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2011年10月19日 厚生科学審議会疾病対策部会 第15回難病対策委員会

○日時

平成23年10月19日(水)10:00〜12:00


○議題

1.今後の難病対策について
2.その他

○議事

○疾病対策課長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまから「厚生科学審議会疾病対策部会第15回難病対策委員会」を開会いたします。
 委員の皆様におかれましては、お忙しい中をお集まりいただき誠にありがとうございます。
 委員会開催に際しまして、本日は辻泰弘厚生労働副大臣が出席いたしておりますので、厚生労働副大臣よりごあいさつ申し上げます。よろしくお願いします。
○辻副大臣 皆様、おはようございます。
 御紹介いただきました小宮山大臣の下で副大臣を拝命いたしております参議院議員の辻泰弘でございます。
今日は皆様方、公私御多用の中でございますけれども、金澤委員長を初めとする皆様方にこのように御参会をいただきましたことを心より厚く御礼を申し上げますとともに、今日まで難病対策について本当にいろいろと真摯に御議論いただき、厚生労働行政の前進のためにお力添えを賜ってまいりましたことを心より感謝申し上げる次第でございます。
 私も10年ちょっと国会に身を置かせていただいてございますけれども、8年ほど厚生労働委員会に所属をさせていただいてまいりました。議員になります前に透析患者の方々との御縁が出発点となって、以来、難病の問題も大きな課題と思って、私自身にとりましては自分のライフワークの1つだと、このような思いの中で取り組んできた課題でございます。
 片や財政状況が厳しい中ということで、なかなか遅々として進まぬ難病対策でございますけれども、私は与野党を超えて超党派的に政治がもっと光を当てて前進を遂げるべき対象分野であると思っているところでございます。
最近におきましては、難治性疾患克服研究事業の予算の拡充なども実現をしていただく中で、研究奨励分野の拡大など、いろいろと取組みもあったわけでございますけれども、根本的な問題としての難病の位置づけというもの、すなわち法的背景を持たないがゆえにマイナスシーリングにいつもかかってしまうという大きな問題があるわけでございまして、やはり基本的な対策法、根本的な法律が必要ではないかと私なりにかねがね思ってきたところでございます。
 そして、その裏表の問題として、当初、国・地方折半で負担するという形であったにもかかわらず、予算補助という中で地方に結果として負担がしわ寄せをされ、国の責任が本来の約束に満たない状況が続いているいわゆる超過負担も大きな問題として、これまた法律的な背景を持たなければ義務的経費にならないということでもあるわけでもございますが、この問題も大きな課題として残っているわけでございます。
 また、症状固定ということでなかなか障害認定にしていただけないという現状もあって、いわゆる谷間に置かれていると言われている状況も続いているところでございますし、就労支援が十分整っていないといった問題もあるわけでございます。
こういったことを初め、現在の特定疾患治療研究事業の医療費助成の対象を増やしていく、難治性疾患も増やしていくといったこともあるわけですが、片や財政状況もあるという中でなかなか厳しい問題も抱えているわけでございます。
しかし、当初申しましたように、やはり政治がしっかりと光を当てて前進をさせていく、そのような大きな課題であると思っておりまして、先生方にいろいろと御指導いただく中で積極的な前進を遂げるように厚生労働省として取り組んでいきたい、このような決意におるところでございます。どうか金澤先生を初めとする皆様方のさらなる御指導御鞭撻を賜りますように心からお願い申し上げまして、ごあいさつとさせていただきます。
ありがとうございました。
○疾病対策課長補佐 それでは、本日の委員の出欠状況でございます。
 水田委員、広井委員、福永委員、保坂委員、益子委員、山本委員から欠席の御連絡をいただいております。小幡委員につきましては、15分ほど遅れるとの御連絡をいただいております。
 また、新たに疾病対策部会長より指名を受けまして、佐々木健委員、本田麻由美委員に御参画をいただいております。
もし可能でございましたら簡単にごあいさついただけますとありがたいですが、よろしいでしょうか。
○佐々木委員 ただいま御紹介いただきました岡山県保健福祉部長をしております佐々木でございます。
 衛生部長の立場ということで、地方のいろいろな実情につきまして、私の方から意見を述べさせていただきたいと思っております。
 よろしくお願いいたします。
○本田(麻)委員 読売新聞の記者の本田と申します。
 私は医療、介護の取材を担当してきたんですけれども、私自身もがん患者でして、がんの協議会などでも日本の医療対策を勉強させていただいております。取材を通して難病対策の方にも大変関心を持たせていただいていて、今回は医療費の問題とか、就労支援とか、社会支援というものを今後どうやって充実させていくのか勉強したいと思っています。
 よろしくお願いします。
○疾病対策課長補佐 事務局といたしましては、先ほどごあいさつ申し上げました辻厚生労働副大臣、外山健康局長、疾病対策課のメンバー及び本日は報告事項としまして、関連施策の状況ということで西辻保険課長にも出席いただいております。
 それでは、以降の議事進行につきましては、金澤委員長にお願いしたいと思います。
よろしくお願いいたします。
○金澤委員長 ただいま御紹介いただきました金澤でございます。
今日は辻副大臣ができる限り御出席いただけるということですので、張り切って議論したいと思います。また、辻さんから大変力強いお言葉をちょうだいしましたので、我々も一生懸命議論したいと思っております。どうぞよろしくお願いします。
 それでは、資料の確認を簡単で結構ですから、どうぞ。
○疾病対策課長補佐 資料の確認をいたします。
1枚目に議事次第がございます。
その後に委員名簿がございます。
済みません、1点だけ修正させてください。委員名簿の方で新しく就任いただきました佐々木健委員の所属について間違いがございました。岡山県保健福祉部部長です。「健康」となっていますが「保健」福祉部部長でございました。大変申し訳ございません。
これが一部ございます。
更に資料1としまして「これまでの委員会における議論を踏まえた論点メモ」というもの、それに対する別紙が11までございます。
資料2といたしまして「難治性疾患の定義について」ということで、表裏の資料がございます。
最後に資料3ということで「高額療養費の見直しについて」がございます。
資料につきましては、以上でございます。
○金澤委員長 どうもありがとうございました。
何か欠落などございましたら、どうぞ今のうちにお申し出ください。
 それでは、早速ですが検討事項に入りたいと思います。本日、大事なのは今後の難治性疾患対策についてでありまして、今回から委員に加わってくださった方もいらっしゃるものですから、これまでのこの委員会における議論を踏まえた論点整理ということで、この委員会の議論をまとめてもらいましたので、事務局から説明をしていただきましょう。
 どうぞ。
○疾病対策課長補佐 それでは、説明させていただきます。資料1及び別紙、その2つに基づきまして御説明申し上げます。
 資料1の表紙をめくっていただきまして、この数回さまざま議論をいただいておりますが、そのうち大きく柱として7つに分けさせていただきました。
 1ページでございますが、「?対象疾患の公平性の観点」というところでの論点でございます。参考になりますのは別紙1〜4になります。
まず1番としまして、難治性疾患の4つの要素について、すなわち希少性、原因不明、治療方法が未確立、生活面への長期の支障を満たす疾患であっても、特定疾患治療研究事業の対象疾患、現行56疾患でございますが、それになっていないものがあり、希少性難治性疾患の間でも不公平感があるという御意見が出されております。
さらには難治性疾患克服研究事業の対象疾患、こちらは研究の方でございますが、臨床調査研究分野の130疾患及び平成21年度に拡大いたしまして研究奨励分野というものを設けておりますが、平成22年実績で214疾患、こちらに限定されてり、診断基準が確立していないものも含め、細分化しますと5,000〜7,000あると呼ばれております希少性難治性疾患の一部にしか対応していないという現状にある。
また、逆に言いますと、それら130疾患及び214疾患の中には4要素を満たしていないものも含まれるということでございます。
更に医療費補助対象疾患、研究対象疾患については公平性の観点からもある一定の基準を基に入れ替えることを考える必要があるのではないかというような御意見もいただいております。
 別紙1ということで「現行の難治性疾患研究概念図」としております。国際的に言われているすべての希少性疾患が、希少性のがんも含みますが、5,000〜7,000あると言われているうち、まず研究でカバーしておりますのは難治性疾患克服研究事業としまして、研究奨励分野の214疾患、臨床調査研究分野の130疾患、そのうち56疾患が特定疾患治療研究事業となっています。
人数ですけれども、特定疾患治療研究事業は68万人、130疾患から56疾患を引いた74疾患分が約670万人くらいいらっしゃるということでございます。
 別紙2、こちらは56疾患、特定疾患治療研究事業の対象疾患の経緯一覧及びそれぞれの受給者証の所持者数ということで、これは毎回出させていただいている資料でございます。
 別紙3はこれまでの「特定疾患治療研究事業疾患別受給者件数の推移」ということで、これも何度か出させていただいておりますが、近年非常に増えているものもございますし、全体として増えてきているというようなことでございます。
 そういう状況の中、別紙4は「特定疾患治療研究事業の対象疾患への追加に関する患者団体等からの要望一覧」ということで、さまざまにいろいろな疾患からの要望があるということでございます。
 以上が「?対象疾患の公平性の観点」についての説明でございます。
 続きまして「特定疾患治療研究事業運用の公正性の観点」でございます。これも委員の先生方から御意見をいただいたものをまとめたものでございます。
1つ目としまして、受給申請の審査が不十分、すなわち患者自己負担軽減のため、やはりどうしても医師としては認定のため行う診断が甘くなっていることもあるというようなことも含めて、本来対象外のものも対象となっているとの指摘、御意見があったということでございます。
次に本来事業対象外の治療、これは認定された特定疾患に係る治療以外の医療に対しても助成がなされている事例があるということでございます。具体的に言いますと、対象疾患と全く異なるような疾患に対する治療に対しても助成がなされているのではないかということで、これは国の方で各県に監査資料を見る際にそういう状況も見受けられるかなということで書かせていただいております。
更に実施要綱上他法優先という形で定めているにもかかわらず、患者負担が少ない特定疾患治療研究事業を利用されているとの指摘があるという御意見もいただいております。
 こちらにつきまして別紙5で、まず要綱の抜粋を書かせていただいております。
まず「対象者」のところでございますが、1つは赤にしているところを中心に見ていただきたいんですけれども、「ただし、他の法令の規定により国又は地方公共団体の負担による医療に関する給付が行われる者は除くものとする」ということで、実施要綱上は他法優先という形になっているということでございます。
更に「対象医療の範囲」でございますが、「治療研究事業の対象となる医療は、重症者であるか否かに関わらず、別に定める手続きにより認定された対象疾患及び当該疾患に付随して発現する傷病に対する医療に限られる」ということでございます。こちらが先ほど申し上げました本来事業対象外の治療、あるいは他法優先の指摘に対して現在まとめております資料でございます。
 別紙6の方で「特定疾患別身体障害者手帳の取得状況一覧」というものがございます。こちらは先ほど申し上げましたように、障害者手帳を持っていらっしゃる場合に、例えば自立支援医療等を受けられるんですけれども、逆に患者負担が少ない特定疾患治療研究事業が利用されているのではないのかという御意見があったということで、実際に身体障害者手帳の取得をされている方がどれくらいいらっしゃるかということですが、これも前回も出させていただいております。疾患によって非常に差はございます。例えば副腎白質ジストロフィーあるいは亜急性硬化性全脳炎は7〜8割手帳を持っていらっしゃる方がいる。逆に言いますと、潰瘍性大腸炎あるいは劇症肝炎のような急性のものについては5%以下の取得状況率ということで、押しなべて平均しますと20%くらいの方は持っていらっしゃるというような状況にございます。
 次が資料1の2ページ目に戻らせていただきまして、「?他制度との均衡の観点」ということでございます。
国民全体がかかる一般の医療保険制度の方に上乗せされる他の公費負担制度と比較いたしまして、特定疾患治療研究事業をどういうような位置づけ、あるいはどういうような形として考えるか、すなわち他の公費負担制度とはどういうものがあるかといいますと、例えば小児慢性特定疾患治療研究事業あるいは自立支援医療というものが上乗せされていると思いますけれども、それに比べてかなり手厚いのではないのかというお話も御意見として出ております。
もう一つは、他制度との均衡の観点から考えますと、入院時食事療養標準負担額というようなものも補助の対象となっているのが特定疾患治療研究事業あるいは小児慢性特定疾患治療研究事業の特徴になっております。
 別紙7の方には後ろに参考資料が2枚ほど付いておりますが、自己負担限度額表は特定疾患治療研究事業の限度額表でございまして、毎回御説明をさせていただいておりますが、どのように収入があっても入院で最大月2万3,100円、外来では1万1,550円になっております。
 次の参考が小児慢性特定疾患でございまして、こちらにつきましては特定疾患治療研究事業とほぼ一緒になっていまして、それぞれの階層の額が半額ずつになっているのが特徴でございます。
更にもう一つの参考として、「自立支援医療における利用者負担の基本的な枠組み」がございます。こちらにつきましては右端の「重度かつ継続」を見ていただきますと、生活保護の方は0円、しかしながら「低所得1」「低所得2」と呼ばれる方、これは市町村民税非課税の方でございますが、特定疾患治療研究事業あるいは小児慢性特定疾患治療研究事業では市町村民税非課税の場合は入院、外来ともすべて0円になりますけれども、自立支援医療の方では2,500円、5,000円という形で負担をいただいている。更にそれ以上の階層として5,000円、1万円、2万円という、「重度かつ継続」でもそういうような負担をいただいているという制度になっております。
更にもう一つ参考が後ろにございまして、「高額療養費の自己負担限度額」ということで、現行の制度でございます。これも先ほどの低所得者、市町村民税非課税の方については自己負担限度額が1月当たり3万5,400円というような形で、これはナショナルベースとしての保険の給付ですけれども、自己負担は3万5,400円いただいている。市町村民税非課税以外で上位所得者以外の方については8万100円+医療費−26万7,000円×1%という細かい額になりますけれども、そのような自己負担限度額になっております。これが大まかに言いますと「他制度との均衡の観点」の参考の資料としての別紙でございます。
次が「?制度安定性の観点」でございます。
これも何度も議論というか、検討の中で御意見をいただいておりますが、受給者増が毎年2〜3万人、あるいは医療費も増加している、年間大体100億円くらいの増加。これは普通の社会保障費あるいは国民医療費に比べても非常に大きい伸びなんですけれども、そういう状況にございまして、補助要綱上は予算の範囲内で国が2分の1補助することとなっているものを、現実的には大幅な都道府県の超過負担が続いており、不安定な制度になっているのではないかということでございます。
これは別紙8でございまして、これもいつも提示させていただいておりますが、平成12年、ちょうど10年ぐらい前につきましては交付率も92%あった。この92%という意味は、国が本来2分の1負担として支出するべき額に対する92%ということでございます。現在は平成23年度の推計段階ですけれども46.7%ということで、交付率が非常に下がっている実情になっているということでございます。しかも事業規模としても1,200億円程度と推定されております。これが?でございます。
次が「?臨床調査個人票の患者データの質、効率性の観点」でございます。
難病の診断が厳密に行われておらず、データの質が研究に資するものではないこと、都道府県によっては対象患者のデータ入力状況がまちまちであることを考えれば、統計データとしての精度に問題があるのではないかということでございます。
次が患者一人ひとりの詳細な臨床データを入力することへの都道府県の負担が非常に大きい一方、これらデータは疫学情報としての精度の問題もあり、なかなかデータ収集の方法としては効率的ではないのではないかということでございます。
3つ目としまして、患者、診断医、行政、例えば都道府県でございますが、それぞれがデータ入力をすることについてのインセンティブを感じられる制度になっていない状況があるのではないのかという指摘もございました。
更に特定疾患治療研究事業について、医療費助成をするという福祉的側面のみが強調されておりまして、患者、診断される臨床の現場の先生あるいは行政、都道府県ともに本来の研究的意義に関する認識が薄くなっているとの指摘もございました。
こちらにつきましては別紙9ということで、これも前回提示させていただきましたが、都道府県別の臨床調査個人票のデータ入力がばらばらであるというようなデータでございます。5%以下あるいは10%台、20〜30%と呼ばれるような非常に入力率の少ないところもございます。逆に100%以上というものもございますが、こちらの中には例えば同じ人を複数回入力しているものもございますので、そういう意味での精度も少しいかがなものかというような御指摘もございます。
次が資料1の最後の3ページでございます。やはり「?総合的施策の観点」が重要ではないのかということでございまして、これはいろいろ議論がございました。
1つは難病対策が医療費助成、研究、それぞれ重要でございます、しかしながらそれに偏重しているというのもあり、そもそも難病に対する国民の理解、認知度を深めるための普及啓発や、あるいは先ほど副大臣からのごあいさつにもございましたけれども、雇用就労の促進というような総合的な対策が進んでいないのではないか。
次に各都道府県に設置されております難病相談支援センター、これは都道府県によっては基盤が脆弱なものもございまして、活動にも差があるという御指摘もいただいております。
更には委員の意見としまして、難病患者団体が力をつけて、患者間の支援あるいはネットワーク化、研究など、自らもより一層難病対策に取り組むことが望ましいのではないのかということでございます。
更に難病研究あるいは治療法開発等の国際連携が十分に図られていないこと。
難病患者へ自らの疾患に関する最新情報の提供、あるいは災害時の災害弱者たる難病患者への危機管理上の特段の配慮等のサービスも必要ではないのかということで「総合的施策の観点」にまとめさせていただいております。
参考になりますのが別紙10で、更に別紙10の後ろの参考資料ということで2つ付けております。
「難病施策概要」、今、「総合的施策の観点」と申しましたが、実際に現在どういうふうな難病施策がとられているのか、マッピングみたいに図として表してみました。真ん中に希少性・難治性の疾患の患者さんがいるということで、56疾患に限りましては68万人。その中で入所あるいは入院される方が6万人、約10%いらっしゃいます。更に在宅療養されている方が17万人、4分の1、24.9%いらっしゃいます。それ以外は例えば就労とか就学というような方がいらっしゃいます。
年齢構成でございますが、60歳未満の方が約半数、60〜70歳も含めますと、7割が70歳未満の方になっているということです。
「根拠」と書いてありますが、これはこの事業実施の根拠、いろいろな施策実施の根拠ですけれども、今のところ難病対策要綱で予算事業化されているところです。
左の下に黄色く囲っております「研究・医療」は先ほど偏重していると申し上げましたが、こちらが今、中心というか、大きな重点事項としてされておりますけれども、特定疾患治療研究事業の助成事業ということで医療費助成が56疾患、研究につきましては難治性疾患克服研究事業で130疾患及び214疾患、それ以外にもライフイノベーションということで新たな取組み、更には難病情報センターということで、これはもしかしたら相談支援なり普及啓発にも関わるかもしれませんが、難治性疾患について一元的なわかりやすい情報提供を1つ進めているというものがございます。
それ以外にどういう制度があるかといいますと、左上に行きますけれども、「介護・福祉サービス」ということで居宅支援生活事業をさせていただいております。これは市町村が実施主体になりまして、都道府県と国が補助するものでございますが、それぞれやはり実施率が低い。ホームヘルプサービスであると実施率は大体4割、短期入所、ショートステイについては3割、日常生活用具給付事業が一番多いんですけれども、市町村の数でございますが、実施率は大体5割の市町村でされているということでございます。
更にその下に行きます。「入所施設」が点線になっていますのは若干弱いなというイメージで書いております。入所施設につきましては各都道府県におきまして、1県だけまだ未整備で、今年度中にはと伺っておりますが、難病医療拠点病院を中心として重症難病患者の入院施設確保事業をやっていただいております。恒常的入所施設というよりも、何かあった際のまさに重症患者さんが出た際の入院施設を確保するために、難病医療拠点病院を中心として各都道府県の中でしっかりと病床確保あるいは円滑な入院を確保してくださいというような事業でございます。
次に真ん中の上に行きます。「相談・支援」ということで、これは全国47都道府県に難病相談・支援センターがございます。これは一番最初に出しましたけれども、形態としては各保健所がやっている、あるいは中核の医療機関がやっているところ、難病患者団体、難病連のようなところに委託をしているところ、社協がやっているところ、さまざまな形態がございますが、先ほどの課題のところ、論点にも出ましたけれども、格差というか、いろいろ差があるということもございます。こちらは相談支援のみならず、患者会への支援あるいは研修会もやっていただいております。
右の上、点線のところの「就労・雇用支援」でございます。ここの部分は若干弱いかなと思いましたので点線にしておりますが、1つは難病患者の就労支援事業、そして平成21年度から難治性疾患患者雇用開発助成金ということで、トライアルでございますけれども、こういう制度も始めさせていただいております。
更に真ん中の下「啓発普及」で、先ほど申し上げました難病情報センターあるいは各患者団体さん、研究者がされるシンポジウムの後援をしておりますが、ここも国民の認知度がどうかと言われると、いま一歩なのかなということで点線にさせていただいております。
それ以外にも右の端、例えば他の制度と比べてみると、こういう部門、これは必要かどうかは別としても、「所得保障等」「国際協力」「民間サービス」「居住生活環境支援」あるいは「学校教育」ももしかしたらパーツとしてあるのかなということで提示させていただいております。
下の緑の枠で書いておりますのは、ボリューム感というか、どれくらい人数がいるかということで、繰り返しになりますが、難治性疾患克服研究事業の対象疾患、臨床調査研究事業の130疾患で56疾患を除いた数ですと約680万人くらいいらっしゃる。更に56疾患ですと68万人ということで、そのうち身体障害者手帳の取得率は21%。身体障害者の手帳取得者につきましては、障害の程度等に応じて障害者支援も受けられるということでございます。
次の後ろの参考でございますが、「障害者自立支援法の給付・事業」ということで、障害者支援のサービス、これはいつも既存で使われている資料でございます。簡単に説明しますと、大きくは「介護給付」、これが居宅とか、デイサービスとか、施設入所支援というもの、そして右に「訓練等給付」と「自立支援医療」「装具」と、下に「地域生活支援事業」がございますが、それぞれ障害者、障害児に対して、原則として国が2分の1負担で市町村が実施主体となっております。更に都道府県はそれらの広域支援なり人材育成をするということでございます。
下の右端に※で書いてありますが、自立支援医療のうち、育成医療あるいは精神の通院医療の実施主体は都道府県等がなされているということでございます。
次の参考が「障害者雇用促進法の概要」でございます。これは難病のお話ではなく、障害者の雇用でどういうような制度があるかということでございます。
例えば雇用義務制度ということで、これは障害者雇用率というものがございまして、民間企業であると1.8%となかなか達成が難しいということなのですけれども、こういう目標が定められて、これはまさに義務になっている。
それに対して納付金制度というものがございまして、例えば障害者雇用調整金ということで、雇用率が達成できますと超過1人当たり月額2万7,000円支給するというようなものになっています。この納付金調整金制度につきましては常用労働者200人超の企業が対象になるというものでございます。それ以外にも各種助成金制度、障害者を雇い入れるための施設の設置とか、介助者の配置等にも助成金を支給されているというような制度でございます。
更に障害者御本人に対する措置としましては、ハローワークで障害者の態様に応じた職業紹介をする、あるいは地域障害者職業センターでリハビリとか、準備訓練、ジョブコーチ等をするというような制度で、促進法の中で障害者に対しては手厚く雇用就労環境の整備が進められているということでございます。
資料1に戻りますけれども、最後の柱というか、「その他」ということでさまざまな御意見を1つにまとめました。
現行制度そのままの継続は非常に困難である。やはり抜本的に難病対策の見直しを進めていく必要があるのではないのかという御意見をいただきました。
更に医療保険制度、障害者施策等の他制度の改革と整合性を図りながら難病対策の在り方について議論する必要があるのではないのかというような御意見もございました。
更に前回さまざまな御意見をいただいたところの中で中心的な御意見があったかもしれませんが、特定疾患治療研究事業の研究的側面と福祉的側面の考え方を整理する必要があるのではないかということ。
更にいわゆる「難病」の定義についても整理する必要があるのではないのか。希少性、おおむね5万人未満、原因不明、治療方法未確立、生活面への長期の支障及び診断基準が一応確立している、そういういろいろな定義があると思うんですけれども、そういうものを整理する新たな段階に来ているのではないのか。
更にこれは前々からの問題で、小児慢性特定疾患治療研究事業の対象疾患であっても特定疾患治療研究事業の対象とならないものについて、20歳以降医療費助成を受けることができないいわゆるキャリーオーバーの問題もあるというようなことでございます。
別紙11は今、最後に申し上げました「小児特定疾患治療研究事業の概要」で、これも今まで出させていただいておりますが、右端、対象疾患が11疾患群、514疾患ということで数も非常に多い、しかしながら給付人数としては約10万人で、年齢で卒業されますので、人数はこの10年さほど変わっておりません。総事業費としても251億というような状況になっております。
説明は以上でございます。
○金澤委員長 大変いろいろな問題を1点に集めてまとめてもらったものですから、必ずしもまとまりがあるわけではないんですけれども、まだまだこういう検討が必要な時期だと私は理解しております。
 実はこれからのほぼ1時間弱という時間が今日のメインイベントでありまして、むしろ資料1の?〜?まで、「その他」は分解していただいていいんですが、?〜?までについて順番に皆さん方からコメントなり御意見なり御質問なりをいただこうと思います。こういう形でまた観点を充実させていって、何らかの方向性は見い出せればいいなということでありますので、どうぞご遠慮なく。
では、いつものとおり伊藤さんからいきますか。どうぞ。
○伊藤委員 いつものとおりと言われるとあれですけれども、これは言葉の問題なのかどうかということがあるのですが、「?対象疾患の公平性の観点」ということでいろいろ意見も言わせてもらったのですけれども、一番最後に「入れ替えることを考える必要があるのではないか」とまとめられていますが、今までの議論ではそういうことではなくて拡大をどうするのか、このままで拡大を続けていけるのかどうかということだったので、それ以前のお話であったのかどうかは記憶がないのですけれども、決してこの難病対策委員会では入れ替えということは議論されていなかったのではないかという気がいたします。
 それ以外の全部の数で680万人と推計しておられるようですけれども、これも数え方その他の根拠がよくわからないです。680万人という数字が出てくると、それだけでこれをどうしようかという話になってしまうので、この680万人はかなり過大過ぎるのではないかという気がするのですが、そのことを質問と私の意見ということでお願いします。
○金澤委員長 何かどうぞ。
○疾病対策課長補佐 後者の680万人のところについては、確かにあらあらの推計というデータでございます。前回、実は各委員にこういうファイルでこれまでの資料も合わせた形で置かせていただいておりますけれども、こちらに別紙4がございます。130疾患、これは毎年研究をしておりますので、各研究班の方でその対象疾患について大体どのくらいの人数がいるかというのは推計を出していただいております。これは先ほどの難病情報センターの方にも書かせていただいておりますけれども、各研究班からいただいた数字をそのまま足し上げた数字が680万という状況になっておりますので、中には先ほど申し上げましたように130疾患の中にも数が非常に多い、100万人を超えるようなものも若干ある。それが難治性疾患、希少性疾患という要件としてどうかというような御議論はあるかもしれませんが、そういうようなものもあるということで680万という数値を出させていただいているというのが1つでございます。
 入れ替えが要るのではないのかという御意見はなかったのではないのかということでございますが、そういう意見も実は少しあったと私は伺ったので書かせていただいています。
○金澤委員長 これは私がコメントした方がいいかもしれませんけれども、この意見は前々からあるんです。これは公平性を考えると当然そうなんですけれども、もう一つは30年以上研究してきて1つも卒業しないとは一体どういうことかと財務省から言われているんです。そういうこともあって書いております。そこだけちょっとお許しいただきたいと思います。
 ほかにどうですか。
○本田(麻)委員 済みません、資料1の順番どおりではないのですけれども、単純な質問が2つあるんです。
 別紙10の真ん中にある「希少性・難治性疾患患者」と囲まれているところの「56疾患:68万人」以降の下の行の6万人とか17万人は、68万人のうちという数字ですか。
○疾病対策課長補佐 そのとおりです。
○本田(麻)委員 それはそれとしてわかりやすく書いていただいているのでいいのかもしれませんけれども、「難病施策概要」とある中で、真ん中に68万人のことしか触れていないのは残念な気持ちがして、ほかにもいっぱい人はいるんだよ、ただ対策が十分されていないだけでという意味合いでそういうものを入れておいていただきたかったなというのが患者側としての気持ちなのかなと感じました。
 もう一つ質問なんですけれども、資料1の「?他制度との均衡の観点」ということで、幾つか高額療養費制度だとかいろいろな仕組みの別紙が付いているんですけれども、別に議論をひっくり返すとかそういうつもりは全くなくて単に疑問なんですが、これは医療保険制度上に上乗せされる他の公費負担制度という参考としては、例えば透析患者さんとかHIV患者さんとかの特定疾病の問題がありますね。これもやはり示していただかないと、患者さんたちの間には、難病に限らずがんの患者さんなども特定疾病の支援の仕組みを超えるような使い方をされるのではないかという疑問を持っている人たちもいっぱいいらっしゃいますので、参考資料としては付けていただいた方がいいかなと感じました。
○金澤委員長 どうぞ。
○疾病対策課長補佐 先ほどの特定疾病の話につきましては、13回の資料もこちらの方につづってあると思います。これも難治性疾患対策についての資料2−11「高額長期疾病(特定疾病)に係る高額療養費制度の特例について」ということで入っておりますので、済みませんが、御参考いただければと思います。
○金澤委員長 ありがとうございました。
もう?にとどまらなくなってしまったから、まあいいです。
どうぞ。
○小幡委員 ?についてです。公平性の観点で最初のときにも申し上げたと思うのですが、1つ目ですけれども、希少性、原因不明、治療方法未確立、生活面への長期の支障を満たすこの4要素だけであれば恐らくたくさんの疾患と思われるものが満たしていると思うのです。ただ、全部は取り上げられない。研究の助成などの話になると思うのですが、そのときに患者団体から不公平感があるというお話がございましたので、どういう基準で選んでいるのかということについて、公開の審査会、検討会のようなところでやっているということでしたが、その基準、透明な形で選択されるという手続過程、プロセスが大事であろうとお話ししたのですが、この4要素以外にもう少し細かい審査基準のようなものは何か、内部的な基準とかでもあるのでしょうか。
○金澤委員長 どうぞ。
○疾病対策課長補佐 前回も御質問いただいておりますこの4要素を満たす疾患のうち、例えば56疾患あるいは130疾患にするというようなこれまでの経緯でございますと、特定疾患対策懇談会という基本的には専門家が集まったところで、これは公開のオープンの会議ですけれども、そちらの方でさせていただいております。
 更にその4要素以外にプラスアルファの何か内規的な要件があるのかということでございますが、1つは当然診断基準が確立していないと、疾患概念がしっかりしていないと、患者さんを特定することができませんので、そちらについては次の議題2の方でも出てきますが、それは1つ入っております。それ以外にプラスアルファで何かあるかというと、例えば130疾患のうち、より重度とか、あるいはより支障を来すというところで56疾患が選ばれてきた経緯があるとは伺っております。それ以外に何か細かい内規があるかというのは把握しておりません。
○金澤委員長 今の答えで大体よろしいのではないかと思います。これ以上厳しくすると入る人がいなくなってしまうので、なるべく緩やかにはすべきだという意見がある程度あるわけです。全部あるわけではありませんが。その中でどうしても必要なのが、これ以外だとクライテリアです。それは間違いないことで、だから今の答えでよろしいかと私は思います。ポイントが違うのですか。
○小幡委員 問題意識としてはこれがきつ過ぎるということではなくて、むしろ診断基準というところで区分け出来るのではないかとは思ったのです。診断基準がある程度確立して、疾患として定義づけられていないと難しい、そこで切るのかなと思うのですけれども、患者団体の方にしてみれば、この要件に合っているのになぜ自分は入らずほかは入っているのかという不公平感があるのかと思いましたので、そのことで質問したのです。結局どちらがより支障が大きくてというような比較を懇談会で恐らくしているだろうと思いまして伺ったのですが、やはりプロセス、公開の場で俎上に上って議論したということはとても大事だと思いますので、とりあえずはそういう形で患者団体の方には納得していただくことになるのかなと思います。 
○金澤委員長 これはなかなか難しい問題で、10年以上前までは暗黙に1年1疾患ずつ増やしていこうというような変な習慣もあったくらいです。そのころは公開ではありませんでした。ですから今、それを言われてもちょっとつらいです。どういう理由か私もわからないところがたくさんあるんです。
 どうぞ。
○葛原委員 私は神経内科の医者なんですが、その件に関しては医者の方でも非常に問題ではないかということがありました。症状が同じで診断基準もはっきりしていてもっと難病、例としてパーキンソン症候群の中で、パーキンソン病は薬があるのに、進行性核上性麻痺とか皮質基底核変性症は治療法もなくて進行も早くてもっと難病なんです。だけれども、特定疾患に認定されたのは遅く、10年以上毎年毎年難病懇話会申請を続けました。結局数が少なくてもっと難病なんだけれども入っていない病気はいっぱいあるわけです。それは患者団体だけではなくて、医者の方からも繰り返し繰り返し何回陳情してもだめだったというのが10年以上続いていたわけです。
 そういう点でいうと、本当の難病の基準を満たしているものはまず入れるという前提から始めるとか、数が多いものはもう外すとかいう論議が必要だと思います。先ほど伊藤さんが入れ替えの話をしていらっしゃいましたけれども、私はやはり本当の難病は差別せずに公平に扱うという観点からこれは見直すべきだと思っています。それは患者さん団体だけではなくて、医者の目から見ても,何で入っていて何で入っていないかというのは、だれも説明がわかったとは全く思っていないと思います。歴史と、既得権と言っては悪いですが、多少そういうところがあると思います。 
○金澤委員長 どうぞ。
○伊藤委員 先ほど委員長は?に限らずほかのものもとおっしゃったんだけれども、それをやるとすごくたくさんのことを言わなければいけなくなってしまいますので、1つずつ順番にお願いしたいと思います。
 1つは、今、いろいろな御意見があるのはわかっていますが、ここで気をつけなければならないのは、「公平性」と書いてありますけれども、これは狭い意味の特定疾患対策の中だけの公平性という問題と、日本の医療とか福祉の中でほかの福祉制度やさまざまな制度の中で何でこの病気を持っている人だけが公平性という論議でこれ以上拡大されないのかという問題がありますから、大きな公平と難病対策の中だけの公平性については分けて考えないと、何かそこに押し込められてしまうと、そこだけで公平性ということで外すとか外さないということになってしまうと、それまた別な意味でもっと大きなところでの公平性から乖離してしまうのではないかということがありますので、そこのところの議論は丁寧にやっていただければありがたいなと思います。
○金澤委員長 どうぞ。
○佐々木委員 
議論の順番があるのかもしれませんが、早い段階で是非言わせていただきたいことがあります。後で議論していただくかもしれないですが、国が2分の1補助をすることになっていることにつきましては、全国知事会としても今年度も要望を出しておりますが、21年度では地方が250億円を超える超過負担を強いられております。国だけではなく地方も非常に財政が厳しいという状況であり、難病以外の施策を削ればいいではないかというご意見もありますが、具体的に保健福祉施策の中でどこを切るのかという問題も出てまいりますので、超過負担の解消がなければ、国の制度に協力してやっていくことが困難になると思っております。
他にも発言したいこともあるのですが、地方の超過負担解消のことは確実にこの委員会の議論で前に進めていっていただきたい思います。私も様々な地方の意見を踏え、今日も出席しておりますので、是非今回の議論の大きな事項として御認識をいただきたいと思います。その他細かいことはありますが、一番言いたいことはそれでございます。
よろしくお願いします。

○金澤委員長 ?の話ですね。わかりました。
ほかにどうですか。
どうぞ、小池さん。
○小池委員 この難病対策は当初制度をつくったときにはいろいろな事情があったわけです。研究費の中で研究も推進する、かつその方法として医療費の公費負担も研究費という中でやっていくということで、義務的経費にはなっていない、法律的な制度としてではなく促進するということで、それはそれで当時の知恵ですし、有効に働いていろいろなことが進んだんだろうと思うのです。考えてみますと、ずっと問題になってきているのは義務的経費でなかったとか、やはり医療の進歩とかそういうもので患者さんがどんどん増えていって予算的にはとても対応できない、国の予算も大体前年度何パーセント減とかというふうに財政当局から求められる中で、新たな疾病をどんどん追加していく余裕もなかった中でいろいろな問題が今、出てきている。
難病の対策の問題というのは、1つは医療費の負担。やはりどうしても高額になっていく医療費の負担をどうやって軽減するかという問題と、福祉雇用の問題が出ています。医療費の経済的な負担も福祉といえば福祉なんですけれども、切り離した方がいいと思うのです。
雇用とかその他の福祉、要するにホームヘルプサービス等が必要な人に行くかどうかという問題と、難病の希少な病気、研究者も少ないとか、症例数も少ないものをどうやって研究を推進していくかという3つの要素があると思うのですけれども、医療費の問題はやはり基本的には医療保険の中で解決していくのが一番公平だろうと思うんです。
それから、福祉雇用の問題。これまで日本の制度は縦割りで身体障害、知的障害、精神障害別々の仕組みでやっていたものを、特に精神障害の関係が福祉の枠組みの中からずっと外れていたものを、障害者自立支援法ができたことによって福祉サービスは一体的にやりましょうとなり、難病の方の福祉対策についてはまだまだ十分とは言えないのですけれども、準じた形で難病対策としてホームヘルプサービスだとか、福祉サービスの部分では取り組まれています。
根本的に言えば、こういう福祉政策は、あるニーズを持った人にはそういうサービスが利用できるような仕組みに縦割りでなくてすべきだろうとは思うのですけれども、一挙にそれはできない。徐々に障害者自立支援法でそうなっているし、今度障害者総合福祉法のようなもので障害者の定義をある程度弾力的に緩やかにすればできていくんだろうと思うのです。
医療費の問題を高額療養費とかそういう中でできるだけ対応していくようにして、何らか経済負担が過大にならないような仕組みは、医療保険の仕組みの中で原則的には対応していくと切り替えた方が公平の問題は解決できるのだろうと思っています。
 研究促進の問題はここにも出てきていますように、公費負担制度の中で必要なデータとか十分なデータは必ずしもとれていないという現状があるとすると、やはりもう研究協力費みたいな形で研究をする人とか患者さんに限定する方法にした方がいいのではないか。しかもそれはもう少し戦略的に、名称はどういう名称がいいのかわかりませんけれども、必要なデータをもらうとか、データを使うことにインセンティブが働くような仕組みをつくったらいいのではないかと思います。
 以上です。
○金澤委員長 ありがとうございました。
ほかにどうですか。
○伊藤委員 1つは?と?にまたがっていることだと思うんですけれども、「他制度との均衡」と書いてありますけれども、これは今、他の制度を使えば特定疾患の制度は乗らないのか、他の制度の上乗せとか併用は全くできないのかという質問が1つです。
 もう一つの質問は、?のところに書いてありますように「受給申請の審査が不十分」ということはあるんだと思いますが、診断が甘くなっているというようなことをここに書かれているわけですけれども、前回出していただいた資料の中で都道府県によって受給者証の人口10万人に対する交付率がものすごく、もう倍以上差があります。その中で小さい県についてある患者さんから御意見が我々のところに寄せられたんですけれども、この県が非常に患者数が少なくなっているのは、厚生労働省から来ておられる方が担当の責任者で非常に厳しくしている、そのことによって受給者証が少なくなっている、県の支出も少なくなるんだと。だからここで甘いと指摘していることは、今後他県もそうするつもりなのかということだったのですけれども、そこら辺り事実はいかがなのかということを聞いてみたいです。
○金澤委員長 どうぞ。
○疾病対策課長補佐 2点御質問いただきまして、他制度との併用はできないのかという話ですけれども、当然一般の医療保険制度は使える。それは皆さんも使える。その上乗せの負担軽減措置の部分として、特定疾患治療研究事業とか小慢とか自立支援医療があるんですけれども、例えば特定と小慢を併せて使うのは当然できませんし、これは法律に基づく制度ですけれども、自立支援医療を使っている場合にそれプラス上乗せ特定を使うのは、これは先ほど別紙の要綱で示しましたが、他法優先ということで2階建て、3階建てはないということで使えないということ。これは実施要綱上ですけれども、当然なっているということでございます。
○伊藤委員 他法優先というのは載っていますけれども、他法で制度を乗せていて、それに上乗せしてはいけないとは書いていないような気がするんです。よく自治体などでもやっておられますけれども、ある制度があって、それ以上の患者さんの負担については自治体が独自の判断で自己負担分の軽減策をやってなどというのは身障とか、いわゆる自立支援とか、そういうものではたくさんあるわけで、やってはいけないと書いていないような気がするのですがどうでしょうか。
○疾病対策課長補佐 やってはいけないというか、先ほどに戻りますけれども、別紙5なのですが、要綱上は実際に他の「国又は地方公共団体の負担による医療に関する給付が行われる者は除くものとする」ということですので、対象から外れるということは結果として、やはり3階建てはだめというような意味合いで我々は理解しております。
○伊藤委員 2階建てまではいいということですか。
○疾病対策課長補佐 2階建てというのは基本的にはベースの医療保険制度です。そちらはあって、その上の特定とか、その上の小慢とか、あるいは自立支援医療というようなものは当然制度として使っていただくので、更にその1つ上の特定の上に小慢を使うとか、そういうものは基本的には対象にはならない。
○伊藤委員 でも、それをやると結構費用的には、財政的には余裕ができるような気がするのですが、我々の方も研究してみたいと思います。
○金澤委員長 どうぞ。
○佐々木委員 伊藤委員から都道府県ごとに受給者証の交付率が違うというご発言があったことに関連して、資料1の?のところに、受給申請の審査が不十分という指摘があるとのことですが、指摘はどなたがされているのですか。
実務上、今の臨床調査個人票で、審査を厳密にやるとか、甘くやることができるのかなと疑問に思っています。先ほど伊藤委員の方から都道府県によって差があるとのご発言がありましたけれども、厳密にできている自治体があれば一体どうやっているのでしょうか。私も担当の者に聞いてみたのですが、現行の審査事務上、厳しくするとか緩くするというのはかなり難しいのではないかなというのが実感です。
○金澤委員長 わかりました。この部分については現場の医者の方の意見がきちんと上がってきているからでありまして、先生、どうぞ。
○葛原委員 これはもう医者の自己批判です。結局現場で考えますと、私自身もそうなんですが、まず認定基準は障害とか見かけの症状ではなくて病名によって決まっているわけです。そうしたら同じ症状なのに外れる患者さんがいっぱいある場合は申請をして、例えば先ほどの進行性核上性麻痺は特定疾患に認定されるまでは僕らはパーキンソン病に入れて申請していました。だからもう実数が絶対違ってしまうわけです。
 それから、パーキンソン病のように症度が軽いと外される、重いと入れられる場合は、やはり僕らも重くつけてあげるということをやってしまうわけです。だからこれは研究用のデータにはならない。これはもう責められてもしようがないことなんですが、現場では医者はそういう形で、できるだけ患者さんが広く救われるようにということで、外される患者さんをできるだけ少なく、しかも困っている人にはできるだけ手厚い方法はないかと常に考えながらやっています。こういう形になってしまうのは、福祉的な側面がある場合はやむを得ない面もある。これは私もきちんとやれと言われると非常につらいと思っています。
 以上です。
○金澤委員長 そういうことです。
どうぞ。
○佐々木委員 そういうお話ですので、繰り返しになりますが、県の方で事務的に審査を厳密にやるという運用が、どこかの県ができているというお話もありましたけれども、今のシステムでは正直難しいのではないかという意見を持っています
○葛原委員 ですから、基準が甘いか厳しいかは診断書を書く次元の話であって、行政のレベルではありません。僕はそういう具合に思います。これは私自身も、周りを見ても全部そうです。
○伊藤委員 そうすると前回の資料ですけれども、人口10万人当たりで全国平均では5.4人、一番多い長崎県が7.23人、一番少ない山梨県がその半分、3.88人。そうすると山梨の先生は厳密に診断されて、長崎の先生はすごくふやかしているみたいなことなんですけれども、ここが僕はよくわからない。
○金澤委員長 比率が同じではないから。
どうぞ。
○本田(麻)委員 今の件に関してなのですけれども、その疾患のことではないですが、私も取材の中でお医者さん、ドクターたちに取材をさせてもらって、患者団体の取材をさせてもらうと、特定疾患をとれるある難病と特定疾患をとれない難病とは結構似たところがある疾患だったのですけれども、ある県ではそれを持っていたらもうこれと認めてあげようという雰囲気があるところと、いやいや厳密にしなければいけないというのをお医者さんも県もある程度意思疎通みたいなものがあるみたいで、その辺が割と都道府県によって違うんだなというところが現実にありましたので、医者だけがとか県だけがということではないような感じを持ちました。
○金澤委員長 わかりました、この問題はこの2行でやめましょう。これをやっても余り意味がないから。この2行は残念ながら間違いないです。そのことだけ申し上げて、次はほかのことにしましょう。
どうぞ。
○葛原委員 資料の別紙10が13ページにあるんですが、事務局の方にお聞きしたいんですけれども、先ほどから荒木さんの方からほかの制度で賄えるものはできるだけ賄ってくれとおっしゃっているのは確かにわかるんですが、現場で患者さん、特にいろいろな制度を使おうとすると用紙をいっぱい書かなければいけないし、役所もあちこち行かなければいけない。これまた自己批判しなければいかぬかもしれないですが、できるだけ1つのもので、しかもできるだけサービスのいいもので間に合わせたいというのが現場の実感なんです。
 そうした場合に13ページの左の上のところに、これも含めてですが、例えば難病の施策は厚労省健康局疾病対策課でお金とか予算とかいろいろな基準をつくっていらっしゃるわけですね。左上のところの「介護」と書いてあるのは一般的にいうと何となく老健局の介護保険課かどこかだろうと思いますし、「福祉」は健康局の方の担当ではないかと思うのですが、所管する上の役所が全部違うときに、末端で、例えば岡山県の方などは患者さんは1つか1か所の書類で間に合うのか、全部それぞれ使おうと思えば3か所も4か所も書類を持って回らなければいけないかというのは、それはいかがなんですか。診断書は少なくともいろいろなものを使おうと思えば4枚も5枚も、大きいものから小さいものからちょっとだけ違うものを書かなければいかんというのが実感です。やはりそこら辺も統合しどこかにまとめないとうまくいかないのではないかと思ったので、質問です。
○金澤委員長 どうぞ。
○疾病対策課長補佐 まず少し誤解の点を解いておきたいのですけれども、左端の一番上の「介護・福祉サービス」については、疾病対策課の方でやっているのは難病患者さんに対する福祉サービスですので、例えば障害の制度とか、あるいは高齢者の方の介護の制度もそれぞれホームヘルプサービスがありますが、そちらのどちらにも当てはまらない方で難病患者さん、そこの谷間の部分を埋めるための制度として、これは実施率は非常に悪いのですけれども、半分いっていないのですが、こちらの健康局の方でやっている制度のことです。1点だけ修正をお願いしたいと思います。
○葛原委員 身体障害者手帳は全く別の書類になりますね。
○疾病対策課長補佐 それは別です。
○金澤委員長 少し別な観点から御意見を。
本田さん、どうぞ。
○本田(彰)委員 今の「介護・福祉サービス」のことに関連なのですけれども、居宅支援生活事業は市町村が主体でやるということで、実際にやるときに、私が現場にいたときに実施率が低いのはわかるのです。というのは、例えば私は訪問看護だったんですけれども、これをやるために事業所がいろいろ届けを出さなければいけない。また、ALSの方のような訪問看護で人工呼吸器を複数回入れるときも、また県に届出を出さなければいけない。そういうふうないろいろな届けを出さなければいけないところがあって、なかなかここに到達するまでがとても大変だったというのがあるので、お金を出してくれるというのはあるのですけれども、そこの制度が国レベルではなく、県とか市町村レベルでなかなかうまくいっていないところがあるので、そこの仕組みをうまくやっていただくようなことを、国レベルできちんと統制をとっていただけると利用がうまくいくのではないかと思うのが1つありました。
 以上です。
○金澤委員長 ありがとうございます。受け取ってもらえたと思います。
私から質問があるのですが、これからいろいろなことを考えていかなければいけない前提に、希少性疾患あるいはレアディジーズと言われるものは5,000〜7,000だということがどうも前提になっていまして、これは日本の現状に当てはめたときに本当にそうかということを考えておいた方がいいような気がするのです。
立場をはっきりさせておかなければいけないので、僕は5,000なり7,000なりがもし本当にあるならば、全部入れてしまえという感覚を持っているんです。それがもう少し現実として少ないならばそれなりに対応できるのではないかと思っているものです。
そこで質問なんですが、130疾患のほかに214疾患を選びましたね。つまり、これから今まで光が当たっていない希少疾患に光を当てようとして始まったわけですね。そのときにどのくらいアプリケーションがありましたか。214であろうはずがない、もっとあったはずです。例えば3,000、4,000ありましたか。僕はなかったと思います。その辺はどうですか。
○疾病対策課長補佐 具体的な数値はございませんが、21年度に最初に応募した際には実はなかなか応募が、余り浸透していなかったのかもしれませんが、2次公募、3次公募してようやく200弱になった。22年度については214になって、ある程度そこの場合には競争率があったのですけれども、それでも2倍3倍ということで、今、おっしゃられましたように広範囲に10倍とか100倍というようなものは研究者の応募としてございませんでした。
○金澤委員長 出てくるとしてもおおよそ500くらいではないか。難病のあれと同じでこれから増えるかもしれないけれども、当面1,000以下ではないのか。そんな感覚でこれから話を考えていってもいいかな。
山本さん、どうだろう。
○疾病対策課長 研究者の方にお聞きしても5,000〜7,000はかなり大きな数字で、日本で見たこともない疾患も入っていたり、分け方によって非常に微細に分類するとそういう名前がつくのだけれども、もうちょっと類型化できるものもあるのではないかということで、確かに研究者の方がおっしゃるには先生がおっしゃったようなオーダーであると。だから一つひとつの疾患に何人ぐらい患者さんがおられるかということについてはまだまだ未知数の部分があります。
○金澤委員長 これから考えていく上のベースですね。
 どうぞ。
○葛原委員 私は実際にその審査のお手伝いをしたもので、数からいいますと130プラス214、これで恐らく日本の研究者の目に触れている病気はほとんど尽くされていると思います。
 というのは、1年目は研究費の申請の仕方がわかりにくい書類が来たのでみんな申請しなかったのですが、それを直した2年目でどっと出てきたものを、もう既に取り上げている病気は外して全部振り分けて、初めての疾患は、研究計画とかがきちんとしているものはできるだけ取り上げるようにしてほとんど採択されていると思います。そうしますとこれを全部足すと500はいかないでしょう。もう一つは、例えばアミノ酸代謝異常症などは、酵素がちょっと違うだけで20、30とあるものを1つにまとめてしまえばぐっと減るわけですから、先生がおっしゃったように500くらいの中で考えればいいと私は思います。
○金澤委員長 ありがとうございました。
どうぞ。
○本田(麻)委員 私が不勉強なのであれなんですけれども、別紙4のところに要望が出ているこういう患者団体さんの病気は全部この214疾患の間には入っているという理解でいいのですか。
○金澤委員長 どうぞ。
○疾病対策課長補佐 入っていないものもございます、入っているものもございます。
○金澤委員長 入っていないものがあったんですか。ほとんど見たような気がするけれども。入っていないものは少ないのではないですか。
○本田(麻)委員 入っていないものは割合としては多いのですか、ほんの一部ですか。
○疾病対策課長補佐 ほとんど入っていますが、入っていないものが一部あるくらいです。
○金澤委員長 葛原先生、選んだ方として覚えていますか。今の質問はちょっと難しいね。
○葛原委員 一々対応させていけばほとんど入っているのではないかと思います。ただ、難病と我々が考えるのは、せいぜい5万人以下、よければ5,000人以下ぐらいの患者さんで、しかも治療法がなくて、原因がわからなくてというのが定義なのです。一方、こういう患者さんの団体はやはり治りにくいとか、慢性的に続くということで結成された団体が多いですから、病名だけではなくて、障害からの団体がほとんどです。ですから中には外れているもの、例えば心臓病を守る会とかいっても一部の病気は入っていましょうし、ありふれた病気はこういう研究対象になっていないということがありましょうから、やはり視点が違うという点で一部除かれるものがあるだろうと思います。
○本田(麻)委員 まさにそういう状況だからこそ、現実に例えば特定疾患に入っているものも、本当は治療薬なども出てきているけれどもずっと入ったままの、ある意味既得権益化していることが患者団体さんのそういう気持ちにつながっているのかなと改めて確認させていただきました。ちょっと言い方は失礼ですけれどもね。
○葛原委員 これを見て入っていないのが確実なのは、右側の真ん中にあるシックハウス連絡会、こんなものは絶対入っていないです。
○金澤委員長 今のことだけですね。
○伊藤委員 そういう議論はわかるのですけれども、僕はやはり既得権という言葉は使わないでいただきたい。別に何か権益があってそれを守るためにほかの病気を入れないようにしてここだけ守ろうとして患者会をやっているわけではないですから、もっともっと広くいろいろなものも入れるように、いろいろな難病患者も入るようにといっているので、既得権と言われると何か自分の権益だけを守って活動しているように思われるんです。それはちょっと適切ではないかなということと、前回僕はもっと疾患群としてまとめたらまとまるのではないかというお話をしたんですけれども、それは疾病対策課として何か検討していただけたのかどうか。
○疾病対策課長 実際には研究班の先生方にいろいろ御相談して、かなり医学的にきちんと詰めなくてはいけないので、ちょっと時間を要しておりますけれども、ずっと研究してくださった先生方に作業いただいております。
○金澤委員長 そういう方向で考えていますので。
 どうぞ。
○本間委員 やはり?の問題になるのですけれども、先ほど委員長がおっしゃったように、私も基本的には出てきた疾患は全部研究の対象にすべきだというのが本来の姿ではないかと思うのです。予算的に青天井になるという問題があるにしても、それが先進的な福祉国家の1つの姿形ではないかと思うわけです。ただ、現実には予算の制約とか体制の問題があるということで、それが今、ここまで来て大変なことになっていると思うのです。
 そういう意味でいったら、難病対策に係る費用の規模は、単純比較はできないんですが、他のいろいろな他省庁にまたがる各種の政策に比べればそれほど大きな額ではないようにも思われるので、逆にもう少し増やせないのかなという気さえするんです。とてもではないけれどもそれは無理だと、年2〜3万人、年100億円増えるんだ、ほかに比べれば伸び率も高いしということがもし理由であれば、あくまでも現行制度を上限と考えれば、入れ替え制も必要かもしれないし、基本的に病名ではなくて症状、重症度区分によってある程度線引きが必要かなと。
 今、現実に指定されている疾患の中でも、昔に比べれば比較的軽くて、就労している方もたくさんいる病気もあるわけです。そういった方々に対してまで同じような一律の医療費補助が必要かなという疑問は私どももあります。
 そういう意味では症状区分、重症度区分をメインにした線引きのやり直しを図れば、これくらいの規模の患者の研究対象としては今後吸収していけるのではないかなという気は十分します。
 以上です。
○金澤委員長 ありがとうございます。
どうでしょうか、ほかに御発言いただいていない方はないかな、一応皆さんに御発言を。
どうぞ。
○佐々木委員 「?他制度との均衡の観点」のところですが、均衡という意味でいけば、例えば小児慢性疾患などは保健所設置市も実施主体になっています。これは患者団体さんのご意見も聞いてみたいんですけれども、患者さんからしてみると、市の保健所に医療費のことを相談した際に、それは県の保健所が担当ですよと言われるよりは一括して相談できるメリットもあるのではないかという意見もありました。 それから、この制度で調剤薬局の負担が課題だったと思います。調剤薬局に行けば無料というのは昔の話ですか。院内調剤している医療機関から問題であるという意見を聞いたような記憶があるので、現状はどうなっていますでしょうか。
あとは実務面のことですが、今、更新を毎年1回、特定の時期にやっていることについては大変事務負担が大きくなっていまして、本県の担当者も更新業務の期間中に時間外勤務が多くなり、体力を消耗しながらやってくれております。例えば、病気の種類によってということなのかどうかわかりませんが、更新を2年とか3年に1回にできれば、事務負担は減ると考えられるので、検討をお願いしたいと思っております。
以上でございます。
○金澤委員長 ありがとうございました。
ついでに前々から言っているんですけれども、今のは地方行政のお立場でなのですが、医者の側からいくと、年に一遍、しかも7月だったか。
○葛原委員 9月が更新なので、7〜8月に。
○金澤委員長 7〜8月という限られた段階、これはもう理由はよくわかりました。理解はしましたけれども、やはり容認はできないです。というのは、前の年の収入を計算してからでないとだめなんだという理由を言われたんですが、そこは何か工夫があるのではないかという気がして仕方がないので、あれを分散させて誕生月、誕生日にするとかいろいろなやり方があるはずです。ついでに言いました。是非考えてください。
 ほかにどうですか。
 佐々木さんがおっしゃったものの前半に対してちょっとつまらないコメントをしますが、病院の中で難病の方に処方せんを出しますとお金をとられるんだそうです。ところが、調剤薬局に行くととられない。そういう話をされたのですか。これは不思議な話で何だかよくわからないので、患者さんたちにいつも言われて全部手書きでやっているわけです。どういうことになっているんですかね。細かいことでいろいろありますね。
 ほかにどうですか。もっと大きなことはいかがでしょうか。大体論点はこんなところでしょうか。
 まだディスカッションしなければいけないことがありますので、とりあえず論点整理についてはこの程度にさせていただきます。
 どうぞ、最後に。
○伊藤委員 補足なのですけれども、今のように一定の時期になったというのは、昔は一番最初に診断書を出した月で1年が来て、またということをやったので、それがいつの間にか一定になってしまって、それが3月だったのを夏にずらしてもらったというのがあるんですが、本当にこれはなかなか大変なことだと思います。ここも多くの患者さんからは時期の問題と毎年でなければだめなのかということはいっぱい来ていますので、何かよい方法があれば御検討いただきたいと思います。
 それから、以前2年に一遍になった時期があったのですが、これも途中でやめられてしまいましたね。やめた理由がどういうことなのかまだ聞いていませんので、いずれ時間がありましたらお願いします。
○金澤委員長 今でなくてもいいですけれども、今でいいですか。どうぞ。
○疾病対策課長 1回やめた理由は分かりませんが、建前としてこれは研究事業ですから、毎年きちんと患者さんのデータをとるという制度の設計となっています。ここでずっと議論にあります福祉的な部分と研究的な部分をどういうふうに整理するかということだと思います。
○金澤委員長 どうぞ。
○小幡委員 論点整理の3ページ「総合的施策の観点」にとてもよいことが書いてあると思うので、私は進めていくべきだと思います。
 特に1つ目ですが、こういう難病対策のようなものにもやはり予算の制約などがあるのですが、国がどのくらいきちんと対応できるかということは日本の国の力みたいなものだと思うので、仮に今後日本の国力がなくなっていくということになるとなかなか難しいのかもしれませんが、やはり日本は世界的にまだそれだけのステータスがあると思いますので、きちんと取り組むことは必要ですし、こういうふうに取り組んでいるということを含めて普及活動をして、併せて難病の患者さんに対しての社会の理解を深めることをもっと進めるべきだと思います。
 もう一つ、最後に災害弱者という話がございましたけれども、やはり3.11以降いつ大災害が来るかわからないという中で、どういうふうに危機管理をすればよいかということも再度徹底しておいた方がよいと思います。
○金澤委員長 どうもありがとうございました。
本間さんの御意見と今の小幡さんの御意見、辻さんにもいろいろ頑張っていただかなければいかぬものが入っておりますので、どうぞよろしくお願いします。
それでは、ちょっと時間が過ぎましたので、次の話題に入りたいと思います。
今度は「難治性疾患の定義について」でありまして、これは御承知の方も多いと思いますけれども、昭和47年10月に難病対策要綱という有名なものができたわけです。これによって今の難病対策が進んでいるわけでありますが、最初のときの定義はなかなかおもしろい定義というか、妙な定義というか、それがずっと長いこと続いておりまして、平成7年になって暮れも押し迫ってある改定がなされたわけです。これはこれから説明があるだろうと思いますが、これに関してどうぞ説明してください。資料2ですか。
○疾病対策課長補佐 それでは、資料2に基づきまして「難治性疾患の定義について」ということで、これまで例えばどういうふうな医学的な進歩、あるいは現状に応じた定義が変わってきているということもございますので、少しまとめて皆さんの共有の認識にしようということで資料として提出させていただいております。
 まず難病対策要綱、昭和47年10月でございます。「いわゆる難病においては、従来これを統一的な施策の対策としてとりあげていなかったが、難病患者のおかれている状況にかんがみ」ということで、基本的に定義としてなっていますのは四角で囲んだ部分でございます。
「(1)原因不明、治療法未確立であり、かつ、後遺症を残すおそれが少なくない疾病」ということで、例ということでベーチェット病、重症筋無力症、SLEが入っております。
 「(2)経過が慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず介護等に著しく人手を要するために家庭の負担が重く、また精神的にも負担の大きい疾患」ということで、例としましては小児がん、慢性腎炎、ネフローゼあるいは腎不全の人工透析の対象者、小児の異常行動とか重症心身障害児が当時は掲げられておりました。
 その際にも、なお書きでございますが、「ねたきり老人」という言葉を当時使っておりました、「ねたきり老人、がんなど、すでに個別の対策の体系が存するものについては、この対策から、除外する」というような規定で最初にスタートしております。
 それから少し年月を経まして平成7年の難病対策専門委員会、こちらの難病対策委員会の前身の前身くらいのものになりますけれども、そちらの「今後の特定疾患対策の基本的方向」という中に「特定疾患対策の重点的かつ効果的な施策の充実と推進を図るため、?希少性、?原因不明、?効果的な治療方法未確立、?生活面への長期にわたる支障(長期療養を必要とする)、という4要素に基づき対象疾患として取り上げる範囲を明確にすることが必要である」というような方向性が示されております。
 2ページにまいりまして、先ほどの特定疾患対策懇談会の方でも特定疾患治療研究事業に関する対象疾患の検討が平成7年以降行われました。
 その際に平成7年に「希少性」が入ったんですが、調査研究事業対象疾患の選定基準として、「?希少性」ということで「概ね5万人未満」。
 「?原因不明」ということで「原因又は発症機序(メカニズム)が未解明の疾患とする」。   
 「?効果的な治療方法未確立」、「完治に至らないまでも進行を阻止し、又は発症を予防し得る手法が確立されていない疾患とする」ということ。
 「?生活面への長期にわたる支障」ということで、これは長期療養を必要とするという条件ですが、説明としましては「日常生活に支障があり、いずれは予後不良となる疾患或いは生涯にわたり療養を必要とする疾患とする」ということになっております。
 「?その他」ということで「がん、脳卒中、心臓病、進行性筋ジストロフィー、重症心身障害、精神疾患などのように別に組織的な研究が行われているものについては、効率的な研究投資の観点から従来のとおり本調査研究事業から除くべきである」というような御報告をいただいております。
 それから約5年後、難病対策委員会の中間報告ということで、これが今、一番最新のものでございます。
 「今後の特定疾患の定義と治療研究事業対策疾患の選定の考え方」ということで、「現在、特定疾患については、?症例が比較的少ないために全国的な規模で研究が行われなければ対策が進まない、?原因不明、?効果的な治療方法未確立、?生活面への長期にわたる支障の4要素を満たす疾患の中から、原因究明の困難性、難治度、重症度及び患者数等を踏まえて決定されており」ということで中略がございまして、14年7月現在、特定疾患としては、ここでは研究対象、今は130疾患と言っておりますが、当時は対策研究事業において118の対象疾患が選定されており、治療法の研究が行われている。更にこれら118の対象疾患の特定疾患の中で「診断基準が一応確立している疾患の中から原因究明の困難性、難治度、重症度及び患者数等を総合的に勘案し、特定疾患対策懇談会の意見を踏まえて、45疾患」、これがいわゆる我々が最近使っています特定疾患56疾患のことですが、45疾患が順次選定されているというようなことで、この中間報告が最新でまとまっている状況でございます。
 簡単に定義、経緯を御説明申し上げました。
○金澤委員長 ありがとうございました。
難治性疾患に対する対策を抜本的に考え直そうというのだから、難治性疾患の中の難病というものをどう定義するかは実は大事なことになるのですね。そういう意味で皆さん方のお知恵をこれからも拝借したいし、まとめとして言おうと思っていたんですけれども、難病に関する研究班がたくさんあるわけですので、そういう班に関係した方々の御意見も聞くようにしたいということを提案しようと思っているんです。そういうことを一応前提にして皆さん方の御意見を伺いたいんですが、どうでしょう。
このように少しずつ変わってきているんです。多分疑問を持たれると思うのだけれども、最初はジストロフィーが入っているんです。最近、平成9年くらいからは抜けているんだけれども、ほかでちゃんとカバーされているんですね。
○疾病対策課長補佐 そのとおりです。
○金澤委員長 どうですか。
○伊藤委員 この平成9年の懇談会で議論された選定基準と14年との関係は、片方はまとまっていて片方は文章になっていますけれども、何か全く違う形で進められているのか、それとも9年、14年は続いているんでしょうか。読んでいてよくわからないところがあるんです。
○金澤委員長 どなたか説明してください。
○疾病対策課長補佐 説明が少し不足しておりましたが、全く大きく変わっているわけではなくて、続いている。その中で少し詳しく14年のものは、例えば治療研究対象疾患から特定疾患56疾患の選定について、診断基準が一応確立している疾患の中から原因究明の困難性等を勘案して選定されているというような、そこで若干規準的なものがございましたので、補足的な形で入れたものです。ですので大きく変わっているものではありません。
○伊藤委員 つまり14年のものは説明ということですか、それともやはり定義なりについて何らかの変化があったと考えるのでしょうか。
○金澤委員長 これは変化はないでしょう。自分たちとしては変化はなくて、説明しているんだと思います。もう一度、今、特定疾患はこういう定義でやっているということを言っていたと思います。14年というと大きくなっているころだな。
 今のことで、どうぞ。
○疾病対策課長 まさに先生がおっしゃってくださったとおりで、14年の段階ではほとんど考え方は変わっていなくて、それが説明されている。
また、蛇足ながら、平成9年は懇談会の報告の形になっていて、結局希少性というのを具体的にいうとどういうことなのでしょうかというところを5万人以下ということで整理してくださったりということで、実際に疾患の追加のことを審議していただいている御専門の方に、ある意味で?〜?の中身といいますか、もうちょっと詳しい説明が追加されたという感じです。
○金澤委員長 なるほど、これは懇談会と委員会の違いだな。行政に詳しい人でないとこれはわからないな。
○伊藤委員 そうするとこの委員会の基本的な方向は平成7年が生きてくることになるのか、定義としては47年がまだなお生きているのかという問題になりますので、資料として並列的に出ただけなのか聞いてみたいです。
○金澤委員長 昭和47年のものは。
○疾病対策課長 生きていますが、基本的に伊藤さんがおっしゃった方で、今までのいろいろなことを精緻に積み上げてきた結果、最新のものが今の我々の考え方として、今の私たちの立ち位置になっている。そういった意味で平成14年の下の方のアンダーライン、つまり「診断基準が一応確立している」という考え方を明示したところが平成14年のサムシングニューというか、ポイントだったということです。
○伊藤委員 説明としてはわかりますけれども、定義として要綱の定義を変えたのか。
○金澤委員長 伊藤さんの言う昭和47年のものがこのまま定義として残っているわけではないね。より詳しくなっているのではないですか。だから要綱そのものが今もというわけではなくて、歴史的意味が違うと大きいけれども、内容は変更を加えて現在に至っているという理解ではないんですか。
○伊藤委員 考え方が変わってきているのはわかるのですけれども、要綱としては変わっていないはずです。要綱の改正はなかった。
○金澤委員長 要綱を変えるわけではなくて、定義が変わったんです。
○伊藤委員 要綱の中の定義も変わっていないと思います。
○金澤委員長 どうぞ。
○外山健康局長 要綱を改廃したかどうかを御報告しますけれども、要綱が仮に死んでないとしても、先ほど言った平成9年も部会に報告したからには部会の意見として決まったわけでありますが、いずれにしろこういった厚生科学審議会で我々が尊重すべき審議会の意見としてまとまったので、やはりそれを金科玉条というか、念頭に置いてさまざまな予算事業を執行しているという点では実質的に審議会での御決定が意味を成していて、昭和47年のものが生きているか死んでいるかは調べますけれども、もはや平成9年、平成14年のものが最新の価値判断というか、我々の行政実行上のバイブルだということです。
 それと9年と14年の違いは課長が申し上げておりますけれども、恐らく14年のときに9〜14年の中でこれ以上増やすかどうかといういろいろな判断のときに、1つのものの考え方として診断基準がしっかりしていなければ運用上この事業を実行できないのではないかというところだけ加えて、あとは文章が説明的になっているのだと思います。
○金澤委員長 どうもありがとうございました。
この問題はこれくらいにしましょう。むしろ内容についてですが、どうぞ、本田さん。
○本田(麻)委員 簡単な質問で恐縮なのですけれど、ではこの平成9年14年の選定基準が生きて、これが正しいんだとすると、???、希少性、原因不明、治療方法未確立云々かんぬんというこの5つをすべて満たしたものという定義になって、どれか1つではなくて5つをすべてという理解なんですね。その上で、?とか?はぼわっとした感じにとれるんですけれども、例えば「生活面の長期にわたる支障(長期療養を必要とする)」という長期療養というのは一体どういうレベルのことをいうのか、疾患を抱えながら日常生活を何とか送れているというのはそれに当たらないのか、それとも疾患を抱えながら治療もしていたら長期療養なのかとか、その辺を明確にしたものは何かあるのでしょうか。
○金澤委員長 どうぞ、課長。
○疾病対策課長 以前のこの委員会でもお示ししたことがあるんですけれども、希少性というところだけが定量的におおむね5万人という数字の基準があって、それ以外の今まさに御質問がありました長期支障等は非常に定性的なといいますか、概念的な定義で、その説明については平成9年3月の上の方に2行くらい書いてありますけれども、それ以上の説明というか、資料としては出せるものがないというのが現状です。
先ほどの要綱のところなのですが、確かに要綱を改定しているわけではないですけれども、実は難病対策要綱は別に特定疾患治療研究事業だけを議論したのではなくて、そもそも難病対策はどういうふうにしたらいいのかという考え方で、研究だの医療だの福祉だのを全部包含した概念で広く要綱として定まっております。
一方、平成9年3月、平成14年あるいは平成7年の議論は、特にその中でも今でいう特定疾患治療研究事業あるいは当時特定疾患事業と言っていましたが、そういう医療費助成をやっている疾患のさまざまな考え方がこの当時も議論されて、その中で整理をされたという意味で、フォーカスしているエリアが違うという側面もございます。
 以上です。
○金澤委員長 ありがとうございます。
どうぞ。
○外山健康局長 要綱というのは行政側の文書、方針で、これは先ほど言ったように審議会での提言ですから、質が違うのです。
○金澤委員長 なるほど、わかりました。
本田さん、これは私の感覚的なことなのですけれども、平成9年になりますと、あるいは7年9年になりますと、もう実質的にこの事業が進んでいますので、多くの人たちの中にイメージとして病気がまずあるのです。それに引っ張られていますから、長期療養といっても定義はということは余り言われないんです。
○本田(麻)委員 何となくわかるのですけれども、例えば?の「効果的な治療方法未確立」というとどこまでを効果的な治療方法、完治しないといけないのか、それを抱えながらでも普通の生活ができればいいのかとか、その辺がわからないと、やはり医療者としては広くかけてあげようという気持ちになるのは当然なので、その辺がきちんとある程度できるのかどうかわからないんです。
○金澤委員長 そういうことも含めて定義を考え直してほしいというのがこの言葉の趣旨なんです。
 どうぞ。
○伊藤委員 それは前のときも議論が出たんです。そうすると本当に専門医の先生に、あるいは非常に優れた医療機関にかかっているある病気の方はいわゆる治療を受けながらでも社会生活が送れる。だからその病気は特定疾患に入らないのかと。片方、地方にいて専門医にも全くかかれない、だけれど同じ病気なんだと。全くかかれないで非常につらい状況にある。そうするとそれを病名でくくるのがいいのかどうなのかという議論もかなりあったので、状況イコールその疾患全体を表すのかどうかというのもまたいろいろ議論があるかと思います。
○金澤委員長 どうぞ。
○葛原委員 この資料を見せていただいて私が既得権と先ほど申し上げたのは、患者団体の既得権ではなくて、病気の既得権という意味で申し上げたので、誤解のないようにお願いしたいです。
 2ページの下にあります?の難病対策委員会の「今後の難病対策の在り方についての中間報告」という抜粋を見て思い出したのですけれども、ここに書いてあるように、先ほどから問題になっている5条件以外にどういう具合の手続をすれば特定疾患に取り上げてもらえるかというのが後半に書いてあるわけです。
 それは手続きとして、まず118という調査研究事業対象疾患にまず取り上げてもらって、何年か研究した後に初めて今度は難病懇談会の方に上げた場合に1年に1疾患ほどが特定疾患として取り上げてもらえました。僕などから見れば、特定疾患というか、お金が出るのはすごくエリート疾患で、我々が幾ら陳情しても全部門前払いを食らわされたという歴史があったので既得権という言葉を申し上げた。これは病気の既得権で、患者さんのことを申し上げたのでは全くございません。
 意見なんですが、例えば今、問題になっています214疾患の中から基準を満たすものを全部上げようとすると、ここの手続きのところは変えないといけませんね。今、調査研究疾患は130でしょう。ですから、従来の手順はまずは調査研究班の研究費をもらって、何年か研究した後に初めて今度は難病懇談会に出すという手順でした。だから10年、20年かからないと、幾ら希少性の病気であって診断基準がはっきりしていても全く門前払いを食らわされていたわけです。
 先ほどからの御議論もありますけれども、診断基準がはっきりしていて本当に希少性の疾患でこういう難病の基準を満たしているものは数が増えても、取り上げるということになりますとここの平成14年の後半のところを変えないといけないし、私はむしろ変えた方がいいだろうと思います。外から見ると既得権だというのはそういう意味ですから、伊藤さん、誤解のないように。
○金澤委員長 ありがとうございました。
いろいろな御意見があろうかと思うのですが、大事なポイントが既にもう幾つか出ているように思います。
いずれにしても今まで語られてきた定義、特に難治性であるとか希少性であるとか、そういうことに関して医学的にどう評価できるかとか、あるいは遺伝子がわかったらもうそれでわかったことになってしまうのかとか、病態、発生機序、全部きちんと理解できるようにならないとわかったことにならないのではないかとか、いろいろ時代によってこういう内容は変わっていくのではないかと思いますので、今、現実に研究をしておられる、あるいはそれを統括しておられる国内外、外国の人も含めてでしょうけれども、科学的な知見もまとめて、主な研究者に少し考えをまとめていただいて、整理していただいて、この委員会に報告してもらうということを考えておりますがどうでしょうか。これをお認めいただければありがたい。
どうぞ。
○伊藤委員 先生方に聞いてみたいのですけれども、今のこの要綱で抱える範囲の疾患はここで診断基準が確立しているということがありますね。ところが、それだけではなくてということで、研究奨励分野では診断基準が確立されていないとか、病名もつかないとか、何かよくわからない病気とか、そういうものも研究対象にしようということで始まっているんですが、そうすると先ほど課長が説明されたように、難病対策でやっていることの中の、今でいえば56疾患のような調査研究事業の分野と研究疾患の分野とはこう分かれるんだみたいなことが何かないと、診断基準が確立しているということになると一体どういうことになるのか、専門の先生方から見て、確立していないものはどうなるんだというようなこと、確立していない、診断もよくわからない、先生方によってもばらばらだみたいなものは。
○金澤委員長 それは研究対象になっていないから難しいのではないですか。
○伊藤委員 奨励分野にはそれも入れると言っていましたね。
○金澤委員長 どうぞ。
○疾病対策課長 純然たる研究という分野でどういう疾患を対象にするかというのと、今、まさに議論になっています医療費助成という言い方がいいのかわかりませんけれども、そういう特定疾患治療研究事業でやっているような医療費助成対象にするものをどういうふうに考えるのかということも含めまして、研究についてはこの中でも余り制限的な議論はなくて、広くきちんと研究することについてはサポーティブというか、支援する御意見が今までは多かったと思いますけれども、そこは確かにおっしゃるように2つ整理をした上で作業をお願いする必要があるかなと思います。
○金澤委員長 診断がついていないものについてもコメントされたけれども、一時期考えられたけれども、それはなかなか現実的に難しいんです。診断がついていないものについては。それは非常に大事ですよ。将来的に新しい疾患の確立にもなるだろうし非常に大事なんですけれども、そこまでまだ手がつけられていないと思います。
それでは、今、問いかけましたけれども、研究者でこれはという方々の御意見を伺って、この委員会で難病の定義、希少性あるいは難治性という観点から難病対策の難病というものをどういうふうに定義するかということの御意見をちょうだいしようと思いますが、よろしいですか。
ありがとうございます。では、そのように手配してください。
それでは、最後になりますが、「関連制度の審議状況について」ということでありまして、前回の委員会で伊藤さんから高額療養費制度などに関連する他制度の動きについて情報共有をしたいというお話があったんですが、今日は西辻さんがお見えになっていますので、「高額療養費の見直しについて」、どうぞ議論をお願いいたします。
○保険課長 保険課長でございます。
 簡潔に説明させていただきます。資料はお手元の資料3でございます。
 高額療養費はもう御案内のように、医療保険の3割の自己負担が高額になったときに、所得に応じて一定のところで上限をかけるという制度で、これによりまして実際に日本の医療保険制度は3割負担ですので本来70%給付率のはずなのですけれども、実効給付率は83%くらいになっているということでございます。
 1ページでございますが、6月30日にまとまりました社会保障と税の一体改革の成案の中で高額療養費について言及がされております。一番下でございます。「高額療養費の見直しによる負担軽減と、その規模に応じた受診時定額負担等の併せた検討」という文言が入っております。
背景でございます。2ページの図の左側の下の「セーフティネット機能」というところなんですけれども、先ほど御説明したような高額療養費でございますが、実際には高額療養費は今の仕組みと比べて昨今高額な治療薬を長期間にわたって、場合によっては一生服用しなければいけないといった方が増えている、あるいは現行の高額療養費制度をもってしても負担感が重い。今の高額療養費は所得に応じて3段階で負担限度額が決まっていますけれども、上位所得と低所得を抜いた真ん中の一般所得のところの所得階層の幅が非常に広くなってございます。被用者保険でいいますと、大体夫婦とお子さん1人のところでいきますと年収ベースで210〜790万円くらいの方が同じ1つの限度額、現在でいくと8万100円プラスアルファというところを使っている状況で、相対的にその中の所得の低い方、例えば300万円以下とかそういった方々に対しては非常に今の制度でも重い負担になっているというのが1点。
もう一つは、高額療養費は月単位でレセプトを見た上で限度額に該当するかどうかで出るか出ないかが決まるのですけれども、疾患によっては高額療養費の限度額を超えない、例えば月額の自己負担が6万とか7万でずっといくといった方は高額療養費の恩恵を受けないということもございまして、そういったものも踏まえて高額療養費の見直しは必要だろうということは従来から議論を行ってきたところでございます。
実は昨年も高額療養費について医療保険部会で議論を行っております。資料は6ページでございます。
このときにはいろいろな疾患の患者団体の方から私どもに対しまして高額療養費の見直しをやって欲しいという御要望をいただきました。先ほど問題点を指摘した中の特に年収の低い方、低所得ではないけれども300万円以下の方の負担を軽減できないかということで試算を出して社会保障審議会医療保険部会で議論をいただいたんですが、高額療養費の見直しは非常に大きな財政的なインパクトを伴いますので、やはり1,000億円、2,000億円のオーダーになりますと、それをなかなかうまい具合にファイナンスすることができないということで、6ページの下のところに「主な意見」とありますけれども、医療保険財政が現在各制度とも非常に厳しくなっております。これは高齢化の進展あるいは医療技術の進歩、これが医療費に反映され、医療保険者の方に保険料という形で返ってきますので、その中で給付改善のために保険料を上げるのはなかなか厳しいということでございました。
もう一つ、先ほども御議論がありましたけれども、特定疾病、1万円疾病です。医療保険部会の中でも非常に負担の重い幾つかの疾病については、現在の透析、HIV、血友病と同じような1万円疾病に追加すべきではないかという御意見もあったんですけれども、そうではなくてやはり医療保険の世界で個別疾病対策を広げるのは難しい、線引きがなかなか難しいということで、1万円疾病の追加に関してはどちらかといえば否定的な意見が医療保険部会の中では多かったという状況でございます。
そういった状況も踏まえて今回の見直しの方向でございますけれども、7ページにありますが、2つございます。上の?と?にございますが、1つは先ほど申し上げた相対的に所得の低い方の負担をより緩和するという観点から区分を細分化して限度額を決める。もう一つは、年間の上限を設ける。この2つの方向で考えております。
先週、10月12日に提案した見直しの方向性が8ページに書いてございますが、現在の所得区分、上位所得、一般、低所得、左側が現在の区分でございますが、この真ん中の一般所得のところ、先ほど申し上げた年収210〜790万円くらいのところを3段階に分けます。
600万円以上の方は従来ベース、300〜600万円の方は当初の3か月の限度額を下げる。
300万円以下の方は当初の3か月、それから4か月目以降も大きく下げるという見直しでございます。
もう一つは、右側に年間上限が書いてございますが、今、毎月毎月高額療養費に該当した場合に、当初の3か月とその後の4か月目以降で額が変わるんですけれども、4か月目以降の水準を12倍した水準をベースに年間上限を決めましょうと。上位所得の方は8万3,000円掛ける12なんですけれども、一般所得の方はそれぞれ12倍したものに0.95ないしは0.9を掛けるという形で、長期療養者の負担をより緩和するという形の提案をしてございました。
その財政影響が11ページでございます。高額療養費の改善は給付改善ですので、当然医療保険に関していくと給付増という影響が出ますけれども、給付率の変更を行ったときの波及増も含めた影響が今回の見直しのスキームでいくと医療保険制度トータルで3,600億円ということになります。それを各制度ごとに分解すると、その下に書いてあるような形になります。
もう一つ、成案の方で書かれておりました財源を受診時の定額負担に求めるということでございますけれども、今回一応外来で初診、再診を受ける際に100円ずついただくということで提案をしております。その積算、財政影響が13ページでございます。初診、再診で100円を設定した場合の影響額として、これは給付の減になるのですけれども、これが制度トータルで大体4,100億円と見ております。
ただ、成案の中に低所得者については受診時定額負担について配慮するという文言がございます。この4,100億円は配慮をした数字ではございません。ここから配慮するとなると、給付費減の幅はもうちょっと少なくなってくる。具体的には次の14ページの下の方の点線囲みのところで書いてございますが、仮に低所得者の方から初診、再診で100円を全くいただかないとした場合に800億円の影響がございます。つまり4,100億円が最大で800億円減る。つまり800億円の範囲内で低所得者についてどういう配慮をするのかを今後また改めて提案していくという状況でございます。
医療保険部会で9月から議論をしているのですけれども、主な議論といたしましては、高額療養費を見直しする、改善するということについて反対の御意見の方は委員の中にお一人もおられません。ただ、問題は財源をどうするのかということで、一般的に考えると、医療保険の中で給付改善をするんだったら保険料でやるんでしょうという言い方をされる方が多いんですけれども、実際には医療保険の保険料は先ほど申し上げましたようにどんどん毎年上がっていっている。被用者保険の代表的な保険者である協会けんぽ、昔の政管健保ですけれども、平成21年度に料率が8.2%だったものが9.34%、9.5%となって、来年度は10%を超えるという水準です。これは高齢化が進展していることと、医療技術の進歩を反映していることで、何もしなくてもそういうふうに増えていく中で、給付改善のために保険料率を上げるということはなかなか難しいのではないかという意見もございます。
ただ、やはり保険料や公費に求めるべきであるとか、こういう100円の定額負担が結果的には受診抑制につながるのではないのかといった御意見もございます。
一方、保険者サイドの委員の方からは、もし高額療養費の改善をどうしてもやるのであれば保険料は難しいので、受診時の定額負担も選択肢として検討すべきではないのかといった御意見もございます。
いずれにしても部会で出ておりますいろいろな意見を踏まえて、引き続きまた御議論をいただくという状況でございます。
大変簡単でございますが、資料の説明は以上でございます。
○金澤委員長 どうもありがとうございました。大変簡潔に話をしてくれました。
 1つだけ質問があるのですがいいですか。4ページ、高額療養費の全額がどのくらい推移してきたかというのを興味を持って見ていたんですが、14年と15年の間にギャップがありますね。これは何が原因というか、要因なんですか。
○保険課長 平成14年に医療保険制度の改正を行いまして、当時窓口負担が2割のものを3割に引き上げたというところはあると思います。
○金澤委員長 なるほど、わかりました。
よろしいでしょうか。
どうぞ。
○伊藤委員 これは質問というよりも、今日は副大臣がおいでになっているからそこにお聞きした方がいいのかと思うのですが、これは難病対策を今後どうしていくかということに非常に大きな影響を持つものだと思うんです。低所得者も含めて1,300億円くらいの規模とか、どれがどの数字なのかちょっとまだ理解し切れないでいるのですが、何百億円のことも制度を改善するとその部分がどこかに行くというお話だったんですが、それを逆に変えてみれば、低所得者の人にそれだけのお金を負担させていたということですね。そういうふうにとらえていいのかどうかというのを聞きたかったのです。
○金澤委員長 どうぞ。
○保険課長 御指摘の1,300億円といいますのは、一体改革の成案の中に工程表がございまして、高額療養費の見直しの規模が仮にこういった受診時定額負担をとったとする、あるいは先ほど申し上げたような300万円以下を軽減するといったものをやると、制度の影響としては給付費の増で3,600億円、定額負担で4,100億円なのですけれども、その中の公費の分が大体1,300億円くらいということでございます。つまり残りは保険料という、その数字だと思います。
○金澤委員長 ほかにどうですか。
○伊藤委員 そうするともっと大きい額、3,600億円が低所得者の人も出していたお金だということなのですね。
○保険課長 低所得といいますか、今回の見直しは300万円以下、600万円以下、それから、全所得階層に合わせて年間上限も入れますので、必ずしもこれが低所得者の方だけではないということです。
 それから、低所得者の方は高額療養費の制度では市町村民税非課税世帯の方ということになりますが、今回主として改善の対象になるのは低所得よりもちょっと上の方、要するに市町村民税非課税ではない、そのちょっと上くらいの、年収が300万円以下の方々が一番今まで負担感が重かったので、今回の措置で改善するということです。
○金澤委員長 ありがとうございます。
よろしいでしょうか。
どうぞ、最後の御意見としましょう。
○葛原委員 高額医療は、恐らく今までの難治性疾患も新しい薬とか治療法が出てくればどんどん出てくると思うのです。神経関係で多分一番年間薬代が高いのは、薬だけで年間2,000万円というある筋疾患です。こういう方がいらっしゃると、市町村の負担が非常に多くなって、1人2,000万円ですから、家族に2人いれば4,000万円も薬代だけで消えるというようなことです。
 これは今後も医学が進めば進むほど上がっていくと思います。基本的に今年来年ではなく、将来的に是非一体改革の中で、5年先10年先には今の2倍3倍になるかもしれないものをどうするかということできちんと制度設計しておいていただきたい。そうしないと、どこに負担を寄せるか、あるいはどこを救うかという論議を毎年しなければいけないことになるのではないかと思いますので、よろしくお願いします。
○金澤委員長 どうぞ。
○保険課長 今の市町村のお話は、市町村国保の保険者が小さい村とか町とかですと高額な医療費が出ると非常に大きな保険財政のダメージがあるというお話だと思うのですけれども、それに備えて各都道府県単位で国民健康保険団体連合会というところが高額医療費の共同事業をやっていて、一定額以上の医療費がかかった場合に事前にプールした基金から出すという制度もやっております。
 それから、高額療養費が今後伸びていくというのはまさにおっしゃるとおりで、先ほども委員長の御指摘にもございましたけれども、資料の4ページの下の方で支給額も毎年どんどん伸びておりまして、この10年間で大体2倍程度になっておりますし、国民医療費と比べて伸び率が非常に大きい。だからこの高額療養費をどういうふうにファイナンスしていくのかは非常に大きな問題だという認識は全くそのとおりでございます。
○金澤委員長 ありがとうございました。
問題点は共有できたかと思います。
そろそろ時間ですので終わりにしたいのですが、今日の論点整理あるいは論点メモはファイナルの結論が出たわけではありません。これは問題点の指摘ですから、これから更に解決の方向を探らなければいけないので、引き続き御議論を是非お願いしたいと思います。
それに関連して、必要に応じてこの委員の先生方以外の関係者からもヒアリングなどをさせていただいてはどうかなと思います。ただ、相手がいることですので、事務局とか、あるいは委員の先生方とも御相談して、次回以降どういう方をお招きするかも含めて御相談したいと思いますので、どうぞご協力いただきたいと思います。
それでは、事務局、どうぞ。
○疾病対策課長補佐 長時間にわたり御議論ありがとうございました。
 事務的には次回の開催でございますけれども、11月10日、木曜日、午前10時からを予定しております。今、委員長からお話がございましたけれども、ヒアリングを実施する等につきましては、また御相談をさせていただきたいと思います。
 以上でございます。
○金澤委員長 どうもありがとうございました。
ちょうど時間となりましたので、今日の第15回の難病対策委員会を終わりにいたします。


(了)
<照会先>

厚生労働省健康局疾病対策課
   tel 03−5253−1111
    (内線 2355・2356)
   fax 03−3593−6223

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