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2011年9月8日 第21回新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム議事録

社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課

○日時

平成23年9月8日(木) 17:45〜19:45


○場所

経済産業省総合庁舎別館 1028号会議室(10階)


○出席者

新垣構成員、岡崎構成員、小川構成員、河崎構成員、佐久間構成員、田尾構成員、
高木構成員、中島構成員、長野構成員、野澤構成員、野村構成員、広田構成員、
福田構成員、堀江構成員
小杉構成員、山田構成員 (ピアスピーカー)
白石構成員、町野構成員 (法律等アドバイザー)

○議題

(1) 保護者制度について
(2) 意見交換

○議事

○福田精神・障害保健課長 それでは、定刻となりましたので、ただいまより「新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム」を開催いたします。
 構成員の皆様方におかれましては、御多忙のところ御参集いただき、誠にありがとうございます。
 まず初めに、8月22日付の厚生労働省人事異動によりまして、木倉前障害保健福祉部長が異動となり、新たに岡田障害保健福祉部長が着任をされておりますので、ごあいさつを申し上げます。

○岡田障害保健福祉部長 障害保健福祉部長を拝命いたしました岡田でございます。どうぞよろしくお願いします。
 本日はお忙しい中、本検討チームにお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。この検討チームは第3Rとして、保護者制度・入院制度について御議論をいただいておりまして、皆様に大変熱心な御検討をいただいていることに改めて感謝申し上げたいと思っております。
 この保護者制度・入院制度の検討につきましては、昨年6月29日の閣議決定を受けて御検討をいただいているところでありますが、この問題は精神衛生法とか、明治33年の精神病者監護法以来の重要な課題で、社会の状況が変わる中で、長く懸案になっている事項でございます。
 そういう意味でも非常に難しい課題でありますが、事務方としましては、町野座長を始めとします作業チームの皆様に大変お力をいただきまして、論点を整理いたしておりますので、この場で更に検討を深めていただければと思っております。
 今後もこの歴年の課題に関しまして、丁寧に議論を進めたいと思っておりますので、引き続き、熱心に御議論をいただければと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございました。
 本検討チームは公開のため、検討チームの審議内容は厚生労働省のホームページに議事録として掲載される予定ですので、あらかじめ御了解くださいますようお願い申し上げます。
また、本日の出欠状況でございますけれども、西田構成員、法律等アドバイザーの磯部先生、久保野先生から御欠席との御連絡をいただいております。また、中島構成員からは少し遅れるという御連絡をいただいております。
 それでは、早速ですけれども、議事の方に入らせていただきたいと思います。本日の検討チームですが、保護者制度について検討していただくわけでございます。少し前になりますが、2月24日に検討チームを開催しておりまして、ここのところにおきましては、現行の責務規定は原則として存置しないという方向性につきまして、お示しをいただきました。
 併せまして、この検討チームにおきまして、現行の保護者に対する責務規定を削除するに当たり、更に検討すべき課題について、作業チームで引き続き検討を進めていただくようにという形での提示がなされたところでございます。
 この提示を受けまして、今、ごあいさつの中にもありましたが、4月〜7月の間に3回作業チームを開催いたしまして、保護者に課せられた義務規定についてのさらなる論点整理を行ってまいったところでございます。
 具体的には財産上の利益保護の関係、措置入院者の引き取りの関係、退院等の請求の関係、医療に関する義務の関係でございます。これらの規程につきましては、作業チームでの議論を踏まえまして、本日論点をまとめております。
 まずは進め方でございますけれども、事務局の方から説明をさせていただきまして、その後、作業チームの座長を務めていただきました町野構成員から補足をいただくというような形で、論点ごとにそのような形で進めさせていただければと思います。まとめて御説明をさせていただいた後に、意見交換という形で御議論をしていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 なお、この会場は8時には絶対に出なくてはいけないという形になっていまして、そういう意味で7時45分には議論の途中でも打ち切らなければならないという厳しい状況に置かれておりますので、御発言等に当たりましては、そういった事情も勘案していただいた上で、簡潔に御協力をいただければとあらかじめお願いを申し上げておきます。
 それでは、資料の説明を事務局の方からお願いいたします。まず、財産上の利益の保護についてからお願いいたします。

○本後課長補佐 事務局でございます。
 資料「保護者に課せられた各義務規定を削除した場合の論点」をご覧いただければと思います。
 検討経緯につきましては、今、課長から説明があったとおりでございます。2月24日の検討チームで、原則として保護者に課せられた義務規定については存置しないという基本的な方向性をまとめていただいて上で、保護者に課せられた各義務規定を削除した場合に代替措置が必要になるかどうかということについて、作業チームで御検討をいただいた上で論点を整理したものでございます。
 一つひとつ、やや細かい点に至るまで作業チームの中で検討をいただきましたので、説明がやや長くなろうかと思いますけれども、御容赦をいただければと思います。
 2ページ「1.財産上の利益の保護について」。これは現行の規定でいきますと、22条の第1項、他の医療を受けさせる義務などと一緒に規定されているものでありまして、保護者は精神障害者の財産上の利益を保護しなければならないという規定でございます。作業チームではこの規定を削除した後、制度的に成年後見制度など現行の制度でカバーできるかということについて、検討を行っていただきました。
 財産管理が必要になる具体的な内容といたしましては、例えば日常の金銭管理。これは日用品の購入や医療費の支払いといったこと。
 年金及び手当などの受領に必要な手続。これは役所での手続などになります。
 年金証書、通帳、権利書の保管といったこと。
 所有財産の処分。入院のときに家具などを処分するとか、退院時に部屋を整理するとか、そういったことでございます。
 預金の払い戻し、解約、預け入れ。あるいは不動産その他重要な財産に関する権利の得喪。この2つにつきましては、通常、財産上の行為としては少し判断が重たい行為として、民法第13条第1項に列記されている行為でございます。
 これらの財産管理を行う上で、保護を要する精神障害のある人という意味で資料をまとめておりますが、病識のない人も含め、精神障害があるからといって、財産管理を行う上で判断能力を欠いているわけではない。精神の障害と財産管理の判断能力は別ということでありまして、判断能力の有無は個人の状況に応じて判断される必要がある。
 判断能力の程度は、おおむね判断能力が十分にあると考えられる方。判断能力はあるものの、やや不安があるという方。ここから先が成年後見制度の対象になる方ですけれども、判断能力が不十分な方、判断能力が著しく不十分な方、判断能力に欠けている方という分類をすることができます。
 それぞれの判断能力に応じまして、制度的には次のような支援を受けることができるということでございます。
 「(A)精神障害者本人に判断能力がある場合」。
 上記の分類で行きますと、(マル1)、(マル2)に該当する方につきましては、全ての財産管理について、本人の意思に基づいて行われることが原則ということでございます。とりわけ判断能力に不安がある場合、(マル2)の場合につきましては、基幹的な市町村社会福祉協議会が主体となって実施されている日常生活自立支援事業、これは補助事業でありますけれども、これの活用が考えられるということでございます。
 「(B)判断能力が不十分な場合」。
 上の分類で行きますと、(マル3)、(マル4)、成年後見制度の補助または補佐に相当するものでございます。これらの方々については、本人の意思に基づいて行われることが基本でありますが、民法第13条第1項に規定する行為を行う場合には、補佐人あるいは補助人の同意が必要。または補佐人、補助人により取り消すことができるという行為でございます。本人同意の上で申立ての範囲内で家庭裁判所が審判で定める行為については、補佐人、補助人が代理権を与えられるということもございます。
 社協の日常生活自立支援事業の活用は、これについても可能ということでございます。
 4ページ「(C)判断能力に欠けている場合」。
この場合は財産に関する全ての行為について、後見人に代理権が与えられるということでございます。ただし、日常生活に関する行為については、後見人であっても取り消すことはできないということになっております。
 判断能力が不十分ではない精神障害者の財産管理を行うに当たっては、今、御説明をしたような成年後見制度などを利用することが必要になってまいります。後見人、補佐人、補助人でない家族などがこういった行為を行った場合には、通常はそれが問題になるということはないのですけれども、何らかの紛争が発生した場合に初めて問題が顕在化することが多いということでございます。
 もう一つ資料がありまして、参考資料のスライドの12枚目。上の段でありますけれども、現実には成年後見制度といっても活用している方が少ない状況であります。実際には保護者、御家族がそういった財産管理を少し行っているというケースがあるわけでございます。
 例えば預金の払い戻し、あるいは不動産などの得喪の行為。13条第1項に定められた行為などにつきましては、判断能力が著しく不十分あるいは不十分という方については、御家族がたとえこの行為を行われたということであっても、本人の意思に基づいて行われているということが客観的な状況あるいは様々な状況から推測されるのであれば、通常は問題は顕在化はしないということでございます。
 ただ、例えば物を買うというときなどに悪徳な業者に絡んでしまって、被害の額が大きくなってしまうとか、あるいは家族の中で使い込みのようなことがあり得ますので、そういった場合には、問題は顕在化してくるということでございます。そういったことから御本人を守るという意味でいきますと、本来は後見制度を利用することが望ましいということでございます。
 本文編の資料に戻っていただきまして、4ページ「(2)本義務規定を削除した場合の論点」といたしまして、今、御説明したとおり、いずれの判断能力の状態にあったとしても、制度的には本人の判断能力をカバーしながら財産管理が行われる仕組みが用意されている。保護者による財産上の保護の責務規定を削除したとしても、精神障害者のみを対象とした新たな仕組みを設ける必要はないのではないかということが1点でございます。
 一方で判断能力が十分ではない精神障害者については、問題は顕在化していなくても、本来、成年後見制度を利用すべき財産管理も存在するということですので、成年後見制度利用援助事業。これは市町村の事業で後見を開始するとき、あるいは後見を開始した後の費用といったものに対して助成を行う事業でございます。そういった事業を活用することなどにより、成年後見制度などの利用を促進することは必要ではないかと。
 ただし、その際、前国会で成立した老人福祉法の改正法の中に盛り込まれている市民後見人の活用を念頭に置いた成年後見制度に関する人材育成の仕組みについては、認知症を中心とする高齢者と精神障害者については、状況を異にするということもありますので、慎重に検討すべきではないかという御意見を作業チームの中でいただいているところでございます。
 私からの説明は、このテーマに関しては以上です。町野座長から補足をいただければと思います。

○町野構成員 今の御説明でほぼ尽きていると思いますけれども、背景を若干説明いたします。これまでは事務管理は民法の規定で何とかなるだろうという考え方だったのですけれども、それは法律家には非常に評判が悪いものでございまして、そんな無茶なことはできないと。
 そして、更に現在あります問題は、精神障害者の自己決定を尊重しながら、しかもその保護を行わなければいけない。その観点で成年後見制度はつくられておりますから、それに沿った考え方をこれからしていかなければいけないだろうと。
 そうなっていきますと、成年後見法でこれを本則とするという考え方をまず出すことになるだろう。問題は意思決定能力にやや不安がある場合にどのようにするか。これが一番重要な問題だろうと思います。しかし、そこでも可能な限り、本人の意思決定といいますか、明示黙示の意思に基づいて、周りの人がやるという話だろうということでございます。

○本後課長補佐 ありがとうございました。
 以上が財産上の利益の保護でございます。
 続きまして、資料の5ページ「2 措置入院患者の引き取り等について」でございます。
 これは現行規定では41条でありますけれども、保護者は措置が解除されて退院する方を引き取る義務があるという規定であります。
それと附随しまして、保護者は第41条の規定による義務。これが引き取る義務ということですけれども、それを行うに当たり、必要があるときは精神科病院、障害福祉サービスを行う事業者に相談し、あるいは必要な援助を求めることができるという規定でございます。
 この規定につきましては、もともとつくられた趣旨は、文字どおり引き取るということを義務づけているというよりも、むしろ措置入院になったときには、様々な保護の義務が都道府県、行政側に一旦移ると。それが措置を解除した場合には、保護者にもう一回戻るということを入念的に規定したものと解されております。
 そういった意味もありまして、実際上、引き取るということを具体的に規定したというよりも、やや抽象的な概念であるとこともありますので、これ自体は存置をしないということにした上で、(1)の最初の○ですけれども、行政が行った措置入院について、身寄りのない精神障害者がいることも踏まえ、退院後の調整を何らかの形で行う必要があるのではないかという前提の下に、保健所あるいは障害者自立支援法による相談支援の関わりの在り方について、検討を行っております。
 今の措置入院における入院、退院の手続でありますけれども、措置入院に当たっては、都道府県の職員、保健所の職員が事前調査を行う。精神保健指定医2名による診察。その診察の際には、都道府県の職員が立ち会う。措置入院のための移送を行うという手続が法律及び関連通知において定められており、都道府県職員の関与、何をするかということが入院の手続については具体的に示されております。
 6ページ、一方で措置入院中の患者の権利、利益を擁護する主体は、都道府県知事である。これは今、御説明をした法第43条の趣旨からも表れているところであります。また、入院措置の解除を行う主体も都道府県知事であるというにもかかわらず、入院中あるいは退院時における都道府県職員の関与の内容については、現行の法令あるいは通知の中では、具体的に示されていないということでございます。
 一方で、障害者自立支援法の改正により、施設への入所、退所、あるいは病院からの入院、退院につきましては、新たなサービスが追加をされております。施設への入所、病院への入院中から地域生活への準備。福祉サービスの見学体験のための外出の際の同行。住居の確保の支援などを行う地域移行支援というサービス。施設から退所あるいは病院から退院後に24時間の相談支援などを行う地域定着支援というサービス類型が新たに設けられております。これは来年4月1日から施行されることになっております。これらは相談支援事業者により提供されることになっております。
 また、自立支援法に基づくサービスを利用するに当たって、相談支援事業者がサービス利用計画を作成することができるわけですけれども、現在のサービス利用計画作成費の対象者を今は毎月3,000人程度ですが、これを大幅に拡大するという方針でおります。措置入院患者や医療保護入院の患者さんについても、こういったサービスを利用することが可能となっております。こういった点を踏まえまして、本義務規定を削除した場合の論点をまとめていただいております。
 1つ目、措置入院については入院時のみならず、入院中及び退院時についても、都道府県の関わりを具体的にし、措置権者である都道府県が責任を有することを明確にすべきではないか。
 7ページ。その際、本人の意向に応じ、サービス利用計画の作成、地域移行支援、地域定着支援などの障害者自立支援法に基づく相談支援を適切に組み合わせて、住居を含めた退院支援を行うことが必要ではないか。
 3点目、退院後の受け入れ先について問題となるのは、措置入院に限ったことではなく、医療保護入院などについても、医療機関と地域移行支援等の相談支援等が連携して、住居の確保を含めた退院支援を行うことが必要ではないかということでございます。
 参考資料の20ページ。今、論点でまとめております内容をポンチ絵にしたものがこれで、20〜21ページにございます。措置入院の手続につきましては、現行制度は保健所の関わりは、基本的には入院のときのみとなっておりまして、勿論、保健所によっては入院中、退院時においても関わりを持っているところはあるわけですけれども、法令あるいは通知で定められているのは、この入院時の取扱いのみでございます。その後は医療機関の方で治療をしていただいて、措置の症状消退届が出てきてから退院に、措置の解除につながっていくということでございます。
 この手続を見直し案、入院のときだけではなくて、入院中も保健所において医療機関との調整あるいは家族への支援、情報提供、退院に向けた支援会議を行う。そういったことを行いながら、退院につなげていく。その過程で全てを行政で負うということはなかなか難しい。例えば住まいがない場合に、どうやって住まいを確保するかについてまで、行政が全て一手に引き受けて行うことは難しいこともございますので、これはサービス利用ですので、勿論、御本人の了解が要ることは前提になりますが、それを前提とした上で、一番下の自立支援法の手続、サービス利用計画を作成する。地域移行支援のサービスを利用する。そういったことと連携をしながら、退院に結び付け、退院の調整をしていくということにしてはどうかということでございます。
 22〜23ページでは、医療保護入院からの退院のときのイメージもお示しをしております。医療保護入院の場合は、基本的に行政の手続的な関与はありませんけれども、地域移行支援を行う事業所が退院時に関わるということで、退院の調整を円滑に行っていくということは、医療保護入院あるいは任意入院においても十分に考えられる。むしろやっていくことが必要ではないかということでございます。
 事務局からの説明は以上です。町野座長から補足をいただければと思います。

○町野構成員 これも更に付け加えることがどれだけあるかわかりませんが、41条と22条の2という現行法の下では、措置入院の患者さんしか問題にしていないのですけれども、更にこれは一般的な全ての入院から退院のことでもう一回考え直す必要があるのではないだろうかということでございます。
 措置入院のときに引き取り義務だけ明示的に規定されていますけれども、立法の過程を見ますと、恐らくは他の医療保護入院とか、そちらについても引き取り義務があるのは当然であるという前提に立った上で、これを確認したと。措置のときは1回は行政の方に移っているけれども、それを戻すだけだよと確認したということ。二本の趣旨はそうだろうという具合に思われます。
 いずれにいたしましても、措置入院者について引き取り義務を否定する。それは同時に全ての退院患者について、引き取り義務はもともとないということを確認するということでございます。そうなってくると、地域精神医療への移行という事で、措置患者ばかりではなくて、医療保護入院の患者であろうと。更には、入院利用の患者であろうと。全て同じように考えなければいけない。
 その中でこれから行政の支援、民間との連携ということで制度を考えていかなければいけない。そういう話だろうと思います。

○本後課長補佐 ありがとうございました。
 以上が措置入院、患者の引き取りについてというところでございます。
 続きまして、本文編の資料の8ページ「3 退院請求・処遇改善請求について」。
 これは現行規定の38条の4ですけれども、精神科病院に入院中の者、またはその保護者は都道府県知事に対し入院中の者を退院させ、あるいはその者の処遇の改善のために必要な措置を取ることを命じることを求めることができるということで、入院中の御本人、保護者が退院請求あるいは処遇改善請求をできるという規定でございます。
 これにつきましては、(1)の(マル1)です。入院患者の権利擁護の規定として必要な規定ではありますため、存置はするという方向性をいただいております。その上で、退院請求及び処遇改善請求を行うことができる人を拡大する余地があるかどうか。作業チームの中で御議論をいただきましたのは、具体的には本人が指名した保護者以外の方を対象に加えるべきかどうか。この方であれば信頼しているので、私の代わりとしてやってくださいという方を加えるべきかどうかについて、検討を行っていただきました。
 現在の退院請求、処遇改善請求の状況でございます。本人または代理人からの退院請求処遇改善請求が大部分でありますけれども、保護者または扶養義務者による退院請求、処遇改善請求も存在はしております。平成18年度で行きますと、退院請求であれば9件、処遇改善請求であれば4件が保護者からなされているということでございます。
 代理人による請求がこの場合は認められておりまして、9ページでありますけれども、代理人による退院等の請求は、精神保健福祉法には明確な規定はないものの、通知において認められているということでございます。具体的には、退院等の請求の請求者として、法第34条に定めるもの。これは御本人または保護者を本人の代理人とするということであります。
 ただし、代理人は弁護士とするが、精神科病院に入院中の者が請求する場合で、弁護士を代理人に選任することは困難な場合には、弁護士でない者を代理人にすることができるということで、従来は代理人は弁護士に限定されておりましたけれども、平成12年に現在のマニュアル、現在の精神医療審査会の形になってから、弁護士以外の代理人も認めるという形で広げられてきているものでございます。
 ただ、制度上は弁護士以外の代理人による請求が認められてはいるものの、実際に活用されているのは限定的でありまして、先ほどの18年度の実績で行きますと、代理人による請求は38件、3件あるわけですけれども、いずれも弁護士による請求になっております。
精神科病院における苦情・相談等への対応。以上の退院請求は行政に対する公式な請求でありますけれども、そういった公式の形ではなくて、入院患者あるいは御本人に関係する方も含めて、精神科病院との関係の中ですぐに退院等の請求に至るのではなく、両者の間の協議などで解決に至る場合も多いという御意見が作業チームの中ではございました。病院内においては苦情相談等の処理は行われているかということが現在の精神科病院に対する指導監督を行う上での指導事項の一つとなっております。
 精神科病院に対する指導監督等の徹底についてという厚生労働省の通知の中で、精神科病院に対する実地指導の指導項目として、病院内において苦情相談等の処理は行われているかということが入っておりまして、精神科病院において必要な対応が求められているということでございます。
 これらを踏まえまして、(2)の論点をまとめております。
 1点目、退院等の請求を行うことができる主体については、これまでの本人及びその保護者に加え、本人が信頼し、指名する人を含めるべきではないか。
 その際、現在でも認められている本人の代理人による請求を活用しつつ、代理人になり得る人の範囲、代理権の内容などについて、検討を進めることが必要ではないか。
 2点目、現在でも、病院による苦情相談への対応が行われているが、退院等の請求のようなハードの形態だけではなく、よりソフトな形態として、こうした病院による苦情・相談への対応の取扱いや位置づけを明確にすべきではないかということを論点として挙げております。
 事務局からは以上です。町野座長から補足をお願いいたします。

○町野構成員 38条の4の規定はご覧のとおり、全ての入院者について適用があるのですが、措置入院、医療保護入院、更には任意入院患者についても全部規定があるものです。要するに保護者は精神障害者の権利保護のために活動する人間として位置づけられている。これはそのこと自体は妥当であろうという話です。問題はそれをどこまで拡張するか。
 しかし、恐らく安易な拡張といいますか、全ての人を入れればいいということになりますと微妙な紛争が起こる可能性があるだろうということです。そこで恐らく代理人という、この公文の中にはそのような趣旨のことは書かれていないんですけれども、これを認めるという方向で今まで運用されてきたので、それでいいだろうと。しかし、その範囲をどうするかについては、更に立法だとかそういうことは必要かどうかは、また議論の余地はあるだろう。
 より問題なのは、これはいろいろなところで早く退院させてくれとか、そういう処遇の改善の請求が出たときは一種の紛争といいますか、苦情処理とかですから、医療の側と精神障害者の側、更にその点をサポートする人との間に十分な意思の疎通ができていないということなので、その点の調整を図ることの方をまず考えるべきではないだろうかということで、今のような御提案になったのだろうと具合に思います。

○本後課長補佐 ありがとうございました。
 以上が退院請求・処遇改善請求についてでございます。
 続きまして、11ページ「4 医療に関する義務規定について」でございます。
 ここは医療に関する規定が3つございます。
 1つは、治療を受けさせる義務。保護者は精神障害者に治療を受けさせなければならない。
 医師に協力する義務。保護者は精神障害者の診断が正しく行われるよう医師に協力しなければならない。
 医師の指示に従う義務として、保護者は精神障害者に医療を受けさせるに当たっては、医師の指示に従わなければならない。
 この3つが関係しているところでございます。これにつきましては、2月24日のときの検討チームの中では、もともと精神病者監護法の中で認められていた私宅監置から医療にかかれるようにすると。その責務を保護者に負っていただくことを前提といたしまして、歴史的な保護者制度自体が精神病者監護法からの続きの中で、私宅監置からきちんと医療にかかれることを担保するために置かれた規定ということでありましたので、時代を経まして、精神科の医療が当時と比べるとはるかに充実しているという中で、そういった時代的な背景はもはや失われているのではないかということ。
 今、読ませていただいたとおりで、この規定自体が非常に抽象的な規定であるということがあります。そういったことも踏まえて、この規定は削除、存置をしないということを前提に考えるべきであるという方向性を検討チームの皆様からいただきまして、それに対応して、様々な論点を検討してきたということでございます。
 1つは、精神科医療における家族等の位置づけということでございます。これらの規定では、保護者が医療に関わることは、むしろ当然であったわけですけれども、それを削除したときに、逆に保護者あるいは家族が御本人の医療に関与できなくなるのではないかというおそれもあるという論点。
 措置入院時の強制医療介入、同意によらない治療行為についてどう考えるか。
 治療を受けさせる義務と関係しますけれども、治療へアクセスする権利の保障の在り方。まさにこの規定がつくられた当時、医療にかかれるようにという責務を保護者に負わせたのだとすると、その治療へアクセスする権利の保障をこの規定がなくなった後、どう考えていくかということ。この3つが論点として挙げられております。
 12ページ。そのうち1つ目の論点について、まず御説明をさせていただきたいと思います。精神科医療における家族等の位置づけということで、これは先ほども御説明をしたとおり、これらの規定では保護者が本人の診療に関わることができることが前提になっているが、本人が家族等に診療に関わることを拒む権利もあると考えられる。これらの規定を削除した場合に、家族等は診療に関わらなくてもよい。あるいは家族の支えが必要な場合であっても、診断、診療の過程に適切に関わることができなくなるといった印象を与えることになるのではないかといった懸念も考えられる。こうした中で精神科医療における家族等の立場を何らの形に位置づける必要はないかということについて、検討を行っております。
 保護者という言葉と家族等という言葉を今、混在して使っておりますけれども、精神保健福祉法における保護者は通常使われる保護者。これは親権を行う者を保護者と言い換えたりとか、制度上のバックボーンがあって使っているということではなくて、まさに精神保健福祉法における制度として、保護者というものが存在をしております。
 一方で、精神保健福祉法の中では、保護者に対する責務規定の他に、都道府県、市町村などが相談への対応や必要な指導を行う対象として、家族等というのが規定をされております。家族等ということが支援の対象になるものとして、保護者とは別に規定をされているということで、精神保健福祉法の中では使い分けがされている。精神科医療における診断、診療への関わりを検討するに当たっては、制度としての保護者という立場ではなくて、家族等の立場を前提に検討を行っております。
 医療一般における家族等の位置づけについて見てみますと、13ページですけれども、医療法には医療提供施設の開設者及び管理者に対して、相談に適切に応じる努力義務。医師法には医師に対して、両方の方法、その他の事項に指導義務がそれぞれ規定をされておりまして、医療の提供における家族等の位置づけが明確になされているということでございます。
 個人情報保護法においては、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならないとされております。具体的には御本人からお医者さんが聞いた御本人の状況ですとか、様々な話を御家族に話をする場面が想定されますけれども、そういったことはあらかじめ本人の同意を得ないで個人データを第三者に提供してはならないという個人情報保護法の規定と関係が深くあります。
 個人情報保護法の中では法令に基づく場合の他、人の生命、身体または財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるというのは、先ほどの第三者提供ができないという場合の例外に位置づけられております。厚生労働省の出しておりますガイドラインの中では、その例として意識不明の患者の病状といったものを家族等に説明する場合などが挙げられているわけでありますけれども、それと併せまして、本人に同意を求めても同意しないという場合も、本人の同意を得ることが困難であるときに含まれると解されております。
 14ページ、このように医療一般、医療法、医師法あるいは個人情報保護法の中で、家族等は最も身近な立場から患者御本人が医療を受けることをサポートし、必要に応じて医師から患者に関する様々な情報提供を受けるべき存在として位置づけられている。個人情報保護の観点からも一定の整理がされているということでございます。
 本義務規定に関する論点といたしまして、医療一般における家族等の位置づけについては、今、御説明をしたように医療法などの中で一定の位置づけがなされている。それは精神科医療にも当てはまることでありますので、医療に関する保護者の責務規定を削除したとしても、精神科医療における家族等の位置づけについて、新たな規定を設ける必要はないのではないかということでございます。
 では、町野座長から補足をお願いしたします。

○町野構成員 この問題も先ほどの財産の方と同じように、一般的な原則で考えるということができるだろうと。そして、不都合が生じないだろうということで整理されています。つまり保護者の義務でこういうものはないのだとしても、家族として関与することはあるだろうと。そして、家族はこれは大切にしなければいけない問題であって、そのときに家族がお医者さんに協力するということは、別に現行法が妨げているわけではない。
 他方では、お医者さんの方が家族に対して助言を求めたり、あるいは情報を伝えたり、そういうことをすることについて、個人情報保護の観点でも問題はなかろうということでございます。前にありました患者の引き取り義務とこちらの共通の問題は、支援者としての家族を全体的に医療がこれからどれだけサポートするような体制を取れるかがもう一つ残っているということでございます。これは恐らく法律の中に書くとかいう話ではないと思いますけれども、これは常に意識しておかなければいけない問題だろうと思います。

○本後課長補佐 ありがとうございました。
 以上が精神科医療における家族等の位置づけという論点についてでございます。
 続きまして、15ページ「4−2 措置入院時の強制医療介入の在り方」でございます。
 ここは(1)ですけれども、この論点の背景を少し御説明させていただければと思います。医療はインフォームド・コンセントに基づいて行われるのが原則で、精神科医療においても同様であります。
 一方で、精神科医療の場合は、自らがかかっている精神疾患に対する正しい認識や自覚、いわゆる病識がなく、治療行為に対して適切に同意することができない場合も多い。入院そのものについては、本人の同意によらない場合の入院の手続として、措置入院あるいは医療保護入院が法定をされ、詳細な手続が示されているということでありますけれども、入院をしている場合でも、個々の治療行為については、本人の同意によらない治療行為に手続が定められているというわけではございません。
 現行制度では、医療の必要性があるからこそ、措置入院のような強制入院の下で治療が行われているということでありますので、本人の同意を得られないということのみをもって治療を行わないということは、本人の利益に反するのではないかという考え方の下に、同意によらない治療行為に関して特段の手続が設けられていないものと考えられます。
 一方で、措置入院のような強制入院の下では、任意入院と比較して、より人権的な配慮に基づいた手続が必要になるのではないか。入るときに強制性のある手段により入院をしているという状況の下では、入院をした後はより人権的な配慮が一つひとつの治療行為においては必要なのではないかという考え方もあり得ます。
 これは閣議決定に至る議論の中では必ずしも明確ではないのですけれども、昨年の閣議決定にいう強制医療介入は、こうした問題意識から盛り込まれているのではないかと考えられます。
 こうした観点から、措置入院の下での同意によらない治療行為の在り方について検討を行ったということでございます。なお、医療保護入院においても同じ論点はあるわけですけれども、これは医療保護入院自体の在り方と大きく関係するということですので、現時点、ここでは論点とはしていないということでございます。
 一方で、平成17年に施行された医療観察法においては、新たな手続が設けられております。具体的には、入院処遇ガイドラインが厚生労働省の通知で定められているわけですけれども、その中で詳細な手続が規定をされております。基本的な考え方としては、指定入院医療機関で行われる医療行為について、治療者は十分な説明を行い、入院対象者の理解による同意を得られるように努める。説明を尽くした上で、なお、対象者に同意が得られない場合は、代替となる治療行為の可能性についてよく相談し、対象者の治療意欲を引き出す取組みを行う。
 十分な期間をかけて対象者の治療意欲を引き出す取組みを行ったにもかかわらず、治療の同意が得られない場合、入院対象者の同意を得ずに治療行為を開始することについて、事前に倫理会議において決議を行うという手続になっております。
 倫理会議については、17ページの箱の中に説明を書かせていただいております。(マル3)の文章が変になっておりまして、2行目は「麻酔剤」でございます。申し訳ございません。
 この倫理会議については、医療観察法の指定入院医療機関内に設ける会議体でありまして、精神医学の専門家の外部委員1名以上にこの中に入っていただくという形になっております。その判断の客観性を担保するという意味で、外部委員に入っていただいているということでございます。
 なお、医療観察法の手続の中でも、16ページの「(マル5)病状が重篤であり治療の開始を遅らせることにより入院対象者の心身に著しい不利益を来す恐れが高いと判断された場合、緊急的に同意によらない治療行為を行うこともあり得る。その場合、事後開催される倫理会議において報告し、判断を受ける」ということで、緊急性のある場合には事後に手続をするということも併せて定められております。
 患者の立場から見ますと、その次の○ですけれども、こうした手続を一般医療に導入する場合、同意によらない治療行為の必要性、妥当性の判断が第三者的、客観的な観点から行われ、治療行為自体にも適切の手続を設けることで患者の人権擁護に寄与するというメリットがある一方、治療行為を行うまでに時間を要し、入院期間が長くなる可能性がある。あるいは倫理会議での意見の一致が得られない場合、治療が開始できなかったり、治療中断となり悪化する可能性があると言ったデメリットがあることが指摘をされたところでございます。
 こういったところを踏まえまして、措置入院下での強制医療介入に関する論点といたしまして、強制入院における手続面での保証を充実する観点から、措置入院において入院そのものについてだけではなく、同意によらない治療を行う場合に関して、医療観察法における倫理会議のような手続を設けることについては、メリット、デメリットの両面があることを踏まえて、手続を試行した上で導入の可否について検証をするべきかという論文をまとめていただいております。
 では、町野座長から補足をいただければと思います。

○町野構成員 閣議決定が確かにどこまでの射程を含んでいるかはわからないですが、少なくとも強制入院の場合の手続、医療保護入院については保護者の同意だけで入れられるというのはけしからぬのではないか。そういうことはあるだろうと思いますけれども、そのことはまだ後で医療保護入院について検討をしなければいけない話でございますが、ここでの問題は強制入院で入った患者さんについて、どのような医療を強制することができるかというインフォームド・コンセントの言ってみれば、例外が認められるかという議論でございます。
 医療観察法を参考に少し議論しているというのは、医療観察法というのは基本的には措置入院の上積みでウルトラ措置であるという認識がありますから、こちらからまず議論をして、措置が使えるかなと。更にその医療観察法の規定は1991年の国連準則をほぼ参考にしながらつくられたもので、それは強制入院患者についてのものでございまして、そこのところでどのようなことで入ったかということではなくて、強制入院患者についてはということですから、恐らくは医療保護入院の方にもこれは議論を及ぼすことになるだろうということでございます。
 もう一つ注意すべきことは、国連準則は二段階に分けておりまして、緊急時にとにかくやらなければいけないときについては、それはやってよろしいと。しかし、その後で報告をしたりしてレビューをしなければいけないという規定が一つある。
 もう一つは、それほどの緊急性は必要でないけれども、医療の必要性があるときはどのようにしたらいいか。それでこのような規定が設けられているという話でございます。
 これもできるだけ同意を得るようということで話を進めていって、それがどうしてもだめなときについては、倫理委員会で慎重に検討をした上で、そこで決定をするという手続を取っているということでございます。その限りには妥当な考え方だろうと思いますが、幾つか問題はあって、これによって医療の開始が遅れてしまうことがあるのではないかということが一つ。
 それから、全ての施設において、このような倫理委員会をつくるだけの余力があるだろうかということがいろいろあると。そこで試行的にやってみたらどうだろうかという提案になっているのだろうと思います。

○本後課長補佐 ありがとうございました。
 では、最後の論点、18ページ「4−3 治療へアクセスする権利の保障の在り方について」でございます。医療に関する義務規定、とりわけ治療を受けさせる義務の規定では、本人が治療を受けることによって早期に回復できるという利益を保護しているとも考えられるが、本人が治療を受けなくてもよい権利と相反する場合もある。
 病識が乏しいという精神障害の特性を踏まえ、治療によって得られる本人の利益を何らかの形で保護する必要があるかどうか。仮に必要があるとすれば、どのような形で保護するか。誰が責任を負うかについても論点として挙げられております。
 この点につきましては、医療保護入院が現在その治療を受けさせる義務を具体的に実施するために、精神保健福祉法上用意された唯一の制度ということになっております。
 ただ、治療へアクセスするための方法としては、他の制度も含めまして、以下のようなものが挙げられるということで、例示をさせていただいております。
 1つは、昨年この検討チームの一番最初のときに御検討をいただきました、アウトリーチに関するところでございます。これは今年度から新たに精神障害者アウトリーチ推進事業ということで御検討をいただいた内容を基に、予算額7億円で今年からスタートをいたしております。
 これは未治療の人や治療を中断している人などに対しまして、病院などの専門職がチームを組んで訪問支援を行うことにより、診療報酬による医療の提供や自立支援法に基づくサービスを受けることにつなげ、在宅生活の継続や病状の安定を図ることを目的としているということで、ある意味、強制性を伴わない形で医療へつなげる方法として推進していきたいと考えているサービスの形態でございます。
 19ページ。病院を主体としてアウトリーチを実施するに当たっては、抱え込みや入院への誘因を危惧する声があるということで、これは昨年の検討チームの第一ラウンドの最後のときにまとめていただいたとおり、問題の解決を入院に頼らないことを原則として行っております。措置入院や医療保護入院といった非自発的入院に至ることは、原則として防ぐことが必要ですということを前提としておりまして、そのため、実施する医療機関などにつきましては、非自発的入院に至った場合には、入院に至った原因、背景、防止できた方法などについて、詳細なレポートの作成を求めているということでございます。この事業の実施による効果を検証するために、例えば非自発的入院の増減ですとか、そういった項目について評価を行うことを検討しているところでございます。
 「(マル2)諸外国において継続通院処遇」という形で退院後の治療の継続や入院に代替するという観点から、治療に確実につなげていくための手段として、継続通院処遇。通院をしてくださいという処遇の仕組みがございます。これは参考資料の中では、今日も御出席をいただいております国立精神・神経医療研究センターの伊藤部長に各国の例を調査をしていただいておりますので、これは後ほど参考資料の方を御参照いただければと思います。
 その中でカナダ、オーストラリア、イギリスの例では、命令条件を対象者が守らなかったという場合には入院につなげますよということが、御本人が同意してする治療計画の中に組み込まれているということでございます。
 (マル3)が他制度ですけれども、結核治療に関する例としてDOTSというものがございます。これは結核患者さんが退院をするときに確実に抗結核薬を服用させることによって、結核の蔓延を防止するという観点から、保健所によるDOTS(直接服薬確認療法)が実際に実施をされております。
 20ページ。外来DOTS、訪問DOTS、連絡確認DOTS、対象患者の状況によって、いろいろなパターンがありますけれども、例えば外来DOTSということで行きますと、最も治療中断、お薬の飲まないリスクが高い患者さんに対して行われる方法ですが、これは医療機関の外来に来ていただいて、寝る前で服薬をしていただくということをやっているということでございます。
 ここにつきましては、一番下でありますけれども、現行制度上、治療にアクセスする権利に直接対応している仕組みは医療保護入院のみであると。治療にアクセスする権利の保障の在り方については、医療保護入院の在り方をどのように考えるか。あるいは医療保護入院を代替する手段があるかどうかなど、医療保護入院に関する検討の中で検討を進めていくということで、作業チームの中でも御議論をいただいておりまして、本日の御議論で今、御説明をさせていただいた保護者の責務規定の取扱いについて御了解をいただければ、こういった治療にアクセスする権利の保障という観点も念頭に置きまして、この後、医療保護入院など医療制度に関する検討に入っていきたいと考えているところでございます。
 では、町野座長から補足をお願いいたします。

○町野構成員 恐らくこれは核心的な問題だろうと思いますけれども、なるべく地域精神医療を行うべきであると。それでアウトリーチ推進事業とか、そういうことを展開していかなければいけないだろうと。
 他方では、強制的に入院させるだけではなくて、ある意味で通院を義務づけるという制度。それも前から議論はされていて、それが一部実現をされましたのが医療観察法における入院によらない医療という制度でございます。ですから、そこらのような試みはこれからも続けていかなければいけない。
 それでも、依然として入院してもらわなければ本人のためにならない場合があるのではないか。そのために現在の医療保護入院は使われているので、これを維持すべきかどうかは一つのかなり大きな問題でございます。
 幾つかの国では、これを非常にきついものだけにして、言わば措置入院的なものだけに限ろうと。他の者はみんな任意入院的なもので処理をしようという考え方もあり得るわけですけれども、恐らく結果としてはあまりよくないのではないかと、それらの国を見たときに私はそう思ったところでございます。やはりこのようなものを置いておかなければいけないのではないかと思います。これが議論の大きなところだと思います。

○本後課長補佐 ありがとうございました。
 説明が大変長くなって申し訳ありませんでしたけれども、事務局からの説明は以上でございます。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございました。
 これから御意見、御質問に入るわけですが、それに先立ちまして、本日ピアスピーカーのお二人に御出席をいただいておりますので、まずお二人から御自身の体験を踏まえながら、関連する御発言をいただければと思っております。
 それでは、まず小杉さんの方からお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。

○小杉氏 皆さん、こんばんは。前回2月の検討会に続きまして、2度目の発言をさせていただきます。論点とずれるところも多いかと思いますが、体験を話させていただきます。
 私はうつ病のため、1年間の病休を取り、復帰して5年間が経ちました。今は不安や焦燥感に襲われたときは頓服としての薬を服用していますが、そんな自分と付き合いながらも、普通に仕事をして生活をしています。
 入院の経験はありませんが、治療を続けるに当たって、自分にとってどんなことが手助けになったのかを振り返って、回復してきた今だからこそわかったことをお話しさせていただきます。
 まずは医師への信頼が私の治療の土台になってきたと思います。自分がうつ病になる何年も前に長女が高校生だったころに、登校拒否、思春期の子どもの心などについての講演会があり、参加しました。それが今の主治医との出会いでした。精神科医という存在を初めて身近に感じた印象深い体験でした。思春期の子育てで悩んでいたときに、非常に励まされる内容でした。そのときはまさか自分がその先生のお世話になるとは考えもしませんでした。初めての受診のときは、「一緒に治しましょう、必ず治りますから」という先生の言葉に、一人で治すのではないんだなということで、大きな不安の中でも安心感に包まれた感覚から治療が始まりました。
 長い病気とのお付き合いの中では、いろいろありました。薬の問題です。最初はすがる気持ちで、この薬を飲めば楽になると思って受けておりましたが、毎日きちんとは服用してはいなかった自分がいました。気持ちのどこかで、心の病気に何で薬に頼ってよいのか。続けて飲まなくては効かないのか。効かないと言われても薬漬けになったら体がどうにかなってしまうのではないか。自分に本当にこの薬が合っているのか。薬を服用する意欲がなかったのも事実ですが、信頼した医師からの処方でも、何も薬の知識がない自分にとっては半信半疑でした。
 薬についての説明も丁寧にされました。薬の強さなど、資料を見せていただきながら聞いた覚えもありますが、そのときは本当に無知も無知で、医師への信頼のみで、はいと答えるしかない自分でした。
 薬の怖さを感じたのは副作用を体験したときです。一度目は自分の記憶が全くない電話の発信履歴を見つけたときでした。夜中の2時ごろに携帯電話から思いがけない人に発信していました。自分の意思とは関係なく行動していることに恐怖さえ感じました。夢遊病になったのかなとか、他の病気になってしまったのだろうかと。私の病状が悪化したのかと主治医に相談したところ、薬の副作用でしょうということで、ほっとしたと同時に、薬の副作用でこんなことが起こるのかと驚きました。
 2度目は乳がん検診に行ったところ、妊娠していますか、乳汁が出ていますよと言われたときです。3人の子どもを母乳で育ててきましたが、そのときのように出ていて、がんになったのかと、どきっとしましたが、検査してくれた医師に、何か薬を服用していますかと聞かれて、主治医にも話してみると、そのような副作用が出る薬だと確認することができました。
 いずれもそのときの薬を中止したり、他の薬に変更をしたりして症状がなくなりました。主治医は薬を変えるたびに薬の説明はしてくれたものの、短い診察時間でよくわからないまま、思考力も衰えている自分から、違う薬がいいとか、量をどうしてほしいなどと言えるはずもありませんでした。
 それでも、どうして薬の力を借りて服用を続けてきたのだろうかと改めて考えてみましたら、一つ思い当たることがあります。あのころの記憶は途切れていることが多いのですが、病休中で私には時間があるから何かやらなくてはという強迫観念にも襲われていた時期があり、そのときたまたま精神障害者ヘルパーの講習会があることを知りました。その中には主治医の講義も含まれていたこともあり、申し込みました。
 今、思うと自分も精神疾患患者の一人なのによく受講したものだと思いますが、その中では精神疾患、障害の特性と治療というテーマもあり、自分の病気であるうつ病についての説明もありました。うつ病はただの気分のよい、悪いではなく、自分の脳に何かが起こっていること。それには、このような性質の薬が有効だということなどのわかりやすい講義内容でした。自分の病気のこと、自分に薬が必要なことを理解することができるよい機会となりました。
 それからは自分が病気だという自覚、納得して薬を服用することになったということを今、思うと確認できます。幾ら病気でも無知のまま、医師の言うがままではなく、自分の病気とは何かを理解できるような、こんな患者でも学びの場があったら、自らの病気と向き合い、治療を受けるという意欲が育つと思います。医師から、この薬でよいですね、量はどうしますかと聞かれたときにも、ある程度自分で決められる患者に成長するようにも思いました。
 もう一つの問題は、受診の問題です。すぐに受診をしたいと思っても数週間後の予約となります。医師不足で一人の医師が大変多くの患者さんを抱えているようです。受診に行くと、待合室に座り切れないほどの患者さんが待っています。5分〜8分くらいの感覚で受診が行われています。あれもこれも先生に伝えなくてはと思うものの、次に待っている患者さんのことが気になり、先生にとっても長くなったら迷惑だろうなと患者なのに気を使う自分がいました。
今は受診のために待つ時間は自分にとっては負担にならず、逆にもうすぐ自分のことを伝えられると思うと、ほっとできて、リラックスできて、居眠りをしてしまう時間でもありますが、ただ、症状がひどいときは、どうしたら短時間でうまく伝えられるだろうか。5分程度の時間でうまく伝えられるだろうかと、受診するのに緊張して、慌てて薬を飲むこともありました。また、ほとんど泣いて終わってしまうこともありました。
 それを繰り返さないようにと、心臓をどきどきさせながらも、メモ帳を取り出して、これだけは言わなくてはと症状を書き出すようになりました。短時間で伝わっただろうか、私の症状をわかってもらえただろうか、いつも後ろ髪を引かれるように診察室から出る自分がいました。もっともっと話を聞いてほしい。自分の症状はどういうことなのか、もっと聞きたかった。私の話し方は正常なのか、じっくり付き合って教えてほしいという気持ちが常にありました。結局、病院にかかっても、処方箋をもらうための受診に終わる感覚のときもありました。受診時には医師と連携を取れる専門のカウンセラーの存在がセットで対応してくれたら、どんなに気持ちが楽になるかと思ったことが幾度となくあります。
 仕事を離れ、病休を取っているときは、とにかく孤独な時間が多く、それだけでも落ち込みが激しくなることもあります。自分の心のバランスを取れず、孤独で不安で、かえって入院させてもらいたいと思った時期さえありました。私の場合は医師の勧めで認知療法セミナーとのつながり、居場所ができ、診療室から離れたところで精神科医からのアドバイスも受けられました。同じ患者さんや精神科医、スタッフの自分を理解してくれようとする存在に囲まれることで、病休中の自分を肯定的に受け止めることができて、とても恵まれていたと思います。受診だけで放り出されていたら、きっと病気も長引き、自分を責め続けていたに違いないと思います。
 次に家族との関係ですが、そのとき夫は国内、海外とほとんど出張で家にいませんでした。家には高校生から22歳までの子どもが3人いましたが、自分の状況を家族には言えませんでした。思春期の子どもに心配をかけたくない。病気の母親という自分を知られたくない等の気持ちが強く、突然の病休に関しては、仕事で疲れたからしばらくお休みをもらったのと軽く伝えて、子どもが帰宅するまではごろごろ寝て過ごしても、帰宅した物音で起き上がり、極力普通にしていたつもりでした。
 ところが敏感な娘には私の変化がわかってしまいました。私が薬を服用しているのにも気付き、娘の友だちに看護師がいて、薬について調べてもらい私の病を知ってしまいました。母親がうつ病だったことに想像以上のショックを受け「なんで言ってくれなかったの?」と泣かれました。
 薬は隠しながら飲んでいたつもりでしたが、私はごめんね、ごめんねと繰り返すしかありませんでした。その後は娘には、こんな病気だったけれども、もう大丈夫だからと伝えました。こうなる前に伝えた方がよかったのかもしれませんが、どうしても話せない自分は乗り越えることはできませんでした。
 家族には自分のつらさや病状を正直に話せなくても、認知療法の場では感情も出し、そのままの自分を話し、気持ちを整理するきっかけをもらうことができました。私にとっては、家族からの支えの代わりになったこと。それは認知療法セミナーに参加し、医師やスタッフ、同じ病気の人たちとの関わりができたこと。また、それとは別にお年寄りのリハビリセンターのボランティアなどで、無理なく自分が役に立てる居場所が与えられていたことはとても大きかったと感じています。
 もう一つは、私の状況を受け止め、理解して、回復を待ち、復帰を自然に受け入れてくれた職場の方たちには感謝の気持ちでいっぱいでした。職場の理解と労りの気持ちは、復帰の力になりました。
最近ですけれども、地域ケアプラザなどで生活支援センターなどがあり、私はそれまでそういう存在を全く知らなかったんですけれども、そこで意欲的に働くスタッフの給料の低さも知りました。地域で病気を理解したスタッフが受け止めてくれて、病気でも何かしらの目的を持って、そこにいられる居場所があること。自分を責め続けてしまう人。それが人間としての尊厳が保たれることにつながることになると思います。心の病気を受け止めてくれる地域環境、居場所の充実がとても大事に思いました。でも、近所だと逆に知り合いに会ってしまうという不安もあります。少し離れた地域でも拡大して受け入れ、居場所としての場があれば、なおよいとも思いました。
 最後に、私は20年近く保育士をしてきました。その間には私だけでなく、保育の現場では心の病気になった人が何人もいます。未来を担う子どもを育てるには、生き生きと保育する保育者、大人の存在があってこそです。心の病気の患者一人ひとりの尊厳が大切にされる医療とともに、職場の環境の大切さも実感しています。
 今、厚労省で進められている子ども・子育て新システムなど、保育制度の検討では、是非保育現場で働く人たちの心身の健康にも重く着目をして、慎重に考えてほしいと心から願っていることをお伝えして、私のお話を終わりにさせていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。

○福田精神・障害保健課長 どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして、山田さんからお願いいたしたいと思います。

○山田氏 時間も限られているということなので、なるべく手短にお話しできたらと思います。
 私は「4−2 措置入院時の強制医療介入の在り方」についての発言をということで事前にお話があったんですけれども、措置入院とか医療保護とか形は問わず、非自発的入院だったということは間違いないですが、まず最初の非自発的入院から退院までありますけれども、この話は勿論こういう場で話したこともありませんし、具体的に自分の身に起きたことに関しては、本当に片手に数えられるかどうかくらいな人にしか打ち明けたことがないような体験でして、それは私にとっては厳密な意味では医療過誤ではないのかもしれませんけれども、私にとっては十分医療過誤であったし、または人権侵害だと感じるような処遇が、特に入院時のときに起きてしまったわけです。
 それですごく心も傷付いて、退院まで病院の中で過ごしたわけです。記憶があいまいで申し訳ないんですけれども、退院時のときに恐らく振り返りといいますか、アンケートのような形で、今回の病院での生活はどうでしたかといった内容だったと思いますけれども、そういう振り返りのような機会がありました。
 その振り返りのところで、私は入院時に私の身に起きた医療過誤について、私以外の人にはこういう目に遭ってほしくないから、二度とこういうことが起きないようにしてくださいというような旨を書き、また、書き記すことによって、大げさに言ってしまえば、ある意味では紛争にもつながるといいますか、法的な手段によって、自分の傷付いたことを、回復するかどうかは別として、手立てとしてあり得るので、記録としても、自分に起きた、嫌だったことは書いておこうということで、アンケートみたいなものに書きました。
 そのことについて医師からのお話があったんですけれども、その話は今は置きますが、もしここでの私にとって、医療で起こってはいけないようなことを話し合う機会ですとか、または委員会ですとか、相談するチャンスですとか、苦情を解決する方法が本当はその時点であったのかもしれませんが、実際問題、そういう制度とか法とかいうものに守られている感覚は全くなくて、自分には権利がないと。人ではあっても人間ではないみたいな、人間として扱われていないなというような思いをするようなところでもありましたので、もし当時に自分の身に起きたことについて、今、知識があれば、別な形で解決ができて、心の傷についても浅かったり、ないしはよりよい傷の治り方があったのかと思いましたが、実際問題はそこで医師の説明というのは、私にとっては理解不能なものでございました。
 私が知らない医学用語でさらっと説明をされてしまいまして、私にとっては知らない医学用語自体が医者が詭弁で、でっち上げでごまかしではないかというような気持ちになるような説明で、医師からのお話がありましたが、それにとって私は全く納得もしていないし、理解もできなかったと。結局その後もそれについて何か起こしたりしてということは勿論なくて、結局泣き寝入りをするしかないんだなと。結局何か言っても信じてもらえなかったり、信頼される言動ではどうせないから、扱ってもしようがないだろうということで、当然無視されてしまうんだろうということで、ずっと心のうちに秘めてきたような問題でした。
 結局それが初回の入院の印象がとても悪かったと。環境的にも今、建て替えているんですけれども、悪かったということになってしまいまして、親も最初にその病棟に入ったときにはショックを受けたと。噂だとか例えば映画や小説で言うような場所だと。一言で言えば、監獄のような場所に入ってしまうのかというような印象を受けたということで、私も親も病院の入院の場所については、かなり悪い印象を持っておりました。
 結局もう一回入院になってしまうんですけれども、それは初回の入院の印象が悪過ぎたゆえに、ある意味では医療拒否をすることによって、より病状がとても悪くなってしまって、結局また入院ということで、そこでもし何か手立てがあれば、2回目の入院はなかったのではないかと。
 特に親も2回目の入院に関しては、大分状態も悪くなってしまいましたし、入院の時間も長くなってしまったということで、ずっと悔んでいるということは変わらないですね。たまに話になると、あのとき、ああしていればという、過去は仮定できないので、そのようなことを言ってもしようがないと言ったらしようがないんですけれども、病患があっても病院には行きたくない。病院に行ったら、またあそこに閉じ込められてしまうという強い危機感によって、医療を受けられないことによって、とても悪くなってしまうということが起きてしまったわけです。
 今日来る前にどういうふうにお話をしたらいいのかなと考えておりましたところ、読書をしているところで、今まさに心のケアということが毎日のように聞かれる状況で、結局私が1回目の入院の最後のところでもあり、プロセスでもそうですけれども、何を求めていたのかなということは、結局心のケアをしてほしかったんだなということに気づきまして、そのケアがあれば、それも予防につながって、より悪い方向にはいかなかったのではないか。
 勿論これはもう起きてしまったので、過去を仮定しての話は無意味と言えば無意味ですけれども、ケアの部分がうまくいっていれば、2回目の入院は防げたのではなかったのではないかということは思いました。
 やはり自分の身の上に起こったこと、自分の起きたことを理解したい、納得したい。勿論これは病状が悪かったときは可能ではないですけれども、だんだん気持ちが通じたりとか、ある程度お話の疎通ができるのであれば、どんな状況にあるのだとか、身の上のどういうことが起こっているのかというようなことは、それはインフォームド・コンセントの部分に関わるかもしれませんけれども、徹底的にやっていただきたいなという気持ちはあります。
 いろいろな制度があると思います。法的に根拠づけられたものであっても、苦情だったり不服だったり異議があったり、いろんな場面があるでしょう。そういうものを救っていただきたいですし、いきなり法廷とかそういうところに持ち込むようなことになる前に、しっかりと話し合うということをしてほしいなということはあります。
 私も自分にとっての医療過誤についても話し合って、こうなったら起きなかったねとか、こうしたらもう起きないねというところで話を締めくくっていただければ、それに納得したわけですけれども、結局言い訳だ、ごまかしだ、ちくしょうという、苦しい思いだったり悔しい思いを引きずりながら退院したという経緯はあります。
 事前に資料を見ている中ででも、17ページの倫理委員会についてですけれども、真ん中の部分です。デメリットがあるということで書かれているんですが、町野先生も余力があれば、倫理委員会みたいなものを医療観察法の制度にのっとって、余力があれば入れていきたいというようなお話がありましたが、その倫理委員会が結果として人権を守りたい、人権の侵害にならないために設けられたものなのに、それが病状の悪化を招いてしまうようなデメリットを抱えているのは、矛盾ではないかと思うわけです。
 それこそ、原義とは違いますけれども、倫理委員会におけるモラルハザードということがあれば、それはしゃれにならないならないと思うわけです。重い病気の人に倫理委員会があるわけです。でも、片や病院に入っていて、重い人のために倫理委員会があって、病院の外で例えば365日24時間という形を取って、重い精神の病の人に従事をされている方もいるわけですから、病院のところで倫理委員会のような形で、例えば平日9時〜5時でその会が行われるまでに、これは聞いた話ですけれども、3日〜7日とかかかってしまって、悪化してしまうという話を事前に聞きまして、それはおかしいのではないか。結局誰のための人権で、誰のための倫理というところを資料を読みながら、おかしいのではないかなというところです。
 余力があればということで、本当に精神医療だけではなくて、他の医療ですとか、いろんなところが大変だとは思うんですけれども、ある制度なり法律なりというものを充実していただきたいし、丁寧に行っていただきたいと思うわけです。
 話すことはいろいろ用意をしたんですけれども、時間のことも考えて、一番重要だろうというところに絞ってお話をしましたが、医療を受ける側もしっかり話し合うような場所なり時間があって、傷は浅い方がいいし、傷はできればない方がいいと思います。
 私がしゃべる時間以外の時間が大分短くなってしまったので、これで終わりにしたいと思います。生意気な部分もあったかと思いますけれども、気持ちは伝えたいと思いまして、精一杯お話をさせていただきました。御清聴ありがとうございました。

○福田精神・障害保健課長 山田さん、どうもありがとうございました。
 それでは、残された時間でディスカッションに入りたいと思います。残りが大体20分〜25分、ちょっと会場の関係であれですので、もうまとめて4つの分野につきまして、御意見のあるところを中心に、密度の濃いということで手短に要点を中心に、遠路の方中心ということで、まずは高木先生からどうぞ。

○高木構成員 保護者制度について、原則存置しないという決断をされたことについては、非常に敬意を表します。ただ、2つだけ少し私が疑問に思ったことがあります。
 1つは権利のところです。保護者が退院請求などをする権利については残すと書かれておるんですけれども、勿論それは権利の擁護という意味で大事ですが、これを保護者という精神保健法の制度内で今からこの中に残すと書かれると、次の医療保護入院のときに、このためにこれに引かれて医療保護入院そのものが保護者制度と結び付いて残ってしまうという議論の流れになってしまうことを非常に懸念しております。
 この権利については大切ですけれども、これは大きなアドボカシーの問題としてとらえられますから、アドボカシーの制度を付け加えることで、あらゆる関係者がその制度の下を通して何らかの権利申立てをするという制度にすれば、足りるのではないかと思います。そうすることで不正な医療について、第三者が申立てをすることを妨げないし、正当な医療について保護者、扶養義務者などが拒否をするというようなことも減るのではないかと思います。ですから、是非アドボカシー制度というものを一つ考えて、その中でこの問題を入れて、この保護者制度と結び付けて、最初から置くのをやめておいてほしいと思うのが1つです。
 もう一つは、病識がないということで強制医療が必要ということで、保護者制度と結び付けて、ここで議論がされているんですけれども、実際には臨床家はわかっていることですが、病識がなくても服薬して通院している方の方が多いわけです。認知症の方に関しても病識が全然ありようがなくても、ちゃんと介護を受けて治療を受けている方の方が多いわけです。
 我々は常に強制医療を引き受けていますので、どうしても非常に病識がなくて、医療に乗らなくて大変だということを中心に考えてしまいがちですけれども、これは例えばここにおられる方であれば、一般の方の野澤構成員とかにも誤解を与えてしまうのではないかと思います。
 今日の当事者の方のお話もあったように、強制が必要ということは日々起こる医療的処置が必要なものの中で、実は非常に例外的なものです。私はそうだということがわかっていて、自分は病識のない患者さんをたくさん診ているということを自分の臨床の誇りにしているような方がいざ議論をするときになると、病識がないとどうするかということを中心に据えて議論をしてしまうのは、精神科医七不思議の一つだと思っています。
 ですから、非常に例外的事態として考えた上で、制度設計を考えてほしいと思います。そうでないと、強制通院制度とかが必要だから、また保護者制度が必要という議論の展開になってしまうと思うんです。実際には強制通院制度は、今日唐突に出てきて私はびっくりしたんですけれども、本当はこれは1970年代の世界的に脱施設化が進んだ上で、脱施設化の進んだ上の残余の問題として各国で出てきたんです。韓国は例外だと思いますけれども、そういう歴史的な背景があるのに、あたかもそうではなくて、精神医療の普遍的な問題として、ここに挙がっていることは一般に誤解を与えるのではないかと懸念しております。ですから、強制医療の制度設計をするときには、必ず例外的な問題なのであるということを踏まえた上での議論を今後していっていただきたいと思っております。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 では、野澤構成員、お願いします。その後、田尾構成員、小川構成員。

○野澤構成員 済みません。時間がないので短くなりますが3点ほど。
 まず4ページ、成年後見の利用を促進することは必要ではないか。私はこれは条件付きですけれども、必要だと思っていますが、その後「(市民後見人の活用)については、精神障害者については慎重に検討すべきではないか」。先ほど高齢者とは違うんだとありましたけれども、これはどういうことなのかと理由を聞きたいところですが、時間がないので意見だけ言わせていただきたいと思います。
 市民後見人は今あちこちで講座などをやっていますけれども、幾ら養成講座を受けても、裁判所はなかなか選任しないです。東大などは一番一生懸命やっていて、年間で160時間くらい研修をやるんです。第一期生の300人くらい、第二期生の600人くらい、第三期が300人くらい受けていますけれども、ほとんど選任されていません。裁判所では市民というだけでは簡単に選任しないです。
 それと逆に大阪市がやっている市民後見人は、たかだか30〜40時間なのに裁判所はちゃんと選任している。それはなぜかというと、大阪市はバックアップ機関をきちんとつくって、そこに弁護士などいろいろな資格を持った方たちが入ってコンロトールをしているからです。社協などが事務局をやっているから。そういうものがないとなかなか選任しないという現実があります。
 その東大の先生は大阪の後見人を設計した人たちに集まってもらって、一度話し合いをしたことがあるんです。いろいろな問題がありますけれども、市民後見人というのは一番可能性があるのではないかという結論でした。なぜかというと自信がないからしょっちゅう顔を見にくい。プロの弁護士は高い金を取っても、一月に一度も見に行かない弁護士はいっぱいいると。本当に後見人が必要な場面は人生の中でそんなにないんです。財産の処分とか何とかいうのはそんなになくて、市民後見人は心配で心配でしようがないから、しょっちゅう顔を見にくいと。ちょっとでも様子がおかしいとすぐにバックアップ機関に駆け込んでくると。
 だから、これからのことを考えていくときに、市民後見人の可能性を追求しようではないかということが意見で、ここでどうして市民後見人を慎重にというあれがあるのか。もう一度考えていただいた方がいいのではないかと思いました。
 もう一点が、9ページ。これで言うと、弁護士以外で請求をした代理人はないんです。それはなぜなのかなと疑問に思っていて、それなのに意見としては代理人になり得る人の範囲、代理権の内容等について検討を進めると。実際としてはないのに、どうしてここで改めて限定する方向で議論がされているのか不思議に思って、わざわざ批判をされそうな議論を持ち込んでいやしないか。そんな気がしたんです。
 勿論、弁護士のような専門性を持った方が代理人になって請求をすることは必要だとは思いますけれども、当事者性を持った視点も大事ではないかと思って、ここはもっと広くとらえた方がいいのではないかと思います。実際にいろんな当事者団体、市民団体あるいは福祉の世界の相談支援員などが、このテーマでは有効な活動をしていると私は知っていますので、是非そういう方たちの力をもっと導入した方がいいのではないかと思います。
 最後に17ページ、先ほども御意見がありましたけれども、医療観察法における倫理委員会がありますが、日本の医療観察法はたしかイギリスをモデルにしたものですね。私は昨年イギリスに行って、この制度の病院とかを見てきたんですけれども、日本と根本的に違うなと思いました。
 高度保安病院、中度保安病院を見ましたけれども、中を見て説明を聞いたところ、統合失調症の人はほとんどいませんでした。発達障害、知的障害、人格障害、サイコパスのような難しい人たちばかりで、どうしたのかと言ったら、治療でなかなか治らない人を何とかしようとしているんだと。治療で治る人はここにいる必要はないんだと言われまして、随分違うんだなと思いました。
 このイギリスにおいても、こういう治療の内容とかいろんなことを審査する機関があって、精神保健審査会とか言いますけれども、これは病院の外にあって、ドクターと裁判官、司法と第三者の三者で構成されていて、いつでも患者側から、あるいは医療機関の内部の人からでも申し立てができる。それによってこの審査会が審査をして、ダイバージョンといって、高度保安病院から中度、低度、開放病棟、最後は地域にどんどん出していくという制度があって、先ほどの御意見もありましたけれども、患者の人権みたいなものをもっと強く守っていくような仕組みが必要ではないかと思いました。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございました。
 それでは、田尾構成員、お願いします。

○田尾構成員 ピアスピーカーの方たち、どうもありがとうございました。特に強制入院をさせられた経験のある方のお話は、我々専門家としては真摯に耳を傾けるべきだと思います。
 それから、作業部会を担当してくだった方たちに大変感謝をしております。全体的に保護者制度が継続するという方向でない方向に結論が出てきたと感じておりますので、それは当初、私たちが最初に議論したことと一致しておりますし、それについては非常に評価して感謝しております。ありがとうございます。
 1点お願いは、これも苦労をされてだと思うのですけれども、「2 措置入院患者の引き取り等について」ということで、このポンチ絵が非常に私は楽しみです。これはとりあえず措置入院の話ですけれども、先ほどの本後さんの話ですと、医療保護入院の方に、もっと言えば任意でもこういう形が取れればということであります。
 実は我々実務をやっている者にしては、地域移行支援とか地域定着支援とか、言葉だけで実態がどんなふうになってくるかわからないです。どんなふうに制度が動くのだろう、どういう報酬単価になるんだろうということに戦々恐々として、厚労省の方針が出るのを待っています。これが実際に機能をするように、制度の方をきちんとつくっていただきたい。
 それと同時に、今、例えばサービス利用計画をやっていても、行政の判断でモニタリングを例えば半年で打ち切るというようなことが出てきています。つまり行政に各区市町村行政にこのことの意味をきちんと徹底してわからせていかないと、区市町村によってはサービス利用計画は一切上げたことがないという区市町村が東京都内でも幾らでもあります。そこの徹底の仕方というか、この事業の意味がどういうことなのかをもっと厚労省は宣伝してほしい、セールスしてほしいと思うのです。それが徹底してくれば、地域での支援体制が充実してくれば、いろんな問題が減ってくるはずです。強制入院の数が減る、治療中断も減ってくる。
 先ほども強制通院の話が出ていましたけれども、最近あったカンファレンスで、措置入院を何度も繰り返している若い青年に対して、通院を中断したら入院だからねということを、別に法律によらずに先生は本人に言っていました。要するに退院時計画ですね。退院時計画というのは今でもあるんですけれども、非常に形骸化しています。それが実際に生きるような形で、ちゃんと退院前に本人が合意する形で契約を結んでいれば、私たちもそうですけれども、本当の不同意による強制入院というのは、ごくごく少なくなります。
そういう実務というか、そういう結果になるような地域をつくっていっていただきたいというのがお願いです。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 小川構成員、お願いします。その後は新垣構成員、広田構成員。

○小川構成員 時間もないので2点に絞って簡単に申し上げます。
 8ページの退院請求・処遇改善請求ですけれども、ワーキングの議論の中では無用の紛争が生じないかというような話もございましたが、現実の精神医療審査会の審査件数を見ると、無用な紛争は生じていなくて、むしろ非常に件数自体が少ない状況であります。したがって、この請求自体を間口を狭めるようなことは、かえって人権の問題としては問題があると考えております。保護者ということではなくて、後見人とか代理人とか、あるいは御家族がきちんと御家族ということで、当然請求する権利はあるのかなと思いますので、わざわざ保護者でなくてもいいのかなと思います。
 もう一つ、措置入院時の強制医療介入の在り方の中で、こちらも野澤構成員の方からもございましたけれども、病院の余力がどうかという話でございます。これは措置入院の話でございますので、措置入院を行う県立病院や指定病院が余力がないわけはございませんので、そこは当然余力のある病院が指定されていると思いますので、そこは議論としてはいかがなものかなと思います。
 そういう意味では措置入院ということで、都道府県が関与する強制入院制度でございますので、そこは何らかの支援なりをすべきでございます。国連原則の話も出されておりますので、是非そうしたことで対応をしていく。
 また、倫理会議はその病院の中できちんと、そういう倫理委員会なりを設けていくというのも非常に大事なことでございますけれども、措置入院制度の下での医療ということでは、都道府県なりがその倫理委員会の検討もきちんと関与していくということも、場合によっては必要になるかもしれません。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
残り5分なので、新垣構成員、広田構成員、最後に町野座長から全体的な感想とか、もし御回答をいただけることがあればということで、その御三人で時間になってしまいますので、よろしくお願いします。

○新垣構成員 精神科病院をやっている方の立場からすると、今、保護者制度で皆さんはいろいろ大変ですけれども、私どもの方としては、高齢になった方とか、いらっしゃらない方でなかなか退院できないとか、関わってくれないとか、退院に協力をしていただけない保護者について、いかにしてもらえるのかというところが非常に困っているところです。
 ですから、措置入院の仕組みなどが広がっていくことであれば、私たちの精神科病院としては非常に助かるというところで思っていて、今までいかに保護者に全部押し付けてしまっていたのかなというのがわかったと思います。
 1つですけれども、入院費は誰が払うのかというところがこの間、話をしている中で、保護者というのは要らなくなってきた。嫌だ嫌だと言っている人を入院して、誰が一体お金が払ってくれるんだろうというのは、非常に不思議だなと。是非そこら辺の議論もしていただきたいというのが民間の精神科病院をやっている院長からの一つの疑問でした。
 もう一つですけれども、若い人、二十歳前後の人で親が心配して入院させたと。そういう人たちが通常の当たり前の感覚の保護者として、どう扱われているのか。また、その保護者というものについて、どういうものをするのが保護者の義務であるというのは、患者さんに対する知識もそうですけれども、保護者にもまた知識を与えていかないと、幸せな要綱にはならないのかなというところでは、保護者を育てるという観点もまた必要だと思いました。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございました。
 最後に広田構成員、よろしくお願いします。ここはよその役所の会議室なので、融通が利きませんので、よろしくお願いします。

○広田構成員 3点資料を出しています。これを読んでいただきたい。私はこれまで何万人と精神障害者に会っていますけれど、この人は病識がないと思った人は1人だけです。病患はある。それを医者がちゃんと病識を持たせていない。時間がないのかもしれない。医療が遅れているのかもしれないというのが1点です。
 この精神障害者の人権というのは国際化時代の人権で、日本評論社から出版されて、私がこの精神障害者の権利の項の執筆者です。私は去年、現在の責任者に謝罪をされていますから、山田君もさっき切々とお話をされたことがきちんと病院側と決着がつくといいと思っています。あなたの気持ちが下りる形で、よかったと思える様に。
 それから、アウトリーチに私は反対です。私はこの図に書いてある右側の受付受理。ここにある保健所も作業所も精神保健センターも全部医療ミスの注射を指示した医者のいわゆる今で言えば誤診とか医療ミスと言われている、診断を3か所の職員が信じた。そして、私の親族は私が講演をしていた横浜市瀬谷区の保健所の人に、「私が来ていることがわかると広田和子の講演の内容が変わるから絶対に言わないでください」と言って、講演が終わると1万円分くらいの花束の贈呈がありました。
 私は「こういう活動をしていますから、親族と距離を置いていますので、こういうことは二度としないでください」と言ったら、親族は「病気で入院をしたときに何度も何度もお見舞いに云ったこの人が、母親が亡くなった日に池田小学校事件のことで電話をくれた記者さんとこんなに立派に対談ができるんですから、皆さん愛と可能性を信じてください」と言った。その親族の人でサラ金問題とかいろいろ起こしたときに泣き付かれて、私が親しい弁護士に頼んで、いわゆる処理をしてもらった関係です。
 ところが、いつも精神科の患者は不利なところにいる。そういう不利なところにいる人。家族が「患者がおかしい」と一たび言って、さっき言ったような状況は、他の冊子をまた資料として出しますが、そういうような中で私のような医療被害を受けている。
私はたまたま国の委員になったのと、いい医師に出会えて謝罪が受けられたようなものですけれど、こういうような被害を出さないためにも、私の家に駆け込み寺に御家族が見えますが、私が最近移ったきれいな素敵な家でフルコースのお食事を出すとお母様たちが、「こんな団らんの食事を何年ぶりで食べた」と言うんです。私は御家族の大変さは十分にわかりますけれど、是非御家族もピアサポートをきちんとやっていただいて、親が正気を取り戻して、子どもの病気に振り回されているのではなくて、そして、地域はこの中で書いたように、本当に豊かな地域社会が構築できるようになれば、こういうようなアウトリーチに使うお金を救急車で精神科救急を使ったり、またはもっと他の必要なところに行くべきだと思います。
それから、相談支援24時間とやたら出ていますけれど、私は野澤さんが言ったところの代理人をいっぱいやって、医者と話して退院させてもらっています。そういう中で24時間ではなくて、夜中の2時まで携帯電話を受けて、さっきから電話が何本も入っていますけれど、2時までやれば、後は8時ごろまで寝なければ、夜中までやっているということは、逆に患者が電話をかけようと思って起きているから、私は自分の経験で、夜中はやらない方がいい。何かやっていることの方がすごく重装備のような気がするけれど、やっている側の自己満足で、患者は寝かせてもらいたい。それと、そんなふうな危機回避をできるような力量のある相談支援員にあまり出会ったことがない。私は地域支援の中の相談支援だと思っています。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 時間が過ぎてしまっていますけれども、最後に町野先生から一言いただきたいと思っております。

○町野構成員 一言というのは非常に難しいので、二、三言でよろしいでしょうか。
 インフォームド・コンセントの問題ですけれども、基本的な問題は話し合いの問題です。インフォームド・コンセントは言ってみれば法律家が発明した議論になりまして、このことだけ言っておけば大丈夫という、かなりある範囲で限界づけのある問題ですから、医療と患者との間の意思の疎通。これからまずスタートをしなければいけないということが一つあると思います。
 もう一つは、保護者の不服申立てとかそれを維持すると医療保護入院に結び付くのではないかという危惧を持たれた、もっともなあれですけれども、それを切断しようとするところで、この会議は成り立っているということです。つまり、精神病者監護法というのは、基本的に保護者が精神障害者をどこかに連れていって、医療を受けさせる義務。そのうちの一つが強制入院になっています。それを切断して、保護者側に医療を受けさせる義務というものはないんだとやっているわけですから、そのためにその点の心配は要らないだろうという具合に思います。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 大きな方向性については指示をいただいて、考え方の部分のところでは、各委員の皆様方から、大事にしなければいけない考え方について、いろいろと御意見をいただけたかなと思っております。そういった意味でいただいた御意見を踏まえまして、これから更に検討を進めてまいりたいと思っております。
 最後に今後のスケジュールを事務局から。

○本後課長補佐 ありがとうございました。
 今後につきましては、この第3Rの議論は、入院制度についての検討に入りたいと思っております。入院制度の検討でもこれまでと同様に、作業チームを3回程度開催したら、検討チームを1回開催するという形で進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。毎回の作業チームのときには、またブリーフィングという形で御説明をさせていただきたいと思っております。
 では、本日もお忙しい中、長時間にわたり、ありがとうございました。
 これをもちまして、第21回「新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム」を閉会いたします。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

社会・援護局障害保健福祉部
精神・障害保健課企画法令係

電話: 03-5253-1111(3055)

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