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2011年11月22日 平成23年度第2回血液事業部会献血推進調査会(議事録)

医薬食品局血液対策課

○日時

平成23年11月22日(火)
14:00~16:00


○場所

中央合同庁舎第5号館 専用第23会議室(19階)
(千代田区霞が関1-2-2)



○出席者

【出席委員】五十音順、敬称略

◎衞藤 隆、宇都木 伸、大平 勝美、小山 信彌、角田 藍美、竹下 明裕、寺田 義和、
 花井 十伍、村山 雪絵、室井 一男
※ ◎は座長
※ 欠席委員(敬称略)
   鈴木 邦彦、田中 里沙、堀田 美枝子、山本 シュウ

【参考人】

白阪 琢磨 (独立行政法人国立病院機構大阪医療センター エイズ先端医療研究部長)
日本赤十字社血液事業本部(4名) 

【行政機関】

三宅 智(血液対策課長)、丈達 泰史(血液対策企画官) 他

○議題

1.厚生労働科学研究事業の研究成果について
2.平成23年度若年層献血意識調査結果について
3.平成24年度献血推進計画案の策定について
4.その他

○議事

○丈達血液対策企画官 それでは、定刻になりましたので、ただいまから平成23年度第2回「血液事業部会献血推進調査会」を開催いたします。
 なお、本日は公開で行うこととしておりますけれども、カメラ撮りは議事に入るまでとなっておりますので、マスコミ関係者の方々におかれましては御理解と御協力のほど、よろしくお願いいたします。
 本日、御出席の委員の先生方におかれましては、お忙しい中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 なお、委員14名中、現在9名の御出席をいただいておりますので、定足数に達しておりますことを御報告いたします。
 なお、本日、開催に当たりましては、すべての先生方の出席状況をお聞きした上でセットをさせていただきましたけれども、もともと御予定がございました先生につきまして、鈴木委員、田中委員、堀田委員、山本委員、合計4名の委員からは御欠席という御連絡をいただいております。
 現在、竹下委員におかれましては、本日、御出席という御連絡をいただいておりますけれども、少し遅れて出席されるとのことでございます。
 なお、本日、参考人といたしまして、独立行政法人国立病院機構大阪医療センターの白阪琢磨先生にお越しいただいております。よろしくお願いいたします。
 また、日本赤十字社血液事業本部から4名の参考人の方々にお越しいただいております。御紹介させていただきます。
 俵総括副本部長でございます。
 日野副本部長でございます。
 菅原献血推進課長でございます。
 平参事でございます。
 それでは、以降の進行につきましては、衞藤座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○衞藤座長 皆さん、こんにちは。それでは、議事に入りたいと思います。初めに、事務局より資料の確認をお願いいたします。
○伯野課長補佐 それでは、資料の確認をさせていただきます。お手元の資料をごらんいただきまして、一番上に次第がございます。その下に座席表、委員名簿がございます。
資料1「献血推進のための効果的な広報戦略等の開発に関する研究」。
資料2-1「平成23年度若年層献血意識調査結果概要」。
資料2-2「平成23年度若年層献血意識調査結果報告書」。
資料3「17歳男性における400mL献血の受入施設内訳」。
資料4「200mL赤血球製剤と400mL赤血球製剤とのリスク評価について」。
資料5「200mL全血採血のあり方について」。
資料6-1「平成24年度献血推進計画(案)」。
資料6-2「献血推進計画 新旧対照表」。
資料7「けんけつちゃんの版権について」。
資料8「Hop Step Jumpついて」。
参考資料「平成23年度献血推進計画」。
資料は以上でございますが、資料の不足等ございませんでしょうか。ありがとうございます。
○衞藤座長 ありがとうございました。
 それでは、議事に入りたいと思います。前回、大平委員から献血推進に関する厚生労働科学研究の成果について「献血推進調査会」で御説明をいただくべきとの御指摘がございましたので、本日は厚生労働科学研究の主任研究者であります、白阪先生に参考人としていらしていただいておりますので、まず、白阪参考人から献血推進に関する研究成果についての御説明をお願いいたします。
 それでは、白阪先生、よろしくお願いいたします。
○白阪参考人 国立大阪医療センターの白阪でございます。
 今日はこの発表の御機会をいただきまして、どうもありがとうございます。
 スライドでお話を進める予定でございますが、今日、お話するスライドの中身はお手元のハンドアウトにすべてまとめておりますので、併せてごらんいただければと思います。
 私どもの研究班は厚生労働科学研究費補助金をいただきまして、ちょうど3年目になります。献血推進のための効果的な広報戦略等の開発に関する研究ということでございます。
 経緯等はもう先生方、御存じのとおり、輸血液の需要が増加している一方で献血者での年間HIV陽性者数、陽性率の上昇、すなわち安全性について危惧される。これについてはクリアーされておられますが、更に安全な血液をいかに多く確保するかというのが今後の重要な課題であるというところでございます。
 特に若年者層の献血離れというものが従来から言われておりまして、それについて私どもの研究の中で効果的広報、そういったものの効果等を検討するということで、研究分担者はごらんのとおりで長崎大学の秋田先生、日本赤十字社からは石川先生、菅原先生、FM大阪の田辺さん、広島大学医学部の田中順子先生に非常に詳細な検討をしていただいています。
 研究協力者として、はばたき福祉事業団の大平様、その他多くの方の御協力をいただいております。
 献血者の推移、これは皆さん御存じのとおりで、だんだん献血者数の減少傾向。これは平成19年までですが、特に10代の低下がある。
 日本赤十字社では、我が国における将来推計人口に基づく輸血用血液製剤の供給本数と献血者数のシミュレーションということで、今後、必要であるけれども、それがだんだん減っていく傾向を御指摘いただいているところです。
 この研究班では大きく4つの方々によって献血推進に向けた広報戦略等の開発に関する研究をさせていただいております。
 班会議でございますが、初年度は5回。余り今までお話し合ったことのない者の会議でしたので、それぞれのコミュニケーションが非常に大事だということで5回させていただき、22年度も4回、今年度においては既に3回させていただいております。
 私どもの仮説としては、若者の献血者を増やすにおいて献血を知らない、身近ではない、献血に関する情報発信が不足しているのではないかなどがございます。特に献血の意義を広く知らせることと伝わりやすいメッセージはどういうものがあるのだろうかということを考えていきたいとしておりました。
 まず、長崎大学においては「当院における献血推進に向けての実態意識調査」ということで、これは献血液の輸血を受けられた方の意識、その病院に働く職員たちの意識ということで3年間、今年度についてはまだまとまっておりませんが、意識調査をしていただいております。
 非常に多くの数の献血を受けた方々の意見をまとめております。
 統一のアンケートとしておりますが、この中では例えば「必要であっても輸血はしたくなかった」「時間がかかって苦痛だ」「副作用が心配だ」「病気への感染が心配だ」というネガティブな質問も混ぜ、正当性のある回答を得るように努力をしております。
 自由記載の中の意見、感想、カテゴリー別の分類等もしておりますが、それらの皆様の御意見は今日もお配りいただいている「けんけつHOP STEP JUMP」の中に採用していただきまして、こういうところに実際に献血液の輸血を受けられた方々の貴重な御意見を採用して活用していただいております。
 それから、一緒に研究しているFM大阪のメティスさんという方が実際に長崎大学で、これは献血を受けた白血病のお子さんですが、その方々と話をしたりしながら、聞かれた方もいるかもしれませんけれども「キミに出会えてよかった」というLOVE in Actionの中の1つの輸血を受けた方々の感謝の気持ちを表する歌をつくってくださいました。
 日本赤十字社においては「供血者の実情調査と献血促進及び阻害因子に関する研究」。
 これはこういう目的でなさっているわけですが、非常にいろいろなイベントというか、大きなキャンペーンを幾つもされていますので、そういうのを御紹介いただいて研究の参考とさせていただいています。
 LOVE in Action、これも皆さんは御存じだと思いますが、1~5の5つの大作戦がございます。
 これは今年の6月14~15日に武道館で行われたAction FINALの模様でございますが、これにおいても非常に大きな反響があったと聞いております。
 そういう効果については、日本赤十字社の方で評価をなさっていると理解しております。
 研究協力者のはばたき福祉事業団、大平様からは活動の中で「ぼくの血 みんな血」という本を作成されておる。これは非常に他国、中国で評判であったというお話を御紹介いただきまして、中身も私ども研究班で拝見したところ、非常に素晴らしいものであるということで早速、私ども研究班から各都道府県の教育委員会などにこういう冊子があることの御紹介などもさせていただきました。
 これは「献血推進調査会」の資料の中の一部でございますが、実際にこれだけの数を配られたと聞いております。
 さて、こういう研究が進む中で献血量の変化はどうかということですが、これも先生方御存じのように、平成19~22年と少しずつ上向きでございますけれども、対象としております10代はそう数としては伸びていないという実情がございました。
 さて、こういう動きの中で広島大学の田中純子先生には詳細なデータの評価、解析をしていただいています。
 まず、21年度については「献血に関する意識調査」、22年度は「献血データの解析」、これは日本赤十字社から非常に膨大な資料をいただきまして、それを解析された結果。23年度はその両方ですね。意識調査の方は日本赤十字社、あるいはFM大阪さんのアンケートに基づく調査。下の方は日本赤十字社のデータの解析でございます。
 21年度については、若年層において献血の促進因子や阻害因子は何か、また、どのような媒体を利用して普及啓発を勧めていくことが効果的であるかどうかという視点から解析を勧められました。
 22年度は、若年層での献血本数が減少しているが、一方、少子高齢化のため若年層の人口が減少している。人口、地域を考慮した献血本数の解析を行う必要があるということで、総数で見るのではなく当然、それぞれの人口あるいは地域を考慮した解析を進めていかれました。
 これは21年度でございますが「献血に関する意識調査」ということで、日本赤十字社の大阪の献血ルームでのアンケート調査、あるいは大学の学園祭に来られる方々へのアンケート調査ということでしております。
 時間の関係で主なところだけ御紹介しますが、その結果として献血に関する要望として出たのは、献血ルームの受付時間の延長、献血者の登録サービス、献血手帳の改善などでございます。あるいはまだ受けていない方については、献血に関する知識あるいはイメージが不足している。血液製剤に使われていることを知らなかったとかイメージが暗い、何をしているのかが経験のない人にはよくわからないというメッセージが出てきました。
 非常に興味深いことは献血を実際にされた方にお聞きしたところ、その動機ですが、一番多いのはピンクの部分で「奉仕の心に基づく内容」である。いろいろな個別の質問項目があるのですが、一言で言うと、自分の血液がみんなに役に立ってほしい、輸血は愛に根ざしたものであるからというのが一番多い。その他に青色の「友愛の精神に基づく内容」、「自身に対するメリットを重視する内容」。
 ですから、例えば献血をすることで何かメリットがあるからということよりも、むしろこちらの方が動機としては大きかったということが改めて非常に印象深い結果でした。
 これはお話したことをまとめておりますが、今、お話ししなかった中ではテレビやイメージキャラクターを使ったポスターで全国的にアピールした「はたちの献血キャンペーン」の認知度は年代、性別を通じて圧倒的に高かったということでございます。
 22年度の解析結果、これも時間がありませんので、詳細なデータの解析をしていただいています。
 都道府県別の人口と献血本数は大体相関するのですが、東京は人口よりも若干献血者が多いとか、その逆の都道府県もございます。
 興味深いのは例えば10代で見ても月によって、2年間のデータを一緒にプロットしておりますが、8月は低下、夏枯れで冬が12月ごろに献血者が増えるという傾向であるとか、20~30代は余り大きな変化はないようでございますけれども、そういうことがわかっております。
 これが40代、50代です。
 それをもっと詳細に見ますと、例えば栃木県、埼玉県は12月に多いとか、東京都、神奈川県は本数が多いとか、何月か多いかと本数と両方でプロットしたものですが、10歳代の変動パターンとしては主に4~5月に特に多い都道府県と12月に多い都道府県に分かれたなどのことが抽出されております。
 これは東京です。東京は献血本数が多く4~5月に多い。埼玉は10歳代ですが、12月に多いという傾向がございます。
 これを今度、人口1,000人当たりにしてみると、どういうことになるかということですが、結論だけ申します。献血本数で見ると、20歳代は平成21年に減少したが、人口当たりの献血本数で見ると決して減っておらず、むしろ増加している。人口当たりの献血は減少していないということがわかりました。
 ですから、総数だけで見るのではなくて人口動態とかも併せて見ないといけませんし、同じように例えば秋田県の10歳代ではここが少なく秋から年明けに多い、5月、7月に多いとか都道府県別に違う。山梨県は人口1,000人当たりの献血本数は11~1月にかけて全国平均を大きく上回っているということですが、ほかの情報で山梨県では移動献血により献血が行われた高等学校の月別学校数がこのときに多かったということもありますので、いろいろな対策が必要である。
 この詳細な結果では20歳代のオッズ比は1.24ということで、これは前年の20歳代の献血本数が次年の都道府県全体の献血本数の増加に寄与していることを表しているということで、20歳代への献血の働きかけが総数に影響するということで非常に大事なターゲットであるということがわかりました。
 今のことをまとめたものですが、後でごらんいただければと思います。
 今年度に入ってからは幾つか詳細な解析を加えておられますが、時間の関係で結論だけ申します。
 これは日本全国の国民のほとんどは献血をしていない、0回ということですね。その中で例えば2009年度ではこれだけの人が1回。2008年度に献血回数1回の人が2009年度に何回献血をしたか。2008年度の献血回数2回の人は2009年度に何回献血をしていただいたかということです。
 もう結論の方にいきますが、初回に2回以上献血された方がその後も献血をしているということがまず、あります。そういう解析の理解が難しいかもしれませんが、献血行動自体は若年層の方が盛んであるけれども、習慣化しているのは高齢層である。男性の方が献血行動が盛んで習慣化しやすいという傾向もございます。
 これは今のデータのまとめですが、2009年の献血回数が2回以上となる割合が最も高い集団は2008年度、前の年の献血回数が2回以上、男性、再来、40代の集団であったということです。
 ですから、いかに初回に2回以上来ていただけるか。献血回数の増加が次年度の献血回数の増加に寄与しているということが言えます。
 ですから、初年献血者に1回ではなく何とか2回以上来ていただくことによって、その分献血回数も増えるのではないかと予測することができます。
 そういう中で日本赤十字社では、初回の人を2回にするということも含めて献血推進に向けた職員の研修方法に関する研究も進めていただいていまして、何とか初回の人を2回にする努力をしていだたいているということです。
 今後の研究課題については、こういうことで多くの層が上がっておられるのですけれども、10代は低下傾向のままであるということで今後はその部分をどう増やしていくか。
 まとめでございますが、LOVE in ACTIONを始めとする新たな広報の上乗せに伴い、平成19年度以降の献血総数は増加傾向となった。年代別の増加傾向は40代以上が持続していたが、20~30代は持続せず10代はむしろ減少傾向のままであった。ただ、これは人口割合にすると、どうかということがございました。
 広報についての評価は中間段階であり、今後の詳細な検討が必要です。
 若者、特に10~20代の献血促進につながる広報についての検討が今後、更に必要ではないかと考えております。
 どうもありがとうございました。
○衞藤座長 御説明、ありがとうございました。
 ただいまの白阪先生の御説明に関しまして、委員の先生方から御意見とか御質問がございましたら、どうぞお手をお挙げください。
 この研究は、次年度以降はどのぐらい続く予定になっているのですか。
○白阪参考人 今年度が最終年度でございますので、研究成果、課題をまとめていきたいと思っています。次年度についても新たな公募が出ていますので、それについては研究班の中でまた検討を進めたいと考えております。
○衞藤座長 ありがとうございます。小山委員、どうぞ。
○小山委員 最後のまとめのところに、若者、特に10代、20代の献血促進につながる広報についての検討が必要だということですけれども、具体的にはどういうことが一番効果的と今回のデータでは示されているのでしょうか。
○白阪参考人 今回のデータは解析の方が中心であったということは事実として否めないと思います。
 ただ、それからわかってくることは非常に身近なものである、あるいは10代の人たちが余り献血ということの意義であるとか実際に何が行われているかということを、まだまだ知らないということがありますので、そういう周知であるということ。それから、もう一つ別のデータからは全年齢層に向けた「はたちの献血」とかいろいろなメッセージが大きく影響しているということもありますが、その両方で若者向けにより細かく情報を提供していく、そのためにはいろいろな具体的な方法があるかと思います。
 例えば携帯を用いたものとかホームページであるとか、いろいろあると思いますが、それのどれがいいかまでは現在まだ検討できておりませんけれども、そういう方向性としてはあるのではないかと考えております。以上です。
○衞藤座長 いかがでしょうか。ほかに御質問、御意見等ございますか。どうぞ。
○三宅血液対策課長 最後のページの資料のところなのですけれども、今後の研究課題のところで各年代別の献血率、人口分の献血者数で40代、それから、50~60代は年々上がってきているのですが、20~30代がほぼ横ばい。10代が少し下がってきているという年代による違いは、どんなふうに考えたらよろしいでしょうか。
○白阪参考人 はっきりしたデータがまだ出ておりませんが、類推していることは以前、献血に対して今、40~50代の方も若いころから献血してこられたという実績の中で献血に対する親しみであるとか習慣化している方々も結構おられる。一方、若い方々はそういう習慣がない。
 例えば、これはあえて言うことが適切かどうかわかりませんが、学校での献血が推進されていない都道府県においてはなかなか親しみがないのではないか。一方、先ほどお示したように地域において、高校で献血されているところは実際に数としても上がっておりますので、そういうアプローチの仕方がかつてと現在が違うために若者の献血離れがより促進しているのではないかと考えてはおります。非常に不十分な解析かと思いますが、そう考えております。
○衞藤座長 花井委員、どうぞ。次にお願いします。
○花井委員 詳細なプレゼンテーション、ありがとうございます。
 なぜ献血するのかという意識のところなのですけれども、奉仕の心という部分が多いということなのですが、年齢によって献血の動機づけに差異があるのかという1つ目の質問です。
 それから、先ほど地域によって10代の献血のピークはばらつきがあるという発表があったと思うのですが、ここら辺については地域ごとにある程度解析と言いますか、分析はされているのでしょうか。
 以上、2点を教えていただきたいと思います。
○白阪参考人 1件目については、今、手元に資料を持っておりません。ごめんなさい、だから、年齢別に違いがあるかわからないです。それは、また後で検討します。
 2件目については、地域についてわかっているところもありますが、わからないところの方が多いです。わかっている例として、1位の山梨県のことを御紹介しました。恐らくそれは今、そういう解析結果が出てきたのを踏まえて、今後なぜかというのはやっていく必要があると考えています。
○衞藤座長 宇都木委員、どうぞ。
○宇都木委員 後者の点については、人口動態のグラフと併せて見せていただくといいかなと思います。
 これは感想なのですが、献血というのは恒常的にずっとキャンペーンしていかなくてはいけないということをずっと意識していたのですが、1回、2回受けた人がその後続くということですと、1回的なキャンペーンでも随分意味があるのだなということを改めて思いました。以上です。
○衞藤座長 ほかにはいかがですか。室井委員、どうぞ。
○室井委員 20歳代のオッズ比が1.24で総数に影響するということなのですが、意味づけというのはどのように考えればよろしいのでしょうか。
○白阪参考人 まだそこまで正直解析できておりません。データはデータとして20歳代のオッズ比が非常に高かったということは有意であったということで、20歳代への献血者数が増えることが今後、大きな影響を与えると思いますが、その解析についてはまだ十分にできておりません。今後の課題であると考えております。
○室井委員 多分、その方たちは初回ではなくて繰り返しやった方と考えてよろしいのでしょうか。
○白阪参考人 そうかもしれません。
 それから、先ほど課長から御質問のあった例えば40~50代が非常に多いということと関連しているかもしれません。20歳代あるいはもっと若い方がやっていくことによって継続ということがございますので、早いときから継続して献血してくださった方は献血者の増加に大きな貢献をしていく可能性はあるかと思いました。ありがとうございます。
○衞藤座長 それでは、白阪先生、ありがとうございました。
 白阪先生には、以後の議題につきましても参考人として御意見等をいただければと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
 それでは、次に議題2「平成23年度若年層献血意識調査結果」に入ります。
 まず、事務局より資料2の御説明をお願いいたします。
○伯野課長補佐 それでは、冊子の資料2-1、概要版の方で説明をさせていただきたいと思います。
 1ページ目、調査目的でございますが、若年層の献血に対する意識調査を実施しまして、平成17年と平成20年度に行った同様の調査結果との比較を行う等によって、若年層の献血に対する意識等に変化があるのかどうかを検証して、今後の献血推進の在り方の検討に資することを目的としております。
 調査の対象ですが、献血経験者5,000人と未経験者5,000人の合計1万人についてインターネットによる調査を実施しております。
 2ページ目、まず、献血未経験者に対する調査結果でございます。主な結果を簡単に説明させていただきます。
 (Q1)献血に関しての認知度でございます。認知率は86.2%という結果でございますが、経年的に見ますと、平成20年度と比較して認知率は低下しております。
 3ページ目(Q4)献血への関心度でございますが、関心あり層が43.7%、関心なしが56.3%と関心がない方が多いという結果でございます。経年的には大きな変わりはございませんでした。
 (Q5)献血が病気の治療に役立っていることの認知でございますが、6割の方が認知していないという結果でございます。また、平成20年度の調査と比較としても認知率が低下しております。
 (Q6)絶えず献血が必要なことの認知でございます。これは新規の質問でございますが、認知率は46.5%でほぼ半数という結果でございました。
 (Q7)献血された輸血用血液製剤の使い道の認知でございますが、これも新規の質問でございます。約8割の方が認知していないという結果でございました。
 (Q8)輸血治療を受けた患者さんの感謝の気持ちを目や耳にしたことがあるかという質問でございますが、約8割の人はないという結果でございました。
 (Q9)若年層の献血協力者の減少傾向を知っているかという質問でございますが、約7割の方が認知しておらず、平成20年度の調査と比較しても認知率は低下しております。
 全体的には献血未経験者については、献血に関する基本的な知識や最近の動向については認知率が低いという傾向がございました。
 4ページ目(Q10)献血に関する広報接触媒体でございますが、今年度の調査では街頭での呼びかけの接触率が低下しております。
 (Q11)効果的だと思う媒体でございますが「テレビ」が79%で圧倒的に高い状況でございますが、経年的に変化を見ますと「テレビ」の支持率の低下傾向がございまして、逆に「インターネット」が上昇傾向となっております。
 (Q12)献血キャラクターの「けんけつちゃん」の認知でございますが、認知率は21.3%と4人中1人が認知しておりまして、経年的に見ても非常に上がっております。
 (Q13)「けんけつちゃん」の印象でございますが、「よい」が50.9%で「わるい」が3.8%で比較的、好評価となっております。
 (Q14)キャンペーン認知でございます。一番高いのが「はたちの献血キャンペーン」の認知率が24.3%とほかのキャンペーンと比べて高いという結果でございました。一方で、1つもキャンペーンを知らない人が68.6%とかなり高い結果となっております。
 5ページ目(Q15)HOP STEP JUMPを配布された記憶でございますが、授業で使用した経験があると記憶している人は2.1%にとどまっておりました。
 (Q19)献血をしたことがない理由でございますが、1位の理由、先ほど白阪先生の資料にもございましたが、1~3位の類型の理由ともに「針を刺すのが痛くて嫌だから」という結果でございましたが、平成20年度調査と比較しますと「献血している所に入りづらかったから」ということが低下しております。
 (Q20)献血するきっかけとなる要因でございますが、原因の方に痛いからというのがございましたので、きっかけとしては痛みを和らげる処置ができれば、きっかけとなるというのが1番でございますが、職業別で見ますと、家族や友人などから勧められるというのが高校生で15.4%とトップの要因として挙がっております。
 (Q21)初めての献血で400mL採血することの不安でございますが、抵抗があると答えた人は3人中2人という結果でございました。
 7ページ目(Q22)家族が献血している姿を見たことがある人は11%。
 (Q23)友人に献血している人がいるか。「いる」という人は32.8%という結果でございます。これは未経験者でございますが、経験者と比較すると、かなり低い数値となっております。
 (Q24)調査後に関する献血に関する理解や意識が高まったかという質問でございますが、全体的に高まっているという結果が出ております。
 8ページ目、こちらは献血経験者の結果となります。
 (Q1)病気の治療に役立っていることの認知ですが、66.4%という結果でございます。未経験者が40.7%でしたので、非常に高い結果となっております。
 (Q2)絶えず血液が必要なことの認知についても72.1%が認知しておりまして、未経験者が46.5%に対しまして非常に高い結果となっております。
 (Q3)輸血用血液製剤の使い道の認知でございますが、34.7%でございまして、未経験者が18.4%でございましたので、非常に高い結果となっております。
 (Q4)についても経験者が27.5%で未経験者が16.5%、やはり未経験者と比較して高い結果が出ております。
 9ページ目(Q5)若年層の献血協力者の減少傾向の認知については、知っている方が52.9%で未経験者は32.5%という結果でございました。
 全体的には献血経験者は当然ではございますが、未経験者と比較して献血に関する基本的な知識、最近の動向について認知率や知識が高いという結果でございました。
(Q6)献血に関する広報接触媒体、(Q7)効果的だと思う媒体については、未経験者の結果とほぼ同様の傾向でございました。
 (Q8)「けんけつちゃん」の認知についてですが、認知率は44.3%と経年的に見ても大幅に認知率が上昇しております。
 10ページ目(Q9)「けんけつちゃん」の印象でございますが、こちらも「よい」が58.4%と高く、「わるい」が3.0%という結果で比較的、高評価という結果でございました。
 (Q10)献血キャンペーンの認知ですが、こちらも未経験者と同様に「はたちの献血キャンペーン」が最も認知されておりまして43.1%でございますが、一方で1つもキャンペーンを知らないという人は42.6%と半数近くを占めております。
 (Q11)「HOP STEP JUMP」を配布された記憶でございますが、認知率は15.1%でございまして、授業で使用したという記憶がある人は5.3%にとどまっております。
 少し飛んで13ページ目(Q21)今までの合計の献血回数でございますが、Q17「初めて献血した場所」別に見てみますと、高校で初めて献血した人ほど献血頻度が高い傾向がございます。Q24「家族の献血の有無」別に見てみますと、家族の献血現場を見たことがある人ほど本人の献血頻度が高まっているという結果が出ております。
 14ページ目(Q23)現在献血するきっかけでございますが、類型のところを見ていただきますと、平成17年、平成20年の調査を比較しますと「輸血用の血液が不足していると聞いたから」という割合が増加しております。今般の東日本大震災の影響もあったからではないかと推測されます。1位の原因は「自分の血液が役に立ってほしいから」というのが最も大きな要因と1~3位の類型、いずれもトップになっております。
 (Q24)家族が献血している姿を見たことがあるかという質問でございますが、24.3%。未経験者が11%でしたので、献血経験者の方が非常に高いという結果でございます。
 15ページ目(Q25)友人に献血している方がいるかという質問については、6割の方が「いる」ということで未経験者が32.8%ですので、やはり経験者の方が高いということが出ております。
 (Q26)高校での集団献血がその後の献血への動機付けになるかという質問でございますが、有効層が84.1%と非常に高い結果となっております。また「初めて献血した場所」別に分析しますと、特に高校で初めて献血した人では有効層が91.4%と非常に高い結果となっております。
 若年層の意識調査については以上でございます。
○衞藤座長 では、ただいまの御説明に委員の先生方からの御意見、御質問があれば、お願いいたします。いかがでしょうか。3年ごとの調査で若干傾向に特徴があったかと思います。宇都木委員、どうぞ、お願いします。
○宇都木委員 2つほどあります。1つは「HOP STEP JUMP」の配布された率というのはわかるのですが、学校の授業で献血について触れられたかどうかは調べていないですか。「HOP STEP JUMP」を使うか、使わないかということと授業で。
○伯野課長補佐 厚生労働省の方から学校に配布した後に、それが実際に使われたかどうかを学校から調査しているかどうかということでしょうか。
○宇都木委員 いや、私が言いたかったのは「HOP STEP JUMP」を授業で使うかどうかということと、献血について授業の中で触れられるということは少し違うことではないかなと思ったということが1点。
 それと献血を経験した人の後姿が新しい献血を引き出す、とても有効なものだとすると、献血に来られた人に周りの人にも献血の重要さを伝えてくださいというお願いを上手にする工夫をしていく必要があるのではないかなと思います。以上でございます。
○衞藤座長 ありがとうございます。ほかには、いかがでしょうか。角田委員、どうぞ。
○角田委員 もしかしたら、こちらの質問は厚労省の方ではなくて日赤の方に聞くことかもしれないのですけれども、資料の6ページのQ20の2つ目の●、職業別では「家族や友人などから勧められた」ということが献血をするきっかけになったということの一番大きな要因だと書いてあります。
 これに対して私も実際にキャンペーンの告知でより多くの若年層にどうやったらキャンペーンに来てもらえるかということでいろいろな手段で、例えばツイッターを使ったりだとかポスターを張ったり、ホームページに書いていたとかいろいろな方法で告知をしているのですけれども、実際にそういう告知を見て献血に来てくれる人は余りいなくて、実際に来てくれるのは当日の呼びかけだったり、あと、自分の友達にこういうキャンペーンがあるから来てくれませんかということで誘ってみたら、来てくれる人がほとんどなんですよ。
 ツイッターとかでそういえば、そういうキャンペーンを告知していたね、それなら私行くよということで、ツイッターとかで見ただけでは来てくれないけれども、直接誘ったことによって来てくれる人がとても多いので、直接お友達が誘うというのがすごく重要だと思っています。
 以前、学生だけの会議のときに献血の紹介キャンペーンをやったらどうかということを、ちらっと話したことがあったのですけれども、具体的な方法とかはまだ考えていなくて献血してくれた方全員か若年だけかどちらか、わからないのですけれども、例えば紹介カードとかをつくって献血をしたときに、献血ルームで紹介カードをもらって、その紹介カードを自分の友達とかに渡して、その人が初回献血に来てくれたら、紹介した本人も献血の初回に来てくれた本人にも両方にメリットがあるという、直接誘うという制度をもっと増やしたらいいのではないかと思いましたという意見です。以上です。
○菅原献血推進課長 ありがとうございます。
 今、角田委員のおっしゃったようなことについては、全国統一の運用ということではないのですけれども、例えば献血ルームでの取り組みの一例として、“一緒に献血”とか“友達献血”のようなカードを作り、同じような形で次回献血に来られた時に、何らかの処遇品的なメリットを与えることはやっております。
 特に若い方に対する同世代からの働きかけというのは非常に重要だと認識しております。日本赤十字社の広報展開の中でも、全国的な献血推進キャンペーン、例えば先ほども出ておりましたLOVE in Action PROJECTの中においても、ラジオであったり、いろいろな広報媒体を使って、そのような働きかけをしていきたいと考えておりますし、また、角田委員にも御協力いただいておりますけれども、全国的な組織である学生献血推進ボランティアの方々のお力も借りながら、そのような目線でPRしていきたいと考えております。ありがとうございます。
○衞藤座長 どうもありがとうございました。花井委員、どうぞ。
○花井委員 調査結果に関してなのですけれども、今更なのですが、よく考えてみたらQ23は「経験者が現在献血するきっかけ」という聞き方がよかったかなと思います。動機づけという部分なのですが、複数献血をする人とそうでない人の中に動機づけの差異があるという解析はできるのですか。
 ここには表はないのですけれども、つまり、ずっと持続して何回もする人と件数が少ない人の中に動機づけに差があるのかというのが見られたらいいかなと思うのですが、いかがでしょうか。
○伯野課長補佐 今お示ししている結果ですと出ていないのですが、調べようと思えば調べられるかと思いますので、検討させていただきたいと思います。
○花井委員 もしかしたら、傾向にそんなに差はないのかもしれませんが、調べてみてもし傾向に差があったら、そういうことも参考にしたいと思います。
○伯野課長補佐 ありがとうございます。
○衞藤座長 竹下委員、どうぞ。その次に、室井委員ということでお願いします。
○竹下委員 各個人の貢献していることへの認識が非常に重要だというデータだったと思うのですけれども、貢献していることを知ることも「テレビ」「インターネット」の順、知ったことのきっかけも同様のメディアなのでしょうか。
○伯野課長補佐 それは質問の項目の中に入っていないかと思います。ですから、お示ししている結果からは見えてこないかと思います。
○竹下委員 知るきっかけというか貢献を知るきっかけがちょうどつながるという意味合いが出ていたと思うので、次回もし調査に加えるような機会があれば入れていただけたらという感じがしました。
 もう一件なのですけれども、親の背を見て、そして、子どもがまた献血していくというお話があったのですが、子ども連れでも献血しやすい環境づくりに赤十字社は何か取り組んでいるのかということをお聞きしたい。
○菅原献血推進課長 只今の御質問は、小さなお子さんが親の背中を見るような環境整備ということと思います。献血ルームの環境整備を図る上で、特に献血者データからみますと、20代の後半から30代前半の女性の献血が一時的に減少している傾向があります。日赤では平成22年9月に献血ルーム施設整備ガイドラインを策定し、その中で、お子さんも連れて、一緒に親が献血をしている背中を見られるような環境整備として、キッズスペースを設置することが必須条件として盛り込まれております。
 全国で献血ルームは約120ヵ所ございますが、今のところ、そのガイドラインに合った形での献血ルームは二十数か所できており、これらの献血ルームについてはキッズスペースが、また、キッズスペース専用でない場合には多目的スペース的な区画を確保、整備しているという状況でございます。
○衞藤座長 室井委員、どうぞ。
○室井委員 3ページのQ4で献血未経験者で献血に関心があるという答えが43.7%あるにもかかわらず、献血をしない理由というのでしょうか、それはこの中の結び付けで調査できるような可能性はあるのでしょうか。
○伯野課長補佐 最後の質問で、調査後の意識が変わったかどうか、例えば7ページのQ24-2はアンケート調査を行った後に献血に協力する意識がありますかということについて「意識がある」と「どちらかというとある」を含めて59%で6割弱を占めておりますので、比較的知識とか現状を教えてあげることで意識の変化にもつながっていくのではないかなと思っております。
○室井委員 もう一つ、それと同じところのQ24-2の下の方に公務員で関心あり層が大幅に低下していると目にとまったものですから、私も半分公務員なのですが、これはどういうことが考えられるでしょうか。
○伯野課長補佐 非常に恥ずかしい結果ではあるのですが、今回の調査で未経験者の中を見ると、資料2-2をごらんいただきまして、8ページに「職業」というのがあるかと思います。その中で公務員の割合は今回2.1%なのですけれども、未経験者の方は全体で5,000人ですので、2.1%というと100人ぐらいでございます。そうすると、100人で果たして公務員全体の傾向がつかめるかどうかということと、公務員の種類もいろいろありますので、公務員ひとくくりの傾向としてよいかというところも多少疑問としてございます。
 そうは言っても、こういう結果が出ていますので、何らかの形でしっかり啓発していく必要があるかと思っております。
○衞藤座長 職業別では公務員のことが印象に残りますけれども、未知の点も多いと思いますので、共済組合等を通じて献血の啓発をするということも、また考えていただければと思います。ほかに御意見はございますか。大平委員、どうぞ。
○大平委員 Q5で献血が病気の治療に役立っていることの認知というのが未経験者の方ですと、6割の人が認知していないということなんですね。経験者の方に関してはかなり上がっているのですけれども、そこのギャップは学校教育の中で献血がどういう役割を果たしているかということが何か教育されているのか、どうなのかというところは「HOP STEP JUMP」の配布率がかなり低いというところから容易に想像できるのですけれども、そこら辺を今後、てこ入れしないと献血の意義みたいなものが伝わってこないのではないかなと思いました。
 あと献血された方で、献血では感染症に感染しないことの認知というのが認知率72.4%で4人中3人近くが認知しているということなのですが、4人中1人は感染症の問題として、まだまだきちんと認知はされないというところは献血現場ですとか、そういうところで広報とかが必要なのではないかなと思いました。それが不安材料としてあるのかなというところは指摘しておきたいなと思いました。
 6ページ、未経験者の「初めての献血のところ」で「献血している所に入りづらかった」が低下しているというのは大変いいことなのですが、逆に「献血している場所がわからない」が上昇しているということについては、どう解釈したらいいのか。例えば献血ルームの表示が少ないのかどうか、そういう点も調べてみる必要があるのではないかなと思いました。以上です。
○衞藤座長 ありがとうございました。高等学校の新しい学生指導要領で献血についても触れることというのは、たしかに25年度から学年進行で始まりますので、現在はまだないということではないかと思います。ほかに御意見はございますか。では、角田委員、どうぞ。
○角田委員 もう一点なのですけれども、献血に関する広報接触媒体の質問の箇所で「テレビ」「インターネット」とか、あとほかの項目があったと思うのですが、ここの「インターネット」の部分をもう少し詳しく掘り下げた方がいいのではないかと思っています。
 今、インターネットの広報媒体というと、ミクシーとかフェイスブック、ツイッター、ホームページ、バナー広告とかもあると思うのですけれども、そういう中でどういうところに一番重点を置くかというのがすごく大事だと思っています。多分、若い人目線から見たら1番がフェイスブックで、2番がツイッターとなるのではないかなと思うのですけれども、そこをもうちょっと掘り下げて質問したらいいと思いました。以上です。
○衞藤座長 ありがとうございました。では、寺田委員、どうぞ。
○寺田委員 いろいろ調査結果を拝見しているのですが、本質はやはり教育にあると思うのです。その教育が平成25年から高校生の指導要領に入ってくる。16歳から200ccがOKになるので、若年層で献血をすれば、それがまたリピーターになっていくという一番根幹をとらえるためには学校の教育で血液自体が人工ではとても製造することができないというところから入っていく。それをきちんとやっていかないと、今、IT革命によるさまざまなコンテンツにより若年層の多人数間にわたる性的な接触とか、そういったものがかなり野放しに近い状態になってきているように感じられるわけです。
 早く手を打たないと、それによる血液の感染症等の問題が恐らくかなりの倍率で増えていく危機感を持っていますので、献血というものを当然このテーマですが、青少年を健全に育成していって、その人たちが大人になっても血液をきれいに保つことがいかに大事かということを教育の場で教えていく。
 当然、人と人が血液を交えた形の接触をすれば、リスクは非常に多くなるというものを踏まえたことで基本的な教育を早く、一般的な性教育という格好ではなくてもっと科学的な部分で、人間の大事な血液をどういうふうにクリーンに保っていくかということも含めた形でとらえていく。
 しかも、献血をするということ以外は今、自分らが将来大人になって病気になったときに自分の体を直す手段は非常に難しくなるということも踏まえたことを早いうちに教育をしていく必要がある。本丸に早く持っていかないと、かなり皆様方が一生懸命あらゆる形で外堀からやっていますけれども、やはり本質的な教育、文科省との協力関係をもっと深くやっていく必要があるのではないか。
 逆に残された時間は今度短くなってしまって、早く本質論から持っていかないと手遅れになる危険性があるのではないかと思います。省間の関係に踏み込んですみませんが、そういうことをお願いします。
○衞藤座長 花井委員、どうぞお願いします。
○花井委員 今の寺田委員の御意見なのですが、教育の中で自己健康管理するという文脈で教育していくというのは大事だと思います。それは全く賛同いたすのですが、感染をした血液を持つことがマイナスだという発想はいかがなものか。
 クリーンに保つということは感染した人はクリーンではないという価値観であり、それは言わせてもらうと言語道断である。
○寺田委員 そのように受け取られたら大変申し訳ない。発言の趣旨は血液を、献血を促進するという側から見ただけのことであって、その方の血液が汚れたらどうのこうのということではないんですね。だから、教育で子どもたちにきちんと正確な情報を意識させていく、与えるということが必要だということです。
 だから、それによって知らないで例えばそんなこと関係ないじゃないということで、いろいろな意味でいろいろな感染症を背負ってしまうということを防ぎたいという形の話であって、それだけのことです。
○花井委員 自分の身を守るという、自分の健康を守っていくというのは賛同なのですが。
○寺田委員 それだけのことです。
○花井委員 ちょっとでもそういうニュアンスがあると、本当に危ない方向に行く可能性があるので、きつかったかもしれません。
○寺田委員 いやいや、そういう意味合いで言っているわけではなくて早く教育をきちんとするべきではないですかということです。
○衞藤座長 竹下委員、どうぞ。
○竹下委員 今の若年者への教育の話が出てまいりましたので、お話を聞きたいのですが、教育の要綱はどこをターゲットに25年度から変わるのでしょうか。年次としては小学生、中学生でしょうか。
○衞藤座長 高等学校です。
○竹下委員 中学生をターゲットにしていくことで高校1年から献血への知識を賦活できるようにと思うので。高校生からターゲットにしていくよりも、もう少し若年者からやっていた方が効果が上がるのではないかなと思います。最近、私の大学では小学生、中学生を大学にお招きして、その中でも輸血部門をお見せするようにしました。
 その場面では非常に食いつきがよくて、後からのアンケート調査でも血液に対する理解が深まってきたということを本人と中学校の先生からもいただきますので、今後はそういうことを考えていったら効率的ではないかと感じた次第です。
○衞藤座長 たまたま私が輸血の部会等に関わり始めたのが3年ほど前なんです。ちょうど10代の献血が減ってというときがタイミングとして中学校は終わっていて、高校だったら今、連携をとれば学生指導要領の方に入るかもしれないということで、たしかに入ったように記憶しております。そもそも子どもに献血の大切さを教えるのにどの学年に、どのようなストレッチでやればいいかという議論の末、出てきたことではないので、今の先生方の御意見を伺って、そういったことは実は非常に大事であろうと思っております。
 ほかには、いかがですか。よろしいでしょうか。
 それでは、次の議題に移りたいと思います。議題3「平成24年度献血推進計画の策定について」に入ります。
 まず、前回の「献血推進調査会」で宿題となりました「17歳男性における400mL献血の受入施設内訳」について、資料3で日本赤十字社より御説明をお願いいたします。
 また、前回の「献血推進調査会」で1つのテーマになりました200mL全血採血のあり方について、資料4~5で日本赤十字社より説明をお願いいたします。
○菅原輸血推進課長 それでは、資料3から御説明いたします。
 前回の本調査会において、17歳男性400mLの献血の施設別等の状況についての御要望がございましたので、改めて提出させていただきました。
 表面が数値になっております。裏面に都道府県の学校献血の献血者数の割合をグラフ化したものがありますので、併せてご覧ください。
 17歳男性の400mLの献血者数全体といたしましては、合計5,444人となっております。この献血者数は本年4~8月までの5ヶ月間のデータです。
 献血受入施設別に見ますと、表の左側、「全体」の「固定施設」と「移動採血」の欄でございますが、献血ルーム等の固定施設では2,869人、52.7%を占めております。献血バスやオープン献血などの移動採血による献血人数は2,575人、47.3%となっており、ほぼ半数ずつの状況となっております。
 次に、表の右側の欄をご覧ください。17歳男性の400mL献血全体の中には、高校生以外の職業の方もいらっしゃいますので、その中から職種として高校生のみを抽出したのが右側となります。高校生の献血の状況は、全体で5,075人と全体の93.2%となっており、17歳男性はほぼ高校生の献血という状況でございます。
 その中で受入施設別に見ますと、献血ルーム等の固定施設では2,754人、54.2%。献血バスやオープン献血の移動採血におきましては2,321人、45.7%という状況でこの傾向は17歳男性全体と変わってございません。
 一番右側の数値ですが、17歳男性の高校生の中で学校献血での協力者数がどのぐらいあったかという数値を参考までに掲載しております。学校献血での協力数は合計で1,159人。高校生献血の中の22.8%になっております。前回の本調査会資料に提出した資料の中で、全国の高校の設置校に対する実施校の割合が23%程度だったわけですが、ほぼその数値に近いような献血協力者数となっております。
 以上でございます。
○衞藤座長 続いて御説明をお願いします。
○平参事 では、引き続きまして「200mL製剤と400mL製剤の安全性について」ということで資料4に基づき、御説明をさせていただきます。
 まず1、平成22年度の200mL献血及び400mL献血における男女別の献血者数延べ数をお示ししております。200mL献血の方をごらんいただきますと、その多くは女性の方が示しているということがわかります。男性の平均年齢としては29.7歳、中央値が19歳、最頻値が17歳となっております。女性につきましては、その後長くされますので、平均が34.4歳、中央値が33歳、最頻値が17歳でございます。
 一方、400mLの方をごらんいただきますと、青棒である男性の影響力が女性を4倍ほど上回っているという現状でございます。この中で男性の平均年齢としては40.3歳、中央値が40歳、最頻値が38歳でございます。女性につきましては、大体2万の献血者数で推移しておりますけれども、平均値としては39.4歳、中央値として39歳、最頻値が19歳でございました。
 2ページ、この分布の献血者数を2に示しております。200mLの献血は男性の方の御協力の中で約8万4,000献血、女性の方で約38万献血、合計約46万献血ということで200mL、400mLで見ますと、比率が12.3%というものを示しております。400mLにつきましては男性が253万人、400mLが77万人ということで合計330万人ということで87.7%になっております。
 次に、今の400mL献血率の推移でございますけれども、そちらを3にお示しております。こちらについては医療機関からの発注に応じて、国民の皆様の御協力の中、少しずつ増加をしてきており、平成13年に400mLの献血率が67.5%だったものが毎年少しずつ増加をしてきておりまして、平成22年度になりますと87.7%という数値になっております。
 今の実際の医療機関からの発注は平成23年8月の状況で見ると、400mLでの依頼が93%となっておりますので、単純に比較すると、いまだにすべての需給に応じられていないというのが現状でございます。
 次に、初回献血者数の推移と献血総数に対する比率でございます。初回献血者数は平成18年度が61万人、その年の総数に対する比率が12.3%であったものが先ほど来、お示しいただいていますように少しずつ減少をしており、平成22年度では54万人、全体の10.3%ということになってきております。
 そこで200mL献血と400mL献血の安全性を採血種別に延べの献血者の検査の陽性率、初回献血者の検査陽性率、市販後調査より判明した輸血HBV感染症例の原因血液、及び遡及調査で個別NAT陽性となった製剤等からリスクの比較を行いました。
 まずは5.感染症マーカーにおける年齢別の検査陽性率をごらんになってください。こちらの調査期間は平成20年8月~平成23年7月まで3年間の献血者の延べ数における1,000人当たりの陽性頻度を示しております。これは現在、日石では原料血液の製品検査を実施しておりまして、製品検査結果で不適となりますと、次回の献血をお断りするということをさし上げている。ということであれば、200mL、400mLを比較するには延べの献血数の陽性頻度で比較すべきということで、この表をお示ししております。
 そうしますと、献血種別の平均年齢が先ほど200mLが33.6歳、400mLが40.1歳、あるいは中央年齢における検査陽性率はHBs抗原、HCV抗体に関してほぼ大きな差はございませんでした。
 陽性血液は廃棄をされておりますけれども、検出限界以下のものが検査の陽性率に比例すると仮定すると、200mL及び400mLの感染率には大きな差がないということが言えるかと思います。少なくとも2倍の差はございませんので、400mL製剤1本と同量とする場合には200mL製剤2本を輸血すると比較すると、200mL製剤2本の方がリスクが高くなるということも計算されております。
 一方、6を見ていただきますと、こちらが初回献血者の検査の陽性率です。こちらも1,000名当たりということで頻度出しをしております。初回献血者の頻度は疫学的調査という意味では非常に有効なことで、真の陽性率と考えられますけれども、いわゆる献血者全体に比べて初回の献血者の陽性率は高くなっております。ということで見ますと、陽性率を比較した場合、200mL由来献血は400mLの約2分の1という陽性頻度でございました。
 ただ、初回献血者の頻度は先ほど示したとおり、全体の献血の10%を占めるにしか過ぎないということであり、これが200mLと400mLの全体の安全性の比較に影響は与えていないと考えております。
 次に、HBVウインドウ期の感染例、いわゆる輸血による感染をした事例から見たリスクの比較を行いました。こちらの表を見ていだたきますと、輸血後感染と考えられた血液の献血者の年齢は20~40歳代に集中をしております。
 200mL献血の比率は全血献血全体の12%と低いこと。また感染症例自体の数が少ないこともあり、200mLによる採血による感染例は2004年8月からのデータでございますけれども、確認がされていないという状況です。という意味では、いろいろな安全対策を実施したことにより感染症例が少なくなってきておりますけれども、HBVのウインドウ期の血液による感染症例から200mLと400mL由来のリスクを評価することは難しいということがございました。
 次に、献血者の要点情報に基づく遡及調査により前回献血等の保管検体を用いた個別NATの結果、陽性となった献血の採血種別から見たリスク比較を行うと、こちらはウインドウ期、感染既往を全体で見ておりますけれども、200mLと400mLでの遡及調査で陽性となったものが200mLで28例、全体の11.3%。400mLが88.7%であり、供給比率を先ほどお示ししましたけれども、200mLと400mLの供給比率とほぼ同程度であるから、その感染リスクはこちらでも同程度ではないかということが伺えるということを結論づけております。
 また呼吸困難等の重篤な副作用の発生状況から見たリスク比較については、報告件数から見ると、200mLの方が22件、400mLが237件。少ない傾向が認められておりますけれども、こちらについては輸血関連急性肺障害の予防のために400mL由来の血漿製剤を男性由来血漿を優先的に製造していることもあり、少しリスクが少ないという形になったのではないかと考えております。
 最終的に結論といたしましては、安全性の比較結果から現在の200mL由来献血の製剤と400mL由来の製剤は感染から見ると、ほぼ同等のリスクであるということが陽性率から伺えております。そこを考えますと、200mLを400mLと同量として輸血した場合の相対的感染リスクはほぼ2倍になるのではないかと考えております。
 ただ、先ほど7.にございましたとおり、ウインドウ血液の感染例から見たリスク比較、これが2004年8月からの現状、これは6年間経過しております。この中で26件の感染例ということを考えると、HBV、HCV、HIVの感染リスクは極めて低いものになるのではないかということを考えております。
 以上、報告を終わらせていただきます。
○衞藤座長 ありがとうございました。それでは、ただいま資料3~5について日本赤十字社から御説明いただきましたが。
○菅原献血推進課長 次に資料5がまだ1枚あります。申し訳ございません。1枚もののA4の横判でございます。こちらについてポイントを説明いたします。前回、いろいろな御意見をいただきまして、200mL全血の在り方については、ごらんのとおり4つの条件について資料を作成させていただきました。
 左側の条件でございます、(1)400mL献血を推進して、初回の若年層を対象として200mLを制限とした場合。かつ血漿、赤血球いずれも使用した場合ということで、この場合は初回の献血者を対象として200mL献血を制限することから、将来にわたる継続的な献血者確保につながらず、中長期的にも200mL献血を含めた若年層全体の推進に課題が残るものと考えられます。
 血液センターの負担面においては、400mL献血者数が22年度献血実績をベースにしていますが、それよりも増加するということですけれども、200mL献血者数がそれ以上に制限されるということでコストが減少となります。また医療機関からの400mLの需要に近付けることができ、感染リスクは軽減して輸血患者の負担の軽減がされ、医療機関においても心理的な負担が軽減されるものと考えられます。これが(1)の条件でございます。
 (2)若年層全体で200mL献血を推進して、血漿のみを使用して赤血球は輸血用血液として使用しない場合という条件でございますが、この場合は赤血球輸血用血液として使用しないということに対しての献血者のみならず、国民の理解が得られるかという大きな問題がございます。
 仮に理解が得られれば、中長期的には200mL献血も含めた若年層の献血推進がより可能と考えられますが、一方で200mLの血漿のみを使用することから血漿の成分献血、これについてはある程度抑制する必要が逆に出てきます。血液センターの負担面おいては血漿成分献血の数は減少しますが、200あるいは400mL献血者数はそれぞれ増加しますので、コスト面の増加が見込まれます。また輸血患者の負担、医療機関の負担等につきましては軽減されるものと考えられます。
 (3)若年層全体で200mLを推進し、200mL献血由来の赤血球を2本で供給を推進した場合、血漿と赤血球はいずれも使用した場合ということで見ますと、将来の献血基盤となる若年層だけではなくて献血者全体の理解が得られやすくなると考えられますし、中長期的には200mL献血を含めた若年層の献血推進がより可能となると考えられます。
 負担面において、血液センター側においては400mL献血者数が制限対象と逆になりますが、200mL献血者数はそれ以上に人数的に増加しますので、コストが増加するという状況になります。また、輸血患者の負担あるいは医療機関の負担につきましても200mL献血由来の赤血球の供給が増加しますので、これらの負担も増加するものと考えられます。
 (4)若年層で特に高校生の初回献血者のみを対象に200mL献血を推進して、初回の献血者以外の200mL献血の制限を許容した場合、かつ血漿と赤血球をいずれも使用した場合という条件でターゲットを高校生の初回200mL献血の推進を持っていくという条件でございますが、これにつきましては当然、対象群から約5万人の200ml献血が確保できるということが推定されまして、まさしく将来の献血基盤となる若年層の初回献血者については理解が得られるものと考えられます。
 一方でそれ以外の200mLの献血者群を制限することになりますので、その理解が得られるかという問題が考えられます。また、中長期的には200mL献血を含めた若年層の献血推進がより可能になるものと考えられます。
 負担面ですが、血液センターあるいは輸血患者さん、医療機関の負担につきましては、現状の献血者数の割合と同じでございますので、現状と変わらないという状況でございます。
 簡単ではございますが、以上でございます。
○衞藤座長 ありがとうございました。それでは、資料3~5について御説明いただきましたので、委員の皆様からの御意見、御質問があれば、お手をお挙げください。竹下委員、どうぞ。
○竹下委員 資料4からお伺いしたいのですけれども、その中の6のところでは、200mL献血と400mLでは200mL献血の方が検査陽性率は低い。検査された年齢の中央値は、資料4のトップの1のところの200mL及び400mL献血を受ける男女別の年齢分布とほぼ等しいと考えてよろしいのでしょうか。
 つまり、若年層の初回献血を増やすことで感染率が減っている、そういったことが将来予測値として出すならば、若年層の献血をより推進してそれを血液利用していく価値があるのではないかということを考えたわけです。
○平参事 データの方を見ますと、先生がお示しになるとおり、1に近い年齢分布を示しております。
○竹下委員 ということは、結局最後の結論のところに約2倍の相対危険率があるというのは、現在で算出した予想値であって、これは若年の高校生をプロモートしていって、これが将来的に増えていった場合、この危険率は低下していく可能性が高いということになるのでしょうか。
○平参事 確かにおっしゃられるとおり、プロモートしていった場合はそういう形になることはあると思います。ただし、どういうことになるか実際のところはわからないような現状がありますので、そこまでに発現としてはとどめていきたいと思います。
○衛藤座長 ほかにいかがですか。小山委員、どうぞ。
○小山委員 資料3に戻って申し訳ない。地域によってすごい差があるのですけれども、何か恣意的なものはあるのでしょうか。
○菅原献血推進課長 地域における学校献血の割合は資料3の一番右側の数字ですが、これが先ほど当該資料の説明の最後のところで御報告させていただきましたとおり、学校献血の実施割合自体が前回の本調査会の資料にも提出させていただきましたが、全国的に23%となっております。その中の都道府県の実施状況を見ますと、例えば東北のエリアでは比較的実施率が高いとか、山梨では99%とほぼ全体で実施している状況であり、一方で都心部においては実施率が極めて低かったり、ある県においては教育委員会からの通知が出ていて、公立高校の献血が制限されている等、いろいろな環境がある中での実施割合の違いと考えています。
○衛藤座長 そのほかいかがでしょうか。大平委員、どうぞ。
○大平委員 今の関連なのですけれども、高校生献血の制限の通知が出ているというのは複数の県に入るのでしょうか。
○菅原献血推進課長 今、手元に詳細な資料はございませんが、そんなに多くはなかったと思います。ごく一部でそういうところもあるということです。
○衛藤座長 どうぞ。
○小山委員 そういうところに対して何らかの働きかけみたいなのはするのですか。制限は制限でしようがないですねということで終わってしまうのですか。そこら辺、いかがですか。
○菅原献血推進課長 日赤としましては、公立のみならず私立の高校もありますので、献血そのもののお願いに加え、先ほどから出ておりますように、学校に出向いての献血啓発活動も含めて、能動的な取り組みを行っているということでございます。
○衛藤座長 寺田委員、どうぞ。
○寺田委員 そうしますと、例えば高校の生活指導もしくは保健の先生方に対する講習、そういった方法で献血というものに対して教員に対しての必要性の働きかけをもっとしたら教育委員会に関して献血に対する態度もかなり変わってくるのではないかと思いますが、その辺、いかがですか。
○菅原献血推進課長 確かにそのような働きかけも重要と思いますが、日赤ではどちらかといいますと、学校に出向いて行き、実際に時間をいただいて、生徒に対して献血の啓発をさせていただきたいということで継続的に取り組んでいるという状況です。
○寺田委員 高校生対象というよりも教員を対象にして献血というものを要するに。
○菅原献血推進課長 教員というよりは高校生を対象として献血への理解をいただくということです。
○寺田委員 それを一応やっておられるわけでしょう。そうではなくて、教育委員会で門前払い的なところが県によってあるわけです。そういうことは、やはり教員の姿勢が献血に対しての教育委員会の意向をつくっているわけです。ですから、教員に対して献血をするのがいかに大切かというものを地道にアプローチしていくということがこの数字改善なのではないかと思います。
○菅原献血推進課長 はい。重要なことだと考えます。
○宇都木委員 教員に対するアプローチがすごく大切だと思うのです。しかしこれは日赤としてはやりにくいところですね。少し厚生省の方が動いていただくべきな気がいたします。
○衛藤座長 小山委員、どうぞ。
○小山委員 恐らく献血に対してノーという教育委員会は、理由はよくわからないのですけれども、もしかして200採血に対するヘジテイトが結び付いているようなことはないのですか。400は欲しいですよという話でもって動きますね。今までの動向は全部そうですね。先ほどのものを見ても、400採血はどんどん上がってきていますね。200は要らないんだよという話の中で、各教育委員会なり何なりが400採血する対象者というのは高校生のうちの一番上の学年で、しかも大学受験を控えているお子さんを中心になるとすると、一番下の1年生、2年生は200しか採血ができないなと。ここでもってもしかしてヘジテイトしているのは日赤ではないかという思いもするのですけれども、それはどうなのでしょうか。
○菅原献血推進課長 今の御指摘の内容につきましては、前回の本調査会に資料6として高校献血減少の要因分析という資料を日赤から提出させていただいておりますが、医療機関からの400mL献血由来製剤の需要が増えてきていることによって、日赤側が200mL献血をある程度抑制してきたという背景もあります。それは日赤から見れば内部的な要因としてはあったのだと思います。
 もう一つは、生徒さんの安全性を確保する等の面から、受け入れ側、すなわち学校側でも学校献血に対するブレーキがかかってきているのではないかというところも相まって、減少の要因の1つにはなっているものと考えています。ただ、全ての高校がそういう状況なのかどうかという調査はしていませんし、これは日赤からの目線なので、学校側がどのような御意見を持っているかというのは十分把握はされていません。
○衛藤座長 どうぞ。
○花井委員 今の関連なのですけれども、資料3につきましてここまでばらつきがあるといろいろな事情があるというだけではこちらも納得しがたい部分もあるので、複数の要因、この前はそういう分析もいただいているのですが、各センターにいわゆるいろんな事情等を詳細に調査いただいて、対策を何か講じているかも含めて1回とりまとめていただいた方が議論の土台になるのかなと思う。教育現場の話なのか、半分推論で半分当たっていることだとは思いますけれども、対策を講じるのにここまでデータとしてばらつくと推論だけでは厳しいところがありますので、実態をもう少しリサーチいただけると助かるのです。
○菅原献血推進課長 日赤側から見ますと、どうしても日赤の目線からの分析になるものですから、お互いの実態をそれぞれの立場で把握することが必要ではないかという感じがします。
○花井委員 お互いにというのは、各都道府県の教育委員会とか学校側がどう考えているかというリサーチができればいいと。
○菅原献血推進課長 そのようなことも合わせて必要かと思います。前回の本調査会に提出した資料につきましても、日赤の血液センター職員がこう感じているという推測も含めての調査となっております。
○花井委員 特に全然消極的なところからやるか、全国ざっとやるか。これは行政的には可能なのですか。文科省に協力を要請しなければいけないですか。
○伯野課長補佐 厚労省から各学校にダイレクトにというとなかなか難しい点はあるのかと思います。勿論、厚労省としてやる場合には文科省との連携が必要だと思いますし、あとは別の枠組みで例えば研究の中でやっていただく。そういうやり方もあるかと思います。
○花井委員 公立高校に限定すると、自治体、市町村としてその流れでしょう。
○伯野課長補佐 自治体でも厚労省の関係部局と文科省の関係部局いうのが縦割りでございますので、都道府県を通じて調査するにしても、やはり文科省との連携が必要だと思います。
○衛藤座長 多分教員にダイレクトはなかなか難しいので、各都道府県に校長会というのが行政組織とは別にありますから、校長会にアプローチするというのは理解を得る有力なことではないかと思います。
○伯野課長補佐 先ほど宇都木委員の方からも御指摘がございました教員へのアプローチというのは、内部でも話していたのですが、御指摘があった校長会とか養護教諭さんが全国で集まるような会とかそういうところで、これも文科省との連携が必要になりますが、お願いをして、我々の立場で話し合いができないかなとは思っております。
○衛藤座長 どうぞ。
○宇都木委員 厚生省が動かなくても、例えばこの委員会とか親の運営委員会とかが、ダイレクトに動いてもいいのではないかと思うのです。官庁としてやはり動きにくいところがいっぱいあると思うのですが、どうでしょう。
○衛藤座長 これはいかがでしょうか。
○伯野課長補佐 会として動くというのは。
○宇都木委員 例えば調査をするとかそういうこと。地方自治体などに働きかけるということについては日赤もまた動きにくいところがあると思うのです。ちょっとお考えいただけたら。
○伯野課長補佐 事務局は一緒ですので。
○宇都木委員 ただ、それこそ名前が厚生省と出てしまうといろいろあるならば、この委員会がダイレクトに調べるということも可能ではないか。
○伯野課長補佐 我々がどちらかというとこの学校に対する調査をすごくヘジテイトするということは逆にないかと思うのですが、そこで文科省といかに連携できるかというところがありますが、それがなかなか難しいようであれば、例えば先ほど申し上げた研究ベースでやっていただくとか、そういうこともあるのかなと思っております。
○衛藤座長 では、室井委員、お待たせしました。
○室井委員 今までの議論を踏まえると、若年者の高校生に献血を推進すべきだということと、多分200mLの献血も今はある面では受けるようになると思います。資料5の(1)(2)(3)(4)の中でどれをやるかということになると、個人的には(4)が一番いいのではないかなと思うのですが、若年層ということで年齢を規定しなかったのは何か意味があるのでしょうか。
 例えば20歳以下とか、年齢を規定しないで「若年層」とあいまいな言葉にした意味は何かあるのですか。
○菅原献血推進課長 (4)の話ですか。
○室井委員 はい。
○菅原献血推進課長 (4)の場合は200mL採血の対象を特に高校生としたということです。要はこれも前回の本調査会に資料を提出させていただいたとおり、10代で献血の経験がある方の20代以降の献血継続率をみますと、特に16歳、17歳に初回献血を経験した方の割合が有意に高いというデータもありますので、この群が将来の献血基盤になっているということが1つ。
 また、今回詳細なデータはお示しできませんが、16歳、17歳の200mL初回献血者群の中で、潜在的に400mL献血基準を満たしている割合が相当数見込まれることから、その方々は将来400mL献血に移行する可能性があるということも含めれば、まさしく献血継続率と400mL献血への移行率ということも併せ持って、若年層、特に16歳、17歳という10代の献血にターゲットを置いたということであります。
○室井委員 例えば19歳の方が来られたときに若年かと言われたときに、例えば現場で混乱するのではないかなと思いまして、年齢を区切った方がクリアーになるかと思って。
○菅原献血推進課長 若年層としてのイメージは、10代、20代を含めた全体的な若年層という意味合いで持っています。
○室井委員 その方の初回献血は高校生を問わずに、初回だったら200は受けてもいいですよという意味ですか。
○菅原献血推進課長 そうなりますと、200mL献血者数は相当数増えることになります。
○室井委員 この4案というのはそういう意味でしょう。
○菅原献血推進課長 4案というのは高校生に特化してということです。
○室井委員 でも、「(特に)」と書いてある。高校生のみとは書いていない。
○菅原献血推進課長 この対象群が非常に割合的に多いというところです。
○室井委員 あいまいなのですね。
○菅原献血推進課長 16歳、17歳とは言っておりませんので、あいまいな部分は確かにあります。
○衛藤座長 では、事務局からどうぞ。
○伯野課長補佐 これは非常に議論があるところだと思うのです。やはり若者の初回をなるべくやっていただくという観点では広くてもいいところだと思うのです。逆に医療機関の需要とのバランスから考えて、あまり広く取りすぎてしまうと、バランスが崩れてしまうというところがどうしてもあるので、理想的には医療機関の需要と200の献血者数がぴったり合って、かつ若年層の献血推進というのが達成できれば非常に理想なのですが、若年層はどこをターゲットにするかというのは実はちょっとあいまいにしているところがあって、400ができない世代である16歳と17歳の女性だけにするのか、あるいは少し範囲を広げて10代にするのか。あるいはもっと広げて20代にするのかというところは、需要とのバランスでもう少し慎重に見ていかないと、なかなかぱっとこれですと決めて果たしてそれが本当にうまくいくのかは疑問であるため、恐らくこういう書き方になっているのではないかと思っています。
○室井委員 今までは1案が今までの現行の運用。
○伯野課長補佐 1つだけ。1案のところなのですが、これは400を推進して、初回の若年層を対象として制限するというわけではなくて、400を推進して200全体を制限した場合ということですね。
○衛藤座長 ほかにいかがですか。村山委員、どうぞ。
○村山委員 この資料5なのですけれども、これは(4)を今後日赤さんが進めていくというようなとらえ方でよろしいのでしょうか。といいますのも、これから県としても、先ほどもありましたように、校長会ですとか、保健養護部会とかそういったところに働きかけをするに当たって、方針がしっかり出ないなかなか持っていけないなと。やはり学校によっては経験が優先するのであれば、高校生のうちから400献血は必要ないのではないかという学校が多くて、どうしても200でいこうというような学校がかなり多いのです。そういった中で、日赤さんとしてはこういった(4)で今後いくとこの場で決まるのでしょうか。どういう取扱いになるのか、お願いします。
○菅原献血推進課長 そういうところを本調査会で議論していただきたいという資料なのですが、スタンスとしては、やはり400mL献血由来製剤の需要は非常に多い状況にありますので、それはまず基本ベースに置くという前提があるものと考えます。その中で、将来の400mL献血になり得る10代の若年層の方々を育てていくといいますか、新たに御協力いただくということを併せ持って進めていく必要があることも考慮すれば、(4)のような形になるのではないかと考えます。その若年層の範囲を先ほどからも出ているように、高校生に特化するということだけではなくて、今後の血液製剤の需要が多くなれば、200mL献血も現状よりは多く必要になってくることにもなります。そうなると、10代、20代という中で、どの年代でどの程度の200mL献血を確保するかということはありますけれども、200mL献血を抑制して400mL献血由来製剤の需要に限りなく近づけていくということではなくて、将来的な動向も含めて進めていく必要があるのではないかとなれば、(4)ではなかろうかと考えております。
○衛藤座長 村山委員御自身はどう思われるのですか。
○村山委員 私もこの表を見たときに(4)と思ったのですけれども、うちとしても県としても高校生献血というのは大事な献血経験ですので進めていきたいという一方で、どうしても日赤さんの方からは400を推進したいということで、毎年毎年採血計画を立てる上でけんかではないですけれども、いろいろ検討、協議に入るので、初回献血者と言いつつも200も受け入れますよと言っていただければ進めやすいかなという気はしました。
○衛藤座長 先に大平委員が手を挙げましたので、お願いします。
○大平委員 今、提案を言われてしまってあれなのですが、先ほどの話に戻るのですが、学校献血の調査について、日赤の方ではなかなか日赤の主観的というか、客観的な評価にならないという話をされたのですが、やはり各地方自治体と日本赤十字社は一緒になって献血推進を進めているという、都道府県でやっているという実績から、こういった問題点については、やはりちゃんと抽出すべきだと思うのです。そうしないといつまで経ってもこの数字がこういう数字で表れていますというだけで終わってしまって、それの解決策というのが問題点、いろいろな点があるということを社会で解決していかないといけない点というのが多々あると思いますので、そこを一番現場としては御存じの地方自治体と日赤の各支部の方たちとの関係というのは大変深いですから、そこをきちっと調査して、ここの問題点を出していくと。
 それがいい悪いの話ではないと思うのですけれども、そのデータがない限りは議論の土台にならないと思います。いろいろ委員会からアンケート調査をしたとしても、なかなかそれが自治体が本当に動くのかどうかというところは疑問なので、各自治体で解決していくというところがあると思いますので、そこに踏み込んでいくということが大事かなと思います。
 あと今の4番か2番かというふうにこの表で選ぶという形になってしまったのですけれども、日赤また国としての方針みたいなのがある程度ここで提示されているのかなと思いますので、私も4番という形で進める方向でいいのかなという感触は持っています。
○衛藤座長 ありがとうございます。小山委員、どうぞ。
○小山委員 先ほど村山委員がおっしゃったとおり、方向性をどうするかです。200mL採血の位置づけだと思うのです。結局多くなった理由は、200mLをヘジテイトしたというところに一番の原因があるのではないかと見て取れるのです。200mLを受け入れたのですけれども、私どもの病院で大体200mLを欲しいという要望が5%か7%ぐらいはあるのです。これを見ると大体10%ぐらいですね。推進しても恐らく15は超えることはないと思うのです。とすると、5~6%ぐらい200mL採血をどうするかということが1つの問題ですね。
 日赤のお話を聞きますと、使う医療機関でもってクレームというか嫌がるというお話なのですけれども、こういう状況の中だから、200mLを2本、400の代わりに使うということに対しては、作業的にはそんなに大変なことではないですし、検査は倍しなければならないけれども、頻度は半分以上がそうなるというわけではないですし、せいぜい数%、10%いくかいかないかぐらいのものですからそれは問題ないのではないですかというような御意見を伺っています。
 もう一つ、一番大事なことなのですけれども、例えば花井委員とか大平委員がどういうふうに考えるかということですけれども、やはり200を2本という形だとリスクが倍になるというところですね。そのリスクの倍になるというのは、例えば1%が2%になるというとすごい大きな問題だと思うのですけれども、400万回に1回の確率が200万回に1回の確率になるのをどう考えるかというところだと思うのです。
 今のこれからの5年、10年先の献血の状況を見ると、もしかするとそれは患者さん側にも受け入れてもらわなければならないことなのかという感じがするのですけれども、これはあくまでも受ける側、つまり患者さん側がどういうふうに考えるかということが非常に大きな要点で、そちらの方がそういうことならばいいのではないですかということであれば200を推進する方向を推進。将来の血液を闊達に準備する方策として取り入れるというのが1つの考え方ではないかと思います。以上です。
○衛藤座長 では、竹下委員、どうぞ。
○竹下委員 小山委員の話にある程度重なるのですけれども、医療機関のニーズが400mLであるということですが、私のところでも日赤さんの方から200mLがこれだけありますので使っていただけませんかという話があるのです。それは消化していくのですが、今後、若年者を増やしていく上で200mLが増えていく。そうすると、受け入れ側も200mLのキャパシティを上げていかなければいけないということにも直面してくると思うのですが、厚労省の方からは200mLを使いましょうと推していく方針があるかをお聞きしたい。
 例えば、200mL献血のものが増えてきましたから、医療機関の方でも200mLを使っていきましょうというふうな。
○衛藤座長 お願いします。
○伯野課長補佐 (4)の私が描いていたイメージというのは、やはり最終的には400と200の医療機関の需要に合わせて採血するというのが理想だと思っています。それは非常に低いリスクの中とはいえ、やはりリスクが2倍程度になる可能性が示唆されている中では、需要と合わせて採血をすべきと思っています。
 ただし、現時点ではそれも現実的にできていない実態もございますし、また将来の中長期的な献血者の確保ということがありますので、これで示したイメージは、200については若年層の初回というのはある程度限られた層なので、そういう人たち中心に推進して、一方で少しそれ以外の方々というのは完全な制限ではないですが、例えば採血間隔をあけていただくとか、血漿分画製剤、血漿成分採血の方でご協力いただくとか、そういうことで対応することで200の需要と採血とのバランスをなるべく近づけていけるのではないかなという思いでございます。
○衛藤座長 花井委員、どうぞ。
○花井委員 患者側のというお話があったので私の方からその点についてですけれども、患者個人でリスクがどうかという話はあると思う。これは0.1%の場合で0.2%、そういう議論ですね。それはほぼどうってことないという考え方はあろうかと思うのですが、医療の現場では事実、妊婦さんの喫煙による早産のリスクみたいなのは2倍になります、3倍になりますというのは、全部そういう程度のものを倍、3倍と言っているという実態もあって、特に医療現場の感覚からすれば、これはデータ上2倍というのはある種そうとらえると思います。
 ただし、今回見てもわかるように、陽性率をやっていて、実際には感染したそのものをやろうと思ったら12年間で26例しかないので、200と400の比較すらできなかったというのが実態なので、今回、陽性率で0.1%が0.2%という話ですから、この12年程度のデータでは比較できないほどのことであるというのもまた事実なわけですね。そうすると、これはリスクが0.1%ではなく0.2%であって、更に低いわけです。
 このことは輸血医療に関わる者は皆さん認識していただきつつ、3のようにだから大したことはないということを言わずに、この4の案を進めて、200が余るかなというときにある種理解のある患者さんと医療機関の方に供給するような情報提供を学会等々の協力でやっていくというのが妥協的なのですが、リーズナブルなのではないかと。
 だから、そこのところを医療者と患者が理解する分には構わないのだけれども、こんなに少ないのだからいいではないかということは言いにくいのではないか。そんなことを言うとも喫煙とかメタボリックとか全部そうなってくることもあろうかと思いますし、そういうことがいいのではないかというのが私の意見で、4を強力に進めつつ、今のリスクというものはどんなリスクのことを言っているのかという情報提供は専門家にやって、専門家はそれを踏まえて患者さんに場合によってはちょうど日赤の在庫がないのだというときにそのような説明で御理解いただけるかということはあっていいのではないかというのが1点です。
 もう一つ、これに関連するのは、4を選ぶ場合、初回献血者のみとしているのですけれども、これは例えば学校献血をやる前に、たまたまある生徒さんは献血ルームで初回の献血を体験していました。そこで200mLをやりましたと。次にたまたま学校にも来ましたとなると、今はコンピュータシステムで、このドナーの方は2回目だということは日赤としては把握できるのですね。そのときに、先ほど白阪先生からのデータもあるのですが、複数回と呼ぶ体験、つまり今年2回やろうとか、問題はずれますが、20歳の献血キャンペーンでも、20歳で2回献血キャンペーン。これで言う2回というのがある種の次の複数回につながるというデータがある以上、1回目だけでいいのかというは論点にしてもいいのかなと思います。20歳の献血キャンペーンも議論の論点とは違うのですけれども、20歳の1年2回献血キャンペーンで、2、2キャンペーンにするとか、そういった最初に2回連続してやるという体験を推進するというのも、これまでのデータから見るとちょっと有効なのかもしれないということを思って、初回だけでいいのかというのは議論の論点にしていただきたい。以上でございます。
○衛藤座長 大平委員、どうぞ。
○大平委員 私も患者委員としての立場で少しお話しさせていただくと、感染性の問題について、やはり限りなくゼロというのを目指して血液事業というのは動いているわけなので、この辺ぐらいで我慢という感じはないのだろうと思います。
 ただ、実際にはB型肝炎の問題というのは、数は少ないですけれども、血液からの感染というのは起こり得ているところがあるわけなので、それをゼロを目指しているというところで技術開発とかそういう検査のスクリーニングの開発とかそういうのが進んでいるのだろうと思います。
 そういう意味で、やはり科学技術の発達にはそういう目指すものというのがあってしかるべきではないかなということで、感染性の問題を極力減らしていくという努力というのはやはり現場、また国の行政ですとか、そういう開発する会社、そういうところで不断の努力は持っていただきたいなと思います。
 あと今回提示されたデータの中で、なかなか10代の人でもB型肝炎の感染というのは減っていない。全体として日本の中で、資料4の3ページに出ているのですが、もう少し低いのかなと年代的には若い人のB型肝炎の抗原とかそういう数値を見て減っているのかなと思いましたけれども、なかなかこれが少なくないというところでは、私が感覚として感じた問題ですけれども、やはりこういうところをどういうふうに減らしていくか、そうしないと血液の安全性の確保というのはなかなかB型肝炎に関しては大変難しいところがあると言われていますので、そこについての対策というのは、例えばワクチンを接種して、きちっとB型肝炎の広がりというのをどういうふうに抑えていくか。そういうことも例えば例としては挙げていかなければ、なかなか日本のB型肝炎の素地というのが消えていかないのではないかなと思います。
 特にB型肝炎は、性感染の問題としても挙げられていますし、そういった問題からしますと、ここの取扱いの範囲ではないかもしれませんけれども、健康局とかそういうところにそういった対策をいろいろと提案していただければありがたいなと思っています。
○衛藤座長 ありがとうございました。200mL献血採血の在り方については、資料5をもとにいろいろ御意見をいただきましたが、おおむね(4)を中心とした議論に収束するように感じられておりますし、今、付随していろいろB型肝炎の感染者を減らす努力であるとか、一般集団への広がりを防ぐような努力が必要だとか、200mL初回は1回なのか、2回なのかというような御意見もいただきましたが、おおむね医療機関の需要とか製剤の安全性、製剤効率の観点から、献血を推進する上では400mL全血採血を基本として行うということを前提に、今後の献血推進という観点からは若年層の献血推進が非常に重要であるということですので、400mL全血採血ができない若い年代の何歳ということはまだ別にして、日本赤十字社と学校とが連携して献血セミナーあるいは献血の知識について教育、普及をする取組みを積極的に行うということをしつつ、200mLの全血採血につきましては初回のみなのか2回なのかわかりませんけれども、将来の献血基盤となる若年層の初回献血を中心に推進するという辺りで(4)を中心とした方策ということで大体御意見がまとまったのではないかと思いますけれども、よろしいでしょうか。
 どうぞ。
○小山委員 おおむねそれでいいと思うのですけれども、ただ、資料4の200の献血者数を見ますと、若年者だけではなくて女性の場合にはかなり広い年齢層にわたりますね。これが全部やらないと言い方はおかしいのですけれども、それはなしとするという方向でも大丈夫だと考えて4になるのでしょうか。
○衛藤座長 この点については委員の皆様方でいかがですか。
○菅原献血推進課長 基本的に採血基準上、間隔というのがありますけれども、血液製剤の需要を見ながら、献血を希望される方に対して御説明をし、御理解をいただきながら、献血間隔をあけていただくだとか、繰り返しになりますけれども、あるいは血漿成分(PPP)献血が血小板成分(PC)献血等に比べると非常に女性の方の献血割合が高い採血の種類になっておりますので、原料血漿確保という観点からもそのようなお願いをする等の対応をしていければと考えております。
○小山委員 1つ懸念するのは、女性を排除する形になるのです。言い方は悪いですけれども、女性を敵にすると大変ですね。今回の一番の争論のきっかけも、200をだめだから子どもを排除した結果と言ったら言い過ぎかもしれませんけれども、その点があるわけです。今回はこれでもって200はもう排除しましょうとなると、女性の献血者はこの人たちを全部無視する形になってしまうので、4そのままいってしまうと少しこわいかなという感じを持つのですけれども、どうでしょうか。そんなことはないですか。
○衛藤座長 どうでしょうか。
○菅原献血推進課長 需要がどのくらい増えていくかによっても大分変わってくると思うのですが、いきなり女性全体を抑制対象にするということではなくて、やはり今後需要が増えた場合、今の200mL献血と400mL献血の割合を維持するということは、400mL献血も増えますけれども、当然200mL献血も増やしていくということになりますので、その中で先ほどご説明したような血漿成分(PPP)献血であるとか、献血間隔を空けていただく等、御理解いただくことも含めて進めていきたいと考えております。
○衛藤座長 完全に意見の一致を見たわけではないかもしれませんけれども、そういった需要を見ながら決めていくということでよろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○衛藤座長 大分時間をとってしまいまして申し訳ありませんでした。
 次に移りたいと思います。資料6の平成24年度献血推進計画(案)について事務局より御説明をお願いいたします。
○伯野課長補佐 資料6-1は溶け込ました版でございますので、6-2をごらんください。向かって右側が平成23年度、今年度の献血推進計画でございますが、平成24年度が向かって左側でございます。こちらは案でございます。
 1ページ目、この赤いところが修正・加筆した部分でございます。第1節、平成24年度に献血により確保すべき血液の目標量については、現在、都道府県ごとの目標量を調査中でございますので、すべての都道府県の目標量が定まってからこちらについても記載させていただく予定でございます。
 3ページ、今回の若年層の献血意識調査の結果も踏まえまして、献血については正しい知識だとか、献血の必要性ということが十分に認知されていないという結果もございましたので、今回、「献血の正しい知識や必要性」という単語を明記させていただきました。また、少子高齢化というのを既に少子高齢化社会となっているという観点から変更させていただいております。
 4ページ、こちらは先ほど角田委員の方からもございましたが、若年層の方々の最近の情報の入手方法としては、パソコンを立ち上げてインターネットで見るというよりは、スマートフォンだとか携帯電話を使用した情報収集が多いということから、広報の在り方として気軽に目に触れる機会を増やすことが重要であるということを追記させていただいております。また、若年層の意識調査においても、友人など身近な人から献血を進められた場合に有効であるということが結果として出ておりますので、学生献血推進ボランティア等という事例を挙げさせていただいております。
 また、400mL採血については、今年度既に下限年齢が17歳に引き下げられておりますので修正させていただいております。
 少し飛んで10ページをごらんください。献血実施の日時だとか場所等について、今回の若年層の意識調査においても知りたい情報として挙げられておりましたので、都道府県・市町村とも連携して採血事業者とともに十分な広報を行うことを明記させていただいております。
 これまでずっと議論になっておりました200mL全血採血の在り方でございますが、先ほどの御意見と重複しますが、医療機関からの需要、血液製剤の安全性、製造効率の観点から、400mL採血を基本として推進するものとする。ただし、今後の献血推進という観点からは、若年層の献血推進が非常に重要ですので、400採血ができないような年齢層については、献血セミナーを実施するなど、献血の知識について啓発をする取組みを行う。また、200採血については、将来の献血基盤となる若年層の初回献血を中心に推進するものとするとさせていただきました。
 また、3番の災害時等における献血の確保等について、でございますが、今般の東日本大震災の経験を踏まえまして記載させていただいております。大きく2点ございまして、東日本大震災発生時は、御承知のとおり献血者が一時的に非常に増加したときもございましたが、今後、電力の問題もあり、継続的に献血者を確保することが非常に重要であるということを明記させていただいております。
 2点目でございますが、今般の震災において通信手段の確保、燃料の確保に支障が生じたことがございますので、今後、災害時に備えた複数の通信手段の確保だとか、燃料の確保が的確に行われるように対策を講じるとさせていただいております。
 以上でございます。
○衛藤座長 それでは、ただいまの御説明に関しまして、御意見、御質問等ございましたらお願いいたします。この方向で進めさせていただいてよろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○衛藤座長 ありがとうございます。
 それでは、事務局におかれましては、献血推進計画を進めるということで、最終的な文言等について数字が入っていないところ等がございますので、座長預かりとさせていただくということで最終的に完成するということでよろしいでしょうか。御一任いただけますでしょうか。
(「はい」と声あり)
○衛藤座長 ありがとうございます。
 それでは、事務局に委ねて修正したものを血液事業部会の方に上程していただくようにお願いいたします。
 それでは、議題4のその他に入りますが、資料7のけんけつちゃんの版権については、既に前回の献血推進調査会で事務局より御説明いただきましたが、前回、御欠席の委員もいらっしゃいますので、簡単に改めて御説明をお願いいたします。
○伯野課長補佐 資料7「けんけつちゃん販売の権利関係について」という資料でございますが、前回の調査会で時間切れとなってしまいましたので、改めて議題とさせていただいております。
 こちらは昨年度の調査会でけんけつちゃんを販売したらどうかという御意見を山本委員よりいただいておりましたので、そもそも販売することが法的あるいは契約上可能かということを整理させていただいております。
 まず国がけんけつちゃんを販売できるかという点ですが、国が何かを販売するという点では、財政法上民間企業が売ることができないなど、相当縛りがございますので、事実上、国は販売できないことになります。
 しかしながら、権利は電通が現在保有しておりますが、キャラクターのクオリティ管理のためにデザイン制作の受注が条件となっておりますが、国が指定した第三者であればキャラクターを使用する上で、実施料、ロイヤリティは取らないという契約になっておりますので、契約上は販売することは可能ということになっております。
 裏面でございますが、販売することによるメリット、デメリットでございます。メリットですが、認知度が上がるだとか、献血できない人が献血協力への行動の1つとなるだとか、売り上げが出れば献血推進の活動費に充てることができる。さまざまなメリットを挙げさせていただいております。
 次に、デメリットですが、無償の献血と金銭を伴う販売ということに国民の理解が得られるか否かということ。もし問題が生じた場合に献血のイメージが悪くなってしまって、献血離れが生じるのではないかというものでございます。
 前回の会議では大平委員、小山委員の方から献血者に売ることは無償ということと販売ということについて、理解が得られるか疑問ということで反対という意見が出ておりましたが、そのほかの委員の方々についても御意見がございましたらいただければと思ってございます。
 また、今回、山本委員は御欠席でございますが、事前に御説明をさせていただきまして、契約状況を説明させていただいたところ、現在の契約状況であれば日赤もけんけつちゃんを使って実施料やロイヤリティなどを取られないのであれば、特に販売にこだわっていないということで、これで別に問題はないという御意見をいただいております。
 以上でございます。
○衛藤座長 それでは、この件につきまして、御質問、御意見等ございますか。前回に引き続いての議論ですので、もしよろしければけんけつちゃんは現時点では販売しないということにしてよろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○衛藤座長 ありがとうございます。それでは、時間が過ぎて申し訳ありませんが、急いでやります。資料8のHOP STEP JUMPでございますが、来年度のHOP STEP JUMPの作成に向けて、何か修正すべき点がないか、事前に事務局から各委員の皆様に伺っていたかと思います。何かこの場でございましたら御意見をいただけますでしょうか。特にございませんでしょうか。
 それでは、来年度のHOP STEP JUMPの作成に向けて、事務局の方で御準備を進めていただければと思います。
 最後に事務局の方から何かアナウンスがございましたら、よろしくお願いします。
○伯野課長補佐 本日は、御多忙の中、御協議ありがとうございました。
 今年度の調査会はこれで終了とさせていただきたいと思います。また、献血推進計画については、血液事業部会の方にも上げて、引き続き審議をさせていただきたいと思っております。来年度でございますが、来年度も年に1回程度の開催を予定させていただきたいと思っておりますので、また追って御連絡をさせていただきます。
 以上でございます。
○衛藤座長 それでは、何かこの場で御発言ございますか。
 本日の議題は以上でございます。本日は御多忙のところ、ありがとうございました。


(了)
照会先: 厚生労働省血液対策課 伯野(内線2905)

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