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2011年7月26日 第19回新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム議事録

社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課

○日時

平成23年7月26日(火) 18:00〜20:00


○場所

厚生労働省 省議室(9階)


○出席者

朝田構成員、阿式構成員、石田構成員、岡崎構成員、河岸構成員、河崎構成員、
栗林構成員、柴田構成員、長野構成員、西田構成員、野澤構成員、野村構成員、
東構成員、広田構成員、渕野構成員、松浦構成員、三上構成員、三根構成員
伊藤参考人

○議題

(1) 認知症を考慮した目標値について
(2) その他

○議事

○福田精神・障害保健課長 それでは定刻となりましたので、ただいまより第19回「新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム」を開催いたします。構成員の皆様方におかれましては、御多忙中のところ、御参集いただきましてありがとうございます。
 念のため申し上げますけれども、本検討チームは公開でございます。検討チームでの審議内容は厚生労働省のホームページに議事録として掲載される予定ですので、あらかじめ御了解くださいますよう、お願いをいたします。
 また、本日の構成員の皆様の出席状況ですが、全員の皆様が御出席とお聞きしているんですけれども、京王線の事故関係で岡崎構成員と西田構成員が遅れるという御連絡をいただいております。
 本日は認知症の有病率に関する研究及び地域医療連携に関する研究につきまして御紹介をいただく予定としてございます。
 御説明をしていただく先生を御紹介させていただきます。
 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所社会精神保健研究部の伊藤弘人さんでございます。
 また、同じく構成員の朝田先生からも併せて御説明をいただくこととしておりますので、よろしくお願いいたします。
それでは、早速ですけれども、議事に入らせていただきたいと思います。
 本日の議題は「認知症を考慮した目標値について」ということでございます。認知症に係る医療提供体制の在り方について御議論いただきます。
 その後、検討チームの議論のとりまとめに向けた基本的な考え方について、簡単ではありますが事務局から御説明をさせていただきたいと思っております。
 まずは、認知症を考慮した目標値について事務局から資料に基づき説明をし、その後、認知症の有病率に関する研究について朝田構成員に御説明をいただき、その後に認知症の地域医療連携について伊藤先生から御説明をいただき、そこで意見交換という形の時間を設けたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
それでは、まず、資料につきまして事務局より説明をお願いいたします。

○中谷課長補佐 事務局でございます。
 それでは、資料1「平成23年7月26日 資料」と書いたパワーポイントの資料をご覧ください。
まず2〜3ページ「目標値について(1) 今後の精神保健医療福祉のあり方に関する検討会(平成21年9月)報告書(抜粋)」でございます。
 この目標値はもともと平成16年に、改革ビジョンと呼んでおりますが、その検討会で出しましたビジョンの中で、今後10年のうちに受け入れ条件が整えば退院可能な者約7万人の退院、社会復帰を目指すという方向性をまとめておりまして、その5年後の見直しが平成21年9月のあり方検討会でございました。
 その際に2ページ目の表、二つ目の○、上から5〜6行目ぐらいなのですが、具体的目標についても施策の実現に向けた進捗管理に資するよう、統合失調症、認知症の入院患者数を始めとして、施策の体系や患者像の多様性も踏まえた適切な目標を掲げるべきであるという考え方が出されました。
 その際、この検討会では統合失調症による入院患者数について議論されて、2ページ目の真ん中、太字の下線が引いてありますが、認知症については平成22年度までのものとして行われている有病率等の調査を早急に進め、その結果に基づき精神病床や介護保険施設等の入院・入所機能の在り方、その必要量等や、介護保険施設等の生活の場の更なる確保と介護保険サービスの機能の充実について検討を行い、適切な目標値を定めることとするということでまとめられています。
 3ページの目標値について(2)の資料にありますように、真ん中の囲みの中に新たな目標値(後期5か年の重点施策群において追加するもの)として統合失調症については、統合失調症による入院患者数約15万人。今後5か年ですから、平成26年ということになりますが、26年に15万人とまとめられ、認知症については下線を引いてありますが、平成23年度までに具体化するということでまとめられておりました。
 本日は平成23年度までに具体化するとしておりました、認知症に関する目標値を議論するということになります。
 4ページ目ですが、現状では認知症を主傷病名とする入院患者の数というのは、患者調査平成20年でいきますと、このグラフの一番下の棒グラフで約7.5万人あり、そのうち精神病床に入院している方は5.15万人で68%になっております。
 5ページ目ですが、認知症入院患者で精神病床に入院している方だけを患者調査で見ますと、点線から上の部分が平成8年から順にグラフで示しています。グラフの左側が血管性の認知症、グラフの右側の数字がアルツハイマー型の認知症ということで、アルツハイマーの方の割合はかなり急速に増えている状況でございます。
 平成20年で約5.2万人ということですが、この点線から下については平成8〜20年の患者数について近似曲線を導き、その近似値、増加傾向に関して平均の増加率を算出しまして、それを用いて平成26年以降も同じように増加していくと仮において計算をしてみたもので、それで見ますと年ごと徐々に増えまして、平成38年で出してみますと9.2万人という計算ができるということであります。
 6ページ目をご覧ください。これは退院曲線と書いておりますが、精神病床で入院している方のある月1か月間に入院した患者さんが何か月目まで継続して残っているか。逆に言いますと何割ぐらい退院しているかという曲線です。
 上の曲線が認知症治療病棟になっていまして、下の曲線が認知症以外の方も入っていますが、精神病床全体で見たときであります。
上の曲線で見ますと入院月の1つ右が1か月目となっておりますが、入院して翌月目までに退院する方が2割で80%残っているということなので、上の曲線でいうと1月目までに退院した方が20%ということで見れます。
 そうしますと、大体50%ぐらいになるのが上の曲線でいうと真ん中の6月目が51%と書いてありますが、認知症治療病棟にある月に入院した方が半分退院するまでに6月目ぐらいまでかかっているという状況が現状でございます。
 これまでの議論の中で、認知症の方についてはできるだけ早期に症状改善をさせていただいて、できるだけ早く地域に返すことが地域で暮らしていくために重要であるといった議論がされてきておりました。
 そのことを踏まえて7ページ目の曲線ですが、そうしますとなるべく早く退院するということをこのグラフの中で描こうとすると、点線にありますようにより早くたくさん出る時期が短くなるということかと思いまして、点線で4本の線を引いております。
 まず右上、推計(マル1)と書いておりますものが三角の点線になりまして、推計(マル1)は4.5か月目が50%になるということで、グラフの中央に50%で点線で横線が引いてありますが、それと交わるところが大体4.5か月目ということが推計(マル1)の曲線です。
 その次、四角の点線が3か月目に50%と交わる曲線。
 その次、推計(マル3)が2か月目に50%と交わる曲線。
 一番下の推計(マル4)が1か月目が50%と交わる曲線ということで、推計(マル4)については、2か月目以降は精神病床全体と同じと置いておりますが、それ以外については、一番上の現状の認知症疾患治療病棟の曲線と同じような割合で変化するとおいて線を引いたものであります。
 こうしますと、青いときよりもどれぐらいの割合で患者さんが退院できているかという割合を推定したのが7ページのグラフの右上の数字で、推計(マル1)については9.5%とありますが、ここは計算間違いがありまして正しくは8.5%です。修正をお願いたします。申し訳ございません。
 こちら推計(マル1)でやった場合には、現状の認知症の治療病棟の退院割合と比べて8.5%より多く退院できるということになります。同様に推計(マル2)でやった場合は20%、推計(マル3)でやった場合は32%、推計(マル4)で計算した場合は59.6%ということになります。
 8ページ目をご覧ください。以上のような推計を基にして、目標値を算出してみることとしました。この中央に前提要素(1)、退院支援の取り組みなどにより、入院○か月目までの退院率が50%になると仮定をします。(2)は先行調査から退院の可能性がない患者(退院困難者)の割合を2〜4割と考え、3割として計算をしています。
 この退院の可能性がない患者の割合というのは11ページをご覧ください。参考資料は以前の検討チームでもお示ししました資料ですが「認知症による精神病床入院患者の可能性と理由」ということで、居住先支援を整えても退院の可能性がないという方が左の棒グラフの(マル4)39.3%、約4割いらっしゃるという状況がありまして、右側が主な理由であります。
 一番上、セルフケア能力の問題が50%であったり、その辺が実際にどうなのかという議論もありましたので、8ページでは2〜4割の間で考えられるとすると計算値として3割と仮定をして置いております。
 そうしますと、8ページの囲みの中ですが、実際にどういう計算をするかといいますと、平成26年に入院2か月目までの退院率が50%になると仮定した場合の計算の例をお示ししますと、左側の縦の塊が単純に今までの増加傾向が継続するとした場合の平成26年の入院患者数は6.7万人となります。
 そのうち、退院困難者の方は取組み等によってもなかなか出られない方と考えると、その30%の方の下を引いて、上の残った部分について先ほどの曲線で計算しました、より多く退院できる割合をかけまして。その方は退院するので残った方、この例では68%が残った方+先ほどの退院困難者ということで、右側の四角が目標に向かって取組みをした場合の人数ということで、5.2万人と計算をいたしました。
 そうしますと9ページの棒グラフがございます。点線ごとに年次で区切っておりまして、上から2つ目の塊が平成26年に推計(マル1)〜(マル4)まで目標達成するとした場合の人数がそれぞれ書いておりまして、平成26年、自然に増えた場合が6.7万人としますと、推計(マル1)をした場合が6.3万人、推計(マル2)とした場合が5.8万人、推計(マル3)とした場合が5.2万人、推計(マル4)に達した場合が3.9万人という計算になります。
 これをそれぞれその次の一つ下の塊が平成29年に退院率を達成した場合のそれぞれの人数、平成32年、35年、38年のそれぞれの年にその目標に達したら何万人ぐらいになるかという推定値でございます。
 ここで、先ほどの9.5%から8.5%に修正がありましたので、一部数字が変更になります。まず、平成29年(マル1)、6.9万人となっておりますが、正しくは7万人であります。次が平成35年の推計(マル1)、現在8万人と書いておりますが、8.1万人が正しい数字です。もう1か所、平成38年の推計(マル1)は8.6万人となっていますが、8.7万人が正しい数字でございます。3か所訂正をお願いいたします。失礼いたしました。
 10ページをご覧ください。本日御議論いただきたいところに関してのまとめでございます。まず、「目標値の考え方(案)」としまして「(1)認知症の入院患者の将来推計値」をどう考えるかということですが、これまでの増加傾向が同じように継続すると仮定してはどうかということ。
 「(2)目標の達成時期」をどう考えるかということですが、どれだけ早く退院できるかということは、当然ながら今後の介護基盤の整備にも関連をいたしますので、介護保険事業計画の終期を参考にすると、例えば今後の計画を考えると平成26、29、32、35、38という年が考えられます。このうち、具体的な対策が第6期以降の計画から検討される予定なので、その次の第7期の終期である平成32年を目標の達成時期としてはどうかという御提案です。
 「(3)目標値の考え方」ですが、これまでの議論を踏まえて、より短期間で退院を目指す取組みの指標として退院曲線を用いることとしてはどうか。また現在、入院6か月後の退院率が約50%であることから、この6か月よりも短くした場合を入院○か月後の退院率50%を目標にすることとしてはどうかと。○か月というところを4.5か月〜1か月後の4つのパターンをお示ししましたが、いずれとするのが適当かということを検討していただければと思っております。説明は以上です。

○福田精神・障害保健課長 どうもありがとうございました。
 続きまして、認知症の有病率に関する研究につきまして、朝田構成員からよろしくお願いします。

○朝田構成員 2つのパートから成っておりまして、1つは3月に報告しました、全国の7か所で行った65歳以上の方々における認知症の方の有病率の推定値等でございます。もう一つは、それに先立って3年ほど前に発表しております、いわゆる若年性の認知症、65歳未満でもって発病する若い方の認知症についての全国推計値でございます。
 3ページですけれども、研究方法としては7か所、宮城県栗原、茨城県利根、愛知県大府、島根県海士、大分県杵築、佐賀県伊万里、新潟県上越で約5,000名の方を対象にして無作為抽出で調査して、ここから全国のものを推計するという方法でございます。
 勿論、この方法がいまどきの一番新しい方法という疫学的な方法を用いまして、結構入念にやっております。
 6ページのフローチャートの表が、そうしたステップを一つひとつ表しておるんですが、結構煩雑というか、気合の入ったステップがございます。
 ややこしいのでまず大きなところからいいますと、Clinical Dementia Ratingというのがございまして、これはいわば聞き取り調査をやるために構造化面接となっているんです。これを事前に調査すると対象となった方々のおうちに派遣して、そこで御家族及び本人との聞き取りをやると。
 どうしてかというと、まず客観的な情報を得るということと、本人に本調査の1か月前にこういう人が来て、私、いろいろ調べられたという記憶がどの程度残っているか、本番で確かめるわけです。そんなことあったかなと言われたら、これは行っているなということになりますし、克明に言われたらということです。
 一次調査では1対1で会場を設定して面接するわけですけれども、本人と面接して、先ほど言いました1か月前の話を確認すると。
 CDRというのは0、1、2、3となっていまして、0.5というのがグレーゾーンとの境目でございます。
 MMSEというのは、今、一番世界的に使われている認知度の尺度で、24点以上であればノーマルだけど23点だと怪しいねということになります。
 ADNIというのは今、世界の4極で走っている、世界的なアルツハイマーの研究のコンソーシアムですけれども、そこで使われている一番ポイントはWechsler Memory Scaleというテストの論理記憶というものなのですが、これをこのまま使いましてやっております。このADNIの基準に準拠していると。
 更に今、うつ病も高齢者の精神障害としてとても多いわけで、これでもって本当はうつではないのということが多々あるわけだから、うつ病であるかどうかを評価していると。
 今までの経験から、その日のうち2次調査をやってしまうというのがどうも一番いい、ある意味で取り逃しがないということで、先ほど申し上げたCDRということ、あるいはMMSEのスコアでグレーゾーン以上と思われたら、すぐ2次調査に回ってもらうとしています。
 そこで私ども医者が2〜3人待機しておりまして、1次調査の結果を確認して採血したり、採血の結果を見たり、身体機能とか神経学的所見を見て、パーキンソン症状はないかとか、傾きはないかとかいうことを見ておるわけです。
 その上でPASというのがございまして、これはフランスで開発された尺度ですけれども、小1時間かかりますが、これビャッとやっていきますと、フローチャートでこの人は認知症、うつ、脳卒中のどれだという答えが出てくるようなものがございまして、これに従ってやっております。
 その上で認知症なら認知症とわかったら、この人はアルツハイマーなのか、レビー小体型なのかということを個々に見ているということでございます。
 その上で言いますと、私のほぼ全部のところでMRIをやりまして、島根県の沖ノ島の場合は冷凍車のような大きなMRIを搭載した3t車があるですが、それがフェリーに乗って初めて渡ったところもあるんですけれど、そういうことでMRIをほぼ全員を確認してやっています。
 そんなことなのでかなり病院でやる以上に診断の精度は高いと思っております。
 さて、そこで問題なんですか、7ページですが、「Oldest Old」と、後期高齢者の中でも85歳以上の方を英語圏ではこう呼ぶようです。実はここの認知症の取扱いが非常に難しいのです。きんさん、ぎんさんのように100歳でも頭が冴えて体が健康な方はごくごくまれにおられるんですが、85〜90となると何をもって正常といっていいのか。さっきの23点とか0.5点だったら、いわば75、6歳の人を基準に考えた正常なので、87も90もいっちゃったら、なかなかそんなこと、現実に答えられる人がいないわけです。
 しばし、そうした人たちの生活状況を見ると、おうちで自分の布団をたたんでいると。天気が良ければ草でもとっていたり、ちょっとした縫物ぐらい今でもつくるよとなりますと、そのような人を認知症と言っていいのかという問題を実際に、何年もこんなことをやっているとしょっちゅう思っているわけです。
 そこで、例えば記憶スコアが1というのは一応軽度な障害があるという状態。あるいはCDRは0.5以上いっていないんだけれども、CDRが0.5であってもグレーソーンはむしろ正常に置いて、それよりもう一つ上からグレーゾーンと、要するに1つ甘くしようということを考えまして、なるだけ積極的には認知症と言わないで、MCI、Mild Cognitive Impairmentということで、グレーゾーンと同じ意味なのですが、そういう目で見ていこうかというやり方でやっております。
 この次の日本地図が出てきますのが結果です。いろいろあるんですが特徴をざっくり申し上げますと、島根県海士町の高齢化率38%を筆頭にしまして、この時点での高齢化率21〜22%よりは大分上のところが多うございます。例外は愛知県大府、これは名古屋のベッドタウンでございまして、高齢化率が17.2%とここだけが低いんですけれども、他は軒並み全国平均より高いと。
 それから非常に大事なのは、こういうものの一番命はどれだけ来ていただけるか、回答していただけるかということなんですが、回答率、要するに参加率が素回答率64%、3分の2が来られたということでございます。
 素というのはどういうことかというと、実際には平均年齢が80幾つになるわけですから、半年前のデータで抽出した人がお呼びまでに亡くなられることはざらにあるわけです。そんなことで平均が64というのは実際には70%ちょっと越えるぐらいの生きている人という意味では参加率を得ているというので、世界的に見てもディベロップカントリーの中では極めて高い参加率で、50%ぐらいでみて、そこからざっくり全体をというのをやっていますけれども、やはり70ぐらいにないといけません。
 そしてもう一つは、老健局のお力で各市町村にあいさつしてもらって、介護保険の匿名化とか、勿論、名前なんか見はしませんが、キャンディデートとして上がった人に関しては、来なかった場合には介護保険の主治医意見書を見せてもらって、生活の自立度、認知症があるかないか、あるとしたらどれぐらいのグレードなのかということを全部見せていただいている。
 すなわち、こういう会に来られる人といるのは、そこそこ頭も体もよくて自信があるからお越しなるわけで、寝たきりとかぼけが進んでしまった人は来られないわけですよ。そこで大きな飛びはぐれがあるというのが従来のよくありがちなことだから、逆に前もって各市町村にお願いして、勿論、研究目的だけだから見せてほしいということでやっております。
 その結果、参加率のことは言いました。
認知症の有病率は、ここにございますように一番低い大府でもって12.4%、一番高い上越で16.2%となっております。平均しますと14ぐらいかなと思います。
 次の「Prevalence of dementia in each areas」書いてございますのは、このようにどこだけが突出が高くてではなくて、本当に絵に描いたようにぴったり各年齢層で同じような値が出てくるというところで、唯一違うのが三角印の海士町でございまして、島根県沖ノ島の街ですが、ここは昔から青魚を食べて長寿で心臓病にならないと有名なところでございまして、そこで89まではいいだけれど、90以上で他のところの半分以下となっているのはちょっと懐疑しているんですが、それ以外は他のところは分母が5とか12とか非常に少ない分母ですので、そこにどれだけ統計学的に意味があるのかわかりません。いずれにしても、どこもほぼ軌を一にしているということが言いたいわけです。
 有病率のまとめの数字は14%と言いましたけれども、合成の95%の予想値で言うと12.4〜22.2の間で、真ん中15.7%ぐらいかなということでございました。
 先行研究では2010年の時点で8%とか9%と、全国の推計値が従来の資料から出ておるわけですが、それから見るととても高いんです。
 理由として一番多いのは今、女性86、男性80ということで、非常に日本のエイジングソサエティは進んだわけですが、認知症の様々な危険因子、こういうのがあると認知症になるというリスクがあるんですが、一番高いのは歳をとることなんですよ。そういうことで日本のいわゆるピラミッドではなくて釣鐘型と言われる人口の構成であっても特に頭でっかちになってきています。そうすると頭でっかちで上にいくほど認知症の有病率は高いわけだから、昔、こうしたものを予想したときに、そこまで日本の高齢化、長寿化が進むだろうと予想されていなかったわけだから、恐らくそのことが一番寄与して15.7%ということで、これが一番大きいなと思っております。
 次に「参加者の認知機能評価結果」です。左側が男性、右側が女性でございます。
この中で簡単に言いますと、女性の場合は右側のグレーのバーでございます。すなわち65〜69ではほんのちょっとしかグレーのバーはなくて数%なのですが、100歳以上になると全員が認知症というのがこれでございます。
 もう一つは男性の方を見ますと、男の100歳はかなり女性に比べて少ないのですね。全然率が違うのです。男の場合には認知症の人はいないが全員MCI、グレーゾーンだと。先ほど甘めに設定した効果がここで出てくるわけですけれども、そのようなことで、決して100歳で健常といえる人はおられないということでございます。
 そしてもう一ついいますとMCIというのがございまして、男性でいうとグレーゾーンの隣の白いバーですが、これがいわば認知症予備軍ということになるわけですが、これの怖いのは年とともに増えていくわけではなくて大体80を過ぎたら一定の割合なのですが、上の方の90-94の人はこれから予測される余命は短いと思えるんだけれど、70代は結構おられるわけですね。
 MCIは4年目で見ると半分は認知症になるといわれるポピュレーションなのです。ということは、恐らく70代の人はこれから4〜5年生きられて、そのうちの半分が認知症になるのかと考えるとこの人たちがある意味で一番注目というか、動向が気になるところでございます。
 次に、基礎疾患、認知症といっても、アルツハイマーもあれば血管性もあるんだけれども、どうやって診断したかというのは、13番に書いてあるAD、NINCDS-ADRDA、VaD、NINDS-AIRENなんて書いてありますけれども、これが世界で今一番ゴールドスタンダードだなと思うような診断のクライテリアというのがございまして、それをもってきてこれで見だしたら何とか病でしょうということにして、最後にやられたのがこれです。
 認知症の基礎疾患の一番多いのは、要するにフェーズ3というのは全部MRIをやってかなり自信を持っているという意味ですが、3分の2、66.2%がアルツハイマーで、19.6%がバスキア、脳血管性の認知症でございます。
 その他、レビー小体型とか続いていくわけですけれども、いずれにしても昔言われた、日本の高齢者では脳血管性が一番多くて、その次にアルツハイマーではなくて完全にひっくり返っているというグラフでございます。
 次に若年性の認知症です。非常に数は少ないんですが、ある意味で処遇とかリワークとか家族の生活を考えると本当に大きな問題でして、これについては茨城、熊本、群馬、愛媛、富山の5つの県と徳島市と横浜市の2都市でかつて悉皆調査をごっそりやっております。
 これは認知症の方が関わるであろう医療、保健、介護その他もろもろの施設全部に解答をお願いする文章を出して、来ないところには場合によっては出かけて行って調べると。これも3段階でやっておりまして、最終的に90%以上の回答率を得ています。
 要するにここで基礎疾患の割合として、これが意外なのですが、富山県だけがほぼどっこいどっこいなのですが、他は若い人の認知症はアルツではなくて脳血管性なのですね。これは日本と、恐らく中国もそうらしいけれど彼らはデータを出さないので、恐らく韓国及び中国の東アジアの特徴らしいんだけれども、アルツ以上にバスキアが多いという結果を得ております。
 いずれにしても、これですと約3万8,000人弱の人がおられるだろうなという推計をしております。
 18番が血管性はアルツハイマーより多いと。ただし、性差があって、女性に対していうとアルツハイマーが多いのです。このところを御留意ください。
 男女差の検討というのが19番ですけれども、要するに日本の国で若い人の認知症として男性が多いというのは、実は65未満の男性では脳卒中、脳出血、特に皮下出血の割合が非常に多いのです。多くは血圧のコントロールかなというより、恐らく遺伝的な背景が強いものが多いと思うんですが、単に血圧を下げてコレステロール云々というレベルでない人が多いようなんですが、そうした方々が女性の2倍以上はおられると。これはヨーロッパなどと比べても歴然の違いです。日本の特徴だと思います。
 この方々が普通は体の面にのみ注目を置いて、片麻痺というところが注目されるのですが、認知機能という別の見方をすると確かに認知症であるということになっております。
 次に年齢層別の認知症出現率です。これは何かといいますと、厚労省が老健対策、かなり古い、もう20年近く前の資料なのですが、非常に有名な資料です。
 要するに認知症というのは、年が5歳上がるごとに倍々になっていくんだという有名な疫学のデータでして、実際には85歳以上だと4人に1人ということになっているんですが、私たちの今回の調査は3人の1人以上、下手すると2分の1かもしれないということで、少しこれが動きますが、いずれにしても5歳刻みで上がっていくというのは有名な事実で、我々も確認しました。
 最後になるんですが、従来60歳以上ではそのことがあるということを調べていったんですけれども、若年性の30から見ていきますと、実は5歳で倍々というのは30から始まっているということがわかったということで、これは恐らく世界でもこれだけかなと。たまたまやってみたら、こんなことがもう起こっているんだということがわかったという次第でございます。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 どうもありがとうございました。
 続きまして、認知症の地域医療連携につきまして、伊藤先生の方からお願いしたいと思います。

○伊藤参考人 それでは、精神科医療という観点から、今後の地域精神医療体制と医療連携について私なりに理解しているところを御説明いたします。
 精神科医療の置かれている状況は1990年ごろから、特に2004年の「精神保健医療福祉の改革ビジョン」という政策が示されたころから大きく変化しています。
 戦後、精神障害者に対する治療ケアの資源が乏しかったころは、精神科病院が精神障害者の治療ケアの提供及び生活保障を担ってきました。
 しかし、外来医療や社会復帰施設、また訪問看護などの地域でのメニューが創設されてきて、まだ十分ではないという御指摘もありますが、これからの精神科病院の役割は、地域の中の病院という役割へ転換していく方向に進んでいると思います。地域を病院として捉えるとも考えられるかもしれません。
 3つ目のスライドです。
このような考え方から、これからの入院と地域生活の関係の方向性を考えると次のスライドになると考えます。
すなわち、ある一定期間の中で地域生活の割合を増やすというものです。
 精神障害は再発することが少なくありませんので、増悪事には入院が必要となる場合があります。入院は必要不可欠でありますが、その機能は地域生活の割合を増やすことを目標とした支援となるのではないでしょうか。
 近年、若年層の入院期間が短くなってきていることは、病院も患者も家族も、そして社会もこのスライドに示した方向性の治療ケアを進めている現れということができるかもしれません。
 4つ目のスライドです。
精神科病院は医療費の支出割合が多いわけでありますが、このことは組織として多くの人的、物的資源を有していることも意味しています。
 現在、若年層の入院患者は短期入院となっているため、新規入院患者は増加しているものの、急性期の入院に必要な病床は少なくなってきています。1950〜60年代に入院して長期入院となっている患者層の病床が、退院支援、身体合併症のための転院、場合によっては死亡などで空床となることも、今後予想されます。
 精神科病院にとっては、病床が空き、病床稼働率が低下することは運営上の危機を意味します。これまで少なくない精神科病院は高齢化に伴い、社会的ニーズが高くなっている認知症患者を受け入れることで病床稼働率を維持してきました。
 5つ目のスライドです。
厚生労働省が3年ごとに実施している患者調査結果に基づいて、精神病床への入院患者の年齢階層ごとの動向を示しています。65歳前後で分けて示しており、入院患者における若年層が減少し、高齢者が増加していることは明らかです。今後もこの動向は続くものと予想できますが、ここで一つ、問題提起をさせていただきたいと思います。
 この動向は精神科入院医療費が高齢者入院医療費に着実に変容しているという事態を示しているともいえるのではないかということです。入院医療中心の治療ケアから地域医療へという転換を図るのであれば、若年層の入院医療費の減少分は地域医療と入院医療の高度化に再配分する必要があるのではないかと思います。
 6つ目のスライドです。
医療費の60%程度は人件費が占めますので、人手の再配置という観点から、これからの精神科病院のモデルチェンジを考えてみたものがこのスライドです。
 これまで外来医療に2名、入院医療に8名であったとすると、入院医療の人手を訪問サービスなどの外来医療に、また一部は転換型の高齢者ケア施設、そして精神科病床数を減らすことにより、従来から手薄であったと言われている入院医療の人員配置を厚くするというのが現在の政策を具体化する基本的イメージなのではないかと考えています。
 私は一般人口の高齢化率と、同程度の高齢者に対する精神科入院医療費の割合の増加は、これまでどおり精神科医療費から支出する必要がありますが、それ以上は高齢者医療費から補てんをするなどして、残りを精神科入院医療の高度化と地域医療の充実に配分するということを目指す必要があるのではないかと思います。
 7つ目のスライドです。
以上の基本的な考え方から、これからの地域医療の推進に必要な施策を列挙したものです。大きく入院の高度化、長期入院患者の退院支援、早期治療・再発予防がポイントとなります。
 もう一つは、複数の医療・保健・福祉の機能を縦横に利用することになりますので、それぞれの機能の連携といったものが一層重要になります。
 次のスライドから診療報酬及び医療法に関連して、これらの施策が既に進められてきていることをお示しいたします。
 8つ目のスライドです。
入院医療というものが1994年に精神療養病棟が創設されてから、基本的に包括病棟として病棟ごとに機能分化が進められてきました。
 次の地域ケアにおいては、通院精神療法に始まり、デイケア、訪問看護、継続外来支援などのメニューが創設されてきています。
 次の地域連携に関しては、まずは横の連携というのでしょうか、2002年に緩和ケアにおける精神科医の関与が位置づけられ、次に救命救急センターでの自殺未遂者への精神保健指定医への関与など、身体科との連携が位置づけられています。2008年には連携に関係する多くの診療報酬改定がなされており、今後も続くことが期待されます。
 11枚目は地域連携に関して、7月の社会保障審議会医療部会で地域医療計画における5疾病目に精神疾患を加える方向で検討が進められることになったことから、一層充実するのではないかと考えています。
 認知症に関係する地域連携クリティカルパスについては、既にこの検討会でも調査の結果が示されていますが、多方面で開発が進められており、この資料の後半にモデル事例を参考資料としてお示しいたしました。
 また、上越地域では認知症の地域連携パスが作成されており、川室先生から昨夜、資料をいただきましたので、配付をさせていただきました。
 最後にまとめます。我が国の精神科医療の特徴は、少なくない精神科医療機能を民間医療施設が担ってきたということにあります。ほとんどが公的医療機関である海外とは、よりよい制度にするためのプロセスは異なるということは海外の専門家も認めるところです。
 また、国民皆保険と自由開業制の下に構築されている、医療へのフリーアクセスは国民にとってとても安心な、大切な制度です。
 ただ一方、課題もあります。受療中断や服薬中断が再発の最も大きな要因と言われている精神障害者の継続ケアを地域で実現するためには、退院後のフォローができる仕組みを組み込むことでフリーアクセス制度の課題を補完する必要があると考えられます。その意味でも、地域連携の推進は大きな意味を持つと思います。
 以上から、これからの精神科地域医療体制には、3つのポイントを認識する必要があると思います。
 第1に対象者を絞った高度なサービスで、これは入院医療にも地域医療にも当てはまります。
 第2に入院医療の地域資源への移行を強く意識する必要があります。
 第3に連携です。そのためには患者さん自身が自ら調子が悪くなるという場合に、早期警告サインや対応策を話し合っておくなど、患者さんや利用者さんの参画ということが不可欠になると思います。資料における東京武蔵野病院の事例は、そういう意味でも参考になるのではないでしょうか。
 また、認知症やうつ病は有病率が高く、全ての患者さんを精神科が担うというのは現実的ではないのではないかと考えます。2つ後のスライドにもありますように、かかりつけ医や他科専門医と主治医の役割を共に引き受ける、いわば主治医が2人であるという考え方が精神科医療の中でも定着する必要があるのではないかと思っております。
 以上で終わります。発表の機会をいただきましたことに感謝いたします。

○福田精神・障害保健課長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまから意見交換の時間とさせていただきたいと思います。事務局の説明も含めまして、プレゼンテーションに対する御質問、あるいは目標値の考え方ということで考え方の案を示しておりますけれども、そういったことに対する御意見も含めまして、これから1時間ぐらい自由に意見交換をしていただければと思いますので、よろしくお願いします。
 御意見のある方、御質問のある方、よろしくお願いいたします。
 河崎構成員、お願いします。

○河崎構成員 河崎です。事務局と朝田先生に確認の意味でお聞きしたいのですが、事務局の今回の資料のスライドの10枚目「目標値の考え方(案)」というのがございます。
 それの1番の中に、これまでの増加傾向が同じように継続すると仮定して、今回、事務局としての推計値あるいは目標値のことが提案なされたと理解するのですが、先ほどの朝田先生の方からの資料及び御説明では、有病率に関してはこれまでと比べるとかなり高い傾向、15.7%程度であるということでございましたが、この辺りのところは増加傾向が増えてきているということと、今の朝田先生の有病率15%前後というところは、意味的には同じ方向を示していると考えてよろしいのでしょうか。あるいはかなり増加傾向が今までの傾向よりももっと強い方向性を示している、傾向を示していると考えるべきなのか、その辺りを教えていただければと思います。

○福田精神・障害保健課長 では、まず事務局からお願いします。

○中谷課長補佐 今回のスライドで言うと5番目に当たる、認知症入院患者の推計ということかと思うんですが、これまでの平成8〜20年の動向も17年〜20年で総数が少し減っていますが、基本的にはこの増加というのが人口構造が高齢化をしていくことが主な要因と考えられますので、今後も高齢化が進んでいくと考えた場合に、同じように近似してはどうかという考えでこれをつくっています。
 なお、これをつくる際には、血管性の認知症とアルツハイマーとそれぞれ分けて増加を見ていますので、平成38年ではかなりアルツハイマーの割合の方が多くなっているかと思います。そのようなことでこういう推計をしております。

○福田精神・障害保健課長 朝田先生の方から補足はございますでしょうか。

○朝田構成員 15.7とここでは出しておるんですけれども、申し上げましたように、高齢化率が全国平均よりもかなり高いところでやっているのがこの調査の特徴でございます。
 そこで都会地ではどうなのだと。様々な要因が認知症の発症率、有病率には寄与しますので、そうした都会地での問題ということが取り残されておりましたので、現時点、3つの都市部でそういう調査をやっております。そこで早めに、できれば今年度ぐらいに出して、全体をならして見てどれぐらいかという数字を出したいと思っておりますので、これはあくまでちょっとバイアスのかかった数字なんだと御理解ください。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 では、長野構成員、お願いします。

○長野構成員 前回の積み残しも含めてちょっと。
前回どうしても発言をしたかったというのは今日の話にもつながってくるんですけれども、精神科の中にいらっしゃる認知症の方ということであると、認知症治療病棟だけのことを検討していても問題があるだろうと思っています。
 やはり長い改革しなければならない歴史、統合失調症の方がいらっしゃって、長期収容型から地域に出て、入院は急性期に転換するという改革をしなければいけない中で、そこの統合失調症の方々の入院治療が必要なくなってきたところに、一般病棟であったり、療養病棟であったり、急性期病棟に認知症の方がかなり処遇されていて、これはやはり見直していかなければいけないと。また、認知症治療病棟の中も認知症の方を十分ケアできるような環境、この前の釜江先生のお話でもあったように、何もない生活感のないところで本当に落ち着くのかということも含めて、施設基準も見直さなければいけないのではないか。ここの議論を抜きにして先には進めないんじゃないかというところが、ずっと思っていることとしてあります。
 その中で前提とされている5ページのデータなんですが、河崎先生が質問されたように、高齢者が増えたから、高齢者率が高くなったから、この精神科の中で入院されている認知症の方が増えたと同義で読むことには若干異論がありまして、認知症全体の方、朝田先生の有病率のデータというのは本当に素晴らしいと思うんですけれども、小さな地域でやっていると恐らく15%以上だと実把握では実感していますから、とても適切なデータなんだろうなと思うのですが、その中で精神科の入院中の認知症の方はごく一部なんだと思うんですね。
 そこから見ていって、高齢化が進んできたから精神科の中にいらっしゃる認知症の方が増えてきたとは、ずっとやっていてあまり思っていなくて、統合失調症の方が退院してベッドが空いてきたところに、認知症の方が増えてきて行く場所がなくなってきて、精神科というところを行く場所に使ってくれる方も増えてきたと見ています。、これまでの入院数の増加の近似値をずっと引いていく中で17年〜20年に認知症の入院数が下がっているところは私自身は注目をしています。
 改革ビジョンが出て、(収容型医療の)歴史に関しては一度ちゃんと清算をして、認知症の方のことをちゃんと受け入れられる環境をつくってやり直そうという方向性の中で、そういうものがある程度機能しながら、20年に効果があって、精神科病棟でケアが十分できないところには認知症の方があまり入り切らずに増えなかったんではないかという、改革ビジョンからの取組みの結果がここに数値として出ていると、20年のデータが出たときに少し喜んだ覚えがあります。
 8年からの、何となく隙間が空いてきたところに、言葉は悪いですけれど、認知症の居場所のない方が入られてきたところを、ある程度ちゃんと整理をした結果が20年のデータではないかなと思っていて、これをそのまま近似値で増えていくと読んでいくことがこれからの施策として適切なのかということ。その本質論に関しては、きちんと議論をした上でこれから将来の対策へ向かわなければいけないのではないかと思います。
 その後の目標の達成時期もそうなんですけれども、政策側から考えると介護保険の7期計画しか手の打ちようがないのも何となくわかるような気はしますが実際にここに目標年度を置いたときに、アルツハイマーの経過、発症から寝たきりまでが10〜12年なんていう話ですので、10年後を目標にしてしまうと現在精神科病院で処遇されている方々は、場合によっては亡くなってしまっていて間に合わない。これからの急速な高齢化も考えたときに、目標達成の時期が平成32年というのは適切かというのが納得がいかないなと感じています。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 三上構成員、お願いします。

○三上構成員 私も平成17年〜20年に減少した原因については分析をしていただきたいと思います。
 高齢化率と精神科病床への入院というのは一定の法則でいくのだろうと考えます。高齢化率と認知症の有病率が一定の法則で出てきますし、認知症の中で一定の割合の方が入院対象のBPSDでありますとか、身体合併症を有するということで、当然並行していくのだろうと思います。
 もう一つは、都市部が非常に有病率といいますか高齢化率が少ないという話ですが、今後、都市部については高齢化が非常に進むということが明らかになっております。特に愛知県、神奈川県、京都府、大阪府は上位10位以内に入り、東京都も7位ぐらいだったと思うのですが、今後は都市部での高齢化というのが大きな問題になるだろうと思います。
 一番伺いたいのは、平成17年と20年の間にどうして減ったのかということです。一時的なものなのかどうか。あるいは政策で改革ビジョンが出たということで、一時的に増えて減ったという形なのか。退院が促進された、あるいは入院を控えたということがあるのかどうかということについて教えていただきたいと思います。

○中谷課長補佐 その点については、分析をしてみないとわかりませんというのが今の答えです。
 ただ、アルツハイマーに関しては、診断の問題なのか、実際に患者数が増えているのか。増加傾向という意味では、アルツハイマーだけ見れば、そこは17年も20年にかけても増えていますので、そこは血管性をどう見るかということの分析はあるのかもしれないと思っているところです。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 渕野構成員、お願いします。

○渕野構成員 長野構成員の先ほどの発言の中で、精神科病床が減ってきた。特に統合失調症というのは確かに減ってきています。統合失調症が減って、そこを埋めたという考え方なんですけれども、私はそこにちょっと異論を唱えるので、減ったから認知症を診ているんだというのではないと思うんです。1,200病院ほどありますけれども、認知症について積極的にやっている病院は400病院ぐらいなんです。治療病棟を持っていて、病床数も2万8,000床ぐらいなんです。35万の中の2万8,000床なんです。
 だから、決して認知症はそちらの方にどんどん入っているという印象は受けません。やはり、それなりの認知症に特化して一生懸命精神医療をやっているところが入ってくれたと認識はしているつもりです。
 確かに減少しておりますので、パーセンデージは平成17年〜20年と書いてありますけれども、分析はわからないということですが、私の日々の経験から言えば、グループホームなどが非常に増えてきた。13万床ありますし、有料老人ホームも目まぐるしく増えてきた。それから、いわゆる宅老所のようなところも増えてきた。そういうところに入られたというケースもかなりあるように考えております。
 それから、厚労省が出しています5ページの5.2万から9.2万という計算方法に私もちょっとクエスチョンマークで、思っている程は伸びないのではないかと思います。この5.2とか5.1辺りで何年か推移するのではないかという印象を持っております。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 三根構成員、お願いします。

○三根構成員 私も渕野先生と同じ意見でして、この17〜20年ごろ、特に我々が外来で診療をしているときに感じたのは、やはりグループホームの急速な増加だと思います。
 ただ、そこにもやはり問題がある施設、質の二極化というものも言われていますし、無理してある程度以上の症状を有する認知症の方をグループホームに入れるということに対する問題も社会的に報道されているところだと思いますし、いろいろなことからそういう疑問も出てきたころ、それから地域がグループホームの抑制をし出した時期と一致するのではないかという気もいたします。
 今、もう一つ危惧されるのは、国交省がいわゆる高齢者の住宅施策を進めておられます。それもやはりいろんな、それこそ優良な崇高な意思でやっておられるところから、そうでないところだとピンきりだと思うわけですが、またそれも危惧されていると思います。
 その中で適切に手当できない施設ができてきた場合の高齢者に対する対応に対する心配というのは、やはり今後も続くのではないかということと、果たしてアルツハイマーの患者さんにどれだけ、グループホームはある程度そういう介護保険サービスを利用して対応できる部分があると思うんですけれども、住宅サービスで果たしてどのぐらい手当できるのかなというのは、非常に介護と医療をそこに注入しないと困難になるのではないかなと思います。
 ただ、やはりこういった現象というのは、施策でもって一時的なものというのは今後出てくるでしょうし、高齢者住宅というのはかなり最近叫ばれていまして、増えてくるでしょうから、こういった傾向が出てくるかもしれませんが、それはそのときに必ずリバウンドもあるでしょうし、その分析もして、対応策をとっていくべきではないかと思います。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 その他御意見ございますでしょうか。ちょうどあり方検討会のときというのは、データとすると平成17年の患者調査までしかなくて、その後に20年度の調査が出たということもあって、十分に分析し切れていない。検討会の中でも、ここまでは議論していないという状況であったということでございます。
 その他、御意見ございますでしょうか。
 朝田構成員、お願いします。

○朝田構成員 事務局に御質問ですけれども、よく言われますけれども35万床。7万2,000だか、7万だか減らそうと。あれが始まったのはいつごろから動きが出ているんですか。

○中谷課長補佐 ビジョンでそれを出したのが平成16年です。今後10年間で約7万人の退院を促進するということなので、当時は目標が平成26年ということになります。

○朝田構成員 今、いただいた資料の中では、平成27年に病床数を28.2万床で、要するに、この辺を1つのゴール設定というか、目標到達ぐらいにしてのお話と理解していいんでしょうか。

○中谷課長補佐 これはこれとして、平成21年は計算値を出してはいるということで、今、認知症に関しては、認知症の様々な施策を踏まえて、今日お示しした案では、平成32年ということを改めて出し直しております。

○朝田構成員 それに関連してなんですが、16年からそういうビジョンから出てきたとしたら、17年にはぼちぼち動き始めたと。恐らく私自身の記憶だと、何も病床数を減らしたときに動いていただいたのは、結構認知症の患者さんもたくさんおられたという記憶があるんです。だから、別にこの辺の動きはそう不自然ではないなと思って私は見ていたんですが、違いますでしょうか。

○福田精神・障害保健課長 何かございますか。
 渕野構成員、どうぞ。

○渕野構成員 私は、それほど認知症が外に出たという感覚はあまりないです。どちらかというと、やはり統合失調症の退院促進でかなり減ったという方が多いように印象づいています。確かに認知症の治療病棟も増えてはきました。17年から20年に何百床ぐらいかは増えたと思うんですが、その人たちが全てというか、回転がいい面もありますけれども、その人たちが出たとはあまり思ってはいないです。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 その他御意見、御質問ございますか。
 石田構成員、お願いします。

○石田構成員 ありがとうございました。
 これまでの議論として、市町村、行政の立場からいろいろ聞かせていただいた中では、医療機関、介護事業所、行政、とりわけ市町村の中での障害分野であり、介護分野との連携が必要であると繰り返し指摘されたなと思うところであります。
 また、認知症であっても、できる限り在宅、自宅の近くで暮らすことができる環境を整えることは、やはり市町村、福祉行政にとっても相当踏ん張らなければならないなと感じたところであります。
 認知症患者の退院の目標値というものが具体的に定まった場合、実際に地域の中で受け皿をしっかり整備するということが自治体としての役割になるという流れであると認識をしているわけでありますけれども、今後、退院を促進させるためにも、しっかりとした認知症入院患者の退院状況というものも自治体側で把握しなければならないのかなと思っているわけであります。
 実のところ、今日も私どもの方の障害分野とか介護分野にそれぞれ状況を聞いてきたわけでありますけれども、なかなか退院情報というものが現場では伝わりにくい。なかなか活用されていないという実態がどうもあるということであります。また、そういった状態が十分把握できていないことから、介護保険の事業計画の中でも整備数になかなかカウントしにくいという実態もあるんだということも現場の声ではありました。
 しかしながら、地域の中で受け止めて整備をしていくという方向は揺るがないだろうと思うわけでありまして、少なくとも入院患者が退院をする際の状況というものについては、自治体がしっかりと情報把握できることが重要だろうと改めて思ったわけであります。
医療機関側で退院促進をすることと併せて、市町村側で認知症患者の退院を把握するための一層の退院情報の提供の活用、仕組みの活用というものが必要だろうと思うわけでありまして、これがある意味では、現在できる対応策として、地域でのニーズ把握というものと併せて、地域の受け皿づくりということを踏まえた退院情報の把握というものを自治体側としてできるような仕組みというものを一層強めていただけることが必要なのかなと感じたということでございます。
 意見でございます。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 野村構成員、お願いします。

○野村構成員 7万2,000人の平成17年度の社会的入院の問題を退院促進でもって解決しようという動きになったときに、地域での受入体制が非常に遅れていたものですから、家族が大変な思いをしているということを絶対に忘れないでほしいと思います。
 地域に出てくるのはいいんですけれども、地域定着支援とか何とかありますが、ほとんど家族が苦労して支えているという状況になってきておりました。退院する方向性は正しいんですが、受け皿の資源がない中でどんどん退院が進められますと、実際にあまりはかばかしく進まなかったと思いますが、家族が大変です。入院期間も短くなって、家族のもとに帰ってきてお世話ができなくなって入院させると、すぐまた家族の方へ帰ってくるということがありましたので、認知症の場合にも計画をきちんと決めて早く退院させる方向は絶対に必要ですが、社会資源の整備がない中でそれをやられますと、家族が本当に大変な思いをしますので、その辺はしっかりとお考えいただいた中でこの計画を立てていただきたいと思います。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 栗林構成員、どうぞ。

○栗林構成員 今、ずっと聞きながら一番に思ったのは、参考資料にある事務局が用意してくださいました11ページです。もう退院の可能性がないという方々が(マル4)のところにありながら、この(マル4)の半分以上のところに「セルフケア能力の問題」とあります。このセルフケア能力の問題というところがどうにも引っかかりまして、まだまだもしかすると退院可能で、地域に移行することが可能な方々がここには隠れているのではないかということを個人的には感じております。
 併せまして思うんですが、こうなる前にやはりもっともっと関わるシステムというものが重要なんだろうなということを思います。ある日突然に認知症になっていくという段階よりも、早めの段階でどう関わるか。この構成チームの中では、早い段階から関わっていくというシステムをつくり上げていきたいということを論議してきたように思っています。
 いろんな方々が関わりまして、医療のハードルを低くしていって、認知症に対する意識というものを変えていくんだと。変わることによって、自分が進んで医療に関わっていこうとか、あるいはそれで医療と付き合いながら地域生活をやっていくんだというところがなかなか見えてこないなと。ずっとやっていたんですが、その辺の部分が、結果として最終的には入院のところがそうでしょうけれども、入院前の辺りの話がもうちょっと論議されてもいいのかなということを感じながら思って、意見を言わせていただきました。
 早い段階で関わるシステムというところを思えば、家族が疲弊する前に関わる体制があるとすれば、今、野村構成員が言われました部分も変わってくるのではないかなと思います。疲弊し切ってしまってから家族のところに帰ってきなさいよというシステムでは決してないだろうなと。認知症の専門医の方々がこれだけいらっしゃるんですから、この前のところを話し合いができた部分も、多少なりともまとめていただければ嬉しいなということと、諦めないで退院の可能性がない患者さんというところでレッテルを張られて、そしてセルフケア能力の問題と言われてしまうのはどうにもつらいなということを思っておりますので、このセルフケア能力の問題という部分をもうちょっと細かく教えていただければなということを思いました。

○中谷課長補佐 この11ページのセルフケア能力の部分については、こういう選択肢でこれを選んだ方が多かったということで、主には自分で生活できる能力という意味で使われていたようなんですが、その詳しい内訳については、これに関してはこれ以上はわからないです。

○栗林構成員 これから期待値はあるということですね。退院の可能性。

○中谷課長補佐 自分で生活できる能力ということであれば、そういうサービスがあればできる方もいるかもしれないという、ここはあくまでも、これを選択した方がどうだったかという分析がございませんので、あくまで可能性ということになるかと思います。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございました。
 東構成員、お願いします。

○東構成員 私は精神科が専門ではございませんものですから、先ほど朝田先生がおっしゃった精神病床何万床を減らすのが目的とか、そこら辺のことはよくわかりません。
 ただ、事務局がお示しになったスライド6、認知症疾患治療病棟の平均入院率と精神病床全体の退院曲線を見たときに、やはり明らかに認知症疾患治療病棟は退院率が悪いわけですね。そこのところを何とか一般的な精神病床全体に近づけたい。言い方を変えれば、なぜ認知症疾患治療病棟はこれだけ退院に時間がかかっているのかというところになると思います。それは先ほど、退院困難な理由とかありましたけれども、仮にここの部分が、病状はいいんだけれども、受入れができない。それは先ほど野村構成員がおっしゃった在宅で退院させられても、おうちの方がなかなか看られないんだよと。在宅の介護基盤の整備ができていないから、これが原因でもし退院できていないとすれば、無理に退院をさせてもしようがないわけです。ですから、この方たちが早く退院をできるには、どのような在宅介護の整備をしなければいけないのかという議論をまずはすべきではないんでしょうか。
 私は、老健を運営する者としてこの場に来ております。私自身は、残念ながら多くの老健が特養化している現状は認めますが、やはり老健によっては、精神病院からきちんと認知症だけでなく、うつ病の患者さん、いろんな方を受け入れて、在宅へお返ししたりしているんですね。また、一番大事なのは、ただ帰すだけではなく、在宅に帰られた方が、例えば御家族が1、2か月後に病気をなさったり、疲弊したときにすぐまたお預かりをして、レスパイトを提供する。そういう機能なんです。
 ところが、今の日本の介護基盤には、2か月、3か月のレスパイト機能というのはないんですね。特養も持っていませんし、療養病床もないし、残念ながら老健もなかなかその機能が果たせていない。ですから、私は今後、これは認知症の患者さんだけとは限らないんですが、老健の機能というものをもう少しきちんと厚労省の方で、本来持つべき在宅支援という方向に向かわせることが重要なのではないでしょうか。そういう老健を増やせば、認知症の方を老健が受け入れて、在宅へ返すだけではなくて、在宅へ帰った後もきちんと、老健だけではないですけれども、サポートをしていくことができると思うんです。
 先ほどお話に出たグループホームというのは、終生型ですので、なかなかグループホームに入った方がまた他のサービスを利用することは少ないと思います。したがって今後は、在宅へ帰られた方のサポートということをきちんと考える必要があると思います。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 その他ございますか。
 河崎構成員、お願いします。

○河崎構成員 こだわるわけではないんですが、平成17年、20年の問題に関しては、ちょうど今年度の平成23年が患者調査を行う年度でございますね。そのデータはなかなかすぐには出なくて、来年、1年ぐらい先になってしまうことが通常のようなんですが、その数値がどうなるのかということは、やはり少し注目をしておかなければいけないと思うのと、先ほどからのいろいろな先生方の御意見からもある程度の類推はできるかもわかりませんが、17年、20年のいろんな在宅サービスとか、あるいは介護保険施設等のキャパシティとか、グループホームの数とか、その辺のところで何らかの類推ができるようなデータが次回にでも出していただけるのであれば、それは逆に言うと、非常にすごくヒントになると思うんですよ。
 先ほど、東構成員がおっしゃった今日の本題に入るんだろうと思いますけれども、例えば退院曲線を50%になるのに、どの時点を目指していくのかという際も、それを短くするのは精神科医療の質の向上なり、精神科医療のところだけが頑張れば短くなるのかどうかということを議論しないといけないと思います。我々精神科医療を提供する立場からすると、そこには一生懸命努力をしましょう。しかしながら、やはりずっとこれまでの議論でもあるように、地域での受け皿の問題であるとか、あるいは医療と介護の連携なり、あるいは問題の共有化、こういうところがスムーズに進まないと、なかなか早くは退院が進んでも、その後のカーブがもっと遅く、鈍くなってしまうことだって起こってくるかもわからないということも踏まえながら、何がこの50%の退院曲線を早く前倒しにするのかという要因をしっかりと議論しなければいけないのではないかと思います。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 長野構成員、お願いします。

○長野構成員 更に地域で支えたり、退院曲線を近付けていくというのは大賛成なんですけれども、その前提条件として、認知症治療病棟を中心に考えるのはやはり心配なところがあります。
 というのは、先ほど先生に教えていただいたように、認知症治療病棟が2万8,000床というのは周知の事実ですが、実際5万2,000人入られているんです。半分の方は一般病棟、療養病棟にいらっしゃって、実際今の人員基準で、私たちはいろいろ工夫してやってきたんですけれども、実際本当にちゃんとしたケアができる人員基準になっていないと思うんです。そこのところを置いておいて、認知症治療病棟だけでの議論にするのは、とても危ないなと思います。
 あと、伊藤先生に以前からお示しいただいている部分ですけれども、伊藤先生の参考資料の4ページと6ページ。人員配置をどう変えていくかというところが、この4ページは従前のモデルによるものです。、6ページの将来あるべきというところと、どちらを選ぶかということが今後の精神科病院を考えるにあたりすごく影響のあることだと思うんです。
 今、認知症の方の精神科病院への入院がこのままで増えていくだろうという予測のままでやっていく、精神一般病床を認知症治療病棟にどんどん転換して、ケアをちゃんとできるようにしようとなるのは恐らく4ページのやり方だろうと思うんですが、これでは認知症ケアを行うには環境面、マンパワーも含め不十分だと思うので、やはり私たちは6ページを日本として選べないのかなと思います。自分たちはそれを選んでやってきて、進めてきているつもりではあるんですが、6ページを選ぶような方向に何とかならないものかと思います。
 17年から20年に減ったときは、その介護施設がすごい勢いでできたのも重々承知で、ということは、場合によっては精神科入院でなくても処遇できた方もいらっしゃったのか、分析をしながら、向かうべき方向性は、やはりある程度共有をしていかないと、また4ページのような病床転換が必然として起きてきて、退院促進事業のようなことを認知症でももう一度やっていくことにならないかという心配をしていて、そういう状況をつくり出さないことがあり方検のときからずっと一貫して思っています。やはり一般病棟、精神療養では、認知症の方のケアは難しいと思うので、そこの見直しは絶対に必要だと思います。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 資料の読み方は皆さんいろいろあると思うんですけれども、この6ページの認知症の治療病棟の例を出しているのは、認知症の人についてのデータがここしか取れなかったという部分でありまして、逆に言うと、こういったところでさえ、現状半分になるのに6か月かかっていると。一方で、前回浅香山なりのお話の中では、BPSDを抑えるというところであれば、1か月くらいでできる。その後の退院調整のための薬の調整云々というのは、どのくらいまた期間がかかるかというのはありますし、勿論それ以外の様々な要因というものがあることはあるんですが、そういうふうに読んでいただいて、我々の意図としては、そういう現在ある部分のところでも認知症はこんなにかかっていると。一方では、勿論社会的な要因もあるわけですが、これは一体そもそも医療的に見た場合には、もう少し縮められることができるのではないかという議論の中で、医療側の方で目指すべき目標とするとどういうところがあるのかと。それは勿論他の要因にもいろいろ規定されるので、ここだけで議論していてもしようがないですが、どこかで問題提起をしないと、お互いがお互いのことをおもんぱかりながら議論していくと、いつまで経っても前に進まないなという懸念もあって、それでこういう問題提起をさせていただいています。それについて、先生方がどういう御意見を持たれるかというのは、またここで御意見をお聞きした上でという形でございます。
 野澤構成員、お願いいたします。

○野澤構成員 先ほどもちょっとお話に出ていましたけれども、私も11ページの退院の可能性がない患者における主な理由というのがどうしても引っかかってしまうんです。居住先支援を整えても、近い将来の退院の可能性はないという(マル4)ですね。これはセルフケア能力というのはどういうものなのか。自分で自分の身の回りのことができないということだろうと思うんですが、こんな障害者なんていっぱいいるんですよ。地域で暮らしている人たちは、こんな人だらけですよ。だからといって、この人たちを退院の可能性がないと病院の中に入れるというのは大変なことになってきますよ。やはり、認知症を持ったお年寄り像というのをどちらから見ていくかによって全く違うものに見えてしまうんだなと改めて思いますね。
 これは厚労科研でやっているんですけれども、答えている方というのは、多分医療の専門家というか、ドクターですね。違いますか。

○中谷課長補佐 看護師です。

○野澤構成員 例えば地域で認知症の方の地域生活を支えている人たちが答えたら、全然違う数字になると思うんです。これ次第によって、先ほどの曲線などというのはいかようにでも変わるのではないかと思います。
 セルフケア能力とか、迷惑行為を起こす可能性。迷惑行為というのはどういうものなのか。可能性というのはどの程度のものなのか。あるいは他害行為というのは誰に対する行為で、どれぐらいの頻度で、どういう危険性というのはどの程度のものなのか。この辺りだって、このぐらいの障害者はいっぱいいると思います。
 ちょっと出して申し訳ないんですけれども、うちの息子も24歳で障害程度区分6という自閉症の知的障害の知能指数の判定不能の息子ですが、セルフケア能力がほとんどないです。自分で歯を磨けない、風呂に入って体を洗えない、着替えも自分でできない。置いておけばできるぐらいです。でも、地域で会社に勤めてやっています。迷惑行為なんてしょっちゅうやっていますよ。入社して2週間目に会社のガラス窓に突っ込んでいって、すぐに119番であちこち切り傷があります。土木工事なんで、腕中傷だらけです。この前、電車の中でパニックを起こされて、顔にかみつかれました。24歳会社員が顔をかみつくかとあれしたんですけれども、でも、こちら側の働きかけだとか、そのときの問いの仕方によって、周りの人たちは意外に平気で見てくれています。電車の中で24歳の体のでかい男がかみついても、周りの人たちは平気で見てくれています。
 やはり地域生活は物すごく本人たちは帰ってきたなとすごく実感しています。ただ単によく障害者の地域生活ですごくいいことをやっている人たちと話をすると、かなり多くの支援者の方たちが、問題行動とは一体何だと。障害特性だけを見て、これまで問題行動の原因にしていたのではないかと。障害特性や症状だけではなくて、そこに環境というものがあって、もう一つは的確な支援がないということ。この3つが重なって問題行動を引き起こしているのではないかと。その問題行動に対して、また身体拘束、行動制限をするものだから、余計にまた誘発する原因をつくっているのではないか。やはりここはどんな障害特性があったって、症状を起こしたって、環境を整えて適切な支援をやっていけば、大抵の人は何とかなるのではないか。大抵の人を何とかしている事業所はいっぱいありますよ。やはり、私はそちらの方を軸にして物事を考えないと、前に進んでいかないのではないかと思います。
 先ほどのグループホームの話が出て、グループホームも確かに問題はありますけれども、だからといって、では病院の中にずっと入れておかなければいけないのかと思ってしまっては先に進まないような気がして、やはりそうであるならば、グループホームをよくする手立てをここで考えていかなければいけないですね。
 先ほど河崎先生はおっしゃったけれども、受け皿は本当に大事だと思って、受け皿という居場所だけではなくて、どういう支援をしていくのかということも含めた地域での福祉というものをきちんとやっていくことによって、問題点をずっと解決していくように私は思っております。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 三上構成員、お願いします。

○三上構成員 今の話はそのとおりで、恐らくここに書かれている、先ほど退院の可能性がないと言われる方も、恐らく条件が整えばということで言えば、全て退院できるだろうと思います。条件の整え方が現実的にあるかというところが一番大きな問題ではないかと思いますので、恐らく目標値を決める際にも、周りの条件がどの程度整うだろうかということを現実的な数字を並行して出して、その上で目標値を設定していくことが大事なのではないかと思います。
 例えばグループホームの整備状況をどうするのか、あるいは在宅での訪問看護やそういったものの支援のマンパワーはどのように確保できるのかということも含めて、併せて条件を入れないと、一方的にこの部分だけで目標値を設定するのは非常に無理があるのではないかと思います。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 先ほど柴田構成員が手を挙げていらっしゃいましたね。

○柴田構成員 前回のこの会議で多くの方が恐らく1か月で退院できる可能性は大きいという話を伺っていて、これからの将来に非常に明るい光を見出したような気がしました。そういう意味では、11ページのセルフケア能力の問題だとか、いろいろな行為がここに書かれています。社会も病院も含めてですけれども、これを問題としてとるのか、そうではない日常生活の中では誰でもいろんな問題行動を起こしている。私も問題行動を起こしていると思うんです。ですから、そこを社会全体がどう見ていって、そして誰がどのように、あるいはハード面も含めて支援体制をつくっていくのかということがすごく重要だろうと思っています。
 在宅ケアをする中でいつも思うのは、長期の入院になってしまうと、在宅に帰られてからがケアする側が大変になってくるわけですよ。先ほど、早く退院させられてしまうと家族が大変だというところがありました。それはよくわかります。ですから、そこのところをどう支えていくのかということが、家族だけではない、社会的に支えていくという仕組みが必要ですが、少なくとも長期入院ではない形でやれるように、3か月入院していただけでもかなり重度化していきますから、早期退院ができるように考えていく必要があるのと思います。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 その他ございますか。
 広田構成員、どうぞ。

○広田構成員 済みません、内閣府に出ていたものですから、前半の1時間ぐらいは寝ていたんです。河崎先生の「受け皿の話をした」ということも聞いていない。けれど、もともと私は薬を飲まなければ寝られない人間だから、寝られたということはいいわけですよ。
 先ほど内閣府にも出ていましたら、スウェーデンのように低負担で高福祉の話をしているので、私がかなり発言をしたら、他の団体の仲間から、「演説は長かったけれど内容はすごくよかった」ということでお水をいただいたんですけれど、いわゆる35万床ある中で、今日お見えになっている岡崎先生も西田君も半分ぐらいにしたいというこころの構想会議という思いがあって、私は日精協さんのアドバイザリーボードで話していただいたんですが、「厚生労働省の委員になって10年になりますが、入る前からずっと日本の精神医療の改革ができないのは日精協だろう」と思ってきました。
 入院を促進しているのは警察だと聞いてきたんです。警察の現場へ行ってみると、家族、地域住民に押されて、どうしても警察がそれを担わなければならない現実を13年間見続けてきています。その中で神奈川県警不祥事騒動報道というのが起こって、何でも他の所管行政がいわゆる神奈川県警を悪者にして、そこに乗っかってしまっている構図もずっと見続けてきています。日精協の山崎会長に、去年、「日本の精神科医療のジャンヌ・ダルクになって」と言われて、だったらその改革をしなければいけない日精協に、一緒にやってみようということでアドバイザリーボードに入ったんですね。私は、20万床ぐらいにしたいと思っているんです。
 その中で、ずっと前に日本の精神科の救急を自分の体をかけてやっていた金子晃一さんが倒れてしまって、精神科医のデイケアのメンバーになってしまっている痛ましい姿があるんです。その方がかなり前に言っていたのは、「同じぼけ老人が内科に行くと60万円、精神科に行くと30万円」ということです。これは何を意味するかというと、今日お話が出ている中の長野先生がおっしゃった、実は認知症が2万何千人なんだけれど、受けているのが5万2,000人というお話でしたね。その医療の中身の話は全然知らなかったわけですよ。他の一般の私たちが使っている精神科、例えば入院したときには、看護師とか医者が少なくていいという精神科特例とか、非常に安い精神科医療とか、いろんなものの構造上の遅れが全て精神科に重なってきている中で、多くの精神科の患者が社会的入院という形で、入院している間に施設症になってしまって、そして家族のところに帰るときには浦島太郎やタロ子さんになっている。これを第2の浦島太郎やタロ子を認知症で出してはいけないと思うんですね。
 私は、従来の精神疾患は15万床ぐらいで、そして認知症は5万床ぐらいに抑えて、私自身は、次回出させていただきます“ピアサポートの現場から”という資料にでていますが、「精神病院に6か月入院してきた」オウムの被害妄想100%の高齢者が退院してきて、「どこに行くの」と言ったら、「お宅に」ということで、6か月間うちにいました。私が本当に何も口出ししませんから、ただ泊っているだけの人です。でも、交番の相談員、近所の人、協力してくれる人以外の近所の人はもう大変ですよ、最初は。大ブーイングで、「おかしな人が歩いている」。「ごみばあさんが歩いている」と。
 こういうふうなことですけれど、「ごみのようにちらかした家に住んでいるわけですから」と言って、「社会というのは、ごみがあって、きれいなものがあって成り立つんじゃないですか」と。大体大家さんというか、置いている私自身が一番おかしな人ではないですかというと、納得する人もいっぱいいるわけですよ。昼間も言ったんですが、やはり地域福祉が大事で、その地域福祉というのはすぐお金をかける地域福祉で飛び乗ろうとするんですが、そうではなくて、今、家の前の小道を私がお子様天国幸せ通りと付けたんです。そうしますと、そこにプールを出す難病のお母さんがいるんです。そうしますと、私のような変わった大人じゃない普通の大人が、それを「迷惑だ」と言うんです。子どもの声が。でも、その迷惑だという大人も、かつては子どもだったわけですよ。みんな子どもだった時代を忘れて、ああしちゃいけない、こうしちゃいけないということで、気がついたら、今や小学校の子どもの筆箱の中には盗聴器が仕掛けられている。そして、ふたを開けてみれば、中学校の昼食の時間は15分で終わりだと。
 こういうような、日本全体が物すごく歪んだ社会情勢の中で、お金はない、第二の戦後が東北地方に来ている。そういうときに、精神科医療をドラスティックに変えて、そして、うつにしろ、認知症にしろ、予防しなければいけない。小児精神科に行っている7歳の子にこう言ったんです。「どうしようか、子どもをどうやって守ろうかしら。大人をどうやって理解してもらうかしら」と。私が独り言を言ったら、小児精神科に通院している小学3年生の子がこう言いました。「大人たちが広田さんみたいに元気に出てきて一緒に子どもと遊ばなくてもいいけれど、いすを持ってきて座って見ていればいい」と。
 そういうかつての日本社会があった、世代を超えた老若男女のそういう何気ない風景とか、そして食卓がないんですよ、野村さん。家族会の講演に行くと、家族はわぁわぁ大騒ぎします。私、講演なんか必要ないので、カラオケ行こうと4時間ぐらい行ったことがあります。「うちにいらっしゃい」と言ったら、来られたんです。そうしたら、食卓でご飯を食べたのは何十年ぶりだろう、広田さんは日本のお母さんだと文章を書いた家族もいます。
 そういう当たり前の生活を日本人だけではなくて、日本に暮らす外国人も増えています。一人ひとりが当たり前の生活を取り戻したときに、この認知症の問題も、何かサポートがなければ家族が困りますよと言い切ってしまうと、いわゆる家庭内暴力の青年が言うように、「自分を信頼していないから暴れるんだ」と。だから、愛なんですよ。愛をもって、自分の愛せない家族かもしれないけれど、みんなでこういうふうなお金をかける話だけでなく、この国の中でどうやって心豊かに暮らしていこうかという論議をしないと、あれはだめ、これはだめという社会ではいかないと思います。
 私は、日精協さんとこころの構想会議を結ぶ架け橋になろうと思っていますけれど、今年はそういうふうなドラスティックな年にしたいということで、第2の社会的入院をこの精神科で認知症さんは行ってはいけないと。昼間、明後日も行きますけれども、高齢者のお話し合いというボランティアに行きますが、施設の職員さんは、どうしても御本人が立とうとする意識があっても、何か起きたら困るから慎重になるわけですよ。そういうことだけではなくて。入院の場合もっと人手をかけて、お話し相手になったり、御本人に意思を寄りそうような形のサポートができれば、それこそ2週間入院して、帰ってきたときに「よかった」、「おいしいご飯が出たよ」と言える、そんな感じになると思うんです。そういうグローバルな視点でみんなで考えて、押しつけっこしないでやっていきたいと思います。
 以上です。寝ていましたから、ずれているかもしれませんけれども、ずれている人間も社会に必要だということです。すみません。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございました。
 今、長野構成員から伊藤先生の資料へのコメントがありましたので、伊藤先生、手を挙げていらっしゃったので、よろしくお願いいたします。

○伊藤参考人 恐縮です。一言だけ追加をさせていただきたいと思います。
 できるだけ現実的な次のステップを御検討いただきたいと思います。先ほどのお話の前提として補足したいことは、それぞれの医療施設の観点から、立派な認知症入院医療を担う方向にモデルチェンジしている病院は、構成員の病院を含めてたくさんあるということです。
 精神科の病床は、精神保健福祉法の網がかかっていますので、行動制限または入院の形態など、他の一般医療にはない厳しい基準による仕組みができているということもあります。
 先ほど申し上げたように、各病院は自由にモデルチェンジの方向を決めることができ、その組織的な意思決定についてはは誰も何も言うことはできません。
 ただ、今回お話をしたかったのは、例えば朝田先生のご発表から、仮に高齢者の15%が認知症であるとすると、精神病床が全部認知症用の入院病床になっても足りない可能性があるという状況が一方にあるということです。入院医療は重症な患者さんを高機能で短期に治療することになっていく必要があるのではないかと、今日お話を伺いながら改めて感じました。
 先ほど、事務局の御提案で平成32年を目標ということを考えるますと、この検討会は10年後の姿をお示しになることが目標になります。10年間で到達可能な次のステップは何かということを具体的にお示しいただきたく、ご検討をお願い申し上げます。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 三根構成員、お願いします。

○三根構成員 前回の浅香山病院さんのレクチャーで、3か月ぐらいあれば、何とか認知症患者も退院できるというお話がございました。ところが、ほぼ前例は紹介元がある方でという話でした。しかも、入院と同時に退院後のことを検討するというシステムにのっとって、そういう退院の方に持っていく。我々は紹介元があるときというのは、ある程度、若干でも症状が改善すれば、そこが引き取っていただける。そことの1対1の交渉ができるという、非常に退院しやすい環境なんです。
 ところが、クリニックからの紹介とか、かかりつけでずっと診ている方というのは、やはり一から退院先を探すことになります。そんないろんな条件で言いたいのは、条件で変わることになりますし、例えば我々も退院していただきたいんです。これは現実なんです。例えばある介護保険施設とか、グループホームとか、紹介元がなければこちらから探すということになりますので、それだけでも苦労だということは理解していただきたいと思うんですが、そうやって調査員が来られますと、一見して無理です。それで帰られるケースも多々あるんです。そこら辺をどうクリアーしていくかというのが、もっと具体的な話をここで検討したらいかがかなということをお話したいと思います。
 それから、これも前回のレクチャーで、退院を阻む要因として、2つ調査の中ではありました。1つは、男性の認知症の方は退院を阻む傾向にある。もう一つは、経済性ということがあります。例えば私が今、一番診ている非常に重度の認知症の方は、まだ足はお元気でいろいろ手がかかります。でも、そこは非常に裕福で、昼も夜も1対1でついておられます。単身で生活できておられます。ただ、常にずっと誰かがそばについておられます。ですから、そういう環境であれば、それは重度の認知症でも退院できますよ。ただ、三上先生がおっしゃったように、その条件が整えば退院できるという条件をどのように設定するかということをここで議論すべきではないでしょうか。介護保険も含めてです。診療報酬も含めてですけれども、その条件を当然議論すべきです。我々も退院していただきたいと思っているんですが、なかなか退院できない現状。それを持っていくためにはどうしたらいいか。
 もう一つ、先ほどから退院を阻む原因でセルフケア能力云々というあれは、困ります。あれは精神科医が何をしているかというデータになります。どなたがされた調査か知りませんけれども、あれはもうちょっと現実をきちっと分析して、公表する場合には、あれはちょっと恥ずかしくて公表できないものだと私は思いますので、その辺りを考慮していただきたいと思います。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 調査には、多分そのときの目的もあったのであれだと思うんですけれども、その他御意見、御質問ございますか。あと10分ほどなので、できれば御発言のない方でと思います。
 松浦構成員、お願いします。

○松浦構成員 在宅支援をする上での受け皿になるであろう介護施設の看護管理者をしております。私の実際の経験からして、今までこの検討委員会でも何回もお話をさせていただきましたが、やはり精神科に入院中の認知症の利用者さんを私どもが受けるときに、ゴールが違うといいますか、認知症疾患治療病棟ですと、やはり生活空間がなかったり、比較的多くの薬を使っていたり、身体拘束が行われている中での安定と伝えられてしまう。
 私どものところで安定しているからというところでお引き受けしても、実際に生活の中である情報が非常に多いですから、利用者さんがそのことだけでも混乱してしまう。生活が継続できないで、再入所をお願いしても、そのときには引き受けて下さらない。そういうことを何回か繰り返して体験していくと、やはりなかなか精神科の方で退院OKだよと言っても、正直なところ、スムーズに受け入れ難いということは、実際にはあります。
 ですので、この辺のところをもう少しお互いの立場を理解する。前にもお話したことはあると思うんですが、お互いの立ち位置といいますか、そういう治療のゴールを認知症の人を焦点に当てながら、少し議論ができるような、連携できるような仕組みができると、受け皿も広がるのかなと思います。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 西田構成員、お願いします。

○西田構成員 ありがとうございます。
朝田先生にお伺いしたいんですけれども、この在り方検討会の方でも、22年度までに有病率調査の結果に基づいて、今後の入院、入所機能の在り方とか、サービスの必要なスケールというのを推定検討して、目標値を定めるとなっていますが、今回15%ぐらいの認知症有病率ということなんですが、この有病率調査からそういった目標値等を考えていくことはかなり飛躍があって、いろいろなことを検討しなければいけないと思うんですが、この有病率調査の結果と、その目標値を定めるという間に物すごくたくさんの検討課題があると思うんですが、どういうことがまず重要と考えられるか。その点をまず御回答いただけるとありがたいと思います。

○朝田構成員 おっしゃるとおり、有病率はそのまま入院患者の数に結び付くかというと、全然谷間があると思います。それを分けるのは、1つは、認知症といって何が問題になっているか。BPSDなのか、合併するがんとか脳卒中とか心筋梗塞とか、そういう重たい身体疾患なのか。あるいはもうそういう状態は超えてしまって、いわゆる寝たきり状態のケアなのか。簡単に言うと、この3つぐらいに分かれると思います。
 だから、実際に私ども有病率のときに、認知症の方は言わば適材適所といいますか、その人の容体に応じた施設で処方されているか否かということを調べたんです。これに関しては、かなりいいなと。本当に望ましい方向に行っているなということは思っております。
 そのようなところでしょうか。

○西田構成員 済みません、先生。今の望ましいというのは、もうちょっと具体的にはどういうことでしょうか。

○朝田構成員 強いて言いますのは、BTSDの激しい人は精神病院に来ている。
 心筋梗塞、脳卒中、がんといった病気のある人は一般病院に入っておられて、しかも在院日数は極めて短い。すなわち、急性期の治療が終わるとすぐに出て行っておられる。
 療養病床群は一番多いんですけれども、療養病床に関しては特徴があって、鼻管とか胃瘻とか、そういうものが行われている率が極めて高い。
 簡単に言うと、そういうことです。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございました。
 そろそろ予定された時間になっていますので、河岸構成員、お願いいたします。

○河岸構成員 今、伊藤先生の資料で、15、16ページ辺りの退院支援パス、精神管理モニターのものを見ているんですが、精神科においては7万2,000人というところで、かなり退院を困難にしている者、あるいは退院可能な者ということで整理されて、カンファレンスとか、地域移行支援とかということで整備され、仕組みができてきました。それによって精神科単科でいる私なども、どんどん退院が積極的になっているんです。
 認知症とまた全然中身は違います。認知症はどんどん進行していくものなので、家族の支援も十分多く要ることだとは思うんですが、やはりどういうことが退院を困難にしているのか。またはどういうところで退院可能になっているということをもうちょっときちんとみんなにわかるように示し、それで地域連携パスというものがここにも載っていますが、そこをすごく強化して、病院自体が地域連携を使っていく。それで家族支援と家族教育ですね。家族が病院に依存しないというところの説明だったり、教育だったりということが今後はすごく問われるのではないかなと思いました。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 まだ御意見もあるかと思いますが、大体時間になりましたので、もう一件今日お諮りしたいというか、御説明しておきたい点がございますので、それにつきまして御説明させていただければと思います。
 秋に向けてとりまとめをしていかなくてはいけないので、そのとりまとめに向けた考え方ということで、今日の議論を含めまして、これから足りない部分も含めて議論を補足していくわけでございますけれども、紙を用意しておりますので、事務局から御説明をお願いします。

○中谷課長補佐 事務局です。「資料2」と書かれました1枚物の資料をご覧ください。とりまとめに向けたまとめ方についての案です。
 まず、とりまとめは、平成22年、昨年の12月に中間とりまとめをまとめておりますので、それを基本として、今年5月以降の議論を追加して、とりまとめていってはどうか。
 2.追加する内容としては、5月以降の議論を踏まえて、以下の項目を中心に検討することとしてはどうかということで、5項目ございます。
 (1)認知症疾患医療センターに関する今後の体制整備の方向性。
 (2)認知症の方の地域での生活を支えるための外来医療、訪問診療、訪問看護など。
 (3)BPSDにより入院を要する患者の円滑な受け入れと退院支援等を可能とする体制の在り方。
 (4)身体疾患を合併する認知症入院患者への医療提供の在り方。
 (5)目標値。
 これで御了承いただければ、そのとりまとめの案を事務局で作成して、また皆様に御意見いただきたいと思っております。

○福田精神・障害保健課長 東構成員、お願いします。

○東構成員 今日この2時間の中でたくさん出ましたね。(2)の地域の生活を支えるため、医療、診療、看護とありますが、これは医療だけではないですか。これではだめですよ。いわゆる介護とか、そこのところが全然抜けているではないですか。私はそう思います。

○福田精神・障害保健課長 この会のマンデートという部分もありますので、勿論主としてメーションできる部分と、付属して対応していく部分と、そういった部分が当然あるということでありますので、今の御意見も参考にさせていただきながら、関係部局と調整をしていきたいと思っております。
 その他、御意見ございますでしょうか。
 岡崎構成員、どうぞ。

○岡崎構成員 この項目設定については、やはりこの間の議論がバランスよく反映されていないという感じがしますね。今おっしゃったように「受け皿」という表現をされたり、あるいは地域で生活するためにどういったことが必要かということが繰り返し出てきていると思うんです。それは医療の側でも、本当は1か月ぐらいでBPSDの問題を解決して退院させたいんだと。だけれどもというところで出てくるし、家族に対する御理解を促進する教育という表現もありますが、そういった問題でも出てきますが、やはり地域で生活していくためのいろんな手立てがずっと言われながらも前進していないわけですね。そこのところをどうするんだということをはっきりさせないことには、医療の問題も、保健の問題も、福祉の問題も、やはり定まらないという感じがします。そういう現状の中で出た曲線とかを使って推計しても、なかなかそれは本当によくしていくための手立ては出てこないと思います。この検討会は「新たな」という言葉が付いているわけだけれども、それを検討するチームとしての役割は果たせないのではと思いますね。
 今日発言した多くの構成員の方も、やはりそういうことを感じておられておっしゃったと思うので、もうちょっとこの問題設定を考えていただければと思います。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 その他御意見ございますでしょうか。
 河崎構成員、お願いします。

○河崎構成員 今の東構成員、岡崎構成員の御意見はごもっともだとお聞きしておりました。ただ、この認知症と精神科医療の検討チームは、最初の12月22日時点の中間とりまとめ、そこまでの間のディスカッションで、かなり地域の在宅機能の問題とか、あるいはそういうことをしっかりと医療と介護の方で問題の共有化をしていきましょうという部分の提言はしてきたんだと認識をしております。
 それを受けて、今回の5月以降の議論ということでスタートをしたわけでして、その中で事務局から幾つかの課題についてのものを出されて、今日までディスカッションをしてきているわけですから、方向とするとそんなにずれてはいない形で議論が進んできているのではないかと思います。ただ、いろいろと毎回毎回同じような問題点としては、常に指摘されているところは非常に重要なところでございますので、そこはしっかりと事務局のとりまとめの中で漏らさないようにはしていっていただきたいと思っております。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 その他御意見ございますでしょうか。
 野村構成員、お願いします。

○野村構成員 医療に関して、私たちがまとめていく方向は、当然このような内容になるかもしれませんが、それと一緒にやっていかなければいけない福祉の面での私たちがいろいろ議論してきたことも、やはりそれに付属して充実させなければいけないということは、きちんとまとめて報告しなければいけないと思います。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 その他御意見ございますか。
 渕野構成員、お願いします。

○渕野構成員 1つだけ。
 (5)の目標値のことなんですけれども、やはり今日いろいろ統計の取り方とか、朝田先生の15%も聞きまして、ここはかなり慎重にしないといけないということと、その慎重というのは、ただベッド数を幾らというのではなくて、先ほど来皆さんが言っている受け皿の、いわゆる介護の施設だとか、そういうものの数値を見ながら、あるいはそういうサービスのいろいろなものを見ながら考えないと、ただここで目標値を設定しても何の意味もないように思うんです。
 ただ、一応今年度中に数値を出すということがあるわけなので、その辺は難しいかと思いますけれども、是非考慮していただきたいと思います。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 その他御意見ございますでしょうか。ありがとうございました。
 では、今の御意見も踏まえて、まとめに当たっては、また考えていきたいと思いますので、その内容についてまた御意見をいただければと思います。
 最後に事務局の方から、次回の検討チームの日程等について御説明をお願いします。

○本後課長補佐 ありがとうございました。
 日程につきましては、皆様に以前から8月26日という予定で、メールにて事前に確認をさせていただいておったんですけれども、皆さんの御都合とか、我々の日程の関係もございまして、大変申し訳ないんですが、恐らく9月になると思います。また日程については再調整をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○福田精神・障害保健課長 どうもありがとうございました。
 本日は、大変お忙しい中、長時間にわたりありがとうございました。
 以上をもちまして、検討チームを閉会いたします。


(了)
<照会先>

社会・援護局障害保健福祉部
精神・障害保健課企画法令係

電話: 03-5253-1111(3055)

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