに至る前の手続あるいは支援をどう考えるかということでございます。
 続きまして(2)現行の医療保護入院の在り方についてでございます。
 構成員の意見ですけれども、どうしても本人が同意できずに非自発的に入院する事態も起こり得る。そのような場合に医療機関はどうすれば治療が許されるのか、法律にしっかり書いてほしい。
 病識のない方をだまして病院に連れて行くというのと、そもそも判断能力のない認知症の方を医療保護入院にするのとでは、医療に対する同意の欠如といってもケースが大分違うのではないか。(久保野構成員)
 医療保護入院がなくなっていいのかという議論が求められている。措置入院には該当しないが、医療が必要で任意入院にならない人に対する制度をどうするのか。入院を最小限にする努力などは考えていきながら、制度の在り方を議論するべき。(白石構成員)
 医師としては早くよくなってほしいから治療しているのであり、介入も早く回復するために行っている。(千葉構成員)
 これからの議論は、家族の同意義務は必ず廃止する方向で進めてほしい。(野村構成員)
 強制入院に同意せざるを得ないと感じたのは、開放病棟では本人の人権を守れないと感じたとき。いい医療が提供できれば、入院して損する患者ばかりではなくなる。(広田構成員)
 病識がない人に適切な医療を提供することは人権を守ることにつながる。それをはっきりさせるために人権擁護入院という名称にしてはどうか。(堀江構成員)
 治療へアクセスする唯一の手段が医療保護入院であるならば、それに代わるものを考えなければならない。これまでの家族に委ねるやり方が、社会的入院を生み出してきたという歴史的経緯を忘れてはならない。今までと同じ制度では同じことになるので、英知を集めて必要なら人とお金もつけるべき。(良田構成員)
 こういった御意見も踏まえまして、論点案を次のようにまとめております。
 自傷他害のおそれはないが、治療の必要があり、同意をすることが困難な人がいる以上、措置入院、任意入院以外の入院形態をなくすことは困難ではないか。
 その際、保護者の同意を要件とすることが適切か。
 保護者の同意を要件としない場合、どのような手続が考えられるか。
 病識がなく入院に同意できない人と、判断能力が低下して入院に同意できない人を分けて考えることは可能か。
 入院の手続に関しては、この4点の論点を挙げさせていただいております。
 続きまして、4ページ目でございます。(3)入院中、退院時、退院後の対応ということでまとめております。
 事例検討では入院した後のことがよくわからない。入院中の権利擁護手段についても検討すべきではないか。(岩上構成員)
 医療保護入院者であっても、本人が治療の必要性を認識できるようになったら、任意入院に変えるということは日常的に行っている。(河崎構成員)
 私の病院では2週間に一度、病棟のスタッフを集めて医療保護入院の適正さについてコメントを集めている。それで任意入院に変わる例も多い(千葉構成員)
 家族との関係が問題なら世帯分離をすべきではないか。(広田構成員)
 患者のために医療保護入院に切り替えるといっても、その後、医者などから何も説明も受けずに、ずっと入院しているケースが多いような話も聞く。
 一人ひとりの権利を擁護するために入院させるのであれば、1か月ぐらいで医療が終わる人は多いのではないか。1か月は加算もつけてきちんとやり、その後は任意入院にしていくという区切りがよいのではないか。(堀江構成員)
 自宅に帰ることが困難だからといって入院が続くのはよくない。家族関係がよくないと入院が長引いて本人の不利益になることもあるので、自宅以外の選択肢もつくるべき。(良田構成員)
 こういった御意見を踏まえて、論点案を2つまとめております。
 入院中の権利擁護の観点から、入院後の医療保護入院の継続期間についてどのように考えるか。
 家族関係が問題で入院期間が延びる状況が生じないために、どのような対応が必要かということで、入院後、入院中、退院の際といった論点についてまとめてございます。
 最後、5ページ目でございます。(4)医療費負担の在り方について、これは座長の方から御意見がございました。最後は医療費の問題もある。制度を変えたときにどうするのか。全て公費負担という考え方もあるだろうが、厳しいのではないか。
 論点案としては、保護者の同意を要件としない別の制度とした場合、医療費負担の問題をどのように考えるかという論点を挙げてございます。
 説明は以上でございます。

○町野座長 どうもありがとうございました。
 今の事務局からの御説明でテーマが4つありましたので、テーマごとの議論といたしたいと思います。
 まず最初が地域精神保健医療福祉における対応についてでございますが、この部分につきまして御意見のある方は御発言をお願いいたします。今回も恐縮ですが、なるべく多くの方に御発言いただくために、発言は手短にお願いしたいと思います。では、どうぞよろしくお願いいたします。

○笹井構成員 今後どのような制度になるかはわかりませんが、どういう制度になっても家族の負担を軽減することについては、これまでの議論で一致しているところだと思っています。
 それで地域精神保健活動から見て、どういう方策があるかということを少しお話しますと、まず枚方保健所では4名の精神保健福祉相談員あるいは保健師が地域精神保健活動をやっていますが、相談が延べ年間1,300人、訪問が延べ400人ぐらいの分量で、人口約40万人の町です。
 活動経験から申し上げますと、1つは家族からの相談を受けた際に、できるだけ早期に訪問するなり関係機関と情報交換をして、どういうふうに対応をしていくのかということを考えていく。そういう早期介入支援が地域では一番必要だと思っています。
 2点目として、治療に結び付いた後ですけれども、治療を継続するための本人及び家族の支援、病状が例えば薬の服薬中断等で悪化する前の早期対応ということで、1つは何かあれば保健所の方に相談していただくということと、かかっている医療機関からの訪問看護で、治療の継続性を担保することがもっと強化されるべきだと思っています。
 家族が多分一番困られるのは、急に症状が悪くなって家族では手に負えない、あるいは医療機関受診を説得できないということですけれども、これの対応として考えられることとしては、今かなり充実しつつある精神科救急の相談窓口をもっと充実するとともに、本当に医療が必要かどうかの判断と、医療が必要であれば説得して入院をしてもらうための緊急時の体制強化が非常に重要ではないかと思っています。昼間でしたらスタッフ、関係者が集まって何とか援助していこうということもできるんですけれども、夜間や祝日、休日などで緊急の場合には、精神科の救急を充実するのが1つの手だと思っています。
 医療機関を受診して途中で中断する人が多くおられますが、過去受診した医療機関から中断者に対するもう少し手厚い訪問ですとか、連絡ですとか、医療機関が直にできなくても関係機関と相談して、どういうふうに中断者を治療していくのかということを考える活動を、もっと充実すべきではないかと思っております。
 以上でございます。

○町野座長 ありがとうございました。
 良田構成員、お願いします。

○良田構成員 今の話は本当にそうだと思うんですけれども、ただ、現実、保健所に相談をしても困りましたねとか、大変ですねというふうにお話を聞いていただけるんですが、現在の状況ではなかなか対応をしてもらえない状況があります。保健所がそういう役割を今後担っていって、人も配置して充実するような施策をとっていくのかということも、家族としては知りたいんです。
 もう保健所が全然動けないような状態であれば、そこに相談に行っても、何回相談に行っても同じことなので、結局あきらめてしまう家族はあきらめざるを得ません。ですから、本当にそういう人たちは一体どこに行ったらいいのかということを、まずしっかり制度的にもきちんとしていただきたいということがあります。
 救急対応にしても、結局のところは家族が説得したり無理やり連れて行ったりとかできる場合は、そういうふうにするしかありません。何とかしなければ訪問してくれるわけでも来てくれるわけでもないわけですし、家族の思いとすれば、いろいろ早期介入だとか危機介入だとか言われますけれども、実際にそれをやってもらわなければ意味がない。どこがやるのかということが明確でなければ、実際に家族としては安心できた生活はできないのではないかと思います。
 以上です。

○町野座長 笹井構成員、お願いします。

○笹井構成員 今お話があったのが、今の現実の姿に近いものだと思います。また、保健所によってかなり取組みに差があるのも事実だと思います。
 私のところでは保健所の精神保健福祉相談員だけでは限界がありますので、かなりの数の嘱託の精神科医をお願いして、相談があれば家族や相談者とともに嘱託の精神科の先生も一緒に訪問して事情を聞いています。1回で済む話は非常に少なくて、それを何回も繰り返す。繰り返した上で関係がとれるようになれば、では次の段階で受診しましょうかという、そんなやり方の積み重ねを行っています。
 家族が孤立して悩んでいるということを、まずは打ち破る必要があると思っていますので、何か本当に困ったことがあれば、心の健康のことであれば保健所に相談してほしい。これを関係機関全てにPRをしながら、何かできることをやれるように、時間をかけてでも取り組んでいるという実情でございます。

○町野座長 河崎構成員、どうぞ。

○河崎構成員 河崎です。
 地域精神保健医療福祉における対応という形で挙げられている論点は、いわゆる医療保護入院とか入院制度をどういう形にするのかという議論とは、多分ぴったりマッチはしないテーマかなと。つまりここは現在の日本の精神科医療あるいは精神保健福祉が、どういう形にならなければいけないのかという一番根っこの部分の議論に、直接的につながっていくところなのだろうなと思います。
 そういう意味では、先ほどの笹井構成員のおっしゃっておられたようなことが現実的にそれぞれの地域で実現していけば、医療保護入院という入院形態そのものも防げるということであって、本当に大きな問題がここではどうしていくのかということを、どうもこのチームというか、このワーキングで議論していくには、あまりに大き過ぎるような内容があるのかなと感じて、聞いておりました。
 多分いろんな面でこれから、例えば総合福祉法の新しい形をどうしていくかとか、そういうこととも関連したところが結構これには直接的に結び付いていくのかなと思ったりもするんですが、先ほどの良田さんや野村さんの御指摘にもあったかもしれませんけれども、やはり御家族が困ったときに、あるいは御本人が困ったときに、入院という形以外で何か地域の中で支えるような機能がないか。そういうものは現状のサービスの中で、果たしてうまく適合するものがあるのかということの議論は一方ではあるんでしょうが、もう一つはもっと新しいメニューを考えていかなければいけないのではないか。
 例えばレスパイト機能的なものをどこかに持たせる必要があるのではないかとか、ショートステイをもう少し利用しやすくするような制度設計をどうするかとか、まさしく地域の中で支えていくシステムをどうするのかという議論が、ここで行われるべきであれば行うべきと考えます。
 以上です。

○町野座長 広田構成員、どうぞ。

○広田構成員 私も河崎先生と同意見のところがたくさんあるんですけれど、まず岩上構成員がすごく相談支援に持っていきたがるんですが、岩上構成員の場所へ是非伺いたい。要するに精神障害者になると、何でそんなに相談をしなければいけないんでしょうかというぐらい相談させられてしまう依存体質にさせられているんです。28年間精神の領域に生きている中で。これは本当におかしいと思います。
 お金がある時代ではない。1,000兆の赤字財政の中で相談支援がメインではない。住宅施策とか安心して利用できる精神科救急とかホームヘルパーとか、それで何よりもこういうところで大事なのはピアサポートだと思います。本人のピアサポート、家族のピアサポート、多くの新しい家族が言います。「何か家族会に行くと愚痴と運動ばかりで嫌だ」と帰ってきます。家に髪を振り乱した家族がみえますから私が御飯をつくって、フルコースで一緒に食べると、前にも言いましたが、「こんな団らんな食事は何年振りか」ということでふと我を取り戻して、御家族は解決していく。
 つまり相談員というのは本人が解決する力をお手伝いするだけで、こちらが解決するわけではない。だから相談支援というのは私はわかりません。地域生活支援の中でお食事を食べて、ふと我を取り戻して職員の顔を見てにっこり笑って帰っていく。それでいいのではないかと私の体験から思っています。それで岩上さんも是非うちに来てもらいたいと思います。
 是非家族会にピアサポートをやっていただきたい。私は横浜地裁で精神障害者が殺された裁判の証人で30分間出ましたけれど、ここでも言ったかもしれませんが、ピアサポートだと思うんです。保健所に任せて、保健所の相談員と言うけれど、保健所の相談員は、横浜のMSWが相談者に「私は実はうつなのよ」とカミングアウトしている時代です。相談者が困っています。「今日も死にたいという人から何本も電話がかかってきて困っているのよ」と相談者に言います。言われた人は揺れて、「死にたい」と私のとこに電話がかかってきます。つまり二次被害をこちら側が受けている。それも実態です。
 笹井構成員のおっしゃるとおり、精神科救急の相談窓口を充実するのは大変です。神奈川県横浜市、相模原市、川崎市のソフト救急の窓口で何が起こっているか。相談員が対応不可能で警察に相談しているんです。「何々町何丁目何番地の何々さんがこういう状態です」ということを警察に相談している場面に、私は4回出くわしました。守秘義務が守れない。これが実態です。これを改革しなければいけないということを神奈川県の精神科救急医療連絡調整会議に言っても変わらない。念押しして横浜市の施策推進協議会で発言しても変わらない。これが実態です。
 つまりどこに相談員がいるのか。MSWは悩んでしまうような相談者にカミングアウトしている。精神科救急の相談窓口は相手の話を受け止められず、警察官に相談している。こういう判断力も経験もない人たちが相談員をやっている。これでは解決しません。
 少なくとも私が知っている神奈川県内の病院のPSWさんとか、いろんなところの人と仕事しますが、何度も前の在り方検討会で言いましたが、PSWが資格を取る前に、閉鎖病棟に1か月とか1週間とか泊まってみなければわからない。どんな状態になるか予測できない人が何が相談ですか。岩上構成員がどういう経歴が知らないけれど、私はあなたの話を聞いていて大変なんだな、PSWの背景を背負っていて、セールスマンなんだな、私とは違うんだなということで、私はここで本人のピアサポート、家族のピアサポート、本人のショートステイ、河崎構成員の言われたレスパイトケア。
 例えば横浜市です。「家族支援を」と言ったらレスパイトケア機能を付けました。ところが、窓口は区役所です。区役所は5時に行くと蛍の光を流しているんです。問題は夜に起きるんです。10時まで開けてくれと言いました。私は市議選に投票する前に候補者たちに言いました。そうしたら何て言われたかというと、「組合があるから10時まで延ばせない」。これが実態なんです。
 そういう大きな課題から、私たちはできることから手を付けていくということで、家族のピアサポート、ショートステイ、レスパイトケア、そして何よりも住宅施策。私の家へ来ていただければわかるけれど、1部屋プラスの大きな家を借りられれば本人を泊めることができる。家族を泊めることができる。そういうふうな優しさとか愛の中で人間は回復していく。そして私の母親が良田さんだったら私はここにいないでしょうね。精神医療に行く必要はなかった。私の父親が堀江さんと野村さんだったらと思います。父は早く亡くなってしまいましたから。こういう親ばかりならいいけれど、どちらが患者なのという親にたくさん会います。被害者は常に患者になるが、家庭病理とか社会病理もあるから、そういう中で総合福祉法で論議されてきましたけれど、4点、以上提案です。

○町野座長 ありがとうございました。
 岩上構成員、どうぞ。

○岩上構成員 この論点の案が出たときに、必ず御指摘いただくことだと思っておりました。ただ、議事録を見ていただければわかるように、必ず私はこの話をするときには、ピアサポートが必要だというお話と一緒に話をさせていただいておりますので、勿論ピアサポートは私も大事だと思っています。
 ただ、実際問題として相談支援がここに、ピアサポートや家族の支援も含めて入っていけばいい。PSWも含めてまだまだ物足りない問題があると思うんですけれども、そこは力をつけてもらうしかないと思っています。
 実際に笹井構成員さんがおっしゃったような医療保健の分野は、いろいろ問題があるにせよ、健康をつかさどる視点で関わってもらう。精神科の病気になる。これは病気ですから健康をつかさどる視点で、医療保健の領域は保健所であるとか保健センターであるとかが関わった方がいいと思っているわけです。そのためにはある程度人員確保がないとこれは進まないであろう。医療機関ができることとしての救急体制を整えていただく。
 私ども福祉事業者は何か今できるかというと、勿論相談に乗ることと、もう一つはかなりサービスを御利用いただいていない障害者の方が多くて、その方々は医療には多少かかっている、それほど問題が起きていない。薬を今、飲んでいたりする。ただ、その引きこもりがちな精神障害の方がかなり多いと思います。
 これは白石構成員が川崎で行っているものをモデルとして、私のところでも取り組んでいるんですけれども、引きこもりがちな精神障害者への訪問活動をしております。これはPSWだけではなくピアサポーターにも言っていただいています。あるいは御家族、ボランティアの方にも行っていただく。そういうきめ細やかな支援をしていくことによって、御両親が亡くなった後に、今までですと言葉は悪いですけれども、ぽっと精神障害者が出てくる。民生委員さんがあそこのお父さんが亡くなってしまったので市役所に相談に行く。どうも通院しているらしい。先ほどの話ではないけれども、自立支援医療を使っているから主治医に連絡をとってみると、では連れてきなさいと。いつの間にかとりあえず入院しましょうという形で入院した方たちが、社会的入院になっているという事例が私の周りでもかなり多かったんです。
 ということであれば、今の何とかなっている方たちと私どもがお知り合いになっておく。お知り合いになっておくと、その方が1人になったときに、この人はお薬飲んでいますよとか、御飯はつくれるけれども、他のものは自分ではできない。ではヘルパーが必要であるとかということで、入院しなくて済むわけです。そういうところへは私たち関われるかなと思います。
 もう少し、先ほどのレスパイトは広田構成員の意見はほとんど私も賛成なので、先ほど出た御本人のピアサポートと家族のピアサポートと救急体制とレスパイトが充実する。私ども福祉事業者が関わっている人であれば、具体が悪くなっても関わりやすいんです。どうしようか。広田さんぐらいのことはできないかもしれないんですけれども、専門職なのに申し訳ないんですが、そこで関わることによって医療保護入院までいかないで済むということはできると思うんです。それに加えて相談支援の立場から言えば、今、関わりがない人とお付き合いをさせていただく。それが私たちのできることだと思っています。

○町野座長 他にございますでしょうか。

○広田構成員 要するに、そのときに相談支援と言うんだけれども、家族の話を受けたらば家族に帰す、当事者に帰す、それがピアサポートの広がりなんです。それを引き受け過ぎてしまって、囲い込んでしまって、いますよ、生活支援センターに。いわゆる訪問してしまっているんです。引きこもり。誰のリクエストで行くかというと、親のリクエストで行ってしまっているんです。
 前にも言いましたけれども、本人に電話すれば大体田舎で急病人が出て、両親がいなくなって5,000円机の上に置いてあって、冷蔵庫空っぽになったら死ぬのと何人かに電話すれば、死にはしない。何とかやっていくということなんです。親は私は呼ぶんです。泊まりに出したいと言うと。親が来られないんです。だからあまり関わり過ぎるのではなくて、いかにして本人が出てくるか。いかにして家族が本人と距離を置くかという形の相談支援にしないと、結局丸抱えで入院と同じことなんです。
 依存させて、たまたま家にいるだけの、そういうことではなくて、質が求められている。質は早いですよとあちこちで話が言われます。まずは種をまきましょう。種は精神保健福祉の資格ができてから20年ぐらい経ちます。私も応援して失敗したなと思っていますが、種はとっくの昔にまいた。質の時代で囲い込むな、仕事をつくり過ぎるな、本人の可能性を信じろ、本人の健康な部分に向き合え、そうすれば恐らく東日本大震災で引きこもったまま、死にたいと思った人はいないで出てきているはずですから、今この豊かな、先進国だから起きている社会現象の引きこもりを、寄ってたかってより引きこもり化させているのが、ある意味で専門家だと私は認識しております。
 以上です。

○町野座長 堀江構成員、どうぞ。

○堀江構成員 議論が入院よりも手前の話でという合意ですから、もう一つ手前を言わせていただきたい。というのは、どうも当事者家族と専門家たちとの間の議論になっているように思うんです。
 私たちはソーシャルアクションの方ができてしまっているものだから、そこの部分から今、世田谷でどういう議論をしているかということを言いますが、世田谷区で来年度の重点課題としては、重点予算を心の健康を入れようということで入ったんですが、5つぐらい新規事業を入れました。入れましたと言っても議会があります。ですが、超党派で各党の方たちとも、みんな精神保健のことは重要だということを1日がかりぐらいの議論もしていますから、ですから職員の方たちも予算額はあまり心配していないんですよねという話になってきました。
 その中で前回のときにちょっと言ったんですが、心の健康づくりを進めるための会議をつくろうということで決まったんですけれども、そこで何をするかというのを2つやろう。1つはメンタルヘルス・リテラシーの話なんですが、リーフレットを毎年10年間やってみようかという話をしています。それは中学生、高校生、大学生それぞれ区内のお子さんたち2名ぐらいずつ、男女に出てもらって、それと大人、専門家も含めて6対6ぐらいで、みんなが見て恥ずかしくないようなものを、毎年テーマを変えながらつくってみようか。そうすると、15歳でそれで制作に関わった人が10年経つと25歳になっていて、その人たちが前回にも言ったように、これは中核症状なんだよねとか、これは周辺症状なんだよねなんていうことが平気で言えるように、そうでないと私たちはいつもはらはらしているんです。ひやひやしていると言った方がいい。
 いつも外に、具合が悪かったりすると裸足で飛び出してしまったりするではないですか。そのときに冷たい目で公園がすぐ近くにあるものだから見られているという、これはすごくつらいことで、そういうものを子どもたちの段階から理解し合えるようにするという作業を、10年かけてやってみようかというのが1つ。
 もう一つは心の健康サポーター養成というものを5年間で8万人、世田谷区というのは88万ぐらいの人口ですから、8万人ぐらいやってみようではないか。5年かけて8万ですからそんなに大したことではない話で、認知症サポーターが既に400万人ですから、ですから世田谷区で言えば3万か何かいるわけですから、その人たちにちゃんとカリキュラムを載せよう。そういうふうに何科目か載せていって、少し理解の幅を広げさせたい。そういう拾い上げてみれば既に精神のことについても、知っておいてもらわなければ困るような人たちが、そういう講座もないし、そういうサポーターにもなっていないという、これは行政の側の完全な手落ちだと思うんです。
 そうやって例えば5年間で8万人やると区民の8人に1人ぐらいは何か理解した、理解が半分ぐらいできたという人たちができる。それをやってみると、その中から1%ぐらいはこれはいい玉だなというのが出てくるはずだ。100人に教えたらば、そのうちあの人はいいよねという人が出てくるわけです。ですから、その人を合わせれば計算すると800人ぐらいです。それを世田谷は5地域ですから5つに分けて160人ぐらいずつ定着するわけです。その人たちがリーダーになってもらって登録をして、何かがあったときに一緒に声をかけあう。そういう人たちをつくっていこう。1,000人に1人ですから、そのくらいいれば何か隣のうちでというときに理解の幅が、深さができるのではないかということを今、世田谷では考えています。

○町野座長 ありがとうございました。
 野村構成員、お願いします。

○野村構成員 家族が非常に惨憺たる心理状態に陥ってしまうのは、当事者の方が一向によくならないし、精神疾患に対する恐怖で、その精神疾患を抱えた御本人が元気になれば家族も安心して元気になるんです。その御本人をどうやって元気にするかというのは、家族はとても手に負えないということがありまして、これはやはり支援してくださる方がピアにしろそうでない方にしろ、とにかくいてくださらないと困る。
 家族会は相談員の研修も受けながら、傾聴という態度も身に着けながら、ちゃんと御家族の話をしっかり聞く相談支援もやっておりますし、シェルターとして部屋を借りて地域で家族会側のシェルターを用意しているところもあります。
 それは別としまして、御本人がどうして引きこもりになっていくかというと、御本人は作業所だとか病院などいろんなところに行くんですが、支援者の方たちの上から目線に辟易してしまって、自分の自信が一層なくなっていって、ああいうところには行きたくないというようなことがよく起きるようです。当事者の支援も私はさせていただいております。当事者の方から自分は自信を持ちたい、成功した体験を持ちたい、どこかで活躍してみたい、自分で部分を肯定するような環境の中に自分を置いてみたいという願いがあるんですが、そういう環境がないんです。行くといつも否定されて、自分が傷ついてダメ人間としてへとへとになって家に帰ってくる。そうするとどこにも出たくないという状態があります。
 これはやはり2つの問題があって、1つは支援者の方たちが上から目線にならない。御本人をちゃんと尊敬するというか、持ち上げると言うと失礼だけれども、自分と同じ方だというふうにちゃんと尊敬を払って、自分の意見を言うのではなくて、御本人の意見をしっかり聞いて、御本人の生活に目標がちゃんと持てるまで御本人と一緒に話を聞きながら、御自分で発見していくように支援するんです。
 ところが、自分の力を試す場所がどこにもないから、また家に戻ってきてしまう、あるいは行きたくもない作業所に形だけ行って、そこでくたびれてしまってこんなところに行くのは嫌だと思うと、やめて引きこもりになる。そうするとあとはどこも行くところがないんです。ハローワークに行っても職場に行ったらいきなり大変な仕事で人が怖いし、だから御本人に合わせた環境を整える場所が事業所にしろ、一般の会社にしろ、どこかにつくらなければいけないんだろうと私は思っていますが、同時に支援者の方が御本人をうんと持ち上げて尊敬して自信をつけていってあげるという支援の仕方をしてくだされば、御本人もだんだん元気になっていくことは間違いないと思いますし、家族もそれによって元気になると思う。
 それから、支援者の方は御本人と親しくなっていただくことが必要なんです。そうすると、親が亡くなった後もそのつながりがあれば、御本人がその方に相談に行くこともできるし、自分の進路について一緒に考えていただくこともできる。そうすると救急体制を敷かなくても、困ったときはその方に電話をすれば、その支援者は結局いろんな方につなげてくださるということも考えられるのではないかと私は願っております。
 以上です。

○町野座長 どうもありがとうございました。

○広田構成員 ちょっと質問をしたいんですが、だめですか。

○町野座長 済みません、次のところに移って、また次のところで御発言をお願いします。
 これで次のところに移りたいと思いますけれども、今までの御議論ですと大体皆さん共通認識というのは、現在の医療保護入院の仕組みだけで十分だと思っている人は誰もいないということでございまして、それが共通認識である。それが適切な医療とケアについては、要するに更に保健所などの行政、アウトリーチ、相談支援事業、いろんな方々の関係者、家族、そういうものが精神障害者に働きかけて医療へのアクセスに努めて、できるだけ強制的な入院にならないようにしなければいけない。これも共通認識である。
 しかし、ではどうするかということになってくると、かなりいろんな考え方があるようでございまして、家族とかそちらの方の立場からすると、どこに相談したら一体動いてくれるのかというのがまだよくわからないというところがあるので、これを早急に少し整理しておく必要があるのではないかという感じがいたしました。
 勿論、理想的にはどうしたらいいかといういろんな議論があるだろうと思いますけれども、それがあるだろうと思います。
 更に表面からあまり出てまいりませんけれども、救急だとか、先ほどありましたようないろいろなもう少し医療へのアクセスがある場合に、急いでやる必要があるのではないか。そのときにどうしたらいいか。ちゃんと動いてくれるだろうか。そういう問題もありますので、それらも含めて御議論は更に先に持ち越されることになっておりますけれども、やっていかなければいけないだろうということになると思います。

○千葉構成員 済みません、時間があれですけれども、今のまとめにちょっと異議というわけではないですが、一番最初の笹井構成員のいろんなお話を聞いていて、いつも我々の方で疑問になるのは、特に医療というものの患者さんとの関係性なんです。
 例えば治療を中断したからといって、どうですかと言って押しかけていいのかという話です。本人は嫌だと言っているのに、来たくないと言うのに行って来いと首にひもをつけてくるようなことがどこまで許されるのか。あるいは他の病院に行きたかったのに、何で前の病院からひもがついてくるんだという話だってあろうかと思うんです。
 それから、今、治療にかかっていない人がどうだこうだいろんなものがあると思うんですけれども、そこへ行ってあなたかかりなさいよと、あなたに必要ですと言うことや、それを強制的に介入することがどこまで、それは人権侵害にならないのかと思うんですが、そういう辺りの整理が抜けると大変なことになってしまうと思うんです。
 片方で医療保護入院が云々と言っていますけれども、通院治療あるいはそういったような介入に関しての強制力というのは、誰がどこでどう担保をされるんだということですね。それこそ法的に何らかのきちんとしたものがなければ、少なくとも普通の一般医療機関は手を出せない。これはある意味医療ではなくて保健の問題の部分であって、国がやるならまだいろんな担保法があるように思うんですけれども、普通の医療機関が頼まれたからと言って出ていって、議事録に残していいかどうか知りませんが、ずっと昔は精神医療は頼まれれば行って、みんなでがっと男手を10人も連れて行って押さえつけて、布団で簀巻きにして連れてきているというのをやっていなかったというわけではないので、今、そんなことをやっているところはどこもないと思いますけれども、それでいいんだろうかという話。それは極端な話なので、そこの延長線上の話なので、そこはないがしろにしてはいけないと思うんです。
 以上です。

○町野座長 ちょっと後でよろしいでしょうか。かなり時間も、まだこれから3つも議論しなければいけないということでございまして、今、議事録に載せるか載せないかと広田構成員も千葉構成員も言われましたけれども、私としては是非載せておいていただきたいと思います。警察のこととか議事録にそのまま載せておいていただきたい。
 次の現行の医療保護入院の在り方について、これが非常に中心なんですけれども、これにつきまして、先ほど堀江構成員も言われましたとおり入院までの間の議論をした。ここから後は入院についての議論となりますが、どうぞよろしくお願いいたします。

○白石構成員 千葉構成員がおっしゃったことを私も申し上げようと思ったんですけれども、なぜ医療に至る前のことを議論したかと言うと、保護義務者の義務の中に医療を受けさせる義務というものがあったわけです。それをどこかに移して、それで保護者制度を何らかの形で変えていくという議論なのだと思うのですが、まさに今、千葉構成員がおっしゃったように、医療保護入院相当の人の場合に、誰かが責任を持って医療につなげるという立場の人がいないということを、むしろ確認すべきだと私は申し上げたかったんです。
 誰も義務として連れて行くということはできない。そういう入院だということを周知した上で、その上で強制ではなく御本人が医療につながるような方法を工夫するとしか、多分言えない領域なのではないかと私は思っています。

○町野座長 どうもありがとうございました。
 まさに医療保護入院につながる問題でございまして、今まで漠然と保護者が何かするものだ。当然保護者がそうしてある範囲で強制的にだまして連れて行ったりとか、いろんな若干半強制に当たることをやってもいいんだという発想があっただろうと思いますが、これがそういうものではないということになってくると、一体どのようにしてそちらに結び付けるかという、かなり深刻な問題になるというのは確かだろうと思います。これについていろいろ御意見はあるだろうと思いますが、今のことも含めて何かいろいろお願いいたします。

○野村構成員 医療を強制しに訪問するのではなくて、御本人の意見を聞きに伺う。そして御本人が医療にかかる必要があると、例えば精神科のお医者様が御本人と会って、あなたは医療にかかる必要がありますよということを話しても、御本人があなたのところの病院は嫌だと言った場合には、では次の病院を御紹介しましょうという辺りは、私は許されるのではないかと思うんです。それは医療が中断した場合の訪問医療の話です。
 もう来ないからいいやと無視するのではなくて、連絡をとって御本人の意見を聞きに行って、そして御本人に医療を勧める。病院を選ぶんだったら他の病院もちゃんと紹介するというところまで、誰かがやらなければいけない。それは医療を中断された病院がやってもいいのではないかと思います。
 医療保護入院に同意するという問題ですけれども、これは家族にはそもそもそういったことを判断する能力はないと言うことができると思います。まず精神疾患のことを知らない親もいっぱいいるし、御本人がなぜそのような状態になってしまったかということを理解できない親もいるし、自分の立場として患者さんを病院に入院させたいという強烈な意志を持った親もいますから、そういう親が判断して同意するというのは、私はそもそもおかしいのではないかと思います。
 家族ではない第三者の人権を守る立場にある方が、それをきちんと判断すべき問題であって、私は家族は判断する立場に立たない方がいいのではないかと考えております。
 以上です。

○町野座長 御意見ある方はどうぞ。

○千葉構成員 先ほど前段の方ですが、また話が戻るのは嫌なんですけれども、そういうものは医療機関側が意向を聞きに押しかけて行くというのは、それももう押しかけだと思っているんです。
 そうではなくて、それこそ相談支援事業所なり何なりというような意味で、福祉的なサポートやいろんなサポートをきちんと持っていて、我々の方がもしそこと連絡をとっていれば、ちゃんと中断になっていますよという情報を上げて、そういう人たちが関係をつくっているところで行っていただくとか、あるいは我々ができるんだとすれば、はがき1枚お忘れになっていませんか、受診日ですよということぐらいしかできないわけです。それ以上やってはいけないのだと逆に言えば私は思うので、その辺は納得いかないということだけ言わせていただきます。

○町野座長 堀江構成員、どうぞ。

○堀江構成員 厚労省の方で書かれているものの中に、保健所に丸を付けて重視しています。私は当然だと思っているんですけれども、また地元のことで、まず地元で確認しながらやっている作業なものだから、そうしてみると例えば世田谷だと88万のところに100人の保健師がいるんです。少な過ぎますと確かに保健に携わる当事者たちも言っています。100人では少な過ぎる。しかも乳幼児健診だとかいろんなものがあって大変だと言うんですが、制度が変わるときにあまり現実はこうだからと言うのは、現実を見るという意味では必要だけれども、言っていったら切がないぐらいひどいものですから、それはみんなで目くそ鼻くそ笑い合っているというのはやめて、そろそろどうするか。やはりポイントになるのは保健師だろうと思います。
 兼務辞令を発令できないのかという話をしています。地域担当と両方やれ。9時5時職員の保健師にそれを言うのですかと笑われますけれども、それはやらないと、制度が変わるときですからしようがないのではないですかと冷たく言い放つことにしているんですが、一番地域に密着して、その人たちの健康、住民の健康について情報を持っていなければいけないのが保健師なんだから、そのことをやりなさいよという話なんです。
 そのために保健師を倍に増やすなんていうのは当たり前のことであって、それは厚労省の担当課が頑張ればいい話になるわけで、そうやって増やすべきところは増やす、特に重点はそこだろう。そこが実は知っていますと。ここで引きこもっていて、薬もこの間まであれだったんだけれども、ちょっとこうなっていてという、そういうことを知っているところまでは保健師が持ちなさい。そこであとは福祉とか相談員の仕事とつなぎながら様子はどうですかと聞きに行くのは、それは保健師の仕事でしょうと思っているんです。

○町野座長 良田構成員、どうぞ。

○良田構成員 私も保健師さんの仕事にはいろいろ期待を持っていたころがあったんですけれども、先ほどの笹井先生のお話で、保健所ごとに違うというのは何でだろうというのは、すごい疑問を持ってしまったんです。笹井先生のところの保健所のような働きをしているところを私は知りませんでした。保健所長さんによって保健所の内容が変わるんですか。私はわからないんです。

○町野座長 では、今までのことについて笹井構成員、どうぞ。

○笹井構成員 まず保健所の職員の数は、基本的には地方自治体の判断で定数等決めますから、やはり現実にはかなり差があります。ただ、国で大体これぐらいの基準という交付税措置とか、人員計画の中でこれぐらいの規模の自治体はこれぐらいの保健師さんを置きなさいという一定の目安があるので、大体それに沿って採用はしています。私のところでは、いわゆる医療観察法をやっているような精神科病院や他に幾つか病院があって、今まで保健所が意図的に関係機関のネットワークづくりに取り組んできた結果、精神疾患への取組みというのがかなり進んでいたという事情もあって、そういう地域ですといろんな福祉の関係の方も含めて、共通の認識をつくりやすいので、保健師や相談員が4名しかいませんけれども、いろんな社会資源のネットワークをつくりながら動かしています。そういうことができる地域はそんなに保健師や相談員の数が多くなくても動くし、一方、精神疾患に対する偏見が地域によって大分差がありますから、強い地域ではなかなか保健師の数があったとしても、地域全体が動かない。そういういろいろな事情があるんだろうと思います。ただ、今の相談員や保健師の数では十分ではありません。
 保健所長の指示だけでは地域は動かない。普段からの地域精神保健活動への関係機関の取組の結果で、やはり差があるのが現実だと思っています。

○町野座長 上原構成員、どうぞ。

○上原構成員 先ほど保健師さんのお話が出たので、それに関連してなんですけれども、今は私どもの市は合併して80万を超える市になってしまったんですが、その前には郡部で人口約3万人ぐらいの地域があったんですけれども、ここの保健師さんというのがとてもよく地域の状況を把握していらっしゃるんです。どこそこにどういう人がいて、家族構成がこうでというところまでちゃんと把握をしている。
 あるとき相談があったのは、今までは御両親が御健在だったんだけれども、ついこの間お父様がお亡くなりになって、お母さんも高齢化してきて認知症になって、子どもさんを抱えることが難しくなってきたということで、実にタイミングよく紹介をしていただくという事例が結構ありました。それを受けてタイミングが早くなく遅くなくという、とてもいいタイミングなので、我々は保健師さんと一緒にそこへ訪問に行くということをやっていました。訪問に行って、特に相談を受けますよということではなく、こんにちは、この保健師さんから御紹介を受けてと名乗るんですけれども、そのときに大体やってくるのは名刺を置いていって、何か困ったことがあったら御連絡くださいねとやるんです。
 先ほど岩上さんが早く知り合いになるという言い方をされていましたけれども、私どもも早く知り合いになるというところから始めるんです。名刺を置いていくと、困ったことがあると必ず電話をくれるようになるんです。その最初はどんな電話かというと、雨漏りがして困るんだけどとか、お風呂の水が出ないんだけどという電話なんです。それでも我々は行くんです。そういう関係を繰り返していく中で、だんだん困ったことが話せるようになったりとか、ぼちぼち受診でもしてみようかという話になってみたり、あるいは障害年金の話になってみたりという関係を、少しずつ時間をかけながらつくっていく。そうやっていくと比較的危機的な状況は免れて、在宅での療養ができてくる。だから入院に至らずに予防ができていくというケースが増えていくんだなと思っています。
 これが人口がふくれ上がって合併してからは、なかなかこういう事例には会えなくなってしまったという実情があります。
 以上です。

○町野座長 広田構成員、どうぞ。

○広田構成員 私が去年5月に引っ越したところは、横浜の3大商店街の裏なんです。私はそこで愛のパトロールをやっています。いわゆる社会から嫌がられている人、おかしな人。私自身がおかしい、面白い人ですから、おかしな人への声かけです。そうすると、「元気?」と言うと、時には「何々病院に入院してくる」と言う。精神科の病院です。そういう私のようなおもしろい人がいれば。
 視点は、症状に私は関心ありません。妄想とか幻聴や幻覚があったって、リスパダール飲んだってジプレッサ飲んだってエブリハイ飲んだって消えない相談者はいっぱいいます。逆に副作用で苦しんでいる。それが医療中断につながっているわけです。精神科医療の中でいろんな嫌な思いをしたこととか、先ほど福祉の質の悪さを言っていましたけれど、精神医療の中で人が少ないとかいろんなことがあって、そういう中で傷ついている人がたくさんいます、そのとき症状に光を当てるのではなく、いわゆる自傷他害以外の何が医療にアクセスかと言ったら、その人が寝られていないとか食べられていない、生活が成り立っていない。
 そういう意味で必要最小限に何を見るかと言ったら寝られているか、食べられているか、生活が成り立っているかで、医療も福祉も近隣も家族も友人も相談員も行政も全て人と人としての信頼関係があるか。先ほどお話したのも、人間としての尊厳を持って接してくだされば、そういう意味で自信をつける、褒める、そして医療の場面ではインフォームド・コンセントをきちんとしておかないと、全てが久保野さんの話は病識がないと書いてあるけれど、病識を主語にしないと何度も言いますけれど、私は胃潰瘍の病識はありませんでしたから、内科では病識とは言いません。自分は病気の自覚がない。病気の自覚がない人はいっぱいいる。なって「あなたはこういう病気です」と医者に説明されてわかるのが患者。それが最初からわかれば患者は医者になっているということです。是非患者に全てを押し付けないで、愛のパトロールをみんなでやりませんか。愛のパトロールの目線は症状ではない。症状を早く発見して医療で治療、福祉で支援ではなくて、愛の言葉を一言かけるだけでその人の温かみはでてくるわけです。そういう信頼関係があれば何も名刺を渡さなくても「元気?」と言えば向こうから「何々病院に入院してくる」「では待っているね」ということが大事です。
 それから、ちょうど岡田部長が戻ってまいりました。アウトリーチは慎重であるべきです。多くのアウトリーチを家族が依頼している。引きこもりを含めて本人ではなくて。この国は厚生労働省としてアウトリーチをする前にきちんとした24時間安心して利用できる精神科医療を提供すべきです。そんなところに出前に言っている暇はないはずです。クリニックだって出前に行っている暇があったら、もっと夜間にちゃんと救急医療に義務的に参画して、きちんと臨床の腕を磨かなければ患者は困ってしまうということで、せっかく戻られましたので先ほどアウトリーチが出ましたから、7億円のアウトリーチは患者として、危機介入の相談員として、国民として反対ですということで、以上です。

○町野座長 ありがとうございました。磯部構成員、手短にお願いします。

○磯部構成員 手短にするつもりというか、まだ2番ですからだんだん心配になってきております。
 入院拒否であるとか治療の中断というのを真に自己決定ができる人がやるのであれば、それは必要以上に追いかける必要はないということになるだろうと思いますが、必ずしも十分な理解がない、病気の自覚がないという方に対して必要な情報を補うという営み自体は、別に直ちに不適切だということにはならないだろうと思うんです。あとは誰がどういう手続きでやるかという話なんだろうと思いました。
 医療保護入院について、3ページのところで白石構成員の意見ということで、最初に書いてあるところがここでまさに議論するべきところで、まさに医療へのアクセスが必要ではないかというときに、単に御本人の同意能力がないというだけで、本当は真に必要で有効な医療を受けられそうでということが、お医者さんの判断として非常に常識的だというときに、ただ御本人の同意がないから治療ができないというのは、いかにも不合理であるということがあるだろう。そういう場合に治療につなげるという意味での非同意の仕組みというのはあってもいいのかなと。
 これは海外でもそういう仕組みは何らかの形であるということで、なお必要性があると思っています。その前提で、もしここで今後議論するなら、まさに入院を必要最小限にする努力とか、必要な制度の在り方ということの論点だろうと思います。
 今後保護者の同意などは要らないということにするとして、ここは4つか5つか6つか本当は考えるべきことがあると思います。まず制度の目的、趣旨を明確にする。これは医療上の必要性である。先ほどの障害者権利条約などでも出てくるわけですが、やはりはっきりそれは医療上の必要性を目的にするんだということ。
 2つ目には、これは任意入院による入院がやはり本来は優先するべきであって、本人の同意を得るための努力を十全にするということを前置するべきではないかという趣旨原則を明確にするべきではないか。
 それでもなお必要であるというのであれば非同意入院ということになるんでしょうが、その際、期間制限を設けることが必要ではないか。私は感染症予防法の強制入院の仕組みを参照しながら申し上げていますが、とりあえず72時間、その後、更新するならせめて10日以内という形で期間を区切るということ、必要最小限にとどめるための仕組みとしての工夫だと思います。
 また、更新の際にその必要性の判断が不透明でないということの信用を得るためにも、中立的で客観的な視点が加わるような仕組みが必要ではないか。複数の医師の判断、協議会とか審査会のようなものが入ってくることが必要ではないかと思われます。
 また、でき得ることなら入院とか退院についての基準が具体的であるべきではないか。退院させるべき基準なのか、退院させてもよい基準なのかといったことも含めてですが、そういったものをつくる際に、一体どういう方々が関与しながらそういうものをつくるのかといったことも、1つの論点にはなるのかなと。
 あとは入った方が私は出たいと思ったときに、不服を申し出るという手続がどのように保障されているかということも、必要最小限であるために制度的に手当するべき論点としてあり得るのではないか。次の3番の話も含んでしまったのかもしれませんけれども、差し当たりまとめて思っていたことをお話いたしました。

○町野座長 どうもありがとうございました。
 非常に私の不手際で時間がどんどん押しておりまして、早口でしゃべったのにもかかわらず、かなり時間がかかりまして、簡単にまとめますと、措置でも任意でもない医療保護入院のような入院形態が必要であるというのは、多くの人は一致している。問題は入院の手続ということになるわけで、そして保護者の同意にかからしめているということはやめた方がいいのではないかというのが、多くの人が恐らくお考えになっていることだろうと思います。ここまでは共通だということは言える。
 しかし、医療保護入院を保護者の同意にかからしめないとすると、どのようにすべきかについてはまだ議論が詰められていない。今日の議論にありましたとおり、誰が病院に連れて行くか、誰が入れるかということについて、今までは保護者が全部やるということで、実はこれは法律的な理解としては正確ではないのですが、そのように理解されてきて、そのように運用されているので、みんなある意味で安心したというか、これでいいんだと思ってしまったところがある。これがばらされますと、なくなるということになると誰が連れて行くのか。入院の決定は誰が責任を持つのか。それが顕在化してくることになりますから、これは避けて通れない、議論せざるを得ない問題だろうと思います。
 その基本のところから始まって、今、磯部構成員が言われましたようないろんな手続があります。磯部構成員が言われた中の幾つかというのは、現行法である程度の手当がされているところがあります。しかし、それが十分かどうかということもあります。そして更に久保野構成員とか磯部構成員が言われましたような、同意能力ということがどのように関係するか。法律家はこれを使いたがることは確かなんです。そして入院期間の制限ということについても法律家はこれを持っていきたがります。これは私などは少し抵抗があることは確かです。
 しかし、これが医療の方の判断としてフィージブルであるかということは、かなりの議論があり得るところだろうと思います。こういうことも含めまして更にこの次のクールで、恐らくはかなり突っ込んだ議論をせざるを得ないだろうと思います。
 早口で申し上げましてまた恐縮でございまして、10分以上時間が遅れておりますけれども。

○河崎構成員 1点だけいいですか。今の論点案の「その際、保護者の同意を要件とすることが適切か」ということに関しては、それは必要としないというのが大体の意見だろうと先生は今おっしゃられたわけですが、例えば家族の方で自分は保護者としての役割を果たしたいという方がやはりいらっしゃると思うんです。そういう方たちのある意味権利的な部分までも、それはできないんですよという形にしてしまうのかどうかという議論は必要なのかなと思うんですが、いかがでしょうか。そこは法的にそういうことが果たして可能なのかどうかということも含めてなんですが。

○町野座長 これは議論しなければいけないと思いますけれども、例えば医療上、入院が絶対必要なんだというものに対して、私は同意しないと言って連れて帰る権利が保護者に認めるべきかとか、そういうことから始まりまして、かなり幾つかに分けて議論しなければいけない問題だろうと思います。
 先を急がせていただきまして、スピード違反ではないと思いますけれども、3番目の入院中、退院時、退院後の対応についてということにつきまして、御議論をいただこうと思います。

○笹井構成員 退院後の対応のことで少し意見を述べますと、来年4月から精神障害者への自立支援の個別給付が始まるということで、我々の北河内という地域ですけれども、120万の地域で、市町村と保健所といろんな社会復帰関係の事業者の方と、いろいろ打ち合わせをしているんですが、現実の問題として極めて取組みに地域によって差があるということです。
 多分、先ほど来、出ていました住まいの確保とか、そういうことをやるとして、各地域が同じようなレベルまで退院後のサポートをしていくには、若干時間がかかるのではないかと危惧をしています。
 したがって、特に精神障害者の退院後の生活をサポートするための短期的、中期的、長期的なきちんとした目標を出して、それに必要な資源の確保、実施主体である市町村への指導、助言を計画的にやっていく必要があると考えております。
 以上です。

○町野座長 ありがとうございました。
 今のプログラムの点につきまして、病院等では既にやられているところもあるのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。ないですか。医療観察法辺りだと最初からそれを考えて、いるときから退院のことを考えた上で、退院後のことを全部やっているわけですが、一般の医療でもこれは行われるようになっているところがあると思いますけれども。

○河崎構成員 それは地域移行のためにどういうようにパスをつくり上げていくのかとか、1つはいわゆる退院支援パスです。もう一つは地域との間にどういう連携をつくっていくのかという地域連携のパスをつくり上げていく。
 これはかなりこれからの精神科医療の中で、地域移行とか地域の中で支えていくということに関しては、最もキーワードになる1つの仕組みだろうと私たちも思っていますし、そういうことをそれぞれの病院が地域の特性や病院の特性を生かしながら、かなりやり始めている、あるいはこれまでもやってきていると考えていただいてもいいのではないでしょうか。

○町野座長 広田構成員、どうぞ。

○広田構成員 この間、岡山県の精神医療センター、私の男版のようなところもある中島先生。「厚労省あの野郎、この野郎」と言い過ぎて、マスコミからもひんしゅくを買った人です。そこに伺ってきました。
 それで一番よかったのは、生活保護の範囲でアパートに入院患者さんをお出ししているんです。OTの熱心な人がおられて、横浜の民間病院も同じことをやっていましたけれど、スタッフが泊まり込むんです。退院する前に。私は前から思っていましたが、そういうものに点数をつければいいと思います。
 つまり病院のスタッフが泊まり込みで退院する患者さんに付き添って、退院外泊と言うんでしょうね、名前はいろんな言い方があると思いますが、それを民間で感じていたのが、今度公立というか独立法人で感じてきました。
 そういう形でやると、入院している病院のスタッフが一緒に行けば安心する。それ以後、例えばその方の場合は愛のパトロールみたいにやっていました。そこももしかしたら行き過ぎない頻度で点数化なのかもしれませんけれど、私が行ってごみ屋敷のような方がいました。私はこういう人間ですから、「これは一般的にごみ屋敷と言うのよ、足の踏み場もないから」と言いました。ところが、一つひとつ団扇とか骨董品だったんです。彼女が来るらしいんですけれども、どこに2人は座るのというぐらい座れないんですが、何軒かそういうところを一緒に行って、恐らく家族が来たら何なのこの生活はと言われてしまう。そうすると本人の生活が崩れてしまう。専門家が来ても「何ですか片付けましょう」なんだけれど、そこもホームヘルパーさんが入っているんですが、私みたいな大らかな人なんでしょう。だから御本人のいわゆる生活のレベルに応じたホームヘルパーの活動らしいんですけれど、住宅施策、それから、引きこもっている場合親に逃げてもらっています。私の場合は。家庭内暴力とか引きこもっている場合は親に逃げてもらうと、見事にその人が暮らしています。人間らしくしているかどうか別として、私に電話かけるだけ、障害者110番に月に一度かかってくるだけ。私の携帯を教えてしまうとおっかけになるから教えないけれども、何とか生きている生活ですね。
 そういうふうな形で世帯分離をしていくことが、結局その後、親との関係とか兄弟の関係で距離を置くといい家族に見える場合もあるということで、私は是非世帯分離のための住宅施策はこの国が一番遅れている。ホームヘルパーとか、医療の側のお泊りするのを制度化することが現在、民間でも公立でも行われているのでとてもいいのではないかという感想を持って帰ってきました。
 それと前回途中で終わったと思うんですけれど、いわゆる任意入院の拘束があるとちらっと出たんですが、任意入院の拘束と医療保護入院の拘束とどう違うんですか。任意入院というのは本来は何もない。それが普通の入院ですね。そこが質問です。

○町野座長 それは私への質問ですか。
 最後の点については法律上は両方同じなんです。ただ、実際には任意入院の方については閉鎖病棟に入れたり、身体拘束をしないという取扱いでやられておりますけれども、ときどきは急におかしくなったようなときについては、具合が悪くなったようなときについてはやむを得ずすることがある。それを禁止する法律ではないと思います。

○広田構成員 そのときに医療保護入院に切り替えるのではないですか。

○町野座長 勿論そういうこともあるだろうと思いますけれども、そうしないでやることもあり得るということです。

○千葉構成員 基本的に、本人がきちんとお話をしてわかるという条件になりますけれども、勿論本人の利益のために、本人もみんなといるとちょっといらいらしてしまうから、1人になりたいとか、ただ部屋にいるとみんな入ってきてしまうからという場合に隔離することは勿論あるわけで、ですからいらいらしてしまうから、暴れてしまいそうだから縛ってという人はあまりいないと思いますけれども、拘束はなかなか考えにくいですが、そういった意味で任意入院だからといって行動制限がないわけではないと思います。
 ただし、緊急的に行動制限をしなければならない、急に病状が悪くなったとか、様々な問題の中で、そういう場合には時間を制限して行動制限をかけることは、法律上はできるようになっています。それが何度も頻回に起こるようであれば、それは任意入院として適正なのかということは審査しなければならない、考えなければならないですが、必ずしもそういったようなことが起こったから、すぐ医療保護入院でならなければならないという形に考えて現場は動いていないと思います。

○町野座長 良田構成員、どうぞ。

○良田構成員 ちょっと話が違ってしまうんですけれども、私は強制入院をさせられたことがないので実際わかりませんが、想像するに強制的に入れられるということの恐怖心というのは、1つは拘束されるとか、ドアから出られないという恐怖心がありますね。それともう一つ、いつ出られるかわからないという不安というのがすごい強いと思うんです。閉鎖的な病棟を見ると必ず主治医の先生を追っかけて回って、皆さんがいつ出られますか、いつ退院ですかと、皆さん主治医に付きまとっている光景をよく見ます。
 要するに強制的であれ何であれ入院をしたときに、あなたの退院に関してはどういう人がどんなふうに関わりますよ、どんなふうにあなたの問題の解決をしていきますよということをちゃんと話をして、そういうところは御本人に伝えていくことが必要ではないかと思うんです。それが安心感につながるのではないかと思うんですけれども、そういうものを制度化できないかなと思います。
 以上です。

○町野座長 ありがとうございました。

○広田構成員 医療保護入院の方が3割以上いらっしゃるわけです。私たちの仲間。違いますか。もう少し多いでしょう。異様に私には多いように感じるんだけれども、それは病院の構造上とかマンパワー不足なんですか。
 要するに患者側から見れば、医療保護入院の強制入院ですからちょっとお聞きしたいんですけれど、異様に多いように感じています。

○河崎構成員 今、広田さんのおっしゃっている医療保護入院が大体今、約4割前後だと思いますが、それが非常に多い。その多いことがマンパワー不足であるとか、今の精神科医療の質の問題としてなのかどうかという御質問だろうと思うんですけれども、全く関係がないとは言えないかもしれませんが、それが非常に大きな要因だというふうにも思えない。医療保護入院として判断するのかしないのかは入り口での話ですので、入院してからの医療の質とか、あるいはそこでのマンパワーというところから出てきているとはあまり思えないです。
 それよりは先ほどの議論のように、入院までに至るところでどうなのかということの方が、要素とすると影響を及ぼしてくる可能性の方が高いのではないかというのが、私の考えです。

○広田構成員 今、朝日新聞がうつのことを連載しています。そこで素晴らしい環境で、患者さんが癒されていいというのをおととい辺りも出ていましたが、そういうものを見ていると、又、私の現在の住宅にしても、人間は環境によるから、病院の環境がよければ医療保護入院が任意入院に変わるのではないかという質問でした。中の構造とか人員配置とか、そういう質問なんです。

○千葉構成員 多分それは論が違うのかなと思います。
 医療保護入院にするには医療保護入院になるべく原因というか、理由が厳然として存在しなければならないと思いますし、それは任意入院でできるのであれば勿論その方がいいに決まっていますから、そういった環境とか人員がどうだとか、それは人員配置が多ければ、あるいはもっと濃厚な治療をしていけば、もう少し早く症状が改善するかもしれないという意味では、おっしゃっていることは幾らか影響があるのかなと思いますけれども、医療保護にするには医療保護入院であるべく理由が存在すべきなのであって、ですから医療保護入院が多いから、必ずしも劣悪な医療だという考えではないと思います。そこら辺との関係はあまりないかなと思います。

○町野座長 この問題はかなり議論すべきことがあるかもしれませんけれども、とにかく医療保護入院というのは強制入院なんだから、あまり長期にわたるのは好ましくない。できるだけ短くして、そしてなるべく早く地域精神保健に結び付ける。そのためには今日御議論がありましたとおり、退院計画をきちんと立てる。中で入院中からそこまでのプログラムをつくる仕組みは、恐らくこれは保健所とか地域の方の受け手、家族を含めた上での計画の立て方となるんだろうと思いますけれども、この方向は目指さなければいけない。
 それ以外に先ほど磯部構成員が言われましたように、定期的なチェックをして短くすることは考えられないか。これは十分にあり得る議論だろうと思います。
 現在、定期的なレビューというのが医療保護入院については1年ぐらい、かなり長いあれですので、もう少し短くすることもあり得るのかなという具合に思います。
 それから、今回あまり議論が出ておりませんでしたけれども、入院中の個々の医療行為について同意というのはどうなのかというのは、前から非常に不安定なところがありますので、これも恐らく全てに次に先送りですけれども、そこで正面から議論を再びせざるを得ないというところは、残っているのではないかという具合に思います。

○久保野構成員 今おまとめいただいたんですけれども、資料のレベルで論点案のところで今、退院後について地域格差が多いので、その受け皿というか資源確保に指導が必要ですとか、いろいろなお話が出てきたところを、その論点案の書き方なのかもしれないですけれども、家族問題との関係だけ退院のことが触れられているので、もう少し退院後の環境整備というか、そういうことの問題、先ほど出てきたような問題を書いた方がわかりやすいのかなという気がいたしました。

○町野座長 検討チームの方にそれを提出するときに考えることにいたします。ありがとうございました。

○笹井構成員 医療観察法のお話が出たのでお話します。また、ちょっと教えていただきたいんですが、医療観察法の場合は非常に治療計画をきちんと立てて、入院中にいろんな職種の人が治療の効果などを評価しながら、早く症状をよくしようという努力をしているんですけれども、その考え方は措置入院であろうと医療保護入院であろうと、全く一緒だと私は思っています。
 そういうふうに濃厚に治療計画なり評価をしながら早期退院に向けてやっていくということを、措置入院患者あるいは医療保護入院まで広げることは可能なのかどうか。その辺りを教えていただきたいんですけれども、河崎先生はどう思われますか。

○河崎構成員 今、笹井先生がおっしゃられた濃厚な医療というのが、いわゆる医療観察法の入院医療と同じような意味での濃厚さが、今の精神科病院での医療でできるのかという御質問ですか。

○笹井構成員 きちんと治療計画を立てて、しょっちゅう評価をしてやっているわけです。

○河崎構成員 それはいわゆるクリニカルパスという手法を最近は精神科病院でも、そういうものを用いていこう、あるいは用いていっているという状況があるということですので、それは十分可能な話だろうと思います。

○笹井構成員 今の病院の人用でいけるような感じなんですか。

○河崎構成員 それは人員で云々というよりは、もともとは私たち医療に携わる者は、その人の治療計画はどうなのかということが大前提となって治療を組み立てるわけですので、現状のマンパワーではそれができませんという話ではないと思います。ただ、どこまで重厚に、あるいは手厚くできるのか。これはマンパワーとの関係になってくるということです。
 もう一点は、こういうクリニカルパスとかそういうようなものを導入したり、あるいはそういう手法を用いることを何らかの形で評価をしていくというようなことも、是非必要だろう。そう私たちは思っています。

○町野座長 ありがとうございました。
 医療観察法は、とにかく対象者が医療保護入院や措置入院に比べてはるかに少ないわけですけれども、そのところでかなりの予算が注入されているところもありますので、一遍に同じようにというわけには到底いかないということは確かだろうと思います。
 次に4番目の最後の医療費負担の在り方についてということでございます。これにつきまして御意見あると思いますけれども、お聞かせいただきたいと思います。

○野村構成員 これはあまりにも過酷な負担でございまして、たびたび入院するケースもありまして、そのたびに保護者がかなりのお金を負担しなければいけない大変な問題です。
 それから、実例として医者も入院させた方がいい、御本人も入院したいと言っているのに、親が老後の貯金を下ろして入院費を払うのは嫌だから、入院させないという例もあるんです。そのような場合には公費でやれば一番問題ないわけでして、その公費をどこから捻出するかという問題ですが、これはなるべく入院を減らして、できるだけ地域の医療を普及していって、入院費を減らしていくというところのお金で、浮いたら少しは公費として回ってくるのではないかという考えもあるのですが、それを今のように家族に負担させておけばよいというのは、私はあまりにも過酷ではないかと思っております。
 以上です。

○町野座長 いかがでしょうか。

○広田構成員 私は普通の医療と同じように考えたい。だから家族に負担ということではなくて、なるべく入院にならないようにする話に今まで散々してきたわけですが、必要最小限の入院が発生したときに払える家族は払う。本人に収入があればそれはもちろん本人が払う。できないときにどうするかということを考えるので、この間も重度医療費助成制度を3障害と言って騒いでいる、そうすると私は後悔しなければいけないですけれど、自立支援法の与党側の参考人に立ったことを。
 法案は国会で論議してほしいですけれど、政治家に言ったら「忙しいから法律をたくさんつくるから論議していられない」と言われました。そういう中で私は、社会的入院の患者のため市町村に福祉を義務づける法律だったからきちんとした福祉を期待して与党側の参考人に立ったけれども、開けてみたらあてのならないいわゆるハローワークの状態だったということです。
 そういう中で3障害になったから何でも他の障害と同じ横並びと騒ぐんです。重度医療費助成制度が身体とか知的にあるから精神も適用しろと言うんですけれど、公的資金を投入したら逆に、何度も言います。野村さんや堀江さんの方な父親なら、良田さんのような母親ならいい。でも、入院させたい親はごまんといるんです。騒いで家族とか近隣が入院させたがる。議員まで使って退院させないなんていうのはいっぱいあります。そういう中で逆に入院の促進のお金に使いかねないから、私は基本的には他の医療と同じ考え方ということです。

○千葉構成員 済みません、論点の確認なんですけれども、これは医療保護入院等で強制入院させられた場合に、本人が嫌だと言っているのに何で自分の自己負担を払わなければならないのかという問題ですね。お話が少し違うのかなと思っていましたけれども、つまり強制的に入院させられて、本人は本来自分の保険で加入をしていて、その中の自己負担金がある。自分は治療に同意していないのに、何で入院させられて自己負担を払わせなければならないのか。今まではそれは保護者というものがあったので、本人の部分を払うという形をしていたんだけれども、保護者がなくなった場合に誰が払うのか。本人は嫌だと言っているのにという問題ではないんですか。

○町野座長 それも勿論関係いたします。今まではとにかく漠然と保護者が同意して入れるんだから、保護者と病院との間の契約だから、保護者がお金を払うのは当然でしょうということで大体みんな考えていたんですけれども、これはかなり不正確なあれなんですが、そういう具合にみんな思っていたんです。これが今、保護者の同意がなくても、もし仮に入れることができるということになりますと、契約の相手がいないではないか。誰がお金を払うかという話から出ているという感じがいたします。

○野村構成員 本人が親から独立して生きるということが基本なんです。ずっと親に依存して、そのお子さんが二十歳を超えてもずっと親がお金を払い続けるというのは本来変ですね。本人が払い切れなければ、親がするというのは扶養義務者の範囲ではいいんですけれども、どうも合点がいかないと思います。

○町野座長 今のことについて磯部構成員、何かありますか。

○磯部構成員 確かに強制の契機が含まれて何で払うんだという、そういう活動が同意がないという意味での権力性を帯びているということをとらえて、だからそれは公費ではないか、少なくとも本人負担ではないのではないかという考え方も一方ではあるのかもしれませんが、私はむしろその非同意入院、医療保護入院によって誰が利益を受けるのかというところ、その利益の所在に着目するべきではないか。それによって特定の人が主としてその利益を受ける、治療を受けるということであるのならば、その受益者がそれにかかった費用の全部または一部を負担するというのが、通常その利益の偏在を解消して、公平さを回復するという意味で、公的な仕組みとしてはそういう辺りがよくあるし、妥当な考え方ではないかという気が私はいたします。

○野村構成員 自立支援法で当事者の負担が当然だと言われたんですが、勿論利益ですね。だけれども、今は変だということであれは外されてきているでしょう。応益負担から応能負担に変わってきています。私は医療を施すということは本人だけの利益だけではなくて、社会全体の利益でもあると思うんです。みんなが安心して安全に生きるために。本人がそれを拒否するからって治療を受けないでいるということは、本来許されない。許されないということは、やはり公的な責任があるのではないでしょうか。

○町野座長 広田構成員、どうぞ。

○広田構成員 他の医療でもお金のとりっばぐれがないか医療機関が心配するんです。本当に親探しをしています。
 何度も言いますけれど、今の発言は社会防衛上になってしまいます。経済措置です。昔3割もいた。大問題になります。私は基本的に他の病気と同じような考え方。それが最大の精神疾患を国民に理解してもらうことです。そこだけ違うと言って理解してくださいと幾ら種をまいても、種は枯れてしまう。お金を払うときだけ違うのねということになりますから。
 それと磯部さんがおっしゃったように本人の利益のためと、もう一つ、お金がそこまでシビアな問題になれば、私は今まで何万人の患者、仲間に会っています。この間も医療観察法の病棟に入れてもらいましたし、ドクターの当直室に泊めていただきましたけれど、そういう中で医者が本当にインフォームド・コンセントできないといっても、私は大体病名を当てる。それにお金がここまでシビアになれば、今まで以上に医療側がインフォームド・コンセントの努力をせざるを得ない。今までは病識がないと一言で片づけていた問題、家族の話ばかり聞いていた問題、ソフト救急も24条通報の窓口も、やたら家族から聞きたがる神奈川県のシステム。それが本人に向き合って、今、何が起きているか、なぜこうなっているかということを聞き取る力が医者に必要になってきて、そしてきちんとしたインフォームド・コンセントを、初めて日本の精神科医療がこのことによって患者に向き合える。もしかしたらチャンスかもしれないということです。
 以上です。

○町野座長 少し問題を整理させていただきますと、まず1つは医療保護入院は措置入院と同様に公的な強制入院制度であることは、現在でも実はそうなんです。そして、措置入院においてこれは本人がお金を払うべきだという建前がとられていることも事実なんです。だからこそ健康保険によってこれがカバーされるということが行われているわけです。
 そして、国と地方公共団体がそれぞれお金を出して支援しますけれども、場合によっては本人に求償をすることができる。つまり本来は本人が払うべきお金だと。しかしながら、措置入院の場合については求償はあまり行われていないので、実際上、国と地方公共団体が負担している格好になっている。そのことを皆さん公費で負担されているという具合にとらえられているということだろうと思います。
 ですから、その限りでは確かに現在のところも医療保護入院の場合の家族の負担、実際上の問題と、措置入院の場合と、かなり大きな実際上の差があることは確かです。だからこれをどうするか。つまり措置入院と同様の公費負担をとって、本人に最終的に求償するという制度をとるかということになるだろうと思うんです。

○良田構成員 私の考えでは、本人の健康の問題ですから基本的には本人が支払うことだと思うんですけれども、払えなかったときはどうするかというときですが、それを親族に持ってくるというのは反対です。障害者施策における費用負担の問題が今もう負担問題を配偶者に限ろうということで、そういうふうに変わってきているときに、ここだけ扶養義務者だとか親だとか、出てくるというのは時代遅れだと思うんです。ですから、本人が払えなければ生活保護でも何でも払える手段をとるという形でするべきではないかと思います。

○町野座長 他に御意見ございますでしょうか。
 恐らく現在のやり方は今、御意見のあるような民法上の扶養義務ということを根拠として、最終的に本人に、扶養義務者の方に請求が行くという話になる。いないときについては、これは結局例えば市町村長同意で入った医療保護になって誰も身寄りがいなくて本人に収入も何もなくてという場合というのは、これは実際上どこが払っていますか。

○千葉構成員 それは私よりも岩上構成員の方が詳しいんだと思いますけれども、本来的には障害年金あるいは生活保護といった形で、そこの部分をちゃんときちんと担保されているわけであって、決してほとんどの場合はそこの本人の中でできるようにケースワーキングされていて、ちゃんと保障をきちんとつけていくという形であって、家族が自分でということはない。
 むしろ今、面倒くさいのは、家族が本人の障害年金を受け取っていて、ちゃんと払いに来てくれないということの方が問題なのであって、それを病院側が非常に未収になっている家族に請求をするという、とても大変な作業を負荷されているということの方が、我々としてはとても大きな問題なのですが、お金そのものは本人が払えるようにはちゃんと社会構造上はできていると私は認識していますけれども、間違いがあれば訂正してください。

○岩上構成員 千葉構成員がおっしゃったとおりなので、基本的には入院されて、そこで支払い能力がなければ入院した時点で、発生主義で生活保護に申請する。そういうことではまかなわれております。
 私も広田構成員がおっしゃったように、やはりこれは基本的には御本人が支払うということが原則だと思います。精神科だけまた特別にするというのが繰り返しになりますけれども、特別な人なんだというのをまた上乗せすることになるので、現状もう磯部構成員がおっしゃったようなシステムの中で支払われているのが事実なので、ここだけ何か特別にする必要はないのではないかと思うところです。

○広田構成員 この国の生活保護3兆円。半分は医療費です。厚生労働省が一番頭を痛めているところはそこで、そこに大なたを振るわれたときに本当に医療を必要としている生活保護者が使えなくなってしまう危惧がある。生活保護生活保護と言ってもこの国の税負担はスウェーデンではない。ここは日本ですから。

○野村構成員 本人負担、御本人の収入をどのように認定するかの問題があるんです。同居している家族の分まで含めてと言うと私は非常に反対なんですが、御本人の年金とそこそこの賃金、作業所の賃金ぐらいの中でということであれば、やむを得ないかなと思います。

○町野座長 この問題も更に議論が続くことだろうと思いますけれども、法律的に言うと大体ああいうところなんですが、例えば感染症予防法のときの医療は5%のみ本人ですので、あの場合と精神障害の場合と違うのかという議論は当然あるだろうと思います。
 もう一つは財政の問題。これは何と言っても大きいので、これとの考え方。理想的に言うと、精神医療の方は医療費全体についてはほとんど公費だという国であるならばよろしいんですが、必ずしも日本はそのようになっていない。そのところでどうすべきか。精神医療はこれからもお金をどんどん恐らく注入しなければいけない部分というのは、地域精神医療とか含めてかなりあるわけです。そのときにどういう具合にやっていったらいいかというのは、考えざるを得ない問題だろうと思います。
 非常に中途半端なところで終わりましたけれども。

○堀江構成員 確認なんですが、法律的には問題ない。要は実態として公費負担のところが膨大にふくらむのをどう制限するか。そういうことですか。もしもそうだとすれば、磯部さんがおっしゃったように期間制限にきちんと話を持ってくるので、期間をきちんとかためるということになれば、おのずとそこはぐっとタイトになってくる。そういう実践的な話ならばそういうことですね。

○町野座長 期間制限といいますか、要するになるべく外に出せと。入院期間を短くしろというのは、これからも続けなければいけないだろうと思います。

○千葉構成員 期間云々というのは、つまり費用な治療も途中でちょん切らなければなくなるので、むしろ適正な医療を進める結果として期間が短くなるということにいくので、お金で期間を小さくするというのは不利益が増えてしまうということなので、堀江さんのお話だと、いつもの堀江さんと話が違うなと思って聞かせていただきましたが、今のお話はむしろ適正な医療をしっかり、できるだけ濃厚な治療をして、できるだけ短い期間にすることで、そういうような医療を、費用的なものを縮める。それは私らも日ごろから一生懸命主張しているところなので、そのように考えていいのかなと思います。

○町野座長 これで作業チームを3回開催したということで、これまでの3回の御議論を整理した上で検討チームに提出するという運びになります。
 提出する資料は前回までの資料、本日の論点案、本日の御議論を基に、恐縮ではございますが、事務局と私とで作成いたしまして、検討チームに提出する前に皆様に御報告をさせていただくという手続を前回と同様、とりたいと思います。そういうことでお許しいただきたいと思います。
 最後に今後のスケジュールにつきまして、事務局からお願いいたします。

○本後課長補佐 ありがとうございました。
 次回の作業チームですけれども、1回、座長からもお話がございました検討チームを間に挟みます。
検討チームは年明けまして1月11日の水曜日の18時から。それを経まして、この作業チームは1月26日の木曜日で、時間は18時から。場所は厚生労働省の専用第12会議室、12階の国会側でございます。これを予定しております。
 以上でございます。

○町野座長 それでは、どうも今日は長時間にわたり、司会の不手際で長いことどうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

社会・援護局障害保健福祉部
精神・障害保健課企画法令係

電話: 03-5253-1111(3055)

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